最近の脳性麻痺像

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1 最近の脳性麻痺像 聖隷三方原病院小児神経科聖隷おおぞら療育センター横地健治 ( 名古屋 ) Classic -diplegia 下肢 ( 股 膝 足 ) に分離運動の制限がある このうち 膝の分離伸展の制限が見出しやすい 下肢荷重時 股屈曲内転 膝屈曲になりやすい (crouching) ただし 少数例に反張膝はあり 上肢は前腕回外に制限がある 知的障害はないか軽度であり 視覚認知に制限がある 親しみやすい性格であり 自閉性とは対極にある 近年激減 古典的脳性麻痺の三病型 Athetosis 成熟児 HIE 視床 (VL 核 ) 被殻病変 知的機能は比較的良好 上下肢と口腔の異常運動 成熟児核黄疸 淡蒼球病変 知的機能は比較的良好 上下肢と口腔の異常運動 近年激減 Hemiplegia 周生期中大脳動脈梗塞 側脳室周囲静脈梗塞 知的機能は良好 歩行可能 上肢機能が問題となる * 鏡像運動 患側肢の骨成長抑制 柿に猫 菱田春草 黒き猫 菱田春草 修正 3y1m 左単麻痺に近い痙性両麻痺 31w, 1500g 1y6m 始歩 MRI なし 31w, 1500g 1y6m 始歩 左下肢が悪い 下肢に著明な左右差あり 左足底屈目立ち 股膝も屈曲優位 右にも股膝の伸展の制限あり ( ) 下肢共同運動 股伸展 内転 内旋 膝伸展 足底屈 左下肢 股屈曲 外転 外旋 膝屈曲 足背屈 膝屈曲のまま股屈曲し固定 ( 股屈曲分離 ) 股屈曲固定し 膝伸展膝分離伸展 Leg lift 右下肢 Yokochi K, et al: Leg movements in the supine position of infants with spastic diplegia.dev Med Child Neurol 1991;33: 修正 3 ヵ月 痙性の筋トーヌスはない Leg lift の欠如 痙性両麻痺 1983 年 ( 昭和 58 年 ) 生 30w 1415g, 双胎 1 子 定頚 3m( 修正 ), 寝返り 6m, 肘這い 1y4m, 座位 2y6m, うさぎ跳び 2y10m, つたい歩き 3y3m (5 歳まで ) 修正 3y うさぎ跳び (bunny hopping) 股分離荷重障害 修正 0y8m 割座 (W-sitting) 股内旋 足背屈 ( 屈曲共同運動 ) 立位時足底屈 知的障害軽度 親しみやすい 下肢共同運動 (synergic kicking) 伸展位が優勢 1

2 36w 39w Active sleep の gross movements 運動プログラムの欠如により の upper motor neuron syndrome を診断する preterm~writhing general movements (Prechtl の分類 ) term 6m 伸張反射の亢進 ( 痙性の筋トーヌス ) 1y0m Leg lift Leg lift があれば痙性両麻痺にならない Yokochi K, et al: Behavioral state distribution throughout 24-h video recordings in preterm infants at term with good prognosis. Early Hum Dev 1989;19: ヵ月正常成熟児 Leg lift の新生児期 乳児早期の変遷 100% Leg lift の正常出現率 肩が床にべたっと着く ( 頚運動でも動かず ) 肩 肘 股 膝 足の分離運動の存在 全身ぴくっと動く運動 関節の toand-fro 分離運動の存在 fidgety movements *infantile chorea 80% 60% 40% 20% 0% 早産 38 週 予定日満期 1ヵ月満期 2ヵ月満期 早産 2ヵ月 