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2 一 般 財 団 法 人 建 設 経 済 研 究 所 は1982 年 ( 昭 和 57 年 )9 月 1 日 に 設 立 され 我 が 国 の 国 民 生 活 の 安 全 安 心 や 社 会 経 済 情 勢 の 変 化 に 対 応 した 国 土 づくりや 経 済 基 盤 整 備 の 担 い 手 として 今 後 益 々 重 要 になると 思 われる 建 設 産 業 の 役 割 について その 内 容 を 建 設 経 済 レポートという 形 で 紹 介 してきました 建 設 経 済 レポート 第 63 号 では 次 の 内 容 について 取 り 上 げております まず 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 では 継 続 的 に 行 っております 建 設 投 資 の 見 通 しについて 2015 年 度 までの 建 設 投 資 額 を 予 測 するとともに 2014 年 度 までの 地 域 別 部 門 別 の 建 設 投 資 額 を 推 計 しています また 部 門 別 建 設 投 資 額 の 変 動 要 因 分 析 に 向 けて 民 間 住 宅 分 野 及 び 民 間 非 住 宅 分 野 で は 店 舗 についての 建 設 投 資 動 向 分 析 を 実 施 しました 第 59 号 から 開 始 した 地 域 別 の 社 会 資 本 整 備 の 動 向 では 今 回 中 国 ブロックを 取 り 上 げました 第 2 章 建 設 産 業 の 現 状 と 課 題 では 建 設 技 能 労 働 者 の 不 足 が 建 設 投 資 に 与 える 影 響 が 顕 在 化 するなかで 第 61 号 の 建 設 業 就 業 者 数 の 推 計 に 続 き 建 設 技 能 労 働 者 の 動 向 分 析 将 来 推 計 を 実 施 するとともに 建 設 産 業 が 直 面 す る 担 い 手 確 保 という 課 題 に 向 けた 調 査 研 究 の 第 一 歩 として 建 設 労 働 と 建 設 生 産 体 制 の 歴 史 的 経 緯 と 構 造 的 な 問 題 を 考 察 し 建 設 労 働 市 場 の 実 態 把 握 及 び 国 や 業 界 が 進 めている 主 な 対 策 を 取 り 上 げました また 建 設 企 業 の 経 営 財 務 分 析 及 び 資 金 繰 り 動 向 分 析 では 例 年 の 分 析 に 加 え 付 加 価 値 労 働 生 産 性 について 考 察 しています 第 3 章 公 共 調 達 制 度 では 東 日 本 大 震 災 以 降 に 増 加 した 入 札 不 調 不 落 の 現 状 と 課 題 及 びその 影 響 について 考 察 しています 第 4 章 海 外 の 建 設 業 については ASEAN 諸 国 の 中 でも 特 に 経 済 成 長 が 期 待 され 多 くの 日 本 企 業 が 進 出 の 機 会 を 窺 っているミャンマーの 建 設 市 場 の 動 向 と 展 望 について 紹 介 しています 公 共 投 資 建 設 産 業 に 携 わる 方 々をはじめ 経 済 全 般 国 土 づくり 全 般 に ご 関 心 をお 持 ちの 方 々に 本 レポートが 少 しでもお 役 に 立 てるならば 幸 いです 2014 年 10 月 一 般 財 団 法 人 建 設 経 済 研 究 所 理 事 長 小 川 忠 男

3 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 国 内 建 設 投 資 の 動 向 これまでの 建 設 投 資 の 推 移 国 内 建 設 投 資 の 見 通 し 地 域 別 の 建 設 投 資 動 向 建 設 投 資 動 向 の 詳 細 分 析 ( 住 宅 店 舗 ) 建 設 投 資 ( 民 間 住 宅 )の 動 向 建 設 投 資 ( 店 舗 )の 動 向 地 域 別 の 社 会 資 本 整 備 動 向 ~ 中 国 ブロック~ 中 国 ブロックの 現 状 および 課 題 主 要 プロジェクト 等 の 動 向 と 期 待 される 効 果 中 山 間 地 域 対 策 中 国 ブロックにおける 建 設 投 資 の 将 来 展 望 95 第 2 章 建 設 産 業 の 現 状 と 課 題 建 設 技 能 労 働 者 数 の 動 向 分 析 および 将 来 推 計 建 設 技 能 労 働 者 の 状 況 について 国 勢 調 査 (2010 年 )における 建 設 技 能 労 働 者 の 現 状 建 設 業 就 業 者 全 体 の 将 来 推 計 建 設 技 能 労 働 者 の 将 来 推 計 年 以 降 の 建 設 技 能 労 働 者 数 の 動 向 建 設 技 能 労 働 者 将 来 推 計 ( 足 元 の 動 きを 踏 まえた 推 計 ) 懸 念 される 他 産 業 との 人 材 確 保 競 争 建 設 技 能 労 働 者 の 現 状 と 人 材 確 保 に 向 けた 課 題 142 ~ 建 設 労 働 市 場 構 造 の 現 状 ~ 建 設 労 働 と 建 設 生 産 体 制 の 変 化 の 経 緯 建 設 生 産 体 制 が 引 き 起 こす 構 造 的 課 題 建 設 現 場 における 分 業 体 制 と 労 務 調 達 の 実 態 技 能 労 働 者 の 人 材 確 保 に 向 けた 最 近 の 取 り 組 み 建 設 企 業 の 資 金 繰 り 動 向 ( 被 災 地 版 ) 貸 出 動 向 全 般 の 状 況 被 災 3 県 の 貸 出 動 向 被 災 3 県 の 資 金 繰 りの 動 向 建 設 企 業 の 経 営 財 務 分 析 主 要 建 設 会 社 決 算 分 析 ( 大 手 準 大 手 中 堅 ) 建 設 企 業 における 生 産 性 分 析 198

4 第 3 章 公 共 調 達 制 度 入 札 不 調 不 落 の 現 状 と 課 題 影 響 全 国 における 不 調 不 落 の 現 状 関 東 地 方 における 不 調 不 落 対 策 被 災 地 における 不 調 不 落 対 策 考 察 244 第 4 章 海 外 の 建 設 業 ミャンマーの 建 設 市 場 の 現 状 と 展 望 ミャンマー 建 設 市 場 を 取 り 巻 く 環 境 ミャンマー 建 設 市 場 の 動 向 日 系 建 設 企 業 の 現 地 での 活 動 と 課 題 272 参 考 資 料 Ⅰ 海 外 の 建 設 市 場 285 Ⅱ 建 設 会 社 業 績 301 継 続 掲 載 図 表 目 次 図 表 実 質 GDP 成 長 率 の 推 移 6 図 表 名 目 建 設 投 資 と 名 目 GDP 比 率 の 推 移 7 図 表 実 質 建 設 投 資 の 推 移 7 図 表 名 目 建 設 投 資 の 見 通 し 10 図 表 建 設 投 資 額 の 見 通 し 10 図 表 政 府 建 設 投 資 額 の 見 通 し 12 図 表 住 宅 着 工 戸 数 の 見 通 し 14 図 表 利 用 形 態 別 の 住 宅 着 工 戸 数 の 見 通 し 14 図 表 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 額 の 見 通 し 21 図 表 使 途 別 の 民 間 非 住 宅 建 築 着 工 床 面 積 の 見 通 し 21

5 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 1.1 国 内 建 設 投 資 の 動 向 ( 建 設 投 資 全 体 の 見 通 し) 2014 年 度 は 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 の 回 復 基 調 が 継 続 するものの 政 府 建 設 投 資 民 間 住 宅 投 資 が 前 年 度 比 で 減 少 するため 全 体 は 前 年 度 比 で 減 少 する 見 通 しである 2015 年 度 は 民 間 建 設 投 資 が 前 年 度 比 プラスで 推 移 するが 政 府 建 設 投 資 の 減 少 が 続 き 全 体 は 前 年 度 比 で 減 少 する 見 通 しである ( 政 府 建 設 投 資 の 見 通 し) 2014 年 度 は 2012 年 度 補 正 予 算 の 反 動 により 前 年 度 比 で 減 少 するものの 2013 年 度 の 補 正 予 算 と 2014 年 度 の 当 初 予 算 を 一 体 で 編 成 した 15 ヵ 月 予 算 の 効 果 が 発 現 することにより 2012 年 度 を 超 える 投 資 額 となる 見 通 し である 2015 年 度 は 来 年 度 予 算 の 全 体 像 が 現 時 点 では 不 明 であるため 国 の 直 轄 補 助 事 業 費 ( 当 初 予 算 )および 地 方 単 独 事 業 費 を 前 年 度 並 みと 仮 定 して 事 業 費 を 推 計 した 結 果 前 年 度 比 で 減 少 となる 見 通 しである 2015 年 度 は 15 カ 月 予 算 の 効 果 が 見 込 まれる 2014 年 度 から 大 幅 な 減 少 となっているが インフラ 老 朽 化 対 策 事 業 や 東 日 本 大 震 災 からの 復 興 などが 停 滞 することのないよう 適 切 な 予 算 配 分 が 望 まれる ( 民 間 住 宅 投 資 の 見 通 し) 2014 年 度 の 住 宅 着 工 戸 数 は 持 家 の 消 費 増 税 前 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 減 等 に より 減 少 は 避 けられないと 見 込 まれる 2015 年 度 は 2 度 目 の 消 費 増 税 を 見 込 んでいるが 増 税 時 期 が 年 度 の 中 心 になるため 駆 け 込 み 反 動 減 の 影 響 は 2014 年 度 に 比 べて 少 ないと 予 想 され 持 家 分 譲 戸 建 の 回 復 も 予 想 され ることから 前 年 度 比 横 ばいと 予 測 する 持 家 貸 家 分 譲 すべての 用 途 で 平 米 当 たり 単 価 の 上 昇 傾 向 が 確 認 できる 建 築 費 高 騰 は 企 業 の 採 算 悪 化 を 通 じ 住 宅 着 工 の 下 振 れリスクと 考 えられる ことから 引 き 続 き 動 向 を 注 視 する 必 要 がある ( 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 の 見 通 し) 海 外 経 済 の 緩 やかな 回 復 や 円 安 基 調 を 背 景 とした 輸 出 増 により 製 造 業 の 生 産 企 業 の 収 益 も 高 まることが 予 想 され 着 工 床 面 積 の 回 復 基 調 が 継 続 する ことから 2014 年 度 2015 年 度 共 に 前 年 度 比 プラスで 推 移 する 見 込 みであ る 2010 年 度 以 降 下 落 傾 向 にあった 平 米 単 価 は 2012 年 度 を 底 に 2013 年 度 に は 前 年 度 比 でプラスに 転 じ 2014 年 度 に 入 っても 回 復 基 調 が 継 続 している - 1 -

