目 次 序 章...1 第 1 章 定 期 借 地 権 の 概 要 借 地 権 の 種 類 定 期 借 地 権 の 種 類 定 期 借 地 権 の 法 的 性 質 定 期 借 地 権 の 譲 渡 性

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1 第 1 部 定 期 借 地 権 にかかる 鑑 定 評 価 の 方 法 等 の 検 討

2 目 次 序 章...1 第 1 章 定 期 借 地 権 の 概 要 借 地 権 の 種 類 定 期 借 地 権 の 種 類 定 期 借 地 権 の 法 的 性 質 定 期 借 地 権 の 譲 渡 性 定 期 借 地 権 の 存 続 期 間 における 建 物 の 再 築 の 取 扱 い 定 期 借 地 権 の 借 地 条 件 の 変 更 等...21 第 2 章 定 期 借 地 権 に 係 る 評 価 類 型 とその 価 格 の 特 徴 定 期 借 地 権 の 評 価 類 型 定 期 借 地 権 単 独 で 評 価 対 象 となる 可 能 性 譲 渡 に 当 たっての 地 主 の 承 諾 の 要 否 市 場 の 実 態 定 期 借 地 権 単 独 の 評 価 ニーズ 定 期 借 地 権 の 価 格 の 特 徴 現 行 基 準 における 借 地 権 の 価 格 定 期 借 地 権 の 法 的 側 面 定 期 借 地 権 の 経 済 的 側 面 更 地 ( 建 付 地 ) 価 格 定 期 借 地 権 価 格 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 価 格 との 関 連 定 期 借 地 権 の 評 価 における 有 期 性 に 関 する 検 討 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 くなってきた 場 合 の 取 扱 い 借 地 期 間 満 了 時 における 再 契 約 の 可 能 性 の 取 扱 い 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 と 建 物 の 残 存 耐 用 年 数 の 取 扱 い...30 第 3 章 定 期 借 地 権 の 評 価 上 の 一 般 的 留 意 事 項 定 期 借 地 権 の 権 利 の 態 様 の 確 認 における 留 意 事 項 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 現 行 基 準 における 借 地 権 の 価 格 形 成 要 因 定 期 借 地 権 に 関 連 する 固 有 の 価 格 形 成 要 因 借 地 契 約 における 一 時 金 の 取 扱 い 定 期 借 地 契 約 における 契 約 締 結 時 の 一 時 金 定 期 借 地 契 約 における 将 来 見 込 まれる 一 時 金 現 行 基 準 における 一 時 金 の 取 扱 い...41

3 3-4. 法 24 条 によらない 任 意 に 建 物 買 取 特 約 を 付 した 借 地 権 における 建 物 の 買 取 価 格 の 取 扱 い...42 第 4 章 定 期 借 地 権 単 独 の 価 格 を 求 める 評 価 手 法 の 検 討 現 行 基 準 における 借 地 権 価 格 を 求 める 鑑 定 評 価 手 法 定 期 借 地 権 単 独 の 価 格 を 求 める 評 価 手 法 取 引 事 例 比 較 法 土 地 ( 借 地 権 ) 残 余 法 賃 料 差 額 還 元 法 借 地 権 割 合 法 底 地 価 格 控 除 法...59 第 5 章 定 期 借 地 権 付 建 物 の 価 格 を 求 める 評 価 手 法 の 検 討 現 行 基 準 における 借 地 権 付 建 物 の 価 格 を 求 める 鑑 定 評 価 手 法 定 期 借 地 権 付 建 物 の 価 格 を 求 める 評 価 手 法 における 論 点 原 価 法 取 引 事 例 比 較 法 収 益 還 元 法...68 第 6 章 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 の 価 格 を 求 める 評 価 手 法 の 検 討 現 行 基 準 における 底 地 の 価 格 を 求 める 鑑 定 評 価 手 法 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 収 益 還 元 法 取 引 事 例 比 較 法...90 第 7 章 定 期 借 地 権 に 係 る 新 規 地 代 を 求 める 評 価 手 法 等 の 検 討 現 行 基 準 における 新 規 地 代 を 求 める 鑑 定 評 価 手 法 定 期 借 地 権 の 新 規 地 代 の 評 価 における 一 般 的 留 意 事 項 新 規 地 代 の 定 義 有 期 性 借 地 期 間 満 了 時 の 建 物 等 の 取 扱 い 建 物 の 建 築 取 壊 し 等 により 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 が 期 待 できない 期 間 等 前 払 地 代 の 取 扱 い 定 期 借 地 権 に 係 る 新 規 地 代 を 求 める 評 価 手 法 における 論 点 積 算 法 賃 貸 事 例 比 較 法 収 益 分 析 法 賃 貸 事 業 分 析 法 ( 仮 称 )

4 序 章 定 期 借 地 権 について 規 定 している 借 地 借 家 法 は 平 成 3 年 10 月 4 日 に 公 布 され 翌 年 8 月 1 日 に 施 行 された 現 在 定 期 借 地 権 は 一 般 定 期 借 地 権 付 分 譲 マンションをはじめとして オフィス 商 業 施 設 等 で 既 に 多 く 活 用 され また 昨 今 では 定 期 借 地 権 付 建 物 や 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 について J-REIT 等 における 取 引 が 活 発 化 しつつある 一 方 現 行 の 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 ( 以 下 現 行 基 準 という )において 定 期 借 地 権 という 用 語 が 使 用 されているのは 次 の 一 箇 所 のみであり 借 地 権 に 係 る 規 定 は 借 地 借 家 法 に 基 づく 借 地 権 として 大 括 りに 整 理 されており 定 期 借 地 権 の 固 有 の 特 性 を 踏 ま えた 評 価 方 法 について 具 体 的 に 規 定 されていない 各 論 第 1 章 第 1 節 Ⅰ 3.4 借 地 権 の 態 様 ア 創 設 されたものか 継 承 されたものか イ 地 上 権 か 賃 借 権 か ウ 転 借 か 否 か エ 堅 固 の 建 物 の 所 有 を 目 的 とするか 非 堅 固 の 建 物 の 所 有 を 目 的 とするか オ 主 として 居 住 用 建 物 のためのものか 主 として 営 業 用 建 物 のためのものか カ 契 約 期 間 の 定 めの 有 無 キ 特 約 条 項 の 有 無 ク 契 約 は 書 面 か 口 頭 か ケ 登 記 の 有 無 コ 定 期 借 地 権 等 ( 借 地 借 家 法 第 二 章 第 四 節 に 規 定 する 定 期 借 地 権 等 ) 総 論 第 2 章 第 2 節 不 動 産 の 類 型 宅 地 並 びに 建 物 及 びその 敷 地 の 類 型 を 例 示 すれば 次 のとおりである Ⅰ 宅 地 宅 地 の 類 型 は その 有 形 的 利 用 及 び 権 利 関 係 の 態 様 に 応 じて 更 地 建 付 地 借 地 権 底 地 区 分 地 上 権 等 に 分 けられる 更 地 とは 建 物 等 の 定 着 物 がなく かつ 使 用 収 益 を 制 約 する 権 利 の 付 着 してい ない 宅 地 をいう 建 付 地 とは 建 物 等 の 用 に 供 されている 敷 地 で 建 物 等 及 びその 敷 地 が 同 一 の 所 有 者 に 属 し かつ 当 該 所 有 者 により 使 用 され その 敷 地 の 使 用 収 益 を 制 約 する 権 利 の 付 着 していない 宅 地 をいう 借 地 権 とは 借 地 借 家 法 ( 廃 止 前 の 借 地 法 を 含 む )に 基 づく 借 地 権 ( 建 物 の 所 有 を 目 的 とする 地 上 権 又 は 土 地 の 賃 借 権 )をいう 1

5 このため 実 務 においては 借 地 権 底 地 借 地 権 付 建 物 ( 自 用 貸 家 ) あ るいは 新 規 地 代 継 続 地 代 等 既 存 の 評 価 類 型 における 手 法 を 参 考 に 定 期 借 地 権 の 固 有 の 特 性 である 有 期 性 等 を 勘 案 することによって 個 々に 対 応 している 定 期 借 地 権 に 関 連 する 評 価 には 定 期 借 地 権 付 分 譲 マンションや J-REIT における 定 期 借 地 権 付 建 物 及 びその 敷 地 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 定 期 借 地 権 の 設 定 時 におけ る 地 代 の 評 価 等 があるが 本 調 査 は このような 定 期 借 地 権 に 関 連 する 諸 類 型 の 評 価 方 法 について 平 成 23 年 度 に 引 き 続 き これまでの 定 期 借 地 権 の 評 価 に 係 る 蓄 積 等 を 踏 まえ 評 価 方 法 や 留 意 点 について 検 討 するとともに 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 等 に 規 定 すべ き 事 項 についても 検 討 する 2

6 第 1 章 定 期 借 地 権 の 概 要 1-1. 借 地 権 の 種 類 評 価 の 対 象 としての 借 地 権 は 法 定 更 新 が 認 められる 廃 止 前 の 借 地 法 ( 以 下 旧 法 という )による 借 地 権 借 地 借 家 法 ( 以 下 法 という )による 普 通 借 地 権 と 法 第 22 条 ないし 24 条 に 規 定 する 法 定 更 新 が 認 められない 定 期 借 地 権 に 大 別 される 法 は 平 成 3 年 に 公 布 翌 年 に 施 行 され 旧 法 を 廃 止 ( 附 則 2 条 ( 建 物 保 護 に 関 する 法 律 等 の 廃 止 ))し 法 定 更 新 制 度 を 認 める 普 通 借 地 権 についてそのルールを 定 め 更 新 がない 定 期 借 地 権 を 新 たに 創 設 している しかし 附 則 4 条 ( 経 過 措 置 の 原 則 )で こ の 法 律 の 規 定 は この 附 則 に 特 別 の 定 めがある 場 合 を 除 き この 法 律 の 施 行 前 に 生 じた 事 項 にも 適 用 する としながらも ただし 附 則 第 2 条 の 規 定 による 廃 止 前 の 建 物 保 護 に 関 する 法 律 借 地 法 及 び 借 家 法 の 規 定 により 生 じた 効 力 を 妨 げない とし 附 則 5 条 以 降 において なお 従 前 の 例 による として 旧 法 の 条 文 が 適 用 される 借 地 権 ( 以 下 旧 法 借 地 権 という )の 存 在 を 認 めている 1 1 法 務 省 民 事 局 参 事 官 室 編 一 問 一 答 新 しい 借 地 借 家 法 ( 商 事 法 務 研 究 会 1992 年 )19~20 頁 によれ ば 次 のとおりである 問 借 地 借 家 法 が 改 正 されると 現 在 成 立 している 借 地 借 家 関 係 は どうなるのか? しかし この 法 改 正 の 大 きな 特 色 は 改 正 内 容 のうち 本 質 的 に 重 要 な 部 分 である 借 主 の 権 利 の 存 続 に 関 する 部 分 すなわち 正 当 事 由 を 含 めて 契 約 の 更 新 に 関 する 部 分 は 現 在 成 立 しているものをは じめ 新 法 の 施 行 前 に 成 立 する 借 地 借 家 関 係 については 適 用 しないこととしていることです 法 律 が 改 正 されても 現 在 すでに 成 立 している 借 地 借 家 関 係 は その 存 続 に 関 しては これまでどおりの 扱 い を 受 けることがはっきりしているのです したがって 右 のような 危 惧 の 念 がいだかれる 余 地 はないので す このことは 既 存 の 関 係 につき 何 回 契 約 の 更 新 があっても あるいは 相 続 や 譲 渡 があって 当 事 者 が 変 わっても 同 様 です これまで 契 約 書 がなくて 新 たに 新 法 施 行 後 に 契 約 書 を 作 ることになっても 変 わりあ りません また 当 事 者 間 で 新 法 施 行 後 は 新 法 による 更 新 をする というような 合 意 をしても 効 力 は 認 められません 借 地 借 家 法 の 改 正 は これからの 借 地 借 家 関 係 はどうあるべきかという 見 地 からなされますから その 改 正 後 の 姿 は これからの 借 地 借 家 関 係 としては 望 ましいものかもしれません しかし 現 在 の 借 地 借 家 関 係 は 例 えば 借 地 でいえば 多 くの 権 利 金 を 支 払 って 借 地 権 を 確 保 している 人 がいるとい う 例 に 示 されるように 当 事 者 の 関 係 としては 安 定 したものになっている 場 合 がかなりあると 思 われ ます この 関 係 を 本 質 的 に 改 めるということについては 問 題 が 多 いということは 十 分 に 理 解 できること です したがって 新 法 では その 附 則 において 改 正 の 内 容 のうち 権 利 の 存 続 に 関 係 がある 部 分 について は 既 存 の 借 地 借 家 関 係 には 新 しい 法 律 の 規 定 を 適 用 しないことを 明 らかにしているのです 3

7 定 期 借 地 権 は 借 地 借 家 法 に 規 定 されており 一 般 定 期 借 地 権 ( 法 22 条 ) 2 事 業 用 定 期 借 地 権 等 ( 法 23 条 ) 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 ( 法 24 条 )に 分 けられる このう ち 事 業 用 定 期 借 地 権 等 は 平 成 19 年 の 一 部 改 正 ( 平 成 20 年 1 月 1 日 施 行 )により 事 業 用 借 地 権 に 関 する 規 定 等 の 見 直 しが 行 われ 法 23 条 ( 事 業 用 定 期 借 地 権 等 )として 整 理 された なお 改 正 前 の 事 業 用 借 地 権 は なお 従 前 の 例 による という 附 則 によ り 現 時 点 でも 存 在 している( 以 下 本 報 告 書 においては 特 段 の 説 明 がない 限 り 改 正 後 の 事 業 用 定 期 借 地 権 等 と 改 正 前 の 事 業 用 借 地 権 をあわせて 事 業 用 定 期 借 地 権 等 と 総 称 している ) 2 法 22 条 の 法 文 の 標 題 は 定 期 借 地 権 となっているが 法 22 条 から 24 条 の 借 地 権 の 総 称 として 定 期 借 地 権 と 呼 ぶ 場 合 もあることから 両 者 を 区 別 するため 本 報 告 書 においては 法 22 条 の 借 地 権 を 一 般 定 期 借 地 権 法 22 条 から 24 条 の 借 地 権 の 総 称 を 定 期 借 地 権 として 記 載 している なお 法 22 条 の 借 地 権 については 一 般 的 に 一 般 定 期 借 地 権 と 呼 ばれている 法 務 省 民 事 局 参 事 官 室 編 一 問 一 答 新 しい 借 地 借 家 法 ( 商 事 法 務 研 究 会 1992 年 )85~86 頁 コンメンタール 借 地 借 家 法 ( 第 2 版 ) ( 日 本 評 論 社 2003 年 )67 頁 参 照 4

8 図 表 1: 借 地 権 の 種 類 定 期 借 地 権 普 通 旧 法 借 地 権 一 般 定 期 建 物 譲 渡 特 約 改 正 前 改 正 後 借 地 権 借 地 権 付 借 地 権 事 業 用 借 地 権 事 業 用 定 期 借 地 権 等 利 用 目 的 制 限 なし 制 限 なし 制 限 なし 制 限 なし 堅 固 建 物 :30 年 以 上 非 堅 固 建 物 :20 年 以 上 ( 当 事 者 存 続 期 間 による 期 間 の 定 30 年 以 上 50 年 以 上 30 年 以 上 めが 無 い 場 合 は 堅 固 建 物 60 年 非 堅 固 建 物 30 年 ) 契 約 更 新 終 了 に 関 終 了 に 関 する 特 する 特 約 約 は 無 効 は 無 効 再 築 による 期 間 延 長 堅 固 建 物 :30 年 1 回 目 20 更 新 後 以 上 年 の 期 間 非 堅 固 建 物 :20 2 回 目 以 年 以 上 降 10 年 建 物 買 取 請 求 権 あり あり 設 定 方 式 規 定 なし 規 定 なし 正 当 事 由 更 新 排 除 の 特 約 が 必 要 期 間 延 長 しない 旨 の 特 約 が 必 要 建 物 譲 渡 によ り 借 地 権 は 消 滅 事 業 専 用 建 物 の 所 有 目 的 に 限 定 事 業 専 用 建 物 の 所 有 目 的 に 限 定 10 年 以 上 10 年 以 上 30 年 以 上 20 年 以 下 30 年 未 満 50 年 未 満 なし なし 更 新 排 除 の 特 約 が 必 要 期 間 延 長 しな なし なし い 旨 の 特 約 が 必 要 なし なし なし なし なし 買 取 請 求 買 取 請 求 排 排 除 特 約 あり なし なし 除 特 約 が 必 が 必 要 要 書 面 によ 公 正 証 書 公 正 証 書 に 規 定 なし 公 正 証 書 による る による よる 終 了 事 由 期 間 満 了 前 の 建 正 当 事 由 期 間 満 了 建 物 譲 渡 期 間 満 了 期 間 満 了 期 間 満 了 物 朽 廃 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 は 借 地 契 約 自 体 は 普 通 借 地 権 一 般 定 期 借 地 権 事 業 用 定 期 借 地 権 等 のうち 存 続 期 間 が 30 年 以 上 の 借 地 契 約 そのものに 建 物 譲 渡 特 約 を 付 したものであり 期 限 を 有 するため 前 表 及 び 本 報 告 書 において 定 期 借 地 権 の 一 つとして 分 類 している 上 記 の 借 地 権 の 種 類 のほかに 地 上 権 ( 物 権 )であるか 賃 借 権 ( 債 権 )であるかという 区 分 がある 5

9 1-2. 定 期 借 地 権 の 種 類 定 期 借 地 権 は 一 般 定 期 借 地 権 事 業 用 定 期 借 地 権 等 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 に 分 け られる (1) 一 般 定 期 借 地 権 一 般 定 期 借 地 権 については 法 22 条 において 以 下 のように 規 定 されている 借 地 借 家 法 第 二 十 二 条 ( 定 期 借 地 権 ) 存 続 期 間 を 五 十 年 以 上 として 借 地 権 を 設 定 する 場 合 においては 第 九 条 及 び 第 十 六 条 の 規 定 にかかわらず 契 約 の 更 新 ( 更 新 の 請 求 及 び 土 地 の 使 用 の 継 続 によるものを 含 む 次 条 第 一 項 において 同 じ ) 及 び 建 物 の 築 造 による 存 続 期 間 の 延 長 がなく 並 びに 第 十 三 条 の 規 定 による 買 取 りの 請 求 をしないこととする 旨 を 定 めることができ る この 場 合 においては その 特 約 は 公 正 証 書 による 等 書 面 によってしなければな らない 第 9 条 ( 強 行 規 定 ) 第 13 条 ( 建 物 買 取 請 求 権 ) 第 16 条 ( 強 行 規 定 ) これは 借 地 期 間 を 50 年 以 上 とすることを 条 件 として a. 契 約 の 更 新 をしない b. 建 物 再 築 による 期 間 の 延 長 をしない c. 法 13 条 の 規 定 による 建 物 の 買 取 りの 請 求 3 をしないという 3 つの 特 約 を 公 正 証 書 などの 書 面 で 契 約 をすることで 成 立 す る 旧 法 では この 3 つの 特 約 はいずれも 借 地 人 に 不 利 な 契 約 として 無 効 としてい 3 法 務 省 民 事 局 参 事 官 室 編 一 問 一 答 新 しい 借 地 借 家 法 ( 商 事 法 務 研 究 会 1992 年 )92~93 頁 によれ ば 次 のとおりであり 一 般 定 期 借 地 権 においては 更 新 排 除 の 一 部 として 建 物 買 取 請 求 権 がない 旨 の 特 約 が 必 要 である 点 とその 後 の 建 物 買 取 に 関 する 合 意 が 可 能 である 点 について 説 明 がなされている 一 般 定 期 借 地 権 においては その 期 間 が 満 了 した 場 合 に 借 地 人 が 建 物 を 取 壊 して 土 地 の 明 け 渡 しを するということを 事 前 に 約 束 しておくという 意 味 で 両 当 事 者 が 借 地 人 には 建 物 買 取 請 求 権 がない 旨 の 特 約 をすることとされています このような 特 約 は 更 新 排 除 の 一 部 としてされなければならないも のとされており 存 続 期 間 が 満 了 すると 同 時 に 建 物 を 借 地 人 が 取 り 壊 して 土 地 を 地 主 に 返 さなければ ならないことになります もっとも そのような 特 約 があっても その 後 に 建 物 の 状 況 いかんによって は 地 主 に 譲 渡 してこれを 残 しておくことが 合 理 的 であると 考 えられる 場 合 もでてくるでしょう その 場 合 には あらためて 存 続 期 間 の 満 了 時 に 建 物 を 地 主 に 譲 渡 して 代 金 を 払 わせることを 両 当 事 者 の 間 で 合 意 することはできないわけではありません なお 法 13 条 の 建 物 買 取 請 求 権 はあくまでも 借 地 権 者 の 形 成 権 ( 権 利 者 の 一 方 的 意 思 表 示 によって 一 定 の 法 律 関 係 を 変 動 することができる 私 権 をいう 例 えば 取 消 権 追 認 権 解 除 権 認 知 権 などが 該 当 する )であり 地 主 と 借 地 人 の 合 意 に 基 づく 建 物 買 取 特 約 についても 有 効 であると 考 えられる しか し 地 主 と 借 地 人 の 合 意 に 基 づく 建 物 買 取 特 約 が 法 24 条 の 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 ( 設 定 後 30 年 以 上 を 経 過 した 日 に 借 地 上 の 建 物 を 地 主 に 相 当 の 対 価 で 譲 渡 する 旨 が 定 められた 借 地 権 )よりも 借 地 人 に 不 利 な 特 約 の 場 合 には 法 9 条 により 特 約 が 無 効 となる 可 能 性 もある これについて コンメンタール 借 地 借 家 法 ( 第 2 版 ) ( 日 本 評 論 社 2003 年 )165 頁 によれば 次 のとおりである 建 物 所 有 権 が 移 転 するのは 借 地 権 設 定 後 30 年 以 上 を 経 過 した 日 であることを 要 する たとえば 借 地 権 設 定 から 20 年 を 経 過 した 日 に 建 物 所 有 権 が 移 転 すべき 旨 の 特 約 は 無 効 であるから その 場 合 の 借 地 権 は 建 物 譲 渡 特 約 なしの 普 通 借 地 権 一 般 定 期 借 地 権 としての 扱 いを 受 けることになる 6

10 たが 実 務 的 には この 3 つの 特 約 をすべて 設 定 することにより 法 22 条 の 定 期 借 地 権 が 成 立 するとされる 4 ただし 3 つの 特 約 については 法 22 条 が 定 めることができる となってい ることから 不 可 分 説 5 ( 三 つの 事 項 の 全 部 を 特 約 しなければ 普 通 借 地 権 になると する 見 解 )と 可 分 説 6 ( 法 13 条 に 基 づく 建 物 買 取 請 求 権 の 排 除 特 約 を 定 めなくとも 定 期 借 地 権 として 認 められるとする 見 解 )がある 借 地 借 家 法 第 十 三 条 ( 建 物 買 取 請 求 権 ) 借 地 権 の 存 続 期 間 が 満 了 した 場 合 において 契 約 の 更 新 がないときは 借 地 権 者 は 借 地 権 設 定 者 に 対 し 建 物 その 他 借 地 権 者 が 権 原 により 土 地 に 附 属 させた 物 を 時 価 で 買 い 取 るべきことを 請 求 することができる 2 前 項 の 場 合 において 建 物 が 借 地 権 の 存 続 期 間 が 満 了 する 前 に 借 地 権 設 定 者 の 承 諾 を 得 ないで 残 存 期 間 を 超 えて 存 続 すべきものとして 新 たに 築 造 されたものであ るときは 裁 判 所 は 借 地 権 設 定 者 の 請 求 により 代 金 の 全 部 又 は 一 部 の 支 払 につ き 相 当 の 期 限 を 許 与 することができる 3 前 二 項 の 規 定 は 借 地 権 の 存 続 期 間 が 満 了 した 場 合 における 転 借 地 権 者 と 借 地 権 設 定 者 との 間 について 準 用 する 4 法 務 省 民 事 局 参 事 官 室 編 一 問 一 答 新 しい 借 地 借 家 法 ( 商 事 法 務 研 究 会 1992 年 )88 頁 によれば 次 のとおりである 定 期 借 地 権 はいずれも 更 新 のない 借 地 権 ですが その 更 新 をなくす 仕 組 みには 借 地 権 による 違 いが あります 一 般 定 期 借 地 権 は 借 地 権 を 設 定 する 際 に 当 事 者 が 借 地 借 家 法 上 の(1) 更 新 がないこと (2) 建 物 の 再 築 による 期 間 の 延 長 がないこと (3) 建 物 買 取 請 求 をしないこと の 三 つをあわせて 特 約 するこ とによって 更 新 がないことになるという 構 成 をとっています そして 法 律 は このような 特 約 は 29 存 続 期 間 を 50 年 以 上 の 期 間 で 定 める で 示 した 条 件 を 満 たしている 限 り 効 力 を 有 するものと 扱 われること を 明 らかにしているのです( 第 二 十 二 条 ) したがって この 特 約 をすることにより 更 新 関 係 の 規 定 ( 第 五 条 第 六 条 ) 建 物 滅 失 後 の 再 築 による 延 長 の 規 定 ( 第 七 条 ) 期 間 満 了 時 の 建 物 買 取 請 求 権 の 規 定 ( 第 十 三 条 )の 適 用 はないことになります また 契 約 更 新 後 の 関 係 についての 規 定 ( 第 四 条 第 八 条 第 十 八 条 )も この 定 期 借 地 権 にあっては 適 用 の 余 地 はありません しかし 建 物 買 取 請 求 権 といっても 第 三 者 への 建 物 譲 渡 に 伴 う 借 地 権 譲 渡 について 地 主 の 承 諾 が 得 られない 場 合 の 建 物 買 取 請 求 権 ( 第 十 四 条 )は 失 われるわけではありません 5 不 可 分 説 の 根 拠 は 脚 注 4 の 立 法 担 当 者 の 見 解 と 登 記 実 務 であり 登 記 実 務 について コンメンタール 借 地 借 家 法 ( 第 2 版 ) ( 日 本 評 論 社 2003 年 )159~160 頁 によれば 次 のとおりである 登 記 実 務 上 は 契 約 更 新 建 物 再 築 による 存 続 期 間 の 延 長 建 物 買 取 請 求 権 の 三 つを 不 可 分 に 排 除 す ることが 必 要 であるとの 解 釈 を 前 提 に これらのうちの 一 部 のみを 排 除 する 旨 の 書 面 が 添 付 された 場 合 には 同 様 に 申 請 を 却 下 することとしている 6 可 分 説 の 理 由 について コンメンタール 借 地 借 家 法 ( 第 2 版 ) ( 日 本 評 論 社 2003 年 )156~157 頁 に よれば 次 のとおりである 理 由 の 第 1 は そう 解 することが 借 地 権 者 の 保 護 に 資 することにある 第 2 は 文 理 上 の 理 由 であり 三 つのことがらの 不 可 分 な 排 除 を 求 めるのであれば その 趣 旨 を 疑 問 の 余 地 なく 表 現 するためには 法 文 が 用 いているような 及 び とか 並 びに という 接 続 詞 ではなく かつ を 用 いるはずである 7

11 (2) 事 業 用 定 期 借 地 権 等 事 業 用 定 期 借 地 権 等 については 法 23 条 に 以 下 のように 規 定 されている 借 地 借 家 法 第 二 十 三 条 ( 事 業 用 定 期 借 地 権 等 ) 専 ら 事 業 の 用 に 供 する 建 物 ( 居 住 の 用 に 供 するものを 除 く 次 項 において 同 じ ) の 所 有 を 目 的 とし かつ 存 続 期 間 を 三 十 年 以 上 五 十 年 未 満 として 借 地 権 を 設 定 す る 場 合 においては 第 九 条 及 び 第 十 六 条 の 規 定 にかかわらず 契 約 の 更 新 及 び 建 物 の 築 造 による 存 続 期 間 の 延 長 がなく 並 びに 第 十 三 条 の 規 定 による 買 取 りの 請 求 を しないこととする 旨 を 定 めることができる 2 専 ら 事 業 の 用 に 供 する 建 物 の 所 有 を 目 的 とし かつ 存 続 期 間 を 十 年 以 上 三 十 年 未 満 として 借 地 権 を 設 定 する 場 合 には 第 三 条 から 第 八 条 まで 第 十 三 条 及 び 第 十 八 条 の 規 定 は 適 用 しない 3 前 二 項 に 規 定 する 借 地 権 の 設 定 を 目 的 とする 契 約 は 公 正 証 書 によってしなけれ ばならない 第 3 条 ( 借 地 権 の 存 続 期 間 ) 第 4 条 ( 借 地 権 の 更 新 後 の 期 間 ) 第 5 条 ( 借 地 契 約 の 更 新 請 求 等 ) 第 6 条 ( 借 地 契 約 の 更 新 拒 絶 の 要 件 ) 第 7 条 ( 建 物 の 再 築 による 借 地 期 間 の 延 長 ) 第 8 条 ( 借 地 契 約 の 更 新 後 の 建 物 の 滅 失 による 解 約 等 ) 第 9 条 ( 強 行 規 定 ) 第 13 条 ( 建 物 買 取 請 求 権 ) 第 16 条 ( 強 行 規 定 ) 第 18 条 ( 借 地 契 約 の 更 新 後 の 建 物 の 再 築 の 許 可 ) 事 業 用 定 期 借 地 権 等 は 専 ら 事 業 の 用 に 供 する 建 物 ( 居 住 用 を 除 く)の 所 有 を 目 的 に 存 続 期 間 を 10 年 以 上 50 年 未 満 として 契 約 する 場 合 には 一 般 定 期 借 地 権 と 同 様 に 契 約 の 更 新 建 物 再 築 による 期 間 の 延 長 法 13 条 の 期 間 満 了 における 建 物 買 取 請 求 権 が 適 用 されない 法 第 23 条 の 条 文 を 詳 細 にみれば 存 続 期 間 を 10 年 以 上 30 年 未 満 として 借 地 権 を 設 定 する 場 合 ( 法 23 条 2 項 )は 定 期 借 地 権 の 要 件 が 自 動 的 に 適 用 される 一 方 存 続 期 間 を 30 年 以 上 50 年 未 満 として 借 地 権 を 設 定 する 場 合 ( 法 23 条 1 項 )にお いては 一 般 定 期 借 地 権 と 同 様 に 3 つの 特 約 を 定 めることができる( 契 約 は 公 正 証 書 で 行 うことが 必 要 )としている 7 なお 定 期 借 地 権 が 創 設 された 平 成 4 年 当 初 は 事 業 用 定 期 借 地 権 の 設 定 期 間 は 10 年 以 上 20 年 以 下 とされており 短 期 間 の 活 用 が 想 定 されていたが 平 成 20 年 1 月 に 10 年 以 上 50 年 未 満 に 改 正 された これは 当 初 ロードサイド 店 舗 の 展 開 等 における 活 用 が 主 と 考 えられていたものの 実 際 にはショッピングモール 等 の 大 規 模 なものについても 利 用 されたこと また 税 制 上 の 建 物 償 却 期 間 との 不 整 合 の 問 題 が 生 じたことからの 改 正 といえる 8 事 業 用 使 途 での 定 期 借 地 権 の 利 用 については その 借 地 期 間 に 応 じて 次 のとおり 7 一 般 定 期 借 地 権 の 場 合 と 同 様 不 可 分 説 可 分 説 の 考 え 方 がある 前 記 (1)を 参 照 8 国 土 交 通 省 ホームページ 8

12 となる 10 年 以 上 50 年 未 満 では 事 業 用 定 期 借 地 権 等 50 年 以 上 では 一 般 定 期 借 地 権 さらに 30 年 以 上 の 事 業 用 定 期 借 地 権 には 法 24 条 の 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 とす ることもできるので 建 物 取 壊 しを 前 提 としない 方 式 も 可 能 となるなど 定 期 借 地 権 活 用 のバリエーションは 大 きく 広 がっている (3) 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 については 法 24 条 に 以 下 のように 規 定 されている 借 地 借 家 法 第 二 十 四 条 ( 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 ) 借 地 権 を 設 定 する 場 合 ( 前 条 第 二 項 に 規 定 する 借 地 権 を 設 定 する 場 合 を 除 く )に おいては 第 九 条 の 規 定 にかかわらず 借 地 権 を 消 滅 させるため その 設 定 後 三 十 年 以 上 を 経 過 した 日 に 借 地 権 の 目 的 である 土 地 の 上 の 建 物 を 借 地 権 設 定 者 に 相 当 の 対 価 で 譲 渡 する 旨 を 定 めることができる 2 前 項 の 特 約 により 借 地 権 が 消 滅 した 場 合 において その 借 地 権 者 又 は 建 物 の 賃 借 人 でその 消 滅 後 建 物 の 使 用 を 継 続 しているものが 請 求 をしたときは 請 求 の 時 にそ の 建 物 につきその 借 地 権 者 又 は 建 物 の 賃 借 人 と 借 地 権 設 定 者 との 間 で 期 間 の 定 め のない 賃 貸 借 ( 借 地 権 者 が 請 求 をした 場 合 において 借 地 権 の 残 存 期 間 があるとき は その 残 存 期 間 を 存 続 期 間 とする 賃 貸 借 )がされたものとみなす この 場 合 にお いて 建 物 の 借 賃 は 当 事 者 の 請 求 により 裁 判 所 が 定 める 3 第 一 項 の 特 約 がある 場 合 において 借 地 権 者 又 は 建 物 の 賃 借 人 と 借 地 権 設 定 者 と の 間 でその 建 物 につき 第 三 十 八 条 第 一 項 の 規 定 による 賃 貸 借 契 約 をしたときは 前 項 の 規 定 にかかわらず その 定 めに 従 う 第 9 条 ( 強 行 規 定 ) 第 38 条 ( 定 期 建 物 賃 貸 借 ) 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 は 借 地 権 設 定 後 30 年 以 上 経 過 した 日 に 地 主 が 借 地 人 から 借 地 上 の 建 物 を 買 取 ることを 約 定 した 借 地 権 9 である 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 は その 設 定 に 際 し 特 に 書 面 による 必 要 はなく 口 頭 でも 可 能 とされ 当 該 借 地 権 を 設 定 する 際 に 借 地 権 を 消 滅 させるため 30 年 以 上 経 過 した 日 に 相 当 の 対 価 で 借 地 上 の 建 物 を 地 主 に 譲 渡 する 旨 の 特 約 を 結 ぶことができるとされている 将 来 の 建 物 の 買 取 りが 確 実 に 履 行 されるようにするため 所 有 権 移 転 の 仮 登 記 などがなされ るのが 通 常 である 9 前 記 のとおり 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 における 借 地 契 約 自 体 は 普 通 借 地 権 一 般 定 期 借 地 権 事 業 用 定 期 借 地 権 等 のうち 存 続 期 間 が 30 年 以 上 の 借 地 契 約 の 場 合 がある 9

13 なお 不 動 産 登 記 法 59 条 1 項 5 号 10 において 権 利 に 関 する 登 記 の 登 記 事 項 として 登 記 の 目 的 である 権 利 の 消 滅 に 関 する 定 めがあるときは その 定 め を 登 記 する こととなっており 上 記 のケースでは 不 動 産 登 記 規 則 3 条 1 項 6 号 11 により 付 記 登 記 として 登 記 されることとなる 地 主 が 建 物 を 買 い 取 った 後 でも 借 地 人 又 は 借 家 人 がそのまま 建 物 を 利 用 したい という 場 合 には 定 期 借 家 契 約 を 活 用 し 期 限 を 定 めた 借 家 契 約 とする 特 約 を 結 ぶ ことも 可 能 である( 法 24 条 3 項 ) この 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 は 地 主 が 借 地 人 から 建 物 を 買 取 ることで 借 地 権 が 消 10 不 動 産 登 記 法 59 条 の 規 定 は 次 のとおりである 不 動 産 登 記 法 第 五 十 九 条 ( 権 利 に 関 する 登 記 の 登 記 事 項 ) 権 利 に 関 する 登 記 の 登 記 事 項 は 次 のとおりとする 一 登 記 の 目 的 二 申 請 の 受 付 の 年 月 日 及 び 受 付 番 号 三 登 記 原 因 及 びその 日 付 四 登 記 に 係 る 権 利 の 権 利 者 の 氏 名 又 は 名 称 及 び 住 所 並 びに 登 記 名 義 人 が 二 人 以 上 であるときは 当 該 権 利 の 登 記 名 義 人 ごとの 持 分 五 登 記 の 目 的 である 権 利 の 消 滅 に 関 する 定 めがあるときは その 定 め 六 共 有 物 分 割 禁 止 の 定 め( 共 有 物 若 しくは 所 有 権 以 外 の 財 産 権 について 民 法 ( 明 治 二 十 九 年 法 律 第 八 十 九 号 ) 第 二 百 五 十 六 条 第 一 項 ただし 書 ( 同 法 第 二 百 六 十 四 条 において 準 用 する 場 合 を 含 む )の 規 定 により 分 割 をしない 旨 の 契 約 をした 場 合 若 しくは 同 法 第 九 百 八 条 の 規 定 により 被 相 続 人 が 遺 言 で 共 有 物 若 しくは 所 有 権 以 外 の 財 産 権 について 分 割 を 禁 止 した 場 合 における 共 有 物 若 しくは 所 有 権 以 外 の 財 産 権 の 分 割 を 禁 止 する 定 め 又 は 同 法 第 九 百 七 条 第 三 項 の 規 定 により 家 庭 裁 判 所 が 遺 産 である 共 有 物 若 しくは 所 有 権 以 外 の 財 産 権 についてした 分 割 を 禁 止 する 審 判 をいう 第 六 十 五 条 において 同 じ )があるときは その 定 め 七 民 法 第 四 百 二 十 三 条 その 他 の 法 令 の 規 定 により 他 人 に 代 わって 登 記 を 申 請 した 者 ( 以 下 代 位 者 という )があるときは 当 該 代 位 者 の 氏 名 又 は 名 称 及 び 住 所 並 びに 代 位 原 因 八 第 二 号 に 掲 げるもののほか 権 利 の 順 位 を 明 らかにするために 必 要 な 事 項 として 法 務 省 令 で 定 める もの 11 不 動 産 登 記 規 則 3 条 の 規 定 は 次 のとおりである 不 動 産 登 記 規 則 第 三 条 ( 付 記 登 記 ) 次 に 掲 げる 登 記 は 付 記 登 記 によってするものとする 一 登 記 名 義 人 の 氏 名 若 しくは 名 称 又 は 住 所 についての 変 更 の 登 記 又 は 更 正 の 登 記 二 次 に 掲 げる 登 記 その 他 の 法 第 六 十 六 条 に 規 定 する 場 合 における 権 利 の 変 更 の 登 記 又 は 更 正 の 登 記 イ 債 権 の 分 割 による 抵 当 権 の 変 更 の 登 記 ロ 民 法 ( 明 治 二 十 九 年 法 律 第 八 十 九 号 ) 第 三 百 九 十 八 条 の 八 第 一 項 又 は 第 二 項 (これらの 規 定 を 同 法 第 三 百 六 十 一 条 において 準 用 する 場 合 を 含 む )の 合 意 の 登 記 ハ 民 法 第 三 百 九 十 八 条 の 十 二 第 二 項 ( 同 法 第 三 百 六 十 一 条 において 準 用 する 場 合 を 含 む )に 規 定 する 根 質 権 又 は 根 抵 当 権 を 分 割 して 譲 り 渡 す 場 合 においてする 極 度 額 の 減 額 による 変 更 の 登 記 ニ 民 法 第 三 百 九 十 八 条 の 十 四 第 一 項 ただし 書 ( 同 法 第 三 百 六 十 一 条 において 準 用 する 場 合 を 含 む ) の 定 めの 登 記 三 登 記 事 項 の 一 部 が 抹 消 されている 場 合 においてする 抹 消 された 登 記 の 回 復 四 所 有 権 以 外 の 権 利 を 目 的 とする 権 利 に 関 する 登 記 ( 処 分 の 制 限 の 登 記 を 含 む ) 五 所 有 権 以 外 の 権 利 の 移 転 の 登 記 六 登 記 の 目 的 である 権 利 の 消 滅 に 関 する 定 めの 登 記 七 民 法 第 三 百 九 十 三 条 ( 同 法 第 三 百 六 十 一 条 において 準 用 する 場 合 を 含 む )の 規 定 による 代 位 の 登 記 八 抵 当 証 券 交 付 又 は 抵 当 証 券 作 成 の 登 記 九 買 戻 しの 特 約 の 登 記 10

