医療関連感染対策2 ガイドラインと感染管理活動

Size: px
Start display at page:

Download "医療関連感染対策2 ガイドラインと感染管理活動"

Transcription

1 医療関連感染対策 2 ガイドラインと感染管理活動 AIRIS 2012 年 8 月 17 日 亀田総合病院感染管理室吉田眞紀子 ホームページ掲載用 本日のゴール ガイドラインの成り立ちと使い方を知る ガイドラインを活用した感染管理を知る 自施設で感染管理対策が実践できる ゴールは ガイドラインに使われない ガイドラインは使うもの 1

2 本日のメニュー I. そもそも ガイドラインとは II. ガイドラインのエビデンス III. 感染対策ガイドライン in the world IV. ガイドラインから院内マニュアルへのブリッジング V. ガイドラインの実践その1. 空気予防策 VI. ガイドラインの実践その 2. 接触予防策 3 そもそも ガイドラインとは? ガイドラインは 標準 である 国際的に標準的な方法とされている根拠に基づいた EBM の手順に則って作成する つまり 根拠を明示しないでコンセンサスに基づく方法は できる限り採用しない しかし 高いレベルのエビデンスだけで構築することは不可能 その分野の専門家のコンセンサスもふくまれる 作成の目的を明確にする エビデンスレベルの分類 ガイドラインの質の評価を行う 2

3 ガイドラインは 使えない?! 丸暗記する そのまま自施設に導入するものではない 考え方を理解し 自施設のマニュアルを作成する 対策に迷ったときは ガイドラインに戻る 感染対策の素人は how to 本 を読む 感染管理の専門家は ガイドラインに当たる まずは エビデンスを押さえる Evidence based medicine (EBM) あやふやな経験や直感に頼らず 科学的根拠に基づいて行う エビデンスのレベル Ⅰ Ⅱ Ⅲ システマティック レビュー /RCT メタアナリシス複数のランダム化比較試験 ランダム化比較試験 非ランダム化比較試験 Ⅳ 分析疫学 ( コホート研究 症例対照研究 ) Ⅴ Ⅵ 症例報告 ケースシリーズ 患者データに基づかない専門委員会や専門家の意見 診療ガイドライン作成の手引き

4 ガイドラインは万能?No! カテゴリー ⅠA 実施が強く推奨され 十分に計画された実験的または疫学的研究による強力な裏づけがある カテゴリー ⅠB 実施が強く推奨される 強力な根拠と示唆的な証拠に基づいているか または当該分野の専門家によって有効と見なされたもの カテゴリー Ⅱ 多くの病院での実施が提案される 示唆的な臨床的研究 疫学的研究 強力な理論的根拠がある 勧告なし ( 未解決問題 ) 有効性に関する十分な証拠またはコンセンサスが得られていない方法 Guideline methodology, CDC ガイドラインとの正しいつきあい方 つきあい方を間違えると やっかいなことになる ガイドラインとマニュアルの違いを理解する ガイドライン マニュアル 作成 編集国 自治体 学会施設単位 適応範囲広く普及施設単位 特徴 総論 指針 手引き書 作業手順 作業レベルまで言及 根拠 公表論文 エビデンスレベルを示す ガイドラインや指針 目標 院内感染を減らす 業務の効率化 標準化 4

5 本日のメニュー I. そもそも ガイドラインとは II. ガイドラインのエビデンス III. 感染対策ガイドライン in the world IV. ガイドラインから院内マニュアルへのブリッジング V. ガイドラインの実践その1. 空気予防策 VI. ガイドラインの実践その 2. 接触予防策 9 血管内留置カテーテル関連感染防止ガイドライン 2011 CDC 1. 末梢カテーテルの交換 成人において感染及び静脈炎のリスクを低下させるために 72~96 時間間隔より頻回に末梢カテーテルを交換する必要はないカテゴリー IB 2002 年のガイドラインでは 少なくとも 時間毎に交換すること とされていた 成人において症状がある場合にのみ末梢カテーテルを交換することに関するエビデンスはなく勧告はできない未解決問題 10 5

6 エビデンス : コクランレビュー 72~96 時間毎にカテーテルを交換する意義を見つけ出すことはできなかった 臨床上必要なときにのみ交換とポリシーを変更することにより 利益面が向上し 患者にとってもルート交換による痛みから開放される Clinically-indicated replacement versus routine replacement of peripheral venous catheters, Joan Webster, et al., 2010, CD The Cochrane Library 11 国立大学医学部付属病院感染対策協議会病院感染対策ガイドライン ( 改訂版 2012) カテーテル留置期間中の管理 静脈炎のリスクを減らすために末梢静脈カテーテルを交換する場合 その交換時期は 72~96 時間以内である必要はない ⅡB 以前は 72 時間以上留置しない方がよい BⅡ であった 静脈炎の兆候 ( 発赤 腫脹 疼痛 ) がある場合は 速やかにカテーテルを抜去する AⅢ 末梢静脈カテーテルの輸液ラインは カテーテル入れ替え時に交換する方がよい BⅢ 12 6

7 血管内留置カテーテル関連感染防止ガイドライン 2011 CDC 2. 皮膚の前処置 中心静脈カテーテル挿入前とドレッシング交換時に >0.5% クロルヘキシジンアルコール製剤で皮膚を前処置する (IA) 以前は 2% クロルヘキシジンが望ましいが ヨードチンキやアルコールの代用も差し支えない (1A) だった 13 Chlorhexidine compared with povidone-iodine solution for vascular catheter-site care: a meta-analysis. 2% CHG 0.5% CHG 0.5% CHG 1% CHG 14 Chaiyakunapruk N, Veenstra DL, Lipsky BA, Saint S. Chlorhexidine compared with povidone-iodine solution for vascular catheter-site care: a meta-analysis. Ann Intern Med 2002; 136:

8 本日のメニュー I. そもそも ガイドラインとは II. ガイドラインのエビデンス III. 感染対策ガイドライン in the world IV. ガイドラインから院内マニュアルへのブリッジング V. ガイドラインの実践その1. 空気予防策 VI. ガイドラインの実践その 2. 接触予防策 15 感染管理に関するガイドライン in the world WHO ガイドライン : 公衆衛生上問題となるテーマに関するガイドライン CDC ガイドライン : 米国疾患予防管理センター (CDC) が作成 多くの最新医学論文を根拠とした勧告 DH ガイドライン : 英国保健省作成 HIS ガイドライン : 英国院内感染学会作成 医療機関等における院内感染対策について : 厚生労働省通知 病院感染対策ガイドライン : 国公立大学付属病院感染対策協議会作成 (2012 年改訂 ) 16 8

9 医療ケアにおける手指衛生の WHO ガイドライン (2009) 医療における手指衛生のエビデンスの紹介と明確な勧告 手指衛生に関連する科学的根拠 手指衛生の方法と結果の評価方法 手指衛生 スキンケア 手袋の使用についての勧告 17 医療関連感染対策ガイドライン 米国 CDC 手指衛生のためのガイドライン 2002 環境感染管理のためのガイドライン 2003 院内肺炎防止ガイドライン 2004 多剤耐性微生物の管理 2006 隔離予防策のためのガイドライン 2007 医療施設における消毒と滅菌のガイドライン 2008 尿路感染防止ガイドライン 2009 ノロウイルスガイドライン 2011 血管内カテーテル感染防止ガイドライン

10 血管内カテーテル感染防止ガイドライン 2011 中心静脈カテーテルや末梢動脈カテーテル挿入前およびドレッシング交換時の皮膚消毒にクロルヘキシジン濃度が 0.5 % を超えるアルコール製剤を使用する 1A カテーテルの挿入や管理を行う医療従事者の教育や訓練 1A 中心静脈カテーテル挿入中に実施するマキシマルバリアプリコーション 1B 感染予防の手法として中心静脈カテーテルの定期的な交換を避ける 1B 19 医療施設における消毒と滅菌のガイドライン 2008 CDC 器具の使用用途及びそれらが関与する感染リスクの程度によって器具や物品をクリティカル器具 セミクリティカル器具 ノンクリティカル器具に分類し消毒 滅菌方法を選択することを勧告 内視鏡について洗浄 消毒 リンス 乾燥 保管の具体的な勧告

11 医療器具の滅菌と消毒 洗浄 : 病原体を死滅するのではなく 有機物や汚れを物理的に除去することが目的 滅菌 : 病原体を完全に除去 破壊することを目的とする 消毒 : 高水準 中水準 低水準 復習 器具の消毒 滅菌 スポルディングの器具分類 : 消毒対象物をどのような用途に再使用するかを基準として決定する 器具分類クリティカルセミクリティカルノンクリティカル 22 消毒水準滅菌高水準消毒中水準消毒低水準消毒 対象器具 無菌組織や血管に挿入するもの 粘膜または健常でない皮膚に接触するもの 健常な皮膚に接触するもの 引用 : 日本環境感染学会教育ツール Ver.1 11

12 病院感染対策ガイドライン : 国公立大学付属病院感染対策協議会作成 (2012 年改訂 ) 日本 標準予防策および経路別予防策 デバイス関連感染対策 プリオン対策 ワクチンガイドライン 歯科における感染対策ガイドライン 23 医療施設における院内感染 ( 病院感染 ) の防止について 厚生労働省医政局指導課 院内に感染制御チームを設けること 感染制御チームは日常からラウンドなどを行ってチームで活動を行うこと 地域ネットワークを活用すること アウトブレイクには早期に対応すること 他に 多剤耐性グラム陰性菌感染制御のためのポジションペーパーなど 学会が作成するものがある

13 日本の法律も遵守しよう 医療施設における院内感染の防止について 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 食品衛生法 薬事法 廃棄物の処理及び清祥に関する法律 労働安全衛生規則 学校保健安全法 本日のメニュー I. そもそも ガイドラインとは II. ガイドラインのエビデンス III. 感染対策ガイドライン in the world IV. ガイドラインから院内マニュアルへのブリッジング V. ガイドラインの実践その1. 空気予防策 VI. ガイドラインの実践その 2. 接触予防策 26 13

14 隔離予防策のためのガイドライン 2007 CDC 医療従事者および患者の安全の確保 標準予防策を基本に 接触 飛沫 空気予防策を追加する 病院感染 (hospital infection) から医療関連感染 (HAI; healthcare associated infection) へ 在宅 外来 長期療養施設 標準予防策に咳エチケット 安全な注射手技 脊椎穿刺の項を追加 27 標準予防策 ユニバーサルプリコーション (1991,OSHA) に始まった考え方 ユニバーサルプリコーション : 血液由来の病原体が医療従事者に伝播する危険性を減らすためにデザインされた 血液と体液防御策を普遍的 ( 全ての患者 ) に実施する予防策 全ての患者に適応される 汗を除く全ての血液 体液 分泌物 排泄物 傷のある皮膚 粘膜は伝播しうる病原体を含んでいると考える 手指衛生 医療行為により予測される曝露を想定して 手袋 ガウン マスク ゴーグル フェイスシールドを使用する 安全な注射手技 呼吸器衛生 咳エチケットを含む 14

15 標準予防策と主な適応感染症 標準予防策 + 咳エチケット + 安全な注射手技 + 腰椎穿刺対策 経路別予防策 29 空気予防策 結核 麻疹 水痘 飛沫予防策 インフルエンザ 風疹 マイコプラズマ 接触予防策 MRSA ノロウイルス 疥癬 感染経路 > < 空気感染 飛沫感染 1~2m 飛沫 飛沫核 接触感染 感染者 免疫のない人 30 15

16 飛沫と飛沫核の違い 飛沫 飛沫核 感染様式飛沫感染空気感染 直径 5ミクロン以上 5ミクロン以下 (~0.3ミクロン) 落下速度 30~80cm/sec 0.06m~1.5 cm/sec 周囲の水分ありなし 到達距離短い ( 約 1m) 長い 31 ガイドラインからマニュアルへ 予防策伝播経路病原体 PPE 環境 標準予防策 接触予防策 飛沫予防策 空気予防策 医療者の手 ケア器具 飛沫の吸入 飛沫核の吸入 MRSA ノロウイルス クロストリジウムディフィシル 疥癬 インフルエンザ 百日咳 マイコプラズマ 髄膜炎菌 結核菌 麻疹ウイルス 水痘ウイルス 必要時フェイスシールド ガウン ガウン 手袋 サージカルマスク N95 マスク 手指衛生 個室対応 コホート対応 コホート対応 ( 空気の制御は不要 ) 陰圧部屋対応使用期間中は陰圧チェック 16

