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1 平成 28 年度途上国森林保全プロジェクト推進事業 報告書 平成 29 年 3 月 公益財団法人地球環境戦略研究機関

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3 目次 事業の背景と目的 1 1. 情報の収集 分析 パートナー国の情報 インドネシア ベトナム カンボジア ラオス人民民主共和国 ミャンマー連邦共和国 コスタリカ チリ ケニア REDD+ プロジェクトに関心のある民間企業等の情報 緑の気候基金 (GCF) の情報 JCM での REDD+ 実施ルールの検討 REDD+のためのガイドライン案の作成 方法論ガイドライン案 PDD モニタリングレポートガイドライン案 セーフガードガイドライン案 ガイドライン案の逐条解説の作成 方法論ガイドライン案逐条解説 PDD モニタリングレポートガイドライン案逐条解説 セーフガードガイドライン案逐条解説 国内事業者へのガイドライン案の説明 662

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5 事業の背景と目的 途上国の森林減少 劣化に由来する温室効果ガス排出の削減等 ( 以下 REDD+ という ) は重要な気候変動対策であり 気候変動に関する国際連合枠組条約の第 21 回締約国会議 (COP21) で合意された パリ協定 にもその実施と支援を奨励することが明記されたところである REDD+の推進には 途上国に対する資金と技術の提供が必要とされているが 公的資金には限界があることから 今後 REDD+の取組みを拡大していくには 民間セクターからの資金や技術の提供が鍵となる しかしながら 民間セクターが REDD+に対して投資するには 排出削減クレジットが獲得できる等のインセンティブが必要 (1) とされる また 途上国が REDD+を実施するには COP 決定を踏まえつつ 各々の国情に応じた排出削減量の算定 利益配分や外部資金の活用等に関する具体的な実施ルールを定めることが必要 (2) とされる 我が国は 気候変動対策として二国間クレジット制度 (JCM) を推進しているところであり これまでに 16 カ国 ( 平成 28 年 3 月 1 日現在 ) と実施に関する二国間文書の署名に至っている JCM は 我が国の民間企業等が二国間文書に署名した途上国 ( 以下 パートナー国 という ) の民間企業等と協力して 当該パートナー国での温室効果ガス排出削減 吸収プロジェクトを実施し 活動による温室効果ガスの排出削減 吸収量に応じて発行されるクレジットを プロジェクト実施者間で分配する仕組みであることから JCM で REDD+プロジェクトを実施することで これらの課題 (1 及び2) を解決することが可能である このことから 途上国政府及び我が国の民間企業等から JCM での REDD+プロジェクト実施への期待が寄せられている そこで 本事業により JCM で REDD+プロジェクトを実施するために必要なルール案 ( 規則 ガイドライン類 ) の作成とルールの普及を行い REDD+プロジェクトの早期実現を図り 我が国の排出削減目標の達成と途上国の森林保全を通じた気候変動の緩和に貢献する 1

6 1 情報の収集 分析 1-1 パートナー国の情報 JCM での REDD+ の実施ルール案の検討に当たり必要となる パートナー国の情報を収集 分析し整理した 対象国はパートナー国のうち REDD+ プロジェクトの実施に関心が高い 8 カ国 インドネシア ベトナム カンボジア ラオス ミャンマー コスタリカ チリ ケニアを対象とした インドネシア カンボジア ラオス コスタリカ チリの情報は 現地調査を実施し情報を収集した ベトナム ミャンマー ケニアの情報は 既存の文献 インターネット上の情報に加え 現地に詳しい人物に情報収集を依頼して取りまとめた 各国の情報はそれぞれ 表 の章立てでまとめており 各章は仕様書 (1) アで要求されている情報に対応している 表 章のタイトルと仕様書の対応 章のタイトル 仕様書で要求されている情報 0 森林の概況 - 1 気候変動対策及び REDD+ に関する所掌及び実施体制 1 中央及び地方政府の気候変動対策及び REDD+に関する所掌及び実施体制の詳細 2 気候変動対策としての 年以降の削減目標における位置付けを含む REDD+の活用に関する法令等 気候変動対策としての REDD+の活用に関する法令 計画 見解 3 準国以下の REDD+プロジェクトの実施に関する法令等 3 準国よりも小さい地域を対象とする REDD+プロジェクトの実施 ( 許認可制度やクレジットや利益分配 制度を含む ) に関する法令 計画 制度 見解 ) 4 REDD+における市場メカニズムの活用に関する法令等 4REDD+における市場メカニズム ( 排出削減量を国際移転する仕組み ) の活用に関する法令 計画 制度 見解 5 REDD+ の MRV システム 5 森林の定義 国家森林モニタリングシステムを含む REDD+の MRV( 測定 報告 検証 ) システム 6 土地の所有 管理 利用に関する法令等 6 森林を含む土地の所有 管理 利用に関する法令 計画 制度及びその実態 7 REDD+ のセーフガードに関する法令等 8 実施中の REDD+ プログラム等 7セーフガード情報システム REDD+プロジェクトにおけるセーフガードへの対処や関連情報の取扱に関する法令 計画 制度 見解 8 当該国内において実施中の様々なスキーム ( 世界銀行森林炭素基金 (FCPF-CF) VCS JICA 等 ) による REDD+プロジェクト プログラム間の調整状況 9 参照レベルの策定状況 9 国及び準国での参照 ( 排出 ) レベルの策定又は検討状況 設定根拠 及び当該国内において実施中の様々なスキームによる REDD+ プロジェクトにおける参照 ( 排出 ) レベルの策定又は検討状況 設定根拠及び 国及び準国レベルの参照 ( 排出 ) レベルとの関係や調整方法 2

7 1-1-1 インドネシア 森林の概況 1) 森林資源と森林減少 劣化の傾向インドネシアの森林は約 9,240 万 ha でインドネシア全面積の約 48% にあたる (FAO 2016) 環境林業省が 2015 年に策定した国家森林参照排出レベル (FREL)(MoEF 2015a) によると 1990 年から 2012 年までの年間平均森林減少速度は 918,578 ha である このうち 195,050 ha の森林減少が泥炭地 723,628 ha の森林減少が泥炭地以外の森林で生じている 1990 年から 2012 年までで最も森林減少率が高かったのが 年で 各年で 220 万 ha 以上の森林が消失した 一方 森林減少率が最も低かったのは 2003 年から 2003 年で 各年平均の森林減少面積は 444,000 ha であった 直近の 年の各年の平均森林減少面積は 786,000 ha であった およそ 78% の森林減少がスマトラとカリマンタンで生じている 一方 スラウェシやパプアが占める割合はそれぞれ 8% である 1990 年から 2012 年のあいだの各年の森林劣化の平均速度は 507,486 ha である そのうち 17,157 ha が泥炭地 490,329 ha が泥炭地以外で生じている 森林減少速度は 1996 年から 2000 年が最も早く 年平均が 130 万 ha であった その後この数字は徐々に低下し 2012 年には 44,000 ha になった (MoEF 2015a) 2) 森林被覆と質の変化の直接 間接要因 FREL によると 年にかけての高い森林減少率の原因は 1997/1998 年に生じた大規模森林火災 違法伐採 産業造林の拡大 アブラヤシ農園の急拡大によるものと考えられている (MoEF 2015a) インドネシアは 2015 年にも深刻な森林火災の被害を受け 2015 年の 2 月から 10 月の火災面積は 260 万 ha に達した (MoEF 2015e) 一方 森林劣化の原因については 年のスラウェシ カリマンタン スマトラにおける特に保全林内での森林劣化は 違法伐採 侵入活動 保護地域を維持するためのコミュニティと政府に対する不十分なインセンティブ 保護地域管理の責任組織の能力の不足によって生じていると報告されている 年のスラウェシにおける森林劣化の多くは カカオや丁子の植栽によるものと報告されている 気候変動対策及び REDD+ に関する所掌及び実施体制 1) 中央政府インドネシアでは 2013 年から REDD+ 庁が REDD+ の国のフォーカルポイントとして機能していたが 2014 年にジョコウィ大統領の政権が誕生すると 環境省 林業省 REDD+ 庁 国家気候変動委員会 (National Council of Climate Change) が統合され 環境林業省が誕生した さらに 2015 年の第 16 号大統領令によって 環境林業省内に気候変動総局が設立され REDD+ の準備 実施に関する責任も気候変動総局に移された 図 に環境林業省の組織構造及び REDD+ 準備 実施における役割 図 に気候変動総局の組織構造を示す 気候変動総局は REDD+ のみでなく 緩和及び適応を含む気候変動分野全般について 気候変動枠組条約の締約国会議におけるインドネシアのフォーカルポイントとして働く そして様々な政府部門やステークホルダーによって実施される気候変動関連のプログラムやプロセスを効果的に側面支援する役割を担っている 気候変動総局の役割は以下の通りである (1) 政策形成 (2) 政策実施 (3) 規範 スタンダード 手順 基準の開発 (4) シンクロナイゼーションと調整 (5) 技術的ガイダンス及び監督 (6) 緩和 適応 3

8 温暖化ガス排出削減 オゾン層破壊物質の削減と廃棄 資源動員 温暖化ガスインベントリ 気候変動の MRV 森林 土地地火災の予防と制御の各分野における評価と報告 7) 環境林業省に指定されたその他職務の実施 (MoEF 2017) 気候変動総局は REDD+ の準備 実施においても国のフォーカルポイントとして 環境林業省内の各関連総局 ( 森林計画 環境管理総局 社会林業 環境協力総局 環境 林業法執行総局等 ) との協力 並びに関連省庁 ( 財務省 外務省 農業省 国家開発計画庁 法と人権省等 ) 国際機関 研究機関 NGO 民間部門との協力の中で 上記役割を果たす (MoEF 2017 MoEF 2015c) 最新の国レベルの FREL は 気候変動総局が林業及びその他土地利用部門を含む専門家との協力の中で策定し 2015 年の COP21 で UNFCCC に提出した さらに気候変動総局は MRV フレームワークと国家登録システムを開発し セーフガード情報システム (SIS-REDD+) を試行し いくつかのセーフガードイニシアチブの調整を行っている 加えて 気候変動総局は REDD+ の資金に関する国レベルのメカニズムの開発と準備を行うために 財務省と連携している 気候変動制御総局以外では 環境林業省の森林計画 環境管理総局が国家森林モニタリングシステムの開発に対して責任を有している 図 環境林業省の組織構造と REDD+ 準備 実施における役割出展 : 2015 年第 18 号環境林業大臣規則より筆者作成 4

9 図 気候変動総局の組織構造出展 :MoEF(2017) より作成 この他 環境林業大臣は 2015 年に国レベルの気候変動制御の運営委員会を設立した この運営委員会は 環境林業省 国家開発計画庁 財務省 農業省 農業及び空間計画省 エネルギー 資源 鉱物省等の関係省庁との調整を行う 2) 準国レベル準国レベルでは 各州が温室効果ガス地方行動計画 (RAD-GRK) を作成し 気候変動対策を実施している REDD+ については 11 の州 ( アチェ州 リアウ州 西スマトラ州 ジャンビ州 南スマトラ州 西カリマンタン州 中カリマンタン州 東カリマンタン州 中スラウェシ州 西パプア州 パプア州 )( 図 ) が優先州として選定され REDD+ 戦略及び活動計画が策定されている 図 インドネシアにおける 11 の REDD+ 優先州 5

10 各州において 気候変動対策及び REDD+ 準備 実施体制は異なる 本報告書では REDD+ に対する取り組みの進んでいる東カリマンタン州の事例を取り上げる 東カリマンタン州では 2012 年に 温室効果ガス地方行動計画 及び REDD+ 戦略 行動計画 が策定され 2013 年には REDD+ タスクフォースと州知事 ( およびブラウ県 西クタイ県 クタイカルタネガラ県 ) のあいだで REDD+ による排出削減プログラム実施のための MOU が結ばれた さらに 2015 年には世界銀行の Forest Carbon Partnership Facility(FCPF) の Carbon Fund による結果に応じた支払いに基づく REDD+ の実施対象地に選定されている 図 に東カリマンタン州における気候変動対策及び REDD+ 実施体制を示す 東カリマンタン州では地方開発計画局が 州知事の指示の下で地方長期開発計画 地方中期開発計画を作成する これら開発計画が州の各関係局の戦略 計画に反映される よって気候変動対策および REDD+ の実施には 温室効果ガス地方行動計画 および REDD+ 戦略 行動計画 が各部門の戦略 開発計画に統合 ( 主流化 ) されることが重要である 東カリマンタン州では Ad-hoc な組織として 2011 年に州知事の下に東カリマンタン州気候変動地方委員会 (Dewan Daerah Perubahan Iklim/DDPI) が設置され 州の気候変動対策のフォーカルポイントとして機能し 州の関係各局間の調整 気候変動対策に関する政策提言 温室効果ガス地方行動計画 及び REDD+ 戦略 行動計画 の各部門の計画への統合 気候変動対策関連活動のモニタリング 報告 検証 (MRV) 等を行っている (DDPI 2015) 図 東カリマンタン州における気候変動対策及び REDD+ 実施体制出展 :DDPI(2015) を参考に筆者作成 図 に DDPI の組織図を示す DDPI には事務局と REDD+/LULUCF(Land Use, Land Use Change and Forestry) MRV(Monitoring, Reporting and Verification) / 空間計画 緑の成長 の 3 つのワーキンググループが存在する 現在これらのワーキンググループを通じて 多様なステークホルダー ( 地方政府 大学 国際援助機 6

11 関 NGO 等 ) の参画を伴いつつ 準国レベルでの REDD+ を実施するための REDD+ 戦略及び活動計画 と 温室効果ガス地方活動計画 の普及および各地域 / 部門の計画への統合 MRV システムの開発 セーフガード情報システムの開発 調査等が進められている 各ワーキンググループの具体的な活動を以下に示す REDD+/LULUCF REDD+ 戦略及び行動計画 と 温室効果ガス地方行動計画 の普及 各地域 / 部門の計画への統合 異なるステークホルダーへの REDD+ のトレーニングの実施 REDD+ に関連する調査の実施 ( 例 : 土地保有権 土地 / 森林利用許可等に関する調査 ) 国レベルの REDD+ 関連組織との協働プログラムの実施 REDD+ 及び気候変動関連文書の策定における県の側面支援 協働プログラム下での REDD+SES 文書の策定 データベース システム及びデータシェアのためのプロトコールの策定 排出削減に関するキャンペーンを行うためのメディアの開発 MRV/ 空間計画 MRV に関する現地調査の実施 ( 特に林業 ) 東カリマンタン州における温室効果ガス排出に関するデータベースの開発 MRV の結果の普及 関連部門組織のデータ編集の設計 MRV における人材育成と能力開発 ( 特に林業と農業部門 ) 林業と農業部門の温暖化ガス排出のインベントリの実施 MRV システムのデザインの開発 緑の成長 コンセッションにおける森林の過剰利用に関する研究の実施 緑の成長 / 持続可能な発展に向けた自然資源関連部門 ( 及びその他の部門 ) の異なる開発計画のギャップ分析の実施 既存の開発計画システムとメカニズムへの温室効果ガス地方行動計画と REDD+ 戦略と行動計画の統合 林地からの排出を削減するための低インパクト伐採に関するトライアルの実施 いくつかの県における森林管理ユニット (Kesatuan Pengelolaan Hutan/KPH) の役割に関する政策分析の実施 開発計画における排出削減の主流化に関するトレーニングのモジュールの開発 7

12 図 東カリマンタン州気候変動地方委員会 (DDPI) の組織図出展 :DDPI(2015) 気候変動対策としての REDD+ の活用に関する法令等 1) NDC 国の気候変動戦略と 2020 年以前 以後の排出削減目標インドネシアは 2007 年にバリで COP 13 を開催してから 政治的にハイレベルで REDD+ にコミットを示してきた また気候変動緩和では 大統領が Business as Usual(BAU) 比で 2020 年までに国内努力で 26% の排出削減 国際社会の支援を受ければ 41% の排出を実現すると 2009 年の G20 ピッツバーグ会議で宣言した この目標を満たすために 政府は温室効果ガス排出削減に対する国家活動計画に関する 2011 年第 61 号大統領規則 国家温室効果ガスのインベントリ実施に関する 2011 年第 71 号大統領規則を発行した (REDD+ Task Force 2012) 2016 年 10 月には インドネシアはパリ協定を批准し 同年 11 月には最初の Nationally Determined Contribution(NDC) を UNFCCC に提出した NDC は 2020 年以降のより野心的なゴールに向かうための基礎となる 2015 年から 2019 年の低炭素とレジリエントな未来への国の推移のアウトラインを描いている (Republic of Indonesia 2016b) 表 は NDC における各部門の分類からの予想される BAU と排出削減を示している 2020 年以降は インドネシアは 2030 年までの BAU シナリオに対し 条件なしで 29% の削減目標 国際的な支援を受けての条件つきで 41% の排出削減目標を設定している この NDC において 林業部門は温室効果ガス削減の全 BAU に対する削減量と割合が 条件なし 条件つきのいずれでも 5 つの部門の中で最も高く 林業部門は NDC の排出削減目標を達成するために非常に大きな役割を果たすことが期待されていることがわかる さらに NDC は REDD+ は土地利用部門における NDC 目標達成の重要な構成要素になるとも述べている 8

13 表 NDC における各部門からの BAU 及び排出削減量の推計値 部門 GHG GHG 排出レベル 2030 GHG 排出削減 BAU 平 均 排出レ (MTon CO2e) (MTon CO 2e) % of Total の年平 増 加 ベル l BaU 均増加 率 2010* MTon BaU CM1 CM2 CM1 CM2 CM1 CM2 率 (2010- ( CO2e 2030) 2012) * エネル ,66 1,355 1, % 14% 6.7% 4.50% ギー * 9 廃棄物 % 6.3% 4.00% % IPPU* % 0.10% % % 農業 % 1.30% 66 % % 林業 ** % 0.5% 2.70% % 合計 1,334 2,86 9 2,034 1, , % 38% 3.9% 3.20% 出展 :Indonesia 2016b Table1 より作成 * IPPU: Industrial Process and Product Use 2) 気候変動戦略としての国レベルの REDD+ のための法律 規則 計画 2010 年 5 月には インドネシアはノルウェー政府の REDD+ 準備と実施に関する覚書 (Letter of Intent, LOI) に署名した この LOI は 10 億米ドルの資金とリンクしており LOI 署名の結果として インドネシアは REDD+ 国家戦略の策定 および REDD+ 戦略の実施のための組織の設置 することになった (Murdiyarso et al 2011 in Gene 2012) 2012 年にはノルウェーとの LOI の下 REDD+ タスクフォースによって 国家 REDD+ 戦略が策定された (REDD+ Task Force 2012) この国家 REDD+ 戦略では以下の 4 つの目標が示されている (i) 土地利用 土地利用変化 林業 (LULUCF) 由来の温室効果ガス排出削減 (ii) 炭素蓄積の増加 (iii) 生物多様性保護の改善 (iv) 森林の経済的機能の価値と持続性の増加 そして これら 4 つの目標を達成するために以下の 5 つの柱が設定されている (i)redd+ の制度的システムの開発 (ii) 政策と規制のレビューと強化 (iii) 戦略プログラムのスタート (iv) ワークパラダイムと文化の変更 (v) ステークホルダーの参加 期間ごとの目標は以下のように設定された (i) 短期間目標 ( ): 経済成長を維持しつつ 温室効果ガス排出へのインドネシアのコミット満たすための制度とガバナンスシステム 空間計画の戦略的改善 (ii) 中期目標 ( ): 2020 年までの 26-41% の温暖化ガス削減目標に達するために 森林と泥炭地の管理制度によって策定された政策と手段に沿ったガバナンスシステムの実施と それらの前フェーズで構築された空間的資金的メカニズムへの適用 (iii) 長期目標 ( ): 2030 年までにインドネシアの森林と土地は 森林の経済的生態的サービス機能の維持のための適切な政策の実施の結果として 2030 年までに Net Carbon Sink を達成する この戦略に則って REDD+ の制度的システムとして 2013 年には REDD+ 庁が設立され MRV の基礎的フレームワーク 資金メカニズム (FREEDI) セーフガード (PRISAI) の構築が進められた しかし 前述のように 2015 年以降は環境林業省が 9

14 REDD+ 庁の役割を引き継いでおり 気候変動総局のスタッフは 2015 年の聞き取りで 国家 REDD+ 戦略は 新しい大統領の下での国家開発目標に添った形でレビューされ 修正されるべきと語っている 国家 REDD+ 戦略は現在気候総局によってレビューが進められている なお 国レベルでの REDD+ 活用に関する法律 規則については 現在気候変動総局が包括的な REDD+ 実施のための環境林業大臣規則の策定を進めている 次の節で紹介するように本報告書の執筆時点での REDD+ に関する法令 規則の多くは国レベルの REDD+ に触れつつも基本的にはプロジェクトレベルの REDD+ を想定した内容となっている 準国以下の REDD+ プロジェクトの実施に関する法令等 2007 年のバリで開催された COP13 後に インドネシアでは REDD+ に関連する林業大臣規則の策定が進んだ 表 にそれら林業大臣規則の概要を示す しかし COP13 以降の 10 年間の UNFCCC の交渉で REDD+ に関する技術的事項が定められ さらにパリ協定の発効を受け インドネシアにも NDC に記載される排出削減目標の達成義務が発生したこと また REDD+ 実施体制が 2014 年の大統領の交代で大きく改変されたことなどによる状況の変化で REDD+ に関連する林業大臣規則は実態にそぐわない部分が生じている 例えば既存の林業大臣規則は炭素取引を伴うプロジェクトレベルの REDD+ を想定しているが インドネシアの REDD+ はプロジェクトレベルの実施ではなく 国 準国レベルでの実施に向けた動きが主流になりつつある また 自主的炭素市場での森林炭素の取引について規定しているが 規定される利益配分率 (2009 年第 36 号林業大臣規則におけるステークホルダーごとの利益配分率や 2012 年第 20 号林業大臣規則における国外森林炭素購入者の最大獲得排出削減量の割合 49%) は財務省の承認を得ずに策定されているため 有効性にも疑問がもたれている このような中 気候変動総局は REDD+ 実施に関する新たな環境林業大臣規則策定の作業に着手しており それは REDD+ 実施に関するすべての側面 (REDD+ 国家戦略 森林参照排出レベル MRV セーフガード情報システム 資金メカニズム 国および準国レベルの双方 ) を含む包括的なものになる模様である 表 インドネシアにおける REDD+ に関する法令の概要 法令 概要 2008 年第 68 号林業大臣規則 : 森林減少 森林劣化からの炭素排出削減実証活動の REDD 実証活動の定義 (1 条 ) 森林減少 森林劣化の制御を通じた炭素排出削減のための方法論 技術 持続的な森林管理制度の試験と開発 実証活動の実施者 (1 条 ) 実 施 につ いて 実証活動の実施に責任を有する政府 木材林産物利用権 ( Peraturan Menteri Kehutanan Nomor: P. 68/Menhut-II/2008) 保持者 権利林保持 / 管理者 慣習林管理者 森林管理ユニット (KPH) 長 実証活動のパートナー (1 条 ) 実証活動の実施に資金を提供する能力を有する政府 国 際機関 民間団体 個人 実証活動の実施可能な場所 (3 条 ) 国有林 または 権利林 実証活動の期間 (4 条 ) 10

15 2009 年第 30 号林業大臣規則 :REDD の実施手順について ( Peraturan Menteri Kehutanan Republik Indonesia Nomor: P.30/Menhut- II/2009) 最長 5 年 REDD 活動の狙い 目的 (2 条 ) 森林管理を強化し 持続可能な森林管理の達成と人々の福祉向上のために森林減少 劣化からの排出を回避 削減する 実施場所 (3 条 ) 木材林産物利用事業地 天然林木材林産物利用事業(IUPHHK-HA) 産業造林木材林産物利用事業(IUPHHK-HTI) コミュニティ林森林生産物利用事業(IUPHH-HKM) 住民造林地木林産物利用事業 (IUPHHK-HTR) 生態系修復木材林産物利用事業(IUPHHK-RE) 森林管理ユニットのエリア 生産林管理ユニット(HPHP) 地区 保安林管理ユニット(HPHL) 地区 保全林管理ユニット(HPHK) 地区保全林 (Hutan Konservasi) 住民参加型森林管理の実施されるエリア 慣習林(Hutan Adat) 権利林(Hutan Hak) 村落林(Hutan Desa) 国内実施者 (4 条 ) 木材林産物利用事業許可保持者 各森林管理ユニット長 自然資源保全技術実施ユニット長または国立公園技術実施ユニット長 慣習林管理者 権利林保有者または管理者 村落林管理者 国際主体 (4 条 ) 政府 企業 REDD 実施に資金を提供する国際組織 / 財団 / 個人 REDD の提案書の提出 評価 承認 (12 条 ) 林業大臣に提出 林業大臣は REDD commission を指名して提案書を評価 林業大臣が REDD commission の評価を基に承認の可否を判断 REDD 実施期間 (13 条 ) 最長 30 年 延長可能 実施者の権利と義務 (14 条 ) 権利 国内実施者は排出削減量に対する支払いを国際実施者から受ける 11

16 2009 年第 36 号林業大臣規則 : 保安林と生産林における炭素吸収または蓄積の利用許可証の手順について (Peraturan Menteri Kehutanan Republik Indonesia Nomor: P. 36/Menhut-II/2009), 2013 年第 11 号林業大臣規則 2015 年第 8 号環境林業大臣規則で改定 発行された REDD 証明書は 国際主体によって先進国の排出削減約束を満たすために使用できる ( 後に 2012 年第 20 号林業大臣規則においてこの条文は削除 ) 義務 REDD 活動の実施 FREL 策定 モニタリングの実施 モニタリング結果の報告 FREL の策定 (15 条および添付ガイドライン ) インドネシアの REDD は国レベルのアプローチで 準国レベル ( 州 県 市または管理ユニット ) で実施されるので 国レベルの FREL は林業省林業計画総局が策定 準国レベルの FREL は地方政府に策定されて国レベルの FREL で検証 サイトレベルの FREL は実施者によって策定され 準国 国レベルの FREL で検証 検証と証明書 (16 条 ) REDD commission が独立した第三者に検証を依頼 REDD commission はその結果を受けて炭素排出削減証明書を発行 炭素排出削減証明書は取引可能 移行 (22 条 ) 国際レベルでの REDD 実施メカニズムに関する UNFCCC 加盟国の決定の前には REDD 活動は実証活動 能力開発 技術移転 自主的炭素取引を通じて実施できる REDD 実証活動は要件が整う限りで REDD 活動に変更できる REDD 活動の実施資金は UNFCCC 加盟国の参加およびその他の妥当な資金源からとする 事業の種類 炭素吸収または蓄積利用事業は生産林と保安林における環境サービス利用事業の 1 つである 炭素吸収または蓄積の利用事業の活動 生産林および保安林における各木材林産物利用事業における炭素吸収蓄積利用活動に含まれる活動を記載 ( 植林 低インパクト伐採等 ) 保安林におけるコミュニティ林事業許可(IUP-HKM) 村落林事業許可 (IUP-HD) における活動 炭素吸収事利用業許可の申請 付与手順 (5-13 条 ) プロジェクトの開発と炭素のマーケティング (14 条 ) プロジェクト活動結果としての炭素商品は国内および国際的の自主的市場で取引可能 プロジェクト保持者は検証結果を国家登録機関と Verified Emision Reduction(VER) の認証を受けるために国際的自主的炭素市場に登録する 国家登録機関が設立される前は林業省事務総局がその任を負う 12

