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1 平成 26 年度エネルギー需給緩和型インフラ システム普及等促進事業 ( 円借款 民活インフラ案件形成等調査 ) インドネシア : アニエール石炭火力発電所建設事業調査報告書 平成 27 年 2 月 経済産業省新日本有限責任監査法人独立行政法人日本貿易振興機構 委託先 : 株式会社 E & T 総研

2 禁転載

3 平成 2 6 年度エネルギー需給緩和型インフラ システム普及等促進事業 ( 円借款 民活インフラ案件形成等調査 ) インドネシア : アニエール石炭火力発電所建設事業調査報告書平成 2 7 年 2 月経済産業省新日本有限責任監査法人独立行政法人日本貿易振興機構委託先 : 株式会社 E & T 総研

4 まえがき 本報告書は 経済産業省から株式会社 E&T 総研 ( 共同提案法人 : 旭硝子株式会社 ) が平成 26 年度 の事業として受託した 平成 26 年度エネルギー需給緩和型インフラ システム普及等促進事業 ( 円借 款 民活インフラ案件形成等調査 ) の成果をとりまとめたものです 本調査 インドネシア : アニエール石炭火力発電所建設事業調査 は 旭硝子の連結子会社で東南アジア最大級のクロール アルカリメーカーである Asahimas Chemical 社所有の Anyer 工場敷地に石炭火力発電設備を導入し 当該地域の電力需給バランス問題に貢献し得る電力リソースを確保するためのプロジェクトの実現可能性を調査したものです 本報告が上記プロジェクト実現の一助となり 加えて我が国関係者の方々のご参考になることを希望 します 平成 27 年 2 月 委託先 : 株式会社 E&T 総研 共同提案法人 : 旭硝子株式会社

5 プロジェクト地図 出展 :Google earth

6 略語表 略語 正式名称 日本語訳 AMDAL Analisis Mengenai Dampak Lingkungan 環境影響評価 (Environmental Impact Assessment) ANDAL Analisis Dampak Lingkungan Hidup 環境影響分析 (EIA の一部 ) (Environmental Impact Analysis) BAKOREN Badan Koordinasi Energi Nasional 国家エネルギー調整委員会 (National Energy Adjustment Committee) BAPEDAL Badan Pengendalian Dampak Lingkungan (Emvironmental Impact Management Agency) 環境管理庁 (2000 年に廃止 BPLHD に移管 ) BAPPEDA Badan Perencana Pembangunan Daerah 地方開発企画庁 (Regional for Planning and Development Agency) BPLHD Badan Pengelolaan Lingkungan Daerah (Regional Environmental Agency/Department of インドネシア地方政府の環境管理局 / 環境部 Environment) BPPT Badan Pengkajian dan Penerapan Teknologi インドネシア技術評価応用庁 (Agency for the Assessment and Application of Technology) BKPM Badan Koordinasi Penanaman Modal 投資調整庁 CCT Clean Coal Technology クリーンコールテクノロジー CFB Circulating Fluidized Bed 循環流動層ボイラ CFPP Coal-Fired Power Plant 石炭火力発電所 COP Conference of the Parties 気候変動枠組み条約締約国会議 CMP Conference of the parties serving as the 京都議定書締約国会合 Meeting of the Parties to the Kyoto Protocol CoW Contract of Work 鉱業事業契約 CCoW Coal Contract of Work 石炭鉱業事業契約 DEN Dewan Energi Nasional 国家エネルギー審議会 (National Energy Council) DGE Directorate General of Electricity 電力総局 DMO Domestic Market Obligation 国内供給義務 EIA Environmental Impact Assessment 環境影響評価 ESDM Kementerian Energi dan Sumber Daya Mineral エネルギー鉱物資源省 (Ministry of Energy and Mineral Resources) FS Feasibility Study 事業性の評価 HBA Harga Batubara Acuan (Coal Price Refence) 石炭基準価格 HPB Harga Patokan Batubara (Benchmark Coal Price) 標準炭価格

7 略語 正式名称 日本語訳 ICI Indonesia Coal Index インドネシア石炭価格指標 ICMA Indonesia Coal Mining Asociation インドネシア石炭鉱業協会 ICPR Indonesia Coal Price Reference インドネシア石炭価格基準 IEA International Energy Agency 国際エネルギー機関 IPP Independent Power Producer 独立系発電事業者 IUP Izin Usaha Pertambangan 鉱業事業許可 (Mining Business License) IUPK IUP Khusus 特別鉱業事業許可 (Special Mining Business License) IUPTL Izin Usaha Penyediaan Tenaga Listrik 電力供給事業ライセンス (Power Supply License) IO Izin Operal(operating license) 操業ライセンス JICA Japan International Cooperation Agency 国際協力機構 MEMR Ministry of Energy and Mineral Resources エネルギー鉱物資源省 MOE Ministry of the Environment 環境省 PLN PT Perusahaan Listrik Negara 国有電力会社 (State Electricity Company) PPA Power Purchase Agreement 電力売電契約 PPU Private Power Utilities 電力供給事業者 RTRW Rencana Tata Ruang Wilayah 空間計画 (Sapcial Plan) RUEN Rencana Umum Energi Nasional (National Energy Plan) 国家電力総合エネルギー総合計画 RUKN Rencana Umum Ketenagalistrikan Nasional 国家電力総合計画 (General National Power Plan) RUPTL Rencana Umum Penyediaan Tenaga Listrik 電力供給事業計画 (Electrical Power Supply Plan) SC Super Critical 超臨界圧 SPC Special Purpose Company 特別目的会社 Sub-C Sub Critical 亜臨界圧 USC Ultra Super Critical 超々臨界圧 WU Wilayah Usaha (business area) 事業エリア

8 目次 まえがきプロジェクト地図目次略語表 要約... 1 (1) プロジェクトの背景 必要性等 ) プロジェクトの公益的な背景 必要性 ) ASC 社の事業環境... 2 a) 電気料金の値上げ... 2 b) 電力バランス危機の顕在化 ) ASC 社の事業計画... 3 (2) プロジェクト内容決定に関する基本方針... 4 (3) プロジェクトの概要 ) プロジェクトの概要 ) 事業総額... 6 a) 建設費 ( 設計 調達 工事 :EPC)... 6 b) 初期投資コスト... 7 c) ランニングコスト ) 予備的な財務 経済分析の結果概要 ) 環境社会的側面の検討... 8 a) 環境社会面における現状分析... 8 b) プロジェクトの実施に伴う環境改善効果... 8 c) プロジェクトの実施に伴う環境社会面への影響... 9 d) 相手国の環境社会配慮関連法規の概要およびそのクリアに必要な措置... 9 e) プロジェクトの実現のために当該国 ( 実施機関その他関係機関 ) が成すべき事項... 9 (4) 実施スケジュール... 9 (5) 実施に関するフィージビリティ (6) 我が国企業の技術面等での優位性 (7) 調査対象国内での事業実施地点が分かる地図 第 1 章相手国 セクターの概要 (1) 相手国の経済 財政事情 ) 経済 産業 財政の状況 a) 経済 b) 産業 c) 財政... 17

9 2) 経済政策 産業政策の概要 a) 国家開発計画 b) MP3EI c) MPA d) 新産業政策 (2) プロジェクトの対象セクターの概要 ) エネルギー政策 a) 新国家エネルギー政策 (New KEN)( 2014 年 ) b) 主なエネルギー 電力関係の法律 ) エネルギーの需要及び価格の動向 a) 発電電力量 b) 販売電力量 c) 電力の今後の見通し d) 電力供給計画 e) 電気料金 f) 産業用電気料金値上げ 電気料金自動調整制度 g) PLN への政府補助金 h) PLN の経営状況 ) エネルギー関連事業の構造 a) 電気事業の概要 b) エネルギー鉱物資源省 (MEMR) c) 国有電力会社 (PLN) d) IPP( 独立発電事業者 ) ) 電源設備及び系統の現状及び計画 a) 国家電力総合計画 (RUKN) と電力供給事業計画 (RUPTL) b) 二つのクラッシュプログラム c) 投資ニーズ ) 石炭に関する動向 a) インドネシアにおける石炭資源概要 b) インドネシアの鉱業法に関する動き c) インドネシア炭の生産動向 d) 産炭地および需要地への輸送方法 (3) 対象地域の状況 ) インドネシアにおける各種開発リスク a) 国内政治 経済情勢 b) 為替リスク c) 自然災害 d) 政策の変動 e) 暴動等の反社会的行動 ) 対象プロジェクトの周辺環境... 64

10 第 2 章調査方法 (1) 調査内容 ) 調査内容 ) 調査対象 (2) 調査方法 体制 ) 調査方法 ) 調査体制 (3) 調査スケジュール 第 3 章プロジェクトの内容および技術的側面の検討 (1) プロジェクトの背景 必要性等 ) プロジェクトの公益的な背景 必要性 ) ASC 社の事業環境 a) 電気料金の値上げ b) 電力バランス危機の顕在化 ) ASC 社の事業計画 (2) エネルギーの利用の高度化および合理化について (3) プロジェクトの内容等決定に必要な各種検討 ) 関連規制 政策の概要 経緯 a) 電気事業体制 b) 電力法 c) 新電力法の法体系 ) 関連規制 政策の詳細 a) 規制の概要 b) IPP に関する規制 c) PPU に関する規制 ) 関連機関の見解 a) まとめ b) エネルギー鉱物資源省 (MEMR): 電力総局 c) PLN:Power System Planning 担当者 d) PLN:Marketing Division ) 需要予測 a) インドネシアの電力需給見通し b) ASC 社の電力需要見通し ) 燃料調達 a) インドネシアの炭鉱概要 b) 供給可能な炭鉱の選定 (4) プロジェクトの計画概要 ) プロジェクトの内容決定の基本方針 ) 提案プロジェクトの内容

11 a) 評価基準 前提条件 b) 事業方式 c) 技術方式 ) 概念設計および適用設備の仕様 a) 敷地及び主要設備 b) 発電プラントの出力及び方式 c) 発電プラントの蒸気条件等 d) 使用する石炭の発熱量 e) 石炭の年間使用量 f) 貯炭量 g) 灰捨場 h) 取水路 放水路 i) 仕様 ( まとめ ) ) 提案技術 システムを採用するに当たっての課題およびその解決策 第 4 章環境社会的側面の検討 (1) 環境社会面における現状分析 ) 現状分析 a) 環境問題の現状 b) 土地利用 開発 ( 対象プロジェクトの周辺環境 ) ) 将来予測 ( プロジェクトを実施しない場合 ) (2) プロジェクトの実施に伴う環境改善効果 ) CO2 排出原単位の比較 a) インドネシアの系統電力 b) 対象プロジェクト ( ケース1 ケース2) ) 年間 CO2 排出削減量 (3) プロジェクトの実施に伴う環境社会面への影響 ) 環境社会配慮項目の検討 a) 許認可 説明 b) 汚染対策 c) 自然環境 e) その他 ) 他の選択肢との比較検討 ) 環境社会面への影響に関する情報収集結果 (4) 相手国の環境社会配慮関連法規の概要およびそのクリアに必要な措置 ) プロジェクト実施に関係する環境社会配慮関係法規の概要 a) 環境管理と環境影響評価 b) 空間計画 c) 環境対策 基準に関する主要法規 d) 火力発電所に係る排出基準

12 2) プロジェクトの実施に必要となる相手国の EIA( 環境アセスメント ) 等の内容 a) 申請 認可 b) AMDAL 文書体系 (5) プロジェクトの実現のために当該国 ( 実施機関その他関係機関 ) が成すべき事項 第 5 章財務的 経済的実行可能性 (1) 事業費の積算 ) 建設費 ( 設計 調達 工事 :EPC) ) 初期投資コスト ) ランニングコスト (2) 予備的な財務 経済分析の結果概要 ) 財務的内部収益率 (FIRR) ) 経済的内部収益率 (EIRR) ) 総合評価 第 6 章プロジェクトの実施スケジュール 第 7 章相手国側実施機関の実施能力 (1) 相手国側関係機関 (2) プロジェクト参画主体 ) プロジェクト開発段階 ) 事業実施段階 第 8 章我が国企業の技術面等での優位性 (1) 想定される我が国企業の参画形態 ( 出資 資機材供給 施設の運営管理等 ) ) 出資 ) 資機材の供給 ) 施設の運営管理 (2) 当該プロジェクト実施に際しての我が国企業の優位性 ( 技術面 経済面 ) ) 技術面での優位性 ) 経済面での優位性 a) 欧米の石炭火力発電所に対する融資制限 b) 日本政府 政府系機関の取り組み (3) 我が国企業の受注を促進するために必要な施策 第 9 章プロジェクトの資金調達の見通し (1) 資金ソースおよび資金調達計画の検討 (2) 資金調達の実現可能性 (3) キャッシュ フロー分析 第 10 章案件実現に向けたアクションプランと課題 (1) 当該プロジェクトの実施に向けた取り組み状況

13 (2) 当該プロジェクトの実現に向けた相手国の関係官庁 実施機関の取り組み状況 (3) 相手国の法的 財務的制約等の有無 ) WU の取得 ) PPU(SPC) から ASC への小売料金 ) PPU(SPC) から PLN への売電料金及び契約期間 ) PLN からの電力バックアップ (4) 追加的な詳細分析の要否

14 要約

15 (1) プロジェクトの背景 必要性等 1) プロジェクトの公益的な背景 必要性インドネシアでは 経済成長に伴い電力需要が堅調に増加する一方で 電源と送配電網の整備の遅れにより深刻な電力不足に陥っている PLN の電力供給事業計画 (RUPTL 2013 年版 ) によれば 2013 年から 2022 年にかけて 電力需要は 189TWh から 386TWh まで 年率 8.4% の勢いで増加すると見込まれている この電力需要を満たすには 2022 年までに国全体で 59.5GW の追加の発電供給能力が必要だが このうち 17.1GW(29%) は開発の見通しが決まっていない状況にある このためインドネシア政府は 石炭火力発電所をはじめとする電源と送配電網の整備を加速化する政策を打ち出しており 設備投資等における外国資本の導入を歓迎している また電源整備の強化に際して 政府は PLN の電源だけでなく 民間による IPP PPS(Private Power Utility) 自家発の整備も推奨している 一方我が国企業は 石炭火力発電所について 超臨界圧 (SC) 循環流動層(CFB) をはじめとする優れたハードウェア技術や 運転管理 (O&M) の技術 ノウハウを有している また 海外投融資をはじめとする我が国の公的ファイナンスを活用することが可能である 本プロジェクトは こうした我が国の技術 資金リソース 及びジャワ島西部 Cilegon 市に位置するアサヒマス ケミカル (ASC 社 ) のアニエール工場の敷地を活用して 60/45 万 kw 規模の石炭火力発電所を建設し 電力の一部を PLN に供給してインドネシアの電力需給緩和に貢献するとともに 我が国にとって裨益性の高いインフラ案件の迅速な形成 及び我が国製造業の国際競争力の強化 グローバル展開の円滑化に資するものである 2) ASC 社の事業環境旭硝子の連結子会社で インドネシアを拠点とし苛性ソーダ 塩素から塩ビまでを一貫生産する東南アジア最大級のクロール アルカリメーカー アサヒマス ケミカル (ASC 社 ) においては 電力リソース確保手段の検討が急務の課題となっており 有力な選択肢となる発電プラントの具体化の方法論ならびに実現可能性の確認 検証を早期に行う必要性に迫られている a) 電気料金の値上げインドネシアにおいては PLN( 国営電力公社 ) の赤字等を背景として 2014 年 1 月 対象を限定して大口需要家向け電力値上げが決定された これに基づき 2014 年から 2015 年にかけて 電力契約区分 I4(30MVA 以上 ) の約 60 社 : +65% 電力契約区分 I3(20KVA 以上 ) の上場会社 : +39% の引き上げが実施されることとなり ASC 社 ( 電力契約区分 I4) の事業展開に悪影響を及ぼす状況が生じている b) 電力バランス危機の顕在化 インドネシアにおける電力需要の増加に対する基盤 ( 発電所 送電線 ) 整備の遅れにより 2015 年以 降 電力バランス危機が顕在化し 上記のコスト問題とともに対応を要する状況が生じている 2

16 3) ASC 社の事業計画東南アジア地域は 高い経済成長に伴い インフラ材となる基礎化学製品の長期的需要拡大が見込まれている ASC 社ではこの旺盛な需要を背景に生産能力の増強を計画化している 2015 年末までに生産設備を追加増設し 生産能力を苛性ソーダは現行 ( 既に今年 3 月に苛性ソーダの生産能力を約 50 万トン / 年に増強済 ) の 40% 増の約 70 万トン / 年 塩ビ樹脂 (PVC) はほぼ倍増の約 55 万トン / 年とする予定である アサヒマス ケミカル社は 現在以下の製品を製造しており 苛性ソーダの生産能力を現在の 50 万トンから 2015 年末に 70 万トンに拡大することを計画している 苛性ソーダ (NaOH) : レーヨン, 石鹸洗剤, 紙パルプ, 化学 塩ビモノマー(VCM) : 塩ビ樹脂原料 塩ビ樹脂 (PVC) : 塩ビ管, フィルム, 電線被覆苛性ソーダや塩ビ原料の塩素を製造する電解設備では電力コストが高い比重を占めることから 電力料金高騰への早急な対応が求められている このため ASC は 本プロジェクトの石炭火力発電所に自社用地を提供し PLN に売電を行い電力需給緩和に貢献するとともに 同発電所から PLN より安価な電力の供給を受けることを計画している 3

17 (2) プロジェクト内容決定に関する基本方針 本案件形成等調査の提案の際 対象プロジェクトの技術方式 出力として 日本国内で稼働中の東京電力 広野火力発電所 5 号機 (60 万 kw:usc 主蒸気温度: 年 7 月運開 ) 6 号機 (60 万 kw:usc 2013 年 12 月運開 ) 等を参考に USC 60 万 kw の採用を想定した これらはいずれも高品位な瀝青炭を使用している 本プロジェクトで使用する炭種としては インドネシアに産出する瀝青炭 亜瀝青炭や海外炭を含めて 幅広い炭種を想定していた その後の調査の過程で 文献調査及び JCOAL 等からのヒアリングを通じて インドネシアのエネルギー政策として 瀝青炭は主に輸出用に用い 国内消費用としては亜瀝青炭が重視されていること 及び価格的にも亜瀝青炭の使用がリーズナブルであることが判明した また インドネシア産亜瀝青炭を使用した USC として 単機容量が 100 万 kw の計画はあるが 単機容量が 100 万 kw 未満の計画は無いことがわかった インドネシアでは今後 バタン (100 万 kw 2 基 ) インドラマユ (100 万 kw 1 基 ) の USC 石炭火力発電所の運開が予定されており いずれも単機容量は 100 万 kw である その他 PLN が計画 検討している USC 石炭火力である Jawa-1 Jawa-4 Jawa-5 Jawa-6 も いずれも単機容量は 100 万 kw である 環境省の BAT の参考表 ( 平成 26 年 4 月 ) では 日本における最新鋭の USC 石炭火力技術として 90~110 万 kw 級 70 万 kw 級 及び 60 万 kw 級を挙げているが いずれも燃料仕様は 瀝青炭で 灰融点の高い石炭 ( 灰溶融温度 1400 超 ) が主体 としており また USC は 発電規模が大規模となるため 小規模なものには採用不可 としている また 国内の専門家ヒアリング及び技術文献より 水分が多いインドネシア産亜瀝青炭を使用する場合 高温 高圧化では材料の腐食が進行しやすいため 腐食を防ぐ高価な材料が必要となり スケールメリットの観点から 100 万 kw 級の出力規模が必要であることがわかった このため インドネシア産亜瀝青炭を使用した 60 万 kw の USC は 技術的に全く不可能ではないものの 実績も計画もまだ無く 実用機としては相当のリスクがあり 実証機的な性格が強くなることが判明した 以上の経緯により 本 FS 調査の対象として インドネシア産亜瀝青炭の使用を前提に USC( 超々臨界圧 ) だけでなく SC( 超臨界圧 ) Sub-C( 亜臨界圧 ) CFB( 循環流動層 ) も含めて検討を行うこととした (3) プロジェクトの概要 1) プロジェクトの概要 1 電気事業方式 : PPU(Public Power Utility) 根拠法令: 新電力法 ( 第 9 条のa 等 ) 2 発電事業体 : SPC 発電電力の一部を SPC から ASC に構内配線を通じて電気を小売供給 同時に 発電電力の一部を SPC から PLN に売電 内外の投融資機関から出資及び融資を受ける 3 規模 ( 発電出力及び小売 売電容量 ) 発電出力: 45/60 万 kw 4

18 PPU(SPC) から ASC への小売 : 27.5 万 kw PPU(SPC) から PLN への売電 : 15/30 万 kw( 発電プラントの所内消費 :2.5 万 kw を除く ) 図要 -1 電力システム構成 PLN の系統 :150kV PLN の系統 :150kV SW:ON SW:OFF SW:OFF SW:ON 15/30 万 kw バックアップ 27.5 万 kw 45/60 万 kw SW:ON G PPU SW:ON ASC 電力負荷 SW:OFF G PPU SW:ON ASC 電力負荷 27.5 万 kw 通常時 定期点検及び非常時 出典 : 調査団作成 4 技術方式 USC( 超々臨界圧 ) SC( 超臨界圧 ) Sub-C( 亜臨界圧 ) CFB( 循環流動層 ) について比較検討を行っ た結果 以下の 2 ケースを想定した ケース1 技術方式: SC( 超臨界圧 ) 一般的に 主蒸気温度が 566 以下を超臨界圧 (SC) 566 超を超々臨界圧 (USC) と呼んでいる 本プラントの主蒸気温度は 566 であるため 定義上は超臨界圧 (SC) であるが いわば USC に近い超臨界圧といえる 出力: 60 万 kw 1 基 = 計 60 万 kw PPU(SPC) から 30 万 kw を ASC に小売供給 残り 30 万 kw を PLN に売電 ASC の電力負荷は基本的に 24 時間であり比較的安定しているため PLN への売電量は 下記の定期点検時を除いて安定しており PLN にとって重要な電力供給源となる 定期点検時のバックアップ: PLN から 30 万 kw 相当 (ASC の電力需要分 ) のバックアップを受ける ケース2 技術方式: CFB( 循環流動層 ) CFB はインドネシアの低発熱量の亜瀝青炭にも適用し得る 出力: 15 万 kw 3 基 = 計 45 万 kw PPU(SPC) から 30 万 kw を ASC に小売供給 15 万 kw を PLN に売電 5

19 ASC の電力負荷は基本的に 24 時間であり比較的安定しているため PLN への売電量は 下記の定期点検時を除いて安定しており PLN にとって重要な電力供給源となる 定期点検時のバックアップ: 定期点検時には 1 基 ( 15 万 kw) のみ停止し PLN への売電も停止し 定期点検時の ASC の所内負荷 (30 万 kw) は 残り 2 基 (15 万 kw 2 基 =30 万 kw) で賄う 2) 事業総額 a) 建設費 ( 設計 調達 工事 :EPC) 表要 -1 建設費 ( ケース 1:SC:60 万 kw 1 基 ) 項目 概算費用 外貨分 (US$ 百万 ) 内貨分 ( ルピア十億 ) 合計 (US$ 百万 ) 1 ボイラおよび環境装置 蒸気タービンおよび発電機 運炭 & 灰処理設備 電気 制御設備 その他付帯設備 土木 据付工事 小計 , 予備費 ( 小計の 10%) 合計 , 表要 -2 建設費 ( ケース 2:CFB:15 万 kw 3 基 ) US$1= ルピア 12,600 で換算 出典 : 調査団作成 項目 概算費用 外貨分 (US$ 百万 ) 内貨分 ( ルピア十億 ) 合計 (US$ 百万 ) 1 ボイラおよび環境装置 蒸気タービンおよび発電機 運炭 & 灰処理設備 電気 制御設備 その他付帯設備 土木 据付工事 小計 , 予備費 ( 小計の 10%) 合計 , US$1=ルピア 12,600 で換算出典 : 調査団作成 6

20 b) 初期投資コスト 表要 -3 初期投資コスト ( ケース 1) 項目 概算費用 外貨分 (US$ 百万 ) 内貨分 ( ルピア十億 ) 合計 (US$ 百万 ) 1 EPC コスト ( 表要 -1 要 -2 参照 ) , 変電所 ( 増設 ) 諸費用 (1+2 の 5%) 建設中の金利 合計 , 表要 -4 初期投資コスト ( ケース 2) US$1= ルピア 12,600 で換算 出典 : 調査団作成 項目 概算費用 外貨分 (US$ 百万 ) 内貨分 ( ルピア十億 ) 合計 (US$ 百万 ) 1 EPC コスト ( 表要 -1 要 -2 参照 ) , 変電所 ( 増設 ) 諸費用 (1+2 の 5%) 建設中の金利 合計 , US$1=ルピア 12,600 で換算出典 : 調査団作成 c) ランニングコスト 表要 -5 ランニングコスト ( ケース 1) 項目 概算費用 外貨分 (US$ 百万 ) 内貨分 ( ルピア十億 ) 合計 (US$ 百万 ) 1 運転保守 燃料 0.0 1, 土地 各種保険料 1 に含む 1 に含む 1 に含む 5 支払金利 5.38%/8.00% %/8.00% 6 法人税 % 25% US$1=ルピア 12,600 で換算出典 : 調査団作成 7

21 表要 -6 ランニングコスト ( ケース 2) 項目 概算費用 外貨分 (US$ 百万 ) 内貨分 ( ルピア十億 ) 合計 (US$ 百万 ) 1 運転保守 燃料 土地 各種保険料 1 に含む 1 に含む 1 に含む 5 支払金利 5.38%/8.00% %/8.00% 6 法人税 % 25% US$1=ルピア 12,600 で換算出典 : 調査団作成 3) 予備的な財務 経済分析の結果概要対象プロジェクトの FIRR を算出した結果 11.5%( ケース1) 14.3%( ケース2) と算定された この値はインドネシアの長期金利 (7~9%) を大きく上回っており プロジェクトの財務的なフィージビリティは高いと考えられる その理由の1つとして ASC が発電プラントの建設用地を既に確保しており土地の利用に係るランニングコストがかからないこと 及びインドネシアに豊富に産出する比較的安価な亜瀝青炭を使用できること等が挙げられる しかも PLN からの受電価格に比べてかなり安い価格で電力を調達でき また電力不足に悩む PLN の系統に電気を逆潮流することにより インドネシアの電力需給の逼迫緩和に貢献することができる なお本計算では PLN への売電価格を 自家発余剰電力と同等の 656 ルピア /kwh( 約 6 セント /kwh) という安価な値で設定した 実際には PLN への売電価格は PLN との相対交渉により決まり PLN の電力系統問題への貢献を考えると さらに高い価格で交渉が成立する可能性もある その場合は FIRR はさらに高い値となり 本プロジェクトの経済的な実現可能性は一層高まるものと考えられる 4) 環境社会的側面の検討 a) 環境社会面における現状分析インドネシアにおける石炭火力発電の新設は 逼迫する電力需給問題への貢献が期待される一方で 一般に大気汚染や水質汚濁 温室効果ガス排出などの環境問題 また 地元住民の反対 ( 職 住環境への影響 土地の空け渡し問題等に起因 ) 等のリスクが懸念視されるところであり 当該プロジェクトの実施に際してはにこれらの問題を十分に考慮し適切な対策を講じる必要がある b) プロジェクトの実施に伴う環境改善効果プロジェクトの実施に伴う環境改善効果として 対象プロジェクト ( 石炭火力発電 : ケース1 ケース2) から排出される CO2 排出量と インドネシアの系統電力の排出係数から計算される CO2 排出量を比較した 8

22 1CO2 排出原単位の比較 2011 年のインドネシアの石炭火力の CO2 排出原単位は 1,065 g-co2/kwh である 一方 対象プロジェクトの CO2 排出原単位は ケース1(60 万 kw SC) で 856 g-co2/kwh ケース 2(45 万 kw CFB) で 988 g-co2/kwh と試算された 対象プロジェクトの CO2 排出原単位は インドネシアの石炭火力平均に比べて ケース1で 20% 削減 ケース2で 7% 削減となる 2 年間 CO2 排出削減量相対的に大きな CO2 排出削減が行われるケース1に着目し 対象プロジェクトによる年間 CO2 排出削減量は 1,026,012 t-co2/ 年 即ち約 103 万 t-co2/ 年と算定された c) プロジェクトの実施に伴う環境社会面への影響対象プロジェクトの環境社会面への影響を評価し 本調査の次の段階で必要となる環境社会配慮項目を幅広く洗い出するために JICA 環境社会配慮ガイドライン の チェックリスト一覧表 ならびに JBIC 環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン の チェックリスト一覧表 を参考として検討を行った その結果 適切な環境社会配慮対策を講じる前提で実施を計画する当該プロジェクトにおいては 重大な環境負荷や社会への負の影響は認められないものと考えられる d) 相手国の環境社会配慮関連法規の概要およびそのクリアに必要な措置 インドネシアにおいて対象プロジェクトを実現するためには 主たる環境要件をクリアしていること を示すため環境影響評価を実施しなくてはならない e) プロジェクトの実現のために当該国 ( 実施機関その他関係機関 ) が成すべき事項 環境影響評価の実施権限は当該プロジェクトが位置するがチレゴン市が所管しており 実施期間は速 やかに申請 認可手続きを行い 許認可を得る必要がある (4) 実施スケジュール プロジェクトの実施スケジュールは以下に想定する通りである 本プロジェクトは既設施設内の増設であり 立地に係る土地取得および環境社会影響への対応に関し大きなリスクがないと想定されるため 新規案件と比較しスムーズな実現化が可能と判断される 9

