趣旨 UML とは? なぜ UML? を理解する 典型的なオブジェクト指向分析 設計の作業に沿って UML のダイアグラムを理解する Copyright 2000 mamezou Inc. 2

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1 UML による オブジェクト指向分析 設計入門 株式会社豆蔵重見剛 Copyright 2000 mamezou Inc. 1

2 趣旨 UML とは? なぜ UML? を理解する 典型的なオブジェクト指向分析 設計の作業に沿って UML のダイアグラムを理解する Copyright 2000 mamezou Inc. 2

3 対象 これから OOで開発をはじめたい方 UMLでモデリングしたい方 必要な知識 OO の基本概念 Copyright 2000 mamezou Inc. 3

4 目次 UML の概要 UML による統一 開発プロセス UML の適用 オブジェクト指向分析 設計 要求分析 システム分析 システム設計 Copyright 2000 mamezou Inc. 4

5 UML の概要 UMLによる統一 開発プロセス Copyright 2000 mamezou Inc. 5

6 さまざまな開発方法論 Booch 法... 設計にフォーカス OMT 法... 分析にフォーカス 3つの視点 ( オブジェクト 動的 機能 ) のモデル OOSE(Objectory) 法... ユースケースの導入 オブジェクトの3カテゴリー (boundary control entity) Coad/Yordon 法... 初めてのOOAD 手法 Shlaer/Mellor 法... 組み込みに特化 Drop... 日本発のOO 開発方法論 Copyright 2000 mamezou Inc. 6

7 さまざまな開発方法論 良い点 開発の対象としているドメインや規模に応じた方法論を選択できる 問題点 方法論毎に 開発の手順や適用するモデルおよびその描き方を覚えなければならない 異なる方法論間では モデルをそのまま流用できない 必ずのモデルの翻訳作業が発生する Copyright 2000 mamezou Inc. 7

8 方法論の構成要素 方法論は 開発プロセスと表記法で構成される 開発プロセス システム開発における 作業手順 成果物 管理項目や管理方法などをまとめたもの 表記法 開発の中で作成されるモデルの表現方法 ( 記述法 ) Copyright 2000 mamezou Inc. 8

9 開発プロセス 開発プロセスとは システム開発の進め方を定義したもの 作業工程を定義 各作業工程における 作業内容と手順を定義 システム構築の過程で用いるモデルを定義 管理項目およびその管理方法を定義 要員構成と導入時期を定義 Copyright 2000 mamezou Inc. 9

10 表記法 モデルを表現する方法 開発プロセスで定義されたモデルを表現するためのダイアグラムとモデリング要素およびその意味 ( セマンティクス ) を定義したもの 利害関係者間でのコミュニケーションツール 頭の中にあるイメージを具体化 ( 視覚化 ) するための道具 ビジュアルなモデルを通して意思の疎通を図る Copyright 2000 mamezou Inc. 10

11 UML (Unified Modeling Language) 統一モデリング言語 表記法の統一 ブーチ ランボー ヤコブソンが中心となりまとめる 複数の方法論からのいいとこ取り 月 OMGによって標準のモデリング言語として承認される 業界のデファクトスタンダード Copyright 2000 mamezou Inc. 11

12 UML 発展の経緯 1994 末 : 開発着手 オブジェクト指向開発の統一方法論 (Unified Method) として ブーチ ランボーらにより開発開始 1996 初 :UML 0.9 発表 ヤコブソンが加わり 記述法部分のみを UML として発表 :OMG 標準 :UML 1.3 公開 現在 :UML 1.4 UML 2.0 開発中 Copyright 2000 mamezou Inc. 12

13 UML でモデル化する意義 開発の各工程で必要となる一連のモデル ( ダイアグラム ) が用意されている 開発プロセスの詳細から表記法を分離できる ひとつの表記法だけを覚えればよい プロセスが違っていても モデルが理解できる 業界のデファクトスタンダード モデリング言語における世界共通語 Copyright 2000 mamezou Inc. 13

14 UML のダイアグラム 要求をあらわす図 ユースケース図 ユーザーから見たシステムの機能を表現する Copyright 2000 mamezou Inc. 14

15 UML のダイアグラム 構造をあらわす図 クラス図 クラスおよびクラス間の静的な構造を表現する オブジェクト図 クラス図で表現された静的な構造の ある時点におけるスナップショット ( インスタンス間の関係 ) を表現する パッケージ図 クラス図の特殊なもの Copyright 2000 mamezou Inc. 15

16 UML のダイアグラム ( 続き ) 振る舞いをあらわす図 相互作用図 : シーケンス図, コラボレーション図 複数のオブジェクトによる協調動作を表現する ステートチャート図 オブジェクトのライフサイクルにおける状態遷移を表現する アクティビティ図 業務や処理のフローを表現する Copyright 2000 mamezou Inc. 16