17 2012 年第 20 号林業大臣規則 : 森林炭素の提供について ( Peraturan Menteri Kehutanan Republik Indonesia Nomor: P. 20/Menhut-II/2012) VER の証明書は直接プロジェクト保持者と購入者間 もしくは国際 国内炭素市場で林業大臣の承認の下で取引できる 炭素吸収蓄積の環境サービスの販売価値は検証され ERPA(Emission Reduction Purchase Agreement) に基づいて支払いの行われた炭素クレジットの販売であり その配分は次の通りである 表 a 利益配分表 (2009 年第 36 号林業大臣規則添付 III) 許可証保持者 / 開発者 配分 政府 住民 許可証保持者 20% 20% 60% 天然林木材林産物利用許可 造林木材林産物 20% 20% 60% 利用許可 生態系修復木材 20% 20% 60% 林産物利用許可 住民造林木材林 20% 50% 30% 産物利用許可 住民林 ( 権利 10% 70% 20% 林 ) コミュニティ林 20% 50% 30% 慣習林 10% 70% 20% 村落林 20% 50% 30% 森林管理ユニッ 30% 20% 50% ト特別目的の国有 50% 20% 30% 林地保安林 50% 20% 30% * 政府内での利益配分は中央政府 40%, 州政府 20% 県政府 40% REDD またはコンプライアンス市場 (18 条 ) 炭素吸収蓄積活動による VER 証明書はコンプライアンス市場メカニズムで認められる手順に従い有効性が確認され 国家登録機関に登録されるとともに国家 REDD のベースライン炭素の中に含められなければならない 炭素吸収売買の合意は再度交渉される 森林炭素の提供 (3 条 ) 森林炭素の提供は実証活動と森林炭素活動の実施からなる 森林炭素活動に含まれる活動を規定 森林炭素の提供が実施される場所国有林 生産林 保安林 13

18 2014 年第 50 号林業大臣規則 : インドネシアの認証された排出削減の取引について (Peraturan Menteri Kehutanan Republik Indonesia Nomor: P. 50/Menhut-II/2014) 保全林権利林 / 住民林 (Hutan Rakyat) 森林炭素の主催者 政府 国営企業 地方政府有企業 私企業 協同組合 住民 実証活動の基準 (4 条 ) 森林炭素提供の実施 (5-8 条 ) 森林炭素実施者 2009 年第 30 号林業大臣規則で挙げられている各国内実施者に加え 非木材林産物利用許可保持者 自然観光サービス準備事業許可保持者 環境サービス利用許可保持者 保安林における森林/ 国有林地産物 / 環境サービス利用許可保持者森林炭素提供許可 各林産物利用許可に統合される 森林管理ユニットには該当するエリアにコンセッションや許可が付与されていない場合に付与される 権利林の管理者/ 保持者は林業大臣に森林炭素提供許可を提出する義務がある 森林炭素の取引 森林炭素提供許可保持者は森林炭素の取引ができる インドネシアの排出削減目標を達成するために 国外からの森林炭素購入者が獲得 (memperoleh) できるのは 炭素排出削減価値の最大 49% までとする 森林炭素実施者の権利と義務 (9-10 条 ) 指導 監査 (11 条 ) プロジェクト保持者 PDD の妥当性確認 検証 (2-6 条 ) プロジェクト保持者が PDD を作成し 国家登録機関に登録 PDD は独立組織に妥当性確認され 達成された排出削減量が検証される 発行される インドネシア森林炭素排出削減認証 (SPEKHI)/ インドネシア認証排出削減 (ICER) の発行 (7-10 条 ) 検証結果を受けてインドネシア森林炭素排出削減認証 (SPEKHI) が発行され 国家登録機関に登録される 国家登録機関が設立される前は林業大臣が事務総局に登録させる SPEKHI はインドネシア炭素認証市場で販売可能である 保証と保険 (11 12 条 ) 林業省がインドネシア炭素取引市場で SPEKHI を保証する 14

19 2014 年第 73 号林業大臣規則 : 生産林における炭素吸収または蓄積利用事業の計画について (Peraturan Menteri Kehutanan Republik Indonesia Nomor: P.73/Menhut- II/2014) SPEKHI の一部がリスク管理のバッファー ( Risk Management Buffer) とされ 一定期間取引される森林炭素の担保にされ その後取引可能になる 国内の SPEKHI 購入者はインドネシアの温室効果ガス排出削減としてカウントする 国外の SPEKHI 購入者は購入国からの温室効果ガス排出削減のコミットメントを満たすためにはカウントされない 国外の SPEKHI 購入者は SPEKHI を移転価格 (Transfer Pricing) には利用できない ( ここでの SPEKHI 購入者とは生産プロセスからの炭素排出削減の義務を負う国内 国外の企業である ) 定期的森林炭素目録作成 (2-3 条 ) 炭素吸収または蓄積事業許可保持者は定期的な森林炭素目録の作成が義務 事業計画 (4-7 条 ) 炭素吸収または蓄積事業許可保持者は 10 年間の事業計画を作成し 5 年ごとに評価する 年間事業計画 (9-11 条 ) 炭素吸収または蓄積事業許可保持者は年間事業計画を作成し 毎月計画の実施報告を林業省 (cc で州林業局 県 / 市林業局 森林管理ユニット長 技術実施ユニット長 ) に提出する その他の規定 (18 条 ) 天然林木材林産物利用許可 造林木材林産物利用許可 住民造林木材利用許可 生態系修復木材林産物利用許可の保持者については それらの計画の中で 炭素吸収または蓄積利用事業の改善が行われる 天然林木材林産物利用許可 造林木材林産物利用許可 住民造林木材利用許可 生態系修復木材林産物利用許可の保持者で義務及び自主的持続可能な森林管理認証 (PHPL) 認証の評価で良好なパフォーマンスと評価されている事業者は 炭素吸収または蓄積年間事業計画を自ら承認できる REDD+ における市場メカニズムの活用に関する法令等 REDD+ における市場メカニズム ( 排出削減量を国際移転する仕組み ) の活用に関係する法令としては 2009 年第 30 号林業大臣規則 : REDD の実施手順について 2009 年第 36 号林業大臣規則 : 保安林と生産林における炭素吸収または蓄積の利用許可証の手順について 2012 年第 20 号林業大臣規則 : 森林炭素の実施について および 2014 年第 50 号林業大臣規則 : インドネシアの認証された排出削減の取引について で規定されている 2009 年第 30 号林業大臣規則 : REDD の実施手順について の第 14 条では発行された REDD 証明書は 国際主体によって先進国の排出削減約束を満たすために使用できると規定し 2009 年第 36 号林業大臣規則 : 保安林と生産林における炭素吸収または蓄積の利用許可証の手順について においても 15

20 第 14 条で炭素吸収または蓄積事業から得られた炭素クレジットを国内 国際の自主的市場で取引可能であることを規定している これらの規定はインドネシアが温室効果ガス排出削減に関する自主目標を宣言する前に策定されており 国外への排出削減量移転を制限する意図は当初なかったことが伺える その後 2012 年第 20 号林業大臣規則 : 森林炭素の実施について では 第 8 条で インドネシアの排出削減目標を達成するために 国外からの森林炭素購入者が獲得できるのは 炭素排出削減価値の最大 49% までとする と明記され インドネシアの排出削減目標の達成のために排出削減量の国際移転の上限に制限を加える規定がなされている さらに本規則では 前述の 2009 年第 30 号林業大臣規則第 14 条の 発行された REDD 証明書は 国際主体によって先進国の排出削減約束を満たすために使用できる という規定も取り消している 林業大臣規則は林業省によって出された法令であり 財務省をはじめ他の関係省庁との調整が必ずしも図られたものではないので この 49% の上限の数字の妥当性には疑問がもたれている しかしいずれにしても 林業省は排出削減目標の達成を重視していることがここからわかる また 2014 年第 50 号林業大臣規則 : インドネシアの認証された排出削減の取引について では 第 12 条で 国外のインドネシア森林炭素排出削減購入者は購入者の国からの温室効果ガス排出削減の約束を満たすためにはカウントされない とあり 国家間での排出削減量の国際移転は認めない規定となっている ここでは VCS 等の自主的な制度によるクレジットの Verified Emission Reduction(VER) は CDM 等の Certified Emission Reduction(CER) と異なり UNFCCC や京都議定書の削減目標の約束達成には使用できないので それが適用されていると考えることもできるが その前の変更等から基本的に炭素クレジットの国際移転を認めない方針で動いているといえるだろう それはパリ協定発行後にインドネシアが NDC を UNFCCC に提出したことで 気候変動総局長のさまざまな場所での講演や発言からも伺える 一方で パリ協定の第 6 条で NDC の達成に自主的な市場メカニズムによる排出削減量の国際移転を可能にする規定が盛り込まれたことで 今後の交渉の行方とインドネシアの対応が注目される 現在気候変動総局が策定を進めている新たな REDD+ 実施に関する環境林業大臣規則で排出削減量の国際移転についてどのような規定が設けられるのかについても大きな鍵となる REDD+ の MRV システム 1) 国の森林の定義インドネシアにおける森林の定義はいくつか存在するが ここでは (1) 法律上の森林の定義 (2) 植生に基づく森林の定義について紹介する (1) 法律上の森林の定義インドネシアにおける法律上の森林の定義としては 1999 年の林業基本法 (Undang Undang No.41 Tahun 1999 tentang Kehutanan) において森林は 一つ一つが分離できない環境自然の連合の中で樹木によって優先される生物学的自然資源で覆われた一面の土地を形成する生態系の結合体 と定義されている しかし この定義は抽象的であるため REDD+ において用いられることはない 一般には A/R CDM に関する 2004 年第 14 号林業大臣規則 (Peraturan Menteri Kehutanan Nomor P.14/Menhut-II/2004 tentang Tata Cara Aforestasi dan Reforestasi Dalam Kerangka Mekanisme 16

21 Pembangunan Bersih) の 0.25 ha 以上 樹高 5m 以上の樹木 樹幹被覆率 30% 以上を満たす もしくはそれら閾値に自然に達する土地 の定義が用いられている (2) 植生に基づく森林の分類インドネシアの国家スタンダード (Standar Nasional Indonesia/SNI) は インドネシアの土地利用区分を植物生態学 生物物理学的外見に基づいて分類している (SNI 7645: Land cover classification) 表 はこの SNI 7645 に基づいて国家 FREL において設定された 23 の土地被覆分類である ここでは 6 つの天然林と 1 つのプランテーション林が森林として分類されている 表 インドネシアにおける国家森林参照レベルで使用される土地被覆分類 No 土地被覆分類 カテゴリー IPCC 分類 1 原生乾燥地林 Primary dryland forest 天然林 森林 2 二次乾燥地林 Secondary dryland forest 天然林 森林 3 原生マングローブ林 Primary mangrove 天然林 森林 forest 4 二次マングローブ林 Secondary mangrove 天然林 森林 forest 5 原生湿地林 Primary swamp forest 天然林 森林 6 二次湿地林 Secondary swamp forest 天然林 森林 7 プランテーション林 Plantation forest プランテーション 森林 林 8 農園作物 Estate crop 非森林 作物の土地 9 純乾燥農業 Pure dry agriculture 非森林 作物の土地 10 混合乾燥農業 Mixed dry agriculture 非森林 作物の土地 11 乾燥低木 Dry shrub 非森林 草地 12 湿低木 Wet shrub 非森林 草地 13 サバンナと草地 Savanna and Grasses 非森林 草地 14 水田 Paddy Field 非森林 草地 15 沼地 Open swamp 非森林 湿地 16 魚池 水産養殖 Fish pond/aquaculture 非森林 湿地 17 移住区域 Transmigration areas 非森林 居住地 18 居住区域 Settlement areas 非森林 居住地 19 港湾 Port and harbor 非森林 その他の土地 20 鉱業区域 Mining areas 非森林 その他の土地 21 裸地 Bare ground 非森林 その他の土地 22 水 Open water 非森林 湿地 23 雲 データなし Clouds and no-data 非森林 データなし 出展 : MoEF 2015b Table 1 2) 国家森林モニタリングシステム 17

22 インドネシアの国家森林モニタリングシステムは 環境林業省の森林計画環境管理総局によって管理されている 国家森林モニタリングシステムは (1) 土地被覆地図と (2) 国家森林インベントリの 2 つからなる (1) 土地被覆地図環境林業省は旧林業省時代の 1990 年代からインドネシアの土地被覆のマッピングのために 衛星データ 特にランドサットを利用している デジタルマッピングシステムは 2000 年に最初に開発され この地図は データの入手可能性に応じて 3 年に一度更新されるようになった その後 2008 年におけるアメリカ地質学調査 (USGS) のランドサットデータ政策の変更によって ランドサットデータが無料で入手できるようになったことを受けて 現在 土地被覆地図は毎年更新されている 後述するように国家 FREL では土地被覆データは 年のデータが用いられており 東カリマンタン州や西カリマンタン州の準国レベルの FREL 策定にも国家森林モニタリングシステムの土地被覆地図が用いられている (MoEF 2015a) (2) 国家森林インベントリ国家森林インベントリの開発は 1989 年から 1996 年にかけて 世界銀行と国際連合のプロジェクトによって支援によって行われた フィールドデータシステム (FDS) デジタルイメージ分析 (DIAS) 地理情報システム (GIS) 国家森林インベントリ情報サービス (NFIIS) が用いられている このプロジェクトを通じて 恒久サンプルプロット (PSPs) 仮設サンプルプロット (TSPs) が森林インベントリのプロット (20km 20km) として設立され 測定が行われている 全てのプロットは 海抜 0m から 1000m 以下の低地に設置されている 1989 年における NFI プログラムの開始から 2014 年までに設立され 測定された PSP/TSP は 3,928 でインドネシアの 7 つの主な島と地域に分布している 各島の PSP/TSU 数はジャワ (92) カリマンタン (1,277) マルク (225) ヌサ トウンガラ (307) パプア (540) スラウェシ (565) スマトラ (922) である (MoEF 2015a) 国家森林モニタリングシステムはオンラインデータシステムが構築され 一般に利用可能となっている ( および 3) REDD+ MRV システムと国家登録システム気候変動制御総局は 気候変動緩和 (REDD+ を含む林業 農業 廃棄物 エネルギーと産業 ) に関する国家 MRV システムの構築を進めている (MoEF 2015b) 気候変動制御総局のこの MRV システムでの役割は 様々な緩和行動に関する検証である 図 は気候変動緩和に関する MRV 及び登録システムの手順を示す (1) 活動の責任主体 ( 政府 / 民間主体 ) は気候変動緩和活動の結果に関する報告書を環境林業大臣に提出する (2) 環境林業大臣は検証責任機関の気候変動制御総局長に報告書を渡す (3) 気候変動制御総局長は 林業 農業 廃棄物 エネルギー産業部門の報告書の評価を検証の技術的チーム ( 気候変動制御総局及び専門家 ) からなる MRV チームに委託する (4)MRV チームは検証結果を気候変動制御総局長に渡す (5) 気候変動制御総局長は提言を環境林業大臣に行う 18

23 (5a) 検証に合格すると承認され 気候変動緩和活動の達成結果が国家登録システムに登録される (5b) 不合格の場合 気候変動制御総局長は 検証結果とともに報告書を活動の責任主体に返却する 図 気候変動緩和に関する MRV 及び登録システム出展 : MoEF 2015b 2016 年 11 月 環境林業省は気候変動制御に関する国家登録システムをスタートさせた ( この登録システムでは すべての緩和 適応 および気候変動制御活動に対して受けている支援が登録される この国家登録システムの目的は (1) インドネシアにおける気候変動緩和と適応活動及び資源に関するデータの収集 (2) 気候変動制御の努力のための様々なステークホルダーの寄与に関する政府の認識 (3) 緩和と適応行動及び資源 その達成に関する公共のためのデータと情報の準備 (4) 明確性 透明性 理解 (CTU) の原則実施の側面として 緩和と適応の活動と資源のためのダブルカウンティングを避ける である (MoEF 2016a) 2016 年 11 月の時点で 11 のインドネシア政府機関による REDD+ 活動を含む 73 の活動が登録されている 4) 準国レベルの REDD+ MRV の開発準国レベルでの REDD+MRV システムは多くの州で開発途上にあると考えられる 東カリマンタン州では前述のように 気候変動地方委員会のワーキンググループが中心となって 州レベルでの MRV システムの構築を進めている 土地の所有 管理 利用に関する法令等 1) 行政上の森林区分インドネシアでは 1999 年の林業基本法において政府は森林として維持する地域を 国有林地 (Kawasan Hutan) として指定し その機能に基づいて森林を 保全林 ( Hutan Konservasi ) 保安林 ( Hutan Lindung ) 生産林 ( Hutan 19

24 Produksi) の 3 つに分類すると規定している ( 表 ) 保全林 は生物多様性及び生態系を保全するために重要な森林 保安林 は生命維持 水循環 洪水防止 侵食管理 土壌肥沃維持等のための機能を有する森林 生産林 は木材林産物を生産するための機能を有する森林であり 森林の機能によって与えられる許可や認められる活動が異なる ( 藤原ら 2015) 一方 国有林地 として指定されていない土地は その他利用地域 (Areal Penggunaan Lain/APL) として分類される 国有林地 と その他利用地域 の責任行政機関は異なり 環境林業省は 国有林地 の各許可を発行する権限を有し 州 県 市といった地方政府は その他利用地域 のにおける各事業許可を発行する権限を有する また その他利用地域 における土地の所有と利用権の許可は国家土地局 (Badan Pertanahan Nasional) が発行する このように土地および資源利用に対するコンセッションや許可は この行政上の森林区分に基づいて発行される なお 国有林地 と その他利用地域 の境界は政治的な区分であるため 必ずしも植生の森林とはイコールではないことは注意が必要である 国有林地 に指定されている土地でも過伐 違法伐採 森林火災等によって森林としての植生が失われている土地がある一方で その他利用地域 に指定されている土地であっても豊富な二次林が残されている土地があるからだ また 本報告書でいう 国有林地 と 国有林 (Hutan Negara) は別である点にも注意が必要である 国有林地 の原語は Kawasan Hutan でこれは直訳すると 森林地域 になる しかし Kawasan Hutan は必ずしも植生が森林とは限らず 森林として維持することを目的とする地域 ( 土地 ) であること そして Kawasan Hutan は全て国有地であるので 藤原ら (2015) を参照し 国有林地 という訳語をあてた これに対して 国有林 (Hutan Negara) とは植生の森林を指す言葉であり その定義は国家土地局によって個人や法人の所有または利用権が認められていない土地上の森林を指す なお 1999 年の林業基本法において 国有林 と対になって規定されているのは 権利林 (Hutan Hak) である 権利林 とは国家土地局によって個人や法人の所有または利用権の認められている土地上の植生の森林を指す 表 : 行政上の森林および土地区分 管轄行政機関に 機能による分 追加分類 よる分類 類 国有林地 (Kawasan Hutan) 保全林 (Hutan Konservasi) 自然保護森林区域 (Kawasan Hutan Suaka Alam/KSA)* 自然保全森林区域 (Kawasan Hutan Pelestarian Alam/KPA)* 狩猟公園 (Taman Buru/TB) 保安林 (Hutan Lindung) 生産林 (Hutan Produksi) 生産林 (Hutan Produksi Tetap/HP) 制限生産林 (Hutan Produksi Terbatas/HPT) 転換生産林 ( Hutan Produksi yang dapat konversi/hpk) 20

25 その他利用地域 (Areal Penggunaan Lain/APL)** 権利林 *** 出展 :1999 年林業基本法および 2009 年第 50 号林業大臣規則より筆者作成 * 自然保護森林区域 自然保全森林区域には自然保護区 (Cagar Alam) 野生生物保護区 (Suaka Margastwa) 国立公園 (Taman Nasional) 大森林公園 (Taman Hutan Raya) などが含まれる ** その他利用地域 内は地方政府によってさらに機能が分けられる 例えば東カリマンタン州の州空間計画では 産業地域 (Kawasan Industri), 観光地域 (Kawasan Pariwisata), 農園 (Perkebunan), 居住地 (Permukiman) などに分類されている ただし あくまで計画であるので 実際の土地利用や植生と一致していないこともある 例えば 農園 と計画されていても全てがアブラヤシ農園やゴム園にされているわけではなく 二次林や地域住民の村 ( 居住地 ) も存在する *** 権利林は植生としての森林であるので 機能としては状況や文脈に応じて保全 保安 生産のいずれも持つことは可能 ちなみに 広く知られているように インドネシアでは監督省庁により 異なる森林区分の地図が存在することで問題が引き起こされている 具体的には 国有林地 を管理するために旧林業省によって策定された 森林利用合意 (Tata Guna Hutan Kesepakatan, TGHK) と それとは別個に州政府によって策定された 州空間計画 (Rencana Tata Ruang Wilayah Provinsi/RTRWP) の地図で 国有林地 と その他利用地域 の境界が一致しない州が存在するのである ( 中央カリマンタン州など ) この場合 環境林業省の地図では 国有林地 だが 州の地図では その他利用地域 という土地が出てくる 国有林地 と その他利用地 では前者が環境林業省 後者が地方政府や国家土地局に各種許可発行の権限が属するので 両者で土地および自然資源の所有 利用に関するコンセッションや許可証の発行制度が大きく異なる これにより 例えば森林減少の主要なドライバーであるアブラヤシ農園開発のコンセッションは その他利用地域 においてのみ認められるのだが 環境林業省の地図に従えば 国有林地 なので認められず 州政府の地図に従えば その他利用地域 なので認められるという場所が生まれ 現場で混乱をきたしていることがあるのである よって インドネシアでは One Map 政策として 国有林地 と その他利用地 の境界を確定し 各省庁で統一した地図を作成することが 良好な森林ガバナンスを実現するために急務となっている ちなみに FCPF Carbon Fund の実施対象となっている東カリマンタン州では 2016 年に 森林利用合意 との調整を行った 2016 年から 2036 年までの 州空間計画 を州条例として発表した 2) 森林 土地の所有 管理 利用に関する法令 制度 実態インドネシアにおける森林 土地の所有 管理 利用制度は前述のように 国有林地 と その他利用地域 で大きく異なり 国有林地 における森林利用の許可発行の権限は環境林業省 その他の利用地域 における土地の所有 利用許可発行の権限は国家土地局が有している 以下 国有林地 と その他利用地域 を分けて説明する 表 にインドネシアの森林区分 新たな森林管理制度である森林管理ユニット 森林 土地の所有 管理 利用のための許可の関係をまとめた また それぞれについて規定する法令 規則は表 に記載する 21

26 (1) 国有林地 国有林地 は国有地であり 個人や法人の土地の所有は認められず 土地上の自然資源 ( 森林を含む ) の利用権が与えられる 国有林地における以下 各事業許可の説明をする 表 インドネシアの森林区分 新たな森林管理制度である森林管理ユニット 森林 土地の所有 管理 利用のための許可 森林区分 国有林地 (Kawasan Hutan) その他利用地域 (Areal Penggunaan Lain/APL) 保全林 (Hutan Konservasi) 保安林 (Hutan Lindung) 生産林 (Hutan Produksi) 森林管理ユニット (KPH) 保全林管理ユニット (KPHK) 保安林管理ユニット (KPHL) 生産林管理ユニット (KPHP) 森林利用のための許可証 方式 コミュニティ林木材林産物利用事業許可 (IUPHHK HKm) 村落林木材林産物利用事業許可 (IUPHHK-HD) 天然林木材林産物利用事業許可 (IUPHHK-HA) 産業造林木材林産物利用事業許 (IUPHHK-HTI) 生態系修復木材林産物利用事業許可 (IUPHHK-RE) 住民造林木材林産物利用事業許可 (IUPHHK-HTR) コミュニティ林木材林産物利用事業許可 (IUPHHK HKm) 村落林木材林産物利用事業許可 (IUPHHK-HD) 権利林(Hutan Hak)/ 住民林 (Hutan Rakyat)* 土地開発権 ( Hak Guna Usaha) 土地所有権(Hak Milik) その他の国家土地局が認める土地の権利証明書 出展 : 関連する文献 法令 規則の情報から筆者作成 * 権利林は許可の名称ではなく国家土地局に認められている土地の所有権または利用権の確定している土地上の森林 企業を対象とする許可主に企業を対象とする許可 ( 国有企業 地方政府有企業 私企業 協同組合に対して発行 ) としては 生産林における天然林木材林産物利用事業許可 (IUPHHK-HA) 産業造林木材林産物利用事業許 (IUPHHK-HTI) 生態系修復木材林産物利用事業許可 22

27 (IUPHHK-RE) がある 天然林木材林産物利用事業許可は木材企業が天然林を択伐利用するための許可であり 過伐等の非持続的な管理がされた場合 一般には主要な森林劣化のドライバーの 1 つになる 一方 産業造林木材林産物事業許可 (IUPHHK-HTI) は産業造林のための許可で紙 パルプ産業関連企業によるアカシアなどの早生樹の大規模モノカルチャー造林がこの許可の下で行われる REDD+ の文脈では天然林を皆伐し 生物多様性の少ないモノカルチャープランテーションに改変し しかも地域住民の慣習地の大規模な収用を伴うことも多いため セーフガードの側面からそのような活動を REDD+ とすることを避けることが求められている 生態系修復木材林産物利用事業許可 (IUPHHK-RE) は生物多様性や生態系の保護 保全 修復等を目的とする事業のための許可で 後述する VCS のスキームの下でプロジェクトレベルの REDD+ を進める 2 つのプロジェクト Rimba Raya Biodiversity Reserve project および Katingan Peatland Restoration and Conservation Project はこの生態系修復木材林産物利用事業許可を取得して活動を行っている 荒廃した天然林や泥炭地の復興に果たす役割への期待は大きい 住民を対象とする許可インドネシアでは地域住民を含めた住民参加型森林管理のための許可として 住民造林木材林産物利用事業許可 (IUPHHK-HTR) コミュニティ林木材林産物利用事業許可 (IUPHHK HKm) 村落林木材林産物利用事業許可 (IUPHHK-HD) 等の許可がある 住民造林木材林産物利用事業許可とは 住民による造林事業に対する許可であり 生産林において発行が認められる コミュニティ林木材林産物利用事業許可 村落林木材林産物利用事業許可は 木材利用だけでなく非木材林産物利用や住民による生物多様性 生態系サービス保全といった活動も含まれるので生産林と保安林において発行が認められる これらの許可が重要な理由は 地域住民の木材林産物の利用に法的な権利を与えられることである インドネシアでは地域住民の慣習的森林の利用と管理が 国の制度とは別に慣習法に基づいて行われているという実態が今日まで残っている そして 国の公式の許可を得ていないために 天然林木材林産物利用事業許可や産業造林木材林産物事業許可を合法的に取得した企業によってこのような地域住民の慣習的権利が侵されるという問題が生じてきた しかし 上記の住民参加型森林管理の許可を取得すれば そのような問題を回避することが可能になる さらに 国有林地 であっても実態としては地域住民が慣習的に利用する森林である場合 政府としてもこの住民参加型森林管理の制度によって 一定の森林の利用の権利を地域住民に付与しつつ 効果的に 国有林地 の管理を行うという目的を達成することが可能になる 例えば水源涵養や土壌流失防止の機能である保安林であっても実質は地域住民が慣習的に利用する森林である場合は 彼らを締め出すことは衝突を引き起こすので 非木材林産物の利用等を認め 妥協点を見出すのである ただし 住民としては後述する その他利用地域 と異なり 森林利用の制限が加わるので 不自由な側面が残る場合も多い REDD+ の実施において代替生計手段を伴ってこれらの住民参加型の森林管理制度を活用することは有用と考えられる 各木材産物利用許可制度の実態各許可制度の実態について 藤原ら (2015) の報告を基にその状況を説明する インドネシアでは 1960 年代に天然林の択伐による木材生産が盛んになり 急速な森林劣化が進んだ そして伐採できる有用樹種が減少したために天然林の択伐による木材伐採は 2000 年代以降に急速に衰退している 一方で 1990 年代からは産業造林が盛んに行 23