原始的神経機構による leg lift は 受胎後 40 週あたりで出なくなる 3ヵ月あたりで 成熟した神経機能によるleg lift に置き換わる 早産児ではleg liftの再出現は早い満期産児より早熟か 3ヵ月満期 Kouwaki M, et al: Spontaneous movements in the supine position of healthy term infants and preterm infants with or without periventricular leukomalacia. Brain Dev ;35: w の自発運動 修正 2 ヵ月 肩 肘 股 膝 足の分離運動の欠如 全身ぴくっと動く運動 関節の to-and-fro 分離運動 (fidgety movements) の欠如 肩ぶん回し 手を床に打ちつける運動の存在 下肢伸展し 極度の足の内がえし運動の存在 32w 2127g 32w 2127g 2

3 100% 80% 60% 40% 20% 0% の leg lift 出現率 対照 対照 早産 38 週 38 週 早産 2 ヵ月 2 ヵ月 では修正 2 ヵ月で leg lift を失う Leg lift の出現率 Leg lift の正常出現率 100% 80% 60% 40% 20% 0% 早産予定日 1ヵ月 2ヵ月早産 3ヵ月 38 週 2ヵ月満期満期満期満期 ATNR 頚伸展 修正 2ヵ月早産 児 修正 2ヵ月早産知的障害児 驚愕反応 頚の分離回旋 体幹屈曲 体幹側屈 体幹回旋 側臥位保持 指吸い 回旋優位の肩運動 上肢の下後方への投げ出し 肩の分離外転 肩外転位保持 肩外転の振戦 腕の前方正中への動き 肩の分離内旋 肘の分離屈曲 肘屈曲の振戦 手拳優位 股の分離内転 股内転位保持 股内転の振戦 膝の分離伸展 (leg lift) 足の分離運動 下肢キック時の足の強度底屈と内がえし 回旋優位の肩運動 側臥位保持 修正 2 ヵ月の早産児背臥位自発運動 上肢の下後方への投げ出し 肩外転位保持 分離運動未熟運動病的運動 下肢キック時の足の強度底屈と内がえし 股内転位保持 Kouwaki M, et al: Spontaneous movements in the supine position of healthy term infants and preterm infants with or without periventricular leukomalacia. Brain Dev ;35: Kouwaki M, et al: Spontaneous movements in the supine position of preterm infants with intellectual disability. Brain Dev 2014;36: 原始脊髄性運動機構 Developmental change of central motor system 成熟大脳性運動機構 満期で髄鞘化 小脳片葉 ( 旧小脳 ) 上小脳脚 ( 歯状核 赤核 ) 中心被蓋路 ( 赤核 下オリーブ核 ) * 歯状核の髄鞘化は未完 中心被蓋路 central tegmental tract Guillain-Mollaret 三角 口蓋ミオクローヌス これだけの症候しかとらないのか? Benedict 症候群対側の振戦様不随意運動 Leg lift General movements Preterm Writhing Fidgety PTR Palmar grasp + + ー する 赤核 (red nucleus) (Cahill-Rowley K, 2014) Rubrospinal tract の存在 赤核の種の違い (Hicks TP, 2012) Total asphyxia 例の中脳 T2 像 Preterm に大脳病変の発生 無症候 Leg lift の出現なし の症候 