第 5 回日本ヘルニア学会学術集会 特別セッション 会長講演 6 月 2 日 ( 金 ) :40 ~ 2:00 第 会場 ( 天空センター ) 座長 : 聖路加国際病院 櫻井健司 SP- たかがヘルニア されどヘルニア Dedication to Hernia Surgery 吉田 和彦 東京慈恵会
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- あまめ みやまる
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2 特別セッション
3 第 5 回日本ヘルニア学会学術集会 特別セッション 会長講演 6 月 2 日 ( 金 ) :40 ~ 2:00 第 会場 ( 天空センター ) 座長 : 聖路加国際病院 櫻井健司 SP- たかがヘルニア されどヘルニア Dedication to Hernia Surgery 吉田 和彦 東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター外科 955 年 神奈川県生まれ 974 年 神奈川県立横浜翠嵐高校卒業 980 年 東京慈恵会医科大学医学部卒業 980 年 -984 年 国家公務員共済組合虎ノ門病院外科研修医 / レジデント 984 年 -993 年 東京慈恵会医科大学第一外科学教室助手 986 年 癌研究会付属病院外科医員 987 年 -988 年 Memorial Sloan-Kettering Cancer Center 外科 fellow 993 年 年 東京慈恵会医科大学第一外科学教室講師 2000 年 年 東京慈恵会医科大学外科学講座助教授 2004 年 - 東京慈恵会医科大学附属青戸病院 ( 現葛飾医療センター ) 外科診療部長 2004 年 - 東京慈恵会医科大学附属青戸病院 ( 現葛飾医療センター ) 副院長 2007 年 - 東京慈恵会医科大学外科学講座教授 主な所属学会 役職 認定医 専門医 指導医 日本ヘルニア学会 : 理事 国際委員会委員長 評議員日本外科学会 : 指導医 専門医日本消化器外科学会 : 専門医日本内視鏡外科学会 : 評議員 技術認定 ( 消化器 一般外科 ) 日本胸部外科学会 : 認定医日本乳癌学会 : 専門医日本臨床外科学会 : 評議員日本外科系連合学会 : 編集委員 評議員日本肝胆膵外科学会 : 評議員 American College of Surgeons :Fellow Japan Chapter Secretary - 2 -
4 SP- たかがヘルニア されどヘルニア Dedication to Hernia Surgery 吉田 和彦 東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター 外科 本講演では 最近約30年間のヘルニア診療の変遷を俯瞰し わが国におけるヘルニア治療の問 題点と将来のあり方について述べたい 私が卒業した980年には 成人男性鼠径部ヘルニアの手術はすべて組織縫合法であり 欧 米 で のgold standardはshouldice法 で あ っ た Forcused Factory と 呼 ば れ たShouldice Clinicでは ヘルニア手術のみを行う数名外科医と自動化された手順により 再発率は 以下 が達成された 990年代から 腹腔鏡下ヘルニア修復術の普及もあり 緊張のないメッシュ法が組織縫合に 置き換わった さらに myopectineal orificeを覆うことにより再発が最小化される術式が好 まれるようになった わが国ではKugel Plug TIPP Direct Kugel Bylayer法など 複数 の鼠径部切開法による腹膜前修復法が短期間に導入された 一方 欧米での鼠径部切開法メッ シュ法のgold standardはlichtenstein法である 206年 にThe HerniaSurge Groupよ り 出 さ れ た World Guidelines for Groin Hernia Management World Guidelines では Lichtenstein法 あるいはTEP TAPPのいずれ かを推奨しており 両者の技術を有していることが望ましいとしている また 鼠径部切開法 後の再発には後方からのアプローチを 後方からのアプローチでの再発後には 鼠径部切開法 を薦めている Focused Factoryと呼べる施設では 慣れた術式を高い再現性を持って行うことにより 再発 率 以下に抑えることは可能である 一方 日本で年間5万件に及ぶ鼠径部ヘルニア手術の 全てを担当することはできない また TEPとTAPPの施行割合は現在 3割程度と報告されて おり 全てを腹腔鏡下手術で行うことも困難である わが国全体で再発率 以下 慢性疼痛も含めた合併症の最小化の達成を考えた場合 一般病 院では 前方アプローチはLichtenstein 後方アプローチはTEP TAPPをstandardとする ことが現実的な選択と考える -3-
5 特別セッション 2 学会特別企画 鼠径部各術式考案者へのオマージュ non-mesh 原法継承者による模範手技 Marcy, MacVay, Bassini, Shouldice IPTR? 6月2日 金 4:00 4:50 第1会場 天空 センター 座長 新板橋クリニック 村立東海病院 SP2- 鼠径部各術式考案者へのオマージュ Marcy 法 坂本 東京慈恵会医科大学附属病院 200年 東京慈恵会医科大学 医学部医学科 卒業 同年より 東京慈恵会医科大学附属病院研修医 2006年 東京慈恵会医科大学 外科入局 以後 附属 関連病院勤務 203年 がん研有明病院 肝胆膵外科 204年 東京慈恵会医科大学附属病院 勤務 肝胆膵外科医員 専門 肝胆膵外科領域全般 資格 肝胆膵外科高度技能専門医 -4- 太郎 肝胆膵外科 冲永 坂本 功太 昌義
6 SP2- 鼠径部各術式考案者へのオマージュ 坂本 太郎 三澤 健之 2 吉田 和彦 3 矢永 Marcy 法 勝彦 4 東京慈恵会医科大学附属病院 肝胆膵外科 2 東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科 3 東京慈恵会医科大学附属葛飾医療セン ター 外科 4 東京慈恵会医科大学附属病院 消化器外科 In 87 I first published in the Boston Medical and Surgical Journal two cases, operated upon by me in the previous year, in which I closed the ring with interrupted sutures of carbolized cagut H.O. Marcy, 88 Henry Orlando MARCY は ハ ー バ ー ド 大学医学部を卒業後 ドイツではDr.Virchowに師事し 渡英後はcatgutの開発で知られる Dr.Listerのもと 外傷への消毒に関する研究と共に外科医としてのキャリアを開始した 彼 は87年 世界で初めてcatgutを血管以外の結紮に使用し 良好な術後経過を得た旨の論 文を発表している この際の術式は直接鼠径ヘルニア嵌頓に対する外鼠径輪縫縮術であった が 892年に彼が発表した The Anatomy and Surgical Treatment of Hernia において は 内鼠径輪を縫縮するイラストが掲載されているのである この枚のイラストをもって 間接鼠径ヘルニアのヘルニア門は内鼠径輪であり これを縫縮する重要性を最初に提唱したの はMarcyであるとされているが この説には異論も多い いずれにせよ このような歴史を もって 内鼠径輪の縫縮がMarcy法と定義されている 近代ヘルニア学の父と位置付けられる Edoardo BassiniはMarcyの講演を聴講した際 主題のcatgutよりもヘルニア修復の理論に注 目し これを祖国イタリアで発展させたとの見解もある いわゆる従来法の中において 現在 も術式選択の一つとして現役であるMarcy法について 誕生の背景 適応 術式を含めて紹介 する -5-
7 第 5 回日本ヘルニア学会学術集会 特別セッション 2 学会特別企画 : 鼠径部各術式考案者へのオマージュ (non-mesh): 原法継承者による模範手技 ~ Marcy, MacVay, Bassini, Shouldice,IPTR? 6 月 2 日 ( 金 ) 4:00 ~ 4:50 第 会場 ( 天空センター ) 座長 : 新板橋クリニック村立東海病院 冲永功太坂本昌義 SP2-2 Bassini 法 柵瀨 信太郎聖路加国際病院 - 6 -
8 第 5 回日本ヘルニア学会学術集会 特別セッション 2 学会特別企画 : 鼠径部各術式考案者へのオマージュ (non-mesh): 原法継承者による模範手技 ~ Marcy, MacVay, Bassini, Shouldice,IPTR? 6 月 2 日 ( 金 ) 4:00 ~ 4:50 第 会場 ( 天空センター ) 座長 : 新板橋クリニック村立東海病院 冲永功太坂本昌義 SP2-3 IPTR(Iliopubic tract repair) 吉田 和彦 東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター外科 955 年 神奈川県生まれ 974 年 神奈川県立横浜翠嵐高校卒業 980 年 東京慈恵会医科大学医学部卒業 980 年 -984 年 国家公務員共済組合虎ノ門病院外科研修医 / レジデント 984 年 -993 年 東京慈恵会医科大学第一外科学教室助手 986 年 癌研究会付属病院外科医員 987 年 -988 年 Memorial Sloan-Kettering Cancer Center 外科 fellow 993 年 年 東京慈恵会医科大学第一外科学教室講師 2000 年 年 東京慈恵会医科大学外科学講座助教授 2004 年 - 東京慈恵会医科大学附属青戸病院 ( 現葛飾医療センター ) 外科診療部長 2004 年 - 東京慈恵会医科大学附属青戸病院 ( 現葛飾医療センター ) 副院長 2007 年 - 東京慈恵会医科大学外科学講座教授 主な所属学会 役職 認定医 専門医 指導医 日本ヘルニア学会 : 理事 国際委員会委員長 評議員日本外科学会 : 指導医 専門医日本消化器外科学会 : 専門医日本内視鏡外科学会 : 評議員 技術認定 ( 消化器 一般外科 ) 日本胸部外科学会 : 認定医日本乳癌学会 : 専門医日本臨床外科学会 : 評議員日本外科系連合学会 : 編集委員 評議員日本肝胆膵外科学会 : 評議員 American College of Surgeons :Fellow Japan Chapter Secretary - 7 -
9 SP2-3 IPTR 吉田 (Iliopubic tract repair) 和彦 東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター 外科 Posterior Preperitoneal iliopubic tract repair IPTR を 考 案 し たDr. Nyhusと Anterior The IPTRを提唱したDr. Condonは University of WashingtonのDr. Hawkinsの門下生で Seattle Group として ヘルニアと消化性潰瘍に関する多くの業績を残した IPRの解剖に関しては諸説あるが Dr. Condonによれば 上前腸骨棘から腸恥筋膜弓を経て恥 骨へ向かう策状物で 内腹斜筋と腹横筋が鼠径部で癒合することにより形成される PIPTRは鼠径管を開けないで後方 腹膜前 から修復する方法で 進入路としては Kugel法に 近い Dr. Nyhusはヘルニアの種類により 縫合する組織を変えている 小さな外鼠径ヘルニ アに対しては 横筋筋膜と腹横筋腱膜を精索の内側のIPTとを 精索の外側は横筋筋膜とIPTを 縫合する 内側鼠径ヘルニアに対しては 横筋筋膜と腹横筋腱膜をIPTに縫合する 大腿ヘル ニアに対しては IPTをCooper靭帯に縫合する AIPTRは まず横筋筋膜を切開し 腹横筋腱膜並びに横筋筋膜 さらには腹横筋腱膜弓 さら にはIPTを露出した後 内側より外側に向けて結節縫合する 私は主にAIPTRを行なったが IPTに関する解剖学的認識が高まったのは むしろTAPPを導 入してからであった 後壁補強にIPTを用いることに着眼したDr. NyhusとDr. Condonの慧眼 に深い敬意を表すとともに さらにその解剖学は 現在の腹腔鏡下修復術にも生きていること を実感する次第である -8-
10 特別セッション 2 学会特別企画 鼠径部各術式考案者へのオマージュ non-mesh 原法継承者による模範手技 Marcy, MacVay, Bassini, Shouldice IPTR? 6月2日 金 4:00 4:50 第1会場 天空 センター 座長 新板橋クリニック 村立東海病院 SP2-4 歴 歴 学 位 専門医等 評議員 学会委員等 所属学会 功太 昌義 ヘルニア診療における MacVay 法の位置付け 慶應義塾大学病院 学 職 冲永 坂本 和田 則仁 一般 消化器外科 平成 4 年 992年 3月 慶應義塾大学医学部 卒業 平成 4 年 992年 4月 東海大学医学部地域 環境保健系 地域保健学部門 現 公衆衛生学 奨励研究員 同 助手 平成 5 年 993年 4月 平成 7 年 995年 5月 慶應義塾大学病院 研修医 外科 平成 8 年 996年 5月 練馬総合病院 出向 平成 9 年 997年 5月 国立霞ヶ浦病院 現 霞ヶ浦医療センター 出向 専修医 平成0年 998年 5月 慶應義塾大学医学部外科学教室 一般 消化器外科 専修医 国立病院機構 東京医療センター 外科 平成3年 200年 5月 平成7年 2005年 0月 慶應義塾大学医学部外科学教室 一般 消化器外科 助教 同 専任講師 現在に至る 平成24年 202年 4月 平成7年 2005年 医学博士 慶應義塾大学 外科専門医 2002年2月 消化器外科専門医 2007年月 消化器病専門医 2003年月 消化器内視鏡専門医 2003年2月 日本内視鏡外科学会技術認定取得医 2006年月 日本がん治療認定医機構暫定教育医 2007年8月 がん治療認定医 2008年9月 消化器がん外科治療認定医 2008年3月 米国外科学会正会員 FACS 2007年0月 日本消化器外科学会 日本内視鏡外科学会 日本コンピュータ外科学会 日本消化器病学会 日本消化器内視鏡学会 日本胃癌学会 日本創傷治癒学会 日本腹部救急医学会 日本ヘルニア学会 日本内視鏡外科学会 学術委員会委員 医工学連携委員会委員 ガイドライン委員会領域分科会鼠径ヘルニア担当委員 日本消化器内視鏡学会 和文誌編集委員会査読委員 日本腹部救急医学会 総務委員会委員 日本コンピュータ外科学会 運営委員会副委員長 財務委員会副委員長 日本ヘルニア学会 学会誌委員会委員 ガイドライン委員会委員 保険委員会委員 デジタル フォレンジック研究会 理事 万国外科学会 日本支部 事務局長 日本創傷治癒学会 理事 財務委員会委員長 規約委員会委員 広報編集委員会委員 関連学会協議委員会委員 日本医工ものづくりコモンズ 幹事 外科系学会社会保険委員会連合 外保連 手術委員 医療技術の新しい評価軸検討ワーキンググループ委員 日本外科学会 認定医 専門医 指導医 日本消化器外科学会 専門医 指導医 評議員 日本内視鏡外科学会 技術認定取得医 評議員 日本コンピュータ外科学会 評議員 日本臨床外科学会 日本外科系連合学会 日本ヘルニア学会 評議員 学会誌委員会委員 ガイドライン委員会委員 日本腹腔鏡下ヘルニア手術手技研究会 世話人(幹事) 日本短期滞在外科手術研究会 日本消化器病学会 専門医 指導医 学会評議員 日本消化器内視鏡学会 専門医 指導医 学術評議員 日本癌学会 日本癌治療学会 日本消化器癌発生学会 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 暫定教育医 日本胃癌学会 評議員 GIST研究会 会員 関東腹腔鏡下胃切除研究会 施設会員 胃外科 術後障害研究会 施設会員 単孔式内視鏡手術研究会 世話人 J-CASE(NOTES)研究会 施設会員 日本食道学会 日本がん転移学会 日本腹部救急医学会 評議員 総務委員会委員 日本外科感染症学会 日本創傷治癒学会 評議員 理事 日本結合組織学会 マトリックス研究会 デジタル フォレンジック研究会 理事 日本VR医学会 日本遠隔医療学会 日本医工ものづくりコモンズ 幹事 日本緩和医療学会 外科系学会社会保険委員会連合 外保連 手術委員 医療技術の新しい評価軸検討ワーキンググループ委員 American College of Surgeons (米国外科学会) Fellow 正会員 Society of American Gastrointestinal and Endoscopic Surgeons (米国消化器内視鏡外科学会) 会員 American Hernia Society (米国ヘルニア学会) 会員 International Society of Surgery (ISS/SIC) (万国外科学会) 会員 万国外科学会日本支部 事務局長 International Gastric Cancer Association (国際胃癌学会) 会員 International Association for Ambulatory Surgery (国際日帰り手術学会) 役員 -9-
11 SP2-4 ヘルニア診療における MacVay 法の位置付け 和田 則仁 古川 俊治 北川 雄光 慶應義塾大学病院 一般 消化器外科 はじめに Chester Bidwell McVay (9-987) はミシガン大学の講師であった94年に ヘルニア手術において横筋筋膜をCooper靭帯に縫縮することの重要性を報告した 米陸軍で の兵役の後 946年からサウスダコタ大学医学部外科学 臨床解剖学に移り 教授職を退職 するまでの間 鼠径部の解剖およびヘルニアの臨床を専門として数多くの業績を残し 彼の術 式はMcVay法として歴史にその名を刻むものとなった 対象と方法 McVay法に関して文献的考察を行った 結果 重要な文献として Ann Surg. 94, 3(6): -2. 手術. 980, 34(8): が検索された 考察 我が国にMesh Plug PHSといったメッシュ法が導入されるまで McVay法は根治性の 高い術式として多くの施設で標準的に行われる術式の1つであった 医中誌の検索では980 年よりMcVay法の記載が認められる それ以前より我が国においても本法が広く実施されてい たと考えられるが 実施数等の統計はみられない McVay法は まず腹横筋腱膜をCooper靭 帯に縫合する 次いで外腸骨静脈の3-4mm内側からtransition sutureとして 腹横筋腱膜と 大腿血管鞘を さらにiliopubic tractを内鼠径輸が適切な径となるように縫合していく 鼠径 管と腹膜前腔の解剖を理解していれば 施術可能といえるが 実際には健常な後壁を過剰なテ ンションをきたすことなく Cooper靭帯へ安全に運針するには一定の経験を要する メッシュ 法が標準術式となった現在 若手外科医に本術式を伝承していくことは容易ではない 本法を 含めた非メッシュ法の今日的位置づけを施設ごとに明確にする必要があると考えられる - 0 -
12 特別セッション 2 学会特別企画 鼠径部各術式考案者へのオマージュ non-mesh 原法継承者による模範手技 Marcy, MacVay, Bassini, Shouldice IPTR? 6月2日 金 4:00 4:50 第1会場 天空 センター 座長 新板橋クリニック 村立東海病院 SP2-5 歴 歴 学 位 専門医等 評議員 学会委員等 所属学会 功太 昌義 ヘルニア診療における Shouldice 法の位置付け 慶應義塾大学病院 学 職 冲永 坂本 和田 則仁 一般 消化器外科 平成 4 年 992年 3月 慶應義塾大学医学部 卒業 平成 4 年 992年 4月 東海大学医学部地域 環境保健系 地域保健学部門 現 公衆衛生学 奨励研究員 同 助手 平成 5 年 993年 4月 平成 7 年 995年 5月 慶應義塾大学病院 研修医 外科 平成 8 年 996年 5月 練馬総合病院 出向 平成 9 年 997年 5月 国立霞ヶ浦病院 現 霞ヶ浦医療センター 出向 専修医 平成0年 998年 5月 慶應義塾大学医学部外科学教室 一般 消化器外科 専修医 国立病院機構 東京医療センター 外科 平成3年 200年 5月 平成7年 2005年 0月 慶應義塾大学医学部外科学教室 一般 消化器外科 助教 同 専任講師 現在に至る 平成24年 202年 4月 平成7年 2005年 医学博士 慶應義塾大学 外科専門医 2002年2月 消化器外科専門医 2007年月 消化器病専門医 2003年月 消化器内視鏡専門医 2003年2月 日本内視鏡外科学会技術認定取得医 2006年月 日本がん治療認定医機構暫定教育医 2007年8月 がん治療認定医 2008年9月 消化器がん外科治療認定医 2008年3月 米国外科学会正会員 FACS 2007年0月 日本消化器外科学会 日本内視鏡外科学会 日本コンピュータ外科学会 日本消化器病学会 日本消化器内視鏡学会 日本胃癌学会 日本創傷治癒学会 日本腹部救急医学会 日本ヘルニア学会 日本内視鏡外科学会 学術委員会委員 医工学連携委員会委員 ガイドライン委員会領域分科会鼠径ヘルニア担当委員 日本消化器内視鏡学会 和文誌編集委員会査読委員 日本腹部救急医学会 総務委員会委員 日本コンピュータ外科学会 運営委員会副委員長 財務委員会副委員長 日本ヘルニア学会 学会誌委員会委員 ガイドライン委員会委員 保険委員会委員 デジタル フォレンジック研究会 理事 万国外科学会 日本支部 事務局長 日本創傷治癒学会 理事 財務委員会委員長 規約委員会委員 広報編集委員会委員 関連学会協議委員会委員 日本医工ものづくりコモンズ 幹事 外科系学会社会保険委員会連合 外保連 手術委員 医療技術の新しい評価軸検討ワーキンググループ委員 日本外科学会 認定医 専門医 指導医 日本消化器外科学会 専門医 指導医 評議員 日本内視鏡外科学会 技術認定取得医 評議員 日本コンピュータ外科学会 評議員 日本臨床外科学会 日本外科系連合学会 日本ヘルニア学会 評議員 学会誌委員会委員 ガイドライン委員会委員 日本腹腔鏡下ヘルニア手術手技研究会 世話人(幹事) 日本短期滞在外科手術研究会 日本消化器病学会 専門医 指導医 学会評議員 日本消化器内視鏡学会 専門医 指導医 学術評議員 日本癌学会 日本癌治療学会 日本消化器癌発生学会 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 暫定教育医 日本胃癌学会 評議員 GIST研究会 会員 関東腹腔鏡下胃切除研究会 施設会員 胃外科 術後障害研究会 施設会員 単孔式内視鏡手術研究会 世話人 J-CASE(NOTES)研究会 施設会員 日本食道学会 日本がん転移学会 日本腹部救急医学会 評議員 総務委員会委員 日本外科感染症学会 日本創傷治癒学会 評議員 理事 日本結合組織学会 マトリックス研究会 デジタル フォレンジック研究会 理事 日本VR医学会 日本遠隔医療学会 日本医工ものづくりコモンズ 幹事 日本緩和医療学会 外科系学会社会保険委員会連合 外保連 手術委員 医療技術の新しい評価軸検討ワーキンググループ委員 American College of Surgeons (米国外科学会) Fellow 正会員 Society of American Gastrointestinal and Endoscopic Surgeons (米国消化器内視鏡外科学会) 会員 American Hernia Society (米国ヘルニア学会) 会員 International Society of Surgery (ISS/SIC) (万国外科学会) 会員 万国外科学会日本支部 事務局長 International Gastric Cancer Association (国際胃癌学会) 会員 International Association for Ambulatory Surgery (国際日帰り手術学会) 役員 - -
13 SP2-5 ヘルニア診療における Shouldice 法の位置付け 和田 則仁 古川 俊治 北川 雄光 慶應義塾大学病院 一般 消化器外科 はじめに 現在 鼠径部ヘルニアに対する修復術ではメッシュ法が標準手技に位置付けられて いる カナダのShouldice Hospitalでは現在も原則として非メッシュ法であるShouldice法を 標準術式としており 成功率99.5%を誇る 対象と方法 Shouldice法に関して文献的考察を行った 結果 重要な文献として European Hernia Society guidelines on the treatment of inguinal hernia in adult patients (2009, rev. 204) 鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 205 が検索 された 考察 Shouldice法は Dr. Edward Earle Shouldice ( ) により第二次世界大戦 中に開発された非メッシュ法である 彼は戦 後間もなくShouldice病院を設立しヘルニア診療を開始したが 良好な成績により数多くの患 者が訪れるようになり次第に規模を拡大していった 現在は従業員50名と5つのヘルニア専 用手術室を擁する89床の病院となっている ESHのヘルニアガイドラインでは非メッシュ法で はShouldice法を用いるべきであるとしている これはランダム化比較試験を含む数多くのエ ビデンスに基づく推奨である しかしこれはShouldice法に習熟した外科医による手術で示さ れたものであり 直ちに一般外科医による日常臨床では実施できるものではない わが国では 本術式を採用しているエキスパートはなく 実施数も少ないことから 日本のガイドラインで も明確な推奨はない 若手外科医にとって非メッシュ法に接する機会がほとんどない中 本術 式の普及は極めて困難な状況にある - 2 -
14 特別セッション 3 学会特別企画 鼠径部各術式考案者へのオマージュ メッシュリペアー 原法継承者による模範手技 Lichtenstein, Mesh-plug, Kugel, PHS, ONSTEP 6月2日 金 4:55 5:55 第1会場 天空 センター 座長 公益財団法人 日産厚生会玉川病院 東京ヘルニアセンター 執行クリニック SP3- Lichtenstein 法 渡部 和巨 東京西徳洲会病院 学歴 職歴 受賞歴 985年 旭川医科大学卒業 同年 茅ヶ崎徳洲会病院 現 湘南藤沢徳洲会病院 入職 99年 外科チーフ レジデント終了 同年 湘南鎌倉病院 現 湘南鎌倉総合病院 入職 992年 国立がんセンター 現 国立がん研究センター中央病院 研修 994年 米国研修 996年 第55回日本気胸研究会 現 日本気胸 嚢胞性肺疾患学会 会長 998年 外科部長 200年より呼吸療法セミナー in湘南を毎年開催 2006年 副院長 2008年 茅ヶ崎徳洲会総合病院 現湘南藤沢徳洲会病院 院長代行兼務 203年まで 2009年 第五回日本短期滞在外科手術研究会副会長 AARC American Association for Respiratory Care から Hector Leon Garza, MD International Achievement Award 国際功労賞 受賞 204年 206年 東京西徳洲会病院院長 医療法人徳洲会常務理事兼務 所属学会 日本外科学会 指導医 専門医 日本医工学治療学会呼吸器分科会 会長 AARC 米国呼吸療法学会 ICRC 国際部会 日本代表executive committee 日本気胸 嚢胞性肺疾患学会 理事 日本ヘルニア学会 理事 日本内視鏡外科学会 評議員 日本短期滞在外科手術研究会 日本呼吸器外科学会 日本胸部外科学会 世話人 中嶋 執行 昭 友成
15 SP3- Lichtenstein 法 渡部 和巨 東京西徳洲会病院 Lichtenstein法は筋肉 筋膜を重ね合わせる従来のBassini法やMcVay法に較べ 術後の鼠径 部がtension-free又はtension-lessのため 術後 安静臥床せず 速やかに離床できる長所 がある その他の術式として ①mesh plug法や②腹膜前腔にメッシュを敷くことが正しい ように謳われているProlene-Hernia System法 Kugel法 modified Kugel direct Kugel 法などのanterior approachとtapp TEPのposterior approachがある ②は機能的には Lichtenstein法となんら変わりなく腹膜前腔操作に付随する様々な合併症を含めた出来事を考 えると Lichtenstein法は鼠径ヘルニアの様々なvariationにも対応できる基本的ではあるが実 際的な手術手技であり 誰が どこで どのくらいの症例を 教育を含めて おこなうのかと 考えたとき Lichtenstein法が最も実際的である 死体解剖で得る知識は大切である しかし 実際の症例で体験する鼠径ヘルニアの状況は千差万別であり その解剖をどのようにして 患 者に不利益なく学び治療し次に活かすかを考えた時 Lichtenstein法に勝るものはない この 方法に習熟することによって 鼠径ヘルニアを識ることができる 鼠径ヘルニア手術の基本で あり世界の多くの外科医が認める手術である 手術過程において患者各々のヘルニアの状態が しっかりと把握できるこの方法は初心者から熟練者まで広くおこなわれるべき標準術式かつ pricision procedureである - 4 -
16 特別セッション 3 学会特別企画 鼠径部各術式考案者へのオマージュ メッシュリペアー 原法継承者による模範手技 Lichtenstein, Mesh-plug, Kugel, PHS, ONSTEP 6月2日 金 4:55 5:55 第1会場 天空 センター 座長 公益財団法人 日産厚生会玉川病院 東京ヘルニアセンター 執行クリニック 腹膜前筋膜浅葉と神経痛症回避を 意識した Mesh-plug 法 SP3-2 蜂須賀 丈博 市立四日市病院 出 身 地 愛知県 履 978年4月 名古屋大学医学部入学 984年3月 名古屋大学医学部卒業 歴 一宮市 5月 医師国家試験合格 6月 一宮市立市民病院外科勤務 988年4月 名古屋大学大学院外科学第二入学 992年3月 993年1月 書 医学博士取得 市立四日市病院外科勤務 2004年4月 同 中央手術部長 205年4月 同 臨床研修部長 206年4月 同 外科部長 207年4月 同 診療部長 現在 著 同卒業 診療部長 臨床研修部長 Surgical Clinics of North America 2003 Hernia Repair Chapter Femoral Hernia 論 文 ヘルニアに関する論文多数 臍部ジグザグ切開法に関する論文など 専門分野 一般外科 特に ソケイヘルニアなど 臓器移植 特に 腎移植 資 格 等 名古屋大学医学部大学院 日本外科学会指導医 医学博士 専門医 日本消化器外科学会指導医 専門医 日本臓器移植ネットワーク会員 日本ヘルニア学会 理事 ガイドライン委員会 日本ヘルニア学会東海地方会 東海内視鏡外科研究会 代表世話人 世話人 委員長 中嶋 執行 昭 友成
17 SP3-2 腹膜前筋膜浅葉と神経痛症回避を意識した Mesh-plug 法 蜂須賀 丈博 市立四日市病院 はじめに 鼠径ヘルニアの手術法はメッシュを用いるTension-free法が主流となり 本邦で はplug法が最も普及してきた しかし導入当初膜の構造を十分に理解されないまま手術が普及 し 再発や慢性疼痛などの合併症をきたした歴史がある 我々はプラグ法において再発を防止 するための腹膜前筋膜浅葉の全周性剥離と神経痛症を回避するための工夫を行ってきた 今回 5000例に及ぶ経験から生まれた方法について発表する 手術のポイント 1 精索のテーピング時に 必ず陰部大腿神経陰部枝も一緒にテーピングす る 指でその最背側の陰部大腿神経陰部枝を確認する 2 内精筋膜を切開し 開放すること なくヘルニア嚢を剥離する 横筋筋膜の全周性剥離に加え 腹膜前筋膜浅葉を同定し同様に全 周性剥離し 高位剥離を完成する 3 Plugを腹膜前腔に留置し 横筋筋膜 腹膜前筋膜浅葉 に針固定する この際"air knot"を行う 4 恥骨前面を2横指用手的に剥離しonlay patch を鼠径管後壁に留置する 内側が恥骨と腹横筋腱膜弓まで広がっていれば onlay patchを固 定しない まとめ Mesh-plug法においても 膜構造を十分に理解した手術手技を行う必要があり これ により再発や神経痛症などを最小限の手術で防止可能である 依然Ⅰ型鼠径ヘルニアの最も有 用な手術手技と考える - 6 -
18 第 5 回日本ヘルニア学会学術集会 特別セッション 3 学会特別企画 : 鼠径部各術式考案者へのオマージュ ( メッシュリペアー ): 原法継承者による模範手技 ~ Lichtenstein, Mesh-plug, Kugel, PHS, ONSTEP 6 月 2 日 ( 金 ) 4:55 ~ 5:55 第 会場 ( 天空センター ) 座長 : 公益財団法人日産厚生会玉川病院中嶋昭東京ヘルニアセンター執行クリニック執行友成 SP3-3 Baylayer 法 柵瀨 信太郎聖路加国際病院 - 7 -
19 特別セッション 3 学会特別企画 鼠径部各術式考案者へのオマージュ メッシュリペアー 原法継承者による模範手技 Lichtenstein, Mesh-plug, Kugel, PHS, ONSTEP 6月2日 金 4:55 5:55 第1会場 天空 センター 座長 公益財団法人 日産厚生会玉川病院 東京ヘルニアセンター 執行クリニック SP3-4 中嶋 執行 原法にこだわった Kugel 法 埼玉医科大学国際医療センター 小山 勇 消化器外科 現職 埼玉医科大学国際医療センター 病院長 埼玉医科大学国際医療センター消化器外科 学歴 東京医科歯科大学医学部 職歴 昭和52年 4 月 昭和56年 4 月 昭和57年 4 月 昭和60年 7 月 平成 6 年 2 月 平成2年0月 平成3年 6 月 平成6年 8 月 平成9年 4 月 学位 医学博士 資格など 日本外科学会指導医 専門医 認定医 日本消化器外科学会指導医 専門医 日本肝胆膵外科学会高度技能指導医 消化器がん外科治療認定医 日本移植学会認定医 日本臨床腎移植学会認定医 日本がん治療認定医機構 暫定教育医 日本外科感染症学会外科周術期感染管理認定医 教育医 ICD Infection Control Doctor 診療情報管理士 医療安全管理者研修修了 教授 昭和52年3月卒業 三井記念病院外科レジデント 三井記念病院外科チーフレジデント Johns Hopkins大学外科Research Feow 埼玉医科大学第一外科講師 埼玉医科大学第一外科助教授 埼玉医科大学第一外科教授 埼玉医科大学消化器 一般外科教授 埼玉医科大学病院 副院長 管理 運営担当 埼玉医科大学国際医療センター 副院長 管理 運営担当 包括的がんセンター 消化器病センター長 平成23年3月まで 肝胆膵外科診療科長 平成26年3月まで 消化器外科教授 現在に至る 平成23年 4 月 埼玉医科大学国際医療センター 病院長 現在に至る 学会活動など 日米医学医療交流財団理事 日本外科学会代議員 日本消化器外科学会評議員 日本肝胆膵外科学会評議員 日本外科感染症学会理事 日本手術医学会評議員 日本静脈経腸栄養学会学術評議員 日本外科系連合学会評議員 日本ヘルニア学会理事 日本臨床腎移植学会評議員 埼玉医科大学評議員 埼玉県医師会埼玉医科大学支部会副会長 埼玉県外科医会副会長 米国肝胆膵学会 AHPB 会員 他 昭 友成
20 SP3-4 原法にこだわった Kugel 法 小山 勇 埼玉医科大学国際医療センター 消化器外科 腹膜前アプローチによるメッシュを用いた鼠径ヘルニア修復はNyhusによって975年に報 告されている その後 前方アプローチ 後方アプローチを問わず メッシュによるtension free repairが一般的となっていったが 現在のような成形されたメッシュが使用されるよう になるのは990年代に入ってである その990年代の初め Dr. Kugelはその頃に新たに導 入されたTEPより簡単にOpenで同じことができないかを考えていた 小さな切開創で縫合固 定を少なく 術後の痛みが最小の腹膜前アプローチ法を模索する中で奥さんと共同で手作りの メッシュを開発したのがKugelパッチである 臨床応用は994年に始まり 996年月から は商品化されたKugel patchを使用している アメリカ外科学会のポスター発表でKugelがこのパッチを用いた新たな修復術を自ら報告して いたのを見て興味をもち 個人輸入して日本で使用することになったのが999年のことであ る 翌年からは日本でも商品化され 200年に改めてDr. Kugelを訪れて直接手術指導を受け る機会を得た 以来 今でもKugelのオリジナル法にこだわってできるだけ忠実に原法を継承 している 原法にはその一つ一つの操作に開発者の想い 考え方が含まれており 単純な と いう結果が手術時間の短縮にもつながっている - 9 -
21 特別セッション 3 学会特別企画 鼠径部各術式考案者へのオマージュ メッシュリペアー 原法継承者による模範手技 Lichtenstein, Mesh-plug, Kugel, PHS, ONSTEP 6月2日 金 4:55 5:55 第1会場 天空 センター 座長 公益財団法人 日産厚生会玉川病院 東京ヘルニアセンター 執行クリニック SP3-5 前方到達法によるメッシュを用いた腹膜前修復術 堀 寺田病院 略歴 平成 年 3 月 広島大学医学部医学科卒業 平成 年 5 月 三井記念病院 外科 ジュニアレジデント 平成 3 年 4 月 三井記念病院 外科 シニアレジデント 平成 5 年 4 月 三井記念病院 消化器外科 専門 チ フ レジデント 平成 9 年 5 月 三井記念病院 消化器外科 スタッフ 平成3年 6 月 三井記念病院 消化器外科 医長 平成2年 月 寺田病院 外科部長 所属学会 日本外科学会 認定医 専門医 日本消化器外科学会 認定医 専門医 指導医 日本ヘルニア学会 評議員 孝吏 外科 中嶋 執行 昭 友成
22 SP3-5 前方到達法によるメッシュを用いた腹膜前修復術 堀 孝吏 寺田病院 外科 腹 膜 前 腔 に メ ッ シ ュ を 留 置 す る ヘ ル ニ ア 修 復 手 術 は preperitoneal repairやinlay mesh repairとも呼ばれ 958年Usherによって前方到達法 963年Estinによって腹膜前到達法 による術式が報告された 前方到達法の手術は 996年に局所麻酔下でMarlex meshを用い た腹膜前修復法58例の検討をSchumpelikが報告 初発4例 再発54例 術後再発なし 2006 年にはPélissierがポリソフトパッチによる方法を報告した 本邦では980年代よりフラット メッシュによる腹膜前修復法が主に再発鼠径部ヘルニアに限定的に行われた 2004年にダイレ クトクーゲルパッチが発売され前方到達法による腹膜前修復法が一般的となった 私は 990 年代は腹膜前到達法による腹膜前修復法 Stoppa Rives Nyhus法など を施行したが 様々 な利点から 現在は前方到達法による腹膜前修復法を主に行っている 手技の簡便さと異物の 減量を目的として フラットメッシュからライトウェイト形状付加型パッチへと使用するプロ テーゼも変化した しかし 修復の基本理念は横筋筋膜の腹膜側からの補強であり 腹圧を面 で受け止めるという考え方に変化はない 年に272例の鼠径部ヘルニア手術を 経験し ポリソフトパッチによる修復を46例施行した 再発3例0.2 現在の自分の手術 に大きな知恵を与えてくださった先輩に敬意と感謝の気持ちで一杯である - 2 -
23 特別セッション 3 学会特別企画 鼠径部各術式考案者へのオマージュ メッシュリペアー 原法継承者による模範手技 Lichtenstein, Mesh-plug, Kugel, PHS, ONSTEP 6月2日 金 4:55 5:55 第1会場 天空 センター 座長 公益財団法人 日産厚生会玉川病院 東京ヘルニアセンター 執行クリニック SP3-6 中嶋 執行 昭 友成 ONSTEP 法 新たなコンセプトの実臨床応用への可能性 三澤 健之 東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科 略歴 960年 979年 986年 992年 994年 996年 997年 2000年 2009年 203年 206年 東京都 杉並区 生まれ 桐朋高校卒業 サッカー部 帝京大学医学部卒業 東京慈恵会医科大学外科 研修医 東京慈恵会医科大学大学院修了 医学博士 東京慈恵会医科大学第1外科学講座 助手 社会保険大宮総合病院外科 医長 米国南カリフォルニア大学医学部外科 研究員 神奈川リハビリテーションセンター外科 診療医長 東京慈恵会医科大学外第外科 助手 東京慈恵会医科大学外科 講師 専任 東京慈恵会医科大学外科 准教授 専任 東京慈恵会医科大学附属柏病院外科 診療副部長 一般 消化器外科責任者 Visiting Professor, University of North Carolina, Carolinas Medical Center Charlotte 東京慈恵会医科大学附属柏病院 手術部長 主な所属学会 役職 認定医 専門医 指導医など 日本ヘルニア学会 理事 学術 用語委員会委員長 ガイドライン委員会委員 支部委員会委員 学術誌委員会委員 指導医 専門医 日本外科学会 日本消化器外科学会 評議員 指導医 専門医 認定医 消化器癌外科治療認定医 評議員 安全管理委員会委員 内視鏡外科関連委員会委員 広報委員会委員 日本肝胆膵外科学会 高度技能指導医 日本内視鏡外科学会 評議員 技術認定制度委員会副委員長 技術認定制度審査委員会委員 技術認 定医 評議員 日本臨床外科学会 評議員 Fellow FJCS 日本外科系連合学会 日本消化器病学会 専門医 認定医 日本消化器内視鏡学界 専門医 認定医 評議員 腹部救急暫定教育医 腹部救急認定医 日本腹部救急医学会 認定指導医 日本胆道学会 日本がん治療認定医機構 がん認定医 胃腸科指導医 胃腸科専門医 日本消化管学会 Fellow FACS アメリカ外科学会 単孔式内視鏡手術研究会 代表世話人
24 SP3-6 ONSTEP 法 新たなコンセプトの実臨床応用への可能性 三澤 健之 東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科 ONSTEP法はフラットメッシュ PolySoftTM hernia patch Davol社 の内側部分をアンダー レイとして腹膜前腔に また外側部分をLichtenstein法に準じオンレイとして配置する ユ ニークな成人鼠径ヘルニア修復術である 203年にポルトガルの外科医 August Lourenço 医師とRui Soares da Costa医師によって論文発表された方法)で我が国ではほとんど馴染み がない 鼠径部切開法であることから習得が容易で しかも枚のメッシュで大腿輪を含む鼠 径部ヘルニアの好発部位myopectineal orificeをカバーできる また 完全なsuturelessであ ることから術後疼痛軽減にも寄与する可能性が高く 近年はヨーロッパを中心に広がりを見せ ている 演者らは206年9月にポルトガル ポルト のS. João Hospital Centreにおけるハンズオント レーニングに参加してLourenço da Costa両医師の指導のもと 計4件の手術 術者と助手 を経験して技術を習得した コースではPolysoftTMの代わりに より柔軟で吸収性のリコイル リングを配したONFLEX メッシュ BARD社 以下OM の使用が推奨されたことから 今回 国内でのOMの発売を待って 206年月9日に本邦例目のONSTEP法 OM使用による を施行した 本セッションではONSTEP法のコンセプトと手術手技を解説するとともに 本術式の問題点や 将来性についても言及したい Lourenço A, da Costa RS: The ONSTEP inguinal hernia repair technique: initial clinical experience of 693 patients, in two institutions. Hernia 7: ,
25 特別セッション 4 学会特別企画 鼠径部各術式考案者へのオマージュ 腹腔鏡 原法継承者による模範手技 TAPP TEP LPEC 6月2日 金 6:00 7:0 第1会場 天空 センター 座長 医療法人 原三信病院 刈谷豊田総合病院 腹腔鏡ヘルニアセンター SP4- 鼠径部ヘルニア修復術における手技の普遍化 国立病院機構 出身校 卒業年 東海大学医学部 山本 千葉医療センター 海介 外科 平成5年 職歴 平成5年5月 旧国立千葉病院 現 独立行政法人国立病院機構千葉医療センター 初期研修医 平成7年4月 独立行政法人国立病院機構千葉医療センター レジデント 平成20年4月 同病院 外科医師として現在に至る 所属学会 日本外科学会 認定専門医 204年月技術認定医取得 日本内視鏡外科学会 TAPP 日本消化器外科学会 認定専門医 日本ヘルニア学会 評議員 日本腹部救急医学会 評議員 暫定教育医 江口 早川 徹 哲史
26 SP4- 鼠径部ヘルニア修復術における手技の普遍化 山本 海介 森嶋 友一 佐々木亘祐 国立病院機構 千葉医療センター 外科 99年松本により本邦初の腹腔鏡下鼡径ヘルニア手術が行われた 当時の印象を松本は 腹 腔鏡下手術を行った患者が手術翌日苦も無く歩いていた光景に 従来法術後では痛みのため前 屈みで歩くのが普通であった常識を覆された と語っている この術後痛が圧倒的に少ない腹 腔鏡下鼡径ヘルニア手術ではあったが メッシュプラグ法の台頭で手技が煩雑であった腹腔鏡 下鼡径ヘルニア手術は全国的に普及するには至らなかった しかしその後 早川の膜構造を意 識したTAPP Transabdominal preperitoneal approach 法が安全で確実な修復法として認 識され急速に普及してきている TAPP法の利点は 複合ヘルニアなどの診断ができること MPOを完全に覆うことができること 鼠径管内を走行する神経に接触しないこと さらには術 後痛が少ないことが挙げられる 欠点は 全身麻酔が不可能な患者や腹腔内の高度癒着症例に は適さないことである われわれの施設では202年にTAPP法を導入し 鼡径ヘルニアのタイ プにより腹膜切開や腹膜前腔の剥離手順に変化をつける工夫を行ってきたが 最近では手技の 普遍性をテーマとして 腹膜切開の開始位置や剥離手順を同じにすることで 再発を含むどん なタイプのヘルニアに対しても対応できうる手技を追求している 今回 われわれの経験から 得てきた手技を供覧し紹介する
27 特別セッション 4 学会特別企画 鼠径部各術式考案者へのオマージュ 腹腔鏡 原法継承者による模範手技 TAPP TEP LPEC 6月2日 金 6:00 7:0 第1会場 天空 センター 座長 医療法人 原三信病院 刈谷豊田総合病院 腹腔鏡ヘルニアセンター SP4-2 私の TAPP 法 これまでの経験から 三好 鈴江病院 康敬 外科 学 歴 昭和52年03月 大阪医科大学卒業 昭和52年04月 徳島大学医学部第一外科 研修 昭和52年05月 第63回医師国家試験合格し第234432号にて医籍登録 昭和53年04月 徳島大学医学部専攻生 入学 昭和58年05月 徳島大学助手医学部第一外科 平成02年月 徳島大学医学部大学院授業担当講師 平成06年0月 徳島大学講師医学部第一外科 平成06年04月 徳島大学医学部非常勤講師 平成20年04月 徳島大学講師医学部および徳島大学医学部臨床教授 平成2年04月 徳島大学歯学部非常勤講師 職 歴 昭和52年05月 徳島大学医学部付属病院医員 就職 昭和53年04月 徳島県立三好病院 就職 昭和54年04月 愛媛県立中央病院 就職 昭和55年04月 佐川町高北病院 就職 昭和56年04月 徳島県厚生連麻植協同病院 就職 昭和58年04月 徳島大学医学部付属病院医員 就職 昭和58年05月 徳島大学助手医学部付属病院 就職 昭和59年04月 医療法人倚山会田岡病院 就職 昭和62年04月 徳島大学助手医学部 就職 平成02年月 徳島大学大学院授業担当講師 平成06年0月 徳島大学講師医学部 就職 平成06年04月 健康保険鳴門病院 外科部長として就職 平成20年08月 医療法人成美会 鈴江病院 院長として就職 現在に至る 資格 学会活動 日本外科学会 日本消化器外科学会 専門医 指導医 日本消化器病学会 専門医 評議員 日本臨床外科学会 日本肝胆膵外科学会 日本ヘルニア学会 世話人 日本消化器病学会四国支部会 中国四国内視鏡研究会 中国四国ヘルニア手術研究会 2四国内視鏡外科研究会 麻酔科標榜医 平成02年03月修得 乙医 第2号 日本医師会認定産業医 賞 罰 平成03年03月 日本消化器病学会奨励賞 平成03年04月 徳島大学医学部奨励賞 受賞 受賞 江口 早川 徹 哲史
28 SP4-2 私の TAPP 法 これまでの経験から 三好 康敬 鈴江病院 外科 995年2月20日に第例目の腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP法 を開始し 様々な症例を 経験し その都度手技に改良を加え現在の手技に到達した カメラポートは臍窩とし 当初は 気腹針を使用していたが早い段階でオープン法とし 現在までmmトロッカーを挿入して いる 使用メッシュにおいてはプロリーンメッシュからバード3D Maxまで メッシュの固定 ではヘルニオステイプルからスパイラルタックまで また腹膜の閉鎖はヘルニオステイプルで の閉鎖から吸収糸を用いた連続縫合に至った トロッカーでは当初は2mm2本mm本の 3ポート法からmm 5mm 3mmの3ポート法へと器具の改良も相まって変化した メッ シュの展開においては 最内側の再発 Ⅱ- 1 を経験したことから恥骨結節内側に十分な余裕 をもって剥離 展開することとした 反対側の内鼠径輪部の浅い陥凹に対しては未処置として いたが 術後に数例の外鼠径ヘルニアの発症を経験したことから その後は陥凹部を結紮する ことした 腹膜切開はⅠ型では可能な限りヘルニア嚢を脱転し 内鼠径輪を確認してこのレベ ルで最初は鋏鉗子で腹膜切開を開始し その後はバイポーラ型鋏鉗子で内側は内側臍ヒダまで 外側は斜め背側に切開する 腹膜閉鎖においてはメッシュの捲れこみを防止するため 鉗子で 縫合した腹膜をメッシュ上で腹 尾側方向に牽引しつつ脱気する これらの要点について詳述 したい
29 特別セッション 4 学会特別企画 鼠径部各術式考案者へのオマージュ 腹腔鏡 原法継承者による模範手技 TAPP TEP LPEC 6月2日 金 6:00 7:0 第1会場 天空 センター 座長 医療法人 原三信病院 刈谷豊田総合病院 腹腔鏡ヘルニアセンター SP4-3 TAPP 手術手技の変遷 西山 笛吹中央病院 昭和35年7月 山梨県甲府市に生まれる 昭和62年3月 北海道大学医学部卒業 同年4月 徹 外科 北海道大学医学部付属病院第2外科 現 消化器外科Ⅱ 入局 以後大学医局人事にて 釧路市立総合病院 外科 くっちゃん 厚生病院 倶知安 市立旭川病院 外科 外科 北海道大学医学部付属病院腫瘍外科 現 消化器外科Ⅱ 美唄 びばい 労災病院 北海道消化器科病院 外科 外科 名寄 なよろ 市立総合病院 平成2年4月 笛吹中央病院 入職 平成22年4月 笛吹中央病院 消化器外科部長 平成27年7月 笛吹中央病院 副院長 外科医長 日本ヘルニア学会評議員 日本内視鏡学会技術認定医 05-GS-33 AMG内視鏡アカデミー世話人 日本外科学会専門医 指導医 日本消化器外科学会専門医 指導医 手術室長 外科系診療部長 江口 早川 徹 哲史
30 SP4-3 TAPP 手術手技の変遷 西山 徹 笛吹中央病院 外科 994.月より成人鼠径ヘルニアに対しTAPPを導入し 206.2月までの22年間で808例経 験しました 導入から約5年間は気腹針を用いて腹膜前腔にボスミン生食を注入してから腹膜 を切開しツッペルによる鈍的剥離を中心とした手技を行ってきました その後ボスミン生食の 注入をやめモノポ ラメッツェンを通電しながら腹膜切開 剥離を行う手技に変更しました また記録媒体がVHSからDVDとなってからの約500症例を見直すことにより腹膜切開 剥離に おけるいくつかのkey pointに気付き現在の手術手技にたどり着きました 腹膜切開のkey point 1 腹膜のみの切開にこだわらない 2 モノポ ラメッツェンを用い通電しながら切開する 3 TypeⅠ De novoであっても基本的にsacは翻転せずに環状切開とする 4 TypeⅡ Sacを翻転し環状切開は行わない 5 TypeⅡ IEVの内側でヘルニア門の上縁より腹側に切り上げる 腹膜剥離のkey point 1 膜を意識するのは背側 腹側 VD内側の3か所 2 腹側腹膜の剥離は最後にする 3 Pneumodissection 気腹圧を利用した剥離 を有効活用する 4 背側は縦方向 腹側は横方向に剥離する 5 TypeⅡ Pseudo sac は鉗子を用いて鈍的に剥離する これらのkey pointを念頭に手術操作を進めることで大幅な手術時間の短縮が得られました 直近5年間全症例の平均手術時間は 片側症例 90例 両側症例 74例 42.分 27 99分 64.分 43 06分 腹膜切開 剥離のkey pointについて簡単に説明させていただいた後に実際の手術手技を供覧い たします
31 特別セッション 4 学会特別企画 鼠径部各術式考案者へのオマージュ 腹腔鏡 原法継承者による模範手技 TAPP TEP LPEC 6月2日 金 6:00 7:0 第1会場 天空 センター 座長 医療法人 原三信病院 刈谷豊田総合病院 腹腔鏡ヘルニアセンター SP4-4 TEP (No Ballooning, No fixation) 荻野 信夫 大阪府済生会富田林病院 略歴 978年 大阪大学医学部卒業 大阪大学第外科 979年 大阪警察病院 982年 大阪大学第外科 987年 国立呉病院 989年 日生病院 990年 大阪警察病院 998年 大阪府済生会富田林病院 2004年 同 外科 外科 外科 外科 外科部長 副院長 所属学会 日本外科学会 指導医 専門医 日本消化器外科学会 指導医 日本内視鏡外科学会 評議員 技術認定取得 日本ヘルニア学会 評議員 日本乳癌学会 評議員 乳腺専門医 指導医 江口 早川 徹 哲史
32 SP4-4 TEP (No Ballooning, No fixation) 荻野 信夫 大阪府済生会富田林病院 はじめに 当院では994年より成人鼡径ヘルニアに対して腹腔鏡下ヘルニア手術 TAPP TEP を導入しその後種々のメッシュ手術を導入した中で 手術成績と患者アンケートの結果 を踏まえて2004年からはTEPを 標準手術 とした 現在までに約00例を経験したが術式の 改良を重ね2009年から下記のように手技を定型化した すなわち )術前腹臥位骨盤CTによ りヘルニア種別診断を行う 2)拡張バルーンは使わない 3)陰嚢ヘルニア以外はヘルニア嚢を切 離しない 4)メッシュはanatomical typeを選択し II型 両側例以外はステイプラー固定を省 略する 手術方法(I型) ) 臍輪切開の皮切から患側の腹直筋前鞘切開後に腹直筋を確認する 腹直筋を 正中側より愛護的に筋鉤でよけ 腹直筋に膜枚を残す層で後鞘にこすりつける感じで 0mm 直視鏡により鈍的剥離する 2) 2mmポートを挿入固定し気腹後 再度直視鏡で弓状線を超 えるあたりで膜を枚破り クーパー靱帯付近までの泡状のRetzius腔を剥離しスペースを作成 後 5mmトロッカー 2本を下腹部正中に縦列に挿入固定する 3)恥骨結合 クーパー靱帯下縁 まで剥離後 下腹壁動静脈(IEV)を尾側にたどり内鼡径輪部で癒合した膜を鈍的に剥離し外側の 泡状の疎な腹膜前腔に入る 4) 内鼡径輪の腹側でヘルニア嚢を含む spermatic sheath を剥 離し できる限り末梢側で腹膜前筋膜を切開し腹膜(ヘルニア嚢)のみを腹側へ牽引する 背外 側では精巣動静脈 内側では輸精管を温存させることになりParietalizationを完成させる ヘ ルニア嚢はなるべく切離しない 5) 鼠径床の解剖を確認後 立体構造のメッシュを挿入留置 し ステイプラー固定しないでメッシュを視認しながら脱気する ポイント TEP導入時に腹膜損傷 出血を避けるには上記) 2)のステップが重要である - 3 -
33 特別セッション 4 学会特別企画 鼠径部各術式考案者へのオマージュ 腹腔鏡 原法継承者による模範手技 TAPP TEP LPEC 6月2日 金 6:00 7:0 第1会場 天空 センター 座長 医療法人 原三信病院 刈谷豊田総合病院 腹腔鏡ヘルニアセンター SP4-5 PDB の非盲目的使用にこだわった TEP 法 和田 福岡逓信病院 学歴 S6 986) 九州大学医学部卒業 職歴および研究歴 S6(986).4 九州大学第二外科学教室入局 6月 九大附属病院 研修医 S62(987).4 早良病院 胃腸科外科 医師 S63(988).4 九州大学第二外科学教室にて食道静脈瘤硬化療法の研究 H 2 (990).4 飯塚病院 外科 医師 H 6 (994).6 米国Hahnemann University Hospital留学 H 7 (995).7 菊地病院 医師 H 9 (997).4 飯塚病院 外科 医師 H3(200).4 早良病院 外科部長 H5(2003).5 新中間病院 外科部長 H6(2004).4 済生会八幡総合病院 外科部長 H7(2005).4 松山赤十字病院 外科部長 H2(2009).4 社会保険筑豊病院 外科部長 H22(200).4 済生会八幡総合病院 外科部長 H23(20).4 済生会くれたけ荘 介護老人保健施設 施設長 H25(203).5 福岡逓信病院 副院長 外科部長 現在に至る 資格その他 H 3 (99) H 5 (993) H 5 (993) H4(2002) H7(2005) H9(2007) H20(2008) H22(200) 日本外科学会認定医 番号670 日本消化器外科学会認定医 番号844 医学博士 九州大学 医博乙第73号 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会専門医 番号 日本内視鏡外科学会技術認定 07-GS-03 TEP法 日本外科学会指導医 (S00824) 日本消化器外科学会指導医(457) 学会 研究会 日本内視鏡外科学会評議員(2008-) 日本ヘルニア学会評議員(2008-) 中四国ヘルニア研究会世話人 九州ヘルニア研究会世話人(200.2-) 寛也 外科 江口 早川 徹 哲史
34 SP4-5 PDB の非盲目的使用にこだわった TEP 法 和田 寛也 福岡逓信病院 外科 本邦TEP法の先駆者である池田正仁先生によるデモを999年夏に見学したことを契機にこの 術式の明解さに魅せられ 同年月に例目を執刀して以来207年3月までに637例に腹膜前 腔剥離バルーン PDB を使用するTEP法を施行してきた この術式は腹膜前腔内の指標となる 構造を広範囲に露出し他の術式と比べてもわかりやすい解剖を短時間に展開できるが PDBを 恥骨方向に挿入し拡張するオーソドックスな方法ではバルーン拡張中のIEVの状況が確認でき ないためいわゆる盲目的剥離となる 場合によっては下腹壁血管 IEV の薙ぎ倒しによる血管 の垂れ下がりや出血に遭遇し以後の操作が困難になり再発につながることがある そこで剥離 結果が偶然に左右されないようにバルーン越しの視認性が良い安価なPDBに変更するとともに IEV起始部が見える方向に先端を思い切って挿入しIEVをバルーン腹側に見ながら剥離するよう に手技の工夫 非盲目的剥離 を行った この剥離だけでも広い空間ができるが そのままメッ シュを展開固定するとずれや折り曲がりが生じて再発の原因になるため 腹膜縁背側の剥離を 必ず行っている 近年 不確実な剥離結果やコスト削減を理由にPDBを使用しない施設が増加 しているが 演者はPDBの非盲目的使用にこだわってTEP法を行っている
35 特別セッション 4 学会特別企画 鼠径部各術式考案者へのオマージュ 腹腔鏡 原法継承者による模範手技 TAPP TEP LPEC 6月2日 金 6:00 7:0 第1会場 天空 センター 座長 医療法人 原三信病院 刈谷豊田総合病院 腹腔鏡ヘルニアセンター SP4-6 鼠径部各術式考案者へのオマージュ ( 腹腔鏡 ) 原法継承者による模範手技 TEP 重光 祐司 膳所病院 学歴 昭和53年 3 月 59年 3 月 63年月 平成 5 年 6 月 4年2月 4年2月 大分県立国東高校 卒業 鹿児島大学医学部医学科 卒業 日本外科学会 認定医 第372号 医学博士 大分医科大学 医博 第54号 日本外科学会 外科専門医 第902265号 日本消化器内視鏡学会 専門医( 号 医師免許 取得年月日 昭和59年5月26日 職歴 昭和59年 6 月 59年月 6年 6 月 62年 7 月 平成 3 年 7 月 6年4月 平成 9 年0月 平成6年 4 月 平成8年 7 月 平成9年 4 月 平成20年 4 月 平成2年 4 月 登録番号 第28880号 大分医科大学医学部付属病院 医員 研修医 国立大分病院外科 医員 研修医 大分医科大学医学部付属病院 医員 大分医科大学医学部付属病院 医員 大分医科大学医学部 外科学 助手 国立別府病院外科 厚生技官 臼杵市医師会立コスモス病院 副院長 黒木記念病院 副院長 健やかクリニック かすが 院長 久寿会 鈴木病院 副院長 老人健康保険施設 さくらハウスぜぜ 施設長 慈善会 膳所病院外科 副院長 現在に至る 学会および社会における活動等 所属学会 役職等 昭和59年 6 月 日本外科学会 会員 平成 6 年 4 月 日本消化器内視鏡学会 会員 9 年 月 日本内視鏡外科学会 会員 9 年 3 月 日本臨床外科学会 会員 評議員 平成4年 2 月 日本ヘルニア学会 平成24年 9 月 日本腹腔鏡下ヘルニア手術手技研究会 世話人 江口 早川 徹 哲史
36 SP4-6 鼠径部各術式考案者へのオマージュ ( 腹腔鏡 ) 原法継承者による模範手技 TEP 重光 祐司 膳所病院 腹膜外腔アプローチ TEP による腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 LH は 93年McKernanらに よって開発され 日本への本格導入は 当時国立別府病院池田正仁先生が米国研修でDr. GR Voellerの指導を受けた95年からである 当時からメッシュの形状 大きさ4x9 と設定して 施行しており 大分県を中心に西日本地域において再発の少ない標準的なヘルニアの治療手段 として発達してきた 演者はFrushaudの提唱したMyopectineal orifice MPO を術中計測し た結果 平均横軸7.4 x縦軸4.3 楕円形に模して25.0 2を有することが判明した これ に 少なくとも2 以上のオーバーラップをし メッシュにカットを入れない条件を考慮する と4x9 のメッシュが当時から合理的な形状 大きさであることが確認された この大きさの メッシュを過不足なく鼠径床に展開するためには Iliopubic tract(ipt) を基準に 縦軸で腹 側を5 以上と背側では精巣動静脈からの腹膜剥離を5 以上とCooper 靭帯下縁までの剥離が 必要であり 横軸で恥骨結合から上前腸骨棘よりさらに頭側までの剥離を要することになる 以上の原則は TEPのみならずTAPPによるLH さらにPHS Kugel patch Direct Kugel 法 などOpen inlay mesh repairにおいても共通の原則でなければならない 演者が行っている膨 潤局所麻酔薬を併用したTEPによるLH の手術手技を供覧する
37 特別セッション 5 教育セミナー 鼠径部ヘルニア手術上達のための詳細解剖学 6月3日 土 8:00 8:45 第2会場 天空 ノース 座長 東京有明医療大学 横筋筋膜 腹膜前腔 Retzius 腔に関する パラダイムシフト SP5- 朝蔭 津田沼中央総合病院 直樹 外科 略歴 順天堂大学医学部卒業 順天堂大学医学部第一外科入局 学位取得 急性拒絶反応における移植肝浸潤リンパ球に関する実験的研究 順天堂大学医学部上部消化管外科 非常勤講師 津田沼中央総合病院 外科副部長 現在に至る 資格 日本ヘルニア学会 評議員 学会会則委員 ガイドライン委員 日本内視鏡外科学会 評議員 技術認定医 日本外科学会 専門医 指導医 日本消化器外科学会 専門医 指導医 日本消化器病学会 専門医 指導医 学会評議員 日本消化器内視鏡学会 専門医 指導医 学術評議員 日本臨床外科学会 評議員 日本腹部救急医学会 評議員 佐藤 達夫
38 SP5- 横筋筋膜 腹膜前腔 Retzius 腔に関するパラダイムシフト 朝蔭 直樹 津田沼中央総合病院 外科 パラダイムシフトの過程では まず既存のパラダイム 科学的認識体系 に対して疑問を持つこ とが大切です 本当に腹膜前筋膜浅葉 深葉間が腹膜前腔で 鼡径管後壁は横筋筋膜なので しょうか 手術においては3次元の空間認識が重要ですが 膜あるいは筋膜という概念が弊害 となり 骨盤内臓側筋膜層構造の解釈が混乱しています Meyersが示した腹膜外腔の3区画において Anterior pararenal spaceは間膜系血管筋膜 Perirenal spaceは腹膜前腔 Posterior pararenal spaceは横筋筋膜 体壁系血管筋膜 に相当 します 3区画それぞれには大動脈から分岐する3群の血管群 すなわちAnterior pararenal spaceには腹側枝 Perirenal spaceには側方枝 Posterior pararenal spaceには背側枝が走 行しています 従って明確に区分されているように見える3区画の空間境界は動脈分岐部に影 響され 逆に動脈分岐部で大動静脈筋膜を介し相互の交通性が保たれています 鼠径部ヘルニア手術では 腹膜前筋膜群を包埋する腹膜前腔と横筋筋膜 その横筋筋膜 腹膜 前腔境界に形成される人為的cavityであるRetzius腔などを3次元構造の空間イメージとして捉 えることが必要であり 腹膜前筋膜と腹膜前腔の関係や横筋筋膜の理解がとても重要なのです
39 特別セッション 5 教育セミナー 鼠径部ヘルニア手術上達のための詳細解剖学 6月3日 土 8:00 8:45 第2会場 天空 ノース 座長 東京有明医療大学 SP5-2 鼠径部ヘルニア手術上達のための詳細解剖学 三毛 亀田総合病院 982年 秋田大学医学部卒業 第7期生 982年 秋田大学医学部第2外科に入局 学位取得 公立角館総合病院 厚生連雄勝中央病院 千葉徳洲会病院 亀有病院に勤務 2004年 亀田総合病院消化器外科に勤務 現在に至る 日本外科学会指導医 専門医 日本消化器外科学会指導医 専門医 所属学会 日本外科学会 日本消化器外科学会 日本内視鏡外科学会 日本臨床外科学会 臨床解剖研究会 万国外科学会 アメリカ消化器内視鏡外科学会 アメリカ結腸直腸外科学会 アメリカヘルニア学会 牧夫 消化器外科 佐藤 達夫
40 SP5-2 鼠径部ヘルニア手術上達のための詳細解剖学 三毛 牧夫 亀田総合病院 消化器外科 外ヘルニアの代表である外鼠径部ヘルニアの修復術は 外科研修医が最初に手がける手術であ り 日常の手術であるので比較的容易な手技と考えられてきた しかし この手術は消化器外 科全般にわたる臨床解剖学の基礎を含む手術でもあるので この部の筋膜構成を理解すること が 腹部全域の臨床解剖の理解に繫がる そこで 外鼠径ヘルニアを例にして 皮膚切開から 外腹斜筋腱膜切開 そして精索のテーピング 精索筋膜の切離によるヘルニア嚢剥離までに至 る手術手技を そして大腿ヘルニアにおけるヘルニア嚢周囲の筋膜解剖を理解した剥離手技を 明らかにする 筋膜構成の基本は 体壁の筋層を中心として対称の位置関係にある皮下のキャ ンパー筋膜 皮下筋膜浅葉 とスカプラ筋膜 皮下筋膜深葉 が腹膜下筋膜深葉 浅葉に対応し さらに無名筋膜が横筋筋膜に対応する解剖である こう考えると 希薄な存在であるキャン パー筋膜の大切さが明らかとなる さらに 腹膜下筋膜深葉と浅葉はいかなる箇所でも関与し ない すなわち癒合しないと考えることが重要である 外鼠径ヘルニア 大腿ヘルニアの臨床 解剖から ほんの少し発生学に寄り道し 腹壁の筋膜構成 癒合筋膜の定義をしっかりと理解 することにより 消化器外科全般に通じる考え方への道筋にしていただきたい
41 特別セッション 6 教育セミナー 腹壁ヘルニア手術上達のための詳細解剖学 6月3日 土 8:50 9:35 第2会場 天空 ノース 座長 東京慈恵会医科大学 形成外科 SP6- 腹壁瘢痕ヘルニア手術上達のための腹部詳細解剖学 静岡県立静岡がんセンター 99年3月 愛媛大学医学部医学科 99年6月 堀ノ内病院 992年4月 群馬県立がんセンター 993年6月 東京大学 994年6月 自治医科大学 997年4月 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻 200年3月 同上 200年4月 埼玉医科大学 形成外科 助手 2002年2月 埼玉医科大学 形成外科 講師 2002年4月 静岡県立静岡がんセンター 中川 雅裕 再建 形成外科 卒業 外科 頭頸部外科 形成外科 一般外科 形成外科 博士課程入学 修了 再建 形成外科部長 現在に至る 石田 勝大
42 SP6- 腹壁瘢痕ヘルニア手術上達のための腹部詳細解剖学 中川 雅裕 静岡県立静岡がんセンター 再建 形成外科 手術上達のためには解剖学を知ることが重要である 腹壁の解剖には重要なポイントが2つあ る つは腹壁の血流であり これを熟知しないと腹壁の血流不全から筋膜や皮膚の壊死 縫 合不全などを生じる もうつが腹壁には弓状線が存在し 頭側と尾側で腹壁の解剖が異なる 腹壁は皮膚 皮下脂肪 浅筋膜 腹直筋前鞘 腹直筋 腹直筋後鞘 腹膜などからなる 開腹 の際これら全部の層を切開し 閉腹の際これらを縫合する しかし 単に縫合しただけでは創 は治癒しない 創の治癒には血流が必要であり 血流がなければ皮膚や筋膜は壊死となり 縫 合不全を来す 腹壁は深下腹壁動脈 上腹壁動脈からの穿通枝 肋間動脈の穿通枝 浅下腹壁 動脈からの血流により栄養される 腹壁瘢痕ヘルニアでは瘢痕により血管途絶しているため正 常な血流とは異なる これらを考慮して皮切ラインや剥離層を考える必要がある また 弓状 線の頭側と尾側では腹直筋前鞘と後鞘の解剖が異なり それぞれの強度が異なる これらを考 慮して メッシュを挿入する層を決定する必要がある 腹壁瘢痕ヘルニア手術ではもちろん解剖の知識は必要だが 開腹や腹腔鏡手術などすべての腹 部手術で解剖を知ることにより合併症である瘢痕ヘルニア自体の発生を減らすことができ 腹 部手術上達の一歩となると考える - 4 -
43 特別セッション 6 教育セミナー 腹壁ヘルニア手術上達のための詳細解剖学 6月3日 土 8:50 9:35 第2会場 天空 ノース 座長 東京慈恵会医科大学 形成外科 SP6-2 腹壁の解剖 牧野 東京慈恵会医科大学附属柏病院 陽二郎 形成外科 平成6年東京慈恵会医科大学を卒業 慈恵医大附属第3病院で初期研修 平成8年に東京慈恵会医科大学形成外科学講座へ入局 平成27年6月まで同大学本院勤務を経て平成27年7月から慈恵医大附属柏病院で勤務 平成29年5月より柏病院形成外科診療部長 平成23年に日本形成外科学会専門医を取得 専門分野は頭頚部再建 雑誌形成外科 PEPARSなどの教科書を執筆 平成23年に日本頭頚部癌学会優秀論文賞を受賞 石田 勝大
44 SP6-2 腹壁の解剖 牧野 陽二郎 東京慈恵会医科大学附属柏病院 形成外科 腹壁は皮膚および皮下組織 筋膜 筋肉 腹膜で構成されている 筋膜は強靭な耐圧組織とし て働き 筋肉はその補助的な役割を 皮膚 皮下組織は下層の被覆組織としての役割を担って いる 腹壁構成組織は様々な血管で栄養され3次元的に密な血流ネットワークを形成している 上方 下方から上腹壁動脈 下腹壁動脈が腹直筋裏面 筋体内を走行し腹直筋を栄養しつつ複 数本の穿通枝を皮下組織へ向けて分枝している 皮下組織内では浅腹壁動脈 浅腸骨回旋動脈 深腸骨回旋動脈が走行し これに肋間動脈が合流している 腹壁手術の際にはこれら構成組織 の解剖や血管の走行をイメージする必要がある 腹壁欠損や腹壁瘢痕ヘルニアなどの手術にお いては腹壁の修復とともに 被覆組織である皮下組織の血流を温存することが異物感染や異物 露出予防のために重要である 実際の手術症例を供覧しつつ特に皮下組織内の血管走行や穿通 枝について解説する
45 特別セッション 7 教育セミナー 腹壁瘢痕ヘルニアを予防するためのベストプラクティス 臨床外科医 形成外科医の立場から 共催 ジョンソン エンド ジョンソン株式会社 6月3日 土 9:40 0:25 第2会場 天空 ノース 座長 東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター 外科 吉田 和彦 腹壁瘢痕ヘルニアを予防するための Suture technique SP7- 東北大学大学院 内藤 剛 消化器外科 略歴 平成 2 年 東北大学医学部卒業 同年 6 月 帯広第一病院にて研修 平成 4 年 4 月 東北大学医学部第一外科学教室入局 平成 7 年 9 月 Cleveland Clinic Foundation, Minimally Invasive Surgery Center, Department of General Surgery, Research fellow. 平成 8 年0月 東北大学医学部第一外科 文部教官助手 平成年 6 月 仙台市医療センター仙台オープン病院 平成8年0月 同 平成2年0月 東北大学病院 平成25年 4 月 東北大学大学院 消化器外科学分野 平成26年 4 月 東北大学大学院 生体調節外科学分野 平成28年2月 東北大学大学院 消化器外科学分野 外科医長 副部長 肝胆膵外科 胃腸外科 講師 准教授 准教授 准教授 資格 日本外科学会 認定医 専門医 指導医 日本消化器外科学会 専門医 指導医 消化器がん外科治療認定医 日本消化器病学会 専門医 日本内視鏡外科学会 技術認定医 日本コーチ協会 認定メディカルコーチ 日本体育協会公認スポーツドクター
46 SP7- 腹壁瘢痕ヘルニアを予防するための Suture technique 内藤 剛 東北大学大学院 消化器外科 腹壁瘢痕ヘルニアは腹部手術後の創関連合併症で開腹手術後の7 0%に発症する 腹壁瘢痕 ヘルニアの原因は術後早期の筋膜離開であるが 危険因子は創感染 血流不全 糖尿病 ステ ロイド投与 肥満 COPD 過度な張力などが挙げられる 筋膜は真皮と同等の抗張力を有し 腹圧のほとんどを支える 筋膜縫合後治癒までの期間は通常6週間とされている また抗張力 が回復するまでの期間は4 ヶ月で50% 年で70-80%とされている そのため筋膜の縫合に は約6週間の縫合糸での支持が必要と考えられる またICGを用いた筋膜縫合の血流測定では バイトがピッチよりも大きくなると創縁の血流低下を認めた また連続縫合と単結節縫合では 単結節縫合の方が血流の低下は軽度であった しかし最近の日本創傷治癒学会のガイドライン では連続縫合の方が単結節縫合よりも腹壁瘢痕ヘルニアの発生頻度は少ないとされている し かし汚染 感染の手術では筋膜縫合は連続縫合よりも結節縫合が適しているとされていること から連続とすべきか単結節縫合とすべきかは議論の余地があると考える また206年のWHO ガイドラインでは抗菌縫合糸は創感染の予防に有用であるとされ その使用が推奨されている 以上より我々は 抗張力持続期間が6週間以上のモノフィラメント抗菌縫合糸による単結節縫 合でバイトとピッチを同等に取るようにして縫合閉鎖している
47 特別セッション 7 教育セミナー 腹壁瘢痕ヘルニアを予防するためのベストプラクティス 臨床外科医 形成外科医の立場から 共催 ジョンソン エンド ジョンソン株式会社 6月3日 土 9:40 0:25 第2会場 天空 ノース 座長 東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター 外科 SP7-2 目立たない傷あとにするためのベストプラクティス - 創傷治癒の最新理論 閉創手技から術後ケアまで - 小川 日本医科大学 令 形成外科 称号 資格 医師 M.D. 医学博士 Ph.D. 米国外科学会フェロー F.A.C.S. 米国熱傷学会認定 ABLSプロバイダー 日本形成外科学会認定 皮膚腫瘍外科指導専門医 日本形成外科学会認定 形成外科専門医 日本熱傷学会認定 熱傷専門医 日本創傷外科学会認定 創傷外科専門医 日本抗加齢医学会認定 抗加齢医学専門医 日本再生医療学会認定 再生医療認定医 日本美容外科学会認定 美容外科教育専門医 日本美容医療協会認定 美容医療適正認定医 日本美容医療協会認定 美容レーザー適正認定医 日本褥瘡学会認定 認定褥瘡医師 日本オンコプラスティックサージャリー学会認定 エキスパンダー /インプラント責任医師 学歴 職歴 999年 2005年 2006年 2007年 2009年 203年-現在 205年-現在 日本医科大学医学部卒業 日本医科大学形成外科入局 日本医科大学大学院修了 日本医科大学形成外科助手 会津中央病院形成外科部長 日本医科大学形成外科講師 日本医科大学付属病院形成外科 美容外科医局長 米国ハーバード大学ブリガムウィメンズ病院形成外科 組織工学 創傷治癒研究室研究員 日本医科大学形成外科准教授 日本医科大学大学院形成再建再生医学分野 メカノバイオロジー メカノセラピー研究室主任研究員 東京大学形成外科非常勤講師 兼任 日本医科大学大学院 形成再建再生医学分野 大学院教授 日本医科大学医学部 形成外科 主任教授 吉田 和彦
48 SP7-2 目立たない傷あとにするためのベストプラクティス - 創傷治癒の最新理論 閉創手技から術後ケアまで 小川 令 日本医科大学 形成外科 概念 閉創の際に 目立たない傷あとにするため外科医が考えるべきことは 創にかかる過剰な張力 や虚血を予防する切開線 縫合法 術後の創管理の工夫である 切開線の工夫 縫合創の方向と 皮膚が日常動作で引っ張られる方向が一致すると 創全体に張力がかかり 創傷治癒が遅れ SSIや病的瘢痕発生のリスクが増大する 皮膚が動く方向に直交する切開 縫合は創のトラブルが少ない 腹部はできるかぎり横方向 水平方向 に切開するのが良い 縦 切開で生じた肥厚性瘢痕はZ形成術にて分断することで 横方向の瘢痕の炎症がまず引き 創 全体が速やかに成熟瘢痕となる 縫合法の工夫 創は 緊張の少ない状態で縫合すべきであり 縫合で障害されやすい脂肪組織や 病的瘢痕が 生じる真皮はできるだけ愛護的に縫合する 結節保持力 抗張力共に優れている吸収糸を選択 する 腹部では深筋膜や浅筋膜を使って創を寄せ 真皮縫合をする前にほぼ創縁が互いに密着する状 況をつくる 真皮縫合で創を引き寄せないことが大切である 創管理の工夫 抜糸までは 創を清潔に保つ 抜糸後は 創を安静に保つため サージカルテープやかぶれに くいシリコーンテープによる固定を考慮する サポーターやニーブレースなども創の安静 固 定に有用である 抜糸が終了しても 真皮の創傷治癒は進行しており 創の安静が重要である 創における真皮 の強度は3 ヵ月たっても90%というデータがある よって最低3-6 ヶ月のテープ固定などが推 奨される 術後早期のリハビリテーションは肥厚性瘢痕 ケロイドの発症リスクを上昇させる もし術後 ヶ月くらいして創部の発赤や隆起を認めたら 副腎皮質ホルモンのテープ剤を直ち に使用する 肥厚性瘢痕 ケロイドの治療のキーポイントは 早期発見と副腎皮質ホルモンの テープ剤の速やかな使用開始である
49 特別セッション 8 激論ラパヘル その誕生 消滅 再生 隆盛 そして将来 6月3日 土 0:45 :45 第1会場 天空 センター 座長 東北労災病院 ラパヘルは標準術式になり得るか ラパヘルの栄枯盛衰 そして未来に向けて SP8- 刈谷豊田総合病院 現 早川 腹腔鏡ヘルニアセンター 職 刈谷豊田総合病院 副院長 腹腔鏡ヘルニアセンター長 日本ヘルニア学会 理事長 日本臨床外科学会 名古屋市立大学医学部 資 幹事 臨床教授 格 日本外科学会 指導医 専門医 日本消化器外科学会 指導医 専門医 日本内視鏡外科学会技術認定取得医 胃癌 06-GS-2 評議員等 日本ヘルニア学会 理事長 評議員 日本臨床外科学会 幹事 評議員 日本腹腔鏡下ヘルニア手術手技研究会代表世話人 日本内視鏡外科学会 評議員 技術認定取得医 日本内視鏡外科学会技術認定審査 ヘルニア班 日本内視鏡外科学会 ガイドライン委員長 ヘルニア班 審査委員長 日本腹部救急医学会評議員 日本胃癌学会代議員 略 歴 昭和58年 3 月 名古屋市立大学医学部卒業 昭和64年 4 月 JA知多厚生病院 平成 9 年 5 月 名古屋市立大学第一外科助手 平成年 4 月 名古屋市立大学第一外科講師 平成6年 5 月 刈谷豊田総合病院 中央手術室部長 外科部長 手術室室長 平成7年 4 月 名古屋市立大学医学部臨床教授 現在に至る 平成7年0月 刈谷豊田総合病院 平成24年 4 月 日本腹腔鏡下ヘルニア手術手技研究会 平成27年 4 月 刈谷豊田総合病院 腹腔鏡ヘルニアセンター 平成28年月 日本ヘルニア学会 理事長 平成29年 4 月 日本臨床外科学会 幹事 副院長 (現在に至る 哲史 代表世話人 センター長 外科 徳村 弘実
50 SP8- ラパヘルは標準術式になり得るか ラパヘルの栄枯盛衰 そして未来に向けて 早川 哲史 辻 恵理 2 上原 崇平 2 北山 陽介 2 犬飼 藤幡 士郎 2 宮井 博隆 2 高嶋 伸宏 2 山本 稔 2 小林 公一 2 野々山敬介 2 原田真之資 2 健司 2 清水 保延 2 田中 守嗣 2 刈谷豊田総合病院 腹腔鏡ヘルニアセンター 2 刈谷豊田総合病院消化器 一般外科 本邦での腹腔鏡下ヘルニア修復術 ラパヘル は99年に松本が開始し 995年まで増加した が 同時期にメッシュプラグが台頭したことで突然0年間ほどの黎明期に入った ラパヘルの 利点である術後早期社会復帰に対して 簡便で安価であるとの報告が相次ぎ 内視鏡外科手術 推進派の外科医もラパヘルから去っていった 2005年頃より再度増加に転じた 今まで見過 ごされてきた鼠径部の立体構造の再確認 高精細画像による鼠径部筋膜解剖の認識 再発ヘル ニアの病態確認 外科医の内視鏡外科技術習得などが要因と思われるが 2004年より開始さ れたJSES技術認定にラパヘルが入ったこと 保険点数の増加なども大きな要因の一つと考えら れる 一方 教育の進んだ現在でもラパヘル再発率は3 5%と驚くべき数値がJSESアンケー トで報告されている ラパヘル導入当初の施設での再発が多いと思われるが 良性疾患である 鼠径ヘルニアに対してラパヘルを標準術式の一つと唱えるには些か問題がある 前立腺癌手術 後 下腹部手術既往症例やガイドラインで推奨されている再発ヘルニア 両側ヘルニアのラパ ヘルの手術適応には特に慎重な検討が必要である 確実な知識 理論 技術教育がなされた当 院では3984例のうち9例 0.2 の再発率であり 最近3年間では898例中例 0.% である ラパヘルの将来は今後の教育とたゆまない外科医の努力と情熱にかかっている
51 特別セッション 8 激論ラパヘル その誕生 消滅 再生 隆盛 そして将来 6月3日 土 0:45 :45 第1会場 天空 センター 座長 東北労災病院 SP8-2 外科 徳村 弘実 ラパヘルは儲かるが 易しく安全な手術を難しく危険にする手術である 大木 隆生 東京慈恵会医科大学 [学歴] 987年 994年 東京慈恵会医科大学医学部卒業 東京慈恵会医科大学大学院卒業 医学博士取得 [医師免許] 日本と米国にて医師免許取得 [専門医] 日本外科学会指導医 日本心臓血管外科学会専門医 [職歴] 年 989年 995年 998年 2002年 2006年 2005年 現在 2006年 現在 2007年 現在 [医学雑誌編集 出版] 編集委員長 編集委員 査読委員 東京慈恵会医科大学附属病院 臨床研修 東京慈恵会医科大学第一外科入局 外科医員 米国アルバートアインシュタイン医科大学病院血管外科研究員 米国アルバートアインシュタイン医科大学病院血管内治療科部長 米国アルバートアインシュタイン医科大学病院血管外科部長 米国アルバートアインシュタイン医科大学外科学教授 東京慈恵会医科大学血管外科学教授 東京慈恵会医科大学外科学講座 統括責任者 Endovascular Today Journal of Vascular Surgery, Annals of Vascular Surgery, Journal of Endovascular Therapy, Vascular and Endovascular Surgery, International Journal of Angiology, 脈管学 [所属学会] 米国血管外科学会 国際血管内治療学会 国際脈管学会 日本外科学会 日本心臓血管外科学会会員 日本血管 内治療学会 日本血管外科学会 等 [執筆 講演活動] 図書 Text book of Carotid Artery Stenting 胸部大動脈瘤 ステントグラフト内挿術の実際 (医学書院) 腹部大動脈瘤 ステントグラフト内挿術の実際 (医学書院) 医療再生 日本とアメリカの現場から 集英社新書 医学論文 約40編 医学図書分担執筆36冊 招待講演620回 招待手術延べ3カ国 [その他] 日本外科学会 理事 Japan Endovascular Symposium 代表世話人 第50回国際脈管学会会長 Best Doctors in NY 2004, 2005, 2006,2007選出 Newsweek japan 2000 米国で認められた日本人0人 に選出 Newsweek Japan 2006 世界で尊敬される日本人00人 に選出 Best teacher of the Year 2002, Albert Einstein College of Medicine 2009年 文藝春秋 日本の顔 に紹介 202年 高知県観光特使
52 SP8-2 ラパヘルは儲かるが易しく安全な手術を難しく危険にする手術である 大木 隆生 東京慈恵会医科大学 995年に演者が日本臨床外科学会雑誌に掲載した 術後QOLと安全性からみた各種成人鼠径ヘ ルニア手術の検討 と題する研究では慈恵医大関連病院で施行した各種鼠径ヘルニア手術97例 の術後QOLと安全性について前向きに検証した その結果 McVay Bassini AITRなどテ ンションのかかる術式は安全であったがQOLが悪かった 腹腔鏡手術(LH)ではQOLは良好で あったが陰部大腿神経損傷 腸管閉塞 開腹再手術など鼠径部法では起こりえない合併症が見 られ妥当性は見いだせなかった 一方 間接ヘルニアに対するMarcy法と直接ヘルニアに対す るLichtenstein法は安全かつQOLが高く最も合理的な術式と結論づけ その甲斐もあって腹腔 鏡手術は全国的に衰退した その後欧米で施行された鼠径部法とLH法を比較した数々のRCT により20年前の演者らの結論が正しい事が証明されたにもかかわらず 近年本邦ではLH法が 激増している これは診療報酬上LH法に有利な改定がなされた 病院収入 腹腔鏡50万円 鼠 径部24万円 短期滞在基本料3とDPC下 204年以降の現象である さらに 日本ヘルニア 学会調査ではLH法の増加にともない重大合併症とヘルニア再発が増えている LH法は 安全 で確実な手術を 難しく 危険で術者を選ぶ手術にしている コモンディジーズである鼠径ヘ ルニアの治療においては例外を除き鼠径部テンションフリー法がQOL 安全性 ラーニング カーブ 医療経済の観点からベストであることは20年前と何ら変っておらず LH法推奨者の 根拠と真意を問いたい - 5 -
53 第 5 回日本ヘルニア学会学術集会 シンポジウム
54 SY- SY-2 鼠径ヘルニア日帰り手術専門クリニック開業の理想と現実 日帰り手術クリニック開業への道 今津 小田 浩喜 医療法人 いまず外科 当院は今年5月で開業以来4年目になります 結果的に今まで 比較的順調に来たように見えますが その時の時代の流れや運 もある気もします 僭越ですが日帰り手術専門クリニックを始 めた これから始めたい方へのアドバイスとして開業の理想と 現実そして将来展望を考えたいと思います 誰でも理想は 何 もしなくても 口コミだけで 患者は絶えず来院し 好きな手術 のみをしてトラブル無く毎日が過ぎ 利益も上がるクリニック が良いのですが 現実は何もしないと誰も来ず 何とか集患す るために ホームページを立ち上げ セミナー 講演会を行い 新聞 ミニコミ誌などに広告記事を載せ 医師会で紹介をお願 いする等が必要となります 手術は鼠径ヘルニア手術だけでは 成り立たないので下肢静脈瘤 痔核 外傷 火傷など外科処置 は全て行い 余りやりたくないかもしれませんが風邪やインフ ルエンザ 花粉症から高血圧 糖尿病といった慢性疾患 訪問 診療看護などの地域貢献を行い光熱費 人件費 材料費 広告 代等の出費をできるだけ抑えて何とかする事となります しか し 鼠径ヘルニア日帰り手術専門クリニックは現状少ないので 通常しっかり症例をこなしていくと少しずつ患者は増える事が 多いと思います ただし現状保険診療による治療であるため2年 に回の報酬改定での収益変動は予想しにくいところが有り こ の点は日本ヘルニア学会でも外保連通じて努力する必要がある と思います 開業前7年間 佐田病院でヘルニア 手掌多汗症 痔疾患 胆 石症の日帰り手術と麻酔法を学んだ この経験が開業の基盤と なった 各分野専門学会に所属し 経験豊富な諸先輩方に教え を請い 同年代の学会員と新しい治療法など情報交換を行って きた 開業前に普及してきた下肢静脈瘤レーザー手術を数施設 で見学し 下肢静脈瘤の手術と検査法を修得した 2007年0 月に福岡市に日帰り手術に特化した6床の有床クリニックを開 業した 開業当初は痔手術が多かったが 20年に下肢静脈瘤 レーザー手術が保険収載されてからは下肢静脈瘤手術が急増し 207年2月 ま で に648例 下 肢 静 脈 瘤5566例 痔469例 多 汗 症3763例 ヘ ル ニ ア2640例 胆 石 症247例 そ の 他96 例 の日帰り手術を施行した 当日朝入院し午前中6例手術を行 い 夕方までに退院した 遠方患者は術当日に近接ホテルに宿 泊し 翌日診察後に帰宅した 合併症などで日帰りできなかっ た症例は30例 0.2% で関連病院に転院した この大部分は開 業前期症例で日帰り手術適応にも問題があった 医師名で手術 と麻酔を行っていたが 206年月から麻酔標榜医の資格を持 つ外科医師が加わり2名体制となった 術中出血や麻酔中の血圧 低下 呼吸抑制などのトラブルに敏速に対処でき 医療安全面 では2倍以上のマンパワー効果を実感している 手術診療報酬を 当院平均手術時間で除した場合 ヘルニア手術 切開法 は他手 術に比べて数分のと低く ヘルニア手術 切開法 の診療報酬点 数は現況の2倍が妥当と思われる 当院の将来展望として 有床 クリニックの利点を生かし 患者のニーズに応じて泊入院の受 け入れも考慮している SY-3 SY-4 ヘルニアクリニックを開業して 宮崎 クリニック継承における鼠径ヘルニア短期滞在治療の立ち上 げと今後の展望 恭介 みやざき外科 ヘルニアクリニック はじめに mesh-plug法と腹腔鏡下ヘルニア手術の導入当初 994年 ちょうど 日本で組織縫合法からメッシュによる tension-free修復術への移行期に 卒後4年目の外科医が鼠径 ヘルニア手術に興味を持ち ヘルニア手術 新時代の荒波に飲 み込まれていった 今回 この外科医が日本初のヘルニアクリ ニックを開業し 現在に至るまでを報告する 準備 999年 卒 後8年 目 mesh-plug法 で 有 名 なThe Hernia Center(NJ)を2日間見学し 鼠径ヘルニア手術のみを行 うヘルニアクリニックの存在を知る 同時に ワンショット硬 膜外麻酔による日帰り麻酔に衝撃を受ける この時 自ら麻酔 と手術を行うことが出来れば 日本でもヘルニアクリニックが 可能なのではないかと初めて考え 同年 麻酔科標榜医を取得 する 2000年 局所麻酔下にKugel法を行うMidState Medical Center(Connecticut)を見学する そして2002年 PHS法の開 発者Dr. Gilbertのクリニック Hernia Institute of Floridaを3 日間見学し ヘルニアクリニック開業を決断する 現状 2003年 卒後3年目 みやざき外科 ヘルニアクリ ニックを開業する 206年までの4年間に 5,78例の鼠径 ヘルニア 日帰り手術 成人5,442例 小児276例 を行う 将来展望 手術を続けることが出来れば安定経営であるが ク リニックの規模は大きくしない 安全な鼠径部切開法によるヘ ルニア手術を いつまでも提供したい 斉 おだクリニック日帰り手術外科 広津 順 ひろつおなかクリニック 当院は 6床の有床クリニックである 平成2年4月に父の他 界により医院を継承した 当時 医師7年目 大学医局の関連病 院に出向中であり 術者の症例も増えつつあり 外科医として の遣り甲斐を感じていた矢先の出来事であった 昭和33年に祖 父が外科医院を開業し 町の かかりつけ医 として地域医療に 貢献してきた 平成元年に父が継承し 乳腺 胃 大腸 虫垂 炎 ヘルニアの手術などをしていたが時代の流れとともに手術 を断念していた 継承当時の診療内容は 内科疾患 整形疾患 がほとんど 外科的なものは 外傷や粉瘤 陥入爪程度であっ た 外科医院と言えども こんなものなのだろうと手術に関し ては諦め 今後のモチベーションをどのように保っていけばい いのか迷っていた頃 ある学会誌にて鼠径ヘルニアの日帰り手 術をしているクリニックの存在を知り 衝撃が走った これ なら何とか自分にも出来るかもしれない それから数か所の 日帰り手術クリニックを見学 その後 平成24年9月より 鼠 径部切開法による鼠径ヘルニアの短期滞在治療を開始した ま た 治療法の選択肢拡大目的に平成26年0月より腹腔鏡手術 TAPP法 を開始した 無影灯の電球も切れ 物置と化した手 術室 スタッフは大半が父の時代からの者のみで うち手術室 経験者は名 新規開業とは違う継承クリニックにおける鼠径ヘ ルニア治療立ち上げまでの準備 現状 将来の展望について報 告する
55 SY-5 SY-6 手術は上手い だからスタッフ教育と広報 そして継続する事が第 執行 友成 川崎 篤史 2 岡村 淳 2 松田 日帰り全身麻酔管理による腹腔鏡下ヘルニア修復術退院遷延の リスク因子の検討 年2 柏木 東京ヘルニアセンター 執行クリニック 2 医 涼友会 東京ヘルニア 日帰り手術センター 神楽坂 D.S. マイクリニック 目的 998年誰もやって居なかった開業外科医のチャレンジと 言われるが 必然性が有ったから始めた鼠径ヘルニア日帰り手 術 多くの事を工夫し 謙虚にそして根気よく継続する事が大 事である事をお知らせする 方法 何もない 誰も居ない そして経験がない 自分が手術 を受ける立場と考え 準備し スタッフと思案し始めた手術と 管理を伝承します 成績 鼠径ヘルニア手術8,600例の日帰り 泊手術のoutcome と工夫の数々 結論 日帰り手術 特に鼠径ヘルニア手術を開業して行おうと 考える外科医は全ての手術が上手い 自信が有るから一人で開 業する 落とし穴は何か 邁進だと言える 手術は上手い し かし開業医は世に言う サービス業 であり 対面のお仕事で 有る事をいつも心に置くべきで有る 有る程度順調に走り出す と 邁進 が生じる 邁進とは何か これなら一人で日帰りで できる そう思った瞬間に崩れ落ちる可能性が膨らむので有 る 00%はあり得ない事を考えれば バックアップの準備と できれば入院施設を持つべきで有る事を言いつづけている そ して何よりも外科医に協力してくれるスタッフを満足して従事 できる職場環境への配慮が大事であり その配慮が鼠径ヘルニ ア手術の結果へ直結する事を述べてたい 術式 解剖ではない 開業外科医はスタッフ教育と自らの邁進する事のない謙虚な継 続力が必要と考えている 邦友 大橋 東京外科クリニック 直樹 背景 新規開業の際に問題となるのが予測不可能な術後在院時 間の遷延である 開院年が経過し 術後在院が遷延するリスク について検討した 対象 205年月開院 206年2月末に日帰り全身麻酔を 行った患者のうち6歳以上腹腔鏡下片側ヘルニア手術を行った 278例を対象とした 両側 非腹腔鏡症例 6歳未満は除外し た 当院での手術室退室から退院までの時間で9割は2時間半以 内に退院しており これらをコントロール群 術後在院時間が2 時間半以上であった残りの割を遷延群とした 退院基準は一般 的なものを使用し 統計学的処理は単変量 多変量解析を行っ た 結果 コントロール群243例 遷延群35例であった 患者背景 身長 体重 性別 年齢 吐き気 硬膜外麻酔 術中使用薬 輸液 麻酔方法では有意差は認められなかった 手術 麻酔時 間 術後飲水 食事 歩行 排尿までの時間は遷延群で多くか かった 術直後 術時間後 退院時痛ともに遷延群で有意に痛 みが強かった 有意差が認められたものに関して多変量解析を 行ったところ 食事開始時間でのみ有意差が認められた 考察 今回の研究で退院遷延を術前に予測するものはなく 手 術麻酔時間の延長がその後の回復特に食事開始を遅くし 退院 を遷延させた可能性がある しかし退院遷延群の多くは許容で きる範囲での遷延であり 長期退院遷延のリスクに関しては今 後も調査を要する SY-7 SY-8 小規模急性期病院から短期滞在ヘルニアセンターへの変革の 取り組み ヘルニアクリニック開業への道 0 からのマネージメント 田村 北仙台はせがわクリニック 孝史 鈴木 筑波胃腸病院 外科 隆二 藤田 徹 大橋 長谷川和住 正樹 鼠径部ヘルニア手術は外科研修の当初から経験される手術であ るものの 実は豊富な経験と知識 また細心の注意を払う必要 がある手術である 現在 各施設において様々な手術手技が施 行されており 腹腔鏡手術を含め手技の多様化をきたしている 我々は良性疾患であるからこそ 神経の走行などの解剖の知識 や鼠径部ヘルニアに対する正確な知見が重要であり 専門化し た施設での手術が望ましいと考えていた その考えを軸心に 206年0月日より小規模急性期病院である当院を短期滞在ヘ ルニアセンターとしての鼠径部ヘルニア専門病院への変革を試 みている 当院は60床を有し 年間4000件の上下部内視鏡検 査や年間200件に及ぶ消化器外科手術を施行してきた 化学療 法や糖尿病 肝臓などの専門外来も併設し 可能な限り地域密 着病院としての役割を継続してきた その流れを受け継ぎつつ も 短期滞在ヘルニアセンターとして現在 新たな道を模索し ている 変革の途中ではあるものの.他施設の見学 2.茨城 ヘルニア研究会の立ち上げ 3.co-medicalへの教育 4.短期滞 在施設としての手術方法や麻酔方法の吟味 5.HPの作成から広 報活動に重点を置き また諸先輩方からの助言を頂き 開設か ら5 ヶ月目で これまで月に2件程度であった鼠径部ヘルニア 手術が月0件程度まで増加している その容易ではない道のり を これまでの苦悩および今後の展望を含め報告し 議論した い 当院は地域に根差した医療を提供する事を基本とし 鼠径ヘル ニア 痔 下肢静脈瘤の日帰り手術を提供することを目的の一 つとして平成27年0月宮城県仙台市に開院した 開業準備 運営にあたり マネージメント感覚の必要性を感じた 医院の 設計 資金計画作成 融資交渉 税金対策 職員の採用 労務 管理 スタッフの教育業務など 勤務医時代にはなかった業務 で内容が多岐にわたる 内容を確認しつつ周囲に振れる事は振 り 自分が先頭に立って指示すべき事を 優先順位を付けて 行ってきた まず 第一にスタッフ間の連携を密にする事 当 院の理念を理解し行動してもらう事に腐心した 当然の事なが ら医療は医師だけで完遂出来るものではないため 円滑に医療 が提供出来るよう工夫を行った 具体的には 当院の理念と行 動目標の掲示 LINEによる情報交換 毎朝朝礼後 簡潔に各々 の行動予定を確認し合う事 終礼前に簡潔にミーティングを行 い 良かった点 改善点 憂慮点を挙げ対応の検討を行ってい る それにより スタッフの一体感 情報の共有化とホスピタ リティーの精神で接遇にあたってもらう事に寄与していると考 えている 医療は疾患を治療する事が中心であるが 日帰り手 術を安全 安心して受けて頂くためには疾患を治療する事は元 より 治療を受けにこられる患者様を中心としたテーラーメイ ド医療の提供が重要と考え 今後も工夫を重ねて行きたいと思 う