17 接触感染 1 患者又は患者環境に直接もしくは間接的に接触することにより拡散する病原体の伝播 直接接触 : 病原体が人から人に直接伝播 間接接触 : 病原体が汚染物を介して他の人に移動する 接触予防策 : 患者やその環境に触れるときは常に 手袋とガウンを装着する 接触感染 2 個室あるいはコホート 多床部屋では ベッド間隔を 1m 以上とし カーテンを引く 器具はディスポあるいは患者専用とする 高頻度接触面の定期的な清掃 消毒を行う 対象病原体 :MRSA ノロウイルス クロストリジウムディフィシル 疥癬など 17

18 対策の基本それは手指衛生 医療施設で, 病原体の伝播を減らす最も有効な手段 擦式アルコール消毒薬 流水と石けん 手指衛生には擦式アルコール消毒薬が好ましい 肉眼的に汚れている時は流水と石けんで 30 秒以上こすり洗い 芽胞 ( クロストリジウムディフィシル 炭疽菌 ) ノロウイルスに触れた後は 流水と石けんが望ましい 手洗い どっちがいいの? 流水と石けん 30 秒以上洗わないと有効ではない 濡れたままの手には細菌が付着する ウイルスを物理的に除去することができる 擦り込み式アルコール 一部のウイルスには効果が十分ではない 所要時間は 1/4 手指衛生に要する時間 看護師が患者のベッドサイドからシンクに行き 手を洗い 患者ケアに戻るまでに平均 62 秒かかる ベッドサイドのアルコール製剤を使用すると 時間は約 4 分の 1 に短縮する 18

19 手指衛生はタイミングがミソ 患者に触れる前 清潔 無菌操作の前 体液に曝露された可能性があるとき 患者に触れた後 患者の周辺に触れた後 WHO 手指衛生の 5 moments 環境感染制御 環境表面からの感染経路 病原体に汚染した環境表面はその貯蔵庫となり得る その環境表面は スタッフや患者への病原体の伝播に直接関連することはない 環境表面から患者への病原体の伝播はその表面に接触した手を介することがほとんどである 19

20 一見美しい病室も 感染管理のプロの目で見ると 亀田総合病院病室 飛沫感染 咳 くしゃみ 会話している患者からの気道飛沫により伝播 長期間にわたり感染性を維持しないので 換気や特別な空調は必要ない 患者に 2~3m 以内あるいは病室への入室時はサージカルマスクを着用する 個室あるいはコホート 対象病原体 : 百日咳 インフルエンザウイルス アデノウイルス ライノウイルス 髄膜炎菌など 20

21 空気感染 空気中に浮遊して長距離でも感染性を維持する病原体の伝播 N95 マスクを使用 患者の移動時は 患者にはサージカルマスク 病室は空気感染隔離部屋 ( 陰圧部屋 ) 1 時間に 6~12 回換気 使用中は 毎日スモークテストで陰圧を確認 病原体 : 麻疹ウイルス 水痘ウイルス 結核菌 PPE を正しく使う PPEとは? Personal protective equipment 個人防護具 マスク ガウン 手袋 確認したいポイント 使う場面を想定した設置 用途にあった正しい選択 : 処置内容で選ぶ 正しい使い方 : 交差感染を避けるため交換の時期を知る 正しい着用方法 正しい脱ぎ方 外し方 42 21

22 病室に設置された PPE 43 亀田総合病院病室 本日のメニュー I. そもそも ガイドラインとは II. 感染対策ガイドライン in the world III. ガイドラインのエビデンス IV. ガイドラインから院内マニュアルへのブリッジング V. ガイドラインの実践その1. 空気予防策 VI. ガイドラインの実践その 2. 接触予防策 44 22

23 医療環境における結核菌の伝播予防のためのガイドライン 2005 CDC 空気感染予防策 (airborne infection precautions) 医療者は N95 マスクを着用 フィットテストで十分にフィットするマスクを選ぶ 1 年に 1 回の教育 使用前は毎回シールチェック 医療環境における結核菌の伝播予防のためのガイドライン 2005 CDC 空気感染隔離室 (airborne infection isolation room) 室内は陰圧 ( スモークテスト ) 空気は病室から直接建物外部へ排気 あるいは HEPA フィルタを通じて再循環 症状がある あるいは治療が完了していない患者に対して使用する 23

24 空気予防策個人防護具を正しく使う 空気中に浮遊して長距離でも感染性を維持する病原体の伝播 N95 マスクを使用 N95 マスクとは NIOSH( 米国労働衛生研究所 ) の基準に合格 呼吸器保護具 レスピレーターと呼ばれる 0.3μm 以上の微粒子を 95% 以上濾過できる性能 カップ型すでに形状が決まっているため型崩れしにくい 3 面折りたたみ型顔の動きに追従する柔軟性をもち フィット性が高い構造 2 面折りたたみ型中央のエンボス加工が型崩れを防ぎ 高いフィット性を保つ 48 一部改変 : 満田年宏 医療従事者のための N95 マスク適正使用ガイド 24

25 N95 マスクフィットテストはなぜ行う? 目的 : どの呼吸器防護具が使用者に十分にフィットするか使用者の知識を確実なものにするために行う 頻度 : 入職時 配属転換時 年 1 回 1 安全のため : 医療従事者自身を守り 院内感染を防ぐ 2 トレーニングのため : 正しい着用方法を身につける 3 自分に合った N95 マスクを確認する 4 使用毎に シールチェックを行う 49 N95 マスクフィットテストの種類 定性的フィットテスト フードをかぶり サッカリンの甘みを感じるか調べる 簡単 安価であるが 客観性に欠ける 定量的フィットテスト マスク内外の粉塵量を測定し 漏れ率を数値で示す 正確な数値でフィット率を測定できるが 機械は高額 50 25

26 N95 フィットテスト 修了証を渡すなど 医療従事者本人が記録をもつ 目的 理解すべき内容の確認 自分に合ったN95マスクの種類の確認 最終フィットテスト実施日の記録 51 本日のメニュー I. そもそも ガイドラインとは II. 感染対策ガイドライン in the world III. ガイドラインから院内マニュアルへのブリッジング IV. ガイドラインと院内マニュアル V. ガイドラインの実践その1. 空気予防策 VI. ガイドラインの実践その2. 接触予防策 52 26

27 医療施設におけるノロウイルス予防ガイドライン, 2011, CDC ノロウイルス感染患者は一つの病室などにコホートする 1B 他の患者への伝播を防ぐため 症状改善後 48 時間は接触予防策を継続する 1B 石けんと流水による手洗いは 手指のノロウイルス汚染を減らす有効な方法である 1B アルコール製剤が石けんと流水の代用になるかは 未解決の問題である ガウンと手袋を装着して感染者の部屋へ入室する 1B 頻回に触れる環境表面を定期的に清掃 消毒する 1B 発症したスタッフは 症状改善後 48 時間は勤務から除外する 1B GUIDELINE FOR THE PREVENTION AND CONTROL OF NOROVIRUS GASTROENTERITIS OUTBREAKS 53 IN HEALTHCARE SETTINGS, 実践 ノロウイルス 現場対応シート 対象微生物 ノロウイルス 予防策必要な PPE 注意すること 標準予防策 + 接触予防策 吐物の処理 ガウン マスク 手袋 ベッドサイドを離れる前に脱ぐ 対象消毒薬対策 ベッド柵 周囲 トイレ 0.1% 次亜塩素酸ナトリウム窓を開放 PPE 装着 0.1% 次亜塩素酸ナトリウム 1 日 2 回清拭 0.1% 次亜塩素酸ナトリウム使用の都度清拭 手指衛生 手洗い流水と石けん 15 秒 + アルコールジェル 次の処置に移る前に必ず行う 27

28 [ 教育セミナーの一例 ] 清掃外部委託業者への勉強会資料抜粋 感染対策勉強会冬の感染対策ノロウイルスを知る 亀田総合病院感染管理室吉田眞紀子古谷直子 ノロウイルスを知ろう 生カキ 食品から感染 集団発生のピークは冬季だが 1 年中発生する 発症すると 突然に嘔吐 下痢 発熱 悪寒の症状が出る 症状は 2,3 日で改善する ウイルスの排泄は発症数時間前から最大 7-10 日間 少ない菌量で発症し 感染力が強い 56 28

29 ノロウイルスを知ろう ワクチンや特別な治療法はない 健康な大人なら 水分補給をしながら安静にしていれば 数日で回復する 体力の弱い高齢者や乳幼児では症状が強く出る 感染力がつよいので 吐物などの後始末が不十分だと感染拡大する 人から人への感染による病院や施設内での感染伝播が問題となっている ノロウイルスは除去しにくい 吐物 下痢便は液状 手につきやすい 大量のウイルスが付着する ノロウイルスは小さい ( 細菌の1/30~1/100) 手のしわに入り込む 容易に除去できない 58 29

30 しつこいノロウイルス ウイルスはトイレットペーパー 10 枚重ねを突破して指に付く ドアノブを介して感染は次々伝播する 59 空飛ぶノロウイルス 吐物は 2m 広がる 吐物は床上 160cm まで飛散する ( 目や口の高さ ) 吐物の飛散粒子は空中に 1 時間漂う 乾燥した吐物を踏むと 手やふくらはぎの高さまで舞い上がる だから 窓を開けて換気しながら処理する ガウン 手袋 マスクを着用して処理する 60 30

31 ノロウイルス吐物の処理はどうする? 吐物は広範囲に広がっていることを意識する ガウン 手袋 マスク着用 物理的に拭きとった後 0.1% 次亜塩素酸塩で消毒 処理終了後は 流水と石けんでしっかり手洗いし その後 アルコールジェルを使用 61 うつさない 他の患者さんや家族が感染しないためにできること 清掃時は 窓を開けるなど 十分に換気する 0.1% 次亜塩素酸塩で消毒する 拭き取りを十分に行う 清掃のため着用したガウン 手袋 マスクはその場で脱ぎ 所定のゴミ箱に捨てる 31

32 うつらない あなた自身が感染しないためにできること マスク ガウン 手袋をつけて作業を行う 終わったら 流水と石けんで 20 秒以上 手を洗う 伸びた爪は不潔になりがちです 指輪 時計は手洗いが念入りにできず 不衛生になりがちです 洗った後は ペーパータオルで手を拭きます 持ち込まない 職場にノロウイルスを持ち込まないためにできること 下痢 嘔吐があれば 仕事に来ない 症状がしっかり改善するまで仕事をしない 32

33 手袋つけて 外すと 手袋に蛍光クリームをつけて外してみると 33

34 白いところは汚れです! このまま 次の作業に移りますか? 正しい着方 脱ぎ方 できますか? 清掃のスタイルを確認しましょう 34

<4D F736F F F696E74202D208B678FCB8E9B D C982A882AF82E98AB490F5975C966891CE8DF482CC8A B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D208B678FCB8E9B D C982A882AF82E98AB490F5975C966891CE8DF482CC8A B8CDD8AB B83685D> 当院における 院内感染対策の概要 院内合同研修会 H19 年 8 月 22 日 B2 病棟師長河岸光子 1 院内感染予防対策委員会規程 第 2 条 ( 所轄事項 ) 1 各職種 各職場ごとの院内感染予防対策に関すること 全職場に関係している ( マニュアルの存在 ) 2 院内感染予防対策実施の監視と指導に関すること 感染チェックと指導 啓蒙 3 職員の教育に関すること 院内研修! 2 院内感染予防対策委員会規程

More information

Microsoft Word - <原文>.doc

Microsoft Word - <原文>.doc 隔離予防策のための CDC ガイドライン医療現場における感染性微生物の伝播の予防 2007 年 2007 Guideline for Isolation Precautions: Preventing Transmission of Infectious Agents in Healthcare Settings 監訳県西部浜松医療センター矢野邦夫 < 原文 > http://www.cdc.gov/ncidod/dhqp/pdf/guidelines/isolation2007.pdf

More information

 

  感染症予防のための 感染経路別予防策マニュアル 湖北地域感染症予防検討会 平成 25 年 3 月 < 目次 > Ⅰ. 感染経路別予防策とは 1 1. 空気感染予防策 1 (1) 患者 利用者の収容 1 (2) 患者 利用者の移送 1 (3) 個人防護具の使用 2 (4) 患者 利用者に使用する器具や器材 2 (5) 保清 3 (6) 寝衣 リネンの取り扱い 3 (7) 食器類の取り扱い 3 (8)

