Size: px
Start display at page:

Download ""

Transcription

1 平 成 25 年 度 外 務 省 委 託 調 査 報 告 書 北 ア フ リ カ 地 域 に お け る 主 要 部 族 の 役 割 に 関 す る 調 査 研 究 報 告 書 2014 年 3 月 有 限 会 社 エリコ 通 信 社

2

3 まえがき 中 東 北 アフリカ 世 界 は チュニジアのジャスミン 革 命 (2010 年 12 月 )に 端 を 発 し アラ ブの 春 と 呼 ばれた 民 衆 蜂 起 とこれに 続 く 内 乱 社 会 構 造 変 化 によって 大 きな 変 革 期 を 迎 えている 民 主 化 の 掛 け 声 はあるも 先 の 見 えない 混 沌 に 陥 っている 国 が 多 い で は それは 海 図 のない 航 海 なのであろうかと 問 われれば 極 東 のオリエンタリストたる 我 々 研 究 者 の 直 感 (Instinct)は 部 族 ないしは 部 族 的 な 要 素 が 主 要 な 役 割 を 果 たしていく のではないか と 囁 く 部 族 という 言 葉 からイメージする 概 念 はしかし 人 により 様 々である そしてアラ ブの 伝 統 的 な 部 族 社 会 については マシュリク(エジプト 以 東 のアラブ 諸 国 )においては 比 較 的 研 究 が 進 んでいるが マグレブにおいてはその 要 素 がどのように 変 化 したのかとい う 基 本 的 な 理 解 に 始 まり 非 アラブたる 原 住 民 アマジグ 人 の 部 族 的 要 素 に 関 すること まで ほとんど 知 られていない 本 報 告 書 は 2013 年 1 月 に 発 生 したアルジェリア 人 質 拘 束 事 件 を 契 機 として 再 認 識 させ られた 北 アフリカの 情 勢 分 析 情 報 収 集 強 化 の 必 要 性 に 鑑 み その 一 助 となることを 願 い 主 要 国 たるリビアとアルジェリアについて 部 族 の 果 たすべき 政 治 的 役 割 を 切 り 口 とし た 文 献 調 査 を 行 ったものである 予 算 的 時 間 的 制 約 のため 今 次 調 査 では 現 地 調 査 聞 き 取 り 調 査 まで 研 究 を 進 めることができなかった 今 後 の 発 展 を 期 待 したい 平 成 26 年 3 月 有 限 会 社 エリコ 通 信 社 研 究 総 括 責 任 者 代 表 取 締 役 新 谷 恵 司

4 研 究 体 制 外 部 有 識 者 2 名 を 招 き 外 務 省 関 係 部 局 担 当 官 出 席 の 下 調 査 方 針 検 討 会 を 開 催 そこに 示 された 方 針 に 基 づき 下 記 研 究 者 が 文 献 収 集 と 調 査 研 究 に 当 たった また 本 報 告 書 を 完 成 するにあたり 再 度 同 じメンバーで 報 告 評 価 会 を 開 いて 批 評 批 判 を 行 い これを 出 来 る 限 り 反 映 させた 外 部 有 識 者 からは 特 別 寄 稿 を 頂 いた 外 部 有 識 者 公 益 財 団 法 人 中 東 調 査 会 副 理 事 長 ( 元 駐 リビア 大 使 ) 上 智 大 学 教 授 塩 尻 宏 私 市 正 年 研 究 総 括 責 任 者 有 限 会 社 エリコ 通 信 社 代 表 取 締 役 新 谷 恵 司 研 究 主 任 ( 兼 リビア 編 担 当 ) 森 本 哲 研 究 員 (リビア 編 第 2 章 担 当 ) 森 下 信 子 研 究 員 (アルジェリア 編 担 当 ) 岡 崎 弘 樹

5 目 次 <リビア 編 > 序 文 本 稿 について リビアにおける 部 族... 5 (1) 部 族 の 定 義... 5 (2)GNC 選 挙 にみるリビアの 部 族 が 持 つ 影 響 力 カダフィ 政 権 と 部 族 (1)カダフィ 政 権 による 部 族 の 位 置 付 け (2)カダフィ 政 権 を 支 えた 主 要 部 族 (カザーズィファ 族 等 ) (イ)マガリハ 族 (the Maqariha the Magarha などの 表 記 も 有 り) (ロ)ワルファラ 族 (the Warfalla) (3) 旧 カダフィ 派 部 族 が 今 後 の 情 勢 に 及 ぼし 得 る 影 響 月 17 日 革 命 と 部 族 (1)2 月 17 日 革 命 と 伝 統 的 部 族 (2)キレナイカ 地 方 の 有 力 部 族 (イ)ズワイヤ 族 (ロ)オベイダート 族 (3)ナフサ 山 地 の 諸 都 市 の 有 力 部 族 (4) 各 都 市 を 単 位 とした 新 たな 部 族 的 集 団 (イ)ミスラータ (ロ)ジンタン 4.イスラム 主 義 勢 力 と 部 族 (1)リビアのイスラム 主 義 勢 力 (2)リビア イスラム 戦 闘 集 団 (LIFG) (3)リビアのムスリム 同 胞 団 (4)リビアのジハード 主 義 (イスラム 過 激 派 ) 勢 力 軍 及 び 治 安 機 関 と 部 族 (1)リビアの 軍 及 び 治 安 機 関 の 現 状 (2)リビアの 公 式 な 軍 部 隊 及 び 治 安 機 関 (イ)リビア 軍 (the Libyan Army) (ロ)リビア 革 命 派 作 戦 室 (LROR:the Libya Revolutionaries Operations Room) (ハ) 国 家 治 安 局 (the National Security Directorate) (ニ)サーイカ 部 隊 (al-sa iqa forces) (ホ) 石 油 施 設 警 備 隊 (the Petroleum Facilities Guard) (ヘ)リビアの 盾 軍 (LSF:the Libya Shield Force) (3) 治 安 機 関 と 部 族 主 義... 41

6 6. 民 族 と 部 族 (1) リビア 南 部 の 重 要 性 (2)トゥアレグ 人 (the Touareg) (3)トゥブ 人 (the Toubou Tubu Tebu との 表 も) (4)アウラード スレイマン 族 (the Awlad Suleiman) (5)リビアの 民 族 問 題 わが 国 外 交 への 提 言... 非 公 開 付 属 資 料 1 リビアの 主 要 都 市 及 び 部 族 勢 力 図 付 属 資 料 2 リビア 2 月 17 日 革 命 以 降 の 主 な 動 きクロノロジー 特 別 寄 稿 新 生 リビアの 行 方 ( 塩 尻 宏 ) <アルジェリア 編 > I.はじめに: 政 治 アクターとしての 部 族 という 視 角 から II.ベルベル 系 カビール 人 および 在 外 ベルベル 人 の 実 態 と 動 向 カビール 人 とアルジェリア エリート 黒 い 春 とベルベル アイデンティティの 覚 醒 カビール 地 方 とテロリズム 在 外 カビール 人 ベルベル 人 の 動 き III.ベルベル 系 トゥアレグ 人 の 実 態 と 動 向 トゥアレグ 人 の 広 域 性 と 社 会 構 造 不 安 定 な 経 済 基 盤 と 隣 国 の 分 離 独 立 闘 争 の 影 響 トゥアレグ 問 題 の 国 際 化 トゥアレグ 問 題 とアルジェリア 政 府 IV. 南 西 部 を 中 心 とする 諸 部 族 の 実 態 と 動 向 南 西 部 の 諸 部 族 とブーテフリカ 政 権 南 西 部 の 諸 部 族 と 議 会 政 治 ザーウィヤを 巡 る 政 治 空 間 V. 分 析... 非 公 開 特 別 寄 稿 アルジェリアにおける 軍 とクランと 地 域 主 義 疑 似 部 族 集 団 による 政 治 支 配 の 構 造 ( 私 市 正 年 )

7 北 アフリカ 地 域 における 主 要 部 族 の 役 割 調 査 研 究 報 告 書 <リビア 編 > 1

8 "إن الدم هو األصل في تكوين القبيلة, ولكنها ال تتوقف عليه هو فقط, فاالنتماء هو أيضا من مكونات القبيلة. وبمرور الزمن تتالشى الفروق بين مكونات الدم ومكونات االنتماء, وتبقى القبيلة وحدة اجتماعية ومادية واحدة, ولكنها وحدة دم وأصل أكثر من أي تكوين آخر." 血 縁 は 部 族 構 成 の 源 であるが それだけに 基 づくものではない 帰 属 心 もまた 部 族 の 構 成 要 素 の 一 つである 時 間 の 経 過 とともに 血 縁 と 帰 属 心 の 構 成 要 素 としての 違 いは 消 失 していくが 部 族 は 依 然 として 一 つの 社 会 的 及 び 実 体 的 な 集 団 として 存 続 する それでも 血 縁 の 集 団 は 他 の 如 何 なる 構 成 要 素 の 集 団 よりも 多 い (ムアンマル カダフィ 著 緑 の 書 より 引 用 ) 2

9 序 文 本 稿 について 2011 年 2 月 に 始 まったリビアの 独 裁 政 権 に 対 する 民 衆 蜂 起 から 同 年 10 月 のムアンマ ル カダフィ(Mu ammar al-qadhafi) 指 導 者 の 殺 害 と 反 体 制 勢 力 による 全 土 解 放 宣 言 に 至 るまでの 過 程 は リビアでは 一 般 に 2 月 17 日 革 命 と 呼 ばれている 今 日 この 過 程 を 振 り 返 り 精 査 してみると 当 時 のリビアの 政 治 状 況 及 び 軍 事 情 勢 に 大 きな 影 響 を 及 ぼし ていたのは 部 族 的 な 要 素 であったと 指 摘 できる ここで 言 う 部 族 とは 何 かを 端 的 に 定 義 するならば 血 縁 や 地 縁 といった 共 通 の 出 自 や 伝 統 に 由 来 する 連 帯 感 を 基 に 構 成 員 が 相 互 に 強 い 紐 帯 を 維 持 し 相 互 に 便 宜 を 図 り 共 通 利 益 の 実 現 を 目 指 す 集 団 と 言 えよう こう した 各 有 力 部 族 の 相 関 関 係 が 当 時 の 状 況 の 推 移 に 強 い 影 響 を 与 えていたのである 実 際 のところ こうした 諸 部 族 のリーダーたちは 2 月 17 日 革 命 の 当 初 から 国 際 衛 星 放 送 アルジャジーラ などを 通 じて 自 身 が 率 いる 集 団 の 立 場 や 見 解 を 積 極 的 に 発 信 して いたほか カダフィ 政 権 側 と 反 体 制 勢 力 側 の 双 方 が 有 力 部 族 の 支 持 獲 得 を 目 指 し リビア 国 内 外 で 様 々な 工 作 活 動 を 行 っていた 更 に カダフィ 政 権 崩 壊 後 の 暫 定 統 治 プロセスや 制 憲 プロセスを 担 う 国 民 議 会 (GNC: the General National Congress) 選 挙 の 実 施 治 安 情 勢 の 悪 化 や 政 治 プロセスの 停 滞 そして 2014 年 2 月 現 在 に 至 るまで その 詳 細 な 動 きや 背 景 に 着 目 してみると リビア 情 勢 のダイナミズムの 原 動 力 となっているのは 良 くも 悪 くも 部 族 的 な 要 素 だと 言 えるのである ところが リビアの 部 族 をめぐる 状 況 については これまでジャーナリズムやアカデミ ズムのみならず 各 国 の 外 交 当 局 や 実 務 関 係 者 も 十 分 な 関 心 を 払 ってきたとは 必 ずしも 言 えない 専 ら 関 心 を 集 めてきたのは カダフィ 政 権 特 有 の 統 治 体 制 や 独 裁 的 指 導 者 のエ キセントリックな 言 動 反 体 制 勢 力 の 武 装 化 と 民 衆 蜂 起 の 内 戦 化 北 大 西 洋 条 約 機 構 (NATO) による 軍 事 介 入 といった 事 象 であって アラブの 春 と 呼 ばれる 民 主 化 運 動 を 経 験 した 他 の 国 々と 比 べると 異 質 で 耳 目 を 集 めやすい 事 項 に 関 心 が 集 中 しがちであった また カダ フィ 政 権 の 長 年 に 亘 る 対 外 的 な 閉 鎖 性 も 部 族 のような 社 会 的 要 素 が 注 目 されなかったこ との 一 因 であろう リビアの 部 族 の 現 状 に 関 して 海 外 の 研 究 者 らによる 調 査 が 行 われるよ うになったのは 2000 年 代 中 頃 であり すなわち 2003 年 にカダフィ 政 権 が 大 量 破 壊 兵 器 の 廃 棄 に 踏 み 切 り 国 連 による 制 裁 が 解 除 され 欧 米 諸 国 との 関 係 が 再 開 されるのを 待 たね ばならなかったのである 2 月 17 日 革 命 は 有 力 部 族 の 革 命 に 対 する 姿 勢 や 諸 部 族 の 間 での 連 携 や 対 立 といった 枠 組 みのほかにも 諸 外 国 からの 介 入 政 権 の 要 人 による 離 反 いわゆる アラブの 春 の 影 響 を 受 けて 新 たな 政 治 意 識 に 覚 醒 した 世 代 の 台 頭 イスラム 主 義 勢 力 の 動 向 など 多 様 な 因 子 が 交 錯 する 中 で 展 開 されていた その 後 カダフィ 政 権 の 打 倒 という 共 通 の 目 標 が 達 成 され 暫 定 統 治 プロセスの 段 階 に 入 ると 革 命 派 の 諸 勢 力 の 間 で 権 力 や 利 益 の 配 分 をめぐる 争 いが 表 面 化 するようになり 次 第 に 部 族 的 な 要 素 を 背 景 とする 事 象 が 目 立 つよ うになっていった この 段 階 以 降 のリビアでは 血 族 意 識 を 中 心 とする 従 来 型 の 部 族 に 加 3

10 えて 地 縁 を 中 心 とする 新 たな 部 族 的 集 団 すなわち 都 市 を 基 盤 とする 勢 力 の 台 頭 を 特 徴 としている こうした 新 たな 部 族 的 集 団 は ミスラータなどの 西 部 の 沿 岸 都 市 やナフサ 山 地 のベルベル(アマジグ) 系 諸 都 市 に 代 表 される カダフィ 政 権 傘 下 の 部 隊 による 猛 攻 か ら 都 市 を 防 衛 すべく 激 しい 内 戦 を 戦 い 抜 く 中 で それまで 生 活 様 式 の 都 市 化 によって 希 薄 化 しつつあった 部 族 的 な 連 帯 意 識 が 特 定 の 地 域 を 核 とした 集 団 への 帰 属 意 識 として 再 強 化 され 暫 定 統 治 プロセスにおいても 地 域 的 な 利 益 集 団 として 存 在 感 を 高 めているのであ る なお その 詳 細 については 後 の 章 で 詳 述 する 本 稿 では 以 上 のような 情 勢 認 識 を 踏 まえながら リビアにおける 部 族 引 いては 広 義 の 部 族 的 集 団 の 実 態 や その 役 割 及 び 影 響 力 を 明 らかにするとともに わが 国 外 交 当 局 及 び 企 業 関 係 者 などに 対 し 現 地 における 活 動 の 方 針 を 定 める 上 で 一 助 となるような 有 益 な 知 見 を 提 供 することが 目 的 である なお 本 稿 は 主 に 欧 米 の 北 アフリカ 地 域 研 究 者 によ る 著 作 物 や アラビア 語 現 地 報 道 などの 公 開 情 報 に 基 づいて 執 筆 されたものである 前 述 のとおり リビアでは 2000 年 代 中 ごろから 不 完 全 ながらも 対 外 的 な 開 放 度 が 高 まり 欧 米 の 実 務 担 当 者 や 研 究 者 らによって 現 地 での 有 意 義 な 実 地 調 査 が 行 われるようになった 更 に 2011 年 10 月 のカダフィ 政 権 崩 壊 以 降 は 言 論 の 自 由 が 飛 躍 的 に 改 善 し 現 地 の 詳 細 な 実 情 が 報 道 や 調 査 報 告 などの 公 開 情 報 として 得 られるようになった また 内 戦 終 結 後 暫 定 統 治 プロセスに 移 行 してからも 政 治 面 及 び 治 安 面 での 混 乱 は 各 地 で 依 然 として 続 い ているものの 2012 年 ごろから 現 地 事 情 に 通 じた 欧 米 の 実 務 担 当 者 や 研 究 者 らによる 実 地 調 査 が 行 われるようになり 多 くの 有 用 な 情 報 及 び 分 析 が 得 られるようになった そうし た 貴 重 な 成 果 が 2013 年 中 ごろから 書 籍 やインターネットを 通 じて 広 く 公 開 され 始 めてい る 本 稿 は 幸 いにも このような 良 質 で 豊 富 な 公 開 情 報 を 活 用 できるようになった 時 期 に 執 筆 されたものであり 定 評 ある 専 門 家 による 最 新 の 成 果 をわが 国 にも 紹 介 し 広 く 共 有 しようとするものである 4

11 1. リビアにおける 部 族 (1) 部 族 の 定 義 リビアにおける 部 族 に 関 する 詳 細 な 議 論 に 入 る 前 に そもそも 部 族 とは 何 か 特 に リビアにおける 部 族 とは 何 を 意 味 するのか あるいは 如 何 に 定 義 すべきなのかについて ある 程 度 明 らかにしておく 必 要 があるだろう 実 は 部 族 という 概 念 には リビアをはじめとする 北 アフリカ 地 域 の 研 究 者 のみなら ず 人 類 学 者 や 更 には 社 会 学 者 全 般 にとっても 長 らく 論 争 の 的 となってきた 経 緯 がある 欧 米 の 研 究 者 の 間 では 過 去 のアフリカ 地 域 における 植 民 地 支 配 の 視 点 と 強 く 結 びついた 概 念 に 対 し 今 なお 強 い 抵 抗 感 が 存 在 する 欧 米 の 研 究 者 は 過 去 に 対 する 反 省 の 視 点 から 当 時 の 植 民 地 行 政 府 が 如 何 にして 部 族 を 都 合 良 く 利 用 したか あるいは 恣 意 的 に 部 族 長 を 創 り 出 したか そして 時 には 部 族 そのものを 捏 造 したかについて 綿 密 な 調 査 を 行 ってきた 研 究 者 の 中 には 部 族 という 概 念 自 体 が 植 民 地 主 義 の 産 物 であると 断 じる 者 もいるほど である その 結 果 今 日 において 一 般 に 欧 米 諸 国 のアカデミズムでは 部 族 という 用 語 は 未 開 前 近 代 的 又 は 未 発 達 の 社 会 構 造 といった 差 別 的 なニュアンスを 内 包 し ているとして 部 族 という 用 語 の 使 用 自 体 が 避 けられたり 時 には 批 判 されたりするよ うにもなった アフリカにおいて そのような 負 の 歴 史 的 遺 産 とは 無 縁 である 日 本 人 にとっては さほ ど 拘 泥 すべき 問 題 ではないように 思 われるかもしれない しかし そのような 傾 向 のある 欧 米 の 専 門 家 の 間 でも 殊 にリビアに 関 しては 部 族 及 び 部 族 主 義 すなわち 英 語 で 言 う tribe tribalism と 言 った 用 語 をむしろ 積 極 的 に 用 いた 方 が 現 地 の 実 態 を 把 握 す る 上 で 有 益 であるとの 指 摘 がなされているのは 興 味 深 い 何 より 当 のリビア 人 自 身 がア ラビア 語 の qabila という 言 葉 を 日 常 的 に 使 用 しており それはまさに 部 族 (tribe) という 訳 語 を 当 てるのが 最 も 適 訳 なのである また 特 に 最 新 の 研 究 においては 部 族 という 概 念 が 時 代 遅 れで 未 発 達 の 社 会 構 造 を 意 味 するものではなくなりつつある 部 族 は 近 代 的 な 国 民 国 家 との 関 わりを 経 て 経 済 上 及 び 軍 事 上 の 環 境 変 化 に 否 応 なく 対 応 していく 中 で 集 団 としての 性 質 も 絶 えず 変 化 し 続 け てきたのであり それはまさしく 今 のリビアの 部 族 をめぐる 状 況 にも 当 てはまっている リビアにおける 諸 部 族 の 人 的 ネットワークは 既 に 専 ら 血 族 関 係 だけに 基 づくものない 現 在 ではリビアにおいても 都 市 への 定 住 と 人 口 の 流 動 化 が 進 んでいる 従 って 部 族 ごと に 純 粋 な 血 筋 が 維 持 されているとの 考 えは 最 早 神 話 の 域 であろう 例 えば リビアにおける 最 大 の 部 族 は ワルファラ 族 (Warfalla) だとされており 現 地 ではワルファラ 族 は 100 万 人 を 超 えるなどと 報 道 されることも 少 なくない しかし 総 人 口 が 650 万 人 程 度 と 推 測 されるリビアにおいて 100 万 人 は 誇 張 であるとしても 何 十 万 人 もの 人 々が 厳 密 に 血 族 関 係 を 保 ちながら 血 縁 を 意 識 して 結 束 していると 考 えるのは 5

12 合 理 的 でない やはり 部 族 への 帰 属 心 を 喚 起 して 集 団 としてのまとまりを 支 えているの は 実 際 の 血 縁 の 有 り 様 よりも 同 じ 出 自 である との 共 通 認 識 が 生 み 出 す 連 帯 感 である と 考 えるべきである このように 部 族 の 基 となっている 共 通 の 出 自 が 真 実 であろうとも 単 にそう 認 識 されているに 過 ぎなくとも 部 族 の 構 成 単 位 である 各 個 人 がある 種 の 連 帯 意 識 を 共 有 し それによって 集 団 の 結 束 が 促 されているという 現 実 に 着 目 すべきであろう リビアにおけ る 部 族 とは このような 緩 やかな 定 義 に 基 づく 部 族 的 集 団 をも 含 むものだと 捉 えるべ きであり 本 稿 においてもそうした 前 提 の 下 で 議 論 を 進 めることとしたい ところで このようにリビアにおける 部 族 とは 他 のアラブ 諸 国 における 部 族 と 比 較 す ると 集 団 としての 流 動 性 が 高 く 構 成 要 件 が 比 較 的 柔 軟 であることを 特 徴 としている この 背 景 として リビアでは ほぼすべての 国 民 がアラブ 民 族 でイスラム 教 スンニ 派 マー リキ 学 派 に 属 しており 民 族 や 宗 派 に 強 い 統 一 性 が 維 持 されていることが 重 要 である(イ スラム 教 イバード(Ibadi) 派 のトゥアレグ 人 や スンニ 派 であるが 固 有 の 民 族 性 を 有 する トゥブ 人 等 は 例 外 である) 例 えばイラクは リビアと 同 様 に 部 族 が 一 定 の 社 会 的 影 響 力 を 有 するアラブ 国 家 であるが イスラム 教 スンニ 派 とシーア 派 という 宗 派 による 区 分 のほか クルド 人 といった 民 族 による 区 分 も 存 在 する 部 族 は 宗 派 や 民 族 を 超 越 するほどの 強 力 な 社 会 的 紐 帯 とはなり 得 ず 部 族 の 流 動 性 を 制 約 していることが リビアの 部 族 との 違 いを 生 み 出 している(こうした 傾 向 については リビアの 部 族 でも 民 族 的 性 質 の 強 いトゥブ 人 とトゥアレグ 人 をめぐる 状 況 において 類 似 性 が 認 められる) なお イラクなど 東 部 のアラ ブ 諸 国 の 部 族 に 対 しては アラビア 語 では qabila という 用 語 よりも 血 縁 に 重 きを 置 い た ashira( 日 本 語 で 言 う 氏 族 に 近 い) という 用 語 で 一 般 に 表 されるのも 象 徴 的 で ある (2)GNC 選 挙 にみるリビアの 部 族 が 持 つ 影 響 力 それでは リビアにおける 部 族 は 2 月 17 日 革 命 以 降 どの 程 度 の 政 治 的 並 びに 社 会 的 影 響 力 を 保 持 しているのであろうか 部 族 の 影 響 力 を 推 し 測 る 上 で 現 時 点 において 最 も 有 効 な 手 段 は 先 般 の 国 民 議 会 (GNC:the General National Congress) 選 挙 の 結 果 を 分 析 することであろう GNC は 革 命 期 の 暫 定 統 治 を 担 った 国 民 評 議 会 (NTC: the National Transitional Council)に 代 わる 統 治 機 構 として その 選 挙 が 2012 年 に 実 施 された 5 月 に 国 連 の 監 督 の 下 で 有 権 者 登 録 が 行 われ 7 月 の 投 票 日 には 286 万 人 の 登 録 者 中 176 万 人 が 投 票 し 投 票 率 は 61.52%であった 一 部 の 投 票 所 で 投 票 が 延 期 や 中 止 されたほか 連 邦 制 の 下 で 東 部 キレナイカ 地 方 の 自 治 を 求 める 勢 力 による 選 挙 ボイコットなどの 問 題 もあっ たが 全 体 として 選 挙 は 大 過 なく 実 施 された 民 主 主 義 による 政 治 経 験 の 乏 しいリビアに おいて 有 権 者 の 大 半 が 登 録 し 大 多 数 の 国 民 が 投 票 する 選 挙 を 成 し 遂 げたことは NTC 最 大 の 功 績 であり リビア 国 民 の 意 思 を 反 映 する 結 果 となったと 判 断 してよい この 選 挙 結 果 を 手 掛 かりに リビアにおける 部 族 の 社 会 的 影 響 力 を 考 察 する 6

13 2012 年 7 月 に 実 施 された GNC 選 挙 結 果 に 関 する 多 くの 報 道 や 論 説 では NTC において 首 相 職 を 務 めるなど 重 要 な 役 割 を 担 ったマフムード ジブリール 氏 (Mahmoud Jibril)が 率 いる リベラル 派 の 国 民 勢 力 連 合 (NFA:the National Forces Alliance)が 躍 進 する 一 方 リビアのムスリム 同 胞 団 の 政 治 部 門 である 公 正 建 設 党 (JCP:the Justice and Construction Party)の 獲 得 議 席 数 は 予 想 外 に 伸 び 悩 んだと 伝 えられた GNC の 議 員 定 数 は 選 挙 法 で 200 と 定 められており その 内 80 議 席 は 政 党 による 比 例 代 表 制 で 争 われ 残 り の 120 議 席 が 政 党 から 独 立 した 個 人 の 候 補 者 による 選 挙 区 制 で 争 われた 選 挙 の 結 果 比 例 区 議 席 の 内 NFA が 48.1%の 得 票 率 で 39 議 席 を 獲 得 する 一 方 JCP は 10.3%の 得 票 率 で 17 議 席 の 獲 得 にとどまった 他 方 選 挙 直 後 は 独 立 系 とされる 候 補 者 たちによっ て 争 われた 選 挙 区 での 当 選 議 員 120 人 の 政 治 的 立 場 が 必 ずしも 明 らかでなかった そのた め 比 例 区 の 結 果 を 以 て おそらくは リベラル 派 が 勝 利 したものと 推 測 され 旧 カダ フィ 政 権 下 で 苛 烈 な 弾 圧 に 晒 されてきたイスラム 主 義 勢 力 は 未 だリビア 社 会 に 十 分 浸 透 するに 至 っていないと 一 般 に 受 け 止 められた すなわち 民 衆 の 反 体 制 運 動 による 政 権 崩 壊 が 先 行 して 起 きていたエジプトやチュニジアとは 異 なり イスラム 主 義 勢 力 の 台 頭 は 見 られなかった というのが 大 方 の 評 価 である しかし NFA が GNC 内 の 最 大 会 派 となったことは 直 ちに リベラル 派 又 は 世 俗 派 の 勝 利 を 意 味 するのであろうか 結 論 から 言 えば NFA を リベラル 派 と 一 括 りに するのは 適 当 でない NFA は 40 以 上 の 政 党 236 の 市 民 団 体 及 び 280 人 超 の 独 立 系 活 動 家 を 包 含 する 広 範 な 政 治 勢 力 の 連 合 体 である そして その 求 心 力 として 最 大 部 族 ワル ファラ 族 の 出 身 でもあるマフムード ジブリールの 個 人 的 名 声 を 頼 りとするところが 大 き い また NFA にはカダフィ 政 権 時 代 に 海 外 に 亡 命 していた 反 体 制 活 動 家 ではなく 2 月 17 日 革 命 以 前 からローカルな 支 持 基 盤 を 維 持 してきた 有 力 者 が 多 いことも 特 徴 である そ の 代 表 的 な 人 物 としては ジンタンの 実 業 家 であり NFA 内 でマフムード ジブリールに 次 ぐ 実 力 者 であるアブデルマジド ムレグタ(Abdelmajid Mlegta) ベンガジ 出 身 の 元 有 名 サッカー 選 手 であるアフマド ベンスエイド(Ahmad Ben Swoued) トリポリの 著 名 な スーフィズム 学 者 であるアブデルラティフ ムハルヒル 師 (Sheikh Abdellatif al-muhalhil) らが 挙 げられる こうした 多 様 性 の 反 面 NFA の 雑 多 な 寄 せ 集 め 集 団 的 な 性 質 も 否 定 できず JCP と 比 べ れば 明 らかに 組 織 的 な 統 制 を 欠 いていると 言 える その 最 も 象 徴 的 な 事 例 が ムスタファ アブシャグール(Mustafa Abushagur) 氏 が 当 初 GNC より 首 班 指 名 を 受 けた 際 NFA と しての 入 閣 の 是 非 をめぐり 指 導 部 内 で 対 応 が 分 かれた 一 件 である すなわち マフムー ド ジブリールとアブデルマジド ムレグタがアブシャグール 内 閣 への 入 閣 に 反 対 する 一 方 当 時 NFA の 事 務 局 長 を 務 めていたファイサル クレクシ(Faisal Krekshi)は 閣 僚 名 簿 に 名 を 連 ねていた(なお アブシャグールの 組 閣 案 は GNC の 承 認 を 得 られず 辞 任 した) また NFA メンバーの 政 治 的 信 条 は 宗 教 的 な 意 味 での リベラル ではなく イスラム 法 シャリーア を 主 要 な 法 源 として 認 めている 点 で 他 の 諸 政 党 の 議 員 らと 大 差 がない 7

14 点 についても 留 意 する 必 要 があるだろう マガリエフ 前 GNC 議 長 が 2012 年 10 月 1 日 付 国 際 アラビア 語 紙 アル ハヤート のインタビュー 記 事 で リビアは(シャリーアに 抵 触 しない 形 での) 世 俗 国 家 が 望 ましい と 発 言 したことに 対 し ムスリム 同 胞 団 系 の JCP の 議 員 のみならず NFA の 議 員 たちも 抗 議 行 動 に 加 わっていた 更 に 2013 年 12 月 4 日 には GNC において シャリーアはリビアにおける 法 源 であり シャリーアに 違 反 するす べての 法 令 は 無 効 である リビアの 全 国 家 機 関 はこれを 遵 守 せねばならない という 内 容 の 決 議 が NFA の 議 員 を 含 め 全 会 一 致 で 可 決 されている 以 上 から NFA の 勝 利 の 要 因 は リベラル 世 俗 穏 健 といった 単 純 な 政 治 的 方 向 性 によるものではなく 各 地 の 名 士 や 有 力 者 などの 個 々の 候 補 者 たちによる 広 範 な 選 挙 協 力 が 奏 功 したと 捉 えるべきである 先 般 の GNC 選 挙 では リベラル か 又 は イ スラム 主 義 か というような 特 定 の 地 域 や 集 団 の 利 益 を 超 える 国 家 レベルでの 論 点 は 結 局 争 点 にならなかった 旧 カダフィ 政 権 下 においては イスラム 主 義 勢 力 のみならず 政 党 をはじめとする 市 民 団 体 までもが 活 動 を 禁 止 されていたのであり イデオロギー 的 な 政 治 意 識 は 未 だ 国 民 の 間 に 十 分 醸 成 されていなかった その 結 果 特 定 の 地 域 や 部 族 の 利 益 を 追 求 することが 選 挙 の 争 点 となったのである それでは GNC における 勢 力 分 布 は 如 何 なる 状 況 にあると 解 するべきか 表 1 及 び2は ドイツ 国 際 安 全 保 障 問 題 研 究 所 (SWP:the Stiftung Wissenschaft und Politik)の Wolfram Lacher 研 究 員 による GNC の 勢 力 分 布 である 少 数 の 議 席 を 獲 得 した 諸 政 党 は その 政 治 理 念 の 指 向 に 従 ってまとめてカウントされている 表 1 比 例 代 表 制 表 2 選 挙 区 制 国 民 勢 力 連 合 (NFA) 39 NFA と 連 携 している 議 員 25 公 正 建 設 党 (JCP) 17 JCP と 連 携 している 議 員 17 国 家 的 アシ ェンタ 追 求 型 の 諸 政 党 6 サラフィ 主 義 系 議 員 ( 独 立 系 及 び 他 政 23 サラフィ 主 義 系 の 諸 政 党 4 党 との 連 携 議 員 含 む) 地 域 利 益 追 求 型 の 諸 政 党 14 真 正 の 独 立 系 議 員 55 計 80 計 120 出 典 :Wolfram Lacher, Fault Lines of the Revolution, ドイツ 国 際 安 全 保 障 問 題 研 究 所 (SWP) 当 初 NTC において 審 議 されていた 選 挙 法 案 では 定 数 200 の 内 比 例 代 表 制 に 136 議 席 選 挙 区 制 の 議 席 に 64 議 席 が 割 り 当 てられていた ところが ムスリム 同 胞 団 の 組 織 力 を 警 戒 する 各 派 から リビアの 将 来 を 左 右 する 制 憲 プロセスに 関 し 重 要 な 役 割 を 担 うとさ れた GNC においては 可 能 な 限 り 広 範 な 勢 力 の 代 表 が 確 保 されるべきとの 強 い 主 張 がなさ 8

