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1 2016 年 2 月 28 日号 銘柄解説 : 1. ドル / 円買い ( 保合い逆張り 手仕舞い準備 ) 2. ユーロ / ドル買い ( スイング 損切 & 再エントリー準備 ) 3. 日経 225 売り ( スイング 撤退 ) 4.S&P500 売り ( 保合い逆張り 損切り ) 5.NY 原油買い ( 損切りドテン買い 手仕舞い ) 6.NY 金売り ( 短期トレンドフォロー 損切り & 再エントリー準備 ) コラム : 原油の協調減産は実現するか やっと原油価格が落ち着いてきました チャートを見ましても これまでの一方的な下落の連続から 横這いの値動きに変わってきたことがわかります この背景にあるのは これまで減産に同意してこなかったサウジの態度の変化です サウジが減産に同意してこなかった理由には 米国のシェールオイルに価格の支配権を奪われることを恐れて なりふり構わずシェールオイル潰しに走ったことが挙げられます 当初 シェールオイルの産油コストは 1 バレルあたり 70 ドル近くだと言われていました ですからサウジの産油コスト (10 ドル以下 ) から比べれば サウジは簡単にこのオイル戦争に勝てるはずでした しかしシェールオイルの採掘技術は新しい技術であり どんどん低コストの採掘技術が開発されるに従い 産油コストが低下し 現在では 25 ドル近辺にまで下がったと言われています ここまでコストが下がると サウジのもくろみ通りにシェアを奪回することは不可能となりました サウジにとっては イランの制裁 ロシアの制裁と続いたことで 原油市場の価格決定権を一手に握っているつもりだったのですが イランの制裁が解除されたことで 流れが一気に変わりました これまで封印されてきたイラン原油が 大量に市場に出回るようになってしまうからです どの産油国にしても 原油価格は高いに越したことはありませんが だからといって販売シェアを確保しないことには生き残っていけません イランが制裁によって失っていたシェアを取り戻そうとして安値での販売を拡大することは明白であり これが原油市場を底なし沼状態にしていました しかし共倒れになることを恐れたサウジとロシアは これまで非常に険悪な関係であったにも関わらず カタールも加えた 3 国で 3 月半ばにも減産合意に至ると報じられています しかし 市場の反応は懐疑的であり 実現する可能性は低いと見られています 3 月半ばに掛けて 協調減産失敗から再び売られる可能性は否定できません

2 FX ドル / 円買い ( 保合い逆張り 手仕舞い準備 ) 前回のレポートでは さて 戻りからのスイングの売りの方はどうだったでしょうか? こちらは非常に微妙な値動きとなっています 日足の高値は 10 日加重平均の上に出ているのですが 終値はぎりぎりのところで上回ることなく 反落が始まっています 値動き自体はほぼ想定した通りの値動きだったのですが ルールがわずかにマッチしていませんでした FX(24 時間マーケット ) 用のエントリールールではなく 通常の中期売買法のエントリールールであれば 2 月 17 日に売りエントリーが出来ています こういうことが割と何度もあるのですが こうした場合は 例えば半分のリスクで 通常銘柄のシグナルでエントリーしてみるというのもありだと思います ルールは可能な限り値動きを再現するように考えられたものですが 完璧なものではありませんので この程度の裁量であれば臨機応変に対応して構わないと思います 今後は安値更新があれば 再度スイング売り狙い 無ければ保合い対応となります と解説しました その後も前日高値を終値が上回ることなく下落を続け 2 月 24 日に の安値をつけました しかし 2 月 11 日の安値 を下回ることなく 翌 2 月 25 日には前日高値を終値が陽線で上抜き かつ HLC のそれぞれが前日の値を上回るという 典型的な反転シグナルが発生しました 安値更新とならずに折り返しが発生していますので 先週のレポートで指示しましたように 保合いを前提とした売買となります 