56 SY2- SY2-2 ラパヘル再発率の低下に対して我々が考えるべきことと すべきこと 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術の新しい教育システムの有用性 検討 多施設無作為比較試験 内田 一徳 川原田 陽 2 和田 中野 敢友 5 井谷 史嗣 5 江口 松本 純夫 8 大桃 芳之 9 POUDEL SASEEM,2 倉島 庸 田中 公貴 川瀬 川原田 陽 4 村上 慶洋 5 伊藤 陽一 6 中村 文隆 7 聡 七戸 俊明 平野 英俊 3 植野 徹 6 早川 望 4 哲史 7 広島厚生病院外科 2KKR 斗南病院外科 3 浜松医科大学第一外科 4 淀 川キリスト教病院外科 5 広島市民病院外科 6 原三信病院外科 7 刈谷 豊田総合病院外科 8 東京医療センター外科 9 コヴィディエン ジャパン 北海道大学 消化器外科 II 2 製鉄記念室蘭病院 外科 3 清田札幌病院 外科 4KKR 斗南病院 外科 5 旭川市立病院 外科 6 北海道大学 医療統 計学分野 7 手稲渓仁会病院 外科 第2回調査JSESアンケートによれば 腹腔鏡下鼡径ヘルニア手 術は件数の増加を認めたが その再発率はTAPP4% TEP5%と 鼡径法に比べ高く これは由々しき問題と考えられる 我々は20年より 富士宮ATCで ヘルニアマスタークラス という講習会を継続的に行っている 会はすでに4回を重ね 受講者数も全国から300名を超えた この教育システムが一定 の効果を得たことを第29回日本内視鏡外科学会で報告した 特 記すべきは本講習会受講者の再発率はTAPP TEPともに0.4% で有用性は明らかであった 本講習会は 企画段階から 講義 内容 モデル検討 スタッフ育成等の様々な検討を重ね 講習 会の質の向上に向けてのディスカッションを繰り返し行った 受講者の再発率の低下は当然の結果と思われる また 受講の ために全国から集まった熱意ある外科医の姿勢もこの好結果に 影響していると考えられる 各施設レベルでの教育システムと は異なり 講師に技術認定医を招きスペシャリストによる直接 指導を得 さらにはドライ ウェットラボを体験するような至 れり尽くせりの講習会の企画実施には膨大な時間と予算を要す る 企業のバックアップ無しには有り得ない 我々はこの特定 の企業努力に対して感謝をするとともに 講習会の存続に向け ての協力を行うことを忘れてはならない 背景 以前我々は 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術腹腔内到達法 TAPP の客観的技能評価を目的としたチェックリストを開発 し その有効性を示した その後我々はチェックリストに即し た教育ビデオおよび評価とフィードバックを基盤とした教育シ ステムを開発した 今回 TAPP初心者に対するこの教育シス テムの教育的効果を検討した 方法 TAPP執刀経験数例以下の外科医を対象とし 従来通り の教育法で指導を受ける対象群 CG と 教育ビデオおよび詳細 な評価とフィードバックによる指導が提供される介入群 IG へ 無作為に振り分けた 両群は期間中に執刀したから3例目の手 術ビデオを提出し エキスパートによるチェックリスト評価を 受けた 執刀例目の評価点数が20点以上 24点満点 の参加者 は研究対象から除外した 両群の評価点数の推移 3例目の評価 点数を比較した 結果 参加9施設から 卒後3 8年目までの外科医8人が本研 究に登録され 2人 CG: 5 IG: 7 がデータ解析対象となった 3例目の評価点数はCGと比較してIGが優位に高い結果となっ た CG; 6.0±4.7 vs. IG; 2.3±2.0 vs. p=0.04 例目と CG: ± 3例目間の評価点数はIGにおいて優位に向上した 3.2 p= 0.52 vs. IG: 8.7 ±5 p=0.008 結 語 今 回 我 々 が 開 発 し た 新 し いTAPPの 教 育 シ ス テ ム は TAPP初心者の技能向上に対し教育的効果があることが証明さ れた SY2-3 SY2-4 鼠径部切開法の確実な習得をするために 経験に勝るもの無し 執行 友成 川崎 寛,3 篤史 2 岡村 淳 2 松田 JHS 地方会における鼠径部ヘルニア治療の教育への試み 川崎 篤史 執行 友成 三澤 神楽坂 D.S. マイクリニック 年2 東京ヘルニアセンター 執行クリニック 2 医 涼友会 東京ヘルニア 日帰り手術センター 神楽坂 D.S. マイクリニック 健之 長浜 雄志 和田 則仁 目的 昨今 良性疾患の外科治療は軽んじられる傾向にある 外科医が数多く遭遇する手術は良性疾患である 中でも鼠径ヘ ルニアは年間5万件以上の手術が行われている事実を再度認識 し 安全で確実な術式をまずは選択すべきであり 軽んじられ る傾向にある鼠径部切開法の教育について検討する 方 法 卒 後0年 以 下 の 若 手 20年 以 下 の 中 堅 外 科 医 の Learning curve等を比較検討 成績 短期間に集中し 数多く経験をすることが外科トレーニ ングに於いて必要である確証を得た 結論 JSESアンケートでは何時も同じ視野になる腹腔鏡下手術 が良いとする外科医が多くなっている 我々の施設では以前よ り鼠径部切開法で同一視野で臨めるかを基本に 皮切位置 を基 本的操作とする wound retractorの使用により鼠径管内も常 に同一視野を確保する事を第2点の教育とした結果 安定した手 術時間とoutcomeを得ている 東京ヘルニアアカデミーでも鼠 径部切開法の基本実施指導を強化する事により受講生の希望に 答えている事を報告する はじめに 東京ヘルニアアカデミー 以下THA は 206年3 月に発足した日本ヘルニア学会の地方会のひとつであり ドラ イラボを用いた手術手技指導に重点を置いた研究会を現在まで に2回開催してきた THAについて 受講者は25名 回程度募集する 2グループに 分かれ 鼠径部切開法とLAP法のハンズオンセミナーを時間 ずつ行う 講師は受講者2名に対して名の割合で配置 受講者 には受講前後にアンケート調査を行っている 結果 受講者総数47名 受講者の卒後年数は年から24年目 初期研修医から外科学会指導医 受講後のアンケートでは 受講生の大半から満足との回答が得られた また若手外科医が 抱いている 鼠径部ヘルニア手術に対する疑問点などが浮かび 上がってきた 結語 THAの現状と今後の課題を考察し 鼠径部ヘルニア治療 の教育のあり方を会場の皆様と考えたい
57 SY2-5 SY2-6 実体臓器モデルと TAPP check list を用いた腹腔鏡下鼠径 ヘルニア修復術術前評価の試み 当院における腹腔鏡下ヘルニア修復術 TEP の若手医師へ の導入 西原 石多 平井 佑一 渋谷亜矢子 磯部 国立病院機構 東京医療センター 外科 陽 松本 純夫 啓 堀部 文倫 毛利 俊彦 石井 雅之 東京女子医科大学 八千代医療センター 消化器外科 目的 適切な腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 以下TAPP の教育 のためには 手術室で実際に手術を行う前のシミュレーショ ントレーニングが重要である 今回 実体臓器モデルとTAPP check listを用いたtapp術前習熟度評価を試みた 方法 当院所属の外科医5名を対象とした 対象者の卒後年 数 年齢 これまでの腹腔鏡手術経験数 00例以上 00例 未満 TAPP経験数 内視鏡外科学会技術認定医資格の有無 を背景因子として抽出した 対象者が施行した模擬手術の画像 を TAPP check listを用いてスコア化し 対象者の卒後年数 年齢 これまでの腹腔鏡手術経験数など習得した背景因子との 相関を検索した 2群間比較にはt検定を 相関関係の検索には Spearmanの順位相関分析を用いた 成績 TAPP経験数とスコアには強い相関を認めたが r=0.705 卒 後 年 数 年 齢 と ス コ ア の 相 関 関 係 は 弱 か っ た r 0.49 r=0.366 腹腔鏡手術経験数では 00例以上の群でスコア が有意に高値であり 00例以上 9.33±.38 00例未満 2.55±.0 P 0.05 内視鏡外科技術認定医資格の有無で も 資格取得者で有意にスコアが高かった 資格取得者 ±0.75 資格未取得者 3.45±.23 P 0.05 結論 模擬手術による術前評価は 熟練者 非熟練者の判別を 支援し かつ熟練者へのステップアップを助ける教育システム になりうると考えられた 若手医師に腹腔鏡手術を導入する場合は腹腔鏡下胆嚢摘出術や 腹腔鏡下虫垂切除術が選ばれる しかし炎症の程度により難易 度に差があり 高度な炎症がある症例では臓器損傷などのリス クも伴う 当院では内視鏡下手術のトレーニングとして積極的 に腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TEP を選択している TEPの メリットとしては まず腹膜損傷が最小限であることである 次に内視鏡下における 結紮切離や層の剥離など基本的な手術 操作が含まれる また 症例も豊富で予定手術であることなど があげられる しかし TEPでは剥離範囲が膜や層が複雑に絡 み合った部位であること そしてそれらの組織に個人差がある ことから手術の定型化および理解が難しい 当院では腹直筋 恥骨結合 レティウス腔 クーパー靭帯 死冠 下腹壁動静脈 腹横筋 腸骨恥骨靭帯などのランドマークを順に同定すること により手技を定型化し 若手医師へ導入してきた 当院におけ るTEPの手術手技をラーニングカーブとともに供覧する SY2-7 SY3- 腹膜交換型高品質 TAPP トレーニングシミュレータの開発 渋谷亜矢子 磯部 猛志 今西 栄一 陽 西原 佑一 石 国立病院機構 東京医療センター 外科 志紘 松本 術後合併症減少を目的としたポート数減少からポート径減少 による Reduced port TAPP 純夫 目的 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術は その優れた診断能と低 侵襲性から症例数が急増し 内視鏡外科の基本手技を必要とす るTAPP trans abdominal pre peritoneal approach 法は教 育的見地からも注目されているが learning curve LC は約 50例と長い 我々はそのLCを短縮するために TAPPのトレー ニングシミュレータを開発してきたが 今回 実用化に向けて さらに構造を改良し低価格化をはかったので報告する 方法 既報のごとく 特許技術Bio-Texture Modeling R を活 用して開発した実寸大腹腔シミュレータ内にCT画像から3Dイ メージを構築し外科解剖学的ランドマークを配置した鼠径ヘル ニアモデルを設置するが 鼠径部基本構造をシリコンで成型 し 腹膜と剥離層を模した含水合成樹脂ポリビニルアルコール PVA 製の膜構造を分離して貼り換え型の反復使用可能なモデ ルに改修した 結果 腹膜および湿性腹膜前組織を貼り換え型としても 腹膜 の切開 牽引 剥離 精索の壁在化 メッシュの挿入 腹膜縫 合などの基本手技は 従来通り生体を模した立体環境と質感で 練習することが可能で トレーニングの簡便性と大幅なコスト 削減が実現した まとめ 本シミュレータは TAPPの練習を実際の手術に近い 環境で繰り返し行うことを現実的にし LCの短縮と手術の確実 性 安全性を高めることに寄与できると考えられる 今後 多 施設においてその有用性を検証していきたい 高木 剛 小林 西陣病院 外科 博喜 小泉 範明 はじめに 当院では2009年から腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 として 臍に2mm 両腹部に5mmポートを留置した3ポート TAPPを開始 20年から術前診断で片側と診断した症例に 対して2孔TAPPも導入 しかし 腹壁瘢痕ヘルニアやSSIの合 併症を認めた経緯から 204年6月からは臍5mm 右側腹部 5mm 左側腹部3mmの細径化TAPPを定型化している 方法 細径化TAPP 臍内に5mmポートをoptical view method で挿入 右側腹部に5mmを左下腹部に3.5mmポートを挿入す る 膜を意識した剥離を行い 至適な剥離後に適切大のメッ シュを5mmポートから挿入 留置 固定後は 切開した腹膜を 3-0 吸収糸にて腹膜剥離面が腹腔側に露出しないように連続縫 合閉鎖する 結 果 204年6月 か ら206年2月 ま で 細 径 化TAPPを75 例 202病 変 施 行 平 均 手 術 時 間 片 側 77.0 min 両 側 28.3 min 出血量 少量 少量 8g 術中合併症なし 術後 合併症 短期成績であるが 創感染ならびに腹壁瘢痕ヘルニア は認めていない また 再発 腸閉塞も認めていない 術後治 療を要した血 水腫は例であった 術後平均在院日数.93 4 日 3mm鉗子から5mm鉗子への変更を要した症例はな し まとめ 術後合併症を考慮すると 一ヶ所の腹壁切開長を短く する程腹壁瘢痕ヘルニアや創感染といった合併症は減少 TAPP におけるReduced port surgeryはポートの径を細径化すること が理想的であると考える
58 SY3-2 SY3-3 3mm scopic TAPP と TANKO+ TAPP の比較検討 立川病院での RPS の現状 松田 亀山 年 岡村 淳 川崎 篤史 執行 友成 2 神楽坂 D.S. マイクリニック 2 東京ヘルニア 日帰り手術センター 執 行クリニック 目的 腹腔鏡下ヘルニア修復術 TAPP は診断が容易であるも のの手術時間が長く筋弛緩薬を用いた全身麻酔が必要になる 今 回 短 期 滞 在 手 術 と し て のTAPP術 式 と し て TANKO+ TAPP法と3mm scopic TAPP法の比較検討を行った 方法 206年2月 ま で に 行 っ たTANKO+ TAPP 22例 と Facial 3mm scopic TAPP 63例に対して手術時間 術後のFPS Pain Scale 術 後週 間 目 のVAS visual analogue scale 疼痛部位 鎮痛剤使用回数を比較検討した 手術 TANKO+ TAPP法は臍部を.5cm切開し5mm硬性鏡と 5mm鉗子 さらに3.5mmのトロッカーを本追加挿入 3mm scopic TAPP法は3.2mm硬性鏡と3.5mm 5mmトロッカーを 3 ヶ所に挿入 両群ともライトウェイトメッシュを使用した 結果 TANKO+ TAPPと3mm scopic TAPPそれぞれの平均 手 術 時 間 は59.5±0.8分 4.6±4.4分 で 有 意 p 0.0 に3mm scopic TAPPが短かった 術直後 施術時間後 退院 時のFPSで両群には差は認めなかった.4 vs.8.68vs vs.0 術後鎮痛剤使用回数 術後週間目の VASに有意差はなく 術後の痛みはTANKO+ TAPPで28 に 臍部痛が見られたが 3mm scopic TAPPに臍部痛は認めなかっ た まとめ 両群とも術後疼痛の差はない しかし3mm scopic TAPPは手術時間 麻酔時間が短く手術創もTANKO+ TAPP と比較しても遜色ない 鼠径ヘルニア修復術においては3mm scopic TAPPは受け入れやすい手技と思われる 祐樹 秋山 芳伸 206年4月より立川病院外科へ赴任し 腹腔鏡下ヘルニア修 復術 以下 ラパヘル を導入した 今までは年間約00例の 鼠径ヘルニア手術はすべて前方アプローチであったが 4月以 降の0か月では前方アプローチ68例 76 腹腔鏡手術2 例 24 となった ラパヘルの内訳は単孔式腹腔鏡手術7例 TEP: 3例 TAPP: 2例 LPEC: 2例 TAPP 4例であった 単孔式腹腔鏡手術はすべて同一の術者によるものである ラパ ヘル導入にあたり 麻酔科と手術室看護師へ勉強会を通じ手技 手順や機器などについて説明した 術者の条件としては 助手 として0例以上参加した人とした ラパヘル初心者がTAPPを 施行する際には グローブ法を応用し臍部より2本ポートを入 れ その他に通常通り2本ポートを入れる方法で指導している 術者の習熟度にあわせ ポートの本数を減らしRPSを施行して いる 現在 使用する鉗子はすべて5mmであり 腹腔鏡は5mm 硬性鏡 30度斜視 を使用している 今後は細径鉗子の導入をし ていくと共に最終的には単孔式腹腔鏡手術を目指したいと考え ている SY3-4 SY3-5 日帰り手術クリニックにおける膨潤麻酔併用による SILSTEP 法 435 例の検討 池田 哲章 瀬尾 国家公務員共済組合連合会 立川病院 外科 単孔式 TEP 法の現状と今後の展開 長浜 雄志 岡島 藤森 喜毅 阿美 義博 千怜 冨井 克典 2 鴈野 知春 岡田洋次郎 秀明 2 国家公務員共済組合連合会 九段坂病院 外科 2 東京都保健医療公社 豊 島病院 外科 岡山そけいヘルニア日帰り手術 Gi 外科クリニック 当院は無床の日帰り手術専門クリニックとして 特に成人鼠径 ヘルニアを中心に診療を行っている 日帰り手術を可能とする には 低侵襲性と安全性がより一層担保される必要がある 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術は低侵襲性から早期の社会復帰が 可能と言われている また 鼠径ヘルニアそのものが 腹壁の 脆弱性からなる疾患である よって腹腔内操作を必要とせず 腹壁内のみの操作で脆弱部を含む腹壁を広く補強できる術式 totally extraperitoneal repair TEP そしてより低侵襲化 を目指したSILS-TEP法が日帰り手術に最も適していると考え 標準術式として採用している 当院のSILS-TEP法は 腹直筋後鞘切開アプローチで腹膜外腔 に達する 2本の鉗子と超音波凝固切開装置を用い 腹膜前腔を 十分開放する メッシュは3D Maxスタンダードタイプ Bard Lサイズを使用し パーマフィックス Bard で固定している また 患者にとって最も不安で術後の満足度を左右する最大の 要素は痛みである そこでSILS-TEP法に膨潤麻酔を併用し 安全で術後の痛みをできる限り軽減するよう努めている 205年4月開院から206年2月までに当院で施行したSILSTEP法435例について検討した その結果 SILS-TEP法に膨潤麻酔を併用することで 手術の 安全性も上がり 術後早期の疼痛も軽減できた 無床クリニッ クおいても 工夫を重ねることで より一層安全で 患者の ニーズを満たす日帰り手術が可能と考える 目的 202年3月より単孔式TEP法を導入し 207年月まで に372例に対してhernia修復術を行った この結果を基にTEP 法におけるReduced port surgeryの現状と今後について検討し 報告する 現状 単孔式TEP法ではすべての剥離操作を直視下に鉗子に よって行うため誤った剥離層に入ることや下腹壁血管の損傷な どは制御可能であり 腹膜前腔の剥離操作を行われていなけれ ば下腹部手術の既往があっても施行可能である 逆に鉗子間距 離は近接し 剥離操作は従来法と比較して制限される 鉗子操 作の制限はいわゆる 慣れ によって克服可能で 導入当初0 例の両側症例に対する手術時間が97.8分であったのに比較して 直近の0例では50.5分と時間短縮がえられている 鉗子間距離 の確保のため腹直筋前鞘の切開は3cm程度と長くなり 術後数 日間鎮痛剤の服用が必要になっている 今後低侵襲性と鉗子操 作性の両立を求めるのであれば単孔+として前鞘切開を縮小す ることも検討する必要があり 単孔式TEPの限界であると考え られる 展望 現状では単孔式TEPの手技はほぼ確立し新たな展開を得 ることは困難である 一方で小開腹により腹腔内に到達すれば Trocarを追加することなく周囲の剥離操作を直視下に行いうる 点は単孔手術の大きな長所であり 他の手術手技に応用可能で ある 現在腹部手術既往例に対する腹腔鏡手術や腹壁再建術な どに対して導入し より安全な手術操作が可能になっている
59 SY3-6 SY4- 鼠径ヘルニアに対する Reduced port totally extraperitoneal repair の導入と現状 馬場 誠朗 岩谷 岳 亀山 菊地 大輝 3 有末 篤弘 高原 新田 浩幸 大塚 幸喜 肥田 木村 祐輔 4 佐々木 章 哲章 2 冨澤 武志 秋山 圭介 水野 細径鉗子を用いた TANKO POP TAPP 小林 橋本 勇貴 3 有史 大 岩手医科大学 外科学講座 2 立川病院 消化器外科 3 内丸病院 4 岩手 医科大学 緩和医療学科 目的 減孔式腹腔鏡下TEP RP-TEP の習得から導入後の手術 成績について報告する 方法 203年3月から206年2月までに経験した3例を対 象とした 指導医の助手経験 A群 7例 を対照とし 指導医の 助手のもとでの術者経験 前期例: B群 後期2例: C群 と 205年4月から新規導入した現施設での指導医なしでの術者経 験 D群 9例 で 背景因子 鼠径部ヘルニア分類と成績を比較 検討した 手術は単孔式または下腹部正中にポートを本追加し て行った 成 績 各 群 A/B/C/D群 の 男 女 比 は60:/9:2/0:2/6:3 平 均 年 齢 は65.4/7.3/65.3/64.4歳 局 在 右:左:両 側 は 33:3:7/4:4:3/7:4:/9:4:6例であった 鼠径部ヘルニア分類 は 型 -:-2:-3 :36:4/0:6:0/0:5:3/0:8:5例 2型 2:2-2:2-3 0:3:6/:0:5/:0:2/4::4例 3型/0/0/2例 4 型7/2//例であった 手術時間は72/9/74/97分 出血量は 少量であった 再発例をA群で例認め 再手術施行後は再発を 認めていない 合併症はA群で漿液腫2例 皮下血腫2例認めた が全例保存的加療で改善している また D群のVASによる術 後疼痛評価 /4 POD は.0/0.であり疼痛に関する成績は 現在まで良好である 結語 TEPを習得し安全に導入することができ その短期成績 は良好であった また RP-TEPは創部数が少ないことから 整容性を重視する症例に対しては有用な手術手技ではないかと 考えられる 義孝 川守田啓介 高柳 圭 前田 賢人 宮下 智保 正 当院ではtransabdominal preperitoneal approach 以下TAPP は通常5-5-5の3ポートにて施行している 根治度を損なうこ となく より整容性を高めるため 新たに細径鉗子を用いた TANKO POP TAPPを導入したのでその手技と成績を報告する 方法 206年8月から206年2月までに本術式を施行した6例に ついて検討した 男/女=3/3 平均年齢62.6歳 平均BMI 右/左/両 側=7/6/3 JHS:I-/I-2/II-/II-2/III/IV=2/2/2/// であった 手技 臍窩を約.5cm縦切開し 右側の腹直筋膜上を剥離す る st portは臍窩中央筋膜欠損孔からoptical法を用いて5mm portを挿入する 気腹達成後 右側腹直筋膜上にst portから 約cm離して5mm portを直接穿刺する ヘルニア門の左右を 問わず 細径鉗子を臍レベルの高さで 左側腹部に挿入する その後は 通常通りのTAPP手技を行う 成績 手術時間平均値は69.6分 出血量平均値は2g 術後在院 日数平均値は.日であった 合併症は認めなかった 結論 細径鉗子を用いたTANKO POP TAPPは 従来の術式に 比べ 整容性を高めることができ 根治性 低侵襲性を損なう ことなく 患者の満足度も良好であり 鼡径部ヘルニア手術の 選択肢の一つになりうると考えられた SY4-2 SY4-3 細径単孔式腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 N-TANKO-TAPP の有用性と今後の展望 啓吾 橋本 翔 石黒 康弘 米沢 静岡市立静岡病院 外科 山道 敏樹 上田 洋右 藤本 祐希 尾崎 岳 松浦 大阪府済生会泉尾病院 外科 消化器外科 節 田中 細径鉗子を用いた腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 POP-TANKO-HERNIA の成績 義人 滝田 純子 芳賀 尾形 英生 桑野 はじめに TAPP法による腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術は術後 疼痛や再発の点で前方アプローチより優れるとされているが 手技が煩雑な上に創数が増え 整容性に問題がある われわれ は整容性の向上と術後疼痛の軽減を図るために単孔式鼠径ヘル ニア修復術を導入 さらに 細径鉗子を用いる細径単孔式鼠径 ヘルニア修復術 N-TANKO-TAPP を開発し 一定の成果を挙 げてきた 今回 本術式の有用性を紹介するとともにさらなる 細径化図り N-TANKO-TAPP2-5-2を施行したので併せて報 告する 術式 全麻下 Multi-Trocar法で手術を行う 臍窩にベンツ切 開を施行し 臍輪を鈍的に開腹 筋膜切開は行わずに5mmポー トを挿入する 気腹を開始し 尾側のベンツマーク頂点に5mm と2mm BJ ポ ー ト を 各本 挿 入 す る 5mm Flexible Scope で観察の下 ヘルニア門を確認の上 BJニードルで腹膜を把 持 LCSで腹膜を切開 鈍的に腹膜を広範囲に剥離する 3D Max Light L Meshを 挿 入 Absorba Tacで 固 定 す る 腹 膜閉鎖はぐし縫いによる連続縫合で行う なお N-TANKOTAPP2-5-2はMesh固定以外をすべて2mmデバイスで行った 結果 現在までN-TANKO-TAPPを70例に行ったが すべて完 遂でき 大きな合併症も認めなかった 細径鉗子の導入で腹壁 破壊が最小限に留められ 術後疼痛が軽減 整容性も向上した 結語 N-TANKO-TAPPは疼痛 整容性に優れた有用な術式で さらなる細径化可能と思われた 紀裕 増田 博行 2 典弘 柴崎 雄太 国立宇都宮病院 2 群馬大学大学院病態総合外科 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 TAPP法 の標準術式は3ポート法で あるが 5mmポートを用いた左右の側腹部の創は術後比較的長 期にわたって視認でき また術者は左右の腕を開いた手術姿勢 を強いられ 特に患者が大柄な場合にはしばしば身体的な負担 を感じる このことから当院では 術者の負担を軽減し 手術 の質を保ちつつより高い整容性をめざし 平成26年4月より細 した単 径鉗子を併用 これをplus one puncture = POPと定義 孔式腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 POP-TANKO-Hernia を考案 し 現在まで37例に対して完遂している 手術手技と主な成 績を報告する 術式 手術台に対して患者を対角線上に配置し術者は常に左側 に 立 つ 臍 は2mmの 縦 切 開 と しEZ access Mini-miniと5mm port 2本を挿入し 5mmフレキシブルカメラと術者の右手鉗子用 を刺入し として使用する 左側腹部よりEndo Relief 持針器型 術者左手のworking portとして使用し 腹膜は連続縫合する 結果 エネルギーデバイスは右手でしか使用できない一方で 術者は脇を締め安定した姿勢で手術ができる フレキシブル ス コ ー プ を 使 用 し てtriangulationを 保 ち 持 針 器 型 のEndo Reliefは針の保持および剥離に問題はない 手術時間中央値は 片側例で76分 両側例で36分 いずれも当院で行った3ポー ト法と変わらなかった 考察 手術手技に習熟するにしたがってこの術式は3ポート法と 変わらない手術成績を得ることができる
60 SY4-4 SY4-5 腹膜前腔操作で行う鼠径ヘルニア手術の最終形は単孔 TEP 法である 東海林 裕 中島 岡田 卓也 小郷 久米雄一郎 松井 永井 鑑 中嶋 康晃 川田 泰一 奥田 俊大 川村 昭 2 河野 研郎 星野 将史 中嶌 雄大 山口 辰幸 細径鉗子を併用した 5-3-N-TAPP 河合 吉田 明弘 雄高 和哉 央 好川ちひろ 杉本 亮介 脇 直久 石崎 岡山労災病院 東京医科歯科大学 消化管外科学 2 日産厚生会玉川病院ヘルニアセンター 背景 我々は200年4月よりTAPP法を導入 203年月か らは より生理的な修復法と考えられる単孔TEPを導入してい る 一方で診断の問題があるため 術中に腹腔内観察を併施し その欠点を補っている 方法 臍部を縦に2cm切開 白線を切開し腹腔内に到達 5mm フレキシブルカメラで腹腔内より最終診断を行う 十分に脱気 後 6Frサンプチューブを腹腔内に挿入しgasの排泄路とす る 腹直筋後鞘上で剥離を進め 単孔デバイスを挿入 5mm ポ ー ト3本 に て 単 孔TEPを 行 う Indirectの 場 合 鼠 径 床 の Parietalization後にsacを離断 断端はエンドループで2重結紮 とする ついでフラットメッシュを展開 アブソーバタックで 固定 再度腹腔内からメッシュの位置 腸管の巻き込みが無い ことを確認している 結果 203/から206/9までに55例69病変 男女比 44/ 年齢中央値 73歳 に単孔TEP法を施行した 片側4例 両側 4例で手術時間の中央値はそれぞれ98分 25.5分であった 再発 メッシュ感染および慢性疼痛は認めなかったが漿液腫を7 例 3% に認めた 結語 単孔TEP法施行前後での腹腔内観察により 同法で弱点 となる診断および腸管の巻き込みが無いことの確認が可能とな る 腹腔内観察を併用した単孔TEP法は 診断および手技の確 認を腹腔内から行うTAPP法の利点 閉鎖腔への送気による効 率的な剥離操作を行う単孔TEP法の利点を併せており腹膜前腔 での修復術の最終型と思われた 龍馬 伊賀 雅浩 西 徳周 池田 英行 山下 はじめに 当科では202年5月よりTAPP法による腹腔鏡下 鼠径ヘルニア修復術を導入している 206年2月までに55 症例 84病変を経験している 導入時は2-5-5mmとして 5-5-5mm 5-5-N needle を経て現在は5-3-Nを取り入れて いる 当科における5-3-N TAPPの手術手技と成績 問題点に ついて報告する 手術手技 臍部よりopen法により5mmポートを挿入する 臍 右に3mmポート 臍左にニードル鉗子を挿入する 当初は左手 の細径鉗子は把持とガーゼによる鈍的剥離のみで 右手のモノ ポーラ剪刀で鋭的剥離を行っていたが 最近は着脱式のニード ル鉗子を使用することで 左手からの切開 剥離も可能となっ ている メッシュは基本的に5 0cmのフラットタイプのも のを用いており 右3mmポートより3mm硬性鏡を挿入して 臍 部のポートより吸収性のタッカーで固定を行っている 結果 206年2月までに5-3-N TAPPを4例 4病変に施行し た すべて男性でI-2が3例 II-2が例であった 平均手術時間 は27分 で 術後在院日数は であった 考察 手術時間の延長はカメラの着脱が主な原因と考えられた 手術手技としては 細径鉗子を使った剥離や着脱式の細径鉗子 の使用 臍部のポートからのタッキングに工夫が必要であった 結語 5-3-N TAPPは整容性に優れ 在院日数短縮が可能にな ると思われるが 手術時間短縮の工夫が必要であると思われた SY4-6 SY5- 鼠径ヘルニアに対する高位腹膜切開アプローチ単孔式 TAPP の手術成績 小児鼠径ヘルニアに対する LPEC 法の術後成績 田上 徳島大学病院 小児外科 小児内視鏡外科 和夫 金澤 上野外科胃腸科病院 宏国 和城 石橋 昌満 上野毅一郎 背 景 鼠 径 ヘ ル ニ ア に 対 す る 腹 腔 鏡 下 手 術 経 腹 腔 的 到 達 法 TAPP は一般に行われており 最近では単孔式で行う施設も 増えている 当院では ヘルニアタイプの理解が容易 対側の 観察が可能 術野が広く解剖の理解が容易 腹膜閉鎖が容易な どの理由により高位腹膜切開アプローチによる単孔式TAPPを 導入し これまでに263例290病変に行ったので その術式お よび成績ついて報告する 方法 手術は臍正中切開 原則Multiple trocar法にて行う 上 前腸骨棘の高さで腹膜を切開して腹膜外腔に入り 外腔の剥離 とヘルニア嚢周囲の剥離を行う ヘルニア嚢はpre-tied knot法 にて体外結紮後切離する 補強はヘルニア用メッシュを用い吸 収性体内固定用組織ステープルにて4 5箇所固定する 腹膜 はステープルで腹膜断端を重ねるように吸収性体内固定用組織 ステープルを打針して閉鎖する 結果 例にポート追加が必要であった 術中術後で重篤な合 併症は認めなかった 手術時間は片側88.8 ±30.2分 両側 32.4 ±28.分 出血量は少量であった 再発例 0.3% 漿液腫4例 5.2% 血腫2例 0.7% 大腿皮神経領域の一時 的な知覚鈍麻2例 0.7% を認めた 結語 我々が行っている単孔式TAPPの手術成績は短期間にお いて従来式と比べて遜色なく 整容性にも優れていると考えら れるが さらなる工夫や検討が必要であると考えられた 広樹 森 大樹 矢田 圭吾 島田 光生 目的 小児鼠径ヘルニア疾患に対するLPEC法の術後成績を短 期および長期的に検討し その有用性を考察する 対象 2006年6月から現在までに 小児鼠径部ヘルニア疾患 82例 男 児504例 女 児308例 にLPEC法 を,45件 施 行 し た このうち 出生体重,500g未満の極低出生体重児発症の鼠 径ヘルニア症例は 36例あった 疾患の内訳は 外鼠径ヘルニ ア598例に対しては通常のLPEC法を行い このうち内鼠径輪 の開大を伴う8例には再発予防としてAdvanced LPEC法を行っ た さらに鼠径部アプローチ法による再発外鼠径ヘルニアが6 例 内鼠径ヘルニアが2例 大腿ヘルニアが1例あり このう ち6例にもAdvanced LPEC法を行い 計4例に施行した ま た 精系水瘤が203例 ヌック管水瘤が2例あった 術後成績 術中合併症は1例もなかった 術後合併症では 臍 ヘルニア合併例での臍創部感染が3例 (0.3%) あった 再発は 2例 0.2% あり 2例とも腹腔鏡下に再手術を行い 内鼠径輪 の開大が原因と考えられたので Advanced LPEC法で修復し 再々発は認めていない 精巣萎縮 挙上は1例もなかった 未 熟児でヘルニア嚢が大きかった症例で5例 0.6% に術後陰嚢水 瘤の遷延を認めたが 全例6ヶ月以内に消失した 術後の対側 発症は4例 0.7% あった さらに 現在 長期経過例での合併 症の有無を電話調査中である 結語 小児鼠径ヘルニアに対するLPEC法は 術後成績の検討 でも経鼠径管法に比し 全く遜色ない結果がでており その優 位性を考慮すれば 今後ますます普及し 有用であると思われ た
61 SY5-2 SY5-3 小児鼠径ヘルニアに対する LPEC の長期成績 成人 LPEC の長期成績 田中圭一朗 吉澤 諸冨 嘉樹 北田 野口 浩平 3 穣治 三澤 健之 秋葉 東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科 直志 LPEC 適応基準の一考察 智弘 栄 由香里 2 合田 太郎 3 大阪市立大学 小児外科 2 ツカザキ病院 外科 3 泉大津市立病院 内視 鏡外科 小児外科 背景 小児鼠径ヘルニアに対する手術として LPEC Laparoscopic Percutaneous Extraperitoneal Closure が報告されて約20年 になる 慈恵医大でも2005年に初めて施行して以来 現在分 院や関連施設でもLPECを導入している 慈恵医大柏病院では 200年から本術式を開始した 対象 方法 200年8月から207年3月末までに慈恵医大柏病 院でLPECを施行した47例を対象とし retrospectiveに検討 した 結果 男子74例 女子73例であった 右側のみの修復は44例 左側のみは29例 両側74例であった 術中合併症は認めなかっ た 術後合併症は 再発2例.3% SSI 1例 0.7% であっ た 再発症例の術者は 2例とも経験の少ない外科医であった 考察 LPECは合併症が少なく 安全に施行できる術式である 再発率は約0. と報告されている しかし 当院の症例を検討 したところ 経験の少ない外科医が施行すると再発し易いこと が示唆された ヘルニア嚢の結紮が全周にならず不十分だった り 結紮が緩んだりすることが原因と考えられた 若手外科医 を指導する際にはそのことを十分留意する必要があり 場合に よって指導医自らヘルニア嚢の結紮を行った方が良いと考えら れた 背景 嵩原の報告から20年以上経たLPECはわが国で小児鼠径 ヘルニア手術の中核となり 安定した成績が報告されている 成人でも外鼠径ヘルニアが大半を占め 嚢の単純高位結紮で根 治する症例が示されているが その適応条件は明らかでない われわれの施設ではLPECの 若年 成人への適応を2007年より 実施し 短中期予後を本会に報告した LPECの成人適応条件 をヘルニア門の形態と直径から検討した 対象と方法 LPEC目的で腹腔鏡観察を行なった6歳以降の54 人を対象とした 6 45歳の男性24人 6-44歳女性30人の 内鼠径輪の開存形態とその径を観察した 結 果 2例 が 内 鼠 径 ヘ ル ニ ア の た めTAPPを 行 な っ た 52例 にLPECを 行 な い 術 後 観 察 期 間6 ヶ 月 か ら9年 で例 の 再 発 以外に合併症を認めない 門の径は0mm 3人 2mm 2人 5mm 2人以外はJHS分類I-であった 再発した症例は内鼠径 輪形態からde novo I型だったと考える 考察 若年成人の外鼠径ヘルニアも小児と同様にI-型が多く I 2でも5mmまでならLPECで根治が得られた 内鼠径ヘル ニア de novo型があるので注意は必要だが 鏡視下の観察で 分類 診断ができるので適応を誤らない I-か-2の判断には曖 昧さがあるが 内鼠径輪開存直径が0mm近傍であれば年齢に かかわらずLPECで根治する可能性が高い SY5-4 SY5-5 5 年間の腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術 LPEC の 検討 杉山 入江 彰英 土岐 理絵 小嶌 彰 千葉 智美 大澤 正博 川野 俊亮 渡井 昭和大学医学部外科学講座小児外科学部門 晋也 中山 有 鈴木 成人例における LPEC 法の長期成績 嵩原 裕夫 西原 野村 寛徳 阿嘉 宮平 工 奥島 智理 孝明 実 国吉 裕之 花城 憲彦 史雄,2 仲本 正哉 直次 梁 英樹 沖縄ハートライフ病院 ヘルニアセンター 2 沖縄ハートライフ病院 外科 当科では20年に小児鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下経皮的腹 膜外ヘルニア閉鎖術 LPEC を導入し 5年間が経過した 今回 LPEC施行例を後方視的に検討し その有用性と問題点を検討 した 対 象 と 方 法 対 象 は20年8月 か ら206年2月 ま で に 経 験 したLPEC 263例 年齢は4歳6か月±2歳7か月 男99例 女 64例であった 術前診断の患側は右25例 左83例 両側55 例であった 結果 手術診断での患側は右82例 左53例 両側28例であっ た 5例 2% で術中に内鼠径輪縫縮以外の操作を行った その 内訳はAbdominoscrotal hydroceleと腹腔内嚢胞を伴うnuck 管水瘤に対する水瘤壁切除が3例 ヘルニア嚢と大網間の癒着剥 離が例 大網嚢胞切除が例であった 5例のうち3例はポート を追加し,残りの2例はLPEC針のループで組織を牽引し 操作 した.術後経過は例に再発を認めPotts法で再手術を行った 再 手術時の所見から結紮糸の緩みが再発の原因と考えられた 考察 LPECはPotts法に代わる小児鼠径ヘルニア手術として注 目されているが 腹腔鏡所見により内鼠径輪縫縮以外の操作が 必要な症例も散見される このような病変を見つけることがで き 同時に処置できることはLPECの利点の一つと考えられる LPECの際にはこれらの病変と対処法を念頭においたうえで 手術に臨む必要がある また 追加処置を行う際にもLPECの 特徴のひとつである整容性を十分に考慮すべきである はじめに 小児鼠径ヘルニアの術式としてLPEC法が考案 導 入されて2年が経過した LPEC法を一部の成人症例に行った 演者の経験でも術後3年が最長であり それら成人例の治療成 績について報告する 対象 演者の前任地での症例を含め当センターにおいて203年 から206年に手術した59例 男性46例 女性3例 76病変 で 平均年齢は男性47.9歳 女性29.3歳である 方法 術式は 男性で30歳以下のヘルニア門が2.0cm以下には Multi LPEC 39病変 30 40歳でヘルニア門が.0cm 2.0cmにCone mesh+lpec 6病 変 2.0cm 3.0cmと 前 立腺がん術後症例にAdvanced LPEC 7病変 を行った 女性 は30歳以下でヘルニア門が2.0cm以下にMulti LPEC 4病変 を行った 結果 手術は2ポート 5mm 2mm 穿刺で 手術時間は32 分 88分 両側例 術中合併症はない 術後追跡期間は3年 から3か月で Cone mesh+lpecを行った40歳 男性とMulti LPECを行った29歳 男性に術後年以内に再発が見られた まとめ LPEC法はPPVに起因する若年成人の鼠径ヘルニアや 前立腺がん術後に発症した外鼠径ヘルニアに対して適応の厳選 とヘルニア門の形態に合わせて窩間靭帯やIP-tract repairを付 加したAdvanced LPECの併用で再発を防ぎ 長期成績の向上 に寄与できる
62 SY5-6 SY5-7 LPEC 法の長期成績 大橋 伸介 金森 大輔 梶 沙友里 宮國 広原 和樹 羽生 信義 2 吉田 和彦,2 2 2 若年者外鼠径ヘルニアに対する単孔式腹腔鏡下経皮的腹腔外 鼠径閉鎖法の手術成績 憲昭 2 藤井 仁志,2,3 冨澤 勇貴 2 岩谷 岳 2,3 高橋 正統 皆川 幸洋 遠野 千尋 大塚 幸喜 3 新田 浩幸 3 吉田 徹 佐々木 章 3 東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター 外科 2 町田市民病院 外科 目的 鼠径ヘルニアおよび陰嚢水腫に対するLPEC法の長期成 績を検討する 手術適応 鼠径ヘルニアと診断した症例は年齢にかかわらず手 術適応とし 陰嚢水腫に対しては歳6か月以上を手術適応とし た 術式 臍から5mmカメラ用ポート 左下腹部に2.5mmワーキン グポートを挿入している 結紮糸は施設では2-0 EthibondTM 施設2では3-0 EthibondTMを使用し 0歳以上の外鼠径ヘルニ ア症例では2重結紮した 内鼠径ヘルニアに対してはadvanced LPEC変法を施行した 陰嚢水腫に対しては交通性陰嚢水腫で 気腹後に水腫内容が腹腔内に流出した場合には内鼠径輪の縫縮 のみ 非交通性陰嚢水腫で水腫壁が腹腔内から確認できれば腹 腔内で嚢腫壁を切開したのち内鼠径輪の縫縮 水腫壁が確認で きない例では内鼠径輪縫縮後に陰嚢穿刺した 術後の外来受診時に再発が疑われた場合には必ず当施設を受診 するよう念をおしている 方法 200年7月から205年2月に2施設で施行されたLPEC 症例55例 鼠径ヘルニア45例 陰嚢水腫0例 について 再 発の有無について検討した 結果 平均手術年齢は4.4歳であった 平均術後観察期間は3年 4か月であった 鼠径ヘルニア 陰嚢水腫とも再発は例も認め なかった 結語 当院における小児鼠径ヘルニアおよび陰嚢水腫に対する LPEC法の術後成績は良好である 岩手県立久慈病院 外科 2 久仁会 内丸病院 外科 3 岩手医科大学 外科 学講座 はじめに 当施設は成人鼠径ヘルニアに対して静脈麻酔併用膨潤 局所麻酔下Standard Kugel法を選択しているが 最近では腹腔 鏡下ヘルニア修復術 TAPPorTEP や若年者に対して単孔式腹 腔鏡下経皮的腹腔外鼠径閉鎖法 Single incision laparoscopic percutaneous extraperitoneal closure:silpec も 選 択 し て いる 若年者の鼠径ヘルニアは 鼠径管後壁の脆弱性に起因す ることは少なく メッシュによる後壁補強を第一選択にするこ とは疑問である 一方 SILPECは整容性に優れていること 対側内鼠径輪の観察が可能なこと 結紮糸以外が体内に残らな いことなどの利点があり 出血が少なく 入院期間も短く 患 者にとってストレスが少ないと考えられる 今回若年者外鼠径 ヘルニアに対するSILPECの手術成績と手術ビデオを供覧する 対象 2009年0月から207年月までに男性4例 女性8例 の計22病変に対してSILPECを施行した 結果 平均年齢 歳 部位は右側3例 左側5 例 両側4例であった 平均手術時間49分 23 89分 出血 量ml 4ml 術後在院日数2日 7日 術後合併症 は認めていない また 術後観察期間40 ヵ月 86カ月 で 全例再発を認めていない 結語 若年者外鼠径ヘルニアに対するSILPECは簡便かつ低侵 襲であり 今後症例の蓄積やさらなる長期成績や年齢の適応の 検討は必要と考えるが 若年者外鼠径ヘルニアに対する有効な 手術手技の一つであると考えられた SY6- SY6-2 JHS 鼠径部ヘルニアガイドライン 205 の歴史と展望 次期本学会ガイドラインに求めるもの 蜂須賀丈博,2 諏訪 日本ヘルニア学会 ガイドライン委員長 2 市立四日市病院外科 勝仁 東京慈恵会医科大学附属第三病院 990年以降 メッシュを用いたヘルニア手術が主流となり 様々な手術法が行われるようになった また 多くの疾患で 治療の標準化が叫ばれ ガイドラインが作成された このよ うな状況の中 200年JHSは ガイドライン委員会を組織し Mindsガイドライン作成の手引2007に準拠した鼠径部ヘルニア 診療ガイドライン作成に着手し 205年5月 鼠径部ヘルニア 診療ガイドライン205 として発刊した このガイドラインは ヘルニアを行う一般外科医を対象とし 鼠径部ヘルニア診療の 質の向上を目的としたもので このガイドラインを基にして 我が国における鼠径部ヘルニア診療の質がさらに向上し 一層 の学問的進歩が期待されるところである 今回 当ガイドライ ンの成り立ちの歴史を振り返り 今後を展望する 診療ガイドライン(GL)は 特定の臨床状況のもとで 適切な判 断や決断を下せるよう支援する目的で体系的に作成された文 書 である GLの成熟段階は一般的に3段階に分かれているが 205年度の本学会GLは第一段階 臨床専門医のみで作成 に過 ぎず 今後さらなる検討及び改訂が必要である 求められるも のとしてまず作成者の設定が重要であり 臨床医に加え疫学者 生物統計学者 医学図書館員の協力が必須である また 鼠径 ヘルニアが最もありふれた疾患であることを鑑みると 患者自 身からの意見も参考にすることが望ましい このような多種多 様な役割分担の中から クリニカルクエスチョン が作成され タイムキーピング と ロジスティック を遵守した時期GL作 成を行うべきである 今回のGL作成において切に猛省され わ れわれ臨床医だけで解決できるのは タイムキーピング と感じ る GLは出版後3-4年で改訂されねばならず われわれに残された 期間に余裕はない 委員一丸となって取り組まなければならな い - 6 -
63 SY6-3 SY6-4 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術における JHS ヘルニア分類の検 討と今後の課題 当院における腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP の成績 と occult hernia の検討 和田 佐藤 若林 英俊 佐藤 智仁 松山 正範 野澤 温子 椎谷 市立島田市民病院 外科 雅之 小野田貴信 渡邊 紀彦 貴洋 正和 相模原協同病院 消化器病センター 外科 当科で2006年5月から207年2月までに行った464人559例の 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 TAPP-LH についてJHSヘルニア分 類を検討した 男 性400人 女 性64人 平 均 年 齢 は65.6歳 で 片 側369人 右 20人左59人 両側95人 初発54例再発45例で 術中に反 対側のヘルニアを35人 右8人左7人 で発見した ヘ ル ニ ア 分 類 はI-::20例 う ちRec3例 I-2:290例 4例 I-3:43例 3例 II-:66例 2例 II-2:5例 2例 II-3:67 例 2例 III:25例 5例 IV:3例 4例 V:2例 0例 で 初発 はI-2とII-3 再発はII- IIIの頻度が高かった 手 術 時 間 は 片 側09.6分 両 側72.6分 合 併 症 は62例. ヘルニア再発は4例 0.7 であった I-3は片側の 手術時間が23.3分と有意に長く 合併症発生率 37.2 とヘ ルニア再発率 7.0 が有意に高く 他の分類型と比較して手術 難易度が高かった 現 在 海 外 に お い てEuropean Hernia SocietyやInternational Endohernia Societyのguidelineが定期的にupdateされているた め 今後はJHS分類による大規模な検討を行い 国内の治療に即 したガイドラインを目指す必要がある はじめに 当院では203年より腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 以下 TAPP を導入した しばしば対側における不顕性の鞘 状突起開存や後壁の脆弱性を認めるいわゆるoccult herniaに気 付き 一期的に手術をするべきか考えさせられてきた 小児の ヘルニアでは対側の手術は一般的にされている一方で 成人に おいて妥当なのかは不明である またJHS鼠径部ヘルニア診療 ガイドライン205では CQ-にて病側の反対側の予防的手 術は推奨されない 推奨グレードC2 とある 当院でのTAPPの 手術成績とoccult herniaについての検討を報告する 対象と方法 203年2月から206年2月の期間 3年か月 で TAPPを施行した22症例 267病変を対象とし ヘルニア 分類 手術時間 合併症 occult herniaの有無やその顕性化な どについて検討した 結果 男性83例 女性29例で 年齢中央値は68歳であった 片側57例 両側55例であり 初発96例 再発6例であっ た ヘルニア分類は I型62例 II型7例 III型例 IV型22例 V型例 で あ っ た 術 後 再 発 を2例 0.9% に 認 め た Occult herniaは36例 7% 存在し そのうち2例 5.6% のI型ヘルニ アが年以内に顕性化しTAPPを施行した 結語 観察期間が短く今後の検討が必要であるが 現段階では occult herniaに対し予防的手術は行わない方針で良いかと思わ れる しかし ヘルニア分類に関わらず一義的に適応してよい かはさらなる検討が望まれる SY6-5 SY6-6 ヘルニア診療の質 - どのように評価すべきか - 鼠径部嵌頓ヘルニアに対する組織縫合法の治療成績 嶋田 吉川晃士朗 金岡 高山 祐一 深見 元 松原 猛人 柵瀬信太郎 聖路加国際病院 ヘルニアセンター 大垣市民病院 外科 様々な国や団体で医療の質の評価と改善が実践されている 医 師個別の評価や成績を一般公開したり診療報酬に反映させるこ とで 医療の質の改善を行おうとしている国や団体も存在する 本邦では明確に経済的インセンティブをつけるまでには至らな いが 施設成績や他施設比較の一般公開などは行われてきてい る 診療ガイドラインは 質の高い無作為比較試験などの研究結果 などを日常診療を支援するようにまとめられたものである こ の取組はEvidence-Practice Gapを減らす方策の一つである Evidence-Practice Gapを数値表現した質指標は 経時的変化 や他施設比較などに優れ 提供している医療の質を可視化し 日常診療の改善を更に加速させるものとなる ヘルニア診療の質を評価し改善を行う上で 何を指標化し ど のように比較し 自施設や自身の診療の質を改善させるべきか については 本邦では議論すらされていない 例えば鼠径部切 開法における慢性疼痛を改善するために 腹腔鏡下鼠径部ヘル ニア修復術における再発を改善するために 何をどのように指 標化し 計測し 評価したらよいのであろうか よりよいヘル ニア診療のために なにをどう評価し改善したらよいか 診療 ガイドラインをどう用いたらよいかについて提言する 裕次 原田 保之 高橋 徹 亀井桂太郎 前田 崇真 宇治 誠人 敦行 目的 当科では鼠径部嵌頓ヘルニアに対して 腸管切除を施行 した症例では人工物を用いない組織縫合法を選択している 今 回当科での手術成績を検討し報告する 方法 2008年月から207年月までに手術を施行した鼠径部 ヘルニア28例のうち 鼠径部嵌頓ヘルニア3例 5.2% を 対象とし 腸管切除を要した腸切群 53例 46.9 と要しな かった非腸切群 60例 53. に分け手術成績を検討した 結果 平均年齢は腸切群 79歳 非腸切群72歳 p=0.008 男女比 男/女 は腸切群 25/28 非腸切群 45/5 p=0.002 と腸切群では有意に高齢で女性が多かった ヘルニア分類 大腿 /外鼠径/内鼠径 は腸切群 33/7/3 非腸切群 2/38/0 p 0.00 と腸切群では有意に大腿ヘルニアが多かった ヘル ニア修復は腸切群3例でメッシュ法を施行し 他は組織縫合法 Mcvay法45例 IPTR法5例 のに対し非腸切群は50例 83% でメッシュを使用した 術後合併症は腸切群35.8% SSI8例 誤嚥性肺炎4例 seroma 2例 再発例 その他4例 で非腸切 群 5% seroma 5例 出血2例 その他2例 であった 結語 鼠径部嵌頓ヘルニアでは約半数の症例で腸管切除を施行 し 腸管切除を要する症例は高齢 女性 大腿ヘルニアが多 かった 術後感染の面からも腸管切除を施行した場合 人工物 を用いない術式が望ましいと考えられる
64 SY6-7 SY7- 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術の適応を考える上での JHS ガイドラインの問題点と課題 田崎 亀田 達也 佐々木 靖子 田妻 JA 広島総合病院 外科 秀 香山 昌 新原 茂平 杉山 健介 今村 Watchful Waiting を科学的に議論するために 堀 高石 陽一 上神慎之介 祐司 中光 篤志 孝吏 柿崎奈々子 最上 祐子 田中 良明 寺田 寺田病院 外科 恭至 鈴木啓一郎 葛岡健太郎 俊明 鼠径部ヘルニア治療においては正解がないことがまだまだ多い そもそも手術適応に必ずしもコンセンサスが得られていない 極論すれば嵌頓ヘルニア以外は手術の絶対適応ではない とい うことになる しかし 生物ことヒトに関する研究においては 一般の科学のような考え方だけでは結論が出ないことが多い 確率論だけでは判断できないためである 勿論 データが無い 場合は 科学的な議論ができるはずもない このような場合に は いわゆる思考停止となる場合が多いが 医学を科学の一つ として進歩させていくためには 発案 議論 検証を繰り返す 必要がある 判断はメリットとデメリットを比較して決める必 要があるが メリットには )内因性 2)重要性 3)解決性が なければならないし デメリットには )発生過程 2)深刻性 3) 固有性がなければならない 議論は 主張に根拠があり 反論 にさらされており 根拠がその反論に耐えることができる正し い主張に基づいて行う必要がある 根拠となる資料を集める際 には 注意事項がありこれを無視すると誤った根拠となる 議 論を避けたために 慣れていることが重視されたり 予測不能 なため究極の楽観や悲観になったり sunk costの問題から悪習 が続いたりという状況は避けるべきと考える 今こそ 科学的 に議論を行う必要がある 議論を先送りするということは 議 論しないと決断したことに他ならない はじめに 当科では203年9月にTAPP法を導入し 207年 月までに経験した鼠径部ヘルニア手術症例545例中428例に対 してTAPP法を行った TAPP法を第一選択術式としている立場 から 鼠径部ヘルニア診療ガイドライン205における 腹腔鏡 下鼠径ヘルニア修復術 以下 LH の項目の問題点 今後の課題 について考察する 考察 LHは 手技に十分習熟した外科医が実施する場合に は推奨され ラーニングカーブは50例以上と記載されている が 導入についての記載はない 自施設も含め 多くの施設が 指導者がいない状況で症例を積んできたのが現状であり その ことが再発率の高さにつながっている可能性はある 2 LHには 前立腺全摘を含めた下腹部手術後症例 腹膜前修復法後再発鼠 径ヘルニア症例など 適さないと考えられる症例が存在するが エキスパートオプション などの曖昧な記載しかされていない ため 多くの施設でLHが行われている 当科でも 前立腺全摘 後症例2例にTAPP法 一部に部分的なIPOMを行ったが い ずれも経過は良好で 術後疼痛もほとんどない 反対意見は多 いと思われるが 禁忌とするだけのエビデンスには乏しい 結語 LHが標準術式の一つとなるためには 適応病変 非適応 病変をより明確に定める必要があるが エビデンスに乏しい現 状では エキスパートによるコンセンサスミーティングからの 推奨が ガイドラインに記載されることが望ましいと考える SY7-2 SY7-3 当科における手術適応と Watchful waiting 症例の検討 他科通院中の患者で検討した watchful waiting の実態 横山 野竹 稲葉 熊田 隆秀 吉澤 剛 本山 隆裕 増尾 博章 清水 信州大学医学部消化器外科 仁志 福島健太郎 北川 明 小林 聡 宮川 敬之 眞一 毅 福島 宣真 添田 東都文京病院 外科 目的 我々は2009年より ヘルニア外来を開設している 当 科における 術前説明内容及び 手術適応について解説し Watchful waitingとなった症例について検討した 対象 2009年から207年3月までに ヘルニア外来受診枠で 検索可能であった成人鼠径ヘルニア患者297例を対象とした 術前説明と手術適応 1 鼠径ヘルニアがあるだけでは手術適 応とはならず 有症状の改善目的や嵌頓予防目的に施行してい る 2 嵌頓は必ず起こるものではなく 一生涯起こらないこ ともある 3 嵌頓時はいつでも救急外来で対応可能である 以上3項目を踏まえたうえでご本人の希望があれば手術を施行 している ただし 全身併存疾患の状態によっては再度患者と 相談を要するケースもある また 受診時にヘルニアの存在が はっきりしない場合には腹腔鏡観察というオプションを提示し ている 基本的な手術方法の選択は 患者の希望を尊重したう えで 全身麻酔が可能であればTAPP法 後腹膜アプローチが 可能であればKugel法 その他はメッシュプラグ法としている 結果 Watchful waitingとなった症例は2例 7. であった 理由は 全身併存疾患0例 ヘルニアが明確でない5例 本人 の手術希望なし3例 妊娠中3例であった このうち 食道静脈 瘤と腹水コントロール後に例 手術希望なしの例は疼痛を生 じ 後日手術を施行した また出産後に2例は手術を施行した 全身併存疾患の状態不良により経過観察中であった3例はそれぞ れ 4 ヶ月後に急性腎不全 9 ヶ月後に慢性心不全 2か月後 に肝不全で死亡した 結語 鼠径ヘルニアの手術適応は相対的なものであり 患者本 人に鼠径ヘルニアだけでなく 自身の全身状態も理解しても らう必要がある 緊急時の対応を担保したうえでのWatchful waitingが必要な症例があると考える 亮治 矢口 義久 清川 成美 五十嵐裕一 貴志 堀川 昌宏 鼠径ヘルニアのwatchful waiting 以下WW はfollowの難しさ が問題である 当科は 他疾患での他科受診時についでに鼠径 部膨隆を相談する 他科医が鼠径ヘルニアを発見するという症 例のコンサルトが多く こういう症例はほぼ確実なfollowがで きる 対象と方法 205/-206/2に 他疾患通院中に鼠径ヘルニ アで院内コンサルトをされた患者を対象に 背景 治療方針 方針転換の有無などを検討した なお 当科では 軽症例は病 態を説明し患者希望で手術を行なうかを決めることを原則とし ている 結果 該当症例は76例で 紹介元は内科35例 泌尿器科9例 外科7例で他科はいずれも5例未満であった 担当医の判断は 手術を勧める6例 患者希望で決める55例 手術を勧めない5 例であった 患者の手術希望は 初診時から希望あり40例 希 望なしからありに変わった3例 希望なし23例であった 非希 望から希望に変わった理由は 疼痛の出現や悪化5例 膨隆の 大きさや頻度の増加3例 変化なし3例 還納困難例であった 嵌頓による緊急手術や 手術困難症例はなかった 手術希望な しは全例疼痛なしか軽度であった 考察 本検討から. 泌尿器科からの依頼が多く他科にも潜在 的患者が多いと考えられる 2. 疼痛の有無がWW選択の最大の 基準である 3. WW患者の相当数は観察中に手術希望となる 4. WWによって手術困難となる危険は少ないなどの点が示唆され た
65 SY7-4 SY8- 鼠径ヘルニアに対する Watchful Waiting の予後 Kugel 法の合併症 特にメッシュ感染について 和田 川村 英伸 杉村 小林めぐみ 石橋 則仁 古川 俊治 北川 雄光 慶應義塾大学 医学部 一般 消化器外科 盛岡赤十字病院 はじめに Watchful Waitingは本学会およびEHSのガイドライ ンにおいて症状の軽微な成人鼠径ヘルニアのオプションとして 位置づけられている 当科ではこれに従い 症状の軽微な成人 鼠径ヘルニアの初診患者に積極的にWatchful Waitingを勧めて いる そこで当科におけるWatchful Waitingの中期予後を報告 する 対象 203年月から2月の年間に ヘルニア外来を鼠径部 の問題で受診した初診患者68例のうち ヘルニアの所見を認め なかった6例 8.8% を除いた62例を対象とした 結果 44例 7.0% で初診時に有症状または患者の強い希望 で手術が予定され 初診から3日 85日 中央値24日 で手 術が行われた 残りの8例 29.0% でWatchful Waitingの方 針となったが 7例.3% で後に症状が顕著となり初診から 08日 34日 中央値40日 で手術が行われた 手術が行 われた5例のうち 再発と 術後4 ヶ月の他病死を例ずつ認 めた 手術を行っていない例 7.7% の観察期間は0日 952日 中央値224日 で 例で嵌頓を認めたが用手還納可能で Watchful Waitingを継続している Watchful Waiting では例の嵌頓を認めたが 安全なオ 考察 プションとなる可能性が示唆された 患者の手術リスク 余命 手術によって得られる利点を勘案して手術適応を検討すべきと 考えられた 好彦 畠山 正久 元 青木 毅一 武田雄一郎 目的 我々は成人鼠径部ヘルニアに対して再発を来さない術式 を求めKugel法を選択してきた 今回Kugel法の合併症 特に メッシュ感染 早期 晩期発症 ついて検討し 感染防止の工夫 について述べる 対 象 と 方 法 2003年4月 よ り206年2月 ま で に 施 行 し た Kugel法672症 例722病 変 I 503 II 34 III 39 IV 27 V 9病変 を対象とした 前期 2008年 368病変と 後期 病変に分けて検討した 結果 感染症以外の合併症 後期 では 皮下漿液腫3 0 血腫3 0 慢性疼痛 0 精管 精巣動静脈損傷2 0 再 発 0 病変と前期より後期に合併症が少なくなっていた メッ シュ感染は前期 後期とも2例ずつ 早期3例 晩期例 に認め た 早期の3例はドレナージで軽快した 晩期例は3年4 ヶ月後 の発症で ドレナージをしたが難治性でメッシュ除去を行った しかし 残存メッシュの再感染を来たし 2度目の残存メッシュ 除去を行い何とか軽快した 4例の検出菌は全て皮膚常在菌で あった この晩期症例を経験後 術前鼠径部皮膚炎の有無の観 察 鼠径部周囲の洗浄 清拭の徹底 メッシュ挿入直前のゴム 手袋の交換などの対策を行っており その後感染は認めていな い 考察と結語 早期のメッシュ感染はドレナージで軽快すること が多いが 晩期メッシュ感染は難治性でありメッシュ除去をし なければ完治しないため 感染予防対策が非常に重要と思われ る SY8-2 SY8-3 メッシュを用いた鼠径ヘルニア修復術後の再発と慢性疼痛に 対する TAPP 法 メッシュを用いた鼠径ヘルニア修復術後の晩期合併症 症例の分析と対策 亀井 津村 山岡 文 金平 永二 高橋 昂大 谷田 孝 メディカルトピア草加病院 外科 ヘルニアセンター 背景 メッシュを用いた鼠径ヘルニア修復術を受けた既往のあ る患者で 有症状のため当院にてTAPP法にて治療をした症例 を20例経験した 患者と方法 再発症状を認める患者は9例 そのうち強い異物 感を伴う患者は2例であった また再発症状は認めないが慢性疼 痛を有する患者を例経験した 再発症例9例は 鼠径部切開 法術後が8例 TAPP法術後が例であった 慢性疼痛の症例 例はTAPP法の術後であった なお20例中9例は前回手術が他 施設で行われた症例であり 前回手術内容の情報が乏しい症例 が多かった 全例TAPP法にて治療した 再発例は全例に腹膜 前腔の剥離を行い 新たなメッシュを挿入し腹膜を縫合閉鎖し た 原則として前回のメッシュは留置したが 2例においては強 い異物感を伴っていたため メッシュを可及的に除去した 慢 性疼痛の患者においては 前回のメッシュとタッカーを除去し 新たなメッシュを挿入し修復した 結果 全例において術前の症状は改善または消失した 鼠径部 切開法への移行は認めなかった 考察 メッシュを用いた鼠径ヘルニア修復術後の病変は個々の 症例により形態が異なるため 腹腔鏡による観察は有用である と考える 再手術における手術操作は難易度が高いが 今後も 経験を重ね 個々の症例に応じた修復方法を臨機応変に実施し ていきたい 裕昭 金廣 裕明 哲也 垰越 宏幸 村尾 直樹 新津 再発 宏明 広島市立舟入市民病院 外科 背景 メッシュを用いた鼠径ヘルニア修復術の晩期合併症とし て再発鼠径ヘルニア RIH は重要な位置を占める 目的 RIHの先行手術のメッシュ法割合は増加 メッシュ法割合 し ているためメッシュ修復後の再発手術対策を検討することが重 要 方法 206年までに経験した 先行手術にメッシュが用られ たRIH 80例を 先行手術 A法 前方切開 立体型メッシュ修復 術 B法 前方切開 フラット型メッシュ修復術 C法 腹腔鏡 下 フラット型メッシュ修復術 3型に分類し検討 さらに再発 治療を M法 腹腔鏡非介入 N法 腹腔鏡介入 に分類し再再 発を指標とした治療成績から対策を考察した 結果 先行手術ごとの再再発成績はA法では再再発7 B C 法後の再再発は0 であった p=0.0 再発治療法別では M 法では再再発6 N法では再再発0%であった p=0.46 再再 発以上を来した症例は全て初回手術A法であり5例認めた 原因 はメッシュ移動3 メッシュ縮小2であった 結論 再発症例に対して初回手術の情報整理が最重要 先行手 術A法では腹膜前腔と後壁強靭化部位の確認が必要であり腹腔 鏡介入のうえ完全鏡視下手術が望ましい 先行B法C法術後で は再発形式が比較的定型化している事が多く腹腔鏡介入のうえ Millikan法 Hybrid が簡便だが 鏡視下に熟練していれば鏡視 下修復も可能であろう
66 SY8-4 SY8-5 メッシュを用いたヘルニア修復術後の晩期合併症 の治療経験 津村 裕昭 金廣 哲也 垰越 広島市立舟入市民病院 外科 宏幸 村尾 直樹 新津 遅発感染 コンポジットメッシュ腹腔内留置後遅発性メッシュ感染をき たした 例 宏明 沼野 史典 蛭川 立川綜合病院 背景 メッシュ使用ヘルニア修復術後の遅発感染は稀な病態で 発症率は低いものの 発症するとMRSA感染をきたし難渋する ことが多い 目的 腹壁瘢痕ヘルニア前方切開法術後 臍ヘルニア術後 鼠 径ヘルニア術後の3例の遅発感染から治療方針を考察 症例 症例 70代女性 腹壁瘢痕ヘルニア Compsix Kugel バキッ という音 にて修復 手術年後ヨガで体を屈曲した際に ともに腹痛を自覚 メッシュ腹側に血腫形成 感染を発症し瘻 孔形成 MRSA検出 洗浄を年繰り返すも治癒せずメッシュ 除去術を行った 症例2 60代男性 臍ヘルニアにてVentralex 修 復 術 年 前 に 排 膿 瘻 孔 形 成 MRSA検 出 決心つかず 洗浄を繰り返すも治癒せず メッシュ所除去術 Component separation+単閉鎖法にて修復 症例3 40代男性 数年前に 左鼠径ヘルニアにてKugel法 年前に排膿 瘻孔形成 MRSA 検出 を認め 抗菌薬投与 洗浄 部分的瘻孔切除を繰り返すも 治癒せず MRIにてKugelパッチが外腸骨動静脈と強固に癒着 しており剥離困難を予測 感染巣はKugelの頭側と判断し IC のうえ腹腔鏡下にメッシュ頭側2/3除去と前方から瘻孔切除術を 行った 結語 遅発感染は遭遇する頻度が低いため 患者主治医とも保 存的治療を引っ張り治療が長引くケースが多い 薬剤抵抗性菌 の検出 手術のタイミング 手術方法について考察を加える 浩史 阿部 馨 福田進太郎 多田 哲也 症例は83歳女性 2003年3月当科で直腸癌に対し低位前方切 除術施行 2005年0月下腹部正中創の腹壁瘢痕ヘルニアに対 して2005年0月コンポジットメッシュの腹腔内留置による腹 壁瘢痕ヘルニア修復術が施行された 術後経過は良好で再発な く経過しており一旦当科フォロー終了となっていた 205年4 月下腹部正中創の疼痛 発赤 腫脹 熱感を主訴に救急外来を 受診した 腹部造影CTで皮下 腹腔内へ突出する膿瘍形成を認 めメッシュ感染と判断した メッシュへの小腸ループの癒着も 認めており小腸穿孔が疑われたため緊急手術の方針とした 手 術所見では開腹時に創部から腸液の流出を認め メッシュ下に 広範囲に小腸が癒着していた メッシュを可能な限り抜去し 60cm程の一塊になって癒着している小腸を部分切除した 腹壁 の再建はdirect closureで行った 摘出したメッシュは辺縁で 腹腔側への折れ曲がりを認め ポリプロピレンメッシュが腹腔 に突出していた 現在メッシュ除去後年半経過するが 膿瘍再 燃やヘルニアの再発は認めていない コンポジットメッシュ使 用後遅発性メッシュ感染をきたす報告例はしばしば報告されて いる 発症までの期間には幅があるが自験例が発症までの期間 が最長であった コンポジットメッシュを腹腔内留置後比較的 長期間を経過した後でもメッシュ感染の可能性があることを念 頭に置く必要があると考えられた SY8-6 SY8-7 いかにして鼠径ヘルニア術後慢性疼痛を早期に見つけるか アンケート調査を通して 腹腔鏡下ヘルニア修復術 TEP 法 後晩期再発例の検討 大倉 啓輔 成田 佐治 雅史 松末 猪飼伊和夫 済生会富田林病院 外科 匡大 後藤健太郎 岡田はるか 直原 亮 畑 啓昭 山口 高史 大谷 金村 駿平 哲之 京都医療センター 外科 背景 鼠径ヘルニア術後の晩期合併症として慢性疼痛が知られ ているが 本邦における慢性疼痛の実態は明らかでない 本研 究ではアンケートから鼠径ヘルニア術後慢性疼痛に至る経過に ついて調査を行った 方法 200年4月から206年3月まで成人鼠径ヘルニア根治 術を施行した592人に対して 郵送 電話で疼痛に関するアン ケート調査 5段階の疼痛評価 を行い 426人 72.0% 449例 から回答を得た 結果 39例 3.0% が術後3 ヶ月の時点で疼痛症状があり 術後早期に中等度以上の疼痛を訴えた症例で有意に多かった 中 等 度 重 度 群 45.4% 8/260 vs. 軽 度 群.% 2/89 p 0.0 術後3 ヶ月の時点で中等度以上の疼痛 があったのは39例中33例で 33例に電話連絡を行い疼痛の 経過を再調査した 再調査が可能であったのは28例で 3 ヶ月 後に疼痛が改善傾向にあった群例には治療を要した症例は無 かった 一方 疼痛が改善しなかった7例では8例 47.% に 治療を要した 考察 鼠径ヘルニア術後慢性疼痛は決して珍しい合併症ではな い 術後早期の疼痛スケールを測定し 術後早期に中等度以上 の疼痛を訴えた症例では長期フォローが必要であり 疼痛の推 移を評価することで治療必要群を早期に導き出すことが可能と 考えられる 特に術後3 ヶ月経っても疼痛が改善しない症例は 慢性疼痛に対する治療も考慮してフォローしなければならない 剛志 荻野 信夫 藤井 仁 文元 雄一 林部 章 はじめに 鼠径ヘルニアに対する腹膜外到達法 TEP法 での再 発は術後年以内の報告が多い 我々の施設ではTEP術後2年以 上経過してからの晩期再発例を経験しており それらについて 検討を行った 対象と方法 998年月から206年6月までに953例において TEP法で手術を完遂した 再発を診断した9例のうち術後2年以 上経過して発症し 修復術を施行した5例について後方視的に検 討した 結果 5例の内訳は男性4例 女性例 再発手術時年齢中央値 範囲 歳であった 初回手術は右側3例 左側 例 両側例であり 再発は右側3例 左側2例であった 初回 から再発時のヘルニアタイプの推移はIからI が3例 IからIIIが 例 IVからIIが例であった 再発までの期間中央値 範囲 は ヵ月であった 初回手術時のメッシュタイプは 3D MAX メッシュ M 2例 同メッシュ L 例 サージプロメッ シュ 例 ソフトメッシュ 例であった 初回手術でタッキン グは4例に施行されていた 再発に対する術式はメッシュプラグ 法2例 リヒテンシュタイン法例 TAPP法2例であった 再発 原因はメッシュの移動が3例 メッシュのめくれ上がりが2例と 考えられた 全5例において再々発は認めていない まとめ 鼡径ヘルニアに対するTEP法修復施行後 メッシュの ずれ めくれ上がりで晩期的な再発を来たすことがある
67 SY9- SY9-2 腹壁ヘルニア タイプに応じた術式選択 鶴間 哲弘 奥谷 JR 札幌病院外科 浩一 田山 慶子 太田 盛道 平田 腹壁瘢痕ヘルニアに対する腹腔鏡下手術の困難例についての 検討 公一 腹壁ヘルニアに対しては様々な手術術式があるが 再発や合併 症を限りなく少なくするためには個々の症例に適した術式選択 が必要不可欠である European Hernia Society などから腹壁 ヘルニア分類が報告されているが 本邦では未だ統一された分 類はない そこで 本発表では腹壁ヘルニアの状況別術式選択 について検討する 頻回の手術を繰り返している症例では瘢痕組織に囲まれた腹壁 欠損を伴う大きなヘルニアになっている場合があり このよう な症例では大腿筋膜などの自家組織を用いた修復術が好ましと 思われる 上記以外の多くの症例においてはメッシュを用い た腹腔鏡手術が至適術式と考える ヘルニア門の閉鎖(sIPOM vs IPOM-Plus)については 我々は原則IPOM-Plusを施行し ているが閉鎖によって腹壁組織進展不良となり腹腔内working spaceが減じる症例に関してはsipomのほうが良いと考える メッシュオーバーラップは5cmとしているが 膀胱にかかる場 合は膀胱前腔を剥離しメッシュを恥骨やCooper靭帯にプロタッ クで固定している また ヘルニア門が頭側に位置しており メッシュが横隔膜に及ぶ場合にはヘルニアステイプラーで横隔 膜に固定している ヘルニア門が側腹部にあり 腹腔内腹壁側 に5cmのオーバーラップが確保できない場合には 腸管を脱転 しメッシュが展開されるように固定している ヘルニア部位 大きさ 組織状況によって 術式を選択するこ とが重要と思われる 川中 松本 博文 江頭 敏文 武内 明典 皆尺寺悠史 田尻 秀也 矢野篤次郎 裕匡 増田 崇 国立病院機構別府医療センター はじめに 当院における腹壁ヘルニアにおける標準治療は 腹腔鏡下修復 術(LVHR)である 現在までにprimaryおよびincisional合わせ て00例の経験があるが 手技が定型化した最近のincisional 症例64例において 手術時間と関連した因子について EHS 分類に基づいて検討した 今までに再発例 合併症として水 腫例 腸管損傷例のみであり 術中出血もほとんどないた め 手技の困難性を評価するには適さないと考え 手術時間を 用いて手技の困難性を評価した 当院の手技の基本は fascial closureは行わず overlapは3 5cm 非吸収糸による8箇所 以上のメッシュ固定である 対象 207年3月までにLVHRを施行した傍ストーマを除く腹 壁瘢痕ヘルニア64例(男/女 25/39 年齢の中央値7(28-88) 歳 BMI25(8-37)を対象とした 結果 性別 年齢 BMI 初発or再発と手術時間との相関はな かった ヘルニア部位では 正中(n=46)は54(65-300)分 肋 弓 下(n=)は78(20-354)分 恥 骨 上(n=7)は258(72-356) 分と恥骨上で有意に手術時間は延長した(p=0.003)) ヘルニア サ イ ズ で は 長 径( 0cm)(n=39)は54(65-304)分 長 径(0, 5cm)(n=)は95(0-300)分 長 径(5cm )(n=4)は 222(3-356)分 短 径( 4cm)(n=3)は62(7-304)分 短 径(4, 0cm)(n=39)は6(65-300)分 短 径(0cm )(n=2) は209(3-356)分と長径5cm以上(p=0.009) 短径0cm以上 (p=0.033)で有意に手術時間は延長した 結語 腹壁瘢痕ヘルニアにおいて 恥骨上 長径5cm以上 幅 0cm以上は腹腔鏡下手術の困難例と考えられ 手技に慣れるま では避けるべきと考えられた SY9-3 SY9-4 機能再建を考えた CS 法による腹壁ヘルニア手術 再発例に対する腹壁瘢痕ヘルニア修復術の検討 十川 横山 野竹 康弘 上都賀総合病院 隆秀 吉澤 剛 本山 隆裕 増尾 博章 清水 信州大学 医学部 消化器外科 2008年4月以降 腹壁ヘルニア手術は EHS分類で primary 23 Epigastric 6, Umbilical 6, Spiegelian 0, Lumbar Incisional 49 M=, M2=8, M3=6, M4=4, M5=2, L=0, L2=2, L3=7, L4=0 傍ストマと正中腹壁併存例 腹腔鏡下サンドイッチ法での傍ストマヘルニアを除き 切開法 に よ るAbdominal component separation法 を 標 準 と し て い る Clinical Questionとして日ごろ念頭にあるのは.たかが ヘルニア リスクをとるか 2.腹直筋が機能するか 術前と術 後 前へ起き上がれるか 3.癒着性イレウスの既往のある場 合 4.癌術後の手術の適否とタイミング 5.メッシュ留置の層 的位置 6.将来他疾患で再開腹する可能性とメッシュが邪魔に なるか 術前にスクリーニングすべきか 7.ストマのある症 例で期的か2期的か 8高齢者でも 7同じ原則か といった 事項であり 私見を示したい また最近腹壁の再建戦略の補助として 気腹でのprogressive expansionと ボツリヌス毒素A局注による腹斜筋弛緩が報告さ れている 帯状疱疹での分節的腹筋麻痺の症例を経験し 筋弛 緩応用の可能性を感じたので供覧する 仁志 福島健太郎 北川 明 小林 聡 宮川 敬之 眞一 目的 当科では 再発腹壁瘢痕ヘルニアに対し 前回手術と異 なった経路にて修復することを基本としており 手術成績につ いて検討した 方法 2009年から206年までに46例の腹壁瘢痕ヘルニアに 対して治療を行った 男性6例 女性30例 平均年齢67.7歳 CS法4例 onlay法7例 sandwich法2例 underlay法26例 IPOM法4例 IPOM+法3例であった このうち再発例は5例 再再発例は例であった 成績 再再発例はonlay法後のIPOM法後再発であり underlay 法で修復した Underlay法後再発の2例はonlay法 IPOM法で それぞれ例ずつ修復した CS法後再発の2例はunderlay法 IPOM法でそれぞれ例ずつ修復した IPOM法後再発の例は underlay法で修復した しかし 再再発症例は26 ヶ月後に IPOM法後再発の例は ヶ月後に再発し 経過観察中である 再発以外に術中術後の合併症は認めなかった 結論 再発例に対して 修復経路を前回手術と帰ることにより 手術は容易になると思われたが 6例中2例に再発を認め 決し て良好な結果とは言えなかった
68 SY9-5 SY9-6 腹壁ヘルニア治療の現状と問題点 当院における腹壁瘢痕ヘルニアの術式比較 堀 高石 太田 孝吏 柿崎奈々子 最上 祐子 田中 良明 寺田 寺田病院 外科 恭至 鈴木啓一郎 葛岡健太郎 俊明 智之 深澤 基児,2 中山 幹大,2 水谷 安房地域医療センター 外科 亀田総合病院 正彦 2 はじめに 腹壁瘢痕ヘルニアの治療は 腹腔内にメッシュを留 置する方法 IPOM が普及しつつある しかし我々は腹腔内に メッシュを展開することのリスク 腸閉塞 腸管穿孔 を考慮し 術式について見直しつつある 腹壁瘢痕ヘルニアに対して我々 が施行した術式について後方視的に検討を行った 対象症例 腹壁瘢痕ヘルニアに対し修復術を施行した77例 術 式 別 症 例 数 IPOM:6例 direct suture:20例 onlay:20例 retromuscular/preperitoneal:2例 に つ い て 比 較 検 討 を 行 っ た 結果 direct suture法 の ヘ ル ニ ア 門 の 大 き さ は 優 位 に 小 さ か っ た 手 術 時 間 は 優 位 にIPOM法 が 延 長 し て い た 手 術 合 併 症 は 感 染:IPOM 例 direct suture 例 onlay 2例 retromusucular/preperitoneal 0例 再発はIPOM法 2例 direct suture 0例 onlay 例 retromuscular/preperitoneal 例 考察 当科の検討では術式の違いで大きな転帰の差はなかった 腹壁瘢痕ヘルニアに対する修復術の最適な部位はヘルニア門の 大きさや症例の背景因子も考慮した検討が必要であると考える 腹壁ヘルニアは全ヘルニアの0 程度 205年厚生労働省統 計 と鼠径部ヘルニアに比べ頻度が低く 部位や状態によって手 術の難易度が大きく異なる 当院で 年に経験した腹 部ヘルニア関連手術は433例 その内69例 2 が腹壁ヘ ルニアであった 腹壁ヘルニアの手術は 部位や状態によって 様々な術式を選択している 施行した術式の内訳は メッシュ による腹腔内修復法22例 72 メッシュによる腹膜前また は筋膜下修復法36例 2 組織縫合法0例 6 プラグ +onlay法例 であった ヘルニアの部位によって選択術式 に違いがあり 臍ヘルニアは腹腔内修復の割合が高く 腹壁瘢 痕ヘルニアは部位によって腹腔内修復法と腹膜前または筋膜下 修復法を用い その他の腹壁ヘルニアは腹膜前または筋膜下修 復を多く施行した 臍ヘルニア嵌頓で腸管壊死のため腸切除を 要した緊急手術症例 組織修復法 例に術後再発を認めたが他 の術後合併症は認めていない 腹壁ヘルニアは 部位と成因が 同列に並べられた従来からの名称が存在するが 治療法に結び 付く分類とは言えない状況である ましてや治療法にいたって は症例や施設によって様々な術式が施行されており百花撩乱の 状況である エビデンスと呼べるようなものは存在せず 標準 術式についての議論さえままならない 今回 治療成績の評価 と標準治療法確立のために早急に議論すべき問題点を明らかに する SY9-7 SY9-8 Sutureless stiff mesh を用いた Rives-Stoppa 変法手術 腰 部 恥 骨 上 季 肋 下 腹 壁 瘢 痕 ヘ ル ニ ア に 対 す る selfgripping mesh による onlay 修復術 勝本富士夫 勝本外科日帰り手術クリニック 中野 2005年5月より207年2月までに226例の腹壁瘢痕ヘルニア手 術を施行してきた ヘルニア門の横径が5cm以上であれば 関 連病院で全身麻酔下で修復し 5cm以下であれば当クリニッ クで日帰り鼠径ヘルニア手術 Lichtenstein法 での麻酔と同じ バランス麻酔で日帰り修復術を行っている 20年までの93 例 はopen IPOM techniqueを 施 行 し て い た が 3例 3.2 の再発例 6例 6.5 の感染例 2例は腸切除 を経験したた め そ の 後 の33例 はpreperitoneal/retromuscular position に ポ リ プ ロ ピ レ ン の 形 状 付 加 型heavy weight mesh 242g/ m 2 Oval Patch HERNIAMESH社 を置いたsutureless repairを 行 っ て い る 初 期 の9例 はdefect-bridgingで 修 復 し 2例 の 感 染 例 を 経 験 し た た め そ の 後 の4例 は 欧 米 で のGold Standard で あ るRives-Stoppaに 準 じ 腹 直 筋 前 鞘 の defect closure augmentation を 行 い tensionの 強 い 症 例 はcomponent separation techniqueを用いている この方法 では例の再発例があったものの 感染例は0である Meshは 形状記憶で 年後の収縮率は5 と報告されている RivesStoppa法と違って suturelessであるためか術後の疼痛も軽度 で 早期回復ができる 敢友 井谷 史嗣 広島市立広島市民病院 外科 一般的に腹壁瘢痕ヘルニアに対しては メッシュ感染リスク低 減のためにも腹腔鏡下修復術が有用と考えられる しかし 腰 部 恥骨上 季肋下などメッシュの確実な固定が困難な部位に おいては メッシュの固定不良に伴う再発リスクが懸念され る Parietex ProGrip TM Covidien は セルフグリップ機 能を持った半吸収性メッシュであり 縫合固定糸を減らすこと により 術後疼痛の軽減も期待できる 腹腔鏡下修復術が困難 と考えられた腰部 恥骨上 季肋下腹壁瘢痕ヘルニアに対して ProGripを用いて修復を行った症例について報告する 腰部の 例目は交通外傷による骨盤骨折に対する手術後の 右腰部から 恥骨上にかけての複雑なヘルニア 2例目は左腎摘術後の腰部の 筋肉 腱膜が全体的に脆弱化したことによるヘルニアであった その他 前立腺癌術後の恥骨上ヘルニア 肋骨弓下のヘルニア 症例についても修復を行った いずれの症例においても メッ シュの縫合固定が困難であったり 解剖学的に凹凸の強い部位 であったりしたが self-gripによりメッシュ全体が組織に密着 することにより 確実な修復が可能であった このメッシュ使 用に伴う合併症は認めなかった メッシュ固定が困難であるこ とが予想されるために 手術を躊躇する部位でのヘルニアの修 復において ProGripメッシュは有用であり報告する
69 SY0- SY0-2 メッシュによる修復を考慮した腹腔鏡を用いたヘルニア嵌頓 症例の治療戦略 ヘルニア嚢の汚染と嵌頓小腸の状態から判断する腹腔鏡手術 戦略 中村 田中 若林 久保浩一郎 和徳 山下 求 水谷 剛 航 根岸 知央 栗田 秀樹 橋本 淳 峯田 智実 尾崎 章 大村 貴洋 健二 千葉西総合病院 一般 外科 上尾中央総合病院 ヘルニア嵌頓は日常診療で多く遭遇する救急疾患である 今日 画像診断技術の発展により ヘルニア嵌頓時の腸管の状態 腹 腔内の状態は術前にある程度正確に診断することが可能になっ てきた しかしながら 実際の状況が術前診断と異なっている 場合も認められる 現在の鼠径ヘルニア治療の主流は 後壁の 脆弱性に対するメッシュでの補強(tension free)である しか しながら 嵌頓時に鼠径法でのアプローチでは 腸管切除を施 行した場合感染の問題からメッシュによる補強は不可能となり tension freeを考慮した手術は選択出来ない 我々は202年か ら205年に経験したヘルニア嵌頓42症例の経験から全症例に 審査腹腔鏡を施行する腹腔鏡を用いたヘルニア嵌頓の治療戦略 を考案した 審査腹腔鏡を行うことにより 実際に腸管の状態 を観察 把握することができ 腸管切除の有無を考慮した上で ヘルニア根治術を選択できる 腹腔内汚染がない場合は その まま内視鏡下ヘルニア根治術を施行し 汚染が認められる場合 には腹腔鏡下での腸切除を施行した後 同時性または二期的に 前方からのメッシュによる修復を施行することができる こう した治療戦略を立てたことにより 可能な限りtension freeを 追求した修復を実行することができると考えられる 当院での 実施例を提示し 考察を合わせて報告する はじめに ヘルニア嵌頓においては小腸壊死の有無が大きな問 題になる疾患である 整復不能であれば緊急手術に臨むことと なるが ヘルニアに関しての根治術がどこまで行えるかが大き な問題となる 当院で経験した腹腔鏡手術を施行したヘルニア 嵌頓症例において ヘルニア嚢腹膜の汚染 と 嵌頓小腸 の状 態を元に腹腔鏡手術の戦略を考察した 対象 200年8月 207年3月までに 鼠径ヘルニア嵌頓7例 大腿ヘルニア嵌頓例 閉鎖孔ヘルニア嵌頓6例に対して 嵌頓 小腸を十分に評価するために腹腔鏡手術を選択し施行した 経 験した症例において ヘルニア嚢腹膜の汚染 と 嵌頓小腸 の状 態から 施行した術式を検討した 結果 小腸切除を要した症例3例 小腸修復を要した症例例 で メッシュを使用した症例2例であった 入院日数中央値9 日 創感染2例 メッシュ感染0例 深部膿瘍形成0例 吻合不 全0例であった 考察 CDCの 創 分 類 に お い て classⅢ に は 至 ら な い も の の classⅡよりも汚染があると思われるヘルニア嚢腹膜の黒色変性 に対しては 黒色変性部の切除が可能であれば 小腸切除が必 要となる症例でもメッシュの使用が可能であった なお class Ⅲ以上であればIPT法やMcBay法などが望ましいと考えられる 結語 小腸切除を要する嵌頓症例であっても classⅢに至らな いように対処できれば緊急手術時に腹腔鏡手術でも根治術を選 択できる可能性があると思われる SY0-3 SY0-4 鼡径 骨盤部ヘルニア嵌頓症例の検討 永山 稔 植木 木村 康利 水口 佐々木賢一 3 知身 山口 洋志 今村 徹 竹政伊知朗 鶴間 鼠径部ヘルニア嵌頓における SSI 防止の治療戦略 将史 哲弘 2 札幌医科大学 消化器 総合 乳腺 内分泌外科 2JR 札幌病院 3 市立室蘭総合病院 外科 佐々木奈津子 井田 小林慎二郎 小泉 聖マリアンナ医科大学 外科 鼠径 骨盤部ヘルニア嵌頓症例に対するヘルニア修復術につい て検討を行った 対象は 202年4月 206年3月に当科およ び関連二施設で手術を施行した45例 嵌頓ヘルニアの内訳は鼠 径 ヘ ル ニ ア26例 I-:4例 I-2:0例 I-3:5例 II-:5例 II2:例 II-3:例 大腿ヘルニア0例 閉鎖孔ヘルニア9例で あった 術式は腹腔鏡下手術32例 前方アプローチまたは開腹 手術は3例であり ヘルニア修復はメッシュを使用した症例は 32例 メッシュを使用しなかった症例は3例であった 45例 中7例 大腿ヘルニア9例 鼡径ヘルニア4例 閉鎖孔ヘルニア 4例 で腸管壊死を疑い 腸切除が行われた 腸切除を要する大 腿 鼡径ヘルニア嵌頓症例でも 腸管壊死 損傷に伴う腸液汚 染が無ければメッシュを用いた修復術も選択されていた メッ シュは腸切除を要した7例中8例で使用されていたが すべて 腹腔鏡下手術症例であり 腹膜閉鎖後に小開腹を置いて腹腔外 で腸切除 吻合が行われていた 術後メッシュ感染は1例も認 めず 腸管壊死から腸液が腹腔内に流出した創分類クラスIIIの 1例に浅層SSIを認めた 嵌頓ヘルニア症例に対するヘルニア修 復術において 腸管切除を要する症例へのメッシュ使用は議論 の余地があると思われる メッシュ感染を回避するために 十 分な配慮が必要と考えられた 圭亮 小倉 佑太 久恒 哲 大坪 毅人 靖人 佐治 攻 背景 鼠径部ヘルニア嵌頓ではSSIの観点からmesh使用の是非 が問われているが 近年 鼠径部ヘルニア嵌頓でもmesh修復の 報告も散見される 対象 方法 200年月から207年2月までに鼠径部ヘルニア 嵌頓で緊急手術が行われた45例と対象とした 当院の鼠径部ヘ ルニア嵌頓の手術方法は主にハイブリッド法で行っており ヘ ルニア嚢を開放せずに 絞扼性イレウスの手術創と鼠径部ヘル ニアの手術創を完全に分けることによりSSIの防止が可能と考え ている 腸切の有無 鼠径部の汚染度をCDC創分類で分類し mesh修復可能かについて検討した 結果 患者背景に有意差は認めなかった 創分類の汚染度が高 いものほど手術時間 出血量は有意に多かった 腸管切除率は 創分類の汚染度が高いものほど有意に多かった mesh使用は創 分類別に見るとI IIは00% III 27.7% IV 0%であり III IVで有意にmesh使用が少なかった 全症例の腸切の有無で見 ると 腸切あり群23.8% なし群87.5%で有意に腸切あり群 でmesh使用が少なかった しかし ハイブリッド手術例では腸 切あり群7.4% なし群8.8%とmesh使用の有意差は認めな かった SSI発生は5例に認めたが 全例mesh修復してない症 例であり 創分類はIII 例 IV 4例であった 結語 ハイブリッド法で行うことにより腸切が必要な鼠径部ヘ ルニア嵌頓に対するmesh修復例が増やせると考える 腸管切除 の有無よりも鼠径部の汚染度の程度によりmesh使用の有無を判 断する必要がある
70 SY0-5 SY0-6 術中 SSI が認められた嵌頓ヘルニアに対する治療戦略 千原 直人 鈴木 清水 貴夫 内田 英之 渡辺 英二 2 昌則 大山 腹腔鏡下ヘルニア修復術および待機的虫垂切除術を一期的に 施行した 例 莉奈 堀川 日本医科大学武蔵小杉病院 消化器病センター 2 日本医科大学 消化器 外科 我々は998年より鼠径部ヘルニアに対しTAPPを開始 嵌頓ヘ ルニアに対しては20年2月よりTAPPを第選択としていた が205年からはTEPも導入している 現在までに49例の鼠径 部 閉鎖孔ヘルニアに対し腹腔鏡下に修復している 穿孔にて すでに腹腔内汚染が著明だった症例は例のみで これは開腹し 穿孔部を修復して2期的TAPPを施行している また 嵌頓解除 後に穿孔や腸管壊死しているものに関しても2期的TAPPを行っ ていた TEPを導入してからは内鼠径 大腿 閉鎖孔ヘルニア 嵌頓に関してはTEPを第選択とし 期的にmeshを使用して いる まず 腹腔内には入らずTEPの創でヘルニア嚢を反転し て嵌頓を解除 Meshを期的に留置し腹直筋前鞘を閉じた後に 腹腔内観察をする 腸管の穿孔や壊死があるものに関しては臍 下筋膜欠損孔を延長して小開腹をおき体外で腸管切除を行い 期的に修復している 外鼠径ヘルニア嵌頓はTEPを適応外にし ている その理由は:massive scrotalなものはtepでは難渋が 予測されること2:ヘルニア嚢を離断するために末梢は汚染して いることで期的にmesh留置ができないことである これらの 動画を供覧し考察する 直樹 寺川 高岡市民病院 外科 裕史 はじめに 腹腔内臓器の術中副損傷や嵌頓に伴う腸切除など術 中 術後のSSIが懸念される状況では メッシュ使用の是非には いまだ定見がないものの消極的な意見が多い 今回我々はヘル ニア修復と虫垂切除を一期的に施行した症例を経験した 各々 の操作空間を隔離することでメッシュ感染リスクを回避できた 症例 75歳 男性 現 病 歴 左 鼠 経 ヘ ル ニ ア の 診 断 で 腹 腔 鏡 下 ヘ ル ニ ア 修 復 術 TAPP を施行する方針であった 手術待機期間中に急性虫 垂炎を発症し近医入院した 抗生剤による保存的加療にて症 状軽快し退院した あらためて手術を予定し 虫垂炎発症後 42日目に左鼠経ヘルニアおよび虫垂炎に対して一期的腹腔鏡 下手術を施行した 操作腔を隔てる目的で鼠経ヘルニア JHS 分類I-2 に対してはTEP 多孔式 を 虫垂炎 phlegmonous appendicitis に対しては虫垂切除術 単孔式 を施行した 手術 時間は2時間25分 出血は少量であった 第8病日退院した 術 後3か月時点で再発 感染の徴候はない 考察 我々はTEPならば虫垂切除の操作空間との非連続性を保 てると考え ポート孔 操作鉗子を含む術野環境を隔離するこ とにより 虫垂切除操作に伴うSSI ひいてはメッシュ感染のリ スク低減を試みた メッシュ感染が懸念されるSSIの多くが腹腔 内操作に起因するとすれば TEPはそのリスクを軽減する可能 性がある 術式選択肢としてTEPは有用と思われた
71 第 5 回日本ヘルニア学会学術集会 3D シンポジウムセッション
72 3D- 3D-2 がん専門病院におけるヘルニアに対する治療と 3D 画像を用 いた手術手技 福長 小西 洋介 上野 毅 長嵜 雅資 長山 寿矢 聡 藤本 佳也 秋吉 3D 画像による腹腔鏡下ヘルニア根治術 (TAPP) 大内 昌和 福永 神田 聡 平崎 小濱信太郎 野本 高志 順天堂大学医学部附属浦安病院 がん研究会有明病院 消化器外科 3D-3 義人 吉川征一郎 薫平 東 大輔 3D-4 TEP 法における3D 腹腔鏡の有用性 則仁 古川 邦彦 飯田 悠 本庄 裕隆 はじめに TAPPを第一選択術式とし682(790ヘルニア)例施行 鼠径部解 剖は複雑であるが3Dsystemを利用することで2Dとは別世界の 新たな空間認識が可能となる 鼠径部ヘルニアの手術における 3Dsystemの有用性を動画で供覧する 手術手技 TAPPを安全確実に行うためにはメッシュを適切な層また位置 にフラットに留置することが大切である そのために剥離層の 的確な認識と十分な剥離範囲の確保が重要である 3Dsystemを使用した腹膜の剥離操作では膜と疎性結合組織の 解剖学的構築を立体的に把握でき 剥離層の把握が容易となる 特に頭側の剥離操作は初期の段階では困難とされているが 前 後方向を意識した牽引が直感的にできるようになるため 十分 な剥離範囲を確保可能となる また複雑な鼠径部の立体解剖を 直感的に理解することができるようになるので 特にメッシュ の留置においてはたわみなくフラットに留置することが2Dと 比較し容易となる 術者にとっては3Dsystemを使用すること hand-eye coordinationが良好になり2dと比較しストレスなく 手技を行えるのが最大の長所であり特に縫合結紮ではその利点 が強く感じ取ることが出来る 針や糸の掴み損ねが減少 針の 方向決めや針ですくう組織の量の調整などより正確に行うこと ができる 結果 現在まで65例に対して施行 平均手術時間は8分 再発は認め ていない 結語 以上よりTAPPにおける3Dsystemの利用は非常に有用であり 手術時間の短縮やより安全かつ確実な手術が可能になるものと 考えられる はじめに 大腸外科全体の手術総数は206年で000例を超え た がん治療のみならず手術に伴う合併症に対する治療も必要 で 長期的な生活の質(QOL)も重要な点である 今回われわれ は 手術後の晩期合併症の一つであるヘルニアのうち腹壁瘢痕 ヘルニア 傍ストマヘルニアの3Dシステムを用いた手術の実際 をビデオで供覧する 手術手技 ポートの挿入に関しては VH PSHいずれもヘル ニア門あるいはStomaの位置にかからない場所におく VHの 場合は右側 左側に5mmを2本ずつ設定して どちらからでも タッカーを打てるようにする 腹腔内の癒着剥離ののちにコン ポジックスメッシュを腹腔内に挿入する メッシュの上下左右4 点とその間の4点合計8点に2-0PDS糸を支持糸としてつけ こ れをヘルニア門の端から5 の部位にエンドクローズを用いて体 外に引き出す 弛みがないように伸ばしながら腹腔内から2重に タッカーで固定する PSHはシュガーベイカー法に準じてメッ シュをおく 結果とまとめ これまでに術後の合併症はなく概ね4-5日で退 院となった 長期的にみるとVHの術後セローマの形成を時にみ るがヘルニアの再発は例に認めたのみである 腹腔鏡下での VH PSH修復術は 3Dシステムを用いることによりメッシュ の弛みを予防でき適切なメッシュ留置が可能となる 和田 正氣 永仮 憲範 行田 潤 百瀬 俊治 北川 3D ビデオシステムで見えてきた TEP 手術 3D laparoscopic TEP inguinal hernia repair 雄光 慶應義塾大学医学部 一般 消化器外科 はじめに 近年 わが国では鼠径ヘルニア手術における腹腔鏡 下手術の比率が高くなってきているが 再発率も高くなってい ることが大きな問題とされており 腹腔鏡下ヘルニア修復術 ラ パヘル の安全な普及は喫緊の課題といえる 最近 臨床導入が 進む3D腹腔鏡は 内視鏡外科手術における臨床的有用性が示さ れている 特に教育的効果の面での報告が多くみられ ラパヘ ルの手術の質向上への期待も大きい 本発表では鼠径ヘルニア に対するTEP法における3D腹腔鏡の有用性について動画を用い て報告する 対象と方法 207年 当院において3D内視鏡を用いてTEP法 による鼠径ヘルニア手術を実施した患者を対象とした TEP法 の適応は両側鼠径部ヘルニアとした 下腹部に3cmの皮切を置 き 局所麻酔下に単孔式で手術を行った まず鼠径管後壁で内 側剥離を進め クーパー靭帯および下腹壁動静脈を同定した 次いで外側でspermatic sheathを求め 玉ネギの皮を剥くよう にヘルニア嚢まで剥離を進めた 結果 3D腹腔鏡を用いて安全に手術を実施可能であった 考察 術野の立体的把握が特に重要な意味を持つメッシュの展 開において有用性が際立った 腹膜前腔の解剖に習熟していな い初心者では解剖の理解が深まったという感想が得られた 3D 腹腔鏡はラパヘルの手術の質向上に寄与する可能性が示唆され た 武者 桑原 信行 大渓 明史 坪野 隆弘 仲野 俊宏 酒井 済生会新潟第二病院 外科 哲矢 小川 靖夫 洋 田辺 匡 JSESのアンケート調査によると 全体では約5割の施設で鼡径 部ヘルニア手術に内視鏡下手術が導入されている そのような 中 一般外科では馴染みの薄い腹膜外腔という手術野が展開さ れるためか TEPを選択する施設は25 にも及ばない TEPとは 腹膜前腔に広がる疎性結合織の層のなかで 前腔に 展開する脂肪織の色調の違いなどを手掛かりに剥離を進め 各 要所でランドマーク すなわち腹直筋 弓状線 恥骨結節 恥 骨櫛 下腹壁動静脈 腹膜縁 spermatic sheathに包まれた内 精動静脈と輸精管に到達 ヘルニア嚢の処理を行いつつ メッ シュを展開すべき空間を構築することと理解している 今回 2Dで行ってきた視野展開への意識を内省しつつ 純粋に 立体空間の構築を意識する観点で 3Dシステムが有用と思われ た以下のシーンを中心に手技を供覧する ① 後 鞘 前 ア プ ロ ー チ 弓 状 線 足 側 で のattenuated posterior rectus sheath (APRS)の解放と空間形成 ②弓状線から恥骨結節後面への距離と方向性 ③残存APRSと横筋筋膜との癒合部分の切離解放から下腹壁動 静脈外側への進入 ④下腹壁動静脈外側での 背外側の腹膜剥離と腸腰筋の確認 ⑤鼡径管後壁全体の脆弱性有無の評価
