スライド 1

Size: px
Start display at page:

Download "スライド 1"

Transcription

1 2013 年 4 月 23 日 : 中国における鳥インフルエンザ A(H7N9) に係る医療関係者研修会 トリ - ヒト感染の 分子メカニズム 京都府立医科大学 医学研究科 感染病態学教室 中屋隆明

2 (H2) (N2) (H3) H1N1 H2N2 H3N2 インフルエンザのすべて 松本慶蔵編集 / 日本ロッシュを一部改変

3 インフルエンザウイルスの宿主動物 ( を改変 H4,5,7,9,10 N1,2,4,7 H1N1 H3N2 産業動物 ( 家畜 ) ブタ ニワトリ H1N1pdm H3N2v? H5N1 H7N9 ヒト 野鳥 ( 水禽類 ) H1N1 H1N1pdm H3N2 H5N1? (H2N2) H7N9? H3N8 イヌアザラシ 家禽 H1-H12 X N1-N9 アヒル H1-H16 X N1-N9 H7N7 H3N8 ウマ

4 インフルエンザウイルスパンデミックの歴史 年香港風邪 年アジア風邪 年スペイン風邪 年ブタインフルエンザ 年ロシア風邪 トリ トリ 西暦 ( 年 ) Nakaya T. Neuroinfection 2013 を改変

5 どれくらいの種類があるのか? A 型インフルエンザウイルス HA の血清型 :1~16 番 and NA の血清型 :1~9 番

6 HA: ヘマグルチニン NA: ノイラミニダーゼ Nayak DP. et al. Virus Res. Vol

7 H5N1 ウイルス A 型インフルエンザウイルス HA の血清型 :5 番 and NA の血清型 :1 番

8 H7N9 ウイルス A 型インフルエンザウイルス HA の血清型 :7 番 and NA の血清型 :9 番

9 理化学研究所 HP より引用

10 ウイルスゲノムは 8 本 ( 分節 )

11 ハイブリッドウイルスの出現 Reassortant influenza viruses Virus A Virus B Host Cell Genome Hybridization インフルエンザのすべて 松本慶蔵編集 / 日本ロッシュを一部改変

12 Gao R. et al. N Engl J Med Apr 11

13 Gao R. et al. N Engl J Med Apr 11

14 Eurosurveillance, Volume 18, Issue 15, 11 April 2013 Rapid communications Genetic analysis of novel avian A(H7N9) influenza viruses isolated from patients in China, February to April 2013 T Kageyama 1,2, S Fujisaki 1,2, E Takashita 1, H Xu 1, S Yamada 3, Y Uchida 4, G Neumann 5, T Saito 4,6, Y Kawaoka 3,5,7,8, M Tashiro

15 A(H7N9) インフルエンザウイルスのゲノム相同性 ウイルス遺伝子 もっとも近縁なウイルス株 相同性 (%) PB2 A/brambling/Beijing/16/2012 (H9N2) 99 PB1 A/chicken/Jiangsu/Q3/2010 (H9N2) 98 PA A/brambling/Beijing/16/2012 (H9N2) 99 HA A/duck/Zhejiang/12/2011 (H7N3) 95 NP A/chicken/Zhejiang/611/2011 (H9N2) 98 NA A/chicken/Czech Republic/ K/2010 (H11N9) M A/chicken/Zhejiang/607/2011 (H9N2) 98 NS A/chicken/Dawang/1/2011 (H9N2) Kageyama T. et al. Eurosurveillance, Vol. 18, 11 April 2013 を改変

16 A(H7N9) インフルエンザウイルスのゲノム相同性 ウイルス遺伝子 もっとも近縁なウイルス株 相同性 (%) PB2 A/brambling/Beijing/16/2012 (H9N2) 99 PB1 A/chicken/Jiangsu/Q3/2010 (H9N2) 98 PA A/brambling/Beijing/16/2012 (H9N2) 99 HA A/duck/Zhejiang/12/2011 (H7N3) 95 NP A/chicken/Zhejiang/611/2011 (H9N2) 98 NA A/chicken/Czech Republic/ K/2010 (H11N9) M A/chicken/Zhejiang/607/2011 (H9N2) 98 NS A/chicken/Dawang/1/2011 (H9N2) Kageyama T. et al. Eurosurveillance, Vol. 18, 11 April 2013 を改変

17 A(H7N9) インフルエンザウイルスのゲノム相同性 ウイルス遺伝子 もっとも近縁なウイルス株 相同性 (%) PB2 A/brambling/Beijing/16/2012 (H9N2) 99 PB1 A/chicken/Jiangsu/Q3/2010 (H9N2) 98 PA A/brambling/Beijing/16/2012 (H9N2) 99 HA A/duck/Zhejiang/12/2011 (H7N3) 95 NP A/chicken/Zhejiang/611/2011 (H9N2) 98 NA A/chicken/Czech Republic/ K/2010 (H11N9) M A/chicken/Zhejiang/607/2011 (H9N2) 98 NS A/chicken/Dawang/1/2011 (H9N2) Kageyama T. et al. Eurosurveillance, Vol. 18, 11 April 2013 を改変

18 A(H7N9) ウイルスの重要な遺伝子型のまとめ アミノ酸番号 A/H7N9 ヒト分離株 A/H7N9 トリ分離株 ヒト由来 トリ由来 PB2 627 K K K Nd E E E K E E627K: 哺乳動物への アダプテーション HA NA 128/138 S A A A A A A A A S138A: ヒト型レセプターへの結 合性増大 151/160 A A A A A A A K A T160A:: 糖鎖付加配列の喪失 ヒト型レセプターへの結合性増大 177/186 G V V V V V V G G G186V: ヒト型レセプターへの結 合性増大 217/226 Q L L I L L L I Q Q226L: ヒト型レセプターへの結 合性増大 Deletion No deletion 289/294/ 領域の欠損 : マウスのおける病原性増大 K R R R R R R R R R294K: オセルタミビル ザナミビ ルの感受性低下 Kageyama T. et al. Eurosurveillance, Vol. 18, 11 April 2013 を改変

19 A(H7N9) ウイルスの重要な遺伝子型のまとめ アミノ酸番号 A/H7N9 ヒト分離株 A/H7N9 トリ分離株 ヒト由来 トリ由来 PB2 627 K K K Nd E E E K E E627K: 哺乳動物への アダプテーション HA NA 128/138 S A A A A A A A A S138A: ヒト型レセプターへの結 合性増大 151/160 A A A A A A A K A T160A:: 糖鎖付加配列の喪失 ヒト型レセプターへの結合性増大 177/186 G V V V V V V G G G186V: ヒト型レセプターへの結 合性増大 217/226 Q L L I L L L I Q Q226L: ヒト型レセプターへの結 合性増大 Deletion No deletion 289/294/ 領域の欠損 : マウスのおける病原性増大 K R R R R R R R R R294K: オセルタミビル ザナミビ ルの感受性低下 Kageyama T. et al. Eurosurveillance, Vol. 18, 11 April 2013 を改変

20 ヘマグルチニン (HA) プロテアーゼによる切断 ( 開裂 ) Stevens J. et al., (2006)

21 インフルエンザウイルス HA 蛋白質の開裂部位配列は病原性を決定する重要な因子である インフルエンザのすべて 松本慶蔵編集 / 日本ロッシュを改変 細胞への侵入 (-) 細胞への侵入 (+)

22 インフルエンザウイルス HA 蛋白質の開裂部位配列はトリに対する病原性を決定する重要な因子である インフルエンザのすべて 松本慶蔵編集 / 日本ロッシュを改変 細胞への侵入 (-) 細胞への侵入 (+)

23 トリインフルエンザウイルス HA タンパク質の開裂部位のアミノ酸配列 開裂部位 弱毒型 H5ウイルス A/duck/Hong Kong/342/1978(H5N2) A/duck/Hong Kong/820/1980(H5N3) 強毒型 H5ウイルス A/goose/Guangdong/3/1997(H5N1) A/Hong Kong/486/1997(H5N1) A/crow/Kyoto/53 /04(H5N1) HA1 HA2 LVLATGLRNVPQRE TR GLFGAIAGFIEG LVLATGLRNVPQRE TR GLFGAIAGFIEG LVLATGLRNTPQRERRRKKR GLFGAIAGFIEG LVLATGLRNTPQRERRRKKR GLFGAIAGFIEG LVLATGLRNSPQRERR- KKR GLFGAIAGFIEG

24 トリインフルエンザウイルス HA タンパク質の開裂部位のアミノ酸配列 開裂部位 弱毒型 H5ウイルス A/duck/Hong Kong/342/1978(H5N2) A/duck/Hong Kong/820/1980(H5N3) 強毒型 H5ウイルス A/goose/Guangdong/3/1997(H5N1) A/Hong Kong/486/1997(H5N1) A/crow/Kyoto/53 /04(H5N1) HA1 HA2 LVLATGLRNVPQRE TR GLFGAIAGFIEG LVLATGLRNVPQRE TR GLFGAIAGFIEG LVLATGLRNTPQRERRRKKR GLFGAIAGFIEG LVLATGLRNTPQRERRRKKR GLFGAIAGFIEG LVLATGLRNSPQRERR- KKR GLFGAIAGFIEG 強毒型 H7ウイルス A/Netherlands/306/2003(H7N7) LLLATGMKNVPEIPKRRRR GLFGAIAGFIEN A(H7N9) ウイルス A/Shanghai/1/2013(H7N9) LLLATGMKNVPEIPKG----R GLFGAIAGFIEG A/Shanghai/2/2013(H7N9) LLLATGMKNVPEIPKG----R GLFGAIAGFIEG A/Anhui/1/2013(H7N9) LLLATGMKNVPEIPKG----R GLFGAIAGFIEG トリに対して弱毒型

25 レセプター結合領域 ヘマグルチニン (HA) Stevens J. et al., (2006)

