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しょうぶつちた
5 years ago
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1 食品安全を守るしくみと食品添加物の安全性について平成 29 年 8 月 3 日内閣府食品安全委員会事務局

2 食品安全を守る仕組み 2

3 1. 食品にゼロリスクはない! ( 絶対に安全という食品はない ) 3

4 それはどういうこと? 我々は長年の食経験において 1 食べられておいしい 2 手を加えることで食べられる煮る焼く蒸す水にさらす取り除く等 3 食べられないを学んできた 4

5 どんな食品も絶対安全とはいえないソラニントリプシンインヒビター調理の際に除去 1cm 加工の際に失活ジャガイモ中にはソラニン ( グリコアルカロイド ) という毒物が含まれている芽に多いが皮や中身にもあるトマチン商品化されている大果系トマトジャガイモの部位グリコアルカロイド含量 (mg/kg) 皮をむいたイモ 46 皮 1430 芽 7640 葉 9080 トマトの原種トマト野生種育種で低減化されている 5

6 長年の食経験で培われた知恵の例フグの肝と卵巣は食べないジャガイモの緑色の皮や発芽部位は食べない ( 取り除く ) 豆類は必ず煮るか十分炒って食べる穀類は火を通して ( 煮て蒸して ) 食べる山菜は塩ゆでして水で洗う等によりあくを抜く ( あくの強いものは灰汁や重曹等を使う ) キュウリのへたの部分は切る等 6

7 ではどうしたらいいのか? 国際ルールと整合性を図りつつ 1 食品にはゼロリスクはないという考え方に立って 2 科学的知見に基づいて食品や食品に含まれる各種物質の性質人への健康影響の度合いなどについて評価し 3 人への健康影響が問題ない程度に物質の量をコントロールする 7

8 8 食品の安全確保についての国際的合意世界各国の経験から次のような考え方や手段が重視されるようになった (2003 年国際食品規格委員会 (Codex,FAO/WHO) 考え方国民の健康保護の優先方法リスクアナリシスの導入科学的根拠の重視関係者相互の情報交換と意思疎通政策決定過程等の透明性確保農場から食卓までの一貫した対策 ( 参考 )WTO SPS 協定第 5.1 項加盟国の食品安全性に関する措置は関連国際機関 (Codex Alimentarius Commission) によって確立されたリスクアセスメントの手法を使った人へのリスク評価に基づいていなければならない

9 我が国の食品安全行政の基本基本原則消費者の健康保護の最優先リスクアナリシス手法の導入 ( 科学的根拠の重視 ) 手段農場から食卓まで ( フードチェーン ) の一貫した対策リスクアナリシス手法の導入後始末より未然防止食品安全基本法の制定食品安全委員会の設置 ( 平成 15 年 7 月 ) 食品を科学するリスクアナリシス ( 分析 ) 講座リスクアナリシスとは?~ 食品の安全を守る ~ 9

10 農場から食卓までの安全確保の徹底食品を科学するリスクアナリシス ( 分析 ) 講座リスクアナリシスとは?~ 食品の安全を守る ~ 10

11 ( 参考 ) 平成 27 年度輸入食品監視統計から ( 厚生労働省資料 ) 輸入届出数量検査件数違反件数違反率国名検査率 ( 件 ) ( 件 ) ( 件 ) 中国 710,676 74, % % アメリカ 224,318 17, % % フランス 206,455 12, % % タイ 156,937 12, % % 韓国 119,685 7, % % イタリア 111,441 7, % % ベトナム 60,754 14, % % インド 15,497 2, % % その他 649,256 68, % % 合計 2,255, , % % 11

12 2. 食品安全行政のしくみ 12

13 食品のリスクとは食品中の危害要因 ( ハザード ) を食べたときに人の健康に悪影響が起きる可能性とその度合い ( ハザードの摂取量とハザードの毒性の程度 ) 食品危害要因危害要因の摂取健康への影響発生生物学的要因化学的要因物理的要因摂取量 & リスク毒性食品の安全性に関する用語集 ( 食品安全委員会事務局 ) 13

14 14 食品中の様々な危害要因 ( ハザード ) の例有害微生物等腸管出血性大腸菌 O157 カンピロバクターリステリアサルモネラノロウイルス異常プリオンタンパク質アニサキス等自然毒きのこ毒ふぐ毒シガテラ等意図的に使用される物質に由来するもの農薬や動物用医薬品の残留食品添加物等環境からの汚染物質カドミウムメチル水銀ダイオキシン等加工中に生成される汚染物質アクリルアミドクロロプロパノール等物理的危険要因放射性物質等その他健康食品サプリメント等