折り返しの確認ができた 2 月 25 日の終値で買いエントリーを行いますが 2 月 16 日の高値 は上回らないという前提で手仕舞いを行います また保合い入りしたと判断する訳ですから 2 月 16 日の高値 から 2 月 24 日の安値 までの下落幅 に対し 70% の戻し幅 (2.692) となる が目標値となります 2 月 26 日の高値は ですので すでにこの目標価格を超えています 月曜にすぐに手仕舞いしても結構ですし 月曜は半分手仕舞いのみとし 残り半分は短期反落シグナル発生の確認を取ってから手仕舞いとしても良いと思います この場合 すでに目標値を超えていますので 感応度は高く設定する必要があります 例えば 前日安値の下にストップを置く 本日高値が前日高値よりも下に位置する あるいは陰線となったことを確認したら手仕舞いといった方法です 保合いではそもそも利食いできる値幅が自体が狭いので 確実な反転シグナルを待っていますと 利食いできたものもできなくなってしまう可能性があります 今後の対応ですが 想定通り保合いに入っていくなら 買いポジションの手仕舞いシグナルでドテン売りとなります この場合も徐々に値幅が狭くなりますので 目標値と感応度の高い反転シグナルの併用となります 米国株市場の値動きを見ますと このまま 2 月 16 日の高値 を超えていく可能性も否定できませんが それでもスイング L の切り上がりのみでありスイング H は切り上がりませんので まだアップトレンド転換とは判断できません

3 ユーロ / ドル買い ( スイング 損切り & 再エントリー準備 ) 前回のレポートで ユーロはドルの裏返しになるので 短期的にはドルが売られ過ぎた反動から戻るとするなら ユーロは売られるという読みでしたが 値動きはこの通りになりました ドル円と同じ理屈で仕掛けるとしたなら カウンター狙いのユーロ売りは 2 月 12 日に発生していました ユーロ / ドルも SMA オシレータが 2% を超えて買われ過ぎとなっていましたので ここからの折り返しを確認してカウンター売りを狙う場合は 前日安値を日中価格が下回っている 2 月 12 日となります そしてこの日は終値ベースでの短期反転シグナルで見ても 陰線で 前日安値を終値が下回り その上 高値 安値 終値とも 前日の値を下回るという これ以上無いような決定的な反転シグナルとなっています そしてその後の値動きはご覧のとおりです ( 中略 ) さて すでに安値では 20 日指数平滑移動平均を下回っているのですが 終値ベースでは依然として下回っていません しかしこちらも週末に終値が 20 日指数平滑移動平均を陽線で上回っていることから FX 用の中期売買法ではなく 通常銘柄用の宙域売買法シグナルであれば 買いエントリーが発生していることがわかります ダメ元で買ってみても構わない値動きだと思います ただし高値更新があるかどうかは五分五分ですので 反転シグナル発生では逃げるようにして下さい と解説しました しかし 2 月 22 日には 陰線で終値が前日安値を下回るという 典型的な反転シグナルが発生し 残念ながら即座に損切りとなってしまいました こういうこともあるので 売買シグナルを裁量で変更するという判断は なかなか難しいのです 現在の状態はスイングの買いを狙うには あまり良くない状態になってきています 10 日加重平均と 20 日指数平滑移動平均の位置関係を見ると この意味がわかってもらえると思います 理想的なスイングの買いでは 短期移動平均は中期移動平均の上に位置している状態で 買いシグナルが発生していきます 短期と中期の位置関係が逆転しているということは アップトレンドの優位性はすでに消滅してしまっており このまま時間が経過すると やがてダウントレンド転換するかもしれないという状況にあることを示しています スイングはその時のトレンドの優位性を利用して 押しや戻しが発生した状態から 元のトレンドの方向に戻っていく値動きを取るものですから トレンドの優位性が消滅している状態では うまく機能しない可能性が高くなります ただ長期トレンドの目安としている 75 日移動平均線にまもなくタッチしてきますので ここで抵抗が発生し そこから切り返し始めるとまたアップトレンドに向けた値動きが始まる可能性は残されています ですから 次の狙いとしては 75 日移動平均背を下回った後に 中期売買法と同様のエントリーシグナルが発生する あるいは反転シグナルが発生したら 買いを狙ってみるというのはありだと思います しかしそれが損切りとなった場合は ダウントレンド転換がいよいよ視野に入ってきます