26 a2-3 SA a2-6 SA Bewley CA et al. 2008

27 Stevens J. et al. (2004) インフルエンザウイルス 2 種類のレセプター レセプター結合領域 ヒト由来ウイルス a2,6 型 ブタ由来ウイルス a2,6 型 a2,3 型 トリ由来ウイルス a2,3 型

28 Stevens J. et al. (2004) A/H7N9 (2013) レセプター結合領域 ヒト由来ウイルス a2,6 型 ブタ由来ウイルス a2,6 型 a2,3 型 トリ由来ウイルス H7 a2,3 型

29 A(H7N9) ウイルスの重要な遺伝子型のまとめ アミノ酸番号 A/H7N9 ヒト分離株 A/H7N9 トリ分離株 ヒト由来 トリ由来 PB2 627 K K K Nd E E E K E E627K: 哺乳動物へのアダプテーション HA NA 128/138 S A A A A A A A A S138A: ヒト型レセプターへの結 合性増大 151/160 A A A A A A A K A T160A:: 糖鎖付加配列の喪失 ヒト型レセプターへの結合性増大 177/186 G V V V V V V G G G186V: ヒト型レセプターへの結 合性増大 217/226 Q L L I L L L I Q Q226L: ヒト型レセプター への結合性増大 Deletion No deletion 289/294/ 領域の欠損 : マウスのおける病原性増大 K R R R R R R R R R294K: オセルタミビル ザナミビ ルの感受性低下 Kageyama T. et al. Eurosurveillance, Vol. 18, 11 April 2013 を改変

30 G177V (G186V) H7 numbering (H3 numbering) Q217L/I (Q226L/I) A128S (A138S) Kageyama T. et al. Eurosurveillance, Vol. 18, 11 April 2013 を改変

31 これまでの H1N1 H5 亜型 (Seasonal (Avian Flu) Flu) 現在のH7N9 現在のH5N1 (Avian Flu) Easily 伝播力 spread 無 Rarely fatal 致死率無 Spreads slowly Often fatal 伝播力小 / 無 致死率大

32 H5N1 (Avian Flu) 変異 H5N1 (Pandemic Flu!) Spreads Spreads Easily spread slowly slowly Rarely Often Often fatal fatal 伝播力小 / 無 致死率大 Spreads Spreads slowly 伝播力 Easily spread Often slowly 大 Often Rarely fatal fatal fatal 致死率大?

33 フェレットによる H5N1 感染試験 H5N1 が哺乳類間で空気 飛沫感染するようになるには HA Q222L, G224S および新たに発見された H103Y T156A それに PB2 E627K の 5 種類の変異があればいいということが明らかになった ( 空気感染ウイルス ) 空気 飛沫感染では実験中死んだフェレットは一頭もいなかった 10 6 TCID 50 という高濃度の空気感染ウイルスを気管から接種すると全頭死んだが この現象は野生型 H5N1 と同程度であり 空気感染性を獲得したことによる病原性の変化は見られなかった 東大医科研 河岡義裕教授ら ( オランダ ) エラスムス大学 Fouchier RA 教授ら

34 < 得られた変異セットのまとめ :H5N1> 共通なもの (HA): シアル酸レセプター特異性 ( トリ型 ヒト型 ) Science: Q222L + G224S Nature: Q222L + N220K N-グリコシル化部位 非グリコシル化 Science: T156A Nature: N154D 異なるもの (HA): Science: H103Y 三量体インターフェース Nature: T318Y 構造安定化 HA 以外 : Science: PB2 E627K Nature: 2009pdm H1N1 7つのRNA 分節 Yoshiko Okamoto <J-GRID>

35 < 得られた変異セットのまとめ :H5N1 > 共通なもの (HA): シアル酸レセプター特異性 ( トリ型 ヒト型 ) Science: Q222L + G224S Nature: Q222L + N220K N-グリコシル化部位 非グリコシル化 Science: T156A Nature: N154D 異なるもの (HA): Science: H103Y 三量体インターフェース Nature: T318Y 構造安定化 HA 以外 : Science: PB2 E627K Nature: 2009pdm H1N1 7つのRNA 分節 Yoshiko Okamoto <J-GRID>

36 A(H7N9) ウイルスの重要な遺伝子型のまとめ アミノ酸番号 A/H7N9 ヒト分離株 A/H7N9 トリ分離株 ヒト由来 トリ由来 PB2 627 K K K Nd E E E K E E627K: 哺乳動物へのア ダプテーション HA NA 128/138 S A A A A A A A A S138A: ヒト型レセプターへの結 合性増大 151/160 A A A A A A A K A T160A:: 糖鎖付加配列の喪失 ヒト型レセプターへの結合性増大 177/186 G V V V V V V G G G186V: ヒト型レセプターへの結 合性増大 217/226 Q L L I L L L I Q Q226L: ヒト型レセプター への結合性増大 Deletion No deletion 289/294/ 領域の欠損 : マウスのおける病原性増大 K R R R R R R R R R294K: オセルタミビル ザナミビ ルの感受性低下 Kageyama T. et al. Eurosurveillance, Vol. 18, 11 April 2013 を改変

37

38 A(H7N9) ウイルスの重要な遺伝子型のまとめ アミノ酸番号 A/H7N9 ヒト分離株 A/H7N9 トリ分離株 ヒト由来 トリ由来 PB2 627 K K K Nd E E E K E E627K: 哺乳動物へのアダプテーション HA NA 128/138 S A A A A A A A A S138A: ヒト型レセプターへの 結合性増大 151/160 A A A A A A A K A T160A:: 糖鎖付加配列の喪失 ヒト型レセプターへの結合性増大 177/186 G V V V V V V G G G186V: ヒト型レセプターへの 結合性増大 217/226 Q L L I L L L I Q Q226L: ヒト型レセプターへの 結合性増大 Deletion No deletion 289/294/ 領域の欠損 : マウスのおける病原性増大 K R R R R R R R R R294K: オセルタミビル ザナミビルの感受性低下 Kageyama T. et al. Eurosurveillance, Vol. 18, 11 April 2013 を改変

39 まとめ (1): ヒト分離ウイルス 1. 今回の A(H7N9) ウイルスは 3 種類の異なるトリインフルエンザウイルスの遺伝子交雑体であると考えられる 2. ヒト分離ウイルス 4 株は互いに非常に類似していたが そのうちの 1 株 (A/Shanghai/1/2013) は 塩基配列上では他の 3 株とは区別され 共通の祖先から分岐した別系統の近縁ウイルスが同時期に伝播していたことが示唆された 3. ヒト分離ウイルス 4 株全ての HA 遺伝子は ヒト型のレセプターへの結合能を上昇させる変異を有していた またヒト分離株全ての PB2 遺伝子には RNA ポリメラーゼの至適温度を鳥の体温 (41 ) から哺乳類の上気道温度 (34 ) に低下させる変異が観察された これらの株については ヒト上気道に感染しやすく また増殖しやすいように変化している可能性が強く示唆された ( 国立感染研による所見を一部改変 )

40 まとめ (2): 抗インフルエンザ薬の感受性 4.NA 遺伝子の塩基配列からは ヒト分離株のうちの 1 株 A/Shanghai/1/2013 が 抗インフルエンザ薬のオセルタミビルおよびザナミビルに対する感受性が低下している可能性が指摘された しかし 現時点での酵素活性測定結果では オセルタミビル ザナミビルには感受性があるとされている 5.M 遺伝子については 解析した全てのウイルスが アマンタジン リマンタジンに対して耐性であると判断された

41 まとめ (3): トリ分離ウイルス 6. 上海市鳥市場のハト ニワトリおよび環境からの分離ウイルス 3 株は 上記ヒト分離ウイルスのうちの 3 株と同系統のウイルスと考えられる しかし 両者の間には 明らかに異なる塩基配列もあり 今回報告されたトリ分離ウイルスが 今回報告された患者に直接に感染したものであるとは考えにくい 7. 鳥 環境からの分離ウイルス 3 株の HA 遺伝子の解析では ヒト型のレセプターへの結合能が上昇していたが RNA ポリメラーゼの至適温度を低下させる変異 (PB2:E627K) は観察されなかった 8. これらの鳥由来ウイルスは鳥に対して低病原性であり 家禽 野鳥に感染しても症状を出さないと考えられる また一般的に H7 亜型のインフルエンザウイルスはブタにおいても不顕性感染であることが知られている 従って この系統のウイルスがこれらの哺乳動物の間で症状を示さずに伝播され ヒトへの感染源になっている可能性がある

なお本研究は 東京大学 米国ウィスコンシン大学 国立感染症研究所 米国スクリプス研 究所 米国農務省 ニュージーランドオークランド大学 日本中央競馬会が共同で行ったもの です 本研究成果は 日本医療研究開発機構 (AMED) 新興 再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 文部科学省新学術領

なお本研究は 東京大学 米国ウィスコンシン大学 国立感染症研究所 米国スクリプス研 究所 米国農務省 ニュージーランドオークランド大学 日本中央競馬会が共同で行ったもの です 本研究成果は 日本医療研究開発機構 (AMED) 新興 再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 文部科学省新学術領 平成 29 年 12 月 22 日 東京大学医科学研究所 ニューヨークのネコで流行した H7N2 インフルエンザウイルスの特性を解明 1. 発表者 : 河岡義裕 ( 東京大学医科学研究所感染 免疫部門ウイルス感染分野教授 ) 2. 発表のポイント : 2016 年 12 月から 2017 年 2 月にかけ 米国ニューヨーク市の動物保護シェルターで 500 匹以 上ものネコが H7N2 ネコインフルエンザウイルス

More information

‚“’à-™ƒ›®Š²Œ¾.ec9

‚“’à-™ƒ›®Š²Œ¾.ec9 京府医大誌 122(3),123~131,2013. インフルエンザ HAの病原性分子機構 123 総 説 インフルエンザウイルス HA タンパク質の病原性分子機構 * 中屋隆明 京都府立医科大学大学院医学研究科感染病態学 CriticalRoleofHemagglutinin(HA)inPathogenesisofInfluenzaViruses TakaakiNakaya DepartmentofInfectiousDiseases,

More information

Slide 1

Slide 1 第 2 回東北感染制御ネットワークフォーラム感染制御ベーシックレクチャー インフルエンザとは 東北大学医学系研究科感染制御 検査診断学分野山田充啓 インフルエンザとはどのような病気か? インフルエンザ とはインフルエンザ ウイルスに感染して起きる感染症である ( インフルエンザ (influenza): イタリア語で意味は 影響 ) 感染症とは 微生物 が ヒト に 侵入 増殖して さまざまな症状を

