The Global Status of CCS: 2011

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1 The Global Status of CCS: 2011 世界の CCS の動向: 2011 年

2 The Global Status of CCS: 2011 The Global Status of CCS:2011 (Report) has been translated from English into Japanese for convenience. The Global CCS Institute does not warrant the accuracy, authenticity or completenss of any content translated in the Japanese version of the Report. は 利 用 者 の 便 宜 のために The Global Status of Carbon Capture and Storage:2011 を 英 語 から 日 本 語 に 翻 訳 したものです グローバル CCS インスティテュー トは 日 本 語 版 のいかなる 内 容 についてもその 正 確 性 信 頼 性 又 は 完 全 性 について 保 証 しま せん i

3 Global CCS Institute, 2011 特 に 指 定 のない 限 り この 製 品 の 著 作 権 及 び 権 限 は Global Carbon Capture and Storage Institute Ltd(グローバルCCSインスティテュート)が 所 有 し 又 はライセンスの 下 に 使 用 され ます 1968 年 著 作 権 法 (Copyright Act 1968 (Cth))の 下 に 認 可 された 研 究 調 査 報 告 批 評 又 は 評 価 を 目 的 とする 公 正 な 取 引 を 除 き グローバルCCSインスティテュートの 文 書 による 許 可 無 しにはいかなる 複 製 も 認 められません 問 い 合 わせ 先 :グローバルCCSインスティテュート 電 話 : メール:info@globalccsinstitute.com 郵 便 :Global Carbon Capture and Storage Institute Ltd,GPO Box828, Canberra ACT 2601, Australia グローバルCCSインスティテュートは 本 製 品 内 の 情 報 について 可 能 な 限 りその 正 確 性 を 維 持 するよう 努 力 しましたが その 情 報 の 完 全 な 正 確 さや 完 璧 さを 保 証 するものではあり ません したがって 本 製 品 の 情 報 は これのみに 基 づいて 営 利 的 決 断 をするために 使 用 されるべきではありません 当 インスティテュートは 本 製 品 において 参 照 されている 外 部 又 は 第 三 者 のインターネットウェブサイトへのURLの 有 効 性 又 は 正 確 性 について 責 任 を 負 いません また そのようなウェブサイトのいかなるコンテンツにおいても 現 在 及 び 将 来 の 正 確 性 適 切 性 について 保 証 しません 本 報 告 書 を 引 用 する 際 には 本 報 告 書 全 体 について 以 下 のとおり 記 載 してください Global CCS Institute 2011,The global status of CCS:2011,Canberra,Australia. ISBN ii

4 目 次 序 文... vi 略 語... vii 要 旨... x 1 序 章 本 報 告 書 のスコープ CO2 排 出 削 減 における CCS の 役 割 CCS とは 何 か プロジェクト 重 要 プロジェクトの 開 発 プロジェクトの 詳 細 技 術 回 収 輸 送 貯 留 及 び 利 用 技 術 コスト 及 び 課 題 政 策 法 律 及 び 利 害 関 係 者 に 関 する 課 題 政 策 法 律 及 び 規 制 の 状 況 資 金 援 助 の 状 況 市 民 関 与 CCS に 関 するビジネス 事 例 の 構 築 付 属 資 料 付 属 資 料 A データ 分 析 プロセス 総 説 付 属 資 料 B プロジェクトライフサイクルモデル 付 属 資 料 C 大 規 模 統 合 プロジェクト 付 属 資 料 D 2010 年 動 向 報 告 書 以 降 のプロジェクトの 変 更 ( 移 行 )に 関 する 照 合 付 属 資 料 E 政 策 状 況 付 属 資 料 F 市 民 関 与 の 質 に 関 する 要 因 参 考 資 料 iii

5 表 表 1 操 業 及 び 実 施 段 階 にある LSIP 表 2 NER300 のため 欧 州 委 員 会 へ 提 出 された CCS プロジェクト 申 請 表 3 地 域 別 技 術 別 及 び 産 業 別 LSIP 表 4 技 術 成 熟 度 (TRL) 表 5 CCS 実 証 プロジェクト(2.5Mtpa)の 輸 送 コスト 推 定 表 6 大 規 模 ネットワーク(20Mtpa)の 輸 送 コスト 推 定 表 7 ZEP による 貯 留 コスト 推 定 表 8 最 近 完 了 した CCS 設 計 コスト 研 究 の 要 約 表 9 ZEP による CCS コスト 推 定 表 10 各 国 の 排 出 削 減 目 標 の 状 況 表 11 各 国 の 国 際 的 グループ 分 類 表 12 CCS 政 策 の 状 況 表 13 政 策 上 の 質 問 に 対 するプロジェクト 調 査 回 答 表 14 法 規 制 に 関 する 質 問 に 対 するプロジェクト 調 査 回 答 表 15 市 民 関 与 に 関 する 資 料 表 16 操 業 中 又 は 建 設 中 の LSIP の 重 要 な 特 徴 表 17 新 設 CCS 実 証 発 電 プロジェクトと 従 来 の 発 電 プロジェクトのリスク 比 較 表 C 年 大 規 模 統 合 CCS プロジェクト 表 D 年 動 向 報 告 書 との LSIP 照 合 表 E 1 ハイレベルの 政 策 法 律 及 び 規 制 における 課 題 に 関 する 質 問 への 各 プロジェク トの 回 答 図 図 1 世 界 の CO2 大 気 中 濃 度 及 び 気 温... 3 図 2 世 界 の CO 2 排 出 量 及 び GHG 排 出 削 減 量... 4 図 3 発 電 部 門 の 技 術 による CO2 の 削 減 コスト... 6 図 4 CO2 の 地 層 貯 留 の 選 択 肢... 8 図 5 プロジェクトライフサイクル 別 及 び 地 域 / 国 別 LSIP 図 6 プロジェクトライフサイクル 別 及 び 年 別 LSIP 図 7 精 査 及 び 評 価 段 階 にある LSIP の 最 終 投 資 判 断 タイミング 図 ~2011 年 における LSIP の 変 化 図 9 地 域 別 及 び 年 別 LSIP 図 10 地 域 別 又 は 国 別 の 潜 在 的 CO2 貯 留 量 図 11 産 業 別 LSIP 世 界 地 図 図 12 北 米 の 産 業 別 LSIP 地 図 iv

6 図 13 欧 州 の 産 業 別 LSIP 地 図 図 14 産 業 部 門 別 及 び 年 別 の LSIP 図 15 産 業 部 門 別 及 び 年 別 の CO2 回 収 量 図 16 回 収 タイプ 別 及 び 回 収 プロジェクトライフサイクル 段 階 別 の CO2 回 収 量 図 17 回 収 タイプ 別 及 び 地 域 別 LSIP 図 18 貯 留 タイプ 別 及 び 地 域 別 CO2 量 図 19 回 収 のプロジェクトライフサイクルと EOR 及 び 深 部 塩 水 層 貯 留 又 は 枯 渇 油 ガ ス 田 貯 留 の 進 捗 状 況 の 比 較 図 20 Gorgon CO2 圧 縮 機 列 の 配 置 図 21 石 炭 火 力 発 電 所 からの CO 2 回 収 の 技 術 選 択 肢 図 22 回 収 技 術 に 関 する TRL の 要 約 図 23 回 収 技 術 の LSIP への 適 用 状 況 図 24 発 電 における 典 型 的 な 燃 焼 後 回 収 プロセス 図 25 燃 焼 後 回 収 の TRL 順 位 図 26 燃 焼 後 回 収 技 術 の 予 測 性 能 図 27 燃 焼 前 回 収 の 構 成 要 素 の TRL 図 28 CO2 回 収 に 起 因 するエネルギー 損 失 を 回 復 するための IGCC 開 発 図 29 酸 素 燃 焼 の 構 成 要 素 に 関 する TRL 図 30 CO2 回 収 に 起 因 するエネルギー 損 失 を 回 復 させるための 酸 素 燃 焼 の 開 発 図 31 回 収 技 術 に 関 する CO2 削 減 コスト 図 32 北 米 における 既 存 及 び 計 画 中 の CO2 パイプライン 図 33 欧 州 CO2 輸 送 回 廊 及 び 輸 送 量 CO2Europipe の 2050 年 参 考 シナリオ 図 34 カナダ 西 部 における CCS の 可 能 性 図 35 CO2 輸 送 船 : 船 舶 による 直 接 海 底 圧 入 システムの 構 成 例 図 36 国 家 レベルでの 貯 留 絞 り 込 み 評 価 の 現 状 図 37 ブラジルの 堆 積 盆 地 図 38 貯 留 プロジェクトに 関 するリスクプロファイルの 概 略 図 図 39 CO2 利 用 技 術 供 給 濃 度 及 び 恒 久 性 図 40 政 策 状 況 の 範 囲 図 41 UNFCCC CEM 及 び G8 間 の 関 連 図 42 CCS 政 策 指 数 図 43 国 別 CCS 実 証 に 対 する 公 的 資 金 による 支 援 の 関 与 図 44 大 規 模 CCS 実 証 プロジェクトに 対 して 約 束 された 公 的 資 金 図 45 大 規 模 プロジェクトに 対 する 公 的 資 金 図 B 1 プロジェクトライフサイクルモデル v

7 序 文 2009 年 以 降 グローバル CCS インスティテュートは 二 酸 化 炭 素 (CO 2 ) 回 収 貯 留 プロジェ クト 及 びその 技 術 の 開 発 状 況 並 びにこれらの 技 術 の 大 規 模 な 実 証 を 促 進 するための 各 国 政 府 による 活 動 状 況 に 関 する 包 括 的 かつ 世 界 的 な 概 観 を 示 すことを 目 的 とする 一 連 の 報 告 書 を 作 成 してきている 本 報 告 書 はそれらの 最 新 版 であり 2011 年 8 月 までの 開 発 状 況 を 網 羅 している また 世 界 の 主 要 な CCS プロジェクトの 主 導 的 な 提 案 者 が 回 答 した 当 インスティテュートの 年 次 プロジェクト 調 査 の 結 果 に 依 拠 している なお この 調 査 結 果 は 対 象 とした 多 くのプ ロジェクトの 要 員 への 聞 き 取 り 調 査 と 当 インスティテュートのスタッフによる 調 査 で 補 完 している 調 査 のためのアンケートへの 回 答 及 び 聞 き 取 り 調 査 に 参 加 していただいたプロジェクト 提 案 者 各 位 のお 力 添 えに 特 に 感 謝 の 意 を 表 する さらに 非 常 に 大 きな 協 力 をしていただ いたことにも 感 謝 申 し 上 げたい 本 報 告 書 の 作 成 には Edlyn Gurney 率 いる 当 インスティテュートの 多 くのスタッフが 各 節 の 執 筆 又 は 文 書 の 評 価 に 貢 献 した 回 収 技 術 政 策 的 側 面 及 び 法 規 制 の 策 定 に 関 する 各 節 の 内 容 に 関 しては それらの 節 において 詳 述 されるとおり 本 報 告 書 の 作 成 を 目 的 として 特 別 に 委 託 した 他 の 組 織 による 研 究 結 果 にも 依 拠 している また 本 報 告 書 の 草 稿 に 際 し 外 部 の 評 価 者 各 位 から 数 多 くの 参 考 となる 御 意 見 をいただいたことにも 感 謝 する 次 第 であ る vi

8 略 語 用 語 原 文 説 明 AGR Acid gas removal 酸 性 ガス 除 去 ASU Air separation unit 空 気 分 離 装 置 AWG Ad-Hoc Working Group 特 別 作 業 部 会 CCEP Climate Change and Energy Package 気 候 変 動 エネルギー 政 策 パッケージ CCS Carbon capture and storage CO 2 回 収 貯 留 CCS-R CCS Ready CCS レディ CDM Clean Development Mechanism クリーン 開 発 メカニズム CEM Clean Energy Ministerial クリーンエネルギー 大 臣 会 合 CER Certified emission reduction unit 認 証 排 出 削 減 量 CMP Conference of the Major Parties 京 都 議 定 書 締 約 国 会 議 CO 2 Carbon dioxide 二 酸 化 炭 素 CO 2 -e CO 2 equivalent CO 2 換 算 CO2CRC Cooperative Research Centre for 温 室 効 果 ガス 技 術 共 同 研 究 センター Greenhouse Gas Technologies COP Conference of Parties 締 約 国 会 議 CPU CO 2 purification unit CO 2 精 製 装 置 CSLF Carbon Sequestration Leadership Forum 炭 素 隔 離 リーダーシップフォーラム CTL Coal-to-liquids 石 炭 液 化 EB CDM Executive Board CDM 理 事 会 EC European Commission 欧 州 委 員 会 EEPR European Energy Programme for 回 復 のための 欧 州 エネルギープログ Recovery ラム EIB European Investment Bank 欧 州 投 資 銀 行 EOR Enhanced oil recovery 石 油 増 進 回 収 EPA Environmental Protection Agency 環 境 保 護 庁 EPRI Electric Power Research Institute 米 国 電 力 中 央 研 究 所 ETS Emission trading scheme 排 出 量 取 引 制 度 EU European Union 欧 州 連 合 FGD Flue gas desulphurization 排 ガス 脱 硫 FID Final investment decision 最 終 投 資 判 断 GHG Greenhouse gas 温 室 効 果 ガス vii

9 用 語 原 文 説 明 IEA International Energy Agency 国 際 エネルギー 機 関 IEAGHG IEA Greenhouse Gas R&D Programme IEA 温 室 効 果 ガス 研 究 開 発 プログラム IGCC Integrated gasification combined cycle 石 炭 ガス 化 複 合 発 電 IPCC Intergovernmental Panel on Climate 気 候 変 動 に 関 する 政 府 間 パネル Change kw Kilowatt キロワット km Kilometre キロメートル LSIP Large-scale integrated project 大 規 模 統 合 プロジェクト MENA Middle East and North Africa 中 東 北 アフリカ METI Ministry of Economy, Trade and Industry 経 済 産 業 省 MMV Monitoring, measurement and verification 監 視 測 定 検 証 Mtpa Million tonnes per annum; million tonnes 100 万 トン/ 年 a year MW Megawatt メガワット MWe Megawatts electrical capacity or output 電 気 容 量 又 は 電 気 出 力 メガワット MWth Megawatt thermal 熱 出 力 メガワット NDRC National Development and Reform 国 家 発 展 改 革 委 員 会 Commission NER New Entrants Reserve 新 規 参 入 者 用 排 出 枞 NGO Non-government organisation 非 政 府 組 織 NOx Nitrogen oxides 窒 素 酸 化 物 OECD Organisation for Economic Cooperation 経 済 協 力 開 発 機 構 and Development PCC Post-combustion capture 燃 焼 後 回 収 psia Pound-force per square inch absolute ポンド/ 平 方 インチ( 絶 対 圧 ) ppm Parts per million 百 万 分 率 R&D Research and development 研 究 開 発 SACCCS South African Centre for Carbon Capture 单 アフリカ CO 2 回 収 貯 留 センター and Storage SBSTA Subsidiary Body for Scientific and 科 学 及 び 技 術 の 助 言 に 関 する 補 助 機 Technological Advice 関 SCR Selective catalytic reduction 選 択 触 媒 還 元 SNG Synthetic natural gas 合 成 天 然 ガス SO 2 Sulphur dioxide 二 酸 化 硫 黄 viii

10 用 語 原 文 説 明 SO x Sulphur oxides 硫 黄 酸 化 物 TRL Technology readiness level 技 術 成 熟 度 UNFCCC United Nations Framework Convention 気 候 変 動 に 関 する 国 際 連 合 枞 組 条 約 on Climate Change UNIDO United Nations Industrial Development 国 際 連 合 工 業 開 発 機 関 Organization ZEP European Technology Platform for Zero Emission Fossil Fuel Power Plants 欧 州 ゼロエミッション 化 石 燃 料 発 電 技 術 プラットフォーム ix

11 要 旨 二 酸 化 炭 素 (CO 2 ) 回 収 貯 留 (CCS)は 地 球 規 模 の 温 室 効 果 ガス 排 出 量 の 削 減 に 不 可 欠 な 役 割 を 果 たす 国 際 連 合 気 候 変 動 に 関 する 政 府 間 パネル(United Nations Intergovernmental Panel on Climate Change)による 勧 告 に 従 い 2050 年 までに 予 想 される 気 温 上 昇 を 2 に 抑 えるレベル で 大 気 中 の 温 室 効 果 ガス 濃 度 を 安 定 化 させるためには 低 炭 素 技 術 のポートフォリオの 一 部 として CCS が 必 要 となる CCS 業 界 にとっての 具 体 的 な 課 題 は 一 連 のチェーン(すなわち 大 規 模 な 点 排 出 源 から の CO 2 回 収 CO 2 圧 縮 適 切 な 貯 留 サイトへの 輸 送 及 び 圧 入 又 は 恒 久 的 な 排 出 量 削 減 に 結 びつく 利 用 )を 商 用 規 模 で 実 証 することである 進 捗 状 況 2011 年 CCS 産 業 は 着 実 な 進 展 をみせ 現 在 操 業 中 又 は 建 設 中 の 大 規 模 統 合 プロジェク ト(LSIP)の 件 数 が 増 加 し さらには 開 発 計 画 が 進 んだ 段 階 にあるプロジェクトも 多 数 存 在 している 現 在 世 界 で 8 件 の 大 規 模 プロジェクトが 操 業 中 であり 更 に 6 件 が 建 設 中 である これ らのプロジェクトのうち 3 件 は 最 近 建 設 を 開 始 した さらに これらのプロジェクトには 二 番 目 の 発 電 プロジェクトであるカナダの Boundary Dam 及 び 深 部 塩 水 層 内 に CO 2 を 貯 留 す る 米 国 初 のプロジェクトとなるイリノイ 州 産 業 向 け CO 2 回 収 隔 離 (ICCS)プロジェクトが 含 まれている 現 在 操 業 中 又 は 建 設 中 の 全 14 件 のプロジェクトの CO 2 貯 留 容 量 の 合 計 は 年 間 3,300 万 ト ンを 超 える この 貯 留 容 量 は 毎 年 600 万 台 を 超 える 自 動 車 からの 排 ガスを 大 気 中 へ 排 出 するのを 防 止 することにほぼ 相 当 する 当 インスティテュートによる 2010 年 の 年 次 プロジェクト 調 査 では 10 件 のプロジェクト が 今 後 12 ヶ 月 以 内 に 最 終 投 資 判 断 を 行 い 建 設 に 移 行 すべきかどうかを 決 定 する 状 況 とな る 可 能 性 があると 報 告 している これらのプロジェクト 群 では 発 電 プロジェクトが 目 立 っ ており これにはカナダの Project Pioneer 米 国 のテキサス クリーン エネルギー(Texas Clean Energy)プロジェクト 及 び 欧 州 の ROAD プロジェクトが 含 まれている 多 くの 発 電 プロジェクトが 来 年 にも 最 終 投 資 判 断 に 移 行 する 見 込 みであることは 前 向 き な 展 開 であるが これは 大 規 模 なプロジェクトの 計 画 が 不 足 している 鉄 鋼 やセメントな どの 他 の 大 規 模 排 出 産 業 とは 対 照 的 である 本 報 告 書 では 合 計 74 件 の LSIP が 記 載 されているが 世 界 の CCS の 動 向 :2010 年 (Global Status of CCS: 2010) 報 告 書 では 77 件 であった これらの CCS プロジェクトは 継 続 して 北 米 欧 州 豪 州 及 び 中 国 に 集 中 しており 発 展 途 上 国 での 大 規 模 プロジェクトの 計 画 はほ x

12 とんどない 状 態 である 最 終 的 に 発 展 途 上 国 が CCS を 展 開 できるようにするためには 先 進 国 における 実 証 プロジェクトから 得 られた 教 訓 を 発 展 途 上 国 に 伝 えること そして 人 材 開 発 活 動 及 びカスタマイズされたプロジェクト 支 援 に 着 手 することが 極 めて 重 要 である プロジェクトの 成 功 に 影 響 を 与 える 要 素 ほとんどの 産 業 プロジェクトと 同 様 に CCS 実 証 プロジェクトのための 有 効 なビジネス 事 例 を 構 築 することは 複 雑 かつ 時 間 のかかるプロセスであり 最 終 投 資 判 断 の 前 にプロジェ クトの 経 済 的 要 素 とリスクの 両 方 を 理 解 することが 必 要 である 現 在 操 業 中 のすべてのプロジェクトは 既 に 確 立 された 工 業 プロセスの 一 部 として CO 2 分 離 技 術 を 採 用 しており さらに 石 油 増 進 回 収 (EOR)を 通 じた 収 益 創 出 のための CO 2 の 利 用 及 び/ 又 は 過 去 の 資 源 探 査 により 得 られた 情 報 と 既 存 の 地 質 情 報 に 基 づくより 低 コストな 貯 留 サイトの 利 用 を 行 っている 操 業 中 の 8 件 のプロジェクトのうち 6 件 は 天 然 ガス 精 製 におけるもので 他 の 2 件 は 合 成 燃 料 生 産 及 び 肥 料 生 産 におけるものである さらに こ れらのプロジェクトのうち 5 件 で EOR を 用 いている 現 在 操 業 中 又 は 建 設 中 の 多 くのプロジェクトは より 長 期 の 気 候 変 動 政 策 及 び/ 若 しくは 将 来 見 込 まれるカーボンオフセット 市 場 に 対 応 するため 又 はこれらを 見 込 んで CCS に 着 手 している これは 明 るい 兆 しである 一 方 で 特 にプロジェクトが EOR やその 他 いずれの 収 益 源 も 利 用 できない 場 合 又 は CO 2 回 収 が 工 業 プロセスの 一 部 として 未 だ 確 立 されていな い 場 合 には ビジネス 事 例 を 開 発 するのは 困 難 となる 当 インスティテュートの 2010 年 報 告 書 発 行 以 降 11 件 の LSIP が 保 留 又 は 中 止 になった と 考 えられ そのうち 8 件 が 米 国 3 件 が 欧 州 のプロジェクトであった プロジェクトを 保 留 又 は 中 止 した 理 由 には 現 行 の 形 態 及 び 政 策 環 境 では 不 経 済 であるとみなされたことが 最 も 多 く 挙 げられた プロジェクト 提 案 者 にとり プロジェクト 開 発 を 次 の 段 階 まで 継 続 する 資 金 援 助 の 欠 如 並 びに CO 2 削 減 政 策 及 び 規 制 への 不 確 実 性 が 投 資 の 優 先 順 位 を CCS ポートフォリオ 内 に 置 くか 代 替 技 術 へ 置 くかを 判 断 する 重 要 な 要 素 となっていた 以 上 のことは CCS を 実 証 し 展 開 するためには 炭 素 価 格 というシグナルを 含 む 実 質 的 でタイムリーかつ 安 定 した 政 策 支 援 が 必 要 となることを 明 確 に 示 している そのような 支 援 は 産 業 界 が 継 続 的 に 物 事 を 前 に 進 め CCS への 投 資 を 行 う 際 の 確 信 を 与 えることにな る そして この 投 資 は 最 終 的 に 資 本 コスト 及 び 操 業 費 を 低 減 するのに 役 立 つ 継 続 的 な 革 新 を 保 証 することになるであろう 政 府 及 び 民 間 部 門 は 共 に CCS の 実 証 が 進 展 し 関 連 する 教 訓 及 び 利 益 が 実 現 するよう ビジネス 事 例 における 課 題 を 解 決 し その 透 明 性 を 高 める 上 での 役 割 を 有 する xi

13 発 電 部 門 における CCS 発 電 部 門 におけるプロジェクトは 回 収 技 術 のスケールアップと 参 考 にするべき 適 用 事 例 がないという 点 で 多 大 な 追 加 的 コストとリスクを 有 する 気 候 変 動 政 策 及 び 炭 素 価 格 制 度 が 既 に 制 定 されている 場 合 でも 電 力 市 場 はこうしたコストとリスクに 対 応 していな いのが 現 状 である CCS に 関 する 主 なコストは 技 術 の 適 用 に 伴 うエネルギー 損 失 や 所 内 動 力 の 増 加 である このため 発 電 所 ( 及 びその 他 の 産 業 応 用 )に 適 用 される 燃 焼 前 回 収 燃 焼 後 回 収 及 び 酸 素 燃 焼 による CO 2 回 収 において このコストを 低 減 させる 研 究 に 大 きな 重 点 が 置 かれるようになってきている こうした 課 題 があるにもかかわらず 燃 焼 後 回 収 プロジェクト(カナダの Boundary Dam) 及 び 石 炭 ガス 化 複 合 発 電 (IGCC)プロジェクト(Kemper County)の 建 設 が 進 行 している これ は 追 加 的 コストをレートベースに 含 めることの 容 認 及 びその 他 のインセンティブなどの 他 の 条 件 が 適 切 であれば これら 技 術 の 適 用 に 関 するリスクは 管 理 可 能 であり 技 術 的 障 害 も 克 服 不 可 能 ではないことを 示 している 両 プロジェクトは 政 府 からの 支 持 を 受 けてお り さらに EOR 向 けに CO 2 を 売 却 する 予 定 である すなわち 別 の 収 益 源 を 確 保 するこ とになる また これらのプロジェクトでは 排 ガス 流 からの CO 2 回 収 率 を 比 較 的 低 くす る(Kemper County の 場 合 )こと 又 は 比 較 的 小 規 模 な 発 電 装 置 から CO 2 を 回 収 する(Boundary Dam の 場 合 )ことによってプロジェクト 設 計 上 のいくつかのリスク 緩 和 要 素 を 実 証 する 予 定 である 上 述 の 実 証 プロジェクト 及 びその 他 計 画 中 のプロジェクトを 実 際 の 電 力 卸 売 市 場 が 存 在 する 中 で 十 分 な 貯 留 容 量 を 確 保 した 統 合 的 な CCS として 商 用 規 模 で 成 功 させることは 将 来 CCS を 広 範 に 展 開 する 確 証 と 指 標 を 提 供 する 上 で 非 常 に 重 要 である 回 収 輸 送 及 び 貯 留 における 課 題 天 然 ガス 精 製 合 成 燃 料 生 産 及 び 肥 料 生 産 産 業 で 8 件 の CCS プロジェクトが 操 業 してい ることは これらの 用 途 で 回 収 技 術 が 既 に 確 立 されていることを 立 証 している 上 述 のと おり 発 電 部 門 では 建 設 に 移 行 中 のプロジェクトが 存 在 するが 適 用 可 能 な 種 々の 回 収 技 術 を 実 証 するためには 更 に 多 くのプロジェクトが 必 要 である 鉄 鋼 部 門 における 回 収 技 術 の 実 証 に 関 する 最 近 の 発 展 は 限 定 的 である セメント 部 門 での 回 収 技 術 は 依 然 として 初 期 の 段 階 にある 両 産 業 とも CO 2 の 主 要 な 排 出 源 であり 更 なる 発 展 が 期 待 かつ 要 求 される パイプラインによる CO 2 輸 送 は 既 に 実 証 済 みで 整 備 された 技 術 であるが 将 来 的 に 必 要 と なる CO 2 輸 送 の 規 模 に 対 応 するためには 強 力 な 投 資 支 援 が 必 要 となる パイプラインは 費 用 対 効 果 の 高 い 解 決 策 として 期 待 される 一 方 で 長 距 離 の 輸 送 や ある 特 定 の 状 況 下 で は 船 舶 輸 送 が 価 格 競 争 力 を 有 する 可 能 性 がある 船 舶 輸 送 は 多 数 の CO 2 排 出 源 及 び 吸 収 源 (シンク)に 対 応 する 柔 軟 性 も 備 えている 輸 送 インフラの 共 有 によりスケール メリット xii

14 を 格 段 に 高 めることが 可 能 である しかし 初 期 のプロジェクトにとってネットワークの 整 備 は 大 きなリスクをもたらす 可 能 性 のある 大 規 模 投 資 となる 各 国 政 府 が 実 証 のために インセンティブを 提 供 する 際 には 特 にこれらのリスクについて 理 解 しておく 必 要 がある 現 在 操 業 中 のプロジェクトは 深 部 塩 水 層 及 び EOR の 両 方 で CO 2 の 貯 留 を 実 証 しており これは 有 効 な 貯 留 は 実 現 可 能 であることを 示 している 貯 留 に 関 する 今 後 の 課 題 は 圧 入 量 の 増 大 サイトごとの 経 験 の 蓄 積 及 び 効 果 的 で 適 切 な 規 制 環 境 下 での 貯 留 の 測 定 監 視 検 証 の 設 計 と 手 法 の 継 続 的 な 改 良 である プロジェクト 提 案 者 からの 情 報 によると 貯 留 の 評 価 と 特 性 把 握 には 多 大 な 投 資 が 必 要 で あり さらに 未 開 発 の 貯 留 サイトの 場 合 当 該 サイトの 既 存 の 地 質 情 報 によっては 5~10 年 又 はそれ 以 上 の 長 期 のリードタイムを 要 する 可 能 性 がある 政 策 立 案 者 は これらのリ ードタイムをプロジェクト 進 捗 状 況 評 価 の 中 に 組 み 入 れる 必 要 がある また 積 極 的 な 貯 留 評 価 をまだ 開 始 していないプロジェクトは 2020 年 までの 操 業 が 困 難 となる 可 能 性 があ る 貯 留 と 同 様 に 市 民 関 与 は 状 況 及 びサイトごとに 特 有 のものであり プロジェクトの 全 側 面 ( 見 込 みの 及 び 潜 在 的 な 影 響 と 利 益 を 含 む)に 地 域 レベルで 対 処 しなければならない プロ ジェクト 提 案 者 は 潜 在 的 な 課 題 を 特 定 及 び 緩 和 するため 市 民 関 与 手 法 の 見 直 しを 継 続 的 に 行 う 必 要 がある 政 策 及 び 法 律 関 連 の 展 開 新 規 かつ 大 規 模 に 行 われる CCS は 実 証 段 階 にあり 相 当 な 政 策 上 及 び 資 金 上 の 支 援 が 必 要 である 各 国 政 府 は 商 業 展 開 に 向 けたこうした 初 期 の 移 行 段 階 を 支 援 するため 強 力 か つ 首 尾 一 貫 した 持 続 的 な 政 策 シグナル(インセンティブ 法 律 及 び 規 制 枞 組 を 含 む)を 送 り 続 けるべきである 政 策 の 不 確 実 性 はプロジェクトの 開 発 にとって 大 きなリスクであると 認 識 しているプロジェクト 提 案 者 もいる 特 に 各 国 政 府 が 実 現 を 伴 わない 政 策 意 図 を 表 明 した 場 合 にこの 不 確 実 性 が 懸 念 される 昨 年 も CCS に 関 する 法 整 備 が 継 続 しており いくつかの 国 地 域 では 法 的 枞 組 が 完 成 し 二 次 的 な 規 則 及 び 手 引 きの 施 行 を 開 始 している CCS プロジェクトがグローバルに 展 開 す る 上 で 国 レベルでの 効 果 的 な 規 制 制 度 が 重 要 な 役 割 を 果 たすことになる こうした 尽 力 にもかかわらず プロジェクト 提 案 者 は 場 合 によっては 依 然 として 適 切 に 取 り 組 むべき 多 くの 課 題 を 認 識 しており これには 規 制 の 不 完 全 性 又 は 遅 延 が 含 まれている いくつか の 国 地 域 では 規 制 当 局 及 び 政 策 立 案 者 が このような 課 題 に 取 り 組 むための 多 くの 提 案 改 正 及 び 見 直 しを 実 施 している これらの 活 動 がプロジェクトの 懸 念 事 項 に 十 分 に 対 応 できるかどうかは 今 後 の 重 要 な 検 討 事 項 である CCS に 関 する 法 律 及 び 規 則 制 定 を 主 導 しているとされる 多 くの 国 地 域 は そ の 役 割 を 継 続 している 昨 年 は いくつかの 欧 州 連 合 加 盟 国 豪 州 米 国 及 びカナダのいずれもが 自 xiii

15 国 の 法 整 備 継 続 的 に 実 施 しており 多 くの 新 たな 法 案 法 律 規 則 及 びイニシアチブを 実 現 している 効 果 的 な 規 制 の 重 要 性 は CCS 関 連 法 令 の 立 法 国 の 第 二 世 代 となる 多 くの 国 々 によって 認 識 されている その 一 例 が 韓 国 である これらの 国 々の 多 くは 依 然 として 法 律 の 制 定 又 は 規 制 枞 組 の 設 計 を 完 了 していないが その 展 開 を 促 進 するための 重 要 な 措 置 が 講 じられつつあることは 明 確 である この 点 は CCS を 将 来 の 気 候 変 動 緩 和 戦 略 に 組 み 入 れることに 熱 心 ないくつかの 発 展 途 上 国 において 特 に 顕 著 である 今 年 は 单 アフリカのダーバンで 開 催 される 気 候 変 動 に 関 する 国 際 連 合 枞 組 条 約 (UNFCCC) 第 17 回 締 約 国 会 議 (COP17)において CCS の 制 度 を 規 定 する 将 来 の UNFCCC の 仕 組 みに 基 づく 国 際 的 枞 組 み 及 び/ 又 は 各 国 政 府 の 政 策 策 定 における 採 択 に 基 づく 国 際 的 枞 組 みが 確 立 される 可 能 性 がある クリーン 開 発 メカニズム(CDM) 又 は 京 都 議 定 書 の 第 一 約 束 期 間 (2008~2012 年 ) 後 における 将 来 の 仕 組 みに CCS を 含 めることは 発 展 途 上 国 での 将 来 的 な CCS の 実 証 に 特 に 重 要 である 大 規 模 な CCS 実 証 プロジェクトへの 政 府 の 資 金 援 助 には 2011 年 も 引 き 続 きほとんど 変 化 は 見 られなかった 各 国 政 府 は 総 額 約 235 億 米 ドルを 提 供 している 各 国 政 府 は プロ ジェクトを 財 政 的 に 実 現 可 能 にするために 必 要 な ギャップ を 測 定 し 融 資 する 競 争 的 資 金 プログラムを 幅 広 く 採 用 している この 手 法 は 欧 州 連 合 の NER300 プログラムにも 採 用 され 65 件 の 革 新 的 な 再 生 可 能 エネルギープロジェクトとともに 13 件 の CCS プロジェ クトが 2012 年 後 半 に 予 定 される 資 金 配 分 の 対 象 として 次 段 階 に 進 む 基 準 を 満 たしている と 判 断 された 短 期 的 には 政 府 の 政 策 及 び 融 資 レベルが 実 証 プロジェクトの 進 行 速 度 及 び 全 体 的 な 実 現 可 能 性 に 多 大 な 影 響 を 与 えることになる これらを 効 果 的 に 実 施 するためには 先 行 CCS プロジェクトを 確 立 する 上 での 複 雑 な 課 題 に 対 処 し 政 府 と 産 業 界 が 継 続 して 協 力 するこ とが 必 要 である 長 期 的 には CCS 実 証 プロジェクトによる 価 値 は 将 来 の CCS 利 用 を 下 支 えする 持 続 的 で 前 向 きな 気 候 変 動 政 策 と 炭 素 価 格 に 係 る 政 策 シグナルによってのみ 実 現 支 援 される xiv

16 1 序 章 1.1 本 報 告 書 のスコープ CO 2 排 出 削 減 における CCS の 役 割 CCS とは 何 か

17 1 序 章 1.1 本 報 告 書 のスコープ 化 石 燃 料 の 生 産 又 は 使 用 による 二 酸 化 炭 素 (CO 2 )の 大 気 中 への 排 出 を 防 止 又 は 最 小 化 する 技 術 は 温 室 効 果 ガス(GHG)の 排 出 を 制 限 する 総 合 的 な 努 力 において 主 要 な 役 割 を 果 たす 可 能 性 がある CO 2 回 収 貯 留 (CCS) 技 術 の 研 究 開 発 (R&D)に 対 して 多 大 な 努 力 が 投 入 されてお り 世 界 中 で 各 国 政 府 が 大 規 模 な CCS 技 術 の 実 証 を 援 助 するための 資 金 提 供 を 確 約 してい る このような 大 規 模 な 実 証 は 幅 広 い 技 術 に 及 び かつ 異 なる 操 業 環 境 が 含 まれてお り CCS の 商 業 的 利 用 に 必 要 な 先 行 事 例 となる 本 報 告 書 は CCS 技 術 の 大 規 模 な 実 証 を 目 指 すプロジェクトの 現 状 を 世 界 的 な 規 模 で 総 説 することを 目 的 としている そのため 大 規 模 実 証 に 向 けた 努 力 過 程 でのギャップに 加 え 様 々な 産 業 及 び 国 々でのプロジェクトの 拡 大 について 詳 述 している 現 在 様 々な 技 術 が 開 発 されており CCS チェーンの 各 段 階 ( 回 収 輸 送 及 び 貯 留 若 しく は 利 用 )において 実 証 を 行 うことが 計 画 されている これらの 様 々な 技 術 の 現 在 の 開 発 動 向 についてもとりまとめ 今 後 の 研 究 又 は 実 証 努 力 のための 優 先 順 位 を 示 している CCS の 実 証 は 技 術 だけでなく 適 切 な 資 金 提 供 及 び 政 府 によるその 他 の 支 援 CCS のた めのビジネス 事 例 を 構 築 する 上 での 資 金 的 及 び 商 業 的 な 考 慮 事 項 社 会 的 受 容 性 大 規 模 で 長 期 的 な 投 資 に 結 びつく 政 策 法 律 及 び 規 制 の 環 境 にも 左 右 される そのため これら の 要 素 もすべて 網 羅 している 本 報 告 書 では CCS 技 術 の 動 向 及 びその 根 底 にある 政 策 環 境 と 事 業 環 境 に 関 する 今 回 の 総 説 に 基 づき CCS が CO 2 削 減 目 標 を 達 成 する 上 で その 役 割 を 果 たすために 必 要 な 要 素 に ついても 明 記 している CCS の 大 規 模 実 証 を 制 約 する 主 な 要 因 は 技 術 開 発 のレベルでは なく プロジェクト 開 発 を 次 の 段 階 まで 継 続 するための 資 金 援 助 が 不 適 切 であることと 主 要 国 地 域 における 炭 素 削 減 政 策 に 関 する 不 確 実 性 などの 投 資 判 断 を 制 約 する 原 因 と なる 課 題 の 存 在 であることが 明 らかとなってきている 本 報 告 書 ではこれらの 課 題 を 抽 出 している 本 章 の 残 りの 部 分 では GHG 排 出 量 削 減 努 力 における CCS の 潜 在 的 な 役 割 についての 簡 卖 な 背 景 CCS 技 術 の 概 要 最 終 的 に 大 規 模 な CCS 利 用 が 期 待 される 発 電 部 門 における 他 技 術 のコストと CCS コストの 比 較 を 示 した 第 2 章 では 最 終 的 な 商 業 化 に 必 要 な 規 模 で CCS を 実 証 することを 意 図 するプロジェク トであり CO 2 の 回 収 輸 送 貯 留 又 は 利 用 を 結 びつける 統 合 プロジェクトを 含 む 大 規 模 統 合 プロジェクト(LSIP)の 現 状 について 論 じている また 過 去 の 動 向 報 告 書 (WorleyParson ら 2009; Global CCS Institute 2011a) 以 降 の 当 該 プロジェクトの 種 類 と 件 数 の 変 化 を 説 明 した さらに 国 別 産 業 別 開 発 段 階 別 及 び 技 術 の 種 類 別 のプロジェクトの 特 徴 と 分 布 も 解 説 している 2

18 大 気 中 CO2 濃 度 (ppm) 世 界 の 温 度 偏 差 ( ) The Global Status of CCS : 2011 第 3 章 では CCS チェーンを 構 成 する 諸 要 素 についてそれぞれ 解 説 及 び 検 討 した 各 プロ ジェクト 提 案 者 及 び 政 府 にとっては CCS を 構 成 する 個 々の 技 術 の 開 発 状 況 だけでなく これらの 構 成 要 素 をリンクさせて 統 合 プロジェクトに 組 み 入 れる 際 の 考 慮 事 項 についての 理 解 も 重 要 である 第 3 章 の 最 後 では CCS 技 術 のコストについての 現 在 理 解 されている 状 況 を 論 じている 第 4 章 では CCS に 影 響 を 与 える 政 府 の 政 策 法 律 法 令 及 び 規 則 に 関 する 最 近 の 展 開 に ついて 概 説 した 政 策 に 関 しては CCS の 展 開 だけでなく より 広 範 な 気 候 変 動 エネルギ ー 及 び 革 新 関 連 分 野 における 政 策 の 展 開 も 含 んでいる また プロジェクトが 利 用 可 能 な 資 金 及 びその 他 の 財 政 上 のインセンティブと 支 援 についても 要 約 した 第 4 章 の 最 後 では 新 技 術 としての CCS への 社 会 的 認 知 度 及 び 社 会 的 受 容 性 の 重 要 性 を 考 慮 して 市 民 関 与 に 関 する 課 題 も 簡 卖 に 論 じている 結 論 として CCS の 現 在 のビジネス 事 例 に 関 するいくつかの 見 解 及 び 更 なるプロジェクト が 建 設 段 階 又 は 操 業 段 階 に 入 るのを 促 進 するために 必 要 なステップをまとめている 1.2 CO 2 排 出 削 減 における CCS の 役 割 人 為 起 源 の CO 2 排 出 量 は 過 去 150 年 余 りにわたって 大 幅 に 増 加 しており その 結 果 CO 2 の 大 気 中 濃 度 が 顕 著 に 増 加 している( 図 1) この 増 加 に 伴 い 世 界 の 平 均 気 温 も 顕 著 な 上 昇 を 示 している 図 1 世 界 の CO 2 大 気 中 濃 度 及 び 気 温 年 気 温 (RHS) 出 典 :Brohan ら(2006 年 ) MacFarling ら(2006 年 ) Tans 及 び Keeling(2011 年 )からのデータ 3

19 2010 年 には 気 候 変 動 に 関 する 国 際 連 合 枞 組 条 約 (UNFCCC) 第 16 回 締 約 国 会 議 (COP16) において 世 界 の 平 均 気 温 上 昇 を 最 大 で 2 に 抑 える 旨 の 法 的 拘 束 力 のない 約 束 が 承 認 され た 2 の 上 昇 は 大 気 中 の CO 2 換 算 (CO 2 -e) 濃 度 レベルの 上 限 を 2050 年 までに 450ppm に 抑 えることと 一 致 するとみなされている(IPCC 2007) ハワイのマウナロア 観 測 所 で 測 定 さ れた 2010 年 の 世 界 の 大 気 中 CO 2 の 平 均 レベルは 390ppm であり 同 年 だけで 2.42ppm の 上 昇 となった(ESRL 2011) CO 2 排 出 は 現 在 の 概 算 CO 2 換 算 (CO 2 -e) 濃 度 レベルである 430ppm の 主 な 要 因 であり 勧 告 目 標 の 450ppm にわずか 20ppm で 達 してしまう 現 在 の 予 測 では 450ppm の 上 限 を 満 たすためには 2050 年 までに 何 も 対 策 を 講 じなかっ たケース(BAU) のレベルはもちろんのこと 現 在 のレベルも 大 幅 に 下 回 るような CO 2 排 出 量 の 削 減 を 行 わなければならない これは 特 に 化 石 燃 料 ( 石 炭 石 油 及 び 天 然 ガス)からの CO 2 排 出 に 言 えることである 国 際 エネルギー 機 関 (IEA)が 作 成 したエネルギー 排 出 シナリオ(IEA 2010a)は 最 小 のコス トでの GHG 排 出 削 減 経 路 を 提 示 している( 図 2) また IEA は 排 出 量 を 2050 年 までに 現 在 のレベルの 1/2 に 削 減 するためには 低 炭 素 技 術 のポートフォリオが 必 要 であることを 示 し ている これらの 技 術 にはエネルギー 利 用 効 率 の 向 上 再 生 可 能 エネルギー 燃 料 転 換 及 び 原 子 力 が 含 まれる 今 後 10 年 間 は 最 も 費 用 対 効 果 が 高 い 削 減 の 大 部 分 はエネルギー 利 用 効 率 によるものになるであろう その 後 は 再 生 可 能 エネルギー 技 術 がより 重 要 な 役 割 を 果 たすようになり 風 力 ソーラー( 太 陽 光 発 電 及 び 太 陽 熱 システムの 両 方 ) バイオマス そしてそれらよりも 規 模 は 小 さいが 地 熱 などの 新 エネルギー 技 術 による 削 減 分 が 大 部 分 を 占 めると 予 想 される 図 2 世 界 の CO 2 排 出 量 及 び GHG 排 出 削 減 量 ベースライン 排 出 量 57Gt BLUE Map 排 出 量 14Gt WEO ppm のケース ETP 2010 分 析 年 CCS 19% 再 生 可 能 エネルギー 17% 原 子 力 6% 出 典 :IEA(2010a p.75) 発 電 効 率 及 び 燃 料 転 換 5% 最 終 使 用 燃 料 転 換 15% 最 終 使 用 燃 料 及 び 電 力 効 率 38% 4

20 2025~2030 年 においては 再 生 可 能 エネルギー 技 術 の 利 用 及 びエネルギー 最 終 使 用 効 率 向 上 の 急 速 な 伸 びが 継 続 する 見 込 みがある 一 方 で IEA の 最 低 コストシナリオでも CCS の 役 割 が 急 速 に 高 まることが 予 測 されている 高 効 率 エネルギー 利 用 及 び 再 生 可 能 エネルギ ー 技 術 に 関 する 低 コストな 選 択 肢 が 実 施 されれば CCS の 競 争 力 は 高 くなる 2050 年 まで には CCS は IEA の 最 低 コスト 排 出 量 削 減 シナリオの 19%に 寄 与 していることになる こ の 寄 与 度 は 再 生 可 能 エネルギーよりも 高 く 更 には 原 子 力 の 寄 与 度 の 3 倍 以 上 である GHG 削 減 のための 主 な 努 力 はどれも 現 在 又 は 将 来 のエネルギー 生 産 エネルギー 集 約 型 産 業 並 びに GHG を 排 出 するプロジェクト 及 び 投 資 に 対 して コスト 上 の 重 大 な 課 題 を 加 えることとなる しかし IEA は CCS なしで 2050 年 までに 50%の 排 出 量 削 減 を 達 成 するに は CCS を 実 施 した 場 合 と 比 べて 70%のコスト 増 になると 見 積 もっている この 結 果 については 特 に 発 電 部 門 における CCS と 他 の 低 炭 素 技 術 の 現 在 のコストを 比 較 すると 理 解 しやすい CCS の 相 対 的 なコスト 今 後 数 十 年 間 に 必 要 となる 低 炭 素 技 術 の 多 くは 初 期 の 開 発 段 階 又 は 展 開 過 程 にあり これ らの 低 炭 素 技 術 の 能 力 を 証 明 し かつコストを 削 減 するためには R&D 及 び 実 証 に 対 する 多 大 な 注 力 が 必 要 になる 現 在 CO 2 を 発 生 させるいくつかの 工 業 プロセスには 排 出 量 を 削 減 又 は 低 減 するために 利 用 可 能 な 選 択 肢 がほとんどない 状 態 である CO 2 又 はその 他 の GHG による 環 境 への 影 響 を 反 映 させた 排 出 の 適 切 な 価 格 設 定 は すべての 排 出 量 削 減 技 術 の R&D 実 証 及 び 本 格 的 な 利 用 を 支 援 することになるであろう 当 インスティテュートは 発 電 部 門 における 低 炭 素 技 術 コストの 比 較 を 提 示 するために IEA(2010b) IPCC(2011) 米 国 エネルギー 情 報 局 (EIA 2011) 米 国 エネルギー 省 国 立 再 生 可 能 エネルギー 研 究 所 (DOE NREL 2010) 米 国 エネルギー 省 国 立 エネルギー 技 術 研 究 所 (NETL 2010) 及 び WorleyParsons(2011)による 技 術 コスト 研 究 の 評 価 を 実 施 した(2011b) これらの 研 究 は 重 要 な 経 済 的 及 び 技 術 的 な 基 準 に 関 して 異 なる 方 法 及 び 仮 定 条 件 を 用 いているため 同 じ 経 済 的 基 盤 及 び 同 等 の 質 の 情 報 源 を 有 するデータを 比 較 するように 注 意 した 発 電 部 門 において 将 来 的 な 削 減 のほとんどを 占 めることが 予 想 される 技 術 は 比 較 的 コス トが 高 い( 図 3) 大 規 模 に 適 用 される 新 技 術 のほとんど 特 に CCS 及 びソーラー 技 術 に 関 し ては 革 新 努 力 の 拡 大 に 伴 い コストが 大 幅 に 低 下 することが 予 想 される 風 力 及 び 原 子 力 などの 商 業 的 に 成 熟 している 技 術 に 関 しては 達 成 可 能 ないかなるコスト 削 減 も 新 た な 技 術 におけるコスト 削 減 ほどではないことが 予 想 される CO 2 排 出 の 抑 制 という 点 において CCS は 発 電 部 門 における 将 来 の 大 規 模 削 減 の 他 の 選 択 肢 と 比 較 して コスト 競 争 力 を 有 する 技 術 であることが 今 回 の 分 析 において 示 されている 例 えば 石 炭 焚 火 力 発 電 及 び 天 然 ガス 焚 火 力 発 電 において CCS が 用 いられた 場 合 の CO 2 削 5

21 米 ドル/CO21 トン The Global Status of CCS : 2011 減 コストは それぞれ 68~123 米 ドル/トン 及 び 108~224 米 ドル/トンである 対 照 的 に 太 陽 光 発 電 (PV) 及 び 太 陽 熱 システムの CO 2 削 減 コストは それぞれ 184~307 米 ドル/トン 及 び 219~273 米 ドル/トンである 図 3 発 電 部 門 の 技 術 による CO 2 の 削 減 コスト 1 地 熱 水 力 風 力 ( 陸 域 ) 原 子 力 バイオマス CCS ( 石 炭 ) 風 力 ( 沖 合 ) CCS ( 天 然 ガス) 太 陽 熱 太 陽 光 発 電 1 本 表 に 示 されるコストは 米 国 で 操 業 中 の 技 術 に 関 するものであり 当 インスティテュートによる 幅 広 い 研 究 の 評 価 に 基 づいて 導 き 出 されたものである 技 術 のコストは 資 源 の 入 手 可 能 性 労 働 コスト 及 び 資 本 投 入 を 含 む 幅 広 い 局 地 的 要 素 により 地 域 ごとに 異 なる さらにいくつかの 選 択 肢 は 特 に 各 サイト 特 有 のものとなる( 例 えば 地 熱 及 び 水 力 ) 出 典 :Global CCS Institute(2011b);IEA(2010b) IPCC(2011) EIA(2011) DOE NREL(2010) DOE NETL(2010a) WorleyParsons(2011)からのデータ 1.3 CCS とは 何 か CCS とは 発 電 所 及 びその 他 の 産 業 において 化 石 燃 料 の 使 用 により 大 気 中 に 排 出 される CO 2 量 を 削 減 することができる 技 術 である CCS には 以 下 が 含 まれる 化 石 燃 料 ( 石 炭 石 油 及 びガス) 又 はその 他 の 炭 素 系 燃 料 (バイオマスなど)を 用 いる 大 規 模 な 工 業 施 設 で 生 成 された CO 2 の 収 集 及 び 回 収 適 切 な 貯 留 サイトへの CO 2 の 輸 送 大 気 中 から 離 れた 場 所 に 安 全 かつ 恒 久 的 に 貯 留 することを 目 的 とした 地 下 深 部 の 岩 石 内 への 圧 入 6

22 CO 2 の 回 収 工 業 プロセスから 排 出 された CO 2 の 回 収 は CO 2 を 多 く 含 む 排 ガスを 施 設 内 で 回 収 できる 大 規 模 な 工 業 施 設 で 最 も 容 易 となる CO 2 の 分 離 は 多 くの 産 業 で 標 準 的 な 工 業 プロセスの 一 部 として 既 に 実 施 されている 例 えば 天 然 ガスの 生 産 では ガス 精 製 過 程 で 天 然 ガスに 随 伴 する CO 2 を 分 離 する 必 要 がある 同 様 に アンモニア 又 は 水 素 を 生 産 する 工 業 施 設 で は 生 産 プロセスの 一 部 として CO 2 が 除 去 される CO 2 排 出 の 最 大 の 要 因 となるのは 特 に 発 電 における 化 石 燃 料 の 燃 焼 であり 石 炭 又 はガ スを 用 いる 発 電 所 から CO 2 を 回 収 するために 主 に 以 下 の 三 つのプロセスが 開 発 されている 燃 焼 後 回 収 燃 焼 前 回 収 酸 素 燃 焼 による CO 2 回 収 これらの 回 収 プロセス 及 び 現 在 の 開 発 動 向 についての 詳 細 を 第 3.1 節 に 示 す 石 油 精 製 及 びセメント 生 産 などの 他 の 産 業 において 回 収 プロセスは 十 分 な 規 模 での 実 証 がまだ 行 われていないが ほとんどの 場 合 既 存 の 回 収 法 を 特 定 の 生 産 プロセスに 適 合 さ せることが 可 能 である 例 えば 石 油 精 製 所 における CO 2 回 収 では 燃 焼 後 回 収 が 利 用 可 能 であり セメント 工 場 では 酸 素 燃 焼 技 術 が 利 用 可 能 である さらに 特 に 鉄 鋼 製 造 に 特 化 した 回 収 法 も 開 発 されている CO 2 の 輸 送 排 ガスの 他 の 成 分 から 分 離 された CO 2 は 輸 送 貯 留 に 適 するよう 圧 縮 され 適 切 な 貯 留 サイトに 輸 送 される 現 在 CO 2 は 主 に 工 業 用 及 び 石 油 及 びガスの 増 進 回 収 (EOR/EGR)を 目 的 として パイプライン 船 舶 及 びタンクローリーによって 既 に 輸 送 されている CCS の 広 範 な 展 開 に 必 要 となる 輸 送 規 模 は 現 在 よりもはるかに 大 きく 加 えて 高 密 度 の 純 粋 な 又 はほぼ 純 粋 な CO 2 の 輸 送 が 関 わることになる CO 2 の 貯 留 CCS プロセスの 最 終 段 階 は 深 度 が 1km 以 深 となることが 多 い 地 下 深 部 岩 層 内 への CO 2 圧 入 である この 深 度 では 温 度 と 圧 力 により CO 2 は 高 密 度 流 体 として 保 持 される CO 2 はゆっくりと 多 孔 性 岩 石 内 を 移 動 し 孔 隙 空 間 と 呼 ばれる 狭 い 空 間 を 満 たすことになる 適 切 な 貯 留 サイトには 枯 渇 した 油 ガス 田 又 は 水 を 含 有 する 岩 石 ( 塩 水 層 )が 含 まれる( 図 4) 一 般 的 にこれらの 貯 留 サイトは 不 浸 透 性 の 岩 石 ( シール とも 呼 ばれる)によって 覆 われて いる 当 該 シール 及 びその 他 の 地 質 的 特 徴 は CO 2 が 地 表 に 戻 るのを 防 止 する これらの 貯 留 サイトは 流 体 及 び 気 体 ( 石 油 天 然 ガス 及 び 自 然 発 生 CO 2 など)を 何 百 万 年 も 7

23 の 間 安 全 に 封 じ 込 めてきており 慎 重 な 選 定 を 行 うことにより 圧 入 された CO 2 を 同 じく らいの 期 間 にわたって 安 全 に 貯 留 できることが 期 待 される 一 度 CO 2 が 圧 入 されると 岩 石 層 内 での CO 2 の 動 きを 監 視 するために 様 々な 検 知 技 術 が 使 用 される 監 視 測 定 検 証 (MMV)プロセスは CO 2 が 安 全 に 貯 留 されていることを 公 衆 及 び 規 制 当 局 に 保 証 する 上 で 重 要 である CO 2 は 工 業 用 として 利 用 することも 可 能 であるが 恒 久 的 な 貯 留 につながるものでなけれ ば CO 2 のいかなる 利 用 も GHG 緩 和 に 寄 与 することにはならないであろう 図 4 CO 2 の 地 層 貯 留 の 選 択 肢 CO 2 の 地 層 貯 留 選 択 肢 1 枯 渇 した 油 ガス 田 2 石 油 増 進 回 収 における CO 2 の 利 用 3 未 使 用 の 深 部 塩 水 飽 和 貯 留 岩 4 深 部 の 採 鉱 不 能 の 炭 層 5 炭 層 メタン 増 進 回 収 における CO 2 の 利 用 6 その 他 の 選 択 肢 案 ( 玄 武 岩 油 頁 岩 空 洞 ) 生 産 された 石 油 又 は ガス 圧 入 された CO 2 貯 留 された CO 2 画 像 :CO2CRC 提 供 8

24 2 プロジェクト 2.1 重 要 プロジェクトの 開 発 プロジェクトの 詳 細

25 2 プロジェクト 概 要 昨 年 の CCS 産 業 は 全 体 的 に 着 実 な 進 展 をみせており 建 設 が 完 了 して 操 業 に 移 行 した プロジェクトが 1 件 建 設 を 開 始 したプロジェクトが 3 件 あり また 更 に 多 くのプロ ジェクトが 開 発 計 画 を 進 行 中 である 全 世 界 における 74 件 の 大 規 模 な 統 合 CCS プロジェクトのうち 14 件 が 現 在 建 設 中 又 は 操 業 中 であり 年 間 の 総 CO 2 貯 留 容 量 は 3,300 万 トンを 超 えている 米 国 の Kemper County に 加 え 二 番 目 の 発 電 プロジェクトであるカナダの Boundary Dam が 現 在 建 設 中 である また 米 国 では 深 部 塩 水 層 に CO 2 を 貯 留 する 同 国 初 のプロジェ クト イリノイ 州 産 業 向 け CO 2 回 収 隔 離 (ICCS)プロジェクトが 建 設 中 である 当 インスティテュートによる 2011 年 の 年 次 プロジェクト 調 査 によれば 開 発 計 画 が 進 んでいる 数 件 のプロジェクト( 数 カ 所 の 発 電 所 を 含 む)が 今 後 12 ヶ 月 の 間 に 最 終 投 資 判 断 の 決 定 ができる 状 態 にある CCS の 適 用 が 必 要 とされる 鉄 鋼 セメント 及 びその 他 の 大 量 排 出 産 業 において 開 発 中 の 大 規 模 実 証 プロジェクトが 不 足 している 状 況 は 現 在 も 変 わらない 本 章 では LSIP の 世 界 的 な 動 向 を 概 観 する そのほとんどは 2011 年 5~8 月 に 実 施 され た 当 インスティテュートの 年 次 調 査 ( 付 属 資 料 A)に 基 づくものであり プロジェクトの 動 き 課 題 及 び 機 会 の 分 析 を 含 む 詳 細 な LSIP 動 向 評 価 を 示 している 同 評 価 には 当 インステ ィテュートの 2010 年 動 向 報 告 書 及 び 2009 年 動 向 報 告 書 (Global CCS Institute 2011a WorleyParsons ら 2009)との 比 較 が 含 まれている LSIP とは 以 下 の 規 模 での CO 2 の 回 収 輸 送 及 び 貯 留 を 含 むプロジェクトである 石 炭 火 力 発 電 所 の 場 合 - 年 間 CO 2 量 80 万 トン 以 上 その 他 の 排 出 集 約 型 産 業 施 設 ( 天 然 ガス 焚 火 力 発 電 を 含 む)の 場 合 - 年 間 CO 2 量 40 万 トン 以 上 世 界 には 上 述 のプロジェクトよりも 小 規 模 なもの 又 は CCS チェーンの 一 部 のみに 焦 点 を 合 わせたプロジェクトが 数 多 く 存 在 する これらのプロジェクトは R&D CCS の 個 々 の 要 素 の 実 証 又 は 局 地 的 能 力 の 構 築 にとって 重 要 である しかしながら CCS が 世 界 の GHG 削 減 において 大 きな 役 割 を 果 たすためには 回 収 から 恒 久 的 貯 留 又 はその 他 の 隔 離 に 至 る CCS チェーンのすべてを 含 む 大 規 模 なプロジェクトを 実 証 し また 展 開 することが 不 可 欠 である 当 インスティテュートのプロジェクト 調 査 が LSIP に 焦 点 を 合 わせているのは このような 理 由 によるものである 10

