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2 A SPECIAL EDITION 3 経鼻インフルエンザワクチンの開発 はせがわ 長谷川 ひでき秀樹 国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター 長谷川秀樹 1993 年北海道大学医学部卒業 1993 年北海道大学大学院医学研究科入学 1995 年 1996 年米国ロックフェラー大学博士研究員,1996 年 1997 年アイルランド, ダブリン大学博士研究員,1997 年北海道大学大学院医学研究科博士課程修了 ( 病理学 医学博士 ),1997 年国立感染症研究所感染病理部研究員,2002 年同主任研究官, 2003 年同第 2 室室長,2009 年国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター第 6 室室長 横浜市立大学医学部微生物学教室客員教授, 早稲田大学理工学院非常勤講師, 慈恵医科大学微生物学教室非常勤講師, 東京大学大学院薬学研究科非常勤講師 Abstract 2009 年 4 月にメキシコを発端とする新しい抗原性を持つインフルエンザウイルス H1N1pdm が瞬く間に世界中に広がり大流行を起こした 一方で東南アジアを中心に高病原性鳥インフルエンザウイルス (H5N1) の家禽からヒトへの感染が報告されその高い致死率 (60% 以上 ) と全身感染を呈する病態から注目され更にヒトへの感染機会が増えている H5N1 株由来のヒト新型インフルエンザの発生と大流行が危惧されている インフルエンザのように感染力の高い感染症の流行予防には効果の高いワクチンが不可欠である しかし流行株の予測が不可能な新型インフルエンザに対しては流行株予測に基づく現行の季節性インフルエンザワクチンと同じ接種方法ではその効果に限界がありより効果の高いワクチンの開発が望まれている インフルエンザのような上気道の粘膜から感染する急性感染症の場合 粘膜からの感染によって誘導される粘膜免疫 特に分泌型の IgA 抗体の働きが重要な意味を持つ 本稿では粘膜免疫誘導による高病原性 H5N1 インフルエンザウイルス感染防御を目指す経鼻粘膜投与型ワクチンの開発について概説する Key words : influenza virus, nasal vaccine, mucosal immunology, IgA ものであるが, 経鼻インフルエンザワクチン はワクチンを注射ではなく鼻に噴霧して接種 するワクチンである ワクチンの注射により 誘導される抗体は血液中に存在するものであ りウイルスがヒトに感染した後に働く 抗体 にはいくつかの種類があり粘膜上に分泌され る抗体も存在する しかし粘膜上に分泌され る抗体はワクチンの注射によっては誘導され ない 感染の場となる呼吸器の粘膜上に感染 を阻止する抗体がワクチンにより準備されれ ば感染自身を抑える事となり効果の高いワク チンとなる 経鼻インフルエンザウイルスは ワクチンを注射ではなく鼻に噴霧する事によ って粘膜上へインフルエンザウイルスに対す る抗体を誘導するワクチンである 1. 経鼻ワクチンとは現在国内で使われているインフルエンザワクチンは不活化したウイルス抗原を皮下に注射してウイルス抗原に対する免疫を誘導する 2. 経鼻ワクチンのメカニズムインフルエンザウイルスは主にA 型及びB 型がヒトに感染し上気道炎を中心とする急性呼吸器症状及び小児における脳症を引起す ウイルスの表面の抗原性を変化させる事により Development of intranasal influenza vaccine : Hideki Hasegawa, Influenza Virus Research Center, National Institute of Infectious Diseases 24(386) BIO Clinica 25(5),2010