More information

Microsoft Word - 【広報課確認】 _プレス原稿(最終版)_東大医科研 河岡先生_miClear

Microsoft Word - 【広報課確認】 _プレス原稿(最終版)_東大医科研 河岡先生_miClear インフルエンザウイルスの遺伝の仕組みを解明 1. 発表者 : 河岡義裕 ( 東京大学医科学研究所感染 免疫部門ウイルス感染分野教授 ) 野田岳志 ( 京都大学ウイルス 再生医科学研究所微細構造ウイルス学教授 ) 2. 発表のポイント : インフルエンザウイルスが子孫ウイルスにゲノム ( 遺伝情報 ) を伝える仕組みを解明した 子孫ウイルスにゲノムを伝えるとき 8 本のウイルス RNAを 1+7 という特徴的な配置

More information

ルス薬の開発の基盤となる重要な発見です 本研究は 京都府立医科大学 大阪大学 エジプト国 Damanhour 大学 国際医療福祉 大学病院 中部大学と共同研究で行ったものです 2 研究内容 < 研究の背景と経緯 > H5N1 高病原性鳥インフルエンザウイルスは 1996 年頃中国で出現し 現在までに

ルス薬の開発の基盤となる重要な発見です 本研究は 京都府立医科大学 大阪大学 エジプト国 Damanhour 大学 国際医療福祉 大学病院 中部大学と共同研究で行ったものです 2 研究内容 < 研究の背景と経緯 > H5N1 高病原性鳥インフルエンザウイルスは 1996 年頃中国で出現し 現在までに [PRESS RELEASE] 平成 28 年 4 月 27 日 鳥インフルエンザウイルスはヒトで増殖しやすく変化する ~ 鳥インフルエンザウイルスのメカニズム解明に関する論文掲載 ~ 京都府立医科大学医学研究科感染病態学講師渡邊洋平らの研究グループは H5N1 高病原性鳥インフルエンザウイルスが感染患者体内で獲得するウイルス遺伝子変異を網羅的に解析することで ウイルスポリメラーゼ遺伝子の新たな適応変異を同定することに成功し

More information

Microsoft PowerPoint - 資料6-1_高橋委員(公開用修正).pptx

Microsoft PowerPoint - 資料6-1_高橋委員(公開用修正).pptx 第 1 回遺伝子治療等臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会 平成 29 年 4 月 12 日 ( 水 ) 資料 6-1 ゲノム編集技術の概要と問題点 筑波大学生命科学動物資源センター筑波大学医学医療系解剖学発生学研究室 WPI-IIIS 筑波大学国際睡眠医科学研究機構筑波大学生命領域学際研究 (TARA) センター 高橋智 ゲノム編集技術の概要と問題点 ゲノム編集とは? なぜゲノム編集は遺伝子改変に有効?

More information

インフルエンザ、鳥インフルエンザと新型インフルエンザの違い

インフルエンザ、鳥インフルエンザと新型インフルエンザの違い カゼの季節に入り 集団カゼやインフルエンザという文字や言葉を見聞きす ることが増えてきました 今回は インフルエンザ と 鳥 や 新型 が 付いたインフルエンザとの違いについて考えてみましょう インフルエンザは インフルエンザ でも 鳥インフルエンザ でも 新型インフルエンザ でも インフルエンザウイルスが原因です そして 3つの違いは 原因となるインフルエンザウイルスの違いによって起こります

More information

/‚“1/ŒxŒ{‚×›î’æ’¶

/‚“1/ŒxŒ{‚×›î’æ’¶ 60 1 pp.3-8 2010 1. H1N1 1) 2) 3) 4) ERATO 2009 H1N1 21 H1N1 HA PB2 2009 3 Pandemic H1N1 2009 WHO 6 11 21 2009 11 2010 4 21 H1N1 H1N1 2009 4 15 CDC 108-8639 4-6-1 TEL: 03-5449-5281 FAX: 03-5449-5408 E-mail:

More information

Microsoft Word 「ERATO河岡先生(東大)」原稿(確定版:解禁あり)-1

Microsoft Word 「ERATO河岡先生(東大)」原稿(確定版:解禁あり)-1 解禁時間 ( テレヒ ラシ オ WEB): 平成 27 年 3 月 25 日 ( 水 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) ( 新聞 ) : 平成 27 年 3 月 26 日 ( 木 ) 付朝刊 平成 2 7 年 3 月 2 3 日 科学技術振興機構 (JST) Tel:03-5214-8404( 広報課 ) 東京大学医科学研究所 Tel:03-5449-5601( 総務チーム ) 光で居場所を探せるインフルエンザウイルスの開発に成功

More information

成人の肺炎球菌感染症とワクチン予防

成人の肺炎球菌感染症とワクチン予防 講演 3 新型インフルエンザの診療と対策に関する研修 2018 年 10 月 28 日 鳥インフルエンザ A(H7N9) と A(H5N6) の 疫学状況とリスクアセスメント 大石和徳 ( 国立感染症研究所 ) 講演内容 鳥インフルエンザと新型インフルエンザ 鳥インフルエンザA(H7N9) ウイルス ウイルス学 疫学 / 臨床 ワクチン 鳥インフルエンザA(H5N6) ウイルス 新型インフルエンザの出現

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 25 (2011) 86. 線虫 C. elegans およびマウスをモデル動物とした体細胞レベルで生じる性差の解析 井上英樹 Key words: 性差, ストレス応答,DMRT 立命館大学生命科学部生命医科学科 緒言性差は雌雄の性に分かれた動物にみられ, 生殖能力の違いだけでなく形態, 行動などそれぞれの性の間でみられる様々な差異と定義される. 性差は, 形態や行動だけでなく疾患の発症リスクの男女差といった生理的なレベルの差異も含まれる.

More information

医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる

医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる 化粧品用コラーゲンの原料 現在は 魚由来が中心 かつては ウシの皮膚由来がほとんど BSE 等病原体混入の危険 人に感染する病原体をもたない アレルギーの問題は未解決 ( むしろ問題は大きくなったかもしれない ) アレルギーを引き起こす可能性 医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では

More information

59...ec6

59...ec6 No.59 2012 1 SIV SIV SIV HA NA PB1 PB2 PA NP M NS (H3N2) SIV (H1N1) SIV (H1N1) (H3N2) (H1N1) H1N2 H3N2 H1N2 H1N1 SIV (H1N1)2009 2 Proc Jpn Pig Vet Soc No.59 2012 No.59 2012 3 4 Proc Jpn Pig Vet Soc No.59

More information

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析 論文題目 腸管分化に関わる microrna の探索とその発現制御解析 氏名日野公洋 1. 序論 microrna(mirna) とは細胞内在性の 21 塩基程度の機能性 RNA のことであり 部分的相補的な塩基認識を介して標的 RNA の翻訳抑制や不安定化を引き起こすことが知られている mirna は細胞分化や増殖 ガン化やアポトーシスなどに関与していることが報告されており これら以外にも様々な細胞諸現象に関与していると考えられている

More information

2013 年 3 月 鳥インフルエンザ A(H7N9) が中国で発生し 2014 年 11 月 5 日時点で全部で 456 症例を引き起こし 172 名の命を奪っている このウイルスは家禽で低病原性 ( 感染した鳥で臨床症状は認められない ) だが 哺乳類においては種を越える事前の適応なしで致命的な

2013 年 3 月 鳥インフルエンザ A(H7N9) が中国で発生し 2014 年 11 月 5 日時点で全部で 456 症例を引き起こし 172 名の命を奪っている このウイルスは家禽で低病原性 ( 感染した鳥で臨床症状は認められない ) だが 哺乳類においては種を越える事前の適応なしで致命的な 鳥インフルエンザ A(H5N6): 東および東南アジアにおける人獣共通 鳥インフルエンザの脅威発生についての最新追加情報 Avian influenza A(H5N6): the latest addition to emerging zoonotic avian influenza threats in East and Southeast Asia EMPRES WATCH, VOL 30, NOVEMBER

More information

スライド タイトルなし

スライド タイトルなし 日本国外務省講演相談会 鳥インフルエンザ A(H7N9) に関する 講演相談会 インフルエンザ感染症対策のポイントについて 東北大学大学院医学系研究科感染制御 検査診断学分野賀来満夫 平成 25 年 4 月 自己紹介 1. 感染症専門医 感染制御医として 1300 床の東北大学病院にて インフルエンザや肺炎 敗血症などの感染症患者さんの診療 感染症対策: 院内感染の発生を予防 アウトブレイクへの対応

More information

Microsoft Word - ③鈴木先生 完成.doc

Microsoft Word - ③鈴木先生 完成.doc 総合工学第 25 巻 (2013) 21 頁 -26 頁 ヒトヘの感染力の強い高病原性鳥インフルエン ザウイルスの変異シグナル簡易監視材料の開発 と次期パンデミック阻止 -2 * 鈴木康夫 Development of a Device to Survey Human Adaptation of Highly Pathogenic Avian Influenza Viruses and its Application

More information

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について ( 別添 ) 最終的に宿主に導入された DNA が 当該宿主と分類学上同一の種に属する微生物の DNA のみである場合又は組換え体が自然界に存在する微生物と同等の遺伝子構成である場合のいずれかに該当することが明らかであると判断する基準に係る留意事項 最終的に宿主に導入されたDNAが 当該宿主と分類学上同一の種に属する微生物のDNAのみである場合又は組換え体が自然界に存在する微生物と同等の遺伝子構成である場合のいずれかに該当することが明らかであると判断する基準

More information

図 1 鳥インフルエンザの公式発表にもとづく分布 (2003 年 10 月以降 ) (2) 研究開発の概要と成果高病原性鳥インフルエンザの発生とヒトへの感染を防ぐためには 1 野鳥から家禽にウイルスを持ち込ませない 2 家禽の中での蔓延を防ぐ 3ヒトへの感染を防ぐの 3 つが重要である ( 図 2)