26 プロジェクト 件 数 The Global Status of CCS : 重 要 プロジェクトの 開 発 当 インスティテュートの 集 計 では 2011 年 には 世 界 中 で 74 件 の LSIP があった( 図 5) こ の 件 数 は 2010 年 報 告 書 よりも 正 味 3 件 尐 なく 微 減 となっているが 最 初 の 報 告 書 である 2009 年 報 告 書 における LSIP 件 数 の 64 件 よりも 依 然 として 多 い( 図 6) なお LSIP の 開 発 段 階 の 分 類 に 用 いた プロジェクトライフサイクルモデル に 関 する 説 明 を 付 属 資 料 B に 示 し さらに 全 プロジェクトのリストを 付 属 資 料 C に 記 載 した 図 5 プロジェクトライフサイクル 別 及 び 地 域 / 国 別 LSIP 特 定 評 価 精 査 実 施 操 業 合 計 米 国 欧 州 豪 州 ニュージーランド カナダ 中 国 中 東 その 他 のアジア 諸 国 アフリカ 合 計 11

27 図 6 プロジェクトライフサイクル 別 及 び 年 別 LSIP 操 業 実 施 精 査 評 価 特 定 プロジェクト 件 数 開 発 段 階 を 通 じてのプロジェクト 動 向 における 最 近 の 最 も 顕 著 な 展 開 は 以 下 のとおりで ある 2010 年 末 にテキサス 州 の Century Plant の 最 初 のガス 精 製 系 統 が 操 業 段 階 に 移 行 した この 最 初 の 系 統 は 年 間 約 500 万 トン(5 Mtpa)の CO 2 回 収 能 力 を 有 する 現 在 建 設 中 の 第 2 系 統 は 2012 年 に 操 業 可 能 になると 予 想 され さらに 約 3.5Mtpa の CO 2 回 収 能 力 が 加 わ ることになる ただし 同 施 設 が 操 業 段 階 に 加 わっても この 段 階 のプロジェクト 件 数 は 正 味 では 2010 年 報 告 書 と 変 わらないことに 留 意 されたい これは 前 回 含 ま れていた Rangely and Salt Creek (EOR)プロジェクトが 現 在 は 共 通 の 回 収 源 である Shute Creek ガス 精 製 施 設 として 示 されているためである 実 施 段 階 にあるプロジェクト 件 数 は 2009 年 の 2 件 から 2010 年 には 4 件 に 増 加 し 2011 年 現 在 では 6 件 となっている( 図 6) 直 近 に 実 施 段 階 に 追 加 されたプロジェクトは カナダの Boundary Dam 発 電 プロジェクト イリノイ 州 産 業 向 け CO 2 回 収 隔 離 (ICCS)プ ロジェクト 及 び Lost Cabin ガス 施 設 ( 両 プロジェクトとも 米 国 )である 精 査 段 階 にある 10 件 のプロジェクトは 最 終 投 資 判 断 を 下 し 実 施 段 階 に 移 行 させるかどうかを 今 後 12 ヶ 月 以 内 に 決 定 できるとしている( 図 7) これらのプロジェク ト 群 では 発 電 プロジェクトが 多 く 欧 州 の ROAD プロジェクト カナダの Project Pioneer 及 び 米 国 の Texas Clean Energy(テキサス クリーン エネルギー)プロジェクトが 含 まれ る これらの 発 電 プロジェクトの CCS 構 成 要 素 は 既 に 実 施 段 階 にある Kemper County の 石 炭 ガス 化 複 合 発 電 (IGCC) 及 び Boundary Dam プロジェクトとともに 広 範 囲 な 政 府 支 援 特 に 資 本 金 補 助 によって 支 えられている 同 プロジェクト 群 に 属 する 北 米 の 回 収 プロジェクトにおいても 開 発 促 進 を 確 保 する 上 での 複 数 の 収 益 源 [ 及 び 特 に 石 油 増 進 回 収 (EOR) 目 的 の CO 2 の 再 利 用 ]の 重 要 性 が 示 されている 多 くの 発 電 プロジェクトが 翌 年 最 終 投 資 判 断 に 移 行 可 能 な 見 通 しであるのは 明 るい 展 開 である 一 方 で この 展 開 は 大 規 模 なプロジェクトが 不 足 する 鉄 鋼 などの 他 の 大 量 排 12

28 出 産 業 とは 対 照 的 である このような 代 表 事 例 の 欠 如 は 複 数 の 要 因 が 重 なり 合 った 結 果 であり 例 えば 多 くの 国 では 政 府 による 発 電 への 融 資 配 分 がより 高 いこと 不 景 気 が 原 因 でコアビジネスの 収 益 性 改 善 に 注 力 せざるを 得 ないことなどが 挙 げられる 特 定 段 階 のプロジェクト 件 数 が 尐 ないことは 必 ずしも 悪 い 方 向 への 展 開 とみなす べきではない 数 件 のプロジェクトは プロジェクトライフサイクルを 通 じて 前 進 し 特 定 段 階 から 抜 け 出 している 同 時 に 発 電 鉄 鋼 及 びセメント 製 造 などの 重 要 部 門 における 大 規 模 CCS は プロジェクト 開 発 資 金 が 常 に 補 給 される 状 況 にはまだなっ ていない このため 政 府 に 多 額 の 継 続 的 な 資 金 援 助 が 要 求 されるであろう 図 7 精 査 及 び 評 価 段 階 にある LSIP の 最 終 投 資 判 断 タイミング 1 プ ロジ ェ クト 件 数 精 査 評 価 精 査 評 価 精 査 評 価 12 ヶ 月 以 下 13 ヶ 月 ~24 ヶ 月 24 ヶ 月 超 最 終 投 資 判 断 までの 推 定 期 間 1 評 価 又 は 精 査 段 階 にある 52 件 のプロジェクトのうち 24 件 から 回 答 が 得 られた 操 業 及 び 実 施 段 階 にある 14 件 のプロジェクトを 表 1 に 示 した これらすべての 13

29 プロジェクトの CO 2 貯 留 容 量 は 合 計 で 約 33Mtpa である この 貯 留 容 量 は 毎 年 ほぼ 600 万 台 を 超 える 自 動 車 の 排 出 量 に 相 当 し CCS が GHG 削 減 に 顕 著 な 寄 与 をすることが 可 能 であ ることを 示 している( 換 算 係 数 は 米 国 環 境 保 護 庁 (EPA)から 引 用 ホームページ 閲 覧 2011 年 7 月 ) 表 1 で 操 業 又 は 実 施 と 示 されている 回 収 プロジェクトのほとんどすべてが CO 2 EOR 関 連 及 び/ 又 はガス 精 製 に 基 づくものである( 唯 一 の 例 外 はイリノイ 州 の ICCS プロジェ クトであるが 同 プロジェクトでは 一 定 期 間 深 部 塩 水 層 へ 貯 留 した 後 に EOR 目 的 の CO 2 から 収 入 を 得 る 機 会 を 追 求 することを 明 らかにしている) このことは EOR による 収 入 が 得 られないプロジェクト 及 び/ 又 はガス 精 製 のように 回 収 が 既 存 の 工 業 プロセスの 一 部 にな っていないプロジェクトが 現 在 直 面 している 課 題 を 示 している この 点 は 特 に 炭 素 に 関 する 国 内 法 の 成 熟 度 が 低 い 国 に 当 てはまる 3 次 的 な 炭 化 水 素 生 産 の 機 会 がある 場 合 には 先 行 する 大 規 模 回 収 プロジェクトの 多 くは 良 好 なビジネス 事 例 を 裏 づけするため EOR 目 的 の CO 2 をプロジェクトに 含 める 可 能 性 がある CO 2 EOR システムは 特 に 米 国 において 石 油 の 確 認 埋 蔵 量 の 増 大 を 目 的 とする 探 査 及 び 開 発 掘 削 の 代 替 策 となる この 方 法 の 普 及 率 の 上 昇 により 様 々な 石 油 会 社 ガス 会 社 パイプライン 事 業 者 及 び CO 2 排 出 源 となっている 企 業 が 互 いに 魅 力 的 なビジネス 機 会 を 創 出 するために 関 心 を 寄 せている 米 国 では CO 2 EOR にとって 適 切 な 油 田 が 利 用 可 能 であり さらに 石 油 価 格 が 当 該 投 資 を 促 進 する 水 準 にとどまる 限 りこの 勢 いは 継 続 するで あろう 米 国 では 過 去 数 年 間 にわたり Denbury や Kinder Morgan などの 企 業 が CO 2 排 出 源 パイプライン 及 び EOR 油 田 を 組 み 合 わせた 強 力 なポートフォリオを 構 築 してきており 投 資 家 への 説 明 では 投 資 拡 大 の 機 会 が 強 調 されている 14

30 表 1 操 業 及 び 実 施 段 階 にある LSIP 名 称 所 在 地 回 収 タイプ 操 業 段 階 Shute Creek ガス 精 製 施 設 米 国 燃 焼 前 (ガス 精 製 ) Sleipner CO 2 圧 入 ノルウェー 燃 焼 前 (ガス 精 製 ) Val Verde 天 然 ガス 施 設 米 国 燃 焼 前 (ガス 精 製 ) Great Plains 合 成 燃 料 工 場 及 び Weyburn-Midale プロジェクト 米 国 /カナダ 燃 焼 前 ( 合 成 燃 料 ) CO 2 量 (MTPA) 貯 留 タイプ 操 業 年 7 EOR 1986 年 1 深 部 塩 水 層 1996 年 EOR 1972 年 3 MMV を 用 い た EOR 2000 年 Enid 肥 料 工 場 米 国 燃 焼 前 ( 肥 料 ) 0.7 EOR 1982 年 In Salah CO 2 貯 留 アルジェリア 燃 焼 前 (ガス 1 深 部 塩 水 層 2004 年 精 製 ) Snøhvit CO 2 圧 入 ノルウェー 燃 焼 前 (ガス 0.7 深 部 塩 水 層 2008 年 精 製 ) Century Plant 米 国 燃 焼 前 (ガス 5( 及 び 建 EOR 2010 年 精 製 ) 設 中 3.5) 2 実 施 段 階 Lost Cabin ガス 施 設 米 国 燃 焼 前 (ガス 1 EOR 2012 年 精 製 ) イリノイ 州 産 業 向 け 米 国 産 業 (エタノ 1 深 部 塩 水 層 2013 年 CO 2 回 収 隔 離 (ICCS)プ ロジェクト ール 生 産 ) CCS 実 証 付 き Boundary カナダ 燃 焼 後 ( 発 電 ) 1 EOR 2014 年 Dam ACTL を 用 いる Agrium カナダ 燃 焼 前 ( 肥 料 ) 0.6 EOR 2014 年 CO 2 回 収 Kemper County IGCC プ ロジェクト 米 国 燃 焼 前 ( 発 電 ) 3.5 EOR 2014 年 Gorgon CO 2 圧 入 プロジ ェクト 豪 州 燃 焼 前 (ガス 精 製 ) 3.4~4 3 深 部 塩 水 層 2015 年 1 当 インスティテュートでは Val Verde 天 然 ガス 施 設 への 天 然 ガス 供 給 の 一 部 は Century Plant に 転 用 され ていると 理 解 している 本 報 告 書 の 出 版 時 点 では この 転 用 が Val Verde からの CO 2 回 収 に 対 して 及 ぼす 影 響 (もし 存 在 するならば)を 検 討 中 である 2 CO 2 量 を 用 いるすべての 図 及 び 計 算 では 操 業 段 階 に 関 して 5Mtpa 実 施 段 階 に 関 して 3.5Mtpa を 用 いた 3 CO 2 量 を 用 いるすべての 図 及 び 計 算 において 3.4Mtpa を 用 いた 操 業 及 び 実 施 段 階 にある 14 件 のプロジェクトのうち 6 件 (Sleipner Great Plains/Weyburn-Midale In Salah Snøhvit Illinois-ICCS 及 び Gorgon)は 恒 久 的 な 貯 留 を 実 証 する 上 で 十 分 な MMV システム 及 びプロセスを 使 用 して CO 2 の 回 収 輸 送 恒 久 的 貯 留 15

31 を 実 証 するという 点 で 完 全 な CCS プロジェクトとみなされる これら 6 件 のプロジェ クトは 深 部 塩 水 層 に 貯 留 するプロジェクト 及 び MMV を 用 いて EOR を 行 うプロジェクト として 表 1 に 記 載 されている その 他 のプロジェクトは CO 2 の 回 収 輸 送 及 び 圧 入 は 示 さ れているが 恒 久 的 貯 留 の 実 証 と 一 貫 する 更 なる MMV システム 及 びプロセスを 実 施 する ことが 必 要 であろう さらに 開 発 計 画 段 階 にある 多 くのプロジェクトについても 適 切 な MMV システムの 実 施 の 強 化 が 同 様 に 必 要 である 恒 久 的 貯 留 を 実 証 する 完 全 な MMV 制 度 を 含 まない 操 業 中 又 は 建 設 中 のプロジェクトで も 特 に 回 収 における 経 験 上 将 来 の 展 開 が 極 めて 有 望 と 判 断 できることを 理 由 に 当 イ ンスティテュートのプロジェクトリストに 含 めている 通 常 CCS の 回 収 要 素 は CCS 実 証 にかかる 絶 対 的 なコストのうち 圧 倒 的 に 最 大 の 構 成 要 素 である この 回 収 要 素 は 最 もコス ト 削 減 及 び 生 産 の 習 得 効 率 が 必 要 となるところである 2 件 の 発 電 プロジェクトが 実 施 段 階 に 移 行 しており その 他 数 件 のプロジェクトが 最 終 投 資 判 断 を 下 すべきかどうか 間 も なく 判 断 可 能 ということは 回 収 技 術 の 大 規 模 実 証 にとって 重 要 な 節 目 である 現 在 こ れらの 多 くの 発 電 プロジェクトにとって EOR 目 的 ( 及 び 時 としてその 他 の 追 加 的 収 益 源 ) の CO 2 は ビジネス 事 例 の 進 展 の 主 要 な 要 素 の 一 部 になっている 習 得 は 回 収 要 素 のみから 得 られるわけではない 米 国 (さらに 最 近 ではその 他 の 場 所 ) における 40 年 に 及 ぶ CO 2 EOR 操 業 経 験 から 現 在 遂 行 されている 他 の 貯 留 選 択 肢 に 適 合 さ せることが 可 能 な 一 連 のツール 技 法 及 び 経 験 的 手 法 が 開 発 されている 例 えば サイト の 特 性 把 握 のための 作 業 工 程 圧 入 及 び 坑 井 の 完 全 性 に 関 する 手 引 き 詳 細 な 貯 留 層 予 測 シミュレーションモデル CO 2 圧 入 中 圧 入 後 の 様 々な 監 視 技 法 が 挙 げられる したがって CO 2 EOR の 実 践 は EOR の 可 能 性 を 有 する 地 域 での CCS 実 証 において 初 期 の 促 進 剤 のような 役 割 を 果 たすとみなすのが 最 も 好 ましい この 役 割 は 圧 入 された CO 2 の MMV と 併 せて 実 用 的 な 法 律 及 び 規 制 制 度 の 確 立 地 域 社 会 による 受 け 入 れの 促 進 並 びに 恒 久 的 な 貯 留 の 実 証 にとって 重 要 である これらの 課 題 は 当 インスティテュート による 最 近 の CO 2 利 用 に 関 する 報 告 書 (Global CCS Institute and Parsons Brinckerhoff 2011)に おいて 検 討 されている 天 然 ガス 産 業 及 び 化 学 工 程 産 業 において 8 件 の CCS プロジェクトが 操 業 中 であることは これらの 産 業 での 回 収 技 術 の 有 効 性 が 証 明 されていることを 示 している 発 電 部 門 では 回 収 プロセスのスケールアップ 及 びエネルギー 利 用 効 率 の 向 上 という 課 題 が 存 在 するが 燃 焼 後 回 収 プロジェクト(Boundary Dam) 及 び IGCC プロジェクト(Kemper County)の 建 設 が 進 行 中 である この 事 実 は これらの 用 途 に 関 する 技 術 リスクは 管 理 可 能 であり 技 術 的 障 害 は 克 服 可 能 であるということを 示 している 同 様 に 操 業 中 のプロジェクトでは 深 部 塩 水 層 での CO 2 貯 留 及 び EOR が 実 証 されており 貯 留 は 安 全 かつ 達 成 可 能 であることが 証 明 されている 貯 留 に 関 する 今 後 の 課 題 は 圧 入 量 の 増 大 個 別 サイトごとの 経 験 の 蓄 積 及 び 有 効 かつ 適 切 な 規 制 環 境 における MMV の 継 続 的 な 改 善 である 世 界 の 大 規 模 CCS の 勢 いが 全 般 的 に 着 実 な 進 展 として 示 される 一 方 で プロジェク 16

32 トの 展 開 並 びに 政 策 環 境 及 び 事 業 環 境 は 地 域 ごとにそれぞれ 異 なる これら 地 域 ごとの 特 徴 は 以 下 のように 要 約 することができる カナダ- 支 援 を 得 られる 環 境 に 力 強 い 進 展 がある 米 国 - 工 業 プロセスに 既 存 の CO 2 分 離 と CO 2 再 利 用 の 機 会 ( 特 に EOR)が 組 み 合 わされて おり CCS プロジェクトの 機 会 が 得 られやすい しかしながら 国 全 体 での 炭 素 削 減 義 務 が 無 いため 政 府 による 多 額 の 資 金 援 助 が 存 在 していても 発 電 プロジェクト 及 び 石 炭 ガス 化 プロジェクトの 展 望 は 2008 年 又 は 2009 年 よりも 現 在 のほうが 不 確 実 である 欧 州 - 現 在 の 新 規 参 入 者 用 排 出 枞 (NER300)による 資 金 提 供 の 結 果 が 注 目 されており 結 果 は 2012 年 後 半 に 判 明 することが 予 想 される 豪 州 - 政 府 の CCS フラッグシッププログラム(CCS Flagships Program)において 適 格 とさ れる 全 プロジェクトで 貯 留 の 特 性 把 握 に 注 力 している 中 国 -CCS 技 術 の 国 内 での 研 究 開 発 に 注 力 し 特 に CO 2 利 用 に 重 点 を 置 いている 中 東 北 アフリカ(MENA)- 現 時 点 ではプロジェクトはほとんど 存 在 しないが 特 に EOR 目 的 の CO 2 利 用 で 長 期 的 には 機 会 が 見 込 まれる 2011 年 における LSIP の 変 化 2010 年 動 向 報 告 書 以 降 に 保 留 又 は 中 止 となったとみなされている LSIP は 11 件 存 在 し 8 件 が 米 国 3 件 が 欧 州 のものである( 図 8) 名 称 の 変 更 を 含 む 2010 年 報 告 書 以 降 の 詳 細 な プロジェクトの 変 更 の 照 合 結 果 を 付 属 資 料 D に 示 した プロジェクトが 保 留 又 は 中 止 された 理 由 として 最 も 多 く 挙 げられたものは 現 在 の 形 態 及 び 政 策 環 境 では 不 経 済 であるとみなされたことであった 数 件 のプロジェクト 提 案 者 にと っては プロジェクト 開 発 の 次 の 段 階 まで 継 続 するための 資 金 援 助 がないことと CO 2 削 減 政 策 及 び 規 制 に 関 する 不 確 実 性 が CCS ポートフォリオ 内 での 投 資 を 優 先 させるか 代 替 技 術 への 投 資 を 優 先 させるかの 判 断 に 影 響 する 重 要 な 要 素 となっていた 例 えば Shell は ( 現 在 精 査 段 階 にある)カナダでの Quest プロジェクトの 開 発 に 集 中 するためにミシシッピ 州 での Shell CO 2 プロジェクトを 取 り 消 した Rio Tinto は 現 時 点 で 英 国 の Lynemouth 発 電 所 ( 以 前 は North East CCS クラスターの 中 で 定 義 されていた)を CCS 用 に 改 修 することをや めてバイオマスに 転 換 する 決 定 をした 米 国 では Boise White Paper 製 紙 工 場 及 び CEMEX セメントプロジェクトの 両 方 が 米 国 エネルギー 省 による 第 2 段 階 の 融 資 対 象 として 選 出 されず その 後 に 保 留 となった その 結 果 現 在 世 界 のいずれの 地 域 においてもパルプ 製 紙 産 業 及 びセメント 産 業 での 開 発 中 の 大 規 模 CCS プロジェクトは 存 在 しない Mountaineer 発 電 プロジェクトの 場 合 は American Electric Power により 実 施 段 階 に 前 進 しない 主 な 要 因 として 規 制 及 び 政 策 の 不 確 実 性 が 挙 げられた 17

33 図 ~2011 年 における LSIP の 変 化 プ ロジ ェ クト 件 数 2010 年 プロジェクト 取 り 消 し 保 留 再 分 類 新 たに 特 定 2011 年 プロジェクト 新 たに 特 定 された 大 規 模 な CCS プロジェクトは 以 下 の 8 件 である 1. Medicine Bow 石 炭 液 化 (CLT) 施 設 ( 米 国 - 精 査 段 階 )-Medicine Bow Fuel and Power LLC によって 開 発 されたワイオミング 州 の 石 炭 から 輸 送 用 燃 料 を 製 造 する 工 場 であり EOR 目 的 で 最 大 3.6Mtpa の CO 2 回 収 を 提 案 している 2. Kentucky NewGas( 米 国 - 評 価 段 階 )-ConocoPhillips 及 び Peabody Energy によって 共 同 開 発 された 石 炭 ガス 化 合 成 天 然 ガス(SNG) 施 設 であり 陸 域 の 塩 水 層 内 への 貯 留 のた め 最 大 5Mtpa の CO 2 回 収 を 目 指 している 3. Riley Ridge ガス 施 設 ( 米 国 - 評 価 段 階 )-Denbury によって 開 発 中 のガス 精 製 プロジ ェクトであり EOR 目 的 で 約 2.5Mtpa の CO 2 回 収 を 計 画 している 4. UK Oxy CCS Demo( 英 国 - 評 価 段 階 )-Alstom UK Ltd Drax Power Ltd 及 び National Grid plc によって 開 発 されたノースヨークシャーに 所 在 する 新 設 の 酸 素 燃 焼 火 力 発 電 所 であり 沖 合 塩 水 層 内 への 貯 留 を 目 的 とした 2Mtpa の CO 2 回 収 を 目 指 している 5. C. GEN North Killingholme Power( 英 国 - 評 価 段 階 )-C. GEN によって 開 発 された ノースリンカンシャーを 本 拠 とする 新 設 の IGCC 発 電 所 であり 沖 合 塩 水 層 内 への 貯 留 のため 2.5Mtpa 超 の CO 2 回 収 を 計 画 している 6. Pegasus Rotterdam(オランダ- 評 価 段 階 )-ロッテルダム 気 候 イニシアチブ(RCI)の 一 18

34 環 として SEQ International BV によって 開 発 予 定 の 酸 素 燃 焼 天 然 ガス 焚 燃 焼 器 (340MWe)から 沖 合 の 枯 渇 した 油 ガス 層 における 貯 留 を 目 的 とした 2.5Mtpa の CO 2 回 収 を 計 画 している 7. Maritsa TPP CCS(ブルガリア- 特 定 段 階 )- 深 部 塩 水 層 内 での 貯 留 を 目 的 とした 2.5Mtpa の CO 2 回 収 を 目 指 して 改 修 する 発 電 プロジェクトである 8. Sinopec 胜 利 油 田 EOR( 中 国 - 評 価 段 階 )-EOR のため 胜 利 ( 勝 利 ) 発 電 所 から 1Mtpa の CO 2 を 回 収 して 胜 利 ( 勝 利 ) 油 田 に 輸 送 する 計 画 である 多 くのプロジェクトを 再 分 類 した( 付 属 資 料 D) 分 類 の 重 要 な 変 更 点 は 以 下 のとおりで ある 欧 州 カナダ 及 び 中 東 地 域 におけるプロジェクトの 集 まり(クラスター) 又 は 拠 点 (ハブ) は 現 在 は 卖 独 では 表 示 されていない 各 クラスターは それを 構 成 する 個 々のプロジ ェクトに 分 けられている 例 えば Masdar CCS クラスターは 現 在 は Emirates Steel Industries プロジェクト( 精 査 段 階 ) 及 び Emirates Aluminium CCS プロジェクト( 評 価 段 階 )に 分 けられている 同 様 に カナダの Enhance Energy EOR プロジェクト 及 び 英 国 の North East CCS クラスターは プロジェクトを 構 成 していた 個 別 の 回 収 プロジェクト に 分 けられている このような 形 での 分 類 変 更 が 行 われても クラスター 又 はハブの 開 発 が 世 界 的 な CCS の 展 開 に 与 える 影 響 の 重 要 性 は 何 ら 低 下 しない 米 国 における Rangely 及 び Salt Creek EOR プロジェクト( 両 プロジェクトとも 操 業 段 階 )は 現 在 卖 一 の 回 収 源 (Shute Creek ガス 精 製 施 設 )に 統 合 され EOR を 目 的 とする 人 為 起 源 の CO 2 をこれらの 油 田 及 びその 他 の 油 田 に 供 給 している この 再 分 類 は 他 の プロジェクトのリストで CO 2 回 収 施 設 が 強 調 されることについての 当 インスティテュ ートによる 説 明 とも 一 致 する 重 要 な 点 として この 変 更 の 結 果 貯 留 可 能 と 考 えられ る 総 CO 2 量 が 増 加 している これは Shute Creek 施 設 の 回 収 能 力 (7Mtpa に 拡 大 )が 既 述 の Rangely 及 び Salt Creek EOR 操 業 を 併 せたオフテイク( 取 引 量 : 統 合 後 の CO 2 量 は 約 3.5Mtpa)よりも 大 きいためである 今 回 の 再 分 類 の 結 果 操 業 段 階 へ 新 規 に 追 加 され たプロジェクト(Occidental の Century ガス 精 製 施 設 )があるにもかかわらず 同 段 階 にあ るプロジェクト 件 数 は 8 件 のままとなる Rotterdam CCS Network(オランダ- 評 価 段 階 :CO 2 3.4Mtpa)は 構 成 する 主 要 な 大 規 模 プロジェクトが 既 に 当 インスティテュートのデータベース 内 に 存 在 していたため 削 除 されており 重 複 して 集 計 されていた 19

35 2.2 プロジェクトの 詳 細 地 域 別 及 び 件 数 別 LSIP 記 載 されている LSIP のほとんどは 北 米 及 び 欧 州 に 存 在 する( 図 9) 具 体 的 には 米 国 に 25 件 欧 州 に 21 件 のプロジェクトがあり すべての LSIP の 62%を 占 めている さらにカ ナダ(9 件 ) 豪 州 (6 件 ) 中 国 (6 件 )が 続 く 欧 州 内 では 英 国 が 最 多 のプロジェクト 件 数 (7 件 ) を 有 しており 次 にオランダ(4 件 ) 及 びノルウェー(3 件 )が 続 く 現 時 点 では 日 本 インド ロシアなどのその 他 の 重 要 な 排 出 国 では LSIP は 特 定 されていない 図 9 地 域 別 及 び 年 別 LSIP 米 国 欧 州 豪 州 ニュージーランド カナダ 中 国 中 東 その 他 のアジア 諸 国 アフリカ プロジェクト 件 数 任 意 の 年 にこれら 74 件 の LSIP で 貯 留 することが 予 想 される CO 2 量 は 場 所 及 びプロジ ェクトライフサイクル 全 般 において 潜 在 的 な 活 動 レベルを 示 す 別 の 指 標 となる 米 国 は プロジェクト 件 数 だけでなく 回 収 CO 2 量 に 関 しても 最 も 活 発 な 地 域 である( 図 10) 各 年 の 潜 在 的 CO 2 貯 留 量 を 見 た 場 合 6 カ 国 ( 米 国 英 国 オランダ 豪 州 カナダ 中 国 ) が CCS 活 動 の 86%を 占 めている 20

36 図 10 地 域 別 又 は 国 別 の 潜 在 的 CO 2 貯 留 量 米 国 欧 州 カナダ 豪 州 ニュージーランド 中 国 中 東 その 他 のアジア 諸 国 アフリカ 潜 在 的 CO 2 量 (Mtpa) 計 画 実 行 操 業 本 報 告 書 で 取 り 上 げた 74 件 の LSIP を 図 11 の 地 図 上 に 示 し 北 米 欧 州 については 図 12 図 13 にもそれぞれ 示 した これらの 地 図 ではプロジェクトの 産 業 部 門 及 び 貯 留 タイプも 示 している またこれらの 図 中 では 付 属 資 料 C の 詳 細 なプロジェクトリストに 対 応 する 参 照 番 号 を 用 いてプロジェクトを 特 定 した 21

37 図 11 産 業 別 LSIP 世 界 地 図 詳 細 については 地 域 図 を 参 照 世 界 の LSIP 産 業 部 門 発 電 ガス 精 製 複 数 の 回 収 施 設 その 他 の 産 業 貯 留 タイプ EOR( 石 油 増 進 回 収 ) 深 部 塩 水 層 枯 渇 した 油 ガス 層 各 種 / 明 示 せず 22

38 米 国 米 国 は 最 も 動 きのある 市 場 であり 以 下 のような 特 徴 を 有 する 操 業 中 (4 件 ) 建 設 中 (3 件 ) 及 び 開 発 計 画 中 (18 件 )のプロジェクト 件 数 が 最 多 である 3 件 のプロジェクトは 今 後 12 ヶ 月 の 間 に 最 終 投 資 判 断 を 下 すかどうかの 判 断 が 可 能 な 状 態 になることを 明 らかにしている 昨 年 最 多 件 数 のプロジェクトが 保 留 (5 件 ) 又 は 中 止 (3 件 )となった 政 府 によって 多 額 の 実 証 プロジェクト 資 金 が 提 供 されている このようなレベルのプロジェクト 活 動 は 本 章 で 前 述 された CO 2 EOR システムによる 機 会 が 提 供 されていること 及 び 米 国 が 最 高 額 の 政 府 補 助 金 を 特 定 のプロジェクトに 配 分 して いること( 第 4.2 節 )によって 裏 打 ちされている この 点 資 金 配 分 プロセスが 依 然 として 懸 念 され さらには EOR 機 会 の 成 熟 度 が 米 国 よりも 低 い 世 界 の 他 の 数 多 くの 地 域 とは 対 照 的 である 米 国 では CO 2 が 工 業 プロセスの 一 部 として 既 に 回 収 されており( 例 えばガス 精 製 及 び 肥 料 生 産 ) その CO 2 を 用 いる 機 会 が 存 在 する 産 業 は 勢 いづいている これらの 産 業 では 純 度 の 高 い CO 2 流 が 手 元 にあるため 圧 縮 輸 送 及 び 貯 留 に 注 力 している EOR が 最 多 の 米 国 では これら CO 2 回 収 源 パイプライン 及 び 油 田 事 業 者 の 間 で 取 引 を 成 立 させる 上 で の 強 いインセンティブが 存 在 する しかしながら 発 電 及 び SNG など 回 収 コストが 相 対 的 に 高 い 場 合 は CCS に 関 する 強 力 なビジネス 事 例 を 創 出 するのは 容 易 ではない 例 外 も 存 在 しており 例 えば テキサス クリーン エネルギー プロジェクトに 代 表 されるような 複 数 の 質 の 高 い 生 産 物 を 複 合 発 電 モードで 生 み 出 す 石 炭 火 力 発 電 所 を 挙 げることができる これらの 複 数 の 生 産 物 には 電 力 高 付 加 価 値 の 化 学 物 質 及 び CO 2 などがある 米 国 において 現 在 までに 実 現 可 能 なビジネス 事 例 を 創 出 し 実 施 段 階 に 移 行 している 発 電 プロジェクトは 1 件 (Kemper County)である その 他 のプロジェクト 例 えば Antelope Valley プロジェクト 及 び AEP の Mountaineer プロジェクトは 多 額 の 政 府 融 資 を 受 けているにも かかわらず 実 施 段 階 に 進 むことができず 保 留 状 態 になっている これは 国 内 の 炭 素 関 連 法 令 が 存 在 しない 場 合 ( 及 び 相 対 的 回 収 コストが 高 いことを 考 慮 した 場 合 ) CCS を 発 電 プロジェクトに 適 用 しビジネス 事 例 を 創 出 するためには 一 連 のインセンティブが 必 要 なことを 示 している このような 一 連 のインセンティブには 以 下 の 項 目 のすべて 又 は 一 部 を 含 む 1. 多 額 の 連 邦 政 府 補 助 金 ( 数 億 ドル 以 上 の 規 模 )の 継 続 及 び 承 認 されたプロジェクト 所 有 者 にしばしば 先 行 者 としての 税 優 遇 の 追 加 2. 回 収 設 備 操 業 費 増 大 を 補 填 するため 又 は 低 炭 素 ポートフォリオ 義 務 を 満 たすため 州 が 電 力 料 金 による 回 収 ( 一 部 又 は 全 額 )を 認 める 準 備 を 整 える( 例 えば カリフォルニア 州 の 温 暖 化 対 策 法 (Climate Legislation AB32) ) 3. CCS を 用 いるプロジェクトの 資 本 コスト 及 び 操 業 費 の 追 加 分 を 補 填 するためのローン 23

39 保 証 及 び 税 額 控 除 4. EOR 用 CO 2 を 含 むその 他 の 有 価 生 成 物 の 販 売 を 通 じて 収 入 を 生 み 出 すためのオフテイ ク( 取 引 量 ) 契 約 2011 年 中 の 顕 著 な 展 開 として 新 たな 所 有 者 として 有 望 な SCS Energy LLC との 契 約 を 期 待 し Rio Tinto 及 び BP が 水 素 エネルギー カリフォルニア プロジェクトから 撤 退 した ことが 挙 げられる SCS Energy LLC は テキサス クリーン エネルギー プロジェクト と 同 様 の 複 合 発 電 施 設 として 同 プロジェクトを 再 構 成 することを 意 図 している 米 国 の 七 つの 炭 素 隔 離 地 域 パートナーシップ(Regional Carbon Sequestration Partnerships, RCSP)が 実 施 している 事 業 に 注 目 することは 重 要 である これらパートナーシップは 数 多 く の CCS 手 法 の 利 点 を 比 較 調 査 する 全 国 ネットワークを 形 成 しており これにより 世 界 の 他 地 域 に 幅 広 く 適 用 可 能 となる 米 国 の 異 なる 地 域 にとって 最 適 な CCS 手 法 を 見 極 めるこ とができるようになる パートナーシッププログラムは NETL が 管 理 している パートナーシッププロジェクトの 一 つ( 中 西 部 地 層 貯 留 コンソーシアム(MGSC)イリノイ 盆 地 -Decatur 試 験 圧 入 )が 2011 年 後 半 に 圧 入 を 開 始 することが 予 想 される CO 2 はイリノ イ 州 Decatur に 所 在 する Archer Daniels Midland(ADM)エタノール 工 場 から 回 収 され 圧 縮 後 に 付 近 の 深 部 塩 水 層 内 に 圧 入 される 計 画 されている 回 収 圧 入 量 (CO 2 1,000 トン/ 日 す なわち 36 万 5,000 トン/ 年 )は 大 量 であり 当 インスティテュートの 産 業 施 設 を 対 象 とする LSIP の 規 模 判 定 基 準 に 非 常 に 近 い この 試 験 圧 入 プロジェクトは 3 年 間 操 業 することが 予 想 され 総 CO 2 圧 入 量 は 約 100 万 トンになる 当 インスティテュートの LSIP リストにはこ れよりも 大 規 模 な もう 1 件 のプロジェクト(ADM エタノール 工 場 から 回 収 された 1Mtpa の CO 2 を 用 いるイリノイ 州 ICCS プロジェクト)が 含 まれており これは 現 在 実 施 段 階 にある 24

40 図 12 北 米 の 産 業 別 LSIP 地 図 北 米 の LSIP 産 業 部 門 発 電 ガス 精 製 合 成 天 然 ガス 肥 料 生 産 石 油 精 製 石 炭 液 化 エタノール 工 場 水 素 貯 留 タイプ EOR( 石 油 増 進 回 収 ) 深 部 塩 水 層 各 種 / 明 示 せず 25

41 カナダ カナダの CO 2 排 出 削 減 戦 略 では CCS が 引 き 続 き 主 要 な 役 割 を 果 たしており プロジェ クトのための 政 策 制 度 及 び 資 金 援 助 基 盤 の 進 展 において 州 レベルで 大 きな 前 進 を 遂 げて いる CO 2 EOR 及 びオイルサンドの 可 能 性 が 引 き 続 き CCS プロジェクト 開 発 の 動 機 とな っている 過 去 12 ヶ 月 でプロジェクト 開 発 に 対 して 影 響 を 与 えた 主 な 要 素 は 以 下 のとおりである 2011 年 5 月 アルバータ 州 CO 2 貯 留 借 地 権 規 則 (Carbon Sequestration Tenure Regulation) に 基 づき Shell が Quest プロジェクトのための CO 2 貯 留 権 を 申 請 した Shell は 財 政 許 認 可 及 び 地 域 社 会 による 承 認 に 関 する 課 題 が 順 調 に 進 展 した 場 合 2012 年 中 に 最 終 投 資 判 断 が 可 能 と 述 べている 2011 年 4 月 SaskPower は サスカチュワン 州 政 府 より Boundary Dam の CCS 部 分 の 進 行 に 対 する 承 認 を 得 た 2011 年 3 月 アルバータ 州 政 府 は CCS の 全 要 素 に 関 する 世 界 で 通 用 する 規 制 の 策 定 を 目 的 と す る 大 規 模 な プ ロ ジ ェ ク ト で あ る 規 制 枞 組 評 価 (Regulatory Framework Assessment) プロセスを 開 始 した 2011 年 2 月 アルバータ 州 政 府 がアルバータ 州 CO 2 幹 線 パイプライン(ACTL)に 関 する 4 億 9,500 万 カナダドルの 補 助 金 契 約 を Enhance Energy と 締 結 した この 決 定 はアルバータ 州 エネルギー 資 源 保 護 委 員 会 によるパイプライン 建 設 の 承 認 を 得 たことで 更 に 強 化 さ れている 2010 年 11 月 アルバータ 州 政 府 が CCS 実 証 に 重 要 ないくつかの 障 壁 に 対 処 することを 目 的 とする CO 2 回 収 貯 留 規 則 改 正 法 (Carbon Capture and Storage Statutes Amendment Act) を 導 入 した 特 に 同 法 は 既 存 の 法 律 を 改 正 し CO 2 を 貯 留 するための 孔 隙 空 間 の 利 用 を 模 索 する 企 業 向 けの 仕 組 み 並 びに 監 視 及 び 閉 鎖 計 画 に 対 する 関 連 要 件 を 規 定 している この 法 律 により アルバータ 州 は 一 定 の 条 件 が 満 たされた 後 は 貯 留 CO 2 について 長 期 的 な 責 任 を 負 うことになる これらの 条 件 については 規 制 枞 組 評 価 を 通 じて 現 在 策 定 中 である 2011 年 4 月 には 孔 隙 空 間 借 地 権 申 請 条 件 を 設 定 した CO 2 貯 留 借 地 権 規 則 が 公 表 された カナダでは 以 下 のプロジェクトを 含 む 堅 調 な 大 規 模 CCS 実 証 プログラムが 継 続 中 である Great Plains/Weyburn-Midale プロジェクト- 約 3Mtpa の CO 2 圧 入 を 継 続 中 実 施 段 階 にある 2 件 のプロジェクト-Boundary Dam 及 び ACTL を 用 いる Agrium CO 2 回 収 2012 年 に 最 終 投 資 判 断 を 下 すかが 決 定 されると 思 われる 3 件 のプロジェクト- 政 府 によ る 2 億 8,500 万 カナダドルの 資 金 援 助 契 約 を 締 結 済 みである Swan Hills Synfuels 8 億 6,500 万 カナダドルの 資 金 援 助 契 約 を 締 結 済 みである Quest 及 び 7 億 7,900 万 カナダドルの 資 金 援 助 の 交 渉 が 進 んでいる Project Pioneer 26

42 図 13 欧 州 の 産 業 別 LSIP 地 図 欧 州 の LSIP 産 業 部 門 発 電 ガス 精 製 鉄 鋼 生 産 水 素 生 産 その 他 の 産 業 貯 留 タイプ EOR( 石 油 増 進 回 収 ) 深 部 塩 水 層 枯 渇 した 油 ガス 層 各 種 / 明 示 せず 27

43 欧 州 2010 年 報 告 書 発 行 以 降 欧 州 で 最 も 重 要 な 展 開 がみられたのは 欧 州 連 合 (EU) 加 盟 国 であ る 加 盟 各 国 は NER300 融 資 プログラムの 第 1 回 融 資 のために 欧 州 委 員 会 (EC)へ CCS プ ロジェクトに 関 する 報 告 を 行 っている 2011 年 5 月 には 欧 州 投 資 銀 行 (EIB)の 評 価 を 受 け るため 合 計 65 件 の 再 生 可 能 エネルギープロジェクトと 13 件 の CCS プロジェクトに 関 す る 提 案 書 が EC に 提 出 された EC は 2012 年 後 半 に NER300 融 資 プログラムの 第 1 回 融 資 の 結 果 を 明 らかにする 意 向 である NER300 プログラム 全 体 からの 融 資 で 4~6 件 の 大 規 模 CCS プロジェクトを 支 援 可 能 であると 思 われるが 同 融 資 は 申 請 されたプロジェクトの 質 及 び 競 争 入 札 で 決 定 された 支 給 金 の 金 額 に 左 右 される これらの 支 援 を 受 けたプロジェクトは 融 資 決 定 の 通 知 後 4 年 以 内 に 操 業 すると 期 待 されている 報 告 された 13 件 の CCS プロジェ クトを 表 2 に 要 約 した 表 2 NER300 のため 欧 州 委 員 会 へ 提 出 された CCS プロジェクト 申 請 CCS プロジェクト 分 類 提 出 されたプロジェクト 名 プロジェクト 件 数 発 電 ( 燃 焼 前 ) C.GEN North Killingholme( 英 国 ) 3 Don Valley( 英 国 ) Eston Grange CCS( 英 国 ) 発 電 ( 燃 焼 後 ) Getica CCS 実 証 (ルーマニア) 6 Bełchatów(ポーランド) Porto Tolle(イタリア) Longannet( 英 国 ) Peel Energy CCS( 英 国 ) Peterhead Gas CCS( 英 国 ) 発 電 ( 酸 素 燃 焼 ) UK Oxy CCS 実 証 ( 英 国 ) 2 Vattenfall Jänschwalde(ドイツ) 産 業 応 用 ULCOS- 高 炉 (フランス)- 鉄 鋼 製 造 Green Hydrogen(オランダ)- 水 素 製 造 2 CCS 関 連 の 提 出 から 以 下 のとおり 考 察 できる 7 カ 国 が NER300 融 資 プログラムの 資 金 を 求 めて EC へプロジェクトを 申 請 した 発 電 部 門 の 三 つの 分 類 にわたる 7 件 のプロジェクト 案 が 英 国 政 府 により 提 出 された 英 国 政 府 のみが 発 電 の 燃 焼 前 分 類 についての 申 請 書 を 提 出 した 大 多 数 のプロジェクトは 発 電 関 連 であり 一 般 的 にこれらプロジェクトの 回 収 技 術 は 貯 留 要 素 よりも 成 熟 度 が 高 い 欧 州 では 沖 合 貯 留 を 提 案 する 尐 なくとも 9 件 のプロジェクトに 関 して 回 収 された CO 2 の 戦 略 的 に 重 要 な 沖 合 貯 留 サイトの 特 定 と 許 可 取 得 が 落 札 する 上 での 鍵 にな 28

44 るという 認 識 が 高 まりつつある 特 に Don Valley に 見 込 まれる 財 政 的 裏 打 ちとして 北 海 での EOR に 基 づくモデルの 適 用 可 能 性 に 関 心 が 高 まりつつある オランダ 政 府 は 検 討 のために 産 業 界 から 提 出 された 4 件 のプロジェクトのうち Air Liquide による Green Hydrogen プロジェクトのみを 提 出 した 発 電 関 連 ではないこのプ ロジェクトは NER300 融 資 プログラムにおいて 融 資 が 認 められた 場 合 には オランダ 政 府 からも 9,000 万 ユーロの 融 資 を 受 けることになる Bełchatów(ポーランド) Porto Tolle(イタリア) Don Valley 発 電 プロジェクト( 英 国 : 旧 プロジェクト 名 は Hatfield) 及 び Jänschwalde(ドイツ) の 4 件 のプロジェクトは 既 に 回 復 のための 欧 州 エネルギープログラム(EEPR)を 通 じて 融 資 を 受 けている ノルウェー 政 府 はさらに Bełchatów プロジェクトへの 1 億 3,700 万 ユーロの 追 加 融 資 も 発 表 している ( 訳 注 : Jänschwalde は 2012 年 12 月 にプロジェクトが 中 止 された) イタリアの Porto Tolle プロジェクトは 検 討 のため EC に 提 出 されたが その 基 礎 とな る 発 電 所 に 関 する 許 認 可 を 2011 年 初 めに 得 ることができなかった 当 インスティテ ュートでは ENEL が 国 家 評 議 会 による 以 前 の 裁 定 が 提 起 した 同 プロジェクトへの 異 議 について 環 境 省 に 再 審 査 を 要 請 していると 理 解 している EIB は 多 くの 判 定 基 準 ( 特 に CO 2 削 減 コスト 及 びプロジェクトの 財 政 的 実 現 可 能 性 )に 照 らして NER300 提 出 案 を 評 価 する それとは 別 に EC はプロジェクトに 提 供 する 資 金 援 助 の 内 容 に 関 して 加 盟 国 と 協 議 し さらに 当 該 提 出 案 が 融 資 招 請 に 明 記 される 様 々な 技 術 を 実 証 する 能 力 ( 及 び 入 手 可 能 な 資 金 )について 評 価 する その 他 の 展 開 を 以 下 に 示 した オランダの ROAD プロジェクトは 2012 年 初 めに 最 終 投 資 判 断 を 下 すかどうかを 判 断 できる 状 態 となるべく EEPR を 通 じて 受 け 取 った 1 億 8,000 万 ユーロ( 及 びオランダ 政 府 からの 追 加 の 1 億 5,000 万 ユーロ)を 用 いる 計 画 であり NER300 プログラムに 対 して は 提 案 書 を 提 出 していない 英 国 は 引 き 続 き Longannet のプログラム 支 援 に 関 する 交 渉 を 決 着 させる 方 向 で 動 いてお り 2011 年 末 までに 最 終 決 定 がされる 予 定 である さらに 英 国 政 府 は 2~4 件 のプロ ジェクトを 対 象 とする 一 般 歳 入 からの 支 援 を 発 表 しており その 競 争 手 続 が 2012 年 初 めに 発 表 される 予 定 である ( 訳 注 :Longannet は 2012 年 10 月 にプロジェクトが 中 止 された) スペインの Compostilla プロジェクトも 1 億 8,000 万 ユーロの EEPR 融 資 を 受 けた しか し スペイン 当 局 は NER300 プログラムに 基 づく 融 資 を 受 けるためのプロジェクト 開 発 者 からの 提 案 書 を EC に 提 出 しなかった 29

45 豪 州 豪 州 では 顕 著 な EOR の 可 能 性 も 枯 渇 油 ガス 田 も 存 在 せず 加 えて 近 い 将 来 それらを 利 用 できる 可 能 性 もないため 短 期 的 な 貯 留 選 択 肢 の 準 備 ができていない 状 態 である これ により 適 切 な 塩 水 層 貯 留 の 探 索 がすべての 大 規 模 CCS プロジェクトにとっての 要 件 とな っている 現 在 実 施 段 階 にある 豪 州 唯 一 のプロジェクトである Gorgon CO 2 圧 入 プロジ ェクトでも 塩 水 層 貯 留 が 用 いられている なお 同 プロジェクトに 関 する 詳 細 なケース スタディを 本 章 の 最 後 に 示 した 2011 年 6 月 豪 州 政 府 はこのような 背 景 のもと 回 収 された CO 2 の 貯 留 に 適 する 可 能 性 がある 貯 留 サイトの 調 査 研 究 及 び 主 要 な CO 2 排 出 源 付 近 における 輸 送 インフラの 整 備 の 加 速 化 を 目 的 とする 国 家 CO 2 インフラ 計 画 (National CO 2 Infrastructure Plan)に 対 し 6,090 万 豪 ドルの 融 資 を 発 表 した 同 計 画 には 全 国 的 な CO 2 掘 削 リグ( 採 掘 施 設 )の 設 置 戦 略 の 策 定 及 び 当 該 インフラの 需 要 評 価 が 含 まれている また 豪 州 政 府 は 16 億 8,000 万 豪 ドルの CCS フラッグシッププログラムに 基 づく 融 資 対 象 として Collie Hub プロジェクトを 選 定 したことを 発 表 した Collie Hub プロジェクトの 基 本 ケース では 西 オーストラリア 州 パースの 单 に 位 置 する 工 場 から 排 出 される 約 2.5Mtpa の CO 2 回 収 を 目 指 している 豪 州 政 府 は 同 プロジェクトを 次 の 意 思 決 定 段 階 に 移 行 させる ために 必 要 な 研 究 の 支 援 資 金 として 5,200 万 豪 ドルを 提 供 する 予 定 である プロジェクト 開 発 の 次 の 段 階 の 重 要 な 側 面 の 一 つに 詳 細 な 貯 留 実 施 可 能 性 に 関 する 研 究 を 完 了 させるこ とがある 初 期 の 研 究 では 单 パース 盆 地 内 の Lesueur 層 が 最 も 可 能 性 のある CO 2 貯 留 サイト として 特 定 されている 豪 州 政 府 はまた ビクトリア 州 の CarbonNet プロジェクトやクィーンズランド 州 の Wandoan プロジェクトなど 他 の 大 規 模 な 豪 州 CCS プロジェクトを 推 進 し 続 けることを 発 表 している これらの 二 つのプロジェクトは Collie Hub プロジェクトと 同 様 当 初 は CO 2 貯 留 層 の 開 発 及 び 関 連 する 地 域 の 関 与 に 重 点 を 置 く 中 国 中 国 は 依 然 として CCS 実 施 にとって 最 も 重 要 かつ 困 難 な 市 場 の 一 つである 大 規 模 な CCS 技 術 のコストが 高 いこと エネルギー 損 失 が 大 きいこと 及 び 未 成 熟 性 が 中 国 の 利 害 関 係 者 にとって 共 通 の 主 要 な 懸 念 事 項 として 挙 げられている 中 国 の GHG 排 出 量 を 削 減 す るための 現 在 の 対 策 は エネルギー 利 用 効 率 の 向 上 省 エネ 及 び 化 石 燃 料 以 外 のエネルギ ー 源 の 割 合 を 増 加 させることに 重 点 が 置 かれている しかし 中 国 の 中 央 政 府 の 認 識 は これらの 技 術 の 選 択 肢 は 引 き 続 き 重 要 ではあるが その 進 展 には 限 界 があり 特 に 中 長 期 においては CCS も 中 国 の 気 候 変 動 緩 和 戦 略 において 重 要 な 役 割 を 果 たす 必 要 があるとす る 方 向 へ 高 まりつつある この 認 識 が 国 内 での 低 炭 素 技 術 の 育 成 を 促 進 する 意 欲 と 併 せ 中 国 における CCS の 開 発 の 促 進 を 継 続 させることになるであろう 当 インスティテュートが 特 定 した 中 国 における 6 件 の LSIP は その 大 部 分 が 計 画 段 階 に 30

46 ある これらのプロジェクトのほとんどが 中 国 の 国 有 の 大 規 模 な 電 力 会 社 石 油 会 社 及 び ガス 会 社 によって 実 施 されている 最 も 目 を 引 くプロジェクトの 一 部 として Greengen IGCC プロジェクト 及 び 神 華 (Shenhua) 石 炭 液 化 (CTL) 施 設 (オルドス 市 )を 挙 げることができ る これらのプロジェクトには 国 家 発 展 改 革 委 員 会 (NDRC)などの 政 府 機 関 による 支 援 があ り 開 発 銀 行 非 政 府 組 織 (NGO) 及 び 産 業 界 などの 国 際 的 なパートナーも 参 加 している CO 2 利 用 は CCS を 商 業 的 に 実 現 可 能 な 選 択 肢 とする 上 で 極 めて 重 要 であるとみなされて いる 中 国 の 多 くの 企 業 は 既 に CO 2 を 回 収 して 利 用 しており その 利 用 目 的 としては 食 料 や 清 涼 飲 料 肥 料 藻 類 の 生 育 及 び EOR が 含 まれる この 点 に 関 する 中 国 の 注 力 は 短 期 的 には 継 続 される 見 込 みである 例 えば Sinopec では 0.04Mtpa の CO 2 を EOR のために 回 収 する 統 合 パイロット 施 設 を 現 在 操 業 中 である Sinopec はこの 経 験 に 基 づき 同 施 設 の 能 力 を 1Mtpa の CO 2 回 収 にまで 拡 張 するプログラムに 着 手 しており(フェーズ II) CO 2 EOR を 対 象 とする 地 質 調 査 環 境 への 影 響 及 びその 他 の 分 野 に 関 する 一 連 の 調 査 研 究 プログ ラムが 実 施 されることになる なお 同 EOR 施 設 のフェーズ II は 2014 年 に 完 了 すると 予 想 される 日 本 日 本 政 府 は 自 国 の CO 2 排 出 量 の 削 減 を 約 束 している 2011 年 3 月 の 地 震 及 び 津 波 以 降 政 府 はエネルギー 基 本 計 画 を 見 直 しており 尐 なくとも 短 期 的 には 化 石 燃 料 への 依 存 度 が 高 くなる 見 込 みである 同 計 画 の 見 直 しは 排 出 量 削 減 目 標 に 沿 って 検 討 中 であり CCS の 適 用 が 含 まれる 可 能 性 がある 経 済 産 業 省 (METI)は 現 在 北 海 道 での 実 証 プロジェクトの 開 発 に 融 資 している 同 プロジ ェクトは 日 本 の 北 に 位 置 する 海 底 下 1,000m 以 深 の 沖 合 深 部 塩 水 層 への 貯 留 のため 年 間 10 万 トン 以 上 の CO 2 の 回 収 を 目 指 している 日 本 CCS 調 査 株 式 会 社 が 同 プロジェクトを 支 援 するために CO 2 貯 留 に 適 した 地 層 の 特 定 及 び 探 査 を 目 的 とする 3D 地 震 探 査 及 び 試 錐 孔 の 掘 削 を 実 施 している 同 プロジェクトの 開 発 予 算 は 2010 年 度 には 約 59 億 円 2011 年 度 には 49 億 円 となっている 韓 国 韓 国 では CCS 施 設 の 商 業 展 開 及 び 世 界 的 な 技 術 競 争 力 の 獲 得 を 2020 年 までに 実 現 する ことを 目 指 している 現 在 開 発 中 の 2 件 の LSIP を 以 下 に 示 した Korea-CCS 年 までに 300MW 石 炭 火 力 発 電 所 から 排 出 される 最 大 1.2Mtpa の CO 2 を 回 収 して 深 部 塩 水 層 に 貯 留 するために 燃 焼 後 技 術 を 用 いることを 提 案 している Korea-CCS 年 までに 1.2Mtpa の CO 2 を 回 収 して 深 部 塩 水 層 に 貯 留 するために 燃 焼 前 技 術 を 用 いた IGCC 又 は 酸 素 燃 焼 技 術 を 用 いることを 提 案 している 韓 国 政 府 は 沖 合 のウルルン( 鬱 陵 ) 盆 地 の 貯 留 容 量 評 価 及 び 地 質 調 査 に 着 手 しており 現 31

47 在 は 船 舶 輸 送 を 検 討 中 である 中 東 中 東 は CCS が 非 常 に 有 望 な 地 域 である 同 地 域 は CCS にとって 有 利 となる 様 々な 促 進 要 素 及 び 自 然 特 性 を 有 する 例 えば EOR 及 び 深 部 塩 水 層 貯 留 の 潜 在 的 可 能 性 が 高 く さらに 豊 富 な 地 質 データが 存 在 する 電 力 需 要 が 大 きく かつ 増 大 し 続 けており 同 電 力 需 要 のすべてに 天 然 ガスで 応 じられ る 可 能 性 は 低 い その 他 の 燃 料 特 に 石 炭 の 使 用 が 必 要 とされるであろう 特 に 多 くの CO 2 大 量 排 出 部 門 (ガス 精 製 石 油 精 製 製 鋼 化 学 工 程 肥 料 など)におい て 産 業 基 盤 が 急 速 に 拡 大 中 である 既 存 の CO 2 排 出 源 と 潜 在 的 な CO 2 シンクの 位 置 が 顕 著 に 重 なり 合 っている 気 候 変 動 に 対 する 認 識 が 高 まりつつあり さらに 対 策 も 強 化 されつつある 高 い 可 能 性 が 存 在 する 一 方 で 同 地 域 における CCS の 実 証 は 本 格 実 施 に 向 けての 重 要 な 先 行 活 動 であるとみられている この 地 域 における CCS の 実 証 に 寄 与 するように 設 計 され た 重 要 なイニシアチブは アブダビの Masdar プログラムである 同 プログラムは 全 体 とし て アラブ 首 長 国 連 邦 を 対 象 とする 様 々な 再 生 可 能 エネルギー 及 び 代 替 燃 料 に 関 する 選 択 肢 を 検 討 するために 設 計 されたクリーンエネルギーイニシアチブである Masdar プログラ ムを 通 じて 3 件 の CCS プロジェクトが 支 援 されており これらのプロジェクトはすべて EOR を 目 的 とする CO 2 の 利 用 に 主 眼 を 置 いている Emirates Steel Industries- 鉄 鋼 Emirates Aluminium CCS- 発 電 ( 燃 焼 後 回 収 ) Hydrogen Power Abu Dhabi(Masdar と BP の 合 弁 事 業 )- 発 電 ( 燃 焼 前 回 収 ) 同 地 域 は 数 年 間 にわたり UNFCCC のクリーン 開 発 メカニズム(CDM)に CCS を 含 むよう 積 極 的 に 提 唱 してきている CCS を CDM に 含 めることは 商 業 化 に 近 いプロジェクトを 実 現 可 能 な 事 業 に 傾 かせることによって 中 東 での CCS の 開 発 を 更 に 促 進 させることが 可 能 にする 発 展 途 上 国 発 展 途 上 国 に LSIP が 存 在 しないことは 注 目 に 値 する 先 進 国 がビジネス 事 例 を 構 築 する のに 苦 闘 しているのであれば 他 の 優 先 事 項 がある 発 展 途 上 国 は より 大 きな 課 題 に 直 面 するであろう 現 状 で 発 展 途 上 国 における CCS 実 証 プロジェクトを 支 援 する 上 での 一 つの 重 要 な 道 筋 は CCS が CDM( 又 は 京 都 議 定 書 後 の 将 来 的 なメカニズム)に 含 まれることである 2010 年 末 に メキシコのカンクンで 開 催 された COP16 での 気 候 変 動 に 関 する 議 論 において 重 要 な 決 定 文 書 が 採 択 され UNFCCC の 目 的 の 枞 内 の 緩 和 策 としての CCS の 利 点 及 び CDM に 基 づく 取 引 可 能 な 排 出 権 を 体 系 的 に 生 み 出 せるようにすることが 正 当 化 された この 決 定 により 32

48 最 終 的 には CCS の 制 度 を 規 定 する 将 来 の UNFCCC の 仕 組 み( 技 術 財 政 将 来 の 市 場 な ど)に 基 づく 枞 組 み 及 び/ 又 は 各 国 政 府 の 政 策 における 採 択 に 基 づく 枞 組 みが 確 立 されるこ とになるであろう 将 来 の UNFCCC メカニズムに CCS を 含 めることは CCS プロジェクトの 資 金 調 達 に 寄 与 するであろう 資 金 が 入 手 可 能 になることで 発 展 途 上 国 と 先 進 国 の 両 方 が 発 展 途 上 国 に おける CCS 実 証 プロジェクトに 関 心 を 持 つことが 促 進 されるであろう エネルギー 及 び 建 設 資 材 の 需 要 は 高 いが 炭 素 価 格 設 定 の 早 期 採 用 の 見 込 みは 低 い 新 興 経 済 国 及 び 発 展 途 上 国 において CO 2 の 利 用 は 大 規 模 な CCS 実 証 プロジェクトの 重 要 な 構 成 要 素 になると 予 想 される 技 術 的 成 熟 度 及 び CO 2 の 利 用 可 能 性 から その 主 な 焦 点 は EOR になる 見 込 みであるが その 他 の 技 術 例 えば 炭 酸 塩 固 定 コンクリート 養 生 ボーキサ イト 残 渣 の 中 和 炭 層 メタン 増 進 回 収 尿 素 生 産 量 の 増 大 及 び 再 生 可 能 メタノールも 関 心 の 的 になると 思 われる 人 材 開 発 発 展 途 上 国 における CCS 実 証 を 制 約 することになる 一 つの 大 きな 要 素 は 人 的 能 力 であ る CCS を 実 施 するためにはプロジェクトの 操 業 を 促 進 するための 技 術 的 及 び 専 門 的 労 働 力 が 必 要 となる 石 油 ガス 部 門 の 既 存 の 専 門 性 を 発 展 させることは CCS においても 関 連 するプロセスに 既 に 精 通 している 可 能 性 があるため 国 内 で CCS の 専 門 性 を 発 展 させる ための 早 期 の 機 会 をもたらすことになる 発 展 途 上 国 が CCS ライフサイクルに 沿 って 前 進 するに 従 い 技 術 の 人 材 開 発 活 動 の 必 要 性 が 増 大 することになる 産 業 部 門 別 LSIP 産 業 部 門 別 LSIP の 分 布 は 過 去 3 年 間 ほとんど 変 化 していない( 図 14) 大 量 の CO 2 を 排 出 する 固 定 排 出 源 であり それ 故 に 政 府 の 削 減 対 策 資 金 の 最 大 の 受 け 手 である 発 電 部 門 のプ ロジェクトが 圧 倒 的 に 多 い(LSIP 42 件 ) さらに ガス 精 製 部 門 のプロジェクト 件 数 も 引 き 続 き 相 応 に 安 定 しており 同 部 門 での CCS の 利 用 を 推 進 する 要 素 が 非 常 に 進 んでいるケー スもある 33