3 ワクチンの新たな展開 毎年冬に流行が起こる インフルエンザに対するワクチンは例年次の年の流行を予測しワクチンに用いる株を決定し準備される インフルエンザウイルスは抗原性が変化しやすく流行予測が正しい場合には重症化予防の効果が見られるが流行予測が外れた場合にはその効果は低くなる それは注射により誘導される血中の中和抗体であるIgG 抗体がウイルスの株特異的に働く為である またワクチンの注射による免疫は感染を防ぐものではない これらの問題点を克服する方法として経鼻粘膜投与型のワクチンがあげられる インフルエンザウイルスが上気道の粘膜に感染した時には血中の中和抗体だけでなく, 粘膜上に分泌されるタイプの抗体であるIgA 抗体が誘導される このIgA 抗体は粘膜経由で感作された抗原に対して変異が加わった抗原に対しても反応性があるという特徴 ( 交叉反応性 ) がある また, 抗体が粘膜上に分泌され粘液の中に存在する為, ウイルスの感染前に抗体が結合し感染自体を抑える事ができる このウイルスの感染時に起きる粘膜での免疫応答をワクチンにより引き起こすのが粘膜ワクチンである ワクチンにより粘膜上での免疫を誘導する方法の一つはウイルスの自然感染と同じ方法を取る生ワクチンである ウイルスを弱毒化して生きたまま鼻から感染させる方法である 米国では既に認可されフルーミスト (FluMist) の名で使用されているワクチンである これは低温に馴化させた弱毒のインフルエンザウイルスを使用するワクチンで自然感染時と同様の免疫が誘導される 生きたウイルスを使用する為, 適応年齢が2 歳 49 歳の健康な人に限られておりインフルエンザにおける最も高リスクのグループが適応年齢か ら外れている そこで国内では現在, より安全な生きたウイルスを使わない方法として不活化ワクチンを用いた経鼻インフルエンザワクチンの開発が行われている 自然感染と同様に粘膜での IgA 抗体を誘導するためにはインフルエンザ感染を模倣する必要がある そのためには防御を必要とする部位への免疫が必要でそれにより最も効果的な免疫誘導を行う事ができる インフルエンザウイルスの最初の感染部位は上気道である そこで鼻腔粘膜にワクチン接種をすることにより粘膜へのインフルエンザ特異的分泌型 IgA 抗体の誘導の試みが行われてきた 不活化ウイルス抗原よりなるワクチンを経鼻接種することにより粘膜免疫を誘導するものであるが, 抗原のみを接種しても免疫応答はほとんど見られない 抗原と共に抗原提示細胞を刺激し免疫を誘導する物質であるアジュバントを投与する事が必要である 実験的にはアジュバントとしてコレラ毒素のBサブユニット (CTB) を用いることにより, 粘膜表面へのインフルエンザウイルス特異的分泌型 IgAの誘導に成功し, さらにその IgA 抗体がサブタイプの違うインフルエンザウイルスに対する交叉防御に非常に有効で有ることが示されてきた 1) しかしスイスのワクチンメーカーが行った大腸菌易熱性毒素 (LT) をアジュバントとして用いた経鼻インフルエンザワクチンの臨床治験においてワクチン接種後に顔面神経麻痺 ( ベル麻痺 ) の発 2) 生が見られ関係が否定できない事から細菌毒素系のアジュバントは臨床応用されていない 粘膜投与型ワクチンの開発にはより安全で効果的な粘膜アジュバントの開発が不可欠となっている BIO Clinica 25(5),2010(387)25

4 A SPECIAL EDITION 3. 粘膜アジュバント開発の基礎研究獲得免疫を得るためには抗原と共に自然免疫 (Innate immunity) の刺激が必要であり粘膜での自然免疫の刺激がアジュバント作用を生み出す ウイルス感染を模倣すれば感染時と同様に有効な獲得免疫が誘導される事が期待される そこで我々はウイルスが増殖するときに産生する二本鎖 RNA(dsRNA) に注目した マウスを用いた実験では合成 dsrnaである poly(i:c) をインフルエンザワクチンと共に経鼻接種を行い最終免疫から2 週間後の鼻腔洗浄液を調べるとHA 特異的分泌型 IgA 抗体が誘導され, 更に血清中には特異的 IgG 抗体が誘導された さらにワクチンとpoly(I:C) で経鼻免疫されたマウスは致死量のウイルス攻撃感染に対して抵抗性をしめし100% 生存し, 感染の兆候も全く見られなかった 誘導されたIgA 抗体には亜型の異なるウイルス株に対し交叉防御能が見られ高い交叉反応性が示された 5) このようにトール様レセプター 3(TLR3) のリガンドであるdsRNAをワクチンと共に経鼻接種することにより, ワクチンのみでは誘導できなかった獲得免疫である粘膜免疫応答を誘導できTLR3の刺激がウイルス感染時の鼻咽頭関連リンパ装置 (NALT) での免疫応答スイッチであることが証明された 3) 更に粘膜アジュバント効果を高めるため, 自然免疫細胞の活性化レセプターの一つであるC 