16 品高分子を水に溶解する必要がある. 通常入手できる食品高分子は粉体であることが多い. 本連載第 1 回目でも述べられているように [1], 粉体を水に溶解する際にはまず粉体表面が濡れ, 粉体が水中に沈降, 分散し, 粉体内部まで水が浸透して溶解する, という過程を経なければならない. ところが

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1 日本食品工学会誌, Vol. 11, No. 4, pp , Dec. 010 連載 食品の物性そして水 Ⅹ 解説 食品ハイドロコロイドの水和と力学物性 香川大学農学部 Physical Properties of Foods and Effect of Water on Them X Hydration and Mechanical Properties of Food Hydrocolloids Shinya IKEDA Faculty of Agriculture, Kagawa University 393 Ikenobe, Miki-cho, Kita-gun, Kagawa , Japan Structures and mechanical proper ties of food hydrocolloids consisting of hydrated food macromolecules such as polysaccharide and protein have been reviewed. Food sols often exhibit a decrease in the viscosity with increasing flow rate (i.e., shear-thinning) due to flow-induced changes in the three-dimensional structure of food macromolecules. Relatively high viscosities at low flow rates are highly effective in slowing down the rate of floatation or sedimentation of insoluble particles. For transporting the bulk sol, the flow rate may be increased in order to decrease the viscosity to the same order of magnitude as that of water. A food sol may possess a true yield stress. If the yield stress value is sufficiently larger than the buoyancy or gravitational force, floatation or sedimentation of insoluble particles never occurs. Atomic force microscopy images of gellan gum bulk gels have revealed that the gel networks are composed of rigid rod-like strands that are crosslinked with other strands at the ends. It is unreasonable to assume that the elasticity of such a network is determined by entropic effects. A novel model for describing the concentration dependence of the elasticity has been proposed by considering the bending elasticity of rod-like network strands. Keywords: sol, gel, hydrocolloid, viscoelasticity, atomic force microscopy 1. 緒言食品ハイドロコロイドとは, 多糖やタンパク質といった天然由来の高分子物質が連続相である水に分散した系のことである. また分散質となりうる多糖やタンパク質そのものを指して食品ハイドロコロイドということもある. これらの高分子物質 ( 以下, 食品高分子 ) は温度, 濃度,pH や共存物質などの様々な要因に応答して立体構造を変化させ, 適当な条件下では分子集合体を形成する. 食品高分子の立体構造の変化や高分子集合体の形成は系の力学物性に顕著に反映されるため, 食品高分子を分散質とするハイドロコロイドは, 希薄 なゾル, 高い粘度を示すゾル, 粘弾性を示すゾルまたはゲルといった多様な状態をとる. したがって食品ハイドロコロイドは食品の力学物性を制御するための素材として広く利用されている. 食品の力学物性の把握は食品の製造や新製品開発にあたっては重要な課題である. 本連載第 1 回では食品の力学物性が食品の流動性や食品内部における物質移動速度の予測に関わること [1], また第 5 回では食品のおいしさに関わることが述べられている []. 本稿ではまず食品ハイドロコロイドの分散質である食品高分子の水和と立体構造について述べ, 次に食品ハイドロコロイドの粘弾性について解説する. ( 受付 010 年 10 月 9 日, 受理 010 年 11 月 1 日 ) 香川県木田郡三木町池戸 393 Fax: , sikeda@ag.kagawa-u.ac.jp. 食品高分子の水和と立体構造 食品ハイドロコロイドを利用するためには, まず食