6 ( 被 災 3 県 の 建 設 投 資 動 向 ) 公 共 工 事 受 注 額 は 復 旧 復 興 事 業 により 大 幅 な 増 加 が 続 いているが 技 能 労 働 者 不 足 の 常 態 化 や 資 材 価 格 の 上 昇 等 による 入 札 不 調 が 起 こっており それ らの 問 題 に 対 する 取 り 組 みにより 一 日 も 早 い 復 興 が 実 現 することが 期 待 さ れる 住 宅 着 工 戸 数 は 持 家 は 住 宅 再 建 に 向 けた 動 きが 本 格 化 しつつあり 貸 家 は 住 民 の 仮 住 まいおよび 復 興 事 業 従 事 者 の 需 要 を 見 込 んだと 思 われる 動 きがあることから 増 加 基 調 が 継 続 している 非 住 宅 建 築 着 工 床 面 積 は 足 元 の 2014 年 4 月 7 月 では 前 年 同 期 比 で 若 干 弱 含 んでいるものの 投 資 額 は 震 災 前 の 2010 年 度 を 上 回 る 水 準 で 推 移 して おり 引 き 続 き 特 別 補 助 金 制 度 による 産 業 振 興 策 等 が 被 災 3 県 における 非 住 宅 建 築 投 資 を 押 し 上 げることが 予 想 される ( 地 域 別 の 建 設 投 資 動 向 ) 今 号 では 当 研 究 所 が 2014 年 7 月 24 日 に 公 表 した 建 設 経 済 モデルによる 建 設 投 資 の 見 通 し(2014 年 7 月 推 計 ) を 基 に 推 計 期 間 を 1 年 延 長 した 上 で 地 域 別 の 投 資 額 を 算 出 した 今 回 は 2014 年 度 の 地 域 別 投 資 額 を 算 出 する 上 で 2013 年 度 の 地 域 別 比 率 を 採 用 する 手 法 を 用 いた 地 域 別 出 来 高 を 時 系 列 で 比 較 すると 2013 年 度 は 東 北 地 方 のシェアが 震 災 に よる 復 旧 復 興 需 要 で 増 加 している 東 北 は 2010 年 度 比 で 約 80% 増 となっている 政 府 土 木 投 資 が 全 体 を 押 し 上 げ ており 全 国 に 占 める 割 合 も 増 加 している 一 方 三 大 都 市 圏 の 民 間 非 住 宅 投 資 について 中 部 近 畿 エリアはリーマンショック 前 のそれぞれ 約 75% 約 55%の 水 準 となっており 約 95%の 水 準 にまで 回 復 している 関 東 に 比 べ て 回 復 が 遅 れている 1.2 建 設 投 資 動 向 分 析 ( 住 宅 店 舗 ) ( 住 宅 ) バブル 経 済 期 以 降 の 住 宅 着 工 戸 数 は 全 体 として 減 少 傾 向 である その 中 で 着 工 戸 数 の 上 昇 局 面 は バブル 崩 壊 からの 1996 年 度 の 消 費 増 税 前 の 駆 け 込 み までの 回 復 1997 年 度 以 降 の 消 費 増 税 の 反 動 減 と 金 融 危 機 による 減 少 から の 2006 年 度 までの 景 気 拡 大 による 回 復 2009 年 度 のリーマンショックによ る 減 少 からの 震 災 復 興 を 経 た 消 費 増 税 駆 け 込 みによる 2013 年 度 の 回 復 に 時 期 的 に 大 別 される 利 用 関 係 別 の 状 況 について 動 向 分 析 を 行 った 地 域 別 の 住 宅 着 工 戸 数 の 推 移 において 前 回 消 費 増 税 時 の 1997 年 度 と 2013 年 度 を 比 較 すると 全 国 は 26%であった 関 東 は 17%で 全 国 における 関 東 の 占 める 割 合 は 37%から 41%と 高 くなっている また 他 地 域 や 各 利 用 関 係 における 推 移 についても 分 析 を 行 った 2013 年 度 の 新 設 住 宅 着 工 戸 数 は 主 に 消 費 増 税 前 の 駆 け 込 みによる 持 家 相 続 増 税 対 策 も 併 せた 貸 家 の 着 工 増 により 大 幅 な 増 加 がみられた( 前 年 比 10.6% 増 98.7 万 戸 ) 利 用 関 係 別 では 持 家 が 11.5% 増 貸 家 が 15.3% 増 分 譲 マンションが 0.2% 分 譲 戸 建 が 7.5% 増 であった 2014 年 度 4~7 月 の 新 設 住 宅 着 工 戸 数 は 前 年 同 期 比 で 10.6%であり 貸 家 が 堅 調 を 継 続 しているものの 持 家 の 消 費 増 税 前 の 駆 け 込 みによる 反 動 減 と 受 注 減 建 築 費 上 昇 による 分 譲 マンションの 供 給 減 により 全 体 の 着 工 数 が 減 少 している ( 持 家 : 同 20.9% 貸 家 :2.0% 増 分 譲 マンション: 25.4% - 2 -

7 分 譲 戸 建 : 2.8%) 2013 年 度 後 半 より 特 に 分 譲 マンションで 人 手 不 足 等 による 建 築 費 の 上 昇 の 影 響 が 顕 著 になっており 持 家 等 の 他 の 利 用 関 係 に 対 する 影 響 にも 注 意 が 必 要 である 持 家 については 2014 年 4 月 の 消 費 増 税 における 駆 け 込 みの 反 動 減 にとどまらない 受 注 減 が 現 れている 着 工 戸 数 の 維 持 には 税 制 等 におい て 更 なる 優 遇 措 置 が 必 要 ではないかと 推 察 される ( 店 舗 ) 店 舗 出 来 高 の 地 域 ブロック 別 シェアの 推 移 を 見 ると 関 東 は 2013 年 度 で 全 国 の 約 4 割 を 占 めており 長 期 的 にシェアを 拡 大 させている 一 方 近 畿 は 約 1 割 を 占 めているが そのシェアは 減 少 傾 向 にあり 中 部 についてはほぼ 横 ばいで 推 移 している また 関 東 に 着 目 すると 2013 年 度 は 東 京 と 千 葉 で 集 中 的 な 店 舗 投 資 が 行 われたことが 推 察 される 2013 年 度 の 店 舗 着 工 床 面 積 の 内 34.5%を 上 位 20 の 市 区 町 村 で 占 めており 人 口 が 集 積 する 政 令 指 定 都 市 で 多 くの 商 業 施 設 が 建 設 されている また 店 舗 が 立 地 している 場 所 に 着 目 すると 郊 外 型 の 商 業 施 設 ではなく 駅 前 駅 近 の 都 市 型 商 業 施 設 が 多 く 建 設 されている 大 店 立 地 法 届 け 出 面 積 の 業 態 別 シェアの 推 移 を 見 ると 2013 年 度 は 総 合 ス ーパーが 32.1%と 最 大 であり 2012 年 度 よりシェアを 増 加 させている 一 方 ホームセンター 食 品 スーパー 家 電 量 販 店 はシェアを 低 下 させている が ドラッグストアは 1 店 舗 当 たりの 床 面 積 が 小 さいにも 関 わらず シェア をここ 数 年 間 伸 ばし 続 けている 大 店 立 地 法 届 け 出 件 数 の 業 態 別 シェアの 推 移 を 見 ると 2013 年 度 はこれま で 最 大 のシェアを 維 持 してきた 食 品 スーパーとドラッグストアの 順 位 が 入 れ 替 わり ドラッグストアが 23.2%と 最 大 のシェアとなっている 日 本 フランチャイズチェーン 協 会 に 加 盟 する 10 社 のコンビニエンススト ア 店 舗 数 と 売 上 高 の 推 移 を 見 ると 2014 年 6 月 に 店 舗 数 は 初 の 5 万 店 を 超 え それに 比 例 する 形 で 売 上 高 も 増 加 基 調 が 継 続 している 近 年 の 店 舗 床 面 積 の 拡 大 に 安 定 的 に 寄 与 している 業 態 は 大 型 ショッピング モールに 代 表 される 総 合 スーパー であると 考 えられる 一 方 件 数 ベー スで 見 ていくとドラッグストアやコンビニエンスストアの 増 加 傾 向 が 見 ら れ 1 店 舗 当 たりの 床 面 積 は 小 さいもののこうした 業 態 も 床 面 積 の 拡 大 に 少 なからず 寄 与 していると 推 察 される 食 品 スーパー コンビニエンスストア ドラッグストアによる 業 態 を 超 えた 競 争 が 始 まっており 今 後 の 店 舗 投 資 に 大 きな 影 響 を 与 える 可 能 性 がある 1.3 地 域 別 の 社 会 資 本 整 備 動 向 ~ 中 国 ブロック~ ( 中 国 ブロックの 現 状 および 課 題 ) 中 国 ブロック( 鳥 取 島 根 岡 山 広 島 山 口 )は 製 造 業 中 心 の 産 業 構 造 であり 周 囲 が 海 であることから 数 多 くの 港 湾 を 有 し それらが 物 流 に 貢 献 している 少 子 高 齢 化 の 進 行 が 全 国 よりも 早 く 特 に 中 山 間 地 域 においては 顕 著 であ る また 中 小 規 模 の 都 市 が 分 散 する 地 域 構 造 であること 等 から 交 通 ネット ワークの 整 備 が 求 められている - 3 -

8 ( 主 要 プロジェクト 等 の 動 向 と 期 待 される 効 果 ) 中 国 ブロックはものづくり 産 業 が 盛 んな 地 域 であり 産 業 競 争 力 を 強 化 する ためにも 港 湾 整 備 による 物 流 の 円 滑 化 が 必 要 である 国 際 バルク 戦 略 港 湾 で ある 水 島 港 及 び 徳 山 下 松 港 をはじめ 各 港 湾 の 機 能 強 化 が 進 められている 水 島 港 は 国 際 バルク 戦 略 港 湾 では 国 内 で 唯 一 穀 物 および 鉄 鉱 石 の 2 品 目 で 選 定 された 港 湾 である 玉 島 地 区 の 沖 に 造 成 されている 人 工 島 ( 玉 島 ハー バーアイランド)にある 6 号 埠 頭 は 岡 山 県 初 の 本 格 的 外 国 貿 易 専 用 埠 頭 と なっている 2016 年 度 には 生 産 拠 点 である 水 島 地 区 と 物 流 拠 点 である 玉 島 地 区 を 結 ぶ 臨 港 道 路 新 高 梁 川 橋 梁 ( 仮 称 ) が 供 用 予 定 である 徳 山 下 松 港 では 周 南 バルクターミナル 株 式 会 社 が 設 立 され 瀬 戸 内 海 全 体 に 対 する 輸 入 石 炭 のコールセンターとしての 業 務 を 提 供 している 2014 年 3 月 港 湾 計 画 に 増 深 を 主 とした 改 訂 が 行 われた 輸 送 船 の 大 型 化 に 対 応 する ことで 二 港 寄 り 輸 送 が 可 能 となり 輸 送 の 効 率 化 が 期 待 される 中 国 ブロック 内 の 高 規 格 幹 線 道 路 としては 東 西 に 3 線 南 北 に 4 線 あり そのうち 山 陰 自 動 車 道 は 特 に 整 備 が 遅 れており 中 国 横 断 自 動 車 道 尾 道 松 江 線 は 2014 年 度 に 完 成 予 定 である 山 陰 自 動 車 道 は 鳥 取 島 根 山 口 3 県 を 東 西 に 結 ぶ 延 長 約 380 kmの 高 規 格 幹 線 道 路 であるが 整 備 率 は 約 40%にとどまっている 緊 急 時 の 広 域 的 な 代 替 路 としての 役 割 観 光 資 源 の 周 遊 性 の 向 上 物 流 コストの 低 減 による 産 業 活 性 化 等 の 効 果 が 期 待 される 中 国 横 断 自 動 車 道 尾 道 松 江 線 は 延 長 約 137 kmの 高 規 格 幹 線 道 路 である 松 江 自 動 車 道 が 2013 年 3 月 に 開 通 し 広 島 ~ 松 江 間 が 高 規 格 幹 線 道 路 でつ ながったため 島 根 県 広 島 県 の 観 光 客 数 の 増 加 や 企 業 間 交 流 の 増 加 等 の 効 果 があった 2014 年 度 中 に 全 線 開 通 することになり 観 光 企 業 活 動 等 の 効 果 が 尾 道 市 のある 広 島 県 東 部 にも 期 待 されるうえ 西 瀬 戸 自 動 車 道 を 経 由 し 山 陰 ~ 山 陽 ~ 四 国 の 連 携 が 強 化 されることが 期 待 される ( 中 山 間 地 域 対 策 ) 中 国 ブロックの 中 山 間 地 域 は 高 齢 化 が 全 国 に 先 行 して 進 んでいるが 多 面 的 公 益 的 な 役 割 を 果 たす 中 山 間 地 域 を 維 持 するため 各 県 は 条 例 の 制 定 等 様 々な 取 り 組 みを 行 っている 島 根 県 中 山 間 地 域 研 究 センターでは 生 活 サービス 提 供 機 能 を 集 約 した 一 次 拠 点 ( 郷 の 駅 )を 範 囲 の 経 済 ( 多 目 的 )で 支 え 郷 の 駅 を 束 ねる 二 次 拠 点 三 次 拠 点 を 規 模 の 経 済 ( 単 一 目 的 )を 支 えるという 役 割 分 担 ( 郷 の 駅 構 想 ) を 提 言 している 小 規 模 集 落 が 多 い 中 山 間 地 域 においては 日 常 生 活 サービ ス 機 能 を 集 約 し そこから 各 集 落 へのアクセスを 確 保 する 小 さな 拠 点 + ネットワーク という 仕 組 みが 現 実 的 と 考 えられる ( 中 国 ブロックにおける 建 設 投 資 の 将 来 展 望 ) 政 府 建 設 投 資 は 2011 年 度 にはピーク(1998 年 度 ) 比 で 55.4%の 減 少 とな っている 今 後 は 防 災 減 災 対 策 社 会 資 本 老 朽 化 対 策 高 規 格 道 路 の 未 整 備 区 間 の 解 消 等 のために 公 共 投 資 の 確 保 が 望 まれる 民 間 住 宅 投 資 は 今 後 人 口 減 少 傾 向 が 続 く 中 で 中 長 期 的 には 減 少 していく ものと 考 えられるが 高 規 格 道 路 の 整 備 などによる 通 勤 圏 の 拡 大 等 により 地 域 によっては 増 加 が 期 待 できる 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 は 港 湾 機 能 強 化 による 工 場 や 物 流 倉 庫 の 立 地 高 規 格 道 路 の 整 備 により 流 入 人 口 が 増 加 することによる 商 業 施 設 等 の 建 築 等 地 域 によっては 増 加 が 期 待 できる - 4 -