図 1 鳥インフルエンザの公式発表にもとづく分布 (2003 年 10 月以降 ) (2) 研究開発の概要と成果高病原性鳥インフルエンザの発生とヒトへの感染を防ぐためには 1 野鳥から家禽にウイルスを持ち込ませない 2 家禽の中での蔓延を防ぐ 3ヒトへの感染を防ぐの 3 つが重要である ( 図 2) 研究開発部門最優秀賞 インフルエンザウイルスの生態解明とライブラリーの構築 - 高病原性鳥インフルエンザの診断と予防への応用 - 北海道大学大学院獣医学研究科動物疾病制御学講座微生物学教室 ( 代表 : 喜田宏 ) 1. 研究開発の背景と目的 (1) 研究開発の背景と経緯高病原性鳥インフルエンザは家禽の最重要ウイルス疾病である 感染したニワトリの体内ではウイルスが全身で増殖し 多臓器不全や神経症状を引き起こす

More information

化を明らかにすることにより 自閉症発症のリスクに関わるメカニズムを明らかにすることが期待されます 本研究成果は 本年 京都において開催される Neuro2013 において 6 月 22 日に発表されます (P ) お問い合わせ先 東北大学大学院医学系研究科 発生発達神経科学分野教授大隅典

化を明らかにすることにより 自閉症発症のリスクに関わるメカニズムを明らかにすることが期待されます 本研究成果は 本年 京都において開催される Neuro2013 において 6 月 22 日に発表されます (P ) お問い合わせ先 東北大学大学院医学系研究科 発生発達神経科学分野教授大隅典 報道機関各位 2013 年 6 月 19 日 日本神経科学学会 東北大学大学院医学系研究科 マウスの超音波発声に対する遺伝および環境要因の相互作用 : 父親の加齢や体外受精が自閉症のリスクとなるメカニズム解明への手がかり 概要 近年 先進国では自閉症の発症率の増加が社会的問題となっています これまでの疫学研究により 父親の高齢化や体外受精 (IVF) はその子供における自閉症の発症率を増大させることが報告されています

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 112. 水痘帯状疱疹ウイルス感染機構の解明 定岡知彦 Key words: 水痘帯状疱疹ウイルス, 感染性ウイルス粒子産生 神戸大学大学院医学研究科感染症センター臨床ウイルス学 緒言水痘帯状疱疹ウイルス (varicella-zoster virus: VZV) は, ヒトに感染して初感染においては全身性に水痘を発症し, 脊髄後根神経節に潜伏した後,

More information

かなりの程度低く抑えられると想定される しかし 現在の地球人口は 74 億人 (4 倍 ) に増加しており 生活様式も大きく変化した 航空機等による高速大量輸送の発展によって 2009 年の H1N1 パンデミックにおいて経験されたように パンデミックは 2 カ月以内に世界中に波及し ほぼ全世界で同

かなりの程度低く抑えられると想定される しかし 現在の地球人口は 74 億人 (4 倍 ) に増加しており 生活様式も大きく変化した 航空機等による高速大量輸送の発展によって 2009 年の H1N1 パンデミックにおいて経験されたように パンデミックは 2 カ月以内に世界中に波及し ほぼ全世界で同 平成 24 年 10 月 16 日第 3 回有識者会議田代委員提出資料 ( 一部修正あり ) 新型インフルエンザ事前準備 緊急対応体制の再構築 プレパンデミックワクチンの意義と必要性 国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長 田代眞人 [ 鳥 ブタ ヒトのインフルエンザ ] A 型インフルエンザウイルスは HA タンパクの抗原性により 16 の亜型が区別される これらはカモなど水棲類の渡り鳥を起源とし

More information

鳥インフルエンザから新型インフルエンザ大流行へ

鳥インフルエンザから新型インフルエンザ大流行へ H1 - H16 N1 - N9 Aquatic birds Poultry Humans Pigs Horses Aquatic mammals Cats Dogs Influenza Branch ( ) 1997 H5N1 18 6 H5N1 HPAI 2004 36,169 7 5 210,431-27 Feb. 2004, Chickens 6, 1 12 Jan.2004 Chickens

More information

DVDを見た後で、次の問いに答えてください

DVDを見た後で、次の問いに答えてください ( 実験責任者 実験従事者兼用 ) 理解度テスト問題 動画を視聴した後に この問題を見ながら設問に答えてください ( 二択もしくは複数選択問題です 正しいものを全て選んでください ) 問題 1 HIV-1 の病原性に関与しない rev 遺伝子を pcdna3.1 と pet28a プラスミド ( 図 1 参照 ) に挿入し COS 細胞および大腸菌で発現させる実験を計画した Step 1. Step

More information

2003 年後半から 新たな強毒型 H5N1 鳥インフルエンザの流行が東アジアから始まった その後 急速に 東南アジア 中国 韓国 日本 シベリア南部 中東 欧州 北アフリカへと拡大を続けている ウイルスは超強毒性で 家禽 野鳥 ネコ トラ イヌ ネズミなど多くの哺乳動物にも感染して 致死的な全身感

2003 年後半から 新たな強毒型 H5N1 鳥インフルエンザの流行が東アジアから始まった その後 急速に 東南アジア 中国 韓国 日本 シベリア南部 中東 欧州 北アフリカへと拡大を続けている ウイルスは超強毒性で 家禽 野鳥 ネコ トラ イヌ ネズミなど多くの哺乳動物にも感染して 致死的な全身感 有識者会議 ( 第 3 回 ) 田代委員提出資料概要 P1~5 本編 P6~17 新型インフルエンザ事前準備 緊急対応体制の再構築 ( 概要 ) 国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター田代眞人 [ 鳥 ブタ ヒトのインフルエンザ ] [ 新型インフルエンザ大流行 ] 20 世紀に 3 回起ったパンデミックと 21 世紀最初のパンデミック (H1N1)2009 など過去の大流行は すべて弱毒型の鳥やブタのウイルス由来だった

More information

Microsoft Word - 【要旨】_かぜ症候群の原因ウイルス

Microsoft Word - 【要旨】_かぜ症候群の原因ウイルス かぜ症候群の原因ウイルス ~ サフォードウイルスもそのひとつ?~ 新潟県保健環境科学研究所ウイルス科主任研究員広川智香 1 はじめにかぜ症候群とは, 鼻やのど, 気管支や肺に急性の炎症をきたす疾患の総称で, その原因となる病原体は 80~90% がウイルスといわれています 主な原因ウイルスとしてはライノウイルス, コロナウイルス, パラインフルエンザウイルス,RS ウイルス, インフルエンザウイルスなどがあげられます

More information

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について 食安基発 0627 第 3 号 平成 26 年 6 月 27 日 各検疫所長殿 医薬食品局食品安全部基準審査課長 ( 公印省略 ) 最終的に宿主に導入されたDNAが 当該宿主と分類学上同一の種に属する微生物のDNAのみである場合又は組換え体が自然界に存在する微生物と同等の遺伝子構成である場合のいずれかに該当することが明らかであると判断する基準に係る留意事項について 食品 添加物等の規格基準 ( 昭和

More information

記載例 : ウイルス マウス ( 感染実験 ) ( 注 )Web システム上で承認された実験計画の変更申請については 様式 A 中央の これまでの変更 申請を選択し 承認番号を入力すると過去の申請内容が反映されます さきに内容を呼び出してから入力を始めてください 加齢医学研究所 分野東北太郎教授 組

記載例 : ウイルス マウス ( 感染実験 ) ( 注 )Web システム上で承認された実験計画の変更申請については 様式 A 中央の これまでの変更 申請を選択し 承認番号を入力すると過去の申請内容が反映されます さきに内容を呼び出してから入力を始めてください 加齢医学研究所 分野東北太郎教授 組 記載例 : ウイルス マウス ( 感染実験 ) ( 注 )Web システム上で承認された実験計画の変更申請については 様式 A 中央の これまでの変更 申請を選択し 承認番号を入力すると過去の申請内容が反映されます さきに内容を呼び出してから入力を始めてください 加齢医学研究所 分野東北太郎教授 組換えマウスを用いたヒト HSP90 遺伝子の機能解析 2012 5 2015 3 部分一致で検索可能です

More information

TuMV 720 nm 1 RNA 9,830 1 P1 HC Pro a NIa Pro 10 P1 HC Pro 3 P36 1 6K1 CI 6 2 6K2VPgNIa Pro b NIb CP HC Pro NIb CP TuMV Y OGAWA et al.,

TuMV 720 nm 1 RNA 9,830 1 P1 HC Pro a NIa Pro 10 P1 HC Pro 3 P36 1 6K1 CI 6 2 6K2VPgNIa Pro b NIb CP HC Pro NIb CP TuMV Y OGAWA et al., 21 1980 2000 DNA I Molecular Evolution and Ecology of Turnip mosaic virus. By Kazusato OHSHIMA DNA TYLCV1 RNA Rice yellow mottle virus RYMV 1 RNA Turnip mosaic virus ; TuMV TuMV TuMV TuMV II 1 TuMV OHSHIMA

More information

nagasaki_GMT2015_key09

nagasaki_GMT2015_key09 Workflow Variant Calling 03 長崎は遺伝研 大量遺伝情報研究室の所属です 国立遺伝学研究所 生命情報研究センター 3F 2F 欧州EBIと米国NCBIと密接に協力しながら DDBJ/EMBL/GenBank国際塩基配列データ ベースを構築しています 私たちは 塩基配列登録を支援するシステムづくり 登録データを活用するシステムづくり 高速シーケンス配列の情報解析 を行なっています

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 23(2009) 149. サルエイズウイルスのヒトへの感染伝播を規定する宿主制御因子の解明 武内寛明 Key words: エイズウイルス, 異種間感染, 感染症, 人畜共通感染症, 新興感染症 東京大学医科学研究所感染症国際研究センター微生物学分野 緒言ヒト後天性免疫不全症候群 ( ヒトエイズ ) は, ヒト免疫不全ウイルス (HIV) によって引き起こされる慢性持続感染症である.