2 16 品高分子を水に溶解する必要がある. 通常入手できる食品高分子は粉体であることが多い. 本連載第 1 回目でも述べられているように [1], 粉体を水に溶解する際にはまず粉体表面が濡れ, 粉体が水中に沈降, 分散し, 粉体内部まで水が浸透して溶解する, という過程を経なければならない. ところが, 現実には個々の粉体粒子が独立して水に接触せず比較的大きな塊のまま水と接触するといった状況にしばしば遭遇する. 粉体が水和しやすい高分子からなる場合, 塊の表面部分だけが水和して空気を通さない皮膜を形成し, 塊の内部まで水が浸透しなくなることがある. 水に濡れていない白色の塊が透明なゲル状の皮膜に包まれている様は魚の目のようにも見え, フィッシュアイともよばれる. フィッシュアイが一度形成されると, その後いくら攪拌エネルギーを加えてもそれ以上水和が進行しないこともあるので注意が必要である. 水和速度の遅い高分子の場合, 水の移動を妨げる皮膜が形成されにくく, 時間はかかるものの水和は十分に完了する. すなわち食品ハイドロコロイドの水和速度と分散性はトレードオフあるいは二律背反の関係にある. 水和速度を減少して分散性を向上させるためには顆粒化することが有効であり [3], 操作性の向上を目的として顆粒化されたグレードが市販されている食品高分子もある..1 原子間力顕微法 (AFM: atomic force microscopy) 多糖やタンパク質の立体構造は分子内あるいは分子間の水素結合により保持されているため, これらの高分子の立体構造と水和は深い関係にある. 水素結合を形成しうるサイトの全てがそれぞれ水分子と水素結合しているとすれば, 高分子鎖は特定の立体構造を持たない自由な紐のような状態となるはずである. 完全に水和した高分子鎖の一部が温度や ph, イオン強度などの変化により部分的に脱水和すると, その部分が高分子内あるいは高分子間の水素結合に置き換わる. 分子間で形成される水素結合は 本の高分子鎖を架橋する役割を果たすため, 網目構造の形成にとって不可欠な要素である. つまり食品高分子を用いてゲルを形成するには, まず高分子を十分に水和させ, 次に一部を脱水和するという つの過程を経る必要がある. ゾルやゲル中の高分子の立体構造を調べる方法としては各種の分光分析法や散乱法が一般的であるが [4,5], これらの手法により得られる結果は空間的に平均化されたものであり, 存在確率の小さい特殊な構造は均されてしまうため検出は困難である. 近年普及してきた AFM を用いれば, 水和したままの生の状態の食品高分子を固定, 脱水, 染色などの前処理を行うことなく直接可視化できる [6-1].AFM は鋭い針のようなプローブを用いて試料表面を走査した際に, プローブ端と試 料間にはたらく力が一定となるようにプローブと試料間の距離を精密に制御することにより試料の形状を画像化するという原理に基づいている. 光学顕微鏡のようにレンズを用いて光を結像させるわけではないので, いわゆる回折限界による分解能の限界とは無縁である. また大気中や特定のガス雰囲気中, 真空中, 各種液体中など, 様々な環境に置かれた試料の観察が可能である. データは 3 次元座標をあらわす数値として記録されており, 画面に対して垂直な方向についての定量的解析が可能であるのも AFM の特徴である.. ゾルにおける食品高分子の立体構造食品高分子の AFM 観察を行うためには, 通常まず食品高分子の希薄溶液 ( 高分子濃度 1 ppm 程度 ) を調製して, その少量 ( 約 μl) を 1 cm 程度の面積を有するマイカシート上に滴下し,15 分程度風乾したものを試料とする. このような調製法を用いた場合, 希薄溶液中の高分子が有する 3 次元構造は数 nm の厚さにつぶれた状態で観察されることになる. Fig. 1 は増粘多糖として液状食品のとろみ付けに用いられるタマリンド種子由来のキシログルカンの AFM 像である. キシログルカンはβ1,4 結合したグルコース残基からなる主鎖を有する.β1,4 結合したグルコースとはセルロースの構造そのものである. セルロースは水に不溶であるが, キシログルカンは常温の水に溶解する. キシログルカンの主鎖には側鎖としてキシロース残基が多数結合しており, これらの側鎖が主鎖同士の会合を妨げると考えられる.Fig. 1 においては主鎖がよく伸びた状態であることが確認でき,β1,4 結合により構成された主鎖が比較的剛直であることが示唆される. Fig. には微生物産生多糖の 1 つであるプルランの AFM 像を示す. プルランはグルコース残基がα1,4 結 Fig. 1 Atomic force microscopy image of xyloglucan (.5 μm.5 μm).