23 図要 -2 プロジェクトの実施スケジュール ( 年 ) ( 四半期 ) 詳細 FS 計画化 詳細設計 リソース整備 確保 事業体 (SPC) 組成 ファイナンス 許認可等の整備 電力供給事業認可関係 環境影響評価 PLN との PPA の交渉 締結 各種契約の交渉 締結 石炭供給先との長期燃料供給契約の交渉 締結 EPC の選定 契約交渉 締結 O&M の選定 契約交渉 締結 建設工程 建設 ( 運開 ) 出典 : 調査団作成 (5) 実施に関するフィージビリティ 対象プロジェクトの FIRR( ケース1:11.5% ケース2:14.3%) は インドネシアの長期金利 (7~9%) を大きく上回り プロジェクトの財務的なフィージビリティは高い プロジェクトの実施に際して 規制面での大きなネックはない PPU に必要な WU の取得に際しては 特に PLN の了解が鍵となる その他 PLN への売電料金 契約期間の交渉を含め PLN との調整が重要である もう1つの鍵は資金調達である JBIC を含め内外の投融資機関との調整が重要となる その際 利益率 (IRR 等 ) の面では理解は得られやすいと考えられ その他日本企業の関与度合 PLN への売電契約期間等が調整の焦点になると考えられる (6) 我が国企業の技術面等での優位性 日本企業は 超臨界圧発電設備及び CFB 発電設備について 技術面において 外国企業に対する優位性を維持していると考えられる 国内において長年に渡り厳しい環境基準の中で臨界圧 /CFB 発電に関する技術を形成してきており 本邦企業による発電設備の技術水準は世界でも高い水準にあり 豊富な納入実績を有している 10

24 コスト面ではアジア企業との競争があるが 設備 O&M の品質を含めた技術面での日本企業への信頼 は維持されている (7) 調査対象国内での事業実施地点が分かる地図 図要 -3 プロジェクト地図 出展 :Google earth 11

25 第 1 章相手国 セクターの概要

26 (1) 相手国の経済 財政事情 インドネシアは ASEAN 唯一の G20( 主要 20 カ国 地域 ) のメンバー国として 近年 BRICs( ブラジル ロシア インド 中国 ) と肩を並べるほどの経済成長を見せている 現在 インドネシアの GDP は 韓国に次ぎ世界第 16 位の経済大国で ここ 10 年間は年率数パーセントの経済成長を維持している また 日本の 2 倍の 2.5 億人 ( 世界第 4 位 ) の人口 平均年齢 28.9 歳 ( 日本 45.8 歳 ) と 30 歳未満が人口の半分を占める成長性のある大きな市場である また ジャワ島は 人口の 6 割が集中した効率的な市場となっている 更に 世界一の親日国家 安価な労働市場 豊富な天然資源等がありポテンシャルは極めて高いが ハード ソフト両面のインフラ整備が課題となっている 表 1-1 名目 GDP 上位 20 ヶ国 (2013 年 ) 注 ) G8 メンバー国 G20 メンバー国 出典 : IMF - World Economic Outlook Databases (2014 年 10 月版 ) 1) 経済 産業 財政の状況 a) 経済インドネシア経済は 2009 年のリーマンショック後も 6% 前後の成長率を維持し堅調に推移している 具体的に数字でみると 2001 年に 3.6% であった経済成長率は 2005 年以降は 5% 後半 ~6% 台を達成した 2009 年は世界金融 経済危機の影響を受けたものの 4.6% という比較的高い成長率を維持し 2010 年には一人当たり名目 GDP が耐久財普及の本格化の目安とされる 3,000 ドルを突破した そして 2011 年は 6.5% 2012 年は 6.2% と引き続き堅調な経済成長を達成した 2014~2015 年においても 5% 台にとどまると見込まれるが 依然として ASEAN の優等生である 13

27 図 1-1 ASEAN 諸国の GDP 比較 (2013 年 ) 出典 : IMF - World Economic Outlook Databases (2014 年 10 月版 ) 表 1-2 インドネシアの実質経済成長率 出典 : 外務省 インドネシアの基礎データ JETRO インドネシア 基本情報 統計 インドネシアの安定成長を支える要因は 人口と豊富な天然資源である 人口は 約 2.5 億人と世界第 4 位で 人口が比較的に若い人口構成で かつ 生産年齢人口 (15 歳 ~64 歳 ) は 2025 年にかけて増加が続き 販売市場としてのポテンシャルの大きさとともに人口ボーナス効果が期待される また 消費市場を活性化する中間層 (5,000 ドル~35,000 ドル ) の人口は 2009 年時点で約 8,200 万人から 2015 年には 1 億 7,000 万人へ倍増 2020 年には約 2 億人に達すると見込まれている 14

28 図 1-2 年代別人口ピラミッド (2010 年 ) 出典 : インドネシア統計局 総務省統計局 中長期的に見れば 今後も総人口 労働力人口ともに増加が見込まれるインドネシアは 国内需要拡大のポテンシャルは非常に大きく 世界でも有数の巨大市場となっている しかしながら 所得と需要は増加しているが 外国投資家にとってインドネシアの魅力は 技術の高さや競争力をもつ労働者ではなく 豊富な天然資源や急拡大する内需であり すべてが順調という訳ではない b) 産業インドネシアの主要産業は 鉱業 ( 石油 LNG アルミ 錫) 農業( 米 ゴム パ-ム油 ) 工業( 木材製品 セメント 肥料 ) である 2013 年における実質 GDP 構成比は 下図にみるように製造業 (23%) 農林水産業 (14%) 商業 ホテル 飲食業(14%) 鉱業(11%) 建設(10%) 運輸 通信(7%) 金融 不動産 企業サービス (7%) サービス(11%) となっている 15

29 図 1-3 インドネシアの主要産業 出典 : 経済産業省 インドネシア政府統計資料 (2013 年 ) インドネシアの鉱業は 非鉄金属鉱物資源を中心に 2011 年で錫 ( 世界 2 位 ) ボーキサイト( 世界 2 位 ) ニッケル( 世界 3 位 ) 石炭 ( 世界 6 位 ) 金 ( 世界 8 位 ) 銅 ( 世界 9 位 ) 天然ガス( 世界 10 位 ) 石油 ( 世界 20 位 ) と多量に生産している インドネシアの農業は ジャワ島を中心とする小規模な農業 ( コメ キャッサバが中心 ) とスマトラ島における農園 ( パームオイル コーヒー ゴム等 ) での大規模なプランテーションが行われている インドネシアの工業は 零細 中小企業セクターで成り立っているのが実態であるが 近年 ジャカルタ郊外には数多くの工業団地が増設され 日系企業が現地に子会社や合弁会社などの形態で多数進出している これは 国際協力銀行 (JBIC) が毎年実施する海外直接投資アンケート調査でも インドネシアへの関心度合いの急上昇がうかがえる 図 1-4 日本の製造業が事業展開先として有望と考える国 出典 : 国際協力銀行 海外投資アンケート調査結果 ( 各年度 ) 16

30 図 1-5 日系企業進出マップ (2012 年 ) 出典 : 経済産業省資料 c) 財政インドネシアの財政収支は 1988 年のアジア通貨危機による経済破綻後 恒常的に赤字が続いているが 財政赤字は GDP の 3% 以内で推移し赤字が拡大してはいない 政府部門の債務残高の対 GDP 比率をみても インドネシアの比率は 2000 年以降 顕著に低下しており 図のように近隣 ASEAN 諸国と比べてかなり低いことが分かる このように インドネシアの財政は恒常的に赤字は続いているが 赤字幅は限定的で また 債務残高も比較的少ない つまり いまのところ 財政赤字や政府債務がインドネシアのマクロ経済にとってリスク要因になるような状況ではない 17

31 図 1-6 アジア諸国の政府債務残高対 GDP 比率 出典 : インドネシア経済の現状と今後の展望 三菱 UFJ リサーチ & コンサルティンク 2014 年 10 月 インドネシアの財政の問題は その支出構造にある インドネシア政府予算で最大の支出額はエネルギー補助金が 3 割を占めていたことであり 特に エネルギー補助金の中でも ガソリンの小売価格を実勢価格よりも 4 割近く安くしている燃料補助金であった つまり 燃料補助金によって市場メカニズムを無視した安い価格でガソリンが提供され それが 過剰な消費と輸入拡大を招き インドネシアの経常赤字拡大につながっていた 2014 年 10 月に新大統領に就任したジョコウィ氏は 財政を改善しインフラ開発などに資金を回して経済成長を促すべく 公約としていた燃料補助金削減を実行に移している 2014 年 11 月 17 日 インドネシア政府はガソリン価格を引き上げ石油製品の小売価格を抑えるための燃料補助金を削減することを発表 今回の値上げにより レギュラーガソリンの価格を現行の 1 リットルあたり 6,500 ルピアから 8,500 ルピアに約 30% 引き上げられた他 軽油も 36% 引き上げられることとなった 1 インドネシアでは港湾や道路 電力網といったインフラ整備が中長期的な経済成長のための重要な課題であり また貧困対策など社会保障分野の予算拡充も求められているが 2014 年予算ベースで中央政府支出の 17% を占める燃料補助金の削減は インフラ整備や貧困対策の強化につながると期待されている ただし ジョコウィ新大統領の政権基盤は必ずしも盤石でない現状にあり ( 連立与党の国会議席数は過半数を割り込んでいる ) インドネシア新政府の今後の改革についてはその動向を注視していく必要がある 2) 経済政策 産業政策の概要インドネシアの経済政策 産業政策は BAPPENAS ( 国家開発計画庁 ) の国家長期開発計画 (National Long-term Development Plan(RPJPN)) と国家中期開発計画 (National Medium-term Development Plan (RPJMN)) 経済担当調整大臣府の 経済開発加速化 拡充マスタープラン(MP3EI) 及び工業省の産業政策法の3つの計画で推進されている これらの政策は相互に補完的な関係ということになるが重複の 1 一方 燃料価格の引き上げによるインフレ率の上昇が懸念材料となるが インドネシア中銀は 2014 年 11 月 18 日に緊急金融政策会合を開催し 政策金利であるレファレンス金利を 7.75% に引上げることを決定した 18

32 懸念は否定できない インドネシアでは 関係省庁間でのハイレベルな政策調整は経済担当調整大臣府 が行うことになっており 産業ビジョンの推進では一致し対立は回避されると言われている a) 国家開発計画国家開発計画システム法 (Law No.25, 2004) により中央 地方レベルで 20 年間の国家長期開発計画 (RPJPN) 5 年間の国家中期開発計画 (RPJMN) 及び年次開発計画で推進される 大統領の任期と計画は同じで 国家長期開発計画の枠組みの中で 5 年毎に政府は国家中期開発計画を設定している ジョコウィ新政権においては 2014 年 11 月 21 日 国家開発計画省 (BAPPENAS) が新たに策定した中期開発計画 (2015~19 年 ) の概要を発表 海運網整備を中心とした物流改善に重点を置いたことが特徴で これらを遂行するためのインフラ整備に 5519 兆 4000 億ルピア ( 約 53 兆 6000 億円 ) を要すとし その 50% を地方 中央政府予算で 20% を国営企業から 30% を外資を含む民間企業からの投資により賄う想定である 計画の骨子は以下の通り 新政権の構想 海上高速 輸送網整備のため 戦略港として中心となる 24 カ所を指定し 港を新設または拡張する計画であり この港湾整備などに要する事業費を 700 兆ルピアと算出している このうち北スマトラ州クアラタンジュン港と北スマトラ州ビドゥン港を国際ハブ港として発展させる また ジャカルタ特別州のタンジュンプリオク港 北スマトラのブラワン港 東ジャワ州のタンジュン ベラック港 リアウ諸島集のバタム港 南スラウェシ州のマカッサル港を大型船舶が停泊可能な主要港として海運網のハブとして整備する 陸上交通では新たに 2,650 km の一般道と 1000 km の高速道路を建設する 海運網整備と合わせ陸海の物流インフラ改善で 現在 国内総生産 (GDP) の 23.5% を占める物流費用を 19.2% まで下げることを目指す 電力は 5 年間に発電容量を3 万 5,000 MW 増やす これにより 現在 81.5% の電化率を 19 年に 96.6% に高める 新たに 15 の工業団地を建設する この団地造成に要する事業費を 47 兆 7000 億ルピアとみている このうち 13 はジャワ島外につくり 開発が遅れている地域への投資を促進し 経済開発を後押しする ジャワ島外は原料に近い上流製品 ジャワ島は工業製品などの下流製品の生産を想定する 食糧自給達成のための農業分野では 30 の貯水池を整備する 灌漑は 100 万 ha を新設 330 万 ha を修復整備する b) MP3EI インドネシアの経済開発を加速し拡張するための経済開発マスタープラン ( MP3EI Master Plan Acceleration and Expansion of Indonesia Economic Development ) は ユドヨノ前大統領第 2 期に作成され 2011 年 5 月に大統領規則で公表された開発計画で 経済担当調整大臣府の前ハッタ ラジャサ大臣のリードで策定された 年 10 月に誕生したジョコウィ新政権においては 同プランを見直す方針が打ち出されている バスキ公共事業 国民住宅相は 2015 年 1 月 3 日 地元メディアに 2025 年までの包括的な開発計画 経済成長促進拡大マスタープラン (MP3EI) を再検討し優先順位を変更する と公表 ジョコウィ氏が掲げる海洋国家構想において 開発が遅れている東部地域を含む海上物流を向上させ 地方への投資を促す一方 これにそぐわないものは見直し 優先事業へ予算を振り分 19

33 同プランでは 自立的 進歩的 正義でかつ繁栄するインドネシア のビジョンのもと 均衡 公正で 持続可能な経済成長を目指し インドネシアを 2025 年までに名目 GDP を 2010 年比で約 6 倍に増加させ 世界の 10 大経済大国となる目標を掲げている 具体的には 1 人当たり所得を 14,250~15,500 ドルとして 年成長率の目標を 7~9% に設定 戦略として 1ジャワ スマトラ カリマンタン スラウェシ マルク パプア バリ ヌサテンガラからなる 6 経済回廊のポテンシャルの開発 2 国内及び国際的コネクティビティの強化 3 人材と科学技術の強化 の 3 つの柱がある そこで計画されている計 4,000 兆 Rp にのぼる多数の大型プロジェクトの資金は 中央政府 地方政府 国有企業 民間等のすべてのアクターから支出されるとしている 特に両回廊の結節点に位置する首都ジャカルタは最重点地域に位置付けられている スマトラ経済回廊 : 天然資源生産加工センターかつエネルギー供給基地 ジャワ経済回廊 : 国家工業 サービス促進 カリマンタン経済回廊 : 鉱産資源生産加工センターかつエネルギー供給基地 スラウェシ経済回廊 : 農水産業 石油ガス 鉱産物生産加工センター バリ ヌサトゥンガラ経済回廊 : 観光のゲートウェイ及び国家食糧補助 パプア マルク諸島経済回廊 : 食糧 漁業 エネルギー 鉱業促進センター c) MPA 投資促進特別地域 (Metropolitan Priority Area MPA) は ジャカルタとその周辺地域のインフラを大規模に整備するためのイニシャティブで MP3EI の 6 経済回廊の1つであるジャワ経済回廊の中の基幹案件で 日本政府は強力に支援している MPA の目的は JABODETABEK( ジャカルタ ボゴール デポック タンゲラン ベカシの 5 つの地名の頭を連ねた呼称 ) のインフラ整備の加速及び ASEAN 内で競争力をもつビジネス環境の創造を通じて 工業投資により魅力的な地域とすることにある このため 2010 年 12 月にインドネシア 日本両政府は協力協定に調印し 両国の政府や関連機関からなる指導委員会及び技術委員会を設置し そのもとで MPA マスタープラン調査を実施した MPA は JICA の対インドネシア経済協力の主要案件で ジャカルタ都市高速鉄道 (MRT) ジャワ スマトラ連系送電線 プルイット排水機場改修を支援している 3 さらには 新港建設 道路 鉄道 下水処理改善に関する案件形成支援も行っているが その実施は土地収用等で当初計画より遅れている d) 新産業政策前 KADIN ( ジャカルタ商工会議所 ) 会長で前モハマド S ヒダヤット工業大臣がリードした 2014 年の産業政策法は 1 優先セクターの範囲の拡大 2 天然資源をそのまま輸出せず国内産業のための優先的使用 3 人材と能力開発の強調 4 工業団地及び関連インフラの建設における政府の役割の拡大で ける方針である 出典 :TEMPO.CO, Jakarta Jokowi to Revise MP3EI Project (Wednesday, 03 September, 2014, じゃかるた新聞 インフラ事業を再検討スンダ海峡大橋を凍結港湾 食糧自給を優先 ( 2014 年 11 月 05 日 /free/detail/21286.html) 他 3 ジョコウィ新政権において MPA 案件他 日本の ODA による開発計画が見直されており アンドリノフ チャニアゴ国家開発計画相は 2015 年 1 月 15 日 じゃかるた新聞の取材に対し ジャワ高速鉄道建設計画は中期開発計画 (2015 年 ~2019 年 ) に盛り込まない と事実上計画を中断すること等を明らかにしている 出典 : じゃかるた新聞 イ 高速鉄道事業を中断 中期開発計画から除外他の 2 事業も盛り込まず国家開発計画相日本政府対応苦慮 ( 2015 年 1 月 16 日 他 20

34 ややナショナリスティックなものであると言われている 関係者の話によれば 外国人の勤務期間が制限され しかも国家労働能力基準で定められた知識と技能をクリアせねばならないとされる ターンキー プロジェクトを行う投資家に技術移転を要求しているが それが商業的あるいは技術的に可能なのかという検討はなされていない あるいは 国内産業に優先使用させるために 鉱産物輸出に対して政府がクォータや禁止を設定する権限を有するとある また 新法は安全性などの国家利益のために 価格規制や戦略的産業の国家管理を可能にしている さらに 国内企業には政府入札における優遇が与えられている 新産業政策法は 産業開発のためのビジョン ミッション 戦略 優先プログラムを明確化する 国家産業開発マスタープラン (RIPIN) が作成中で マスタープランのドラフトは以下の政策構成をもつ予定である 6 つの基幹産業 食品 医薬品 化粧品 衣料 履物 輸送機械 電子 ICT エネルギー 3 つの裾野産業 資本財 部品産業 機械部品 部材 3 つの上流産業 農業関連 鉱業 ガス 石炭 6 つの基本要求 天然資源 人材 技術 イノベーション 創造性 インフラ 政策 規則 金融 21

35 (2) プロジェクトの対象セクターの概要 インドネシアの持続的な成長には 道路 港湾 空港等のインフラ整備とともに エネルギーと電力開発をどのように対処するかが重要である インドネシアでは 現在 埋蔵量が枯渇しつつある石油は石炭やガスへのエネルギーシフトが既に始まっているが 2020 年頃までエネルギーの大半は石炭に偏らざるを得ないと予測される 一方で環境汚染は 今後も大きな問題として直面せざるを得ない この化石燃料と環境汚染とのジレンマは インドネシアが幸運にも豊富なエネルギー資源を持っているからでもある 政府としては 経済成長にあった安定的な電力供給の維持が大きな課題で 更なるエネルギーの多様化 効率的なエネルギーの利用 エネルギーの価格政策 エネルギー使用に伴う環境問題が大きなエネルギー政策の柱となる インドネシアは広大な国で エネルギーの供給と需要 そして環境問題を考える場合には 全体のエネルギー消費の 70% を占めるジャワ島とジャワ島以外という複数のアプローチが必要である 例えば ジャワ島以外の電力需要は低いため 農村の電化が一番の課題である また 地域にあった再生可能エネルギー源の利用を増やす工夫も必要である また インドネシアの GDP 当たりのエネルギー消費は日本の5 倍で 効率的なエネルギーの利用 ( 省エネルギー ) の推進が極めて重要である 特に 最も難しいのが電気料金の値上げをともなうエネルギーの価格政策である 省エネルギーについては 教育 広報活動を通じた次世代の若者への啓蒙活動が大切である 1) エネルギー政策インドネシアのエネルギー政策の概観を以下に示す 国家エネルギー政策 (KEN) 国家エネルギー総合計画 (RUEN) が政策レベル 国家電力総合計画 (RUKN) と電力供給事業計画 (RUPTL) が事業レベルのエネルギー計画である 図 1-7 インドネシアのエネルギー政策の概観 国家エネルギー政策 (KEN) 2014 年版 国家エネルギー総合計画 (RUEN) ( 策定中 ) 国家電力総合計画 (RUKN) ( 策定中 ) 電力供給事業計画 (RUPTL ) 最新版 :2013 年度 出典 : 調査団作成 a) 新国家エネルギー政策 (New KEN)( 2014 年 ) 2014 年 1 月 28 日 10 年振りとなる新たな国家エネルギー政策が国会で承認され 2014 年 10 月 17 日 22

36 前ユドヨノ大統領の署名で国家エネルギー政策の基本法が成立した この政策は 2009 年にエネルギー法に基づいて設置された包括的な国家エネルギー政策の審議会である国家エネルギー委員会 (DEN) において策定されたものである 議長は大統領が務め委員は 15 名 (7 名が閣僚 8 名が学術機関 環境問題専門家 消費者団体及び産業や工学分野の代表者 ) で構成されている 新しい政策では エネルギー供給に占める各資源割合 ( エネルギーミックス ) の数値目標を次のように規定している 石油 :2025 年に 25% 以下 2050 年に 20% 以下とする 天然ガス :2025 年に 22% 以上 2050 年に 24% 以上とする 石炭 :2025 年に 30% 以上 2050 年に 25% 以上とする 再生可能エネルギー :2025 年に 23% 以上 2050 年に 31% 以上とする 図 1-8 エネルギー供給に占める各資源割合 ( エネルギーミックス ) の数値目標 出典 : 新国家エネルギー政策 (New KEN)( 2014 年 ) に基づき調査団作成 また 次のような国家エネルギー政策目標を掲げている エネルギー弾性値 ( エネルギー消費の伸び / 経済成長率 ): 経済成長目標に合うよう 2025 年に弾性値を 1 以下とする エネルギー強度 ( 単位 GDP のエネルギー使用量 ): 2025 年までに年 1% で減少 電化率 :2015 年に 85% 2020 年には 100% に近づける 家庭用ガスの使用率 :2015 年に 85% とする 原子力発電所に対する姿勢 : 原子力発電は最終的な選択肢と位置づけ 導入の可能性を残した 長期的には原発の導入が必要という従来からの政府認識を踏襲した形 資源の輸出 : 国内で産出する石炭や天然ガスは 国内の需要の増加を見込み段階的に輸出を減少させ 最終的に完全に停止する 今後は 新国家エネルギー政策を基に 現在 エネルギー鉱物資源省において国家電力総合計画 ( 年 ) が策定中である また 過去に策定された 2006 年の国家エネルギー政策に関する大統領令 2010 年のエネルギー鉱物資源省ビジョン 25/25 は見直される 23

37 < 参考 : 国家エネルギー政策に関する大統領令 (2006 年 )> 国家エネルギー政策の法的根拠を高めるため 2006 年 大統領令として国家エネルギー政策に関する大統領令が交付された それによれば 2025 年にはエネルギー弾性値 ( エネルギー利用効率 : エネルギー消費の伸び / 経済成長率 ) を 1% 未満とする他 石炭 天然ガスおよび再生可能エネルギーの開発を推進し 一次エネルギー供給量に占める石油の比率を大幅に低下させる予定である 各エネルギー種の構成比率は 図のとおりである 図 1-9 大統領令による 2025 年の一次エネルギーミックス 3) 石炭 33% 4) バイオ燃料 5% 2) ガス 30% 1) 石油 20% 新再生可能エネルギー 17% 5) 地熱 5% 6) その他 5% 7) 液化石炭 2% 出典 : 国家エネルギー政策に関する大統領令 (2006 年 ) より調査団作成 < 参考 : エネルギー鉱物資源省ビジョン 25/25(2010 年 )> ビジョン 25/25 は 2010 年 エネルギー鉱物資源省が独自に発表した計画で 2006 年の大統領令で 2025 年までに 15% としていた新再生可能エネルギーの割合を 25% にすることに大幅に上方修正した また 2025 年のエネルギー消費を何の対策も講じなかった場合 ( 約 33 億石油換算トン ) と比べ 省エネとエネルギー多様化により 15.6% 低減するすることとしている 図 1-10 ビジョン 25/25 による 2025 年の一次エネルギーミックス 再生可能エネルギー 25% 石油 30% ガス 22% 石炭 23% 出典 : エネルギー鉱物資源省ビジョン 25/25(2010 年 ) より調査団作成 24

38 b) 主なエネルギー 電力関係の法律 1エネルギー法 (2007 年 ) 2007 年までは エネルギー全体を網羅する法律がなく 石油 ガス法 電力法 地熱法 などにより エネルギー源ごとに個別に管理する体制 ( 法体系 ) であった 政府は エネルギー部門全体を総括的に管理する必要性から 2007 年 8 月 10 日に エネルギーに関する法律 ( エネルギー法 ) を作成した エネルギー法の主要な規定事項は以下の通りである 政府によるエネルギー資源の管理 ( 統制 規制 ) エネルギーの安定供給 ( 輸出より国内供給を優先 ) 貧困層に対する政府補助金の供与 資源開発の促進 ( 国内調達率の拡大 ) 国家エネルギー政策の策定 国家エネルギー審議会 (DEN) の設立 エネルギー総合計画 (RUEN) の作成 ( 全国および地域別 ) 再生可能エネルギーの供給 利用および省エネルギー実施に対する政府援助 2 新電力法 (2009 年 ) 電力に関する法律 (2009 年第 30 号 )( 新電力法 ) が 2009 年 9 月 8 日に制定された この法律は 1985 年に制定された旧電力法 (1985 年第 15 号 ) を踏襲しているが 電力供給は国が責任を持つ ( 電力供給事業は 国家が管轄し政府が実施する ) としつつ 電力供給における国家能力の更なる向上のために国益を害さない限り その他の国有企業 公営企業 民間 協同組合 市民団体は電力供給事業を実施するための機会を最大限与えられる として 民間に参入の道が開かれている 手続き関係では 従来 エネルギー鉱物資源大臣または大統領の権限であった国家電力総合計画 (RUKN) の策定と電気料金の改定に際して 国会 ( 地方決裁分は地方議会 ) の承認が必要になった もともと 2002 年 9 月に 電気事業に関する法令 ( 新電力法 ) が制定され 競争市場の導入 電気事業の分割 民営化 発電と小売部門の自由化 PLN による送電 配電系統の管理 電力市場監督委員会の創設と同委員会による送配電料金 ( 託送料金 ) の決定 電力システム管理者と電力市場管理者の設置 などの実施が定められていた 2) エネルギーの需要及び価格の動向 a) 発電電力量 PLN におけるインドネシア全体の発電電力量 (PLN による発電 +PLN 購入分 ) の推移は図のとおりである 発電電力量は 2000 年の 93,325GWh と比較すると 2012 年は 200,317GWh と約 2 倍に増加した この間のインドネシアの平均成長率は約 6.4% である 25

39 図 1-11 インドネシア全体の発電電力量 (PLN による発電 +PLN 購入分 ) の推移 出典 :PLN Statics, 2012 b) 販売電力量販売電力量は 2004 年の 100,097.47GWh と比較した場合 年平均 7.6% で増加し 2012 年には 173,990.75GWh と約 1.7 倍となっている 用途別の比率では 2012 年 : 家庭用 41% 産業用 35% 商業用 18% 公共用 3% 政府施設 2% 外灯 2% となっている 2004 年と比較した場合 一番高い伸びを示したのは家庭用で 2.9 ポイント 続いて商業用が 2.6 ポイント上昇している 26

40 図 1-12 インドネシアの販売電力量の割合 出典 :PLN Statics, 2012 なお インドネシアの電力の大半は ジャワ島 ( 特にジャカルタが位置する西部地域 ) で消費されて いる 表 1-3 PLN の販売電力量 (GWh) 年 前年 前年 前年 前年 前年 地域 2008 年 比 (%) 2009 年 比 (%) 2010 年 比 (%) 2011 年 比 (%) 2012 年 比 (%) ジャワ バリ 100, , , , , 外島 28, , , , , 合計 129, , , , , 出典 :PLN Annual Report 各年版 c) 電力の今後の見通し PLN 発行の電力供給事業計画 (RUPTL 2013 年版 ) によれば 2013 年から 2022 年まで インドネシアの電力需要は 189 TWh から 386TWh まで増加すると予測されている これは年率 8.4% の増加である 2022 年までに顧客数は 5,400 万人から 7,700 万人まで増大 (270 万人 / 年の伸び ) し この結果 電化率は 79.6% から 97.7% まで増大する 地域的には ジャワ バリ地区の電力需要は 144TWh から 275TWh まで増大すると予測され 年率 7.6% の増加である 東インドネシア地区では 18TWh から 46TWh まで年率 10% 以上と急速な増加となる スマトラ地区では 26TWh から 66TWh まで需要の成長が期待され 年率 10.6% の増加である ジャワ バリ地区では 産業の顧客が総需要の中で最も大きい部分を占め 総需要の 38.5% となる 東インドネシア地区及びスマトラ地区の消費の割合は 産業の顧客が占める割合は それぞれ 11% 及び 15.8% で相対的に小さい また この地区では家庭用の需要が全体を支配し それぞれ 62% と 55% となる このように電力需要の成長の大半は 首都ジャカルタのジャワ島によるものである しかしながら インドネシアは 17,000 を越える島を有しており 未だ各島の地方電化は遅れ 現在も全世帯の約 2 割 27