伸張反射の亢進 ( 痙性 ) 成熟大脳性運動機構 成熟大脳障害 から成熟大脳性運動機構への置換の進展とともに 成熟大脳性運動機構の巣症状が出現し始める 病変部以外では成熟大脳性運動機構への置換は完成し 後天性大脳病変と同等の巣症状を呈する 症例 :6ヵ月 男児胎生期脊髄障害の症候主訴 : 発達遅延 低汗妊娠分娩歴 : 在胎 30 週頃より 胎位は頚後屈 上肢伸展 骨盤位 出生前には胎動も低下していた 在胎 36 週 5 日 子宮口 7cm 開大後 臍帯下垂あり産院にて緊急帝王切開 3091gで出生 Apgar score 4/7 陥没呼吸を認め 生後 30 分で気管内挿管後 聖隷浜松病院 NICU 入院 人工呼吸管理施行された 出生時より胸郭低形成 側彎 前彎 第 12 肋骨欠損を認めた 初診時現症 : 下肢自発運動はごくわずかにあるのみ PTR 減弱 ATR 減弱 2 歳時所見 下肢自発運動認めず PTR 減弱 ATR 減弱 Babinski 徴候陽性 足間代クローヌス右 > 左 3

4 1y8m 腰髄部は正 6m C7-Th1 椎体部で断裂 C8-Th2 髄節障害 弱い筋 手屈曲 C6~Th1 肘伸展 C6~C8 指 MP 伸展 C7~C8 7y Primitive motor system Healthy Mature motor system Fetal spinal injury Primitive motor system Mature motor system 重度周生期脳障害児で生後 2 ヵ月までみられる追視 生後 2 か月で消失 2 ヵ月の節目 Rubrospinal tract + Spinal stretch-reflex circuit Corticospinal tract - Spinal stretch-reflex circuit + - Spinal Spinal stretch-reflex circuit stretch-reflex circuit 39w 2645g 新生児期肺出血 痙性四肢麻痺 最重度精神遅滞 追視なし 胎生期脊髄障害の下肢腱反射消失機序 ( 仮説 ) DTR 消失 成熟脳の視覚経路 背側系 ( 頭頂葉 ) Posterior parietal complex 空間立体覚や視運動覚の処理 行動のための知覚 (perception for action) where または who 腹側系 ( 側頭葉 ) Inferior temporal complex 物の形 色 質などの形態覚の処理 認識のための知覚 (perception for recognition) what または how Paroxysmal ocular downward deviation (Yokochi) は 児で修正 2 ヵ月では出現する Paroxysmal ocular downward deviation (Yokochi) 眼瞼下垂を伴う眼球下転が突発的におこる早産 児 満期産 CP 児にみられ 乳幼児期に自然消退することが多い中枢性視覚障害を伴う delayed visual maturation~ 大脳盲 2 ヵ月の節目 網膜視蓋系 reticulotectal system (non-striate pathway) 発生的に古く where のシステム 生後数ヵ月の視覚行動をコントロール 外側膝状体系 geniculostriate system に切り替わったら 一般には旧システムは機能しなくなる Atkinson J. The Developing Visual Brain.2000 のpuvinar 病変三角部近傍白質病変の二次的変化か Pulvinarと上丘 (SC) は機能的連絡あり 32w 2127g 4