15 れた その 結 果 当 初 の 136 対 64 の 割 当 てから 現 行 の 80 対 120 の 割 当 てに 変 更 され 選 挙 区 制 の 議 席 が 大 幅 に 増 加 された 経 緯 がある 一 方 ムスリム 同 胞 団 側 からはこうした 変 更 について 有 権 者 に 対 し 部 族 主 義 に 基 づく 投 票 行 動 を 促 すものであり リビア 社 会 に おける 部 族 的 地 域 的 な 分 断 を 深 める 虞 があるとの 反 論 がなされていた 結 果 として ムスリム 同 胞 団 の 懸 念 は 現 実 のものになったと 言 えよう 表 1のとおり 比 例 代 表 制 においても 20 選 挙 区 の 区 割 りが 導 入 された 影 響 もあり 地 域 利 益 追 求 型 の 諸 政 党 が 合 わせて 14 議 席 を 確 保 した また 表 2 中 真 正 の 独 立 系 議 員 の 大 半 は 個 別 の 都 市 部 族 又 は 名 望 家 の 代 表 である 従 って こうした 広 義 の 部 族 的 集 団 を 代 表 する 勢 力 の 議 席 数 は 選 挙 区 制 選 出 の 連 携 議 員 を 含 めた NFA の 全 勢 力 64 議 席 とほぼ 拮 抗 しているとも 考 えられる また 有 権 者 の 投 票 行 動 を 考 える 上 で 当 選 議 員 の 得 票 率 も 注 目 に 値 する 選 挙 区 制 に おいては およそ 3 分 の 2 の 議 員 が 20% 未 満 の 得 票 率 で 当 選 している しかも 10%に 満 たない 得 票 率 で 当 選 している 議 員 が 半 数 を 超 えているのである このように 候 補 者 間 で 票 が 割 れているのは 候 補 者 や 所 属 政 党 が 掲 げる 政 治 的 理 念 及 び 政 策 が 選 挙 の 重 要 な 争 点 と はならず 個 々の 部 族 的 集 団 のみを 支 持 基 盤 とする 候 補 者 が 乱 立 した 上 に 多 くの 有 権 者 が 部 族 主 義 的 な 投 票 行 動 を 取 った 結 果 であると 読 み 取 ることが 出 来 る 実 際 に 北 西 部 の 大 都 市 を 除 けば 部 族 への 忠 誠 心 が 選 挙 の 結 果 を 左 右 したケースが 多 かった 東 部 のベンガ ジでは 9 人 の 選 挙 区 当 選 議 員 の 内 6 人 が 特 定 の 部 族 又 は 政 党 の 支 援 を 受 けた 候 補 である が その 得 票 率 は 2% 未 満 であった サブハでは 選 挙 区 の 当 選 議 員 4 人 は 各 々 異 なる 部 族 を 代 表 する 候 補 者 たちであり ムルズクやウバリでも 同 様 の 状 況 が 見 られる クフラ 及 び バニ ワリードでは それぞれ 2 人 の 候 補 者 が 高 い 得 票 率 で 当 選 したが 当 該 地 区 の 部 族 長 たちの 間 で 調 整 が 行 われ どの 候 補 を 支 持 するかについて 予 め 合 意 があったとされる また 大 都 市 に 見 られる 傾 向 として 1969 年 のカダフィ 前 指 導 者 によるクーデター 以 前 の 王 政 時 代 に 一 定 の 政 治 的 役 割 を 担 っていた 伝 統 的 名 望 家 出 身 の 候 補 者 が 多 数 当 選 した 代 表 例 としては 比 例 区 (ミスラータ) 選 出 のアブデルラフマン スウェヒリ(Abderrahman Swehli) 議 員 アリ アブドッラ ダッラート(Ali Abdallah al-dharrat) 議 員 選 挙 区 (ベンガジ) 選 出 のサーレハ ジャウダ(Saleh Jaouda) 議 員 アフマド ランギ(Ahmad Langi) 議 員 選 挙 区 (サブハ) 選 出 のアブデルジャリル セイフルナスル(Abdeljalil Saif al-nasr) 議 員 らが 挙 げられる こうした 状 況 も 部 族 的 な 性 質 を 持 つ 集 団 が 選 挙 の 趨 勢 に 影 響 を 与 えた 事 例 として 位 置 づけられよう 以 上 から 先 般 の GNC 選 挙 における 真 の 勝 利 者 は 個 別 の 都 市 部 族 又 は 名 望 家 の 代 表 者 たちと 解 するのが 妥 当 であり マフムード ジブリール 氏 率 いる リベラル 派 の NFA が 勝 利 したと 単 純 に 結 論 付 けることは 適 切 とは 言 えないのである( 他 方 敗 北 した とさ れるイスラム 主 義 勢 力 も 選 挙 区 選 出 の 連 携 議 員 やサラフィー 主 義 系 議 員 をも 含 めれば 侮 れない 勢 力 であることは 明 らかである) GNC においては 個 別 の 部 族 や 特 定 の 地 域 の 利 益 を 追 求 する 議 員 らが 一 大 勢 力 となって 9

16 おり 暫 定 統 治 プロセスの 進 展 に 強 い 影 響 力 を 及 ぼしている こうした 議 員 たちは 2 月 17 日 革 命 における 貢 献 度 に 応 じた 権 限 及 び 役 割 の 確 保 を 目 指 しつつ 旧 カダフィ 政 権 で 要 職 にありながら 離 反 して 革 命 派 となった 人 物 の 公 職 追 放 を 主 張 してきた 他 方 今 後 のリ ビア 情 勢 の 安 定 化 のためには 内 戦 後 の 国 民 相 互 間 の 和 解 や 革 命 派 の 民 兵 組 織 を 軍 及 び 治 安 機 関 へ 統 合 し 中 央 政 府 の 指 揮 下 に 置 くことが 不 可 欠 であるが こうした 課 題 に 対 す る 取 組 みと 個 別 の 利 益 追 求 を 優 先 する 部 族 主 義 的 な 指 向 は 相 容 れない 部 分 が 大 きい ま た 現 在 リビアで 進 められている 憲 法 起 草 委 員 会 のメンバー60 人 の 選 挙 や その 後 の 制 憲 プロセスにおいても こうした 部 族 的 な 要 素 が 大 いに 影 響 するものと 予 測 される まさに 過 渡 期 にあるリビアにおいて 急 激 な 変 化 の 只 中 にある 勢 力 地 図 の 中 で 趨 勢 を 見 極 め わが 国 関 係 者 が 現 地 で 有 益 な 関 係 を 構 築 していくためには 今 後 も 諸 部 族 をめぐる 状 況 を 注 視 し その 正 確 な 理 解 と 動 向 の 把 握 が 必 要 であろう リビアの 歴 史 及 び 部 族 に 関 する 研 究 で 名 高 いファラジュ ナジュム(Faraj Abdulaziz Najm) 氏 によれば リビアに は 大 小 含 め 140 ほどの 部 族 が 存 在 するが 今 なお 一 定 の 政 治 的 影 響 力 を 保 持 している 部 族 は 30 ほどだとされる 本 稿 2. 以 降 では 主 に 革 命 後 のリビアの 現 状 を 踏 まえながら 今 後 特 に 注 視 すべき 部 族 及 び 部 族 的 集 団 を 取 り 上 げ 個 々の 部 族 の 実 態 や 動 向 について 解 説 するとともに 更 にはイスラム 主 義 勢 力 治 安 司 法 機 関 諸 外 国 トゥブ 人 及 びトゥア レグ 人 との 関 係 といった 観 点 からも 論 じることとする 1.リビアにおける 部 族 参 考 資 料 Jason Pack, the 2011 Libyan Uprisings and the Struggle for the Post-Qadhafi Future, Chapter 5 the Rise of Tribal Politics Wolfram Lacher, Fault Lines of the Revolution, Political Actors, Camps and Conflicts in the New Libya, SWP Research Paper, May 2013 The Carter Center, General National Congress Elections in Libya Final Report, July 7, 2012 アハラーム 紙 デジタル 版 2012 年 8 月 1 日 付 配 信 記 事 リビアのイスラム 主 義 政 党 は 如 何 にして 敗 北 したか カーミル アブドッラ( 原 文 アラビア 語 ) アル ハヤート 紙 2012 年 10 月 1 日 付 マガリエフ GNC 議 長 ( 当 時 )インタビ ュー 記 事 過 激 派 は 少 数 派 であり 国 民 評 議 会 は 重 要 課 題 を 放 置 してきた ( 原 文 アラビア 語 ) アル ハヤート 紙 2013 年 12 月 4 日 付 記 事 リビア: 国 民 議 会 はシャリーアこ そが 法 源 と 決 議 ( 原 文 アラビア 語 ) アッシャルク アルアウサト 紙 2011 年 2 月 22 日 付 アブデルサッタール ハテ ィータ 執 筆 記 事 リビアの 部 族 地 図 : 忠 誠 心 のネットワークがカダフィの 命 運 を 決 め る ( 原 文 アラビア 語 ) 10

17 2. カダフィ 政 権 と 部 族 (1)カダフィ 政 権 による 部 族 の 位 置 付 け 2011 年 10 月 に 反 体 制 派 部 隊 の 兵 士 によって 殺 害 されるまで リビアを 42 年 間 に 亘 って 支 配 したムアンマル カダフィ(Mu ammar al-qaddhafi) 指 導 者 は その 青 年 期 には 当 時 エジプトの 大 統 領 であったナセル(Jamal Abdul Nasser)に 心 酔 していたとされる カダ フィはナセルの 歩 んだ 道 にほぼ 倣 う 形 で 1969 年 に 軍 事 クーデターにより 王 政 を 廃 止 して 政 権 の 奪 取 に 成 功 すると ナセル 大 統 領 が 掲 げていたアラブ 民 族 主 義 や 社 会 主 義 的 な 経 済 体 制 といった 理 想 をリビアにおいても 追 及 しようとした なお こうしたナセル 的 な 理 想 の 本 家 本 元 であるエジプトでは 1967 年 の 第 3 次 中 東 戦 争 における 屈 辱 的 な 敗 北 を 期 に 既 に 退 潮 を 余 儀 なくされていた 一 方 のリビアにおいては そもそも 対 イスラエル 戦 争 の 前 線 に 立 たされることはなく 切 迫 した 安 全 保 障 上 の 脅 威 がなかった 上 に 豊 富 なエネル ギー 資 源 がもたらす 莫 大 な 収 入 のおかげで 社 会 主 義 的 な 経 済 政 策 が 抱 える 種 々の 矛 盾 も 露 呈 しにくかった このため カダフィは 1970 年 代 に 入 っても 今 しばらく ナセルの 後 継 者 を 気 取 り 青 年 期 の 夢 想 を 追 い 続 けることが 可 能 であった カダフィは 政 権 を 掌 握 すると 革 命 指 導 評 議 会 (RCC:the Revolutionary Command Committee)を 頂 点 とした 上 からの 社 会 改 革 を 試 みた アラブ 民 族 主 義 を 筆 頭 とする 革 命 の 理 想 実 現 を 最 優 先 に 位 置 づけ 国 民 の 政 治 参 加 を 容 認 せず 王 政 時 代 と 同 様 に 政 党 の 設 立 は 禁 止 されたままであった また こうしたある 種 の 啓 蒙 主 義 的 な 立 場 からは リ ビア 社 会 に 深 く 根 ざした 部 族 主 義 などは 打 破 すべき 旧 弊 以 外 の 何 ものでもなかった そ こで RCC は 部 族 的 な 人 的 ネットワークを 弱 体 化 させ 部 族 長 たちの 指 導 力 を 削 ぐために 様 々な 措 置 を 講 じた 1971 年 の 8 月 には 南 部 のセブハの 部 族 長 らが 革 命 を 妨 害 する ために 外 国 政 府 と 共 謀 したとの 容 疑 をかけられてトリポリで 軍 事 法 廷 が 開 かれた また 王 政 時 代 の 有 力 部 族 出 身 者 らを 標 的 とし 汚 職 容 疑 などで 特 別 人 民 法 廷 も 開 かれた 更 に 地 域 に 密 着 する 部 族 の 力 を 削 ぐため RCC は 行 政 区 の 区 割 りを 改 変 して 各 部 族 の 根 拠 地 を 意 図 的 に 分 断 及 び 統 合 したほか 伝 統 的 な 部 族 長 に 変 えて 若 い 革 命 派 の 人 物 を 地 方 行 政 の 責 任 者 に 充 てた しかし こうしたやり 方 は 悉 く 失 敗 に 終 わる 新 たに 任 ぜられた 責 任 者 らは 地 元 住 民 の 支 持 を 得 られず 指 導 力 を 発 揮 できなかったのである リビア 社 会 に おける 部 族 主 義 は カダフィらが 掲 げる 革 命 の 高 邁 な 理 想 よりも 遥 かに 強 力 であるこ とが 明 白 となった そこで 革 命 の 理 想 実 現 に 向 けて 民 衆 を 動 員 するための 枠 組 みとして 1973 年 の 4 月 に 人 民 革 命 (the Popular Revolution)が 打 ち 出 された 国 民 がリビアの 全 国 各 地 で 人 民 委 員 会 (Popular Committees)を 直 接 選 び 出 し RCC の 絶 対 的 地 位 を 脅 かさない 限 度 で 行 政 権 や 人 事 権 を 与 えて 革 命 の 遂 行 を 国 民 自 らが 担 うこととした こうした 手 法 は リビア 社 会 が 含 有 する 部 族 主 義 的 な 傾 向 を 否 定 することなくむしろ 巧 妙 に 利 用 することで 既 存 の 伝 統 的 な 部 族 の 対 抗 勢 力 として 人 民 委 員 会 を 強 化 し 革 命 を 支 える 新 たな 部 11

18 族 的 集 団 を 形 成 しようとの 狙 いが 伺 える しかし 1975 年 には RCC 内 部 からのクーデター 未 遂 事 件 も 生 じるなど カダフィによ る 独 裁 的 な 支 配 を 盤 石 なものとするには 更 なる 統 治 体 制 の 見 直 しを 迫 られていた また 時 代 の 変 遷 と 共 にアラブ 民 族 主 義 や 社 会 主 義 経 済 の 理 想 が 色 褪 せる 中 自 身 の 政 権 の 正 統 性 を 支 える 新 たな 理 想 を 必 要 としていた 既 に 1973 年 にカダフィは 第 三 世 界 理 論 を 公 表 し アメリカ 的 な 資 本 主 義 体 制 もソ 連 的 な 共 産 主 義 体 制 も 否 定 していたが 1977 年 の 人 民 の 権 力 (People s Authority) 宣 言 により カダフィ 独 自 の 直 接 民 主 制 が 提 唱 され これは ジャマヒリヤ 体 制 として 具 現 化 されることになった こうしたカダフィ 独 自 の 統 治 理 論 は 緑 の 書 という 著 作 の 形 で 公 にされていった 緑 の 書 は 三 部 構 成 であり 1975 年 に 第 一 部 民 主 制 の 問 題 解 決 - 人 民 の 権 力 が 1978 年 に 第 二 部 経 済 的 問 題 の 解 決 - 社 会 主 義 が 出 版 された そして 1979 年 に 出 版 された 第 三 部 第 三 世 界 理 論 の 社 会 的 支 柱 には 興 味 深 いことに 部 族 に 関 する 考 察 が 単 独 の 項 目 を 立 てて 記 されている そこでは 人 間 社 会 の 基 本 単 位 としての 家 族 家 族 の 集 合 体 とし ての 部 族 部 族 の 集 合 体 としての 国 家 そして 国 家 の 集 合 体 としての 世 界 という 極 めて 単 純 化 された 世 界 観 を 提 示 した 上 で 家 族 - 部 族 - 国 家 - 世 界 という 順 序 で 構 成 要 素 間 の 紐 帯 は 強 固 であるとしている そして 家 族 や 部 族 を 介 した 個 々 人 の 結 びつきに 見 られる 自 発 的 な 従 属 規 律 扶 養 といった 関 係 性 を 理 想 状 態 として 賛 美 している 直 接 民 主 制 を 謳 いつつ あらゆる 職 能 的 な 中 間 集 団 の 役 割 を 否 定 しておきながら 部 族 だけには 積 極 的 な 意 義 を 見 出 しているのは リビアを 支 配 する 上 で 部 族 主 義 を 利 用 することが 最 も 効 果 的 であるとカダフィが 強 く 認 識 していた 証 しであろう こうして 建 前 上 は ジャマヒリヤ 体 制 という 独 自 の 直 接 民 主 制 の 理 想 を 掲 げることで 公 的 な 統 治 機 構 を 形 骸 化 させ 機 能 不 全 に 陥 れる 一 方 非 公 式 な 部 族 を 実 質 的 な 統 治 の 手 段 として 活 用 し 表 向 きには 何 ら 公 的 な 肩 書 を 有 しないカダフィによる 独 裁 支 配 を 揺 るぎな いものにしていった 1969 年 のカダフィによる 軍 事 クーデターは アラブ 民 族 主 義 第 三 世 界 理 論 ジャマヒリヤ 体 制 といった 理 想 を 錦 の 御 旗 とする 革 命 であるとの 主 張 は 表 向 きの 建 前 に 過 ぎなかった すなわちクーデターの 本 質 とは サヌーシー 教 団 や イドリース 王 政 を 支 持 することで 恩 恵 を 受 けてきた 東 部 キレナイカ 地 方 の 有 力 部 族 や 伝 統 的 名 望 家 に 対 し それまで 冷 遇 されてきた 西 部 トリポリタニア 地 方 及 び 南 部 フェザーン 地 方 を 拠 点 とする 諸 部 族 からの 巻 き 返 しの 様 相 を 帯 びるようになった (2)カダフィ 政 権 を 支 えた 主 要 部 族 1980 年 代 になると カダフィ 政 権 による 挑 発 的 な 対 外 政 策 の 結 果 欧 米 諸 国 との 関 係 が 極 度 に 悪 化 していった カダフィ 政 権 は 国 内 の 引 き 締 めを 図 り 各 地 の 部 族 長 たちの 支 持 を 取 り 付 けることに 積 極 的 に 取 り 組 むようになった 部 族 代 表 者 が 集 団 としての 服 従 を 宣 誓 する バイア (bai ah)と 呼 ばれる 伝 統 的 な 慣 習 に 則 った 文 書 への 署 名 を 促 していった この 誓 約 によって 部 族 代 表 者 は 構 成 員 レベルでのカダフィ 政 権 に 対 する 忠 誠 について 責 12

19 任 を 負 う 一 方 で 一 定 の 範 囲 で 政 治 的 な 活 動 を 行 う 権 利 を 認 められたのである このよう な 各 部 族 の 政 権 に 対 する 忠 誠 を 確 保 するための 取 組 みは 1993 年 になると 制 度 化 され そ れぞれの 地 域 ごとに 部 族 有 力 者 の 集 合 体 である 人 民 社 会 指 導 部 (PSL:the Popular Social Leadership)が 設 置 された 各 地 の PSL においては 纏 め 役 としての 調 整 官 が 任 命 され カ ダフィ 政 権 側 との 連 絡 調 整 を 担 った なお こうして 部 族 に 一 定 の 役 割 と 自 律 性 が 与 えら れたことは 産 業 の 発 達 や 都 市 への 定 住 化 によって 本 来 は 希 薄 化 していく 部 族 主 義 が リ ビアにおいては 相 当 程 度 維 持 されることに 繋 がった( 後 述 するが 2011 年 2 月 17 日 革 命 においては こうして 社 会 に 温 存 された 部 族 主 義 が 情 勢 の 展 開 に 大 きな 影 響 を 与 えること になる) カダフィはその 名 (al-qaddhafi)が 示 すとおり 中 部 の 沿 岸 都 市 シルトを 根 拠 地 とする カザーズィファ 族 (the Qadhadhifa)の 出 身 であり 自 分 の 子 息 を 始 めとする 同 じ 部 族 の 出 身 者 を 軍 や 治 安 機 関 の 責 任 者 に 登 用 し 権 力 基 盤 を 固 めていた ただし カザーズィフ ァ 族 自 体 は 少 数 部 族 であったため 部 族 を 通 じた 政 権 基 盤 の 強 化 のためには 他 の 有 力 部 族 を 取 り 込 む 必 要 があった 東 部 キレナイカの 有 力 諸 部 族 に 対 抗 してリビア 全 土 を 掌 握 す るためには 西 部 トリポリタニアや 南 部 フェザーン 地 方 の 有 力 部 族 の 協 力 を 得 なければな らなかった カダフィ 政 権 がその 崩 壊 まで 大 いに 頼 りとしたのは 南 部 のフェザーン 地 方 を 拠 点 とする 有 力 部 族 であるマガリハ 族 (the Maqariha)と リビアの 部 族 で 最 も 大 きな 影 響 力 を 保 持 しているワルファラ 族 (the Warfalla)であった 以 下 この 両 部 族 をめぐる 注 目 すべき 事 項 について 取 り 上 げた 後 このようなカダフィ 政 権 を 支 えてきた 部 族 が 今 後 のリビア 情 勢 においてどのような 影 響 を 及 ぼし 得 るかについて 論 じる (イ)マガリハ 族 (the Maqariha the Magarha などの 表 記 も 有 り) マガリハ 族 は リビア 南 部 フェザーン 地 方 のワディ シャーティ(Wadi al-shati)を 根 拠 地 とし 同 地 方 の 中 核 都 市 であるセブハなどにも 広 がっている カダフィ 政 権 時 代 マ ガリハ 族 の 出 身 者 は 治 安 機 関 などで 要 職 を 占 め 政 権 にとっての 反 対 分 子 の 拘 束 や 殺 害 な どを 通 じて カダフィによる 独 裁 支 配 を 裏 で 支 えてきたことで 有 名 である マガリハ 族 の 主 な 出 身 者 としては アブデルサラーム ジャルード(Abdelsalam Jalloud)は 1969 年 の 軍 事 クーデターにも 参 加 したカダフィの 盟 友 であり RCC では 副 議 長 を 務 めるなど 80 年 代 まではカダフィに 次 ぐ No.2 の 地 位 にあった また アブドッラ サヌーシ(Abdullah al-sanusi)は カダフィ 政 権 下 で 情 報 機 関 のトップを 務 めた 人 物 である なお アブドッ ラ サヌーシはカダフィの 二 番 目 の 妻 の 姉 妹 と 結 婚 しており カダフィとは 義 理 の 兄 弟 の 関 係 にある カダフィ 政 権 崩 壊 後 は 国 外 に 逃 亡 していたが 2012 年 3 月 にモーリタニアで 拘 束 され 9 月 にリビア 側 に 引 き 渡 された カダフィ 政 権 崩 壊 後 のマガリハ 族 をめぐる 動 きとしては 2013 年 の 9 月 2 日 にアブドッ ラ サヌーシの 娘 であるアヌード サヌーシ(Anoud al-sanusi)が 拉 致 された 事 件 が 重 要 である アヌードは 不 正 旅 券 を 使 用 し 入 国 した 罪 で トリポリのルワイミ 刑 務 所 に 10 か 月 13

20 間 服 役 していた ところが 釈 放 直 後 に 武 装 勢 力 によって 拉 致 されるという 事 件 が 起 きた のである これに 対 し マガリハ 族 は 迅 速 且 つ 結 束 した 対 応 を 見 せた 砂 漠 地 帯 の 帯 水 層 からリビ ア 西 部 や 沿 岸 部 各 地 へと 水 を 供 給 する 人 口 水 路 のポンプがセブハ 北 部 にあり マガリハ 族 が 警 護 を 行 っていたが 事 件 翌 日 の 3 日 にこのポンプを 停 止 して 水 の 供 給 を 遮 断 したので ある その 後 マガリハ 族 は 一 旦 ポンプを 再 稼 働 させたものの 72 時 間 以 内 にアヌード サ ヌーシの 拉 致 事 件 を 解 決 できなければ 永 続 的 にポンプを 停 止 すると 暫 定 政 府 に 警 告 した 水 不 足 の 虞 に 晒 された 西 部 ナフサ 山 地 の 都 市 ガリヤンでは セブハに 向 かうトラック 300 台 を 止 めるといった 対 抗 措 置 が 取 られるなど 緊 張 が 高 まった 事 態 を 重 く 見 た 暫 定 政 府 が 交 渉 や 働 きかけを 行 った 結 果 7 日 にアヌードは 解 放 された アヌードはセブハに 帰 還 す ると マガリハ 族 の 住 民 たちから 大 歓 迎 を 受 けた カダフィ 政 権 の 強 力 な 支 援 者 だった 経 緯 から マガリハ 族 は 暫 定 統 治 プロセスでは 疎 外 されている ところが こうして 革 命 派 勢 力 から 抑 圧 されることで 部 族 として 結 束 は 衰 えずむしろ 高 まっていることを アヌード サヌーシ 解 放 の 一 件 は 示 唆 している また マガリハ 族 はアブドッラ サヌーシの 裁 判 自 体 を 否 定 しておらず リビアの 暫 定 政 府 の 下 では 公 正 な 司 法 が 期 待 できないとして 国 際 刑 事 裁 判 所 での 裁 判 を 訴 えている 治 安 司 法 機 関 の 整 備 を 進 められない 暫 定 政 府 の 問 題 点 を 鋭 く 突 いており カダフィ 政 権 崩 壊 後 の 新 たな 現 実 を 受 け 入 れながら 部 族 としての 生 き 残 りに 懸 けて 巧 みな 駆 け 引 きに 臨 んでい ることが 伺 われよう (ロ)ワルファラ 族 (the Warfalla) ワルファラ 族 は リビア 最 大 の 部 族 と 称 されることが 多 く その 人 数 は 100 万 人 にも 及 ぶと 現 地 では 報 じられることが 多 い( 実 際 のところ リビアの 諸 部 族 の 勢 力 に 関 する 公 式 の 統 計 等 はなく 実 際 の 人 数 については 不 明 瞭 である) ワルファラ 族 はリビア 北 西 部 トリポリタニアに 属 する 都 市 バニ ワリードを 根 拠 地 としているが 出 身 者 はリビア 各 地 に 広 がっている ワルファラ 族 出 身 者 として 知 られるマフムード ジブリール(Mahmoud Jibril)は NTC において 首 相 職 を 務 め 国 民 勢 力 連 合 (NFA)を 率 いて 国 民 議 会 (GNC) 選 挙 で 多 数 の 議 員 を 当 選 させるなど 依 然 重 要 な 役 割 を 果 たしている ワルファラ 族 もまた カダフィ 政 権 を 支 えた 有 力 部 族 の 一 つであったが 広 域 に 分 布 す る 大 部 族 のために 一 枚 岩 ではないこと またカダフィ 政 権 内 でマガリハ 族 との 競 合 関 係 に 晒 されていたとも 見 られており カダフィ 政 権 に 対 する 協 力 の 度 合 いについては 評 価 が 分 かれている 更 に 1993 年 に 起 きたクーデター 未 遂 事 件 が ワルファラ 族 とカダフィ 政 権 の 関 係 に 影 を 落 とすことになった バニ ワリードでワルファラ 族 出 身 の 軍 将 校 たちが カ ダフィの 暗 殺 を 計 画 していることが 発 覚 したのである カダフィ 側 はワルファラ 族 の 指 導 者 たちに 対 し クーデター 首 謀 者 を 部 族 の 忠 誠 の 証 しとして 自 ら 処 刑 するよう 要 求 したが ワルファラ 族 側 がこれを 拒 否 したところ 結 局 政 権 側 がクーデター 首 謀 者 を 処 刑 するとと 14

21 もに 多 くのワルファラ 族 出 身 者 が 政 権 内 の 要 職 から 追 放 されることになった これを 機 にワルファラ 族 とカダフィ 政 権 の 関 係 は 一 気 に 冷 却 化 した なお 前 述 した 1993 年 の 人 民 社 会 指 導 部 (PSL) 設 立 については カダフィ 政 権 が 最 大 部 族 ワルファラ 族 からの 支 持 を 大 幅 に 失 ったことを 補 うべく 他 の 部 族 との 関 係 改 善 と 取 り 込 みを 図 ったものとも 見 られて いる 2011 年 に 2 月 17 日 革 命 が 起 きると バニ ワリードのワルファラ 族 の 指 導 者 たちは 当 初 中 立 の 立 場 を 守 っていた 反 体 制 運 動 への 公 然 とした 支 持 表 明 は 控 える 一 方 で バニ ワリードで 小 規 模 な 反 政 権 デモに 参 加 した 若 者 たちが 逮 捕 されないよう 保 護 していた こ のような 慎 重 な 姿 勢 の 背 景 には 1993 年 のクーデター 未 遂 事 件 に 関 与 した 部 族 出 身 者 を 処 刑 された 際 に カダフィ 政 権 に 対 する 反 発 は 当 然 としても 当 時 苦 境 に 陥 っていたワルフ ァラ 族 に 手 を 差 し 伸 べる 部 族 も 皆 無 であったため 革 命 派 にも 疑 念 を 向 けていたものとさ れる そして カダフィ 政 権 と 反 体 制 派 双 方 による 綱 引 きの 結 果 ワルファラ 族 内 でも 2 月 17 日 革 命 への 対 応 が 分 かれることになった 1993 年 のクーデター 未 遂 事 件 に 関 与 しな がら 処 刑 を 免 れたムハンマド バシール(Muhammad Bashir)は 革 命 派 として 5 月 28 日 部 隊 を 率 いた(2011 年 の 5 月 28 日 にバニ ワリードで 反 政 府 デモに 参 加 した 学 生 ら が 殺 害 される 事 件 が 起 きている) 5 月 28 日 部 隊 は 2011 年 の 11 月 にバニ ワリードを 制 圧 して 新 たな 地 方 評 議 会 を 設 置 したが 旧 カダフィ 政 権 関 係 者 の 摘 発 や 拘 束 を 行 ったた め 地 元 の 部 族 指 導 者 たちからの 反 発 を 受 けるようになる 2012 年 1 月 旧 カダフィ 政 権 派 (あるいは 反 革 命 派 と 言 うべき) 民 兵 組 織 1993 ワルファラ 族 殉 教 者 部 隊 が バニ ワリードから 5 月 28 日 部 隊 を 追 放 することに 成 功 し た なお 1993~ を 率 いるサーリム ワーイル(Salim al-wa ir)もまた クーデター 未 遂 事 件 に 関 与 したワルファラ 族 出 身 者 の 生 き 残 りである 革 命 派 側 は カダフィ 政 権 の 残 党 が 街 を 乗 っ 取 った と 非 難 したが 実 際 には 革 命 派 側 による 破 壊 及 び 略 奪 行 為 のため 地 元 住 民 の 支 持 を 失 っていたことが 原 因 であった 更 に このような 革 命 派 と 反 革 命 派 の 衝 突 の 背 景 には 同 じワルファラ 族 の 系 列 の 氏 族 間 どうしの 対 立 という 側 面 も 指 摘 され ている 革 命 派 が 一 掃 されたバニ ワリードでは 新 たに ワルファラ 族 社 会 評 議 会 が 設 置 され 地 方 行 政 を 独 立 して 運 営 するようになった この 社 会 評 議 会 は 旧 カダフィ 政 権 関 係 者 を 暫 定 政 府 側 に 引 き 渡 すことを 拒 否 する 一 方 拘 束 中 のワルファラ 族 出 身 者 を めぐり 捕 虜 交 換 を 通 じた 釈 放 を 要 求 した なお 2012 年 7 月 の GNC 選 挙 の 実 施 は 容 認 し ている やがてバニ ワリードは 旧 カダフィ 政 権 支 持 者 を 始 めとする 暫 定 統 治 プロセス において 疎 外 されている 諸 勢 力 の 支 持 を 集 めるようになり 反 革 命 の 牙 城 的 な 存 在 にな ったのである ところが 2012 年 10 月 カダフィの 発 見 と 殺 害 に 関 わったミスラータの 革 命 派 部 隊 の 兵 士 であるウムラン シャアバーン( Omran Sha aban)がバニ ワリードで 殺 害 される と 暫 定 政 府 側 はGNCの 承 認 を 経 てバニ ワリードに 部 隊 を 派 遣 するとともに 街 を 包 囲 し ウムラン シャアバーン 殺 害 容 疑 者 の 引 き 渡 しを 要 求 した バニ ワリード 側 がこれ 15

22 を 拒 否 すると ミスラータの 革 命 派 部 隊 を 中 心 とする 暫 定 政 府 側 との 間 で 戦 闘 となり 最 終 的 には 暫 定 政 府 側 が 街 を 制 圧 した その 後 暫 定 政 府 側 の 部 隊 が 去 ると 再 び 社 会 評 議 会 と 民 兵 組 織 が 復 帰 している しかし 街 が 大 きな 被 害 を 受 けたことで ミスラータの 革 命 派 部 隊 に 対 する 根 強 い 反 感 が 住 民 の 間 で 今 も 渦 巻 いており 反 革 命 の 牙 城 としての 性 質 は 今 なお 残 っている (3) 旧 カダフィ 派 部 族 が 今 後 の 情 勢 に 及 ぼし 得 る 影 響 カダフィ 政 権 を 支 えてきた 諸 部 族 は 同 政 権 の 崩 壊 によって 様 々な 権 限 や 利 益 を 失 った 後 も 集 団 として 弱 体 化 することなかった むしろ 革 命 後 のリビアで 疎 外 された 結 果 部 族 内 部 の 団 結 を 高 めることになったのである マガリハ 族 とワルファラ 族 の 例 が 示 していると おり 不 可 逆 な 情 勢 の 移 り 変 わりを 現 実 のものとして 受 け 入 れながらも 現 在 の 暫 定 政 府 による 統 治 が 直 面 する 問 題 や 矛 盾 に 強 い 異 議 を 示 すなど 部 族 としての 独 自 性 と 影 響 力 を 発 揮 し 続 けている 言 うまでもなく これらの 各 部 族 はリビア 社 会 を 構 成 する 不 可 分 の 要 素 であり 各 部 族 が 包 含 する 反 革 命 的 性 質 は 特 定 の 指 導 者 や 団 体 を 排 除 すれば 消 滅 する 類 いのものではない 特 にカダフィ 政 権 が 支 持 基 盤 としてきたトリポリタニア 地 方 や フェザーン 地 方 の 諸 都 市 での 情 勢 の 展 開 において 今 後 も 重 要 な 影 響 力 を 及 ぼし 続 けるの は 疑 いないだろう 2.カダフィ 政 権 と 部 族 参 考 資 料 Ronald Bruce St. John, Libya from Colony to Revolution, 10. A New Day Dawns, Oneworld Publications Jason Pack, the 2011 Libyan Uprisings and the Struggle for the Post-Qadhafi Future, Palgrave Macmillan Introduction; the Center and the Periphery, Chapter 1; Civil Activism and the Roots of the 2011 Uprisings, Chapter 5; The rise of Tribal Politics. Wolfram Lacher, Families, Tribes and Cities in the Libyan Revolution, Middle East Policy Council, 2013 The Libya Herald Website George Grant, Update Senussi Extradited to Libya; transferred to Hadba Prison 5 th Sep Ashraf Abdullah Wahab, Anoud Senussi freed and flown to Sebha, 7 th Sep Seraj Essul and Elabed Elraqubi, Man-Made River Cut ; Western Libya Could Face Water Shortage, 3 rd Sep Umar Khan, Tensions remain in Bani Walid, 24 th Jun

23 Mansouria Mokhefi, Gaddafi s Regime in Relation to the Libyan Tribes, Al Jazeera Centre for Studies ムアンマル カダフィ 著 緑 の 書 第 三 部 部 族 ( 原 文 アラビア 語 ) 17