49 図 14 産 業 部 門 別 及 び 年 別 の LSIP 発 電 天 然 ガス 精 製 合 成 天 然 ガス 肥 料 生 産 石 炭 液 化 (CTL) 水 素 生 産 鉄 鋼 生 産 石 油 精 製 化 学 品 生 産 セメント 生 産 パルプ 製 紙 その 他 プロジェクト 件 数 2010 年 報 告 書 以 降 天 然 ガス 精 製 を 通 じて 除 去 された CO 2 量 が 全 体 的 に 増 大 しており さらに CO 2 量 が 実 施 段 階 から 操 業 段 階 へ 大 幅 に 移 行 している( 図 15) 前 者 は Riley Ridge プロジェクトがリストに 追 加 されたこと(2.5Mtpa 評 価 段 階 ) 及 び Shute Creek 施 設 における CO 2 回 収 能 力 の 増 大 (4Mtpa から 7Mtpa に 増 大 )を 反 映 している Shute Creek 施 設 に おけるこの 増 大 により 2010 年 後 期 の Century Plant の 第 1 フェーズの 開 始 と 併 せて 操 業 段 階 の CO 2 回 収 能 力 の 大 幅 な 増 大 につながっている 34

50 図 15 産 業 部 門 別 及 び 年 別 の CO 2 回 収 量 発 電 2011 年 2010 年 天 然 ガス 精 製 2011 年 2010 年 その 他 の 産 業 2011 年 2010 年 潜 在 的 CO 2 量 (Mtpa) 計 画 実 行 操 業 前 述 したように 現 在 発 電 産 業 における 2 件 のプロジェクトが 実 施 段 階 にあり いく つかのプロジェクトが 最 終 投 資 判 断 に 進 むかどうかの 判 断 を 今 後 12 ヶ 月 以 内 に 行 う 見 込 み であることは 前 向 きな 展 開 である その 他 の 産 業 における CCS 実 証 動 向 に 関 しては 現 在 は 目 立 った 融 資 もなく 勢 いに 欠 け ている 数 件 のプロジェクトが 操 業 中 であるが これらのプロジェクトはプロセスの 一 環 として CO 2 が 除 去 される 肥 料 部 門 及 び 合 成 燃 料 部 門 であり 何 十 年 間 も 実 施 されてきてい ることである その 他 の 部 門 においても CCS 利 用 に 関 心 が 持 たれている 一 方 で その 量 を 見 ると 活 動 は 最 小 限 のレベルである 鉄 鋼 セメント 及 びパルプ 製 紙 などの 大 量 排 出 部 門 では ほとんど あるいは 全 くプロジェクトが 存 在 していない 大 規 模 な 実 証 プロジェ クトはその 特 定 から 操 業 に 至 るまで 長 い 期 間 を 要 する 可 能 性 があるため これら 他 の 産 業 における 勢 いの 欠 如 は 将 来 の 排 出 削 減 に 問 題 となるおそれがある これら 他 産 業 のみを 対 象 とした 融 資 がない 限 り 2020 年 までにこれらの 部 門 において CCS が 実 証 される 可 能 性 は 低 いであろう 回 収 技 術 別 LSIP 操 業 及 び 実 施 段 階 にある LSIP によって 最 も 多 く 選 択 されている 回 収 技 術 は 燃 焼 前 回 収 である( 図 16) 燃 焼 前 回 収 は ガス 精 製 合 成 燃 料 及 び 肥 料 生 産 において 長 い 歴 史 を 有 するが 発 電 における 応 用 は 最 近 のことである 例 えば Kemper County は 建 設 段 階 に 入 っている 初 の CCS 適 用 燃 焼 前 発 電 プロジェクトであり 3.5Mtpa の CO 2 回 収 を 計 画 して 35

51 いる 発 電 部 門 における 燃 焼 後 回 収 技 術 も 最 近 建 設 段 階 に 移 行 しており Boundary Dam では 1Mtpa の CO 2 回 収 を 目 指 している 他 の 部 門 における 燃 焼 後 回 収 の 適 用 及 び 大 規 模 な 操 業 は まだ 広 範 な 試 験 が 実 施 されていない 状 況 である 開 発 計 画 段 階 にあるほとんどの CCS プロジェクトでは 燃 焼 前 及 び 燃 焼 後 回 収 技 術 の 使 用 を 提 案 しており 計 画 されているすべてのプロジェクトの それぞれ 55% 及 び 27%を 占 めている 酸 素 燃 焼 による CO 2 回 収 はまだ 数 多 くは 計 画 されていないものの 成 熟 しつつあ り この 技 術 を 利 用 する 5 件 のプロジェクトが 精 査 又 は 評 価 段 階 にある CO 2 回 収 技 術 の 成 熟 度 に 関 する 更 なる 詳 細 は 本 報 告 書 の 第 3.1 節 に 示 している 図 16 回 収 タイプ 別 及 び 回 収 プロジェクトライフサイクル 段 階 別 の CO 2 回 収 量 燃 焼 前 燃 焼 後 酸 素 燃 焼 工 業 的 分 離 明 示 せず/その 他 潜 在 的 CO 2 量 (Mtpa) 特 定 精 査 操 業 評 価 実 施 燃 焼 前 回 収 は 北 米 及 び 中 国 で 最 も 多 く 選 択 されている CO 2 回 収 技 術 であり( 米 国 内 の 全 プ ロジェクトの 88% カナダ 67% 及 び 中 国 83%) 一 方 で 燃 焼 後 回 収 は 欧 州 において 最 も 多 く 推 し 進 められており 全 CCS プロジェクトの 48%を 占 めている( 図 17) この 傾 向 は 北 米 と 欧 州 における 政 府 補 助 金 の 配 分 の 違 いが 反 映 されたものであり 米 国 には 多 数 のガス 精 製 プロジェクト 及 び SNG プロジェクトが 存 在 する 36

52 図 17 回 収 タイプ 別 及 び 地 域 別 LSIP 米 国 欧 州 カナダ 豪 州 ニュージーランド 中 国 中 東 その 他 のアジア 諸 国 アフリカ プロジェクト 件 数 燃 焼 前 酸 素 燃 焼 明 示 せず/その 他 燃 焼 後 工 業 用 分 離 輸 送 タイプ 別 LSIP 全 LSIP の 約 95%が 貯 留 サイトへの CO 2 輸 送 にパイプラインを 使 用 し 又 は 提 案 している 輸 送 は 統 合 上 の 課 題 が 十 分 に 理 解 されているとみなされているため 提 案 者 にとっては 優 先 度 が 低 いままのようである この 認 識 は その 輸 送 及 び 貯 留 を 既 存 の EOR パイプラ イン 及 び 油 田 を 介 して 外 注 している CO 2 回 収 プロジェクトが 数 多 く 存 在 することに 象 徴 さ れている このような 手 法 は CCS チェーンの 一 部 の 効 率 を 高 める 一 方 特 に 工 業 地 域 では ない 場 所 においては 地 層 貯 留 を 実 施 するためにパイプラインルートを 新 たに 設 置 するこ とはそれほど 容 易 ではない 新 設 する 場 合 関 連 する 土 地 及 び 許 認 可 の 取 得 において 詳 細 な 計 画 及 び 住 民 との 協 議 が 要 求 される 可 能 性 が 非 常 に 高 い 船 舶 輸 送 は 依 然 としてほとんど 採 用 されておらず この 選 択 肢 を 現 在 検 討 している LSIP は 4 件 のみである しかし 沖 合 貯 留 が 好 ましい 状 況 及 び 回 収 施 設 がパイプラインのエン トリーポイントのすぐ 近 くに 存 在 しない 状 況 などにおいては 船 舶 輸 送 が CO 2 排 出 源 とシ ンクをマッチさせる 上 での 柔 軟 な 選 択 肢 として 検 討 される 例 が 増 えつつある トラック 輸 送 は 依 然 として 小 規 模 な 圧 入 試 験 プロジェクトに 限 られているが 特 定 の 市 場 での 収 益 源 として CO 2 を 産 業 界 の 顧 客 に 配 送 する 形 で 大 規 模 なプロジェクトに 含 まれる 可 能 性 は 大 き い 37

53 貯 留 タイプ 別 LSIP 米 国 及 びカナダでは 各 国 の LSIP のほぼ 80%が EOR 目 的 で CO 2 を 利 用 し 又 は 計 画 し ている( 図 18) 同 様 に 中 東 で 開 発 されているすべての LSIP は EOR が 推 進 要 素 となってお り 中 国 では EOR 又 は CO 2 のその 他 の 産 業 応 用 に 注 力 している 一 方 で 欧 州 及 び 豪 州 で は 深 部 塩 水 層 及 び 枯 渇 した 油 ガス 層 への CO 2 貯 留 が 普 及 している 図 18 貯 留 タイプ 別 及 び 地 域 別 CO 2 量 米 国 欧 州 豪 州 ニュージーランド カナダ 中 国 中 東 その 他 のアジア 諸 国 アフリカ 潜 在 的 CO 2 量 (Mtpa) 石 油 増 進 回 収 深 部 塩 水 層 枯 渇 油 ガス 田 各 種 / 明 示 せず 回 収 と 貯 留 のライフサイクル 段 階 が 連 携 した 完 全 なプロジェクトの 統 合 は 地 層 貯 留 によ る 解 決 策 を 採 用 することを 計 画 しているプロジェクトよりも EOR によって 推 進 されたプ ロジェクトの 方 が 達 成 しやすい EOR/ 枯 渇 油 ガス 層 は CO 2 削 減 に 長 期 的 に 寄 与 できる 主 要 な 要 素 として 必 要 な 容 量 を 有 している 可 能 性 が 低 いことから この 点 は 重 要 である 現 在 の 評 価 では 深 部 塩 水 層 の 潜 在 的 な 貯 留 量 が 大 きいことが 強 く 示 唆 されている EOR を 伴 い 構 成 要 素 である 回 収 が 精 査 段 階 にあるプロジェクトの 2/3 は CO 2 オフ テイク( 取 引 量 )に 関 する 商 業 契 約 が 締 結 されている 又 は 可 能 性 のある EOR 顧 客 との 交 渉 が 進 んでいる 状 況 にある( 図 19) 米 国 では CO 2 EOR システムが 約 40 年 間 にわたり 操 業 されて いるため 新 規 プロジェクトは 既 存 のパイプラインネットワーク 及 び EOR ネットワーク( 又 は これらのネットワーク 拡 張 の 計 画 )に 組 み 込 むことが 可 能 であり 許 認 可 及 び 契 約 上 の 手 続 もよく 知 られている これによって CCS チェーンの 最 後 の 段 階 である 貯 留 の 開 発 期 間 が 大 幅 に 短 縮 される 従 来 の EOR 操 業 においては 回 収 部 分 がプロジェクトの 進 展 にと 38

54 っての 大 きなリスクになる 対 照 的 に 深 部 塩 水 層 又 は 枯 渇 油 ガス 層 を 使 用 予 定 の 場 合 構 成 要 素 である 回 収 が 精 査 段 階 にあるプロジェクトのうち 貯 留 についても 同 じレベルの 段 階 にある( 詳 細 なサイトの 特 性 把 握 に 着 手 中 である) のは 1/3 のみである このような 回 収 と 貯 留 の 段 階 を 同 期 化 させる 動 きは 未 開 発 の 地 層 での 貯 留 を 解 決 策 とし て 用 いた 場 合 はるかに 複 雑 になる ここでは 特 にタイミングの 制 約 があるなかで 机 上 の 回 収 研 究 及 びより 高 コストで 長 期 にわたる 貯 留 の 探 査 / 評 価 / 試 験 に 関 する 作 業 範 囲 全 体 において 限 られた 予 算 を 最 大 限 に 利 用 する 上 での 課 題 に 焦 点 を 合 わせて 説 明 する こ の 点 は 特 にプロジェクトが 競 争 的 なプロセスの 一 部 である 場 合 及 び 管 理 する 組 織 に 探 査 を 管 理 した 経 験 がない 場 合 に 当 てはまる CO 2 の 回 収 を 支 援 するにあたり 説 得 力 のあるビ ジネス 事 例 の 構 築 が 相 当 に 不 確 実 である 場 合 プロジェクト 提 案 者 が 貯 留 サイトの 探 査 又 は 評 価 のために 潜 在 的 に 高 額 な 資 本 を 投 入 するインセンティブはほとんどない( 特 に 失 敗 す る 可 能 性 が 高 い 場 合 ) プロジェクト 提 案 者 は 回 収 のビジネス 事 例 に 関 する 不 確 実 性 が 対 処 されるまでは 多 額 に なる 可 能 性 がある 貯 留 の 特 性 把 握 にかかる 支 出 を 見 送 り その 後 数 年 をかけて 貯 留 サイト の 評 価 特 性 把 握 及 びモデル 作 成 を 通 じて 貯 留 リスクを 緩 和 するように 努 力 するであろう しかし このような 戦 略 はプロジェクトの 実 現 を 大 幅 に 遅 延 させるおそれがある プロジ ェクト 提 案 者 が 規 制 及 び 市 民 関 与 に 関 する 活 動 を 行 うにあたっては 貯 留 データを 早 期 に 取 得 したほうが 有 利 になる 貯 留 ( 及 び 輸 送 )インフラを 適 時 に 整 備 する 支 援 を 含 めた 政 府 の 役 割 は 回 収 設 備 のための 資 金 援 助 をはるかに 超 える 可 能 性 がある CarbonNet プロジェクト 及 び Collie Hub プロジェ クトを 有 する 豪 州 で 現 在 開 発 中 のハブモデルには 州 政 府 が 参 加 して 回 収 プロジェクト 提 案 者 を 支 援 するために 必 要 な 貯 留 インフラの 整 備 を 援 助 している 同 様 に 豪 州 政 府 は 前 述 した 通 り 国 家 CO 2 インフラ 計 画 に 対 する 融 資 を 最 近 発 表 している 39

55 図 19 回 収 のプロジェクトライフサイクルと EOR 及 び 深 部 塩 水 層 又 は 枯 渇 油 ガス 田 貯 留 の 進 捗 状 況 の 比 較 石 油 増 進 回 収 を 伴 うプロジェクト 精 査 回 収 の 資 産 ラ イフ サ イク 評 価 特 定 有 望 な 顧 客 の 特 定 暫 定 的 交 渉 交 渉 が 進 んだ 段 階 商 業 契 約 を 締 結 ル 段 階 精 査 評 価 特 定 深 部 塩 水 層 又 は 枯 渇 油 ガス 田 への 貯 留 を 伴 うプロジェクト プロジェクト 数 有 望 な 貯 留 サイトの 探 査 貯 留 サイトの 適 切 性 評 価 貯 留 サイトの 詳 細 な 特 性 把 握 貯 留 の 許 認 可 を 承 認 LSIP ポートフォリオ 分 布 本 章 で 前 述 した 内 容 の 多 くを 要 約 する 上 で 現 在 LSIP を 検 討 中 の 主 要 産 業 技 術 及 び 地 域 のポートフォリオ 分 布 図 を 作 成 することは 有 用 である( 表 3) (LSIP が) 数 カ 所 の 地 域 によ り 地 理 的 に 支 配 されていること これらの 地 域 で 発 電 プロジェクト 及 びパイプラインシス テムが 多 くを 占 めていること 検 討 中 の 貯 留 タイプに 地 理 的 な 相 違 があることなどの 特 徴 については 既 述 のとおりである 40

56 表 3 地 域 別 技 術 別 及 び 産 業 別 LSIP 北 米 欧 州 アジア 豪 州 ニュー ジーランド MENA 小 計 回 収 輸 送 貯 留 発 電 そ の 他 地 層 そ の 他 燃 焼 前 燃 焼 後 酸 素 燃 焼 各 種 /その 他 ガス 精 製 鉄 鋼 セメント 0 各 種 /その 他 点 間 陸 域 パイプライ ン 2 点 間 沖 合 パイプライ ン ネットワークパイプラ イン その 他 のパイプライン 1 1 船 舶 /タンカー 陸 域 深 部 塩 水 層 沖 合 深 部 塩 水 層 陸 域 枯 渇 油 ガス 層 0 沖 合 枯 渇 油 ガス 層 石 油 増 進 回 収 ガス 増 進 回 収 0 その 他 の 再 利 用 0 複 合 / 未 定 凡 例 : 10 件 以 上 のプロジェクト 3~9 件 のプロジェクト 1~2 件 のプロジェクト プロジェクトなし 41

57 ケーススタディ Gorgon CO 2 圧 入 プロジェクト Chevron が 運 営 する 20 億 豪 ドルの Gorgon CO 2 圧 入 プロジェクトは 2009 年 9 月 に 最 終 投 資 判 断 を 通 過 して 以 降 顕 著 な 進 展 をみせている その 最 終 投 資 判 断 は ほぼ 20 年 間 にわたる 研 究 と 多 額 の 事 前 投 資 が 結 実 したことを 表 す 決 定 的 な 節 目 であった Gorgon プロジェクトで 最 初 に 随 伴 CO 2 の 排 出 抑 制 の 検 討 が 開 始 されたのは 1992 年 で その 後 の 1998 年 には 提 案 されたプロジェクトサイトの 300km 以 内 において 有 望 な 貯 留 サイトの 特 定 を 検 討 する 地 域 的 な 机 上 研 究 が 実 施 された 同 作 業 は 2003 年 に Barrow 島 における Gorgon ガス 開 発 の 環 境 社 会 及 び 経 済 的 評 価 (Environmental, Social and Economic Review of the Gorgon Gas Development on Barrow Island, ESE Review) を 発 表 して 終 了 した 同 書 では 実 施 中 の 研 究 によって 技 術 的 に 実 行 可 能 でありコストも 法 外 に 高 額 でないことが 確 認 される 限 り 随 伴 CO 2 を Barrow 島 地 下 の Dupuy 層 へ 圧 入 することが 任 意 で 提 案 された Dupuy 層 が 選 定 された 理 由 は 付 近 の 約 27 カ 所 の 坑 井 及 び 既 存 の 3D 地 震 探 査 データに 基 づき 圧 入 された CO 2 の 恒 久 的 な 封 じ 込 めに 適 した 地 質 であること が 判 明 したためである Gorgon プロジェクトは Chevron Australia によって 操 業 されており Chevron の 豪 州 子 会 社 ( 約 47%) Exxon Mobile(25%) Shell(25%) 大 阪 ガス(1.25%) 東 京 ガス(1%) 及 び 中 部 電 力 (0.417%)の 合 弁 事 業 である 法 令 の 整 備 ESE Review 発 行 後 間 もなく 提 案 された 圧 入 作 業 を 政 府 が 承 認 することを 可 能 にする 法 令 が 存 在 しないことが 確 認 された このギャップに 対 処 することを 目 的 とした バロ ー 島 法 2003 年 (Barrow Island Act 2003) ( 西 オーストラリア 州 )が 2003 年 後 期 に 西 オース トラリア 州 議 会 において 可 決 された 同 法 には CO 2 の 搬 送 及 び 地 下 処 分 に 関 する 規 定 が 含 まれており 世 界 初 の GHG 貯 留 関 連 法 令 であると 考 えられている 同 法 内 の 規 定 は 簡 潔 であるが 所 管 大 臣 が 承 認 の 際 に 条 件 を 設 けることが 可 能 になった 事 実 上 所 管 大 臣 によって 設 けられた 条 件 に 基 づき プロジェクト 操 業 時 に 遵 守 すべき 規 制 枞 組 が 確 立 される 2003 年 の 時 点 ではどのような 問 題 が 規 制 を 必 要 とするかが 十 分 に 理 解 されてい なかったため 意 図 的 にこのようになっている バロー 島 法 2003 年 による 随 伴 CO 2 の 地 下 処 分 に 対 する 承 認 が 得 られたのは Gorgon Joint Venture が 2009 年 に 最 終 投 資 判 断 を 下 したのと 同 時 であった 所 管 大 臣 による 承 認 を 構 成 する 一 つの 重 要 要 素 として 貯 留 サイト 管 理 計 画 の 要 求 がある 同 計 画 ではプロジェクトの 全 側 面 の 実 施 方 法 の 概 要 が 示 される 貯 留 サイト 管 理 計 画 の 概 念 は 豪 州 沖 合 石 油 及 び 温 室 効 果 ガス 貯 留 法 2006 年 (Australian Offshore Petroleum and Greenhouse Gas Storage Act 2006) ( 連 邦 )にも 引 き 継 が れている 42

58 環 境 許 可 最 終 投 資 判 断 以 前 の 段 階 では 環 境 保 護 法 1986 年 (Environmental Protection Act 1986) ( 西 オーストラリア 州 ) 及 び 環 境 保 護 及 び 生 物 多 様 性 保 護 法 1999 年 (Environmental Protection and Biodiversity Conservation Act 1999) ( 連 邦 )に 基 づいて 環 境 許 可 を 受 ける 必 要 があった 2005 年 9 月 Gorgon Joint Venture は Barrow 島 における 10Mtpa の 液 化 天 然 ガ ス(LNG)プロジェクトに 関 する 環 境 影 響 評 価 及 び 環 境 評 価 管 理 計 画 (Environment Impact Statement and Environmental Review and Management Plan, EIS/ERMP) を 公 表 した これは 主 要 な GHG 貯 留 プロジェクトに 関 して 最 初 に 公 表 された 環 境 影 響 評 価 であることは 重 要 である 同 文 書 では Barrow 島 下 方 の 地 質 の 特 性 GHG 貯 留 がどのように 機 能 し 圧 入 された CO 2 が 封 じ 込 められるかを 詳 述 している さらに 環 境 中 の 受 容 体 (レセプター) にとってのリスク 及 び 潜 在 的 影 響 が 概 説 された 文 書 作 成 時 の 一 つの 重 要 な 狙 いは 一 般 大 衆 及 び 科 学 界 が 同 プロジェクトによる CO 2 の 圧 入 及 び 貯 留 に 関 連 する 環 境 リスクの 評 価 を 信 頼 するのに 十 分 な 背 景 データを 提 供 することであった EIS/ERMP 公 表 後 の 2007 年 10 月 には 連 邦 及 び 西 オーストラリア 州 の 両 政 府 による 環 境 許 可 が 得 られた Gorgon Joint Venture はこれらの 環 境 許 可 を 得 て 間 もなく プロジェクトの 規 模 を 10Mtpa LNG から 15Mtpa LNG に 拡 大 する 要 望 の 決 定 を 行 った 同 決 定 により 過 去 に 公 表 され たリスク 調 査 の 見 直 しを 含 む 当 初 の 環 境 影 響 評 価 の 再 検 討 が 必 要 となった 拡 大 され たプロジェクトについての 連 邦 政 府 及 び 西 オーストラリア 州 政 府 による 許 可 は 2009 年 8 月 に 得 られている 既 存 井 及 び 3D 地 震 探 査 データが 存 在 するにもかかわらず 上 述 のプロセス 全 体 を 通 じ て 提 案 された 圧 入 サイトの 地 質 に 関 する 理 解 を 深 めるために 大 量 の 追 加 データの 収 集 が 必 要 であることが 認 識 された 実 際 要 求 されるデータは 石 油 及 びガスの 発 見 のた めに 実 施 されるサイト 評 価 活 動 に 匹 敵 するものであった Gorgon Joint Venture は 2003 年 以 降 1 億 5,000 万 豪 ドルを 超 える 資 金 を 貯 留 評 価 に 投 じ ている 同 貯 留 評 価 には 坑 井 の 掘 削 による 300m に 及 ぶ 貯 留 層 全 体 の 断 面 とその 上 層 部 にあるシールのコア 採 取 広 範 な 坑 井 試 験 及 び 新 たな 3D 地 震 探 査 データを 含 む 一 連 の 地 震 データ 取 得 パイロット 試 験 が 含 まれていた 西 オーストラリア 州 政 府 は Gorgon Joint Venture によって 実 施 中 の 技 術 的 作 業 の 質 を 保 証 することを 目 的 とする 独 立 した 専 門 家 による 一 連 の 評 価 を 同 期 間 を 通 じて 実 施 し た これらの 保 証 (つまり デューデリジェンス)のための 評 価 は 政 府 が 同 プロジェクト に 関 する 重 要 決 定 を 行 う 際 独 立 した 助 言 を 政 府 に 行 えるようにタイミングが 計 られた 最 終 投 資 判 断 以 降 は 同 プロジェクトの 地 質 及 び 動 力 学 的 シミュレーションモデルの 改 良 並 びに 2012 年 後 期 における 圧 入 井 及 び 圧 力 管 理 井 の 掘 削 開 始 の 計 画 のための 作 業 が 継 続 されている 坑 井 の 設 計 はほとんど 完 了 しており これらの 坑 井 を 掘 削 するための 掘 削 リグ 及 び 関 連 装 置 に 関 する 契 約 について 現 在 交 渉 中 である 43

59 最 終 投 資 判 断 後 最 初 に 締 結 される 契 約 のうちの 一 つは 4 億 1,500 万 豪 ドルをかけた 六 つの CO 2 圧 入 圧 縮 機 列 の 詳 細 設 計 建 設 及 び 保 証 試 験 であった これらの 圧 縮 機 は 大 き な 装 置 となり 2 台 の 圧 縮 機 が 結 合 して 5 階 建 ての 高 さを 超 える 一 つのモジュールとなる ( 図 20) 各 圧 縮 機 は 4 段 式 圧 縮 機 であり 二 つの 圧 縮 機 ケーシング( 各 ケーシングには 2 段 圧 縮 機 を 備 える)がダブルエンド 可 変 周 波 数 駆 動 モーターの 両 側 どちらかのギアボック スを 通 じて 結 合 されることで 構 成 される 各 圧 縮 段 の 後 ろには インタークーラー 又 は アフタークーラーが 設 置 される これらの 圧 縮 機 の 設 計 時 に 要 求 される 検 討 事 項 を 以 下 に 示 した 保 守 及 び 操 作 のためのアクセスの 向 上 に 焦 点 を 合 わせた 人 間 工 学 に 基 づく 設 計 CO 2 が 多 く 含 まれるガス 流 に 関 する 状 態 方 程 式 CO 2 流 中 の 付 随 的 な 関 連 物 質 の 存 在 圧 縮 機 の 空 気 力 学 回 転 体 動 力 学 素 材 選 択 駆 動 技 術 システム 統 合 及 び 保 守 要 素 各 圧 縮 機 列 は モジュール 式 で 設 計 され 非 常 に 厳 しい 配 置 上 の 制 約 を 克 服 しなけれ ばならない 圧 縮 機 下 流 での 腐 食 管 理 対 策 の 一 部 として 凝 縮 した 水 を 最 大 限 ドロップアウトする ために 第 3 段 の 吐 出 圧 力 を 50~65 バール 内 に 制 御 する 能 力 圧 縮 機 シール 周 りからの 散 逸 排 出 を 最 小 限 にする 必 要 性 図 20 Gorgon CO 2 圧 縮 機 列 の 配 置 画 像 提 供 :Chevron Australia 44

60 最 初 の 圧 縮 機 列 が 建 設 された 時 点 で 目 的 に 合 わせて 設 計 構 築 された 試 験 ループ 内 で CO 2 を 試 験 ガスとして 用 いた 全 速 及 び 全 負 荷 による 検 証 試 験 が 実 施 される これら の 検 証 試 験 の 主 眼 は 期 待 される 機 械 的 性 能 (ねじれ 応 答 振 動 軸 受 温 度 など) 及 び 熱 動 力 学 的 性 能 の 妥 当 性 を 検 査 することであり 各 状 態 での 差 圧 効 率 及 び 得 られる 動 力 と して 確 認 される 同 試 験 では 潤 滑 油 系 統 電 動 モーター 制 御 及 び 圧 縮 機 シール 装 備 を 含 む 実 際 に 納 入 される 構 成 機 器 の 利 用 度 を 最 大 限 に 高 める 全 速 全 負 荷 総 合 機 械 試 験 は 2011 年 6 月 に 運 転 試 験 を 開 始 した 各 圧 縮 機 は Barrow 島 のプロジェクトサイトへの 船 舶 輸 送 前 にすべての 必 要 な 配 管 及 び インタークーラーを 含 むモジュールとして 組 み 立 てられる 最 初 の 圧 縮 機 モジュールは 2013 年 後 半 に Barrow 島 に 到 着 予 定 である この CO 2 圧 縮 機 の 詳 細 設 計 建 設 及 び 全 速 全 負 荷 試 験 を 実 施 するまでのリードタイ ムは 重 要 であり 同 規 模 の GHG 貯 留 プロジェクトを 成 功 裏 に 実 施 するための 長 期 のリー ドタイム 及 び 投 資 の 要 件 が 補 強 されることになる 豪 州 政 府 は 低 排 出 技 術 実 証 基 金 (LETDF)の 一 部 として 6,000 万 ドルの 融 資 を Gorgon プロジェクトに 対 して 確 約 している 45

61 3. 技 術 3.1 回 収 輸 送 貯 留 及 び 利 用 技 術 コスト 及 び 課 題

62 3. 技 術 概 要 発 電 プロジェクトが 商 用 規 模 の CCS 実 証 に 進 み 現 在 の 送 電 線 網 環 境 おいて 統 合 的 に 運 用 されること また 十 分 な 貯 留 容 量 を 確 保 することは 将 来 CCS を 広 範 に 展 開 する 確 証 と 指 標 を 提 供 するために 非 常 に 重 要 である 回 収 においては 構 成 要 素 レベルでの 技 術 的 改 良 と 有 望 な 新 しい 回 収 コンセプトが 存 在 するが 一 方 で 商 用 レベルまで 規 模 を 拡 大 可 能 とする より 多 くの 回 収 施 設 が 開 発 計 画 段 階 に 入 り その 技 術 の 展 開 に 必 要 な 技 術 的 進 歩 とコスト 削 減 を 支 援 する 必 要 がある パイプラインによる CO 2 輸 送 は 十 分 に 確 立 された 技 術 である 一 方 で 将 来 の CCS の 展 開 に 必 要 なインフラ 及 び 投 資 の 規 模 が 一 つの 課 題 となるが 克 服 不 可 能 ではない さら に 輸 送 インフラの 共 有 によって 顕 著 なスケール メリットが 得 られる 特 に 未 開 発 の 深 部 塩 水 層 貯 留 サイトに 関 しては プロジェクト 開 発 者 は 貯 留 サイト 評 価 のための 長 期 リードタイムをプロジェクト 計 画 に 組 み 入 れる 必 要 がある プロジェクト のライフサイクル 全 体 及 び 閉 鎖 後 の 貯 留 リスクについて 理 解 することは より 安 全 かつ より 効 率 的 な 結 果 に 通 じる 本 報 告 書 は LSIP に 焦 点 を 合 わせているが CCS チェーンの 異 なる 構 成 要 素 すべてがそれ ぞれ 別 の 課 題 を 有 している さらに それらの 構 成 要 素 自 体 が 複 数 の 異 なる 技 術 によって 構 成 されており いかなるプロジェクトも 様 々な 組 合 せで 用 いることができる 本 章 では CCS の 異 なる 構 成 要 素 について 評 価 し それらの 現 在 の 開 発 状 況 について 最 新 情 報 を 提 供 する 政 府 及 び 産 業 界 における CCS に 関 する 取 組 は 様 々な 産 業 及 び 技 術 にわ たって 異 なる 構 成 要 素 の 統 合 を 大 規 模 に 実 証 することに 全 体 的 な 焦 点 が 合 わせられている CCS チェーンの 個 々の 構 成 要 素 レベルでの 課 題 は プロセス 及 び 技 術 の 向 上 効 率 の 向 上 又 はコスト 削 減 を 達 成 するための R&D の 継 続 及 び 選 択 肢 に 関 するより 良 い 理 解 との 関 連 性 がより 強 い CCS チェーンの 異 なる 構 成 要 素 である 回 収 輸 送 及 び 貯 留 又 は 利 用 について コストに 関 する 議 論 も 含 めそれぞれ 個 別 に 取 り 扱 った 本 章 の 最 後 では 特 に 発 電 において CCS を 適 用 した 場 合 の 総 コストに 関 する 現 在 の 理 解 について 論 じた 3.1 回 収 本 来 であれば 大 気 中 に 排 出 される CO 2 の 回 収 処 理 及 び 輸 送 可 能 なレベルまでの 圧 縮 は ほとんどの 場 合 CCS による 追 加 コストの 最 大 の 要 素 となっている 本 節 では CCS を 適 用 可 能 な 複 数 の 異 なる 産 業 において 様 々な 回 収 技 術 及 び 技 法 の 開 発 状 況 について 概 説 す 47

63 る 本 報 告 書 のために 委 託 された 米 国 電 力 中 央 研 究 所 (EPRI)による 研 究 (EPRI 2011a) 及 び 同 研 究 所 とノルウェー 石 油 エネルギー 省 後 援 のプロジェクトの 一 環 として 国 際 連 合 工 業 開 発 機 関 (UNIDO)によって 実 施 された 一 連 の 研 究 (UNIDO 2010a b c 2011)において 更 なる 詳 細 を 参 照 することが 可 能 である CO 2 回 収 の 主 要 な 技 術 選 択 肢 化 石 燃 料 の 使 用 に 起 因 する CO 2 回 収 の 主 要 な 技 術 選 択 肢 は 以 下 のとおりである 燃 焼 排 ガスからの 燃 焼 後 回 収 (PCC) 燃 料 ガスからの 燃 焼 前 回 収 酸 素 燃 焼 - 酸 素 による 燃 料 の 直 接 燃 焼 石 炭 火 力 発 電 システムを 対 象 としてこれら 三 つの 手 法 を 図 21 に 示 した 図 21 石 炭 火 力 発 電 所 からの CO 2 回 収 の 技 術 選 択 肢 燃 焼 後 回 収 石 炭 電 力 及 び 熱 CO 2 分 離 CO 2 分 離 空 気 燃 焼 前 回 収 空 気 蒸 気 石 炭 ガス 化 シフト 反 応 ガスクリーンアップ +CO 2 分 離 電 力 及 び 熱 CO 2 圧 縮 及 び 脱 水 空 気 酸 素 燃 焼 空 気 空 気 分 離 石 炭 電 力 及 び 熱 出 典 :EPRI (2011a, p1-1) 燃 焼 後 回 収 は 新 たに 設 計 された 化 石 燃 料 火 力 発 電 所 への 適 用 又 は 既 存 の 施 設 への 追 設 が 可 能 である 現 在 燃 焼 後 回 収 技 術 の 中 で 最 も 進 んでいるのは 吸 収 プロセスである 燃 焼 後 回 収 技 術 は セメント 石 油 精 製 石 油 化 学 などの 他 の 産 業 でも 利 用 可 能 である IGCC 発 電 所 における 燃 焼 前 回 収 は 高 圧 下 での 酸 素 又 は 空 気 を 用 いた 燃 料 のガス 化 及 び 48

64 それに 続 く 酸 性 ガス 除 去 (AGR)プロセスを 用 いた CO 2 除 去 によって 構 成 される そこで 得 ら れる 水 素 を 豊 富 に 含 んだ 合 成 ガス(シンガス)がガスタービン 発 電 設 備 に 供 給 される AGR プロセスを 用 いた CO 2 の 燃 焼 前 回 収 は 石 油 ガス 及 び 化 学 工 場 でも 商 業 的 に 実 施 されて いる 酸 素 燃 焼 は 燃 焼 用 空 気 に 含 まれる 窒 素 を 除 去 し 空 気 の 代 わりに 酸 素 を 用 いて 燃 料 を 燃 焼 する ほとんどが CO 2 である 排 ガスが 浄 化 乾 燥 及 び 圧 縮 される 酸 素 燃 焼 を 採 用 した 石 炭 火 力 発 電 所 では 酸 素 燃 焼 ボイラに 排 ガスの 一 部 が 再 循 環 される 排 ガスが 空 気 中 の 窒 素 の 役 割 を 果 たすため ボイラ 伝 熱 管 の 材 料 にとって 許 容 可 能 なレベルに 温 度 を 維 持 す る 回 収 技 術 として 三 つの 主 要 なカテゴリがあるが そのそれぞれについて 異 なる 技 術 を 用 い た 複 数 の 経 路 が 存 在 し 気 候 条 件 所 在 地 及 び 燃 料 の 種 類 によって より 好 ましい 特 定 の 適 用 方 法 が 存 在 する 可 能 性 がある 技 術 成 熟 度 本 節 における 技 術 成 熟 度 (TRL)という 用 語 は 取 り 上 げられた 技 術 の 開 発 レベルを 示 すた めに 用 いられる(WorleyParson ら 2009) この TRL 手 法 は R&D の 早 期 の 段 階 における 個 々 の 技 術 の 状 況 を 追 跡 するのに 特 に 有 用 である 九 つの TRL を 表 4 に 示 した 表 4 技 術 成 熟 度 (TRL) 技 術 成 熟 度 説 明 TRL-9 フルスケールでの 商 業 化 TRL-8 準 商 用 規 模 実 証 施 設 ( 商 用 規 模 の 25% 超 ) TRL-7 パイロット 施 設 ( 商 用 規 模 の 5% 超 ) TRL-6 プロセス 開 発 装 置 (フルスケールの 0.1~5%) TRL-5 該 当 する 環 境 における 構 成 要 素 の 検 証 TRL-4 実 験 室 での 構 成 要 素 試 験 TRL-3 分 析 概 念 実 証 TRL-2 適 用 対 象 の 明 確 化 TRL-1 基 本 原 理 の 確 認 所 定 の TRL を 達 成 することで プロセス 開 発 者 及 び 組 織 が 次 のレベルの 成 熟 度 を 達 成 す るために 必 要 な 資 源 を 知 ることができる TRL-9 の 達 成 は 通 常 の 商 業 利 用 の 規 模 での 操 業 を 最 初 に 成 功 したことを 示 す TRL を TRL-9 まで 上 げるために 要 求 される 技 術 的 及 び 財 政 的 リスクはそのレベルに 従 い 徐 々に 高 くなる TRL-9 における 商 業 化 という 表 現 は 実 施 の 物 理 的 な 規 模 (すなわち 商 業 用 途 にお いて 要 求 される 規 模 )を 指 すことに 注 意 することが 重 要 である したがって ある 技 術 が 49

65 TRL-9 に 達 して 技 術 的 には 成 熟 していても 既 存 の 市 場 におけるプロジェクトの 経 済 的 要 件 はまだ 満 たしていない 場 合 がある TRL システムは 技 術 を 展 開 する 上 での 商 業 的 又 は 経 済 的 な 面 での 可 能 性 には 対 応 していない(EPRI 2011a) このため TRL 分 類 は 全 般 的 なプロジェクト 開 発 におけるリスクを 表 現 することは 意 図 し ていない 本 分 類 は 個 別 のプロジェクトごとの 分 類 であり いわゆる First of the kind と なるプロジェクトの 進 捗 状 況 については 技 術 的 構 成 要 素 及 びその 要 素 を 実 現 可 能 なプロ セス 内 に 組 み 入 れる 能 力 に 対 して 熟 練 したプロジェクト 提 案 者 がどの 程 度 自 信 を 持 って いるかによって 影 響 されることがある つまりプロジェクト 提 案 者 は より 高 い TRL を 有 する 代 替 の 技 術 的 構 成 要 素 よりもその 個 別 プロジェクトに 関 するビジネス 事 例 が 優 れてい る 場 合 は より 低 い 特 定 の TRL の 技 術 的 構 成 要 素 を 選 択 する 場 合 があることを 意 味 する 図 22 は 主 要 な 回 収 技 術 の 一 部 について 現 在 の 技 術 成 熟 度 を 要 約 したものである 図 22 回 収 技 術 に 関 する TRL の 要 約 燃 焼 後 回 収 燃 焼 前 回 収 水 素 焚 きガスタービン 酸 素 燃 焼 出 典 :EPRI (2011a) 技 術 成 熟 度 ( 最 高 レベル 9) 近 年 電 力 事 業 者 によって 購 入 された フルスケール での 石 炭 火 力 発 電 所 は 400MWe を 超 え ほとんどが 600MWe を 超 える 新 たな 能 力 を 有 する 先 端 の 石 炭 技 術 に 関 する TRL 評 価 の 目 的 においては 400~800MW(Net)の 発 電 能 力 の 発 電 所 によって TRL-9 が 達 成 され ると 考 えられる この 基 準 に 従 い 回 収 を 伴 う Kemper County の 空 気 吹 き IGCC(582MW)が 成 功 裏 に 操 業 すれば この 特 定 の 技 術 に 関 して TRL-9 を 達 成 することとなる 一 方 で ア ミン 液 を 用 いた 燃 焼 後 回 収 を 利 用 する Boundary Dam(110MWe) 及 び 酸 素 燃 焼 を 利 用 する FutureGen2.0(200MWe)は これらの 技 術 に 関 して TRL-8 を 達 成 することになるであろう CO 2 回 収 に 関 するこれらの TRL は 一 般 的 にその 技 術 が 発 電 に 関 しては 開 発 の 最 終 段 階 及 び 実 証 の 初 期 段 階 にあり さらにいくつかの 適 用 についてはこれよりも 進 んでいること を 示 している 対 照 的 に 再 生 可 能 エネルギー 技 術 に 関 して 利 用 できる TRL 順 位 は 存 在 し ない しかし EPRI による 技 術 の 展 開 に 関 する 評 価 では 一 例 として 溶 融 塩 を 用 いるい くつかの 太 陽 熱 発 電 は 開 発 の 最 終 段 階 にあり 集 光 型 太 陽 光 発 電 は 実 証 の 初 期 段 階 にある ことが 示 されている 陸 域 での 風 力 発 電 ( 発 電 容 量 3MW 未 満 )は 成 熟 した 技 術 であるが 30m 50

66 以 深 の 水 深 で 固 定 された 基 礎 を 用 いた 大 規 模 な 沖 合 風 力 発 電 技 術 も 実 証 段 階 にある また 大 規 模 な 浮 体 式 洋 上 風 力 発 電 システムは 非 常 に 初 期 の 開 発 段 階 にある 天 然 ガス 精 製 又 は 化 学 工 程 において CO2 回 収 は 成 熟 した 技 術 である この 成 熟 度 は 実 施 又 は 操 業 段 階 にある 現 在 進 行 中 の 産 業 プロジェクト 件 数 として 反 映 されている( 図 23) 発 電 部 門 に 適 用 される 回 収 技 術 はそれよりも 成 熟 度 が 低 い 状 態 であることが 顕 著 であ り ほとんどのプロジェクトは 計 画 段 階 ( 特 定 評 価 又 は 精 査 )にある 図 23 回 収 技 術 の LSIP への 適 用 状 況 発 電 燃 焼 後 回 収 燃 焼 前 回 収 酸 素 燃 焼 による CO 2 回 収 各 種 / 明 示 せず 産 業 燃 焼 前 回 収 工 業 分 離 プロジェクト 件 数 計 画 実 施 操 業 天 然 ガス 精 製 又 は 化 学 工 程 産 業 におけるプロジェクトでは 貯 留 に 適 した 比 較 的 CO 2 純 度 が 高 い 副 生 成 物 が 生 成 されるが 発 電 プロジェクトでは 燃 焼 ガス 又 は 合 成 ガスからの CO 2 分 離 のための 回 収 設 備 を 設 置 するための 多 大 な 追 加 コストが 生 じる 発 電 に 関 しては コスト 及 び 性 能 の 点 でいずれの CO 2 回 収 技 術 も 他 の 利 用 可 能 な 回 収 プロ セスよりも 優 れていない(Finkenrath 2011) 最 終 的 には 世 界 全 体 における CO 2 回 収 技 術 適 用 の 範 囲 として 新 設 追 設 を 問 わず 多 くの 種 類 の 石 炭 及 び 天 然 ガス 燃 料 を 対 象 に ま た 局 地 的 な 地 理 事 業 商 業 社 会 的 受 容 性 及 び 規 制 条 件 とあいまって 発 電 所 に 適 切 に 組 み 入 れられたこれら 三 つすべての 方 法 が 要 求 されることになる 燃 焼 後 回 収 発 電 部 門 における 燃 焼 後 回 収 の 適 用 石 炭 火 力 発 電 における 典 型 的 な 燃 焼 後 回 収 プロセスを 図 24 に 示 した 石 炭 は 空 気 中 で 燃 焼 され 発 生 した 熱 が 蒸 気 タービン 及 びそれに 接 続 された 発 電 機 によって 電 気 に 変 換 され 51

67 る 燃 焼 排 ガスは 既 存 の 汚 染 抑 制 技 術 を 用 いて 窒 素 酸 化 物 硫 黄 酸 化 物 及 び 灰 が 除 去 され る 燃 焼 後 回 収 プロセスは 残 った 燃 焼 排 ガスから CO 2 を 選 択 的 に 分 離 するのが 目 的 であり この 分 離 は CO 2 濃 度 5~15%の 範 囲 の 比 較 的 低 濃 度 で 行 うことが 可 能 である 燃 焼 後 回 収 は 既 存 の 施 設 追 設 可 能 であるという 利 点 を 有 し さらにエンドオブパイプという 性 質 上 市 場 条 件 によって 要 求 される 場 合 には 回 収 なしで 操 業 可 能 な 柔 軟 性 を 備 える 図 24 発 電 における 典 型 的 な 燃 焼 後 回 収 プロセス 水 NO X 除 去 灰 除 去 硫 黄 除 去 CO 2 回 収 石 炭 空 気 微 粉 炭 焚 きボイラ 選 択 触 媒 還 元 電 気 集 塵 装 置 排 ガス 脱 硫 CO 2 除 去 排 ガスは 煙 突 へ 蒸 気 タービン 電 力 フライアッシュ 石 膏 / 廃 棄 物 圧 縮 及 び 貯 留 EOR 又 はその 他 の 用 途 のため の CO 2 以 下 に 三 つの 主 要 な 燃 焼 後 回 収 プロセスを 示 した 吸 収 : 溶 媒 内 への CO 2 の 取 り 入 れ 例 えば CO 2 分 子 を 溶 液 内 に 溶 解 する 実 質 上 すべ ての 短 期 及 び 中 期 の 開 発 中 の 燃 焼 後 回 収 プロセスが 吸 収 方 式 である 吸 着 : 固 体 表 面 上 での CO 2 分 子 の 選 択 的 取 り 入 れ 吸 着 剤 は 排 ガスから CO 2 を 選 択 的 に 吸 着 し 次 に 吸 着 した CO 2 を 解 離 するために 圧 力 を 低 下 及 び/ 又 は 温 度 を 上 昇 させ ることによって 再 生 される 吸 着 の 一 つの 利 点 として 再 生 エネルギーが 吸 収 溶 媒 と 比 較 して 低 いと 主 張 されている 膜 : 膜 物 質 内 を 選 択 的 に 浸 透 させることによる 排 ガスからの CO 2 分 離 吸 着 剤 と 同 様 膜 は 低 エネルギーの 回 収 プロセスを 提 供 可 能 であると 主 張 されている 現 時 点 で 発 電 部 門 に 燃 焼 後 回 収 技 術 を 利 用 する 操 業 中 の LSIP は 存 在 しないが 燃 焼 後 回 収 を 備 える Boundary Dam が 建 設 中 であり 2014 年 の 操 業 が 計 画 されている この 規 模 の 建 設 中 のプロジェクトは 他 に 存 在 しない 一 方 で 16 件 の 燃 焼 後 回 収 発 電 プロジェクトが 計 画 段 階 にある( 付 属 資 料 C) 発 電 部 門 における 燃 焼 後 回 収 技 術 は 一 般 的 に 利 用 可 能 なアミン 吸 収 プロセスから 派 生 し たものであり 現 在 は 比 較 的 小 規 模 で 行 われている これらの 技 術 を 商 業 的 に 利 用 するた めには 相 当 の 再 設 計 及 びスケールアップが 必 要 となる 近 い 将 来 に 利 用 可 能 とみなされる 技 術 はすべて 吸 収 プロセスを 利 用 しており 石 炭 火 力 発 電 所 から 抜 き 出 した 5~25MWe 以 下 の 規 模 に 相 当 するガス 量 で 試 験 が 実 施 されている 52

68 吸 着 技 術 及 び 膜 技 術 は 吸 収 技 術 に 比 べエネルギー 消 費 の 改 善 が 見 込 まれるが 初 期 の 開 発 段 階 にある( 図 25) 燃 焼 後 回 収 のための 吸 着 プロセスはまだ 小 規 模 な 範 囲 (kw レベル)での 実 証 段 階 にあり 燃 焼 後 回 収 のための 膜 システムは 1 トン/ 日 未 満 の 規 模 での 試 験 が 実 施 さ れているがその 試 験 結 果 はまだ 公 表 されておらず 関 連 するデータがほとんど 存 在 しない (Freeman and Rhudy 2007; Bhown and Freeman 2008, 2009, 2010) 図 25 燃 焼 後 回 収 の TRL 順 位 吸 収 吸 着 膜 技 術 成 熟 度 ( 最 高 レベル 9) 出 典 :Freeman and Rhudy(2007) 及 び Bhown and Freeman(2008, 2009, 2010)からのデータ 燃 焼 後 回 収 における 主 要 な 課 題 及 び R&D 動 向 の 大 部 分 は 主 に 回 収 及 び 圧 縮 により CCS が 発 電 所 に 及 ぼす 比 較 的 大 きな 所 内 動 力 を 中 心 に 展 開 している したがって 新 たな 溶 媒 の 開 発 新 プロセスの 設 計 及 び 発 電 所 への 新 しい 組 入 れ 方 式 は 大 部 分 が CCS による 所 内 動 力 の 低 減 を 目 指 している さらに より 新 しい 化 学 的 性 質 を 対 象 とする 初 期 段 階 の 調 査 研 究 も 実 施 中 である(EPRI 2011a) EPRI からのデータを 含 む 図 26 は Powder River Basin (PRB) 炭 を 用 いる 新 設 の 595 の 発 電 所 において 水 性 アミン 溶 媒 の 溶 媒 再 生 エネルギーに 様 々な 改 良 を 加 えた 場 合 の 燃 焼 後 回 収 技 術 のエネルギー 消 費 の 改 善 の 可 能 性 を 示 している(Dillon ら 2010) 一 番 下 のグラフは 最 新 のアミン 溶 媒 を 用 い さらに 蒸 気 温 度 を 705 に 上 昇 させることで 正 味 の 発 電 効 率 が 向 上 することを 示 している 53

69 図 26 燃 焼 後 回 収 技 術 の 予 測 性 能 基 準 発 電 所 技 術 改 良 完 全 燃 焼 後 回 収 改 良 アミン 添 加 高 品 質 アミン 添 加 先 進 超 々 臨 界 圧 ボイラ 追 加 熱 効 率 (%) 出 典 :EPRI(2011a, p4-13)において 引 用 された Dillon ら(2010) 古 い 発 電 所 への 燃 焼 後 回 収 の 組 込 みを 可 能 にするためには 廃 熱 の 有 効 利 用 のために 燃 焼 後 回 収 を 既 存 の 発 電 所 内 に 効 率 的 に 組 み 入 れることに 高 い 優 先 度 が 置 かれる 最 近 の 研 究 によると CO 2 を 回 収 しない 発 電 所 では 不 経 済 であった 低 温 廃 熱 の 利 用 が 回 収 プロセスに よって 可 能 となるため 効 率 が 低 い 発 電 所 の 場 合 でも 所 内 動 力 を 大 きく 低 減 させる 可 能 性 が 存 在 することが 示 されている このような 改 修 は 既 存 の 熱 交 換 技 術 を 利 用 するため 実 際 には 短 期 的 な 実 証 規 模 のプロジェクトにおいても 適 用 可 能 である(Harkin ら 2010) プロセスの 操 業 上 の 課 題 も 存 在 する 溶 媒 再 生 のための 抽 気 を 行 うと 低 圧 タービンへの 流 量 が 低 減 し 発 電 及 び 操 業 に 対 して 顕 著 な 影 響 を 及 ぼすことになる さらに 特 に 水 冷 式 の 発 電 所 の 場 合 燃 焼 後 回 収 の 追 加 に 伴 って 水 の 使 用 量 が 大 幅 に 増 大 する これらの 状 況 は 回 収 のエネルギー 効 率 の 向 上 に 応 じて 改 善 されることになる IEA 温 室 効 果 ガス 研 究 開 発 プログラム(IEAGHG)は 燃 焼 後 回 収 からの 排 出 が 環 境 へ 及 ぼ す 影 響 について 理 解 を 深 める 必 要 があることに 言 及 している 吸 収 法 を 用 いるいくつかの 燃 焼 後 回 収 プロセスでは 排 ガス 中 に 存 在 する CO 2 と 反 応 する 有 機 塩 基 であるアミン 類 を 水 溶 液 として 使 用 する ある 排 ガス 成 分 については 吸 収 液 の 損 失 につながり 操 業 費 を 増 大 させる 副 生 成 物 を 形 成 することが 認 識 されている 吸 収 液 の 損 失 は 排 ガスの 前 処 理 によ って 抑 制 することが 可 能 である 現 在 欧 州 では 燃 焼 後 回 収 の 大 規 模 な 展 開 の 一 環 として アミンベースの 燃 焼 後 回 収 プロセスからの アミンの 大 気 中 への 排 出 について 十 分 に 理 解 し 定 量 化 しなければならないということが 認 識 されており このことは 同 分 野 において 更 なる 調 査 研 究 が 必 要 であることを 示 している 発 電 以 外 における 燃 焼 後 回 収 の 適 用 石 油 精 製 所 において プロセス 加 熱 器 ( 及 びユーティリティボイラ)からの 排 出 削 減 のため に 用 いられる 見 込 みのある 技 術 のうち 最 も 開 発 が 進 んでいるのは 燃 焼 後 回 収 及 び 酸 素 燃 焼 の 二 つである 最 近 の 石 油 精 製 所 における 燃 焼 後 回 収 の 開 発 は 限 定 的 である ある 計 画 54

70 では スコットランドにある 19 万 6,000 バレル/ 日 の Grangemouth 石 油 精 製 所 で 直 火 式 ヒー ター 及 びボイラから 排 出 される CO 2 の 回 収 に 関 する 研 究 が 行 われた セメント 製 造 における 燃 焼 後 回 収 はクリンカ 焼 成 プロセスの 基 本 的 な 変 更 を 必 要 としな い エンドオブパイプ の 選 択 肢 であり 新 たなキルンに そして 特 に 既 存 施 設 に 利 用 可 能 である セメント 製 造 において 吸 収 技 術 及 び 膜 技 術 に 加 えて 有 望 な 分 野 は 炭 酸 塩 を 利 用 するプロセスである 同 プロセスは 酸 化 カルシウムと CO 2 を 含 む 燃 焼 ガスとを 接 触 さ せて 炭 酸 カルシウムを 生 成 し 次 に CO 2 を 放 出 させて 酸 化 カルシウムを 生 産 してループを 閉 じる 吸 着 プロセスである セメント 産 業 はこの 技 術 について 既 存 のキルンで 利 用 可 能 な 選 択 肢 として そして 新 型 の 酸 素 燃 焼 キルンの 開 発 とともに 現 在 評 価 中 である セメント 産 業 ではパイロットプロジェクトについて 検 討 中 であると 認 識 されているが こ れまでほとんど 公 表 されていない セメント 部 門 における CCS 研 究 はまだ 初 期 段 階 であり これらの 活 動 では 燃 焼 後 回 収 及 び 酸 素 燃 焼 による CO 2 回 収 技 術 に 焦 点 が 合 わされている (UNIDO 2010b) 燃 焼 前 回 収 燃 焼 前 回 収 は 発 電 石 油 ガス 及 び 化 学 品 が 対 象 となる また 特 に 注 記 がない 場 合 は 本 節 は Booras(2011)を 参 照 している 現 在 商 用 規 模 で 適 用 可 能 な 燃 焼 前 CO 2 回 収 プロセスは 溶 媒 の 使 用 に 基 づいている 燃 焼 前 回 収 のための CO 2 除 去 溶 媒 として 主 要 で 一 般 的 なものは 2 種 類 あり( 化 学 吸 収 及 び 物 理 吸 収 ) 一 般 的 にはすべての 溶 媒 が 90%を 超 える CO 2 除 去 を 達 成 させることができる 加 圧 さ れた CO 2 の 燃 焼 前 回 収 におけるエネルギー 損 失 ( 約 20%)は CO 2 回 収 率 90%である 現 在 の 燃 焼 後 回 収 技 術 におけるエネルギー 損 失 ( 約 30%)よりも 低 い 燃 焼 前 回 収 の 適 用 石 油 ガス 及 び 化 学 産 業 からの CO 2 回 収 石 油 ガス 及 び 化 学 産 業 は 数 十 年 間 にわたりガス 流 からの CO 2 分 離 を 商 用 規 模 で 実 施 し てきた 世 界 の 天 然 ガス 源 の 多 くは CO 2 を 含 有 し ほとんの 場 合 ガス 取 引 先 の 要 求 純 度 を 満 たすために CO 2 を 除 去 しなければならない 天 然 ガス 石 油 精 製 ガス プロパン ブタン 又 はナフサから 水 素 アンモニア メタノー ルなどの 化 学 品 を 生 産 するために メタン 水 蒸 気 改 質 自 己 熱 改 質 及 び( 酸 素 による) 部 分 酸 化 が 商 業 的 に 幅 広 く 使 用 されている その 際 CO 2 は 商 業 的 に 利 用 可 能 な 燃 焼 前 回 収 溶 媒 プ ロセスを 用 いて 除 去 することが 可 能 である アンモニア 尿 素 メタノール ジメチルエーテル SNG ガソリン 及 び 他 の 輸 送 燃 料 な どの 化 学 品 生 産 のために 酸 素 を 用 いた 石 炭 石 油 コークス 及 び 重 油 のガス 化 が 幅 広 く 商 業 利 用 されている 石 炭 ガス 化 によって 生 じた 合 成 ガス(シンガス)からの CO 2 除 去 は 全 世 55

71 界 で 幅 広 く 実 施 されている 成 熟 した 商 用 プロセスである 繰 り 返 しになるが CO 2 は 商 業 的 に 利 用 可 能 な 燃 焼 前 回 収 溶 媒 プロセスを 用 いて 除 去 することが 可 能 である IGCC 発 電 所 からの CO 2 回 収 IGCC 施 設 は 発 電 用 の 複 合 サイクルガスタービンに 送 る 合 成 ガスを 生 成 するために 炭 素 質 原 料 ( 化 石 燃 料 バイオマス 燃 料 又 はその 両 方 )をガス 化 する 設 備 である ガス 化 部 分 及 び コンバインドサイクル 部 分 は 熱 効 率 を 向 上 させるために 一 体 化 されている 数 ヶ 国 におい て 数 カ 所 の IGCC 施 設 が 操 業 中 であるが 現 時 点 ではいずれの IGCC 施 設 も CO 2 回 収 を 組 み 入 れてはいない IGCC 施 設 における CO 2 回 収 は ( 水 素 及 び CO 2 を 生 成 する シフト 反 応 と 呼 ばれる 触 媒 プロセスを 用 いて) 合 成 ガスを 化 学 的 に 変 換 し 次 に 商 業 的 に 利 用 可 能 な 燃 焼 前 回 収 溶 媒 プロセスを 用 いて CO 2 を 除 去 することによって 達 成 される CO 2 を 放 出 させる 必 要 がある 場 合 は その 他 の 汚 染 物 質 を 除 去 するために 追 加 的 な 浄 化 設 備 が 必 要 になることがある 将 来 的 な 回 収 設 備 の 追 加 を 予 定 していなかった IGCC 施 設 に CO 2 回 収 を 組 み 入 れる 必 要 が ある 場 合 は 回 収 を 備 える 新 設 施 設 と 比 較 して 追 加 的 なコスト 及 び 性 能 の 損 失 が 生 じる コスト 及 び 性 能 の 損 失 の 程 度 は 利 用 されるガス 化 技 術 及 び 合 成 ガス 精 製 の 種 類 に 大 きく 左 右 される 現 在 の 技 術 に 基 づく 回 収 を 備 える IGCC 施 設 について 主 要 構 成 要 素 の TRL を 図 27 に 示 した 構 成 要 素 としての 技 術 の 多 くは 成 熟 しているとみなされる 一 方 で CO 2 回 収 を 備 えた 商 用 規 模 の IGCC 施 設 の 建 設 及 び 操 業 により 回 収 が 組 み 込 まれた 主 発 電 技 術 を 実 証 すると いう 根 本 的 な 必 要 性 が 存 在 する 図 27 燃 焼 前 回 収 の 構 成 要 素 の TRL 化 学 吸 収 溶 媒 物 理 吸 収 溶 媒 ASU/ガス 化 /シフト 反 応 / 脱 硫 水 素 焚 きガスタービン CO 2 圧 縮 / 乾 燥 出 典 :EPRI(2011a p3-5) 技 術 成 熟 度 ( 最 高 レベル 9) 燃 焼 前 CO 2 回 収 - 開 発 の 道 筋 回 収 を 備 えるIGCCの 設 計 に 関 する 研 究 開 発 及 び 展 開 において 主 要 な 推 進 力 となるのは 56

