Anti – AGEs

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1 Anti TRPV1 KM018 5μg/50μl - 49,000 IH Trpv1; Vr1; Vr1l1; VR.5'sv Immunogen :Partial peptide of rat Vanilloid Receptor Subtype1 (C terminal intracellular domain) トウガラシの主成分であるカプサイシンの受容体は 6 回膜貫通型で Ca2+ 透過性の高い非選択性陽イオンチャネルです 脂溶性の痛み刺激物質であるカプサイシンは その構造にバニリル基を持ち vanilloid と呼ばれる一群の化合物に分類されることから 当初 本受容体は vanilloid receptor subtype 1(VR-1) と命名されました 現在では TRP (transient receptor potential) サブファミリー TRPV の一つ TRPV1 と呼ばれています 本受容体は カプサイシンのみならず 痛みを惹起する熱 (43 以上 ) やプロトンによっても活性化される多刺激性痛み受容体であり 痛みの受容 刺激伝達の研究分野で非常に注目されています 正常ラットの腰部後根神経節 ( 厚さ30µm) 提供 : 兵庫医科大学第二解剖学教室福岡哲男先生 Anti phospho TRPV1 KM112 25ug / 100ul - 49,000 WB Trpv1; Vr1; Vr1l1; VR.5'sv phosphorylated TRPV1 at S800 in HEK293 cells Immunogen :Partial peptide of rat phospholipid scramblase2 (Central region) TRPV1 のリン酸化による活性化が 急性炎症性疼痛などの発生メカニズムに重要であることがわかっています 炎症関連メディエイターとして知られる ATP ブラジキニン プロスタグランジンは G 蛋白共役型受容体の下流で PKC を活性化し TRPV1 活性の増強をもたらします その作用として PKC が直接 TRPV1 の 2 つのセリン残基 (S502 S800) をリン酸化することが分かっています 本抗体は S800 がリン酸化された TRPV1 に特異的に反応する抗体です 本抗体を用いて PKC のアイソフォーム PKCεが特異的に S800 をリン酸化することが確認され またマウスとラットの DRG ニューロンで PKCεによる S800 がリン酸化された TRPV1 が確認されました 提供 : 自然科学研究機構岡崎総合バイオサイエンスセンター生命環境研究領域細胞生理研究部門富永真琴先生 Anti TRPV2 KM019 5μg/50μl - 49,000 IH Trpv2; Vrl1 Immunogen :Partial peptide of rat Vanilloid Receptor like protein1 (C terminal) TRPV2 (transient receptor potential cation channel, subfamily V, member 2) は カプサイシンの受容体 TRPV1 の ホモログとして遺伝子が単離されました TRPV1 と同様の 6 回膜貫通型のイオンチャネルであると推測されますが vanilloid ( カプサイシンや RTX) 及びプロトンには感受性を示さず 50 を越える熱によって活性化されることが明 らかとなっています 有髄の Aδ 線維には 52 と 43 の異なる温度閾値の熱感受性神経が存在することが知られてお り TRPV2 は前者を担っていると考えられ 免疫染色により Aδ 線維での発現が確認されています 正常ラットの腰部後根神経節 ( 厚さ30µm) 提供 : 兵庫医科大学第二解剖学教室福岡哲男先生 Anti TRPV4 KM119 25μg/100μl - 49,000 WB Trpv4; Trp12; VRL-2; VROAC; OTRPC4; VR-OAC Immunogen :Partial peptide of mouse TRPV4 (N terminal) TRPV4 (TRP vanilloid 4) は 低浸透圧で活性化される浸透圧感受性受容体として発見され その後の研究から 約 30 提供 : 度の暖かい領域で活性化される温度感受性を持つことが明らかとなりました TRPV4 は感覚神経 視床下部 皮膚 腎臓 肺 内耳といった様々な組織で発現しており 浸透圧刺激 機械刺激による痛みや炎症性の痛みの伝達に重要な役割を果 三重大学医学部富永真琴先生 たしています TRPV4 はカルシウム流入チャンネルとして機能し 多くの物理的刺激 ( 細胞の膨張 熱 機械刺激 ) や内 在性カンナビノイド アラキドン酸代謝物 4α-ホルボールエステルといった化合物によって活性化されるほか 機械刺激による痛覚過敏やタキソールによる疼痛に関与していることも報告されています Lane 1: choroid plexus* (Wild type mouse) Lane 2: choroid plexus (TRPV4 knockout mouse) Lane 3: rat TRPV4 overexpressed in HEK293 cells *choroid plexus: 脈絡叢 -1 -