3 食品の水和と力学物性 163 Fig. Atomic force microscopy image of pullulan (1.5 μm 1.5 μm). 合またはα1,6 結合により線状に結合した主鎖を有し, 側鎖はもたない. この分子鎖は柔軟であるため, 水溶液中におけるプルラン分子鎖は糸まり状の構造をとることが知られている [13].Fig. は糸まりがつぶれた状態を上から観察したものである.Fig. 1 と Fig. を比較することにより,β1,4 結合と比較してα1,4 結合や α1,6 結合が柔軟であることが視覚的に理解できる. Fig. 3 には常温で水に溶解したキサンタンガムの AFM 像を示す. キサンタンガムの主鎖もセルロースやキシログルカンと同様にグルコース残基がβ1,4 結合した構造を有するため, 主鎖だけでは水に溶解できないはずである. しかしながらキサンタンガムの主鎖を構成するグルコース残基には 1 残基おきに 3 糖からなる嵩高い側鎖が付加しており, キサンタンガムは常温の 水に溶解する. 常温の水に溶解したキサンタンガムは分岐のある繊維状の構造を有し, その大きさは数 μm 程度であった (Fig. 3). キサンタンガムは線状高分子であり, 分子内に枝分かれはないはずである. したがって Fig. 3 に示された繊維状の物体 1 つ 1 つがキサンタンガムの分子 1 つ 1 つをあらわしているとは考えにくい. 先述した通り AFM により得られるデータには画面に垂直な方向に関する定量的情報が含まれている.Fig. 3 に示された繊維状物体の高さ, すなわち繊維の太さは 1 nm よりやや大きい程度であり, 糖分子 1 個の大きさと比較してかなり太い. したがってこれらの繊維状物体は多数の分子が束状に会合したものであると考えるのが妥当である. この仮説は繊維状物体が分岐を有することとも矛盾しない. 何故なら複数の線状高分子が横に並んで会合しようとする場合, まったく同じ長さの分子鎖が両端を揃えて会合しない限り分岐が生じる可能性があり, 分岐が生じない方がむしろ不自然であると考えられるからである. Fig. 4 はキサンタンガムを高温で加熱し, 個々の分子が完全に水和した状態で得られた AFM 像である. キサンタンガムの分子鎖が確かに直鎖状であり, 分子内に枝分かれが存在しないことが確認できる. 個々の分子鎖の太さは 0.5 nm 程度であり, 糖分子 1 個の大きさとほぼ一致する. また分子鎖の全長も Fig. 3 に示された繊維状物体に比べて短い.Fig. 3 の結果と併せて考えると, 一般に常温で水に可溶とされているキサンタンガムのような食品高分子でも, 常温の水に溶解した場合には分子レベルで完全に水和しているわけではなく, 加熱して初めて完全に水和するといえる. 食品高分子の生産工程をみてみると, ゾル状態でアルコールを添加して沈殿させる, あるいはゲル化した Fig. 3 Atomic force microscopy image of xanthan gum dissolved into water at room temperature (4 μm 4 μm). Fig. 4 Atomic force microscopy image of fully hydrated xanthan gum (3 μm 3 μm).