More information

Microsoft Word - B-2 感染経路別防止対策(2018.8)

Microsoft Word - B-2 感染経路別防止対策(2018.8) 標準予防策を実施するだけでは 伝播を予防することが困難な患者には 標準予防策に加えて 感染経路別予防策を実施する 感染経路別予防策には以下の3つがある 接触感染予防策 飛沫感染予防策 空気感染予防策 1. 感染経路別予防策実施時における患者説明と同意経路別感染予防策が必要な理由について 患者への説明と口頭同意を得て カルテに記載をする 2. 各経路別感染予防策の実施方法 (1) 接触感染 病院感染の中で最も頻度の高い伝播様式

More information

(病院・有床診療所用) 院内感染対策指針(案)

(病院・有床診療所用) 院内感染対策指針(案) 院内感染対策指針 さかえクリニック 1 院内感染対策に関する基本的な考え方院内感染の防止に留意し 感染等発生の際にはその原因の速やかな特定 制圧 終息を図ることは 医療提供施設にとって重要である 院内感染防止対策を全従業員が把握し 指針に則った医療が提供できるよう 本指針を作成するものである 2 院内感染管理体制 2-1 院長は 次に掲げる院内感染対策を行う (1) 院内感染対策指針及びマニュアルの作成

More information

Microsoft PowerPoint - リーダー養成研修(通所)NO1 

Microsoft PowerPoint - リーダー養成研修(通所)NO1  感染予防対策リーダー養成研修会 29.7.12 標準予防策 1 手指衛生 魚沼基幹病院 感染管理認定看護師 目崎恵 1 そもそもなぜ 感染対策が必要なのか? 2 院内感染から医療関連感染へ 高齢化社会となり 療養型や在宅医療が拡大 病院以外の療養型施設 診療所 在宅においてもそれぞれ感染リスクが存在 病院感染 ( 院内感染 ) 医療関連感染 今は 地域全体で感染対策を行っていかなければならない時代になってきた

More information

スタンダードプリコーション (標準予防策) と 感染経路別予防策

スタンダードプリコーション (標準予防策) と 感染経路別予防策 標準予防策 と 感染経路別予防策 本日の研修内容 標準予防策について 感染経路別予防策について 標準予防策とは Standard Precaution 全ての患者は感染症に罹患している可能性がある 感染者と非感染者を区別しない 検査を提出していないだけなのかも まだ発見されていない感染症かも 標準予防策とは Standard Precaution すべての患者の血液 体液 ( 汗を除く ) 分泌物

More information

スライド 1

スライド 1 感染制御ベーシックレクチャー Q&A 感染制御におけるキーポイント 1 標準予防策 感染経路別 ( 接触 飛沫 空気 ) 予防策 東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座感染制御 検査診断学 青柳哲史 感染源対策の歴史 1877 年 : 隔離予防策のための勧告 1945 年 : 米国国立疾病センター (CDC) の設立 1979 年 :CDC 隔離予防策ガイドライン 病院における隔離技術 1983

More information

Taro-入所マニュアル.jtd

Taro-入所マニュアル.jtd 感染症対策マニュアル 施設における感染症対策について集団生活の場である施設でも 感染症が流行する可能性があり その対策が必要です 利用者は年々 高齢化 重度化しています 抵抗力が弱く 障害や疾病を持つ高齢者の場合 健康な人には特に問題のない菌にも感染する危険性があり 正しい認識のもとに適切な対応が要求されます 各種感染症について 1. 多剤耐性菌感染症 健康な人に感染を起こすことは少ないが 感染抵抗性の減弱した人に感

More information

スライド 1

スライド 1 第 1 回東北感染制御ネットワークフォーラム 感染制御ベーシックレクチャー Q&A 感染制御におけるキーポイント 施設内ラウンドのチェックポイント ~ リスク評価に基づく対応 ~ 東北大学大学院内科病態学講座感染制御 検査診断学遠藤史郎 本日の予定 実際のラウンドに際して 施設内ラウンドのチェックポイント 病院の場合 診療所の場合 介護施設の場合 平成 16 年 9 月 3 日朝日新聞 平成 14

More information

医療関連感染

医療関連感染 医療関連感染 医療関連感染ってな ~ に? 感染は 感染力と抵抗力の力比べ 抵抗力より感染力が上回ったとき 感染は起こります 医療関連感染とは 医療施設などで患者さんがもともとの病気とは別に新しくかかった感染症や 医療従事者や職員などが医療施設の中で感染した感染症のことをいいます 院内感染や病院感染ともいわれますが 医療施設だけでなく在宅ケアでの感染を含めて医療関連感染という言葉が使われています 健康な人では抵抗力が高いため

More information

4) アウトブレイクに介入している 5) 検査室データが疫学的に集積され, 介入の目安が定められている 4. 抗菌薬適正使用 1) 抗菌薬の適正使用に関する監視 指導を行っている 2) 抗 MRSA 薬の使用に関する監視 指導を行っている 3) 抗菌薬の適正使用に関して病棟のラウンドを定期的に行って

4) アウトブレイクに介入している 5) 検査室データが疫学的に集積され, 介入の目安が定められている 4. 抗菌薬適正使用 1) 抗菌薬の適正使用に関する監視 指導を行っている 2) 抗 MRSA 薬の使用に関する監視 指導を行っている 3) 抗菌薬の適正使用に関して病棟のラウンドを定期的に行って 別紙 24 基準 感染防止対策地域連携加算チェック項目表 A: 適切に行われている あるいは十分である B: 適切に行われているが改善が必要 あるいは十分ではない C: 不適切である あるいは行われていない X: 判定不能 ( 当該医療機関では実施の必要性がない項目 確認が行えない項目等 ) 実施日 : 年月日対象医療機関名 : A. 感染対策の組織 1. 院内感染対策委員会 1) 委員会が定期的に開催されている

More information

と役割を明確化し 医療機関内のすべての関係者の理解と協力が得られる環 境を整えること ( 感染制御チーム ) 病床規模の大きい医療機関 ( 目安として病床が 床以上 ) においては 医師 看護師 検査技師 薬剤師から成る感染制御チームを設置し 定期的に病棟ラウンド ( 感染制御チームによ

と役割を明確化し 医療機関内のすべての関係者の理解と協力が得られる環 境を整えること ( 感染制御チーム ) 病床規模の大きい医療機関 ( 目安として病床が 床以上 ) においては 医師 看護師 検査技師 薬剤師から成る感染制御チームを設置し 定期的に病棟ラウンド ( 感染制御チームによ ( 別記 ) 医療機関等における院内感染対策に関する留意事項 院内感染とは 1 医療機関において患者が原疾患とは別に新たにり患した感染症 2 医療従事者等が医療機関内において感染した感染症のことであり 昨今 関連学会においては 病院感染 ( hospital-acquired infection) や医療関連感染 (healthcare-associated infection) という表現も広く使用されている

More information

Microsoft PowerPoint - 感染対策予防リーダー養成研修NO4 インフルエンザ++通所

Microsoft PowerPoint - 感染対策予防リーダー養成研修NO4 インフルエンザ++通所 感染予防対策リーダー養成研修会 29.11.22 インフルエンザ 魚沼基幹病院感染管理認定看護師目崎恵 インフルエンザに備える 手洗いとマスクはあるけど うがいは?? インフルエンザの基礎知識 インフルエンザウイルスの特徴 インフルエンザと風邪は違う 流行するのは A 型 B 型 A 型もタイプはいくつかある A 型に何度かかかる人もいる 感染してから発症するまでは 1~3 日 人にうつす期間は症状が出る

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 一般的衛生管理プログラム コース確認テスト Q1 次のうち正しいものはどれか 1. 毛髪は 1 日に 20~30 本抜けると言われている 2. 家族がノロウイルスに感染していても 本人に症状が出ていなければ職場への報告は不要である 3. 直接食品に触れる作業を担当しているが 指に傷があったので 自分の判断で絆創膏を貼って手袋を着用して作業に入った 4. 健康チェックは 工場で働く従業員だけでなく お客様や取引先にも協力してもらう

More information

目次 石巻赤十字病院の概要 1 防火 防災管理 2 感染防止対策について 4 機密保持及び個人情報保護 9

目次 石巻赤十字病院の概要 1 防火 防災管理 2 感染防止対策について 4 機密保持及び個人情報保護 9 実習生 リクルート見学者 オリエンテーション 石巻赤十字病院 目次 石巻赤十字病院の概要 1 防火 防災管理 2 感染防止対策について 4 機密保持及び個人情報保護 9 石巻赤十字病院の概要 名 称 石巻赤十字病院 開設日 大正 15 年 10 月 20 日 92 年の歴史を有する病院 院 長 石橋悟 法的性格 日本赤十字社法による特殊法人 医療法第 31 条に規定する公的医療機関 病床数 464

More information

(案の2)

(案の2) 別紙 2 < 講習内容 > 1 院内感染対策に関して 地域において指導的立場を担うことが期待される病院等の従事 者を対象とした院内感染対策に関する講習会 1. 院内感染対策のシステム化と地域ネットワーク (45 分 ) チーム医療と各職種の役割 地域連携 感染防止対策加算 Ⅰ Ⅱ 取得施設の合同カンファランスのありかた 災害時の感染対策 2. 院内感染関連微生物と微生物検査 (45 分 ) 耐性菌

More information

スライド 1

スライド 1 セミナー院内感染対策セミナー対象仙台市内の無床診療所および社会福祉施設日程平成 24 年 12 月 13 日 ( 木 ) 18:30~ 内容テーマ : 院内感染対策 こんなとき どうします? 講演 : 介護施設へのアンケート調査から浮かび上がった課題 講師 セミナー形式 参加者 東北大学大学院医学系研究科 感染症診療地域連携講座國島広之先生 講演だけでなく 会場の参加者との質疑応答など 会場参加型の研修となりました

More information

Ⅳ 標準予防策

Ⅳ 標準予防策 Ⅴ 洗浄 消毒 滅菌 1 洗浄 消毒 滅菌の基本的な考え方 患者に使用した物品は使用患者の感染症の有無に応じて処理方法を変更するのではなく 標準予防策の考え方に基づき どのように使用されるのかを考え処理方法を選択する (1) 消毒 滅菌法については スポルディング分類に沿って適切な処理方法を選択する (2) 洗浄 消毒 滅菌の定義洗浄 : 対象物からあらゆる異物 ( 汚染 有機物など ) を除去すること消毒

More information

感染症の基礎知識

感染症の基礎知識 感染症の基礎知識 ~ 利用者と自分を守るために 知っておいてほしいこと ~ 1 ねらい ( 目指す姿 ) 感染の3 要素がわかる 感染経路対策と標準予防策の重要性がわかり 確実に行える ノロウイルス インフルエンザの対策がわかる 2 今日の話の 3 つのポイント 感染の成立には感染源 感染経路 宿主の3つが必要 感染対策として 感染経路の対策 ( 特に手洗いを中心とした標準予防策 ) が重要 感染性胃腸炎もインフルエンザも

More information

42 HBs 抗原陽性で HBe 抗原陰性の変異株が感染を起こした場合は, 劇症肝炎を起こしやすいので,HBs 抗原陽性 HBe 抗原陰性血に対しても注意が必要である. なお, 透析患者では, 感染発症時にも比較的 AST(GOT),ALT(GPT) 値が低値をとること,HCV 抗体が出現しにくいこ

42 HBs 抗原陽性で HBe 抗原陰性の変異株が感染を起こした場合は, 劇症肝炎を起こしやすいので,HBs 抗原陽性 HBe 抗原陰性血に対しても注意が必要である. なお, 透析患者では, 感染発症時にも比較的 AST(GOT),ALT(GPT) 値が低値をとること,HCV 抗体が出現しにくいこ 第 4 章感染患者への対策マニュアル 41 例が起こりうるが, 飛沫感染などと混合の形式で起こる場合が多い. 2) 予防策空気感染の予防策としては, 病原体の拡散を封じ込めて安全に除去するための特別な空気処置や換気を施した空気感染隔離室 (airborneinfectionisolationroom:a IR) への患者の個人収容が原則となる. 結核患者の病室へ入室する場合には,N95 マスクを着用する.