24 3. 2 月 17 日 革 命 と 部 族 (1)2 月 17 日 革 命 と 伝 統 的 部 族 2010 年 12 月 にチュニジアで 起 きた ジャスミン 革 命 を 皮 切 りに 民 衆 による 反 体 制 運 動 いわゆる アラブの 春 の 影 響 はアラブ 諸 国 一 帯 に 伝 播 していったが リビアもそ の 例 外 ではなかった 隣 国 と 同 様 にリビアでも 物 価 の 高 騰 や 失 業 率 の 上 昇 汚 職 や 腐 敗 に 対 する 国 民 の 不 満 が 高 まっていた 2011 年 1 月 には 生 活 水 準 の 向 上 や 汚 職 の 防 止 を 訴 えるデモや 住 宅 問 題 の 解 消 を 求 めて 建 設 中 のビルを 占 拠 するといった 抗 議 行 動 が リビ ア 各 地 で 相 次 いで 起 きていた 政 治 改 革 や 国 民 生 活 の 改 善 を 訴 える 平 和 的 なデモが カダフィ 政 権 の 打 倒 を 目 的 とする 激 しい 反 体 制 運 動 へと 展 開 していく 端 緒 となったのは 2011 年 2 月 15 日 に 東 部 のベンガ ジで 弁 護 士 のファトヒ テルビル(Fathi Terbil)が 治 安 機 関 により 拘 束 された 事 件 である テルビル 氏 は 1996 年 にアブ サリム(Abu Salim) 刑 務 所 に 服 役 していた 多 数 の 囚 人 が 虐 殺 された 事 件 で 責 任 者 の 追 及 や 遺 族 の 支 援 を 目 的 とした 団 体 を 運 営 していた テルビ ル 氏 の 逮 捕 に 抗 議 するデモ 隊 が 警 察 と 衝 突 し その 後 バイダやジンタンといった 他 の 都 市 にも 衝 突 が 広 がった そして 2 月 17 日 にリビア 各 地 で 計 画 されていた 一 斉 デモが 実 施 され 治 安 部 隊 との 大 規 模 な 衝 突 が 起 きると 一 般 にこの 日 が 革 命 の 始 まりと 認 識 されるように なった このように 民 衆 によるデモは 当 初 政 権 に 対 する 不 満 を 訴 え 市 民 の 生 活 水 準 の 向 上 に 繋 がる 改 革 を 求 めることを 目 的 としており 政 治 勢 力 等 による 現 政 権 への 挑 戦 といった 側 面 は 見 られなかった それにも 拘 わらず カダフィ 政 権 側 はこうしたデモを 弾 圧 し 一 般 市 民 に 多 数 の 死 傷 者 が 発 生 した その 結 果 政 権 自 体 の 打 倒 を 目 指 す 反 体 制 運 動 へと 急 速 に 発 展 していき カダフィ 政 権 下 で 抑 圧 されていた 諸 勢 力 の 動 きが 活 発 化 していった だが 独 裁 政 権 の 打 倒 という 目 的 を 果 たすためには 反 体 制 勢 力 を 組 織 化 した 上 で 国 際 的 な 認 知 を 獲 得 し 更 に 内 戦 を 戦 うための 軍 事 力 を 確 保 せねばならない 革 命 の 初 期 にそ の 役 割 を 果 たしたのは カダフィ 指 導 者 によるクーデター 以 前 の 王 政 時 代 に 権 勢 を 誇 った 東 部 のキレナイカ 地 方 の 伝 統 的 名 望 家 や カダフィ 政 権 が 民 衆 のデモを 容 赦 なく 弾 圧 し 多 数 の 死 傷 者 が 出 たことに 反 発 する 各 地 の 有 力 部 族 の 出 身 者 たちであった 2 月 17 日 革 命 の 初 期 の 段 階 で 反 体 制 勢 力 の 核 となりうる 社 会 的 勢 力 は 限 られていた カダフィ 政 権 下 においては 独 裁 的 指 導 者 の 権 力 基 盤 が 脅 かされることのないよう イス ラム 主 義 組 織 を 始 め あらゆる 政 治 勢 力 が 徹 底 的 に 排 除 されていたため 主 要 な 活 動 家 の 多 くが 海 外 に 亡 命 しており リビア 国 内 に 基 盤 を 有 していなかった また 監 視 や 取 締 ま りの 対 象 は 政 治 活 動 に 止 まらず ジャマヒリヤ 体 制 という 特 異 な 統 治 理 論 の 下 で 直 接 民 主 制 が 標 榜 され 地 方 自 治 体 労 働 組 合 NGO といった 市 民 社 会 の 発 展 も 阻 害 されていた 更 には 政 府 や 軍 などの 公 的 な 統 治 機 構 も 意 図 的 に 弱 体 なままにされており チュニジア やエジプトのように 軍 による 裁 定 で 事 態 の 収 拾 が 図 られる 可 能 性 も 閉 ざされていたのであ 18

25 る (2)キレナイカ 地 方 の 有 力 部 族 そうした 状 況 の 下 で キレナイカ 地 方 が 反 体 制 派 の 拠 点 となったのは 自 然 な 成 り 行 きで あったと 言 えよう カダフィ 政 権 は 西 部 のトリポリタニア 地 方 や 南 部 のフェザーン 地 方 の 有 力 部 族 出 身 者 ( 特 にワルファラ 族 マガリハ 族 及 びカザーズィファ 族 )を 要 職 に 登 用 す ることで 権 力 基 盤 を 強 化 する 一 方 キレナイカ 地 方 の 出 身 者 は 長 らく 冷 遇 されてきた NTC で 議 長 を 務 め 革 命 期 の 反 体 制 勢 力 の 糾 合 に 重 要 な 役 割 を 果 たしたムスタファ アブドル ジャリル(Mustafa Abuduljalil)は キレナイカ 地 方 の 都 市 バイダの 出 身 である カダフ ィ 政 権 下 で 司 法 相 を 務 めながらも 革 命 勃 発 後 直 ちに 反 体 制 側 に 付 いた その 理 由 につい てアブドルジャリルは 国 際 アラビア 語 紙 のインタビュー 記 事 で 次 のとおり 発 言 している カダフィがクーデターにより 政 権 を 奪 取 した 1969 年 当 時 自 分 (アブドルジャリル) はまだ 青 年 であったが その 頃 から 家 族 ともどもカダフィ 政 権 を 嫌 悪 していた 我 々リビ ア 東 部 の 出 身 者 は 故 イドリース サヌーシー 国 王 と 強 い 結 びつきがあり 予 てより 王 制 を 支 持 していた そのため カダフィ 政 権 はリビア 国 民 の 利 益 にならないと 当 初 から 確 信 していた (2013 年 10 月 21 日 及 び 22 日 付 アッシャルク アルアウサト 紙 ) この 発 言 に 象 徴 されるように 40 年 超 に 及 ぶ 独 裁 政 権 の 支 配 下 にあっても 部 族 的 な 繋 がりや 中 央 政 権 に 対 する 対 抗 意 識 が 強 く 残 っていたため まずはキレナイカ 地 方 の 諸 都 市 が 革 命 の 発 火 点 となり その 後 も 反 体 制 派 の 拠 点 となったのである 以 下 2 月 17 日 革 命 以 降 のリビア 情 勢 を 考 える 上 で 特 に 重 要 と 判 断 されるキレナイカ 地 方 の 伝 統 的 な 有 力 部 族 として ズワイヤ 族 とオベイダート 族 に 関 し 以 下 (イ) 及 び(ロ)で 詳 述 する (イ)ズワイヤ 族 ズワイヤ 族 (Zwaya)は 油 田 地 帯 として 知 られるリビア 北 東 部 のシルテ 盆 地 に 位 置 す るオアシス 都 市 ジャール(Jalu)を 発 祥 の 地 としている 既 に 18 世 紀 には 南 東 部 のクフ ラで 多 数 派 を 形 成 するようになり 19 世 紀 にはキレナイカ 地 方 で 興 盛 していたイスラム 神 秘 主 義 のサヌーシー 教 団 と 連 携 し 当 該 地 方 での 勢 力 を 拡 大 していった やがて 農 耕 が 可 能 なオアシス 地 帯 の 土 地 をほぼ 独 占 するまでになったが そのことがリビア 南 東 部 及 び チャド 北 部 を 根 拠 地 とする 異 民 族 のトゥブ 人 (Tubu)との 軋 轢 を 生 むようになり 2 月 17 日 革 命 以 後 も 度 々 軍 事 衝 突 を 繰 り 返 している なお トゥブ 人 については リビアの 部 族 的 集 団 としても 非 常 に 重 要 であり 本 稿 6.で 別 途 扱 う カダフィ 政 権 下 において リビア 全 人 民 会 議 の 最 後 の 書 記 長 ( 国 会 議 長 に 相 当 )を 務 め たムハンマド アブルカーセム ズワイ(Mohamed Abu Al-Quasim al-zwai)のような 要 19

26 人 も 輩 出 しているが 当 該 人 事 はカダフィ 指 導 者 との 個 人 的 親 交 に 基 づくものと 見 られる 実 際 のところ ズワイヤ 族 はカダフィ 政 権 を 精 力 的 に 支 えた 他 の 諸 部 族 とは 異 なり 主 要 な 治 安 機 関 の 一 翼 を 担 うといった 強 い 同 盟 関 係 にはなく その 協 力 関 係 は トゥブ 人 への 対 処 といったカダフィ 政 権 との 共 通 の 利 害 に 基 づくレベルに 止 まっていた 革 命 発 生 から 間 もない 2011 年 2 月 19 日 ズワイヤ 族 内 の 有 力 者 の 一 人 であるファラジ ュ ブージュフル ズワイ(Faraj Bujuful al-zwai)は アルジャジーラ 放 送 などを 通 じ て カダフィ 政 権 が 反 体 制 運 動 に 対 する 暴 力 的 な 弾 圧 を 止 めるまで ズワイヤ 族 の 勢 力 圏 にある 石 油 関 連 施 設 を 制 圧 し 生 産 と 輸 出 を 停 止 すると 政 権 側 に 警 告 した こうした 決 定 は 部 族 内 の 有 力 者 間 で 内 々の 協 議 を 経 て 出 されるものであり キレナイカ 地 方 の 有 力 部 族 が 反 体 制 側 に 付 いたことを 示 すものとして 当 時 大 きな 注 目 を 集 めた このように 地 域 密 着 度 の 高 いズワイヤ 族 であるが 連 邦 制 の 下 でのキレナイカ 地 方 の 独 立 自 治 に 対 しては 否 定 的 である 2013 年 9 月 21 日 前 述 のファラジュ ブージュフル ズワイのほか アブドルラヒム ブーハルーム(Abdulrahim Buhalum) ファトヒ ハン ティーシュ(Fathi Hantish)といったズワイヤ 族 内 の 有 力 者 たちによって リビア 国 家 の 統 一 を 支 持 する 声 明 が 出 されている 他 の 地 方 の 諸 部 族 もこうしたズワイヤ 族 の 姿 勢 を 評 価 しており キレナイカ 独 立 を 目 指 す 動 きは 当 のキレナイカ 地 方 内 においてさえ 広 範 な 支 持 を 得 るに 至 っていない また 2013 年 10 月 には 多 数 のエジプト 人 運 転 手 アジュダビヤで 民 兵 組 織 に 拘 束 される 事 件 が 発 生 したが 地 元 のズワイヤ 族 の 有 力 者 たちが 解 放 のための 仲 介 役 を 担 った 交 渉 の 結 果 リビア 暫 定 政 府 がエジプト 当 局 に 対 し エジプトで 収 監 中 のリビア 人 に 対 する 公 正 な 裁 判 の 実 施 を 正 式 に 要 請 することを 条 件 に 事 件 は 短 期 間 で 解 決 した これを 受 けて エジプト 側 関 係 者 からズワイヤ 族 の 族 長 たちに 謝 意 が 表 明 された 国 家 機 関 や 地 方 の 行 政 組 織 などが 十 分 に 機 能 していないリビアにおいて このように 部 族 は 非 公 式 の 権 力 機 構 と して 地 域 レベルで 重 要 な 補 完 的 役 割 を 果 たしていると 言 えよう (ロ)オベイダート 族 オベイダート(Obeidat) 族 は 東 部 キレナイカ 地 方 を 拠 点 とし 2 月 17 日 革 命 初 期 よ り 反 体 制 派 の 中 で 重 要 な 役 割 を 果 たしたズワイヤ 族 に 並 ぶ 有 力 部 族 である オベイダート 族 は キレナイカ 地 方 の 中 でもベンガジ ダルナ トブルクといった 地 中 海 沿 岸 の 諸 都 市 を 基 盤 としている また リビアの 王 政 時 代 にはサヌーシー 教 団 を 支 持 し 故 イドリース 国 王 とも 深 いゆかりを 持 つ 部 族 である こうした 歴 史 的 背 景 もあり 革 命 の 早 期 から 部 族 として 反 体 制 派 を 支 持 する 決 定 が 下 されたものと 見 られる オベイダート 族 が 革 命 期 において 特 に 注 目 を 集 めたのは 2011 年 2 月 部 族 出 身 者 でカダ フィ 政 権 軍 の 高 官 2 人 が 相 次 いで 離 反 したことであった すなわち 軍 のトブルク 方 面 司 令 官 であったスレイマン マフムード オベイディ 少 将 (Maj. Gen. Suleiman Mahmoud al-obeidi)に 加 え 内 務 相 であったアブデルファッターハ ユーニス オベイディ 少 将 (Maj. 20

27 Gen Abdelfattah Younis al-obeidi)が 離 反 したのである スレイマン マフムードがトブルクの 守 備 隊 ごとカダフィ 政 権 側 から 離 反 したため 反 体 制 派 はトブルク 港 とマルサ エル ハリガ 貯 油 施 設 (the Marsa El Hariga oil terminal) を 確 保 することができた この 貯 油 施 設 は 400 キロメートル 離 れたサリル 油 田 とパイプラ インで 接 続 されており 3 つのバースを 備 え 12 万 載 貨 重 量 トンまでのタンカーに 対 し 毎 時 8 千 トンの 原 油 を 積 み 込 むことが 可 能 である カタールの 支 援 を 得 て 原 油 が 売 却 されて 反 体 制 派 の 資 金 源 となるなど 戦 略 上 の 要 衝 であった 一 方 アブデルファッターハ ユーニスは 2011 年 7 月 28 日 に 反 体 制 派 の 内 紛 が 原 因 で 殺 害 されるまで 離 脱 した 部 隊 の 参 謀 長 として 戦 闘 の 最 前 線 で 指 揮 を 執 ったほか さらに NTC では 初 代 国 防 相 に 任 命 されるなど 重 要 な 役 割 を 担 っていた その 殺 害 をめぐっては アブデルファッターハ ユーニスの 親 族 を 始 めとするオベイダート 族 の 出 身 者 たちが NTC に 対 し 真 相 究 明 と 犯 人 の 処 罰 が 強 く 求 め 続 けたため 反 体 制 派 内 の 協 力 関 係 に 亀 裂 を 生 じさせた 暫 定 統 治 プロセスにおいても オベイダート 族 の 出 身 者 は 重 要 な 地 位 を 占 めている 2013 年 の 6 月 にベンガジで 発 生 した 衝 突 により 事 件 を 受 けて 参 謀 長 職 を 辞 任 したユーセフ マ ングーシュ 少 将 (Maj. Gen. Yousef Mangoush)の 後 任 として オベイダート 族 からアブデ ルサラーム ジャーダッラ サルヒン オベイディ 大 佐 (Col. Abdulsalam Jad Allah al-salheen al-obeidei)が 参 謀 長 に 就 任 ( 少 将 に 昇 格 )している (3)ナフサ 山 地 の 諸 都 市 の 有 力 部 族 キレナイカ 地 方 と 並 び 2 月 17 日 革 命 の 当 初 より 反 体 制 派 への 支 持 を 宣 言 した 地 域 とし て リビア 北 西 部 のナフサ 山 地 の 諸 都 市 がある これらの 諸 都 市 の 住 民 においても やは り 部 族 主 義 的 な 傾 向 が 強 く 見 られる ナフサ 山 地 はトリポリタニア 北 部 に 位 置 する 山 地 で あり 標 高 は 1000 メートル 未 満 である この 地 域 では アラビア 語 リビア 方 言 のほか ベ ルベル(アマジグ) 語 のナフサ 山 地 方 言 (Nafusi)が 住 民 により 使 用 されている 東 部 の キレナイカ 地 方 と 同 様 に 2 月 17 日 革 命 の 発 生 以 来 カダフィ 政 権 側 は 最 後 まで 支 配 権 を 取 り 戻 すことができなかった ベルベル 系 という 民 族 的 な 要 因 のほか 山 地 という 地 形 的 な 要 因 もあり 当 該 地 域 では 集 団 としての 固 有 性 が 維 持 され 易 く この 地 方 の 住 民 の 間 には 部 族 主 義 が 根 強 く 残 っている ジンタン ラジュバン ジャードゥ アウラード マフムードといった 都 市 の 住 民 の 間 で は ほぼ 単 独 の 部 族 的 な 連 帯 意 識 が 共 有 されている 更 に ヤフラン カバウ キクラと いった 都 市 でも 大 部 族 から 派 生 した 複 数 の 小 部 族 から 成 る 人 口 構 成 を 特 徴 としている こうした 小 部 族 は 族 長 レベルで 定 期 的 に 会 合 の 場 を 持 っており 相 互 に 強 い 団 結 を 維 持 し ている カダフィ 政 権 の 支 配 から 解 放 されると 2011 年 3 月 には 地 方 行 政 のための 評 議 会 が 設 置 されたが そのメンバーの 大 半 は 各 都 市 の 部 族 長 たちであった このように ナフサ 山 地 では 都 市 と 部 族 がほぼ 同 義 であるが 元 来 の 部 族 主 義 的 傾 向 に 21

28 加 え カダフィ 政 権 からの 攻 撃 に 結 束 して 対 抗 し 都 市 を 解 放 及 び 防 衛 する 過 程 を 通 じて 都 市 を 単 位 とした 新 興 勢 力 へと 発 展 したケースと 捉 えることも 可 能 であり ジンタンはそ の 典 型 である 例 えば ナフサ 山 地 の 主 要 都 市 の 中 でも ジンタンとラジュバンはアラブ 系 住 民 が 多 いため カダフィ 政 権 がベルベル 系 の 部 族 との 民 族 的 な 相 違 を 利 用 し 対 立 を 煽 動 するのではないかとの 懸 念 があったが 両 都 市 はとも 反 体 制 派 支 持 の 姿 勢 を 一 貫 して 維 持 し 他 のベルベル 系 諸 都 市 との 衝 突 の 懸 念 は 杞 憂 に 終 わった ナフサ 山 地 の 諸 都 市 で は 既 に 地 域 的 な 連 帯 意 識 の 方 が 重 要 であったことが 伺 える なお こうした 新 たな 部 族 的 集 団 については 以 下 (4)で 説 明 する (4) 各 都 市 を 単 位 とした 新 たな 部 族 的 集 団 2 月 17 日 革 命 の 最 中 カダフィ 政 権 側 と 反 体 制 勢 力 の 双 方 は リビア 各 地 の 有 力 部 族 か らの 支 援 を 頼 みとしつつ 部 族 全 体 としての 姿 勢 が 定 まっていなかった 諸 部 族 ( 特 に 最 大 部 族 ワルファラ 族 )の 支 持 獲 得 に 向 けてせめぎ 合 いを 続 けていた こうした 既 存 の 伝 統 的 部 族 を 軸 に 熾 烈 な 駆 け 引 きが 行 われる 一 方 内 戦 の 只 中 に 置 かれた 現 地 の 住 民 の 間 では 新 たな 部 族 的 アイデンティティをめぐる 重 要 な 変 化 が 進 行 していた 反 体 制 派 への 支 持 を 明 確 にした 都 市 の 住 民 たちは 何 よりもまず 現 場 でカダフィ 政 権 の 部 隊 による 激 しい 攻 撃 から 自 衛 せねばならなかった また 政 権 側 による 支 配 から 解 放 さ れたとしても それは 反 面 国 家 という 統 治 機 構 の 崩 壊 を 意 味 するものであり 直 ちに 権 力 の 空 白 を 埋 め 合 わせる 必 要 に 迫 られた すなわち 行 政 サービスの 運 営 や 治 安 維 持 を 代 わって 担 う 組 織 の 立 上 げが 急 務 となったのである そこで そうした 役 割 を 担 い 得 る 指 導 力 や 行 政 能 力 を 有 する 人 材 を 供 給 しつつ 住 民 の 意 見 を 踏 まえながら 地 域 社 会 をまとめて いくことができたのは リビアにおいては 政 党 やイスラム 主 義 団 体 などではなく やはり 血 縁 や 地 縁 に 基 づく 部 族 的 コミュニティに 他 ならなかった 石 油 開 発 による 経 済 成 長 や 関 連 産 業 の 発 展 に 伴 い 通 常 は 人 口 の 流 動 化 と 生 活 様 式 の 都 市 化 が 進 み 血 縁 や 地 縁 に 基 づく 部 族 的 紐 帯 は 弱 体 化 していくものである しかし カダ フィ 政 権 は 権 力 維 持 のために 部 族 のネットワークを 最 大 限 利 用 したことが 通 常 とは 異 なる 展 開 をもたらした すなわち カダフィ 政 権 は 石 油 から 得 られた 収 入 を 各 部 族 長 を 筆 頭 とするヒエラルキー 構 造 を 通 じて 末 端 まで 分 配 することで 政 権 に 対 する 忠 誠 心 を 固 めて 権 力 基 盤 としていた 更 に 直 接 民 主 制 を 標 榜 しつつ 国 家 機 関 や 行 政 機 構 を 意 図 的 に 弱 体 化 させ 政 党 や 民 間 団 体 の 活 動 を 厳 しく 制 限 することで 政 権 に 対 抗 し 得 るあら ゆる 勢 力 の 登 場 を 阻 止 していた その 結 果 職 能 などに 基 づく 経 済 社 会 的 な 階 層 に 人 口 が 分 化 していくことが 阻 害 され 都 市 に 移 住 後 も 親 族 や 同 じ 地 域 の 出 身 者 が 特 定 の 地 区 に 寄 り 集 まって 居 住 する 傾 向 が 強 かった それでも 長 年 に 亘 る 都 市 生 活 で こうした 部 族 的 な 連 帯 意 識 は 地 中 海 沿 岸 の 主 要 都 市 においては 希 薄 化 していたものの 共 通 の 危 機 を 前 に 一 致 団 結 して 行 動 するには 十 分 な 地 域 コミュニティが 維 持 されていた カダフィ 政 権 の 部 隊 に 応 戦 するため リビア 各 地 で 反 体 制 派 の 民 兵 組 織 が 次 々と 結 成 さ 22

29 れたが その 戦 闘 員 は 主 に 血 縁 や 地 縁 に 基 づいて 動 員 されていた 初 めは 小 規 模 なグルー プが 自 然 発 生 し カダフィ 政 権 の 部 隊 に 対 しゲリラ 的 な 戦 闘 を 行 っていたが やがて 反 体 制 勢 力 が 支 配 地 域 を 広 げるに 伴 い 前 線 が 伸 びていくにつれて 各 グループの 統 合 と 指 揮 系 統 の 整 備 が 進 められた 反 体 制 派 の 部 隊 は 徐 々に 規 模 を 拡 大 し 相 互 に 連 携 するようにな っていった 更 に 都 市 単 位 で 軍 事 評 議 会 が 設 置 され 多 くの 部 隊 を 統 制 するようになっ た 2 月 17 日 革 命 の 激 戦 地 となった 北 部 の 都 市 ミスラータがその 最 たる 例 であり ザーウ ィヤ ズワーラなどもその 類 例 と 言 えよう また 都 市 と 部 族 がほぼ 同 意 義 であるジンタ ンなどナフサ 山 地 の 諸 都 市 でも 都 市 を 最 大 単 位 として 革 命 派 勢 力 が 結 集 していくのは 当 然 の 展 開 であった 反 体 制 派 の 民 兵 たちは 主 な 移 動 手 段 として 使 用 したピックアップ トラックの 車 体 や カダフィ 政 権 の 部 隊 を 駆 逐 して 制 圧 した 地 区 の 壁 などに 部 隊 の 出 身 地 である 都 市 名 を 誇 らしげに 描 き 入 れていたが こうした 行 動 は 都 市 名 に 部 族 的 な 意 味 合 いが 強 く 込 められていることを 示 すもので 都 市 を 単 位 とした 革 命 派 の 諸 部 隊 が 部 族 的 な 性 質 を 持 つ 集 団 であることを 示 唆 している ところで このような 都 市 を 単 位 とした 新 興 の 部 族 的 集 団 が 組 織 として 確 立 し 高 い 結 束 力 と 統 制 力 を 維 持 するようになった 背 景 として 2011 年 の 3 月 に 北 大 西 洋 条 約 機 構 (NATO)による 飛 行 禁 止 区 域 の 設 定 も 重 要 である 安 保 理 決 議 1973 は リビアの 民 間 人 保 護 のため 関 係 加 盟 国 及 び 機 関 による あらゆる 必 要 な 措 置 を 認 めるとしながら 外 国 勢 力 による 占 領 を 除 外 したため 陸 上 部 隊 による 軍 事 介 入 は 見 送 られることとなった その 結 果 カダフィ 政 権 側 は 制 空 権 を 失 ったが NATO による 攻 撃 は 空 爆 に 限 定 された このような 独 特 の 介 入 のあり 方 は 内 戦 の 行 方 にも 大 きな 影 響 を 及 ぼした まず 空 軍 力 を 奪 われたカダフィ 政 権 側 は 遠 隔 地 である 東 部 のキレナイカ 地 方 を 再 度 支 配 下 に 置 くこ とは 事 実 上 不 可 能 となった 他 方 キレナイカの 諸 都 市 の 反 体 制 派 部 隊 としては 自 身 の 根 拠 地 の 防 衛 は 盤 石 となったものの カダフィ 政 権 側 が 根 拠 地 とする 西 部 のトリポリタニ アや 南 部 のフェザーン 地 方 まで 進 撃 できるほどの 軍 事 力 は 整 っていなかった ブレガやア ジュダビヤといった 地 中 海 沿 岸 都 市 をめぐる 攻 防 は 一 進 一 退 の 状 況 となり この 戦 線 はカ ダフィ 政 権 の 打 倒 を 最 終 目 標 に 掲 げる 革 命 の 趨 勢 とは 無 関 係 となった こうして NTC の 国 際 的 認 知 は 比 較 的 順 調 に 進 んだ 一 方 で 国 内 における NTC の 影 響 力 はトリポリタニア 地 方 やフェザーン 地 方 では 限 定 的 となっていた 一 方 西 部 トリポリタニアというカダフィ 政 権 の 勢 力 圏 にありながら 反 体 制 勢 力 側 に 付 いたミスラータやジンタンのような 諸 都 市 は カダフィ 政 権 の 部 隊 に 包 囲 され 補 給 を 遮 断 された 上 激 しい 攻 撃 に 晒 された 2011 年 前 半 の 段 階 では 反 体 制 勢 力 の 部 隊 の 練 度 は 低 く 装 備 も 不 十 分 であり 仮 に 飛 行 禁 止 区 域 の 設 定 と NATO による 空 爆 などの 支 援 がなけ れば 軍 事 力 で 圧 倒 的 優 位 に 立 つカダフィ 政 権 側 に 対 抗 できず 西 部 の 諸 都 市 は 早 晩 陥 落 していた 可 能 性 が 高 い ところが NATO 軍 機 による 援 護 を 得 られたことで NTC や 他 の 地 域 の 反 体 制 勢 力 の 支 援 を 受 けられずとも 地 中 海 沿 岸 の 港 や 対 チュニジア 国 境 を 補 給 ル ートとして 活 用 することが 可 能 となり 各 都 市 の 反 体 制 派 の 部 隊 は 根 拠 地 とする 都 市 を 守 23

30 り 抜 くことに 成 功 し 住 民 からも 強 い 支 持 を 集 めた すなわち 革 命 期 における 戦 闘 を 通 じて 組 織 としての 実 力 や 統 制 を 高 めるとともに 地 方 評 議 会 と 連 携 して 行 政 運 営 や 治 安 維 持 においても 重 要 な 役 割 を 果 たし NTC からは 独 立 した 形 で 新 興 勢 力 として 台 頭 していっ たのである カダフィ 政 権 崩 壊 後 の 暫 定 統 治 プロセスにおいては こうした 新 たな 部 族 的 集 団 が 革 命 初 期 に 重 要 な 役 割 を 担 った NTC の 元 メンバー(カダフィ 政 権 の 離 反 者 や 東 部 の 伝 統 的 部 族 の 有 力 者 ら)に 対 抗 する 一 大 勢 力 となっている 自 らが 基 盤 とする 地 域 への 利 益 配 分 を 何 より 重 視 し 革 命 期 の NTC や 暫 定 統 治 期 の GNC のような 中 央 権 力 の 方 針 には 容 易 に 従 おうとせず 暫 定 統 治 プロセスの 進 展 を 困 難 かつ 複 雑 なものにしている 今 後 のリビア 情 勢 の 展 開 を 考 える 上 で こうした 部 族 的 性 質 をもつ 重 要 な 都 市 の 事 例 として 以 下 (イ) 及 び(ロ)でミスラータとジンタンについて 詳 述 する (イ)ミスラータ ミスラータは リビア 北 部 の 首 都 トリポリの 東 方 約 200 キロに 位 置 しており 近 郊 に 産 業 と 物 流 の 拠 点 であるカスル アフマド 港 を 擁 している 人 口 は 推 計 約 30 万 人 であり ト リポリ ベンガジに 次 ぐリビア 第 三 の 都 市 である NTC においては ミスラータにおける 伝 統 的 名 望 家 であるモンタスィル 家 出 身 のムハンマド モンタスィル(Mohamaed al-montasir)と スエイヒリ 家 出 身 のアブデルラフマン スエイヒリ(Abdelrahman al-swehli)がメンバーとして 選 任 された モンタスィル 家 は カダフィ 政 権 以 前 の 王 政 時 代 にマフムード モンタスィル 首 相 (Mahmoud al-montasir)を 輩 出 しており 方 やスエ イヒリ 家 は 対 イタリアの 植 民 地 支 配 に 抵 抗 したラマダン スエイヒリ(Ramadan al-swehili) の 活 躍 で 名 高 い ミスラータの 反 体 制 勢 力 の 連 合 組 織 である ミスラータ 革 命 派 連 合 (MUR:the Misratan Union of Revolutionaries)の 記 録 によれば カダフィ 政 権 の 打 倒 を 達 成 した 直 後 にあたる 2011 年 11 月 の 時 点 で 大 小 含 め 236 の 革 命 派 部 隊 が 存 在 し 総 戦 闘 員 数 はお よそ 4 万 人 にも 達 していた これらの 部 隊 はミスラータ 軍 事 評 議 会 (MMC:the Misratan Military Council)の 下 で 高 い 統 率 力 を 誇 っていた 革 命 後 期 のトリポリ 解 放 や 末 期 のシ ルト 攻 略 とカダフィ 政 権 指 導 者 の 拘 束 と 殺 害 は ミスラータの 革 命 派 部 隊 の 活 躍 によると ころが 大 きいとされている カダフィ 政 権 の 部 隊 との 激 戦 を 制 して 精 強 な 軍 事 力 を 持 つに 至 ったミスラータは 暫 定 統 治 期 間 においても 大 きなプレゼンスを 維 持 し 特 に 軍 事 治 安 の 分 野 で 強 い 影 響 力 を 発 揮 してきた なお カダフィ 政 権 崩 壊 後 のキーブ 暫 定 内 閣 で 内 務 相 を 務 めたファウズィ アブデルアール(Fawzi Abdel Aal)(その 後 駐 バーレーン 大 使 に 就 任 )は ミスラータの 出 身 である 今 後 注 目 すべきミスラータ 出 身 の 有 力 者 として サーレム ジュハー(Salem Jouha)を 指 摘 しておくべきであろう この 人 物 はミスラータの 名 望 家 であるスエイヒリ 家 の 出 身 者 であり 革 命 が 起 きると 直 ちにカダフィ 政 権 軍 から 離 脱 し ミスラータの 反 体 制 24

31 派 部 隊 を 指 揮 して 活 躍 した キーブ 暫 定 内 閣 の 組 閣 時 には 国 防 相 の 候 補 者 として 浮 上 した ものの 固 辞 している 現 地 報 道 によれば 憲 法 が 制 定 されるまで 政 府 の 要 職 に 就 くつもり はない と 発 言 しているが 中 央 政 府 に 対 するある 種 の 牽 制 と 解 することも 可 能 であろう また 2013 年 1 月 よりアラブ 首 長 国 連 邦 (UAE)の 駐 在 武 官 として 赴 任 している 2 月 17 日 革 命 において UAE はカタールと 共 に 外 交 面 のみならず 軍 事 面 でも 反 体 制 勢 力 を 積 極 的 に 支 援 したアラブ 国 家 であり 今 後 双 方 の 関 係 強 化 が 進 んだ 上 で 帰 任 するとすれば 暫 定 プロセス 後 のリビアにおいてサーレム ジュハーの 影 響 力 が 拡 大 することも 予 測 されよう また ミスラータのような 都 市 型 新 興 勢 力 は 2 月 17 日 革 命 の 守 護 者 を 自 認 しており 軍 や 国 防 省 に 対 しては 旧 カダフィ 政 権 の 関 係 者 が 残 存 している 上 革 命 の 成 就 にさした る 役 割 を 果 たさなかったと 見 なし 根 強 い 不 信 感 を 有 している そうした 経 緯 から 革 命 派 部 隊 を 軍 や 治 安 機 関 へ 統 合 させるのは 容 易 でなかったため 各 地 の 革 命 派 部 隊 をそのま ま 編 制 単 位 とする 別 系 統 の 組 織 が 設 置 されることとなった すなわち 対 内 治 安 機 関 であ る 最 高 治 安 委 員 会 (SSC: the Supreme Security Committee)と 軍 事 組 織 である リ ビアの 盾 軍 (the Libya Shield Forces)である( 詳 細 については 本 稿 5.で 扱 うものと する) リビアの 盾 軍 は 参 謀 長 直 属 の 組 織 であり 国 軍 と 並 列 する 形 で 異 なる 指 揮 系 統 に 置 かれており 東 部 中 部 西 部 及 び 南 部 の 四 方 面 の 支 部 により 構 成 されている リビアの 盾 軍 の 全 兵 力 は 約 1 万 3 千 人 (2013 年 1 月 時 点 のデータに 基 づく)と 推 計 されているが ミスラータの 革 命 派 部 隊 からは 中 部 方 面 支 部 へ 約 7 千 人 が 参 加 したほか 大 量 の 武 器 弾 薬 も 管 理 しており これまで 大 きな 軍 事 的 影 響 力 を 保 持 してきた ミスラータの 革 命 派 部 隊 は GNC 選 挙 の 際 の 治 安 維 持 など 暫 定 統 治 プロセスにおいて 重 要 な 役 割 を 果 たす 一 方 で 時 に 強 力 な 軍 事 力 が 濫 用 され 情 勢 の 緊 張 化 や 治 安 の 悪 化 を 招 くケースが 発 生 した その 中 でも 当 時 大 きな 関 心 を 集 めた2つの 事 例 について 以 下 紹 介 する ミスラータの 革 命 派 部 隊 の 中 でも 強 い 存 在 感 を 発 揮 していた 部 隊 の 一 つに スエイヒ リ 部 隊 (al-swehili Brigade)がる 部 隊 の 名 が 示 すとおり この 部 隊 の 司 令 官 であるファ ラジュ スエイヒリ(Faraj al-swehili)は イタリアの 植 民 地 支 配 に 対 する 武 装 抵 抗 で 名 を 馳 せたラマダン スエイヒリ(Ramadan al-swehli)の 曾 孫 に 当 たり ミスラータの 名 望 家 の 出 身 である ミスラータにおいて 大 きな 社 会 的 及 び 経 済 的 影 響 力 を 有 するスエイヒ リ 一 族 の 支 援 を 受 けて 部 隊 は 増 強 され カダフィ 政 権 の 部 隊 との 戦 闘 で 大 きな 戦 果 を 挙 げ た 内 戦 終 了 時 点 の 段 階 で 400 人 超 の 戦 闘 員 を 擁 していた スエイヒリ 一 族 は ミスラー タ 西 部 の 街 の 入 口 に 当 たる 地 区 を 根 拠 地 としており ここはトリポリへと 通 じる 要 衝 であ る ところが 内 戦 終 結 後 この 地 区 を 実 効 支 配 して 武 力 を 濫 用 しているとの 非 難 が 向 けら れるようになった ミスラータ 出 身 者 以 外 の 者 の 通 行 を 制 限 していたほか 他 の 部 隊 の 車 両 や 装 備 を 恣 意 的 に 押 収 するようになったため 他 の 部 隊 を 統 括 するミスラータ 軍 事 評 議 会 (MMC)との 間 で 緊 張 が 高 まった そして 2012 年 2 月 26 日 20 を 超 える 他 の 部 隊 に よりこの 地 区 が 制 圧 された 双 方 間 で 全 面 的 な 衝 突 はなかったものの 一 部 で 発 砲 などが 25