28 われるようになった 結果として天然林木材林産物利用事業許可の数 ( ユニット数 ) と面積は 1993 年時点の 575 ユニット 約 6,200 万 ha から 2012 年時点の 296 ユニット 約 2,400 万 ha まで減少している 一方で 産業造林木材林産物利用事業許可のユニット数と面積は 2 ユニット 約 10 万 ha であったものが 2012 年までに 234 ユニット 約 1,000 万 ha まで増加している なお 生態系修復木材林産物利用事業許可のユニット数と面積は 2012 年時点で 5 ユニット 約 22 万 ha に過ぎない ( その後 2016 年 8 月時点では 14 ユニットまで増加 ) 一方 住民参加型森林管理制度の許可のユニット数と面積は 2012 年時点で住民造林木材林産物利用事業許可は 112 ユニット 約 70 万 ha コミュニティ林業木材林産物利用事業許可は 50 ユニット 約 19 万 ha 村落林木材林産物利用事業許可は 40 ユニット 約 8 万 ha である これら住民参加型森林管理制度が木材林産物利用事業許可全体に占める割合はユニット数では 27.4% であるものの 面積ではわずか 2.7% にすぎない 依然として 面積の 68.6% は天然林木材林産物利用許可 28.0% は産業造林木材林産物利用許可が占めている状況である このような状況の中 環境林業省は中期国家開発計画に基づいて 住民参加型森林管理方式を活用して住民との協働による森林管理の面積を 2019 年までに 1,270 万 ha に増やすことを目標に掲げている (MoEF 2015d) しかしそれだけの拡大を可能とする土地が残されているかは精査が必要と考えられる 森林管理ユニットインドネシアでは 国有林地 を森林の機能 流域 経済 社会文化 地域住民の慣習法を含む土着の制度等の特徴を考慮した区分でユニットを形成し 森林を森林管理ユニット (Kesatuan Pendelolaan Hutan/KPH) 単位で管理する構想が進められている 森林管理ユニットは 国有林地 において大きくは保全林管理ユニット (KPHK) 保安林管理ユニット (KPHL) 生産林管理ユニット (KPHP) が森林の機能に応じて環境林業大臣によってエリアが決定される もし 1 つの森林管理ユニットが複数の機能の森林にまたがっている場合は主要な機能の名前が便宜上付けられる ( 例 : 管轄エリアが保安林と生産林にまたがっているが生産林としての機能が優勢であればその森林管理ユニットは生産林管理ユニットとする ) 森林管理ユニットの発展に対しては中央政府 州政府がそれぞれの権限に応じて責任を負う なお 県 市政府は当初は森林管理ユニットの管轄権限を有していたが 2014 年第 23 号法律 : 地方政府について で 国有林地 の管理主体から外れることになり その権限が州政府に移管されることになったので 本報告書執筆時点では含まれていない 森林管理ユニットは管轄する 国有林地 の森林管理 ( 森林管理計画策定 森林利用 保全 修復等 ) および各木材林産物利用事業の指導 モニタリング 評価の実施 さらに各事業許可終了後の森林の安全と保護に責任を負い 良好な森林ガバナンス実現に貢献することが求められている 例えば 国有林地 では衰退している天然林木材林産物利用事業の跡地が 実態として管理者不在でオープンアクセス化し 荒廃するという問題が生じているが 森林管理ユニットがそのような事業跡地の保護に貢献することが期待されている ただし 森林管理ユニットはようやく運用が始まったばかりで 稼動していない森林管理ユニットは多い 前述の 2014 年第 23 号法律 : 地方政府について の影響で林業部門の管理権限が県 市から州に移行されるプロセスで混乱も生じているので 森林管理ユニット制度が軌道にのるにはまだ時間が必要な見込みだが REDD+ 実施の担い手としての役割が期待される 環境林業省は国家中期開発計画に従い 2019 年までに全国で 629 の森林管理ユニット ( 生産林管理ユニット 347 保安林管理ユニット 182 保全林管理ユニット 100) を稼動させることを目指している (MoEF 2015d) 例えば東カリマンタン州では 2016 年の 5 月の聞き取り調査の時点では 2 つの保安林管理ユニットと 17 の生産林管理ユニットが設立されていた 24

29 が 実際に稼動を開始しているのはそのうちの 5 つの生産林管理ユニットのみであった 図 の色のついている部分が森林管理ユニットのエリアであるが国立公園などを除き 国有林地 の多くがいずれかの森林管理ユニットに分割されていることがわかる 図 東カリマンタン州の森林管理ユニットの配置出展 : 東カリマンタン州空間計画より (2) その他利用地域 その他利用地域 では個人の土地の所有が認められており 土地の所有 利用の権利は国家土地局が付与する これらには個人の土地所有を認める土地所有権 企業や協同組合が農園開発を行う場合に取得する土地開発権 (Hak Guna Usaha) などがある 既に述べたようにこれらの土地の所有 利用権が付与された土地上の森林が 権利林 と呼ばれる 農園およびその他の目的での土地利用 その他利用地域 は基本的に林業のために計画がなされる土地ではないので 権利林は農地等のその他の土地利用との競合性が高くなる その代表が主要な森林減少のドライバーの 1 つであるアブラヤシ農園開発である アブラヤシ農園開発がインドネシアにおいて活発になったのは 1970 年代以降であるが 1990 年代後から急激にその面積が増加している アブラヤシは農園作物なので 国有林地 での栽培は認められておらず ( 実態として国有林地で違法にアブラヤシ栽培がなされていることはある ) その他利用地 においてのみ開発が認められる 農業省の統計によると アブラヤシの栽培面積は 1993 年時点で約 160 万 ha であったものが 2014 年には約 1,100 万 25

30 ha に達している その他の利用地域 で企業が農園開発を行う場合に国家土地局から取得する土地利用権が 土地開発権 (Hak Guna Usaha) である この土地開発権の付与された土地上に森林がある場合は権利林ということになるが 基本的にその土地は農園開発を行うために利用権を得た土地であるので伐採されることになる 住民の動向 国有林地 の木材林産物利用事業許可の傾向と異なるのは 例えばアブラヤシ農園であれば 全国の約 1,100 万 ha のアブラヤシ農園のうちの 41.6% にあたる約 460 万 ha は企業ではなく住民のアブラヤシ農園ということである その他利用地域 では実態としては 住民は焼畑での陸稲を栽培 果樹園 ゴム園 カカオ園 アブラヤシ農園の造成 植林等のさまざまな生業を営んでいる 土地の権利については 国家土地局の発行する土地所有権 (Hak Milik) は高額であるため取得する住民はまれである 代わりに村長の発行する SKT(Surat Keterangan Tanah) 等の代替となる土地の権利を示すための書類が用いられることが多い このような書類は権利のオーバーラップを引き起こすなどの問題が生じているが 現場では一定の効力を発揮している いずれにしても その他利用地域 では土地に何を栽培するか あるいは森林が残っていれば森林のまま保持するか 伐採するかは その土地に権利を有している住民が決められる この場合 金銭的インセンティブの高いアブラヤシ農園開発が 権利林として森林を残すよりも選択肢として優位になればその土地はアブラヤシに転換される またアブラヤシ農園のみでなく ゴム園やカカオ園をはじめ諸々の農地に転換するという選択肢も生まれる ゴムの木やカカオは果樹などと混植されることも多く 環境への負荷はアブラヤシより一般的には低いが いずれにしても その他利用地域 では天然林から農地等への転換が進みやすい また 州の空間計画で農園開発の計画地に定められている場合は 州 県の政府が企業に開発許可を付与し 開発が進められるので それを止めることは容易ではない 例えば 農園開発企業は補償金と引き換えに上記の住民の土地の権利を取得し 土地を収容した上で 国家土地局から前述の土地開発権を取得し 農園開発を進めるという事例が数多く存在する だが いずれにしても その他利用地 は天然二次林が多く残されている地域も多く いかにしてこれらの天然林を保全するかは重要な課題である 国有林地 と異なり規制が少ない分 さまざまな代替生計活動と組み合わせて REDD+ を設計できるので 残された天然林の保全と荒廃した土地の代替生計活動実施場所としての効果的な活用で有効な REDD+ を実施できるポテンシャルは存在する 慣習林最後に 国有林地 および その他利用地域 のいずれにおいても 既に述べたように地域住民の慣習によって管理される慣習林 (Hutan Adat) が広く存在する ジョコウィ大統領は 2016 年 12 月に 9 のコミュニティの合計 13,000 ha の慣習林を正式に慣習林として認定した 慣習林の動向についてはより詳細な調査が必要である 26

31 表 森林管理ユニットおよび森林の所有 管理 利用許可に関連する法令 規則法令 規則森林管理ユニッ 1999 年林業基本法ト (KPH) 2007 年第 6 号政府規則 : 森林ガバナンス 森林管理計画および森林利用について (2008 年第 3 号政府規則で改定 ) (Peraturan Pemerintah Republik Indonesia Nomor 6 tahun 2007 tentang Tata Hutan dan Penyusunan Rencana Pengelolaan, Serta Pemanfaatan Hutan) 2009 年第 6 号林業大臣規則 : 森林管理ユニット地域の形成について (Peraturan Menteri Kehutanan Nomor: P.6/Menhut- II/2009 tentang Pembentukan Wilayah Kesatuan Pengelolaan Hutan) 2010 年第 6 号林業大臣規則 : 保安林管理ユニット及び生産林管理ユニットにおける森林管理の規範 標準 手順 基準について ( Peraturan Menteri Kehutanan Nomor P.6/Menhut- II/2010 tentang Norma, Standar, Prosedur dan Kriteria Pengelolaan Hutan pada Kesatuan Pengelolaan Hutan Lindung ( KPHL ) dan Kesatuan Pengelolaan Hutan Produksi (KPHP)) 天然林木材林産物利用事業許可 (IUPHHK-HA) 産業造林木材林産物利用事業許可 (IUPHHK-HTI) 2007 年第 6 号政府規則 : 森林ガバナンス 森林管理計画および森林利用について (2008 年第 3 号政府規則で改定 ) 2009 年第 56 号林業大臣規則 : 天然林木材林産物利用事業および生態系修復木材林産物利用事業計画について (2011 年第 24 号林業大臣規則で改定 )(Pertaturan Menteri Kehutanan Republik Indonesia Nomor: P. 56/Menhut-II/2009 Tentang Rencana Kerja Usaha Pemanfaatan Hasil Hutan Kayu Hutan Alam dan Restorasi Ekosistem) 2015 年第 9 号環境林業大臣規則 : 生産林における天然林木材林産物利用事業許可 生態系修復木材林産物利用事業許可 造林地木材林産物利用事業許可の付与 事業エリアの拡大ならびに延長手順について ( Peraturan Menteri Kehutanan Nomor P.9/Menhut-II/2015 tentang Tata Cara Pemberian, Perluasan Areal Kerja dan Perpanjangan Izin Usaha Pemanfaatan Hasil Hutan Kayu Dalam Hutan Alam, Izin Usaha Pemanfaatan Hasil Hutan Kayu Restorasi Ekosistem Atau Izin Usaha Pemanfaatan Hasil Hutan Kayu Hutan Tanaman Industri Pada Hutan Produksi) 2007 年第 6 号政府規則 : 森林ガバナンス 森林管理計画および森林利用について (2008 年第 3 号政府規則で改定 ) 2015 年第 9 号環境林業大臣規則 : 生産林における天然林木材林産物利用事業許可 生態系修復木材林産物利用事業許可 造林地木材林産物利用事業許可の付与 事業エリアの拡大ならびに延長手順について 2015 年第 12 号環境林業大臣規則 : 産業造林地の造成について (Peraturan Menteri Lingkungan Hidup Dan Kehutanan Republik Indonesia nomor : P. 12/Menlhk-II/2015 Tentang Pembangunan Hutan Tanaman Industri) 27

32 生態系修復木材林産物利用事業許可 (IUPHHK- RE) 住民造林木材林産物利用事業許可 (IUPHHK- HTR) コミュニティ林 (Hutan Kemasyarakatan) 村落林 (Hutan Desa) 慣習林 ( Hutan Adat) 権利林 ( Hutan Hak) 土地所有権 (Hak Milik) 土地開発権 (Hak Guna Usaha) 2007 年第 6 号政府規則 : 森林ガバナンス 森林管理計画および森林利用について (2008 年第 3 号政府規則で改定 ) 2009 年第 56 号林業大臣規則 : 天然林木材林産物利用事業および生態系修復木材林産物利用事業計画について (2011 年第 24 号林業大臣規則で改定 ) 2015 年第 9 号環境林業大臣規則 : 生産林における天然林木材林産物利用事業許可 生態系修復木材林産物利用事業許可 造林地木材林産物利用事業許可の付与 事業エリアの拡大ならびに延長手順について 2011 年第 55 号林業大臣規則 : 造林における住民造林木材林産物利用事業許可申請手順について ( Peraturan Menteri Kehutanan Republik Indonesia Nomor: P.55/Menhut-II/2011 Tentang Tata Cara Permohonan Izin Usaha Pemanfaatan Hasil Hutan Kayu Pada Hutan Tanaman Rakyat dalam Hutan Tanaman) 1999 年林業基本法 2007 年第 6 号政府規則 : 森林ガバナンス 森林管理計画および森林利用について (2008 年第 3 号政府規則で改定 ) 2014 年第 88 号林業大臣規則 : コミュニティ林について (Peraturan Menteri Kehutanan Republik Indonesia Nomor : P.88/Menhut-II/2014 tentang Hutan Kemasyarakatan) 1999 年林業基本法 2007 年第 6 号政府規則 : 森林ガバナンス 森林管理計画および森林利用について (2008 年第 3 号政府規則で改定 ) 2014 年第 89 号林業大臣規則 : 村落林について (Peraturan Menteri Kehutanan Republik Indonesia Nomor: P.89/Menhut- II/2014 tentang Hutan Desa 1999 年林業基本法 2007 年第 6 号政府規則 : 森林ガバナンス 森林管理計画および森林利用について (2008 年第 3 号政府規則で改定 ) 1999 年林業基本法 2007 年第 6 号政府規則 : 森林ガバナンス 森林管理計画および森林利用について (2008 年第 3 号政府規則で改定 ) 2012 年第 30 号林業大臣規則 : 権利林からの林産物の管理について ( Peraturan Menteri Kehutanan Republik Indonesia Nomor: P.30/Menhut-II/2012 tentang Penatausahaan Hasil Hutan yang Berasal dari Hutan Hak) 1960 年農地基本法 ( Undang Undang No. 5 Tahun 1960 Tentang : Peraturan Dasar Pokok-pokok Agraria) 1960 年農地基本法 ( Undang Undang No. 5 Tahun 1960 Tentang : Peraturan Dasar Pokok-pokok Agraria) 1996 年第 40 号政府規則 : 土地上の土地開発権, 建築物建築所有権および土地利用権について ( Peraturan Pemerintah Republik Indonesia Nomor 40 Tahun 1996 Tentang Hak Guna Usaha, Hak Guna Bangunan dan Hak Pakai atas Tanah) 28

33 3) REDD+ プロジェクトの開発に影響する森林の所有と利用権 節の REDD+ に関する法令の部分で示したように 表 で示される許可は全て REDD+ プロジェクトの実施が可能でに影響する しかし 実際に炭素クレジット発行まで行われているのは 生態系修復木材林産物利用事業許可 (IUPHHK-RE) のみである REDD+ のセーフガードに関する法令等 1) セーフガード情報システムの開発インドネシアでは COP16 での決定に従い カンクン REDD+ セーフガードを国の文脈に翻訳するために いくつかの国レベル 準国レベルのセーフガードイニシアチブが以下のように実施されている (1)SIS-REDD+: 旧林業省から環境林業省 (MoF 2013a and MoF 2013b) (2)Prinsip, Kriteria dan Indikator Safeguards REDD+ Indonesia(PRISAI):REDD+ タスクフォース (REDD+ Task Force 2013) (3)REDD+ SES(Social and Environmental Safeguards): Climate Community and Biodiversity Alliance(CCBA) 及び CARE International(REDD+ SES 2012) それぞれのイニシアチブはセーフガード実施の原則 基準 指標 / フレームワークを開発している これら 3 つのイニシアチブに共通のアプローチは 多様なステークホルダーの参画を伴うマルチステークホルダープロセスを採用していることと 環境影響評価 (AMDAL) 持続可能な森林管理と生産認証 (PHPL) 合法性木材検証システム等のセーフガードに関連する既存の制度やスタンダードの文書を参照している点である よって REDD+ におけるセーフガードは決してインドネシアの森林管理における新しい概念ではないと理解されている 現在は気候変動総局が SIS-REDD+ の下で 制度と情報フロー セーフガード実施評価ツール ウェブに基づく SIS を開発している 準国レベルの SIS-REDD+ に関しては 東カリマンタン州とジャンビ州が テスト州に選定された 2 州において準国レベルの SIS REDD+ に責任を負う機関は 東カリマンタン州林業局 (Dinas Kehutanan) ジャンビ州の林業情報サービスセンター ( Balai Pelayanan Informasi Kehutanan Jambi ) である ( MoEF personal communication 2016) 現場レベルでは REDD+ に関連するプロジェクトやアクターが情報提供者として参加する SIS-REDD+ における評価は プロジェクト実施者の自己評価を通じて実施される セーフガード実施評価ツールは SIS-REDD+ の各指標のためのセーフガード実施の関連文書や証拠である (MoF 2013b) 評価は関連文書と証拠の準備状況が Yes/No のチェックリストで行われる 評価の結果は 6 ヶ月ごとに準国レベルの責任組織にプロジェクト実施者によって報告される 準国レベルの SIS が準備されていない州では プロジェクト実施者からの報告は 気候変動制御総局に直接なされる 収集された情報は調整され 管理され National Communication 等を通じて UNFCCC に報告される インドネシアでは複数のセーフガードに関するイニシアチブが共存しているので 各セーフガードイニシアチブのあいだの調整が REDD+ セーフガード実施と SIS REDD+ を通じた情報提供に必要であると認識されている 2) セーフガード情報システムで鍵となる要素 29

34 インドネシアでは環境 林業分野において セーフガードに関係する以下のような既存のスタンダードがあり SIS-REDD PRISAI REDD+SES のいずれのイニシアチブもこれら既存のスタンダードの要素を参考にして 原則 基準 指標を構築している 環境影響評価 AMDAL (Environmental Impact Assessment) 戦略的環境評価 KLHS (Strategic Environmental Assessment) 持続可能な森林管理と生産 PHPL (Sustainable Forest Management and Production) 木材合法性証明システム SVLK (System for Verification of Timber Legality) 持続可能な森林管理認証 (Sustainable Forest Management Certification e.g. LEI and FSC) 3) REDD+ プロジェクトにおけるセーフガード管理のための法令現在 REDD+ のセーフガード情報システムに関する法令はインドネシアにはなく REDD+ プロジェクトがセーフガード実施に関する情報を気候変動制御総局に報告する義務はない このため 気候変動制御総局はセーフガード情報システムへの情報提供を義務化するための法整備を進めており それは現在策定が進められている REDD+ 実施に関する環境林業大臣規則において規定される予定である (2017 年 2 月の気候変動総局スタッフへの聞き取りより ) 現時点では REDD+ とは別の文脈で 既存の 環境影響評価 戦略的環境評価 持続可能な森林管理と生産 木材合法性証明システム 等の認証制度の中で義務化されている文書に REDD+ のセーフガードとして位置づけられる ( 解釈できる ) 情報の提出が必要となっている 実施中の REDD+ プログラム等 1) 実施中の REDD+ プロジェクトと問題の調整の努力現在 インドネシアでは国 準国 プロジェクトレベルでさまざまな REDD+ に関する取り組みがなされている 表 は 2014 年時点で環境林業省 ( 旧林業省 ) に登録されている 35 の REDD+ 実証活動を示している (MoEF 2015f) これがインドネシアで実施される REDD+ プロジェクト プログラムの全てではないが 少なくともこれだけの REDD+ 実証活動が環境林業省に把握されているということである これらの実証活動は 政府 国際援助機関 NGO 民間企業等様々な主体によって進められている これらの実証活動の活動内容はまとめると以下である REDD 29 炭素蓄積の保全 12 持続可能な森林管理 7 炭素蓄積の強化 4 REL/RL の開発 22 MRV の開発 21 制度の開発 10 資金/ 利益配分メカニズムの開発 3 セーフガード活動の実施 28 1 つの実証活動で複数の活動を行っている場合もある (MoEF 2015f) 傾向としては REDD セーフガード活動の実施 REL/RL の開発 MRV の開発に取り組む実証活動が多い VCS 30

35 これら REDD+ プロジェクト プログラム間のオーバーラップとしてまず想定する必要があるのが炭素クレジットであるが 本報告書執筆時点では 代表的なプロジェクト プログラム間でのオーバーラップは確認されていない 中央カリマンタン州における Rimba Raya Biodiversity Reserve project ( 表 中の 21 番 ) はボランタリーカーボンスタンダード (VCS) と CCBA の Climate, Community and Biodiversity Standard(CCBS) の妥当性確認と検証の両方を受けており クレジットが発行されている 1 また同じく中央カリマンタン州の Katingan Peatland Restoration and Conservation Project ( 表 中の 23 番 ) は VCS の妥当性確認と CCBS の検証を受けており 今後 VCS の検証を受ければクレジットが発行されると考えられる リアウ州における Preserving Peat Swamp Forest Ecosystem through REDD+ activity ( 表 中の 5 番 ) は VCS における妥当性確認のプロセスにあり 将来的に妥当性確認 検証を受けることができればクレジット発行まで行くことが考えられる これらのプロジェクトは JICA や FCPF Carbon Fund 等主要な他のプロジェクトのエリアとのオーバーラップは抱えていない FCPF Carbon Fund 東カリマンタン州で 2015 年に計画が持ち上がり 2016 年に排出削減プログラムアイディアノート (Emission Reductions Programme Idea Note, ER-PIN) の作成まで終了している FCPF Carbon Fund については (Republik of Indonesia 2016a) 5 つの REDD+ 実証活動 すなわち Forests and Climate Change Programme(FORCLIME) Financial Cooperation Modules ( 表 中 20 番 ) Berau Forest Carbon Programme ( 表 中 27 番 ) Adaptation of Forest Resource Management by Local People ( 表 中 29 番 ) Transforming West Kutai Spatial Planning toward Forest Low Carbon ( 表 中 30 番 ) Management of peatland conservation area ( 表 中 31 番 ) と活動エリアが重なる しかし これらのプロジェクトは VCS のようにプロジェクト単独で炭素クレジットの発行を目指すものではなく 主に県 コミュニティレベルでの能力開発等に重点を置いたプロジェクトであるため FCPF の Carbon Fund プログラムにパートナーとして参加している これらのプロジェクトは東カリマンタン州における準国レベルの REDD+ 準備と FCPF Carbon Fund プログラムの下での結果に応じた支払いの実現に寄与することが期待される なお 2016 年 5 月に行った聞き取り調査によると これらのプロジェクト参加者は FCPF Carbon Fund プログラムにおいてアカウンティングの対象となるエリアは東カリマンタン州の一部の地域になるという認識を示していた このため Plan Vivo 等の他の炭素クレジットを創出するプロジェクトの実施も可能であるという意見であった しかし 実際は本報告書執筆時点では 東カリマンタン州の全てが FCPF Carbon Fund プログラムのアカウントの対象エリアとなるので 認識の齟齬がみられた JICA JICA 取り組みとしては西カリマンタン州と中央カリマンタン州で実施される IJ- REDD+ がある ( 表 中 17 番 ) このプロジェクトは西カリマンタン州における FREL 作成支援等の能力開発 国立公園における REDD+ モデルの開発支援 中央カリマンタン州における泥炭地モニタリング能力強化等が主な取り組みなので 炭素クレジットを求めていない IJ-REDD+ は同じく西カリマンタン州の Kapuas Hulu 県の 1 より詳細な情報は次のウェブサイトから得られる VCS ( CCBA ( 31

36 FREL 策定支援を行う GIZ や Kapuas Hulu 県や Ketapang 県で保全価値の高い森林のランドスケープレベルでの評価を行っている Fauna & Flora International と協力し 後述するように彼らのサンプルプロットデータを活用して州レベルの FREL 策定を実施しており 他のイニシアチブとの良好な協力関係を築いている なお その他のプロジェクト プログラムの状況については詳細を把握していないので 引き続きそれぞれのプロジェクト プログラム間の調整状況に関する情報を収集する必要がある 表 インドネシアにおける 2014 年時点で環境林業省に把握されている 35 の REDD+ 実証活動の概要 名称 場所 プロジェクト参 面 積 活動 加者 (ha) 1. Tropical Forest Conservation Ac (TFCA)Sumatra スマトラ KEHATI WWF TNC 地元 NGO - REDD 持続的森林管理炭素蓄積保全制度開発セーフガード 2. Batang Toru REDD Project 北スマトラ Conservation International OCSP 他 150,00 0 REDD REL/RL MRV セーフガード 3. Kampar Ring リアウ APRIL 56,000 持続的森林管理セーフガード 4. REDD+ of Tesso Nilo 5. Korea Indonesia FMU/REDD+ 6. Giam Siak Kecil- Bukit batu REDD+ 7. Berbak Carbon Initiative 8. Merang REDD Project リアウ リアウ リアウ ジャンビ 9. DSHRS ジャンビ 南スマトラ WWF Tesso Nilo 国立公園センター環境林業省 Korea Forest Service 他 Sinarmas Forestry 環境林業省 LIPI 他 ZSL 環境林業省 Darwin Initiative 南スマトラ Global Alam Lestari Agrinergy Burung Indonesia 160,00 REDD 0 REL/RL セーフガード 14,000 持続的森林管理制度開発 178, ,00 0 REDD 炭素蓄積保全セーフガード REDD 制度開発炭素蓄積保全 REL/RL MRV セーフガード 22,280 炭素蓄積保全炭素蓄積強化 REL/RL MRV セーフガード資金 / 利益配分 100,00 0 REDD 炭素蓄積強化 32

37 10. CFES Indonesia ジャンビ 西カリマンタン 西ヌサトゥンガラ 11. Capacity Building for RECA 12. Reforestation of Bromo-Tengger- Semeru 13. REDD+ in Meru Betiri National Park 14. Tropical Forest Conservation Act (TFCA) Kalimantan 15. REDD from Oil Palm Sector 16. Rehabilitation of Sungai Putri Peat Swamp Forest 中央及び東ジャワ 東ジャワ 東ジャワ カリマンタンのいくつかの県 西カリマンタン 西カリマンタン 17. IJ-REDD+ 西と中央カリマンタン 18. Community Carbon Pool 19. Danau Siawan- Belida 20. Forests and Climate Change 西カリマンタン 西カリマンタン 西と東カリマンタン DANIDA 他 REL/RL MRV セーフガード FFI 5,554 REDD REL/RL MRV セーフガード JICA 環境林業省 FORDA LIPI 他 Sumitomo Forestry Co Ltd. 環境林業省 PUSPIJAK TNMB LATIN KEHATI WWF TNC 地元 NGO Fauna& Flora International (FFI) Oil palm companies PT Wana Hijau Nusantara FFI 他 JICA 環境林業省 Gunug Palung 国立公園 FFI Packard PT WHN FFI/ Macquarie KfW GIZ >10,00 0 炭素蓄積保全制度開発 1,000 炭素蓄積強化炭素蓄積保全制度開発 58,000 REDD 炭素蓄積保全制度開発 REL/RL MRV セーフガード - REDD 持続的森林管理炭素蓄積保全制度開発セーフガード 27,280 REDD REL/RL MRV 10,300 REDD セーフガード - REDD REL/RL MRV 制度開発 REDD REL/RL MRV セーフガード 39,000 REDD REL/RL MRV セーフガード - REDD 持続的森林管理 33