72 エネルギー 損 失 の 低 減 である 回 収 設 備 の 追 加 資 本 コストは 無 視 できる 金 額 ではないが 回 収 を 追 加 することによる 最 も 大 きな 経 済 的 不 利 益 は 正 味 出 力 電 力 の 損 失 である(EPRI 2011a) 図 28 に 示 すように EPRI 及 び 米 国 エネルギー 省 は 現 在 の 回 収 なしの IGCC 技 術 と 同 等 又 は 上 回 るレベルまで( 回 収 を 備 えた)IGCC の 効 率 を 向 上 させることが 可 能 となるような IGCC 技 術 開 発 のロードマップを 策 定 している(Schoff 2011) これ 以 外 にも 様 々に 異 なる IGCC 技 術 の 強 化 について 違 う 組 合 せを 用 いた 効 率 向 上 のための 別 の 道 筋 も 考 えられる 図 28 CO 2 回 収 に 起 因 するエネルギー 損 失 を 回 復 するための IGCC 開 発 技 術 改 良 基 準 発 電 所 完 全 な IGCC 及 び 回 収 G 形 ガスタービン 追 加 膜 による 空 気 分 離 装 置 追 加 CO 2 スラリーとしての 給 炭 方 式 追 加 最 新 型 CCS 追 加 熱 効 率 (%) 出 典 : EPRI(2011a, p3-11)において 引 用 された Schoff (2011) CO 2 回 収 を 備 える 酸 素 燃 焼 酸 素 燃 焼 プロセスでは 燃 焼 前 にほとんどの 窒 素 が 空 気 から 除 去 される その 結 果 得 られる 燃 焼 排 ガスは 最 大 で 約 90%(ドライベース)の CO 2 を 含 有 する もし 規 制 的 に 及 び 地 球 化 学 的 に 許 容 されるのであれば 乾 燥 させた 燃 焼 排 ガスを 精 製 することなくそのまま 直 接 貯 留 することができるであろう そうでない 場 合 は 排 ガス 中 の 不 純 物 ( 主 に 酸 素 窒 素 及 びア ルゴン)を 除 去 するための 精 製 装 置 が 必 要 になる これは 発 電 所 の 所 有 者 及 び 事 業 者 が 精 通 している 類 のものであり 化 学 的 操 作 及 びサイトでの 大 掛 かりな 化 学 物 質 管 理 は 不 要 で ある 精 製 装 置 には 一 般 に 深 冷 分 離 技 術 が 採 用 されるが 最 終 段 の 処 理 に 膜 分 離 技 術 を 組 み 合 わせることにより 深 冷 分 離 技 術 のみで CO 2 回 収 率 90%を 達 成 するよりも 廉 価 な CO 2 回 収 コストで 98% 以 上 の CO 2 回 収 率 を 達 成 可 能 である 現 時 点 での 情 報 によると CO 2 回 収 を 備 える 酸 素 燃 焼 は 燃 焼 前 及 び 燃 焼 後 CO 2 回 収 に 対 し 尐 なくとも 競 争 力 があり コス ト 面 ではわずかに 有 利 な 可 能 性 がある(EPRI 2011a) 57

73 酸 素 燃 焼 設 備 には 以 下 の 主 要 な 構 成 システムが 含 まれる 空 気 分 離 装 置 (ASU)- 空 気 から 酸 素 を 分 離 して その 酸 素 を 燃 焼 用 に 供 給 する 燃 焼 / 伝 熱 /ガス 品 質 管 理 システム-システムの 構 成 要 素 は 通 常 の 空 気 燃 焼 設 備 の 構 成 要 素 とほぼ 同 じである CO 2 精 製 装 置 (CPU)-CPU には 排 ガス 乾 燥 サブシステム 及 び 圧 縮 機 が 含 まれる 必 要 に 応 じて 生 成 物 である CO 2 を 精 製 して 不 純 物 を 規 定 レベルまで 除 去 するための 部 分 的 濃 縮 プロセスも 含 まれる さらに マテリアルハンドリング 及 び 熱 エネルギー 利 用 システムも 存 在 するが これらは 空 気 燃 焼 の 場 合 と 大 きく 異 なる 可 能 性 は 低 い ASU 及 び CPU に 関 しては 配 置 条 件 が 重 要 となる 酸 素 燃 焼 には 液 体 燃 料 及 び 気 体 燃 料 に 加 えて 石 炭 石 油 コークス バイオマスなどの 固 体 燃 料 を 用 いることが 可 能 である ある 種 の CO 2 精 製 プロセスによる 予 想 外 の 結 果 とし て 追 加 的 コストをほとんど 又 は 全 く 生 じずに 従 来 の 汚 染 物 質 の 極 低 排 出 が 可 能 となる とみられている 酸 素 燃 焼 の 適 用 及 び 動 向 発 電 用 酸 素 燃 焼 プロセス 汽 力 発 電 所 における 酸 素 燃 焼 プロセスでは 一 般 的 に 合 成 空 気 手 法 が 用 いられる こ の 手 法 では 排 ガスが 再 循 環 され 空 気 を 用 いた 場 合 の 燃 焼 及 び 伝 熱 の 特 性 を 再 現 する 割 合 で 酸 素 と 混 合 された 合 成 空 気 として バーナーに 供 給 される 酸 素 燃 焼 発 電 所 による 総 発 電 量 (ターボ 発 電 機 の 出 力 )は 基 本 的 には 同 等 の 空 気 燃 焼 発 電 所 と 同 じになる しかし 酸 素 燃 焼 発 電 所 では 補 助 動 力 の 使 用 が 増 加 する このことは 同 等 の 総 出 力 を 有 する 空 気 燃 焼 発 電 所 と 比 較 して 正 味 発 電 量 を 低 減 させ( 約 23%) 正 味 効 率 を 低 下 させることになる(EPRI 2011a) 酸 素 燃 焼 の 構 成 要 素 技 術 に 関 する TRL を 図 29 に 示 す 58

74 図 29 酸 素 燃 焼 の 構 成 要 素 に 関 する TRL ASU 酸 素 燃 焼 ボイラ CO 2 精 製 CO 2 圧 縮 / 乾 燥 回 収 を 備 える 酸 素 燃 焼 ボイラ 出 典 :EPRI (2011a, p4-10) 技 術 成 熟 度 ( 最 高 レベル 9) 残 る 最 大 の 技 術 的 課 題 は これらのシステムを 完 全 な 汽 力 発 電 所 に 組 み 入 れることである CO 2 回 収 を 備 えた 商 用 規 模 の 酸 素 燃 焼 発 電 施 設 の 建 設 及 び 操 業 により 回 収 が 組 み 込 まれた 発 電 技 術 を 実 証 するという 根 本 的 な 必 要 性 が 存 在 する 過 去 2 年 間 に 二 つの 統 合 された 酸 素 燃 焼 パイロット 施 設 (TRL-7)が 操 業 されている Vattenfall は 2009 年 半 ばよりドイツの Schwarze Pumpe 発 電 所 において 30MWth の 乾 燥 褐 炭 を 燃 料 とするパイロット 施 設 を 操 業 している また フランスの Total の Lacq プロジェク トでは 30MWth 天 然 ガス 酸 素 燃 焼 ボイラが 2010 年 初 めから 操 業 中 である さらに 2 カ 所 の 施 設 すなわち 豪 州 クィーンズランド 州 における CS Energy による 30MWe 微 粉 炭 発 電 所 の 酸 素 燃 焼 への 転 換 及 びスペインにおける CIUDEN の 石 炭 酸 素 燃 焼 試 験 施 設 (20MWth 微 粉 炭 (PC) 酸 素 燃 焼 ボイラ 及 び 30MWth 酸 素 燃 焼 式 循 環 流 動 層 (CFB)ボイラが 含 まれる)が 2011 年 に 操 業 を 開 始 する 予 定 である(EPRI 2011a) 全 世 界 で より 大 規 模 な 五 つの 実 証 施 設 (TRL-8)が 開 発 中 である これらの 実 証 施 設 はす べて 計 画 / 設 計 段 階 にあり 建 設 への 移 行 はまだ 決 定 されていない( 付 属 資 料 C) 現 在 開 発 中 のフルスケール(TRL-9)の 酸 素 燃 焼 施 設 は 存 在 しない その 他 の 産 業 における 酸 素 燃 焼 プロセス 加 熱 器 における 燃 焼 は 石 油 精 製 所 からの CO 2 排 出 量 の 最 大 60%を 占 めている 既 存 の 石 油 精 製 所 においては 現 場 の 全 加 熱 器 及 びボイラが 集 約 的 に 生 成 された 純 粋 な 酸 素 で 燃 焼 するように 改 修 され 燃 焼 設 備 からの 排 ガスはそれぞれの 煙 突 が 存 在 する 位 置 で 最 初 に 処 理 されるようになるだろう(UNIDO 2010a) セメント 産 業 での 酸 素 燃 焼 技 術 に 関 しては 二 つの 異 なる 選 択 肢 が 提 案 されている(UNIDO 2010b) 部 分 的 回 収 は ( 排 ガスの 再 循 環 による) 酸 素 /CO 2 環 境 での 燃 料 の 燃 焼 を 仮 焼 炉 で 行 うが ロータリーキルンでは 行 わず 二 つの 予 熱 機 のうちの 一 つの 予 熱 機 の 端 部 において ほぼ 純 粋 な CO 2 流 を 回 収 する 全 回 収 は プロセス 全 体 からほぼ 純 粋 な CO 2 流 を 生 成 する 59

75 ために 仮 焼 炉 及 びロータリーキルンの 両 方 における( 排 ガスの 再 循 環 による) 酸 素 /CO 2 環 境 での 燃 料 の 燃 焼 が 基 本 となる 2011 年 は TRL-6 の 達 成 を 目 指 した 実 験 室 及 びプロセス 開 発 装 置 における 活 動 が 進 行 中 で ある 2011~2014 年 に 酸 素 燃 焼 セメント 製 造 パイロット 施 設 の 建 設 及 び 操 業 が 計 画 されて おり TRL-7 が 達 成 されることになる(UNIDO 2010b) 酸 素 燃 焼 の 将 来 の 方 向 性 / 課 題 酸 素 燃 焼 発 電 所 は 統 合 的 な 施 設 であり 酸 素 燃 焼 技 術 の 開 発 には 発 電 所 全 体 による 同 技 術 への 取 組 が 要 求 される したがって 酸 素 燃 焼 のための 技 術 開 発 の 道 筋 は 既 存 の 施 設 の 不 純 物 除 去 プロセス 上 に 設 置 可 能 である 燃 焼 前 及 び 燃 焼 後 回 収 の 場 合 よりもコスト 高 にな る 可 能 性 がある 追 設 /リパワリングが 提 案 されているが 最 適 化 された 新 設 発 電 所 よりも 低 コストの 酸 素 燃 焼 発 電 所 につなげることが 可 能 であるかはまだ 証 明 されていない しかし 非 常 に 多 く の 空 気 燃 焼 発 電 所 が 操 業 中 であるため 同 選 択 肢 に 関 する 更 なる 研 究 が 必 要 である 発 電 所 の 酸 素 燃 焼 プロセスの 将 来 的 な 効 率 向 上 には 以 下 の 項 目 が 含 まれる(EPRI 2011b) 先 進 超 々 臨 界 圧 蒸 気 タービンサイクル:680 /700 /352 バール(1256 F/1292 F/5100psia) の 採 用 約 3.5%の 向 上 高 圧 酸 素 燃 焼 - 再 循 環 ファンによる 補 機 動 力 の 低 減 及 びボイラ 効 率 の 向 上 約 1.4%の 向 上 酸 素 分 離 のためのケミカルループ 燃 焼 - 空 気 分 離 に 用 いられる 補 機 動 力 の 劇 的 な 低 減 約 5%の 向 上 これらのデータを 図 30 に 示 した しかし 高 圧 酸 素 燃 焼 及 びケミカルループ 燃 焼 の 両 方 のメリットを 共 に 達 成 するのは 困 難 な 可 能 性 がある とはいえ ケミカルループ 燃 焼 と 先 進 超 々 臨 界 圧 蒸 気 タービンサイクルの 併 用 は CO 2 精 製 装 置 及 び 再 循 環 ファンで 追 加 される 補 機 動 力 を 補 う 上 で 非 常 に 適 しているだろう これは 従 来 の 汚 染 物 質 の 排 出 がほぼゼロ で CO 2 回 収 が 最 大 98% 可 能 かつ 現 在 建 設 中 の 最 良 の 発 電 所 に 匹 敵 する 効 率 を 有 する 酸 素 燃 焼 発 電 所 の 実 現 につながる 可 能 性 がある(EPRI 2011a) 60

76 図 30 CO 2 回 収 に 起 因 するエネルギー 損 失 を 回 復 させるための 酸 素 燃 焼 の 開 発 技 術 改 良 基 準 発 電 所 酸 素 燃 焼 を 適 用 先 進 超 々 臨 界 圧 ボイラの 追 加 高 圧 酸 素 燃 焼 の 追 加 ケミカルループ 燃 焼 の 追 加 熱 効 率 (%) 出 典 :EPRI(2011a, p4-13) その 他 の 産 業 の CO 2 回 収 産 業 界 におけるほとんどの CO 2 回 収 は 前 述 した 燃 焼 前 燃 焼 後 及 び 酸 素 燃 焼 による CO 2 回 収 手 法 を 用 いて 達 成 することができる しかし 製 鉄 製 鋼 及 びバイオマスの 生 物 化 学 的 変 換 の 場 合 これらの 産 業 で 用 いられる 技 術 の 組 合 せは 厳 密 には 燃 焼 前 燃 焼 後 及 び 酸 素 燃 焼 による CO 2 回 収 手 法 と 一 致 しない 製 鉄 及 び 製 鋼 現 時 点 では 鉄 鋼 産 業 で 低 排 出 の 達 成 が 可 能 な 既 製 の 卖 純 なプロセスは 存 在 しない (UNIDO 2010c) CO 2 回 収 が 関 わるプロセス 経 路 の 以 下 の 3 系 統 について 最 終 的 に 商 業 実 施 に 適 当 な 規 模 へ 拡 大 するための 調 査 が 実 施 されている 高 炉 の 改 良 - 高 炉 炉 頂 ガスが CO 2 回 収 プロセスで 処 理 されるが その 際 残 りの 還 元 ガ スが 空 気 ではなく 純 粋 な 酸 素 を 用 いて 運 転 する 反 応 炉 の 底 部 において 再 注 入 される これは 炉 頂 ガス 再 循 環 高 炉 (TGR-BF)と 呼 ばれる CO 2 が 豊 富 な 流 体 が 貯 留 のために 送 られる ホットサイクロン 及 び HIsmelt 法 の 技 術 の 一 部 を 組 み 入 れた HIsarna と 呼 ばれる 鉄 浴 式 溶 融 炉 の 組 合 せに 基 づく 溶 融 還 元 プロセス 同 プロセスでも 純 粋 な 酸 素 を 使 用 し 貯 留 にほぼ 適 したオフガスが 生 成 される 直 接 還 元 プロセス(ULCORED)- 天 然 ガス 又 は 石 炭 ガス 化 のいずれかから シャフト 炉 内 において 直 接 還 元 鉄 を 生 産 する オフガスは CO 2 回 収 後 にプロセス 内 に 再 循 環 され CO 2 が 濃 縮 された 流 体 のみが 残 って 貯 留 に 向 かう(UNIDO 2010c) 61

77 既 存 の 高 炉 を 新 技 術 に 合 わせて 改 修 可 能 であるため 短 期 的 には TGR-BF 技 術 が 最 も 有 望 な 解 決 策 のようである 天 然 ガスを 入 手 可 能 である 場 合 は ULCORED が 魅 力 的 な 選 択 肢 で あるが 目 的 に 合 わせて 建 造 された 新 技 術 のシャフトキルンが 必 要 である 未 建 設 の 製 鋼 所 の 場 合 は HIsarna プロセスも 一 つの 選 択 肢 になる TGR-BF の 概 念 は 大 規 模 な 実 験 高 炉 で 試 験 済 みであり 肯 定 的 な 結 果 が 得 られている ULCORED プロセスに 関 しては 概 念 の 完 全 な 検 証 を 目 的 として 毎 時 1 トンのパイロット 高 炉 が Luossavaara-Kiirunavaara Aktiebolag(LKAB)によって 今 後 数 年 間 の 内 に 架 設 される 予 定 である HIsarna プロセスに 関 しては ULCOS( 超 低 炭 素 排 出 製 鋼 )プログラムの 一 環 として 毎 時 8 トンのパイロット 高 炉 を 架 設 して 試 験 する 予 定 である ULCOS は 2004 年 から 欧 州 連 合 (EU)において 実 施 中 であり その 他 のプログラムでもこの 課 題 に 取 り 組 んでいる これらのプログラムは ULCOS とともに CO 2 画 期 的 プログラム(CO 2 Breakthrough Program)の 一 部 である CO 2 画 期 的 プログラムとは 製 鋼 における 画 期 的 技 術 の 特 定 に 関 する 様 々な 国 及 び 地 域 の 研 究 開 発 プログラムが 各 々のプロジェクト 情 報 を 交 換 することができるフォーラムである バイオマスの 生 物 化 学 的 変 換 バイオマスの 生 物 化 学 的 変 換 プロセス 例 えば 発 酵 では 供 給 原 料 を 分 解 して 液 体 燃 料 及 び 気 体 燃 料 を 生 成 するために 生 きた 微 生 物 を 使 用 する 発 酵 タンクから 出 る CO 2 が 豊 富 な オフガスは 輸 送 及 び 貯 留 を 容 易 にするために 乾 燥 及 び 圧 縮 される しかしながら バイオ マス 産 業 からの CO 2 の 回 収 及 び 貯 留 は 現 時 点 ではほとんど 関 心 を 持 たれていない 緩 和 技 術 である バイオマスの 生 物 化 学 的 変 換 に 適 用 される 回 収 に 関 する 最 近 の 開 発 は 限 定 的 であ る(UNIDO 2011) 従 来 型 の 第 1 世 代 バイオエタノールの 生 産 プロセスはバイオマスの 発 酵 であり 副 産 物 は 比 較 的 純 度 の 高 い CO 2 流 である CO 2 が 豊 富 なオフガスは 輸 送 及 び 貯 留 を 容 易 にするため に 乾 燥 圧 縮 される 2009 年 第 3 四 半 期 には 最 初 に 商 業 運 転 された CCS 付 きエタノール 工 場 のうちの 一 つ すなわちバイオマスをベースとした 産 業 CO 2 回 収 貯 留 プロジェクトが 米 国 カンザス 州 にある Arkalon バイオエタノール 工 場 で 操 業 を 開 始 した(UNIDO 2011) 2011 年 後 半 には MGSC によって 管 理 される 米 国 内 の 同 様 のパイロットプロジェクトが 操 業 を 開 始 すること が 予 想 される MGSC の 圧 入 試 験 プロジェクトと 同 じ CO 2 排 出 源 を 用 いて それよりも 大 規 模 なイリノイ 州 ICCS プロジェクトが 2011 年 に 建 設 を 開 始 しており 2013 年 の 操 業 が 予 想 されている 62

78 回 収 技 術 の 商 業 化 への 道 筋 実 証 プロジェクトの 重 要 な 役 割 発 電 産 業 における いわゆる First of the kind となる 実 証 プロジェクトで 現 在 利 用 され ている 回 収 技 術 は 性 能 の 点 でまだ 最 適 とはほど 遠 い 状 態 である しかし そうしたプロ ジェクトを 早 急 に 推 進 させ 商 用 規 模 の CCS 実 証 に 進 み 現 在 の 送 電 線 網 環 境 おいて 統 合 的 に 運 用 されること また 十 分 な 貯 留 容 量 を 確 保 することが 重 要 である さらに 重 要 なこ とには これらのプロジェクトは 商 用 規 模 の 施 設 の 経 済 性 及 び 性 能 についての 総 合 的 な 理 解 を 可 能 にし CCS 技 術 の 将 来 における 広 範 な 展 開 にとって 重 要 な 信 頼 性 を 与 えることに なる システム 及 び 構 成 要 素 レベルでのコスト 削 減 及 び 性 能 向 上 のためには 技 術 改 良 とともに 最 適 化 と 高 度 な 統 合 が 必 要 になるのは 疑 いのないことである 商 用 規 模 の CCS 実 証 の 進 展 は 対 処 すべき 優 先 分 野 を 示 す 上 で また 第 2 第 3 世 代 技 術 の R&D への 継 続 的 な 投 資 に 対 する 確 信 を 与 える 上 で 重 要 な 役 割 を 有 する 改 良 された 技 術 及 び 性 能 を 備 えた 複 数 の 大 規 模 な CCS 実 証 を 2020 年 までに 達 成 させ (TRL-9) 不 確 実 性 の 低 減 に 取 り 組 み その 後 の 商 業 化 を 進 めるためには 今 日 の 時 点 で 多 くの 技 術 がパイロット 施 設 の 段 階 (TRL-7)に 近 づいている 必 要 がある 発 電 部 門 における CO 2 回 収 の 適 用 についてはパイロット 施 設 の 規 模 を 達 成 するのに 十 分 な 融 資 を 受 けている ようであるが 準 商 用 規 模 及 びそれ 以 上 での 実 証 に 進 むためには 一 桁 大 きなレベルの 融 資 が 必 要 であろう 完 全 な 商 用 規 模 からその 1/10 の 規 模 の 実 証 に 融 資 する 組 織 はほとんど 存 在 しない 状 態 である この 点 現 時 点 では CCS 技 術 改 良 の 前 進 を 制 約 してはいないかもし れないが そうなるのは 時 間 の 問 題 であろう(EPRI 2011a) 各 技 術 には 実 現 する 上 で 克 服 すべき 特 定 の 障 壁 がある 燃 焼 前 システムは その 性 質 上 既 に 統 合 されているため 回 収 の 際 の 操 業 上 の 問 題 が 信 頼 性 と 利 用 可 能 性 の 低 下 を 引 き 起 こし 設 備 の 性 能 に 影 響 を 及 ぼす 可 能 性 がある 酸 素 燃 焼 システムも 統 合 された 施 設 において 燃 焼 前 システムと 同 じ 課 題 が 発 生 する 可 能 性 がある さらに ボイラ 設 計 / 性 能 の 向 上 及 び 酸 素 生 成 プロセスの 低 コスト 化 の 必 要 性 も 存 在 する 燃 焼 後 回 収 は 追 設 が 可 能 であるため リスクのある 資 本 投 資 を 大 幅 に 低 減 させることができるが 引 き 続 きコスト と 同 技 術 が 設 備 の 性 能 に 及 ぼす 悪 影 響 を 低 減 させる 必 要 がある これらは 旧 式 の 亜 臨 界 施 設 に 対 しては 現 時 点 での 大 きなエネルギー 損 失 とそれに 伴 うディスパッチコスト( 給 電 コスト)の 増 大 及 びそれによって 受 ける 容 量 への 影 響 と 最 終 的 に 得 られる 収 入 の 減 尐 により 現 時 点 では 燃 焼 後 回 収 の 適 用 が 適 切 ではない 可 能 性 があることを 意 味 する しかし 新 設 施 設 又 は 高 効 率 施 設 に 追 設 可 能 であることは それらの 施 設 が 取 り 残 されることなく 炭 素 制 限 がますます 増 大 しつつある 状 況 においても 操 業 可 能 であることを 確 保 する 上 で 極 めて 重 要 な 側 面 になるだろう 発 電 所 からの 回 収 は 石 炭 焚 き 火 力 に 重 点 が 置 かれているが 天 然 ガス 焚 き 火 力 発 電 所 にも 63

79 同 様 に CCS を 適 用 しなければならないという 認 識 が 高 まりつつある 比 較 的 最 近 になって 更 に 多 くのガス 埋 蔵 量 (シェールガスに 代 表 される)が 全 世 界 において 確 認 されていること は ガスの 使 用 が 増 大 し 長 期 にわたることを 意 味 する 大 気 中 CO 2 の 望 ましいレベルを 2050 年 までに 達 成 させるためには 石 炭 焚 き 火 力 発 電 所 に 加 えてガス 焚 き 火 力 発 電 所 に 対 して も CCS を 適 用 しなければならないであろう 性 能 向 上 の 重 要 性 全 タイプの 回 収 においてコスト 削 減 が 引 き 続 き 最 も 重 要 であり 鍵 となる 技 術 開 発 活 動 は 資 本 コスト 及 び 操 業 費 の 両 方 においてこの 問 題 にますます 焦 点 を 合 わせている この 高 コ ストに 関 する 課 題 とともに 引 き 続 き 対 処 すべきもう 一 つの 重 要 課 題 として 回 収 が 発 電 所 の 性 能 に 対 して 及 ぼす 悪 影 響 がある これらの 技 術 タイプそれぞれを 石 炭 火 力 発 電 に 適 用 したときに 削 減 されるCO 2 1 トン 当 た りのコストを 図 31 に 示 した 各 ケースで 用 いた 参 照 プラントは 商 用 の 超 臨 界 圧 PC 発 電 所 である 図 中 の 燃 料 コストは CO 2 削 減 コストのうち 参 照 プラントと 比 較 して CO 2 回 収 設 備 を 操 業 するために 必 要 な 追 加 的 燃 料 費 として 示 される 部 分 を 表 している 同 図 に より エネルギー 損 失 の 低 減 に 焦 点 を 合 わせることの 根 拠 が 示 され 特 に 燃 焼 後 回 収 にと って 潜 在 的 に 大 きな 改 善 の 可 能 性 があることが 示 されている 関 連 する 不 確 実 性 を 考 慮 し た 場 合 現 段 階 ではいずれの 卖 一 の 技 術 に 関 してもコスト 的 に 明 確 に 有 利 であると 特 定 す ることは 困 難 である 図 31 回 収 技 術 に 関 する CO 2 削 減 コスト 酸 素 燃 焼 IGCC 燃 焼 後 回 収 米 ドル/トン 出 典 :Global CCS Institute による 分 析 資 本 コスト 操 業 費 及 び 貯 留 コスト 燃 料 コスト 本 節 での 分 析 は CO 2 回 収 技 術 及 び 回 収 に 関 連 するエネルギー 損 失 及 び 資 本 コストの 低 減 のための 潜 在 的 な 改 善 に 焦 点 を 合 わせている しかし 化 石 燃 料 を 使 用 する 発 電 所 からの CO 2 排 出 量 の 削 減 に 対 しては 微 粉 炭 燃 焼 及 びガスタービンの 基 本 技 術 の 効 率 向 上 が 最 も 寄 与 するだろう 効 率 という 点 でこの 利 用 可 能 な 最 善 の 技 術 を 改 良 することは 構 成 要 素 及 び/ 又 はシステムのどちらであっても 回 収 が 発 電 所 の 性 能 に 及 ぼすエネルギー 上 の 影 響 を 64

80 部 分 的 に 相 殺 することになる( 特 に 第 2 第 3 世 代 の 回 収 技 術 も 含 まれる 場 合 ) 構 成 要 素 及 びシステムレベルでの 最 適 化 及 び 統 合 は 結 果 的 に 性 能 の 向 上 に 結 び 付 く 一 つの 重 要 分 野 である すべてのタイプの 技 術 に 関 して CO 2 回 収 を 備 えた 商 用 規 模 の 施 設 の 建 設 及 び 操 業 により 回 収 が 組 み 込 まれた 発 電 技 術 を 実 証 するという 根 本 的 な 必 要 性 が 存 在 する 燃 焼 前 回 収 では 新 しい 吸 着 媒 体 新 触 媒 及 びプロセスの 組 込 みの 最 適 化 によって CO 2 シフト 反 応 及 び CO 2 回 収 を 改 善 させる 必 要 がある 燃 焼 後 回 収 に 関 しては 負 荷 効 率 溶 媒 損 失 及 び 環 境 への 影 響 の 改 善 を 目 的 とした 触 媒 及 び 化 学 的 改 良 を 通 じて 第 1 世 代 の 溶 媒 を 改 良 することに 重 点 を 置 く 必 要 がある さらに CO 2 と SO 2 の 除 去 を 組 み 合 わせるための 第 2 世 代 溶 媒 の 開 発 も 必 要 である 長 期 的 には 相 変 化 溶 媒 イオン 液 体 及 び 吸 着 技 術 の 開 発 に 基 づく 第 3 世 代 回 収 プロセスも 要 求 される 酸 素 燃 焼 に 関 しては より 効 率 的 なサイクル( 例 えば 石 炭 のケミカルループやガスタービ ンのための 酸 素 燃 焼 サイクル) 及 び 酸 素 生 成 のためのエネルギー 損 失 の 低 減 が 要 求 される 特 に 複 数 の 異 なる 排 出 源 からの CO 2 を 貯 留 の 前 に 一 つにまとめるハブ 構 想 においては CO 2 の 仕 様 及 び 不 純 物 の 影 響 が CCS の 展 開 規 模 に 影 響 を 与 えるため これらの 点 について 理 解 を 深 める 必 要 がある 結 果 的 に 三 つのすべての 主 要 な 回 収 タイプに 関 して 開 発 のための 道 筋 が 存 在 する さ らに 既 に 回 収 を 備 え かつ 長 期 の 残 存 耐 用 年 数 がある 非 常 に 効 率 的 な 既 存 の 発 電 所 に おいて 将 来 世 代 の 技 術 を 追 設 可 能 かについても 理 解 する 必 要 がある このことは 電 力 会 社 のポートフォリオにおける 取 り 残 された 施 設 の 最 小 化 にも 対 処 することになる 技 術 の 開 発 における R&D 及 びパイロット 規 模 のプロジェクトの 重 要 性 中 小 規 模 の 技 術 実 証 プロジェクトは 例 え 完 全 には 統 合 されていなくても CCS の 商 業 化 に 向 けた 前 進 を 実 質 的 に 支 援 する 多 くの 利 益 をもたらす これらのプロジェクトは 小 規 模 な 投 資 で 技 術 的 な 不 確 実 性 を 低 減 させるためだけでなく CCS の 実 証 及 び 展 開 に 必 要 な 地 域 的 な 熟 練 技 能 及 び( 人 材 ) 能 力 を 構 築 する 基 礎 を 築 くためにも 不 可 欠 であり それには 以 下 のような 項 目 が 含 まれる 技 術 者 技 師 科 学 者 及 び 管 理 責 任 者 の 実 務 経 験 による 学 習 機 会 法 規 制 制 度 の 試 行 及 び 規 制 当 局 による 新 技 術 への 精 通 大 規 模 では 検 討 することが 不 可 能 な 装 置 及 び 限 界 の 試 験 産 業 パートナーシップを 通 じて 進 められる 場 合 には 現 実 の 実 務 的 関 係 を 作 る 機 会 の 提 供 技 術 開 発 進 捗 状 況 の 比 較 評 価 実 際 の 地 域 社 会 による 関 与 の 機 会 産 業 条 件 下 においてパイロット 規 模 で CCS 技 術 を 試 験 するための 多 くの 活 動 が 研 究 組 65

81 織 技 術 提 供 者 及 び 産 業 界 によって 世 界 的 規 模 で 実 施 されているが これらのプロジェク トは 財 政 面 で 大 きな 障 害 に 直 面 している このタイプの R&D は その 規 模 操 業 費 保 険 及 び 法 律 的 なコストにより 実 験 室 規 模 の 活 動 と 比 較 して 高 額 となる さらに 5~10 年 の 期 間 の 長 期 的 な 融 資 キャッシュフローの 確 実 性 及 び 臨 時 費 用 のための 引 当 金 の 準 備 が 要 求 される これらの 事 情 は 伝 統 的 な R&D 融 資 モデルにきちんと 適 合 しない CCS R&D パ イロットプロジェクトのための 長 期 的 な 融 資 支 援 は 技 術 の 商 業 化 にとって 一 つの 不 可 欠 な 要 素 である 技 術 を 成 功 裏 に 進 展 させるためには 産 業 規 模 での 実 証 及 び 構 成 要 素 の 性 能 向 上 に 焦 点 を 合 わせて 進 行 中 の R&D の 両 方 が 必 要 である 初 期 の 実 証 プロジェクトでは 実 体 験 による 学 習 を 通 じて 建 設 上 及 び 操 業 上 の 想 定 外 の 問 題 が 明 確 化 されることになる このため 初 期 の 実 証 試 験 は 通 常 控 えめな 設 計 となる 実 体 験 による 学 習 は 時 間 とともに 改 良 をもた らす 一 方 で CO 2 回 収 をより 経 済 的 に 可 能 とするために 要 求 されるコスト 及 び 性 能 の 大 きな 前 進 がなされないおそれがある(DOE NETL 2010b) 実 証 プログラムを 補 完 する R&D は 大 きな 前 進 を 促 進 する 上 で また 新 たな 構 成 要 素 に 伴 う 複 雑 さとリスクを 管 理 して 次 世 代 の 大 規 模 CCS プロジェクトにおける 性 能 向 上 に 寄 与 できるようする 上 で 不 可 欠 である 3.2 輸 送 CO 2 回 収 地 点 から 最 終 的 な 貯 留 地 点 までの 輸 送 に 係 る 工 程 は CCS チェーンにおける 一 つ の 極 めて 重 要 な 要 素 である これらの 二 つのサイトがほぼ 隣 接 し 非 常 に 短 い 区 間 におい て CO 2 を 移 動 させる 必 要 があるだけのプロジェクトが 存 在 する 一 方 で ほとんどのプロジ ェクトの 場 合 は 輸 送 距 離 が 数 十 km さらには 数 百 km に 及 ぶ 輸 送 距 離 が 長 くなるに 従 い コストも 増 大 し 多 くの 場 合 は 克 服 すべき 課 題 の 数 も 増 加 することになる これらの 課 題 には 通 行 権 の 確 保 や 社 会 的 受 容 性 に 加 えて 再 圧 縮 や 監 視 などの 技 術 的 課 題 も 含 まれる IEA BLUE Map シナリオに 示 されている 2050 年 までに 3,400 件 の 産 業 規 模 の CCS プロジ ェクトを 支 援 するためには 20 万 km を 超 えるパイプラインを 敶 設 する 必 要 があり これ を 実 現 するためのコストは 2 兆 5,000 億 ~3 兆 米 ドルと 試 算 されている(Insight Economics 2011) このことは CO 2 輸 送 が 比 較 的 短 期 間 で 非 常 に 大 規 模 な 計 画 及 び 投 資 を 必 要 とする 重 要 な 工 業 部 門 になることを 意 味 する さらに 特 定 の 状 況 下 では 特 別 に 設 計 及 び 建 造 さ れた 船 舶 による 輸 送 を 行 う 可 能 性 もある 他 の 産 業 例 えば 天 然 ガス 及 び LNG 輸 送 の 分 野 においては 非 常 に 大 量 の 液 体 及 び 気 体 をパイプライン 及 び 船 舶 の 両 方 によって 長 距 離 輸 送 する 経 験 が 豊 富 にある CO 2 に 関 しては 特 に 米 国 が 輸 送 用 のパイプラインの 敶 設 と 船 舶 の 建 造 及 びそれらの 運 用 に 関 して 長 年 の 経 験 を 有 する その 結 果 必 要 な 技 術 についての 知 識 及 び 対 処 する 必 要 がある 数 多 くの 課 題 に 取 り 組 むための 経 験 が 蓄 積 されている しかしながら 大 きな 問 題 となっているのは 将 来 の CO 2 輸 送 事 業 の 規 模 である 66

82 CCS の 完 全 な 商 業 化 は 数 多 くの CO 2 排 出 源 がパイプライン そして 時 には 船 舶 を 用 い て 共 有 ネットワークを 通 じて 貯 留 シンクに 連 結 される 複 雑 な 輸 送 インフラに 依 存 する 見 込 みである 当 該 ネットワークの 構 築 は 数 多 くの 環 境 及 び 商 業 的 な 利 益 をもたらすこと になるが すべての 利 害 関 係 者 特 に 産 官 における 早 期 の 緊 密 な 協 力 が 要 求 されることに なる パイプライン パイプラインは CCS において 非 常 に 大 量 の CO 2 を 輸 送 する 主 な 手 段 であり 今 後 もそう あり 続 ける 見 込 みである 一 般 的 にパイプラインは 陸 域 及 び 海 底 の 両 方 において 確 立 され た 技 術 である 米 国 卖 独 でも 350 万 km の 天 然 ガス 配 給 ラインに 加 えて 約 80 万 km に 及 ぶ 有 害 液 体 物 質 及 び 天 然 ガスのパイプラインが 存 在 する 現 在 操 業 中 の CO 2 輸 送 パイプラインの 総 延 長 は 約 6,000km であり その 大 部 分 が 米 国 の パイプラインネットワーク 内 に 存 在 する( 図 32) 同 パイプラインネットワークでは 約 50Mtpa の CO 2 が 輸 送 され 過 去 40 年 間 にわたって 整 備 されてきている 67

83 図 32 北 米 における 既 存 及 び 計 画 中 の CO 2 パイプライン 肥 料 工 場 及 び 石 油 精 製 所 ( 人 為 起 源 ) Great Plains ガス 化 工 場 ( 人 為 起 源 ) Antrim ガス 施 設 ( 人 為 起 源 ) LaBarge ガス 施 設 ( 人 為 起 源 ) McElmo Dome( 天 然 起 源 ) アンモニア 工 場 ( 人 為 起 源 ) Sheep Mountain Wells( 天 然 起 源 ) Bravo Dome( 天 然 起 源 ) Jackson Dome( 天 然 起 源 ) 北 米 CO 2 パイプライン 操 業 中 提 案 中 各 パイプラインを 異 なる 色 で 区 別 した CO 2 源 ガス 施 設 ( 人 為 起 源 ) 出 典 :データは Ventyx 米 国 エネルギー 省 国 立 エネルギー 技 術 研 究 所 及 び 米 国 隔 離 データベース 地 理 情 報 システムによって 提 供 された 68

84 米 国 の CCS の 展 開 を 支 えるために 必 要 なパイプラインインフラの 規 模 は 2020 年 には 約 8,000~2 万 1,000km(5,000~1 万 3,000 マイル) 2050 年 には 約 3 万 5,000~5 万 8,000km(2 万 2,000~3 万 6,000 マイル)になることが 試 算 されている(Dooley ら 2009; ICF International 2009) 米 国 の 天 然 ガス 産 業 が 1998~2007 年 に 3 万 3,521km(2 万 829 マイル)のパイプライ ンを 敶 設 した(EIA 2008)ことを 考 慮 した 場 合 これらの CO 2 パイプライン 敶 設 速 度 は 達 成 可 能 と 考 えられる 達 成 可 能 である 一 方 で CO 2 パイプラインを 敶 設 する 時 に 他 のパイ プライン 敶 設 事 業 による 需 要 ( 資 源 従 事 者 の 育 成 及 び 鉄 鋼 などの 物 資 )と 競 合 することに なる 欧 州 では EU 及 びノルウェーに 既 に 存 在 する CCS 開 発 計 画 ( 陸 域 及 び 沖 合 貯 留 )を 達 成 す るために 必 要 なパイプラインの 総 延 長 は 2020 年 までに 約 2,300km 2030 年 までに 1 万 5,000km 2050 年 までに 2 万 2,000km になると CO 2 Europipe コンソーシアムにより 試 算 さ れている( 図 33 Neele ら 2010) これらの 試 算 には 個 々のプロジェクトを 主 となるパイ プライン 網 に 連 結 させるために 必 要 なパイプライン 長 は 含 まれていない CO 2 Europipe の 報 告 書 によると 最 も 多 くのパイプラインが 敶 設 される 国 は ドイツ ノルウェー 及 びポ ーランドであり その 主 な 理 由 は 大 量 の CO 2 を 輸 送 するためで 数 本 の 並 行 するパイプラ インが 必 要 となる 場 合 もある しかし フランス バルト 海 沿 岸 諸 国 英 国 及 びルーマニ アでは 2030 年 までの 期 間 に 特 に 活 動 的 になる 必 要 がある 実 際 多 くの EU 加 盟 国 にお いて パイプラインネットワークの 大 部 分 を 2030 年 までに 完 成 させる 必 要 があるため 2020 年 から 2030 年 にかけてパイプライン 敶 設 への 注 力 が 最 大 になることが 予 想 される このような 規 模 の 事 業 を 達 成 するためには 年 間 約 1,200~1,500km のパイプライン 敶 設 速 度 が 必 要 になる 米 国 と 同 様 に 欧 州 でもこのパイプライン 敶 設 速 度 を 実 現 することは 可 能 である 69

85 図 33 欧 州 CO 2 輸 送 回 廊 及 び 輸 送 量 CO 2 Europipe の 2050 年 参 考 シナリオ 参 考 シナリオ 2050 年 CO 2 輸 送 量 (Mtpa) ガス 田 群 帯 水 層 群 CO 2 源 群 出 典 :Neele ら(2010) クラスター ハブ 及 びネットワーク 前 述 したように 現 在 先 行 しているプロジェクトは 主 に 又 はそのすべてを 専 用 パイ プラインを 通 じての 2 点 間 輸 送 に 依 存 すると 考 えられる しかし 上 述 の 将 来 的 な CO 2 輸 送 能 力 の 試 算 では クラスター ハブ 及 びネットワークの 整 備 を 前 提 としている 可 能 性 のあるクラスター ハブ 及 びネットワークの 特 定 は 通 常 CO 2 排 出 源 とシンク(CO 2 貯 留 サイト)の 包 括 的 な 検 討 及 びマッチングに 基 づいて 行 われる 当 該 作 業 は 世 界 中 の 多 くの 地 域 で 既 に 着 手 されており 更 なる 研 究 も 継 続 中 である CCS の 大 規 模 展 開 によって 近 接 する CO 2 排 出 源 群 (CO 2 排 出 源 のクラスター)が 幹 線 パ イプラインによってハブを 通 じてシンク 群 (シンクのクラスター)に 連 結 されることになる はずである 次 に それよりも 短 距 離 の 収 集 供 給 又 は 配 送 のためのパイプラインが 個 々 の CO 2 排 出 源 及 びシンクをネットワークに 連 結 させることになる 卖 純 なネットワークは 木 のように 構 成 され 木 の 枝 それぞれが CO 2 排 出 源 からの 供 給 パイプラインを 表 し 幹 が 幹 線 CO 2 パイプラインであり 根 が 様 々なシンクに 連 結 する 配 送 パイプラインを 表 す 共 有 インフラにより 多 大 なスケール メリットを 達 成 することが 可 能 である クラスタ 70

86 ー 型 の 輸 送 システムは そのクラスターの 規 模 に 左 右 されるものの 2 点 間 輸 送 システム と 比 較 して 25%をはるかに 超 える 支 出 の 節 約 が 可 能 になる (McKinsey 2008; Mikunda ら 2010) さらに 当 該 ネットワークを 構 築 することで 将 来 の 投 資 に 対 する 障 害 を 大 幅 に 低 減 させることが 可 能 である 様 々な 利 害 関 係 者 及 び 産 業 が 参 加 することで 将 来 の 商 業 的 CO 2 市 場 を 下 支 えするための 事 業 構 造 と 融 資 構 造 を 構 築 することができる ネットワークを 構 築 することにより 例 えばパイプライン 敶 設 に 必 要 となる 許 認 可 発 行 の 総 数 を 減 尐 させ 地 域 内 での 展 開 の 促 進 及 び 加 速 化 を 実 現 することも 可 能 である その 結 果 ネットワーク を 構 築 することで CCS プロジェクトに 係 る 財 政 的 なリスクを 低 減 させること 及 び 個 々の CO 2 プロジェクトのビジネス 事 例 を 改 善 することが 可 能 である ネットワークによって 2 点 間 システムを 採 用 するにはコストがかかり 過 ぎる 小 規 模 な CO 2 排 出 源 をネットワークに 組 み 込 む 機 会 及 びネットワーク 構 築 に 必 要 な 技 術 に 係 る 地 域 雇 用 や 専 門 性 の 創 出 といった 機 会 も 提 供 される しかし ネットワークを 構 築 する 際 に 直 面 する 大 きな 問 題 の 一 つは 初 期 プロジェクト だけでは 大 きすぎるパイプラインに 初 期 投 資 することで これらのプロジェクトが 深 刻 な 財 政 リスクを 抱 える 可 能 性 があることである パイプラインの 予 備 輸 送 能 力 は 最 終 的 には 新 規 参 入 者 によって 引 き 継 がれることが 予 想 されるが 特 に 政 府 は 実 証 のためのインセン ティブを 提 供 する 際 にこのリスクを 理 解 している 必 要 がある この 課 題 は 第 三 者 による ネットワークパイプラインインフラへのアクセスという 課 題 及 び 当 該 アクセスに 関 する 規 制 が 必 要 になる 可 能 性 とも 密 接 に 関 係 している 最 後 に ガスの 組 成 に 関 連 する 課 題 特 に CO 2 流 の 中 には 様 々な 付 随 的 な 関 連 物 質 が 含 まれており それらの 物 質 は CO 2 排 出 源 ご とに 異 なること 及 びパイプライン 内 で 混 合 されたときの 化 学 反 応 に 関 する 問 題 が 考 えられ る これらの 課 題 に 対 して すべての 産 業 パートナー 地 方 自 治 体 及 び 中 央 当 局 との 間 で 緊 密 な 協 力 が 要 求 される タイミングが 極 めて 重 要 になり 得 るため この 取 組 を 早 期 に 開 始 する 必 要 がある 現 在 豪 州 欧 州 及 び 北 米 においていくつかのハブ 及 びクラスタープロジェクトが 提 案 又 は 開 発 されている 豪 州 の Collie Hub プロジェクトでは 西 オーストラリア 州 政 府 が 多 数 の 産 業 パートナー と 共 同 で 事 業 を 進 めている 現 在 Collie Hub プロジェクトでは フィージビリティ スタ ディ( 実 行 可 能 性 調 査 )の 前 進 を 目 的 として 貯 留 及 び 輸 送 に 関 する 課 題 に 注 力 している 同 プロジェクトの 試 運 転 ケース(enabling case) 及 び 基 本 ケースを 裏 付 けるため パイプライン ネットワークのフィージビリティ スタディが 開 始 されている 試 運 転 ケース( 試 験 的 隔 離 ) において 目 標 とする 貯 留 サイトが CO 2 の 長 期 貯 留 に 適 することが 実 証 されることを 条 件 として 基 本 ケースが 進 行 することになる 基 本 ケースでは まず 2015 年 に 提 案 されて いる Perdaman アンモニア 尿 素 工 場 から 最 大 で 2.5Mtpa の CO 2 を 回 収 することとし その 後 Collie 地 域 の 石 炭 関 連 産 業 から 排 出 される 最 大 で 9Mtpa の CO 2 を 輸 送 するためにハブの 容 量 を 更 に 拡 大 させることが 計 画 されている 71

87 同 じく 豪 州 のビクトリア 州 政 府 が 現 在 主 導 する CarbonNet CCS ネットワークにおいては 今 後 10 年 以 内 に CCS バリューチェーン 全 体 にわたる 複 数 の CCS プロジェクト 及 び 提 案 者 を 統 合 すること 及 びその 際 に 新 規 参 入 者 に 対 する 参 入 障 壁 を 徐 々に 下 げることが 計 画 され ている 同 ネットワークでは 2018 年 以 前 は 1.2Mtpa の CO 2 排 出 量 を 回 収 及 び 貯 留 する 規 模 に 設 定 し その 後 20Mtpa 以 上 の CO 2 に 対 処 するために 規 模 を 拡 大 できるようにする さらに 豪 州 の 東 海 岸 地 帯 に 対 応 するために その 後 更 に 拡 大 する 可 能 性 がある 欧 州 では 今 日 において 最 も 前 進 している CCS ネットワークプロジェクトがロッテルダ ム 周 辺 地 域 に 存 在 する RCI は 2006 年 に 開 始 され 現 在 では 主 要 企 業 18 社 の 協 力 体 制 が 構 築 されており 回 収 プロジェクト 及 び CCS インフラのビジネス 事 例 のための 工 学 的 なフ ィージビリティ スタディレベルの 研 究 を 実 施 している(RCI 2011) さらに 排 出 者 に 対 し その 排 出 源 から 回 収 された CO 2 を 沖 合 貯 留 サイトまで 輸 送 する 完 全 な 物 流 手 段 を 提 供 する 液 体 CO 2 船 舶 物 流 構 想 (CO 2 Liquid Logistics Shipping Concept) に 関 するフィージ ビリティ スタディも 実 施 されてきている(Vopak and Anthony Veder 2011) 同 プロジェクト は 最 終 的 に 多 くの 排 出 源 から CO 2 を 回 収 し 共 通 の 輸 送 インフラによって 中 間 ハブに 集 め パイプライン 又 は 船 舶 で 最 終 利 用 者 (EOR を 含 む)に 配 送 するか 北 海 海 底 下 の 深 部 地 層 に 貯 留 することを 目 指 している まず 2015 年 頃 に 回 収 と 貯 留 を 開 始 する 実 証 段 階 から 2025 年 までに 同 地 域 から 排 出 される 20Mtpa という 大 量 の CO 2 の 取 扱 いに 至 るまで 迅 速 に 規 模 を 拡 大 することになる 同 ネットワークがスケール メリットを 創 出 し ロッテルダ ム 地 域 において CCS の 全 体 コストを 引 き 下 げることが 期 待 される 欧 州 における 別 の 重 要 なネットワークが 英 国 のサウスヨークシャー 及 びハンバー 地 域 に おいて 整 備 中 である この 地 理 的 には 比 較 的 小 さい 地 域 は ロッテルダムと 数 多 くの 類 似 点 を 有 し 北 海 への 良 好 なアクセス 手 段 を 有 する 比 較 的 小 さな 地 域 に いくつかの 主 要 な CO 2 排 出 施 設 ( 発 電 所 精 錬 所 及 び 製 鋼 所 )が 存 在 する 同 地 域 の 総 排 出 量 は 英 国 最 大 の 約 60Mtpa である 貯 留 は まず 二 つの 沖 合 ガス 田 のクラスターのうちの 一 つを 対 象 とし そ の 後 に 北 海 单 部 の 北 部 区 画 内 の 塩 水 帯 水 層 を 対 象 とすることが 考 えられる 同 地 域 には EOR 実 現 の 可 能 性 も 存 在 する さらに EOR を 目 的 とする CO 2 輸 出 計 画 又 は 同 地 域 にお ける 貯 留 を 目 的 とする CO 2 輸 入 計 画 の 中 に CO 2 船 舶 輸 送 ターミナルを 含 めることも 可 能 で ある 同 地 域 の 発 電 所 のうちの 3 カ 所 については EU の NER300 プログラムによる 支 援 に 対 する 申 請 が 既 に 英 国 政 府 によって 提 出 されている 米 国 ではネットワークへの 取 組 方 法 が 多 尐 異 なっており 可 能 性 のある 大 規 模 な 貯 留 サ イトの 特 定 特 性 把 握 及 び 試 験 に 重 点 が 置 かれている 米 国 では 炭 素 隔 離 地 域 パートナー シップ(RCSP)が CO 2 を 回 収 して 恒 久 的 に 貯 留 するための 様 々な 手 法 の 技 術 的 及 び 経 済 的 実 現 可 能 性 について 評 価 することによって 気 候 変 動 に 取 り 組 む 全 国 的 ネットワークの 中 核 を 形 成 している 地 域 パートナーシップのうちの 一 つである Plains CO 2 削 減 パートナー シップ(PCOR)は カナダの 重 要 な 平 原 地 帯 (Weyburn-Midale サイトを 含 む)も 網 羅 している 地 域 パートナーシップの 研 究 結 果 に 基 づき 最 終 的 には 全 国 的 なネットワークになる 可 72

88 能 性 がある 地 域 パイプラインネットワークが 構 築 されることが 予 想 される 例 えば 当 該 地 域 ネットワークの 一 つが 中 西 部 地 域 に 存 在 する 可 能 性 があり 2020~2030 年 には 95 カ 所 という 多 数 の 比 較 的 小 規 模 な 高 純 度 排 出 源 及 びおそらく 8 カ 所 の 発 電 所 からの CO 2 を 回 収 して 同 地 域 内 の 3 カ 所 の 貯 留 サイトのうちの 1 カ 所 まで 輸 送 するための 2,282 マイ ル(3,600km 超 )の CO 2 幹 線 パイプラインが 敶 設 されるであろう 2040 年 までに 基 本 的 に は 同 じパイプラインネットワークが 共 通 の 小 規 模 な 排 出 源 及 び 40 カ 所 を 超 える 発 電 所 か らも CO 2 を 回 収 することになるであろう 2050 年 までには 幹 線 パイプラインネットワー クが 4,300 マイル( 約 6,800km)にまで 延 長 して 80 カ 所 を 超 える 発 電 所 から CO 2 を 回 収 す ることになるであろう カナダ 西 部 の 統 合 CO 2 ネットワーク(ICO 2 N)は 発 電 所 石 炭 生 産 者 及 びオイルサンド 生 産 者 を 含 む 数 多 くの 大 企 業 を 一 つにまとめた 作 業 グループである 同 ネットワークは 統 合 CCS インフラ 整 備 の 提 唱 において 主 導 的 役 割 を 果 たしており その 利 益 として スケール メリットを 通 じての 卖 位 コストの 削 減 インフラの 縮 小 安 全 性 向 上 建 設 中 の 環 境 への 影 響 の 最 小 化 標 準 化 と 簡 素 化 及 び 規 制 上 の 負 担 の 軽 減 が 含 まれることが 予 想 される 現 在 アルバータ 州 政 府 の CCS 資 金 援 助 プログラムの 一 環 として 4 件 の CCS プロジェクト がアルバータ 州 において 開 発 中 であるが これらのプロジェクトのうちの 1 件 はアルバー タ 州 CO 2 幹 線 パイプラインの 整 備 である アルバータ 州 CO 2 幹 線 パイプラインとは 様 々 な CO 2 排 出 源 から CO 2 を 回 収 してアルバータ 州 中 央 での EOR のために 配 送 し その 後 Red Deer 地 域 の 单 部 まで 配 送 するために 用 いられるパイプラインシステムである( 図 34) 図 34 カナダ 西 部 における CCS の 可 能 性 操 業 中 のプロジェクト 提 案 中 のプロジェクト 凡 例 一 般 的 EOR 所 在 地 操 業 中 の CO 2 パイプライン 提 案 中 の CO 2 パイプライン 可 能 性 のある CO 2 輸 送 ルート 大 規 模 CO 2 排 出 源 所 在 地 出 典 :Integrated CO 2 Network Global CCS Institute により 修 正 73

89 船 舶 輸 送 輸 送 ネットワークの 大 部 分 はパイプラインを 主 に 使 用 することになるが 数 カ 所 では 船 舶 輸 送 が 代 替 の 選 択 肢 になる 可 能 性 がある CO 2 の 船 舶 輸 送 は 既 に 実 施 されているが 非 常 に 小 規 模 である 現 在 は 4 隻 の 小 型 船 舶 が 広 域 に 存 在 する 様 々な 排 出 源 から 欧 州 沿 岸 の 配 送 ターミナルまで 食 用 品 質 の CO 2 ( 約 1,000 トン)を 輸 送 しているのみである しかしながら 大 量 の CO 2 の 船 舶 輸 送 は 既 に 非 常 に 多 くの 専 門 知 識 があり かつ 70 年 間 にわたって 世 界 的 産 業 として 発 展 してきている 液 化 石 油 ガス(LPG) 又 は LNG の 船 舶 輸 送 分 野 との 共 通 点 が 多 いと 考 えられる ノルウェー 及 び 日 本 では これまでよりも 大 型 の CO 2 輸 送 船 の 設 計 作 業 を 既 に 開 始 している CO 2 輸 送 船 は 設 計 の 点 で 約 -50 で 貨 物 を 輸 送 する 半 冷 凍 LPG 輸 送 船 と 非 常 に 類 似 することに なると 予 想 される 期 待 される 輸 送 能 力 は 1 万 ~4 万 m 3 ( 典 型 的 には 2 万 ~3 万 m 3 )の 範 囲 である 共 同 プロジェクトである CO 2 Europipe では CO 2 船 舶 輸 送 と 比 較 した 場 合 におけるパイプ ラインの 相 対 的 利 点 を 検 討 している(Neele ら 2010) この 検 討 では 船 舶 輸 送 は 以 下 の 二 つのタイプのプロジェクトにおいて 重 要 な 役 割 を 果 たすことが 可 能 であると 結 論 付 けられ ている CCS 立 ち 上 げ 時 パイプラインプロジェクト 及 びインフラの 計 画 及 び 建 設 中 に 利 用 - パイプラインが 利 用 可 能 になった 時 点 で 船 舶 は 他 の 事 業 に 再 利 用 すること ネ ットワークの 稼 働 停 止 時 間 リスクを 軽 減 するためにパイプラインを 補 完 すること 及 び/ 又 は 簡 卖 にアクセス 可 能 な 小 規 模 な 容 量 を 扱 う 現 場 での CO 2 貯 留 開 発 の 際 に 再 利 用 することが 可 能 である 船 舶 輸 送 が 最 も 費 用 効 対 果 の 高 い 解 決 策 である 船 舶 輸 送 専 用 プロジェクト 向 け 船 舶 が 輸 送 において 重 要 な 役 割 を 果 たすことができるかを 判 定 するには 排 出 源 の 位 置 が 重 要 である 通 常 排 出 源 が 海 岸 近 くに 位 置 しているため CO 2 を 直 ちに 液 化 して 貯 蔵 し 船 舶 に 積 み 込 むことが 可 能 であるか( 例 えば RCI の 場 合 ) 他 の CO 2 排 出 源 に 近 いため CO 2 供 給 容 量 を 増 大 させて 船 舶 がアイドル 状 態 になる 危 険 性 を 低 減 させることが 可 能 であるか ( 例 えば サウスヨークシャー/ハンバークラスターの 場 合 ) 又 は 重 要 な 内 陸 水 路 の 近 くに 存 在 するか( 水 路 付 近 の 内 陸 排 出 源 からの CO 2 を 船 舶 又 はバージで 回 収 して 主 要 な 積 込 施 設 まで 運 び シンクまで 輸 送 することが 可 能 )などである 船 舶 輸 送 は 変 動 する 輸 送 量 に 適 切 に 対 応 することが 可 能 であるため 一 般 的 に 排 出 源 の 回 収 量 が 立 ち 上 がり 時 には 比 較 的 尐 ないが 時 間 と 共 に 増 大 するような 場 合 に 考 慮 すべき 選 択 肢 となる シンクに 関 しては 遠 隔 に 位 置 し さらにパイプラインネットワークへの 接 続 が 不 可 能 か 経 済 性 に 乏 しい 比 較 的 小 規 模 な 沖 合 が 船 舶 輸 送 の 候 補 になると 推 定 するこ とができる しかしその 場 合 でも 船 舶 が 現 場 で 荷 おろしするための 海 中 インフラ 及 び 港 74

