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1 生 態 毒 性 QSARモデル KATE Web 版 の 解 説 とスタンドアロン 版 の 公 開 ( 独 ) 国 立 環 境 研 究 所 環 境 リスク 研 究 センター 白 石 寛 明 大 分 大 学 教 育 福 祉 科 学 部 吉 岡 義 正 ( 東 京 会 場 のみ) Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 1

2 はじめに Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 2

3 QSARとは Quantitative Structure-Activity Relationshipの 略 化 学 物 質 の 構 造 上 の 特 徴 又 は 物 理 化 学 定 数 と 生 物 学 的 活 性 ( 毒 性 等 )の 相 関 関 係 を 構 造 活 性 相 関 (SAR)といい 定 量 的 なものを 定 量 的 構 造 活 性 相 関 (QSAR)といいます 構 造 活 性 相 関 は 例 えば 特 定 の 官 能 基 の 有 無 から 物 質 の 有 害 性 の 多 寡 を 推 測 することを 指 し 構 造 を 手 掛 かりに 毒 性 等 を 定 量 的 に 算 出 する 仕 組 みをいわゆるQSARモデ ルと 呼 びます Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 3

4 生 態 毒 性 予 測 システムKATE KATE (KAshinhou Tool for Ecotoxicity )は 環 境 省 の 請 負 業 務 ( 平 成 年 度 )として( 独 ) 国 立 環 境 研 究 所 環 境 リスク 研 究 センターにおいて 研 究 開 発 された 生 態 毒 性 QSARモデル KATE は 平 成 19 年 7 月 より3 省 合 同 審 議 会 に 魚 類 及 び 甲 殻 類 の 予 測 結 果 を 参 考 資 料 として 提 出 し 実 績 を 重 ねています 2008 年 1 月 に 試 用 版 がWeb 公 開 : 化 学 物 質 の 部 分 構 造 から 毒 性 値 を 予 測 : 魚 類 急 性 毒 性 試 験 における 半 数 致 死 濃 度 (LC50) ミジンコ 遊 泳 阻 害 試 験 における 半 数 影 響 濃 度 (EC50) 本 システムで 得 られた 予 測 結 果 は 化 審 法 の 届 出 に 必 要 な 生 態 毒 性 試 験 結 果 として 利 用 することは 出 来 ません Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 4

5 今 年 度 のスケジュール 現 在 : Web 版 とスタンドアロン 版 の 結 果 の 一 致 12 月 下 旬 : スタンドアロン 版 のベータテストの 実 施 年 度 末 : 更 新 Web 版 KATEの 公 開 + スタンドアロン 版 の 配 布 Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 5

6 KATEの 解 説 Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 6

7 KATEでの 予 測 方 法 1/2 参 照 データ 化 学 物 質 の 構 造 (SMILES)の 入 力 クラスの 分 類 QSAR 式 の 選 択 予 測 毒 性 値 を 出 力 ユーザーの 操 作 KATE 内 部 の 動 作 LogP 代 入 化 学 物 質 の 構 造 に 基 づくクラス 分 類 した 線 形 式 を 使 用 水 -オクタノール 分 配 関 数 (logp)の 値 から 単 相 関 で 毒 性 値 を 予 測 現 バージョンでは 入 力 されたSMILESから 計 算 値 ClogPを 算 出 し オプションでユーザー 入 力 による 実 測 LogP 予 測 も 可 能 (システムの 一 部 でDaylight 社 製 のソフトウェアを 使 用 SMILESは 後 ほど 解 説 ) Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 7

