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1 クエン酸回路 電子伝達系 (1) ( 生化学 2) 平成 29 年 4 月 27 日 病態生化学分野教授 山縣和也

2 本日の学習の目標 クエン酸回路の働きを理解する PD 複合体について理解する ビタミンとクエン酸回路の関係を理解する クエン酸回路の異常による病気について理解する

3 エネルギー代謝経路 グリコーゲン グリコーゲン代謝 タンパク質 アミノ酸代謝 トリアシルグリセロール グルコース グルコース 6 リン酸 アミノ酸 脂肪酸 脂質代謝 解糖系 糖新生 β 酸化 乳酸 ピルビン酸 アセチル oa ケト酸 ピルビン酸脱水素酵素 クエン酸回路電子伝達系 ATP

4 クエン酸回路 ( サイクル ) itric acid cycle トリカルボン酸回路 ( サイクル ) Tricarboxylic acid cycle TA 回路 ( サイクル ) TA cycle クレーブス回路 ( サイクル )Krebs cycle ir ans Adolf Krebs ( 独 英 ) 1937 年クエン酸回路の発見 1963 年ノーベル賞受賞

5 ミトコンドリア Mitochondrion/Mitochondria クリステ ristae マトリックス内膜 Matrix Inner membrane 外膜 utermembrane 膜間腔 Intermembrane space クエン酸回路の反応はマトリックス内でおきる

6 細胞質から ピルビン酸輸送体 ピルビン酸 クエン酸回路 ( ミトコンドリア ) AD AD アセチル oa オキサロ酢酸 AD リンゴ酸 AD クエン酸 フマル酸 GTP コハク酸 FAD2 FAD GDP スクシニルoA 燃料から ATP をつくりだすために AD や FAD2 の形で高エネルギー電子を取り出す AD cis- アコニット酸 イソクエン酸 AD AD AD 2-オキソグルタール酸

7 AD() AD: icotinamide adenine dinucleotide 2 - P 2 アデノシン ニコチン酸 : ビタミン B 群の一つ - P 2 ニコチン酸アミド ( ニコチンアミド ): ビタミン B 群の一つ 2 + (2e, + ) 2 P3 2- R 酸化型 (AD, (ADP, ADP + ) + 還元型 (AD)

8 FAD(2) FAD: Flavin adenine dinucleotide FM: Flavin mononucleotide P 2 P アデノシン リボフラビン : ビタミン B e, R 3 3 酸化型 (FAD) 還元型 (FAD2)

9 クエン酸回路と電子伝達系の連結 ATP クエン酸回路 AD, FAD AD, FAD2 e- e- 2 2 AD, FAD2 再酸化 (AD, FAD 再生 ) ミトコンドリア電子伝達系 ( 呼吸鎖 酸化的リン酸化 ) ATP 産生 酸素消費 ミトコンドリア電子伝達系 ( 呼吸鎖 ) ATP 合成系 酸化的リン酸化 電子伝達系がとまると クエン酸回路もとまる

10 ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体 Pyruvate dehydrogenase complex ピルビン酸 アセチル oa 3 + AD + + oa 3 oa + AD + 2

11 = = oenzyme A (oa) パントテン酸 : ビタミン B 群の一つ = アデノシン 3 - リン酸 = P P 2-3P

12 = = = アセチル oa( アセチル補酵素 A) 3 = = P P 2-3P

13 ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体 E1 : ピルビン酸デヒドロゲナーゼ Pyruvate dehydrogenase ( ピルビン酸デカルボキシラーゼ Pyruvate decarboxylase) E2 : ジヒドロリポイルアセチル基転移酵素 Dihydrolipoyl transacetylase E3: ジヒドロリポアミドデヒドロゲナーゼ Dihydrolipoamide dehydrogenase 3 種類の酵素と 5 種類の補酵素が関与 TPP リポ酸 FAD oa AD +

14 P P チアミン Thiamine ビタミン B1 チアミンピロリン酸 Thiamine pyrophosphate (TPP) 2 リポ酸 : ビタミン様物質 Lipoic acid

15 ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体 TPP E1 E2 E3 3 FAD - 2 E1 脱炭酸 3 TPP E1 E2 E3 FAD 3 E2 TPP E1 E2 E3 FAD E3 TPP E1 AD + + AD + E2 E3 酸化型リポアミドの再生 FAD E3 TPP E1 E2 E3 FAD E2 3 アセチル基の転移 TPP E1 E2 3 oa- oa E2 E3 アセチル oa FAD