4 164 Fig. 5 Atomic force microscopy image of xanthan gum networks developed by cooling fully hydrated molecules (3 μm 3 μm). 後圧搾して溶媒と分離した後, さらに熱を加えて乾燥するという脱水和を目的とした操作が複数含まれており, 分子間会合を促進する要因となっていると考えられる. またこれらの工程の管理が十分でないと分子間会合の程度が常に一定ではない可能性があり,Fig. 3 に示したような常温で水に溶かした時の構造が一定でなかったり, 第 3 節で述べる物性の再現性が得られなかったりするといった事態が起こりうる. Fig. 5 に示した AFM 像は,Fig. 3 を得るために用いたキサンタンガム水溶液を立体構造転移温度以上の温度で加熱した後, 室温に戻した試料を用いて得たものである. 局所的な網目が形成されており, そこから伸びた長い繊維が絡まり合っているという加熱前 (Fig. 3) とはまったく異なった構造である. このことは食品ハイドロコロイドの構造が含水率により一意に決まらない, ということを意味している. 食品ハイドロコロイドの物性を正しく理解するためには, 試料調製時の温度管理も含め, 試料に加えられた全ての操作の履歴を吟味する必要がある. そのような観点が欠けてしまうと全く異なる構造を有する系の物性を同列に論じることにもなりかねず, 議論が嚙み合わない, 帰納的に結論を導けないといった状況に陥る危険がある. はたらく力が一定となるようにプローブと試料間の距離を精密に制御することにより試料の形状を画像化するという原理に基づいている と述べたが, プローブ端と試料間にはたらく力の大きさは 1 nn 程度であり, この力の大きさはゲル網目を変形させてしまうには十分な大きさである場合がほとんどである. 例えばポリアクリルアミドゲルのような共有結合により架橋された合成高分子ゲルの場合, プローブから受ける力により架橋点や架橋点間を結んでいる高分子鎖が動いてしまうため像がぼやけてしまい,AFM によりゲル網目を観察することは事実上不可能である. 我々はゲル化剤として利用されている微生物産生多糖であるジェランガム ( 脱アシル型 ) を用いて弾性率の高いゲルを形成し AFM 像を得ることに成功した (Fig. 6). この事実はジェランガムの形成する網目構造がプローブから受ける力によって大きく変形しない程度に剛直であることを示唆している.Fig. 6 に示されている通り, ジェランガムゲルの網目はほぼ直線状に伸びた網目紐がところどころ架橋された構造を有することが明らかとなった. このような構造は従来から考えられてきた食品高分子ゲルの構造とはずいぶん異なる. ポリアクリルアミドゲルのような共有結合により架橋された合成高分子ゲルの構造に基づいて食品高分子ゲルの構造を類推すると, 架橋は部分的に脱水和した高分子鎖の一部分が分子間会合することにより形成されると考えられる. また架橋同士は特定の立体構造をもたない水和したままの高分子鎖によって繋がれているはずである. このような構造モデルに従えば, ゲルに変形を与えると架橋間を繋いでいる高分子鎖のエントロピーが低下するために元の形状に戻ろうとする傾向が生じて弾性が発現する, と説明される. しかしながら AFM により観察されたジェランガムゲル (Fig. 6) に.3 ゲルにおける食品高分子の立体構造食品高分子の希薄溶液を風乾する際には, 高分子濃度やイオン強度の増加が起こり, その過程を厳密に制御することは困難である. もしゲルの構造を直接観察できれば濃度の変化といった不確定要素を完全に排除できる. しかしながらゲルの AFM 観察は容易ではない..1. 節において AFM は鋭い針のようなプローブを用いて試料表面を走査した際に, プローブ端と試料間に Fig. 6 Atomic force microscopy image of gellan gum bulk gel immersed in water (5 μm 5 μm).