9 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 1.1 国 内 建 設 投 資 の 動 向 はじめに 1992 年 度 をピークに 長 らく 減 少 傾 向 が 続 いてきた 我 が 国 の 建 設 投 資 は 東 日 本 大 震 災 発 生 後 の 復 旧 復 興 需 要 により 押 し 上 げられ 2010 年 度 を 底 に 増 加 に 転 じた 東 日 本 大 震 災 の 被 害 額 は 約 16.9 兆 円 と 推 計 されており 1 これは 阪 神 淡 路 大 震 災 の 被 害 総 額 約 9.6 兆 円 の 1.8 倍 に 達 する このような 甚 大 な 被 害 から 一 刻 も 早 く 立 ち 直 るため 復 興 庁 をはじ めとして 各 省 庁 が 復 興 加 速 化 のため 様 々な 取 り 組 みを 実 施 に 移 している 復 興 庁 は 東 日 本 大 震 災 の 集 中 復 興 期 間 (5 年 )の 最 終 年 度 にあたる 2015 年 度 までに 財 源 として 用 意 して いる 25 兆 円 を 予 算 上 は 全 て 使 い 切 る 計 画 を 示 しているが 人 手 不 足 等 に 起 因 する 工 事 進 捗 の 遅 れが 懸 念 され 復 興 事 業 の 更 なる 円 滑 化 が 期 待 される 一 方 民 間 建 設 投 資 は 2014 年 4 月 の 消 費 増 税 による 住 宅 投 資 の 反 動 減 が 発 生 しているものの リーマンショック 後 の 大 幅 な 落 ち 込 みから 緩 やかな 回 復 基 調 が 継 続 している 以 下 本 節 では 我 が 国 の 建 設 投 資 について 当 研 究 所 が 2014 年 7 月 24 日 に 公 表 した 建 設 経 済 モデルによる 建 設 投 資 の 見 通 し(2014 年 7 月 推 計 ) の 結 果 を 基 本 とし そ の 後 の 統 計 資 料 を 踏 まえ 最 新 の 建 設 投 資 動 向 ( 全 国 および 被 災 3 県 )を 概 観 する また 2014 年 4 月 の 消 費 増 税 の 結 果 民 間 住 宅 を 中 心 として 駆 け 込 みによる 反 動 減 が 顕 在 化 し つつあり 2015 年 10 月 に 10%への 増 税 が 控 える 中 これらが 住 宅 着 工 戸 数 に 与 える 影 響 を 考 察 する さらに 当 研 究 所 では 60 号 レポートから 地 域 別 の 建 設 投 資 額 推 計 を 始 め 61 号 レポー トにおいて 年 度 の 地 域 別 の 建 設 投 資 額 推 計 を 行 うと 共 に 地 域 別 投 資 を 更 に 四 半 期 別 に 細 分 化 する 手 法 を 考 察 した 今 回 は 前 号 (62 号 レポート)に 引 き 続 き 将 来 的 に 建 設 経 済 モデルによる 建 設 投 資 の 見 通 し の 公 表 時 に 地 域 別 数 値 も 合 わせて 公 表 することを 念 頭 におき 2014 年 度 までの 地 域 別 の 建 設 投 資 額 推 計 を 行 う 1 ( 出 典 ) 内 閣 府 ( 防 災 担 当 ) 東 日 本 大 震 災 における 被 害 額 の 推 計 について (2011 年 6 月 24 日 ) - 5 -

10 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 これまでの 建 設 投 資 の 推 移 図 表 は 我 が 国 の 実 質 GDP 成 長 率 の 推 移 を 図 表 は 我 が 国 の 名 目 建 設 投 資 ( 政 府 民 間 土 木 建 築 別 )と 名 目 GDP 比 率 の 推 移 を 図 表 は 実 質 建 設 投 資 の 推 移 を 示 したものである 高 度 経 済 成 長 期 において 政 府 民 間 とも 着 実 に 増 加 を 続 け てきた 建 設 投 資 は 1980 年 代 初 めから 政 府 が 優 先 課 題 として 取 り 組 んだ 財 政 再 建 の 影 響 を 受 けて 公 共 事 業 費 が 伸 び 悩 んだこと 民 間 建 築 部 門 も 住 宅 建 築 を 中 心 に 落 ち 込 んだこと 等 から 一 時 的 に 減 少 した その 後 バブル 経 済 期 を 迎 えた 我 が 国 経 済 の 勢 いに 引 っ 張 られる 形 で 建 設 投 資 は 再 び 増 加 基 調 に 入 り 1992 年 度 は 過 去 最 高 となる 84 兆 円 を 記 録 したが その 勢 いも 長 くは 続 かず バブル 経 済 の 崩 壊 により 特 に 民 間 建 設 投 資 が 減 少 局 面 に 入 り その 後 政 府 建 設 投 資 も 財 政 構 造 改 革 の 流 れの 中 で 大 幅 な 減 少 傾 向 となり 建 設 投 資 全 体 と して 長 期 低 迷 が 続 いてきた 2011 年 3 月 に 発 生 した 東 日 本 大 震 災 からの 復 旧 復 興 需 要 等 による 政 府 建 設 投 資 の 増 加 およびリーマンショックから 徐 々に 立 ち 直 りつつある 民 間 投 資 が 緩 やかな 回 復 基 調 に 乗 っ たことにより 長 期 にわたって 続 いてきた 建 設 投 資 の 低 迷 は 2010 年 度 の 41.9 兆 円 を 底 に 回 復 に 転 じ 現 在 は 緩 やかな 回 復 基 調 にある 2013 年 度 の 名 目 建 設 投 資 は 前 年 度 比 10.2% 増 の 48.7 兆 円 2となり 1990 年 度 以 来 の 二 桁 増 となった 図 表 実 質 GDP 成 長 率 の 推 移 (%) 14.0 実 績 見 通 し ( 年 度 ) ( 出 典 )2013 年 度 までは 内 閣 府 国 民 経 済 計 算 年 度 は 当 研 究 所 建 設 経 済 モデルによ る 建 設 投 資 の 見 通 し(2014 年 7 月 推 計 ) による なお 1980 年 度 以 前 は 平 成 2 年 基 準 (68SNA) 年 度 は 平 成 12 年 基 準 (93SNA) 1995 年 度 以 降 は 平 成 17 年 基 準 (93SNA) による 2 国 土 交 通 省 平 成 26 年 度 建 設 投 資 見 通 し による - 6 -

11 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 図 表 名 目 建 設 投 資 と 名 目 GDP 比 率 の 推 移 ( 兆 円 ) ピーク:84.0 兆 円 見 込 み 見 通 し 25% 20% 底 :41.9 兆 円 名 目 政 府 土 木 投 資 名 目 政 府 建 築 投 資 名 目 民 間 土 木 投 資 名 目 民 間 建 築 投 資 建 設 投 資 のGDP 比 率 政 府 建 設 投 資 のGDP 比 率 15% 10% 5% 0% ( 年 度 ) ( 出 典 ) 名 目 建 設 投 資 は 2013 年 度 までは 国 土 交 通 省 平 成 26 年 度 建 設 投 資 見 通 し 年 度 は 当 研 究 所 建 設 経 済 モデルによる 建 設 投 資 の 見 通 し(2014 年 7 月 推 計 ) による 図 表 実 質 建 設 投 資 の 推 移 ( 兆 円 ) 90 見 込 み 見 通 し 実 質 政 府 土 木 投 資 実 質 政 府 建 築 投 資 実 質 民 間 土 木 投 資 実 質 民 間 建 築 投 資 ( 出 典 ) 実 質 建 設 投 資 は 図 表 と 同 様 ( 注 ) 実 質 建 設 投 資 は 2005 年 度 基 準 ( 年 度 ) 図 表 は 建 設 業 就 業 者 数 の 推 移 を 示 したものである 経 済 動 向 および 建 設 投 資 の 推 移 と 若 干 のタイムラグはみられるものの 概 ね 建 設 投 資 の 推 移 と 同 様 の 増 加 減 少 傾 向 を 辿 っている 2010 年 度 を 底 に 回 復 しつつある 建 設 投 資 に 連 動 する 形 で 建 設 業 就 業 者 数 も 増 加 することが 望 まれるが 技 術 者 技 能 労 働 者 の 高 齢 化 や 若 年 層 入 職 者 数 が 依 然 として 少 ないこと 等 問 題 が 山 積 しており 労 働 者 不 足 の 問 題 は 未 だ 解 決 に 至 っていない 直 近 では 社 会 保 険 未 加 入 対 策 等 について 官 民 が 一 体 となって 動 いているところであるが 労 働 環 境 の 改 善 等 入 職 者 数 を 増 加 させるためのさらなる 取 り 組 みが 必 要 である - 7 -

12 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 ( 出 典 ) 総 務 省 労 働 力 調 査 図 表 建 設 業 就 業 者 数 の 推 移 ( 万 人 ) ( 年 ) 国 内 建 設 投 資 の 見 通 し (1) マクロ 経 済 の 動 向 東 日 本 大 震 災 発 生 後 の 停 滞 から 持 ち 直 し 緩 やかに 回 復 しつつある 日 本 経 済 は 2014 年 度 は 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 で 鈍 化 2015 年 度 は 2014 年 度 と 同 水 準 の 成 長 が 予 測 される 2014 年 度 は 個 人 消 費 や 住 宅 投 資 が 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 でマイナスに 転 じ 2013 年 度 補 正 予 算 を 含 めても 公 共 投 資 が 減 少 することから 成 長 力 は 鈍 化 する 見 通 しである 一 方 で 個 人 消 費 が 持 ち 直 しつつあることや 企 業 の 先 行 きに 対 する 見 方 に 改 善 の 兆 しが 見 ら れることに 加 え 名 目 賃 金 も 上 昇 傾 向 にあることから 経 済 の 好 循 環 を 拡 大 するための 取 り 組 みが 確 実 に 実 施 されることが 望 まれる 外 需 についても 海 外 景 気 の 底 堅 さ 等 を 背 景 に 次 第 に 持 ち 直 しに 向 かうことが 期 待 される なお 図 表 は 内 閣 府 月 例 経 済 報 告 による 景 気 の 基 調 判 断 の 推 移 を 示 したものである 2013 年 に 入 って 以 降 景 気 判 断 の 引 き 上 げが 続 き 2014 年 4 月 以 降 消 費 増 税 の 影 響 でやや 弱 含 みの 動 きも 見 られたが 7 月 発 表 では 消 費 増 税 の 影 響 を 受 けた 小 売 りや 新 車 販 売 に 下 げ 止 まりの 兆 候 が 出 てきたほか 企 業 と 消 費 者 の 景 況 感 に 改 善 の 兆 しが 示 されたことが 寄 与 し 上 方 修 正 され 8 月 も 据 え 置 か れた 直 近 の 9 月 は 景 気 判 断 が 5 ヵ 月 ぶりに 下 方 修 正 され 特 に 個 人 消 費 について 足 踏 み 感 が 見 られるとしている ただし 労 働 市 場 の 回 復 雇 用 所 得 環 境 の 改 善 があり 緩 やかな 回 復 基 調 が 続 いている との 見 方 は 変 わっていない 状 況 である 2015 年 度 は 10 月 に 予 定 されている 消 費 増 税 により 個 人 消 費 や 住 宅 投 資 が 年 度 前 半 に 駆 け 込 み 需 要 の 影 響 で 増 加 するものの 年 度 後 半 には 反 動 により 減 速 すると 予 測 する ま た 公 的 固 定 資 本 形 成 についても 2013 年 度 補 正 予 算 が 執 行 される 2014 年 度 と 比 較 して 減 少 すると 予 測 されることから 2014 年 度 に 引 き 続 き 持 続 的 な 経 済 成 長 につながる 取 り 組 みが 期 待 される - 8 -