32 あり 武 器 弾 薬 庫 が 爆 発 して 2 人 が 死 亡 した その 後 暫 定 政 府 から 内 務 省 の 高 官 も 交 え る 形 で スエイヒリ 一 族 の 有 力 者 と MMC の 間 で 長 時 間 に 及 ぶ 協 議 が 行 われた 結 果 内 務 省 が 当 該 地 区 を 管 理 することで 合 意 がなされ 事 態 は 収 拾 された また 2013 年 11 月 15 日 には 首 都 トリポリ 西 部 のガルグール 地 区 で 現 地 に 駐 留 するミ スラータの 革 命 派 部 隊 と 民 兵 組 織 に 街 からの 撤 退 を 求 めるデモ 隊 の 間 で 大 規 模 な 衝 突 が 起 き 43 人 が 死 亡 461 人 が 負 傷 した 翌 16 日 にはトリポリ 東 部 郊 外 のタジューラで ミスラータから 応 援 に 駆 け 付 けた 革 命 派 部 隊 と これを 阻 止 しようとする 地 元 の 若 者 らと の 間 で 戦 闘 が 発 生 した こうした 首 都 でミスラータの 革 命 派 部 隊 に 対 する 反 感 が 強 まり 同 部 隊 は 当 該 地 区 から 退 去 を 余 儀 なくされ 代 わりに 軍 が 管 轄 することになったが GN C 内 でザイダン 内 閣 の 責 任 を 追 及 し 退 陣 を 求 める 動 きが 強 まる 結 果 を 招 くこととなった これらの 事 例 は 内 戦 終 結 から 相 当 な 時 間 の 経 過 にも 拘 わらず 都 市 を 基 盤 とする 革 命 派 部 隊 が 今 なお 相 当 な 軍 事 力 を 保 持 しており 内 戦 後 の 治 安 維 持 と 秩 序 回 復 を 妨 げている ことを 示 している 他 方 スエイヒリ 部 隊 の 事 例 が 示 しているように 中 央 政 府 やその 他 の 勢 力 が 一 致 団 結 した 上 で 現 地 の 部 族 的 集 団 に 然 るべくアプローチすれば 深 刻 な 衝 突 を 回 避 することも 可 能 である 部 族 的 集 団 のこれまで 果 たしてきた 役 割 及 びその 実 力 をま ずは 認 め 影 響 力 のある 他 の 部 族 的 集 団 の 協 力 も 得 つつ 忍 耐 強 く 慎 重 な 対 処 を 繰 り 返 し ていくことが リビアの 安 定 のためには 不 可 欠 であろう (ロ)ジンタン ジンタンはリビア 西 部 ナフサ 山 地 の 都 市 である 当 該 地 域 ではガルヤンと 並 ぶ 都 市 であ る ミスラータと 同 様 に トリポリタニアというカダフィ 政 権 の 拠 点 地 方 にありながら 早 期 に 革 命 派 への 支 持 を 表 明 し 内 戦 の 最 後 まで 都 市 を 防 衛 することに 成 功 した カダフィ 指 導 者 の 後 継 候 補 の 一 人 と 見 られていた 次 男 セイフ イスラムを 拘 束 したのはジンタンの 革 命 派 部 隊 であり 暫 定 統 治 プロセスにおいて 存 在 感 を 強 め ミスラータのライバル 的 都 市 として 台 頭 した ジンタンは 元 来 より 部 族 主 義 的 な 性 向 を 持 った 都 市 であり ミスラータよりも 内 部 の 結 束 は 固 い 革 命 開 始 から 間 もない 3 月 には 地 元 部 族 の 有 力 者 たちによるシューラー 評 議 会 が 設 置 され 地 方 評 議 会 及 び 軍 事 評 議 会 と 連 携 し 政 治 的 及 び 軍 事 的 な 重 要 事 項 への 決 定 が 行 われていた 他 のナフサ 山 地 の 諸 都 市 もこれに 倣 い 同 様 に 自 治 行 政 や 治 安 維 持 を 行 なうようになった ジンタンもミスラータと 同 様 に 内 戦 の 過 程 を 通 じて 得 た 軍 事 力 を 背 景 として 地 域 的 な 利 益 を 独 自 に 追 求 しようとする 傾 向 が 見 られる ナフサ 山 地 のシェガイガを 根 拠 地 とする マシャーシヤ 族 とジンタンとの 間 には 土 地 をめぐり 歴 史 的 な 対 立 関 係 にあったが ジン タンの 革 命 派 勢 力 はマシャーシヤ 族 がカダフィ 政 権 側 を 支 援 していたと 非 難 し 内 戦 終 結 後 も 双 方 の 間 で 衝 突 が 繰 り 返 されている 26

33 ジンタン 出 身 の 有 力 者 としては マフムード ジブリールが 率 いる 国 民 勢 力 連 合 (NFA) 内 の 有 力 者 であるアブデルマジド ムレグタ(Abdelmajid Mlegta)がいる 同 人 は 実 業 家 であったが 2 月 17 日 革 命 を 受 けて 革 命 派 部 隊 カアカア 部 隊 (al-q aq a brigade) を 組 織 した この 部 隊 は 兄 弟 のオスマン ムレグタ(Othman Mlegta)が 率 いており トリポ リ 解 放 で 活 躍 した 後 首 都 の 重 要 施 設 や NFA の 拠 点 を 警 護 するようになったが 恣 意 的 な 拘 束 や 公 共 資 産 の 接 収 を 行 なっているとの 非 難 の 声 が 上 がっていた NTC のキーブ 内 閣 において 国 防 相 を 務 めたオサーマ ジュワイリ(Osama al-juwaili) もジンタン 出 身 である 2 月 17 日 革 命 を 受 けてカダフィ 政 権 軍 から 離 反 し ジンタン 部 隊 (Zintan Brigade) を 組 織 するとともに ジンタンの 革 命 派 部 隊 の 統 制 を 担 う 軍 事 評 議 会 の 議 長 を 務 めるなど 指 導 的 な 役 割 を 果 たした なお このジンタン 部 隊 によってカダフ ィ 指 導 者 の 次 男 であるセイフ イスラムが 拘 束 された 以 上 本 稿 2.および 3.において リビアの 伝 統 的 部 族 並 びに 新 興 勢 力 としての 都 市 を 単 位 とする 部 族 的 集 団 について 主 要 なものを 列 挙 しつつ その 性 質 や 動 向 について 論 じ てきた リビア 情 勢 の 今 後 と 我 が 国 関 係 者 によるあるべき 関 わり 方 を 考 える 上 で 個 別 の 部 族 のあり 方 の 把 握 にとどまらず 部 族 と 国 家 単 位 の 集 団 との 関 わりについても 考 察 の 必 要 があるだろう すなわち 統 治 機 構 である 軍 や 治 安 機 関 民 族 としての 性 向 の 強 い 部 族 的 集 団 であるトゥアレグ 人 やトゥブ 人 そしてムスリム 同 胞 団 やサラフィー 主 義 者 などの イスラム 主 義 勢 力 とどのような 関 わりにあるかについて 4.にてそれぞれ 概 説 する 3.2 月 17 日 革 命 と 部 族 参 考 資 料 Ronald Bruce St. John, Libya from Colony to Revolution, 10. A New Day Dawns, Oneworld Publications Jason Pack, the 2011 Libyan Uprisings and the Struggle for the Post-Qadhafi Future, Introduction, The Center and the Periphery, Palgrave Macmillan Brian McQuin, After the Fall, Libya s Evolving Armed Groups, published by the Small Arms Survey Working Paper in Oct Wolfram Lacher, Families, Tribes and Cities in the Libyan Revolution, Middle East Policy Council, 2013 Reuter, Jan , Friend of Gaddafi named to head Libyan parliament, John Oakes, Berenice Stories (libyastories.com), Libya the Obeidat (A Third Post about Libyan tribes), updated 20 th July 年 7 月 18 日 付 アルース アルバハル 通 信 配 信 記 事 サーリム ジュハー 大 佐 リビア 憲 法 の 制 定 まで 国 防 相 就 任 を 辞 退 ( 原 文 アラビア 語 ) 27

34 2013 年 10 月 21 日 及 び 22 日 付 アッシャルク アルアウサト 紙 アブドルジャリ ル 元 NTC 議 長 への 独 占 インタビュー 記 事 ( 原 文 アラビア 語 ) 2013 年 9 月 21 日 付 シャアブ ミスル 紙 電 子 版 記 事 リビアのアジュダビヤの 名 士 ら 連 邦 制 の 導 入 とキレナイカ 地 方 の 独 立 に 反 対 ( 原 文 アラビア 語 ) 2013 年 10 月 20 日 付 シャアブ ミスル 紙 電 子 版 記 事 カトアン 族 長 ズワイ ヤ 族 に 謝 意 表 明 ( 原 文 アラビア 語 ) 2013 年 10 月 20 日 付 アルバウワーブ ニューズ 電 子 版 記 事 アジュダビヤの 部 族 長 エジプト 人 運 転 手 の 釈 放 後 にリビア 人 の 公 正 な 裁 判 の 実 施 を 期 待 2013 年 11 月 17 日 付 アルハヤート 紙 記 事 首 都 トリポリ 東 部 でもミスラータの 民 兵 組 織 の 進 攻 を 阻 止 するための 戦 闘 が 発 生 ( 原 文 アラビア 語 ) 2013 年 11 月 18 日 付 アルジャジーラ 電 子 版 配 信 記 事 ミスラータの 部 隊 金 曜 日 の 流 血 事 件 の 後 トリポリから 退 去 ( 原 文 アラビア 語 ) 28

35 4. イスラム 主 義 勢 力 と 部 族 (1)リビアのイスラム 主 義 勢 力 イスラム 主 義 勢 力 (Islamists)とリビアの 部 族 的 集 団 の 関 係 を 考 察 する 上 で まずは 2 月 17 日 革 命 発 生 から 現 在 の 暫 定 統 治 プロセスまでの 過 程 において リビアにおいてイスラ ム 主 義 を 標 榜 する 各 勢 力 がどのような 状 況 にあったかを 概 観 しておく 必 要 があるだろう ところで わが 国 の 報 道 などでは 一 般 にイスラム 主 義 勢 力 を イスラム 原 理 主 義 組 織 と の 用 語 で 単 純 に 一 括 りすることが 多 い だが 実 際 のところ 一 口 にイスラム 主 義 勢 力 と 言 っても 様 々な 組 織 が 存 在 し しかもその 多 くが 国 民 国 家 の 枠 組 みに 収 まらない 国 境 を 超 え たネットワークを 構 築 しているのが 特 徴 である イスラム 法 シャリーア に 根 差 した 国 家 の 建 設 を 掲 げるイスラム 主 義 勢 力 の 中 には ムバラク 政 権 が 崩 壊 した 後 のエジプトで 一 時 政 権 の 座 にあった ムスリム 同 胞 団 (Muslim Brotherhood)のほかにも サウジアラビアを 起 源 とするワッハーブ 派 (Wahhabi)の 影 響 を 強 く 受 けた サラフィー 主 義 者 (Salafist) 更 には 目 的 を 実 現 するためにはテロや 戦 闘 などの 暴 力 的 手 段 も 厭 わない ジハード 主 義 者 (Jihadist) 又 は タクフィーリ 主 義 者 (Takfiri)と 呼 ばれる 勢 力 もある シャリーアの 適 用 を 重 視 するという 共 通 点 がある 一 方 で 目 指 すイスラム 国 家 像 ( 民 主 主 義 といった 欧 米 的 な 思 想 及 び 制 度 に 対 する 受 容 度 )や 目 標 達 成 のための 手 段 及 び 過 程 (テロや 戦 争 などの 暴 力 的 手 段 の 可 否 )は 各 々 異 なって いるのである こうした 傾 向 は 革 命 期 におけるリビアのイスラム 主 義 勢 力 についても 当 てはまり 様 々な 勢 力 がそれぞれの 思 惑 と 判 断 に 基 づいて 別 個 に 活 動 していたというの が 実 態 である そして リビアのイスラム 主 義 勢 力 を 考 察 する 上 で 特 に 重 要 なのが サラフィー 主 義 の 流 れを 汲 む リビア イスラム 戦 闘 集 団 ( GNC 選 挙 に 際 し 政 党 化 したものの 敗 北 し 現 在 はリビア 国 内 で 目 立 った 活 動 をしていない)と ムスリム 同 胞 団 であろう この2 つの 組 織 について カダフィ 政 権 時 代 から 2 月 17 日 革 命 までの 歩 みと その 後 明 暗 を 分 け ることになる 暫 定 統 治 プロセスでの 動 きを 概 説 しつつ それ 以 外 のジハード 主 義 勢 力 も 含 め 部 族 的 集 団 との 関 わりについて 論 じる (2)リビア イスラム 戦 闘 集 団 (LIFG:the Libyan Islamic Fighting Group) 1980 年 代 ソ 連 によるアフガニスタン 侵 攻 を 受 けて リビアからも 多 くの 若 者 がイスラ ム 教 徒 としての 宗 教 心 に 駆 られ 義 勇 兵 としてアフガニスタンに 向 かった その 後 1989 年 にソ 連 軍 がアフガニスタンから 撤 退 すると カダフィ 政 権 の 打 倒 及 びリビアでのイスラ ム 国 家 の 樹 立 を 目 的 に 掲 げ 元 義 勇 兵 たちによって 結 成 されたのが リビア イスラム 戦 闘 集 団 (LIFG)である 歴 史 的 にカダフィ 政 権 への 反 抗 心 が 残 る 東 部 キレナイカ 地 方 で 秘 密 裏 に 勢 力 を 拡 大 していたが 1990 年 代 後 半 にカダフィ 政 権 により 摘 発 され 徹 底 的 な 29

36 弾 圧 を 受 けた 2001 年 の 9 11 同 時 多 発 テロ 事 件 に 伴 って 米 軍 による 対 アフガニスタン 戦 争 が 起 きると LIFG はアフガニスタンの 拠 点 からも 撤 退 を 余 儀 なくされた ところが 9 11 事 件 による LIFG のアフガニスタン 撤 退 が カダフィ 政 権 との 和 解 の 端 緒 となった カダフィ 指 導 者 の 次 男 であるセイフ イスラムは 当 時 リビアと 欧 米 諸 国 の 関 係 改 善 を 模 索 していたところ 米 国 及 びパキスタン 当 局 と 協 力 しながら LIFG メンバー らを 始 めとするアラブ 人 元 義 勇 兵 のリビアへの 受 入 れを 支 援 したのである これにより LIFG 内 でカダフィ 政 権 に 対 する 姿 勢 の 見 直 しが 促 されることとなった 更 に 2005 年 からは リビアの 国 際 社 会 への 復 帰 に 向 けたセイフ イスラムによる 改 革 開 放 路 線 が 更 に 推 し 進 められた その 背 景 には 海 外 からの 投 資 促 進 に 繋 がる 改 革 を 通 じ て 経 済 的 な 成 功 を 収 めることにより 民 衆 からの 支 持 を 確 保 してカダフィ 指 導 者 の 後 継 者 としての 地 位 を 固 める 狙 いがあったとされる 更 にセイフ イスラムは 治 安 部 隊 を 掌 握 する 他 の 兄 弟 や 有 力 者 に 対 抗 する 必 要 もあったため これまで 弾 圧 されてきたイスラム 主 義 勢 力 に 対 する 懐 柔 を 図 ったのである 2007 年 には LIFG のメンバー200 人 超 を 含 むイス ラム 主 義 者 1000 人 が 釈 放 され その 後 もアブデルハキムーム ベルハージ(Abdelhakim Belhaj)などの LIFG の 主 要 メンバーが 随 時 釈 放 されていくと 2010 年 3 月 には 遂 に LIFG として 暴 力 を 通 じた 政 権 の 打 倒 を 明 確 に 否 定 し 過 去 の 行 動 に 対 し 謝 罪 する 文 書 が 公 表 された 2011 年 の 2 月 16 日 (まさに 革 命 前 夜 とも 言 うべきタイミングであるが) 予 め 決 まっていた 釈 放 対 象 のイスラム 主 義 者 の 最 後 の 一 群 が 釈 放 され LIFG のメンバー 全 員 が 出 所 するに 至 った なお このタイミングで 全 員 が 釈 放 されたことは その 後 の 反 体 制 運 動 に 合 流 する 上 ではカダフィ 政 権 側 に 人 質 を 捕 られずに 済 んだため LIFG としては 幸 運 であ ったと 言 えよう LIFG は 2 月 17 日 革 命 の 当 初 反 体 制 派 への 明 確 な 支 持 を 打 ち 出 すことができなかった 慎 重 な 姿 勢 を 取 らざるを 得 なかったのは LIFG が 拠 点 を 海 外 に 分 散 させており リビア 国 内 の 組 織 がまだ 弱 体 だったことや 仮 に 革 命 が 失 敗 した 場 合 にはカダフィ 政 権 に 対 する 裏 切 り 行 為 となり 報 復 として 今 度 は 完 全 に 抹 殺 されかねないと 危 惧 されたためである リ ビアの 反 体 制 運 動 の 目 標 がカダフィ 政 権 の 打 倒 であることは 最 早 明 らかであった 2011 年 の 2 月 最 終 週 カダフィ 指 導 者 の 次 男 セイフ イスラムと 三 男 サアディは LIFG の 意 思 決 定 機 関 であるシューラー( 諮 問 ) 評 議 会 のメンバーであったサーミー サアディ(Sami S aadi) 別 称 アブルムンゼル サアディ(Abulmundhir al-s aadi)と ベルハージに 次 ぐ NO.2 の 地 位 にあったハーリド シャリーフ(Khalid Sharif) 別 称 アブ ハーゼム(Abu Hazim) をトリポリに 呼 び 出 し カダフィ 政 権 維 持 のための 協 力 を 求 めた LIFG の 両 幹 部 はこれに 対 し 組 織 の 指 揮 系 統 が 十 分 に 機 能 しておらず 統 制 が 取 れていないことを 理 由 に 協 力 は 困 難 であると 応 じたところ その 後 トリポリの 潜 伏 先 で 拘 束 されてしまった 一 方 LIFG の リーダーであったアブデルハキーム ベルハージは トリポリからミスラータへと 秘 密 裏 に 脱 出 することに 成 功 した 30

37 その 後 LIFG は 海 外 の 支 援 者 との 連 携 による 組 織 強 化 に 傾 倒 し NTC とはほぼ 独 立 し た 形 で 内 戦 を 戦 うことになった カダフィ 政 権 との 融 和 路 線 に 反 発 していた 在 英 の LIFG メンバーたちによる 改 革 のためのリビア イスラム 運 動 (LIMC:the Libyan Islamic Movement for Change)との 関 係 を 修 復 するとともに 以 降 は LIMC として 反 体 制 運 動 に 参 加 していった 更 にカタールとの 関 係 を 重 視 し カタールから 反 体 制 派 への 軍 事 援 助 の 窓 口 となった カタールは 国 際 衛 星 放 送 局 アルジャジーラ を 使 って リビアにおける 同 盟 者 となったアブデルハキーム ベルハージの 活 躍 を 大 々 的 に 喧 伝 するようになった 2011 年 8 月 のトリポリ 解 放 後 はトリポリ 軍 事 評 議 会 の 議 長 に 就 任 するなど あたかもベル ハージこそがトリポリ 解 放 の 立 役 者 であるように 盛 んに 報 じられたが トリポリ 解 放 に 実 質 的 な 役 割 を 果 たしたと 見 られるミスラータ ジンタン スーク ジュムアの 革 命 派 部 隊 からは 逆 に 不 信 感 を 招 くことになった カダフィ 政 権 崩 壊 の 後 LIMC は 分 裂 して GNC 選 挙 に 臨 んだ トリポリ 解 放 後 に 釈 放 さ れたサーミー サアディは 中 道 ウンマ 会 (the Moderate Ummah Assembly)を アブ ドルハキーム ベルハージは ワタン 党 (al-watan Party)をそれぞれ 立 ち 上 げたが 蓋 を 開 けてみれば 中 道 ウンマ 会 が 1 議 席 を 確 保 したのみであった これ 以 降 アブドルハキ ーム ベルハージはリビア 情 勢 の 表 舞 台 から 急 速 に 姿 を 消 し 昨 今 ではシリア 北 部 で 反 ア サド 政 権 との 内 戦 に 関 与 しているとの 報 道 がなされる 程 度 である このように LIFG(LIMC)はカタールへの 依 存 を 極 度 に 高 めて リビアの 現 地 に 根 差 し た 支 持 基 盤 の 構 築 を 怠 った 結 果 特 定 の 部 族 的 集 団 や 地 域 単 位 の 利 益 追 求 を 重 視 するリビ ア 国 民 の 支 持 を 得 られなかった なお 党 名 からイスラム 主 義 的 色 彩 を 排 し 郷 土 を 意 味 するワタンや 共 同 体 を 意 味 するウンマという 用 語 を 党 名 に 掲 げているのは リビアでは こうした 土 着 的 な 要 素 が 国 民 からの 支 持 を 得 るには 不 可 欠 なことを LIFG の 当 人 たちも 良 く 認 識 していたことの 顕 れであろう しかし LIFG は 外 国 勢 力 の 手 先 という 負 のレッ テルを 貼 られ 他 の 革 命 派 勢 力 からも 警 戒 されるようになってしまい 結 局 カダフィ 政 権 崩 壊 という 最 大 の 好 機 を 党 勢 の 拡 大 に 繋 げる 事 が 出 来 なかったのである (3)リビアのムスリム 同 胞 団 カダフィ 指 導 者 は 1969 年 のクーデターで 政 権 を 奪 取 した 後 エジプトのナセル 大 統 領 を 模 範 としていた 時 期 があり エジプトに 倣 う 形 でムスリム 同 胞 団 を 自 身 の 政 権 に 対 する 最 大 の 脅 威 として 位 置 づけ 指 導 部 メンバーを 拘 束 殺 害 していた そうした 弾 圧 にも 拘 わ らず ムスリム 同 胞 団 を 根 絶 することは 出 来 なかった リビアでは 大 学 教 授 各 学 校 の 教 員 専 門 職 技 術 者 といった 高 度 な 職 能 が 必 要 とされる 労 働 力 については エジプトや パレスチナからの 出 稼 ぎ 労 働 者 に 依 存 していたが 彼 らの 多 くがムスリム 同 胞 団 のメンバ ーであった 例 えば 2013 年 7 月 にエジプト 軍 によるクーデターで 解 任 されるまで 大 統 領 の 地 位 にあったムハンマド モルシ(Muhammad Morsi)は 1982 年 から 1985 年 の 間 に 現 トリポリ 大 学 ( 旧 アルファテハ 大 学 )の 教 授 を 務 めていた 経 歴 があるとされる 当 然 な 31

38 がら こうした 海 外 からのムスリム 同 胞 団 メンバーに 対 しても カダフィ 政 権 は 拘 束 や 殺 害 を 行 っていたが その 流 入 を 完 全 に 阻 止 することは 事 実 上 不 可 能 であった また リビ アからの 留 学 生 が 海 外 のイスラム 教 徒 コミュニティなどを 通 じてムスリム 同 胞 団 のメンバ ーとなるケースも 多 く リビア 国 内 での 厳 しい 取 締 りにも 拘 わらず 海 外 のネットワーク を 活 用 しながらムスリム 同 胞 団 の 基 盤 は 存 続 していた そして ムスリム 同 胞 団 にとっても 2005 年 に 大 きな 転 機 が 訪 れる カダフィの 有 力 な 後 継 者 とも 見 られていた 次 男 セイフ イスラムが 主 導 する 改 革 開 放 政 策 の 一 環 として イ スラム 主 義 勢 力 に 対 する 融 和 主 義 的 な 政 策 が 取 られるようになった ムスリム 同 胞 団 も 前 述 の LIFG と 同 様 に カダフィ 政 権 に 対 して 歩 み 寄 りの 姿 勢 を 示 した リビアのムスリム 同 胞 団 で 海 外 亡 命 組 のリーダーであったイマード バナーニ(Imad al-banani)は 帰 国 を 容 認 された( 同 人 は 後 にリビアのムスリム 同 胞 団 の 政 治 部 門 である 公 正 建 設 党 の 設 立 に 携 わることになる) また リビアのムスリム 同 胞 団 と 深 い 結 びつきを 有 し カタールを 拠 点 としていたイスラム 導 師 のアリ サッラービ(Ali Sallabi)は カダフィ 政 権 の 融 和 策 に 対 し 積 極 的 に 協 力 した アリ サッラービは LIFG との 間 を 仲 介 して 暴 力 的 路 線 の 放 棄 並 びにカダフィ 政 権 との 和 解 を 促 したほか セイフ イスラムを 長 とする カダフィ 国 際 慈 善 財 団 (Qadhafi International Charitable Foundation)のメンバーになり イスラム に 関 する 顧 問 的 な 地 位 にも 就 いた また 海 外 のムスリム 同 胞 団 関 係 機 関 は カダフィ 政 権 を 批 判 しないことと 引 き 換 えに 資 金 援 助 を 受 け 取 るようになったとされる ところが 2011 年 に 入 り アラブの 春 の 影 響 がリビアにも 及 ぶようになると 状 況 は 一 変 する 新 たな 状 況 を 眼 前 にし リビアのムスリム 同 胞 団 としての 対 応 を 協 議 するため 2 月 15 日 に 最 高 意 思 決 定 機 関 であるシューラー 評 議 会 の 会 合 が 開 かれた その 結 果 カダフ ィ 政 権 との 融 和 によって 得 られた 利 益 を 顧 みることなく 反 体 制 運 動 に 合 流 するべきであ るとの 決 定 が 下 され 直 ちに 国 内 外 のメンバーたちに 対 し 態 勢 を 整 えるよう 指 令 が 発 せら れた ところで 前 述 のとおり 方 や 同 じイスラム 主 義 勢 力 の LIFG は 2 月 も 終 わりがけに カダフィの 息 子 たちに 呼 び 出 されて 煮 え 切 らない 姿 勢 を 示 したあげく 最 高 幹 部 2 人 を 拘 束 されるという 失 態 を 演 じており カダフィ 政 権 との 融 和 の 最 中 に 不 意 の 革 命 勃 発 に 見 舞 われるという 同 じ 状 況 に 置 かれながらも ムスリム 同 胞 団 の 機 敏 な 対 応 とは 非 常 に 対 照 的 であったのは 興 味 深 い 早 速 ムスリム 同 胞 団 は 脆 弱 な 国 内 の 支 持 基 盤 の 強 化 に 着 手 した すなわち リビア 社 会 への 浸 透 を 優 先 事 項 に 掲 げ 慈 善 援 助 団 体 アルニダー (Al-Nida)を 立 ち 上 げた こ の 団 体 を 通 じて アラブ 湾 岸 諸 国 からの 義 援 金 やエジプト チュニジアから 寄 せられた 支 援 物 資 を 配 布 することでリビア 社 会 に 浸 透 し 政 治 的 支 持 へと 繋 げていくことが 狙 いであ り まさにエジプトのムスリム 同 胞 団 やパレスチナのハマス(Hamas)のようなイスラム 主 義 組 織 が 支 持 拡 大 のために 採 用 してきた 王 道 ともいうべき 戦 術 であった カダフィ 政 権 の 支 配 から 解 放 され 血 縁 や 地 縁 を 基 本 としたローカルな 勢 力 の 勃 興 期 において こうし たアプローチは 非 常 に 時 宜 に 適 っていた 32

39 また 実 務 行 政 能 力 に 長 けた 人 材 を 有 するムスリム 同 胞 団 は メンバーが 任 命 制 であ った NTC を 通 じて 大 きな 政 治 的 影 響 力 を 得 ることにも 成 功 した NTC 内 で 12~15 議 席 ( 全 体 のほぼ 5 分 の 1 に 相 当 )を 確 保 し キーブ 内 閣 では 閣 僚 も 輩 出 した カダフィ 政 権 時 代 には 収 監 されていたメンバーで 著 名 な 経 済 学 者 でもあるアブドッラ シャーミヤ (Abdullah Shamia)は 経 済 相 に 就 任 し サーリム シャイヒ(Salim al-shaikhi)はワク フ 宗 教 問 題 相 に 就 任 した また リビアのムスリム 同 胞 団 のシューラー 評 議 会 議 長 であ るアルアミーン ベルハージ(Alamin Belhajj)は 2012 年 の GNC 選 挙 に 向 けた 関 連 規 則 の 制 定 委 員 会 で 議 長 を 務 めた(なお 同 人 は LIFG リーダーで 同 姓 のアブデルハキーム ベルハージとは 無 関 係 である) 英 国 を 拠 点 に 活 動 していたメンバーのナーセル マナーア (Nasser al-mana a)は 暫 定 政 府 のスポークスマンとなった 他 方 カダフィ 政 権 と 反 体 制 勢 力 の 内 戦 において ムスリム 同 胞 団 の 軍 事 的 な 貢 献 は 限 定 的 であった 18 年 間 を 獄 中 で 過 ごしたメンバーで 石 油 エンジニアのファウズィ ブーカ ティフ(Fawzi Bukatif)が 2 月 17 日 殉 教 者 部 隊 (the February 17 th Martyrs Brigade) を 組 織 したが その 活 躍 は 前 線 での 戦 闘 よりも キレナイカ 地 方 のイスラム 主 義 系 諸 部 隊 (サラフィー 主 義 系 を 除 く)のまとめ 役 としての 評 価 の 方 が 高 く NTC の 暫 定 内 閣 で 国 防 副 大 臣 に 任 ぜられている そしてカダフィ 政 権 崩 壊 後 の 2011 年 11 月 リビアのムスリム 同 胞 団 の 第 9 回 総 会 が 開 催 され スレイマン アブドルカーデル(Sleiman Abdelqader)に 代 わる 新 たな 指 導 者 (Generl Supervisor)として バシール キブティ(Bashir al-kibti)が 選 出 された こ の 動 きは リビアの 新 たな 政 治 情 勢 に 対 応 するための 組 織 改 革 の 一 端 として 一 般 に 受 け 止 められた その 後 の 暫 定 統 治 プロセスにおいては 公 正 建 設 党 (JCP:the Justice and Construction Party)を 立 ち 上 げ 2012 年 7 月 の GNC 選 挙 に 臨 んだものの 本 稿 1.で 詳 述 したとおり 獲 得 議 席 は 伸 び 悩 んだ それでも JCP の 党 首 であるムハンマド スワン (Muhammad Sowan)は マフムード ジブリール 率 いる 国 民 勢 力 連 合 (NFA)に 対 抗 する 諸 勢 力 のまとめ 役 として 存 在 感 を 高 めている 2012 年 11 月 に 発 足 したアリ ザイダン( Ali Zidan) 内 閣 では JCP が 推 薦 する 5 人 が 入 閣 を 果 たした アブデルバーリ アルースィ( Abdelbari al- Arousi) 石 油 相 を 始 め 経 済 相 電 気 相 住 宅 相 及 び 青 年 スポーツ 相 と いずれも 市 民 の 生 活 向 上 に 直 接 関 わるポス トであり ここでも JCP の 草 の 根 指 向 をうかがうことが 出 来 る 他 方 ザイダン 内 閣 への JCP としての 姿 勢 は 是 々 非 々であり 言 わば 閣 内 野 党 的 なスタンスを 取 った 改 善 が 一 向 に 見 られない 各 地 の 治 安 情 勢 についてザイダン 首 相 の 責 任 を 厳 しく 追 及 しており 2013 年 末 ごろから GNC で 内 閣 不 信 任 案 の 可 決 を 目 指 し 2014 年 1 月 21 日 には 前 述 5 閣 僚 の 内 閣 からの 離 脱 を 宣 言 した 圧 倒 的 な 力 を 持 つ 勢 力 や 権 力 機 構 が 存 在 しないリビアで JCP は 組 織 としての 基 盤 を 着 実 に 固 めながらも 如 何 なる 勢 力 からも 敵 視 の 対 象 とならないよう にリビア 社 会 における 立 ち 位 置 を 慎 重 に 測 っている 狡 猾 さが 感 じられる 33