5 食品の水和と力学物性 165 おいては, 架橋間を繋ぐ網目紐は 1 本の自由な分子鎖ではなく複数の分子鎖が束となって会合した比較的剛直な棒のようなものであると考えられる. このような網目紐がエントロピー効果による弾性を発現するとは考えにくい.AFM 観察により明らかとなった新たな構造モデルに立脚したジェランガムゲルの弾性発現の機構については第 3.3. 節で考察する. ジェランガムの形成するゲルを実際に扱ったことのある研究者は, ゲルが脆くて壊れやすい, また離水しやすい, といった寒天の性質にも類似した特徴を示すことに気付かれたかもしれない.Fig. 6 に示されたように網目紐が剛直で柔軟性がなければ比較的小さな変形でも壊れる, すなわち脆い, というのも理解できる. また網目紐が多数の分子が会合して形成されたものであれば, 紐の表面に露出していない分子は水和できないため, 多糖分子 1 つあたりの平均水和数は減少すると予想される. さらに網目紐の総数も減少することから, 束一的性質の 1 つである浸透圧も減少し, 離水が促進されると考えられる. 3. 食品ハイドロコロイドの力学物性 3.1 食品高分子ゾルの粘性 Fig. 1 に示したキシログルカンの分子鎖は比較的伸びた状態にあり,Fig. に示したプルランの分子鎖は糸まり状にまとまった状態にある. これらの分子がゾル中で自由に回転運動している状況においては, キシログルカンの分子 1 個が占める空間の体積は, プルラン分子 1 個が占める体積に比べてかなり大きいと考えられる. 希薄なコロイド分散系の相対粘度 η(=η r d /η m ) は次式で与えられる. η r =1+k(p)φ (1) ここでη d [Pa s] は分散系の粘度,η m [Pa s] は分散媒の粘度,φは分散質の体積分率,k(p) は分散粒子の軸比 p に依存する無次元数である [14]. 球形粒子については k(1)=.5 となり, 本連載第 1 回で登場したアインシュタインの粘度式となる [1].(1) 式は厳密には希薄溶液にしか適用できないが, 定性的には高分子鎖 1 つが占める空間の体積が大きいほど系の粘度は大きくなることを示しているといってよい. 実際に重量濃度にして数パーセント程度のキシログルカンを含むゾルはかなり高い粘度を示し攪拌するのも困難なほどだが, プルランは数十パーセント相当の重量を水に溶解することは容易であり, そのゾルの粘度も低い. Fig. 3 と Fig. 4 を比較すると, キサンタンガムの分子または分子集合体の 1 つが占める体積は加熱により減少することが示唆される. しかしながら 1 つの分子集合体からは複数の分子鎖が解離するため, 全ての分子 が占める体積の総和が加熱によりどのように変化する のか予め知ることは難しい. 実際にキサンタンガムゾ ルを加熱した場合には, 粘度が増加することもあれば 減少することもある [15,16]. なお十分高い温度にまで 加熱した後に室温程度にまで冷却すると Fig. 5 に示し たような網目構造が形成されるため, 有効体積分率は 1 に近くなり粘度が著しく増加することが予測される. 増粘安定剤による分散系の安定化が, 粘度の著しい 増加による物質移動速度の著しい減少によるものであ ることは, すでに本連載第 1 回においてエマルション のクリーミングなどの例を挙げて解説されている [1]. その原理をここで改めて確認しておくと, 静止した流 体内において一定速度で浮上あるいは沈降している球 状粒子の速度 V [ms -1 ] は次式で与えられる. V = a (ρ s -ρ)g 9η () ここで a[m] は粒子の半径,g[ms - ] は重力加速度, ρ[kgm -3 ] は流体の密度,ρ s [kgm -3 ] は粒子の密度, η[pa s] は流体の粘度である. したがって静止した流 体内で球状粒子が一定の距離を移動するのに要する時 間, すなわち分離や沈殿が観察されるまでに要する時 間は流体の粘度に比例することになる. 食品高分子ゾ ルの粘度は, 水の粘度の数千倍, 数万倍の値を示すこ とも珍しくないため, 分離や沈殿が視認できるように なるまでの時間を相当遅らせることができる. 