8 KATEでの 予 測 方 法 2/2 参 照 データ 化 学 物 質 の 構 造 (SMILES)の 入 力 クラスの 分 類 QSAR 式 の 選 択 予 測 毒 性 値 を 出 力 ユーザーの 操 作 KATE 内 部 の 動 作 LogP 代 入 参 照 データについて 環 境 省 が 実 施 した 生 態 毒 性 試 験 結 果 ( 魚 類 急 性 毒 性 試 験 96hr LC50 ミジンコ 遊 泳 阻 害 試 験 48hr EC50) 米 国 環 境 保 護 庁 (US EPA)のファットヘッドミノー データベースの 魚 類 急 性 毒 性 試 験 結 果 (96hr LC50) 今 後 試 験 結 果 が 更 新 された 場 合 に QSAR 式 見 直 しを 行 う 予 定 Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 8

9 KATEのクラスについて 現 在 約 68 種 類 のQSAR 式 クラスが 存 在 魚 類 で 参 照 データが20 以 上 の 例 : phenols; aliphatic amines; aliphatic alcohol ether; Aromatic Amines; aromatic HC; aliphatic halogen; Aromatic Amines 2; aromatic aldehyde; aliphatic ketone 式 の 数 ( 参 照 データ 2 以 上 ) データ 数 が 十 分 な 式 の 数 ( 参 照 データ 5 以 上 ) 信 頼 できる 式 の 数 ( 参 照 データ 5 以 上 かつR 2 が0.7 以 上 ) 魚 類 甲 殻 類 例 : 魚 類 のPhenolのクラス の 回 帰 式 *R 2 とは 決 定 係 数 のことで0から1の 間 の 値 をとり 当 てはまりのよさを 示 す 一 般 に 単 回 帰 式 の 場 合 R 2 が0.7 以 上 で 参 照 物 質 5 点 以 上 だと 信 頼 が 高 い Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 9

10 KATEのNeutral Organics 脂 肪 族 炭 化 水 素 スルホキシド 脂 肪 族 芳 香 族 エーテル 脂 肪 族 芳 香 族 ケトン アルコールといった 単 純 な 麻 酔 作 用 のみで 毒 性 が 説 明 できると 考 えられる 分 子 種 の 一 覧 が 生 物 種 ごとに 用 意 されており これらはNeutral Organicsという クラスとして 再 定 義 されています KATEでNeutral Organicsに 分 類 されるクラス 群 : sulfoxides; aliphatic HC (hydrocarbon); aliphatic ether; aromatic/aliphatic ether; aliphatic ketone; aromatic ketone; aliphatic alcohol ether Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 10

11 使 用 方 法 について URL: 予 めユーザー 登 録 が 必 要 です Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 11

12 化 学 物 質 の 入 力 形 式 SMILES: 化 合 物 の 分 子 構 造 を 線 形 表 記 した 識 別 子 * フェノール:c1ccccc1O シクロブタン:C1CCC1 ジエチルエーテル: CCOCC 小 文 字 c は 芳 香 族 炭 素 大 文 字 C は 脂 肪 族 炭 素 環 構 造 は 数 字 を 用 いて 始 点 を 表 記 水 素 は 自 動 的 に 付 加 詳 細 はDaylight 社 ページ * Weininger D SMILES, A Chemical Language and Information Systems. 1. Introduction of Methodology and Encoding Rules. J. Chem. Inf. Comput. Sci., 28: Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 12

13 予 測 結 果 画 面 1/2 ページの 上 部 に 入 力 したCAS 番 号 物 質 名 SMILESを 表 示 分 子 量 は 入 力 した 情 報 から 値 を 表 示 ClogP 計 算 値 はライセンス 上 の 理 由 で 提 供 できません SMILESは 内 部 変 換 されるため 入 力 と 異 なる 場 合 あり LogP 値 を 入 力 すると 実 測 値 による 予 測 が 可 能 溶 解 度 を 入 力 すると 毒 性 値 の 溶 解 度 判 定 が 可 能 Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 13