40 LIFG が 革 命 期 における 最 前 線 での 戦 闘 で 名 声 を 得 ようとし カタールからの 支 援 に 大 き く 依 存 したのとは 対 照 的 に リビアのムスリム 同 胞 団 は 戦 闘 への 関 与 を 控 えることで 組 織 力 の 消 耗 を 避 けながら 革 命 後 の 政 治 プロセスを 見 据 えて 草 の 根 レベルへの 浸 透 を 図 った 2014 年 2 月 現 在 までのところ そうしたアプローチが 奏 功 している 宗 派 問 題 のないリビ アにおいては イスラム 法 シャリーア を 国 家 建 設 の 基 本 とすることに 広 範 なコンセン サスがあり 強 大 な 世 俗 勢 力 というものが 存 在 しない そのため ムスリム 同 胞 団 に 対 す る 社 会 的 な 警 戒 心 は 他 のアラブ 諸 国 に 比 べて 低 いと 言 えよう 特 定 の 地 域 や 部 族 的 集 団 の 利 益 を 追 求 する 諸 勢 力 が 群 雄 割 拠 する 現 状 において ムスリム 同 胞 団 は 国 家 レベルで の 政 治 目 標 を 掲 げながら 活 動 し 得 る 組 織 として 一 定 の 存 在 感 を 維 持 している 諸 勢 力 の 利 害 衝 突 を 起 因 として 暫 定 統 治 プロセスが 停 滞 し 治 安 の 安 定 化 も 一 向 に 進 まないことに 対 して リビア 国 民 の 不 満 が 高 まっている 今 後 の 情 勢 の 推 移 次 第 では ムスリム 同 胞 団 が こうした 不 満 を 抱 く 層 の 受 け 皿 となり 国 家 運 営 において 更 に 重 要 な 役 割 を 担 うようにな る 可 能 性 もあるだろう (4)リビアのジハード 主 義 (イスラム 過 激 派 ) 勢 力 2012 年 9 月 11 日 にベンガジのアメリカ 領 事 館 がテロ 攻 撃 を 受 け クリストファー ス ティーブンス 大 使 ら 4 人 が 殺 害 された 事 件 は 世 界 に 衝 撃 を 与 えた また 2013 年 1 月 にア ルジェリア 南 部 イナメナスのガス 生 産 施 設 に 対 するテロ 攻 撃 を 行 ったグループ 覆 面 部 隊 は リビアで 武 器 弾 薬 を 調 達 していたと 報 じられた 更 に 2013 年 の 10 月 には 1998 年 の アメリカ 在 外 公 館 爆 破 事 件 の 容 疑 者 で 国 際 テロ 組 織 アルカイダのメンバーとされるアブ アナス リービ(Abu Anas al-libi)が トリポリでアメリカの 特 殊 部 隊 により 拘 束 された こうした 事 件 などを 通 じて 革 命 後 のリビアにおけるイスラム 過 激 派 の 存 在 がクローズ アップされるようになった こうした 勢 力 は 一 般 に ジハード(イスラム 教 の 聖 戦 を 意 味 する) 主 義 者 と 呼 ばれている 実 際 のところ リビアにおけるジハード 主 義 者 たちは 後 ろ 盾 となる 強 力 な 組 織 や 確 固 たる 支 持 基 盤 を 有 している 訳 ではない 更 に 民 衆 からの 強 い 支 持 を 得 ているとも 言 い 難 い 状 況 にある 前 述 のアメリカ 大 使 殺 害 事 件 の 後 には ベンガジで 事 件 に 抗 議 する 数 千 人 規 模 のデモ 行 進 が 行 われ 更 にデモ 隊 の 内 数 百 人 が 米 領 事 館 襲 撃 事 件 への 関 与 が 疑 われ たジハード 主 義 系 組 織 アンサール シャリーア (Ansar al-shari a)の 本 部 に 突 入 し これを 占 拠 した 上 で 軍 に 引 き 渡 している ただし カダフィ 政 権 が 崩 壊 した 後 中 央 政 権 による 強 力 な 支 配 が 失 われたため 内 戦 で 使 用 された 武 器 が 蔓 延 するなどテロ 行 為 を 辞 さない 過 激 なジハード 主 義 者 たちにとって リビアが 格 好 の 隠 れ 家 となっている 点 は 否 めない また リビア 北 東 部 (ベンガジの 東 部 及 び 南 部 )のアフダル 山 地 (Jabal al-akhdar)は イスラム 法 シャリーア の 厳 格 な 適 用 を 求 めるサラフィー 主 義 思 想 の 揺 籃 地 となってきた 歴 史 がある 異 教 徒 の 侵 略 からイス ラム 教 徒 を 守 るという 宗 教 的 情 熱 から かつてこの 地 よりジハード 主 義 者 の 戦 闘 員 がアフ 34

41 ガニスタンやイラクへと 旅 立 ち そして 現 在 はシリアへと 向 かっている なお この 地 方 の 宗 教 的 保 守 主 義 の 傾 斜 は 19 世 紀 にスーフィズム 思 想 (イスラム 神 秘 主 義 )の サヌー シー 教 団 が 設 立 されたことにまで 遡 ることができる 同 教 団 の 創 設 者 であるムハンマド サヌーシー(Muhammad al-sanusi)が 最 初 の 宗 教 活 動 の 拠 点 を 北 東 部 のバイダに 設 立 して 以 来 19 世 紀 末 頃 にかけてその 勢 力 をキレナイカ 地 方 全 域 に 拡 大 していった また この 地 方 の 主 要 都 市 の 一 つであるデルナ(Derna)は 2 月 17 日 革 命 において 最 も 早 い 時 期 に 解 放 された 都 市 の 一 つであるが 当 時 カダフィ 政 権 側 は デルナ イスラム 首 長 国 が 出 来 たと 非 難 し 欧 米 諸 国 が 懸 念 するイスラム 過 激 派 が 反 体 制 派 の 正 体 である かのようなプロパガンダを 行 った 世 界 のテロ 対 策 関 係 者 にとって デルナが 国 際 的 なジ ハード 主 義 者 揺 籃 の 地 であるということは 既 に 強 く 認 識 されていたことを 示 唆 している デルナが 多 くのジハード 主 義 者 を 輩 出 する 背 景 については 明 らかではないが 1920 年 代 の イタリア 植 民 地 抵 抗 にまで 遡 る 反 骨 の 気 風 が 一 部 の 研 究 者 らによって 指 摘 されている ま た 多 くのジハード 主 義 者 の 家 族 や 知 人 たちが 義 勇 兵 としての 活 躍 に 敬 意 を 払 っていた にも 拘 わらず そうした 義 勇 兵 の 多 くがリビアに 帰 国 した 後 に 治 安 機 関 によって 拘 束 され たことに 対 し 強 い 不 満 と 反 感 を 抱 くようになったことが 住 民 のジハード 主 義 思 想 への 共 感 の 背 景 とも 指 摘 されている リビアではアフダル 山 地 のようにジハード 主 義 思 想 に 寛 容 な 土 壌 がある 一 方 で 特 定 の 部 族 や 都 市 勢 力 が 何 らかの 政 治 的 目 標 を 達 するためにジハード 主 義 勢 力 と 結 託 するような 動 きは これまでのところ 見 られていない 穏 健 なスンニ 派 イスラム 教 徒 が 圧 倒 的 多 数 派 を 占 めるリビアにおいては ジハード 主 義 勢 力 の 伸 長 には 自 ずと 限 界 がある これまで 多 くのサラフィー 主 義 者 たちが 海 外 に 活 路 を 見 出 してきた 歴 史 を 想 起 すべきであろう 一 方 で 国 家 の 統 治 機 構 の 脆 弱 さを 起 因 とする 治 安 悪 化 や 武 器 の 蔓 延 を 背 景 に いわば フ リーランス のジハード 主 義 者 がリビアを 拠 点 としてテロ 行 為 を 敢 行 する 脅 威 は 今 後 も 続 く 可 能 性 が 高 い 幸 いにもこれらジハード 主 義 勢 力 はリビア 社 会 に 深 く 根 を 張 っている 状 況 にはなく その 影 響 力 が 限 定 的 な 内 に 暫 定 統 治 プロセスを 着 実 に 進 めて 統 治 能 力 の 高 い 国 家 機 構 を 整 備 し 国 民 相 互 の 和 解 を 進 めることで 過 激 派 の 温 床 となる 要 因 を 一 刻 も 早 く 除 去 することが 求 められている 4.イスラム 主 義 勢 力 と 部 族 参 考 資 料 Jason Pack, the 2011 Libyan Uprisings and the Struggle for the Post-Qadhafi Future, Chapter 7 Islamists Palgrave Macmillan Ahram Online, Presidential candidate Mohamed Morsi speaks to Ahram Online, Amany Maged, Wednesday 2 May 年 2 月 8 日 アルジャジーラ 放 送 リビア 革 命 の 証 人 ファウジ ブーカティフ 氏 へのインタビュー 第 1 部 (ウェブサイト 公 開 の 原 文 はアラビア 語 ) 35

42 ウェブサイト Ikhwan Wiki リビア ムスリム 同 胞 団 指 導 者 バシール アブデルサ ラーム キブティ 経 歴 ( 原 文 アラビア 語 ) 2014 年 1 月 21 日 付 アルクドゥス アルアラビ 紙 記 事 リビア:イスラム 主 義 勢 力 自 派 閣 僚 を 内 閣 から 撤 退 ( 原 文 アラビア 語 ) 2012 年 9 月 22 日 付 CNN.co.jp 配 信 記 事 米 領 事 館 襲 撃 のイスラム 組 織 本 部 を 市 民 が 占 拠 リビア 2013 年 1 月 23 日 付 アルジェリア 紙 アルシュルーク 記 事 イナメナス 事 件 のチュ ニジア 人 逮 捕 者 アブタルハ リビアでの 武 器 入 手 を 認 める ( 原 文 アラビア 語 ) 36

43 5. 軍 及 び 治 安 機 関 と 部 族 (1)リビアの 軍 及 び 治 安 機 関 の 現 状 カダフィ 政 権 の 崩 壊 から 2 年 以 上 が 経 過 したが この 間 リビア 各 地 では 連 日 のように 爆 弾 テロ 暗 殺 拉 致 といった 事 件 が 発 生 し 2014 年 1 月 現 在 も 劣 悪 な 治 安 情 勢 が 続 いてい る リビアの 立 法 府 である 国 民 議 会 (GNC)の 内 務 委 員 会 の 報 告 によると 2013 年 におけ る 暗 殺 事 件 などの 死 亡 者 は 643 人 となっている また 犯 罪 発 生 率 も 前 年 より 上 昇 してい るとされ 現 地 で 活 動 する 外 国 人 にとっても 依 然 危 険 と 隣 り 合 わせの 中 での 職 務 を 強 いら れていると 言 えよう 2012 年 9 月 にベンガジの 米 国 領 事 館 での 米 大 使 殺 害 事 件 については 本 稿 4.において 言 及 した 本 稿 執 筆 時 点 での 直 近 の 事 件 として 2014 年 1 月 19 日 に 首 都 トリポリで 韓 国 の 貿 易 振 興 公 社 (KOTRA)の 韓 国 人 現 地 事 務 所 長 が 武 装 集 団 に 拘 束 され る 事 件 が 発 生 している(23 日 にリビア 治 安 機 関 により 解 放 ) 先 行 して 現 地 への 積 極 進 出 を 果 たしている 韓 国 が 直 面 した 事 例 は 今 後 のわが 国 関 係 者 にとっても 決 して 対 岸 の 火 事 で はない こうした 不 安 定 な 治 安 情 勢 の 背 景 には リビアの 軍 及 び 治 安 機 関 が 今 なお 十 分 に 機 能 し ていないことがある カダフィ 政 権 との 内 戦 を 戦 った 数 々の 革 命 派 部 隊 の 兵 士 たちについ ては 徐 々に 国 防 省 や 内 務 省 の 傘 下 機 関 への 統 合 が 進 められているが 軍 事 力 を 保 持 しつ つ 中 央 政 府 とは 独 立 して 行 動 する 部 隊 もあり これまで 度 々 衝 突 事 件 などの 原 因 となって きた 更 に 革 命 派 部 隊 を 国 家 機 構 の 管 理 の 下 に 置 くことを 目 的 として 設 置 された 諸 機 関 についても 内 部 統 制 が 効 いているとは 言 い 難 い 状 況 が 続 いている しかし こうした 中 央 政 府 の 統 制 から 逸 脱 している 革 命 派 部 隊 などを 一 概 に 問 題 視 する のは 適 切 ではない 本 稿 3.でも 指 摘 したとおり 特 にミスラータやジンタンなどの 都 市 型 新 興 勢 力 は カダフィ 政 権 の 部 隊 との 激 しい 戦 闘 で 勝 利 を 収 め 郷 土 を 守 った 英 雄 として 出 身 地 の 市 民 から 強 い 支 持 を 受 けている カダフィ 政 権 が 崩 壊 した 直 後 には 都 市 の 治 安 維 持 や 重 要 施 設 の 警 護 国 境 管 理 などに 当 たって 権 力 の 空 白 を 補 った その 後 の 暫 定 統 治 プロセスにおいても 選 挙 投 票 所 の 警 備 などで 大 きな 役 割 を 果 たしてきたのである 2 月 17 日 革 命 後 のリビアの 群 雄 割 拠 状 態 を 鑑 みるに 今 後 当 面 の 間 は 中 央 集 権 的 な 強 い 政 府 が 再 現 されるとは 考 えにくい そのため 国 防 省 や 内 務 省 などの 公 的 な 機 関 だけでなく 高 い 独 自 性 と 実 力 を 兼 ね 備 えた 非 公 式 あるいは 事 実 上 の 組 織 (これはまさに 新 たな 部 族 的 集 団 と 定 義 付 けられる)の 役 割 も 認 めて その 協 力 を 得 なければ 暫 定 統 治 プロセス 以 降 の リビア 情 勢 を 安 定 させることは 困 難 であろう 以 下 個 別 の 治 安 機 関 について 概 説 し 部 族 的 集 団 との 関 わりについて 論 じる (2)リビアの 公 式 な 軍 部 隊 及 び 治 安 機 関 (イ)リビア 軍 (the Libyan Army) リビア 軍 は 2013 年 を 通 して 部 隊 編 成 が 進 んでおり 革 命 派 兵 士 の 取 込 みや 新 兵 の 訓 練 37

44 を 重 ねるにつれて 徐 々にその 実 力 を 高 め 本 来 の 役 割 を 担 いつつある 本 稿 3.でも 指 摘 したとおり 11 月 の 首 都 トリポリでの 衝 突 事 件 では ミスラータの 部 隊 の 撤 退 後 に 当 該 地 域 に 展 開 して 治 安 維 持 を 担 うなど その 能 力 を 実 証 した それでも 未 だ 経 験 豊 富 な 兵 士 の 不 足 が 深 刻 な 課 題 とされている その 背 景 として 必 要 な 職 能 を 有 する 旧 カダフィ 政 権 の 関 係 者 は 暫 定 統 治 プロセスから 排 除 されており また 革 命 派 関 係 者 からの 報 復 の 虞 もある ため 復 職 を 拒 んでいるという 実 情 がある (ロ)リビア 革 命 派 作 戦 室 (LROR:the Libya Revolutionaries Operations Room) リビア 革 命 派 作 戦 室 (LROR)は 首 都 トリポリの 治 安 維 持 を 目 的 として GNC のヌー リ アブサハメイン(Nuri Abu-Sahmain) 議 長 の 主 導 で 2013 年 7 月 に 設 置 された(ちな みに 同 議 長 はズワーラ 出 身 でベルベル 系 の 出 自 である) 既 存 の 革 命 派 部 隊 を 公 認 し 治 安 維 持 などの 任 務 に 当 たらせることを 意 図 して 設 置 された 機 関 の 一 つである LROR の 司 令 官 にはシャアバン マスウード ハディーヤ(Sha aban Mas oud Hadiyah) 通 称 アブオ ベイダ ザーウィ(Abu-Obeida al-zawi)が 任 命 された 同 司 令 官 はザーウィヤ 出 身 のイ スラム 主 義 者 とされ ナズィーフ ルカイ(Nazih al-ruqai i) 通 称 アブアナス リービ (Abu-Anas al-libi)( 本 稿 3.(4) 参 照 )と 緊 密 な 関 係 にあったとされる 2013 年 10 月 LROR のメンバーらによって ザイダン 首 相 自 身 が 一 時 拘 束 されたもの の まもなく 釈 放 される 事 件 が 発 生 した ザイダン 内 閣 の 退 陣 が 目 的 であったとされるが その 直 前 に 起 きたアメリカ 当 局 によるアブアナス リービ 拘 束 事 件 を 原 因 と 推 測 する 識 者 もいる ザイダン 首 相 拘 束 事 件 により LROR は GNC 議 員 らからの 激 しい 非 難 に 晒 された また トリポリ 市 民 からの 悪 評 もあり 結 局 11 月 に GNC 議 長 直 属 の 組 織 であった LROR は 軍 参 謀 長 の 統 制 下 に 置 かれることになった なお 2014 年 1 月 24 日 エジプト 治 安 機 関 が 北 部 アレキサンドリアでシャアバン ハディーヤ LROR 司 令 官 を 拘 束 する 事 件 が 起 き ている( 数 日 後 にリビア 政 府 の 働 きかけもあり 釈 放 ) (ハ) 国 家 治 安 局 (the National Security Directorate) 内 務 省 直 属 の 組 織 で リビアの 国 内 治 安 を 管 轄 する 警 察 的 な 機 関 である 内 戦 終 結 後 に 革 命 派 の 諸 部 隊 や 暫 定 的 な 治 安 機 関 であった 最 高 治 安 委 員 会 (SSC:the Supreme Security Committee)を 吸 収 することで 拡 張 されていった なお SSC は 2011 年 末 に 首 都 トリポリの 治 安 改 善 を 目 的 として 設 立 されたのが 始 まりで 当 初 の 組 織 の 核 を 担 ったの は トリポリ 郊 外 のスーク ジュムア(Souq Al-jum'a) 地 区 とタジューラ(Tajour) 地 区 を 拠 点 とする 革 命 派 部 隊 であった そして 2012 年 以 降 リビアの 全 国 各 地 に SSC の 支 部 が 設 置 され 比 較 的 高 い 賃 金 を 保 障 したこともあり 多 くのや 武 装 した 個 人 や 集 団 の 取 り こみに 成 功 したとされる 2012 年 12 月 の 時 点 で トリポリの SSC だけで 2 万 6 千 人 が 給 与 の 支 払 いを 受 けていた また リビア 全 土 では 2012 年 7 月 の 時 点 で 13 万 1 千 人 が SSC に 所 属 していたと 推 計 されている だが 賃 金 目 当 てに 名 目 的 に 所 属 しているに 過 ぎない 38

45 ケースがほとんどと 見 られ SSC の 枠 組 みを 通 じた 内 務 省 による 武 装 集 団 のコントロール は 非 常 に 弱 いレベルに 留 まった すなわち 大 半 の 武 装 集 団 は SSC の 傘 下 に 入 ったにも 拘 わらず その 指 揮 系 統 において 独 立 性 を 維 持 していたのである 2012 年 11 月 にザイダ ン 内 閣 が 正 式 発 足 すると 各 地 の SSC メンバーを 国 家 治 安 局 に 完 全 に 吸 収 し それ 以 外 の 革 命 派 部 隊 を 非 合 法 化 するという 方 針 が 定 められた 同 内 閣 の 最 初 の 内 務 相 であったアシ ュール シュワイル(Ashour Shuwail)は 組 織 としての 実 体 や 実 績 に 乏 しい 革 命 派 部 隊 や 能 力 や 適 性 を 欠 く 者 たちを 除 いた 上 で SSC から 5 万 人 程 度 を 吸 収 し それ 以 外 は 給 与 の 支 払 いを 停 止 すると 決 定 した これに 対 し 2013 年 の 1 月 現 状 維 持 を 求 める 多 数 の SSC メンバーらが GNC 本 部 前 で 抗 議 行 動 に 訴 えるなどの 混 乱 も 見 られたが その 後 は 新 兵 に 対 する 訓 練 などを 経 て SSC の 国 家 治 安 局 への 吸 収 が 段 階 的 に 進 められている (ニ)サーイカ 部 隊 (al-sa iqa forces) サーイカ 部 隊 は 落 下 傘 兵 やコマンドーなどでつくる 特 殊 部 隊 である カダフィ 政 権 は 1980 年 代 にチャドやウガンダとの 紛 争 でサーイカ 部 隊 を 投 入 した 2 月 17 日 革 命 勃 発 後 は カダフィ 政 権 の 指 揮 下 から 離 脱 し ベンガジにあったカダフィ 政 府 軍 の 拠 点 を 攻 略 するの に 貢 献 した 数 千 人 程 度 の 隊 員 を 擁 し 現 在 は 国 防 省 の 傘 下 の 組 織 である サーイカ 部 隊 の 司 令 官 は ワニース ブーハマーダ 大 佐 (Wanis Bukhamada)である 2013 年 中 頃 に 東 部 の 主 要 都 市 ベンガジで 治 安 機 関 を 標 的 とした 爆 弾 によるテロ 事 件 が 頻 発 したことを 受 け 当 時 のムハンマド バルグティ 国 防 相 (Muhammad al-barghthi) がサーイカ 部 隊 の 投 入 を 決 定 した 都 市 の 治 安 維 持 は 本 来 警 察 の 任 務 であったが 警 察 組 織 の 強 化 が 進 捗 しない 中 極 度 の 治 安 悪 化 に 対 する 緊 急 的 な 措 置 であったとされる ジハード 主 義 組 織 である アンサール シャリーア に 対 する 徹 底 した 取 締 りを 行 った 結 果 治 安 の 回 復 に 成 功 してベンガジの 地 元 市 民 から 強 い 支 持 を 受 けるようになった 他 方 サーイカ 部 隊 の 隊 員 がイスラム 過 激 派 組 織 の 犯 行 と 見 られる 暗 殺 事 件 の 標 的 になるケ ースが 相 次 いだ それでもなお 新 生 リビア 軍 のモデルケースとして ベンガジを 中 心 に リビア 東 部 で 高 い 評 価 を 得 ている (ホ) 石 油 施 設 警 備 隊 (the Petroleum Facilities Guard) 石 油 施 設 警 護 隊 (PFG)は 地 中 海 沿 岸 部 のシドラ 湾 (Sidra)( 現 地 ではシルト 湾 とも 呼 称 )に 位 置 する 石 油 関 連 施 設 の 警 備 を 担 当 する 公 的 機 関 として 2012 年 に 設 立 された 形 式 的 には 石 油 省 の 傘 下 の 組 織 であるが 国 防 相 の 予 算 の 下 で 運 営 されているため 実 質 的 には 国 防 省 の 影 響 力 が 強 い 地 中 海 沿 岸 の 都 市 を 結 ぶルートには リビア 最 大 の 石 油 積 出 し 港 であるシドラ 港 を 始 め 石 油 積 出 し 基 地 が 多 数 存 在 する 2011 年 からの 内 戦 ではこの ルート 上 の 地 点 が 前 線 となったが 近 辺 の 石 油 関 連 施 設 はほぼ 無 傷 のまま 残 された これ はカダフィ 政 権 側 も 革 命 派 側 も リビアの 国 家 運 営 に 石 油 の 輸 出 によって 得 られる 収 入 が 不 可 欠 であることを 認 識 していたためである 39

46 2013 年 7 月 PFG の 司 令 官 であったイブラヒム ジャドラーン(Ibrahim Jadran)が 暫 定 政 府 が 原 油 を 不 正 に 販 売 し 不 当 な 利 益 を 得 ていたと 主 張 し 石 油 関 連 施 設 を 封 鎖 して 輸 出 を 停 止 した 更 にジャドラーンは 地 元 の 有 力 部 族 であるマガールバ(Magharba) 族 の 一 部 など リビアでの 連 邦 制 の 導 入 とキレナイカ 地 方 の 自 治 独 立 を 求 める 勢 力 と 連 携 し 原 油 収 入 の 公 平 な 分 配 や 過 去 の 不 正 な 取 引 に 関 する 調 査 を 要 求 したのである これに 対 し リビア 軍 参 謀 長 は 8 月 にジャドラーンを 司 令 官 から 解 任 し イドリース ブ ーハマーダ 司 令 官 を 新 たに 就 任 させた しかし ジャドラーンは キレナイカ 地 方 の 自 治 政 府 を 自 称 する 組 織 の 政 治 局 長 就 任 し 2014 年 1 月 時 点 でも 政 府 側 が 求 める 石 油 施 設 からの 撤 退 を 拒 み 続 けている ジャドラーンは 大 規 模 な 重 武 装 の 部 隊 を 今 なお 指 揮 してい るため 政 府 側 も 強 硬 策 を 取 ることができず 交 渉 が 長 期 化 している そのため 石 油 収 入 の 上 で 大 きな 損 失 となっており この 問 題 の 解 決 の 遅 れが GNC におけるザイダン 内 閣 へ の 不 信 任 決 議 の 一 因 にもなっている (ヘ)リビアの 盾 軍 (LSF:the Libya Shield Forces) 警 察 的 な 対 内 治 安 機 関 である SSC と 並 行 する 形 で 各 地 の 革 命 派 部 隊 でつくる 軍 事 組 織 として 2012 年 初 頭 から リビアの 盾 軍 (LSF)が 設 置 された 設 置 には 各 都 市 の 軍 事 評 議 会 や 現 地 の 革 命 派 部 隊 が 中 心 的 な 役 割 を 担 った リビア 北 西 部 では ジンタン ザ ーウィヤ ズワーラ ソルマン ジャードゥの 各 軍 事 評 議 会 の 連 合 組 織 が 2012 年 1 月 には 結 成 されていたが 3 月 に 改 めて LSF 西 支 部 となった 一 方 リビア 東 部 では ベンガジ の 革 命 派 諸 部 隊 が 連 合 組 織 を 形 成 し 南 部 の 都 市 クフラにおいてズワイヤ 族 とトゥブ 人 の 衝 突 が 発 生 した 際 に 介 入 を 行 った 2012 年 2 月 24 日 この 連 合 組 織 は LSF の 東 支 部 とし て 国 防 省 から 正 式 に 承 認 された 同 様 にミスラータ ズリテン フムス シルト バニ ワリードの 各 軍 事 評 議 会 は 2012 年 2 月 末 にミスラータで 連 合 組 織 を 形 成 し この 組 織 が 後 に LSF 中 央 支 部 として 公 認 された このように LSF は 各 都 市 で 事 実 上 の 治 安 維 持 の 役 割 を 担 っていた 軍 事 評 議 会 や 革 命 派 部 隊 が それぞれの 地 域 単 位 で 自 発 的 に 連 合 組 織 を 形 成 した 後 に 国 防 省 から LSF として 正 式 に 承 認 を 受 け 参 謀 長 (Chief of Staff)の 指 揮 下 の 部 隊 となるという 過 程 を 経 て 成 立 した LSF は 北 西 部 中 央 部 東 部 の 三 つの 支 部 が 核 となり その 後 にトリポリ 支 部 など 新 たな 支 部 が 合 流 していった 2013 年 1 月 の 時 点 で その 全 体 の 兵 力 は 1 万 3 千 人 に 上 っ ていた こうした 設 立 の 経 緯 のため LSF の 傘 下 にある 各 部 隊 に 対 する 統 制 は 弱 く 各 部 隊 は 独 立 した 指 揮 系 統 を 内 部 で 維 持 している 従 って LSF の 各 支 部 レベルでも それぞれが 独 自 の 動 きを 見 せている 例 えば 2012 年 の 4 月 から 7 月 にかけて LSF の 東 支 部 が 南 部 クフ ラにおけるズワイヤ 族 とトゥブ 人 の 衝 突 への 介 入 を 実 施 した 際 同 じキレナイカ 地 方 のア ラブ 系 部 族 であるズワイヤ 族 の 側 に 偏 向 した 介 入 であったため トゥブ 人 からの 強 い 反 発 を 招 いた そのため 国 防 省 は LSF 以 外 の 別 の 部 隊 を 代 わりに 派 遣 せざるを 得 なくなった 40

47 これとは 対 照 的 に ミスラータが 主 導 する 中 央 支 部 は 南 部 セブハでのアウラード スレ イマン 族 とトゥブ 人 の 衝 突 において 介 入 を 実 施 した 際 中 立 的 な 部 隊 としての 適 切 な 立 場 を 維 持 したとされる その 一 方 で カダフィ 政 権 崩 壊 後 の 反 革 命 派 の 牙 城 となったバニ ワリードに 対 する 軍 事 作 戦 では ミスラータ 主 導 の 中 央 支 部 は 非 常 に 報 復 的 な 行 動 を 取 っ たと 非 難 された このように LSF は ある 種 の 地 域 的 特 性 を 抱 えており 中 立 的 な 部 隊 と は 言 い 難 い 傾 向 にあるが リビア 軍 本 体 に 必 要 十 分 な 実 力 が 備 わっていないこともあり リビア 政 府 は 治 安 維 持 作 戦 のために LSF に 頼 らざるを 得 ない 状 況 が 続 いている (3) 治 安 機 関 と 部 族 主 義 これまでの 個 別 の 項 目 で 述 べたとおり リビアの 治 安 機 関 の 各 部 隊 については 総 じて 中 央 政 府 ( 国 防 相 及 び 参 謀 長 )による 統 制 が 十 分 でなく 血 縁 や 地 縁 といった 共 通 の 出 自 を 持 つ 者 どうしの 利 益 確 保 を 優 先 する 部 族 主 義 的 な 要 素 が 色 濃 く 残 っていることが 特 徴 で ある そのため 何 らかの 治 安 維 持 に 関 する 任 務 を 担 わせるにしても 当 該 部 隊 が 持 つ 傾 向 と 任 務 の 性 質 を 精 査 した 上 で 適 切 な 措 置 を 講 じる 必 要 があるだろう イスラム 主 義 思 想 に 強 く 傾 倒 し トリポリ 市 民 からの 支 持 を 得 ていない LROR がトリポリの 治 安 維 持 に 失 敗 したのは 同 様 にミスラータの 革 命 派 部 隊 やアブデルハキーム ベルハージが 率 いる 元 LIFG メンバーによる 部 隊 が 傍 若 無 人 な 余 所 者 としてトリポリ 市 民 の 反 発 を 買 ったの と 同 様 の 文 脈 で 捉 える 事 ができる また 石 油 施 設 警 備 隊 (PFG)のジャドラーン 元 司 令 官 による 石 油 施 設 封 鎖 の 事 例 が 示 すとおり どれ 程 実 力 と 地 元 住 民 の 支 持 を 得 ていようと も 所 属 集 団 内 の 偏 狭 な 利 益 追 求 を 志 向 しがちな 部 族 主 義 的 部 隊 に 国 家 としての 要 衝 の 防 衛 を 全 面 的 に 任 せてしまったことは 余 りに 大 き 過 ぎる 失 点 となった 他 方 ベンガジ のサーイカ 部 隊 のように 高 い 規 律 と 錬 度 を 兼 ね 備 えており 更 に 展 開 する 地 域 で 一 定 の 敬 意 と 評 価 をも 得 ていれば 例 え 旧 カダフィ 政 権 からの 離 反 部 隊 であったとしても 十 分 に 有 意 義 な 役 割 を 担 えることも 明 らかになっている また 最 高 治 安 委 員 会 (SSC)やリビアの 盾 軍 (LSF)といった 枠 組 みの 活 用 により 革 命 派 部 隊 を 統 合 し 国 防 相 の 指 揮 下 に 置 くことが 模 索 されてきたが 治 安 と 秩 序 を 回 復 し 得 る 強 力 な 軍 及 び 治 安 機 関 の 再 生 は 道 半 ばである 傘 下 の 革 命 派 諸 部 隊 は 中 央 政 府 の 権 威 や 支 配 そのものに 挑 戦 することはなくなったが 依 然 として 自 分 たちが 所 属 する 地 域 や 部 族 的 集 団 の 利 益 を 優 先 し 独 断 専 行 で 行 動 する 傾 向 が 見 られる そのため 今 後 もリビア での 治 安 対 策 においては 表 向 きの 指 揮 命 令 系 統 だけに 頼 るのではなく 地 元 の 有 力 者 や 部 族 長 といったあらゆるチャンネルを 活 用 しながら 複 合 的 なアプローチを 駆 使 するこ とが 求 められるだろう 5. 軍 事 及 び 治 安 機 関 と 部 族 参 考 資 料 BBC News Africa website, Guide to key Libyan militias and other armed groups, 28 Nov

48 Wolfram Lacher, Fault lines of the Revolution, Political Actors, Camps and Conflicts in the New Libya, SWP Research Paper, May 2013 スカイニューズ アラビヤ ウェブサイト 2013 年 11 月 12 日 付 配 信 記 事 リビア 革 命 派 作 戦 室 軍 の 傘 下 に 統 合 2014 年 1 月 24 日 付 配 信 記 事 2013 年 にリビアで 600 人 超 が 死 亡 2014 年 1 月 23 日 付 配 信 記 事 リビア 治 安 機 関 韓 国 人 高 官 を 解 放 (いずれも 原 文 アラビア 語 ) 国 際 アラビア 語 紙 アッシャルク アルアウサト 2013 年 10 月 11 日 付 記 事 リビア 革 命 派 作 戦 室 犯 罪 対 策 委 員 会 リビア 国 家 における 不 明 瞭 な 組 織 国 家 防 衛 の 名 の 下 に 設 置 されるも 制 御 不 能 ( 原 文 アラビア 語 ) リビアンズ ネット ウェブサイト 2014 年 1 月 24 日 付 配 信 記 事 エジプト 当 局 リビア 革 命 派 作 戦 室 の 司 令 官 を 拘 束 国 民 議 会 は 釈 放 を 要 求 ( 原 文 アラビア 語 ) アルジャジーラ ネット ウェブサイト 2013 年 1 月 3 日 付 配 信 記 事 リビアの 治 安 委 員 会 吸 収 か 独 立 か? 2013 年 5 月 20 日 付 配 信 記 事 サーイカ 部 隊 ベンガジの 治 安 維 持 を 担 当 (いずれも 原 文 アラビア 語 ) リビア アルムスタクバル ウェブサイト 2013 年 8 月 18 日 付 配 信 記 事 軍 参 謀 長 イブラヒム ジャドラーンを 解 任 2013 年 12 月 16 日 付 配 信 記 事 ジャドラーン 態 度 を 硬 化 させ 石 油 積 出 し 港 の 封 鎖 解 除 を 拒 否 (いずれも 原 文 アラビア 語 ) Sherif Elhelwa, Libya on the verge of cessation over eastern oil, Atlantic Post, 4 Sep