型レクチン Dectin-1に対するリガンドの添加によるアジュバント活性について検討した 粘膜アジュバントとしてPoly(I:C) 単独での利用の場合は, 10μgの利用で感染防御には十分な抗体応答を誘導することが示されている これに対し Zymosan 単独では,50μgを粘膜アジュバントとして利用した場合に, 鼻腔洗浄液中におい て有効なレベルのA/PR8 HA 特異的 IgA 抗体応答がみられた しかし, 単独では有効な抗体応答を誘導できないPoly(I:C) 1あるいは5μg と,Zymosan 10μgを組み合わせた場合には, A/PR8 HA 特異的な鼻腔洗浄液中 IgA 抗体および血清中 IgG 抗体応答は, 相乗的に増強されることが明らかになった この時, 血清中における中和抗体価およびHI 抗体価も相乗的に増強されることが明らかとなった ( 図 1) 致死的肺炎モデルにおいては, この併用群においては体重減少も見られず100% の生存がみられた 4) ( 図 2) 4. ヒトでの応用に向けてヒトで使える経鼻ワクチン開発の為にはヒトでの使用に安全なアジュバントが必要になる ヒトで安全性が確認されている二本鎖 RNA 製剤にAmpligen (polyi:polyc 12U) があり高病原性鳥インフルエンザH5N1に対する経鼻ワクチンのアジュバントとして現在実験的に使われておりヒトでの臨床応用を目指している 本製剤をアジュバントとして用いた経鼻インフルエンザワクチンではワクチン株と同じ株のウイルスに対しては完全な感染防御を示した 5)6) さらに抗原性の異なるウイルス株に対しても高い交叉防御能を示した 皮下接種ではこのような交叉防御効果は認められなかった 粘膜免疫を誘導する経鼻ワクチンのメリットはなんと言っても感染自身を防御する能力と抗原性の一致しないウイルス株に対しても一定の効果がある事が上げられる 高病原性鳥インフルエンザの経鼻ワクチンの実験によりワクチンの皮下接種誘導する事のできない粘膜上の免疫が誘導され, 粘膜免疫の感染防御における有利な点を引きだされた 更に, 26(388) BIO Clinica 25(5),2010

5 ワクチンの新たな展開 4 細胞性免疫誘導型 インフルエンザワクチン うちだ 内田 国立感染症研究所 てつや哲也 内田哲也 1979 年東京大学医学部卒業 1981 年ハーバード大学医学部留学,1985 年東京大学大学院医学系研究課博士課程修了 1985 年国立予防衛生研究所 ( 現国立感染症研究所 ) 入所 Key words : CTL,influenza,vaccine,liposome Abstract 現行のインフルエンザワクチンはインフルエンザウイルス表面の HA 蛋白に結合する抗体の産出を誘導し, ウイルスが宿主の細胞に感染するのを阻止することを目的としている このため, ワクチン株と異なる分子構造の HA 蛋白を持った変異株には奏功しない 我々はインフルエンザウイルスに共通に含まれるウイルス内部の蛋白を標的とし, 宿主のウイルス感染細胞を破壊 除去する細胞性免疫 (CTL) を誘導するワクチンを開発した このワクチンは季節性, 新型を含むインフルエンザウイルスの変異株に対して幅広く奏功することが期待される はじめに 2009 年にブタを起源としてヒトからヒトへ感 染する能力を持った新型インフルエンザウイル ス (S-OIV: swine-origin influenza A(H1N1) virus) が出現し, 地球規模で感染が拡大した この背 景には, 現行の季節性インフルエンザに対する ワクチンが新型インフルエンザウイルスの感染 予防に奏功しない, という問題がある 現行のインフルエンザワクチンはインフルエンザウイルス表面の HA 抗原 (hemagglutinin, ヘムアグルチニン ) に対する抗体の産生を誘導し, ウイルスが宿主の細胞に吸着するのを阻止することを目的としている 一方で, インフルエンザウイルスには表面抗原の異なる複数の亜型 ( あがた ) が存在し, HA( 16 種類 ), NA (neuraminidase, ノイラミニダーゼ,9 種類 ) の組み合わせにより, 理論的には (16 x 9=)144 通りのウイルス亜型が想定される これらのうち, 現在までのところ, ヒト-ヒト感染の能力を有するインフルエンザウイルス亜型は H1N1, H2N2,H3N2の3 種類である 抗原と抗体とはいわゆる 