13 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 なお 下 振 れリスクとしては 消 費 増 税 による 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 減 からの 回 復 の 遅 れ や 中 国 をはじめとするアジア 経 済 の 回 復 の 鈍 化 中 東 情 勢 の 悪 化 などが 挙 げられる 図 表 内 閣 府 月 例 経 済 報 告 における 景 気 の 基 調 判 断 ( 出 典 ) 内 閣 府 月 例 経 済 報 告 (2) 建 設 投 資 全 体 の 見 通 し 当 研 究 所 は 2014 年 7 月 24 日 に 公 表 した 建 設 経 済 モデルによる 建 設 投 資 の 見 通 し(2014 年 7 月 推 計 ) において 2014 年 度 の 名 目 建 設 投 資 を 前 年 度 比 1.8%の 47 兆 8,600 億 円 2015 年 度 の 名 目 建 設 投 資 を 同 3.8%の 46 兆 200 億 円 と 予 測 した 政 府 建 設 投 資 は 公 共 投 資 の 削 減 で 減 少 が 続 いてきたが 2011 年 度 に 発 生 した 東 日 本 大 震 災 からの 復 興 のため 多 額 の 震 災 関 連 予 算 が 執 行 されており 緩 やかな 回 復 基 調 にある 中 2013 年 度 は 前 年 度 大 型 補 正 予 算 の 本 格 実 施 等 により 2 桁 の 増 加 となった 2014 年 度 につ いては 2012 年 度 補 正 予 算 の 反 動 により 前 年 度 比 で 減 少 するものの 2013 年 度 の 補 正 予 算 と 2014 年 度 の 当 初 予 算 を 一 体 で 編 成 した 15 ヵ 月 予 算 の 効 果 が 発 現 することにより 2012 年 度 を 超 える 投 資 額 となる 見 通 しである 2015 年 度 については 来 年 度 予 算 の 全 体 像 が 現 時 点 では 不 明 であるため 国 の 直 轄 補 助 事 業 費 ( 当 初 予 算 )および 地 方 単 独 事 業 費 を 前 年 度 並 みと 仮 定 して 事 業 費 を 推 計 した 結 果 前 年 度 比 で 減 少 となる 見 通 しである 15 ヵ 月 予 算 の 効 果 が 見 込 まれる 2014 年 度 から 大 幅 な 減 少 となっているが インフラ 老 朽 化 対 策 事 業 や 東 日 本 大 震 災 からの 復 興 などが 停 滞 することのないよう 適 切 な 予 算 配 分 が 望 まれる 民 間 建 設 投 資 は リーマンショックによる 停 滞 がみられたが 設 備 投 資 の 回 復 や 消 費 マ インドの 改 善 により 震 災 後 は 緩 やかな 回 復 基 調 にある 2014 年 度 については 民 間 住 宅 投 資 は 持 家 の 駆 け 込 み 需 要 反 動 減 等 により 減 少 は 避 けられないと 見 込 まれる 一 方 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 は 緩 やかな 回 復 が 継 続 するため 民 間 建 設 投 資 全 体 では 回 復 基 調 が 継 続 す 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 弱 い 動 き と な っ て い る が 一 部 に 下 げ 止 ま り の 兆 し も み ら れ る 一 部 に 弱 さ が 残 る も の の 下 げ 止 ま っ て い る 一 部 に 弱 さ が 残 る も の の こ の と こ ろ 持 ち 直 し の 動 き が み ら れ る 一 部 に 弱 さ が 残 る も の の こ の と こ ろ 持 ち 直 し の 動 き が み ら れ る 緩 や か に 持 ち 直 し て い る 着 実 に 持 ち 直 し て い る 着 実 に 持 ち 直 し て お り 自 律 的 回 復 に 向 け た 動 き も み ら れ る 着 実 に 持 ち 直 し て お り 自 律 的 回 復 に 向 け た 動 き も み ら れ る 緩 や か に 回 復 し つ つ あ る 緩 や か に 回 復 し つ つ あ る 緩 や か に 回 復 し つ つ あ る 緩 や か に 回 復 し つ つ あ る 景 気 は 緩 や か に 回 復 し て い る 景 気 は 緩 や か に 回 復 し て い る 景 気 は 緩 や か に 回 復 し て い る 景 気 は 緩 や か な 回 復 基 調 が 続 い て い る が 消 費 税 率 引 上 げ に 伴 う 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 に よ り こ の と こ ろ 弱 い 動 き も み ら れ る 景 気 は 緩 や か な 回 復 基 調 が 続 い て い る が 消 費 税 率 引 上 げ に 伴 う 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 に よ り こ の と こ ろ 弱 い 動 き も み ら れ る 景 気 は 緩 や か な 回 復 基 調 が 続 い て い る が 消 費 税 率 引 上 げ に 伴 う 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 に よ り こ の と こ ろ 弱 い 動 き も み ら れ る 景 気 は 緩 や か な 回 復 基 調 が 続 い て お り 消 費 税 率 引 上 げ に 伴 う 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 も 和 ら ぎ つ つ あ る 景 気 は 緩 や か な 回 復 基 調 が 続 い て お り 消 費 税 率 引 上 げ に 伴 う 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 も 和 ら ぎ つ つ あ る 景 気 は こ の と こ ろ 一 部 に 弱 さ も み ら れ る が 緩 や か な 回 復 基 調 が 続 い て い る 2013 年 2014 年

14 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 る 見 通 しである 2015 年 度 については 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 は 前 年 度 と 同 様 の 傾 向 が 予 測 され 民 間 住 宅 投 資 は 2 度 目 の 消 費 増 税 を 見 込 んでいるが 増 税 時 期 が 年 度 の 中 心 になる ため 駆 け 込 み 反 動 減 の 影 響 は 2014 年 度 に 比 べて 少 ないと 予 想 され 持 家 分 譲 戸 建 の 回 復 も 想 定 しており 民 間 建 設 投 資 全 体 では 緩 やかな 回 復 基 調 が 継 続 する 見 通 しである 図 表 名 目 建 設 投 資 の 見 通 し ( 兆 円 ) % ( 年 度 ) 名 目 政 府 建 設 投 資 名 目 民 間 住 宅 投 資 名 目 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 建 設 投 資 のGDP 比 (%) 25% 20% 15% 10% 5% 年 度 図 表 建 設 投 資 額 の 見 通 し ( 単 位 : 億 円 実 質 値 は2005 年 度 価 格 ) 2012 ( 見 込 み) 2013 ( 見 込 み) 2014 ( 見 通 し) ( 出 典 ) 名 目 建 設 投 資 は 2013 年 度 までは 国 土 交 通 省 平 成 26 年 度 建 設 投 資 見 通 し 2014~15 年 度 は 当 研 究 所 建 設 経 済 モデルによる 建 設 投 資 の 見 通 し(2014 年 7 月 推 計 ) による 2015 ( 見 通 し) 名 目 建 設 投 資 790, , , , , , , , ,200 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 0.3% -3.4% -2.4% -2.4% 3.3% 2.1% 10.2% -1.8% -3.8% 名 目 政 府 建 設 投 資 351, , , , , , , , ,600 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 5.8% -6.2% -8.9% 0.3% 3.5% 0.4% 10.2% -5.1% -12.2% ( 寄 与 度 ) 名 目 民 間 住 宅 投 資 243, , , , , , , , ,800 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) -5.2% -2.2% 0.3% 1.1% 3.1% 5.3% 11.7% -2.8% 1.8% ( 寄 与 度 ) 名 目 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 195, , , , , , , , ,800 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) -1.8% 0.7% 4.0% -10.0% 3.1% 1.0% 8.4% 5.2% 2.0% ( 寄 与 度 ) 実 質 建 設 投 資 779, , , , , , , , ,900 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 0.2% -3.6% -3.5% -2.7% 1.8% 3.5% 7.7% -4.7% -5.1%

15 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 (3) 政 府 建 設 投 資 の 見 通 し (2014 年 度 は 2013 年 度 を 下 回 るものの 2012 年 度 を 超 える 投 資 額 を 維 持 2015 年 度 の 投 資 額 は 大 幅 な 減 少 の 見 通 し) 1995 年 度 の 35.2 兆 円 をピークに 減 少 傾 向 で 推 移 してきた 政 府 建 設 投 資 は 2010 年 度 に はピーク 時 の 5 割 程 度 の 水 準 まで 落 ち 込 んだ その 後 震 災 復 興 関 連 投 資 により 投 資 額 が 増 加 し 2013 年 度 は 前 年 度 比 10.2% 増 の 20.6 兆 円 となった 今 後 もしばらくは 復 興 事 業 に よる 下 支 えが 見 込 まれる 2014 年 7 月 24 日 に 公 表 した 当 研 究 所 の 予 測 では 2014 年 度 の 政 府 建 設 投 資 を 前 年 度 比 5.1%の19 兆 5,400 億 円 と 予 測 した 国 の 直 轄 補 助 事 業 費 ( 国 費 当 初 予 算 ベース)は 2014 年 度 予 算 の 内 容 を 踏 まえ 一 般 会 計 に 係 る 政 府 建 設 投 資 を 前 年 度 当 初 予 算 比 1.9% 増 東 日 本 大 震 災 特 別 会 計 に 係 る 政 府 建 設 投 資 を 同 8.4%と 見 込 んだ 上 で 事 業 費 を 推 計 した なお 2013 年 の 補 正 予 算 に 係 る 政 府 建 設 投 資 額 は 国 土 交 通 省 の 平 成 26 年 度 建 設 投 資 見 通 し で 試 算 された2.3 兆 円 程 度 を 採 用 し そのほとんどは 今 年 度 中 に 出 来 高 として 実 現 すると 考 えている 地 方 単 独 事 業 費 は 都 道 府 県 等 の 当 初 予 算 の 動 向 を 踏 まえ 前 年 度 比 3.3% 増 とした 2014 年 度 の 政 府 建 設 投 資 の 伸 び 率 は 前 年 度 比 マイナスであるが 2013 年 度 の 補 正 予 算 と 2014 年 度 の 当 初 予 算 を 一 体 で 編 成 した 15ヵ 月 予 算 の 効 果 が 発 現 することにより 2012 年 度 を 超 える 投 資 額 となる 見 通 しである 予 算 執 行 前 倒 しに 向 けた 数 値 目 標 が 設 けられ 最 新 単 価 を 反 映 した 予 定 価 格 の 設 定 や 入 札 契 約 手 続 きの 簡 素 化 など 円 滑 な 施 工 に 向 けた 施 策 が 進 められており 発 注 は 通 常 より も 円 滑 化 されるとみられる 一 方 で 技 能 労 働 者 の 人 手 不 足 も 続 いており 工 事 進 捗 が 遅 れるおそれも 大 きく 引 き 続 き 動 向 を 注 視 する 必 要 がある 2015 年 度 の 政 府 建 設 投 資 は 前 年 度 比 12.2%の 17 兆 1,600 億 円 と 予 測 した 来 年 度 予 算 の 全 体 像 が 現 時 点 では 不 明 であるため 2015 年 度 の 国 の 直 轄 補 助 事 業 費 ( 当 初 予 算 )および 地 方 単 独 事 業 費 を 前 年 度 並 みと 仮 定 して 事 業 費 を 推 計 した 15 ヵ 月 予 算 の 効 果 が 見 込 まれる 2014 年 度 から 大 幅 な 減 少 となっているが インフラ 老 朽 化 対 策 事 業 や 東 日 本 大 震 災 からの 復 興 などが 停 滞 することのないよう 適 切 な 予 算 配 分 が 望 まれる