90 湾 インフラを 整 備 する 必 要 があり 船 舶 プロジェクトを 採 用 するためには その 投 資 を 最 短 期 間 で 回 収 するに 足 る 貯 留 容 量 を 当 該 現 場 が 有 する 必 要 がある 圧 入 速 度 が 比 較 的 小 さ い 現 場 では 往 復 時 間 が 長 く 船 舶 輸 送 の 実 行 可 能 性 を 引 き 下 げることになるため 圧 入 速 度 も 重 要 になる 傾 向 がある 最 大 圧 入 速 度 は 一 般 的 に 貯 留 サイトが 満 たされるのに 伴 い 時 間 と 共 に 低 下 するため 船 舶 輸 送 は 貯 留 サイトの 寿 命 の 初 期 のほうが 実 施 可 能 性 が 高 いことが 予 想 される 船 舶 及 びパイプラインの CO 2 輸 送 卖 位 コストを 比 較 すると CO 2 排 出 源 及 びシンクが 互 いに 近 くに 所 在 する 場 合 はパイプラインが 最 も 費 用 対 効 果 の 高 い 解 決 策 であることが 分 か るであろう 距 離 が 長 くなるに 従 いパイプラインのコスト( 特 に 資 本 コスト)が 徐 々に 増 大 し 船 舶 輸 送 の 方 が 経 済 的 競 争 力 の 高 い 解 決 策 になる 可 能 性 がある(ZEP 2011) CO 2 プロ ジェクトの 開 発 では CO 2 排 出 源 とシンクの 間 の 距 離 がより 短 い 事 業 が 最 初 に 開 発 され パイプラインネットワークを 用 いて 実 現 されることになると 推 定 できる 他 方 船 舶 輸 送 の 方 が 柔 軟 な 解 決 策 であり 数 カ 所 の 異 なる 排 出 源 又 はハブに 対 応 が 可 能 かつ 異 なる 貯 留 サイトへ 輸 送 することができる 欧 州 では 可 能 性 のある 貯 留 の 大 部 分 は 北 海 の 油 ガス 田 及 びその 周 辺 の 沖 合 に 存 在 するため 柔 軟 性 のある 船 舶 輸 送 に 対 する 注 目 が 高 くなってお り ( 貯 留 容 量 が 比 較 的 限 られている 油 ガス 田 の 場 合 でも)EOR 目 的 での CO 2 の 利 用 に 結 び 付 いていることが 多 い 西 欧 の 貯 留 容 量 の 多 くは 沖 合 に 存 在 する 一 方 で 北 海 の 海 底 には 広 範 な 石 油 パイプライ ンネットワーク 及 びガスパイプラインネットワークが 既 に 存 在 しており これらのパイプ ラインネットワークの 一 部 を 将 来 的 には CO 2 輸 送 のために 用 いることができる このため 同 地 域 における 輸 送 にとって ゆくゆくは 船 舶 輸 送 が 重 要 な 役 割 を 果 たすことが 考 えられ る 一 方 で ほとんどの 場 合 においてパイプラインが 引 き 続 き 解 決 策 としての 第 一 候 補 にな る 見 込 みである しかしこのことは 主 要 な 排 出 源 が 沿 岸 近 くに 位 置 していても その 周 辺 に 大 規 模 貯 留 が 可 能 な 貯 留 サイトが 存 在 しない 多 くの 国 々には 該 当 しない 例 えば 日 本 では 船 舶 輸 送 が 好 ましい 選 択 肢 であると 思 われる 当 インスティテュートは 千 代 田 化 工 建 設 及 び 東 京 大 学 による 船 舶 輸 送 方 式 による CCS のための CO 2 輸 送 船 に 関 する 予 備 的 フィージビリティ スタディを 後 援 している 他 の 多 くの 国 と 同 様 に 日 本 では 外 航 船 による CO 2 輸 送 が 同 地 域 でのシンク/ 排 出 源 適 合 条 件 が 課 す 制 約 への 魅 力 的 かつ 実 現 可 能 な 代 替 策 になり 得 る CO 2 Europipe の 研 究 においても 判 明 したように 船 舶 輸 送 方 式 の 採 用 は CCS プロジェクトにおける 回 収 地 輸 送 ルート 及 び 貯 留 サイトの 変 更 におけるプロジェクトの 柔 軟 性 を 高 める 効 果 がある CCS チェーンに おける 各 構 成 要 素 の 時 間 位 置 及 び 規 模 が 柔 軟 であることは 利 害 関 係 者 による 柔 軟 な 意 思 決 定 を 可 能 にし 当 該 地 域 における 円 滑 な CCS 導 入 をもたらすことになる このことは 石 油 ガス 産 業 が 貯 留 サイト 選 定 に 役 立 つ 探 査 データを 有 するいくつかの 地 域 とは 異 なり 同 産 業 が 比 較 的 未 熟 又 は 弱 い 国 において 特 に 当 てはまる さらに 東 アジア 地 域 において 海 洋 の 貯 留 サイトの 水 深 が 200m より 深 いと 特 定 された 場 合 には パイプラインよりも 船 75

91 舶 によるアクセスのほうが 容 易 な 可 能 性 があり 船 舶 輸 送 方 式 による CCS の 輸 送 網 が 魅 力 的 であると 思 われる 千 代 田 化 工 建 設 による 研 究 の 目 的 は 圧 入 設 備 を 装 備 した CO 2 シャトルシップの 技 術 的 及 び 経 済 的 実 行 可 能 性 を 実 証 することである 当 該 システム( 図 35)では 一 時 貯 留 設 備 を 備 えた 海 洋 プラットフォーム( 有 人 又 は 無 人 )が 不 要 になる 研 究 報 告 書 では 船 舶 その 貯 留 タンク フレキシブルパイプメカニズム ピックアップブイシステム 及 び 関 連 する 通 信 システムの 詳 細 な 工 学 研 究 を 示 すことに 加 えて 沖 合 での CO 2 貯 留 を 対 象 とするすべて の 関 連 する 国 際 及 び 国 内 の 規 制 を 再 検 討 している 図 35 CO2 輸 送 船 : 船 舶 による 直 接 海 底 圧 入 システムの 構 成 例 ピックアップブイ ピックアップ ロープ ピックアップフロート メッセンジャーライン トランスポンダー ピックアップワイヤ 錘 CO 2 輸 送 船 カプラーウィンチ ( 舷 弧 取 り 付 け) ベンド ライザー 管 端 末 金 具 フレキシブルライザー 管 +アンビリカルケーブル ベンドリストリクター 管 保 護 装 置 衛 星 遠 距 離 通 信 バッテリ 信 号 及 びバッテリ 充 電 ワイヤ 錨 通 信 ブイ 係 留 ワイヤ クリスマスツリー 画 像 提 供 : 千 代 田 化 工 建 設 及 び 東 京 大 学 輸 送 コスト これまで CO 2 輸 送 コストに 関 する 多 くの 研 究 が 実 施 されている これらの 研 究 のほとん どがパイプラインを 対 象 としているが いくつかの 研 究 では 船 舶 輸 送 も 対 象 としている 直 近 の 研 究 は 欧 州 ゼロエミッション 化 石 燃 料 発 電 技 術 プラットフォーム(European Technology Platform for Zero Emission Fossil Fuel Power Plants, ZEP)により 実 施 された 研 究 が ある(ZEP 2011) この 研 究 のアプローチは 三 つの 輸 送 方 法 について 説 明 し これらの 輸 送 方 法 のそれぞ れに 関 して 詳 細 なコスト 要 素 と 重 要 なコスト 推 進 要 因 を 提 示 することであった 三 つの 輸 送 方 法 は 以 下 のとおりである 76

92 陸 域 パイプライン 輸 送 沖 合 パイプライン 輸 送 船 舶 輸 送 ( 設 備 を 含 む) ZEP メンバーが 内 部 で 入 手 可 能 な 情 報 を 用 いて 各 輸 送 方 法 の 資 本 コスト 及 び 操 業 費 が 試 算 されている この 試 算 は 2.5Mtpa の CO 2 容 量 を 有 する 実 証 プロジェクトでの 2 点 間 輸 送 である 場 合 ( 表 5) 及 び 大 規 模 なネットワークにおいて 商 業 的 に 展 開 された CCS で CO 2 排 出 源 群 からの CO 2 量 が 10~20Mtpa である 場 合 ( 表 6)を 想 定 して 行 われた 要 約 すると 卖 位 コスト(CO 2 1 トン 当 たりのユーロ) は 陸 域 及 び 沖 合 の 両 方 のパイプ ラインともに 実 証 段 階 よりも 商 業 化 段 階 のほうが 大 幅 に 低 い( 典 型 的 には 60~70% 低 い) ことが ZEP によって 判 明 した 当 然 ながら 陸 域 パイプライン 輸 送 コストは 沖 合 パイプ ラインの 輸 送 コストよりも 低 い 実 証 段 階 においては 沖 合 船 舶 輸 送 コストのほうが 沖 合 パイプラインよりも 低 いが 距 離 が 短 く(200km 以 内 )かつ 船 舶 輸 送 のための 液 化 コストを 考 慮 した 場 合 はこれに 該 当 しない 輸 送 量 が 10~20Mtpa の 範 囲 になる 商 業 化 段 階 におい ては 1,500km 以 内 の 距 離 に 関 してはパイプラインよりも 船 舶 輸 送 のほうがコスト 高 であ る 表 5 CCS 実 証 プロジェクト(2.5Mtpa)の 輸 送 コスト 推 定 距 離 (km) 陸 域 パイプライン(ユーロ/tCO 2 ) 5.4 n/a n/a n/a 沖 合 パイプライン(ユーロ/tCO 2 ) 船 舶 (ユーロ/tCO 2 ) 液 化 ( 船 舶 輸 送 用 ) (ユーロ/tCO 2 ) 出 典 :ZEP 2011 表 6 大 規 模 ネットワーク(20Mtpa)の 輸 送 コスト 推 定 幹 線 距 離 (km) 陸 域 パイプライン(ユーロ/tCO 2 ) n/a 沖 合 パイプライン(ユーロ/tCO 2 ) 船 舶 (ユーロ/tCO 2 ) 出 典 :ZEP 貯 留 及 び 利 用 本 節 では 2010 年 動 向 報 告 書 (Global CCS Institute 2011a)で 提 供 した 貯 留 に 関 する 基 本 概 念 を 更 新 し 貯 留 進 捗 状 況 ( 貯 留 ) 資 源 評 価 及 び 貯 留 における 課 題 及 び 手 法 に 関 する 取 組 77

93 の 進 捗 状 況 を 取 り 扱 う さらに CCS 実 証 プロジェクトのための 商 業 的 な 推 進 力 として 特 に 重 要 性 を 増 しつつある CO 2 の 利 用 又 は 活 用 における 開 発 についても 一 部 取 り 扱 った 地 域 / 国 別 貯 留 評 価 の 進 捗 状 況 2011 年 初 頭 以 降 いくつかの 国 において 貯 留 可 能 性 がある 深 部 塩 水 層 の 絞 り 込 みに 更 なる 進 展 がみられている EU の NER300 及 び 国 家 CO 2 インフラ 計 画 (National CO 2 Infrastructure Plan)を 含 む 豪 州 のフラッグシッププログラムなどの 補 助 金 プログラムが 新 たな 貯 留 サイト 絞 り 込 みと より 詳 細 なサイト 評 価 を 促 進 している さらに ブラジルの 石 油 鉱 物 資 源 CO 2 貯 留 分 野 の 革 新 的 中 核 研 究 開 発 拠 点 (CEPAC)が 貯 留 地 図 作 成 のた めのプログラムを 進 めている ブラジルによるこの 進 展 は 図 36 に 示 した 国 家 レベルでの 貯 留 絞 り 込 み 評 価 の 現 状 において 反 映 されている 図 36 国 家 レベルでの 貯 留 絞 り 込 み 評 価 の 現 状 深 部 塩 水 層 貯 留 容 量 評 価 イニシアチブ 貯 留 容 量 特 性 把 握 完 了 開 発 中 理 論 上 出 典 :IEAGHG 2011 Global CCS Institute 修 正 ブラジル ブラジルでは CCS の 適 用 可 能 性 の 評 価 のための 排 出 源 とシンクの 適 合 化 に 際 して 総 合 的 手 法 を 採 用 している 2010 年 CEPAC は CO 2 排 出 源 及 びシンクに 関 する 地 理 情 報 シス テム(GIS)に 基 づくデータベースを 完 成 させた CEPAC は 現 在 2007 年 に 開 始 されたブラ ジル CO 2 地 層 隔 離 地 図 (CARBMAP)プログラム 内 においてデータベースの 内 容 の 見 直 し 及 び 更 新 をしている(Rockett ら 2011) 同 プロジェクトでは 陸 域 及 び 沖 合 の 盆 地 の 順 位 付 けを 行 い Campos 盆 地 及 び Parana 盆 地 ( 油 層 深 部 塩 水 層 及 び 炭 層 ) 内 を 最 も 可 能 性 が 高 い 場 所 として 説 明 している 枯 渇 油 層 においては 理 論 的 貯 留 容 量 の 推 定 値 が 算 出 されており そ の 大 部 分 (1.7Gt)を Campos 盆 地 が 占 めている( 図 37) 78

94 2011 年 3 月 には Petrobras がリオデジャネイロ 沖 合 の 水 深 2,150m の Lula 巨 大 油 田 におい て 随 伴 CO 2 の 再 圧 入 を 開 始 した(ピーク 生 産 時 最 大 0.7Mtpa) この 圧 入 は 2009 年 の 陸 域 パイロット 試 験 に 続 くかたちで Santos 盆 地 プレソルト( 岩 塩 層 下 )フェアウエイ 内 で 行 われ た(Elsworth 2011) 図 37 ブラジルの 堆 積 盆 地 堆 積 盆 地 画 像 提 供 :CARBMAP, Brazil 中 国 中 国 では 恒 久 的 な 地 層 貯 留 ではなく EOR 及 びその 他 の 産 業 において CO 2 を 利 用 するこ とに 主 な 重 点 が 置 かれているため 同 国 の 貯 留 可 能 性 評 価 は 事 実 上 非 常 に 高 いレベルにあ 79

95 る それにもかかわらず 中 国 の CO 2 貯 留 容 量 の 評 価 及 び 特 性 把 握 への 努 力 は 継 続 されて いる 中 国 地 質 調 査 局 は 現 在 同 国 の 貯 留 容 量 調 査 を 実 施 中 であり 2012 年 に 完 了 する 予 定 である(MOST 2010) プロジェクトレベルでは 中 国 は CO 2 利 用 の 開 発 及 び 適 用 の 点 で 大 きく 進 展 中 である 例 えば 中 国 石 油 化 股 份 有 限 公 司 (Sinopec)では 0.04Mtpa の CO 2 を 回 収 して 胜 利 ( 勝 利 ) 油 田 に 圧 入 している 同 様 に 中 国 石 油 天 然 气 股 份 有 限 公 司 (PetroChina)は 2009 年 以 降 0.12Mtpa の CO 2 を 吉 林 油 田 に 圧 入 している 中 国 華 能 集 団 公 司 (China Huaneng Group)はソフトドリ ンク 生 産 及 び 他 の 産 業 で 利 用 するための CO 2 を 回 収 する 2 件 の 燃 焼 後 回 収 プロジェクト 3,000tpa の 燃 焼 後 回 収 パイロットプロジェクト( 北 京 ) 及 び 0.12Mtpa の 燃 焼 後 回 収 プロジェ クト( 上 海 )を 有 している 中 国 新 奥 集 団 (ENN Group China)は CO 2 を 用 いて 微 細 藻 類 を 生 産 するパイロットプロジェクトを 内 モンゴルで 現 在 操 業 中 であり 0.32Mtpa のパイロット 施 設 にまで 規 模 を 拡 大 する 計 画 である 同 施 設 ではこの 微 細 藻 類 を 用 いてバイオディーゼル 及 び 他 のバイオ 燃 料 を 生 産 する 予 定 である 神 華 集 団 (Shenhua Group)は 内 モンゴル(オルドス 市 )の CTL 施 設 において CO 2 圧 入 を 開 始 しており 塩 水 層 への 0.1Mtpa の 圧 入 を 目 指 している Sinopec は 1Mtpa の CCS プロジェ クトの 開 発 を 計 画 しており 回 収 された CO 2 は 胜 利 油 田 での EOR に 用 いられる 予 定 であ る 欧 州 欧 州 では 国 家 レベルで 貯 留 容 量 評 価 が 継 続 中 である 英 国 では 英 国 エネルギー 技 術 研 究 所 (ETI)が 国 家 的 な CO 2 沖 合 貯 留 容 量 の 包 括 的 評 価 の ため 350 万 ポンドを 超 える 資 金 を 提 供 した CO 2 貯 留 評 価 プロジェクト(CO 2 Storage Appraisal Project, UKSAP)では 貯 留 ユニットとその 理 論 的 貯 留 容 量 及 び 関 連 する 封 じ 込 め リスクと 経 済 性 を 特 定 する 同 プロジェクトは 2009 年 10 月 に 開 始 され その 結 果 は 2011 年 8 月 末 頃 に 入 手 可 能 になると 期 待 されていた(UKSAP 2010) EC では 入 札 及 び 第 7 次 研 究 枞 組 みプログラム(FP7)のプロジェクト 募 集 を 通 じて 貯 留 容 量 の 特 定 の 向 上 を 目 的 とする 研 究 の 支 援 を 継 続 している EC の SiteChar 3 カ 年 研 究 プロジェクトは 2011 年 1 月 と 5 月 に 開 始 されており FP7 の 募 集 には 貯 留 関 連 の 新 しいテ ーマも 含 まれている 2011 年 5 月 9 日 に NER300 融 資 プログラムに 基 づいて EIB に 提 出 された 13 件 のプロジ ェクト 提 案 書 では 4 件 の 陸 域 及 び 9 件 の 沖 合 貯 留 プロジェクトが 深 部 塩 水 層 又 は 枯 渇 し た 炭 化 水 素 層 における CO 2 貯 留 及 び EOR/ガス 増 進 回 収 を 通 じての CO 2 貯 留 に 関 する 調 査 を 提 案 している 欧 州 では 2009~2010 年 に 6 件 の 欧 州 プロジェクト(Jänschwalde Don Valley Porto Tolle ROAD Bełchatów 及 び Compostilla)が EEPR と 契 約 し EC によって 開 始 された 欧 州 CCS 実 証 プロジェクトネットワーク(European CCS Demonstration Project Network) を 通 じてそ 80

96 の 技 術 的 進 歩 及 びプロジェクト 進 捗 の 結 果 を 共 有 及 び 普 及 させることになっている また グローバル CCS インスティテュートでは 北 海 单 部 での RCI による 枯 渇 サイト 評 価 及 びルーマニア Getica プロジェクトなどの 貯 留 計 画 プログラムを 支 援 している(ケースス タディ 参 照 ) 最 後 に ノルウェー 政 府 は R&D 輸 送 及 び 海 底 下 貯 留 並 びに 関 連 サイトの 地 図 作 製 の 支 援 を 継 続 して 行 っている ノルウェーにおける 操 業 中 のプロジェクトである Snøhvit 及 び Sleipner では 2010 年 までの 時 点 で それぞれ 1.0Mt 及 び 13Mt の CO 2 が 深 部 塩 水 層 に 貯 留 された(Ringrose ら 2011) ケーススタディ ルーマニア Getica CCS 実 証 プロジェクトは 2010 年 にルーマニア 政 府 によって 開 始 された 同 プロ ジェクトは 国 内 で 最 もエネルギーを 消 費 し 国 内 CO 2 総 排 出 量 の 約 40%を 占 める Oltenia 地 方 に 位 置 し Turceni 発 電 所 から 回 収 された CO 2 は 発 電 所 から 約 50km 離 れた 深 部 塩 水 層 に 貯 留 される 貯 留 のフィージビリティ スタディは GeoEcoMar によって 2010 年 及 び 2011 年 に 実 施 された 既 存 の 地 質 データ 地 球 物 理 データ 及 び 坑 井 データの 収 集 の 際 には Schlumberger Carbon Services からの 技 術 的 支 援 を 受 けている 11 のサイトを 対 象 に 予 備 的 なサイト 絞 り 込 みが 実 施 され そのうち 二 つ(Zone 1 及 び Zone 5)が 貯 留 に 適 しているとみなされ 更 なる 特 性 把 握 のための 研 究 の 対 象 となる 予 定 である ケーススタディ オランダ 2006 年 ロッテルダム 港 湾 及 びロッテルダム 市 によってロッテルダム 気 候 イニシアチ ブ(RCI)が 設 立 された 同 イニシアチブは 市 及 び 地 方 当 局 が 企 業 部 門 と 協 力 し 気 候 変 動 に 適 応 し 地 域 経 済 を 促 進 させつつ CO 2 排 出 量 を 2025 年 までに 半 減 させることを 目 的 とす る 2010 年 RCI は 貯 留 の 選 択 肢 を 2015 年 までに 評 価 することを 目 的 として オランダ 沖 合 の 枯 渇 した 炭 化 水 素 埋 蔵 サイトに 関 する 独 立 した 貯 留 評 価 を 開 始 し TNO によっ て 実 施 された 同 評 価 は 2011 年 に 公 表 されている(Neele ら 2011) 第 1 段 階 では 既 存 のデータが 収 集 評 価 され オランダの 大 陸 棚 の P ブロック 及 び 81

97 Q ブロックに 関 する 詳 細 かつ 包 括 的 なデータベースが 構 築 された このデータベース には 地 質 坑 井 及 び 坑 井 に 関 連 するデータ 並 びに 炭 化 水 素 の 生 産 歴 が 含 まれている 第 2 段 階 では 最 も 有 望 なサイトである P18 Q8-A 及 び K12-B を 対 象 とする 詳 細 な フィージビリティ スタディが 実 施 された P18 は ROAD(Rotterdam Opslag en Afvang Demonstratieproject)CCS 実 証 プロジェクトの 主 要 な 候 補 地 である P18 の 総 投 資 コストは 推 定 で 6,500 万 ユーロであり これはプ ラットフォーム 及 び 六 つの 坑 井 の 改 修 に 充 てられ 陸 域 設 備 及 びパイプライン 敶 設 は 含 まれない 操 業 費 は 年 間 約 320 万 ユーロであり これにはプラットフォームの( 遠 隔 ) 操 作 コストは 含 まれていない LSIP における 貯 留 の 進 捗 当 インスティテュートの 2011 年 プロジェクト 調 査 では それぞれの LSIP について 各 構 成 要 素 ( 回 収 輸 送 及 び 貯 留 ) 間 の 相 対 的 な 進 捗 状 況 を 理 解 するため これら 各 構 成 要 素 の 進 捗 の 特 定 を 試 みた 貯 留 の 特 性 把 握 はサイトに 左 右 され ほぼ 間 違 いなく 最 長 のリード タイムが 必 要 となるため 回 収 の 進 行 よりも 遅 れてしまう 可 能 性 がしばしばある しかし ながら 貯 留 評 価 は CCS チェーンにおける 他 の 構 成 要 素 と 尐 なくとも 同 等 又 はより 進 んで いることが 重 要 であり このことは 既 に 調 査 済 みである EOR 又 は 枯 渇 した 油 ガス 層 とは 対 照 的 に 特 に 未 開 発 の 深 部 塩 水 層 貯 留 サイトの 場 合 に 当 てはまる カナダでは 2011 年 4 月 に Boundary Dam プロジェクトが 実 施 段 階 に 移 行 し 2014 年 には 1Mtpa の CO 2 回 収 を 開 始 することが 予 想 される 回 収 された CO 2 の 多 くは EOR 活 動 での 利 用 が 想 定 されているが 初 期 に 回 収 される 多 くは Aquistore 地 層 貯 留 プロジェクトに 組 み 込 まれることが 想 定 されている Aquistore プロジェクトでは Williston 盆 地 内 のカンブ リア 紀 -オルドビス 紀 層 基 底 部 が 貯 留 コンプレックスとなる 予 定 である 2011 年 には Illinois-ICCS プロジェクトも 建 設 を 開 始 しており 最 初 は 深 部 塩 水 層 に CO 2 を 貯 留 するこ とを 計 画 している 2012 年 には Quest プロジェクトが 実 施 段 階 に 移 行 することが 予 想 され Aquistore プロジェクトと 同 様 にカンブリア 紀 層 基 底 部 の 深 部 塩 水 層 砂 岩 への CO 2 貯 留 が 計 画 されている 今 後 3 年 の 間 に 更 に 1 2 件 の 新 たな 深 部 塩 水 層 LSIP が 操 業 する 可 能 性 は 資 金 提 供 又 は 補 助 金 の 条 件 にかかわらず プロジェクト 開 発 における 複 雑 さ 及 び 時 間 枞 によって 制 約 される プロジェクトにおいて 貯 留 がその 他 の 構 成 要 素 よりも 遅 れている 場 合 この 不 均 衡 が 統 合 プロジェクトのスケジュールの 遅 延 につながるおそれがある Quest プロジェクトはと りわけその 貯 留 要 素 について 非 常 に 理 解 が 進 んでいるため スケジュール 通 りに 進 行 する 可 能 性 が 高 くなっている 82

98 貯 留 評 価 のスケジュール 2011 年 のプロジェクト 調 査 結 果 によると 未 開 発 の 貯 留 サイト 評 価 のための 推 定 リード タイムは 引 き 続 き 5~10 年 かそれ 以 上 となっている これら 長 期 の 時 間 枞 の 原 因 は プロ ジェクトのリスク 及 び 精 査 段 階 から 実 施 段 階 に 移 行 する 際 に 必 要 な 活 動 であるこ とが 多 い 現 在 多 くの 国 々( 図 36)が 貯 留 サイトの 絞 り 込 みを 実 施 し 自 国 内 における 適 切 な 貯 留 の 機 会 に 関 する 基 本 的 な 問 題 に 取 り 組 んでいる 多 くの 国 々では CO 2 貯 留 についてそれな りの 可 能 性 が 存 在 することが 知 られている 国 家 レベルでの 絞 り 込 みが 引 き 続 き 重 要 であ る 一 方 完 成 しつつある 実 証 プロジェクトの 貯 留 サイト 及 び 実 体 験 による 学 習 に 焦 点 を 合 わせる 必 要 性 が 高 まってきている 貯 留 コスト ZEP による 最 近 の 研 究 (2011)では 陸 域 貯 留 が 沖 合 貯 留 と 比 較 してどの 程 度 低 コストか 及 び 特 に 再 利 用 可 能 な 古 い 坑 井 が 存 在 する 場 合 に 枯 渇 した 油 ガス 田 が 深 部 塩 水 層 と 比 較 して どの 程 度 コストを 節 約 できるかを 特 定 している( 表 7) ZEP は 特 定 の 選 択 肢 が 相 対 的 にコ スト 面 で 有 利 であっても その 最 低 コストの 貯 留 層 は 利 用 可 能 な 総 貯 留 容 量 に 対 する 寄 与 度 が 最 も 低 いと 指 摘 した すなわち 欧 州 における 貯 留 容 量 に 関 する 現 在 の 理 解 では 陸 域 よりも 沖 合 のほうが 貯 留 容 量 が 大 きく また 枯 渇 した 油 ガス 田 よりも 深 部 塩 水 層 のほ うが 貯 留 容 量 が 大 きい 概 して 貯 留 の 特 性 把 握 が 引 き 続 き CCS にとって 不 可 欠 である 一 方 推 定 貯 留 コストは 回 収 コストよりも 低 くなる 表 7 ZEP による 貯 留 コスト 推 定 1 陸 域 沖 合 ユーロ/tCO 2 ユーロ/tCO 2 枯 渇 した 油 ガス 田 ( 古 い 坑 井 有 ) 3 6 枯 渇 した 油 ガス 田 ( 古 い 坑 井 無 ) 4 10 深 部 塩 水 層 提 示 された ZEP シナリオからの 中 央 ( 又 は 最 も 可 能 性 が 高 い) 値 出 典 :ZEP (2011) 貯 留 における 継 続 的 課 題 と 新 たな 課 題 CO 2 EOR の 重 要 性 正 確 な 量 を 把 握 するのは 困 難 であるが 人 為 起 源 の CO 2 について 現 時 点 では 全 世 界 で その 他 いずれの 方 法 よりも EOR プロセスを 通 じて 貯 留 された 量 のほうが 多 いことは 明 ら 83

99 かである 発 展 途 上 国 及 び OECD 加 盟 国 の 両 方 で 国 内 での 石 油 生 産 のための CO 2 EOR 利 用 に 大 きな 関 心 が 持 たれている このことは 特 に 中 国 及 び MENA に 当 てはまり さらに は 北 海 でも 徐 々に 関 心 が 高 まりつつある EOR は 米 国 内 で 圧 倒 的 に 多 く 行 われているが カナダ 中 国 ブラジル ハンガリー トリニダード 及 びトルコを 含 む 他 の 多 くの 国 々で も CO 2 EOR の 操 業 歴 がある(Tzimas ら 2005) すべての 油 田 が CO 2 EOR に 適 しているわけではなく 一 般 的 には 中 質 ~ 軽 質 でワックス 及 びその 他 の 沈 殿 物 が 比 較 的 尐 ない 石 油 を 含 有 する 油 田 が 適 する さらに その 油 田 は CO 2 が 石 油 と 混 合 して 卖 相 の 液 体 を 形 成 するような 十 分 に 高 い 圧 力 で 操 業 し かつ 大 量 の 水 が 利 用 可 能 でなければならない この 水 は 現 時 点 では 高 コストである CO 2 の 使 用 量 を 最 小 限 に 抑 えるために 現 在 ほとんどの EOR 事 業 で CO 2 と 交 互 に 圧 入 されている この 石 油 回 収 プロセスでは 油 層 全 体 にわたって 最 小 ミシブル( 混 合 ) 圧 力 より 高 い 圧 力 で 操 業 しなけ ればならず 油 層 内 には 十 分 な 油 の 飽 和 度 ( 最 低 35%)が 必 要 である 一 般 的 に 油 層 が 均 質 であるほど CO 2 圧 入 攻 法 は 効 果 を 発 揮 する 現 在 米 国 内 で EOR に 使 用 されている CO 2 の 約 80%は 地 下 から 生 産 された 自 然 起 源 で あり(Global CCS Institute and Parsons Brinkerhoff 2011) 大 気 中 からの CO 2 の 削 減 ではなくむ しろ 総 量 への 寄 与 に 結 び 付 くものである 一 方 で カナダのサスカチュワン 州 单 部 では 2011 年 初 期 の 時 点 で 累 計 約 20Mt の 人 為 起 源 CO 2 が Weyburn 及 び Midale 油 田 に 貯 留 されている CO 2 EOR プログラム 期 間 全 体 に わたり 石 油 から CO 2 が 生 産 分 離 及 び 再 圧 入 され 新 たな CO 2 供 給 の 必 要 性 を 低 減 させ ている 最 終 的 には リサイクルされた CO 2 を 利 用 することで 新 たな CO 2 をほとんど 不 要 にすることが 可 能 である 現 在 Weyburn 油 田 では 約 1/2 の 新 しい CO 2 及 び 1/2 の リ サイクルされた CO 2 を 圧 入 しており 基 本 的 には 圧 入 された CO 2 のすべてが 貯 留 層 に 留 まることになる(ただし 操 業 中 のわずかな 量 の 損 失 及 び 意 図 的 なフレアリングが 必 要 とさ れた 場 合 を 除 く) リサイクルが 行 われない 場 合 ( 例 えば カナダのアルバータ 州 の Joffre 油 田 )は 圧 入 され た CO 2 は 地 層 内 を 移 動 又 は ブレークスルー して 石 油 生 産 井 に 達 し その 約 30~40%が 恒 久 的 に 地 中 に 留 まる CO 2 EOR を 実 施 中 の 油 田 において 十 分 な 量 の 石 油 がもはや 生 産 さ れておらず EOR を 継 続 する 価 値 がない 場 合 CO 2 を 分 離 して 再 使 用 するよりも 貯 留 するこ とにインセンティブが 設 けられていれば その 油 田 を 貯 留 専 用 に 転 換 させる 機 会 が 存 在 す る しかし 多 くの 場 合 EOR 生 産 の 終 了 は 何 年 も 先 のことである( 例 えば 現 状 における Weyburn 及 び Midale 油 田 に 関 しては 15~35 年 先 である) 一 般 的 に 現 在 の EOR 事 業 は 恒 久 的 な CO 2 貯 留 クレジットのための 詳 細 なアカウンティ ング 目 的 で 設 計 されていない 多 くの 事 業 者 は 貯 留 層 に 圧 入 される CO 2 量 及 びリサイクル された CO 2 量 を 測 定 しているかもしれないが 大 概 は 生 産 を 最 適 化 するために CO 2 の 地 中 での 動 きを 監 視 している EOR においては 多 くの 国 地 域 で 坑 井 の 完 全 性 試 験 の 実 施 及 び 土 壌 又 は 飲 料 用 帯 水 層 への 油 田 の 影 響 の 防 止 が 要 求 されているが CO 2 の 地 中 分 布 を 監 84

100 視 することは 要 求 されていない EOR が 大 気 中 の CO 2 削 減 に 結 び 付 くようにするためには 以 下 の 要 素 を 設 けるべきである 圧 入 される CO 2 は 本 来 であれば 大 気 中 に 放 出 されていたであろう 人 間 活 動 から 生 産 さ れたもの( 人 為 起 源 )であるべきである ベースラインの 監 視 を 含 め 恒 久 的 に 貯 留 された CO 2 の 総 量 を 実 証 及 び 測 定 する 監 視 シ ステムによって 裏 付 けされたクレジットシステム EOR から 以 下 を 含 む 多 くの CO 2 貯 留 に 関 する 見 解 が 得 られる 1. 既 存 の 規 制 及 びインフラが 存 在 する 理 由 から 現 時 点 で 陸 域 において CO 2 プロジェク トを 開 始 するための 最 も 容 易 な 方 法 は EOR を 用 いることである さらに EOR は 現 時 点 で 人 為 起 源 の CO 2 を 貯 留 する 上 での 費 用 対 効 果 が 最 も 高 い 選 択 肢 である 2. 情 報 が 共 有 されれば CO 2 EOR によって CO 2 圧 入 に 対 する 地 下 の 反 応 に 関 する 理 解 が 得 られる 油 田 では 30 年 以 上 にわたる CO 2 圧 入 実 績 があり 同 時 に 長 距 離 CO 2 パイプ ライン 輸 送 から 得 られた 教 訓 が 存 在 する さらに 事 業 者 のための 規 制 及 び/ 又 は 経 済 的 なインセンティブが 存 在 すれば 監 視 測 定 及 び 検 証 の 手 法 を 試 験 することが 可 能 である 3. CO 2 貯 留 専 用 とすることへの 条 件 及 び 要 求 については EOR で 採 用 された 実 用 的 な 手 法 を 考 慮 する 必 要 がある 例 えば CO 2 の 拡 がり 又 は CO 2 がどれだけ 遠 くに 移 動 する かをどの 程 度 の 解 像 度 で 知 る 必 要 があるのか 予 想 される 反 応 からずれた 場 合 の 影 響 を 管 理 する 上 でどのような 手 続 が 十 分 であるのかなどといった 内 容 についてである 当 インスティテュートでは 現 在 EOR が 貯 留 へ 及 ぼす 影 響 の 可 能 性 を 検 討 中 であり 技 術 規 制 及 び 商 業 的 な 課 題 を 評 価 している CO 2 による 収 益 源 を 提 供 する 点 で EOR は 適 切 な MMV を 伴 えば 恒 久 的 な 貯 留 を 確 保 しつつ CCS プロジェクトの 実 行 可 能 性 を 向 上 させ ることができる 資 源 の 相 互 関 係 評 価 及 び 管 理 堆 積 盆 地 には 岩 石 又 は 付 随 する 流 体 の 一 部 として 石 炭 炭 層 メタン 石 油 天 然 ガ ス シェールガス 地 熱 エネルギー 水 塩 及 びその 他 の 有 価 鉱 物 など 数 多 くの 異 なる 資 源 が 含 まれている CO 2 などの 流 体 の 侵 入 は 他 の 資 源 及 び 連 結 されている 圧 力 系 統 に 直 接 的 な 影 響 を 与 える 可 能 性 があり それには 好 影 響 及 び 悪 影 響 の 両 方 がある これらの 影 響 には 圧 力 の 増 大 による 生 産 の 促 進 ( 好 影 響 ) 又 は 流 体 との 混 合 による 化 学 的 及 び 物 理 的 特 性 の 変 化 ( 例 えば EOR の 点 では 好 影 響 であり 水 の ph を 低 下 させる 点 では 悪 影 響 とな る 可 能 性 もある)が 含 まれるが これらに 限 定 はされない 大 気 中 の CO 2 の 貯 留 を 通 じて 得 られる 広 範 な 環 境 上 の 利 益 は 計 上 が 難 しく それと 比 較 すると 石 油 水 さらには 熱 などの 採 掘 資 源 は 資 源 使 用 料 生 産 物 分 与 又 はロイヤル 85

101 ティ( 利 権 料 )といった 形 でより 直 接 的 かつ 即 時 的 な 収 益 価 値 を これらを 所 管 する 政 府 に もたらす その 結 果 特 に CO 2 排 出 権 価 格 が 存 在 しない 場 合 CO 2 貯 留 は 個 々の 政 府 にお いて 最 も 価 値 が 低 い 孔 隙 空 間 利 用 法 として 取 り 扱 われており さらに 他 の 資 源 に 対 する 悪 影 響 のリスクがほとんど 又 は 全 く 存 在 しないということも 実 証 しなければならない 世 界 の 人 口 圧 迫 及 び 気 候 変 動 により 地 表 及 び 地 表 近 くの 飲 料 用 水 がますます 不 足 し そ の 価 値 が 上 昇 している さらに より 深 部 の 飲 用 地 下 水 資 源 をめぐる 競 争 が 激 化 し 資 源 活 動 がこれらの 地 下 水 資 源 に 対 して 及 ぼすかもしれない 影 響 に 対 する 懸 念 が 高 まってきて いる しかし CO 2 貯 留 の 場 合 地 下 800m 以 深 において CO 2 が 高 密 度 状 態 になるため そ のほとんどが 同 深 度 を 超 える 深 さで 実 施 される これは 地 下 水 生 産 のために 利 用 される 典 型 的 な 深 度 (0~300m)よりもはるかに 深 い CO 2 貯 留 と 同 じ 区 域 での 炭 化 水 素 生 産 は 可 能 であり かつ 実 際 に 現 在 の CCS プロジェク ト 付 近 において 成 功 裏 に 行 わ れ て い る ( 例 えば Sleipner Snøhvit In Salah 及 び Weyburn-Midale) 炭 層 メタン(CBM) シェールガス 及 び 地 熱 さらには 従 来 の 石 油 を 含 むエネルギー 資 源 の 探 査 又 は 生 産 が 活 発 な 区 域 では 同 じ 区 域 を 対 象 に 複 数 の 所 有 権 が 発 行 されることに 関 して 懸 念 が 浮 上 する 可 能 性 がある 具 体 的 には これら 所 有 権 の 優 先 順 位 生 産 井 及 び 非 生 産 井 への 影 響 の 可 能 性 付 近 の 他 の 資 源 への 影 響 などである 場 合 によっては 貯 留 活 動 及 び 資 源 採 掘 活 動 が 深 度 の 大 きく 離 れた 異 なる 地 層 において 行 われ 互 いへの 影 響 がほとんど 又 は 全 くないこともある 例 えば 発 電 を 目 的 とする 高 温 地 熱 生 産 では 地 中 温 度 が 120 をはるかに 上 回 る 区 画 を 利 用 する この 場 合 の 深 度 は 一 般 的 に 3,000m 以 深 であり CO 2 貯 留 が 通 常 行 われる 深 度 よりも 深 い 反 対 に 炭 化 水 素 資 源 の 探 査 及 び 生 産 CBM 生 産 及 びシェールガス 生 産 はすべて CO 2 貯 留 と 同 様 の 深 度 で 行 われる 可 能 性 がある しかし Sleipner 及 びその 他 の 現 場 でみられるように 従 来 の 炭 化 水 素 資 源 の 生 産 が 生 産 区 間 の 上 方 又 は 下 方 のシール 層 によって CO 2 圧 入 区 間 から 分 離 さ れている 場 合 には CO 2 圧 入 及 び 炭 化 水 素 資 源 の 生 産 は 一 つの 区 域 で 重 複 して 同 時 に 実 施 することが 可 能 である(Eiken ら 2010) 他 の 地 下 資 源 に 関 連 する 活 動 は 安 全 な CO 2 貯 留 に 関 するその 地 域 の 適 切 性 に 対 して 影 響 を 及 ぼす 可 能 性 がある 例 えば シェールガス 開 発 の 際 に 用 いられる 水 圧 破 砕 (フラッキ ング) 法 のいくつかは CO 2 貯 留 のための 封 じ 込 め 性 質 を 損 ない フラッキングされた 区 間 よりも 下 方 での CO 2 貯 留 を 不 可 能 にすることがある CBM 生 産 では 採 水 して 生 産 区 間 を 減 圧 し メタンを 石 炭 から 脱 着 遊 離 させる 生 産 し た 水 が 処 理 されて 地 表 で 再 使 用 されるのに 適 さない 場 合 は その 水 は 地 下 の 別 の 区 間 内 に 廃 棄 される 可 能 性 がある CBM はその 廃 水 処 分 においても 貯 留 用 の 孔 隙 空 間 と 競 合 する 可 能 性 がある 要 約 すると 地 下 における 複 数 の 資 源 の 利 用 にはいくつかの 課 題 があるが 相 互 関 係 が 理 解 さえされていれば CO 2 の 圧 入 及 び 貯 留 は 他 の 地 下 資 源 活 動 と 両 立 可 能 である 特 に 他 の 資 源 に 対 する 影 響 が 懸 念 される 場 合 には 有 望 な 圧 入 対 象 において 競 合 する 需 要 に 対 処 86

102 及 び 管 理 するため 流 体 モデルが 極 めて 重 要 となる 開 放 系 閉 鎖 系 及 び 部 分 的 閉 鎖 系 深 部 塩 水 層 は 大 量 の CO 2 を 貯 留 する 上 ではるかに 大 きな 可 能 性 を 有 するとみなされてい る 生 産 された 炭 化 水 素 資 源 の 区 間 と 圧 力 伝 達 がない 限 り 塩 水 層 では 炭 化 水 素 生 産 を 通 じて 圧 力 が 下 がっているということはない 2010 年 動 向 報 告 書 では 閉 鎖 系 における CO 2 圧 入 の 長 期 的 な 継 続 能 力 に 関 する 懸 念 につい て 論 じた CO 2 圧 入 に 伴 う 圧 力 増 加 は シールが 破 壊 されるほど 高 いレベルにまで 達 し それによって 貯 留 コンプレックスの 完 全 性 を 損 なうおそれがある この 閾 値 は 正 確 にモデ ル 化 することができ かつ 孔 内 の 圧 力 監 視 が 可 能 である 一 方 いくつかのプロジェクトに おいて 検 討 されている 大 規 模 圧 入 では 深 部 塩 水 層 内 圧 力 の 注 意 深 い 監 視 が 必 要 である 開 放 系 の 塩 水 層 ではある 程 度 の 距 離 まで 障 壁 がほとんど 又 は 全 く 存 在 せず このた め 圧 入 された CO 2 は 孔 隙 を 通 じて 塩 水 を 押 しのけることができる モデル 化 によって 圧 力 増 加 及 び 拡 散 の 割 合 を 予 測 することができ CO 2 圧 入 速 度 を 最 適 化 することができる Zhou and Birkholzer(2011)は イリノイ 盆 地 の Mount Simon Sandstone を(CO 2 を 含 む) 流 体 の 移 動 を 妨 げる 大 きな 水 平 方 向 の 障 壁 が 存 在 しない 開 放 系 とみなし 同 地 層 への 圧 入 をシミ ュレーションしている シミュレーションでは 約 30km 離 れた 20 カ 所 の 仮 想 上 の 圧 入 プ ロジェクト を 設 定 した この 盆 地 のシール 層 に 相 当 する 性 質 を 用 いて 計 算 したところ 50 年 間 における 5Gt の CO 2 圧 入 によって 生 じた 最 大 の 圧 力 増 加 によってもこのシールは 破 壊 されず CO 2 は 安 全 に 封 じ 込 められていた Zhou and Birkholzer(2011)は 天 然 の 閉 鎖 系 ( 断 層 によって 囲 まれた 油 田 がその 一 例 )の 存 在 はまれであると 主 張 している 閉 鎖 系 においても CO 2 プルーム 内 外 の 圧 力 を 注 意 深 く 監 視 すること さらに 必 要 な 場 合 には 指 定 の 坑 井 から 塩 水 をある 程 度 放 出 することによっ て シールの 完 全 性 を 維 持 することができる リスク 管 理 のための 監 視 測 定 検 証 Wright(2011)は 経 時 的 なリスクプロファイルの 概 略 図 を 提 示 し CO 2 貯 留 プロジェクトの ライフサイクル 中 におけるリスクはほぼ 間 違 いなく 圧 入 段 階 の 後 半 近 く すなわち 最 大 速 度 で 圧 入 する 期 間 の 終 了 時 点 に 向 かって 最 も 高 くなり その 後 施 設 の 閉 鎖 に 伴 って 急 速 に 低 下 することを 図 示 した( 図 38) このプロファイルは Benson(2007)によって 提 示 された プロファイルに 類 似 しており 圧 入 後 のリスクが 時 間 とともに 徐 々に 低 下 することを 指 摘 している 経 時 的 にリスクが 低 減 するプロセスには 圧 力 拡 散 及 び 孔 隙 空 間 内 での CO 2 の 残 留 トラッピングなどが 含 まれる 87

103 リスク The Global Status of CCS : 2011 図 38 貯 留 プロジェクトに 関 するリスクプロファイルの 概 略 図 ベースライ ンデータ 取 得 及 び 初 期 QRA 事 業 者 国 家 / 土 地 所 有 者 監 視 管 理 操 業 ( 圧 入 ) 閉 鎖 閉 鎖 後 プロジェクトの 段 階 開 発 者 の 管 理 責 任 における 最 大 リスク 建 設 操 業 閉 鎖 国 による 管 理 責 任 における 最 大 リスク 時 間 注 : 監 視 及 び 検 証 (M&V) 並 びに 定 量 的 リスク 評 価 (QRA) 出 典 :Wright(2011) In Salah に 基 づく 他 の 研 究 者 と 同 様 Dodds ら(2011)は 環 境 及 び 地 質 の 両 方 に 関 するベースラインデータ 初 期 及 び 継 続 的 なリスク 評 価 並 びに 特 定 のサイトに 適 合 させた 監 視 戦 略 が 圧 入 前 に 必 要 で あると 言 及 している このプロセスは リスクプロファイルに 影 響 を 及 ぼす 可 能 性 がある 地 下 での 変 化 をタイミング 良 く 検 出 し 対 処 できるようにするのを 助 けることになる MMV プログラムの 基 本 的 な 目 標 は データの 提 供 によりリスクを 特 定 及 び 管 理 して 操 業 手 順 が 適 切 に 進 行 するようにすること 予 測 モデルを 更 新 すること 並 びに 圧 入 現 場 での 挙 動 におけるあらゆる 異 常 を 特 定 することである 地 下 における CO 2 の 移 動 を 最 も 有 効 に 網 羅 及 び 検 出 する 方 法 については サイトごとに 開 発 する 必 要 があるだろう 例 えば 場 合 によっては 地 震 探 査 イメージングよりも 圧 力 監 視 のほうが CO 2 プルームの 位 置 及 び 影 響 をより 早 くそしてより 良 く 理 解 するのに 適 していることがある( 特 に 地 震 探 査 信 号 の 質 が 务 る 場 合 ) 監 視 戦 略 はリスク 評 価 に 準 じるべきであり さらに 必 ずしも 予 め 規 定 するのではなく 目 的 に 合 わせて 作 成 されるべきである 安 全 性 の 観 点 からはリスクの 最 小 化 及 び 封 じ 込 め の 確 保 が 最 低 限 の 結 果 であるべきである 所 定 の 貯 留 サイトにおいて CO 2 を 有 効 に 監 視 することができる 方 法 及 び 手 順 が 存 在 しな い 場 合 は それらの 方 法 が 利 用 可 能 となり 試 験 されるまでその 貯 留 サイトにおける 大 量 の CO 2 圧 入 は 進 めるべきではない 88

104 先 行 プロジェクトは 安 全 性 を 確 保 するための 予 防 的 プレミアム を 支 払 うことになる と 予 想 されるが その 要 件 は 予 め 規 定 するのではなく リスクの 評 価 及 び 緩 和 に 基 づくこ とをより 重 視 すべきである 個 々のプロジェクトに 関 する 貯 留 リスクは 一 般 に 圧 入 停 止 後 の 時 間 の 経 過 に 従 って 低 減 し そのリスクプロファイルは 操 業 中 の 最 大 レベルよりも 1 桁 又 は 数 桁 小 さいレベルまで 低 下 する 貯 留 システムが 予 測 どおりに 挙 動 し 更 なるリスクが 最 低 限 であることが 確 定 さ れるまでは 圧 入 後 の 段 階 でも 規 制 当 局 によっていくつかの 監 視 が 要 求 されることが 予 想 される リスク/ 長 期 的 責 任 の 引 き 受 けに 際 しては 引 受 側 が 事 業 者 国 地 方 政 府 又 は 何 らかの 信 託 協 定 のいずれの 場 合 でも リスクへの 暴 露 を 評 価 するにあたってリスクが 低 減 するプロファイルを 考 慮 すべきである 発 展 途 上 国 における 貯 留 人 材 開 発 及 び 研 修 机 上 研 究 から 各 サイトの 特 性 把 握 への 移 行 の 重 要 性 を 考 えると 貯 留 の 専 門 分 野 におけ る 技 術 と 能 力 を 向 上 させる 必 要 があり これは 依 然 として CCS のプロジェクト 事 例 を 構 築 する 必 要 がある 発 展 途 上 国 に 特 にあてはまる 人 材 開 発 活 動 においては まず 各 国 の 貯 留 に 関 する 初 期 の 机 上 研 究 実 施 の 支 援 に 焦 点 を 合 わせることができ その 例 もいくつか 存 在 する 例 えば 单 アフリカは 2010 年 に 全 国 貯 留 地 図 (National Storage Atlas)を 発 行 し より 具 体 的 な 貯 留 サイトに 関 する 机 上 研 究 を 実 施 するための 資 金 を 国 際 的 な 基 金 から 得 ている しかし 発 展 途 上 国 が 国 内 での 絞 り 込 みから 特 性 把 握 へ 移 行 するのに 応 じて 活 動 の 種 類 を 拡 大 させる 必 要 がある これらの 活 動 としては その 国 の 地 球 科 学 所 管 省 の 技 術 的 能 力 を 分 析 して 技 術 的 な 強 み 及 びギャップを 特 定 すること 貯 留 に 関 するワークショップ 及 び 講 座 を 通 じて 地 質 学 者 に 技 術 研 修 を 行 いギャップに 対 処 すること 圧 入 試 験 サイトを 訪 問 する 機 会 を 提 供 すること 既 存 の 地 質 工 学 に 関 するネットワーク 及 びプロジェクトに 参 加 させることなどがある 既 に 様 々な 貯 留 専 門 の 講 座 及 び 課 程 が 存 在 しており その 中 にはローレンス バークレ ー 国 立 研 究 所 における CO 2 地 層 隔 離 課 程 及 びエディンバラ 大 学 における CO 2 回 収 貯 留 修 士 課 程 などがある CO2CRC の 豪 州 ビクトリア 州 CCS Otway 実 証 プロジェクトなどの 組 織 で は CCS プロジェクトを 有 するその 他 の 企 業 と 同 様 に サイト 訪 問 をしばしば 主 催 してい る 英 国 地 質 調 査 所 では 発 展 途 上 国 における 技 能 ギャップ 分 析 を 以 前 に 実 施 したこと があり またその 他 の 国 際 的 な 共 同 プロジェクト 例 えば 中 国 を 対 象 にしたニアゼロエ ミッション 石 炭 利 用 プロジェクト(NZEC) 及 び 中 欧 CCS 協 力 行 動 プロジェクト(COACH)に おいて 貯 留 に 関 する 専 門 知 識 を 提 供 している EuroGeoSurvey は 32 の 地 質 調 査 所 で 構 成 される 既 存 の 知 識 共 有 ネットワークの 一 例 であり 欧 州 の 地 球 科 学 を 所 管 する 各 省 への 支 援 に 利 用 することができる 89

105 貯 留 に 関 する 理 解 のギャップ 及 び 将 来 の 活 動 分 野 研 究 上 のギャップ 石 油 の 探 査 及 び 生 産 分 野 は CCS におけるツール 及 び 作 業 手 順 について 妥 当 かつ 高 度 に 洗 練 された 基 礎 を 提 供 するが 現 在 の 石 油 に 関 するツールキット 以 外 の 技 法 の 検 討 を 制 限 し 得 る 先 入 観 も 生 み 出 す 石 油 探 査 者 は 最 終 的 に 埋 蔵 地 の 石 油 及 びガス 生 産 の 質 に 焦 点 を 合 わせている 対 照 的 に CCS の 貯 留 にとって 最 も 重 要 な 検 討 事 項 は 貯 留 層 上 方 のシ ールすなわち 封 じ 込 めのための キャップロック である 地 下 の 設 備 及 び 材 質 の CO 2 に 対 する 反 応 並 びにその 影 響 の 管 理 方 法 に 関 する 理 解 は 顕 著 に 進 歩 している( 例 えば Smith ら 2011) 異 なる 不 純 物 が 地 下 のインフラ( 例 えば 坑 井 ケーシング 及 びセメント) 及 び 圧 入 能 力 にどのような 影 響 を 及 ぼすかに 関 してもより 良 く 理 解 されてきており 最 近 国 際 的 に 発 行 された 既 存 井 のリスク 管 理 のための 枞 組 も 存 在 す る(DNV 2010) 実 地 試 験 が 必 要 となる 重 要 な 分 野 として 地 層 内 の 貯 留 CO 2 の 拡 がり 及 び 遠 く 離 れた 場 所 での 影 響 を 測 定 する 代 替 手 段 を 見 つけ 出 すことがある 孔 隙 率 が 高 く 厚 いいくつかの 区 間 (Sleipner など)では CO 2 の 拡 がりを 直 接 測 定 する 手 段 として 反 射 法 地 震 探 査 が 成 功 を 収 めているが 孔 隙 率 が 低 く 薄 い 区 間 (In Salah など)では 概 して 成 功 度 が 低 い 陸 域 での 地 震 探 査 データの 取 得 は 侵 入 型 であり( 例 えば 囲 いの 一 時 的 な 取 り 外 しが 必 要 になる 可 能 性 がある) これは 特 に 複 数 の 用 途 のある 場 所 で 繰 り 返 し 実 施 される 場 合 に 当 てはまる 地 震 探 査 による 監 視 はいずれも 高 コストである InSAR などの 衛 星 技 術 は 低 コストで 非 侵 入 型 であるため 魅 力 的 である これらの 衛 星 技 術 は In Salah で 圧 入 によって 引 き 起 こされたわずかな 地 表 の 変 形 をミリメートル 卖 位 で 測 定 するために 用 いられているが 植 生 被 覆 が 限 定 的 又 は 存 在 しないなど 特 定 の 地 表 条 件 が 要 求 される 現 在 ( 例 えば MGSC の Decatur プロジェクトにおいて) 植 生 被 覆 に 対 処 す るための 専 用 の 恒 久 的 マーカー 及 びその 他 の 手 段 を 開 発 中 である 当 インスティテュートが 貯 留 に 関 する 更 なる 研 究 対 象 として 提 案 する 分 野 連 動 する 非 線 形 の 地 質 学 的 地 質 工 学 的 及 び 地 球 化 学 的 プロセス 不 均 質 な 貯 留 層 プルームプロファイル- 貯 留 効 率 を 決 定 するため トラッピングメカニズムのモデル 化 パイロット 試 験 データの 設 計 及 び 解 釈 に 必 要 な 数 値 シミュレータの 開 発 及 び 改 良 多 くのシミュレータの 比 較 - 数 値 的 手 法 の 信 頼 を 構 築 するため 断 層 安 定 性 の 評 価 及 び 分 析 移 動 の 特 性 -トラップの 完 全 性 及 びトラッピングメカニズム 岩 石 変 形 90

106 複 合 流 体 及 び 複 合 固 体 の 熱 力 学 異 なる 地 層 内 での 化 学 的 特 性 及 び 地 球 化 学 的 移 動 に 関 する 理 解 現 在 のモデル 及 びその 制 約 に 関 する 理 解 改 良 を 精 査 するための 実 験 監 視 -プルームの 動 的 イメージング リモートセンシング- 非 侵 入 型 の 技 法 4D 監 視 の 信 頼 性 CO 2 の 封 じ 込 めを 確 認 するための 監 視 については より 低 コストで 非 侵 入 型 の 代 替 手 法 を 開 発 し さらにはその 方 法 が 規 制 当 局 及 び 他 の 利 害 関 係 者 に 受 け 入 れられるようにする という 点 で なおも 課 題 が 存 在 する これには CO 2 プルームの 直 接 的 な 画 像 品 質 の 最 適 化 から プルームの 影 響 を 決 定 するための 信 頼 性 があり 間 接 的 な 検 出 法 といった 問 題 を 見 直 すことを 含 むと 思 われる 解 決 策 としては より 間 接 的 なイメージング 技 法 結 果 を 制 約 するのに 役 立 つような 異 なる 手 段 の 更 なる 組 合 せ 漏 洩 回 避 のための 堅 固 な 応 答 を 備 えた 将 来 起 こりうる 封 じ 込 め の 問 題 に 対 する 早 期 警 告 システムへのよりいっそうの 注 力 などを 挙 げることができる 例 えば スリムホール モニタを 用 いたプルーム 外 での 圧 力 監 視 が 最 も 有 効 かつ 費 用 対 効 果 が 高 い 代 替 策 である 可 能 性 があり また 低 品 質 の 地 震 探 査 データを 補 完 する 可 能 性 もあ る 貯 留 評 価 及 び 監 視 戦 略 は 特 定 の 貯 留 サイトに 適 合 させなければならない 現 在 明 らかに 必 要 なのは 実 際 の 地 質 システムにおいて 貯 留 を 実 施 し CO 2 圧 入 に 対 する 地 中 の 反 応 の 測 定 及 び 監 視 のために 利 用 可 能 な 方 法 を 試 験 し その 数 を 増 やすことである 予 測 結 果 を 実 際 の 結 果 と 照 合 することで 予 測 が 改 良 され 貯 留 に 関 する 知 識 及 び 信 頼 性 が 向 上 するこ とになる 最 も 重 要 なこととして CO 2 圧 入 の 影 響 ( 遠 く 離 れた 場 所 での 圧 力 の 影 響 を 含 む) の 程 度 が 事 業 者 と 規 制 当 局 の 間 で 互 いに 合 意 された 範 囲 で 予 測 及 び 測 定 可 能 であり か つ 理 解 されている 必 要 がある CO 2 圧 入 時 には 依 然 として 多 くの 反 応 についての 理 解 を 深 める 必 要 がある それには 以 下 が 含 まれるが これらに 限 定 はされない CO 2 が 境 界 に 達 した 際 のシールである キャップロック と 貯 留 層 の 最 上 部 の 接 触 部 での 反 応 - 低 温 の CO 2 は 何 らかの 破 砕 につながる 可 能 性 があるため 枯 渇 層 貯 留 時 の 岩 石 の 非 弾 性 的 挙 動 -これらの 岩 石 は CO 2 により 再 加 圧 されたと きに 必 ずしも 元 と 同 じ 状 態 に 戻 るとは 限 らない このことは CO 2 圧 入 時 に 破 砕 され るリスクが 高 くなることを 意 味 する 場 合 もある CO 2 の 利 用 及 び 新 しい CCS 藻 類 バイオ 燃 料 植 林 木 材 を 用 いた 建 築 の 増 加 鉱 物 固 定 及 び 土 壌 への 隔 離 が 他 の 91