More information

それでは具体的なカテーテル感染予防対策について説明します CVC 挿入時の感染対策 (1)CVC 挿入経路まずはどこからカテーテルを挿入すべきか です 感染率を考慮した場合 鎖骨下穿刺法が推奨されています 内頚静脈穿刺や大腿静脈穿刺に比べて カテーテル感染の発生頻度が低いことが証明されています ただ

それでは具体的なカテーテル感染予防対策について説明します CVC 挿入時の感染対策 (1)CVC 挿入経路まずはどこからカテーテルを挿入すべきか です 感染率を考慮した場合 鎖骨下穿刺法が推奨されています 内頚静脈穿刺や大腿静脈穿刺に比べて カテーテル感染の発生頻度が低いことが証明されています ただ 2012 年 3 月 28 日放送 中心静脈関連性血流感染の予防 川崎病院外科総括部長井上善文はじめに中心静脈カテーテルは高カロリー輸液や さまざまな輸液 薬剤の投与 中心静脈圧の測定などの目的で留置されますが その留置に関連した感染症は 名称としては血管内留置カテーテル関連血流感染症 catheter-related bloodstream infection:crbsiですが ここではカテーテル感染と呼ばせていただきます

More information

院内感染対策マニュアル( 2010年版)

院内感染対策マニュアル( 2010年版) 院内感染対策マニュアル ( 2010 年版 ) チェックリスト方式による基本事項の再確認 平成 22 年 10 月 東京都福祉保健局 本マニュアルのねらいと利用方法 病院内で問題となる感染症の発生は 1 入院中の治療や処置に関連した感染 2 抵抗力の低下に伴う日和見感染 3 医療従事者の針刺事故などによる職業感染 4 市中感染症の院内への持込みによる感染 などが原因としてあげられます 病院においては

More information

放射線部

放射線部 11-11. 放射線部 I. 基本原則 1. 放射線部門は多様な患者が出入りする部門である また, 行われる処置の内容も多岐にわたっているが, きわめて生体由来物質との関わりが大きい そのなかで, 院内感染の感染源とならないためにも医療従事者は, 自らの手や患者間接触に細心の注意を払っていかなければならない 2. 標準予防策 ( スタンダード プリコーション ) を遵守する 3. 感染症患者または,

More information

Q22. 浴室の消毒は必要か? Q1. 患者や利用者に使用した器具や排尿後の尿器などは どのように消毒したらいいか? A1. 患者や利用者に使用した器具は 標準予防策の考え方に基づいて すべて感染性のあるものとして処理します スポルディングの分類に沿って この器具は 誰に使用したのか ではなく 何に

Q22. 浴室の消毒は必要か? Q1. 患者や利用者に使用した器具や排尿後の尿器などは どのように消毒したらいいか? A1. 患者や利用者に使用した器具は 標準予防策の考え方に基づいて すべて感染性のあるものとして処理します スポルディングの分類に沿って この器具は 誰に使用したのか ではなく 何に Q1. 患者や利用者に使用した器具や排尿後の尿器などは どのように消毒したらいいか? Q2.MRSA が検出された患者や利用者の周囲や器材は どのように消毒したらいいか? Q3.CV カテーテル ( 中心静脈カテーテル ) 刺入部の消毒は通常は必要か? 現在は 1% クロルヘキシジンを使用しているが かさぶたなど生じる場合は何を使用するのがいいか? Q4. 眼科に勤務している 今年は 流行性角結膜炎の患者が多く

More information

Q&A(最終)ホームページ公開用.xlsx

Q&A(最終)ホームページ公開用.xlsx Q 1 VRE とは どんな菌ですか? 2 VRE は多剤耐性菌のひとつですか? VRE と VRE 感染症一般について A 腸球菌は 広義には 乳酸菌 の一種とも考えられ 乳製品の製造や 整腸剤に加えられることもあります ヒトの腸管にいる細菌であり 健常な方には病原性はありませんが 免疫が低下した方には感染症を引き起こすことがあります VRE は 腸球菌の中で とくにバンコマイシンという抗菌薬が効きにくくなった細菌のことを指しますが

More information

インフルエンザ(成人)

インフルエンザ(成人) ⅩⅠ-2 インフルエンザ 1 概要 インフルエンザは A 型 B 型インフルエンザウイルスによる急性呼吸器疾患である 主に冬季に流行する 典型的なものでは 急激で高度の発熱 頭痛 倦怠感などの全身症状が現れ 同時かやや遅れて鼻汁 咽頭痛 咳などの呼吸器症状が出現する 熱は 38 度以上となり 諸症状とともに次第に緩解し 1 週間ほどで治癒に向かう 2 診断 臨床症状に加え下記の方法で診断する 迅速診断

More information

衛生管理マニュアル 記載例

衛生管理マニュアル 記載例 8(1) 従事者の健康管理 従事者の健康管理について 東京太郎 が責任者となり以 下の内容を履行する 従事者を原因とした食品の病原微生物汚染防止 健康管理の実施方法 健康管理の 対象者 頻度 内容 項目 吐き気 おう吐 腹痛 下 日常の 調理従事者 ( 全員 ) 作業開始前 痢 発熱 手指の化膿創の 健康チェック 有無 ( 要記録 ) 検 便 調理従事者 ( 全員 ) 年 1 回 サルモネラ 腸管出血性大腸菌

More information

も 医療関連施設という集団の中での免疫の度合いを高めることを基本的な目標として 書かれています 医療関係者に対するワクチン接種の考え方 この後は 医療関係者に対するワクチン接種の基本的な考え方について ワクチン毎 に分けて述べていこうと思います 1)B 型肝炎ワクチンまず B 型肝炎ワクチンについて

も 医療関連施設という集団の中での免疫の度合いを高めることを基本的な目標として 書かれています 医療関係者に対するワクチン接種の考え方 この後は 医療関係者に対するワクチン接種の基本的な考え方について ワクチン毎 に分けて述べていこうと思います 1)B 型肝炎ワクチンまず B 型肝炎ワクチンについて 2015 年 2 月 16 日放送 院内感染対策としての予防接種 慶應義塾大学感染症学教授岩田敏はじめに ワクチンで防ぐことのできる疾病(Vaccine Preventable Disease; VPD) はワクチンの接種により予防する ということは 感染制御の基本です 医療関係者においても 感染症をうつさない うつされないために VPD に対して 免疫を持つ必要がある という考えのもと B 型肝炎

More information

2)HBV の予防 (1)HBV ワクチンプログラム HBV のワクチンの接種歴がなく抗体価が低い職員は アレルギー等の接種するうえでの問題がない場合は HB ワクチンを接種することが推奨される HB ワクチンは 1 クールで 3 回 ( 初回 1 か月後 6 か月後 ) 接種する必要があり 病院の

2)HBV の予防 (1)HBV ワクチンプログラム HBV のワクチンの接種歴がなく抗体価が低い職員は アレルギー等の接種するうえでの問題がない場合は HB ワクチンを接種することが推奨される HB ワクチンは 1 クールで 3 回 ( 初回 1 か月後 6 か月後 ) 接種する必要があり 病院の Ⅵ. 職業感染対策 1. 針刺し 切創 粘膜曝露 1) 針刺し 切創 粘膜曝露対策および事例発生時の対応 職業感染を防止するためには 針刺し 切創 粘膜曝露を起こさないことが重要ではあ るが もし針刺し 切創 粘膜曝露が発生した場合は 迅速に対処することが必要となる 針刺し 切創 粘膜曝露事例発生時はフローチャートに従い行動する 表 1 感染症別の針刺しによる感染率 問題となるウイルス 感染率 備考

More information

はじめに 高齢者施設等で抵抗力が低い利用者をケアするには 介護スタッフの感染予防が必要です 施設は重度の利用者が中心になり さまざまな基礎疾患を抱えているため 感染しやすい状態の方が急増しています 介護スタッフが感染源にならないための予防策と 介護スタッフ自身の安全なケアの方法が重要となってきます

はじめに 高齢者施設等で抵抗力が低い利用者をケアするには 介護スタッフの感染予防が必要です 施設は重度の利用者が中心になり さまざまな基礎疾患を抱えているため 感染しやすい状態の方が急増しています 介護スタッフが感染源にならないための予防策と 介護スタッフ自身の安全なケアの方法が重要となってきます 平成 24 年度感染対策委員会職員研修会 施設で起こりやすい感染症 ~ 感染症のキホンとおむつ交換時の危険 ~ 日時 : 平成 24 年 10 月 12 日 ( 金 ) 17 時 40 分 ~19 時 00 分 場所 : サンシャインつくば研修会議室 感染対策委員会 赤津友美 飯浦裕和 松木ユキ子 松葉恵美子 山口一彦 はじめに 高齢者施設等で抵抗力が低い利用者をケアするには 介護スタッフの感染予防が必要です

More information

2. 予防 1) 予防接種 入院している多くの免疫不全患者への感染源にならないためにも 病院で勤務するすべての 職員に対してインフルエンザワクチンの接種を推奨する ただし過去にインフルエンザワクチンで 重症なアレルギー反応があった者は禁忌である 接種可能かどうかの相談は感染管理担当課で 行う 患者へ

2. 予防 1) 予防接種 入院している多くの免疫不全患者への感染源にならないためにも 病院で勤務するすべての 職員に対してインフルエンザワクチンの接種を推奨する ただし過去にインフルエンザワクチンで 重症なアレルギー反応があった者は禁忌である 接種可能かどうかの相談は感染管理担当課で 行う 患者へ 病原体別対策 : インフルエンザ 1. 疾患の概要 原因インフルエンザウイルス感染症状 38 以上の発熱 頭痛 関節痛 筋肉痛 咽頭痛 鼻汁 咳嗽 くしゃみ潜伏期間通常 1~4 日程度 ( 平均 2 日 最大 7 日 ) 感染期間インフルエンザ発症前日から 発症後 7 日間程度はウイルスを排出する 解熱後もウイルスを排出する 最も感染力の強い時期は発症から3 日間程度である感染経路 1 飛沫感染インフルエンザに感染した人の咳やくしゃみによって

More information

2. トイレの後には必ず手洗いをしましょう! 調査から 15.4% の方がトイレの後に手を洗わないことがあるという結果が得られました ( 小便後又は大便後に手を洗うのどちらかを選択しなかった方 どちらも選択しなかった方 トイレで手を洗わないを選択した方 の合計 ) Q10 特にこれからの季節に流行す

2. トイレの後には必ず手洗いをしましょう! 調査から 15.4% の方がトイレの後に手を洗わないことがあるという結果が得られました ( 小便後又は大便後に手を洗うのどちらかを選択しなかった方 どちらも選択しなかった方 トイレで手を洗わないを選択した方 の合計 ) Q10 特にこれからの季節に流行す News Release 平成 27 年 11 月 12 日 手洗いで感染予防! ~ 正しい手洗いでノロウイルス感染を予防しましょう!~ 例年冬季はノロウイルスを原因とする食中毒等が多く発生しており 11 月以降に発生数の増加が見られています 今年は新しいタイプのノロウイルスが流行するとの情報もあり 例年にも増して注意が必要です ノロウイルスに対して家庭でできる有効な感染予防策は手洗いです このことを踏まえ

More information

ターなどの多剤耐性菌によるアウトブレーク対策につき各論的に詳述する 院内感染対策指針諌山担当 (A) 標準予防策について感染性微生物の存在の有無が不明な段階においては すべての患者のケアに適用する 汗を除くすべての血液 体液 分泌液 排泄物 傷のある皮膚 粘膜は伝播しうる感染性微生物を含んでいる可能

ターなどの多剤耐性菌によるアウトブレーク対策につき各論的に詳述する 院内感染対策指針諌山担当 (A) 標準予防策について感染性微生物の存在の有無が不明な段階においては すべての患者のケアに適用する 汗を除くすべての血液 体液 分泌液 排泄物 傷のある皮膚 粘膜は伝播しうる感染性微生物を含んでいる可能 院内感染対策指針 1. 院内感染について 246 a) 発生場所従来 医療機関において患者が原疾患とは別に新たに罹患した感染症もしくは医療従事者等が医療機関内において感染した場合 院内感染 (Nosocomial Infection) または病院感染 (Hospital Infection または Hospital Acquired Infection) とされていた 近年 医療の提供は医療機関以外でも

More information

平成15年度8階病棟の目標                  2003/06/03

平成15年度8階病棟の目標                  2003/06/03 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) 平成 17 年 6 月 17 日作成平成 23 年 2 月 17 日改訂平成 29 年 2 月 16 日改訂平成 30 年 9 月 20 日改訂 疾患の概要 MRSA( メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 ) は 皮膚常在菌である黄色ブドウ球菌の 1 つであり 多くの人が保菌している それ故 院内感染対策において頻回に遭遇する病原体である MRSA が常在菌のようになっている現状では