41 が電気なしで暮らしているという実態がある 図 年と 2022 年時点での PLN の地域別電力販売量予測 出典 :PLN 電力供給事業計画 (RUPTL 2013 年版 ) ( 注 ) 2012 年から 2022 年までに増加する電力需要は 10 年間の平均経済成長率を 6.9% と仮定して 386TWh と積算したものである d) 電力供給計画インドネシアの経済成長に見合う電力需要を満たすにはインドネシア全体で 59.5GW の追加の発電供給能力が必要である これは年平均で 6GW の増加で RUPTL 計画では PLN 及び IPP の両方で 16.9GW(28%) 及び 25.5GW(43%) の電力供給を開発し 残りの 17.1GW(29%) は開発者と出資者の見通しが決まっていない状況である RUPTL では 電力供給計画をまかなう発電所システムを次のように計画している 新石炭火力発電 :37.9GW( 全体の 63.8%) ガスタービン発電 :5GW(8.4%) 水力発電 :6.5GW(11.0%) 地熱発電 :6.0GW(10.2%) 28

42 図 1-14 電力供給計画 (PLN 及び IPP) 出典 :PLN 電力供給事業計画 (RUPTL 2013 年版 ) 次に エネルギー鉱物資源省の電力需要予測では 2013 年から 2022 年の 10 年間で必要となる電力需要は 年平均 7.4GW で増加し 2022 年には発電容量が 100GW を超える また 2013 年から 2031 年までを見ると年平均 12.4GW で増加 発電容量は 254GW となる見込みである これは近年の日本の発電容量を上回る値である ( エネルギー白書 2013 によると日本の 2011 年の設備容量は約 245GW ) 図 1-15 エネルギー鉱物資源省による電力需要の見通し 出典 : エネルギー鉱物資源省講演資料 (2013 年 9 月 ) 29

43 e) 電気料金インドネシアはこれまで補助金により電気料金が低く抑えられてきたが 年々増大する補助金による財政負担を抑制するため 2013 年 1 月 電気料金の値上げが国会で採択された 電気料金を 3 カ月毎に 3~4% 値上げすることとされ 2013 年 10 月で合計 15% の料金値上げが行われた f) 産業用電気料金値上げ 電気料金自動調整制度エネルギー鉱物資源省は 2014 年 1 月 21 日 産業用の電気料金 ( 大企業向け ) を 2014 年 5 月 1 日から値上げすると発表した 契約容量が 200kVA 以上 ( 契約区分 I-3) で 38.9% の値上げで 2~4ヶ月ごとに 8.9% ずつ引き上げていく 3 万 kva 以上 ( 契約区分 I-4) では 64.7% の値上げで 2~4ヶ月毎に 13.3% 引き上げる予定である 従って 産業用の電気料金の値上げ総額が年間で 8 兆 8500 億 Rp になると予測されている また同日 2014 年 1 月 21 日 国会は電力使用者の次の 4 つの契約区分において電気料金自動調整制度の政府案を採択した 契約区分 R-3(6600VA 以上の家庭用 ) 契約区分 B-2(6600VA~200kVA の業務用 ) 契約区分 B-3(200kVA 以上の業務用 ) 契約区分 P-1(6600VA~200kVA の政府機関 ) これら 4 つの契約区分は 2013 年 10 月以来補助金を受けていない この新制度の下で 4 つの契約区分の電気料金は 為替レートや石油価格 インフレ率に連動させる計画である 料金の計算方法などの詳細は今後詰めることになるが 新制度への移行で1 兆 4,200 Rp の支出を抑えることができると試算されている また エネルギー鉱物資源省は 経済指標に基づいて電気料金を変動する電気料金自動調整制度の拡大を計画しており 早ければ 2015 年から電力消費の少ない家庭や商業施設を除いて電気料金 ( 全 17 分類 ) が変動制に入る予定である g) PLN への政府補助金以下に PLN への政府補助金の推移を示す インドネシア政府は電気料金に対し補助金を支払っているが これは PLN の電気料金収入等では賄いきれない発電コスト等の赤字分の補填をしており PLN は一括してこの補助金を受領する これにより燃料費が高騰しても電気料金が安く抑えられるようにしている なお 政府補助金は財務省令により計算方法が決められ 料金区分ごとに電力販売価格と発電コストを比較し電力販売価格が小さい場合に その差額に基づき補助金を算定している 30

44 図 1-16 電気料金に対する政府補助金の推移 ( 単位 :10 億 Rp) 出典 :PLN Annual Report 各年版より調査団作成 2000 年代初頭までは電気料金を段階的に値上げしたこともあり 政府補助金は 3~4 兆 Rp で推移していた その後 石油価格の高騰や政府の石油製品に対する補助金削減のため燃料価格が大幅に上昇し 政府補助金もそれに伴って増加した 2009 年には燃料価格が下がったことや燃料の転換が進んだことなどから一時減少したものの その後は再び増加傾向にあり 2012 年には 103 兆 Rp にまで達している 表 1-4 PLN の平均販売電力量単価の推移 (Rp/KWh) 年地域 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 ジャワ バリ 外島 全体 ( 円貨相当額 ) 5.27 円 6.42 円 6.50 円 6.22 円 6.50 円 ( 注 ) 円貨相当額は年度末 ( 各年 12 月末日 ) レートにより算出 出典 :PLN Annual Report 各年版 表 1-5 発電コスト (2012 年 Rp/KWh) 水力 火力 テ ィーセ ル カ スターヒ ン 地熱 コンハ イント 平均 , ,362,99 1, , , 出典 :PLN Annual Report 各年版 31

45 h) PLN の経営状況 PLN の経営は 2008 年から 2012 年の間に営業収入が約 51% 増加し 毎年順調に収入は増加している しかしながら 燃料価格の高騰などから政府補助金がなければ赤字という状況が続いている 表 1-6 PLN の総販売電力収入 (10 億 Rp) 年 前年 前年 前年 前年 前年 2008 年 比 2009 年 比 2010 年 比 2011 年 比 2012 年 比 地域 (%) (%) (%) (%) (%) ジャワ バリ 63, , , , , 外島 20, , , , , 合計 84, , , , , ( 円貨相当額 ) 6,800 億円 8,630 億円 9,580 億円 9,820 億円 11,318 億円 ( 注 )2010 年 7 月に電力料金の15% の値上げを実施 出典 ::PLN Annual Report 各年版 3) エネルギー関連事業の構造 a) 電気事業の概要現在の電気事業体制は 発電部門を PLN と PLN の子会社あるいは IPP が受け持ち 送配電部門を PLN が独占している なお PLN では分社化や事業部制を推進しており 発電子会社や特定地域 ( 第 2 のシンガポールを目指すバタン島などの特定開発地域 ) で発電送配電を担当する子会社を設立しているほか 各部門をビジネスユニット化 ( 独立採算を意識した事業部制の導入 ) している また 地方電化に関しては 協同組合 中小企業担当国務大臣府 (SMOC & SMEs) の管轄下に 村落協同組合(KUD) と呼ばれる住民組織が全国に点在しており PLN の電力系統から孤立した僻地において電力供給を実施している 電力セクターに関わる行政組織としては エネルギーの開発政策及び利用分野における統合的な政策の策定を担当する国家エネルギー審議会 (DEN) 国家開発政策や調整を担う国家開発企画庁(BAPPENAS) PLN を監督し資源エネルギー分野全般を担うエネルギー鉱物資源省 (MEMR) PLN を所有 管理する国営企業国務大臣府 予算を承認する財務省 (MOF) エネルギー政策の策定や調整を担う 国家エネルギー調整委員会 (BAKOREN) 原子力発電に関する研究 開発を行う インドネシア原子力庁(BATAN) などが存在する 32

46 図 1-17 電気事業体制 国家開発政策等の 国家エネルギー 審議会 (DEN) 策定 調整 国家開発企画庁 エネルギー鉱物 国営企業国 財務省 (BAPPENAS) 資源省 (MEMR) 務大臣府 (MOF) 規制 監督 所有 管理 予算の承認 原子力の研究 開発 原子力庁 (BATAN) 原子力規制庁 (BAPETEN) 原子力規制業務 協同組合 中小企業担当 国務大臣府 (SMOC & SMEs) PT. PLN 指導 発電 ( 送 給電 ) ( 発電 ) ( 特定地域の発送電 ) 調整 送配電 P3B ジャワ バリ インドネシアパワー社 PT PLN Batam 顧客サービス P3B スマトラ ジャワ. バリ発電会社 PT PLN Tarakan 電力 電力 余剰電力 卸売 卸売 IPP 地方政府 自家発電 サポート 村落協同 組合 (KUD) 需要家需要家需要家需要家 ( 注 ) PLN 以外の事業者の発電電力は原則 PLN に卸売りすることとなっているが 旧電力法の下 工業団地への電力の安定供給の見地から特例として PT Cikarang Listrindo PT Krakatau Daya Listrik など 4 社に特定供給が認められている 出典 : 海外電力調査会 海外諸国の電気事業第 1 編追補版 2 アジア主要国のエネルギー 電力事情 2011 年 を基に調査団作成 b) エネルギー鉱物資源省 (MEMR) エネルギー鉱物資源省は インドネシアのエネルギー分野全般を所掌する主要機関であり 国営エネルギー関係企業の規制 監督を行う エネルギー部門の開発に加え エネルギー及び鉱物資源の調査や研究実施に関するデータ提供 分析も担っている 2010 年 エネルギー鉱物資源省は 再生可能エネルギーの開発と推進を進めるため 新たに新 再生可能 省エネルギー総局 (DGNREEC) を設立した この新総局の形成 ( 旧鉱物 石炭 地熱総局から地熱部門が 旧電力 エネルギー利用総局からエネルギ 33

47 ー利用部門が分離し DGNREEC に統合 ) により再生可能エネルギー全体の規制監督が強化されている MEMR を構成する総局のひとつ 電力総局 ( 旧電力 エネルギー利用総局 ) が電力部門を規制 監督し 電力部門の政策策定 基準 手続き 標準の調整や技術指導 評価の役割を担っている また 電力需給予測 送電網計画 投資 資金政策 新 再生可能エネルギー利用政策などを盛り込んだ国家電力総合計画 (RUKN) 策定の責任を負っている 図 1-18 エネルギー鉱物資源省の職員配置 (2013 年 ) 出典 : エネルギー鉱物資源省公表情報より調査団作成 c) 国有電力会社 (PLN) インドネシアの発電事業は 政府が 100% 保有の株式会社である PLN とその子会社及び IPP( 独立発電事業者 ) が受け持ち 送配電部門は PLN が独占している 事業規模が大きいジャワ バリ地域では 発電部門は 2 つの発電子会社 ( インドネシアパワー社 ジャワ バリ発電会社 ) を所有し 送配電は PLN 内で業務分離 ( ジャワ バリ送電 給電センター (P3B Jawa Bali) と 5 つの配電事務所 ) して運営している また スマトラ地域では 2つの発電ビジネスユニット ( 北スマトラ発電 BU 南スマトラ発電 BU) とスマトラ送電 給電センター (P3B Sumatra) 7 つの地域支店で運営している その他の地域では 地域支店として垂直統合的な業務運営を行っている その他に PLN の子会社として特定地域での電力供給を行う PLN Batam( 保税地域バタム島で事業実施 ) や PLN Tarakan( 東カリマンタン州のタラカン島で事業実施 ) がある 表 1-7 PLN の事業体制 ジャワ バリ スマトラ その他 発電 PLN 各発電所インドネシアパワー社ジャワ バリ発電会社 IPP 北スマトラ発電 BU 南スマトラ発電 BU IPP 9 つの地域支店及び PLN Batam PLN Tarakan 送変電 ジャワ バリ送電 給電セ スマトラ送電 給電センタ 給電 ンター (P3B Jawa Bali) ー (P3B Sumatra) 配電 営業 5 つの配電事務所 7 つの地域支店 出典 : 海外電力調査会資料などを基に調査団作成 34

48 PLN は社長の下に 8 名の取締役がおり うち 5 名は燃料 人事総務 建設 資材 営業 リスク管理 財務の 6 部門を掌握し 3 名はジャワ バリ 西インドネシア及び東インドネシアの各地域担当となっている 2011 年 10 月 ユドヨノ政権の内閣改造によるダーラン イスカン前社長の国営企業担当相への就任に伴い ヌル パムジ前取締役 ( 一次エネルギー担当 ) が社長に就任した 2014 年 10 月の新政権の誕生で 2015 年のはじめにエネルギー鉱物資源省の総局長を含む幹部職員及び PLN の社長を含む幹部職員の大幅な人事が行われ 2014 年 12 月に公募人事が発表された d) IPP( 独立発電事業者 ) インドネシアでは 1980 年代後半 急増する電力需要への対応が PLN だけでは困難となったことから 1992 年より電力事業における民間資本の導入 (IPP の参入 ) が始まった 現在インドネシアの発電設備容量の 22% を IPP が占めている 図 1-19 発電設備容量に占める各自業者比率 注 )PPU:Private Power Utilities 出典 : エネルギー鉱物資源省 ジャルマン総局長講演資料 2013 年 11 月 IPP により発電された電力は全て PLN が買い取ることになっており IPP 事業を行う民間事業者が PLN へ電力販売をする際は原則競争入札を通じて行うことになっている ただし 1 再生可能エネルギーを利用した発電 ( マイクロ水力 地熱 バイオマス 風力 太陽光 ) 2 余剰電力 3 電力供給危機地域などへの供給の場合は入札を通さずに直接指名ができる 年 2 月のメディアからの取材においてジャルマン電力総局長は 発電所建設資金の 50% が民間資金によって供給されることを期待していると発言している 4) 電源設備及び系統の現状及び計画 a) 国家電力総合計画 (RUKN) と電力供給事業計画 (RUPTL) インドネシアの具体的な電力開発計画は 国家電力総合計画 (RUKN) と電力供給事業計画 (RUPTL) の2つがある RUKN がエネルギー政策を踏まえた総合的な電力開発計画であるのに対し RUPTL は個別プロジェクトを反映した PLN の電力事業計画で毎年作成されている 公式には RUKN の改定を受けて RUPTL が策定されることになっているが実情はそうなっていない RUKN は 2008 年に改定されたが 2009 年に電力法が改正され RUKN は国会の承認が必要となったため エネルギー鉱物 出 4 この他に例外として, 実績のある IPP は同一地点の増設 ( 既存の容量より大きい容量の増設の場合は, より効率が高い より環境負荷が少ない設備の場合に限る ) は入札を経ず随意契約を認めることとしている 35

49 資源省で作成した政府案を提出するものの国会で審議未了で改定されずに現在に至っている 現在 電気料金値上げの方策にいての考え方を含む内容で改訂案 ( 年 ) が作成中である RUPTL の最新版は 2013 年 12 月 2008 年版の RUKN を参照する形で RUPTL2013 年版 (2013 年 ~2022 年 ) が公表された 表 1-8 RUKN と RUPTL の特徴 国家電力総合計画 (RUKN) 電力供給事業計画 (RUPTL) 策定機関 エネルギー鉱物資源省 (MEMR) 国有電力会社 (PLN) 概要 国が定める電力総合計画 需要予測 1 次エネルギー 電力計画 所要資金 RUKN に基づいて PLN が定める電力供給計画 期間は 10 年間 など 期間は 20 年間 更新 毎年改定 ( 本来 ) 毎年更新 (RUKN に基づいて作成 ) 出典 : 国家電力総合計画 (RUKN) 電力供給事業計画(RUPTL) を基に調査団作成 RUPTL の開発計画では 2022 年の電力エネルギー需要は 358,000GWh(2012 年の販売電力 量は 173,990GWh) で 年平均 8.65% の増加率と予測している 2012~2021 年の発電容量の増強は インドネシア全体で約 57.3GW 年平均 5.7GW の追加となる 図 1-20 電力供給力増強計画 容量拡大計画 (2012 年 2021 年 ) : 石炭 : 38 GW 地熱 : 6.3 GW 水力 : 6.3 GW ガス : 4 GW コンバインド : 2.5 GW その他 ガス コンバインド 地熱 水力 石炭 その他 : 0.28 GW 出典 :PLN 社長講演資料 2013 年 9 月 36

50 下図は 2022 年におけるインドネシアの電力供給におけるエネルギーミックスを示すもので 石炭 (65.6%) LNG を含む天然ガス (16.6%) 地熱 (11.0%) 水力 (5.1%) 石油等 (1.7%) の構成となって いる 図 1-21 燃料タイプ別の電力供給量 出典 :PLN 社長講演資料 2013 年 9 月 < 参考 : 最近のジャワ バリ系統の設備予備力 > 2013 年 5 月 7 日 PLN はジャワ バリ系統で過去最大電力 ( ピーク電力 ) として所内電力を含まないネットで 21,968MW 所内電力(2.5%) を含むグロスで 22,517MW を記録した 現在 PLN のジャワ バリ系統における施設出力 ( ネット ) は 29,159MW であり 最大電力 ( ネット ) との比は約 75% つまり数値上は予備力約 25% 程度となる しかし 経年劣化 水力の乾期による出力減 定期点検 事故停止等により電力需給の状況を分析すると次のようになる 表 1-9 最近のジャワ バリ系統の電力需給の状況を分析 項目 施設出力( ネット ) 経年劣化による出力減 水力の乾期による出力減 定期点検( 主に火力 ) 事故停止点検他当日供給可能出力最大電力 ( ネット ) 運転中予備力 電力量 29,159MW 6,702MW 22,457MW 21,968MW 489MW 出典 : 東電設計ジャカルタ事務所 37

51 以上のことから 現在の運転中予備力は ほぼない状態で電力需給バランスは大変厳しい状況にある なお PLN は運転中予備力 ( 当該日の可能供給力 - 当該日の需要 ) が最大単機容量 ( スララヤ火力発電所の 600MW) を下回った場合を SIAGA(Emergency) としており 万一最大単機容量が発電所側の事故で供給不能となった場合 電力需給バランスを維持できなくなるため その際の一部系統の切り離し ( 強制停電 ) の手順を事前確認するとしている b) 二つのクラッシュプログラムインドネシアでは急成長する電力需要への対応と石油依存の低減を目指し 非石油燃料発電所の電源開発を加速させる二つの開発プログラムを クラッシュプログラム と名づけられ大統領令で推進している 表 1-10 クラッシュプログラムの概要 第一次クラッシュプログラム 第二次クラッシュプログラム ( 当初 ) 開発計画年 開発方式 PLN100% PLN 44%(422 万 kw) IPP 56%(531 万 kw) 電源開発量 約 10,000MW ( 内訳 : ジャワ バリ 6,900MW 約 10,000MW ( 内訳 : ジャワ バリ 5,070MW その他 3,100MW) その他 4,452MW) 背景 ( 目的 ) 緊急電源開発( ジャワ バリ中心 ) 脱石油政策 緊急電源開発 電源の多様化 再生可能エネルギーの導入 電源種別 石炭 100% 再生可能エネルギー 54% ( 内訳 : 地熱 41%, 水力 13%) 化石燃料 46% ( 内訳 : 石炭 36%, ガス 1%, CC 9%) 法的根拠 大統領令 (No.71/2006) 大統領令 (No.4/2010) 開発所要資金 電源 :80 億 US$ 電源 :160 億 US$ 送電設備 :4 億 US$ 出典 : 第一次クラッシュプログラム 第二次クラッシュプログラム ( 当初 ) を基に調査団作成 1 第一次クラッシュプログラム PLN は 発電所の建設では迅速性を重視し 技術基準を満たしていれば最先端技術は必要とせず 最低価格を提示した企業に落札との方針により 第一次クラッシュプログラムの大半を中国企業が落札した しかし 金融危機などの影響で中国からの資金調達面で問題が発生したり 中国の業者による工期遅延等で 2009 年中に運転を開始した発電所は Labuan 発電所 1 号機 (32 万 kw) の 1 ユニットのみであった また 既に運転を開始した発電所も設備不良による事故停止が頻発し 2013 年末で 6,377MW の達成率は 64.2% に留まっている なお 当初計画の残りの 35.8% の 3,550MW は 2014 年 /2015 年には完成予定であると エネルギー鉱物資源省は説明している 38

52 2 第二次クラッシュプログラム温暖化ガス排出と石炭輸送インフラ整備の問題がクローズアップされたため 第 2 次計画では電源の多様化を図り 地熱 ( 計画の約 4 割を占める ) や水力等再生可能エネルギーの開発に重点を置き IPP による開発を全体の 55.7% まで導入するといった特徴がある その後 第二次クラッシュプログラムでも政府保証がつかず資金手当の目処が立たないなど多くのプロジェクトの進行に遅れが生じ また そのいくつかはガス供給不足や地熱発電所の開発準備不足などの理由により開発が中止された このため 第二次クラッシュプログラムは 2012 年 1 月 2013 年 8 月に見直しが行われ 現在 開発容量が約 17,018MW に拡大されたが 2013 年末までに完了したプロジェクトはない c) 投資ニーズ発電 変電 送電等のインフラの開発投資額は PLN プロジェクトに対して 711 億米ドルが 民間部門の IPP プロジェクトと合算した総額の 1,252 億米ドルの投資が期待され 2013 年から 2022 年までの各年の投資額は次のとおりである 図 1-22 電力開発のための投資額 出典 : 電力供給事業計画 (RUPTL) 今までのところ 多くの PLN プロジェクトは 外国政府からの借款 (2ステップローン) を通して実施されているが 2006 年以来 この種の貸付金が減少しはじめ 債券 ( ローカル & グローバル ) の発行が増加している クラッシュプログラムでは 政府保証による PLN 貸付金であったが 最近は 世銀による揚水発電所建設や JICA によるジャワ-スマトラ連携送電にみるように PLN は借款から多国間の債権で資金を得ている 39

53 5) 石炭に関する動向 a) インドネシアにおける石炭資源概要 1 石炭の分布 資源量 埋蔵量 図 1-23 にインドネシアの石炭の分布を示す 大規模に存在するのはスマトラ島 カリマンタン島で あり スラウェシ島や最大の人口を擁するジャワ島やにはわずかな分布となっている 図 1-23 インドネアの石炭分布の状況 出典 :JCOAL 提供資料 情報に基づき調査団作成 インドネシア全土における石炭資源探査は進んでいる 従って新しい炭層が発見されてきているため 今後分布図も変更されることになる 表 1-11 にはインドネシアの石炭資源量 埋蔵量の内訳を示す 石炭資源量とはその地域に分布する全石炭数量である 一方 埋蔵量とは経済的に採掘できる数量である インドネシアの石炭資源量は約 1,052 億トン 埋蔵量は 211 億トンである また 地域別でみると スマトラ島とカリマンタン島でそのほとんどを占めている 40

54 Sumatra JAWA Kalimantan East Indonesia 表 1-11 石炭資源量 埋蔵量 (Mt) 単位 : 百万トン 資源量 埋蔵量 仮想資源量 予想資源量 推定資源量 確定資源量 合計 推定埋蔵量 確定埋蔵量 合計 Nanggroe 5,057 5,469 3,560 4,864 18, N.Sumatra Riau , , , , W.Sumatra Jambi , , Bengkulu S.sumatra 19, , , , , , , Lampung Total 25, , , , , , , Banten C.Jawa E.Jawa Total W.Kalimantan C.Kalimantan , S.Kalimantan , , , , , , E.Kalimantan 14, , , , , , , , Total 14, , , , , , , , S.Sulawesi C.Sulawesi Maluku W.Papua Papua Total Total 39, , , , , , , , Source:Indonesian Coal Book 出典 :Indonesia Coal Book ジャワ島とスラウエシ島には石炭は少ないことが分かっている これは図 1-23 の石炭分布からも明らかである 一方 パプア地域の石炭資源量 埋蔵量が少ないのは探査が進んでいないことが主な要因である 今後の探査の進展によっては発熱量の高い石炭が確認される可能性を残している 図 1-24 に地域別の資源量の状況を 図 1-25 には地域別の埋蔵量の状況を示す 41

55 図 1-24 地域別石炭資源量の状況 120,000 (Mt) 100,000 80,000 60,000 40,000 20,000 0 スマトラジャワカリマンタン東インドネシア計 (Mt) 確定資源量 推定資源量 予想資源量 推定資源量 計 スマトラ 7, , , , , ジャワ カリマンタン 14, , , , , 東インドネシア 計 22, , , , , 出典 :Indonesia Coal Book ,000 (Mt) 図 1-25 地域別石炭埋蔵量の状況 20,000 15,000 10,000 スマトラジャワカリマンタン東インドネシア計 5,000 0 確定埋蔵量推定埋蔵量計 (Mt) 確定埋蔵量 推定埋蔵量 計 スマトラ , , ジャワ カリマンタン 4, , , 東インドネシア 計 5, , , 出典 :Indonesia Coal Book

56 2インドネシア炭の品質的特徴インドネシアの特徴として瀝青炭 亜瀝青炭および褐炭の割合が高いとされている また 極めて少量ではあるが無煙炭も生産されており カリマンタン島の中央部ではコークス用高品位炭も確認されている 表 1-12 に発熱量別の資源量 埋蔵量を示す 資源量 埋蔵量ともに 80% 以上は 6100kcal/kg 以下の石炭であり 特に埋蔵量では 41% 以上の石炭が 5100kcal/kg 以下の石炭である 品質別の石炭資源量 石炭埋蔵量の状況を図 1-26 図 1-27 にそれぞれ示す 高品位炭 (High: ) 超高品位炭(very High:>7100) が少ないことが理解できるが 7,100kcal/kg を超える石炭の資源量は約 10 億トンと計上されている 表 1-12 石炭の品質別資源量 及び埋蔵量 (Mt) 品質 (kcal/kg) 資源量 埋蔵量 計 % 確定埋蔵量推定埋蔵量計 (%) Low(<5100) 21, , , , Medium( ) 69, , , , High( ) 13, , , Very High(>7100) 1, 計 105, , , , 出典 :Indonesia Coal Book % 図 1-26 石炭品質別石炭資源量の状況 0.96% 20.18% Low(<5100) Medium( ) High( ) Very High(>7100) 66.29% 出典 :Indonesia Coal Book

57 12,000 (Mt) 図 1-27 石炭品質別石炭埋蔵の状況 10,000 8,000 6,000 4,000 Low(<5100) Medium( ) High( ) Very High(>7100) 2,000 0 確定埋蔵量推定埋蔵量計 出典 :Indonesia Coal Book 次に石炭品質別の資源量を地域別に見てみると カリマンタンには高品位炭が約 118 億トン 超高品位炭が 9 億 4,000 万トンとなっている ここでは表現されていないがパプアには高品位炭が 900 万トン 超高品位炭が 3 億トン賦存する 高品位炭はカリマンタンに多く スマトラを含むその他の地域では少量であるといえる (Mt) 80,000 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 図 1-28 石炭品質別資源量の地域別状況 Low(<5100 kal/gr) Medium( kal/gr) High( ) Very High(>7100) (Mt) 発熱量 スマトラ ジャワ カリマンタン スラウエシパプア計 Low(<5100 kal/gr) 18, , ,000 Medium( kal/gr) 32, , ,000 High( ) 1, , ,000 Very High(>7100) ,000 計 52, , ,000 出典 :Indonesia Coal Book

58 インドネシアの石炭埋蔵量の多くは発熱量が低い石炭であり 前述したとおり石炭埋蔵量に占める 5,100kcal/kg 以下の石炭の割合は 41% である 低品位炭を定義する基準はない よって ここでは 5,100kcal/kg 程度 または それ以下の石炭を低品位炭とし その分布状況についてまとめた これらの石炭は亜瀝青炭 褐炭に属すると言える 低品位炭はカリマンタン 南スマトラ ジャンビ リアウに多く賦存する b) インドネシアの鉱業法に関する動き 1 鉱業権について炭鉱の動向を論ずるうえで重要なのは鉱業権である 鉱業権を国家または地方自治体でコントロールすることで政府は法令で炭鉱の活動を縛り納税させることができる これはインドネシアだけの特長ではなく 世界的共通事項である インドネシアの鉱業権には 諸外国同様 探査権と採掘権がある 石炭以外の鉱物に対してもこの2 つの権利は存在するが ここでは石炭だけに的を絞って説明する 探査権とは資源量や埋蔵量をボーリング等の方法により探査し確認するための権利である 探査の結果 有望な鉱区に関しては 採掘して石炭を販売する企業が出現する この採掘 販売を行うための権利を採掘権と呼ぶ こんの 2 つの権利は国家または地方政府により発行される 現存する鉱業権は国家が発行した CCoW (Coal Contract of Work) とよばれる国家と大手炭鉱間で締結されたものと IUP と呼ばれる地方政府が炭鉱会社に与えるも の2 種類に分割できる このうち前者は法新鉱業法 ( 大統領令 2009 年第 4 号 インドネシア語標記 :UUNo4/2009 Tentang Pertambangan Mineral dan Batubara) に基づき廃止されたため今後 継続する場合は IUP としての登録となる さらに IUP にはいくつか種類がある 鉱業事業許可 (IUP:Izin Usaha Pertambangan) 市民鉱業許可 (IPR:Izin Pertambangan Rakyat) 特別鉱業事業許可(IUPK:Izin Usaha Pertambangan Khusus) 等であるがここでは詳細な説明は省略する CCoW にはこれまで大きな特権が与えられてきたが新鉱業法の下 次第にその権限が低下してゆくことになる 具体的な点は 今後は IUP での申請となるため鉱区面積が狭くなること 更新までの期間が短くなること などがあるがその一方で鉱産税 ( 採掘数量に比例した税 ) の比率が CCoW の 13.5% から IUP の 3~7% に下がることになる 総じて言えば これまで国家は一部の炭鉱に対して大きな権限を与え その代償として大きな課税を行ってきたが その大きさを見直し 権限を地方政府に委譲することでコントロールすることを目指している 2 新鉱業法主要ポイント 以下 新鉱業法における主な内容について項目ごとに記載する ⅰ. 国内市場供給義務 (Domestic Market Obligation) 国内石炭需要の安全保障のために施行された法律で 炭鉱は国内需要が満たされた時に 石炭を輸出することができる よって インドネシア政府は国内の石炭需要の規模を決める必要があり また 炭鉱の石炭生産量に対して国内石炭販売 ( 供給 ) の最低割合 (%) を決めなければならないとしている 当然ながら国内市場に適した品質を生産する炭鉱もあれば 輸出に適した品質を生産する炭鉱もある 45