同じく本連載第 1 回で既出の円管内における層流に 関するハーゲン - ポアゼイユの法則によると, 長さ L [m], 内半径 R [m] の円管の出入り口の圧力差を ΔP [Pa] として定常的な層流を起こした場合の体積流 量 F [m 3 s -1 ] は次式で表される. F= πδpr 4 8ηL (3) この式からは流体の粘度 η の増加により流量が減少 することが予測される. したがって水の数千倍, 数万 倍もの粘度を示す流体を移送するためには, 相当多く のエネルギーを必要とするはずである. ところが本連 載第 5 回でも述べられている通り, 食品高分子ゾルの 多くはずり流動化を示す []. すなわち流動速度が比較 的小さい場合は粘度が非常に大きいものの, 流動速度 が増加するにつれ急激に粘度が減少するのである.Fig. 5 に示すキサンタンガムを例にすると, 流動速度が小さ い場合は体積分率の大きい局所的な網目が系内に多数 存在し流動に対して大きな抵抗を示すが, 流動速度が 増加するにつれ網目が変形したり破壊されたりするこ とによって有効体積分率が減少し, 粘度の値が減少す る. したがって粒子の浮上や沈降のような比較的速度 の遅い運動については水の数千倍, 数万倍といった非 常に大きな抵抗力が発生するが, 流体を速い速度で輸 送する場合に発生する抵抗力はせいぜい水の数倍程度

6 166 である. 3. 食品高分子ゾルの降伏応力液状食品の粘度を測定するために用いられる市販の装置の多くは, 一定の速度で試料を流動させた時に発生する応力を計測し, その値を用いて算出した粘度の値を出力するという機構を採用している. 食品高分子ゾルの粘度を数桁の範囲にわたるいくつかのずり速度において測定したところ Fig. 7 に示す結果が得られたとしよう. それぞれの粘度の値に対応するずり応力を算出した結果を Fig. 8 に示す. これらの例のように縦軸および横軸として線形軸を用いると, ずり速度の小さい領域にデータが密集してしまうので, 食品高分子ゾルの流動特性を図示する際には両対数軸を用いることが多いが, ここでは原点の座標を (0,0) として考察したいのであえて線形軸を用いた.Fig. 9 は Fig. 8 の原点 Fig. 7 Conceptual shear-thinning behavior. Fig. 8 Shear rate dependence of the shear stress calculated using the viscosity and shear rate plotted in Fig. 7. 近傍を拡大したものである. 図中の はずり応力の計 算値のうち最も小さなずり速度において得られた値を あらわしている. また点線はずり応力の計算値をずり 速度 0 へ向けて外挿して得られた仮想的な曲線である. この図からずり速度 0 におけるずり応力の値が 0 に収 束せずある有限の値となることが示唆される. この値 を降伏応力とよぶ. なぜならこの試料を流動させるに は降伏応力より大きなずり応力を与える必要があると 考えられるからである.Fig. 5 に示したキサンタンガム を再度例にすると, 降伏応力以下の大きさの応力を与 えた場合には局所的な網目同士が辺縁部で絡まり合う ことにより系内の隅から隅まで広がった網目構造が維 持されており, 弾性応答が観測される. 十分大きい応 力を与えると網目が 降伏 し, 絡まりが解けて流動 が生じる. Fig. 9 Determination of the yield stress. 前節では静止した流体内において一定速度で浮上あ るいは沈降している球状粒子の速度について考察した. ここでは静止した流体内において静止した粒子にはた らく力について考える. 粒子にはたらく浮力 f b (= 4πa 3 ρg/3)[n] と重力 f g (=4πa 3 ρ s g/3)[n] の差を粒子 の断面積 A(=πa )[m ] で割れば粒子が流体に与える 応力 σ[pa] の大きさを見積もることができる. σ= 4(ρ s-ρ)ag 3 (4) この応力の値が流体の降伏応力より小さい場合は流 体が変形できないため, 粒子の浮上もしくは沈降はまっ たく起こらないことになる. 仮に流体の密度が 1000 kgm -3, 粒子の密度が 1100 kgm -3 であるとすると σ[pa] はおよそ 10 3 a[pa] 程度となる. したがって系の 降伏応力の値が 0.1 Pa 程度であれば, 半径が 10-4 m 程 度以下の粒子は沈降しないことになる. この程度の大 きさの降伏応力を有する食品高分子ゾルは実在し, 液 状食品の分散安定化を目的として利用されている.