More information

<4D F736F F D E95F14E565F838C D955F907D90E096BE5F8F4390B394C5816A2E646F63>

<4D F736F F D E95F14E565F838C D955F907D90E096BE5F8F4390B394C5816A2E646F63> 広島市におけるノロウイルス GⅡ/4 のカプシド蛋白質 P2 ドメインの解析 (2006~2010 年 ) 阿部勝彦山本美和子 田中寛子橋本和久 藤井慶樹野田 * 衛 井澤麻由 2006 年 ~2010 年に検出された Norovirus(NoV)GⅡ/4のカプシド蛋白質をコードする ORF2 の P2 ドメインの遺伝子解析を行い, 分子モデルによる検討を行った 調査期間中の NoV GⅡ/4 は大きく

More information

05.pdf, page Preflight

05.pdf, page Preflight 名古屋学芸大学健康 栄養研究所年報第 4 号 2010 年 報告 インフルエンザの基礎知識とその背景 * 山本勝彦 要旨インフルエンザの基礎的知識とその背景について講演を行なった 感染症パンデミックに対する基本的理念として次のことが私は強調したい インフルエンザは 社会で人的交流及び活躍の度合いの高い人ほど感染の機会が多く かつ 高齢者 幼児などが感染しやすい 我々は 感染してしまった人を差別してはならず

More information

スライド 1

スライド 1 ウエストナイルウイルス 特異的血清検査法 独立行政法人農業 食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 動物疾病対策センター知的基盤管理室 清水眞也 West Nile Virus (WNV) WNV はフラビウイルス科フラビウイルス属に属する エンベロープを有する RNA ウイルスで 野鳥と蚊の間で維持および増幅される WNV 感染症は ヒト 産業動物および野生動物に被害をもたらす 世界的に重要な人獣共通感染症である

More information

Program

Program 7th Negative Strand Virus-Japan Symposium Okinawa /2018.1.15(Mon)-1.17(Wed) Program Monday / January 15 15:00-15:10 Opening Remarks 河岡 義裕 東京大学医科学研究所 動物モデルを用いたウイルスの性状解析 座長 竹内 薫 筑波大学 15:10-15:25 ハムスターにおけるインフルエンザウイルスの飛沫伝播解析

More information

加藤茂孝先生

加藤茂孝先生 Shigetaka KATOW 2009 4 24 WHO 5 9 1 5 16 1 TV 6 12 6 11 WHO 6 4 5 12 E-mail : modern_media@eiken.co.jp 2009. 4. 28. http:idsc.nih.go.jpidwrkanjaweeklygraph01flu.html 0101-0051 - RIKEN Center of Research

More information

Microsoft Word 河岡H18終了報告書 冊子用p80.DOC

Microsoft Word 河岡H18終了報告書 冊子用p80.DOC 戦略的創造研究推進事業 CREST 研究領域 免疫難病 感染症等の先進医療技術 研究課題 インフルエンザウイルス感染過程の解明とその応用 研究終了報告書 研究期間平成 13 年 12 月 ~ 平成 19 年 3 月 研究代表者 : 河岡義裕 ( 東京大学医科学研究所 教授 ) 1 研究実施の概要 研究の背景とねらい 人類はこれまで多数の伝染病を克服してきたが ウイルス疾患でその制圧に成功した例は天然痘

More information

く 細胞傷害活性の無い CD4 + ヘルパー T 細胞が必須と判明した 吉田らは 1988 年 C57BL/6 マウスが腹腔内に移植した BALB/c マウス由来の Meth A 腫瘍細胞 (CTL 耐性細胞株 ) を拒絶すること 1991 年 同種異系移植によって誘導されるマクロファージ (AIM

く 細胞傷害活性の無い CD4 + ヘルパー T 細胞が必須と判明した 吉田らは 1988 年 C57BL/6 マウスが腹腔内に移植した BALB/c マウス由来の Meth A 腫瘍細胞 (CTL 耐性細胞株 ) を拒絶すること 1991 年 同種異系移植によって誘導されるマクロファージ (AIM ( 様式甲 5) 氏 名 山名秀典 ( ふりがな ) ( やまなひでのり ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲 第 号 学位審査年月日 平成 26 年 7 月 30 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 Down-regulated expression of 学位論文題名 monocyte/macrophage major histocompatibility

More information

Microsoft Word - 【最終】リリース様式別紙2_河岡エボラ _2 - ak-1-1-2

Microsoft Word - 【最終】リリース様式別紙2_河岡エボラ _2 - ak-1-1-2 新しいエボラワクチンの開発に成功 ワクチンの有効性をサルで証明 1. 発表者 : 河岡義裕 ( 東京大学医科学研究所感染 免疫部門ウイルス感染分野 教授 ) 2. 発表のポイント : 新しいエボラウイルス ( 注 1) ワクチンを開発し 霊長類において 本ワクチン の有効性を示した 本ワクチンは エボラウイルスの遺伝子の一部を欠損した変異エボラウイルスを 基に作製しているため 安全性が高く ワクチン効果が高い

More information

今後の展開現在でも 自己免疫疾患の発症機構については不明な点が多くあります 今回の発見により 今後自己免疫疾患の発症機構の理解が大きく前進すると共に 今まで見過ごされてきたイントロン残存の重要性が 生体反応の様々な局面で明らかにされることが期待されます 図 1 Jmjd6 欠損型の胸腺をヌードマウス

今後の展開現在でも 自己免疫疾患の発症機構については不明な点が多くあります 今回の発見により 今後自己免疫疾患の発症機構の理解が大きく前進すると共に 今まで見過ごされてきたイントロン残存の重要性が 生体反応の様々な局面で明らかにされることが期待されます 図 1 Jmjd6 欠損型の胸腺をヌードマウス PRESS RELEASE(2015/11/05) 九州大学広報室 819-0395 福岡市西区元岡 744 TEL:092-802-2130 FAX:092-802-2139 MAIL:koho@jimu.kyushu-u.ac.jp URL:http://www.kyushu-u.ac.jp 免疫細胞が自分自身を攻撃しないために必要な新たな仕組みを発見 - 自己免疫疾患の発症機構の解明に期待 -

More information

Microsoft Word - Program-1.doc

Microsoft Word - Program-1.doc 6th Negative Strand Virus-Japan Symposium Okinawa /2017.1.16(Mon)-1.18(Wed) Program Monday / January 16 15:00-15:10 Opening Remarks/ 河岡義裕 東京大学医科学研究所 ウイルス感染と宿主応答の分子基盤 Ⅰ 座長 : 福山聡 / 東京大学医科学研究所 15:10-15:26

More information

Microsoft PowerPoint - 4_河邊先生_改.ppt

Microsoft PowerPoint - 4_河邊先生_改.ppt 組換え酵素を用いた配列部位 特異的逐次遺伝子導入方法 Accumulative gene integration system using recombinase 工学研究院化学工学部門河邉佳典 2009 年 2 月 27 日 < 研究背景 > 1 染色体上での遺伝子増幅の有用性 動物細胞での場合 新鮮培地 空気 + 炭酸ガス 使用済み培地 医薬品タンパク質を生産する遺伝子を導入 目的遺伝子の多重化

More information

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル 60 秒でわかるプレスリリース 2007 年 12 月 17 日 独立行政法人理化学研究所 免疫の要 NF-κB の活性化シグナルを増幅する機構を発見 - リン酸化酵素 IKK が正のフィーッドバックを担当 - 身体に病原菌などの異物 ( 抗原 ) が侵入すると 誰にでも備わっている免疫システムが働いて 異物を認識し 排除するために さまざまな反応を起こします その一つに 免疫細胞である B 細胞が

More information

最近の動物インフルエンザの発生状況と検疫対応

最近の動物インフルエンザの発生状況と検疫対応 講演要旨 最近の動物インフルエンザの発生状況と検疫対応 動物検疫所精密検査部衛藤真理子 1 はじめに近年 H5 及び H7 亜型の高病原性鳥インフルエンザ (HPAI) が世界的に流行まん延し 養鶏業に被害を及ぼすとともに 人への感染例が報告される国もあり 新型インフルエンザウイルス出現への脅威となることから対策が強化されている 我が国では 2004 年の 79 年ぶりの HPAI の発生以降 8

More information

Taro-H23.08

Taro-H23.08 8. 牛コロナウイルス株と臨床症状の関連およびウイルス常在化に関する考察 大分県大分家畜保健衛生所 病鑑首藤洋三病鑑滝澤亮 はじめに 牛コロナウイルス (BCV) は ウイルス性下痢の一主要原因であり 呼吸器病にも関与すると成書に記載されている しかも本ウイルスは農場で容易に常在化し 侵入するとなかなか抜けない性質を持つと言われている 10) しかしながら ウイルス株と臨床症状の関連や 農場常在化については未だ不明な点が多い

More information

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産 TOKYO UNIVERSITY OF SCIENCE 1-3 KAGURAZAKA, SHINJUKU-KU, TOKYO 162-8601, JAPAN Phone: +81-3-5228-8107 報道関係各位 2018 年 8 月 6 日 免疫細胞が記憶した病原体を効果的に排除する機構の解明 ~ 記憶 B 細胞の二次抗体産生応答は IL-9 シグナルによって促進される ~ 東京理科大学 研究の要旨東京理科大学生命医科学研究所

More information

3.2013/14シーズンのインフルエンザアップデート(12/25現在)

3.2013/14シーズンのインフルエンザアップデート(12/25現在) 平成 30 年度新型インフルエンザの診療と対策に関する研修日時 2018 年 10 月 28 日 ( 日 ) 第 II 部講演 5 15:00-15:35 講演 5 近年の季節性インフルエンザの状況 砂川富正 sunatomi@niid.go.jp 国立感染症研究所感染症疫学センター第 2 室長 ( 協力 : 高橋琢理 有馬雄三 大石和徳他 ) 当センターは感染研のコミュニケーション活動 の一環としてサーベイランス情報を中心に感染症の情報を国民へ還元しています

More information

Microsoft Word - Gateway technology_J1.doc

Microsoft Word - Gateway technology_J1.doc テクノロジー Gateway の基本原理 テクノロジーは λ ファージが大腸菌染色体へ侵入する際に関与する部位特異的組換えシステムを基礎としています (Ptashne, 1992) テクノロジーでは λ ファージの組換えシステムのコンポーネントを改変することで 組み換え反応の特異性および効率を高めています (Bushman et al, 1985) このセクションでは テクノロジーの基礎となっている

More information

60 秒でわかるプレスリリース 2008 年 2 月 19 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス反応を増強する重要分子 PDC-TREM を発見 - 形質細胞様樹状細胞が Ⅰ 型インターフェロンの産生を増幅する仕組みが明らかに - インフルエンザの猛威が続いています このインフルエンザの元凶であるインフルエンザウイルスは 獲得した免疫力やウイルスに対するワクチンを見透かすよう変異し続けるため 人類はいまだ発病の恐怖から免れることができません