16 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 図 表 名 目 政 府 建 設 投 資 の 見 通 し ( 兆 円 ) 見 込 み 見 通 し ( 前 年 度 比 ) 45% % % % % ( 年 度 ) 政 府 土 木 投 資 政 府 建 築 投 資 政 府 建 設 投 資 伸 び 率 年 度 図 表 政 府 建 設 投 資 額 の 見 通 し ( 見 込 み) ( 単 位 : 億 円 実 質 値 は2005 年 度 価 格 ) 2013 ( 見 込 み) 2014 ( 見 通 し) ( 出 典 )2013 年 度 までは 国 土 交 通 省 平 成 26 年 度 建 設 投 資 見 通 し 2014~15 年 度 は 当 研 究 所 建 設 経 済 モデルによる 建 設 投 資 の 見 通 し(2014 年 7 月 推 計 ) による 2015 ( 見 通 し) 名 目 政 府 建 設 投 資 351, , , , , , , , ,600 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 5.8% -6.2% -8.9% 0.3% 3.5% 0.4% 10.2% -5.1% -12.2% 名 目 政 府 建 築 投 資 56,672 40,004 20,527 22,096 21,433 21,600 26,900 25,300 20,800 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) -12.5% -12.0% -13.9% -0.1% -3.0% 0.8% 24.5% -5.9% -17.8% 名 目 政 府 土 木 投 資 295, , , , , , , , ,800 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 10.3% -5.2% -8.3% 0.3% 4.4% 0.4% 8.3% -5.0% -11.3% 実 質 政 府 建 設 投 資 347, , , , , , , , ,300 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 5.5% -6.5% -10.2% -0.3% 2.0% 1.6% 7.7% -7.8% -13.3%

17 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 (4) 住 宅 着 工 戸 数 の 見 通 し (2014 年 度 は 消 費 増 税 前 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 により 前 年 度 に 比 べ 減 少 2015 年 度 は 前 年 度 比 で 横 ばい ただし 人 手 不 足 等 の 建 設 費 高 騰 による 着 工 減 の 懸 念 あり) 2007 年 6 月 の 建 築 基 準 法 改 正 2008 年 9 月 のリーマンショックの 影 響 で 大 きく 減 少 し た 新 設 住 宅 着 工 戸 数 は 2010 年 度 以 降 は 住 宅 取 得 支 援 策 の 効 果 もあり 緩 やかに 増 加 して きた その 後 は 2011 年 3 月 に 発 生 した 東 日 本 大 震 災 の 影 響 や 各 種 支 援 制 度 終 了 に 伴 う 反 動 減 経 済 先 行 きの 懸 念 などにより 回 復 が 一 旦 停 滞 することはあったものの 2013 年 度 ま で 回 復 基 調 が 継 続 してきた 2014 年 7 月 24 日 に 公 表 した 当 研 究 所 の 予 測 では 2014 年 度 は 2015 年 からの 相 続 増 税 の 節 税 対 策 としての 貸 家 着 工 の 継 続 が 想 定 されるものの 住 宅 着 工 全 体 としては 持 家 の 駆 け 込 み 需 要 反 動 減 分 譲 マンションの 足 元 での 着 工 数 減 少 により 2013 年 度 に 比 べての 減 少 は 避 けられないと 見 込 む 2015 年 度 は 10 月 に 消 費 税 率 が 10%に 上 昇 することを 見 込 んでいるが 増 税 時 期 が 年 度 の 中 心 になるため 駆 け 込 み 反 動 減 の 影 響 は 2014 年 度 に 比 べて 少 ないと 予 想 され 持 家 分 譲 戸 建 の 着 工 戸 数 の 回 復 により 前 年 度 比 横 ばいを 想 定 している ただし 人 手 不 足 による 建 設 費 の 高 騰 等 が 懸 念 材 料 である 2014 年 度 の 着 工 戸 数 は 前 年 度 比 8.1%の 90.7 万 戸 2015 年 度 は 前 年 度 比 0.3% 増 の 91.0 万 戸 と 予 測 した 利 用 関 係 別 でみると 持 家 は 1 月 から 消 費 増 税 駆 け 込 みの 反 動 減 による 減 少 が 現 れ てきており 足 元 の 5 月 では 前 年 同 月 比 22.9%と 1997 年 の 消 費 増 税 時 と 同 様 の 減 少 と なっている 先 行 指 標 であるメーカー 受 注 速 報 では 6 月 まで 4 社 平 均 でほぼ 前 年 同 月 比 20%の 落 ち 込 みが 続 いており 着 工 戸 数 の 回 復 は 今 秋 以 降 になる 見 込 みである 2014 年 度 は 前 年 度 比 20.2%の 28.2 万 戸 2015 年 度 は 同 5.8% 増 の 29.8 万 戸 と 予 測 する 貸 家 は 2015 年 の 相 続 増 税 の 節 税 対 策 投 資 物 件 とサービス 付 き 高 齢 者 向 け 住 宅 の 好 調 により 消 費 増 税 後 も 着 工 戸 数 は 前 年 同 月 比 で 上 昇 が 続 いている メーカーの 受 注 速 報 も 昨 年 10 月 以 降 前 年 同 月 比 プラスで 推 移 している 足 元 の 着 工 受 注 の 状 況 が 底 堅 く 相 続 増 税 の 節 税 対 策 の 影 響 が 2015 年 半 ば 頃 まで 継 続 すると 予 想 されることから 2014 年 度 は 前 年 度 比 7.1% 増 の 39.6 万 戸 2015 年 度 は 同 3.5%の 38.2 万 戸 と 予 測 する 分 譲 は マンションの 2 月 5 月 の 着 工 戸 数 が 人 手 不 足 による 建 設 費 の 上 昇 等 に より 前 年 同 月 比 13.1%~ 43.1%と 落 ち 込 み その 影 響 が 続 くと 考 えられる 昨 年 10 月 以 降 も 契 約 率 3は 70% 以 上 であるものの 発 売 戸 数 が 6 月 に 前 年 同 月 比 28.9%と 5 ヵ 月 連 続 で 減 少 しており 供 給 戸 数 が 絞 られている 戸 建 は 消 費 増 税 後 の 反 動 減 により 1 月 以 降 減 少 傾 向 が 続 いているが 今 後 回 復 が 見 込 まれる 3 契 約 率 は( 株 ) 不 動 産 経 済 研 究 所 発 表 数 値 を 基 にした 首 都 圏 と 近 畿 圏 の 合 算 契 約 率 で 発 売 戸 数 は 同 研 究 所 発 表 の 首 都 圏 と 近 畿 圏 の 合 算 戸 数

18 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 図 表 住 宅 着 工 戸 数 の 見 通 し ( 千 戸 ) 1,600 1,484.7 実 績 見 通 し 1,400 1,200 1, , , ( 年 度 ) 持 家 貸 家 分 譲 (マンション 長 屋 建 ) 分 譲 ( 戸 建 ) 給 与 着 工 戸 数 年 度 全 体 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 持 家 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 貸 家 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 分 譲 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 図 表 利 用 形 態 別 の 住 宅 着 工 戸 数 の 見 通 し ( 戸 数 単 位 : 千 戸 投 資 額 単 位 : 億 円 ) 2014 ( 見 通 し) 2015 ( 見 通 し) 1, , , % -1.1% 4.7% -25.4% 5.6% 2.7% 6.2% 10.6% -8.1% 0.3% % -8.0% -4.0% -7.6% 7.5% -1.2% 3.8% 11.5% -20.2% 5.8% % -1.8% 10.8% -30.0% -6.3% -0.7% 10.7% 15.3% 7.1% -3.5% % 11.0% 6.1% -40.0% 29.6% 12.7% 4.4% 3.8% -13.7% 0.4% マンション 長 屋 建 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) -12.5% 13.4% 10.9% -58.9% 44.5% 22.8% 3.3% 0.1% -18.5% 0.8% 戸 建 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) -3.0% 6.9% -1.2% -10.6% 19.0% 4.0% 5.6% 7.5% -9.2% 0.0% 名 目 民 間 住 宅 投 資 243, , , , , , , , , ,800 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) -5.2% -2.2% 0.3% -21.6% 1.1% 3.1% 5.3% 11.7% -2.8% 1.8% ( 出 典 )2013 年 度 までは 国 土 交 通 省 平 成 26 年 度 建 設 投 資 見 通 し 建 築 着 工 統 計 調 査 報 告 年 度 は 当 研 究 所 建 設 経 済 モデルによる 建 設 投 資 の 見 通 し(2014 年 7 月 推 計 ) ( 注 ) 名 目 民 間 住 宅 投 資 は 2011 年 度 まで 実 績 年 度 は 見 込 み 年 度 は 見 通 し

19 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 2014 年 7 月 24 日 に 公 表 した 当 研 究 所 の 予 測 は 2014 年 5 月 公 表 分 までの 建 築 着 工 統 計 調 査 報 告 を 考 慮 したものであるが 2014 年 5 月 公 表 分 以 降 の 動 きをみると 持 家 を 中 心 として 消 費 増 税 の 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 減 が 表 れており 直 近 4 ヵ 月 (2014 年 4 月 -7 月 ) においては 前 年 同 期 比 10.6%となっている 持 家 については 前 年 同 月 比 で 6 ヵ 月 連 続 の 減 少 となっており その 内 5 ヵ 月 で 減 少 幅 が 二 桁 となる 等 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 減 からの 回 復 の 兆 候 は 見 られていない また 分 譲 住 宅 については 直 近 4 ヵ 月 (2014 年 4 月 -7 月 )は 前 年 同 期 比 14.0%となっているが これは 分 譲 マンション 長 屋 建 が 前 年 同 期 比 25.0%と 落 ち 込 んでいることが 主 因 と 考 えられる なお 2013 年 度 の 着 工 戸 数 を 2008 年 度 と 比 較 すると 消 費 者 の 住 宅 需 要 が 直 接 反 映 さ れる 持 家 および 分 譲 戸 建 は 当 時 の 水 準 を 上 回 っており 既 にリーマンショック 前 の 水 準 まで 回 復 したと 言 えるものの 景 気 に 大 きく 左 右 される 貸 家 および 分 譲 マン ションおよび 長 屋 建 は 回 復 基 調 にはあるものの 未 だリーマンショック 前 の 水 準 には 届 いていない 直 近 4 ヵ 月 (2014 年 4 月 -7 月 )について 2008 年 度 同 期 と 比 較 すると 戸 建 は 増 加 しているものの 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 減 の 影 響 が 大 きく 出 ている 持 家 を 含 めた 他 の 用 途 ではリーマンショック 前 より 低 い 水 準 となっている 着 工 戸 数 図 表 利 用 関 係 別 の 住 宅 着 工 戸 数 の 比 較 総 計 持 家 貸 家 分 譲 住 宅 前 年 比 着 工 戸 数 前 年 比 着 工 戸 数 前 年 比 着 工 戸 数 前 年 比 マンション 長 屋 建 着 工 戸 数 前 年 比 ( 単 位 : 戸 %) 2008 年 度 1,039, , , , , , 年 度 775, , , , , , 年 度 819, , , , , , 年 度 841, , , , , , 年 度 893, , , , , , 年 度 987, , , , , , 年 4 月 -09 年 7 月 263, , , , , , 年 4 月 -10 年 7 月 263, , , , , , 年 4 月 -11 年 7 月 286, , , , , , 年 4 月 -12 年 7 月 291, , , , , , 年 4 月 -13 年 7 月 326, , , , , , 戸 着 工 戸 数 建 前 年 比 14 年 4 月 -14 年 7 月 291, , , , , , 年 同 期 比 年 同 期 比 年 同 期 比 年 同 期 比 年 同 期 比 年 同 期 比 8.3 ( 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 築 着 工 統 計 報 告

20 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 また 図 表 は 民 間 住 宅 の 着 工 時 における 工 事 費 予 定 額 平 米 当 たり 単 価 の 推 移 を 見 たものであるが 直 近 の 7 月 は 全 体 で 18.0 万 円 /m2となっており 前 年 同 月 比 で 4.0% 上 昇 している 持 家 貸 家 分 譲 すべての 用 途 で 前 年 同 月 比 を 上 回 る 水 準 となっており 平 米 当 たり 単 価 の 上 昇 傾 向 が 確 認 できる 現 在 建 築 費 高 騰 を 原 因 として 特 に 郊 外 では 分 譲 マンションの 着 工 を 見 送 る 動 きがあ り マンション 販 売 計 画 の 見 直 しを 検 討 し 始 めている 企 業 も 出 てきている 建 築 費 高 騰 は 企 業 の 採 算 悪 化 を 通 じ 住 宅 着 工 の 下 振 れリスクと 考 えられることから 引 き 続 き 動 向 を 注 視 する 必 要 がある 図 表 利 用 関 係 別 の 1 m2 当 たり 工 事 費 予 定 額 の 推 移 ( 万 円 /m2) 全 体 持 家 貸 家 分 譲 ( 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 築 着 工 統 計 報 告