73 3D-5 CO2 併用膨潤 TAPP 安本 明浩 東北労災病院 消化器外科 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術の経腹的アプローチ(TAPP)は 前 方アプローチの手術より利点が多いが その導入にあたり新た な手技習得が必要で本邦では普及していない 当科ではTAPP の手技的難点を軽減する目的に 鼠径部腹膜直下にエピネフリ ン加膨潤麻酔剤希釈液と二酸化炭素を注入することを先行する 膨潤TAPPを行っている 生理食塩水 アドレナリン キシロ カイン で膨潤液200mlを作成し 鼠径部腹膜直下に膨潤液 と炭酸ガスを注入したのちに TAPPを施行する 腹膜前腔の 膨化により剥離が容易となり また出血の抑制に寄与すると考 える 腹膜切開はヘルニア門の頭側を横切開し 精管 精巣動 静脈 クーパー靭帯を確認し ヘルニア嚢を全剥離する メッ シュは4 0cm以上のメッシュを用い 腹膜閉鎖は 3-0吸 収糸にて外測から内側に向け連続縫合している 当院では3D内 視鏡を胃癌 大腸癌に対しての腹腔鏡手術に使用しているが TAPPに対しても使用している 3Dカメラによる立体視は 手 術操作全般の作業効率を改善する TAPPにおいては特に縫合 結紮などの操作で大きな手助けとなることはもとより 剥離操 作においても剥離層がより認識しやすくなると考えられる 3D 内視鏡を用いたTAPPの手術ビデオを供覧する
74 第 5 回日本ヘルニア学会学術集会 ビデオシンポジウム
75 VS- VS-2 傍ストーマヘルニア修復術のコツと要点 中島紳太郎 近藤,2 昭信 田中 2 穣 長沼 2 傍ストーマヘルニアに対する治療戦略 達史 石見 家守 2 中島病院 2 済生会松阪総合病院外科 ヘルニアセンター 拓人 荒木 雅大 石見 くるめ病院 傍ストーマヘルニアはストーマ造設部に発生する一種の腹壁瘢 痕ヘルニアである ストーマ晩期合併症のなかで狭窄 脱出に 次いで多く その発生率は結腸ストーマで5 36 尿路ス トーマで と比較的頻度の高い晩期合併症である 嵌頓 腸閉塞などの緊急性を要する合併症のリスクとなるのみ でなく 管理困難によってストーマ保有者のQOL低下につなが る可能性があり 外科的治療を考慮するべきであると考える しかし 傍ストーマヘルニアでは拳上腸管がヘルニア門の一部 を構成することから 修復は拳上腸管を除くことなく完遂しな ければならず この点が他の腹壁瘢痕ヘルニア修復術とは大き く異なる点である われわれは専用メッシュであるParietexTM Composite Meshを用いた腹腔鏡下Sugarbaker 法による修復 術を第一術式として施行しており 良好な結果を得ている こ れらの経験から安全で確実な傍ストーマヘルニア修復術を行う ために 術前の理学所見や画像検査から傍ストーマヘルニアの 病態評価の重要性を説明し さらに実際の手術ビデオを供覧し てポート挿入部位の選択 メッシュの展開 固定法などにおけ るわれわれの工夫を解説する 靖三 野明 雅人 高野 俊裕 的野 正博 敬子 小篠 洋之 傍ストーマヘルニアはストーマ造設後に比較的高頻度で起こる 晩期合併症である 治療方法は術後合併症 再発率の点で 腹 腔鏡下でのメッシュ使用による修復が有用と思われる 実際に 手術に至っている症例は全体の30%程度との報告もあり 保存 的に経過観察を行っている症例は多い 現状の手術適応は 整 容上の問題やストマケア困難などによるQOL低下のための相対 的適応 嵌頓や閉塞などの絶対適応を判断して手術を行ってい る 今回 当院での手術経験例を報告する 年で当 院にてストーマ造設を行ったのべ489例のうち傍ストーマヘル ニアの手術症例は0.2%(/489例)だった また 他病院からの 紹介2例の計3例に修復術を行った 手術方法は2例が腹腔鏡下 (Sugarbaker法) 例が開腹だった 開腹症例は元々鎖肛の既 往があり 最終的に人工肛門閉鎖を予定していたため再造設を 選択した 実際の腹腔鏡下手術のビデオを供覧する 腹腔鏡下 症例の例で術後に一部ストーマ血流障害を起こし ストーマ陥 凹となったため 再造設を施行した 原因としては 腸間膜の 癒着剥離の際の血管処理が問題であった可能性がある ヘルニアは拡大するほど癒着が増加する可能性が高くなり 手 術合併症の起因の一部となり得る 今後も手術の検討を行って いくことで 合併症 再発率の低下を図り 現状より手術適応 を早い段階に置くことも重要であると考えられる VS-3 VS-4 当院の傍ストーマヘルニアに対する腹腔鏡下修復の手技と成績 症例に応じた腹腔鏡下傍ストーマヘルニア修復術の術式選択 秋山 大西 直 安達 藤江裕二郎 橋本 岳 佐久総合病院 佐久医療センター 消化器外科 慧 高 正浩 野中 和彦 藤田正一郎 亮児 山本 和義 NTT 西日本大阪病院消化器外科 背景 傍ストーマヘルニアはQOLを低下させるが喫緊にはなり にくいため保存的に対応されることが多い 腹腔鏡下直腸切断 術の普及に伴い腹膜外経路の永久人工肛門が減少傾向にあり 本疾患の増加が懸念される 目的 当院での腹腔鏡下傍ストーマヘルニア修復術の手技およ び成績を供覧 解説する 方法と対象 2008年4月からKeyhole法 KH での鏡視下修復を 導入し9例に施行し 203年4月からSugarBaker法 SB に移 行し6例に施行した 手術手技 ストーマ対側側腹部に3-4portをおいて 癒着剥離 を行う ヘルニア門を確認して腹壁からの癒着は基本的に全て 剥離する 少なくともmargin 5cm確保 腹壁側にも癒着防止 帯の加工されたSugarBaker法用のmeshに支持糸をつけて 挿 入 展開 固定する 結果 KH法はurostoma 3例 colostoma 7例に施行され 観 察期間平均値は6 ヶ月で再発は3例 33.3 であった SB法 はurostoma 4例 colostoma 3例に施行され 観察期間平均値 は3.5 ヶ月で再発は0例 0 であった SSI mesh感染は0例 0 術後の腸管麻痺を4例 26.7% に認めたがmeshによ る腸管狭窄は認めなかった 結語 当院での鏡視下修復について報告した 再発に関しては SB法が優れ 両方法で感染は認めなかった 目的 腹腔鏡下傍ストーマヘルニア修復術の方法論について考 察する 方法 当院で施行した4症例を後方視的に調査し文献的考察を加 えた 結果 全例直腸癌に対する腹会陰式直腸切断術後で3例が腹膜 内経路 例のみ腹膜外経路で腸管が挙上されていた 造設か ら修復術までの期間は 月 CTで計測したヘル ニア門長径 mm ストーマ腸管からみたヘルニ ア門位置は内側 内頭側 内尾側 尾側が例ずつであった ParietalTM Parastomal Meshを用い ストーマ腸管の状況に 応じてKeyhole法 Sugarbaker法を共に2例行った 深いヘル ニア嚢に小腸が癒着していたためハイブリッド法で癒着剥離を 行い さらにヘルニア門が大きかったためPCOメッシュを追加 した症例のビデオを供覧する 手術時間 分 出 血量 ml 合併症無く 術後在院日数は7 5-0 日 であった 退院後ストーマ外来の記録では患者満足度は高かっ た Sugarbaker法で行われた例に再発を確認した 考 察 傍 ス ト ー マ ヘ ル ニ ア は ヘ ル ニ ア 門 の 大 き さ や 位 置 の 他 ストーマ造設が行われた疾患 術式 挙上経路 癒着程度 などのバリエーションが大きい 最近のメタアナリシスでは Sugarbaker法が再発率の点で勝るとされるが 手技とメッシュ の種類にも問題があると思われる 単一の方法にこだわらず 個々の症例を術前によく検討した上で術中所見に応じた修復法 の選択が必要と考える
76 VS-5 VS2- 確実なメッシュ展開を意識した Sandwich 法腹腔鏡下傍ス トマヘルニア修復術 日帰り手術専門クリニックにおける多重再発 再再発以上 症例 楢崎 今津 肇 北海道消化器科病院 外科 腹腔鏡下傍ストマヘルニア修復術は 技術的に難易度が高く また症例数もそれほど多くないことから 手技の定型化がしに くい手術である 当施設では傍ストマヘルニアに対し腹腔鏡手 術を第一選択としており より低い再発率を目指してSandwich 法を用い下記のように手術を行っている まず癒着剥離を行う が Sugarbaker型メッシュをあてる際にストマ腸管を腹壁固 定するため ストマ腸管の可動性を可能な範囲で確保してお く ヘルニア門は腸管狭窄が起きないよう注意しながら縫合閉 鎖を行う ストマ腸管周囲は体外からの貫通糸が使用しにくい ため 非吸収性のV-Locを用いて体内縫合で閉鎖している 枚目のメッシュとしてKeyhole型メッシュを展開 固定するが ヘルニア門から十分なオーバーラップが取れるように既製の Keyhole型メッシュにこだわらず 通常の腹壁瘢痕ヘルニア用 のメッシュを形成して使用する ストマ腸管を腹壁に縫合固定 した後に 2枚目のメッシュとしてSugarbaker型メッシュを展 開 固定する これらメッシュの固定は keyとなる部位2か所 を体内縫合で固定した後に 鏡視下にメッシュの展開を確認し ながらタックで固定することで 腹腔内でのメッシュの取り回 しを容易にし 適切な位置にメッシュを固定することができる 傍ストマヘルニアでは通常の瘢痕ヘルニアとは違う特有の工夫 が必要である 当科で行っている手術手技の工夫とその手術ビ デオを提示する 当院における多重再発症例に対する治療戦略と結果を報告する 対象 鼠径ヘルニア日帰り手術施行した3975症例487病変 母集団男女比89:で平均年齢53.7歳 平均病脳期間27.8 ヶ 月(0-760 ヶ月) JHS分類Ⅰ3086症例 Ⅱ827症例 Ⅲ0症 例 合併を含む 再再発以上症例は4症例で男女比3: 平均 年齢58.歳 平均病脳期間7.2 ヶ月( ヶ月)で再再発 症例 再再再発3症例 再発形式はJHSⅠ5症例 Ⅱ8症例 Ⅲ Ⅰ症例であった 術前診断は理学所見及び超音波検査で行った 結果 術前診断正診率 7% で当院全症例での正診率よりも低 く術前診断は比較的困難であった 治療術式は脱出部分のみに アプローチする形とし既往術式が組織縫合法である場合は腹膜 前アプローチを考慮した 全例メッシュ使用 Lichitenstein Plug3 Direct Kugel5 Kugel2 PHS症例 予後:4例中 例Ⅰ型再発に対しplug法を用いた症例にⅡ-3再発を来した症例 があった 考察 多重再発は前回までの手術情報が必要だが 実際には充 分な情報が得られないことも多い 加えて術前診断が必ずしも 正しいとは限らないので現状鼠径ヘルニア手術後の再発以上の 再手術は初回手術に比較して再発率が高いことを患者に充分に 説明し周術期の疼痛対策をしっかりして仮に再度再発しても再 手術を嫌悪させない環境を作ることを第一と考えている VS2-2 VS2-3 TAPP と TEP を利用した治療戦略 多重再発例の検討から 武者 坪野 信行 野々村絹子 小川 俊宏 酒井 靖夫 浩喜 医療法人 いまず外科 洋 田邉 匡 桑原 多重再発症例における鼠径部切開法併用を意識した腹腔鏡下 鼠径ヘルニア修復術 明史 原田 新村 済生会新潟第二病院 外科 はじめに 鼡径部ヘルニアの再発率は約2-4 再発例の再々 発率は約0%と想定される 再々発例の手術に際し最も重要な 点は 手術介入する以上 次の再発を完全に阻止する必要があ る 対象と方法 996年月から206年2月 鼡径部ヘルニアの 診断で手術を施行した2,398例 2,592病変を対象に 多重再 発症例を抽出 検討することで その治療戦略を考察する 結果 再発鼡径部ヘルニアの診断で手術を施行した症例は 03例 4.3% 06病変であった 03例中94例 3.9% が初 回再発であったが 再々発以上の症例が0例 0.4% 6病変 が2nd recurrenceで 4例 0.2% 存在した 0例中6例 0.3% が3rd recurrence以上であった 全ての症例でMeshを使用し た修復が行われ 0例中4例 6病変に腹腔鏡下手術を行った 4回目の再発をきたした症例は手術未施行で経過観察になっ た 考察 当科での基本的手術方針は 初発片側例には前方アプ ローチ 初発でも両側例やJHS-2型にはTEPを適応としている 再発症例には積極的にTEPとTAPP両術式を組み合わせた術式 を導入する方向にあるが 再々発以上の症例に明確な治療戦略 は未だ構築できていない 多重再発例は病態が複雑化している ため一元的に方針を語ることは不可能ではあるが 腹腔鏡観察 を参考に前方アプロ チをも含めた各種術式を柔軟に取り込ん でいく必要があるものと考察する 再々発例のビデオを供覧し つつ現在の当科の方策を提示する 芳邦 関根 一樹 梅本 隆一 小山 岳宏 木川 英之 若林 岳 加藤 昭和大学藤が丘病院 消化器 一般外科 哲司 喜島 貴史 田中 一博 淳一 再発鼠径ヘルニア症例では 前回手術の術式が不明であること も多く 高度な癒着により剥離に難渋することも予想される 特に多重再発症例となると再発を繰り返さないための確実な修 復が必須になってくるため 各症例に応じた術式の選択が重要 と考える 当院では203年5月に成人鼠径ヘルニアに対して腹 腔鏡下修復術 TAPP を導入し 再発症例に対しても適応を拡 大してきた しかしながら 前回手術でメッシュを使用してい る症例では腹腔鏡操作のみでは難渋することもあり 常に鼠径 部切開法併用を意識した手術を行っている 207年月まで にTAPPを施行した362症例のうち再発症例は7例 再々発は 3例であり 多重再発3症例はいずれも術前に正確な術式が不 明であったが 腹腔鏡下での修復術が可能であった 現時点で 3-6 ヵ月以上経過しているが 経過は良好である 鏡視下の利 点としては まず腹腔内から観察することで再発形式が容易に 視認でき 仮に鼠径部切開法を併施した場合でも 気腹を利用 し最終的にメッシュが十分に展開できているかを確認すること ができるため 確実なヘルニア門の修復が可能になると考える また拡大視効果を利用することで 高度癒着を伴う症例でも解 剖学的なオリエンテーションを理解しやすく 他臓器損傷のリ スクを軽減できる点も有用と考える 再々発症例に対する手術 ビデオを供覧し より安全な術式を検討する
77 VS2-4 VS2-5 鼠径ヘルニア再々発症例に対する TAPP 法 湯浅 松尾 高嶋 康弘 沖津 祐太 枝川 美佳 富林 徳島赤十字病院 外科 宏 藤原 広志 森 敦司 浜田 多重再発症例に対する TAPP の治療戦略 聡史 竹内 大平 常城 理 谷 亮太朗 藏本 陽子 石倉 久嗣 宇生 俊輔 西山 徹 石井 笛吹中央病院 外科 正紀 田中 暢之 994.月より成人鼠径ヘルニアに対し経腹的腹腔鏡下鼠径ヘ ルニア修復術 以下TAPP を導入し206.2月までに808例経 験した 2009年4月より現病院に移り206.2月までに施行し たTAPP 374例中の再発症例に対するTAPPは32例でこのうち 多重再発症例は6例であった 症例 200 7歳男性 先行 手 術 Mesh Plug 法2回 右rec 2 Ι-2症 例 歳 男性 先行手術 従来法2回 右rec 2 Π-症例 歳男性 先行手術 Mesh Plug法 TAPP 右rec 2 Ι-3症例 歳男性 先行手術 従来法2回 右rec 2 Π-2症 例 歳男性 先行手術 従来法2回 左rec 2 Π- 症例 歳男性 先行手術 Liechtenstein法 Mesh Plug法 TAPP IPOM 左rec 3 Π-当院における多重再発症 例に対する治療戦略はこれ以上再発させないことを最大目標に 腹腔鏡下に病変の局在を観察し対側病変も見逃さない 2 先行手術で使用されたMeshは原則的に除去しない 3 先行手 術により鼠径部の解剖が変化していることを念頭に置く 最近 の症例5 6 を供覧いたします はじめに 当科では再発鼠径ヘルニア症例に対し 腹腔鏡下修 復術 以下 TAPP を第一選択としており 再々発症例につい て検討した 対象 2006年4月から206年2月まで当院で手術を施行した 再発鼠径ヘルニア症例69例のうち TAPP法を施行した再々発 4症例 手術手技 既存のprothesisは新たなmesh展開に支障がある 場合は可及的に除去 剥離やmesh留置は可能な限り初発時の TAPPと同様に操作を行う 結果 平均年齢は69歳 男/女=2/2 左/右=6/8 3例で過去 にmeshが使用されていた 初回術式はメッシュプラグ MP 法 7例 組織縫合法7例 再発時術式は組織縫合法2例 MP法0 例 PHS法例 TAPP法例であった 再々発形式はJHSヘル ニア分類I型が6例 II型が8例で再々発までの期間は中央値で3 年であった 平均手術時間 分 術後平均在院日 数は4 2-6 日で なお術後の合併症 再発は認めていない 考察 多重再発では既往手術時にmeshが使用されている場合が 多い 腹膜前腔を広く剥離されている場合は局所解剖の把握に しばしば難渋し剥離やmeshの処理 留置など 症例に応じた術 中判断を迫られる 手技上の留意点および工夫について報告す る VS2-6 VS2-7 再々発症例に対する腹腔鏡下ヘルニア修復術の治療戦略 多重再発症例に対する腹腔鏡下鼠径部ヘルニア手術 TAPP 法 吉岡 慎一 岡 義雄 岡田かおる 岡田 上島 成幸 桧垣 直純 林田 博人 福永 小林 研二 2 根津理一郎 野澤 松山 一幸 2 睦 2 雅之 和田 温子 英俊 佐藤 正範 小野田貴信 渡邊 貴洋 浜松医科大学 一般内視鏡外科 西宮市立中央病院 外科 2 兵庫県立西宮病院 消化器外科 はじめに 鼠径ヘルニア術後の再々発症例では少なくとも回は メッシュを用いた手術が行われた後であることが多く 強固に 癒着している部位にどう対応するかがポイントとなり 難易度 が高い 今回我々は 再々発鼠径ヘルニアに対する鏡視下根治 術の有用性について考察 報告する 対象 経験した再発症例に対する腹腔鏡下ヘルニア根治術を施 行した28件を対象に検討を行った 28件のうち 組織結合法術 後の再発は6件で メッシュを使った手術後の再発が2件 複 数回再発の症例は5件で 3件は組織結合法後のメッシュ修復 2件は複数回のメッシュ修復が行われていた 結果 組織結合法での再発症例では全例がプラグメッシュ法に て修復されており 全例で通常のTAPPと同様に手術を行えた メッシュ法での再発症例では 2例ともプラグメッシュおよび Kugel法にて修復されていた 後腹膜アプローチで使ったメッ シュの取り扱いが難しく 工夫が必要であり また腹膜閉鎖は 難しいため 一部IPOM様に覆う工夫が必要であるが 視認性 がよく 再発の原因範囲を同定しやすいという利点がある 結語 メッシュ複数回使用した再発になると前方到達経路およ び腹膜前到達経路もしくは腹腔内到達経路が選択される この ような場合では腹腔鏡下ヘルニア修復術は操作の自由度が最も 高く 症例に応じた修復方法をとることができるため 有用な 方法である 鼠径ヘルニアの多重再発 2回以上の再発 症例に対する術式に関 して定まった見解は得られていない 当科における鼠径ヘルニ ア多重再発症例に対する腹腔鏡下鼠径部ヘルニア修復術 TAPP 法 の成績を検討した 2006年5月 206年2月に成人鼠径 部ヘルニアに対してTAPP法を施行した453例 547病変 を対 象とした 回の再発症例は37病変 多重再発症例は2回目の再 発が7病変 4回目と6回目の再発が病変ずつであった 片側症 例の平均手術時間は初発が07分 再発が26分 多重再発が 38分で 初発と比較し再発と多重再発で有意に手術時間が延 長した 術後合併症は初発症例で57例 漿液腫/血腫47例 再発 5例 皮下気腫3例 その他2例 再発症例で漿液腫4例であっ た 術中合併症は初発症例で7例 下腹壁血管損傷3例 小腸損 傷2例 膀胱損傷例 精巣動静脈損傷例 再発症例で例 膀 胱損傷 であった 多重再発症例では術中 術後ともに合併症を 認めなかった 多重再発症例は手術の難易度が上がるため手術 時間が延長するが 腹腔側から確実に診断し修復できることは で有用であった 多重再発症例に対するTAPP法の術後再発は なく 合併症も増加しないため 患者側にとっても有用と考え られた 多重再発症例の術中の注意点も含め 動画を供覧し報 告する
78 VS2-8 VS3- 鼠径部ヘルニアの多重再発の経験例から学ぶこと 荻野 信夫 金村 剛志 文元 大阪府済生会富田林病院 雄一 藤井 仁 林部 ヘルニア門の大きさ 体格指数 部位別にみた困難症例に 対する IPOM および IPOM-Plus の手術成績 章 辻仲 背景 EHSのガイドラインでは再発鼠径ヘルニア手術について の先行手術が前方アプローチの場合 鼠径管開放手術は合併症 の危険性が高いので後方アプローチを選択すべきとされている 当科で経験した多重再発ヘルニアの経験から再々発を起こさな い術式を検討した 方法 最近9年間に当科で施行した成人鼠径ヘルニア485例 のうち再々発以上のヘルニア手術を施行した8例8側を対象と し術式 再発回数 再発形式 当科での術後再々発の有無を検 討した 結果 症例の内訳は男性5 女性3 平均年齢67.歳 組織縫 合法のみは2例で他はメッシュを使用していた 再発回数は2 回 例 3回 5例 4回 2例だった 先行手術は組織縫合 法9 Plug26 PHS 4で あ っ た 再 発 形 式 はI型 がでII型4 III型 2 IV I+II 型 であった 多重再発で初回手術から当科 での手術までの期間は27日から20年にわたり Plugでは54% が6 ヶ月以内の早期再発を来した 多重再発に対する手術はLap を基本とし TEP 3 TAPP 4 Plugであった その後の再々 発は認めない まとめ Plug法 は 再 々 発 が 多 く ま た 再 発 ま で の 期 間 が 短 いので再発手術には適さない II型での再発割合が高いので Hesselbach三角をしっかりメッシュでカバーする必要がある 再発例では両側手術を要する例も多く 腹膜外腔の剥離が可能 な例についてはTEPが脆弱部分を広く覆えて 両側例でも同一 術野で施行できる有用な術式と考えられる 眞康 菊川 利奈 染谷 崇徳 遠山 信幸 力山 自治医科大学附属さいたま医療センター 一般消化器外科 敏樹 目的 当科では 腹壁瘢痕ヘルニアに対する腹腔鏡下手術を 202年4月に導入して以来 手術が困難とされる症例に対して も 積極的に腹腔鏡下手術に取り組んできた さらに 205年 4月以降 症例を選定したうえで defect closureを伴う腹腔内 修復法(IPOM-plus)を施行している この演題では ヘルニア 門の大きさ 体格指数およびヘルニアの部位を指標とした手術 困難症例に対するIPOMおよびIPOM-Plusの手術成績を比較し 検討する また その手術手技の実際を動画で供覧する 方法 202年4月から207年4月までに当院で施行した34例 を対象 ヘルニア門横径が0cm以上の症例 体格指数body mass index(bmi)が30kg/m2以上の症例 部位がnon-midline の症例を困難症例と定義し 手術成績 特にseromaとmesh bulgeの有無 およびヘルニア再発について検討した 結果 症例全体の追跡期間の中央値は3か月で いずれの症例も ヘルニア再発なし ヘルニア門横径が0 以上の症例は9例で IPOMが7例 IPOM-Plusが2例に施行 Seromaはそれぞれ例 (4%) 例(50%) mesh bulgeはそれぞれ4例(57%) 0例(0%) にみとめた BMIが30kg/m2以上の症例は8例で IPOMが4例 IPOM-Plusが4例 に 施 行 Seromaは そ れ ぞ れ0例(0%) 0例 (0%) mesh bulgeは そ れ ぞ れ例(25%) 0例(0%)に み と め た ヘルニア部位がnon-midlineの症例は6例で IPOMが4例 IPOM-Plusが2例に施行 Seromaはそれぞれ2例(50%) 0例 (0%) mesh bulgeはそれぞれ例(25%) 0例(0%)にみとめた 結語 困難症例に対するIPOM-Plusは seromaの発生を低減 しないが mesh bulgeの防止に有効である可能性が示唆された VS3-2 VS3-3 当科で経験した興味深い腹壁ヘルニアならびに鏡視下での 嵌頓解除のコツ 前立腺癌術後恥骨上ヘルニアに対する腹膜前腔剥離手技 安全に行うために 赤津 知孝 佐々木健人 原 明日香 金子 靖 2 中西 亮 吉川 祐輔 筒井 麻衣 高野 公徳 葉 季久雄 2 大住 幸司 米山 公康 山本聖一郎 金井 歳雄 中川 基人 松原 猛人 嶋田 元 柵瀬信太郎 聖路加国際病院 ヘルニアセンター 消化器 一般外科 平塚市民病院 外科 2 平塚市民病院 救急科 はじめに 当科で経験した興味深い腹壁ヘルニア 上腰ヘルニア および小坐骨孔ヘルニア ならびに鏡視下での嵌頓解除 水圧法 および牽引法 のコツについて供覧する 上腰ヘルニア 症例は86歳 女性 左腰部に座位で明瞭 緊満 する径3cm大の膨隆を認めた 腹部CTにて下行結腸を内容と する上腰ヘルニアと診断し 腹腔鏡下に手術を施行した ヘル ニア嚢内に引き込まれていた下行結腸を引き出し メッシュを 留置した 小坐骨孔ヘルニア 症例は75歳 女性 5日前より食思不振 腹痛あり 左臀部に柔らかなピンポン玉大の膨隆を認めた 腹 部CTにて小座骨孔ヘルニア嵌頓によるイレウスと診断し 緊急 で開腹手術を施行した 虚血腸管を切除し ヘルニア門 横指 大 を縫縮した 鏡視下での水圧法 ポートから挿入したネラトンをヘルニア嚢 内に鉗子で誘導し ゆっくりと圧をかけると 腸管を牽引する ことなしに嵌頓を解除しうる 鏡視下での牽引法 鉗子把持による腸管の損傷を防ぐために 嵌頓腸管にガーゼを巻き付け これを引くと牽引が容易になる 考察 腹壁ヘルニアの治療にあたっては 個々の症例ごとに① アプローチ 鏡視下 開腹 体表 ②門の閉鎖法 メッシュ使用 の有無 選択 ③嵌頓の整復法などを適切に選択することが重 要だと考えた 年8月から207年月までの期間に腹腔鏡下腹壁ヘルニ ア修復術 LVHR 34例を経験した その内訳は IPOM 4例 IPOM-Plus 26例 endoscopic components separation 3 例 TAPP例であった bulding seroma 再発率 そして 腹壁機能の観点から 現在 IPOM-Plusを標準術式としてい る 腹壁ヘルニアはその発生部位 大きさ 癒着の状況により アプローチ法 ポート配置 が大きく変わる 今回 我々は恥骨 上ヘルニアに対する攻略法 特に腹膜前腔剥離手技を中心にそ の戦略を供覧する ポート配置は両側鼠径部ヘルニアのポート 配置に準じた3portを基本とする ヘルニア門が大きい場合 4-5portとなることが多い 恥骨上ヘルニアで最も重要なこと は 膀胱を損傷することなく恥骨後面のスペース 腹膜前腔 を 十分に剥離し メッシュのオーバーラップを最低5 cm確保する ことである ヘルニア門尾側端の恥骨周辺の組織は瘢痕化が強 く さらに膀胱が滑脱している可能性がある 従って この部 位からアプローチすることは得策ではない 左右の内側臍ヒダ を高位で切離し 左右両側から正中に向かって腹膜前腔を剥離 することがポイントとなる この操作により膀胱は確実に同定 され 瘢痕化の強いヘルニア門の尾側端 恥骨周辺 の剥離も安 全確実に行うことが可能となる 消化器疾術後症例から難易度 の高い前立腺癌術後の瘢痕ヘルニアまで その手術手技を供覧 する
79 VS3-4 VS3-5 巨大 多発腹壁ヘルニアを確実に修復する腹腔鏡下手術 肋弓下腹壁瘢痕ヘルニアに対する治療戦略 頼木 桑原 蛭川 領 榎本 悠一 2 加藤 将也 吉野 文昭 美幸 奈良橋喜芳 浩史 沼野 立川綜合病院 外科 新座志木中央総合病院 外科 2 東京北医療センター 外科 当科では腹壁瘢痕ヘルニアに対して腹腔鏡下手術 IPOM を第 選択としている これは開腹 前方到達手術に比べて多様な病 態の把握が容易で確実な修復ができ 併存するoccult herniaを 見落とさず同時に診断 治療できる利点があるからである 気 腹により癒着臓器とヘルニア門の全貌を早い段階で把握でき 必要十分な癒着剥離と見落としのない確実なヘルニア修復が可 能となる 特に最大径が0cmを超えるようなヘルニアでは術 前には診断できなかった併存病変が術中に判明することが多く 20cm径を超える大サイズのメッシュや複数枚のメッシュ留置 を要することがある 恥骨に近い下腹部ヘルニアではメッシュ を腹腔内から膀胱前腔に連続させて留置し腹壁と恥骨 Cooper 靱帯に確実に固定する必要があり 腹腔内からみた膀胱前腔 鼠径部の解剖の理解が求められる 鼠径部ヘルニアや閉鎖孔ヘ ルニアが併存していれば同時に修復する 一方 上腹部ヘルニ アではメッシュ展開を妨げる肝円索の処理や 横隔膜へのメッ シュ固定など特有の手技を要する 今回 上腹部 下腹部そ れぞれの巨大 多発ヘルニアに対する大サイズ 複数枚のメッ シュ展開 固定の手技を報告する 史典 阿部 馨 福田進太郎 肋弓下腹壁瘢痕ヘルニアは 肋間神経の神経麻痺により大きく 境界不明瞭なヘルニアが被い また 肋骨弓に近くメッシュの 固定が困難で正中切開に比し術後の再発率は高いとされている 当科の症例をもとに 肋弓下腹壁瘢痕ヘルニアに対する治療戦 略を検討した 対象と方法 2009年より206まで肋弓下腹壁瘢痕ヘルニア手 術は9例 術式 使用メッシュ 周術期合併症 再発率などを検 討した 結果 男女比は7 2 平均年齢は75.7歳 全治療は胆摘6例 胃切除2例 肝切除例 再発例は2例だった ヘルニア門の長 径 横径の平均は2.8± ±3.5cm 使用したメッシュ の平均は23.3± ±5.cm 開腹2例 腹腔鏡7例でう ち2例はIPOM Plus 術後例に血腫を来したが保存的に改善 観察期間の中央値は55.9 ヶ月 開腹術後の例が再発し再手術 を施行 ヘルニア門不明瞭だった2例にmesh bulgeと考えられ る再膨隆を来たし経過観察中 例が他病死 結語 肋弓下ヘルニアにおいて ヘルニア門の辺縁が明瞭な場 合はIPOM Plusが可能 ヘルニア門辺縁が不明瞭な場合は 肋 間神経の損傷に伴う筋層弛緩の要素を念頭におき おおきな メッシュを使用する事が望ましい VS3-6 VS3-7 Preperitoneal on-lay mesh PPOM を用いた sutureless 腹腔鏡下臍ヘルニア修復術 腹壁瘢痕ヘルニア再発に対する 3D-CT を用いた術前評価の 有用性 山口 黒瀬 拓也 今井 耳原総合病院 外科 稔 洋平 福山市民病院 外科 腹 壁 お よ び 腹 壁 瘢 痕 ヘ ル ニ ア に 対 す る 腹 腔 鏡 下IPOM Intraperitoneal on-lay mesh repair 法 は 近 年 広 く お こ な われている 臍ヘルニアに対して,IEHSのガイドラインでも BMI30kg/m2を 超 え た り ヘ ル ニ ア 門 が3cmを 超 え る 場 合 は meshの使用が再発率の点から推奨されている しかし体腔内に 人工meshをおくと 癒着や臓器損傷などの合併症が少なからず おきることがあるとされている そこで合併症を少しでも減ら し 術後の疼痛も軽減できるかを考え 臍ヘルニアに対して腹 腔鏡下鼠径ヘルニア術のTAPP法に準じた方法 preperitoneal space にmeshを 留 置 し た メ ッ シ ュ も 近 年 鼠 径 ヘ ル ニ ア 手 術 に も ち い ら れ て い るlaparoscopic self-fixating mesh Lap ProgripTM を用いた このことによりno tackingかつ sutureless でのmesh留置が可能となる この症例の場合トロ カー挿入部の痛みが主であり 臍部について痛みは問題となら なかった 結語 臍ヘルニアに対し TAPP法に準じpreperitoneal space にmeshを留置した この術式は合併症を低減できる可能性があ ると考えた 症例は49歳女性 前医で急性胆嚢炎に対し腹腔鏡下胆嚢摘出術 を施行 術後に臍部の腹壁瘢痕ヘルニアを併発し 腹腔鏡下ヘ ルニア修復術 LVHR を施行 4 ヶ月後にLVHR施行時に用いた 右下腹部の2mmポート孔に腹壁瘢痕ヘルニアの発生を認めた 同ヘルニアに対し単純縫合閉鎖術を施行したが 7 ヶ月後に再 発を認めたため当科紹介となった 右下腹部に4cm大のヘルニ ア門を認め 正中のヘルニア部には0cmを超える楕円形のメッ シュが留置されていた 右下腹部の腹壁瘢痕ヘルニアに対し IPOM法 8針全層固定+ダブルクラウン法 でヘルニアを修復し た 術前3D-CTを用いて正中部のメッシュやヘルニア門を評価 することで shrinkageおよびbulgingは軽度であり LVHRを 施行するにあたりメッシュ同士のoverlap部分はflatに敷設でき ると判断した また全層固定部が正中部のヘルニア門内になる と固定不良が危惧されたが これも3D-CT画像から回避できる と判断した また右下腹壁動脈を描出することで 術中タッキ ングによる出血を回避することに有用であった 複雑な腹壁瘢 痕ヘルニア症例に対しては 腹壁の術前3D-CTによる視覚的評 価が有用である
80 VS4- VS4-2 小児鼠径ヘルニアに対する術式選択 芦塚 大木 修一 金森 隆生 大輔 馬場 優治 平松 友雅 吉澤 小児鼠径ヘルニアに対する鼠径部切開法手術 当科における 工夫 穣治 田中 東京慈恵会医科大学附属病院 外科学講座 潔 武田 憲子 山本 北里大学病院小児外科 はじめに 当院では 2005年に小児鼠径ヘルニアの修復術に 腹腔鏡手術 LPEC を導入し 徐々に適応を拡大した しかし 気腹により麻酔管理の危険性が高まる場合や腹部手術の既往の ある場合などではPotts法で手術を行っている 当院での小児鼠 径ヘルニアに対する術式の選択に関して報告する 術式の選択 小児鼠径ヘルニアの術式はLPECを第一選択とし ている LPECを選択しない疾患は 気腹が呼吸循環動態へ悪 影響を及ぼす懸念がある複雑心奇形 重症の慢性呼吸器障害や 肺高血圧に合併した鼠径ヘルニアと腹膜炎の手術後など下腹 部の広範囲な癒着が懸念される場合である しかし 腹部手術 の既往があっても VPシャント留置中や上腹部の手術後に関 しては 臍部から腹腔鏡を挿入して手術が可能と判断されれば LPECを行っている また 低出生体重児の場合は 体重2.8kg を目安として退院前にLPECを行う方針としている 今回 3kg 以下でLPECと腹部手術の既往のある症例でのLPECを供覧する 症例 症例1 低出生体重児 手術時体重3kg未満 症例2 VPシャント留置中 症例3 先天性 右 横隔膜ヘルニア術後 の3症例をビデオにて供覧する 結語 LPECは 開腹手術の既往があっても内鼠径輪が観察可 能であれば手術が可能である また 3kg以下の症例でも安全 に手術をおこなうことができる VS4-3 裕輝 追木 宏宣 渡邊 昌彦 小児鼠径ヘルニアに対して腹腔鏡手術 LPEC法 を導入する施 設が増えているが 我々は従来より鼠径部切開法によるヘルニ ア嚢の高位結紮術を施行している その理由は ①LPEC法で は高位結紮に吸収糸を用いると再発率が高いため非吸収糸を用 いることが推奨されているが 我々は吸収糸によるヘルニア嚢 結紮を継続したい ②術者は主に外科専門医取得前のレジデン トや初期研修医であり 鼠径ヘルニア手術を外科基本的手術手 技習得手術の一つと位置付けている ③上記術者は1 3ヵ月 ごとのローテイターであり LPEC法を習得する時間的余裕が ない ④LPEC法では手術コストや準備も含めた手間がかかり 手術室滞在時間が長いことである 手術は鼠径部約cmの横切開で行い 整容面で満足のいくもの と考えている また 当科ではヘルニア再発防止策として以下 の工夫をしている 男児では内鼠径輪での高位結紮の際に内精 筋膜の裂隙を縫合閉鎖する 女児では円靭帯を切離せずに吸収 糸で高位結紮を行うためヘルニア嚢の再開通を避けるべくヘル ニア嚢を円靭帯部を残し四方に長く切開する 当科での手術を 供覧する 小児鼠径ヘルニアに対するLPEC法 鼠径部切開法はそれぞれ 利点 欠点があり 我々もLPEC法を否定するものではない それぞれの施設の実情に即して術式を選択すべきと考える VS4-4 小児鼠径ヘルニアに対する術式選択 小児鼠径ヘルニア 当科における基本術式について 黒部 長江 土田 豊 西村 仁 川口市立医療センター 小児外科 逸郎 林 明彦 絵美 四柳 聡子 勝又 健次 東京医科大学 消化器外科 小児外科 背景 小児鼠径ヘルニアに対する手術法は鼠径部切開法と腹腔 鏡下ヘルニア修復術に大別される 当科では基本的には両方の 術式を提示し 家族が選択している 対象 方法 204年1月から206年2月までに鼠径ヘルニア に対して手術を受けた5歳以下の23例の中で 術式として鼠 径部切開法と腹腔鏡下ヘルニア修復術の両方について説明を受 け 家族に術式を選択してもらった54例について臨床像の違 いについて後方視的に検討した また はじめから鼠径部切開 法を選択した59例の臨床像も後方視的に検討した 結果 鼠径部切開法を選択したのは47例 男児26例 女児2 例 腹腔鏡下ヘルニア修復術を選択したのは07例 男児44 例 女児63例 であった 手術時年齢は鼠径部切開法では平均 5才3か月 腹腔鏡下ヘルニア修復術では平均3歳か月であっ た 術後創感染は腹腔鏡下ヘルニア修復術の臍部にのみ5例認め た 当科で把握している再発は鼠径部切開法例 腹腔鏡下ヘル ニア修復術例であった また 男児における術後の精巣萎縮や 挙上精巣を認めて再診した症例はなかった NICU入院症例34 例中の32例 及び 小学校高学年以降の4例でははじめから鼠 径部切開法を選択していた 結論 両方の術式について家族に十分説明することは重要であ る 鼠径部ヘルニア診療ガイドライン205にも記載されている が 腹腔鏡下ヘルニア修復術における妊孕性も含めた長期成績 の検証が必要である 小児鼠径ヘルニア手術は現在Potts法 いわゆる前方アプローチ からの高位結紮法と鏡視下 後方アプローチによるLPEC法と に大別されている 当科ではPotts法を基本術式として採用しており これまでも 膜組織での解剖並びに当院であつかった小児鼠径ヘルニア手術 後の再発例を検討することによりPotts法の意義と注意点につい て検証し報告してきた 今回は当院でのPotts法をビデオにて供 覧し術式選択に関して一つの参考になればと思い報告する 鼠径ヘルニア膜組織の解剖から考えると Potts法の場合はヘル ニア嚢の離断ならびに内鼠径輪においてのヘルニア嚢 腹膜 と その上層にある腹膜前筋膜 内精筋膜を含めて結紮されている 単純に高位結紮といっても 腹膜のみを縫縮するLPEC法とは 明確に区別する必要があり 成人期における外鼠径ヘルニアの 発症を抑制する一つの要因ではないかと考えられる 逆にこれ までの再発例の検証からPotts法においては 高位結紮にこだわ り過度に内鼠径輪を剥離し膜組織を破壊することが原因での再 発や 外鼠径輪を内鼠径輪と見誤ったために十分な高位結紮が なされず再発をきたしていることが多く認められていた しか しLPEC法ではこうした再発は回避できることと推察される Potts法では この点を留意し内鼠径輪と外鼠径輪を見誤らない ようにすること そして内鼠径輪の膜組織を温存することを意 識して手術を行うことが重要と思われる
81 VS4-5 VS4-6 小児鼠径ヘルニアの de novo タイプに対する LPEC 法の Feasibility 嵩原 裕夫 西原 野村 寛徳 2 阿嘉 宮平 工 2 奥島 小児陰嚢 精索水腫に対する LPEC 法 大橋 伸介,2 金森 大輔 2 梶 沙友里 2 宮國 広原 和樹 羽生 信義 2 吉田 和彦 実 国吉 史雄 仲本 正哉 裕之 2 花城 直次 2 梁 英樹 2 憲彦 2,2,2 2 沖縄ハートライフ病院 ヘルニアセンター 2 沖縄ハートライフ病院 外科 はじめに 小児外鼠径ヘルニアは腹膜鞘状突起をヘルニア嚢と する間接型である 成人では腹膜鞘状突起をヘルニア嚢としな い直接型 いわゆるde novo タイプのヘルニアが見られるが 小児では外鼠径ヘルニア術後の再発症例を除いて通常は見られ ない 目的 LPEC法の導入により腹膜鞘状突起をヘルニア嚢としな い外鼠径窩より発症する小児の直接型 いわゆるde novo タイ プのヘルニアが散見される これらの症例に対するLPEC法の 手技について報告する 対象 203年月から206年2月3日までにLPEC法で手術 した小児外鼠径ヘルニア52例中 腹膜鞘状突起の開存に起因 する外鼠径ヘルニアと形態を異にするいわゆるde novo タイプ のヘルニアとその初期病像を示唆する4例を呈示する 手技 成人ではPlugやMeshを使用したいわゆるtension free repairが行われるが かかる術式は小児では極めて好ましくな い 自験例ではいずれも腹膜鞘状突起の入口部を含めヘルニア 門をLPEC法で高位結紮による閉鎖術を行った 結論 術後再発は見られてないが 成人のde novo タイプの ヘルニアと比較して小児直接型外鼠径ヘルニア いわゆるde novo タイプに対するLPEC法のFeasibilityを検証する 東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター 外科 2 町田市民病院 外科 はじめに 小児鼠径ヘルニアに対するLPEC法は標準術式と なっている 当院では陰嚢 精索水腫に対しても適応拡大し LPEC法を施行しており その術式及び短期成績について検討 した 対象と方法 200年7月から206年2月までに関連2施設で 施行した小児陰嚢 精索水腫に対して施行したLPEC法23症例 について 後方視的に検討した 術式 2孔式 臍5mm, 左下腹部2.5mm で2-0または3-0の非吸 収糸を用いている 交通性陰嚢水腫で気腹後に水腫内容が腹腔 内に流出した場合には内鼠径輪の縫縮のみ 非交通性陰嚢水腫 で水腫壁が腹腔内から確認できれば腹腔内で嚢腫壁を切開した のち内鼠径輪の縫縮 水腫壁が確認できない例では内鼠径輪縫 縮後に陰嚢穿刺した 結果 手術時平均年齢は3.6±3.0歳 非交通性陰嚢水腫2例 52.2% 交通性陰嚢水腫が例 47.8% であった 術後平 均観察期間は.2±.3年で交通性陰嚢水腫 非交通性陰嚢水腫 ともに術後再発症例は認めていない 結語 陰嚢水腫に対するLPEC法の術後再発率は鼠径ヘルニア に対するLPEC法の再発率と変わらないという報告もあるが 当院の他の関連病院では再発率が高い傾向もあり 今後も引き 続き慎重な経過観察が必要と考えられた VS5- VS5-2 食道裂孔ヘルニアを伴う胃食道逆流症に対する外科治療 関 洋介 鈴木 猛司 2 北方 若松高太郎 北川美智子 笠間 黒川 良望 憲昭 2 敏敬 3 宇野 和典 梅澤 横行結腸脱出を伴う複合型食道裂孔ヘルニアに対する メッシュ修復術の経験 耕平 昭子 四谷メディカルキューブ きずの小さな手術センター 外科 2 千葉大学 医 学 部 耳 鼻 咽 喉 頭 頸 部 外 科 3Esophageal & Lung Institute, Allegheny Health Network, PA, USA 笠島 浩行 佐藤 久留島徹大 砂原 食道裂孔ヘルニアの修復を主目的として外科治療を行うことは 稀 upside down stomachを伴う巨大ヘルニアなど であるた め 実臨床での遭遇頻度が比較的高い 食道裂孔ヘルニアを伴 う胃食道逆流症 GERD に対する外科治療戦略について 主に 適応評価と手術手技について述べる 治療の 確実 性を高める ためには 外科手術によりpositiveな効果が期待出来る症例を 適切に選択することが重要である そのためには 問診 内科 治療 PPI のレスポンス 上部内視鏡検査による食道粘膜障害 についての評価だけでは不十分であり より検出感度の高い24 時間pHモニタリング インピーダンス ph-mii 検査などによ る物理的逆流 酸に限らない の有無ならびにそれらと症状との 関連性についての評価が必要である 手術は通常 腹腔鏡下に 行われる 治療の目的は GER 時に咽頭喉頭逆流 LPR 症 状を改善し 患者QOLを高めることであり 食事の通過を損な うことなく 逆流を制御するためには微妙な さじ加減 が必要 である 本シンポジウムでは適応判断のための診断モダリティ としてのpH-Mii検査の有用性 ならびに 腹腔鏡下食道裂孔 ヘルニア修復を伴う噴門形成術 Laparoscopic fundoplication with hiatal hernia repair の手術手技について 我々が考える knacks and tipsについて述べる 利行 加藤 正男 鈴木 市立函館病院 消化器外科 紘一 長瀬 伸作 中西 勇人 植木 一彰 木村 伸也 純 はじめに 食道裂孔ヘルニアの手術治療は本邦では経腹法 特に Nissen が一般的で近年は腹腔鏡手術が標準化しつつある 今 回 胃以外の臓器脱出を伴うIV型 複合型 食道裂孔ヘルニアを 経験したので報告する 症例 82歳 女性 亀背 既往歴は虫垂切除以外に特記事項 なし 205年4月に上腹部痛で救急搬送された CTで胃 十二 指腸 横行結腸が胸腔側に脱出しており 複合型食道裂孔ヘル ニアと診断 開腹ヘルニア修復術 ヘルニア門縫合閉鎖 小弯固 定 メッシュパッチ を施行した 手術時間27分 出血5mlで あった 術後経過は良好で第0病日に退院し 術後約2年経過 する現在まで再発はない 症例2 89歳 女性 亀背 既往歴にCOPD 心不全 207年 月に嘔吐で他院に救急搬送された CTで食道が80度折れる 状態で胃の全体と横行結腸が胸腔側に脱出していた 絞扼は認 めず 家族の希望で当院に転院となり 腹腔鏡補助下ヘルニア 修復術 ヘルニア嚢切離 横隔膜脚縫合 メッシュ留置 Nissen 法 を施行した 手術時間64分 出血3mlであった 認知症が あり家族の早期退院希望で第5病日に退院となった 考察 複合型食道裂孔ヘルニアはヘルニア門が大きく 門の縫 合閉鎖とNissen法では再発が危惧される 今回メッシュ修復を 行った2例では再発なく 経過良好であった 結語 複合型食道裂孔ヘルニアに対するメッシュ使用は有用と 考える
82 VS5-3 VS5-4 食道裂孔ヘルニアに対する腹腔鏡下手術の治療戦略 竹村 雅至 瀧井麻美子 大嶋 務 篠原 尚 完全ヘルニア嚢剥離手技による食道裂孔ヘルニア修復と治療 成績 2 景岳会 南大阪病院 消化器外科 2 兵庫医科大学 上部消化管外科 田畑 我 々 は200年4月 よ り 食 道 裂 孔 ヘ ル ニ ア に 対 し て 腹 腔 鏡 下 Toupet法を標準術式としてきた 今回 これら症例の治療成績 とIII型症例に対するメッシュ使用の成績について検討した 対象と方法 206年2月までに腹腔鏡下にToupet法を施行 した34例を対象とし 手術成績についてRetrospectiveに検討 した なお 裂孔用のメッシュは204年以降 3cm以上の 裂孔開大 2 75歳以上 3 III型 IV型の症例を対象として Covidien社のParietex Hiatal Meshを用いた 結果 症例は男性 例 女性 23例 平均年齢73.5歳 80歳 以上2例 であった BMIは23.2で 食道裂孔ヘルニアはI型 9例 III IV型 5例であった 手術時間は63分 出血量は 2.8mlで 術後在院日数は日 4-4日 であった I型に比べ III IV型は女性が多く高齢で 手術時間 術後在院日数が長く メッシュ使用の頻度が高かった I型 2例 III IV型 8例 術 中の重篤な合併症はないが 術後に内視鏡的バルーン拡張を要 した症例が5例 I型 2例 III IV型 3例 あった メッシュ使 用による合併症は無く メッシュ非使用例の例で再発を認め た 結語 今後 高齢者人口の増加に伴いIII IV型の症例が増加し 手術症例も増加すると思われる III型に対しては次縫合のみで は再発が多いことが報告されており 我々の経験でもメッシュ 使用例では再発はなく メッシュを用いた腹腔鏡下手術が適応 となる 信輔 公立丹南病院 食道裂孔ヘルニアに対する腹腔鏡手術は食道胃接合部の環納 ヘルニア門の縫縮 噴門形成の大きく3つに分けられる 特にヘ ルニア嚢の処理に関して 横隔膜下筋膜切開による確実な剥離 層へのアプローチ ヘルニア嚢牽引による剥離操作を多用した ヘルニア門での全周性の切離と頭側での剥離は 肝枝を含めた 迷走神経が確実に温存され 特に巨大な症例や幽門側胃切除同 時施行例では手術時間 合併症に関して有利であると考えてい る 治療成績 これまでに本手技を4例で施行した 平均年齢は約 80歳 男女比は 2:2 2例が3型で 幽門側胃切除 胆嚢摘 出同時施行が例ずつ 2例がUpside down stomachを伴う4型 であった 手術時間は平均約22分 ヘルニア嚢処理に要した 時間は約50分でメッシュは例で使用した 術中合併症は胸膜 損傷が4例 皮下気腫が2例以外は特に認めなかった 術後合併 症として一過性の嘔吐が3例 左無気肺 通過障害によりバルー ン拡張を要した症例が例あったが 回の拡張処置により症状 は改善した 再発は認めていない 結果 手技の定型化により合併症が増加することなく手術時間 は短縮したが 4型やBMI27以上の肥満症例では長い傾向にあ るため 困難症例ではポート追加などを積極的に考慮してもい いと考えられた また 幽門側胃切除症例でも安全に施行でき メッシュ未使用症例でも再発はないため 今後はメッシュ使用 をさらに少なくできる可能性があると考えられた VS5-5 VS5-6 腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア修復術における治療戦略 GERD および食道裂孔ヘルニアに対する手術戦略 矢野 文章 小村 山本 世怜 秋元 三澤 健之 2 吉田 井谷 伸朗 3 坪井 俊亮 増田 和彦 2 柏木 一人 星野 隆洋 三森 秀幸 2 矢永 真人 教雄 勝彦 2 東京慈恵会医科大学 上部消化管外科 2 東京慈恵会医科大学 外科学講 座 3 国立病院機構 西埼玉中央病院外科 背景と目的 AFP分類でA2 A3に分類される食道裂孔ヘルニア 患者の腹腔鏡下手術後の再発率はAよりも高いことから メッ シュを用いて食道裂孔を補強するなど術式の工夫を行ってきた 今回 当科における治療成績と戦略を報告する 方法 995年月から206年2月までに初回腹腔鏡下食道裂 孔ヘルニア修復術 LF を施行した475人[平均年齢55.0± 歳 女性96人]を対象とし 再発率と術式の変遷を検 討した 成績 LFの再発率は2% 55/475 であった A因子の内訳は A:A2:A3=264:44:67であり 再発率はそれぞれ9% 7% 23%で有意にA2以上が高かった p=0.0 20年2月以降 A2以上 75歳以上 BMI 28以上の症例に対してメッシュ補強 を開始したところ A2の再発率は0% p=0.002 へと著明に低 下したが A3の再発率は24%で メッシュ補強の効果は得られ なかった p=0.850 結論 A2患者はメッシュ補強で再発を予防できるが A3患者に はさらなる工夫が必要であり 現在は胃前壁と腹壁の固定を追 加している 史嗣 浅海 信也 2 中野 敢友 久保田哲史 広島市立広島市民病院 外科 福山市民病院 外科 2 997年5月 か ら206年2月 ま で の 間 にGERDお よ び 食 道 裂 孔ヘルニアに対し腹腔鏡下手術を79例に施行した 食道裂孔 ヘ ル ニ ア 合 併 な し3例 type :78 2: 2 3: 49 4:37 例 でtype3/4ヘルニア例の年齢は75.7歳と高齢で 約25 に肺 炎の既往を認めた GERD症例はLA分類A: 9 B:3 C:48 D:3例でParaesophageal herniaのうち軸捻転合併は臓器軸 性0 間膜軸性3例であった 術前に胃食道逆流が強く75歳 未満ではNissenまたはToupetを 逆流が軽度または嚥下障害 が主訴で70-85歳は前方噴門形成術を 嚥下障害が主訴で80歳 以上や誤嚥性肺炎の既往例では側方噴門形成術を付加した 適 応のオーバーラップ部分は症状の程度で個々術式を検討した Nissen:70 Toupet:67 前方29 側方3例を施行し手術時間 は39+/-44分で 術死は無かった メッシュは初回例として は6例に使用した 開腹移行は結腸切除の既往のある例のみで あった Soft diet摂取はpod 中央値 術後在院日数は 9. 日であった 術後dysphagiaは7例に生じたが2-3か月以内に全 例消失した 明らかなヘルニア再発あるいは食道炎再発で再手 術を4例 再々手術を例に施行したが術後経過は良好である 以上よりGERDおよび食道裂孔ヘルニアに対する年齢 症状を 考慮に入れたテーラーメイド噴門形成を用いた腹腔鏡下手術 は安全かつ有用であると考えられる
83 VS5-7 VS6- 巨大食道裂孔ヘルニア患者に対する腹腔鏡手術 当施設にお ける治療戦略 野村 務 松谷 金沢 義一 中村 太田惠一朗 宮下 毅 萩原 慶春 牧野 正夫 3 内田 信敏 藤田 浩司 2 柿沼 英二 鼠径ヘルニアのハイブリッド手術 腹腔鏡併用前方切開法の有用性 確実な前方切開法をめざし て 逸郎 大輔 小林ゆかり 久米 渡部 和巨 日本医科大学 消化器外科 2 日本医科大学 多摩永山病院外科 3 日本医 科大学 千葉北総病院外科 祥太 松本 陽介 飯島 広和 千葉西徳洲会病院 外科 成人鼠径ヘルニア修復術は年間約6万件(200年)の日本最多の 手術であり 外科Common diseaseと言っても過言ではない その術式は腹壁縫合補強の従来法からMeshを用いたTension free(以下tf)法に変遷を遂げ 更に鏡視下手術も導入され現在 に至っている その手術は若手外科医の登竜門手術の一つでも あり この場合前方切開法が基本である 前方切開TF法には Onlay法/Plug法/Underlay法/Bilayer法等があるが 大腿ヘル ニアを含めた見逃し予防の観点からは 腹膜前腔を剥離し大腿 輪の確認が可能なBilayer法/Underlay法が優位であろう 一 方 再発鼠径ヘルニアの当院手術例の検討で 初回前方切開TF 法では術後3年以内の短期再発が多く 再発原因として併存ヘ ルニアの見逃しとMesh伸展不良等の不十分な手術手技の2点が 挙げられた 演者はBilayer法を好むが上記の観点及び興味か ら 2008年からUnderlayの伸展状況を適宜腹腔鏡で観察し 手術手技の確認のみならず診断や教育にも有用であると報告し てきた これは鏡視下手術優位性の根拠ともなり 演者術式は Bilayer法 Hybrid法 TAPPへと変遷してきた しかしTAPP 等は熟練性が不可欠で若手にはハードルが高い 腹腔鏡観察に は全麻が必要で賛否が分かれるが 前方切開法に弱点を補う為 の腹腔鏡観察を適宜加えた併用法は診断や手術手技が確実に なりかつ教育的で 若手でも再発のない手術が遂行できよう 205年度DPC病院の統計で前方切開は8.2万件 全国どこでも 施行されている最多の手術だからこそ前方切開法を確実に施行 したい はじめに 巨大食道裂孔ヘルニア 混合型 では高齢のハイリス ク患者が多く手術の難易度も高いとされている 本疾患の治療 でのポイントと当施設の経験を報告する 対象と方法 に当施設で腹腔鏡手術を行った 混合型食道裂孔ヘルニア患者24例を検討 ポイントとして.適 応は症状があれば全例 高齢でADLが低下していても術後の経 口摂取が可能なら適応 2.手術は術中内視鏡を準備して5ポー トで行う 食道の同定が困難な場合内視鏡で確認 3.ヘルニア 嚢を可及的に切除することにより腹部食道を十分に確保 4.背 側から非吸収糸にて裂孔縫縮の後 メッシュにて補強 この際 メッシュの端が食道に当たらないように留意 また横隔膜の薄 い症例はとくに前方の固定に注意 5.噴門形成は食道運動機能 低下を考慮してToupet法を選択 術後嚥下障害に注意 結果 開腹移行や重篤な合併症 また短食道も認めず 手術時 間 分 24.7 出血量 ml 3.3 術後在院日数 日 7.8 術後嚥下障害は なし 軽度/中等度/高度 6/8/0例 術後満 足度は excellent good/ fair/ poor 23//0であり同期間に 行われた滑脱型2例と比較して差はなかった 再発は現時点で は認めず 噴門形成を行ったにもかかわらず4例において術後に 食道炎の増悪を認めた まとめ 混合型に対する手術成績は良好であった また術後に 新たに食道炎が出現することに関しては注意すべきと考えられ た VS6-2 VS6-3 再発鼠径部ヘルニアに対する腹腔鏡観察の有用性 佐藤 菜央 赤羽 メッシュプラグ法術後の再発鼠径部ヘルニア嵌頓に対するハ イブリッド手術 宏彦 吉野川医療センタ 背景 われわれは 2006年以降 再発鼠径部ヘルニアに対し 腹腔鏡観察を行い前方アプロ チで修復するHybrid法を施行し てきた さらに20年よりTAPP法を導入し 再発鼠径部ヘル ニアにも施行している 目的 再発鼠径部ヘルニアに対する腹腔内観察の実際と修復手 技をビデオで供覧し 腹腔鏡観察の有用性について報告する 対象 2006年4月より206年2月までに経験した再発鼠径部 ヘルニア2症例 4病変 結果 年齢 5-90歳 中央値 7歳 男性 例 女性 例 初回手術は当院例 他院3例 全例腹腔内から初回術式 と再発型式診断が可能で 初回術式は従来法4例 MP法4例 PHS法例 DK法例 K法例 TAPP法3例 再 発 型 式 は JHS分 類 でI型5例 II型7例 III型例 IV型例 修 復 術 式 は MP法4例 PHS法例 DK法2例 TAPP法7例であった 初回 術式が従来法では再発型式にかかわらずDK法 TAPP法 初回 術式がMP法ではI型にTAPP法 II型にPHS法 DK法 TAPP法 初回術式が腹膜前修復法ではI型にMP法 TAPP法 II型にMP法 III型にMP法を施行した 手術時間 術後在院日数は70-45分 中央値 05分 2-9日 中央値 3日 であった 観察期間は -68か月 中央値 22か月 で再々発は認めなかった 結語 再発鼠径部ヘルニアに対する腹腔鏡観察は正確な型式診 断と初回術式 再発原因の認識 確実な修復法の選択を可能に し 再々発予防につながる有用な術式である 高山 宇治 祐一 金岡 祐次 前田 誠人 吉川晃士朗 岡本 大垣市民病院 外科 敦行 深見 和浩 保之 高橋 崇真 はじめに 当院では鼠径部ヘルニア嵌頓に対しては前方アプ ローチで行い 腸切除を要する場合は同部位から切除吻合を行 い 組織縫合法でのヘルニア修復を基本術式としている しか し メッシュプラグ法法術後では手術瘢痕により 前方アプ ローチでの腸切除および組織縫合法が困難である 目的 鼠径ヘルニアに対するメッシュプラグ法術後の腸管切除 を要する鼠径部ヘルニア嵌頓に対して 腹腔鏡併用ハイブリッ ド手術 LAP群 3例および下腹部正中による手術 OP群 2例 の手術成績を検討する 手術手技 ハイブリッド 通常の3ポートに加え 嵌頓腸管解除 のためポートを追加する 鉗子での牽引や鼠径部からの用手圧 迫で嵌頓腸管を解除後 腸切除が必要ない例は腹腔内よりメッ シュにて修復 腸切除の2例は臍部ポート創を延長して腸切除を 行い 前方アプローチにてプラグで修復した OP群のヘルニア も前方アプローチにてプラグで修復した 成績 LAP群3例 腸切2例 OP群2例 腸切例 年齢中央値 68歳[65-72歳] 男性2例 女性3例 手術時間はLAP群 腸切 例53分 非腸切例97分 OP群 腸切例48分 非腸切例77 分 であり 合併症はLAP群の腸切例例に正中創の感染を認め た 術後在院日数はLAP群 腸切例4日 非腸切例5日 OP群 腸切例日 非腸切例6日 だった 結語 腹腔鏡アプローチは正中切開と比べて創部が小さく 整 容性に優れ有用と思われた
84 VS6-4 VS6-5 日帰りで行う鼠径ヘルニア腹腔鏡補助下前方切開法 鼠径ヘルニア治療における腹腔鏡下観察の重要性 今津 植野 芦谷 浩喜 医療法人 いまず外科 智之 金光 晃弘 聖哲 吉川 卓郎 当科ではTAPPを鼠径ヘルニア手術における第一選択としてお り 204年0月から206年2月の間に39症例405病変に対 し行った TAPPの利点は腹腔内からの鼠径床の観察にあると考 えており 特にJHS-IV型 複合型 の診断とこれに対応したメッ シュ選択に大きな利点を感じている 上記の症例のうちIV型は 49病変で診断され 2. 両側例は7症例であった 複合型 の組み合わせは9通りにわたり分類され I型を主にしたものは 30病変 6.2 II型を主にしたものは7病変 34.7 であっ た 外鼠径ヘルニアに合併した内鼠径ヘルニアの存在が高頻度 なことよりHesselbach三角周辺の観察が肝要であることが窺え る 当然のことながらメッシュ選択はヘルニア分類に追随する ものであり これを吟味して選択している 前方アプローチに 置き換えてみると メッシュで被覆する範囲の決定やメッシュ 装填後のヘルニア病変に対する根治性の確認に上記の結果が生 かされるならば 前方アプローチの治療成績はさらに向上する はずである さらに言えば 腹腔内観察という 武器 がありな がら日本内視鏡外科学会アンケート調査に見るような高い再発 率に甘んじているTAPPの現状は大きな問題であると痛感して いる 当科でTAPPを行った複合型ヘルニアの観察所見と同定 頻度を供覧し ラパヘルのみならず前方アプローチにおける積 極的に腹腔鏡下観察の導入が治療成績の向上に寄与する可能性 をアピールする VS6-6 VS6-7 hybrid 手術の有用性について 智之 深澤 哲生 若原 忍 豊川 淀川キリスト教病院 外科 前方切開法は腹腔鏡下手術と比較し整容性に問題があり 疼痛 が強く 早期回復 社会復帰が困難とする意見に対し現在当院 で行っている腹腔鏡補助下前方切開法の成績を示す 対象 方法 308症例373病変 平均年齢56.6歳 8-9 男:女 9: JHS分 類 I;02病 変 II;275病 変 III;0症 例 IV;23病変 を対象とし術前合併症等で症例除外はしなかった 術式 全例超音波検査を施行し ヘルニア診断の確実性の向上 と 不顕性を含めた対側病変の観察 診断を行った 皮膚切開 創は.5-2cmとし 拡大鏡下に内鼠径輪またはヘルニア門まで の処理を通常の前方切開法で行った後 腹腔鏡補助下に腹膜前 腔 腹膜と腹膜前腔脂肪織との間 の剥離を行った 剥離終了後 剥離し得たスペース範囲を測定し可能な限り大きいのメッシュ を挿入し内視鏡下に確実な展開をすることとしメッシュ固定に 際し ヘルニア嚢中枢側端と横筋筋膜とをメッシュを介して固 定した 結果 手術時間平均57分 平均皮切長.67cm 全例当日帰宅 術翌日の創部痛無しは42%で大きな合併症はなかった 考察 鼠径ヘルニア手術に際して腹腔鏡 拡大鏡を使用するこ とで全ての鼠径ヘルニアに対し最低の侵襲で前方到達法術式の 手術を施行し得 解剖の理解と適切なメッシュ展開 整容性を 加えることが出来 日帰り手術施行を十分施行できる有用な方 法と考えられた 太田 望 前田 博史 土田 基児 中山 安房地域医療センター 外科 幹大 水谷 鼡径部ヘルニア嵌頓に対する Hybrid 手術の有用性 正彦 小林 博喜 平島 西陣病院 外科 はじめに 再発症例のみならず若年女性で診断をつける場合 また腹腔鏡で修復しえない陰嚢水腫を合併している場合にも hybrid法が有用である 症例 40歳男性 現病歴 5年前に右鼠径ヘルニアに対しPHS 法で修復術を施行 約3年前から右鼠径部が再膨隆す 手術 5mmポートを臍部より挿入し 腹腔内を観察す 右膀胱 上窩にヘルニア門を認め 右鼠径部に5cmの皮膚切開をおき 鼠径管を開放す 腹直筋の外縁にヘルニア門を同定し JHS分 類Π-と診断した Lichtenstein法に準じてメッシュを縫合固 定した 症例2 陰嚢水腫合併症例 現病歴 他院で左陰嚢水腫に対し複数 回穿刺の既往あり 今回左鼠径部膨隆にて鼠径ヘルニアの診断 となる 手術 3mmポートを臍部より挿入し 腹腔内を観察す 腹腔 内を観察し 左外鼠径ヘルニアの診断となる 前方アプロー チでヘルニア嚢と陰嚢水腫を同定した 水腫の壁を開放し Lichtenstein法で修復した 症例3 2歳女性 現病歴 中学生の頃より右鼠径部膨隆を自覚 疼痛も出現し手術希望される 手術 5mmポートを臍部より挿入し 腹腔内を観察す 外鼠径 ヘルニアと診断し 前方アプローチでヘルニア嚢を高位結紮し Marcy法を施行した 考察 hybrid法は再発症例以外にも陰嚢水腫合併症例や メッ シュを使用しない場合の若年者の診断目的で有用である 結語 hybrid法は診断 治療において有効な方法であると考え る 相治 小泉 範明 高木 剛 福本 兼久 はじめに 鼡径部ヘルニア修復におけるHybrid手術は再発症例 や嵌頓症例においてその有益性が報告されている 今回鼡径ヘ ルニア嵌頓に対してHybrid手術による鼡径ヘルニア修復を施行 したので報告するとともに Hybrid手術の有用性について考察 する 症例 76歳 女性 左下腹部痛を主訴に来院し 左鼡径部に 3cmの膨隆を認めたが用手環納は不可能であった 左鼡径ヘル ニア嵌頓の診断で緊急手術を施行した 前方アプローチにより ヘルニアを還納した後 臍部から5mmカメラを挿入し還納され た腸管を観察し腸管切除は不要と判断した 再度前方アプロー チに戻りヘルニア嚢を開放することなく腹膜前腔にDirectKugel パッチを展開し 最後に腹腔鏡でメッシュが問題なく展開され ていることを確認した 考察 前方アプローチにおいてはヘルニア嚢を開放することな く腹膜前腔へのメッシュ留置が可能であるものの 腸管壊死の 評価のためにはヘルニア嚢を開放する必要がある 一方腹腔鏡 においては広範かつ詳細に腸管を観察することが可能である が メッシュを留置するためには腹膜を開放する必要がある Hybrid手術とすることで腹腔鏡により腸管の状態を評価できる 上 前方アプローチにより腹膜を開放することなく腹膜前腔へ のメッシュの留置が可能である 結語 腸管壊死を疑う鼡径部ヘルニア嵌頓に対するHybrid手術 は腸管の評価および安全なメッシュ留置の両立という点で有用 であると考えられた
85 VS7- VS7-2 年長児から AYA 世代にかけての LPEC の治療成績と若年成 人への可能性 当院における成人外鼠径ヘルニアに対する advanced LPEC 法の手術成績 矢本 大山 平山 真也 福本 慧 山田 静岡県立こども病院 弘二 高橋 豊 漆原 俊明 関岡 直人 明憲 野村 明芳 背景 若年成人に対する鼠径ヘルニア手術は議論の的である 当院では2008年から腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術 LPEC を基本術式としており 年長児からAYA世代に対して も同術式を採用している 若年成人に対するLPECの適応につ いて 体格による問題がないか検証すべく ほぼ成人と同じ体 格である中学生以上の症例とそれ未満の症例で比較検討を行 なった 対 象 と 方 法 中 学 生 未 満 をA群 中 学 生 以 上 をB群 と し た 2008年からLPECを行なった中 他疾患同時手術症例を除いた 344例を対象とした B群は5例であった A群vsB群 と し て 男 性 は54.2%vs46.8%(p=0.37) 結果 平 均 身 長 は94cm vs 45cm(p<.0) 平 均 体 重 は4kg vs 45kg(p<.0) 手術時間は片側で2.分vs23.5分(p=0.78) 両 側で25.2分vs24.7分(p=0.98) 術後再発は0.4%vs0%(p=0.8) であり 開腹移行はなかった また 内鼠径ヘルニアに対し Advanced LPECを行なった症例は0.4%vs2%(p=0.32)であり再 発はなかった 術後成績に有意差はなかった 結論 AYA世代までの症例であれば年齢 体格に伴う劣性はな かった LPECは整容面 手術時間で優れており 精管の剥離 をほとんど行わないため 侵襲性という点でも優れているため 反対側の腹膜症状突起の開存に対してもアプローチしやすい そのため体側発生の予防にもなる また成人の基本術式である メッシュ使用は不妊の問題も報告されており 後壁補強の必要 なく 妊孕性を必要とする若年成人に対してLPECは有用であ る可能性がある しかし体格の大きい症例に関しては技術的な 問題から検討が必要である 淳2 目的 成人における腹壁の脆弱性を認めない外鼠径ヘルニアに 対し 一律にmeshを用いる補強手術が必要なのか未だ議論が ある 小児において普及している鼠径管後壁の補強を追加した advanced LPEC法 以下 本法 がその代用術式となるのか検 討する 対象 203年8月から206年6月の間 当院消化器外科と小児 外科で手術を担当した成人外鼠径ヘルニア8例を対象とした い ずれも女性 平均年齢は27.才 で 発症時期は幼児期:3例 成 人期:5例であった JHSヘルニア分類は術中にI-:6例 I-2:2 例と判定したが I-2の例は小児期Potts法の術後再発例であっ た 本法術式 腹腔鏡下にまずヘルニア門の閉鎖目的に内回りから 半周ずつ縫合糸 -0ナイロン糸 を通す 次いで後腹膜の一部 を焼灼穿破し 腸骨恥骨靭帯にLPEC針で鼠径管後壁の補強用 縫合糸 -0ナイロン糸 を刺通した後 ヘルニア嚢を高位結紮 する 引き続き腸骨恥骨靭帯にかけた縫合糸を結紮して後壁補 強も完了する 最後 対側の腹膜鞘状突起が開存している際は そちらも同様に 又は縫縮用の針のみ 閉鎖する 成績 術後観察期間は平均約30 ヶ月とまだ短いが 全例再発所 見や合併症無く経過し 患者のQOLも良好に保たれている 結論 本法は成人外鼠径ヘルニアに対しても選択肢の一つに成 りうる術式であると考えられた VS7-3 VS7-4 成人鼠径ヘルニアに対する LPEC の可能性 諸冨 嘉樹 堀池 廣瀬 雄輝 矢下 野口 浩平 3 裕 岩谷 新潟市民病院小児外科 2 新潟市民病院消化器外科 正樹 北田 智弘 東尾 博輝 栄 由香里 2 合田 成人鼠径ヘルニアに対する LPEC 併用腹腔鏡下 IPOM 手術 篤志 太郎 3 西森 英史 秦 鬼原 史 矢嶋 北川 真吾 2 大阪市立大学 小児外科 2 ツカザキ病院 外科 3 泉大津市立病院 内視 鏡外科 小児外科 目的 小児鼠径ヘルニアは単純高位結紮 高齢者ではtensionfreeの術式が常識だが若年成人での統一見解はない 成人でも 小児と同様の腹膜症状突起開存を原因とするものがあり ヘル ニア嚢の単純高位結紮で根治することを日本ヘルニア学会に報 告した 成人におけるLPECの適応条件をヘルニア門の形態と 直径から検討した 対象と方法 外鼠径ヘルニアと術前診断して腹腔鏡下に観察し た6歳以降の鼠径ヘルニア患者を対象とした 6 45歳の男 性25人 6-44歳女性27人の内鼠径輪の開存形態とその直径を 観察した 結果 術後経過観察期間は3 ヶ月から0年で50人にLPECを行 ない 例以外に再発を認めない ヘルニア門径はJHS分類I- が40例でI 2が8例であった 考察 若年成人の外鼠径ヘルニアでも小児と同様にI-が多く LPECで根治できる 内鼠径ヘルニアやDe novoの存在には注 意が必要だが鏡視下に分類 診断ができるので適応を誤らない I-と-2の判断は曖昧さがあるが 直径20mm以下であれば年齢 にかかわらずLPECで根治する可能性が高い 本法は診断が確 実で 異物挿入不要というメリットがあり もし再発しても鼠 径管を開放しないため再手術の妨げにならないため積極的に行 なってもよい術式と考える 史壯 三浦 秀元 平間 知己 八十島孝博 岡田 知美 邦明 札幌道都病院 外科 2 新札幌豊和会病院 外科 はじめに 成人鼠径ヘルニアに対するIPOM手術は 再発率の高 さから否定的な報告が相次いだが 当時は腹腔内に留置可能な 形状記憶型のメッシュはなく固定の不安定さが再発の一因と思 われる 当施設では203年2月よりLPEC法によるヘルニア門 閉鎖を併用した腹腔鏡下IPOM法を施行してきたのでその成績 を報告する 手術手技 全身麻酔下 単孔式 EZアクセス留置 LPEC法 でヘルニア門を閉鎖 2-0非吸収糸使用 後 形状記憶型ePTFE 製メッシュ VentrioTM/VentrioTMST で鼠径床を覆い AbsorbaTackTMで腹膜上に固定する 結果 成人鼠径ヘルニア30例 20人 に本法を施行 両側ヘ ルニアは0例 外鼠径ヘルニア 03例 内鼠径ヘルニア 27 例 年齢は33-94歳 平均72.9歳 手術時間は8-89分 平均 45.分 術後合併症として 漿液腫および大網のメッシュ下へ の迷入を3例に 慢性疼痛 腸閉塞を2例に 排尿障害を例に 認めた また平均26か月の観察期間で再発を2例.5 に認め た 2例はいずれもメッシュの固定不良が原因で 術後4週間以 内の早期再発であった 再手術で再固定を行い 現在まで再々 発を認めていない 考察と結語 本法は他の鏡視下修復術に比較し 簡便で再発 率の低い術式と考える またLPECを追加することにより腹 壁瘢痕ヘルニアにおけるIPOM 同様 再発率低下 漿液腫 やbulding予防が期待できる 鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下 IPOM法は有用な術式の一つと考える
86 VS7-5 成人鼠径ヘルニアに対する至適術式としての LPEC 変法の可 能性 西原 阿嘉 奥島 実 国吉 裕之 2 宮平 憲彦 2 嵩原 史雄 2 尾下 工 2 花城 裕夫 陽大 2 野村 直次 2 梁 寛徳 2 英樹 2 社会医療法人かりゆし会 ハートライフ病院 ヘルニアセンター 2 社会 医療法人かりゆし会 ハートライフ病院 外科 背景 鼡径管内解剖を破壊しないLPEC法が995年に導入され て以来 今日では小児鼠径ヘルニアの標準術式として広く普及 している 近年では若年女性を中心に成人への応用の報告も増 えつつある 目的 当施設でも成人鼠径ヘルニアに対して LPEC変法とし てcone mesh LPEC法を考案し臨床応用を行ってきたので ビデオを供覧するとともにその成績を報告する 対象と方法 203年から206年までにcone mesh LPEC 法を施行した5症例6病変であり すべて男性で 平均年齢は 50.5歳である 両側病変症例が6症例であり 両側とも同術式 を施行した例が例 片側に施行した例が5例である 片側病変 症例は9症例である cone meshの固定は原則3点で腹壁に固定 し LPEC法は症例に対応してdoubleやtrippleにて行う 結果 ヘルニア分類I-2型が4病変であった 両側とも同術式 を行った症例では手術時間は89分であり 片側病変9症例で は 平均78分であった 術中合併症は認められなかった 例 にのみ不適切な腹壁固定による再発が見られた 結語 成人鼠径ヘルニアにおいてヘルニア分類I型の症例に対し ては cone mesh LPEC法は手技の確立により再発を防ぐ事 ができ至適術式としての可能性が示唆される
87 第 5 回日本ヘルニア学会学術集会 パネルディスカッション
88 PD- PD-2 静脈麻酔併用膨潤局所麻酔法下 Standard Kugel 法の有用性 の検討 より楽でシンプルな方法をめざした麻酔方法の変遷 藤井 楽クリニック 藤田 仁志 岩手県立久慈病院 外科 久仁会 内丸病院 外科 岩手医科大学 外科学講 座 はじめに 当施設では静脈麻酔併用膨潤局所麻酔法 (TLA法)下 Standard Kugel法を標準術式としている 今回手術成績を検討 し 有用性について報告する 対象と方法 2007年4月から203年6月までの637例を対象と し 手術成績を麻酔法別 抗凝固薬内服症例 超高齢者(80歳以 上)で検討した 結果 男性537 女性00 平均年齢66.5 右側34 左側25 両側45であった 麻酔法は 腰椎麻酔69 全身麻酔94 TLA374 であり 手術時間 TLA:腰椎麻酔:全身麻酔= 39:69:85 出血量 8:9:24 在院日数.9:2.:2.7であった 合併症に差を認めな かった 抗凝固薬内服症例は08例認め ヘパリン化群(H群)3例 中止 群(N群)5例 継続群(C群)80例であり 手術時間 H群:N群:C群 =65:67:6 出血量 4:5:5 在院日数 7:4:4であった 合併症 に差を認めなかった 超高齢者(80歳以上)の検討では 超高齢者群(80歳以上)(G群)80例 非高齢者群(80歳未満)(NG)28例を認め 手術時間 G群:NG群= 56:60 出血量 6:9 在院日数 2.2:2.0であり 合併症に差を認 めなかった 結語 TLA法下Standard Kugel法は 基礎疾患や心肺機能の低 下の影響が少なく 有用な術式の1つとであると考える PD-3 隆二 田村 筑波胃腸病院 当院は 楽に治療が受けられることを目指し2004年に開院した 無床の日帰り手術専門クリニックです 開院前 病院での日帰り手術センターでは鼠径ヘルニア手術は 脊椎麻酔で行っておりました 開院後も同様の麻酔で行ってお りましたが 術後の尿閉を経験し また失明や死亡例の報告を 知り 即中止しました そこで挿管による全身麻酔を開始しました しかし 時に挿管 困難症例もあり 麻酔方法の変更を検討せざるを得なくなりま した 次に導入した麻酔はバランス麻酔です プロポフォール 笑気 局所麻酔にて行う方法です しかし 笑気の換気の問題があり ました 次にプロポフォール レミフェンタニル 膨潤麻酔に変更しま した 鎮痛効果は良好であったが 術前の準備が繁雑で術後の 覚醒に時間がかかりました このため レミフェンタニルなしでの麻酔で手術を行ってきま した この方法では 術後の覚醒が早く最もシンプルな方法で す ただ 膨潤麻酔が十分に効いていない時は 体動があり手 術進行の妨げとなることがあり厳重な体の抑制が必要でした 現在 プロポフォール フェンタニル 膨潤麻酔での組み合わ せで手術を行っています 本法の利点 欠点 注意点 使用の 状況を報告します PD-4 短期滞在外科手術の全身麻酔の工夫 鈴木 定則 孝史 藤田 徹 大橋 TLA 膨潤局所麻酔法 鎮静剤による鼠径ヘルニア麻酔 その実際 正樹 伊藤 われわれは 短期滞在外科手術の麻酔で重要なことは 気づいた ら手術が終わっていた 状態をいかに整えることが出来るかと考 えている そのためには 術前の不安や術中 術後の疼痛を軽 減し 確実な覚醒 合併症の軽減が必要である また 術者に 対しての配慮も必要であり 術中体位が崩れることなく安静が 取れることも重要である 従来は腰椎麻酔で行っていたが 脳 脊髄液関連の合併症や 移動に関するコメディカルへの負担 排せつの問題等を認めるため 現在は 静脈麻酔薬TCIポンプ を使用し 鎮痛薬 レミフェンタニル 局所麻酔薬 マーカイン キシロカイン ラリンゲルマスク i-gel を組み合わせた独 自の方法で施行している 本方法では術後即時の自力帰室を可 能としたため コメディカルにかかる負担は軽減し 手術室の 回転効率は上がり また 術中声掛けによる腹圧のコントロー ルも可能とした しかし 局所麻酔の併用による 術野のDry な環境維持が困難な場合も認め 手術の妨げとなることもある 当院での方法を紹介し さらに洗練した麻酔法を検討していき たい 契 住田 敏之 根東 順子 青木 公益社団法人東京都教職員互助会 三楽病院 外科 久恵 黒田 純子 鼠径ヘルニア根治手術には 種々の麻酔法の選択が可能である 十分な疼痛コントロールが得られ 高齢者などで患者への麻酔 侵襲が少なく 円滑な手術操作が可能であることなどが麻酔の 条件となる 欧州ヘルニア学会では 局所麻酔法が推奨されて おり その利点が示されている TLA 膨潤局所麻酔法 は 鎮 痛効果に加えて 止血効果や液性剥離などの特徴を有する局所 麻酔法であり 鼠径ヘルニア手術に応用されている 局所鎮痛 は TLAによって十分に得られるが さらに鎮静剤を追加する ことによって 合理的かつ十分な鼠径ヘルニア手術の麻酔法と なる 現在の手順を記す 術前の前投与はなし 入室後 バイ タルサインを確認し ペチジンAを静注する ペチジンAの 静注は 年齢 体格を問わず一定としている 次いで ミダゾ ラムの静注を行う ミダゾラムの投与量は 年齢 体格を参考 にして決める 成人男子の場合 -50歳代 4mg+α 60-70歳 代 3mg+α 80歳代- 2mg+αとしているが 性別 患者状況 により適宜の増減をする 鎮静と同時に酸素投与2L/mを行う 呼名反応を観て 鎮静が十分と判断されたら 術野の準備にか かり 手術を開始する 十分な鎮静で 術中の患者は 呼名反 応は有するが ほとんど睡眠状態で経過し 術中のことを覚 えていない状況で手術が終了する 術後は 手術部位の鎮痛が 5-6時間持続する 現在までの経験からの改善点 現状につい て 動画を含めて報告する
89 PD-5 PD-6 鼠経ヘルニアにおける至適麻酔法の選択 抗凝固薬内服継続 下局麻下手術の成績と工夫 当院成人鼠径ヘルニア根治術における 膨潤麻酔法と硬膜外 麻酔法の比較検討 木村 友利 船水 泰生 丸山 聖隷三方原病院 外科 翔子 藤田 博文 荻野 和功 賢太 大楽 尚武 中林 勝司 百瀬 幸夫 匡亨 平本 悠樹 飯田 智憲 川口市立医療センター 消化器外科 はじめに 抗凝固薬内服患者は増加しており 周術期の休薬に よるリスクも少なくない 鼠経ヘルニアは良性疾患であり 手 術のために併存疾患の増悪を招くリスクを最小限に抑える配慮 が必要である 当院では全麻可能症例 ASA: は腹腔鏡手術を 選択するが その他は腰椎麻酔もしくは局所麻酔を選択し 特 に抗凝固薬内服症例は抗凝固薬内服継続下に局所麻酔下前方ア プローチ法の適応としている 目的 抗凝固薬内服継続下の局麻下鼠経ヘルニア修復術が妥当 か検討する 対象と方法 202年9月 207年月までに施行した抗凝固薬 内服継続下の局麻下鼠経ヘルニア修復術62症例を対象 エピネ フリン付加麻酔薬を使用し膨潤麻酔法にて前方アプローチ法で 修復 結 果 男 性59例 女 性3例 平 均 年 齢 は74.0歳 JHSI型/II型 /III IV型はそれぞれ50/4/5病変であった 抗凝固薬の内訳 は抗凝固薬が25例 抗血小板薬が4例 多剤併用例が4例で あった 修復はUPP Ultra-Pro-Plug 法が56病変 Polysoft 法が2病変に対して施行された 術中出血量は8mlで 術後合 併症は例 7.7% に皮下出血 例.6% に漿液腫を認め た 皮下出血はいずれも保存的経過観察にて消退した 考察 抗凝固薬継続下の局麻下手術は 膨潤麻酔を用いること で比較的安全に施行することが可能であるが 術後出血のリス クを念頭に可能な限り直視下に止血が確認できる術式を選択す る必要があると思われる はじめに 成人鼠径ヘルニア根治術の麻酔法に関しては 多く の報告がなされており 全身麻酔から膨潤麻酔まで 施設や患 者の状態により麻酔方法は様々である 当院における成人鼠径 ヘルニア根治術では 膨潤麻酔法 硬膜外麻酔法による麻酔法 を主に施行しているが その2つの麻酔法につき比較検討したの で報告する 対象 2002年月から206年2月に膨潤麻酔法 T群 と硬膜 外麻酔法 E群 にて施行した 初発成人鼠径ヘルニア手術症例 507例 検討項目 出血量 手術時間 術後合併症 再手術の有無 結果 T群89例 Direct Kugel DK法 6例 Lichtenstein Lich 法 65例 Mesh Plug MP法 3例 Marcy Mar法 5例 E群48例 DK法83例 Lich法22例 MP法例 Mar法2 例 出血量はT群2.9±5.4ml E群5.7±.0ml P =0.024 で有意差を認めたが 手術時間はT群67±23分 E群66±8分 P =0.562 と有意差を認めなかった T群7例 7.9% E群4 例.0% に術後合併症認め P 0.00 T群4例 E群2例で 術後出血による再止血術を要し有意差を認めた P 結論 成人鼠径ヘルニア根治術において 膨潤麻酔法は硬膜外 麻酔法と比較し 術中出血量が少なく安全に施行可能であるが 術後出血に十分な注意が必要である PD-7 PD2- 腹横筋膜面ブロック TAP ブロック 併用完全局所麻酔下 鼠径ヘルニア修復術の検討 鼠径部ヘルニア術後慢性疼痛に対する腹腔鏡下メッシュ除去 術の検討 福田進太郎 蛭川 大橋 立川綜合病院 外科 浩史 阿部 馨 沼野 史典 多田 哲也 当科では %キシロカイン20ml+0.25%マーカイン20ml+生 理食塩水00mlの局所麻酔薬を用いた希釈法による完全局所麻 酔下前方アプローチ鼠径ヘルニア修復術を行ってきた 近年周 術期の創痛を軽減する目的で 超音波ガイド下腹横筋面ブロッ ク TAPブロック が行われるようになってきた 当科でも206 年7月よりTAPブロックを併用した希釈法による完全局所麻酔 下鼠径ヘルニア修復術を導入したので検討した 対象と方法 206年7月から207年月まで局所麻酔下に鼠径 ヘルニア手術を行った症例28例 全員男性 をTAPブロック併用 群 A群 と非併用群 B群 にわけ 術中の局所麻酔の使用量 術 後経過を検討した 結果 A群3例 B群5例で A群は平均年齢58歳 ヘルニア の型はl-2が名 ll-3が2名であり 手術平均時間は8.9分で あった 対してB群は平均年齢76.2歳であり l-が名 l-2が 2名 l-3が名 ll-が名であり 手術平均時間は90.8分で あった 術中の追加の局所麻酔希釈駅の量はA群が29.5mlであ り B群が43.8mlだった B群では2例で経静脈的麻酔薬の追加 を要した 術後の経口鎮痛薬使用量は両群で差はなかった 結語 TAPブロックを併用群では術中の局所麻酔薬使用量が少 なく 疼痛コントロールに有効である可能性が示唆された 直樹 東京外科クリニック はじめに 鼠径ヘルニア手術のハイボリュームである当科を訪 れる患者は多種多様であり 他院の手術後の疼痛や違和感を訴 え来院することも多い 患者の強い要望により外科的治療にふ みきった症例について検討した 対象 平成27年月から平成28年2月までの期間に行われた 鼠径部の再手術 再発所見を伴うものは除外した 症状 病悩 期間 メッシュ 術式 合併症 患者満足度を調査した 結果 全7例 全例鏡視下に完遂された プラグ4例 クーゲル 3例 プラグは全ての症例でオンレイが使用されていなかった 摘出後は全例で腹膜縫合閉鎖が可能であった 下腹壁血管合併 切除例 新たなメッシュを追加したものが例 内腸骨静脈損 傷に対し鏡視下修復を行ったものが例 全例で症状の改善がみ られ術後3か月後調査では00 の満足度であった 再発は生じ ていない 考察 手術動画を供覧し手技の要点を説明する 腹膜前に存在 するメッシュを除去する手段として腹腔鏡手術は合理的と考え る一方 再発が証明されない症例に対する外科的治療の適応の 基準が明らかにされていない以上 慎重な検討が各個になされ るべきである また 新たなメッシュを用いることで新たな症 状を生じる恐れを考えれば それに対する是非も問わねばなら ない 議論すべきことは多岐に及ぶ 本報告をもとに活発な討 議をされたい
90 PD2-2 PD2-3 アルゴリズムを用いた成人鼠径ヘルニア術後難治性慢性疼痛 の治療 UHS 法における鼠径ヘルニア修復術後疼痛異物感に関する 前向き検討結果からみた予防法 成田 大谷 清水 村上 匡大 佐治 雅史 松末 哲之 猪飼伊和夫 亮 畑 啓昭 山口 高史 京都医療センター 潤三 安山 昌裕 川端 大阪労災病院 外科 背景 鼠径ヘルニア術後疼痛はそのほとんどが鎮痛薬内服もし くは時間の経過とともに自然軽快するが なかには疼痛が持続 し さらなる治療を必要とする難治症例がある 当院では鼠径 ヘルニア術後難治性慢性疼痛に対してアルゴリズムを用いて積 極的に治療を行っており その実際と成績を報告する 方法 鼠径ヘルニア術後3 ヶ月以降も痛みを有し 再発および 脳脊髄 泌尿器科的疾患を除外できた症例を難治性慢性疼痛と 診断した 鼠径部痛と睾丸部痛の2群に分け 鼠径部痛症例では 体性痛と神経因性疼痛を鑑別するために局所麻酔を疼痛部位に 注射するトリガーポイントブロック TPB を施行し 有効例に は繰り返し施行した 無効例は神経因性疼痛と判断し 腸骨鼠 径神経ブロックを行った ブロック注射無効例には手術を施行 した 睾丸部痛症例は睾丸萎縮がなければ鼠径部神経因性疼痛 に準じた治療を 萎縮があれば手術を施行した 結果 難治性慢性疼痛2例に対して治療を行った 鼠径部痛を 例に認め TPBにてpain freeとなったのは5例 INBでは 例であった ブロック注射無効例は5例で うち手術を施行した 3例では術後速やかに疼痛は消失した 睾丸萎縮を伴う睾丸部痛 症例は例で 睾丸摘出付加手術にて疼痛は消失し治癒した 結語 アルゴリズムを用いることにより複雑な病態である難治 性慢性疼痛を系統立てて治療することができる 陽信 松村 良平 廣田 多恵 古賀 昌紀 能浦 睦人 亀田 千津 真吾 長谷川順一 はじめに 成人鼠径ヘルニア修復術における前方アプローチは メッシュによる術後疼痛や鼠径部の違和感が問題となる 目的 UHS法による成人鼠径ヘルニア修復術での術後3年目ま での疼痛 異物感を前向きに検討した 方法 20年4月 203年2月までに当院で鼠径ヘルニア修 復術 UHS法 を行った268症例 290病変 のうち 術後3年目 までフォローし得た78例 92病変 を対象とした 退院時 術後週間後 術後カ月後 術後6カ月後 術後年後 術後2 年後 術後3年後の7時点の安静時と運動時の疼痛 NRS と異物 感 Face scale を評価した 結果 平均年齢は69.4歳 性別は男性58人 女性20人 病悩 期間は4 ヶ月だった 病側は右側94 左側70 両側4例であ り ヘルニア分類はJHS I 2 II 56 III 4 IV 例 初 発例82 再発例0例だった 症状は疼痛63 嵌頓3 歩行 困難2例で 平均手術時間は47.2分 平均入院期間は5日間だっ た 術後合併症は 皮下出血2 創感染2 漿液腫4 陰嚢 鼠径部腫脹9例だった 疼痛に関しては術後週間は安静時. 運動時2.2 術後 ヶ月は安静時0.4 運動時0.6と運動時で 高かったが 術後3年目では安静時0 運動時0であり疼痛を認 めなかった 異物感に関しても同様だった まとめ 術後3年後では症状を有することはなく 疼痛に伴う QOLの低下や再手術を要することはなかった UHS法は術後疼 痛 異物感について認容性のある手術手技と考えられた PD2-4 PD2-5 Mesh 除去を余儀なくされた鼠径ヘルニア術後慢性疼痛の 例 TAPP 手術時の剥離部に起因する違和感に対する対策 長谷川和住 尾形 北仙台はせがわクリニック 頼彦 篠原 高松市民病院 外科 症例 78歳 男性 経過 2007年3月右内鼠径ヘルニアに対し手術施行 術後 ヶ 月で再発し 同年6月再手術施行 2回目の術後より外鼠径輪部 から陰嚢にかけての激痛が出現 鎮痛剤で改善せず ペインク リニック 心療内科 精神科 麻酔科を紹介受診し治療を行う も改善なく 205年2月当院紹介受診 陰部大腿神経陰部枝 の領域に一致して疼痛を認めた ブロック注射にて症状の緩解 を認め定期的に施行し外来で経過を診ていた 206年月に 疼痛が強くなったため再診 触診上 meshが外鼠径輪から皮 下に突出してきており 皮膚に発赤 軽度熱感を認めた 術後 慢性疼痛 meshの皮下への迷入に伴う皮下蜂窩織炎の診断で mesh除去術を施行した 手術所見 皮下に一塊となったon lay sheetを認めた 外鼠径 輪を露出した所 外鼠径輪からplugも突出していた 精管 精 巣動静脈を外鼠径輪部でテーピング後に鼠径管を小開放し 腸 骨鼠径神経 陰部大腿神経陰部枝を恥骨縁にて切離を行った plugは鼠径管後壁の上にあり容易に摘出できた 摘出した所 内鼠径ヘルニアを認めたが 今回はmeshを用いずに全周切開後 に4針縫縮のみにとどめた 術後経過 創痛は認めたが 陰嚢にかけての痛みは消退した 現在の所は再発を認めてない 考察 前回 前々回の手術所見及び術中所見と文献的考察によ り 今回の発生機序を推察し対策を検討し報告する 永光 金村 普史 福田 洋 和田 大助 当 院 で は 以 前 は TA P P の 際 に 2 m m ポ ー ト を 使 用 し た 2.5.5mmで施行していたが術後に強いポート挿入部痛を訴え る症例があり問題があると感じていた 手技に習熟してきた現 在は5mmポートから挿入可能なメッシュを使用し5.5.3mmで TAPP施行している 2mmポートを使用しなくなってから術 後創痛はほとんどなくなったが 術後早期に剥離部に起因する と思われる下腹部違和感がある症例があった そこで術後違和 感対策としてメッシュ留置 腹膜閉鎖後に腹膜前腔への局所麻 酔の注入を導入開始した 腹膜縫合閉鎖後にポート挿入部から 腹膜外層を経由して細径ポートを剥離層まで挿入する 腹膜前 腔の炭酸ガスを除去しメッシュと腹膜が接した状態にすること でメッシュが折れ曲がることなく広がっていることを確認す る その後 炭酸ガス吸引で用いた細径ポートから腹膜前腔に ロピバカイン0 20mlを注入してから細径ポートを 抜去する 現在までに2例に施行した 今のところ術後早期の 下腹部違和感を訴える症例はなく有用な手技であると考えてい る
91 PD2-6 PD2-7 術後疼痛がなく早期に社会復帰ができる日帰り Lichtenstein 法 Modified Onflex patch を用いた腹膜前鼠径部ヘルニア修 復術 勝本富士夫 勝本外科日帰り手術クリニック 2005年に鼠径ヘルニア手術に特化したクリニックを開業し 4360例のそけいヘルニア手術を行ってきた 成人に対しては ほとんどLichtenstein法を日帰りで行い 麻酔は局所麻酔に ディプリバンによるTCIシステムを加えたバランス麻酔で行っ ている 術後3か月を超えて持続する慢性疼痛を2例のみで ペ インクリニックへの受診は例であった 術後の疼痛が少ないた め 早期社会復帰が可能で65歳までの働き盛りの患者のそけい ヘルニア手術後の術後職場復帰日は軽労働/中労働/重労働でそ れぞれ平均2.3日目/3.4日目/5.日目であった 小児の鼠径ヘル ニア手術のようにヘルニアsac以外の組織を極力触らない手術手 技を行い 3本の知覚神経をtrapしなければ慢性疼痛は起こるこ とはないと考えている 精管周囲を無造作して牽引する手技を ビデオで見ることがあるが 精管周囲にはparavasal nerveがあ り 注意を喚起したい Lichtenstein法を始めた初期に 鎮静 無しの局所麻酔のみで300例以上の症例を経験した 局所麻酔 を用いれば 手術中に患者が感じる痛みを体感でき 手術手技 は繊細 緻密となる いる 現在当クリニックで行っている術 後慢性疼痛を回避できるLichtenstein法をビデオで供覧する 大津 柳 将路 諏訪 舜仁 下山 勝仁 牛込 雄也 岡本 琢朗 成廣 友好 矢永 哲史 勝彦 2 東京慈恵会医科大学附属第三病院 2 東京慈恵会医科大学附属病院 緒言 Modified Onflex patchは吸収性形状記憶リングを有した 腹膜前修復用lightweight meshであり 術後慢性疼痛発現率を 抑制する可能性がある 手術手技 外鼠径ヘルニアの場合 精管 精巣動静脈を覆う retroparietal spermatic sheathと ヘ ル ニ ア 嚢-腹 膜 と の 剥 離 をすすめ外側空間を作成する つづいて 下腹壁動脈の背側 のposterior lamina of transversalis fasciaを 切 開 し 腹 膜 前脂肪層に剥離をすすめ内側空間を作成する 2つの空間の 隔壁を切開し広い空間作成を行い modified Onflex patchを myopectineal orificeを覆うよう留置する Patchはpositioning strapが内鼡径輪中央に位置するよう留置する patchは先細り の形状で 非常に軟らかいため 内鼡径輪外側での展開が困難 なことがあり 腹壁から腹膜側を十分に剥離しておく必要があ る Patch自体をCooper靱帯 もしくはpositioning strapを横 筋筋膜に固定する 内鼠径ヘルニアの場合 腹膜症状突起閉鎖 部を外鼠径ヘルニア嚢として扱い 同様な操作を行う 手術成績 これまで5症例に行い 手術時間中央値 分であり Numerical Rating Scaleを用いた術後疼痛評価 は術当夜で中央値 点 術後週間で 0-2 点であっ た 観察期間-3カ月で合併症なく再発も見られていない PD3- PD3-2 当科の若年女性鼠径部ヘルニアに対するメッシュ使用の現状 若年女性鼠径部ヘルニアに対する腹腔鏡下内鼠径輪縫縮術 本田 善子 酒井 船橋 公彦 2 瓜田 川村 中嶋 隆光 鈴木 純久 島田 孝之 島田 長人 英昭 2 東邦大学医療センター大森病院 総合診療 急病センター外科 2 東邦大 学医療センター大森病院 消化器センター 外科 徹 藤原 昭 直人 野谷 啓之 大石 陽子 佐藤 康 日産厚生会玉川病院 外科 ヘルニアセンター 当科の若年女性鼠径部ヘルニア手術 50歳未満 のメッシュ使用 について報告する 2004年2月 207年3月の期間で鼡径部 ヘルニア手術症例は93病変で 男性624病変 女性307病 変であった 女性患者の年齢は4 98歳で 50歳未満は79 病変 50歳以上は228病変であった 修復術は全例前方到達法 で行った 50歳未満の79病変を年代別にJHS分類と術式で検 討した 尚 2005年まではRutkow分類を用いたためその期間 の外鼡径ヘルニアはJHSⅠとのみ記載した 0歳代は5病変あ り 全 例 Ⅰ-でMarcy法 で 修 復 し た 20歳 代 は8病 変 あ り Ⅰ- 2病変 Ⅰ-2 3病変 JHSⅠ 2病変 詳細不明 病 変で 全例Marcy法で修復した 30歳代は3病変あり Ⅰ- 2病変 Ⅰ-2 6病変 JHSⅠ 3病変 Ⅲ 病変であった メッシュを用いたのは3病変中7病変 22.6 で 内訳はⅠ -の3病変とⅠ-2の3病変およびⅢの病変であった それ以外 の24病変 77.4 はMarcy法で修復した 40歳代は25病変あ り Ⅰ- 病変 Ⅰ-2 9病変 Ⅰ-3 病変 JHSⅠ 2病 変 Ⅲ 2病変であった Ⅰ-の5病変 20 をMarcy法で修 復したが それ以外の20病変 80 はメッシュを用いた 当科 では0 20歳代は全例Marcy法を用いていたが 30歳代では 歳代では80 がメッシュ修復を施行していた 若 年女性の中でも 30歳代以下のⅠ-型はMarcy法で十分と思わ れるが 30歳後半以降はメッシュ修復が必要となる症例が増加 してくると考えられる 背景と目的 若年女性で鼠径ヘルニア手術のメッシュ使用に対 して抵抗感を訴える患者さんが時に来院される 若年I型ヘル ニアに対するMarcy法や成人に対するLPECの適応拡大など非 メッシュ修復術の報告はあるが再発率や術後疼痛も含めた成績 は不明である 当院で実施してきた術前病型診断に基づく前方 切開法による内鼠径輪縫縮術の成績を踏まえて 最近実施して いる腹腔鏡下内鼠径輪縫縮術の有効性を探る 対 象 と 成 績 20年 か ら206年 ま で にTAPP法 で 実 施 し た 994病 変 を 対 象 と す る 若 年 成 人 8-30歳 は40例 男/女 22/8 45病 変 5.7 で あ っ た 29例 男 性/女 性 2/7 33病変 男性/女性 2/2 に腹腔鏡下内鼠径輪縫縮術を行っ た 手術時間の中央値は49分 29-58分 と短く 術後短期の合 併症はなく 再発例も経験していない 考察 腹腔鏡下内鼠径輪縫縮術では JHSI- I-2の病型診断 が可能で II型や女性に多い大腿ヘルニアの併存の有無も診断で きる LPEC法と違ってヘルニア嚢を離断しており De novo 型ヘルニアの有無も鑑別できる 腹腔鏡下の修復術であるので 回復が早い利点もある メッシュを使用しない術式のため術後 鼠径部触知時の違和感は少ないと予想されるが 長期成績のエ ビデンスがまだない まとめ 厳密な診断のもとに実施する若年女性のJHSI-かI-2 に対する腹腔鏡下内鼠径輪縫縮術は合理性のある術式と考えら れ 動画を交えて手技のポイントを例示する
