レポート

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1 2016 年 2 月 14 日号 銘柄解説 : 1. ドル / 円買い ( カウンター 新規準備 ) 2. ユーロ / ドル買い ( 中期ブレイクアウト 利食い完了 ) 3. 日経 225 買い ( 短期反転狙い 新規買い準備 ) 4.S&P500( 見送り ) 5.NY 原油売り ( スイング 再エントリー準備 ) 6. シカゴ大豆買い ( トレンドフォロー 撤退 ) コラム : 狙われた日銀と FRB 魯迅が言ったとされる言葉に 池に落ちた犬は叩け ( 打落水狗 ) というのがあります 今回の円高ドル安 日本株安は まさにそうした状況でした きっかけを与えたのは 黒田日銀総裁のマイナス金利導入でした これにより 一時はパニック的な円売りドル買いが発生したものの 内容が明らかになると もうこれ以上の効果的な金融緩和策は日銀には発動できないだろうということで 反動から一気に円が買われました そしてそれに合わせて日本株が売られました 今回の円高が更に強烈なものとなったのは FRB の金利引き上げは当分難しいという経済環境からの読みがあったと思います 円を買うには 何かを売るしかないのですが それは通常は基軸通貨であるドルになります そのドルを売ることに ヘッジファンドは何の恐怖も抱く必要が無かったわけですから 日米の中央銀行の金融政策の隙間をついて ここぞとばかりに円を買ってドルを売ってきた訳です 今回は 世界中のヘッジファンドがこのシナリオに乗ったと考えられます おそらく主導したのは国の経常収支が赤字に陥っているオイル系の投機資金だと思いますが ずっと長い間 大きな流れを描くことのできるシナリオが不在の状態で 動きが取れなかったヘッジファンドのマグマが溜まっていた訳ですから それが一気に吐き出したと言えるでしょう 2 週間にわたって やりたい放題をやった訳ですから ここからは当然反動があると考えておくべきでしょう しかし 今回のことで日米の中央銀行が全く効果的な手を打てないことが露呈した訳ですから 中央銀行が何らかの新たな策を打ち出さない限りは 戻ればまた狙われます そして怖いのは 月曜から春節明けで上海株市場が再開されることです 世界が揺れまくった 1 週間 春節で休場だった上海市場には売り圧力が溜まっているはずです これをヘッジファンドが見逃すはずがありません

2 FX ドル / 円買い ( カウンター 新規準備 ) 前回のレポートでは 8 月 24 日の安値を 1 月 20 日に下回ったことで タマゲ線切りとなり オーバーシュートが発生しました タマゲ線を切るまでは エネルギーの大きな偏りは発生し辛いので 通常通りにスイングを狙っていけるのですが タマゲ線を切ったことで そこに大きな売り込みが発生し 下値抵抗が出来てしまいます そうなると簡単には安値更新しませんので スイングの売りが機能しなくなる可能性大です 一方で 黒田バズーカ第三弾によって 1 月 29 日は長大陽線となり 20 日 H を終値が上抜いてきました これによって ここに大きな買い付き型のエネルギーの塊が出来てしまい ここも上値抵抗が発生します トレンド認識は スイング HL ではダウントレンド継続 HL バンドではアップトレンド転換と異なっており エネルギーの食い合いから考えると 保合いに入る可能性が高いとみることができます 非常に複雑な環境であることがわかると覆います こうした環境であると理解できれば 1 月 29 日の 20 日 H ブレイクがダマシとなった場合 そこを売ってみるのは悪くないアイデアであることがわかると思います ましてや今回は突然の発表によるパニック的な買い上げですから 狙うには絶好のタイミングであったと思います 今後も同じ環境が続いていると考えるなら 次は保合いの買い狙いとなります どこで仕掛け 手仕舞い ( 損切 利食い ) するか 考えてみましょう とアドバイスしました 結論から言いますと 保合いの買いは完全に間違った判断でした 描いたシナリオは間違っていましたが 仮に保合い逆張りの買いを実行していたとしても ダメージとしてはそれほどのことはなかったはずです まず今回の値動きで保合い逆張り買いのエントリーを行ったとすると 保合いレンジの下限に到達しているという判断で 2 月 8 日に成行で買ったか あるいは反転パターンの感応度を高くして 同じく 2 月 8 日に前日の高値を抜けたところで ストップで買ったかの 2 通りしかありません しかしこのいずれかであったにせよ 当日の終値では直近のスイング L である 1 月 20 日の安値 を下回っていますので これで損切りは確定です その後の 5 円幅にもなる強烈な下げの影響は受けていません ましてや慎重に折り返しを確認した場合は 前日高値を終値が陽線で上抜く あるいは陽線で安値高値とも切り上がるといった 典型的な反転パターンは一切確認できていませんので エントリーすら発生していません さてこれからですが 一度は上記短期反転シグナルで短期買いを狙えると思います しかし長居は禁物です デイトレードにとどめるか あるいは前日安値の下にストップロスを置く必要があります そして戻ったところのスイングの売り狙いとなりますが SMA オシレータがここまで売られ過ぎを示していますので 安値更新には疑問があります 早めの手仕舞いにすると同時に エントリー前日の SMA オシレータが売られ過ぎであれば リスクを半分以下に軽減して下さい