7 食品の水和と力学物性 167 食品高分子ゾルの流動特性を正しく理解するためには, 広いずり速度範囲, とくにずり速度の小さい領域において粘度を実測することがきわめて重要である. Fig. 9 においては高ずり速度におけるずり応力の値をずり速度 0 に向けて外挿した曲線を点線で示したが, 精度の高い装置を用いてより小さいずり速度におけるずり応力を実測すると, 図中の のような結果が得られることがある. このとき, ずり速度 0 におけるずり応力の値が 0 に収束するため降伏応力は存在しない. 降伏応力が存在しない場合にずり速度 0 近傍における粘度の値がどのような挙動を示すかについては, 各自考えてみて欲しい. 3.3 食品高分子ゲルの弾性ゲル化が起こる最低濃度より十分大きい高分子濃度を有する食品ゲルについては, その弾性率 G が濃度 C の約 乗に依存することが知られており, 濃度の変化に伴う弾性率の変化を予測することが可能である [17]. G ~C (5) Fig. 6 に示されている通り, ジェランガムゲルの網目はほぼ直線状に伸びた網目紐が両端で架橋された構造を有する. また網目紐は AFM 観察時のプローブとの接触によって大きく変形しない程度に硬いということもわかった. そこでゲル網目紐が剛直棒であり, また結び目は固く固定されているという単純な状況 (Fig. 10) を仮定すると, ゲルの弾性率は網目紐である棒の曲げ弾性率に支配されると考えられる [18]. 長さ l の棒の一端を曲げδl のたわみが起きたとすると, 曲率はδl/l 程度の大きさになる. 従って曲げ弾性率 κ, 全長 l の棒 1 本に貯蔵される弾性エネルギー E l は次式で与えられ る. E l ~ 1 δl lκ ( l ) (6) 隣接する 本の棒の間の平均距離を d とすると, 一 辺の長さ l の立方体中には l /d 本の棒があることにな る. したがって, 単位体積あたりに貯蔵されるエネル ギー E v は次式で与えられる. E v =E l l 1 ( ) l ( ) 3 (7) δl d ~κl - d - l ここで δl/l は歪を表す.E v は次式により貯蔵弾性率と 関連付けられる. E v = 1 ( ) δl G (8) l したがって, 貯蔵弾性率が次式のようにスケールさ れる. G ~κl - d - (9) さらに高分子濃度とゲル網目サイズを関連付けるた め,d~C -1/ かつ l~c -1/ という仮定をおくと,(5) 式 が得られる. ゲル網目紐が剛直でない場合, または網 目紐が剛直であるが結び目がフレキシブルな場合にも 指数の異なるべき乗則をそれぞれ導くことができる. 詳細は引用文献 [18] を御参照いただきたい. また,(9) 式を等号で結ばれた関係式として導くことも可能であ り,d や l が既知であれば G の測定値から κ が算出でき る. さらに AFM を用いれば κ を実測できる可能性もあ り, 今後の検証が待たれる. 4. まとめ Fig. 10 Schematic illustration of semiflexible strands linked rigidly. The average length of the strands and the typical distance between the strands are represented by l and d, respectively. 食品ハイドロコロイドは分散系であり, 固有の物性値を決定することは本質的に不可能である. 食品ハイドロコロイドが固有の物性値をもたないことは, 例えば流動している食品高分子ゾルの粘度が流動速度に依存する, あるいは食品高分子ゲルの弾性率が熱履歴を示す ( すなわち組成と温度を指定しただけでは弾性率の値はわからない ) といった事実にもあらわれている. 水と高分子の 成分からなる単純な食品ハイドロコロイドの力学物性を考えてみても, 純物質である水と高分子それぞれに固有の力学物性値と成分組成がわかっただけでは決定できない. 食品ハイドロコロイドについて定義できるのは, 高分子の空間配置に依存する有効物性値のみである. 微小な変形や微小な力を簡便に測定できる装置や動的測定の可能な装置が普及してきたことにより, 食品の力学物性については以前とは比べ物にならないほど精緻な測定が容易に行えるようになった. このことは食品の力学物性に関する研究が隆盛を極めるという結

8 168 果をもたらしたが, その殆どが物性の挙動から構造を推定しようとする研究であり, 実際の食品の構造についての理解はあまり進んでいない. AFM や高輝度散乱法などの技術の進歩により, 以前は物性の挙動から推測するしかなかった食品ハイドロコロイドの分散構造を物性とは独立に計測することがようやく可能になってきた. 食品の構造についての知識が在れば, それが例え定性的なものであったとしても, より現実に即した食品物性の予測が可能であり, 食品の製造や開発において不測の事態が生じる可能性を低減できると考えられる. 引用文献 1) H. Kumagai, H. Kumagai, T. Hagiwara; Physical Properties of Foods and Effect of Water on Them I Physical Properties and Water in Food Engineering (in Japanese), Japan J. Food Eng., 9, (008). ) H. Kumagai, H. Kumagai; Physical Properties of Foods and Effect of Water on Them V Rheology and Food Engineering (in Japanese), Japan J. Food Eng., 10, (009). 