5 Hydrancephaly 児は 2 ヵ月で飲めなくなった 水頭症 ( シャント後 ) 2 ヵ月の節目 早産失調原始脳幹小脳性失調 ( 原始型失調 ) 原始的脳幹小脳神経機能は異常がない 菊慈童 不熟の天才 菱田春草 25w3d,422g H26.12 浜名湖セミナー発表症例 修正 1y0m 声門下狭窄のため気管切開 小脳虫部萎縮 びまん性白質萎縮 発達歴 ( 修正年齢 ): 定頚 0y9m, 寝返り 0y8m, 肘這い 1y, ( 脳室拡大 ) つかまり立ち 1y11m, 四つ這い 2y0m, つたい歩き 2y1m 股屈曲外転過剰 中等度知的障害 1y4m 膝分離運動良好 バタバタとした力の入った速い繰り返し運動 股外転外旋屈曲位 膝屈曲位での足持ちは 失調性運動障害の徴候 修正 1y8m 股過外転の座位膝は多様 修正 2y8m 股内転伸展荷重制限 体幹側屈を伴う手で床を打ち付ける肩運動あり 過剰な足の内がえし 過剰な股外転の支え立位 4 歳健常児 肩を支点とした回旋はいはい 股過外転 膝伸展横座り ( 一側下肢 ) 腰掛け動作不能一側膝屈曲位で 足荷重し股膝伸展することができない 5

6 股過剰屈曲で 後方に転倒しそうになりながら 足を投げ出す 超早産失調のはいはい 25w,715g C2y11m 股外転屈曲過度 24w,532g c3y11m 修正 2y8m 動作時の揺れ dystonic tremor 様 四つ這いと高這いの股伸展の違い高這いの方が 股伸展荷重負荷が少ない 超早産児の失調型運動障害 - 原始脳幹小脳性失調 ( 原始型失調 )- 股伸展荷重障害が本体であろう 背臥位で 股外転外旋膝屈曲位の足持ちは特徴的である 座位は股外転位が過剰であり 膝の肢位は多様である 過剰な足内がえし位をとりうる 腹臥位移動では股荷重に制限がある 四つ這いでは 股外転屈曲優位である 肩荷重にも制限があり 過剰な手の打ちつけあり 支え立位では 股伸展内転位の制限があり 股外転屈曲位となる 早産失調の症候 Preterm に脳幹小脳病変の発生 ( 大脳病変はないか軽症 ) 無動 ~ 股伸展障害 まず 原始的脳幹小脳運動機構障害の症候が出現する 原始脳幹小脳性失調 ( 原始型失調 ) 精神運動発達遅滞 *Prader-Willi 症候群 Down 症候群 小脳低形成 早産 股伸展障害 原始的脳幹小脳運動機構から成熟大脳性運動機構への置換は たいていは ほぼ完遂される ただし 障害が重症ならば 大脳性運動機構の成熟は完遂されない 原始脳幹小脳運動機構障害の症候を成熟大脳性運動機構が補完しきれず その運動症候が残る つまり 原始脳幹小脳運動機構障害が成熟大脳性運動機構を補佐するものへの変容は未完となる 成熟大脳性運動機構 知的障害の合併は 後に発現する大脳性知的機構の障害だけでなく 原始的脳幹小脳運動機構障害をきたす病変が関与しているかもしれない 未完 原始脳幹原始小脳成熟小脳成熟大脳 +MRI 不描出病変? 原始脳幹小脳性失調 ( 原始型失調 ) MR 描出病変の意義? 大脳白質低形成 虫部低形成 (MRI 描出 ) 極小症候 ~ 無症候 ( 運動 ) Morita T et al. Low-grade intraventricular hemorrhage disrupts cerebellar white matter in preterm infants: evidence from diffusion tensor imaging. Neuroradiology. 2015;57: 早産 IVH 例では上小脳脚の FA が低値 無症候の小脳出血 39w 3410g 右小脳出血 水頭症 ( 停止性 ) 座位 7m, 肘這い 6m, よつばい 9m, つかまり立ち 7m, つたい歩き 8m, 歩行 11m 言語理解 発語は良好 (1y4m 現在で ) minor lt hemiplegia? 左が利き手? 原始脳幹原始小脳成熟小脳 正常 小脳半球萎縮 (MRI 描出 ) 無症候 ( 運動 ) 7d 22d 1y4m は無傷 成熟大脳性運動機構に属する小脳病変は完全に機能は代償される可塑性 6