49 6. 民 族 と 部 族 (1) リビア 南 部 の 重 要 性 2 月 17 日 革 命 発 生 以 後 リビア 情 勢 については 夥 しい 量 の 報 道 がなされたが その 関 心 の 対 象 は 専 ら 地 中 海 沿 岸 の 諸 都 市 をめぐるカダフィ 政 権 側 と 反 体 制 側 の 攻 防 に 集 中 して いた これらの 沿 岸 部 から 南 方 の 後 背 地 には 広 大 なサハラ 砂 漠 があり そこは 歴 史 的 にキ レナイカ 地 方 南 部 及 びフェザーン 地 方 と 呼 ばれている こうした 辺 境 においても 革 命 に 伴 い 重 要 な 変 化 があった しかし リビアで 起 きた 革 命 の 趨 勢 を 決 するほどの 要 素 でないと 考 えられたためか さほど 大 きな 関 心 を 向 けられることがなかった 実 際 のところ リビアの 総 人 口 の 約 9 割 が 地 中 海 沿 岸 部 に 居 住 しており 南 部 の 情 勢 が 国 内 の 主 要 な 動 向 に 及 ぼす 影 響 は 小 さいかもしれないが リビアと 国 境 を 接 する 周 辺 諸 国 に 与 える 影 響 ついては 注 目 に 値 するものがある リビアは 東 にエジプト 南 にスーダン チャド 及 びニジェール 西 にチュニジア 及 びアルジェリアと 国 境 を 接 しており 特 に 南 部 ではトゥブ 人 (the Toubu) 及 びトゥアレグ 人 (the Tuareg)が 複 数 の 国 家 の 領 土 にまたが る 広 域 で 居 住 している カダフィ 政 権 時 代 には リビア 国 家 のアラブ 性 を 重 視 する 政 策 が 取 られたため トゥアレグ 人 及 びトゥブ 人 は 民 族 的 な 固 有 性 をリビア 国 家 から 承 認 される ことなく 市 民 としての 基 本 的 な 権 利 も 十 分 に 保 障 されないまま 疎 外 されてきた 更 に 南 部 の 商 業 活 動 の 利 権 をめぐり 伝 統 的 なアラブ 系 部 族 (ズワイヤ 族 及 びアウラード ス レイマン 族 )との 間 で 常 に 緊 張 関 係 を 抱 えてきたのである 本 稿 3.でも 指 摘 したとおり 2 月 17 日 革 命 後 のリビアでは 強 力 な 中 央 政 府 による 支 配 が 消 失 し 法 秩 序 が 後 退 した 上 に 内 戦 で 用 いられた 武 器 も 未 だに 回 収 が 進 んでおらず ジ ハード 主 義 者 と 呼 ばれるイスラム 過 激 派 や 武 装 集 団 にとって 格 好 の 隠 れ 家 を 提 供 している 更 に リビア 南 部 の 広 大 な 領 土 と 厳 しい 自 然 条 件 は 厳 重 な 国 境 警 備 や 治 安 監 視 を 困 難 に しており 既 にマリ 北 部 及 びアルジェリア 南 部 では それぞれ 大 規 模 な 内 戦 (2012 年 1 月 ) 及 びテロ 事 件 (2013 年 1 月 )が 発 生 している 本 稿 においては こうしたリビア 南 部 の 動 向 が 周 辺 諸 国 の 治 安 情 勢 に 及 ぼす 影 響 に 鑑 み 重 要 な 部 族 的 集 団 であるトゥアレグ 人 とトゥブ 人 について 取 り 上 げ 更 に 他 の 勢 力 との 関 係 などについて 論 じる( 特 にフェザーン 地 方 の 革 命 派 有 力 部 族 であるアウラード スレイ マン 族 についても 言 及 する) なお その 行 動 様 式 などにおいて 部 族 主 義 的 な 傾 向 を 強 く 有 するトゥアレグ 人 とトゥブ 人 であるが 独 自 の 言 語 や 慣 習 を 有 するなど 部 族 として 定 義 するよりは 民 族 として 定 義 するほうが 適 切 であるので 本 稿 では 人 との 表 記 を 使 用 しつつ 広 義 の 部 族 的 集 団 として 考 察 の 対 象 としている(なお 西 部 ナフサ 山 地 のベルベ ル 系 諸 部 族 については アラブ 系 住 民 との 融 合 が 進 んでおりトゥアレグ 人 ほど 民 族 的 な 特 質 が 顕 著 でなく 特 定 の 地 域 に 深 く 根 差 している 集 団 であることから 革 命 後 の 都 市 型 新 興 勢 力 という 部 族 的 集 団 として 本 稿 3.で 扱 っている) 43

50 (2)トゥアレグ 人 (the Touareg) トゥアレグ 人 はベルベル 系 の 遊 牧 民 であり アフリカ 北 部 のサハラ 砂 漠 やサヘル 地 帯 の 広 大 な 領 域 (リビア 南 西 部 ニジェール 北 部 アルジェリア 南 部 マリ 北 部 及 びブルキナ ファソ)を 根 拠 地 としている トゥアレグ 人 の 人 口 は これら 全 領 域 で2~3 百 万 人 に 上 ると 推 計 されているが その 内 約 100 万 人 がマリ 北 部 に 集 中 していると 見 られる 一 方 リビアでは 大 半 のトゥアレグ 人 が 南 部 のフェザーン 地 方 ( 特 にガダメス セブハ ウバリ ガートといったオアシス 都 市 )を 根 拠 地 としている トゥアレグ 人 たちはリビア 南 部 の 地 形 に 精 通 しており 恒 常 的 に 国 境 を 超 えて 移 動 し 隣 国 の 同 胞 との 部 族 的 紐 帯 を 維 持 すると ともに そのネットワークを 活 かした 商 取 引 ( 特 にリビア 政 府 の 補 助 金 で 安 価 に 入 手 でき る 生 活 必 需 品 や 燃 料 を 管 理 の 不 十 分 な 国 境 を 違 法 に 超 えて 無 関 税 で 密 輸 すること)に 従 事 してきた このようなトゥアレグ 人 の 超 領 域 性 や 民 族 的 な 特 異 性 から リビアのアラブ 系 住 民 たち はトゥアレグ 人 に 対 し 外 国 の 支 援 を 受 けながらリビア 国 家 の 分 断 を 謀 っているのではと の 疑 念 と 警 戒 を 常 に 向 けてきた リビア 国 家 のアラブ 性 を 基 本 とするカダフィ 政 権 の 方 針 の 下 で トゥアレグ 人 はリビア 市 民 としての 基 本 的 な 権 利 を 享 受 することができず 疎 外 を 受 けてきた その 一 方 で カダフィ 政 権 はトゥアレグ 人 を 治 安 部 隊 の 傭 兵 として 利 用 し てきた 点 は 現 在 のリビア 及 び 周 辺 国 の 情 勢 を 理 解 する 上 で 重 要 である トゥアレグ 人 の 傭 兵 は カダフィ 指 導 者 の 七 男 が 率 いる 精 鋭 部 隊 ハミース 旅 団 の 戦 闘 員 として 多 数 リ クルートされていたと 見 られ リビアのトゥアレグ 人 だけでなく マリやニジェールのト ゥアレグ 人 も 含 まれていた 可 能 性 が 高 い トゥアレグ 人 を 治 安 部 隊 の 傭 兵 として 徴 用 していた 背 景 には トゥアレグ 人 が 活 動 領 域 としているアルジェリア マリ ニジェールといった 周 辺 諸 国 への 外 交 カードとして 利 用 する 狙 いがあったと 見 られている こうしたカダフィ 政 権 の 姿 勢 は アオゾウ 地 区 の 領 有 権 を 争 う 隣 国 チャドとの 紛 争 で 一 時 期 に 現 地 のトゥブ 人 に 市 民 権 を 与 えていた 事 例 にも 通 底 していると 言 えよう こうしてカダフィ 政 権 は 一 部 トゥアレグ 人 の 取 込 みを 図 り そ の 中 にはカダフィ 政 権 内 で 要 職 を 担 う 者 も 現 れた 2011 年 3 月 カダフィ 政 権 から 離 脱 し NTC のメンバーとなったトゥアレグ 人 のムーサ クーニ(Musa al-kuni)は 隣 国 マリで 総 領 事 を 務 めていた また ガート 県 やワディ ハヤト 県 の 知 事 もトゥアレグ 人 であった 当 時 ガート 県 の 知 事 であったフセイン クーニ(Hussain al-kuni)は カダフィ 政 権 のた めに 傭 兵 をリクルートしていたとして 国 連 の 制 裁 対 象 となっていた 大 多 数 のトゥアレグ 人 は リビア 市 民 としての 権 利 を 保 障 されないまま 疎 外 されてきた が その 一 部 がカダフィ 政 権 の 傭 兵 としての 役 割 を 担 ったが 故 に カダフィ 政 権 の 協 力 者 という 強 烈 な 印 象 をリビア 国 民 に 植 え 付 けてしまった その 結 果 カダフィ 政 権 の 崩 壊 後 に 革 命 派 勢 力 からの 迫 害 に 晒 されるようになった 国 境 付 近 の 都 市 ガダメスでは 多 数 の トゥアレグ 人 が 拘 束 暴 行 されたほか 隣 国 に 逃 亡 する 者 が 相 次 いだ リビアの 暫 定 政 府 はこうしたトゥアレグ 人 に 対 する 報 復 的 行 為 を 阻 止 できず 2012 年 の 5 月 にムーサ クー 44

51 ニが 抗 議 の 意 を 示 し NTC メンバーを 辞 任 している 雑 多 な 部 族 的 集 団 の 寄 せ 集 めに 過 ぎな い 暫 定 政 府 では 大 局 的 な 観 点 から 中 立 的 な 介 入 と 調 停 を 行 うことは 難 しく その 限 界 を 露 呈 したと 言 えよう こうしてリビア 社 会 では 用 済 み となったトゥアレグ 人 の 元 傭 兵 たちは その 内 数 千 人 がリビアからマリ 北 部 へ 移 動 し アザワド 解 放 国 民 運 動 (MNLA:National Movement for the Liberation of Azawad)に 合 流 した 豊 富 な 戦 闘 経 験 と 充 実 した 装 備 を 活 かして 2012 年 1 月 からマリ 政 府 軍 との 戦 闘 状 態 に 入 った そして 3 月 にはマリ 北 部 を 実 効 支 配 するよ うになり 4 月 には アザワド 共 和 国 の 分 離 独 立 を 宣 言 するという 事 態 に 至 った このよ うに リビアにおけるトゥアレグ 人 問 題 の 安 易 な 解 消 は アフリカ 北 部 地 域 全 体 で 見 れば 新 たな 不 安 定 要 因 を 生 み 出 したに 過 ぎなかったことは 明 らかである (3)トゥブ 人 (the Toubou Tubu Tebu との 表 記 も) トゥブ 人 は サハラ 砂 漠 のティベスティ 山 地 一 帯 (リビア 南 部 及 びチャド 北 部 )とその 近 隣 (ニジェール 北 部 及 びスーダン 西 部 )を 根 拠 地 としている リビアにおけるトゥブ 人 の 主 な 根 拠 地 は 南 東 部 のオアシス 都 市 であるクフラとその 周 辺 都 市 や 南 西 部 のフェザ ーン 地 方 の 都 市 であるセブハ ムルズク カトルンなどである リビアにおけるトゥブ 人 の 人 口 は 1 万 2 千 人 から 1 万 5 千 人 程 度 との 推 計 があり これは 全 人 口 ( 約 600 万 人 強 ) の 0.2% 程 度 に 相 当 する また チャド ニジェール 及 びスーダンには 合 わせて 約 38 万 人 のトゥブ 人 がいるとの 推 計 もある 言 語 や 文 化 面 ではサブ サハラ 地 域 の 諸 民 族 との 間 で 共 通 点 が 見 られ 他 のリビアのア ラブ 系 住 民 とは 異 なる 固 有 の 民 族 的 特 質 を 有 している またトゥブ 人 もトゥアレグ 人 と 同 様 に 超 領 域 的 な 活 動 を 通 じて 隣 国 の 同 胞 との 部 族 的 紐 帯 を 維 持 しており 周 辺 国 との 商 取 引 ( 特 にリビア 政 府 の 補 助 金 で 安 価 に 入 手 できる 生 活 必 需 品 や 燃 料 を 管 理 の 不 十 分 な 国 境 を 違 法 に 超 えて 無 関 税 で 密 輸 すること)に 従 事 してきた カダフィ 政 権 はリビア 国 家 のアラブ 性 を 強 調 する 一 方 で 自 国 の 領 土 拡 大 の 野 心 からか つてトゥブ 人 を 利 用 していた カダフィ 政 権 は 1970 年 代 より 天 然 資 源 が 埋 蔵 されている チャド 北 部 のアオゾウ 地 区 (Aouzou Strip)の 領 有 権 を 主 張 して 同 地 区 に 侵 攻 するととも に アオゾウ 地 区 の 3 万 人 超 のトゥブ 人 に 対 しリビア 市 民 権 を 付 与 するなど チャド 政 府 の 領 有 権 に 対 抗 していた ところが 1980 年 代 後 半 にチャドとの 紛 争 に 敗 北 した 後 1990 年 代 以 降 は 一 転 してトゥブ 人 からの 市 民 権 の 剥 奪 が 進 められた 更 に 2007 年 には クフラ に 住 む 多 数 のトゥブ 人 から 市 民 権 が 剥 奪 されたため 2008 年 にクフラでカダフィ 政 権 側 部 隊 とトゥブ 人 の 間 で 衝 突 事 件 が 発 生 している また 南 東 部 の 中 核 都 市 クフラなどのオアシスを 活 用 した 農 業 や 商 取 引 の 拠 点 をめぐっ て トゥブ 人 はアラブ 系 有 力 部 族 のズワイヤ 族 ( 本 稿 3. 参 照 )と 歴 史 的 な 対 立 関 係 にあっ た しかし 2 月 17 日 革 命 に 際 しては 東 部 キレナイカ 地 方 を 拠 点 とするズワイヤ 族 と カダフィ 政 権 に 長 年 疎 外 されてきたトゥブ 人 の 双 方 が 反 体 制 運 動 への 支 持 で 一 致 し カダ 45

52 フィ 政 権 打 倒 のための 一 時 的 な 協 力 関 係 が 実 現 した リビアにおけるトゥブ 人 の 武 装 集 団 のリーダーであるイーサ アブドルマジード マンスール(Issa Abdulmajid Mansour)は NTC からリビア 南 東 部 の 国 境 治 安 監 視 の 責 任 者 に 任 命 された なお この 人 物 はリビアに おけるトゥブ 人 の 権 利 向 上 を 目 的 として 2007 年 に 設 立 された リビア 救 済 トゥブ 戦 線 (TFSL:Tubu Front for the Salvation of Libya)のリーダーである トゥブ 人 の 勢 力 は 南 部 国 境 を 経 由 するカダフィ 政 権 の 補 給 ルートを 遮 断 するなど リビアの 反 体 制 運 動 におい て 重 要 な 役 割 を 果 たした この 結 果 クフラは 5 月 のカダフィ 政 権 との 戦 闘 を 最 後 に 南 部 では 最 も 早 く 反 体 制 派 が 制 圧 した 都 市 となった ところがカダフィ 政 権 が 崩 壊 して 共 通 の 目 標 がなくなると トゥブ 人 とズワイヤ 族 の 間 で 密 輸 関 連 の 利 権 をめぐる 争 いが 再 び 表 面 化 するようになった 2012 年 2 月 にはクフラで 双 方 間 の 大 規 模 な 衝 突 が 続 き 100 人 以 上 が 死 亡 する 事 件 が 起 きた 元 来 からのアラブ 系 住 民 のアフリカ 系 人 種 に 対 する 差 別 意 識 とも 相 まって 2008 年 のクフラでの 衝 突 事 件 以 降 ズワイヤ 族 を 中 心 とするリビアのアラブ 系 住 民 は トゥブ 人 がチャドやニジェールといっ た 外 国 から 支 援 を 受 けてリビア 国 家 の 分 断 を 謀 っていると 見 なし 根 強 い 不 信 感 を 向 けて いる 他 方 トゥブ 人 はリビア 市 民 としての 同 等 の 権 利 を 求 めてきたものの カダフィ 政 権 の 崩 壊 後 も 境 遇 が 一 向 に 改 善 しないために 疎 外 感 を 強 めている こうした 状 況 を 背 景 に その 後 も 双 方 間 の 衝 突 が 続 いた (4)アウラード スレイマン 族 (the Awlad Suleiman) アウラード スレイマン 族 は リビア 南 西 部 フェザーン 地 方 の 有 力 アラブ 系 部 族 の 一 つ であり この 地 方 の 主 要 都 市 であるセブハを 根 拠 地 としきた ただしカダフィ 政 権 時 代 に は 同 じくこの 地 方 を 根 拠 地 としているアラブ 系 部 族 のマガリハ 族 の 方 が 多 数 の 治 安 機 関 の 要 人 を 輩 出 するなど 重 用 されてきた 経 緯 がある カダフィ 政 権 の 崩 壊 とともにマガリ ハ 族 が 退 潮 し 王 政 時 代 からの 有 力 部 族 であるアウラード スレイマン 族 が 復 権 を 果 たす という キレナイカ 地 方 のオベイダート 族 のような 伝 統 的 有 力 部 族 の 再 興 現 象 が 見 られる 19 世 紀 にオスマン トルコの 支 配 に 対 する 闘 争 で 名 を 馳 せたアウラード スレイマン 族 のアブデルジャリル セイフナスル(Abdeljalil Saif al-nasr)は リビアの 歴 史 的 英 雄 で あり セイフナスル 家 は 今 も 続 く 伝 統 的 名 望 家 である 1951 年 から 1969 年 の 王 政 時 代 に は 代 々フェザーン 地 方 の 知 事 を 輩 出 しており 王 政 時 代 の 最 後 の 知 事 であったガイス セ イフナスル(Ghaith Saif al-nasr)の 子 息 アブドルマジード セイフナスル(Abdulmajid Saif al-nasr)は 2011 年 3 月 に NTC のメンバーに 任 命 され 後 にトリポリの 最 高 治 安 委 員 会 (SSC)のトップを 務 めた 同 じく 子 息 のマンスール セイフナスル(Mansour Saif al-nasr)は 駐 フランス 大 使 に 任 命 されている また アブデルジャリル セイフナスル (Abdeljalil Saif al-nasr)は サブハ 選 挙 区 の GNC 議 員 である リビア 南 西 部 のセブハは 南 東 部 のクフラと 並 んで 隣 国 との 国 境 を 超 えた 商 取 引 ( 特 に 密 輸 )の 拠 点 都 市 となっている そのため トゥブ 人 はクフラでズワイヤ 族 と 対 立 したの 46

53 とほぼ 同 様 の 構 図 で セブハでアウラード スレイマン 族 と 対 立 関 係 にある 2014 年 1 月 11 日 アウラード スレイマン 族 とトゥブ 人 の 間 で 激 しい 戦 闘 が 起 き その 後 の 混 乱 に 乗 じて 旧 カダフィ 政 権 関 係 者 らがタマンハント 空 軍 基 地 を 占 拠 するなどの 事 態 が 生 じ これ に 対 しリビア 軍 や 応 援 のミスラータの 革 命 部 隊 も 巻 き 込 んだ 戦 闘 が 続 いている 本 稿 執 筆 時 点 の 1 月 末 現 在 一 連 の 戦 闘 による 死 者 はおよそ 100 人 に 上 っている (5)リビアの 民 族 問 題 人 口 の 圧 倒 的 多 数 をアラブ 系 のイスラム 教 スンニ 派 が 占 めるリビアでは 国 家 自 体 を 分 裂 の 危 機 に 晒 すような 民 族 的 宗 派 的 対 立 は 見 られない 各 地 で 続 く 衝 突 は 血 縁 や 地 縁 に 基 づく 部 族 的 な 集 団 どうしの 利 権 争 いのレベルに 留 まっており リビア 国 家 の 枠 組 み 自 体 に 挑 戦 するような 動 きはない キレナイカ 地 方 の 自 治 を 要 求 するグループも 少 数 派 に 過 ぎず 当 のキレナイカ 地 方 の 諸 派 からの 賛 同 も 得 られていないのが 現 状 である 唯 一 目 立 つ 動 きとして 一 部 の 革 命 派 部 隊 が 石 油 収 入 の 公 平 な 分 配 を 要 求 して シドラ 湾 の 石 油 積 出 し 港 を 占 拠 し 続 けている 程 度 である 従 って これまでリビア 南 部 における 民 族 問 題 については あまり 焦 点 が 当 たることが なかったが 本 稿 6.で 前 述 のとおり トゥアレグ 人 及 びトゥブ 人 の 有 する 超 領 域 性 は 北 アフリカ 地 域 全 体 の 安 定 を 考 える 上 で 非 常 に 重 要 な 要 素 である 両 民 族 が 少 数 派 として 暮 らすリビアにおいても 市 民 としての 権 利 を 認 められずリビア 社 会 から 排 除 されれば 逆 に 自 衛 のための 武 装 強 化 や 密 輸 などの 違 法 な 活 動 への 依 存 を 強 めることになる 広 大 な 南 部 の 砂 漠 地 帯 の 治 安 維 持 と 適 切 な 国 境 管 理 のためには トゥブ 人 とトゥアレグ 人 の 協 力 を 得 る 必 要 があり カダフィ 政 権 崩 壊 後 の 暫 定 統 治 プロセスに 彼 らをどこまで 取 り 込 めるか が 鍵 となる 本 稿 執 筆 中 の 2014 年 1 月 末 現 在 リビアでは 憲 法 起 草 委 員 会 の 選 挙 準 備 が 進 められてお り 全 60 人 の 同 委 員 会 メンバーの 内 ベルベル 人 トゥブ 人 及 びトゥアレグ 人 の 少 数 派 に 計 6 人 が 割 り 当 てられている(なお ベルベル 人 勢 力 は 憲 法 草 案 にベルベル 人 の 文 化 的 固 有 性 の 承 認 を 予 め 盛 り 込 むことを 要 求 して 選 挙 をボイコットする 姿 勢 を 示 している) 今 後 のリビアの 制 憲 プロセスにおいて 独 自 の 民 族 性 を 持 つこれら 少 数 派 の 憲 法 上 の 地 位 や 権 利 について どのような 議 論 がなされるかが 注 目 される 6. 民 族 と 部 族 参 考 資 料 Jason Pack, the 2011 Libyan Uprisings and the Struggle for the Post-Qadhafi Future, Chapter 6, the South, Palgrave Macmillan Wolfram Lacher, Fault lines of the Revolution, Political Actors, Camps and Conflicts in the New Libya, SWP Research Paper, May

54 Aljazeera.com( 英 語 版 ) Rebecca Murray, Libya s Tebu tribe hopes for lasting peace, 3 Dec Jeremy Keenan, Mali's Tuareg rebellion: What next?, 20 th Mar Rebecca Murray, Peace Lost in the Libyan Desert, Inter Press Service News Agency, 28 Apr Ethnic Conflict in Libya: Toubou, The Norman Paterson School of International Affairs, Carleton University, June 21 st 2012 スカイニューズ アラビヤ ウェブサイト 2014 年 1 月 1 日 付 配 信 記 事 リビア 憲 法 起 草 委 員 会 選 挙 を 2 月 に 予 定 2014 年 1 月 29 日 付 配 信 記 事 リビア 南 部 で 新 たな 衝 突 2014 年 1 月 26 日 付 配 信 記 事 セブハでの 戦 闘 による 死 者 数 増 加 2014 年 1 月 19 日 付 配 信 記 事 リビア 軍 タマンハンド 空 軍 基 地 を 奪 回 2014 年 1 月 12 日 付 配 信 記 事 リビア 南 部 の 部 族 間 衝 突 で 死 者 (いずれも 原 文 アラビア 語 ) 48

55 付 属 資 料 1 リビアの 主 要 都 市 及 び 部 族 勢 力 図 出 典 : al-groups-in-any-political-settlement/ 54

56 付 属 資 料 2 リビア 2 月 17 日 革 命 以 降 の 主 な 動 きクロノロジー 2011 年 02 月 国 民 移 行 評 議 会 (the National Transitional Council) 設 立 2011 年 03 月 執 行 委 員 会 (Executive Committee) 成 立 (~ 同 年 11 月 まで) 2011 年 03 月 安 保 理 決 議 1973 による 飛 行 禁 止 区 域 の 設 定 2011 年 07 月 アブドルファッターハ ユーニス NTC 国 防 相 殺 害 事 件 2011 年 08 月 NTC が 暫 定 統 治 プロセスを 規 定 する 憲 法 宣 言 を 公 布 2011 年 08 月 革 命 派 勢 力 により 首 都 トリポリ 陥 落 2011 年 09 月 キャメロン 英 首 相 及 びサルコジ 仏 大 統 領 のベンガジ 訪 問 2011 年 10 月 (20 日 )カダフィ 指 導 者 の 殺 害 2011 年 10 月 (23 日 )リビア 全 土 解 放 宣 言 2011 年 11 月 キーブ 氏 を 首 班 とする 暫 定 内 閣 成 立 (2012 年 11 月 まで) 2012 年 02 月 国 民 総 議 会 選 挙 法 成 立 2012 年 02 月 ミスラータで 独 自 に 地 方 評 議 会 選 挙 実 施 2012 年 07 月 国 民 総 議 会 (the General National Congress) 選 挙 2012 年 08 月 GNC 初 会 合 これに 伴 い NTC は 解 散 2012 年 09 月 ベンガジ 米 総 領 事 館 襲 撃 と 米 大 使 の 殺 害 事 件 2012 年 10 月 アブシャグールが 首 班 指 名 受 けるも GNC の 承 認 得 られず 2012 年 10 月 革 命 派 部 隊 によるバニ ワリード 包 囲 2012 年 11 月 アリ ザイダン 内 閣 が 正 式 に 発 足 ( 就 任 宣 誓 式 ) 2013 年 05 月 旧 カダフィ 政 権 の 要 人 に 対 する 10 年 間 の 公 職 追 放 法 成 立 2013 年 09 月 アヌード サヌーシ( 旧 治 安 機 関 要 人 の 娘 ) 拉 致 事 件 2013 年 10 月 アブアナス リービ(アルカイダ 関 係 者 ) 拘 束 事 件 2013 年 10 月 アジュダビヤで 武 装 勢 力 が 多 数 のエジプト 人 運 転 手 を 拘 束 2013 年 11 月 首 都 トリポリで 民 衆 デモとミスラータ 革 命 派 部 隊 の 衝 突 事 件 2013 年 12 月 イスラム 法 シャリーア を 法 源 とする 決 議 を GNC が 可 決 2014 年 01 月 セブハでアウラード スレイマン 族 とトゥブ 人 が 衝 突 2014 年 01 月 ザイダン 内 閣 からムスリム 同 胞 団 系 政 党 推 薦 の5 閣 僚 が 離 脱 2014 年 01 月 リビア 革 命 派 作 戦 室 のシャアバン 司 令 官 がエジプトで 一 時 拘 束 ( 出 典 : 各 種 報 道 を 元 に 作 成 ) 55

57 特 別 寄 稿 新 生 リビアの 行 方 塩 尻 宏 はじめに: 変 革 期 のアラブ 世 界 とリビア 20 世 紀 半 ばから 石 油 時 代 の 到 来 と 共 に アフリカ 大 陸 でアルジェリア スーダンに 次 い で 3 番 目 に 大 きな 国 土 (176 万 平 方 キロ: 日 本 の 4.6 倍 )のリビアは 石 油 天 然 ガスなど の 膨 大 な 地 下 資 源 が 存 在 する 可 能 性 を 秘 めた 国 として 注 目 されるようになった BP の 最 新 統 計 (2012 年 末 )では 同 国 の 原 油 確 認 埋 蔵 量 は 480 億 バレル(アフリカ 諸 国 第 1 位 ) 天 然 ガス 確 認 埋 蔵 量 は 1.5 兆 立 方 メートル( 同 第 4 位 )となっており 世 界 的 にも 有 数 の 資 源 大 国 である サハラ 砂 漠 に 国 土 の 大 半 を 有 するリビアは 近 代 までは 欧 州 列 強 の 植 民 地 としても 魅 力 が 薄 く 20 世 紀 に 入 ってイタリアが 僅 かに 地 中 海 岸 沿 いのキレナイカを 中 心 に 同 国 に 進 出 して 植 民 地 とした 第 二 次 世 界 大 戦 後 の 世 界 秩 序 の 変 化 の 中 で アラブ 世 界 においても 1950 年 代 から 70 年 代 にかけてチュニジア アルジェリア スーダン 湾 岸 諸 国 など 欧 州 列 強 の 植 民 地 保 護 国 の 独 立 エジプト イエメン イラク リビアの 共 和 革 命 などによる 政 治 変 動 が 起 きた あれから 半 世 紀 余 りを 経 て 2011 年 初 頭 から 始 まったアラブの 民 衆 蜂 起 の 流 れの 中 で チュニジア エジプト リビア イエメンでは 既 に 長 期 独 裁 政 権 が 崩 壊 したが その 後 の 国 造 りに 向 けての 試 行 錯 誤 が 続 いている シリアではアサド 政 権 側 と 反 政 権 側 との 抗 争 が 多 くの 犠 牲 者 を 出 しながら 先 行 き 不 透 明 なまま 続 いている アラブ 世 界 は 再 び 変 革 の 時 期 を 迎 えているように 見 える リビアは 今 1969 年 の 共 和 革 命 から 42 年 以 上 にもわたり 続 いたカダフィ 独 裁 体 制 を 清 算 して 新 たな 国 づくりに 向 けて 試 行 錯 誤 を 続 けている 国 家 元 首 も 政 府 も 議 会 も 存 在 し ないとされていたカダフィ 時 代 の 特 異 なジャマヒリーヤ(Jamahiriya) 体 制 から 普 通 の 政 治 体 制 に 戻 ろうとしているリビアでは 様 々な 部 族 や 集 団 が 新 生 リビアでのそれぞれの 権 益 を 確 保 しようとして 抗 争 を 繰 り 返 している リビアは 北 部 の 地 中 海 岸 地 帯 を 中 心 に 古 代 から 近 代 まで 約 3 千 年 にわたり 外 来 勢 力 の 支 配 を 受 けた 第 2 次 世 界 大 戦 後 に 成 立 したリビア 王 国 がリビア 人 自 身 による 初 めての 国 家 となったが 彼 らがリビアを 自 らの 国 家 として 運 営 し 始 めてから 僅 か 60 年 余 りである そ の 間 目 まぐるしく 変 化 する 国 際 情 勢 の 中 で 18 年 間 の 王 制 と 42 年 間 のカダフィ 独 裁 体 制 を 経 験 したリビア 人 たちは 2011 年 から 新 たな 政 治 体 制 の 構 築 に 向 けて 試 行 錯 誤 を 続 けて いる 今 やリビア 社 会 では 国 家 的 利 益 よりも 血 縁 地 縁 に 基 づく 利 害 関 係 が 優 先 されてい るように 見 える 57

58 リビアの 歴 史 的 変 遷 リビアはギリシア ローマ 時 代 には 地 中 海 世 界 の 要 衝 の 一 つであった 殆 どが 砂 漠 地 帯 であるその 国 土 の 生 産 性 の 低 さから 中 世 から 近 代 にかけてのリビアは 世 界 史 的 な 観 点 か らの 存 在 感 は 極 めて 薄 い 国 であった しかし その 広 大 な 国 土 の 下 に 膨 大 な 量 の 地 下 資 源 が 存 在 することが 明 らかになった 20 世 紀 半 ば 以 降 リビアの 動 向 に 大 きな 国 際 的 関 心 が 寄 せられるようになったことは 上 述 のとおりである 現 在 のリビア 社 会 の 成 り 立 ちを 理 解 するために その 古 代 からの 歴 史 を 以 下 のとおり 振 り 返 ってみた (1) 地 中 海 世 界 の 要 衝 であったリビア リビア 南 部 のアカクス 山 地 (Acacus Mountains)に 残 された 岩 絵 は 紀 元 前 1 万 年 頃 に 描 かれたとされており 内 陸 部 の 砂 ローマ 帝 国 時 代 の 北 アフリカ 漠 地 帯 では 先 史 時 代 から 遊 牧 や 半 遊 牧 の 原 住 部 族 が 自 由 に 移 動 しつつ 暮 らしていたことを 示 し ている 紀 元 前 2000 年 ころから 現 在 のレバノンやシリアからフ ェニキア 人 が 地 中 海 岸 沿 いの 地 域 に 入 植 し 港 湾 都 市 を 建 設 して 交 易 事 業 を 展 開 した 紀 元 前 7 世 紀 頃 にギリシアが 東 部 地 域 に 建 設 し た 殖 民 都 市 キ レ ー ネ (Cyrene)を 足 がかりに 周 辺 地 域 ( 現 在 のキレナイカ)に 進 出 し ( 支 配 地 域 は 地 中 海 岸 地 帯 のみ) 出 典 :Wikipedia 58

59 その 後 6 世 紀 にわたり 地 中 海 岸 地 域 を 支 配 した 歴 史 家 ヘロドトス( BC)が 活 躍 したのもその 頃 である 当 時 この 地 域 の 先 住 民 をギリシア 語 で 異 民 族 を 意 味 するバルバロ スと 呼 んだことから 彼 らにベルベル(Berber)の 呼 称 が 使 われるようになった 紀 元 前 1 世 紀 にはアフリカ 大 陸 北 部 の 地 中 海 沿 岸 はローマ 帝 国 の 支 配 下 に 取 り 込 まれ 麦 やオリーブなどの 食 糧 供 給 地 として また サハラ 砂 漠 を 越 えて 運 ばれてくる 奴 隷 象 牙 金 銀 などのアフリカ 産 品 の 集 積 地 として 地 中 海 文 明 を 支 える 重 要 な 地 域 であった 当 時 はリビア 北 部 の 海 岸 にも 大 規 模 な 都 市 が 幾 つも 築 かれて 華 やかな 地 中 海 文 明 の 拠 点 となっていた レプティス マグナ(Leptis Magna:トリポリ 東 方 120 キロ)やセブラー タ(Sebrata:トリポリ 西 方 80 キロ) オエア(Oea: 現 在 のトリポリ)やキレナイカ 地 方 (リビア 西 部 )に 存 在 する 大 規 模 な 遺 跡 に 当 時 の 名 残 りが 感 じられる ギリシア ローマ 時 代 からのリビアは 東 部 のキレナイカ(Cyrenaica) ローマ 時 代 の 主 要 3 都 市 (Leptis Magna Oea Sebrata) リビア 区 分 図 を 包 含 し た 西 部 の ト リ ポ リ タ ニ ア ( Tripolitania ) と 南 部 の フ ェ ッ ザ ー ン (Fezzan)の 3 地 域 に 分 けられるようになっ た しかし ギリシア ローマ 時 代 から 近 代 ま で 外 来 の 統 治 者 が 支 配 したのは 地 中 海 岸 地 帯 のキレナイカの 北 部 とトリポリタニアのみで あった 人 口 密 度 も 希 薄 な 砂 漠 地 帯 で 原 住 部 族 が 跋 扈 する 内 陸 部 のフェッザーンは 彼 らの 直 接 支 配 が 及 ばない 地 域 であったが アフリカ 奥 地 から 地 中 海 へと 続 く 隊 商 路 を 確 保 するため に 遊 牧 民 や 商 人 たちを 懐 柔 することに 腐 心 し 出 典 :Wikipedia ていた そのため これらの 地 域 にもそれぞれ の 文 化 的 影 響 が 及 んでいた (2)イスラーム 化 を 経 てイタリアの 植 民 地 へ ローマ 帝 国 の 衰 退 後 7 世 紀 にイスラーム 教 徒 のアラブ 軍 がアラビア 半 島 から 北 アフリカ に 侵 攻 して 来 て 内 陸 部 にもイスラームが 浸 透 した 複 数 のイスラーム 政 権 が 周 辺 で 興 亡 を 繰 り 返 したが 世 界 史 的 に 見 ればリビアに 政 治 の 中 心 が 置 かれることはなかった 当 時 の リビアの 地 中 海 沿 岸 は ペルシャ 湾 岸 地 帯 と 同 様 に 海 賊 が 横 行 する 地 域 となっており 1511 年 にリビアを 征 服 したオスマン 帝 国 も 海 賊 の 支 配 を 黙 認 していた リビアで 初 めて 自 立 した 王 朝 が 成 立 したのは トルコ 軍 人 とリビア 人 女 性 の 間 に 生 まれ たアフマド カラマンリー(Ahmed Karamanli: )が 1711 年 に 興 したカラマ ンリー 朝 であるといわれる オスマン 帝 国 の 名 目 的 支 配 を 認 めながら 独 自 の 支 配 権 を 持 っ たこの 王 朝 は 124 年 続 いたが 1835 年 にリビアは 再 びオスマン 帝 国 に 占 領 された カラマ 59