3 ユーロ / ドル買い ( 中期ブレイクアウト 利食い完了 ) 前回のレポートで 2 月 3 日には直近のスイング H を上抜いてブレイクアウトが発生しています これによりそれまでのダウントレンドから保合い そしてアップトレンド転換となりました 前回のレポートに書いたように リスク半分で買いエントリーとなっていると思います エントリーポイントは 終値が抜けたことを確認してから行った場合と 日中の値動きがブレイクポイントを抜けたことを確認してから行ったのとで 違ってきています 終値が抜けたことを確認してからのエントリーであれば 12 月 15 日のスイング H までも抜けてからの買いになりますので 少々反落の恐怖があるポイントでしたが それでもその翌日も更に上伸していますので このトレンド転換がダマシではなかった可能性は大です あとは反転シグナルの感応度をどう考えるかだけの問題です もし敏感にするなら 週末の値動きは陰線で 高値更新していませんので ここで手仕舞いでも構わないと思います もう少し引っ張るとしても 前日安値を終値が下回っていたら 確実に手仕舞いする必要があります 次の押し目は アップトレンド転換後最初の押し目となるので スイングの買いを一度は狙ってみます と解説しました 目いっぱい利食いを伸ばしたとしても 週末の値動きは前日安値を終値が陰線で下回っていますので ここで手仕舞いとなります ユーロドルは この 1 週間は買われ過ぎ水準を上回った状態で推移していましたので これで完全に手仕舞いしておく必要があります ユーロは ドル円に比べれば蚊帳の外の値動きでしかありませんが それでもドルを売るからには ユーロが買われてしまい必然的に今回のような値動きとなっています 今の値動きはドルインデックスの裏返しのような値動きとなっていることがわかると思います 今後も当面は ドル円を中心とした値動きになるはずなので ユーロドルはその値動きの影響をどのように受けるかで変動幅が変わってきます コラムに書いたようなシナリオで推移するなら どこかでドルが買い直されるはずなので ドルインデックスやユーロドルが短期反転シグナルを示していることを見ますと 短期のユーロ売りも狙えることがわかります またそうして反落した場合は そこはスイング戦略でのユーロ買いドル売りが狙える局面になると思われます しかし ドル円のところで書いたように またドル Index の値動きでも確認できますが ドルは短期的には売られ過ぎ水準に到達していますので テクニカルにはこれ以上売り込まれる可能性は低いと考えられます こうした理由から スイングでユーロ買いを狙ったとしても ユーロも高値更新まで引っ張れるかどうかはわかりません 早めの利食いが肝要でしょう ただ いずれにせよ副次的な値動きとなりますので ドル円のようなはっきりとした値動きにはならないと考えておく必要があります 手を出さないという選択肢もあり得るということです

4 株価指数 日経 225 先物買い ( 短期反転狙い 買い準備 ) 前回のレポートで 今後の展開の可能性としては 保合いに入っていく可能性が一番高いと考えています ざっくりとですが 下値は16000 円 上値は18000 円と考えておけば良いでしょう もしそうならない場合は いずれかの方向に放れていく訳ですが その場合もダマシの発生には注意が必要です 次の値動きを見てからでないと 今後の売買戦略の組み立ては難しい状態です と解説しました ドル円の仕掛け人達が 同じシナリオで日本株を売ってきているはずなので 基本的には似通った値動きとなるはずです 従ってシナリオとしても オーバーシュートからの短期反転狙いのカウンター買い戦略がまず最初に考えられます 個別株のカウンター戦略では 既に買いポジションを取り始めていますので 先物の売買であれば 短期反転シグナルを確認できれば買いを狙うのが良いと思います 当然ながら手仕舞いはデイトレードから 短期反落シグナルで行います テクニカルに見れば 昨年 8 月の下落時同様 この戦略はうまく機能するはずですが 外的要因で考えると 週明けからの上海株市場がどうなるかが一番怖いところです 日本株は 週末に買い戻しが一切入っていない状況ですので 上海株市場が下落し始めると 再び売り方が勢いを増して売り浴びせてくる可能性があります この可能性が高いので カウンターを狙うにしても 戻り始めた値動きを確認してからになります そして一旦戻りが入れば ドル円同様に中期売買法の売りを狙っていきますが 安値更新まではこちらも追いかけません 基本的にドル円と相関が非常に高い値動きとなりますので リスクのバランスには気を付けて下さい S&P500(E-Mini) 先物 ( 様子見 ) 前回のレポートで 日本株同様の判定となりますので 安値更新とはならずに しばらく保合い入りすると考えておく方が良いでしょう 保合いの中での売買を狙うという考えもあるでしょうが まだ保合いがパターン的に確定した訳では無いので うかつに手を出して損切りさせられてしまうくらいなら 何もしないで状況がはっきりするまで様子見に徹した方が良いと思います と解説しました こちらは日本株とは異なり 止まるべきところで止まっており 想定していた通りに保合い入りの可能性が見えてきました 2 月 11 日に直近のスイングLである1 月 20 日の安値 を日中価格で下回っていますが これがタマゲ線切りとなり 大引けには再びスイングLよりも上に戻っています そして金曜には前日高値を終値陽線で上抜き 安値高値とも切り上がるという典型的な反転パターンが出現しています 通常であれば これで保合いに入っていく可能性が高いのですが 週明けからの上海株市場の値動き次第では どうなるかわかりません うかつに手を出すよりは この行方を見守ってから 保合いに入っていくなら保合い逆張りを狙えば良いと思います