3) H. Kumagai, H. Kumagai, M. Takada; Introduction to Food Engineering: Basic Theory on Food Manufacturing and Preservation (Shokuhinkogaku Nyumon: Shokuhin no seizo-hozo no kangaekata) (in Japanese), I & K Corporation, Tokyo, Japan, ) S. E. Hill, D. A. Ledward, J. R. Mitchell, eds.; Functional Properties of Food Macromolecules, Aspen Publishers, Inc., Maryland, ) S. Ikeda, E. C. Y. Li-Chan; Raman spectroscopy of heatinduced fine-stranded and particulated β-lactoglobulin gels. Food Hydrocolloids, 18, (004). 6) V. J. Morris, A. R. Kirby, A. P. Gunning; Atomic Force Microscopy for Biologists, Imperial College Press, London, ) S. Ikeda, V. J. Morris, K. Nishinari; Microstructure of aggregated and nonaggregated κ-carrageenan helices visualized by atomic force microscopy. Biomacromolecules,, (001). 8) S. Ikeda, V. J. Morris; Fine-stranded and particulate aggregates of heat-denatured whey proteins visualized by atomic force microscopy. Biomacromolecules, 3, (00). 9) S. Ikeda, Y. Nitta, B. S. Kim, T. Temsiripong, R. Pongsawatmanit, K. Nishinari; Single-phase mixed gels of xyloglucan and gellan. Food Hydrocolloids, 18, (004). 10) S. Ikeda, Y. Nitta, T. Temsiripong, R. Pongsawatmanit, K. Nishinari; Atomic force microscopy studies on cationinduced network formation of gellan. Food Hydrocolloids, 18, (004). 11) S. Ikeda, Y. Shishido; Atomic force microscopy studies on heat-induced gelation of curdlan. J. Agric. Food Chem. 53, (005). 1) S. Ikeda, T. Funami, G. Zhang; Visualizing surface active hydrocolloids by atomic force microscopy. Carbohydr. Polym. 6, (005). 13) K. Nishinari, K. Kohyama, P. A. Williams, G. O. Phillips, W. Burchard, K. Ogino; Solution properties of pullulan. Macromolecules, 4, (1991). 14) T. Matsumoto; Rheology of Dispersed Systems (Bunsankei no Reoroji) (in Japanese), Kohbunshikankohkai, Kyoto, ) I. Capron, G. Brigand, G. Muller; Thermal denaturation and renaturation of a fermentation broth of xanthan: rheological consequences. Int. J. Biol. Macromolecules, 3, 15-5 (1998). 16) H.-C. Lee, D. A. Brant; Rheology of concentrated isotropic and anisotropic xanthan solutions: 3. Temperature dependence. Biomacromolecules, 3, (00). 17) T. Ya n o ; F u n d a m e n t a l s o f F o o d E n g i n e e r i n g (Shokuhinkogaku no Kiso) (in Japanese), Korin, Tokyo, 199, p.. 18) C. Joly-Duhamel, D. Hellio, A. Ajdari, M. Djabourov; All gelatin networks:. The master curve of elasticity. Langmuir, 18, (00). 要旨多糖やタンパク質といった食品高分子が水和して形成される食品ハイドロコロイドの構造と力学物性について解説した. 食品高分子ゾルが流動する際には流動速度の増加に応じて粘度が減少する ずり流動化 を示すことが多いが, その原因は流動に伴う食品高分子の 3 次元構造の変化である. 流動速度が低い場合に観測される高い粘度は, ゾルに分散した不溶性の粒子の浮上もしくは沈降を遅らせるのに有効である. ゾルそのものを移送する場合には流動速度を増加させれば水と同程度まで粘度を減少できる. 食品高分子ゾルは降伏応力を有する場合があり, 降伏応力の大きさが十分大きければ不溶性粒子の浮上もしくは沈降は起こらない. 原子間力顕微鏡観察により明らかとなったジェランガムゲルの網目構造は, 複数の分子鎖が会合して形成された剛直棒状の網目紐が両端で架橋された構造であり, エントロピー弾性とは異なる機構により弾性が発現すると考えられる.

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