38 Programme (FORCLIME) Financial Cooperation Modules 21. Rimba Raya Biodiversity Reserve 22. Community Carbon Project 23. Katingan Peat Restoration. & Cons. 24. Sebangau Restoration Project 25. ERC to Release Orang Utan 26. REDD in HoB: Leboyan Corridor,Bukit Baka- Bukit Raya N. Park 27. Berau Forest Carbon Programme 28. SETAPAK Program 29. Adaptation of Forest Resource Management by Local People 30. Transforming West Kutai Spatial Plan 中央カリマンタン 中央カリマンタン中央カリマンタン 中央カリマンタン 中央カリマンタン 中央カリマンタン 東カリマンタン 北カリマンタン 東カリマンタン 東カリマンタン MoEF GFA 他 PT Rimba Raya Conservation Infinite EARTH 他 RARE YAYORIN 他 PT RMU Starling Resources WWF Sebangau 国立公園 REL/RL MRV 制度開発資金 / 利益配分セーフガード 91,215 REDD 持続的森林管理 REL/RL MRV セーフガード 23,796 REDD セーフガード 217,75 5 REDD 持続的森林管理 REL/RL MRV セーフガード 85,000 REDD 炭素蓄積保全 REL/RL MRV セーフガード PT RHOI 86,450 炭素蓄積保全 REL/RL MRV セーフガード WWF BMU 環境林業省 TNC ICRAF Mulawarman 大学他 STABIL PIONIR TAF - REDD 炭素蓄積保全 REL/RL MRV セーフガード 220 万 REDD REL/RL MRV 制度開発資金 / 利益配分セーフガード - REDD セーフガード Bioma - REDD セーフガード WWF Bebsic Bioma 環境林業省 390 万 REDD 炭素蓄積保全 REL/RL MRV セーフガード 34

39 31. Management of peatland conservation area 32. REDD Involving Community 33. Memberamo Basin Carbon & Community Conservation 34. Papua Avoided Deforestation Initiatives 東カリマンタン パプア パプア パプア 35. TEBE Project 東ヌサトゥンガラ 出展 : MoEF 2014 Pokja TKLH-LK REDD Bioma 他 WWF 環境林業省 Cl Papua 州政府 CSIRO CIFOR 他 Sekala PCSSF WRI Telapak KYEEMA Foundation AusAID - REDD セーフガード 540,00 0 REDD REL/RL MRV セーフガード 800 万 REDD REL/RL MRV 140 万 REDD REL/RL MRV - REDD 炭素蓄積強化セーフガード 参照レベルの策定状況 1) 国家 FREL の状況と特徴インドネシアでは 国家 州 県 プロジェクトの各レベルで FREL 構築のイニシアチブが存在するが 国家 FREL は当初以下の 3 つの別々の 3 つのイニシアチブを通じて開発された (1)REDD+ 庁と旧林業省の協働による旧林業省の 年の土地被覆データを用いた FREL 開発 (2)Indonesia Second National Communication(SNC) による旧林業省の 2000 年から 2006 年までの土地被覆データを用いた 2020 年までの LLULUCF 部門における排出予測 (Boer et al referred in MoEF 2015a) (3) 旧林業省によって Forestry Decree No. 633/2014 として発行された同じ土地被覆データを用いた別の FREL 最新の国家 FREL は環境林業省によって 2015 年 12 月に UNFCCC に提出された データの限定性のため この国家 FREL は経時的森林減少速度を用いる stock difference approach を用いている (MoEF 2015a) 図 に 1990 年から 2012 年までの森林減少 森林劣化 泥炭分解に関連からの各年の経時的排出量を示す 最新の FREL で用いられている方法論は表 に示す 参照期間は 1990 年から 2012 年である 森林減少と森林劣化からの FREL は合わせて地上バイオマスに対して 351.2MtCO2e yr-1( 森林減少 : MtCO2e yr-1, 森林劣化 : 58.0 MtCO2e yr-1) であった 35

40 図 年から 2012 年までの森林減少 森林劣化 泥炭分解に関連からの各年の経時的排出量出展 : Figure 11 in MoEF 2015a 2) 国と準国レベルの FREL の関係と調整国家 FREL が UNFCCC に提出されたことで 気候変動総局は 準国レベルの FREL と国レベルの FREL の整合性を取るために 準国レベルの FREL を構築するためのガイダンス作りを進めている また 実際に東カリマンタン州や西カリマンタン州では 準国レベルの FREL も国家 FREL と整合性を取るように策定が進められている 表 8 に FCPF の Carbon Fund プログラムにおいて策定が進められている東カリマンタン州の FREL ランプン大学 GIZ FFI IJ-REDD+ の支援によって州政府が進めている西カリマンタン州の FREL の方法論の国家 FREL との比較を示す 東カリマンタン州 西カリマンタン州とも森林の定義 泥炭地の定義 経時的推計方法 炭素プールは地上バイオマスと泥炭地の土壌の 2 つ CO2 以外の CH4 や NO2 等の GHG の排出はカウントしない 土地被覆データは国家森林モニタリングシステムのデータを用いる 泥炭地からの排出係数は IPCC ガイドラインの値を用いるという部分は国家 FREL に従っている 一方 参照期間は 東カリマンタン州は FCPF カーボンファンドに採用されるので ドナー国とインドネシアでその設定を巡って調整が続けられており 国家 FREL とは異なる インドネシアは大規模森林火災のあった 1998 年を参照期間に含めるよう求めているが ドナー国は FCPF のガイドラインの規定に従い 2001 年から 2012 年までとするよう求めている 執筆者が 2017 年 2 月におこなった聞き取りでは 1998 年ではなく 2015 年の森林大火災を含める方向で 2006 年から 2015 年までを参照期間とするという案も浮上しているということであった 西カリマンタン州については国家 FREL と同様に参照期間を 1990 年から 2012 年としている 西カリマンタン州の FREL では国家森林インベントリのデータがよくないため 州環境局 GIZ FFI のインベントリプロットのデータを使用しているという特徴がある 東カリマンタン州は国家森林インベントリのデータを用いている 36

41 表 国家 東カリマンタン州 西カリマンタン州の FREL において用いられてい る方法論の比較 国家 FREL 東カリマンタン州 FREL 西カリマンタン州 FREL 作成者 環境林業省気候変動 総局 参照エリア 1990 年における 1 億 1320 万 ha の天然林 ( 国土の 60%) 環境林業省研究 開発 イノベーション機関 / 社会経済政策気候変動研究開発センター 参照期間 年 インドネシア主張 年 FCPF の推奨は 年で調整中 森林の定義 泥炭地の定義 対象 アプローチ炭素プール GHG 泥炭地からの排出 西カリマンタン州政府 タンジュンプラ大学 ランプン大学 GIZ FFI IJ-REDD+ 記述なし 1990 年の天然林約 760 万 ha で西カリマンタン州の面積全体の約 51% 年 公式定義 A/R CDM に関する 2004 年第 14 号林業大臣規則定義の 0.25 ha 以上 樹高 5m 以上の樹木 樹幹被覆率 30% 以上を満たす もしくはそれら閾値に自然に達する土地. 作業定義 : SNI 8033 に基づいた光学衛星リモートセンシング画像の結果に基づく 7 つの森林区分 ( 表 ) ポリゴンで描く最小面積は 6.25ha 部分的に分解された有機物の蓄積を有する領域であって 炭素含有量が少なくとも 12%( 通常 40 60% の炭素含有量 ) で飽和した水および炭素リッチ層の厚さが少なくとも 50cm(SNI 7925: リモートセンシング画像に基づく 1: の泥炭地マッピングスケール ) 非泥炭地および泥炭地の森林減少および森林劣化 ( 詳細な森林劣化 森林炭素ストックの保全 森林の持続可能な管理 森林炭素ストックの強化は 炭素隔離のデータが非常に限られているため 除外されている ) 経時的推計方法 森林減少 森林劣化 泥炭地分解からの排出 炭素吸収 蓄積は対象外 国家 FREL に含められないが追加されている排出源としては 泥炭地火災と択伐 ただしこれら 2 つは簡易計算による暫定的推計 地上バイオマスおよび泥炭地帯の土壌炭素 非泥炭地および泥炭地の森林減少および森林劣化 CO2 のみ算定 その他の CH4 NO2 等の GHG は算定しない 排水による泥炭分解 泥炭分解からの排出お 森林減少 森林劣化に からの排出のみ計 よび簡易計算による泥 よる泥炭分解からの排 算 泥炭火災は複雑 炭火災からの排出を計 出のみ計算 泥炭火災 で不確実性が高いた 上 からの排出は除外 37

42 土地被覆データ泥炭地データ 排出係数 め除外 ただし 泥炭火災からの排出は完全に除外されたわけではなく 森林減少と森林劣化を計算した際に 火災による地上部バイオマスの喪失による排出量が考慮されている 土地被覆図は Landsat 衛星画像を使用して作成 これら土地被覆データは国家森林モニタリングシステムの一部 農業省に提供された農業省の地図を使用関連する地図 現地サーベイ 地上検証に基づく泥炭地の空間データ算出に使用された主要なデータ源は国家森林インベントリ 農業省の 2011 年の泥炭地地図 1: を使用 西カリマンタン州環境局 GIZ FFI のインベントリプロットのデータを使用 ( 西カリマンタン州内 8 県 186 のプロット )Dryland forest (Pri&Sec), Peat swamp forest (Pri&Sec), Mangrove forest (Pri&Sec) 泥炭地からの排出係数不確実性の計算 湿地の国家 GHG インベントリのための 2006 年 IPCC ガイドライン 2013 年補足の Tier 2 データ IPCC 2006 ガイドライン Vol.1 第 3 章に従って計算 評価期間ごとの不確実性の内訳は以下の通り : 16.24% : 7.18% : 16.38% : 13.13% : 21.31% : 19.65% : 17.78% 不確実性の計算なし 出所 : MoEF 2015a MoEF 2016a, Hardiansyah et. al 2016 IPCC 2006 ガイドライン Vol.1 第 3 章に従って計算 評価期間ごとの不確実性の内訳は以下の通り : 16.24% : 7.18% : 16.38% : 13.13% : 21.31% : 19.65% : 19.65% ( の値を誤って記載していると思われる 38

43 2.9.2 国 準国レベルの FREL とプロジェクトレベルの FREL の関係と調整上記のように国レベルと準国レベルの FREL の整合性をとる取り組みが始められたばかりで 国 準国レベルの FREL とプロジェクトレベルの FREL の調整は行われていない 例えば VCS プロジェクトの Rimba Raya Biodiversity Reserve project や Katingan Peatland Restoration and Conservation Project は VCS 独自の方法論に基づいてプロジェクトの FREL を策定しているので 国レベルの FREL とは全く異なるアプローチを取っている 参考文献 DDPI (2015) DDPI Kalimantan Timur, Gambaran Umum Kegiatan , Dewan Daerah Perubahan Iklim Kalimantan Timur FAO (2016) Food and Agricultural Organization of the United Nations Statistics Division, (latest access: 29 June 2016) 藤原敬大 サン アフリ アワン 佐藤宣子 (2015) インドネシアの国有林地におけるランドグラブの現状 : 木材林産物利用事業許可の分析, 林業経済研究, Vol. 61, No.1, Gené E. I. (2012) Indonesia REDD+ Readiness- State of Play, November 2012, IGES Discussion Paper, No. FC Hardiansyah G., Yani A., Rumawadi K., Hendarto, Yenny, Sari E.S., Sikun K., Pambudi E.K., Saputra H., Yuliansyah, Listiyowati A. I., Hutabarat J.A., Wegscheider S., Nusantara R.W., Christianto R., Haryono Z., Normagiat S., Sutrisno E., Rusdi S., Jamani R. (2016) FREL (Forest Reference Emission Level West Kalimantan), UNU Kalbar Press, West Kalimantan, Indonesia MoEF (2017) A Glance at Directorate General of Climate Change, Directorate General of Climate Change, Ministry of Environment and Forestry MoEF (2016a) User Manual Sistem Registri Nasional Pengendalian Perubahan Iklim, Edisi November 2016 MoEF (2015a) National Forest Reference Emission Level for Deforestation and Forest Degradation: In the Context of Decision 1/CP.16 para 70 UNFCCC (Encourages developing country Parties to contribute to mitigation actions in the forest sector), Directorate General of Climate Change, Ministry of Environment and Forestry MoEF (2015b) Pedoman, Pengukuran, Pelaporan, dan Verifikasi (Measurement, Reporting, and Verification) Aksi Mitigasi Perubahan Iklim di Indonesia, Direktorat Inventarisasi GRK dan MPV, Direktorat Jenderal Pengendalian Perubahan Iklim, Kementerian Lingkungan Hidup dan Kehutanan 2015 MoEF (2015c) REDD+ Cooperation on Reducing greenhouse gas Emissions from Deforestation and forest Degradation, Programme Design Document Transition toward Phase 2 Indonesian-Norway Partnership , version 3.1, Jakarta, 25 November 2015, Ministry of Environment and Forestry with the assistance of government and non-government organizations and through consultation with partners in the field. programme-document-transition-toward-phase-2-final.pdf (latest accessed: 28 June 2016) MoEF (2015d) Rencana Strategis , Kementerian Linkungan Hidup dan Kehutanan 39

44 MoEF (2015e) Understanding Estimation of Emission from Land and Forest Fires in Indonesia 2015, Ministry of Environment and Forestry-Republic of Indonesia MoFE (2015f) REDD+ Demonstration Activities di Indonesia 2014, Center for Standardization and Environment, Ministry of Environment and Forestry (Leaflet) MoF (2013a) Principles, Criteria and Indicators for a System for Providing Information on REDD+ Safeguards Implementation (SIS REDD+), Center for Standardization and Environment and Secretariat General, Ministry of Forestry MoF (2013b) Sistem Penyediaan Informasi Pelaksanaan Safeguards (SIS) REDD+ di Indonesia, Center for Standardization and Environment, Ministry of Forestry REDD+ Task Force (2012) REDD+ National Strategy, Indonesia REDD+ Task Force REDD+ Task Force (2013) Prinsip, Kriteria dan Indikator Safeguards REDD+ Indonesia-PRISAI Versi 3.1 Mei 2013, REDD+ Task Force REDD+ SES (2012) Guidelines for the Use of REDD+ Social & Environmental Standards at Country Level, Version 2, 16 th November 2012 Republic of Indonesia (2016a) Emission Reductions Program Idea Note (ERPIN), Republic of Indonesia Republic of Indonesia (2016b) First Nationally Determined Contribution, Republic of Indonesia 40

45 1-1-2 ベトナム 森林の概況 1) 森林資源ベトナムは東南アジアのインドネシア半島に位置する熱帯国である 領土は北緯 8 度 2 分から 23 度 23 分 東経 102 度 08 分から 109 度 28 分にかけて広がっている 総面積は 百万ヘクタール (ha) で 8 つの経済環境地域に分類された 63 の省と中央直轄市に行政区分されている ベトナムは中国と北に国境を接し ラオスおよびカンボジアと西に国境を接しており さらに同国の東海岸は東海に接している 人口は推定 9,170 万人 (2015 年現在 ) で 人口密度は km 2 当たり平均 277 人である ベトナムには 54 の異なる民族が存在する 国家の人口の約 85.8% を占めるキン族が多数民族であり 他の民族は少数民族である 後者の中では タイー (Tay) 族とタイ (Thai) 族の二つの民族が最も大きな民族グループで 人口は推定 160 万人であり 最も小さな民族はオドゥ族とブラウ族の二つの民族グループで 人口は各民族グループ 400 人未満である 年 12 月現在 ベトナムの総森林面積は 14,061,856 ha で 森林率 40.84% に相当する 天然林の面積は 10,175,519 ha で 人工林の面積は 3,886,337 ha である (MARD 2016e) ベトナムの森林は利用目的により 生産林 保護林 特別利用林 2 に分類される ( 表 ) 表 森林の利用目的別分類総面積 特別利用林 保護林 生産林 未分類 総森林面積 14,061,856 2,106,051 4,462,635 6,668, , 天然林 10,175,519 2,026,872 3,839,979 3,940, ,416 用材林 8,463,050 1,674,530 3,274,504 3,227, ,332 竹林 299,768 34,671 89, ,779 17,028 用材 - 竹林 1,122, , , ,258 56,364 マングローブ 19, ,420 3, 樹木岩礁 270, ,085 86,454 16,567 7, 人工林 3,886,337 79, ,656 2,727, ,552 立木のある人 2,473,751 63, ,846 1,636, ,818 工林 立木のない人 852,842 10, , ,923 98,580 工林 竹林 73, ,316 64,661 2,156 多年生林 448,800 3,807 38, ,537 36,869 マングローブ 37,652 1,215 13,763 21,545 1,129 資料 : (MARD 2016e) 同国の森林の殆どは北東地域 北中部地域 中央沿岸地域および中央山岳地帯に集中している 森林面積では北東地域が最大であるが 森林率が最も高いのは北中部地域である 紅河デルタ地域の森林面積は最小だが 南西地域の森林の森林率は最低である ( 表 ) 1 一般統計局からの統計 を参照 2 通達 34/2009/TT-BNNPTNT ベトナム農業農村開発省 2009 年 6 月 10 日 41

46 表 経済環境地域ごとの森林面積 森林面積 天然林 人工林 幼齢植林 森林率 (%) 国全体 14,061,856 10,175,519 3,886, , 北西地域 1,653,058 1,498, ,447 20, 北東地域 3,833,276 2,353,099 1,481, , 紅河デルタ地域 87,876 47,089 40,787 4, 北中部地域 3,044,868 2,235, , , 中央沿岸部地域 2,134,854 1,484, , , 中央山岳地帯 2,561,969 2,246, ,901 44, 南東地域 473, , ,162 5, 南西地域 272,030 63, ,051 43, 資料 : (MARD 2016e) 2) 森林率と森林環境に見られる傾向 過去 40 年間 (1976 年 年 ) にわたり ベトナムの森林状況は様変わりした 1976 年から 1990 年の期間中 用材および他の森林資源が同国の国家経済の再建に必要であったため 森林利用は同国の森林セクターにとって最重要課題であった 森林公社 (SFEs) が森林利用を現場レベルで担当する国家組織として設立された 1990 年には ベトナムの森林面積は約 9.14 百万 ha あるいは森林率 27.8% と史上最低の数値を記録した (Nguyen et al. 2001) ( 図 ) その後の数十年間において 森林率に上昇傾向が見られた 人工林および天然林双方の森林面積が著しく増加した 前述した通り ベトナムの総森林面積は 2015 年末には 百万 ha ( 森林率 40.84%) に達した これは 25 年間で森林面積が 487 万 ha あるいは 1 年間で 195 万 ha 増加ことに相当する (Nguyen et al ; 2017 年森林保護局 ) 森林増加の主な理由は 同期間を通して人工林の面積が増加したことに起因するが その一方で天然林の増加は 2005 年以来停頓している ( 図 ) 同時に 時系列データは存在しないが 森林減少および森林劣化が引き続き進んでいた 例えば 2010 年の全体像を見ると この 1 年で約 400 万 ha の森林が減少したことを示唆している 植生の豊かな森林の面積は 1990 年の 38.4 万 ha から 2000 年の 18.7 万 ha に減少した 2005 年には 8.5 万 ha にまで減少したが その後は比較的安定している 天然ゴムなどの樹木作物の収穫量も上昇している 天然ゴムが収穫できる森林の面積は 1990 年の 22.1 万 ha から 2012 年の 91.1 万 ha へと 4 倍増加し 22 年の間 毎年約 3.1 万 ha ずつ増加していたことを示す (FAO 2014) JICA と SNV の研究が示している通り 準省レベルおよび県レベルで深刻な森林減少および森林劣化が進んでいる森林もある (Mant et al. 2013;JICA&VNFOREST2012) 42

47 16 Forest area (mil ha) ha) 14 Plantation forest 森12 林10面積8 6 万 Year Natural forest ( 百年 人工林 天然林 図 : 森林状況における変化 1976 年 年 資料 : (Nguyen et al.2001; 2017 年 森林保護局 ) 3) 森林減少劣化の要因 ベトナムの森林減少劣化の要因は歴史を通して変化してきた 1990 年初めごろまで 森林減少および森林劣化の主な要因は戦争と 低地帯に居住していたキン族の人々が森林地へと移住したことで起こった農業の拡張である (MARD 2011) 2011 年に MARD によって策定され 世界銀行に提出された REDD+ 実施体制 (R-PP) によると 森林減少の主な直接的原因は次に示す通りである ;(i) 農耕地への転換 ( 特に永年産業作物が収穫出来る農耕地 ) (ii) インフラ開発および水力発電所計画の影響 (iii) 持続的でない伐採 (iv) 森林火災 この他にも 侵襲生物種 採鉱 バイオ燃料および気候変動などの 他の直接的な要因もあるが 現段階においては重要ではない ( 主な要因とその根本的な原因は MARD 2011 pp を参照 ) 気候変動対策及び REDD+ に関する所掌及び実施体制 1) 気候変動戦略の実施体制 ベトナムの国家気候変動戦略 (National Strategy for Climate Change, NSCC) は 首相決定 2139/QD-TTg (2011 年 ベトナム政府 ) を受け 2011 年 12 月 5 日に承認された 同戦略は気候変動関連の問題を対象とする 最高位の戦略文書である 国家レベルにおいて NSCC の実施に全体的な責任を持つ最高位の政府機関では国家気候変動委員会 (NCCC) であり 同委員会は 2012 年 1 月 9 日の首相決定 43QD-TTg を受けて設立された NSCC は首相が議長を務め 副首相 1 名と天然資源環境省大臣が副議長を務め 政府事務局 計画投資省 (MPI) 財務省 (MOF) 科学技術省 (MoST) 外務省 (MFA) ベトナム農業農村開発省 (MARD) 国防省 (MND) 公安省 (MPS) 建設省 (MoC) 交通運輸省 (MoT) 厚生省 (MoH) 工商業省 (MIC) 国会科学技術環境委員会 (CSTE-NA) ベトナム祖国戦線 南東運営委員会 ベトナム科学技術アカデミー 43

48 (VASS) ベトナム科学技術協会連合 (VUSTA) および天然資源環境省 (MONRE) の長が会員となる NCCC には 異なるセクター間にまたがる事例 国家プログラムおよび気候変動に関する戦略などの重要な案件の実現に関する調査 提案 運営 調和 調整およびモニタリングにおいて 政府に対して助言と支援を提供する役目がある また同委員会は 国家プログラム 気候変動戦略および気候変動に関する国際協定の運営 調整および実施する機能を有する 天然資源環境省 (MONRE) は NCCC の常任団体である 同省は気候変動に関する民族委員会の首班である NSCC の実施において MONRE は他のセクターと省を指導し またこれらの団体と連携して NSCC の実施を管理する役目を担っている 3 NSCC に続き 様々なセクターが種々のセクター別の気候変動行動計画を国家レベルで策定している 省レベルでは 省気候変動行動計画 (PCCAP) が全セクターの計画を取り入れている PCCAP を実施するため 省気候変動運営理事会 (PCCSB) が設立され 人民委員会 (PPC) の副議長が理事会の議長を務め DONRE および DPI ( いくつかの省では DARD の長が務める場合も ) の長が理事会の副議長を務め 財務局 (DOF) 農業農村開発局 (DARD 副議長でない場合 ) 情報通信局 (DOIC) 科学技術局 (DOST) 建設局 (DOC) 商工業局 (DOCI) 訓練教育局 (DOTE) 交通運輸局 (DOT) 保健局 (DOH) 文化スポーツ観光局 (DCST) 労働傷病弊社会福祉局 (DOLISA) 県レベルの人民委員会および他の関連機関の長が会員である PCCSB は 1) 各省の PCCAP を実施 2) 気候変動に関する全てのイニシアティブを運営および実施 3)PCCAP の効果的な実施のために種々のセクター 現場および関連組織から寄せられるプログラム プロジェクトおよびリソースを運営 調整および統合 そして 4)PCCAP 実施のモニタリングと評価を行う役目を担っている 天然資源環境局 (DONRE) は PCCSB の常任団体である 同局は気候変動省事務局あるいは POCC の首班である PCCAP の実施において DONRE は省人民委員会が発行する PCCAP の政策管理と実施に関するメカニズムを提案および策定するに当たり 他局および他機関 そして地方機関を指導し またこれらの団体と連携する役目を担っている 計画投資局 (DPI) は 気候変動に効果的に対応し 省の持続可能な開発目標の達成を担保するために 異なる局および現場を指導し またこれらの団体と連携して省の経済開発計画および戦略の見直しと調整を行う役目を担っている 財務局は DPI および DONRE と連携して PCCAP と他の気候変動に関するプロジェクトの実施に関する予算配分会議を主催する役目を担っている 県レベルの人民委員会 (DPC) は PCCAP に基づいた種々のタスクを遂行する役目を担っている 年 12 月 5 日の首相決定 2139/QD-TTg 44

49 National Committee on Climate Change Chairman: Prime Minister Deputy Chairmen: Deputy Prime Minister and MONRE Minister Members: heads of ministries, ministerial level organizations, committees. Office of National Committee on Climate Change (Department of Meteorology, Hydrology and Climate Change of MONRE) Concerned ministries, ministerial level organizations, committees. Non-government organizations, Civil Society Organizations, others.. Provincial Climate Change Steering Board Chairman: Deputy Chairman of PPC Deputy Chairmen: Director of DONRE, DPI (& DARD) Members: Heads of related departments, committees and agencies Provincial Office of Climate Change (Department of Natural Resources and Environment) 図 : 気候変動戦略および行動計画の実施体制 Concerned departments, organizations, committees, DPCs Non-government organizations, Civil Society Organizations, others.. 2) REDD+ 戦略の実施体制前述したとおり 気候変動に関する全ての分野を対象とする 国家気候変動戦略 (NSCC) がベトナムにおける唯一の戦略であるため 同国には REDD+ 戦略は正確には存在しない 気候変動に関するセクター間の戦略文書の名称は行動プログラムである 2011 年から 2020 年の期間を対象とした 森林減少と森林劣化からの排出削減並びに森林保全 持続可能な森林管理 カーボンストック ( 森林炭素蓄積 ) の強化に関する国家行動プログラム あるいはベトナム国家 REDD+ 行動プログラム (National REDD+ Action Pcorgam, NRAP) は 首相決定 799/QD-TTg ( ベトナム政府 2012c) を受け 2012 年 6 月 27 日に承認された NRAP はベトナムにおける REDD+ の実施に関する 最も重要な戦略文書とみなされている NRAP の実施については 農業農村開発省 (MARD) が主導する MARD 大臣決定 39/ QD-BNN-TCCB を受け MARD は同省の権限において 2011 年 1 月 7 日にベトナム REDD+ 運営委員会 (Vietnam REDD+ Steering Committee, REDD+SC) を設立した 2015 年 8 月 21 日の MARD 大臣決定 3356/QD-BNN-TCCB および 2015 年 11 月 23 日の同大臣決定 4806/QD-BNN-TCCB を受け REDD+SC 会員は数度変更された 現在 MARD の大臣が REDD+SC の議長を務めており 林業担当の MARDE 副大臣および気候変動担当の MONRE 副大臣が REDD+SC の副議長を務めている REDD+SC 45