21 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 ( 消 費 増 税 前 駆 け 込 み 需 要 と 反 動 減 の 現 状 ) 図 表 は 住 宅 着 工 戸 数 ( 持 家 )の 前 年 同 月 比 推 移 を 見 たものであるが 前 回 増 税 時 ほど 駆 け 込 みは 発 生 しなかったものの 2014 年 1 月 から 消 費 増 税 駆 け 込 みの 反 動 減 と 見 られる 減 少 が 始 まっており 足 元 の 7 月 では 前 年 同 月 比 25.3%と 6 ヵ 月 連 続 の 減 少 と なっている また 図 表 は 戸 建 注 文 住 宅 4 社 4 受 注 速 報 平 均 の 前 年 同 月 比 推 移 で あるが 8 月 まで 前 年 同 月 比 20% 超 の 落 込 みが 続 いており 持 家 の 着 工 戸 数 の 回 復 は 今 秋 以 降 となる 見 込 みである 図 表 住 宅 着 工 戸 数 ( 持 家 )の 前 年 同 月 比 推 移 40.0% 20.0% 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 30.1% 33.2% 26.1% 24.8% 24.6% 20.4% 18.5% 17.6% 19.1% 17.5% 13.5% 13.8% 14.2% 11.1% 11.2% 22.6% 6.9% 14.2% 5.9% 1.3% 2.3% 16.1% 10.9% 0.4% 11.4% 19.0% 13.0% 22.9% 25.3% 21.7% 17.8% 27.8% 31.9% 29.4% 28.3% 26.7% 37.6% 40.3% 39.2% 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 1996 年 度 1997 年 度 2013 年 度 2014 年 度 ( 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 築 着 工 統 計 報 告 図 表 戸 建 注 文 住 宅 4 社 受 注 速 報 平 均 の 前 年 同 月 比 推 移 (%) 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 2013~2014 年 度 4 社 平 均 2012~2013 年 度 4 社 平 均 ( 出 典 ) 各 社 IR 資 料 を 基 に 当 研 究 所 作 成 4 積 水 ハウス 株 式 会 社 ミサワホーム 株 式 会 社 大 和 ハウス 工 業 株 式 会 社 パナホーム 株 式 会 社 の 4 社

22 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 一 方 図 表 は 住 宅 着 工 戸 数 ( 貸 家 )の 前 年 同 月 比 推 移 を 見 たものであるが 前 回 の 消 費 増 税 時 は 12 月 頃 から 反 動 減 による 減 少 と 見 られる 動 きが 始 まっていたのに 対 し 今 回 は 落 ち 込 むことなく 6 月 まで 前 年 同 月 比 で 上 昇 が 続 いてきたが 7 月 は 前 年 同 月 比 7.7%と 17 ヵ 月 ぶりに 減 少 に 転 じた 貸 家 の 好 調 の 背 景 には 2015 年 の 相 続 増 税 の 節 税 対 策 投 資 物 件 とサービス 付 き 高 齢 者 向 け 住 宅 が 好 調 であること 等 があると 考 えられる また 図 表 は 賃 貸 住 宅 3 社 5 受 注 速 報 平 均 の 前 年 同 月 比 推 移 であるが 昨 年 9 月 に 47.3% 増 と 大 きく 駆 け 込 んだ 後 も 足 元 の 8 月 まで 概 ね 前 年 同 月 比 プラスで 推 移 している 各 社 の 受 注 は 貸 家 着 工 の 先 行 指 標 と 考 えられることから 今 後 も 相 続 増 税 の 節 税 対 策 によ る 貸 家 建 設 等 が 着 工 戸 数 を 押 し 上 げることが 予 想 される 図 表 住 宅 着 工 戸 数 ( 貸 家 )の 前 年 同 月 比 推 移 40.0% 20.0% 0.0% 20.0% 40.0% 20.9% 19.4% 14.2% 12.0% 7.0% 9.4% 19.1% 11.6%13.1% 7.8% 3.1% 1.8% 4.5% 3.4% 7.7% 21.5% 31.1% 17.1% 29.8% 21.5% 24.7% 15.1% 10.4% 1.1% 11.3% 5.6% 5.6% 4.7% 3.3% 12.0% 12.4% 16.5% 18.2% 18.1% 16.4% 16.4% 22.8% 27.4% 7.4% 15.2% 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 1996 年 度 1997 年 度 2013 年 度 2014 年 度 ( 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 築 着 工 統 計 報 告 図 表 賃 貸 住 宅 3 社 受 注 速 報 平 均 の 前 年 同 月 比 推 移 (%) 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 2013~2014 年 度 3 社 平 均 2012~2013 年 度 3 社 平 均 ( 出 典 ) 各 社 IR 資 料 を 基 に 当 研 究 所 作 成 5 大 東 建 託 株 式 会 社 大 和 ハウス 工 業 株 式 会 社 積 水 ハウス 株 式 会 社 の 3 社

23 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 (10%への 増 税 が 住 宅 着 工 に 与 える 影 響 ) 消 費 増 税 の 駆 け 込 み 需 要 が 発 生 する 時 期 については 増 税 の 半 年 前 までに 請 負 契 約 を 締 結 した 場 合 は 完 成 引 き 渡 しが 増 税 実 施 後 となっても 旧 税 率 を 適 用 するという 経 過 措 置 が あることから 2014 年 4 月 の 8%への 増 税 時 には 2013 年 9 月 に 持 家 貸 家 を 中 心 とし た 駆 け 込 み 需 要 が 発 生 し 持 家 は 2014 年 1 月 から 反 動 減 とみられる 減 少 が 始 まっている これは 2015 年 10 月 に 予 定 されている 10%への 消 費 増 税 に 関 しても 同 様 のことが 言 え 2015 年 3 月 末 までの 契 約 物 件 には 従 前 の 税 率 (8%)が 適 用 されるため 8%への 増 税 と 同 様 の 駆 け 込 み 需 要 が 発 生 する 可 能 性 がある ただし 駆 け 込 み 反 動 減 の 幅 は 前 回 の 増 税 で 需 要 を 先 取 りしてしまっており また 増 税 時 期 が 年 度 の 中 心 になるため 影 響 は 2014 年 度 に 比 べて 少 ないと 予 想 される

24 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 (5) 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 の 見 通 し (2014 年 度 2015 年 度 とも 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 は 緩 やかな 回 復 が 継 続 ) 1991 年 度 の 30.6 兆 円 をピークに 減 少 傾 向 で 推 移 してきた 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 は リー マンショック 後 の 大 幅 な 落 ち 込 みもあり 2010 年 度 には 11.0 兆 円 まで 減 少 した しかし その 後 は 大 幅 な 低 迷 からの 回 復 に 加 え 震 災 後 の 設 備 投 資 の 回 復 もあり 2013 年 度 は 前 年 度 比 8.4% 増 の 12.4 兆 円 と 現 在 は 緩 やかな 回 復 を 続 けている 実 質 民 間 企 業 設 備 ( 内 閣 府 国 民 経 済 計 算 )をみると 足 元 の 2014 年 1 月 3 月 期 は 前 年 同 期 比 11.6% 増 となっ た 海 外 経 済 の 緩 やかな 回 復 や 円 安 基 調 を 背 景 とした 輸 出 増 により 製 造 業 の 生 産 企 業 の 収 益 も 高 まることが 予 想 され 2014 年 度 の 実 質 民 間 企 業 設 備 は 前 年 度 比 5.9% 増 2015 年 度 は 前 年 度 比 3.5% 増 と 予 測 する 民 間 企 業 設 備 投 資 のうち 約 2 割 を 占 める 建 設 投 資 は 下 記 のとおり 緩 やかな 回 復 が 継 続 するものと 予 測 する 2014 年 7 月 24 日 に 公 表 した 当 研 究 所 の 予 測 では 2014 年 度 は 着 工 床 面 積 が 前 年 度 比 で 事 務 所 は 3.3% 増 店 舗 は 2.0% 増 工 場 は 1.4% 増 倉 庫 は 3.0% 増 と 伸 びること が 見 込 まれ 民 間 非 住 宅 建 築 投 資 全 体 では 前 年 度 比 5.6% 増 と 予 測 する また 民 間 土 木 投 資 については 鉄 道 通 信 ガスなど 土 木 インフラ 系 企 業 の 設 備 投 資 が 高 水 準 で 推 移 す るとみられ 民 間 非 住 宅 投 資 全 体 では 前 年 度 比 5.2% 増 となる 見 通 しである 2015 年 度 は 前 年 度 と 同 様 の 傾 向 が 見 込 まれ 民 間 非 住 宅 建 築 投 資 が 前 年 度 比 2.6% 増 となり 民 間 土 木 投 資 は 前 年 度 と 同 水 準 で 推 移 すると 考 えられ 全 体 では 前 年 度 比 2.0% 増 と 予 測 する 図 表 名 目 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 の 見 通 し ( 兆 円 ) 25 見 込 み 見 通 し ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 20% 20 10% 15 0% 10-10% 5-20% 0-30% ( 年 度 ) 民 間 土 木 投 資 民 間 非 住 宅 建 築 投 資 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 伸 び 率 ( 出 典 )2013 年 度 までは 国 土 交 通 省 平 成 26 年 度 建 設 投 資 見 通 し 年 度 は 当 研 究 所 建 設 経 済 モデルによる 建 設 投 資 の 見 通 し(2014 年 7 月 推 計 )

25 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 年 度 名 目 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 図 表 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 額 の 見 通 し ( 見 込 み) ( 単 位 : 億 円 実 質 値 は2005 年 度 価 格 ) 2013 ( 見 込 み) 2014 ( 見 通 し) 2015 ( 見 通 し) 195, , , , , , , , ,800 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) -1.8% 0.7% 4.0% -10.0% 3.1% 1.0% 8.4% 5.2% 2.0% 名 目 民 間 非 住 宅 建 築 投 資 110,095 93,429 92,357 69,116 69,618 71,800 79,800 84,300 86,500 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) -6.8% -0.5% 3.4% -9.5% 0.7% 3.1% 11.1% 5.6% 2.6% 名 目 民 間 土 木 投 資 84,958 66,162 49,323 40,567 43,447 42,400 44,000 45,900 46,300 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 5.6% 2.5% 5.3% -10.9% 7.1% -2.4% 3.8% 4.3% 0.9% 実 質 民 間 企 業 設 備 603, , , , , , , , ,496 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 3.1% 4.8% 4.4% 3.8% 4.8% 0.8% 2.6% 5.9% 3.5% ( 出 典 )2013 年 度 までの 名 目 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 は 国 土 交 通 省 平 成 26 年 度 建 設 投 資 見 通 し 実 質 民 間 企 業 設 備 は 内 閣 府 国 民 経 済 計 算 年 度 は 当 研 究 所 建 設 経 済 モデルによる 建 設 投 資 の 見 通 し(2014 年 7 月 推 計 ) 年 度 1995 事 務 所 着 工 床 面 積 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 店 舗 着 工 床 面 積 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 工 場 着 工 床 面 積 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 倉 庫 着 工 床 面 積 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 非 住 宅 着 工 床 面 積 計 ( 対 前 年 度 伸 び 率 ) 図 表 使 途 別 の 民 間 非 住 宅 建 築 着 工 床 面 積 の 見 通 し ( 見 通 し) ( 単 位 : 千 m2) 2015 ( 見 通 し) 9,474 7,280 6,893 4,658 5,039 5,315 4,819 4,978 4, % -4.2% -4.4% -26.8% 8.2% 5.5% -9.3% 3.3% -2.7% 11,955 11,862 12,466 5,727 5,173 7,403 8,326 8,493 8, % -17.9% 9.7% 4.1% -9.7% 43.1% 12.5% 2.0% 1.5% 13,798 13,714 14,135 6,405 7,168 8,203 7,890 8,000 8, % 37.6% 6.8% 17.6% 11.9% 14.4% -3.8% 1.4% 2.5% 9,994 7,484 8,991 4,234 5,361 6,248 6,842 7,047 7, % 11.2% 16.3% 6.1% 26.6% 16.6% 9.5% 3.0% 5.0% 68,458 59,250 65,495 37,403 40,502 44,559 47,679 49,370 50, % 2.0% 3.8% 7.3% 8.3% 10.0% 7.0% 3.5% 2.0% ( 出 典 )2013 年 度 までは 国 土 交 通 省 建 築 着 工 統 計 調 査 報 告 年 度 は 当 研 究 所 建 設 経 済 モ デルによる 建 設 投 資 の 見 通 し(2014 年 7 月 推 計 ) ( 注 ) 非 住 宅 着 工 床 面 積 計 から 事 務 所 店 舗 工 場 倉 庫 を 控 除 した 残 余 は 学 校 病 院 その 他 に 該 当 する 2014 年 7 月 24 日 に 公 表 した 当 研 究 所 の 予 測 は 2014 年 5 月 公 表 分 までの 建 築 着 工 統 計 調 査 報 告 を 考 慮 したものであるが 2014 年 5 月 公 表 分 以 降 の 建 築 着 工 統 計 調 査 報 告 の 民 間 非 住 宅 建 築 着 工 床 面 積 の 動 きを 見 ると 2014 年 4 月 7 月 は 前 年 同 期 比 5.5%と 足 元 では 着 工 が 伸 び 悩 んでいる 使 途 別 に 見 ると 2014 年 4 月 7 月 は 前 年 同 期 比 で 事 務 所 は 4.8%と 増 加 基 調 で 推 移 しており 店 舗 は 28.9%と 大 幅 に 減 少 している 店 舗 について 小 売 業 の 設 備 投 資 意 欲 は 高 く 大 店 立 地 法 上 の 届 け 出 件 数 (1,000 m2 以 上 )は 増 加 傾 向 にあることから 2014 年 度 は 前 年 度 比 2.0% 増 と 予 想 しているものの 2014 年 度 は 建 築 コスト 上 昇 の 影 響 でイオ ン 株 式 会 社 が 大 型 ショッピングセンターの 出 店 数 を 従 来 計 画 より 2~3 割 抑 え セブン& アイ ホールディングス 傘 下 の 株 式 会 社 ヨークベニマルは 半 分 にする 6 等 出 店 数 の 抑 制 を 6 日 本 経 済 新 聞 2014 年 3 月 9 日 小 売 り 建 設 費 高 騰 で 出 店 抑 制 イオンは 2~3 割 減 外 食 サイゼリヤは 2 割 減