7 開脚すり足歩行 歩行障害なし 37w,2795g, 胎内感染 (CMV?) の疑 定頸 7m, 寝返り 4m, 四つばい 1y5m, 座位 1y5m, 伝い歩き 1y11m, 独歩 3y8m 中等度精神遅滞 14 歳 2y5m 原始脳幹原始小脳成熟小脳 脳幹 小脳半球低形成 (MRI 描出 ) 極軽症原始脳幹小脳性失調無症候 ( 運動 ) ( 原始型失調 ) Classic diplegia に合致しない diplegia 原始脳幹小脳性失調 大脳痙性両麻痺 or 原始失調性両麻痺 在胎出生体重座位つたい歩き独歩 症例 1 27 週 1058g 3y5m 未未中等度知的障害 症例 2 29 週 1870g 未未未最重度知的障害 症例 3 31 週 1802g 2y3m 未未最重度知的障害 症例 1 症例 2 症例 3 H26.12 浜名湖セミナー発表症例 症例 3 c11m c1y10m 無動が目立つ ( 頚は動く ) 股外転外旋屈曲位 膝屈曲位が主である c4y10m 股過屈曲座位で安定 (V 字バランス ) 股膝分離運動は良好 臀部沈み込み割座 My hypothesis 弱い股伸展 股伸展努力のoverflow 強い足底屈 c3y9m 股過外転 膝屈曲座位合蹠ポーズ座位 c6y4m つかまり立ちでは 股過屈曲 足底屈が目立つ 股屈曲が軽減 支え立位時の足底屈軽減 Classic diplegia に合致しない 3 例のまとめ - 原始脳幹小脳性失調 大脳痙性両麻痺 or 原始失調性両麻痺 - としては中等度白質萎縮あり MRI では有意な小脳異常を認めない 乳児期 ~1 歳代では 体幹 下肢の寡動がみられる 膝の分離伸展はみられない 股運動は 屈曲外転優位 ( 伸展内転制限 ) である 股伸展時は 股内転位にはならず 内旋もおこらない 股膝伸展時には 過剰な足底屈がみられる 乳児期の上肢運動は肩回旋運動が主体である 座位 ( 介助 ) でも 過剰な股外転 膝屈曲 ( 合蹠ポーズ座位 ) がみられる 原始小脳脳幹運動機構障害に軽度な upper motor neuron syndrome ( 不適切な cocontraction と分離運動障害 ( 膝 )) が合併したものと解す 原始脳幹小脳性失調 大脳痙性両麻痺 or 原始失調性両麻痺の症候 * 足底屈型 Pretermに大脳病変の発生脳幹小脳病変の発生 成熟大脳障害 成熟大脳性運動機構 原始脳幹小脳性失調 大脳痙性両麻痺 or 原始失調性両麻痺 原始脳幹 原始小脳 成熟小脳 成熟大脳 and/or MRI 不描出病変 無動 ~ 股伸展障害 + 分離運動障害 股伸展障害 + 分離運動障害 未完 原始脳幹小脳性失調 ( 原始型失調 ) + 分離運動障害 足底屈 ( 不全型痙性 ) まず 原始的脳幹小脳運動機構障害の症候が出現し 遅れて成熟大脳性運動障害が加わる 原始的脳幹小脳運動機構から成熟大脳性運動機構への置換は 大脳病巣部を除いて ほぼ完遂される ただし 障害が重症ならば 大脳性運動機構の成熟は完遂されない 残存した原始的脳幹小脳運動機構障害の症候と成熟大脳性運動機構の巣症状が複合する 足底屈優位 尖足は両者の協同であろう 自閉症を伴う知的障害は 後に発現する大脳性知的機構の障害だけでなく 原始的脳幹小脳運動機構障害をきたす病変が関与しているかもしれない 7