60 ンリー 朝 がオスマン 帝 国 に 滅 ぼされてから 10 年 後 リビア 東 部 のキレナイカ 地 方 と 中 南 部 のフェッザーン 一 帯 では イスラーム 神 秘 主 義 の 指 導 者 ムハンマド ビン アリー アル サヌーシー(1787?~1859:1835 年 サヌーシー 教 団 創 設 )に 率 いられた 抵 抗 運 動 が 広 がっ た その 頃 の 中 東 アフリカでは ヨーロッパ 列 強 による 植 民 地 獲 得 競 争 が 繰 り 広 げられて いたが 既 にエジプト スーダンは 英 国 が 支 配 し チュニジアからモロッコにかけてのマ グレブ 地 域 及 びサハラ 砂 漠 の 南 (サブ サハラ)にはフランスの 支 配 が 及 んでおり 北 ア フリカにおいて 列 強 の 支 配 が 及 んでいない 空 き 地 はリビアだけであった イタリアは オスマン 帝 国 支 配 に 対 するサヌーシー 教 団 の 抵 抗 運 動 に 乗 じてリビアに 介 入 し ローザン ヌ 条 約 (1912)により 植 民 地 支 配 を 確 立 した イスラーム 教 徒 同 士 によるオスマン 帝 国 の 支 配 は 一 部 地 域 の 支 配 をリビア 人 に 委 ねると いう 間 接 支 配 の 形 を 採 用 した 柔 軟 なものであったが イタリアの 植 民 地 支 配 は 土 地 の 収 奪 を 目 的 とした 厳 しいものであった そのため 当 初 からリビア 人 の 激 しい 反 発 を 招 いた 特 にサヌーシー 教 団 の 指 導 者 オマル ムフタール(Omar al-mukhtar:1858~1931)に 率 いられたキレナイカ 地 方 の 抵 抗 運 動 に 対 するイタリア の 弾 圧 は 残 虐 なものであり 30 年 間 のイタリア 統 治 下 で 全 リビア 人 の4 分 の1が 死 亡 したと 言 われるほどで あった オマル ムフター ルは 1931 年 にイタリア 当 局 によって 公 開 処 刑 された オマル ムフタールの 肖 像 (リビアの 10 ディナール 紙 幣 ) が その 生 涯 は1981 年 に 砂 漠 のライオン(Lion of Desert) (アンソニー クィーン 主 演 )との 題 名 で 映 画 化 され ている また カダフィも 彼 をリビアにおける 反 植 民 地 闘 争 の 勇 士 として 賞 賛 し カダフ ィ 政 権 時 代 からリビアの10ディナール 紙 幣 にその 姿 が 印 刷 されている (3)リビア 王 国 からカダフィ 革 命 へ イタリアが 米 英 を 中 心 とする 連 合 軍 に 敗 北 した 第 2 次 世 界 大 戦 の 戦 後 処 理 の 一 環 とし て 国 連 総 会 でリビアの 独 立 が 決 議 ( )され 1951 年 12 月 にキレナイカを 本 拠 とす るサヌーシー 教 団 の 指 導 者 ムハンマド イドリース サヌーシー(Mohammed Idris El-Sanousi)を 国 王 とするリビア 連 合 王 国 が 誕 生 した リビアは 古 代 のフェニキアからギ リシア ローマを 経 てアラブ オスマン トルコ その 後 イタリアの 植 民 地 支 配 まで 常 に 外 来 勢 力 の 支 配 下 にあった このリビア 連 合 王 国 は リビアの 歴 史 上 初 めてのリビア 人 による 独 立 国 家 であった 60

61 その 国 土 の 殆 どが 砂 漠 地 帯 のリビアは 人 口 ( 当 時 2 百 万 人 足 らず)の 殆 どは 地 中 海 岸 に 沿 った 僅 かな 可 耕 地 に 住 み これと 言 った 産 業 もない 典 型 的 な 低 開 発 国 であった 第 二 次 世 界 大 戦 前 後 からの 航 空 機 や 艦 船 の 発 達 によって 地 中 海 北 アフリカ 地 域 におけるリビ アの 戦 略 的 な 重 要 性 が 高 まり 英 国 ('53/7) 及 び 米 国 ( 54/9)はリビアと 軍 事 協 定 を 締 結 して 財 政 援 助 と 引 換 えにトリポリ 郊 外 のウィーラス(Wheelus)やキレナイカ 地 方 のトブ ロク(Tobruk)などの 軍 事 基 地 を 確 保 した 第 二 次 世 界 大 戦 後 の 国 際 情 勢 は 東 西 対 立 が 深 まる 中 植 民 地 支 配 の 清 算 と 民 族 解 放 運 動 の 激 化 により 騒 然 とした 状 況 が 続 いていた 中 東 北 アフリカ 地 域 においても 旧 植 民 地 や 保 護 国 が 次 々と 独 立 し 3 度 にわたり 中 東 戦 争 ( )が 勃 発 するなど 情 勢 はめまぐるしい 展 開 を 示 していた 一 方 リビアでは1959 年 に 中 部 のシルテ 砂 漠 の 地 下 から 世 界 で 最 も 良 質 の 石 油 が 発 見 されて 国 家 収 入 が 急 増 した 王 族 や 有 力 者 が 石 油 収 入 を 廻 って 駆 け 引 きと 抗 争 に 奔 走 し 始 め 伝 統 的 なリビア 社 会 は 資 本 主 義 経 済 を 受 け 入 れる 準 備 が 整 わないままで 目 まぐるしい 変 化 を 経 験 することになった 当 時 アラブ 民 族 主 義 の 旗 手 として 国 際 的 注 目 を 集 めていた 隣 国 エジプトのナセル 大 統 領 は パレスチナ 解 放 というアラブの 大 義 実 現 を 目 指 して 第 3 次 中 東 戦 争 (1967)を 敢 行 したが イスラエルの 軍 事 的 優 勢 の 中 で 停 戦 を 余 儀 なくされた リビア 国 内 では 第 3 次 中 東 戦 争 への 政 府 の 消 極 的 な 対 応 や 国 内 の 米 英 軍 基 地 の 使 用 期 限 をめぐる 外 交 の 不 手 際 な どが 次 々と 表 面 化 して 国 内 の 各 地 で 激 しい 抗 議 運 動 が 展 開 されるようになっていた こ のような 状 況 の 中 で カダフィを 中 心 とする20 歳 代 の 庶 民 階 級 出 身 の 若 手 将 校 が1969 年 9 月 1 日 未 明 に 無 血 革 命 を 成 功 させた (4)カダフィの 試 行 錯 誤 と 挫 折 もともとナセル 大 統 領 の 思 想 と 政 治 手 法 を 信 奉 して 革 命 を 実 現 したカダフィは 当 時 のエ ジプトに 倣 って 国 民 大 衆 を 結 集 して 新 たな 政 治 体 制 を 確 立 しようとした しかし カダフ ィが 唱 える 急 激 な 体 制 変 革 は 従 来 のリビア 社 会 の 価 値 観 を 根 底 からくつがえすものとし て 国 民 は 戸 惑 いを 見 せた ナセル 大 統 領 の 急 死 (1970) 後 のカ ダフィは ナセルの 遺 志 を 継 ぐ 形 で アラブ 民 族 の 連 帯 と 統 一 の 実 現 に 向 けての 働 きかけを 一 層 強 め 国 内 では 政 治 社 会 改 革 を 推 進 しようとした 旧 政 権 時 代 からの 腐 敗 した 社 会 を 改 革 するためには 国 民 の 意 識 改 革 が 必 要 と 考 えたカダフィは 既 存 の 政 治 理 念 に 対 抗 して 資 本 主 義 でも 社 会 主 義 でもない 新 たな 政 治 理 念 ( 第 三 世 界 理 論 )を 唱 え 始 め その 実 践 のための 解 説 書 として 緑 の 書 (Green Book) を 刊 行 した 同 時 に 国 民 の 思 想 統 一 の 徹 底 を 図 るため に 1973 年 から 文 化 革 命 を 発 動 し 彼 の 考 えに 共 鳴 しない 実 業 家 緑 の 書 知 識 人 学 生 などを 反 革 命 分 子 として 摘 発 排 除 していった 61

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設 暴 力 団 員 による 不 当 な 行 為 の 防 止 等 に 関 する 法 律 の 一 部 を 改 正 する 法 律 暴 力 団 員 による 不 当 な 行 為 の 防 止 等 に 関 する 法 律 例 規 整 備 * 暴 力 団 員 による 不 当 な 行 為 の 防 止 等 に 関 する 法 律 の 一 部 を 改 正 する 法 律 例 規 整 備 公 布 年 月 日 番 号 平 成 24 年

More information

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt 市 町 村 における 地 方 公 務 員 制 度 改 革 に 係 る 論 点 と 意 見 について ( 概 要 ) 神 奈 川 県 市 町 村 における 地 方 公 務 員 制 度 改 革 に 係 る 検 討 会 議 について 1 テーマ 地 方 公 務 員 制 度 改 革 ( 総 務 省 地 方 公 務 員 の 労 使 関 係 制 度 に 係 る 基 本 的 な 考 え 方 )の 課 題 の 整

More information

●電力自由化推進法案

●電力自由化推進法案 第 一 八 五 回 参 第 二 号 電 力 自 由 化 推 進 法 案 目 次 第 一 章 総 則 ( 第 一 条 - 第 三 条 ) 第 二 章 電 力 自 由 化 の 基 本 方 針 ( 第 四 条 - 第 九 条 ) 第 三 章 電 力 自 由 化 推 進 本 部 ( 第 十 条 - 第 十 九 条 ) 附 則 第 一 章 総 則 ( 目 的 ) 第 一 条 この 法 律 は 平 成 二 十

More information

スライド 1

スライド 1 公 的 年 金 制 度 の 健 全 性 及 び 信 頼 性 の 確 保 のための 厚 生 年 金 保 険 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 について 厚 生 労 働 省 年 金 局 公 的 年 金 制 度 の 健 全 性 及 び 信 頼 性 の 確 保 のための 厚 生 年 金 保 険 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 ( 平 成 25 年 法 律 第 63 号 )の 概 要

More information

<4D6963726F736F667420576F7264202D203032208E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A76905682C98AD682B782E993C195CA915B9275964082C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

<4D6963726F736F667420576F7264202D203032208E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A76905682C98AD682B782E993C195CA915B9275964082C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6 様 式 租 税 特 別 措 置 等 に 係 る 政 策 の 事 前 評 価 書 1 政 策 評 価 の 対 象 とした 産 業 活 力 の 再 生 及 び 産 業 活 動 の 革 新 に 関 する 特 別 措 置 法 に 基 づく 登 録 免 租 税 特 別 措 置 等 の 名 称 許 税 の 特 例 措 置 の 延 長 ( 国 税 32)( 登 録 免 許 税 : 外 ) 2 要 望 の 内 容

More information

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可 ミスミグループ コーポレートガバナンス 基 本 方 針 本 基 本 方 針 は ミスミグループ( 以 下 当 社 グループ という)のコーポレートガバナン スに 関 する 基 本 的 な 考 え 方 を 定 めるものである 1. コーポレートガバナンスの 原 則 (1) 当 社 グループのコーポレートガバナンスは 当 社 グループの 持 続 的 な 成 長 と 中 長 期 的 な 企 業 価 値 の

More information

定款  変更

定款  変更 公 益 社 団 法 人 宮 崎 県 農 業 振 興 公 社 定 款 公 益 社 団 法 人 宮 崎 県 農 業 振 興 公 社 公 益 社 団 法 人 宮 崎 県 農 業 振 興 公 社 定 款 第 1 章 総 則 ( 名 称 ) 第 1 条 この 法 人 は 公 益 社 団 法 人 宮 崎 県 農 業 振 興 公 社 ( 以 下 公 社 という )と 称 する ( 事 務 所 ) 第 2 条 公

More information

<4D6963726F736F667420576F7264202D2087472D3188C091538AC7979D8B4B92F6814594F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

<4D6963726F736F667420576F7264202D2087472D3188C091538AC7979D8B4B92F6814594F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63> 飛 鳥 交 通 株 式 会 社 安 全 管 理 規 程 平 成 23 年 11 月 10 日 改 定 目 次 第 一 章 総 則 第 二 章 輸 送 の 安 全 を 確 保 するための 事 業 の 運 営 の 方 針 等 第 三 章 輸 送 の 安 全 を 確 保 するための 事 業 の 実 施 及 びその 管 理 の 体 制 第 四 章 輸 送 の 安 全 を 確 保 するための 事 業 の 実

More information

弁護士報酬規定(抜粋)

弁護士報酬規定(抜粋) はなみずき 法 律 事 務 所 弁 護 士 報 酬 規 定 ( 抜 粋 ) 2008 年 10 月 改 訂 2014 年 4 月 * 以 下 の 弁 護 士 報 酬 は いずれも 税 込 です ただし D E L の2の 表 に 基 づき 算 出 さ れた 金 額 については 消 費 税 を 上 乗 せした 額 を 弁 護 士 報 酬 とします 目 次 A 法 律 相 談 料 B 顧 問 料 C 手

More information

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等 私 立 大 学 等 研 究 設 備 整 備 費 等 補 助 金 ( 私 立 大 学 等 研 究 設 備 等 整 備 費 ) 交 付 要 綱 目 次 第 1 章 通 則 ( 第 1 条 - 第 4 条 ) 第 2 章 私 立 大 学 等 ( 第 5 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 専 修 学 校 ( 第 16 条 - 第 25 条 ) 第 4 章 補 助 金 の 返 還 ( 第 26 条 ) 第

More information

Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果

Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果 平 成 7 年 度 検 査 結 果 について () 検 査 体 制 等 農 政 部 農 地 整 備 課 の 検 査 員 名 以 上 により 土 地 改 良 区 等 あたり 日 間 から 日 間 実 施 しました 農 業 振 興 事 務 所 の 土 地 改 良 区 指 導 担 当 職 員 及 び 関 係 市 町 職 員 が 立 会 いました () 検 査 件 数 定 期 検 査 8( 土 地 改 良

More information

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定 62 (Q&A) 目 次 1 鑑 定 評 価 の 委 託 は 入 札 か 随 意 契 約 か またその 理 由 は 何 か 2 委 託 料 は 他 県 と 比 べて 妥 当 性 のある 金 額 か 3 地 価 公 示 ( 国 の 調 査 )との 違 いは 何 か また 国 の 調 査 結 果 はどう 活 用 しているか 4 路 線 価 を 利 用 しない 理 由 は 何 か 5 委 託 料 の 算

More information

Microsoft Word - 101 第1章 定款.doc

Microsoft Word - 101 第1章 定款.doc 第 1 章 定 款 規 約 山 梨 県 土 地 改 良 事 業 団 体 連 合 会 定 款 昭 和 33 年 8 月 1 日 制 定 昭 和 33 年 10 月 9 日 認 可 第 1 章 総 則 ( 目 的 ) 第 1 条 この 会 は 土 地 改 良 事 業 を 行 う 者 ( 国 県 及 び 土 地 改 良 法 第 95 条 第 1 項 の 規 定 により 土 地 改 良 事 業 を 行 う

More information

(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る 第 4 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 及 びNBC 攻 撃 による 災 害 への 対 処 等 市 は 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 への 対 処 等 については 原 則 として 県 地 域 防 災 計 画 ( 原 子 力 等 防 災 計 画 ) 等 に 定 められた 措 置 に 準 じた 措 置 を 講 ずるものとし また NBC 攻 撃 による 災 害 への 対 処 については 国 の

More information

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1 独 立 行 政 法 人 統 計 センター( 法 人 番 号 7011105002089)の 役 職 員 の 報 酬 給 与 等 について Ⅰ 役 員 報 酬 等 について 1 役 員 報 酬 についての 基 本 方 針 に 関 する 事 項 1 役 員 報 酬 の 支 給 水 準 の 設 定 についての 考 え 方 独 立 行 政 法 人 通 則 法 第 52 条 第 3 項 の 規 定 に 基 づき

More information

Microsoft Word - 全国エリアマネジメントネットワーク規約.docx

Microsoft Word - 全国エリアマネジメントネットワーク規約.docx 全 国 エリアマネジメントネットワーク 規 約 第 1 章 総 則 ( 名 称 ) 第 1 条 この 会 は 全 国 エリアマネジメントネットワーク( 以 下 本 会 という )と 称 する ( 目 的 ) 第 2 条 本 会 は 全 国 のエリアマネジメント 組 織 による 連 携 協 議 の 場 を 提 供 し エリアマネジメン トに 係 る 政 策 提 案 情 報 共 有 及 び 普 及 啓

More information

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる 独 立 行 政 法 人 の 役 員 の 退 職 金 に 係 る 業 績 勘 案 率 の 算 定 ルールについて 平 成 27 年 5 月 25 日 総 務 大 臣 決 定 独 立 行 政 法 人 特 殊 法 人 及 び 認 可 法 人 の 役 員 の 退 職 金 について ( 平 成 27 年 3 月 24 日 閣 議 決 定 以 下 閣 議 決 定 という )に 基 づき 独 立 行 政 法 人

More information

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情 資 料 2-1 公 的 年 金 制 度 の 持 続 可 能 性 の 向 上 を 図 るための 国 民 年 金 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 案 の 概 要 厚 生 労 働 省 年 金 局 平 成 28 年 4 月 21 日 公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可

More information

【労働保険事務組合事務処理規約】

【労働保険事務組合事務処理規約】 労 働 保 険 事 務 組 合 事 務 処 理 規 約 第 1 章 総 則 ( 目 的 ) 第 1 条 この 規 約 は 熊 本 商 工 会 議 所 ( 以 下 本 所 という )の 定 款 第 7 条 第 18 項 の 規 定 により 本 所 が 労 働 保 険 の 保 険 料 の 徴 収 等 に 関 する 法 律 ( 以 下 法 という ) 第 4 章 及 び 石 綿 による 健 康 被 害 の

More information

2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運 地 本 業 務 ニ ュ ー ス J R 東 海 労 静 岡 地 方 本 部 NO.1 8 2 0 1 2 年 6 月 1 9 日 発 行 者 : JR 東 海 労 静 岡 地 方 本 部 山 本 繁 明 申 6 号 に 関 する 幹 事 間 折 衝 を 開 催!! 6 月 15 日 地 本 は 静 岡 車 両 区 に お け る 構 内 運 転 士 に 対 す る 誤 支 給 及 び 戻 入 に つ

More information

・モニター広告運営事業仕様書

・モニター広告運営事業仕様書 秋 田 市 新 庁 舎 動 画 広 告 放 映 事 業 仕 様 書 1 目 的 多 く の 市 民 の 目 に 触 れ る 市 役 所 の 特 性 を 活 か し 映 像 や 音 声 を 活 用 し た モ ニ タ ー に よ る 動 画 広 告 を 新 庁 舎 内 に 導 入 し 新 庁 舎 の 主 要 機 能 の 一 つ で あ る 情 報 発 信 拠 点 と し て の 役 割 を 果 た す

More information

スライド 1

スライド 1 社 会 保 障 税 一 体 改 革 における 年 金 関 連 法 案 について 年 金 機 能 強 化 法 案 (3 月 30 日 提 出 ) 国 会 提 出 時 の 法 案 の 内 容 1 基 礎 年 金 国 庫 負 担 2 分 の1の 恒 久 化 2 受 給 資 格 期 間 の 短 縮 (25 年 10 年 ) 3 産 休 期 間 中 の 社 会 保 険 料 免 除 4 遺 族 基 礎 年 金

More information

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について 平 成 25 年 度 独 立 行 政 法 日 本 学 生 支 援 機 構 の 役 職 員 の 報 酬 給 与 等 について Ⅰ 役 員 報 酬 等 について 1 役 員 報 酬 についての 基 本 方 針 に 関 する 事 項 1 平 成 25 年 度 における 役 員 報 酬 についての 業 績 反 映 のさせ 方 日 本 学 生 支 援 機 構 は 奨 学 金 貸 与 事 業 留 学 生 支 援

More information

m07 北見工業大学 様式①

m07 北見工業大学 様式① 国 立 大 学 法 人 北 見 工 業 大 学 ( 法 人 番 号 6460305000387)の 役 職 員 の 報 酬 給 与 等 について Ⅰ 役 員 報 酬 等 について 1 役 員 報 酬 についての 基 本 方 針 に 関 する 事 項 1 役 員 報 酬 の 支 給 水 準 の 設 定 についての 考 え 方 当 該 法 人 の 主 要 事 業 は 教 育 研 究 事 業 である 役

More information

国 立 研 究 開 発 法 人 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 防 災 業 務 計 画 平 成 17 年 10 月 1 日 制 定 平 成 25 年 3 月 8 日 修 正 平 成 26 年 6 月 19 日 修 正 平 成 27 年 12 月 1 日 修 正 国 立 研 究 開 発 法 人 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 国 立 研 究 開 発 法 人 日 本 原 子 力

More information

Microsoft Word - 070219役員選挙規程.doc

Microsoft Word - 070219役員選挙規程.doc 役 員 選 挙 規 程 昭 和 55 年 10 月 21 日 制 定 昭 和 57 年 11 月 16 日 改 正 昭 和 61 年 5 月 27 日 改 正 昭 和 62 年 2 月 23 日 改 正 昭 和 63 年 3 月 7 日 改 正 平 成 2 年 5 月 14 日 改 正 平 成 6 年 5 月 24 日 改 正 平 成 8 年 2 月 27 日 改 正 平 成 11 年 2 月 23

More information

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか 平 成 23 年 度 自 己 報 告 書 1 理 念 目 的 (1) 大 学 学 部 研 究 科 等 の 理 念 目 的 は 適 切 に 設 定 されているか 平 成 19 年 6 月 に の 目 標 として 大 学 の 発 展 に 貢 献 する 力 のある 組 織 とい う 共 通 の 目 標 を 掲 げ この 目 標 を 常 に 念 頭 に 置 きながら 日 々の 業 務 に 当 たっている さらに

More information

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案) 高 松 市 民 間 建 築 物 耐 震 改 修 等 事 業 補 助 金 交 付 要 綱 ( 目 的 ) 第 1 条 この 要 綱 は 耐 震 改 修 等 事 業 を 実 施 す る 要 緊 急 安 全 確 認 大 規 模 建 築 物 又 は 要 安 全 確 認 計 画 記 載 建 築 物 の 所 有 者 ( 以 下 所 有 者 という )に 対 し 予 算 の 範 囲 内 に お い て 高 松 市

More information

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入 入 札 公 告 次 のとおり 一 般 競 争 入 札 に 付 します なお 本 業 務 の 契 約 締 結 は 当 該 業 務 に 係 る 平 成 27 年 度 予 算 の 執 行 が 可 能 となってい ることを 条 件 とします 平 成 27 年 2 月 17 日 独 立 行 政 法 人 鉄 道 建 設 運 輸 施 設 整 備 支 援 機 構 契 約 担 当 役 鉄 道 建 設 本 部 九 州

More information

<5461726F2D817966696E616C817A91E68250825782588D868FF096F189BC>

<5461726F2D817966696E616C817A91E68250825782588D868FF096F189BC> 切 仕 号 総 理 ジ ュ ネ ー ブ 招 集 月 回 本 原 則 宣 言 公 地 球 模 化 社 義 宣 言 目 標 達 成 人 切 仕 促 進 決 留 族 責 任 男 女 賃 金 増 高 齢 障 害 児 童 育 増 大 見 多 額 得 転 含 世 界 経 済 重 要 貢 献 認 識 依 然 過 小 評 価 軽 視 主 女 子 わ 女 子 多 差 人 侵 害 被 害 や 立 地 域 社 構 成 員

More information

根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 1 部 改 案 旧 照 文 昭 和 百 傍 線 部 改 部 改 案 現 服 服 管 研 修 研 修 罰 罰 附 附 総 総 休 懲 戒 服 管 研 休 懲 戒 服 研 修 修 福 祉 益 保 護 福 祉 益 保 護 根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監

More information

参 考 改 正 災 害 対 策 基 本 法 1 ( 災 害 時 における 車 両 の 移 動 等 ) 第 七 十 六 条 の 六 道 路 管 理 者 は その 管 理 する 道 路 の 存 する 都 道 府 県 又 はこれに 隣 接 し 若 しくは 近 接 する 都 道 府 県 の 地 域 に 係

参 考 改 正 災 害 対 策 基 本 法 1 ( 災 害 時 における 車 両 の 移 動 等 ) 第 七 十 六 条 の 六 道 路 管 理 者 は その 管 理 する 道 路 の 存 する 都 道 府 県 又 はこれに 隣 接 し 若 しくは 近 接 する 都 道 府 県 の 地 域 に 係 22 災 害 時 の 臨 港 道 路 における 放 置 車 両 対 策 の 充 実 強 化 東 京 都 現 在 提 案 実 現 後 災 害 時 における 放 置 車 両 の 移 動 権 限 の 付 与 等 大 規 模 災 害 発 生 時 の 放 置 車 両 対 策 ( 平 成 26 年 11 月 災 害 対 策 基 本 法 改 正 ) 管 理 者 管 理 対 象 放 置 車 両 の 移 動 権 限

More information

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や 参 考 資 料 1-17 民 間 都 市 整 備 事 業 建 築 計 画 に 関 わる 関 連 制 度 の 整 理 都 市 開 発 諸 制 度 には 公 開 空 地 の 確 保 など 公 共 的 な 貢 献 を 行 う 建 築 計 画 に 対 して 容 積 率 や 斜 線 制 限 などの 建 築 基 準 法 に 定 める 形 態 規 制 を 緩 和 することにより 市 街 地 環 境 の 向 上 に

More information

<4D6963726F736F667420576F7264202D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF0957497768D6A2E646F6378>

<4D6963726F736F667420576F7264202D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF0957497768D6A2E646F6378> 山 梨 県 産 業 集 積 促 進 助 成 金 交 付 要 綱 ( 通 則 ) 第 1 条 山 梨 県 産 業 集 積 促 進 助 成 金 ( 以 下 助 成 金 という )の 交 付 については 山 梨 県 補 助 金 等 交 付 規 則 ( 昭 和 36 年 山 梨 県 規 則 第 25 号 以 下 規 則 という )に 定 め るところによるほか この 要 綱 に 定 めるところによる ( 目

More information

<4D6963726F736F667420576F7264202D2097988976918A94BD837D836C83578381839383678B4B92F62E646F6378>

<4D6963726F736F667420576F7264202D2097988976918A94BD837D836C83578381839383678B4B92F62E646F6378> 一 般 社 団 法 人 日 本 ジェネリック 医 薬 品 学 会 利 益 相 反 マネジメント 規 程 ( 目 的 ) 第 1 条 一 般 社 団 法 人 日 本 ジェネリック 医 薬 品 学 会 ( 以 下 本 学 会 と 略 す)は その 活 動 におい て 社 会 的 責 任 と 倫 理 性 が 求 められていることに 鑑 み 利 益 相 反 マネジメント 規 程 を 策 定 する その 目

More information

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程 学 校 法 人 日 本 医 科 大 学 利 益 相 反 マネジメント 規 程 第 1 章 総 則 ( 目 的 ) 第 1 条 この 規 程 は 学 校 法 人 日 本 医 科 大 学 ( 以 下 本 法 人 という )が 本 法 人 利 益 相 反 マネジメントポリシー( 平 成 18 年 12 月 1 日 制 定 )の 精 神 に 則 り 教 職 員 等 の 産 学 官 連 携 活 動 に 伴 い

More information

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提 国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 財 務 省 主 計 局 給 与 共 済 課 長 調 査 主 任 土 谷 晃 浩 加 塩 雄 斗 1.はじめに ( 以 下 19 年 一 元 化 法 案 という )において 厚 退 職 給 付 ( 退 職 金 + 年 金 ( 事 業 主 分 ))の 官 民 均 衡 を 図 る 観 点 から 国 家 公 務 員 の 退 職 手

More information

<4D6963726F736F667420576F7264202D20313431323235817988C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B8343836883898343839381698A4F8D91906C8DDE8A889770816A>

<4D6963726F736F667420576F7264202D20313431323235817988C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B8343836883898343839381698A4F8D91906C8DDE8A889770816A> 外 国 人 建 設 就 労 者 受 入 事 業 に 関 する 下 請 指 導 ガイドライン 第 1 趣 旨 復 興 事 業 の 更 なる 加 速 を 図 りつつ 2020 年 オリンピック パラリンピック 東 京 大 会 の 関 連 施 設 整 備 等 による 一 時 的 な 建 設 需 要 の 増 大 に 対 応 するため 2020 年 度 までの 緊 急 かつ 時 限 的 な 措 置 として 国

More information

<947A957A8E9197BF8253817C8250816082532E786C73>

<947A957A8E9197BF8253817C8250816082532E786C73> 資 料 1 資 料 2 資 料 3 資 料 4 資 料 5 資 料 6 保 護 観 察 新 規 受 理 人 員 の 推 移 資 料 7 ( 千 人 ) ( 昭 和 24 年 ~ 平 成 17 年 ) 80 70 60 保 護 観 察 処 分 少 年 50 40 30 20 10 保 護 観 察 付 執 行 猶 予 者 仮 釈 放 者 0 少 年 院 仮 退 院 者 24 年 30 35 40 45

More information

J J.フロント リテイリング 株 式 会 社 内 部 統 制 システム 構 築 の 基 本 方 針 制 定 平 成 19 年 09 月 03 日 改 定 平 成 19 年 11 月 26 日 改 定 平 成 21 年 05 月 26 日 改 定 平 成 22 年 03 月 01 日 改 定 平 成 25 年 04 月 01 日 改 定 平 成 26 年 03 月 01 日 改 定 平 成 27 年 05

More information

定款

定款 地 方 公 務 員 共 済 組 合 連 合 会 定 款 ( 昭 和 59 年 4 月 1 日 ) 変 更 昭 和 59 年 12 月 1 日 平 成 11 年 4 月 1 日 平 成 21 年 3 月 31 日 昭 和 60 年 3 月 31 日 平 成 12 年 5 月 12 日 平 成 21 年 8 月 7 日 昭 和 61 年 4 月 1 日 平 成 13 年 5 月 8 日 平 成 24 年

More information

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73> 国 立 大 学 法 人 茨 城 大 学 の 役 職 員 の 報 酬 給 与 等 について Ⅰ 役 員 報 酬 等 について 1 役 員 報 酬 についての 基 本 方 針 に 関 する 事 項 1 平 成 24 年 度 における 役 員 報 酬 についての 業 績 反 映 のさせ 方 役 員 に 支 給 される 給 与 のうち 期 末 特 別 手 当 については 国 立 大 学 評 価 委 員 会

More information

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 清 瀬 市 の 給 与 定 員 管 理 等 について 1 総 括 (1) 件 費 の 状 況 ( 普 通 会 計 決 算 ) 住 民 基 本 台 帳 口 歳 出 額 実 質 収 支 件 費 件 費 率 ( 参 考 ) (25 年 度 末 ) 25 年 度 千 74,247 27,195,534 A 768,602 千 4,616,550 B 千 17.0 B/A 昨 年 度 の 件 費 率 17.3

More information

平成17年度予算案事業本部・局別記者発表日程表(案)

平成17年度予算案事業本部・局別記者発表日程表(案) 横 浜 市 記 者 発 表 資 料 平 成 27 年 2 月 3 日 建 築 局 違 反 対 策 課 緑 区 白 山 四 丁 目 の 宅 地 造 成 等 規 制 法 違 反 に 対 して 行 政 代 執 行 法 に 基 づく 代 執 行 令 書 を 交 付 しました 平 成 26 年 10 月 の 台 風 18 号 による 大 雨 に 伴 い 違 反 造 成 地 において 大 規 模 な 崖 崩 れが

More information

4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の 地 域 づくり 一 括 交 付 金 の 交 付 に 関 する 要 綱 ( 趣 旨 ) 第 1 条 この 要 綱 は 川 西 市 地 域 分 権 の 推 進 に 関 する 条 例 ( 平 成 26 年 川 西 市 条 例 第 10 号 以 下 条 例 という ) 第 14 条 の 規 定 に 基 づく 地 域 づくり 一 括 交 付 金 ( 以 下 交 付 金 という )の 交 付 に 関 し 必 要

More information

https://www.takara-dic-net.jp/xeditor_ne/xeditor_web/html_gene.

https://www.takara-dic-net.jp/xeditor_ne/xeditor_web/html_gene. 平 成 23 年 3 月 期 第 1 四 半 期 決 算 短 信 日 本 基 準 ( 連 結 ) 平 成 22 年 8 月 11 日 上 場 会 社 名 松 井 建 設 株 式 会 社 上 場 取 引 所 東 コ ー ド 番 号 1810 URL http://www.matsui-ken.co.jp/ 代 表 者 ( 役 職 名 ) 取 締 役 社 長 ( 氏 名 ) 松 井 隆 弘 ( 役 職

More information

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ 簡 易 公 募 型 競 争 入 札 方 式 ( 総 合 評 価 落 札 方 式 )に 係 る 手 続 開 始 の 公 示 次 のとおり 指 名 競 争 入 札 参 加 者 の 選 定 の 手 続 を 開 始 します 平 成 28 年 9 月 20 日 分 任 支 出 負 担 行 為 担 当 官 東 北 地 方 整 備 局 秋 田 河 川 国 道 事 務 所 長 渡 邊 政 義 1. 業 務 概 要