17 UML のダイアグラム ( 続き ) 実装をあらわす図 コンポーネント図 ソフトウエアの物理構成を表現する ソフトウェアモジュール間の依存関係を表現する 配置図 コンポーネントやオブジェクトのノード上への配置構成やノード間の接続仕様等を表現する Copyright 2000 mamezou Inc. 17

18 複数のダイアグラム システム開発には 様々な人々が関与し それぞれの視点でシステムを捕らえている システムについて興味のあることを議論したり確認するためのモデルが不可欠である Copyright 2000 mamezou Inc. 18

19 アーキテクチャと 4+1 ビュー アナリスト / デザイナー 構造 論理ビュー 実装ビュー プログラマー ソフトウエアモジュールソースファイル ユースケースビュー プロセスビュー システムインテグレータ パフォーマンス拡張性効率 エンドユーザー 振る舞い 配置ビュー システムエンジニア システムトポロジインストール通信 Copyright 2000 mamezou Inc. 19

20 UML の概要 UMLによる統一 開発プロセス Copyright 2000 mamezou Inc. 20

21 最新の開発プロセス 統一プロセス :Unified Process UMLによるモデリングを前提とした反復型開発プロセス Booch 法 OMT 法 Objectory 法の統合 XP:eXtream Programming 開発リスクを早期に軽減することを主眼におき, 反復型の開発を取り入れている コーディングおよびテストに重点を置いている 初期設計よりもリファクタリングによる再設計を重視している UP よりもライトウェイトな開発プロセスである Copyright 2000 mamezou Inc. 21

22 統一プロセス 管理された繰り返し開発 要求 成果物 リスク 人 スケジュールなどを管理しながら反復開発を実施する ユースケースドリブン 開発の単位としてユースケースを使用する アーキテクチャ中心 アーキテクチャを中心に開発を進める カスタマイズ可能 プロセス自身をカスタマイズできる Copyright 2000 mamezou Inc. 22

23 統一プロセスのフェーズ 方向つけ システムの範囲を決める 推敲 アーキテクチャベースラインを構築する 作成 実行可能なリリースを繰り返す 移行 ユーザーへプロダクトをリリースする Copyright 2000 mamezou Inc. 23

24 Copyright 2000 mamezou Inc. 24 開発スタイル問題領域の大局的把握実現可能性の判断第 1 次見積もり方向付け方向付け方向付け方向付け方向付け方向付け方向付け方向付け分析分析分析分析設 実装実装実装実装評価評価評価評価機能実現機能実現機能実現機能実現機能実現機能実現機能実現機能実現主要ユースケースの実現要求への随時対応分析分析分析分析設計設計設計設計実装実装実装実装評価評価評価評価分析分析分析分析設計設計設計設計実装実装実装実装評価評価評価評価アーキテクチャ推敲アーキテクチャ推敲アーキテクチャ推敲アーキテクチャ推敲アーキテクチャ推敲アーキテクチャ推敲アーキテクチャ推敲アーキテクチャ推敲ベースアーキテクチャ確立コア機能の実現技術リスクの早期解決技術リスクの早期解決技術リスクの早期解決技術リスクの早期解決分析分析分析分析設計設計設計設計実装実装実装実装評価評価評価評価移行移行移行移行移行移行移行移行ユーザー環境へのシステム導入

25 統一プロセス プロセスワークフロー ビジネスモデリング 方向付け 推敲 作成 移行 要求分析分析 設計 実装テスト配布 サポートワークフロー 構成管理管理環境 予備反復 反復 1 回目 反復 2 回目 反復 N 回目 反復反復 N+1 回目 N+2 回目 反復 M 回目 反復 M+1 回目 フェイズごとに各プロセスコンポーネントの重要度は変化する Copyright 2000 mamezou Inc. 25

26 UML の適用 オブジェクト指向分析 設計 要求分析 システム分析 システム設計 Copyright 2000 mamezou Inc. 26

27 反復の中での分析 設計作業 要求分析 システム化要求の取りまとめ システム分析 オブジェクトの導出と責務の割り当て 実現方法のデザイン システム設計 Copyright 2000 mamezou Inc. 27

28 UML の適用 オブジェクト指向分析 設計 要求分析 システム分析 システム設計 Copyright 2000 mamezou Inc. 28

29 要求分析 機能要求 : ユーザーから見える機能 注文を登録したい 顧客情報を管理したい 月末の集計をしたい 非機能要求 : 機能以外の要求 機能要求への制約 永続化の仕組みを再利用できるようにしたい 月末の集計処理は 1 時間以内に完了させたい 開発期間は 3 ヶ月としたい 開発コストを 3,000 万円以内に抑えたい Copyright 2000 mamezou Inc. 29