107 CO2 供 給 The Global Status of CCS : 2011 資 源 としての 利 益 をもたらすとともに 潜 在 的 な CO 2 貯 留 法 として 考 えられてきた これ らの 手 法 と 地 層 貯 留 との 重 要 な 相 違 点 は 尐 なくとも 現 時 点 においては 貯 留 の 恒 久 性 及 びその 量 である CO 2 が 炭 素 循 環 から 除 去 されない 限 り 長 期 的 に 大 気 中 から 炭 素 を 除 去 することにならない しかし より 尐 ない 化 石 エネルギー 投 入 量 で 済 む 代 替 燃 料 又 は 物 質 を 提 供 すれば 化 石 燃 料 採 掘 の 総 量 を 低 減 させることができる バイオ 燃 料 の 生 産 又 は 利 用 から 派 生 した CO 2 の 回 収 と 地 層 貯 留 を 組 み 合 わせることは 全 体 として 大 気 中 から CO 2 を 除 去 する 効 果 を 有 する したがって バイオエネルギーと CCS の 組 合 せ(BECCS)は 排 出 量 ゼロを 越 えて マイナスの 排 出 量 を 達 成 する このカテ ゴリにおいて 最 も 実 現 可 能 性 のあるプロジェクトは エタノール 工 場 などの 高 濃 度 の 副 生 成 CO 2 流 を 生 み 出 すプロジェクトであろう CCS は 比 較 的 規 模 が 大 きい 場 合 に 最 適 なコス ト 効 率 を 達 成 できるが 一 般 にバイオ 燃 料 プロジェクトは 供 給 原 料 の 入 手 状 況 が 規 模 を 制 限 する しかし 現 在 多 くの BECCS プロジェクトが 欧 州 及 び 北 米 において 検 討 されて いる(Biorecro 2011) 高 い 炭 素 価 格 が 存 在 しない 場 合 は 特 に CO 2 の 利 用 が CCS の 実 証 を 支 援 する 上 での 初 期 の 役 割 を 有 する この 役 割 は 既 述 のとおり EOR のための CO 2 の 利 用 において 明 確 に 見 て 取 れる EOR は CO 2 の 商 業 利 用 である その 他 の 利 用 機 会 ( 図 39)は 排 出 源 での 工 程 で 高 濃 度 の CO 2 が 供 給 されなかったり 又 は 恒 久 性 が 低 い 貯 留 法 であったりするため 産 業 での 利 用 ほどには 進 んでいない 図 39 CO 2 利 用 技 術 供 給 濃 度 及 び 恒 久 性 CO 2 貯 留 恒 久 的 非 恒 久 的 回 収 された 高 濃 度 CO 2 EOR ECBM EGS ボーキサイト 残 渣 尿 素 ポリマー 再 生 可 能 メタノール 蟻 酸 低 濃 度 CO 2 排 ガス ECBM 鉱 物 炭 酸 塩 化 コンクリート 養 生 藻 類 培 養 藻 類 培 養 出 典 :Global CCS Institute and Parsons Brinckerhoff(2011) オーストラリア 国 立 低 排 出 石 炭 利 用 技 術 研 究 開 発 機 構 (ANLEC R&D) 及 びオーストラリ 92

108 ア 革 新 的 褐 炭 利 用 推 進 機 構 (BCIA)は 当 インスティテュートと 共 同 で 豪 州 における CO 2 地 層 貯 留 の 代 替 策 を より 詳 細 に 検 討 する 研 究 を 委 託 している 木 材 を 用 いた 建 設 は 明 ら かな 例 外 として これらの 技 術 は 大 部 分 が 非 常 に 初 期 の 段 階 にあり CO 2 の 貯 留 / 固 定 の 恒 久 性 は 地 層 貯 留 の 場 合 の 数 千 年 ~ 数 百 万 年 ではなく 数 ヶ 月 ~ 数 十 年 の 範 囲 である こ れらの CO 2 貯 留 法 のうちのいくつかについては 設 置 面 積 が 非 常 に 大 きい 可 能 性 もある それでも 代 替 燃 料 の 生 産 にとってのニッチな 機 会 及 び 可 能 性 を 考 慮 した 場 合 この 新 し い 貯 留 が 将 来 において 何 らかの 役 割 を 果 たすことになるだろう 炭 素 循 環 か ら 永 久 に 除 去 しない CO 2 使 用 の 一 つの 例 が RCI Organic Carbon for Assimilation(OCAP) 共 同 事 業 において 見 られる Shell Pernis Refinery は 年 量 約 300kt の 低 窒 素 低 硫 黄 で 高 純 度 の 廃 棄 CO 2 を 地 域 内 の 約 500 カ 所 の 温 室 に 提 供 している OCAP は 温 室 への 供 給 用 として 1Mtpa まで 拡 大 することを 目 指 している 温 室 での 利 用 は CO 2 の 初 期 の 用 途 であり RCI のケースでは CO 2 パイプラインインフラの 整 備 に 役 立 っているが 園 芸 用 途 は 他 の 産 業 利 用 と 比 較 して 将 来 の CO 2 使 用 先 としては 小 規 模 であると 考 えられ ている(Global CCS Institute and Parsons Brinckerhoff 2011) 貯 留 に 関 する 指 針 当 インスティテュートは 公 的 に 入 手 可 能 な 貯 留 に 関 する 指 針 の 机 上 評 価 を 委 託 し (CO2CRC 2011) これによって 適 度 に 包 括 的 な 一 連 の 指 針 が 公 表 されており その 中 で も 卓 越 している 指 針 は CO2WELLS と CO2QUALSTORE ガイドライン(DNV 2010)であるこ とが 示 された しかしながら 地 質 工 学 的 影 響 と CO 2 貯 留 の 探 査 開 発 決 定 におけるリス ク/ 機 会 及 び 取 扱 いを 主 題 とする 指 針 に 関 しては まだおそらく 余 地 がある 3.4 技 術 コスト 及 び 課 題 CCS 実 証 プロジェクトに 資 金 援 助 を 行 う 上 で 重 要 な 政 策 目 標 として CCS が 製 品 ( 主 に 電 力 )の 生 産 において 商 用 規 模 で 適 用 された 場 合 の その 製 品 の 性 能 とコストに 及 ぼす 影 響 に 関 する 情 報 を 得 ることが 挙 げられる CCS チェーンにおける 個 々の 構 成 要 素 のコストに 関 する 情 報 は 回 収 輸 送 及 び 貯 留 の 各 節 に 示 した 本 節 の 対 象 は 全 体 的 な CCS のコスト である 昨 年 CCS の 詳 細 なコスト 研 究 が IEA(2010b) WorleyParsons(2011) DOE NETL(2010a) 及 び ZEP(2011)によって 発 表 されている これらの 研 究 では 平 準 化 コスト 及 び CO 2 削 減 コストの 評 価 基 準 を 用 いて 異 なる 技 術 のコストを 比 較 している 平 準 化 された 発 電 コストとは 初 期 投 資 の 正 当 化 を 目 的 として 発 電 所 の 経 済 的 耐 用 年 数 全 体 の 総 発 電 量 に 対 する 回 収 の 必 要 がある 平 均 発 電 コストの 基 準 である 概 してこの 金 額 を 得 ることで 初 期 資 本 投 資 同 投 資 の 回 収 率 燃 料 及 びその 他 の 可 変 コスト 並 びに 操 業 と 保 守 にかかる 固 定 費 用 を 含 む 全 コストが 網 羅 されることになる 93

109 CO 2 削 減 コストとは CCS 技 術 を 備 えない 参 照 プラントと 同 じ 量 の 製 品 ( 電 力 など)を 生 産 しつつ 大 気 中 への CO 2 排 出 量 を 削 減 するコストである CO 2 削 減 コストを 用 いること で 予 想 炭 素 価 格 に 関 して 同 条 件 で 異 なる 技 術 の 順 位 付 け 及 び 比 較 が 可 能 となる これらの 研 究 のうち 最 初 の 3 件 は 既 に 分 析 済 みであり(Global CCS Institute 2011a) 主 な 結 論 は 以 下 のとおりである 大 規 模 実 証 施 設 のコストに 係 る 最 大 の 不 確 実 性 は 先 行 資 本 コストである 資 本 投 資 コ ストは CCS 施 設 を 組 み 入 れることで IGCC 施 設 の 場 合 は 約 30% その 他 の 石 炭 及 びガ ス 火 力 技 術 の 場 合 は 80~100% 増 大 する 回 収 技 術 を 含 む 総 設 備 投 資 コストは 石 炭 火 力 CCS 発 電 所 における 発 電 コストの 約 45 ~50%を 占 める 他 の CCS 技 術 と 比 較 して 酸 素 燃 焼 のコストは 平 準 化 発 電 コストと CO 2 削 減 コスト の 双 方 において 相 対 的 に 低 い 同 時 に 酸 素 燃 焼 技 術 は 成 熟 度 が 最 も 低 い 技 術 であるた め 不 確 実 性 レベルがより 高 い 不 確 実 性 を 考 慮 した 場 合 現 段 階 では コスト 面 で 明 確 に 優 位 性 を 持 った 卖 一 の 技 術 を 特 定 するのは 困 難 である 3 件 の 研 究 の 平 準 化 コストの 推 定 値 は 3~4 年 前 の 推 定 値 よりも 一 貫 して 高 い これは 手 法 の 変 更 及 び 以 前 省 かれた 項 目 を 含 めたことが 原 因 であり 現 在 コストは 以 前 の 推 定 コストよりも 15~30% 高 いと 推 定 されている CO 2 貯 留 の 経 済 性 は 対 象 とされる 貯 留 層 の 地 質 に 影 響 される 効 率 的 な 輸 送 手 段 によ ってアクセス 可 能 な 適 切 な 貯 留 サイトが 存 在 しない 場 合 は CCS は 一 定 の 状 況 下 におい ては 適 切 な 選 択 肢 ではないことがある 理 想 的 な 貯 留 条 件 においては 貯 留 コストが 総 コストに 占 める 割 合 は 5% 未 満 であり より 悪 い 地 質 特 性 を 有 する 貯 留 サイトの 場 合 は 約 10%に 上 昇 する コスト 推 定 値 が 研 究 ごとに 異 なる 理 由 は 技 術 性 能 投 入 コスト 又 は 投 入 コストを 平 準 化 コストに 変 換 する 方 法 における 仮 定 条 件 が それぞれ 異 なるためである これらの 相 違 点 の 多 くは 仮 定 条 件 を 標 準 化 して 共 通 の 手 法 を 適 用 すれば 解 決 される 3 件 の 研 究 それぞれの 各 仮 定 条 件 が 平 準 化 発 電 コストに 与 える 影 響 は 一 般 的 に 5%のオーダーであ る これらの 3 件 の 研 究 では 主 に 米 国 において 実 証 される 予 定 の 技 術 に 基 づいた 推 定 に 焦 点 を 合 わせている( 要 約 した 情 報 を 表 8 に 示 す) 当 インスティテュートの 研 究 においても 資 本 労 働 及 び 技 術 コストの 調 整 を 通 じて これら 推 定 値 を 世 界 の 全 地 域 に 対 して 地 域 化 し さらには 鉄 鋼 セメント 天 然 ガス 精 製 及 び 肥 料 生 産 に 関 するコスト 推 定 も 含 め ている 2011 年 7 月 ZEP(2011)は 今 日 の 欧 州 における 発 電 部 門 を 特 に 対 象 とした 研 究 及 び 2025 年 以 降 に 関 する 推 定 値 を 公 表 した これらのコスト 推 定 値 は 産 業 界 の ZEP メンバーによ 94

110 って 提 供 されたプロジェクト 及 び 技 術 のコストデータに 基 づいて 導 出 された 上 述 した 研 究 と 同 様 に 本 研 究 で 報 告 されているコストも 2006 年 の ZEP による 類 似 の 研 究 (ZEP 2006) から 実 質 ベースで 15~20% 上 昇 している また ZEP は NETL 及 び 当 インスティテュート による 最 近 の 研 究 を 比 較 した 結 果 ZEP によるコスト 推 定 値 のほうが 低 いことについても 言 及 している とはいえ 特 にプロジェクトの 重 要 部 分 に 関 する 個 々の 技 術 要 素 固 有 の 不 確 実 性 を 考 慮 すると 現 在 利 用 可 能 な 技 術 のコストを 反 映 させたコスト 推 定 値 は 4 件 す べての 研 究 においてほぼ 一 致 している ZEP と NETL によって 作 成 された 種 類 の 設 計 研 究 は±30~40% 付 近 の 範 囲 の 不 確 実 性 を 有 する さらに ZEP の 研 究 では 異 なる 貯 留 形 態 とともに 幅 広 い 種 類 の 輸 送 方 式 にわたりコス ト 計 上 のための 選 択 肢 を 提 示 している これらのコストについては 本 章 前 半 の 各 々の 節 で 簡 卖 に 説 明 している 95

111 WORLEY PARSONS NETL IEA 1 WORLEY PARSONS (SHELL) NETL (SHELL) NETL (CONOCO PHILLIPS) NETL (GE) WORLEY PARSONS WORLEY PARSONS DOE NETL The Global Status of CCS : 2011 表 8 最 近 完 了 した CCS 設 計 コスト 研 究 の 要 約 燃 焼 後 IGCC 酸 素 燃 焼 NGCC 2 基 準 年 容 量 MW(Ne t) 総 建 設 コスト 米 ドル (overnight cost) /kw O&M 3 米 ドル /MWh 燃 料 コスト 米 ドル /MWh 回 収 率 % 効 率 % 容 量 率 % リードタイム 年 耐 用 年 数 年 割 引 率 % 輸 送 米 ドル 1 - n/a /MWh 6 貯 留 米 ドル n/a /MWh LCOE 7 米 ドル /MWh CO 2 削 減 コス ト 8 米 ドル/ トン ~ IEA による 推 定 値 には 回 収 及 び 圧 縮 コストのみが 含 まれる 2 基 準 年 は 当 時 の 現 在 価 値 での 報 告 が 行 われた 年 3 NETL の 研 究 には 所 得 税 と 財 産 税 が 含 まれており これらの 税 は 他 の 研 究 には 含 まれていない 4 IEA は 低 位 発 熱 量 (LHV)の 総 熱 効 率 その 他 2 件 の 研 究 は 高 位 発 熱 量 (HHV)の 総 熱 効 率 を 報 告 してい る 5 想 定 輸 送 距 離 は Worley Parsons 研 究 が 100km DOE NETL 研 究 が 80km である DOE NETL の 場 合 は 輸 送 コストは 貯 留 項 目 に 含 まれている 6 NETL による 研 究 には 30 年 間 の 法 的 責 任 に 対 する 支 払 いが 含 まれている 7 平 準 化 された 発 電 コスト 8 各 研 究 における 参 照 施 設 の 石 炭 技 術 は すべて 超 臨 界 圧 微 粉 炭 を 用 いたものである DOE NETL によ る 研 究 に 関 する 金 額 についてはグローバル CCS インスティテュートが 算 出 した 出 典 :IEA(2010a) DOE NETL(2010a) WorleyParsons(2011) 96

112 表 9 ZEP による CCS コスト 推 定 石 炭 ガス 参 考 : 超 々 臨 界 圧 ボイラ 燃 焼 後 回 収 IGCC 酸 素 燃 焼 参 考 : F クラス タービン 燃 焼 後 回 収 1 基 準 年 容 量 MW(Net) 総 建 設 コスト ユーロ/kW (overnight cost) O&M ユーロ/MWh 燃 料 コスト ユーロ/MWh 回 収 率 % 効 率 % 容 量 率 % リードタイム 年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a 耐 用 年 数 年 割 引 率 % 輸 送 ユーロ/MWh 貯 留 ユーロ/MWh LCOE ユーロ/MWh CO 2 削 減 コスト ユーロ/トン 基 準 年 はコスト 要 素 の 推 定 現 在 価 値 が 報 告 されている 年 である 2 LHV 総 熱 効 率 3 ZEP は 29 件 の 異 なる 輸 送 ネットワーク 構 成 に 関 するコストを 推 定 している 本 表 において 選 択 した 値 は 表 8 の 結 果 と 一 貫 させるために 2.5Mtpa の 2 点 間 の 陸 域 ネットワーク(180km)に 関 する 値 である 出 典 :ZEP(2011) 過 去 の 環 境 技 術 における 革 新 から 得 られるコスト 上 の 教 訓 CCS 実 証 のための 政 府 からの 資 金 援 助 は 技 術 的 革 新 の 加 速 をその 目 的 の 一 部 としてい る ここでは 数 多 く 課 題 が 提 示 されており 例 えば 既 存 のパイロットプロジェクトに 基 づいて 大 規 模 操 業 のコストを 正 確 に 推 定 することが 挙 げられる 既 存 のシステムに 技 術 を 追 加 することの 影 響 は システム 内 の 他 の 技 術 要 素 の 性 能 及 び 信 頼 性 に 影 響 を 及 ぼす 可 能 性 があり それは 小 規 模 の 限 定 されたデータでは 予 測 するのが 困 難 である 小 規 模 なプロ ジェクト 又 はパイロット 施 設 の 経 験 に 基 づいて 推 定 された 新 技 術 に 関 する 初 期 のコストは 通 常 その 後 見 られる 初 期 の 大 規 模 な 適 用 におけるコストよりも 低 い(Yeh and Rubin 2010) 設 計 変 更 及 び 初 期 の 商 業 化 段 階 における 製 品 性 能 の 向 上 により コストが 追 加 されること がしばしばある(Neij 1997) しかし その 後 技 術 が 成 熟 して 追 随 する 設 計 に 学 習 結 果 が 組 み 入 れられるに 従 い コストが 低 下 することもまた 一 般 的 である 発 電 から 排 出 された CO 2 を 回 収 する 技 術 はまだ 初 期 の 段 階 にある 一 方 で 化 石 燃 料 火 力 発 電 所 からの 排 出 に 対 処 するための 他 の 環 境 技 術 がいくつかが 開 発 及 び 適 用 されてきてい 97

113 る これらの 環 境 技 術 には 二 酸 化 硫 黄 (SO 2 ) 制 御 のための 排 ガス 脱 硫 (FGD)システム 及 び 窒 素 酸 化 物 制 御 のための 選 択 触 媒 還 元 (SCR)システムなどがある 米 国 における 大 気 汚 染 防 止 法 (Air Pollution Control Act) を 根 拠 とする 資 金 援 助 及 び 保 健 省 を 含 むその 他 の 機 関 からの 補 助 金 に 対 応 する 形 で FGD システムの 開 発 が 1950 年 代 初 頭 に 開 始 された(Hamilton 2009) 1960 年 代 後 期 から 1990 年 代 にかけて 技 術 革 新 と 開 発 活 動 が 増 大 した(Taylor 2003)が これは 各 政 府 が SO 2 排 出 レベルの 制 限 を 追 求 するのに 応 じ て 技 術 需 要 を 刺 激 するように 設 計 された 資 金 援 助 の 強 化 及 びいくつかの 政 策 の 策 定 の 両 方 によって 推 進 された 1972~1982 年 には 規 制 要 件 を 満 たすのに 必 要 なシステムの 信 頼 性 及 び 性 能 を 達 成 する ために 設 計 が 修 正 され 初 期 のFGD 実 証 プロジェクトの 資 本 コストは 2 倍 以 上 に 膨 らんだ 10 年 間 の 経 験 と 学 習 後 はコストが 低 下 し 始 め 1990 年 代 中 期 までにほぼ 半 分 まで 低 下 した (Yeh and Rubin 2010) 同 様 に 欧 州 及 び 日 本 において 展 開 された 初 期 の SCR システムのコ ストも 小 規 模 なパイロット 規 模 の 発 電 所 に 基 づく 当 初 の 予 測 よりも 高 かった その 理 由 は 特 にこれらのコスト 研 究 には 商 用 規 模 の 経 験 が 限 定 的 なことに 関 するリスクを 管 理 する 偶 発 事 象 に 関 する 費 用 がしばしば 含 まれていなかったためである ほぼ 15 年 の 経 験 を 経 て 最 終 的 に SCR システムに 関 する 資 本 コストは 初 期 設 計 研 究 による 推 定 よりも 実 質 ベースで 低 くなった その 他 の 発 電 関 連 技 術 のコストにおいても 同 様 のパターンを 観 察 することができる 例 えば 天 然 ガス 複 合 サイクル 発 電 所 の 開 発 は 20 世 紀 中 頃 に 開 始 され 1970 年 代 後 半 及 び 1980 年 代 前 半 までは 利 用 可 能 な 高 い 水 準 の 商 業 展 開 には 至 らなかった それでもなお 商 業 利 用 可 能 な 施 設 の 展 開 の 初 期 段 階 には 1981~1991 年 にコストが 増 大 し その 後 低 下 し た(Colpier and Cornland 2002) これらの 経 験 から 得 られた 教 訓 のいくつかは 詳 細 なプロジェクトコスト 計 算 又 は 一 般 的 なコスト 研 究 の 実 施 者 によって CCS のコスト 推 定 に 取 り 入 れられている 研 究 では シ ステムプロセス 並 びに 統 合 上 及 びプロジェクト 管 理 上 の 課 題 に 関 わる 偶 発 事 象 に 関 する 費 用 としての 引 当 金 を 増 額 するようにしている いくつかの 部 門 では 限 られた 数 の 商 用 規 模 CCS プロジェクトが 操 業 するにとどまっており さらに 石 炭 火 力 発 電 鉄 鋼 又 はセメント の 生 産 に 関 しては 操 業 中 のプロジェクトがまったく 存 在 しないため 先 行 プロジェクトは 20% 以 上 の 臨 時 費 用 をプロセスコストに 計 上 している(WorleyParsons 2009) プロジェクト 開 発 者 からの 情 報 として いくつかの 事 例 では 偶 発 事 象 に 関 する 費 用 が 最 大 で 40%に 達 し ていることも 伺 える 同 時 に CO 2 の 回 収 及 び 貯 留 に 関 わるコスト 計 算 法 は 組 織 によって 各 々 異 なっている 社 会 全 体 に 関 わるような 研 究 において 様 々なコスト 構 成 要 素 を 定 義 する 上 で 一 貫 したコ スト 項 目 及 び 用 語 体 系 は 存 在 しない(Rubin 2011) コスト 推 定 における 時 間 枞 は 現 在 にお ける 技 術 の 理 解 (いわゆる First of the kind )と プロセス 及 びプロジェクト 上 の 不 確 実 性 が 低 減 された 後 に 得 られるであろう 将 来 の 技 術 (いわゆる 同 種 の 中 で n 番 目 )との 間 で 98

114 異 なることがしばしばある さらに 改 良 された 回 収 法 などの 新 技 術 の 開 発 が 含 まれてい るかどうか さらにはその 含 まれたタイミングによっても 異 なり あるいは 輸 送 と 貯 留 要 素 が 輸 送 ネットワークと 複 数 の 貯 留 機 会 を 有 する 大 規 模 なインフラ 整 備 の 一 部 であるの か 専 用 の 2 点 間 パイプラインでつながれた 回 収 源 と 貯 留 サイト 各 一 か 所 のみの 組 合 せで あるのかによっても 異 なる コスト 計 算 法 の 報 告 及 び 透 明 性 の 向 上 を 通 じ 社 会 全 体 で CCS のコストに 関 する 理 解 を 促 進 するという 課 題 に 対 処 するため CCS コストネットワーク(CCS Costs Network) が 2011 年 初 めに 設 立 された このネットワークには 回 収 から 輸 送 (パイプライン 及 び 船 舶 輸 送 ) さらには 貯 留 に 至 るまでの 約 50 人 のコスト 専 門 家 が 参 加 している 同 ネットワー クは 共 通 の 用 語 及 び 方 法 の 開 発 を 通 じて CCS コスト 推 定 の 一 貫 性 と 透 明 性 の 向 上 ( 不 確 実 性 の 特 性 把 握 を 含 む) 及 び CCS コストの 公 衆 への 伝 達 の 改 善 を 目 指 している 当 インステ ィテュートは 同 ネットワークの 一 員 であり 当 インスティテュートのウェブサイトでの 知 識 共 有 プラットフォームを 通 じて 積 極 的 に 活 動 を 支 援 している 99

115 4 政 策 法 律 及 び 利 害 関 係 者 に 関 する 課 題 4.1 政 策 法 律 及 び 規 制 の 状 況 資 金 援 助 の 状 況 市 民 関 与

116 4 政 策 法 律 及 び 利 害 関 係 者 に 関 する 課 題 概 要 CCS を 実 証 するためには 炭 素 の 価 格 提 示 を 含 む 実 質 的 でタイムリーかつ 安 定 した 政 府 の 支 援 が 必 要 である これにより CCS への 投 資 及 び 革 新 の 促 進 を 継 続 させるとの 確 証 を 産 業 界 は 得 ることができる 今 年 の 单 アフリカのダーバンで 開 催 される UNFCCC 締 約 国 会 議 (COP17)の 決 定 によっ ては 将 来 の UNFCCC の 仕 組 みに 基 づく CCS に 関 する 制 度 を 規 定 する 国 際 枞 組 みの 確 立 により 大 気 中 への 排 出 を 世 界 的 に 安 定 させるという 目 標 の 達 成 を 支 援 する 緩 和 策 としての CCS の 実 現 を 後 押 しする 可 能 性 がある CCS に 関 する 法 律 及 び 規 則 の 策 定 が 堅 調 な 速 度 で 続 いており いくつかの 国 地 方 政 府 は 枞 組 みとなる 法 令 を 策 定 し 委 任 立 法 による 規 則 の 施 行 を 開 始 している こう した 努 力 にもかかわらず プロジェクト 提 案 者 は 未 完 成 又 は 施 行 が 遅 れている 規 則 などに 言 及 している 大 規 模 CCS 実 証 プロジェクトを 支 援 するための 政 府 の 資 金 援 助 は 2011 年 はほぼ 変 化 がない 今 日 までに 利 用 可 能 な 金 額 は 総 額 約 235 億 米 ドルである プロジェクト 提 案 者 は 起 こり 得 る 問 題 を 特 定 し 軽 減 するための 手 法 の 一 つである 市 民 関 与 を 継 続 的 に 見 直 す 必 要 がある 貯 留 と 同 様 に 市 民 関 与 は 状 況 サイトご とに 特 有 のものであり プロジェクトが 及 ぼす 影 響 ( 利 益 を 含 む)に 地 域 レベルで 対 処 し なければならない あらゆる 産 業 同 様 CCS の 開 発 において 政 策 及 び 法 律 の 環 境 は 重 要 な 考 慮 事 項 の 一 つ である しかし その 検 討 段 階 を 考 慮 した 場 合 そうした 環 境 は CCS にとって 他 の 産 業 よりも 特 に 重 要 な 課 題 となる CCS は 他 の 温 室 効 果 ガス 削 減 技 術 と 同 様 に 民 間 部 門 に とって 商 業 的 に 魅 力 的 にするためには 間 接 的 又 は 直 接 的 な 政 策 による 支 援 例 えば 政 府 か らの 資 金 援 助 などが 必 要 である CCS に 係 る 政 策 による 支 援 の 性 質 は 一 般 的 に その 国 の 気 候 変 動 戦 略 及 び/ 又 はエネルギー 計 画 に 示 される 本 章 では 以 下 の 図 40 が 示 すように CCS に 現 在 影 響 を 与 えている 政 策 状 況 の 特 徴 を 示 し 最 も 活 発 で 前 進 を 見 せている CCS 関 連 の 気 候 変 動 エネルギー 市 場 産 業 界 及 び 革 新 技 術 に 関 する 政 策 の 世 界 的 な 調 査 を 実 施 した 法 律 及 び 規 制 上 の 課 題 の 最 近 の 展 開 につ いても 概 説 した CCS にとって 政 策 による 支 援 における 特 に 重 要 な 分 野 は 実 証 プロジ ェクトを 対 象 とする 政 府 からの 資 金 援 助 であり 本 章 の 第 2 節 では 全 世 界 で 利 用 可 能 な 現 在 の 支 援 レベルを 詳 述 した 本 章 の 最 後 では 市 民 関 与 について 論 じている 公 衆 によ る CCS の 受 け 入 れが 不 可 欠 であり この 分 野 は 政 府 及 び 産 業 界 が 共 同 で 取 り 組 まなけれ ばならない 101

117 図 40 政 策 状 況 の 範 囲 気 候 変 動 政 策 エネルギー 政 策 プロジェクト 地 方 国 国 際 産 業 政 策 革 新 政 策 当 インスティテュートでは 独 自 に 実 施 した 世 界 的 な 政 策 規 制 環 境 の 分 析 及 び 関 連 事 項 に 関 するプロジェクト 提 案 者 への 調 査 に 加 えて 法 律 及 び 政 策 上 のイニシアチブ 調 査 を Baker & McKenzie (2011) 及 び Ernst & Young(2011)に 委 託 した 以 下 の 各 節 は これらの 研 究 に 基 づく 4.1 政 策 法 律 及 び 規 制 の 状 況 CCS という 解 決 策 が 現 在 初 期 段 階 にあることと 気 候 変 動 政 策 の 不 確 実 性 とが 相 まって 現 時 点 では 商 業 投 資 家 がほとんど 存 在 しないことが 一 般 的 となっている 新 規 参 入 者 にと っての 短 期 的 な 障 害 は CCS 技 術 に 関 わる 高 額 な 資 本 コスト 及 び CCS 技 術 が 直 面 するリ スクの 性 質 に 起 因 するものがほとんどであり そのほとんどは 政 策 及 び 規 制 上 の 性 質 を 有 する これらの 要 素 があるにもかかわらず 本 報 告 書 内 で 先 述 したように 例 えば EOR などで の CO 2 の 価 値 が プロジェクトの 全 体 的 な 経 済 性 を 向 上 させるのに 役 立 つ 収 益 源 を 生 み 出 すことが 可 能 な 場 合 など 状 況 によっては 民 間 部 門 が 進 んで CCS プロジェクトに 投 資 す る 意 志 があることを 示 している プロジェクト 提 案 者 との 議 論 では 政 策 の 不 確 性 が 主 要 なリスクであると 認 識 されていることが 示 されており 特 に 政 府 が 実 現 性 のない 政 策 意 図 を 表 明 した 場 合 に 懸 念 事 項 となっている 米 国 の CCS に 関 する 省 庁 間 タスクフォース(The United States Interagency Task Force on CCS)(2010)は CCS 関 連 の 市 場 の 失 敗 に 取 り 組 むために 政 策 立 案 者 は 以 下 のような 措 置 102

118 を 講 じるべきであると 言 及 している 対 象 となっている 市 場 の 失 敗 の 性 質 及 び 規 模 を 考 慮 する 経 時 的 に 変 化 する 状 況 に 合 わせて 調 整 可 能 な 政 策 を 策 定 する 民 間 部 門 にとって 最 大 限 に 柔 軟 な 対 応 が 可 能 となる 政 策 を 設 ける 政 策 はその 他 のインセンティブと 補 完 的 にする 政 策 目 標 ( 尐 なくとも 納 税 者 及 び/ 又 は 消 費 者 にとってのコスト)を 忠 実 に 実 行 する これらの 原 則 には 以 下 のような 可 能 性 のある 政 策 手 法 の 広 範 な 組 合 せが 含 まれており 全 政 策 レベルで 適 用 される 交 渉 による 合 意 ( 部 門 特 定 の 扱 い) 情 報 に 基 づく 手 段 ( 最 良 慣 行 ) 規 則 及 び 基 準 ( 排 出 及 び 技 術 性 能 に 関 する 基 準 ) 人 材 開 発 ( 施 設 及 び/ 又 はインフラの 能 力 向 上 ) 価 格 に 基 づく 手 段 ( 炭 素 価 格 設 定 の 仕 組 み) 研 究 開 発 政 策 ( 革 新 技 術 への 融 資 ) 財 政 支 援 ( 補 助 金 租 税 減 免 及 び/ 又 は 税 額 控 除 ) 国 際 的 政 策 及 び 法 律 の 環 境 気 候 変 動 に 関 する 国 際 連 合 枞 組 条 約 (UNFCCC) 気 候 変 動 のための 国 際 的 な 努 力 が 20 年 以 上 にわたり 本 格 的 に 続 けられてきている 1992 年 に UNFCCC が 採 択 され 1994 年 に 発 効 した 現 在 世 界 の 大 気 中 温 室 効 果 ガス 濃 度 を 危 険 な 人 為 的 気 候 変 動 を 防 止 するレベルで 安 定 化 させるための 援 助 を 194 カ 国 が 約 束 している 1997 年 に 国 際 社 会 は CO 2 の 絶 対 排 出 量 に 上 限 を 設 けることで 長 期 的 に 排 出 削 減 する 約 束 を 確 立 することに 移 行 した 2005 年 に 発 効 した 京 都 議 定 書 には 2008~ 2012 年 がこの 約 束 の 実 施 期 間 として 規 定 されている 直 近 の 主 要 な 気 候 変 動 会 議 (COP16)は 2010 年 12 月 にカンクンで 開 催 され 各 国 が 世 界 全 体 の 平 均 気 温 の 上 昇 を 産 業 革 命 前 と 比 べて 2 以 内 に 抑 える ことに 同 意 した(UNFCCC 2010) この 展 望 は 世 界 が 直 面 している 気 候 変 動 という 状 況 において CCS が 果 たさなけ ればならない 役 割 について 理 解 を 深 めるための 基 礎 となるものである 国 際 的 な 気 候 変 動 問 題 に 関 して 当 インスティテュートのメンバーである 各 国 政 府 の UNFCCC 及 び 京 都 議 定 書 における 状 況 並 びに 排 出 削 減 目 標 を 表 10 に 示 した 103

119 表 10 各 国 の 排 出 削 減 目 標 の 状 況 京 都 議 定 書 約 束 ( 年 1990 年 比 ) 豪 州 8% -5% (2000 年 比 ) ブラジ ル ブルガ リア カナダ -6% -17% (2005 年 比 ) 中 国 エジプ ト 欧 州 連 合 排 出 削 減 目 標 及 び 誓 約 UNFCCC 京 都 議 定 書 2020 年 ま 2020 年 まで 2050 年 まで その 他 批 准 で ( 条 件 付 ) ( 条 件 付 ) ( 無 条 件 ) 最 大 -15% 又 は-25% (2000 年 比 ) -36%~-39% ( 予 測 排 出 量 比 ) -8% -20% (2005 年 比 ) -8% -20% (1990 年 比 ) -20% (2006 年 比 ) -40~-45% (GDP 当 たり の CO 年 比 ) -30% (1990 年 比 ) フラン ス 0% -14% (2006 年 比 ) ドイツ -21% -14% (2005 年 比 ) インド インド ネシア -20~-25% (GDP 当 たり 排 出 原 卖 位 2005 年 比 ) -26% ( 何 も 対 策 を 講 じなかった ケース(BAU) 比 ) イタリ ア -6.5% -13% (2006 年 比 ) 日 本 -6% -25% (1990 年 比 ) 韓 国 -4% (2005 年 比 ) -80% (2000 年 比 ) -60~-70% (2006 年 比 ) -80~-90% (1990 年 比 ) -60~-70% (2006 年 比 ) -80% (1990 年 比 ) -17% (GDP 当 た りの CO 年 まで に 2005 年 比 ) CO 2-25 ~ -30% (BAU 比 年 ) CO 2-40% (2025 年 ま でに) エネルギー 関 連 排 出 量 を 2030 年 までに 30% 以 上 削 減 (1990 年 比 ) -30% (2020 年 ま での 有 望 推 定 値 比 ) 1992 年 12 月 30 日 1995 年 5 月 12 日 1995 年 5 月 12 日 1992 年 12 月 4 日 1993 年 1 月 5 日 1994 年 12 月 5 日 1993 年 12 月 21 日 1994 年 3 月 25 日 1993 年 12 月 9 日 1993 年 11 月 1 日 1994 年 8 月 23 日 1994 年 4 月 15 日 1993 年 5 月 28 日 1993 年 12 月 14 日 2007 年 12 月 12 日 2002 年 8 月 15 日 2002 年 8 月 15 日 2002 年 12 月 17 日 2002 年 8 月 30 日 2005 年 1 月 12 日 2002 年 5 月 31 日 2002 年 5 月 31 日 2002 年 5 月 31 日 2002 年 8 月 26 日 2004 年 12 月 3 日 2002 年 5 月 31 日 2002 年 6 月 4 日 2002 年 11 月 8 日 104

120 マレー シア メキシ コ オラン ダ ニュー ジーラ ンド ノルウ ェー パプア ニュー ギニア 京 都 議 定 書 約 束 ( 年 1990 年 比 ) 排 出 削 減 目 標 及 び 誓 約 UNFCCC 京 都 議 定 書 2020 年 ま 2020 年 まで 2050 年 まで その 他 批 准 で ( 条 件 付 ) ( 条 件 付 ) ( 無 条 件 ) 最 大 -40% (GDP 当 たり 2005 年 比 ) 最 大 -30% (BAU 比 ) -6% -30% (1990 年 比 ) 0% -10% (1990 年 比 ) 1% -30% (1990 年 比 ) ルーマ ニア -8% -20%(199 0 年 比 ) ロシア 0% -15 ~ -25% (1990 年 比 ) サウジ アラビ ア 单 アフ リカ -20% (1990 年 比 ) -40% (1990 年 比 ) -34% (BAU 比 ) スウェ ーデン 4% -17%(2006 年 比 ) トリニ ダード トバゴ アラブ 首 長 国 連 邦 英 国 -12.5% 最 低 -80% (2050 年 まで に 1990 年 比 ) 米 国 -17% (2020 年 までに 2005 年 比 ) 凡 例 : 共 通 行 動 コペンハーゲン 合 意 誓 約 -50% (1990 年 比 ) カーボンニ ュートラル -50% ( 要 求 ) (1990 年 比 ) 最 終 目 標 -83% (2005 年 比 ) 2030 年 内 に カーボンニ ュートラル 最 低 -50% (2030 年 ま でに BAU 比 ) -42% (2025 年 ま でに 2005 年 比 ) 年 にピーク 排 出 量 -22% (1990 年 比 年 ) 2025 年 に -30% 2030 年 に -42%(2005 年 比 ) 1994 年 7 月 13 日 1993 年 3 月 11 日 1999 年 12 月 20 日 1993 年 9 月 16 日 1993 年 7 月 9 日 1993 年 3 月 16 日 1994 年 6 月 8 日 1994 年 12 月 28 日 1994 年 12 月 28 日 1997 年 8 月 29 日 1993 年 6 月 23 日 1994 年 6 月 24 日 1993 年 12 月 8 日 1992 年 10 月 15 日 2002 年 9 月 4 日 2000 年 9 月 7 日 2002 年 5 月 31 日 2002 年 12 月 19 日 2002 年 5 月 30 日 2002 年 3 月 28 日 2001 年 3 月 19 日 2004 年 11 月 18 日 2005 年 1 月 31 日 2002 年 7 月 31 日 2002 年 5 月 31 日 1999 年 1 月 28 日 2002 年 5 月 31 日 105

121 2011 年 12 月 に 单 アフリカのダーバンで 開 催 予 定 の COP17 の 議 題 として 2010 年 12 月 カンクン 合 意 で 挙 げられた CCS 業 界 の 主 要 な 対 象 分 野 は 以 下 の 五 つである 国 としての 適 切 な 緩 和 行 動 (NAMA)の 登 録 - 技 術 財 政 又 は 能 力 開 発 について 国 際 的 な 支 援 を 必 要 とする 国 々は 登 録 簿 に 記 録 され 非 支 援 国 の 行 動 と それに 必 要 な 支 援 を 適 合 させることが 可 能 と 合 意 された 技 術 メカニズムの 採 択 -この 技 術 メカニズムは 発 展 途 上 国 における 新 技 術 の 開 発 及 び 利 用 ( 実 証 及 び 普 及 を 含 む)の 強 化 を 目 的 に 2012 年 に 完 全 に 機 能 させることが 合 意 され た 管 理 する 組 織 には 技 術 の 開 発 及 び 移 転 の 必 要 性 ( 政 策 及 び 行 動 を 含 む)の 概 要 提 供 を 援 助 する 技 術 執 行 委 員 会 (TEC) 並 びに 国 家 的 地 域 的 部 門 別 及 び 国 際 的 な 技 術 ネッ トワーク 組 織 及 びイニシアチブを 促 進 するための 気 候 技 術 センター ネットワーク (CTCN)が 含 まれる 資 金 メカニズムの 採 択 年 までを 対 象 に 最 大 約 300 億 米 ドルの 発 展 途 上 国 向 け 合 意 済 み 短 期 資 金 の 提 供 並 びに 発 展 途 上 国 における 適 応 及 び 緩 和 行 動 (プロジェクト プログラム 政 策 及 びその 他 の 活 動 )の 支 援 ( 国 連 事 務 総 長 の 資 金 に 関 するハイレベル 諮 問 グループ は こ うした 融 資 は 可 能 と 判 断 している)を 目 的 として 世 界 銀 行 が 管 理 す る 緑 の 気 候 基 金 (Green Climate Fund)( 年 間 1,000 億 米 ドル)の 設 立 を 含 む プロジェクトレベルの CCS プロジェクト/CDMの 下 での 削 減 - 様 々な 技 術 的 課 題 と 安 全 性 に 関 する 要 件 が 解 決 満 足 されることを 条 件 に CCS プロジェクトを CDM として 許 容 することに 各 国 政 府 は 合 意 した( 後 述 ) 市 場 メカニズム- 緩 和 行 動 の 費 用 対 効 果 の 向 上 及 び 促 進 を 目 的 とした 一 つ 以 上 の 新 た な 市 場 に 基 づくメカニズムの 確 立 に 向 けた 作 業 を 継 続 することで 各 国 政 府 は 合 意 した (この 点 は COP17 において 検 討 されることになる) CCS のプロジェクトレベルでの 活 動 の 制 度 化 が 特 に CDM を 通 じて UNFCCC の 下 で 現 在 詳 細 に 検 討 されている CDM は 京 都 議 定 書 に 基 づき 確 立 された 世 界 的 なカーボンオ フセット 市 場 である 2006 年 以 降 CDM は 認 証 排 出 削 減 量 (CER)と 呼 ばれる 取 引 可 能 な 手 段 で 先 進 国 ( 京 都 議 定 書 の 附 属 書 I の 締 約 国 )が 発 展 途 上 国 ( 非 附 属 書 I 締 約 国 )の 排 出 削 減 プロジェクトに 投 資 することに 報 いてきている 各 CER は 1 トンの CO 2 に 相 当 し 売 却 又 は 排 出 義 務 の 免 除 に 充 てることができる CDM は 発 展 途 上 国 における 地 域 的 プロ ジェクトを 対 象 とする 資 金 援 助 の 動 員 に 関 して 明 確 な 違 いを 生 じさせている CCS プロジェクトによる CO 2 削 減 で CER 取 得 が 可 能 かについて 京 都 議 定 書 に 基 づく 附 属 書 I 締 約 国 の 更 なる 約 束 に 関 する 特 別 作 業 部 会 (AWG-KP)において CDM 内 の 検 討 が 進 められている(UNFCCC 交 渉 背 景 に 関 しては 付 属 資 料 E.1 を 参 照 ) CCS を CDM 化 するかについての 最 終 決 定 は ダーバンで 開 催 される COP17 において 行 われると 予 想 される ダーバンまでに 行 われる 検 討 プロセスは 以 下 のとおりである 106

122 1. UNFCCC 事 務 局 が a 年 2 月 21 日 までに 公 認 オブザーバーからの 提 出 物 に 基 づく 統 合 報 告 書 を 作 成 する b. 法 律 専 門 家 及 び 技 術 専 門 家 の 技 術 ワークショップを 主 催 する(2011 年 9 月 初 旪 にアブダビで 開 催 予 定 ) c 年 12 月 の 第 35 回 科 学 及 び 技 術 の 助 言 に 関 する 補 助 機 関 (SBSTA) 会 議 の 検 討 対 象 とすべく 様 式 と 手 続 の 草 案 を 作 成 する 2. SBSTA は 昨 年 のカンクンにおける 京 都 議 定 書 締 約 国 会 議 (CMP)の 決 定 が 提 起 した 課 題 及 び UNFCCC 事 務 局 作 成 の 様 式 と 手 続 の 草 案 について CMP7 において CMP に 勧 告 することを 念 頭 に 更 に 検 討 する 3. UNFCCC 及 び 京 都 議 定 書 の 締 約 国 は ダーバンにおいて CMP への 勧 告 に 含 まれ る 法 律 文 の 草 案 作 成 について 公 式 に 交 渉 する CMP は SBSTA の 勧 告 を 採 択 する かどうかを 判 断 しなければならない 既 に 課 題 が 限 定 的 に 特 定 され 広 範 囲 に かつ 透 明 な 形 で 提 起 されているものの CMP が COP17 において CCS の CDM 化 を 採 択 するかは 確 定 的 ではない 代 わりに CMP では 特 定 の 課 題 に 関 する 追 加 的 協 議 及 び/ 又 は 代 替 協 定 の 決 定 を 行 う 更 なる 作 業 を SBSTA に 委 任 する 可 能 性 がある CCS の CDM 化 を 妨 げている 限 定 的 な 課 題 は 主 に 貯 留 関 連 である 当 インスティテュ ートが CDM 下 の CCS に 関 して UNFCCC に 提 出 した 2011 年 提 出 文 書 (Global CCS Institute 2011c)で 引 用 したように これらの 課 題 を 管 理 する 正 当 な 手 法 は 過 度 に 規 範 的 な 手 法 を 課 すのではなく リスク 管 理 が 基 本 となる 最 終 的 に CCS プロジェクトが CER を 取 得 可 能 な 登 録 対 象 活 動 として 採 択 されると 仮 定 すれば 提 案 者 は それを 裏 付 けるベースライン 及 び 推 計 の 方 法 論 を 提 示 して CDM 理 事 会 (EB)による 承 認 を 得 なければならない EB では CMP が 正 式 な 立 場 を 採 択 するまでは CCS の 方 法 論 に 関 する 提 出 物 を 検 討 しないのが 現 状 である 主 要 8 カ 国 (G8) G8 は 国 家 及 び 政 府 首 脳 サミットにおいて 年 1 回 開 催 される 先 進 経 済 国 の 非 公 式 会 合 である G8 のメンバーは フランス 米 国 英 国 ロシア ドイツ 日 本 イタリア 及 び カナダである G8 では 2005 年 に 初 めて CCS への 深 い 関 与 及 び 支 援 を 発 表 し 以 下 の 文 を 含 む グレ ンイーグルズ 行 動 計 画 : 気 候 変 動 クリーンエネルギー 及 び 持 続 可 能 な 開 発 に 関 する 宣 言 (Gleneagles Plan of Action:Climate Change, Clean Energy and Sustainable Development Declaration) を 出 した 我 々は CO 2 回 収 及 び 貯 留 技 術 の 開 発 及 び 商 業 化 を 加 速 するための 作 業 に 取 り 組 107

123 む (G8 Summit 2005) この 支 援 は 2006 年 のサンクトペテルブルク 宣 言 及 び 2007 年 世 界 経 済 における 成 長 と 責 任 宣 言 ( Growth and Responsibility in the World Economy Declarations)において 追 随 さ れた 2008 年 6 月 には G8 による CCS 支 援 の 一 つの 重 要 な 中 間 地 点 に 到 達 し G8 エネル ギー 大 臣 ( 中 国 インド 及 び 韓 国 を 含 む) 及 び 環 境 大 臣 の 両 方 が 目 標 とする CCS プロジェク ト 件 数 及 び 達 成 すべき 時 間 枞 の 両 方 に 対 する 支 持 を 表 明 した さらに G8 エネルギー 大 臣 は 以 下 のような 共 同 声 明 を 出 した 2020 年 までに CCS が 広 範 に 展 開 し 始 めることを 目 的 として 各 国 の 様 々な 国 情 を 考 慮 しつつ 2010 年 までに 20 の 大 規 模 な CCS 実 証 プロジェクトを 世 界 的 に 立 ち 上 げることを 強 く 支 持 する (G8 Summit 2008) 2009 年 宣 言 では 以 下 のように 述 べている したがって CO 2 回 収 貯 留 (CCS)などの 革 新 的 技 術 の 開 発 及 び 利 用 は 排 出 量 の 削 減 に 大 きく 貢 献 することが 期 待 される (G8 Summit 2009) 2010 年 までに 20 件 の 大 規 模 CCS 実 証 プロジェクトを 世 界 的 に 立 ち 上 げるとした 2008 年 の 約 束 の 再 確 認 に 加 えて CCS を 支 援 するためのいくつかの 行 動 (CCS 技 術 の 開 発 及 び 利 用 に 焦 点 を 合 わせた 政 策 設 計 規 制 枞 組 み 及 びインセンティブ 制 度 の 加 速 化 など)も 特 定 された 2010 年 には G8 がカナダで 会 合 し ムスコカ 宣 言 において 次 のように 述 べている 気 候 変 動 に 取 り 組 み 又 エネルギー 安 全 保 障 の 向 上 のため 低 炭 素 で 気 候 に 柔 軟 な 経 済 を 構 築 することに 深 く 関 与 する CCS は 低 炭 素 排 出 社 会 への 移 行 に 重 要 な 役 割 を 果 たし 得 る 発 展 途 上 国 と 協 力 しつつ 2010 年 までに 世 界 的 に 20 件 の 大 規 模 CCS 実 証 プロ ジェクトを 開 始 し 2020 年 までに 広 範 な CCS の 展 開 を 達 成 するという 洞 爺 湖 での 約 束 は 既 に 進 展 している 我 々のうちの 数 ヶ 国 は これらの CCS 実 証 プロジェ クトを 加 速 し 2015 年 までにその 完 全 な 実 施 を 達 成 するという 目 標 を 設 定 するこ とを 約 束 する (G8 Summit 2010) IEA 及 び 炭 素 隔 離 リーダーシップフォーラム(CSLF)は 当 インスティテュートが 協 力 す る 形 で CCS に 関 する 報 告 書 を 2010 年 ムスコカ G8 サミットに 提 出 した(IEA and CSLF 2010) 同 報 告 書 では CCS の 開 発 及 び 採 用 並 びに 一 連 の 次 のステップを 加 速 させることを 108

124 目 的 として 8 件 のハイレベルな 勧 告 が 進 言 された これらの 勧 告 は 図 41 に 示 してある 2011 年 には G8 会 合 がフランスのドーヴィルで 開 催 されたが 公 表 された 宣 言 には CCS への 言 及 はなかった 2012 年 サミットは 米 国 のシカゴで 開 催 される 予 定 である クリーンエネルギー 大 臣 会 合 (CEM) 2011 年 4 月 に CEM 第 2 回 会 合 がアブダビで 開 催 され 約 25 カ 国 の 大 臣 が 代 表 として 出 席 した CEM は クリーンエネルギー 技 術 への 移 行 の 加 速 を 目 指 した 2009 年 のエネルギ ーと 気 候 に 関 する 主 要 経 済 国 フォーラム(MEF) 首 脳 宣 言 から 結 成 されたものである CCS に 関 しては 世 界 的 な 気 候 変 動 の 緩 和 に 向 けた 取 組 として 必 要 とされる CCS の 展 開 を 前 進 させるための 政 治 的 勢 いを 更 に 増 大 させることを 目 指 している CO 2 回 収 利 用 貯 留 (CCUS)アクショングループが(その 他 の 10 の 作 業 部 会 とともに) CEM によって 設 立 されている グループのメンバーは 豪 州 カナダ 中 国 フランス 日 本 韓 国 メキシコ ノルウェー 单 アフリカ アラブ 首 長 国 連 邦 英 国 及 び 米 国 であ る CCUS アクショングループからの 8 件 の 勧 告 (2011)が CEM2 において 採 択 されており 2012 年 4 月 にロンドンで 開 催 予 定 の CEM3 において 報 告 されることになる これらの 勧 告 も 図 41 で 示 している 当 インスティテュートは IEA とともに CEM 内 で CCUS アクショングループの 勧 告 を 実 現 させるための 作 業 計 画 を 支 援 することによって 引 き 続 き 大 きな 役 割 を 果 たしていく また 当 インスティテュートは アジア 開 発 銀 行 CSLF 世 界 銀 行 及 び 世 界 資 源 研 究 所 と 協 力 し 発 展 途 上 国 における CCS プロジェクトを 支 援 するための 融 資 の 仕 組 みを 明 確 化 す る 努 力 を 勧 告 2 に 基 づいて 主 導 している CCS 関 連 のすべての 勧 告 UNFCCC G8 及 び CEM において 生 じた 課 題 との 関 連 性 を 図 41 に 示 した この 図 が 示 すように CCS の 世 界 的 な 展 開 の 加 速 を 妨 げている 顕 著 な 障 害 に 取 り 組 む 上 で 上 述 の 三 つのすべての 機 関 (UNFCCC G8 及 び CEM)が 協 調 している 109

125 図 41 UNFCCC CEM 及 び G8 間 の 関 連 1 CCS の 実 証 G8 勧 告 (ムスコカ 2010 年 G8 サミットへの IEA/CSLF 報 告 ) 2 結 束 し た 国 際 的 行 動 3 実 証 に 関 する 資 金 ギ ャップ の 橋 渡 し 4 CO 2 価 値 の 形 成 5 法 律 及 び 規 制 上 の 枠 組 の 確 立 6 市 民 と の 対 話 7 インフラ 8 CCS 回 収 の 追 設 クリーンエネルギー 大 臣 会 合 ( 第 2 回 CEM アブダビ 2011 年 4 月 )の 勧 告 資 金 ギャップの 軽 減 発 展 途 上 国 における 資 金 援 助 資 金 援 助 法 律 及 び 規 制 上 の 枠 組 の 策 定 海 洋 条 約 改 正 の 重 要 性 の 認 識 知 識 の 共 有 CO 2 貯 留 の 調 査 産 業 界 における CCS 支 援 進 捗 状 況 の 報 告 UNFCCC SBSTA 課 題 (COP16/CMP 6) COP17/CMP7 において 解 決 されるべき 限 定 的 課 題 貯 留 サイト 選 定 ( 恒 久 性 の 完 全 性 ) 監 視 計 画 ( 貯 留 サイトの 環 境 上 の 完 全 性 の 強 化 ) 監 視 計 画 におけるモデル 化 の 適 切 性 プロジェクトの 境 界 ( 関 連 するす べての CO 2 排 出 源 / 移 動 経 路 ) 監 視 計 画 における 排 出 量 の 測 定 及 び 算 出 越 境 プロジェクトの 適 切 性 リスク/ 安 全 性 評 価 ( 監 視 計 画 に 緩 和 の 選 択 肢 を 含 める) 責 任 責 任 軽 減 のための 規 程 凡 例 : 一 貫 した 強 く 一 貫 した 110

126 国 際 海 洋 及 び 廃 棄 物 協 定 国 際 レベルで CCS に 影 響 を 与 える 特 筆 すべき 主 な 規 制 は CO 2 の 越 境 船 舶 輸 送 に 取 り 組 んでいる 又 は 適 用 される 可 能 性 がある 国 際 条 約 である そのような 協 定 は 廃 棄 物 その 他 の 物 の 投 棄 による 海 洋 汚 染 の 防 止 に 関 する 条 約 の 議 定 書 (Protocol to the Convention on the Prevention of Marine Pollution by Dumping of Wastes and Other Matter) (ロンドン 条 約 96 年 議 定 書 ) 及 び 北 東 大 西 洋 の 海 洋 環 境 保 護 のための 条 約 (Convention for the Protection of the Marine Environment of the North-East Atlantic) (OSPAR 条 約 )の 2 つである ロンドン 条 約 96 年 議 定 書 は 国 際 的 な 海 洋 環 境 の 汚 染 を 防 止 及 び 管 理 するための 制 度 を 確 立 し OSPAR 条 約 は 北 東 大 西 洋 の 海 洋 環 境 への 脅 威 の 特 定 が 目 的 で あり これらの 脅 威 に 対 処 するための 有 効 な 国 別 行 動 を 確 保 するプログラム 及 び 対 策 を 備 えている 緩 和 技 術 としての CCS は 上 述 の 二 つの 協 定 の 改 正 により 早 くから 確 固 とした 支 持 があ ったにもかかわらず それ 以 降 の 改 正 及 び 批 准 は 締 約 国 間 で 遅 々として 進 まない 状 態 で ある しかし 2011 年 6 月 に OSPAR 条 約 に 関 して 顕 著 な 前 進 がみられた スペイン デ ンマーク 及 びルクセンブルクが 自 国 内 での 批 准 手 続 の 完 了 を 同 条 約 事 務 局 に 通 告 した 発 効 に 必 要 な 7 締 約 国 の 改 正 の 批 准 が 完 了 したことで 2007 年 改 正 の 発 効 が 可 能 になる これらの 改 正 は 同 条 約 に 基 づいて CCS が 明 確 に 許 容 されており 例 えば 海 底 下 地 層 で の CO 2 貯 留 を 許 容 することが 含 まれている 特 定 の 状 況 下 における CO 2 の 輸 出 を 許 容 するロンドン 条 約 96 年 議 定 書 第 6 条 の 改 正 の 完 全 批 准 へ 向 けてのステップは いまだ 不 確 かな 状 態 である この 改 正 が 発 効 するためには ロンドン 条 約 96 年 議 定 書 の 現 在 の 40 カ 国 の 締 約 国 のうち 27 カ 国 が 批 准 する 必 要 がある しかし 現 時 点 までに 批 准 手 続 を 完 了 しているのはノルウェーのみである これらの 改 正 の 批 准 が 行 われないということは 地 層 貯 留 目 的 の CO 2 の 越 境 輸 送 が 同 議 定 書 の 下 で 引 き 続 き 禁 止 された 状 態 であることを 意 味 する この 点 は 予 定 されたプロジェクトに 越 境 要 素 が 含 まれている 尐 数 の 国 及 びプロジェクト 提 案 者 にとって 更 なる 開 発 の 大 きな 不 確 実 性 及 び 障 壁 とみなされ 続 けることになる 廃 棄 物 の 越 境 船 舶 輸 送 の 規 制 及 びその CCS 活 動 については ロンドン 条 約 96 年 議 定 書 の 下 で 幅 広 く 交 渉 されてきている 一 方 で 近 年 数 名 の 法 律 家 専 門 家 及 び NGO が バ ーゼル 条 約 (Basel Convention) の 規 定 も CO 2 の 越 境 移 動 に 適 用 されるかどうか そして 同 条 約 に 基 づく CCS の 立 場 を 更 に 明 確 にする 必 要 の 可 能 性 について 課 題 を 提 起 している バーゼル 条 約 では 人 間 の 健 康 及 び 環 境 の 保 護 の 確 保 を 目 的 として 有 害 廃 棄 物 の 国 際 的 取 引 の 管 理 制 度 を 設 定 している 同 条 約 では 近 接 性 の 原 則 に 重 点 を 置 いており 有 害 廃 棄 物 はそれらの 有 害 廃 棄 物 が 生 成 された 国 において 処 分 することを 要 求 している 同 条 約 の 対 象 となる 有 害 廃 棄 物 の 定 義 に CO 2 が 含 まれることになった 場 合 は CCS を 目 的 とす る CO 2 輸 送 に 多 くの 規 定 が 適 用 されることになる 同 条 約 締 約 国 と 非 締 約 国 の 間 での CO 2 輸 送 は 禁 止 されており さらに OECD 加 盟 国 が 111

127 最 終 処 分 を 目 的 として 有 害 廃 棄 物 を OECD 非 加 盟 国 に 輸 出 することを 禁 止 する 追 加 の 禁 止 令 が 1995 年 に 批 准 された CO 2 輸 送 は 同 条 約 においては 受 入 国 の 事 前 の 同 意 を 得 ることを 条 件 に 許 可 され 受 入 国 は 自 国 の 領 土 への 又 は 自 国 の 領 土 を 横 断 する CO 2 輸 送 を 禁 止 する 権 利 も 有 する このように 同 条 約 の 規 定 が CCS 操 業 に 深 刻 な 影 響 を 及 ぼす 可 能 性 があるかは 依 然 として 不 明 である CO 2 がバーゼル 条 約 の 適 用 範 囲 内 に 入 るか 否 かの 決 定 は 依 然 として 行 われておらず 締 約 国 からの 解 釈 覚 書 が 必 要 であろう CCS は 依 然 として 締 約 国 によって 対 処 されておらず 同 条 約 の 2012~2013 年 作 業 部 会 においてはプログラムの 対 象 外 となっている 国 別 及 び 地 域 別 の 政 策 の 策 定 状 況 CCS 産 業 全 体 の 進 展 は 初 期 段 階 にあるとみなすことができるが いくつかの 国 では よ り 進 んだ CCS 産 業 を 支 援 する 一 連 の 政 策 を 既 に 実 施 しているか 関 心 を 示 している 図 42 では いくつかの 国 における 現 在 の CCS 関 連 の 政 策 環 境 の 特 徴 を 示 す 簡 易 的 な 指 数 を 示 した 112

128 一 人 当 たりの Mtpa CO2 換 算 量 (CO2-e) The Global Status of CCS : 2011 図 42 CCS 政 策 指 数 包 括 的 C CS 支 援 政 策 の 範 囲 概 念 的 イ ンド ブ ラジ イ ンド メ キシ ルー 中 国 マ レー ノ ルウ 南 ア フリ 英 国 ド イツ 日 本 韓 国 豪 州 オ ラン カ ナダ 米 国 サ ウジ ル ネ シア コ マ ニア シ ア ェー カ ダ ア ラビ ア R&D 政 策 国 際 協 力 / 人 材 開 発 情 報 に 基 づく 手 段 交 渉 された 合 意 指 数 1.00= 政 策 が 存 在 する 0.75= 現 在 政 策 を 実 現 中 である 0.50= 地 方 レベルでの 政 策 が 存 在 する 0.25= 現 在 政 策 を 検 討 中 である 0.00= 政 策 が 存 在 しない 規 則 及 び 基 準 財 政 取 り 決 め 炭 素 価 格 設 定 手 段 一 人 当 たり 排 出 量 (RHS) 113