59 そのため 国内供給義務を満たすために 炭鉱同士の Quota transfer( 割当て権取引 ) が認められる なお 国内市場供給義務の数量は次の 3 指標を鑑みて毎年 6 月に決定される 国内生産者および消費者による次年度の石炭需要計画案 石炭企業による次年度の石炭生産計画 国内石炭需要と国内石炭販売最低比率に関するエネルギー鉱物資源大臣規則また監視スケジュールが設定されており 国内供給義務を果たせなかった企業や守れなかった企業には罰則が課せられる 表 1-13 に示すとおり 2012 年の国内供給量は 6,725 万トンであったが 2013 年は 7,432 万に増加している 2012 年では石炭火力発電所が最も多く 5,469 万トンで 81% 続いてセメント 繊維 肥料が 1,223 万トンで 18.1% 鋳物冶金は 33 万トン程度で 0.49% である 石炭火力発電所で最も多いのは PLN (55.29%) である IPP も 23.72% と多い その他ではセメント 12.49% 繊維 繊維製造が 2.87% で続いている 2013 年もその内訳は大きく変わっておらず 石炭火力発電所が最も多く 6,049 万トンで 81% 続いてセメント 繊維 肥料が 1,309 万トンで 17.61% 鋳物 冶金は 74 万トンで 1% である 石炭火力発電所で最も高い PLN は 4,929 万トン 全体の 66.32% を占める 2013 年は石炭生産量を 3 億 6,604 万トン見込んでおり 国内石炭販売最低比率は 20.30% である これまでは 25% が国内石炭販売最低比率であったが 計画よりも予想以上に生産量が伸び 予想ほど国内消費が伸びていないため 全石炭生産量の中での国内供給量の割合は下がる傾向にある A. B. C 表 年及び 2013 年の国内供給義務による国内供給先 PT.FREEPORT INDONESIA( 民間会社 銅山 ) PT.NEWMONT NUSA TENGGARA( 民間会社 銅山 ) PT.PUSAKA JAYA PALU POWER( 民間会社 ) 鋳物 冶金 供給先 石炭火力発電所 (PLTU) 1.PT.PLN ( 電力公社 ) 2.IPP( 民間発電 ) PT.INCO( 民間会社 ) PT.ANTAM.Tbk( 鉱物資源公社 ) PT.Krakatau Steel( 製鉄公社 ) セメント 肥料 繊維 使用量 ( 百万トン ) 2012 年 2013 年 セメント会社 繊維 繊維製造会社 肥料会社 パルプ会社 計 小計 小計 小計 % 発熱量 GCV (kg/kcal) 使用量 ( 百万トン ) % 発熱量 GCV (kg/kcal) 予定出炭量 (DMO 割合 ) 3 億 2,853 万トン (20.4%) 3 億 6,604 万トン (20.3%) 出典 : エネルギー鉱物資源省鉱物石炭総局 46

60 次に 2012 年 2013 年における各炭鉱への割当を表 1-14 に示す CCoW 炭鉱 国営炭鉱 (PTBA) IUP 炭鉱について示している 2013 年を見てみると 最も多いのは KPC 炭鉱 ( 下表 25 番 ) で 1,076 万トン 全体の 14.5% 続いて Adaro 炭鉱の 1,015 万トン 全体では 13.7% となる その他の炭鉱で 100 万トンを超える炭鉱は Arutomin 炭鉱 Berau Coal 炭鉱 Indominco Mandiri 炭鉱 Insani Baraperkasa 炭鉱 Kideco Jaya Agung 炭鉱 Mahakam Sumber Jaya 炭鉱 Trubaindo Coal Mining 炭鉱 国営炭鉱の Bukit Asam 炭鉱が上げられる これらはいずれも CCoW 炭鉱である 一方 IUP 炭鉱では 100 万トンを超える割当ての炭鉱は無い 47

61 表 年 2013 年国内供給義務による炭鉱別割当量 2012 年 2013 年 A コントラクター (CCoW) 炭量 % 炭量 % 1. PT Adaro Indonesia 9,826, % 10,151, % 2. PT Antang Gunug Meratus 614, % 860, % 3. PT Artmin Indonesia 5,695, % 6,700, % 4. PT Asmin Koalindo Tuhup 726, % 860, % 5. PT Astaka Dodol 0 0.0% 94, % 6. PT Bahari Cakrawala Sebuku 71, % 0 0% 7. PT Bangun Banua Persada Kalimantan 204, % 206, % 8. PD Baramarta 767, % 860, % 9. PT Barasentosa 0 0.0% 344, % 10. PT Berau Coal 4,517, % 4,902, % 11. PT Borneo indonesia 767, % 344, % 12. PT Baturona Adimulva 245, % 516, % 13. PT Batualam Selaras 12, % 20, % 14. PT Bharinto Ekatama 0 0.0% 349, % 15. PT Dharma Puspita Mining 0 0.0% 61, % 16. PT Firman Ketaun Perkasa 511, % 516, % 17. PT Gunung Bayan Pratamacoal 899, % 695, % 18. PT Indominco 2,988, % 0 0.0% 19. PT Indexim Coalindo 92, % 430, % 20. PT Indominco Mandiri 0 0.0% 2,677, % 21. PT Insani Baraperkasa 1,001, % 1,255, % 22. PT Jorong Barutama Greston 229, % 240, % 23. PT Kadya Caraka Mulya 71, % 59, % 24. PT Kalimantan Energi Lestari 111, % 516, % 25. PT Kaltim Prima Coal 9,274, % 10,760, % 26. PT Kideco Jaya Agung 6,960, % 6,536, % 27. PT Kartika Selabumi Mining 46, % 154, % 28. PT Lanna Harita Indonesia 614, % 602, % 29. PT Mahakam Sumber Jaya 1,740, % 1,892, % 30. PT Mandiri Inti Perkasa 675, % 774, % 31. PT Multi Harapan Utama 473, % 963, % 32. PT Multi Tambang Jaya Utama 106, % 206, % 33. PT Marunda Graha Mineral 242, % 344, % 34. PT Nusantara Thermal Coal 204, % 259, % 35. PT Perkasa Inakakerta 552, % 782, % 36. PT Pesona Khatulistiwa Nusantara 427, % 860, % 37. PT Pendopo Energi Batubara 0 0.0% 20, % 38. PT Riau Bara Harum 307, % 258, % 39. PT Santan Batubara 552, % 688, % 40. PT Singlurus Pratama 516, % 688, % 41. PT Sumber Kurnia Buana 123, % 148, % 42. PT Tanito Harum 685, % 619, % 43. PT Tanjung Alam Jaya 138, % 103, % 44. PT Tambang Damai 0 0.0% 258, % 45. PT Tubaindo Coal Mining 1,576, % 1,224, % 46. PT Teguh Sinar Abadi 200, % 129, % 47. PT Wahana Baratama Mining 921, % 825, % 小計 55,696, % 61,764, % 48

62 B 年 2013 年 国営炭鉱 炭量 % 炭量 % PT Bukit Asam (Persero) Tbk. 2,661, % 2,236, % 2012 年 2013 年 C. IUP( 鉱業許可 ) 炭鉱 炭量 % 炭量 % 1. PT Admitra Baratama Nusantara 777, % 688, % 2. PT Arzara Baraindo 213, % 189, % 3. PT Bara Harmonis Batang Asam 0 0.0% 195, % 4. PT Bara Kumala 0 0.0% 448, % 5. PT Batu Gunung Mulia 291, % 258, % 6. PT Berau Bara Energi 194, % 172, % 7. PT Bhumi Rantau 291, % 258, % 8. PT Bukit Baiduri Energi 470, % 599, % 9. PT Binamitra Sumberta 194, % 172, % 10. PT Cahaya Energi Mandiri 194, % 172, % 11. KUD Gaiah Mada 0 0.0% 299, % 12. PT Jembavan Muarabara 991, % 877, % 13. PT Kemilau Rindang Abadi 816, % 722, % 14. PT Karya Utama Banua 291, % 258, % 15. PT Kayan Putra Utama Coal 583, % 516, % 16. PT Kitadin 0 0.0% 295, % 17. PT Lamindo Inter Multikon 952, % 842, % 18. PT Lembuswana 388, % 344, % 19. PT Mega Prima Persada 350, % 309, % 20. PT Mitra Jaya Abadi Bersama 0 0.0% 217, % 21. PT Multi Sarana Avindo 680, % 602, % 22. PT Pipit Mutiara Java 388, % 344, % 23. PT Seeongga Sumber Lestar 291, % 258, % 24. PT Sinar Kumala Naga 233, % 206, % 25. PT Tunas Muda Jaya 291, % 258, % 26. PT Surya Sakti Darma Kencana 0 0.0% 279, % 27. PT Telen Orbit Prima 0 0.0% 225, % 28. PT Transisi Energi Satunama 0 0.0% 311, % 小計 8,891, % 10,319, % 総計 67,250, % 74,320, % 出典 : エネルギー鉱物資源省鉱物石炭総局 今後の DMO の方向性としては増加することが予想できる インドネシアは諸外国からの活発な投資により 工場等の電力需要施設の建設が進められている 従って慢性的な電力不足にあり この解消を目的とした DMO 強化策は今後とも国家的課題であるからである また 資源ナショナリズムの立場からも 鉱産品の国内利用の推進が市民権を得ていることも要因である ⅱ. 国家による石炭価格の設定について (HBA および HPB) 2009 年の新鉱業法からは 石炭販売価格を国が管理するしくみとなっている 立法では石炭の品位 ( 銘柄別 ) によって石炭標準販売価格を毎月設定しておりこれを公開する 政府はこの価格に基づき鉱産税を各炭鉱に課している 石炭標準販売価格は次の 4 指標を基に算出されている 49

63 Indonesian Coal Index Platts Newcastle Export Index Newcastle Global Coal Index この石炭標準販売価格は HBA( インドネシア語で Harga Batubara Acuan: 日本語訳は石炭価格指標 ) と呼ばれ 8 銘柄の石炭を基に決定される その後 この 8 銘柄を基準に 60 銘柄の価格を決定する これは HPB(Harga Potokan Batubara) と呼ばれる HBA HPB ともに毎月公開され その価格は US$ であり 条件は FOB/Vessel つまりインドネシア沖で大型船に積込を行った後の価格であり山元価格ではない 表 1-15 に 2014 年 9 月分の HBA および HPB 価格を示す 表より判明できるが この価格は発熱量 (kcal/kg) 全水分(TM%) 全硫黄(TS%) 灰分(Ash%) をベースとして決定されている 表中の 1 ~8 までは主要 8 銘柄 (HBA) である 最も価格が高い石炭は Gunung Bayan Pratama Coal 炭鉱の Gunung BayanⅠ 銘柄であり これは 7,000kcal/kg の発熱量を示し 74.69US$/t で取引されている 一方最安値は LIM3000 とよばれる銘柄でありこれは 2,995kcal/kg の発熱量を示し 17.22US$/t で取引されている 近年の特徴としては これまで 3,000kcal/kg 以下の石炭には価格がついておらず 山元コスト +25% マージンの価格で取引されていたが LIM3000 のように 3,000kcal/kg 以下の石炭に対しても価格が発生してきていることである 表 1-15 HBA および HPB(2014 年 9 月分 ) HARGA BATUBARA ACUAN (HBA) &HARGA PATOKAN BATUBARA (HPB) BULAN SEPTEMBER 2014 HBA HBA (US$/Ton) Kualitas: CV = 6322 kcal/kg GAR; TM = 8 %;TS = 0.8 % ar; Ash = 15% ar FOB Vessel HPB BATUBARA MARKER NO MEREK DAGANG/BRAND CV (kcal/kggar) KUALITAS TYPICAL TM TS (%) (%, r) Ash (%,ar) HPB MARKER (US$/ton) 1 Gunung Bayan I 7, Prima Coal 6, Pinang , Indominco IM_East 5, Melawan Coal 5, Envirocoal 5, Jorong J-1 4, Ecocoal 4,

64 CONTOH HPB BATUBARA LAINNYA YANG TERDAFTAR DI DITJEN MINERBA KUALITAS TYPICAL HPB NO MEREK DAGANG/BRAND CV TM TS Ash MARKER (US$/ton) (kcal/kggar) (%) (%, r) (%,ar) 9 Gunung Bayan II 7, Marunda Thermal Coal 6, Trubaindo HCV_HS 6, Medco Bara , Trubaindo HCV_LS 6, AGM Waruba Coal 5, Pinang 6000 NAR 6, ArutminSatui 10 6, ArutminSenakin 6, Arutmin A6250 6, Mandiri A 6, Wahana Coal 6, Medco Bara , IndomincoIM_West / , TAJ Coal 6, Mandiri B 6, Trubaindo MCV_LS 6, SKB Coal 6, Baramarta Coal 6, Arutmin A6100 6, Insani Coal 6, BCS Coal 5, IndomincoIM_West / , Bangun Coal 6, Pinang , Indominco IMM_MCVHS 5, Multi Coal Low 5, Multi Coal Middle 5, Pinang , Arutmin A5900 5, Multi Coal High 5, KCM Coal 5, TSA Coal 5, Tanito Coal 5, Mahakam Coal 5, Ebony High Sulphur 5, Pinang , IBP , Arutmin A5700 5,

65 KUALITAS TYPICAL HPB NO MEREK DAGANG/BRAND CV TM TS Ash MARKER (US$/ton) (kcal/kggar) (%) (%, r) (%,ar) 48 BSS Coal 5, LannaHarita Coal 5, Pinang , Mahoni Medium Sulphur 5, Mahoni 5, Mahakam Coal B 5, Mahoni B 5, Kideco Coal 5, Agathis 5, LannaHarita Coal 5, IBP , Sungkai Medium Sulphur 5, Sungkai 5, Sungkai High Sulphur 5, Arutmin A5000 5, AGM Warute Coal 4, IBP , Bas Gumay Coal 4, IBP , IBP , PIC Coal 4, Borneo BIB 3, AGM Warutas Coal 3, PKN , LIM , LIM , FORMULA HARGA PATOKAN BATUBARA STEAM (THERMAL) 出展 : エネルギー鉱物資源省 HP より抜粋 52

66 Jan-09 Mar-09 May-09 Jul-09 Sep-09 Nov-09 Jan-10 Mar-10 May-10 Jul-10 Sep-10 Nov-10 Jan-11 Mar-11 May-11 Jul-11 Sep-11 Nov-11 Jan-12 Mar-12 May-12 Jul-2012 Sep-12 Nov-12 Jan-13 Mar-13 May-13 Jul-13 Sep-13 Nov-13 Jan-14 Mar May 14-Jul Sep-14 図 1-29 に HBA の 8 銘柄についての最近 4 年間の価格推移を示す この表からは 2011 年初頭をピー クに価格は下がってきており 現在はピーク時の 60% 程度の価格まで低くなっているのが伺える 図 1-29 HBA 価格推移表 ( ) US$/t:FOB Vessel Gunung Bayan I 7000 kcal/kg (gar) Pinang Coal 6150 kcal/kg (gar) Melawan Coal 5400 kcal/kg (gar) Jorong J kcal/kg (gar) Prima Coal 6700 kcal/kg (gar) Indominco IM East 5700 kcal/kg (gar) Envirocoal 5000 kcal/kg (gar) Ecocoal 4200 kcal/kg (gar) 出展 : エネルギー鉱物資源省 HP より抜粋したデータを基に調査団作成 ⅲ. 輸出規制鉱物資源に対する輸出規制の動きが出てきている 鉱物資源へ付加価値を義務付けるために 鉱物の未加工品 未製品の輸出禁止や特定の鉱物に課せられる輸出税がその動きである ただし 石炭については DMO 石炭価格基準も広義には輸出規制の一環であると考えられており 他の鉱物とは異なり現在まで石炭には具体的な付加価値義務化の規制は課せられておらず 輸出税の対象鉱物からも外れている < 未加工品の輸出禁止に関して > インドネシア政府は鉱物資源に対する高付加価値に関する法的準備を進めていたが 2012 年 2 月 6 日 53

67 付けで高付加価値を義務づけるエネルギー鉱物資源大臣令が 2012 年大臣 7 号法令として発行された 本法令は 2009 年 1 月 14 日に発令された新鉱業法 ( 大統領令 2009 年第 4 号 ) 及びその細則となる 鉱業及び石炭事業の事業活動に関する細則 (2010 年 2 月 1 日 :2010 大臣国規則 22 号 ) の詳細規定となるもので 鉱物資源の生産者は 2014 年 1 月以降 鉱物の付加価値を高めるために 加工を行うことが義務づけられ 原石のままの輸出はできなくなるとしている しかしながら この対象となる鉱物に石炭は入ってない 本法令が適応される鉱物資源は金属鉱物 非金属鉱物 鉱石となっている < 石炭への輸出税について> 石炭輸出税については 過去において検討された経緯があるが 炭鉱及び関連機関の反対があり実現しなかった これは 2005 年 10 月に当時のアンワル前財務相時代の財務規則 2005 年第 95 号で導入したもので 石炭協会などは裁判所へ提訴 最終的には最高裁判所の決定を受け 2006 年 6 月 13 日に正式に石炭輸出税は撤廃されている その後 石炭への輸出税の課税に関しては インドネシア政府は明確な方針は打ち出していない その理由としては 主に次の 2 点である 石炭のロイヤルティは 13.5% と他の鉱物資源よりも高く設定されており 既に高い税率が課せられているという認識は多くの炭鉱会社が持っていること CCoW の契約では 契約後の新規の税制には影響されないという事項が盛り込まれている そのため現行では IUP 炭鉱のみが課税対象となり 不平等感が生まれること また 仮に CCoW に対して輸出税の実施に踏み切れば CCoW 炭鉱会社からの抵抗は避けられず また 国際的な信用を失うことになること また 石炭輸出の国際競争力の面から言ってもこの輸出税はマイナス要因が大きいと指摘されている 豪州などの石炭輸出国は今後も輸出を促進して行くことが予想され 米国 カナダ コロンビアからの石炭輸出も今後増加することが見込まれている 従ってインドネシア政府が輸出税をコストとして炭鉱側が輸出価格に上乗せした場合 インドネシアの石炭の国際競争力はかなり低下する そうなれば 炭鉱の閉山 雇用の喪失などマイナス面が大きいことは容易に推測できる 従ってインドネシア政府は石炭に対する輸出税については慎重にならざるを得ない ⅳ. 炭鉱への外資出資比率変更 CCoW に対して 炭鉱を開発した海外企業は 10 年後 炭鉱会社の株式の 51% をインドネシア国内企業へ譲渡しなければならないとの法令がある この対象である Adaro 炭鉱 KPC 炭鉱 Arutomin 炭鉱 Kideco Jaya Agung 炭鉱などの一部の CCoW は既に国内企業への株の譲渡を終了している 新鉱業法下 新鉱業法によって生産を開始した炭鉱は商業生産開始から 6 年経過後に株式の 20% 7 年目には 30% 8 年目には 37% 9 年目には 44% 10 年目には 51% をインドネシアの国内企業へ株式を譲渡することが義務づけられている 資本移譲先は 中央政府 地方政府 国営企業 地方政府関連企業 国内企業の順になっている ⅴ. 山元石炭火力発電所をはじめとする低品位炭利用者優遇に関する法律インドネシア政府は自国の低品位炭の利用促進のために 火力発電所を炭鉱に併設して建設することは石炭付加価値の向上につながるとして その優遇のための石炭供給に関する法律を定めている それによると 山元炭価は鉱物石炭総局の 2011 年 1348 号法令の下 石炭の発熱量で 3,000 kcal/kg で線 54

68 引きされ 以下のように決定されるとしていた 3,000kcal/kg 以上の場合 : 石炭基準価格 (HPB) に準じる ( ただ 石炭標準価格は FOB/Vessel 価格なので 山元の価格は 輸送費 船積費 外洋での積み替え費用を引いた価格となる ) 3,000kcal/kg 以下の場合 : 採掘コスト+マージン ( 採掘コストの 25%) つまり 山元発電所が購入する石炭の発熱量が 3,000kcal/kg 以上の場合は石炭基準価格に準じた価格で また 3,000kcal/kg 以下の場合は採掘コストに利益率 25% を上乗せした価格で発電所がそれぞれ引きとることになる コストには剥土費 採炭経費 輸送費 クラッシング費 土地代 リクラメーション 維持費 租税などが含まれ それをエネルギー鉱物資源省が決定し 逐次見直している 山元石炭価格は 2014 年 9 月 22 日付けで大きく変わってきており ( 表 1-16 に詳細を示す ) 変更点としては 元 IPP 事業 石炭改質事業 石炭ガス化事業 自家発電事業を対象とした低品位炭 ( 原炭 ) の新価格体系が更新され下記内容となった 対象となる石炭は発熱量 3,000kcalkg 以上や以下の縛りが無くなっていることが特徴的である 新価格体系 表 1-16 新山元原価 1) 剥土コスト US$2.41/BCM 2) 剥土輸送コスト US$1.71/BCM/km 3) 採炭コスト US$1.7/ トン 4) 輸送コスト $0.28/ トン /km 5)IPP 発電所貯炭場への輸送コスト 山元 /IPP 事業者間の Agreement に基づく 6)) プロセスコスト US$1.98/ トン 7) 償却コスト US$1.17/ トン 8) リクラメーションコスト US$0.27/ トン 9) 保安コスト US$0.07/ トン 10) 地域 ( コミュニティー ) 対策コスト US$0.21/ トン 11) 土地買収コスト US$1.99/ トン 12) 販管費 ( オーバーヘッドコスト ) US$2.07/ トン 13) 借地コスト US$0.11/ トン 14) 鉱産税率 ( 上記総額に対する暫定税率 ) 20.30% 15) マージン 25% 出典 : エネルギー鉱物資源省からのヒアリングに基づき調査団作成 上記料率は インドネシアでの Best Practice( 平均値では無く大手 Shipper 等の Best Performance) に基づき設定され 経済環境等の変化に応じて逐次見直す 尚 本フォーミュラが適用されるのは 2014 年 9 月 22 日以降の新規プロジェクト対象で 既存プロジェクトは従来のフォーミュラに基づいて原炭価格が決定される その一方 鉱産税率 ( 法人税 VAT 等の ) 課税対象範囲 条件 土地リース 国家保護地域での ( 鉱山操業に関わる土地利用の )Bid System に関しては省内 外手続の最終段階でその結果を待っている状況である エネ鉱省として 低品位炭改質事業の普及は喫緊の課題で有り 今後共情報交換を継続するとの見解 55

69 であった この表は石炭価格のガイドラインとして公開されるが この価格をもとに課税されるため 各鉱山とも採掘原価はこのフォーミュラで計算して遜色はない 新政権であるジョコウィ大統領は 2014 年 11 月 18 日から石油に対する補助金を1リットル当たり 8,500 Rp から 6,500 Rp に下げた これにより石油製品は今後高騰することが予想されるため 上記の各コストのうち石油製品を使う費目については今後値上げが予想される c) インドネシア炭の生産動向インドネシアは 2014 年前半に石炭 213 百万トンを生産した 資源ナショナリズムを前提とした石炭の輸出制限努力にもかかわらず 前年同期から 7.6% もの輸出増となっている 特に需要の旺盛な東南アジア向けは 158 百万トンの輸出となっている この状況で推移すれば 2013 年上半期に記録したこれまでの最大値 148 万トンを 6.8% 上回る 背景には エネルギー需要の旺盛なアジアの各発電所に燃料を供給するためにインドネシアの一般炭が使用され続けていること および世界的な石炭安が続く昨今 大手炭鉱会社は利益確保のための増産を行っていること の2つが主要因である この結果 インドネシアは国家の意に反して世界トップの一般炭輸出国となってしまっている エネルギー鉱物資源省はこれまで 輸出のための各種規制による制限をした影響がでることを予測し 2014 年度の総生産量を 421 百万トン ( 昨年度比で横ばい ) と予測していた しかしながら炭鉱各社の生産量は大幅増で決着しそうである 6,322 GAR の発熱量を持つインドネシア炭の HBA は 2014 年 7 月には ドルとなった これは 6 月の HBA 価格を 1.19 ドル下回った この価格低下を補うために 上位 6 社の炭鉱会社は 11.7% の生産増を計画した 従って 数量増となったものである 2014 年 6 月 インドネシア石炭協会は HBA が引き続きトン当たり 73 ドル以下で推移すれば 廃業する炭鉱企業が多数発生すると警鐘を鳴らしている その対策として政府は鉱産税を廃業する炭鉱の職員への手当てとすべきとの見解も示している 諸外国の石炭市場を見ても価格は低下している ニューキャッスル石炭標準価格は年初から約 20% 下落し 現在はトン当たり約 ドルとなっている これは ここ 5 年近くでの最低の価格である 世界的な原油安もこの背景にあるのは自明であり この石炭価格下落の傾向の終わりはまだ見えない d) 産炭地および需要地への輸送方法一般的なインドネシアの炭鉱から石炭需要地までの運搬について解説する 内陸の石炭鉱山からの一次輸送はトラックで河川港まで運搬する 運搬する道路は石炭専用道路を用いることが義務付けられている 二次輸送は バージ ( はしけ ) を用いて河川を出た外洋まで運搬する 三次輸送は 2 通りある 1 つは外洋または石炭中継基地で大型船に積み替えて遠方へ輸送する場合 もうひとつは国内向けの近距離輸送を行う場合である この近距離輸送の場合はそのままバージで運搬することになる バージ輸送はタイ国バンコク港までは可能であり それ以北は大型船に積み替える場合が多い インドネシアにおいて最も一般的な石炭輸送方法を図 1-30 に示す 56

70 図 1-30 一般的な輸送方法 石炭鉱山 Truck バージ ( はしけ ) 河川港 バージ 外洋積替 大型船 輸出 石炭中継基地 大型船 輸出 バージ 国内向 出典 : 調査団作成 インドネシアの炭鉱は山間部にある場合が多い 道路交通事情の悪い同国では大型トラックで公道を運搬することは禁じられているため 河川を利用した運搬が主流となる 図 1-30 において石炭鉱山からバージまでの運搬は石炭専用道路を建設して運搬することを義務付けている この道路内は通常 30tの石炭を積載可能な大型トラックが走行している 図 1-31 石炭トラック専用道路 ( 写真 ) 出典 : 調査団撮影 石炭はトラックで河川港まで運搬された後河川港のストックヤードにて保管され ベルトコンベア等でバージに積載される バージとは一般的には 300 フィート 100 フィートの鉄の箱であり 約 8,000 tの石炭を積載できる これで石炭を河川経由で外洋まで運搬する バージに関する情報に関しては次表に記す通り これはカリマンタン島のバージ専用会社 2 社の概要を示すものである 57

71 表 1-17 バージ情報 運航隻数 タグの仕様 単 RUSIANTO 社 AGUS STALINE 社 位 数量 補足事項 数量 補足事項 タグボート 隻 106 所有 ( 内 12 隻を用船 ) 35 所有 ( 内 26 隻はBCT 用 ) バージ 隻 102 所有 ( 内 12 隻を用船 ) 35 馬力 HP 800~2,400 1,000~2,000 総トン数 GT 147~ ~171 全長 幅 深さ m ,400 馬力タグの例 最大 建造費用 RP 80 億 ~90 億馬力に関係なく一定 70 億 ~100 億 維持管理費用 RP/ 年 約 15 億建造費の10% 程度 燃費 l/h 125 3,000リットル / 日 馬力 =0.1l/h バ 積載量 DWT 8,000 最大 8,000トン 8,000 最大 8,000トン 全長 幅 深さ m ,000トンバージ320Ftの例 ,000トンバージ300Ftの例 ジ 最大喫水 m 仕 建造費用 INR 220 億 ~250 億 150 億 300Ftバージ ( シンカ ホ ール製 ) 様 維持管理費用 RP/ 年 竣工後 5 年はメインテなし INR= ルピア BCT= バリクパパンコールターミナル 出典 :JCOAL 提供情報に基づき調査団作成 図 1-32 河川港風景 ( 写真 ) ( 左 : ベルトコンベアにてバージに積載される石炭 右 : バージ全景とバージを牽 引するタグボート 下 : バージとタグボート全景 ) 出典 : 調査団撮影 58

72 バージに積み込まれた石炭は河口まで運搬され需要地に向かう 遠方へ輸出の場合は沖合でバージから大型船に積み替えられる場合とコールターミナルで直接大型船に積載される場合がある 前述したとおりタイ国程度まではバージのまま運搬可能である 図 1-33 は河口のストックパイルに積みつけられた石炭がベルトコンベアを通して河口近辺で大型船に積み替えられている様子を示す衛星写真である 陸上のコールターミナルから直接大型船に積む方法である 図 1-33 河川港ストックパイル ベルトコンベア経由大型船までの経路 出典 :Google Earth 前掲した表 1-15 に示すように 政府は沖合の大型船 (Vessel) 渡しの価格で石炭販売価格を公開しているが その間のトラックでの一時輸送費 バージによる二次輸送費等については公開していない このため ここでは各炭鉱からのヒアリング結果をもとに各単価を割り出した 5 情報元の炭鉱名は公開できないが各輸送費は表 1-18 のとおりである 表 1-18 鉱山 大型船までの輸送費 ルート 輸送手段 輸送コスト (US$) 鉱山 河川港 30 トントラック 0.15 t km 河川港コスト ベルトコンベア 3.30 t 河川港 需要地 8,000 トンバージ 0.05 t km 河川港 大型船 積込 8,000 トンバージ 積替船 2.00 t 出典 :JCOAL 提供情報に基づき調査団作成 5 JCOAL 提供情報基づく 59