15 リスクアナリシスとは機能的に分担相互に情報交換リスク評価どんな危険があるかどのくらいなら食べても安全か決めるリスク管理安全に食べられるようルールを決め監視するリスクコミュニケーション関係者相互間で意見情報交換を行うプロセスは 3 要素からなる (WHO/FAO, 1995): 15

16 リスクアナリシスの基本的考え方絶対安全という食品はない! よりリスクが高いよりリスクが低い? 食品の安全は量の問題! リスク評価にもとづいてリスクを管理する 16

17 摂取量ハザード ( 化学物質 ) の摂取量 ( 概念図 ) 多サプリメント ( カプセル錠剤等 ) 医薬品食品中の有害物質有害化学物質汚染物質食品添加物農薬動物医薬品の残留香料少 17

18 交換評価結果の通知食の安全に携わる各省庁の関係食品安全委員会リスク評価ハザードの同定 ADI の設定リスク管理施策の評価情報収集諸外国国際機関等リスクコミュニケーション関係者全員が意見交換し相互に理解を深める農林水産省 ( リスク管理 ) 厚生労働省 ( リスク管理 ) 環境汚染物質の基準の設定等評価の要農薬使用基準の設定動物用医薬品使用基準の設定請環境省検査サーベイランス指導等残留基準値 (MRL) の設定検査サーベイランス指導等消費者庁アレルギー等の表示等 18

19 食品の安全と安心の関係 19

20 3. 食品安全委員会の役割 20

21 食品安全委員会の主な業務リスク評価どのくらいの量なら一生食べ続けても害が出ないかなどについて科学的データを基に評価緊急時対応食中毒などの食品に関する緊急事態の場合情報を集め国民に知らせ不安や被害の拡大を防ぐリスクコミュニケーション評価機関として情報提供しリスクに関わる人と意見交換する 21

22 食品安全委員会の構成食品安全委員会は 7 人の委員 ( 全員博士 ) から構成食品安全委員会委員 7 名 12 専門調査会 + ワーキング企画等 ( 企画緊急時対応リスクコミュニケーション ) 事務局化学物質系 : 農薬食品添加物など生物系 : 微生物ウイルスなど新食品系 : 遺伝子組換え食品など専門委員 : 約 200 名 ( 科学者集団です ) 局長次長総務課情報勧告広報課評価第 1 課評価第 2 課リスクコミュニケーション官評価情報分析官 ( 研究所は附置していません!) 22

23 リスク管理機関専門調査会で審議評価書(案)の作成国民からの意見情報の聴取リスク評価の要請必要に応じて意見交換会を開催専門調査会からの報告審議厚生労働省農林水産省等評価結果の通知食品安全委員会使用基準設定等厚生労働省農林水産省等リスク管理機関評価要請案件の内容聴取評価案件の決定審議評価結果の決定一般の方の声リスク評価の流れ 23

24 食品安全委員会ホームページ国内の情報食の安全ダイヤル QA キッズボックス食品に関する注意喚起ファクトシート健康食品に係る危害情報評価書が載っています! 国外の情報リスク評価に関する資料ハザード情報食品に関する注意喚起 24

25 食の安全ダイヤル Q&A のご紹介 ( タイトルのみ ) III- 1 食品添加物の複合影響 III- 2 保存料や着色料などの食品添加物は本当に安全か III-14 トランス脂肪酸 III-15 アクリルアミド III-16 大豆イソフラボン III-17 カフェイン III-18 ビタミン A III-21 塩塩化ナトリウム (NaCl) III-22 加工肉赤肉 (red meat) III-24 食品中の放射性物質の基準値 Ⅳ-5 カンピロバクター IV-7 IV-9 ウエルシュ菌ノロウイルス IV-15 ジャガイモに含まれるソラニン Ⅳ-23 鳥インフルエンザ Ⅴ-6 健康食品の報告書とメッセージ 25

26 ファクトシートのご案内食品安全委員会では国民の皆様への情報提供の観点から食品の安全性に関する各種のテーマについてファクトシート ( 科学的知見に基づく概要書 ) を作成して公表しています ( 現在 37) ファクトシートは掲載時における研究結果等を整理して作成したものです是非ご活用ください ( ファクトシートの例 ) カンピロバクター( 平成 28 年 9 月 30 日更新 ) アニサキス症( 平成 29 年 2 月 21 日更新 ) ボツリヌス症( 平成 26 年 10 月 17 日更新 ) 間もなく更新食品中のカフェイン( 平成 23 年 3 月 31 日作成 ) 更新作業中 26

27 食品添加物の安全性について 27

28 1. 食品添加物とはどんなものか 28

29 食品添加物の歴史ヨーロッパでは昔から岩塩を使ってハムやソーセージを作っていた理由は? 岩塩を使うとおいしそうな色になって風味が良くなるだけでなくボツリヌス菌による食中毒が起きにくくなることを昔の人は経験から知っていた ( 岩塩には硝酸塩が含まれている ) 29