129 ほとんどの 国 では CCS は 依 然 として 実 証 段 階 にあるにすぎないことを 認 識 しており このことは 今 日 までにほとんどの 政 府 が パイロットプロジェクト 及 び 実 証 規 模 のプロ ジェクトを 対 象 に 公 的 資 金 を 提 供 している 理 由 の 一 つになっている 炭 素 が 制 限 され 炭 素 の 価 値 を 最 大 限 評 価 するための 経 済 全 体 にわたる 政 策 を 施 行 して いる 国 々では その 他 の 支 援 がなくとも CCS は 他 の 大 規 模 クリーンエネルギー 技 術 と 比 べて 商 業 的 に 魅 力 的 であろう しかし そうした 政 策 が 存 在 しない 状 態 においては 緩 和 解 決 策 のポートフォリオ 内 で CCS による 緩 和 を 実 現 させるため 他 の 技 術 と 並 行 して 引 き 続 き CCS の 開 発 を 進 めるべく 特 別 な 支 援 が 必 要 である 各 国 政 府 は 継 続 的 な 実 証 のための 努 力 及 び 初 期 段 階 の 商 業 的 利 用 の 両 方 を 効 率 的 に 支 援 するために 実 証 段 階 中 に 強 力 な 政 策 シグナルを 送 り 続 けること 及 び 制 度 的 取 決 め( 例 え ば インセンティブ 及 び 法 律 や 規 制 の 枞 組 み)をタイムリーに 整 えて 実 行 することが 極 めて 重 要 である このようなシグナルは CCS への 投 資 が 中 長 期 的 な 確 度 で 実 用 的 で 手 頃 であ ることを 産 業 界 に 示 すために 必 要 である 多 くの 国 々では 現 在 主 要 な 次 世 代 の 気 候 変 動 政 策 に 関 する 公 共 政 策 に 関 する 議 論 を 交 わしている それが 最 も 顕 著 な 国 は 豪 州 中 国 单 アフリカ 英 国 及 び 日 本 である さらに 例 えば CCS を 通 じて 排 出 量 を 限 定 しつつ EOR を 通 じて 国 内 の 石 油 供 給 を 増 大 させる 政 策 の 広 範 な 支 援 を 確 保 することを 目 指 して 最 近 開 始 された 米 国 国 家 石 油 増 進 回 収 イニシアチブ(United States National Enhanced Oil Recovery Initiative) のように 革 新 的 な 民 間 / 公 共 主 導 のイニシアチブも 存 在 する このイニシアチブでは 2012 年 初 めに 米 国 連 邦 政 府 及 び 州 政 府 の 政 策 立 案 者 を 対 象 とする 勧 告 が 検 討 されることになる 環 境 保 護 (エネルギーシステムの 脱 炭 素 ) エネルギー 安 全 保 障 (エネルギーの 独 立 性 の 確 保 ) 及 び 経 済 的 繁 栄 (その 国 で 生 産 される 資 源 の 価 値 の 最 適 化 )の 政 策 目 標 が 国 家 間 でどの 程 度 異 なるかは 局 地 的 な 状 況 に 左 右 される このため 各 国 政 府 及 び 民 間 部 門 は 将 来 の 炭 素 に 関 するリスクを 回 避 し CCS 革 新 を 支 援 するための 政 策 の 代 替 選 択 肢 を 決 定 する 際 に 数 多 くの 選 択 肢 に 直 面 する 各 国 のこうした 局 地 的 な 状 況 が 排 出 集 約 型 の 経 済 からの 脱 却 へ 移 行 する 道 筋 を 各 国 政 府 がその 国 に 適 切 な 形 で 実 現 するための 機 動 力 となっている ( 第 3.1 節 の 図 31 において 示 されるように) 回 収 費 用 が CCS の 総 コストの 70% 以 上 を 占 め ることを 考 えれば 回 収 費 用 の 削 減 は 商 業 的 重 要 性 があるものの 政 策 立 案 者 は CCS 市 場 の 成 熟 化 により 重 きを 置 いている 公 的 に 融 資 された CCS 活 動 を 更 に 統 合 し より 複 雑 な 市 場 構 造 に 移 行 させるという 課 題 があり 例 えば 以 下 のようなものが 含 まれる 共 通 利 用 者 のための CO 2 分 配 ネットワークの 構 築 貯 留 探 査 に 係 る 競 合 する 取 組 を 独 占 的 で マルチユーザーがサービス 手 数 料 を 支 払 うタイプの 貯 留 施 設 に 移 行 させる 実 証 CCS プロジェクト 又 は EOR 操 業 の 規 制 条 件 を 商 業 的 な CO 2 貯 留 操 業 に 置 き 換 える 114

130 表 11 で 選 出 した 数 ヶ 国 に 特 定 した CCS 政 策 環 境 の 定 性 的 評 価 を 付 属 資 料 E.2 に 示 した これらの 国 は 自 国 の 局 地 的 な 状 況 が CCS による 緩 和 への 関 心 度 を 高 くしていると の 観 点 から 選 ばれており 以 下 の 項 目 で 特 徴 付 けることができる 化 石 燃 料 消 費 由 来 の CO 2 換 算 (CO 2 -e) 排 出 量 が 世 界 に 占 める 割 合 ( 要 求 される 将 来 の 削 減 規 模 を 示 す) 化 石 燃 料 生 産 が 世 界 に 占 める 割 合 ( 輸 出 市 場 の 重 要 性 を 示 す) 化 石 燃 料 消 費 が 世 界 に 占 める 割 合 ( 局 地 的 な 経 済 繁 栄 を 推 進 するための 化 石 燃 料 への 依 存 度 を 示 す) ダーバンで 開 催 される COP17 に 関 連 して UNFCCC の 地 域 分 類 に 従 って 各 国 をグルー プごとに 分 類 した この 分 類 により グループ 内 及 びグループ 間 での CCS に 関 する 共 通 度 を 政 策 立 案 者 に 示 すことができる 115

131 G20 G8 OECD OPEC The Global Status of CCS : 2011 表 11 各 国 の 国 際 的 グループ 分 類 UNFCCC グループ その 他 の 国 際 的 取 り 決 め UN 地 域 グルー 附 属 経 済 附 属 非 附 附 属 アフリ 小 島 G77 プ 書 I 移 行 書 II 属 書 I 書 B カ 地 嶼 国 及 び 過 程 域 グ 連 合 中 国 国 ( 附 ルー (AOS 属 書 プ IS) I-EIT) 国 名 凡 例 : 加 盟 国 オブザー バー その 他 の 加 盟 国 116

132 分 析 対 象 のほぼすべての 国 が 現 段 階 のプロジェクト 開 発 を 可 能 にする 主 な 手 段 として の 融 資 政 策 を 備 えている 融 資 支 援 のタイプ( 先 行 資 本 金 融 資 保 証 低 利 ローン 優 先 調 達 など)は 他 の 補 完 的 な 政 策 及 び 規 制 が CCS をどの 程 度 支 援 しているかにより 異 なる 傾 向 にある 表 12 は 各 地 域 及 び 各 地 域 内 の 幾 つかの 国 における 現 在 優 勢 で 有 望 な 政 策 環 境 の 特 徴 を 示 したものである 第 4.2 節 において CCS を 対 象 とする 政 府 融 資 について 更 に 説 明 する 表 12 CCS 政 策 の 状 況 CCS 関 連 政 策 状 況 政 策 炭 素 価 格 設 定 による 手 段 融 資 取 り 決 め 規 則 及 び 基 準 交 渉 によ る 合 意 情 報 に 基 づく 手 段 国 際 協 力 / 人 材 開 発 研 究 開 発 のための 政 策 国 名 炭 素 税 地 域 的 義 務 的 ETS 炭 素 税 石 炭 税 炭 素 税 試 験 的 ETS 義 務 的 ETS 117

133 表 12 ( 続 き) CCS 関 連 政 策 状 況 政 策 炭 素 価 格 設 定 による 手 段 融 資 取 り 決 め 規 則 及 び 基 準 交 渉 によ る 合 意 情 報 に 基 づく 手 段 国 際 協 力 / 人 材 開 発 研 究 開 発 のための 政 策 国 名 その 他 CCS 指 令 固 定 炭 素 価 格 西 部 気 候 イニシアチブ 炭 素 税 西 部 気 候 イニシアチブ 118

134 表 12 ( 続 き) CCS 関 連 政 策 状 況 政 策 炭 素 価 格 設 定 による 手 段 融 資 取 り 決 め 規 則 及 び 基 準 交 渉 によ る 合 意 情 報 に 基 づく 手 段 国 際 協 力 / 人 材 開 発 研 究 開 発 のための 政 策 国 名 EU 指 令 炭 素 税 炭 素 税 炭 素 税 気 候 変 動 税 指 令 排 出 権 割 当 凡 例 : 検 討 済 提 案 / 計 画 実 現 中 存 在 する 国 別 及 び 地 域 別 法 制 定 各 国 政 府 は 気 候 変 動 緩 和 に 係 る 政 策 の 検 討 場 合 により 再 検 討 を 続 けており CCS に 特 化 した 規 制 は 世 界 各 国 で 継 続 的 に 広 がりを 見 せている 最 近 では 米 国 豪 州 及 びカナダ の 州 政 府 並 びに 欧 州 各 国 で いくつかの 重 要 な 進 展 がみられる この 他 にも CCS による 緩 和 の 可 能 性 に 関 する 研 究 が 複 数 の 発 展 途 上 国 で 進 行 している ことも 励 みとなる こうした 調 査 の 多 くは 技 術 に 関 する 法 的 枞 組 みの 確 立 や 管 轄 権 ご との 要 件 に 焦 点 を 合 わせている 以 下 の 各 節 では 今 日 までの 主 要 な 管 轄 権 における 進 119

135 捗 状 況 を 評 価 し 各 国 の 活 動 例 を 示 している 先 行 国 は 中 心 となる 法 制 定 支 援 策 ( 二 次 的 法 令 ) 及 びガイダンスの 作 成 で 引 き 続 き 主 導 的 役 割 を 果 たしている これらの 国 の 多 くでは 一 連 の 重 要 な 段 階 及 び 結 果 を 通 じ て 明 確 な 道 筋 をたどる 論 理 的 及 び 反 復 的 な 制 度 策 定 プロセスを 採 用 しているようである Baker & McKenzie の 見 解 では CCS 規 制 制 度 を 実 現 する 際 に 管 轄 権 によって 採 用 される 手 法 は 二 つの 異 なる 道 筋 ( 完 全 に 統 合 された 手 法 又 は 漸 次 的 手 法 )のうちの 一 つをたどる 傾 向 がある 例 えば EU では(CCS の)プロセスの 特 定 の 側 面 を 規 制 するために 既 存 の 環 境 及 びエネルギー 関 連 法 を 適 応 させつつ 新 たな 技 術 の 側 面 に 対 処 するモデルを 選 択 しており その 他 の 管 轄 権 では 資 源 採 掘 産 業 及 び 石 油 ガス 産 業 を 対 象 とする 既 存 の 法 令 を 更 新 又 は 改 正 するプロセスを 選 択 している いくつかの 発 展 途 上 国 を 含 む 第 2 世 代 の 規 制 担 当 者 及 び 立 法 者 が 各 々の 政 策 及 び 規 制 枞 組 みの 策 定 に 関 して 同 様 のプロセス 及 び 方 法 を 採 用 することになるかはまだ 不 明 である 欧 州 EU 加 盟 国 は CCS 関 連 法 令 の 要 件 を 国 内 法 に 反 映 する 義 務 があることから 欧 州 は 依 然 として CCS に 関 する 法 律 及 び 規 制 の 進 展 の 先 頭 に 立 つ 地 域 である 2011 年 6 月 25 日 の CCS 指 令 の 国 内 法 反 映 期 限 を 遵 守 するため EU 加 盟 国 は 早 急 に 規 制 活 動 を 行 った 2011 年 7 月 31 日 までに 約 12 カ 国 が 同 指 令 の 要 件 を 反 映 した 国 内 法 の 施 行 について 講 じた 措 置 を 欧 州 委 員 会 に 通 知 していた この 期 限 を 遵 守 した 加 盟 国 として オーストリア ベルギー デンマーク フランス アイルランド ラトビア リトアニア ルクセンブルク ルーマ ニア スペイン 及 び 英 国 が 欧 州 委 員 会 のホームページ 上 に 掲 載 された しかしながら 欧 州 委 員 会 への 通 知 が 行 われても 各 国 が 指 令 の 全 要 件 を 包 括 的 に 国 内 法 へ 反 映 したとは 限 らない その 他 数 ヶ 国 は 指 令 要 件 の 国 内 法 反 映 をほぼ 完 了 した 旨 を 通 知 しているが 2011 年 8 月 11 日 まで 施 行 手 続 の 成 否 に 係 る 正 式 な 報 告 を 作 成 していなかった 欧 州 委 員 会 は 各 加 盟 国 の 指 令 への 適 合 性 及 び 包 括 性 を 確 認 することとなっており こ れまでに 完 全 に 国 内 法 に 反 映 していない 国 に 対 し 数 通 の 公 式 の 書 状 を 送 付 している 国 内 法 へ EU 指 令 を 反 映 する 手 順 は 加 盟 国 ごとに 大 幅 に 異 なるようである いくつか の 加 盟 国 では CCS を 推 進 すべく 強 力 な 政 治 的 支 援 があり それは 国 内 法 への EU 指 令 反 映 手 順 が 効 率 的 で 詳 細 に 迅 速 化 されていることを 意 味 する 例 えば 英 国 では 最 近 の 電 力 市 場 改 革 白 書 (Electricity Market Reform White Paper) において CCS への 政 府 の 深 い 関 与 を 再 度 明 確 化 している しかし その 他 の 管 轄 域 に 関 しては CCS に 関 する 多 くの 困 難 な 国 内 政 策 上 の 考 慮 事 項 特 に いくつかの 国 では CCS は 既 存 の 化 石 燃 料 火 力 発 電 技 術 の 永 続 化 とみなされ 継 続 的 な 世 論 の 反 対 にあっている これが 最 も 顕 著 な 国 はドイツで あり CCS への 州 レベルの 抵 抗 が 国 の CCS 法 の 採 択 を 妨 げている 下 院 議 会 ( 連 邦 議 会 ) で 最 近 採 択 された CCS 法 案 には 各 州 が 法 の 要 件 を 適 用 しないことを 選 択 し 州 内 での CCS を 阻 止 可 能 とする 規 定 が 含 まれている 産 業 界 は 法 案 が 同 条 項 を 含 んでいることを 120

136 批 判 しているが 第 2 議 院 ( 連 邦 参 議 院 )による 反 対 がない 限 り 同 法 案 は 法 律 として 年 末 までに 成 立 する EU に 最 近 加 盟 した 国 の 一 つであるルーマニアにおける 展 望 は 異 なっており 同 国 では CCS は 国 家 改 革 プログラムを 通 じて 政 府 による 大 きな 支 援 を 受 けている 同 国 政 府 は CCS 指 令 を 国 内 法 (2011 年 6 月 29 日 政 令 No.64;Governmental Emergency Ordinance No.64)に 盛 り 込 んだ 旨 を 欧 州 委 員 会 に 既 に 通 知 し さらに 指 令 要 件 を 完 全 に 反 映 させるための 二 次 的 な 法 令 が 可 決 されることが 見 込 まれている 新 法 令 は 指 令 と 同 様 の 形 式 を 採 用 しており また CO 2 の 貯 留 輸 送 の 許 可 手 続 に 焦 点 を 合 わせている 既 存 の 水 廃 棄 物 及 び 責 任 に 関 する 法 律 が 修 正 され さらに 円 滑 な 回 収 作 業 が 行 われるべく 包 括 的 汚 染 防 止 管 理 法 令 も 議 会 で 修 正 された しかしながら 上 述 の 法 令 は 土 地 の 所 有 権 アクセス 権 競 合 利 用 に 関 する 課 題 及 び CCS 実 施 による 手 数 料 が 支 払 われるか 否 かについては 規 定 されてい ない 現 在 ルーマニア 政 府 は 初 期 段 階 にある 同 国 の 許 認 可 制 度 の 適 用 範 囲 を 当 インスティ テュートの 規 制 試 験 ツールキットにより 評 価 中 である 最 終 報 告 書 は 2011 年 末 までに 完 成 予 定 であり この 報 告 書 と 初 期 に 行 われた 検 討 作 業 が 同 制 度 に 残 されたギャップの 解 消 に 寄 与 すると 期 待 されている 米 国 米 国 では 2011 年 中 に 連 邦 レベルの 規 制 に 関 する 実 績 はほとんどなかった 米 国 におけ る CCS 及 び 気 候 変 動 に 関 わる 議 論 は 政 治 的 対 立 により 行 き 詰 り 遅 れている しかし い くつかの 州 議 会 では CCS チェーンの 様 々な 側 面 に 関 する 法 案 が 継 続 的 に 提 案 されている 現 在 までに 数 州 が CCS プロセスに 係 る 何 らか 規 制 や 広 範 な 環 境 又 はエネルギー 政 策 に CCS の 規 制 を 含 めることを 支 援 すべく 立 法 措 置 を 行 った 連 邦 レベルでは 排 出 権 取 引 制 度 の 制 定 に 向 け 重 要 な 法 律 案 が 複 数 提 出 されており そのほとんどが CCS 適 用 による 排 出 権 の 割 当 てを 提 唱 している 例 えば 米 クリーンエ ネルギー セキュリティ 法 (HR2425; American Clean Energy and Security Act) - Waxman-Markey 法 案 及 び クリーンエネルギー 雇 用 及 び 米 国 電 力 法 (S1733; Clean Energy Jobs and American Power Act) -Kerry-Boxer 法 案 ( 新 設 石 炭 火 力 発 電 所 に 関 する 排 出 性 能 基 準 の 設 定 についても 指 摘 がある)などである 米 国 上 院 エネルギー 天 然 資 源 委 員 会 も CCS 分 野 で 非 常 に 活 発 である 例 えば 2011 年 の 中 頃 には CCS への 資 金 援 助 を 目 的 とする 2 つの 法 案 すなわち 2011 年 エネルギ ー 省 CO 2 回 収 隔 離 プログラム 改 正 法 (S.699; Department of Energy Carbon Capture and Sequestration Program Amendments Act of 2011) -Bingaman 法 案 及 び 2011 年 CO 2 回 収 技 術 褒 賞 法 (S.757; Carbon Dioxide Capture Technology Prize Act 2011) -Barrasso-Bingaman 法 案 が 提 出 された 2010 年 後 期 には EPA が CCS プロセスの 報 告 に 係 る 規 定 及 び 安 全 飲 料 水 法 (Safe 121

137 Drinking Water Act) に 基 づき 策 定 された CO 2 地 層 隔 離 坑 井 に 関 する 最 終 規 定 である 地 下 注 入 管 理 プログラム(Underground Injection Control (UIC) Program) を 完 成 させた 前 者 は CO 2 圧 入 及 び 地 層 隔 離 に 起 因 する 温 室 効 果 ガスに 関 する 報 告 義 務 (Mandatory Reporting of Greenhouse Gases from Carbon Dioxide Injection and Geological Sequestration) の 第 RR 項 と 第 UU 項 において CO 2 の 地 層 隔 離 圧 入 を 行 う 全 施 設 を 対 象 とする 監 視 報 告 検 証 目 標 を 定 めている 他 方 後 者 では CO 2 の 長 期 追 加 的 貯 留 を 対 象 とする クラス VI 坑 井 が 創 設 されている 2011 年 8 月 4 日 には EPA が 既 存 の 有 害 廃 棄 物 法 令 の 改 正 案 を 提 出 し た この 改 正 案 は CO 2 流 が 安 全 飲 料 水 法 が 指 定 する 坑 井 に 圧 入 されることを 条 件 に 圧 入 CO 2 流 を 有 害 廃 棄 物 規 制 の 対 象 から 除 外 するものである 法 案 文 書 には 提 案 され た 条 件 下 でこれらの CO 2 流 を 管 理 する 場 合 には 人 の 健 康 及 び 環 境 への 大 きなリスクをも たらさないと 確 信 している ことを 理 由 に EPA はこうした 方 針 を 提 案 したと 示 されてい る EPA は クラス VI 坑 井 の 事 業 者 及 び 所 有 者 を 援 助 するためのガイダンス 案 も 公 開 してい る 財 政 責 任 に 関 するガイダンスは 既 に 最 終 化 されており 2011 年 初 頭 には 貯 留 サイト の 特 性 把 握 是 正 措 置 坑 井 建 設 及 び 坑 井 計 画 に 関 する 文 書 案 が 意 見 公 募 のため 公 開 さ れた 多 くの 州 では 貯 留 の 個 別 の 側 面 の 規 制 事 業 者 への 資 金 援 助 若 しくは 保 証 の 提 供 を 目 的 とする 法 案 を 提 出 又 は 法 制 化 している ミシシッピ 州 の 新 たな 法 案 (2723)は CCS の 規 制 枞 組 みを 設 ける 一 方 で 既 存 の EOR が EPA の 地 下 注 入 管 理 (UIC)プログラムと 競 合 しな いように 設 計 されている 同 法 案 は 環 境 及 び 石 油 ガス 所 管 当 局 から CO 2 貯 留 の 規 制 権 限 を 取 り 除 き また CO 2 の 所 有 権 貯 留 層 の 承 認 及 び 貯 留 サイトの 長 期 的 責 任 の 管 理 を 目 的 とする 基 金 の 設 立 に 関 する 規 定 を 含 んでいる イリノイ 州 では 最 近 議 会 が FutureGen 2.0 プロジェクトに 関 する 包 括 的 責 任 制 度 の 設 立 を 求 める イリノイ 州 クリーンコールフューチャージェン 法 2011 年 (Clean Coal FutureGen for Illinois Act of 2011) を 可 決 した 同 法 では FutureGen Alliance に 対 し 操 業 期 間 中 は 民 間 の 保 険 を 保 有 することに 加 え その 保 険 を 補 完 するための 信 託 基 金 を 設 立 す ることを 要 求 している 特 記 すべきは プロジェクト 終 了 時 に 貯 留 CO 2 に 関 する 全 責 任 がイリノイ 州 に 移 転 されることである 同 法 はまだ 知 事 の 署 名 を 得 ていないが 今 後 6~ 12 ヶ 月 の 間 に 発 効 することが 予 想 される 豪 州 豪 州 は CCS 関 連 法 の 整 備 を 主 導 する 立 場 にあり 連 邦 政 府 による 気 候 変 動 政 策 の 大 幅 な 転 換 や CCS に 係 る 財 政 的 支 援 の 減 額 と 延 期 にもかかわらず その 立 場 に 変 化 はない 2011 年 は 沖 合 CCS を 対 象 とする 連 邦 レベルでの 法 整 備 と 関 連 法 の 改 正 が 多 く 行 われ また 委 任 立 法 も 行 われた 沖 合 石 油 温 室 効 果 ガス 貯 留 法 令 改 正 (その 他 の 措 置 ) 法 (Offshore Petroleum and Greenhouse Gas Storage Legislation Amendment (Miscellaneous 122

138 Measures) Act) が 2010 年 後 半 に 発 効 し 沖 合 石 油 温 室 効 果 ガス 貯 留 法 2006 年 (Offshore Petroleum and Greenhouse Gas Storage Act 2006) (OPGGS 法 )の 大 部 分 が 改 正 された この 改 正 の 特 筆 すべき 点 は 温 室 効 果 ガス 施 設 の 多 くを 規 制 対 象 とする 国 家 海 底 油 田 安 全 局 の 権 限 拡 大 である また OPGGS 法 に 基 づき 多 くの 規 則 が 策 定 されている 例 えば 沖 合 石 油 温 室 効 果 ガス 貯 留 ( 温 室 効 果 ガス 圧 入 及 び 貯 留 の 管 理 ) 規 則 2011(Offshore Petroleum and Greenhouse Gas Storage (Management of Greenhouse Gas Injection and Storage) Regulation 2011) 沖 合 石 油 温 室 効 果 ガス 貯 留 ( 資 源 管 理 及 び 行 政 ) 規 則 2011(Offshore Petroleum and Greenhouse Gas Storage (Resource Management and Administration) Regulation 2011) 沖 合 石 油 温 室 効 果 ガ ス 貯 留 ( 規 制 税 ) 改 正 規 則 2011(Offshore Petroleum and Greenhouse Gas Storage (Regulatory Levies) Amendment Regulation 2011) などがある これらの 規 則 は OPGGS 法 における 権 利 者 の 権 利 及 び 義 務 に 関 する 様 々な 課 題 に 対 処 しており CCS に 係 る 管 理 及 び 行 政 上 の 責 任 が 含 まれている 2011 年 5 月 に 議 会 に 提 出 された 法 案 では OPGGS 法 の 更 なる 改 正 が 予 想 されている これらの 法 案 は 特 に 新 たな 規 制 機 関 コスト 回 収 税 及 び CCS 政 策 を 支 援 すべく 関 連 法 の 改 正 を 提 案 している 2011 年 には 多 くの 州 政 府 の 管 轄 区 域 が CCS の 法 整 備 作 業 を 開 始 した 例 えば 西 オー ストラリア 州 政 府 は 現 在 石 油 地 熱 エネルギー 資 源 法 1967 (Petroleum and Geothermal Energy Resources Act 1967) を 改 正 し 連 邦 OPGGS 法 と 同 様 の 手 法 を 採 用 する 温 室 効 果 ガス 貯 留 法 案 (Greenhouse Gas Storage Bill) を 作 成 中 である 同 法 案 は 2011 年 後 半 に 議 会 に 提 出 される 見 込 みである さらに ニューサウスウェールズ 州 政 府 も 2010 年 11 月 に 温 室 効 果 ガス 貯 留 法 案 (Greenhouse Gas Storage Bill) を 議 会 に 提 出 したが その 後 の 州 選 挙 により 法 制 定 が 遅 れ 可 決 に 至 らなかった 当 該 法 案 には CO 2 の 恒 久 的 貯 留 のための 完 全 な 許 認 可 及 びライセンス 付 与 制 度 が 規 定 されており 閉 鎖 後 の 政 府 への 責 任 の 移 転 規 定 が 含 まれていた カナダ カナダ 各 州 の 政 府 は CCS 関 連 法 整 備 において 連 邦 政 府 を 先 導 している 例 えば 2010 年 末 から 2011 年 にかけてアルバータ 州 及 びサスカチュワン 州 の 両 政 府 は CCS を 規 制 す る 更 なる 州 法 を 導 入 した アルバータ 州 では CO 2 回 収 貯 留 法 改 正 法 2010(Carbon Capture and Storage Statutes Amendment Act 2010) が 2010 年 12 月 に 発 効 し また 州 内 の CCS 活 動 の 規 制 内 容 を 明 確 にすべく 関 連 法 の 改 正 が 行 われた 同 法 は 完 全 な 規 制 枞 組 みは 提 示 していないが 同 州 における 孔 隙 空 間 の 所 有 者 を 州 政 府 とする 決 定 を 含 む 複 数 の 重 要 課 題 に 対 応 している 同 法 には 政 府 への 長 期 責 任 の 移 転 は 圧 入 CO 2 の 封 じ 込 めの 実 証 データが 提 供 された 時 点 で 行 われるとする 規 定 や 閉 鎖 後 の 管 理 基 金 の 設 立 規 定 が 含 まれている CO 2 貯 留 借 地 権 123

139 規 則 (Carbon Sequestration Tenure Regulation) が 2011 年 4 月 に 採 択 され 地 下 の 孔 隙 空 間 の 所 有 権 取 得 に 係 る 手 続 規 則 が 進 展 した 同 規 則 には 期 間 面 積 及 び 境 界 に 関 するガイダ ンス 並 びに 許 可 評 価 及 び CO 2 貯 留 権 に 係 る MMV 要 件 が 規 定 されている アルバータ 州 は 州 の 規 制 制 度 を 精 査 し 特 に 環 境 安 全 性 及 び 保 証 に 係 る 手 続 と 要 件 が CCS 商 業 化 の 要 件 を 満 たすかを 決 定 すべく 規 制 枞 組 評 価 を 行 っている これには 国 内 外 の 専 門 家 の 知 見 が 集 約 されており 大 きな 成 果 となっている 最 終 報 告 書 及 び 勧 告 は 2012 年 にエネルギー 省 へ 提 出 される 予 定 である サスカチュワン 州 政 府 も CCS に 関 する 法 整 備 が 開 始 している 同 州 政 府 は 既 存 の 規 制 ポートフォリオに CCS を 含 めるため 既 存 の 法 律 を 改 正 している 最 近 行 われた パイ プライン 法 (Pipelines Act) 鉱 業 法 (Crown Minerals Act) 及 び 石 油 ガス 保 存 法 (Oil and Gas Conservation Act) の 改 正 によって CO 2 輸 送 と 貯 留 に 関 する 法 整 備 が 行 われると 予 想 される アルバータ 州 の 規 制 枞 組 評 価 にサスカチュワン 州 が 参 加 したことも CCS に 係 る 包 括 的 な 法 整 備 に 結 び 付 くと 思 われる 第 2 世 代 CCS 立 法 者 及 び 人 材 開 発 国 及 び 地 方 の 政 策 に CCS を 盛 り 込 む 一 環 として 政 府 と 政 策 立 案 者 は 考 えられる CCS 規 制 制 度 の 構 造 と 要 素 を 検 討 してきた 先 述 の 連 邦 地 方 政 府 の 多 くは CCS 法 整 備 の 先 駆 者 であり 関 連 国 際 協 定 の 改 正 に 繋 がる 主 導 的 な 役 割 を 果 たしてきた 現 在 は 第 2 波 の 立 法 者 及 び 政 策 立 案 者 が 同 様 の 動 きを 見 せており 既 存 法 と 将 来 の 政 策 との 調 和 を 試 みて いる 韓 国 はこの 数 年 間 に CCS に 大 きく 関 与 している 国 であり 例 えば 2010 年 7 月 に 包 括 的 国 家 CCS 実 施 プログラム(Comprehensive National CCS Implementation Plan)を 公 表 した 同 計 画 では CCS の 開 発 及 び 政 府 投 資 に 関 する 多 くの 提 案 がなされている 韓 国 は CCS に 係 る 包 括 的 法 枞 組 みをまだ 構 築 していないが 回 収 CO 2 流 の 海 洋 処 分 の 許 可 を 目 的 とする 海 洋 環 境 管 理 法 改 正 に 係 る 省 令 (Ministerial Decree to the Marine Environment Management Law Amendment) を 2010 年 後 期 に 採 択 した 韓 国 CO 2 回 収 貯 留 協 会 でも 国 内 の CCS に 関 する 法 規 制 制 度 の 見 直 しを 開 始 している 報 告 書 は 12 ヶ 月 後 に 公 開 される 予 定 であり 規 制 策 定 に 関 するいくつかの 勧 告 が 含 まれると 見 込 まれている 規 制 制 度 の 策 定 を 既 に 開 始 している 数 多 くの 先 進 国 以 外 でも 複 数 の 発 展 途 上 国 が 自 国 制 度 に CCS を 盛 り 込 むべく 検 討 の 必 要 性 を 感 じてきている 先 進 国 ほどではないが い くつかの 発 展 途 上 国 において CCS の 優 先 度 が 政 策 議 題 の 中 で 高 くなってきており 单 アフ リカ インドネシア マレーシア ブラジル インド 及 び 中 国 では CCS 技 術 に 大 きな 関 心 を 示 している これらの 国 のうち 单 アフリカでは 自 国 での CCS 実 施 を 進 展 させるため の 措 置 がこの 数 年 間 で 既 に 講 じられている さらに 政 府 内 での 注 目 も CCS の 法 整 備 に 移 行 してきており IEA と 世 界 銀 行 共 同 の 技 術 援 助 プログラムの 後 援 による 数 件 の 活 動 が 既 に 完 了 している 单 アフリカの 法 規 制 の CCS 適 応 力 に 関 する 分 析 は 单 アフリカ CO 2 回 収 124

140 貯 留 センター(SACCCS)の 実 証 圧 入 試 験 を 評 価 するために 現 在 行 われているスコーピング 調 査 にも 含 まれる 予 定 である アジア 開 発 銀 行 (ADB)は 同 行 が 実 施 する 技 術 支 援 プログラムを 通 じて インドネシア フィリピン タイ 及 びベトナムの 利 害 関 係 者 とともに これらの 国 の CCS に 関 する 法 規 制 分 析 を 行 っている アジア 太 平 洋 経 済 協 力 会 議 (APEC)でも APEC 発 展 途 上 経 済 国 にお ける 石 炭 火 力 発 電 所 プロジェクトに 関 する CO 2 回 収 及 び 貯 留 に 関 連 する 許 認 可 上 の 課 題 (Permitting Issues Related to Carbon Capture and Storage for Coal-Based Power Plant Projects in Developing APEC Economies) というプロジェクトを 開 始 しており 関 係 国 の 既 存 の 許 認 可 制 度 について 分 析 されることになる さらに 当 インスティテュート IEA などの 組 織 は 発 展 途 上 国 が 国 際 的 な 活 動 から 学 ぶ 機 会 を 得 ることを 支 援 している 例 えば 2011 年 7 月 には 单 アフリカ 代 表 団 が 豪 州 政 府 及 びビクトリア 州 政 府 の 担 当 官 と 会 見 し これらの 政 府 が CCS 法 策 定 時 に 実 施 したプロ セス 及 び 考 慮 した 課 題 について 話 し 合 った 複 数 の 政 府 と 話 し 合 うことによるもう 一 つの 利 点 は これらの 政 府 が 複 数 の 異 なる 統 治 組 織 との 関 係 をどのように 管 理 したかを 知 るこ とができるということである 発 展 途 上 国 が 他 の 政 府 の 経 験 から 学 ぶため 更 なる 機 会 を 提 供 することは 有 益 であろう そうした 知 見 に 触 れることは 発 展 途 上 国 が 既 存 の CCS 法 の 策 定 の 検 討 過 程 を 確 実 に 理 解 するのに 役 立 ち さらには これらの 発 展 途 上 国 が 同 様 の 課 題 に 取 り 組 むのにも 役 立 つこ とになろう プロジェクトレベルの 課 題 当 インスティテュートの 2011 年 プロジェクト 調 査 では プロジェクト 提 案 者 にアンケー ト 調 査 を 行 った 現 在 の 政 策 環 境 は プロジェクト 案 に 短 期 中 期 及 び 長 期 的 に 適 切 な 政 策 的 支 援 を 提 供 するか 現 在 の 規 制 要 件 は 組 織 内 の 投 資 決 定 を 加 速 させるか これらへの 回 答 を 高 レベルの 政 策 課 題 の 中 に 組 み 入 れて 表 13 及 び 14 に 示 した CCS プロジェクトが 存 在 する 国 は プロジェクトの 秘 密 保 持 のため 地 域 グループに 分 類 した 125

141 表 13 政 策 上 の 質 問 に 対 するプロジェクト 調 査 回 答 質 問 : 現 在 の 政 策 環 境 は プロジェクト 案 に 短 期 中 期 及 び 長 期 的 に 適 切 な 政 策 的 支 援 を 提 供 するか 回 答 率 はい いいえ 無 回 答 いいえ の 場 合 それらの 課 題 はどのような 特 徴 を 有 するか 炭 素 価 値 不 明 又 はなし コストが 高 い 政 府 支 援 が 法 規 制 が 不 政 策 環 境 又 は プ ロ ジ ェ ク ト 不 十 分 の 経 済 性 明 確 その 実 現 が 不 明 確 凡 例 : 表 14 法 規 制 に 関 する 質 問 に 対 するプロジェクト 調 査 回 答 質 問 : 現 在 の 規 制 要 件 は 組 織 内 の 投 資 決 定 を 加 速 させるか プロジェクトが 提 起 する 課 題 欧 州 北 米 中 東 アジア 豪 州 プロジェクト 承 認 の 遅 延 貯 留 サイトごとの 一 般 的 な 規 制 に 係 る 課 題 ( 許 認 可 及 び 計 画 に 係 る 規 制 な ど) CO 2 規 制 に 係 る 不 確 実 性 ( 炭 素 価 格 又 は CCS への 政 策 支 援 の 欠 如 など) 規 制 が 不 完 全 又 は 遅 延 国 際 海 洋 法 長 期 的 責 任 に 関 わる 不 確 実 性 CO 2 越 境 輸 送 監 視 要 件 CO 2 の 輸 送 及 び 貯 留 に 関 する 不 確 実 性 財 政 保 証 及 び 保 険 に 関 する 不 確 実 性 プロジェクトごとの 又 は 既 存 法 令 に 基 づく 承 認 (EOR 活 動 としての 規 制 など) 施 行 された 法 律 のスコープか ら 除 外 された 活 動 (R&D プロジェクトなど) 法 令 は 十 分 確 実 性 を 提 供 して いる 肯 定 的 だが 詳 細 を 言 及 しない 回 答 凡 例 : 肯 定 否 定 126

142 プロジェクトに 重 要 な 課 題 として 特 定 された 問 題 の 性 質 は 以 下 のとおりである 気 候 変 動 とエネルギーに 関 する 支 援 政 策 が 不 確 実 及 び/ 又 はその 実 現 が 遅 い 将 来 における 炭 素 の 価 値 が 不 確 実 及 び/ 又 は 炭 素 価 格 が 現 在 存 在 しない 中 長 期 での 財 政 的 支 援 の 利 用 方 法 が 不 確 実 及 び/ 又 はそのレベルが 不 十 分 CCS の 先 行 資 本 コストが 高 い 政 府 の 資 金 援 助 が 不 十 分 支 援 のための 規 制 の 実 現 が 不 確 実 これらの 結 果 を 当 インスティテュートが 2011 年 のプロジェクト 調 査 以 降 に 実 施 した 主 要 な CCS プロジェクト 提 案 者 8 名 との 面 接 により 補 強 した プロジェクト 提 案 者 から 提 供 された より 実 質 的 な 見 解 の 一 覧 を 付 属 資 料 E.3 に 示 し 五 つの 主 要 な 政 策 関 連 カテゴ リ( 政 策 的 課 題 炭 素 価 格 設 定 に 関 する 課 題 プロジェクトごとの 課 題 プロジェクトの 経 済 性 及 び 法 規 制 における 課 題 )に 分 類 した これらの 回 答 では 規 制 環 境 が 引 き 続 きプロジェクト 活 動 にとって 顕 著 な 課 題 であるこ とが 示 されている 調 査 対 象 プロジェクトの 多 くは 規 制 による 追 加 的 な 介 入 が 要 求 され る 様 々な 課 題 を 挙 げている 多 くの 政 府 特 に 先 述 の 政 府 では 過 去 数 年 間 にわたって CCS に 関 する 規 制 が 増 加 しているが 各 プロジェクトが 必 要 とする 確 実 性 を 提 供 すべく 改 善 が 必 要 なようである いくつかの 国 では 炭 素 価 格 及 び CCS に 係 る 継 続 的 な 政 策 的 インセンティブについての 広 範 な 又 はハイレベルな 判 断 がプロジェクト 提 案 者 に 影 響 を 与 える 一 方 で 欧 州 の 多 くの プロジェクトでは より 絞 り 込 まれた 分 野 に 関 する 懸 念 が 提 起 されている さらに 貯 留 CO 2 に 係 る 長 期 責 任 の 不 確 実 性 や 不 十 分 な 取 組 及 び 規 制 の 遅 延 と 不 完 全 性 も 将 来 の 投 資 判 断 に 極 めて 重 要 と 強 調 されている 既 存 の 法 律 又 は 個 別 のプロジェクトを 対 象 にした 法 律 が いくつかのプロジェクトのニ ーズに 対 処 可 能 であり 複 数 の 国 で 成 功 例 があることには 明 るい 展 望 を 見 い 出 すことがで きる カナダで 既 に 制 定 された 法 律 も 規 制 者 側 がプロジェクトのニーズに 成 功 裏 に 対 処 していることを 示 す 例 となる 見 解 及 び 展 望 CCS に 関 する 法 規 制 は 2010 年 動 向 報 告 書 以 降 も 継 続 的 に 相 当 なペースで 進 展 し いく つかの 国 では 各 々の 枞 組 みとなる 法 律 に 関 する 作 業 を 完 了 させ さらには 委 任 立 法 及 びガ イダンスの 施 行 を 開 始 している しかし 政 治 的 圧 力 政 策 の 変 更 及 び 公 衆 による 反 対 が CCS 法 令 の 進 展 と 制 定 に 顕 著 に 影 響 を 与 えている CCS に 関 する 法 整 備 を 主 導 する 国 地 方 の 多 くは 引 き 続 き 主 導 者 の 役 割 を 担 っている 127

143 例 えば EU 加 盟 国 豪 州 米 国 及 びカナダのいずれの 国 でも 過 去 12 ヶ 月 の 間 も 規 制 活 動 の 勢 いを 持 続 しており 数 件 の 新 提 案 法 律 規 則 及 びイニシアチブを 実 現 させている 効 果 的 な 規 則 の 重 要 性 は 第 2 世 代 の CCS 立 法 者 となるべき 多 くの 国 に 認 識 されている これらの 国 の 多 くでは いまだ 法 律 が 可 決 しておらず 自 国 の 規 制 枞 組 設 計 も 完 了 してい ない 一 方 で 進 展 を 加 速 する 措 置 が 講 じられていることも 明 確 である この 点 は 将 来 の 気 候 変 動 緩 和 戦 略 に CCS を 組 み 込 むことを 強 く 望 む 発 展 途 上 国 間 で 特 に 顕 著 である CDM 又 は 将 来 の UNFCCC のメカニズムに CCS を 含 めることは 発 展 途 上 国 での CCS の 実 証 に 役 立 つとみられる 国 際 的 には 依 然 として 不 明 瞭 な 状 況 であり 多 くの 問 題 が 未 解 決 又 は 懸 案 状 態 のままで ある OSPAR 条 約 の 2007 年 改 正 がが 定 足 数 の 批 准 により 発 効 することは 沖 合 CCS を 目 指 す 国 にとって 明 るい 兆 候 である しかし これは ロンドン 条 約 96 年 議 定 書 の 締 約 国 の 大 多 数 が 同 議 定 書 の 第 6 条 改 正 を 批 准 していないことを 考 慮 すれば 控 えめに 受 け 取 ら なければならず 沖 合 貯 留 における 締 約 国 間 の 協 力 の 妨 げとなる 効 果 的 な 政 策 及 び 規 制 が CCS プロジェクトの 世 界 的 な 展 開 において 大 きな 役 割 を 果 た すことは 明 らかである 各 国 政 府 が 規 制 枞 組 みを 策 定 及 び 実 現 させるために 多 大 な 努 力 を 続 けているにもかかわらず プロジェクトからの 回 答 では プロジェクト 提 案 者 にとって 依 然 として 適 切 に 対 処 されていない 中 核 的 な 問 題 が 明 示 されている 規 制 の 速 度 又 はその 不 完 全 性 長 期 的 責 任 及 びインセンティブの 充 足 度 のすべてが 欠 如 のある 分 野 として 特 定 されており 規 制 担 当 者 及 び 政 策 立 案 者 が 時 宜 にかなった 形 でこれらの 懸 念 に 取 り 組 む ことが 重 要 になる いくつかの 国 では 規 制 担 当 者 及 び 政 策 立 案 者 によって 多 くの 提 案 改 正 及 び 見 直 しが 既 に 進 行 している これらの 活 動 がプロジェクトの 懸 念 に 十 分 に 対 処 す ることになるかどうかが 今 後 の 重 要 な 検 討 事 項 の 一 つとなる 4.2 資 金 援 助 の 状 況 各 国 政 府 は CCS 実 証 プロジェクトに 対 する 幅 広 く 異 なる 種 類 の 資 金 援 助 を 提 供 してい る 本 節 の 説 明 は 補 助 金 などの 割 当 てだけでなく 税 額 控 除 を 含 むすべての 直 接 的 な 資 金 援 助 に 言 及 している 現 在 進 行 中 の 大 規 模 な 実 証 プログラムに 関 する 政 府 支 援 の 割 当 て は 主 に 2008 年 及 び 2009 年 に 策 定 され 発 表 されたものである こうした 資 金 援 助 は 低 炭 素 技 術 としての CCS の 革 新 の 加 速 と 経 済 刺 激 の 必 要 性 の 両 方 の 意 図 が 関 連 している 現 在 までに 大 規 模 CCS 実 証 プロジェクトの 支 援 に 対 し 総 額 約 235 億 米 ドルが 利 用 可 能 となっている( 図 43) 2010 年 末 の 時 点 では 利 用 可 能 資 金 の 約 55%が 既 に 特 定 のプロジェ クトに 割 り 当 てられており 2011 年 もこの 割 合 はほぼ 変 わっていない カナダ(アルバー タ 州 を 含 む) オランダ 及 び 米 国 では すべての 補 助 金 を 特 定 のプロジェクトに 割 り 当 てて おり 米 国 では 税 額 控 除 が 今 後 割 り 当 てられる 予 定 である 豪 州 英 国 及 び 欧 州 委 員 会 で は 競 争 入 札 の 手 続 中 である 128

144 図 43 国 別 CCS 実 証 に 対 する 公 的 資 金 による 支 援 の 関 与 1 米 国 欧 州 豪 州 カナダ 2 英 国 ノルウェー 韓 国 オランダ 3 単 位 :10 億 米 ドル 割 当 て 済 み 未 割 当 て 1 中 国 におけるプロジェクトは 国 有 企 業 及 び 国 際 機 関 によって 支 援 されている これらのプロジェク トのための 融 資 支 援 は 含 まれていない 2 英 国 では 現 在 の 実 証 のための 競 争 プロセスのほかに 3 件 のプロジェクトを 支 援 することを 約 束 し ている これに 係 る 資 金 の 確 約 はまだ 発 表 されていないが 2009 年 の 推 定 によると 4 件 の 実 証 プロ ジェクトから 成 るプログラムに 必 要 な 総 支 援 額 は 72~95 億 ポンドになる 3 NER300 融 資 プログラムに 選 ばれることを 条 件 に Air Liquide へのオランダ 政 府 からの 資 金 援 助 の 確 約 が 含 まれている 2011 年 はこれらの 残 りの 入 札 が 継 続 しており 全 体 的 な 資 金 支 援 はほとんど 変 わってい ない 6 月 には 豪 州 政 府 が 16 億 8,000 万 豪 ドル(18 億 4,000 万 米 ドル)の CCS フラッグシ ッププログラムに 基 づく 融 資 対 象 として Collie Hub プロジェクトを 選 定 した これまでに 3 億 3,300 万 豪 ドル(3 億 6,500 万 米 ドル)が 暫 定 的 に 提 供 されている これには プロジェ クト 開 発 初 期 段 階 の 重 要 なフェーズにおける 詳 細 な 貯 留 可 能 性 調 査 のための 資 金 援 助 と しての 5,200 万 豪 ドル(5,700 万 米 ドル)が 含 まれている Collie Hub プロジェクトのこの 第 1 段 階 が 成 功 した 場 合 豪 州 政 府 は 同 プロジェクトを 完 了 するために 必 要 となる 産 業 界 及 び 州 政 府 からの 資 金 6 億 6,000 万 豪 ドル(7 億 2,300 万 米 ドル) 超 へのてこ 入 れとして 2 億 8,100 万 豪 ドル(3 億 800 万 米 ドル)の 追 加 出 資 を 予 定 している 129

145 北 米 北 米 のプロジェクトが 利 用 可 能 な 総 資 金 に 関 しては 2011 年 は 良 い 結 果 と 悪 い 結 果 が 混 在 している 2009 年 に 米 国 では 米 国 再 生 再 投 資 法 (American Recovery and Reinvestment Act, ARRA) に 基 づき 実 証 プロジェクトへの 支 援 総 額 が 大 幅 に 増 額 された ARRA に 基 づいて 利 用 可 能 となった 34 億 米 ドルの 90% 以 上 が 発 電 プロジェクト(7 件 ) 又 は 産 業 応 用 のプロジェクト(3 件 )に 割 り 当 てられている 残 りは 貯 留 サイトの 特 性 把 握 及 び 回 収 技 術 研 究 開 発 の 支 援 に 向 けられている もし これらのプロジェクトのうちのいずれかが 進 行 しない 場 合 ARRA による 融 資 は 国 庫 に 返 還 され その 他 の 目 的 のために 用 いられる 現 時 点 では 気 候 変 動 政 策 の 策 定 が 米 国 議 会 によってほぼ 中 断 された 状 態 であるため 多 くのプロジェクトが 影 響 を 受 けてい る 2010 年 動 向 報 告 書 以 降 8 件 のプロジェクトが 保 留 や 取 消 しとなっており その 大 き な 理 由 の 一 つは 国 の 炭 素 削 減 政 策 が 不 確 実 であることと 国 家 的 な 炭 素 削 減 に 対 する 使 命 感 の 欠 如 である これらのプロジェクトのうち Mountaineer プロジェクトと Antelope Valley プロジェクトの 2 件 は 現 在 進 行 していない 前 者 は 中 断 中 であり 後 者 は 中 止 とな り 資 金 が 国 庫 に 返 還 されている Mountaineer プロジェクトは ARRA の 融 資 に 加 えて エ ネルギー 省 が 管 理 する クリーンコール 発 電 イニシアチブ(CCPI) に 基 づき 1 億 8,800 万 米 ドルを 受 け 取 った プロジェクトが 中 止 となった 場 合 は 国 庫 への 返 還 が 法 律 によって 規 定 されている ARRA による 融 資 とは 対 照 的 に CCPI における 返 還 資 金 をその 他 の CCS プ ロジェクトに 利 用 可 能 であるかは 米 国 行 政 管 理 予 算 局 によって ケースバイケースで 決 定 される(ただし 議 会 によるその 他 の 規 定 が 存 在 する 場 合 を 除 く) カナダにおけるプロジェクトは 米 国 とは 対 照 的 に 2011 年 中 に 行 われた 資 金 援 助 及 び 支 援 拡 大 を 受 けて 前 進 した カナダ 政 府 及 びアルバータ 州 政 府 は アルバータ 州 の 豊 富 な オイルサンド 資 源 の 開 発 を 追 求 しており 付 随 する 大 量 排 出 を CCS により 削 減 すべく 支 援 を 提 供 している 両 政 府 は 今 年 の 初 めに 3 件 のプロジェクトを 対 象 とする 総 額 17 億 カナ ダドル(18 億 米 ドル)の 資 金 援 助 を 完 了 した 同 時 に アルバータ 州 政 府 は 指 定 ガス 排 出 者 規 則 (Specified Gas Emitters Regulation) の 改 正 を 通 じて (EOR を 伴 わない)CO 2 回 収 地 層 貯 留 を 行 うすべての 精 製 又 はビチューメン 改 質 プロジェクトへの 支 援 を 増 強 した この 改 正 により 現 在 利 用 可 能 なオフセットクレジット 制 度 における 支 援 レベルが 事 実 上 2 倍 になり また アルバータ 州 のクレジット 価 格 が 上 昇 した 場 合 は 更 なる 支 援 機 会 も 提 供 さ れる 欧 州 2011 年 5 月 13 件 の CCS プロジェクトが 他 の 65 件 の 革 新 的 再 生 可 能 エネルギープロ ジェクトとともに NER300 プログラムの 次 のステージに 進 む 基 準 を 満 たしていると 特 定 130

146 された NER300 は EU 排 出 量 取 引 制 度 (ETS)に 基 づき 3 億 トン 分 の CO 2 排 出 権 が 準 備 さ れている( 又 は 新 規 参 入 者 用 排 出 枞 として 新 規 参 入 者 用 に 準 備 される) 融 資 手 段 である これらの 排 出 権 は 革 新 的 な 再 生 可 能 エネルギープロジェクトと CCS プロジェクトへの 資 金 提 供 のため 2011 年 後 期 から 2012 年 後 期 まで 売 却 されることが 予 想 される これらの 資 金 は CCS プロジェクトの 投 資 コスト 増 分 と 操 業 費 の 現 在 価 値 から 収 益 源 を 差 し 引 い た 金 額 を 含 む CCS 関 連 コストの 最 大 50%を 補 填 することができる 2011 年 8 月 現 在 EU ETS に 基 づく CO 2 排 出 権 の 2012 年 12 月 先 物 取 引 の 価 格 は 約 13 ユーロである この 価 格 では NER300 が 調 達 する 総 資 金 額 は 約 39 億 ユーロ(56 億 米 ドル) になる この 資 金 による 支 援 は CCS プロジェクトと 革 新 的 再 生 可 能 エネルギー 技 術 プロ ジェクトの 両 方 を 対 象 としており 資 金 の 75%が CCS プロジェクトに 用 いられると 仮 定 す ると 総 額 で 約 29 億 ユーロ(42 億 米 ドル)になる プロジェクトが 受 け 取 ることができる 最 高 額 は NER300 が 調 達 した 資 金 の 15% すな わち 上 述 の 仮 定 では 5 億 8,500 万 ユーロ(8 億 4,000 万 米 ドル)となる 仮 に 卖 体 プロジェ クトが 判 定 基 準 を 満 たしこの 最 高 額 を 受 け 取 る 場 合 最 大 で 5 件 のプロジェクトへの 資 金 援 助 が 可 能 となる 最 高 額 以 下 の 資 金 援 助 が 行 われる 場 合 さらに 多 くのプロジェクトへ の 資 金 援 助 が 可 能 となる 現 在 検 討 中 のプロジェクト 数 件 が 回 復 のための 欧 州 エネルギ ープログラム(EEPR) による 資 金 援 助 を 受 けている 両 資 金 を 合 計 した 欧 州 委 員 会 からの 総 支 援 額 は 50%を 超 えることはできない そのため NER300 の 資 金 援 助 額 は 50%の 限 度 額 を 下 回 るように EEPR の 援 助 額 に 合 わせて 調 整 される 現 在 EIB( 欧 州 投 資 銀 行 )は プロジェクト 案 の 資 金 及 び 技 術 についてのデューデリジェン スを 実 施 しており この 情 報 は 欧 州 委 員 会 に 提 供 される 欧 州 委 員 会 は 加 盟 国 とともに 各 プロジェクトのランク 付 けを 行 うこととなっており 最 高 位 のプロジェクトは 貯 留 CO 2 1 トン 当 たりのコストが 最 も 低 いプロジェクトとなる これらのプロジェクトのランクは 利 用 可 能 な 異 なる CCS 技 術 を 実 証 する 必 要 性 を 考 慮 に 入 れるように 調 整 される 最 高 位 のプロジェクトのうち 最 大 8 件 が NER300 プログラムの 資 金 援 助 を 受 けること ができる しかし 前 述 のとおり 最 終 的 に 支 援 を 受 ける 件 数 は 各 プロジェクト 案 の 総 コスト 増 分 と 特 定 プロジェクトに 対 する 最 大 援 助 額 に 左 右 される 最 終 的 な 支 援 決 定 は 2012 年 後 半 に 行 われることが 予 想 される 当 インスティテュートは NER300 プログラム により 全 体 で 欧 州 の 4~6 件 の CCS プロジェクトが 支 援 されると 予 想 している 産 業 別 技 術 別 及 び 貯 留 別 の 融 資 取 決 め これまでの CCS への 全 融 資 額 の 75% 以 上 が 大 規 模 実 証 に 充 てられている この 融 資 の うち 81 億 米 ドル すなわち 76%が 発 電 プロジェクトに 割 り 当 てられており( 図 44a) 肥 料 産 業 石 油 産 業 又 は 石 炭 ガス 化 産 業 が 更 に 20%を 占 めている 燃 焼 前 技 術 が 発 電 及 び 化 石 燃 料 ガス 化 の 両 方 で 様 々な 目 的 で 使 用 されており そうし 131

147 た 目 的 には 肥 料 製 造 が 含 まれている その 結 果 燃 焼 前 技 術 は 大 規 模 実 証 への 全 融 資 額 の 50%を 占 めている( 図 44b) 図 44 大 規 模 CCS 実 証 プロジェクトに 対 して 約 束 された 公 的 資 金 (a) 産 業 別 発 電 石 油 精 製 及 び/ 又 は 肥 料 化 学 品 生 産 その 他 の 産 業 エタノール ガス 精 製 単 位 :10 億 米 ドル (b) 回 収 技 術 別 燃 焼 前 燃 焼 後 酸 素 燃 焼 ガス 精 製 未 定 単 位 :10 億 米 ドル (c) 発 電 プロジェクト 向 け 回 収 技 術 別 燃 焼 前 燃 焼 後 酸 素 燃 焼 単 位 :10 億 米 ドル (d) 貯 留 タイプ 別 EOR 深 部 塩 水 層 枯 渇 油 ガス 田 明 示 せず 組 み 合 わせ 単 位 :10 億 米 ドル 132

148 しかし 発 電 部 門 のみを 考 慮 した 場 合 燃 焼 前 技 術 (すなわち IGCC)は 約 40%を 占 め ている( 図 44c) 米 国 など 数 ヶ 国 は 最 近 資 金 援 助 を 燃 焼 後 技 術 に 割 り 当 てるよう 望 んで おり これらの 技 術 も 40%を 占 めている IPCC は 様 々な 貯 留 タイプ 全 体 のポテンシャルを 1,700~11,000Gt と 見 込 んでおり そ のうち 深 部 塩 水 層 は 適 切 な 地 層 の 90% 以 上 を 占 めている(IPCC 2005) 現 在 までの 資 金 援 助 の 配 分 では 深 部 塩 水 層 を 対 象 としたプロジェクトは 貯 留 タイプが 特 定 されている 資 金 援 助 の 割 当 ての 41%を 占 めている( 図 44d) 対 照 的 に 活 動 中 の 油 田 での EOR プロジェ クトは これまでの 割 当 額 のほぼ 50%を 占 めている 前 述 のとおり この 割 合 は CO 2 EOR が EOR が 可 能 な 地 域 での CCS 実 証 の 促 進 剤 としての 役 割 を 果 たしている 程 度 を 反 映 している 全 世 界 で 約 40 件 の 大 規 模 実 証 プロジェクトが 政 府 からの 資 金 援 助 を 受 けており その 総 額 は 100 億 米 ドルを 超 える これらのプロジェクトすべてが 貯 留 選 択 肢 を 備 えた 統 合 CCS プロジェクトとみなされるわけではない また これらのプロジェクトのうち 数 件 は 中 止 又 は 保 留 となっており さらに 初 期 評 価 のための 尐 額 融 資 を 受 けているだけのもの もある しかし 今 日 までに 割 り 当 てられた 資 金 の 大 部 分 は 21 件 のプロジェクトに 支 給 されており それぞれが 2 億 米 ドル 以 上 を 受 け 取 っている これらの LSIP に 総 額 96 億 米 ドルが 割 り 当 てられており 支 給 された CCS プロジェクト 融 資 総 額 の 約 89%を 占 めている ( 図 45) 最 高 額 の 支 援 を 受 けている 卖 一 のプロジェクトは FutureGen2.0 であり 10 億 4,800 万 米 ドルに 達 している 133

149 図 45 大 規 模 プロジェクトに 対 する 公 的 資 金 1 単 位 :10 億 米 ドル 発 電 1 金 額 の 価 値 は 様 々な 年 のもの 産 業 2 アルバータ 州 CO 2 幹 線 パイプライン は カナダ 政 府 及 びアルバータ 州 政 府 からの 資 金 援 助 を 受 け ており 2 件 のプロジェクト(Agrium 及 び Northwest Upgrader)の 一 部 を 構 成 する 3 韓 国 の CCS-1 プロジェクト 及 び CCS-2 プロジェクトへの 支 援 額 は 韓 国 政 府 による 実 証 活 動 向 け 支 援 総 額 に 基 づき 按 分 したが プロジェクトごとの 割 当 てはまだ 行 われていない 134