鍵と鍵穴 の関係にあるため, ひとつのウイルス亜型に結合する抗体は他のウイルス亜型には結合しない また, 仮にウイルス亜型が一致していても,HAのタンパク構造の一部が遺伝子変異を起こすことにより抗体が結合出来ない場合もある 現在問題になっている新型インフルエンザウイルスがウイルス亜型としては季節性インフルエンザと同じH1N1 型であるにもかかわらず, 現行の季節性インフルエンザワクチンが奏功しないのはこのためである A CTL-based liposomal vaccine capable of inducing protection against heterosubtypic influenza viruses: Tetsuya Uchida; Department of Safety Research on Blood and Biological Products, National Institute of Infectious Diseases BIO Clinica 25(5),2010(391)29

6 A SPECIAL EDITION 1. インフルエンザウイルスの変異インフルエンザウイルスは2 通りの方法で変異する ひとつは, ウイルスに感染した宿主の体内でHA,NA のセロタイプの組み替え ( 遺伝子再集合 ) が行われて新しい亜型が出現する, いわゆる antigenic shift と呼ばれるもので, もうひとつは, 同一の亜型の中で遺伝子変異がおこり, 変異体が生じる, いわゆる antigenic drift と呼ばれるものである 2009 年の新型インフルエンザウイルスは季節性インフルエンザウイルスと同じH1N1 亜型に属するが, 新型インフルエンザウイルスのHAには季節性インフルエンザウイルスのHAと比較して約 20から24パーセントの遺伝子変異部分があることが知られている 2 種類の異なるセロタイプ,H1およびH2の間におけるHA の遺伝子変異が約 40から46パーセントであることからすると, 新型インフルエンザにおけるHAの遺伝子変異は同一のセロタイプ (H1) 内における遺伝子変異としては比較的広汎なものであると言うことが出来る 米国 CDCによる調査の結果, 季節性インフルエンザワクチンによって誘導される抗体は新型インフルエンザウイルスに作用しないことが確かめられているが, これは上述の, 同一のHAセロタイプにおける 表 1 液性免疫と細胞性免疫 遺伝子変異が原因であり, 季節性インフルエンザウイルスのHAに対する抗体が新型インフルエンザウイルスのHAには結合しにくいことによると考えられる このように, 現行のインフルエンザワクチンは異なるセロタイプに対してだけでなく, 同一のセロタイプ内でも HAに遺伝子変異がおきたものに対しては十分に奏功しない場合が少なくないため, 新型インフルエンザウイルスが出現するたびに新しくワクチンを製造する必要が生じる 2. 液性免疫 と 細胞性免疫 上述のように, 現行のインフルエンザワクチンはウイルスの表面に存在する抗原に対する抗体の産生, いわゆる 液性免疫 を誘導するが, 生体にはこの他に, ウイルスに感染した細胞を攻撃 除去することによりウイルスの複製を阻止する, いわゆる 細胞性免疫 と呼ばれる機能も備わっており, ウイルスが宿主に自然感染した際には液性免疫と細胞性免疫の双方が作用して感染防御を行っていると考えられている 液性免疫がウイルスの表面抗原を標的とするのに対して, 細胞性免疫はウイルスの内部構造を含む全タンパク抗原を標的とすることができる ( 表 1) また, インフルエンザウイルスにおいてウイルス表面のタンパク抗原が頻繁に変異するのに対し, ウイルス内部を構成するタンパクは変異が少なく安定しており, ウイルス亜型間で相同性が高いことが知られている ( 表 2) そこで我々は, インフルエンザウイルスに共通に含まれている, ウイルス内部のタンパクに由来するペプチド ( アミノ酸 9 個が連なったもの ) を標的とした細胞性免疫を誘導し, ウイルス 30(392) BIO Clinica 25(5),2010