16 脚気 (Beriberi) 昭和初期までの国民病 ビタミン B1 欠乏症 近年 再び患者の出現 四肢の浮腫を伴う多発性神経炎 心不全を伴う ( 四肢遠位の筋力低下など ) 徳川家茂 和宮

17 B1 欠乏による心不全 B1 の投与で改善

18 Wernicke 脳症 慢性アルコール中毒などの低栄養疾患でみられる B1 欠乏脳症 急性に発症する意識障害 眼振 外眼筋麻痺など 健忘 失見当識など精神症状がみとめられることもあり Leigh 症候群 乳児期に発症する神経変性疾患 発育の停止 筋力低下 呼吸障害など ミトコンドリアの異常で発症する場合や PD の活性低下で発症する場合もある

19 緊急安全性情報 高カロリー輸液療法施行中の重篤なアシドーシスの発現 高カロリー輸液療法施行中に起こる重篤なアシドーシスについて再度 緊急安全性情報 がだされました 適正使用情報を配布後も重篤なアシドーシスが因果関係の不明な症例も含め 15 例 ( 死亡 7 例 ) に認められています そこで 警告 欄にビタミン B1 の併用を追記し さらにアシドーシスが起こった場合の処置についても追記しました 1. 高カロリー輸液療法施行中は必ずビタミンB1を投与すること 2. 重篤なアシドーシスが起こった場合には直ちにビタミンB1の欠乏を考慮すること 3. ビタミンB1を投与していても基礎疾患 合併症などの病態の悪化により重篤なアシドーシスが発現することがあるので注意すること 4. 高カロリー輸液療法の施行にあたっては 添付文書の記載事項に留意の上 適正に使用すること 警告 及び 一般的注意 警告 ビタミン B1 を併用せずに高カロリー輸液療法を施行すると重篤なアシドーシスが発現することがあるので 必ずビタミン B1 を併用すること ビタミン B1 欠乏症と思われる重篤なアシドーシスが発現した場合には 直ちに 100~400mg のビタミン B1 製剤を急速静脈内投与すること また 高カロリー輸液療法を施行中の患者では 基礎疾患及び合併症に起因するアシドーシスが発現することがあるので 症状があらわれた場合には高カロリー輸液療法を中断し アルカリ化剤の投与等の処置を行うこと 一般的注意 (1) 高カロリー輸液療法施行中にビタミン B1 欠乏により重篤なアシドーシスが起こることがあるので 必要量 (1 日 3mg 以上を目安に ) のビタミン B 1 を投与すること

20 エネルギー代謝経路 グリコーゲン グリコーゲン代謝 タンパク質 アミノ酸代謝 トリアシルグリセロール グルコース グルコース 6 リン酸 アミノ酸 脂肪酸 脂質代謝 解糖系 糖新生 β 酸化 脂肪酸合成 乳酸 ピルビン酸 乳酸アシドーシス ピルビン酸脱水素酵素 ビタミン B1 欠損 アセチル oa ATP クエン酸回路電子伝達系 ケト酸

21 細胞質から ピルビン酸輸送体 ピルビン酸 クエン酸回路 ( ミトコンドリア ) AD AD アセチル oa オキサロ酢酸 AD リンゴ酸 AD クエン酸 フマル酸 cis- アコニット酸 FAD2 FAD コハク酸 GTP GDP スクシニルoA AD イソクエン酸 AD AD AD 2-オキソグルタール酸

22 アコニターゼ 脱水 脱水素 リンゴ酸デヒドロゲナーゼ クエン酸合成酵素 アコニターゼ 水付加フマラーゼ スクシニル oa 合成酵素 イソクエン酸デヒドロゲナーゼ脱水素と脱炭酸 脱水素 コハク酸デヒドロゲナーゼ α ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体 酸化的脱炭酸

23 クエン酸シンターゼ itrate synthase 炭素 2 原子をアセチル -oa としてクエン酸回路に導入 3---oA oa- - - アセチル -oa Acetyl-oA オキサロ酢酸 xaloacetate クエン酸 itrate 2 4 6