2 Anti TRPA1 Trpa1; Anktm1 HEK293 cells overexpressing mouse TRPA1 KM120 50μg/200μl - 49,000 IP, WB (cell membrane fraction) Immunogen :Partial peptide of mouse TRPA1 (N terminal) 哺乳類では 暑さや寒さといった外界の温度を 末梢神経に存在する特異的受容体で感じています また 約 43 度以上と約 15 度以下では温度感覚に加えて 痛みをもたらします これまでに 9 つの温度感受性イオンチャンネルが確認されています これらは TRP (transient receptor potential) サブファミリーに分類され 感覚神経や皮膚に発現しています これらのうち TRPA1 (TRP cation channel, subfamily A, member 1) は冷刺激イオンチャンネルとして報告されました TRPA1 は ヒトにおいて痛みを感じる 17 度以下の冷刺激によって活性化されます 侵害性冷刺激に加えて TRPA1 はマスタード ニンニク シナモンに含まれる刺激成分によって活性化されるほか TRPV1/VR1 (capsaicin/heat receptor) と感覚神経細胞で共発現することが分かっています さらに TRPA1 は 有毛細胞の機械受容伝達チャンネルであることも示唆されています 提供 : 三重大学医学部ゲノム細胞医科学大講座分子細胞生理学分野富永真琴先生 Anti TRPM8 Trpm8, CMR1 ラット後根神経節細胞 ( 陽性 : 緑色 ) KM060 25ug / 100ul - 49,000 IH Immunogen :Partial peptide of rat Cold/menthol receptor1 (N terminal) ヒトをはじめ哺乳動物は その皮膚において温度を感じることができます 近年 温度感受性に関する分子生理学的な知 見が蓄積しつつあります 例えば 痛みに関する分子としてクローニングされたカプサイシン関連の受容体 1TRPV1(VR-1) 2TRPV2 (VRL-1) はそれぞれ 43 以上 50 以上の領域に感受性があるとされています Jullus ら Patapoutian らに より新規に 8~28 の領域をカバーする受容体として TRPM8 (Coldand menthol-sensitive receptor 1: CMR1) が発見さ れ それぞれ Nature Cell に報告されました これにより 今後冷たいものに触れたときの涼冷感や痛み感覚の研究 45 以上の高温刺激で冷感覚が引き起こされる いわゆる矛盾冷覚の研究に一石を投じることが予想され 1) 人体はな 提供 : 三重大学医学部ゲノム細胞医科学大講座 ぜ あるものが熱い 冷たいという区別ができるのか? 2) なぜ冷たい刺激に伴う神経の活性化が必ずしも不快感や痛みを伴わないのか? などの研究が分子レベルで進むことが予想されます 分子細胞生理学分野富永真琴先生 Anti Rim1 KO454 25μg - 49,000 ELISA,WB,IP Rim; RIM1; RIM1a; Serg1; Rab3ip1; KIAA0340; RIM1alpha; mkiaa0340; C030033M19Rik; Rims1 Immunogen :Partial peptide of Mouse Rim1 N-terminal region Anti Cacnb4 KO455 25μg - 49,000 ELISA,WB,ICC,IP lh; Cchb4; MGC31529; lethargic; O15Rik; Cacnb4 Immunogen :Partial peptide of Mouse Cacnb4 C-terminal region Anti Trpc3 KO456 25μg - 49,000 ELISA,WB Mwk; Trp3; Trcp3; Trrp3; MGC124333; Trpc3 Immunogen :Partial peptide of Mouse Trpc3 C-terminal -2 -

3 Anti Trpc3 KO457 25μg - 49,000 ELISA Mwk; Trp3; Trcp3; Trrp3; MGC124333; Trpc3 Immunogen :Partial peptide of Mouse Trpc3 C-terminal region Purity :Antigen Affinity Purified Cross Reactivity:Rat Anti Trpc5 KO458 25μg - 49,000 ELISA,WB CCE2; TRP5; Trrp5; MGC124500; Trpc5 Immunogen :Partial peptide of Mouse Trpc5 C-terminal region Purity :Antigen Affinity Purified Cross Reactivity:Bovine Anti Trpc5 KO459 25μg - 49,000 ELISA CCE2; TRP5; Trrp5; MGC124500; Trpc5 Immunogen : Partial peptide of Mouse Trpc5 C-terminal Anti Trpc6 KO460 25μg - 49,000 ELISA,IHC,ICC Trrp6; mtrp6; AV025995; LLHWJM002; LLHWJM003; LLHWJM004; Trpc6 Immunogen :Partial peptide of Mouse Trpc6 C-terminal Purity :Antigen Affinity Purified Cross Reactivity:Rabbit Anti Trpm1 KO461 25μg - 49,000 ELISA,WB Mlsn1; Ltrpc1; AI606771; melastatin; L03Rik; Trpm1 Immunogen :Partial peptide of Mouse Trpm1 middle region Anti Trpm2 KO462 25μg - 49,000 ELISA,ICC Trp7; TRPC7; Trrp7; C79133; LTRPC2; K16Rik;Trpm2 Immunogen :Partial peptide of Mouse Trpm2 middle region -3 -

4 Anti Trpm2 KO463 25μg - 49,000 ELISA,WB,IHC,ICC Trp7; TRPC7; Trrp7; C79133; LTRPC2; K16Rik;Trpm2 Immunogen :Partial peptide of Mouse Trpm2 C-terminal region Purity :Antigen Affinity Purified Cross Reactivity:Human,Rat Anti Trpm7 KO464 25μg - 49,000 ELISA CHAK; CHAK1; Ltpr7; Ltrpc7; TRP-PLIK; G15Rik; K03Rik; O22Rik; Trpm7 Immunogen :Partial peptide of Mouse Trpm7 C-terminal region Purity :Antigen Affinity Purified Cross Reactivity:Human -4 -

5 製品のご注文は 契約代理店にて承っております TEL : FAX : mail@cosmobio.co.jp TEL : FAX : reagent@funakoshi.co.jp TEL : FAX : labchem-tech@wako-chem.co.jp TEL : FAX : medical@sceti.co.jp 製品の技術的なお問合せは 弊社にて承っております 株式会社トランスジェニック営業 企画部 神戸市中央区港島南町 TEL : FAX : techstaff@transgenic.co.jp -5 -

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