14 予 測 結 果 画 面 2/2 ページ 中 段 に 化 学 物 質 のクラス 分 類 Fish( 魚 類 ) Daphnid(ミジンコ 類 )の 予 測 結 果 等 が 表 示 されます 複 数 のクラスに 分 類 される 場 合 には 全 てのクラスにおける 結 果 が 表 示 されます 判 定 の 項 目 に 表 示 される の 数 が 多 いクラスを 優 先 してください 但 し Neurtal OrganicsとNeurtal Organics 以 外 のクラスで の 数 が 同 じ 場 合 には Neurtal Organics 以 外 のクラスを 採 用 するか Verify QSARの 画 面 で 参 照 物 質 やQSAR 式 の 決 定 係 数 などを 参 考 に 判 断 してください Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 14

15 判 定 の 項 目 について 入 力 された 構 造 式 は 1-1 部 分 構 造 一 覧 となり 1-2クラス 分 類 が 行 われ 1-3 必 要 ならNeutral Organicsが 追 加 され 1-4 毒 性 値 が 産 出 され 1-5 適 用 ドメイン 判 定 が 下 される Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 15

16 入 力 物 質 の 判 定 について 構 造 C 判 定 : 該 当 クラスを 構 成 する 参 照 物 質 に 含 まれない 部 分 構 造 がある 場 合 に 構 造 N 判 定 :Neutral Organicsと 該 当 クラスを 構 成 する 参 照 物 質 に 含 まれない 部 分 構 造 がある 場 合 に 既 知 F 判 定 : 未 検 索 構 造 がある 場 合 に フラグメントの 組 み 合 わせ 例 該 当 クラス:Aromatic Amines C 判 定 N 判 定 F 判 定 Neutral Organics 該 当 クラス + 脂 肪 族 C-C 該 当 クラス + 脂 肪 族 C-O-C 該 当 クラス + 脂 肪 族 C-Cl 該 当 クラス + Ag F 判 定 の 時 結 果 の 信 頼 性 極 めて 低 い 該 当 クラス Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 16

17 KATEの 回 帰 式 グラフには 回 帰 式 R 2 参 照 データ 数 n が 表 示 される LogP 判 定 : 内 挿 点 の 場 合 予 測 結 果 画 面 で 分 類 されたクラスの をクリックすると そのクラスの 回 帰 直 線 (total 緑 色 ) 及 び 参 照 物 質 一 覧 が 表 示 されます 入 力 した 化 学 物 質 はグラフ 上 です Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 17

18 KATEのデモ ここからは 実 際 の 画 面 をご 覧 ください Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 18

19 FAQ Web 版 のよくある 質 問 質 問 ログイン 時 に セッションがタイムアウトになりました 再 度 ロ グインしてください のメッセージが 出 ます 予 測 結 果 (mg/l)の e +2 や e +4 等 の 意 味 を 教 えてくださ い ログイン 名 パスワードを 忘 れてしまいました 以 下 のページを 参 照 ください: その 他 のWeb 版 KATEに 関 する 問 合 わせ 先 : kate@nies.go.jp Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 19

20 よくある 質 問 より 1/2 情 報 の 機 密 性 は 保 持 されますか? 構 造 式 情 報 (SMILES)はログアウトをすると 作 業 ファイルは 削 除 され サーバーには 残 りません ログアウトを 忘 れた 場 合 に は 再 度 同 じユーザ 名 でログインし ログアウトすると 作 業 ファイルは 削 除 されます 作 業 中 にはSMILESが 記 載 された ファイルが 作 成 されていますが 他 のユーザがファイルの 覗 き 見 をできないように 管 理 されています ただし ユーザ 名 と パスワードを 盗 まれると 作 業 中 の 様 子 がview resultの 画 面 で 閲 覧 可 能 になりますので ご 注 意 ください 複 数 の 化 合 物 を 予 測 する SMILESリストファイルからの 入 力 は 情 報 の 遺 漏 に 関 する 検 証 が 不 足 しております 機 密 性 を 考 慮 する 場 合 は 使 用 しないようお 願 い 致 します Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 20