92 PD3-3 PD3-4 若年女性 歳 の鼠径部ヘルニアに対する腹腔 鏡下ヘルニア修復術 腹腔鏡下修復術からみた若年女性鼠径部ヘルニアの特徴と 術式の選択 大山 莉奈 千原 内田 英二 2 福田 野坂 直人 鈴木 英之 渡辺 昌則 日本医科大学武蔵小杉病院 消化器病センター 2 日本医科大学付属病院 消化器外科 健治 大井健太郎 山根 仁愛 成之 建部 茂 山根 祥晃 山陰労災病院 外科 我々は2009年7月より成人女性の鼠径部ヘルニアに対しMPO を十分覆えるTAPPを第一選択としており積極的に嵌頓症例も 行っている 若年女性に対しても将来のことを考慮し大腿輪を 覆えるためmeshを使用することを標準としている そのうちI 型併存Nuck管水腫に対しても腹腔鏡下に切除しmeshを使用し ている 20年4月から206年9月までの間に若年女性に対す る腹腔鏡下修復術を施行した症例は24例で平均年齢32歳であっ た 内訳はI型のみが6例 I型併存Nuck管水腫は8例であった そのうち例が正常分娩にて出産している また I型併存Nuck 管 水 腫 は 確 実 なnuck管 水 腫 の 切 除 を 目 指 しopen posterior wall methodを施行している これは鼠径管後壁を開放し そ こから切離断端の円靭帯を潜らせることにより十分末梢まで正 面視でき 剥離が容易となり水腫の完全切除が可能となる こ れは鼠径管後壁の補強と鼠径管内にdefectができるために積極 的にmeshを使用している これらを動画にて供覧し解説する はじめに 20年4月から206年2月までに腹腔鏡下修復術 LH を行った成人鼠径部ヘルニア427症例 TAPP:424症例 LPEC:3症例 のうち 女性は4症例 9.6% であった 詳細不 明な症例を除く40症例44病変を解析し 若年女性の鼠径部ヘ ルニアの特徴とメッシュ使用の必要性について検討した 結 果 49歳 以 下 の 若 年 群症 例2病 変 で はI型 が病 変 9.7% と 大 部 分 を 占 め た 一 方 50歳 以 上 の 高 齢 群29症 例32病 変 の タ イ プ 別 分 類 は I型9病 変 59.4% II型2病 変 6.3% III型6病変 8.8% IV型5病変 5.6% であり 若 年群は有意にI型の割合が高かった また 若年女性のI型では I-型が8/例を占め 残り3例のI-2型もヘルニア門は.5cm までであった 49歳以下の若年男性38症例4病変のうち I型 ヘルニアは34病変 82.9% であったが 大半はI-2型 30/34病 変 で ヘルニア門は平均2.cmであった 考察 LHで観察した若年女性鼠径部ヘルニアの大部分が.5cm までのI型ヘルニアであった これは高齢女性や若年男性には 見られない特徴であり その原因が腹膜鞘状突起の遺残に由来 すると考えられる このため 小児の外鼠経ヘルニアと同様に 後壁補強は不要と判断し 204年からLPECを導入している LPECはLHの診断能力の高さを生かせ TAPPへの変更も可能 妊娠 出産を希望する女性が感じる異物留置への抵抗感にも対 処できる 一方 慢性疼痛の報告もあり 慎重な説明が必要と 考えられる PD3-5 PD3-6 若年女性鼠径部ヘルニアのヘルニア分類とメッシュ使用の是非 女性鼠径ヘルニアにおける年齢別術式の検討 宮崎 佐々木奈津子 井田 小林慎二郎 小泉 恭介 みやざき外科 ヘルニアクリニック 圭亮 小倉 佑太 久恒 哲 大坪 毅人 靖人 佐治 攻 聖マリアンナ医科大学 消化器 一般外科 はじめに 若年と中年以降の女性における鼠径部ヘルニア分類 の違いを示し 若年女性鼠径部ヘルニアに対するメッシュ使用 について 当院の考えを述べる 方法 2003年4月から207年月までに 成人女性鼠径部ヘ ルニア手術を963例に行った 術中診断でI-型は高位結紮術 I-型以外は各種メッシュ法を選択した この963例を 若年群 A群 8-39歳 336例と中年以降群 B群 40-93歳 627例 に分け ヘルニア分類 術式選択 メッシュ使用率 術後合併 症を検討した 結果 ヘルニア分類 A群はI型326例 II型3例 III型4例 IV 型3例 B群 はI型470例 II型22例 III型4例 IV型2例 で 両群間に有意差を認めた I型亜分類で A群はI-型58例 I-2 型268例 I-3型0 B群はI-型7例 I-2型436例 I-3型4例 で 両群間に有意差を認めた 術式選択 A群は高位結紮術54 例 UPP法39例 3D Max法06例 他 の メ ッ シ ュ 法37例 B群は高位結紮術7例 UPP法89例 3D Max法39例 他のメッ シュ法392例で 両群間に有意差を認めた メッシュ使用率 A 群84% B群99%で 両群間に有意差を認めた 術後合併症 B群で再発を例認めたが 他に合併症は認めず 両群間に差は なかった 結語 若年女性でもI型以外の鼠径部ヘルニアを約3%に認め I-型は7%に過ぎない 再発を防ぐためには 若年女性鼠径 部ヘルニア I-型以外 に対しても 積極的にメッシュを使用す る治療方針は正しいと考えている 背景 若年の鼠径ヘルニアの原因は腹膜鞘上突起の開存に由来 するものが多く 特に若年女性の鼠径ヘルニアにおいてはmesh 使用の是非が問われている 今回我々は女性鼠径ヘルニアの各 年齢層における術式 mesh使用について検討した 方法 2007年月から206年2月までに鼠径ヘルニアの手術 を施行した女性例7例を対象とした 年齢別にA群 6-29 歳7例 片 側5例 両 側2例 B群 30-39歳2例 片 側例 両側例 C群 40歳以上98例 片側93例 両側5例 に分け 各年齢別における術式 mesh使用の是非について検討した 結果 併存症に関しては有意にC群で高かったが 喘息の併存 率は若年者の方が高い結果であった ヘルニア分類においては A群ではI型 特にI-が多いのに対して 年齢が高くなるにつれ II型の割合が増加した 術式においては A群が組織縫合法6件 /mesh修復法3件 B群が組織縫合法6件/mesh修復法7件 C群 が組織縫合法3件/mesh修復法00件で年齢が高くなるにつれて mesh修復率が高かった 再発に関してはC群で2例のみであっ た 考察 40歳未満女性の鼠径ヘルニアでは組織縫合法においても 再発症例は認めなかった 帝王切開における出産時の横切開創 は恥骨上2cmの部位を皮膚割線に沿って切開するため meshが 留置されていると妨害される危険性がある まとめ 挙児希望の40歳未満の女性に対するI- I-2型鼠径ヘ ルニアの術式は組織縫合法が妥当だと考えられる - 9 -
93 PD4- PD4-2 再発症例から学ぶ TAPP のピットフォ ル 西山 徹 石井 笛吹中央病院 外科 正紀 田中 当科における再発鼠径ヘルニア手術症例における再発形式の 検討 暢之 安居 994.月より成人鼠径ヘルニアに対し経腹的腹腔鏡下鼠径ヘ ルニア修復術 以下TAPP を導入し206.2月までに808例経 験した 2009年4月より現病院に移り206.2月までに施行し たTAPP 374例中再発症例は32例であった 手術ビデオを見直 すことにより再発 術中合併症を回避するために重要と思われ るピットフォ ルを学ぶことができたので3症例を提示し報告 させていただきます 症例 72歳男性 先行手術 MP法 術 後診断 左recΙΙ- 膀胱が大きくslidingしている場合にはまれ に尿管が術野に出現することがあり尿管損傷に注意が必要であ る 症例2 9歳男性 先行手術 従来法 詳細不詳 術後診 断 右recΙ-3 recι-3ではievが大きく内側に偏位し外見上は 症例3 ΙΙ-3に見えることがありIEV損傷に注意が必要である 59歳男性 先行手術 MP法 術後診断 左recΙΙ- 右不顕性 Ι Ι-2 ΙΙ- 前方アプロ チの際には対側の不顕性ヘルニア に注意が必要である 再発症例に遭遇した際には多重再発につ なげないためにも腹腔内からの観察は有用な手段である また TAPPに不慣れな施設においてはTAPPにこだわらずハイブリッ ト法も考慮すべきと考える 悟 PD4-4 再発鼠径ヘルニアに対する TAPP 修復経験からみたヘルニア 再発機序に関する一考察 雄丈 上田 達彦 櫻井健太郎 藤本 再発鼡径ヘルニアの手術は困難である 当科では再発鼡径ヘル ニアに対して腹腔鏡下に観察し 再発形式を確認の上手術を施 行しており 再発時期と再発形式について検討したので報告す る 対 象 は2008年4月 か ら206年2月 ま で に 経 験 し た テ ン ションフリー法術後の再発もしくは再々発例22例 23側 で 内 訳はメッシュプラグ法術後3例 4側 under-ray法術後9例 TAPP法術後7例 Direct Kugel法術後2例 である メッシュ プラグ法術後の再発形式は全例II型であり 年以内に再発した 6病変のうち初回形式I型と判断されたのが2病変で 病変の見落 としの可能性が考えられた under-ray法術後の再発形式はi型 が5例 II型が4例であった 年以内に再発した6例の再発形式 はI型が3例 II型が3例で 6例とも初回手術と同様の再発形式 であった 残りの3例は初回手術から3年以上経過後に再発した 症例で II型 I型 I型 II型 I型 I型がそれぞれ例であった 尚 9例のうち3年以上経過後に再発した3例は当科にて初回手 術を施行した症例であり 剥離範囲の不足やメッシュの大きさ の不足 メッシュのめくれやずれなどが原因と考えられた 当 科では最近 初回手術時にTEP法またはTAPP法を選択してい るが 可能な限り再発を起こさないために 腹膜前腔を剥離後 にヘルニア門や鼠径床を計測することにより剥離範囲の確認や メッシュの選択をしており有用な方法と考えているのであわせ て報告する PD4-3 川下 利晃 河野 独立行政法人 地域医療機能推進機構 金沢病院 外科 剛資 櫨山 尚憲 辛 宣廣 立石 医療法人 福岡青洲会病院 内視鏡外科 ヘルニアセンター TAPP 法再発症例における再発形態とその原因の検討 佐藤 正範 小野田貴信 松山 椎谷 紀彦 野澤 雅之 和田 昌樹 背景 目的 鼠径ヘルニア修復術は近年メッシュを用いたテン ションフリー術式が普及し その良好な術後成績から再発例に 遭遇することは稀な事象となった こうした再発症例の病態把 握は時に困難である 我々は再発性鼠径ヘルニア修復にTAPP を標準術式とし症例に応じ種々の方法に適宜変更している こ れまでの経験を基に初回術式での改善ポイントを考察した 対象と方法 2008年以降 他院からの紹介を含め22例の再発 鼠径ヘルニア対する腹腔鏡下修復術を経験した 初回手術は前 方アプローチが8例 TEP2例 TAPP2例 手術のコンセプ トはまず腹腔鏡下に観察 既存のメッシュは極力温存し再発ヘ ルニア門を構成する解剖を把握 Overlapしつつ適切なサイズ のメッシュにて修復しタッキング固定する 初回手術が腹膜前 修復術の際など前方からのアプローチが有用な症例にはHybrid 腹腔鏡モニター下前方手術 とする 結果および結語 各種アプローチ法によりヘルニア嚢の確認 剥離範囲 使用メッシュ等に違いが生じ 再発形式もそれら を反映していた 主因はヘルニア嚢見落とし メッシュ収縮 やdislocationによる修復不全等である 再発は術者learning curveの早期に出現しやすいことは論をまたず 一つの術式を真 摯に極める姿勢も重要と思われる 多彩な術式が混在する現代 ヘルニア修復術において以上の観点からもTAPP修復は優れた 術式と考える 温子 渡辺 英俊 貴洋 浜松医科大学 第一外科 2 島田市民病院 外科 目的 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP法 術後の再発形態 を調べ その原因を検討し 再発予防のため要点を知る 方法 当科で初回TAPPを受けた成人鼠径ヘルニア775例のう ち同側再発症例4例を対象とし 再手術時のヘルニア再発形態 および初回手術時の手術手技 剥離範囲 メッシュカバー範囲や しわなど について ビデオをレビューし 再発の原因を検討し た 結果 JHSI型の再発形態を示す症例では初回手術時に 不充分 な外側のメッシュ カバーないしメッシュ展開時の折れやしわ が7/8例に認められた II型の再発形態を示す症例では 内側 への剥離 腹直筋及びクーパー靭帯の露出 が不充分であること が5/5例に認められた Myopectineal orificeを完全に覆う術 式を原則とした2003年4月で 初回手術時期を前後期に分ける と 前期での再発は9/6例 5.6 後期での再発は5/62例 0.8 であった 前期再発症例では Myopectineal orificeを カバーすることで予防できるエラーがほとんどだった 一方 後期の5例すべてがメッシュの外背側から脱出するI型で再発し ていた p 0.00 結論 II型での再発は 内側の充分な剥離とメッシュ カバーに より防ぐことができる I型の再発を予防するためは 外側 背 側に充分な剥離と十分なメッシュ展開が必要である
94 PD4-5 PD4-6 腹腔内から考える 再発のない適切な腹膜前修復法 TAPP 導入後 6 年の再発要因 宮木祐一郎 田原 野明 俊裕 荒木 入江 朋子 家守 石見 拓人 高野 聖隷浜松病院 外科 俊哉 田村 峻介 前田 杏梨 牛田進一郎 目 的 鼠 経 部 ヘ ル ニ ア に 対 す る 腹 膜 前 修 復 法 後 の 再 発 は Myopectineal orifice MPO 領域の被覆不十分が主な理由で ある 腹膜前修復法における再発を無くすために 腹膜前修復 法術後に腹腔内から観察しえた症例を基に考察した 方法 対象は205年から206年の2年間に当院で施行された 鼠径部ヘルニア手術症例である 292患者327側の鼠経部ヘル ニア手術において 8側を腹腔内から観察してきた 2例に おいては再発症例であり また対側発生の症例を20例経験し た 腹膜前修復法後の再発は6例 対側発生は7例であった 術 中所見をもとに原因を検討した 結果 再発症例の原因としては 主にメッシュの被覆不十分が 考えられた メッシュの配置不良やmigration shrinkageなど によりMPO領域が覆い切れておらず また腹膜が適切かつ十分 に剥離されていないために メッシュ辺縁が折れ返り背側から の再発を認めていた 考察 MPO領域を十分に被覆するためには 適切なサイズの メッシュを適切に展開して適切に配置する必要がある 被覆す べきMPO領域を計測した結果 平均は横6.6cm 縦3.5cmで あった ずれ防止のために3cmの幅を加えると 横3cm 縦 0cm以上のメッシュが必要となる メッシュ折れ返りの原因は 腹膜の不十分な剥離であり 鼠径部の立体構造を理解して適切 な剥離範囲を確保する必要がある また メッシュ敷設後に辺 縁の折れ返りがないことを十分に確認することが必要である 社会医療法人社団高野会 くるめ病院 2 久留米大学 外科 PD4-8 鼠径部ヘルニアに対する TAPP 再発症例と改善策 穣 瀬木 昭信 長沼 洋之 雅人 背景 当院では20年にTAPPを導入し 当初は術者により鼠 径部法とTAPPをおよそ半々で行っていた TAPP手術の安定を 期に 205年7月よりTAPPを基本術式とし TAPPが不適切と 考えられた症例を鼠径部法で行うこととした 目的 当院で行われたTAPPにおける手術時間 再発率 再発 要因を検証する 対象と方法 20年4月から206年2月までに当院で行われ た鼠径ヘルニア手術279例 診療録より手術時間 再発の有無 再発要因 合併症を抽出した 術式は TAPP40例 鼠径部法 39例このうち他の手術に併設して行われたTAPPで例 鼠径 部法例を除いたTAPP39例 鼠径部法38例で検討した 結 果 TAPPの 比 率 は20年 が40 で あ っ た 204年 年 年は89. と上昇した 手術 時 間 は 平 均 で20年4分 202年7分 203年2分 204年09分 205年09分と徐々に低下206年は38分と 上昇したが新たな術者が加わったためと思われた 再発は4例 TAPP3例 クーゲル法例で認められ TAPPの2例はII型でヘ ルニア門内側縁から3cmが確保されていなかった 例はI型で あったが外側のメッシュ貼付範囲が不十分であり すべての症 例で3cmルールが守られていなかった 考察 再発予防にはヘルニア門周囲の剥離を十分に行い3cm以 上の範囲にメッシュを貼付することが重要であると考えられた PD4-7 田中 近藤 靖三 的野 敬子 小篠 雅大 河野由紀子 石見 正博 赤木 由人 2 祐樹 小松原春菜 野口 達史 大介 河埜 2 型鼠径ヘルニア修復術における腹膜鞘状突起の処理 道夫 柳 健 柏原 元 東京デイサージェリークリニック 済生会松阪総合病院外科 当科では過去5年間で鼠径部ヘルニアに対してTAPP329例を施 行し3例の再発を経験した 再発原因を検証し手技の改善を重ね てきたので報告する 内側再発 内鼠径ヘルニアの例はTAPP導入7例目で28 ヶ月後 に 併存型の例は33例目で8 ヶ月後に内側再発をきたしメッ シュプラグ法で修復した 初回手術時のビデオを検証したとこ ろ 内側の剥離とメッシュのオーバーラップ不足が原因と考え られたため 改善策として剥離範囲を腹側は横筋腱膜弓から 3cm 内側は腹直筋正中縁から恥骨結合部 背側はクーパー靱 帯から2cm以上とし 剥離範囲計測後 内側背側を重視した形 状に5 5cmのフラットメッシュをトリミングして ヘルニ ア門から3cm以上のオーバーラップするように留置固定したと ころ再発はなくなった 外側再発 外鼠径ヘルニアの例は276例目の回盲部全体が滑 脱した6cm大の巨大再発ヘルニアで ヘルニア門は5 4cmで あった 5 cm大のlight weight meshで修復したが 手術 翌日に再発を来しTAPPで再修復した 手術所見ではメッシュ 背側が押し出されるように逸脱しており メッシュの強度不足 と考え 5 0cm大の heavy weight meshで修復したところ 再発なく経過している 結語 内鼠径ヘルニアでは内側背側の十分な剥離とヘルニア門 から3cm以上オーバーラップできるメッシュを留置すること 外鼠径ヘルニアでヘルニア門が大きい場合にはheavy weight meshの使用を検討すべきである 日本ヘルニア学会の鼠径ヘルニア分類での2型ヘルニア いわゆ る内鼠径ヘルニアに対する修復術後の再発形式として型ヘル ニア いわゆる外鼠径ヘルニアが発症する事がしばしば散見さ れる 原因としては初回の2型ヘルニア修復術時に2型ヘルニア のみを修復し 腹膜鞘状突起を確認していない事が考えられる 腹膜鞘状突起はほとんど無いものから4型 併存型 と言えるほど 長いものまで様々であり 長いものを放置した場合は早期の再 発につながる可能性が高いため 2型鼠径ヘルニア修復時に確実 に処理しておく事が重要と考える 具体的には2型鼠径ヘルニ アの術中に精索を牽引し 根部の腹膜鞘状突起を確認する 鞘 状突起先端部末梢側の外精筋膜に局所麻酔もしくは生食を注入 し外精筋膜を切開する 次に鞘状突起先端部を鑷子にて把持し 鈍的に腹膜前腔方向に剥離する のちに腹膜前腔剥離時に同部 位のparietalizationを充分に行い Underlay deviceの内側に 剥離した鞘状突起部を納める 当院では205年月より206 年2月までに953例の鼠径部ヘルニア修復術を施行しており そのうち2型鼠径ヘルニアは265例であった その全てにこの方 法を行っており型再発を認めていない 当日は動画を含めて当 院の手技を供覧し 議論を通して更なる再発予防に努めたい
95 PD5- PD5-2 TAPP 法後に再発をきたした 3 症例 田崎 亀田 達也 佐々木 靖子 田妻 JA 広島総合病院 外科 秀 香山 昌 新原 茂平 杉山 健介 今村 内鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下ヘルニア修復術 TAPP の標準化 陽一 上神慎之介 祐司 中光 篤志 太枝 はじめに 当科で203年9月から207年月までにTAPP法を 行った428症例526病変のうち 再発をきたした3例の詳細を報 告する 症 例 症 例 50歳 代 男 性 身 長62.3cm 体 重77.6kg BMI 年 右内鼠径ヘルニアに対してKugel法施行 2007年 JHS分類IV型 I-2型とII-型膀胱ヘルニアの併存型 再 発を認めたため Plug法施行 204年 再々発に対してTAPP 法施行 再発形式はII-型膀胱ヘルニアであり Kugel patchと plugの間にヘルニア門を認めた 年後 さらなる膀胱ヘルニア 型再発をきたしたため 再度のTAPP法で修復した 症例2 40 歳代 男性 身長63cm 体重8kg BMI30.5 両側JHSI-2 型外鼠径ヘルニアに対してTAPP法施行 約年後より左鼠径 部膨隆を認めたため 再度のTAPP法施行 メッシュの外側背 側からの捲れ上がりが原因と思われるJHSI-2型再発であった 症例3 70歳代 男性 脳梗塞後遺症のため左片麻痺あり 左 JHSI-3 右JHS-2型 外 鼠 径 ヘ ル ニ ア に 対 し てTAPP法 施 行 約年後より右鼠径部膨隆を認めたため plug法で修復 JHS分 類I-2型再発であった 結語 TAPP法の再発を予防するためには内側前腹壁側および 外側背側への十分なメッシュ展開が必要であるが 今回の3症例 の反省点 現在の定型化されたTAPP法手技の限界について考 察する 内視鏡外科学会の報告によれば腹腔鏡下ヘルニア修復術 TAPP の再発率は3.0 と未だ高率となっている 私見では内 鼠径ヘルニア症例に再発が多く 全体の高再発率に繋がってい ると考えている 一見外鼠径ヘルニア手術に比して容易と思わ れがちな内鼠径ヘルニアに対するTAPPの標準化が肝要と考え ている 発表者は203年0月よりTAPPを開始し 207年 月までに自ら執刀した症例数は48病変であった その内 内 鼠径ヘルニアは48病変 32.4 であった 外内鼠径分類比率 からすると内鼠径症例の割合が高くなっているのは自ら好んで 内鼠径ヘルニアの症例を行っていることによる この間の短期 再発例 年未満 は内鼠径ヘルニア 膀胱上窩ヘルニア の2例で あった 内外鼠径ヘルニア全体での再発率は.4 2/48 内鼠径ヘルニアに対する再発率は4.2 2/48 となる 再発の 要因はメッシュの逸脱 メッシュの展開不足 pseudosacの不 完全離断による再スライディングと考えられた 例はHybrid 手術により鼠径法で修復完治したが もう例は経過観察中であ る 内鼠径ヘルニア再発を2例経験した後に再発防止策を十分に 検討し 現在までの連続40病変に再発ゼロを経験している そ の防止策 手技をビデオも含め報告する PD5-3 PD5-4 当院の膨潤手技併用腹腔鏡下鼠径部ヘルニア修復術 いわゆ る Second look 手術での検討 進 岡田 誠也 永川 和也 岸川 良夫 千葉県済生会習志野病院 外科 寛徳 カーペンターいづみ 川上 博紀 再発を来した左 I 3 の sliding hernia の 例 金廣 津村 俊介 哲也 垰越 裕昭 宏幸 村尾 直樹 新津 宏明 山岡 裕昭 広島市立舟入市民病院 医療法人 光晴会病院 外科 204年月より 徳村らの開発した膨潤手技併用腹腔鏡下鼠径 部ヘルニア修復術 以下 膨潤TAPP を導入し207年月現在 250症例に施行した 自験例のうち臨床的に再発はないものの いわゆるSecond look手術を施行した2症例における初回手術 およびSecond look手術所見を提示し メッシュ展開 固定の 注意点 工夫について考察する 症例 43歳 男性 左JHS II-ヘルニアに対し 膨潤TAPPを施行した 術後5 ヶ月目に対 側鼠径部ヘルニアが出現した 再度膨潤TAPPを施行したとこ ろ 左鼠径部ではメッシュの背側正中側 内側臍ヒダの腹壁側 が腹腔側へ浮き上がっている所見を認めた 初回手術所見でも 腹膜前腔剥離範囲は十分であり タッカー固定脱落の可能性も 疑われた 症例2 58歳 男性 右JHS I-2ヘルニアに対し 膨 潤TAPPを施行した 術後5 ヶ月目に無症候性胆嚢内結石症に対 する腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行したところ 右鼠径部ではメッ シュの背側外側 外側三角の背側 が腹腔側へ浮き上がっている 所見を認めた 初回手術所見で外側三角の背側のメッシュ被覆 範囲は十分であったが メッシュから腹膜剥離縁までの距離が 短く 腹膜閉鎖 気腹終了時の腹壁形態変化によりメッシュ辺 縁が浮き上がってしまったものと推測した 今回I-3のヘルニアに対してTAPP法を行い 術後早期に再発を 来した症例を経験したので報告する 症例 65才男性 0年前からの左鼠径部腫瘤を主訴に来院 USで左鼠径ヘルニアI-3 scrotal herniaの術前診断で手術 腹 腔鏡下左鼠径ヘルニア修復術 TAPP法 施行 3ポートで手術開 始 ヘルニア門腹側にS状結腸が強固に癒着 その尾側からさ らに結腸がヘルニア門内に向かって脱出しヘルニア嚢内への癒 着あり これらが全体的に脱出するsliding herniaと考えられ た ポートを本追加して4ポートとした 助手鉗子でS状結腸 を腹腔側に牽引しながらヘルニア門外側で腹膜切開を開始し剥 離を行った 術中診断で4cm大のヘルニア門を有するindirect hernia 5 0cmフラットメッシュを留置した 術後.5 ヶ 月で左鼠径ヘルニアの再発を認め 5 ヶ月後に再手術 腹腔鏡 下に観察後に鼠径部切開法で修復とした 前回のヘルニア門に 腹腔内から脂肪織が脱出して再発 再発形式 Rec I-2 / ヘル ニア門.5cm大 前方からプラグ型メッシュを用いて行った 考察 ヘルニア門の大きい症例では背側外側への十分な剥離範 囲とより大きなサイズのメッシュ留置またはメッシュ 2枚使用 が必要であると考えられた
96 PD5-5 PD5-6 再発させない TEP のコツ 膨潤 TAPP における再発例の検討 和田 野村 松村 千年 寛也 青柳 福岡逓信病院 外科 幸彦 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 LH は習熟した外科医が行えば再発 や合併症の少ない理想的な術式であるが JSESアンケート調査 で最近のLHの件数 割合の急増とともに高い再発率が報告され た 熟練者のコツを理解せずに安易に導入した結果であれば対 策が必要である 演者はTEP を999年月から206年2月 再発率0.3% でPDB拡張を盲 に632例施行したが 再発は2例 目的方法で時期の症例 54 74例目 であった 自験例以外 の再発2例も経験し 4例とも再発形式を腹腔鏡下に診断し再治 療を行った 3例はメッシュが内鼠径輪を覆って無く背側の剥 離が不十分なため外鼠径ヘルニアとして再発し 例は初回治 療で内鼠径ヘルニア嚢の還納をしたがメッシュ展開時にヘルニ ア門をカバーしなかったため内鼠径ヘルニアとして再発してい る 教訓を活かし再発の無いTEPを施行するコツは以下と考え 実践している 良好な広い操作空間を確保するため IEV起 始部が見える方向にバルーンを挿入しIEVをバルーン腹側に見 ながら拡張する方法 非盲目的なバルーン剥離 を行う さらに 操作空間が狭い場合は気腹圧 筋弛緩 頭低位 腹膜損傷など を確認する 2 十分なマージンを確保するため広範囲に剥離し 5x0cmの大きなメッシュを基本的に使用する 3 内側および 腹側は自然に大きく剥離されているので背側がとくに過小にな らない様に剥離しメッシュ下縁を腹壁と腹膜の間に歪みなく差 し込むように展開する 良平 徳村 直樹 武藤 大勝 佐藤 東北労災病院 外科 弘実 片寄 満完 羽根田 馨 友 高橋 祥 安本 賢一 西條 文人 明浩 澤田健太郎 はじめに 当科では20年より腹腔鏡下にヘルニア 修復をお こなうTAPP transabdominal preperitoneal repair 法の手 技的難点を解決する目的で腹膜下にエピネフリン加膨潤麻酔剤 希釈液を大量注入する膨潤TAPP 法を施行している 適応と対象 TAPPの適応は 初期00例目まで 80歳以下で ASA PS 2として前立腺全摘後 巨大陰嚢型 下腹部手術後 ワーファリン例抗凝固剤 メッシュ使用再発ヘルニアは除外し ていたが 現在はPS3以上を除いてすべて適応としている こ れまで200年月より540例を経験した 男478例 女性62 例 平均年齢63.2歳であった 方法 生理食塩水70ml アドレナリンmg/ml 0.2 ml キシ ロカイン%30mlの膨潤液200mlを作成する Hesselbach三角 上方 外側三角下方 外側三角上方の順に それぞれ鼠径部腹 膜前層に膨潤液50mlと炭酸ガス50mlを注入する 結果 術後再発例を二例に認めた 二例はともに滑脱型の-3 であった 再発時の手術はTAPPで行った いずれもヘルニア 門の背側のメッシュがめくれておりタッキングをしていない部 位からの再発であった 以降滑脱型-3症例ではとくに背側の 剥離を徹底しできるだけ大きいメッシュ 5 cm以上 を展 開するよう心がけている 結語 鼠径床の剥離手技を容易にする膨潤TAPPの普及が望ま れる PD5-7 PD6- TAPP 法術後再発症例に対する膨潤麻酔併用単孔式 TEP 法に よる修復の経験 腹壁瘢痕 / ポートサイトヘルニアを起こさないための工夫 若手外科医への閉創教育 山野 坂本 武寿 姫路中央病院 胃腸科外科 腹腔鏡下手術を含む腹膜前腔を剥離する鼠径ヘルニア手術術後 の再発は 初回手術の剥離範囲とメッシュを覆う瘢痕組織の剥 離が困難であるケースが多い 通常我々の施設では再発症例に 対してTAPP法を施行しているが 今回5年前に施行された TAAP法術後の再発症例を単孔式TEP法により修復できたので 報告する TAPP法は外側の内鼠径輪周囲の剥離に優れ 対し てTEP法は内側の膀胱上 ヘッセルバッハ3角周囲の剥離が容 易といった異なるアプローチ経路に起因する操作の優位性の相 違があると考えられている その優位性を生かした術式の選択 をすべく 手術の際まず臍輪から腹腔内観察を行い前回挿入さ れたメッシュが内側方向へ偏移しメッシュに覆われていない内 鼠径輪からヘルニア嚢が脱出する再発形態を確認した 次に内 鼠径輪周囲の癒着を評価すべく体表から穿刺し膨潤麻酔を内鼠 径輪周囲に局注することにより この部位に腹膜外の癒着を認 めないことが判明したためメッシュが偏位した内側に強固な癒 着があると判断し内側剥離に優れる 単孔 TEP法を採用し,腹 膜 メッシュ間の癒着は鋭的操作を加え 他は鈍的剥離にて完 遂した 本症例のような再発症例に対して腹腔内観察と膨潤麻 酔の併用は TAPP法若くは単孔TEP法を選択するといった再 発形態に適した術式を選択できる簡単な一工夫であると考えた ため報告する 太郎 三澤 健之 2 吉田 和彦 3 矢永 勝彦 4 東京慈恵会医科大学附属病院 肝胆膵外科 東京慈恵会医科大学附属柏 病院 外科 3 東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター 外科 4 東京慈 恵会医科大学附属病院 消化器外科 2 背景 腹腔鏡下胆嚢摘出術 LC 術後のPH発生率は 実に25% を超えるとの前向き研究も報告され ポートサイトヘルニア PH の予防法確立が望まれる LCにおいて 4 port法とsils での術後PHを比較したRCTのメタアナリシスでは両群に差が無 く 大きな開腹創は むしろ確実な閉腹が出来るという点でPH のリスクを低減させるという意見も多い そこで PHの予防に は確実な閉腹が最重要という当然の仮定のもと 当科若手術者 の臍下ポート創閉鎖手技の問題点を抽出し それに対する対策 を検討した 問題点の抽出と対策 2007年月 206年2月までに当科 で施行したLC,49例中 PHは3例 0.2% のみ認めたもの の 実際を反映していないと予想される 206年のLC 22 例 のうち 卒後0年目以下の若手4名が術者であった割合は 54 であった 当科での臍部創閉鎖は 5/8円周の強強彎針に よる4針全層縫合を基本としている 同4名の閉創手技を観察し たところ 3名で頭尾側端の刺入出点に問題が有り 2名で全層 のかけ幅が不十分であった 結紮手技は名が不確実と考えられ た 全国的に若手医師が執刀する割合が多いと考えられるLCに おいて 若手医師への確実な外科手技の伝達こそがPHの予防と して最重要と考えられた 当科で指導している閉鎖手技につき Videoで提示する
97 PD6-2 PD6-3 当院におけるポートサイトヘルニアを起こさないための工夫 河合 裕成 三澤 健之 笹屋 慈心会 青山病院 外科 一人 青山 大腸癌に対する Reduced Port Surgery における創閉鎖の 工夫 賀茂 はじめに 腹腔鏡下胆嚢摘出術後のポートサイトヘルニアは 0.3 か ら5.4 と 報 告 さ れ て お り 腸 閉 塞 絞 扼 穿 孔 な どの重篤な合併症を引き起こす恐れがある ポートサイトヘ ル ニ ア 予 防 の た め 現 在 ま で に30種 類 近 く のPort-closure techniques が報告されており 再発率 手技の安全性 簡便 性 再現性 コストなどが検討されている 対象と方法 当院では999年3月から207年3月までの8年 間に305件の腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した 腹腔鏡下胆嚢摘 出術に斜視型硬性鏡を使用しており 臍部2 カメラポート はHasson法で留置している 残り3ポートは心窩部 右肋骨 弓下鎖骨中線 右肋骨弓下前腋窩線に各々 5 ポート Hakko: EZtrocar ス マ ー ト イ ン サ ー シ ョ ン を 使 用 し て い る カ メ ラポート挿入部は 開腹時に 特注の強彎 角針 50 の 松田医科工業 を用いて両側へ 号 ポリグリコール酸縫合糸 全層で針糸をかけ ポートを固定 閉腹時はDual-hemostat techniqueにて全層で5針結節縫合を追加している 最後にカメ ラポート固定用の左右両側の支持糸を本ずつ結節縫合し 閉腹 している 5 ポート挿入部は 筋膜閉鎖は施行せず ステー プラでの皮膚閉鎖のみとしている 若干の文献的考察を含めて 当院で試行している開腹 閉腹の方法をビデオで供覧する 永仮 神田 町田市民病院 外科 義人 吉川征一郎 大内 大輔 小濱信太郎 野本 昌和 潤 はじめに 近年 整容性を重視したReduced Port Surgery(RPS) は術後QOLの 向 上 が 期 待 さ れ 増 加 傾 向 に あ る し か し ヘ ル ニ ア な ど を き た す こ と で 術 後QOLは 著 し く 低 下 す る 当 科 で は2009年 に 大 腸 癌 に 対 し てRPSを 導 入 し Single Port Surgery(SPS)を進めてきている 創感染のある症例ではヘルニ アの頻度も高くなることからSSIの予防を行い 良好な創傷治癒 が得られるよう当科で施行している臍部創閉鎖の工夫について 報告する 対象 2009年から現在までRPS 336例を対象とした SPSの 適応はcSS,CNとしBMIや腫瘍の局在に制限はない 手技 臍部に切開を加え臍窩より開腹 筋膜 腹膜を切開する Wound Protectorを装着し EZアクセスを装着したのち気腹 を行い腹腔内操作を終了する 操作終了後 小切開直下に癒着 防止シートをおき 腹膜 筋膜を吸収性のモノフィラメントで 連続または結節縫合 表皮閉鎖前 生理食塩水で高圧洗浄後 モノフィラメント吸収糸で結節真皮埋没縫合閉腹する その後 臍部創に乾綿球を置きドレッシング材を貼付し手術を終了した 術後2日目にドレッシング材および乾綿球を除去し 創を開放 まとめ これまでの症例では創感染を5例にみとめ1例腹壁瘢 痕ヘルニアを経験し手術を施行した 当院の従来法の合併症と 比べても遜色ない結果である PD6-5 腹腔鏡下低位前方切除術後にドレーン抜去部に発症した 5mm ポートサイトヘルニアの一例 桃子 羽生 秀樹 岩崎 靖大 宮國 正氣 飯田 憲範 東 順天堂大学医学部附属浦安病院外科 PD6-4 小郷 金井 高野 邦彦 福永 聡 平﨑 信義 保谷 泰三 武田 憲昭 腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニアにおけるポート部創閉鎖の工夫 中林 飯田 芳行 平野 純 川崎 成郎 光正 篠原万里枝 梶 沙友里 幸夫 大樂 智憲 船水 勝司 百瀬 尚武 匡亨 平本 悠樹 友利 賢太 川口市立医療センター 消化器外科 症例は80歳代 女性 直腸癌 ct2 N0 M0 stagei に対し腹腔 鏡下低位前方切除術を施行した 術後4日目より食事を開始 術 後5日目にドレーンを抜去した ドレーンは左側腹部5mmポー ト孔から腹膜を這わせて左下腹部の5mmポートを経由し 8mm ドレーンを留置していた ドレーン抜去から4時間後の同日夕 方 ドレーン抜去部の膨隆と疼痛を認めた ポートサイトヘル ニアを疑い腹部CT検査を施行した 左下腹部ポート孔から皮下 へ小腸の脱出を認めた 用手的還納を試みるも困難であり 緊 急手術を施行した 左下腹部のポート孔を延長し切開すると脱 出小腸を認めた 小腸は発赤を認めたが筋膜切開にて嵌頓を解 除したところ色調の改善を認め 腸管切除は行わず 単閉鎖に て修復し手術を終了した 高齢であり腹壁が脆弱であったこと 5mmポート孔から8mmドレーンを留置したことで筋膜損傷が 拡張した ドレーン抜去時に陰圧がかかっていた可能性などが 考えられた 診断 治療が遅れた場合には腸管壊死を引き起こ す可能性が高く ドレーン抜去後の診察に留意する必要がある ドレーン抜去に伴うポートサイトヘルニアを経験したので 若 干の文献的考察を加え報告する 腹壁瘢痕ヘルニアに対する腹腔鏡下修復術は普及しつつあるが ポート留置により新たな切開創を作製することで生じるポート サイトヘルニアの発生は防止すべきである われわれの工夫は 2mmポート部も含めてヘルニア門をメッシュで被覆すること により ポートサイトヘルニアを予防する手技である 腹腔鏡 下腹壁瘢痕ヘルニア修復術の手術手技 特にポート留置部の創 閉鎖法につきビデオで供覧する Case 67歳 男性 下行結腸癌の口側穿孔に対し正中切開 による緊急ハルトマン 横行結腸人工肛門増設術を施行 後日 人工肛門閉鎖術が施行されたが正中創は瘢痕ヘルニアとなった USで癒着なきを確認 左上腹部ストーマ閉鎖部外側に2cmの小 開腹で2mmポートを留置 5mmポートを追加 6ポートでの オペ ストーマ閉鎖部を含む気腹下での腹壁脆弱範囲は25 縦 4 横 cm ヘルニア門閉鎖により 脆弱範囲は25cm 7cmに減少 ストーマ閉鎖部と2mmポート部を含むように35 20cmにトリミングしたメッシュを使用 以後は5ポートでの 操作で腹壁にメッシュを固定 Case 2 2mmポート部の閉創にストラップ付きのメッシュを 使用 手技と使用感を報告 結語 2mmポート部を被覆するように丁寧にメッシュをデザ インすることで ポートサイトヘルニアは予防可能と考える また ストラップ付きのメッシュによるポート創の閉鎖は簡便 で 皮下脂肪が厚く腹壁閉鎖に難渋する症例に有用と考える
98 PD7- PD7-2 肥満症例に対する腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術 楢崎 藤田 肇 森田 美芳 高行 桑谷 俊彦 中山 智英 福島 高度肥満症例におけるオプティカル法を用いたトロッカー留 置 正之 道躰 良元 北海道消化器科病院 外科 隆行 市原 和久 吉田 恒平 谷田部沙織 阿部 清哉 梶本 徹也 柏木 富士市立中央病院 外科 世界的に肥満は増加傾向にある 日本成人における肥満患者の 人口比率は海外と比較して低いものの その傾向は同様であ る 当科では202年月に腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術 LVHR を導入し 以降 同術式を腹壁瘢痕ヘルニアに対する 第一選択としている 207年3月までに34例のLVHRを施行し 26.5% 含まれて ているが BMI 30kg/m2の肥満症例が9例 いた LVHRの難易度は ヘルニア門の位置や大きさ 腹腔内 の癒着の程度に主に左右され 肥満症例だからといって特別な 工夫を行う必要はない しかし 肥満症例に対しても安全 確 実にLVHRを施行できるよう 以下の事に注意すべきである 一つめは 腹壁が厚いことにより体表と体腔の計測誤差が起こ りやすいことである 当科では 適切なサイズのメッシュ選択 のため ヘルニア門の計測は体腔内にメジャーを入れて行って いる また 腹壁の適切な位置にメッシュを展開できるよう 吊り上げ糸はメッシュ長軸上の2点のみとし 鏡視下に皺が無 い事を確認しながらタック固定を行うLVHRのメリットを生か した方法を行っている 二つめに 厚い腹壁へのポート挿入で ある 腸管損傷なく 最小限の腹壁破壊でポート挿入できるよ う 術前にエコーで腹壁への癒着の有無を必ず確認し オプ ティカル法で第一ポートを挿入している 当科の検討では 肥 満症例9例と非肥満症例25例で ヘルニア門の長径 手術時間 術中合併症 再発率など BMI以外の背景や手術成績に差を認 めなかった 恭平 坪井 秀幸 一人 腹腔鏡手術において第一トロッカーの挿入はオープン法が主流 であるが 腹壁が厚い高度肥満症例に対してオープン法は事実 上不可能である 肥満症例を扱う場合には鼠径 腹壁ヘルニア に限らず すべての腹腔鏡手術においてオプティカル法に熟達 していることが肝要と言える またオプティカル法の習熟は 非肥満症例に対してもトロッカー留置方法の幅を拡げることと なる オプティカル法の手技 適応と注意点 さらに肥満症例 におけるトロッカー配置の工夫などについて述べる PD7-3 PD7-4 鼠径部 腹ヘルニアにおける高度肥満患者の割合と治療上の 留意点 当院における肥満患者の腹壁瘢痕ヘルニアに対する治療戦略 と成績 堀 高石 横井 雫 鹿野 孝吏 柿崎奈々子 最上 祐子 田中 良明 寺田 寺田病院 外科 恭至 鈴木啓一郎 葛岡健太郎 俊明 勇真 砂川 真人 末永 敏雄 服部 祐輝 蜂須賀丈博 松野 泰人 坂田 和規 服部 圭祐 水野 豊 丸山 市立四日市病院 外科 当院は 鼠径部 腹壁 大腸 肛門疾患に特化した50床の病院 で あ る 203年2月 か ら206年2月 ま で に 44例 の 腹 部 ヘルニア手術を施行した 肥満症治療ガイドライン206の定義 に基づき BMI 35を高度肥満患とした 246例の鼠径部ヘ ルニア手術のうちBMIが記録されていた202例中BMI 35は5 症例6病変であった また 同時期の腹壁ヘルニア手術は68例 で BMIが記録されていた6例中BMI 35は5例であった 再 発を含め術後合併症は認めなかった 一般に高度肥満患者は併 存疾患が多く麻酔や手術危険度が高いとされている さらに術 野の展開が困難なことが多く 手術時間が長くなる場合が多い 今回の検討では 高度肥満患者の割合は鼠径部ヘルニア症例で 0.5 腹壁ヘルニア症例でも3.0 程度と意外と低かった ま た 精神神経発育の違いも認めなかった 従って 手術に際し ての注意事項に関する理解度も通常の体格の人と大差なく 術 前に大きな困難は感じなかった しかし 体重が200Kgを超え た症例は ストレッチャー 手術台 CTなどの耐荷重の確認を 必要とした 術中はやはり術野の展開が難しく 通常よりも大 きな皮膚切開を必要とした 術後は患者移動の介助に労力を要 した以外は 食事量不足の訴えがあった程度であった 症例数 が少なく結論付けることは困難であるが 併存疾患のスクリー ニングを怠らず 短時間の臥床で終わらせるべく麻酔と手術が 熟練者によって施行されるべきであると考える 将宏 竹田 正嗣 寺本 浩高 森 直也 仁 敏宏 はじめに 当院では腹壁瘢痕ヘルニアに対する手術として メッシュと筋膜の間 に連続した肉芽形成を促す前方到達法を基本術式とし さらにヘルニ ア門の部位と大きさによって術式を選択している 今回我々は 肥満 患者における腹壁瘢痕ヘルニア手術においても良好な結果を得られた ため 各術式の留意点を含め 臨牀的検討を加えて報告する 対象 20年から207年2月までに施行したBMI 25 日本肥満学会規定 の肥満患者2例 方法 当 院 で は ヘ ル ニ ア 門 が6cm以 上 か 弓 状 線 よ り 尾 側 の 症 例 に は retromuscular/preperitoneal法を行っている また ヘルニア門が弓 状線より頭側で3cm以上6cm以下の症例には腹腔内にVENTRALIGHT を 3cm以下の症例にはVentralexを留置する方法も行っている 腸管 穿孔など人工物での修復が困難な症例ではComponents separation法 を行っている 肥満患者においても同様の基準を用いて手術施行しているが 術前に 体重減少を指導し予定手術を行っている 結果 肥満患者に対する腹壁瘢痕ヘルニア手術を20例のうち retromuscular/ preperitoneal法を3例に施行した VENTRALIGHT法を6例施行した Components separation法を2例施行した retromuscular/preperitoneal 法で例再発を認めたが 他の方法で再発を認めなかった 在院日数な どにおいても良好な成績が得られた 結語 当院における肥満患者に対する腹壁瘢痕ヘルニアの治療戦略は 他の 患者同様に前方からヘルニア門の大きさや部位で手術法を選択し良好 な結果が得られており 妥当な治療適応であると考えられた
99 PD7-5 PD7-6 高度肥満症患者の腹壁ヘルニアに対する治療戦略 宇野 耕平 関 北川美智子 梅澤,2 当院における肥満患者に対する TEP 手術症例の解析からみ た治療戦略 洋介 笠間 和典 若松高太郎 昭子 矢永 勝彦 2 黒川 良望 藤井 成富 四谷メディカルキューブ 減量 糖尿病外科センター 2 東京慈恵会医科 大学 外科 圭 佐藤 優 錦 元 廣田伊千夫 江口 医療法人原三信病院外科 はじめに 肥満は腹壁ヘルニアのリスク因子である 我々は 内科治療抵抗性の高度肥満者に対する腹腔鏡下減量手術を多数 行っているが 臍ヘルニアや以前の開腹手術に起因する腹壁瘢 痕ヘルニアを伴う症例に遭遇することがある 症例 これまでに高度肥満を伴う腹壁ヘルニアを9例 臍ヘルニ ア6 例 腹壁瘢痕ヘルニア3例 経験した 腹壁ヘルニア修復時 の平均体重は8.7±30.3 kg 平均BMIは 42.6±9.6 kg/m2 であった 全例 腹腔鏡下に修復術を行った 臍ヘルニア6例の うち 4例は減量手術とナイロン糸による縫縮を同時に行い 2 例は減量手術後に二期的にメッシュによる修復を行った 縫縮 例の例で創感染を発症し 臍ヘルニアが再発した 腹壁瘢痕ヘ ルニア3例の内訳は 臍ヘルニア術後の再発例 腹腔鏡下胆嚢 摘出術 Lap-C 術後例 Lap-C術後腹壁瘢痕ヘルニアに対す る直視下修復術後の再発例であった Lap-C術後の例は減量 手術と同時に縫縮を行い 残りの2例は二期的にメッシュによる 修復を行い いずれも再発していない 考察 高度肥満者の腹壁ヘルニアは直視下の修復は困難である ことが多く 腹腔鏡下修復術が有効である 消化管切除を伴う 減量手術ではメッシュを使用しないようにしているが ヘルニ ア門の小さな腹壁ヘルニアに関しては 縫縮のみでも比較的良 好な成績が得られている ヘルニア門の大きさなどを考慮して 個別に治療戦略を立てるのが望ましいと考える 宏樹 緒言 我々は肥満患者の成人鼠径ヘルニアに対するTEP手術例 を後ろ向きに検討し治療成績の解析から考え得る戦略を考察し た 対象と方法 202年4月から206年2月の間の成人鼠径ヘル ニアに対するTEP368手術例のうち日本肥満学会基準 20 に 基づきBMI 25kg/m2の患者65例 男63例 女2例 を対象とし 年齢 病型 術式 手術時間 合併症と再発の有無について検 討した 結 果 平 均 年 齢64歳 病 型 は 左30例 右8例 両 側7例 で あった 術式は全例TEPを行い 審査腹腔鏡を併用した症例も あった 手術時間は平均05.9分 片側98.2分 両側27.6分 であり術中気腹症例は4例 5例は両側症例 であった 再発を2 例認めた 考察 肥満症例に対する内視鏡下手術は視野の確保 鉗子操作 に難渋し高い技術が要求される TEPにおいては視覚制限を伴 うため ことさら難易度があがり術中気腹症例も通常より増え ている しかし手術操作の工夫により安全に手術を遂行するこ とができ 肥満症例に対してもヘルニア門をすべて視認した上 で恥骨筋孔を確実に覆うという本質的な目的を達成することが できる 結論 肥満患者に対するTEP症例の手術成績を分析し通常症例 と異なる点を整理 再認識した 肥満症例に対しても手術操作 を工夫することによって安全かつ確実にTEPを施行することは 可能でありTEPの利点を発揮できると考える PD8- PD8-2 IPOM による腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術の治療成績 腹壁ヘルニアに対する治療 中村 謙一 稲葉 田中 守嗣 2 宇山 長浜 雄志 岡島 藤森 喜毅 阿美 建宏 小原井朋成 当間 徹 一樹 野々山敬介 2 早川 一朗 哲史 2 藤田保健衛生大学総合消化器外科 2 刈谷豊田総合病院外科 IPOMplus の短期成績 千怜 冨井 克典 2 鴈野 知春 岡田洋次郎 秀明 2 国家公務員共済組合連合会 九段坂病院 外科 2 東京都保健医療公社 豊 島病院 外科 背景 近年 IPOMにおけるヘルニア門閉鎖の必要性について 議論されている 目的 腹壁瘢痕ヘルニアに対する腹腔鏡下のIPOMのみによる 治療成績を評価した 方法 筆者の前任地で2006年から204年までに施行された26 例と現任地で205年から207年に筆者が携わった9例を合わ せた35例における治療成績をretrospectiveに検討した 手術 は腹腔鏡下に癒着を剥離しヘルニア門を露出させ メッシュを 3cm以上overlapさせ 全層縫合と.5cm間隔のDouble crown 法によるタッカー固定を行った 結果 男性2例 女性23例 年齢中央値70[32-95]歳 BMI中 央値26.[ ]であった ヘルニア門の位置は上腹部6 例 臍付近4例 下腹部8例 上下腹部7例でヘルニア門長径中 央値は6[2-20]cmでヘルニア門に臓器癒着を認めた症例は24例 69% であった 治療成績として出血量中央値2[-50]g 手術 時間中央値4 [32-243]分 術後在院期間中央値4[-9]日で あった 観察期間中央値29[2-84]か月において合併症は創感染 0例 漿液腫例 穿刺の必要なし 3% メッシュ感染0例 2.9% 慢 性 疼 痛0例 でC-D grade 再 発例 C-D gradeⅢb Ⅱ以上のmesh bulge 0例であった また術後3 ヶ月持続した外 側大腿皮神経障害が疑われる大腿外側の灼熱感 C-D gradeⅡ を例 2.9 に認めた 結論 IPOMのみによる腹壁瘢痕ヘルニア修復術は創感染 C-D gradeⅠ以上の漿液腫 慢性疼痛を認めず再発率も低率であっ た また 高齢者に対してもtension freeの修復術であるため 腹式呼吸障害を認めず 術後呼吸器合併症などを生じさせるこ となく安全に行えた 今回腹壁ヘルニアに対するIPOMplus施行例について検討し報 告する 対象及び方法 対象症例は204年月より腹腔鏡下に修復した 瘢痕ヘルニア例であり 206年7月以降の3例はIPOMplus に 加 え て 腹 腔 鏡 下 に 外 腹 斜 筋 腱 膜 の 切 離 を 行 うComponent Separation 以降CS を付加するIPOMplus+CSを行った 結果 既往開腹術は 正中切開0例 右肋弓下切開例であ り ヘルニア門の短径は30-90mm平均63mmであった 例で 広範な腹腔内癒着のため開腹法に変更を要したが残る0例では IPOMplusを完遂できた 術後平均経過観察期間9月 3月-36 月 で 再発 感染などは認めていない 肋弓下切開術後例に対 するIPOMplus例で術後8月経過後も軽度の慢性疼痛を自覚する があるが 他の例での慢性疼痛は認めていない 考察 IPOMplusは従来のIPOMに比して腹壁再建を付加する一 方で 腹壁閉鎖に伴うtensionが創に加わるという特徴を有す る 最長術後3年しか経過していないため長期的な腹壁機能に ついて評価することは困難であるが 短期的には再発やMesh buldgeなどは認めていない 肋弓下切開例で腹壁縫合との関連 を否定できない慢性疼痛が認められていることから 正中切開 以外の症例に対する適応はさらに検討が必要である 結語 正中切開術後症例に対するIPOMplusは効果的な治療法 であるが 腹壁再建の効果に関する長期的な評価が必要になる と考えられる
100 PD8-3 PD8-4 当院における腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術 ヘルニア門閉鎖 の治療成績 横径 0 cm 以上の大きな腹壁瘢痕ヘルニアに対する IPOMPlus の有用性 中林 飯田 柳 舜仁 諏訪 成廣 哲史 下山 幸夫 大樂 智憲 船水 勝司 百瀬 尚武 匡亨 平本 悠樹 友利 賢太 川口市立医療センター 消化器外科 2004年2月以後 腹壁ヘルニア60例に対し腹腔鏡下修復術を 施行 202年2月よりヘルニア門を閉鎖後 メッシュを腹腔 内に留置する方法 IPOM+ を導入 3例に施行した ヘルニア 門非閉鎖 IPOM 29例と比較検討した 結果 IPOM+ IPOM 年齢 7.7± ±0.6 p 0.05 性差 男/女;7/4:5/4例 BMI 24.8± ±7.8 ヘルニア門横径 4.9±2.4 最大4 5.0± ±73:67 最大2 cm の患者背景に差なし 手術時間 ±56分 出血量 8.2±0.6:3.9±4.7ml 術後在院日数 4.±2.5:4.±.8日 創感染 0:0例 再発 0:例 に差な し 鎮痛薬使用量 2.0±.2:0.9±0.6回 はIPOM+で増加 p 0.05 CT上のseroma 6:8例 はIPOM+により頻度少なく 早期に消失 メッシュバルジ 正中創症例 /6:6/4例 も減 少 p 0.05 使用メッシュによる各検討項目に差なし 結語 IPOM+に よ り 手 技 は 煩 雑 化 と な り 疼 痛 が 増 強 す る が 手術時間 出血量や在院期間などの短期成績には差がない IPOM+によりseroma やメッシュバルジの頻度を抑制するので 可能ならIPOM+での修復が望ましいと考える 将路 勝彦 2 東京慈恵会医科大学附属第三病院 外科 2 東京慈恵会医科大学外科学講座 PD8-6 腹壁瘢痕ヘルニアに対する腹腔鏡下 IPOM-Plus の有用性 海介 森嶋 琢郎 大津 友好 矢永 目的 横径0cm以上の腹壁瘢痕ヘルニア IH に対するIPOMPlusの有用性を検討した 方法 20年0月から206年2月までに慈恵医大第三病院 で行った腹腔鏡下IH修復術 LIHR 44例中 ヘルニア門横径 が0cm以 上 のIH n=2 に つ い て sipom n=7 とIPOMPlus n=4 の手術成績を比較検討した 調査項目は手術時 間 漿液腫を含む早期術後合併症 術後在院日数 メッシュ膨 隆 再発 術後3 ヵ月以上続く痛みとした データは中央値で 示し 統計学的検索はFisher s exact-test Mann-Whitney s U-testを用い p 0.05で有意とした 結果 sipomとipom-plusの患者背景 年齢 性差 BMI ヘ ルニア型 に差はなかった 手術時間は60 48分で差はなく 合併症も43 2%と差はなかった メッシュ膨隆はsIPOM例の みに3例 42.9% みられ 有意差がみとめられた p= 両群で再発は認めなかった 慢性疼痛はIPOM-Plusにのみ2例 5% みられたが 有意差はなかった 結語 横径0cm以上のIHに対する修復術においてIPOM-Plus はsIPOMと比較し メッシュ膨隆を抑制した PD8-5 山本 勝仁 牛込 雄也 岡本 腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術における IPOM および IPOM-Plus の手術成績 友一 佐々木亘祐 独立行政法人 国立病院機構 千葉医療センター 外科 辻仲 当院では202年5月から腹壁瘢痕ヘルニアに対する標準術式を 腹腔鏡下腹壁ヘルニア手術 以下LVHR とし 206年2月ま でに50例を経験した LVHRは Intraperitoneal onlay mesh 以下IPOM が主流であるが IPOMには通常のIPOMと欠損部 閉 鎖 後 にIPOMを 行 うIPOM-Plusが あ る IPOM-Plusは 通 常 のIPOMと比べmesh bulgingやseroma形成を減少させ 潜在 的な感染リスクを低下させる可能性があることがInternational Endohernia Societyのガイドライン上で述べられており 当 院でも203年2月からLVHRの標準術式としてIPOM-Plusを 行っている 今回われわれは 表面積 5cm2の腹壁瘢痕ヘルニ アに対し行われたIPOM 7例とIPOM-Plus 24例を対象に 手 術時間 術後在院日数 出血量 再発率 合併症発生率 有症 状としてのseroma形成率およびmesh bulgingについて検討を 行った 結果 IPOM vs IPOM-Plus 分 22.8 vs 手術時間 7 [p=0.06] 出血量 ml 0 vs [NS] 術後在院日数 日.8% vs 7 [NS] 再発率 6.7% vs 0% [NS] 合併症発生率 vs 20.8% [NS] seroma形成率 [p 0.0], 58.8% vs 6.7% mesh bulging 2.5% vs 0% [p=0.09] 結果 IPOMと比べIPOM-Plusは 手術時間は長い傾向にある が seroma形成は有意に低率であり mesh bulging も少ない 傾向であった 考察 IPOM-Plusは 腹壁ヘルニア手術の有用な方法の一つで あると考える 眞康 菊川 利奈 染谷 崇徳 遠山 信幸 力山 自治医科大学附属さいたま医療センター 一般消化器外科 敏樹 目的 腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア手術における腹腔内修復法 IPOM お よ びdefect closureを 伴 う 腹 腔 内 修 復 法 IPOMPlus の手術成績を比較する 方法 202年4月から207年2月までに当院で施行した33例 を 対 象 手 技 の 概 略 を 示 す Palmer s pointを 含 む3ポ ー ト が原則 癒着剥離後 脱気してヘルニア門の縦横系を計測し 5cmのoverlapを 確 保 し 得 る メ ッ シ ュ を 選 択 205年4月 以 降 IPOM-Plusを0例に実施 腹腔内縫合 7例 経皮的縫合3 例 横径5cm以下で 腹腔内縫合を考慮 Double crown法で tackingを行い 8-2針の腹壁全層固定を併施してメッシュを 固定 結果 対象の背景と手術成績を数値 中央値 で示す 年齢74 歳 女性9例/男性4例 BMI 25kg/m2 ヘルニア門の大きさ は 縦径0cm 横径7cm 手術時間60分 出血量0ml 術 後在院日数7日 観察期間3 ヶ月で メッシュ感染や再発なし 続いて IPOM例とIPOM-Plus例で手術成績を比較 後者で 有意に手術時間が長く 30分 vs. 200分 p=0.005 後者で mesh bulgeが少ない傾向がみられたが 35% vs. 0%, p=0.07 7% vs. 20%, p=.0 seromaの頻度に有意差なし 結 語 症 例 が 少 な く 観 察 期 間 が 短 い が IPOM-Plusはmesh bulgeの防止に有効な可能性がある しかし 手術時間が延長 するほか seromaの低減に貢献していない 手術手技 特に defect closureの方法と適応について検証することが課題であ る
101 PD9- PD9-2 鼠径ヘルニア術後難治性メッシュプラグ感染に対し腹腔鏡下 メッシュ除去をした 例 大原 泰宏 伏島 雄輔 深野 埼玉医科大学 消化器一般外科 敬之 淺野 博 篠塚 望 Mesh 感染に対する腹腔鏡下 mesh 除去 清水 貴夫 千原 大山 莉奈 内田 直人 鈴木 英二 2 英之 渡辺 昌則 日本医科大学武蔵小杉病院 消化器病センター 2 日本医科大学 消化器 外科 鼠径ヘルニア術後メッシュ感染は非常にまれで難治性である 手術でのメッシュ除去は癒着が高度で精索の損傷などの危険が ある 今回メッシュ除去を腹腔鏡下手術で安全に施行できたた め報告する 症例は58歳男性 54歳時に他院で右鼠径ヘルニ ア根治術をメッシュプラグ法で行った 術後年 ヶ月目で右 下腹部の鼠径ヘルニア手術創の頭側に皮下膨隆認め 前医受診 し術後メッシュ感染と診断し切開排膿 しかしその後も排膿持 続したため 腰椎麻酔下で鼠径部切開し排膿処置 その際には メッシュは癒着が高度で除去は困難であった 術後排膿自体の 改善はなかったため当院紹介となった 当院において切開排膿 処置及び鼠径部切開での再手術をしたが改善なし 瘻孔造影で は明らかな腹腔内との交通や腸管との交通は認めなかった 保 存的加療で改善ないためメッシュ除去術を施行 度重なる手術 で前方からは高度の癒着が予想されたため 腹腔鏡下手術を施 行 メッシュプラグ本体と精索の癒着は高度であったが 損傷 なく摘出可能であった 術後創部感染を認めたが保存的に改善 し現在まで感染兆候および鼠径ヘルニア再発なく経過している 前方アプローチまたは腹腔鏡ヘルニア修復術後のProsthetic meshに関連した感染は稀と見なされており 文献では前方が 0.5-3% 腹腔鏡が0.6%以下の感染率と言われている 表層 の創感染は抗生剤と創のドレナージで解決しうるが chronic groin sepsisに 導 くdeep-seated mesh infectionはmesh除 去 を必要とする long incisionによるmesh除去が通常であったが 今回我々は年半前に他院でanterior approachによるmodified direct kugel 法 に て 鼠 径 ヘ ル ニ ア 修 復 術 を 施 行 し そ の 後 deep-seated mesh infection を発症 ドレナージを行うが改 善せず当科にてLaparoscopic totally extraperitoneal TEP approachによるmesh除去を行った Laparoscopic approach は手技自体に根気を要するがpostoperative less pain, shorter hospital stay, earlier rehabilitationな ど の 様 々 なadvantage を得ることができ それに加え今回のTEP approachは膿を 腹 腔 内 に 飛 散 さ せ る こ と が な く groin areaへ のadhesion formationも回避させることができる 文献的考察も含め 動 画を供覧し解説する PD9-3 PD9-4 鼠径ヘルニア術後メッシュ感染の現状 腹壁瘢痕ヘルニア術後メッシュ感染症例の検討 神藤 蛭川 修 深澤 貴子 稲葉 磐田市立総合病院 消化器外科 圭介 浩史 沼野 立川綜合病院 外科 鼠径ヘルニア手術にメッシュが使用されることは一般的となり 非清潔手術でも場合によってはメッシュ使用可能とする報告も 散見される しかし 一度感染を起こすと難治であり治療に難 渋する 当院でのメッシュ感染4例の治療について検討した 対象と方法 2008年以降にメッシュ感染に対して除去手術を4 例に施行した 同期間の術後膿瘍形成性合併症の頻度を検討す るために2008年から206年までに当院で施行した鼠径ヘルニ ア手術086例を対象として病名検索にて鼠径ヘルニア手術後の 炎症 膿瘍病名を拾い出し確認した 結果 当院では緊急手術等で消化管切離 吻合を伴った手術を 行った際にはメッシュを用いていない メッシュ感染の4例はい ずれも待機手術で平均年齢79歳 plug 2例 UHS 例 Direct Kugel 例であった 例に皮切部に白癬を認めた以外に明らか な誘因は認められなかった 膿瘍形成までの期間の平均は26月 で 感染からメッシュ除去までの期間の平均は22月であった 086例の病名検索の結果 上記4例のほか4例の創部膿瘍が認 められた 内訳は腸切後の2例 前方メッシュ術後の7例 腹腔 鏡手術後臍部感染5例であり いずれも術後早期に発症し局所処 置もしくは抗生剤にて軽快している 結語 術後早期に発生した膿瘍については保存的加療を原則と し 晩期のものについては除去が必要となる メッシュ感染率 は0.3%と低値であるが これをゼロに近づける努力が必要であ る 史典 阿部 馨 福田進太郎 当科で加療した腹壁瘢痕ヘルニア修復術後のメッシュ感染症例 について 治療戦略を検討した 対象と方法 腹壁瘢痕ヘルニア術後のメッシュ感染症例5例につ いて 使用したメッシュ 治療方法 予後などを検討した 消 化管との瘻孔を来したことによる感染例は除外した 結果 5例中2例は他院からの紹介 男女比は4 平均年齢 75.8歳 腹部正中のヘルニアのみ ヘルニア修復術は 全例開 腹手術で 使用されたメッシュはデュアルメッシュ DM 2例 バードコンポジックスメッシュ CM 例 セキュアメッシュ CQUR 例 パリテックスコンポジットメッシュ PCO 例 メッシュの大きさの平均は22.3±2.7cm 5.7±3.9cm 感 染までの期間は術後7日から60日 治療開始時には全例で洗浄 ドレナージが行われたが DMでは2例ともメッシュのみの摘出 を要し CQURではメッシュ除去 小腸切除 大腿筋膜による 補強を要した CMとPCOでは メッシュと皮膚の瘻孔を形成 し瘻孔切除 メッシュ部分切除を行い完治した 結語 PTFEは保存的治療が困難だが メッシュの除去は容易 だった polyester mesh polypropylene meshは保存的治療 による感染制御後 メッシュの部分切除が有効だったが 摘出 は困難だった 長期間の保存的治療による瘻孔化と 最小限の メッシュ除去が有効の可能性がある
102 PD9-5 PD9-6 腹腔鏡下にメッシュ除去した鼠径ヘルニア術後メッシュ感染 の例 垰越 新津 宏幸 津村 宏明 裕昭 山岡 裕明 金廣 哲也 村尾 直樹 晩期メッシュ感染に対する治療経験 横山 野竹 隆秀 吉澤 剛 本山 隆裕 増尾 博章 清水 信州大学 医学部 消化器外科 広島市立舟入市民病院 外科 小児外科 症例 47才男性 病歴 4才時に右鼠径ヘルニアに対して手術 クーゲル法 を受 けた 46才時に創部より排膿あり 切開排膿 ドレナージの処 置を受けた 細菌培養ではMRSAが検出された 局所処置と抗 菌治療により軽快し半年維持したが再燃 当院紹介となり 計6 回の局所処置施行 この間継続的に手術の説明を行ったが 仕 事の都合や保存的治療に対する期待 手術のリスクと効果に対 する疑念から局所処置継続となっていた 局所処置のための頻 回通院や周囲皮膚炎による苦痛もあったため 感染判明から年 5 ヶ月後にようやく手術の意向が固まり メッシュ除去手術の 方針となった 手術 3ポートで手術を行った パッチに沿って剥離を進めた 内側は大腿動静脈に固着しており 膿瘍腔と離れていたことも あり 剥離せず一部メッシュを残す形で可及的除去とした 剥 離面に大網充填を追加した 前方からデブリードマンを行い 膿瘍腔にドレーン留置した 術後経過 排液培養からはMSSAのみ検出された 術後9日目に 退院し 9日目にドレーン抜去 26日目に創部自然閉鎖した 術後半年現在 感染もヘルニアも再発なく経過している 考察 メッシュ感染に対するメッシュ除去手術は不確定要素が 多く 十分な説明期間と患者の意向を反映した治療経過が必要 と考える メッシュは完全除去できなくとも感染と関連してい ない部分の遺残であれば許容されるのか 今後の追跡が必要で ある 仁志 福島健太郎 北川 明 小林 聡 宮川 敬之 眞一 目的 2009年から206年までに3例の晩期メッシュ感染に対 して治療を行った この経験から得られた治療のポイントにつ いて述べる 症例 77歳女性 BMI 3.5 傍腹直筋切開による虫垂炎術後 の腹壁瘢痕ヘルニアに対してメッシュプラグ法が施行され 7年 後に膿瘍形成 排膿が持続するため 年後に紹介 メッシュを 全切除し 単純縫合閉鎖施行したが 8 ヶ月後にヘルニア再発 し 経過観察中 症例2 54歳男性 再発右鼠径ヘルニアに対し メッシュプラ グ法が施行され 2年後に膿瘍形成し紹介 広範囲の外陰部膿 瘍を認め 自壊して瘻孔が多発 メッシュを完全切除し ドレ ナージ施行 3年後ヘルニア再発し 組織縫合法にて修復するも 2年後にヘルニアを再発 有茎大腿筋膜弁による修復を行い 術 後3年間再発なし 症例3 83歳男性 クローン病でレミケード内服中 左鼠径ヘ ルニアにてKugel法施行後2 ヶ月に膿瘍を発症 S状結腸との瘻 孔が疑われ ドレナージ施行 ヶ月後 メッシュ及びS状結腸 切除施行し 3年間ヘルニアの再発なし 成績 メッシュ除去をした3例中2例にヘルニアを再発し 例 に有茎大腿筋膜弁による修復を施行した 結論 活動性の排膿部位のメッシュは比較的剥離が容易であり メッシュの完全切除が可能 メッシュ除去後のヘルニア再発に 有茎筋膜弁による修復が有用 - 0 -
103 第 5 回日本ヘルニア学会学術集会 ビデオワークショップ
104 VW- VW-2 TAPP における開腹移行症例の検討 腹腔鏡下ヘルニア修復術の前方切開移行症例の検討 嶋田 早川 元 松原 猛人 柵瀬信太郎 聖路加国際病院 ヘルニアセンター 章 桒原 義之 年4月から204年3月の期間に腹腔鏡下ヘルニア修復術を 試みた937症例 両側症例242例を含む 緊急症例 LPEC症 例は除外 のうち 予定外に前方切開法に移行した症例は2症 例 0.62 両側症例は2例 であった 腹腔鏡下手術を施行し た症例925例をLaparoscopy群 以下L群 2症例をConvert 群 以下C群 として患者背景 手術成績の比較を行った 患者 背 景 は 年 齢 L/C 7./6.3歳 p=0.024 男 性 割 合 L/C 0.90/0.9 p 0.79 BMI L/C 22.7/23.9 p 0.3 両 側 割 合 で あ っ た 腹 部 手 術 歴 既 往 L/C 0.75/0.4 p 手 術 成 績 は 手 術 時 間 L/C 92/33分 p 0.00 術後在院日数 L/C./.9日 p 0.00 であった C群の手 術歴9例は全て下腹部の手術で 虫垂炎手術4例 腸管切除3例 腹部大動脈瘤手術例 卵巣手術例 前立腺全摘2例 ロボット 補助下前立腺全摘術後例 であった 前方切開移行の原因は 巨大陰嚢タイプでヘルニア囊内に腸管癒着を認め整復は不可能 であった症例が2例 強い癒着により患部の視認が難しかった症 例が9例 前立腺全摘術後で剥離困難であった症例が2例であっ た 高齢かつ下腹部手術歴を有する症例では前方切開移行を考 慮して長時間手術となる可能性も考慮して準備をする必要があ ると考えられた 前方切開法に移行した症例の手術ビデオを供 覧し その特徴について考察する VW-3 VW-4 鼠径部 骨盤ヘルニアの TEP コンバート例の検討 信夫 金村 哲史 2 三井 名古屋市立西部医療センター 消化器外科 刈谷豊田総合病院 腹腔鏡 ヘルニアセンター 背景 当院では原則腹膜前腔の広範な剥離を伴う手術の既往が ある鼠径部ヘルニア手術患者に対しTAPP Transabdominal preperitoneal rapair は原則適応としていない 203年にTAPPを導入し206年2月までに328症例に 対象 実施した 結果 開腹移行例は導入初期に経験したメッシュをCooper靭 帯へタッカー固定する際に起こったRetropubic vessels出血の 例 0.3% のみであった 開腹移行を伴わなかった術中トラブ ルは4例.2% 精管周囲からの動脈性出血 例 ilio-pubic vesselからの出血例 ポート部からの出血2例 であった 考察 全身麻酔が可能 広範な腹膜前腔剥離を伴う手術が行わ れていない 腹腔内の高度な癒着が疑われない患者には 鼠径 部切開法とTAPPの利点欠点を提示した上で 患者に術式を選 択していただいている 前立腺全摘術後やNuck管嚢胞 巨大陰 嚢型慢性嵌頓鼠径ヘルニアなど明らかにTAPPよりも前方切開 メッシュ法で手術手技が容易かつ手術時間も短く術後成績も満 足できるため TAPPを積極的に実施する必要性は低いと思わ れる 病態が異なる患者に対し患者アウトカムが最も高くなる 術式を提供出来ること 複数の治療方法を提示し 患者 家族 と最善の治療方法について検討し 納得して術式を選んでもら うことが重要と思われる 荻野 俊輔 早川 剛志 文元 大阪府済生会富田林病院 外科 雄一 藤井 仁 吉川 TAPP から鼠径部アプローチに術式変更した 2 例 浩之 田原 俊哉 宮木祐一郎 前田 聖隷浜松病院 外科 背景 鼠径部 骨盤ヘルニアでは様々な理由で意図した手術か らコンバートを余儀なくされる例に遭遇する 今回我々はTEP から術式変更に至った症例について検討を加えた 方法 2007から206年までに当科でTEPを施行したヘルニア 752例のうち術式変更に至った22例 2.9% を対象とし手術既 往 変更要因 直接理由 変更術式 術後再発の有無を検討し た 結果 症例の内訳は男性2 女性0 平均年齢75歳 病型は I:5 II: III:4 閉鎖孔:2で変更要因として嵌頓6例 再発症 例4例 開腹術後8例 高齢女性:3 対側TEP後例であった 直接理由は気腹:9 剥離困難:7 出血:2 嵌頓:3 腸切除を要 する:であった なお医原性腹膜損傷による気腹が2例あった 変更術式は TAPP5 DK7 MP3 リヒテンシュタイン2 そ の他5でメッシュ不使用は腸切を要する例のみであった 再発 は大腿ヘルニア例でDKに変更後3年目にII型で再発した まとめ コンバートに至る患者側の要因として高齢女性 大腿 ヘルニア 閉鎖孔ヘルニア 開腹術後 嵌頓 再発等があり 術者側の要因は解剖誤認 乱暴な操作があげられた またバ ルーンによる広範な腹膜損傷もあった 結語 TEPのコンバート率は低いがスキルアップでコンバート はさらに回避できる ただしヘルニアの病型によってはTEPの 適応を控えるべきと考える 杏梨 田村 峻介 牛田進一郎 当科では204年8月より成人鼠径ヘルニアに対して腹腔鏡下 鼠 径 ヘ ル ニ ア 修 復 術 経 腹 的 到 達 法 transabdominal preperitoneal repair 以下TAPP を導入した 206年2月まで に計23例のTAPPが計画され 内2例を術中判断で鼠径部アプ ローチに変更した 症例 7歳男性 JHS分類 lt.i-3 前立 腹腔鏡下小切開前立腺全摘除術 両側骨 腺癌に対し204年に 盤リンパ節郭清 を施行されていた 術前に指摘出来なかった腹 壁瘢痕ヘルニアが下腹部正中の恥骨上に存在し メッシュ敷設 に必要なMPO領域内側3cmのマージンが確保出来ないと判断し た またメッシュ敷設により 瘢痕ヘルニア手術時に障害とな りうる可能性が懸念されたためLichtenstein法に変更した 症 例2 65歳男性 JHS分類 lt.i-2 膀胱癌に対し 200年に 膀 胱全摘術 回腸導管術 を施行されていた 恥骨 cooper靭帯 が露出しており 腹膜によるメッシュの被覆が不可能な状態で あった また下腹部正中に腹壁瘢痕ヘルニアが併発しており 例目と同様にメッシュが瘢痕ヘルニアの手術の障害となる可能 性が懸念されたため Lichtenstein法に変更した 下腹部の手 術既往がある症例では 無症候性の瘢痕ヘルニアが存在するこ とがあるため留意すべきである 癒着防止処置の施されたメッ シュなど十分な準備が必要である また困難症例においては鏡 視下手術に拘らず 安全に施行可能な方法への変更など柔軟に 対応するべきである
105 VW2- VW2-2 GERD 術後再発症例の臨床的特徴 山本 世怜 矢野 秋元 俊亮 2 増田 柏木 秀幸 3 矢永 文章 坪井 隆洋 2 小村 勝彦 3 2 胃食道逆流症に対する腹腔鏡下噴門形成術の定型化 一人 星野 伸朗 4 三澤 2 真人 健之 諏訪 小山 2 東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科 2 東京慈恵会医科大学 外科学講 座消化管外科 3 東京慈恵会医科大学 外科学講座 4 国立病院機構西埼玉 中央病院 外科 達志 北村 基 岡田 柏厚生総合病院 外科 謙太 松村 慶吾 鈴木 知憲 苅込 博之 正村 和裕 十束 滋 英志 背景 GERDに対する逆流防止手術 ARS は優れた長期治療成 績が報告されているが 再発する症例も少ないながら存在する 今回 GERD術後再発症例を検討した 方法 2004年月から206年8月の間にGERDにて当院で初 回ARSが行われた347例 平均年齢5歳 女性45人 を対象と し 術後に再発が確認された39例 % 平均年齢5歳 女性 22人 の特徴を検討した 結果 347例中32例 93 で術前に食道裂孔ヘルニア ま た びらん性逆流性食道炎を74例 50 に認めた 再発を 認めた39例中38例 97 に術前から食道裂孔ヘルニアを認め A0 /4 7 A 7/38 2 A2 0/89 % A3 /54 20 A3で再発が高率であった また びら ん性逆流性食道炎は28例 72 に認め Grade A 5/43 2% 例 C /52 2% 例 D 8/36 22% 例 B 4/43 9% Grade CもしくはDで高い再発率であった 再発形式は食道裂 孔ヘルニア再発が29例 74 びらん性逆流性食道炎再発が 22例 56 で2例 5 は形式不明であった 再発時期の中央 値は9-36 ヶ月で30例 77 は3年以内の再発であった 再発症例中27例 69 でPPIを必要とし 5例 3 は再手術 を施行した まとめ 再発率が高いのは A3ヘルニアもしくは重症逆流性食 道炎症例で 約80 は術後3年以内に再発していた 当院では 胃食道逆流症 GERD に対する手術を受けることの 恩恵が大きい患者を抽出するために簡便な経口透視逆流テスト を用いており 腹腔鏡下Nissen手術を定型化して積極的に行っ ている 手術適応 GERDの手術適応については 学会ガイドラインでの適応に加 え 胃食道逆流を確認するため 経口透視逆流テストを次の手 順で行う 前投薬なしで 立位にて300 mlのバリウムを飲ん でもらい 全量が胃に入ったら仰臥位にする 2 体を捩じって 左側臥位にして 仰臥位に戻し さらに右側臥位にする 3 こ の間に胃食道逆流が認められた場合 高度 中等度 軽度に分 類する 逆流が少なくても頚部食道まで逆流が認められれば中 等度とする 中等度以上の患者に対しては 手術を積極的にす すめている 手術操作のポイント 1 簡便な5ポート法を用いて 体位変換やスコープサイトの ローテーションなど行って 安全に良好な術野を容易に得る 2 食道内ブジー器具の挿入 術中内視鏡 食道のテーピング操 作などは行っていない 3 術後の嚥下困難の原因となるflapによる腹部食道への締め付 けがないように留意して緊張のかからない噴門形成術を行なう ために胃底部の授動は必要十分に行う 4 flapの機能が有効に生かされるように 腹部食道の背側を 十分に剥離する 5 ほぼ全例がヘルニア合併例であるため 食道背側において食 道裂孔の縫縮を行う VW2-3 VW3- 食道裂孔ヘルニア再発をきたさないための腹腔鏡下噴門形成 術を行う上での留意点 複雑な腹壁瘢痕ヘルニアに対する posterior component separation technique 坪井 一人 小村 山本 世怜 3 秋元 三森 教雄 3 矢永 諏訪 柳 伸朗 2 矢野 俊亮 3 増田 勝彦 3 文章 3 星野 隆洋 3 柏木 真人 3 秀幸 富士市立中央病院 外科 2 独立行政法人国立病院機構 西埼玉中央病院 外科 3 東京慈恵会医科大学外科学講座 勝仁 牛込 舜仁 下山 琢郎 大津 雄也 岡本 将路 成廣 友好 矢永 哲史 勝彦 2 東京慈恵会医科大学附属第三病院外科 2 東京慈恵会医科大学外科学講座 現在 食道裂孔ヘルニアに対する手術療法は腹腔鏡下噴門形成 術が標準術式であり 良好な手術成績が報告され奏効率は概ね である これまでの報告から高度食道裂孔ヘルニア 症例や高齢者での食道裂孔ヘルニア再発が問題視されている 教室では994年より胃食道逆流症に対する腹腔鏡下噴門形成術 を導入しており 術式の変遷を経て現在ではToupet法による噴 門形成術を標準術式としている そして安全かつ効果的な手術 の遂行を目的とし同手技を5つのステップにわけ行ってきた す なわち Downward exposureによる迷走神経前幹温存と腹部 食道の露出 ステップ ゆとりあるwrappingを可能とする短 胃動脈切離 ステップ2 ペンローズドレーンを用いた腹部食道 の牽引による十分な腹部食道の確保 ステップ3 術後早期の QOL向上を目的としたToupet噴門形成 ステップ4 そして噴 門形成部の縦隔内逸脱予防のためのshoulderとanchor stitch追 加 ステップ5 である 術後の再発形式を検討した結果 wrap ごと腹部食道が縦隔内へ逸脱するケースが最も多いことから 再発予防にはステップ3と5の操作が重要と考えており 同手技 を中心にビデオで供覧する 緒言 腹壁瘢痕ヘルニアで横径0 cm以上 剣状突起下 複 数回腹部手術歴のあるものなどは複雑症例とされ 術式選択 に 慎 重 を 要 す こ れ ら の 要 因 を 解 決 す る 術 式 と し て202年 にNovitskyら に よ っ て 開 発 さ れ た の がposterior component separation technique PCST である 手術手技 正中切開で開腹し 腹腔内癒着と腹壁は可及的に剥 離する 腹直筋内側縁から5 mm外側で後鞘に切開を入れ 筋体 と後鞘との間を頭尾側に剥離する 剥離が腹直筋外縁に近くな ると内腹斜筋が観察され その背側から数本のneurovascular bundle NVB が腹直筋に伸びているのが確認できる NVB 内側約5 mmの部位で腹直筋後鞘 内腹斜筋後葉 を切開し腹横 筋背面のスペースに入り 腹横筋と横筋筋膜間で頭尾側および 側腹部まで広く剥離を進め 横筋筋膜と腹膜間の層に到達で きればその層で剥離する ヘルニア門に応じたメッシュサイ ズに適した剥離空間が作成された後 腹直筋後鞘を閉鎖する Heavyweight meshに 約5 cm間 隔 でanchoring sutureを お き 留置し 皮膚からEndoCloseを用いつり上げ 糸を結紮埋没す る 下腹部では恥骨背面 Cooper靱帯への固定を密に行い 上 腹部は肋骨弓にかからぬようつり上げ固定を密に行う 閉鎖式 ドレーンをメッシュ状に留置し皮下および皮膚を閉鎖する 手術成績 これまで3例の複雑症例に行い 手術時間 分 在院日数6-6日であり 観察期間2-7カ月で合併症なく再 発も見られていない
106 VW3-2 VW3-3 腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術に追加する Endoscopic component separation Endoscopic Components Separation 法のコツと実際 - 外腹斜筋の腱膜移行部を確認せよ - 西條 文人 徳村 松村 直樹 野村 澤田健太郎 柴原 松原 東北労災病院 外科 弘実 豊島 隆 片寄 良平 羽根田 祥 武藤 みい 千年 大勝 佐藤 友 高橋 満完 安本 馨 賢一 明浩 猛人 嶋田 元 柵瀬信太郎 聖路加国際病院 ヘルニアセンター 消化器 一般外科 背景 腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術 LVIHR は ヘルニア門閉 鎖を行い メッシュ固定を行っている しかし ヘルニア門が 横径0cmを超えるとヘルニア門閉鎖は困難であり また 再発 率も高いとされている 方 法 当 院 で のLVIHRは 術 前 に 横 径0cmを 超 え た 場 合 Endoscopic component separation ECS を 追 加 す る 方 針 としている 術前にUSにて腹直筋外縁 また 腹腔内の癒着を 確認する Palmer s pointでfirst portを挿入後 左側腹部に 2mmポートを挿入 さらに癒着剥離に合わせ 2-3箇所5mm ポートを追加する 腹腔内外でヘルニア門を再計測し 横径が 0cmを超える場合 ECSを追加しヘルニア門を閉鎖している ECSの手技は 気腹を止め 腹直筋外縁やや外側に.5cmの小 切開を置き 外腹斜筋と内腹斜筋の間にスペースを鈍的に作り PDBバルーン キドニー型 を挿入する Endoscopicに観察し ながら 5mmポートを追加し 腹直筋外縁に付着する外腹斜筋 腱膜を切開する 再度 腹腔内を気腹しヘルニア門閉鎖を行う 基本的に元々のヘルニア門の大きさに対するメッシュにて修復 している メッシュは可能な限り5cmマージンをとり固定する 結果 ECSを行うことにより巨大なヘルニア門を閉鎖すること が可能となる 巨大なヘルニア門を閉鎖することにより腹腔内 腔が狭くなりメッシュ固定が難しくなるが 今後 症例を重ね 検討していく必要がある 背景 Ramirezらによって報告されたComponents separation CS 法は広範な皮下脂肪層の剥離を要するため 皮弁に向か う腹直筋からの穿通枝が切断され 皮弁壊死や創感染が高率 に発生することが問題であった この欠点を克服したのが endoscopic components separation ECS 法である 手術手技 体位は仰臥位両上肢体側とする 中腋窩線やや外側 の肋骨弓下縁に0mmの切開を加え 外腹斜筋腱膜と外腹斜筋 の移行部を露出しオリエンテーションを付ける この移行部を 確認しておくことが非常に重要なポイントとなる 外腹斜筋腱 膜を切開し 外腹斜筋と内腹斜筋の間の層にPDBバルーンを挿 入し 筋間の剥離を行う PDBバルーンを抜去し同部位より 0mmブラントチップトロカーを挿入 空間内圧を2mmHgに 設定し 5mmトロカーを臍部と後腋窩線が交差する点に挿入す る 筋間の剥離を追加し鼠径靭帯頭側で5mmトロカーを挿入 する 第一トロカーと鼠径靭帯までの外腹斜筋腱膜をエンドシ ザースで切開する トロカー創を利用して筋間にドレーンを挿 入する 対側も必要に応じて同様の手技を行い その後腹壁を 縫合閉鎖する 結論 感染メッシュ摘出後や創感染など 汚染環境下でメッ シュが使用できない場合の腹壁再建に有用な手技である 感染 メッシュ摘出後 創し開 ヘルニア嵌頓による腸管切除例など 実際の症例を提示する VW3-4 VW3-5 Transversus abdominis muscle release TAR で修復 した腹壁ヘルニアの 例 Anterior Component Separation 法を成功させるための ポイント 井谷 島田 長人 酒井 本田 善子 金子 史嗣 中野 敢友 井上 広島市立広島市民病院 外科 弘章 藤田 脩斗 Posterior component separation/transversus abdominis muscle release TAR は新しい腹壁ヘルニア修復法の一つと して注目されているが本邦での報告は少ない われわれは心窩 部から臍下におよぶ広範な腹壁ヘルニアに対してTARを用いた 修復を行ったので報告する 症例は70歳女性 CTで心窩部か ら臍下までのヘルニアがあり肝臓 小腸の脱出が認められた BMI 35の肥満があり 心窩部のメッシュ固定の困難さ 欠損 縫合した場合の腹腔内圧上昇の危険性などを考慮しTARを用い た修復を施行した 心窩部と臍下に径4cmとその間に6X2cm の3か所にヘルニア欠損を認めた まず左側から開始し正中か ら5mm外側の腹膜を切開し腹直筋後鞘を外側に向かって剥離 neurovascular bundleは可及的に温存した Semilunarisを確 認し手前で腹横筋を切離し腹膜前腔を上腹部では剣状突起背側 肛門側は前上腸骨棘付近まで剥離した 右側も同様に行い 左 側で5cm 右側で6,5cmの延長が得られた 腹膜を縫合閉鎖し 30X30cmのバーサテックスメッシュを29X20cmにトリミング し腹膜前腔に留置し全層固定を左右各3針のみ施行した メッ シュ前面に持続吸引ドレーンを留置し筋膜を0PDSで連続縫合 し皮膚は埋没縫合して手術を終了した 手術時間は25分 術 後は合併症なく第8術後病日に退院された 本術式は困難な腹壁 に対する新たな選択肢となりうると考える 隆光 高地 弘真 2 瓜田 良介 鈴木 純久 孝之 東邦大学医療センター大森病院総合診療 急病センター 2 東邦大学医 療センター大森病院消化器センター外科 Anterior Component Separation ACS 法は 正中型腹壁瘢 痕ヘルニア修復術のひとつであり とくに大きなヘルニア門を 有する場合に有効である 外腹斜筋腱膜を切開し 外腹斜筋と 内腹斜筋の間を剥離することで腹直筋を正中へ伸展させるため ヘルニア門が完全に閉鎖される ACSを成功させるためには 合併症予防と再発防止対策が重要である 合併症として最も危 惧されるのは 皮下剥離された皮弁の血流障害による皮膚壊死 である 当科では広範囲な皮膚壊死はないが 創縁の小範囲な 壊死を2例経験している その予防策として 皮下剥離の際に腹 直筋から皮膚に向かう穿通枝の血管を温存している 次に再発 防止対策である まず腹壁閉鎖法として 腹直筋後鞘 腹膜と 前鞘の2層でそれぞれを縫合し さらに腹直筋の筋線維を中央で 接着させ左右の腹直筋を一体化させる工夫をしている この手 技によりウエストライン付近での再発例はない しかし ACS は上腹部の肋骨弓付近と下腹部領域での腹直筋の伸展が不良で あり弱点である 当科では 過去に3例の再発を経験したが い ずれも下腹部の恥骨上付近であった その対策として 恥骨上 にヘルニア門が認められる場合には 恥骨後面で膀胱前面を剥 離し腹膜前腔にソフトメッシュを挿入し補強している メッ シュ補強を加えた症例では現在まで再発例はない 当科で行っ てきたACSを成功させるためのポイントについて報告する
107 VW3-6 VW4- Posterior Component Separation PCS 法で修復した 腹壁瘢痕ヘルニア tension-free 法術後の再発ヘルニアに対する Hybrid 手術 中林 飯田 神楽坂 D.S. マイクリニック 幸夫 大樂 智憲 船水 勝司 百瀬 尚武 匡亨 平本 悠樹 友利 賢太 川口市立医療センター 消化器外科 腹 壁 ヘ ル ニ ア 修 復 術 の 術 式 は 各 種 存 在 す る が Component Separation CS 法は比較的簡便で汚染手術にも対応できるこ とから近年広く認知されるようになった しかしながら広範囲 の皮下剥離に伴い穿通枝が切離された場合 皮膚の血流障害を 生じる可能性が問題となる この欠点に対する解決策として近 年PCS法が注目されている 手術手技をビデオで供覧する 症例 盲腸癌に対し中下腹部正中切開による回盲部切除後 臍 中心に8 縦 6 横 cmのヘルニア門あり 術式 腹直筋内側縁を確認 linia albaの縦切開にてretromuscular spaceに入る 数本の穿通枝と下腹壁動静脈を温存しつつ腹 直筋背側と腹直筋後鞘間を剥離 更に腹直筋外縁近傍より腹 直筋に流入する複数の神経 血管を確認し そのやや内側で posterior rectus sheathを切離して神経 血管を温存するよう に腹横筋と内腹斜筋間の剥離を十分に行う この操作で腹壁正 中に向かう神経血管束は温存される 左右の操作を行い 後鞘 内側縁および前鞘内側縁を縫合し linia albaを再建する 結語 PCS法も比較的簡便な手技で施行可能であり 腹壁ヘル ニア修復術に対する有用な方法と思われた 川崎 篤史 岡村 淳 松田 年 執行 友成 はじめに 当院ではtension-free法 TFR 術後の再発症例に対 して 腹腔鏡下誘導前方切開法 Hybrid法 を基本術式としてい る 205年月から206年2月に当院でHybrid手術を施行し たTFR術後再発ヘルニアについて調査し検討した 当院でのHybrid法 全身麻酔下 仰臥位で臍窩へ穿刺法にてト ロカールを挿入し腹腔内から観察 特にTFR後は腹腔内臓器と メッシュとの癒着があるため 各臍ヒダの位置等を十分観察し 再発形式を診断し 再発形式に合わせて手術を進める 再発性 内鼠径ヘルニアの場合は ヘルニア門直上に皮膚切開を置く 精索類を確保した後 横筋筋膜を全周切開し腹膜前腔へ入る 再発性外鼠径ヘルニアの場合は ヘルニア嚢 前回の手術痕な どを考慮した上で 最も適した部位に皮膚切開を決定する 鼠 径管を開放し精索類を確保した後 内精筋膜を前方より切開し 内鼠径輪の横筋筋膜レベルまでヘルニア嚢を全周性にわたり十 分に剥離する 結語 TFR後の再発ヘルニアに対するHybrid手術は 腹腔内 からの再発形式が正確に診断でき 新たな人工筋膜を留置した 後の確認も可能である 当院で経験した再発ヘルニアに対する Hybrid手術の成績と有用性を述べる VW4-2 VW4-3 腹腔鏡補助下 小切開下での Hybrid 修復術が有効であった 腹壁瘢痕ヘルニアの 例 嵌頓大腿ヘルニア治療におけるハイブリッド手術の経験 太白 北山 地方独立行政法人市立秋田総合病院 外科 健一 小泉 丈二 細谷 大 遠藤 好則 佐田 自治医科大学 消化器 一般外科 和洋 佐久間康成 堀江 尚宏 久永 症 例 は60歳 の 男 性 約年 前 に 腸 間 膜 デ ス モ イ ド の 術 後 腹 壁 再 発 に 対 し 腹 壁 腫 瘤 摘 出 術 が 施 行 さ れ た こ の 際 に ComposixTM Meshを使用して欠損した腹壁を修復したが 退 院週後の外来で腹壁瘢痕ヘルニアと診断された その後 ヘ ルニアは徐々に増大し 腹痛や腹部膨満を伴い 嵌頓によるイ レウスも繰り返すようになったため手術適応と判断された 手 術は 腹腔鏡下で開始した 可及的に癒着剥離を行いながらヘ ルニア門を同定した後 可能な限り腹腔鏡下で癒着剥離を行っ た後に ヘルニア嚢の直上で小切開を行った 直視下に癒着剥 離を施行後 メッシュ SymbotexTM Composite Mesh を腹 腔内へ挿入 固定し ヘルニア門を閉鎖した その後 再度気 腹を行い 腹腔鏡下にメッシュを展開し アブソーバタックTM とEndo CloseTMを用いて腹壁固定を完成させ手術終了した 術後経過良好で術後第病日で退院した 外来で経過観察し ているが 再発なく経過している 本症例のような癒着を伴う 巨大腹壁瘢痕ヘルニアにおいて 腹腔鏡補助下 小切開下での Hybrid修復術が有効である 伊藤 誠司 木村 友昌 新保 知規 太田 栄 嵌頓鼠経部ヘルニアの手術治療において 適切かつ侵襲の最小 な術式を選択するために病態を正確に把握することは重要であ る 今回我々は嵌頓大腿ヘルニア症例で腹腔鏡観察後に腹腔内 操作と腹膜前腔操作および鼠径部操作の組み合わせで手術を施 行した症例を経験したので報告 供覧する 症例は50歳代の女 性 初診の7日前から右側鼠径部の疼痛が出現し 初診日に前医 で受診した 右側鼠径部に約3cmの腫瘤を蝕知して 嵌頓鼠径 ヘルニアの診断で紹介されて来院した エコー検査およびCT検 査で大網の嵌頓の所見が認められた 全身状態が良好であった ため翌日手術を施行した 最初に臍下部に2mmのポートを設 置して腹腔鏡で観察した 右側大腿動脈輪から大網が脱出して いるのを確認した 小腸や大腸は脱出を認めなかった 5mmの ポートを2本追加して 大網をけん引して還納を試みたが不可能 であったため 超音波凝固切開装置を使用して大網を切断した 次に腹膜前腔の操作に切り替えてTEP法で大腿ヘルニアの修復 を行った ヘルニア嚢は切離 結紮して 5cm x 0cmの大き さのメッシュを留置した ついで 鼠径部に2cmの皮膚切開を 加えて抹消側のヘルニア嚢と切離した大網を摘出した 本例で は腹膜空内 腹膜前腔および鼠径部切開の3方向からの手術操作 を組み合わせることで手術侵襲を軽減して治療することが可能 であった
108 VW4-4 VW4-5 当科における腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術 Hybrid 手術 の工夫 萩原 謙 宋 圭男 日本大学 医学部 消化器外科 当院における鼠径ヘルニアに対するハイブリッド手術の導入 藤原 森 富林 聡史 湯浅 康弘 竹内 理 谷 亮太朗 枝川 敦司 石倉 久嗣 沖津 徳島赤十字病院 外科 はじめに 205年4月より小開腹併用腹腔鏡下腹壁ヘルニア修 復術 Hybrid手術 を施行しており手技の工夫を供覧する 適応 大きな皮膚切開後またはヘルニア門5cm以上の腹壁瘢痕 ヘルニア 手術手技 ヘルニア門直上に3-4cm皮膚切開し腹腔内に達す る 腹腔内の癒着は直視下に可能な範囲で剥離しウンドリトラ クター フリーアクセスを装着する 腹腔内の癒着のない部位 に5mmポート3本を挿入し気腹下に癒着剥離する 遊離腹腔が 確認困難な症例ではヘルニア門より単孔式腹腔鏡手術を用い癒 着剥離しワーキングスペースを確保する ヘルニア門よりメッ シュを挿入し 気腹下にダブルクラウン法で固定する 手技の工夫 ヘルニア門からアプローチすることで ブライン ド操作でない安全確実な腹腔内への到達と大きなハードタイ プのメッシュの挿入が可能である 同部はメッシュで補強し 2mmポートは使用しないため新たなヘルニアの発生を防止で きる 高度癒着症例では単孔式腹腔鏡手術による癒着剥離が有 用である 結果 205年4月 か ら207年月 ま で0例 に 本 術 式 を 施 行 年齢70.6±.6歳 BMI 25.4±4.5 ヘルニア門8.±2.3cm であった 手術時間67±59.分であり 開腹移行 合併症な く完遂した 観察期間中央値355.5日で再発はなかった まとめ 本術式は確実な腹腔内到達 腹腔内癒着剥離 新たな 腹壁瘢痕ヘルニア発生の予防 大きなハードメッシュの使用が 可能であり有用である 大平 常城 広志 蔵本 宏 宇生 松尾 俊輔 高嶋 祐太 美佳 当院では202年0月より腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP を 導 入 し206年2月 ま で に544例 施 行 し た こ の う ち 初 発 症例は片側406例 両側76例でそれぞれ平均手術時間90.5分 分 で 術 後 平 均 在 院 日 数 は2.6日 -9日 3.日 -2日 であった 再発は例のみで重篤な合 併症はなかった 腹部手術歴のある患者群 以下A群 は4例 片側23例 両側8例 であった 手術歴のない群34例 以 下B群 片側283例 両側58例 と比較検討した 平均手術時間 はA群 片 側9.4分45-73 両 側45.4分 B群 片側 90.2分35-58 両側30.分 で有意に手術時間の延 長を認めた 片側症例のうち3例は前立腺全摘術後であり平均手 術時間は35分 で手術時間の延長を認めた これまで TAPP症例は全例腹腔鏡下手術で完遂していたが 鼠径部ヘル ニア診療ガイドライン205策定の後 206年3月より前立腺 全摘術後や高度癒着例に対しハイブリット手術を導入した こ れまで4例 片側3例 両側例 全て男性 に施行し 平均手術 時間は片側04分 両側35分で重篤な合併症なく安 全に施行可能であった TAPP困難症例に対しハイブリッド手 術は有用であると考える VW4-6 VW5- 腹腔鏡下結腸右半切除術後ポートサイトヘルニアに有用で あったベントラレックスを用いた IPOM の 例 腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術 LVHR におけるメッ シュ展開の工夫 河合 四方 山崎 裕成 三澤 健之 笹屋 慈心会 青山病院 外科 一人 青山 賀茂 祐子 淺野間理仁 荒川 眞一 三宅 秀則 悠佑 小笠原 卓 黒田 武志 徳島市民病院 外科 はじめに 腹壁瘢痕ヘルニアは腹部開腹術後0 20 の頻度 で発症することが知られている 開腹下の組織縫合法やメッ シ ュ 法 に よ る 修 復 術 で は 再 発 率 が 各 々 40 60, と 高 率 で あ る こ と が 報 告 さ れ て い る が Laparoscopic Intraperitoneal Onlay Mesh repair 法 IPOM が導入されて 以降 再発率は4 5 まで減少した 近年 IPOMにヘルニア 門閉鎖を追加したIPOM-plusが導入され 再発率 合併症に関 して更なる改善が期待されている 症例 63歳女性 腹腔鏡下結腸右半切除術施行後2年経過時点 より 右側腹部痛 嘔吐を認め 度々同症状出現するため当院 外科受診 腹部CTにて右下腹部の内 外腹斜筋間に腹腔内から 連続する脂肪濃度組織の逸脱を認め 腹壁瘢痕ヘルニア慢性嵌 頓と診断 IPOM-plus手 術 手 技 臍 高 左 側 腹 部 よ り カ メ ラ ポ ー ト を 挿 入 左肋骨弓下 左腸骨窩に各々 5ΜΜポートを挿入し 臍部 の癒着剥離施行 前回手術時の右下腹部2ΜΜポート留置部に 35ΜΜ 35ΜΜの筋膜欠損を認め 大量の大網脱出があった ヘルニア内容を腹腔内へ整復後 2-0プロリン糸4針による体腔 外結節縫合でヘルニア門を閉鎖した 同時に体外から挿入した ベントラレックス Lサイズ でヘルニア門を完全閉鎖した 結果 手術時間は時間36分 出血量は少量で合併症なく終了 術後2週間の外来受診時点で疼痛 違和感 再発なし IPOMplusの有用性に関する考察を含め 本症例のビデオを供覧する はじめに 腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術 LVHR において 再発を防ぐためにはmesh選択とその展開 固定が最も重要であ る 当科における手術手技の詳細を報告する 方法 ヘルニア門測定 癒着剥離を行った後 気腹圧を 6mmHg程度として体外からカテラン針を穿刺して行う 正確な サイズ測定がmesh選択に重要である 2 ヘルニア門閉鎖 小 開腹をおいて直視下に非吸収糸で単結節し閉鎖する 3 mesh 選択と展開 固定 Meshはヘルニア門閉鎖前の大きさから3 5cmオーバーラップするようにトリミングし 左右端から中心 にむかって丸めて糸で固定する Meshの中央部と頭側端 尾 側端に支持糸をかける 腹腔内に挿入し ヘルニア門の中心に meshの中央部の支持糸を釣り上げる 頭側端と尾側端の支持糸 も体外に引き出すことでmeshがヘルニア門からずれることを 防ぐ 次にmeshを固定していた糸を片方ずつ外して展開する Meshは吸収性タッカーでdouble crown法で固定する 最低4 か所非吸収糸で全層固定を追加する 結果 205年7月から206年月までに計6例のLVHRを行っ た IPOMが2例 IPOMplusが4例で 年齢は78.5歳 歳 手術時間は38分 0 82分 だった 術後再発は認 めていない 結語 再発を防ぐために重要なmesh展開と固定の工夫について 報告した