More information

平成29年度感染症対策研修会(基礎編)

平成29年度感染症対策研修会(基礎編) 平成 29 年度感染症対策研修会 ( 基礎編 ) 感染症の標準的予防策 正しい吐物処理手順 福井県福井健康福祉センター地域保健課 1 本日の内容 1 感染症に対する基礎知識 2 標準予防策の重要性 3 行政への報告事項 4 正しい吐物処理手順 2 感染症予防の基本 感染症の 3 大要素 2 感染経路 1 病原体 ( 感染源 ) 宿主 ( ヒト ) 3 3 1 病原体 ノロ ロタ インフルエンザ 麻しんなど

More information

汚染された手指は様々な場所に病原体を伝播させる可能性がある 実際に 感染を引き起こす病原体の多くは汚染された医療従事者の手指を介して伝播 手洗い及び手指消毒により手を衛生的に保つことは 最も基本的な感染防止の手段 参考 :WHO. Guidelines on Hand Hygiene in Heal

汚染された手指は様々な場所に病原体を伝播させる可能性がある 実際に 感染を引き起こす病原体の多くは汚染された医療従事者の手指を介して伝播 手洗い及び手指消毒により手を衛生的に保つことは 最も基本的な感染防止の手段 参考 :WHO. Guidelines on Hand Hygiene in Heal 病院感染対策講習会 手指衛生の重要性と実践 講習会内容 手指衛生の基本 手洗い 手指消毒 ハンドケア 手指衛生のチェックポイント 手指衛生の遵守率向上 手指衛生の基本 インフルエンザ 百日咳 風疹 耳下腺炎 ( おたふく ) 接触感染 薬剤耐性菌 (MRSA VRE MDRP 等 ) クロストリジウム ディフィシル疥癬 水痘 ( みずぼうそう ) 麻疹 ( はしか ) 飛沫感染 結核空気感染 手指衛生を怠ることによるリスク

More information

<4D F736F F D2092CA926D97708E77906A B81698FAC97D E58B7695DB816A E646F63>

<4D F736F F D2092CA926D97708E77906A B81698FAC97D E58B7695DB816A E646F63> 小規模病院 / 有床診療所施設内指針 ( 案 )2006 小規模病院 / 有床診療所施設内指針 ( 案 )2006 単純且つ効果的指針の 1 例 (070330 ver.1) ( ここに示す例は あくまでも 1 例であり この 1 例を参照して 各施設にあった形で 単純かつ 効果的で実行可能な施設内指針を作成することが望ましい ) 厚生労働科学研究安全性の高い療養環境及び作業環境の確立に関する研究班

More information

感染症対策

感染症対策 利用規約 提供している資料は 同じ会社内 施設内での研修 や 高校生 大学生のプレゼンテーション参考資料 市民向けの教材をボランティアで作成するため などを想定しています つまり 当サイトの資料の利用は 教育に対して 無償で貢献するために使用すること が大前提です そのため 社外や施設外の研修にこのサイトの資料を利用することは基本的にできません 例えば 製薬企業や医薬品卸が医療機関へ行う得意先研修としての利用は禁止します

More information

Ⅶ. カテーテル関連血流感染対策血管カテーテルに関連して発生する血流感染であるカテーテル関連血流感染は 重要な医療関連感染の一つである 他の感染巣からの 2 次的な血流感染は除外される 表 1 カテーテル関連血流感染における微生物の侵入経路侵入経路侵入機序カテーテル挿入部の汚染挿入時の微生物の押し込

Ⅶ. カテーテル関連血流感染対策血管カテーテルに関連して発生する血流感染であるカテーテル関連血流感染は 重要な医療関連感染の一つである 他の感染巣からの 2 次的な血流感染は除外される 表 1 カテーテル関連血流感染における微生物の侵入経路侵入経路侵入機序カテーテル挿入部の汚染挿入時の微生物の押し込 Ⅶ. カテーテル関連血流感染対策血管カテーテルに関連して発生する血流感染であるカテーテル関連血流感染は 重要な医療関連感染の一つである 他の感染巣からの 2 次的な血流感染は除外される 表 1 カテーテル関連血流感染における微生物の侵入経路侵入経路侵入機序カテーテル挿入部の汚染挿入時の微生物の押し込みおよび挿入部の皮膚からの逆行性の侵入ライン接続部の汚染消毒および手指衛生不十分による 側管からの注入時の汚染薬液の汚染ミキシング時の汚染

More information

特別養護老人ホーム愛敬苑 感染症及び食中毒防止のための指針 1. 総則特別養護老人ホーム愛敬苑 ( 以下 施設 という ) は 生活者及び利用者 ( 以下 生活者 という ) の使用する食器及びその他の設備について 衛生管理に努め 衛生上必要な措置を講ずるとともに 医薬品及び医療用具の管理を適正に行

特別養護老人ホーム愛敬苑 感染症及び食中毒防止のための指針 1. 総則特別養護老人ホーム愛敬苑 ( 以下 施設 という ) は 生活者及び利用者 ( 以下 生活者 という ) の使用する食器及びその他の設備について 衛生管理に努め 衛生上必要な措置を講ずるとともに 医薬品及び医療用具の管理を適正に行 特別養護老人ホーム愛敬苑 感染症及び食中毒防止のための指針 1. 総則特別養護老人ホーム愛敬苑 ( 以下 施設 という ) は 生活者及び利用者 ( 以下 生活者 という ) の使用する食器及びその他の設備について 衛生管理に努め 衛生上必要な措置を講ずるとともに 医薬品及び医療用具の管理を適正に行い 施設において感染症が発生し または蔓延することのないように必要な措置を講ずるための体制を整備することを目的に

More information

<593A5C30388AEB8B408AC7979D837D836A B5C8CC295CA8AEB8B408AC7979D837D836A B5C378AB490F58FC796688E7E91CE8DF4837D836A B5C FE18ED243817A8AB490F596688E7E91CE8DF4837D836A B816989FC92F994C5816A2E786C7

<593A5C30388AEB8B408AC7979D837D836A B5C8CC295CA8AEB8B408AC7979D837D836A B5C378AB490F58FC796688E7E91CE8DF4837D836A B5C FE18ED243817A8AB490F596688E7E91CE8DF4837D836A B816989FC92F994C5816A2E786C7 苫小牧市心身障害者福祉センター 感染防止対策マニュアル 平成 21 年 11 月 11 日策定 ( 平成 26.4.1 一部改訂 ) 感染防止の基本的対応 利用者の健康のチェック 施設環境の整備 ( 整理整頓 清掃 手洗い設備の充実 汚物処理 体制の整備 ) 指導員の手洗いなどの一般的な清潔動作の励行に努めること ⑴ 環境整備 清掃作業の障害とならないよう 施設内の整理整頓に努めること また 床 手すり

More information

1 施設設備の衛生管理 1-1 食品取扱室の清掃及び保守点検 < 認証基準 > 床 内壁 天井 窓 照明器具 換気扇 手洗い設備及び排水溝の清掃手順 保守点検方法が定められていること 床及び排水溝の清掃は1 日に1 回以上 その他の清掃はそれぞれ清掃の頻度の記載があること 保守点検頻度の記載があるこ

1 施設設備の衛生管理 1-1 食品取扱室の清掃及び保守点検 < 認証基準 > 床 内壁 天井 窓 照明器具 換気扇 手洗い設備及び排水溝の清掃手順 保守点検方法が定められていること 床及び排水溝の清掃は1 日に1 回以上 その他の清掃はそれぞれ清掃の頻度の記載があること 保守点検頻度の記載があるこ 1 施設設備の衛生管理 1-1 食品取扱室の清掃及び保守点検 床 内壁 天井 窓 照明器具 換気扇 手洗い設備及び排水溝の清掃手順 保守点検方法が定められていること 床及び排水溝の清掃は1 日に1 回以上 その他の清掃はそれぞれ清掃の頻度の記載があること 保守点検頻度の記載があること 床及び排水溝の清掃状況について 記録すること 1 床 内壁 天井 窓 照明器具 換気扇 手洗い設備及び排水溝などの施設設備ごとに具体的な清掃方法及び頻度を定めます

More information

48小児感染_一般演題リスト160909

48小児感染_一般演題リスト160909 10000 E-1-13 11/19( 土 ) 13:00~14:00 E 会場一般演題 ( 口演 ) マイコプラズマ 1 10001 D-1-7 11/19( 土 ) 10:00~11:10 D 会場一般演題 ( 口演 ) インフルエンザ 1 10002 D-1-8 11/19( 土 ) 10:00~11:10 D 会場一般演題 ( 口演 ) インフルエンザ 1 10003 D-1-9 11/19(

More information

<4D F736F F D C5E B CA48F4389EF838C E646F63>

<4D F736F F D C5E B CA48F4389EF838C E646F63> 新型インフルエンザ研修会 日場対 時 : 平成 21 年 6 月 1 日 ( 月 )19:00~ 所 : 小倉医師会館 5 階象 : 市内医療機関従事者 次 第 1 挨拶上野陽右北九州市医師会会長 19:00~19:05 熊澤淨一北九州市保健福祉局医務監 19:05~19:10 2 説明 新型インフルエンザに係る北九州市の対応について 19:10~19:30 北九州市保健福祉局保健衛生課新型インフルエンザ対策担当課長田中隆信

More information

病棟における 院内感染対策の視点

病棟における 院内感染対策の視点 2011 年 8 月 26 日東京都院内感染対策強化事業 病棟における 院内感染対策の視点 国立国際医療研究センター 感染管理認定看護師副看護師長窪田志穂 マニュアル病棟における感染対策を 実施するために 病棟 ICT ICN 環境を整える 感染対策の実施 標準予防策 感染経路別 育実施状況の確認ラウンド教感染症発生状況の確認と対策の指示サーベイランス コンサルテーション 環境を整える 標準予防策

More information

第一部院内感染防止体制 院内感染防止のための組織 体制 院内感染の発生を抑止し 感染者の発生後においても感染拡大を制御するためには 病院全体が組織的に感染防止対策に取り組むことが必要とされます また 感染防止対策の実効性を高めるには 病院管理者が積極的に感染対策部門や感染管理担当者を支援し 一体とな

第一部院内感染防止体制 院内感染防止のための組織 体制 院内感染の発生を抑止し 感染者の発生後においても感染拡大を制御するためには 病院全体が組織的に感染防止対策に取り組むことが必要とされます また 感染防止対策の実効性を高めるには 病院管理者が積極的に感染対策部門や感染管理担当者を支援し 一体とな 院内感染対策のための自主管理チェックリスト 平成 年 月 東京都福祉保健局 第一部院内感染防止体制 院内感染防止のための組織 体制 院内感染の発生を抑止し 感染者の発生後においても感染拡大を制御するためには 病院全体が組織的に感染防止対策に取り組むことが必要とされます また 感染防止対策の実効性を高めるには 病院管理者が積極的に感染対策部門や感染管理担当者を支援し 一体となって対策に取り組むことが重要です

More information

講義資料(1)

講義資料(1) 感染症の基礎知識 ~ 利用者と自分を守るために 知っておいてほしいこと ~ 平成 28 年 9 月相模原市保健所疾病対策課医師稲村匡紀 1 ねらい ( 目指す姿 ) 感染の3 要素がわかる 感染経路対策と標準予防策の重要性がわかり 確実に行える ノロウイルス インフルエンザの対策がわかる 2 今日の話の 3 つのポイント 感染の成立には感染源 感染経路 宿主の3つが必要 感染対策として 感染経路の対策

More information

H30資料:15_① 感染症予防等.pptx

H30資料:15_① 感染症予防等.pptx 高齢者介護施設における 感染症予防等について Ⅰ. 感染症予防について Ⅱ. 高齢者の熱中症予防 Ⅰ. 感染症予防について 高齢者介護施設の特徴 入所者 通所者は抵抗力が弱い高齢者 感染すると重症化しやすい 集団で生活しているため感染拡大のリスクが高い 症状がはっきりせず診断が遅れやすい 認知機能が低下している場合は 衛生管理 感染対策への協力が得られにくい 日本環境感染学会教育ツール Ver.3.2

More information

3. 感染症の予防策 (1) 標準予防策の考え方 標準予防策 ( スタンダード プリコーション ) とは CDC( 米国疾病対策セ ンター ) が提唱した病院向け感染予防のガイドラインです 誰もが何らかの感染症をもっている可能性がある と考えて すべての患 者に対して 感染の可能性があるもの への接