7 ワクチンの新たな展開 6 新規経皮ワクチン デバイスを用いた 貼るワクチン の開発 まつお 松尾 おかだ岡田 かずひこ Quan 1) 一彦 権 なおきなかがわ 1) 直貴 中川 1) 大阪大学大学院薬学研究科薬剤学分野 2) コスメディ製薬株式会社 Ying-Shu 英淑 2) しんさく 1) 晋作 松尾一彦 2006 年大阪大学薬学部卒,2008 年大阪大学大学院薬学研究科修士課程修了,2010 年 4 月現在大阪大学大学院薬学研究科博士後期課程 3 年 研究テーマは DDS 基盤技術を応用した新規経皮ワクチン製剤の開発 趣味はサッカー Key words : 経皮ワクチン, 親水性ゲルパッチ, 生分解性マイクロンドル, 破傷風, ジフテリア Abstract 感染症対策において唯一の根本的予防手段であるワクチンへの関心が高まるなか, ワクチン抗原の安定的生産技術の確立やワクチン普及に貢献する新たな投与方法の開発に期待が寄せられている 筆者らは簡便かつ低侵襲なワクチン手法として, 皮膚の免疫機能を利用した経皮ワクチン 貼るワクチン の開発を推進している 本稿では, ワクチン開発における薬剤学 製剤学研究の果たせる役割について, 筆者らが独自に開発した親水性ゲルパッチならびに生分解性マイクロニードルを用いた 貼るワクチン の研究成果を例に紹介する はじめに ワクチンはヒトなどの動物に接種して感染症 を予防する医薬品のことであり, 病原体の弱毒 株あるいは病原体に含まれる感染防御抗原を投 与することで体内に免疫を誘導し, 以後感染症 に罹りにくくする Edward Jenner や Louis Pasteur により始まったワクチン開発を発端に, これま でに様々な感染症に対するワクチンが創製され, それらを大別すると生ワクチン, 不活化ワクチ ン, 遺伝子ワクチンの 3 つに分類される ( 表 1) 生ワクチンは, 毒性を弱めた病原体を用いたワクチンであり弱毒生ワクチンとも呼ばれ, 一般にワクチン効果が早期に出現し, 長期間有効である また体液性免疫のみならず細胞性免疫をも誘導できる しかし, 生きている病原体を使用しているためにワクチン株の感染による副反応が出現する可能性もある 一方, 不活化ワクチンは死ワクチンとも呼ばれ, 化学処理などで免疫原性を保持したまま, 感染性を失わせた病原体を使用する また, 病原体の抗原部分のみを用いるコンポーネントワクチン ( サブユニットワクチンやペプチドワクチン ), あるいは病原体の外毒素をホルマリンなどで処理して毒性を消失させたトキソイドをも含めて不活化ワクチンと称される 不活化ワクチンは, 生ワクチンより副反応が少ないという利点を有しているが, 体液性免疫しか獲得できず免疫持続期間が短いために複数回接種を必要とするものが多い 近年では, 病原体抗原をコードした DNAを接種する遺伝子ワクチンが, 細胞性免疫の誘導に優れるとして盛んに研究開発が進められてはい Development of transcutaneous vaccination system using novel vaccine devices : Kazuhiko Matsuo 1), Quan Ying-Shu 2) Naoki Okada 1), Shinsaku Nakagawa 1), 1) Department of Biotechnology and Therapeutics, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Osaka University, 2) COSMED Pharmaceuticals. Co. Ltd. BIO Clinica 25(5),2010(401)39

8 A SPECIAL EDITION るが, 本法は臨床研究において安全性を精査している段階であり実用化には至っていない このように, ワクチン抗原の製造技術の進展により, 様々な感染症に対する有望なワクチン抗原が開発され, これまでに多大なる成果を人類にもたらしてきた しかしながら, 現在のワクチン接種方法は注射による投与 ( 皮下注射, 筋肉注射 ) がほとんどであり, 接種に医療技術者を必要とする, 輸送 保管に一貫した冷蔵管理システムが必要となりコストがかかる, などの理由から, 開発途上国などのワクチンを最も必要としている地域へ普及できていないのが現状である したがって, ワクチンを全世界へと普及するための, 簡便性 経済性に優れるワクチン接種手法の開発が強く求められている 本観点から筆者らは, 注射に代わる簡便かつ安価, ならびに低侵襲なワクチン手法として, 皮膚をターゲットとした経皮ワクチンすなわち, 貼るワクチン の開発を行っている 1. 