73 (3) 対象地域の状況 1) インドネシアにおける各種開発リスク急速な経済成長を続けるインドネシアにおいては 多くのビジネス チャンスが存在する一方 様々な開発リスクも存在する a) 国内政治 経済情勢 10 年間のユドヨノ政権の後を引き継いで 2014 年 10 月に就任した第 7 代大統領となったジョコ ウィドド大統領 ( インドネシアの名門 ガジャマダ大学卒 ) は 家具輸出業で成功し ソロ市長 ジャカルタ州知事で成果を上げてきた経歴を持ち 大統領選挙戦では政治改革や経済活性化などを公約に掲げた庶民派である しかし 国内外のメディアは経済に関しては苦戦を強いると報じている 6 現在 ジョコウィ大統領は 全国規模での港湾 鉄道 電力インフラ整備を進めるとし 特に 18,000 弱の島々からなる国家であるため海上物流インフラに注力し物流コストを低減させていく方針を示した さらに ジャカルタ スマラン バンドン スラバヤ ( ジャワ島 ) メダン ( スマトラ島 ) マカッサル ( スラウェシ島 ) の 6 都市で地下鉄など大量輸送システムを導入することも発表した 投資のボトルネックとなっている土地収用ついては ジャカルタ州知事時代に反対住民と対話を繰り返して土地収用問題を克服し 環状道路の整備に成功した経緯を引き合いに出して 大統領自身が積極的に関与して 事態の打開を図る姿勢を示した 具体的には 外国投資に関する手続きが 1 カ所で済むワンストップサービスセンターや基本的なビジネスの許認可は 3 日間で判断する等のインフラ整備と投資環境改善策である 2014 年 11 月 大統領は 早々に無駄の多い燃料補助金の削減を迅速に断行するなど インドネシアの長年の課題といえるインフラ整備と投資環境改善の実現に向けて始動している さらに 経常赤字を構造的に解消するには 輸出指向の労働集約型製造業の育成にも取り組む必要がある 一方 金融市場では 銀行の流動性逼迫とそれに起因する金利上昇が懸念材料や国内金融資産蓄積が大きな課題である また 経済活動の地域的偏在も供給サイドの大きなボトルネックである これは 生産 雇用 消費が国土面積の 7% にすぎないジャワ島 かつ 西部地域 ( ジャカルタ周辺部 ) だけに集中していることである 投資家にとっては ジャワ島は効率的な市場を構成していると言えるが インドネシアという広い国土全体への産業や雇用の拡大が政治的にも大きな課題である b) 為替リスクインドネシアは 2000 年前後は 政治社会情勢が不安定化し ルピアの為替相場は ローラーコースター状態となって大幅に変動した しかし ユドヨノ政権が発足した 2004 年以降は 社会情勢の安定と投資家の信認回復を背景に ルピア相場は安定している 2009 年のリーマンショックでもルピア為替相場は一時的に下落したが 年末にはリーマンショック前の水準に回復した このようにルピアの為替相場は リーマンショック直後を除けば最近 10 年間安定的に推移してきた これは アジア諸国は輸 6 米国 News Week 誌は ポスト中国 インドネシア経済の病魔と称して 次のようなコラムを掲載 97 年のアジア通貨危機で経済成長が止まり インドネシア経済は補助金に依存してきたがコストがかさむ一方だ 2014 年第 1 四半期の成長率は 5.2% と 4 年振りの低い伸び 財政赤字の GDP 比率は 3% に近づき なかでも燃料補助金は現在 政府支出の 16% 近くを占めている 高い補助金は財政を圧迫し インフラ整備などにしわ寄せがいく 国際機関は燃料価格を引き上げてインフラ投資を増やすよう迫っているが インドネシアでは 1 億人以上 ( 総人口 2.5 億人 ) が 1 日 2 ドル未満で生活している 補助金抑制のための燃料価格引き上げはこれまでも抗議デモや暴動を呼び 長期独裁政権を倒す引き金にもなった 急な改革は命取りになる ( 出典 :News Week 2014 年 8 月 12 日号掲載 ) 60

74 出依存度の成長モデルであるがインドネシアは内需主導であること 前ユドヨノ政権下での政治 経済情勢が安定したこと 石炭やパームオイルなどの輸出が急増し経常黒字が増加したためである ルピアは ドルや円に対して価格変動が高く為替リスクが高いと言えるが インドネシアの GDP の 7 割近くが内需に依存し ASEAN 諸国に比べて欧米の景気変動の影響は比較的少ない しかしながら インドネシアから海外への輸出入を考えると ドルに対してはこの 4 年間で 35% 安となり ドル建ての輸出条件は好転しているが ドル建ての借入がある企業が大きな為替差損を被っており注意が必要である また 最近になって 2014 年 12 月 ルピアはアジア通貨危機以来 16 年振りの安値を示し 2014 年 4 月に付けた 2014 年最高値から約 11% 下落し 原料を輸入に頼る日系製造企業はコスト増への対応を迫られる これは世界的なドル高に伴うもので 現地のエコノミズトは 13,000~15,000 Rp 台まで下がる可能性もあるとしながらも 米国の景気回復はインドネシアの輸出産業にとってはプラスになると楽観的な見方もある c) 自然災害インドネシアは日本と同様に環太平洋火山帯の上に位置しているため 地震 津波 火山噴火 洪水などの自然災害が数多く発生しやすい地域である JICA 報告書によれば 1999 年から 2008 年までの過去 10 年間だけで 死者約 18 万人 被災者約 840 万人 経済被害約 100 億米ドルという甚大な被害が発生している インドネシアは マグニチュード 4 以上の地震が年平均 400 回以上発生する地震多発地域となっている また インドネシアには 129 の活火山が存在し そのうちムラピ山 ( ジャワ島中央部 ) をはじめとする 17 の火山が活発な活動をしている 更に 地震や火山噴火に伴う津波も頻繁に発生し 1 年に 1 度の頻度でマグニチュード 7~8 クラスの地震が発生し 最近では 2012 年 4 月に北スマトラ西方沖でマグニチュード 8.6 の地震が発生した 2004 年には同地域で発生したスマトラ沖大地震により 死者 行方不明者約 30 万人という甚大な被害をもたらした また インドネシアの一部の地域では アジア モンスーン地域に属し 雨期に非常に強い雨が降るため 毎年 数多くの洪水 浸水被害が発生している 最近では 2013 年 1 月に発生した洪水により首都ジャカルタをはじめ 複数の当局が非常事態宣言を発令する事態にまで発展した 7 d) 政策の変動過去 石油輸出や石油関連産業で国の経済をけん引してきたインドネシアであるが 近年は製造業やサービス業を発展させ経済成長を維持している インドネシア政府は ジャワ 北スマトラ スラウエシ等に電機 自動車部品 繊維 農水産加工品などの製造業クラスター構想を掲げるなど積極的な産業育成政策を打ち出している 前ユドヨノ大統領の経済施策は 積極的な自由貿易の推進と外国企業の誘致であった 例えば 日本とは EPA( 経済連携協定 ) を締結し 中国とは中国 -ASEAN の FTA( 自由貿易協定 ) の締結を実現した また AFTA(ASEAN 自由貿易地域 ) では予定通りの域内関税削減を達成している こうした経営環境の改善により インドネシアで生産拠点設立や拠点拡張に乗り出す日系企業が増加している 2014 年 10 月に新大統領に就任したジョコウィ氏の登場は 過去のエリート主義が残るインドネシア政治において革新的な出来事であった 彼の選挙活動を支えたのは 総勢 100 万人以上のボランティアによる草の根の運動だった ただ 新大統領の出身母体の闘争民主党は国会議席の2 割弱を占めるにと 7 出典 :JICA 各分野での日本のインドネシアに対する経済協力の紹介 ( 防災分野 ) 61

75 どまっており 国会運営に苦戦するとの見方も強く 財政改革の先行きは予断を許さない情勢である しかし インドネシアの課題である再分配システムの確立のためには ジョコウィが大統領として成功することが重要である 大統領の改革に対する既得権層の反発 道路や港湾をはじめとするインフラの整備など課題は山積みであるが 新政権がインドネシアの政治文化に新たな一石を投じることは間違いない e) 暴動等の反社会的行動インドネシアでは 大規模な自爆テロ事件が 2002 年 10 月のバリ島爆弾テロ事件 ( 外国人のディスコ客を含む 202 名が死亡 ) が発生した後は大きな事件は発生していなかったが 2009 年 7 月 ジャカルタ市内のホテル 2 箇所において同時爆弾テロが発生し 外国人 6 名を含む 9 名が死亡 多数の負傷者があった 最近のインドネシアでのテロ発生は インドネシア軍や警察の介入で大規模テロによる被害報告はないが 小 中規模のデモやテロは発生しリスクは継続的に存在しテロへの警戒は必要である インドネシアを拠点とした国際テロ組織 ジャマ イスラミア (Jemash Islamiya) は 9 11 同時多発テロ組織のアル カーイダ (Al Qacda) とのつながりが指摘され 現在もテロの脅威は変わらず存在している また インドネシアでは アチェ州やパプア州での分離独立運動が長年にわたってインドネシアからの独立を目指す武装集団による暴動やテロの発生が懸念され 国際的なテロ組織の脅威だけでなく国内での独立運動のテロ脅威もある 暴動については 1998 年のジャカルタの中華街が破壊されたジャカルタ暴動は インドネシア経済が依然として華僑資本に支配されていることを示す出来事であった インドネシアは世界でも華人が最多の国で 政府や社会の差別は次第に薄れつつあるとはいえるが 今なお脅威に直面しているのは間違いない しかしながら 以前は禁止されていた中国語のメディアが堂々と登場するようになり 2012 年秋の選挙では首都ジャカルタの副知事に中国系インドネシア人が当選した また 大臣にも中国系インドネシア人が登用されるようになり 民主化は着実に根付いてきている 最近では 2012 年に原油価格の高騰で燃料補助金が財政を圧迫し 政府は燃料価格の 33% 引き上げを発表して 8 万人以上が参加する暴力的なデモが起きたが 一日 500 Rp で雇用されたデモ参加者も多く市民生活に大きな影響はない 8 8 出典 : 外務省海外安全ホームペ - ジ ( 在留邦人向け安全の手引き ジャカルタ ジャパン クラブ ) 62

76 図 1-34 ( 参考 ) 尼国の SWOT 分析 出典 : Indonesia s Economic Projections for 2014 and Electricity Condition in Indonesia, DEN, Jan.,

77 2) 対象プロジェクトの周辺環境対象プロジェクト実施計画地点 (Asahimas Chemical 社 Anyer 工場敷地内 ) が位置するチレゴンは ジャワ島の西端のバンテン州の沿岸工業都市であり 多くの製鉄所と石油化学工場が立地するインドネシアの重化学工業の中心地である 図 1-35 周辺 ( チレゴン - Krakatau 鉄鋼工業区 ) の産業集積 スララヤ発電所 Krakatau POSCO 社 Pertamina 社 Krakatau Steel 社 Asahimas Chemical 社 Chandra Asri Petrochemical 社 出典 :Google map 当該地域には東南アジア最大の鉄鋼メーカーである Krakatau Steel 社が立地し Krakatau 鉄鋼工業区が形成されている 同工業区においては Krakatau Steel 社 Krakatau POSCO 社の他にも シーメンス社 Asahimas Chemical 社 Chandra Asri Petrochemical 社 Pertamina 社 ( インドネシア共和国政府が運営する国営の石油 ガス関連会社 ) 等々のプラントが集積し 一帯が工業区として開発されている 64

78 また 産業インフラとして スララヤ発電所 Krakatau Tirta 工業用水処理プラント メラク港 ( スマ トラ島へ渡るフェリー ターミナル ) スンダ海峡橋 ( 計画 ) 等がある 65

79 第 2 章調査方法

80 (1) 調査内容 1) 調査内容本調査は アサヒマス ケミカル株式会社 (ASC) 所有の ANYER 工場敷地にて PLN 及び内外企業との協業の下 電力リソースの新たな確保を目指すもので 本調査においては そのための最適なアプローチ ( 事業体制 / 資金スキーム等 ) 及び諸条件 ( 制度 政策 / 技術 / 環境 / 財務 経済等の各側面 ) の検討 検証を行う 図 2-1 ANYER 工場敷地概要 出典 :ASC Company Profile を基に調査団が編集 本調査における調査項目は次の通りである 1 電力セクターを含む一般情報 2 既存設備 ( 発電所 変電所 送電線 ) と電力市場の現状把握 3 燃料となる石炭の性状 調達先 4 概要設計 適用設備の仕様策定 概略工事費の策定 実施の為の概略工程 5 環境社会的側面の検討 6 当該国における許認可関係 7 相手国側実施機関の実施能力 8 財務 経済分析 9 プロジェクトの資金調達の見通し 10 我が国企業の技術面等での優位性 67

81 2) 調査対象 調査対象地点は アサヒマス ケミカル株式会社 (ASC) 所有の ANYER 工場敷地 (Desa Gunung Sugih Jl. Raya Anyer Km 122 Cilegon Banten) である 図 2-2 調査対象地点 出典 :Google map 68

82 (2) 調査方法 体制 1) 調査方法本調査は 現地におけるデータ収集を中心とし 現場視察や関係機関からの聞き取り調査を行い 収集した情報を分析 検討した 国内作業では 国内や現地調査で収集した資料 情報の整理分析を行い プロジェクトの概要設計 積算 工程の策定や 経済 財務分析 環境社会評価を実施し 報告書に纏めた また最新の石炭火力発電所に関する技術収集のため関連企業訪問なども実施した 2) 調査体制 図 2-3 体制図 < 提案法人 ( E&T 総研 )> 代表者 研究所長 調査研究部 エネルキ ー 環境ク ルーフ 中久保正己 内田二郎 ( 部長 ) 岸岡三春 ( 主席研究員 ) 林広幸 取締役 多田晴次 ( 研究顧問 ) 岩佐啓正 エネルキ ー 環境ク ルーフ ( 主任研究員 ) 米沢洋和 ( 研究顧問 ) エネルキ ー 環境ク ルーフ 石川忠夫 ( 客員研究員 ) 仲村知之 エネルキ ー 環境ク ルーフ ( 主席研究員 ) 荒川靖弘 エネルキ ー 環境ク ルーフ ( 研究員 ) 大西夏見 出典 : 調査団作成 69

83 (3) 調査スケジュール 本調査は 平成 26 年 10 月から平成 27 年 2 月に亘り実施された 図 2-4 調査スケジュール 平成 26 年 平成 27 年 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 第 1 回現地調査 第 2 回現地調査 第 3 回現地調査 1. 事前準備 2. 適用技術検討 3. 環境社会分析 4. 財務経済分析 5. 報告書まとめ 報告会等報告書 ( 中間 9/29) ( 中間 12/11) ( ドラフト 1/15) 出典 : 調査団作成 70

84 第 3 章プロジェクトの内容および技術的側面の検討

85 (1) プロジェクトの背景 必要性等 1) プロジェクトの公益的な背景 必要性インドネシアでは 経済成長に伴い電力需要が堅調に増加する一方で 電源と送配電網の整備の遅れにより深刻な電力不足に陥っている PLN の電力供給事業計画 (RUPTL 2013 年版 ) によれば 2013 年から 2022 年にかけて 電力需要は 189TWh から 386TWh まで 年率 8.4% の勢いで増加すると見込まれている この電力需要を満たすには 2022 年までに国全体で 59.5GW の追加の発電供給能力が必要だが このうち 17.1GW(29%) は開発の見通しが決まっていない状況にある このためインドネシア政府は 石炭火力発電所をはじめとする電源と送配電網の整備を加速化する政策を打ち出しており 設備投資等における外国資本の導入を歓迎している また電源整備の強化に際して 政府は PLN の電源だけでなく 民間による IPP PPS(Private Power Utility) 自家発の整備も推奨している 一方我が国企業は 石炭火力発電所について 超臨界圧 (SC) 循環流動層(CFB) をはじめとする優れたハードウェア技術や 運転管理 (O&M) の技術 ノウハウを有している また 海外投融資をはじめとする我が国の公的ファイナンスを活用することが可能である 本プロジェクトは こうした我が国の技術 資金リソース 及びジャワ島西部 Cilegon 市に位置するアサヒマス ケミカル (ASC 社 ) のアニエール工場の敷地を活用して 60/45 万 kw 規模の石炭火力発電所を建設し 電力の一部を PLN に供給してインドネシアの電力需給緩和に貢献するとともに 我が国にとって裨益性の高いインフラ案件の迅速な形成 及び我が国製造業の国際競争力の強化 グローバル展開の円滑化に資するものである 2) ASC 社の事業環境旭硝子の連結子会社で インドネシアを拠点とし苛性ソーダ 塩素から塩ビまでを一貫生産する東南アジア最大級のクロール アルカリメーカー アサヒマス ケミカル (ASC 社 ) においては 下記に示す背景より電力リソース確保手段の検討が急務の課題となっており 有力な選択肢となる発電プラントの具体化の方法論ならびに実現可能性の確認 検証を早期に行う必要性に迫られている 検討された選択肢には同社単独での自家発もあるが 1スケールメリットによる事業効率向上 ならびに 2インドネシアサイドと進出企業サイドの相互のメリットにつながる電力基盤整備への寄与 を可能とし より高い事業実現性を有す選択肢として 後段で詳述する PPS(Private Power Utility) を検討対象に位置付けている a) 電気料金の値上げインドネシアにおいては これまで政策的に電力価格を低く設定していたがインドネシア国営電力公社 (Perusahaan Listrik Negara Persoro:PLN) の赤字等を背景として 2014 年 1 月 対象を限定して大口需要家向け電力値上げを決定した これに基づき 2014 年から 2015 年にかけて 電力契約区分 I4(30MVA 以上 ) の約 60 社 : +65% 電力契約区分 I3(20KVA 以上 ) の上場会社 : +39% の引き上げが実施されることとなり ASC 社 ( 電力契約区分 I4) の事業展開に悪影響を及ぼす状況が生 72

86 じている b) 電力バランス危機の顕在化インドネシアにおける電力需要の増加に対する基盤整備の遅れ ( PLN の資金不足による発電所 PJ の遅れ等を一因とする ) により 2015 年以降 電力バランス危機が顕在化し 上記のコスト問題とともに対応を要する状況が生じている 3) ASC 社の事業計画東南アジア地域は 高い経済成長に伴い インフラ材となる基礎化学製品の長期的需要拡大が見込まれている ASC 社ではこの旺盛な需要を背景に生産能力の増強を計画化している 2015 年末までに生産設備を追加増設し 生産能力を苛性ソーダは現行 ( 既に今年 3 月に苛性ソーダの生産能力を約 50 万トン / 年に増強済 ) の 40% 増の約 70 万トン / 年 塩ビ樹脂 (PVC) はほぼ倍増の約 55 万トン / 年とする予定である アサヒマス ケミカル社は 現在以下の製品を製造しており 苛性ソーダの生産能力を現在の 50 万トンから 2015 年末に 70 万トンに拡大することを意思決定している 苛性ソーダ (NaOH) : レーヨン, 石鹸洗剤, 紙パルプ, 化学 塩ビモノマー(VCM) : 塩ビ樹脂原料 塩ビ樹脂 (PVC) : 塩ビ管, フィルム, 電線被覆 表 3-1 アサヒマス ケミカル社の現有能力と増設後 (2015 年末 ) の能力 ( 千トン ) 出典 : 調査団作成 アサヒマス ケミカル社の製造フローは下図に示す通りであり 苛性ソーダ及び塩素の製造に多大な 電力を必要としている 図 3-1 ASC 社の製造フロー 出典 : 調査団作成 73

87 苛性ソーダや塩ビ原料の塩素を製造する電解設備では電力コストが高い比重を占めることから 電力料金高騰への早急な対応が求められている このため ASC は 本プロジェクトの石炭火力発電所に自社用地を提供し 同発電所から PLN( 国営電力公社 ) より安価な電力の供給を受けることを計画している 74

88 (2) エネルギーの利用の高度化および合理化について 現在稼働しているインドネシアの石炭火力発電所は 亜臨界圧発電方式が主流となっている 本プロジェクトでは 超臨界圧発電方式 ( 及び CFB 発電方式 ) を採用することにより エネルギー利用の高度化および合理化を実現する 微粉炭焚き (PC) 火力発電システムは 極めて信頼性の高い確立された技術として 広く利用されている 微粉炭焚き火力発電方式の中で 発電効率向上を図った超臨界圧石炭火力発電方式は 日本国内で 50/70 万 kw 級を中心に多くの導入実績がある 同発電方式の発電端熱効率は 42.5%( 送電端 :40.0% いずれも HHV 基準 ) にまで向上し 石炭利用の高度化および合理化が実現可能となった 加えて 環境対策においても効果的である 火力発電所における発電電力量あたりの二酸化炭素や硫黄酸化物 窒素酸化物の排出量に関しても 優れた値を達成できる インドネシアでは 超臨界圧発電方式の石炭火力発電所はまだ3 箇所 (1パイトンⅢ( 増設 ):81.5 万 kw 2チレボン :66 万 kw 3Cilacap Baru/Adipala:66 万 kw) のみであるが 今後 60 万 kw 級の導入が予定されている 一方 CFB 発電方式は 幅広い炭種に対応できるメリットがあり インドネシアの亜瀝青炭に適合し 水分の多い 4,000kcal/kg 以下の低品位炭にも適合可能である 75

89 (3) プロジェクトの内容等決定に必要な各種検討 1) 関連規制 政策の概要 経緯 a) 電気事業体制インドネシアでは PLN( 旧 : インドネシア国営電力公社 ) が一貫して発 送 配電事業行ってきたが 1992 年に民間電力事業者 (IPP) 制度 その後 2009 年の新電力法に基づき PPU(Private Power Utility) が導入された 現在は PLN が設備容量の 8 割強を占め 残りを民間電力事業者 (IPP PPU) 自家発電事業者が補完している b) 電力法インドネシアの電気事業は 1985 年に制定された 旧電力法 により永らく規制されてきたが 国際的な電力自由化の流れのもと 2002 年に 新電力法 が一旦制定された しかし 2002 年の 新電力法 は インドネシア憲法裁判所により 2004 年に無効と判決され 実質的に機能せず その後は再び 旧電力法 が復活していた その後 2006 年に新しい 新電力法案 が国会に提出され 2009 年 9 月 電力に関する法律 (2009 年第 30 号 )( 新電力法 ) が可決 制定され 現在施行されている ( 以下における 新電力法 は 主にこの 2009 年の現行の 新電力法 を指している ) 現状に至る流れを以下に記す 1IPP の参入許可 (1992 年 ) 1980 年代以後の世界的な規制緩和の流れを受け また電力供給の逼迫化もあり インドネシアにおいても公営事業の自由化が進められた 1992 年に 民間資本による電気供給事業に関する大統領令 ( 第 37 号 ) が交付され IPP の参入が外国資本を含め認められた 2 電気事業改革への着手 (1998 年 ) その後 1997 年にアジア通貨危機が発生し インドネシア ルピアが暴落し IPP との取引を米ドルベースで行っていた PLN は 供給コストが販売単価を上回る逆ザヤの状況となった こうした中 インドネシア政府は 1998 年に電力部門の構造改革政策を発表し 電気事業の改革に着手した 3 新電力法の制定 (2002 年 ) 2002 年に 電気事業に関する法令 ( 新電力法 ) が制定され 電気事業の分割 民営化を進めることが決定した 具体的には 競争市場の導入 電気事業の分割 民営化 発電と小売部門の自由化 PLN による送電 配電系統の管理 電力市場監督委員会の創設と同委員会による送配電料金 ( 託送料金 ) の決定 電力システム管理者と電力市場管理者の設置 等の実施が定められた なお 島嶼国家であるインドネシアにおいては地域による経済 インフラ整備の状況が大きく異なるため 国内を競争地域と非競争地域に区分し 非競争地域においては国営企業による供給体制が引き続き優先されることとなった 新電力法では 競争地域においては発電および販売部門に競争原理が導入されるとともに 競争地域 76

90 への監督機関として 電力市場監督機関 (BAPEPTAL) が設置されることとなった 4 新電力法の無効判決 (2004 年 ) その後 2004 年 競争原理の導入に反対する PLN の労働組合等が 2002 年の新電力法を違憲として憲法裁判所に提訴した 2004 年 12 月 インドネシア憲法裁判所は 2002 年新電力法は 憲法 (1945 年 ) 第 33 条の規定 国家にとって重要であり また多数の者の生活に影響を与える生産部門は国家がこれを管理する に抵触するとして 無効と判決した 5 旧電力法の復活無効判決後は 旧電力法 (1985 年 ) が再度使われることとなった しかし 旧電力法は 20 年前の法令であり 民間投資による電源開発を促進する上で問題があった これを暫定的に補うために IPP の参入手続きや事業許可等に関する複数の政省令を制定して対応が図られた 6 新しい 新電力法 の制定 (2009 年 ) その後 2006 年 政府による電気料金の決定 国民への電力供給の保証等を明文化とした 新 新電力法案 が国会に提出された 年 9 月 電力に関する法律 (2009 年第 30 号 )( 新 新電力法 ) が可決 制定された 本法は 旧電力法 (1985 年第 15 号 ) の流れを基本的に踏襲しており 電力供給に国が責任を持つ (= 電力供給事業は国家が管轄し 政府が実施する ) としつつも 電力供給における国家能力の更なる向上のために 国益を害さない限り その他の国有企業 公営企業 民間企業 協同組合等は 電力供給事業を実施するための機会を最大限与えられる とし 電気事業への民間参入の道を明文化している 10 本法に基づき 後段で詳述する PPU(Private Power Utility) 制度が導入された c) 新電力法の法体系 我が国の電気事業法と同様に インドネシアの新電力法では電気事業に関する基本的な事項を定めて おり より詳細な細目については 政令 大統領令 省令で規定されている

91 図 3-1 新電力法及びその下部法令の体系 出典 : 島本和明 インドネシアの電力事情 (2014.2) 新電力法とその下部法令は 主にエネルギー鉱物資源省 (Ministry of Energy and Mineral Resources 英語略称 =MEMR インドネシア語略称 =ESDM) が所管している 11 同省の Web サイト情報を基に作成した 新電力法及び下部法令のリストを以下に示す なおこれらの法令は 全てインドネシア語により記されている 表 3-2 新電力法及び下部法令 注 ) 各法令毎に 1 法令名の和訳 2 法令名 ( インドネシア語の原名 ) 3 法令名の英語訳 4 法令 ( インドネシア語の 原文 ) の URL の順に記載した 2009 年法令第 30 号新電力法 Undang Undang Nomor 30 tahun 2009 Tentang Ketenagalistrikan Law No. 30 of 2009 on Electricity 年政令第 14 号電力供給の事業活動について Peraturan Pemerintah No.14 Tahun 2012 Tentang Kegiatan Usaha Penyediaan Tenaga Listrik Government Regulation No.14 of 2012 About the Electricity Supply Business Activity 年政令第 42 号地域をまたがる電力売買について Peraturan Pemerintah No.42 Tahun 2012 Tentang Jual Beli Listrik Lintas Negara Government Regulation 42 of 2012 About Sale and Purchase of Electricity Cross Country 年政令第 62 号電気事業の支援について Peraturan Pemerintah No.62 Tahun 2012 Tentang Usaha Jasa Penunjang Tenaga Listrik Government Regulation 62 of 2012 About Electric Power Service Business Support

92 2010 年大統領令第 4 号再生可能エネルギー 石炭 ガス発電所建設加速に向けた PLN の課題について Peraturan Presiden RI No.4 Tahun 2010 Tentang Penugasan Kepada PT Perusahaan Listrik Negara (Persero) Untuk Melakukan Percepatan Pembangunan Pembangkit Tenaga Listrik Yang Menggunakan Energi Terbarukan, Batubara Dan Gas Presidential Regulation No. 4 of 2010 Concerning the Assignment To PT PLN (Persero) To Perform Accelerated Development of Power Plants Using Renewable Energy, Coal and Gas 年大統領令第 71 号 年大統領令第 59 号 年大統領令第 47 号石炭発電所建設加速に向けた PLN の任務について ( 原文 : インドネシア語の標題 ) 1Peraturan Presiden RI No.71 Tahun 2006 Tentang Penugasan Kepada PT. Perusahaan Listrik Negara (Persero) Untuk Melakukan Percepatan Pembangunan Pembangkit Tenaga Listrik Yang Mengunakan Batubara. 2Peraturan Presiden RI No.59 Tahun 2009 Tentang Perubahan Atas Peraturan Presiden Nomor 71 Tahun 2006 Tentang Penugasan Kepada PT Perusahaan Listrik Negara (Persero) Untuk Melakukan Percepatan Pembangunan Pembangkit Tenaga Listrik Yang Menggunakan Batubara 3Peraturan Presiden RI No.47 Tahun 2011 Tentang Perubahan Kedua Atas Peraturan Presiden Nomor 71 Tahun 2006 Tentang Penugasan Kepada PT Perusahaan Listrik Negara (Persero) Untuk Melakukan Percepatan Pembangunan Pembangkit Listrik Yang Menggunkan Batubara ( インドネシア語標題の英訳 ) 1Presidential Regulation No. 71 of 2006 on Assignment to PT. State Electricity Company (Persero) Acceleration To Perform The Development of Power Plant Using Coal. 2Presidential Regulation No. 59 Year 2009 on Amendment to Presidential Regulation No. 71 Year 2006 on Assignment to PT State Electricity Company (Persero) To Perform Accelerated Development of Power Plant That Uses Coal 3Presidential Regulation 47 of 2011 on the Second Amendment to Presidential Regulation No. 71 Year 2006 on Assignment To PT PLN (Persero) To Perform Accelerated Development of Coal Power Plants that use (URL) 省令 1122K/30/MEM/2002 分散型小規模発電所の普及について (1MW 以下 ) Keputusan Menteri ESDM No K/30/MEM/2002 Tentang Pedoman Pengusahaan Pembangkit Tenaga Listrik Skala Kecil Tersebar Decision of the Minister of Energy and Mineral Resources No K / 30 / MEM / 2002 about Guidelines Exploitation Small Scale Power Plant Spread 年省令第 1 号再生可能エネルギー 石炭 ガス発電所 関連送電線の建設加速に関する事業リストについて Peraturan Menteri ESDM No.01 Tahun 2012 Tentang Perubahan Atas Peraturan Menteri ESDM Nomor 15 Tahun 2010 Tentang Daftar Proyek-Proyek Percepatan Pembangunan Pembangkit Tenaga Listrik Yang Menggunakan Energi terbarukan, Batubara, Dan Gas Serta Transmisi Terkait Minister of Energy and Mineral Resources Regulation No.01 of 2012 Changes in the Regulation of the Minister of Energy and Mineral Resources No. 15 of 2010 on List of Projects to Accelerate Development of Power Plant That Uses Renewable Energy, Coal, and Gas Transmission And Related 年省令第 4 号小中規模再生可能エネルギーからの電力 余剰電力購入について (10MW 以下の最高価格 ) Peraturan Menteri ESDM No.04 Tahun 2012 Tentang Harga Pembelian Tenaga Listrik Oleh PT PLN (Persero) Dari Pembangkit Tenaga Listrik Yang Menggunakan Energi Terbarukan Skala Kecil Dan Menengah Atau Kelebihan Tenaga Listrik Minister of Energy and Mineral Resources Regulation No.04 of 2012 about the Power Purchase Price by PT PLN (Persero) From Power Plants Using Renewable Energy Small and Medium Scale Or Excess Power 79