21 よくある 質 問 2/2 情 報 の 機 密 性 は 保 持 されますか? 通 常 のhttp 通 信 による 構 造 式 情 報 (SMILES)の 傍 受 を 懸 念 される 場 合 は として httpsプロトコルを 利 用 ください SSL(Secure Sockets Layer) 暗 号 化 通 信 と サーバー 認 証 を 使 用 して より 安 全 性 の 高 いログインが 可 能 です SSL 通 信 によって 機 密 性 は 向 上 しますが インターネット 通 信 での 完 全 な 機 密 保 持 は 不 可 能 ですので ご 利 用 に 当 たっ ては 御 社 の 機 密 情 報 の 管 理 規 定 に 基 づき 判 断 してください 当 方 では 通 信 上 の 情 報 の 遺 漏 に 関 して 責 任 を 負 いません スタンドアロン 版 の 利 用 をご 検 討 ください Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 21

22 スタンドアロン 版 について Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 22

23 スタンドアロン 版 開 発 の 背 景 秘 密 保 持 の 問 題 Web 上 では 秘 密 の 漏 えいの 恐 れがあり スタンドアロ ン 版 での 予 測 システムが 必 要 透 明 性 の 確 保 独 自 システムの 構 築 実 績 がある 大 分 大 学 と 共 同 開 発 ライセンスの 問 題 上 商 用 プログラムを 含 むWeb 版 KATEを 無 料 配 布 するこ とは 不 可 能 Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 23

24 Web 試 用 版 の 仕 様 変 更 入 力 には 化 学 構 造 式 (SMILES)とLogPが 必 要 実 測 LogPによる 毒 性 予 測 を 基 本 実 測 LogP 値 がない 場 合 には 予 測 値 を 利 用 構 造 分 類 の 基 本 プログラムの 変 更 大 分 大 学 との 共 同 研 究 によるシステムの 導 入 スタンドアロン 版 Web 版 FITSを 導 入 したシステム Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 24

25 スタンドアロン 版 の 技 術 大 分 大 学 吉 岡 義 正 ( 大 阪 会 場 では 白 石 寛 明 が 講 演 ) Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 25

26 KATE on PAS(PC 版 )について PAS (Platform for Assessment from Structure)は 構 造 分 類 に 基 づく 物 性 や 毒 性 を 予 測 するための 独 自 の システムです PASは 部 分 構 造 の 取 得 プログラム(FITS;Fragment Identification by Tree Structure) 構 造 図 の 表 示 入 力 プログラムなどからなる 統 合 システムです KATE on PASは KATE 用 に 作 成 されたPASです 開 発 言 語 (VB.net 2005) スタンドアロン 版 (PC 版 )と Web 版 はFITS 記 述 で 統 一 されます Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 26

27 KATE on PAS の 概 要 PAS: 技 術 的 共 用 部 SMILES 部 分 構 造 の 取 得 クラス 分 類 QSAR 式 などの 選 択 出 力 入 力 SMILES ー 2 次 元 構 造 相 互 変 換 プログラム 部 分 構 造 の 定 義 FITS クラス 分 類 の 定 義 毒 性 値 物 性 値 など

28 FITSの 概 要 FITSは 部 分 構 造 の 規 定 に 独 自 のルールを 用 いています 主 体 部 分 は,1 次 元 構 造 を 基 本 としたFITS 記 述 です F/01211/C=CNC=C/1JnC=O,3V3,3B3,2Cy,3Cy,4Cy,2Rs4,/ 部 分 構 造 の 数 え 方 Order,Index,Account,Exclude,Reset,Fits,Pilotで 規 定 します 例 : NC(N)(N)Nの 構 造 でNCNの 構 造 の 数 を 目 的 に 応 じて1-6 個 まで 定 義 できます SMILES: NC(N)(N)N Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 28

29 スタンドアロン 版 操 作 のデモ 百 聞 は 一 見 にしかず 利 用 する 立 場 から 見 れば, 便 利 に 使 えます! Oita University, National Institute for Environmental Studies 2008 年 11 月 26 日 12 月 9 日 29