More information

記載例 : 大腸菌 ウイルス ( 培養細胞 ) ( 注 )Web システム上で承認された実験計画の変更申請については 様式 A 中央の これまでの変更 申請を選択し 承認番号を入力すると過去の申請内容が反映されます さきに内容を呼び出してから入力を始めてください 加齢医学研究所 分野東北太郎教授 ヒ

記載例 : 大腸菌 ウイルス ( 培養細胞 ) ( 注 )Web システム上で承認された実験計画の変更申請については 様式 A 中央の これまでの変更 申請を選択し 承認番号を入力すると過去の申請内容が反映されます さきに内容を呼び出してから入力を始めてください 加齢医学研究所 分野東北太郎教授 ヒ 記載例 : 大腸菌 ウイルス ( 培養細胞 ) ( 注 )Web システム上で承認された実験計画の変更申請については 様式 A 中央の これまでの変更 申請を選択し 承認番号を入力すると過去の申請内容が反映されます さきに内容を呼び出してから入力を始めてください 加齢医学研究所 分野東北太郎教授 ヒト HSP90 cdna 発現アデノウイルスの作製 および哺乳動物細胞への組換えウイルス感染実験 2012

More information

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - がんやウイルスなど身体を蝕む病原体から身を守る物質として インターフェロン が注目されています このインターフェロンのことは ご存知の方も多いと思いますが 私たちが生まれながらに持っている免疫をつかさどる物質です 免疫細胞の情報の交換やウイルス感染に強い防御を示す役割を担っています

More information

<4D F736F F F696E74202D B AB490F591CE8DF482AD947A957A8E9197BF816A2E >

<4D F736F F F696E74202D B AB490F591CE8DF482AD947A957A8E9197BF816A2E > インフルエンザが流行しています インフルエンザの感染防止対策 2015 年 1 月 26 日感染管理認定看護師門田悦子 感染しないためにはどうしたらいいの? 感染経路は? 毎年ワクチンを打つのはなぜ? ワクチンを接種したら感染しないの? 本日の目的 インフルエンザウイルスの特徴を知る インフルエンザの感染経路を知る インフルエンザの感染防止対策を知る インフルエンザとは インフルエンザはインフルエンザウイルスによって感染する感染症であり

More information

XYZ[4V5\7MW dey]4 PA PB2 PB HA(H3$% NA!"&$% NP M NS Y]^:_`abc de+,4v5\7mw 6KKlOmdenm +,9fg:hfij o8y+p9rqr Y]^:_`abc de+,4v567mw HA!'#$% PA PB PB2 NP N

XYZ[4V5\7MW dey]4 PA PB2 PB HA(H3$% NA!&$% NP M NS Y]^:_`abc de+,4v5\7mw 6KKlOmdenm +,9fg:hfij o8y+p9rqr Y]^:_`abc de+,4v567mw HA!'#$% PA PB PB2 NP N !"#$%&'() *+,-./02 34567689:; ? @ABCDEFGHIJ XYZ[4V5\7MW dey]4 PA PB2 PB HA(H3$% NA!"&$% NP M NS Y]^:_`abc de+,4v5\7mw 6KKlOmdenm +,9fg:hfij o8y+p9rqr Y]^:_`abc de+,4v567mw HA!'#$% PA PB PB2 NP NA!"&$%

More information

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に 2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に伴い 肺炎におけるウイルスの重要性が注目されてきました 本日のお話では 成人におけるウイルス性肺炎の疫学と診断の現状

More information

東邦大学学術リポジトリ タイトル別タイトル作成者 ( 著者 ) 公開者 Epstein Barr virus infection and var 1 in synovial tissues of rheumatoid 関節リウマチ滑膜組織における Epstein Barr ウイルス感染症と Epst

東邦大学学術リポジトリ タイトル別タイトル作成者 ( 著者 ) 公開者 Epstein Barr virus infection and var 1 in synovial tissues of rheumatoid 関節リウマチ滑膜組織における Epstein Barr ウイルス感染症と Epst 東邦大学学術リポジトリ タイトル別タイトル作成者 ( 著者 ) 公開者 Epstein Barr virus infection and var 1 in synovial tissues of rheumatoid 関節リウマチ滑膜組織における Epstein Barr ウイルス感染症と Epstein Barr nuclear antigen 1 の変異増岡, 正太郎東邦大学 発行日 2019.03.13

More information

2. 手法まず Cre 組換え酵素 ( ファージ 2 由来の遺伝子組換え酵素 ) を Emx1 という大脳皮質特異的な遺伝子のプロモーター 3 の制御下に発現させることのできる遺伝子操作マウス (Cre マウス ) を作製しました 詳細な解析により このマウスは 大脳皮質の興奮性神経特異的に 2 個

2. 手法まず Cre 組換え酵素 ( ファージ 2 由来の遺伝子組換え酵素 ) を Emx1 という大脳皮質特異的な遺伝子のプロモーター 3 の制御下に発現させることのできる遺伝子操作マウス (Cre マウス ) を作製しました 詳細な解析により このマウスは 大脳皮質の興奮性神経特異的に 2 個 報道発表資料 2000 年 8 月 17 日 独立行政法人理化学研究所 体性感覚野の正常な発達には NMDA 型グルタミン酸受容体の機能が必須であることを発見 - 大脳皮質の生後発達の基本メカニズムの一端を解明 - 理化学研究所 脳科学総合研究センター ( 伊藤正男所長 ) は マウスの大脳皮質の興奮性神経でのみ目的の遺伝子をノックアウトする技術を開発しました さらにそれを用いて 大脳皮質の体性感覚野

More information

詳細を明らかにするとともに ウイルスの病原性に関する研究も アジアで流行中のH5N1 鳥インフルエンザウイルスならびにその他のウイルスについても展開する予定である インフルエンザウイルス ゲノムのパッケージング シグナルの知見に基づくインフルエンザワクチンならびにワクチンベクターの開発 1. 次世代

詳細を明らかにするとともに ウイルスの病原性に関する研究も アジアで流行中のH5N1 鳥インフルエンザウイルスならびにその他のウイルスについても展開する予定である インフルエンザウイルス ゲノムのパッケージング シグナルの知見に基づくインフルエンザワクチンならびにワクチンベクターの開発 1. 次世代 免疫難病 感染症等の先進医療技術 平成 13 年度採択研究代表者 河岡義裕 ( 東京大学医科学研究所教授 ) インフルエンザウイルスの感染過程の解明とその応用 1. 研究実施の概要インフルエンザウイルスを構成する個々の蛋白質の性状ならびに機能については かなり詳細な知識が集積している このような基礎研究の進展にもかかわらず それが必ずしもウイルス病原性の根本的な理解や効果的な予防 治療方法につながっていない

More information

2001~2002年度の札幌市における

2001~2002年度の札幌市における 札幌市衛研年報 44, 63-69 (2017) 2016/2017 シーズンの札幌市におけるインフルエンザの流行状況 大西麻実菊地正幸濱谷和代鈴木欣哉 1. 諸言札幌市では 感染症発生動向調査事業として市内医療機関 ( 患者報告定点 病原体検査定点 ) の協力のもとに病原体情報を収集し その発生動向の把握及び情報提供を行っている 本稿では 定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者数及びウイルス検査の結果から

More information

検査項目情報 インフルエンザウイルスB 型抗体 [HI] influenza virus type B, viral antibodies 連絡先 : 3764 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10) 5F410 分析物 インフルエン

検査項目情報 インフルエンザウイルスB 型抗体 [HI] influenza virus type B, viral antibodies 連絡先 : 3764 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10) 5F410 分析物 インフルエン influenza virus type B, viral antibodies 連絡先 : 3764 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10) 5F410 分析物 インフルエンザウイルス B 型 6091 5. 免疫学的検査 >> 5F. ウイルス感染症検査 >> 5F410. Ver.11 診療報酬 特掲診療料 >> 検査 >> 検体検査料

More information

<4D F736F F D D28F5782C982A082BD82C182C42E646F63>

<4D F736F F D D28F5782C982A082BD82C182C42E646F63> 新型インフルエンザパンデミック 全国共済農業協同組合連合会経営企画部和野嗣賢 はじめに 2009 年の4 月 メキシコで発生した豚を感染源とする新型インフルエンザは 北米 欧州 アジア オセアニア等へと感染域を拡大し 世界的大流行 ( パンデミック ) となっている わが国では 5 月に感染が確認され大騒ぎとなった後 弱毒性ということから 一時 警戒心が薄れたが 海外では 表 1のとおり すさまじい勢いで感染は拡大していた

More information

<4D F736F F F696E74202D2095B68B9E8BE68E7396AF8CF68A4A8D758DC D18F4390B3816A2E B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D2095B68B9E8BE68E7396AF8CF68A4A8D758DC D18F4390B3816A2E B8CDD8AB B83685D> ゲノム編集の医学への応 田中光一 東京医科歯科大学 難治疾患研究所 ゲノム編集とは? 遺伝子の配列を自在に改変する技術 A と T C と G がペア ( 相補性 ) 染色体と DNA 遺伝子から形質までの過程 ゲノム編集は 相同組換えを利用する 外来遺伝子 標的遺伝子非標的遺伝子 相同組み換え ランダムな挿入 外来遺伝子の分解 標的遺伝子の改変 非標的遺伝子の改変 遺伝子の改変無し DNA の 2

More information

ロタウイルスワクチンをめぐる話題

ロタウイルスワクチンをめぐる話題 ロタウイルスワクチンをめぐる話題 ロタウイルスの歴史 ロタウイルス ( レオウイルス科 ) Photo from Dr. Kapikian. 1973 年 オーストラリアの Dr. Bishop が下痢症患者の便から原因と思われるウイルスを発見 その形状からロタウイルスと命名 ロタ はラテン語で 車輪 を意味する このウイルスが乳幼児の重傷下痢症の主な原因であることが判明 培養細胞で培養可能 ワクチン開発ロタシールド

More information

があるため 一ヶ月以上の間隔をおいて単品投与することが基本である そこで 呼吸器疾患を引き起こすパラインフルエンザウイルスの感染防御抗原を発現する組み換えインフルエンザウイルスを作製することによりウイルス性呼吸器疾患に対する多価生ワクチンの開発を試みた インフルエンザウイルスのNAは感染防御にはそれ