93 2012 年省令第 22 号地熱発電所からの電力購入価格について Peraturan Menteri ESDM No.22 Tahun 2012 Tentang Penugasan Kepada PT Perusahaan Listrik Negara (Persero) Untuk Melakukan Pembelian Tenaga Listrik Dari Pembangkit Listrik Tenaga Panas bumi Dan harga Patokan Pembelian Listrik Oleh PT Perusahaan Listrik Negara (Persero) Dari Pembangkit Listrik Tenaga Panas Bumi Minister of Energy and Mineral Resources Regulation 22 of 2012 on Assignment to PT State Electricity Company (Persero) To Perform Purchase of Electricity from Geothermal Power Plants And Electricity By reference price Purchase PT PLN (Persero) From Geothermal Power Plant 年省令第 28 号電気事業分野について Peraturan Menteri ESDM No.28 Tahun 2012 Tentang Tata Cara Permohonan Wilayah Usaha Penyediaan Tenaga Listrik Untuk Kepentingan Umum Regulation of the Minister of Energy and Mineral Resources 28 In 2012 Areas of Application Procedures Electrical Power Supply Business for Public Interest 年省令第 4 号 年省令第 1 号改正公益のための電力事業における電力購入 送電網借用の手続きについて ( 原文 : インドネシア語の標題 ) 1Peraturan Menteri ESDM No.04 Tahun 2007 Perubahaan Atas Peraturan Menteri Energi Dan Sumber Daya Mineral Nomor 01 Tahun 2006 Tentang Prosedur Pembelian Tenaga Listrik Dan Atau Sewa Menyewa Jaringan Dalam Usaha Penyediaan Tenaga Listrik Untuk Kepentingan Umum 2Peraturan Menteri ESDM No. 01 Tahun 2006 Tentang Pembelian Tenaga Listrik dan / atau Sewa Menyewa Jaringan Dalam Usaha Penyediaan Tenaga Listrik untuk Kepentingan Umum ( インドネシア語標題の英訳 ) 1Minister of Energy and Mineral Resources Regulation No.04 Year 2007 Amendment to the Regulation of the Minister of Energy and Mineral Resources No. 01 Year 2006 on Procedures Power Purchase Or Lease And Networking In Business Electricity Supply For the Public Interest 2Minister of Energy and Mineral Resources Regulation No. 01 In 2006 About the Power Purchase and / or Lease Network In Power Supply Business in the Public Interest 年省令第 2 号中規模 (1~10MW) の再生可能エネルギー発電事業について Peraturan Menteri ESDM No. 02 Tahun 2006 Tentang Pengusahaan Pembangkit Listrik Tenaga Energi Terbarukan Skala Menengah Minister of Energy and Mineral Resources Regulation No. 02 In 2006 Exploitation of Renewable Energy Power Plant Scale Medium 年省令第 10 号州間または国の送電網に接続する際の電力事業許可の手続について Peraturan Menteri ESDM No Tahun 2005 Tentang Tata Cara Perizinan Usaha Ketenagalistrikan Untuk Lintas Provinsi Atau Yang Terhubung Dengan Jaringan Transmisi Nasional Minister of Energy and Mineral Resources Regulation No Year 2005 About the Business Licensing Procedures For Traffic Electricity Province Or Connected With National Transmission Network 年法律第 2 号公益に資する開発のための土地の調達について Undang Undang Nomor 2 Tahun 2012 Tentang Pengadaan Tanah Bagi Pembangunan Untuk Kepentingan Umum Law No. 2 of 2012 on Land Procurement for Development for Public Interest 80

94 2) 関連規制 政策の詳細 本節では 本 FS 調査の対象プロジェクトに関連する電気事業規制に焦点を当て その詳細について 述べる a) 規制の概要 現在 インドネシアにおける電力関連事業は 電力法(2009 年法律第 30 号 通称 : 新電力法 ) 及び関連する法令 ( 政令 大統領令 エネルギー鉱物資源省令 ( 以下では単に省令と呼ぶ ) 等 ) により規制されている インドネシアにおける 電力供給事業 は 新電力法第 9 条に基づき 大きく以下の2 種類に区分されている 1 公共向け電力供給事業 ( 法第 9 条のa): PLN( 国有企業 ) IPP(Independent Power Producer) (PLN 以外の )PPU(Public Power Utility) ( 注 :PLN は PPU の一種とも言える ) 2 自家用の電力供給事業 ( 法第 9 条のb): 自家発 以下では 法令 文献調査 及びエネルギー鉱物資源省 PLN からのヒアリング結果に基づき IPP 及び (PLN を除く )PPU に関する規制の概要を述べる b) IPP に関する規制 1 新電力法上の位置付け 法第 9 条のa( 公共向け電力供給事業 ) に該当 2 事業ライセンス 新電力法第 19 条 (2) に基づき 電気事業ライセンス (IUPTL:Ijin Usaha Penunjang Tenaga Listrik) を得ることが必要 3 PLN への売電 PLN への全量売電が必須 25 年間等の長期契約が前提 PLN との長期売電契約 (PPA) の優先交渉権は PLN が実施する入札に基づき獲得される 詳細は 政令第 14 号 (2012) 省令第 1 号 (2006) 及びその改正省令第 4 号 (2007) 並びに省令第 5 号 (2009) で規定 4 需要家への売電 ( 小売 ) PLN への全量売電が必須のため 需要家への売電は必然的にできない かつて旧電力法の時代には チカラン等の工業団地では IPP から需要家への直接供給 ( 特定供給 ) が認められたケースがあるが 現在は不可 c) PPU に関する規制 1 新電力法上の位置付け 法第 9 条のa( 公共向け電力供給事業 ) に該当 2 事業ライセンス 新電力法第 19 条 (2) に基づき 電気事業ライセンス (IUPTL:Ijin Usaha Penunjang Tenaga Listrik) を得ることが必要 81

95 3 PLN への売電 PLN への売電は可能 PLN がその電力を必要とすることが必要 発電量の一部を PLN に売電する方式と 一旦全量を PLN に売電して PLN から買い戻す方式がある 売電価格は 基本的に PLN との BtoB の交渉により決まる なお一旦全量を売電して買い戻す場合の売電価格は 原価積み上げ方式をベースに BtoB の交渉により決まる エネルギー鉱物資源省が 関連する省令の制定を準備中 同省令における標準契約期間が単年となるか長期となるかは不透明 4 需要家への売電 ( 小売 ) 新電力法第 10 条に基づき WU( 後述 ) を取得すれば 発電 送電 配電 小売を統合的に行ったり 配電及び ( 又は ) 小売を行うことが可能 小売価格は BtoB の交渉のうえ 最終的には地方政府の承認が必要 一旦全量を PLN に売電して買い戻す場合の標準的な買電価格は 1,191Rp./kWh であり これを交渉により下げることも可能 5 WU の取得 PPU から需要家に配電 小売を行うためには 新電力法第 10 条 (3)~(5) により 配電 小売を行う区域 ( 例 : 工場内 ) を対象とする WU(Wilayah Usaha: 事業区域 ) の取得が必要 WU 取得のためには PLN の了解と MEMR の許可が必要 WU は 根回しをすれば最短 2 カ月で取得可能 WU の詳細については 省令第 28 号 (2012) で規定されている 82

96 表 3-3 インドネシアの電力供給事業に関する法制度 制度 実施項目 可否要否 法制度 説明 売電 (PLN) 可 法第 9 条の a( 公共向け ) に該当 詳細は 政令第 14 号 (2012) 省令第 1 号 (2006) 及びその改正省令第 4 号 (2007) 並びに省令第 5 号 (2009) で規定 入札方式 長期契約 PLN への全量売電が必須 IPP 売電 ( 需要家 ) 不可 バックアップ 特になし ( 推定 ) PLN への全量売電が必須のため 需要家への売電は必然的にできない WU 取得不要 法第 10 条により不要 チカラン等の工業団地では かつて IPP からの特定供給が認められたケースがあるが 現在は不可 全量売電のため 所内消費分を除き PLN からバックアップを受ける必要性は少ない 発電のみ (PLN への全量売電が必須 ) で 需要家には配電 小売を行わないため WU 取得は不要 IUPTL 取得 要 法第 19 条 (2) に基づき 電気事業許可 (IUPTL) が必要 売電 (PLN) 可 MEMR が省令を準備中 BtoB 契約 ( 前例なし ) 一旦 PLN に全量売電して買い戻す場合の売電価格は 原価計算と BtoB 交渉で決定 省令での標準契約期間は 1 年となるか長期か不透明 PLN が必要とすることが要件 PPU 売電 ( 需要家 ) 可 法第 9 条の a( 公共向け ) に該当 法第 10 条により WU を取得すれば 発 送 配電 小売 ( 統合的 ) 又は配電 and/or 小売が可能 価格は BtoB+ 地方政府承認 一度 全量を PLN に売電した場合の標準価格は 1,191Rp./kWh 交渉により低下可能 バックアップ 可 PLN の一般的な電気料金は 省令第 31 号 (2014) で規定されている 但しバックアップ料金は PLN の規程による可能性もある 常時連系 / 非常時連系を選択 WU 取得 要 法第 10 条 (3)~(5) により必要 省令第 28 号 (2012) に詳細規定 PLN の諒解と MEMR の許可が必要 根回しをすれば最短 2 カ月で取得 IUPTL 取得 要 法第 19 条 (2) に基づき 電気事業許可 (IUPTL) が必要 売電 (PLN) 可 法 23 条 (3) により可 省令第 4 号 (2012) に詳細規定 標準価格 :656Rp./kWh( これを上回る場合は MEMR の承認が必要 ) 単年度契約 自家発 自家消費バックアップ 可可 法第 9 条の b( 自家用 ) に該当 法第 19 条 (2) に基づき Cilegon 市による操業許可 (Izin Operasi) が必要 PLN の一般的な電気料金は 省令第 31 号 (2014) で規定されている 但しバックアップ料金は PLN の規程による可能性もある 常時連系 / 非常時連系を選択 WU 取得不要 - - IUPTL 取得不要 電源を PLN の系統に連系する場合 KKO( ク リット インハ クトスタテ ィ ) に最低 1 ヶ月必要 2 WU(Wilayah Usaha): 事業区域 3 IUPTL(Ijin Usaha Penunjang Tenaga Listrik): 新電力法に基づく公共向け電気事業許可 4 IPP:Independent Power Producer( 独立系電気事業者 ) 5 PPU:Private Power Utility 6 IPP PPU 自家発が PLN の送電網を使用 ( 借用 ) して需要家に電力託送 / 小売託送を行うパワーホイーリングの仕組みについて エネルギー鉱物資源省が現在検討中 出典 : 調査団作成 83

97 3) 関連機関の見解 対象プロジェクトを実施する上で必要となる電気事業規制について 現地の関連機関にヒアリングを 行い 以下の情報を得た a) まとめ 現地関連機関へのヒアリングで判明した電気事業規制等に関する主な内容を下表に整理した 表 3-4 各方式に係る電気事業規制等の主な内容 ( 要約 ) 方式事業者 WU 要否 PLN への売電需要家への供給備考 100%PLN に売電が IPP 単独 SPC 不要 必須入札 不可 - 長期契約 PPU 単独 SPC 必要 B to B により可 ( 但し PLN はできれば全量売電を希望 ) MEMRが省令を準備中 WU を取得した地域への供給 ( 他地域の需要家への供給は不可 ) - 自家発 需要家と同一 不要 余剰電力の売電は可能価格は固定年間契約 構内のみ可 他地域への供給は不可 発電設備を SPC 等からリースして需要家が事業者として運転することは可能 出典 : 調査団作成 表 3-5 ヒアリング結果 ( まとめ ) ヒアリング先ヒアリング結果 ( 要点 ) IPP は PLN への全量売電しか認められていない かつては IPP から工業団地等の需要家への直接売電も認められたこともあるが 今は認められていない 電源の所有者が SPC であり SPC から需要家 ( 工場 ) に売電する場合は 電エネルギー鉱物資力の売買が発生するため PPU(Private Power Utility) となる 源省 (MEMR): 電力 PPU は 新電力法第 9 条のa( 公共向け電力供給事業 ) の1 種であり PLN の総局ような公共向け電力供給事業における民間の新規参入者である SPC 等の第 3 者が PPU として需要家 (ASC) に配電 電力小売を行うためには 新電力法第 10 条に基づき WU(Wilayah( 区域 ) Usaha( 事業 )= 事業区域 ) を得る必要がある PLN : Power System PPU( 発電主体と需要家が異なる ) の場合も 非常時 ( 定期点検時 電源故 Planning 担当者障時 ) の PLN からのバックアップは可能 84

98 PLN:Marketing Division Cilegon 市 : 鉱山エネルギー部商工業組合局 バックアップの料金は 国の料金規制を順守する範囲内で 基本的には PLN とバックアップ受給者との間の交渉により決まる PPU から PLN への売電料金は B to B の交渉により決まる PPU から需要家 ( 工場 ) への電力の販売は WU を取得した上で可能になる その販売料金は B to B の交渉プラス 地方政府の承認が必要となる WU の取得は 以前は非常に難しかったが 現在は以前より容易になっている PPU から ASC への電力の販売は WU を取得すれば可能 その場合 ご担当者個人としては PPU(SPC) から PLN に一旦全量を売電してから PLN が ASC( 需要家 ) に売電する方式を希望 但しこれは個人的な見解であり 最終的には PLN との交渉により決まる PPU となるために必要な WU の取得は MEMR PLN 地方政府(Cilegon 市 ) と事前に根回しをしておけば 最短 2カ月で可能 非常時 定期点検時のバックアップは可能であり 常時連系の場合と非常時連系の場合で料金システムは異なる 新規電源を PLN の系統に連系する前に PLN による KKO( グリッド インパクト アセスメント ) 受ける必要がある これには最低 1 カ月を要する SPC 等の第 3 者が PPU として需要家に配電及び電力小売を行うには IUPTL ( 新電力に基づく公共向けの電気事業許可 :Ijin Usaha Penunjang Tenaga Listrik) と WU( 事業区域 ) の両方を取得する必要がある 電力の需要家 引取手として1 社 及び PLN を対象とする PPU( それに必要な WU IUPTL) は充分可能 Cilegon 市としては 逆潮流という形で PLN の電力系統に貢献する PPU がなお好ましいが どのような形であれ発電設備の導入を歓迎 PPU に必要な WU は 書類 (FS レポート等 ) が整っていれば 3~4 日でチレゴン市としてのレコメンデーションを出せる WU 取得の流れは以下の通り : 1チレゴン市からレコメンデーション 2エネルギー鉱物資源省 電力総局に申請書類及びチレゴン市からレコメンデーション文書を提出 3PLN の了解 PPU(SPC) から需要家への小売料金は 1SPC(PPU) と需要家の相対交渉 2SPC(PPU) とチレゴン市との相談 合意により決まる PLN から一般需要家への小売料金よりもし仮にかなり安い価格であったとしても 市としては何ら問題ない 85

99 b) エネルギー鉱物資源省 (MEMR): 電力総局ヒアリングは 基本的に以下の2ケースに即して 主にその法規制面からの可能性についてお伺いした 1PLN への逆潮流ありケース (IPP PPU 自家発 余剰電力あり) 2PLN への逆潮流なしケース (PPU 自家発 余剰電力なし) 要約 IPP は PLN への全量売電しか認められていない かつては IPP から工業団地等の需要家への直接売電も認められたこともあるが 今は認められていない 電源の所有者が SPC であり SPC から需要家 ( 工場 ) に売電する場合は 電力の売買が発生するため PPU(Private Power Utility) となる PPU は 新電力法第 9 条のa( 公共向け電力供給事業 ) の1 種であり PLN のような公共向け電力供給事業における民間の新規参入者である SPC 等の第 3 者が PPU として需要家 (ASC) に配電 電力小売を行うためには 新電力法第 10 条に基づき WU(Wilayah( 区域 ) Usaha( 事業 )= 事業区域 ) を得る必要がある 自家発( 新電力法第 9 条のbに該当 ) は 新電力法に基づき許可が必要で 直接の許可担当機関は Cilegon 市となる 自家発は そうでない電源(PPU IPP) に比べて 許可手続きは比較的容易である 電源の所有者が SPC であり SPC から需要家 ( 工場 ) に売電する場合は 電力の売買が発生するため 自家発ではなく PPU(Private Power Utility) となり 手続きも複雑となる PPU は 新電力法第 9 条のa( 公共向け電力供給事業 ) の1 種であり PLN のような公共向け電力供給事業における民間の新規参入者である SPC 等の第 3 者が PPU として需要家 (ASC) に配電及び電力小売を行うには 新電力法第 10 条 (3)~(5) に基づき WU(Wilayah( 区域 ) Usaha( 事業 )= 事業区域 =Business Area) を得る必要がある WU の取得のためには PLN の了解と政府の許可が必要であり 手続きはかなり大変である これまでインドネシアで WU を取得したケースは 20 件ほどある WU 取得に関する詳細規定は MEMR 省令第 28 号 (2012 年 ) で定められている SPC が所有する発電設備等を需要家 ( アニエール工場 ) にリースして そこで発電を行うことは 電力の売買が生じないため 電力規制 制度上は何ら問題なく 充分に可能である IPP は PLN への全量売電しか認められていない かつては IPP から工業団地等の需要家への直接売電も認められたこともあるが 今は認められていない 電源から電力の一部を PLN に売電する場合 上記の通り IPP は不可能であり PPU は WU 取得が必要だが 自家発から PLN への余剰電力の売電は 新電力法第 23 条 (3) に基づき可能である 自家発余剰電力買い取りの詳細規定は MEMR 省令第 4 号 (2012 年 ) で定められており 売電価格は標準で 656 ルピア /kwh である これを上回る場合は 政府 (MEMR) の許可が必要となる 86

100 c) PLN:Power System Planning 担当者 要約 PPU( 発電主体と需要家が異なる ) の場合も 非常時 ( 定期点検時 電源故障時 ) の PLN からのバックアップは可能 バックアップの料金は 国の料金規制を順守する範囲内で 基本的には PLN とバックアップ受給者との間の交渉により決まる PPU から PLN への売電料金は B to B の交渉により決まる PPU から需要家 ( 工場 ) への電力の販売は WU を取得した上で可能になる その販売料金は B to B の交渉プラス 地方政府の承認が必要となる WU の取得は 以前は非常に難しかったが 現在は以前より容易になっている 発電所の建設は 着手( 定義不明 ) から運開までに 一般的には 48 カ月かかる 自家発ケース( 発電主体と需要家が同一 ) PPU ケース ( 発電主体と需要家が異なる ) とも 非常時 ( 定期点検時 電源故障時 ) の PLN からのバックアップは可能である しかしそのコスト ( 定常的な固定費 +バックアップ時の追加費用 ) は高い バックアップの料金は 国の料金規制を順守する範囲内で 基本的には PLN とバックアップ受給者との間の交渉により決まる 余剰電力を PLN に販売する場合 自家発からの余剰電力は 新電力法に基づき可能であり その価格は MEMR 省令第 4 号に基づき 標準価格 (7~8セント/kWh) が決められており それを上回る場合は MEMR の承認が必要である PPU から PLN への余剰電力の販売は可能である その料金については B to B の交渉により決まる 但し これまで PPU から PLN に余剰電力を販売した事例はない PPU から需要家 ( 工場 ) への電力の販売は WU を取得した上で可能になる その販売料金は B to B の交渉プラス 地方政府 ( 具体的にどこかは未確認 ) の承認が必要となる PLN にとって IPP はウェルカムである 一方 自家発 PPU は どうぞ作って下さい ( お任せします ) というスタンスである 電源の所有者が SPC 等の第 3 者である場合 そこから需要家 ( 工場 ) に電力を販売する場合は WU が必要 一方 電源の所有者が SPC 等の第 3 者であり その発電設備等を需要家 ( 工場 ) にリースしてそこで発電を行う場合は 通常の自家発と同じ扱いであり リース方式も充分可能である WU の取得は 以前は非常に難しかったが 今は以前よりは容易になっている MEMR と PLN が同意すれば 基本的には OK である ただし これまで PLN 管内で WU を取得した事例は3 件である 工業団地の事例が多いとのことである ( 注 : 同様の質問に対して MEMR は昨日 20 件と回答されていたが この 20 件には 未電化地域 (PLN 管轄外 ) での WU 取得や PLN の子会社による WU 取得も含まれているのでは と推定される ) なお かつてチカランの工業団地等で特例として認められた IPP から需要家への直接供給 ( 日本でいう特定供給 ) は 現在は認められていない MEMR で検討しているパワーホイーリング ( 日本でいう PPS= 小売託送 及び電力託送 ) は PLN の送電系統の余裕が現在非常に小さいため 現実的には短期的には難しいように思う 87

101 IPP の定義は 詳しくはどこかに書いてあると思うが 1100% 売電 2 長期間の契約 3PLN による 入札 である PLN の長期供給計画では とりわけ 2017 年まで 電源供給の状況が極めて厳しい d) PLN:Marketing Division 要約 PPU から ASC への電力の販売は WU を取得すれば可能 その場合 ご担当者個人としては PPU(SPC) から PLN に一旦全量を売電してから PLN が ASC( 需要家 ) に売電する方式を希望 但しこれは個人的な見解であり 最終的には PLN との交渉により決まる PPU となるために必要な WU の取得は MEMR PLN 地方政府(Cilegon 市 ) と事前に根回しをしておけば 最短 2カ月で可能 非常時 定期点検時のバックアップは可能であり 常時連系の場合と非常時連系の場合で料金システムは異なる 新規電源を PLN の系統に連系する前に PLN による KKO( グリッド インパクト アセスメント ) 受ける必要がある これには最低 1 カ月を要する SPC 等の第 3 者が PPU として需要家に配電及び電力小売を行うには IUPTL( 新電力に基づく公共向けの電気事業許可 :Ijin Usaha Penunjang Tenaga Listrik) と WU( 事業区域 ) の両方を取得する必要がある 1PPU WU を含む事業モデルについて PPU から ASC への電力の販売は WU を取得すれば可能だが PLN( あるいはご担当者 ) としては PPU から ASC への直接小売よりも できれば以下の方式を希望する ( 但しこれは ご担当者の個人的な見解である 最終的には PLN との更なる交渉により決まると考えられる ) A. PPU(SPC) から PLN に一旦全量を売電 価格は原価方式(A+B+C+D) に基づき 互いの B to B の交渉により決まる A= 設備投資コスト B=O&M 固定コスト C= 燃料コスト D=O&M 可変コスト ちなみに 自家発余剰電力の PLN への販売料金は 標準 656 ルピア /kwh で これは上記のうち B+C+D に相当する ( これを上回る場合は MEMR の承認が必要 ) 弊社注: PPU(SPC) から PLN への売電価格は これに A が加わるため 656 ルピア /kwh より A 相当分は高くなると思われる なお PPU から PLN への売電について MEMR がそれを規定する法令 ( おそらく MEMR 省令 ) の策定を準備している その詳しい状況については MEMR の Eric 氏が詳しいはず 同法令での売電契約の標準期間は おそらく1 年単位となるかもしれないが より長期となる可能性もある PPU(SPC) から PLN への売電契約が可能となるためには PLN がその電力を必要としていること も必要である B. PLN から ASC に売電 料金は 標準で 1,191 円ルピア /kwh( 通常の需要家への販売単価と同じ ) 但し この標準料金を B to B の交渉により下げてもらえる可能性はある 88

102 SPC から発電設備等を ASC にリースし その発電設備により ASC で自家発として発電及び自家消費を行うことは充分可能であり 電力法上も通常の自家発と同じ扱いとなる 自家発余剰電力の PLN への販売 ( 標準で 656 ルピア /kwh で これを上回る場合は MEMR の承認が必要 ) も可能 PPU となるために必要な WU の取得は MEMR PLN 地方政府(Cilegon 市 ) と事前に根回しをしておけば 最短 2カ月で可能 根回しをしなければ より長期となる 2バックアップについて A. 常時連系 の場合: 接続料金( パラレル フィー ) として 最低でも月当たり 40 時間相当のミニマムチャージがかかる 仮に受電容量が 300MW の場合 ミニマムチャージは以下の通り ( 300MW/0.85( 力率 )) (40 時間 / 月 ) 1,191 ルピア /kwh = 168 億ルピア / 月 = 1.6 億円 / 月 = 19.6 億円 / 年 受電容量が 150MW の場合は ミニマムチャージは 9.8 億円 / 年となる ヒアリングでは特に確認しなかったが 上記の金額以上を受電した場合( 常時 ) は 従量的に上記を超える分の受電電力量 (kwh) 1,191 ルピア /kwh がかかると考えられる バックアップ時の従量料金( 上記の金額を超えた場合 ) も 単価を含めて 上記と同様である B. 非常時のみ連系の場合 この場合は バックアップ時のみ テンポラリーサービス という費用がかかる 但し 1 カ月前までに PLN に通知する必要がある 従って 予め時期が決まっている定期点検には対応できるが 予知できない緊急の故障等には対応できない 同サービスのミニマムチャージは 100 万 kwh 相当分 料金単価は 1,650 ルピア /kwh であり 下式で計算される 1,650 ルピア /kwh 0.8( 係数値 ) 100 万 kwh/ 回 = 13.2 億ルピア / 回 = 1,283 万円 / 回 上記はミニマムであり バックアップ時の受電電力量が 100 万 kwh を超えた場合は 以下の従量料金がかかる 以下は 発電機 300MW(150MW 2 基 ) のうち 1 基ずつ半年毎に定期点検を行い 1 基当たりの停止時間が 10 日 / 年 24 時間 / 日 =240 時間 / 年 2 基合計で 480 時間 / 年 150MW のバックアップを受けると仮定した場合の年間料金である 1,650 ルピア /kwh 0.8( 係数値 ) 480 時間 / 年 150MW = 950 億ルピア / 年 = 9.2 億円 / 年 これを A.( 常時連系 ) かつ受電容量が 150MW の場合の年間ミニマムチャージ (9.8 億円 / 年 ) と比較すると B.( 非常時連系 ) のテンポラリーサービス (9.2 億円 / 年 ) の方が約 6 千万円 / 年安い勘定となる 89

103 3その他 新規電源を PLN の系統に連系する前に PLN による KKO( インドネシア語の略語 : 充分に運用可能かのアセスメントとの意味 実質的にはグリッド インパクト アセスメントを意味する ) という評価を受ける必要がある KKO の際 PLN は Dispatcher と呼ばれる系統シミュレータ ( おそらくソフトウェア ) により系統影響評価を行う KKO は最低 1 カ月を要する SPC 等の第 3 者が PPU として需要家に配電及び電力小売を行うには IUPTL( 新電力に基づく公共向けの電気事業許可 :Ijin Usaha Penunjang Tenaga Listrik) と WU( 事業区域 ) の両方を取得する必要がある e) Cilegon 市 : 鉱山エネルギー部商工業組合局 要約 電力の需要家 引取手として1 社 及び PLN を対象とする PPU( それに必要な WU IUPTL) は充分可能 Cilegon 市としては 逆潮流という形で PLN の電力系統に貢献する PPU がなお好ましいが どのような形であれ発電設備の導入を歓迎 PPU に必要な WU は 書類 (FS レポート等 ) が整っていれば 3~4 日でチレゴン市としてのレコメンデーションを出せる WU 取得の流れは以下の通り : 1チレゴン市からレコメンデーション 2エネルギー鉱物資源省 電力総局に申請書類及びチレゴン市からレコメンデーション文書を提出 3PLN の了解 PPU(SPC) から需要家への小売料金は 1SPC(PPU) と需要家の相対交渉 2SPC(PPU) とチレゴン市との相談 合意により決まる PLN から一般需要家への小売料金よりもし仮にかなり安い価格であったとしても 市としては何ら問題ない 電力の需要家 引取手として1 社 ( 及び PLN) を対象とする PPU( それに必要な WU IUPTL) は充分可能である Cilegon 市としては 逆潮流という形で PLN の電力系統に貢献する PPU がなお好ましいが PPU であれ自家発であれ発電設備の導入は歓迎している PPU に必要な WU は 書類が整っていれば 3~4 日でチレゴン市としてのレコメンデーションを出せる その書類とは 当該発電プラントに関する FS レポート及び地図 ( 位置を示すもの ) である なおこれら (FS レポート 地図 ) の書類は 自家発の IO(Izin Operasi: 操業許可 )( 及び PPU の IUPTL) を取得する場合も必要となる 90