14 滅 するが 建 物 に 関 する 当 初 の 利 用 目 的 が 失 われた 場 合 や 建 物 の 維 持 管 理 状 態 が 良 好 ではない 場 合 などにおいては 地 主 が 建 物 の 買 取 りを 止 める 選 択 をすることも 考 えられる(すなわち 建 物 を 買 取 るか 否 かについて 地 主 の 意 思 とすることも 可 能 12 ) その 場 合 借 地 権 は 消 滅 することなく 継 続 することになる 更 新 が 認 められていない 一 般 定 期 借 地 権 又 は 事 業 用 定 期 借 地 権 (30 年 以 上 )に 建 物 譲 渡 特 約 を 付 加 した 場 合 に 地 主 が 建 物 買 取 予 約 の 権 利 を 行 使 しないときは 一 般 定 期 借 地 権 又 は 事 業 用 定 期 借 地 権 の 契 約 期 間 満 了 をもって 借 地 権 は 消 滅 する そ の 場 合 には 借 地 人 が 建 物 を 取 壊 し 更 地 で 返 還 することになる 12 法 務 省 民 事 局 参 事 官 室 編 一 問 一 答 新 しい 借 地 借 家 法 ( 商 事 法 務 研 究 会 1992 年 )101 頁 によれば 次 のとおりである この 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 の 期 間 ですが まず 借 地 契 約 自 体 は 普 通 借 地 権 あるいは 一 般 定 期 借 地 権 の 契 約 そのものです ですから 最 低 三 十 年 の 存 続 期 間 を 定 めることとなりますし 五 十 年 以 上 の 確 定 期 限 のものでも 構 いません 次 に 建 物 が 譲 渡 される 時 期 ですが 借 地 権 の 設 定 後 三 十 年 以 後 であれ ばよく 例 えば 三 十 年 四 十 年 というように 確 定 期 限 を 定 めることもできますし 三 十 年 後 で 地 主 が 申 し 出 たとき というように 地 主 の 意 思 にからしめることもできます 借 地 契 約 の 期 間 の 満 了 時 と 建 物 の 譲 渡 時 をぴったり 一 致 させる 必 要 はありません したがって 借 地 契 約 は 五 十 年 とし 借 地 権 設 定 後 三 十 年 後 で 地 主 が 申 し 出 たときに 建 物 を 譲 渡 する と 決 めることも 可 能 です この 借 地 契 約 においては 借 地 契 約 と 建 物 譲 渡 特 約 とを 一 体 化 させておくことに 注 意 しなければなり ません どちらか 一 方 の 契 約 上 の 地 位 が 分 離 すると 定 期 借 地 権 としての 効 果 が 得 られなくなるからです 11

15 1-3. 定 期 借 地 権 の 法 的 性 質 定 期 借 地 権 の 譲 渡 性 定 期 借 地 権 においても 旧 法 借 地 権 や 普 通 借 地 権 と 同 様 定 期 借 地 権 が 地 上 権 である 場 合 には 譲 渡 性 に 問 題 はないが 借 地 権 が 賃 借 権 である 場 合 には 民 法 612 条 によ り 賃 借 権 の 譲 渡 及 び 転 貸 が 制 限 されている 民 法 第 六 百 十 二 条 ( 賃 借 権 の 譲 渡 及 び 転 貸 の 制 限 ) 賃 借 人 は 賃 貸 人 の 承 諾 を 得 なければ その 賃 借 権 を 譲 り 渡 し 又 は 賃 借 物 を 転 貸 することができない 2 賃 借 人 が 前 項 の 規 定 に 違 反 して 第 三 者 に 賃 借 物 の 使 用 又 は 収 益 をさせたときは 賃 貸 人 は 契 約 の 解 除 をすることができる ただし 借 地 権 が 賃 借 権 であっても 建 物 が 付 着 している 場 合 には 法 19 条 により 借 地 権 者 が 賃 借 権 の 目 的 である 土 地 の 上 の 建 物 を 第 三 者 に 譲 渡 しようとする 場 合 に おいて その 第 三 者 が 賃 借 権 を 取 得 し 又 は 転 借 をしても 借 地 権 設 定 者 に 不 利 となる おそれがないにもかかわらず 借 地 権 設 定 者 がその 賃 借 権 の 譲 渡 又 は 転 貸 を 承 諾 しな いときは 裁 判 所 による 土 地 の 賃 借 権 の 譲 渡 又 は 転 貸 の 代 諾 許 可 制 度 を 設 けている 13 借 地 借 家 法 第 十 九 条 ( 土 地 の 賃 借 権 の 譲 渡 又 は 転 貸 の 許 可 ) 借 地 権 者 が 賃 借 権 の 目 的 である 土 地 の 上 の 建 物 を 第 三 者 に 譲 渡 しようとする 場 合 において その 第 三 者 が 賃 借 権 を 取 得 し 又 は 転 借 をしても 借 地 権 設 定 者 に 不 利 となるおそれがないにもかかわらず 借 地 権 設 定 者 がその 賃 借 権 の 譲 渡 又 は 転 貸 を 承 諾 しないときは 裁 判 所 は 借 地 権 者 の 申 立 てにより 借 地 権 設 定 者 の 承 諾 に 代 わる 許 可 を 与 えることができる この 場 合 において 当 事 者 間 の 利 益 の 衡 平 を 図 る ため 必 要 があるときは 賃 借 権 の 譲 渡 若 しくは 転 貸 を 条 件 とする 借 地 条 件 の 変 更 を 命 じ 又 はその 許 可 を 財 産 上 の 給 付 に 係 らしめることができる 2 裁 判 所 は 前 項 の 裁 判 をするには 賃 借 権 の 残 存 期 間 借 地 に 関 する 従 前 の 経 過 賃 借 権 の 譲 渡 又 は 転 貸 を 必 要 とする 事 情 その 他 一 切 の 事 情 を 考 慮 しなければなら ない 3 第 一 項 の 申 立 てがあった 場 合 において 裁 判 所 が 定 める 期 間 内 に 借 地 権 設 定 者 が 自 ら 建 物 の 譲 渡 及 び 賃 借 権 の 譲 渡 又 は 転 貸 を 受 ける 旨 の 申 立 てをしたときは 裁 判 13 借 地 権 設 定 者 の 譲 渡 又 は 転 貸 の 承 諾 を 得 る 前 に 借 地 上 の 建 物 等 の 譲 渡 がなされた 場 合 において 借 地 設 定 者 が 賃 借 権 の 譲 渡 又 は 転 貸 を 承 諾 しない 場 合 の 扱 いについて 法 14 条 に 以 下 のとおり 規 定 されている 借 地 借 家 法 第 十 四 条 ( 第 三 者 の 建 物 買 取 請 求 権 ) 第 三 者 が 賃 借 権 の 目 的 である 土 地 の 上 の 建 物 その 他 借 地 権 者 が 権 原 によって 土 地 に 附 属 させた 物 を 取 得 した 場 合 において 借 地 権 設 定 者 が 賃 借 権 の 譲 渡 又 は 転 貸 を 承 諾 しないときは その 第 三 者 は 借 地 権 設 定 者 に 対 し 建 物 その 他 借 地 権 者 が 権 原 によって 土 地 に 附 属 させた 物 を 時 価 で 買 い 取 るべきことを 請 求 することができる 12

16 所 は 同 項 の 規 定 にかかわらず 相 当 の 対 価 及 び 転 貸 の 条 件 を 定 めて これを 命 ず ることができる この 裁 判 においては 当 事 者 双 方 に 対 し その 義 務 を 同 時 に 履 行 すべきことを 命 ずることができる 4 前 項 の 申 立 ては 第 一 項 の 申 立 てが 取 り 下 げられたとき 又 は 不 適 法 として 却 下 されたときは その 効 力 を 失 う 5 第 三 項 の 裁 判 があった 後 は 第 一 項 又 は 第 三 項 の 申 立 ては 当 事 者 の 合 意 がある 場 合 でなければ 取 り 下 げることができない 6 裁 判 所 は 特 に 必 要 がないと 認 める 場 合 を 除 き 第 一 項 又 は 第 三 項 の 裁 判 をする 前 に 鑑 定 委 員 会 の 意 見 を 聴 かなければならない 7 前 各 項 の 規 定 は 転 借 地 権 が 設 定 されている 場 合 における 転 借 地 権 者 と 借 地 権 設 定 者 との 間 について 準 用 する ただし 借 地 権 設 定 者 が 第 三 項 の 申 立 てをするには 借 地 権 者 の 承 諾 を 得 なければならない 定 期 借 地 権 の 場 合 も 普 通 借 地 権 旧 法 借 地 権 同 様 借 地 関 係 に 関 する 法 律 の 規 定 のうち 適 用 が 排 除 される 規 定 以 外 については 普 通 の 借 地 権 と 同 じ 法 律 効 果 が 及 ぶこ とから 建 物 が 付 着 している 定 期 借 地 権 の 譲 渡 性 については 明 確 に 認 められているも のと 考 えられる 14 一 方 普 通 借 地 権 と 同 様 に 建 物 が 付 着 していない 借 地 権 単 独 での 譲 渡 性 について は 原 則 に 則 り 定 期 借 地 権 においても それが 賃 借 権 である 限 り 民 法 の 規 定 によ り これを 第 三 者 に 譲 渡 するには 原 則 として 地 主 の 承 諾 が 必 要 となると 考 えられる ただし 平 成 24 年 8 月 に 法 務 省 民 事 局 参 事 官 室 より 発 表 された 罹 災 都 市 借 地 借 家 臨 時 処 理 法 の 見 直 しに 関 する 担 当 者 素 案 によれば 次 のとおりであり 将 来 的 に 14 法 務 省 民 事 局 参 事 官 室 編 一 問 一 答 新 しい 借 地 借 家 法 ( 商 事 法 務 研 究 会 1992 年 )118~119 頁 によ れば 次 のとおりである 定 期 借 地 権 は 基 本 的 には 現 在 ある 借 地 権 とまったく 異 なるものとしてつくられるのではなく 現 在 の 借 地 権 の 内 容 のうち 確 定 期 限 で 終 了 するという 点 に 特 殊 性 があるという 性 格 をもつもので 一 定 の 特 約 をすることなどによって 借 地 関 係 に 関 する 法 律 の 規 定 のうち 適 用 が 排 除 される 規 定 以 外 のところ では 普 通 の 借 地 権 と 同 じ 法 律 の 適 用 を 受 けます 普 通 借 地 権 においては それが 賃 借 権 である 限 り 民 法 の 規 定 により これを 第 三 者 に 譲 渡 するには 原 則 として 地 主 の 承 諾 が 必 要 ですが 新 法 第 十 九 条 の 規 定 に 基 づき 建 物 の 譲 渡 に 伴 う 借 地 権 の 譲 渡 に つき 地 主 が 承 諾 を 与 えない 場 合 でも 裁 判 所 が 一 定 の 条 件 の 下 に 地 主 の 承 諾 に 代 わる 許 可 を 与 えることに よって 第 三 者 への 譲 渡 を 可 能 にされています 定 期 借 地 権 もこの 規 定 の 適 用 を 受 けますから 地 主 の 承 諾 があれば 第 三 者 に 譲 渡 をすることができますし 地 主 が 承 諾 を 拒 否 した 場 合 でも その 承 諾 に 代 わ る 許 可 を 求 めて 裁 判 所 に 申 立 てをすることができることになります また 譲 渡 に 承 諾 が 得 られない ときは 譲 渡 を 受 けた 者 から 建 物 買 取 請 求 権 を 行 使 することもできます( 第 十 四 条 ) 一 般 定 期 借 地 権 を 譲 渡 する 合 意 自 体 は 書 面 によってする 必 要 はありません また 事 業 用 定 期 借 地 権 を 譲 渡 する 場 合 にも 公 正 証 書 によってする 必 要 はありません なお 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 を 譲 渡 するに 当 たっては 借 地 権 とともに 建 物 譲 渡 特 約 上 の 地 位 が 譲 渡 されるようにしなければなりません そうでないと 借 地 権 の 譲 渡 について 地 主 の 承 諾 は 得 られないで しょうし これに 代 わる 裁 判 所 の 許 可 も 地 主 に 不 利 益 となるおそれがあるものとして 認 められないでし ょう 13

17 本 素 案 どおり 法 改 正 がなされ 罹 災 都 市 借 地 借 家 臨 時 処 理 法 15 が 適 用 される 場 合 には 裁 判 所 により 土 地 の 賃 借 権 の 単 独 の 譲 渡 の 代 諾 許 可 がなされ 土 地 の 賃 借 権 のみの 売 買 が 成 立 する 可 能 性 がある 罹 災 都 市 借 地 借 家 臨 時 処 理 法 の 見 直 しに 関 する 担 当 者 素 案 5 土 地 の 賃 借 権 の 譲 渡 又 は 転 貸 政 令 で 定 める 災 害 により 建 物 が 滅 失 した 場 合 について 以 下 の 制 度 を 設 けるものと する 1 借 地 権 者 が 政 令 で 定 める 災 害 により 滅 失 した 建 物 の 敷 地 である 土 地 の 賃 借 権 を 第 三 者 に 譲 渡 しようとする 場 合 又 はその 土 地 を 第 三 者 に 転 貸 しようとする 場 合 において その 第 三 者 が 賃 借 権 を 取 得 し 又 は 転 借 しても 借 地 権 設 定 者 に 不 利 と なるおそれがないにもかかわらず 借 地 権 設 定 者 がその 賃 借 権 の 譲 渡 又 は 転 貸 を 承 諾 しないときは 裁 判 所 は 借 地 権 者 の 申 立 てにより 借 地 権 設 定 者 の 承 諾 に 代 わる 許 可 を 与 えることができるものとする この 場 合 において 当 事 者 間 の 利 益 の 衡 平 を 図 るため 必 要 があるときは 賃 借 権 の 譲 渡 若 しくは 転 貸 を 条 件 とする 借 地 条 件 の 変 更 を 命 じ 又 はその 許 可 を 財 産 上 の 給 付 に 係 らしめることができる ものとする 2 1の 申 立 ては 政 令 の 施 行 の 日 から 起 算 して 1 年 を 経 過 する 日 までにしな ければならないものとする 15 平 成 24 年 8 月 に 法 務 省 民 事 局 参 事 官 室 より 発 表 された 罹 災 都 市 借 地 借 家 臨 時 処 理 法 の 見 直 しに 関 す る 担 当 者 素 案 の 補 足 説 明 の はじめに によれば 同 法 の 問 題 点 と 見 直 しの 必 要 性 として 次 のとおり の 指 摘 がなされている 3 罹 災 都 市 法 の 適 用 例 とその 問 題 点 ( 略 ) しかし 罹 災 都 市 法 は 前 記 のとおり 戦 災 により 住 居 を 失 った 被 災 者 の 保 護 を 主 たる 目 的 とし 旧 臨 時 処 理 法 及 び 物 件 令 の 法 体 系 を 基 本 的 に 引 き 継 いでいるため 第 二 次 世 界 大 戦 直 後 とは 異 なり 集 合 賃 貸 建 物 や 区 分 所 有 建 物 が 建 物 利 用 の 在 り 方 として 定 着 し 大 型 の 集 合 賃 貸 建 物 も 少 なくなく 借 地 権 が 相 当 の 財 産 的 価 値 を 有 するなどの 現 代 の 借 地 借 家 の 実 情 には 整 合 しなくなっている このため 滅 失 した 建 物 の 賃 借 人 等 にその 敷 地 又 は 換 地 の 賃 借 権 を 取 得 させる 優 先 借 地 権 は 建 物 の 賃 借 人 等 の 保 護 と して 明 らかに 過 大 である 新 たに 築 造 された 建 物 に 現 行 法 第 14 条 による 賃 借 の 申 出 をしても 新 築 物 件 であるために 賃 料 が 従 前 より 高 額 となり 実 際 にその 物 件 に 入 居 することができないといった 問 題 点 が 明 らかになったばかりか 罹 災 都 市 法 上 の 権 利 が 金 銭 授 受 の 手 段 に 使 われ 結 果 として 罹 災 都 市 法 の 適 用 が 復 興 の 妨 げになったといった 弊 害 すら 指 摘 されるところとなった ( 略 ) 4 罹 災 都 市 法 の 見 直 しの 必 要 性 平 成 23 年 3 月 11 日 に 発 生 した 東 日 本 大 震 災 は 戦 後 最 大 の 大 災 害 となり その 被 害 規 模 から 罹 災 都 市 法 を 適 用 することも 考 えられた しかし 関 係 市 町 村 から 罹 災 都 市 法 の 適 用 を 求 めないとの 回 答 が 示 されたこと 等 を 踏 まえ 東 日 本 大 震 災 への 罹 災 都 市 法 の 適 用 は 見 送 られた ( 略 ) 以 上 からすれば 被 災 した 借 地 権 者 及 び 建 物 の 賃 借 人 の 保 護 が 現 代 の 借 地 借 家 の 実 情 に 整 合 するよ う 早 急 に 罹 災 都 市 法 を 見 直 す 必 要 があることは 明 らかである ( 略 ) 14

18 罹 災 都 市 借 地 借 家 臨 時 処 理 法 の 見 直 しに 関 する 担 当 者 素 案 の 補 足 説 明 5 土 地 の 賃 借 権 の 譲 渡 又 は 転 貸 (1) 問 題 の 所 在 土 地 の 賃 借 権 の 譲 渡 又 は 転 貸 には 借 地 権 設 定 者 の 承 諾 を 要 することとされて おり 無 断 の 譲 渡 又 は 転 貸 があった 場 合 には 借 地 権 設 定 者 による 借 地 契 約 の 解 除 が 認 められている( 民 法 第 612 条 ) そして 借 地 上 に 建 物 が 存 続 する 場 合 には 借 地 権 設 定 者 の 承 諾 に 代 わる 裁 判 所 の 許 可 の 制 度 が 設 けられている( 借 地 借 家 法 第 19 条 ( 旧 借 地 法 第 9 条 ノ 2 第 9 条 ノ 4))が 建 物 が 滅 失 している 場 合 には 民 法 の 原 則 に 戻 り 借 地 権 設 定 者 の 承 諾 がなければ 土 地 の 賃 借 権 の 譲 渡 又 は 転 貸 をすることはできない もっとも 前 記 4(1)と 同 様 に 借 地 上 の 建 物 が 滅 失 し 借 地 権 者 に 建 物 を 再 築 する 資 力 がないような 場 合 には 借 地 権 者 は 土 地 の 利 用 ができないにもかかわ らず 賃 料 を 負 担 し 続 けることになる このような 場 合 には 借 地 権 者 としては 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ 等 をするのではなく 土 地 の 賃 借 権 を 譲 渡 又 は 転 貸 することにより 実 質 的 に 賃 料 負 担 を 減 免 させるとともに 投 下 資 本 を 回 収 した いと 考 えることも 想 定 される そこで 前 記 4 の 借 地 権 者 による 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 等 の 規 律 のほかに 借 地 借 家 法 第 19 条 に 準 じた 規 律 を 設 ける 必 要 があるものと 考 えられる これに 対 しては 建 物 の 処 分 の 自 由 のために 特 別 に 裁 判 所 による 承 諾 の 制 度 を 設 けた 借 地 借 家 法 第 19 条 とは 異 なり 建 物 がないのであれば 通 常 時 と 異 なる 特 例 を 設 けるまでの 必 要 はないのではないかという 指 摘 も 考 えられる しかし 前 記 のような 借 地 権 者 保 護 の 必 要 性 のほか 被 災 地 においては 少 しでも 多 くの 建 物 が 再 築 されることが 望 まれるところであり 土 地 の 賃 借 権 の 譲 受 け 又 は 転 借 を 希 望 する 者 がいる 場 合 には これを 認 め 建 物 を 再 築 する 資 力 のある 者 がその 土 地 を 使 用 することができるようにすることが 被 災 地 の 復 興 に 資 するものと 考 えら れることをも 考 慮 すると 通 常 時 とは 異 なる 特 例 を 設 けることが 相 当 であると 考 えられる (2) 担 当 者 素 案 の 説 明 以 上 を 踏 まえ 担 当 者 素 案 では 借 地 借 家 法 第 19 条 の 規 律 に 準 じて 裁 判 所 が 借 地 権 設 定 者 の 承 諾 に 代 わる 許 可 を 与 えることができるものとしている ア 1について 1は 政 令 で 定 める 災 害 により 建 物 が 滅 失 した 敷 地 である 土 地 の 賃 借 権 を 第 三 者 に 譲 渡 し 又 はその 土 地 を 第 三 者 に 転 貸 しようとする 場 合 に その 第 三 者 が 土 地 の 賃 借 権 を 取 得 又 は 転 借 しても 借 地 権 設 定 者 に 不 利 となるおそれがないにもか かわらず 借 地 権 設 定 者 がその 土 地 の 賃 借 権 の 譲 渡 又 は 転 貸 を 承 諾 しないときは 15

19 裁 判 所 は 借 地 権 設 定 者 の 承 諾 に 代 わる 許 可 を 与 えることができることを 定 める ものである なお 本 規 律 の 具 体 的 な 手 続 については 借 地 借 家 法 第 19 条 の 代 諾 許 可 の 制 度 に 準 じて 所 要 の 規 律 を 設 けることを 前 提 としている また 転 借 地 権 が 設 定 されている 場 合 には 転 借 地 権 者 が 借 地 権 設 定 者 の 承 諾 に 代 わる 裁 判 所 の 許 可 の 申 立 てをすることができるものとするのが 相 当 であると 考 えられ( 借 地 借 家 法 第 19 条 第 7 項 参 照 ) 担 当 者 素 案 は そのような 考 えを 前 提 としている イ 2について 借 地 権 者 が 裁 判 所 に 許 可 の 申 立 てをすることができる 期 間 は 借 地 権 者 におい て 借 地 契 約 を 維 持 すべきか 又 は 土 地 の 賃 借 権 を 譲 渡 若 しくは 転 貸 すべきかを 判 断 するのに 必 要 となる 合 理 的 な 期 間 が 確 保 される 必 要 がある 他 方 前 記 4(2)アと 同 様 に その 間 借 地 権 設 定 者 は 借 地 契 約 の 帰 すうを 見 通 すことができない 状 況 に 置 かれるため その 期 間 は 一 定 の 期 間 に 制 限 される 必 要 があると 考 えられ る 具 体 的 な 期 間 については 前 記 4 の 場 合 に 比 べ 土 地 の 賃 借 権 の 譲 渡 又 は 転 貸 の 場 合 には 借 地 権 者 が 土 地 の 賃 借 権 の 譲 受 人 又 は 転 借 人 を 新 たに 見 付 けて 借 地 権 設 定 者 の 承 諾 を 得 るための 交 渉 をし 借 地 権 設 定 者 の 承 諾 が 得 られなければ 裁 判 所 に 許 可 の 申 立 てをするという 一 連 のプロセスを 経 る 必 要 があることから より 長 い 期 間 を 設 定 することも 考 えられる しかし 本 規 律 が 借 地 権 者 を 従 前 の 借 地 契 約 から 解 放 するなどして 借 地 権 者 の 保 護 を 図 るという 意 味 で 前 記 4 の 借 地 権 者 による 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 等 と 類 似 した 制 度 であり 前 記 4 の 場 合 と 同 様 の 期 間 を 定 めるのが 分 かりやすいと 考 えられること 借 地 権 設 定 者 が 今 後 の 土 地 利 用 の 見 通 しを 立 てることができない 状 況 が 余 りに 長 期 間 続 くのは 相 当 ではな いと 考 えられることから 本 規 律 においても 前 記 4 の 場 合 と 同 様 の 期 間 を 定 める ことが 相 当 であると 考 えられる そこで 担 当 者 素 案 では 政 令 の 施 行 の 日 から 起 算 して 1 年 が 経 過 する 日 まで の 間 許 可 の 申 立 てをすることができるものとしている 罹 災 都 市 借 地 借 家 臨 時 処 理 法 の 見 直 しに 関 する 担 当 者 素 案 4 借 地 権 者 による 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 等 政 令 で 定 める 災 害 により 建 物 が 滅 失 した 場 合 においては 政 令 の 施 行 の 日 から 起 算 して 1 年 を 経 過 する 日 までの 間 は その 建 物 の 敷 地 である 土 地 の 借 地 権 者 は 地 上 権 の 放 棄 又 は 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れをすることができる 旨 の 制 度 を 設 けるものとする ( 注 ) 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ 等 があった 場 合 に 借 地 権 がいつ 消 滅 するものとするか( 当 該 申 入 れ 等 があった 日 に 消 滅 するものとするか 又 は 一 定 期 間 を 経 過 することによって 消 滅 するもの 16

20 とするか)について なお 検 討 するものとする 罹 災 都 市 借 地 借 家 臨 時 処 理 法 の 見 直 しに 関 する 担 当 者 素 案 の 補 足 説 明 4 借 地 権 者 による 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 等 (1) 問 題 の 所 在 借 地 契 約 の 更 新 後 に 建 物 の 滅 失 があった 場 合 には 借 地 権 者 は 地 上 権 の 放 棄 又 は 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ( 以 下 地 上 権 の 放 棄 及 び 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れを 併 せて 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ 等 という )をすることができる( 借 地 借 家 法 第 8 条 第 1 項 ) しかし 土 地 の 賃 貸 借 については 借 地 借 家 法 第 8 条 第 1 項 に 規 定 する 場 合 以 外 は 借 地 契 約 に おいて 解 約 権 を 留 保 していなければ 借 地 権 設 定 者 との 合 意 によってしか 解 約 することができな い また 借 地 権 者 は 第 三 者 に 土 地 の 賃 借 権 を 譲 渡 し 又 は 転 貸 することにより 借 地 契 約 に 基 づく 賃 料 負 担 を 法 律 上 又 は 実 質 的 に 減 免 させることができるが 譲 渡 又 は 転 貸 には 借 地 権 設 定 者 の 承 諾 を 要 する( 民 法 第 612 条 第 1 項 ) したがって 災 害 により 借 地 上 の 建 物 が 滅 失 したが 借 地 権 者 に 建 物 を 再 築 する 資 力 がない 場 合 には 借 地 契 約 の 解 約 又 は 土 地 の 賃 借 権 の 譲 渡 若 しくは 転 貸 について 借 地 権 設 定 者 の 承 諾 が 得 られないときは 事 情 変 更 等 の 一 般 的 規 律 によって 借 地 契 約 が 解 除 されない 限 り 借 地 権 者 は 土 地 の 利 用 ができないにもかかわらず 賃 料 を 負 担 し 続 けることに なる また 仮 に 契 約 期 間 途 中 に 借 地 権 者 から 地 上 権 又 は 土 地 の 賃 借 権 を 放 棄 することが 認 められる 場 合 であっても 借 地 権 者 は それによって 借 地 権 設 定 者 に 生 じた 損 害 を 賠 償 する 必 要 があることも 考 えられる 被 災 時 においては 通 常 時 と 比 べて 新 たな 借 地 権 者 を 見 付 けることができるまでの 期 間 が 長 くなることも 想 定 されることから 多 額 の 損 害 賠 償 を 請 求 される 可 能 性 がある そこで 政 令 で 定 める 災 害 により 借 地 上 の 建 物 が 滅 失 した 場 合 には 借 地 権 者 による 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ 等 を 認 める 制 度 を 設 ける 必 要 があると 考 えられる もっとも 借 地 権 設 定 者 において 土 地 を 利 用 する 見 通 しがあれば 特 段 の 規 律 を 設 けなくとも 借 地 権 設 定 者 は 合 意 解 約 に 応 じるものと 考 えられるところ 借 地 権 設 定 者 が 合 意 解 約 に 応 じないの は より 不 利 な 条 件 でなければ 新 たな 借 地 契 約 を 締 結 することができる 見 込 みがないような 場 合 に 限 られるとも 考 えられ そのような 場 合 に 借 地 権 者 による 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ 等 を 認 める とすると 借 地 権 設 定 者 に 不 利 益 を 与 えることとならないかとの 指 摘 も 考 えられる しかし 災 害 により 借 地 上 の 建 物 を 失 い 建 物 を 再 築 する 資 力 もないような 借 地 権 者 に 賃 料 を 負 担 させ 続 けることは 酷 な 面 がある 上 事 情 変 更 のような 一 般 条 項 で 対 応 を 図 るとすると 法 的 に 不 安 定 であり 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ 等 を 制 度 として 認 めることにより 当 事 者 間 で 交 渉 がしやす くなるのではないかとも 考 えられる また 早 期 の 生 活 再 建 が 求 められる 被 災 時 においては 使 用 する 見 込 みのない 土 地 を 未 利 用 のまま 放 置 するよりは 借 地 権 を 解 消 し 建 物 を 再 築 する 資 力 のあ る 者 がその 土 地 を 使 用 する 権 利 を 得 る 機 会 を 与 えることが 復 興 に 資 するものと 考 えられる 17

21 (2) 担 当 者 素 案 の 説 明 以 上 を 踏 まえ 担 当 者 素 案 では 大 規 模 な 災 害 の 発 生 という 特 別 な 事 情 を 考 慮 し 土 地 を 使 用 す る 見 込 みのない 借 地 権 者 が 将 来 の 賃 料 支 払 を 免 れることができるようにし もって 借 地 権 者 の 保 護 等 を 図 るため 借 地 権 者 からの 地 上 権 の 放 棄 又 は 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れをすることができる 旨 の 規 律 を 設 けるものとしている ア 借 地 権 者 による 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ 等 が 認 められる 期 間 借 地 権 者 が 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ 等 をすることができる 期 間 については 借 地 権 者 に おいて 借 地 契 約 を 維 持 すべきか 又 は 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ 等 をすべきかを 判 断 するのに 必 要 となる 合 理 的 な 期 間 が 確 保 される 必 要 があるところ 借 地 権 者 にとっては 従 前 と 同 様 に 賃 料 の 支 払 を 継 続 しなければならないかは 関 心 事 であるはずであり 被 災 直 後 から 借 地 契 約 を 維 持 するか 否 かを 検 討 することが 想 定 される 他 方 借 地 権 設 定 者 は 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ 等 が 認 められる 間 は 借 地 契 約 が 継 続 するか 否 かが 確 定 せず 今 後 の 土 地 利 用 の 方 法 を 見 通 すことが 困 難 な 状 態 に 置 かれることになるから その 期 間 を 余 り 長 期 間 とすることは 相 当 で はない 以 上 を 踏 まえ 担 当 者 素 案 では その 期 間 を 政 令 の 施 行 の 日 から 起 算 して1 年 を 経 過 する 日 までとしている イ 担 当 者 素 案 の( 注 )について 借 地 権 者 による 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ 等 がされてから 借 地 権 が 消 滅 するまでの 期 間 に ついては 土 地 の 利 用 ができなくなった 借 地 権 者 を 早 期 に 賃 料 の 負 担 から 解 放 するという 制 度 趣 旨 からすると 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ 等 があった 日 に 借 地 権 は 消 滅 するものとするこ とが 考 えられる これに 対 しては 大 規 模 な 災 害 時 には 借 地 権 設 定 者 も 被 災 している 場 合 も 少 なくないと 考 えられ そのような 場 合 に 借 地 権 者 からの 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ 等 によ り 直 ちに 借 地 権 が 消 滅 するものとすると 借 地 権 設 定 者 は 不 測 の 不 利 益 を 被 るおそれもあると の 指 摘 が 考 えられる 他 方 新 たな 借 地 権 者 が 見 付 かるまでの 合 理 的 な 期 間 分 の 賃 料 は 借 地 権 者 が 負 担 すべきで あると 考 えるのであれば 借 地 借 家 法 第 8 条 第 3 項 に 準 じ 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ 等 か ら 3 か 月 を 経 過 することによって 借 地 権 が 消 滅 するものとすることが 考 えられる さらに 通 常 時 にはない 特 例 であることを 強 調 するのであれば 借 地 権 が 消 滅 するまでの 期 間 を 同 項 所 定 の 期 間 よりも 長 くする( 例 えば 6 か 月 程 度 )ことも 考 えられる 以 上 を 踏 まえ 担 当 者 素 案 では 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ 等 があった 場 合 に 借 地 権 が いつ 消 滅 するものとするかについて なお 検 討 することとしている ウ 強 行 法 規 性 個 別 の 借 地 契 約 において 土 地 の 賃 貸 借 の 解 約 の 申 入 れ 等 について 本 規 律 と 異 なる 特 約 が 設 18

22 けられる 場 合 も 少 なくないと 考 えられることから 見 直 し 後 の 新 たな 制 度 のうち 本 規 律 につい ては 特 に 強 行 法 規 性 について 検 討 する 必 要 がある 例 えば 個 別 の 借 地 契 約 において 借 地 権 者 が 借 地 権 設 定 者 に 一 定 の 金 銭 を 支 払 うことにより 中 途 解 約 をすることができるといった 条 項 ( 中 途 解 約 条 項 )が 設 けられている 場 合 には 中 途 解 約 条 項 に 基 づき 一 定 の 金 銭 を 支 払 わな ければ 解 約 等 はできない 趣 旨 を 含 むことも 考 えられる しかし 土 地 を 利 用 することができな くなった 借 地 権 者 の 保 護 等 を 図 るという 本 規 律 の 趣 旨 からすれば 本 規 律 を 強 行 法 規 とし こ れに 反 する 借 地 権 者 に 不 利 な 特 約 は 無 効 とすべきであると 考 えられる そこで 担 当 者 素 案 では 本 規 律 を 強 行 法 規 とすることを 前 提 としている 19

23 定 期 借 地 権 の 存 続 期 間 における 建 物 の 再 築 の 取 扱 い 定 期 借 地 権 においても 旧 法 借 地 権 普 通 借 地 権 同 様 建 物 の 再 築 は 認 められるもの の 建 物 が 滅 失 した 場 合 において 旧 法 借 地 権 普 通 借 地 権 のように 建 物 を 再 築 すれ ば 存 続 期 間 が 延 長 されるということはない 一 般 定 期 借 地 権 の 更 新 について 法 務 省 民 事 局 参 事 官 室 編 一 問 一 答 新 しい 借 地 借 家 法 ( 商 事 法 務 研 究 会 1992 年 )90~91 頁 によれば 次 のとおりであり 改 正 前 の 事 業 用 借 地 権 についても 同 111~112 頁 において 同 旨 の 記 述 がある また 更 新 制 度 のある 借 地 権 については 法 7 条 に 建 物 の 再 築 による 借 地 権 の 期 間 の 延 長 が 規 定 されている 一 般 定 期 借 地 権 は あくまで 存 続 期 間 が 満 了 しても 更 新 がなく あらかじめ 定 められた 存 続 期 間 以 上 に 期 間 が 延 びることはないとの 原 則 に 基 づき 設 定 されていますから 建 物 が 焼 失 し あるいは 地 震 によ り 倒 壊 してしまうというような 原 因 で 建 物 が 滅 失 しても 普 通 借 地 権 のように 建 物 を 再 築 すれば 存 続 期 間 が 延 長 される(22 法 7 条 参 照 )ということはありません そうなると 存 続 期 間 中 に 建 物 が 焼 失 し あるいは 地 震 により 倒 壊 してしまうと 借 地 人 としては 残 りの 期 間 にみあった 建 物 を 建 てるか 建 物 を 再 築 することをあきらめるかのいずれかの 道 が 残 される ことになりますが 建 物 を 建 てるのをあきらめても なお 契 約 は 残 りますから 地 代 は 支 払 い 続 けなけ ればならないということになって 場 合 によってはきわめて 苦 しい 選 択 を 強 いられることになります 特 に 残 りの 期 間 が 短 い 場 合 には 建 物 を 建 てることは 実 際 は 困 難 でしょう もっとも 多 くの 場 合 には 借 地 人 が 契 約 を 解 消 したいといえば 地 主 はこれに 応 ずるでしょうし あるいはさらに 建 物 を 再 築 する から その 時 点 から 新 たな 定 期 借 地 権 を 設 定 したいという 合 意 ができることもないわけではないでしょ う その 場 合 には そのような 合 意 をそのまま 認 めることは 問 題 ありません しかし 必 ずそうなる とは 限 りません したがって そのような 場 合 に 備 えて あらかじめ 一 定 の 場 合 に 借 地 人 が 借 地 契 約 を 解 約 することができるということを 特 約 で 決 めておくことが 合 理 的 かもしれません 借 地 契 約 をする 際 に よく 協 議 して 決 めるべきです 借 地 借 家 法 第 七 条 ( 建 物 の 再 築 による 借 地 権 の 期 間 の 延 長 ) 借 地 権 の 存 続 期 間 が 満 了 する 前 に 建 物 の 滅 失 ( 借 地 権 者 又 は 転 借 地 権 者 による 取 壊 しを 含 む 以 下 同 じ )があった 場 合 において 借 地 権 者 が 残 存 期 間 を 超 えて 存 続 すべき 建 物 を 築 造 したときは その 建 物 を 築 造 するにつき 借 地 権 設 定 者 の 承 諾 がある 場 合 に 限 り 借 地 権 は 承 諾 があった 日 又 は 建 物 が 築 造 された 日 のいずれか 早 い 日 から 二 十 年 間 存 続 する ただし 残 存 期 間 がこれより 長 いとき 又 は 当 事 者 がこれより 長 い 期 間 を 定 めたときは その 期 間 による 2 借 地 権 者 が 借 地 権 設 定 者 に 対 し 残 存 期 間 を 超 えて 存 続 すべき 建 物 を 新 たに 築 造 する 旨 を 通 知 した 場 合 において 借 地 権 設 定 者 がその 通 知 を 受 けた 後 二 月 以 内 に 異 議 を 述 べなかったときは その 建 物 を 築 造 するにつき 前 項 の 借 地 権 設 定 者 の 承 諾 があったものとみなす ただし 契 約 の 更 新 の 後 ( 同 項 の 規 定 により 借 地 権 の 存 続 期 間 が 延 長 された 場 合 にあっては 借 地 権 の 当 初 の 存 続 期 間 が 満 了 すべき 日 の 後 次 条 及 び 第 十 八 条 において 同 じ )に 通 知 があった 場 合 においては この 限 りでない 3 転 借 地 権 が 設 定 されている 場 合 においては 転 借 地 権 者 がする 建 物 の 築 造 を 借 地 権 者 がする 建 物 の 築 造 とみなして 借 地 権 者 と 借 地 権 設 定 者 との 間 について 第 一 項 の 規 定 を 適 用 する 20