8 足底屈優位型原始脳幹小脳失調大脳痙性両麻痺 or 足底屈型原始失調性両麻痺 H25.12 浜名湖セミナーで 小脳性尖足歩行 として報告した症例 27w,760g,Wilson-Mikity 症候群 c2y8m 定頸 5m( 修正 ), 寝返り 11m, 座位 2y, 四つ這い 2y3m, 伝い歩き 3y, 独歩 3y11m 最重度知的障害 + 自閉症 21 歳 足底屈優位型原始脳幹小脳失調大脳痙性両麻痺 or 足底屈型原始失調性両麻痺 H25.12 浜名湖セミナーで 小脳性尖足歩行 として報告した症例 33w,2206g, 脳室内出血, 出血後水頭症 (VP シャント ) 定頸 5m( 修正 ), 寝返り 4m, 座位 1y3m, 四つ這い 1y5m, 伝い歩き 1y10m, 独歩 3y1m 最重度知的障害 + 折れ線型自閉症 背臥位で 股屈曲外転をとる ( 足を手で掴む ) 腋窩支え時 股屈曲が優勢で 下肢荷重せず 腹臥位で 膝荷重わずか 体幹 股過伸展となり 下肢全体の空中保持あり 足底屈で前足荷重歩行 背屈制限あり ( 尖足 ) 股膝分離は軽度制限あり 7y 小脳障害 ( 小脳半球 > 虫部 ) 大脳白質低形成 ( 軽度 ) 橋低形成 沈み込み座位 足背屈前足荷重座位 股膝伸展荷重は不十分 出血後水頭症なら小脳障害は必至か ( MRI 上脳幹小脳障害は認めず ) c7m 足底屈で前足荷重歩行 背屈制限あり ( 尖足 ) 股膝分離は軽度制限 足底屈優位型原始脳幹小脳失調大脳痙性両麻痺 or 足底屈型原始失調性両麻痺 1. 足底屈が幼児期に進行する そして 尖足となる これにより 歩行は悪化しない 2. 安静時も底屈位をとり 股膝屈曲しても変わらない 3. 股伸展荷重制限あり 足底屈は弱い股伸展を増強されるための synergy と解す 4. 股膝分離運動の制限は軽度である ( 背臥位 股外転内旋で足持ちあり ) 定型的痙性両麻痺の crouching posture はとらない 5. 自閉 知的障害を伴う 6. 脳室内出血 ( 水頭症となる ) 早産児に多い 脳形成異常例にもみられる 7. 小脳異常 大脳白質異常がみられることがあるが 必発ではない Pretermに大脳病変の発生脳幹小脳病変の発生 足底屈優位型原始脳幹小脳失調大脳痙性両麻痺 or 足底屈型原始失調型両麻痺の症候 無動 ~ 股伸展障害 + 分離運動障害 股伸展障害 + 分離運動障害 まず 原始的脳幹小脳運動機構障害の症候が出現し 遅れて成熟大脳性運動障害が加わる 成熟大脳障害 成熟大脳性運動機構 未完 原始的脳幹小脳運動機構から成熟大脳性運動機構への置換は 大脳病巣部を除いて ほぼ完遂される ただし 障害が重症ならば 大脳性運動機構の成熟は完遂されない 残存した原始的脳幹小脳運動機構障害の症候と成熟大脳性運動機構の巣症状が複合する 足底屈優位 尖足は両者の協同であろう 大脳性運動機構の成熟の不完遂度が強ければ 成熟大脳性運動機構の巣症状がみられないこともある 自閉症を伴う知的障害は 後に発現する大脳性知的機構の障害だけでなく 原始的脳幹小脳運動機構障害をきたす病変が関与しているかもしれない 足底屈優位型原始脳幹小脳失調大脳痙性両麻痺 or 足底屈型原始失調性両麻痺 Wilson-Mikity 症候群 原始脳幹 原始小脳 成熟小脳 成熟大脳 白質低形成 橋低形成 (MRI) 小脳半球萎縮 (MRI) 原始脳幹小脳性失調 ( 原始型失調 ) + 足底屈 ( 不全型痙性 + 原始性失調 ) IVH- 水頭症 原始脳幹 原始小脳 成熟小脳 成熟大脳 and/or Down 症候群の は無症候 Down 症候群に脳性麻痺はいない ( 浅田美江先生 ) c2y6m 原始脳幹原始小脳成熟小脳成熟大脳 ( 左半球優位 ) 橋低形成 (MRI) 小脳萎縮 (MRI) 原始脳幹小脳性失調 ( 原始型失調 ) ほぼ無症候 ( ただし左利き様 ) 障害 大脳性運動機構の成熟 大脳性巣症状の出現 胎生期乳び胸, 胎児仮死で帝切, 31w5d, 2462g, Apgar 0/6 定頚 9m( 修正 ), 寝返り 3m, 座位 1y7m, 肘這い 2y1m, 四つ這い 2y3m, つかまり立ち 2y3m, つたい歩き 2y8m (3y で未歩行 ) MRI 不描出病変 原始脳幹小脳性失調 ( 原始型失調 ) + 足底屈 ( 不全型痙性 + 原始性失調 ) 8