109 VW5-2 VW5-3 腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術における IPOM plus の経験と 工夫 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術における self-gripping mesh の取り扱いに関する我々の工夫 堤田 当間 宏樹 江口 廣田伊千夫 英明 宇都 宮崎医科大学 光伸 上村 万里 上村 俊朗 徹 藤井 圭 錦 建宏 小原井朋成成 医療法人原三信病院 当院では 20年0月にLVHR Laparoscopic Ventral Hernia Repair を導入し 現在まで29症例を経験した 男性 0例 女 性9例 平 均 年 齢73歳 平 均BMI また 直近の症例において IPOM plusを施 行し良好な成績を得たので報告する 症例 83歳 女性 4年前の腹膜炎手術による右傍直腸切開か らの0cm x 8cm のヘルニアを認めた 臍底より2mmポート 挿入し ヘルニア部を確認 左下腹部より5mmポートを2本挿 入し腸管の癒着剥離を施行 ヘルニア門の確認にて外側のマー ジンが不十分になると判断し IPOM plusを施行した ヘルニ ア門中心部に2 cmの皮膚切開にてlap disc miniを挿入し 直 視下にて腹膜筋層を縫合した 再度腹腔内なから観察し メッ シュのダウンサイジングが可能と判断 ventrio3.8x7.8 cm を使用した 術後は経過良好でseromaも直後に僅かに認めた のみで またbulgingも認めていない 今回 当院で経験した IPOM plusの症例を呈示し ヘルニア門直接閉鎖の工夫点と メッシュの展開に関する工夫点を報告する 目的 self-gripping meshは タッカー固定が困難な局所でも 安定した接着を可能にし ヘルニア再発の原因となるメッシュ の逸脱やめくれ返りの予防に効果的だが その展開には工夫が 必要である 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 以下LIHR におけ るself-gripping meshの取り扱いに関する 我々の工夫につい て報告する 方法 対象 205年月より206年2月の期間 成人鼠径ヘ ルニアに対し 同一術者でLIHR TEP を施行した計38症例の 短期手術成績を a 通常メッシュ +タッカー固定群 n=6 b self-gripping mesh群 n=22 で 比 較 検 討 し た self-gripping mesh展開の工夫 self-gripping meshは 症例ごとに ヘルニ ア門と鼠径床を計測して 台形にトリミングする メッシュは 滅菌したビニールシートごと double roll法で鼠径床の長軸 方向に巻き 腹膜外腔に挿入する メッシュの中央はiliopubic tractへ接着し 腹側と背側へ向かって少しずつ展開する 成績 メッシュの展開時間中央値 a 群: 秒 b 群: 秒 p=0.22 術 後 合 併 症 は a 群 皮下血腫2例 b 群 seroma2例であった 両群ともヘルニア 再発や慢性疼痛は 現在まで認めていない 結論 LIHRにおけるself-gripping meshの取り扱いを工夫 定型化することで 通常メッシュ +タッカー固定と同等の展開 時間にすることが可能であり 術後皮下血腫の予防に効果的で あった VW5-4 VW5-5 当 院 で の 腹 腔 鏡 下 腹 壁 ヘ ル ニ ア 修 復 術 に お け る Needle instruments の導入 腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術における胃壁固定具を用い たメッシュ固定の工夫 川上 土居 伊藤 義行 藤井 幸司 青竹 福井赤十字病院 外科 秀則 大西 利治 田中 竜平 吉田 文恵 廣瀬 誠 吉羽 由紀 秀麿 目的 当院では平成26年3月より腹壁ヘルニアに対して腹腔鏡 下修復術を導入し 傍ストマヘルニア等の嵌頓症例に適応拡大 平成26年3月 29年2月 28年4月よりNeedle instruments 併用メッシュ固定術を導入 方法 左上腹部 2mmXCEL50mm Optical view法でファース トポート挿入 左側腹部5mm VersaportTM Optical Trocar COVIDIEN 頭低位 右下側臥位 2mm 5mm 30 硬性斜視 鏡 左下腹部VersaportTM 2-3mm 細径ENDOTIPTMcannula 平 成6年 STORZ BJ needletm NITI-ON 開腹従来法 4月 29年月 と比較検討した 腹壁補強Ventralight STTM BARD PCOTM COVIDIEN SYMBOTECHTM ETHICON 開腹術SoftmeshTM BARD ProLoopTM MESH ATRIUM メッシュ固定F-loop plustm CHARMAN 男女2 年齢5-84 aver.68.9 成績 腹腔鏡下手術3例 手 術 時 間76-342分 median 26.0 術 後 在 院 日 数3-0日 男7女 年齢80-9 aver.85.6 median 6 開腹術8例 術 後 在 院 日 数9-63 median 手 術 時 間5-62 median 結論 当院での腹壁ヘルニア症例に対するNeedle instruments 併用腹腔鏡下修復術では開腹術に較べて手術時間は延長 術後 在院日数は短縮した 人工被覆材による腹壁補強ではこれまで 術後合併症 再発を認めなかった 腹腔鏡下修復術は整容性に おいても満足の得られる結果であったことより 適応を選べば 今後更に有用な術式であると考えられる 栄作,2 鈴木 裕 2 三澤 健之 秋葉 直志 東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科 国際医療福祉大学病院 外科 2 背景 目的 腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア手術 LVHR のメッ シュ固定ではdouble crown法やsutures and tackers法が多く 行われているが筋膜固定の手技は煩雑と言える 今回 我々は LVHRを行う際のメッシュ固定に胃壁固定具を使用したため報 告する 症例 子宮内膜症手術 帝王切開の既往がある69歳女性 腹部 膨隆を主訴に来院 下腹部正中切開瘢痕に一致してヘルニア門 を触知した CTでは3.0cm 5.5cmのヘルニア門を確認し腹 壁瘢痕ヘルニアと診断し手術を行った 全身麻酔下で左上腹部 に2cmの切開を置き EZアクセス 楕円タイプ 八光 を留置 3mmスコープと2本の3mm鉗子で手術を行った 癒着剥離後 ヘルニア門閉鎖を試みたが筋膜全体が菲薄化しておりヘルニア 門閉鎖困難であった メッシュの上下左右に縫合した3-0非吸 収性モノフィラメント糸でメッシュを腹壁に固定した このと き 2mmの皮膚切開をおき 胃壁固定具 イディアルリフティ ング オリンパス を用いて皮膚切開部の皮下で結紮し結紮点が 埋没するようにした さらに その4点の間に2-0ナイロンでそ れぞれを4針の筋膜固定し 結紮点は皮下埋没とした Double Crown法にて.5cm間隔で固定し閉創した 結語 イディアルリフティングは9G針と細く 針先が鋭いた めメッシュの貫通性は良好であった また 糸を把持する部分 がループ状であるため 糸の把持が容易でありメッシュ固定に 有用であると考えられた
110 VW5-6 VW5-7 腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術のメッシュ挿入 展開 固定の コツ 大川 淳 前田 庄平 吉川 東宝塚さとう病院 外科 正人 当院における腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術の工夫 浦上 猶本 淳 石田 良夫 尚正 高岡 宗徳 林 次郎 吉田 和弘 川崎医科大学 総合医療センター 外科 腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術 以下LVHR は 腹腔内からのヘ ルニア門の診断が可能でオカルトヘルニアの見落としも少な く 鏡視下に修復が出来るので導入施設が増加している 我々 は 2004年より約60例のLVHRを施行し 本学会でも手術方法 などの報告を行ってきた しかし 地方会やセミナーなどでは 大きいメッシュの取り回しに苦労したり 綺麗に固定出来ない などの質問が多く聞かれる 今回 メッシュの挿入 吊り上 げ 腹壁固定に付き 我々の工夫を紹介する 癒着防止フィル ムやコーティングのされたメッシュが主流で 腹腔面を挿入時 に損傷しないようにする工夫が必要である 一般に腹腔面を内 側に巻いて挿入すると 展開後 表裏をひっくり返す必要があ り 大きいメッシュだと取り回しが困難になる 近年 諸家か ら 左右から内巻きにロールし 糸で縛ったメッシュをトロッ カーより挿入し中央の支持糸を吊り上げ 中心線をタッカーで 腹壁に固定後 縛った糸を切りメッシュを展開する方法が報告 されている 我々はこの方法に工夫を加えた 方法は 左右 のロールを別々の糸で刺入結紮し 至適場所に中央の支持糸で メッシュを吊り上げる 次に 頭側 尾側を支持糸やタッカー で固定し 左右のロールを縛った糸を別々に切り ロールを左 右別々に展開 メッシュを固定する方法を行った IPOM-plus でも可能で 大きなメッシュでも容易に展開できる方法である と思われる はじめに 当科では203年から腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術 LVHR 導入し 最近の症例にヘルニア門閉鎖を加えたIPOMplusを行うようにしている 術者と助手を固定して定型化を図 り またメッシュの固定にはtransfascial sutureでの固定を 行っている 手術手技 ヘルニア門縁より5-0cm離れた左下腹部または左 季肋部を小切開し5mmまたは2mmポートを挿入し 気腹す る 腹腔内観察後に5mmポート2-3本をメッシュより外側とな る部位に挿入 腸管や大網の癒着をはく離した後にヘルニア門 を確認する サイズを計測し メッシュをヘルニア門全周より 3cmのマージンを覆う大きさにトリミングする 最近は非吸収 性モノフィラメント糸とEndCloseを用いて 腹腔内でヘルニア 門閉鎖を行ってからメッシュを固定するIPOM-plusを行ってい る 閉鎖後にメッシュを非吸収性モノフィラメント糸にて筋膜 に固定し さらに吸収性タッカーでDouble Crown法で固定す る 結果 203年以降にLVHRを20例に行った 使用したメッシュ はPCO Mesh 7例 VENTRALIGHT 2例 患者背景は 男女 比2 8 平均年齢68.3歳 平均のヘルニア門径は6.3cm 平 均手術時間26分 平均術後在院日数6.5日であった 結語 LVHRはヘルニア門を正確に視認できるため根治性の 高い術式と考えらる 当科ではメッシュの固定にtransfascial sutureでの固定を行い 再発例は経験していない 当科での手 術の工夫をビデオで供覧する VW5-8 VW5-9 腹壁ヘルニア修復術 再発防止のためのメッシュ固定留置部 位確保とメッシュ固定について Modified scroll technique を用いた腹壁瘢痕ヘルニア修復術 鶴間 奥谷 立川綜合病院 外科 哲弘 川崎 浩一 平田 JR 札幌病院 外科 浩之 田山 公一 慶子 太田 盛道 内山 素伸 腹壁ヘルニアに対する手術において再発ゼロをめざすポイント は ヘルニア門の正確な把握 適切な大きさのメッシュ選択 ヘルニア部位に適したメッシュ留置部位の確保と強固なメッ シュ固定と考える 現在 我々は5cm以上のオーバーラップ 距離を確保するようにメッシュ留置スペースを展開 確保して いる メッシュの端まですべて腹壁に固定できる場合は容易で あるが メッシュが膀胱 横隔膜 後腹膜にかかる場合には工 夫が必要となる 膀胱にかかる場合には 尿道バルーンから生 食を注入し膀胱を膨張させた後に膀胱前腔を剥離しメッシュを クーパー靭帯に固定する 膀胱を膨張させることにより剥離層 の誤認防止となる また その際には靭帯に確実に固定可能な タッキングデバイスの選択が重要である メッシュが横隔膜に 及ぶ時はメッシュを縫合固定あるいはヘルニアステイプラーで 固定する また ヘルニア部が側腹部にありメッシュが後腹膜 腔に及ぶ場合は腸管を脱転し Gerota筋膜にメッシュ固定する ようにしている ヘルニア門が大きく枚のメッシュでは不十分 な場合には複数枚のメッシュを重ねあわせ使用している その 際 メッシュ重複部の腹壁固定については タッキングデバイ スでは強度不足となるため全層固定が必要であり 糸の腹壁 メッシュ刺入方法にも工夫がある 本発表では上記術式を供覧 しつつ メッシュ留置部位展開 メッシュ固定について考察す る 蛭川 浩史 沼野 史典 阿部 馨 福田進太郎 はじめに 腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術で大きなメッシュ を腹腔内で取り扱うことは 非常に困難である メッシュの位 置のずれや折れ曲がり 不十分なオーバーラップは合併症や再 発の原因となり注意が必要である われわれはmodified scroll techniqueを用いてメッシュを展開している 非常に簡便で有 用な方法と考えられたため報告する 手術手技 メッシュはVentralightTM STを使用している メッ シュをコーティング面が内側に来るように 両側から中心に向 かって丸め 中央部を糸で縛る 縛った糸を 鉗子で持ち上げ メッシュを腹壁側につり上げて保持 メッシュの中心部の隙間 部分を辺縁からタッカーで固定 固定が完了したら糸を切除し 固定部を中心にメッシュを左右に展開 メッシュ辺縁に沿って 全周にタッキングする ヘルニア門縫合部周辺にもクラウン法 の様に固定する 4針非吸収糸による腹壁全層固定を追加する 結果 これまで 5例に行った 使用したメッシュの長径は平均 22.4cm 平均手術時間は5.8分 周術期を通じて合併症はな かった 術後在院日数は平均9.4日 術後観察期間は 平均7か 月で 再発 慢性疼痛などの合併症は認めていない 結 語 大 き な メ ッ シ ュ を 腹 腔 内 で 展 開 す る 方 法 と し て modified scroll techniqueは非常に有用である
111 VW5-0 VW6- スクロールテクニック変法によるメッシュ固定の工夫 山本 海介 森嶋 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP は本当に安全な手術か - 致死的出血性合併症の 例から - 友一 佐々木亘祐 独立行政法人 国立病院機構 千葉医療センター 外科 腹壁瘢痕ヘルニア修復術におけるサイズの大きな展開を容易に する工夫として 蛭川が第3回日本ヘルニア学会のランチョン セミナーにおいてスクロールテクニックを報告した これは メッシュの短軸方向の両端を中央に向かいスクロールし スク ロールされたメッシュの中点を糸で結紮し固定することで本 の棒状の形状とする 腹腔内に挿入後 orificeの中央で固定糸 を鉗子で持ちタッカーで長軸の中央を腹壁に固定 その後 固 定糸をはずし短軸方向のメッシュ両端を順に固定する方法であ る この方法は 有用な方法であるが腹壁全体を覆いつくすよ うなサイズのメッシュの場合 メッシュの両端が暖簾状になっ てしまい視野が悪くなる欠点がある この欠点を補うために当 科では スクロールテクニックの変法を考えたので提示する メッシュの短軸方向の両端を中央に向かいスクロールするまで は同じであるが スクロールしたメッシュの左右を別々に結紮 し固定する その後 直軸の両端に腹壁の固定用の糸を縫合す る これを腹腔内に挿入し 腹壁固定糸をorifice長軸の辺縁か ら5cmの部位に体外より固定する スクロールしたメッシュの 固定糸の本をはずしメッシュの辺縁をタッカーで固定後 もう 一方の固定糸をはずし同様に逆側のメッシュの辺縁を固定する この方法により かなり大きなメッシュでも展開が容易となる 動画にて手技を供覧する 松田 明久 保田 川野 陽一 山初 安藤 文彦 増田 宮下 正夫 内田 智彦 松本 智司 櫻澤 信行 和也 関口久美子 篠塚恵理子 寛喜 川島 万平 香中伸太郎 英二 2 日本医科大学千葉北総病院 外科 消化器外科 2 日本医科大学 消化器 外科 低侵襲性 内視鏡手術器具の進歩を背景に本邦においても腹腔 鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP が急速に広まっている 比較 的平易な手術と考えられているTAPPであるが 再発率が高い ことも報告されており依然として標準化された手術とは言えな い さらに 稀ではあるが前方アプローチでは遭遇しないよう な致死的な合併症を伴う可能性もある 今回 当科で経験した 致死的出血性合併症の例を提示し TAPPの安全性について再 度考えてみたい 症例 66歳男性 左鼠径ヘルニア I-2 に対してTAPPを施行し た 恥骨後腔剥離時に死冠の電気メスによる焼灼が疑われたが 出血を認めなかったため手術を終えた 術翌日 出血性ショッ クによる突然の意識消失を認め 造影CTにて死冠出血と診断し た 静脈性出血が疑われ バイタルサインの増悪がなかったた め自然止血を期待したが 貧血の進行を認めたため翌々日 緊 急腹腔鏡手術を行った 著明な恥骨後腔の血腫を認め血腫を除 去すると死冠からの大量の活動性出血を認めた ポートを追加 し なんとか出血血管の鉗子での把持に成功した後 クリップ による止血を得た 結論 TAPP後の血管損傷による出血は %と決して 多くはない しかし TAPPがわずかな損傷でも重篤 致死的 となり得る大腿動静脈 下腹壁動静脈 死冠出血のリスクを伴 う手技であることを再認識する必要がある VW6-2 VW6-3 ロボット支援前立腺全摘術後鼠径ヘルニアに対して TAPP を 施行した 例 巨大脂肪ヘルニアで術中途方に暮れた腹腔鏡下ヘルニア修復 術の 症例 福田 佐近 関野 啓之 太枝 良夫 千葉県済生会習志野病院 外科 雅宏 竹腰 康 林原 長野市民病院 外科 諸言 前立腺癌術後鼠径ヘルニアでは強い炎症性変化が生じて いるため剥離操作困難になっている 当院では204年4月に TAPPを導入し経験を積んだのちに206年月から開腹前立腺 癌術後鼠径ヘルニアに適応拡大し安定した成績を得ているが今 回ロボット支援前立腺全摘術後鼠径ヘルニアに対するTAPPに おいて術中難渋したので報告する 症例 204年8月他院にてロボット支援前立腺全摘術後 右鼠 径ヘルニア認め206年2月TAPP施行した 術中 大網と腹壁 との癒着を認め剥離した 下腹壁血管や精管 性腺血管を温存 しつつ内側は膀胱に近寄らないよう腹壁よりの深い層で剥離し メッシュ留置した 腹膜閉鎖の際に腹膜を寄せるため気腹圧を 段階的に下げ視野不良となりつつも4mmHgまで下げたが腹膜が 寄らなかったためMPOより腹側の腹膜を減張切開したところ かろうじて腹膜が寄るようになった 腹膜縫合可能となるも緊 張が強く結紮が緩むため右手ポートを2mmに入れ替えラプラ タイにて結紮した 減張切開部腹膜は開放のままタッカーにて 腹壁と固定した 術後2病日で退院し術後週間は軽度の鼠径部 痛を認めたが2週後には軽快した 考察 前立腺癌術後は炎症性変化により剥離困難となるが特に ロボット支援手術においては内側臍襞や腹膜が切離されたまま 修復されず術後変化が顕著である 腹膜縫合閉鎖の際に腹膜が 寄らなかったがMPOより腹側の腹膜を減張切開することで縫合 することができた 大也 古田 香織 高田 浩之 岡田 学 関 正夫 松村 仁誌 宗像 美穂 康博 症例は68歳男性 身長56cm 体重66kg BMI27.と肥満症 例であった 通常のTAPPのアプローチで手術を施行した 右 鼠径ヘルニアの術前診断であったが 腹腔内からの観察では右 側に明らかな腹膜の陥凹はなかった 腹膜切開し 剥離して いったが 脂肪ヘルニアと思われる脂肪の塊は観察されたが 下腹壁動静脈や精巣動静脈 精管などの解剖学的な指標となる 組織がなかなか露出されず 術中途方に暮れた なんとか剥離 を続けたところ内鼠径ヘルニア2-型であることがわかった 大きな脂肪組織の塊を切除し 型のごとく3Dメッシュを貼付し て手術を終了した 大変だった手術を供覧します - 0 -
112 VW6-4 VW6-5 腸閉塞既往のある 再発鼠径ヘルニアに対する TAPP 法の経験 田崎 亀田 達也 佐々木 靖子 田妻 JA 広島総合病院 外科 秀 香山 昌 新原 茂平 杉山 健介 今村 消化管皮膚瘻術後の腹壁全層欠損に対して一時的 VAC 療法 が有用だった症例 陽一 上神慎之介 祐司 中光 篤志 佐藤 正範 小野田貴信 松山 野澤 雅之 2 椎谷 紀彦 和田 はじめに 腸閉塞既往のある 再発鼠径ヘルニア症例の治療に 難渋したため 報告する 症例 症例は6歳 男性 腸閉塞のため当科初診 幼時期に左 鼠径ヘルニア手術を受けており 左鼠径部に約5cmの鼠径部切 開創あり イレウス管挿入により症状改善 左再発性鼠径ヘル ニアに対して手術を希望された 2か月後にTAPP法による手術 施行 左鼠径ヘルニア術後創部腹壁に高度な小腸癒着を認め 鼠径ヘルニアの確認ができなかった 他に腹腔内に癒着はなく この癒着が腸閉塞の原因と判断し 癒着を剥離したところ 鼠 径部の確認が可能となった 約4cmのヘルニア門が確認できた が 下腹壁動静脈は確認できず ヘルニア分類診断は不能 ま た ヘルニア門外側鼠径部腹壁にS状結腸の癒着を認めた 癒着 したS状結腸の外側で腹膜切開を開始し ヘルニア門の前腹壁側 腹膜を切開した 切開した腹膜を把持 牽引し 腹膜前腔の剥 離を鈍的 鋭的に行った 剥離が大部分完了した時点ではじめ て下腹壁動脈が確認でき 外鼠径ヘルニア JHS分類I-3, rec と 診断できた メッシュ展開 腹膜閉鎖を行った 手術翌日に退 院 その2週間後に再度腸閉塞で入院 CTで閉塞部位は明らか でなかったが 5日間改善を認めなかったためイレウス管挿入 速やかに改善した その後3か月経過したが ヘルニア 腸閉塞 とも再発はみられない 浜松医科大学 第一外科 2 島田市民病院 外科 VW6-7 ヘルニア門が確認困難であった外鼠径ヘルニアの一例 NTT 西日本大阪病院 貴洋 83歳女性 40年前 膀胱がんに対する放射線治療歴がある 0年前 左鼠径部および右傍腹直筋切開創の腹壁瘢痕ヘルニア に対して polypropylene/eptfeコンポジットメッシュとチタ ン製タッカーを用いた修復術を受けている 2週間前 恥骨上部 から腸液の漏出を認め 消化管皮膚瘻と診断され近医入院した 当院へ転院後 精査中に抗生物質ないし感染が原因と考えられ るSteven Johnson症候群を発症した 抗生物質中止の上 ステ ロイド使用下で手術を行った 手術所見で 落下したタッカー による回腸穿孔と続発性メッシュ感染と膀胱穿孔と診断し 感 染メッシュ除去 小腸部分切除 回腸人口肛門造設を施行した 恥骨上部は7 6cm大の腹壁全層欠損が生じた 大網被覆および VAC療法による一時的腹壁閉鎖を行い 25mmHgの持続 間欠吸引で維持した 腹壁全層欠損打側優位に感染部位が遺残 していたため術後2週間後 回腸肛門側断端瘻が疑われたため 同部の体外化を行った 腹壁全層欠損の感染が改善し 良好な 肉芽形成が見られたため分層植皮を行った 経口摂取が可能と なった状態で前医へ転院した 今回感染を伴った腹壁全層欠損 症例に対して VAC療法による一時的腹壁閉鎖を行い良好な結 果を得たので報告する VW6-6 安達 慧 大西 藤江裕二郎 橋本 温子 渡邊 英俊 2 直 高 正浩 野中 和彦 藤田正一郎 亮児 山本 S 状結腸が滑脱 嵌頓した右外鼠径ヘルニアを日帰り手術で 行ってしまった 例 和義 宮崎 消化器外科 恭介 みやざき外科 ヘルニアクリニック 症例 75歳 男性既往歴 糖尿病 腰部脊柱管狭窄症術後 年前 現病歴 ヶ月前からの右鼠径部の膨隆と違和感がある ため 近医より当科紹介となった 初診時現症右鼠径部は立 位にて鶏卵大に膨隆しており 臥位で自然に還納した 疼痛 はなし 右鼠径ヘルニアと診断し 将来嵌頓の可能性がある た め 手 術 の 方 針 と な っ た 206年8月 にTransabdominal Preperitoniar repairを施行した 腹腔内を観察すると 内鼠 径輪にヘルニア門を確認できなかった 内鼠径輪の外側の腹膜 を切開し 剥離を進めたところ JHS:I-2型の外鼠径ヘルニア門 に6 5cm大の境界明瞭な弾性軟の黄色腫瘤を認め それが嵌 入していた 黄色腫瘤を摘出し メッシュを固定後に腹膜を縫 合閉鎖して 手術終了となった 術後経過は良好で 術翌日に 退院となった 病理検査結果より精索脂肪腫であることが明ら かになった まとめ ヘルニア門が確認困難であった巨大精索脂肪腫の一例 を経験したので 映像を供覧する はじめに S状結腸が滑脱 嵌頓した右外鼠径ヘルニアを日帰り 手術で行い 術中途方に暮れた例を経験したので報告する 症例 症例 60代 男性 主訴 右鼠径部から陰嚢の腫れと痛 み 現病歴 半年以上前から右鼠径部に突出あり 2週間前から 戻らなくなり 2日前から痛みも出現し 当院受診 身体所見 立位で右鼠径部に膨隆あり 臥位で用手整復不能 圧痛あり 腹部CT 小腸閉塞なし 右陰嚢内に結腸嵌入あり 血液検査 WBC9400/uL CRP.8mg/dL 治療方針 結腸嵌頓の鼠径 部ヘルニアだが炎症反応ごく軽度のため 翌日に日帰り手術を 行うことに決定 手術経過 アンダーマスク下バランス麻酔 吸入 静脈麻酔 局 所麻酔併用 で手術開始 外腹斜筋腱膜を露出し 外鼠径輪で の締め付けを解除すべく外精筋膜側から外鼠径輪を切開したと ころ ヘルニア嚢が開放され結腸が露出した 術者は途方に暮 れ めまいと頻脈を自覚 手術を中断した 術者は気を取り戻 し気管内挿管全身麻酔に変更 レスピレーター管理とし 再び 手術を再開した 内鼠径輪外側上方で 腹膜 腹横筋 内腹斜 筋を大きく切開し 内鼠径輪を開大した 嵌頓臓器はS状結腸 と判明 一部滑脱していた 何とかS状結腸を腹腔内に整復し Parietex progripで修復 閉鎖ドレーンを挿入し 手術を終了 した 手術時間3時間40分 患者は無事 当日帰宅した 結語 結腸損傷しなくて良かったが もうこんな手術は嫌だ - -
113 VW6-8 VW7- 高度癒着を認めた巨大腹壁瘢痕ヘルニアに対する腹腔鏡下手術 佐々木亘亮 山本,2 海介 森嶋 友一 国立病院機構千葉医療センター 2 千葉大学医学部附属病院臓器制御外科 緒言 腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術は 正確なヘルニア門 の診断とメッシュによる確実な修復を可能とする術式で広く普 及しつつある しかし 巨大で複雑なヘルニアを有する症例に 対しては一定の専門的な技術と知識を必要とする 症例 80歳 女性 BMI 年前の下腹部正中切開の瘢 痕ヘルニアで 下腹部を中心に小児頭大の膨隆を認めた 術前 にヘルニア門は少なくとも2箇所触知した 手術は腹腔鏡下腹壁 瘢痕ヘルニア修復術を施行した 腹腔内には広範な癒着ととも にスイスチーズ様の無数のorificeを認め そのすべてのsacに大 網や腸管が嵌入し癒着していた 大きなSac内に小さなorifice を認めるような複雑な形態で Sacの最大径は約7.5cm その 他3-5cmのものを複数認めた 癒着剥離を完全に行った後に orificeを縫合閉鎖し ベントラライトST 25.3*20.3mmを腹腔 内より固定し手術終了した 手術時間は540分 出血は少量で あった 考察 当院ではIPOM plusを標準的に導入している 特に巨大 なヘルニアの症例に対してもポート位置やメッシュの展開を工 夫することで問題なく行えており また術後のmesh bulgingを はじめとする合併症も認めていない 今回の症例のようにヘル ニア門が巨大で 高度癒着を認める際には手術時間が長時間と なってしまうこともあるが 術後経過は良好で再発を認めてい ない 手術動画を供覧するとともに 若干の文献的考察を加え て報告する 開腹腹壁瘢痕ヘルニア修復術後のメッシュ辺縁癒着性腸閉塞 に対する腹腔鏡下手術の経験 島田 善郎 VW7-3 再々発をきたした鼠径ヘルニアに対して腹腔鏡下手術を施行 し得た一例 智彦 平岡 浩章 飯田 近年 腹壁ヘルニア用メッシュは改良されてきているが 術後 の癒着関連合併症を完全に予防できるものではない 今回 腹 壁瘢痕ヘルニア修復術後のメッシュ辺縁への癒着性イレウスに 対し腹腔鏡下手術を行い 難渋こそすれ良好に加療し得た症例 を 生涯忘れ得ぬ症例 として報告する 症例は74歳女性 腹 腔鏡下胆嚢摘出術後の臍部腹壁瘢痕ヘルニアにて直接縫合閉鎖 術の既往あり 今回 鶏卵大の再発を認めたためVentrio Hernia Patchを用いた開腹IPOM intraperitoneal onlay mesh 法に て再修復術を施行 手技に特に問題はなかったが 第4病日より 嘔気を認め CT 消化管造影検査にて癒着性イレウスと診断 保存的加療で改善せず 第3病日腹腔鏡下イレウス解除術を施 行 観察すると 小腸がメッシュ外縁2箇所の数mmの間隙に Richter型ヘルニア様に陥入し強固に癒着していた 腸管損傷を 避けるためまず癒着部のメッシュを鋭的に切離しメッシュを癒 着させたまま遊離させた 癒着したメッシュ断片は鈍的に剥離 しえた メッシュ欠損部にParietex Composite PCO メッシュ を追加縫着し補強 さらにセプラフィルムを小腸剥離部に可及 的に貼付した 術後経過は良好で 術後4年でヘルニア 腸閉塞 とも再発はなし 本症例経験後は 腹壁瘢痕ヘルニアには腹腔 鏡下手術をFirst Choiceとし更なる合併症予防に努めている VW7-2 町田 雅也 杉田 福井県済生会病院 外科 邦彦 松原 中央会 尼崎中央病院 外科 長秀 腹腔鏡下に修復した上腰ヘルニアの 例 岩倉 辰林 伸次 前田 太一 堀内 恒宏 冨永 哲也 敏治 谷島 裕之 木村 正道 独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター 外科 はじめに 再発鼠径ヘルニア手術は初回手術に比して難易度が 高く 合併症をきたす危険性が高い 鼠径部ヘルニア診療ガイ ドライン205では初回に腹膜前修復法で治療されていない場 合には再発例に対して腹腔鏡下手術は有用となる可能性がある 今回 我々は鼠径ヘルニアに対する手術後の再々発として術前 CTにて診断でき TAPPを施行し得た症例を経験したので報告 する 症例 69歳男性 203年2月に右鼠径ヘルニアに対して手術 Mesh Plug法 施 行 そ のか 月 後 に 再 発 し 再 手 術 Onlay patchのみ留置 施行 その後は再発なく経過するも206年3月 頃より尿が溜まると右鼠径部が膨隆し 排尿後は軽減するため に6月下旬に当科外来を受診 腹臥位CTにて右鼠径管内に膀胱 が一部 脱出しており 膀胱ヘルニアと診断 7月中旬に手術 TAPP 施行 膀胱内に生食を注入し ヘルニア嚢 膀胱 を確 認 内鼠径ヘルニアは認めず 内鼠径輪の開大 ヘルニア門は 4cm を認め 外鼠径ヘルニア RecI-3と診断 内鼠径輪の腹側 に前回手術の際に留置したメッシュが散見され メッシュの偏 位とサイズ不足が原因と考えられた これを可及的に除去した 後にトリミングしたベントラライトSTを留置し 腹膜を縫合閉 鎖して修復した 現在 術後半年を経過するも再々々発は認め ない 考察 鼠径ヘルニア術後の再々発に対しても安全にTAPPを施 行することができ 生涯忘れ得ぬ症例となったので報告する 腰ヘルニアの約4.3 が術後性 もしくは外傷性に発症し 解 剖学的に脆弱な上腰三角に多く認められる 腰ヘルニアに対し 腹腔鏡下に修復しえた報告は少なく 今回我々は脊椎側弯症術 後2年で発症した上腰ヘルニアを腹腔鏡下に修復したので報告 する 症例は65歳の女性で全身麻酔下 右半側臥位で手術開始 した 臍部に2mm 上下腹部正中と右下腹部にそれぞれ5mm の計4ポートにて手術を開始した 第2肋骨下縁にヘルニア門 を認め ヘルニア門近傍で腹膜を切開しWhite lineに沿って結 腸を内側に牽引して剥離した ヘルニア内容物はGerota筋膜周 囲や後腹膜の脂肪組織で超音波凝固切開装置で剥離切除した メッシュ留置のためのスペースを確保するために腹膜を全周に わたって剥離し 頭側は第2肋骨上縁まで 腹側と尾側は腹横 筋 背側は仙棘筋が確認できるところまで剥離した ヘルニア 門の大きさは長軸方向が5cm 短軸方向が3.5cmであったので 固定マージンを確保できる9 9cmのParitex optimaized PCO Mesh Covidien社 を用いた メッシュの固定はアブソーバ タック Covidien社 でdouble crown techniqueで行った 最 後に腹膜を3-0 V-Loc Covidien社 で閉鎖した 術後に軽度 の痛みを認めたが回復し退院した 腰ヘルニアを腹腔鏡下に修 復した報告は2例あり 一昨年から症例報告が増加している 施設による手術術式 メッシュの種類も異なっており 文献的 考察を加えて報告する - 2 -
114 VW7-4 VW7-5 膀胱全摘 回腸代用膀胱造設術後の恥骨上ヘルニアに対し腹 腔鏡下修復術を行った一例 De novo 型 I 型鼠径ヘルニアに対し TAPP 法を施行した 例 楢崎 齊藤 準 田村 和彦 長江 逸郎 2 土田 明彦 2 総合病院 厚生中央病院 消化器外科 東京医科大学 消化器 小児外科 学分野 肇 北海道消化器科病院 外科 症例は45歳男性 40歳時に膀胱癌で他院にて開腹膀胱全摘 回 腸代用膀胱造設術を施行された その後 CVポート造設の上 術後補助化学療法が施行された 術後数か月で腹壁瘢痕ヘルニ アを発症したが放置していた ヘルニアの治療を希望され当院 に紹介となり 206年2月に腹腔鏡下ヘルニア修復術を行った 腹腔内には癒着がみられ 特にCooper靭帯と回腸代用膀胱の強 固な癒着を認めた 慎重に鋭的剥離を行ったが代用膀胱損傷を 起こしてしまった 通常の腸管損傷に比較し汚染は軽度と判断 し 損傷部を縫合閉鎖し 腹腔内を十分に洗浄してIPOM-plus の手技で手術を終えた ヘルニア門は長径5cmで 30x20cm のメッシュを用いたが 内臓脂肪が多く腹腔内の狭い症例で メッシュの取り回しに苦労した 手術時間は4時間30分であっ た 術後週間 尿道留置バルーンカテーテルにて代用膀胱内の 減圧を行った リークの有無確認のため代用膀胱造影を行った が リークは認めずバルーンカテーテルを抜去した 同日夕方 より39度台の発熱を認めた 尿路感染 メッシュ感染 CVポー ト感染 インフルエンザなどを念頭に検査 治療し解熱された しかし 術後2日目に再び40度を超える発熱を認めた 治療に より再び解熱され 術後28日目に退院した 困難症例に対する 術中に臓器損傷を起こし さらに術後も原因の同定し難い発熱 を繰り返し 治療に非常に苦慮した症例であるため手術ビデオ と術後経過につき提示する 2 はじめに De novo型i型鼠径ヘルニアはtapp法における難症 例の一つとされている De novo型は鞘状突起開存型に比して より後壁の脆弱化が伴っているものと思われる 今回 比較的 若年者に経験し 若年者における術式選択について再考するこ ととなったため 報告する 症例 40歳 男性 主訴 左鼠径部腫脹 既往歴 膀胱腫瘍にて経尿道的膀胱腫瘍切除術 現病歴および手術 3か月前より左鼠径部腫脹が出現し 近医を 受診し 鼠径ヘルニアと診断され 手術目的に当院を紹介受診 術前CTにて精索脂肪腫を伴う外鼠径ヘルニアと診断した 術中 所見にて 内側臍襞側より腹膜前脂肪織を含めた内側滑脱型の De novo型i型鼠径ヘルニアであることを確認し 脱出したヘル ニア嚢および脂肪織をpseudo sacより剥離し 腹膜前腔等を充 分に剥離 メッシュを展開固定後 腹膜を4-0吸収糸にて縫合 閉鎖し手術を終了した 考察 当科では 男性では20代 女性では30代までの若年者に 対しては Marcy法やLichtenstein法などの腹膜前腔剥離を必 要としない術式を選択する事も多い 本症例は40歳と比較的若 年者であるが 本症例のようなDe novo型i型鼠径ヘルニアに対 しMarcy法にて修復した場合には 後壁の脆弱性から早期の再 発も予想される このため TAPP法を含めた術式選択には充 分な注意が必要と思われる 結語 若年者の鼠径ヘルニアに対する術式選択には充分な観察 配慮が必要と思われる VW7-6 VW7-7 術後神経因性慢性疼痛に対する Laparoscopic Retroperitoneal Triple Neurectomy 胃管皮下経路再建を施した食道癌患者の腹壁瘢痕ヘルニアに 対する腹腔鏡下修復術の経験 直原 松末 高岡 吉田 駿平 成田 亮 畑 匡大 大倉 啓昭 山口 京都医療センター 外科 啓輔 佐治 高史 大谷 雅史 花田 圭太 哲之 猪飼伊和夫 宗徳 浦上 和弘 山辻 淳 田村 地生 石田 知樹 羽井佐 実 猶本 川崎医科大学 総合外科 はじめに 鼠径ヘルニア術後慢性疼痛には保存的加療抵抗性の 難治例が存在する 今回 難治例の術後神経因性慢性疼痛に対 し 鏡視下後腹膜アプローチによるtriple neurectomyを施行し 良好な結果を得たので報告する 症例 当院でLichtenstein法による右鼠径ヘルニア根治術を施 行した70歳男性 術後3か月で終診としたが その後疼痛が出 現 増悪したため術後年4か月で再診となった 右上前腸骨棘 内側から創部に沿って圧痛を認め 最強点は創上部外側であっ た 診察毎の最強点の微妙な変化 特定の姿勢での疼痛誘発が あり 神経因性疼痛と診断した 鎮痛薬および鎮痛補助薬内 服 最強点への局所麻酔薬注入 腸骨鼠径および腸骨下腹神経 ブロックは無効で手術を行う方針とした 本症例は体性痛を併 存しない神経因性疼痛であり laparoscopic retroperitoneal triple neurectomyを施行した 左側臥位で腸骨稜と肋骨弓下縁 の間に3ポート造設し 大腰筋 腰方形筋を露出し腸骨鼠径およ び腸骨下腹神経 陰部大腿神経陰部枝を切離した 術直後から 圧痛は消失した 結語 laparoscopic retroperitoneal triple neurectomy は 後腹膜腔での良好な解剖理解により確実に神経切除ができ 体 性痛を併存しない神経因性疼痛に対して有効である 本邦で報 告は未だないが 今後積極的に考慮すべき術式である 尚正 林 良夫 次郎 症例は69歳男性で 食道癌に対する開胸開腹食道亜全摘および 胃管皮下経路再建術の既往がある 数年前より挙上胃管と独立 した腹壁瘢痕ヘルニアが出現し 画像上ヘルニア門は4x0cm 大で 挙上胃管との間に約cmの癒合筋膜を認めた ヘルニア 内容は横行結腸であり ヘルニアの増大とともに腹痛を伴うよ うになったため 某年月に腹腔鏡下修復術を施行した 術 前画像所見通り ヘルニア門のすぐ頭側にcmの癒合筋膜を挟 んで挙上胃管が上腹部腹直筋間を貫いて胸壁皮下へ固定されて おり 胃管の左右構造物は横隔膜であった 巨大なヘルニア門 の縫縮は極めて困難であったため prosthesisでの補強を行う 方針とし 25x20cmのPCOメッシュを使用し まずヘルニア 門と胃管の間の癒合筋膜にメッシュの上辺中心を2-0ナイロン 糸にて縫合固定し 続いて上辺の左右端をヘルニア門から3cm のマージンをとってそれぞれ肋弓下腹壁に縫合固定した メッ シュは合計6本のナイロン糸で縫合固定され tackingを追加 し手術終了した 術後経過は良好で術後9日目に退院された 修 復後もbulgingは認められるものの 術前の腸管脱出感や疼痛 は消失した 胃管皮下経路再建後に腹壁瘢痕ヘルニアを呈した 場合 補綴物の固定に苦慮する可能性がある 修復に際しては 再発予防に有効な補強方法の選択とともに 挙上臓器の狭窄や 損傷をきたさないために細心の注意を要する 反省点も含め示 唆に富む症例であったため報告する - 3 -
115 VW7-8 VW7-9 Laparoscopic repair of irreducible femoral hernia containing fallopiantube alone TAPP 法にて診断し得た膀胱滑脱を伴った de novo 型 I 型ヘ ルニアの 例 添田 細井 暢俊 根本鉄太郎 松井田 元 押部 福島県立医科大学会津医療センター外科 郁朗 齋藤 拓朗 Background We offer the first report of laparoscopic repair of an irreducible femoral hernia containing Fallopian tube alone. Case presentation An 84-year-old woman presented with a 2-week history of right groin mass with no abdominal symptoms. The mass was located below the inguinal ligament, but showed no redness or tenderness. Abdominal computed tomography demonstrated a 4 3 cm cystic mass and enhanced cord-like structure in the right groin area. Hernia contents were considered potentially associated with the appendix, and right femoral hernia incarceration was diagnosed. We performed emergency surgery using a laparoscopic approach, revealing an irreducible femoral hernia containing the right Fallopian tube, which was reduced laparoscopically. The reduced Fallopian tube showed no ischemic changes, obviating the need for resection. No other abdominal organs such as the ovary, fimbriae of the Fallopian tube or appendix were incarcerated. We repaired the femoral hernia laparoscopically using a transabdominal preperitoneal approach with mesh. Soeta et al. Surg Case Rep. 206 Dec;2 :57 立川綜合病院 外科 哲良 VW8- 忘れ得ぬ症例 術直後に bulging を来した肋骨弓下腹壁瘢痕 ヘルニアの一例 浩史 沼野 秀樹 武岡 患者は82歳 男性 2日程前から続く腹満 下痢を主訴に当院 を受診した 右鼠径部は膨隆し 腹部単純X線では小腸ガスの 貯留と二ボー形成を認めた CT検査を施行すると右鼠径部に小 腸と膀胱の同時嵌頓を伴う腸閉塞と判明した 用手的に小腸を 還納後 待機的にTAPP法による根治手術を施行した 腹腔内 より観察すると一部膀胱の滑脱を伴った右膀胱上窩陥凹を認め たため 一見するとII型ヘルニアにみえた 腹膜を切開すると内 鼠径輪にヘルニア門を認めたため I型ヘルニアと診断した 膀 胱を損傷することなく還納し メッシュで鼠径床及び膀胱前腔 を被覆した 通常の術野展開とは異なりヘルニア門や恥骨結節 の解剖学的位置関係を理解するのに非常に苦慮した 術後は経 過良好で 第4病日に退院した TAPP法は腹腔内から確実な診 断を可能とし 新たな知見が得られる利点の多い術式である 最近では腹膜鞘状突起の開存に由来しないI型ヘルニアの滑脱型 の認識が重要と考えられde novo型i型ヘルニアと命名し報告さ れている この概念がないとヘルニア嚢の処理段階で層の認識 が混乱する場合や精管や血管 膀胱の損傷などの大きな副損傷 を引き起こす可能性もある 本症例はヘルニア嚢を容易に腹腔 内に反転でき 精管や精巣血管がヘルニア嚢と共に移動するこ とのないタイプであった 今回われわれは膀胱滑脱を伴ったde novo型i型ヘルニアの例を経験したので 若干の文献的考察を 加えて報告する VW7-0 蛭川 勇人 大柏 浦河赤十字病院 外科 史典 阿部 馨 福田進太郎 巨大鼠径ヘルニアに対して TAPP 法を行った 3 例 田崎 亀田 達也 佐々木 靖子 田妻 JA 広島総合病院 症例は64歳 男性 胃体上部の早期胃がんに対する内視鏡的粘 膜下層切除を行ったが 穿孔 出血を来たし緊急胃全摘術を施 行 BMI30と肥満で 左上腹部視野確保のため逆T字切開で開 腹した 術後創感染を来したが 改善し退院した 術後6 ヶ月 後 左肋弓下腹壁瘢痕ヘルニアとなり 腹腔鏡下根治術を行っ た ヘルニア門の大きさは20 0cm メッシュはパリテック スコンポジットメッシュ 30 20cmを使用 術後経過は良好で 第8病日退院 術後2病日の外来再診時 創部の膨隆を来して いた メッシュごと膨隆していると考えられ 経過観察をおこ なった 27 ヶ月後胃癌の再発で死亡した 考察 肋弓下腹壁瘢痕ヘルニアは 肋間神経の損傷により 腹 壁の筋層の不全麻痺から 広範囲の膨隆をきたす可能性がある このような例では ヘルニアの辺縁が不明瞭で大きなヘルニア のことが多い この場合もメッシュによる修復術の原則は 十 分なオーバーラップと確実な固定である したがって ヘルニ ア門のメッシュによるオーバーラップは7-8cm以上と大きな メッシュを使用する必要がある メッシュの固定を確実に行う のであれば 開腹術により筋層間にメッシュを挿入するか 肋 軟骨や腸骨稜などへ ボーンアンカーで固定する必要がある 肋弓下腹壁瘢痕ヘルニア修復術を考慮する上で重要な示唆をい ただいた症例であり 報告する 外科 秀 香山 昌 新原 茂平 杉山 健介 今村 陽一 上神慎之介 祐司 中光 篤志 はじめに 立位において大腿内側中点より下方まで達すると定 義される巨大鼠径ヘルニアに対してTAPP法を行った3例を報告 する 症例 症例は85歳 男性 左側 JHS分類I-3型 症例2は84 歳 男性 COPDと下肢閉塞性動脈硬化症の既往あり 左側 II-3型 症例3は65歳 男性 左側I-3型 巨大鼠径ヘルニア手 術により 術後呼吸不全や深部静脈血栓症を合併する可能性が あることに関して十分なインフォームドコンセントを得たうえ で 手術を行う方針とした 3症例とも 当科で第一選択として いるTAPP法を行う方針としたが 腹腔鏡操作でヘルニア内容 を腹腔内に還納することが困難であったり 視野確保が困難で あったりすれば 鼠径部切開法に移行することとし そのこと に関するインフォームドコンセントも得た いずれの症例もヘ ルニア内容は小腸で ヘルニア嚢との癒着はなかったため 気 腹後 体外圧迫を加えることにより 容易に還納は可能であり 長径5cmのメッシュで修復した いずれも経過は良好で 術翌 日あるいは翌々日に退院した 結語 巨大鼠径ヘルニアに対するTAPP法は 鼠径部切開法に 比べ ヘルニア嚢とヘルニア内容との癒着が軽ければ還納がよ り容易である点 大きなヘルニア門を視認しながら確実にゆと りをもって腹膜前腔にメッシュを留置できる点で有用と考えら れた - 4 -
116 VW8-2 VW8-3 巨大鼠径ヘルニア 大型ヘルニアの診断と定義 宋 圭男 萩原 日本大学 消化器外科 巨大鼠径ヘルニアに対する治療戦略 当院で経験した腹腔鏡 下手術 2 症例を踏まえて 謙 はじめに 巨大鼠径ヘルニアの報告では 下降したヘルニア嚢 先端が膝関節を越える症例が多い 当科では膝関節を越える巨 大症例はなく 大型と認識したのは5例でメッシュを用いて修復 した 大型ヘルニアや巨大ヘルニアの定義で 計測点を明らか にして記載する必要があると思われた 計測点の提案 Iliac-Patella Line I-P Line 上前腸骨棘と膝 蓋骨上縁を結んだ線の中間を超えるヘルニアを大型と称する 成績 成人男性2名のI-P Lineの測定値は平均43cmであった 大型と認識した5症例の術前写真をもとにI-P Line を計測する と陰嚢先端が全てが50 を越えて下垂していた 症例報告 73歳男性 右再発 左初発の両側鼠径ヘルニア手 術 術後第3病日発熱と皮疹が出現 septic shockとなり右側は 感染しメッシュ摘出術を施行した 2年後 両側の小児頭大に脱 出する鼠径ヘルニアに対し Dual-mesh を用いて修復した 術 後第5病日に局所の膨隆が増大 septic shockによる多臓器不全 と診断しメッシュ摘出術を施行した 大型のヘルニアであり自 家筋膜 筋肉弁による修復術を考慮したが 慢性腎障害と2度の 術後合併症から手術を断念し経過観察した ヘルニア嚢は経年 的に増大下垂した 7年後 慢性腎不全により死亡した 考察 自験例からは 本邦において巨大ヘルニアは少ないと思 われた 大型ヘルニアの定義にI-P Lineの中点を用いることを 提案する 松浦 岩崎 健太 堀江 貴嗣 伊丹 和正 塩田 淳 京極 哲也 高久 はじめに 巨大鼠径ヘルニアは立位において大腿内側中点より 下方に達する鼠径ヘルニアと定義され 腹腔鏡下で治療した報 告例が散見される 当院では203年より腹腔鏡下鼠径ヘルニア 根治術 以下TAPP 導入後2症例を経験したため報告する 症例 79歳男性 両側鼠径部に小児頭大の膨隆を認め 用手 的な還納は困難であった 腹部CT検査でヘルニア嚢内に右側は 小腸 左側はS状結腸を認めた 手術を行うと右側は小腸の還 納が容易であったが 左側はS状結腸がヘルニア嚢内に癒着し てヘルニア門を覆っていた 視野確保とヘルニア嚢内から癒着 剥離が困難と判断し 陰嚢上に約6cmの皮膚切開を追加して癒 着剥離した hybrid法 S状結腸を還納後 腹腔内から3D Max Light Mesh L を腹膜前腔に展開し タッカーで固定後 腹膜 を3-0vicrylで縫合閉鎖した 術後に左側陰嚢内に血腫を認めた が再発は認めなかった 症例2 65歳男性 非環納性で腹部CT検査ではヘルニア嚢内に 右側は小腸 左側は大網を認めた 術中ではヘルニア嚢内の小 腸や大網の癒着は認めず 還納は容易であり メッシュを腹膜 前腔に展開固定した 術後経過は良好であった 結語 巨大鼠径ヘルニアに対してTAPPを施行する場合 還納 の方法が重要であると考える 本症例のようにS状結腸がヘルニ ア嚢内で癒着して還納困難は場合 hybrid法を併用することで 安全に手術の遂行が可能であると考える VW8-5 当院における 巨大鼠径部ヘルニアに対する治療選択 弥緒 牧野 和之 姜 西神戸医療センター 外科 消化器外科 VW8-4 清水 康仁 小田 安藤 克彦 大塚 正徒 吉村 純治 長井 健司 登内 将之 2 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 (TAPP) における術後漿液腫予 防の工夫 昭彦 前田慎太郎 千葉市立青葉病院外科 2 千葉大学大学院 臓器制御外科 はじめに 当科では鼠径ヘルニアに対して腹腔鏡下鼠径ヘルニ ア修復術 ラパヘル を標準術式としている TAPPとTEPの両 方導入し選択施行している 203年5月から206年2月まで に ラパへルを273例 TAPP;50例 TEP;23例 施行してい る 巨大鼠径部ヘルニアに対しても基本的にラパヘルを第一選 択術式としている 治療法選択に対しては a 触診にてヘルニ ア内容が還納可能な症例 可能であればTEPより開始する 無理 ならTAPPコンバートへ b 触診にてヘルニア内容が戻らない 症例 嵌頓あるいはヘルニア嚢と突出臓器が癒着しているような 症例 腹腔鏡にて腹腔内観察を行う 嵌頓解除 可能ならTEP 前方アプローチへ としている or TAPP 無理ならhybrid法 TEPにて無事に遂行し得た症例を提示しながら動画を供覧しな がら報告する 症例 8歳男性 右鼠径部の巨大外鼠径ヘルニア 還納可能症 例 症例2 60歳男性 右鼠径部の外鼠径ヘルニア 癒着 嵌頓症 例 まとめ 還納可能な症例であれば通常通りTEPで安全に遂行可 能であった 術前診断 CT でヘルニア内容を確認することと 腹腔内観察を先行することは有用と考えている 増田 寛喜 松田 明久 香中伸太郎 川島 万平 安藤 文彦 関口久美子 保田 智彦 篠塚恵理子 宮下 正夫 内田 英二 2 日本医科大学千葉北総病院 2 日本医科大学付属病院 緒言 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP における漿液腫は 約5%に発生するとされ その頻度は鼠径部切開法よりも高い ことが報告されている 早期の社会復帰 慢性疼痛軽減効果が 証明されている腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術において 漿液腫 の発生は術後QOLを低下させるため その予防 対策が求めら れる 方法 術後漿液腫の発生が予想される巨大間接鼠径ヘルニア I-3 5例を対象とし 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術時に遠位側 遺残ヘルニア嚢を縫合閉鎖した 漿液腫の発生は 術後2-4週 目にCTにて評価した 結果 症例は全例が陰嚢に達するScrotal herniaであり 例は 両側症例であった 遠位側遺残ヘルニア嚢の縫合閉鎖に要した 時間は 9±3分であった 術後CTによる評価では 4例 80% で漿液腫を認めず 例で少量の漿液腫を認めたが 穿刺を要さ ず保存的に軽快した 考察 漿液腫の原因として 死腔の存在が原因と考えられてお り これまで腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術においてヘルニア嚢 の反転 固定が漿液腫の予防に寄与する可能性が示されている しかし陰嚢に達する巨大ヘルニアにおいては 必ずしもヘルニ ア嚢の反転は容易でない 遠位側ヘルニア嚢の縫縮は そのよ うな症例にも比較的安全 容易に施行可能かつ 漿液腫の予防 に有効である - 5 -
117 VW8-6 VW8-7 巨大鼠径ヘルニア TAPP 手術における追加鉗子による牽引の 有用性 小児頭大以上の大きい鼡径ヘルニアに対する TEP 法の工夫 小嶋 佐久総合病院 佐久医療センター 消化器外科 忠浩 山崎 將典 静岡市立清水病院 外科 非還納性巨大鼠径ヘルニアにたいする手術術式については様々 な議論がある 症例を呈示するとともに当院の治療方針を発表 する 症例は59才男性 左鼠径部にソフトボール大の陰嚢型鼠 径ヘルニアを認め 術前CTでは脱出臓器は大網であった 全身 麻酔下に5 5 5mmの3ポートで手術を開始した 日本ヘルニ ア学会分類 3型であり 内鼠径輪から大網が脱出していた 3ポートによる牽引のみでは腹壁側のカウンタートラクションを 得ることができず 右下腹部に5mmポートを追加 腹壁を強く 把持牽引することで非還納となっている責任病変に術者がトラ クションをかけることが容易となり 責任病変 外鼠径輪レベル のヘルニア門 を一部切離する事で大網を腹腔内に還納し 通常 のメッシュ修復術を完遂することができた 治療方針 巨大非還納性型ヘルニアにおいて 脱出臓器が大網 である場合には牽引により組織が損傷されても止血は容易であ り 追加ポートによる牽引を利用することで手術を安全に施行 することができる ただし 安易に大網を切離する事は術後感 染 腫脹の残存等のリスクとなる可能性もあり 基本的には完 全切除を目指すべきである 術中の癒着の程度等により大網の 完全切除が困難と判断した場合 また脱出臓器が腸管であった 場合は無理な牽引による腸管損傷のリスクを避けるためにも 早期のハイブリッド手術への移行も躊躇するべきではないと考 える 秋山 岳 杉原 毅彦 真岸亜希子 大野浩次郎 背景 大きい鼡径部ヘルニアはヘルニア門も大きいため 再発 リスクが高く より広範囲の剥離と大きいmeshの使用が望まし い TEPはそれに適した術式と考えられるが 大きいヘルニア に対するTEPの評価は定まっていない 目的 当院ではTEPを標準術式としており 大きいヘルニアで も例外としていないため その術中の戦略や成績を報告する 対象 待機的初発症例に対するTEP法38側347例の内 術前 診察で小児頭大と評価された8側7例を対象とした 手術手技 大きいI型のヘルニア門では 外側からの剥離を十分 に行うことは難しい 外側からの精巣血管同定は可能であるが 外側からの精管同定は全例で不可能だった ヘルニア門内側は 多くの症例で瘢痕様組織で覆われているが この瘢痕を切開し て内側から精管同定してsac背側 精管腹側 剥離を内 外方向に 行い 計画的にsac全周剥離とする mesh sizeは5x0cmで IPT背側も固定可能なselfgrip typeを使用している 成績 JHSはI 3型4側 IV型3側 II 3型側であった 手術 時間は延長の傾向を認めたが Learning Curveでは短縮傾向 だった 再発0/8側 穿刺を要した術後漿液腫/8側 入院期間 中央値3日で 外来追加処方を要した疼痛0/7例であり 全体の 症例と遜色なかった 結語 小児頭大鼡径ヘルニアに対するTEPは習熟は必要だが同 等の修復は可能と考えられた ヘルニア門が大きい場合 内側 からの剥離が有用であると考えられた VW8-8 VW8-9 TAPP におけるポートの細径化によって生じる問題点を経験 した 例 巨大鼡径ヘルニアに対する腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術にお ける工夫 須知健太郎 北川 伊東 京都九条病院 外科 一智 米花 正智 藤男 尾形 公立岩瀬病院 外科 はじめに 当院では20年に腹腔鏡下ヘルニア修復術 以下 TAPP を 導 入 し た 導 入 時 は0 0 5mmの ポ ー ト 配 置 で あったが 204年よりオプティカル法を導入 5 5 5mmの ポート配置に現在は至っている ポートの細径化により生じた 問題点を経験した例を報告する 症例 75歳男性 右鼠径ヘルニア嵌頓にて受診され用手的に 修 復 5日 後 にTAPPを 行 っ た ヘ ル ニ ア はI-3 普 段 使 用 す るMedtronic社 の フ ォ ー ル デ ィ ン グ メ ッ シ ュ を 使 用 し た が lateral triangleが十分に覆えず 同部位の再発が懸念されたた め 同メッシュをもう枚使用した 再発は認めていないが レ セプトで2枚目のメッシュ使用は認められず病院負担となった 考察 TAPPでのポートの細径化は 疼痛コントロールの面で 患者の術後QOLを確実に向上させると確信する 一方でポー トの細径化により ソフトメッシュか小さいサイズの形状記憶 メッシュと 挿入可能なメッシュが限定される 今回のような I-3のlateral triangle外側での潜り込みによる再発が懸念される 時 形状記憶メッシュの大きいサイズであれば 枚でも要を成 せたのではと推測する 結語 使用できるメッシュが限定される中で 巨大ヘルニアに 対してどう対応するかが TAPPでのポート細径化の課題では ないかと考えた 誠弥 齋籐 敬弘 大谷 聡 土屋 貴男 これまでに約000例近くの腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を経験 し 当初から陰嚢ヘルニアも含めた大きな鼡径ヘルニアも腹腔 鏡下に修復してきたが 下方からのメッシュの捲れ返り 逸脱 による再発を数例経験し 対策を検討してきた 巨大鼡径ヘル ニアに対する腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術では 滑脱ヘルニア への対処とメッシュ逸脱への対策が最も重要と考えている 滑 脱に対しては陰嚢部の圧迫や補助鉗子の追加により脱出臓器を 戻した上で筋膜解剖に基づいた剥離をすることで対処している メッシュ逸脱への対策では 自己接着するプログリップや収縮 が少なく丈夫なサージメッシュを用いたり ヘルニア門が5cm を超えるような症例では鼠径輪を縫縮したりして工夫している 鼡径離の縫縮では 陰部大腿神経 外側大腿皮神経の走行の変 異も報告されており注意を要するが 腹膜前筋膜がしっかりし ていればその縫縮に止め 腸恥靱帯が明瞭に識別出来るときに は腸恥靱帯と腹横筋腱膜弓の部位をヘルニア門の中心付近で数 針 結節縫合することでヘルニア門を縮小させてからメッシュ を補綴している ソフトメッシュを用いる際はタッキングに加 え鼠径輪へのメッシュ縫着を行ったりもしている これらの工 夫をしてからはメッシュ逸脱による再発を経験していない 内 視鏡手術の有利な点は拡大視で解剖が観察でき それが逐一画 像で記録されることであり 画像に基づいた術後対応も可能と 思われる - 6 -
118 第 5 回日本ヘルニア学会学術集会 支部推薦演題 - 7 -
119 支部 - 支部 -2 DK 法による腹膜前腔チェックポイント 腹壁瘢痕ヘルニアに対する IPOM-plus の経験 鈴木 隆二 田村 筑波胃腸病院 孝史 藤田 徹 大橋 正樹 友利 永吉 健彦 金城 省吾 豊見山 健 宮城 盛司 佐々木秀章 長嶺 信治 大嶺 沖縄赤十字病院 外科 当院では 鼠経ヘルニアに対して原則Direct Kugel法を用いて いる その理由は 鼠径ヘルニアの病態は体表の疾患であるこ とに加え 安定した手術手技の提供 手術時間の短縮および過 度の侵襲予防 術後合併症の予防のためである 術式のポイン トは鼠径ヘルニア根治術としてのヘルニア門の3門閉鎖 および 術後疼痛予防のための腸骨鼠径神経 腸骨下腹神経 陰部大腿 神経陰部枝の温存である そのために 鼠径管の確保は行わず 3本の神経を温存しつつ内鼠径輪直上で内精筋膜に包まれた精 管 精巣動静脈のみを同定し 下腹壁動静脈を確認しrepairを するようにしている シートを上手く敷くためのコツとして我々が重点を置いている ポイントは 定型化された腹膜前腔剥離 である そのため当院 では ①腹直筋の後鞘の視認②cooper靭帯及び大腿輪の認識③ 精管 精巣動静脈による二等辺三角形の形成 をチェックポイ ントlとしている 当院での手術手技のビデオを供覧し Direct Kugel法の工夫に ついて検討したい 淳 仲里 靖 秀次 腹壁瘢痕ヘルニアに対する腹腔鏡手術は広く行われるように なっているが 従来行われているintraperitoneal onlay mesh 以下IPOM ではmesh bulgingや漿液腫 また腹壁機能の問題 が指摘されており 近年それを改善する目的でIPOM-plusが報 告されている 今回我々も腹壁瘢痕ヘルニアに対しIPOM-plus を施行した2症例を経験したので報告する 症鬱例①60歳台の 男性 40年前に十二指腸潰瘍で手術を施行されていた 腹部膨 満感 腹痛の精査目的にて当院紹介となった 腹部に膨隆など 認めなかったが CTにて数か所の腹壁瘢痕ヘルニアを指摘され た 症例②60歳台の女性 206年2月胆石症に対し腹腔鏡下 胆嚢摘出術 4月に盲腸癌に対して腹腔鏡下回盲部切除術を施 行された 月に臍部の膨隆を訴え 精査にて腹壁瘢痕ヘルニ アの診断となった 両症例ともに号ナイロンにてヘルニア門を 閉鎖後ベントラライトをタッキングと非吸収糸による全層固定 を行った 2症例ともに術後の痛みを訴えたがコントロール可 能でそれぞれ術後5 7日目に退院した これらの手術手技を供 覧する 支部 -3 支部 -4 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP 法 の困難症例に対す る手術手技 胸骨正中切開後の剣状突起下瘢痕ヘルニアに対して腹腔鏡下 ヘルニア修復術を施行した1例 平良 児玉麻亜子 亀井 谷口 寛子 島田 赤木 由人 済 桃原 大浜第一病院 外科 侑利 稲嶺 進 はじめに 近年 腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術 TAPP法 は普 及してきており 手術件数も増えつつあるが 時に困難症例に 遭遇することがある 当院では 導入当初から安全性を重視し TAPP法における困難症例に対し検討を行い 対策を行ってき た TAPP法の弱点として ほとんどの場面で片側の鉗子は術 野の展開に用いられ 実質の操作鉗子が1本となることが考え られる このため 操作性や視野を悪くし手技的な難易度を高 めていると考えている また 困難症例での補助鉗子の追加は 固定性が悪く 術者鉗子との干渉もあり有効ではなかった こ のため 術野展開のための補助器具として腹腔内臓器把持機器 FJ clip を併用している 今回その手術手技について報告する 手術手技 ポート配置は5-5-5mmの3孔式で行っている 困難 症例ではFJ clipを併用し 腹側内側の腹膜を臍側に吊り上げる ことで剥離空間が広がり 固定性も良いため良好な視野 操作 性が得られる De novo typeでは外側からsacを腹腔側へ牽引 固定することで通常のⅠ型と同様の操作性が得られる まとめ TAPP法の困難症例ではFJ clipを併用することで 両 手がフリーとなるため手技的に難易度を下げることができ 手 術の質を高められると考えられる 英樹 長主 幸典 梅谷 祥子 高木 数実 白水 有希 押領司篤宣 田中 良征 啓之 久留米大学 はじめに 腹壁瘢痕ヘルニアに対する腹腔鏡下手術による修復 術が 近年の鏡視下手術の普及により注目されている 腹壁瘢 痕ヘルニアは 消化器外科の術後に通常遭遇することが多い疾 患であるが 開心術後の剣状突起下瘢痕ヘルニアを生じた1例 に対して 腹腔鏡下修復術を施行した症例を経験した 症例 78歳 男性 胸骨正中切開による僧帽弁形成術4 ヵ月後 より剣状突起下の膨隆を認め徐々に増大した 身体所見では胸 骨正中切開創部の剣状突起下に約2横指のヘルニアを認めた CTでは ヘルニア門の大きさは約6x5.5cm程度であり 内容物 は脂肪組織を認めたが腸管脱出は認めなかった ワーファリン 3mg内服中であったために ヘパリン置換施行した 手術は腹 腔鏡下腹壁ヘルニア根治術 IPOM plus を施行した 肝円索お よび肝鎌状間膜を切離した後にヘルニア門を観察 6x4.5cm ヘルニア門を非吸収糸で縫合閉鎖した後 ベントラライトST メッシュ 5x0cm とアブソーバータックを用いてダブルク ラウン法にて固定した 頭側に関しては体腔内にて縫合結紮固 定を数針施行した 術後はNSAIDsを使用して疼痛コントロー ルを行い術後7日目に退院した まとめ 腹壁瘢痕ヘルニアは部位により難易度が異なり手技上 の工夫も必要である 本邦では報告の少ない開心術後の剣状突 起下瘢痕ヘルニアを経験したので報告する - 8 -
120 支部 -5 支部 -6 当院における腹壁瘢痕ヘルニアに対する腹腔鏡下修復術の変遷 無床クリニックにおける鼠径ヘルニア日帰り手術 347 例の 治療成績 荒木 岡 政人 榊原 忠之 優香 髙村 祐磨 近藤 正道 柴崎 信一 坂本 嬉野医療センター 一喜 なんば坂本外科クリニック 当院では腹壁ヘルニアに対して 腹膜または腹直筋後鞘の腹 側に人工物を留置するinlay mesh法を行っていたが 203年 2月より腹腔鏡下修復術の導入を行った 腹腔鏡手術導入前 後の臨床成績および手術術式の変遷について報告する 20 年4月から206年2月までに当院にて腹壁ヘルニアに対して 手 術 を 施 行 し た50例 の 内 腹 腔 鏡 下 修 復 術 は6例 32% で あった 腹腔鏡手術の占める割合は徐々に増加し 204年以 前25% 205年 以 降55%で あ っ た 腹 腔 鏡 導 入 後 に 前 方 ア プローチを選択した主な理由としては 複数回手術既往によ る高度な癒着の懸念 3% 肝硬変に伴う腹水貯留 25%など であった 全例アプローチ方法の変更なく完遂できたが 肝 硬変による腹水を伴った例において メッシュの網目から腹 水が漏出することによるヘルニア再発を認めた 平均術後在 院 日 数 は 前 方0.9日 腹 腔 鏡7.4日 と 短 縮 を 認 め た 腹 腔 鏡手術の平均手術時間は平均52分 ヘルニア門平均最大径 63mm mm 非吸収糸による筋膜固定は平均6.3 ヶ 所 4-2 ヶ 所 全 例AbsorbaTackを 用 い てdouble crown 法によるメッシュ固定を追加した 腹腔鏡下修復術導入後の ヘルニア門閉鎖を行うIPOM-Plusへ 術式の変遷として 2 ヘルニア門の大きな症例での閉鎖は結節縫合からV-Loc を用いた連続縫合へ 3 ヘルニア門外縁からのメッシュ被覆 範囲が3cmから5cmへ 4 大きいサイズのメッシュ挿入に際し double rollにして挿入 5 メッシュの展開前に中央部に箇所 吊り上げを行うことなどである 現時点では 大量腹水貯留症 例 複数回の手術歴があり高度の癒着が予想される症例などに 対しては 前方アプローチを選択しており 合併症 再発を起 こさないためにも 症例に応じたアプローチ方法の選択が重要 であると考えている 当院は無床クリニックとして205年月に開院し鼠径ヘルニア 日帰り手術を行っている 開院後の治療成績と問題点を検討す る 205年月から206年9月までの鼠径部切開法による片側鼠 径ヘルニア手術347例を対象とした 平均年齢は57歳で男性が 36人 9.% であり手術方法は全身麻酔と局所麻酔を併用し リヒテンシュタイン法69例 48.7% メッシュプラグ法98例 28.2% ダイレクトクーゲル法42例 2.% などで行った 平均手術時間は55分で終了後の平均在院時間は46分であり全 員が手術当日に帰宅することができた 術後疼痛としては鎮痛 剤内服が平均6.個で追加用座薬使用は2人 3.4% であり概ね 内服薬でコントロールされていた 術後合併症としては処置を 要した血腫 漿液腫が4人 4 でうち4人では経過観察が長 期化した 他には広範な皮下出血3名 精索硬結2名あり 術後 早期再発名に対しては後に再手術を行っている 無床クリニックにおいて日帰り手術を実施でき術後疼痛は調節 範囲内であるが 出血系の合併症が満足できる結果ではなく さらに丁寧な手術を行い安全で満足度の高い治療を工夫してい く必要があると考えられた 支部 -7 支部 -8 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP のメリット デメ リット 前立腺癌術後の鼠径ヘルニア患者の治療成績と検討 田中 近藤 穣 瀬木 昭信 長沼 祐樹 小松原春菜 奥田 達史 善大 河埜 道夫 済生会松阪総合病院 外科 洞口 新宮 米川 河野 過去5年間の鼠径部ヘルニア手術528例をTAPP A群 328例 と鼠径部切開法 B群 200例に分け検討した 結果 ①平均年齢はA群65才 B群75才とB群で高齢であった 両 側 例 はA群82例 25% B群0例 5% でA群82例 中64例 78% が不顕性ヘルニアであった ②術前CTの検出率は顕性 ヘルニアでは00 であったが 不顕性ヘルニアでは45.3 と 低率であった またA群で偶然発見されたⅠ-型不顕性ヘルニ アを経過観察した49例中3例 6.% に対側発症が認められた Ⅳ型ヘルニアはA群36例 8.8% B群7例 3.3% でCT正診率 は25 と低率であり Ⅳ型のうちI型とⅡ型の併存例ではCT 正診率30%であったが Ⅲ型を併存したものでは正診例がな く IV型の診断には腹腔鏡が有用であった ③手術時間は片側 例 で はA群02分 B群7分 両 側 例 はA群59分 B群6分 とA群で長かったが 出血量はA群2g B群2gとA群で少なかっ た 術後合併症や慢性疼痛は両群間で差はなかったが 術後早 期の鎮痛剤使用はA群28% B群58%とA群で少なく 術後在院 日数はA群2.4日 B群3.6日とA群で短かったが 再発率はA群 0.9% B群%と差はなかった 結語 TAPPは鼠径部切開法に比し手術時間が長かったが 両 側やⅣ型ヘルニアの診断 出血量 術後早期疼痛 在院日数に 関して優れていた 岳 坂本 優二 2 山内 佳彦 2 西村 秀俊 2 村山 英至 2 法水 康平 2 渡邉 廣大 2 村田 未佳 2 信治 2 赤羽 博行 2 中村 悠記 2 岡本 和久 2 勇人 2 眞宗 2 高山赤十字病院 2 名古屋第二赤十字病院 一般消化器外科 目的 今回 前立腺癌術後の鼡径ヘルニアにおける臨床的特徴を明ら かにする 方法 当院において 待機的鼠径ヘルニア修復術を受けた成人男性患 者の内 再発例は除く 前立腺癌手術の既往のある患者の治療 成績を検討した 2006年月から206年2月までに行われた 鼠径ヘルニア修復術 872例 のうち 前立腺癌の手術既往のあ る群 前立腺癌群 3例 と既往のない群 対照群 84例 に 分けて比較検討した 当院では修復方法として局所麻酔下メッ シュプラグ法を原則行っている 結果 右側発症は前立腺癌群で6例 6 対照群で760 4 外鼠径ヘルニアは前立腺癌群で28例 90 対照群で258例 68 であった また 手術時間の中央値は前立腺癌群72分 対照群69分であり 術後合併症は前立腺癌群で0例 0 対照 群で65例 4 であった 結語 前立腺癌術後の鼠径ヘルニアは右側発症が多く 外鼠径ヘルニ アが多い結果となった また術後合併症は見られなかった - 9 -
121 支部 2 - 支部 2-2 チャンピオンレベルのボディービルダーに生じた鼠径ヘルニ アに TAPP を施行した 2 例 ヘルニア修復術後の対側ヘルニア症例の検討 砂川 服部 祐輝 蜂須賀丈博 雫 正嗣 丸山 浩高 真人 末永 泰人 坂田 和規 福島健太郎 横山 北川 敬之 野竹 宮川 眞一 隆裕 増尾 博章 清水 仁志 横井 明 小林 謙太 聡 信州大学消化器外科 市立四日市病院 外科 症例 67歳 男性 身長60cm 体重66kg 既往歴なし ボ ディービル選手 3年前に出現した両側鼠径ヘルニア(右Ⅱ 型 左Ⅰ 1型)に対し TAPP(3D-MAX 右L 左M)を施行し た 症例2 77歳 男性 身長60cm 体重6kg 既往歴なし ボ ディービル選手 2年前に出現した右鼠径ヘルニア(Ⅰ 2型)に 対し TAPP(3D-MAX L)を施行した 腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術は鼠径部切開法と比べ 社会復帰 の早さにおいて有用とされる 当院では 患者背景から至適術 式を決定することが重要と考えており 特に活動性の高い症例 に対してTAPPを選択している 今回我々は かなりの腹圧が かかるものと思われるチャンピオンレベルのボディービルダー に対しTAPPを施行し良好な経過が得られた2例を また当院で のTAPPの適応基準を報告する はじめに ヘルニア修復術後の対側ヘルニア発症はしばしば問題となるが 手術術式と発症率 発症形態に関して論じた報告は少ない 方法 結果 2007年4月から207年月の間に当院でヘルニア修復術を施行 した430例を対象とした 男性353例 女性77例 年齢中央値 70歳 3 93歳 であった 対側発症症例が3例 7.2 含ま れており 内訳は男性28例 女性3例 年齢中央値は69歳 37 89歳 であった 初回治療はTAPP法8例 Potts法6例 前 方アプローチ6例 Mesh Plug法3 Kugel法2 従来法 詳細 不明例であった 初回治療TAPP群と非TAPP群に分けて検 討を行うと 再発までの期間は TAPP群で中央値3.5年 非 TAPP群で28年と有意差を認めた P < 0.0 また TAPP群 では全例が6年未満の発症であるのに対し 非TAPP群では0.3 年~65年と多岐に渡ったが 対側発症時の発症形態 JHS分類 に は差を認めなかった P = 0.39 次に当科にて初回治療を行った症例を用いて検討した 初回 治療TAPP群および非TAPP群では観察期間内にそれぞれ5例 2.4% 2例.0% の対側再発を認めたが 両群間に有意差 は認めなかった P = 0.24 結語 TAPP法による初回治療後の対側発症は 従来の報告に比して も低値であった 今回の検討では観察期間も短いため TAPP 群においても今後長期にわたる観察により 対側発症が起こり うる可能性は留意する必要が考えられた 支部 2-3 支部 2-4 小児期鼠径ヘルニア手術後の成人再発症例の検討 坂本友見子 石井健一郎 桑野 細田 篤志 二渡 信江 旗手 隆秀 吉澤 剛 本山 紘治 藤野 和彦 金澤 独立行政法人国立病院機構相模原病院外科 史織 大越 秀紀 金田 癒着性イレウスを併発した複雑性腹壁瘢痕ヘルニアの 例 悠史 悟郎 中島 祐人 山本 海介 森嶋 友一 佐々木亘祐 独立行政法人 国立病院機構 千葉医療センター 外科 日本ヘルニア学会の用語 決定事項によると 鼠径部ヘルニ ア手術を行った後の鼠径部ヘルニアは再発鼠径部ヘルニアと し 小児期のヘルニア治療後の再発も含む とされている 今 回当院で経験した小児期鼠径ヘルニア手術既往のある成人再発 症 例 に つ い て 検 討 し た 200年月 か ら206年2月 ま で に 当院で手術を施行した成人鼠径ヘルニアのうち 小児期に同 側の手術を施行されていたのは5例7病変であった 男性3 例 女性2例 平均年齢は6.歳で 同時期に手術を施行した 初発の成人鼠径ヘルニア 平均年齢69.2歳 に比べて発症年齢の 平均は低い傾向にあった 病変は右側8病変 左側9病変であ り 外鼠径ヘルニア7病変 内鼠径ヘルニア9病変 大腿ヘル ニア病変であった 外鼠径再発の平均年齢は64.8歳 内鼠径 再発の平均は62.3歳であった 外鼠径ヘルニアと大腿ヘルニ アの例ずつが嵌頓し うち例が緊急手術を要した 修復の 術 式 はLichtenstain法2例 inlay mesh法例 Mc vay法例 TAPP例が施行された 当院で経験した小児期鼠径ヘルニア 術後の同側再発症例について再発形式について検討 考察し発 表する 症例 73歳 男性 77.3cm 98.kg 既往歴 高血圧 心房細動 不安神経症 手 術 歴 当 科 に て200年 に 臍 ヘ ル ニ ア 修 復 後 当 時 体 重.7kg 臍ヘルニア再発 ヘルニア修復術 再発を繰り返し 計3回 他院 現病歴 初回手術から計4回の手術を行ったが再発となり 0 年以上経過観察なく放置されていた 206年0月 嵌頓によ る腹痛が出現し当科救急搬送となった 用手解除され同日入院 第2病日に退院するも嵌頓を繰り返すため退院後6日目に再入院 となる 再入院後2日目癒着性イレウスを併発しイレウス管を 留置 入院8日目に開腹手術を行った 手術所見は orificeの 中央に孤島様にソフトボール大のメッシュオーマが存在 この メッシュオーマには 小腸が強固い癒着するとともにorifice辺 縁から筋膜が橋渡しするように残存し メッシュオーマの周囲 に小さく分割されたorificeを形成していた 癒着した小腸とと もにヘルニア嚢 メッシュオーマを一塊に切除し FEEAにて 小腸を再建 ヘルニアの修復は メッシュ上の筋膜を閉鎖する sublay法によりventrio ST cm を使用し修復を 行った 手術時間399分 出血量90ml 術後9日目 皮下の 脂肪壊死を生じMRSAが検出されたが デブリードマン 持続 洗浄 VAC療法により改善 幸運にもメッシュ感染は来さず術 後80日目退院となった 今回 再発を繰り返しイレウスも併発 した複雑性腹壁瘢痕ヘルニアに対し治癒し得た例を経験したの で報告する
122 支部 2-5 支部 2-6 鼠径ヘルニア術後再発症例に対する hybrid 法による修復術 を施行した1例 当科における閉鎖孔ヘルニア症例の検討 太田 智之 深澤 草薙 洋2 基児 中山 幹大 水谷 正彦 安房地域医療センター 外科 2 亀田総合病院 消化器外科 関口久美子 松田 櫻澤 信行 川野 原田潤一郎 安藤 香中伸太郎 宮下 明久 横室 陽一 山初 文彦 増田 正夫 内田 茂樹 松本 智司 和也 篠塚恵理子 寛喜 川島 万平 英二 2 日本医科大学千葉北総病院 外科 消化器外科 2 日本医科大学付属病院 消化器外科 はじめに 鼠径ヘルニア再発症例に対する術式は 初回手術が 多岐に渡るため どの手術法が優れているというエビデンスは ない 症例 40歳男性 現病歴 5年前に右鼠径ヘルニアに対しPHS法で修復術を施 行 約3年前から右鼠径部が再膨隆す 手術 5mmポートを臍部より挿入し 腹腔内を観察す 右膀 胱上窩にヘルニア門を認め 右鼠径部に5cmの皮膚切開をお き 鼠径管を開放す 前回手術の影響で外腹斜筋背側の層の 剥離に難渋したが 精索は損傷せず剥離可能であった 腹直 筋 の 外 縁 に ヘ ル ニ ア 門 を 同 定 し JHS分 類 Ⅱ-と 診 断 し た Lichtenstein法に準じてメッシュを縫合固定した 考察 EHSガイドラインでは腹膜前修復法後の再発では鼠径部 切開法が推奨されている 初回手術がmesh plag法などの再発 症例は,TAPP法は難易度が高い 最近では3mmスコープも使用 可能であり,診断のための侵襲としては許容範囲と考えられる 結語 鼠径ヘルニア術後再発症例に対しhybrid法は診断 治療におい て有効な方法であると考える はじめに 閉鎖孔ヘルニアは腹壁瘢痕ヘルニアを除く全ヘルニ アの約0.073%とされ 比較的稀な疾患である 症例の多くが 初診時に腸閉塞を呈しており 緊急手術を必要することが一般 的である また 高齢で全身状態不良の痩せた女性に多く 術 後合併症のリスクが高いとされている 当科において2006年8 月から207年3月まで 0年8か月 に経験した閉鎖孔ヘルニア 7例について報告する 結果 症例は7例全例が女性で 年齢は65歳から89歳 平均 79.7歳 BMIは平均7.2であった 全例が術前にCTで診断さ れていた 右側が9例 左側が8例であった 保存治療は例で エコー下に用手整復を行った 6例で手術が施行され 0例が 開腹 6例が腹腔鏡下手術であった 手術時間は平均92.4分で 出血量は平均36.4mlであった 腸管切除を9例に要した ヘル ニア門の修復にメッシュを用いた症例が4例あり 腹膜の縫合閉 鎖が0例 子宮円靭帯によるパッチが例であった 在院期間 は平均9.7日であった 考察 ヘルニア修復法については定型化されたものがなく 当 科においてはヘルニア門の単純縫合閉鎖やメッシュを用いた修 復術を行っている 近年ではより低侵襲である腹腔鏡下でのア プローチを行っている 腹腔鏡下手術は嵌頓腸管の評価 対側 ヘルニアの有無の確認 ヘルニア門の修復において有用なアプ ローチであると考える 支部 2-7 支部 3 - 腹腔鏡下 Sugarbaker 法で修復した傍ストマヘルニアの 2 例 膀胱滑脱型の鼠径ヘルニアに対する TAPP 法 渡邊 福島 亀井 善正 塩谷 慶久 山際 猛 小峯 亮 山田 さいたま市民医療センター 外科 修 南部弘太郎 渋谷 太郎 肇 文 金平 永二 高橋 昂大 谷田 メディカルトピア草加病院外科 ヘルニアセンター 傍ストマヘルニアは人工肛門造設後に認められる晩期合併症で ある その治療には様々な術式があるが未だ確立したものは無 い 最近では腹腔鏡下での修復例の報告が増えている 我々は 腹腔鏡下Sugarbaker法 以下 SB法 で修復した症例を2例経験 し良好な結果を得たため報告する 症例 82歳 女性 2年前に直腸癌の診断で腹会陰式直腸切断 術を受け 腹膜外経路のS状結腸人工肛門を作成された 年前 より人工肛門周囲の膨隆を自覚し来院 傍ストマヘルニアと診 断された 症例2 84歳 女性 年前に糞便性イレウスの診断でハルトマ ン手術を受け 腹腔内経路のS状結腸人工肛門を作成された 2 カ月前に人工肛門脱出に対して形成術を受けたが術後に傍スト マヘルニアと診断された 2症例のストマ作成経路が異なるためそれぞれに工夫を要した が腹腔鏡下SB法は安全かつ清潔に施行でき傍ストマヘルニアの 標準治療になりうると考えられた 孝 はじめに 比較的まれな 膀胱滑脱型の鼠径ヘルニアを4例経験 し TAPP法を施行したので報告する 対象と方法 症例は全員男性で 3例は術前より排尿時の疼痛や 慢性尿路感染症の症状を訴えていた 両側が例 片側が3例 外鼠径ヘルニアが例 内鼠径ヘルニアが3例であった 2例は 術前のCTで膀胱壁の大部分がヘルニア嚢内に突出していた 結果 全例にTAPPを施行し 膀胱を還納し 0 5cmのメッ シュを留置した 剥離は主にフック型電気メスを用いた 手術 時間は平均片側5分 両側05分で 術中の膀胱損傷や術後再 発はみとめなかった 全例で術前の症状は消失した おわりに 術中の膀胱損傷を回避するには 術前検査にて膀胱 の形態を把握するとともに 術中の注意深い観察と 丁寧な剥 離操作が必要である 再発しやすい大きな滑脱型ヘルニアに対 して広く剥離できる点からTAPP法は有用であったと考える - 2 -
123 支部 3-2 支部 3-3 当院での女性鼠径部ヘルニア修復方法の検討 Kugel 法で修復した鼠径ヘルニアの pitfall の 3 例 百瀬 船水 匡亨 大樂 尚武 中林 勝司 平本 幸夫 悠樹 友利 賢太 飯田 智憲 石橋 杉村 川口市立医療センター 消化器外科 毅一 畠山 元 支部 3-5 TAPP 施行時の腹膜閉鎖困難例に対する対応 東北労災病院外科 千絵 青木 鼠径部ヘルニアの術式は多様であるが 初めて見る症例や稀な 症例ではpitfallに陥ることがある 今回Kugel法 D Kugel法を 含む で修復した鼠径部ヘルニア手術のpitfallの3例について報 告する 症例 60代男性 BMI 32 数年前から指摘されていた左鼠径 部ヘルニアが手拳大となりI-3の診断で近医にてKugel法を施行 翌日に鼠径部の膨隆と疼痛が出現 CTで鼠径部に腸管脱出を認 め紹介 同日手術施行し まずメッシュを摘出 術中にII-3を 認め 腹膜前腔の恥骨側剥離が不十分でヘルニア門が被覆され ていなかったことが判明した 鼠径管を開放しD Kugel patch を用いて修復した 症例2 80代男性 40代で左鼠径ヘルニア手術の既往あり か月前からの左鼠径部腫瘤を主訴に近医を受診 再発性鼠径ヘ ルニアの診断となりLichtenstein法で修復するも 術後2日目に 同部位に腫瘤が出現し紹介 CTで大腿ヘルニアを認め 大腿ヘ ルニアの見逃しと判明した Kugel法でKugel patchを用いて修 復した 症例3 60代男性 疼痛を伴わない右鼠径部の腫大を主訴に受 診 CTで陰嚢到達型ヘルニア I-3 ヘルニア内容は大網と判 断した Kugel法で手術開始 術中に内鼠径ヘルニア II-2 と精 索脂肪腫を認めた 術後に症状は改善したが 術前診断が誤っ ていた 結語 CTで鼠径部ヘルニアの術前診断能力は向上したが 術中 に術前診断との乖離を認めることがある 思い込みによる判断 に注意し 稀な疾患も知識として積み重ねることが重要と考え られた 支部 3-4 良平 徳村 直樹 武藤 陽信 佐藤 英伸 伊藤 盛岡赤十字病院外科 当院における女性鼠径部ヘルニアの修復方法を検討した 対象 200年月日から206年2月3日に手術を施行した 鼠径部ヘルニア852例で男性756例 女性96例 結果 女性96例の内訳として JHS 45例 46.9% JHS2 例.5% JHS3 30例 3.3% JHS4 3例 3.% JHS5 2例 2.% JHSに 対 す る 術 式 Marcy法 2例 26.7% Lichtenstein法 4例 3.% Mesh Plug法 7 例 5.6% Modified Kugel法 例 LPEC 例 24.4% 2.2% JHS2に 対 す る 術 式 Lichtenstein法 4例 36.4% Mesh Plug法 例 9.% Modified Kugel法 6例 54.5% JHS3に 対 す る 術 式 鼠 径 法 8例 26.6% 大 腿 法 20 例 66.7% JHS4に 対 す る 術 式 Modified Kugel法 3例 00.0% 合併症は血腫を例.0% 認めたのみであった 再発は認めなかった 考察 男性に比べてJHS-に対するMarcy法の選択が有意に 多かった p 0.05 このうち50歳以下は全例メッシュを使用 せずに修復していた JHS-2 2に対するModified Kugel法の 選択が有意に多かった p 0.05 結語 50歳以下のJHS-についてはMarcy法を それ以外で はModified Kugel法が多く用いられていた JHS3は大腿法で再 発を認めず 考慮しても良いと思われた 野村 松村 安山 正久 川村 好彦 弘実 片寄 満完 羽根田 馨 友 高橋 祥 安本 当院 ( 精神科併科 ) での鼠経ヘルニア手術の検討と 重症身 体精神合併症患者への考察 賢一 西條 文人 明浩 澤田健太郎 吉川 徹 佐藤 函館渡辺病院 外科 当科では全身麻酔可能症例ではエピネフリン加膨潤麻酔希釈液 を腹膜前腔に注入したのちに TAPP を施行している 手順は 1 腹膜の切開2 ヘルニア嚢の処理と鼠径床の剥離3 メッ シュの 展開及び固定4 腹膜の縫合閉鎖からなる 現在はヘル ニア門の腹側頭側の腹膜に横切開をおき 間接ヘルニアでは嚢 の全剥離もしくは可及的末梢側での切離を行っている これに より腹膜に緊張 がかからずに閉鎖可能となった ところが 前 立腺癌術後症例やメッシュ使用後の再発例においては 腹膜閉 鎖時に緊張がかかる場合や 腹膜が裂けてしまい直線的に閉鎖 することが困難な場合を経験する このような場合には 1 内 側臍ヒダを用いて閉鎖する 2 有棘糸を複数本用いて腹膜を 閉鎖する といった工夫を要する場合がある 当科で経験した 腹膜閉鎖困難症例での手技を供覧する 利行 原 豊 伊坂 直紀 当院は道南有数の精神科入院病床を有しつつ 各種外科手術に 対応可能であるという特色を持っている 一般患者のほか 統 合失調症 うつ病 精神発達遅滞や近年増改傾向にある重度認 知症合併患者の手術についても精神科医師と連携しながら入院 管理をおこなっており いわゆるhigh volume centerと異なる 多彩な背景の症例が経験される 今回 平成23年月から平成28年9月まで 当院にて鼠経ヘル ニア手術を施行した89症例について検討を行った 患者は 男 80例 女9例 平 均 年 齢68.3歳 5-96 右48例 左50例 両側同時手術例であった 86例は全身麻酔 3例でバランス麻 酔を施行 精神疾患併存患者は30例であった 日常生活自立度 寝たきり度 の判定がA以上は34例 術後平均在院日数は 精 神科合併の外れ値 97日 の例を除くと 7.7日 -43 精 神疾患合併患者では 7.6日 -43 であった 術後 通常対応 困難な不穏を認めたのは2例であった 術式は長くKugel法を基本として行っていたが 平成27年2 月よりTAPP導入し 認知症合併患者の疼痛緩和 不穏軽減を 図っている 身体状態から全身麻酔が困難とされるものの 不穏 精神状態 不良による安静手術が困難な患者も経験され 麻酔科医と協議 の上 いわゆるバランス麻酔を併用する症例もある 症例提示 を行い 麻酔方法 手術術式の妥当性などについてもご意見を いただきたい
124 支部 3-6 支部 3-7 鼠径ヘルニアに対する術前抗血栓薬休薬基準の妥当性につい ての検討 当院における腹腔鏡下ヘルニア手術の短期成績 松井 あや,2 関谷 翔 2 臼井 葉月 2 高橋 瑞奈 2 真木 健裕 2 鯉沼 潤吉 2 狭間 一明 2 渡邉 幹夫 2 岩井 和浩 2 江本 慎 小林 小笠原和宏 清二 河合 朋昭 石川 倫啓 佐野 修平 釧路労災病院 外科 札幌清田病院外科 2 王子総合病院外科 背景 目的 当科では抗血栓薬服用中の鼠径ヘルニア患者の手 術に際し 治療科に休薬の可否を確認の上 消化器内視鏡診療 ガイドラインおよび循環器学会ガイドラインに準じ術前休薬な いしヘパリン置換を行っている 今回現在の術前休薬基準の妥 当性を検証した 方法 204年4月 206年7月にメッシュを用いた鼠径ヘルニ ア修復術を施行した96例を抗血栓療法 AC 群とControl群に 分け 患者背景 手術成績 術後合併症の詳細を比較した 結果 AC群 n=55 は Control群 n=4 よ り 有 意 に 高 齢 ASAスコアが高かった で 年齢中央値75 vs 69 p <0.00 AC群では腹部手術歴のある症 平均2. vs.6 p <0.00 鼠径法の割合が高かった p =0.04 血 例が多く p =0.0 栓症のハイリスク2例で抗血栓薬内服継続のまま手術を行っ た 両群で手術時間 出血量 Clavien-Dindoグレード以上 の術後合併症発症率に差はなかったが AC群で術後在院日数が 出血性合併症は各群2例に認めた 有意に長かった p =0.00 AC群で休薬期間内に血栓症の発症はなかった p =0.3 結論 鼠径ヘルニア手術は現在の休薬基準のもと安全に施行で きているが ヘパリン化に起因すると考えられる在院日数の延 長に関し 今後検討が必要である 背景 204年から導入した腹腔鏡下ヘルニア手術 TAPP の短 期成績について検討した 対象 当院で204年4月から207年2月までで 鼠径ヘルニア に対して手術を行ったTAPPを 同時期に行った前方切開法症 例 AA と比較した 小児例 他疾患同時手術例は除外した 結果 TAPPが7例33病変 AA症例が32例20病変であっ た TAPPで 男 女 比05:2 AAで0:22で あ っ た 年 齢 は TAPPで62.7±3.4歳 AA68.0±2.0で あ っ た TAPPで 右 53例 左48例 両 側6例 AAで 右8例 左43例 両 側8例 であった TAPP AAでそれぞれ外鼠径ヘルニアが2病変 25病変 内鼠径ヘルニアが6病変 6病変 内外鼠径ヘルニ アが4病変 3病変 大腿ヘルニアが病変 6病変であった 手 術 時 間 はTAPPで09.7±34.4分 AAで 平 均75.5±29.7分 で あり TAPPで有意に手術時間が長かった 出血はTAPP0±0 AA0.5±5.7 術後在院日数TAPP3.8±.9日 AA3.8±.9日 合併症は TAPPで漿液腫例 血腫2例 術後出血例 創感 染9例 再発例 腹壁し開例 AAで漿液腫4例 血腫3例 術後出血例 腸閉塞例 慢性疼痛例で TAPPの再発および 腹壁し開 AAの術後出血で再手術を要した 当院で20例以上経 験した外科医A Bの手術時間を検討したところ 二名とも手術 を重ねるごとに手術時間が短縮する傾向にあり 例程度で手 術時間の中央値に達した 結語 TAPPでは臍部の創感染が多く 開腹に伴う合併症が起 きうるため これらの合併症を減らす工夫が必要と考えられた
125 第 5 回日本ヘルニア学会学術集会 一般演題口演