24 定 期 借 地 権 の 借 地 条 件 の 変 更 等 定 期 借 地 権 は 建 物 再 築 による 借 地 期 間 の 延 長 がないため 建 替 承 諾 料 増 改 築 承 諾 料 の 授 受 が 発 生 する 例 は 少 ないと 考 えられる しかしながら 法 17 条 ( 借 地 条 件 の 変 更 及 び 増 改 築 の 許 可 )の 適 用 は 定 期 借 地 権 においても 排 除 されていないことから 定 期 借 地 権 が 創 設 されてから 20 年 近 く 経 過 し 建 物 の 老 朽 化 陳 腐 化 が 進 み 建 替 や 増 改 築 を 行 うケースも 考 えられるが その 場 合 には 各 種 承 諾 料 が 発 生 する 場 合 があ り 得 る 各 種 承 諾 料 の 水 準 については 旧 法 借 地 権 においては 一 定 の 水 準 があるもの の 定 期 借 地 権 については 授 受 の 慣 行 も 把 握 されていない 状 況 であり 今 後 市 場 観 察 に 努 めることが 必 要 である 借 地 借 家 法 第 十 七 条 ( 借 地 条 件 の 変 更 及 び 増 改 築 の 許 可 ) 建 物 の 種 類 構 造 規 模 又 は 用 途 を 制 限 する 旨 の 借 地 条 件 がある 場 合 において 法 令 による 土 地 利 用 の 規 制 の 変 更 付 近 の 土 地 の 利 用 状 況 の 変 化 その 他 の 事 情 の 変 更 により 現 に 借 地 権 を 設 定 するにおいてはその 借 地 条 件 と 異 なる 建 物 の 所 有 を 目 的 とすることが 相 当 であるにもかかわらず 借 地 条 件 の 変 更 につき 当 事 者 間 に 協 議 が 調 わないときは 裁 判 所 は 当 事 者 の 申 立 てにより その 借 地 条 件 を 変 更 するこ とができる 2 増 改 築 を 制 限 する 旨 の 借 地 条 件 がある 場 合 において 土 地 の 通 常 の 利 用 上 相 当 と すべき 増 改 築 につき 当 事 者 間 に 協 議 が 調 わないときは 裁 判 所 は 借 地 権 者 の 申 立 てにより その 増 改 築 についての 借 地 権 設 定 者 の 承 諾 に 代 わる 許 可 を 与 えることが できる 3 裁 判 所 は 前 二 項 の 裁 判 をする 場 合 において 当 事 者 間 の 利 益 の 衡 平 を 図 るため 必 要 があるときは 他 の 借 地 条 件 を 変 更 し 財 産 上 の 給 付 を 命 じ その 他 相 当 の 処 分 をすることができる 4 裁 判 所 は 前 三 項 の 裁 判 をするには 借 地 権 の 残 存 期 間 土 地 の 状 況 借 地 に 関 する 従 前 の 経 過 その 他 一 切 の 事 情 を 考 慮 しなければならない 5 転 借 地 権 が 設 定 されている 場 合 において 必 要 があるときは 裁 判 所 は 転 借 地 権 者 の 申 立 てにより 転 借 地 権 とともに 借 地 権 につき 第 一 項 から 第 三 項 までの 裁 判 をすることができる 6 裁 判 所 は 特 に 必 要 がないと 認 める 場 合 を 除 き 第 一 項 から 第 三 項 まで 又 は 前 項 の 裁 判 をする 前 に 鑑 定 委 員 会 の 意 見 を 聴 かなければならない 21

25 第 2 章 定 期 借 地 権 に 係 る 評 価 類 型 とその 価 格 の 特 徴 2-1. 定 期 借 地 権 の 評 価 類 型 定 期 借 地 権 に 関 連 する 評 価 類 型 には 借 地 権 と 同 様 に 1 定 期 借 地 権 2 定 期 借 地 権 付 建 物 3 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 4 新 規 地 代 5 継 続 地 代 の 5 種 類 がある 定 期 借 地 権 には 一 般 定 期 借 地 権 事 業 用 定 期 借 地 権 等 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 の 3 つの 種 類 が 存 するが 採 用 する 評 価 手 法 はこうした 定 期 借 地 権 の 種 類 によって 分 類 されるので はなく 評 価 対 象 不 動 産 の 有 形 的 利 用 及 び 権 利 関 係 の 態 様 に 応 じて 異 なるものとなる 図 表 2: 定 期 借 地 権 が 設 定 されている 場 合 の 評 価 類 型 2 定 期 借 地 権 付 建 物 評 価 類 型 の 種 類 1 定 期 借 地 権 2 定 期 借 地 権 付 建 物 3 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 4 新 規 地 代 5 継 続 地 代 1 定 期 借 地 権 3 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 地 代 4 新 規 地 代 5 継 続 地 代 2-2. 定 期 借 地 権 単 独 で 評 価 対 象 となる 可 能 性 譲 渡 に 当 たっての 地 主 の 承 諾 の 要 否 定 期 借 地 権 には 通 常 の 借 地 権 と 同 様 に 敷 地 利 用 権 が 地 上 権 の 場 合 と 賃 借 権 の 場 合 がある 地 上 権 は 物 権 であるので 地 主 の 承 諾 なくして 権 利 を 譲 渡 することが 可 能 で ある 一 方 定 期 借 地 権 が 賃 借 権 の 場 合 については 前 述 の 1-3. 定 期 借 地 権 の 法 的 性 質 のとおり 譲 渡 を 行 う 際 には 地 主 の 承 諾 が 必 要 である 22

26 市 場 の 実 態 現 在 定 期 借 地 権 に 関 連 する 取 引 市 場 で 観 察 される 評 価 類 型 は 例 えば 定 期 借 地 権 付 戸 建 住 宅 や 定 期 借 地 権 付 マンションを 一 般 の 不 動 産 市 場 で 売 買 する 場 合 や SPC が 開 発 した 定 期 借 地 権 付 オフィスや 商 業 施 設 を REIT が 取 得 する 場 合 等 定 期 借 地 権 付 建 物 が 大 部 分 を 占 め その 他 事 業 用 定 期 借 地 権 が 付 着 した 底 地 の 事 例 もあるが 定 期 借 地 権 単 独 としての 取 引 はほとんど 見 受 けられない 定 期 借 地 権 単 独 の 評 価 ニーズ 以 上 のように 定 期 借 地 権 単 独 としての 取 引 はほとんど 見 受 けられないが 定 期 借 地 権 単 独 の 評 価 ニーズとしては 次 の 場 合 が 想 定 される 借 地 借 家 法 の 一 部 改 正 ( 平 成 20 年 1 月 1 日 施 行 )によって 事 業 用 定 期 借 地 権 と して 最 長 50 年 未 満 の 借 地 期 間 の 借 地 契 約 が 締 結 できるようになったため 経 済 環 境 が 大 きく 変 化 する 中 当 初 見 込 んだ 事 業 収 益 が 得 られず 借 地 期 間 途 中 での 中 途 解 約 建 物 再 築 を 前 提 とする 売 買 や 競 売 も 考 えられ その 場 合 には 既 存 建 物 を 取 壊 すことが 最 有 効 使 用 である 定 期 借 地 権 付 建 物 の 評 価 ( 定 期 借 地 権 のみの 価 格 ( 条 件 変 更 承 諾 料 等 を 考 慮 )- 取 壊 費 用 )という 形 で 定 期 借 地 権 のみの 価 格 を 把 握 しなければならな いという 鑑 定 評 価 ニーズも 考 えられる また 今 後 罹 災 都 市 借 地 借 家 臨 時 処 理 法 が 改 正 された 際 には 裁 判 所 により 土 地 賃 借 権 の 単 独 での 譲 渡 について 代 諾 許 可 ができる ようになるため 借 地 期 間 中 に 地 震 等 の 自 然 災 害 により 定 期 借 地 権 上 の 建 物 が 滅 失 し た 場 合 この 状 態 を 所 与 として マーケットで 売 却 したとき どの 程 度 の 市 場 価 値 を 有 するかを 把 握 したいという 評 価 ニーズも 考 えられる また 定 期 借 地 権 単 独 の 評 価 ニーズとはやや 異 なるが 対 象 不 動 産 の 類 型 が 定 期 借 地 権 付 建 物 である 場 合 に 原 価 法 の 適 用 における 積 算 価 格 の 試 算 過 程 において 定 期 借 地 権 単 独 の 価 格 を 求 める 場 合 がある 定 期 借 地 権 の 価 格 の 特 徴 現 行 基 準 における 借 地 権 の 価 格 現 行 基 準 は 各 論 第 1 章 第 1 節 で 借 地 権 の 価 格 として 規 定 しており 定 期 借 地 権 固 有 の 特 性 を 踏 まえた 個 別 の 規 定 はない 17 詳 細 は 第 5 章 で 後 述 する 23

27 各 論 第 1 章 第 1 節 Ⅰ 3. 借 地 権 及 び 底 地 (1) 借 地 権 1 借 地 権 の 価 格 借 地 権 の 価 格 は 借 地 借 家 法 ( 廃 止 前 の 借 地 法 を 含 む )に 基 づき 土 地 を 使 用 収 益 することにより 借 地 人 に 帰 属 する 経 済 的 利 益 ( 一 時 金 の 授 受 に 基 づくものを 含 む )を 貨 幣 額 で 表 示 したものである 借 地 人 に 帰 属 する 経 済 的 利 益 とは 土 地 を 使 用 収 益 することによる 広 範 な 諸 利 益 を 基 礎 とするものであるが 特 に 次 に 掲 げるものが 中 心 となる ア 土 地 を 長 期 間 占 有 し 独 占 的 に 使 用 収 益 し 得 る 借 地 人 の 安 定 的 利 益 イ 借 地 権 の 付 着 している 宅 地 の 経 済 価 値 に 即 応 した 適 正 な 賃 料 と 実 際 支 払 賃 料 との 乖 離 ( 以 下 賃 料 差 額 という ) 及 びその 乖 離 の 持 続 する 期 間 を 基 礎 にして 成 り 立 つ 経 済 的 利 益 の 現 在 価 値 のうち 慣 行 的 に 取 引 の 対 象 となってい る 部 分 定 期 借 地 権 の 法 的 側 面 他 人 の 土 地 を 利 用 できる 主 な 権 利 には 定 期 借 地 権 ( 法 22 条 ~24 条 )の 他 に 旧 法 に 基 づく 借 地 権 ( 借 地 借 家 法 施 行 前 に 設 定 された 借 地 権 旧 法 1 条 ) 法 に 基 づく 普 通 借 地 権 ( 法 3 条 ) 使 用 借 権 ( 民 法 593 条 ~600 条 ) 建 物 所 有 を 目 的 としない 賃 借 権 ( 民 法 601 条 ~621 条 ) 一 時 使 用 目 的 の 借 地 権 ( 法 25 条 ) 等 がある ここでは 完 全 所 有 権 ( 更 地 )の 有 する 経 済 的 な 利 益 を 上 限 と 捉 え 定 期 借 地 権 使 用 借 権 法 及 び 旧 法 に 基 づく 借 地 権 の 各 権 利 がそれぞれの 有 する 経 済 的 な 利 益 について 権 利 内 容 の 対 比 を 交 えつつ 検 討 を 行 う 18 定 期 借 地 権 と 使 用 借 権 は 契 約 期 間 満 了 時 に 借 りている 土 地 を 貸 主 へ 返 還 しなけれ ばならないという 共 通 点 がある しかし 定 期 借 地 権 は 一 定 の 要 件 の 下 での 譲 渡 転 貸 が 可 能 で 契 約 当 事 者 が 死 亡 しても 相 続 人 が 同 様 の 権 利 を 承 継 することができる のに 対 し 使 用 借 権 は 譲 渡 性 がなく 市 場 で 取 引 されることは 皆 無 であり 契 約 者 が 死 亡 することによって 原 則 として 契 約 が 終 了 する( 民 法 599 条 )ため 一 般 に 定 期 借 地 権 の 方 が 使 用 借 権 よりも 更 地 価 格 に 占 める 経 済 的 な 利 益 の 割 合 ( 以 下 権 利 割 合 という )は 高 くなる また 定 期 借 地 権 は 借 地 権 では 認 められている 契 約 の 更 新 建 物 再 築 による 期 間 延 長 期 間 満 了 による 建 物 買 取 請 求 が いずれも 行 使 できないので 一 般 的 に 借 地 権 より 権 利 割 合 は 低 いと 考 えられる 以 上 より 定 期 借 地 権 の 更 地 価 格 に 対 する 権 利 割 合 は 使 用 借 権 よりは 高 いと 認 め 18 荒 木 新 五 編 現 代 マンション 法 の 実 務 ( 商 事 法 務 研 究 会 2000 年 )336 頁 24

28 られるものの 旧 法 又 は 一 般 的 な 普 通 借 地 権 の 割 合 よりは 劣 るものと 考 えられ 19 ま た 上 記 で 述 べた 定 期 借 地 権 の 法 的 性 格 を 勘 案 すると 借 地 権 よりむしろ 使 用 借 権 に より 近 い 権 利 割 合 であるとも 考 えられる 図 表 3: 更 地 価 格 に 占 める 経 済 的 な 利 益 の 割 合 (イメージ) 更 地 価 格 更 地 価 格 に 占 める 経 済 的 な 利 益 使 用 借 権 定 期 借 地 権 権 普 通 借 地 権 等 に 占 める 経 済 的 な 利 益 小 大 19 公 共 用 地 の 取 得 に 伴 う 損 失 補 償 基 準 13 条 及 び 同 細 則 3 では 使 用 貸 借 による 権 利 に 対 する 補 償 は 通 常 の 場 合 においては 賃 借 権 の 3 分 の 1 程 度 を 標 準 とする 旨 の 規 定 がある 25

29 図 表 4: 使 用 借 権 定 期 借 地 権 借 地 権 の 対 比 契 約 使 用 借 権 定 期 借 地 権 借 地 権 要 物 契 約 諾 成 契 約 諾 成 契 約 片 務 契 約 双 務 契 約 双 務 契 約 不 要 式 契 約 要 式 契 約 ( 法 22 条 23 条 ) 不 要 式 契 約 地 代 無 償 原 則 として 有 償 原 則 として 有 償 存 続 期 間 契 約 に 定 めた 時 期 返 還 時 期 を 定 めていな かったときは 使 用 収 益 が 終 了 した 時 期 使 用 収 益 終 了 前 でも 使 用 収 益 をするのに 足 りる 期 間 を 経 過 した 時 は 返 還 請 求 可 能 等 法 22 条 :50 年 以 上 法 23 条 :10 年 以 上 50 年 未 満 法 24 条 :30 年 以 上 法 原 則 として 30 年 30 年 超 の 場 合 は その 期 間 旧 法 法 定 存 続 期 間 堅 固 建 物 60 年 普 通 建 物 30 年 期 間 の 定 めがある 場 合 堅 固 建 物 30 年 以 上 普 通 建 物 20 年 以 上 相 続 不 可 相 続 人 が 承 継 相 続 人 が 承 継 契 約 更 新 譲 渡 転 貸 建 物 取 壊 し 合 意 更 新 法 定 更 新 無 し なし 使 用 借 人 が 取 壊 し 更 新 無 し 可 能 ( 賃 借 権 の 場 合 地 主 の 承 諾 が 必 要 ) 定 期 借 地 人 が 収 去 ( 法 22 条 23 条 ) 建 物 買 取 請 求 権 は 行 使 20 不 可 法 定 更 新 合 意 更 新 可 能 ( 賃 借 権 の 場 合 地 主 の 承 諾 が 必 要 ) 建 物 買 取 請 求 権 は 行 使 可 能 鵜 野 和 夫 不 動 産 の 評 価 権 利 調 整 と 税 務 ( 清 文 社 2010 年 )654~657 頁 を 加 筆 修 正 20 ただし 前 記 のとおり 不 可 分 説 ( 三 つの 事 項 の 全 部 を 特 約 しなければ 普 通 借 地 権 になるとする 見 解 ) と 可 分 説 ( 法 13 条 に 基 づく 建 物 買 取 請 求 権 の 排 除 特 約 を 定 めなくとも 定 期 借 地 権 として 認 められるとする 見 解 )がある 26

30 定 期 借 地 権 の 経 済 的 側 面 現 行 基 準 では 借 地 権 の 価 格 は 借 地 借 家 法 ( 廃 止 前 の 借 地 法 を 含 む)に 基 づき 土 地 を 使 用 収 益 することにより 借 地 人 に 帰 属 する 経 済 的 利 益 ( 一 時 金 の 授 受 に 基 づく ものを 含 む )を 貨 幣 額 で 表 示 したもの と 規 定 されており この 借 地 人 に 帰 属 する 経 済 的 利 益 は 土 地 を 使 用 収 益 することによる 広 範 な 諸 利 益 を 基 礎 とするものである が ア. 土 地 を 長 期 間 占 有 し 独 占 的 に 使 用 収 益 し 得 る 借 地 人 の 安 定 的 利 益 イ. 借 地 権 の 付 着 している 宅 地 の 経 済 価 値 に 即 応 した 適 切 な 賃 料 と 実 際 支 払 賃 料 との 乖 離 ( 賃 料 差 額 ) 及 びその 乖 離 の 持 続 する 期 間 を 基 礎 にして 成 り 立 つ 経 済 的 利 益 の 現 在 価 値 のうち 慣 行 的 に 取 引 の 対 象 となっている 部 分 が 中 心 になる 21 と 規 定 されてい る 不 動 産 の 価 格 は 効 用 相 対 的 希 少 性 有 効 需 要 の 三 者 の 相 関 結 合 によって 形 成 さ れ 借 地 権 の 価 格 は 借 地 権 に 経 済 価 値 が 発 生 し 借 地 権 に 有 効 需 要 が 存 在 し これ が 取 引 の 対 象 とされることによってはじめて 顕 在 化 する 定 期 借 地 権 の 価 格 について も 同 様 であり 定 期 借 地 権 が 存 在 していれば その 価 格 が 発 生 するというものではな く 一 定 期 間 土 地 を 利 用 できるという 法 的 安 定 性 と 賃 料 差 額 が 発 生 する 場 合 における 借 地 人 の 所 謂 借 り 得 部 分 という 経 済 的 利 益 があり その 法 的 に 守 られた 借 り 得 部 分 に 着 目 して 取 引 の 対 象 としようとする 第 三 者 が 現 れた 場 合 には その 価 格 が 発 生 す る 可 能 性 があるといえる 仮 に 定 期 借 地 権 価 格 が 発 生 しないとすると 例 えば 定 期 借 地 権 付 きマンションの 取 引 では 取 引 価 格 = 建 物 価 格 となり これは 実 態 と 乖 離 して いるので 定 期 借 地 権 価 格 は 存 すると 考 える 方 が 妥 当 と 言 える さらに 実 際 の 取 引 において 権 利 金 の 授 受 が 行 われることによって 支 払 地 代 において 借 り 得 部 分 が 生 じ ている 場 合 なども 定 期 借 地 権 価 格 が 発 生 する 可 能 性 がある 以 上 を 踏 まえると 現 時 点 で 定 期 借 地 権 価 格 は 単 独 では 観 察 されないものの 今 後 の 状 況 によっては 発 生 する 可 能 性 も 残 されているので 今 後 の 市 場 観 察 が 必 要 である 次 に 定 期 借 地 権 の 価 格 は 旧 法 借 地 権 や 普 通 借 地 権 と 異 なり 定 期 借 地 権 固 有 の 特 徴 を 有 しているので この 特 徴 に 留 意 し 上 記 のア イについて 検 討 を 加 える まず ア. 土 地 を 長 期 間 占 有 し 独 占 的 に 使 用 収 益 し 得 る 借 地 人 の 安 定 的 利 益 についてであるが 旧 法 借 地 権 や 普 通 借 地 権 と 同 様 に 定 期 借 地 権 についても 賃 貸 借 契 約 期 間 の 始 期 においては 契 約 の 対 象 となる 土 地 を 一 定 期 間 占 有 することが 可 能 で ある しかし 定 期 借 地 権 の 場 合 は 他 の 借 地 権 と 異 なり 契 約 期 間 は 有 期 であるので 契 約 期 間 満 了 が 近 づくにつれて 対 象 となる 土 地 の 占 有 期 間 が 次 第 に 短 くなるため 借 地 人 に 帰 属 する 経 済 的 利 益 は 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 中 の 占 有 によるものに 留 まることに 留 意 する 必 要 がある 21 基 準 各 論 第 1 章 第 1 節 Ⅰ3(1)1 借 地 権 の 価 格 参 照 27

31 続 いて イ. 借 地 権 の 付 着 している 宅 地 の 経 済 価 値 に 即 応 した 適 切 な 賃 料 と 実 際 支 払 賃 料 との 乖 離 ( 賃 料 差 額 ) 及 びその 乖 離 の 持 続 する 期 間 を 基 礎 にして 成 り 立 つ 経 済 的 利 益 の 現 在 価 値 のうち 慣 行 的 に 取 引 の 対 象 となっている 部 分 についてである 旧 法 に 基 づく 借 地 権 の 場 合 は 高 度 成 長 期 に 地 価 が 高 騰 したにもかかわらず 低 廉 な 地 代 で 土 地 を 賃 借 できる 権 利 つまり 借 り 得 部 分 が 自 然 発 生 的 に 生 じ そこに 有 効 需 要 が 存 して 借 地 権 価 格 が 発 生 したという 経 緯 がある 一 方 定 期 借 地 権 の 場 合 は 契 約 設 定 時 における 地 代 一 時 金 の 水 準 によっては 現 時 点 において 賃 料 差 額 が 発 生 していないケースも 考 えられるが 今 後 の 市 場 の 変 化 によっては 賃 料 差 額 が 発 生 し それが 永 続 することも 否 定 できないので 市 場 動 向 を 注 視 していく 必 要 がある また 定 期 借 地 権 は 取 引 慣 行 の 成 熟 の 程 度 が 低 いので たとえ 賃 料 差 額 が 発 生 しても 賃 料 差 額 の 全 てが 取 引 の 対 象 とはならない 場 合 もあることに 留 意 する 必 要 がある 28

32 更 地 ( 建 付 地 ) 価 格 定 期 借 地 権 価 格 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 価 格 との 関 連 更 地 借 地 権 底 地 については それぞれ 取 引 されるマーケットが 異 なり また 底 地 借 地 権 は 更 地 と 比 較 するとマーケットでの 流 通 性 や 担 保 性 が 劣 っているので 三 者 の 関 係 は 一 般 的 に 更 地 ( 建 付 地 ) 価 格 借 地 権 価 格 + 底 地 価 格 となる しかし 法 23 条 ( 事 業 用 定 期 借 地 権 等 )において 定 期 借 地 権 者 ( 例 えば ショ ッピングモールや 郊 外 型 レストラン コンビニエンスストア 等 のロードサイド 店 舗 等 ) の 事 業 収 益 の 観 点 から 地 代 が 設 定 されている 場 合 には 一 般 的 な 地 代 利 回 り( 実 質 地 代 / 更 地 )よりも 高 い 場 合 や 周 辺 の 地 代 水 準 とは 大 きく 乖 離 した 高 い 地 代 で 契 約 し ていることがあり こうした 場 合 には 上 記 の 関 係 が 成 立 しない 場 合 もある 22 この 場 合 には 標 準 的 な 市 場 賃 料 と 乖 離 した 高 い 地 代 が 永 続 するのか 地 代 減 額 の 可 能 性 はないのか 中 途 解 約 のペナルティー 条 項 はどのような 内 容 になっているのか 等 について 慎 重 に 検 討 する 必 要 がある 2-4. 定 期 借 地 権 の 評 価 における 有 期 性 に 関 する 検 討 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 くなってきた 場 合 の 取 扱 い 定 期 借 地 権 は 理 論 的 には 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 くなるにつれて 価 値 が 逓 減 し 残 存 期 間 が 僅 かな 場 合 には 市 場 性 が 認 められず 有 償 での 売 買 が 行 われな いことも 考 えられるため 借 地 権 価 格 が 発 生 しない 場 合 もある この 場 合 には 実 際 に も 転 売 は 行 われないと 考 えられるため 定 期 借 地 権 付 建 物 の 評 価 では 転 売 を 前 提 と した DCF 法 を 適 用 するのではなく 借 地 期 間 満 了 までの 保 有 を 前 提 とした DCF 法 又 は 直 接 還 元 法 ( 有 期 還 元 法 :インウッド 式 )を 適 用 することが 一 般 的 と 考 えられる なお 建 物 の 効 用 を 維 持 するための 修 繕 費 及 び 資 本 的 支 出 は 本 来 築 年 数 に 応 じ て 増 大 するのが 一 般 的 であるが 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 くなると 必 要 な 支 出 額 を 抑 制 することが 考 えられる また 賃 料 収 入 等 についても 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 との 関 係 から 空 室 率 の 増 加 又 は 契 約 賃 料 単 価 の 低 下 などが 見 込 まれる このように 定 期 借 地 権 付 建 物 の 場 合 には 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 くなる につれて 収 益 費 用 とも 逓 減 する 傾 向 にあることに 留 意 する 必 要 がある 22 この 場 合 には 更 地 価 格 も 局 所 的 に 高 位 な 水 準 にある 可 能 性 もあるが 一 方 で 基 礎 価 格 ( 土 地 価 格 )が 大 きく 下 落 しているにもかかわらず 地 代 が 硬 直 的 にとどまっている 場 合 もあり このような 場 合 には 上 記 不 等 号 式 が 成 立 しない 場 合 も 考 えられる 29

33 借 地 期 間 満 了 時 における 再 契 約 の 可 能 性 の 取 扱 い 借 地 期 間 満 了 時 に 建 物 を 取 壊 し 原 状 回 復 して 返 還 することが 定 期 借 地 権 の 基 本 で あるが 定 期 借 地 権 制 度 導 入 から 20 年 近 く 経 過 し 契 約 当 事 者 間 において 原 状 回 復 に 代 わる 柔 軟 な 選 択 を 予 定 することも 見 受 けられるようになっている また 将 来 的 な 人 口 減 少 に 伴 う 建 物 需 要 の 減 退 に 関 する 懸 念 がある 一 方 で 地 球 環 境 に 対 する 認 識 の 高 まりからも 社 会 的 資 産 となる 建 物 の 存 続 に 価 値 を 見 出 す 考 え 方 も 強 くなって おり 再 契 約 の 可 能 性 もあると 考 えられる 定 期 借 地 権 によっては 期 間 満 了 時 の 建 物 の 取 扱 いについて 借 地 期 間 満 了 時 に 更 地 返 還 ではなく 建 物 を 取 壊 さずに 建 物 の 無 償 あるいは 有 償 の 譲 渡 特 約 などの 方 法 ( 一 般 に 建 物 存 置 型 と 呼 ばれる )も 地 主 の 希 望 により 採 用 されている なお 当 該 特 約 は 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 以 外 の 一 般 定 期 借 地 権 等 における 借 地 契 約 終 了 時 における 地 主 の 建 物 買 取 オプションとして 付 されていることが 多 い また 定 期 借 地 権 の 賃 貸 借 契 約 の 中 には 当 該 契 約 満 了 時 に 再 契 約 する 旨 の 予 約 契 約 等 が 締 結 されている 場 合 もあるようだが 定 期 借 地 権 は 借 地 期 間 満 了 により 確 定 的 に 借 地 関 係 を 終 了 させることを 目 的 とした 制 度 であるため そのような 予 約 契 約 の 効 力 ( 現 行 基 準 上 の 想 定 上 の 条 件 を 付 加 する 場 合 における 実 現 性 合 法 性 を 具 備 するか どうか)については 議 論 が 分 かれるところである 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 と 建 物 の 残 存 耐 用 年 数 の 取 扱 い 定 期 借 地 権 は 借 地 期 間 満 了 により 確 定 的 に 借 地 契 約 が 終 了 し 堅 固 な 建 物 であっ ても 取 壊 して 更 地 返 還 をすることが 原 則 の 借 地 権 であるため 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 と 借 地 上 の 建 物 の 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 は 同 年 数 になるか 若 しくは 建 物 の 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 の 方 が 借 地 権 の 残 存 年 数 よりも 短 くなり 借 地 権 の 残 存 年 数 を 超 え る 建 物 の 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 を 設 定 することは 原 則 として 想 定 されない ただし 今 後 再 契 約 のオプションが 行 使 されることが 取 引 慣 行 として 一 般 化 され 鑑 定 評 価 上 も 再 契 約 を 前 提 とした 評 価 を 行 うことに 問 題 がないことなどが 明 確 にな った 場 合 には 借 地 権 の 残 存 年 数 を 超 える 建 物 の 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 を 設 定 する 可 能 性 についても 検 討 する 必 要 があると 考 えられる 30

34 第 3 章 定 期 借 地 権 の 評 価 上 の 一 般 的 留 意 事 項 3-1. 定 期 借 地 権 の 権 利 の 態 様 の 確 認 における 留 意 事 項 不 動 産 の 鑑 定 評 価 を 行 うに 当 たっては 鑑 定 評 価 の 対 象 を 確 定 する 必 要 があり 借 地 権 等 には 次 の 5 つの 評 価 類 型 があるため いずれの 類 型 に 関 する 評 価 なのかを 依 頼 目 的 か ら 明 確 に 把 握 することが 必 要 である 図 表 5: 借 地 権 が 設 定 されている 場 合 の 評 価 類 型 2 借 地 権 付 建 物 評 価 類 型 の 種 類 1 借 地 権 2 借 地 権 付 建 物 3 借 地 権 が 付 着 する 底 地 4 新 規 地 代 5 継 続 地 代 1 借 地 権 3 借 地 権 が 付 着 する 底 地 地 代 4 新 規 地 代 5 継 続 地 代 次 に 確 定 された 対 象 不 動 産 について 確 認 を 行 うこととなるが 対 象 不 動 産 の 確 認 の うち 定 期 借 地 権 の 権 利 の 態 様 について 確 認 する 際 の 留 意 事 項 には 借 地 権 一 般 に 共 通 する 事 項 と 定 期 借 地 権 固 有 の 特 性 を 踏 まえた 事 項 があり 具 体 的 には 下 記 の 内 容 であ る まず 借 地 権 の 種 類 には 法 定 更 新 制 度 のある 借 地 権 として 旧 借 地 法 が 適 用 されるもの と 借 地 借 家 法 が 適 用 ( 法 5 条 6 条 )されるものがあり また 法 定 更 新 制 度 がない 定 期 借 地 権 においても 一 般 定 期 借 地 権 事 業 用 定 期 借 地 権 等 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 に 分 かれる 31

35 借 地 借 家 法 第 五 条 ( 借 地 契 約 の 更 新 請 求 等 ) 借 地 権 の 存 続 期 間 が 満 了 する 場 合 において 借 地 権 者 が 契 約 の 更 新 を 請 求 したと きは 建 物 がある 場 合 に 限 り 前 条 の 規 定 によるもののほか 従 前 の 契 約 と 同 一 の 条 件 で 契 約 を 更 新 したものとみなす ただし 借 地 権 設 定 者 が 遅 滞 なく 異 議 を 述 べ たときは この 限 りでない 2 借 地 権 の 存 続 期 間 が 満 了 した 後 借 地 権 者 が 土 地 の 使 用 を 継 続 するときも 建 物 がある 場 合 に 限 り 前 項 と 同 様 とする 3 転 借 地 権 が 設 定 されている 場 合 においては 転 借 地 権 者 がする 土 地 の 使 用 の 継 続 を 借 地 権 者 がする 土 地 の 使 用 の 継 続 とみなして 借 地 権 者 と 借 地 権 設 定 者 との 間 に ついて 前 項 の 規 定 を 適 用 する 借 地 借 家 法 第 六 条 ( 借 地 契 約 の 更 新 拒 絶 の 要 件 ) 前 条 の 異 議 は 借 地 権 設 定 者 及 び 借 地 権 者 ( 転 借 地 権 者 を 含 む 以 下 この 条 におい て 同 じ )が 土 地 の 使 用 を 必 要 とする 事 情 のほか 借 地 に 関 する 従 前 の 経 過 及 び 土 地 の 利 用 状 況 並 びに 借 地 権 設 定 者 が 土 地 の 明 渡 しの 条 件 として 又 は 土 地 の 明 渡 しと 引 換 えに 借 地 権 者 に 対 して 財 産 上 の 給 付 をする 旨 の 申 出 をした 場 合 におけるその 申 出 を 考 慮 して 正 当 の 事 由 があると 認 められる 場 合 でなければ 述 べることができない また 借 地 権 のうち 賃 借 権 の 売 買 においては 借 地 権 譲 渡 承 諾 の 条 件 として 支 払 地 代 や 借 地 期 間 支 払 地 代 等 の 借 地 条 件 が 変 更 される 場 合 があることのほか 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 い 場 合 や 借 地 上 の 建 物 が 古 い 場 合 においても 法 定 更 新 制 度 や 裁 判 所 による 借 地 条 件 の 変 更 譲 渡 等 の 代 諾 許 可 ( 法 17 条 19 条 )により 更 新 や 建 替 え が 見 込 まれ 建 替 え 後 の 建 物 利 用 を 前 提 とした 価 格 形 成 が 行 われる 場 合 もある これは 借 地 権 が 定 期 借 地 権 である 場 合 についても 同 様 と 考 えられるため 留 意 が 必 要 である さらに 借 地 権 価 格 は どのような 借 地 目 的 であるか どのような 用 途 の 建 物 を 前 提 とするかによって 価 格 が 異 なる 定 期 借 地 権 や 定 期 借 地 権 付 建 物 についても これら 目 的 や 条 件 設 定 により 価 格 が 異 なるため 依 頼 目 的 価 格 時 点 等 を 踏 まえ 定 期 借 地 権 の 内 容 を 的 確 に 確 定 することが 重 要 となる これらに 加 えて 定 期 借 地 権 では 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 の 長 短 が 価 格 を 左 右 す ると 考 えられる なお 定 期 借 地 権 自 体 や 定 期 借 地 権 付 建 物 の 評 価 では 価 格 時 点 が 何 時 の 時 点 で 設 定 されるかにより 建 物 の 使 用 収 益 期 間 や 家 賃 未 収 入 期 間 も 異 なり 定 期 借 地 権 が 付 着 した 底 地 についても 借 地 期 間 満 了 時 においてどのような 状 態 で 土 地 が 返 還 されるのかが 異 なるため 価 格 時 点 において 想 定 可 能 な 将 来 予 想 等 を 踏 まえて 評 価 を 行 う 必 要 がある 32

36 図 表 6: 定 期 借 地 権 の 借 地 期 間 における 状 況 (イメージ) 価 格 時 点 により 借 地 権 の 存 続 期 間 が 異 なる 借 地 期 間 家 賃 未 収 入 期 間 家 賃 未 収 入 期 間 借 地 権 設 定 建 物 竣 工 建 物 取 壊 開 始 借 地 期 間 満 了 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 開 始 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 期 間 借 地 人 地 代 発 生 33

37 3-2. 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 現 行 基 準 における 借 地 権 の 価 格 形 成 要 因 現 行 基 準 では 総 論 第 3 章 に 価 格 形 成 要 因 が 規 定 されており 第 1 節 で 一 般 的 要 因 第 2 節 で 地 域 要 因 第 3 節 で 個 別 的 要 因 が 列 挙 されているが 専 ら 土 地 建 物 建 物 及 びその 敷 地 の 各 類 型 別 の 観 点 から 構 成 されている 借 地 権 の 価 格 形 成 要 因 については 明 確 に 示 されていないが 各 論 第 1 章 価 格 に 関 する 鑑 定 評 価 の 第 1 節 土 地 Ⅰ 宅 地 において 借 地 権 及 び 底 地 の 鑑 定 評 価 に 当 たって 考 慮 すべき 点 が 規 定 されており 実 務 においては それが 価 格 形 成 要 因 に 準 ずるものと 認 識 されている 各 論 第 1 章 第 1 節 Ⅰ 3. 借 地 権 及 び 底 地 借 地 権 及 び 底 地 の 鑑 定 評 価 に 当 たっては 借 地 権 の 価 格 と 底 地 の 価 格 とは 密 接 に 関 連 し 合 っているので 以 下 に 述 べる 諸 点 を 十 分 に 考 慮 して 相 互 に 比 較 検 討 すべきであ る 1 宅 地 の 賃 貸 借 等 及 び 借 地 権 取 引 の 慣 行 の 有 無 とその 成 熟 の 程 度 は 都 市 によっ て 異 なり 同 一 都 市 内 においても 地 域 によって 異 なることもあること 2 借 地 権 の 存 在 は 必 ずしも 借 地 権 の 価 格 の 存 在 を 意 味 するものではなく また 借 地 権 取 引 の 慣 行 について 借 地 権 が 単 独 で 取 引 の 対 象 となっている 都 市 又 は 地 域 と 単 独 で 取 引 の 対 象 となることはないが 建 物 の 取 引 に 随 伴 して 取 引 の 対 象 と なっている 都 市 又 は 地 域 とがあること 3 借 地 権 取 引 の 態 様 ア 借 地 権 が 一 般 に 有 償 で 創 設 され 又 は 継 承 される 地 域 であるか 否 か イ 借 地 権 の 取 引 が 一 般 に 所 有 者 以 外 の 者 を 対 象 として 行 われる 地 域 であるか 否 か ウ 堅 固 建 物 の 所 有 を 目 的 とする 借 地 権 の 多 い 地 域 であるか 否 か エ 借 地 権 に 対 する 権 利 意 識 について 借 地 人 側 が 強 い 地 域 であるか 否 か オ 一 時 金 の 授 受 が 慣 行 化 している 地 域 であるか 否 か カ 借 地 権 の 譲 渡 に 当 たって 名 義 書 替 料 を 一 般 に 譲 受 人 又 は 譲 渡 人 のいずれが 負 担 する 地 域 であるか 4 借 地 権 の 態 様 ア 創 設 されたものか 継 承 されたものか イ 地 上 権 か 賃 借 権 か ウ 転 借 か 否 か エ 堅 固 の 建 物 の 所 有 を 目 的 とするか 非 堅 固 の 建 物 の 所 有 を 目 的 とするか オ 主 として 居 住 用 建 物 のためのものか 主 として 営 業 用 建 物 のためのものか カ 契 約 期 間 の 定 めの 有 無 34