免疫組織としての皮膚経皮ワクチンのターゲットとなる皮膚は, 高 度に免疫系が発達した組織であり, 解剖学的にみれば, 外側から角質層, 生きた表皮, 真皮の大きく3 層に分けられる ( 図 1) 生きた表皮を構成する細胞の約 90% 以上を占めるケラチノサイトは, 異物の侵入を感知してサイトカイン ケモカインなどの炎症メディエーターを産生することで自然免疫の誘導に関わる 1) またケラチノサイトの細胞間隙には, ランゲルハンス細胞 (LC) と呼ばれる強力な抗原提示細胞が存在しており, 生きた表皮にて異物を認識 捕食したLCは所属リンパ節へと遊走し,T 細胞を抗原特異的に活性化する 2) すなわち, ワクチン抗原を生きた表皮に存在する LCへと送達することさえできれば, それに続く一連の免疫メカニズムにより抗原特異的なワクチン効果が期待できる しかし皮膚の最外層を構成する角質層は分子量 500 以上の物質を透過させない物理的バリアとして機能しており, ワクチン抗原のようなペプチドや蛋白質を単に皮膚に塗布するだけでは LCの存在する生きた表皮へと送達することは困難である 3) このような背景の下, 筆者らはワクチン抗原の角質層透過を促進するデバイスとして親水性 表 1 ワクチンの種類 40(402) BIO Clinica 25(5),2010

9 私の動脈硬化研究生活を振り返って その1 さいとう ISTORY 齋藤 やすし 康 千葉大学長 齋藤 康 1968年新潟大学医学部卒業 同年新潟大学医学部附属病院 及び関連病院にて内科臨床研 修 71年新潟大学医学部第一 内科 72年徳島大学酵素研究 施設酵素生理部門 80年千葉 大学助手医学部内科学第二講 座 84年千葉大学講師医学部 内科学第二講座 93年山形大 学教授医学部臨床検査医学講 座 95千葉大学教授医学部内 科学第二講座 2001年大学院 の機構変更のため千葉大学教 授大学院医学研究院細胞治療 学 05年千葉大学医学部附属 病院長 細胞治療学教授兼任 07年年千葉大学理事 副学長 08年千葉大学長 現在に至る Key words :動脈硬化 酵素 大学紛争 臨 床研修 脂肪細胞 はじめに 人生にはいくつかの分かれ目とも言うべき地点 えば身内に心筋梗塞や脳梗塞の方がおられて た が存在するように思われる そのポイントではそ またまその場に居合わせいても何も出来ず その れからの未来に向かって憧れや夢だけが存在して 治療に難渋したことを契機にその原因である動脈 いて 多くの場合は 特に若いときにはそのため 硬化を明らかにしたい あるいは大切な人をその の知識も技術もないということではないだろうか 病気で失って何とか予防ができるように 治療が しかしそのときにすばらしい人に出会うというこ できるようにしたいと思って そのような研究に とがどれほど大事かということをいまさらながら 取り組もうとした よく入学試験の面接のときに 感じます このすばらしい人への出会いはどのよ なぜ医学部を受験しようとしたのですか という うにして起こるのだろうか 単なる偶然ではなく ふとこれがその人の人生の実力なのではないかと 多くの偉大なる人々の足跡をみて思うことがある 質問の答えに似ている 小生の場合 少なくともこのような動機には入 らない また 動脈硬化の大家が身近におられて その姿 あるいはある人にはその講義に魅せられ その意味するところは知らずに研究 という世界を見せていただいたとき 動脈硬化ということに興味を持つ場合 それぞ れの人にいろいろな動機があると思われる たと てこの道を選んだという場合もあるかも知れない これも小生には当てはまらない 大学を卒業した昭和43年は 大学紛争の真っ只 中 当時の人間はこれを大学闘争という で そ の頃に学生であった私にはその時代の科学の先端 My research life of Arteriosclerosis Part 1 :Yasushi Saito, President, Chiba university BIO Clinica