50 の会員は MARD 内の関連局 ( 計画局 科学研究環境局 国際協力局 財務局 ベトナム森林総局あるいは VNFOREST) および政府事務局 天然資源環境省 (UNFCC および京都議定書の国家的焦点 ) 計画投資省 財務省 科学技術省 外務省および少数民族委員会 (CEM) の代表者等から選出される ベトナム REDD+SC は以下に述べる 種々のタスク 4 を遂行する (REDD+SC の会員のタスクに関する詳細は 2016 年 3 月 17 日の MARD 大臣決定 863/QD-BNN-TCCB に明記されている (MARD2016 b) を参照 ) MARD 大臣および政府上層部に対して ベトナムにおける森林炭素および REDD+ の実施についての課題に関する種々の関連政策およびアプローチを提案し 承認を得ること MARD の指導下で政府関連機関を運営し ベトナムにおける REDD+ イニシアティブを実施するため 関連する省 地方機関および地方組織と協力および連携するタスクにおいて MARD 大臣を補佐すること 国家 REDD+ 行動プログラム (NRAP) 関連の戦略および行動計画の ( 策定と ) 実施を指揮し REDD+ イニシアティブの実施に関する技術的資源および財源を活用するために 種々の国際協力活動を調整すること ベトナム森林総局 (VNFOREST) はベトナム REDD+ SC の常任団体である VNFOREST は 2011 年 1 月 19 日の VNFOREST 決定 18/QD-TCLN-VP に基づいて当初設立された ベトナム REDD+ 事務局 (Vietnam REDD+ Office, VRO) を主催している VNFOREST 局長は 2015 年 3 月 5 日に VRO を REDD+SC の常任団体として設置するために 決定 106/QD-TCLN-VP を発行した この決定を受け VRO は以下に述べる重要な役割を担う ベトナム REDD+SC の作業計画および作業プログラムを策定し 同局の議長が要請した 関連の会議 セミナーおよび報告書のための資料を準備すること REDD+ および森林炭素取引に関する国際交渉と実施の進展を監視および要約し ベトナムの森林セクターにおける REDD+ および森林炭素取引の実施に関する 種々の関連政策 メカニズム 解決策および財源を提案すること ベトナムの森林セクターにおける REDD+ 課題および森林炭素取引の実施において 関連する政府機関 地方機関およびステークホルダーと協力 またはこれらの団体を監督および指針を与えること ベトナムにおける REDD+ および種々の森林炭素取引イニシアティブの実施に関する技術的資源および財源を活用するための 海外の投資家および国際組織 関連するステークホルダーとの連携において国家の中心的な役割を果たすこと 能力養成活動 通信および情報に関連する活動の実施の調整を手配し ベトナムにおける REDD+ および森林炭素取引のウェブサイトの立ち上げ 管理および更新を行うこと REDD+ および森林炭素に関するデータベースを策定し 管理すること 法律によって定められた現行規則に則り ベトナム REDD+ 事務局の行政活動を実行すること MARD の他に 他の各省および各省に準ずる政府機関も NRAP の一端の実施を担って 4 決定 39/QD-BNN=TCCB 第 2 条 46

51 いる 天然資源環境省 (MONRE) は以下の役割を担う MARD と連携して REDD+ 実施の進展と結果に関するデータベースを国内発表と最新の報告書 (2 年毎に更新 ) に統合し UNFCCC 事務局に提出するタスクを指導すること 林地を含む土地利用計画と土地管理と REDD+ の土地計画への統合を全てのレベルで指導すること MARD と連携して PPCs が森林の賃貸と土地利用権証明書の発行に伴う 土地の交付を見直し 実施するよう指導すること 同省の権限において 監督機関に対して林地の交付に関するメカニズムと政策の策定あるいは NRAP の実施に必要な賃貸を行うよう 命令すること 国家インベントリに記載されているベトナムにおける温室効果ガス (GHG) に関するデータを提出すること MARD と連携して MRV のシステム RELs/FRLs を策定し NRAP を用いて排出削減の結果を評価すること 計画投資省は以下の役割を担う NRAP を実施する特定のプロジェクトのための見返り資金を交付すること REDD+ を関連する種々の国家プログラムの実施に統合させること MARD と財務省と連携して NRAP の管理及び実施に関するメカニズムと政策を策定すること National REDD+ Steering Committee Chair: MARD Minister Members: representatives from concerned bodies in MARD and other ministries, committees. National REDD+ Network Viet Nam REDD+ Office (Viet Nam Administration of Forestry under MARD) REDD+ Technical Working Group Non-government organizations, Civil Society Organizations, others.. Provincial REDD+ Steering Committee Chair: Deputy Chairman of PPC Members: Heads of related departments, committees and agencies Standing Office of PRAP-SC (Provincial Forest Protection Sub- Department under DARD) 図 : 国家 REDD+ 行動プログラムの実施体制 Provincial REDD+ Technical Working Group Non-government organizations, Civil Society Organizations, others.. 47

52 財務省は以下の役割を担う MARD と連携して NRAP の財務管理に関連するメカニズムと政策の策定を指導すること MARD と連携して REDD+ から拠出される財源の管理と利用を様々な段階で指導すること 関係機関に対して NRAP に適用される財務管理規則を厳密に守らせること 情報通信省は通信社に対して 関連機関 組織および人民の森林保護と NRAP の策定と実施に関する意識と責任感を高める 種々の報道キャンペーンを実施するよう指導および指揮する役割を担う 少数民族委員会 (CEM) は以下の役割を担う 報道および広報キャンペーン 意識向上および能力養成に参加すること REDD+ 活動に積極的に参加するよう 少数民族に奨励すること NRAP および関連するプログラムの実施をその国家行政計画に統合すること 他の省と関連する関連機関は 従属機関に NRAP の実施を指導するために MARD と共に NRAP の実施に積極的に加わる役目を担っている 省レベルの人民委員会 (PPC) は以下の役割を担う REDD+ 報道キャンペーンと REDD+ 活動の促進を各々の現場で計画する 省レベルの REDD+ 運営委員会を設置し PPC の指導者が同委員会の議長を務めること 省レベルで関連する種々のプロジェクトを準備および実施し 関連する種々の地方計画を適切に見直しおよび調整するために 省 REDD+ 行動計画 (PRAP) を策定し 実施すること MARD に承認された国家年次および 5 カ年計画に含まれる REDD+ 活動に関連する活動を計画すること NRAP の目標を達成するために あらゆる財源を積極的に活用し REDD+ と地方における森林環境サービスや種々の関連プログラムおよびプロジェクトに関連する支払いを遂行すること 関連する省および関連機関と連携して 地方の団体と個人による NRAP 実施を指導および監視すること NRAP の実施に関する進展報告書を定期的に提供すること 政治組織 社会組織や職能団体 NGOs および企業は NRAP に関連する種々の活動へ参加し 特に情報共有 教育および通信の分野において 地域コミュニティの参加を促進し REDD+ の実施における経験を広め NRAP 実施の監視および評価を行う役割を担っている 国家レベルの影響力を持ち NRAP の策定と実施の双方にも貢献している 二つの重要な組織は REDD+ ネットワークと REDD+ 技術ワーキンググループ (Technical Working Group, TWG) である 両組織は決定 2615/QD-LN に基づき MARD によって 2009 年 9 48

53 月 16 日に設立され ステークホルダーと連携し REDD+ に関連する種々の活動を計画および実施する役割を担っている (2009b) VNFOREST の指導者と資源投資家側からの代表者が交代で REDD+ ネットワークの議長を務める ベトナムにおける REDD+ に懸念を示す ベトナム人および外国人の双方が 比較的容易に REDD+ ネットワークの会員になることが出来る REDD+ TWG は具体的には 6 つのテーマのサブテクニカル ワーキンググループ (S- TWG) によって以下のように構成されている REDD+ ガバナンスに関する S-TWG:REDD のガバナンスに関する課題 ガバナンス機構および能力養成 森林政策 規則及び規制 他の政府機関との対外的調整を対象とする MRV S-TWG: 森林データ 森林インベントリ データ管理および MRV( 測定 報告 検証 ) に関する課題を対象とする REDD+ 財務および利益配分に関する S-TWG :REDD+ 基金の策定に関する課題を対象とする 地方における REDD+ の実施に関する S-TWG: 県及びコミュニティレベルにおける REDD+ の実施 能力養成 仲裁 代替的な農村生活 少数民族コミュニティ等の課題を対象とする 民間セクター協議会に関する S-TWG :NRAP の策定および実施の課題を対象とし 種々の関連政策を策定する セーフガード S-TWG: 国家 準国家および地方レベルにおける REDD+ から得られる社会的および環境面における共通利益を推進する セーフガードの運営を対象とする 省レベルでは 12 の REDD+ パイロット省 ( ラオカイ バッカン タインホア ゲアン ハティン クアンビン ダクラク ダクノン ラムトン ビントゥアンおよびカマウ ) において 省 REDD+ 運営委員会 (PRAP-SC) に設立された (MARD 2017) いくつかの省では PRAP-SC が現行の森林保護および森林開発に関する省運営委員会に統合された ( 例 : ホアビン ソンラおよびライチヤウ ) PPC の副議長が PRAP-SC の議長を務め DARD DONRE DPI DOST DOF DIC CEM および関連する県 ( 省によって変わる可能性がある ) から会員が選出される DARD は省レベルにおいて PRAP 実施の常任団体である DARD 内では 森林保護省支局あるいは Sub-FDP が指導的な立場をとる 5 Sub-FPD は 既存の人的資源および財源を活用して PRAP-SC 事務局の日常業務も担当している 省 REDD+ テクニカル ワーキンググループあるいは PRAP TWG が PRAP-SC への技術的な支援を行う PRAP TWG の組織構造は省によって異なるが 主に次の 2 種類に分類される :1) 省内の各局から選出された会員で構成された学際的チーム そして 2)DARD およびその従属機関 ( 例 : 省拡大センターおよび Sub-FPD) のみから会員が選出された DARD チームである 5 Dien Bien のケースでは 省森林支局がこの役目を担うため 例外 49

54 気候変動対策としての REDD+ の活用に関する法令等 1) 国家気候変動および REDD+ 戦略の概要 (1) 国家気候変動戦略 で前述した通り ベトナム国家気候変動戦略 (NSCC) は首相決定 2139/QD-TTg を受けて 2011 年 12 月 5 日に承認された (2011 年 ベトナム政府 ) NSCCC には 5 つの主要なセクションがある 第 1 セクションである 気候変動 課題と機会 の中で NSCCC は 気候変動は人類およびベトナムが直面する最大の課題の一つであり 世界で最も脆弱な 3 つのデルタのうちの 1 つと呼ばれるメコン川デルタがあるベトナムは 気候変動から最も影響を受けている国の一つである メコン川デルタの流域の約 40% で 海面が 1 メートル上昇すると予想されている ベトナムにおける気候変動による影響は深刻であり 貧困緩和目標や飢餓撲滅目標 ミレニアム計画目標および同国の持続可能な発展に対する明確な脅威である 第 II セクション 指導方針 において NSCC は 6 つの主要方針を強調している 第 III セクションにおいて NSCC は主要な戦略的目標の概要を説明している NSCC の第 IV セクションは実施される予定の 10 の戦略的任務について説明している 第 VI セクション 実施計画 おいて NSCC は 3 つの戦略的な段階と 10 の最優先目標プログラムについて説明している 1.1 に前述した通り NSCC における主要な担い手とそれぞれの役割に関するサブセクションで NSCC の説明を終了している (2) 国家 REDD+ 行動計画 (NRAP) ベトナムの国家 REDD+ 行動プログラム (NRAP) は首相決定 799/QD-TTg を受け 2012 年 6 月 27 日に正式に承認された ( ベトナム政府 2012c) NRAP は REDD+ をベトナムの気候変動緩和戦略として位置付けている NRAP は 6 つの主要なセクションで構成されている 第 I セクション プログラムの理念 目的 範囲及び目標 において 本文書は気候変動が全人類にもたらす課題を ( 再び ) 強調し NRAP の実施はグローバルなコミュニティによる地球気候システム保護への取組と懸念を共有する ベトナムの意志と決意を反映している NRAP は 森林減少および森林劣化を緩和する取り組みによる GHG の削減 森林による GHG 吸収の増加 森林資源の持続可能な管理 生物多様性保全や NSCC および貧困撲滅の実施の成功に対する貢献 そして持続可能な発展へ向けた取り組み等を全体的な目標として挙げている 2015 年までの具体的な目的は次の通りである :1) 同国特有の状況と国際社会の協力を考慮に入れ REDD+ 関連プロジェクトの効果的な管理 調整および実施を担保するために 国家レベルで種々のパイロット メカニズム 政策 組織システムおよび技術能力を策定および実施すること 2) 関連機関の意識と能力を段階的に高め REDD+ 活動に積極的に参加するよう促すこと 3) 国家 REDD+ ネットワークを設置および始動すること そして 4) 既存の森林を保護し 森林の品質と価値を高め GHG の排出量を削減し 最低でも 8 つの省において REDD+ パイロットプロジェクトを実施することで 人民に対する更なる雇用と収入の創出に貢献すること 2016 年から 2020 年の期間にかけて NRAP は種々の国家レベルのプロジェクトと活動が適正に管理および調整され 効果的に実施されることを担保するために 種々のメカニズム 政策 組織構造及び技術能力などの策定を完成させ 森林減少および森林劣化の削減による GHG の排出量を削減し 森林による GHG 吸収を増加させ 2020 年ま 50

55 でに農業セクターにおける総排出量の 20% を削減する目標を達成することに貢献し 森林資源を持続可能な方法で管理および発展させ 同国の天然林の森林率を 44-45% に引き上げ 生物多様性を保全し 森林の所有者および人民の生活環境に多様性を持たせ 生活環境の質を向上させることなどを目標としている NRAP は同国の森林豊かな 全ての省を対象とする 森林管理 森林保護および森林開発に携わる組織 世帯 個人およびコミュニティを対象とする 第 II セクションにおいて NRAP は主要なタスクを明記している 2015 年までの期間については 以下のタスクが含まれる REDD+ の管理に関する能力養成および制度の策定 REDD+ の実施の成果のモニタリングおよび評価や 海外の投資家との交渉の基準として 必要なデータを収集し ベースラインの排出レベルおよび今後数年間に予想されるレベルを特定すること 測定 報告および検証 (MRV) システムの確立と実施 適用可能な財務管理メカニズムの策定 最低でも 8 つの省で REDD+ パイロットプロジェクトを実施すること REDD+ の実施 森林法の施行 ガバナンスおよび取引の強化 (FLEGT) ついて 周辺地域の国々にいて協力関係と経験の共有を推奨すること パイロット省における REDD+ の実施からの経験 次の段階で NRAP を国家全土に拡大することを視野に入れ NRAP を見直し 改善するために新たに 導入された国際的な慣行を文書化すること 2016 年から 2020 年の期間にかけては以下に述べるタスクが含まれる : NRAP の調整メカニズム 管理および運営 そして国家レベルにおける REDD+ の実施状況を改善すること 実務的な要求事項並びにベトナム法の規定および国際的な慣行に基づいて REDD+ の実施に関する法的枠組みを更に改善すること REDD+ の実施に携わる あらゆるレベルの職員および地方の人民および地方組織の意識向上と能力養成を推進させること パイロット省において UNFCCC の最新の方法および関連データあるいは新たな規則を用いて RELs/FRLs を国家レベルおよび地方レベルで見直しと改善を行うこと MRV セーフガードに関する情報システム 同国特有の状況および国際的な規則及び支援に適応出来る MRV セーフガードに関する情報システム 中央および地方レベルにおける政策上および技術的な解決策に関する情報等を含む REDD+ 情報システムを改善すること REDD+ のパフォーマンスに基いた財務管理メカニズムおよびの策定を完了すること 同プログラムの実施期間中におけるモニタリングおよび苦情処理およびフィードバックの改善 周辺地域の諸国と REDD+ の実施および森林法の施行 ガバナンスおよび取引の 51

56 強化 (FLEGT) に関する協力関係と経験の共有を推進すること NRAP の第 III セクションは第 II セクションで述べられた種々のタスクに取り組むための 主要な解決策について以下の通り説明している : REDD+ の実施を推進するための法的枠組みの改善 制度の改善と人材開発 土地利用計画と森林保護計画および森林開発計画の見直しと改善 REDD+ パフォーマンスの共同契約および支払いを締結する法的枠組みを確保するために 現行法に従った 組織 世帯 個人 地域コミュニティへの森林および林地の交付および賃貸の見直しおよびその完遂 森林情報システム策定のための森林インベントリと 1 年および 5 年毎のモニタリングの実施 報道キャンペーンの強化 意識の向上 REDD+ の計画 実施およびモニタリングにおける地方の人民 地域コミュニティおよび組織の参加を促進すること 国際協力関係を強化して 財源を多様化すること NRAP の第 IV セクションは NRAP 実施資金について説明している NRAP の実施には国家および海外 双方の財源から適切に拠出される 国家の主要な財源は気候変動国家プログラムおよび 2011 年 年森林保護開発計画に関する国家予算である 重要な資金源となる海外からの財源には融資先政府 国際的な組織 非政府組織および海外の個人の資金投資家などが含まれる NRAP の第 V セクションは 1.2 で既に見直された 異なる諸団体のそれぞれの役割について説明している 第 VI セクションは NRAP のモニタリングと評価 (M&E) について説明している (3) NRAP 修正案 決定 799-QD-TTG が発効してから 4 年が経過した 2016 年前半に NRAP の見直しに向けた準備が始まった NRAP の見直しには 1)NRAP の上位の戦略文書である 国家気候変動戦略および国家グリーン成長戦略のタイミングを遵守し 2) 決定 NO.1/COP16 に遵守するために NRAP をより戦略的なものとし そして 3) ベトナム政府によって 2015 年 9 月 29 日に提出された 2030 年までに国内の資源のみを利用して GHG 排出レベルを BAU 比で 8% 削減し もし国際的な支援が二国間および多国間協力を通して得ることが出来る場合は 25% 削減ことを目的とした INDC に記載されている 種々の目標を採用することなどが 主要な理由に挙げられる (MARD 2017; Nguyen et al.2015) 見直しは 2016 年中頃に始まり 2016 年末には同国のワークショップで NRAP の修正草案について議論が行われた 2017 年 1 月 6 日の現行草案は政府承認に向け 審議中である NRAP 修正案には 既存の天然林の品質の保護と改善 人工林の品質の拡大と改善 2030 年までに森林率を 45% に引き上げること等に貢献し ベトナムが国際社会に誓約した GHG 排出量の国家削減目標を達成することで 人民の生活を向上させ 同国の持続可能な発展を実現すること ( 首相 n.d.) を全体的な目標として掲げている 52

57 2016 年から 2020 年の期間における具体的な目標は以下の通り REDD+ 活動を通して GHG の排出量を削減することを担保し 2020 年までに森林率を 42% 森林面積を 1,440 万ヘクタールにまで拡大すること REDD+ 実施体制の要求事項を満たし 国際的な要求事項に則った結果に基づいた 支払いのための財源を確保すること 天然林および人工林の品質を改善し 炭素蓄積と森林環境サービスを増やし 森林植林の効果的なモデルを策定し 天然林の持続可能な管理 保護およぶ保全を行うこと 森林のガバナンス強化に貢献し 雇用を創出し 新たな農村の開拓に携わる人民の生活環境を改善し セキュリティおよび国防を確保すること 2020 年から 2030 年の期間における具体的な目標は以下の通り 2030 年までに天然林の面積を最低でも 2020 年レベルに安定させ 森林率を国土の 45% に引き上げ 同じく 2030 年までに 気候変動に関するパリ協定で誓約した通り GHG 総排出量を BAU 比で 8% 削減する国家の目標の達成に貢献すること ( 国際的な支援が得られる場合は 25% に増加 ) REDD+ および持続可能な森林管理に関する効果的なモデルを策定し REDD+ を森林開発プログラムに完全に統合すること REDD+ プログラムに関する種々の法律およぶ行動枠組みを完成し 国際的な要求事項に従った結果に基づき 支払いのための財源を確保すること NRAP 修正草案の主な内容は以下の通り 1. 森林減少および森林劣化の緩和に関する政策 1.1. 土地利用総合計画の見直しと調整を行い 2020 年に目標である林地面積 1624 万ヘクタールを実現すること 1.2. 持続可能で森林劣化を伴わない農業と水産養殖の推進 1.3. 森林ガバナンスおよび森林周辺並びに森林で暮らす人民の生活環境の改善 1.4. 法執行の強化 2. カーボンストックおよび持続可能な森林の管理の保全および向上に関する政策および措置 2.1. 森林開発強化計画および大規模な林業のビジネスモデルの評価と策定 2.2. 天然林の品質改善 保護および保全に関する種々の持続可能なモデルの評価と策定 2.3. 森林の経済および財務的環境の改善 3. 完全な REDD+ 実施体制の実現と段階的な改善への取組み 3.1. 段階的原理に則り UNFCCC の規定を遵守した 中核となる REDD+ 政策の完成および更新 3.2. REDD+ の財務管理メカニズムの設置および実施 3.3. REDD+ を推進し 森林消失のリスクを軽減するための国際および地域協力の 53

58 強化 3.4. NRAP 実施の効果的な調整 支持 通達 能力養成およびモニタリング (4) REDD+ に関する法的枠組み 現在までの気候変動戦略としての REDD+ に関する法的枠組みは以下のように策定された 国家気候変動戦略 (NSCC) 1.1 で前述した通り NSCC は首相決定 2139/QD-TTg を受け 2011 年 12 月 5 日に承認された NSCC は GHG 排出削減と GHG 吸収を社会経済的発展の指針として義務付けている (NSCC の具体的な ) 目的 2 (2011 年 ベトナム政府 )) 戦略的なタスク 4: 森林の保護と持続可能な開発 炭素吸収および生物多様性の保全において NSCC は REDD+ プログラムおよびプロジェクトの策定と実施も気候変動に対応する戦略における重要な構成部分であると指定している ベトナム国家 REDD+ 行動プログラム (NRAP) は首相決定 799/QD-TTg を受け 2012 年 6 月 27 日に正式に承認され REDD+ をベトナムの気候変動緩和戦略として位置付けている ( ベトナム政府 2012c) 詳細は の記述を参照 省レベルでは省 REDD+ 行動計画 (PRAP) が ディエンビエン バクカン ラオカイ タンホア ゲアン ハティン クアンビン ラムドン ビントゥアン カマウおよびトゥアティエンフェ等の 11 の省で策定および承認された 政府決定 1393/QD-TTg を受けて 2012 年 9 月 25 日に承認されたベトナムの国家グリーン成長戦略 (NSGG) は GHG 排出削減と GHG 吸収を種々の目標における社会経済的発展の指針として義務付けることの重要性を改めて強調している また NSGG は REDD+ を気候変動に全般的に取り組む重要な戦略とみなしている NSGG の 解決策 5: 持続的な有機農業の開発と農業生産の競争力強化による GHG の排出量削減 において 森林減少および森林劣化からの排出削減 (REDD+) と 農村の人民の生活環境と同時に行われる 持続可能な森林管理における取組による GHG の排出量削減プログラムの実施 と記述されている GHG 排出管理および炭素クレジットビジネス活動に関する国家プロジェクトは 首相決定 1775/QD-TTg を受け 2012 年 11 月 21 日に承認された 同プロジェクトは REDD+ を GHG 排出 (1) の管理に関する主要な項目を実現するための戦略として捉えている 具体的には (b)2020 年までに GHG の排出削減および隔離の増加目標を達成 (d) ベトナムの事情に合わせた GHG 排出量削減行動プログラムの法的枠組みの構築 ベトナムの事情に合わせた GHG 排出の削減を行うための種々の活動および行動プログラムの登録および配備 ( ベトナム政府 2012b pp.3-7) である 準国以下の REDD+ プロジェクトの実施に関する法令等 現在に至るまで REDD+ プロジェクト実施に関する個別の法律あるいは規則は存在しない 現行の政府法および規則が全てのプロジェクトに適用される 1) REDD+ プロジェクトの登録に関する法的枠組み 54

59 プロジェクトの登録については もしその REDD+ が性質上非営利である場合 登録は 2009 年 10 月 22 日の法令 93/2009/ND-CP に従って行われる (2009 年 ベトナム政府 ) UN-REDD プログラムベトナムも含めた ベトナムにおいて今まで実行された REDD+ プロジェクト / プログラムの大半はこれに該当する REDD+ プロジェクトは首相あるいは中央レベルの国家機関の長 あるいは PPC の議長によって適切に承認される 首相は当局に対して以下を承認するよう促す 国家の安全 国防 宗教上の問題に関連するプロジェクトおよび 首相および政府上層部によって発行されるべき 規範的な法的文書 政策指針の策定を直接指示する案件 種々の戦略 社会経済的な開発戦略 総合計画 国家 セクターあるいは地域の計画 自動車および他の輸送手段 ( 例えば 航空機 船舶 帆船など ) の輸入に関連するプロジェクト 中央レベルの国家当局の長 あるいは PPC の議長は上記に含まれていないプロジェクトを承認せねばならない これらの政府組織による承認の前に 法令 93/2009/ND-CP の 項に明記されているように REDD+ プロジェクトは関連機関の評価を受けねばならない もし REDD+ が商業目的である場合 登録の手続きは投資法に従わねばならない 現行の投資法は 2014 年 11 月 26 日に発布され 2015 年 7 月 1 日より発効している (2014 年 国会 ) 投資プロジェクトは国会 首相あるいは省人民委員会によって適切に承認される 国会は以下のプロジェクトの投資政策に関する決定を発行する 国立公園 自然保護区 景観保護区 50 ヘクタールあるいはそれ以上の実験林の利用目的を変えるプロジェクト 50 ヘクタールあるいはそれ以上の上流にある 保護林 防風林 防砂林 防波林 土地の埋立てなど環境保全に関連する 500 ヘクタールあるいはそれ以上の保護林 1,000 ヘクタールあるいはそれ以上の生産林 500 ヘクタールあるいはそれ以上の稲作用の土地を 二つあるいはそれ以上の穀物を収穫出来る土地利用に変えるプロジェクト 山岳地方に居住する 20,000 人あるいはそれ以上の人民の移動を伴うプロジェクト 他の地域については 50,000 人あるいはそれ以上の人民の移動を伴うプロジェクト 国会の特別政策による決定を要するプロジェクト 首相は以下のプロジェクトの投資政策に関する決定を公布する 山岳地方に居住する 10,000 人あるいはそれ以上の人民の移動を伴うプロジェクト 他の地域については 20,000 人あるいはそれ以上の人民の移動を伴うプロジェクト 5,000 ベトナムドンあるいはそれ以上の投資額のプロジェクト 海外の投資家による [ ] 植林への投資プロジェクト 純外資の科学技術組織および科学技術企業の設立プロジェクト 省人民委員会は以下のプロジェクトの投資政策に関する決定を発行する 競売 入札あるいは移転を伴わない 国家によって交付あるいは賃貸された土地を利用するプジェクト 土地の土地利用目的の変更を伴うプロジェクト 55