38 キ 特 約 条 項 の 有 無 ク 契 約 は 書 面 か 口 頭 か ケ 登 記 の 有 無 コ 定 期 借 地 権 等 ( 借 地 借 家 法 第 二 章 第 四 節 に 規 定 する 定 期 借 地 権 等 ) 定 期 借 地 権 に 関 連 する 固 有 の 価 格 形 成 要 因 定 期 借 地 権 に 関 連 する 評 価 を 行 うに 当 たっては 次 の 固 有 の 価 格 形 成 要 因 に 留 意 す る 必 要 がある (1) 有 期 性 定 期 借 地 権 は 原 則 として 確 定 期 限 を 有 する 借 地 権 であり 定 期 借 地 権 の 種 類 に 応 じて 設 定 できる 契 約 期 間 が 異 なる 旧 法 借 地 権 及 び 普 通 借 地 権 の 場 合 は 建 物 が 存 続 する 限 り 契 約 が 更 新 される 場 合 も 多 いため 契 約 期 間 は 事 実 上 半 永 久 的 なもの となり 借 地 権 における 有 期 性 はほとんど 考 慮 されない 一 方 定 期 借 地 権 の 場 合 は 有 期 性 が 確 保 されるため 契 約 期 間 中 の 社 会 経 済 情 勢 に 大 きな 変 化 がないと 仮 定 した 場 合 契 約 期 間 の 経 過 とともに 定 期 借 地 権 の 経 済 価 値 は 逓 減 する また 契 約 の 終 了 時 期 が 近 づくにつれ 建 物 取 壊 しによる 更 地 返 還 等 がより 具 体 的 な 出 来 事 と して 視 野 に 入 ってきたときに 定 期 借 地 権 の 経 済 価 値 は 急 速 に 減 価 することが 推 測 され 最 終 的 には 契 約 期 間 満 了 時 にその 経 済 価 値 はゼロになると 考 えられる したがって 定 期 借 地 権 固 有 の 有 期 性 は 定 期 借 地 権 の 評 価 手 法 に 影 響 を 及 ぼす ことになる 例 えば 定 期 借 地 権 が 有 期 の 借 地 権 であるため 定 期 借 地 権 価 格 を 求 める 場 合 の 土 地 残 余 法 及 び 賃 料 差 額 還 元 法 による 還 元 利 回 り( 例 : 複 利 年 金 現 価 率 における 利 率 )は 一 般 に 旧 法 借 地 権 価 格 を 求 める 場 合 より 高 位 に 査 定 されると 考 えられる また 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 僅 かになった 定 期 借 地 権 付 建 物 の 収 益 価 格 を 求 める 場 合 転 売 を 前 提 とした DCF 法 を 適 用 するのではなく 契 約 期 間 満 了 までの 保 有 を 前 提 とした DCF 法 あるいは 有 期 還 元 法 (インウッド 式 )を 適 用 することが 妥 当 と 考 えられる 加 えて 定 期 借 地 権 付 建 物 の 建 物 価 格 を 求 める 場 合 には 原 則 として 契 約 期 間 満 了 時 に 更 地 返 還 することになるため 一 般 には 建 物 の 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 は 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 を 超 える 想 定 をしないこと に 留 意 する 必 要 がある (2) 借 地 期 間 満 了 時 の 建 物 等 の 取 扱 い 一 般 定 期 借 地 権 ( 法 22 条 ) 事 業 用 定 期 借 地 権 等 ( 法 23 条 )の 場 合 には 契 約 終 了 に 際 して 原 則 として 更 地 返 還 することになるため 定 期 借 地 権 価 格 から 建 物 や 構 築 物 等 の 取 壊 費 用 等 の 現 在 価 値 を 控 除 する 必 要 がある この 場 合 建 物 取 壊 し 等 の 原 状 回 復 をどの 程 度 行 うかについて 借 地 権 設 定 契 約 書 で 内 容 を 確 認 したうえで 35

39 解 体 費 用 や 解 体 期 間 の 査 定 を 行 う 必 要 がある また 借 地 期 間 満 了 時 に 更 地 返 還 するのではなく 借 地 上 の 建 物 について 地 主 に 対 する 無 償 あるいは 有 償 の 譲 渡 特 約 などの 方 法 ( 建 物 存 置 型 )も 定 期 借 地 権 設 定 契 約 又 はその 後 の 覚 書 等 により 採 用 される 場 合 もある この 方 法 は 建 物 を 継 続 利 用 したい 地 主 と 原 状 回 復 を 免 れたい 借 地 人 双 方 にとってメリットのある 特 約 ともな る 既 に 事 業 用 定 期 借 地 権 等 においては すでに 契 約 期 間 満 了 を 迎 えている 事 案 が 多 数 あるが これらの 事 案 の 中 には 借 地 上 の 建 物 を 取 壊 すのでなく 再 契 約 を 行 うケースも 見 られる 図 表 7: 更 地 返 還 型 と 建 物 存 置 型 の 定 期 借 地 権 (イメージ) 更 地 返 還 型 建 物 竣 工 ( 時 の 経 過 ) 借 地 期 間 満 了 借 地 人 地 主 建 物 存 置 型 借 地 人 地 主 無 償 譲 渡 地 主 借 地 人 有 償 譲 渡 (3) 建 物 の 建 築 取 壊 しにより 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 が 期 待 できない 期 間 定 期 借 地 権 のライフサイクルは 通 常 1 土 地 賃 貸 借 契 約 を 締 結 し 2 契 約 の 目 的 となっている 建 物 を 建 築 し 竣 工 後 複 合 不 動 産 として 使 用 収 益 を 開 始 する 3 契 約 期 間 が 経 過 し 契 約 終 了 前 に 借 地 上 の 建 物 を 取 壊 す 4 契 約 期 間 満 了 時 に 更 地 として 返 還 する つまり 地 代 の 発 生 は 契 約 期 間 の 全 期 間 に 及 ぶが 借 地 上 の 複 合 不 動 産 の 収 益 獲 得 期 間 は 契 約 期 間 ではなく 建 物 の 建 築 や 取 壊 し 期 間 を 除 い 36

40 た 期 間 であることに 留 意 する 必 要 がある 図 表 8: 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 が 期 待 できない 期 間 (イメージ) 借 地 期 間 借 地 権 設 定 家 賃 未 収 入 期 間 建 物 竣 工 建 物 取 壊 開 始 家 賃 未 収 入 期 間 借 地 期 間 満 了 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 開 始 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 期 間 借 地 人 地 代 発 生 (4) 定 期 借 地 権 に 関 連 する 固 有 の 市 場 性 旧 法 借 地 権 の 場 合 借 地 権 の 取 引 慣 行 が 成 熟 している 都 市 又 は 地 域 は 多 く 見 られ るため 相 続 税 路 線 価 図 においても 更 地 価 格 に 対 する 借 地 権 割 合 が 多 くの 地 域 で 明 示 されている それに 対 し 定 期 借 地 権 は 今 のところ 取 引 はほとんど 観 察 され ず 取 引 慣 行 の 成 熟 の 程 度 は 低 いといえる このような 中 市 場 流 通 性 を 確 保 するために 例 えば 一 般 定 期 借 地 権 を 活 用 し た 定 期 借 地 権 付 マンションでは 敷 地 利 用 権 を 賃 借 権 とはせずに 譲 渡 に 際 して 地 主 の 承 諾 が 不 要 な 地 上 権 とするケースが 見 られる また 事 業 用 定 期 借 地 権 等 の 場 合 平 成 20 年 の 借 地 借 家 法 の 一 部 改 正 まで 契 約 期 間 が 20 年 以 下 と 短 期 であったことにより 借 地 権 者 に 流 通 性 (セカンダリーマー ケット)を 確 保 する 必 要 性 についての 認 識 が 低 かった しかし 平 成 20 年 の 法 改 正 に より 契 約 期 間 が 50 年 未 満 まで 延 長 されたことから 借 地 権 者 も 契 約 期 間 中 での 売 却 等 に 関 する 市 場 性 に 対 する 意 識 が 深 まりつつあり 今 後 は 事 業 用 定 期 借 地 権 等 に ついても 取 引 が 観 察 される 可 能 性 があると 考 えられる 取 引 が 多 く 観 察 されるよう になれば 取 引 慣 行 の 成 熟 の 程 度 も 高 まってくるため 定 期 借 地 権 の 市 場 動 向 に 留 意 する 必 要 がある 37

41 3-3. 借 地 契 約 における 一 時 金 の 取 扱 い 定 期 借 地 契 約 における 一 時 金 としては 契 約 締 結 時 の 一 時 金 と 将 来 見 込 まれる 一 時 金 に 分 けられる 定 期 借 地 契 約 における 契 約 締 結 時 の 一 時 金 (1) 敷 金 ( 保 証 金 ) 定 期 借 地 権 の 設 定 においても 預 り 金 的 性 格 を 有 する 一 時 金 である 敷 金 ( 保 証 金 ) の 授 受 が 行 われることが 多 い 一 般 定 期 借 地 権 ( 法 22 条 ) 事 業 用 定 期 借 地 権 等 ( 法 23 条 )は 借 地 期 間 満 了 時 に 建 物 を 取 壊 して 更 地 化 するため このような 定 期 借 地 権 設 定 時 の 敷 金 ( 保 証 金 )の 額 の 決 定 に 当 たっては 建 物 取 壊 し 費 用 相 当 額 が 考 慮 される 場 合 が 多 い 定 期 借 地 権 の 譲 渡 において 旧 借 地 人 の 地 主 に 対 する 差 入 敷 金 等 は 新 借 地 人 に 対 して 当 然 に 承 継 するものではない 23 ので 当 該 敷 金 等 が 売 買 を 想 定 した 場 合 にどの ように 扱 われるかによって 定 期 借 地 権 の 設 定 に 際 して 考 慮 されるキャッシュフロー が 異 なることになる したがって 鑑 定 評 価 では 当 該 一 時 金 の 承 継 のされ 方 につ 23 法 務 省 民 事 局 参 事 官 室 編 一 問 一 答 新 しい 借 地 借 家 法 ( 商 事 法 務 研 究 会 1992 年 )139~142 頁 によ れば 次 のとおりである 土 地 が 譲 渡 され 新 しい 地 主 が 貸 主 の 地 位 を 引 き 継 いだ 場 合 には 借 地 が 終 わった 時 点 で 敷 金 を 借 地 人 に 返 還 する 義 務 を 負 う 者 は 前 の 地 主 か 交 代 した 後 の 新 しい 地 主 かを 決 めなければなりません (ア) 新 しい 地 主 は 前 の 地 主 から 敷 金 を 引 き 継 ぐはずであり 新 しい 地 主 が 借 地 人 に 敷 金 を 返 還 する 義 務 を 負 う (イ) 新 しい 地 主 は 前 の 地 主 から 敷 金 を 引 き 継 がず 借 地 人 は 前 の 地 主 から 敷 金 を 返 してもらうべき である そして 新 しい 地 主 は 借 地 人 に 別 途 敷 金 を 差 し 入 れさせるべきである という 二 つの 考 え 方 が 可 能 だからです この 点 について 判 例 では 地 主 の 交 代 の 不 利 益 を 借 地 人 に 負 わすことは 不 合 理 であるとの 見 地 から 新 地 主 が 敷 金 を 承 継 するという(ア)の 立 場 がとられています したがって 借 地 人 は 新 地 主 との 間 であ らためて 敷 金 の 授 受 をしなくても していると 同 様 の 関 係 に 立 つことになります これに 対 し 地 上 の 建 物 が 借 地 権 とともに 譲 渡 され 譲 受 人 が 新 しい 借 地 人 となる 場 合 には 敷 金 はど うなるでしょう これについても (ア) 新 しい 借 地 人 が 前 の 借 地 人 から 敷 金 関 係 を 引 き 継 ぐから 地 主 は 借 地 関 係 が 終 了 したときは 新 しい 借 地 人 に 敷 金 を 返 還 する 義 務 を 負 う (イ) 新 しい 借 地 人 は 前 の 借 地 人 から 敷 金 関 係 を 引 き 継 がない 地 主 は 新 しい 借 地 人 の 借 地 に 関 する 担 保 を 確 保 するため あらためて 新 しい 借 地 人 に 敷 金 を 差 し 入 れさせるべきである という 二 つの 考 え 方 が 可 能 ですが 判 例 では 原 則 として 敷 金 の 返 還 を 受 ける 者 は 新 しい 借 地 人 ではなく 前 の 借 地 人 である すなわち 敷 金 の 返 還 請 求 権 は 承 継 されないという(イ)の 立 場 がとられています この 借 主 が 代 わった 場 合 については 敷 金 の 返 還 請 求 権 を 新 しい 借 地 人 が 引 き 継 ぐという(ア)の 考 え 方 の 方 が 合 理 的 であるとの 意 見 もないわけではありません しかし 借 地 人 が 代 わる 場 合 には 借 地 権 の 譲 渡 があるわけですから 通 常 地 主 を 含 めて 三 者 間 で 合 意 のうえ 借 地 人 の 交 代 を 認 める 仕 組 みがとられるこ とが 法 律 上 予 定 されています したがって 特 にこの 場 合 に 承 継 するかどうかを 法 律 上 明 らかにしなくて も 原 則 が 決 まっていれば 当 事 者 はそれに 対 応 することができなくはないですから それほど 不 都 合 は ないはずです そこで 新 法 では この 点 についても 特 段 の 手 当 てをしないこととされました 借 主 が 交 代 した 場 合 に は 原 則 として 敷 金 返 還 請 求 権 は 承 継 されない という 判 例 の 考 え 方 が 定 着 していくことになるのではな いかと 考 えられます 38

42 いて 明 確 にする 必 要 がある 預 り 金 的 性 格 を 有 する 敷 金 ( 保 証 金 )は 一 時 金 の 差 入 れ 時 及 び 返 還 時 に 一 時 金 相 当 額 を 収 支 計 上 する 方 法 と 一 時 金 を 差 し 入 れることにより 発 生 する 地 主 にとっては 運 用 益 ( 底 地 価 格 の 評 価 ) 借 地 人 にとっては 運 用 損 24 ( 定 期 借 地 権 や 定 期 借 地 権 付 建 物 の 価 格 の 評 価 )を 毎 期 の 収 支 に 計 上 する 方 法 の 2 通 りが 考 えられる 25 (2) 権 利 金 定 期 借 地 権 の 設 定 においても 権 利 金 の 授 受 が 行 われることがある しかし 普 通 借 地 権 の 場 合 と 異 なり 借 地 期 間 満 了 時 に 確 実 に 土 地 が 地 主 に 返 還 されることとなる ため 一 般 に 普 通 借 地 権 の 場 合 と 比 較 して 権 利 金 の 額 は 少 額 となる 傾 向 がみられる 前 年 度 実 施 したヒアリング 調 査 によれば 事 業 用 不 動 産 の 場 合 にはプロジェクトの 事 業 採 算 性 を マンションの 場 合 にはマンション 購 入 者 の 資 金 負 担 力 が 勘 案 される 傾 向 がみられ その 他 地 主 からの 希 望 なども 考 慮 の 上 個 別 交 渉 により 権 利 金 を 含 めた 一 時 金 の 額 が 決 定 されるとの 結 果 が 得 られている 敷 金 や 保 証 金 という 名 目 で 借 地 人 から 地 主 に 預 り 金 的 性 格 を 有 する 一 時 金 が 預 託 された 場 合 地 主 は 当 該 一 時 金 を 運 用 することができるため 底 地 の 評 価 では 当 該 一 時 金 の 運 用 益 を 計 上 し 一 方 借 地 人 と しては 当 該 一 時 金 による 運 用 益 獲 得 機 会 を 喪 失 していることになるため 借 地 権 又 は 借 地 権 付 建 物 の 評 価 では 運 用 益 獲 得 機 会 の 喪 失 相 当 額 として 当 該 一 時 金 の 運 用 損 を 計 上 することとしている 25 新 要 説 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 ( 改 訂 版 ) ( 住 宅 新 報 社 2010 年 )166~167 頁 によれば 貸 家 及 びそ の 敷 地 等 の 価 格 を 求 める 場 合 におけるテナント 預 かり 敷 金 の 取 扱 いについて 次 のとおり 記 載 されている b. 預 り 金 的 性 格 を 有 する 保 証 金 等 の 運 用 益 (a) 全 額 を 返 還 準 備 金 として 預 託 することを 想 定 しその 運 用 益 を 発 生 時 に 計 上 する 方 法 全 額 を 返 還 準 備 金 として 預 託 することを 想 定 しその 運 用 益 を 発 生 時 に 計 上 する 方 法 を 採 用 する 場 合 直 接 還 元 法 の 適 用 において 総 収 益 に 計 上 する 運 用 益 は 当 該 期 に 発 生 すると 予 測 される 運 用 益 か 長 期 に わたる 運 用 益 を 標 準 化 した 運 用 益 となる DCF 法 の 適 用 においては 各 期 に 発 生 すると 予 測 される 運 用 益 を 当 該 発 生 期 に 計 上 する また 保 証 金 のうち 一 定 期 間 据 え 置 きの 上 その 後 一 定 期 間 に 返 済 利 子 付 きで 償 還 する 性 格 のものは 保 証 金 に 平 均 運 用 利 回 りを 乗 じて 求 めることができる ( 以 下 一 部 省 略 ) (b) 全 額 を 受 渡 時 の 収 入 又 は 支 出 として 計 上 する 方 法 全 額 を 受 渡 時 の 収 入 又 は 支 出 として 計 上 する 方 法 を 採 用 する 場 合 は 直 接 還 元 法 の 適 用 においては 運 用 利 回 りを 割 引 率 として 計 算 された 運 用 益 を 計 上 する DCF 法 の 適 用 においては 保 証 金 等 が 入 金 さ れる 時 期 に 当 該 入 金 額 を 総 収 益 に 計 上 し 支 払 われる 時 期 に 支 払 額 を 総 費 用 に 計 上 する したがっ て 当 該 保 証 金 等 の 運 用 益 は 総 収 益 には 計 上 されないが 敷 金 保 証 金 等 の 入 出 金 額 が それぞれの 入 出 金 時 期 に 応 じて 現 在 価 値 に 割 り 引 かれることになるために 敷 金 保 証 金 等 が 割 引 率 で 運 用 されたの と 同 じ 結 果 となる この 方 法 は 例 えば 商 業 施 設 等 において 多 額 の 保 証 金 等 が 授 受 され それらが 貸 主 の 調 達 資 金 となり 銀 行 等 に 預 金 されることなく 直 ちに 事 業 資 金 として 使 用 される 場 合 等 に 有 効 である 上 記 二 つの 方 法 については 異 なる 運 用 利 回 りが 適 用 されることになるために 運 用 益 の 差 が 生 じ 収 益 価 格 が 異 なることになる したがって いずれの 方 法 を 採 用 するかの 判 断 は 対 象 不 動 産 にかかる 個 別 事 情 ( 一 時 金 に 係 る 契 約 条 項 一 時 金 が 事 業 資 金 に 充 当 されるものであるか 否 かなど)や 市 場 慣 行 をかんがみながら 標 準 的 と 判 断 される 適 切 な 方 法 を 選 択 することが 必 要 である また 直 接 還 元 法 と DCF 法 を 併 用 する 場 合 においては 二 つの 手 法 の 適 用 上 その 取 扱 いが 整 合 していることに 留 意 すること が 必 要 である 26 定 期 借 地 権 及 び 継 続 賃 料 にかかる 評 価 のあり 方 に 関 する 検 討 業 務 調 査 報 告 書 ( 国 土 交 通 省 土 地 建 設 産 業 局 2012 年 )18~19 頁 39

43 権 利 金 の 価 格 が 更 地 又 は 建 付 地 の 価 格 に 対 する 一 定 の 割 合 で 成 立 する 慣 行 のある 地 域 においては 借 地 権 価 格 を 構 成 する 要 素 ともなり 得 るため 留 意 する 必 要 がある (3) 前 払 地 代 前 払 地 代 は 契 約 上 前 払 いであることが 明 示 されるのに 対 し 中 途 解 約 時 におけ る 未 経 過 前 払 分 は 地 主 から 返 還 されるという 違 いがある 借 地 人 にとって 地 代 を 前 払 することはキャッシュフロー 上 経 費 の 前 倒 しとなるため 不 利 となり 地 主 にとって はキャッシュフロー 上 将 来 の 地 代 を 前 受 けできるため 有 利 になる 実 際 の 地 代 はこ れらの 要 素 を 考 慮 して 決 定 されるが 前 払 い 分 と 残 額 月 払 い 分 は 任 意 に 設 定 するこ とが 可 能 である 前 払 地 代 の 未 償 却 部 分 については 売 買 に 当 たっての 精 算 項 目 であり 借 地 権 価 格 や 底 地 価 格 そのものを 形 成 するものではない そこで 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 の 価 格 を 求 める 場 合 には 前 受 地 代 を 毎 期 の 運 営 収 益 に 計 上 するとともに 前 受 期 間 中 未 経 過 前 受 地 代 の 運 用 益 相 当 額 を 計 上 することが 一 般 的 と 考 えられる 一 方 定 期 借 地 権 の 価 格 及 び 定 期 借 地 権 付 建 物 の 価 格 を 求 める 場 合 には 前 払 地 代 を 毎 期 の 運 営 費 用 に 計 上 するとともに 前 払 期 間 中 未 経 過 前 払 地 代 の 運 用 損 相 当 額 を 計 上 すること が 一 般 的 と 考 えられる 定 期 借 地 契 約 における 将 来 見 込 まれる 一 時 金 (1) 更 新 料 定 期 借 地 権 は 更 新 がないため 更 新 料 の 授 受 はない (2) 譲 渡 承 諾 料 ( 名 義 変 更 料 ) 定 期 借 地 権 付 分 譲 マンションのように そもそも 市 場 流 通 性 が 不 可 欠 な 物 件 につ いては 権 利 の 態 様 が 賃 借 権 型 であっても その 譲 渡 に 当 たって 地 主 の 承 諾 を 不 要 と する 特 約 が 締 結 されていたり 事 業 用 定 期 借 地 権 の 場 合 は 借 地 期 間 満 了 まで 当 初 の 借 地 権 者 が 土 地 を 使 用 することが 多 いことなどにより 譲 渡 承 諾 料 ( 名 義 変 更 料 ) の 授 受 が 発 生 する 例 は 少 ない ただし 現 に 定 期 借 地 権 の 譲 渡 承 諾 料 ( 名 義 変 更 料 ) が 発 生 する 場 合 には 定 期 借 地 権 の 価 格 及 び 定 期 借 地 権 付 建 物 の 価 格 評 価 において 譲 渡 承 諾 料 ( 名 義 変 更 料 )を 売 却 時 に 必 要 な 費 用 として 認 識 する 必 要 があると 考 え 27 前 払 地 代 は 前 払 いであることが 明 記 され 未 経 過 前 払 地 代 については 解 約 時 等 においては 精 算 される ことが 契 約 上 明 記 されることが 多 いため 不 動 産 の 鑑 定 評 価 においては 未 経 過 前 払 地 代 が 精 算 されるこ とを 前 提 とした 評 価 を 行 うことが 原 則 となる すなわち 前 払 地 代 が 存 在 する 定 期 借 地 権 付 建 物 について 継 続 保 有 したままの 定 期 借 地 権 付 建 物 の 価 格 を 求 める 場 合 において 前 払 い 部 分 を 考 慮 して 低 廉 に 定 めら れた 支 払 地 代 のみならず 未 経 過 前 払 地 代 も 勘 案 の 上 評 価 を 行 うべきである この 場 合 においても どのような 価 格 を 求 めているのかを 明 確 にするため 前 払 地 代 についての 取 扱 い については 評 価 の 前 提 条 件 として 明 記 すべきと 考 えられる 40

44 られる 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 の 価 格 を 求 める 評 価 において 借 地 人 の 変 更 に 伴 う 譲 渡 承 諾 料 は 価 格 を 構 成 する 要 素 であるが 価 格 時 点 において 借 地 権 譲 渡 が 予 定 されている 等 譲 渡 承 諾 料 の 発 生 が 明 確 である 場 合 を 除 き 一 般 にその 発 生 は 極 めて 偶 発 的 である 特 に 定 期 借 地 権 付 建 物 の 証 券 化 評 価 において 適 用 する DCF 法 では 保 有 期 間 満 了 時 の 転 売 を 想 定 し 譲 渡 承 諾 料 が 必 要 となると 判 断 した 場 合 には 転 売 時 の 費 用 と して 仲 介 手 数 料 と 同 様 に 譲 渡 承 諾 料 を 見 込 む 必 要 がある 一 方 底 地 の 証 券 化 評 価 において 適 用 する DCF 法 では 底 地 転 売 時 に 譲 渡 承 諾 という 概 念 は 生 じないため 計 上 する 必 要 はない (3) 建 替 承 諾 料 増 改 築 承 諾 料 定 期 借 地 権 は 建 物 再 築 による 借 地 期 間 の 延 長 がないため もともと 建 替 承 諾 料 増 改 築 承 諾 料 の 授 受 は 想 定 されていないと 考 えられるが 定 期 借 地 権 が 創 設 されて から 20 年 を 経 過 し 平 成 20 年 の 法 改 正 により 契 約 期 間 が 50 年 未 満 まで 延 長 にな ったことにより これまでよりも 社 会 経 済 情 勢 の 変 化 や 地 域 要 因 の 変 動 の 影 響 を 受 けることになり 契 約 当 事 者 の 意 思 によっては 建 替 や 増 改 築 を 行 うケースも 考 えら れる また 法 17 条 ( 借 地 条 件 の 変 更 及 び 増 改 築 の 許 可 )の 適 用 は 排 除 されていな いことから これらの 一 時 金 の 授 受 に 関 する 市 場 慣 行 の 推 移 について 引 き 続 き 注 視 する 必 要 がある 現 行 基 準 における 一 時 金 の 取 扱 い 現 行 基 準 においては 借 地 権 に 係 る 一 時 金 の 取 扱 いについて 留 意 事 項 として 次 の ように 規 定 されているが このほか 特 に 定 期 借 地 権 においては 前 述 したとおり 賃 料 の 前 払 的 性 格 を 有 し 通 常 前 払 地 代 と 呼 ばれているものがある 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 運 用 上 の 留 意 事 項 Ⅶ 各 論 第 1 章 価 格 に 関 する 鑑 定 評 価 について (2) 借 地 権 について 宅 地 の 賃 貸 借 契 約 等 に 関 連 して 借 地 人 から 賃 貸 人 へ 支 払 われる 一 時 金 には 一 般 に 1 預 り 金 的 性 格 を 有 し 通 常 保 証 金 と 呼 ばれているもの 2 賃 料 の 前 払 的 性 格 を 有 し 又 は 借 地 権 の 設 定 の 対 価 とみなされ 通 常 権 利 金 と 呼 ばれているも の 3その 他 借 地 権 の 譲 渡 等 の 承 諾 を 得 るための 一 時 金 に 分 類 することができる これらの 一 時 金 が 借 地 権 価 格 を 構 成 するか 否 かはその 名 称 の 如 何 を 問 わず 一 時 金 の 性 格 社 会 的 慣 行 等 を 考 察 して 個 別 に 判 定 することが 必 要 である 41

45 3-4. 法 24 条 によらない 任 意 に 建 物 買 取 特 約 を 付 した 借 地 権 における 建 物 の 買 取 価 格 の 取 扱 い 法 24 条 の 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 ( 設 定 後 30 年 以 上 を 経 過 した 日 に 借 地 上 の 建 物 を 地 主 に 相 当 の 対 価 で 譲 渡 する 旨 が 定 められた 借 地 権 )と 比 べると 法 24 条 によらない 任 意 に 建 物 買 取 特 約 を 付 した 借 地 権 は 当 事 者 に 争 いが 生 じ 借 地 人 に 不 利 な 特 約 と 判 断 された 場 合 には 法 9 条 により 当 該 特 約 が 無 効 となるリスクが 内 在 しているとも 考 えら れる 28 そのうえで 当 事 者 の 合 意 により 建 物 買 取 特 約 を 付 加 した 場 合 の 建 物 の 買 取 価 格 は 当 事 者 が 建 物 の 買 取 時 期 において どのような 価 格 を 想 定 しているのかについて 借 地 契 約 や 取 引 経 緯 等 を 慎 重 に 分 析 することが 必 要 である 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 に 対 応 する 敷 地 利 用 権 的 な 価 格 も 含 んでいると 推 察 される 場 合 には これを 反 映 した 価 格 を 求 めることも 可 能 と 考 えられる 建 物 買 取 特 約 が 当 事 者 の 合 意 により 設 定 されている 場 合 には 特 約 が 付 された 借 地 契 約 がそもそも 普 通 借 地 権 なのか 定 期 借 地 権 なのか 地 主 借 地 人 のいずれが 買 い 取 り 請 求 を 行 うことが 可 能 なのか どのタイミングにおいて 買 取 が 可 能 なのか 買 取 価 格 に 関 してはどのような 合 意 がなされているのかによって キャッシュフローを 計 上 する 時 期 や 金 額 が 異 なる 可 能 性 があるため 借 地 契 約 を 詳 細 に 確 認 する 必 要 がある また 買 取 後 の 建 物 の 利 用 形 態 すなわち 建 物 を 買 い 取 った 地 主 にとっては 貸 家 及 びその 敷 地 自 用 の 建 物 及 びその 敷 地 という 利 用 形 態 になることや ベースとな る 借 地 契 約 が 定 期 借 地 権 の 場 合 には 借 地 期 間 満 了 後 には 地 主 又 は 借 地 人 のいずれか が 建 物 を 消 滅 させなければならないということを 約 定 しているかどうかについても 考 慮 する 必 要 がある これらの 建 物 価 格 の 考 え 方 は 今 後 の 実 務 の 集 積 や 判 例 等 によって も 変 化 することも 想 定 されるので 市 場 動 向 を 観 察 する 必 要 がある なお 普 通 借 地 においては 存 続 期 間 が 満 了 した 場 合 において 借 地 権 者 が 地 主 に 対 し て 建 物 等 を 時 価 で 買 い 取 るべきことを 請 求 できる 旨 を 規 定 した 法 13 条 が 適 用 されるが この 場 合 には 借 地 権 価 格 は 含 まないが 建 物 の 場 所 的 な 要 素 は 勘 案 するとする 見 解 もあ る 両 当 事 者 で 合 意 しているこのような 特 約 が 借 地 人 に 不 利 な 特 約 として 直 ちに 無 効 となるわけではない ことから 鑑 定 評 価 においては 必 要 に 応 じて 依 頼 者 等 への 注 意 喚 起 のため 鑑 定 評 価 額 の 前 提 条 件 等 を 明 確 にしておくことが 望 ましい 29 法 務 省 民 事 局 参 事 官 室 編 一 問 一 答 新 しい 借 地 借 家 法 ( 商 事 法 務 研 究 会 1992 年 )55~56 頁 によれ ば 次 のとおりである 42

46 第 4 章 定 期 借 地 権 単 独 の 価 格 を 求 める 評 価 手 法 の 検 討 4-1. 現 行 基 準 における 借 地 権 価 格 を 求 める 鑑 定 評 価 手 法 本 章 では 定 期 借 地 権 単 独 の 価 格 を 求 める 場 合 の 評 価 手 法 について 検 討 を 行 う なお 現 行 基 準 においては 下 記 のとおり 借 地 権 に 関 する 詳 細 な 種 類 を 明 示 することなく 借 地 権 価 格 を 求 める 評 価 手 法 が 規 定 されている 2 定 期 借 地 権 付 建 物 評 価 類 型 の 種 類 1 定 期 借 地 権 2 定 期 借 地 権 付 建 物 3 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 4 新 規 地 代 5 継 続 地 代 1 定 期 借 地 権 3 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 地 代 4 新 規 地 代 5 継 続 地 代 各 論 第 1 章 第 1 節 Ⅰ 3. 借 地 権 及 び 底 地 (1) 借 地 権 2 借 地 権 の 鑑 定 評 価 借 地 権 の 鑑 定 評 価 は 借 地 権 の 取 引 慣 行 の 有 無 及 びその 成 熟 の 程 度 によってその 手 法 を 異 にするものである ア 借 地 権 の 取 引 慣 行 の 成 熟 の 程 度 の 高 い 地 域 借 地 権 の 鑑 定 評 価 額 は 借 地 権 及 び 借 地 権 を 含 む 複 合 不 動 産 の 取 引 事 例 に 基 づ く 比 準 価 格 並 びに 土 地 残 余 法 による 収 益 価 格 を 関 連 づけて 得 た 価 格 を 標 準 とし 借 地 契 約 の 期 間 が 満 了 すると 契 約 は 更 新 されるのが 現 実 には 原 則 のようになっていますが 契 約 の 更 新 がなく 土 地 を 明 け 渡 さなければならないということになりますと 民 法 の 原 則 では 建 物 は 借 地 人 が 取 り 壊 さなければならないことになります しかし それでは 借 地 人 は 自 分 が 投 下 した 費 用 を 回 収 でき なくなることになりますし また せっかく 建 てられ まだ 使 用 することができる 建 物 が 取 り 壊 されると いう 事 態 にもなります そこで 新 法 では 現 行 の 借 地 法 と 同 様 そのような 場 合 に 関 する 特 別 の 規 定 を 設 けて 契 約 の 更 新 がな い 場 合 には 借 地 人 から 地 主 に 対 して 建 物 を 買 い 取 ってほしいという 請 求 をすることができることとし ています この 請 求 があれば 地 主 は これに 応 じなくてはなりません これが 建 物 買 取 請 求 権 とよばれ る 権 利 です( 第 十 三 条 第 一 項 ) この 場 合 の 建 物 の 買 取 価 格 は 建 物 の 時 価 相 当 額 です 現 行 の 借 地 法 で は 場 所 的 な 要 素 は 勘 案 するが 借 地 権 価 格 そのものを 含 むものではないと 解 されています 43

47 当 該 借 地 権 の 設 定 契 約 に 基 づく 賃 料 差 額 のうち 取 引 の 対 象 となっている 部 分 を 還 元 して 得 た 価 格 及 び 借 地 権 取 引 が 慣 行 として 成 熟 している 場 合 における 当 該 地 域 の 借 地 権 割 合 により 求 めた 価 格 を 比 較 考 量 して 決 定 するものとする この 場 合 においては 次 に 掲 げる 事 項 を 総 合 的 に 勘 案 するものとする (ア) 将 来 における 賃 料 の 改 定 の 実 現 性 とその 程 度 (イ) 借 地 権 の 態 様 及 び 建 物 の 残 存 耐 用 年 数 (ウ) 契 約 締 結 の 経 緯 並 びに 経 過 した 借 地 期 間 及 び 残 存 期 間 (エ) 契 約 に 当 たって 授 受 された 一 時 金 の 額 及 びこれに 関 する 契 約 条 件 (オ) 将 来 見 込 まれる 一 時 金 の 額 及 びこれに 関 する 契 約 条 件 (カ) 借 地 権 の 取 引 慣 行 及 び 底 地 の 取 引 利 回 り (キ) 当 該 借 地 権 の 存 する 土 地 に 係 る 更 地 としての 価 格 又 は 建 付 地 としての 価 格 イ 借 地 権 の 取 引 慣 行 の 成 熟 の 程 度 の 低 い 地 域 借 地 権 の 鑑 定 評 価 額 は 土 地 残 余 法 による 収 益 価 格 を 標 準 とし 当 該 借 地 権 の 設 定 契 約 に 基 づく 賃 料 差 額 のうち 取 引 の 対 象 となっている 部 分 を 還 元 して 得 た 価 格 及 び 当 該 借 地 権 の 存 する 土 地 に 係 る 更 地 又 は 建 付 地 としての 価 格 から 底 地 価 格 を 控 除 して 得 た 価 格 を 比 較 考 量 して 決 定 するものとする この 場 合 においては 前 記 アの(ア)から(キ)までに 掲 げる 事 項 を 総 合 的 に 勘 案 するものとする 4-2. 定 期 借 地 権 単 独 の 価 格 を 求 める 評 価 手 法 現 時 点 の 定 期 借 地 権 に 関 する 市 場 においては 定 期 借 地 権 単 独 としての 取 引 の 慣 行 は 観 察 されず 取 引 として 観 察 されるもののほとんどが 建 物 と 一 体 となった 定 期 借 地 権 付 建 物 として 取 引 されている このため 当 面 定 期 借 地 権 単 独 の 価 格 を 求 める 場 面 は 一 般 に 建 物 及 びその 敷 地 の 評 価 の 際 に 原 価 法 を 適 用 する 場 面 等 に 限 定 されると 考 え られる なお 後 述 の 定 期 借 地 権 付 建 物 の 評 価 に 当 たっては 定 期 借 地 権 が 単 独 で 取 引 の 対 象 とならないことによりそれ 自 体 が 単 独 の 不 動 産 としての 価 格 形 成 がみられない 場 合 においても 建 物 の 取 引 に 随 伴 して 取 引 の 対 象 となることにより 複 合 不 動 産 の 構 成 部 分 として 定 期 借 地 権 の 価 格 が 形 成 される 場 合 があることに 留 意 する 必 要 がある 定 期 借 地 権 付 建 物 の 再 調 達 原 価 を 求 める 場 合 における 定 期 借 地 権 の 価 格 は 建 物 と 一 体 と なることによって 顕 在 化 する 土 地 利 用 に 伴 う 経 済 価 値 としてこれを 認 識 することにな る 現 行 基 準 における 借 地 権 の 評 価 は 取 引 慣 行 の 成 熟 の 程 度 に 応 じて 手 法 が 定 められて いる 取 引 慣 行 の 成 熟 の 程 度 が 高 い 場 合 には 取 引 事 例 比 較 法 土 地 ( 借 地 権 ) 残 余 法 当 該 借 地 権 の 設 定 契 約 に 基 づく 賃 料 差 額 のうち 取 引 の 対 象 となっている 部 分 を 還 元 す る 手 法 ( 賃 料 差 額 還 元 法 ) 借 地 権 取 引 が 慣 行 として 成 熟 している 場 合 における 当 該 地 44

48 域 の 借 地 権 割 合 により 求 める 方 法 ( 借 地 権 割 合 法 )を 併 用 し また 取 引 慣 行 の 成 熟 の 程 度 が 低 い 場 合 には 土 地 ( 借 地 権 ) 残 余 法 賃 料 差 額 還 元 法 借 地 権 の 存 する 土 地 に 係 る 更 地 又 は 建 付 地 としての 価 格 から 底 地 価 格 を 控 除 する 手 法 ( 底 地 価 格 控 除 法 )を 併 用 して それぞれ 借 地 権 価 格 を 求 めることとされている 定 期 借 地 権 も 借 地 権 の 一 つであるので その 評 価 については 基 本 的 には 借 地 権 の 評 価 手 法 に 準 ずることになるが 定 期 借 地 権 単 独 では 取 引 がほとんど 観 察 されないため 定 期 借 地 権 の 評 価 に 当 たっては 借 地 権 の 中 でも 取 引 慣 行 の 成 熟 の 程 度 の 低 い 場 合 の 評 価 に 準 ずることになると 考 えられる 評 価 においては 対 象 不 動 産 の 種 類 契 約 の 経 過 期 間 残 存 期 間 資 料 の 収 集 の 程 度 各 種 指 数 の 把 握 等 の 状 況 を 勘 案 し 適 切 な 手 法 の 適 用 を 行 うことが 求 められる なお 定 期 借 地 権 には 法 22 条 の 一 般 定 期 借 地 権 法 23 条 の 事 業 用 定 期 借 地 権 等 法 24 条 の 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 の 3 つの 種 類 があり それらに 応 じて 土 地 賃 貸 借 契 約 の 個 別 性 期 待 利 回 り 等 が 異 なる また 一 時 金 についても 1 保 証 金 2 権 利 金 3 保 証 金 と 権 利 金 の 併 用 4 一 括 前 払 地 代 等 の 様 々な 種 類 があるため その 性 格 によっ て 評 価 上 の 取 扱 いが 異 なる さらに 契 約 期 間 満 了 時 に 更 地 返 還 することを 原 則 として いるため 一 般 に 定 期 借 地 権 の 価 格 は 契 約 期 間 の 経 過 とともに 逓 減 する 傾 向 がある 定 期 借 地 権 の 評 価 に 当 たっては これらの 特 性 に 十 分 留 意 する 必 要 がある 45