5 商品 NY 原油売り ( スイング 再エントリー準備 ) 先週のレポートで 2 月 1 日には売りエントリーが発生しました その後の値動きは ほぼ先週解説したとおりの展開となっています 指示通りであれば エントリー翌日終値までには完全に利食いで撤退となったはずです 安値更新をすることなく 30ドルを割れた後に切り返していますが 方向感が無く こちらも保合いに入っていく様子が見られます もし1 月 28 日のスイングHを上抜くようなことがあれば 短期のブレイクアウト買いは狙えるかもしれません しかし ダマシにもなりやすいので ここでのブレイクアウトを狙うなら デイトレードで しかも終値がブレイクアウト水準の中に入ったら ドテン売りを仕掛けるのが良いでしょう その売りも当然短期手仕舞いです あまりごちゃごちゃとした売買をしても仕方ないという方は 手を出さない方が良いと思いますので 値動きを見ながらの仮装売買で良いと思います と解説しました 結果としては 2 月 10 日に直近のスイングLを下回りましたので 通常通りのスイングの売りで問題なかったということになりましたが あの段階での判断としては間違っていなかったと思っています 安値更新となったことで 更なるダウントレンドの継続が確認された訳ですが 安値更新後の値動きは (3 日以内に元の水準に戻っているので ) このブレイクアウトがダマシであったかもしれないことを示唆しています またSMAオシレータは再び売られ過ぎ領域に入ってきましたので 再度スイングの売りを狙うにしても注意が必要です 取組高はずっと膨らみ続けていますので 市場にエネルギーが溜まってきていることは間違いありません この大きなエネルギーは 現時点では26ドルから35ドルの間で形成されたものですので このレンジから抜け出す時には 大きな値動きを作り出す可能性があります しかし下に抜けきれなかったということは 再び上値のブレイクアウトに挑戦してくる可能性もあり 注意が必要です 総合的に判断すれば スイングの売り狙いですが リスクを半分以下に軽減する必要があります またスイングの売りが損切りになった場合は ドテン買い狙いもあり得ます この場合は上方ブレイクアウトが発生するはずですので 短期反落シグナルを確認するまでは買いポジション維持で良いでしょう シカゴ大豆買い ( トレンドフォロー 撤退 ) 先週のレポートで 今度は1 月 29 日の安値 が新たなスイングLとなりました これで更に保合いレンジが狭まったことになります 上に抜けてくれることを期待していますが 下に抜けられるとダウントレンド転換となりますので そこは一旦手仕舞いしておく必要があります とアドバイスしました しかし残念ながら2 月 8 日に直近のスイングLを終値が下回ってダウントレンドに戻りましたので これでいったん撤退です 2 月に入っても 動く気配が見られないということは 宝くじはハズレだった可能性大です

6 お知らせ レポートの読み方について レポートを読み始めの方は おそらくレポートの中で使われている用語や戦略を理解するだけでも結構大変だと思いますが わからないと投げてしまわずに 我慢して 1 ヵ月間理解する努力を続けて下さい このレポートの目的は 自分で売買戦略を構築できるようになることです そのために 単なる相場予測的なアドバイスではなく その時点の環境をどのように分析し その結果としてどのような判断を下し どのような戦略を採用するかという一連のプロセスをお見せしています 本来は 鈍 で 不器用 なトレードを実直に継続すべきところでも あえて様々な角度からの分析を行い 可能性について幅広い答えを示しています しかしこのレポートの読者の方は これらの中から自分にあったひとつの手法のみをまずは身に付けるようにして下さい どのような手法 戦略が自分に合うかは 皆さん自身が判断される必要があります あれこれと試してみて 自分に合っている手法が見つかったら あとはその手法に合った環境が整うまでじっと待つ努力をして下さい 選択した手法が それに適した環境できちんと使えるようになってから 次の手法の習得に移るようにして下さい そうしませんと 何も身に付かないまま時間だけが過ぎていきます まずは 自分が好きな手法が何であるかを気づくことです こういう見方で このレポートを活用するようにして下さい そうしませんと どうとでも取れるような書き方をしていて意味が無い と勘違いされると思います また書かれていることを鵜呑みにする受動的な読み方はしないで下さい それではいつまで経っても どの手法が自分に適しているかわかりません レポートに示されているのは様々な可能性の中のひとつの例だと考えて 自分ならこう考えるという能動的な読み方をして下さい 1 か月後にはわからなかったことがわかるようになり 3 か月後には自分で考える力が身に付いてくるはずです