60 プロジェクトの登録手続きは投資法の 33 条 -35 条に規定されている 2) REDD+ プロジェクト実施に関する法的枠組み 現場における REDD+ プロジェクトの実施において 以下の法律的な見解が懸念事項である 土地および森林の保有期間 : 土地保有期間あるいは林地交付 (Forest Land Allocation, FLA) を規定する法的文書は 6. において詳細に説明されている 現在 FLA は以下によって規定されている 2013 年土地法 (LL): LL は 異なるステークホルダーが保有することの出来る土地の権利と 異なるステークホルダーに対して交付されるべき土地の種類とを規定している 2004 年森林保護および開発法 (FPDL): FPDL は 森林に対する権利と 異なるステークホルダーに交付することが可能な森林の種類とを規定している MARD 通達 38/2007/TT-NMM: 同通達は森林の交付 森林の賃貸および森林の廃止の実行手続きおおよびプロセスに関する詳細な指針を規定する 森林の交付のプロセスに関連する通達 38/2007/TT-BNNMARD のいくつかの条項を修正する通達 20/2016/TT-BNN MARD および MONRE 大臣間通達 07/2011/TTLT-BNNPTNT-BTNMT: 土地の交付および土地利用証書の発効を伴う 森林の交付の手続きおよびプロセスに関する指針を定める ステークホルダーの参加 : 以下の諸事例において ステークホルダーの参加 ( 特に地域コミュニティの参加 ) が法的枠組みによって要求される 草の根レベルの民主主義の実施に関す条例 (2007 年 4 月 6 日の条例 34/2007/PL- UBTVQH11): 同条例は草の根のステークホルダーが持つ 4 つの主要な権利 ( 知る権利 議論に参加する権利 実施に参加する権利 作業の実施のモニタリング / 検査に携わる権利 ) を主張している 2004 年森林保護開発法 : FPDL は異なるステークホルダーの森林資源管理への参加を規定する REDD+ については 自由に且つ事前に同意を得る権利 あるいは FPIC の諸原則が地方レベルの REDD+ の実施中に遵守されることも推奨される 地方レベルの FPIC の実施に関する指針も UN-REDD プログラムのフェーズ I および MARD によって策定された (UN-REDD プログラム &MARD 2013) 利益の配分 : 利益の配分に関する同国の法的文書は 森林および林地の交付 賃貸あるいは契約を結んだ世帯および個人の利益を受給する権利と義務に関する 2001 年 11 月 12 日の決定 178/2001/QD-TTg である それにもかかわらず 決定 178 は利益配分制度としては厳格なことで知られており 現場に適用することはしばしば困難である (Wode &Huy 2009 pp.19-20) その結果 各プロジェクトあるいはプログラムには個別の利益配分制度が存在する 例えば UN-REDD プログラムのフェーズ II はラオカイ バクカン ハティン ラムドン ビントゥアンおよびカマウ等の 6 つのパイロット省において 利益配分制度を試験的に実施している それについては 2015 年 12 月 25 日に MARD が公布した 実験的利益配分政策による指針がある 56

61 REDD+ における市場メカニズムの活用に関する法令等 1) REDD+ の市場メカニズムに関する法律と諸規則 現在 REDD+ を対象とした市場メカニズムに関する具体的な法律あるいは規則は存在しない 排出削減単位の移行は 京都議定書の CDM( クリーン開発メカニズム ) に関する認証排出削減量 (CER) に適用される現行規則によって規定されている 以下の法的文書を参照のこと CDM に基づいた種々のプロジェクトへの投資メカニズムおよび制度に関する 2007 年 8 月 2 日の決定 130/2007/QD-TTg CDM に基づいた種々のプロジェクトへの投資メカニズムおよび制度に関する首相決定 130/2007/QD-TTg のいくつかの条項の実施を指導する 2008 年 7 月 4 日の財務省 (MOF) および MONRE 共同通達 58/2008/TTLT-BTC-BTNMT 京都議定書の枠組みにおける CDM プロジェクトのプロジェクト開発 推薦状 承認状に関する 2010 年 7 月 26 日の MONRE 通達 12/2020/TT-BTNMT 共同通達 58/2008/TTLT-BTC-MONRE の内容を修正および補足する 2010 年 12 月 15 日の MOF および MONRE 共同通達 204/2010/TTLT-BTC-BTNMT 通達 12/2010/TT-BTNMT を修正および補足する 2011 年 4 月 28 日の MONRE 通達 15/2011/TT-BTNMT 通達 12/2010/TT-BTNMT および通達 15/2011/TT-BTNMT に代わる 京都議定書の枠組みにおける CDM プロジェクトのプロジェクト開発 推薦状 承認状に関する 2014 年 3 月 24 日の MONRE 通達 15/2014/TT-BTNMT VNFOREST による 2011 年 1 月 19 日の決定 18/QD-TCLN-VP および 2015 年 3 月 5 日の決定 106/QD-TCLN-VP について留意すべきことは ベトナム REDD+ 事務局あるいは VRO が REDD+ の実施および森林炭素取引に関連する種々の活動について 技術的な助言を与える組織として設立されたことである VRO の森林炭素取引に関する具体的なタスクは以下の通り REDD+ および森林炭素取引に関連する国際的な交渉および実施の進展状況のモニタリングと要約 ベトナムの森林セクターにおける REDD+ および森林炭素取引の実施に関する種々の政策 メカニズム 解決策および財源の提案 ベトナムの森林セクターにおける REDD+ 課題および森林炭素取引の実施において 関連機関 地方当局およびステークホルダーと協力し またこれらの団体を監督し 指針を与えること ベトナムにおける REDD+ の実施および森林炭素取引イニシアティブの技術的資源および財源を確保するため 海外の投資家および投資団体 関連するステークホルダーを調整する国家の中心的な機関となること 能力養成活動 通信および情報に関する活動の実施の策定と調整 ベトナムにおける REDD+ および森林炭素取引のウェブサイトの管理と更新 REDD+ と森林炭素取引に関するデータベースの構築と管理 ベトナム REDD+ 運営委員会の議長によって指定された そのたの REDD+ と森林炭素取引に関するタスクの実施 57

62 2) 市場を通して行われる REDD+ への投資と 森林炭素クレジットの国際的な譲渡あるいは森林炭素クレジットの取引に関する政府の見解 全体的に ベトナムは市場による REDD+ への投資と UNFCCC に基づいた森林炭素クレジットの国際的な譲渡 / 取引を支持している ベトナムは 2016 年 4 月 22 日にパリ協定に署名した ベトナム首相は 2016 年 10 月 31 日に決議 93/NQ-CP に署名し パリ協定を正式に批准した ( ベトナム政府 2016b) MONRE が関連機関と連携して ベトナム国内における同協定の計画を指導するよう任命された パリ協定以前から ベトナムは UNFCCC に基づいた森林炭素クレジットの国際的な譲渡 / 取引に対して支持を表明していた 同国首相は 2012 年 11 月 21 日に 京都議定書およびそれ以外のメカニズムを採用した 世界市場に向けた GHG 排出権管理および種々の炭素クレジットビジネス活動管理の双方を承認する決定 1775QD-TTg に署名した 決定 1775/QD-TTg によると 2020 年までにベトナムは 1) 京都議定書に基づいたクリーン開発メカニズム (CDM) から派生した 種々の炭素クレジットビジネス活動の管理の品質と効率性を高め 様々な機関 組織 企業 および個人が世界市場に向けた 炭素クレジットのビジネスに投資を行い ビジネスが出来るよう 必要な諸規則 メカニズムおよび政策を策定および公布し 2) 世界市場に向けた炭素クレジットビジネス活動を通して得た利益を用いて 同国の持続可能な発展に貢献する とのことである 2020 年までに実施される具体的な活動は以下の通り 京都議定書の枠組み内の活動 : 京都議定書に基づいた CDM プロジェクトから派生した炭素クレジットビジネス活動の管理を強化するために 法的規範文書のシステムの見直し 策定を引き続き行い 完成させること 京都議定書の枠組み以外の活動 : o o o 自主的炭素クレジット市場の組織と活動の基礎となる法的規範文書の検討と策定 森林の保護および開発の社会化に向け 森林炭素クレジットビジネスのプロジェクトに地域住民 機関 ( 組織 ) 及び企業が投資できるような環境を創出する政策を策定し 同プロジェクトに参加するための社会的な資源を活用すること 京都議定書の枠組み以外のプロジェクトおよびプログラムから派生した 炭素クレジットビジネス活動の管理とモニタリングに関する諸規則と指針を策定すること REDD+ の MRV システム 1) REDD+ の文脈における森林の国家的な定義 2004 年森林保護および開発法は森林を 森林に生息する動植物や微生物のハビタット ( 生息環境 ) 土地および他の環境的な要因によって構成される生態系であり あらゆる種類の樹木や竹あるいは典型的な植物が主要部分を構成し 森林樹冠率が 0.1 (10%) あるいはそれを越えたもの 森林には天然および人工林の生産林や保護林 特別利用林地が含まれる ( 第 3 条第 1 項 2004 年 国会 ) と定義している この分類は国際的な分類とは一致していない MARD は 2009 年に 国際的に適用され 58

63 ている定義に統一するため 2009 年 6 月 10 日の通達 34/2009/TT-BNNPTNT に基づき 森林の定義に関する具体的な基準を策定するために森林保護および開発法を補足した その結果 現在ベトナムにおける森林は以下の通り定義されている 以下に挙げる 3 つの基準を満たすものを森林と定義する 最低 5 メートルの高さのあらゆる種類の多年生の材木用樹木 ( 新たに植林された森林や海岸に発生する森林種を除く ) 竹およびヤシが主要部分を構成し 木材および非木材林産物や 生物多様性 環境及び景観保全等の 直接的および間接的な価値を提供出来る生態系 新たに樹木が植林された森林および植林によって新たに再生した森林の成長の遅い種の平均的な高さが 1.5 メートル 成長の早い種が 3.0 メートルを越え 1 ヘクタール当たり最低 1,000 本の樹木の密度に達した場合 これらを森林と定義する 多年生の樹木 竹あるいはヤシ等が散在する 農業および水産養殖生態系は森林とは定義されない 森林の主要部分を占める樹木による被覆率が最低でも 10% のもの 少なくとも 0.5 ヘクタール又は森林面が 20m 幅で 3 列の樹木の並木が立っていること 2) REDD+ に関する国家森林モニタリングシステムベトナムは 1991 年より 国家森林インベントリ モニタリングおよび評価プログラム (National Forest Inventory, Monitoring and Assessment Program, NFIMAP) を実施してきた 現在まで ベトナム森林開発企画研究所 (FIPI) が主要な実施機関であった 今日までに NFIMAP は 4 つのサイクルにかけて実施されており 以下にその概要を簡単に要約する (Raae et al.2010 pp.5-6) に基づく ) 1991 年から 1995 年の期間に実施された国家森林インベントリ モニタリングおよび評価 ( 第 1 サイクル ): この期間に利用されたデータは 1992 年から 1994 年にかけて入手した UTM Indian-Thailand 図法によって作成された地形図のハードコピーとランドサット TM 衛星画像であった 採用された判読方法は衛星画像のハードコピーに基づいた視認によるものであった 判読の結果は地形図のハードコピーに転写された 主な出力データは地域の生態学的な林相図の 1/250,000 比のハードコピーであった 1996 年から 2000 年の期間に実施された国家森林インベントリ モニタリングおよび評価 ( 第 2 サイクル ): この期間に利用されたデータは 1996 年から 1998 年にかけて入手した UTM Indian-Thailand 図法によって作成された地形図のハードコピーとランドサット TM および SPOT4 衛星画像であった 同プログラムの主な出力データは 1:100,000 比 1:250,000 比および 1:1,000,000 比の省 地域および国家の森林地図のハードコピーであった 2001 年から 2005 年の期間に実施された国家森林インベントリ モニタリングおよび評価 ( 第 3 サイクル ): この期間に利用されたデータは UTM Indian-Thailand 図法によって作成された地形図のハードコピーとランドサット ETM+ 衛星画像であった 現在の森林率マップに適用された判読方法はデジタル映像分類であった 同プログラムの主な出力データは 1996 年から 2000 年の期間に利用されたものと同じだが デジタル林相図は MAP/INFO ソフトウェアを利用して編集された 2006 年から 2010 年の期間に実施された国家森林インベントリ モニタリングおよび評価 ( 第 4 サイクル ): この期間に利用されたデータは 2005 年から 2009 年 59

64 にかけて入手した VN2000 図法によって作成されたデジタル地形図と SPOT5 および SPOT4 のデジタル衛星画像であった 森林の多い 40 省を 1/25,000 比で 森林が多く重要とみなされた 1,000 のコミューンを 1/50,000 比でスクリーン判読された 省 地方および国家レベルの地図には それぞれ 1/50,000 1,100,000 1/250,000 および 1/1,000,000 の比率が採用された 同時に 森林保護局 (FPD) は森林および林地の利用の変化を対象に モニタリング作業を毎年行ってきた この作業は 1998 年の一般森林統計およびインベントリプログラムの結果から得た 林地面積に関する最初のデータベースに基づいている 毎年 FPD 地方職員が森林および林地の利用の変化に関する情報を収集し データベースを更新する その後 収集したデータは森林および林地に関する年間データの発表のために 省人民委員会と MARD に報告される (Mcnally & Nguyen 2016) ベトナムは REDD+ を実施するために 排出削減量の測定 報告および検証システムを含む 国家森林モニタリングシステム (NFMS) を策定する必要がある NFIMAP は参照レベルの策定にとって重要な情報源となり得る これらの森林データを調和する研究が行われ 同様の森林の定義と分類のための調和方法を適用することにより 森林データの長時間にわたる互換性と一貫性が確保された (MARD 2016f) この研究では 2010 年の森林率マップをベースラインマップとして利用し 全 NFIMAP サイクルからの樹木および土地レベルデータの見直しと修正が行われた 修正 NFIMAP データに基づき 不明なものも含め 森林の種類毎に 1 ヘクタール当たりの炭素蓄積量の計算が 固定サンプルプロットを充分に確保出来なかった二組のエコリージョンを含めた 6 つのエコリージョンを対象に 95% の信頼区間で行われた 更に FAO が融資したプロジェクトの中に NFA プロジェクト (National Forest Assessment Project) として知られている ベトナムの森林および木材資源を対象とした国家よる評価と長期間にわたるモニタリングを支援する プロジェクトがあり NFIMAP 第 5 サイクル (2016 年から 2020 年 ) を適格な NFMS と指定している 3) REDD+ の MRV システム ベトナムの測定 報告および検証 (MRV) 枠組み文書の最新版 ( 第三草案 バージョン 1.15) が 2011 年に発行された (MRV STWG 2011 を参照 ) MRV システムの目的は同国の森林セクターにおける GHG の排出量と吸収量の評価を可能とし 透明性があり 説明 検証可能な方法で UNFCCC に対して報告する事である 2006 年の IOCC ガイドラインは国家 MRV システムの方法の基準を定めている MRV システムの 3 つの主要な要素は以下のとおりである 林地および非林地の評価を通して 森林面積および森林面積の変化を評価するための 活動データ (AD) の作成と土地モニタリングシステム (LMS) の確立 国家森林インベントリ ( 国家森林インベントリ 管理および評価プログラム (NFIMAP) の名称で運営されている (2) を参照 ) に基づき 国固有の相対成長式の策定と変換 拡大係数の特定による 排出係数 (EF) の推定 同国の UNFCCC への国家通達の一端を担う REDD+ を対象とした GHG インベントリを編纂するために必要な 上記 2 要素からの情報 ( MRV の 報告 要素 ) 様々な機関が MRV システムに参加している ( 図 ) 活動データの作成に参加している機関の中には MARD の下で林地を担当する VNFOREST と MONRE の下で非 60

65 林地を担当する土地行政総合局の 2 つの組織が含まれる 林地については VNFOREST が FIPI と FPD にそれぞれ具体的なタスクを支持する FIPI はリモートセンシング画像を利用した森林率マップの策定を担当する一方 FPD は地上調査によるグラウンドトゥルースによる判読を担当する FPD は現地の職員を使い 森林の所有者にリモートセンシング画像によって策定される地図を検証し 必要があれば修正するよう指導する 排出係数の推測については 林地を担当する VNFOREST (FIPI によって実施された NFIMAP によって測定された情報の統合を通して ) と 非林地として分類される森林や転換地を担当する GDLA とその準国家機関の 2 つの組織の運営を通して 国家炭素インベントリ (NCI) が策定されなければならない 相対成長式と変換 拡大係数はベトナム森林科学アカデミー (VAFS) ベトナム森林大学 (VFU) 等の研究組織の担当となる REDD+ を対象とした GHG インベントリの編纂は MONRE の気象 水 気候変動局の下 気候変動およびオゾン保護国家事務局 (NOCCOP) によって行われる 現在 NOCCOP が国家 GHG インベントリの策定と編纂に全体的な権限を有しており 正式な UNFCCC の中心機関である 実際には NOCCOP が草案の作成と編纂プロセスを監督し セクター毎の GHG インベントリは各セクターの関連機関から派遣された専門家のチームの作業によって策定される 調整については ベトナム REDD+ 事務局が調整ユニットの役割を担うにふさわしい機関の候補であるかもしれない しかしこの権限は ベトナム REDD+ 事務局のタスクとその役目の中で明記されていない - (VNFOREST 2015) を参照 上層部における MRV の調整については REDD+ 運営委員会が最適である 調整における運営委員会の主な役目は予算の管理 調整ユニットの活動の計画策定および監督 そして GHG インベントリに関する UNFCCC 要求事項に関する技術的な指針の提供などである Provision of guidance National REDD+ Steering Committee Coordination Unit - Set technical stabdards - Commissiong internal validation - Ensure information flow and access Responsible agencies Research Institutes VAFS, VFU, FIPI... VNFOREST (MARD) and GDLA (MONRE) VNFOREST (MARD) and GDLA (MONRE) NOCCOP (MONRE) Functions Allometric equations development National carbon inventory Land monitoring through RS GHG-I compilaton Outputs Allometric equations conversion/ expansion factors Emission Factor 図 : MRV システムの組織体制 資料 : (MRV STWG 2011 図 3) Inventory data Activity Data REDD+ emissions and removals 61

66 MRV の枠組みは国家 MRV システムの確立において明確な指針を与えるが NRAP の実施の見直し (Mcnally &Nguyen 2016) は 行政及び技術的な職務の調整に関する機関の権限の明確化を含め 慣行のいくつかは充分に実施されていないことを示唆している ( 特に MARD と MONRE の間で ) 慣行のいくつかが政府の公約の範疇を越えていることを踏まえると この枠組文書が政府によって承認された MRV アプローチであるのか否かは不明である (Mcnally & Nguyen 2016) 4) 国家 LULUCF インベントリ NFCCC に対する国家通達と隔年更新報告書の一環として 全ての機関が GHG インベントリの結果を報告する必要がある 現在までに ベトナムは以下の文書を提出した 第 1 国家通達 (INC) を 2003 年にイタリアのミラノで開催された UNFCCC の COP9 へ提出 第 2 国家通達 (SNC) を 2010 年にメキシコのカンクンで開催された UNFCCC の COP16 へ提出 第 1 隔年更新報告書 (BUR1) を 2010 年にペルーのリマで開催された UNFCCC の COP20 へ提出 これらの提出物と共に 1994 年 ( 第 1 国家通達を対象 ) 2000 年 ( 第 2 国家通達 ) および 2010 年 ( 第 1 隔年更新報告書を対象 ) をそれぞれ基準年とした 3 つの GHG インベントリの結果も発表されている 更に JICA の支援を受け 基準年 2005 年を対象とした GHG インベントリの作成も実施された ( 各インベントリの結果概要については表 ) 基準年 1994 年を対象とした GHG インベントリは 1999 年から 2003 年の間に実施された 国家 GHG インベントリに関する IPCC の 1996 年の指針に則り UNEP からの財務的および技術的な支援を受け 気象 水 気候変動研究所 (IMHCC) によって調整 / 編纂された 活動データは一般統計局 (GSO) と関連する省および機関から提供された 基準年 2000 年を対象とした GHG インベントリは 2007 年から 2010 年の間に実施された 同インベントリも 国家 GHG インベントリに関する IPCC の 1996 年の修正指針に則り UNEP からの財務的および技術的な支援を受け IMHCC によって調整 / 編纂された 活動データは GSO と関連する省および機関 研究所 企業から提供された (ibid) 基準年 2005 年および 2010 年を対象とした GHG インベントリは 2011 年から 2014 年の間に実施された 同インベントリについても IMHCC が調整と編纂を担当した 技術的および財務的な支援は JICA から提供された インベントリは 国家 GHG インベントリに関する IPCC の 1996 年の指針 IPCC グッド プラクティス指針および国家 GHG インベントリにおける不確実性管理 (GPG-2000) そして土地利用 土地利用における変化および森林を対象とした IPCC グッド プラクティス指針などに則った方法で実施された 活動データは GSO 関連する省および機関 研究所 企業から提供された (ibid) 62

67 表 : 各年毎の GHG インベントリの結果 1994 年 2000 年 2005 年 2010 年 排出量 % 排出量 % 排出量 % 排出量 % エネルギー 25, , , , 産業プロセス 3, , , , 農業 52, , , , LULUCF 19, , , , 廃棄物 2, , , , 合計 103, , , , 単位 : CO 2e 1,000 トン資料 : (MONRE 2003; MONRE 2010; MONRE 2014; Nguyen 2014) MARD が全てのインベントリの LULUCF の部分を指導した FIPI FPR および VAFS から 特に NFIPAM 森林および林地の利用の変化を対象とした 1 年毎のモニタリング作業や一般森林統計およびインベトリプログラムなどに関する LULUCF の活動データが提供された LULUCF セクターにおける GHG 排出量 / 吸収量は 主に森林の変容やバイオマスの蓄積および土地利用とその変化等の過程において発生する GPG- LULUCF 2003 によると ベトナムにおいて土地とは 6 つの分類 ( 林地 農耕地 牧草地 湿地 開拓地およびその他の土地 ) に区分される それぞれの種類の土地は更に 手付かずの土地と他の用途のために転換された土地の 二つのサブカテゴリに分類される 同セクターにおける GHG 排出量 / 吸収量は a) 生木バイオマス ( 地上バイオマス 地下バイオマス ) b) 枯死した有機物 ( 枯死木や有機堆積物 ) そして c) 土壌における炭素蓄積量の変化である 5) 準国家レベルの REDD+MRV システム FREL/FRL が国家レベルで確立されているように ベトナムにおいて MRV システムは国家レベルで策定されている (MARD 2016f) 各省毎の 個別の MRV システムは存在しない しかし FCPF 炭素基金に基づいた排出削減量プログラム (ER-P) の場合のみ 北中部の農業生態学地域の 6 つの省を対象とする 地域 MRV システムが確立される (Mcnally & Nguyen 2016; MARD 2107) 2016 年 10 月 31 日に FCPF 炭素基金に提出された 排出削減量プログラム文書 (ER- PD) (MARD 2016c) によると FCPF 炭素基金に基づいた 北中部地域の排出量 / 吸収量の推測に利用されたアプローチは 気候変動に関する政府間パネル (IPCC) からの指針に則り 活動データ (AD) と排出係数 / 吸収係数 (EF/RF) の乗法を行うとのことである IPCC が提唱するアプローチを採用した 測定 モニタリングおよび報告 (MMR) システムが提案されている MMR システムは 1) で取り上げた 通達 34/2009/TT-BNNPTNT に基づいて規定された森林の定義に則っている また同システムは 5 つの森林の種類を含めた ベトナムに 63

68 おける 6 つの土地利用形態の分類にも則っている 1. 常緑広葉樹林が豊かな森林 2. 常緑広葉樹林が中程度ある森林 3. 常緑広葉樹林が少ない森林 / 植林 / 竹混成林 - 樹木の多い森林 / 石灰岩に自生する森林 4. その他の森林 ( 竹林 / マングローブ林 ) 5. 植林地 6. 非林地 MMR システムは以下のように定義された 5 つの REDD+ 活動全てをモニタリングする 森林減少からの排出量削減 ( 森林減少 ): 林地から非林地への転換活動 森林劣化からの排出量削減 ( 森林劣化 ): (1 ヘクタール当たりの立木の平均材積量に基づいた ) 豊か 中間的的および少ない のサブタイプの常緑広葉樹林の材積も含めた 森林の種類の間における炭素蓄積に関して減少に転じる活動 植林による炭素蓄積の向上 ( 再植林 ): 非林地から林地へと土地利用を変更する活動 植生回復 (restoration) による炭素蓄積の向上 ( 植生回復 ): (1 ヘクタール当たりの立木の平均材積量に基づいた ) 豊か 中間的的および少ない のサブタイプの常緑広葉樹林の材積も含めた 森林の種類の間における炭素貯蔵に関して増加に転じる活動 炭素蓄積の保全 : 森林の種類が同じままならば それは 炭素蓄積の保全 とみなされる これらの地域はアカウントされるが 追加的な炭素便益が創出されないと理解されている ( 排出用 / 吸収量正味ゼロ ) 持続的な森林管理 : ベトナムでは持続的な森林管理に関して明確に区分されていない この活動は植生回復あるいは炭素蓄積の保全とみなされる MMR は ER-P を対象とした全体的な M&E システムにとって必要不可欠なシステムである MMR における関連機関の組織体制と責任は図 で説明されている 提案された MMR システムは既存のシステムに基づいて策定される 同システムは AD を作成するために 中分解能衛星画像と FCM 基準年 X-5 の利用に依存したアプローチに依存する MFA プロジェクトによって提出された NFIMAP の修正案は ER-P の MMR を対象とした EFs/RFs を作成するために利用される ER-P が承認された場合 国家レベルでの排出削減 吸収の二重計上排除しながら ER- P は国家 REDD+ 実施に組み込まれる 同様に 対象地区における REDD+ から生ずる排出削減 吸収は UNFCCC に報告される予定の国家 REDD+ パフォーマンスに組み込まれる 64

69 農業農村開発省 (MARD) ベトナム森林総局 (VNFOREST) プログラム管理ユニット (PMU) 省人民委員会および省プログラム管理ユニット ベトナム森林開発企画研究所 (FIPI) 中央専門機関からの支援 地域コミュニティ MARD は ER-P の管理者としての職務を果たす MARD は ER-P の実施を管理するための中央 PMU を確立する VNFORESTは対象地区における森林モニタリングプロセスのモニタリングと監督を実施し 以下の活動を行う 国内および海外の適切なコンサルタントの選出においてER-Pと協力すること 省の人民委員会 種々の部門および機関と連携して省レベルにおけるMMRを実施すること MMR 成果の年間および最終的な受諾数と品質管理を実施し 結果を受理し 対象区域の炭素証明書を登録すること 以下に述べる活動においてMARDを支援する 6つの省におけるMRV 実施計画の承認 技術的な課題 フィールド調査マニュアルを含む標準的な手続き フィールドデータ収集の品質管理 バイオマス計算方法および各作業工程の技術的な指針などの見直しと選出 MARDを各作業項目の費用見積もりの承認と財源の特定において支援する ER-Pにおける衛星画像を利用した森林の変化の発見 森林率マップの現場検証および更新 土地被覆変化マップの正確な評価 排出量の計算 排出削減成果の不確定要素の評価を実施するに適格な国内のサービス業者とコンサルタントチームの選出 排出削減結果の検証に適格な海外のコンサルタントの選出 対象地区における 6 つの省の省人民委員会 (PPCs) は省プログラムの責任者となる 各 PPC は省プログラム管理ユニット (PPMU) を設立し その省における全ての作業を管理する PPMU は以下の作業を行う リモートセンシングによって特定された 森林の変化を検証する省 MMR チームの設立において PPCs を支援し 確認が取れた変化を省森林データベースに更新すること PMU と協力して省レベルの MRV 実施に関する資源計画 ( 人的資源と費用 ) を策定すること FIPI は NFIMAP を実施しており このデータは ER-P を対象とした FREL/FRL の策定に利用された FIPI は 2011 年から 2016 年の国家森林インベントリおよび統計 (NFIS) の森林インベントリの工程を実施する主要機関であり 将来において修正 NFIMAP を実施する権限を有している 従って FIPI は以下に述べる作業を実施することが期待されている フィールドデータ収取と調査マニュアル 衛星画像処理の関するマニュアル QA/QC 指針とフォーム フィールドデータ管理及び処理マニュアルなどの技術的な指針の策定 リモートセンシングによる森林変化の発見 現場のインベントリと品質管理の実施 現場検証および森林率マップの行使において 省 MMR チームを訓練し 同チームに技術的な技術移転を行うこと 国内のコンサルタント候補に対象地域の排出削減量の推測と排出結果の不確定要素の評価の結果を提供すること ベトナム森林科学アカデミー (VAFS) のような中央専門機関は以下に述べるタスクにおけるサービス事業者の候補となり得る FIPI によって実施される現場インベントリの品質評価 対象地域における 2015 年から 2020 年にかけての土地被覆変化マップの正確な評価 国内のコンサルタント候補に対象地域の排出削減量の推測と排出結果の不確定要素の評価の結果を提供すること 地域コミュニティはモニタリング活動に参加することを期待されている NCC の 3 つの省がパイロット省と認定されており 全ての省において FORMIS と連携する コミューン PFMS タブレットベースの森林モニタリングシステムの設置が計画されている 図 : MMR システムに携わる機関とその責任 65