3. 感染症の予防策 (1) 標準予防策の考え方 標準予防策 ( スタンダード プリコーション ) とは CDC( 米国疾病対策セ ンター ) が提唱した病院向け感染予防のガイドラインです 誰もが何らかの感染症をもっている可能性がある と考えて すべての患 者に対して 感染の可能性があるもの への接 3. 感染症の予防策 (1) 標準予防策の考え方 標準予防策 ( スタンダード プリコーション ) とは CDC( 米国疾病対策セ ンター ) が提唱した病院向け感染予防のガイドラインです 誰もが何らかの感染症をもっている可能性がある と考えて すべての患 者に対して 感染の可能性があるもの への接触を最低限にすることで 患者 スタッフ双方の感染の危険性を少なくする方法です 日本の医療機関 福祉施

More information

外来部門

外来部門 部門別感染対策 : 外来部門 1. 外来部門における感染防止の基本 外来部門は 未診断の潜在的感染症患者と 易感染患者などが集中して 混雑する部門である 患者間 患者 職員間の感染を防止するためには 標準予防策の遵守と 問診で感染症が疑わしい患者のトリアージ 優先診療を行い 外来での滞在時間を出来るだけ短くする 呼吸器感染症状や 下痢などの症状を有する患者には あらかじめ申し出てもらい サージカルマスクの装着を徹底や

More information

HPM_381_C_0112

HPM_381_C_0112 1681 1683 New 3M 3M Tegaderm I.V. Comfort Film Dressing Tegaderm Comfort Film Dressing 1685 1688 Comfort Protect Simple Balance Please Recycle. Printed in Japan 3M 2011. All rights reserved HPM-381-C021103IT

More information

pdf0_1ページ目

pdf0_1ページ目 平成 年 月 日 担 当 課 衛生環境研究所 ( 担当者 ) ( 高田 梁川 ) 電話 5-5-5 鳥取県感染症流行情報 第 週 [ 平成 年 月 7 日 ( 月 ) ~ 月 日 ( 日 ) ] 疾 病 名 東 部 中 部 西 部 イ ン フ ル エ ン ザ 感 染 性 胃 腸 炎 〇 水 痘 ( 水 ぼ う そ う ) 〇 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 〇 手 足 口 病 〇 ヘ ル パ

More information

院内感染対策のための自主管理チェックリスト 平成 29 年 6 月 東京都福祉保健局

院内感染対策のための自主管理チェックリスト 平成 29 年 6 月 東京都福祉保健局 院内感染対策のための自主管理チェックリスト 平成 29 年 6 月 東京都福祉保健局 a 1 裏表紙 院内感染対策のための自主管理チェックリスト 目次 第一部院内感染防止体制 1 院内感染防止のための組織 体制 1 2 院内感染対策部門 院内感染対策のための研修 3 3 院内感染対策マニュアルの整備 実践 5 4 感染症情報の把握 連絡体制 7 5 抗菌薬の適正使用 耐性情報等の共有 9 6 職員の健康管理と業務の維持

More information

胃腸炎による入院患者の管理胃腸炎患者の症状が重くて 入院することがあります 入院患者の管理をしなければいけないことが 病院小児科の特異的なところだと思いますので その点に重点を置いてこれからお話しします 胃腸炎の患者が入院しなければいけない時には多くの患者が脱水になっているため 適切な補液が最も重要

胃腸炎による入院患者の管理胃腸炎患者の症状が重くて 入院することがあります 入院患者の管理をしなければいけないことが 病院小児科の特異的なところだと思いますので その点に重点を置いてこれからお話しします 胃腸炎の患者が入院しなければいけない時には多くの患者が脱水になっているため 適切な補液が最も重要 2016 年 10 月 19 日放送 病院小児科における感染性胃腸炎診療のポイント 博慈会記念総合病院副院長田島剛感染性胃腸炎本日は病院小児科における感染性胃腸炎診療のポイントをテーマにお話しさせていただきます 感染性胃腸炎は非常にポピュラーな疾患ですので 先生方もよくご存じだと思いますが 簡単に復習をしたいと思います 大きな分類として 細菌性とウイルス性に分けて考えた方が便利です 細菌性腸炎の原因はカンピロバクター

More information

<報道資料>

<報道資料> < 報道資料 > 2012 年 12 月 19 日 エーザイ株式会社薬粧事業部 - 年末年始に感染症が流行の兆し! マスクに関する意識 実態調査 - 感染症に対する予防意識が高い反面 マスクを正しく使用できていない人 が 73% マスクの誤った使い方としては ウイルスが付着したマスクのフィルターを触ってしまっている人 が 43% マスクを外した後 手洗いできていない人 が 54% エーザイ株式会社

More information

症候性サーベイランス実施 手順書 インフルエンザ様症候性サーベイランス 編 平成 28 年 5 月 26 日 群馬県感染症対策連絡協議会 ICN 分科会サーベイランスチーム作成

症候性サーベイランス実施 手順書 インフルエンザ様症候性サーベイランス 編 平成 28 年 5 月 26 日 群馬県感染症対策連絡協議会 ICN 分科会サーベイランスチーム作成 症候性サーベイランス実施 手順書 インフルエンザ様症候性サーベイランス 編 平成 28 年 5 月 26 日 群馬県感染症対策連絡協議会 ICN 分科会サーベイランスチーム作成 目次 1. はじめに 2. インフルエンザ様症候性サーベイランスについて 1) 目的 2) 対象施設 3. サーベイランスの進め方 1) 開始の決定 2) 対象者 実施場所の選定 3) データの収集 4) データの集計 分析

More information

<34398FAC8E998AB490F55F DCC91F092CA926D E786C7378>

<34398FAC8E998AB490F55F DCC91F092CA926D E786C7378> 10000 G-1-007 10 月 21 日 14:40~15:40 G 会場 一般演題 ( 口演 ) 予防接種 1 10001 H-2-001 10 月 22 日 9:00~10:00 H 会場 一般演題 ( 口演 ) 疫学 公衆衛生 10002 C-1-011 10 月 21 日 14:50~15:50 C 会場 一般演題 ( 口演 ) マイコプラズマ 10003 F-1-001 10 月 21

More information

僕が、標準予防策をしない理由

僕が、標準予防策をしない理由 病院は 院内感染の温床です 世間とは違う 巨大ビル : 県庁の星 古い建築物 : 丹下健三作 密閉空間 抵抗力が低下した患者術後 好中球減少 感染症患者が菌を持ち込む 病院基礎セミナー 2013.6.10 院内感染対策 彼を知り己を知らずんば百戦危うからず 感染対策チーム (ICT) 第一血液内科部長 大西宏明 最初に自分の手を見てくださいどんなふうに見えますか? 手の写真 本当は ばい菌がいっぱい

More information

特別支援学校における介護職員等によるたんの吸引等(特定の者対象)研修テキスト

特別支援学校における介護職員等によるたんの吸引等(特定の者対象)研修テキスト たんの吸引等に関する演習 喀痰吸引等に関する演習 - 喀痰吸引 ( 口腔内 ) これから たんの吸引等に関する演習を行います 265 目次 1. たんの吸引 ( 口腔内 ) 2. たんの吸引 ( 鼻腔内 ) 3. たんの吸引 ( 気管カニューレ内部 ) 4. 経管栄養 ( 胃ろう ( 滴下型の液体栄養剤の場合 )) 5. 経管栄養 ( 胃ろう ( 半固形栄養剤の場合 )) 6. 経管栄養 ( 経鼻胃管

More information

第 88 回日本感染症学会学術講演会第 62 回日本化学療法学会総会合同学会採択演題一覧 ( 一般演題ポスター ) 登録番号 発表形式 セッション名 日にち 時間 部屋名 NO. 発表順 一般演題 ( ポスター ) 尿路 骨盤 性器感染症 1 6 月 18 日 14:10-14:50 ア

第 88 回日本感染症学会学術講演会第 62 回日本化学療法学会総会合同学会採択演題一覧 ( 一般演題ポスター ) 登録番号 発表形式 セッション名 日にち 時間 部屋名 NO. 発表順 一般演題 ( ポスター ) 尿路 骨盤 性器感染症 1 6 月 18 日 14:10-14:50 ア 登録番号 発表形式 セッション名 日にち 時間 部屋名 NO. 発表順 10431 一般演題 ( ポスター ) 尿路 骨盤 性器感染症 1 6 月 18 日 14:10-14:50 アルゴスC-D P-01 1 10473 一般演題 ( ポスター ) 尿路 骨盤 性器感染症 1 6 月 18 日 14:10-14:50 アルゴスC-D P-01 2 10347 一般演題 ( ポスター ) 尿路 骨盤

More information

第51回日本小児感染症学会総会・学術集会 採択結果演題一覧

第51回日本小児感染症学会総会・学術集会 採択結果演題一覧 登録番号 演題番号 日にち 時間 会場 発表形式 セッション名 10000 D-1-19 10 月 26 日 14:10 ~ 15:10 D 会場 一般演題 ( 口演 ) インフルエンザ2 10001 D-2-5 10 月 27 日 8:40 ~ 9:30 D 会場 一般演題 ( 口演 ) 予防接種 ワクチン1 10002 G-2-14 10 月 27 日 14:20 ~ 15:10 G 会場 一般演題

More information

スライド 1

スライド 1 2015 年 9 月 10 日機能別研修会 ( 療養 ) 療養病棟に応じた 感染予防対策のポイント 東京都立広尾病院 感染管理認定看護師 桃井祐子 本日の内容 1 感染管理の重要性 2 感染とは 3 平常時の対策 : 標準予防策 4 日常のケアについて : 手順書の整備と遵守 1 感染管理の必要性 感染管理の重要性 医療施設 介護施設 在宅ケアなどにおける全ての人々を感染から守るための組織活動 医療

More information

嘔吐物の処理方法 添付様式6 7 使い捨てのガウン 嘔吐物の処理の準備 汚染場所には人が近づかないよう に しましょう 立て札があれば区切って おく 窓を開ける等換気をしましょう 使い捨て手袋(2枚着用) マスク ガウン(エプロン) を着用する 次亜塩素酸ナト リウム(0.1 ) 専用バケツ ペーパータオル 拭き取り用 新聞紙 拭き取り用 へら 準備物 消毒薬以外の物 劣化しな い物 はセットして保管して

More information

医療関連感染サーベイランス

医療関連感染サーベイランス 医療関連感染 サーベイランス 学習内容 1. 医療関連感染サーベイランスの 定義 目的 2. サーベイランスの方法 3. サーベイランスの種類 4. 判定基準 ( 疾患定義 ) 5. データの収集 解析 医療関連感染 サーベイランスの目的 医療関連感染の減少 ( 監視効果 ) ベースラインの把握 アウトブレイクの早期発見 感染予防策と感染管理に関する介入の評価 感染の減少とそれによる医療の質改善 サーベイランスのおもな方法

More information

pdf0_1ページ目

pdf0_1ページ目 平成 年 月 日 担 当 課 衛生環境研究所 ( 担当者 ) ( 高田 梁川 ) 電話 -- 鳥取県感染症流行情報 第 9 [ 平成 年 月 日 ( 月 ) ~ 月 9 日 ( 日 ) ] 疾 病 名 東 部 中 部 西 部 イ ン フ ル エ ン ザ 感 染 性 胃 腸 炎 水 痘 ( 水 ぼ う そ う ) 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 手 足 口 病 〇 〇 ヘ ル パ ン ギ ー ナ

More information

pdf0_1ページ目

pdf0_1ページ目 平成 年 月 日 担 当 課 衛生環境研究所 ( 担当者 ) ( 高田 梁川 ) 電話 -- 鳥取県感染症流行情報 第 [ 平成 年 月 日 ( 月 ) ~ 月 日 ( 日 ) ] 疾 病 名 東 部 中 部 西 部 イ ン フ ル エ ン ザ 感 染 性 胃 腸 炎 水 痘 ( 水 ぼ う そ う ) 〇 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 手 足 口 病 〇 〇 ヘ ル パ ン ギ ー ナ (

More information

感染対策の基礎知識 1 感染対策の原則 感染成立の 3 要因への対策と 病原体を 1 持ち込まない 2 持ち出さない 3 拡げないが基本です 感染成立の 3 要因と感染対策 感染症は 1 病原体 ( 感染源 )2 感染経路 3 宿主の 3 つの要因が揃うことで感染します 感染対策においては これらの