150 人 材 開 発 のための 資 金 援 助 過 去 3 年 間 にわたり 発 展 途 上 国 での 人 材 開 発 活 動 を 推 進 すべく 協 同 作 業 が 複 数 の 国 組 織 により 続 けられている この 分 野 に 多 額 の 資 金 を 出 資 している 国 組 織 には 欧 州 連 合 当 インスティテュート ノルウェー 政 府 及 び 英 国 政 府 が 含 まれる これらの 出 資 者 は 特 定 の 活 動 への 資 金 援 助 及 び CCS 人 材 開 発 融 資 メカニズムへの 出 資 を 通 じて 直 接 支 援 している 例 えば ノルウェーは 2009~2014 年 を 対 象 として 2 億 米 ド ル 超 を 出 資 又 は 割 り 当 てている 出 資 は 世 界 銀 行 及 び 炭 素 隔 離 リーダーシップフォーラムが 管 理 する 人 材 開 発 融 資 メカ ニズムに 対 して 行 われている とりわけノルウェーは 産 業 界 での CCS 実 施 を 促 進 するた め IEAGHG 国 際 サマースクール SACCCS 及 び UNIDO グローバル CCS 産 業 ロード マップ(Global CCS Industrial Roadmap) に 対 して 資 金 援 助 を 行 っており これらプロジェ クトは 産 業 界 での CCS 利 用 を 図 る 政 府 と 意 思 決 定 者 に 対 して 適 切 な 情 報 を 提 供 するもの である 当 インスティテュートは UNIDO CCS 産 業 ロードマップを 含 む 人 材 開 発 活 動 に 2,500 万 米 ドル 超 を 提 供 している さらに 当 インスティテュートは アジア 開 発 銀 行 世 界 銀 行 及 び CSLF 基 金 へも 出 資 している 当 インスティテュートは 他 の 組 織 が 管 理 する 資 金 援 助 メカニズムや 活 動 への 関 与 に 加 えて 独 自 の 人 材 開 発 プログラムも 有 している 英 国 政 府 は 中 国 での 人 材 開 発 活 動 の 支 援 に 特 に 積 極 的 である 例 えば 中 国 单 西 部 での 地 方 クリーンコールセミナー 及 び CCS シンポジウムなどのイベントにより 中 国 の 利 害 関 係 者 ( 電 力 会 社 地 方 自 治 体 などを 含 む)の CCS への 認 識 が 高 まっている これらの 活 動 と 中 国 低 炭 素 エネルギー 行 動 ネットワーク(China Low-carbon Energy Action Network) は 関 連 産 業 及 び 学 者 達 とともに CCS の 課 題 を 詳 細 に 紹 介 し 議 論 している さらに 英 国 は CSLF 人 材 開 発 基 金 (CSLF capacity development fund) 及 び SACCCS も 強 力 に 支 援 している 実 証 コストは 誰 が 支 払 うべきか? エネルギー 供 給 者 特 に 装 置 供 給 者 は CCS を 含 む 既 存 新 技 術 の 革 新 を 目 的 とした R&D プログラムを 実 施 している 各 国 政 府 も 課 税 措 置 やその 他 資 金 援 助 を 通 じて 民 間 企 業 の R&D を 支 援 し さらに 大 学 でのいわゆる 基 礎 研 究 の 多 くに 資 金 を 提 供 している こうした 援 助 の 政 策 上 の 論 理 的 根 拠 は 研 究 の スピルオーバー 効 果 にある この 効 果 は 高 コストの 研 究 開 発 の 実 施 者 が 完 全 に 回 収 することができない 革 新 技 術 により 社 会 が 受 ける 利 益 のことである 革 新 技 術 への 投 資 が 知 識 を 生 み 出 し その 知 識 が 他 企 業 や 利 用 者 に 流 れて 革 新 者 の 利 益 を 低 減 させ その 結 果 革 新 技 術 への 支 援 に 必 要 な 資 源 を 新 技 術 に 動 員 するインセンティブを 低 減 させることになる これは 新 技 術 開 発 への 投 資 不 足 を 招 き 革 新 の 速 度 及 び 効 率 が 低 下 することになる 135

151 上 述 は 各 国 政 府 が 課 税 による 一 般 歳 入 又 は 税 優 遇 措 置 を 通 じて 革 新 活 動 への 資 金 流 量 全 体 を 増 加 させる 論 理 的 根 拠 になっている 技 術 革 新 を 支 援 する 政 策 を 設 計 する 上 での 課 題 は その 支 援 がなければ 発 生 し 得 なかった 民 間 の 投 資 を 促 進 させ その 支 援 策 に 係 る 費 用 を 十 分 に 賄 うだけの 総 収 益 を 民 間 により また スピルオーバーにより( 社 会 的 に) 回 収 することである 先 述 の 市 場 の 失 敗 への 有 効 策 がない 場 合 社 会 が 要 する 気 候 変 動 対 策 費 用 は 有 効 策 が ある 場 合 と 比 べて 大 きくなる 特 に 低 炭 素 技 術 の 革 新 を 炭 素 価 値 に 関 連 するインセンテ ィブのみに 任 せている 場 合 この 傾 向 は 強 いであろう 各 国 政 府 は 気 候 変 動 リスク 対 策 の 成 果 からの 多 額 の 見 返 りを 期 待 して 全 世 界 で 大 規 模 な CCS 実 証 プログラムの 資 金 援 助 を 提 供 している 見 込 み 利 益 は コスト 削 減 と 性 能 向 上 による 早 期 の CCS 商 業 化 達 成 と 関 連 している こうした 恩 恵 は 資 金 援 助 により 促 進 さ れた 知 識 共 有 からのスピルオーバーを 支 援 し また 利 用 することで 生 じる 低 炭 素 技 術 の 革 新 の 促 進 から 生 じる 社 会 への 利 益 に 加 えて 低 炭 素 技 術 装 置 の 供 給 者 も CCS の 開 発 促 進 の 恩 恵 を 受 けることができる 特 定 の 装 置 の 需 要 を 拡 大 させるべく 行 われ るサプライチェーン 側 での 技 術 革 新 は そうした 装 置 の 所 有 者 に 利 益 をもたらすことがあ る 場 合 によっては そうした 装 置 の 所 有 者 に 技 術 革 新 を 支 援 するインセンティブがあ ることも 考 えられる そうした 支 援 の 配 分 に 関 しては 時 に 潜 在 的 なフリーライダー( 労 せず 利 益 を 得 る 者 )に 対 処 すべく 政 府 の 支 援 調 整 が 必 要 となることもある CO 2 排 出 を 制 限 する 世 界 的 又 は 地 域 的 な 政 策 が 存 在 する 社 会 において CCS は CCS が 存 在 しない 又 は 利 用 機 会 の 尐 ない 場 合 と 比 較 して 化 石 燃 料 の 需 要 を 増 大 させる 需 要 の 増 大 が 化 石 燃 料 の 生 産 から 経 済 的 余 剰 を 創 出 又 は 増 大 させるという 点 において 化 石 燃 料 所 有 者 が 実 証 を 含 む CCS の 革 新 に 寄 与 するといったインセンティブとなり 得 る その 一 例 が 2006 年 に 豪 州 石 炭 協 会 が 設 立 した COAL21 基 金 (COAL21 fund) である 産 業 界 は 黒 炭 生 産 に 対 する 任 意 の 賦 課 金 を 通 じて 10 年 間 で 約 10 億 豪 ドルを 調 達 することを 目 指 している 2010 年 12 月 現 在 この 賦 課 金 により 2 億 3,400 万 豪 ドル(2 億 5,600 万 米 ドル) が 調 達 され 約 1 億 4,100 万 豪 ドル(1 億 5,400 万 米 ドル)が 使 われている(Australia, Senate Standing Committee on Economics, 2011) 十 分 な 資 源 が 研 究 実 証 プロジェクトに 向 けられ ることを 確 実 にするに 当 たり 研 究 実 証 の 受 益 者 からの 支 払 いを 全 体 的 な 効 率 上 昇 の ため 政 府 の 関 与 によりどの 程 度 改 善 できるかという 課 題 が 生 じる 資 源 採 掘 産 業 にとって 技 術 革 新 への 資 金 援 助 は 石 炭 やガス 資 源 の 製 造 又 は 消 費 を 変 え ることなく 当 該 産 業 界 内 で 発 生 した 超 過 利 潤 を 得 ることに 繋 がることも 考 えられる 同 時 に 気 候 変 動 政 策 及 び 再 生 可 能 エネルギー 技 術 開 発 の 競 合 による 消 費 パターンの 変 化 を 見 越 した 資 源 採 掘 パターンの 変 更 がある 場 合 そうした 変 更 が 産 業 界 と 地 域 社 会 の 向 上 に 繋 がるかを 見 極 める 必 要 がある 136

152 4.3 市 民 関 与 市 民 関 与 の 有 効 な 管 理 に 対 する 継 続 的 な 必 要 性 市 民 関 与 は 引 き 続 き CCS プロジェクトにとってのリスクと 好 機 となる この 分 野 は プロジェクトの 前 進 と 成 功 に 影 響 を 与 え 得 る 利 害 関 係 者 ( 例 えば 規 制 担 当 者 地 元 の 地 域 社 会 マスコミと NGO を 含 む 公 衆 )との 交 流 を 対 象 としている CCS 産 業 は プロジェ クトに 関 するコミュニケーションがより 効 果 的 となる 一 般 市 民 の 認 識 の 度 合 いと 懸 念 事 項 を 理 解 対 処 するための 地 域 社 会 との 協 力 の 最 適 なバランスを 模 索 している 多 くのプロジェクトが 開 発 の 最 終 段 階 を 通 過 するのに 従 い 市 民 関 与 における 潜 在 的 な 課 題 を 特 定 軽 減 する 手 法 を 継 続 的 に 検 討 することが 重 要 となってくる これは 市 民 関 与 におけるリスクの 軽 減 管 理 のために 膨 大 な 作 業 が 行 われる 段 階 である これはまた CCS プロジェクトが 他 の CCS プロジェクトから そして 利 害 関 係 者 の 関 与 を 効 果 的 に 計 画 実 践 し 公 衆 のあらゆる 懸 念 事 項 に 包 括 的 に 対 処 するためのツールから 引 き 続 き 支 援 を 必 要 とする 段 階 でもある 既 存 のプロジェクトから 学 んだ 教 訓 の 特 定 利 用 は 他 プロジェクトの 提 案 者 又 は 発 展 途 上 国 政 府 が より 有 効 な 手 法 を 実 施 する 一 助 となる ケーススタディ Collie South West Geosequestration Hub- 地 域 社 会 との 協 議 西 オーストラリア 州 单 西 部 に 位 置 する Collie South West Geosequestration Hub (Collie Hub)は 市 民 関 与 に 関 する 手 法 の 一 環 として 地 域 社 会 協 議 ワークショップの 援 助 を CSIRO に 依 頼 した(Jearnneret ら 2011) 同 ワークショップの 目 的 は 以 下 のとおりであっ た 1. 気 候 変 動 科 学 及 び 低 排 出 エネルギー 技 術 特 に CCS に 対 する 公 衆 の 知 識 及 び 姿 勢 を 評 価 する 2. Collie Hub 構 想 に 関 する 研 究 及 び 評 価 への 将 来 的 な 市 民 関 与 のための 枞 組 みを 確 立 す る 3. 気 候 変 動 科 学 及 びエネルギー 技 術 の 選 択 肢 に 関 する 課 題 及 びリスクについて より 多 くの 情 報 が 提 供 された 状 態 での 対 話 を 可 能 にするための 1 日 間 の 参 加 型 ワークショ ップの 有 効 性 を 調 査 する 上 述 のワークショップの 成 果 のまとめから Collie Hub は 対 象 分 野 に 関 する 事 実 に 基 づき 作 成 される 適 切 な 戦 略 の 開 発 に 必 要 な 地 域 社 会 の 認 識 と 姿 勢 についての 深 い 理 解 を 得 ることができた さらに CSIRO は 豪 州 全 土 で 実 施 された 他 のワークショップから 137

153 の 情 報 を 照 合 することで 異 なる 地 域 地 域 社 会 間 の 比 較 ができ 気 候 変 動 への 見 解 や 低 炭 素 エネルギー 技 術 をより 全 体 的 に 理 解 することができた この 種 の 情 報 は どのよ うなコミュニケーション 手 法 が 異 なる 聴 衆 からの 同 意 の 取 得 と CCS への 姿 勢 の 変 化 に 影 響 するかを 政 府 及 びプロジェクト 提 案 者 が 評 価 する 上 で 重 要 である 市 民 関 与 のための 活 動 の 当 インスティテュートの 更 なる 観 察 当 インスティテュートの 今 年 のプロジェクト 調 査 では 市 民 関 与 戦 略 についての 理 解 を 深 めるために 具 体 的 な 情 報 の 提 供 をプロジェクト 提 案 者 に 求 めた その 目 的 は 産 業 界 が 品 質 戦 略 の 指 標 を 特 定 し 関 連 する 手 法 の 品 質 を 検 証 し さらに 産 業 の 総 合 的 な 進 歩 と リスクへの 曝 露 についてのより 正 確 な 評 価 のため こうした 指 標 の 奥 行 きについて 共 有 す ることである 市 民 関 与 の 戦 略 を 実 施 中 策 定 中 依 然 として 必 要 又 は 必 要 なし であるか を 質 問 したプロジェクトのうち 75%が 実 施 中 又 は 策 定 中 と 回 答 した これは 前 向 きな 結 果 である 以 下 の 四 つの 主 要 分 野 に 重 点 を 置 いた 更 なる 質 問 を 行 った 貯 留 サイトの 地 域 社 会 の 理 解 有 効 な 戦 略 的 計 画 のためのデータ 解 析 リスク 緩 和 のための 活 動 市 民 関 与 によるリスクの 継 続 的 な 監 視 これら 分 野 では 貯 留 サイトの 地 域 社 会 に 主 な 重 点 が 置 かれており その 理 由 は 利 害 関 係 者 にとって 最 大 の 不 確 実 性 が 存 在 しており 関 係 及 び 信 頼 の 構 築 に 係 るリスクがしば しば 最 大 になるためである 各 プロジェクトには 各 品 質 係 数 に 対 応 する 一 連 の 成 果 を 特 定 し 自 己 評 価 するよう 要 請 した これらの 品 質 係 数 及 び 一 連 の 成 果 の 詳 細 は 付 属 資 料 F に 示 している この 結 果 から 各 プロジェクトの 地 域 社 会 ごとの 特 別 な 手 法 が 要 求 され る 分 野 では 結 果 の 一 般 化 が 困 難 であることがよく 分 かる このため プロジェクトごと の 詳 細 な 活 動 の 比 較 には 限 界 がある しかし 高 いレベルでのプロジェクトの 推 進 に 関 わ るデータを 提 供 すること 及 び 市 民 関 与 に 関 する 活 動 に 利 用 可 能 なツールと 支 援 手 段 を 更 に 進 歩 させるために 利 用 可 能 なその 他 の 見 解 を 示 すことはできる 最 後 に 発 展 途 上 国 でのプロジェクトに 関 するデータ 収 集 が 初 期 段 階 であることは 明 ら かである 発 展 途 上 国 でのプロジェクト 件 数 の 増 加 に 従 い プロジェクトを 成 功 に 導 く 技 能 と 資 源 には 市 民 関 与 を 考 慮 に 入 れることが 必 要 になる 138

154 ケーススタディ ScottishPower 主 要 な 対 象 者 層 に CCS に 関 する 知 識 の 普 及 を 図 る ためのユニークな 手 法 ScottishPower は 市 民 関 与 戦 略 の 一 環 として 気 候 変 動 緩 和 及 びエネルギーポートフ ォリオとしての CCS の 知 識 を 拡 大 するため 地 域 社 会 の 特 定 層 への 草 の 根 活 動 の 支 援 を 行 った ScottishPower とスコットランド 政 府 は CCS に 焦 点 を 合 わせた 高 等 学 校 教 育 プ ログラムの 創 設 プロジェクトに 共 同 出 資 した 同 プログラムは エディンバラ 大 学 のス コットランド 地 球 科 学 教 育 フォーラム(SESEF)が 開 発 した 地 球 科 学 教 育 プログラムに 基 づいて 構 築 されたものであり 以 下 の 二 つの 目 的 がある Longannet 発 電 所 (ScottishPower のフラッグシップ CCS 実 証 サイト) 付 近 の 地 域 社 会 の CCS への 理 解 の 深 化 先 端 科 学 技 術 の 事 例 を 用 いることで 化 学 数 学 物 理 学 地 理 学 などを 将 来 の 研 究 課 題 を 選 択 する 高 校 生 にとっての 生 きた 学 問 にする 同 プログラムの 最 も 重 要 な 要 素 の 一 つは SESEF チームを プログラムの 独 立 したパ ートナーとして 活 用 することであった すなわち 学 生 には CCS は 数 多 くある 気 候 変 動 緩 和 策 の 一 つとして 紹 介 し その 後 発 電 所 の CCS チームの 専 門 知 識 を 得 られるよう にした 市 民 関 与 に 関 する 戦 略 の 策 定 援 助 のための 資 料 CCS 産 業 が 発 展 を 続 けると 共 に CCS 利 害 関 係 者 が 様 々な 対 象 層 に 関 与 する 際 の 助 力 と して 当 インスティテュートを 含 む 様 々な 機 関 が 開 発 した 手 法 資 源 も 目 に 見 えて 発 展 してきている プロジェクト 提 案 者 及 び 他 の 利 害 関 係 者 への 情 報 提 供 及 び 援 助 を 目 的 とする 最 近 の 発 行 物 を 表 15 に 示 した 139

155 表 15 市 民 関 与 に 関 する 資 料 発 行 物 説 明 関 与 組 織 入 手 先 Communications & Engagement Tool for CCS Projects Public Engagement Self Assessment Tool Public Engagement: Lessons Learned from European CCS Demonstration Projects Network Social Site Characterisation Report The Management of Public Engagement at the Local, State and Federal Levels for the Tenaska Trailblazer Energy Center Project Special Eurobarometer Report Public Awareness and Acceptance of CO 2 Capture and Storage CCS and Community Engagement: Guidelines for Community Engagement in Carbon Dioxide Capture, Transport, and Storage Projects プロジェクト 提 案 者 が 市 民 関 与 を より 効 果 的 に 計 画 することを 援 助 するための 実 践 ガイド CCS 実 証 の 成 功 に 必 要 な 社 会 的 考 慮 事 項 に 対 処 すべく 市 民 関 与 の 様 々な 手 法 活 動 を 紹 介 する プロジェクト 提 案 者 が 質 の 高 い 利 害 関 係 者 の 関 与 を 効 果 的 に 計 画 し 実 施 することを 援 助 する プロジ ェクトが 開 発 サイクルの 各 段 階 で 推 奨 する 成 果 を 特 定 することで 市 民 関 与 手 法 を 自 己 評 価 できる CCS プロジェクト 提 案 者 が これ までに 行 われた 市 民 関 与 活 動 と コミュニケーション 活 動 の 有 効 性 を 理 解 し 各 プロジェクトが ど のように 市 民 関 与 についての 包 括 的 手 法 を 構 築 するかを 援 助 する 報 告 書 プロジェクト 開 発 者 が 貯 留 サイト の 社 会 的 特 性 把 握 を 行 う 理 由 及 び 方 法 の 検 討 を 始 めている Tenaska Trailblazer エネルギーセン ターは 米 国 テキサス 州 において 現 在 開 発 中 の 石 炭 火 力 発 電 所 であ る この 報 告 書 は Tenaska が 公 衆 教 育 事 実 の 伝 達 及 びプロジェク トへの 支 援 獲 得 に 講 じた 手 段 が 説 明 されている 欧 州 委 員 会 は 2011 年 5 月 に(27 の 加 盟 国 のうちの)12 カ 国 での CO 2 回 収 貯 留 の 認 知 度 及 び 受 容 性 に 関 する 世 論 調 査 結 果 を 公 表 した この 報 告 書 は 幅 広 く 協 議 され 今 後 実 施 される CCS プロジェクトの 意 思 決 定 に 関 与 するプロジェクト 開 発 者 規 制 担 当 者 及 び 地 域 社 会 に 対 する 手 引 きを 示 すよう 設 計 さ れている CSIRO ECN Pacific Northwest Laboratory イリ ノイ 大 学 グロ ーバル CCS イン スティテュート (Ashworth ら 2010) Global CCS Institute (2011d) 世 界 資 源 研 究 所 European CCS Demonstration Project Network(2010)- 欧 州 委 員 会 CSIRO, AJW Inc. (Wade and Greenburg 2011) Tenaska Inc.(2010) TNS Opinion & Social(2011)(エ ネルギー 総 局 が 依 頼 ) 世 界 資 源 研 究 所 (Forbes ら 2010) グローバル CCS イ ン ス ティテュー ト ウェブサ イト グローバル CCS イ ン ス ティテュー ト ウェブサ イト 欧 州 CCS 実 証 ネットワ ークウェブ サイト グローバル CCS イ ン ス ティテュー ト ウェブサ イト グローバル CCS イ ン ス ティテュー ト ウェブサ イト 欧 州 委 員 会 ウェブサイ ト 世 界 資 源 研 究 所 ウェブ サイト この 表 はすべてを 網 羅 したものではなく このほかにも 市 民 関 与 の 理 解 に 役 立 ち CCS に 関 する 能 力 及 び 共 有 知 識 の 構 築 に 利 用 可 能 な 報 告 書 や 参 考 文 献 が 数 多 く 存 在 する 表 15 から 分 かるように 最 近 は 気 候 変 動 及 びエネルギー 技 術 に 関 するより 広 範 な 社 会 認 識 の 調 査 及 び 指 標 作 り( 例 えば Eurobarometer による CCS 認 識 調 査 )に 焦 点 が 合 わされて いる こうしたことはプロジェクト 提 案 者 がメッセージを 伝 達 し 地 域 社 会 に 関 与 する 手 140

156 法 を 援 助 するために 地 域 なレベルでも 起 きている カナダの TransAlta の Project Pioneer が 実 施 した 各 プロジェクトの 調 査 研 究 例 を 以 下 に 示 した ケーススタディ Project Pioneer 社 会 認 知 度 調 査 を 利 用 した 市 民 関 与 戦 略 の 策 定 効 果 的 な 市 民 関 与 戦 略 を 策 定 し 構 成 する 上 で 社 会 的 認 知 度 と 姿 勢 の 理 解 は 一 つの 重 要 なステップである カナダでは Shell と TransAlta が 利 害 関 係 者 の 対 応 策 として 気 候 変 動 CCS への 考 え 方 及 び 様 々な 一 般 公 衆 の 社 会 受 容 性 を 理 解 すべく 調 査 を 行 った この 調 査 は 全 国 的 な 見 地 を 得 るため 石 油 ガス 及 び 石 炭 が 経 済 と 一 体 化 しているアル バータ 州 と 他 州 を 対 象 にしている この 世 論 調 査 は CCS に 対 する 全 体 的 な 社 会 的 受 容 性 のレベル 及 び Project Pioneer に 対 する 地 域 社 会 の 社 会 的 受 容 性 のレベルの 両 方 を 決 定 するベースラインを 確 立 すべく 設 計 された この 調 査 によって CCS 全 体 についての 理 解 と 気 候 変 動 緩 和 技 術 としての CCS の 受 容 性 に 関 する 評 価 基 準 が 示 された 重 要 な 調 査 結 果 として 石 油 及 びガスに 関 係 する 地 域 社 会 の 住 民 は CCS と CCS が 提 供 し 得 る 社 会 的 及 び 経 済 的 な 利 益 に 他 地 域 よりもは るかに 深 く 理 解 しているため 好 意 的 な 見 解 を 示 す 傾 向 にあること が 判 明 した さら にカナダの 人 々は 概 して 環 境 意 識 が 非 常 に 高 く 回 答 者 の 大 半 は 気 候 変 動 及 び 地 球 温 暖 化 の 緩 和 行 動 の 緊 急 性 を 認 識 していると 判 明 した さらに 複 数 の 異 なるレベルに ある 対 象 層 とのコミュニケーションのため 主 要 データに 基 づくメッセージを 提 案 者 が 作 成 すべきことが 示 された 2011 年 中 期 の 時 点 において TransAlta は CCS に 関 わる 認 識 の 課 題 の 再 検 討 を 計 画 して いる さらに 社 会 の 認 識 が 変 化 しているか 及 びそれが 方 向 性 の 変 化 又 は 追 加 的 な 市 民 関 与 活 動 の 必 要 性 を 意 味 するかを 確 認 するため 同 じ 質 問 を 繰 り 返 すことも 重 要 になる この 調 査 の 結 果 とデータの 解 釈 は TransAlta 及 び Shell の 市 民 関 与 に 関 する 戦 略 を 引 き 続 き 形 成 することになる 学 習 量 の 増 大 及 び 継 続 は プロジェクト 指 導 者 が 他 のプロジェクトから 学 習 すべく 設 計 されたプロジェクト 会 合 で 情 報 を 共 有 することにより 促 進 される プロジェクト 指 導 者 がそのような 会 合 で 生 産 的 に 情 報 交 換 を 行 える 関 係 を 形 成 するための 多 くの 仕 組 みが 設 けられている 当 インスティテュートは オランダの ROAD プロジェクトを 支 援 及 び 助 言 するために フランスで 成 功 した Lacq プロジェクト 関 係 者 を 一 堂 に 集 めてこうした 仕 組 み の 一 つを 実 践 し そこでは 各 リスクへの 理 解 と 管 理 活 動 への 最 終 化 された 回 答 が 示 さ れた その 結 果 は ROAD リーダーシップチームにとっての 成 功 であり 同 チームは 2011 年 プロジェクト 調 査 では リスクに 関 する 活 動 が 軌 道 に 乗 っている として 以 下 のよ うに 回 答 した 141

157 ROAD プロジェクトは グローバル CCS インスティテュートから 派 遣 された 方 々と 主 に 普 及 戦 略 の 策 定 に 関 して 集 中 的 に 協 議 した 同 インスティテュートからは 同 等 の 課 題 に 関 する 知 見 及 び 非 常 に 明 確 な 実 績 の 点 で 適 格 な 方 々を 派 遣 していただいた これらの 方 々が 提 起 した 解 決 策 は 明 白 であるが 見 落 としやすいものであった ROAD チームは 現 実 主 義 を 非 常 に 高 く 評 価 した もしもこの 点 に 関 して 最 も 魅 力 的 な 利 益 は 何 かと 尋 ねられた 場 合 に 真 っ 先 に 思 い 浮 かぶことは 卖 純 かつ 具 体 的 であれ とい うことである ROAD 利 害 関 係 者 管 理 責 任 者 Hans Schoenmakers 当 インスティテュート 及 び 世 界 資 源 研 究 所 や 開 発 銀 行 などのその 他 の 組 織 は CCS プロジェクトが 成 功 する 上 での 有 効 かつ 正 しい 市 民 関 与 の 重 要 性 を 考 慮 し 知 識 の 共 有 及 び 人 材 開 発 を 目 的 として プロジェクト 及 び 政 府 との 共 同 作 業 を 継 続 する 既 存 のプロジェクト 及 び 報 告 書 から 学 んだ 教 訓 は 最 良 慣 行 の 手 法 を 実 現 させるために 利 用 することができる さらに 将 来 的 な 知 識 共 有 のための 報 告 書 は CCS に 関 するコ ミュニケーション 資 料 の 評 価 CCS 技 術 への 環 境 団 体 の 姿 勢 異 なる 地 域 住 民 の 低 炭 素 エネルギー 技 術 への 認 識 調 査 等 の 課 題 に 焦 点 が 合 わされることになる これらの 知 識 と 理 解 を 構 築 することで CCS プロジェクトの 成 功 の 鍵 となる 利 害 関 係 者 の 関 与 が 改 善 されることになる 142

158 5 CCS に 関 するビジネス 事 例 の 構 築 143

159 5 CCS に 関 するビジネス 事 例 の 構 築 概 要 多 くの 産 業 プロジェクトと 同 様 に 有 効 な CCS 実 証 プロジェクトの 事 例 構 築 は 最 終 投 資 判 断 前 にプロジェクトの 経 済 性 とリスクについての 理 解 を 要 する 複 雑 で 時 間 のか かるプロセスである 現 在 操 業 中 のすべてのプロジェクトは 既 に 確 立 された 工 業 プロセスの 一 部 として CO 2 分 離 技 術 を 利 用 し さらに CO 2 を 用 いて EOR を 通 じた 利 益 を 創 出 し かつ/ 又 は 過 去 の 資 源 探 査 活 動 及 び 既 存 の 地 質 情 報 に 基 づいた 低 コストの 貯 留 サイトへのアクセ スを 有 している 現 在 操 業 中 又 は 建 設 中 の 多 くのプロジェクトは より 長 期 の 気 候 変 動 政 策 及 び/ 又 は 潜 在 的 なカーボンオフセット 市 場 に 対 応 又 はそれを 見 越 して CCS を 実 施 している 発 電 プロジェクトには スケールアップといわゆる First of the kind の 回 収 技 術 を 組 み 込 むことによる 多 大 な 追 加 的 コストとリスクがある こうしたコストとリスクは 高 い 利 益 率 を 求 める 強 い 圧 力 が 存 在 する 電 力 市 場 では 支 援 を 受 けられない 発 電 プロ ジェクトが 建 設 段 階 に 進 行 するためのリスク 緩 和 の 選 択 肢 の 一 つは 排 ガスからの CO 2 回 収 率 を 低 くすること(Kemper County) 及 びプロジェクトの 規 模 を 縮 小 すること (Boundary Dam)である 政 府 及 び 民 間 部 門 には 共 に ビジネス 事 例 の 透 明 性 を 向 上 することにより CCS の 実 証 を 促 進 させ これによる 教 訓 と 恩 恵 を 具 体 化 させる 役 割 がある 低 炭 素 技 術 の 長 期 展 開 は 政 府 の 気 候 変 動 政 策 によって 形 成 される 削 減 技 術 を 採 用 す る 上 で CO 2 及 びその 他 の 温 室 効 果 ガスの 削 減 に 予 測 可 能 で 長 期 的 な 価 値 を 持 たせる 政 策 は それが 炭 素 価 格 の 設 定 による 直 接 的 なものであるか 規 制 による 間 接 的 なものかにかか わらず 不 可 欠 である 短 期 的 には 研 究 開 発 と 実 証 活 動 に 多 額 の 資 金 を 積 極 的 に 出 資 して いる 政 府 及 び 産 業 により 低 炭 素 技 術 の 開 発 が 加 速 している CCS 技 術 の 開 発 は 発 電 などの 現 在 及 び 将 来 の 大 量 排 出 産 業 において 回 収 貯 留 技 術 の 適 用 を 証 明 することに 注 力 しており これまで これらの 大 規 模 な CCS 実 証 活 動 におい て 着 実 な 前 進 がみられている こうした 前 進 は 特 定 の 産 業 国 及 び 地 域 の 条 件 に 左 右 さ れるものの 大 規 模 実 証 プロジェクトに 関 係 する 全 産 業 全 地 域 共 通 の 課 題 の 一 つとして 民 間 と 公 共 双 方 のプロジェクト 資 金 源 及 び 利 用 可 能 な 様 々な 収 益 源 から 有 効 なビジネス 事 例 を 構 築 する 必 要 があるということが 依 然 として 挙 げられる ほとんどの 産 業 プロジェクトと 同 様 に CCS 実 証 プロジェクトに 関 する 実 行 可 能 なビジ ネス 事 例 の 構 築 は 最 終 投 資 判 断 前 にプロジェクトの 経 済 性 とリスクの 理 解 を 要 する 複 雑 で 時 間 のかかる 作 業 である 144

160 ビジネス 事 例 の 経 済 性 には プロジェクトごとの 収 入 と 費 用 を 見 極 めることで 投 資 収 益 が 得 られるようにすること あるいは 技 術 開 発 と 研 究 開 発 などが 主 な 目 標 の 場 合 は 大 きな 損 失 を 回 避 することが 含 まれる 例 えば 発 電 部 門 の CCS 実 証 プロジェクトでは ビジネス 事 例 の 経 済 性 の 決 定 には 電 力 価 格 政 策 の 影 響 ( 例 えば 炭 素 価 格 ) 政 府 補 助 金 潜 在 的 収 入 CCS 技 術 の 資 本 コスト 及 び 操 業 費 並 びにサイト 特 有 のコストを 考 慮 すること となる 見 込 まれる 財 務 的 結 果 の 範 囲 の 決 定 には 通 常 の 基 本 ケース プロジェクトの 経 済 性 に 加 え プロジェクトのリスクプロファイル( 及 び 可 能 な 緩 和 策 )も 分 析 する 必 要 がある これらのリスクは 他 のプロジェクト 参 加 者 との 間 で 排 除 又 は 共 有 する 必 要 があり また 残 存 リスクへの 備 えも 必 要 である プロジェクトリスクが 高 くなるほど 実 行 可 能 なビジ ネス 事 例 を 構 築 するのが 難 しくなる CCS プロジェクトのリスクには プロジェクト 遂 行 リスク 市 場 リスク 規 制 リスク 建 設 リスク 及 び 地 域 社 会 受 容 性 リスクが 含 まれる 可 能 性 がある ビジネス 事 例 を 構 成 要 素 ごとに 分 けるのは 簡 卖 であるが これらの 構 成 要 素 を 一 つにま とめることは 難 しく CCS の 実 証 が 直 面 する 不 確 実 性 を 表 している この 不 確 実 性 は ビ ジネス 事 例 を 更 に 複 雑 にし プロジェクトを 適 切 に 精 査 し 投 資 判 断 を 行 うのに 要 する 時 間 を 増 やすこととなる プロジェクトの 進 捗 有 効 なビジネス 事 例 を 構 築 できる 場 合 にはプロジェクトの 前 進 が 見 られ これはしばし ば 成 熟 した 回 収 技 術 と EOR の 併 用 及 び/ 又 は 貯 留 層 特 性 がすでに 十 分 把 握 されているこ とと 関 係 している しかし プロジェクトが 発 電 及 び 深 部 塩 水 層 内 の 未 開 発 の 貯 留 サ イトを 対 象 としている 場 合 は 進 捗 が 遅 い 建 設 又 は 操 業 段 階 にあるプロジェクトのビジネ ス 事 例 に 影 響 を 与 える 要 素 ( 表 16)は 以 下 のとおりである 比 較 的 低 コストな 貯 留 選 択 肢 (EOR を 通 じた 収 益 確 保 を 含 む) 人 里 離 れた 地 域 又 は 沖 合 回 収 技 術 の 成 熟 度 及 び 回 収 技 術 が 適 用 される 部 門 実 施 段 階 及 び 操 業 段 階 にあるほぼすべてのプロジェクトは 石 油 ガス 部 門 の 過 去 の 地 下 探 査 活 動 の 恩 恵 を 受 け 既 に 十 分 に 特 性 が 把 握 された 貯 留 層 に CO 2 が 貯 留 され ているか CO 2 が EOR のために 用 いられている 例 えば Sleipner In Salah 及 び Gorgon の CO 2 圧 入 プロジェクトはすべて 評 価 済 みの 油 ガス 層 付 近 の 深 部 塩 水 層 に CO 2 を 圧 入 し ている このため これらプロジェクトは 貯 留 サイト 特 定 と その 特 性 の 把 握 に 寄 与 す る 豊 富 な 地 質 データを 利 用 することが 可 能 となっている その 他 のプロジェクト 例 えば Shute Creek や Great Plains/Weyburn-Midale プロジェクトなどでは 十 分 な 理 解 がなされた 地 質 特 性 及 び 既 存 のインフラに 加 えて EOR の 収 益 源 を 利 用 している 145

161 これらプロジェクトの 多 くは 人 里 離 れた 地 域 や 沖 合 に 所 在 し あるいは 既 存 の 石 油 ガ ス 事 業 に 従 事 する 地 域 に 所 在 している 場 合 もある こうした 場 所 での 地 域 社 会 への 影 響 は 限 定 的 であり プロジェクト 全 体 を 開 発 実 現 する 上 でのコスト 及 びリスクを 低 減 させる しかし 未 開 発 の 深 部 塩 水 層 での 貯 留 プロジェクトには 全 く 異 なる 問 題 が 存 在 する 最 終 投 資 判 断 の 判 定 基 準 に 合 致 する 適 切 な 塩 水 層 の 特 性 把 握 に 係 る 支 出 と 期 間 は 新 規 石 油 ガス 探 査 に 匹 敵 し また 石 油 ガス 探 査 がそうであると 同 様 に 成 功 の 保 証 はない 具 体 的 には 5~10 年 以 上 の 期 間 と 数 千 万 ~ 数 億 ドルの 支 出 を 要 する 可 能 性 がある 表 16 操 業 中 又 は 建 設 中 の LSIP の 重 要 な 特 徴 プロジェクト 例 CCS に 関 連 する プロジェクトの 特 徴 ビジネス 事 例 推 進 要 素 CO 2 の 使 用 からの 収 益 が 存 在 す る 明 確 なビ ジネス 事 例 Shute Creek ガス 精 製 施 設 Enid Fertilizer Great Plains /Weyburn-Midale 既 存 工 業 プロセスの CO 2 分 離 工 程 操 業 中 の 油 田 への 圧 入 EOR 収 益 気 候 変 動 政 策 に 対 応 する 又 はそれを 見 込 んだ 明 確 なビジネス 事 例 Sleipner CO 2 圧 入 ACTL を 用 い る Agrium Gorgon CO 2 圧 入 In Salah CO 2 分 離 部 分 が 確 立 された 工 業 プロセス 過 去 に 収 集 された 一 連 の 資 源 探 査 情 報 及 び 既 存 の 地 質 情 報 に より 簡 潔 化 された 貯 留 サイト 開 発 現 在 又 は 将 来 の 炭 素 コスト 責 任 の 軽 減 カーボンオフセット 市 場 からの 潜 在 的 収 益 広 範 な 政 府 支 援 と 他 の 収 益 が 必 要 なビジ ネス 事 例 Kemper County Boundary Dam Illinois ICCS 高 コストで 新 たな 大 規 模 産 業 ( 発 電 )にお いて 適 用 される CO 2 分 離 操 業 中 の 油 田 への 圧 入 又 は 未 開 発 な 深 部 塩 水 層 の 開 発 政 府 補 助 金 現 在 又 は 将 来 の 炭 素 コスト 責 任 の 軽 減 EOR 収 益 リスク 分 担 非 発 電 部 門 においては 製 造 工 程 で 既 に CO 2 が 既 存 の 技 術 により 回 収 されているという 要 素 も 存 在 する これらの 産 業 プロジェクト(ガス 精 製 及 び 合 成 燃 料 又 は 肥 料 の 生 産 を 含 む)では 処 理 の 必 要 上 比 較 的 純 度 が 高 い CO 2 流 が 既 に 生 成 されており 圧 縮 及 び 貯 留 サ イトへの 輸 送 のみが 必 要 となる 統 合 プロジェクトの 開 発 においては これらの 産 業 が 採 用 する 回 収 プロセス これに 関 連 する 性 能 及 び 市 場 リスクが 適 切 に 理 解 されている 全 体 的 にこれらのプロジェクトでは 既 存 の 市 場 環 境 で CO 2 が 回 収 されている これら のプロジェクトは 圧 縮 輸 送 及 び 貯 留 の 追 加 的 コストを 賄 う EOR や 気 候 変 動 政 策 を 見 出 している( 例 えば ノルウェーの 炭 素 税 ) プロジェクト 所 有 者 が より 長 期 的 な 気 候 変 動 政 策 を 見 越 し 率 先 して 行 動 しているプロジェクトも 存 在 する その 他 のプロジェクトでは UNFCCC の CDM により 促 進 されたカーボンオフセット 市 場 のように カーボン 市 場 の 発 展 を 見 込 む 動 きもある( 例 えば In Salah プロジェクト) 総 合 すると これらの 推 進 要 素 146

162 は CCS 適 用 に 向 けた 事 業 環 境 の 創 出 に 役 立 つ しかし 大 規 模 実 証 プログラムの 焦 点 である 発 電 プロジェクトの 場 合 は 温 室 効 果 ガス 削 減 のみを 目 的 として 燃 焼 ガス 又 は 合 成 ガスから CO 2 を 分 離 するための 回 収 技 術 を 大 規 模 に 又 は 初 めて 組 み 込 むには 多 額 の 追 加 的 コストとリスクがある これらの 追 加 的 コス トとリスクは 利 益 率 に 対 する 強 い 圧 力 が 存 在 するほとんどの 電 力 市 場 において 支 持 され ていない 発 電 への CCS 適 用 のためのビジネス 事 例 を 創 出 することができているプロジェクトは Kemper County と Boundary Dam の 2 件 である これらのプロジェクトの 両 方 が 政 府 の 資 金 援 助 を 受 けており CO 2 回 収 に 係 る 追 加 的 コストの 補 填 に 役 立 てている Kemper County には 7 億 500 万 米 ドル Boundary Dam には 2 億 4,000 万 カナダドル(2 億 5,100 万 米 ドル) が 割 り 当 てられている 有 効 なビジネス 事 例 を 構 築 するに 当 たり Kemper County では 582 MW の 電 力 に 対 して CO 2 回 収 率 を 比 較 的 低 い 65%に 設 定 している Boundary Dam では 110MW の 比 較 的 小 規 模 な 発 電 装 置 から 90%の CO 2 を 回 収 する 予 定 であるのは 興 味 深 い こうしたやり 方 はともに 必 要 な 回 収 装 置 の 規 模 の 縮 小 により 資 本 コストを 削 減 し さらに 回 収 設 備 のエネルギー 消 費 量 を 低 減 させている これは 発 電 出 力 の 引 上 げを 通 じてコストを 削 減 し さらに 見 込 み 収 入 の 増 大 によりビジネス 事 例 の 向 上 に 寄 与 していると 言 える 加 えて 回 収 技 術 及 び 性 能 上 のリスクが 軽 減 されていると 思 われる さらに 両 プロジェクトとも EOR として CO 2 を 使 用 し 貯 留 リスクを 最 小 にし また 追 加 収 入 を 生 み 出 している 現 在 建 設 中 のこれら 2 件 の 発 電 プロジェクト 以 外 では 発 電 プロジェクトの 数 件 が 政 府 の 資 金 援 助 が 確 約 されているにもかかわらず プロジェクト 計 画 の 進 んだ 段 階 で 予 想 よ り 長 く 滞 っている このように 政 府 の 資 金 援 助 は 多 くの CCS プロジェクトのビジネス 事 例 の 構 成 要 素 ではあるが 成 功 を 保 証 するものではない 特 に 新 規 発 電 所 への 回 収 技 術 の 導 入 は リスクの 増 大 をもたらすことになる 発 電 所 の 建 設 中 及 び 操 業 中 のリスクは 様 々な 理 由 で 増 大 する( 表 17) これらリスクの 多 くは 排 除 又 は 他 プロジェクト 参 加 者 との 分 担 ができないか あるいは 部 分 的 にしかできない さ らに リスク 緩 和 手 段 及 び 臨 時 費 用 の 構 築 手 段 は 実 証 プロジェクトの 残 存 リスクへの 対 策 として 常 に 利 用 可 能 なわけではない 147

163 表 17 新 設 CCS 実 証 発 電 プロジェクトと 従 来 の 発 電 プロジェクトのリスク 比 較 プ ロ ジ ェ ク ト リスク 分 野 CCS の 財 政 リスクへ リスクの 説 明 段 階 の 影 響 建 設 コスト 超 過 又 は 遅 延 増 大 固 定 価 格 とスケジュールに 係 る 価 格 プレミアム 性 能 増 大 構 成 要 素 の 保 証 が 焦 点 利 子 及 び 為 替 レー 増 大 予 算 増 大 トの 変 動 不 可 抗 力 同 じ 天 候 産 業 連 携 装 置 開 発 リ スク 操 業 規 制 増 大 貯 留 規 制 が 未 試 験 状 態 操 業 性 能 増 大 信 頼 性 を 証 明 する 先 行 事 例 が 存 在 しない 燃 料 供 給 増 大 発 電 所 の 信 頼 性 が 低 い 場 合 の 燃 料 消 費 増 大 電 力 取 引 量 増 大 発 電 所 の 信 頼 性 が 低 い 場 合 の 供 給 不 足 による 不 利 益 CO 2 貯 留 取 引 量 追 加 的 貯 留 取 引 量 が 信 頼 できないか 又 は 最 低 供 給 量 が 満 たされな い 場 合 にコストが 生 じる 可 能 性 金 利 及 び 為 替 レー 同 じ 通 貨 及 び 金 融 市 場 による 影 響 トの 変 動 不 可 抗 力 同 じ 天 候 及 び 産 業 連 携 リスク 貯 留 閉 鎖 追 加 的 責 任 に 事 前 対 処 する 必 要 性 上 述 の 結 果 第 三 者 からの 資 金 援 助 特 に 一 般 的 なプロジェクト ファイナンスの 利 用 は CCS 実 証 プロジェクトに 関 しては 極 めて 限 られている 最 初 の 実 証 操 業 は CCS 技 術 の 利 用 可 能 性 と 性 能 及 び 発 電 所 の 操 業 への 標 準 的 な 影 響 を 示 すことで 金 融 機 関 にとって の 参 照 プラントとしての 役 割 を 果 たすことが 必 要 になる これらの 参 照 プラントは 建 設 リスク 及 び 操 業 リスクは 管 理 可 能 であることに 加 えて 債 務 返 済 の 基 礎 さらには 固 定 費 補 填 のための 電 力 売 却 に 必 要 な 最 低 レベルの 発 電 出 力 が 確 保 可 能 であることを 立 証 しなけ ればならない 限 定 的 又 は 非 限 定 的 なプロジェクト ファイナンスは 有 効 なビジネス 事 例 と 改 善 され たリスクプロファイルに 基 づいた 統 合 CCS 発 電 プロジェクトにのみ 利 用 可 能 である した がって 信 頼 できる 統 合 された 回 収 貯 留 を 実 証 する 発 電 所 の 建 設 と 操 業 の 成 功 が 不 可 欠 である 今 後 の 展 望 多 くの 政 府 は 主 に 市 場 メカニズムを 通 じて 低 炭 素 又 はゼロ 炭 素 エネルギー 技 術 の 実 施 につながるように 設 計 された 気 候 変 動 政 策 の 策 定 の 初 期 の 段 階 に 入 っている 明 確 な 炭 148

164 素 価 格 を 設 定 すること 又 は 将 来 の 排 出 コストの 見 込 みを 設 定 することにより これらの 環 境 政 策 は CCS 実 証 プロジェクト 及 びより 多 くの 商 業 的 ベンチャー 事 業 を 支 援 する 同 時 に 各 国 政 府 が 策 定 する CCS に 関 連 した 政 策 は 実 証 活 動 貯 留 可 能 な 地 層 の 特 定 社 会 的 認 知 度 と 市 民 との 協 議 に 関 する 活 動 支 援 を 含 む 様 々な 目 標 が 対 象 となっている 各 国 政 府 によって 進 められるプロジェクトごとの 資 金 援 助 プログラムは 実 証 プロジェク ト 及 び 商 業 化 に 備 えた CCS 技 術 の 革 新 と 開 発 促 進 に 焦 点 を 合 わせている これらの 政 策 はすべて CCS 技 術 を 橋 渡 しし また CCS 技 術 が 市 場 に 出 るまでの 時 間 を 短 縮 する 上 で 不 可 欠 である 政 策 の 策 定 とそのタイミングに 係 る 不 確 実 性 も 実 証 プロジェクトの 決 定 の 延 期 を 生 じさせることになる プロジェクト 提 案 者 が 最 終 投 資 判 断 を 下 すのに 要 する 時 間 は 特 に 発 電 プロジェクトに おいて 予 想 よりも 長 くなっている このような 遅 延 の 一 部 は 欧 州 の NER300 プログラ ムや 英 国 の 競 争 プログラムに 見 られるような 資 金 援 助 の 仕 組 みと 要 件 の 立 案 及 び 実 施 に 要 する 時 間 に 起 因 する 資 金 援 助 のレベルが 確 実 でなければ プロジェクト 提 案 者 はプロ ジェクトの 実 行 可 能 性 を 検 討 できない 欧 州 では 広 範 な 規 模 の 資 金 援 助 に 係 る 取 決 めを 策 定 し 合 意 に 達 するのに 要 する 時 間 が プロジェクトの 精 査 及 び 初 期 スケジュールの 両 方 に 影 響 を 与 えている 炭 素 価 格 を 設 定 する 政 策 の 策 定 とそのタイミングに 関 する 不 確 実 性 も 建 設 の 決 定 に 影 響 を 与 えている 米 国 では CO 2 排 出 量 削 減 への 超 党 派 の 支 援 が 得 られないことが 発 電 プ ロジェクトのビジネス 事 例 に 顕 著 な 影 響 を 及 ぼしている これは エネルギー 消 費 者 が 他 の 低 炭 素 エネルギー 代 替 策 に 乗 り 換 えるインセンティブのレベル 及 び 機 会 の 不 確 実 性 によ るものである 排 出 量 削 減 の 支 援 の 達 成 後 も 政 策 実 現 の 時 間 枞 に 関 する 不 確 実 性 及 びそ の 政 策 の 厳 格 さが 推 進 を 遅 らせる 要 因 となる 不 確 実 な 社 会 においては 将 来 の 社 会 情 勢 について 理 解 を 深 めるために 決 定 を 延 期 することは 常 に 事 業 者 の 利 益 となる 実 証 プロジェクトは 気 候 変 動 政 策 CCS に 特 化 した 政 策 及 び 効 果 的 な 規 制 環 境 に 下 支 えされている 現 在 までのプロジェクト 開 発 速 度 から これらの 政 策 支 援 のうちのいずれ が 欠 けても 不 確 実 性 が 生 じ プロジェクトの 進 行 が 妨 げられることが 分 かる 気 候 変 動 及 び CCS 政 策 環 境 全 体 にわたり 首 尾 一 貫 した 政 策 状 況 が 必 要 である この 点 は 支 援 環 境 の 範 囲 だけでなく 現 在 及 び 将 来 の 状 況 特 に 予 想 炭 素 価 格 又 は 排 出 量 削 減 の 道 筋 の 明 確 さ にも 当 てはまる プロジェクト 提 案 者 は プロジェクトコストと 技 術 リスク 間 の 透 明 性 を 高 める 役 割 も 有 する この 透 明 性 は 実 証 プロセスにおける 官 民 の 利 益 の 間 で 効 率 的 なリスク 分 担 を 可 能 にするのに 役 立 つ 不 確 実 な 技 術 と 政 策 環 境 により プロジェクトが 堅 実 なビジネス 事 例 の 構 築 に 係 るリスクに 直 面 する 一 方 で 政 府 も 気 候 変 動 政 策 内 外 の 様 々な 競 合 する 政 策 上 のニーズの 中 で CCS の 適 切 な 支 援 レベルを 特 定 する 際 の 問 題 に 直 面 する 同 時 に 不 成 功 プロジェクトによる 政 治 的 リスクがあり それが プロジェクトのリスクの 透 明 性 向 上 の 必 要 性 を 強 調 している 149

165 プロジェクト 提 案 者 は プロジェクトライフサイクル 全 体 を 通 した 活 動 の 継 続 的 なモニ タリングに 加 えて 早 期 の 市 民 関 与 を 実 施 する 必 要 がある 地 域 社 会 の 感 情 とその 他 の 要 因 は 時 間 と 共 に 変 化 する 可 能 性 があり それに 応 じて 戦 略 を 適 応 させることが 必 要 となる こともある このため 個 々のプロジェクトサイトで 地 域 社 会 特 有 の 属 性 及 び 地 域 ごと のニーズに 基 づいた 戦 略 が 必 要 である したがって プロジェクト 提 案 者 は コミュニケ ーションの 伝 達 に 役 立 てるため 又 は 重 要 な 利 害 関 係 者 との 信 頼 構 築 のため 地 域 社 会 と 近 隣 地 帯 の 考 え 方 及 び 姿 勢 を 調 査 理 解 すべきである CCS コストの 現 在 の 予 想 に 基 づけば 特 に 実 証 段 階 において 技 術 上 の 課 題 が 解 決 される のに 従 い CCS は 中 長 期 的 に 様 々な 産 業 部 門 で 大 規 模 な 気 候 緩 和 策 となる 技 術 であり 続 け る したがって 実 証 活 動 を 支 援 する 資 金 源 について 政 府 及 びプロジェクト 提 案 者 以 外 で 検 討 する 価 値 がある 例 えば 炭 素 が 制 限 された 社 会 では 化 石 燃 料 生 産 者 は CCS 利 用 に より 大 きな 利 益 を 得 ることが 可 能 であろう 化 石 燃 料 産 業 が CCS からどの 程 度 の 利 益 を 得 るかは 不 確 実 であり 慎 重 な 検 討 が 必 要 である しかし 豪 州 でみられるように 実 証 規 模 の 活 動 を 支 援 する 追 加 資 金 を 化 石 燃 料 部 門 から 調 達 する 機 会 が 存 在 すると 思 われる 継 続 的 で 広 範 な 協 力 が 得 られる 場 合 のみ 実 証 プログラムは 前 進 することが 可 能 であり それによる 教 訓 と 恩 恵 を 得 ることができる 政 府 民 間 部 門 は 共 に 透 明 性 の 創 出 とビジネ ス 事 例 における 問 題 を 解 決 するために 必 要 な 課 題 に 取 り 組 み 解 決 する 役 割 を 有 する 150

166 付 属 資 料 付 属 資 料 A データ 分 析 プロセス 総 説 付 属 資 料 B プロジェクトライフサイクルモデル. 154 付 属 資 料 C 大 規 模 統 合 プロジェクト 付 属 資 料 D 2010 年 動 向 報 告 書 以 降 のプロジェクト の 変 更 ( 移 行 )に 関 する 照 合 付 属 資 料 E 政 策 状 況 付 属 資 料 F 市 民 関 与 の 質 に 関 する 要 因

167 付 属 資 料 A データ 分 析 プロセス 総 説 当 インスティテュートは 2009 年 以 来 CCS 実 証 に 向 けての 進 捗 状 況 を 定 量 的 に 把 握 す ることを 目 的 として CCS プロジェクトに 関 する 最 も 包 括 的 なデータベースの 維 持 に 努 め てきている これまでの LSIP に 関 する 当 インスティテュートのデータベースは プロジ ェクトを 主 導 している 提 案 者 が 回 答 した 年 次 調 査 に 基 づいて 編 集 されてきている 同 調 査 は プロジェクトライフサイクルモデルにより プロジェクト 進 捗 状 況 を 把 握 する また 同 調 査 は 当 インスティテュートの 豪 州 北 米 及 び 欧 州 の 事 務 所 により 独 立 して 実 施 され た 調 査 研 究 によって 補 完 されており 調 査 結 果 は 独 自 の 分 析 のため 当 インスティテュー トが 保 持 し 当 インスティテュートの 公 開 ウェブサイト 及 び CCS 動 向 報 告 書 において 要 約 された 形 で 提 示 している 2011 年 当 インスティテュートは プロジェクトの 実 証 及 び 動 向 についてより 適 切 に 理 解 報 告 するために データの 品 質 と 妥 当 性 を 向 上 させた 発 行 時 点 で 2011 年 5 月 から 8 月 に 調 査 したプロジェクトの 85%から 回 答 が 寄 せられた これらの 回 答 が 分 析 の 経 験 的 基 礎 になっている 重 要 な 変 更 点 として 当 インスティテュートは 今 回 回 収 源 をより 厳 密 に 反 映 させるた め また 個 々のプロジェクト 提 案 者 が 管 理 するプロジェクトの 境 界 をより 明 確 にするため に 今 年 以 降 将 来 に 係 る 個 々のプロジェクトの 定 義 方 法 を 変 更 したことが 挙 げられる この 結 果 数 件 のプロジェクトの 名 称 を 変 更 し さらに CCS クラスター 及 びネットワーク を それぞれを 構 成 するプロジェクトに 分 割 した( 付 属 資 料 D) これらの 変 更 は 以 下 の 目 的 のために 行 った CCS バリューチェーン 全 体 における 統 合 の 特 徴 について 理 解 を 深 める 複 数 年 にわたって( 時 系 列 での) 比 較 をするための 基 盤 を 改 善 する CO 2 量 及 びその 他 の 測 定 基 準 についてダブルカウントする 誤 りを 減 らす これら 改 善 努 力 の 重 要 な 要 素 の 一 つとして 統 計 的 な 枞 組 みを 採 用 したことが 挙 げられ る この 枞 組 みは 調 査 努 力 を 通 じてより 強 力 な 処 理 及 び 管 理 を 後 押 しするだけでなく 処 理 及 び 管 理 を 強 化 する 適 切 なサポート 構 造 を 構 築 する 当 インスティテュートの 枞 組 みには 以 下 の 5 段 階 が 存 在 する 開 発 段 階 : 調 査 実 施 計 画 の 立 案 及 び 情 報 を 収 集 するトピックの 決 定 収 集 段 階 :それぞれのプロジェクトからの 回 答 済 みのフォームの 回 収 を 含 む そこに 至 るまでの 活 動 処 理 段 階 : 回 収 したフォームの 回 答 の 把 握 及 び 当 インスティテュートのシステム 内 で の 説 明 分 析 / 普 及 段 階 :CCS プロジェクトの 全 体 的 な 展 開 及 び CCS の 実 証 に 向 けての 各 々の 貢 献 に 関 して 年 次 的 な 報 告 を 提 供 する 統 計 パッケージの 作 成 152

168 評 価 段 階 : 翌 年 以 降 に 備 えて 実 績 を 見 極 めるための 全 段 階 の 統 合 的 な 評 価 上 述 の 一 連 の 段 階 を 実 行 することで 当 インスティテュートにおいて 必 要 なサポート 構 造 が 整 った 繰 り 返 し 可 能 なプロセスの 導 入 が 可 能 になる 153

169 付 属 資 料 B プロジェクトライフサイクルモデル プロジェクトライフサイクルモデルは 規 模 の 大 小 にかかわらず プロジェクトが 計 画 設 計 建 設 操 業 及 び 閉 鎖 を 通 じて 移 行 する 様 々な 開 発 段 階 を 表 す プロジェクト 段 階 の 定 義 に 関 しては 複 数 の 異 なるシステムが 存 在 し 異 なる 用 語 が 用 いられることがあるが いずれのシステムでも 類 似 のライフサイクルモデルが 効 果 的 な 形 で 用 いられる この 枞 組 み( 図 B-1)は プロジェクトライフサイクル 内 において 開 発 者 がプロジェクトを 更 に 改 良 するための 資 源 を 引 き 続 き 投 入 することを 決 定 するか(ゲートウェイ) 将 来 の 利 益 では 予 想 されるコストを 補 填 できないと 評 価 するかの 判 断 ポイントを 反 映 している 図 B-1 プロジェクトライフサイクルモデル 最 終 投 資 判 断 計 画 実 行 プロジェク ト 段 階 特 定 評 価 精 査 実 施 操 業 閉 鎖 開 発 者 最 終 目 標 ハイレベルの 選 択 肢 を 考 慮 する 更 なる 研 究 の 対 象 となる 候 補 選 択 肢 を 選 抜 する 候 補 として 選 抜 し た 選 択 肢 及 び 予 備 選 択 肢 を 検 討 する 致 命 的 欠 点 を 確 定 する( 存 在 す る 場 選 択 した 選 択 肢 を 検 討 し 投 資 決 定 を 可 能 にするため にさらに 精 査 する プロジェクトの 技 残 りの( 詳 細 な) 設 計 を 実 施 する 資 産 の 委 託 及 び 管 理 のための 組 織 を 設 置 する 資 産 の 運 用 ( 操 業 ) 期 間 中 の 規 制 遵 守 要 件 内 で 資 産 を 運 用 ( 操 業 )する 規 制 遵 守 要 件 内 で 資 産 を 除 去 ( 廃 止 ) する 将 来 の 定 められた 用 途 のためにサイ どのような 選 択 肢 が 可 能 であるか 合 ) 進 行 させる 上 で 最 良 の 選 択 肢 を 選 択 する どのような 選 択 肢 であるべきか 術 的 及 び 経 済 的 実 行 可 能 性 を 実 証 する 実 行 可 能 性 はど のくらいか 第 三 者 ( すなわ ち ピ アレビュー 建 設 活 動 を 実 施 す る 発 注 に 着 手 する トを 再 生 する 組 織 を 設 置 し 閉 鎖 後 のための 資 産 を 提 供 する 者 投 資 家 ) によ る 審 査 を 可 能 にす る 活 動 回 収 及 び 輸 送 単 一 の 選 択 肢 の 選 択 概 念 研 究 プレフィージビリテ フィージビリティ ス ィ スタディ タディ 全 体 的 プロジェクト 全 体 的 プロジェクト 資 本 コ ス ト ( ± 資 本 コ ス ト ( ± 20-25%) 及 び 操 業 10-15%) 及 び 操 業 費 (±10-15%)を 見 費 (±5%)を 見 積 も 積 もる る 操 業 を 目 的 とする 所 有 者 への 引 き 渡 し プロジェクト 実 施 資 産 運 用 ( 操 業 ) 資 産 除 去 ( 廃 止 ) 貯 留 貯 留 サイト 絞 り 込 貯 留 サイト 評 価 研 貯 留 サイト 選 定 設 計 及 び 設 置 操 業 閉 鎖 み 研 究 究 出 典 :WorleyParsons 2009 Global CCS Institute により 修 正 154

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