4 株価指数 日経 225 先物売り ( スイング 撤退 ) 前回のレポートで 2 月 17 日には10 日加重平均に対する中期売買法の売りシグナルが発生しています しかしその後の値動きでは損切とはなっていないものの 現時点では決して良好な売りエントリーになっているとは言えない状態です もしこの売りエントリーが損切りとなるようなことがあれば そこから短期的にはもう一段高があると考えられますので 短期の買いも狙えると思いますが 戻れば売られますので 深追いは禁物です トレンド認識がダウントレンドの間は 戻ればスイングの売り狙いと考えて対処すべきでしょう ただし安値更新まで期待して良いかどうかはわかりません と解説しました この1 週間は16000 円を挟んでの上下動のみであり スイングの損切りポイントである 2 月 16 日の高値 円を終値が上回ることはありませんでした しかしエントリーからすでに7 営業日が経過していますし エントリー後一度もエントリー価格を下回る値動きが発生していませんので この売りシグナルが機能していないことは明白です 損切りになると思いますが 即座に撤退する必要があります 戻ればまた売られる可能性は高いのですが 米国株の値動きを見ますと 目先は意外に強気で推移する可能性もあります これまでの弱く一辺倒から 若干市場に楽観的なムードが戻りつつあるようにも感じます 判断のポイントとしては 20 日指数平滑移動平均に対する中期売買法の売りシグナルが機能するかどうかです これが損切となった場合 確実に市場のムードは変わります しかしそうならなかった場合は 再び安値更新もあり得ると考えておく必要があります リスクを減らして スイング売りの再エントリーを狙ってみるのもありでしょう S&P500(E-Mini) 先物売り ( 保合い逆張り 損切り ) 前回のレポートで 2 月 12 日には上海株式市場も切り返しており NY 株市場も典型的な短期反転シグナルが発生していますので ここで買いエントリーとなります 保合い逆張り戦略なので 2 月 19 日に陰線で高値安値終値が前日のそれぞれの値を下回ったところで 利食いドテン売りです と解説しました しかし2 月 22 日には短期反転シグナルが発生しましたので これで損切りとなります またこの日は日中の高値が2 月 1 日のスイングHを上回りましたが 終値ベースでは再びブレイクアウト水準の下に戻っていますので アップトレンド転換とはなっていません しかしそれから3 営業日後となる2 月 25 日には 終値がスイングHを上抜き 日足がアップトレンド転換しました そして週末には週足ベースで見ても アップトレンド転換となりましたので これまでの流れが変わったと考える必要があります 今後のポイントは アップトレンド転換がダマシとならないかどうかです ダマシとならずに上昇が続いた場合 次の押し目ではスイングの買いを狙うことになります 上海株にはやや懸念がありますが 原油価格の安定の方が重要視されているようですので しばらくは市場は落ち着く可能性があります