30 ユースケース図 アクター システム境界 ユースケース 関連 Copyright 2000 mamezou Inc. 30

31 ユースケースドキュメント ユースケース図だけでは 振る舞いの様子は表現できない アクターとシステムとの相互作用を中心にユースケースドキュメントをまとめる 概要 事前条件 / 事後条件 イベントフロー 代替フロー 例外フロー シナリオ一覧 シナリオ詳細記述 Copyright 2000 mamezou Inc. 31

32 アクター間の関係 アクター間の関係には 汎化関係が適用できる 抽象レベルの異なるアクター間をモデリング 汎化関係 顧客 個人顧客 法人顧客 Copyright 2000 mamezou Inc. 32

33 ユースケース間の関係 共通 UC ステレオタイプ ベース UC 汎化関係 オプション UC 依存関係 派生 UC Copyright 2000 mamezou Inc. 33

34 UML の適用 オブジェクト指向分析 設計 要求分析 システム分析 システム設計 Copyright 2000 mamezou Inc. 34

35 システム分析 要求分析の結果を入力として 機能を実現するための部品 ( クラス ) を導出し 関係をモデリングしてシステムの静的な構造を捉える 機能の実行例 ( シナリオ ) に沿って オブジェクトの相互作用の様子を検証し クラスに責務を与える システムを個々の部品 ( クラス ) ではなく 抽象レベルを上げて見渡してみる場合もある Copyright 2000 mamezou Inc. 35

36 クラス図 顧客顧客 ID 氏名連絡先住所 関連名 注文注文番号 1 注文する * 注文日合計 {ordered by 納品予定日注文番号 } 納品日 クラス 関連制約集約 1 * 明細リスト注文明細個数小計 多重度 ロール名 注文商品 1 商品 ID ジャンルタイトル単価 汎化 ビデオ CD ゲームソフト Copyright 2000 mamezou Inc. 36

37 オブジェクト図 Copyright 2000 mamezou Inc. 37

38 シーケンス図 オブジェクト 活性区間 true true 注文を登録する 在庫を引当てる ライフライン リターン メッセージ Copyright 2000 mamezou Inc. 38

39 コラボレーション図 true リンク 7: 在庫を引当てる 6: 注文を登録する true メッセージ リターン オブジェクト Copyright 2000 mamezou Inc. 39

40 パッケージ図 依存関係 パッケージ Copyright 2000 mamezou Inc. 40

41 UML の適用 オブジェクト指向分析 設計 要求分析 システム分析 システム設計 Copyright 2000 mamezou Inc. 41

42 システム設計 分析結果を入力として 実装環境を考慮して 静的な構造に振る舞いを割り当てる 分析クラスの役割の明確化 <<boundary>> <<control>> <<entity>> 実装環境を考慮し 設計判断を加えて分析レベルから設計レベルへ移行 クラスの追加 関係の設計 設計されたクラスによる 相互作用の検証 Copyright 2000 mamezou Inc. 42

43 設計レベルのクラス図 <<boundary>> OrderRegistWin <<control>> OrderMana ger + regi storder() + registorder() 依存関係 <<entity>> Customer - ID : String - Name : String - Address : String - TEL : String -customer 1 0..* {ordered by ordernum} <<entity>> Order - ordernum : int - orderdate : Date - total : int - deliverdate : Date - delivereddate : Date + 合計を計算する () + gettotal() - calctotal() 誘導可能性 1 <<entity>> OrderLine -orderline - piece : int 1..* - subtotal : int + getsubtotal() 0..* 1 <<entity>> Product - ID : String - title : String - genre : String - cost : int -product + getcost() <<entity>> Video - director : Stri ng - leadingactor : String <<entity>> CD - srtistname : String <<entity>> Game - machine : String Copyright 2000 mamezou Inc. 43

44 コラボレーション図 true 6: registordeer() 7: allot() true Copyright 2000 mamezou Inc. 44

45 Copyright 2000 mamezou Inc. 45 ステートチャート図 初期状態初期状態初期状態初期状態最終状態最終状態最終状態最終状態遷移線遷移線遷移線遷移線イベントイベントイベントイベントガード条件ガード条件ガード条件ガード条件アクションアクションアクションアクション自己遷移自己遷移自己遷移自己遷移フォークフォークフォークフォークジョインジョインジョインジョイン

46 アクティビティ図 在庫センター 経理 フォーク スイムレーン アクティビティ ジョイン Copyright 2000 mamezou Inc. 46

47 コンポーネント図 コンポーネント 依存関係 Copyright 2000 mamezou Inc. 47

48 コンポーネント図 Copyright 2000 mamezou Inc. 48

49 配置図 ノード 接続 デバイス Copyright 2000 mamezou Inc. 49

50 拡張メカニズム ステレオタイプ 分類を拡張 タグ付き値 プロパティの拡張 制約 セマンティクスを拡張 ( 条件を定義 ) Copyright 2000 mamezou Inc. 50

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