More information

Microsoft Word - 140611行革PF法案-0概要

Microsoft Word - 140611行革PF法案-0概要 行 政 改 革 に 関 する 野 党 実 務 者 協 議 共 同 立 法 行 革 プラットフォーム 法 案 について ( 総 合 的 な 行 財 政 改 革 を 推 進 するための 基 盤 の 整 備 に 関 する 法 律 案 ) 1. 行 政 改 革 に 関 する 野 党 実 務 者 協 議 について (1) 構 成 ( 共 同 代 表 ) 前 原 誠 司 衆 議 院 議 員 ( 民 主 党 )

More information

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社 北 秋 田 市 クリーンリサイクルセンターエネルギー 回 収 推 進 施 設 等 長 期 包 括 的 運 転 維 持 管 理 業 務 委 託 に 係 る 発 注 支 援 業 務 公 募 型 プロポ-ザル 実 施 要 領 1 プロポーザルの 目 的 この 要 領 は 平 成 30 年 4 月 から 運 転 を 予 定 している 北 秋 田 市 クリーンリサイクルセンター エネルギー 回 収 推 進 施

More information

Microsoft Word - 目次.doc

Microsoft Word - 目次.doc 長 寿 医 療 制 度 と 国 民 健 康 保 険 一 体 化 に 関 する 舛 添 大 臣 私 案 イメージ < 現 行 > < 見 直 し 後 > 75 歳 長 寿 医 療 制 度 ( 県 単 位 広 域 連 合 ) 長 寿 医 療 ( 都 道 府 県 ) 1 両 者 を 一 体 化 し 都 道 府 県 が 運 営 75 歳 65 歳 被 用 者 保 険 から 財 政 調 整 国 保 国 保 被

More information

(Microsoft Word - \212\356\226{\225\373\220j2014220_\217C\220\263\201j.doc)

(Microsoft Word - \212\356\226{\225\373\220j2014220_\217C\220\263\201j.doc) 平 成 26 年 2 月 20 日 日 本 医 師 従 業 員 国 民 年 金 基 金 年 金 資 産 運 用 の 基 本 方 針 日 本 医 師 従 業 員 国 民 年 金 基 金 ( 以 下 当 基 金 という)は 年 金 給 付 等 積 立 金 ( 以 下 年 金 資 産 という)の 運 用 にあたり 以 下 の 基 本 方 針 を 定 める 当 基 金 から 年 金 資 産 の 管 理 又

More information

<5461726F2D8179835A8362836794C5817A313230333039817988C495B6817A>

<5461726F2D8179835A8362836794C5817A313230333039817988C495B6817A> - 1 - 省 百 七 旅 客 部 改 省 令 平 成 省 令 伴 並 平 成 省 令 並 ま づ 並 令 づ く 領 平 成 月 大 臣 前 田 武 志 づ く 領 語 お 使 語 監 督 針 平 成 省 千 百 お 使 語 - 2 - 務 名 簿 款 寄 附 為 登 記 証 明 組 織 図 保 制 証 機 器 機 器 設 設 備 記 載 決 算 報 足 経 的 礎 証 績 分 証 程 七 イ 概

More information

共 通 認 識 1 官 民 較 差 調 整 後 は 退 職 給 付 全 体 でみて 民 間 企 業 の 事 業 主 負 担 と 均 衡 する 水 準 で あれば 最 終 的 な 税 負 担 は 変 わらず 公 務 員 を 優 遇 するものとはならないものであ ること 2 民 間 の 実 態 を 考

共 通 認 識 1 官 民 較 差 調 整 後 は 退 職 給 付 全 体 でみて 民 間 企 業 の 事 業 主 負 担 と 均 衡 する 水 準 で あれば 最 終 的 な 税 負 担 は 変 わらず 公 務 員 を 優 遇 するものとはならないものであ ること 2 民 間 の 実 態 を 考 共 済 年 金 職 域 部 分 と 退 職 給 付 に 関 する 有 識 者 会 議 報 告 書 概 要 1. 民 間 の 企 業 年 金 及 び 退 職 金 に 関 する 人 事 院 調 査 結 果 結 果 民 間 :2547.7 万 円 公 務 2950.3 万 円 ( 差 額 402.6 万 円 ) 人 事 院 の 見 解 官 民 均 衡 の 観 点 から 民 間 との 較 差 を 埋 める

More information

施 設 利 用 に 伴 う 設 営 物 物 販 の 確 認 業 務 災 害 時 の 対 応 急 病 等 への 対 応 遺 失 物 拾 得 物 の 対 応 事 件 事 故 への 対 応 ( 2 ) 公 園 の 使 用 料 の 徴 収 に 関 す る 業 務 一 般 利 用 者 予 約 等 対 応 業

施 設 利 用 に 伴 う 設 営 物 物 販 の 確 認 業 務 災 害 時 の 対 応 急 病 等 への 対 応 遺 失 物 拾 得 物 の 対 応 事 件 事 故 への 対 応 ( 2 ) 公 園 の 使 用 料 の 徴 収 に 関 す る 業 務 一 般 利 用 者 予 約 等 対 応 業 安 来 運 動 公 園 管 理 業 務 仕 様 書 る 安 来 運 動 公 園 の 指 定 管 理 者 が 行 う 業 務 の 内 容 及 び そ の 範 囲 等 は こ の 仕 様 書 に よ ( 有 料 公 園 施 設 に 関 す る 事 項 ) 1 施 設 の 概 要 1 所 在 地 安 来 市 吉 岡 町 450 番 地 2 面 積 46,614m2 3 概 要 区 分 面 積 等 区 分

More information

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc 佐 野 市 生 活 排 水 処 理 構 想 ( 案 ) 平 成 27 年 12 月 佐 野 市 目 次 1. 生 活 排 水 処 理 構 想 について 1.1 生 活 排 水 処 理 構 想 とは P.1 1.2 生 活 排 水 処 理 施 設 の 種 類 P.1 2. 佐 野 市 の 現 状 と 課 題 2.1 整 備 状 況 P.2 2.2 主 な 汚 水 処 理 施 設 P.2 2.3 生 活

More information

参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この 現 員 退 された 元 地 方 公 務 員 の 退 管 理 の 適 正 の 確 保 について 員 のかたは ご 留 意 願 います 地 方 公 務 員 法 及 び 地 方 独 立 行 政 法 人 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 ( 平 成 26 年 法 律 第 34 号 )が 公 布 され 地 方 公 共 団 体 における 退 管 理 の 確 保 にため 以 下 のことについて 規 定 され

More information

平成24年度開設予定大学院等一覧(判定を「不可」とするもの)

平成24年度開設予定大学院等一覧(判定を「不可」とするもの) 平 成 24 年 度 開 設 予 定 大 学 院 等 一 覧 ( 判 定 を 不 可 とするもの) 1 研 究 科 を 設 置 するもの 1 校 平 成 23 年 12 月 区 分 大 学 院 名 研 究 科 名 専 攻 名 入 学 定 員 位 置 設 置 者 理 由 備 考 人 私 立 東 京 福 祉 大 学 大 学 院 経 営 学 研 究 科 群 馬 県 伊 勢 崎 市 学 校 法 人 ( 別

More information

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし 3 会 計 基 準 の 見 直 しの 主 な 内 容 (1) 借 入 金 借 入 金 制 度 を 廃 止 し 建 設 又 は 改 良 に 要 する 資 金 に 充 てるための 企 業 債 及 び 一 般 会 計 又 は 他 の 特 別 会 計 からの 長 期 借 入 金 は に 計 上 することとなりまし た に 計 上 するに 当 たり 建 設 又 は 改 良 等 に 充 てられた 企 業 債 及

More information

岡山県警察用航空機の運用等に関する訓令

岡山県警察用航空機の運用等に関する訓令 岡 山 県 警 察 用 航 空 機 の 運 用 等 に 関 する 訓 令 ( 平 成 6 年 3 月 22 日 警 察 訓 令 第 9 号 ) 改 正 平 成 6 年 12 月 22 日 警 察 訓 令 第 26 号 平 成 12 年 3 月 14 日 警 察 訓 令 第 8 号 平 成 13 年 7 月 2 日 警 察 訓 令 第 19 号 平 成 21 年 3 月 19 日 警 察 訓 令 第

More information

<819A955D89BF92B28F91816989638BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

<819A955D89BF92B28F91816989638BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378> 平 成 27 年 度 施 策 評 価 調 書 施 策 の 名 称 等 整 理 番 号 22 評 価 担 当 課 営 業 戦 略 課 職 氏 名 施 策 名 ( 基 本 事 業 ) 商 業 の 活 性 化 総 合 計 画 の 位 置 づけ 基 本 目 主 要 施 策 4 想 像 力 と 活 力 にあふれたまちづくり 商 業 の 振 興 2 施 策 の 現 状 分 析 と 意 図 施 策 の 対 象 意

More information

はファクシミリ 装 置 を 用 いて 送 信 し 又 は 訪 問 する 方 法 により 当 該 債 務 を 弁 済 す ることを 要 求 し これに 対 し 債 務 者 等 から 直 接 要 求 しないよう 求 められたにもかか わらず 更 にこれらの 方 法 で 当 該 債 務 を 弁 済 するこ

はファクシミリ 装 置 を 用 いて 送 信 し 又 は 訪 問 する 方 法 により 当 該 債 務 を 弁 済 す ることを 要 求 し これに 対 し 債 務 者 等 から 直 接 要 求 しないよう 求 められたにもかか わらず 更 にこれらの 方 法 で 当 該 債 務 を 弁 済 するこ 求 償 権 の 管 理 回 収 に 関 する 事 例 研 究 (その2) - 平 成 23 年 度 求 償 権 管 理 回 収 等 事 務 研 修 会 から- 農 業 第 二 部 前 号 に 引 き 続 き 昨 年 9 月 に 開 催 された 求 償 権 管 理 回 収 等 事 務 研 修 会 で 求 償 権 の 管 理 回 収 事 例 研 究 として 掲 げられたテーマから4つの 事 例 について

More information

連結計算書

連結計算書 第 54 期 決 算 公 告 貸 借 対 照 表 ( 平 成 27 年 3 月 31 日 現 在 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 科 目 金 額 ( 資 産 の 部 ) ( 負 債 の 部 ) 流 動 資 産 728,213 流 動 負 債 527,973 現 金 及 び 預 金 22,917 短 期 借 入 金 398,450 営 業 貸 付 金 714,350 1 年 内 返

More information

添 付 資 料 の 目 次 1. 当 四 半 期 決 算 に 関 する 定 性 的 情 報 2 (1) 経 営 成 績 に 関 する 説 明 2 (2) 財 政 状 態 に 関 する 説 明 2 (3) 連 結 業 績 予 想 などの 将 来 予 測 情 報 に 関 する 説 明 2 2.サマリー 情 報 ( 注 記 事 項 )に 関 する 事 項 3 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間

More information

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36 独 立 行 政 法 人 駐 留 軍 等 労 働 者 労 務 管 理 機 構 の 役 職 員 の 報 酬 給 与 等 について Ⅰ 役 員 報 酬 等 について 1 役 員 報 酬 についての 基 本 方 針 に 関 する 事 項 1 平 成 25 年 度 における 役 員 報 酬 についての 業 績 反 映 のさせ 方 検 証 結 果 理 事 長 は 今 中 期 計 画 に 掲 げた 新 たな 要

More information

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) 15 15 1 1 95 95 9 9 ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) 94.4 95. 1. (H24) 12.1 1.2

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) 15 15 1 1 95 95 9 9 ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) 94.4 95. 1. (H24) 12.1 1.2 平 成 25 年 度 の 給 与 定 員 管 理 等 について 1 総 括 (1) 件 費 の 状 況 ( 普 通 会 決 算 ) 区 分 住 民 基 本 台 帳 口 歳 出 額 実 質 収 支 件 費 件 費 率 ( 参 考 ) ( 平 成 24 年 度 末 ) A B B/A 平 成 2 年 度 の 件 費 率 平 成 24 年 度 千 千 千 5,594,744,222 164,19 62,94

More information

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63> 社 会 保 険 加 入 状 況 等 の 実 態 調 査 結 果 平 成 27 年 6 月 18 日 一 般 社 団 法 人 日 本 電 設 工 業 協 会 社 会 保 険 加 入 状 況 等 の 実 態 調 査 結 果 について 1. 調 査 の 目 的 社 会 保 険 加 入 促 進 計 画 の 計 画 期 間 (H24 年 度 ~H28 年 度 までの5 年 間 )の 中 間 時 点 として 1

More information

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の 3 月 1 日 ( 火 )HP 公 表 基 本 関 係 社 会 保 険 等 未 加 入 対 策 に 関 する 想 定 問 答 問 1 社 会 保 険 等 とは 何 か 社 会 保 険 ( 健 康 保 険 及 び 厚 生 年 金 保 険 )と 労 働 保 険 ( 雇 用 保 険 )を 指 します 問 2 どのような 場 合 でも 元 請 と 未 加 入 業 者 との 一 次 下 請 契 約 が 禁 止

More information

公表表紙

公表表紙 国 立 大 学 法 人 山 梨 大 学 の 役 の 報 酬 給 与 等 について 国 立 大 学 法 人 等 の 役 員 の 報 酬 等 及 び の 給 与 の 水 準 の 公 表 方 法 等 について(ガイドライン) ( 平 成 17 年 2 月 7 日, 総 務 大 臣 策 定 )に 基 づく 公 表 平 成 26 年 9 月 国 立 大 学 法 人 山 梨 大 学 国 立 大 学 法 人 山

More information

<5461726F2D926E88E6895E977089DB81608E528CFB8CA78C788E4082CC8D71>

<5461726F2D926E88E6895E977089DB81608E528CFB8CA78C788E4082CC8D71> 山 口 県 警 察 の 航 空 機 の 運 用 等 に 関 する 訓 令 平 成 6 年 9 月 1 日 本 部 訓 令 第 26 号 山 口 県 警 察 の 航 空 機 の 運 用 等 に 関 する 訓 令 を 次 のように 定 める 目 次 第 1 章 総 則 ( 第 1 条 第 2 条 ) 第 2 章 航 空 隊 ( 第 3 条 - 第 13 条 ) 第 3 章 運 用 ( 第 14- 第 25

More information

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾 付 議 第 3 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 に 係 る 意 見 聴 取 に 関 する 議 案 平 成 26 年 2 月 高 知 県 議 会 定 例 会 提 出 予 定 の 条 例 議 案 に 係 る 地 方 教 育 行 政 の 組 織 及 び 運 営 に 関 する 法 律 ( 昭 和 31 年 法 律 第 162 号 )

More information

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について 参 考 資 料 7 災 害 時 の 賃 貸 住 宅 居 住 者 の 居 住 の 安 定 確 保 について 平 成 24 年 11 月 国 土 交 通 省 住 宅 局 1. 東 日 本 大 震 災 で 住 居 を 失 われた 方 への 居 住 の 安 定 の 確 保 震 災 発 生 復 旧 期 復 興 期 東 日 本 大 震 災 住 宅 が 滅 失 避 難 所 等 2012.3.11 17:00 時

More information

2. 会 計 規 程 の 業 務 (1) 規 程 と 実 際 の 業 務 の 調 査 規 程 や 運 用 方 針 に 規 定 されている 業 務 ( 帳 票 )が 実 際 に 行 われているか( 作 成 されている か)どうかについて 調 べてみた 以 下 の 表 は 規 程 の 条 項 とそこに

2. 会 計 規 程 の 業 務 (1) 規 程 と 実 際 の 業 務 の 調 査 規 程 や 運 用 方 針 に 規 定 されている 業 務 ( 帳 票 )が 実 際 に 行 われているか( 作 成 されている か)どうかについて 調 べてみた 以 下 の 表 は 規 程 の 条 項 とそこに 第 7 章 会 計 規 程 1. 会 計 規 程 の 概 要 (1) 規 程 及 び 目 的 平 成 18 年 度 に 病 院 事 業 管 理 者 を 設 置 して 札 幌 市 病 院 局 会 計 規 程 ( 平 成 18 年 札 幌 市 病 院 局 規 程 第 37 号 以 下 この 章 で 規 程 という )を 定 め これに 則 って 会 計 処 理 が 行 わ れていなお 規 程 の 具 体

More information

大槌町震災復興事業○○○地区他の施工等に関する包括委託業務

大槌町震災復興事業○○○地区他の施工等に関する包括委託業務 蒲 生 北 部 地 区 被 災 市 街 地 復 興 土 地 区 画 整 理 事 業 等 包 括 委 託 基 本 協 定 書 ( 案 ) 仙 台 市 ( 以 下 委 託 者 という )と ( 以 下 受 託 者 という )は 蒲 生 北 部 地 区 被 災 市 街 地 復 興 土 地 区 画 整 理 事 業 等 包 括 委 託 ( 以 下 本 という )ついて 募 集 要 項 及 び 受 託 者 の

More information

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容 一 般 社 団 法 人 日 本 造 園 建 設 業 協 会 社 会 保 険 等 加 入 促 進 計 画 平 成 24 年 10 月 一 般 社 団 法 人 日 本 造 園 建 設 業 協 会 1 計 画 策 定 の 趣 旨 目 的 この 計 画 は 一 般 社 団 法 人 日 本 造 園 建 設 業 協 会 ( 以 下 日 造 協 という ) 及 び 日 造 協 の 正 会 員 ( 以 下 会 員

More information

<4D6963726F736F667420576F7264202D208A7789EF8B4B96F189FC90B394C532816932303133944E37944E313393FA8141918D89EF8FB39446816A>

<4D6963726F736F667420576F7264202D208A7789EF8B4B96F189FC90B394C532816932303133944E37944E313393FA8141918D89EF8FB39446816A> 多 国 籍 企 業 学 会 規 約 2013 年 7 月 13 日 第 1 章 総 則 ( 名 称 ) 第 1 条 本 会 は 多 国 籍 企 業 学 会 と 称 する 英 文 名 は Academy of Multinational Enterprises とする ( 目 的 ) 第 2 条 本 会 は 多 国 籍 企 業 全 般 に 関 する 調 査 研 究 を 行 い わが 国 における 多

More information

Taro-条文.jtd

Taro-条文.jtd - 1 - 部 正 昭 和 部 正 目 ん 養 涵 養 ロ ん ロ 護 在 面 積 並 削 共 化 委 託 共 化 病 害 虫 駆 除 予 防 他 護 削 3 域 各 掲 げ ほ 全 努 - 2 - む ね 道 開 設 良 安 設 削 他 護 削 委 託 促 進 削 病 害 虫 駆 除 予 防 火 災 予 防 他 護 削 - 3 - 応 じ 6 案 作 学 識 験 意 聴 3 各 掲 げ ほ 掲 げ

More information

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議 第 6 回 税 理 士 試 験 固 定 資 産 税 はじめに 第 一 問 については 個 別 理 論 題 の 出 題 であった 1については 固 定 資 産 評 価 員 及 び 固 定 資 産 評 価 補 助 員 に 関 する 出 題 であったが 個 別 理 論 での 出 題 であり 判 断 に 迷 う 点 もなく 高 得 点 を 取 ることが 可 能 な 問 題 であった については 区 分 所

More information

駐 車 場 管 理 規 程

駐 車 場 管 理 規 程 駐 車 場 管 理 規 程 ( 昭 和 44 年 11 月 17 日 航 公 協 第 112 号 ) 改 正 昭 和 52 年 3 月 25 日 航 公 協 第 25 号 改 正 昭 和 58 年 7 月 21 日 航 公 協 第 400 号 改 正 平 成 3 年 11 月 11 日 航 公 協 第 907 号 改 正 平 成 5 年 3 月 17 日 航 公 協 第 279 号 改 正 平 成

More information

1 育 児 休 業 代 替 任 期 付 職 員 ( 一 般 事 務 職 )とは 育 児 休 業 代 替 任 期 付 職 員 とは 一 般 の 職 員 が 育 児 休 業 を 取 得 した 際 に 代 替 職 員 とし て 勤 務 する 職 員 です 一 般 事 務 職 については 候 補 者 として

1 育 児 休 業 代 替 任 期 付 職 員 ( 一 般 事 務 職 )とは 育 児 休 業 代 替 任 期 付 職 員 とは 一 般 の 職 員 が 育 児 休 業 を 取 得 した 際 に 代 替 職 員 とし て 勤 務 する 職 員 です 一 般 事 務 職 については 候 補 者 として 川 崎 市 育 児 休 業 代 替 任 期 付 職 員 一 般 事 務 職 の 候 補 者 登 録 案 内 川 崎 市 総 務 企 画 局 人 事 部 人 事 課 概 要 登 録 選 考 ( 教 養 考 査 及 び 作 文 考 査 )を 実 施 し ます 登 録 選 考 実 施 日 平 成 2 8 年 7 月 31 日 ( 日 ) 受 付 期 間 平 成 28 年 6 月 1 日 ( 水 ) ~ 平

More information

●幼児教育振興法案

●幼児教育振興法案 第 一 九 〇 回 衆 第 五 〇 号 幼 児 教 育 振 興 法 案 目 次 前 文 第 一 章 総 則 ( 第 一 条 - 第 八 条 ) 第 二 章 幼 児 教 育 振 興 基 本 方 針 等 ( 第 九 条 第 十 条 ) 第 三 章 基 本 的 施 策 ( 第 十 一 条 - 第 十 七 条 ) 附 則 幼 児 期 において 人 は その 保 護 者 や 周 囲 の 大 人 との 愛 情

More information

Microsoft Word - 19年度(行個)答申第94号.doc

Microsoft Word - 19年度(行個)答申第94号.doc 諮 問 庁 : 国 税 庁 長 官 諮 問 日 : 平 成 19 年 9 月 6 日 ( 平 成 19 年 ( 行 個 ) 諮 問 第 86 号 ) 答 申 日 : 平 成 20 年 1 月 30 日 ( 平 成 19 年 度 ( 行 個 ) 答 申 第 94 号 ) 事 件 名 : 本 人 に 係 る 公 的 年 金 等 の 源 泉 徴 収 票 の 不 開 示 決 定 ( 存 否 応 答 拒 否

More information

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H25.11.15 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H25.11.15 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支 長 野 県 における 行 政 財 政 改 革 の 取 組 について 参 考 資 料 3 1 行 政 財 政 改 革 を 推 進 するための 計 画 1 財 政 改 革 推 進 プログラム(H14~H18 ) 2 長 野 県 行 財 政 改 革 プラン(H19~H23 ) 3 長 野 県 行 政 財 政 改 革 方 針 (H24~H28 ) 事 務 事 業 の 見 直 し 民 間 委 託 など 外 部

More information

<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63>

<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63> 平 成 22 年 11 月 9 日 高 校 等 の 授 業 料 無 償 化 の 拡 大 検 討 案 以 下 は 大 阪 府 の 検 討 案 の 概 要 であり 最 終 的 には 平 成 23 年 2 月 議 会 での 予 算 の 議 決 を 経 て 方 針 を 確 定 する 予 定 です Ⅰ. 検 討 案 の 骨 子 平 成 23 年 度 から 大 阪 の 子 どもたちが 中 学 校 卒 業 時 の

More information

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的 矢 掛 町 の 給 与 定 員 管 理 等 について 総 括 () 件 費 の 状 況 ( 普 通 会 計 決 算 ) 区 分 住 民 基 本 台 帳 口 歳 出 額 実 質 収 支 件 費 件 費 率 ( 参 考 ) (25 年 度 末 ) A B B/A 24 年 度 の 件 費 率 25 年 度 5,055 千 7,78,45 千 48,9 千 877,259.3 2.8 (2) 職 員 給

More information

Taro-29職員退職手当支給規程

Taro-29職員退職手当支給規程 国 立 研 究 開 発 法 人 水 産 研 究 教 育 機 構 職 員 退 職 手 当 支 給 規 程 平 成 1 8 年 4 月 1 日 付 け 1 7 水 研 本 第 2 0 5 8 号 改 正 平 成 1 8 年 1 0 月 1 日 付 け 1 8 水 研 本 第 1 0 7 7 号 改 正 平 成 1 9 年 4 月 1 日 付 け 1 8 水 研 本 第 1 7 8 0 号 改 正 平 成

More information

1 変更の許可等(都市計画法第35条の2)

1 変更の許可等(都市計画法第35条の2) 第 12 章 市 街 化 調 整 区 域 内 の 土 地 における 建 築 等 の 制 限 1 開 発 許 可 を 受 けた 土 地 における 建 築 等 の 制 限 ( 都 市 計 画 法 第 42 条 ) 法 律 ( 開 発 許 可 を 受 けた 土 地 における 建 築 等 の 制 限 ) 第 四 十 二 条 何 人 も 開 発 許 可 を 受 けた 開 発 区 域 内 においては 第 三 十

More information

財団法人○○会における最初の評議員の選任方法(案)

財団法人○○会における最初の評議員の選任方法(案) 一 般 財 団 法 人 生 産 科 学 研 究 奨 励 会 定 款 第 1 章 総 則 ( 名 称 ) 第 1 条 この 法 人 は 一 般 財 団 法 人 生 産 科 学 研 究 奨 励 会 という ( 事 務 所 ) 第 2 条 この 法 人 は 事 務 所 を 福 岡 市 東 区 松 香 台 1 丁 目 10 番 1 号 におく 第 2 章 目 的 及 び 事 業 ( 目 的 ) 第 3 条

More information

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一 貸 借 対 照 表 平 成 27 年 3 月 31 日 現 在 資 産 の 部 負 債 の 部 科 目 内 訳 金 額 科 目 内 訳 金 額 流 動 資 産 千 円 千 円 流 動 負 債 千 円 千 円 預 金 5,145,515 預 り 金 240, 有 価 証 券 2,000,000 未 払 金 274, 前 払 費 用 61,184 未 払 収 益 分 配 金 789 未 収 入 金 未

More information

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~ 第 2 回 社 会 保 険 料 労 働 保 険 料 の 賦 課 対 象 となる 報 酬 等 の 範 囲 に 関 する 検 討 会 平 成 24 年 9 月 20 日 資 料 1 通 勤 手 当 について 1 これまでの 通 勤 に 要 する 費 用 に 関 する 考 え 方 では 通 勤 手 当 の 金 額 が 実 費 弁 償 的 に 算 定 される 場 合 でも それは 通 常 使 用 者 が 負

More information

は 共 有 名 義 )で 所 有 権 保 存 登 記 又 は 所 有 権 移 転 登 記 を された も の で あ る こと (3) 居 室 便 所 台 所 及 び 風 呂 を 備 え 居 住 の ために 使 用 す る 部 分 の 延 べ 床 面 積 が 5 0 平 方 メ ー ト ル 以 上

は 共 有 名 義 )で 所 有 権 保 存 登 記 又 は 所 有 権 移 転 登 記 を された も の で あ る こと (3) 居 室 便 所 台 所 及 び 風 呂 を 備 え 居 住 の ために 使 用 す る 部 分 の 延 べ 床 面 積 が 5 0 平 方 メ ー ト ル 以 上 蕨 市 三 世 代 ふれあい 家 族 住 宅 取 得 補 助 金 交 付 要 綱 ( 目 的 ) 第 1 条 この 要 綱 は 子 育 て 中 の 子 世 帯 及 びその 親 世 帯 の 同 居 又 は 近 居 ( 以 下 同 居 等 と い う ) を 促 進 す る た め 住 宅 の 取 得 に 係 る 費 用 の 一 部 を 補 助 す る こ と に よ り 三 世 代 の 市 内 定 住

More information

競 争 参 加 資 格 審 査 等 事 務 取 扱 要 領 ( 抜 粋 ) ( 有 資 格 者 としない 者 ) 第 6 条 契 約 事 務 責 任 者 は 契 約 を 締 結 する 能 力 を 有 しない 者 破 産 者 で 復 権 を 得 ない 者 及 び 暴 力 団 等 の 反 社 会 的 勢

競 争 参 加 資 格 審 査 等 事 務 取 扱 要 領 ( 抜 粋 ) ( 有 資 格 者 としない 者 ) 第 6 条 契 約 事 務 責 任 者 は 契 約 を 締 結 する 能 力 を 有 しない 者 破 産 者 で 復 権 を 得 ない 者 及 び 暴 力 団 等 の 反 社 会 的 勢 企 画 競 争 に 係 る 募 集 公 告 平 成 25 年 12 月 16 日 独 立 行 政 法 人 農 畜 産 業 振 興 機 構 契 約 事 務 責 任 者 理 事 馬 場 一 洋 平 成 25 年 度 消 費 税 確 定 申 告 に 係 る 事 前 準 備 ( 補 助 金 等 の 使 途 の 特 定 等 ) 及 び 確 定 申 告 書 作 成 等 委 託 業 務 に 係 る 企 画 競 争

More information

波佐見町の給与・定員管理等について

波佐見町の給与・定員管理等について 波 佐 見 町 の 給 与 定 員 管 理 等 について 1 総 括 (1) 人 件 費 の 状 況 ( 普 通 会 計 決 算 ) 住 民 基 本 台 帳 人 口 歳 出 額 実 質 収 支 人 件 費 人 件 費 率 ( 参 考 ) (24 年 度 末 ) A B B/A 23 年 度 の 人 件 費 24 年 度 15,253 人 5,698,68 113,830 46,156 13.1 %

More information

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な 子 ども 子 育 て 支 援 新 制 度 に 係 る 基 準 ( 案 )の 概 要 1. 子 ども 子 育 て 新 制 度 について 平 成 24 年 8 月 幼 児 期 の 学 校 教 育 保 育 の 総 合 的 な 提 供 保 育 の 量 的 拡 大 確 保 地 域 の 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 などを 目 的 に 子 ども 子 育 て3 法 (1 子 ども 子 育 て 支 援

More information

財団法人山梨社会保険協会寄付行為

財団法人山梨社会保険協会寄付行為 一 般 財 団 法 人 山 梨 社 会 保 険 協 会 定 款 第 1 章 総 則 ( 名 称 ) 第 1 条 この 法 人 は 一 般 財 団 法 人 山 梨 社 会 保 険 協 会 と 称 する ( 事 務 所 ) 第 2 条 この 法 人 は 主 たる 事 務 所 を 山 梨 県 甲 府 市 に 置 く 第 2 章 目 的 及 び 事 業 ( 目 的 ) 第 3 条 この 法 人 は 山 梨

More information

1 変更の許可等(都市計画法第35条の2)

1 変更の許可等(都市計画法第35条の2) 第 11 章 建 築 物 の 建 ぺい 率 等 の 指 定 ( 都 市 計 画 法 第 41 条 ) 建 築 物 の 建 ぺい 率 等 の 指 定 ( 都 市 計 画 法 第 41 条 ) 法 律 ( 建 築 物 の 建 ぺい 率 等 の 指 定 ) 第 四 十 一 条 都 道 府 県 知 事 は 用 途 地 域 の 定 められていない 土 地 の 区 域 における 開 発 行 為 につい て 開

More information

リング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 について 回 収 可 能 性 がないも のとする 原 則 的 な 取 扱 いに 対 して スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 を 回 収 できることを 反 証 できる 場 合 に 原 則

リング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 について 回 収 可 能 性 がないも のとする 原 則 的 な 取 扱 いに 対 して スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 を 回 収 できることを 反 証 できる 場 合 に 原 則 第 323 回 企 業 会 計 基 準 委 員 会 資 料 番 号 日 付 審 議 事 項 (5)-4 2015 年 11 月 6 日 プロジェクト 項 目 税 効 果 会 計 公 開 草 案 に 対 するコメントへの 対 応 - 合 理 的 な 説 明 に 関 する 取 扱 い 本 資 料 の 目 的 1. 本 資 料 は 企 業 会 計 基 準 適 用 指 針 公 開 草 案 第 54 号 繰

More information

Taro-01 議案概要.jtd

Taro-01 議案概要.jtd 資 料 1 平 成 28 年 第 1 回 志 木 市 議 会 定 例 会 市 長 提 出 議 案 等 概 要 1 2 第 1 号 議 案 企 画 部 政 策 推 進 課 志 木 市 将 来 ビジョン( 第 五 次 志 木 市 総 合 振 興 計 画 将 来 構 想 )の 策 定 について ( 政 策 推 進 課 ) 1 将 来 ビジョンとは? 2 志 木 市 がおかれている 状 況 3 まちづくりの

More information

<4D6963726F736F667420506F776572506F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A7937882CC8A549776816998568AE98EBA8DEC90AC816A2E707074>

<4D6963726F736F667420506F776572506F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A7937882CC8A549776816998568AE98EBA8DEC90AC816A2E707074> 第 1 回 社 会 保 障 審 議 会 後 期 高 齢 者 医 療 の 在 り 方 に 関 する 特 別 部 会 平 成 1 8 年 1 0 月 5 日 資 料 2-1 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 の 概 要 現 行 の 医 療 保 険 制 度 の 基 本 構 造 老 人 保 健 制 度 75 歳 65 歳 国 保 老 人 保 健 制 度 退 職 者 医 療 制 度 75 歳 以 上 の 人

More information

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41 の 給 与 定 員 管 理 等 について 1 総 括 (1) 件 費 の 状 況 ( 普 通 会 計 決 算 ) 住 民 基 本 台 帳 口 歳 出 額 実 質 収 支 件 費 件 費 率 ( 参 考 ) (22 年 度 末 ) A B B/A 21 年 度 の 件 費 率 22 年 度 158,172 44,66,25 1,13,136 7,281,69 16.3 16.7 (2) 職 員 給 与

More information

(3) その 他 市 長 が 必 要 と 認 める 書 類 ( 補 助 金 の 交 付 決 定 ) 第 6 条 市 長 は 前 条 の 申 請 書 を 受 理 したときは 速 やかにその 内 容 を 審 査 し 補 助 金 を 交 付 すべきものと 認 めたときは 規 則 第 7 条 に 規 定 す

(3) その 他 市 長 が 必 要 と 認 める 書 類 ( 補 助 金 の 交 付 決 定 ) 第 6 条 市 長 は 前 条 の 申 請 書 を 受 理 したときは 速 やかにその 内 容 を 審 査 し 補 助 金 を 交 付 すべきものと 認 めたときは 規 則 第 7 条 に 規 定 す 篠 山 市 防 犯 カメラ 設 置 費 補 助 金 交 付 要 綱 平 成 25 年 9 月 30 日 要 綱 第 55 号 ( 趣 旨 ) 第 1 条 この 要 綱 は 市 民 が 安 心 して 暮 らせるまちづくりを 目 指 し 自 主 防 犯 活 動 を 補 完 するため 防 犯 カメラの 設 置 に 係 る 経 費 の 一 部 を 補 助 することに 関 し 篠 山 市 補 助 金 交 付

More information