30 食品添加物とは食品の保存性を向上させたり栄養を保持したりおいしさや彩りを添えたりするために食品に添加されているもの例 : 保存料甘味料着色料香料など 303

31 食品添加物の定義食品添加物は食品衛生法では次のように定義されています ( 食品衛生法第 4 条第 2 項 ) 添加物とは食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で食品に添加混和浸潤その他の方法によって使用する物 31

32 食品添加物の役割 1. 食品の製造や加工食品を作る 2. 食品の風味や外観をよくする食品を魅力的にする 3. 食品の保存性を良くする食中毒を防ぐ 4. 食品の栄養を強化する栄養を補給する 323

33 ( 参考 ) 食品添加物の種類種類定義例品目数備考指定添加物既存添加物天然香料一般飲食物添加物食品衛生法第 10 条に基づき厚生労働大臣が定めたもの平成 7 年の法改正の際に我が国において既に使用され長い食経験があるものについて例外的に指定を受けることなく使用販売等が認められたもの既存添加物名簿に収載動植物から得られる天然の物質で食品に香りを付ける目的で使用されるもの一般に飲食に供されているもので添加物として使用されるものソルビン酸キシリトールなどクチナシ色素柿タンニンなどバニラ香料カニ香料などイチゴジュース寒天など 454 品目 365 品目安全性に問題があるもの使用実態のないものは消除約 600 品目約 100 品目指定制度の対象外 ( 厚生労働省ホームページより ) 平成 28 年 10 月 6 日現在の品目数 33

34 ( 参考 ) 食品添加物に関する規制日本では食品衛生法等で次のようなルールが定められています使用できる添加物は? 原則として厚生労働大臣が指定したものだけですこれは天然物であるかどうかに関わりません未指定の添加物を製造輸入使用販売等することはできません ( ただし既存添加物天然香料一般飲食物添加物は例外 ) 品質や使用量は? 食品添加物には純度や成分についての規格や使用できる量などの基準が定められています食品への表示は? 原則として食品に使用した添加物はすべて表示しなくてはなりません表示は物質名で記載され保存料甘味料等の用途で使用したものについてはその用途名も併記しなければなりません表示基準に合致しないものの販売等は禁止されていますなお食品に残存しないもの等については表示が免除されています ( 厚生労働省ホームページより抜粋 ) 34

35 2. 食品添加物のリスク評価について 35

36 リスク評価とは?? 次の 4 ステップで行う 1ハザードの同定化学的生物学的物理的要因? 2ハザード特徴付けどのような影響? 確率は? 3ばく露評価 ( 摂取量推定 ) どのくらい摂取? 経路? 4リスク判定総合的にリスクは? 食品中に含まれるハザードを摂取することによってどのような健康への悪影響がどのような確率で起きうるかを科学的に評価する過程 (FAO/WHO 専門会議 1995) 36

37 リスク評価はどのように行われるのか危害要因は何か動物実験から有害作用を知る動物実験等から無毒性量 (NOAEL) を推定する安全係数 (SF) を決める一日摂取許容量 (ADI) を設定する 378

38 無毒性量 (NOAEL) (NOAEL: No Observed Adverse Effect Level) 動物を使った毒性試験において何ら有害作用が認められなかった用量レベル各種動物 ( マウスラットウサギイヌ等 ) のさまざまな毒性試験においてそれぞれ NOAEL が求められる ( 妊娠中の胎児への影響などについても試験を実施 ) 例動物種ラットラットイヌマウスラットウサギ試験慢性毒性試験亜急性神経毒性慢性毒性試験発がん性試験 2 世代繁殖試験発生毒性試験無毒性量 0.1mg/kg 体重 / 日 0.067mg/kg 体重 / 日 0.06mg/kg 体重 / 日 0.67mg/kg 体重 / 日 0.1mg/kg 体重 / 日 0.2mg/kg 体重 / 日全ての毒性試験の中で最も小さい値を ADI 設定のための NOAEL とする 38

39 安全係数 (SF:Safety Factor) 様々な種類の動物試験から求められた NOAEL からヒトの ADI を求める際に用いる係数動物からヒトへデータをあてはめる際通常動物とヒトとの種差を 10 ヒトとヒトとの間の個体差を 10 としてそれらを掛け合わせた 100 を用いる = 100 種差個体差 39