49 取 引 事 例 比 較 法 (1) 意 義 総 論 第 7 章 第 1 節 Ⅲ 1. 意 義 取 引 事 例 比 較 法 は まず 多 数 の 取 引 事 例 を 収 集 して 適 切 な 事 例 の 選 択 を 行 い これ らに 係 る 取 引 価 格 に 必 要 に 応 じて 事 情 補 正 及 び 時 点 修 正 を 行 い かつ 地 域 要 因 の 比 較 及 び 個 別 的 要 因 の 比 較 を 行 って 求 められた 価 格 を 比 較 考 量 し これによって 対 象 不 動 産 の 試 算 価 格 を 求 める 手 法 である(この 手 法 による 試 算 価 格 を 比 準 価 格 という ) 取 引 事 例 比 較 法 は 近 隣 地 域 若 しくは 同 一 需 給 圏 内 の 類 似 地 域 等 において 対 象 不 動 産 と 類 似 の 不 動 産 の 取 引 が 行 われている 場 合 又 は 同 一 需 給 圏 内 の 代 替 競 争 不 動 産 の 取 引 が 行 われている 場 合 に 有 効 である 定 期 借 地 権 は 現 在 のところ 単 独 での 取 引 は 観 察 されず また 定 期 借 地 権 付 建 物 に ついても 総 じて 売 買 市 場 におけるセカンダリーマーケットが 未 成 熟 であるため 取 引 事 例 の 収 集 そのものが 困 難 であり 特 に 法 23 条 及 び 法 24 条 に 係 る 取 引 事 例 はほと んど 見 受 けられない しかし 法 22 条 の 定 期 借 地 権 付 建 物 に 係 る 一 般 住 宅 やマンシ ョンについては 同 一 分 譲 地 内 又 は 同 一 マンション 内 で 取 引 事 例 の 収 集 ができる 場 合 があるので 多 くの 情 報 源 から 事 例 収 集 を 行 うように 努 めることが 必 要 である 当 手 法 は 規 範 性 を 有 する 事 例 の 収 集 ができ 適 切 な 要 因 比 較 等 が 可 能 な 場 合 そ の 有 効 性 を 認 めることができるが 定 期 借 地 権 の 場 合 は 敷 地 利 用 権 が 所 有 権 や 旧 法 借 地 権 の 場 合 と 比 較 すると 十 分 な 事 例 収 集 を 行 うことは 一 般 には 困 難 であり また 収 集 できる 情 報 が 少 ない 中 で 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 の 比 較 において 十 分 な 客 観 性 説 得 力 を 確 保 することも 困 難 である 場 合 が 多 いものと 推 測 される (2) 適 用 方 法 1 事 例 資 料 の 収 集 及 び 選 択 総 論 第 7 章 第 1 節 Ⅲ 2. 適 用 方 法 (1) 事 例 資 料 の 収 集 及 び 選 択 取 引 事 例 比 較 法 は 市 場 において 発 生 した 取 引 事 例 を 価 格 判 定 の 基 礎 とするもので あるので 多 数 の 取 引 事 例 を 収 集 することが 必 要 である 取 引 事 例 は 原 則 として 近 隣 地 域 又 は 同 一 需 給 圏 内 の 類 似 地 域 に 存 する 不 動 産 に 係 る もののうちから 選 択 するものとし 必 要 やむを 得 ない 場 合 には 近 隣 地 域 の 周 辺 の 地 域 に 存 する 不 動 産 に 係 るもののうちから 対 象 不 動 産 の 最 有 効 使 用 が 標 準 的 使 用 と 異 な る 場 合 等 には 同 一 需 給 圏 内 の 代 替 競 争 不 動 産 に 係 るもののうちから 選 択 するものと するほか 次 の 要 件 の 全 部 を 備 えなければならない 1 取 引 事 情 が 正 常 なものと 認 められるものであること 又 は 正 常 なものに 補 正 する 46

50 ことができるものであること 2 時 点 修 正 をすることが 可 能 なものであること 3 地 域 要 因 の 比 較 及 び 個 別 的 要 因 の 比 較 が 可 能 なものであること 上 記 のほか 定 期 借 地 権 の 種 類 一 時 金 の 内 容 契 約 の 建 物 用 途 及 び 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 等 契 約 内 容 の 類 似 性 に 留 意 して 事 例 の 収 集 及 び 選 択 を 行 わなけ ればならない 2 事 情 補 正 及 び 時 点 修 正 総 論 第 7 章 第 1 節 Ⅲ 2. 適 用 方 法 (2) 事 情 補 正 及 び 時 点 修 正 取 引 事 例 が 特 殊 な 事 情 を 含 み これが 当 該 事 例 に 係 る 取 引 価 格 に 影 響 していると 認 められるときは 適 切 な 補 正 を 行 い 取 引 事 例 に 係 る 取 引 の 時 点 が 価 格 時 点 と 異 なる ことにより その 間 に 価 格 水 準 の 変 動 があると 認 められるときは 当 該 事 例 の 価 格 を 価 格 時 点 の 価 格 に 修 正 しなければならない 時 点 修 正 に 当 たっては 事 例 に 係 る 不 動 産 の 存 する 用 途 的 地 域 又 は 当 該 地 域 と 相 似 の 価 格 変 動 過 程 を 経 たと 認 められる 類 似 の 地 域 における 土 地 又 は 建 物 の 価 格 の 変 動 率 を 求 め これにより 取 引 価 格 を 修 正 すべきである 3 地 域 要 因 及 び 個 別 的 要 因 の 比 較 総 論 第 7 章 第 1 節 Ⅲ 2. 適 用 方 法 (3) 地 域 要 因 及 び 個 別 的 要 因 の 比 較 取 引 価 格 は 取 引 事 例 に 係 る 不 動 産 の 存 する 用 途 的 地 域 の 地 域 要 因 及 び 当 該 不 動 産 の 個 別 的 要 因 を 反 映 しているものであるから 取 引 事 例 に 係 る 不 動 産 が 同 一 需 給 圏 内 の 類 似 地 域 等 に 存 するもの 又 は 同 一 需 給 圏 内 の 代 替 競 争 不 動 産 である 場 合 において は 近 隣 地 域 と 当 該 事 例 に 係 る 不 動 産 の 存 する 地 域 との 地 域 要 因 の 比 較 及 び 対 象 不 動 産 と 当 該 事 例 に 係 る 不 動 産 との 個 別 的 要 因 の 比 較 を 取 引 事 例 に 係 る 不 動 産 が 近 隣 地 域 に 存 するものである 場 合 においては 対 象 不 動 産 と 当 該 事 例 に 係 る 不 動 産 との 個 別 的 要 因 の 比 較 をそれぞれ 行 うものとする また このほか 地 域 要 因 及 び 個 別 的 要 因 の 比 較 については それぞれの 地 域 におけ る 個 別 的 要 因 が 標 準 的 な 土 地 を 設 定 して 行 う 方 法 がある 4 借 地 権 の 価 格 形 成 要 因 各 論 第 1 章 第 1 節 Ⅰ 3. 借 地 権 及 び 底 地 3 借 地 権 取 引 の 態 様 ア 借 地 権 が 一 般 に 有 償 で 創 設 され 又 は 継 承 される 地 域 であるか 否 か イ 借 地 権 の 取 引 が 一 般 に 所 有 者 以 外 の 者 を 対 象 として 行 われる 地 域 であるか 否 47

51 か ウ 堅 固 建 物 の 所 有 を 目 的 とする 借 地 権 の 多 い 地 域 であるか 否 か エ 借 地 権 に 対 する 権 利 意 識 について 借 地 人 側 が 強 い 地 域 であるか 否 か オ 一 時 金 の 授 受 が 慣 行 化 している 地 域 であるか 否 か カ 借 地 権 の 譲 渡 に 当 たって 名 義 書 替 料 を 一 般 に 譲 受 人 又 は 譲 渡 人 のいずれが 負 担 する 地 域 であるか 4 借 地 権 の 態 様 ア 創 設 されたものか 継 承 されたものか イ 地 上 権 か 賃 借 権 か ウ 転 借 か 否 か エ 堅 固 の 建 物 の 所 有 を 目 的 とするか 非 堅 固 の 建 物 の 所 有 を 目 的 とするか オ 主 として 居 住 用 建 物 のためのものか 主 として 営 業 用 建 物 のためのものか カ 契 約 期 間 の 定 めの 有 無 キ 特 約 条 項 の 有 無 ク 契 約 は 書 面 か 口 頭 か ケ 登 記 の 有 無 コ 定 期 借 地 権 等 ( 借 地 借 家 法 第 二 章 第 四 節 に 規 定 する 定 期 借 地 権 等 ) 価 格 形 成 要 因 の 比 較 を 行 う 場 合 には 借 地 権 の 価 格 形 成 要 因 である 借 地 権 取 引 の 態 様 借 地 権 の 態 様 に 加 えて 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 である 有 期 性 契 約 期 間 満 了 時 の 建 物 等 の 取 扱 い 及 び 市 場 性 ( 流 動 性 )に 特 に 留 意 する 必 要 がある また 旧 法 に 基 づく 借 地 権 の 比 準 を 行 う 場 合 には 所 有 権 の 場 合 における 標 準 的 画 地 を 設 定 する 場 合 と 同 様 に 標 準 的 な 借 地 権 を 設 定 することが 多 いが 定 期 借 地 権 の 比 準 を 行 う 場 合 は 取 引 慣 行 が 未 成 熟 である 場 合 が 多 く 地 域 内 の 標 準 的 な 定 期 借 地 権 を 設 定 する ことが 困 難 であると 考 えられることから 実 務 上 は 対 象 不 動 産 に 係 る 定 期 借 地 権 と 取 引 事 例 と 直 接 的 に 比 準 することとなると 考 えられる (3) 配 分 法 総 論 第 7 章 第 1 節 Ⅲ 2. 適 用 方 法 (4) 配 分 法 取 引 事 例 が 対 象 不 動 産 と 同 類 型 の 不 動 産 の 部 分 を 内 包 して 複 合 的 に 構 成 されてい る 異 類 型 の 不 動 産 に 係 る 場 合 においては 当 該 取 引 事 例 の 取 引 価 格 から 対 象 不 動 産 と 同 類 型 の 不 動 産 以 外 の 部 分 の 価 格 が 取 引 価 格 等 により 判 明 しているときは その 価 格 を 控 除 し 又 は 当 該 取 引 事 例 について 各 構 成 部 分 の 価 格 の 割 合 が 取 引 価 格 新 規 投 資 等 により 判 明 しているときは 当 該 事 例 の 取 引 価 格 に 対 象 不 動 産 と 同 類 型 の 不 動 産 の 部 分 に 係 る 構 成 割 合 を 乗 じて 対 象 不 動 産 の 類 型 に 係 る 事 例 資 料 を 求 めるものとする 48

52 (この 方 法 を 配 分 法 という ) 定 期 借 地 権 の 取 引 は 建 物 等 の 取 引 に 随 伴 してなされることが 大 半 であるので 定 期 借 地 権 付 建 物 の 取 引 事 例 に 配 分 法 を 適 用 して 定 期 借 地 権 の 事 例 資 料 を 導 き 出 すこ とが 一 般 的 である なお 契 約 期 間 の 満 了 が 近 づくにつれて 建 物 解 体 費 用 に 係 るウ エイトが 当 該 取 引 価 格 の 形 成 に 大 きな 影 響 を 及 ぼすことに 留 意 した 補 正 を 行 うこと も 必 要 と 考 えられる 規 範 性 を 有 する 事 例 の 収 集 及 び 配 分 法 や 要 因 比 較 の 適 切 な 適 用 ができる 場 合 には 取 引 事 例 比 較 法 は 有 効 な 手 法 であるが 所 有 権 や 旧 法 借 地 権 の 場 合 と 比 較 すると 現 状 では 定 期 借 地 権 のマーケット 規 模 は 大 きくないので 十 分 な 取 引 事 例 の 収 集 ができ ないことも 多 く また 契 約 内 容 の 比 較 も 実 務 上 困 難 を 伴 うことが 多 い 49

53 土 地 ( 借 地 権 ) 残 余 法 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 運 用 上 の 留 意 事 項 Ⅴ 総 論 第 7 章 鑑 定 評 価 の 方 式 について イ 土 地 残 余 法 不 動 産 が 敷 地 と 建 物 等 との 結 合 によって 構 成 されている 場 合 において 収 益 還 元 法 以 外 の 手 法 によって 敷 地 と 建 物 等 のいずれか 一 方 の 価 格 を 求 めることができるとき は 当 該 不 動 産 に 基 づく 純 収 益 から 建 物 等 又 は 敷 地 に 帰 属 する 純 収 益 を 控 除 した 残 余 の 純 収 益 を 還 元 利 回 りで 還 元 する 手 法 ( 土 地 残 余 法 又 は 建 物 残 余 法 という )を 適 用 することができる これらの 方 法 は 土 地 と 建 物 等 から 構 成 される 複 合 不 動 産 が 生 み 出 す 純 収 益 を 土 地 又 は 建 物 等 に 適 正 に 配 分 することができる 場 合 に 有 効 である 土 地 残 余 法 を 適 用 するに 当 たっては 建 物 等 が 古 い 場 合 には 複 合 不 動 産 の 生 み 出 す 純 収 益 から 土 地 に 帰 属 する 純 収 益 が 的 確 に 求 められないことが 多 いので 建 物 等 は 新 築 か 築 後 間 もないものでなければならない なお 対 象 不 動 産 が 更 地 である 場 合 にお いても 当 該 土 地 に 最 有 効 使 用 の 賃 貸 用 建 物 等 の 建 築 を 想 定 することによりこの 方 法 を 適 用 することができる (ア) 土 地 残 余 法 土 地 残 余 法 を 適 用 して 土 地 の 収 益 価 格 を 求 める 場 合 は 基 本 的 に 次 の 式 により 表 される P L =(a-b R B )/R L P L : 土 地 の 収 益 価 格 a : 建 物 等 及 びその 敷 地 の 償 却 前 の 純 収 益 B : 建 物 等 の 価 格 R B : 建 物 等 の 還 元 利 回 り R L : 償 却 前 の 純 収 益 に 対 応 する 土 地 の 還 元 利 回 り 図 表 9: 土 地 ( 借 地 権 ) 残 余 法 の 算 定 式 ( 定 期 借 地 権 単 独 の 価 格 を 求 める 場 合 ) 土 地 及 び 建 物 等 に 帰 属 する 純 収 益 - 建 物 等 に 帰 属 する 純 収 益 複 利 年 金 現 価 率 - 建 物 取 壊 し 費 用 の 現 在 価 値 借 地 権 付 建 物 について 現 状 を 所 与 又 は 最 有 効 使 用 の 借 地 権 付 建 物 等 を 想 定 し そ れらに 帰 属 する 純 収 益 から 建 物 等 に 帰 属 する 純 収 益 を 控 除 した 残 余 の 借 地 権 に 帰 属 する 純 収 益 に 複 利 年 金 現 価 率 を 乗 じて 定 期 借 地 権 の 経 済 価 値 を 求 める 当 手 法 は 敷 地 利 用 権 が 所 有 権 の 場 合 の 土 地 残 余 法 と 比 較 すると 運 営 費 用 の 構 成 50

54 項 目 及 び 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 である 有 期 性 による 期 間 概 念 に 相 違 が 認 め られる (1) 運 営 費 用 の 構 成 項 目 敷 地 利 用 権 が 所 有 権 の 場 合 には 運 営 費 用 は 一 般 に 維 持 管 理 費 水 道 光 熱 費 修 繕 費 プロパティマネジメントフィー テナント 募 集 費 用 等 公 租 公 課 ( 土 地 建 物 他 ) 損 害 保 険 料 建 物 等 の 取 壊 費 用 の 積 立 金 の 各 項 目 から 構 成 されている 定 期 借 地 権 の 場 合 は このうち 土 地 の 公 租 公 課 に 代 えて 地 代 を 計 上 することになる また 法 22 条 及 び 法 23 条 に 係 る 場 合 における 契 約 期 間 の 満 了 に 伴 う 建 物 等 の 取 壊 費 用 の 現 在 価 値 については 土 地 ( 借 地 権 ) 残 余 法 における 費 用 項 目 ではなく 一 旦 求 められた 収 益 価 格 からの 控 除 項 目 として 取 り 扱 う (2) 期 間 概 念 ( 有 期 性 ) 定 期 借 地 権 は 所 有 権 とは 異 なり ある 一 定 期 間 における 経 済 価 値 を 示 すものであ るので この 期 間 概 念 を 反 映 して 土 地 ( 借 地 権 ) 残 余 法 を 適 用 することとなるが 次 の 点 に 留 意 する 必 要 がある 1 契 約 期 間 に 定 めがあるため 有 期 還 元 法 (インウッド 式 )を 採 用 し 借 地 権 に 帰 属 する 純 収 益 に 乗 じる 利 回 りは 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 における 複 利 年 金 現 価 率 を 用 いる 一 般 に 投 下 資 本 を 早 期 に 回 収 する 必 要 があるという 観 点 や 定 期 借 地 権 の 流 通 性 減 退 リスク 等 の 観 点 から 通 常 の 借 地 権 と 比 較 して 複 利 年 金 現 価 率 を 求 める 際 に 用 いる 利 率 は 高 位 に 査 定 される 傾 向 にある 2 新 規 かつ 最 有 効 使 用 の 建 物 を 想 定 して 土 地 ( 借 地 権 ) 残 余 法 を 求 める 場 合 には 建 物 等 に 帰 属 する 純 収 益 は 土 地 賃 貸 借 契 約 の 契 約 期 間 とは 異 なり 建 物 に 係 る 収 益 獲 得 期 間 ( 土 地 賃 貸 借 契 約 の 契 約 期 間 から 想 定 建 物 の 建 築 期 間 と 想 定 建 物 の 取 壊 し 期 間 をそれぞれ 排 除 したもの )であることに 留 意 する ま た 既 に 建 物 が 建 っているという 現 状 を 所 与 とした 建 付 地 としての 定 期 借 地 権 価 格 を 求 める 場 合 30 には 建 物 の 建 築 期 間 に 対 する 未 収 入 期 間 を 考 慮 する 必 要 はないが 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 及 び 建 物 取 壊 しによる 使 用 収 益 が 期 待 できない 期 間 が 生 じることに 留 意 して 建 物 等 に 帰 属 する 純 収 益 を 求 める 際 の 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 を 適 切 に 査 定 しなければならない (3) 今 後 の 課 題 1 事 業 収 益 の 観 点 から 当 初 の 地 代 を 設 定 し 期 間 の 経 過 とともに 経 済 環 境 が 変 化 した 結 果 地 代 が 周 辺 の 合 理 的 な 水 準 と 乖 離 している 場 合 があり こうした 30 建 物 が 古 い 場 合 には 適 用 が 困 難 な 場 合 が 多 いことに 留 意 する 必 要 がある 51

55 場 合 には 当 手 法 を 適 用 した 定 期 借 地 権 価 格 がゼロ( 借 地 権 に 帰 属 する 純 収 益 が マイナス)になることもある 2 このような 現 象 は 特 に 事 業 用 定 期 借 地 権 等 の 場 合 に 顕 著 になると 考 えられ るが 建 物 等 に 帰 属 する 純 収 益 の 把 握 方 法 や 説 得 力 を 有 する 利 回 りの 査 定 方 法 の 整 備 については 今 後 の 課 題 といえる 52

56 図 表 10: 土 地 ( 借 地 権 ) 残 余 法 の 試 算 シート( 例 ) a 貸 室 賃 料 収 入 84,000,000 b 共 益 費 収 入 - c ( 共 益 費 込 み 貸 室 賃 料 収 入 )[ a + b ] 84,000,000 d 運 営 水 道 光 熱 費 収 入 - 一 棟 貸 しにつき 計 上 しない e 収 駐 車 場 収 入 - f 益 その 他 収 入 - 1 [ c + d + e + f ] 84,000,000 g h 2 運 営 収 益 [ 1 - g - h ] 84,000,000 - 定 期 借 家 契 約 を 想 定 するため 計 上 しない - 敷 金 により 担 保 されているので 計 上 しない i 維 持 管 理 費 - 一 棟 貸 しにつき 計 上 しない j 水 道 光 熱 費 - 一 棟 貸 しにつき 計 上 しない k 修 繕 費 300,000 再 調 達 原 価 ( 建 築 費 ) 0.1% ⅱ l プロパティマネジメントフィー 840,000 運 営 収 益 1% m 運 テナント 募 集 費 用 等 - 定 期 借 家 契 約 を 想 定 するため 計 上 しない n 営 公 租 公 課 1,785,000 費 用 土 地 0 支 払 地 代 を 計 上 するため 計 上 しない 建 物 他 1,785,000 再 調 達 原 価 ( 建 築 費 )より 課 税 標 準 額 を 査 定 o 損 害 保 険 料 210,000 再 調 達 原 価 ( 建 築 費 ) 0.07% p 空 室 等 損 失 合 計 貸 倒 損 失 その 他 費 用 実 際 支 払 地 代 50,000,000 3 運 営 費 用 [ i + j + k + l + m + n + o + p ] 53,135,000 4 土 地 及 び 建 物 等 に 帰 属 する 運 営 純 収 益 [ 2-3 ] 30,865,000 q 一 時 金 の 運 用 益 ( 預 かり 敷 金 等 の 運 用 益 ) 420,000 空 室 損 失 考 慮 後 のテナント 預 かり 敷 金 2.0% r 一 時 金 の 運 用 損 ( 保 証 金 等 の 運 用 損 ) 0 保 証 金 はなし s 資 本 的 支 出 300,000 再 調 達 原 価 ( 建 築 費 ) 0.1% ⅱ 5 土 地 及 び 建 物 等 に 帰 属 する 純 収 益 [ 4 + q - r - s ] 30,985,000 6 建 物 等 に 帰 属 する 純 収 益 [ A B ] 14,762,968 A 建 物 価 格 100,000,000 再 調 達 原 価 ( 建 築 費 ) 現 価 率 B 元 利 均 等 償 還 率 r = 7 % n = 9.5 ⅲ ⅳ 7 借 地 権 に 帰 属 する 純 収 益 [ 5-6 ] 16,222,032 8 複 利 年 金 現 価 率 r = 7 % n = 9.5 ⅰ ⅳ 9 建 物 取 壊 し 費 用 の 現 在 価 値 15,000, 定 期 借 地 権 価 格 [ ] 95,000,000 建 物 取 壊 し 費 用 複 利 現 価 率 ( ) ( r = 7 % n = 10 ) ⅱ ⅳ 53

57 図 表 10の 試 算 における 前 提 条 件 と 土 地 ( 借 地 権 ) 残 余 法 の 試 算 過 程 における 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 の 反 映 方 法 ( 試 算 上 の 前 提 となる 借 地 条 件 ) 価 格 時 点 における 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 10 年 敷 地 利 用 権 は 建 物 取 壊 し 後 に 更 地 返 還 する 場 合 の 事 業 用 定 期 借 地 権 等 建 物 賃 貸 収 益 獲 得 期 間 9.5 年 ( 建 物 取 壊 期 間 0.5 年 ) 建 物 解 体 費 用 は 建 物 解 体 完 了 後 に 支 払 い 前 払 地 代 なし 保 証 金 なし 注 : 図 表 10における 赤 字 の ⅰからⅳ は 試 算 シートにおける 下 記 ⅰからⅳの 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 の 反 映 箇 所 を 示 す ⅰ 有 期 性 借 地 期 間 満 了 時 に 借 地 権 設 定 者 に 返 還 することを 想 定 しているため 借 地 権 に 帰 属 す る 純 収 益 の 期 間 における 複 利 年 金 現 価 率 を 求 める ⅱ 借 地 期 間 満 了 時 の 建 物 等 の 取 扱 い 借 地 期 間 満 了 時 に 建 物 を 取 壊 して 借 地 権 設 定 者 に 更 地 返 還 することを 想 定 している ため 定 期 借 地 権 価 格 は 土 地 ( 借 地 権 ) 残 余 法 における 収 益 価 格 から 建 物 解 体 費 用 の 現 在 価 値 を 控 除 して 求 める また 建 物 の 取 壊 しまでに 必 要 と 考 えられる 修 繕 費 資 本 的 支 出 を 考 慮 の 上 査 定 している ⅲ 建 物 の 建 築 取 壊 しにより 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 が 期 待 できない 期 間 等 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 10 年 建 物 解 体 期 間 0.5 年 であるので 運 営 純 収 益 建 物 に 帰 属 する 純 収 益 及 び 借 地 権 に 帰 属 する 純 収 益 の 獲 得 期 間 は 9.5 年 である ⅳ 市 場 性 投 下 資 本 を 早 期 に 回 収 する 必 要 があるという 観 点 や 定 期 借 地 権 の 流 通 性 減 退 リスク 等 の 観 点 を 反 映 した 利 率 をもとに 元 利 均 等 償 還 率 複 利 年 金 現 価 率 及 び 複 利 現 価 率 を 査 定 している 54

58 賃 料 差 額 還 元 法 賃 料 差 額 還 元 法 は 現 行 基 準 において 規 定 されている 当 該 借 地 権 の 設 定 契 約 に 基 づく 賃 料 差 額 のうち 取 引 の 対 象 となっている 部 分 を 還 元 して 得 た 価 格 を 求 める 手 法 である 図 表 11: 賃 料 差 額 還 元 法 の 算 定 式 ( 定 期 借 地 権 単 独 の 価 格 を 求 める 場 合 ) 正 常 実 質 賃 料 - 実 際 実 質 賃 料 複 利 年 金 現 価 率 - 建 物 取 壊 し 費 用 の 現 在 価 値 取 引 の 対 象 となる 賃 料 差 額 賃 料 差 額 還 元 法 は 正 常 実 質 賃 料 と 実 際 実 質 賃 料 に 差 額 が 生 じている 場 合 において この 差 額 に 有 効 需 要 が 存 在 し 定 期 借 地 権 の 価 格 が 発 生 していると 認 められる 場 合 に 有 効 な 手 法 である (1) 正 常 実 質 賃 料 の 求 め 方 正 常 実 質 賃 料 は 積 算 法 賃 貸 事 例 比 較 法 を 適 用 して 求 め 必 要 に 応 じて 収 益 分 析 法 及 び 後 述 する 賃 貸 事 業 分 析 法 ( 仮 称 )を 併 用 して 求 める 積 算 法 は 基 礎 価 格 に 期 待 利 回 りを 乗 じて 得 た 額 に 必 要 諸 経 費 等 を 加 算 して 求 め る この 基 礎 価 格 は 取 引 事 例 比 較 法 や 開 発 法 により 求 めた 更 地 価 格 又 は 建 付 地 価 格 であり 契 約 減 価 や 建 付 増 減 価 が 発 生 している 場 合 があるので こうした 場 合 は 最 有 効 使 用 の 状 態 との 乖 離 の 程 度 に 留 意 して 増 減 価 率 を 査 定 する また 定 期 借 地 権 は 契 約 の 更 新 が 行 われないので 期 待 利 回 りは 借 地 権 設 定 契 約 における 特 定 の 期 間 に 対 応 した 利 回 りとして 求 める 必 要 がある その 際 実 務 上 は 市 場 で 観 察 される 契 約 内 容 の 類 似 性 を 有 する 地 代 利 回 り( 純 賃 料 / 更 地 価 格 )も 参 考 になる 賃 貸 事 例 比 較 法 の 適 用 に 当 たっては 同 一 需 給 圏 を 広 域 的 に 把 握 して 賃 貸 事 例 の 収 集 を 行 い 通 常 の 地 代 評 価 における 賃 料 固 有 の 価 格 形 成 要 因 の 比 較 に 加 えて 定 期 借 地 権 固 有 の 要 因 である 定 期 借 地 権 の 種 類 一 時 金 の 内 容 及 び 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 の 類 似 性 等 に 留 意 する 必 要 がある (2) 留 意 事 項 1 定 期 借 地 権 に 係 る 経 済 価 値 は 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 という 一 定 期 間 内 での 経 済 価 値 に 対 応 するものであるので 賃 料 差 額 に 契 約 残 存 期 間 に 対 応 した 複 利 年 金 現 価 率 を 乗 じて 求 める 地 主 の 立 場 からは 一 般 に 投 下 資 本 を 早 期 に 回 収 する 必 要 があることから また 定 期 借 地 権 による 流 通 性 の 減 退 リスク 55

59 等 の 観 点 から 複 利 年 金 現 価 率 を 求 める 際 に 用 いる 利 率 は 旧 法 借 地 権 の 場 合 と 比 較 して 高 位 に 査 定 される 傾 向 にある 2 定 期 借 地 権 の 種 類 が 一 般 定 期 借 地 権 ( 法 22 条 ) 及 び 事 業 用 定 期 借 地 権 等 ( 法 23 条 )に 係 る 場 合 は 建 物 解 体 費 用 の 取 扱 いが 問 題 になるが 賃 料 差 額 還 元 法 における 費 用 項 目 として 捉 えるのではなく 当 手 法 によって 求 められた 価 格 か ら 複 利 現 価 率 を 用 いて 割 り 引 いた 建 物 解 体 費 用 の 現 在 価 値 を 控 除 する なお この 場 合 の 複 利 現 価 率 を 求 める 際 に 用 いる 利 率 は 賃 料 差 額 に 乗 じる 複 利 年 金 現 価 率 を 求 める 際 に 用 いる 利 率 と 同 一 である (3) 今 後 の 課 題 1 実 際 支 払 地 代 の 額 契 約 締 結 の 時 期 によって 賃 料 差 額 が 発 生 しない 場 合 も 十 分 に 考 えられる また 借 地 権 の 取 引 慣 行 がある 場 合 には 賃 料 差 額 の 大 部 分 が 慣 行 的 に 取 引 の 対 象 になると 考 えられるが 定 期 借 地 権 の 場 合 は 取 引 慣 行 が 未 成 熟 である 場 合 が 多 く 市 場 性 が 劣 っているので 賃 料 差 額 が 生 じてい る 場 合 でもその 一 部 のみが 取 引 の 対 象 となると 考 えられる しかし この 場 合 の 取 引 の 対 象 となる 部 分 を 客 観 的 に 把 握 することは 実 務 上 困 難 を 伴 うこと が 多 い 2 事 業 収 益 の 観 点 から 地 代 を 設 定 した 結 果 地 代 が 周 辺 地 域 で 観 察 される 一 般 的 な 地 代 の 水 準 よりも 高 い 水 準 で 設 定 されている 場 合 があり こうした 場 合 に はいわゆる 借 り 得 部 分 が 生 じていないことに 基 因 して 定 期 借 地 権 価 格 が 認 識 できない 可 能 性 もある 56

60 図 表 12: 賃 料 差 額 還 元 法 の 試 算 シート( 例 ) 1 正 常 実 質 賃 料 67,000,000 ⅲ 積 算 法 (C+D) 67,000,000 A. 基 礎 価 格 2,000,000,000 取 引 事 例 比 較 法 により 査 定 B. 期 待 利 回 り 3.0% C. 純 賃 料 (A B) 60,000,000 D. 必 要 諸 経 費 等 7,000,000 固 定 資 産 税 都 市 計 画 税 7,000,000 査 定 額 賃 貸 事 例 比 較 法 その 他 費 用 0 2 実 際 実 質 賃 料 ( 年 額 ) 50,500,000 年 額 支 払 い 賃 料 + 保 証 金 の 運 用 益 3 賃 料 差 額 (1-2) 16,500,000 4 慣 行 的 取 引 対 象 部 分 90% 5 賃 料 差 額 のうち 取 引 対 象 となっている 部 分 (3 4) 14,850,000 ⅳ 6 複 利 年 金 現 価 率 r=7% n=10 年 ⅰ ⅳ 7 建 物 取 壊 し 費 用 の 現 在 価 値 8 定 期 借 地 権 価 格 (5 6-7) 15,000,000 89,000,000 建 物 取 壊 し 費 用 複 利 現 価 率 ( ) ( r=7% n=10 年 ) ⅱ ⅳ 57

61 図 表 12の 試 算 における 前 提 条 件 と 賃 料 差 額 還 元 法 の 試 算 過 程 における 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 の 反 映 方 法 ( 試 算 上 の 前 提 となる 借 地 条 件 ) 価 格 時 点 における 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 10 年 敷 地 利 用 権 は 建 物 取 壊 し 後 に 更 地 返 還 する 場 合 の 事 業 用 定 期 借 地 権 等 建 物 解 体 費 用 は 建 物 解 体 完 了 後 に 支 払 い 前 払 地 代 なし 保 証 金 2,500 万 円 注 : 図 表 12における 赤 字 の ⅰからⅳ は 試 算 シートにおける 下 記 ⅰからⅳの 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 の 反 映 箇 所 を 示 す ⅰ 有 期 性 借 地 期 間 満 了 時 に 借 地 権 設 定 者 に 返 還 することを 想 定 しているため 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 における 複 利 年 金 現 価 率 を 求 めている ⅱ 借 地 期 間 満 了 時 の 建 物 等 の 取 扱 い 借 地 期 間 満 了 時 に 建 物 を 取 壊 して 借 地 権 設 定 者 に 更 地 返 還 することを 想 定 している ため 賃 料 差 額 還 元 法 における 価 格 から 建 物 解 体 費 用 の 現 在 価 値 を 控 除 して 求 める ⅲ 建 物 の 建 築 取 壊 しにより 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 が 期 待 できない 期 間 等 賃 料 差 額 還 元 法 は 借 地 権 設 定 契 約 における 当 該 契 約 期 間 内 の 借 り 得 部 分 に 着 目 した 手 法 であるので 建 物 の 建 築 取 壊 しにより 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 が 期 待 できな い 期 間 等 は 特 段 考 慮 する 必 要 はない しかしながら 定 期 借 地 権 の 場 合 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 くなると 建 物 の 取 壊 しにより 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 が 期 待 できない 期 間 が 与 える 影 響 が 大 きくなることから 借 地 権 の 付 着 している 宅 地 の 経 済 価 値 に 即 応 した 賃 料 には 影 響 があると 考 えられる ⅳ 市 場 性 賃 料 差 額 における 慣 行 的 に 取 引 の 対 象 となる 部 分 の 査 定 において 考 慮 している( 但 し 試 算 シートでは 100%としている) また 投 下 資 本 を 早 期 に 回 収 する 必 要 があるとい う 観 点 や 定 期 借 地 権 の 流 通 性 減 退 リスク 等 の 観 点 を 反 映 した 利 率 をもとに 複 利 年 金 現 価 率 及 び 複 利 現 価 率 を 査 定 している 58

62 借 地 権 割 合 法 借 地 権 割 合 法 は 現 行 基 準 において 規 定 されている 借 地 権 取 引 が 慣 行 として 成 熟 している 場 合 における 当 該 地 域 の 借 地 権 割 合 により 求 めた 価 格 を 求 める 手 法 であ る 取 引 慣 行 の 成 熟 している 借 地 権 は 更 地 価 格 に 対 する 借 地 権 割 合 を 把 握 すること ができるが 現 在 のところ 定 期 借 地 権 単 独 としての 取 引 慣 行 が 未 成 熟 であるので その 借 地 権 割 合 を 市 場 から 把 握 することは 困 難 である 底 地 価 格 控 除 法 底 地 価 格 控 除 法 は 現 行 基 準 において 規 定 されている 当 該 借 地 権 の 存 する 土 地 に 係 る 更 地 又 は 建 付 地 としての 価 格 から 底 地 価 格 を 控 除 して 得 た 価 格 を 求 める 手 法 で ある 底 地 価 格 控 除 法 は 定 期 借 地 権 の 価 格 + 定 期 借 地 権 付 き 底 地 価 格 = 更 地 又 は 建 付 地 価 格 の 等 式 が 成 立 する 場 合 に 有 効 な 手 法 であるが 必 ずしも 当 該 等 式 が 成 立 する とは 限 らないことに 留 意 する 必 要 がある 31 また 建 物 及 びその 敷 地 が 最 有 効 使 用 の 状 態 と 乖 離 しており 契 約 減 価 又 は 建 付 減 価 が 発 生 している 場 合 は 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 及 び 建 物 の 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 等 に 留 意 して 当 該 減 価 率 を 求 める 必 要 がある なお 更 地 又 は 建 付 地 価 格 から 控 除 する 底 地 価 格 の 査 定 は 第 6 章 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 の 価 格 を 求 める 評 価 手 法 の 検 討 のとおりである 更 地 ( 建 付 地 ) 価 格 定 期 借 地 権 価 格 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 価 格 との 関 連 を 参 照 59

63 第 5 章 定 期 借 地 権 付 建 物 の 価 格 を 求 める 評 価 手 法 の 検 討 5-1. 現 行 基 準 における 借 地 権 付 建 物 の 価 格 を 求 める 鑑 定 評 価 手 法 本 章 では 定 期 借 地 権 付 建 物 の 価 格 を 求 める 場 合 の 評 価 手 法 について 検 討 を 行 う な お 現 行 基 準 においては 借 地 権 付 建 物 の 価 格 を 求 める 評 価 手 法 が 規 定 されている 2 定 期 借 地 権 付 建 物 評 価 類 型 の 種 類 1 定 期 借 地 権 2 定 期 借 地 権 付 建 物 3 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 4 新 規 地 代 5 継 続 地 代 1 定 期 借 地 権 3 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 地 代 4 新 規 地 代 5 継 続 地 代 各 論 第 1 章 第 2 節 Ⅲ 借 地 権 付 建 物 1. 建 物 が 自 用 の 場 合 借 地 権 付 建 物 で 当 該 建 物 を 借 地 権 者 が 使 用 しているものについての 鑑 定 評 価 額 は 積 算 価 格 比 準 価 格 及 び 収 益 価 格 を 関 連 づけて 決 定 するものとする この 場 合 において 前 記 借 地 権 2 アの(ア)から(キ)までに 掲 げる 事 項 を 総 合 的 に 勘 案 する ものとする 2. 建 物 が 賃 貸 されている 場 合 借 地 権 付 建 物 で 当 該 建 物 が 賃 貸 されているものについての 鑑 定 評 価 額 は 実 際 実 質 賃 料 ( 売 主 が 既 に 受 領 した 一 時 金 のうち 売 買 等 に 当 たって 買 主 に 承 継 されない 部 分 がある 場 合 には 当 該 部 分 の 運 用 益 及 び 償 却 額 を 含 まないものとする )に 基 づく 純 収 益 等 の 現 在 価 値 の 総 和 を 求 めることにより 得 た 収 益 価 格 を 標 準 とし 積 算 価 格 及 び 比 準 価 格 を 比 較 考 量 して 決 定 するものとする 60