104 図 3-2 WU IUPTL IO の許可 / レコメンデーション申請の際に必要となる FS レポートの例 注 )Cilegon 市内の Indrama Petrochemicals 社の自家発 (40MW) に関する FS レポート 出典 :Cilegon 市 : 鉱山エネルギー部商工業組合局の許可を得て調査団撮影 WU 取得の流れは以下の通りである 1チレゴン市からレコメンデーションを受ける (WU 取得のための必要要件の1つ ) 2MEMR 電力総局に申請書類及びチレゴン市からレコメンデーション文書を提出 3PLN の了解注 )PLN の了解は 重要な要件になると考えられる PLN から了解を得るためには 事前の根回しが必要である なお PLN の System Planning 担当者が仰っていたように WU の取得は以前は非常に難しかったが 今は以前より容易になっているとのことである PPU(SPC) から需要家への小売料金は 以下の流れで決まる ( ここには国や PLN の関与はない ) 1SPC(PPU) と需要家の相対交渉 2SPC(PPU) とチレゴン市との相談 合意 OK この PPU から需要家への小売料金は PLN から一般需要家への小売料金よりもし仮にかなり安い価格であったとしても チレゴン市としては 何ら問題ない 91

105 4) 需要予測 a) インドネシアの電力需給見通し インドネシアの電力需要は 下図に示す通り 2013 年の 189TWh から 2022 年の 386TWh へと平均年率 8.4% の伸び率で急速に増加する見通しである 図 3-3 インドネシアの電力需要の見通し (GWh) 出典 :PLN Electricity Supply Business Plan Executive Summary この急増する電力需要に対応して 第 1 章でも述べたように 2013 年から 2022 年にかけて総計で 59.5GW(5,950 万 kw) 年平均で約 6GW(600 万 kw)/ 年の発電容量の増設が必要となる PLN の電力供給計画 によれば この総計 59.5GW のうち PLN で総計 16.9GW(1,690 万 kw) IPP で総計 25.5GW(2,590 万 kw) が確保される見通しであるが 残り総計 17.1GW(1,710 万 kw) はまだ確保されていない このためインドネシア政府 ( エネルギー鉱物資源省 ) 及び PLN は 民間電力供給事業者 (IPP 及び PPU) 及び自家発による発電設備の新設 増設を切望しており 日本を含めた海外からの設備投資の拡大にも大いに期待している b) ASC 社の電力需要見通し 1 最大電力負荷の見通し ASC 社の最大電力負荷は 現在約 18.5 万 kw であり 苛性ソーダ等の製造プラント増設後は 27.5 万 kw に増加する見込みである 92

106 2 電力消費量の見通し ASC 社の電力消費量 ( うち電解プラント用が約 8 割を占める ) は 定期点検時 ( 年間 560 時間 ) を除き 年間及び1 日 24 時間を通じてほぼ一定であり 年間の電力消費時間は 8,760h/ 年 (=365 日 24h/ 日 )-560h/ 年 ( 定期点検 )=8,200h/ 年である ASC 社の年間電力消費量は 現在 185MW 8,200h/ 年 =1,517 GWh/ 年であり 製造プラントの増設後は 275MW 8,200h/ 年 =2,255GWh/ 年に増加する見込みである 5) 燃料調達 以下では 対象プロジェクトにおいて供給可能な炭鉱についての検討を行う a) インドネシアの炭鉱概要記述の通りインドネシアには CCoW 炭鉱および IUP 炭鉱があり 表 3-6 には CCoW にある 3 つの世代の炭鉱と国営炭鉱の生産量を示している 同表からわかるように国営炭鉱 PTBA と CCoW の生産量の合計は全体の 70% に達する わずか 50 炭鉱の合計が数千の IUP 合計よりも多いのである 93

107 表 3-6 CCoW および国営炭鉱 (PTBA) の生産量推移 12 ( 千トン ) PTBA 8,606 9,292 8,555 10,099 10,830 11,919 12,389 13,728 Adaro Indonesia, PT 26,686 34,368 36,037 38,482 40,590 42,199 47,667 46,779 Allied Indo Coal, PT Arutmin Indonesia, PT 16,757 16,234 15,394 15,735 19,298 20,426 22,832 27,379 Berau Coal, PT 9,197 10,533 11,811 13,052 14,336 17,383 19,444 20,999 Indominco Mandiri, PT 5,752 10,302 11,455 10,797 12,396 14,252 14,765 12,031 Kartim Prima Coal, PT 32,000 35,301 38,754 36,288 38,154 39,951 40,452 39,217 Kideco Jaya Agung, PT 18,217 18,900 20,541 21,900 24,692 29,049 31,395 34,649 Multi Harapan Utama, PT 2,060 1,074 1,080 1,872 1,528 1,832 1,311 1,174 Tanito Harum, PT 2,100 2,710 2,690 2,557 3,239 3,513 2,469 3,284 第 1 世代 112, , , , , , , ,512 Antang Gunung Meratus,PT 1, ,404 3,201 Bahari Cakrawala Sebuku, PT 3,000 3,495 3,382 3,531 1,982 1,104 1, Borneo Indobara, PT ,219 1,182 1,118 2,754 3,650 Jorong Barutama Greston, PT 3,475 3,092 2,676 2,419 3, ,426 1,280 Kartika Selabumi Mining, PT 1,200 1, Mandiri Intiperkasa, PT 1,082 1,165 1,854 1,995 2,451 2,979 3,074 2,424 Marunda Graha Mineral, PT 829 1,367 1,452 1, , Riau Bara Harum, PT ,265 2,218 1, Trubaindo Coal Mining, PT 5,000 4,284 3,555 4,544 5,183 5,545 7,021 7,539 第 2 世代 16,185 16,001 15,427 16,205 16,675 16,216 19,989 20,158 Asmin Coalomdo Tuhup 216 1,740 2,857 2,521 Bangun Banua Persada Kalimantan, PT Baramarta, PD 1,286 2,256 3,723 4,335 3,252 2,527 4,433 3,689 Bara Sentosa Lestari 4 Batu Alam Selaras PT Baturona Admulya ,021 Baramulti Suksessarana, PT 27 0 Dhama Puspita Mining Firman Ketaun Perkasa. PT ,265 2,496 Guning Bayan Prartama Coal PT 4,300 5,156 4,532 3,459 4,142 4,053 3,458 3,776 Insani Bara Perkasa, PT ,007 2,249 4,222 4,421 Intitirta Perima Sakti, PT 0 Indexim Coalindo 122 Interex Sacra Raya, PT Kadya Caraka Mulia, PT Kalimantan Energi Lestari. PT Lianggan Cemerlang, PT Lana Harita Indonesia, PT 5,752 1,685 1,480 1,302 1,397 1,977 2,239 2,861 Mahakam Sumber Jaya, PT 2,304 2,926 2,936 3,058 4,537 5,303 7,983 9,250 Multi Tambang Jaya Utama. PT Nusantara Temal coal, PT , ,446 1, Perkasa Inakerta, PT 523 1,144 2,012 2,685 3,129 2,226 Pesona Khatulistiwa Nusantara PT ,300 1,217 Pendopo Energi Batubara PT Sumber Kurnia Buana, PT 1,298 1,341 1,526 1,018 1, Santan Batubara PT 1,249 1,992 1,725 2,400 Senamas Energindo Mulia PT Singulurus Pratama Coal PT 478 1,095 1,748 1,706 Tanjung Alam Jaya, PT 1,587 1,466 1,465 1,654 1, Teguh Sinar Abadi, PT 209 1,021 1,092 1, Wahana Baratama Mining, PT 772 2,887 2,574 4,234 3,627 第 3 世代 18,346 16,463 18,267 20,810 27,101 33,377 44,913 45,436 コントラクター計 147, , , , , , , ,106 KP と IUP その他 9,518 25,310 36,834 52,363 45,615 45,052 95, ,065 計 165, , , , , , , ,899 出典 : 鉱物資源総局発行鉱物資源統計資料 年度の統計につき総生産量が 3.8 億トンと記載されているが 2013 年度は 4.2 億トンを超え 2014 年度はさらに増加する見込みとなっている インドネシアにおける石炭生産量は 2014 年上半期速報値では 213 百万トン /6 カ月とロイターは報じており昨年比 6.8% の増加となっている 94

108 b) 供給可能な炭鉱の選定発電所建設は 建設予定地においてどの発熱量の石炭を用いるのが有利かを見極めた上で石炭のスペックと発電設備の規模とのマッチングを図ることになる 13 ここでは 中長期的に安定的な供給確保可能性を重視し ケース 1: 既存 PLN 発電所同様の発熱量 5,000kcal/kg の石炭使用 ケース 2: 今後の主流となる 4,200kcal/kg の石炭使用の 2 ケースについて検討を行うこととする 1ケース1: 既存 PLN 発電所同様の発熱量 5,000kcal/kg の石炭使用インドネシアでは従来から発熱量 5,000kcal/kg の石炭を利用した発電が行われてきた そのため この品質の石炭の入手は容易 ( 炭鉱数が多いため選択子も多い ) であり安定的な供給確保が得られる可能性が高い また 同品種での各種設備の性能や耐久性も検証されているため設備上の問題は発生しにくいと考えられる 石炭に関するスペックが決定している場合においては 独自に石炭銘柄を選出する作業を行うことも可能であるが ここでは近隣に存在する 5,000kcal/kg の石炭を燃焼させている発電所の現状を調査し そこで用いられている石炭に関する情報を記載することにした 仮に同様なスペックの発電所を建設した場合 その発電所にとって最も安定的に石炭が確保できる方法でありなおかつ安価な石炭銘柄であると判断したからである 事例研究 ) スララヤ発電所に関する情報 図 3-4 スララヤ発電社全景 ( 写真 ) 出典 : インドネシアパワー提供資料 PLN 子会社にインドネシアパワー社がある この会社は ジャワ島北西の海岸部に発電所を保有し発 電を行っている 以下インドネシアパワー社スララヤ発電所から得た情報を記す 13 また 供給可能な炭鉱を選定 決定するためには 購買価格 : 現行 CIF 価格 過去の値上げ状況 石炭供給可能量 : 資源量 埋蔵量 現行販売量から推定 品質 : 発熱量 全水分 全硫黄 灰分 信用 : 会社規模 賞罰等の各側面からの詳細検討を行う必要がある 95

109 表 3-7 スララヤ発電所概要 スペック等 利用石炭発熱量 GAR ユニット数 7 1~4 号機 :400MW, 5~7 号機 :600MW 5,000kcal/kg ユニット数 1 8 号機 :600MW 4,200kcal/kg 出典 : インドネシアパワー提供情報 ボイラ型式 : 亜臨界圧自然循環ボイラ (1~7 号機 : カナダ 8 号機 : 中国 ) 環境設備 : 電気集塵器のみ ( 脱硫 脱硝なし ) 150 の排ガスの熱利用を考えている最中である PLN 全体の石炭消費量 ( 調達量 ) は 16 百万 t/ 年で このうちインドネシアパワー社の調達量は 11 百万 t/ 年 調達方法は Open Tender で実施する 前回 Tender 落札価格は CIF US$65~66/t インドネシアパワー社の石炭調達契約は長期契約 (10 年 ) と中期契約 (3 年 ) から構成され 価格は年ごとに決める 長期契約銘柄は 国営炭鉱 PTBA 社 4 百万 t/ 年 民間炭鉱 Berau 社 2 百万 t / 年 民間炭鉱 Adaro 社 1 百万 t/ 年で残りの 3-4 百万 t/ 年が 3 年契約 石炭の購入先は表 3-8 のとおり 現在は 5,000kcal/kg の発熱量の石炭を使っているが今後 8 号機にはスマトラ島の低品位炭を利用する方向にある それは 高品位炭の減少が予想されるためである 表 3-8 インドネシアパワー社石炭購入先一覧表 使用石炭量 炭鉱名 t/ 年 発熱量 (Kcal/Kg) GAR 比率 (%) PT. Bukit Asam ( 略称 :PTBA) 5,000,000 5, % PT. Berau Coal 1,500,000 5, % PT. Kideco Jaya Agung 1,000,000 4, % PT. Adaro 1,500,000 5, % PT. Cenko 480,000 5, % PT. Oktasan Baruna Persada 480,000 5, % PT. Natuna Energi Indonesia 480,000 5, % PT Pln Batubara 1,200,000 5, % Spot 288,000 5, % 合計 ( 年間使用数量 ) 11,928, % 出典 : インドネシアパワー提供情報 主な要求品位は下記の通り ( その他炭鉱側への要求項目は表 3-9 参照のこと ) CV4,800~5,000(GAR) 逆に GAR 5,000 を超える品位は不要 Ash Max 5% Sul Max 0.4% 発電所が住宅地に近いため最も重要項目 96

110 HGI 47~55( 最大 62) HGI 高いと詰りの問題を起こす為 AFT(IT) Min 1,180 最大値 62 はミル負荷の最大値 表 3-9 炭鉱側への要求項目一覧表 品質項目 スペック - Gross Calorific Value kcal/kg(as received) <5.000 Kcal/kg - Hargrove Grindability Index > 48 - Total Moisture (as received) < 28 % - Ash Content (as received) < 5 % - Sulphur Content (as received) < 0.4 % - Ash Fusion Temp. (Initial Deformation) > C - Nitrogen (as Received) > 1 % - Slagging Index karakteristik Ash bituminous < Medium - Slagging & Fouling Index karakteristik Ash Lignitic < Medium Size Ø 98 % 70 mmunder < 50mm Ø 10 % 2.38 mmover < 2.38 mm 出典 : インドネシアパワー提供情報 港湾荷揚げ施設に関しては下表に示す通り 表 3-10 港湾荷揚設備 桟橋 用途 長さ m 喫水 m 施設 Jetty 1 Self Unloading Vessel コンベア t/hr Jetty 2 General Vessel コンベア t/hr SPOJ 1 Coal Barge コンベア t/hr SPOJ 2 Coal Barge 臨時桟橋 ブルドーザー等出典 : インドネシアパワー提供情報 その他情報 ジョコウィ新大統領は 5 年以内に 35,000MW の電源開発を行うことを決定 石炭火力を主力とする発電所の増設を公表している ( 石炭火力を選定した理由は最も経済性 価格競争力があることが理由 ) 政府 (PLN) 15,000MW IPP 20,000MW 合計 35,000MW スララヤ発電所には石炭混合設備がない 混合作業は石炭供給者側が実施している 新規銘柄の燃焼性試験は第三者検定会社 (Interteck) に外注している 炭鉱調査 ( 埋蔵評価 ) は JT Boyd を起用している 97

111 インドネシアパワー社が購買している石炭のうち上位 4 社は 国営企業 1 社 CCoW 各社で構成されている 国営炭鉱である PT.Bukit Asam(PTBA と称す ) は南スマトラ州に位置しており 南スマトラ州から鉄道でスマトラ島最南端まで運搬し 大型船で国内外に輸送している PLN がこの石炭を最も利用するのは国営炭鉱であることが理由である PT.Adaro は南カリマンタンに位置し 出炭量ではインドネシア最大の炭鉱である また PT.Berau Coal は北カリマンタンに位置している いずれも表 3-6 に記載されている大炭鉱である アニエール火力発電所に対する石炭を選定する場合 スララヤ発電所の購買先は参考になる とくに大手 CCoW(PT.Adaro PT.Berau Coal Kideco Jaya Agung) からの購入であれば供給が途切れることは想定し難い PT 炭鉱に加えて PT.Aruthomin 社を加えた位置図を図 3-5 に示す ただし 国営炭鉱である PT.Bukit Asam(PTBA) は除外した ここは国内の発電所への供給を行っており生産 供給がタイトであると判断できるからである 図 3-5 スララヤ発電所までの輸送路 出典 :JCOAL 提供資料 情報に基づき調査団作成 各炭鉱に関するデータシートを表 3-11 に示す 同表は アニエール発電所に供給可能な炭鉱を選定しているものである 上段に 5,000kcal/kg(GAR) の発熱量の石炭を銘柄ごとに 7 炭鉱示している このうち 安定供給の観点からメインとなる炭鉱を上側に示し スポットとなる可能性のある炭鉱を下側に示している いずれの炭鉱についても 確保している石炭埋蔵量に関してはアニエール火力発電所の操業に支障をきたすものではないことが分かる 表中の CIF 価格は HPB 価格に本船輸送費を加算したものである HPB 価格は河口で本船渡しの価格であり 発生元かららジャワ島まで運搬する費用を加算する必要がある これは表 1-18 および図 3-5 を参照すると次の式となる (2100km の運搬の場合 ) US0.005$/t km 2,100 km=us10.5$/t 98

112 2100km= スララヤ発電所から PT.BerauCoal までの距離 また 図 3-6 に これらの炭鉱の位置図を示す ここには下記のケース 2 でとりあげる炭鉱も記載し ている 2ケース 2: 今後の主流となる 4,200kcal/kg の石炭使用低品位炭を利用することは 枯渇する瀝青炭 亜瀝青炭からのシフトをしてゆく意味で インドネシアにとって将来に向けた大きな課題となっている PLN は近年 発電用の低品位炭を 4,200kcal/kg の石炭としており スマトラ島での IPP 発電事業者への仕様書においても 4,200kcal/kg としているなど 今後同クラスの石炭使用が主流となる流れがある 14,15 この様な背景より 今後は 4,200kcal/kg クラスの新規炭鉱開発が進む見通しであり このため中 長期的に同クラスの石炭に関しては定供給の確保が得易いと考えられる 表 3-11 の下段には発熱量 4,200kcal/kg の石炭を抽出している 16 ケース 1 で抽出した大手炭鉱中にも低品位炭を販売している炭鉱があることがうかがえる ただし 価格に関しては HPB 価格に記載されているものが少ないため 5,000cal/kg の石炭よりも流通量は少ないと判断できる 5,000kcal/kg の石炭と同様に メインで用いる燃料は大手炭鉱から購入するほうが操業は安定するため 例えば Adaro 社 Arutmin 社等の 1,000km 以内の炭鉱の銘柄を基本に運転を考える等の選択肢が検討対象となり得るものと考えられる その中に安価なスポット炭を少しづつ投入する方向が望ましい この発熱量の石炭は 現在はまだ市場に供給されている銘柄は少ないがエネルギー鉱物資源省以下 インドネシアをあげて用いようとしている発熱量の石炭であるため 今後銘柄は増加していき潤沢な選択肢となるものと考えられる 14 第一次クラッシュプログラムにおいて PLN が開発を担ったすべての石炭火力発電所 (PLN 保有発電所整備計画における総発電量計画は 10,000MW であり 2009 年までには整備が終了する計画であったが 2014 年現在で約 5,300MW の進捗状況となっている ) では 4,500kcal/kg 以下の低品位炭の使用が義務付けられている 15 第 3 章 (3) 5) 事例研究 ) スララヤ発電所に関する情報 で取り上げたスララヤ発電所 8 号機も上記計画に含まれている ( なお この 8 号機は中国製の亜臨界仕様の機器であり これまで 運転に相当の不具合を起こしている模様である ) 16 JCOAL が保有する炭鉱のデータより抽出 99

113 表 3-11 発熱量別炭鉱銘柄別データ一覧 Candidate Coal Mine for Power Plant (5000kcal/kg :GAR) Rank Coal Mine Brand HPB Cost Us$/t Barge to Plant Total Area (ha) Validity of License License Type Calorific V cal/g(gar) Calorific V cal/g(ad) T,Moisture % I,Moisture % Quality Total Ash % Volatile Matter % Total Sul. % (ADB) Hardgrove Index (HGI) Resources(Mt) Reserves(Mt) Ash Fusion Temp. Measured Indicated Inferred Proven Probable Possible Production (Mt/year) Adaro Indnonesia E , Nov-32 CCoW Arutmin Indonesia Arutmin ,153 2-Nov-32 CCoW 4,750 5, Main Berau Coal Sungkai , Apr-33 PKP2B 5,000 5, PT.Bukit Asam BA ,080 2-Mar-31 Government Cost Us$/t Kideco Jaya Agung Rota North , Sep-32 CCoW Kuansing Inti Makmur ,809 1-Jan-24 IUP N/A Lanna Harita Inonesia Value A , Feb-48 CCoW N/A Candidate Coal Mine for Power Plant (4200kcal/kg:GAR) Rank Coal Mine Brand HPB Cost Us$/t Barge to Plant Total Area (ha) Validity of License License Type Calorific V cal/g(gar) Calorific V cal/g(ad) T,Moisture % I,Moisture % Quality Total Ash % Volatile Matter % Total Sul. % (ADB) Hardgrove Index (HGI) Resources(Mt) Reserves(Mt) Ash Fusion Temp. Measured Indicated Inferred Proven Probable Possible Production (Mt/year) Adaro Indnonesia E , Nov-32 CCoW Main Arutmin Indonesia ECOCOAL ,153 2-Nov-32 CCoW 3,859 4, PT.Bukit Asam (PTBA) IPC ,080 2-Mar-31 Government Energi Batubara Lestari Original EBL Coal ,894 1-Jun-36 IUP Sub Gorby Putra Utama , May-48 IUP Under Construction Lanna Harita Inonesia Value C , Feb-48 CCoW N/A Tunas inti Abadi TIA , Mar-25 IUP Under Construction CV(GAR)=(100-T otalmoisture)/(100-inharentmoisture) CV(ADB) HPB = FOB/Vessel Barge to Plant = US$/t km Distance 出典 :JCOAL 提供資料 情報に基づき調査団作成 100

114 図 3-6 アニエール発電所向け炭鉱位置図 出典 JCOAL 提供資料 情報に基づき調査団作成 101

115 (4) プロジェクトの計画概要 1) プロジェクトの内容決定の基本方針本案件形成等調査の提案の際 対象プロジェクトの技術方式 出力として 日本国内で稼働中の東京電力 広野火力発電所 5 号機 (60 万 kw:usc 主蒸気温度: 年 7 月運開 ) 6 号機 (60 万 kw:usc 2013 年 12 月運開 ) 等を参考に USC 60 万 kw の採用を想定した これらはいずれも高品位な瀝青炭を使用している 本プロジェクトで使用する炭種としては インドネシアに産出する瀝青炭 亜瀝青炭や海外炭を含めて 幅広い炭種を想定していた その後の調査の過程で 文献調査及び JCOAL 等からのヒアリングを通じて インドネシアのエネルギー政策として 瀝青炭は主に輸出用に用い 国内消費用としては亜瀝青炭が重視されていること 及び価格的にも亜瀝青炭の使用がリーズナブルであることが判明した また インドネシア産亜瀝青炭を使用した USC として 単機容量が 100 万 kw の計画はあるが 単機容量が 100 万 kw 未満の計画は無いことがわかった インドネシアでは今後 バタン (100 万 kw 2 基 ) インドラマユ (100 万 kw 1 基 ) の USC 石炭火力発電所の運開が予定されており いずれも単機容量は 100 万 kw である その他 PLN が計画 検討している USC 石炭火力である Jawa-1 Jawa-4 Jawa-5 Jawa-6 も いずれも単機容量は 100 万 kw である 環境省の BAT の参考表 ( 平成 26 年 4 月 ) では 日本における最新鋭の USC 石炭火力技術として 90~110 万 kw 級 70 万 kw 級 及び 60 万 kw 級を挙げているが いずれも燃料仕様は 瀝青炭で 灰融点の高い石炭 ( 灰溶融温度 1400 超 ) が主体 としており また USC は 発電規模が大規模となるため 小規模なものには採用不可 としている また 国内の専門家ヒアリング及び技術文献より 水分が多いインドネシア産亜瀝青炭を使用する場合 高温 高圧化では材料の腐食が進行しやすいため 腐食を防ぐ高価な材料が必要となり スケールメリットの観点から 100 万 kw 級の出力規模が必要であることがわかった このため インドネシア産亜瀝青炭を使用した 60 万 kw の USC は 技術的に全く不可能ではないものの 実績も計画もまだ無く 実用機としては相当のリスクがあり 実証機的な性格が強くなることが判明した 以上の経緯により 本 FS 調査の対象として インドネシア産亜瀝青炭の使用を前提に USC( 超々臨界圧 ) だけでなく SC( 超臨界圧 ) Sub-C( 亜臨界圧 ) CFB( 循環流動層 ) も含めて検討を行うこととした ( 参考 1) USC SC 等の定義等 技術方式 表 3-12 USC SC 等の定義等 定義 備考 超々臨界圧 (USC:Ultra Super Critical) 超臨界圧 ( SC : Super Critical) 超臨界圧 (SC) のうち 主蒸気温度が 566 を超えるもの 発電規模が大規模となるため 小規模なものには採用不可 蒸気圧力が 22.1MPa 以上 かつ主蒸気温度が 566 以下 設計によっては USC 並の熱効率となるものもある 102

116 技術方式 亜臨界圧 ( Sub-C : Sub Critical) 定義 備考蒸気圧力が 22.1MPa 未満 ボイラの型式がドラム式 発電規模が大規模なものには 熱効率の良い USC や SC が採用されるが 小規模のものには Sub-C が採用されている 出典 : 環境省 最新鋭の発電技術の商用化及び開発状況 BAT の参考表 ( 平成 26 年 4 月時点 ) ( 参考 2) 日本国内における USC 石炭火力発電所の実績及び計画 ( 例 ) 表 3-13 日本国内における USC 石炭火力発電所の実績及び計画 ( 例 ) 事業者発電所号機ステージ運開時期出力 東京電力 中部電力 電源開発 電源開発 常陸那珂ジェ ネレーション 広野 碧南 磯子 5 号機稼働中 2004 年 7 月 60 万 kw 6 号機稼働中 2013 年 12 月 60 万 kw 3 号機稼働中 1993 年 4 月 70 万 kw 4 号機稼働中 2001 年 11 月 100 万 kw 5 号機稼働中 2002 年 11 月 100 万 kw 新 1 号機稼働中 2002 年 4 月 60 万 kw 新 2 号機稼働中 2009 年 7 月 56.2 万 kw( 暫 定 ) 竹原新 1 号機建設中 2020 年 9 月 ( 予定 ) 60 万 kw 高砂 常陸那珂 新 1 号機 新 2 号機 - 鹿島パワー鹿島 2 号機 計画 ( アセス ) 中 2021 年 ( 計画 ) 計画 ( アセス ) 中 2027 年 ( 計画 ) 計画 ( アセス ) 中 2021 年度頃 ( 計画 ) 計画 ( アセス ) 中 2020 年頃 ( 計画 ) 注 ) 日本国内の USC は 全て瀝青炭を使用している ( する ) ものと推定される 60 万 kw 60 万 kw 65 万 kw 65 万 kw 出典 : 各種資料を基に調査団作成 ( 参考 3) インドネシアにおける USC( 超々臨界圧 ) 石炭火力の導入実績 計画 及びその利用炭種 1 導入実績 USC の導入実績はまだない 2 導入計画 USC の導入計画は下表に示す通りであり いずれも単機容量は 100 万 kw である 103

117 表 3-14 インドネシアにおける USC の導入計画事業発電所名出力場所運開時期利用炭種事業者備考形態 200 万中部ジ 1 号機 :2016 kw ャワ州年末頃 ( ) バタン (100 万バタン 2 号機 :2017 kw 2 県 (226 年中頃 ( ) 基 ) ha) 西ジャ インドラ 100 万ワ州イ 2019 年 3 月マユ kw ンドラマユ BPI 社 ( ビマセ亜瀝青炭ナ パワー イン ( インドドネシア社 ): 電 IPP ネシア発 アダロ パワ産 ) ー社 伊藤忠商事が出資 設立検討中 ( インド PLN のネシア産 PLN 系統用低品位炭が有力 ) 運開時期 ( 左記の ) は 用地買収の遅れにより 遅延の見込み ODA 案件 ( 円借款 (E/S) あり ) 出典 : 各種資料を基に調査団作成 上記のほか PLN は下図に示す Jawa-1 Jawa-4 Jawa-5 Jawa-6 を検討している これらの詳細は不 明だが いずれも単機出力 :100 万 kw の USC として計画 検討されている 図 3-7 PLN が計画 検討している USC/SC 発電プラント (IPP を含む ) 出典 :I Made Ro Sakya (PLN) Current Status and Future Development of Coal Thermal Power Plant in Indonesia(2013.9) 104

118 図 3-8 インドネシアにおけるクリーン コール テクノロジー (CCT) のロードマップ 出典 :I Made Ro Sakya (PLN) Current Status and Future Development of Coal Thermal Power Plant in Indonesia(2013.9) 原典 :JICA CCT Study, October 2012, with updated projects and schedule by PLN 105