70 土地の所有 管理 利用に関する法令等 1) 森林および林地の所有権 ベトナムの憲法によれば 全ての森林資源は人民によって所有され 国家が人民に代わって森林を管理している 国家は異なる区分の森林利用権を種々のタイプのグループに交付している 2004 年の森林保護開発法 (FPDL) によって 7 つの主要な森林所有者のグループを定めている :(1) 保護林 (PF) および特別利用林 (SUF) の管理委員会 (2) 経済的組織 ( 企業 ) (3) 世帯と個人 (4) 人民軍隊 (5) 森林関連の科学研究 技術開発 教育訓練 職業訓練などに関係のある組織 (6) 海外で働くベトナムで投資活動絵を行う外国企業 FPDL 2004 の 条では地域コミュニティも 森林の交付を受けることの出来る当事者グループとして特定している 森林の区分については 農業農村開発省 (MARD) の通達 34/2009/TT-BNNPTNT によって ベトナムにおける森林の分類を行ういくつかの方法を規定している それは 利用目的 形成の起源 地理的条件 / 立地条件 樹木組成および立木の材積などによる分類である これらのうち 利用目的と形成の起源による分類区分は利用権と所有権に結びついている これら 2 つの分類区分に関する詳細は以下の通りである 利用目的によって 森林は以下のように分類される ( 通達 34/2009/TT-BNNPTNT の第 4 条 ) : 保護林 : 主として土壌と流域の保護 浸食と砂漠化の防止 天災の抑制 気候調整および環境保護などを目的とする森林 特別利用林 : 主として自然保護 天然の生態系の種と 森林における生物学的遺伝子資源の保存 ; 科学研究 ; 環境保護と結びつく レクリエーションと観光を目的とした 歴史的および文化的遺跡や景観の保護などを目的とする森林 生産林 : 主として環境保護と結びつく 木材および非木材林産物の生産を目的とする森林 形成の起源による分類によって 森林は以下のように分類される ( 通達 34/2009/TT- BNNPTNT の第 5 条 ): 天然林 : 原生林と二次林などの 天然に存在し あるいは自然再生によって回復した森林 人口林 : 森林のない土地 ( 以前の ) 人工林伐採後の土地に造成された人工林 そして ( 以前の ) 人工林の伐採の後に自然再生した森林 現在のところ上記の森林 ( 土地 ) に対する重要なステークホルダーの権利に関する法的枠組みは以下の通り執行されている 土地法 条 : 生産林地 ( の交付 ); 136 条 : 保護林地 ( の交付 ); 137 条 : 特別利用林地 ( の交付 ) 第 11 章 セクション 条 : 土地利用者の権利と義務に関する一般規則 ; セクション 条 : 土地利用組織の権利と義務 ; セクション 条 : 土地を利用する世帯 個人および地域コミュニティの権利と義務 ; セクション 条 : 海外で働くベトナム人 外交的機能を有する外国組織および土地を利用する海外投資企業 ; およびセクション : 土地利用者の権利行使条件 森林保護開発法 2004 年 24 条 : 森林の交付 ; 25 条 : 森林の賃貸 ; 第 2 章セクション 3 30 条 : 森林が交付された村落地域コミュニティの権利と義務 ; 第 5 章 セクション 条 : 森林所有者の権利と義務に関する一般規則 セクション 2 66

71 61-62 条 : 特別利用林管理委員会 保護林管理委員会などの森林所有者の権利と義務 セクション 条 : 森林所有者としての企業の権利と義務 セクション 条 : 世帯と個人の林地所有者の権利と義務 法令 135/2005/ND-CP. 9 条 : 森林所有者の権利 ; 10 条 : 森林契約者 ; 15 条 : 生産林を自然林および人工林として契約を実施すること ; 16 条 : 植林生産森林に関する森林契約 法令 23/2006/ND-CP. 32 条 : 世帯および個人の森林所有者の権利 ; 33 条 : 国内経済企業の森林所有者の権利 法令 99/2010/ND-CP 8 条 : 森林環境サービスから支払いを受けるもの ; 20 条 : 森林環境サービスの提供者に関する権利と義務 法令 117/2010/ND-CP 2010 年 12 月 24 日付の特別利用林の組織と管理に関する首相発令 決定 178/2001/QD-TTg.II 章 : 国家により林地の交付又は賃貸を受けた世帯と個人の特典と義務 ; III 章 : 森林の保護や再生および植林を行う国家機関との契約を行った世帯と個人の特典 決定 304/2005/QD-TTg. 5 条 : 生産林の植林のための森林と土地を交付された人の特典 保護林管理の規則に関する 2015 年 6 月 9 日の首相決定 17/2015/QD-TTg 生産林管理の規則に関する 2016 年 11 月 1 日の首相決定 49/2016/QD-TTg 通達 80/2003.TTLT-BNN-BTC. II 章 : 森林の植林 管理 保護などに対する融資支援 通達 102/2006/TT-BNN. セクション IV: 紛争和解中の森林所有者の権利 ; セクション V: 土地再生時の補償に関する森林契約者の権利 通達 17/2006/TT-BNN. セクション III の実施に関する指針を与える 2006 年 3 月 14 日の MARD 決定 304/2005/QD-TTg.: 森林保護を委託され契約を行った世帯 個人および地域コミュニティの権利と義務 表 は異なるステークホルダーに対して交付され 賃貸されあるいは契約がなされる森林区分の概要である 表 は主要なステークホルダーの森林に付与された権利の概要である 表 異なるステークホルダーに交付された森林の交付 契約および賃貸の概要 利用グループ生産林保護林特別利用林 天然林人工林天然林人工林天然林人工林 PFs と SUFs の管理委員会 A A, L A A A A 経済的組織 A A, L A, L A, L L L 世帯と個人 A A, L A, C A, C A&L(*), C A&L(*), C 67

72 人民軍隊 A A A A A&L(*) A&L(*) 研究 技術開発および訓練機関 海外で働くベトナム人 外国企業と外国人 地域コミュニティ A A A A A&L A&L NR A, L NR NR NR NR NR L L NR NR NR A A A A NR NR 注釈 : A= 交付 ; C= 契約 ; L= 賃貸 ; NR= 規定なし *:SUF 地域の緩衝地帯にのみ適用 表 : 異なるステークホルダーによる 森林に対する主要な権利の概要 権利の種類 個人世帯と契約森林 個人世帯と交付森林 地域コミュニティと交付森林 森林会社 PF/SUF 管理委員会 アクセス : 森林への歩行 Y Y Y Y Y 利用 - 木材の伐採 N Y Y Y Y - 非木材生産物の回収 Y Y Y Y Y - 倒木の搬出 Y Y Y Y Y - 野生動物の狩猟 / 漁獲 - 生態系サービスの支払いの受領 - 林間での家畜飼育 N Y N N N Y Y Y Y Y N Y Y Y Y 管理 : - 伐採を許可する N Y N N N - 植林する Y Y Y Y Y - 間伐 / 枝打ち Y Y Y Y Y - 森林の中の裸地での農耕 Y Y Y Y Y 68

73 排除 : - 森林パトロール Y Y Y Y Y - 違反者の捕獲 N N N N N 譲渡 : - 遺贈 N Y Y N N - 提供 / 寄付 / 贈呈 N Y N N N - 賃貸 N Y N N N - 抵当 N Y N Y N - 合弁事業に供出する森林利用 N Y N Y N - 移転 N Y N N N - 交換 N Y N N N 森林権利の証明契約土地利用証書 期間 1~50 年 更新可能 年 更新可能 注釈 : Y= あり ; N= なし / 規定なし 資料 : (2014 年 Nguyen et al.) 2) 森林管理制度 上述の通り ベトナムの森林はその利用形態により 生産林 保護林および特別利用林 ; そして形成の起源により 天然林および人工林に各々分類される 生産林 保護林および特別利用林の管理制度の主要な特徴については以下で説明するが全体的な森林管理制度は下記のように要約することが出来る 全体的には 農業農村開発省 (MARD) が森林管理を担当する最高レベルの中央政府機関である MARD の中では ベトナム国家森林総局 (VNFOREST) が森林に関する国全体の管理を行う 国家レベルで VNFOREST の従属機関となるのは森林保護局 (FPD) 森林開発局 (FDD) 科学 技術及び国際協力局 (DoSTIC) 森林生産管理局 (DFPM) 企画 財務局 (DFP) 自然保護局 (DNC) 法務 検査局 (DLI) ベトナム サイト オフィスおよび VNFOREST オフィスなどがある 省のレベルでは 農業農村開発局 (DARD) が森林の管理を担当している DARD の下部組織として森林保護支局 (Sub-FPD) があり 森林支局もある 県レベルでは農業部 ( 経済部の場合も ) と森林保護ユニット (FPU) が国家の森林管理を担当している FPU は農村部に外勤職員を採用している 69

74 (1) 生産林の管理制度の概要 生産林は天然生産林と人工生産林とに分類される ( ベトナム政府 2016a) 生産林は承認された森林管理計画と気候変動関連政策に基づいて しっかりと管理され 保護され 開発され そして利用されている 生産林の管理規則は 2016 年 11 月 1 日の首相決定 49/2016/QD-TTg に規定されている 生産林は異なるステークホルダーに交付され または賃貸され 管理が行われている 全体的な森林管理制度については上記を参照のこと (2) 保護林の管理制度の概要 保護林は水源涵養保護林と飛砂防止林 海岸崩壊保護林 そして環境保護林に分類される ( ベトナム政府 2015) 保護林と認定されるためには 下記のような一般的な基準に適合しなければならない 森林率が最低 70% であること 少なくとも 0.5 ヘクタール又は森林面が 20m 幅で 3 列の樹木が立っていること 少なくとも 5m の高さを持つ多年生の樹木 ヤシまたは竹などの木質の種組成の生態系であること 特殊な保護林に関する特殊な基準は以下の通り 水源涵養林は水を維持 制御し 土壌を保護し 浸食を抑制することが出来るものとする 極めて重要な水源涵養保護林には林冠被覆率が最低でも 80% 重要な保護林では 60% 以上であること 防風林 飛砂防止林は林間が閉ざされており 風と砂を遮り 生産領域と住宅地に対する影響を抑制すること 海岸保護林は林冠が閉ざされており 根が張っていて波を砕き 土地を安定化させ 防波堤を保護するもの 環境林は大気汚染を止め または抑制し 天候を整え クリーンな景観を創造するもの 保護林の管理は 2015 年 6 月 9 日の首相決定 17/2015/QD-TTg ( ベトナム政府 2015) に規定されている これによって 少なくとも 5,000 ヘクタール ( 水源涵養保護林 ) 3,000 ヘクタール ( 防風林 飛砂防止林および海岸保護林 ) の保護林の MB-PF を設置することが出来る 上記よりも小規模なエリアで仮の MB-PF を設置することも出来るが MARD の認可を得なければならない MB-PF の管理下にない保護林は地方の軍隊 経済的組織 世帯 個人および地域コミュニティに対して交付 賃貸を行うことが出来 管理も任される MB-PFs は PPC によって公共サービスとして設置され 各々の省の DARD が管理する MB-PF は独自の FPU を保有することが出来る (3) 特別利用林の管理制度の概要 特別利用林 (SUF) は国立公園 自然保護地区 ( 自然保護および種の保護などの地区 ) 景観保全地区 ( 歴史的 文化的および美観のスポット ) そして科学研究と試験地区 ( ベトナム政府 2010) などに分類される 70

75 SUFs は国家レベルでは MARD または地方レベルでは省の人民委員会 (PPC) によって管理される 国家によって管理される SUFs は 1 つの省以上に渡る地域に位置しているため 首相によって設置される 現在のところ Ba Vi 国立公園 Tam Dao 国立公園 Cuce Phong 国立公園 Bach Ma 国立公園 Cat Tien 公立公園 そして Yok Don 国立公園の国家が管理する 6 つの SUF がある 省レベルの SUFs は 1 つの省内に位置している その設置の決定は各々の PPC の議長によって行われる SUFs の管理は 2010 年 12 月 24 日付の首相発令の法令 117/2010/ND-CP に規定されている 特別利用林管理委員会 (MB-SUF) は国家機関であり 特別利用林の管理 保護および発展を国家から信任を受けた条件で実施を行う 森林の所有者としての機能と任務を有する ; また自然 生態系の標準試料 生物多様性 遺伝子資源 歴史的 - 文化的遺跡および景観などにおける特別な価値を高め 保全する ; 科学研究 ; 森林環境保全サービスの提供などを行う MB-SUF は 5,000 ヘクタール以上の SUF の管理のために設置される 1 つの MB-SUF で 5,000 ヘクタール以下の複数の SUFs を管理することが出来る 1 つの MB-SUF は 15,000 ヘクタールよりも大きい FPU を所有することが出来る 国家が管理する SUFs の MB-SUFs は MARD 大臣に従属し 地方レベルで管理される SUFs の SB-SUFs は各々の省の PPC 議長に従属する 3) 森林区分 上記に述べた通り ベトナムの森林は特別利用林 保護林および生産林に分類される 2015 年 12 月現在で 全国で 1,400 万ヘクタールの森林が存在し そのうちの 211 万ヘクタールは特別利用林 446 万ヘクタールが保護林 そして 667 万ヘクタールが生産林であった 82 万ヘクタールの森林は上記の分類に含まれていない 詳細は表 を参照のこと 過去 10 年間において 特別利用林の面積は約 200 万ヘクタール前後で安定している 保護林の面積は 2004 年の 590 万ヘクタールから 2015 年の 446 万ヘクタールへと大きく減少している それと対照的に 生産林は 2004 年の 447 万ヘクタールから 2015 年の 667 万ヘクタールへと急拡大している 16 Area of forest in million ha Year Not classified Production forests Protection forests Special-use forests 図 : 異なる区分による森林面積の変化 資料 : ( 森林保護局 2017) 71

76 国家森林戦略 (NFS) においては 2020 年までに特別利用林を 216 万ヘクタール 保護林を 568 万ヘクタール そして生産林を 840 万ヘクタールとする計画である (MARD 2007) 2020 年までのベトナム森林セクターの再建プロジェクト に関する 2013 年 7 月 8 日の MARD 大臣決定 1565/QD-BNN-TCLN において目標が修正された 2020 年までに 特別利用林を 227 万ヘクタール 保護林を 584 万ヘクタール そして生産林を 813 万ヘクタールにすることが計画されている (MARD 2013) 4) 権利及び所有権に関連する主要な問題点と REDD+ に関する問題点過去何十年にもわたり ベトナムの様々な地域において FLA は森林の保全と拡大に重要な貢献を果たしてきた (Moeliono et al. 2011; Sikor & Nguyen 2011; Sikor 2011; Nguyen 2011; Tropenbos International Viet Nam 2012; To & Tran 2014; Tran et al. 2003; Nguyen 2006b; Nguyen 2006b) しかし数多くの地点において 森林減少と森林劣化の動きが継続し 森林の持続可能な管理と再植林あるいは森林回復を妨げている 主要な問題を以下に簡単に述べる まず初めに 地域住民は交付された森林資源に対する管理をしていない FLA が設置された地域でも 国家機関が地域住民に既に交付された森林資源の利用の決定において 未だに強力な役割を維持している 地域住民が自分たちに法的権利が与えられていることに気付くのは 必ずしも容易ではない 管理計画と特典の共有に関する現行の規則を現実的に実施することは全く不可能である (Wode & Huy 2009) 木材の伐採や農業を行うために林地を利用することですら 適切な国家機関からの法的許可が未だに必要とされている このため 地域住民は FLA の後でさえも 自分たちは国家のために森林を保護しているのだと考えている (Nuygen et al. 2007) それに加えて 政策と法的枠組みは 意味のある権利の交付を行う効能を全く果たしていない 過去 20 年にもわたって 森林の保有期間をめぐる政策に数多くの変更が起こり 地域住民は自分たちが土地利用の権利書を保有しているのに 自分たちの権利に大きな不安と懸念を抱いている 政策と法的枠組みが余りにも森林の保全 ( 土地保有において ) に偏重しており 地域住民の暮らしに全く注意を払っていない (Huy 2007, Sikor and Nguyen 2007) 森林環境に居住する多くの民族にとって森林は彼らの暮らしの重要な一部であった 森林は彼らに食物 野生動物 耕作地そして避難場所さえも提供してくれる 森林の利用を制限することは 地方の暮らしに大きな影響をもたらし FLA の結果にも大いに影響を及ぼす 更に 2013 年の土地法は地方共同体に天然の生産林地の交付を認めておらず これは 2004 年の森林保護開発法に矛盾しており 林地交付に今後どのように取り組むべきか 非常に混乱した状態にある (Hoang et al. MARD 2015b) 全般的に 異なる機関から提供される森林に関する権利と責任について 地方共同体の理解が欠如している 殆どの場合 地域住民は森林の保有権を相続する権利しか見ておらず 他の様々な権利には関心がない 同様に 地域住民は彼らに課された責任は 交付された森林を保護することだけであると考えている さらに重要なことは 相手方 特に政府の機関の責任は 人々が授与された権利を認識し 人々が責任を果たすのを支援することだということを 全く認識していない (Nguyen et al. 2007) 山地の多くにおいては 地域住民の伝統的な保有の権利が現行の法的枠組みによって認識されておらず その結果地方における紛争の増加の原因となる (Hoang et al. 2016; Nguyen et al. 2007; Nguyen et al. 2014) 少数民族は土地や自然と特別な関係を有して 72

77 おり そのことが単なる経済的利害を越えて文化的かつ精神的な結びつきとなっている そのために 慣習上の土地の権利に対する認識を 経済的 政治的および文化的に民族を発展させるための基本的な基盤としている (Sikor & Nguyen 2011) FLA の政策は焼き畑農業に暮らしを依存している移動性の開拓者には向いていない (Castella et al.2002) その結果 FLA の実施は現存の土地保有制度を崩壊させ 植林活動を推進する影響力も全くない 森林の権利を執行する 脆弱で 不明確な仕組みがある 利益配分システムは厳格であり 異なる環境にある地域にはふさわしくない そのため実際には適用することは難しい (Le et al.2013) 森林保有に関する法的枠組みの効果的な実施を担保するためのモニタリングと評価 (M&E) メカニズムが全体的に欠如している 現場実施を担当する政府の官僚は M&E に関するガイダンスを受けておらず しばしばそれに注意を払わない (Hoang et al.2016; Nguyen et al/ 2014) その上紛争と対立の解決を行う仕組みが明確に設定されていない 法的枠組みの中では 紛争解決を支援する勧告機関もコンサルタントも想定されていない 更に 紛争解決に向けて 慣習 伝統的倫理 慣例 慣習法 文化的な村落ルールなどの考慮が払われていない また 私企業による権利の乱用に対する正当な権利保有を担保する 制裁規則も明確に定められていない 森林から得られる利益が少なく その配分のあり方も公平ではない 一般的には交付された森林から直ちに利益が生じることはない 地域住民に交付された森林は品質が悪く 規模も小さい そうした森林が大きな経済的利益を生じるまでには 長い時間がかかる (IUCN&RECTOFTC 2011; Hoan et al. 2016; Wode& Huy 2009) 森林から利益が得られても 森林から得られた経済的利益が上層部の人々に不当に配分される場合が多く 社会的高位者 ( 村落の指導者 ) と低位者 ( 経済的に貧困 ) の世帯との間に多くの対立を招いている (Nguyen 2006a; Nguyen 2005) 森林契約は広く行われている 大規模な森林を経営している多くの国営森林公社は充分な資源を保有していない このため森林は地域住民に保護を依頼する契約が行われてきた 表 に示されている通り こうした契約しか結ばれていない地域住民は 限定された利用権しか保有していない 森林利用の権利は国家機関に所属しているので 権利の移転というよりも単なる経済的な契約関係にすぎず 地域住民は森林の保全のみに対する支払いを受けるだけである (Nguyen et al.2014; Nguyen et al.2008; Sikor&Nguyen 2011) 上層部の意志決定機関は 地域住民に森林の権利を進んで交付する意向を持っていない ベトナムの森林面積の約 4 分の 3 は未だに国家機関の管理下にある そのうちの 270 万ヘクタール ( 又は総森林面積の約 20%) は各地区の人民委員会の管理下にある ( 森林保護局 2017) CPCs は法的には森林の保有者ではなく 充分な資源も有していないので こうした森林は殆どが 出入り自由 ( オープンアクセス ) であり 事実上誰も管理していない それにも拘らず 多くの省では誰が林地の交付を受けるべきかについて意見の対立があり DARD の機関は世帯への林地交付の可能性には強く反対している (UN-REDD 計画 ベトナム 2014) 最後に 地域コミュニティは意思決定に参加する資格もなく 森林の諸々の権利を行使する機会が与えられていない 地域住民は住民林業 ( コミュニティ フォレストリー ) を実現するために必要な能力と資源を持っていない 特に経済的資本も人的資源も持たない 貧困で軽んじられている世帯の場合に これがあてはまる 最も重要なことは 彼らが意思決定プロセスに有効に参加するための充分な資格が与えられていないということである 73

78 REDD+ のセーフガードに関する法令等 1) セーフガード情報システムの進展状況 今のところベトナムにおいては REDD+ に関するセーフガード情報システム (SIS) は未だに確立されていない SIS の策定は セーフガードに関するサブテクニカル ワーキンググループ (STWG-SG) によって 政策 法律および規則 (PLRs) ギャップ分析という以前からの作業に基づいて 2015 年末に始まった ベトナムにおける SIS の策定は 国際的な REDD+ セーフガード規則に準じた REDD+ 実施の持続性を確保し その実施に関する情報も提供するための措置を含む セーフガードに対する国家的対策 (CAS) を策定するための 広範な戦略の一部である ( 気候変動法および規則 2016) SIS に関する作業の最新の進展は 2016 年 11 月 24 日に行われる SIS に関する国家諮問会議のために準備された ベトナムにおけるセーフガード情報システムのバージョン 2.0 の設計に関する枠組文書 である ( 気候変動法および政策 2016) SIS の枠組み文書は今のところ SIS ではない その文書は UNFCCC の REDD+ に関するセーフガード報告規則に適合するための最初のステップとして ベトナムにおける セーフガード情報システム 1.0 の設計の基盤となるものである その文書は SIS の実用化の促進に向けて必要とされている追加措置を決定するための勧告事項と観察事項を提供するものである (SIS 2.0) ベトナムにおける SIS 枠組み文書の策定は 気候変動法および政策 に伴って ベトナムおよび外国の専門家で構成されるコンサルタントチームによって行われ CLP.Viet Nam REDD+ Office (VRO) が全プロセスを編集してきた 特に 政府機関 (FPP MONRE ウィメンズユニオン 少数民族委員会 法務省および VRO) 国内の NGO (Pan Natur ベトナム森林科学技術研究機関 産地の持続的開発センター (CSDM)) 持続可能な地方開発センター (SRA および CERDA) そして国際的 NGOs(SNV と RECOFTC) などから選出された中核的委員からなる STWG-SG の委員は SIS 枠組み文書策定の各段階で SIS 枠組み文書の種々の項目に関する TOR の議論において提言の提供を行うなど積極的に貢献した 2) セーフガード情報システムの重要な要素 これまでに述べた通り ベトナムにおける REDD+ に関する SIS は未だに完成されておらず SIS 策定の最新の進展は 2016 年 11 月に予定されている SIS バージョン 2.0 の設計に関する枠組文書である このサブセクションの残りの部分では この枠組文書に基づいて想定される SIS の重要な要素を説明する SIS (SIS 1.0) を実施するために短期的 (2020 年まで ) に必要とされる要素と 2020 年以降の (SIS 2.0) 更なる実用化に向けて要求される追加措置を説明する 最初に その目的については SIS1.0 (2016 年 年 ) はどのようにベトナム独自のセーフガードが REDD+ の実施を通して 実施され 遵守されていくかについての情報を提供することを目標としている UNFCCC の報告義務を遵守し 情報のサマリー (SOI) を作成し FCPF セーフガードの実施に関する情報の提供を行うための 情報の収集を行わねばならない SIS 2.0 (2020 年以降 ) においては SIS の目的は森林セクターにおける 優先的行動 のモニタリングの支援にまで拡張されるべきである 例えば 森林環境サービスへの報酬 (PFES) のモニタリングだけでなく もっと広範囲に 森林セクターにおける政策実施と法律の施行のモニタリングによって 森林セクターにおけるガバナンスの強化に貢献していくことなどである 74

79 SIS の領域は 国家 REDD+ 行動計画 (NRAP) の下に実施されるべき ベトナムが推進する REDD+ 政策および措置 (PaMs) である SIS 2.0 については SIS の領域は REDD+ を超えた活動に関する報告にまで拡張されるであろう SIS の情報のニーズについては SIS1.0 は第一に PLRs を通じて 国家レベルでカンクン セーフガードをどのように実施し 遵守していくかについての 全体的な情報の提供に注力すべきであろう PRAPs の実施における関連の PLRs に関する 準国家レベルの REDD+ の実施から得られた情報を加えて保管することが出来る SIS2.0 については ベトナムは SIS の情報ニーズを再評価し 更新し 改良すべきである その情報ニーズは全ての PaMs が カンクンのセーフガードを国家的レベルで遵守できる方法によって そのように実施されるか そして想定されるリスクに対してどのように対処し 利益を最大化することが出来るかという 2 点に関する情報を収集し 提供するために充分に特定されたものであることを担保すべきである SIS の情報源については ベトナムは既に SIS 情報ニーズに直結した 現行の情報システムと情報源を明確化している このような情報源が SIS の情報ニーズに対応するための必要な情報を どの程度まで提供出来るかについても検討済みである これらの情報システムと情報源はベトナムの SIS に強固な基盤を提供している セーフガードがどのように実際に対応されているかを示すことの出来る 関連の情報システムと情報源は以下の通りである 法律文書に関する国家データベース 2013 年 年に行われた PLR ギャップ分析 関連する国際条約と協定 に関する報告書 セーフガードがどのように対応されているかを示す 関連の情報システムと情報源は以下のとおりである セーフガード 情報システムまたは情報源 A 森林管理情報システム あるいは FORMIS (REDD+Geoportal) B 汚職防止 撲滅に関する国家データベース 国家予算を利用する投資プロジェクトの M&E に関する情報システム FORMIS(REDD+Geoportal) 男女平等に関する統計基準の国家規定 苦情と告発への対処に関する国家データベース 労働と雇用に関する国家データベース C 少数民族の社会経済的情況に関する国家データベース D FORMIS(REDD+Geoportal) 労働と雇用に関する国家データベース 地方農業と漁業のインベントリに関する国家データベース E FORMIS(REDD+Geoportal) 75