126 O- O-2 当院における鼠径部 閉鎖孔ヘルニア緊急手術症例の検討 鼠径部ヘルニア嵌頓症例に対する治療戦略の検討 油木 目片 喜多 純一 小島 英治 正継 太田 裕之 瀬戸山 博 長谷川正人 亮介 瓜生原健嗣 増井 秀行 貝原 神戸市立医療センター 中央市民病院 東近江総合医療センター 目的 鼠径部ヘルニアの嵌頓は緊急を要する疾患である そこ で 当院におけるヘルニア緊急症例の特徴を見出し 臨床の現 場に活かせるよう検討した 方法 205年4月 206年2月に当院で施行した鼠径部 閉 鎖孔ヘルニアの手術症例である23例を後方視的に解析した 結果 平均年齢79.6±4.3歳 女/男.5 右/左 3.8 主訴 は疼痛 5例 嘔気 嘔吐 3例 その両方 7例 などであっ た JHS分類は型 8例 I- 例 I-2 2例 I-3 5例 II型 例 II- III型 6例 IV型 例 閉鎖孔ヘルニア 7例であっ た 術式はDK法 4例 MP法 8例 縫合閉鎖 例であった CTにおいて 9例 82.6 に小腸全体の拡張を認めた 腸切 除した症例は8例 34.8 切除腸管の長さの平均は5.3CM であった CTで計算したサックや嵌頓腸管の大きさは腸切除と は有意な差はなかった それぞれp=0.39,p=0.62 サック内の 内容物は 小腸 22例 95.7 腸間膜 7例 30.4 腹水 2例 52.2 であった また 4症例が創部感染を認め全て 腸管切除例であった 結論 嵌頓症例のJHS分類ではI型 III型 大腿ヘルニアが多く I型の細分類においてヘルニア門が大きいほど多くなる傾向があ る 緊急手術での腸管切除にはサックや嵌頓腸管の大きさは関 係ないが 腹水の貯留には注意が必要である 聡 はじめに 鼠径部ヘルニア嵌頓症例に対して 用手的整復が困 難な場合には緊急手術が必要になることが多い 当科では腸管 壊死が疑われる症例では開腹手術で行い それ以外では近年腹 腔鏡手術を試みる方針としている 対象と方法 20年月 206年2月までの6症例を対象と した 開腹手術と腹腔鏡手術を比較し両者の比較検討を行った 結果 男性38例 女性23例 平均年齢は75歳であり 外鼠径 ヘルニア27例 内鼠径ヘルニア3例 大腿ヘルニア3例 閉 鎖孔ヘルニア8例であった 8例で腸切除が必要であった 50 例を開腹手術で行い 例で腹腔鏡下修復術を試み うち例 の嵌頓を解除できず開腹移行となった症例を除いて全例で嵌頓 解除できメッシュを用いてヘルニア修復を行った 開腹 vs 腹 腔鏡 手術時間 06分 vs 67分 p=0.039 出血量 0ml vs 0ml 入院日数 6日 vs 6日 合併症 なし/漿液腫 血種/再発 /SSI/メッシュ感染 4/4/2/2/0 vs 8/2/0//0 p=0.548 考察 開腹手術に比較して手術時間は有意に長かったが 合併 症発生率は有意差を認めなかった 腹腔鏡手術での嵌頓してい る腸管の性状を腹腔鏡下に観察できることや 反対側のヘルニ アの有無を確認できるなどの利点を考慮して 今後も腹腔鏡下 修復法の積極的な導入を検討する方針である O-3 O-4 鼠径ヘルニア緊急手術例に対する鼠径部切開法と腹腔鏡手術 との比較検討 閉鎖孔ヘルニア嵌頓症例の検討 久留宮康浩 世古口 英 小林 冨永 健太 鳥居 直矢 中島 渡邉 裕樹 佐久間政宜 九州労災病院門司メディカルセンター 聡 河合 清貴 桐山 悠 森 万希子 池田 宗泰 脩太 豊田厚生病院 外科 背景 鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡手術が急速に広まっている が 緊急症例に対しては鼠径部切開法と腹腔鏡手術のどちらが 良いかはわかっていない 鼠径部切開法と腹腔鏡手術の手術成 績を後方視的に検討した 対象 203年月 207年2月の4年間で鼠径ヘルニア陥頓で 緊急手術を行った52例 方法 腹腔鏡手術は全例TAPPで行った 緊急手術がゆえ 鼠 径部切開法 Open か腹腔鏡手術 TAPP かの術式の選択はその 場で対応可能な医師により選択された TAPPの手術手技とし て ポートは2mm 5mm 2の3ポート 腹腔鏡観察下でヘル ニア門を切開し愛護的に嵌頓腸管を還納 嵌頓腸管のviability を確認し腸管の穿孔など術野の汚染がなければメッシュによる 修復を行った 腸管切除が必要な場合は正中の創を延長し施行 した 結果 Open群40例 TAPP群2例 で あ っ た 平 均 年 齢 歳 は73.6 vs.75.7 手 術 時 間 分 は73.9 vs.29.5 両 側2例 含 で あ りTAPP群 で 長 か っ た 出 血 量 ml は5.2 vs.2.0で あ りTAPP群 で 少 な か っ た 腸 管 切 除 は5例 2.5% vs.2例 6.6% で差はなかった 術後合併症はOpen群9例 メッシュ 感 染2 肺 炎2 イ レ ウ ス 脳 梗 塞 血 腫 敗 血 症 膀 胱 損 傷 22.5% TAPP群例 膀 胱 損 傷 8.3% で あ りTAPP群 でSSIは 生 じ な か っ た 術 後 入 院 期 間 日 は.8 vs.9.0でありtapp群で短かった 結語 緊急手術においてもTAPPは有用な術式であると考える 松村 勝 谷口 竜太 鬼塚 幸治 坂本 吉隆 閉鎖孔ヘルニアは痩せた高齢の女性の多いが鼠径ヘルニアの %と稀な疾患である 男性に発症することはさら に少なく 閉鎖孔ヘルニアの約5%と言われている また イ レウスの原因として0.4.76%との報告もある 特徴的な理 学所見として25 50%に認められるHowship-Romberg徴候 があるが 最近では腹部CT検査で確定診断を行うことが可能と なっている 今回我々は左股関節痛を主訴に受診した 非常に 稀な男性閉鎖孔ヘルニア嵌頓症例を経験した 手術はTAPPに 準じて行い 鼠径部と閉鎖孔が十分に覆われるようにメッシュ を展開した これまで5例の閉鎖孔ヘルニア嵌頓症例を経験し 全例腹腔鏡下に修復した また TAPPの際に閉鎖孔の開大を 確認し 腹膜剥離を行なったのちに 閉鎖孔を含むようにメッ シュを展開した症例を3例経験した これら症例のBMIを検討し たところ 平均7.3であった BMIが低い鼠径ヘルニア症例に おいては 閉鎖孔の評価が必要と思われた 閉鎖孔ヘルニアに 対するTAPP法の手術動画を供覧する
127 O-5 O2- 急性虫垂炎による腹膜炎の合併が術中判明した右鼠径ヘルニ ア嵌頓症例 :TEP 法は是か非か 当院における Nuck 管水腫に対する Marcy 法の手術成績 堤 盛岡赤十字病院 外科 敬文,2 松山赤十字病院 外科 2 宗像医師会病院 外科 鼠 径 部 閉 鎖 孔 ヘ ル ニ ア に 対 す るEndoscopic totally extraperitoneal repair TEP 法は正確な診断と適切なヘルニ ア修復が行える手術法である 腹腔内との交通無くヘルニアを 修復できる手術法であるが 腹腔内病変の観察や対処はできな い この特徴を生かして 一旦TEP法でヘルニアの修復を行っ た後に腹腔内へアプローチすれば 腹腔内の細菌汚染が疑われ る症例でもメッシュを使用できる可能性がある 明らかな腸管 壊死や消化管穿孔の所見が認められない場合は 嵌頓した鼠径 部 閉鎖孔ヘルニア症例に対しても当科ではTEP法を第一選択 とし 全麻下に嵌頓整復もしくは術中還納後メッシュを留置し た後に カメラポート部より開腹 腹腔内へポートを再留置し 腹腔内の観察を行っている 今回 右鼠径ヘルニア嵌頓に対し TEP法を施行した際に 急性虫垂炎による腹膜炎を合併した 症例を経験した 症例は6歳女性 CTにて腸閉塞を伴う右鼠 径ヘルニア嵌頓と診断し緊急手術を施行した 術前血液検査で CRP 46.84mg/dlと高値であった 全麻下に嵌頓を徒手整復後 にTEP法を施行した所 ヘルニア嚢内には右卵管の癒着を認め たため ヘルニア嚢を切離後に卵管を還納するようにして縫合 閉鎖した 腹腔内を観察したところ急性虫垂炎による腹膜炎を 合併しておりCRP高値の原因と思われた 腹腔鏡下虫垂切除を 追加施行した 石橋 毅一 川村 英伸 畠山 元 杉村 好彦 背景 当院ではNuck管水腫の診断となった若年女性患者に対し て 人工膜の妊娠に対する安全性が確立されていないことも含 め 原則的に鼠径部切開法による水腫切除およびMarcy法によ る内鼠径輪縫縮を行っている 今回その手術成績を検討した 対象と方法 当院では原則的に全身麻酔で手術を行い 術中に 陰部大腿神経の陰部枝を同定し全例で温存している 2007年か ら207年月までにNuck管水腫の診断となった4例において 患者背景 手術時間 出血量 合併症 術後在院日数 術後追 加鎮痛剤使用の有無 再発の有無を検討した 結果 平均年齢は37歳 右側2例 左側2例 JHSの ヘルニア分類でI-が例 I-2が3例であった 手術時間は平 均79分 出血量は7g -30 術後在院日数の中央 値は日 -4 術中合併症は全例で認めなかった 術後に追加 鎮痛剤を使用したのは例のみ 術当日 であった 現在まで全例 において再発は認めていない 結語 当院におけるNuck管水腫に対する水腫切除およびMarcy 法の手術成績は 合併症は無く術後経過も順調 かつ疼痛の訴 えも少なく 良好であった 若年女性のNuck管水腫に対する治 療法として有効であると考えられる O2-2 O2-3 成人女性の鼠径ヘルニアに対する Needlescopic surgery としての LPEC 法の治療成績 仲本 正哉 嵩原 野村 寛徳 阿嘉 宮平 工 奥島 正久 青木 裕夫 2 西原 裕之 花城 憲彦 実,2 国吉 史雄,2 直次 梁 英樹 Nuck 管水腫に対する治療戦略 藤原 川村 直人 茂原 徹 佐藤 富美 金本 康 中嶋 栄美 野谷 昭 啓之 大石 陽子 日産厚生会玉川病院 消化器 一般外科 沖縄ハートライフ病院 外科 2 沖縄ハートライフ病院 ヘルニアセン ター はじめに 成人女性の外鼠径ヘルニアの多くがJHS分類I-型で あることと 将来妊娠を希望する女性の外鼠径ヘルニア症例に 対してメッシュやプラグを使用したtension free repairの是非 が問われている 一方 小児外鼠径ヘルニアに対するLPEC法 がかかる症例に対して整容性の点からも適応が拡がりつつある 目的 成人女性の外鼠径ヘルニア症例に対するLPEC法の手術 侵襲 整容性 合併症 再発 術後疼痛 等について検討し そ の整合性とfeasibilityを検証する 対象と方法 203年3月から当センターでLPEC法を施行した 6例と 嵩原が前任地で手術した5例 計例 2病変 である 年 齢 は6歳 か ら49歳 で 術 後 経 過 は3か 月 か ら4年 で あ る LPEC法で使用するデェバイスは5ミリの硬性鏡 2ミリ把持鉗 子 ミリLPEC針である 結果 入院は術翌日退院の2泊3日 手術時間は30 60分 術 中 術後合併症 再発 感染 難治性疼痛等 は認めていない 結論 子宮円靭帯とともにヘルニア門を結紮閉鎖する女性の LPEC法では 術後に月経周期に伴う難治性の鼠径部痛が報告 されているが 子宮内膜症との関連性を含めてその原因は明ら かでない 当センターではいまだ経験していないが その原因 の究明と術式をアレンジすることで解決できれば成人女性の外 鼠径ヘルニアに対するLPEC法の有用性は検証される 女性の鼠径部痛 膨隆を見た際 Nuck管水腫は念頭に置くべ き鑑別疾患の一つである 近年では CTの解像度向上や 超音 波検査の併用により 術前診断が概ね可能となってきている 当院での過去6年間における手術症例42例について検討を行っ た 症例は4 5歳 中央値37.5歳 の女性で 患側は右側優 位 右30例 左2例 に多く認められた 主訴は鼠径部膨隆 全 例 鼠径部痛 29例 であった 術式に関して 203年より腹 腔鏡下手術を導入しており 前方アプローチ法20例 腹腔鏡下 手術20例 Hybrid法2例となっている 近年注目されている鼠 径部内膜症との関連を考慮し 基本的にはヘルニア嚢を恥骨付 近まで追求し全摘出としている 全例 メッシュは用いておら ず 以後再発は認めていない 切除検体の病理組織検査結果が 判明している28例中 内膜症組織の混入を20例 7% で認め た 術前の鼠径部痛との関連では 鼠径部痛がある症例ではな い症例に対し 内膜症組織の混入が高い 77% vs 50% 傾向が 見られた Nuck管水腫に対する手術治療戦略として サイズが 小さいものでは腹腔鏡下手術が可能であり また腹腔鏡下観察 は 腹腔内に併存する他の内膜症性変化を確認する上でも有益 であると考えている しかし サイズが大きく腹腔鏡下に摘出 が困難な症例では 確実な摘出を優先し 前方アプローチ法の 併用等を考慮すべきと考える
128 O2-4 O2-5 当院における女性鼠径ヘルニア根治術の治療戦略と成績 鼠径部子宮内膜症の病型分類と診断 治療戦略 筒井 麻衣 中川 葉 季久雄 高野 新津 村尾 平塚市民病院 外科 基人 山本聖一郎 米山 公徳 中西 亮 金井 公康 赤津 歳雄 知孝 宏明 津村 直樹 裕昭 金廣 哲也 山岡 裕明 垰越 宏幸 広島市立舟入市民病院 外科 小児外科 背景と目的 女性の鼠径ヘルニアの修復法については 具体的 に検討した報告は少ない 当院では20年より原則40歳以上 の症例には腹膜前修復法であるbilayer法 UHS もしくは腹腔鏡 下ヘルニア根治術 TAPP に術式を統一している 当科の方針 を評価することを目的に 調査を行った 対象と方法 20年月 206年2月に成人の全鼠径ヘルニ ア手術622例 男性585例 女性37例 のうち 初発の女性鼠径 ヘルニア予定手術症例を 後方視的に調査した 結果 33例 35病変であった 年齢中央値70歳 右側が2例 左側が8例 両側が2例であった I型が27病変 II型が4病変 IV型が4病変であったが IV型のうち3病変は大腿ヘルニアの併 存であった 20例にUHSが 3例にTAPPが施行され 両側の 症例は2例ともTAPPであった 術後合併症は生じず 術後入院 日数の中央値は3日 追跡日数中央値は367日 いずれの症例も 再発は認めていない 考察 当院ではUHS TAPPいずれの術式でも術後再発 大腿 ヘルニアの発生がなく 追跡期間は短いが良好な成績であった 腹膜前法の最大の利点は 大腿ヘルニアの修復 予防が同時に できることであるが 今回の結果からはUHS TAPPいずれも 治療選択としては適切であり 女性の鼠径ヘルニアに対する当 院の治療方針は継続可能であると判断された 結語 女性鼠径ヘルニアに対する腹膜前修復法はUHS TAPP 法いずれも根治性担保 再発予防に有用な術式であると考えら れた 目的 鼠径部子宮内膜症 IEM は閉経前女性の鼠径部疾患とし てときに経験するが 再発の懸念から 正確な術前診断による 治療戦略が必要である 当院自験例の解析により術前正診率に 影響を及ぼす因子を解析し 治療戦略についても考察した 方法 2004年月から207年2月までに当院で治療したIEM28 例を対象に 術前正診と年齢 月経随伴症状の有無 CA25陽 性 IEM発症部位分類 type;ヘルニア ヌック管型 type2;子 宮円索型 type3;皮下型 について単変量 多変量解析を行い 術前正診に影響する因子を抽出した また 合併症 子宮内膜 症再発についても調査した 結果 年齢 月経随伴症状の有無 CA25陽性率は術前診断に 影響を及ぼさなかったが 一方でIEM発症部位は術前診断に影 響を及ぼす因子であった Type2とtype3はほぼ全例術前診断 がついていたが typeは鼠径ヘルニアの術前診断で 術中 術 後にIEMと診断されたものが7例 50% 認められた 結語 ヘルニア ヌック管型のIEMと鼠径ヘルニア ヌック管 水腫の術前鑑別診断は困難であり 月経随伴症状 CA25も IEMを鑑別するのに十分でないことが示唆された 閉経前女性 のヘルニア嚢 ヌック管水腫は全切除の上 病理診断を検討す るのが妥当であると考えられた O2-6 O3- 当院における若年女性の鼠径ヘルニアに対する手術成績 入院中に鼠径ヘルニア修復術を施行した超低出生体重児の検討 関根 加藤 嶋田 隆一 原田 貴史 田中 芳邦 小山 淳一 英之 喜島 一博 新村 一樹 昭和大学藤が丘病院 消化器 一般外科 緒言 近年 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP が急速に普 及している 当院でも203年からTAPPを導入し 現在では成 人鼠径ヘルニアに対してTAPPを基本としており 症例に応じ て術式を選択している その中で若年女性に対する鼠径ヘルニ ア手術ではメッシュ使用の是非が議論されている 一般的に女 性鼠径ヘルニアでは 大腿ヘルニアが多く 男性と比べて緊急 手術 腸管切除の割合が高いと言われており 腹腔鏡下での腹 膜前修復法 メッシュ法 を施行している 今回当院での若年女 性鼠径ヘルニア手術の手術成績を検討した 対象と方法 2008年5月から206年2月に若年女性 39歳以 下 に対して施行した鼠径ヘルニア手術症例を当院のデータベー スより検索した 鼠径ヘルニア9症例 22病変に対して 年齢 性別 BMI へルニア分類 術後疼痛 術後違和感 術後感覚 異常 合併症について検討した 結果 両側3例 片側6例 年齢の中央値 歳 BMI 平均20. ヘルニア分類はI- 8例 I-2 0例 III 例 手 安静 術翌日 週間 術後 ヶ月 3 ヶ月 6 ヶ月の術後疼痛 時 体動時 違和感 感覚異常に関して評価すると安静時疼痛 点 体動時疼痛 点 であった 合併症は特に認めなかった 結語 当院での若年女性へメッシュを使用した手術は良好な成 績が得られている 妊娠への影響などは今後もフォローアップ していく必要がある 啓基 黒部 仁2 川口市立医療センター 外科 2 川口市立医療センター 小児外科 目的 成熟児に比べ 低出生体重児では鼠径ヘルニアの発生頻 度が高いが 手術時期に関しては議論されている 方法 2008年 206年 にNICUに 入 院 し た 超 低 出 生 体 重 児 58例の中で 入院中に鼠径ヘルニア修復術を施行した症例の 臨床経過を後方視的に検討し 手術時期について考察した 成 績 入 院 中 に 鼠 径 ヘ ル ニ ア 修 復 術 を 施 行 し た の は28例 7.7 男児2例 女児6例 であった 在胎週数26週3日 出生体重737g 右側4例 左側0例 両側4例 当科での治 療方針はNICUを退院可能となる時期に手術を施行する方針とし ていたが 手術時修正週数43週3日 手術時体重2697g Potts 法26例 LPEC法2例 術前の嵌頓症例はなし 男児においては 術後に挙上精巣を例認め 精巣固定術を施行したが 精巣萎縮 症例は認めていない 女児においては9例に術前に卵巣滑脱と診 断されていたが 卵巣壊死を認めた症例はなかった 術後無呼 吸発作なく 再発症例は認めていない 結論 超低出生体重児では鼠径ヘルニアの発生頻度が高いこと 両側例が多いことが確認できた 症例数は少ないが NICU退院 前に手術する方針は妥当であると考えられた
129 O3-2 O3-3 対側発生鼠径ヘルニア症例から考える ついての手術至適時期の検討 西村 絵美 林 豊 長江 逸郎 勝又 東京医科大学 消化器外科 小児外科分野 小児鼠径ヘルニアに 健次 土田 当院における小児鼠径ヘルニア術後対側発症の現状 清水 保延 田中 守嗣 早川 山本 稔 高嶋 伸宏 宮井 野々山敬介 原田真之資 近藤 北山 陽介 明彦 緒言 当科の小児鼠径ヘルニア手術の適応年齢は 生後歳以降 をベースにし 嵌頓や消化器症状を有した症例や 卵巣滑脱型 と診断した症例は早期に手術を施行する方針としていた 一方 麻酔に対する安全性の観点から乳児期の手術を避けるべきとの 意見もみられる 今回小児鼠径ヘルニアの初回手術時期につい て 対側発生の発生頻度から手術至適時期を検討した 対象 203年月から206年2月までの4年間で 当院で小 児鼠径ヘルニア手術を施行した53例 男児74例 女児79例 を 対象とし 初発月齢および初回手術時期による対側発生の合併 所の有無に対して検討した 結果 小児鼠径ヘルニア平均初発月齢は39.7 ヶ月 日齢0日 2.5歳 であり 平均手術月齢は47.8 ヶ月であった 初回手術 を3歳未満に施行した症例は67例 43.8% 3歳以上で施行し た症例は86例 56.2% であった 対側発生をした症例は初回 手術を3歳未満で施行した症例で4例 6.0% 3歳以上で施行し た症例で例.0% であり有意差は認めなかったものの 3歳 未満で手術をした症例のほうが多い傾向があった 歳未満に手 術をした症例23例では対側発生を例 4.0% 認め 歳以降に 手術を施行した症例30例では3例 23.0% の対側発生を認め 有意差はみられなかった 結語 初回手術を3歳以上で施行した方が有意差は認めないもの の対側発生は低い傾向があり 今後さらなる症例を加え検討す る必要がある 英彦 士郎 公一 刈谷豊田総合病院 消化器 一般外科 2 刈谷豊田総合病院 腹腔鏡ヘル ニアセンター 目的 対側発症の問題もあり 2008年2月から小児鼠径ヘル ニアにLPECを導入した 当院での発症を検証し LPEC導入後 の実態も検証した 対象 2007年以降に当院で手術を行った小児鼠径ヘルニア症例 とし HL群 鼠径部切開症例 3例 片側06例 両側7例 LPEC- LPEC導 入 か ら20年2月 ま で 77例 片 側39例 両 側38例 LPEC-2 20年3月 207年月 278例 片 側0例 両側77例 の3群に分けた 方法 それぞれの群における対側発生の頻度と時期について検 討した 結果 HL群のうちその後に対側発症した症例は0例 8.8 であった うち例は陰嚢水腫での発症で その後症状が消失 したため手術は行っていない 発症期間は明確ではないが 手 術を受けた症例では初回手術から再手術までは84 695日 平 均347日 中 央 値273日 で あ っ た LPEC症 例 は LPEC- LPEC-2ともに対側発症を現在まで認めていない 考察 HL群における対側発症のすべての症例が当院を受診して いない可能性もあり さらに高い可能性がある また発症時期 は 多岐にわたり もっと長期に観察するとさらに頻度が高く なる可能性があった またLPEC症例では 詳細観察を行って いるLPEC-2で両側の症例が増加していた 結語 当院でのHL群における対側発症率は8.8 であった LPEC群では現在まで対側発症を認めておらず有用な手術であ ると考えるが 今後さらに長期の経過観察が必要と考えられた O3-4 O3-5 ムコ多糖症 II 型に合併したヘルニアの治療経験 小児における腹壁瘢痕ヘルニア 芦塚 修一 金森 大輔 馬場 大橋 伸介 田中圭一朗 吉澤 大木 隆生 田中圭一朗,2 三澤 秋葉 直志,2 哲史 2 北上 博隆 藤幡 靖浩 犬飼 優治 平松 穣治 三澤 友雅 健之 2 東京慈恵会医科大学 外科学講座 2 東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科 はじめに ムコ多糖症とは酸性ムコ多糖分解酵素をコードする 遺伝子異常が原因で全身の組織にムコ多糖が蓄積し 身体構造 や機能に異常をきたす疾患で6型に分類される そのうちII型 は Hunter症候群といわれ 鼠径ヘルニアや臍ヘルニアの有症 率が高く その術後再発率も高い また 合併する脊椎変形や 閉塞性気道障害により麻酔に関しても危険性が高く問題が多い 今回 4症例を経験したので 当院での治療経験と工夫および問 題点を報告する 症例 疾患の内訳は 外鼠径ヘルニアが2例 臍ヘルニアが2例 であった 鼠径ヘルニアは例が両側で他は対側出現であり 臍 ヘルニアは例が再発例であった 全例男児で 手術時年齢は 鼠径ヘルニアの例が6歳で 他は8歳2例と9歳例であった 麻酔は9歳の鼠径ヘルニア例のみ局所麻酔で行い 他3例は全 身麻酔で行った 術式は 6歳の鼠径ヘルニアで Marcy法で行 い 残り3例 臍ヘルニア2例を含む は Meshを用いた術式で 行った 術後経過 手術での合併症はなく か月後に転居した例を除 く3例は 術後4年から2年経過しているが再発の兆候は見られ ない 結語 ムコ多糖症II型に合併した鼠径ヘルニアや臍ヘルニアは再 発率が高いため Meshを用いた術式が有用である しかし 今 後 成長が期待される小児では Meshの使用以外で 従来の術 式に工夫を加える必要があると思われる 健之,2 芦塚 修一 2 吉澤 穣治 2 東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科 2 東京慈恵会医科大学 外科 背景 小児における腹壁瘢痕ヘルニアの発生頻度は低く まと まった報告はほとんどない しかし 家族が手術を希望するた め 経過観察することはあまりない そこで当科における症例 について検討した 対象 方法 2007年月から207年月までに東京慈恵会医科 大学附属病院で腹壁瘢痕ヘルニア修復を施行した5歳以下の症 例に関してretrospectiveに解析した 結果 対象症例は25例で 年齢は0歳-4歳 平均2.5歳 であっ た 修復手術は 例のみゴアテックスを使用したが その他 の症例は一期的縫合が可能であった 術中 術後の合併症はな かった ヘルニアの原因となった手術は 腹腔鏡 6例 臍ポー ト部 開腹手術 7例 先天性腹壁欠損 8例 心臓外科手術 2例 心窩部 肥厚性幽門狭窄症 臍内法 2例であった この うち新生児期の手術は2例であった 結論 修復手術は 例を除き 人工物を使わず修復が可能で あった ヘルニアの原因は様々であったが 腹壁瘢痕ヘルニア になる可能性が高い先天性の腹壁欠損を除くと 臍部から脱出 することが最も多かった 臍を創として使用する場合 十分注 意して閉腹する必要がある また 小児の腹壁瘢痕ヘルニアの リスクとして 先天性腹壁欠損 臍を使用した手術 新生児期 の手術があげられる
130 O4- O4-2 当 院 に お け る TAPP で の Pro Grip Laparoscopic Self Fixation Mesh の使用経験 成人鼠径ヘルニアに対する TAPP 法におけるプログリップ メッシュ展開法の工夫 杉田 須藤 隆之 藤原 佐々木 章 2 浩章 島田 雅也 飯田 福井県済生会病院 外科 善郎 206年8月から2月に当院で鼠径ヘルニアに対するTAPPにお いて 症例に対してPro Grip Laparoscopic Self Fixation Meshを使用したので その特徴と手術手技 成績を報告す る Pro Grip Laparoscopic Self Fixation Meshは 吸 収 性 のmicrogripが組織に密着することで固定されるmeshである Tackerでの固定は不要であり 従来のtackerでの固定が不可 能であったiliopubic tractの背側も含めmesh全体の固定が可能 であるという利点を持つ Tackerを用いないという経済的利点 や tackingに関連した疼痛の軽減も期待される 当院で上記 meshを使用した症例は 全例が男性で平均年齢は64歳 全 例が片側症例で右側7例 左側4例であった 分類はI-が2例 I-2が8例 I-3が例であった 平均手術時間は68.9±8.7分 で meshの挿入から固定までに要した時間は平均8.2± 分であり 比較的短時間での留置が可能であった 術中 術後に合併症の発症は認めず mesh留置による疼痛の訴えも認 めなかった 当科では cm刻みに印をつけたネラトンカテー テルで鼠径床を計測し メッシュをトリミング後に挿入 展開 を行う 臍部ポートより鉗子を用いて腹腔内にmeshを挿入する 際に gripが腸管や腹腔内組織に固着しないよう腹壁方向へ向 けて挿入することや mesh展開を容易にするために腹膜切開や 腹膜前腔の剥離を十分に行っておくことがストレスなく短時間 で留置するために重要と考えられた 聖華 盛岡市立病院 外科 2 岩手医科大学 外科 O4-4 Fixation メ ッ シ ュ と Non-fixation メ ッ シ ュ を 使 用 し た TAPP 法の前向き研究 晃 2 中村 目 的 transabdominal preperitoneal repair TAPP 法 に お い て 固 定 器 具 を 必 要 と し な い プ ロ グ リ ッ プ メ ッ シ ュ COVIDIEN社製 PG が発売された 本法は メッシュ固定 に関連した出血や神経損傷のリスクを軽減し 高い固定性によ り再発の原因となるmigrationが起き難いとされる しかし そ の操作性は不良である 我々は 再発予防のため安全域を3cm 確保し 容易に腹膜前腔に配置 展開する方法を考案した 方法 前処置としてmesh上縁から3cmに横線を引き 横線より 下方部分を横線まで2回折り込み もう一度横線で折り込む 腹 膜前腔で内側は腹直筋外縁より内側に3cm 上縁は内鼠径輪の 直上にmeshを配置する 初めにmeshを腹側に展開し 次に背 側に2回展開する 成績 成人片側性鼠径ヘルニア25例に本法を施行した 患者背 景に差はなかった トロッカーの追加 前方切開法への移行は 無かった 手術時間は 70.2±.9分 術中出血量は.8± 2.0ml 術後在院日数は 2.±0.6日であった 術後合併症の seromaを3例に認めたが 創感染 メッシュ感染 再発を認め なかった 結論 本法は 再発予防のために安全域を3cm確保し PGの操 作性不良の問題点を改善し 容易に確実に配置 展開が可能と なる優れた術式であると考えられた O4-3 須藤 隆之 藤原 佐々木 章 2 久貴 梅邑 久貴 梅邑 晃 2 中村 聖華 当院における TAPP の導入 櫻庭 一馬 松浦多恵子 下嶋優紀夫 佐々木勇人 横山 高橋研太郎 進藤 吉明 齋藤 由理 田中 雄一 直弘 中通総合病院 消化器外科 盛岡市立病院 外科 2 岩手医科大学 外科 目 的 プ ロ グ リ ッ プ メ ッ シ ュ COVIDIEN社 製 PG は 固 定 器 具 を 用 い な い た め 出 血 や 神 経 損 傷 な ど の 危 険 が 少 な い と い わ れ て い る Non-fixationメ ッ シ ュ を 使 用 し た transabdominal preperitoneal repair TAPP 法 NF-TAPP 法 とFixationメッシュを用いたTAPP法 F-TAPP法 の短期治 療成績を前向き比較研究した 方法 205年8月より206年2月までの成人片側性鼠径ヘル ニアに対してTAPP法を施行した80例を対象とした 単純ラン ダ ム 割 り 付 け に てNF-TAPP法 とF-TAPP法 の2群 に 割 り 付 け た 術後の創部と患側鼠径部の疼痛 病日 4病日 満足度 4病日 は アンケート調査にてvisual analog scale VAS を用いて評価した 成績 NF-TAPP群とF-TAPP群の両群間で 患者背景因子に 有意差を認めなかった 全例トロッカーの追加あるいは 前方 切開法への移行は無かった 術中出血量は NF-TAPP法.6±.7cc F-TAPP法2.9±3.8cc p=0.046 手術時間 術後在 院日数 術後第,4病日創部 鼠径部の疼痛VASスコア 術後 第4病日満足度 術後鎮痛剤使用回数 術後合併症は 両群間 に有意差を認めなかった 再発例を認めなかった NF-TAPP法 の医療材料費は F-TAPP法に比べて安価であった 結論 NF-TAPP法は F-TAPP法と同等の安全性 有用性を認 めた 当院では206年5月からTAPPを導入した 前立腺癌術後や腹 水貯留例などを除いた全身麻酔可能な成人症例を適応とし 手 術は演者が前施設で施行していた手技を基本とした 2mm 5mm 2の3ポートで超音波凝固切開装置を使用している I型 はヘルニア門の環状切開 II型は鞘状突起レベルでの横切開で 開始し MPOを覆いかつヘルニア門から3cm以上のマージンを 取ることに留意し腹膜剥離を行っている メッシュはフラット メッシュを使用し 適宜5-8箇所程度をタッカーで固定してい る 最近では5mm 3の3ポートも行うようになった 207年 月までに30例34病変を経験した 2例 例は両側例の一側の み は腹腔内の癒着を理由に鼠径部切開法にコンバートした 再 発例 嵌頓例がそれぞれ例ずつあった コンバート症例を除 いた成績を示す 片側/両側 25例 右側6例 左側9例 /3例 男 性/女 性 26例/2例 平 均 年 齢 68.9歳 53-94歳 平 均 BMI 22.8 kg/m kg/m2 平均手術時間 8.6 分 分 JHS分類I/II/III/IV型 5例/4例/0例/2例だっ た 出血量は全例少量で 漿液腫は0例 28.6% に認めたが -3 ヵ月以内に自然消褪した 術後平均在院日数は3.2-7日 だった まだまだ症例数は少ないが 大きな合併症もなく安全 に導入することが出来たと考えている
131 O4-5 O4-6 当院における腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP の初期 成績 友利 長嶺 健彦 田本 信治 宮城 沖縄赤十字病院 外科 秀輔 豊見山 健 仲里 淳 佐々木秀章 大嶺 秀次 永吉 靖 知花 盛司 朝美 ロボット支援腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術の有用性 峯田 章 中村 田中 求 尾崎 上野総一郎 大村 淳 水谷 航 根岸 知央 秀樹 上尾中央総合病院 外科 目 的 当 院 で は204年 よ り 腹 腔 鏡 下 ヘ ル ニ ア 修 復 術 以下 TAPP を導入し これまで54例を経験した 今回TAPPの初期 成績について報告する 方法 204年4月から206年2月までにTAPPを施行された 54例に関しての臨床経過について検討した 結果 男性50例 女性4例と圧倒的に男性が多く 年齢は8歳 から92歳 右23例 左9例 両側2例であった ヘルニア分 類はのべ数で型が50例 2型が4例 4型が2例であった 再 発症例は2例認めた 平均手術時間は片側症例で60分と長い 傾向にあったが 術中大きな合併症は認めなかった 術後合併 症としては漿液腫が8例 メッシュ感染を例に認め メッシュ の除去を必要とした 再発例は現在認めていない 術後平均在 院日数は3.3日であった まとめ 当院におけるTAPPの初期成績は手術時間が長いもの の 再発や大きな合併症を認めておらず 安全に施行できてい ると思われる 今後は手技の定型化を図り 手術時間の短縮を 目指す予定である 当科では鼠径ヘルニアに対する予定手術として 腹腔鏡下の修 復術 TAPP を第一選択とし 年間約50例の手術を行ってい る さらに 206年9月からda Vinci Si surgical systemを用 いての修復術も行っている 207年月までに行った0症例に つき術式を供覧し その有用性を検討したい 手術方法 臍あるいは臍上部からブラントポートを挿入し そ の左右に8mmインストゥルメントカニューラを挿入し patient cartをドッキングする ヘルニア門の腹側から腹膜を横切開 し 腹膜の剥離を背側に向かって進め ヘルニア嚢を剥離し メッシュを留置するだけのスペースを確保したのち ProGrip Laparoscopic Self-Fixaring Mesh 5 0cm を留置する その後腹膜を縫合閉鎖し手術終了とする 結果 0例中9例は外鼠径ヘルニア 例が内鼠径ヘルニアで あった 2例はロボット支援腹腔鏡下前立腺摘出術後 例は胃 結腸開腹術後であった 手術時間は平均03分 出血量は全て 5ml以下であった 軽度の皮下気腫以外の合併症はなく 全員 翌日あるいは翌々日に退院している 考察 ロボット支援手術は通常のTAPPと比べ 創の数 大き さはほぼ同様であるが 腹腔内の操作性に優れている また タッカーによるMeshの固定が不要であることから術後疼痛がか なり軽減されている ただし 本体 鉗子が高価であり ラン ニングコストは高い この問題が改善されれば今後広く普及す る術式であると思われる O5- O5-2 当院における腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 TEP 法 の導入と その変遷 筋師 健 岡本 早稲田正博 高坂 和徳 小野里 航 栗田 貴洋 橋本 知実 山下 健二 若林 剛 成亮 金 龍学 木村 佳宏 鈴木哲太郎 松本 横浜旭中央総合病院 外科 都旭 白畑 匡史 石田 敦 康男 症例に応じた TAPP 法と TEP 法の選択 土橋誠一郎 小丹枝裕二 佐藤 小野寺一彦 久木田和丘 目黒 札幌北楡病院 外科 当院では205年月より鼠径ヘルニアに対する術式として TEP法 total extraperitoneal hernia repair を導入した 導 入当初 臍部のポートは腹膜前腔の剥離を兼ね バルーン付き ポートを使用していた 現在 腹膜前腔剥離はOptical法を用い て行っている 当院におけるTEP法の手術手技は以下の通りである.腹膜 前腔剥離 臍下部に皮切を置き 患側の腹直筋後鞘を同定 Optical法を用いて腹膜前腔を剥離 臍部より2 3横指ずつ間 隔を取り 正中に5mmポートを2本挿入 2.剥離操作 腹膜前 腔を広げ 恥骨およびCooper靭帯を同定 内側および外側から ヘルニア嚢に向けて剥離を進め ヘルニア嚢を同定し 結紮切 離する 3.メッシュ留置 ラッププログリップTMメッシュ 5cm 0cm を使用し タッキングは行っていない 腸骨恥骨靭帯 Iliopubic tract を中心として上下に広げるようにメッシュを 固定している TEP法は腹腔内操作が不要であるため 術中腸管損傷や術後腸 管癒着のリスクが低いことがメリットとして挙げられる その 反面 腹膜前腔での慣れない視野での手術となるため 導入の しづらさがデメリットとして挙げられる 手術手技を定型化し スタッフ間での共通認識を持つことで手術のスムーズな進行が 可能となり 安定した手術成績が得られるようになった 今後 さらに症例を集積し 長期成績等の検討を行っていきたいと考 えている 正法 服部 順一 米川 優宏 飯田 元樹 潤一 当院における鼠径ヘルニアに対する術式は腹腔鏡下鼠径ヘルニ ア修復術 以下ラパヘル を第一選択としている 鼠径部切開法 は全身麻酔が困難な症例や前立腺全摘術後などの腹膜前腔に手 術歴のある症例に対し行っている 202年6月からTAPP法 205年5月からはTEP法を導入しJHS分類に応じてラパヘルの 術式を選択している TEP法の適応は 女性は全例 男性はII型 とヘルニア嚢の小さなI型 I-2まで TAPP法は嵌頓例や再発例 を含め全例が適応である 202年から206年の術式の内訳は TAPP法87例 54.7% TEP法5例 9.4% Mesh plug法25 例 5.7% Kugel direct Kugel法23例 4.5% 従 来 法6 例 3.8% その他3例.9% であった ラパヘル02例38 病 変 の 内 TAPPが87例7病 変 85% TEPが5例2病 変 5% であった 手術時間はラパヘル全症例で0±40分 両 側 36例 が32±42分 片側 66例 が98±34分であった 片 側 で はI II型-3 8例 が24±37分 でI II型- 2 50例 90±29分と比べ有意に手術時間が延長した p=0.00 術式 別手術時間ではTAPPが4±42分 TEPが9±20分で有意差 が認められた p=0.044 術後在院日数はTAPP4.2±4.5日 TEP4.5±.4日であった 術後合併症は漿液腫がTAPPの0例.5% に認められた 鼠径部の術後疼痛は認められず 現在 まで再発および慢性疼痛も認めていない 症例に応じてTAPP とTEPを選択することでより質の高い治療につながると考えら れる TAPPとTEP法の手技をビデオで供覧する
132 O5-3 O5-4 De novo 型鼡径ヘルニアに対する Reduced port surgery TAPP での FJ Clip の有用性 当院での腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP の工夫 藤井 秀則 川上 福井赤十字病院 外科 義行 はじめに TAPPを202年7月より導入し 5mm用トロッカー 2本と細径鉗子を用いた3ポートによる手技を導入した 近年De novo型ヘルニアが注目され 滑脱するザックを把持するために 鉗子を追加するなど工夫されているが そのかわりにFJ Clipを 用いて牽引している 手術手技 臍部足側で約cmの皮膚切開を行い 5mm用トロッ カーを挿入する 病変の位置を確認し 右側腹部に5mm用ポー ト 左側に細径鉗子用のトロッカーを挿入する トロッカーに Endo Keeper ニチオン を装着するとトロッカー位置が固定 され手術時間の短縮にもつながる Free Jaw FJ Clip 5mm 用 シャルマン を2個腹腔内に挿入し まず内側臍ヒダを把持し 外側に牽引 もう一つのFJ Clipで滑脱したザックを把持し同側 に牽引する 牽引する為の糸はポート孔より引き出す 滑脱し たザックは常に前方に固定され鉗子の追加を必要とせずに剥離 が可能になった 腹膜切開は超音波凝固切開装置を用い 5mm ポートよりメッシュを挿入し吸収性のタッカーで固定する 腹 膜閉鎖時には腹膜の右端をFj Clip 左端をあらかじめ糸をかけ 両側にカウンタートラクションをかけ腹膜の4-0の吸収糸の連 続で行っている 結果 FJ Clipを用いた24例の手術時間は02分でDe novoタイ プ2例の手術時間は36分で手術時間は延長したが鉗子の追加は 不要であった まとめ De novoタイプに対するザックのfj Clipによる把持牽 引は有用であると考えられた 脇山 吉彦 国立病院機構 東佐賀病院 外科 2 佐賀大学医学部 一般 消化器外科 はじめに 当院では 鼠径ヘルニアに対する手術法として 前 方アプローチと腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP を提示し 両者のメリット デメリットを説明した上で 患者の希望があ る場合は積極的にTAPPを選択している TAPPは有用性の高い 術式であると考えている 結果 当院でのTAPP施行例は 年間で約30例程度である 使 用しているtrocarの種類やport位置 meshの選択 手順 手術 手技の工夫等 当院でのTAPPの特徴を 実際の手術動画を供 覧しつつ報告する O5-5 O5-6 TEP における横筋筋膜 Retzius 腔 腹膜前腔の捉え方 朝蔭 幸大,2 北島 内鼠径輪周囲の膜構造の検討 横筋筋膜 腹膜下筋膜は存在 するか 直樹 津田沼中央総合病院 外科 体壁筋と腹膜の間隙である腹膜外腔を理解する鍵は横筋筋膜 である Meyersは腹膜外腔を3区画に分類したが Perirenal spaceは腹膜前腔 Posterior pararenal spaceは横筋筋膜に相 当する TEPにおいてmyopectineal orificeを俯瞰すれば 横 筋筋膜は腹直筋背側から恥骨 Cooper靭帯 外腸骨動静脈 腹 横筋を被覆する疎性結合組織層であり 下腹壁動静脈は横筋筋 膜内を走行している 弓状線から恥骨方向へ続くAttenuated Posterior Rectus Sheath は文字通りattenuatedで恥骨近傍で はfree edgeになる 下腹壁動静脈は外腸骨動静脈から立ち上 がり弓状線から腹直筋後鞘腹側に層をまたいで進入する つま り弓状線は横筋筋膜の腹直筋への取り込み口と考えられる 鈴 木は腹直筋の発生は先行する斜筋系の発生に続くと述べてい る 従って発生学的に横筋筋膜と腹直筋の関係から弓状線が attenuatedとなるのは必然的なのである 動静脈系を包埋して いる横筋筋膜は大動静脈筋膜から連続する体壁系血管筋膜であ り 腹膜前腔との間隙にRetzius腔を形成する Retzius腔とは 骨盤底から臍まで続く vesicoumbilical fascia 腹直筋後鞘間 の三角形の間隙であるとKingsnorthは述べているが 臨床的に は横筋筋膜と腹膜前腔との間隙に形成される人為的cavityとみ ることができる 徳村 松村 弘実 野村 良平 西條 直樹 澤田健太郎 佐藤 東北労災病院外科 文人 安本 馨 千年 明浩 武藤 大勝 片寄 満完 友 腹腔鏡下ヘルニア修復術TAPP時に 内鼠径輪の周囲における 膜構造を観察したので報告する 対象と方法 555例の膨潤TAPP経験から最近の32例にて 内 鼠径輪周囲における腹膜 腹横筋 腹直筋 腸骨筋 脂肪 鼠 径管後壁などを詳細に観察した 結果 腹直筋後鞘の外縁付近の腹横筋を起点とする線維性の 帯状構造物が 精索おもに精管を腹側からその内側でこれらを 包みこみ 背側を回って 主に外側に進み腸骨恥骨靱帯と腸骨 筋膜に広く終着していた 2 帯状構造物は2型では弁蓋状に内 鼠径輪を被覆していた 3 この構造物は2層になっており 層目は腹膜下の弱い線維性で 2層目は強い腱膜様で鼠径管後壁 からの連続物と考えられた 4 層目の線維性膜は 外側腹側 で腹横筋 外側背側で腸骨筋を覆う脂肪を覆っている膜であっ た この膜の下には脂肪があるのみで 脂肪下は腹横筋はむき 出しであった まとめ ヘルニア防御の精索つり上げをしている線維性の帯状 構造物は2層で幅を持ち 内鼠径輪の陥凹を被覆していた こ れを弁蓋支帯 operculum and retinaculum,or と命名した ORは腹膜外腔で 小骨盤と外側の大骨盤の間の隔壁をなしてい ると考えられた このORの破壊が外鼠径ヘルニアの原因となる と考えられる また ORの層目は腹膜下に広く一枚の弱い膜 として存在している これを横筋筋膜とするか 腹膜下筋膜と するか今後決める必要があろう - 3 -
133 O6- O6-2 TiLENE PREP を用いた鼠径部切開腹膜前腔到達法による鼠 径部ヘルニア修復術 小田 取り下げ 斉 おだクリニック日帰り手術外科 Kugel法は鼠径部の比較的小さな皮膚切開創から腹膜前腔に形 状記憶メッシュを挿入する腹膜前腔到達法による鼠径部ヘルニ ア修復術である 鼠径管を開放せずに腹膜前腔にメッシュを広 げヘルニア門を後方から補強するため 理論的には腹腔鏡手術 と同様に神経損傷は少なく腹圧に対する抵抗性に優れた術式で ある 腹膜前腔の形状記憶メッシュで鼠径部ヘルニアに関与す るすべての筋恥骨孔を閉鎖でき 直視下に用手的操作を行うた め腹腔鏡手術に比べ手術時間は短く 低コスト 低侵襲で施行 できる点で日帰り手術にも適している しかしKugelパッチは2 重のポリプロピレンメッシュと形状記憶リングで構成されるヘ ビーメッシュ 4g/m2 であるため 軽量 柔軟なライトメッ シュの改良が望まれていた 今回 ポリプロピレンの表面にチ タンコーティングした新素材のライトメッシュ TiLENE PREP 35g/m2 が日本で販売されることになり その使用経験と手 術ビデオを発表する チタンコーティングの利点は組織炎症反 応が軽度でメッシュの収縮が少なく 親水性により生体組織に ピッタリ粘着するためmigrationの予防も期待される 手術操作 はKugel法に準じるが TiLENE PREPの周りに超弾性合金のア プリケーションワイヤーが装着されており 腹膜前腔挿入後に ワイヤーを抜去する 手術時間はKugel法とほぼ同等で20分程 度で 術後の疼痛はKugel法より軽度な印象であった O6-3 O6-4 鼠経ヘルニアに対するバード オンフレックスの使用経験 大腿ヘルニア慢性嵌頓に有用であった ONSTEP 法の 例 栗栖 河合 佳宏 マツダ病院 外科 裕成 三澤 健之 笹屋 慈心会 青山病院 外科 我々は鼠経ヘルニア手術において腹膜前メッシュ修復が基本と 考え メッシュ固定が針のみで手術時間が短く 術後疼痛が比 較的少ないクーゲル法を第一選択としている クーゲルパッチ はリコイルリングを備えたヘビーウェイトメッシュであり 小 さな傷からの挿入と展開は比較的容易であるが 腹壁の脆弱な やせた症例では体表からメッシュを蝕知することもある この ため形状付加型ライトウェイトメッシュであるポリソフト M をやせた症例では使用している このたび吸収性リコイルリン グを備えたライトウェイトメッシュ バード オンフレックス が発売され 硬結 違和感の軽減を期待しクーゲル法に応用し たので報告する 使用したオンフレックスは全例Mサイズで 恥骨側に挿入するふくらみのある部分と頭側に配置するやや細 くなっておりリコイルリングのない部分からなっている シン プルな形状のoriginalと2枚重ねによるポケットを有し中央にス トラップが付いているmodifiedの2種類がある クーゲル法に おいてはストラップがあるmodifiedの方がメッシュの配置の確 認及び展開の際にストラップを牽引できるため使用しやすい リコイルリングは軟らかく自己展開力はやや弱く 頭側に配置 する細くなっている部位は広げて押し込むように挿入するが捻 じれやすいため長軸の方向が腸恥靭帯に平行になるよう注意が 必要である 一人 青山 賀茂 はじめに 大腿ヘルニア修復法として 前方到達腹膜前修復法 と大腿法 および鏡視下アプローチが挙げられるが 日本ヘル ニア学会ガイドラインでは腹膜前修復法が推奨されている 当 院では鼠径部ヘルニアに対してKugel原法による腹膜前修復法を 第一選択としているが 皮切部位が高位になるため 大腿ヘル ニア とくに慢性嵌頓例では視野が深くなり 術中操作がやや 煩雑となる 一方 ONSTEP法ではHesselbach 三角内で横筋 筋膜切開を行うため 大腿輪を直下に直視可能である 症例 66歳 男性 長年の右鼠径部の腫瘤触知と違和感を主訴に 来院 腹部CT上 鼠径靭帯の背側で大腿輪から脂肪織の脱出と 大腿静脈の外側への圧排所見を認め 大腿ヘルニア慢性嵌頓と 診断した ONSTEP法による前方到達腹膜前修復法 Hesselbach三角で 後壁 横筋筋膜 を切開し腹膜前腔と膀胱前腔を鈍的剥離すると 大腿輪を直下に視認した 腸恥靭帯を一部切離して大腿輪を開 大 良好な視野下に脱出したヘルニア嚢を腹膜前腔に引き戻し た Onflexメッシュの内側部分をKugel原法に準じてundarlay として腹膜前腔に 外側部分をLichtenstein法に準じてonlayと して内腹斜筋の腹側に配置した 手術時間は30分 出血量はご く少量で合併症なく終了し 術後3日目に退院した 術後週間 目の外来受診時点で疼痛 違和感 再発なし 新しい術式であ るONSTEP法の解説を含め 本法の大腿ヘルニアに対する有用 性を報告する
134 O6-5 O7- 鼠径部ヘルニアの術前エコー診断 当院における導入後の短 期成績と課題 腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術後再発例から学ぶメッシュ 選択とメッシュ固定法 山田 中野 誠 松井 岐阜市民病院 外科 康司 杉山 保幸 目的 従来 当院では鼠径部ヘルニアの診断は外科医の視 触 診が中心で 必要な場合はCTを施行していた しかし CTに は立位で撮影できない制限があり 被爆と費用の問題もあるた め 205年月から術前エコー診断を段階的に導入し 導入 後年弱経過したので 短期成績を今後の課題とともに報告す る 対象 205年月 206年2月 に 鼠 径 部 ヘ ル ニ ア が 疑 わ れエコーを施行した55例63件 両側8例 を対象とした また 204年4月 206年6月にCTを施行後 手術を施行された鼠 径部ヘルニア4例と比較した 方法 導入当初は先進施設へ研修に行った一人の技師が検査を 担当し 手技が安定してきたと判断後 最初の技師の指導下で 現在二人目の担当技師を養成している 結果 超 音 波 検 査 の 結 果 は ヘ ル ニ ア 分 類I-:5 I-2:27 I-3:2 II-: II-2:2 II-3:7 III: IV: 半月状線ヘルニア: 精索静脈瘤: 異常なし:5であった 手術が施行された40中39 件がヘルニアと診断され 感度97.5% ヘルニア分類の区分で は30/40で診断が一致していた 正診率75.0% 2 CT検査の 感度は02/4 89.5% であり ヘルニア分類区分までの診 断は困難であった 結語 鼠径部ヘルニアのエコー診断は導入後の短期成績として は感度も高く良好であり 鼠径部ヘルニアの術前診断として有 用と考えられた しかし 検査手技の習熟が必要であり 担当 技師のさらなる養成と検査精度の均一化が課題である O7-3 臍ヘルニア手術症例の検討 次郎 浦上 尚正 史嗣 腹壁ヘルニア手術における最大のnegative outcomeは再発であ る 基本的な手術手技としては 腹腔鏡下3ポート 癒着剥離 後にヘルニア門の数と大きさを評価 ヘルニア門の全周にわた り約4-5cmのオーバーラップ部分を加えてメッシュサイズを選 択 メッシュの周囲に非吸収糸を縫合固定して皮下で腹壁に固 定後に 全周をおよそ2cm間隔でタッキング固定している 前 任地にて施行した98例ならびに当院にて施行した34例 計32 例中 再発を5例に認めている 再発の原因としては メッシュ のオーバーラップ不足が2例 下腹部でのメッシュ固定不良およ びメッシュ収縮によるもの例 側腹部の大きなヘルニアでメッ シュ固定不良によるもの例 瘢痕ヘルニア修復時にメッシュ被 覆を行わなかった創部からの再発が例であった メッシュの選 択に関しては 素材 pore size 収縮率などを考慮し 現在の ところSymbotexTMを使用している しかしlarge poreである ためにタッカーがメッシュを貫くことを手術時に経験している 従ってメッシュ固定に関しては 非吸収糸による全層固定が必 須と考えており 現在最低4本の糸を用いるようにしている 十 分なオーバーラップと確実なメッシュ固定ができた症例におい ては再発は認めていないが 長期予後については引き続き経過 観察が必要である O7-2 林 石田 敢友 井谷 広島市立広島市民病院 外科 淳 山辻 開腹における腹壁瘢痕ヘルニア手術 4 例の検討 知樹 吉田 和弘 高岡 宗徳 岡本 高山 三品 川崎医科大学 総合外科学 川崎医科大学総合医療センター 外科 和浩 金岡 祐次 原田 祐一 深見 保之 高橋 拓也 吉川晃士朗 寺崎 大垣市民病院 成人臍ヘルニアは比較的まれな疾患であったが 高齢化や肥満 の増加に伴い症例数は増加しつつある 治療方法は 従来の縫 合閉鎖術に加えてメッシュ補強などが行われている 加えて腹 腔鏡下修復術の報告も増加している 当院でも腹壁瘢痕ヘルニ アに対し腹腔鏡下修復術 laparoscopic intraperitoneal onlay mesh repair IPOM を導入し臍ヘルニアに対しても同様に腹 腔鏡下修復術を行っている 202年4月から206年3月までの 緊急症例を除いた手術症例について検討したので報告する 症 例は6例で204年月までの2例は開腹による手術を行い 以 後の4例は腹腔鏡下修復術を行っている 開腹例の性別は男女 各例で平均年齢64歳 平均BMI3.9でいずれも肥満であっ た 手術は例で縫合閉鎖のみで例はメッシュを用いた補強 を行った 腹腔鏡例の性別は男女各2例で平均年齢62.5歳 平 均BMI28.52で3例が肥満であった 手術は気腹下に3例で3ト ロッカーでメッシュをエンドクローズとタッカーを用いて固定 するIPOMを行い例は筋膜の縫合閉鎖を行った後にmesh補強 を行うIPOM plusを行った 平均手術時間は開腹例で57.5分 腹腔鏡例で83分 術後平均在院日数は開腹例で6.5日 腹腔鏡 例で4日であった 術後合併症についてはどちらの症例にも手術 創感染はなく 腹腔鏡例で例にポートサイトヘルニアを認め た 臍ヘルニアに対する腹腔鏡下修復術は創が小さく低侵襲で 術式の第一選択肢になりうると考えられた 徹 亀井桂太郎 前田 崇真 尾上 俊介 宇治 史浩 仲野 聡 和田 敦行 誠人 侑星 目的 当院における開腹による腹壁瘢痕ヘルニア手術の成績を 検討する 対象と方法 2002年5月から206年2月の間に当院で手術を 行った腹壁瘢痕ヘルニア4例 ポートヘルニア除く の臨床経 過を後方視的に検討した 結果 平均年齢66.9歳 男性40例 女性74例 平均BMI24.8Kg/ m2 初回手術は婦人科手術が36例 3.2% 大腸切除術22例 9.3% 虫垂切除術2例 0.5% 胆嚢摘出術8例 7.0% その他例であった 手術方法はメッシュ修復79例 直接縫合 32例 大腿筋膜移植2例 その他例であった 術後合併症と して再発5例 4.0% 漿液腫8例 メッシュ感染例 イレ ウス例を認めた 漿液腫を認めた8例の術式は全例メッシュ修 復で そのうち皮下ドレーンなしが7例.8 皮下ドレーン ありが例 4.3 で 皮下ドレーンなしが有意に多かった p 0.05 再発は直接縫合が32例中8例 25 メッシュ修復 が79例中7例 8.9 であり, 直接縫合で再発が有意に多かった p 0.05 メッシュ修復後再発の7例中5例の再発部位は下腹 部であり メッシュ修復後の再発は不十分な固定による腹圧が かかりやすい下腹部でのメッシュの移動 折れ曲がりが原因で あった 結語 開腹腹壁瘢痕ヘルニア手術ではメッシュを使用し 折れ 曲がりなくヘルニア門を充分に覆い 非吸収糸で固定すること が必要である また皮下ドレーンを留置することで漿液腫を予 防できる
135 O7-4 O7-5 当院における腹壁ヘルニアの検討 片岡 冨永 淳 新田 智 川崎 敏勝 藤井 浩資 石橋 研介 太田 孝嗣 2 ハルトマン術後の傍ストーマヘルニアに対し 腹腔鏡下にス トーマ閉鎖を行った 例 将仁 春秋会城山病院 消化器センター外科 2 大阪医科大学 一般 消化器外科 はじめに 腹壁ヘルニアに対する治療として 当院では203 年より腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術 LVHR を採用しており 年々増加傾向にある 手技が簡便である一方で 漿液腫やmesh bulgingといった問題にも直面している 今回当院で施行した腹 壁ヘルニアについて検討する 対象 方法 203年4月から206年2月まで施行した腹壁ヘ ルニア32例 開腹群2例 LVHR群20例 を対象とし 患者背景 年齢 BMI 手術成績 手術時間 術中出血量 術後在院日数 術後合併症 について比較検討した 結果 LVHR群では術後合併症として漿液腫3例 5% mesh bulging2例 0% を認め いずれもIPOM症例であり 開腹群 では認めなかった 年齢 BMI 術中出血量では有意差を認め なかったが 手術時間 p=0.043 と術後在院日数 p=0.035 で 有意差を認めた LVHR群では開腹群に比べ 術後在院日数は 少なかったが LVHR群7.65日:開腹群.5日 手術時間は長 い傾向にあった LVHR群46.35分:開腹群95.5分 考察 合併症についてLVHRに特有な漿液腫やmesh bulgingを 認めた それらの発生を軽減するべく 当院ではヘルニア門径 0cmを超える症例ではIPOM-Plusを 5cmを超える症例では 開腹術を行うことにしている 結語 LVHR群は開腹群に比べ 手術時間は長いものの術後在 院日数は短い傾向にあった しかしLVHR特有の合併症も認め られることから適応は慎重にすべきであると考えている 藤家 症例 77歳 女性 205年にS状結腸癌 StageII の穿孔性腹 膜炎に対し 高位前方切除術 D2郭清 人工肛門造設術 ハル トマン手術 を行った 大腸癌再発のリスクと糖尿病のためにス トーマ閉鎖も行わない方針としていたが 術後年半経過して再 発の徴候もなく糖尿病も改善し また傍ストーマヘルニアが増 悪してきたため手術の方針となった 手術 審査腹腔鏡を行って腹膜播種がないことを確認し 腹腔 内の癒着が軽度であったためにそのまま鏡視下手術を継続した ヘルニアの脱出物である横行結腸の癒着を剥離した後に 脾彎 曲部を剥離して左側結腸を完全に授動した 次に腹腔内から観 察しながらストーマを形成している挙上腸管を直視下に全周性 に剥離した後に開腹して腸管を授動した 腸管断端に自動吻合 器 EEA のアンビルヘッドを装着した後に 創部を仮閉鎖して 気腹操作を再開した 直腸断端を同定して周囲を剥離し 肛門 より自動吻合器を挿入してDST吻合を行った 考察 ハルトマン術後の鏡視下によるストーマ閉鎖術の報告は まだ少ない 腹腔内の癒着が軽度であれば腹腔鏡下に手術がで きると考えられた 今回傍ストーマヘルニア内容物である横行 結腸を先に鏡視下で剥離を行い さらに腹腔内よりヘルニア門 および挙上腸管を確認することで安全に腸管内へ切り込むこと なくストーマ周囲の剥離を行えた 上記手術方法をビデオにて 供覧する O7-6 O8- 当科における腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術 岡田 高田 正夫 関野 学 関 長野市民病院 外科 雅志 福岡和白病院 外科 康 下平 仁誌 宗像 悠介 林原 康博 香織 佐近 当院における閉鎖孔ヘルニア症例の検討 雅宏 橘 大江 強 桃野 秀明 洲崎 大津市民病院 外科 目的 腹腔鏡下腹壁ヘルニア手術は202年より保険収載され 施行症例が増加している 当科でも204年より本術式を導入し ており その短期成績を報告する 対象 204年9月から206年2月までに施行した腹腔鏡下腹 壁ヘルニア修復術例を対象とした 結 果 患 者 背 景 は 男 性7例 女 性4例 年 齢 中 央 値64歳 5379 BMI中央値 腹壁瘢痕ヘルニア0例 白線ヘ ルニア例 開腹歴中央値回 0-4 であった 9例が完全鏡視 下 2例は癒着剥離の一部を開腹下に施行し再気腹下にメッシュ 固定を行った 完全鏡視下9例中7例が3ポート 2例が単孔+細 径鉗子本で行った ヘルニア門径中央値6cm 3-0 ヘルニ ア門から3cm以上overlapできるメッシュを選択した メッシュ の4点をナイロン糸で釣り上げて腹壁固定 ダブルクラウン法で のタッキングを標準とし 皮下ドレーンは全例で留置していな い 手術時間中央値80分 出血量中央値3ml 0-25 術後在院日数中央値4日 3-0 であった 合併症は例で血腫 例で水腫を認めた 現在まで再発を認めていない 考察 施行症例が例と少ないが経過は良好であった 癒着が 軽度であればヘルニア門の大きさによらずに小さな腹壁破壊で 修復が可能であり 腹腔鏡下手術の利点は大きいと思われる 一方 癒着が強固である場合は開腹下操作を併用することで安 全を担保することが重要と思われる 鉄平 藤田覇留久 平田 聡 岡部 寛 光吉 渉 平井健次郎 明 はじめに 当院で経験した閉鎖孔ヘルニアを臨床的に検討し今 後の治療方針を考察した 対象と方法 2008年月から206年2月までに2例4病変を 経験した 2病変は異時性の対側閉鎖孔ヘルニア 結 果 全 例 女 性 で 年 齢 は 平 均77.9歳 53-9 BMIは 平 均 Howship-Romberg徴候を4病変に 術 8.3kg/m 前イレウスを0病変に 3病変に閉鎖孔への小腸嵌頓を認めた 病変で用手整復に成功したが腸管穿孔を疑い緊急手術を行っ た 2病変が緊急手術で 術式は 開腹法0病変 鼠径法2病 変 鏡視下2病変であった ヘルニア門の閉鎖方法は ヘルニア 門縫縮7病変 病変が鏡視下 メッシュ修復5病変 全例小腸切 除なし 病変が鏡視下 自家組織パッチ 膀胱 2病変であっ た 3病変に小腸切除を施行した 術後合併症として カテーテ ル感染に伴う敗血症例 縫合不全例 人工肛門造設 鬱血肝 例 多臓器不全例 死亡 を認めた 鏡視下ヘルニア門縫縮例 は術後にHR徴候が出現し遷延した 例は人工肛門閉鎖時に患 側の不顕性再発を認めヘルニア門縫縮を施行した メッシュ感 染は認めていない 考察 感染の危険が少ない場合にはメッシュによる修復術も許 容される 自家組織パッチでの再発を経験したため その選 択 固定は慎重に検討する必要がある 鏡視下のヘルニア門縫 縮は 閉鎖神経の走行等に注意すれば 両側の観察 治療が可 能であり有用な術式と考えられる
136 O8-2 O8-3 当科における閉鎖孔ヘルニア症例の検討 佐藤 砂原 利行 加藤 紘一 長瀬 正男 久留島徹大 鈴木 市立函館病院 消化器外科 勇人 植木 伸作 中西 当院における閉鎖孔ヘルニアの治療成績 伸也 笠島 一彰 木村 浩行 純 田中 鶴岡 JA 静岡厚生連 はじめに 閉鎖孔ヘルニア症例を検討する 対象 当科で2000年から206年までに経験した閉鎖孔ヘルニ ア嵌頓手術症例29例 33病変 右7例 左8例 両側4例 全例 女性 平均年齢85.3歳 を対象とした 結果 全例腹部 骨盤CTで術前診断可能であった 嵌頓腸管は 全て小腸で 穿孔例は2例 4例で腸切除術が施行された ヘ ルニア修復にメッシュが使用されたのは20例 その内腸切除施 行例は7例であり メッシュ感染例は認められなかった メッ シュ不使用例で同側再発が例 メッシュ使用例で対側再発が 例認められた 腸切除の有無 メッシュ使用の有無での比較で は 腸切除あり メッシュ使用なし の組み合わせで手術時間 24.7分 術後在院日数20.3日と最長であり 出血量も20.3ml と最多であった 腹腔鏡手術は6例で施行され 腹腔鏡手術と開 腹手術の比較では 手術時間 出血量 在院日数は 分 ml 7.3.7日であった 術後合併症は表層 SSI2例 肺炎2例 せん妄例であった まとめ 腸切除あり メッシュ使用なし で手術時間 術後在 院日数の延長 出血量の増加が認められ 小腸壊死例での手術 難易度 患者重症度が反映されていた メッシュ感染例がなく メッシュ不使用で再発例が認められたことから 状況が許せば メッシュ使用が望ましいと考えられた 弘明 前田 隆雄 外科 O8-5 当院における閉鎖孔ヘルニア並存の術前診断並びに単孔式 TEP 法による修復 陽土 山野 遠州病院 正彦 臼井 背景 閉鎖孔ヘルニアは比較的まれな疾患で 高齢者に多いと いう患者背景や診断の遅延により周術期治療に苦慮することが ある 目的 当院における閉鎖孔ヘルニアの治療成績を検討し その 臨床学的特徴を明らかにする 対象と方法 年に手術治療を施行した閉鎖孔ヘルニ ア3例を対象としてretrospectiveに検討した 連続変数は中央 値で示した 結果 全例女性で 年齢は87歳 BMIは5.5kg/m2 病脳期間 は2日であった 主訴は嘔吐が例ともっとも多く HowshipRomberg徴候を3例に認めた 全症例において併存症を認め 来院時に4例が敗血症を そのうち2例が意識障害をきたしてい た 術前検査として全例にCTが施行されており 感度は00% であった 手術時間は65分で 術式は開腹手術を選択すること が多く 2例 両側閉鎖孔ヘルニアを6例に認めた 腸管虚血 を4例に認め そのうち2例は小腸穿孔をきたしていた ヘル ニア門修復法は メッシュによる修復が6病変 周囲臓器 組 織の縫着が8病変 腹膜縫縮が3病変 不明が2病変であった Clavien-Dindo分類Grade II以上の術後合併症を8例に認め 在 院死を2例に認めた 結語 高齢女性が嘔吐をきたした場合は本疾患を念頭において CTを施行すべきである 術前より全身状態が不良であることが 多く 術後合併症をきたす可能性が高いため 慎重な周術期管 理が必要であると考える O8-4 山野 征洋 浅羽雄太郎 鈴木 琢也 水上 泰延 武寿 当科における腹腔鏡下閉鎖孔ヘルニア修復術の経験 林 羽田 憲吾 垣内 匡宏 加藤 大毅 山田 洋介 小竹 翔 澤田幸一郎 大島 優範 尾山佳永子 原 正寛 拓央 姫路中央病院 胃腸科外科 厚生連 高岡病院 日本ヘルニア学会205年鼠径部ヘルニア診療ガイドラインに は 成人女性鼠径ヘルニアの治療は大腿ヘルニアの確認 予防 の観点から腹腔鏡下ヘルニア修復術を含む腹膜前修復法が望ま しいとされているが 実際の成人女性特に高齢女性の鼠径ヘル ニア患者に大腿ヘルニア以外の閉鎖孔ヘルニアが並存している ケースにしばしば遭遇する 我々の病院では鼠径部ヘルニアに 対して標準的に単孔式TEP totally extraperitoneal repair 法 を 施 行 し て い る がTAPP transabdominal preperitoneal repair 法と異なり臍輪からの腹腔内観察を施行してもTAPP法 の様に鉗子にて腸管を避けることができないため術中の閉鎖孔 ヘルニアの診断が困難である一方 膀胱から骨盤の周囲を正面 視出来 腸管に妨げられず剥離操作を安全に行えるため閉鎖孔 ヘルニアに対し良好な視野で安全に手術施行できる利点がある そのため全症例に術前CTを施行しており この検査により問診 と診察にて見落としていた閉鎖孔ヘルニアの並存が診断される ことがあり 並存が診断された場合は単孔式TEPにて鼠径ヘル ニアと同時に修復しております 実際の症例の詳細 術中動画 を提示させていただきます 閉鎖孔ヘルニアは高齢多産の女性に多い比較的稀な疾患で そ の治療法については未だ確立されていない 当科では205年か ら閉鎖孔ヘルニアに対して腹腔鏡下ヘルニア修復術 TAPP法 を導入し 現在までに6例を経験したため その患者の背景や状 態 術式に関して検討を行い報告する 症例は全例女性で年齢 は平均8.2歳 BMIは平均 全例術 前に絞扼を疑う所見はなく 用手還納した後待機的にTAPP法 を行った 術前は6例中5例で片側の診断であったが 術中確認 したところ全例両側閉鎖孔の開存を認め 全例でセルフグリッ プメッシュであるProGrip Covidien を用いて両側の修復を 行った 平均手術時間は36分 平均入院日数は3.8日で 再発 例は認めていない 閉鎖孔ヘルニアはイレウスを契機に発見さ れることが多く緊急手術になる場合もあるが 我々の経験では 全例で用手還納が可能であり待機的に手術を施行できた 高齢 者に多い本疾患は安全かつ低侵襲にヘルニアの確実な修復を行 えるという点 対側確認や合併鼠径ヘルニア有無の確認 同時 修復が可能な点で腹腔鏡下手術は有用であると考えられる ま たタッカーが不要なセルフグリップメッシュは閉鎖神経や死冠 への影響が懸念される同手術において安全に使用できうると考 えられた
137 O8-6 O8-7 閉鎖孔ヘルニアに対する腹膜前腔アプローチ手術 沢辺 石原 保範 多加喜 航 永田 駿太 下村 雅律 鴻巣 綾部市立病院 外科 啓明 岡山 寛 徳成 藤原 当科における閉鎖孔ヘルニア 24 例の検討 経年的治療法の変遷 郁也 田澤 閉鎖孔ヘルニアに対する腹膜前腔アプローチによる根治術の術 式と成績を紹介する 術式 下腹部正中切開 約5 7cmの皮切 で腹膜前腔を剥離し 患側の閉鎖孔ヘルニア嚢を還納させる 腹膜を切開して嵌頓腸 管を観察し 切除が不要な場合は閉鎖孔とmyopectineal orifice を十分に覆うようにメッシュを展開 留置する 腸切除が必要 な場合はメッシュを留置しない 成績 過去5年間に7例の閉鎖孔ヘルニアに対してこの術式 を適応した 全例が高齢女性で嵌頓に対する緊急手術だった メッシュ留置を行ったのは3例で メッシュ留置と腸切除の併 施はなかった 手術創の治癒遅延による入院期間の延長が例 あったが 重篤な合併症はなく術後経過は良好であった メッ シュを留置しなかった症例を含めて全例再発を認めていない 考察 本術式の長所は 短時間に簡便に行えること 同一術野 で腸管の評価ができること 閉鎖孔を確実にメッシュで覆うこ とができ 閉鎖神経損傷の危険性がないことである 短所は手 術創がやや大きくなること 腸切除が必要でメッシュを使用し なかった場合に再発の可能性があることである 閉鎖孔ヘルニ アはやせ型の高齢女性に多く 大半が緊急手術である その点 本術式は短時間で手術侵襲も少なく 臨床成績の結果からも推 奨される方法であると考える 宗士 山岸 文範 O9-2 鼠径ヘルニア再発例に対し腹腔鏡を併用し修復した 3 症例 淳也 谷口 博範 本成 勉 俊輔 大澤 目的 閉鎖孔ヘルニアの臨床的特性と治療法の経年的変遷の明 確化を目的とする 対象 および方法 H6/8-H29/2 過去3年半 の期間に経験 した閉鎖孔ヘルニアは24例 26病変 再発2病変を含む 平均 年齢85.5歳 範囲 全例女性 部位は右5病変 左 病変 両側3例 6病変 重複 術前平均BMI値は7.7 範 先行 囲 と低値 平均出産回数:2.9回 範囲 -4 開腹歴5例 20.8% 大腿骨 股関節術後5例 20.8% 症状 は 嘔 気 嘔 吐62.5% 5/24 Howship-Romberg徴 候30.8% 8/26 にみられ 平均病悩期間は3.8日 範囲 0-7 腹部CT 検査は全例に施行 92.3% 24/26 に術前診断可能 手術詳 細は 全身麻酔22例 硬膜外麻酔例 手術法はヘルニア門一 次閉鎖9病変 2病変再発 メッシュ挿入5病変 未閉鎖2病 変 術野へのアプローチは下腹部正中切開 0病変 鼠径部切開 3病変 併用 2病変 エコー整復後膨潤麻酔併用TAPP 2病変 小腸切除術は病変 5病変でメッシュ使用も感染 - に施行 他疾患死亡例2例を除き 22例が術後存命中 前半3病変と後 半3病変に二群化 後半群では鼠径部切開法 5/3vs8/3 メッシュ使用 4/3vs/3 腹腔鏡治療 0/3vs2/3 が多 い傾向を示した まとめ 開腹歴のない高齢やせ型女性の嘔吐症例は腹部CT検 査で閉鎖孔ヘルニアの診断を行うことが肝要 同症例群は適切 な治療で良好な予後 近年より低侵襲手技が選択される傾向に あった O9- 新垣 佐村 伊佐 賢一 河合 新潟厚生連 糸魚川総合病院 外科 再発鼠径ヘルニアが疑われ Hybrid 手術を施行した 4 例の 検討 春樹 原 鐡洋 堀 義城 長嶺 義哲 永 古波倉史子 亀山眞一郎 伊志嶺朝成 中橋 柴田 浦添総合病院 消化器病センター外科 剛一 待木 耕治 原 雄一 広松 圭吾 大原 桐生厚生総合病院 外科 はじめに 鼠径ヘルニア再発に対し腹腔鏡併用し修復した3例を 経験した 手術ビデオを供覧し報告したい 症例 80歳 男性 6年前左鼠径ヘルニアの診断で ヘルニア 修復術 PHS 施行 3年前左鼠径ヘルニア再発 Mesh Plug法 施行 今回左鼠径ヘルニア再々発と診断しVentralightを使用し て修復した 症例2 74歳 女性 2年前 右鼠径ヘルニアで初回手術施行 7年前右鼠径ヘルニア再発手術歴あり 今回右鼠径部痛ありヘル ニア嵌頓 整復後手術となった 腹腔内観察 Plugを腹側へ圧 排すると右大腿輪にヘルニア門を認めた Ventralightを使用し 右大腿ヘルニア修復術施行した 症例3 85歳 男性 既往歴 40歳時左鼠径ヘルニアで手術施 行 他虫垂炎術後 癒着性イレウス 小腸部分切除術施行 今 回左再発鼠径ヘルニアと診断 腹腔鏡下で手術開始 正中創部 に小腸癒着強く 腹腔鏡下手術を断念 前方アプローチ Meshplug法 に移行 腹腔内から前方の修復を確認しつつ手術終了し た 初回手術がどのような手術であったか メッシュ使用の有 無 使用されたメッシュも異なることから再発鼠径ヘルニア手 術術式は個々の症例に応じて臨機応変に対応する必要がある 孝 高良 規彰 大介 出津 明仁 はじめに 近年再発鼠径ヘルニアに対してHybrid手術が報告さ れ 広まってきた Hybrid手術の利点は鏡視下による再発形式 の確実な診断と修復の確認である 当院で再発鼠径ヘルニアに 対し Hybrid手術を施行した4例について報告する 対象 方法 当院で204年 206年2月までにHybrid手術 を行った4例を検討した 全身麻酔下に鏡視下で再発形式の診断 を行った後に前方アプローチで修復した 修復後に再度鏡視下 で完全に修復されていることを確認した 結果 全例男性で 平均年齢は72.8才 平均手術時間93.5分 症例 両側再発ヘルニア 右側は前回当院で手術 直接型ヘル ニアに対してIPTRで修復 左側は他院で手術 詳細不明 鏡 視下で両側II-型ヘルニア再発と診断 症例2 左側再発ヘルニ ア 前回当院で手術 詳細不明 鏡視下でII-型ヘルニア再発 と診断 症例3 左側再発ヘルニア 前回他院で手術 患者情報 でメッシュ使用 鏡視下でメッシュは認めず 前方アプローチ の手術瘢痕も認めないため初発のII-3型ヘルニアと診断 症例 4 右側再発ヘルニア 前回他院で手術 詳細不明 鏡視下で I-3型ヘルニア再発と診断 全例で鏡視下で再発形式の診断が可 能であった 修復はmesh plug法もしくはlichtenstein法で行 い 全例術後再発は認めていない まとめ Hybrid手術は 術前情報にかかわらず確実な診断が可 能である また高度な技術を必要とせず 市中病院で容易に導 入可能である
138 O9-3 O9-4 当院における再発鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下修復術の検討 佐藤 山本 北城 大介 川原田 陽 福田 和幸 才川 大介 芦立 秀司 大久保哲之 奥芝 斗南病院 外科 純紀 森 嘉智 鈴木 俊一 大樹 花城 善法 川田 清俊 将也 再発鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術の検 討 大谷 弘樹 高津 市原 周治 田中 小野田裕士 再発鼠径ヘルニアに対する術式選択については未だ定まった見 解はない 当院では2007年より再発例に対する腹腔鏡下手術を 導入しており 当科で経験した症例を検討した これまでに24 症例 25再発病変に対して腹腔鏡下手術を施行した 初回再発 症例が9例 再々発が6例であった 2例は当院術後再発である 既往手術の内容は0例でメッシュ非留置 5例ではメッシュが 使用されうち5例が腹腔鏡下手術であった 再発形式は メッ シュ非留置症例でI型6例 II型4例に対し メッシュ留置症例で はI型6例 II型8例 III型例と内鼠径再発が多かった 再発に 対する術式は TAPPが22例 TEPが2例 腹腔鏡下観察後に 前方アプローチを行った症例が例であった 手術時間は全体で 中央値9分 であり 有意差はなかったが 再々発症 例 中央値20分 既往メッシュ留置症例 中央値2分 でや や延長する傾向にあった 出血量はいずれも5ml未満であった 合併症は 例で腸穿孔を来し再手術を行った 水腫の発生は6 例に認められた 術後入院期間は中央値3日 -27 であった 例でその後再々発を来した他は 無再発で経過している 再発 鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下修復は概ね安全に施行されてい た しかし 合併症症例や 長時間を要した症例もあり 再発 時の手術には細心の注意が必要と思われた 手稲渓仁会病院 外科 優之 橋田 真輔 貞言 大橋龍一郎 はじめに 再発鼠径ヘルニアに対する手術は 特定の術式が推 奨されてはいないが ガイドラインにおいて再発鼠径ヘルニア に対する腹腔鏡下手術は手技に習熟した外科医が施行する場合 のみ推奨されている 当院では204年4月より鼠径ヘルニアに 対して腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP を導入し 再発鼠 径ヘルニアに対してもTAPPを第一選択としている これまで に当院で施行した再発鼠径ヘルニアに対する治療成績について 報告する 対象と方法 204年4月から再発鼠径ヘルニアに対してTAPP を施行した3症例4病変を対象とした 初回手術術式 再発形 式 手術成績 術後合併症などについて検討を行った 結果 3例全例が男性 平均年齢68.4歳 右9病変 左5病変 両側再発症例が例であり 下腹部腹壁瘢痕ヘルニア合併症例を 例に認めた 再発鼠径ヘルニアの初回手術術式は メッシュプ ラグ法が5病変 ダイレクトクーゲル法が5病変 TAPPが2病変 不明2病変であった また 再発形式はRecが3病変 Rec2が 9病変 Rec4が2病変であった 平均手術時間37分 出血量は 少量 平均術後在院日数は3.2日であった 術後合併症は 漿液 腫が2例 麻痺性イレウスが例にみられた 考察 再発鼠径ヘルニアや複雑なヘルニアが予想される症例で は 腹腔鏡下手術によりヘルニアの再発形式を十分に観察する ことができ 再発ヘルニアの確実な修復が可能であると考えら れた O9-6 当院における鼠径ヘルニア再手術症例の検討 智史 今村 朝彦 鈴木 匡亮 泉 香川県立中央病院 消化器一般外科 O9-5 西 史明 八木 則光 矢野 清隆 加藤 弘明 寺村 紘一 高田 当院におけるメッシュ留置後再発性鼡径ヘルニアの検討 実 丸山 翔子 木村 和田侑希子 宮崎 藤田 博文 荻野 はじめに 鼠径ヘルニア再発は頻度が少なく様々な形態がある ため 標準的な術式は定まっていない 当院では2007年より腹 腔鏡下でのヘルニア修復手術を導入しており 今回 鼠径ヘル ニア再発症例における腹腔鏡下手術の有用性を検討した 対象 2007年月から206年2月までの0年間に当科で手術 を施行した成人の鼠径ヘルニア再発症例2例より術後早期 2 日 7日 に再手術を要した2例を除外した9例を対象とした 結果 男性8例 女性例 平均年齢は72.6才 初 回の手術方法は組織縫合法6例 前方到達法6例 鏡視下手術3 例 複数手術症例3例 不明例であった 再発までの期間の中 央値は7年 年 40年 であった 手術方法は腹腔鏡下手術が 5例 前方到達法が2例 鏡視下から前方到達法への移行症例 が3例であった 前方到達法を選択した症例は腹腔鏡下手術の導 入直後の症例及び全身麻酔高リスク症例で 前方到達法への移 行症例は 開腹前立腺全摘後の症例 鏡視下腹膜外到達法後の 症例 3度の手術後の高度癒着症例であった 腹腔鏡手術におけ る平均手術時間は00.3分であった 結語 鼠径ヘルニア再発に対し腹腔鏡下手術は腹腔鏡下手術後 の症例を含め多くの場合有用で 標準的な術式となる可能性が 示唆された 聖隷三方原病院 外科 泰生 西尾 敬太 瀧口 和功 公佑 高井 豪介 山川 亮 片桐 純一 諏訪 悠介 香 当院におけるメッシュ留置後再発性鼡径ヘルニアについて検討 したため報告する 当院ではメッシュ留置後の再発性鼡径ヘル ニアに対して前方アプローチを用いて手術治療を施行している 20年2月から207年2月まで当院で再発性鼡径ヘルニアに対 して手術治療を施行した症例は43例であり そのうちメッシュ 留置後の再発は2例であった メッシュ留置後の再発性鼡径ヘ ルニアの初回手術の平均年齢は68.4歳 再手術の平均年齢は 72.6歳であり 初回手術で使用されていたメッシュはPolysoft 8例 Ultra Pro Plug 5例 Mesh Plug 5例 その他3例であっ た 再 発 形 式 は2-型 が 最 も 多 く8例 で あ り -2型 が例 -3型が2例であった 再発手術時の修復方法はUltra Pro Plug 6例 Polysoft 5例であった 術後特記すべき合併症は認めて いない 当院におけるメッシュ留置後の再発性鼡径ヘルニアに は2-型が多く 修復にはUltra Pro Plugが多く選択されてい た
139 O9-7 O9-8 当院における再発鼠径ヘルニアの特徴 小倉 大坪 佑太 小泉 毅人 哲 佐々木奈津子 佐治 再発ヘルニアに対する治療方法についての検討 攻 小林慎二郎 聖マリアンナ医科大学 消化器 一般外科 佐々木 滋 中村 加藤 敬二 中川 吉野めぐみ 吉留 純一 岡田 正敏 新村 博之 幸士 沖 兼康 芝崎 彰 里村 秀儒 信本 仁志 大吾 さいたま赤十字病院 外科 目的 再発鼠径ヘルニアの臨床学的特徴を明らかにする 方法 20年4月から206年9月までに当院で鼠径ヘルニア手 術を行った症例のうち 片側症例680例を対象とし 初発群と 再発群の2群に分けて検討を行った 両側症例とヘルニア分類不 能症例 V型 は除外した 検討項目は 年齢 性別 手術時間 術中出血量 ヘルニア分類 日本ヘルニア学会 とした 結果 対象680例の内訳は 初発群 P群 653例 再発群 R群 27例であった 性差 男 女 はP群 R群 20 7で P=0.05 平均年齢は P あり 有意差は認められなかった 群 R群 66.7 ± ±6.2 で有意差はなかっ た P=0.58 手術時間 分 術中出血量 ml はそれぞれ P 群 R群 87.6 ± ±32.5 P群 R群 5.0 ± ±5.8 であり いずれも有意差は認めなかっ た p=0.95 p=0.6 ヘルニア分類に関しては P群はI II III IV= で R群はI II III IV= であり有意差を認めた P 0.0 考察 鼠径ヘルニア初発症例と再発症例では 年齢 手術時間 術中出血量に明らかな有意差は認められなかったが 再発症例 では初発症例に比しI型が有意に少なく II III IV型が有意に 多くなる事が示された 目的 tension free repairの普及と共にヘルニアの再発率も減 少したとの報告が多いが 再発の原因 再手術の術式は定まっ た見解が得られていない そこで当施設で施行した鼠径ヘルニ アおよび大腿ヘルニアに対する手術症例について検討し 再発 原因を検討した 対象/方法 2007年から205年まで9年間に鼠径ヘルニアまた は大腿ヘルニアの診断で手術を施行した,79症例 結果 考察,79手術症例の内訳は 鼠径ヘルニア95.8 大腿ヘルニア4.2 であった また 両側病変は88例 7.5 嵌頓は55例 4.7 再発症例は62例 5.3% であった 再発 症例のうち初回手術を当院で施行した症例は23例 2.0 で あった 再発までの期間は最短で22日 最長で60年であり 中 央値は8年であった 初回手術の術式が判明した症例は24例で 4例 58.3 はtension free repairであった 再発に対する 術式は嵌頓例2例を除いてすべてtension free repair であった 再々発症例を4例に認めたが 当院施行の再発術後の再々発は認 めなかった 再発形式はDirect Herniaであることが多く 初回 手術の両側病変は8例 8/62, 29% に認め 両側病変が再発 のリスク因子であることが示唆された O0- O0-2 腹腔鏡下噴門形成術におけるメッシュの使用が食道運動機能 に及ぼす影響 嵌頓を繰り返す IV 型巨大食道裂孔ヘルニアに対して腹腔鏡 下に修復術を施行した一例 星野 真人 小村 伸朗 矢野 文章 坪井 山本 世怜 秋元 俊亮 増田 隆洋 西川 松本 晶 田中雄二朗 長谷川弥子 三森 柏木 秀幸 2 矢永 勝彦 2 八木 一人 勝則 教雄 俊和 安 JCHO 滋賀病院 東京慈恵会医科大学 外科学講座 消化管外科 2 東京慈恵会医科大学 外科学講座 背景と目的 食道裂孔修復におけるメッシュの使用頻度は本邦 と比較して欧米では高く その有用性も報告されている しか しながら 手術時におけるメッシュ固定の煩雑さや メッシュ による食道狭窄 穿孔など重篤な合併症も報告されており そ の使用には注意を要する 今回われわれは メッシュの使用が 腹腔鏡下噴門形成術後の食道運動機能に及ぼす影響をHRMを用 いて検討した 対象と方法 202年0月から206年9月までの間に胃食道逆 流症または食道裂孔ヘルニアを理由に腹腔鏡下噴門形成術を施 行した39例 男性 75例 平均年齢 57.4±7.0 を対象と した 術後の評価は術3 ヵ月後とし Pandolfinoらが提唱した シカゴ分類を基にすべてのデータを算出した 結果 Mesh無群 83例 とMesh有群 55例 の背景因子を比較 するとMesh有群では 年齢が高く 50 vs. 70歳 p 0.00 BMIが有意に高値であっ 35 vs. 62% p=0.003 女性に多く た 22.2 vs p=0.00 術前病態は Mesh無群でlower esophageal sphincter LES 機能に関するパラメーターと食道 体部運動に関するパラメーターが有意に良好であった 術後は 両群間に差は認められなくなった また各群とも 術前に比較 して術後でLESに関するパラメーターが有意に改善した 結語 腹腔鏡下噴門形成術はLES運動機能を有意に改善させた が メッシュが術後食道運動機能に及ぼす影響は少ないことが 示唆された 炳九 児玉 外科 創太 安東 勝宏 来見 良誠 症例 84歳女性 0年来食道裂肛ヘルニア 逆流性食道炎の診 断で近医受診していた 2年前より時々嘔吐あり 心窩部 背 部痛を訴え この間5回の入院歴あり 今回紹介時のCTでは 胃穹隆部から胃体上部と幽門前庭部が縦隔内にupside-down stomachを呈して入り込み 一方 胃体中下部は腹腔内へヘル ニア門から脱出し嵌頓 冠状断画像で胃はクローバー状を呈し ていた 幸い胃管挿入が可能で減圧後待機的手術を行うことと なった 手術所見 体位は仰臥位 開脚とした 臍部を含む4ポートを 留置し 更に剣状突起右に肝臓用リトラクターを直接腹腔内挿 入し肝外側区を挙上した ヘルニア門は直径6cm程度あり 胃 は全て縦隔へ陥入していた 胃とヘルニア嚢等の癒着を剥離 し 徐々に胃をヘルニア門より引き出し 主にVessel sealing systemを用いて胃脾間膜を切離した 迷走神経を損傷しない ように食道周囲を剥離し 徐々にヘルニア門より胃食道接合部 を腹腔内へ誘導した 背側からヘルニア門である食道裂孔の縫 縮を行い 5mm鉗子が通る程度の間差を残して終了 さらに Parietex Hiatal Meshをヘルニア門修復部補強のため縫着し 食道裂孔縫縮を終了した 逆流防止処置として噴門形成を追加 し手術を終了 術後経過は良好であった まとめ 高齢者のIV型食道裂孔ヘルニアに対して腹腔鏡下に修 復術を施行した 今回の症例に対してmeshを用いた腹腔鏡下手 術は比較的簡便 安全であったと思われた
140 O0-3 O0-4 肝細胞癌に対する経皮的ラジオ波焼灼術後に生じた横隔膜 ヘルニアの 2 例 肥満患者の食道裂孔ヘルニアに対して 腹腔鏡下噴門形成術 を施行した 例 増井 北野 近藤 多賀谷信美 立岡 秀行 瓜生原健嗣 松原 翔一 喜多 亮介 岩村 正人 橋田 裕毅 小林 孝明 大森 宣亜 水本 裕之 貝原 神戸市立医療センター中央市民病院 彩加 熊田有希子 素子 北村 好史 聡 細谷 亮 今回肝細胞癌 以下 HCC に対する経皮的ラジオ波焼灼術 以 下 RFA 後に生じた横隔膜ヘルニアを2例経験したので 文献 的考察を加え報告する 症例 7歳男性 肝S6にHCCを認 め RFAを施行された 9 ヶ月後のCT検査で横隔膜ヘルニアを 認めていたが 無症状のため経過観察となっていた その後も HCC再発を認めたため RFAを繰り返し施行された 初回RFA 施行5 ヶ月後に心窩部痛が出現し 当院に救急搬送された CT検査で横隔膜ヘルニア嵌頓による絞扼性イレウスと診断し 緊急開腹手術を施行した 術中所見で右横隔膜に約3cm大の筋 膜欠損部を認め 逸脱腸管は壊死をきたしていたため 小腸部 分切除術 ヘルニア門縫合閉鎖術を施行した 術後経過は良好 で術後9日目に退院となった 症例2 78歳女性 肝S4,S7に HCCを認め RFAを施行された 無症状であったが 22 ヶ月 後のMRI検査で横隔膜ヘルニアを認め 待機的に腹腔鏡下ヘル ニア修復術を施行した 右横隔膜に約3cm大の筋膜欠損部を認 め ヘルニア門縫合閉鎖術を施行した しかし 後に横隔膜ヘ ルニアの再発および再々発があり 再手術を要した 最終的に ヘルニア門にsymbotex meshを留置 固定した いずれの症例 においても横隔膜ヘルニアの再発は認めていない RFA後の横 隔膜ヘルニアでは腸管壊死により重症化する例もあり 手術時 期を逸さないよう早期治療が必要である また 嵌頓の程度に よっては自験例のように鏡視下手術も検討すべきである 九段坂病院外科 雅敏 O-2 TEP 後に再手術を必要とした膀胱滑脱型の I 型鼠径ヘルニア の一例 知春 長浜 嘉剛 大矢 症例は56歳の女性 BMI 30kg/m2と肥満を呈していた 2年 前に施行した上部内視鏡検査にて食道裂孔ヘルニアを指摘さ れ 経過観察していた 食欲不振により2 ヶ月で4kgの体重減 少があり さらに嘔吐頻回となったため 近医にて精査が行わ れ 腎不全および胸腔内に胃が脱出した状態の食道裂孔ヘルニ アの診断にて当院に救急搬送された 来院時 Cre2.2mg/dlと 腎不全を呈していた 食事摂取不良による腎前性腎不全と診断 し 輸液を開始した 治療後速やかに腎機能は改善したため 食道裂孔ヘルニアに対して腹腔鏡下手術を施行した 2mmx2 本 5mmx4本の6 portsで手術を行った 横隔膜裂孔の縫縮に 噴門形成術と逆流予防でToupet法を施行した 術後経過は良好 で 第病日より飲水開始 第2病日から食事開始となった 逆 流症状も認めず 第8病日軽快退院となった 退院後の外来受診 時にも 特に異常所見は認められず 術後透視でも通貨は良好 であった 今後 肥満対策が課題となる O- 冨井 哲平 菅又 獨協医科大学越谷病院 外科 雄志 岡田洋次郎 岡島 千怜 藤森 喜毅 鼠径ヘルニア偽還納の経験 城田 紀野 誠 室田 泰久 小谷 札幌徳洲会病院 外科 症例は66歳 男性 2週間前に右鼠径部に膨隆を自覚し 当院 を受診 ヘルニオグラフィー 腹臥位CTで両側鼠経ヘルニア I 型 と診断され TEP法による根治手術を施行した しかし 術 翌日に右鼠径部膨隆の訴えがあり エコーとCTを施行し脂肪腫 と判断 術前の腹臥位CTを確認すると 右鼠経ヘルニアは膀胱 滑脱型のI型鼠経ヘルニアであり 右鼠経部の脂肪腫は 膀胱滑 脱型ヘルニアのヘルニア先進部となった腹膜前脂肪の遺残と診 断した 圧痛も認めたため 術後2日目に再手術を行い 前方ア プローチで鼠径管内に遺残した脂肪腫を摘出した 摘出した脂 肪腫は 滑脱した腹膜前脂肪と考えられる皮膜に包まれた脂肪 組織と それに付着したヘルニア嚢断端で構成され 術前診断 に矛盾しなかった 再手術後の経過は良好で 術後7日目に退 院となった 本症例では右側に限り腹膜縁の同定が困難だった このような症例では腹膜鞘状突起の開存とは異なった病態であ る滑脱型のI型ヘルニアの可能性を考える必要があり ヘルニア 嚢を離断するのではなく 滑脱した脂肪組織ごと腹膜前腔に引 き戻した後に メッシュを配置すべきであったと考える 特に 本症例では術前に腹臥位CTを撮影しているにも関わらず 正確 な診断に至らず再手術を要したことは反省すべき点と考えられ た 千晶 長尾 裕美 知哉 斉藤 琢巳 木村 雅美 偽還納とはヘルニア嚢がヘルニア門付近で繊維性に肥厚し 腸 管が嵌頓した状態でヘルニア嚢と一緒に腹膜前腔に戻る稀な状 態である ヘルニアが還納されたようにみえても嵌頓が続いて いるために腸閉塞が続き手術による嵌頓の解除が必要である 鼠径ヘルニア偽還納の2例を経験した 例目は56歳男性で左鼠 径部の疼痛で初診し 左鼠径部が膨隆し圧痛を認め左鼠径ヘル ニア嵌頓と診断した 用手還納したが嘔気と下腹部痛が続くた め2日後に再診した 左鼠径部はやや膨隆している程度で 通 常のヘルニア嵌頓を思わせる所見ではなかった 腹部CTでは左 鼠径部の内鼠径輪近傍でのヘルニア嵌頓が疑われ腸閉塞となっ ていた 以上の所見と経過より左鼠径ヘルニア偽還納と診断し 手術治療を行った 手術は鼠径部切開法で行い予測通りヘルニ ア嚢基部の全周性繊維性肥厚を認め偽還納と診断した 2例目 は86歳男性で心窩部痛 嘔吐を主訴に救急車で初診した 腹部 は膨満し左鼠径部が膨隆しており 左鼠径ヘルニア嵌頓による 腸閉塞と診断した 容易に用手還納でき入院経過観察としたが 翌日も腹部症状の改善無くCTを再検したところ左鼠径部の内鼠 径輪近傍で再度嵌頓していた しかし腹圧をかけたり立位では 左鼠径部は膨隆していたが臥位では膨隆なくほぼ平坦であった このため鼠径ヘルニア偽還納を疑い腹腔鏡下手術を行った 偽 還納という状態があることを認識しておくことが重要である
141 O-3 O-4 de novo 型 I 型ヘルニア偽還納の 2 例 伊藤 傳田 直 春木 悠貴 藤田 伸裕 呉原 康平 辻 トヨタ記念病院 消化器外科 非還納性ヘルニアに対する TAPP 法の経験 裕樹 原田幸志朗 溝口 秀樹 公士 松本 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術の普及によって 腹膜鞘状突起に 由来しないI型ヘルニア の存在が認識されるようになり de novo型i型ヘルニアと呼ばれている 今回経験した偽還納の2 例はともにde novo型i型ヘルニアに発生していた 症例は67 歳男性 幼少期から右鼠径ヘルニアを自己整復していた 自己 整復後の右下腹部痛のために来院し 右鼠径部は膨隆していな かったがCTで膀胱前面に小腸ループを認め 偽還納と診断し た 腹腔鏡下に観察すると 内側臍ひだの外側から膀胱前腔に 小腸が嵌入していたため整復し 二期的にTAPP法でヘルニア 修復術を行った ヘルニア嚢 腹膜の絞扼輪 は鞘状突起の内側 背側に位置していた 症例2は44歳男性 年前から右鼠径部の 膨隆を自己整復していた 自己整復数時間後の嘔気を主訴に来 院し 上記同様偽還納と診断した 腹腔鏡下に整復し 一期的 にTAPP法でヘルニア修復術を行った ヘルニア嚢は鞘状突起 の外側背側に位置していた de novo型i型ヘルニアはヘルニア 嚢先端が精巣に固定されていないため 牽引すると腹腔側に反 転できる ゆえに I型ヘルニアに発症する偽還納のほとんどが de novo型ではないかと考える 輝彦 鼠径部ヘルニア診療ガイドライン205において非還納性ヘルニ アは 還納できないが 膨隆以外の症状がない またはほとん どなく 治療の緊急性がないもの と定義される また TAPP 法は腹腔内を経由して鼠径ヘルニアを修復する方法であり 利 点の一つとして腹腔内の観察が可能であること 嵌頓 嵌入臓 器の還納が鉗子による牽引と体外圧迫により還納が効率良く施 行出来ることが挙げられる 症例 50歳代 男性 左側腹部痛 を主訴に来院 0年以上前から左鼠径部の膨隆を自覚 診察 時 膨隆部は大きく 用手還納は困難であった 腹部CT検査で は左側に大網およびS状結腸が嵌入していた 症例2 60歳代 男 性 両鼠径部の違和感を主訴に来院 5年くらい前より左側優位 の両鼠径部の膨隆を自覚 診察時 右側は用手還納可能であっ たが 左側は用手還納還納困難であった 腹部CT検査では右側 は小腸 左側ではS状結腸が嵌入していた いずれの症例におい ても修復は待期的に腹腔鏡下手術を選択した 術中還納に難渋 したためヘルニア門にネラトンカテーテルを挿入し 生理食塩 水を注入 注入後 鉗子による牽引と体外圧迫にて還納 還納 後も腹腔内視野の確保が可能であったためTAPP法を施行した 非還納性ヘルニアは一般的にヘルニア門が大きく TAPP法で の修復は困難が予想されるが 還納方法の工夫と手術手技の定 型化で適応可能と思われた O-5 O2- 腹腔内よりヘルニア門が確認出来なかった鼠径ヘルニアの一例 久恒 靖人 大島 菊地 悠輔 吉田 田中 圭一 國場 悠 長谷部行健 皆川 汐田総合病院 外科 隆一 岸 有徳 小林 幸均 大坪 龍一 真船 博通 堀越 毅人 2 太一 邦康 聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院 消化器 一般外科 2 聖マリア ンナ医科大学病院 消化器 一般外科 症例 BMI30.9の50代男性 統合失調症の既往あり 206年 月頃より右鼠径部の膨隆を認めた為に前医受診された 右鼠 径ヘルニアの診断で腹腔鏡下ヘルニア修復術 TAPP の予定で あったが 腹腔内を検索するも明らかなヘルニア門が同定出来 なかった為 手術終了とし経過観察の方針であった その後も 本人の自覚症状が継続したために当科受診された 受診時 立 位にて右鼠径部に約40mm大の膨隆を認めていた また当院で 施行した腹臥位CTでは下腹壁動静脈の内側よりヘルニアの脱出 を認め 日本ヘルニア学会での分類で右内鼠径ヘルニアと診断 された 腹腔内からはヘルニア門が確認できなかった為 前方 アプローチでの修復術を行う方針とした 鼠径管を開放後 精 索構造物をテーピングし内鼠径輪を確認するも腹膜鞘状突起の 遺残は認めず 後壁の膨隆を認めたので内鼠径ヘルニアと診断 した ダイレクトクーゲル法にて修復し手術を終了とした 考察 結語 TAPP法の利点の一つとしては 腹腔内よりヘル ニア門が確実に視認できる点が挙げられる しかし 今回は自 覚症状及び画像所見では鼠径ヘルニアを認めていても ヘルニ ア門が確認できない一例であった 腹膜前脂肪織が多く 通常 みられるヘルニア門が確認できなかった可能性が考えられる 腹腔内よりヘルニア門が確認できない場合は 前方アプローチ 法に変更して手術を施行する事は有用であると思われる 関西圏における成人鼠径ヘルニア手術の現状および変遷 アンケート結果報告 大関 舞子,2 木下 島 卓史 井上 隆 猪俣 陽介 北田 和也 仁 森田 眞照 内山 和久 2 市立ひらかた病院 消化器外科 2 大阪医科大学 一般 消化器外科 関西圏における成人鼠径ヘルニア手術の臨床的特徴 変遷を検 討すべく206年度の第回関西ヘルニア研究会でアンケート 調査を施行した 205年月から2月までに鼠径ヘルニア手術 を受けた成人患者を対象とし 関西圏の83施設から8項目につ いて回答が得られた 全年間手術件数は6929症例で前方アプ ローチが過半数を占めていた アプローチ法の内訳はTAPP法 が28 と最多であり 200年に行ったアンケート結果と比較 すると飛躍的に増加していた また 腹腔鏡下手術が増加して いるにもかかわらず 運動を含む術後制限日数は200年に施 行したアンケート結果と不変であった 今回 上記結果を含め アンケート結果について報告する
142 O2-2 O2-3 中国四国地方のヘルニア手術の動向 - 第 3 回中国四国ヘル ニア手術研究会アンケートから - 湘南鎌倉総合病院における鼡径ヘルニア根治術 確実性と QOL を重視した術式選択 石崎 村田 宇謙 三宅 下山 ライ 柏木 雅浩 池田 宏国 河合 岡山ろうさい病院 外科 央 はじめに 中国四国ヘルニア手術研究会では 毎年研究会の開 催に合わせてアンケートを行っている 平成28年度に行ったア ンケート結果より 現在の中国四国地方のヘルニア手術の現況 について報告する 方法 各病院にアンケートを送り年間の手術症例についてそけ いヘルニア 腹壁瘢痕ヘルニアそれぞれについてその術式につ いてアンケートを行った 結果 66施設から回答を得られ そけいヘルニアの年間の 総 手 術 件 数 は4529例 で あ っ た 前 方 ア プ ロ ー チ 症 例2347 件 後方アプローチ症例 Kugel法 27件 腹腔鏡手術症例 9件であった 前方アプローチではMesh-Plug法が56 DirectKugel法が20%を占めていた 66施設中49施設で腹腔鏡 手術を施行しており TAPPを採用している施設が45施設であ り TEPを採用している施設が8施設であった この中には両方 法を併用している施設も含まれた 術後入院日数では3-5日が 最多で 施設の中には日帰り手術を積極的に行っている施設も 見られた 腹壁瘢痕ヘルニアでは58施設から回答があり年間の 手術件数は 434件であった 開腹手術でメッシュ使用してい る施設が40 腹腔鏡でメッシュを使用している施設が40 単純閉鎖法やCS法のみで行っている施設が20 であった 術 後入院期間は週間までが57%であった まとめ 中国四国ヘルニア手術研究会で行ったアンケートから 中国四国地方のヘルニア手術の現状を報告する 克典 磯貝 宏之 荻野 尚子 河内 秀光 渡部 湘南鎌倉総合病院 外科 2 東京西徳洲会病院 外科 順 和巨 2 鼡径ヘルニアは成人にとっても非常にcommonでありだれにで も起こりうる疾患である しかし悪性疾患ではなく 嵌頓など のリスクさえ避けていれば致死的になることはない つまり 鼡径ヘルニアの手術は患者にとって生活の質 QOL を改善 維 持するための手術でなければならない そのために様々な術式 が各施設で行われているが 当院では日帰り手術で前方アプ ローチのLichtenstein法を主に行っている これに加えて近年 は症例を選んで腹腔鏡下でTEP法も行っている 入院期間を短 くすること 腹腔内を触らずにしかしヘルニア嚢の処理を確実 に行うことが患者のQOLを損なわない有用な方法だと考えてい る 当院の成人患者に対する鼡径ヘルニア根治術への取り組み について紹介する O2-4 O3- 滋賀ヘルニア研究会における抗血栓療法施行症例の鼠径ヘル ニア手術の検討 鼠径ヘルニア手術治療 一般病院と日帰り手術センターの相違 森 安田 原田 谷 多根総合病院 毅 清水 誠一 2 一瀬 秀樹 2 平野 眞至 智治 束田 真澄 2 八木 正満 2 神田 宏明 2 丹後 俊和 2 西村 雄史 2 来見 泰久 2 彰一 2 良誠 2 滋賀医科大学 消化器 乳腺 一般外科 2 滋賀ヘルニア研究会 鼠径ヘルニアは高齢者に多い疾患で 抗血栓薬を服用している 患者も多い 今回 滋賀ヘルニア研究会参加施設における 初 発の成人鼠径ヘルニア症例での抗血栓薬使用症例に対し 術 式 ヘパリン置換の有無などについて検討した 203年6月か ら206年6月までの期間に登録された初発の成人ヘルニア症例 数は204例であり 275例 4% が何らかの抗血栓療法を行っ ていた 抗血栓療法のうち抗血小板薬が64例 抗凝固薬が98 例 併用が8例であり 抗凝固薬のうち37例は新規経口抗凝固 薬 Novel Oral AntiCoagulants; NOAC であった ヘパリン 置換は抗血栓療法症例のうち96例 34 に施行されていた 抗 血栓療法の有りのグループの平均年齢は74歳と服用無し 67歳 と比べ有意に高かった p 0.05 術式を比較すると 抗血栓 療法無しのグループでは 鏡視下アプローチが0 DirectKugel Poly-Softなどを用いた 前方からの腹膜前修復が48 Plug-Mesh/UPPな ど のOn-lay法 が26%で あ っ た の に 対 し 有りのグループでは鏡視下が2% 前方からの腹膜前修復が 35 On-lay法5%となっていた また平均手術時間は76分 で服用無し 74分 に比較し差はなかった 抗血栓療法施行症例 は 平均年齢が高かったものの 手術時間に差はなく 術式は On-lay法が高い頻度で選択されており 出血のリスクを考慮し た術式選択がされていたと考えられた 上村 佳央 山口 拓也 小川 稔 渡瀬 誠 丹羽 英記 筆者は993年9月から206年3月まで公立学校共済組合近畿中 央病院外科に勤務し 入院加療で鼠径ヘルニア手術治療を行っ てきた 206年4月より多根総合病院の日帰り手術センターに 移動し日帰り治療を中心に鼠径ヘルニア治療を行っている 今 回 鼠径ヘルニア治療に関する両施設間の比較と2 日帰り手 術治療の患者アンケートについて報告する 鼠径ヘルニア治 療に関する両施設間の比較 対象は成人片側鼠径ヘルニアKugel 法症例で 近畿中央病院 Kinki 期間 の 36症例と多根総合病院日帰り手術センター Tane 期間 の3症例について比較検討した 2 日帰り手術 治療の患者アンケート結果 術後約 ヶ月目の診察時に 強い 痛みがあった日数 2 仕事への復帰までの日数 3 退院までの 期間に関して アンケートを行った 考察 近畿中央病院では 日帰り手術を提案していなっかった事 患者年齢が多根総合病 院と比較して平均約0歳高齢で現役世代が少なかった事などよ り入院治療が一般的であった これに対し多根総合病院では日 帰り手術センターでの治療であり 日帰り手術を希望して来院 される現役世代が多く またセンターは日帰り手術に対応した 体制を整えており アンケート結果より患者満足度の高い治療 を実践できていると考えられる - 4 -