があるため 一ヶ月以上の間隔をおいて単品投与することが基本である そこで 呼吸器疾患を引き起こすパラインフルエンザウイルスの感染防御抗原を発現する組み換えインフルエンザウイルスを作製することによりウイルス性呼吸器疾患に対する多価生ワクチンの開発を試みた インフルエンザウイルスのNAは感染防御にはそれ 免疫難病 感染症等の先進医療技術 平成 13 年度採択研究代表者 河岡義裕 ( 東京大学医科学研究所教授 ) インフルエンザウイルス感染過程の解明とその応用 1. 研究実施の概要インフルエンザウイルスの感染過程を細胞および個体レベルで明らかにし 得られた結果をウイルス感染症克服に応用するために インフルエンザウイルスの人工合成法を駆使して 感染細胞におけるウイルス増殖ならびに感染動物における病原性発現機構の解明を行った

More information

A 型インフルエンザ ( 人獣共通感染症 ) Ø 水禽類 ( カモ 白鳥など ) が全ての亜型を保持する自然宿主 H1 - H18 N1 - N11 H17, 18 Fruit bats Aquatic birds Poultry Humans Pigs Horses Aquatic mammals

A 型インフルエンザ ( 人獣共通感染症 ) Ø 水禽類 ( カモ 白鳥など ) が全ての亜型を保持する自然宿主 H1 - H18 N1 - N11 H17, 18 Fruit bats Aquatic birds Poultry Humans Pigs Horses Aquatic mammals 鳥インフルエンザA(H7N9)感染症 国立感染所研究所 インフルエンザウイルス研究センター長 田代 眞人 A 型インフルエンザ ( 人獣共通感染症 ) Ø 水禽類 ( カモ 白鳥など ) が全ての亜型を保持する自然宿主 H1 - H18 N1 - N11 H17, 18 Fruit bats Aquatic birds Poultry Humans Pigs Horses Aquatic mammals

More information

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形 AKT活性を抑制するペプチ ド阻害剤の開発 野口 昌幸 北海道大学遺伝子病制御研究所 教授 広村 信 北海道大学遺伝子病制御研究所 ポスドク 岡田 太 北海道大学遺伝子病制御研究所 助手 柳舘 拓也 株式会社ラボ 研究員 ナーゼAKTに結合するタンパク分子を検索し これまで機能の 分からなかったプロトオンコジンTCL1がAKTと結合し AKT の活性化を促す AKT活性補助因子 であることを見い出し

More information

Title

Title ウイルスパンデミック 総説 新型インフルエンザ パンデミック - インフルエンザの歴史と 2009 年のパンデミック - 西村秀一 1) 1) 国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター 抄録 インフルエンザはインフルエンザウイルスの感染によって起こる病気をいう カゼと呼ばれるさまざまな急性上気道感染症のグループと一般にはひとくくりにされることが多く 病気の中では祝福すべきもの みんなが罹り誰も死なない

More information

エマージングウイルスの ワクチン 東京大学医科学研究所 河岡義裕

エマージングウイルスの ワクチン 東京大学医科学研究所 河岡義裕 エマージングウイルスの ワクチン 東京大学医科学研究所 河岡義裕 1. 流行 2. 診断 3. ウイルスの性質 4. 対策 Pandemic 2009 2009 2009 pdm H5N1 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 感度 > > > > > 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 2009 pdm 1 2 3 4 5 6

More information

生物時計の安定性の秘密を解明

生物時計の安定性の秘密を解明 平成 25 年 12 月 13 日 生物時計の安定性の秘密を解明 概要 名古屋大学理学研究科の北山陽子助教 近藤孝男特任教授らの研究グループは 光合 成をおこなうシアノバクテリアの生物時計機構を解析し 時計タンパク質 KaiC が 安定な 24 時 間周期のリズムを形成する分子機構を明らかにしました 生物は, 生物時計 ( 概日時計 ) を利用して様々な生理現象を 時間的に コントロールし 効 率的に生活しています

More information

第 53 号 (2016) 35 資料 石川県におけるインフルエンザの流行状況 2015/2016 シーズン 石川県保健環境センター健康 食品安全科学部児玉洋江 成相絵里 崎川曜子 和文要旨 2015/16シーズンの集団かぜの発生施設数および患者数, 感染症発生動向調査事業のインフルエンザ累積患者報

第 53 号 (2016) 35 資料 石川県におけるインフルエンザの流行状況 2015/2016 シーズン 石川県保健環境センター健康 食品安全科学部児玉洋江 成相絵里 崎川曜子 和文要旨 2015/16シーズンの集団かぜの発生施設数および患者数, 感染症発生動向調査事業のインフルエンザ累積患者報 35 資料 石川県におけるインフルエンザの流行状況 2015/2016 シーズン 石川県保健環境センター健康 食品安全科学部児玉洋江 成相絵里 崎川曜子 和文要旨 2015/16シーズンの集団かぜの発生施設数および患者数, 感染症発生動向調査事業のインフルエンザ累積患者報告数は, いずれも2011/12シーズンに次いで多かった また, 病原体定点から提出された115 検体について, インフルエンザウイルスの遺伝子検査を実施した結果,AH1pdm09

More information

研究検討会

研究検討会 人と動物の一つの衛生を目指すシンポジウムについてー人獣共通感染症と薬剤耐性菌ー平成 28 年 3 月 20 日 ( 日 ) 日本医師会大講堂 One Health とは 迫田義博 北海道大学大学院獣医学研究科微生物学教室 OIE 高病原性鳥インフルエンザリファレンスラボラトリー UK Germany Italy India China Japan: Hokkaido Univ. Canada USA

More information

/fiÁ1-1/‹Éfi¡ıæ„[’æ’¶

/fiÁ1-1/‹Éfi¡ıæ„[’æ’¶ 59 1 pp.53-58 2009 1. H5N1 3 H5N1 2007 1 2 2008 4 5 2003 H5N1 2005 50 1 429 262 2009 5 22 2 680-8553 4 101 TEL/FAX : 0857-31-5437 E-mail: toshiito@muses.tottori-u.ac.jp 3 H5N1 1 A A A 54 59 1 4 A A 5 1997

More information

Slide 1

Slide 1 HLA/MICA imputation 法による MHC 領域内遺伝リスクの fine-mapping 岡田随象 Paul IW de Bakker Soumya Raychaudhuri SNP2HLA working group 東京医科歯科大学疾患多様性遺伝学分野テニュアトラック講師 MHC 領域における疾患罹患リスク 関節リウマチ (RA) におけるゲノムワイド関連解析結果 (19,234

More information

209【参考資料9】 _H7N9リスクアセスメント_final4_見え消しなし

209【参考資料9】 _H7N9リスクアセスメント_final4_見え消しなし 参考資料 9 鳥インフルエンザ A(H7N9) ウイルスによる感染事例に関するリスクアセスメントと対応 2018 年 6 月 14 日更新 国立感染症研究所 背景中国における 2017-2018 年シーズンの鳥インフルエンザ A(H7N9) ウイルスの感染者数が過去のシーズンに比較し極めて少なく 3 例のみであった 2017-2018 年シーズン後半にあたり 疫学情報及びリスクアセスメントをアップデートする

More information

広島市衛研年報 35, 52-60(2016) 2005/06 シーズンから 2015/16 シーズンまでに検出されたノロウイルス GⅡ の遺伝子型解析と流行状況の分析 藤井慶樹則常浩太八島加八山本美和子 松室信宏 石村勝之 2005/06 シーズンから 2015/16 シーズンまでの間に, 広島市

広島市衛研年報 35, 52-60(2016) 2005/06 シーズンから 2015/16 シーズンまでに検出されたノロウイルス GⅡ の遺伝子型解析と流行状況の分析 藤井慶樹則常浩太八島加八山本美和子 松室信宏 石村勝之 2005/06 シーズンから 2015/16 シーズンまでの間に, 広島市 シーズンから シーズンまでに検出されたノロウイルス GⅡ の遺伝子型解析と流行状況の分析 藤井慶樹則常浩太八島加八山本美和子 松室信宏 石村勝之 シーズンから シーズンまでの間に, 広島市で発生した食中毒, 有症苦情及び散発の胃腸炎事例の患者便から検出されたノロウイルス (NoV)GⅡについて遺伝子型解析と流行状況の分析を行った 遺伝子型解析においては,ORF の RNA 依存性 RNA ポリメラーゼ領域から

More information

論文の内容の要旨

論文の内容の要旨 1. 2. 3. 4. 5. 6. WASP-interacting protein(wip) CR16 7. 8..pdf Adobe Acrobat WINDOWS2000 論文の内容の要旨 論文題目 WASP-interacting protein(wip) ファミリー遺伝子 CR16 の機能解析 氏名坂西義史 序 WASP(Wiskott-Aldrich syndrome protein)

More information

研究の詳細な説明 1. 背景病原微生物は 様々なタンパク質を作ることにより宿主の生体防御システムに対抗しています その分子メカニズムの一つとして病原微生物のタンパク質分解酵素が宿主の抗体を切断 分解することが知られております 抗体が切断 分解されると宿主は病原微生物を排除することが出来なくなります

研究の詳細な説明 1. 背景病原微生物は 様々なタンパク質を作ることにより宿主の生体防御システムに対抗しています その分子メカニズムの一つとして病原微生物のタンパク質分解酵素が宿主の抗体を切断 分解することが知られております 抗体が切断 分解されると宿主は病原微生物を排除することが出来なくなります 病原微生物を退治する新たな生体防御システムを発見 感染症の予防 治療法開発へ貢献する成果 キーワード : 病原性微生物 抗体 免疫逃避 免疫活性化 感染防御 研究成果のポイント 病原微生物の中には 免疫細胞が作る抗体の機能を無効化し 免疫から逃れるものの存在が知られていた 今回 病原微生物に壊された抗体を認識し 病原微生物を退治する新たな生体防御システムを発見 本研究成果によりマイコプラズマやインフルエンザなど

More information

RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果

RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果 RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果 Poly I:C により一部の樹状細胞にネクローシス様の細胞死が誘導されること さらにこの細胞死がシグナル伝達経路の活性化により制御されていることが分かりました