24 アコニターゼ Aconitase クエン酸の異性化 : 次段階の酸化 脱炭酸を容易にする クエン酸 cis- アコニット酸イソクエン酸

25 イソクエン酸デヒドロゲナーゼ Isocitrate dehydrogenase 酸化的脱炭酸 :AD と 2 生成 イソクエン酸 Isocitrate AD AD + + Mn オキサロコハク酸 xalosuccinate ( 酵素から遊離しない ) Mn オキソグルタール酸 2-xoglutarate

26 ID 遺伝子変異とがん 正常 イソクエン酸 ID αkg 特定の遺伝子変異 αkg 変異 ID 2 ヒドロキシグルタル酸 メチル化異常 ヒストン修飾異常 ( エピジェネティックな変化 ) グリオーマ 急性骨髄性白血病

27 2- オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体 2-xoglutarate dehydrogenase complex R - + AD + + oa R -oa + AD + 2 R = - 2-オキソグルタル酸 ピルビン酸 アセチル oa 3 + AD + + oa 3 oa + AD + 2

28 2- オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体 2-xoglutarate dehydrogenase complex FAD E3 AD + AD オキソグルタル酸 2- オキソグルタル酸 R E1 TPP TPP R = - R R E2 R oa- R R FAD -oa スクシニル oa oa E1 :2- オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ 2-xoglutarate dehydrogenase E2 : ジヒドロリポイルトランススクシニラーゼ Dihydrolipoyl transsuccinylase E3 : ジヒドロリポイルデヒドロゲナーゼ Dihydrolipoyl dehydrogenase

29 スクシニル oa シンテターゼ uccinyl-oa synthetase ( コハク酸チオキナーゼ uccinate thiokinase) 高エネルギーリン酸化合物 ( ヌクレオシド三リン酸 ) 生成基質レベルリン酸化 スクシニル oa + GDP + Pi コハク酸 + GTP + oa- - - oa- -

30 ATP と GTP - P - P P - - ATP アデノシン 3- リン酸 Adenosine triphosphate - P - P P アデニン Adenine ヌクレオシド二リン酸キナーゼ ucleoside diphosphate kinase GTP + ADP GDP + ATP 2 グアニン Guanine GTP グアノシン 3- リン酸 Guanosine triphosphate

31 コハク酸デヒドロゲナーゼ uccinate dehydrogenase(d) 脱水素反応,FAD2 生成 ミトコンドリア内膜に結合 クエン酸回路酵素で唯一膜結合酵素 ( 他は, ミトコンドリアマトリックス中, 可溶性 ) ミトコンドリア電子伝達系 ( 呼吸鎖 ) 酵素の一つ FAD + FAD2 - - コハク酸 uccinate フマル酸 Fumarate

32 褐色細胞腫 副腎髄質から発生カテコールアミン産生腫瘍 高血圧 高血糖 発汗過多などをきたす D 遺伝子異常で発症する例がある (D はがん抑制遺伝子でもある )

33 フマラーゼ Fumarase ( フマル酸ヒドラターゼ Fumarate hydratase) フマル酸への水付加 - フマル酸 Fumarate リンゴ酸 Malate - リンゴ酸 L- リンゴ酸

34 リンゴ酸デヒドロゲナーゼ Malate dehydrogenase クエン酸回路の完結 ( オキサロ酢酸の再生 ) - + AD AD + + ΔG o ' = kj/mol リンゴ酸 Malate オキサロ酢酸 xaloacetate G o ' は大きい正の値 (+29.7 kj/mol) をもつ : 反応を進めるには不利反応の推進力は低濃度のオキサロ酢酸 ( クエン酸シンターゼ反応の G o ' = kj/mol ; ΔG' も負に大 ) ΔG' = ΔG o ' + RT ln [oxaloacetate] [AD] [+ ] [malate] [AD+] ΔG' が負に大きいほど反応は進みやすい ( 右向き )

35 理解の確認のために 1. クエン酸回路は細胞質で働く 2. クエン酸回路で酸素が使われる 3. クエン酸回路で3 分子のFAD2が生成される 4. PDの反応にはビタミンB1が必要である 5. ビタミンB1の欠損で脚気がおきる 6. オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼによりアセチルoAが産生される 7. コハク酸デヒドロゲナーゼはマトリックスに存在する 8. スクシニルoAシンテターゼの作用でTPが産生する 9. リンゴ酸デヒドロゲナーゼの標準ギブスエネルギーは負の値をとる 10. クエン酸回路は嫌気状態でも進行可能である

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