64 5-2. 定 期 借 地 権 付 建 物 の 価 格 を 求 める 評 価 手 法 における 論 点 原 価 法 (1) 原 価 法 による 積 算 価 格 の 求 め 方 原 価 法 は 再 調 達 原 価 に 減 価 修 正 を 施 して 対 象 不 動 産 の 試 算 価 格 ( 積 算 価 格 ) を 求 める 手 法 である 敷 地 利 用 権 が 所 有 権 の 建 物 及 びその 敷 地 の 場 合 は まず 土 地 の 再 調 達 原 価 ( 再 調 達 原 価 が 把 握 できない 既 成 市 街 地 における 土 地 にあっては 取 引 事 例 比 較 法 及 び 収 益 還 元 法 によって 求 めた 更 地 の 価 格 )に 建 物 の 再 調 達 原 価 を 加 算 して 建 物 及 びそ の 敷 地 の 再 調 達 原 価 を 求 める 次 に 減 価 修 正 を 行 って 減 価 修 正 額 を 算 出 し 再 調 達 原 価 から 減 価 修 正 額 を 控 除 して 積 算 価 格 を 試 算 する ここで 求 める 土 地 価 格 は 更 地 価 格 つまり 最 有 効 使 用 に 基 づく 経 済 価 値 を 常 に 実 現 できる 状 態 での 価 格 である 一 方 借 地 権 付 建 物 に 係 る 借 地 権 価 格 は 土 地 賃 貸 借 契 約 の 制 約 下 での 経 済 価 値 であり 建 物 との 結 合 において 有 機 的 な 効 用 を 発 揮 している 状 態 を 所 与 としている ことから 常 に 当 該 土 地 の 最 有 効 使 用 の 状 態 にあるとは 限 らない 32 このため 借 地 権 価 格 を 最 有 効 使 用 に 基 づく 価 格 としてではなく 借 地 上 の 建 物 が 存 することを 前 提 とした 建 付 地 としての 借 地 権 価 格 として 把 握 する 方 法 もある この 場 合 には 現 状 を 所 与 とした 建 付 地 としての 借 地 権 価 格 に 建 物 価 格 ( 建 物 再 調 達 原 価 から 建 物 に 係 る 減 価 修 正 額 を 控 除 して 求 める )を 加 算 し その 後 必 要 に 応 じて 土 地 建 物 一 体 としての 減 価 修 正 を 行 って 積 算 価 格 を 試 算 することになる 32 借 地 契 約 によって 借 地 人 側 の 最 有 効 使 用 が 制 約 されている 場 合 と 契 約 上 の 制 限 はないが 借 地 人 側 の 事 情 や 契 約 後 における 都 市 計 画 等 の 変 更 による 基 準 容 積 率 の 変 更 によって 最 有 効 使 用 と 認 められないケース が 考 えられる 前 者 の 場 合 には 契 約 減 価 であり 後 者 の 場 合 には 建 付 減 価 といえる 61

65 (2) 原 価 法 適 用 時 における 定 期 借 地 権 の 価 格 現 行 基 準 によれば 原 価 法 は 価 格 時 点 における 対 象 不 動 産 の 再 調 達 原 価 を 求 め この 再 調 達 原 価 について 減 価 修 正 を 行 って 対 象 不 動 産 の 試 算 価 格 を 求 める 手 法 であ る とされているが 建 物 及 びその 敷 地 の 再 調 達 原 価 は まず 土 地 の 再 調 達 原 価 ( 再 調 達 原 価 が 把 握 できない 既 成 市 街 地 における 土 地 にあっては 取 引 事 例 比 較 法 及 び 収 益 還 元 法 によって 求 めた 更 地 の 価 格 ) 又 は 借 地 権 の 価 格 を 求 め この 価 格 に 建 物 の 再 調 達 原 価 を 加 算 して 求 めるものとする とされている この 場 合 土 地 が 所 有 権 である 場 合 や 単 独 での 取 引 慣 行 がある 借 地 権 である 場 合 については 借 地 権 単 独 での 取 引 価 格 に 建 物 の 再 調 達 原 価 を 加 算 して 求 めることに よって 建 物 及 びその 敷 地 の 再 調 達 原 価 を 求 めることができるが 現 在 のところ 定 期 借 地 権 は 単 独 で 取 引 慣 行 が 観 察 されていないため 定 期 借 地 権 付 建 物 の 再 調 達 原 価 を 求 める 場 合 においては 定 期 借 地 権 価 格 をどのように 捉 えるかが 問 題 となる 一 方 定 期 借 地 権 が 単 独 で 取 引 の 対 象 となることがなく 単 独 の 不 動 産 としての 価 格 形 成 が 認 められない 場 合 においても 建 物 の 取 引 に 随 伴 して 取 引 の 対 象 となり 複 合 不 動 産 の 構 成 部 分 として 定 期 借 地 権 の 価 格 が 形 成 される 場 合 には 借 地 上 の 建 物 と 一 体 となった 場 合 に 顕 在 化 する 定 期 借 地 権 価 格 として 認 識 することが 考 えられ る ただし 借 地 上 の 建 物 と 一 体 となった 場 合 に 顕 在 化 する 定 期 借 地 権 価 格 は 定 期 借 地 権 付 建 物 の 鑑 定 評 価 額 の 内 訳 価 格 としての 定 期 借 地 権 の 部 分 鑑 定 評 価 を 行 っ た 場 合 の 評 価 額 を 求 めるものではないことに 留 意 することが 必 要 である 原 価 法 適 用 時 における 定 期 借 地 権 価 格 の 求 め 方 については 実 務 上 1 価 格 時 点 における 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 分 の 定 期 借 地 権 価 格 を 直 接 求 める 方 法 と 2 価 格 時 点 において 対 象 となる 定 期 借 地 権 を 新 規 に 設 定 し 価 格 時 点 までの 経 過 期 間 に 即 応 する 減 価 修 正 を 行 って 求 める 方 法 の 2 つの 方 法 が 考 えられる ( 例 ) 借 地 期 間 50 年 経 過 期 間 30 年 残 存 期 間 20 年 の 一 般 定 期 借 地 権 1 残 存 期 間 20 年 の 定 期 借 地 権 価 格 を 直 接 求 める 2 借 地 期 間 50 年 の 定 期 借 地 権 価 格 を 求 め そこから 経 過 期 間 30 年 分 の 減 価 修 正 を 行 って 残 存 期 間 20 年 の 定 期 借 地 権 価 格 を 求 める (3) 建 物 の 経 済 的 耐 用 年 数 及 び 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 定 期 借 地 権 において 借 地 期 間 満 了 時 に 建 物 を 取 壊 して 更 地 返 還 や 建 物 の 無 償 譲 渡 を 行 うことが 約 定 されている 場 合 には 設 定 する 建 物 の 耐 用 年 数 は 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 を 超 えないことに 留 意 する (4) 建 物 解 体 費 用 についての 積 算 価 格 への 反 映 方 法 定 期 借 地 権 付 建 物 は 借 地 人 が 建 物 を 取 壊 したうえで 更 地 として 返 還 することが 62

66 多 いと 考 えられるが この 場 合 は 借 地 期 間 満 了 時 に 建 物 解 体 費 用 が 発 生 するため 当 該 建 物 解 体 費 用 の 現 在 価 値 相 当 額 を 積 算 価 格 に 反 映 させる 必 要 がある (5) 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 くなってきた 場 合 の 留 意 点 定 期 借 地 権 付 建 物 の 場 合 借 地 に 係 る 契 約 の 残 存 期 間 が 短 くなるにつれて 市 場 性 が 減 退 する 傾 向 にあり 建 物 取 壊 費 用 や 売 買 時 の 各 種 コストを 考 慮 すると 借 地 権 価 格 を 認 識 することができない 場 合 も 考 えられるため 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 くなってきた 場 合 には 定 期 借 地 権 付 建 物 一 体 としての 市 場 性 について 十 分 に 分 析 の 上 土 地 建 物 一 体 としての 減 価 修 正 において 考 慮 する 等 適 切 に 市 場 性 を 考 慮 することに 留 意 する 63

67 図 表 13: 定 期 借 地 権 付 建 物 の 原 価 法 の 試 算 シート( 例 ) 再 調 達 原 価 1 借 地 権 2 建 物 3 合 計 別 途 査 定 した 借 地 権 価 格 ( 定 期 借 地 権 価 格 )は 以 下 の 通 りである 借 地 権 価 格 100,000,000 円 エンジニアリング レポート( 以 下 ER )の 再 調 達 価 格 を 妥 当 と 判 断 し 設 計 料 等 を 考 慮 して 建 物 再 調 達 原 価 を 以 下 の 通 り 査 定 した 建 物 再 調 達 原 価 1,600,000,000 円 ⅱ 左 記 借 地 権 価 格 は 本 件 定 期 借 地 権 について 定 期 借 地 権 単 独 としての 価 格 は 市 場 において 観 察 されな いが 借 地 上 の 建 物 と 一 体 化 することにより 発 生 する 定 期 借 地 権 価 格 を 表 示 したものである ( 160,000 円 /m2 ) 借 地 権 及 び 建 物 の 再 調 達 原 価 を 合 計 し 対 象 不 動 産 の 再 調 達 原 価 を 以 下 の 通 り 査 定 した 1 2 再 調 達 原 価 合 計 100,000,000 円 + 1,600,000,000 円 = 1,700,000,000 円 減 価 修 正 1 借 地 権 借 地 権 について 特 に 減 価 は 認 められないため 減 価 率 は0%と 査 定 した 借 地 権 減 価 率 借 地 権 減 価 額 100,000,000 円 0% = 0 円 (a) 耐 用 年 数 に 基 づく 方 法 ( 定 額 法 ) 躯 体 :(B) (1-R) (X) ((n'-n )/n')= 設 備 :(B) (1-R) (X) ((n'-n )/n')= 合 計 : 耐 用 年 数 に 基 づく 方 法 による 減 価 額 711,111,000 円 213,333,000 円 924,444,000 円 2 建 物 ⅰ ⅲ B: 建 物 再 調 達 原 価 ( 総 額 ) n : 耐 用 年 数 躯 体 18 年 R: 残 価 率 0% ( 契 約 上 の 残 存 期 間 を 考 慮 したもの ) 設 備 15 年 X: 躯 体 設 備 割 合 躯 体 80% n : 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 躯 体 8 年 設 備 20% ( 契 約 上 の 残 存 期 間 を 考 慮 したもの ) 設 備 5 年 ⅰ ⅲ (b) 観 察 減 価 法 耐 用 年 数 に 基 づく 方 法 による 減 価 額 と 同 額 と 判 断 した (c) 建 物 減 価 額 924,444,000 円 3 土 地 建 物 一 体 4 合 計 対 象 不 動 産 は 最 有 効 使 用 の 状 況 にあるが 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 建 物 解 体 期 間 を 総 合 的 に 考 慮 して 土 地 建 物 一 体 としての 減 価 率 を 以 下 の とおり 査 定 した 一 体 減 価 前 の 積 算 価 格 一 体 減 価 率 ⅱ ⅳ 775,556,000 円 10% = 77,556,000 円 以 上 により 求 めた 減 価 額 を 合 計 し 対 象 不 動 産 の 総 減 価 額 を 以 下 の 通 り 査 定 した 一 体 としての 減 価 額 減 価 額 合 計 0 円 + 924,444,000 円 + 77,556,000 円 = 1,002,000,000 円 積 算 価 格 再 調 達 原 価 から 減 価 額 合 計 を 控 除 し 対 象 不 動 産 の 積 算 価 格 を 以 下 の 通 り 試 算 した 再 調 達 原 価 減 価 額 合 計 借 地 権 100,000,000 円 - 0 円 = 100,000,000 円 建 物 1,600,000,000 円 - 924,444,000 円 = 675,556,000 円 小 計 1,700,000,000 円 - 924,444,000 円 = 775,556,000 円 土 地 建 物 一 体 - 77,556,000 円 = 合 計 1,700,000,000 円 - 1,002,000,000 円 = 698,000,000 円 積 算 価 格 698,000,000 円 上 位 3 桁 未 満 四 捨 五 入 64

68 図 表 13の 試 算 における 前 提 条 件 と 原 価 法 の 試 算 過 程 における 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 の 反 映 方 法 ( 試 算 上 の 前 提 となる 借 地 条 件 ) 借 地 上 の 建 物 は S 造 3 階 建 て 延 べ 面 積 10,000 m2 商 業 施 設 価 格 時 点 における 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 9 年 ( 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 を 踏 まえた 建 物 の 残 存 耐 用 年 数 躯 体 8 年 設 備 5 年 ) 敷 地 利 用 権 は 建 物 取 壊 し 更 地 返 還 型 の 事 業 用 定 期 借 地 権 ( 借 地 期 間 20 年 ) 価 格 時 点 から 借 地 期 間 満 了 までのうち 建 物 賃 貸 収 益 獲 得 期 間 8 年 ( 建 物 取 壊 期 間 1 年 ) 建 物 解 体 費 用 は 建 物 解 体 完 了 後 に 支 払 い 前 払 地 代 なし 地 主 への 差 入 敷 金 保 証 金 あり テナントからの 預 り 敷 金 あり 注 : 図 表 13における 赤 字 の ⅰからⅳ は 試 算 シートにおける 下 記 ⅰからⅳの 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 の 反 映 箇 所 を 示 す ⅰ 有 期 性 借 地 期 間 満 了 まで 定 期 借 地 権 付 建 物 を 保 有 し 借 地 期 間 満 了 時 に 借 地 権 設 定 者 に 返 還 することを 想 定 している このため 躯 体 及 び 設 備 の 耐 用 年 数 は 建 物 完 成 時 点 か ら 建 物 取 壊 開 始 時 点 までの 年 数 を 超 えない 年 数 に 設 定 し 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 は 価 格 時 点 から 建 物 取 壊 開 始 時 点 までの 年 数 (= 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 から 建 物 取 壊 期 間 を 控 除 した 年 数 )を 超 えない 年 数 に 設 定 している ⅱ 借 地 期 間 満 了 時 の 建 物 等 の 取 扱 い 借 地 期 間 満 了 時 に 建 物 を 取 壊 して 借 地 権 設 定 者 に 更 地 返 還 することを 想 定 してい る 建 物 取 壊 費 用 が 発 生 することに 伴 う 減 価 ( 建 物 取 壊 費 用 の 現 在 価 値 )を 定 期 借 地 権 価 格 または 土 地 建 物 一 体 での 減 価 修 正 のいずれかで 勘 案 し 重 複 して 減 価 するこ とがないよう 考 慮 している ⅲ 建 物 の 建 築 取 壊 しにより 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 が 期 待 できない 期 間 等 躯 体 及 び 設 備 の 耐 用 年 数 並 びに 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 の 設 定 において 考 慮 している ⅳ 市 場 性 耐 用 年 数 に 基 づく 方 法 及 び 観 察 減 価 法 において 反 映 しきれなかった 建 物 賃 貸 収 益 獲 得 期 間 ( 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 から 建 物 取 壊 期 間 を 控 除 した 年 数 )による 市 場 性 減 価 について 土 地 建 物 一 体 での 減 価 修 正 において 考 慮 している なお 建 物 取 壊 費 用 の 現 在 価 値 を 定 期 借 地 権 価 格 で 考 慮 しなかった 場 合 土 地 建 物 一 体 での 減 価 修 正 で 考 慮 する 65

69 取 引 事 例 比 較 法 (1) 取 引 事 例 比 較 法 による 比 準 価 格 の 求 め 方 取 引 事 例 比 較 法 は 建 物 及 びその 敷 地 の 取 引 事 例 の 取 引 価 格 に 必 要 に 応 じて 事 情 補 正 等 を 行 い かつ 地 域 要 因 の 比 較 及 び 個 別 的 要 因 の 比 較 等 を 行 って 対 象 不 動 産 の 試 算 価 格 ( 比 準 価 格 )を 求 める 手 法 で 次 式 により 表 される 図 表 14: 取 引 事 例 比 較 法 の 基 本 的 な 算 定 式 各 取 引 事 例 に 係 る 取 引 価 格 事 情 補 正 時 点 修 正 個 別 的 要 因 の 標 準 化 補 正 地 域 要 因 の 比 較 個 別 的 要 因 の 比 較 = 比 準 価 格 (2) 自 用 の 建 物 及 びその 敷 地 又 は 貸 家 及 びその 敷 地 からのアプローチ 借 地 権 の 設 定 時 期 や 契 約 内 容 が 判 明 している 一 部 の 定 期 借 地 権 付 マンションや 定 期 借 地 権 付 分 譲 戸 建 住 宅 の 場 合 には 借 地 権 の 設 定 時 期 や 借 地 権 の 内 容 等 が 類 似 する 取 引 事 例 から 比 準 することが 可 能 な 場 合 もある しかし 定 期 借 地 権 付 のオフィスビルや 商 業 施 設 等 の 場 合 には 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 の 差 異 のほか 借 地 期 間 満 了 時 の 建 物 の 取 扱 い 等 の 借 地 契 約 の 内 容 や 建 物 に 係 る 個 別 性 が 非 常 に 強 いため 一 般 には 類 似 性 の 高 い 取 引 事 例 を 収 集 することは 困 難 を 伴 うことが 多 い ただし この 場 合 でも 対 象 不 動 産 と 類 似 性 の 高 い 自 用 の 建 物 及 びその 敷 地 又 は 貸 家 及 びその 敷 地 の 価 格 ( 建 物 の 床 面 積 当 たりのm2 単 価 ) と 定 期 借 地 権 付 建 物 の 価 格 ( 建 物 の 床 面 積 当 たりのm2 単 価 )との 水 準 開 差 が ある 程 度 把 握 できる 場 合 には 対 象 不 動 産 と 代 替 競 争 関 係 にある 自 用 の 建 物 及 びその 敷 地 又 は 貸 家 及 びその 敷 地 の 取 引 事 例 との 比 較 検 討 を 行 うことは 有 力 な 検 証 手 段 になる と 考 えられる なお この 場 合 における 価 格 形 成 要 因 の 比 較 検 討 に 当 たり 定 期 借 地 権 付 建 物 は 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 に 応 じて 価 格 が 逓 減 する 傾 向 にあることに 留 意 する 必 要 がある (3) 建 物 解 体 費 解 体 期 間 ( 未 収 入 期 間 ) 及 び 建 物 価 格 定 期 借 地 権 付 建 物 について 取 引 事 例 比 較 法 を 適 用 する 場 合 には 借 地 期 間 満 了 時 に おける 建 物 解 体 費 及 び 解 体 期 間 ( 未 収 入 期 間 )について 適 切 に 補 正 する 必 要 がある また 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 付 建 物 の 場 合 及 び 建 物 買 取 特 約 を 任 意 に 設 定 した 場 合 は 建 物 価 格 について 適 切 に 補 正 する 必 要 がある 66

70 例 えば 定 期 借 地 権 付 建 物 は 将 来 の 解 体 費 用 やこれに 伴 う 未 収 入 期 間 も 考 慮 され て 取 引 価 格 が 決 定 されると 考 えられるが 取 引 事 例 における 取 引 価 格 に 占 める 建 物 解 体 費 の 割 合 が 高 く また 解 体 期 間 ( 未 収 入 期 間 )が 長 期 になる 場 合 もあるため それ らについて 適 切 に 補 正 を 行 う 必 要 がある 場 合 や 法 24 条 に 基 づく 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 付 建 物 の 取 引 事 例 において 約 定 されている 将 来 の 建 物 の 相 当 の 価 格 の 割 合 が 高 い 場 合 には 対 象 不 動 産 の 比 準 価 格 を 押 し 下 げる 要 素 として 働 く 場 合 があることに 留 意 する 必 要 がある 67

71 収 益 還 元 法 (1) 直 接 還 元 法 ( 有 期 還 元 法 :インウッド 式 )と DCF 法 の 適 用 について 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 有 期 である 定 期 借 地 権 付 建 物 の 価 格 を 収 益 還 元 法 で 求 める 場 合 については 直 接 還 元 法 ( 有 期 還 元 法 :インウッド 式 )と DCF 法 のい ずれかを 適 用 又 は 両 者 を 併 用 することが 考 えられる 借 地 期 間 中 において 転 売 を 想 定 する 場 合 と 転 売 を 想 定 しない 場 合 があるが いずれが 妥 当 であるかは 市 場 の 需 給 動 向 及 び 典 型 的 な 市 場 参 加 者 の 行 動 原 理 に 基 づき 案 件 ごとに 適 切 に 判 断 する 必 要 があ る なお 証 券 化 対 象 不 動 産 に 係 る DCF 法 の 適 用 においては 保 有 期 間 満 了 時 ( 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 途 中 )の 売 却 を 想 定 して 評 価 を 行 うが 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 い 場 合 等 においては 売 却 を 想 定 することが 困 難 である 場 合 も 考 えられ る また 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 相 当 長 期 ( 例 えば 50 年 以 上 )である 場 合 に は 収 益 価 格 に 占 める 復 帰 価 格 の 割 合 が 非 常 に 小 さくなるため 直 接 還 元 法 の 適 用 に 当 たっては 有 期 還 元 法 ではなく 永 久 還 元 法 を 適 用 して 収 益 価 格 を 求 める 方 法 も 考 え られる (2) 直 接 還 元 法 ( 有 期 還 元 法 :インウッド 式 )と DCF 法 の 復 帰 価 格 の 査 定 方 法 1 建 物 取 壊 し 後 更 地 返 還 型 の 定 期 借 地 権 付 建 物 直 接 還 元 法 ( 有 期 還 元 法 :インウッド 式 ) 及 び 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 の 途 中 での 転 売 を 想 定 せず 借 地 期 間 満 了 まで 保 有 することを 前 提 した 場 合 の DCF 法 に おける 復 帰 価 格 は 借 地 期 間 満 了 時 の 借 地 権 価 格 は 認 められないため 建 物 の 解 体 費 用 の 現 在 価 値 を 各 手 法 の 適 用 における 控 除 項 目 として 反 映 させる 必 要 がある ま た 借 地 期 間 満 了 時 には 建 物 解 体 期 間 ( 複 合 不 動 産 としての 未 収 入 期 間 )が 発 生 す るため 直 接 還 元 法 ( 有 期 還 元 法 :インウッド 式 )における 収 益 期 間 は 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 から 建 物 解 体 に 要 する 期 間 を 控 除 した 期 間 とする 必 要 がある 図 表 15: 借 地 期 間 満 了 までの 保 有 を 前 提 した 場 合 の DCF 法 の 算 定 式 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 ( 複 合 不 動 産 と しての 未 収 入 期 間 を 含 む )の 純 収 益 の 現 在 価 - 借 地 期 間 満 了 時 にお ける 建 物 解 体 費 用 の 現 在 価 値 = DCF 法 による 収 益 価 格 値 の 合 計 額 68

72 一 方 証 券 化 対 象 不 動 産 等 で 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 の 途 中 での 転 売 を 想 定 した DCF 法 における 転 売 時 の 価 格 については 特 別 な 場 合 を 除 き 転 売 時 から 借 地 期 間 満 了 時 まで 保 有 することを 前 提 として 直 接 還 元 法 ( 有 期 還 元 法 :インウ ッド 式 ) 等 を 適 用 して 求 めるのが 一 般 的 である この 場 合 には 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 価 格 時 点 と 転 売 時 点 とでは 異 なることに 留 意 する 必 要 がある なお 定 期 借 地 権 付 建 物 を 譲 渡 する 場 合 に 譲 渡 承 諾 料 ( 名 義 書 換 料 )の 授 受 が 市 場 慣 行 として 認 められるようになった 場 合 には DCF 法 における 復 帰 価 格 の 査 定 におい て 仲 介 手 数 料 とともに 譲 渡 承 諾 料 ( 名 義 書 換 料 )も 考 慮 する 必 要 がある 図 表 16: 借 地 期 間 満 了 までの 保 有 を 前 提 した 場 合 の 収 益 還 元 法 のイメージ + キャッシュフローの 割 引 率 純 収 益 の 現 在 価 値 の 合 計 cash cash cash cash cash 価 格 時 点 - 借 地 期 間 建 物 解 体 費 建 物 解 体 費 の 現 在 価 値 建 物 解 体 費 の 割 引 率 69

73 図 表 17: 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 途 中 での 転 売 を 前 提 した 場 合 の DCF 法 の 算 定 式 保 有 期 間 中 の 純 収 益 の 現 在 価 値 の 合 計 + ( 転 売 価 格 ( )- 仲 介 手 数 料 - 譲 渡 承 諾 料 )の 現 在 価 値 = DCF 法 による 収 益 価 格 ( ) 転 売 価 格 は 転 売 時 から 借 地 期 間 満 了 時 まで 保 有 することを 前 提 とし て 直 接 還 元 法 ( 有 期 還 元 法 :インウッド 式 ) 等 を 適 用 して 査 定 2 建 物 譲 渡 特 約 付 定 期 借 地 権 付 建 物 又 は 建 物 買 取 特 約 を 任 意 に 設 定 した 場 合 にお ける 定 期 借 地 権 付 建 物 建 物 譲 渡 特 約 付 定 期 借 地 権 付 建 物 又 は 建 物 買 取 特 約 を 任 意 に 設 定 した 場 合 にお ける 定 期 借 地 権 付 建 物 の 借 地 期 間 満 了 時 における 復 帰 価 格 の 査 定 においては 建 物 譲 渡 収 入 を 計 上 すること 建 物 解 体 費 用 の 負 担 がないこと 建 物 解 体 による 未 収 入 期 間 は 発 生 しないことに 留 意 する 必 要 がある (3) 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 とキャッシュフローの 割 引 率 との 関 係 借 地 期 間 満 了 時 点 までの 保 有 を 前 提 とした 場 合 借 地 期 間 満 了 まで 数 年 という 短 期 のものから 数 十 年 という 長 期 のものまで 考 えられる 加 えて 定 期 借 地 権 付 建 物 の 価 格 は 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 くなるにつれて 収 益 獲 得 期 間 が 短 くなり 市 場 性 が 減 退 することにより 価 格 が 逓 減 する 傾 向 にあることから 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 とキャッシュフローの 割 引 率 との 関 係 が 問 題 となる 金 融 資 産 の 運 用 利 回 りは 一 般 的 には 運 用 期 間 が 短 期 であるものほど 低 く 運 用 期 間 が 長 期 になるほど 高 くなり 不 動 産 のキャッシュフローの 割 引 率 も 基 本 的 に は 他 の 金 融 資 産 の 運 用 利 回 りと 同 様 保 有 期 間 と 正 の 相 関 関 係 にあると 考 えられる しかし 定 期 借 地 権 付 建 物 の 場 合 は 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 くなると 取 引 コストや 使 用 収 益 期 間 の 短 期 化 等 の 関 連 から 市 場 性 が 減 退 するため 割 引 率 を 高 める 要 因 として 作 用 する 可 能 性 がある したがって 定 期 借 地 権 付 建 物 のキャ ッシュフローの 割 引 率 の 査 定 においては 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 の 長 短 と 市 場 性 の 減 退 の 程 度 について 留 意 する 必 要 がある (4) 割 引 率 と 現 在 価 値 に 割 り 引 く 対 象 との 関 係 借 地 期 間 満 了 時 に 地 主 による 建 物 買 取 がない 場 合 における 分 析 期 間 におけるキャ ッシュフローの 割 引 率 ( 図 表 18の 割 引 率 1)と 借 地 期 間 満 了 時 における 建 物 解 体 費 を 現 在 価 値 に 割 り 引 く 際 の 割 引 率 ( 図 表 18の 割 引 率 3)とはそれぞれ 性 質 が 異 なる また 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 又 は 建 物 買 取 特 約 を 任 意 に 設 定 した 場 合 におけ 70

74 る 分 析 期 間 におけるキャッシュフローの 割 引 率 ( 図 表 18の 割 引 率 1)と 借 地 権 付 建 物 の 建 物 価 格 を 現 在 価 値 に 割 り 引 く 際 の 割 引 率 ( 図 表 18の 割 引 率 2)について も 両 者 の 性 質 は 異 なる このため 借 地 期 間 満 了 までの 保 有 を 前 提 とした DCF 法 適 用 における 割 引 率 については 2 つの 異 なる 割 引 率 を 適 用 する 方 法 と 内 部 収 益 率 (IRR)の 考 え 方 に 基 づき 2 つの 割 引 率 を 総 合 的 に 勘 案 して 1 つの 割 引 率 として 適 用 する 方 法 のいずれかの 方 法 を 用 いることが 考 えられる 一 方 直 接 還 元 法 ( 有 期 還 元 法 :インウッド 式 )における 割 引 率 は 1 つの 割 引 率 を 適 用 することになるため キャッシュフローの 割 引 率 と 借 地 期 間 満 了 時 におけ る 建 物 解 体 費 及 び 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 又 は 建 物 買 取 特 約 を 任 意 に 設 定 した 場 合 における 借 地 権 付 建 物 の 場 合 の 建 物 価 格 を 現 在 価 値 に 割 り 引 く 際 の 割 引 率 とを 総 合 的 に 勘 案 して 求 めた 割 引 率 を 適 用 することに 留 意 する 必 要 がある 図 表 18: 割 引 率 と 現 在 価 値 に 割 り 引 く 対 象 との 関 係 + 割 引 率 2: 建 物 価 格 の 割 引 率 建 物 価 格 の 現 在 価 値 割 引 率 1:キャッシュフローの 割 引 率 純 収 益 の 現 在 価 値 の 合 計 建 物 価 格 価 格 時 点 cash cash cash cash cash 借 地 期 間 建 物 解 体 費 - 建 物 解 体 費 の 現 在 価 値 割 引 率 3: 建 物 解 体 費 の 割 引 率 71

75 (5) 地 主 に 預 託 した 差 入 敷 金 ( 保 証 金 )の 運 用 損 の 計 上 方 法 地 主 に 預 託 した 差 入 敷 金 ( 保 証 金 )の 処 理 については 一 時 金 の 差 し 入 れ 時 及 び 返 還 時 に それぞれ 当 該 一 時 金 相 当 額 を 費 用 及 び 収 益 として 計 上 する 方 法 と 運 用 損 ( 一 時 金 を 差 し 入 れることにより 発 生 する 運 用 益 獲 得 機 会 の 喪 失 相 当 額 をいう ) を 毎 期 の 費 用 として 計 上 する 方 法 の 2 通 りが 考 えられるが 証 券 化 対 象 不 動 産 にお ける 取 扱 いと 同 様 に 後 者 による 方 法 を 採 用 するのが 一 般 的 である なお 建 物 賃 貸 人 が 建 物 賃 借 人 から 受 領 する 預 り 敷 金 ( 保 証 金 )と 地 主 が 借 地 人 から 受 領 する 敷 金 ( 保 証 金 )とは 契 約 内 容 や 当 該 一 時 金 の 返 還 時 期 すなわち 一 時 金 の 預 託 期 間 が 異 なるため 運 用 利 回 りが 異 なる 場 合 があることに 留 意 する 必 要 がある 図 表 19: 借 地 人 が 預 託 した 差 入 敷 金 ( 保 証 金 )の 運 用 損 の 計 上 借 地 人 預 託 地 主 借 地 期 間 運 用 損 敷 金 ( 保 証 金 ) 借 地 人 は 本 来 敷 金 ( 保 証 金 ) 相 当 額 を 借 地 期 間 中 預 金 や 国 債 などの 資 産 で 運 用 し て 享 受 できたであろう 運 用 益 の 獲 得 機 会 を 喪 失 している( 運 用 損 ) 定 期 借 地 権 付 建 物 の 価 格 を 求 める 場 合 における 借 地 人 に 預 託 した 差 入 敷 金 ( 保 証 金 )の 運 用 損 の 計 上 に 係 る 取 扱 いは 上 図 のとおりである なお 底 地 価 格 を 求 める 場 合 における 借 地 人 から 預 託 された 預 り 敷 金 ( 保 証 金 ) の 運 用 益 の 計 上 並 びに 貸 家 及 びその 敷 地 の 価 格 を 求 める 場 合 における 建 物 賃 借 人 から 預 託 された 預 り 敷 金 ( 保 証 金 )の 運 用 益 の 計 上 に 係 る 取 扱 いについては 次 の とおりである 72

76 図 表 20: 借 地 人 から 預 託 を 受 けた 預 り 敷 金 ( 保 証 金 )の 運 用 益 の 計 上 敷 金 ( 保 証 金 ) 地 主 は 借 地 権 設 定 時 に 受 領 した 敷 金 ( 保 証 金 )に ついて 建 物 賃 貸 期 間 などの 場 合 と 比 較 し 借 地 期 間 が 比 較 的 長 期 になることを 踏 まえた 運 用 手 段 ( 期 間 が 長 い 預 金 や 国 債 購 入 など)により 運 用 益 を 享 受 可 能 運 用 益 借 地 人 預 託 地 主 借 地 期 間 (6) 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 い 場 合 の 収 益 費 用 項 目 の 将 来 予 測 定 期 借 地 権 付 建 物 で 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 い 場 合 一 般 に 建 物 の 新 規 賃 料 は 契 約 期 間 が 短 期 の 定 期 借 家 契 約 となるため 通 常 の 場 合 の 正 常 賃 料 ( 新 規 賃 料 )よりも 低 位 となる 傾 向 があり また 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 くな るにつれて 徐 々にテナントが 退 出 していき 新 たなテナントが 決 まりにくい 状 況 も 予 想 されるため 空 室 率 は 上 昇 する 傾 向 にあり 水 道 光 熱 費 収 入 看 板 収 入 等 のそ の 他 収 入 維 持 管 理 費 水 道 光 熱 費 支 出 並 びに 修 繕 費 及 び 資 本 的 支 出 等 各 種 収 支 項 目 は 一 般 に 逓 減 する 傾 向 にある (7) 割 引 率 の 水 準 割 引 率 は リスクフリーレートに 対 象 不 動 産 のリスクプレミアムを 加 算 したもの と 捉 えることができる 敷 地 利 用 権 が 所 有 権 である 貸 家 及 びその 敷 地 と 比 較 し て 定 期 借 地 権 付 建 物 ( 貸 家 ) は 流 動 性 や 資 産 としての 安 全 性 に 劣 る 面 がある ため 定 期 借 地 権 付 建 物 ( 貸 家 ) の 割 引 率 は 一 般 に 貸 家 及 びその 敷 地 の 割 引 率 よりも 高 くなる 傾 向 にあるが その 開 差 の 程 度 は 価 格 時 点 及 び 復 帰 時 点 にお ける 不 動 産 市 況 や 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 により 異 なることに 留 意 する 有 期 還 元 法 (インウッド 式 )においては 単 年 度 の 純 収 益 と 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 から 建 物 解 体 期 間 を 控 除 した 収 益 期 間 を 基 礎 とした 複 利 年 金 現 価 率 を 使 用 して 収 益 価 格 を 求 めるため 単 年 度 の 純 収 益 に 建 物 解 体 期 間 における 建 物 の 公 租 公 課 ( 固 定 資 産 税 都 市 計 画 税 ) 地 代 及 び 一 時 金 の 運 用 損 並 びに 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 くなるにつれて 収 益 費 用 が 逓 減 する 傾 向 を 反 映 させることがで 73

77 きない そこで 建 物 解 体 期 間 に 発 生 する 費 用 及 び 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 くなってきた 場 合 の 収 益 費 用 の 減 少 分 については 割 引 率 の 査 定 において 考 慮 することに 留 意 する 必 要 がある (8) 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 付 建 物 又 は 建 物 買 取 特 約 を 任 意 に 設 定 した 場 合 における 借 地 権 付 建 物 の 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 の 査 定 ( 建 物 譲 渡 又 は 買 取 ( 予 定 ) 時 期 との 関 連 ) 建 物 譲 渡 時 期 又 は 買 取 時 期 が 確 定 していない 場 合 には 譲 渡 又 は 買 取 可 能 時 期 以 降 に 当 該 請 求 権 を 行 使 できる 者 がどのタイミングで 請 求 権 を 行 使 するかを 推 定 して 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 すなわちキャッシュフローの 分 析 期 間 を 査 定 しなけ ればならない この 推 定 に 当 たっては 建 物 の 買 取 価 格 や 復 帰 する 建 物 及 びその 敷 地 の 価 格 に 関 する 契 約 上 の 取 り 決 めを 慎 重 に 確 認 することが 必 要 である (9) 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 付 建 物 の 建 物 譲 渡 ( 予 定 ) 時 期 又 は 建 物 買 取 特 約 を 任 意 に 設 定 した 場 合 における 借 地 権 付 建 物 の 建 物 買 取 ( 予 定 ) 時 期 における 建 物 価 格 契 約 書 上 あらかじめ 譲 渡 又 は 買 取 ( 予 定 ) 時 の 建 物 価 格 として 確 定 額 が 記 載 さ れている 場 合 あるいは 相 当 の 対 価 又 は 買 取 価 格 の 算 定 基 準 や 決 定 方 法 が 約 定 されている 場 合 には 当 該 約 定 に 基 づいた 建 物 価 格 を 建 物 譲 渡 又 は 買 取 ( 予 定 ) 時 期 における 相 当 の 対 価 又 は 買 取 価 格 として 復 帰 価 格 に 計 上 する 契 約 書 上 あらかじめ 相 当 の 対 価 又 は 買 取 価 格 の 確 定 額 や 算 定 基 準 等 が 決 めら れていない 場 合 は 建 物 譲 渡 又 は 買 取 ( 予 定 ) 時 期 における 建 物 の 相 当 の 対 価 又 は 買 取 価 格 を 推 定 して 復 帰 価 格 に 計 上 する 74