143 O3-2 O3-3 当施設の鼠径部切開法における日帰り手術の現状 平本 船水 悠樹 大楽 尚武 中林 勝司 百瀬 幸夫 匡亨 友利 賢太 飯田 局所麻酔下鼠径部切開法による鼠径部ヘルニア修復術の導入 と初期成績 智憲 小泉 川口市立医療センター 消化器外科 目的 当院における日帰り手術の現状と成績について報告する 対象 20年月から206年2月までの6年間に行われた鼠 径部切開法によるヘルニア修復術72例のうち日帰り手術を 行った64例 男性58人 女性6人 適応および周術期管理 待機的に行われた初発の片側ヘルニア で 本人希望かつ創の自己管理が可能と判断した患者 抗菌薬 は術前回投与 術式 術者判断 術中鎮静薬 ミダゾラム 術 直後から非ステロイド性抗炎症薬を内服 創の状況 排尿 創 部痛自制内を確認後退院 結果 年齢55.9±6.0歳 局在 右3例 左33例 JHS-: 6例 -2: 34例 -3: 9例 2-: 例 2-2: 2例 2-3: 7例 3: 例 4: 4例 5: 0例 麻酔法 硬膜外麻酔47例 膨潤麻酔7例 硬膜外麻酔からの変更0例 手術時間62.0±5.8分 出血量 5.±6.6 ml 術 式 Marcy 5例 Lichtenstein 39例 Mesh Plug 2例 Direct Kugel 8例 合併症 浅層SSI 例 後出血 例 再手術 結語 日帰り手術の適応や 対策は各施設により異なると考え るが 当院での結果は概ね満足できる状況であると考えられた 剛 2 福本 兼久 2 O4- 内側 低位小切開による局所麻酔下クーゲル法 誠 高島 博喜 2 高木 はじめに 当院では従来 全身麻酔または脊椎麻酔下での鼠径 部切開法による修復術 あるいは全身麻酔下での腹腔鏡下手術 TAPP法 を鼠径部ヘルニアの標準治療としていた しかし 短期滞在手術等基本料3の算定が開始となったこと 高齢化によ りハイリスク症例に対しても手術を施行する機会が増えたこと などを受け 206年から局所麻酔下での鼠径部切開法による修 復術を本格導入した 方法 過度の肥満でないことと術中の安静が保てることを絶対 条件とし 全身リスクは適応除外条件としていない 局所麻 酔はリドカインとレボブピバカインとを混合したものを用い Direct Kugel法による腹膜前修復法を基本としているが 腹膜 前腔に癒着がある場合はMesh plug法を行っている 術後は原 則として入院し 翌日以降に退院としている 結果 現在まで28例に施行し その平均年齢は79歳 32 0 歳 であった 手術時間の平均は59.2分 25 07分 合併症 はなく 在院日数の中央値は日 4日 であり 従来の成績 と遜色ない結果であった 考察 局所麻酔下手術は患者の負担が少なく また術後に入院 して経過観察することでハイリスク症例にも安全な治療が提供 できる 術者は局所麻酔下で行うことで神経損傷や層構造など をより一層意識するようになり 術者にとってもメリットが大 きいと思われた 限られた麻酔枠を有効利用することが可能で コスト削減も期待できる O3-4 多賀 範明,2 小林 明石市立市民病院 外科 2 西陣病院 外科 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術の教育と普及 石見ヘルニアセ ミナーを開催して 格,2 大宮セントラルクリニック 2 新宿外科クリニック 豊田 はじめに 脊椎くも膜下麻酔や全身麻酔では容易に行えるクー ゲル法が 局所麻酔下では腹圧がかかり手術が困難な場合があ る われわれは 局所麻酔の手術でも容易に安全な手術を行え るように 従来のクーゲル法の皮膚切開よりも内側かつ低位に 皮膚切開を置き 若干の工夫を加えた 手術 まず 恥骨結節と上前腸骨棘を結ぶ中点よりやや下方 を横切開のレベルとする 次に 大腿動脈を触知する部位の 頭側ラインと前述のレベルとの接点から内側約2cmを皮膚切 開とした これにより通常の皮膚切開よりもヘルニア門の近 傍に位置するので 術中に腹圧がかかった場合でも ヘルニ ア門の直視が容易となり手術操作に大きな支障をきたさない Parietalizationも剥離ラインが大腿動脈を触知する頭側ライン とほぼ一致するので問題なく行える しかし アプローチがヘ ルニア嚢の近傍であることや 下腹壁動静脈が腹壁に沿って弧 状に立ち上がっている部位であることから腹膜前腔に入ること が困難な場合がある このような場合は 腹膜前腔に入ること にこだわらずにヘルニア嚢の処理を先行させてから腹膜前腔を 確保する 通常より内側の皮膚切開になるため 最も遠くの操 作となる恥骨接合部周囲の剥離は容易となり 2cmほどの小さ な切開での手術が可能となった 結論 局所麻酔での内側 低位小切開法のクーゲル法は有効で あることが示唆された 暢彦 服部 益田赤十字病院 外科 晋司 三浦 義夫 塩田 摂成 はじめに 当科では20年4月に腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 以下 TAPP を導入し 206年までに約20例を経験した しかし まだまだ施設内および他施設間での手技のばらつきが みられ また 未だTAPPを導入していない施設もまだまだ多 い そのため TAPPのさらなる教育 普及のため今回のセミ ナーを企画した セミナー概要 205年2月4日に第回を開催し これまで3 回行った 毎回0数名の参加 島根県以外に山口県および広 島県からも数施設 また 医師のみならず手術室看護師にも参 加をいただいた 内容は3部構成とし 第部は院外講師による TAPPに関してのミニレクチャー 第2部は公開手術 第3部は 持ち込みビデオのディスカッションを行った 計約5時間 公開 手術は手術手技のみならず 患者の入室から退室までの流れに ついて 他施設の看護師によるモニタリングを行った モニタリング結果 患者様に対する気遣いの足りない点 不必 要な機械配置 人の動きなど的確にご指摘をいただいた アンケート結果 大変参考になった これから導入を考えたい 次回の開催を望むなど 発展的な回答が多かった おわりに TAPPは従来法に比べ 整容性にすぐれ 診断が確 実にでき 鏡視下手術のトレーニングになるなど利点が多い 今回のセミナーをきっかけとして各地でTAPPが始められるこ とを期待するとともに 当科でも質の高いTAPPを担保すべく 日々研鑽していきたい
144 O4-2 O4-3 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP 法における修練医への教 育に関する検討 星野 奥田 川田 明弘 山口 和哉 川村 将史 久米雄一郎 中嶌 研郎 中島 康晃 雄大 松井 雄高 岡田 俊大 小郷 泰一 卓也 東海林 裕 当科での若手外科医の腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術の学び方 小山 梅本 はじめに 腹腔鏡下手術は低侵襲性や拡大視効果などの利点か ら外科手術の中で広く普及しているが 教育に関しては間接的 な指導となり難しい場合が多い 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 は術者の左手のみで視野を展開することや 術者の主体性が多 いに関与する術式であることなどから特に教育は難しいと考え られる 今回 指導者と修練者の成績を比較し ビデオを検証 することで教育の問題点を明らかにする 対象と方法 205年7月から206年2月まで当科で施行した TAPP法29例中 緊急や再発症例を除く片側症例9例を対象と した 手技のパートを.腹膜切開 腹膜前腔剥離 2.メッシュ 展開 3.腹膜縫合に分け 修練医の手技の問題点を抽出し 治 療成績などを指導医と比較検討する 結果 修練医は3人 A B C 手術症例は指導医8 修練医 例 A4 B4 C3例 手術時間の中央値は指導医57 修練医74 分であった 合併症はseromaが指導医3 修練医例であった ビデオを見返すと パートでは左手の鉗子の牽引が不十分 腹 膜切開の迷いなどが パート2では適切なメッシュ展開のイメー ジ不足 パート3では体内結紮や縫合手技の練習不足などが問題 点として挙げられた 考察 修練医により習熟度や手技の問題点が異なるため 個別 に指導可能なビデオの供覧は良い指導ツールと考えられる 指 導した改善ポイントを常に意識して日々の症例を重ねていくこ とがTAPPの手術手技の向上に必要と考えられる 地方病院におけるヘルニア手術の現状 隆一 横溝 和晃 佐藤 純人 当科では鼠径ヘルニアに対する基本術式として腹腔鏡下鼠径 ヘ ル ニ ア 修 復 術 以 下TAPP transabdominal preperitoneal repair を採用している TAPPは剥離操作やエネルギーデバイ スの使用 体腔内縫合 結紮など初学者の鍛錬として適した手 技が集約している しかし 開腹手術や鼠径ヘルニア手術にお ける前方到達法に対しTAPPはsolo surgeryが基本となるため 当科ではトレーニングプログラムの実施とlearning curveの作 成をヘルニア手術の教育とし 手術の質を担保している まず ドライラボで鉗子操作と体腔内結紮 縫合を学び ウエットラ ボでTAPPを実践する TAPPの助手の経験と 他の鏡視下手術 の執刀レベルを加味して指導医に許可されるとTAPPを執刀す る 執刀後は 手術時間を以下の3パートに分けlearning curve を作成している パートは腹膜切開から腹膜前腔の剥離終了ま で パート2はメッシュの体腔内への挿入からメッシュ固定ま で パート3は腹膜縫合閉鎖の時間とし 各パートの手技の時間 を記録する 執刀後は科のビデオカンファでフィードバックも 行う 自力での執刀の完遂もlearning curveの一つとして評価 している 初期臨床研修修了後2年目の個人データを分析し 3 つのパートのlearning curveを示すとともに 実際の手術手技 を供覧する O4-4 智嗣,2 日高 哲哉,2 石山 芳邦 関根 岳 昭和大学藤が丘病院 消化器一般外科 東京医科歯科大学 消化管外科学 黒河内喬範 安江 英晴,2 荒川 菅野 宏,2 野秋 朗多,2 瀧 古川 良幸 山崎 哲資,2 英之 原田 岳宏 木川 卓,2 哲,2 熊谷外科病院 外科 2 東京慈恵会医科大学 消化器外科 背景 当院ではローテーションにくる後期研修医が主に手術 外来を担当している 203年より腹腔鏡下ヘルニア修復術を導 入し 従来の前方アプローチとともに 鼠径ヘルニア治療の修 練を行っているが 当院での治療成績を紹介する 対象 203年-206年までに鼠径ヘルニアと診断され手術を 行った209例 結果 46例を腹腔鏡下手術 TAPP うち5例で前方アプロー チ移行 63例を前方アプローチで行った 緊急手術は前方アプ ローチもしくは開腹手術を行った 前方移行5例のうち 3例が 既往に腹部手術歴があり 2例では大網 S状結腸の癒着が原因 であった 平均手術時間はTAPP8.9分 前方は54分であっ た 術後平均入院期間は腹腔鏡下手術3.2日 前方アプローチで 3.8日 術後平均外来受診回数は2回 軽度の疼痛を訴える患者 はいたが 内服処方以外の手段を必要とした症例はなく 再手 術症例は認めなかった 研修の前半と後半で手術時間を比較す ると 研修後半では有意に短縮していた 結語 術後の入院期間 外来フォローは両者で大差なく 修練 とともに安定した手術時間でヘルニア手術を行うことができた 今後とも症例を選択し 患者に十分にメリット デメリットを 説明した上で 前方アプローチ 腹腔鏡下ヘルニア修復術を共 に行ってゆく予定である
145 一般演題ポスター
146 P- P-2 閉鎖孔ヘルニアに対する腹腔鏡下手術の治療成績 大渕 米澤 徹 武田 仁志 舩渡 函館五稜郭病院 外科 大樹 安藤 治 小林 太郎 松尾 慎 高金 鉄平 菅野 明典 鼠径法により Kugel patch を用いた修復術を行った閉鎖孔 ヘルニア 28 例の検討 将史 細井 篠塚 はじめに 閉鎖孔ヘルニアは 腸閉塞症状を契機に発症する疾 患であるが小腸穿孔を伴った場合メッシュ感染が危惧される場 面に遭遇することも稀ではない 対象と方法 203年2月から206年2月までに当院にて経験 した閉鎖孔ヘルニアの2症例について患者背景 選択術式 臨 床経過について検討した 結果 平均年齢は82±8.9歳 全例女性であった BMIは8.4 ±8.6 kg/m2 右側7例 左側6例であった 全例に術前CTが 施行され 術前正診率は00%であった 全例で腹腔鏡下手術 が施行され 内3例でKugel法によるヘルニア根治術が併施され た 術中所見は係蹄型例 Richter型例 ヘルニア内容は全 例小腸で 不可逆性腸管虚血所見を6例 50 に認め腸管切除 を要した ヘルニア門の処理は 腹膜反転結紮が7例 縫縮結紮 が2例 メッシュ KUGEL-Patch 使用は3例だった 術後在 院日数 中央値 は 日 術前より虚血性腸炎を併発し DICに移行した例 8.3 は2病日に死亡退院となった 現在 まで再発例は認めていない 結語 腹腔鏡下手術は 腸管虚血や穿孔有無を評価でき高齢者 で全身状態不良な患者においても有用な方法であると考えられ た メッシュ感染が疑われる場合 ヘルニア嚢の反転結紮が有 用であると思われた 敬之 伏島 雄輔 大原 泰宏 浅野 博 埼玉医科大学病院 消化器 一般外科 閉鎖孔ヘルニアに対する術式において 責任ヘルニア門の閉鎖 方法として直接縫合閉鎖や子宮や卵巣による閉鎖が以前より行 われてきた 近年 腹部ヘルニアにおいてメッシュの使用が主 流となるに伴い閉鎖孔ヘルニアに対してもメッシュによる閉鎖 が報告されている 明らかな汚染のある例でのメッシュ使用は 不可能であるが 腸管の切除吻合を要する嵌頓ヘルニアに対す る術式については 一定の見解が得られていない 当科では可 能な限り 閉鎖孔ヘルニアに対して鼠径法にてKugel patchを用 いた修復術を行っている 当科で経験した閉鎖孔ヘルニア症例 において 鼠径法によりKugel patchを用いた症例について検討 した 対象は200年4月から206年3月までの6年間で当科に て経験した閉鎖孔ヘルニア37例 そのうち鼠径法によりKugel patchによる修復術を施行した例は28例 平均年齢は83.8歳 男性例 女性27例 全例において術前に施行したCTにて診断 されていた 腸管穿孔例は例 腸管切除を3例で行っていた SSIを例に認めたが 表層の感染のみでありメッシュへの感染 はみられなかった また 現在に至るまで再発例はみられてい ない 閉鎖孔ヘルニアに対する鼠径法によるKugel patchを用 いた術式は同一創から腸管切除 吻合も可能であり 汚染に注 意することで腸管切除例でもメッシュ留置は可能である 症例 数少なく観察期間も短いが 有用な術式であると考えられる P-3 P-4 閉鎖孔ヘルニア 2 例の検討 石川 良枝 深野 望 クーゲル法を主体とした当院における過去 5 年間の閉鎖孔ヘ ルニア治療内容の検討 衛 一宮西病院 外科 鶴田 202年4月から 206年2月までに当科で経験した閉鎖孔ヘル ニア 2例を対象に 比較的稀な疾患である閉鎖孔ヘルニアの臨 床像を明らかにする目的で 年齢 性別 BMI 術前診断 手 術方法 転帰などを検討した 平均年齢は85歳 75-95歳 男 性例 女 性例 で 平 均BMIは 7.9kg/m kg/ m2 で あ っ た 閉 鎖 孔 ヘ ル ニ ア に 特 徴 的 と さ れ るHowshipRomberg sign 閉鎖神経を圧迫することで生じる大腿内側を中 心とした圧痛の所見 は例に認めた 全例にCT を施行し 閉 鎖孔へのヘルニア脱出を認め 術前診断し得た 手術の内訳は 開腹手術7例,鼠径法5例で ヘルニア門の閉鎖はメッシュ使用 9 例 単純閉鎖 3 例であった. 術中所見は係蹄型3例 Richter 型 9例 ヘルニア内容は全例小腸で 腸管壊死を 4例に認めた 自 験例は高齢のやせ形女性に多く 骨盤部のCTが術前診断に有用 であった 好彦 我妻 千葉徳洲会病院 外科 將喜 村田 一平 加納 宣康 当院における過去5年間 平成23年8月から平成28年4月 に施行 された閉鎖孔ヘルニア9例について検討した 当院ではクーゲル 法を第一選択としており8例について鼠径部切開による腹膜前腔 アプローチを行い うち2例は腸管の壊死穿孔を伴っていたた め腸管切除後 ヘルニア門の単純閉鎖のみ行い 残る6例にクー ゲル法を施行した 鼠径部切開のアプローチ以外 例に鏡視 下での腹膜前腔アプローチ totally extraperitoneal repair TEP を行っている クーゲル法が行われた6例のうち 発症か ら長時間が経過し入院時に既に全身状態悪化していた例を除 き 術後経過良好で4-2日 平均7.8日 で退院となっている クーゲル法は鼠径部のみのアプローチで 腹腔鏡が困難な腸閉 塞症例でも問題なく行われ 腸管切除が必要な場合も同術野で 容易に行える 嵌頓が強固な場合の還納や 腸管の壊死穿孔に より腹膜前腔の汚染がある場合でも汚染の拡大を最小限に抑え 臨機応変な対応が可能である 全身麻酔が行えない場合でも局 所麻酔で対応可能であり 前立腺全摘後等の腹膜前腔アプロー チが困難な場合以外 閉鎖孔ヘルニア含めた鼠径部全般のヘル ニアに万能かつ低侵襲なアプローチと考える
147 P-5 P-6 閉鎖孔ヘルニア 例についての検討 鈴木 洋一 長田 俊一 松葉 千葉中央メディカルセンター 芳郎 松井 当院における閉鎖孔ヘルニア 20 例の検討 郁一 間宮 俊太 野間 淳之 日本赤十字社和歌山医療センター 目的 当院で経験した閉鎖孔ヘルニアについて検討した 対象と方法 20年から207年までに当院で手術を施行した 閉鎖孔ヘルニア例について 患者背景 嵌頓形式 整復の 有無 鼠径ヘルニアの合併の有無 手術方法 転帰等について retospectiveに検討した 結果 例 全 例 が 女 性 で 平 均 年 齢82歳 平 均BMI6.8で あった 併存疾患は心疾患5例 脳疾患3例であった 手術症例 の内訳は緊急手術が0例 待機的手術例であった 緊急手術 は閉鎖孔ヘルニア嵌頓が9例 大腿ヘルニア嵌頓に合併が例で あった 嵌頓臓器は全例小腸で 全例で術中整復可能で腸管切 除は認めなかった 鼠径ヘルニアの合併を約6割に認め 特に 大腿ヘルニアの合併を多く認めた 手術は開腹法4例 鼠径法3 例 TAPP法3例で施行された 術後経過では 開腹法でSSIを 例 TAPP法で肺炎の合併を例に認めたが 再発は全例で認め なかった 結語 閉鎖孔ヘルニアは高齢者に多く また嵌頓によるイレウ スでの緊急手術となる場合が多い 治療方法について合併症や 再発等について検討した はじめに 閉鎖孔ヘルニアは高齢痩身の女性に好発する比較的 稀な疾患とされていたが 近年高齢化に伴い増加傾向にある 治療は手術が一般的であるが再発率が高く 様々な修復術が施 行されており未だ確立された標準術式は無い 近年はメッシュ プラグを用いた修復術などの報告が散見される 今回我々は当 院で手術を施行した閉鎖孔ヘルニア根治術を検討した 方法 2009年7月から206年7月までの7年間で閉鎖孔ヘルニ アの診断で手術を行った20例を対象とし 年齢 性別 術式 腸壊死の有無 再発の有無 合併症の有無などについて検討し た 結果 平均年齢は83.8歳 全て女性であった イレウスは3 例で認めた 在院日数は6.±9.2日 腹腔内アプローチは6 例 腹腔外アプローチは4例であった 腸壊死は6例で認めた 7例でメッシュなどの人工物を使用しており 2例は単純閉鎖 のみであった 5例で両側に対し手術を施行した 手術時間は 76.5±32.2分で 出血量は2.±6.2mlであった なお再発は 4例 4.2% で認め 再手術を施行している 合併症はARDS を例 7.% 認めており その例は死亡している 創部感染 症や腹腔内膿瘍などの合併症はなかった 結論 当院で経験した閉鎖孔ヘルニア手術における問題点に関 して 文献的考察も交えて報告する P-7 P-8 閉鎖孔ヘルニアに対して単孔式腹腔鏡下ヘルニア修復術を施 行した 例 TAPP 法で腹腔鏡下に同時修復を行った 外鼠径 大腿 膀 胱嵌頓閉鎖孔ヘルニアの 例 河野 出雲 和田 中村 修三 山本 福岡輝栄会病院 純也 二又 泰彦 新屋 智志 中村 吉孝 はじめに 閉鎖孔ヘルニアに対する定型的な手術術式は確立さ れていない 今回われわれは 単孔式で腹腔鏡下ヘルニア修復 術を施行したので報告する 症例 患者は88歳の女性 来院前日からの嘔吐を主訴に当院を 受診された 腹部単純CTにて右閉鎖孔ヘルニア嵌頓によるイレ ウスと診断し 腹腔鏡下に緊急手術を行った 臍下縁からのマ ルチチャンネルポート法にて行なった 腹腔内を観察すると右 閉鎖孔を認めたが すでに小腸は自然還納しており小腸壊死も 認めなかった ヘルニア嚢を腹腔内へ反転し切除後 腹膜外腔 の剥離を行なった 補強は3Dメッシュを用い 吸収性体内固定 用ステープルにてクーパー靭帯と横筋筋膜に固定した 腹膜は 体外結紮にて閉鎖し手術を終了した 術後の経過は良好であっ た まとめ 閉鎖孔ヘルニアに対し 整容性に優れる単孔式腹腔鏡 下ヘルニア修復術を施行したので報告した しかし ポートの 追加 開腹手術への移行など症例に合わせた臨機応変な対応も 必要であると思われる 明彦 目井 桃子 柳 勝也 川本 JCHO 九州病院 孝典 山田 大輔 西村 志帆 木村 親茂 田中 晴生 村上総一郎 梁井 雅彦 難波江俊永 梅田 修洋 内山 外科 英世 公輔 明彦 TAPP transabdominal preperitoneal approach 法は 腹腔 側から腹壁の脆弱部を確実に診断できるという利点を持つ 今 回我々は 外鼠径 大腿 膀胱嵌頓閉鎖孔の3ヘルニア合併例 に対し TAPP法による腹腔鏡下修復術を経験したので報告す る 症例は 88歳 女性 数ヶ月前から右鼠径部に膨隆を認 め 加療希望で近医より当院紹介となった 右側鼠径ヘルニア の診断にて術前検査目的でのCTを施行したところ 膀胱嵌頓を 伴う右閉鎖孔ヘルニアを認めた 右鼠径ヘルニアは手術希望で あったため 右閉鎖孔ヘルニアも同時に修復できるTAPP法を 選択した 術中所見では 上記の他に右大腿ヘルニアも認めら れた 右閉鎖孔に嵌頓した膀胱は周囲組織を鈍的に剥離すると 容易に還納できた 各ヘルニア門を2種類のメッシュを用いて修 復した 現在 手術後2か月の状態 再発なし 右外鼠径 右大 腿 膀胱嵌頓を伴う右閉鎖孔ヘルニア合併例に対し修復術を施 行した 術前 大腿ヘルニアは診断できていなかったが 一期 的に修復することができた 本症例のような複雑な病態に対し TAPP法は非常に有効な手段であった
148 P-9 P-0 両側閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対して腹腔鏡下腹膜外腔アプロー チ TEP を施行した 例 整復困難であった閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対して術中経腟的 整復を行った一例 前田慎太郎 清水 赤羽 康仁 小田 千葉市立青葉病院 外科 健司 登内 昭彦 安藤 克彦 祥太 飯島 広和 小林ゆかり 渡部 東京西徳洲会病院 外科 はじめに 閉鎖孔ヘルニアは術前診断が困難であり また嵌頓 によるイレウス症状で受診され 緊急での開腹手術となること が多い 今回 高齢者の両側閉鎖孔ヘルニア嵌頓症例に対して TEP total extraperitoneal approach を施行した例を経験 したので 若干の文献的考察を加えて報告する 症例 88歳女性 前日からの右股関節痛および嘔吐を主訴に前 医受診 急性腹症の診断で当院紹介となった CTにて両側閉鎖 孔ヘルニア嵌頓の診断となり 緊急手術の方針となった 全身 状態が安定していたので まず腹腔鏡下にて腹腔内観察を行っ た 両側の閉鎖孔ヘルニアを認め さらに切除が必要な腸管虚 血が無いことを確認した 修復は両側ともTEP法にて施行した 腹膜前腔に入り閉鎖孔まで覆うようにメッシュを左右に展開し 修復とした 術後経過は良好であった 結論 両側閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対して腹膜外腔アプローチ TEP で修復術を施行した症例を経験した 全身状態の比較的 安定している症例に対しては 低侵襲であり 有用であると考 えられた 和巨 背景 閉鎖孔ヘルニア嵌頓は徒手整復が困難なことが多く 腸 閉塞をきたした場合には緊急手術の適応となる 特に 術中の 嵌頓小腸の無理な牽引による整復は医原性の腸管損傷を来すこ ともあり その場合 メッシュを用いた修復が困難となる 今 回 整復困難であった閉鎖孔ヘルニアに対し 術中開腹後に経 腟的整復を行うことで安全に嵌頓の解除を行うことができた一 例を経験したので報告する 症例 症例は特に既往のない88歳女性 来院同日からの左鼠径 部痛を主訴に受診された CT上 左閉鎖孔への小腸の脱出を認 め 左閉鎖孔ヘルニア嵌頓の診断で手術の方針となった 手術 では左鼠径部切開で鼠径管を開放し腹膜前腔に達した 腹膜を 切開し 腹腔内を観察したところ左閉鎖孔に強固に嵌頓した小 腸を認めた 牽引のみでの整復は困難であると判断し 膣より 用手的にヘルニア嚢による突出を触れたところ容易に嵌頓を解 除できた 嵌頓小腸は一部漿膜壊死を認めたため部分切除を施 行 ヘルニアの修復はUHS法で行い手術を終了とした 結論 閉鎖孔ヘルニア嵌頓の整復方法は経腟的なものも含めい くつか提案されているが 本症例のように術中開腹後に経腟的 に整復することで安全かつ高確率に嵌頓を整復させることがで きると考えられる P- P-2 複数のヘルニアを合併した両側閉鎖孔ヘルニアに対する腹腔 鏡下修復術 術前に診断し得た鼠径部ヘルニア合併閉鎖孔ヘルニアの 例 中右 井田 独立行政法人 国立病院機構 千葉医療センター 外科 雅之 森野甲子郎 赤神 健 正敏 池田 房夫 沖野 孝 公立甲賀病院 外科 症例は86歳女性 206年8月頃より右大腿部痛を繰り返すよ うになり他院整形外科に通院中であった 207年月下旬に右 大腿部痛 腹痛出現し他院にて腹部CT施行 右閉鎖孔ヘルニア への小腸嵌頓と診断され緊急手術目的に当院に救急搬送となっ た 診察時には症状が消失しており CTの再検でも嵌頓は解除 されていたが 恥骨筋と外閉鎖筋間距離は左右それぞれ3mm 2mmと開大していたため両側閉鎖孔ヘルニアと診断した 待 機的に2月中旬に腹腔鏡下修復術を施行した 両側閉鎖孔ヘルニ アに加え 左外鼠径ヘルニア 左大腿ヘルニアも明らかとなっ た 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術と同様の剥離に加え 両側の 閉鎖孔まで剥離を広げ Parietex Lightweight Mesh 5cm 0cmを鼠径管底から閉鎖孔までを覆い修復した 閉鎖孔ヘル ニアに対しても腹腔鏡下鼠径ヘルニアの手技に習熟していれば 複数病変を同定出来る腹腔鏡のメリットに加えて 良視野で閉 鎖孔 閉鎖神経および動静脈を確認することが可能である 閉 鎖孔ヘルニアの待機手術においては腹腔鏡下手術が第一選択と なりうると考えられた 船津 悠也 山本 海介 森嶋 友一 佐々木亘祐 症例 78歳 女性 主訴 左鼠径部膨隆および左大腿部痛 現病歴 数年前からの左鼠径部膨隆 同部位の突っ張り感と立 位や坐位時の大腿部痛を自覚し当科受診となる 現症 54.7cm 46.7kg還納可能な左鼠径部膨隆 CT検査 左閉鎖管の開大 既往歴 虫垂炎手術 胃癌 ESD治療 術前診断 左鼡径ヘルニアおよび左閉鎖孔ヘルニア 術 式 お よ び 手 術 所 見 TAPP法 を 施 行 ポ ー ト サ イ ズ5mm5mm-2mm 腹膜切開後 Myopectineal Orificeを剥離し閉鎖管 まで剥離を広げると閉鎖管に陥入する腹膜前脂肪織を確認 こ れを 引き抜き閉鎖管周囲を十分に露出 閉鎖管径は5mmで あった 術中診断は JHS分類 -2および閉鎖孔ヘルニア 2 0cmにトリミングしたParietex 3Dimensional meshにて修 復を行った 手術時間は72分であった 術翌日より大腿部痛の 違和感の消失を認め 合併症なく術後2日目に退院 術後週目 の外来でも自覚症状が顕著に消失 考察 Howship-Romberg 徴候と呼ばれる体動時の大腿内側部 痛が閉鎖孔ヘルニアの特徴的な所見として知られているが そ の症状のみで診断されることはかなり稀である 本症例は左鼡 径ヘルニアにて受診したが 体動時の大腿部痛を訴えていたた め閉鎖孔ヘルニアも疑いCT検査を行ったところ閉鎖管の開大を 認めた 以上から大腿内側部痛を訴える女性に対しては CTや MRI検査を行うことで閉鎖孔ヘルニアを診断し得る可能性があ ることが示唆された
149 P-3 P-4 超低出生体重児 ELBW 極低出生体重児 VLBW 鼠径 ヘルニアの手術方針ー 0 年前との比較ー 当院での成人鼠径部ヘルニアに対する鼠径部切開法と腹腔鏡 手術の比較検討 大津 佐藤 一弘 亀井 尚美 赤峰 県立広島病院 小児外科 翔 はじめに ELBW VLBWの鼠径ヘルニアの治療方針を変更し ており 以前のデータと比較した 対象 2009年から206年の間に手術を行ったELBW VLBW に 発 症 し た 鼠 径 ヘ ル ニ ア55症 例59側 対 象 は997年 か ら 200年の42症例56側 治療方針は前方アプローチで200年 までは 修正45週以上 体重2500g以上で 適宜NICU退室前 に手術を施行 2009年以後は修正60週以後まで外来で待機と した 結果 55例59側の内訳はELBW 3例 VLBW24例で男児45 例 女児0例 右側30例 左側2例 両側4例 術前嵌頓4例 6.8 対側発生3例 5.4 女児0側中の非環納性卵巣3 例 30 再 発 は4例4側 6.8 手 術 は 当 初 はBianchi法 204年 以 後 男 児 で はLucus-Championniere 内 鼡 径 輪 縫 縮に変更 他に合併症は認めず一般病棟で管理 同時期の鼠径 ヘルニア手術症例732例83側で低出生体重児例以外は677例 754側 再発4例4側 0.5 術式はELBW以外はBianchi法 200年までの42例56側の内訳はELBW22例 VLBW20例 男 児2例 女児2例 4例にNICU退室前に手術を行い 術前嵌 頓例側.8 対側発生4例 再発2例2側 3.6 考察 術前嵌頓症例はやや増加したが待機は比較的安全に行え 一般病棟で管理が可能 また術者 麻酔医のストレスもより少 ない 目的 当院では局所膨潤麻酔下の鼠径部切開法を第選択として きたが 204年0月から腹腔鏡下鼠径部ヘルニア手術 TAPP を導入した 術式は 患者に両術式を説明し相談して選択して いる 今回 当院での術式選択が妥当かを評価すべく 治療成 績と患者アンケート結果を分析した 方法 204年0月から205年2月までに鼠径部ヘルニア手 術を受けた成人症例全例 59例 にアンケート調査を実施 回収 出来た44例を対象とし 鼠径部切開法 O群 と腹腔鏡下ヘルニ ア修復術 L群 で 治療成績と各種愁訴の比較検討を行った 結果 全体の平均年齢は69.9歳 9-88 抗血栓薬の服用を9 例認め 2例に注意を要する併存疾患を認めた 術式はO群 28 例 L群 6例 で 男女比や左右 ヘルニア分類に差はなかっ たが 年齢はL群で有意に低く 併存疾患や抗血栓薬服用は O 群に多く認めた 再発は両群ともに認めなかったが Grade3以 上の合併症をL群で例認めた 疼痛評価 NRS では術後日目 に有意差はなかったが7日目はL群で有意に低かった 入院期間 および通常の社会生活への復帰までの期間に有意差はなかった また 疼痛および知覚異常の消失までの期間に有意差はなかっ たが 鼠径部のつっぱり感や異物感が消失するまでの期間はL群 で有意に短かった 整容性や治療全般への満足度に有意差はな かった 結語 患者背景を踏まえて術式を使い分ける当院の方針は妥当 と考えられた P-5 P-6 鼠径ヘルニアに対する Onflex Mesh の使用経験 鈴木 添田 福島 悠介 稲葉 成美 熊田 亮治 裕英 中村病院 外科 毅 塚原 宜真 堀川 大裕 緑川 昌宏 清川 当院における Mesh plug 法による成人鼠径ヘルニア修復術 の検討 裕紀 五十嵐裕一 貴志 矢口 義久 羽村 凌雅 川村 中田 浩二 2 川村 帝京大学病院 外科 成人鼠径ヘルニアに対する鼠径部切開法で挿入されるメッシュ には様々な物がある 本邦では 特にヘルニア専門家は腹膜前 腔にフラットに展開するメッシュ使うことが比較的多い 今回 我々は新型の腹膜前腔フラットメッシュであるOnflexを2例に 使用したので報告する 症例: 78歳男性 type I- ヘルニ ア嚢の高位結紮切除 腹膜前腔の展開までは定型的に施行した 同様の形状であるPolysoft Patchの挿入法に準じて Onflex内 側先端近傍を先の鈍な布鉗子で把持し 内側から挿入 次に外 側を挿入してから 頭側尾側の順に展開した 展開に大きな問 題はなかったが 内側頭側の端がやや腹膜前腔の深部に入り過 ぎたことと 頭側中央部が頭側から押される形で屈曲したこと で 修正に時間を要した 症例2: 84歳男性 type I-3 ヘル ニア嚢の高位結紮切除 腹膜前腔の展開までは定型的に施行し た Onflex内側ポケット部分に腸ベラを入れて 内側から挿入 腸ベラを尾側から頭側にまわして内側を展開してから外側を挿 入展開した 内側の展開は問題なかったが 中央部はやはり屈 曲しやすく若干の挿入困難を感じた OnflexはPolysoftと類似 した形状であるが Kugel Patchに類似したPocketが形成され て 挿入時にはそれを活用することが有用である その反面 Polysoftのように裏返しての使用が出来ないので中央部頭側に 形状記憶リングの余分な屈曲が作られており その部分の展開 に工夫が必要である 雅彦,2 丸口 塁,2 小山 友己,2 武 川村 統勇 矢永 勝彦 2 東京慈恵会医科大学 医学部 医学科 2 東京慈恵会医科大学 外科学講座 当院では鼠径ヘルニアに対し 腰椎麻酔下のMesh plug法によ るヘルニア修復術を第一選択としている 205年月から206 年2月の間に当院にて施行したMesh plug法による初発鼠径 部ヘルニア95例について検討した 患者群は6-94歳 平均 65.2歳 男女比は9.8 であった 初発例では間接型ヘルニ ア36例 直接型ヘルニア47例 大腿ヘルニア9例 併存型 い ずれも間接型 直接型 3例であった 術後の合併症として現在 までにMeshの感染症は認めておらず 再発は2例.02% に認 めた 再発例はいずれも初発は直接型で 初回手術からそれぞ れ2か月後 6 ヵ月後に直接型で恥骨上に再発していた 平均手 術時間 52.3分 平均在院日数は2.4日であった Mesh plug法 はplugによるヘルニア門の閉鎖とonlay patchによる鼠径管後 壁の補強が容易であり 筋膜縫合を行わないため術後の違和感 や慢性疼痛が軽減し 再発も予防されるとされている 再発予 防として 当院の再発例は恥骨上での再発なため 直接型鼠径 ヘルニアでは onlay patchの恥骨への固定をより念入りにする 必要があると考える 本法は再発率の低さ 手術時間 入院期 間が短く 患者への負担が少ない 術者による手術時間にも大 きく差は認めないことからも鼠径ヘルニアに対する標準術式と して有用であると考えられるため 当院における手術成績を踏 まえ報告した
150 P-7 P-8 80 歳以上の高齢者に対する鼠径部ヘルニア修復術の治療成績 腹腔鏡下に修復した大腿ヘルニア虫垂嵌頓の一例 大樂 船水 清水 井上 檜井 勝司 百瀬 尚武 中林 匡亨 平本 幸夫 悠樹 友利 賢太 飯田 智憲 川口市立医療センター 消化器外科 竜弥 瀬尾 崇久 尾上 信吾 三隅 隆司 首藤 俊博 毅 はじめに 虫垂をヘルニア内容とする大腿ヘルニアは稀であり de Garengeot herniaと称される 今回我々は 腹腔鏡下に虫 垂切除と大腿ヘルニア修復を行った一例を経験したので報告す る 症例 88歳 女性 週間前から右下腹部痛あり 腹痛精査目 的にて当科紹介 腹部は平坦で軟 右鼠径部は軽度膨隆も発赤 なし 圧痛軽度 血液検査では炎症所見なし CT施行し 大腿 ヘルニア虫垂嵌頓と診断 整復不能 準緊急に腹腔鏡下手術施 行 腹腔鏡観察にて大腿輪に陥頓する虫垂を確認 虫垂に壊死 所見なし 虫垂を腹腔内へ還納後 自動縫合器にて虫垂根部を 処理 その後 腹腔鏡下大腿ヘルニア修復術を施行 病理検査 では 切除した虫垂は炎症細胞浸潤を認めるのみであった 術 後合併症なく第4病日 軽快退院 考察 文献的にはde Garengeot herniaの術前診断率は50% で 近年は画像診断の進歩により診断可能な症例が増加してい る ヘルニア門修復にメッシュを使用している症例も約半数 で 同一創にて虫垂切除 メッシュ修復が行われている症例は 我々が調べうる限りでは本邦で2例の報告があり 感染性合併 症を発症した症例は認めなかった ただし術前に膿瘍形成して いるde Garengeot herniaに対して 一期的にメッシュを使用 し修復した症例の報告は認めなかった 結語 膿瘍形成を認めないde Garengeot herniaに対して 腹 腔鏡下虫垂切除 TAPPも一つの選択肢となりうると考えられ た P-9 P-20 左鼠径ヘルニア盲腸嵌頓の 例 洋祐 宮本 俊充 鈴木 裕孝 独立行政法人国立病院機構 呉医療センター 中国がんセンター 外科 目的 80歳以上の高齢者に対する鼠径部ヘルニア修復術の治療 成績について検討 対象 200年月から206年2月の7年間で鼠径部ヘルニア 修復術を予定手術で施行した80歳以上の高齢者患者98例 A群 と80歳未満の患者696例 B群 検討項目 患者背景 麻酔方法 手術時間 術中出血量 術後 在院期間 術後合併症について検討を行った 結果 A群 B群 男/女 86/2 640/56 年 齢 歳 84.5 ± ±3.4 ASA American Society of Anesthesiologists 例 /2/3/4 62/44/5/0 509/20/9/ 麻酔方法 例 局 所 麻 酔/硬 膜 外 麻 酔/腰 椎 麻 酔/全 身 麻 酔 29/69/5/6 97/566/4/3 手 術 時 間 分 66.5± ±22.57 出血量 ml 4.79± ±8. 術後 在院期間 日.3±.03.30±.83 術後合併症 術後 出血 創感染0 術後出血4 創感染 全評価項目において2 群間に統計学的有意差を認めなかった 結論 高齢者においても鼠径部ヘルニア修復術は安全に施行可 能である 栗田紗裕美 篠田知太郎 貫野 亘 清水 雅史 伊禮 孝夫 田代 鼠径ヘルニアに起因した続発性大網捻転症の 例 宏典 矢永 勝彦 2 竹内 森 総合東京病院 外科 2 東京慈恵会医科大学 外科学講座 消化器外科 大平 湯浅 理 藏本 徳島赤十字病院 外科 症例は80歳代男性 平成28年2月上旬 食欲不振と倦怠感を主 訴に近医を受診 著明な脱水症状と歩行困難を認め 当院救急 搬送となった 頭部CT検査所見にて頭蓋内病変はなく 血液生 化学検査所見ではBUN39.3mg/dl Cre0.8mg/dlと脱水を示 唆する所見であったため 全身状態改善目的で当院内科緊急入 院となった 入院時 左鼠径部に鵞卵大の腫瘤を認め 腹部単 純CTで左鼠径ヘルニアと診断したが 嵌頓症状はなく 待機的 に手術する方針としていた 入院第6病日に嘔吐と血圧低下を認 め 腹部触診上で左鼠径部が手拳大に膨隆し 同時に疼痛も出 現したため 鼠径ヘルニア嵌頓と診断し 同日緊急手術の方針 となった 全身麻酔下 前方アプローチで手術を施行した 鼠 径管を開放すると 精索内に嵌頓腸管を伴うヘルニア嚢を認め た ヘルニア嚢を開放し腸管を確認すると 盲腸と回腸末端で あった 腸管は浮腫状であったが 明らかな血流障害は認めな かったため 術式はヘルニア修復術 メッシュプラグ法 のみと した 術後経過は良好で 術後第7病日に軽快退院した 回盲部 を内容とする左鼠径ヘルニア嵌頓の本邦報告例は 我々が検索 しえた範囲で稀であるため 若干の文献的考察を加えて報告す る 康弘 松尾 俊輔 藤原 祐太 枝川 聡史 富林 広志 谷 亮太朗 敦司 沖津 宏 大網捻転症は比較的な稀な疾患で 併存疾患のない特発性のも のと鼠径ヘルニアや癒着 腫瘍などが原因で起こる続発性のも のに分類される 今回 鼠径ヘルニアに続発する大網捻転症に 対して腹腔鏡下に切除し 二期的に腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復 術 以下TAPP法 を施行した例を経験したので報告する 症例 は56歳男性 3日前から下腹部痛があり症状の改善なく当院を 受診した 臍周囲の広範な圧痛と腹膜刺激症状があり 血液検 査では炎症反応の上昇を認めた 腹部CT検査にて広範囲の大網 で脂肪織濃度が上昇し螺旋状に捻転している部位を認めた 大 網は左鼠径管へと連続しており 左鼠径ヘルニア陥頓 続発性 大網捻転症の診断で緊急手術を施行した 腹腔鏡下に観察する と 捻転により広範囲に血流障害に陥った大網を認め 先端部 は左鼠径ヘルニア JHS分類I-3 に陥入していた 大網を還納し 捻転部位の中枢側で切除した 下腹部正中に5cm程度の切開を 置き大網を摘出した 術後経過は良好で術後6日目に退院した 術後38日目にTAPP法を施行した 鼠径ヘルニアに起因した続 発性大網捻転症に手術を施行し 後日待機的にヘルニア根治術 を施行した報告は散見されるが 腹腔鏡下に切除した後に腹腔 鏡下に鼠径ヘルニア修復術を施行した症例は少ない 大網捻転 後の鼠径ヘルニアの根治術に対してもTAPP法は有用と考えら れるため若干の文献的考察を交えて報告する
151 P-2 P-22 当院で経験した Amyand s hernia 7 例の検討 井田 佐治 圭亮 小泉 攻 大坪 哲 久常 毅人 靖人 小倉 佑太 佐々木奈津子 聖マリアンナ医科大学 消化器 一般外科 目的 Amyand s herniaの臨床学的特徴を明らかにし 当院で の治療方針の妥当性を評価する 方法 20年月から207年月に鼠径ヘルニア治療を行った 症例の内 術前腹臥位CT診断でAmyand s herniaと診断され た症例を対象とし その臨床学的特徴を検討した 結果 Amyand s herniaと診断したのは7例 7/833例,0.84% で すべて男性であった 年齢中央値 IQR は 歳で あった 虫垂炎合併例 非合併例 = 2例 : 5例であった 虫垂 炎合併例2例ではヘルニア手術と同時に虫垂切除術を施行した 術後経過月数中央値 IQR ヶ月時点まで ヘルニアの再発は認めていない 虫垂炎非合併例に関しては全 例でメッシュを用いたヘルニア修復術を施行 虫垂の予防的切 除は行わなかったが 術後経過月数中央値 IQR ヶ月時点まで虫垂炎の発症は認めていない 考察 虫垂炎合併Amyand s hernia症例に関しては ヘル ニア手術と虫垂切除術の創を分ける 2 人工物を用いた修復を 行わないという方針を採っており 虫垂炎非合併例に関して当 院では予防切除は行っていない 虫垂炎合併例において術後ヘ ルニア再発例がないことと虫垂炎非合併例において虫垂炎発症 例がなかったことから我々の治療方針は妥当である可能性が示 された Amyand s hernia 急性嵌頓で敗血症性ショック DIC に至 るも集学的治療で救命しえた 例 北川 秋葉 JCHO 相模野病院 慶太 伊藤 栄作 毛利 貴 症例 75歳 男性 受診2日前から嘔吐を認めていたが 受診当 日に意識障害を来したため 当院へ救急搬送された 来院時意 識レベルはEVMで 血圧 6/47 mmhg 脈拍 23回/分と ショックバイタルであった 身体所見上 腹部膨満および右鼠 径部の膨隆を認めた 来院時CT上 右鼠径部の腸管脱出および 小腸の著明な拡張を認めた その他に意識障害の原因となりう る所見は認めず 右鼠径ヘルニア嵌頓の診断で 緊急手術を施 行した まず右鼠径部からアプローチし ヘルニア修復を行っ た ヘルニア嚢内に血性腹水を認め 腹腔内観察のために下腹 部正中切開を追加した 小腸および虫垂の壊死所見を認め 小 腸部分切除術および虫垂切除術を施行した 術直後は大量の昇 圧剤投与を必要としたが PMX-DHPおよび持続的血液濾過透 析を行い 昇圧剤投与量は漸減した 一方 術後DICを併発し トロンボモジュリンによるDIC治療も行った さらに術後多発 脳梗塞を発症したが 気管切開術等で対応し 最終的に救命し た 結語 ヘルニア内容が虫垂であるAmyand's herniaにおいて 内容臓器の嵌頓 壊死を伴った重症例を経験した Amyand s herniaならびに敗血症性ショック DIC治療について文献的考 察を含め報告する P-24 イレウスにて発症した Richter 型鼠径ヘルニアの一例 公一 藁谷 京子 渡邊 健之 高橋 東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科 P-23 山本 林 隆洋 三澤 直志 美奈 細谷 昌彦 2 智 羽廣 越婢加朮湯は腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術後の術後漿液腫を 予防できるか 健仁 亀井 谷口 外科 2 北里大学 外科 症例は50台男性 開腹歴なし 206年月イレウスにて当院内 科入院 CTにて左鼠径ヘルニア嵌頓を疑われる イレウス管挿 入後症状は改善 手術希望なく退院となる 同年8月に再びイレ ウスを発症 手術加療目的に外科依頼となる 診察上左鼠径部 に鵞卵大の膨隆を認め 臥位にて用手還納可能 腹腔鏡による 手術方針とする 同年0月腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP 法 を 施 行 臍 部 に2mmト ラ カ ー ル 両 側 側 腹 部5mmト ラ カールを挿入し腹腔内を観察すると ヘルニア嚢に小腸が強固 に癒着 ヘルニア嚢を剥離する際に小腸壁を損傷 さらに癒着 剥離を進めるとメッケル憩室のように膨隆している部分があり 嵌頓していた腸管と考えられた 鼡径ヘルニアは腹腔内操作で はメッシュ感染を起こす可能性を危惧し鼡径法で修復し メッ シュによる修復は行わない事とした 小腸は臍部の層を広げ小 腸を引き出し 楔状に切除しAlbert-Lembert縫合を施行する 鼠径ヘルニアは左鼠径部に約4cmの皮膚切開を置き Iliopubic tract repairを施行する 鼠径ヘルニア修復後腹腔内から再び観 察し ヘルニア嚢が根部で結紮されている事を確認する イレ ウスにて発症したRichter型鼠径ヘルニアの一例を経験した 動 画を供覧し 若干の考察を加え報告する 英樹 児玉麻亜子 押領司篤宣 梅谷 寛子 島田 幸典 内田 信治 赤木 久留米大学 外科 有希 白水 由人 良征 はじめに 腹腔鏡下鼠径ヘルニア術後の漿液腫は合併症として 認識されることは通常少ないが 漿液腫として治療に難渋する ことや患者が術後早期の再発を疑い不安になることを時に経験 する 最近では 術後漿液腫の予防に関する手技上の工夫も報 告されているが確立されてはいない われわれは 術後漿液腫 の病態を東洋医学的に表在の水毒の状態と捉え ハイリスク症 例に対して越婢加朮湯を予防的に投与試みたので報告する 対象 方法 までに当施設で経験した初 発 片側の鼠径ヘルニアの内 術前CT検査で4cm以上のヘルニ ア嚢を有した漿液腫発症の高リスク症例:20例を対象とした 腹 腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP 施行後に越婢加朮湯を4週間 内服する群 K群:0例 と内服しない群 C群:0例 に分けて術 後の漿液腫の状態を観察した 漿液腫の判定は 術後 ヵ月目 に超音波検査を施行し漿液腫を計測した 結果.年齢 性別 BMI 手術時間 在院日数など2群間に有 意差を認めなかった 2.術後漿液腫の状態は K群がC群に比較 して有意に発症が軽度であった p 全角 0.0 考察 越婢加朮湯には 抗炎症作用を持つ麻黄と利水作用を有 する蒼朮が含まれている それらの効能により 術後漿液腫が 軽減できたと推測される まとめ pilot studyではあるが 術後漿液腫のハイリスク症例 に対して越婢加朮湯を予防投与することで漿液腫が軽減できる 可能性が示された
152 P-25 P-26 4K システムを用いた 5-5-3mm による腹腔鏡下鼠径ヘルニ ア修復術 TAPP の経験 西澤 聡 TANKO+one port/ 膨 潤 麻 酔 炭 酸 ガ ス 併 用 TAPP tgtapp を施行した両側鼠径ヘルニアの 例 田澤 東住吉森本病院 賢一 河合 俊輔 大澤 新潟県厚生連 糸魚川総合病院 外科 当院では200年より腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を導入し ており 症例数は25例になる 通常は0mmカメラポート 5mmポート2本の3ポートで施行している 演者は205年よ りNeedlescopic surgeryをtappで 導 入 し 現 在 症 例 数 は0 例である 現在のところ適応は 片側で 外鼠径ヘルニア- 型 -2型までとしている 細径化の問題点は 5mmカメラの 視野不良 メッシュ選択の制限 細径鉗子の把持力等と考えて いる 5mmカメラは0mmカメラと比較し近接しなければ良く 見えず カメラ助手にもカメラワークの技術を要し 悩む点で あった 今回 4Kシステムをオリンパス社よりデモとして使用 する機会があり 5mmカメラでの5-5-3mmTAPPを3例経験し た 画質のストレスは全くなく 膜構造もしっかり認識できた 動画変換により画質は圧縮され 発表のモニターは4Kではない が それでも画質が良いことは確認されうる 症例数は少ない が当院での5-5-3mmTAPPの工夫を含めて動画報告する 宗士 澤田 成朗 山岸 症例は83歳男性 既往症 20年前に虫垂切除術 3年前より 左鼠径部の膨隆を認め 当院外科受診 診察上 左鼠径部に手 拳大の腫瘤性病変を認めた 右下腹部には傍腹直筋切開の創部 があった 腹部腹臥位単純CT検査で 両側鼠径ヘルニアを認 めたため 腹腔鏡下手術の適応とした 全身麻酔下に臍下部 縦切開 Open 法 で腹腔内に達し 2mmポート挿入 5mm フレキシブルCCDカメラで腹腔内を観察 右下腹壁の虫垂切 除術の創部に広範囲に小腸が癒着 術中所見では 右 IV型 I-2+II-3 左 I-3 de novo type A S状 結 腸 滑 脱 の 鼠 径ヘルニアの診断とした 右側はHybrid法でMesh and Plug 法 size L で修復 左側は臍部にwound retractorを装着 グ ローブ法で2mmと5mmのポートを挿入 左側に5mmポート 挿 入 TANKO+one portの 設 定 で MPO周 辺 の 腹 膜 下 組 織 に 膨 潤 麻 酔 液20ml 炭 酸 ガ ス50ml注 入 S状 結 腸 を 整 復 後 ヘルニア門の腹膜環状切開 MPOを広範囲に剥離 アナ トミカルメッシュ Lサイズを挿入 アブソーブタッカーで固 定 腹膜を3-0Polysorbで連続縫合を行い 手術を終了した TANKO+one port設定のtg-tappは 膨潤麻酔液と炭酸ガスの 腹膜切開前の広範囲の腹膜下剥離により 広範囲な腹膜前腔の 剥離が十分可能であり TANKO手術に許容できる手技である P-27 P-28 TAPP にて偶発的に診断及び修復し得た同側内外鼠径 大腿 ヘルニア併存の一例 TAPP における全周固定法は慢性疼痛を増加させない 今泉 小村 公益財団法人 倉敷中央病院 佑太 日高 伸朗 文範 卓 重盛林太郎 佐々木敏行 平林 剛 独立行政法人国立病院機構 西埼玉中央病院 外科 症例は80歳男性 既往に高血圧 前立腺肥大症を認めた 左鼠 径部膨隆を主訴に前医を受診し 鼠径ヘルニアの疑いにて精査 加療目的に紹介受診となった 視触診にて左鼠径部にうずら卵 大の腫瘤 腹部CTにて同部に腹腔内脂肪織の脱出を認め 左鼠 径ヘルニアの術前診断でTAPPにて手術を行う方針とした ま ず臍下にopen methodにて2mmトロッカーを挿入し 腹腔鏡 ガイドにて5mmトロッカーを2本 両側腹部に挿入し計3ポー トにて手術を施行した 腹腔内からの観察にて 同側に内外鼠 径ヘルニアおよび大腿ヘルニアの併存JHS IV JHSI-2 II-3 III が認められた 修復はBARD 3D Light mesh Lを用いた 固定はabsorbable tackerを用いて行った 手術時間は2時間4 分 出血量は少量であった 術後経過は良好で術後7日目に抜鉤 退院となった 同側に3種のヘルニアが併存することは非常に 稀であり また複数のヘルニアが併存する症例の診断において 腹腔内からのアプローチは有用である可能性があると思われる 長久 吉雄 橋田 和樹 はじめに 日本内視鏡外科学会による205年アンケートにて TAPPは再発率3%と報告された 他の術式に比較しその再発率 は高いと言わざるを得ない 我々のTAPP000例の経験から外 背側からの再発をいかに予防するかが重要と考えられた その ために全周性のメッシュの固定を導入し 現在までに20例に 実施した 今回この全周固定手技 Secure tacking against the recurrence STAR の成績を供覧する 対象 当院でTAPPを実施した20ヘルニアを対象とした 手技 吸収性タッカーを用いてCooper靭帯 腹直筋 腹横筋 でメッシュを固定した後 外背側の位置にあたるtrapezoid of disaster の部位でメッシュの浮きを抑えることのできる打鋲部 位を決定する その位置に神経を含むいかなる脈管構造物もな いことを確認し 同様に吸収性タッカーで腸骨筋に固定する 結果 慢性疼痛の発生もなく再発も認めていない 結語 このSTARが再発予防にどれだけ貢献できているかは不 明であるが 少なくともこの部位への固定 打鋲は禁忌ではな いことが明らかとなった 手技そのものの有用性の評価のため には更なる症例の蓄積が必要と考えられた - 5 -
153 P-29 P-30 鼡径ヘルニアの Lichtenstein 法術後に腹直筋鞘血腫を形成 した 例 肝硬変合併鼠径ヘルニアに対する単孔式 TEP 法 SILS-TEP 施行後メッシュ感染の 例 中西 高野 米山 山崎 亮 中川 基人 金子 公徳 葉 季久雄 屋代 公康 山本聖一郎 金井 靖 筒井 英樹 2 赤津 歳雄 麻衣 知孝 泰源,2 山崎 泰弘 坪井 平塚市民病院外科 2 平塚市民病院放射線診断科 症例は74歳男性 大動脈解離に対しBentall術 胸部腹部大動脈 瘤に対しステントグラフト内挿術を施行され 心房細動の既往 があるためワルファリンカリウムを内服していた 右鼠径部の 膨隆を主訴に当院を受診し 右鼡径ヘルニアと診断された 心 房細動があるため 術前ヘパリン化を行い 術式は血圧の変動 及び手術時間を最小限にするため 全身麻酔下にLichtenstein 法を行った 術後日目よりヘパリン投与を再開したところ 術後2日目に創部頭側皮下の腫脹が著明になり 血液データで もヘモグロビン及び血小板の減少を認めたため 造影CT撮影 検査を行ったところ同部位にに腹直筋鞘血腫 rectus sheath hematoma と造影剤の漏出所見を認めた 保存的加療は困難と 判断し 血管造影検査を行ったところ 右深腸骨回旋動脈より 出血所見を認めたため 同部位にNBCA-Lipiodolにて血管塞栓 術を行った その後抗凝固療法を再開したが 明らかな再出血 を認めておらず経過観察中である 今回我々は鼡径ヘルニア術 後に腹直筋鞘血腫を発症し IVRにて止血した極めて稀な症例 を経験したため 文献的考察を加え報告する P-32 鼡径ヘルニア手術のメッシュプラグによる S 状結腸穿通の 例 Kugel 法術後出血の 例 渡邉 東口 公哉 瀧内 和田 範子 酒田 赤丸 祐介 太田 青森厚生病院 外科 剛昌 2 当院では前立腺癌術後 嵌頓症例を除く全身麻酔が可能な鼠 径 大腿ヘルニア症例に対して単孔式TEP法 SILS-TEP を導 入 施行してきた SILS-TEP法は 腹膜外腔からアプローチ することによりヘルニアの確実な診断が可能であるとともに同 じ腹腔鏡を使用したTAPP法と比較し腹膜前腔に大きな空間を 容易に作成することが可能であるため 大きなメッシュを使用 し広く脆弱部を覆うことで高い根治性が得られる術式である 一方で 独特の術野の中 限られた空間で行う手術であること から よりよい手術を行うには術者の技量だけでなくスコピス トの成熟も必要となる また術後出血などが起こった場合 腹 膜前腔を広範囲に剥離しているため巨大な血腫となるリスクが ある 今回肝硬変を伴う右鼠径ヘルニアに対しSILS-TEPを施 行 退院後遅発性出血による血腫を形成 感染を惹起しドレ ナージなどの処置を施行するも改善せず 術後3日目にメッ シュ除去を含む再手術を施行した症例を経験したので 若干の 文献的考察を加えて報告する P-3 伸和 赤坂 淳 松本 医療法人 五聖会 児島聖康病院 外科 2 一般財団法人 倉敷成人病セン ター 外科 治枝 症例 70才後半の男性 既往歴 当科で三年前に左内鼠径ヘルニア手術 メッシュプラグ 法 現病歴 平成28年6月の検診で便潜血陽性 当院内科で大腸内 視鏡 CF を行い S状結腸に約/ 3周性の3型様の病変を認め 生検ではGroup 2であった しかし CF所見からは悪性疾患も 否定できないため 当科紹介 身体所見 左鼡径部に手術創を認めるが 圧痛や腫脹無し 検査成績 CTではS状結腸の左鼡径ヘルニアの手術部位の周囲 に毛羽立ちを伴う腫瘤を認めた 血液検査で好中球の増加や白 血球の上昇無く CEAとCA9-9は正常範囲内であった 経過 大腸透視では病変ははっきりせず マーキングのために 再度 CFを施行した S状結腸の隆起性病変の表面には メッ シュと思われる構造物を認めた メッシュプラグによるS状結腸 穿通と診断した 月に手術を施行した 左鼡径部を切開し onlay patchを除去した その後に開腹し 腹腔内からplugとS 状結腸を一塊に摘出 左鼡径部はiliopubic tract repairで修復 した 術後は創感染を生じたが 保存的に治療し退院した 考察 鼡径部のヘルニアに対するメッシュプラグ法は最も一般 的な術式の一つであるが 希に今回のような合併症をきたすこ とがある また フラットなシートでも腸管穿通が生じた報告 もある 他の報告例を含め 文献的考察を加えて報告する 大輔 野々下 崇 西田謙太郎 和也 安座間 隆 2 森本 修邦 博文 北田 昌之 2 柴田 邦隆 市立池田病院 消化器外科 2 市立池田病院 外科 鼠径ヘルニア手術に対して再発率が低い 術後愁訴が少ない等 の利点からKugel法を選択する施設は多いが 術後出血などの 合併症も報告されている 今回我々は Kugel法術後に再出血 した例を経験したので報告する 症例は84歳女性 心房細動 に対してワーファリンを服用していた 左鼠径部に手拳大の膨 隆を認め 左鼠径ヘルニアの診断にてワーファリンを手術5日前 に中止した上で Kugel法を施行した ヘルニア分類は日本ヘ ルニア学会 I-3 Nyhus III-Bであった 術後2日目にワーファ リンを再開して退院としたが 術後5日目に下腹部痛及び創周囲 の著明な腫脹 皮下出血斑を認めたため 当院救急外来を受診 された 腹部造影CTにて左鼠径部を中心にcm大の血腫形成を 認め 恥骨背面を走行する血管からのextravasationが確認され た Shock vitalを呈していたため同日緊急止血術を施行した 腹膜前腔を検索したところ恥骨背面から静脈性の出血を認めた ため低温凝固メスにて止血した 術後は脳梗塞や心不全を合併 したが 改善が得られたため術後24日目に自宅退院となった Kugel法は冒頭での利点に加え 内外鼠径ヘルニア 及び大腿ヘ ルニアに同時に対応することが可能であるが 欠点として腹膜 前腔の剥離に際して視野が狭く 術野共有が困難であることが 挙げられる これに起因した恥骨枝や死冠からの術後出血の報 告例も散見しており 当院での対策を含めて報告する
154 P-33 P-34 鼠径ヘルニア術後 3 日目に下腹部にラグビーボール大の血腫 を合併した 例 鼠径ヘルニア嵌頓を機に腹壁瘢痕ヘルニア修復など計 5 回の 手術を要した症例 甲賀 山下 塚崎 雄平 伊藤 吉田 和彦 矢永 淳史 鈴木 公裕 礒垣 富士宮市立病院 外科 憲次 長谷川悠人 矢島 淳 川辺 昭浩 木村 澄鎮 奥村 泰三 拓也 隆介 福島 勝彦 2 尚子 大橋 伸介 東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター 外科 2 東京慈恵会医科大学 附属病院 消化器外科 症例は70代男性 一年程前より左鼠径ヘルニアを指摘されてい たが 心疾患のため保存的に経過をみていた 心疾患術後 左 鼠径部の膨隆が増大し頻回に脱出するため 手術を行う方針 とした 心機能不良かつ抗血栓薬を内服中であったため ヘ パリン化の後に局所麻酔下に手術を行った Ultrapro Hernia 術中は大きな出血なく手術を終え 術後5時間 System 使用 目よりヘパリン化を再開した 術後2日目夜間よりしぶり腹の訴 えを認めた 術後3日目 下腹部膨満著明であったため造影CT 検査を行ったところ 膀胱背面から頭側に向かいラグビーボー ル大の血腫を認め後出血と判断した 下腹部に巨大な血腫を形 成した一方 鼠径部の膨隆は軽度であった 貧血の進行および 血圧の低下を認めたため 赤血球濃厚液を輸血し昇圧剤を併用 した また腹部膨満の訴えが強かったため血腫の穿刺ドレナー ジを行った 術後7日目には血圧安定し昇圧剤を終了した 以後 再出血なく 術後24日目に退院となった 本症例は心疾患術後 のため術後早期にヘパリンを再開しており 後出血のリスクが 高い症例であった 腹膜前腔を剥離した際に生じた細かい血管 からの出血が へパリンの再開に伴い再燃し巨大な血腫を形成 したと考えられた 腹膜前腔に生じた後出血は体表からの観察 では判断が難しいため 出血リスクの高い症例においてはこれ を念頭に置き術後管理を行う必要があると考えらえた はじめに 鼠径ヘルニアは代表的な良性疾患であり しばしば 無治療で経過観察され 嵌頓状態ではじめて救急受診となる症 例もよく経験する 今回 左再発鼠径ヘルニア嵌頓を契機とし 発症し 治療に難渋した症例を経験したので報告する 症例 66歳 男性 50歳頃に左鼠径ヘルニア修復術施行された 再発きたしたが受診することなく自己還納にて経過をみていた 術後6年で 左鼠径ヘルニア嵌頓症状にて当院救急搬送となっ た S状結腸穿孔 汎発性腹膜炎の診断にてハルトマン手術施行 した 退院後か月で再度左鼠径ヘルニアへの 小腸嵌頓にて緊 急手術となった 腹腔内ドレナージ 小腸単閉鎖術を施行 ヘ ルニア修復術も同時に施行 術後創部感染に対して陰圧閉鎖療 法施行 左鼠径ヘルニアは明らかな再発を認めなかったが広範 の腹壁瘢痕ヘルニアを認めた 半年後に人工肛門閉鎖術と同時 に腹壁瘢痕ヘルニアに対してComponents separation法施行 3か月後に左鼠径ヘルニアの再々発を認めメッシュプラグ法にて 修復 更に半年後に右鼠径ヘルニアを発症して メッシュプラ グ法による修復術施行となった 結語 左鼠径ヘルニア再発をきっかけに重篤な状態をきたし 約2年の経過中に様々な外科手術および周術期管理を行い初回手 術から5回の手術を要した 定型化されているとはいえ 鼡径ヘ ルニアの初回手術の重要性および 再発に対する積極的治療の 必要性を示した一例であった P-35 P-36 術後 3 年経過後にメッシュ感染を契機に腸管皮膚瘻を呈し た例 白線ヘルニアを併発した常染色体優性遺伝性多発嚢胞腎の 例 岸 龍一 大島 真船 太一 吉田 田中 圭一 國場 浜松医療センター 消化器外科 隆一 久恒 有徳 小林 幸均 大坪 靖人 菊地 博通 堀越 毅人 2 悠輔 邦康 聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院 消化器 一般外科 2 聖マリア ンナ医科大学 消化器 一般外科 症例は90歳代男性 左鼠径ヘルニア再発にて他院で4回の手術 歴があり4年前 3年前に左内鼠径ヘルニア再発の診断にてそ れぞれ当院でMesh Pulg法によるヘルニア修復術を施行した 左鼠径部の発赤 疼痛を主訴に当院受診 精査の結果 左鼠径 ヘルニア術後創感染と診断した 抗生剤投与にて症状改善した が 約 ヶ月後に症状の再燃を認めたため入院となった 入院 後 切開排膿 膿瘍ドレナージ術を施行 症状は速やかに改善 したため退院となり外来で創洗浄を継続したが約9 ヶ月後 創 部より腸液漏出を認めたため再入院となった 精査の結果 腸 管皮膚瘻の診断にて手術を施行した 開腹するとメッシュプラ グに空腸が強固に癒着し瘻孔形成を認めた 瘻孔部を含めて空 腸を約5cm切除し 感染により黒色に変色したメッシュプラグ は除去した ヘルニア門は大網充填にて修復した 術後約3週間 で退院となり 外来で左鼠径瘻孔部の洗浄を継続したが瘻孔部 の閉鎖には至らなかった その後 プラグ除去術後2年6 ヶ月で 左内鼠径ヘルニア再発を認め術後3年でヘルニア再発に伴う腸閉 塞と診断したため 開腹鼠径ヘルニア修復術を施行した 術後 経過は良好であり術後4 ヶ月経過した現在までヘルニア再発は 認めていない 鼠径ヘルニア修復後のメッシュが消化管と瘻孔 を呈した報告は本邦で5例の報告を認めた 遅発性メッシュ感 染を契機に腸管皮膚瘻を呈した症例を経験したため若干の文献 的考察を加えて報告する 林 忠毅 金井 俊和 はじめに 常染色体優性遺伝性多発性嚢胞腎は腎臓や肝臓に嚢 胞を多発する疾患で 腹腔内圧が亢進し腹壁にヘルニアを合併 する可能性がある 一方 白線ヘルニアは腹壁ヘルニアの一つ で白線の間隙から生じる本邦では比較的まれな疾患である 今 回われわれは常染色体優性遺伝性多発嚢胞腎に合併した白線ヘ ルニアの例を経験したので報告する 症例 43歳 女性 常染色体優性遺伝性多発性嚢胞腎のため に当院に通院中であった 以前から腹部全体が膨満し さらに 上腹部が膨隆し痛みを自覚することがあったが痛みが増悪する ことなく自然に軽快していたため放置していた 当科受診前日 に腹痛が出現し当院救急外来を受診した 来院時心窩部に径約 6cmの膨隆がみられ 腹部CTで消化管の脱出が指摘されたが腸 管の絞扼はなく翌日当科紹介となった 当科受診時に腹痛は消 失 心窩部正中に既知の膨隆と臍部の膨隆を認めた 常染色体 優性遺伝性多発性嚢胞腎に合併した上腹部の白線ヘルニアおよ び臍ヘルニアと診断し 当科受診から2週間後に待機的に白線 ヘルニア根治術 臍ヘルニア根治術を行った 上腹部の白線に 5x20mm 臍部には5x5mmのヘルニア門を認め それぞれ メッシュを用いて修復した 考察 まとめ 常染色体優性遺伝性多発嚢胞腎は進行性の疾患 であり 今後も白線ヘルニアを含めた腹壁ヘルニアの合併 再 発を念頭に置いた経過観察が必要である
155 P-37 P-38 帯状疱疹による偽性腹壁ヘルニアの 3 例 右弓状線ヘルニア陥頓に対して緊急手術を施行した 例 十川 長瀬 勇人 久留島徹大 加藤 佐藤 利行 笠島 浩行 砂原 純 中西 一彰 木村 康弘 上都賀総合病院 外科 ヘルニア専門外来では 腫瘍から静脈瘤まで 腹壁が膨隆した 病態で 腹壁ヘルニアと鑑別を要するさまざまな疾患がコンサ ルトされる その中で 帯状疱疹ウイルスで惹起される分節性 運動神経麻痺での片側性の腹筋麻痺は 偽性腹壁ヘルニアとし て 皮膚科や神経内科からの報告が散見される 誤って手術す ることはないと思われるが 外科医としても膨隆の形態を認知 している必要がある 今回ヘルニア専門外来で 比較的短期間 に3症例経験し それほどまれな病態ではないと思われた 最近 ボツリヌス毒素などで 人工的に腹筋麻痺を作り 術後の腹壁 緊張を弱める試みもなされており 分節的神経ブロックでQOL に影響せず腹筋麻痺を作ることができる知見は 参考にもなる と考え 供覧する 症例 60歳女性 平成27年5月受診 7日 前に右Th0領域の帯状疱疹の診断 5日前から右腹部の膨隆 痛みなし 筋力低下の自覚なし 症例2 69歳女性 平成27年 月受診 8週間前に右L領域の帯状疱疹の診断 7週間前か ら右下腹部の膨隆 症例3 62歳男性 平成29年月受診 週 間前左腹部膨隆で他院受診 同時期からの左腹背部痛と皮疹で 皮膚科受診し 帯状疱疹の診断 腹部膨隆について当科紹介 いずれの症例でも 検査値に異状はなく 神経学的検査は行わ なかった 症例,2は電話再審の結果 3から4か月で膨隆は改 善したことがわかった 市立函館病院 消化器外科 2 市立函館病院 乳腺外科 P-40 左腎摘出術後に認めた腰ヘルニアの 例 清哉,2 大津 伸也 伸作 2 はじめに 弓状線ヘルニアは 弓状線の尾側から腹直筋の背側 に入り込む極めて稀な腹壁ヘルニアである 今回われわれは 右弓状線ヘルニア陥頓に対して緊急手術を施行した例を経験し たため報告する 症例 87歳 女性 腹部手術歴なし 突然発症の心窩部痛を主 訴に当院へ救急搬送となった CTにて右弓状線の頭側 右外腹 斜筋 腹直筋の背側に巨大なヘルニア嚢が認められ 大網およ び横行結腸が脱出していた 用手的に腹腔内への還納を試みた が 完全には還納できなかったため腹壁ヘルニア陥頓として緊 急開腹手術を行った 手術所見では右側の弓状線の尾側に径3横 指程度のヘルニア門が認められたため右弓状線ヘルニアと診断 し 陥頓していた大網を腹腔内へ還納した ヘルニア門の周囲 組織は脆弱ではなかったため ヘルニア門の修復は縫合閉鎖の みとした 現在 術後3カ月であり再発は認めていない 考察 結語 弓状線ヘルニアは極めて稀な疾患であり 医中誌 で検索しうる限りでは本邦での報告例はない 診断の際にはCT で有用であり 特徴的な所見を呈するため 疾患概念を認識し ておくことが肝要である 治療方針についても一定の見解はな いが 近年では腹腔鏡下手術やメッシュを使用した修復が報告 されており 今後の検討が必要である P-39 吉田 紘一 植木 正男 鈴木 将路 2 斎藤 良太 2 野尻 富士市立中央病院 外科 2 守谷慶友病院 外科 上腰ヘルニアに対して腹腔鏡下修復術を施行した 2 例 卓也 2 木谷光太郎 井上 啓介 近畿大学 医学部 奈良病院 消化器外科 症例は80歳代 女性 27年前に経後腹膜的左腎摘出術の既往が あり 最近左腰背部 特に前回の手術創の一部に一致して 痛 みとともに膨隆を認めるようになったため当院を受診した 腹 部CT検査で創部に一致して下行結腸の一部脱出を認め 腰ヘ ルニアと診断した 204年0月に左側臥位にて手術を行った ヘルニア直上 腎摘時の切開創に沿って皮切を施行 直下に 3x5cmのヘルニア門を認めた ヘルニア門周囲を剥離したが 内側にメッシュを展開するのには十分なスペースを確保できな かった ヘルニア門を閉鎖したのち ヘルニア門の上にメッ シュを貼付 固定して補強とし ヘルニアを修復した 術後合 併症なく0病日に退院した 腰ヘルニアは稀な疾患であり 左 腎摘出術後に認めた腰ヘルニアの例を経験したので報告する はじめに 当院では腹壁瘢痕ヘルニアに対して腹腔鏡下修復術 を第一選択としている これまで約30例の症例に施行してき た 今回 稀な上腰ヘルニアに対して腹腔鏡下修復術を2例に施 行したため報告する 症例 70歳 男性 左腎癌に対する腹腔鏡下腎摘出後にヘル ニアを発生した 3ポートにて施行しヘルニア門90 0mmに 対して VENTRALIGHT STを使用して3点指示糸による仮固 定の後にタッカーにて腹壁と固定した 手術時間56分 出血 少量で術後合併症なく6日目に退院となった 症例2 78歳 女性 腰椎圧迫骨折時に右腰部を打撲しヘルニ アを発生した 結腸肝弯曲部が脱出している状態であった 4 ポートにて開始した 脱出している結腸の癒着を剥離し ヘル ニア門33 24mmに対してV-Locを用いてヘルニア門を縫合閉 鎖した後にVENTRALIGHT STを貼付しスクロール法により メッシュシートを固定した 手術時間8分 出血2mlで 術 後合併症なく4日目に退院となった 考察 腰ヘルニアは比較的稀な部位のヘルニアであるが 腹腔 鏡下修復術の有用性が多数報告されている 当院における2例 においても術後症状消失しておりまた疼痛も軽度であり有用で あった まとめ 比較的稀な上腰ヘルニアにして腹腔鏡下修復術を施行 した症例を報告した 確実にヘルニア内容を剥離した上でメッ シュシートにより修復可能な腹腔鏡下手術は腰ヘルニアにおい ても有用であると考えられた
156 P-4 P-42 腰三角ヘルニアの 例 鎌田 哲平 石田 航太 三澤 帯状疱疹後の偽性腹壁ヘルニアの 例 健之 秋葉 東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科 直志 阿部 馨 蛭川 立川綜合病院 外科 症例は74歳女性 右腰背部の膨隆を主訴に前医を受診し右腰ヘ ルニアの診断で当院を紹介された 嵌頓症状は認めていなかっ たが 違和感と疼痛を訴えていた CT検査では腰三角から脱 出する上行結腸を認めており ヘルニア内容物と考えた 平成 28年月に手術を行った 2度の婦人科手術の既往と亀背も認め ていたため 腹腔鏡下での手術は困難であると判断し 開腹手 術を行った 左側臥位をとり ヘルニア門直上に皮切を加え外 腹斜筋腱膜を広範に露出し剥離した 約4cmのヘルニア門を認 め 第8肋骨 広背筋筋膜 腸骨稜 腹直筋前鞘まで全周性に 剥離を行った ヘルニア門を単閉鎖した後 Bard meshを用い て周囲組織として肋骨は第8 2肋骨に 腸骨はbone anchor fixative deviceを使用して固定し手術を終了した 手術時間は2 時間5分 出血量は少量であった 術後創部の浸出液貯留や感 染を認めず 術後第0病日で軽快退院した 術後2 ヶ月目のCT 検査で再発を認めていない 今回我々は比較的稀な腰三角ヘル ニアに対するonlay修復術を行ったので文献的考察を加えて報告 する 浩史 沼野 史典 福田進太郎 多田 哲也 症例は67歳 男性 左側腹部から背部にかけての帯状疱疹を発 症し 皮膚科にて加療中であった しかし 帯状疱疹発症3日 目頃より左側腹部の膨隆が出現したため 精査目的に当院消化 器内科を受診した 腹部CT 上下部消化管内視鏡検査では異常 所見を認めず 腹壁ヘルニア疑いと診断され根治手術目的に当 科紹介となった 当科初診時 帯状疱疹発症約2か月半後 左側 腹部に膨隆を認め 同部位の疼痛と触覚の低下も認めた 帯状 疱疹後の腹筋麻痺による偽性腹壁ヘルニアと診断し ビタミン B2内服による保存治療を行った 3か月後の当科受診時には腹 部の膨隆は消失し その後再発を認めていない 帯状疱疹後の 後遺症として顔面神経麻痺や四肢の運動麻痺が生じうることは 比較的知られているが 腹筋麻痺による腹部膨隆が起こること は稀である 腹壁ヘルニア疑い患者を診察する際には 神経麻 痺に伴う偽性ヘルニアを鑑別疾患のひとつとして考慮する必要 がある P2- P2-2 腹腔静脈シャント造設後症例に対して腹腔鏡下臍ヘルニア修 復術を施行した 例 腹腔鏡下高位前方切除術後に生じたポートサイトヘルニアの 一例 梅邑 晃 須藤 藤原 久貴 2 岩谷 肥田 圭介 高原 佐々木 章 柳垣 隆之 2 中村 岳 新田 武志 木村 聖華 2 遠藤 浩幸 大塚 祐輔 秋山 史隆 幸喜 有史 充 杉原 麻生総合病院 外科 岩手医科大学 外科 2 盛岡市立病院 外科 はじめに 肝硬変患者は腹水貯留による腹圧上昇のため臍ヘル ニア UH を合併しやすいことが報告されている また 肝硬変 患者のUHは嵌頓しやすく致命率も高い 今回 腹腔静脈シャン ト PVS 造設後の肝硬変患者に発症したUHに対して腹腔鏡下臍 ヘルニア修復術 LUHR を施行したので報告する 症例 62歳 女性 C型肝炎ウイルスによる非代償性肝硬変と 診断された 腹水貯留に対してPVSを造設されたが UHに間 欠的に腸管が嵌頓するようになったためLUHRを施行した ま ず 気腹による二酸化炭素の血管内流入を防止するため腹腔か らチャンバーへのカテーテルを遮断した 術中は 気腹圧を 6mmHgに設定し 中心静脈圧を測定して気腹圧付近で管理し た ヘルニア門にメッシュを展開し double crown法で固定し てUHLRを行った 手術終了時は 気腹をゆっくりと解除しな がら生理食塩水00mLを腹腔に注入して脱気を行った 第2病 日のCT検査で腹腔に残留気体がないことを確認し 術後4日目 に退院となった 考察 あらゆる腹腔シャント造設術後の腹腔鏡下手術では 二 酸化炭素の逆流という問題が生じる 多くのシャントデバイス で逆止弁が用いられているものの 空気塞栓が致死的な合併症 であるため腹腔鏡下手術は禁忌とされている われわれは 術 中のシャントカテーテルの遮断 気腹圧と中心静脈圧の管理 脱気時に生理食塩水の充填を行うことで術中の二酸化炭素の逆 流と術後遺残を防止した 哲郎 山本 真司 楠山 明 背景 ポートサイトヘルニアは比較的稀な合併症であったが 腹腔鏡手術の普及に伴いその報告数は増加してきている 今回 我々は 腹腔鏡下高位前方切除術後にポートサイトヘルニアを 発症し 腸切除術を施行した例を経験したので報告する 症例 92歳 男性 既往歴 高血圧症 便潜血陽性に伴う大腸 内視鏡検査で直腸癌を認め 精査の結果 直腸癌cStageIと診 断し腹腔鏡下高位前方切除術を施行した 手術の際 右下腹部 の2mmポートより0mm径のデュープルドレーンを留置した 術後経過は良好であり 第6病日に右下腹部の2mmポートより 挿入されたドレーンを抜去した ドレーン抜去後0時間後に腹 痛が出現し ドレーン抜去部の創より約20cmに渡り小腸が腹壁 外へ完全に脱出し嵌頓 血流障害を呈していた ポートサイト ヘルニアによる絞扼性腸閉塞と診断し 同日緊急手術を施行し た 再手術では 右下腹部の創部を上下方向に約5cmの皮膚切 開を行い 筋膜を切開し 小腸の嵌頓を解除したが 回腸に約 20cmにわたり腸管壊死を伴う血流障害を認めたため 同部位を 腸切除した その後の経過は良好で 再手術後第2病日に退院 した 結語 2mmポート創はポートサイトヘルニアを生じる可能性 があり 適切な対策を講じなければならない
157 P2-3 P2-4 腹腔鏡下に修復術を行った腎部分切除後の肋間に形成された 腹壁瘢痕ヘルニアの 例 Covering ileostomy 閉鎖部に発生した Spiegelian hernia の一例 田辺 石神 大川 寛 南曲 純也 夏越 康多 恵 祥次 2 浩一 中島 三郎 淳 前田 庄平 吉川 東宝塚さとう病院 外科 鹿児島県立大島病院 2 鹿児島大学大学院 消化器 乳腺甲状腺外科学 腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニアは近年普及してきており様々な部位 の腹壁瘢痕ヘルニアに対して行われている 今回我々は 腎部 分切除後の肋間斜切開創に形成された腹壁瘢痕ヘルニアに対し て腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術を施行した一例を経験した ので報告する 症例は83歳女性で 左側腹部の膨隆と疼痛を主 訴に当科外来受診 CTで脾臓下縁付近に腹壁の膨隆を認め腸管 の脱出あり 腹壁瘢痕ヘルニアと診断した 3年前に左腎腫瘍 に対して腎部分切除術を施行されていた 左第0 肋間を斜 切開し後腹膜腔にアプローチしていた 手術は右側臥位で行っ た 腹腔鏡下に観察すると左側腹部の肋間に4x8cmのヘルニア 門を認めた ヘルニア門の縫縮を試みたが肋間でありヘルニア 門が寄り切らないと判断し断念した 0x5cmのSymbotexTM Composite meshをダブルロールテクニックを用いて腹腔内に 展開しSECURESTRAPTMで腹壁に固定し 2-0ナイロンによる 腹壁全層固定を0か所追加した 肋骨上はタッキングを避けた ためメッシュ頭側はダブルクラウン法を施行できず 代わりに 腹壁全層固定を5か所施行し補強した 肋間神経や肋間動静脈を 避けるため肋骨下縁へのタッキングは行わず 術後経過は良好 で疼痛に対してはNSAIDS頓服で自制内だった 肋間斜切開創 に腹壁瘢痕ヘルニアが起こることは稀であるが 本症例のよう に術式を工夫することで腹腔鏡下において安全に確実に修復す ることが可能であると思われた 正人 Spiegelian herniaは比較的稀な 腹壁ヘルニアの一つで 肥 満 外傷 手術などを契機に発症する 今回 直腸癌に対する 腹腔鏡下低位前方切除術時に併設されたCovering ileostomyの 閉鎖部に発生したSpiegelian herniaの一例を経験した 症例 68歳 女性 現 病 歴 202/7 直 腸 癌 に 対 し Lap slar D3 施 行 Covering ileostomyも併設された 202/2 回腸瘻閉鎖術 施行 術後3年目頃より 回腸瘻閉鎖部に痛みを訴えていたが CT上 ヘルニアは指摘されず その後も疼痛は時々認められ 206/9のCTで右下腹部に小腸の脱出を認め 腹壁瘢痕ヘルニ アと診断 当院へ紹介となった 現症 右下腹部に2.5cmの腹壁の欠損を認めた 努責にて膨隆 も確認された 経過 腹壁瘢痕ヘルニアの診断にて /8腹腔鏡下腹壁ヘル ニア根治術を施行 腹腔内観察にてSpiegel筋膜の緩みと 右腹 直筋外縁に2.5cmのヘルニア門を認め Spiegelian herniaと診 断 ヘルニア門および weak triangular areaを含めてipom plusにて修復した 術後経過良好で退院となった 考 察 今 回 Covering ileostomyの 閉 鎖 部 に 発 生 し た Spiegelian herniaの一例を経験した Covering ileostomy作 成部位やトロッカー ドレーン挿入部位 腸瘻閉鎖術など 医 原性ヘルニアを作らないように注意する必要があると思われた P2-5 P2-6 当科で経験した腎移植後の移植側の鼡径部 腹壁瘢痕ヘルニ ア手術症例 Keyhole 法にて修復 7 年後に回腸導管皮膚瘻小腸穿孔を来 した傍ストマヘルニアの 例 本田 善子 酒井 船橋 公彦 2 瓜田 吉田 小野 2 隆光 鈴木 純久 島田 孝之 島田 長人 英昭 2 東邦大学医療センター 大森病院 総合診療 急病センター外科 東邦大学医療センター 大森病院 消化器センター外科 誠 齋藤 栄治 JR 広島病院 当科の腎移植側の鼠径部ヘルニア手術2症例 腹壁瘢痕ヘルニア 手術2症例を報告する 症例 5歳 男性 移植から6年後に 移植側の右鼡径部腫脹を自覚し 右鼡径ヘルニアの診断で手術 を施行した JHS分類2-3で Direct Kugel Patch L を用いた 周囲組織は脆弱でありonlay sheetも用いた 症例2 69歳 男 性 移植から5か月後に両側鼡径部腫脹を自覚し 両側鼡径ヘル ニアの診断で手術を施行した 移植側はJHS-2で 創周囲の癒 着があり移植後の腎動静脈 尿管への影響を考慮し Ultrapro Hernia Systemをトリミングして使用した 症例3 46歳 男 性 移植から4か月後に右下腹部腫脹を自覚し 腹壁瘢痕ヘルニ アの診断で手術を施行した 腹筋が菲薄化し移植腎が腹膜前腔 にあることから 内腹斜筋 腹横筋の層々での閉鎖と各々の前 面にSoftmeshを留置した 症例4 52歳 男性 移植から5年 後に下腹部膨隆を自覚し 腹壁瘢痕ヘルニアの診断で手術を施 行した 広範囲の腹筋の萎縮を認めた 腹筋を可及的に層々に 分離 閉鎖し 腹膜前腔 横筋筋膜閉鎖の前面 外腹斜筋腱膜 前面にSoftmeshを留置した 腎移植後の移植側の鼡径部 腹壁 瘢痕ヘルニア症例では 恥骨部での腹直筋切離や腹直筋と外腹 斜筋群の離開といった切開創に係わる問題やステロイド使用の ため組織の脆弱性 そして腹膜前腔の強固な癒着 移植腎や血 管 尿管の損傷回避などヘルニア修復に様々な要因があり 治 療に工夫が必要である 保文 福田 敏勝 矢野 将嗣 岡本 有三 外科 症例は70歳女性 62歳時に膀胱癌に対し膀胱全摘 回腸導管造 設を受けた 年後に傍ストマヘルニアを生じ開腹下にKeyhole 法による修復を受けた 再発したため脱出腸管還納 ヘルニ ア門縫縮術を受けた 再々発したが経過観察された 初回ヘル ニア修復後6年目に回腸導管皮膚瘻を形成し 7年目に脱出し た小腸がメッシュと近接する2か所で穿孔しヘルニア嚢内及び 腹壁内に膿瘍を形成したため緊急に小腸人工肛門増設 膿瘍ド レナージを実施した 全身状態不良により腸管切除は断念し た 腹壁ヘルニアに対し腹腔内にメッシュを留置するいわゆる intraperitoneal mesh bridgingは開腹及び腹腔鏡下に頻繁に行 われている しかし報告されている長期成績は概ね5年でありそ の後の報告は少ない しかし 良性疾患であるヘルニア手術治 療はより長期の合併症の可能性にも留意すべきである
158 P2-7 P2-8 腹腔鏡下に修復した Mesh bulge による再発腹壁瘢痕ヘル ニアの 例 太田 石橋 将仁 新田 孝嗣 敏勝 片岡 淳 冨永 智 川崎 浩資 左鼠径ヘルニア嵌頓に併存した右坐骨ヘルニア嵌頓の 例 金子 堀江 はじめに 腹壁瘢痕ヘルニアは開腹手術後の合併症として比較 的頻度の高い疾患である 腹壁瘢痕ヘルニアに対する腹腔鏡下 腹壁瘢痕ヘルニア修復術 以下 LVHR は202年より保険収載 され 当院でも症例数は増加している しかし合併症として漿 液腫や再発が問題となることがある 今回我々は Mesh bulge による腹壁瘢痕ヘルニア再発に対して腹腔鏡下に修復した例を 経験したので報告する 症例 症例は85歳 男性 平成27年4月に肝細胞癌に対してJ 切開により肝S8部分切除術を施行後 同部に腹壁瘢痕ヘルニア を認めたため 同年0月にLVHRを施行した その後再び同部 に膨隆を認め 翌年2月に再度LVHRを施行した 腹腔鏡での 観察にてMesh bulgeによる腹壁瘢痕ヘルニア再発と診断した ヘルニア門の大きさは0 0cm程と考えたが 前々回の手術 部分が全体に脆弱であった ヘルニア門を完全に覆うように IPOM-Plus法を併用しMeshを2枚使用し閉鎖した 考察 Mesh bulgeは腹圧に応じてmeshそのものが腹壁の外方 に圧排され 臨床的に膨隆と捉えられる 肥満やヘルニア門の 大きい症例で頻度が高く 予防策としてIPOM-Plusなどが検討 されている 今回Mesh bulge再発に対して 腹腔鏡下に修復 した例を経験したが 初回時よりヘルニア門が大きい症例は LVHRでは困難な場合があり ヘルニア門の範囲の同定が難し く CS法の併用など開腹術も検討すべきであると考えられた P2-0 腹壁瘢痕ヘルニア嵌頓整復 狭窄の 例 浩司 小野 賢之 佐久間康成 尚宏 76歳女性 心窩部痛 下腹部痛 嘔吐を主訴に当院へ救急搬送 された 開腹手術歴はない 左鼠径部に弾性硬の腫瘤を触知し 腹部X線で著明な小腸ガス像を認めた 左鼠径ヘルニア嵌頓に よるイレウスと診断し 用手的に整復できたため 経過観察入 院となった 翌日も腹痛が持続したため 腹部造影CTを施行し たところ 右坐骨孔に腸管脱出を認め 右坐骨ヘルニア嵌頓の 診断で緊急手術を施行した 腹腔鏡下に腹腔内を観察したとこ ろ右坐骨ヘルニアの他に右閉鎖孔ヘルニア 右内外鼠径ヘルニ ア 左内鼠径ヘルニアを認め すでに嵌頓は解除されていた 開腹し腸管を観察すると 回腸にRichter型嵌頓を起こしていた と考えられる発赤 浮腫があり その口側腸管のびまん性発赤 を認めた 壊死を認めないため腸切除は行わなかった 右坐骨 孔のヘルニア門は 卵巣 子宮広間膜 周囲組織を用いて被覆 閉鎖した 術後は肺炎や麻痺性イレウスの遷延があったが軽快 し 術後35日目に退院した 坐骨ヘルニアは骨盤底筋群の脆弱 化により発症するとされ 同様の機序で起こる閉鎖孔ヘルニア を合併しうるが 本症例ではさらに鼠径ヘルニアも合併してい た 搬送時の鼠径ヘルニア嵌頓時に造影CTを施行していれば 早期に坐骨ヘルニア嵌頓も診断できた可能性があった 鼠径ヘ ルニア嵌頓時には 速やかに造影CTを撮影すべきであり その 際に他の腹壁ヘルニアを見落とさないように注意が必要である P2-9 医療生協 沖縄協同病院 大 下平健太郎 井上 好則 北山 丈二 佐田 自治医科大学 消化器 一般外科 春秋会城山病院 消化器センター 外科 川上 勇貴 小泉 久永 細谷 IPOM 後に発症した虚血性小腸 武 術後 7 年目にメッシュによる腸管皮膚瘻を生じた腹壁瘢痕ヘ ルニアの 例 中尾 武 済生会中和病院 外科 症例は38歳 男性 既往 ダウン症 数年前の詳細不明の腸閉 塞手術 DM 肥満症腹壁瘢痕ヘルニアの嵌頓で当院救急外来を 受診 用手還納し2日後に手術を施行 CT計測上ヘルニア門は 7cm径で術式はIPOMを選択した術中ヘルニア門に一部癒着し た小腸を認めた 癒着を鋭的 鈍的に腹壁より剥離したヘルニ ア門に嵌頓していたと思われる小腸は一塊となり団子状に癒着 していた 腸管の色調には問題なく 嵌頓で来院する半日前ま では食事 排便とも問題ないことから 一塊となった小腸には 手を付けずIPOMを施行 Bard Composix Meshを使用し た PODより食事開始したが 嘔吐あり腹部レントゲン上腸 閉塞の所見あり 絶食 点滴を施行 ダウン症のため本人の協 力が得られず減圧チューブの挿入は不可能であった 後日施行 した腹部造影CTで虚血性腸炎による腸管狭窄と判断し開腹メッ シュ除去 小腸部分切除施行 CS法による閉鎖を考慮したが皮 下を十分に剥離することで筋膜は縫合閉鎖可能となった 医中 誌で 虚血性小腸狭窄 ヘルニア で検索すると鼠径ヘルニア 大腿ヘルニア 臍ヘルニア嵌頓後の小腸狭窄の報告は存在した が 腹壁瘢痕ヘルニアではヒットしなかった この症例のよう にIPOM後に腸管切除の可能性のある例に関してはより慎重な 術式の適応が重要であると考えられた 症例は68歳女性 25歳時に胆嚢摘出術を受け 40歳時より腹 壁瘢痕ヘルニアを認めたが 放置していた 痛みが出るように なり 60歳時に当院でComposix Kugel Patch 27 22cmを使 用した腹壁瘢痕ヘルニア根治術を施行した 68歳時に腹部の皮 下膿瘍が出現し 近医で加療を受けていた 前医に紹介され 手術を行った当院に紹介された 臍右側に排膿部を認めた 腹 部造影CT検査でメッシュの腹側に膿瘍形成を認めた 排膿部か らの造影検査で小腸と思われる腸管が描出された メッシュ留 置に起因する腸管皮膚瘻形成と診断し メッシュ除去術 小腸 部分切除 Component separation法を施行した 術後皮下膿 瘍を認めたが 保存的に軽快した メッシュは ヘルニアの再 発リスクを低減すると考えられ 修復術の補助として一般に用 いられているが メッシュ留置に伴う長期的な合併症の発生に 注意する必要がある
159 P2- P2-2 2 度のメッシュ修復後に再々発を来した腹壁瘢痕ヘルニアに 腹腔鏡下修復術を施行した 例 宮國 武田 保谷 憲昭 篠原万里枝 高野 光正 岩崎 泰三 金井 芳行 羽生 信義 靖大 梶 沙友里 小郷 秀樹 川崎 成郎 平野 桃子 純 ヘルニア嚢解放を先行する腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術 LVHR の経験 大谷 若月 町田市民病院 外科 序文 腹壁瘢痕ヘルニアは腹部手術の合併症の一つであり 開 腹手術の約3-23%に認められると報告されている 当科で経 験した腹壁瘢痕ヘルニアの再々発症例に関して報告する 症例 症例は70歳代女性 2008年に横行結腸癌に対して結腸 部分切除術 上下腹部正中切開 施行した 200年 臍下部に を認め 単閉鎖+メッシュ 腹壁瘢痕ヘルニア 80 mm x 50 mm Onlay による修復術を施行した その後 204年に再発 90 mm x 70 mm を認め 50 mm x 50 mmのメッシュを使用 し腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術 IPOM を施行した しか し 207年に腹痛 腹部膨満 腰痛を自覚し 精査の結果 腹 壁瘢痕ヘルニアの再々発 80 mm x 70 mm と診断した 再々 手術として腹腔鏡下IPOMを施行した 術中所見 臍部にカメラポート 左右側腹部に5 mmポートをそ れぞれ挿入した 腹腔内を観察すると前回固定されたメッシュ は下方でたわんでいた メッシュの下縁はヘルニア門下縁に位 置しており 十分にヘルニア門を覆っていない状況であった 前回使用したメッシュを5 cm以上にオーバーラップするように 200 mm x 200 mmのメッシュを用いることとした メッシュ の下縁が膀胱にかかることが予想されたため 膀胱を十分に剥 離し 下方へ落とした メッシュはタッカーを用いてダブルク ラウン法で腹壁に固定した 結語 腹壁瘢痕ヘルニアの再々発に対して腹腔鏡下IPOMを施 行し 良好な結果が得られた 和夫 2 梶谷 宏2 真司 2 松江市立病院 腫瘍化学療法 一般外科 2 松江市立病院 消化器外科 P2-4 当院肝胆膵外科における腹壁瘢痕ヘルニアに対する治療 有希 内田 敬教 2 倉吉 菊弘 2 吉岡 はじめに LVHRの際 通常st. trocarはopen法かoptical法で 挿入されることが多い しかし 高度肥満者の場合には容易で は無く 有用な方法を模索していた そこで ヘルニア嚢を解 放を先行し そこからtrocarを挿入して腹腔内観察後に以降の 操作を進めるという手技を数例に試み いくつかの知見を得た ので報告する 方法 結果 200年9月 206年2月に各種腹壁ヘルニアに 対して外科手術を施行した4例の内 LVHRは20例で ヘルニ ア嚢解放を先行した症例は5例 25% BMIの平均は29.6 ヘ ルニア嚢は2-6cmであった 解放したヘルニア嚢から2mm trocarを挿入し 気腹後に腹腔鏡観察下に2-5-5mmのtrocar を挿入後 一度気腹を止めてからヘルニア嚢の切除後に直上の 皮下組織 真皮を縫合閉鎖し 後の操作は通常のLVHRと同様 に進めた 使用したprosthesis 腹壁固定方法は通常と同様に した 術後合併症 CD分類II以上 は経験しなかった まとめ この手技は 特に腹壁が厚い肥満者でヘルニア門が臍 近傍にある症例では有用であった しかし 創部感染のriskを 上げる可能性を含んでいると思われ 今後の慎重な術後follow が必要である P2-3 梅谷 裕 山田 俊郎 2 河野 信治 亀井 久留米大学病院 外科学講座 英樹 奥田 康司 赤木 大腸癌に対する腹腔鏡下大腸切除術後に発症したポートサイ トヘルニアの検討 由人 はじめに 当院肝胆膵領域における術後腹壁瘢痕ヘルニアに対 して 手術を行った症例を検討した 対象と方法 204年4月 か ら206年2月 ま で に 当 院 に て 腹 壁瘢痕ヘルニア根治術を施行した0症例を対象にPOSSUM scoreを用いて 腹壁瘢痕ヘルニアの原因となった手術の侵襲度 を数値化し retrospectiveに解析した 結果 0例の平均年齢は65歳 女性3例 男性7例 平均BMI は23.8.平均手術時間は220 7分であった 内 3例は開腹 RFA 部分切除術と同時内例は形成外科との合同手術 術式 はメッシュを用いた症例が6例 メッシュを用いずヘルニア門の みを閉鎖した症例が4例 平均在院日数は9 7日であった ス コアが高い症例では メッシュが使われていない症例が多かっ た 考察 手術侵襲度の高い手術後の症例の腹壁瘢痕ヘルニアでは 次回手術加療を行う可能性を考慮して 術者はメッシュを使わ ない術式を選択する傾向にあった 結語 手術侵襲度は腹壁瘢痕ヘルニアに対する術式の選択に寄 与する可能性がある 坂本 高橋 一博 高橋 玄 小島 里奈 岡澤 豊 裕 水越 幸輔 柳沼 行宏 順天堂大学下部消化管外科 はじめに ポートサイトヘルニア PSH は 腹腔鏡手術やロ ボット手術時に挿入したポート孔に発生するヘルニアで その 頻度は0.5 2%と報告されている 当科で経験したPSHにつ いて検討した 対象 対象は 206年までに大腸癌に対して腹腔鏡下大腸切除 術を施行した475例で 4例 0.27 に術後PSHが発症した 結果 4例の内訳は 男性 例 女性 3例で 52 7歳で あった 腫瘍の占居部位は S 2例 D:例 RS:例であっ た 併存疾患は例にアミロイドーシスを認めた PSHが発生 したポート孔 直径 は 0mm 2例 mm 例 5mm 例で 3例にはポート部にドレーンを挿入していた ヘルニア内 容は小腸 3例 大網 例であった 治療は全例に手術を施行 し 2例に腹腔鏡観察を併用した 小腸が脱出した3例はいずれ もRichterヘルニアを呈しており 小腸部分切除術を施行した 現在では 0mm以上のポート孔は 吸収糸で筋膜 腹膜閉鎖 を施行している また ドレーンを挿入も際には 5mmポート 孔を用いて可能な限り腹膜外を這わせるようにルートを入れな おし 2mmポートを用いる場合には 吸収糸で筋膜 腹膜閉 鎖を併用している まとめ 腹腔鏡手術術後イレウスの一つとしてPSHを認識して おく必要がある また ポート部の筋膜 腹膜閉鎖がPSHの予 防には有用と考えられた