感染対策の基礎知識 1 感染対策の原則 感染成立の 3 要因への対策と 病原体を 1 持ち込まない 2 持ち出さない 3 拡げないが基本です 感染成立の 3 要因と感染対策 感染症は 1 病原体 ( 感染源 )2 感染経路 3 宿主の 3 つの要因が揃うことで感染します 感染対策においては これらの 感染対策の基礎知識 1 感染対策の原則 感染成立の 3 要因への対策と 病原体を 1 持ち込まない 2 持ち出さない 3 拡げないが基本です 感染成立の 3 要因と感染対策 感染症は 1 病原体 ( 感染源 )2 感染経路 3 宿主の 3 つの要因が揃うことで感染します 感染対策においては これらの要因のうちひとつでも取り除くことが重要です 特に 感染経路の遮断 は感染拡大防止のためにも重要な対策となります

More information

Microsoft PowerPoint - ™mfiIfl�™B‘á−QŁfl›ï.ppt

Microsoft PowerPoint - ™mfiIfl�™B‘á−QŁfl›ï.ppt 20 1 23 東京都福祉保健局健康安全室 1 本日の内容 Ⅰ. 感染症に関する指導の法的根拠等 Ⅱ. 感染症について Ⅲ. 施設内で流行しやすい感染症 Ⅳ. 感染予防の実際 Ⅴ. 感染症対策のために必要なこと 2 Ⅰ. 感染症に関する指導の法的根拠等 第 5 条 ( 医師等の責務 ) 2 病院 診療所 老人福祉施設等の施設の開設者及び管理者は 当該施設において感染症が発生し 又はまん延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない

More information

10/3~10/9 今週前週今週前週 インフルエンザ 7 1 百日咳 1 0 RS ウイルス感染症 ヘルパンギーナ 咽頭結膜熱 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 感染性胃腸炎 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 急性出

10/3~10/9 今週前週今週前週 インフルエンザ 7 1 百日咳 1 0 RS ウイルス感染症 ヘルパンギーナ 咽頭結膜熱 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 感染性胃腸炎 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 急性出 10/3~10/9 今週前週今週前週 インフルエンザ 7 1 1 0 150 106 ヘルパンギーナ 38 39 11 24 399 320 ( おたふくかぜ ) 122 117 74 45 1 0 ( はやり目 ) 26 27 水痘 22 15 3 0 116 88 1 2 ( りんご病 ) 熊本県感染症情報 ( 第 40 週 ) 7 2 マイコプラズマ肺炎 12 11 突発性発しん 26 41

More information

感染対策マニュアル

感染対策マニュアル 感染対策マニュアル 苫小牧市民薬局 平成 23 年 3 月 平成 28 年 1 月改定 はじめに 保険調剤薬局において 各種感染症の防御対策は非常に重要だと思われる しかし 保険調剤薬局における感染防止対策の指針はほとんどないのが現状である インフルエンザ ノロウイルス 水痘など感染患者が来局する機会は多く 窓口で感染することも充分考えられる また 職員が感染することで 施設内感染の可能性もある さらに

More information

スライド タイトルなし

スライド タイトルなし ウイルス性胃腸炎の現状と対策 ノロウイルスの電子顕微鏡像 微生物部ウイルス研究科森功次 食中毒とウイルス ウイルスによる食中毒がなぜ減らないか ウイルス性胃腸炎の発生要因 食材の汚染調理従事者の関与汚染箇所に残存したウイルスからの感染 発生予防 拡大防止に関するポイント 東京都で発生した食中毒事例の胃腸炎ウイルス ノロウイルス サポウイルス ロタウイルス ノロウイルスサポウイルス ロタウイルス 報告年

More information

総合生支援センター カムさぁ

総合生支援センター カムさぁ 感染対策マニュアル 平成 27 年度版 社会福祉法人リデルライトホーム 感染対策のために必要なこと知識 管理者は 1 高齢者施設における感染症の特徴を理解をすること 2 感染に対する知識 ( 予防 発生時の対応 ) の習得をすること 3 法人内活動の推進 ( 感染対策委員会 指針の策定 研修の実施 施設整備など ) 4 施設外活動の実施 ( 情報収集 発生時の行政への届出など ) 5 職員の労務管理

More information

データの取り扱いについて (原則)

データの取り扱いについて (原則) 中医協費 - 3 2 5. 1. 2 3 データの取り扱いについて 福田参考人提出資料 1. 総論 1 費用効果分析で扱うデータ 費用や効果を積算する際は 様々なデータを取り扱う データを取り扱う際の考え方を整理しておく必要がある (1) 評価対象の医療技術及び比較対照の医療技術の 費用 と 効果 を別々に積算する 費用効果分析の手順 (2) 評価対象の医療技術と比較対照の医療技術との増分費用効果比の評価を行う

More information

るとされている また 人から人への感染は極めて稀であり 家族内での感染が 過去数例報告されている (5) 季節性インフルエンザ季節性インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染して起こる病気で 風邪よりも 比較的急速に悪寒 高熱 筋肉痛 全身倦怠感を発症させるのが特徴である 我が国では例年 12 月

るとされている また 人から人への感染は極めて稀であり 家族内での感染が 過去数例報告されている (5) 季節性インフルエンザ季節性インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染して起こる病気で 風邪よりも 比較的急速に悪寒 高熱 筋肉痛 全身倦怠感を発症させるのが特徴である 我が国では例年 12 月 新型インフルエンザ等の基礎知識 1 新型インフルエンザ等の概要 (1) インフルエンザウイルスインフルエンザウイルスは抗原性の違いから A 型 B 型 C 型に大きく分類される 人でのパンデミックを引き起こすのは A 型のみである A 型はさらに ウイルスの表面にある赤血球凝集素 (HA) とノイラミニダーゼ (NA) という 2つの糖蛋白の抗原性の違いにより亜型に分類される ( いわゆる A/H1N1

More information

Microsoft Word - rad_env.docx

Microsoft Word - rad_env.docx 救急部門における放射線診療部門の感染予防策について検討田中善啓 1,4 坂下惠治 2,4 五十嵐隆元 3,4 1 国立病院機構水戸医療センター 2 大阪府立泉州救命救急センター 3 総合病院国保旭中央病院 4 日本救急撮影技師認定機構 救急医療における放射線診療室等の環境整備 WG A review for infection prevention measures in a radiological

More information

医療機関における診断のための検査ガイドライン

医療機関における診断のための検査ガイドライン 医療機関における診断のための検査ガイドライン 新型インフルエンザ専門家会議 平成 19 年 3 月 26 日 153 154 ウイルス輸送培地 医療機関における診断のための検査 事前準備臨床検体の採取検体の輸送 地方衛生研究所において PBS 等を用いた培地を作成 ウイルス輸送培地の供給 地方衛生研究所より 感染症指定医療機関等へ分配供給 ウイルス輸送培地の保管 医療機関において 4 又は -20

More information

褥瘡発生率 JA 北海道厚生連帯広厚生病院 < 項目解説 > 褥瘡 ( 床ずれ ) は患者さまのQOL( 生活の質 ) を低下させ 結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります そのため 褥瘡予防対策は患者さんに提供されるべき医療の重要な項目の1 つとなっています 褥瘡の治療はしばしば困難

褥瘡発生率 JA 北海道厚生連帯広厚生病院 < 項目解説 > 褥瘡 ( 床ずれ ) は患者さまのQOL( 生活の質 ) を低下させ 結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります そのため 褥瘡予防対策は患者さんに提供されるべき医療の重要な項目の1 つとなっています 褥瘡の治療はしばしば困難 褥瘡発生率 褥瘡 ( 床ずれ ) は患者さまのQOL( 生活の質 ) を低下させ 結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります そのため 褥瘡予防対策は患者さんに提供されるべき医療の重要な項目の1 つとなっています 褥瘡の治療はしばしば困難であり 発症予防がより重要となることから 関連知識の蓄積 予防の計画 予防の実施にかかる総合力を評価します 平成 25 年度 0.04% (109/257,938)

More information

感染対策

感染対策 市町村放射線画像研究会秋季研修会平成 27 年 11 月 28 日 15:10~16:10 本日の内容 病院感染の内的リスク 感染対策 盛岡市立病院主任看護師感染管理認定看護師高見洋 感染対策とは 標準予防策 手指衛生と個人防護具 環境整備 感染経路別予防策 日常業務の場面における感染対策 職業感染防止 易感染患者 : 高齢 栄養状態の悪化 悪性腫瘍先天性免疫不全後天性免疫不全症候群 感染リスク :

More information

MEDICAL PRODUCT INFORMATION C O N T E N T S 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 ①おうと物処理セットの準備 ハクゾウおうと物処理セット 汚物 環境表面におうと物等の汚物が付着 おうと物処理セットを 用意してください トレーの四隅のいずれかから透 明フィルムを剥がしてください

More information

生活衛生営業 HACCP ガイダンス ( 食肉販売業用 ) 導入手引書 本ガイダンスでは まず メニュー調査表 と 調理工程表 によりそれぞれの施設の 危害要因分析 を行い 次にこの手引書の 衛生管理点検表 を HACCP の考え方を取り入れた 衛生管理計画 とし それを用いて モニタリング 記録の

生活衛生営業 HACCP ガイダンス ( 食肉販売業用 ) 導入手引書 本ガイダンスでは まず メニュー調査表 と 調理工程表 によりそれぞれの施設の 危害要因分析 を行い 次にこの手引書の 衛生管理点検表 を HACCP の考え方を取り入れた 衛生管理計画 とし それを用いて モニタリング 記録の 生活衛生営業 HACCP ガイダンス ( 食肉販売業用 ) 導入手引書 本ガイダンスでは まず メニュー調査表 と 調理工程表 によりそれぞれの施設の 危害要因分析 を行い 次にこの手引書の 衛生管理点検表 を HACCP の考え方を取り入れた 衛生管理計画 とし それを用いて モニタリング 記録の作成 保管 を兼ねた管理ツールとして衛生管理に取り組めるようにしています なお 衛生管理点検表 は それぞれの施設の実態に合うかどうか確認し

More information

血管留置カテーテルに関連した血流感染対策

血管留置カテーテルに関連した血流感染対策 Ⅸ-1 血管内留置カテーテル関連血流感染対策 1 血管内留置カテーテル関連血流感染症の定義 カテーテル関連血流感染の臨床定義は一般的にはカテーテル ハブ 点滴薬液 挿入部浸出液 移植ポートからの膿性排液などの培養から検出された微生物と同様の微生物が末梢血液培養から採取された場合をさす 2 カテーテル関連血流感染の主な起因菌 コアグラーゼ陰性ブドウ球菌 CNS 黄色ブドウ球菌エンテロバクター属腸球菌カンジタ菌属クレブシエラ緑膿菌

More information

Microsoft Word - 【要旨】_かぜ症候群の原因ウイルス

Microsoft Word - 【要旨】_かぜ症候群の原因ウイルス かぜ症候群の原因ウイルス ~ サフォードウイルスもそのひとつ?~ 新潟県保健環境科学研究所ウイルス科主任研究員広川智香 1 はじめにかぜ症候群とは, 鼻やのど, 気管支や肺に急性の炎症をきたす疾患の総称で, その原因となる病原体は 80~90% がウイルスといわれています 主な原因ウイルスとしてはライノウイルス, コロナウイルス, パラインフルエンザウイルス,RS ウイルス, インフルエンザウイルスなどがあげられます

More information

手洗いについて できてる? 手を洗う機会 ( 利用者 入所者 ) 来所時 食事前後 トイレ後 外出後 粘土など共有のリハビリ用品等を触った後 動物を触った後 手が汚れてしまった後 手を洗う機会 ( 看護 介護職員 ) 来所時 ( 通勤後 ) 調理時 配膳時 食事介助時 薬を扱う時 トイレの手伝い後

手洗いについて できてる? 手を洗う機会 ( 利用者 入所者 ) 来所時 食事前後 トイレ後 外出後 粘土など共有のリハビリ用品等を触った後 動物を触った後 手が汚れてしまった後 手を洗う機会 ( 看護 介護職員 ) 来所時 ( 通勤後 ) 調理時 配膳時 食事介助時 薬を扱う時 トイレの手伝い後 手洗いのポイント まず手を流水で軽く洗う 石けんは固形石けんではなく 液体せっけんを使用する ( 詰め替える時に残っている石けんは捨てること ) 爪は短く切り 時計や指輪ははずす 雑になりやすい部位は注意して洗う 手拭きは 使い捨てのペーパータオルを使用する 水道栓の開閉は 手首 肘などで簡単にできるものが望ましい 水道栓は 洗った手でなく ペーパータオルで止める 手は完全に乾燥させること 手洗いについて