78 図 表 21: 定 期 借 地 権 付 建 物 の 価 格 を 求 める DCF 法 の 試 算 シート( 例 ) 期 別 (a) 貸 室 賃 料 収 入 254,100, ,100, ,100, ,100, ,100, ,100, ,050,000 63,525, (b) 共 益 費 収 入 ⅲ ⅰ 単 位 : 円 (c) ( 共 益 費 込 み 貸 室 賃 料 収 入 )[(a)+(b)] 254,100, ,100, ,100, ,100, ,100, ,100, ,050,000 63,525, (d) 水 道 光 熱 費 収 入 (e) 運 駐 車 場 収 入 営 (f) その 他 収 入 収 1 益 [(c)+(d)+(e)+(f)] 254,100, ,100, ,100, ,100, ,100, ,100, ,050,000 63,525, (c)(d) 空 室 等 損 失 (e)(f) 空 室 等 損 失 (g) 空 室 等 損 失 合 計 (h) 貸 倒 れ 損 失 運 営 収 益 [1-(g)-(h)] 254,100, ,100, ,100, ,100, ,100, ,100, ,050,000 63,525, (i) 維 持 管 理 費 (j) 水 道 光 熱 費 (k) 修 繕 費 2,500,000 2,500,000 2,500,000 2,500,000 2,500,000 2,500,000 1,250, , (l) 運 プロパティマネジメントフィー 2,541,000 2,541,000 2,541,000 2,541,000 2,541,000 2,541,000 1,270, , (m) 営 テナント 募 集 費 用 等 (n) 費 土 地 用 公 租 公 課 ⅱ 建 物 他 10,000,000 10,000,000 9,700,000 9,700,000 9,700,000 9,409,000 9,409,000 9,409,000 9,126,730 0 (o) 損 害 保 険 料 700, , , , , , , , (p) その 他 費 用 ( 実 際 支 払 地 代 + 前 払 地 代 ) 30,000,000 30,000,000 30,000,000 30,000,000 30,000,000 30,000,000 30,000,000 30,000,000 30,000, 運 営 費 用 [(i)+(j)+(k)+(l)+(m)+(n)+(o)+(p)] 45,741,000 45,741,000 45,441,000 45,441,000 45,441,000 45,150,000 42,629,500 41,369,250 39,126,730 0 ⅲ ⅲ ⅲ ⅲ 4 運 営 純 収 益 [2-3] 208,359, ,359, ,659, ,659, ,659, ,950,000 84,420,500 22,155,750-39,126,730 0 (q) 一 時 金 の 運 用 益 4,235,000 4,235,000 4,235,000 4,235,000 4,235,000 4,235,000 3,176,250 2,117, (r) 一 時 金 の 運 用 損 500, , , , , , , , ,000 0 ⅱ ⅲ (s) 資 本 的 支 出 7,000,000 7,000,000 7,000,000 7,000,000 3,500,000 1,750, , 純 収 益 [4+(q)-(r)] 205,094, ,094, ,394, ,394, ,894, ,935,000 86,221,750 23,773,250-39,626,730 0 ( 参 考 ) 参 考 OER( 運 営 費 用 / 運 営 収 益 ) 18.0% 18.0% 17.9% 17.9% 17.9% 17.8% 33.6% 65.1% 0.0% 0.0% 預 かり 一 時 金 ( 敷 金 保 証 金 等 ) 残 高 211,750, ,750, ,750, ,750, ,750, ,750, ,812, ,875, 差 入 保 証 金 残 高 25,000,000 25,000,000 25,000,000 25,000,000 25,000,000 25,000,000 25,000,000 25,000,000 25,000,000 0 未 経 過 前 払 地 代 複 利 現 価 率 (t) 現 在 価 値 191,676, ,137, ,662, ,694, ,938, ,554,897 53,694,573 13,836,248-21,554,316 0 (u) (t) 欄 合 計 査 定 根 拠 DC F 法 による 収 益 価 格 (u )- (w ) 9 2 0, 0 0 0, 上 位 3 桁 未 満 四 捨 五 入 (v) N 年 後 の 建 物 解 体 費 200,000,000 20,000 円 /m2 10,000.00m2 (w) 建 物 解 体 費 の 現 在 価 値 108,786, ,000, (x) 割 引 率 7.0% 類 似 不 動 産 の 割 引 率 を 参 考 に 査 定 ( ) ⅲ ⅲ ⅲ 1,029,122,647 ⅱ ⅳ 75

79 図 表 21の 試 算 における 前 提 条 件 と DCF 法 の 試 算 過 程 における 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 の 反 映 方 法 ( 試 算 上 の 前 提 となる 借 地 条 件 ) 借 地 上 の 建 物 は S 造 3 階 建 て 延 べ 面 積 10,000 m2 商 業 施 設 価 格 時 点 における 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 9 年 敷 地 利 用 権 は 建 物 取 壊 し 更 地 返 還 型 の 事 業 用 定 期 借 地 権 ( 借 地 期 間 20 年 ) 建 物 賃 貸 収 益 獲 得 期 間 8 年 ( 建 物 取 壊 期 間 1 年 ) 建 物 解 体 費 用 は 建 物 解 体 完 了 後 に 支 払 い 前 払 地 代 なし 地 主 への 差 入 敷 金 保 証 金 あり テナントからの 預 り 敷 金 あり 借 地 期 間 満 了 まで 保 有 し 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 の 途 中 で 転 売 しない 想 定 注 : 図 表 21における 赤 字 の ⅰからⅳ は 試 算 シートにおける 下 記 ⅰからⅳの 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 の 反 映 箇 所 を 示 す ⅰ 有 期 性 借 地 期 間 満 了 まで 定 期 借 地 権 付 建 物 を 保 有 し 借 地 期 間 満 了 時 に 借 地 権 設 定 者 に 返 還 することを 想 定 しているため DCF 法 の 分 析 期 間 を 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 である 9 年 としている ⅱ 借 地 期 間 満 了 時 の 建 物 等 の 取 扱 い 借 地 期 間 満 了 まで 定 期 借 地 権 付 建 物 を 保 有 し 借 地 期 間 満 了 時 に 建 物 を 取 壊 して 借 地 権 設 定 者 に 更 地 返 還 することを 想 定 しているため 借 地 期 間 満 了 時 である 9 期 目 末 における 建 物 解 体 費 を 査 定 し 当 該 建 物 解 体 費 の 現 在 価 値 を 分 析 期 間 中 の 純 収 益 の 現 在 価 値 合 計 から 控 除 することにより DCF 法 による 収 益 価 格 を 試 算 している また 建 物 の 取 壊 しまでに 必 要 と 考 えられる 修 繕 費 資 本 的 支 出 を 考 慮 の 上 査 定 している ⅲ 建 物 の 建 築 取 壊 しにより 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 が 期 待 できない 期 間 等 建 物 取 壊 期 間 を 1 年 (9 期 目 )と 設 定 し 貸 室 賃 料 収 入 修 繕 費 プロパティマネ ジメントフィー 一 時 金 の 運 用 益 については 7 期 目 から 徐 々に 減 少 資 本 的 支 出 につ いては 5 期 目 から 徐 々に 減 少 するシナリオを 想 定 している なお 建 物 取 壊 期 間 中 も 建 物 の 公 租 公 課 ( 固 定 資 産 税 都 市 計 画 税 ) 及 び 地 代 はか かるため 建 物 取 壊 期 間 である 9 期 目 においても 建 物 の 公 租 公 課 ( 固 定 資 産 税 都 市 計 画 税 ) 地 代 及 び 一 時 金 の 運 用 損 を 計 上 している ⅳ 市 場 性 建 物 賃 貸 収 益 獲 得 期 間 ( 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 から 建 物 取 壊 期 間 を 控 除 した 年 数 )が 短 いことによる 市 場 性 の 減 退 の 程 度 を 勘 案 の 上 割 引 率 を 査 定 している 76

80 図 表 22: 定 期 借 地 権 付 建 物 の 価 格 を 求 める 有 期 還 元 法 (インウッド 式 )の 試 算 シート( 例 ) 運 営 収 益 店 舗 賃 貸 可 能 面 積 賃 料 円 /m2 円 /m2 保 証 金 等 ( 月 数 ) 共 益 費 ( 円 / 坪 ) ( 円 / 坪 ) 権 利 金 等 ( 月 数 ) 入 替 率 10,000.00m2 21,175,000 2, ,750,000 (10.0 月 ) 0% (3, 坪 ) (7,000) (0) 0 (0.0 月 ) 貸 室 合 計 10,000.00m2 21,175,000 2, ,750,000 (10.0 月 ) (3, 坪 ) (7,000) (0) 0 (0.0 月 ) 駐 車 場 0 0 (0.0 月 ) 0 台 0 ( ) 円 / 台 0 (0.0 月 ) 0% (a) 貸 室 賃 料 収 入 可 能 貸 室 賃 料 収 入 21,175, 月 = 254,100, ,100,000 その 他 貸 室 賃 料 収 入 ( ) (b) 共 益 費 収 入 可 能 共 益 費 収 入 0 12 月 = その 他 共 益 費 収 入 ( ) (c) ( 共 益 費 込 み 貸 室 賃 料 収 入 )[(a)+(b)] (d) 水 道 光 熱 費 収 入 (e) 駐 車 場 収 入 可 能 駐 車 場 収 入 0 12 月 = 0 254,100, その 他 駐 車 場 等 収 入 ( ) (f) その 他 収 入 ( ) 権 利 金 等 収 入 その 他 収 入 1 その 他 収 入 [(c)+(d)+(e)+(f)] 254,100,000 (g) 空 室 等 損 失 合 計 0 可 能 年 額 賃 料 可 能 年 額 共 益 費 空 室 率 賃 料 空 室 損 失 共 益 費 空 室 損 失 店 舗 254,100, % 0 0 貸 室 賃 料 収 入 共 益 費 収 入 空 室 損 失 合 計 0 0 水 道 光 熱 費 収 入 空 室 損 失 0 0.0% = 0 駐 車 場 収 入 空 室 損 失 0 0.0% = 0 (h) 貸 倒 れ 損 失 保 証 金 等 により 担 保 されるため 計 上 しない 0 2 運 営 収 益 [1-(g)-(h)] 254,100,000 77

81 運 営 費 用 単 位 : 円 (i) 維 持 管 理 費 賃 借 人 負 担 を 想 定 し 計 上 しない 0 (j) 水 道 光 熱 費 賃 借 人 負 担 を 想 定 し 計 上 しない 0 (k) 修 繕 費 修 繕 費 テナント 入 替 費 用 エンジニアリングレポート 記 載 の 修 繕 費 を 基 に 契 約 上 の 残 存 期 間 を 考 慮 のう え 査 定 賃 借 人 の 退 去 に 伴 う 貸 室 ( 住 居 )のメンテナンス 費 用 についてはテナント 負 担 と 想 定 し 計 上 しない ⅱ 2,500,000 2,500,000 0 (l) プロパティマネジメントフィー 類 似 不 動 産 のPMフィー 水 準 に 基 づき 賃 料 収 入 等 の1.0% 相 当 額 と 査 定 2,541,000 (m) テナント 募 集 費 用 等 テナントの 入 れ 替 えを 想 定 しないため テナント 募 集 費 用 等 は 発 生 しない 0 (n) 公 租 公 課 土 地 借 地 のため 非 計 上 0 建 物 他 平 成 24 年 度 の 実 績 額 を 計 上 10,000,000 (o) 損 害 保 険 料 直 近 の 実 績 額 に 基 づき 計 上 700,000 (p) その 他 費 用 実 際 支 払 地 代 30,000,000 年 額 実 際 支 払 地 代 を 計 上 30,000,000 前 払 地 代 0 3 運 営 費 用 [(i)+(j)+(k)+(l)+(m)+(n)+(o)+(p)] 45,741,000 純 収 益 4 運 営 純 収 益 [2-3] 208,359,000 (q) (r) (s) 5 純 収 益 [4+(q)-(r)-(s)] 205,094,000 ( 参 考 ) OER( 運 営 費 用 / 運 営 収 益 ) 18.0% 想 定 預 かり 一 時 金 ( 敷 金 保 証 金 等 ) 残 高 211,750,000 差 入 保 証 金 残 高 25,000,000 未 経 過 前 払 地 代 0 インウッド 式 による 収 益 価 格 (t) 純 収 益 :a 205,094,000 (u) 割 引 率 :Y 11.0% (v) (w) (x) 建 物 解 体 費 :E (y) 一 時 金 の 運 用 益 一 時 金 の 運 用 損 資 本 的 支 出 収 益 期 間 :N-1 N 年 後 の 借 地 権 価 格 :Pln インウッド 式 による 収 益 価 格 金 融 資 産 の 長 期 的 な 運 用 利 回 り 等 に 基 づき 一 時 金 の 運 用 利 回 りを2.0%と 査 定 借 地 差 入 保 証 金 及 び 未 経 過 前 払 地 代 の 運 用 損 ( 機 会 損 失 )として 運 用 利 回 りを2.0%と 査 定 エンジニアリングレポート 記 載 の 更 新 費 を 基 に 契 約 上 の 残 存 期 間 を 考 慮 のう え 査 定 借 地 残 存 期 間 に 借 地 契 約 最 終 年 における 建 物 解 体 期 間 を 考 慮 し 収 益 期 間 を 借 地 残 存 期 間 -1 年 と 査 定 した 借 地 期 間 満 了 により 借 地 権 は 消 滅 し 土 地 は 地 主 に 更 地 返 還 されるため 借 地 期 間 満 了 時 の 借 地 権 価 格 を0 円 とした 類 似 不 動 産 の 標 準 的 な 解 体 費 の 水 準 に 基 づき 対 象 建 物 の 解 体 費 を20,000 円 /m2 相 当 額 と 査 定 ( 1+Y) N Pln-E a + 上 位 3 桁 未 満 四 捨 五 入 Y( 1+Y) N - 1 ( 1+Y) N ⅱ ⅲⅳ ⅰⅲ ⅱ 4,235, ,000 7,000,000 8 年 0 200,000, ,000,000 78

82 図 表 22の 試 算 における 前 提 条 件 と 有 期 還 元 法 (インウッド 式 )の 試 算 過 程 における 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 の 反 映 方 法 ( 試 算 上 の 前 提 となる 借 地 条 件 ) 借 地 上 の 建 物 は S 造 3 階 建 て 延 べ 面 積 10,000 m2 商 業 施 設 価 格 時 点 における 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 9 年 敷 地 利 用 権 は 建 物 取 壊 し 更 地 返 還 型 の 事 業 用 定 期 借 地 権 ( 借 地 期 間 20 年 ) 建 物 賃 貸 収 益 獲 得 期 間 8 年 ( 建 物 取 壊 期 間 1 年 ) 建 物 解 体 費 用 は 建 物 解 体 完 了 後 に 支 払 い 前 払 地 代 なし 地 主 への 差 入 敷 金 保 証 金 あり テナントからの 預 り 敷 金 あり 注 : 図 表 22における 赤 字 の ⅰからⅳ は 試 算 シートにおける 下 記 ⅰからⅳの 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 の 反 映 箇 所 を 示 す ⅰ 有 期 性 借 地 期 間 満 了 まで 定 期 借 地 権 付 建 物 を 保 有 し 借 地 期 間 満 了 時 に 借 地 権 設 定 者 に 返 還 することを 想 定 しているため 有 期 還 元 法 における 収 益 期 間 を 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 (9 年 )から 建 物 取 壊 期 間 (1 年 )を 控 除 した 8 年 としている ⅱ 借 地 期 間 満 了 時 の 建 物 等 の 取 扱 い 借 地 期 間 満 了 まで 定 期 借 地 権 付 建 物 を 保 有 し 借 地 期 間 満 了 時 に 建 物 を 取 壊 して 借 地 権 設 定 者 に 更 地 返 還 することを 想 定 しているため 借 地 期 間 満 了 時 である 9 期 目 末 における 建 物 解 体 費 を 査 定 し 当 該 建 物 解 体 費 の 現 在 価 値 を 収 益 期 間 中 の 純 収 益 の 現 在 価 値 合 計 額 から 控 除 することにより 有 期 還 元 法 による 収 益 価 格 を 試 算 している また 建 物 の 取 壊 しまでに 必 要 と 考 えられる 修 繕 費 及 び 資 本 的 支 出 を 考 慮 の 上 査 定 し ている ⅲ 建 物 の 建 築 取 壊 しにより 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 が 期 待 できない 期 間 等 建 物 の 取 壊 しにより 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 が 期 待 できない 期 間 を 1 年 と 査 定 し これを 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 (9 年 )より 控 除 して 収 益 期 間 (8 年 )を 査 定 している なお 建 物 取 壊 期 間 中 も 建 物 の 公 租 公 課 ( 固 定 資 産 税 都 市 計 画 税 ) 及 び 地 代 はか かることから 建 物 取 壊 期 間 中 の 建 物 の 公 租 公 課 地 代 及 び 一 時 金 の 運 用 損 について は 割 引 率 の 査 定 において 考 慮 している また 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 短 く なるにつれて 逓 減 する 収 益 費 用 の 減 少 分 についても 割 引 率 において 考 慮 している ⅳ 市 場 性 建 物 賃 貸 収 益 獲 得 期 間 ( 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 から 建 物 取 壊 期 間 を 控 除 した 年 数 )が 短 いことによる 市 場 性 の 減 退 の 程 度 を 勘 案 の 上 割 引 率 を 査 定 している 79

83 第 6 章 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 の 価 格 を 求 める 評 価 手 法 の 検 討 6-1. 現 行 基 準 における 底 地 の 価 格 を 求 める 鑑 定 評 価 手 法 本 章 では 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 の 価 格 を 求 める 場 合 の 評 価 手 法 について 検 討 を 行 う なお 現 行 基 準 においては 借 地 権 が 付 着 する 底 地 の 価 格 を 求 める 評 価 手 法 が 規 定 されている 2 定 期 借 地 権 付 建 物 評 価 類 型 の 種 類 1 定 期 借 地 権 2 定 期 借 地 権 付 建 物 3 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 4 新 規 地 代 5 継 続 地 代 1 定 期 借 地 権 3 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 地 代 4 新 規 地 代 5 継 続 地 代 各 論 第 1 章 第 1 節 Ⅰ 3. 借 地 権 及 び 底 地 底 地 の 価 格 は 借 地 権 の 付 着 している 宅 地 について 借 地 権 の 価 格 との 相 互 関 連 にお いて 賃 貸 人 に 帰 属 する 経 済 的 利 益 を 貨 幣 額 で 表 示 したものである 賃 貸 人 に 帰 属 する 経 済 的 利 益 とは 当 該 宅 地 の 実 際 支 払 賃 料 から 諸 経 費 等 を 控 除 した 部 分 の 賃 貸 借 等 の 期 間 に 対 応 する 経 済 的 利 益 及 びその 期 間 の 満 了 等 によって 復 帰 する 経 済 的 利 益 の 現 在 価 値 をいう 底 地 の 鑑 定 評 価 額 は 実 際 支 払 賃 料 に 基 づく 純 収 益 等 の 現 在 価 値 の 総 和 を 求 めること により 得 た 収 益 価 格 及 び 比 準 価 格 を 関 連 づけて 決 定 するものとする この 場 合 において は 前 記 (1) 2 アの(ア)から(キ)までに 掲 げる 事 項 33 を 総 合 的 に 勘 案 するものとす る (ア) 将 来 における 賃 料 の 改 定 の 実 現 性 とその 程 度 (イ) 借 地 権 の 態 様 及 び 建 物 の 残 存 耐 用 年 数 (ウ) 契 約 締 結 の 経 緯 並 びに 経 過 した 借 地 期 間 及 び 残 存 期 間 (エ) 契 約 に 当 たって 授 受 された 一 時 金 の 額 及 びこれに 関 する 契 約 条 件 33 借 地 権 の 鑑 定 評 価 における 留 意 事 項 であり 詳 細 は 4-1. 現 行 基 準 における 借 地 権 価 格 を 求 める 鑑 定 評 価 手 法 を 参 照 80

84 (オ) 将 来 見 込 まれる 一 時 金 の 額 及 びこれに 関 する 契 約 条 件 (カ) 借 地 権 の 取 引 慣 行 及 び 底 地 の 取 引 利 回 り (キ) 当 該 借 地 権 の 存 する 土 地 に 係 る 更 地 としての 価 格 又 は 建 付 地 としての 価 格 また 底 地 を 当 該 借 地 人 が 買 い 取 る 場 合 における 底 地 の 鑑 定 評 価 に 当 たっては 当 該 宅 地 又 は 建 物 及 びその 敷 地 が 同 一 所 有 者 に 帰 属 することによる 市 場 性 の 回 復 等 に 即 応 する 経 済 価 値 の 増 分 が 生 ずる 場 合 があることに 留 意 すべきである 81

85 6-2. 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 収 益 還 元 法 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 の 価 格 は 定 期 借 地 期 間 における 純 地 代 収 入 の 現 価 の 総 和 と 復 帰 する 不 動 産 ( 建 物 が 付 着 したまま 復 帰 する 場 合 もある )の 現 在 価 値 によっ て 構 成 される また 一 時 金 の 授 受 に 関 する 市 場 慣 行 の 推 移 を 観 察 する 必 要 があるが 条 件 変 更 承 諾 料 名 義 書 換 料 等 の 授 受 が 認 められる 場 合 における 底 地 の 価 格 は 地 代 徴 収 権 に 相 応 する 価 格 のほかに これらの 一 時 金 による 経 済 的 利 益 も 加 味 して 形 成 されるもので ある 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 の 収 益 価 格 は 借 地 期 間 中 における 毎 期 キャッシュフロ ーの 現 在 価 値 の 合 計 額 に 契 約 期 間 満 了 時 における 復 帰 価 格 としての 更 地 価 格 の 現 在 価 値 を 加 算 して 求 めるのが 原 則 である また 定 期 借 地 期 間 満 了 後 に 建 物 を 譲 渡 する 旨 の 特 約 がある 場 合 には 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 の 復 帰 価 格 は 更 地 価 格 の 代 わ りに 自 用 の 建 物 及 びその 敷 地 の 価 格 又 は 貸 家 及 びその 敷 地 の 価 格 として 把 握 するこ とが 妥 当 な 場 合 もある この 場 合 においては 建 物 買 取 に 伴 う 対 価 の 支 払 いが 生 ずる 場 合 があることに 留 意 する 必 要 がある 図 表 23: 借 地 期 間 満 了 までの 保 有 を 前 提 した 場 合 の 収 益 還 元 法 のイメージ + 更 地 価 格 の 割 引 率 更 地 価 格 の 現 在 価 値 キャッシュフローの 割 引 率 純 収 益 の 現 在 価 値 の 合 計 更 地 価 格 cash cash cash cash cash 価 格 時 点 借 地 期 間 82

86 (1) 直 接 還 元 法 ( 有 期 還 元 法 :インウッド 式 )と DCF 法 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 の 価 格 を 求 めるに 当 たっては 直 接 還 元 法 ( 有 期 還 元 法 :インウッド 式 )と DCF 法 のいずれかを 適 用 又 は 両 者 を 併 用 する 場 合 が 考 えられ る 評 価 上 は 借 地 期 間 中 又 は 借 地 期 間 満 了 時 において 底 地 の 転 売 を 想 定 する 場 合 と 転 売 を 想 定 しない 場 合 があるが いずれが 妥 当 であるかは 市 場 の 需 給 動 向 及 び 典 型 的 な 市 場 参 加 者 の 行 動 原 理 に 基 づき 案 件 ごとに 適 切 に 判 断 する 必 要 がある また 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 が 相 当 長 期 ( 例 えば 50 年 以 上 )である 場 合 に は 収 益 価 格 に 占 める 復 帰 価 格 の 割 合 が 非 常 に 小 さくなるため 直 接 還 元 法 の 適 用 に 当 たっては 有 期 還 元 法 ではなく 永 久 還 元 法 を 適 用 して 収 益 価 格 を 求 める 方 法 も 考 えられる (2) 証 券 化 対 象 不 動 産 における 転 売 時 の 価 格 証 券 化 対 象 不 動 産 における DCF 法 の 適 用 においては 基 本 的 に 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 の 途 中 であっても 分 析 期 間 経 過 後 の 転 売 を 想 定 する 必 要 があるが 転 売 時 の 価 格 を 想 定 する 際 には 残 存 期 間 が 価 格 時 点 と 転 売 時 点 とでは 異 なることに 留 意 する 必 要 がある また 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 の 途 中 での 転 売 を 想 定 する 場 合 復 帰 価 格 は 底 地 価 格 となるが 借 地 期 間 満 了 時 での 転 売 を 想 定 する 場 合 における 復 帰 価 格 は 更 地 価 格 ( 転 売 時 以 降 においても 建 物 の 利 用 が 継 続 すると 見 込 まれる 場 合 は その 類 型 に 応 じて 貸 家 及 びその 敷 地 又 は 自 用 の 建 物 及 びその 敷 地 の 価 格 となる 場 合 もあ る )となることに 留 意 する 必 要 がある (3) 実 際 支 払 賃 料 の 水 準 が 高 水 準 にある 場 合 の 将 来 の 賃 料 改 定 の 可 能 性 とその 程 度 定 期 借 地 権 については 契 約 締 結 時 に 権 利 金 等 の 授 受 がない 場 合 に 比 較 的 高 額 な 地 代 が 設 定 される 場 合 がある この 場 合 においては 現 行 地 代 が 借 地 人 の 事 業 収 益 等 に 照 らした 負 担 可 能 地 代 を 超 えている 場 合 には 将 来 的 に 地 代 の 減 額 改 定 リス クがあることに 留 意 し 当 該 リスクをキャッシュフローまたは 割 引 率 の 査 定 に 適 切 に 反 映 させる 必 要 がある (4) 復 帰 価 格 の 求 め 方 借 地 期 間 満 了 によって 復 帰 する 不 動 産 は 定 期 借 地 権 の 種 類 及 びその 契 約 内 容 に よって 更 地 である 場 合 に 加 え 借 地 期 間 満 了 後 においても 建 物 の 利 用 が 継 続 する と 見 込 まれる 場 合 には その 類 型 に 応 じて 自 用 の 建 物 及 びその 敷 地 又 は 貸 家 及 びそ の 敷 地 となる 場 合 があるため 復 帰 する 不 動 産 の 類 型 に 応 じて 適 切 な 復 帰 価 格 を 査 定 する 必 要 がある 83

87 復 帰 価 格 の 査 定 においては 収 益 価 格 だけでなく その 類 型 に 応 じて 一 般 に 適 用 される 他 の 手 法 ( 原 価 法 開 発 法 等 )も 考 慮 すべき 場 合 があることに 留 意 する (5) 割 引 率 と 現 在 価 値 に 割 り 引 く 対 象 との 関 係 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 の 価 格 は 定 期 借 地 期 間 における 純 地 代 収 入 の 現 価 の 総 和 と 復 帰 する 不 動 産 ( 建 物 が 付 着 したまま 復 帰 する 場 合 もある )の 現 在 価 値 によ って 構 成 されるため 適 用 される 割 引 率 は 定 期 借 地 期 間 における 純 収 益 を 現 在 価 値 に 割 り 引 くための 割 引 率 と 復 帰 する 不 動 産 価 格 を 現 在 価 値 に 割 り 引 くための 割 引 率 に 分 けられる 特 に 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 については 更 地 又 は 建 物 及 び その 敷 地 として 復 帰 することが 想 定 されるため 類 型 に 応 じて 慎 重 に 分 析 して 求 め ることが 必 要 である (6) 収 益 費 用 項 目 純 収 益 を 求 めるに 当 たっての 運 営 収 益 運 営 費 用 の 査 定 における 留 意 点 は 次 の とおりである 1 運 営 収 益 (ア) 賃 料 収 入 年 額 地 代 収 入 を 計 上 する 契 約 上 地 代 が 純 地 代 と 公 租 公 課 ( 固 定 資 産 税 都 市 計 画 税 )に 分 かれている 場 合 には 純 地 代 の 変 動 予 測 とともに 公 租 公 課 の 変 動 予 測 も 適 切 に 行 う 必 要 がある (イ) その 他 収 入 契 約 内 容 により 地 代 以 外 に 地 主 に 帰 属 する 収 益 を 構 成 するものがある 場 合 には その 他 収 入 として 計 上 する その 他 収 入 としては 電 柱 設 置 料 収 入 未 経 過 前 払 地 代 がある 場 合 の 年 額 地 代 相 当 額 土 地 の 公 租 公 課 の 一 部 を 借 地 人 が 負 担 する 契 約 が 締 結 されている 場 合 の 当 該 借 地 人 の 年 額 負 担 相 当 額 等 が 挙 げら れる (ウ) 空 室 等 損 失 定 期 借 地 権 は 現 借 地 人 との 借 地 契 約 の 期 間 が 満 了 すると 借 地 契 約 自 体 が 終 了 し 更 地 又 は 建 物 及 びその 敷 地 として 復 帰 することとなるため 借 地 期 間 満 了 後 においては 空 室 等 損 失 という 概 念 はないことに 留 意 する 必 要 がある (エ) 貸 倒 れ 損 失 借 地 人 の 信 用 力 借 地 に 係 る 地 域 の 需 給 動 向 保 証 金 の 多 寡 等 を 考 慮 して 判 断 する 必 要 がある 84

88 2 運 営 費 用 (ア) 維 持 管 理 費 維 持 管 理 費 は 通 常 建 物 所 有 者 である 借 地 人 ( 建 物 所 有 者 が 借 地 人 と 異 な る 場 合 は 建 物 所 有 者 )が 負 担 するため 底 地 の 場 合 には 計 上 しないことが 一 般 的 である ただし 維 持 管 理 費 の 一 部 を 地 主 が 負 担 する 契 約 となっている 場 合 には その 地 主 負 担 分 を 計 上 する (イ) プロパティマネジメントフィー(PM フィー: 賃 貸 運 営 管 理 費 ) 底 地 については 複 合 不 動 産 の 場 合 に 比 べて 賃 借 人 が 限 定 的 であり 借 地 人 の 変 更 も 非 常 に 少 ないため 賃 貸 運 営 管 理 が 比 較 的 容 易 であることから 賃 貸 運 営 管 理 を 外 部 のプロパティマネジメント 会 社 に 運 営 委 託 せずに 地 主 が 自 ら 管 理 している 場 合 も 多 いと 思 われる その 場 合 でも 賃 貸 運 営 管 理 に 関 して 一 定 の 人 件 費 通 信 費 等 が 必 要 となるため その 費 用 を 査 定 のうえ PM フィー 相 当 額 を 運 営 管 理 費 として 計 上 することが 適 切 と 考 えられる なお 底 地 の PM フィーは 賃 貸 運 営 管 理 の 容 易 性 から 月 額 支 払 賃 料 に 対 する 一 定 割 合 のほかに 月 額 固 定 費 用 として 契 約 されている 場 合 も 多 いため PM フィーを 査 定 する 場 合 には その 総 額 に 留 意 する 必 要 がある (ウ) 損 害 保 険 料 底 地 については 損 害 保 険 契 約 を 締 結 していない 場 合 が 一 般 的 と 思 われるが 当 該 契 約 が 締 結 されている 場 合 には 計 上 する 必 要 がある (エ) その 他 費 用 上 記 のほか 考 慮 すべき 費 用 項 目 があればその 他 費 用 として 計 上 する 85

89 図 表 24: 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 の DCF 法 の 試 算 シート( 例 ) 期 別 (a) 地 代 60,000,000 60,000,000 60,000,000 60,000,000 60,000,000 60,000,000 60,000,000 60,000, 運 対 前 年 比 - 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% (b) 営 収 その 他 収 入 (c) 益 貸 倒 れ 損 失 ⅰ ⅲ 単 位 : 円 1 合 計 [(a)+(b)-(c)] 60,000,000 60,000,000 60,000,000 60,000,000 60,000,000 60,000,000 60,000,000 60,000, (d) プロパティマネジメントフィー(1 1.0%) 600, , , , , , , , 運 (e) 営 公 租 公 課 ( 土 地 ) 10,000,000 10,000,000 10,000,000 10,000,000 10,000,000 10,000,000 10,000,000 10,000, (f) 費 その 他 費 用 用 2 合 計 [(d)+(e)+(f)] 10,600,000 10,600,000 10,600,000 10,600,000 10,600,000 10,600,000 10,600,000 10,600, 運 営 純 収 益 (NOI)[1-2] 49,400,000 49,400,000 49,400,000 49,400,000 49,400,000 49,400,000 49,400,000 49,400, (g) 一 保 証 金 残 高 50,000,000 50,000,000 50,000,000 50,000,000 50,000,000 50,000,000 50,000,000 50,000, (h) 時 未 経 過 前 払 地 代 金 (i) 一 時 金 の 運 用 益 [((g)+(h) 2.0%] 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000, ネットキャッシュフロー(NCF)[3+(i)] 50,400,000 50,400,000 50,400,000 50,400,000 50,400,000 50,400,000 50,400,000 50,400, OER( 運 営 費 用 / 運 営 収 益 ) 17.7% 17.7% 17.7% 17.7% 17.7% 17.7% 17.7% 17.7% 0.0% 0.0% (j) 参 考 複 利 現 価 率 (k) 現 在 価 値 [4 (j)] 47,547,170 44,855,821 42,316,812 39,921,521 37,661,812 35,530,011 33,518,879 31,621, (k) 欄 の 合 計 (l) 312,973,609 ( 復 帰 価 格 等 の 査 定 (m) N 年 後 の 更 地 価 格 1,000,000,000 ) 比 準 価 格 収 益 価 格 ( 上 位 3 桁 未 満 四 捨 五 入 ) (n) 売 却 費 用 ( 仲 介 手 数 料 等 ) 0 売 却 価 格 の.0% 相 当 額 と 査 定 (o) 復 帰 価 格 1,000,000,000 (m)-(n) (p) 復 帰 価 格 の 現 在 価 値 (q) 割 引 率 収 益 価 格 を 重 視 し 比 準 価 格 を 参 考 のうえ 査 定 DCF 法 による 収 益 価 格 [ (l)+ (p )] 1,200,000, ,0 0 0,0 0 0 円 1,000,000,000 ⅱ ⅳ 627,412,371 (o) 8 期 目 の 複 利 現 価 率 6.0% 類 似 不 動 産 の 取 引 に 係 る 割 引 率 等 より 査 定 86

90 図 表 24の 試 算 における 前 提 条 件 と DCF 法 の 試 算 過 程 における 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 の 反 映 方 法 ( 試 算 上 の 前 提 となる 借 地 条 件 ) 借 地 上 の 建 物 は S 造 3 階 建 て 延 べ 面 積 10,000 m2 商 業 施 設 価 格 時 点 における 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 8 年 建 物 賃 貸 収 益 獲 得 に 係 る 残 存 期 間 7 年 ( 建 物 取 壊 に 要 する 期 間 1 年 ) 敷 地 利 用 権 は 建 物 取 壊 し 更 地 返 還 型 の 事 業 用 定 期 借 地 権 ( 借 地 期 間 20 年 ) 前 払 地 代 なし 地 主 への 差 入 敷 金 保 証 金 あり 借 地 期 間 満 了 まで 保 有 し 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 の 途 中 で 転 売 しない 想 定 注 : 図 表 24における 赤 字 の ⅰからⅳ は 試 算 シートにおける 下 記 ⅰからⅳの 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 の 反 映 箇 所 を 示 す ⅰ 有 期 性 借 地 期 間 満 了 時 に 借 地 権 者 から 返 還 されることを 想 定 しているため DCF 法 による 分 析 期 間 を 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 (8 年 )としている ⅱ 借 地 期 間 満 了 時 の 建 物 等 の 取 扱 い 借 地 期 間 満 了 時 に 借 地 権 者 から 更 地 返 還 されることを 想 定 しているため 借 地 期 間 満 了 時 である 8 期 目 末 における 更 地 価 格 を 査 定 し 当 該 更 地 価 格 の 現 在 価 値 を 収 益 期 間 中 の 純 収 益 の 現 在 価 値 合 計 額 に 加 算 することにより DCF 法 による 収 益 価 格 を 試 算 して いる ⅲ 建 物 の 建 築 取 壊 しにより 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 が 期 待 できない 期 間 等 建 物 の 建 築 取 壊 期 間 中 においても 地 代 は 受 領 できるため 当 該 項 目 については 特 段 考 慮 していない ⅳ 市 場 性 収 益 期 間 中 における 純 収 益 の 変 動 予 測 とその 不 確 実 性 及 び 借 地 期 間 満 了 時 までの 地 価 変 動 リスク 等 を 総 合 的 に 勘 案 の 上 割 引 率 を 査 定 している 87

91 図 表 25: 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 の 有 期 還 元 法 (インウッド 式 )の 試 算 シート( 例 ) A. 運 営 収 益 項 目 金 額 査 定 根 拠 1 地 代 60,000,000 円 年 額 実 際 支 払 地 代 を 計 上 2 その 他 収 入 3 貸 倒 れ 損 失 4 合 計 0 円 0 円 保 証 金 により 担 保 されているため 計 上 しない 60,000,000 円 B. 運 営 費 用 項 目 金 額 査 定 根 拠 1 プロパティマネジメントフィー 2 公 租 公 課 ( 土 地 ) 3 その 他 費 用 4 合 計 600,000 円 運 営 収 益 の1.0%と 査 定 10,000,000 円 平 成 24 年 度 の 実 額 を 計 上 0 円 10,600,000 円 C. 運 営 純 収 益 項 目 金 額 査 定 根 拠 1 運 営 収 益 2 運 営 費 用 3 運 営 純 収 益 ( 参 考 ) OER( 運 営 費 用 / 運 営 収 益 ) 60,000,000 円 上 記 Aより 10,600,000 円 上 記 Bより 49,400,000 円 % D. 純 収 益 項 目 金 額 査 定 根 拠 1 運 営 純 収 益 2 保 証 金 運 用 益 3 純 収 益 (a) 保 証 金 残 高 (b) 未 経 過 前 払 地 代 (c) 一 時 金 の 運 用 益 49,400,000 円 上 記 Cより 50,000,000 円 0 円 1,000,000 円 50,400,000 円 1+2(c) 金 融 資 産 の 長 期 的 な 運 用 利 回 り 等 に 基 づき 一 時 金 の 運 用 利 回 りを2.0%と 査 定 E.インウッド 式 による 収 益 価 格 1 純 収 益 2 割 引 率 項 目 記 号 金 額 査 定 根 拠 a r 3 収 益 期 間 N 8 年 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 4 N 年 後 の 土 地 価 格 土 地 の 比 準 価 格 ⅳ ⅰ ⅱ Pln - 50,400,000 円 上 記 Dより 1,000,000,000 円 収 益 価 格 を 重 視 し 比 準 価 格 を 参 考 のうえ 査 定 1,200,000,000 円 6.0% 類 似 不 動 産 の 取 引 に 係 る 割 引 率 等 より 査 定 土 地 の 収 益 価 格 - 1,000,000,000 円 5 売 却 費 用 ( 仲 介 手 数 料 等 ) E 0 円 N 年 後 の 土 地 価 格 の.0% 相 当 額 と 査 定 ( 1+r) N -1 P ln-e 6 インウッド 式 による 収 益 価 格 940,000,000 円 a + r(1+r) N ( 1+r) N ( 上 位 3 桁 未 満 四 捨 五 入 ) 88