26 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 図 る 企 業 も 一 部 あり 着 工 床 面 積 の 減 少 が 懸 念 される 工 場 は 特 にリーマンショックの 影 響 による 低 下 が 大 きかったが 2014 年 4 月 7 月 は 前 年 同 期 比 16.9%と 減 少 している 7 月 に 発 表 された 日 銀 短 観 では 依 然 製 造 業 における 設 備 の 余 剰 感 は 残 るものの 解 消 の 兆 しが 見 られ 設 備 投 資 意 欲 は 高 まりつつあることから 今 後 は 底 堅 く 推 移 するとみられる 倉 庫 は 2014 年 4 月 7 月 は 前 年 同 月 比 9.2% 増 となっているが 現 在 全 線 開 通 に 向 け 整 備 が 進 められている 圏 央 道 周 辺 でのマルチテナント 型 倉 庫 7の 建 設 が 活 況 であり 今 後 も 通 販 関 連 を 中 心 に 商 品 の 集 荷 や 配 送 を 効 率 よく 進 めようとする 動 きが 加 速 し 新 たな 物 流 拠 点 を 建 設 する 動 きが 継 続 するとみられる また その 他 については 2014 年 4 月 7 月 は 前 年 同 期 比 4.0% 増 と 堅 調 に 推 移 しているが この 分 類 にはホテル 老 人 施 設 駅 舎 空 港 ターミナル 等 が 含 まれる 特 にホテルについては 東 京 銀 座 地 区 で 相 鉄 ホールディ ングス 株 式 会 社 京 浜 急 行 電 鉄 株 式 会 社 三 井 不 動 産 株 式 会 社 といった 企 業 によるビジネ スホテルの 開 業 計 画 が 相 次 いでおり 2020 年 東 京 オリンピック パラリンピックによる 外 国 人 観 光 客 やビジネス 客 の 増 加 等 を 見 込 んだ 投 資 が 今 後 予 想 される 床 面 積 図 表 使 途 別 の 民 間 非 住 宅 建 築 着 工 床 面 積 の 推 移 総 計 事 務 所 店 舗 工 場 倉 庫 学 校 前 年 比 床 面 積 前 年 比 床 面 積 前 年 比 ( 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 築 着 工 統 計 調 査 報 告 床 面 積 前 年 比 床 面 積 前 年 比 床 面 積 前 年 比 床 面 積 前 年 比 ( 単 位 : 千 m2 %) 2008 年 度 53, , , , , , , , 年 度 34, , , , , , , , 年 度 37, , , , , , , , 年 度 40, , , , , , , , 年 度 44, , , , , , , , 年 度 47, , , , , , , , 年 4 月 -09 年 7 月 11, , , , , , 年 4 月 -10 年 7 月 12, , , , , , 年 4 月 -11 年 7 月 14, , , , , , , 年 4 月 -12 年 7 月 14, , , , , , 年 4 月 -13 年 7 月 16, , , , , , 年 4 月 -14 年 7 月 15, , , , , , , 年 同 期 比 年 同 期 比 年 同 期 比 年 同 期 比 年 同 期 比 年 同 期 比 年 同 期 比 年 同 期 比 病 院 床 面 積 その 他 前 年 比 7 複 数 テナントの 入 居 を 想 定 した 物 流 施 設 のこと 食 堂 や 休 憩 スペースなど 従 業 員 の 働 きやすい 工 夫 が されているものもある

27 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 一 方 民 間 非 住 宅 建 築 物 の 着 工 時 における 工 事 費 予 定 額 平 米 当 たり 単 価 をみると 2010 年 度 以 降 は 下 落 傾 向 にあり 民 間 非 住 宅 建 築 投 資 を 下 押 しする 要 因 となっていたが 2012 年 度 を 底 に 2013 年 度 以 降 は 前 年 比 プラスで 推 移 しており 回 復 の 兆 しが 出 てきている 2013 年 度 の 非 住 宅 建 築 合 計 の 平 米 当 たり 単 価 が 16.1 万 円 /m2なのに 対 して 2014 年 度 4 月 -7 月 累 計 では 17.6 万 円 /m2と 前 年 に 比 べて 上 昇 傾 向 が 顕 著 であり バブル 崩 壊 後 の 長 期 にわたる 減 少 に 加 え リーマンショックによる 落 ち 込 みにより 大 幅 に 低 迷 した 民 間 非 住 宅 建 築 投 資 は 着 工 床 面 積 平 米 当 たり 単 価 共 に 回 復 基 調 が 継 続 している 図 表 民 間 非 住 宅 建 築 の 着 工 床 面 積 と 平 米 単 価 の 推 移 ( 着 工 床 面 積 ) 用 途 別 の 着 工 床 面 積 ( 千 m2) 24,000 着 工 床 面 積 全 体 ( 千 m2) 70,000 20,000 その 他 非 住 宅 建 築 合 計 60,000 16,000 工 場 50,000 12,000 店 舗 40,000 8,000 倉 庫 30,000 4,000 事 務 所 病 院 20,000 0 学 校 10,000 ( 年 度 ) ( 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 築 着 工 統 計 調 査 報 告 ( 注 ) 着 工 床 面 積 は 当 研 究 所 建 設 経 済 モデルによる 建 設 投 資 の 見 通 し (2014 年 7 月 推 計 ) ( 平 米 当 たり 単 価 ) 工 事 費 予 定 額 における 平 米 当 たり 単 価 ( 万 円 /m2) 学 校 病 院 事 務 所 20.0 非 住 宅 建 築 合 計 15.0 その 他 10.0 工 場 店 舗 5.0 倉 庫 ( 年 度 ) ( 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 築 着 工 統 計 調 査 報 告

28 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 (6) 被 災 3 県 の 建 設 投 資 動 向 ( 被 災 3 県 の 公 共 工 事 受 注 高 は 復 旧 復 興 事 業 による 増 加 が 続 く) 図 表 は 被 災 3 県 ( 岩 手 県 宮 城 県 福 島 県 )およびそれ 以 外 の 都 道 府 県 につい て 建 設 工 事 受 注 動 態 統 計 調 査 報 告 に 基 づく 公 共 工 事 受 注 額 と 前 年 同 月 比 の 推 移 を 示 した ものである 被 災 3 県 の 公 共 工 事 受 注 額 は 震 災 以 降 復 旧 復 興 事 業 により 大 幅 な 増 加 が 続 いてお り 前 年 度 比 でみると 2011 年 度 は 140.4% 増 2012 年 度 は 18.0% 増 2013 年 度 は 69.4% 増 となっている 2014 年 度 も 増 加 傾 向 は 続 いており 2014 年 4 月 7 月 の 累 計 は 前 年 同 期 比 で 69.0% 増 ( 岩 手 県 91.0% 増 宮 城 県 29.4% 増 福 島 県 111.1% 増 )となっており 今 後 も 本 格 化 する 復 興 事 業 により 一 層 増 加 する 見 通 しである しかし 大 幅 な 増 加 が 続 く 被 災 3 県 の 公 共 工 事 だが 技 能 労 働 者 の 不 足 ( 図 表 )や 資 材 価 格 の 上 昇 等 による 入 札 不 調 の 問 題 も 依 然 として 残 っている 公 共 工 事 設 計 労 務 単 価 の 引 上 げ 技 術 者 および 現 場 代 理 人 の 適 正 な 配 置 予 定 価 格 工 期 の 適 切 な 設 定 等 復 旧 復 興 事 業 の 円 滑 な 施 工 確 保 に 向 けた 取 り 組 みにより 一 日 も 早 い 復 興 が 実 現 することが 期 待 される なお 被 災 3 県 以 外 の 都 道 府 県 については 公 共 事 業 関 係 費 の 5% 執 行 留 保 が 2011 年 10 月 7 日 に 解 除 された 影 響 もあり 2011 年 10 月 以 降 は 概 ね 増 加 傾 向 で 推 移 しており 2012 年 度 は 前 年 度 比 で 11.0% 増 2013 年 度 は 平 成 24 年 度 補 正 予 算 の 効 果 が 現 れ 大 幅 な 増 加 で 推 移 し 前 年 度 比 で 51.5% 増 となった 2014 年 4 月 7 月 の 累 計 は 前 年 同 期 比 で 22.8% 増 となっている 図 表 被 災 3 県 およびそれ 以 外 の 都 道 府 県 における 公 共 工 事 受 注 額 の 推 移 600% 500% 400% 300% 200% 100% 0% 100% 前 年 同 月 比 受 注 高 ( 百 万 円 ) 550,000 東 日 本 大 震 災 500, , , , , , , , ,000 50, ( 月 ) 2010 年 度 2011 年 度 2012 年 度 2013 年 度 2014 年 度 被 災 3 県 の 受 注 高 被 災 3 県 の 前 年 同 月 比 それ 以 外 の 都 道 府 県 の 前 年 同 月 比 ( 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 設 工 事 受 注 動 態 統 計 調 査 報 告 のうち 公 共 機 関 からの 受 注 工 事 (1 件 あたり500 万 円 以 上 の 工 事 )