10 HISTORY を知るということは, 自分の不勉強はさておき, ままならないときでもあったと思います 少々, 言い訳になりますが, 自らの将来について考えずにはおれない状況ではありましたが, どのような医師として生きていくのか, 自ら語ることなくして生きる意味はない などと大学入学して初めて経験しているまじめな議論をマージャンをしながら, 酒を飲みながら, 遊びながらやっているという状態を楽しんでいるという学生でしたので, 学問そのものの面白さを知るという機会に遭遇することはありませんでした しかし, そんな話し合いの中で, 妙に研究の大切さとか研究の面白さというのもあるんだろうなという意見を言う仲間もいて, それは一体どういうことなのだろうと思ったものでした そのころアメリカの留学から帰られた教官 ( 現在新潟大学脳神経病理生田房弘名誉教授 ) の帰朝セミナーのようなものがありました 実験的脳腫瘍の形成機序についての話であったと思いますが, 電子顕微鏡の写真がたくさん出てきて, いろいろな粒子や粒つぶがそれぞれどんな意味があるのかということを大変熱っぽくそして楽しそうに話されるのが印象的でした 最後のスライドに腫瘍を起こすウイルスが細胞に進入するメカニズムとして膜上でそれは短くなるという現象に気づいたこと, それは精子が受精卵に取り込まれていく現象に近似するということを示され, あたかもひとつの物語を語るように研究の成果の意味を話されて, その話に大変感動したことを覚えています その意味することはほとんど理解していないと思われますが, ひとつの現象が, ひとつの機序が生体の複数の場所で起こるということが大変不思議に思えましたし, 研究ということはひょっとしたらこういうことなのかもしれないな, あるいは極めて普遍的な法則発見へのチャレンジなのか, と正確に表現できないながらもかすかに研究に憧れを持ったことも事実でした そのように考えると生体はいくつかの基本的な法則を利用して, いろいろなことをやるのではないかなどと妄想を抱いて, この法則こそが大切な のではないかなどといって, 帰朝報告をされた先生のところにいって話をしたのを覚えています 先生は劣等学生の遊びながらの妄想をじっと聞いてくれて, ひとこと 齋藤君分からないことが多いね 人間は自らを偉そうに思っているけど, 同じことは動物でもいとも簡単にやっているんだものね ということをおっしゃられたように思います そして 生体に起こるいろいろな現象を素直に見ていくことが大切だね といわれたことを思い出します このように学生に接していただいたこの先生にはそれ以来, 研究の難しさにぶつかったときに, あるときはふと何かを思い出した時, あるときはお手紙をし, あるときはお会いして, 自分の姿勢を問い直してきたように思います 研究にはきっかけとともに, その研究を支える姿勢の大切さが必要と思います あるとき先生は, アメリカに留学しているときにね, 本当に困難にぶつかったとき, どうしようもなくなったとき, 日本にいる恩師にお手紙をしてその心情を訴えたら, 俳人でもあったその先生は ( 新潟大学脳外科教授であった故中田瑞穂先生 ) 時これを解決するや春を待つ という俳句を下さったんですよ と感慨深かげにいわれました 生命に対する畏敬の念が生まれるのを感じたといっておられました すばらしい師弟愛と思いました そんな出来事がありなんとなく研究をするということに憧れを持ちながら, 研究の世界とは そのようなものなのかもしれない と, 自らが描く世界が持てるようになったと思うようになりました 勉学にはお世辞にも熱心ではなかったのですが, こんなことがあり 何とか脳細胞の電子顕微鏡写真を撮影してみてみたい と先生に申し上げましたら それはいい その標本つくりの名人がうちにはいるから教えてもらいながらやってみなさい といってくださり, 御世話になりました マウスを屠殺して, 脳を取り出して, 標本をつくるという作業 (?) を一つ一つ丁寧に教えてくださいました そのときに生田先生は実験室に来られて 実験 88(450) BIO Clinica 25(5),2010

Research 2 Vol.81, No.12013

Research 2 Vol.81, No.12013 2 5 22 25 4 8 8 9 9 9 10 10 11 12 14 14 15 7 18 16 18 19 20 21 16 17 17 28 19 21 1 Research 2 Vol.81, No.12013 Vol.81, No.12013 3 P r o d u c t s 4 Vol.81, No.12013 Research Vol.81, No.12013 5 6 Vol.81,

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