92 図 表 25の 試 算 における 前 提 条 件 と 有 期 還 元 法 (インウッド 式 )の 試 算 過 程 における 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 の 反 映 方 法 ( 試 算 上 の 前 提 となる 借 地 条 件 ) 借 地 上 の 建 物 は S 造 3 階 建 て 延 べ 面 積 10,000 m2 商 業 施 設 価 格 時 点 における 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 8 年 建 物 賃 貸 収 益 獲 得 に 係 る 残 存 期 間 7 年 ( 建 物 取 壊 に 要 する 期 間 1 年 ) 敷 地 利 用 権 は 建 物 取 壊 し 更 地 返 還 型 の 事 業 用 定 期 借 地 権 ( 借 地 期 間 20 年 ) 前 払 地 代 なし 地 主 への 差 入 敷 金 保 証 金 あり 借 地 期 間 満 了 まで 保 有 し 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 の 途 中 で 転 売 しない 想 定 注 : 図 表 25における 赤 字 の ⅰからⅳ は 試 算 シートにおける 下 記 ⅰからⅳの 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 の 反 映 箇 所 を 示 す ⅰ 有 期 性 借 地 期 間 満 了 時 に 借 地 権 者 から 返 還 されることを 想 定 しているため 有 期 還 元 法 にお ける 収 益 期 間 を 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 (8 年 )としている ⅱ 借 地 期 間 満 了 時 の 建 物 等 の 取 扱 い 借 地 期 間 満 了 時 に 借 地 権 者 から 更 地 返 還 されることを 想 定 しているため 借 地 期 間 満 了 時 である 8 期 目 末 における 更 地 価 格 を 査 定 し 当 該 更 地 価 格 の 現 在 価 値 を 収 益 期 間 中 の 純 収 益 の 現 在 価 値 合 計 額 に 加 算 することにより 有 期 還 元 法 (インウッド 式 )による 収 益 価 格 を 試 算 している ⅲ 建 物 の 建 築 取 壊 しにより 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 が 期 待 できない 期 間 等 建 物 の 建 築 取 壊 期 間 中 においても 地 代 は 受 領 できるため 当 該 項 目 については 特 段 考 慮 していない ⅳ 市 場 性 収 益 期 間 中 における 純 収 益 の 変 動 予 測 とその 不 確 実 性 及 び 借 地 期 間 満 了 時 までの 地 価 変 動 リスク 等 を 総 合 的 に 勘 案 の 上 割 引 率 を 査 定 している 89

93 取 引 事 例 比 較 法 底 地 の 評 価 における 取 引 事 例 比 較 法 の 適 用 に 当 たっては 所 有 権 に 係 る 取 引 事 例 比 較 法 において 留 意 すべき 事 項 に 加 え 取 引 事 例 に 係 る 契 約 内 容 について 把 握 し 適 切 な 補 正 を 行 う 必 要 がある 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 の 価 格 は 定 期 借 地 期 間 における 純 地 代 収 入 の 現 価 の 総 和 と 復 帰 する 不 動 産 ( 建 物 が 付 着 したまま 復 帰 する 場 合 もある )の 現 在 価 値 によっ て 構 成 されるが 契 約 内 容 が 判 明 すれば 各 種 要 因 の 比 準 も 可 能 な 場 合 もあると 考 え られる しかしながら 借 地 関 係 は 属 人 的 要 素 も 強 く 公 表 される 情 報 も 限 られるた め 契 約 内 容 の 確 定 には 困 難 が 伴 うことが 多 いと 推 測 される 90

94 第 7 章 定 期 借 地 権 に 係 る 新 規 地 代 を 求 める 評 価 手 法 等 の 検 討 7-1. 現 行 基 準 における 新 規 地 代 を 求 める 鑑 定 評 価 手 法 本 章 においては 定 期 借 地 権 が 設 定 されている 場 合 の 地 代 の 評 価 方 法 について 検 討 す る 現 行 基 準 においては 宅 地 の 新 規 賃 料 の 評 価 手 法 について 規 定 されているが 定 期 借 地 権 が 有 期 の 借 地 権 であること 地 代 水 準 が 旧 法 借 地 権 における 地 代 水 準 とは 異 なる 水 準 にある 可 能 性 が 高 いこと 等 を 踏 まえ 類 型 に 即 して 適 切 な 手 法 の 適 用 を 行 うことが 必 要 である 2 定 期 借 地 権 付 建 物 評 価 類 型 の 種 類 1 定 期 借 地 権 2 定 期 借 地 権 付 建 物 3 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 4 新 規 地 代 5 継 続 地 代 1 定 期 借 地 権 3 定 期 借 地 権 が 付 着 する 底 地 地 代 4 新 規 地 代 5 継 続 地 代 各 論 第 2 章 第 1 節 宅 地 Ⅰ 新 規 賃 料 を 求 める 場 合 宅 地 の 正 常 賃 料 を 求 める 場 合 の 鑑 定 評 価 に 当 たっては 賃 貸 借 等 の 契 約 内 容 によ る 使 用 方 法 に 基 づく 宅 地 の 経 済 価 値 に 即 応 する 適 正 な 賃 料 を 求 めるものとする 宅 地 の 正 常 賃 料 の 鑑 定 評 価 額 は 積 算 賃 料 比 準 賃 料 及 び 配 分 法 に 準 ずる 方 法 に 基 づく 比 準 賃 料 を 関 連 づけて 決 定 するものとする この 場 合 において 純 収 益 を 適 切 に 求 めることができるときは 収 益 賃 料 を 比 較 考 量 して 決 定 するものとする 宅 地 の 限 定 賃 料 の 鑑 定 評 価 額 は 隣 接 宅 地 の 併 合 使 用 又 は 宅 地 の 一 部 の 分 割 使 用 をする 当 該 宅 地 の 限 定 価 格 を 基 礎 価 格 として 求 めた 積 算 賃 料 及 び 隣 接 宅 地 の 併 合 使 用 又 は 宅 地 の 一 部 の 分 割 使 用 を 前 提 とする 賃 貸 借 等 の 事 例 に 基 づく 比 準 賃 料 を 関 連 づけて 決 定 するものとする この 場 合 においては 次 に 掲 げる 事 項 を 総 合 的 に 勘 案 するものとする 1. 隣 接 宅 地 の 権 利 の 態 様 2. 当 該 事 例 に 係 る 賃 貸 借 等 の 契 約 の 内 容 91

95 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 運 用 上 の 留 意 事 項 Ⅷ 各 論 第 2 章 賃 料 に 関 する 鑑 定 評 価 について 1. 宅 地 について 宅 地 の 新 規 賃 料 を 求 める 場 合 において 留 意 すべき 事 項 は 次 のとおりである (1) 積 算 賃 料 を 求 めるに 当 たっての 基 礎 価 格 は 賃 貸 借 等 の 契 約 において 貸 主 側 の 事 情 によって 使 用 方 法 が 制 約 されている 場 合 等 で 最 有 効 使 用 の 状 態 を 確 保 で きない 場 合 には 最 有 効 使 用 が 制 約 されている 程 度 に 応 じた 経 済 価 値 の 減 分 を 考 慮 して 求 めるものとする また 期 待 利 回 りの 判 定 に 当 たっては 地 価 水 準 の 変 動 に 対 する 賃 料 の 遅 行 性 及 び 地 価 との 相 関 関 係 の 程 度 を 考 慮 する 必 要 がある (2) 比 準 賃 料 は 価 格 時 点 に 近 い 時 点 に 新 規 に 締 結 された 賃 貸 借 等 の 事 例 から 比 準 する 必 要 があり 立 地 条 件 その 他 の 賃 料 の 価 格 形 成 要 因 が 類 似 するものでなけれ ばならない (3) 配 分 法 に 準 ずる 方 法 に 基 づく 比 準 賃 料 は 宅 地 を 含 む 複 合 不 動 産 の 賃 貸 借 等 の 契 約 内 容 が 類 似 している 賃 貸 借 等 の 事 例 に 係 る 実 際 実 質 賃 料 から 宅 地 以 外 の 部 分 に 対 応 する 実 際 実 質 賃 料 相 当 額 を 控 除 する 等 により 求 めた 比 準 賃 料 をいうも のであるが 宅 地 の 正 常 賃 料 を 求 める 場 合 における 事 例 資 料 の 選 択 に 当 たって は 賃 貸 借 等 の 契 約 内 容 の 類 似 性 及 び 敷 地 の 最 有 効 使 用 の 程 度 に 留 意 すべきであ る 総 論 第 7 章 第 2 節 賃 料 を 求 める 鑑 定 評 価 の 手 法 Ⅱ 新 規 賃 料 を 求 める 鑑 定 評 価 の 手 法 1. 積 算 法 (1) 意 義 積 算 法 は 対 象 不 動 産 について 価 格 時 点 における 基 礎 価 格 を 求 め これに 期 待 利 回 りを 乗 じて 得 た 額 に 必 要 諸 経 費 等 を 加 算 して 対 象 不 動 産 の 試 算 賃 料 を 求 める 手 法 である(この 手 法 による 試 算 賃 料 を 積 算 賃 料 という ) 積 算 法 は 対 象 不 動 産 の 基 礎 価 格 期 待 利 回 り 及 び 必 要 諸 経 費 等 の 把 握 を 的 確 に 行 い 得 る 場 合 に 有 効 である (2) 適 用 方 法 1 基 礎 価 格 基 礎 価 格 とは 積 算 賃 料 を 求 めるための 基 礎 となる 価 格 をいい 原 価 法 及 び 取 引 事 例 比 較 法 により 求 めるものとする 2 期 待 利 回 り 期 待 利 回 りとは 賃 貸 借 等 に 供 する 不 動 産 を 取 得 するために 要 した 資 本 に 相 92

96 当 する 額 に 対 して 期 待 される 純 収 益 のその 資 本 相 当 額 に 対 する 割 合 をいう 期 待 利 回 りを 求 める 方 法 については 収 益 還 元 法 における 還 元 利 回 りを 求 め る 方 法 に 準 ずるものとする この 場 合 において 賃 料 の 有 する 特 性 に 留 意 すべ きである 3 必 要 諸 経 費 等 不 動 産 の 賃 貸 借 等 に 当 たってその 賃 料 に 含 まれる 必 要 諸 経 費 等 としては 次 のものがあげられる ア 減 価 償 却 費 イ 維 持 管 理 費 ( 維 持 費 管 理 費 修 繕 費 等 ) ウ 公 租 公 課 ( 固 定 資 産 税 都 市 計 画 税 等 ) エ 損 害 保 険 料 ( 火 災 機 械 ボイラー 等 の 各 種 保 険 ) オ 貸 倒 れ 準 備 費 カ 空 室 等 による 損 失 相 当 額 2. 賃 貸 事 例 比 較 法 (1) 意 義 賃 貸 事 例 比 較 法 は まず 多 数 の 新 規 の 賃 貸 借 等 の 事 例 を 収 集 して 適 切 な 事 例 の 選 択 を 行 い これらに 係 る 実 際 実 質 賃 料 ( 実 際 に 支 払 われている 不 動 産 に 係 るす べての 経 済 的 対 価 をいう )に 必 要 に 応 じて 事 情 補 正 及 び 時 点 修 正 を 行 い かつ 地 域 要 因 の 比 較 及 び 個 別 的 要 因 の 比 較 を 行 って 求 められた 賃 料 を 比 較 考 量 し こ れによって 対 象 不 動 産 の 試 算 賃 料 を 求 める 手 法 である(この 手 法 による 試 算 賃 料 を 比 準 賃 料 という ) 賃 貸 事 例 比 較 法 は 近 隣 地 域 又 は 同 一 需 給 圏 内 の 類 似 地 域 等 において 対 象 不 動 産 と 類 似 の 不 動 産 の 賃 貸 借 等 が 行 われている 場 合 又 は 同 一 需 給 圏 内 の 代 替 競 争 不 動 産 の 賃 貸 借 等 が 行 われている 場 合 に 有 効 である (2) 適 用 方 法 1 事 例 の 収 集 及 び 選 択 賃 貸 借 等 の 事 例 の 収 集 及 び 選 択 については 取 引 事 例 比 較 法 における 事 例 の 収 集 及 び 選 択 に 準 ずるものとする この 場 合 において 賃 貸 借 等 の 契 約 の 内 容 について 類 似 性 を 有 するものを 選 択 すべきことに 留 意 しなければならない 2 事 情 補 正 及 び 時 点 修 正 並 びに 地 域 要 因 の 比 較 及 び 個 別 的 要 因 の 比 較 事 情 補 正 及 び 時 点 修 正 並 びに 地 域 要 因 の 比 較 及 び 個 別 的 要 因 の 比 較 につい ては 取 引 事 例 比 較 法 の 場 合 に 準 ずるものとする 3. 収 益 分 析 法 (1) 意 義 93

97 収 益 分 析 法 は 一 般 の 企 業 経 営 に 基 づく 総 収 益 を 分 析 して 対 象 不 動 産 が 一 定 期 間 に 生 み 出 すであろうと 期 待 される 純 収 益 ( 減 価 償 却 後 のものとし これを 収 益 純 賃 料 という )を 求 め これに 必 要 諸 経 費 等 を 加 算 して 対 象 不 動 産 の 試 算 賃 料 を 求 める 手 法 である(この 手 法 による 試 算 賃 料 を 収 益 賃 料 という ) 収 益 分 析 法 は 企 業 の 用 に 供 されている 不 動 産 に 帰 属 する 純 収 益 を 適 切 に 求 め 得 る 場 合 に 有 効 である (2) 適 用 方 法 1 収 益 純 賃 料 の 算 定 収 益 純 賃 料 の 算 定 については 収 益 還 元 法 における 純 収 益 の 算 定 に 準 ずるも のとする この 場 合 において 賃 料 の 有 する 特 性 に 留 意 しなければならない 2 収 益 賃 料 を 求 める 手 法 収 益 賃 料 は 収 益 純 賃 料 の 額 に 賃 貸 借 等 に 当 たって 賃 料 に 含 まれる 必 要 諸 経 費 等 を 加 算 することによって 求 めるものとする なお 一 般 企 業 経 営 に 基 づく 総 収 益 を 分 析 して 収 益 純 賃 料 及 び 必 要 諸 経 費 等 を 含 む 賃 料 相 当 額 を 収 益 賃 料 として 直 接 求 めることができる 場 合 もある 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 運 用 上 の 留 意 事 項 Ⅴ 総 論 第 7 章 鑑 定 評 価 の 方 式 について 2. 賃 料 を 求 める 鑑 定 評 価 の 手 法 について (1) 積 算 法 について 基 礎 価 格 を 求 めるに 当 たっては 次 に 掲 げる 事 項 に 留 意 する 必 要 がある 1 宅 地 の 賃 料 (いわゆる 地 代 )を 求 める 場 合 ア 最 有 効 使 用 が 可 能 な 場 合 は 更 地 の 経 済 価 値 に 即 応 した 価 格 である イ 建 物 の 所 有 を 目 的 とする 賃 貸 借 等 の 場 合 で 契 約 により 敷 地 の 最 有 効 使 用 が 見 込 めないときは 当 該 契 約 条 件 を 前 提 とする 建 付 地 としての 経 済 価 値 に 即 応 した 価 格 である 2 建 物 及 びその 敷 地 の 賃 料 (いわゆる 家 賃 )を 求 める 場 合 建 物 及 びその 敷 地 の 現 状 に 基 づく 利 用 を 前 提 として 成 り 立 つ 当 該 建 物 及 びそ の 敷 地 の 経 済 価 値 に 即 応 した 価 格 である (2) 賃 貸 事 例 比 較 法 について 1 事 例 の 選 択 について ア 賃 貸 借 等 の 事 例 の 選 択 に 当 たっては 新 規 賃 料 継 続 賃 料 の 別 又 は 建 物 の 用 途 の 別 により 賃 料 水 準 が 異 なるのが 一 般 的 であることに 留 意 して できる 限 り 対 象 不 動 産 に 類 似 した 事 例 を 選 択 すべきである イ 契 約 内 容 の 類 似 性 を 判 断 する 際 の 留 意 事 項 を 例 示 すれば 次 のとおりであ 94

98 る (ア) 賃 貸 形 式 (イ) 賃 貸 面 積 (ウ) 契 約 期 間 並 びに 経 過 期 間 及 び 残 存 期 間 (エ) 一 時 金 の 授 受 に 基 づく 賃 料 内 容 (オ) 賃 料 の 算 定 の 期 間 及 びその 支 払 方 法 (カ) 修 理 及 び 現 状 変 更 に 関 する 事 項 (キ) 賃 貸 借 等 に 供 される 範 囲 及 びその 使 用 方 法 2 地 域 要 因 の 比 較 及 び 個 別 的 要 因 の 比 較 について 賃 料 を 求 める 場 合 の 地 域 要 因 の 比 較 に 当 たっては 賃 料 固 有 の 価 格 形 成 要 因 が 存 すること 等 により 価 格 を 求 める 場 合 の 地 域 と 賃 料 を 求 める 場 合 の 地 域 とでは それぞれの 地 域 の 範 囲 及 び 地 域 の 格 差 を 異 にすることに 留 意 することが 必 要 であ る 賃 料 を 求 める 場 合 の 個 別 的 要 因 の 比 較 に 当 たっては 契 約 内 容 土 地 及 び 建 物 に 関 する 個 別 的 要 因 等 に 留 意 することが 必 要 である 7-2. 定 期 借 地 権 の 新 規 地 代 の 評 価 における 一 般 的 留 意 事 項 新 規 地 代 の 定 義 本 報 告 書 において 定 期 借 地 権 に 係 る 新 規 地 代 とは 定 期 借 地 権 の 新 規 設 定 に 係 る 地 代 と 位 置 づけることとする なお 借 地 人 の 変 更 時 に 設 定 される 地 代 は 新 規 地 代 と 混 同 されることも 多 いが 従 前 契 約 内 容 を 部 分 的 に 引 き 継 いでいる 34 ものであるため ここでは 継 続 地 代 として 位 置 づけている 35 総 論 第 5 章 第 3 節 鑑 定 評 価 によって 求 める 価 格 又 は 賃 料 の 種 類 の 確 定 Ⅱ 賃 料 1. 正 常 賃 料 正 常 賃 料 とは 正 常 価 格 と 同 一 の 市 場 概 念 の 下 において 新 たな 賃 貸 借 等 ( 賃 借 権 若 しくは 地 上 権 又 は 地 役 権 に 基 づき 不 動 産 を 使 用 し 又 は 収 益 することをい う )の 契 約 において 成 立 するであろう 経 済 価 値 を 表 示 する 適 正 な 賃 料 ( 新 規 賃 料 ) をいう 34 脚 注 1 参 照 35 この 場 合 の 評 価 は 契 約 上 の 条 件 又 は 使 用 目 的 が 変 更 されることに 伴 い 賃 料 を 改 定 する 場 合 に 準 ずる ものとして 取 り 扱 うことが 考 えられる 95

99 2. 限 定 賃 料 ~ 省 略 ~ 3. 継 続 賃 料 継 続 賃 料 とは 不 動 産 の 賃 貸 借 等 の 継 続 に 係 る 特 定 の 当 事 者 間 において 成 立 す るであろう 経 済 価 値 を 適 正 に 表 示 する 賃 料 をいう 図 表 26: 新 規 地 代 の 価 格 時 点 と 定 期 借 地 権 の 借 地 期 間 (イメージ) 新 規 地 代 の 価 格 時 点 借 地 期 間 借 地 権 設 定 家 賃 未 収 入 期 間 建 物 竣 工 建 物 取 壊 開 始 家 賃 未 収 入 期 間 借 地 期 間 満 了 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 開 始 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 期 間 借 地 人 地 代 発 生 有 期 性 定 期 借 地 権 の 設 定 時 における 新 規 地 代 は 借 地 期 間 が 有 期 であるため 借 地 人 にと っては 当 該 借 地 期 間 における 事 業 採 算 性 を 考 慮 したものであることが 一 般 的 である また 地 主 にとっても 一 定 期 間 経 過 後 に 返 還 を 受 けることが 確 実 な 借 地 権 であるた め 普 通 借 地 権 と 比 較 して 土 地 の 賃 貸 に 伴 って 期 待 する 純 収 益 の 捉 え 方 が 異 なること も 考 えられる このため 定 期 借 地 権 に 係 る 新 規 地 代 を 求 めるに 当 たっては 借 地 期 間 が 有 期 であることによる 影 響 を 十 分 に 考 慮 する 必 要 がある 借 地 期 間 満 了 時 の 建 物 等 の 取 扱 い 定 期 借 地 権 において 借 地 期 間 が 満 了 する 場 合 更 地 としての 返 還 が 原 則 となるが 契 約 内 容 に 応 じて 地 主 に 対 し 建 物 が 無 償 譲 渡 されることや 建 物 譲 渡 特 約 がある 場 合 には 地 主 から 建 物 の 相 当 の 対 価 を 受 け 取 ることで 借 地 が 終 了 する 場 合 も 考 えられる 96

100 この 場 合 法 24 条 の 建 物 譲 渡 特 約 付 借 地 権 に 係 る 建 物 の 対 価 についての 明 確 な 取 り 決 めがない 場 合 には 借 地 借 家 法 の 原 則 的 な 考 え 方 に 基 づき 建 物 の 相 当 の 対 価 を 把 握 しなければならないことも 想 定 される したがって これらに 関 する 特 約 の 有 無 及 び その 内 容 を 確 認 し 地 代 を 評 価 する 際 に 必 要 な 収 益 及 び 費 用 を 見 込 む 必 要 がある 建 物 の 建 築 取 壊 し 等 により 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 が 期 待 で きない 期 間 等 定 期 借 地 権 という 有 期 の 借 地 権 の 場 合 建 物 の 建 築 時 や 将 来 の 建 物 の 取 壊 し 等 によ り 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 が 期 待 できない 期 間 が 存 在 することは 借 地 人 にお ける 事 業 採 算 性 に 大 きな 影 響 を 与 えるため 新 規 地 代 の 額 に 大 きく 影 響 することがあ る また 建 物 の 賃 貸 を 想 定 した 場 合 における 家 賃 水 準 は 賃 貸 借 期 間 が 限 定 される 場 合 ( 定 期 借 家 契 約 )には 限 定 されていない 場 合 ( 普 通 借 家 契 約 )と 比 較 して 低 位 になることも 予 想 される さらに 複 合 不 動 産 としての 使 用 収 益 が 期 待 できない 期 間 に ついても 土 地 を 使 用 している 事 実 は 変 わらないため 地 代 の 支 払 いが 行 われるのが 通 常 である そのため 定 期 借 地 権 に 係 る 新 規 地 代 は 定 期 借 地 権 の 新 規 設 定 に 係 る 地 代 であるこ とから 借 地 上 の 建 物 の 使 用 収 益 ができない 期 間 等 の 影 響 を 考 慮 する 必 要 がある 前 払 地 代 の 取 扱 い 前 払 地 代 は 契 約 上 その 性 格 が 前 払 地 代 であることが 明 示 されるもののことをい い 中 途 解 約 時 における 未 経 過 前 払 分 は 地 主 から 返 還 されるのが 通 常 である 借 地 人 にとって 将 来 における 地 代 を 含 めて 前 払 いすることはキャッシュフロー 上 支 出 の 前 倒 しとなるため 経 済 合 理 性 に 照 らせば 不 利 となり 地 主 にとってはキャッシュフロー 上 将 来 における 地 代 という 収 入 を 前 受 けできるため 有 利 になる 実 際 の 地 代 はこれ らの 要 素 を 考 慮 して 決 定 されるが 前 払 分 と 残 額 月 払 分 は 契 約 で 任 意 に 設 定 するこ とが 可 能 である したがって 新 規 設 定 時 において 地 代 を 前 払 いすることが 契 約 上 明 確 な 場 合 には 当 該 契 約 条 件 に 基 づき 評 価 を 行 うことが 必 要 である 7-3. 定 期 借 地 権 に 係 る 新 規 地 代 を 求 める 評 価 手 法 における 論 点 定 期 借 地 権 に 係 る 新 規 地 代 を 求 める 評 価 手 法 は 普 通 借 地 権 に 係 る 新 規 地 代 の 求 め 方 と 基 本 的 には 同 様 である ただし 賃 貸 事 例 比 較 法 における 定 期 借 地 権 に 係 る 新 規 地 代 は 借 地 に 係 る 契 約 上 の 残 存 期 間 や 借 地 期 間 満 了 時 における 建 物 の 取 扱 い 等 の 賃 貸 事 例 に 係 る 借 地 権 設 定 契 約 97

101 における 特 約 の 有 無 やその 内 容 について 不 明 な 場 合 も 多 い また 収 益 分 析 法 を 適 用 す る 場 合 借 地 上 に 想 定 される 建 物 は 多 様 であり 想 定 する 建 物 の 用 途 や 規 模 等 に 応 じて 把 握 する 総 収 益 ( 売 上 高 等 )も 異 なるため 標 準 的 な 建 物 を 設 定 することが 難 しく ま た 想 定 する 売 上 高 等 の 査 定 により 負 担 可 能 地 代 が 大 きく 左 右 され 試 算 賃 料 の 結 果 も 大 きく 差 異 が 生 じることも 否 定 できない 積 算 法 は 基 礎 価 格 に 期 待 利 回 りを 乗 じて 得 た 額 に 必 要 諸 経 費 を 加 算 して 新 規 地 代 を 求 める 手 法 であり 主 として 貸 主 の 視 点 からアプローチした 手 法 であるが 右 肩 上 がり の 経 済 成 長 が 期 待 しにくい 成 熟 した 経 済 社 会 では 借 主 ( 借 地 人 )が 一 定 の 価 格 決 定 権 を 有 することも 少 なくないため 新 規 地 代 の 評 価 においても 借 主 ( 借 地 人 )からの 視 点 に も 配 慮 する 必 要 がある 以 上 のように 定 期 借 地 権 に 係 る 新 規 地 代 を 求 める 現 行 の 手 法 には 一 長 一 短 がある 一 方 賃 貸 事 業 用 建 物 の 敷 地 利 用 権 として 定 期 借 地 権 を 活 用 する 場 合 には 新 規 地 代 を 求 める 手 法 の 一 つとして 当 該 賃 貸 事 業 用 建 物 の 新 規 家 賃 をもとに 新 規 地 代 にアプロー チする 手 法 も 実 務 で 用 いられており このような 手 法 も 有 用 であると 考 えられる このため 本 報 告 書 では これまでの 各 手 法 における 定 期 借 地 権 の 新 規 地 代 の 評 価 に おいて 特 に 留 意 すべき 事 項 を 掲 げるとともに 現 行 の 基 準 では 規 定 されていない 新 規 家 賃 から 新 規 地 代 を 求 める 手 法 についても 賃 貸 事 業 分 析 法 ( 仮 称 ) として 検 討 してい る 積 算 法 積 算 法 は 対 象 不 動 産 について 価 格 時 点 における 基 礎 価 格 を 求 め これに 期 待 利 回 りを 乗 じて 得 た 額 に 必 要 諸 経 費 等 を 加 算 して 対 象 不 動 産 の 試 算 賃 料 を 求 める 手 法 である 積 算 法 は 対 象 不 動 産 の 基 礎 価 格 期 待 利 回 り 及 び 必 要 諸 経 費 等 の 把 握 を 的 確 に 行 うことができる 場 合 に 有 効 である (1) 基 礎 価 格 基 礎 価 格 とは 積 算 賃 料 を 求 めるための 基 礎 となる 価 格 をいうが 定 期 借 地 権 の 新 規 地 代 を 求 める 場 合 の 基 礎 価 格 は 通 常 の 場 合 権 利 金 等 の 授 受 がなく 将 来 返 還 されることが 約 定 されていることから 更 地 価 格 又 は 建 付 地 価 格 となるものと 考 えられる (2) 期 待 利 回 り 期 待 利 回 りは 借 地 期 間 の 長 短 により 差 異 があると 考 えられる 少 なくとも 借 地 人 からの 視 点 では 建 物 等 の 投 資 回 収 期 間 が 短 い 場 合 には 負 担 可 能 地 代 が 低 位 になるか らである また 賃 貸 用 の 駐 車 場 としての 期 待 利 回 り 等 も 参 考 になることがある 期 待 利 回 りについては 定 期 借 地 権 の 設 定 事 例 等 を 分 析 し 定 期 借 地 権 の 設 定 当 98

102 時 の 利 回 りに 補 修 正 を 加 えて 求 める 比 準 利 回 りが 有 用 と 考 えられる 比 準 利 回 りを 求 めるに 当 たっては そもそも 支 払 地 代 は 各 種 一 時 金 の 収 受 を 踏 まえて 形 成 される 可 能 性 が 高 いため 契 約 の 詳 細 を 確 認 するとともに これらの 一 時 金 について 運 用 益 償 却 額 等 を 考 慮 して 適 切 に 求 める 必 要 がある なお 比 準 利 回 りは 評 価 上 支 払 地 代 に 対 する 利 回 りとして 把 握 することが 多 いと 考 えられるが 流 通 市 場 では 土 地 の 公 租 公 課 を 含 んだ 利 回 りとして 捉 えるこ とが 一 般 的 でありその 査 定 において 土 地 の 公 租 公 課 を 二 重 に 考 慮 することがない ように 留 意 する 必 要 がある (3) 必 要 諸 経 費 等 必 要 諸 経 費 等 については 旧 法 借 地 権 や 普 通 借 地 権 と 差 異 がほとんどなく 概 ね 土 地 の 公 租 公 課 に 限 定 されると 考 えられる 賃 貸 事 例 比 較 法 (1) 事 例 の 選 択 賃 貸 借 等 の 事 例 の 収 集 及 び 選 択 については 取 引 事 例 比 較 法 における 事 例 の 収 集 及 び 選 択 に 準 ずるものとされている この 場 合 において 一 般 の 借 地 権 と 同 様 に 定 期 借 地 権 に 係 る 地 代 を 評 価 する 場 合 も 借 地 上 の 建 物 の 用 途 借 地 期 間 借 地 期 間 満 了 時 における 建 物 の 取 扱 い 等 賃 貸 借 等 の 契 約 の 内 容 や 特 約 について 類 似 性 を 有 するものを 選 択 すべきことに 留 意 する 必 要 がある 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 運 用 上 の 留 意 事 項 Ⅴ 総 論 第 7 章 鑑 定 評 価 の 方 式 について 2. 賃 料 を 求 める 鑑 定 評 価 の 手 法 について (2) 賃 貸 事 例 比 較 法 について 1 事 例 の 選 択 について ア 賃 貸 借 等 の 事 例 の 選 択 に 当 たっては 新 規 賃 料 継 続 賃 料 の 別 又 は 建 物 の 用 途 の 別 により 賃 料 水 準 が 異 なるのが 一 般 的 であることに 留 意 して で きる 限 り 対 象 不 動 産 に 類 似 した 事 例 を 選 択 すべきである イ 契 約 内 容 の 類 似 性 を 判 断 する 際 の 留 意 事 項 を 例 示 すれば 次 のとおりで ある (ア) 賃 貸 形 式 (イ) 賃 貸 面 積 (ウ) 契 約 期 間 並 びに 経 過 期 間 及 び 残 存 期 間 (エ) 一 時 金 の 授 受 に 基 づく 賃 料 内 容 (オ) 賃 料 の 算 定 の 期 間 及 びその 支 払 方 法 99

103 (カ) 修 理 及 び 現 状 変 更 に 関 する 事 項 (キ) 賃 貸 借 等 に 供 される 範 囲 及 びその 使 用 方 法 (2) 配 分 法 に 準 ずる 方 法 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 運 用 上 の 留 意 事 項 Ⅶ 各 論 第 2 章 賃 料 に 関 する 鑑 定 評 価 について 1. 宅 地 について (3) 配 分 法 に 準 ずる 方 法 に 基 づく 比 準 賃 料 は 宅 地 を 含 む 複 合 不 動 産 の 賃 貸 借 等 の 契 約 内 容 が 類 似 している 賃 貸 借 等 の 事 例 に 係 る 実 際 実 質 賃 料 から 宅 地 以 外 の 部 分 に 対 応 する 実 際 実 質 賃 料 相 当 額 を 控 除 する 等 により 求 めた 比 準 賃 料 をいうも のであるが 宅 地 の 正 常 賃 料 を 求 める 場 合 における 事 例 資 料 の 選 択 に 当 たって は 賃 貸 借 等 の 契 約 内 容 の 類 似 性 及 び 敷 地 の 最 有 効 使 用 の 程 度 に 留 意 すべきであ る 配 分 法 に 準 ずる 方 法 とは 建 物 とその 敷 地 からなる 複 合 不 動 産 において 新 規 家 賃 に 係 る 賃 貸 事 例 から 新 規 地 代 に 係 る 賃 貸 事 例 を 求 める 方 法 である 具 体 には 新 規 家 賃 に 係 る 賃 貸 事 例 の 賃 料 から 宅 地 以 外 の 部 分 の 賃 料 が 賃 貸 条 件 等 により 判 明 しているときは その 賃 料 を 控 除 するか 又 は 当 該 賃 貸 事 例 について 建 物 とそ の 敷 地 の 部 分 の 価 格 の 割 合 が 賃 貸 条 件 等 により 判 明 しているときは 当 該 事 例 の 賃 料 に 宅 地 部 分 の 構 成 割 合 を 乗 じることによって 事 例 資 料 を 求 める 手 法 であり この 事 例 資 料 について 賃 貸 事 例 比 較 法 を 適 用 して 対 象 不 動 産 の 新 規 地 代 を 求 める ものである 本 方 法 については 前 記 (1)と 同 様 に 定 期 借 地 権 に 係 る 契 約 内 容 の 類 似 性 に 関 する 要 件 が 必 要 であるが 契 約 内 容 の 把 握 等 も 難 しく また 家 賃 の 価 格 形 成 が 地 代 の 価 格 形 成 要 因 とは 必 ずしも 一 致 しないため 要 因 比 較 に 難 しさを 伴 う 場 合 があるため 実 務 上 は 適 用 が 難 しいことが 多 い (3) 地 域 要 因 の 比 較 及 び 個 別 的 要 因 の 比 較 賃 料 を 求 める 場 合 の 地 域 要 因 の 比 較 に 当 たっては 賃 料 固 有 の 価 格 形 成 要 因 が 存 すること 等 により 価 格 を 求 める 場 合 と 比 較 して それぞれの 地 域 ( 同 一 需 給 圏 類 似 地 域 等 )の 範 囲 の 捉 え 方 や 地 域 要 因 の 比 較 方 法 を 異 にすることに 留 意 す る 必 要 がある 賃 料 を 求 める 場 合 の 個 別 的 要 因 の 比 較 に 当 たっては 価 格 を 求 める 場 合 におけ る 留 意 点 に 加 え 契 約 内 容 定 期 借 地 権 固 有 の 価 格 形 成 要 因 に 留 意 する 必 要 があ る 100

104 収 益 分 析 法 収 益 分 析 法 は 一 般 の 企 業 経 営 に 基 づく 総 収 益 を 分 析 して 対 象 不 動 産 が 一 定 期 間 に 生 み 出 すであろうと 期 待 される 純 収 益 ( 減 価 償 却 後 のものとし これを 収 益 純 賃 料 と いう )を 求 め これに 必 要 諸 経 費 等 を 加 算 して 対 象 不 動 産 の 試 算 賃 料 ( 収 益 賃 料 ) を 求 める 手 法 である 図 表 27: 収 益 分 析 法 (イメージ) 売 上 原 価 販 売 費 売 上 高 一 般 管 理 費 正 常 運 転 資 金 の 利 息 相 当 額 建 物 帰 属 純 収 益 補 修 正 土 地 建 物 帰 属 純 収 益 土 地 帰 属 純 収 益 地 代 なお 新 規 地 代 を 求 める 場 合 における 収 益 分 析 法 は 前 述 のとおり 建 物 の 想 定 及 び 当 該 建 物 から 得 られる 想 定 売 上 高 の 査 定 において 実 務 上 困 難 を 伴 うことが 多 い 101

105 賃 貸 事 業 分 析 法 ( 仮 称 ) 新 規 地 代 を 求 める 方 法 については 前 述 したとおり 賃 貸 事 例 比 較 法 や 収 益 分 析 法 は 実 務 上 適 用 することが 難 しい 場 合 があり 実 務 においては 複 合 不 動 産 としての 賃 貸 事 業 収 益 を 分 析 して 土 地 の 新 規 賃 料 ( 地 代 )を 求 めるという 方 法 ( 賃 貸 事 業 分 析 法 ( 仮 称 ))が 用 いられているケースが 見 られる この 手 法 は 対 象 不 動 産 において 建 物 を 建 築 し 当 該 建 物 について 賃 貸 事 業 を 行 う 場 合 等 において 複 合 不 動 産 において 想 定 する 新 規 家 賃 に 基 づく 賃 貸 事 業 収 益 賃 貸 事 業 費 用 等 及 び 建 物 所 有 者 ( 借 地 人 )に 帰 属 する 純 収 益 を 適 正 に 求 めることができる 場 合 に 有 効 と 考 えられる 図 表 28: 賃 貸 事 業 分 析 法 ( 仮 称 イメージ) 賃 貸 事 業 の 総 収 入 賃 貸 事 業 費 用 土 地 建 物 帰 属 純 収 益 建 物 所 有 者 ( 借 地 人 ) に 帰 属 する 補 修 正 純 収 益 土 地 所 有 者 ( ) に 帰 属 する 純 収 益 地 代 建 物 の 賃 貸 事 業 収 入 から 求 める 新 規 地 代 (1) 賃 貸 事 業 分 析 法 ( 仮 称 )と 収 益 分 析 法 及 び 配 分 法 に 準 ずる 方 法 との 関 係 賃 貸 事 業 分 析 法 ( 仮 称 )を 現 行 基 準 で 規 定 されている 新 規 賃 料 を 求 める 手 法 等 と 比 較 すると 賃 貸 事 業 分 析 法 ( 仮 称 )は 新 規 家 賃 をもとに 新 規 地 代 にアプロ ーチする 手 法 であり 収 益 分 析 法 の 考 え 方 を 不 動 産 賃 貸 事 業 に 適 用 したものとい える また 土 地 建 物 で 構 成 される 複 合 不 動 産 から 土 地 に 帰 属 する 部 分 を 抽 出 す るという 考 え 方 については 賃 貸 事 例 比 較 法 の 事 例 地 代 を 求 める 手 法 である 配 分 法 に 準 ずる 方 法 に 近 いともいえる しかしながら 賃 貸 事 業 分 析 法 ( 仮 称 )が 宅 地 の 新 規 賃 料 を 求 める 鑑 定 評 価 手 法 であるのに 対 し 収 益 分 析 法 は 前 述 のとおり 複 合 不 動 産 を 前 提 とした 新 規 地 代 と 新 規 家 賃 のいずれを 求 める 場 合 にも 適 用 される 手 法 であること また 配 分 法 に 準 ず る 手 法 はあくまでも 地 代 の 事 例 を 求 めるものであるため 鑑 定 評 価 手 法 ではなく 賃 貸 事 例 比 較 法 の 試 算 過 程 の 一 部 であることにそれぞれ 違 いがある さらに 物 流 施 設 ホテル 介 護 施 設 等 の 事 業 用 不 動 産 においては 想 定 建 物 にお ける 事 業 収 益 ( 売 上 高 等 )を 査 定 する 収 益 分 析 法 を 適 用 する 場 合 と 想 定 建 物 を 賃 貸 し 賃 貸 事 業 収 益 を 査 定 する 賃 貸 事 業 分 析 法 ( 仮 称 )を 適 用 する 場 合 の どちらも 102

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし 3 会 計 基 準 の 見 直 しの 主 な 内 容 (1) 借 入 金 借 入 金 制 度 を 廃 止 し 建 設 又 は 改 良 に 要 する 資 金 に 充 てるための 企 業 債 及 び 一 般 会 計 又 は 他 の 特 別 会 計 からの 長 期 借 入 金 は に 計 上 することとなりまし た に 計 上 するに 当 たり 建 設 又 は 改 良 等 に 充 てられた 企 業 債 及

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