9 27w 998g 5y 原始脳幹小脳性不随意運動 常同運動超早産小脳障害例に見られる身震い ( 不随意運動 ~ 常同運動?) 吉永治美, 他 : 早産児にみられる小脳障害に伴う特異な不随意運動に関する検討. 脳と発達 44(3): , 在胎 23~27w の小脳障害例にみられる 修正 3~5m から出現 乳児期後期消失 ~6 歳で残存 先天性 周生期脳障害の寡動 脱力 Total asphyxia 18d 39w,2550g, 生後 16h に心肺停止で発見される Sugiura H, et al; Magnetic resonance imaging in neonates with total asphyxia. Brain Dev 2013;35: Total asphyxia 型無動の症候 * 重症橋小脳低形成 pontocerebellar hypoplasia 原始脳幹小脳性無動と不随意運動 橋小脳低形成例に見られる無動 ( 寡動 ) と myoclonus Jinnou H, et al; Pontocerebellar hypoplasia type 3 with tetralogy of Fallot. Brain Dev. 2012;34: CASK mutation 3y 軽症大脳病変の発生重症脳幹小脳病変の発生 無動 成熟大脳障害成熟大脳性運動機構 高度障害 原始的脳幹小脳運動機構障害の重篤な症候 ( 無動 ) が出現す その重篤な障害のため 原始的脳幹小脳運動機構から成熟大脳性運動機構への置換は ほとんど行われない 視床 被殻型低酸素性虚血性脳障害軽症脳性麻痺アテト - ゼ 日齢 24 VL(a): Ventral lateral nucleus (anterior) 2y0m 股伸展荷重制限あり頚伸展固定位あり VL(p): Ventral lateral nucleus (posterior) VPL: Ventral posterolateral nucleus 7 歳 非対称座位 35 週胎盤早期剥離あり緊急帝王切開で出生 2238g Apgar 0/1 脳低温療法施行定頚 4M, 寝返り 6M, 座位 8M, ハイハイ 9M, 伝い歩き 1Y2M, 独歩 1Y4M 学業中 発語緩徐 手動作軽度拙劣 運動並 いじめ受ける 10 歳 肩水平内転制限 ( 体幹歩行時 腕振り回旋の代償 ) なし 対側上肢の連合運動 ( 肩後方固定 ) 流涎 不随意開口 MRI 病変部位 視床 (VL 核とVPL 核 他 ) 小脳型失調と後索型失調の合併 被殻 錐体外路性障害 (dystonia) 大脳運動野 錐体路性障害 ( 内包後脚の髄鞘化欠如のMR 所見から類推 ) 9

10 term に BGT 病変の発生 無症候 Pretermに大脳病変の発生脳幹小脳病変の発生 成熟児 HIE の BGT 病変のみの症候成熟大脳性運動機構 成熟大脳障害 成熟児 HIE の BGT 病変 (+ 大脳病変 ) と脳幹病変合併の症候 成熟大脳障害 成熟大脳性運動機構 未完 持続的筋収縮状態 ( いわゆる 筋緊張亢進 ) Persistent Generalized Muscle Contraction 発達期の粗大脳病変でおこる極型のmuscle overactivity 一次性 dystoniaのstatus dystonicus (dystonic storm) に近似 Spasticityの関与はわずかであろう診断基準 以下の 1) と 2) を満たすものとする 1) 覚醒時の大半 力が入ってつっぱった状態を続けている ただし その体位は問わない * 多くは反り返った体位をとっているが そうではない場合もある 以下のいずれかひとつがあることによって 1) をみたすとする a. CK(CPK) 高値 (300IU/L 以上 ) が証明されている b. 介助者による特有な姿勢保持 ( 頸部屈曲 股屈曲位など ) や精神的緊張を鎮めるための働きかけにより 一時的に症状が緩和することがある c. 