More information

人工知能補足_池村

人工知能補足_池村 私くしにとって 生涯の指針となっている木村先生の教え 1. 想定外の発見の重要性 à unsupervised data mining for big data 2. 技術への信頼と技術開発の重要性 2D gel à BLSOM trna の二次元分離 : Methods in Enzymology 長さに依存する分離 想定外の 米国での Post Doc の時代 高分離能 長さに依存しない分離 29

More information

03-087.indb

03-087.indb 2008. APR. Vol. 64 For a Better Life 4 2 April 2008 April 2008 3 4 April 2008 April 2008 5 6 April 2008 April 2008 7 8 April 2008 April 2008 9 10 April 2008 April 2008 11 12 April 2008 April 2008 13 14

More information

180126_TOO_ウイルス感染症研究者向け資料【最終】.indd

180126_TOO_ウイルス感染症研究者向け資料【最終】.indd ウイルス 感染症研究 実験特集 不可能を可能にする NanoLuc テクノロジー NanoLuc テクノロジーをご利用のウイルス 感染症研究に携わるユーザー 4 名の方に最新の 研究成果についてご寄稿頂きました プロメガが開発した NanoLuc は 19 KDa の低分子の発光酵素であり 従来のホタルルシフェラーゼの 1/3 の分子量であるにもかかわらず 発 光レベルは 1 倍にも達します この

More information

KEGG.ppt

KEGG.ppt 1 2 3 4 KEGG: Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes http://www.genome.jp/kegg/kegg2.html http://www.genome.jp/kegg/kegg_ja.html 5 KEGG PATHWAY 生体内(外)の分子間ネットワーク図 代謝系 12カテゴリ 中間代謝 二次代謝 薬の 代謝 全体像 制御系 20カテゴリ

More information

表1.eps

表1.eps Vol.1 C ontents 1 2 cell-free EMBO J Proc. Natl. Acad. Sci. USA NatureEMBO J 3 RNA NatureEMBO J Nature EMBO J 4 5 HCV HCV HCV HCV RNA HCV in situ 6 7 8 Nat Struct Mol Biol J Biol Chem Nat Commun J Virol

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 多能性幹細胞を利用した毒性の判定方法 教授 森田隆 准教授 吉田佳世 ( 大阪市立大学大学院医学研究科遺伝子制御学 ) これまでの問題点 化学物質の人体および環境に及ぼす影響については 迅速にその評価を行うことが社会的に要請されている 一方 マウスやラットなど動物を用いた実験は必要ではあるが 動物愛護や費用 時間的な問題がある そこで 哺乳動物細胞を用いたリスク評価系の開発が望まれる 我々は DNA

More information

報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血

報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血 報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血管に溜まっていくことが動脈硬化の原因となる 3. マクロファージ内に存在するたんぱく質 MafB は

More information

ん細胞の標的分子の遺伝子に高い頻度で変異が起きています その結果 標的分子の特定のアミノ酸が別のアミノ酸へと置き換わることで分子標的療法剤の標的分子への結合が阻害されて がん細胞が薬剤耐性を獲得します この病態を克服するためには 標的分子に遺伝子変異を持つモデル細胞を樹立して そのモデル細胞系を用い

ん細胞の標的分子の遺伝子に高い頻度で変異が起きています その結果 標的分子の特定のアミノ酸が別のアミノ酸へと置き換わることで分子標的療法剤の標的分子への結合が阻害されて がん細胞が薬剤耐性を獲得します この病態を克服するためには 標的分子に遺伝子変異を持つモデル細胞を樹立して そのモデル細胞系を用い プレスリリース 平成 30 年 7 月 6 日 各報道機関御中 国立大学法人山梨大学 CRISPR/Cas9 によるゲノム編集技術を用いた 白血病細胞への分子標的療法剤に対する耐性遺伝子変異の導入 新規治療薬を開発するためのモデル細胞系の樹立方法の確立 - 山梨大学医学部小児科学講座の玉井望雅と犬飼岳史准教授らの研究グループは 筑波大学および大阪大学との共同研究で CRISPR/Cas9 によるゲノム編集技術を用いて白血病細胞株に薬剤耐性の遺伝子変異を導入することに世界で初めて成功しました

More information

研究の詳細な説明 1. 背景細菌 ウイルス ワクチンなどの抗原が人の体内に入るとリンパ組織の中で胚中心が形成されます メモリー B 細胞は胚中心に存在する胚中心 B 細胞から誘導されてくること知られています しかし その誘導の仕組みについてはよくわかっておらず その仕組みの解明は重要な課題として残っ

研究の詳細な説明 1. 背景細菌 ウイルス ワクチンなどの抗原が人の体内に入るとリンパ組織の中で胚中心が形成されます メモリー B 細胞は胚中心に存在する胚中心 B 細胞から誘導されてくること知られています しかし その誘導の仕組みについてはよくわかっておらず その仕組みの解明は重要な課題として残っ メモリー B 細胞の分化誘導メカニズムを解明 抗原を記憶する免疫細胞を効率的に誘導し 新たなワクチン開発へ キーワード : 免疫 メモリー B 細胞 胚中心 親和性成熟 転写因子 Bach2 研究成果のポイント 抗原を記憶する免疫細胞 : メモリー B 細胞注 1 がどのように分化誘導されていくのかは不明だった リンパ節における胚中心注 2 B 細胞からメモリー B 細胞への分化誘導は初期の胚中心で起こりやすく

More information

大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム

大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム 平成 30 年度医科学専攻共通科目 共通基礎科目実習 ( 旧コア実習 ) 概要 1 ). 大学院生が所属する教育研究分野における実習により単位認定可能な実習項目 ( コア実習項目 ) 1. 組換え DNA 技術実習 2. 生体物質の調製と解析実習 3. 薬理学実習 4. ウイルス学実習 5. 免疫学実習 6. 顕微鏡試料作成法実習 7. ゲノム医学実習 8. 共焦点レーザー顕微鏡実習 2 ). 実習を担当する教育研究分野においてのみ単位認定可能な実習項目

More information

Bull. Nagano Environ. Conserv. Res. Inst. No.8(2012) 3. 結果および考察 3.1 長野県における手足口病患者およびヘルパンギーナ患者からのエンテロウイルス検出状況 手足口病患者およびヘルパンギーナ患者 67 検体のうち, が 45 株 (67 %

Bull. Nagano Environ. Conserv. Res. Inst. No.8(2012) 3. 結果および考察 3.1 長野県における手足口病患者およびヘルパンギーナ患者からのエンテロウイルス検出状況 手足口病患者およびヘルパンギーナ患者 67 検体のうち, が 45 株 (67 % 長野県環境保全研究所研究報告 8:77 82(2012) < 資料 > に手足口病 ヘルパンギーナ患者から検出したエンテロウイルスの遺伝子解析と臨床的特徴 内山友里恵 1 1 中沢春幸 キーワード : 手足口病, ヘルパンギーナ, エンテロウイルス, コクサッキーウイルス A 群 6 型, 系統樹解析 1. はじめに手足口病 (Hand, foot and mouth disease :HFMD)

More information

C O N T E N T S 1

C O N T E N T S 1 2014 Vol.107 C O N T E N T S 1 Communications 3 Vol.107 2 3 Communications Vol.107 4 5 Communications 7 6 Vol.107 6 7 Communications Vol.107 8 9 Communications Vol.107 10 11 Communications Vol.107 12 13

More information

本成果は 主に以下の事業 研究領域 研究課題によって得られました 日本医療研究開発機構 (AMED) 脳科学研究戦略推進プログラム ( 平成 27 年度より文部科学省より移管 ) 研究課題名 : 遺伝子改変マーモセットの汎用性拡大および作出技術の高度化とその脳科学への応用 研究代表者 : 佐々木えり

本成果は 主に以下の事業 研究領域 研究課題によって得られました 日本医療研究開発機構 (AMED) 脳科学研究戦略推進プログラム ( 平成 27 年度より文部科学省より移管 ) 研究課題名 : 遺伝子改変マーモセットの汎用性拡大および作出技術の高度化とその脳科学への応用 研究代表者 : 佐々木えり 平成 28 年 7 月 1 日 公益財団法人実験動物中央研究所慶應義塾大学医学部国立研究開発法人日本医療研究開発機構 ゲノム編集技術により免疫不全霊長類の作出に成功 ( 霊長類を用いた自閉症 統合失調症などの精神神経疾患研究も可能に ) 日本医療研究開発機構 脳科学研究戦略推進プログラムの一環として ( 公益財団法人 ) 実験動物中央研究所 ( 実中研 ) マーモセット研究部の佐々木えりか部長 (

More information

-2-

-2- -2- -3- 会場へのアクセス -4- -5- 11 月 21 日 ( 水 ) 9:25 9:30 細胞を創る 研究会 5.0 開会挨拶木賀大介 ( 東京工業大学 ) 9:30 10:30 基調講演 Chair: 木賀大介 ( 東工大 ) 大島泰郎先生 ( 共和化工 環境微生物学研究所 東京工業大学名誉教授 ) 生命の起源と Magic20 10:30 11:30 ポスター発表 ( 奇数番号 )

More information

表 1. 抗インフルエンザ薬 オセルタミビルザナミビルラニナミビルペラミビル 新生児 乳児 (1 歳未満 ) 推奨 * 推奨されない 幼児 (1 歳から 4 歳 ) 推奨 吸入困難と考える 小児 (5 歳から 9 歳 ) 推奨 吸入が出来ると判断された場合に限る 10 歳以上 原則として使用を差し控

表 1. 抗インフルエンザ薬 オセルタミビルザナミビルラニナミビルペラミビル 新生児 乳児 (1 歳未満 ) 推奨 * 推奨されない 幼児 (1 歳から 4 歳 ) 推奨 吸入困難と考える 小児 (5 歳から 9 歳 ) 推奨 吸入が出来ると判断された場合に限る 10 歳以上 原則として使用を差し控 2017/2018 シーズンのインフルエンザ治療指針 2017/2018 シーズンの流行期を迎えるにあたり 日本小児科学会新興 再興感染症対策小委員会予防接種 感染症対策委員会 2017/2018 シーズンの流行期を迎えるにあたり 治療指針を更新いたしましたのでお知らせいたします 飛沫感染対策としての咳エチケット ( 有症者自身がマスクを着用し 咳をする際にはティッシュやハンカチで口を覆う等の対応を行うこと

More information