29 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 図 表 建 設 技 能 労 働 者 過 不 足 率 の 推 移 不 足 過 不 足 率 (%) 東 北 関 東 中 部 近 畿 全 国 過 剰 ( 全 国 )2014 年 7 月 原 数 値 1.7 季 節 調 整 値 月 22 年 1 月 4 月 7 月 10 月 23 年 1 月 4 月 7 月 10 月 24 年 1 月 4 月 7 月 10 月 25 年 1 月 4 月 7 月 10 月 26 年 1 月 4 月 7 月 ( 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 設 労 働 需 給 調 査 結 果 ( 注 ) 建 設 技 能 労 働 者 とは 型 わく 工 ( 土 木 ) 型 わく 工 ( 建 築 ) 左 官 とび 工 鉄 筋 工 ( 土 木 ) 鉄 筋 工 ( 建 築 ) 電 工 配 管 工 の8 職 種 のことを 指 す ( 被 災 3 県 の 住 宅 着 工 戸 数 は 持 家 および 貸 家 を 中 心 として 高 水 準 で 推 移 ) 図 表 は 被 災 3 県 ( 岩 手 県 宮 城 県 福 島 県 )およびそれ 以 外 の 都 道 府 県 につい て 住 宅 着 工 戸 数 と 前 年 同 月 比 の 推 移 を 示 したものである 東 日 本 大 震 災 の 発 生 後 一 時 停 滞 した 被 災 3 県 の 住 宅 着 工 戸 数 は まず 宮 城 県 から 復 調 し その 後 岩 手 県 および 福 島 県 が 持 ち 直 した 現 在 は 伸 び 率 は 鈍 化 してきているものの 依 然 として 高 水 準 の 伸 びを 示 しており 2014 年 4 月 7 月 の 住 宅 着 工 戸 数 の 累 計 は 2010 年 度 同 期 比 で 88.3% 増 ( 岩 手 県 53.9% 増 宮 城 県 120.6% 増 福 島 県 68.0% 増 )となって いる 前 年 同 期 比 では 0.1% 増 ( 岩 手 県 0.4% 宮 城 県 5.9% 増 福 島 県 8.3%)とほ ぼ 横 ばいの 高 水 準 で 推 移 しており 復 興 が 着 実 に 進 んでいることがうかがえる 特 に 住 民 の 仮 住 まいおよび 復 興 事 業 従 事 者 の 需 要 を 見 込 んだと 思 われる 動 きにより 貸 家 の 着 工 が 引 き 続 き 好 調 である 今 後 も 持 家 および 貸 家 を 中 心 として しばらくは 高 水 準 で 推 移 するとみられる なお 被 災 3 県 において 進 められている 高 台 や 内 陸 への 集 団 移 転 事 業 は 2014 年 5 月 末 時 点 で 90%が 着 工 15%が 完 了 となり 住 宅 再 建 に 向 けた 動 きが 本 格 化 しつつある 東 日 本 大 震 災 により 全 壊 または 半 壊 とされた 家 屋 数 は 被 災 3 県 合 計 で 約 35.8 万 戸 ( 全 壊 12.3 万 戸 半 壊 23.5 万 戸 )となっており 8 これは 被 災 3 県 における 2012 年 度 着 工 戸 数 の 約 9 倍 に 相 当 する 今 後 集 団 移 転 事 業 により 土 地 の 造 成 が 進 めば 持 家 を 中 心 として 更 に 着 工 戸 数 も 増 加 すると 考 えられる 年 9 月 10 日 警 察 庁 緊 急 災 害 対 策 本 部 広 報 資 料 平 成 23 年 (2011 年 ) 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 の 被 害 状 況 と 警 察 措 置

30 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 図 表 被 災 3 県 およびそれ 以 外 の 都 道 府 県 における 住 宅 着 工 戸 数 の 推 移 前 年 同 月 比 200% 150% 100% 50% 0% 東 日 本 大 震 災 着 工 戸 数 ( 戸 ) 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000-50% 年 度 2011 年 度 2012 年 度 2013 年 度 2014 年 度 被 災 3 県 の 着 工 戸 数 被 災 3 県 の 前 年 同 月 比 それ 以 外 の 都 道 府 県 の 前 年 同 月 比 0 ( 月 ) ( 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 築 着 工 統 計 調 査 報 告 ( 被 災 3 県 の 非 住 宅 建 築 は 足 元 で 前 年 度 に 比 べ 弱 含 んでいるものの 引 き 続 き 高 水 準 で 推 移 ) 図 表 は 被 災 3 県 ( 岩 手 県 宮 城 県 福 島 県 )およびそれ 以 外 の 都 道 府 県 につい て 非 住 宅 建 築 着 工 床 面 積 ( 公 共 民 間 計 )と 前 年 同 月 比 の 推 移 を 示 したものである 震 災 発 生 直 後 は 3 県 とも 着 工 が 一 時 停 滞 したが 2011 年 10 月 以 降 は 復 旧 復 興 によ り 特 に 岩 手 県 宮 城 県 において 回 復 の 動 きが 見 られた ただし 福 島 県 は 原 子 力 発 電 所 事 故 の 影 響 もあり 年 度 を 通 して 着 工 が 滞 った 2012 年 度 に 入 ると 福 島 県 にも 回 復 の 動 きが 見 られるようになり 2013 年 度 は 岩 手 県 が 前 年 度 比 2.4% 宮 城 県 が 2.7% 増 福 島 県 が 15.2% 増 と 2 県 では 前 年 度 比 で 増 加 となった 2014 年 4 月 7 月 の 非 住 宅 建 築 着 工 床 面 積 の 累 計 は 全 国 では 前 年 同 期 比 3.4%とな っており 被 災 3 県 では 同 14.9%( 岩 手 県 16.7% 宮 城 県 22.1% 福 島 県 2.2%) となっている ただし 2010 年 度 同 期 比 で 比 較 すると 93.4% 増 と 大 幅 に 増 加 している 状 況 であり 引 き 続 き 津 波 原 子 力 災 害 被 災 地 域 雇 用 創 出 企 業 立 地 補 助 金 制 度 による 産 業 振 興 および 雇 用 促 進 策 が 復 興 の 後 押 しとなり 被 災 3 県 の 非 住 宅 建 築 投 資 はより 活 発 化 す ると 予 想 される

31 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 図 表 被 災 3 県 およびそれ 以 外 の 都 道 府 県 における 非 住 宅 建 築 着 工 床 面 積 ( 公 共 民 間 計 )の 推 移 前 年 同 月 比 200% 150% 東 日 本 大 震 災 着 工 床 面 積 (m2) 500, , % 300,000 50% 200,000 0% 100,000-50% 年 度 2011 年 度 2012 年 度 2013 年 度 2014 年 度 被 災 3 県 の 着 工 床 面 積 被 災 3 県 の 前 年 同 月 比 それ 以 外 の 都 道 府 県 の 前 年 同 月 比 0 ( 月 ) ( 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 築 着 工 統 計 調 査 報 告 以 上 のように 被 災 3 県 の 建 設 投 資 動 向 は 非 住 宅 建 設 投 資 が 足 元 の 2014 年 4 月 7 月 では 前 年 同 期 比 で 若 干 弱 含 んでいるものの 投 資 額 は 震 災 前 の 2010 年 度 を 上 回 る 水 準 で 推 移 しており 住 宅 着 工 戸 数 公 共 投 資 は 前 年 同 期 比 プラスで 推 移 していることから 全 体 として 堅 調 に 推 移 している

32 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 地 域 別 の 建 設 投 資 動 向 当 研 究 所 では 四 半 期 ごとに 建 設 経 済 モデルによる 建 設 投 資 の 見 通 し にて 項 目 別 ( 政 府 民 間 住 宅 民 間 非 住 宅 およびマクロ)に 投 資 見 通 しを 公 表 してきたが これは 全 国 ベ ースでの 建 設 投 資 額 を 予 測 したものであり 地 域 別 建 設 投 資 額 の 推 計 は 行 っていない ま た 毎 年 6 月 に 国 土 交 通 省 が 公 表 している 建 設 投 資 見 通 し においては 過 去 3 年 以 前 (ここでは 2011 年 度 以 前 を 指 す)の 実 績 値 は 建 築 ( 住 宅 非 住 宅 )/ 土 木 政 府 / 民 間 などの 項 目 別 に 公 表 されているが それ 以 降 ( 年 度 )の 見 込 み 見 通 し 値 は 県 別 の 総 額 および 建 築 土 木 別 金 額 が 公 表 されているのみである その 他 シンクタンク 等 においても 地 域 別 建 設 投 資 額 の 推 計 は 行 われていない そこで 当 研 究 所 では 60 号 レポートより 地 域 別 建 設 投 資 見 通 しの 推 計 手 法 について 調 査 研 究 を 実 施 した 61 号 レポートにおいては 2013 年 度 の 地 域 別 項 目 別 の 建 設 投 資 額 を 推 計 し さらにその 投 資 額 を 建 設 総 合 統 計 の 地 域 別 月 別 比 率 を 用 いて 四 半 期 に 分 解 する 検 討 を 行 った また この 結 果 得 られた 投 資 額 を 元 に 以 降 の 修 正 値 公 表 において 建 設 総 合 統 計 をはじめとした 各 種 統 計 の 足 元 の 数 値 や 定 性 的 情 報 をもって 修 正 を 行 うため の 手 法 を 検 討 した 前 号 の 62 号 レポートでは 61 号 で 採 用 した 地 域 別 比 率 と 足 元 の 建 設 総 合 統 計 から 算 出 される 地 域 別 比 率 との 比 較 を 行 った 上 で 地 域 別 の 投 資 額 を 算 出 した 今 号 においては 当 研 究 所 が 2014 年 7 月 24 日 に 公 表 した 建 設 経 済 モデルによる 建 設 投 資 の 見 通 し(2014 年 7 月 推 計 ) を 元 に 推 計 期 間 を 1 年 延 長 した 上 で 地 域 別 の 投 資 額 を 算 出 する 以 下 順 に 検 討 結 果 を 示 す

33 第 1 章 建 設 投 資 と 社 会 資 本 整 備 (1) 地 域 別 出 来 高 の 推 移 ここではまず 前 号 で 実 施 した 地 域 別 項 目 別 建 設 投 資 額 ( 年 度 ベース)の 推 計 を 最 新 の 数 値 および 推 計 期 間 を1 年 延 長 した 上 で 再 度 行 う なお 2011 年 度 までは 実 績 値 が 公 表 されているため 年 度 を 推 計 する 今 回 の 推 計 にあたっては 2012 年 度 および2013 年 度 の 建 設 投 資 額 ( 全 国 ベース)につい ては 国 土 交 通 省 平 成 26 年 度 建 設 投 資 見 通 し の 公 表 値 2014 年 度 については 当 研 究 所 が 2014 年 7 月 24 日 に 公 表 した 建 設 経 済 モデルによる 建 設 投 資 の 見 通 し(2014 年 7 月 推 計 ) にて 推 計 した 全 国 ベースの 建 設 投 資 額 を 使 用 し それらの 数 値 に 建 設 総 合 統 計 から 算 出 した 地 域 別 比 率 を 乗 じることで 推 計 を 行 った なお 月 次 の 建 設 総 合 統 計 においては 地 域 別 数 値 は 項 目 別 内 訳 の 無 い 建 設 投 資 全 体 額 のみの 公 表 であり 2014 年 度 分 については 現 時 点 では6 月 分 までの 公 表 であるため 2014 年 度 は2013 年 度 と 同 じ 地 域 別 比 率 を 採 用 し た 図 表 地 域 別 出 来 高 の 年 度 別 比 較 100.0% 90.0% 80.0% 70.0% 60.0% 50.0% 40.0% 30.0% 20.0% 10.0% 0.0% 10.8% 10.8% 10.4% 10.4% 11.3% 2.8% 2.8% 3.0% 2.8% 2.8% 5.9% 5.4% 5.6% 5.2% 5.4% 13.4% 13.1% 12.8% 12.6% 12.3% 13.0% 12.5% 12.8% 11.7% 11.4% 6.1% 5.8% 5.5% 34.8% 37.3% 35.9% 7.9% 7.6% 8.7% 5.5% 5.9% 34.4% 33.1% 11.6% 11.9% 5.2% 4.8% 5.4% 5.6% 5.9% 2009 年 度 計 2010 年 度 計 2011 年 度 計 2012 年 度 計 2013 年 度 計 九 州 四 国 中 国 近 畿 中 部 北 陸 関 東 東 北 北 海 道 ( 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 設 総 合 統 計 図 表 は 地 域 別 出 来 高 の 年 度 比 較 を 行 ったものであるが 東 北 地 方 に 着 目 すると 震 災 以 前 の 2009 年 度 2010 年 度 は 全 国 の 8% 弱 のシェアであったのに 対 し 震 災 以 降 は 3 年 連 続 でシェアが 増 加 し 2013 年 度 は 全 国 の 11.9%を 占 めており 東 日 本 大 震 災 による 復 旧 復 興 需 要 が 見 てとれる 以 上 の 結 果 から 2014 年 度 の 地 域 別 項 目 別 建 設 投 資 額 の 比 率 を 2013 年 度 とほぼ 同 じ と 仮 定 した 上 で 推 計 を 実 施 する