催眠作用のある頓用薬 ( トリクロリールなど ) の昼間使用により 一時的に症状が緩和することがある d. 以下の両者がある i) 多汗 筋活動が常時あることにより やせがある ii) この状態のため 不眠がある 2) ほぼ常時 不機嫌な状態である 原始脳幹小脳性 * 介助者が 抱いて 特有な姿勢保持をしたとき以外に 笑顔を見せることはないような状態である 運動障害持続的筋収縮状態 37w,2737g,Asphyxia 原始脳幹 原始小脳 成熟小脳 成熟大脳 + 不全型痙性 共収縮 不随意運動 視床基底核大脳病変 境界域梗塞 Borderzone infarction 成熟児仮死が主原因仮死のタイプは partial asphyxia その他 早産児慢性肺疾患 低血糖 心疾患 ( 心手術を含む ) も原因となる 病巣は MCA-PCA and/or MCA-ACA 境界域梗塞と皮質下梗塞 (subcortical leukomalacia) の合併 知能障害とある種の平衡機能障害 ( 頭頂葉性失調 ) が主症候 胎児血流 左大脳半球は右半球に比し脆弱 左半球優位 : 言語 右半球優位 : 注意情動空間認識 38 週,2550g,Asphyxia 定頚 4m, 寝返り 8m, 肘這い 10m, 座位 1y10m, 四つ這い 1y9m, つたい歩き 1y11m, 独歩 2y11m 軽度知的障害 境界域梗塞の主病変部は頭頂葉 頭頂葉性失調 左半球病変優位が多い ( 例外あり ) 0y11m 7y8m 股内転 屈曲句曲 膝屈曲固定位 手の速い打ち合わせ 股外転 膝屈曲 前傾 円背 頸後屈 股外転 ( 軽度 ) 歩行 右遊脚が長い 体幹伸展不十分 股屈曲 下肢速い蹴り 四つ這い位 ヒコーキ肢位 肩股ぶるぶる ( 速い狭い屈伸 ) 小刻み足踏み歩行 手の常同運動 前傾肩引け歩行 手の常同運動 10

11 境界域梗塞の運動症候 過剰な足踏み運動が 下肢荷重時 非荷重時にみられる 頚後屈 肘を伸ばした肩後方への引け 体幹伸展位をとりやすい 腹臥位で この肢位で固まる ( ヒコーキ肢位 ) 四つ這いせず, いざる (shuffle) 股伸展時 軽度屈曲優位である ただし 後方荷重ではない 手もみが多い 肩外転位で手で引き上げると起立しやすい 歩行時 遊脚が過度に長引くことあり 足元をよく見る or 足元を見ない 軽度開脚歩行 歩行時 腕の振りがない深部知覚系障害 周生期脳障害類型 ( 脳性麻痺となる ) 早産脳障害 (periventricular leukomalacia) 痙性両麻痺 * 従来型 新規型 早産小脳障害原始脳幹小脳性失調 ( 原始型失調 ) 大脳白質 小脳合併障害 原始脳幹小脳失調 大脳痙性両麻痺 ( 原始失調性両麻痺 ) 足底屈優位型原始脳幹小脳性失調大脳性痙性両麻痺 ( 足底屈型原始失調性両麻痺 ) 大脳半球病変 ( 平成 27 年 8 月 28 日の横地の分類 ) 中大脳動脈梗塞 側脳室周囲障害 * 静脈梗塞 脳発生障害 胎生期脳障害 ( 運動障害をとる ) 成熟児低酸素性虚血性障害 精神運動発達遅滞型失調 (= 原始脳幹小脳性失調 ) 精神運動発達遅滞 psychomotor (developmental) delay 低酸素性虚血性視床被殻障害脳性麻痺のアテトーゼ 足底屈優位型原始脳幹小脳性失調大脳性痙性両麻痺 境界域梗塞 Borderzone infarction ( 足底屈型原始失調性両麻痺 ) 橋小脳低形成型無動 (= 原始脳幹小脳性無動 ) 多嚢胞性脳軟化 Multi-cystic encephalomalcia 大脳 基底核視床複合障害 Total asphyxia 型低酸素性虚血性脳症原始脳幹小脳性無動 胎児 新生児 乳児神経症候学を創りましょう もっと知りたい方は 9 月 6 日 ( 日 ) の三方原脳性麻痺研修会においでください 11

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