5 商品 NY 原油買い ( 損切りドテン買い 手仕舞い ) 先週のレポートで 気に掛かっていた取組高は この短期上昇ですぐに減少しましたので エネルギー的にはあまり心配はいらなくなりました 現在は週末に20 日指数平滑移動平均に対する中期売買法の売りシグナルが発生したばかりのところですので これがどうなっていくか今後の行方を見守るしかありません 売買方針としては先週の方針を踏襲します ただ取組高が減少したことから ドテン買いを行っても 35ドルを超えるまでの上昇があるかどうかは わからなくなりました と解説しました スイング売りエントリー直前の高値 31.98を 2 月 24 日の終値が上回りましたので この日でスイングの売りエントリーは損切りし ドテン買いとなりました その後の値動きでは 35ドル直前まで上昇していますが やはりこれを上回ることなく反落しています こうした値動きもほぼ想定通りですので 35ドルをブレイクできなかったことから考えれば 保合いまたはそれに近い値動きに入っていく可能性が高く この値位置での買いポジション維持はリスクが高いと言えます 今なら利食いできますので 買いポジションを手仕舞いすることを勧めます 今後の対応としては 原則保合い対応となりますが 35ドルを挟んで一度は日足がアップトレンド転換してくる可能性もあります しかしロシアとサウジが協調減産に同意しない限りは 本格的なアップトレンドが継続する可能性は低いので アップトレンド転換がダマシとなる可能性も高いと考えています それが確認できたら保合いに戻ると想定して売り狙いとなります NY 金売り ( 短期トレンドフォロー 損切り & 再エントリー準備 ) 前回レポートで 原油価格も穀物価格も低迷する中で ドル下落に対するヘッジ ( 実際にはそういう口実にして仕掛けているだけですが ) として金が買われました インフレで買われている訳でではないので この上昇が長く続くとは思えません ( 中略 ) 仕掛けは 次の短期反落シグナルの確認 または中期売買法の買いが損切りとなった場合に行います 手仕舞いは短期反騰シグナル発生で行います と解説しました 2 月 22 日には短期反落シグナルが発生したのですが その後の値動きは思うように機能していません 2 月 24 日には短期反騰シグナルが発生し これで損切りが確定してしまいました 原油価格の下落が止まったことで 目先の値動きは安定するかもしれませんが 今の高値を維持できるだけのエネルギーがあるとは思えません 時間の問題で 当初のシナリオ通りの下落が始まる可能性がありますので 今後も短期反落シグナルの発生で売りエントリーを狙っていきたいと思います 損切りは同様に短期反騰シグナルで行います 小さな損切りを繰り返しても その後の反落の値幅は結構あると考えていますので その価値はあると思っています

6 お知らせ レポートの読み方について レポートを読み始めの方は おそらくレポートの中で使われている用語や戦略を理解するだけでも結構大変だと思いますが わからないと投げてしまわずに 我慢して 1 ヵ月間理解する努力を続けて下さい このレポートの目的は 自分で売買戦略を構築できるようになることです そのために 単なる相場予測的なアドバイスではなく その時点の環境をどのように分析し その結果としてどのような判断を下し どのような戦略を採用するかという一連のプロセスをお見せしています 本来は 鈍 で 不器用 なトレードを実直に継続すべきところでも あえて様々な角度からの分析を行い 可能性について幅広い答えを示しています しかしこのレポートの読者の方は これらの中から自分にあったひとつの手法のみをまずは身に付けるようにして下さい どのような手法 戦略が自分に合うかは 皆さん自身が判断される必要があります あれこれと試してみて 自分に合っている手法が見つかったら あとはその手法に合った環境が整うまでじっと待つ努力をして下さい 選択した手法が それに適した環境できちんと使えるようになってから 次の手法の習得に移るようにして下さい そうしませんと 何も身に付かないまま時間だけが過ぎていきます まずは 自分が好きな手法が何であるかを気づくことです こういう見方で このレポートを活用するようにして下さい そうしませんと どうとでも取れるような書き方をしていて意味が無い と勘違いされると思います また書かれていることを鵜呑みにする受動的な読み方はしないで下さい それではいつまで経っても どの手法が自分に適しているかわかりません レポートに示されているのは様々な可能性の中のひとつの例だと考えて 自分ならこう考えるという能動的な読み方をして下さい 1 か月後にはわからなかったことがわかるようになり 3 か月後には自分で考える力が身に付いてくるはずです