More information

2. 標準予防策の実際 1) 手指衛生目的手指衛生は 医療関連感染を予防するために行う最も基本的な対策の 1 つである 手指に付着する一過性通過菌と常在菌の一部を除去することで 手指を介した接触感染を防止する 手指衛生の分類目的によって 3 つに分類されるが 日常のケア場面で実施される手洗いは 衛生

2. 標準予防策の実際 1) 手指衛生目的手指衛生は 医療関連感染を予防するために行う最も基本的な対策の 1 つである 手指に付着する一過性通過菌と常在菌の一部を除去することで 手指を介した接触感染を防止する 手指衛生の分類目的によって 3 つに分類されるが 日常のケア場面で実施される手洗いは 衛生 Ⅲ. 標準予防策標準予防策とは感染症の有無にかかわらず あるいはいかなる病態であるにも関わらず適用される感染対策であり 患者と医療従事者双方における医療関連感染の危険性を減少させるために標準的に講じる感染対策である 湿性生体物質は感染性があるものとして取り扱う必要があり 湿性生体物質とは 血液 汗を除くすべての体液 分泌物 排泄物 傷のある皮膚 粘膜 ( 気管 口腔 鼻腔 消化管 眼球 膣等 ) である

More information

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に 2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に伴い 肺炎におけるウイルスの重要性が注目されてきました 本日のお話では 成人におけるウイルス性肺炎の疫学と診断の現状

More information

Microsoft Word - 医療機関における院内感染対策について

Microsoft Word - 医療機関における院内感染対策について 医政地発 1219 第 1 号 平成 26 年 12 月 19 日 都道府県 各政令市衛生主管部 ( 局 ) 長殿 特別区 厚生労働省医政局地域医療計画課長 ( 公印省略 ) 医療機関における院内感染対策について 院内感染対策については 医療機関等における院内感染対策について ( 平成 23 年 6 月 17 日医政指発 0617 第 1 号厚生労働省医政局指導課長通知 以下 0617 第 1 号課長通知

More information

事例を通して考える 感染拡大防止対策

事例を通して考える 感染拡大防止対策 平成 26 年度感染症対策特別講座 事例を通して考える 感染拡大防止対策 ~ 感染性胃腸炎 ( ノロウイルス感染症 ) を中心に ~ 感染性胃腸炎発症報告施設 ( 平成 25 年度 ) 神戸モデル感染症発生連絡票より 発症報告施設数 ( 再 ) * 集団発生施設 こども関係施設 102 39(38.2%) 高齢者関係施設 38 18(47.4%) 障害者関係施設 3 1(33.3%) 学校 園 19

More information

ラウンドについて一定の基準が示されました ICTの組織化と役割病院は compromised host が集団生活をする特殊な環境であるため 病院感染を引き起こしやすい状況にあります 適切な病院感染の制御が行われなければ 患者さんや医療従事者を感染被害から守ることが出来ず 病院の機能そのものを果たし

ラウンドについて一定の基準が示されました ICTの組織化と役割病院は compromised host が集団生活をする特殊な環境であるため 病院感染を引き起こしやすい状況にあります 適切な病院感染の制御が行われなければ 患者さんや医療従事者を感染被害から守ることが出来ず 病院の機能そのものを果たし 2012 年 9 月 19 放送 ICT ラウンド 東京医療保健大学大学院感染制御学教授大久保憲はじめに 2012 年 4 月の診療報酬改定により 感染対策チーム (infection control team: ICT) の評価が 医療安全対策加算とは別の評価体系に改められました また 人的要因が確保されたICTを組織している医療機関と 300 床未満の医療機関との連携及びICTを持つ医療機関同士が相互に感染防止対策に関する評価を実施した場合および

More information

2019 年 7 月 4 日 ( 木 ) 愛知県保健医療局健康医務部健康対策課感染症グループ担当内田 久野内線 ダイヤルイン 手足口病警報を発令します!! 愛知県では 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 に基づき 県内の小児科を標榜する

2019 年 7 月 4 日 ( 木 ) 愛知県保健医療局健康医務部健康対策課感染症グループ担当内田 久野内線 ダイヤルイン 手足口病警報を発令します!! 愛知県では 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 に基づき 県内の小児科を標榜する 2019 年 7 月 4 日 ( 木 ) 愛知県保健医療局健康医務部健康対策課感染症グループ担当内田 久野内線 3160 3161 ダイヤルイン 052-954-6272 手足口病警報を発令します!! 愛知県では 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 に基づき 県内の小児科を標榜する医療機関のうち 182 か所を定点として各種感染症の発生動向 調査を実施しています この調査結果によりますと

More information

<4D F736F F D E08AB490F591CE8DF4837D836A B>

<4D F736F F D E08AB490F591CE8DF4837D836A B> Ⅰ はじめに 近年 新興 再興感染症が注目され 現在は感染症の時代ともいわれている 医療機関においては 患者の高齢化 医療の高度化 種々の薬剤の多用等により院内感染のリスクが高まっており 医療関連感染 ( 院内感染 ) 対策は 安全な医療を提供する上で欠かすことのできないものとなっている これは 医療 * 資関連感染対策が入院基本料の加算請求から減算請求 そして施設基準の要件料 2 となってきた経緯からも伺える

More information

6/10~6/16 今週前週今週前週 インフルエンザ 2 10 ヘルパンギーナ RS ウイルス感染症 1 0 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 8 10 咽頭結膜熱 急性出血性結膜炎 0 0 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性角結膜炎 ( はやり目 )

6/10~6/16 今週前週今週前週 インフルエンザ 2 10 ヘルパンギーナ RS ウイルス感染症 1 0 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 8 10 咽頭結膜熱 急性出血性結膜炎 0 0 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性角結膜炎 ( はやり目 ) 6/10~6/16 今週前週今週前週 インフルエンザ 2 10 ヘルパンギーナ 148 98 1 0 ( おたふくかぜ ) 8 10 29 19 0 0 80 116 ( はやり目 ) 19 15 327 346 1 0 水痘 16 19 0 0 463 320 マイコプラズマ肺炎 0 1 ( りんご病 ) 44 28 百日咳は 2018 年 1 月 1 日から全数把握疾患となりました 2018 年第

More information

医療安全対策 医療安全のため 高血圧と歯科診療上の注意 必要な問診事項について確認を行った 下記についてすぐ対応できるか確認した 1 血圧測定など 2 緊急時の対処 3 必要な薬剤の準備 4 その他 患者さんへの歯科診療上の注意事項 特に外科処置時

医療安全対策 医療安全のため 高血圧と歯科診療上の注意 必要な問診事項について確認を行った 下記についてすぐ対応できるか確認した 1 血圧測定など 2 緊急時の対処 3 必要な薬剤の準備 4 その他 患者さんへの歯科診療上の注意事項 特に外科処置時 医療安全対策 医療安全のため 糖尿病と歯科との関連や診療上の注意 必要な問診事項について確認を行 った 下記についてすぐ対応できるか確認した 1 緊急時の対処 2 必要な薬剤の準備 3 その他 歯周病との関連についての説明 喫煙のリスク 医療安全対策 医療安全のため 高血圧と歯科診療上の注意 必要な問診事項について確認を行った 下記についてすぐ対応できるか確認した 1 血圧測定など 2 緊急時の対処

More information

血液浄化部

血液浄化部 11-13. 血液浄化部 Ⅰ. 透析室従事者側の準備 ( 基本的感染防止対策の遵守 ) 1. 常に爪を短く切っておく 2. 髪は肩にかからないように束ねる あるいは, アップにする 3. 穿刺や創部のガーゼ交換などの前後に石鹸と水で手を洗いディスポ手袋 ディスポエプロン ゴーグルを着用する 手技毎に新しい手袋に交換する場合も, 石鹸と水で手洗いをする 4. 冬期間は可能な限り勤務前後にうがいを行う

More information

院内感染対策マニュアル

院内感染対策マニュアル 7-6. ムンプス ( 流行性耳下腺炎, おたふく ) Ⅰ. 診断 1) 通常, 唾液腺, 主として耳下腺の有痛性腫脹をもって発症する 両側又は片側の耳下腺が腫脹し, ものを噛むときに顎に痛みを訴えることが多い 唾液腺炎は耳下腺両側が多いが, 片側耳下腺は25%,10~15% は顎下腺である 2) 一般検査 : 血清, 尿アミラーゼ上昇 ( リンパ節腫大との鑑別に有効 ) 3) 抗体検査は急性期にEIA-IgG/IgMで行ない,

More information

その他の多剤耐性菌

その他の多剤耐性菌 6-6. カルハ ヘ ネム耐性腸内細菌科細菌 (CRE) Ⅰ. 定義メロペネムなどのカルバペネム系薬剤及び広域 β-ラクタム剤に対して耐性を示す腸内細菌科細菌である 感染症法による届出基準 ( 抜粋 ) は,1 腸内細菌科細菌と同定されることに加えて, 2 次のアあるいはイによりカルバペネム系薬剤及び広域 β-ラクタム剤に対する耐性が確認されることとなっている ( ア. メロペネムの MIC 値が2μg/ml

More information

<4D F736F F F696E74202D B AB490F591CE8DF482AD947A957A8E9197BF816A2E >

<4D F736F F F696E74202D B AB490F591CE8DF482AD947A957A8E9197BF816A2E > インフルエンザが流行しています インフルエンザの感染防止対策 2015 年 1 月 26 日感染管理認定看護師門田悦子 感染しないためにはどうしたらいいの? 感染経路は? 毎年ワクチンを打つのはなぜ? ワクチンを接種したら感染しないの? 本日の目的 インフルエンザウイルスの特徴を知る インフルエンザの感染経路を知る インフルエンザの感染防止対策を知る インフルエンザとは インフルエンザはインフルエンザウイルスによって感染する感染症であり

More information

食品衛生の窓

食品衛生の窓 別表 3( 第 5 条関係 ) 1 調理部門仕出し弁当調製施設 旅館 ホテル 給食施設 飲食提供施設 ( 第 1から第 6まで省略 ) 2 製造部門そうざい製造施設 漬物製造施設 めん類製造施設 菓子製造施設 食品製造 加工施設 第 1 施設設備に関する基準施設または設備は 次に掲げる基準を満たすものであること ただし 6から11 までに定める基準にあっては 衛生上同等の措置を講じている場合には 当該基準によらないことができる

More information

事務連絡 令和元年 6 月 21 日 ( 公社 ) 岡山県医師会 ( 一社 ) 岡山県病院協会 御中 岡山県保健福祉部健康推進課 手足口病に関する注意喚起について このことについて 厚生労働省健康局結核感染症課から別添のとおり事務連絡が ありましたので 御了知いただくとともに 貴会員への周知をお願い

事務連絡 令和元年 6 月 21 日 ( 公社 ) 岡山県医師会 ( 一社 ) 岡山県病院協会 御中 岡山県保健福祉部健康推進課 手足口病に関する注意喚起について このことについて 厚生労働省健康局結核感染症課から別添のとおり事務連絡が ありましたので 御了知いただくとともに 貴会員への周知をお願い 事務連絡 令和元年 6 月 21 日 ( 公社 ) 岡山県医師会 ( 一社 ) 岡山県病院協会 御中 岡山県保健福祉部健康推進課 手足口病に関する注意喚起について このことについて 厚生労働省健康局結核感染症課から別添のとおり事務連絡が ありましたので 御了知いただくとともに 貴会員への周知をお願いいたします なお この通知は次のホームページに掲載していますのでお知らせいたします 記 岡山県保健福祉部からの医療安全情報等のお知らせ

More information

pdf0_1ページ目

pdf0_1ページ目 平成 年 月 日 担 当 課 衛生環境研究所 ( 担当者 ) ( 高田 梁川 ) 電話 -- 鳥取県感染症流行情報 第 [ 平成 年 月 7 日 ( 月 ) ~ 月 日 ( 日 祝 ) ] 疾 病 名 東 部 中 部 西 部 イ ン フ ル エ ン ザ 〇 感 染 性 胃 腸 炎 〇 〇 〇 水 痘 ( 水 ぼ う そ う ) 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 手 足 口 病 〇 〇 〇 ヘ ル

More information