119 ( 参考 4) インドネシアにおける SC( 超臨界圧 ) 石炭火力の導入実績 計画 及びその利用炭種 1 導入実績 表 3-15 インドネシアにおける SC( 超臨界圧 ) 石炭火力の導入実績 発電所名 出力 場所 運開時期 利用炭種 事業形態 事業者 備考 Paiton Energy: パイトン Ⅲ( 増設 ) チレボン Cilacap Baru/Adi pala 81.5 万 kw 66 万 kw 66 万 kw 東京電力 三井インドネシ物産 インターパイトア初の SC プ 2012 年 3 月亜瀝青炭 IPP ナショナル パワンラント ( 三菱ー社 バツ ヒタ重工業製 ) ム ペルカサ社が出資ジャワ発熱量 : Cirebon インドネシ島西部 5,000kca Electric アで 2 例目 2012 年 7 月 IPP チレボ l/kg( 推 Power: 丸紅等がの SC プランン地区定 ) 出資ト China National インドネシ中部ジ発熱量 : Technical 2014 年 ( 予 PLN のアで 3 例目ャワ州 5,500kca Import and 定 ) 系統用の SC プラン Adipala l/kg Export ト Corporation 出典 : 各種資料を基に調査団作成 2 導入計画 SC 石炭火力に関する個別の計画は明らかではない 前出図における Banten 発電所 (625MW 2016 年運開 ) は 容量的に見て SC( 超臨界圧 ) の可能性があるが 詳細は不明である なお PLN の電力供給事業計画 では ジャワ バリ系統の開発計画で検討している発電所の候補は 1,000MW 級の超々臨界圧石炭火力発電所と 超臨界圧石炭火力発電所 600MW 天然ガス火力発電所 750MW 最大需要に対応する石油燃料ガス発電所 200MW 揚水式発電所 250MW である としている 106

120 2) 提案プロジェクトの内容 a) 評価基準 前提条件 本 FS 調査 ( 案件形成等調査 ) では 以下の評価基準 前提条件を設定し これらの基準 条件のも とで 様々な制約要因も加味しつつ 現時点で最適と考えられる事業方式 技術方式を提案する 表 3-16 方式検討の評価基準 前提条件重要度 for イン評価基準説明 for ドネシア AGC/ASC の公益 インドネシアの電力需給緩和への貢献度 SPC の裨益 ( 収益性等 ) ASC の裨益 ( 経済性等 ) 日本の公的ファイナンスの活用日本企業が有する優れた技術 ノウハウの活用 PLN への逆潮流が多いほど貢献度が高い SPC の収益性が高いほど 投資価値とリターンが高まる 大口需要家向けの電気料金が既に高騰 して経営を圧迫しているため 電力コ ストの削減が再重要課題 エネルギー需給緩和型インフラ シス テム普及等促進事業の趣旨より JBIC 等の公的ファイナンスが活用される ことが重要 エネルギー需給緩和型インフラ シス テム普及等促進事業の趣旨より ハー ド及びソフト面で できるだけ日本の技術 ノウハウが多く活用されることが望ましい 出典 : 各種資料を基に調査団作成 上表の 重要度 欄に記した記号は 調査団が以下の根拠により付したものである 1. インドネシアの電力需給緩和への貢献度 1インドネシアの公益にとっての重要度 : エネルギー需給緩和型インフラ システム普及等促進事業 は 世界のエネルギー需給の緩和に貢献し 我が国へのエネルギー安定供給の確保を図る ことを目的の1つとしている インドネシアにおける電力需給の緩和は 電力不足に悩むインドネシアにとってまさに喫緊の課題であり インドネシアの公益に資することは 言をまたない 2AGC/ASC にとっての重要度 : インドネシアの電力需給が緩和することは 自ら発電所を持たないインドネシア国内の 107

121 関係企業 取引先の経営安定化及びコスト上昇抑制につながり ひいては AGC/ASC の経 営安定化につながる 2. SPC の裨益 ( 収益性等 ) 1インドネシアの公益にとっての重要度 : SPC の裨益 ( 収益性等 ) が高まれば 投融資を行うインドネシアの機関のリターン 収益性が向上し 税収と雇用の拡大にも資する 2AGC/ASC にとっての重要度 : SPC の裨益 ( 収益性等 ) が高まれば PPU による発電事業の経営が安定化し 電力の長期安定供給及び電気料金の安定化に資する 3. ASC の裨益 ( 経済性等 ) 1インドネシアの公益にとっての重要度 : 千人規模を雇用する ASC の裨益 ( 収益性等 ) が高まれば 現地雇用の安定化 拡大 現地政府の税収の拡大につながる 2AGC/ASC にとっての重要度 : ASC の裨益 ( 収益性等 ) が高まることが AGC/ASC にとって重要であることは 言をまたない 4. 日本の公的ファイナンスの活用 1インドネシアの公益にとっての重要度 : 日本の公的ファイナンスが活用されることは エネルギー需給緩和型インフラ システム普及等促進事業 の趣旨 及び電源開発への外資導入を歓迎するインドネシア政府の方針に合致する 2AGC/ASC にとっての重要度 : AGC/ASC にとって JBIC から低利融資を受けることができれば 経済的なメリットが大きい 5. 日本企業が有する優れた技術 ノウハウの活用 1インドネシアの公益にとっての重要度 : 日本企業が有する優れた技術 ノウハウを活用して電源開発を行うことは 短期的にインドネシアの電力需給緩和に貢献するだけでなく 高品質なハードウェアや O&M を通じた長期的な供給力の維持につながり またこうした技術 ノウハウのインドネシアへの技術移転にもつながる 2AGC/ASC にとっての重要度 : AGC/ASC にとっては グローバルな観点からのコスト 品質面も含めた最適な調達が重要であり 必ずしも日本企業の技術 ノウハウの活用がベスト ソリューションとは限らない 108

122 上表に示される通り インドネシアの公益から見た重要度と プロジェクト実施企業 (AGC/ASC) から見た重要度は 自ずから異なる側面がある 本 FS 調査では インドネシアの公益から見た重要度に軸足を置きつつも プロジェクト実施企業がインドネシアの電気料金高騰にあえいでいる現状に鑑み その問題を喫緊かつ効率的 効果的に解決することが 日本の産業政策 (= 我が国製造業の国際競争力の強化 グローバル展開の円滑化 ) にも寄与することから ASC の裨益 ( 特に経済性 ) も重視し 総合的な観点から バランスの取れたソリューション ( 事業方式 技術方式 ) を提示することとする 109

123 b) 事業方式対象プロジェクトの事業方式として 提案時には IPP として 発電能力 60 万 kw のうち 30 万 kw 相当分を ASC 社現地工場に供給し 30 万 kw 相当分を PLN に売電することを計画していた しかしながらその後 エネルギー鉱物資源省 (MEMR) へのヒアリングより IPP は PLN への全量売電が必須であることが判明し IPP モデルは断念せざるを得なくなった その代わりに エネルギー鉱物資源省へのヒアリングの際に PPU(Public Power Utility) という新電力法に基づく第 3の (PLN IPP に次ぐ ) 電気事業方式が可能であることが判明した PPU は 新電力法第 9 条のa( 公共向け電力供給事業 ) の1 種であり PLN のような公共向け電力供給事業における民間の新規参入者である PPU 方式であれば ASC は SPC 等の第 3 者から電気の小売供給を受けることができ また SPC 等の発電事業者は PLN に電気の一部または全部を売電できる PLN に一旦全量を売電し 再び買い戻す方式もあるが 一部売電の場合 SPC PLN への売電料金は BtoB の交渉により決まる また SPC ASC の売電料金は BtoB の交渉により決まり 地方政府の承認が必要である なお SPC 等の第 3 者が PPU として需要家 (ASC) に配電及び電力小売を行うには 新電力法第 10 条 (3) ~(5) に基づき WU (Wilayah( 区域 ) Usaha( 事業 )= 事業区域 =Business Area) を得る必要がある WU の取得は MEMR PLN 地方政府(Cilegon 市 ) と事前に根回しをしておけば 最短 2カ月で可能である 上記に基づき 最も有力と考えらえる事業モデルは以下の通りである 1 電気事業方式 : PPU(Public Power Utility) 根拠法令: 新電力法 ( 第 9 条のa 等 ) 2 発電事業体 : SPC 発電電力の一部を SPC から ASC に構内配線を通じて電気を小売供給 同時に 発電電力の一部を SPC から PLN に売電 AGC/ASC の出資比率 : 検討中 (AGC/ASC が SPC の経営をできるだけコントロールできることが望ましいため AGC/ASC が一定の出資を行うことが望ましい ) 他社の出資: 検討中 JBIC のプロジェクトファイナンス : ヒアリングによれば 以下の条件が整えば可能 単なる投資利益のみが目的の投資ではなく 実業目的の投資であること 発電プラントの O&M は 日本企業または日本企業が株式を保有する等によりコントロール 指導し得る企業 (ASC または O&M の外注先企業 ) が行うことが必須 特にボイラ タービン等の主機に日本企業の技術が多く関わっている方が好ましい なお発電設備等の設備は 必ずしも日本製である必要はない 発電プラントの事業体への出資比率は 日本企業が最低でも全体の 30% 以上を占めていること 事業運営( の意思決定を含む ) に 日本企業が積極的 かつ融資期間を超える長期にわたり継続的に関与すること SPC 等の採算性の高さも重要な要因 オフテイカー(= 電気の購入者 ) が 長期にわたり安定的に電気を購入すること 電力需要家側の本業が 110

124 30 年間等の長期にわたり持続的であること c) 技術方式技術方式として 提案時は USC 60 万 kw を想定していたが 前記した経緯により 調査対象プロジェクトの技術として インドネシア産亜瀝青炭の使用を前提に USC( 超々臨界圧 ) だけでなく SC( 超臨界圧 ) Sub-C( 亜臨界圧 ) CFB( 循環流動層 ) も含めた検討を行った この結果 最も有力と考えられるモデルを 以下に示す 1 規模 ( 発電出力及び小売 売電容量 ) 発電出力: 45/60 万 kw PPU(SPC) から ASC への小売 : 27.5 万 kw PPU(SPC) から PLN への売電 : 15/30 万 kw( 発電プラントの所内消費 :2.5 万 kw を除く ) 図 3-9 電力システム構成 PLN の系統 :150kV PLN の系統 :150kV SW:ON SW:OFF SW:OFF SW:ON 15/30 万 kw バックアップ 27.5 万 kw SW:ON SW:ON SW:OFF SW:ON 27.5 万 kw 45/60 万 kw G PPU ASC 電力負荷 G PPU ASC 電力負荷 通常時 定期点検及び非常時 出典 : 調査団作成 2 技術方式 USC( 超々臨界圧 ) SC( 超臨界圧 ) Sub-C( 亜臨界圧 ) CFB( 循環流動層 ) は それぞれ以下の特徴 を有する 111

125 表 3-17 各技術方式の特徴 方式 実用機の単機出力炭種への適用発電端熱効瀝青炭亜瀝青炭日本メーカ性率 (HHV) 使用使用 瀝青炭 亜瀝 日本 : 90 ~ 青炭とも可能 110 万 kw : USC ( 超々臨界圧 ) 60 MHPS( 三菱重工 / 万 kw~ 80 万 kw~ だが 後者の 43% 70 万日立 ) 東芝 IHI 場合は出力下 kw : 42.5% 限が高まる 60 万 kw:42% 瀝青炭 亜瀝 MHPS( 三菱重工 / 青炭とも可能日立 ) 東芝 IHI SC 日本 :50 万 50 万 kw~ 60 万 kw~ だが 後者の海外メーカ ( 特に ( 超臨界圧 ) kw:42.5% 場合は出力下中国 ) とのコスト 限が高まる 競争あり Sub-C ( 亜臨界圧 ) 20 万 kw 以上が主 20 万 kw 以上が主 瀝青炭 亜瀝青炭とも可能 IHI は技術 コストともに優れる その他各種メーカ 海外メーカ 日本 :20 万 kw:41% 住友重機械 : 信頼 IPP 用 :15 性に優れる コス CFB 万 kw 等 自幅広い炭種に日本 :11 万同左ト面を含めると ( 循環流動層 ) 家発用 :1.5 適用可能 kw:37.5% 海外メーカもあ ~7 万 kw る 出典 : 各種資料を基に調査団作成 ( 備考 ) インドネシア産亜瀝青炭の使用を前提とすると USC の場合 実用機 ( 稼働中 ) の出力下限は 80 万 kw 程度 ( 注 : インドネシアでの計画は単機 100 万 kw のみ ) であり 今回想定している 60 万 kw は実用レベルではなく 実証レベルとなる インドネシア産亜瀝青炭を使用した SC は 単機 60 万 kw が可能 ただし中国など海外メーカとのコスト競争がある インドネシア産亜瀝青炭を使用した Sub-C CFB は 今回想定している 40~60 万 kw が可能 本 FS 調査では これらの特徴を踏まえ 前記の評価基準からみて総合的に最適と考えられる技術方 式 仕様を提示した 最も有力と考えられる技術方式と基本仕様は 以下の通りである 112

126 ケース1 技術方式: SC( 超臨界圧 ) 一般的に 主蒸気温度が 566 以下を超臨界圧 (SC) 566 超を超々臨界圧 (USC) と呼んでいる 本プラントの主蒸気温度は 566 であるため 定義上は超臨界圧 (SC) であるが いわば USC に近い超臨界圧といえる 出力: 60 万 kw 1 基 = 計 60 万 kw PPU(SPC) から 30 万 kw を ASC に小売供給 残り 30 万 kw を PLN に売電 ASC の電力負荷は基本的に 24 時間であり比較的安定しているため PLN への売電量は 下記の定期点検時を除いて安定しており PLN にとって重要な電力供給源となる 定期点検時のバックアップ: PLN から 30 万 kw 相当 (ASC の電力需要分 ) のバックアップを受ける ケース2 技術方式: CFB( 循環流動層 ) CFB はインドネシアの低発熱量の亜瀝青炭にも適用し得る 出力: 15 万 kw 3 基 = 計 45 万 kw PPU(SPC) から 30 万 kw を ASC に小売供給 15 万 kw を PLN に売電 ASC の電力負荷は基本的に 24 時間であり比較的安定しているため PLN への売電量は 下記の定期点検時を除いて安定しており PLN にとって重要な電力供給源となる 定期点検時のバックアップ: 定期点検時には 1 基 ( 15 万 kw) のみ停止し PLN への売電も停止し 定期点検時の ASC の所内負荷 (30 万 kw) は 残り 2 基 (15 万 kw 2 基 =30 万 kw) で賄う 113

127 3) 概念設計および適用設備の仕様 上記の基本方針に沿って インドネシア等における同規模 同方式の石炭火力発電所 ( 亜瀝青炭焚き ) の設計仕様も参考にしつつ 前節の最後に提示した 2 ケースを対象に 対象設備の基本仕様を策定した a) 敷地及び主要設備 図 3-10 ASC アニエール工場の鳥瞰写真 注 : 発電プラントは 中央の点線の上部に建設予定 出典 :Google Map ASC 社が予定している新発電所用の敷地 ( 自社保有 ) は 上図の右上に位置し 最大 40ha である 40ha の中には小山が存在しており これを崩さなければ利用可能面積は 15ha となるが 小山を崩せば最大 40ha を利用可能である 114

128 本敷地の中に 以下の設備等を格納する 発電設備等: ボイラ タービン 発電機 排煙処理装置 ( 電気式集塵装置 (ESP) 脱硫装置 脱硝装置 ) 誘因ファン(IDF) 共通付帯設備: 排水処理装置 水処理装置 変電設備 給油タンク ( 起動時の補助燃料用 ) 燃料貯蔵設備( 貯炭場 ): 雨による水分の増加を防止するため 屋根付きの屋外貯炭場とする その他設備: 揚炭機 ( アンローダ ) 石炭灰輸送設備このうち 発電設備等の面積は 既存の事例を参考にすると ケース1の場合 6ha 程度 ケースの場合 5ha 程度であるが これは設計によりさらなるコンパクト化が可能である なお灰捨場については 外部の業者に石炭灰処理を委託する 図 3-11 プラント配置図 ( ケース 1:SC 60 万 kw 1 基 ) 0m 100m 200m 300m 400m 500m 冷却用海水ポンプ 起動用石油タンク タービン建屋 ( 発電機を含む ) 変電設備 排水処理設備 煙突 誘因ファン (IDF) 排煙処理装置 超臨界ボイラ タービン用変圧器 管理棟 温排水排出装置 貯炭場 0m 100m 200m 300m 400m 500m 600m 115

129 図 3-12 プラント配置図 ( ケース 2:CFB 15 万 kw 3 基 ) 0m 100m 200m 300m 400m 500m 冷却用海水ポンプ 起動用石油タンク タービン建屋 ( 発電機を含む ) 変電設備 煙突 排水処理設備 管理棟 誘因ファン (IDF) 排煙処理装置 CFB ボイラ タービン用変圧器 温排水排出装置 貯炭場 0m 100m 200m 300m 400m 500m 600m 116

130 図 3-13 ASC アニエール工場 ( 敷地左部 ) の鳥瞰写真 注 : 発電プラントの建設予定地は 本図の主に左側の部分である 出典 :ASC Company Profile b) 発電プラントの出力及び方式 2) で設定した2ケースに従い 以下の通りとする ケース1 SC( 超臨界圧 ) 60 万 KW 1 基 ( 所内消費 :2.5 万 kw PLN へ :30 万 kw ASC へ :27.5 万 kw) ケース2 CFB( 循環流動層 ) 15 万 KW 3 基 ( 所内消費 :2.5 万 kw PLN へ :15 万 kw ASC へ :27.5 万 kw) 117

131 図 3-14 ケース 1(SC) の発電プラント構成 出典 : 環境省 ( ) 図 3-15 ケース 1( 左 :SC) 及びケース 2(CFB) のボイラ構造 出典 : 環境省 ( ) 118

132 c) 発電プラントの蒸気条件等 発電プラントの蒸気条件等は インドネシア等における既存の設計 導入事例を踏まえて 以下の通 りとする 表 3-18 発電プラントの蒸気条件等 ケース1(SC) ケース2(CFB) 蒸発量 1,810t/h(100% 負荷 ) 475t/h/ 基 3 基 ( 100% 負荷 ) 主蒸気圧力 246 kg/cm kg/cm 2 主蒸気温度 再熱蒸気温度 熱効率 40.5% 37.6% 出典 : 各種資料を基に調査団作成 ケース 1 は 主蒸気温度が 566 以下のため SC( 超臨界圧 ) であるが 主蒸気温度 再熱蒸気温度と ともに SC と USC の境目である 566 であり USC に近い仕様となっている d) 使用する石炭の発熱量使用する石炭については (3) 5) 燃料調達 で検討した2ケースを採用することとする 即ち 石炭の中長期的な安定的な供給確保可能性を重視し 以下の石炭を使用する ケース 1: SC( 超臨界圧 ) 60 万 KW 1 基 既存の PLN 発電所と同様の発熱量 5,000kcal/kg の石炭を使用 ケース 2: CFB( 循環流動層 ) 15 万 KW 3 基 今後の主流となる 4,200kcal/kg の石炭を使用 e) 石炭の年間使用量既存の設計事例を参考に 今回使用する石炭の発熱量を勘案して計算すると 石炭の毎時消費量は 以下の通りである ケース1 255 t/h ( 小数点以下 四捨五入 ) ケース t/h/ 基 3 基 = 245 t/h ( 小数点以下 四捨五入 ) これを基に年間の石炭消費量を計算すると 以下の通りである ケース1 255t/h 8,200h/ 年 (= 年間時間 8,760h/ 年 - 定期点検 560h/ 年 ) = 2,089,481 t/ 年 ケース2 245t/h 8,200h/ 年 = 2,009,498 t/ 年 f) 貯炭量貯炭量は 発電所の石炭の1 回当たり受入量と受入頻度により異なるものの 概ね通常の使用量の 1 ~2 カ月程度とするのが一般的である 本プラントでは 石炭の山元が ジャワ島に近いカリマンタン島やスマトラ島であるため 輸送上の優位性を考慮し 1カ月 (30 日分 ) として計画した 貯炭方式は屋外貯炭場 ( 屋根付き ) とし 30 日分の貯炭量は以下の通りである ケース1 毎時石炭消費量 24h/ 日 30 日 =255t/h 24h/ 日 30 日 =183,467 t ケース2 245t/h 24h/ 日 30 日 =176,444 t 119

133 g) 灰捨場 灰捨場は 外部の業者に石炭灰処理を委託する h) 取水路 放水路ケース1 2とも 蒸気タービン復水器用の冷却水として海水を使用する 海水は プラントが面している海から取水し 使用後の昇音した海水は 再循環を防ぐために 取水部から十分 ( 約 1.5km) 離れた場所に排出する 取水方式は 取水地点から陸地まで開渠方式にて計画し 発電プラント近傍にポンプ室を設置する ポンプ室にはスクリーン設備 塩素注入設備等を設置する ポンプ室 ~ 発電プラント~ 放水口までの冷却水輸送はいずれも配管とし 地下に埋設する i) 仕様 ( まとめ ) 以上の主な仕様を 以下にまとめて整理した 表 3-19 発電プラントの基本仕様 ケース1 ケース2 1 方式 SC( 超臨界圧 ) CFB( 循環流動層 ) 2 発電出力 60 万 KW 1 基 15 万 KW 3 基 =45 万 kw 3 プラント所内消費 2.5 万 kw 2.5 万 kw 4 PLN への売電出力 30 万 kw 15 万 kw 5 ASC への供給出力 27.5 万 kw 27.5 万 kw 6 年間稼働時間 8,200h/ 年 定格稼働 8,200h/ 年 定格稼働 7 蒸気蒸発量 1,810.0t/h 475.0t/h/ 基 3 基 (100% 負荷 ) (100% 負荷 ) 8 主蒸気圧力 246.0kg/cm 2 (24.1 MPa) 174.0kg/cm 2 (17.1 MPa) 9 主蒸気温度 再熱蒸気温度 熱効率 40.5% 37.6% 12 石炭発熱量 5,000kcal/kg( インドネシア 4,200kcal/kg( インドネシア産亜瀝青炭 ) 産亜瀝青炭 ) 13 石炭消費量 ( 毎時 ) 255 t/h 245 t/h 14 石炭消費量 ( 年間 ) 2,089,481 t/ 年 2,009,498 t/ 年出典 : 調査団作成 120

134 4) 提案技術 システムを採用するに当たっての課題およびその解決策超臨界圧発電技術を採用することは プラントの高効率化が図られるなどの大きなメリットはある 一方 既存の発電設備とは異なり 新設プラントのオートメーション化により 運転および保守の人員トレーニングが非常に重要となる 従って 発電設備のシミュレーターの設置 更に訓練設備および運転保守訓練の方策の充実が課題である また 超臨界圧発電設備においてはボイラ水の水質管理が非常に重要となるため 水質管理に関する知識の習得ならびに運転時における水質管理のトレーニングも重要である EPC ターンキー契約では 設備据付および試運転において 契約書に規定する受取性能保証項目が満たされ 設備欠陥が無いことを事業実施者が審査した後 設備引き渡しとなる この審査を確実に行い EPC 契約者に対し適切に技術交渉するためには 発電設備に関する高度な技術および知見を持つ必要がある 加えて 商業運転開始以降も様々な技術課題が発生することも考えられ これらの技術課題を適切に解決し EPC 契約者と適切に技術交渉する上で 発電設備専門家による技術支援を受けることが望ましい 現在 インドネシアでは亜臨界圧の石炭火力発電が主流であるが 中国製のものも多く トラブルで停止しているものも多い O&M の充実は 発電設備の設備利用率の向上と採算性の向上につながり JBIC を含む SPC への投融資機関に対する信頼度の向上にもつながる 121

135 第 4 章環境社会的側面の検討

136 (1) 環境社会面における現状分析 1) 現状分析インドネシアにおける石炭火力発電の新設は 逼迫する電力需給問題への貢献が期待される一方で 一般に大気汚染や水質汚濁 温室効果ガス排出などの環境問題 また 地元住民の反対 ( 職 住環境への影響 土地の空け渡し問題等に起因 ) 等のリスクが懸念視されるところである 以下 同国における現状について整理する a) 環境問題の現状 1 大気汚染同国では 1980 年代から急速な工業化が始まり 化石燃料消費の増加を背景として窒素酸化物や二酸化イオウ 粉じん等の増加による大気汚染が大都市を中心に深刻化している 産業からの排ガス等による汚染はまださほど大きくないが 鉄道などの都市交通システムが未整備であるため 慢性的な渋滞が発生し 都市の大気環境が特に悪化している実態がある 図 4-1 インドネシア各都市における NO2 と SO2 の濃度 17 注 ) チレゴン市のマーキングは調査団による編集加工 出典 : インドネシア環境年報 (State of the Environment Report Indonesia 2012) 17 環境省によるモニタリングプログラムによる 箱ヒゲ図 ( 調査対象 248 県 市のデータ分布 ) は 箱の上 下端がそれぞれ 75%-25% 値 ヒゲはデータ中の最大値で その範囲外の 印 印のデータは特異値となっている ジャカルタや 当該対象プロジェクトが位置するチレゴン等の大都市において高い NO2 濃度が観測されている 123

137 2 水質汚濁水質汚濁については 有機性汚濁負荷のうち 25~50% が産業排水 50~75% が生活排水によるとされている 産業排水に関しては 繊維業 パルプ 製紙業 合板業 ゴム業等が主な排出源とみられる 日系企業をはじめとする大規模工場では排水処理設備を整備し適切な管理が行われている一方 地場の中小規模の工場では排水処理設備を持たず工場排水をそのまま放流しているケースも多く 有機物のほか重金属などによる河川の汚染が深刻化している また 下水道がほとんど整備されておらず 生活排水は地下浸透させるかそのまま河川に放流されているため 河川や地下水の汚染も深刻化している 通常 生活水としては井戸水が使われているが 地下浸透後浄化されないまま汚水が汲み上げられる場合もあり もう一つの生活水源である河川水の汚染と相まって水質汚染の進行が衛生面からも大きな問題となっている 3 廃棄物管理廃棄物は 有害廃棄物 ( 危険 有害 有毒を表す三つインドネシア語を取って 通常 B3 廃棄物と呼ばれている ) とそれ以外の廃棄物に分けられている インドネシアで大きな問題になっているのは B3 廃棄物である インドネシアには B3 廃棄物を完全に処理できる廃棄物業者は少ない したがって B3 廃棄物の処理については 外部に委託できない場合には敷地内に保管しているのが現状となっている また 有害物質以外の産業廃棄物については 回収業者に委託し 埋め立てられるか焼却される 一方 家庭からの生活廃棄物は河川や空き地にそのまま投棄されることが多く 河川等の水質汚染の原因となっている 4 温室効果ガス排出インドネシア全体の 2000 年の純温室効果ガス排出量は 1.37GtCO2e であり 最大の排出源は森林伐採で 48% 燃料消費が 21% 泥炭火災が 12% 廃棄物が 11% 農業が 5% 産業界が 3% と続いている 森林伐採と泥炭関連の排出量は 0.821GtCo2e で 全排出量の 60% を占めており 残りが 0.556GtCo2e となっている この排出レベルは非常に高く インドネシアは 世界の温室効果ガス排出上位十カ国に入っている 炭素含有量が多い石炭燃料へシフトしていることで 国内の温室効果ガス排出の伸びは GDP や燃料消費の伸びよりも大きくなり 同国では深刻な環境問題と位置づけられている このような温室効果ガス排出問題に対処すべく 同国政府は国家気候変動委員会を 2008 年に創設し 2020 年までに温室効果ガス排出を 26% 削減し 更に先進国の協力を得て 41% 削減する事を約束していることもあり 環境政策には十分な注意が必要である b) 土地利用 開発 ( 対象プロジェクトの周辺環境 ) 対象プロジェクト実施計画地点 (Asahimas Chemical 社 Anyer 工場敷地内 ) が位置するチレゴンは ジャワ島の西端のバンテン州の沿岸工業都市であり 多くの製鉄所と石油化学工場が立地するインドネシアの重化学工業の中心地である 当該地域には東南アジア最大の鉄鋼メーカーである Krakatau Steel 社が立地し Krakatau 鉄鋼工業区が形成されている 同工業区においては Krakatau Steel 社 Krakatau POSCO 社の他にも シーメンス社 Asahimas Chemical 社 Chandra Asri Petrochemical 社 Pertamina 社 ( インドネシア共和国政府が運営する国営の石油 ガス関連会社 ) 等々のプラントが集積し 一帯が工業区として開発されている 124

138 図 4-2 周辺 ( チレゴン - Krakatau 鉄鋼工業区 ) の産業集積 スララヤ発電所 Krakatau POSCO 社 Pertamina 社 Krakatau Steel 社 Asahimas Chemical 社 Chandra Asri Petrochemical 社 出典 :Google map 2) 将来予測 ( プロジェクトを実施しない場合 ) 対象プロジェクトは旭硝子の連結子会社である Asahimas Chemical 社所有の Anyer 工場敷地に石炭火力発電設備を導入し インドネシアにおいて逼迫する電力需給バランス問題に貢献し得る電力リソースを確保するものである このプロジェクトが実施されない場合 Asahimas Chemical 社は PLN による電力供給に依存することとなり マクロ的には同容量 ( 本プロジェクトで想定する発電設備容量 : 同社需要分 + PLN への供給分 ) 125

2. エネルギー政策推進の 3 本柱と MP3EI ここ 10 年のインドネシアの経済成長率は数パーセントで推移し この高い経済成長を背景に電力需要が急速に増加している 特に 電力需要は経済成長率よりも 1~2% 高く推移してきているため 電力エネルギーの安定供給は 官民一体となった国家事業として位

2. エネルギー政策推進の 3 本柱と MP3EI ここ 10 年のインドネシアの経済成長率は数パーセントで推移し この高い経済成長を背景に電力需要が急速に増加している 特に 電力需要は経済成長率よりも 1~2% 高く推移してきているため 電力エネルギーの安定供給は 官民一体となった国家事業として位 最近のインドネシアの電力事情 エネルギー鉱物資源省 政策アドバイザー 矢野友三郎 1. インドネシアという大国インドネシアと言えば ASEAN の主要国で 昔はデビ夫人 今は AKB48 の海外初の姉妹となる JKT48 というのが一般的な日本人感かも知れない しかし 2004 年にユドヨノ政権の誕生後のインドネシアの政治 経済の安定化により 日本からの投資が急増し最後に残っているアジアの良きパートナーとして知られるようになった

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