40 一日摂取許容量とは (ADI : Acceptable Daily Intake) ヒトがある物質を毎日一生涯にわたって摂取しても健康に悪影響がないと判断される量体重 1kg に対する 1 日当たりの量 (mg/kg 体重 / 日 ) で表示される動物と人間との差や子供などの影響を受けやすい人など個人差を考慮して安全係数を設定し NOAELをその安全係数で割って ADIを求める ADI = NOAEL 安全係数 (SF) ( = ) 各種動物試験から求められた無毒性量のうち最小のもの遺伝毒性発がん物質と判断された時点で ADI は設定できない ADI 一日の食品毎日一生涯摂取 40

41 食品添加物が指定されるまで ( 厚生労働省ホームページより ) 41

42 食品添加物の使用基準をどう決めるのか食品添加物の使用基準は厚生労働省が決める厚生労働省が国民健康栄養調査などから各食品の摂取量を調べそれに基づいて食品添加物の摂取量を推定する食品添加物の推定摂取量が一日摂取許容量 (ADI) を下回るように考慮して食品添加物毎に使用基準を定めている厚生労働省の調査 ( 平成年 ) 42

43 ( 参考 ) 食品添加物の摂取量はどう調べてる? 43

44 体影響(作用1/100にする生)無毒性量一日摂取許容量使用基準の関係食品中の悪影響が出るとは考えられないレベルで管理実際の量厚生労働省残留農薬基準食品添加物使用基準試験 1 試験 2 動物実験の数値を安全係数 1/100 試験 3 試験 4 ADI NOAEL NoObserved Adverse Effect Level 一日摂取許容量無毒性量 ( 動物実験の数値 ) 摂取量 44

45 康影響摂取量健( 参考 ) 化学物質の量と作用の関係大安全食品中の ( 使用 ) 基準値危険 ( 厚生労働省 ) 安全係数 (1/100) 実際の量 ( 適合 ) 基準値違反 ADI NOAEL 大一日摂取許容量無毒性量 45

46 ( 参考 ) 化学物質の複合作用薬の場合はあり得る細胞機能に作用する量の化学物質を複数与えようとする時に相互作用が起こることがある ( 拮抗作用相互作用相乗作用 ) 食品添加物や残留農薬について起こり得る可能性は極めて低い細胞機能に作用しない量の化学物質をいくつ与えても何の作用も現れない大作用あり薬用(1/100) 一日摂取許容量無毒性量安全係数摂取量作作用なし添加物 ADI NOAEL 大 46

47 ( 参考 ) 食品添加物の摂取量はどのくらい? 一日摂取許容量 (ADI) と一日の摂取量との比較食品添加物の種類 ADI (mg/kg 体重 / 日 ) 1 人あたりの 1 日摂取許容量 ( 日本人の平均体重 58.6kg の場合 ) (mg/ 人 / 日 ) 日本人 1 人あたりの平均 1 日摂取量 (mg) 対 ADI 比 (%) 保存料 1 甘味料 2 安息香酸サッカリン類 ( サッカリンとして ) アスパルテームアセスルファム K 着色料 1 赤色 102 号黄色 4 号出典 : 1: 平成 24 年度マーケットバスケット方式による保存料及び着色料の摂取量調査結果について ( 厚生労働省 ) より 2: 平成 23 年度マーケットバスケット方式による甘味料の摂取量調査結果について ( 厚生労働省 ) より 47

48 摂取量ハザード ( 化学物質 ) の摂取量 ( 概念図 ) 多サプリメント ( カプセル錠剤等 ) 医薬品食品中の有害物質有害化学物質汚染物質食品添加物農薬動物医薬品の残留香料少 48

49 様々な方法で食品安全に関する情報を提供しています! 食品安全委員会や意見交換会等の資料様々な情報を掲載しています大切な情報は重要なお知らせ又はお知らせに掲載していますウィークリー版読み物版新着情報主な内容各種会議の開催案内概要食の安全に関する解説, 委員随想ホームページ掲載の各種会議等の開催案内パブリックコメント募集配信日火曜日毎月中下旬ホームページ掲載日 (19 時 ) 食品健康影響評価の解説食品安全委員会の活動の紹介子供向けの記事 ( キッズボックス ) 等 49

50 50 ご静聴ありがとうございました食品安全委員会 HP から情報をダウンロードして業務にご活用くださいまたもしよろしければメールマガジン Facebook への登録をお願いします!

食品添加物のリスク評価

食品安全フォーラム in とやま ~ 食品添加物の安全性を知ろう!~ 食品添加物のリスク評価内閣府食品安全委員会事務局平成 25 年 7 月 23 日 ' 火 ( 1 2 食品添加物のリスク評価 1. 食品添加物ってどんなもの? 2. 食品添加物にどんなイメージを持っていますか? 3. 食品添加物の安全性はどのように守られているのか 3 食品添加物とは食品の保存性を向上させたり栄養を保持したり