160 P2-5 P2-6 骨盤腫瘍術後ヘルニアに対する修復術について 当院における腹壁瘢痕ヘルニアの治療成績 佃 上野 横山 宇山 和憲 浅野 博昭 岡山大学病院 低侵襲治療センター はじめに 骨盤の軟部悪性腫瘍に対し広汎切除後が行われてい るが 術後に腹壁ヘルニアを発生することがある 骨軟部組織 の欠損範囲により発生する腹壁ヘルニアのタイプが異なるため 修復法をその都度考慮する必要がある 当科では当該3症例を経 験し 良好な成績を得たため報告する 症例 症例は3例 46歳女性の腸骨軟骨肉腫術後に 残存する 腸骨と腹直筋外縁をヘルニア門とする5x9cmのヘルニアが発 生した Prolene meshをunderlayに用い修復した 43歳男性 の腸坐骨軟骨肉腫術後は 腸骨が欠損しており 腸腰筋と腹斜 筋をヘルニア門とする0x5cmのヘルニアが発生した 同様に Prolene meshを用いて修復した 5歳女性の恥坐骨軟骨肉腫 後には 欠損する恥骨部に膀胱が滑脱型に脱出しており ヘル ニア門はおよそ5x4cm大であった 膀胱前腔にPolysoft mesh を留置し修復した いずれの症例も術後の再発を認めていない まとめ 本症は欠損範囲によりヘルニアのタイプが異なるため 手術方法 使用するProsthesisを選択する必要があり いろい ろな術式 Prosthesisに精通する必要があると考えた 剛平 野間 智至 米永 志朗 淳之 益田 吉邦 伊東 充 宮本 大輔 山下 匠 細川 好人 一宮 慎一 正人 日本赤十字社和歌山医療センター はじめに 当院では施設自体の腹腔鏡手術の増加に伴い 204 年から腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア根治術 以下 LVHR を導入 している 目的 当院における従来法による腹壁瘢痕ヘルニアを後方視的 に評価し LVHRの導入後の治療成績と比較した 対象 方法 202年から206年までに当科で施行した計53例 の腹壁瘢痕ヘルニア症例に対して後ろ向きに検討した 手術手技 当院でのLVHRはopen methodによるfirst port挿入 から5mmポートを2本挿入し 計3ポートとし手術を開始して いる 適宜対側に5mmポートを本追加 メッシュは生分解性 コーティングメッシュのダブルクラウン法による固定を行って いる 固定にはタッカーとtransfascial sutureを併用している 結果 LVHR計8例における手術平均時間は50分 出血量は 6.3ml 術後在院日数は3.6日であった 食事摂取は全て翌日か ら開始し 合併症 再手術は今のところ認めていない それと 比べて従来法では再発3例 SSI例 漿液腫2例 血腫例 麻 痺性イレウス例と再発 合併症が散見された 考察 LVHRは観察期間が短く再発率に関しては今後も慎重な 経過観察が必要であるが 早期の合併症なく 術後在院日数に 関しても短い傾向にある 結語 LVHRは安全 確実に施行可能な腹壁瘢痕ヘルニアの修 復法であると考えられた P2-7 P2-8 恥骨後前立腺全摘出術後に発症し治療に難渋した鼠径ヘルニ アの一例 当院における前立腺全摘術後鼠径ヘルニア修復術 前方アプ ローチ法 白井 長江 逸郎 林 大野 芳正 2 大堀 祥睦,2 野尻 卓也,2 吉岡 聡,2 矢永 守谷慶友病院 東京慈恵会医科大学 外科学講座 勝彦 2 症例は76歳男性 206年に前立腺癌に対し恥骨後式前立腺全 摘出術を施行した 術後3 ヶ月より左鼠径部に0x0cm大の膨 隆を認め CT 理学所見から鼠径ヘルニアと診断し 手術を施 行した 鼠径管内は高度に癒着しており剥離操作は困難であっ たが 内鼠径ヘルニア JHS II-3 と診断しMesh-Plug法にて 修復した しかし術後2か月でくしゃみを契機に恥骨左側に再 度膨隆を認め ヘルニア再発と診断した 触診上ヘルニア門は cm大 ずれたメッシュを触知した CTでは内容物は大網 腸 間膜脂肪織 S状結腸および膀胱の一部であり 鼠径ヘルニア 再発および腹壁瘢痕ヘルニアと診断した 2種類のヘルニア合 併と診断したため 開腹での修復を選択した 下腹部正中で皮 膚切開し 腹膜前腔からRetzius腔にかけて広範に剥離して左 右Hesselbach三角を露出した 再発原因は内鼠径ヘルニアで あり 明らかな腹壁瘢痕ヘルニアは認めなかった 7x0cm のメッシュを同部に広範に展開 縫合固定し補強とした 再手 術後にヘルニア再発を認めていない 前立腺全摘出術後に020%程度で鼠径ヘルニアが発症し 特に外鼠径ヘルニアがその 80%以上と報告されている 本症例は内鼠径ヘルニアであり比 較的稀であることに加えて ヘルニア門が大きく治療に難渋し たため 若干の文献的考察を加えて報告する 豊 西村 理 2 勝又 絵美 権藤 健次 土田 立男 2 明彦 東京医科大学 消化器 小児外科 2 東京医科大学 泌尿器科 当院泌尿器科では2000年に前立腺癌に対して腹腔鏡下手術が導 入され 2006年からはロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘 除術 ダビンチ前立腺手術 が主流となり 現在年間250例を超 える手術が行われている そのうち 200年 206年にかけ て術後鼠径ヘルニアを発症し当科で手術を行った症例は29例で あった 今回 前立腺癌術後 特にダビンチ術後 鼠径ヘルニア 症例に対する当科での手術を供覧する ヘルニア手術は前方ア プローチで行い 鼠径管の開放から精索の把持までは従来通り であるが 内鼠径輪の処置 腹膜前腔の剥離 パリエタリゼー ションに関しては前立腺手術の影響下で処置を行わなければな らない 従来の前立腺癌手術の場合 内鼠径輪の内側 下方 後壁にあたる腹膜前腔の腹膜は切開された状態になっており空 間を確保することは不可能であるが パリエタリゼーション並 びにLateral triangleの剥離は可能であった しかし 最近では ダビンチ前立腺手術時に鼠径ヘルニア発症防止目的で内鼠径輪 部の腹膜鞘状突起を切断する処置が加えられているケースもあ る 我々は現在ヘルニア手術前に前立腺手術時のビデオを確認 し腹膜前腔の剥離範囲を確定 使用するデバイスはPHSを用い 腹膜前腔剥離範囲に合わせてUnderlay patchをトリミングし挿 入 Connector部分を内鼠径輪に縫着 Onlay patchを従来通 り展開しMeshの留置を完了している 現在のところ再発症例は ない
161 P2-9 P2-20 腹腔鏡下前立腺全摘術後早期に発症した TAPP 術後鼠径ヘル ニア再発の一例 腹膜前腔剥離歴を有する鼠径部ヘルニアに対する TAPP の是非 保 佐賀大学 医学部 一般 消化器外科 清和 月田 呉羽総合病院 外科 茂之 緑川 靖彦 はじめに われわれは 腹腔鏡下前立腺全摘術後早期に鼠径ヘ ルニアを再発した症例を経験したので報告する 症例 69歳男性 両側鼠径ヘルニア Rt.JHS分類I-2, Lt.JHS分 類II- の診断で 3D light mesh Rt.sizeM, Lt. sizel を用 いたTAPPを施行した 術前検査で指摘された前立腺肥大およ びPSA高値に関してTAPP術後泌尿器科へ紹介受診したところ 前立腺癌の診断となり ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術を 行った 前立腺手術2 ヶ月後 右鼠径部の膨隆症状で 鼠径ヘ ルニアを再発した 初回手術に腹膜前修復法を選択していたの で 再発手術は鼠径部切開法を選択した 再発手術所見では Mesh内側にヘルニア再発を認め Mesh-Plugを用い手術を行っ た 再発術後6 ヶ月経過しているが 現時点で再発は認めてい ない 考察 腹腔鏡下前立腺全摘術のカメラ挿入直後の術中腹腔内観 察画像では 鼠径ヘルニア再発は認めなかった 前立腺摘出手 術が鼠径ヘルニア発症のリスク因子であることは 鼠径ヘルニ ア診療ガイドライン205のエビデンスレベルIIIとして記載され ている 今回の症例を経験し 鼠径ヘルニアの術前検査で前立 腺肥大の有無や必要に応じてPSA値のチェック 泌尿器科への コンサルテーションを行い 鼠径ヘルニア手術時期を考慮する ことはヘルニア再発予防法として重要と思われた 中村 紀幸 田中 智和 岩崎 寛智 能城 浩和 はじめに 鼠径部ヘルニアに対する腹腔鏡下手術は 視認下に 適確な層でメッシュを展開することが可能であり 術後疼痛が 少なく社会復帰が早いと報告されている 一方で 腹膜前腔の 剥離歴を有する症例においては 至適剥離層の維持や十分な メッシュ展開 腹膜閉鎖が困難で手術操作に難渋することが多 い 目 的 腹 膜 前 腔 の 剥 離 歴 を 有 す る 鼠 径 部 ヘ ル ニ ア に 対 す る TAPPの安全性および妥当性を検証する 方法 20年9月 206年2月の鼠径部ヘルニア患者85例 のうちTAPPを施行した60例を対象とし 腹膜前腔剥離歴を有 する6例 A群 とそれ以外の44例 B群 における手術成績を統 計学的に比較検討する 結果 A群 の 内 訳 は 前 立 腺 全 摘 後2例 膀 胱 全 摘 後2例 TAPP後の再発ヘルニア2例であった 手術時間はA群58.分 B群33.分 出血量はA群.6分 B群.4分 術後在院日数は A群2.9日 B群3.5日であった 漿液腫はA群4例 うち穿刺を要 したもの2例 B群27例 うち穿刺を要したもの5例 に認めた また 多変量解析において 術後4週以上続く愁訴と関連する術 前因子として PS不良 陰嚢ヘルニア 腹膜前腔の剥離歴が抽 出された 考察 腹膜前腔の剥離歴を有する症例に対するTAPPは 術後 長期にわたって疼痛や違和感 漿液腫が残存する可能性があり 慎重に適応を決定すべきである P2-2 P2-22 前立腺癌術後鼠径部ヘルニアに対する TAPP 大内 昌和 福永 吉川征一郎 神田 野本 潤 淳 江川 正氣 福永 聡 平崎 哲 永仮 憲範 東 ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘術 RALP 後鼠径 ヘルニアに対する前方切開手術 邦彦 飯田 義人 大輔 小浜信太郎 津村 裕昭 金廣 哲也 村尾 広島市立舟入市民病院 外科 順天堂大学医学部附属浦安病院 はじめに 現在までTAPP665症例 77ヘルニア に施行 前立 腺癌術後症例に対してもTAPPを施行している 術式をビデオ にて供覧する 手術手技 膀胱前腔は前回の前立腺癌の手術の影響で癒着して いる 通常のTAPPでは膀胱下腹筋膜に沿った層で剥離するが 膀胱前腔は瘢痕化が強いため横筋筋膜に沿った腹壁寄りの層で 剥離することで膀胱損傷を回避する 前回の手術の影響がない 下腹壁血管外側領域の剥離を先に進め 精管のすぐ脇かつ下腹 壁血管のすぐ近くで膀胱前腔に入りクーパー靭帯を確認する クーパー靭帯は露出しその層で鋭的に剥離を進める 剥離の際 には下腹壁血管や死冠などの血管系が露出するので損傷しない よう注意する 少なくても腹直筋外側までは剥離し可能であれ ばmyopectonial orifice全体をメッシュにて補強することを考 える 腹膜の欠損などで腹膜閉鎖が困難になる場合や膀胱前 腔の剥離が困難な場合にはIPOMを利用した手技も考える ロ ボット支援下前立腺癌手術では内側臍襞が切離され腹膜も閉鎖 されておらず術式により癒着の形態も異なる 可能であれば前 回の手術の情報をあらかじめ取得することも大切である 結果 30例施行 平均手術時間20.4分 再発や深刻な術中術 後合併症は認めていない 結語 手術時間が延長するがTAPP手術の有用性が発揮できる 可能性があると考える 直樹 垰越 宏幸 新津 宏明 背景 RALP後の鼠径ヘルニアは0数 程度に認められ 手術 時に腹膜前腔の癒着が強いことが問題となる RALP後鼠径ヘ ルニア 症例3病変 を経験し 前方切開法で修復した 成績 同時性両側の頻度が高く RALP後ヘルニア発症までは 0 ヶ月と短かった 2型は認められず全例型であり ヘルニ ア門径は2.5cm程度 術後合併症なかった 手術方法 後方到達法は困難と考え前方切開法を選択 鼠径管 内の癒着がヘルニア嚢と精管の間に強く 注意深く精索をテー ピング 腹膜前腔剥離では頭側 外側の剥離を先行して行った のち高位剥離を行い 最後にIR2時 4時方向の下腹壁動静脈 周囲の癒着を鋭的に切離してメッシュを展開するスペースを確 保 腹膜前腔の余裕は少なくフラット型メッシュでの修復は困 難なためプラグ型 Perfix TiLENE が有用 逆に 鼠径ヘルニ ア術後前立腺癌手術適応患者は全前立腺手術患者の4 5%に 認められ プラグ型後はRALPが容易であったがフラット型後 はRALPが極めて困難であったことから 鼠径ヘルニア手術に おけるメッシュ選択もこの点を考慮に入れて再考する必要があ るかもしれない 結語 RALP後の鼠径ヘルニア手術にはプラグ型を使用した修 復術が有用である
162 P2-23 P2-24 ロボット支援前立腺全摘術時の鼠径部所見とその後の鼠径ヘ ルニア発生について 成人女性鼠径ヘルニアにおけるヘルニア嚢と子宮円索の関係 について 今村 雫 末永 清隆 加藤 手稲渓仁会病院 外科 弘明 西 智史 寺村 紘一 高田 実 真人 蜂須賀丈博 松野 泰人 砂川 祐輝 将宏 竹田 直也 坂田 和規 市立四日市病院 外科 目的 ロボット支援前立腺全摘術 RALP 後の鼠径ヘルニアに ついて成因を探る 方法 当院においてRALPを開始した20年月から205年 2月までに行った370例のうち RALP後に鼠径ヘルニア修復 術を行った34例 9.2% についてRALP時の鼠径部所見および RALPからヘルニア出現までの期間を検討した 結果 平均年齢 歳 平均観察期間 38 ヶ月 563 ヶ月 34例の内訳は右8例 左9例 両側7例 計4側/740 側=5.5% 内鼠径ヘルニアの例を除き他は全て外鼠径ヘルニ アであった RALP時の手術ビデオを見直すと34例68側のうち RALP術前からヘルニア症状を認めていた4側およびRALP手術 ビデオで鼠径部が確認できなかった6側を除外した58側のうち 鞘状突起開 subclinical herniaは9側 間接型8例 直接型例 存は8側に認め 鼠径部に異常所見が無いものは3側であっ た これらのうち RALP術後に鼠径ヘルニアを発症したのはそ れ ぞ れ6例 66.7% 6例 88.9% 例 35.5% で あ っ た p=0.0 また ヘルニア症状出現までの期間はそれぞれ20 ±2.4 ヶ月 7±6.3 ヶ月 44±8.8 ヶ月であった p=0.02 結語 RALP時の鼠径部所見はその後のヘルニア発生と関連が あると考えられた 諸言 成人女性の鼠径ヘルニアにおいて ヘルニア嚢と子宮円 索の関係性にはまだ多くの議論があり 子宮円索は結紮 切離 されることもある一方 温存できる場合もある また 術前に ヘルニアの分類を把握しておくことは重要である 目的 超音波による術前の診断率と鼠径部切開法でのヘルニア 嚢と子宮円索の剥離の可否について検討 当科の手術方針 40歳未満は高位結紮術 40歳以上では外鼠径 ヘルニアではメッシュプラグ法 内鼠径ヘルニアではポリソフ トによる修復術を基本とし 子宮円索は可能な限り切離しない よう努めている 対象と方法 204年3月から206年2月に当院で手術を施行 した成人女性2例 術前に超音波を施行し鼠径ヘルニアの分類 を行った また ヘルニア嚢と子宮円索の剥離について 容易 に剥離 もともと剥離の必要がない 以下 群 軽度癒着も剥 離可 以下 2群 剥離は困難 以下 3群 の3つのグループ に分類した 結果 年齢中央値は66歳 24-85歳 平均BMIは2.5 外鼠径 ヘルニアが8例 内鼠径ヘルニアが3例 超音波は8例に施行 されており 診断率は66.7 2例/8例 であった ヘルニア 嚢と子宮円索の剥離の可否については 群が7例 2群が6例 3群が8例であった 考察 超音波の術前診断率は約7割であった またヘルニア嚢と 子宮円索は剥離できる症例が全体の約6割あり 神経損傷のリス クなどを鑑みて極力不要な切離は控えるべきである P2-25 P2-26 両側の大腿 閉鎖孔重複ヘルニアの 2 例 鼠径ヘルニアに合併した子宮内膜症の 例 河本 磯田 洋伸 岡山済生会総合病院 外科 健太 福山医療センター外科 両側の大腿 閉鎖孔重複ヘルニアに対して手術を行った2症例を 経験したので 文献的考察を加え報告する 症例は44歳女性 膵疾患フォロー中に左鼠径部の皮下腫瘤を指摘され 外科紹介 となった 左鼠径部に3cm大の柔らかい腫瘤を触知した CTで 左大腿ヘルニアと診断したが 右大腿および両側の閉鎖孔ヘル ニアの併存が疑われた 腹腔鏡下に手術を行い 両側とも大腿 および閉鎖孔ヘルニアを確認し MPOおよび閉鎖孔を覆うよう にメッシュで修復した 術後合併症なく 術後2日目に退院 以 後再発認めていない 症例2は5歳女性 右下腹部痛にて近医 を受診 CTで右閉鎖孔ヘルニア嵌頓の疑いで当院救急外来紹介 となり 同日緊急手術を行った 臍上から腹腔鏡挿入し観察 右の閉鎖孔ヘルニアは自然に還納されていた さらに対側の閉 鎖孔ヘルニアおよび両側の大腿ヘルニアを認めた 下腹部正中 に8cmの切開をおき腹膜前腔から剥離を行い ヘルニア嚢を戻 してから剥離した腹膜前腔にメッシュをしいてヘルニアを修復 した 術後合併症なく 術後6日目に退院 以後再発認めていな い 症例は34歳女性 元来健康で4 ヶ月前から恥骨の右側に疼痛を 伴う腫瘤を認め前医でリンパ節炎を疑われ 抗生剤治療やステ ロイドの局所投与等を行われたが改善せず当院へ紹介となった 超音波検査で恥骨右側にcm大のややいびつな腫瘤を認めた 月経と疼痛の増悪には関連性はなく 軽い圧痛が持続していた Nuck管水腫 円靭帯の静脈瘤 異所性子宮内膜症を疑ったが 手術は希望されず経過観察となった しかしながら疼痛軽減せ ず症状が続くため さらに4 ヵ月後に治療及び診断目的で手術 となった 腫瘤は子宮円靭帯と癒合しており 異所性子宮内膜 症の可能性を考え 可能な限り末梢で円靭帯は処理した 中枢 の処理の際に無症候性の外鼡径ヘルニアを認め 内鼠径輪の縫 縮 Marcy法 を行った 切除標本上腫瘤そのものは固く ヘル ニア嚢の先端に位置し 内部にblueberryspotを認めたcm大 の充実性腫瘤であった 病理結果では鼠径ヘルニアに合併した 子宮円靭帯の異所性子宮内膜症の診断であった 現在のところ 再発は認めていない 鼠径部子宮内膜症の頻度は子宮内膜症の 中で%未満と比較的稀な疾患である ヘルニアとの合併も多 く 月経に随伴しないこともあり 診断が困難な疾患である 今回我々は右鼠径部に発生した異所性子宮内膜症を経験したの で文献的考察を加え報告する - 6 -
163 P2-27 P2-28 女性の鼠径部ヘルニア TAPP 施行症例における臨床的特徴 当院における成人女性鼠径ヘルニアの検討 吉澤 野竹 石山 守 青木 江藤誠一郎 大橋 吉田 和彦 矢永 隆裕 横山 剛 本山 隆秀 増尾 博章 清水 仁志 福島健太郎 北川 明 小林 聡 宮川 信州大学医学部附属病院 外科 1 敬之 眞一 寛明 長谷川拓男 原 伸介 小川 匡市 河野 勝彦 2 圭吾 修三 東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター外科 2 東京慈恵会医科大学 外科学講座 背景 鼠径部ヘルニアの発症形態には性差があることが知られ ており 術式決定の際にその臨床的特徴を把握しておくことは 重要である 対象と方法 対象は 2000年0月 206年2月における鼠 径部ヘルニアTAPP施行症例43例中 初発例380例499病変 対象のヘルニア発症形態を鼠径部ヘルニア分類2009年版に基づ き男女別に比較検討した 結果 対象の内訳は 男性304例 80.0% 398病変 79.8% 女性76例 20.0% 0病変 20.2% 年齢中央値は男女とも 67歳 両側例の頻度は男性94例 3.0% 女性25例 32.9% で差を認めなかった ヘルニア分類の内訳は I型 男性258 病変 64.8% 女 性53病 変 52.5% II型 男 性24病 変 23.6% 女 性5病 変 5.0% III型 男 性5病 変.3% 女 性24病変 23.8% IV型 男性4病変 0.3% 女性3病変 2.9% V型 女性6病変 5.9% であった V型は女性のみ に認められ 全例閉鎖孔ヘルニアを合併していた 女性は男性 と比較しIII型の頻度が有意に高く P 0.0 IV型またはV型で ある頻度も有意に高率であった P=0.02 また 女性のIV型の 内訳では大腿ヘルニア 0病変 の合併が最も多かった 結語 女性においては 男性と比較して大腿ヘルニアを含む併 存型ヘルニアや 閉鎖孔ヘルニア合併の頻度が高く 正確な診 断と同時に一期的治療が可能なTAPPは有用であると考えられ た 当院における女性鼠径部ヘルニアについて臨床的特徴について 検討した 対象 202年月から206年2月までの5年間に手術施行し た鼠径ヘルニア573例中女性69例 年齢は64.9±7.8歳 結果 JHS分類でType I 32例 Type II 例 Type III 24例 Type IV 2例であった ヘルニア嵌頓による緊急手術は6例で ありType IIIが5例と有意に多かった p 0.00 緊急手術と なった女性ヘルニア患者の年齢は平均78.7±2.歳と待機手術 例の65.9±8.2歳と比較して有意に高齢であった p=0.00 修復法は鼠径ヘルニアではDirect Kugel 例 Lichtenstein 3 例 Marcy 5例 Mesh Plug 33例 TAPP 例 UHS 例 Plug単 独 例 で あ り 大 腿 ヘ ル ニ ア で はDirect Kugel 7例 Mesh Plug 6例 UHS 3例 Plug単独 例であった McVay 7例 緊急手術の術式は鼠径ヘルニア対してはMesh Plug例 大腿 ヘルニアに対してはMcVay 5例 Mesh Plug 6例 UHS 3例 Plug単独例であった 考察 当院における女性の鼠径ヘルニアに対しては主にMesh plug法 が 一 方 大 腿 ヘ ル ニ ア に 対 し て はDirect Kugel McVay Mesh plug法が選択されていた 女性のヘルニア嵌頓 における緊急手術例の特徴は高齢者 大腿ヘルニアが多く 修 復法はMcVayとMesh plug法が選択される割合が高かった 結語 女性の鼠径部ヘルニアの治療において 特に嵌頓症例で は 大腿ヘルニアを念頭においた治療法の選択が必要であるこ とが再確認された P2-29 P2-30 腹腔鏡下観察後 鼡径部切開にて修復した成人ヌック管水腫 の一例 藤田 脩斗 中野 敢友 井谷 広島市立広島市民病院 外科 史嗣 ハイブリッド法が有用であった Nuck 管水腫の 手術例 西江 秋葉 亮祐 山本 直志 世怜 高橋 慶太 高橋 直人 三澤 健之 東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科 はじめに ヌック管水腫は成人女性では比較的稀な疾患である 今回 腹腔鏡下観察後 鼠径部切開にて修復した成人ヌック管 水腫の一例を経験したので報告する 症例 3歳女性 7 ヶ月前から右鼡径部膨隆を自覚し 近医を 受診しヌック管水腫が疑われ 当院紹介となった 超音波検査 にて右鼡径部に50mm 34mm 25mm大の多房性の嚢胞性病 変あり 内部は均一な無エコー像を認めた MRIでは腫瘤の内 部はT強調画像で均一な低信号 T2強調画像で均一な高信号を 示していた 左卵巣チョコレート嚢腫に対して婦人科にて腹腔 鏡下手術が予定されていたため 同時手術の方針となった 腹 腔鏡下に観察にて 水腫は鼡径管内に存在し 腹腔内からは一 部が観察できるのみであった 婦人科による腹腔鏡下左卵巣摘 出術を施行後 鼡径部切開にてヌック管水腫摘出 Marcy法に よるヘルニア修復術を施行した 摘出標本は肉眼的に多房性で あり 内部には暗赤色の漿液性の液体が貯留していた 病理組 織学的検査では 内膜症所見や悪性所見は認めなかった 考察 成人ヌック管水腫手術時には 鼡径部切開法か腹腔鏡手 術か術式選択に難渋する 本症例では腹腔鏡下観察にて主座が 鼡径管内であることを確認した後に鼡径部切開法を選択し 安 全に水腫を切除することが可能であった 結語 成人ヌック管水腫に対する手術の術式選択に際し 腹腔 鏡下観察が有用であると考えられた 症例は40代女性 30歳頃より右鼠径部膨隆を自覚していたが 2年前より増大傾向と局所の疼痛を認めたために前医を受診 Nuck管水腫が疑われ精査加療目的で当院を紹介された 造影 CTおよびMRI検査では右鼠径部に腹腔内から連続性に皮下まで 突出する多房性嚢胞性病変を認め Nuck管水腫に一致ししてい た 腹腔内および皮下操作に対応すべく 腹腔鏡および前方ア プローチを併用したハイブリッド法による手術を選択した ま ず腹腔鏡下にアプローチしNuck管水腫の診断を確認 TAPP法 と同様に腹膜前腔を剥離するとともにNuck管水腫中枢側は円靭 帯と共に切離した 腫瘤周囲を末梢側に向かって可及的に剥離 した後 腫瘤を鼠径管内に留置したままメッシュによる補強を 行った 次に前方アプローチによって容易に腫瘤を摘出した 摘出標本は7 3 2cmの嚢状病変で 病理結果では嚢胞壁の一 部に腺管形成を認め endosalpingiosisを伴うnuck管水腫の診 断となった Nuck管水腫の成人発症例は自然治癒が期待できず 手術が必要となる 子宮内膜症の合併や腫瘍性病変を伴うこと もあり 腹腔側へ広がっている場合では前方アプローチによる 完全切除が困難なこともありハイブリッド法による手術が有用 であると考えられた
164 P2-3 P2-32 腎移植後鼠径ヘルニアに対してリヒテンシュタイン法を施行 した一例 腹水を伴う交通性陰嚢水腫術後の腹水漏出に難渋した一例 錦 寺田病院 建宏 佐藤 優 藤井 原三信病院 外科 圭 当間 宏樹 江口 徹 目的 当院では2009年より腎移植外来を開設し 九州大学病 院との連携の下 多くの腎移植患者をフォローアップしている 免疫抑制剤の発達により移植腎生着率は向上し 移植腎の生着 期間は平均20年に達する この間に様々な疾患を併発し 鼠径 ヘルニアも例外ではない 腎移植後の鼠径ヘルニアの発症率は 約5 と報告されており 本邦で腎移植件数は増加しており 今 後腎移植後鼠径ヘルニアは増加するものと考える 腎移植は鼠 径部に近い手術であり 苦慮する点が多い 今回 我々は腎移 植後鼠径ヘルニアに対してリヒテンシュタイン法を施行し 経 過良好であった例を経験したため 文献的考察とともに報告す る 症例 49歳男性 末期腎不全に対して2003年右腸骨窩献腎移 植施行 2008年頃より右鼠径部の膨隆を自覚 徐々に増大し 疼痛も伴うようになり 204年月リヒテンシュタイン法に よる右鼠径ヘルニア修復術施行 免疫抑制剤は減量せず 合併 症なく 術後4日目に退院 現在外来フォロー中でヘルニア再 発 メッシュ感染などなく 経過良好である 考察 腎移植後鼠径ヘルニアの報告では移植後のメッシュプラ グによる移植腎尿管圧迫壊死の症例 メッシュを使用しない従 来法での尿管狭窄 尿管壊死 尿管結紮の症例 腹腔鏡下鼠径 ヘルニア修復術での尿管壊死の症例などがあり 腹膜前腔での 移植腎尿管のトラブルが多く 腹膜前腔を操作する修復術はメ リットが少ないと考える 濱田 博隆 肝硬変を伴った交通性陰嚢水腫に対しUltrapro Hernia System UHS 法を用いた手術を施行し 術後の腹水漏出に難渋した一 例を経験したので報告する 症例は58歳男性で 左陰嚢腫大を 主訴に当科紹介となった 既往歴にC型肝炎による肝硬変 難 治性腹水 糖尿病を認めた 腹部CT検査にて左鼠径部から陰嚢 にかけて連続する低吸収域を認め交通性陰嚢水腫と診断した 術前に大量の腹水を認めたため約か月間利尿剤Tolvaptanを内 服し腹水コントロールした後に手術を施行した 術後第一病日 から両側陰嚢から鼠径部にかけて浮腫が出現し 創部からは腹 水漏出が持続した 第6病日からTolvaptanを再開し浮腫は著明 に改善したが腹水漏出が持続したため第22病日に創部に持続吸 引式ドレーン留置し 第43病日にドレーン抜去して退院となっ た 以上よりTolvaptanは術前術後の腹水コントロールに有用 であり 術後腹水漏出に対しても治療の一助となることが示唆 された また手術方法に関してUHS法 PHS Prolene Hernia System 法 mesh plug法のいずれを選択するかはヘルニアザッ クの癒着の状況などを勘案し慎重な選択が必要と考えられる P2-33 P2-34 当院で経験したヘルニア門の非典型的な鼠径ヘルニア 3 症例 大腿動脈大腿動脈バイパス術後の鼠径ヘルニア手術の 2 例 濱田 恩田 鈴木 石田 侑紀 磯田 健太 福山医療センター 外科 我々は当院で経験した鼠径ヘルニアの特殊型3例について報告 する 症例は60代の男性 右下腹部の膨隆を自覚し受診 術 前は腹壁瘢痕ヘルニアと診断し 腹腔鏡手術の方針となった 鏡視下に観察すると 内鼠径輪から二股に 一方は鼠径管 一 方は頭側に向けてヘルニア嚢を認め 腹横筋と内腹斜筋を間に 介在していた 術式は通常のTAPP法で修復した 症例2は70 代の女性 右下腹部の膨隆を自覚し受診 術前診断は外鼠径ヘ ルニアであったが ヘルニア嚢は外腹斜筋腱膜背側で頭側に伸 びていた 手術は前方アプローチで行い 術中の所見でもヘル ニア嚢は外鼠径輪より外には脱出せず 内腹斜筋の表層を頭側 に向けて広がっていた UPPを使用して修復した 症例3は50 代の男性 下腹部に違和感あり受診 術前は右外鼠径ヘルニア の診断で腹腔鏡手術を行った 鏡視下に観察すると ヘルニ ア門は下腹壁動脈と静脈の間に認めた 術式はTAPP法で修復 し た 症 例と2に つ い て はinterparietal herniaと 診 断 し た Interparietal herniaとは ヘルニア嚢が筋層 筋膜間などへ進 展する稀な疾患と報告されており 様々な形態をとる 症例3 は 一見外鼠径ヘルニアの様であったが 内鼡径輪からの脱出 ではなく 内鼠径ヘルニアと分類した 今回 我々は非典型的 な鼠径ヘルニア3症例を経験した 若干の文献的考察を踏まえて 報告する 真二 根木 文武 松本 祐一 矢永 快 中瀬古裕一 春木孝一郎 高野 倫典 坂本 太郎 後町 武志 脇山 勝彦 裕樹 茂樹 東京慈恵会医科大学 外科学講座 消化器外科 症例は 77歳の男性 胸部大動脈瘤で弓部大動脈置換術 腹 部大動脈瘤 腎動脈狭窄で腹部ステントグラフト 腎動脈ステ ント挿入術 大腿動脈 大腿動脈バイパス F-Fバイパス 術 前立腺癌で放射線治療 慢性心不全 間質性肺炎 心室細動な どの既往疾患あり 今回 痛みを伴った左鼠径ヘルニアで手術 の方針となった 抗血小板薬を内服していたが 休薬リスクを 考慮し休薬せずに局所麻酔下に手術施行した 体表にF-Fバイ パスの走行をマーキングし 術中に人工血管の露出や圧排に 注意しながら操作を行った 手術所見は JHS分類I-3であり メッシュプラグ法にて修復した 術後 年経過し ヘルニア の再発を認めていない 症例2は 73歳の男性 腹部大動脈瘤 で腹部ステントグラフト挿入術 F-Fバイパス術 前立腺癌で 前立腺全摘術の既往あり 今回 左鼠径ヘルニアの診断で当科 紹介 全身麻酔下に手術施行し 同様の手順で操作を行った JHS分類I-2でメッシュプラグ法にて修復した 術後年経過し ヘルニアの再発を認めていない 2例ともに大腿動脈バイパスに 関連する周術期合併症は認めなかった 大腿動脈バイパス術後 の鼠径ヘルニア手術は 人工血管の露出による感染や損傷 圧 排による血流遮断や血栓形成に注意が必要である また 本症 例のような様々な合併症 既往歴のある患者それぞれに適した 麻酔法や術式の選択 周術期管理が必要である
165 P2-35 P2-36 当院における腹膜透析患者の鼠径ヘルニアの検討 原 圭吾 青木 長谷川拓男 薄葉 吉田 和彦 矢永 寛明 池田 輝之 小川 勝彦 3 雅人 福島 匡市 河野 2 鼠径ヘルニアと鑑別を要し診断に難渋した後腹膜脂肪肉腫の 一例 尚子 修三 東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター 外科 2 東京慈恵会医科大学 附属葛飾医療センター 腎臓高血圧内科 3 東京慈恵会医科大学外科学講座 腹膜透析 PD における合併症として 腹壁ヘルニアや鼠径ヘル ニアが広く知られている そのうち鼠径ヘルニアの発症率は3 7 と報告されており 一般人口の発症率 約 程度 と比 較して多いとされている 腹膜透析患者における鼠径ヘルニア 発症要因としては 組織の脆弱化に加えて注入される透析液に よる腹腔内圧の上昇があげられる 今回 我々は200年月 206年2月に当院でPDを導入した2例のうち鼠径ヘルニア を発症した6例を検討した 6例全例が男性で平均年齢は63.3±.7歳であった うち4例に対して手術が施行され 2例は患者 背景を考慮して経過観察となっていた 6例中3例はPD導入後 2か月以内にヘルニアを発症しており ヘルニア発症までの平 均期間は 56 平均20.8±22.6 カ月であった 2例が両側 発症であり うち例は左側の嵌頓で緊急手術を施行された 手 術を施行した4例中3例はmesh plug法で 例は両側鼠径ヘル ニアで 左側の嵌頓に対して従来法で修復した後に右側に対し て待機的にmesh plug法で修復を行った いずれも術後早期に PDを再開し 術後3 27 平均2.8±8.8 カ月の現在 再発 は認めていない PD患者の鼠径ヘルニアに関しては本邦でもい くつかの報告がみられ 発症率やPD施行期間 透析液注入量 術式の有用性などについて検討がなされている PD患者の鼠径 ヘルニアの傾向と治療を中心に若干の文献的考察を加えて報告 する 五十嵐陽介 長谷川拓男 小川 原 圭吾 江藤誠一郎 福島 塚崎 雄平 吉田 和彦 矢永 東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター 外科 2 東京慈恵会医科大学 外科学講座 後腹膜脂肪肉腫は後腹膜悪性腫瘍の0 20%を占め 比較的 高頻度に認められるが 精索内に浸潤し 鼠径部の膨隆をきた すことは稀である 今回われわれは鼠径部膨隆を主訴とし鼠径 ヘルニアと診断された後腹膜脂肪肉腫の一例を経験したので報 告する 症例は70歳代男性 右鼠径部の腫脹を主訴に初診と なった 身体所見より右鼠径ヘルニアと診断し手術を施行した 術中所見で 精索内には肥厚した索状組織を認めたが 鼠径管 後壁を含め明らかなヘルニア嚢は確認できなかった 内鼠径輪 は二横指に開大しており プラグメッシュ法によるヘルニア修 復術を施行した 術後 創部の腫脹と痛み 発熱があり炎症所 見が遷延し術後創部感染と診断し 抗菌薬を中心とした保存的 治療を行ったところ 症状は改善した CT検査所見では精索内 に軟部組織陰影が認められ 腫瘍の存在を疑い穿刺細胞診をお こなったが悪性所見を認めず経過観察となった 術8か月後に 腹痛が出現し再診 腹部CTで右下腹部に4cm大の腫瘍を認め 後腹膜腫瘍と診断し腫瘍摘出術を施行した 病理診断で後腹膜 原発脱分化型脂肪肉腫と診断された 術後年で再発により原病 死した 本症例は 術後感染による画像の修飾及び生検で確定 診断がつかなかったことにより腫瘍に対する治療介入が遅れる 結果となった 後腹膜脂肪肉腫は比較的まれであるが 鼠径部 腫瘤の診療において念頭に置くべき疾患であると考えられた P2-38 腹腔鏡下手術が有用であった傍下行結腸窩ヘルニアによる絞 扼性イレウスの 例 佳孝 大町 三島中央病院 外科 寛明 毅大 P2-37 石川 匡市 青木 尚子 小林 勝彦 2 貴弘 鈴木 衛 水崎 馨 腹腔鏡補助下に修復した S 状結腸間膜窩ヘルニアの 例 中瀬古裕一 春木孝一郎 橋爪 矢永 勝彦 良輔 根木 快 衛藤 謙 東京慈恵会医科大学 消化器外科 はじめに 内ヘルニアは比較的稀な疾患であるが なかでも傍 下行結腸窩ヘルニアは極めて稀である 今回 傍下行結腸窩ヘ ルニアによる絞扼性イレウスに対して腹腔鏡下手術を施行した 症例を経験したので報告する 症例 経過 症例は62歳 男性 腹部膨満感と徐々に増強する 間欠的な腹痛を主訴に救急搬送された 既往および腹部手術歴 は無かった 腹部は軟であったが軽度膨満を認め 左側腹部に 圧痛を認めた 腹部CT検査で下行結腸の背側に迷入する小腸と 少量の腹水を認め 口側小腸の軽度拡張を認めた 嵌入した小 腸と腸間膜は浮腫状を呈していた 以上より傍下行結腸窩ヘル ニアによる絞扼性イレウスの診断で緊急腹腔鏡下手術を施行し た 腹腔鏡で観察すると下行結腸外側の腹膜窩にうっ血した小 腸が嵌入していた ヘルニア門は2cmであった ヘルニア門を 切開し 嵌頓した小腸を整復した 整復後に小腸のうっ血が改 善されたため腸切除は行わなかった 下行結腸外側のヘルニア 嚢を広く開放し手術を終了した 術後経過は良好で術後4日で退 院した 結語 考察 医学中央雑誌を用いて傍下行結腸窩ヘルニアの症 例を検索したところ会議録を除いて本邦では9例の報告があっ た 腹腔鏡による手術が行われたのは件であった 今回 われ われは極めて稀である傍下行結腸窩ヘルニアによる絞扼性イレ ウスに対して腹腔鏡下手術を施行した症例を経験したので文献 的考察とともに報告する 症例は50歳男性 既往歴はない 腹痛を主訴に前医を受診し た 造影CT検査にて骨盤腔内左側の小腸にCaliber changeを 伴う閉塞機転を認め closed loopを形成し口側の小腸の拡張を 認めた 絞扼性腸閉塞の診断にて当院へ転院搬送となった S状 結腸間膜ヘルニアによる絞扼性腸閉塞を疑い緊急手術施行した 手術は臍部に2mmトロカー 右上下腹部にそれぞれ5mmトロ カーを挿入し3ポートにて手術開始した 術中所見では拡張し た小腸とその肛門側でS状結腸間膜窩に20mm大の欠損を認め 内部に小腸が嵌頓していた 小腸を還納し 腸閉塞を解除 欠 損部は切開し開放した 小腸色調は速やかに改善したが 腸管 壊死の有無の確認中に小腸にmm大の損傷部を認めたため 臍 部を4cm大に小開腹し損傷部を修復した 術後は麻痺性イレウ スを発症するも保存的に改善し 術後2日で退院した S状結 腸間膜関連ヘルニアは内ヘルニア全体の約5%とされ S状結腸 間膜窩ヘルニア S状結腸間膜内ヘルニア S状結腸間膜裂孔ヘ ルニアの3 型に分類される 我々が検索し得た範囲で本邦では 977年から206年までの間にS状結腸間膜窩ヘルニアを腹腔 鏡下で修復した報告は9例認めた 平均年齢は46.4歳で6例が男 性であった 全例腹部手術歴はなく ヘルニア門の修復は5例が 単閉鎖 4例が切開を行っていた 以上 腹腔鏡補助下に修復し たS状結腸間膜窩ヘルニアの例を経験したので 文献的考察を 加え報告する
166 P2-39 P2-40 腹腔鏡下に治療しえた両側子宮広間膜裂孔を伴う内ヘルニア 嵌頓の 例 腹腔鏡下に治療した S 状結腸間膜ヘルニアの一例 早川 杉浦 地域医療機能推進機構金沢病院 外科 俊輔 三井 弘典 桑原 章 上田 義之 悟郎 渡部かをり 高須 惟人 名古屋市立西部医療センター 消化器外科 症例は85歳女性 前日より続く嘔吐 腹痛を主訴に近医受診 し 小腸イレウスの疑いで当院紹介受診となった 既往歴は肺 癌 肺気腫 脳梗塞 抗凝固薬内服有 であった 血液 生化 学 検 査 はWBC5,460/µL CRP28.7mg/dl BUN54.4mg/dl CRN2.78mg/dlであり 炎症反応高値と腎機能障害を認めた 単純CTでは 骨盤内小腸が右子宮広間膜を介してclosed loop を形成し 同部位を先頭に著明な腸管拡張を認めた また 子 宮が左側に偏移している所見であった 子宮広間膜裂孔ヘルニ ア嵌頓と診断し 同日 腹腔鏡下に緊急手術を施行した 25-5mmの3孔式で手術開始した 右子宮広間膜裂孔に小腸が約 40cm迷入し嵌頓していた 子宮広間膜裂孔を切開し 孔を拡 げ 嵌頓を解除した 腸管は発赤を認めるものの 腸蠕動も良 好であり 腸管切除は不要と判断した 右子宮広間膜裂孔を連 続縫合閉鎖した さらに子宮を挙上したところ 左側の子宮広 間膜にも裂孔を認めたため 同様に連続縫合閉鎖を行い 手術 を終了した 術後肺炎を発症したものの 術後9日目に経口摂取 開始 23日目に施設転院となった 近年 本症に対してCTに よる術前診断の上で腹腔鏡下手術を施行した症例の報告が散見 される しかし 本症例のように両側の子宮広間膜裂孔を認め た症例の報告は認めなかった 本症に対する手術の際には両側 子宮広間膜の確認を行うことが重要と考えられた 櫻井健太郎 河野 達彦 藤本 悟 安居 利晃 症例は68歳男性 左側腹部から下腹部全体にかけての疼痛を主 訴に当院受診 既往歴は高血圧症のみであり 腹部手術歴は認 めなかった 当院受診時 腹部やや膨隆し全体に圧痛を認めた 腹膜刺激症状は認めなかった CTにてS状結腸の背側 左総腸 骨動脈腹側に小腸のClosed Loopを認め その口側小腸に拡張 を認めていた 画像所見からS状結腸間膜ヘルニアと診断した 画像上腸管の血流障害を示唆する所見は認めなかったので イ レウス管を挿入し 減圧を行った上で腹腔鏡下にイレウス解除 術を行った 術中所見ではS状結腸生理的癒着部背側に小腸が一 部陥入した内ヘルニアを呈しており 嵌頓している状態であっ た White lineに沿って生理的癒着部位を剥離し ヘルニア門 を開放することで内ヘルニアによるイレウスを解除した なお 陥頓小腸に虚血性変化は認めなかった S状結腸間膜ヘルニアは 内ヘルニアの5 と報告されており 稀な病態である 近年の画 像診断の進歩に伴い 術前に画像上診断が可能であったS状結腸 間膜ヘルニアの症例報告も散見される 本症例は術前に画像上S 状結腸間膜ヘルニアと診断し イレウス管にて減圧を行った後 腹腔鏡下にヘルニア解除を行った 今回我々は稀な病態ではあ るが 計画的に腹腔鏡下に治療し得たS状結腸間膜ヘルニアの一 例を経験したので報告する P2-4 P2-42 術前診断され手術加療を施行した膀胱ヘルニアの 2 例 TAPP 法で修復した膀胱ヘルニアの 例 小林 毅大 江藤誠一郎 石山 守 伊藤 青木 寛明 薄葉 輝之 長谷川拓男 小川 吉田 和彦 矢永 勝彦 2 稲葉 隆介 匡一 圭介 神藤 修 深澤 貴子 磐田市立総合病院 外科 消化器外科 東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター 外科 2 東京慈恵会医科大学 外科学講座 症例は59歳 男性 健診で水腎症を指摘され 当院泌尿科受診 した 水腎症精査目的で施行した腹部CTで右膀胱ヘルニア 左 鼠径ヘルニアを認めた 水腎症の器質的な原因がないため 膀 胱ヘルニアに伴う随伴所見として水腎症を認めていると考えら れ 加療目的に当科紹介受診となった 術前膀胱造影では 膀 胱の陰嚢内脱出を認めた 左側は鼠径ヘルニアJHAI-3 に併発 したintraperitoneal-typeの膀胱ヘルニア 右側はS状結腸の脱 出を伴う鼠径ヘルニアJHSI-3と診断され 両側ともMesh plug 法にて修復した 2例目は73歳 男性 受診 ヵ月前より左鼠 径部の膨隆を自覚し 加療目的に当科受診となった 術前CTに て右膀胱ヘルニア 左鼠径ヘルニアを認め 2期的に片側ずつ手 術施行された 左側は鼠径ヘルニアJHSII- 右側は鼠径ヘルニ アII-に併発したextraperitoneal-typeの膀胱ヘルニアと診断 され 両側ともLichtenstein法にて修復した 膀胱ヘルニアは 本邦では00例ほどの報告例であり 比較的稀であるが 欧米 においては成人鼠径ヘルニアの 4%に認められると報告さ れている 修復法については各種報告例があるが 示唆に富む 症例であり 文献的考察を加えて報告する 最 近 経 験 し た 膀 胱 ヘ ル ニ ア にTAPP法 を 行 っ た例 を 報 告 す る 症例は65歳 男性 2歳頃に右鼠径ヘルニアの手術歴あり 206年9月 下腹部痛と排尿障害を主訴に救急外来を受診 右 鼠径部膨隆があり 鼠径ヘルニア嵌頓の診断で用手還納 一旦 症状が軽減 CTでは右鼠径ヘルニア嚢内に脱出する膀胱壁を認 め 膀胱ヘルニアと診断 待期手術として腹腔内からヘルニア 門の確実な診断と補強 修復が可能なTAPP法を選択 臍部と 両側腹部の3ポート法で手術した 腹腔内の観察で右下腹壁動 静脈の内側にヘルニアを認めた 腹膜切開剥離し 腹膜前腔に 侵入すると 膀胱が嵌頓したヘルニア門を認めた ヘルニア門 周囲を全周性に剥離し 腹直筋裏面を露出しヘルニア門を剥離 した 損傷に注意して膀胱を引き出すと 2cmのヘルニア門が 腹直筋間に存在 膀胱と擬嚢の癒着を外してヘルニア内容を完 全に腹膜前腔に戻した 手術所見はJHS recii- 腹膜側型の膀 胱ヘルニアと判定 白線の左側まで覆う様にメッシュをトリミ ングして腹膜前腔に挿入 固定した 術前に認めた夜間の尿意 や下腹部違和感は手術直後から消失 合併症なく 術後か月の CTでヘルニア再発なし 膀胱壁を内容とする鼠径部ヘルニアの 本邦報告は00例ほどで比較的稀な形態である 鏡視下修復術 が普及したが 膀胱ヘルニアに対する鏡視下手術の報告は少な く 文献的考察を加えて報告する
167 P2-43 P2-44 TAPP 法にて修復しえた鼠径部膀胱ヘルニアの 例 腹腔鏡下に修復した膀胱上窩ヘルニアの 3 例 出村 日高 平林 嘉隆 森下 実 荒能 義彦 飯田 国家公務員共済組合連合会 北陸病院 外科 茂穂 卓 重盛林太郎,2 今泉 剛,2 小村 伸朗,2 佑太,2 佐々木敏行,2 独立行政法人国立病院機構 西埼玉中央病院外科 2 東京慈恵会医科大学 外科学講座 症例 72歳 男性 慢性腎不全にて血液透析中 自尿は日数 回認める 数年前より左鼠径部の膨隆を自覚 増大傾向のため 前医で腹部CTを施行 膀胱脱出を伴う左鼠径ヘルニアと診断さ れ 手術目的に紹介 左鼠径部に手拳大の膨隆を認め 膨隆は 弾性軟で 疼痛なく 用手的に還納はできず 腹部CTでは ヘ ルニア嚢内に 膀胱の半分以上が脱出 内鼠径ヘルニア 手術方法 TAPP法にて施行 下腹壁動静脈の内側で 内側臍 ヒダ上に 腹膜の陥凹を認め 膀胱の滑脱部位と判断 腹膜切 開を 内鼠径輪の外側から下腹壁動静脈の内側まで行い 腹膜 陥凹部位を膀胱ごと腹腔側に牽引し 滑脱膀胱の外側 下腹壁 動静脈の内側で 腹膜前筋膜深葉を同定 切開し 膀胱前面へ 剥離を進めた ヘルニア門周囲を十分に剥離し 体表からの圧 迫を併用して ようやく膀胱を腹腔内に還納し ヘルニア門で の腹壁と膀胱とを完全に遊離した ヘルニア分類 II-2 ヘル にて再建 ニア門は径2.5cm Bard 3Dmax light M size 経過 術後合併症は漿液腫のみで 術後7日目に退院 考察 膀胱ヘルニアの手術では 膀胱損傷の回避が重要である TAPP法は 腹壁の層構造と 膀胱との位置関係の確認に有効 だが ヘルニア嚢内に滑脱した膀胱によりヘルニア門の観察が 困難となる 術前CTの検討 2 膀胱の牽引と腹腔鏡によ る層構造の確認 3 ヘルニア門 滑脱した膀胱周囲の腹膜前腔 の剥離が重要である 膀胱上窩ヘルニアは正中臍襞と内側臍襞の間の膀胱上窩にヘル ニア門を有するヘルニアで 進行方向により 内膀胱上窩ヘル ニアと外膀胱上窩ヘルニアに分類される ヘルニアの中ではい ずれも比較的稀である 今回 われわれは膀胱上窩ヘルニア3例 を経験したので報告する 206年7月から207年2月までに当 院で施行した腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP法 30例のう ち 術中に膀胱上窩ヘルニアと診断した男性3例 右側例 左 側2例であった 平均年齢は69.7歳 2例は鼠径部の膨隆を自 覚し 鼠径ヘルニアの診断で手術に至った 例は右鼠径ヘル ニア再発を伴うイレウスの診断で保存的治療を行い イレウス が改善した後に手術に至った 全例 3ポート 2mm 5mm 5mm によるTAPP法を施行した 平均手術時間は75.3分 出 血は少量であり 術中合併症はとくに認めなかった 術後合併 症もなく 全例軽快退院となった 現在外来にて経過観察中で あるが 再発を認めていない 膀胱上窩ヘルニアは稀なヘルニ アであり 術前診断は難しい 今回われわれが経験した症例も TAPP法で腹腔内からヘルニア門の位置を的確に観察すること で 膀胱上窩ヘルニアの確定診断を得ることができた 短期間 に経験した膀胱上窩ヘルニア3例を報告した 鼠径ヘルニアに対 する腹腔鏡治療の増加に伴い 膀胱上窩ヘルニアも念頭におく 必要がある 文献的考察を含めて報告する P2-45 術後に膀胱損傷が判明した鼠径ヘルニアの 例 福島 尚子 原 石山 守 伊藤 小川 匡市 河野 圭吾 青木 寛明 江藤誠一郎 隆介 長谷川拓男 薄葉 輝之 修三 吉田 和彦 矢永 勝彦 東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター外科 2 東京慈恵会大学外科 学講座 症例は74歳男性 右鼠径部の膨隆と痛みを主訴に当院に救急 搬送となり 右鼠径ヘルニア嵌頓の診断となった 発症早期で あったため 用手還納を行い 第3病日に待機手術を施行した ヘルニア嚢は巨大であり 陰嚢まで連続していた ヘルニア嚢 を一部開放してヘルニア門を確認 JHS-3と診断しメッシュ プラグ法にて修復した 術後より肉眼的血尿 発熱 炎症反応 高値を認めた 腹部CTを行ったところ膀胱側腔に炎症性変化を 認め 膀胱損傷が疑われた 尿量は保たれていたためバルーン カテーテル留置にて経過観察を行った 保存的に肉眼的血尿は 消失したため膀胱鏡を施行したところ 膀胱右側壁を中心に発 赤と浮腫性変化を認め 膀胱損傷が明らかとなった その後バ ルーンカテーテルは抜去し 術後2日目に軽快退院となった 術前CTを改めて確認すると 膀胱壁がわずかに引きつれてい た 術中所見と併せて判断すると 巨大なヘルニア嚢に牽引さ れて膀胱が脱出しており その部位で損傷をきたしたものと考 えられた 本症例は術前や術中に膀胱ヘルニアを疑うことがで きず 結果として膀胱損傷を起こした 術前CTより膀胱ヘルニ アを疑っていれば術中操作に更なる注意を払うことができ 合 併症の予防が可能であったと考えられる症例である 膀胱ヘル ニアと膀胱損傷について若干の文献的考察を加えて報告する
Vol.52 2013夏号 最先端の腹腔鏡下手術を本格導入 東海中央病院では 平成25年1月から 胃癌 大腸癌に対する腹腔鏡下手術を本格導入しており 術後の合併症もなく 早期の退院が可能となっています 4月からは 内視鏡外科技術認定資格を有する 日比健志消化器外科部長が赴任し 通常の腹腔 鏡下手術に
とうかい Vol.52 公 立 学 校 共 済 組 合 東 海 中 央 病 院 各 務 原 市 須 衛 会 本 新 池 ( 稲 田 園 前 )です INDEX 表 紙 写 真 募 集 のお 知 らせ 過 去 のとうかいはこちらからご 覧 になれます http://www.tokaihp.jp/tokai/ Vol.52 2013夏号 最先端の腹腔鏡下手術を本格導入 東海中央病院では 平成25年1月から
Vol.56 2014夏号 最先端の腹腔鏡下鼠径 ヘルニア修復術を導入 認定資格 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会指導医 専門医 消化器がん外科治療認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 外科医長 渡邉 卓哉 東海中央病院では 3月から腹腔鏡下鼠径ヘルニ ア修復術を導入し この手術方法を
とうかい Vol.56 公 立 学 校 共 済 組 合 東 海 中 央 病 院 いぎやま こみち 鵜 沼 小 伊 木 町 伊 木 山 のふもと あじさいの 小 径 です 表 紙 写 真 募 集 のお 知 らせ 過 去 のとうかいはこちらからご 覧 になれます http://www.tokaihp.jp/tokai/ INDEX Vol.56 2014夏号 最先端の腹腔鏡下鼠径 ヘルニア修復術を導入
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北勤医誌第 35巻 2013年 12月 1Y 2Y8M 図 1 ストーマの経時変化 直後から 2Y8M まで) こで低侵襲で 余剰腸管の切除とメッシュによ 術後経過 数日して腹痛を訴え CT をとった る補強とストーマ孔の拡大防止をストーマ孔か ところイレウスはないがストーマ孔に小腸が陥 らのアプローチで行なう術式を計画した 入していると診断し再手術を行った 前回腹腔 術式 2層メッシュComposix
RO-1-1 あらためて見直そう -ガイドラインに基づいた腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術におけるメッシュ固定の原則 - 中野敢友 福山市民病院外科 2013 年に発表された IEHS (International Endohernia Society) ガイドラインをもとに 腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復
要望演題 匠の技 第 12 回日本ヘルニア学会学術集会 RO-1-1 あらためて見直そう -ガイドラインに基づいた腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術におけるメッシュ固定の原則 - 中野敢友 福山市民病院外科 2013 年に発表された IEHS (International Endohernia Society) ガイドラインをもとに 腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術におけるメッシュ固定の基本手技をあらためて見直す
メッシュの留置部位による分類 オンレイメッシュ メッシュの重量による分類ヘビーウェイトメッシュライトウェイトメッシュ半吸収性メッシュ 鼠径部切開法用メッシュ パリテックスプログリップメッシュ ( コヴィディエンジャパン社 ) ヘビーウェイトメッシュイントラメッシュプラグ C & パッチ ( 村中医療
特集 外科手術器具の理論と使用法 Ⅶ. メッシュ 1. 鼠径部ヘルニア ( 鼠径部切開法 ) に用いる形状付加型メッシュの種類と使用法 * 宮崎恭介 ** 79 12 1266 1270 2017 鼠径部ヘルニアガイドライン2015によると, 成人鼠径部ヘルニアでは, 日本ヘルニア学会鼠径部ヘルニア分類で,I 1 型間接鼠径ヘルニア ( 軽度 ) では組織縫合法が考慮されるが, それ以外の鼠径部ヘルニアではメッシュ法が推奨されている
腹腔鏡下前立腺全摘除術について
ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺摘除術を受けられる方へ 前立腺がんの治療法 前立腺がんには様々な治療法があり 年齢や癌の広がり具合に応じて治療法が選択されます がんが前立腺にとどまっていて治癒 ( 根治 ) が期待される場合に推奨される治療法の一つが根治的前立腺摘除術です この根治的前立腺摘除術にはいくつかの方法 ( 手術方法 ) がありますが大きく分けて 開放手術と腹腔鏡下手術があります 当科における根治的前立腺摘除術
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19 5 11 13:30 14 : 10 1 TAPP 5 11 11:30 12 : 20 1 Bogros space of Bogros Retzius space of Retzius 5 10 12:40 13 : 10 1 TEPP 5 10 13:10 13 : 40 1 IL - 1-1 Laparoscopic Hernioplasty development of technique,
本文/開催および演題募集のお知らせ
80 QOL QOL VAS Score MRI MRI MRI Ra Rb MRI 81 お 名 前 VAS VAS Score 82 奥ほか 症例 手術時間 出血量 食事開始日 術後入院期間 分 ml 日 日 平均 SD 9 備考 排尿障害 創部感染 図 直腸子宮内膜症症例の MRI ゼリー法によ る画像所見 図 当院で直腸子宮内膜症に対して直腸低位前方切 除術を施行した症例の内訳 子宮内膜症では
TOHOKU UNIVERSITY HOSPITAL 今回はすこし長文です このミニコラムを読んでいただいているみなさんにとって 救命救急センターは 文字どおり 命 を救うところ という印象が強いことと思います もちろん われわれ救急医と看護師は 患者さんの救命を第一に考え どんな絶望の状況でも 他
CONTENTS 1 2 3 4 5 6 7 8 2008 8 980-8574 1 1 T E L 022 717 7000 T E L 022 717 7131 FAX 022 717 7132 SPECIAL 1 TOHOKU UNIVERSITY HOSPITAL 今回はすこし長文です このミニコラムを読んでいただいているみなさんにとって 救命救急センターは 文字どおり 命 を救うところ という印象が強いことと思います
「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」
周術期看護エキスパートナース育成計画 作成者 : 高橋育代 1. 目的江南厚生病院に通院あるいは入院している手術を受ける患者に質の高いケアを提供できるようになるために 看護師が周術期看護分野の知識や技術を習得することを目的とする 2. 対象者 1) レベル Ⅱ 以上で手術看護分野の知識と技術習得を希望する者 2) 期間中 80% 以上参加できる者 3. 教育期間 時間 1 年間の継続教育とする 10
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日本心臓血管外科学会雑誌 (1998.09) 27 巻 5 号 :293~296. 腹部大動脈, 腸骨動脈領域における傍腹直筋切開と腹部横切開との比較 羽賀將衛, 大谷則史, 清川恵子, 川上敏晃 293 腹部大動脈, 腸骨動脈領域における 傍腹直筋切開と腹部横切開との比較 羽賀將衛大谷則史清川恵子川上敏晃 過去 3 年間に当科において, 破裂 ' 性腹部大動脈瘤を除く, 腹部大動脈および腸骨動脈領域の血行再建術は,
外科領域の専門医共通 領域講習の開催一覧 (2018 年 5 月現在 ) ( 現行制度下の外科専門医更新の研修実績としては 一律 1 回あたり 3 単位を算定します ) 開催日 主催学会 講習会名称 開催地 種別 単位 2016 年 4 月 14 日日本外科学会 特別企画 外科医に求められる医療安全
2016 年 4 月 14 日日本外科学会 特別企画 外科医に求められる医療安全 大阪府 共通 ( 医療安全 ) 2 2016 年 4 月 14 日日本外科学会 ワークショップ 多発外傷に対する集学的外科治療 大阪府 領域 2 2016 年 4 月 14 日日本外科学会 ワークショップ 中心静脈カテーテル管理における安全対策 大阪府 領域 2 2016 年 4 月 14 日日本外科学会 シンポジウム
7 1 2 7 1 15 1 2 (12 7 1 )15 6 42 21 17 15 21 26 16 22 20 20 16 27 14 23 8 19 4 12 6 23 86 / 230) 63 / 356 / 91 / 11.7 22 / 18.4 16 / 17 48 12 PTSD 57 9 97 23 13 20 2 25 2 12 5
口腔インプラント学講座
氏名矢島安朝 ( やじまやすとも ) 所属口腔インプラント学講座職名教授最終学歴東京歯科大学大学院歯学研究科学位 ( 修士 博士 ) 歯学博士資格歯科医師日本口腔インプラント学会指導医 専門医日本顎顔面インプラント学会指導医 専門医日本口腔外科学会指導医 専門医職歴昭和 60 年 11 月東京歯科大学口腔外科学第一講座助手昭和 62 年 4 月東京歯科大学水道橋病院口腔外科助手 ( 配置替 ) 昭和
Hernia Week 2019 Mie I :00-17:30 1 OI-1 Effective cheap simple and reliable procedure for primary inguinal hernia: the suturless Trabucco repai
I 5 24 17:00-17:30 1 OI-1 Effective cheap simple and reliable procedure for primary inguinal hernia: the suturless Trabucco repair II 5 25 8:40-9:20 1 OI-2 The achievements and shortcomings of the past
診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認
血液内科 ( 専門医取得コース ) 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認骨髄穿刺 腰椎穿刺など外来 講義 研究会発表 症例検討 教授回診骨髄採取手術 外来 17:00~ 17:30~ 移植カンファレンス カンファレンス 抄読会 骨髄スメア検鏡会
手術予定登録_入力マニュアル
消化器外科 + 肝胆膵外科 腹腔鏡下肝切除術 腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術の手術予定登録操作マニュアル 3.02 版 一般社団法人日本消化器外科学会一般社団法人 National Clinical Database はじめに 平成 28 年診療報酬改定により 腹腔鏡下の肝切除術 腹腔鏡下の膵頭十二指腸切除術 の 2 術式が診療報酬に採択されました それに伴い 該当術式について NCD データベースへの症例登録が必須となります
会場セッション演題番号時間司会 座長 審査員 第 1 会場 ( フォレストホール 1 2) 第 2 会場 ( 第 7 会議室 ) 第 3 会場 ( 第 5 6 会議室 ) 特別企画 I( 初期 ) W1-01~10 9:20-10 : 30 福島県立医科大学消化器内科学講座 大平弘正 東北医科薬科大
9 : 00 第 1 会場 ( フォレストホール 1 2) 9 : 15-9 : 20 開会の辞 9 : 20-10 : 30 特別企画 I 目指せ! 消化器病専門医 初期研修医からの報告 第 2 会場 ( 第 7 会議室 ) 9 : 20-10 : 02 一般演題食道 O - 01~07 第 3 会場 ( 第 5 6 会議室 ) 9 : 20-9 : 56 一般演題胃十二指腸 1 O - 24~29
は関連する学会 専門医制度と連携しており, 今後さらに拡大していきます. 日本外科学会 ( 外科専門医 ) 日本消化器外科学会 ( 消化器外科専門医 ) 消化器外科領域については, 以下の学会が 消化器外科データベース関連学会協議会 を組織して,NCD と連携する : 日本消化器外科学会, 日本肝胆
資料 1 事業実施計画書 ( 事業実施計画書第 3.2 版平成 30 年 3 月 26 日更新 ) 事業実施計画書 平成 30 年 3 月 26 日 一般社団法人 National Clinical Database 100-0005 東京都千代田区丸の内 1-8-3 丸の内トラストタワー本館 20 階 1. 事業の名称 一般社団法人 National Clinical Database における手術
厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業)
厚生労働科学研究費補助金 ( 循環器疾患 糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業 ) 分担研究報告書 健康寿命の全国推移の算定 評価に関する研究 評価方法の作成と適用の試み 研究分担者橋本修二藤田保健衛生大学医学部衛生学講座 教授 研究要旨健康寿命の推移について 平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加 ( 健康日本 21( 第二次 ) の目標 ) の達成状況の評価方法を開発 提案することを目的とした 本年度は
NCDデータを用いた全国消化器外科領域内視鏡手術の現況に関する調査結果(速報)
2014.12 NCD データを用いた全国消化器外 科領域腹腔鏡手術の現況に関する 緊急調査結果 ( 速報 ) 日本外科学会 日本消化器外科学会 Na&onal Clinical Database 1 目的 腹腔鏡手術を受けた患者が合併症などにより残念な結果となったという昨今の報道を受け わが国の腹腔鏡消化器外科手術の症例数の現状と安全性を緊急調査する 2 方法 2011-2013 年の 3 年間に
平成 29 年度九段坂病院病院指標 年齢階級別退院患者数 年代 10 代未満 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 80 代 90 代以上 総計 平成 29 年度 ,034 平成 28 年度 -
平成 29 年度九段坂病院病院指標 年齢階級別退院患者数 年代 10 代未満 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 80 代 90 代以上 総計 平成 29 年度 - 23 45 113 265 358 597 977 585 71 3,034 平成 28 年度 - 31 53 123 272 369 657 963 550 67 3,085 平成 27 年度 - 16
( 様式 1-1) 日本専門医機構認定形成外科専門医資格更新申請書 20 年月日フリガナ 氏 名 生年月日年月日 所属施設 ( 病院 医院 ) 名 勤務先住所 連絡先 ( 電話 : - - ) ( FAX : - - ) アドレス 1: アドレス 2: 専門医登録番号 - 医籍登録番号
形成外科領域専門医更新様式等一覧 様式 1-1 日本専門医機構認定形成外科専門医資格更新申請書 1-2 単位集計表 様式 2 勤務実態の自己申告書 様式 3 形成外科診療実績記録 ( 過去 5 年間 ) 様式 4 手術症例一覧表 (4-1~4-5) 様式 5 症例一覧表 (5-1~5-5) 様式 6-1 専門医共通講習受講実績記録 6-2 専門医共通講習受講証明書類貼付台紙 様式 7 形成外科領域講習受講実績記録
10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ
(ICD10: C91 C95 ICD O M: 9740 9749, 9800 9999) 全体のデータにおける 治癒モデルの結果が不安定であるため 治癒モデルの結果を示していない 219 10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) 52 52 53 31 29 31 26 23 25 1993 1997 1998 01 02 06 02 06 (Period 法 ) 21 17 55 54
平成26年患者調査 新旧対照表(案)
平成 26 年患者調査新旧対照表 ( 案 ) 病院入院( 奇数 ) 票 病院外来( 奇数 ) 票 病院( 偶数 ) 票 一般診療所票 歯科診療所票 病院退院票 一般診療所退院票 厚生労働省 病院入院 ( 奇数 ) 票 新 平成 26 年 ( 案 ) 旧 平成 23 年変更理由等 平成 26 年 10 月 21 日 ~23 日 ( 指定された 1 日 ) 平成 23 年 10 月 18 日 ~20 日
1)表紙14年v0
NHO µ 医師が治療により回復が期待できないと判断する 終末期 であると医療チームおよび本人 家族が判断する 患者の意志表明は明確であるか? いいえ はい 意思は文書化されているか? はい 患者には判断能力があるか? 医療チームと患者家族で治療方針を相談する 患者の意思を推量できる場合には それを尊重する はい はい 患者の意思を再確認する はい 合意が得られたか? はい いいえ 倫理委員会などで議論する
要望番号 ;Ⅱ 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 )
未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 ) 成分名 ( 一般名 ) 塩酸リドカイン 販売名 0.5%/1%/2% キシロカイン 要望する医薬品要望内容 会社名 国内関連学会
背景 急性大動脈解離は致死的な疾患である. 上行大動脈に解離を伴っている急性大動脈解離 Stanford A 型は発症後の致死率が高く, それ故診断後に緊急手術を施行することが一般的であり, 方針として確立されている. 一方上行大動脈に解離を伴わない急性大動脈解離 Stanford B 型の治療方法
学位論文の要約 Mid-Term Outcomes of Acute Type B Aortic Dissection in Japan Single Center ( 急性大動脈解離 Stanford B 型の早期 遠隔期成績 ) 南智行 横浜市立大学医学研究科 外科治療学教室 ( 指導教員 : 益田宗孝 ) 背景 急性大動脈解離は致死的な疾患である. 上行大動脈に解離を伴っている急性大動脈解離
サマリー記載について
第 64 回 HL7 セミナー HL7 標準規格 退院時サマリー のご紹介 退院時サマリー標準規格 開発検討の経緯 平成 30 年 3 月 豊田建日本 HL7 協会 ( 株式会社 HCI) HL7 CDA について HL7 Clinical Document Architecture (CDA) 文書構造を有する診療情報を記述するためのXMLによる言語 2009 年 11 月 ISO 規格 ISO/HL7
助成研究演題 - 平成 23 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 重症心不全の集学的治療確立のための QOL 研究 東京大学医学系研究科重症心不全治療開発講座客員研究員 ( 助成時 : 東京大学医学部附属病院循環器内科日本学術振興会特別研究員 PD) 加藤尚子 私は 重症心不全の集学的治療確立のた
助成研究演題 - 平成 23 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 重症心不全の集学的治療確立のための QOL 研究 東京大学医学系研究科重症心不全治療開発講座客員研究員 ( 助成時 : 東京大学医学部附属病院循環器内科日本学術振興会特別研究員 PD) 加藤尚子 私は 重症心不全の集学的治療確立のための QOL 研究 という題目で ファイザーヘ ルスリサーチ振興財団より助成をいただきました 本日はその結果を報告したいと思います
平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2
平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅱ)(1 単位 ) 200 点 3. 脳血管疾患等リハビリテーション料
U 開腹手術 があります で行う腎部分切除術の際には 側腹部を約 腎部分切除術 でも切除する方法はほぼ同様ですが 腹部に があります これら 開腹手術 ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術を受けられる方へ 腎腫瘍の治療法 腎腫瘍に対する手術療法には 腎臓全体を摘出するU 腎摘除術 Uと腫瘍とその周囲の腎
U 開腹手術 があります で行う腎部分切除術の際には 側腹部を約 腎部分切除術 でも切除する方法はほぼ同様ですが 腹部に があります これら 開腹手術 ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術を受けられる方へ 腎腫瘍の治療法 腎腫瘍に対する手術療法には 腎臓全体を摘出するU 腎摘除術 Uと腫瘍とその周囲の腎組織のみを摘出するU U 2つの手術法のどちらを行うかは 腫瘍の大きさや位置 年齢 手術前の腎機能などにより総合的に決定します
密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病
早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 大腸がん 消化器内科 造血幹細胞移植 造血器腫瘍 骨髄不全 血液 腫瘍内科 大腸がん 早期胃がん 肝臓がん ( 一部 ) 前立腺がん 腎細胞がん 副腎がん腎盂尿管がん 膀胱がん 食道がん子宮体がん 外科泌尿器科婦人科 胸腔鏡下手術 肺がん 呼吸器外科 気道狭窄 閉塞病変に対する気管支鏡下レーザー治療 肺がん 呼吸器外科 定位放射線治療 原発性肺がん 転移性肺がん 原発性肝がん
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1 日目 10 月 27 日 木 第 1 会場 国際会議室 開会の辞 12 15 12 20 ランチョンセミナー 1 12 20 13 10 共催 大鵬薬品工業株式会社 LS- 1 座長 齊藤 博昭 鳥取大学医学部 病態制御外科学分野 今度どうなる 胃癌の術後補助化学療法 小寺 泰弘 名古屋大学大学院医学系研究科 消化器外科学 主題 1 高齢者進行胃癌に対する治療戦略 定型か縮小か 13 20 14
Microsoft Word - 博士論文概要.docx
[ 博士論文概要 ] 平成 25 年度 金多賢 筑波大学大学院人間総合科学研究科 感性認知脳科学専攻 1. 背景と目的映像メディアは, 情報伝達における効果的なメディアの一つでありながら, 容易に感情喚起が可能な媒体である. 誰でも簡単に映像を配信できるメディア社会への変化にともない, 見る人の状態が配慮されていない映像が氾濫することで見る人の不快な感情を生起させる問題が生じている. したがって,
018_整形外科学系
整形外科学系 よき臨床医の育成を最優先し 幅広い分野で高度の整形外科医療を学べます 日本大学医学部附属3病院をはじめ 実践的で臨床教育にすぐれた関連病院が多数あり 多数の臨床経験を積むことができます 研究面では自由 創造性を重視して指導しています 国際性を尊重し 海外留学を奨励しています 龍 順之助 整形外科分野主任教授 関節班 日本有数の人工関節手術数 特に両側同時人工膝関節置換が世界的に有名 龍教授
認定PT取得までの流れ
注意 こちらに掲載されている内容は平成 28(2016) 年度までの情報に準じています 平成 29(2017) 年度以降, 内容が変更されることもあるのでご了承願います 高知県理学療法士協会教育部平成 29 年 6 月現在 1 日本理学療法士協会ホームページの専 門 認定理学療法士制度に関するページ http://www.japanpt.or.jp/members/lifelonglearning/flow/
1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外
がんの診療に関連した専門外来の問い合わせ窓口 記載の有無 あり とするとデータ抽出の対象となります 記載する内容がない場合は なし としてください なし の場合は以下について記入の必要はありません 病院名 : 岐阜大学医学部附属病院 平成 9 年 9 月 1 日現在 あり がん診療に関連した専門外来の の項目は 以下の表の疾患名を用いて記載してください 表の中に 該当する病名がない場合は その病名を直接記載してください
2017年度患者さん満足度調査結果(入院)
2017 年度患者さん満足度調査結果 ( 入院 ) 質問項目 問 1. 入院されている方の性別とご年齢を教えてください問 2. 今回入院された診療科はどちらですか?( 主な診療科を1つチェックしてください ) 問 3. 入院中に受けた診療内容はどちらですか?( 当てはまる項目すべてにチェックしてください ) 問 4. 当院ヘのご入院は何回目ですか? 問 5. 職員の対応 ( 接遇 マナー ) についてはいかがでしたか?
19-3.動物実験
o o o o o o o 283 73 動物実験の基礎 3 めミニブタという 1 年以上飼育しても 40 50 o に体重 が留まるブタを使用するほうが良い 外科的切開により胆嚢を露出し, 胆嚢をタバコ縫合し てシースを固定して胆道経由にて造影を実施した 使用する際は, 経産ブタを用いることと, 大凡の性周 Fig6, 7 我々は, 十二指腸内視鏡を持っていないた 期に合わせ発情が造影当日に合うように,
セッション 6 / ホールセッション されてきました しかしながら これらの薬物療法の治療費が比較的高くなっていることから この薬物療法の臨床的有用性の評価 ( 臨床的に有用と評価されています ) とともに医療経済学的評価を受けることが必要ではないかと思いまして この医療経済学的評価を行うことを本研
助成研究演題 - 平成 22 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 加齢黄斑変性の治療の対費用効果の研究 柳靖雄 ( やなぎやすお ) 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻眼科 視覚矯正科講師 ( 助成時 : 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻眼科 視覚矯正科特任講師 ) スライド-1 まず始めに このような機会を与えていただきましたファイザーヘルスリサーチ振興財団の皆様と選考委員の先生方に感謝申し上げます
外来在宅化学療法の実際
平成20年度第1回高知医療センター 地域がん診療連携拠点病院 公開講座 食道がんの放射線 化学療法について 高知医療センター 腫瘍内科 辻 晃仁 がん薬物療法専門医 がん治療認定医 2008.7.19. 高知市 ウエルサンピア高知 レインボーホール 食道の構造 食道がんの進行 食道の内面の粘膜から発生したがんは 大きくなると粘膜下層に広がり さらにその下の筋層に入り込みます もっと大きくなると食道の壁を貫いて食道の外まで広がっていきます
Microsoft PowerPoint - 薬物療法専門薬剤師制度_症例サマリー例_HP掲載用.pptx
薬物療法専門薬剤師の申請 及び症例サマリーに関する Q&A 注意 : 本 Q&A の番号は独立したものであり 医療薬学会 HP にある 薬物療法専門薬剤師制度の Q&A の番号と関連性はありません 薬物療法専門薬剤師認定制度の目的 幅広い領域の薬物療法 高い水準の知識 技術及び臨床能力を駆使 他の医療従事者と協働して薬物療法を実践 患者に最大限の利益をもたらす 国民の保健 医療 福祉に貢献することを目的
ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ
2012 年 12 月 5 日放送 尿路感染症 産業医科大学泌尿器科学教授松本哲朗はじめに感染症の分野では 抗菌薬に対する耐性菌の話題が大きな問題点であり 耐性菌を増やさないための感染制御と適正な抗菌薬の使用が必要です 抗菌薬は 使用すれば必ず耐性菌が出現し 増加していきます 新規抗菌薬の開発と耐性菌の増加は 永遠に続く いたちごっこ でしょう しかし 近年 抗菌薬の開発は世界的に鈍化していますので
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1 NEWS Kawara-Ban http://www.med.nagoya-u.ac.jp/hospital/ 20153 96 CONTENTS 2 1 3 1 2 2 3 NEWS 3 Part 3 NEWS 名 大 病 院 NEWS 退職 退任の挨拶 退職の挨拶 退職の挨拶 大磯 ユタカ 祖父江 元 糖尿病 内分泌内科長 教授 長らくお世話になりま した名大病院を本年3月 末付けで定年退官するこ
対象 :7 例 ( 性 6 例 女性 1 例 ) 年齢 : 平均 47.1 歳 (30~76 歳 ) 受傷機転 運転中の交通外傷 4 例 不自然な格好で転倒 2 例 車に轢かれた 1 例 全例後方脱臼 : 可及的早期に整復
石川県立中央病院整形外科 堀井健志高田宗知島貫景都菅沼省吾虎谷達洋引地俊文安竹秀俊 対象 :7 例 ( 性 6 例 女性 1 例 ) 年齢 : 平均 47.1 歳 (30~76 歳 ) 受傷機転 運転中の交通外傷 4 例 不自然な格好で転倒 2 例 車に轢かれた 1 例 全例後方脱臼 : 可及的早期に整復 骨折型 :Pipkin 分類 Pipkin. JBJS 39-A. 1957 Type 1 Type
<4D F736F F D C98EFB82DF82E9816A819C F28BC78BA68B6389EF CE936381A88B7B90EC81A890568
学術委員会学術第 6 小委員会 経管投与患者への安全で適正な薬物療法に関する調査 研究 委員長昭和大学薬学部社会健康薬学講座地域医療薬学部門倉田なおみ Naomi KURATA 委員医療法人渡辺会大洗海岸病院薬剤部新井克明 Katsuaki ARAI 霧島市立医師会医療センター薬剤部岸本真 Makoto KISHIMOTO 社会福祉法人東京有隣会有隣病院薬剤科近藤幸男 Yukio KONDO 特別委員徳島文理大学薬学部医療薬学講座石田志朗
ンパ浮腫外来業務および乳腺外来業務で全日および半日をそれぞれ週に 2 日に変更する さくら 9 は現状の外来業務として平日の全日に 4 名を助勤しているが これに加え さらに輸血業務として 1 名を助勤し 計 5 名を助勤していきたいと考えている さくら 8 は新たに児童精神科外来業務として全日を週
総合医療センターにおける 7 対 1 対象病棟の看護職員配置と助勤 リンク体制 および 総合医療センターすみれ 18 階病棟 すみれ 13 階病棟における 2 交替制勤務の導入 に ついて ( 平成 23 年 3 月 18 日 ) ( 交渉内容 ) 局 総合医療センターにおける 7 対 1 対象病棟の看護職員配置 について 協議をお願いする 総合医療センターでは 医療安全および看護の質の確保 看護職員の労働条件の改善を図るとともに
博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文
博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文 目次 はじめに第一章診断横断的なメタ認知モデルに関する研究動向 1. 診断横断的な観点から心理的症状のメカニズムを検討する重要性 2 2. 反復思考 (RNT) 研究の歴史的経緯 4 3. RNT の高まりを予測することが期待されるメタ認知モデル
高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に
高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に関節疾患 5 位が骨折 転倒であり 4,5 位はいずれも運動器が関係している 骨粗しょう症のメカニズムの解明
平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム
平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チームの介入による下部尿路機能の回復のための包括的排尿ケアについて評価する ( 新 ) 排尿自立指導料 [
第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %
第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 2016 28 1,326 13.6% 2 528 40.0% 172 13.0% 2016 28 134 1.4% 9 10 1995 7 2015 27 14.8 5.5 10 25 75 2040 2015 27 1.4 9 75 PCI PCI 10 DPC 99.9% 98.6% 60 26 流出 クロス表 流出 検索条件 大分類 : 心疾患 年齢区分 :
糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性
2018 年 12 月 19 日放送 急性胆管炎 胆嚢炎診療ガイドライン 2018 国際医療福祉大学消化器外科教授吉田雅博ガイドラインの作成経過急性胆道感染症 ( 急性胆管炎 急性胆囊炎 ) は急性期に適切な対処が必要であり 特に 急性胆管炎 なかでも重症急性胆管炎では急性期に適切な診療が行われないと早期に死亡に至ることもあります これに対し 2005 年に出版されたガイドライン初版によって世界に向けて診断基準
それでは具体的なカテーテル感染予防対策について説明します CVC 挿入時の感染対策 (1)CVC 挿入経路まずはどこからカテーテルを挿入すべきか です 感染率を考慮した場合 鎖骨下穿刺法が推奨されています 内頚静脈穿刺や大腿静脈穿刺に比べて カテーテル感染の発生頻度が低いことが証明されています ただ
2012 年 3 月 28 日放送 中心静脈関連性血流感染の予防 川崎病院外科総括部長井上善文はじめに中心静脈カテーテルは高カロリー輸液や さまざまな輸液 薬剤の投与 中心静脈圧の測定などの目的で留置されますが その留置に関連した感染症は 名称としては血管内留置カテーテル関連血流感染症 catheter-related bloodstream infection:crbsiですが ここではカテーテル感染と呼ばせていただきます
34-1(見本英3)
症例北里医学 2015; 45: 35-39 膀胱ヘルニアに対して TAPP 法を施行した 2 例 白石 廣照, 矢野剛司, 相原成昭, 熊谷一秀 あそか病院外科 76 歳男性 10 年前より右鼠径部腫脹を認め,CT で腸管脱出を認め還納した 腹腔内からは外側臍ヒダの外側にヘルニア門を認め, その内側に小隆起を認めた 腹膜切開後に膀胱内に生食を注入すると小隆起は膨隆したため外鼠径ヘルニアに併発した
院内がん登録における発見経緯 来院経路 発見経緯がん発見のきっかけとなったもの 例 ) ; を受けた ; 職場の健康診断または人間ドックを受けた 他疾患で経過観察中 ; 別の病気で受診中に偶然 がん を発見した ; 解剖により がん が見つかった 来院経路 がん と診断された時に その受診をするきっ
15 年 12 月時点 院内がん登録統計 (13 年 ) 登録対象 当院で診断された または治療された がん 当院で がん と判明した場合や他施設から がん の治療のためにされた場合に登録 診断された時点で登録を行うため 治療実績 手術件数などとは件数が異なります 例 )A さんは X 医院で胃がんと診断され 治療のために当院に来院された 胃がん を登録 1 腫瘍 1 登録 1 人が複数の部位に がん
愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大
愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺の重大な社会問題を生じさせる危険性が高く その対策は極めて重要な課題である 平成 26 年 6 月に施行されたアルコール健康障害対策基本法において
がんの診療の流れ この図は がんの 受診 から 経過観察 への流れです 大まかでも 流れがみえると心にゆとりが生まれます ゆとりは 医師とのコミュニケーションを後押ししてくれるでしょう あなたらしく過ごすためにお役立てください がんの疑い 体調がおかしいな と思ったまま 放っておかないでください な
各種がん 101 がんの診療の流れ この図は がんの 受診 から 経過観察 への流れです 大まかでも 流れがみえると心にゆとりが生まれます ゆとりは 医師とのコミュニケーションを後押ししてくれるでしょう あなたらしく過ごすためにお役立てください がんの疑い 体調がおかしいな と思ったまま 放っておかないでください なるべく早く受診しましょう 受診 受診のきっかけや 気になっていること 症状など 何でも担当医に伝えてください
Microsoft Word - 05GLM 松下.doc
GLM 教育セミナー Lab.Clin.Pract.,26(1):25-29(2008) 第 4 回 GLM 教育セミナー :BSC 演習 SWOT 分析からクロス分析 グループ演習報告 (3) 東海大学医学部基盤診療学系臨床検査学 松下弘道 はじめにさる平成 19 年 5 月 12 日に開催された, 第 4 回 GLM 教育セミナー 臨床検査室の検査診療におけるバランスト スコアカード (BSC)
研修プログラム モデル例
麻酔科専門医研修プログラム名 NTT 東日本関東病院麻酔科専門医研修プログラム TEL 03-3448-6033 連絡先 FAX 03-3448-6034 e-mail [email protected] 担当者名 松尾綾子 プログラム責任者氏名 河手良一 責任基幹施設 NTT 東日本関東病院 研修プログラム病院群 * 病院群に所属する全施設名をご記入ください 基幹研修施設 関連研修施設 国立成育医療研究センター
学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (
学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > Insulin-like growth factor ( 以下 IGF)
研修プログラム モデル例
青梅市立総合病院麻酔科専門医研修プログラム 麻酔科専門医研修プログラム名 青梅市立総合病院麻酔科専門医研修プログラム TEL 0428-22-3191( 代 ) 連絡先 FAX 0428-24-5126( 代 ) e-mail [email protected] 担当者名 丸茂穂積 プログラム責任者氏名 丸茂穂積 責任基幹施設 青梅市立総合病院 研修プログラム病院群 * 病院群に所属する全施設名をご記入ください
( その 1) 履歴書 記入例 履歴書 記入例 (No. 1) フリガナ 英字氏名 氏名 生年月日 ( 年齢 ) 昭和 年 月 日 ( 満 才 ) ( - ) 性別 男 女 現住所 県 市 区 - - 本籍地又は国籍 都道府県名 ( 外国籍の方は国名 ) を記入 T E L - - ( 携帯電話 -
( その 1) 履歴書 記入例 (No. 1) フリガナ 英字氏名 氏名 生年月日 ( 年齢 ) 昭和 年 月 日 ( 満 才 ) ( - ) 性別 男 女 現住所 県 市 区 - - 本籍地又は国籍 都道府県名 ( 外国籍の方は国名 ) を記入 T E L - - ( 携帯電話 - - ) 注 1) 英字氏名 の欄は, 外国人である場合のみ記入してください 2) 生年月日 ( 年齢 ) の欄の年齢は,
学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )
学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > platelet derived growth factor (PDGF 血小板由来成長因子)-C,
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資料 2 医療従事者不足に対応するため 病院としての魅力を高めるためには 医療従事者が新病院にとって誇りとやりがいをもって働ける環境を整備することが必要となります そのポイントは以下の 3 点です 医療従事者の勤務状況の改善 質の高い医療を一人ひとりの患者に提供できる体制整備 自らの医療技術水準を向上させる環境づくり 検討事項 ( 作業部会検討済み 今回の準備会議で法人としての意見をまとめます )
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新しい内科専門医の研修に関する捉え方 研修カリキュラム 研修手帳 研修プログラム要件 等について 2014 年 12 月 24 日版 一般社団法人日本内科学会 この資料は上記日付時点での情報であり 今後 更改されることもございますので その旨ご了承ください 日本専門医機構の設立日本専門医制評価 認定機構での事業や検討事項などを踏まえ 日本専門医機構が 2014 年 5 月に発足 新 内科専門医制度
岸和田徳洲会病院 当院では以下の研究に協力し情報を提供しております この研究は 国が定めた指針に基づき 対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得るかわりに 研究の目的を含む研究の実施についての情報を公開しています 研究結果は学会等で発表されることがありますが その際も個人を特定する情報は公表し
当院では以下の研究に協力し情報を提供しております この研究は 国が定めた指針に基づき 対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得るかわりに 研究の目的を含む研究の実施についての情報を公開しています 研究結果は学会等で発表されることがありますが その際も個人を特定する情報は公表しません 一般社団法人日本脳神経外科学会データベース研究事業に関する研究 (JND: Japan NeurosurgicalDatabase)
10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1
(ICD10: C81 85, C96 ICD O M: 9590 9729, 9750 9759) 治癒モデルの推定結果が不安定であったため 治癒モデルの結果を示していない 203 10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) 71 68 50 53 52 45 47 1993 1997 1998 2001 2002 2006 2002 2006 (Period 法 ) 43 38 41 76
当院人工透析室における看護必要度調査 佐藤幸子 木村房子 大館市立総合病院人工透析室 The Evaluation of the Grade of Nursing Requirement in Hemodialysis Patients in Odate Municipal Hospital < 諸
当院人工透析室における看護必要度調査 佐藤幸子 木村房子 大館市立総合病院人工透析室 The Evaluation of the Grade of Nursing Requirement in Hemodialysis Patients in Odate Municipal Hospital < 諸言 > 近年 透析患者数は毎年 1 万人ずつ増加しているといわれており 2008 年度におけるわが国の透析患者数は
1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを
がんの診療に関連した専門外来の問い合わせ窓口 記載の有無 あり とするとデータ抽出の対象となります 記載する内容がない場合は なし としてください なし の場合は以下について記入の必要はありません 病院名 : 公立大学法人横浜市立大学附属病院 平成 9 年 9 月 1 日現在 あり がん診療に関連した専門外来の の項目は 以下の表の疾患名を用いて記載してください 表の中に 該当する病名がない場合は
4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な
新井病院 医療安全管理者の業務指針 新井病院医療安全管理者業務指針 1. はじめに医療機関の管理者は 自ら安全管理体制を確保するとともに 医療安全管理者を配置するにあたっては 必要な権限を委譲し また 必要な資源を付与して その活動を推進することで医療機関内の安全管理につとめなければならない 2. 医療安全管理者の位置づけ医療安全管理者とは 病院管理者 ( 病院長 ) の任命を受け 安全管理のために必要な権限の委譲と
小児外科学 (-Pediatric Surgery-) Ⅰ 教育の基本方針小児外科は 子供 (16 歳未満 ) の一般外科と消化器外科を扱う科です 消化器 一般外科学並びに小児外科学に対する基礎医学から臨床にわたる幅広い知識をあらゆる診断 治療技術を習得し 高い技術力と探究心及び倫理観を兼ね備えた小
小児外科学 (-Pediatric Surgery-) Ⅰ 小児外科は 子供 (16 歳未満 ) の一般外科と消化器外科を扱う科です 消化器 一般外科学並びに小児外科学に対する基礎医学から臨床にわたる幅広い知識をあらゆる診断 治療技術を習得し 高い技術力と探究心及び倫理観を兼ねえた小児外科医の養成 Ⅱ 年次毎の 小児の外科的疾患の診断に必要な問診および身体診察を行うことができる 小児の外科的疾患の診断計画をたてることができる
高齢化率が上昇する中 認定看護師は患者への直接的な看護だけでなく看護職への指導 看護体制づくりなどのさまざまな場面におけるキーパーソンとして 今後もさらなる活躍が期待されます 高齢者の生活を支える主な分野と所属状況は 以下の通りです 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 脳卒中発症直後から 患者の
認定看護師 21 分野 1 万 7,443 人に専門性を発揮し 高齢者や長期療養者の生活を支える 公益社団法人日本看護協会 ( 会長 坂本すが 会員数 70 万人 ) は このたび 第 24 回認定看護師認定審査 を実施しました 審査に合格した 1,626 人が新たに認定され 認定看護師は 1 万 7,443 人となりました (5 ページ参照 ) 認定看護師は 高度化し専門分化が進む医療の現場において
第76回日本皮膚科学会東京支部学術大会 ランチョンセミナー4 213年2月16日 土 京王プラザホテル 東京 座 長 日本大学医学部皮膚科学教室 教授 照井 正 先生 講 演1 アトピー性皮膚炎の多様な病態 角層バリア障害 フィラグリン遺伝子変異 から内因性アトピーまで 名古屋大学大学院医学系研究科皮膚病態学分野 教授 秋山 真志 先生 講演2 アトピー性皮膚炎に対する外用療法 ステロイド外用薬による
, 地域包括支援センターの組織と人材 2. 1 福祉専門職の歴史と特性
Graduate School of Policy and Management, Doshisha University 139 地域包括支援センター職員の専門性と実用的スキルに関する考察 あらまし 2000 2005 2012 1. はじめに 1989 1 2 3 2000 4 1 1990 1999 10 300 10 1994 2 1987 3 4 79 85 140 245 2005 65
種の評価基準により分類示の包括侵襲性指行為の看護師が行う医行為の範囲に関する基本的な考え方 ( たたき台 ) 指示のレベル : 指示の包括性 (1) 実施する医行為の内容 実施時期について多少の判断は伴うが 指示内容と医行為が1 対 1で対応するもの 指示内容 実施時期ともに個別具体的であるもの 例
行為の侵襲性(行為の難易度)特定行為について ( 基本的な考え方 ) のイメージ 資料 3-2 特定行為 については 医行為の侵襲性や難易度が高いもの (B1) 医行為を実施するにあたり 詳細な身体所見の把握 実施すべき医行為及びその適時性の判断などが必要であり 実施者に高度な判断能力が求められる ( 判断の難易度が高い ) もの (B2) が想定されるのではないか B1: 特定の医行為 ( 特定行為
クリニカルパスの 普及・体制の現状と課題
クリニカルパスの普及 体制の現状と課題 ~ 第 17 回 (H29 年 ) アンケート結果から ~ 本クリニカルパス学会 広報委員会 調査目的 クリニカルパスの日本における現状と動向を把握する 現場が求めている情報 支援を理解し 今後の学会としての活動に示唆を得る 特定調査は 院内で集計しているパスに関する データとし パス使用率等のクリニカルイン ディケーターについて調査した 1 < 対象 > 日本クリニカルパス学会の法人会員
ども これを用いて 患者さんが来たとき 例えば頭が痛いと言ったときに ではその頭痛の程度はどうかとか あるいは呼吸困難はどの程度かということから 5 段階で緊急度を判定するシステムになっています ポスター 3 ポスター -4 研究方法ですけれども 研究デザインは至ってシンプルです 導入した前後で比較
助成研究演題 - 平成 22 年度国内共同研究 ( 年齢制限なし ) JTAS 導入前後の看護師によるトリアージの変化 山勢博彰 ( やませひろあき ) 山口大学大学院医学系研究科教授 ポスター -1 テーマは JTAS 導入前後の看護師によるトリアージの変化 ということで 研究の背景は 救急医療ではコンビニ化ということが問題になっていて 真に緊急性が高い患者さんがなかなか効率よく受診できない あるいは診療まで流れないという問題があります
習う ということで 教育を受ける側の 意味合いになると思います また 教育者とした場合 その構造は 義 ( 案 ) では この考え方に基づき 教える ことと学ぶことはダイナミックな相互作用 と捉えています 教育する 者 となると思います 看護学教育の定義を これに当てはめると 教授学習過程する者 と
2015 年 11 月 24 日 看護学教育の定義 ( 案 ) に対するパブリックコメントの提出意見と回答 看護学教育制度委員会 2011 年から検討を重ねてきました 看護学教育の定義 について 今年 3 月から 5 月にかけて パブリックコメントを実施し 5 件のご意見を頂きました ご協力いただき ありがとうござい ました 看護学教育制度委員会からの回答と修正した 看護学教育の定義 をお知らせ致します
子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱
第一総則 子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱 一目的 けいりこの法律は 子宮頸がんの罹患が女性の生活の質に多大な影響を与えるものであり 近年の子宮頸が んの罹患の若年化の進行が当該影響を一層深刻なものとしている状況及びその罹患による死亡率が高い 状況にあること並びに大部分の子宮頸がんにヒトパピローマウイルスが関与しており 予防ワクチンの 接種及び子宮頸部の前がん病変 ( 子宮頸がんに係る子宮頸部の異形成その他の子宮頸がんの発症前にお