80 生物多様性に関する国家データベース 資源と環境に関する国家情報システム 地方農業と漁業のインベントリに関する国家データベース F FORMIS(REDD+Geoportal) G FORMIS(REDD+Geoportal) 中核となる SIS 機能は以下のとおりである 収集 : 関連情報システムによる現場の生データ収集プロセス SIS については 情報の関連情報源を特定し SIS の目的に供する情報の収集と提供の責任を課すること 編集 : 関連のシステムと情報源から要求された情報を入手するプロセス SIS については SIS が要求する特定の情報が何であるかを設定し 情報共有関係に合意すること 集合 : 分析を行う目的に供する関連情報源と システムによって提供された情報源を 中央のレポジトリ / データベースに集合させるプロセス 解析 : どの程度までセーフガードが対応され 遵守されているかを特定するために 情報の品質的評価を行うプロセス 乗法への伝達 : 適切な手段を通じた ( ウェブサイト 報告書 関連のステークホルダーとの打合せ等 ) 内部 ( 国内レベル ) と外部 ( 国際的な報告 ) への伝達 SIS の実施要領は SIS の中核的機能に連動している 機能の全体像と要求される組織的調整事項については図 を参照のこと SIS の機能と関連するインプット アウトプットおよびプロセスの全体図は図 を参照のこと 図 : SIS の機能と関連の組織的体制 資料 : ( 気候変動法と政策 2016 図 1) 76

81 Actors VNFOREST Agencies responsible for PRAPs Agencies responsible for 11 systems External Write report template Create SIS database report templates sent to agencies Create templates Create templates Aggregate data into SIS Database (housed in FORMIS) Completed templates returned SIS database Time VRO analyzes data Consolidated findings VRO prepares reports National report Published on REDD+ website Observations made by Civil Society international report Published on UNFCCC website 図 : SIS の機能と関連するインプット アウトプットおよびプロセス資料 : ( 気候変動法と政策 2016 図 2) 3) セーフガード問題の管理に関する法的枠組みと見解ベトナムにおいては 一般的に SIS は推進する REDD+ 活動 ( 気候変動法および政策 2016) の実施を通して UNFCCC の REDD+ セーフガード ( 又はカンクン セーフガード ) がどのように対応され 遵守されているかについての情報を提供するための 国内組織上の取り決めであると理解されている ( 気候変動法および政策 2016) 今までのところ 上述の通り REDD+ の実施に特化した法的文書は 国家 REDD+ 行動計画又は NRAP である NRAP はセーフガードについては具体的に特定していないが NRAP の承認を得るためには カンクン セーフガードと REDD+ 実施に関する他の UNFCCC の要求事項もベトナムが遵守することが必要である このことは NRAP は国家の政策と法的枠組み そしてベトナムが批准した UNFCCC および他の関連の国際条約と協定を遵守しなければならない と NRAP の見解 における声明に示されており NRAP の実施に適用される解決策と措置は UNFCCC および国際社会からの技術および財政支援に関する要求事項を遵守していくことである ( ベトナム政府 2012c p2) このような見解はこれまで行動に移されてきた ベトナムは全体としてセーフガードに 77

82 対する国家的取組 (CAS) の推進と 特に SIS の推進の局面における STWG-SG の作業と積極的な取組を通じて 重要な努力と責任を果たしてきた 最も重要なことは このセクションの前半で述べた通り UNFCCC のセーフガード枠組に対して国家主導の取り組みを行うベトナムの立場を VRO が示したことである 実施中の REDD+ プログラム等 1) 現行の REDD+ 制度これまでのところ ベトナム全土で約 45 県の REDD+ 関連のプロジェクトが実施された ( 表 ) これらの中にはベトナム UN-REDD 計画 ベトナムにおける REDD+ 対応準備に対する支援に向けた FCPF の支援プロジェクト そして USAID の出資による ベトナムの森林およびデルタ計画などの実用的なプログラム / プロジェクトがある 主要な融資期間は 1) ドイツ 米国 日本 ノルウェー フィンランドおよびオーストラリア等の政府 ; 2)UN- REDD プログラム FCPF および農業開発のための国際基金 (IFAD); 3) 欧州委員会 (MARD2016d) などがある 78

83 表 : 今日までにベトナムで実施された REDD+ 関連プロジェクトのリスト プログラム / プロジェクト 目的 場所 期間 執行機関 融資機関 1. 炭素と生物多様性 (Carbi) プロジェクト クアンナム トゥアンティンフェ 2011 年 年 WWF ドイツ政府 2. 参加型ガバナンス評価 ラムドン ラオカイ ハテ 2012 年 - UNDP FAO グローバル UN-REDD マ (PGA) ィン カマウ 2015 年 ルチパートナー信託基金 3. UN-REDD ベトナムプログラムフェーズ 1 4. UN-REDD ベトナムプログラムフェーズ 2 5. 熱帯雨林における代替的土地利用による REDD+ 6 Fauna & Flora International アジア太平洋コミュニティのカーボンプールと REDD+ プログラム 7. 南アジアおよび東南アジアにおける権利提供型 公平で 貧困層支援型の REDD 戦略 8. 南アジアおよび東南アジアにおける権利提供型 公平で 貧困層支援型の REDD 戦略 9. REDD+ に関するグローバルな比較研究 (GCS- REDD) フェーズ I REDD+ 関連で 将来性の成果に基づく支払いによるプロジェクトを利用する国家の能力を高め 森林セクターにおける事業革新に取り組むこと 森林の管理改善と 森林に生活を依存している地域住民や先住民に利益を提供するための融資 / 奨励措置を通じて 森林減少と森林劣化を抑制するための地域全体の取組 長期的な森林保全と 先住民の権利と懸念を考慮に入れた国家 REDD 戦略への取り組みを促進し 実施すること 長期的な森林保全と 先住民の権利と懸念を考慮に入れた国家 REDD 戦略への取り組みを促進し 実施すること REDD の政策担当機関と実施対象となるコミュニティに対して 平等に影響と共通利益を分け合う 有効でコスト効果の高い 炭素排出量削減を実現するための乗法と 分析そしてツールを提供する ラムドン 2009 年 年 ラオカイ バクカン ハティン ビントゥアン ラムドン カマウ バクカン ; ダクラクダクノン 2012 年 年 2009 年 年 コントゥム 2011 年 年 イエンバイ ホアビン タンホア ソンラ ディエンビエン ゲアン イエンバイ ホアビン タンホア ソンラ ディエンビエン ゲアン 2009 年 年 2010 年 年 ラムドン 2010 年 年 MARD MARD 森林生態学および環境研究所 (RIFEE) FFI CSDM CSDM CIFOR (MPTF) MPTF; UN-REDD プログラム MPTF-UNREDD EU EU アジア先住民族同盟 (AIPP) アジア先住民族同盟 (AIPP) オーストリア ドイツ フィンランド ノルウェー 英国および米国政府 CGIAR 森林 樹木 アグロフォレストリ研究プロ 79

84 10. REDD+ に関するグローバルな比較研究 (GCS- REDD) フェーズ II 11. タイグエン省の Vo Nhai 地区における REDD プログラムに対して 少数民族コミュニティの対応力を高めるための能力養成プログラムのパイロット モデル 12. タイグエン省の Vo Nhai 地区における REDD プログラムに対して少数民族コミュニティの対応力を高めるための能力養成プログラムのパイロット モデル 13. タイグエン省の Vo Nhai 地区における REDD プログラムに対して少数民族コミュニティの対応力を高めるための能力養成プログラムのパイロット モデル 14. REDD+ ガバナンスと財務的整合性 15. REDD+ 対応準備プログラム (RPP) の作成 16. アジアにおける REDD+ に役立つ草の根運動に関する能力養成 フェーズ I 17. アジアにおける REDD+ に役立つ草の根運動に関する ことが全体的な目的であった ( 3E+ ) グラム 欧州連合 FFEM 2013 年 - CIFOR デイヴィッド & ルシー 2015 年ル パッカード財団 パイロット地域における少数民族は 自分たちの全面的な参加と公正な利益配分によって 森林減少と森林劣化から発生する排出量を削減するプログラム (REDD) を実施する能力を身に着けている パイロット地区からの種々の成果は全国的に共有され 炭素 /REDD 政策の推進が行われ ベトナムの山地における森林管理の改善に役立つツールを提供した 市民が REDD+ に取り組み その森林事業の融資やガバナンスに責任を果たして成功出来るような 理想的な社会を実現し REDD+ と森林管理政策とその実施によって汚職の防止を推進し 全ての面で透明性が高く 責任感の強い理想的な社会を実現すること アジアにおける草の根運動のステークホルダーが REDD+ の計画と政策立案プロセスに有益な貢献を行い 彼らの見解を政策立案機関に伝達して 地方の社会 経済的発展に向けた REDD+ から利 タイグエン 2010 年 年 タイグエン 2013 年 年 CERDA CERDA NORAD NORAD タイグエン 2014 年 CERDA クリステンセン基金 ラムドン クアンビン 2013 年 年 トワーズ トランスペアレンシー (TT) 国家レベル 2010 年 コンサルタント バクカン ハティン ラム 2010 年 - RECOFTC ドン カマウ 2013 年 バクカン ハティン ラムドン カマウ 2013 年 年 RECOFTC NORAD WB-FCPF NORAD NORAD 80

85 能力養成 フェーズ II 18. REDD に関する活動をコミュニティ主導で運営すること 19. VNGO&CC Network の強化 ベトナムにおいて森林に生活を依存しているコミュニティの間の気候変動問題に対する認識を改善すること 彼らの REDD への参加に向けた対応準備について 助言を与ええること 20. 参加型の土地利用および管理 21. 国家 REDD+ プログラムの推進に向けた技術支援 益を得ることが出来るようにしたい クアンナム 2011 年 年 ランソム ラオカイ タンホア ホアビン 2010 年 年 タイグエン プートー 2013 年 年全国レベル 2009 年 年 森林湿地研究センター (FORWET) SRD SRD ノルディック開発環境庁 (NORDECO) フィンランド国際協力サービスセンター (KEPA) フィンランド外務省 (FORMIN) Manos Unidas FORMIN 22. カーボンストック強化の理解 23. REDD の基本設計概念が 貧困と持続可能な開発 に与える影響 平等 成長および環境に関する選択肢 24. Cat Tien 景観地区の貧困支援に向けた REDD プロジェクト このプロジェクトの狙いは 国際的 国内的 そして準国内的なレベルの様々な REDD の基本設計概念と政策の選択肢が GHG 削減 持続可能な開発から得られる共通利益 そして貧困の抑制などについて どのような影響を与えるかという問題についての理解を高めることである Cat Tien 自然公園の Cat Loc 地区周辺の景観地区における森林減少と森林劣化を抑制する事業を行い その地方の村人にその代償を支払うことを可能とするために 正常に機能する共有の森林のカーボン モニタリング施設を建設する地方政府機関を支援 ハティン カマウ 2012 年 年ラムドン 2010 年 年 ラムドン 2010 年 年 SNV SNV SNV ドイツ政府 NORAD DEFRA and ダーウィン イニシアティブ 81

86 25. REDD+ による生物多様性保全メカニズムの解明 ラムドンとカマウ 2011 年 年 SNV ドイツ政府 26. 東南アジアにおける REDD+ からの環境的および社会的な複合利益の提供 27. アジアの森林プログラムにおける排出軽減 (LEAF) 28. 生物多様性保全のために 森林減少と森林劣化を阻止するカーボンファイナンスを利用すること 29. 貧困支援の環境サービスの利用および共同投資に対する報酬 フェーズ 2 (RUPES II) 30. 熱帯雨林における代替的土地利用によって 森林減少と森林劣化から発生する排出量の削減 (REDD- ALERT) 31. 全ての土地利用から発生する排出量の削減フェーズ I (REALU) 32. 景観地における排出量誘因の逆転を開放することによって 生態系保全と炭素削減のメリットを維持する 社会的および環境的複合利益を提供する国家 REDD+プログラムの実施を成功させるために ベトナム政府と Lao PDR を支援すること REDD+ プロジェクトは気候変動緩和プロジェクトに関する一連の政策目標を達成することが出来る プログラム対象国が林地利用セクターからの 意義のあるそして継続的な GHG 排出量削減を行う能力を強化すること 一方で新しい国際的 REDD+ 枠組みを利用する上での支援を行う 森林減少と森林劣化を阻止して 村人に補償を行う 機能的で公平な森林カーボンファイナンスを行う地方行政機関を支援することを通じて Cat Tien 国立公園周辺の生物多様性保全を行う 森林減少を招く態度は何か その態度がどのように個人と社会の行動に影響を与えるか そして最終的にそれらの行動がどのように GHG 排出量に影響を与えるかを理解する REDD+ に対する景観的アプローチに関する知識と理解を向上させ 地方の暮らしと景観機能を維持するためのアプローチを導入する ラムドンとカマウ 2011 年 2016 年 ラムドンとゲアン 2011 年 年 ラムドン 2009 年 年 バクカン ハティン 2008 年 年 バクカン 2009 年 年 ダクノン 2009 年 年 バクカン 2013 年 年 SNV SNV SNV ICRAF ICRAF ICRAF ICRAF ドイツ政府 USAID 英国環境 食料 農村地域省 (DEFRA) ダーウィン イニシアティブ 国際農業開発基金 (IFAD) EU NORAD NORAD 82

87 33. 森林減少と森林劣化からの排出量を削減し カーボンストックを増加させることによる影響 (IREDD) 34. REDD+: the forest frab of all times? 35. 気候変動と森林 に関係する潜在的な森林と土地に関する研究 36. ディエンビエン省における REDD+ パイロットプロジェクトの実施 ( 計画段階 ) 37. ディエンビエン省における REDD+ パイロットプロジェクト実施 ( 実施段階 ) SUSFORM- NOW 38. ディエンビエン省の 3 つの村落における REDD+ プロジェクトの実施への支援 39. 追加的生態系サービスを合体させることにより 景観地レベルでの FSC 認定を拡大し FORINFO ( 地域住民による製品とサービスにおける森林情報発信と保有権 ) の認定を拡大 40. FCPF: ベトナムにおける REDD+ 対応準備に向けた A/R CDM プロジェクトの潜在的な領域の発見 発展途上国における森林減少および森林劣化からの排出量の削減 (REDD) そしてベトナムで行われた他の UNFCCC 以外のアプローチの可能性を検討することなどにより LULUCF に基づく地球気候変動の緩和に向けた国際的な活動の促進を行う NRAP の枠組みに基づくディエンビエン省における REDD+ プロジェクト実施に関する技術的および組織的能力は 省の REDD+ プログラムの準備を行うことによって強化される 省の REDD+ 行動計画 (PRAP) の実施を通して 参加型の森林管理と生計の向上が促進されている 炭素 水および生物多様性などの 幅広い生態系サービスに対する FSC 認定の拡大を検討する 社会的に且つ環境面で健全な対応に必要とされる主要な要素 システムおよび ゲアン 2011 年 年 ラムドン バクカン 2012 年 年 ビンフォク ; ダクノン ゲアン コントゥム 2009 年 年 ディエンビエン 2012 年 年 ディエンビエン 2010 年 年 ディエンビエン 2013 年 年 ハティン クアントリ 2011 年 年 ハノイ クアンビン クアントリとダクノン 2012 年 年 農業環境研究センター (CARES) ハノイ国家農業大学 (VNUA) VNFOREST, MARD ディエンビエン省 DARD ディエンビエン省 DARD ベトナム森林大学 SNV MARD EU デンマーク国際開発援助庁 (DANIDA) JICA JICA JICA 住友林業 アスクル株式会社 ヤンマー資源循環支援機 GEF & フィンランド大使館 WB, FCPF 83

88 支援 41. ベトナムの森林とデルタプログラム 42. ベトナムにおける REDD+ 生計および脆弱性などへの対応能力を強化することを研究する 社会調査と開発計画を行う規則の策定 43. クアンビン省における REDD+ プロジェクト活動の準備と実施を行う省政府の支援 44. キェンザン生物圏保護区の保全と改良 45. 持続可能な天然資源管理プロジェクト (SNRM プロジェクト ) 政策を準備することにより 将来の REDD+ プロジェクトの実施に対してベトナムが対応出来るように支援する ベトナムを気候変動に対して抵抗力を持ち 低排出型の持続可能な開発を行う国家に転換していくことを促進するための支援を行う REDD+ 対応能力に関する省政府の活動を支援し 追加の融資がある場合にはその支援を継続する計画を策定する 全体的な目的は 保護区の有効な管理を行い 持続可能な方法でキェンザン省の天然資源を活用することである SFM REDD+ 生物多様性保全および生計を天然資源に依存している人々に焦点を絞って 持続可能な天然資源管理をベトナムが行う能力を向上させること タンホア ゲアン 2012 年 年 全国レベル 2012 年 年 クアンビン 2012 年 年 キェンザン 2008 年 年 ハノイ ディエンビエン ライチヤウ ソンラ ホアビンとラムドン 2015 年 8 月 年 8 月 WINROCk International 資源および環境研究センター (CRES) Phong Nha Ke Bang 国立公園およびクアンビン PPC キェンザン省 MARD USAID USAID 森林ガバナンスプログラム GIZ AusAID/GTZ JICA 84

89 2) REDD+ プロジェクト / プログラムの協力体制 上述した通り NRAP の実施体制は REDD+ 関連活動に関する協力体制でもある (MARD2016 d) 具体的には NRAP 運営委員会はベトナムにおける REDD+ を関連省庁 地方行政機関や諸組織との調整を通じて実施し REDD+ 計画の実施に向けた技術的および財務的資源を活用するための国際協力活動の折衝を進めていく責任を有している (MARD2010) NRAP の支援機関である VRO は ベトナムにおける REDD+ プロジェクトの実施と森林炭素取引事業のための技術的および財務的資源を活用するために 国際的な融資機関や組織および関連のステークホルダーとの折衝を行う主体となる国家機関としての任務を負っている そのために能力養成活動 通信および情報 ベトナムにおける REDD+ および森林炭素排出取引に関するウェブサイトの立ち上げ 管理および更新などの実施を調整する任務を有する (VNFOREST2015) それに加えて 国家 REDD+ ネットワーク も REDD+ 対応促進に関する全体的な調整を行う責任を有する 具体的には国際的開発協力機関からの様々な要求を調整し 国際的な協力機関の比較優位性を尊重し 各機関の財務的ニーズを満たしつつ 各事業計画の重要事項の実施を支援するために二国間あるいは多国間からの融資を確保しなければならない (MARD2009b) 実際のところ 様々なステークホルダーおよび REDD+ プログラムとプロジェクトとの VRO の協力活動は近年活発に行われ 大いに改善されている しかし 特に民間セクターや市民社会組織との間の REDD+ 事業の調整には未だに改善の余地がある その原因は VRO( そして VNFOREST) の人材不足と調整能力の低さである もう一つの原因は国家機関の全てのレベルの間で協調体制が構築されていないことである (MARD 2016d, p.21) 参照レベルの策定状況 1) 参照レベルの策定状況 過去数年間で森林参照排出レベル (FREL)/ 森林参照レベル (FRL) が注目されてきた これは 2010 年に遡る MRV に関するサブテクニカル ワーキンググループ (STWG-MRV) の設立と活動の総称であり NRAP においては FREL/FRL はプログラムの最初の段階で行われる重要な課題である (2012 年 年 ) 2016 年 1 月 15 日の段階では ベトナムは FREL/FRL を UNFCCC に提出している (MARD2016f) UNFCCC による技術審査プロセスの終了の後に (Nguyen et al を参照 ) ベトナムの FREL/FRL は修正され 改良され そして 2016 年 7 月に再提出された しかし 2017 年 2 月 5 日の時点では ベトナムの FREL/FRL の修正版の提出内容は UNFCCC のウェブサイトには掲載されていない そのため 2016 年 1 月におけるベトナムの最初の提出版に基づいて説明する 2) ベトナムの FREL/RL の主要な項目 : 土地利用 : ベトナムの土地利用の種類は 12 の種類の森林と 5 つの森林以外の土地に分類されている 排出係数 / 吸収係数 (EFs/RFs) は このような森林と土地の利用方法の種類に基づいて計算された平均的な炭素蓄積に基づいている 1. 常緑広葉樹が豊かな森林 ( 平均木材蓄積 >200m 3 /ha)- 森林 85

90 2. 常緑広葉樹が中間くらいの森林 ( 平均木材蓄積 > m 3 /ha)- 森林 3. 常緑広葉樹が少ない森林 ( 平均木材蓄積 <100m 3 /ha)- 森林 4. 常緑広葉樹が再生中の森林 - 森林 5. 落葉林 - 森林 6. 竹林 - 森林 7. 木材と竹が共生している森 - 森林 8. 針葉樹林 - 森林 9. 広葉樹と針葉樹が共生している森 - 森林 10. マングローブ林 - 森林 11. 石灰岩森林 - 森林 12. 人工林 - 森林 13. 樹木の少ない石灰林 - 森林対象外 14. 他の裸地 ( 草地 低木地 まばらに木がある土地 ) - 森林対象外 15. 湖沼地 - 森林対象外 16. 居住地 - 森林対象外 17. その他の土地 - 森林対象外 生態学的地域 (Ecological regions): 排出量と吸収予測値の不確定性を出来る限り低減するために ベトナムでは EFs と RFs を 8 つの環境地域に分類している しかし 国家森林インベントリ (NFI) のサイクル 4 では紅河デルタとメコンデルタ地域に関する充分な数の標本調査をしていなかったので 森林区分別の歴史的平均炭素蓄積値を測定するときに 紅河デルタ地域とが北東地域と一緒にされてしまった ベトナム FREL/FRL に利用されている最終的な 6 つの地域は 1) 北西 2) 北東および紅河 3) 北中沿岸 4) 南中沿岸 5) 中央高地そして 6) メコン川デルタと南東の地域である 活動 : 全ての 5 つの REDD+ 活動はベトナムの FREL/FRL で行われている ベトナムの 5 つの REDD+ 活動の種類は以下の通りである o o o o 森林減少 (Deforestration) から発生する排出量の削減 : 森林を森林地でない土地に変換する活動は国家森林インベントリでは 更新に基づく修正となる 森林減少を含む一連の活動が NFI の単一サイクルの中で発生する場合には 過渡的な活動として発生する森林減少活動は 必ずしも NFI によって把握されるとは限らないので 森林劣化と報告されることになる 森林劣化から発生する排出量の削減 : 常緑広葉樹の 豊かな 中間の 少ない などの ( ヘクタール当たりの平均立木数量に基づく ) 森林区分と他の森林区分 ( 落葉樹 竹など ) との間で炭素蓄積は減少傾向となる 森林再生から発生するカーボンストックの強化 : 森林以外から林地への土地利用転換活動 森林復活から発生するカーボンストックの強化 : 常緑広葉樹の 豊かな 中間の 少ない などの ( ヘクタール当たりの平均立木数量に基づく ) 森林区分と他 86

91 o o o の森林区分 ( 落葉樹 竹などの ) との間で炭素蓄積は上方に増加傾向となる 上記の立木数量の各区分の間で炭素蓄積が立木数量ベースの区分の間で上方に増加する活動は 現在および過去における人間の介入の結果である それにも拘らず こうした転換は FRL において説明され 対照的報告原理を適用し 全ての対照的下降転換が森林劣化として報告される カーボンストックの保全 : 森林のタイプが同じであれば カーボンストックの保全 とみなされる これらの地域は吸収量の成長係数を適用し 吸収量と等しい絶対量を排出量とみなし 単一の炭素蓄積推定値の組み合わせが適用されたものとみなすことによって説明される 将来の森林インベントリと森林における炭素蓄積の変化が同じであれば 森林のタイプを更に厳密にモニタリングし 該当する排出量 / 吸収量を測定することが出来る 森林の持続可能な管理 : ベトナムでは森林の持続可能な管理領域に関する境界線が明確でないため このような活動はカーボンストックの再生または保全活動の一部とみなされる カーボンプール ( 炭素貯留 ): カーボンプールには地上バイオマス (AGB) と地下バイオマス (BFB) の 2 種類がある 森林の炭素蓄積は 国家森林インベントリで規定されている通り 直径 6 cm以上の生きている木の地上部分での総計として測定されている 植物の蔓 灌木および下層などは情報が不足しており また森林の地上バイオマスとしては重要ではない (5~10%) と想定されるため 測定の対象となっていない 将来 国家森林インベントリでこれらに関する情報をもっと収集されることになれば 将来の FREL/FRL に加えられるであろう 地下バイオマス (BGB) のプールは AGB プールの 0.2~1.0 倍に相当するとされているため 森林区分によって測定対象となっており 重要なプールといえる このプールは根っこ対新芽の (R/S) 倍率によって間接的に推定されることが多い ベトナムでは国の定めた R/S 倍率がないので IPCC の定めたデフォルト値を採用する 従って このプールについては不確実性の高い推定値となる しかし国別の R/S 倍率を特定することは非常にコストが高いため ベトナムで将来測定を行う計画はない このような事情を考慮して このプールは IPCC のデフォルト値を適用してベトナムの FREL/FRL に記載している 枯れ枝 ゴミ 土壌有機炭素プールは全国的に測定した信頼性のある実績値もなく 重要なプールとは想定されていないため 対象外となっている 泥炭土壌燃焼による土壌有機カーボンについては 面積比ベースでは重要であるが 泥炭土壌はベトナムの林地面積では限定的 (0.04~0.05%) であり 全国的な排出量の中では重要なものではない また 泥炭燃焼は徐々に行われなくなっている (2009 年における泥炭地燃焼面積は 1976 年当時の 46% になっている ) 対象ガス : 二酸化炭素ガス以外のガスはベトナムの FREL/FRL には含まれていない ベトナムの FREL/FRL では CO 2 が唯一のガスの対象となっている その理由としては CO 2 以外のガスは森林火災の付随事象としてのみ排出が起こるからである ベトナムの国家統計によると 2005 年 ~2013 年の期間中における年間の森林火災燃焼面積の平均は 2,339 ヘクタールである ( 全国土面積の 0.01%) 森林区分別に火災による被害に関するデータがないため 該当する排出量の正確な推定がなく 様々の国家統計に基づいたラフな推定値と代表的な火災の燃焼係数に基づく推定によれば 2000 年 ~2010 年までの期間における ベトナムの CO 2 以外のガスに対する森林ガスの比率は 0.1% であると想定される 87

92 スケール : ベトナムの FREL/FRL のスケールは全国レベルである ベトナムは 1991 年からの NFIs の実施に歴史を持ち 森林資源についても全国レベルのデータが提供されている 従って全国的なスケールで FREL/FRL を作成するためのデータが充分にある ベトナムの FREL/FRL のスケールは 各国に全国レベルの FREL/FRL を作成することを要求している UNFCCC 決定 1/CP 16 パラグラフ 71 に準じている 国情と調整 : ベトナムは国家 661 プログラムにおいて 国情に関する調整を行うための方法を明確化している 国家 661 プログラムに基づいた 森林再生に成功した正確な面積や 植えられた樹木の種類 樹木密度 回転と残存率などは未だに完全には あるいは正確には集積されていない そのデータの集積が完了するまでの間は 代替的な措置として 国情の調整を適用するために 661 プログラムの実施に対して 75% の成功率を想定して適用している ベトナムの FREL/FRL: ベトナムでは排出量と吸収量の差である正味の数値ではなく 排出量と吸収量をそのまま提示している 排出量と吸収量を別々に提示することで カーボンストックを高め 森林減少と森林劣化から発生する排出量を削減するための様々な政策と措置をモニタリングする方法を向上させることが出来る また排出量を削減し 吸収量を増加させる様々な活動を NRAP が選択する時の手助けとなる 参照となる期間については NFI が AD と EF/RF の両方を 1995 年 年まで提供しているので ベトナムの歴史的参照期間としては 1995 年 ~2010 年が選択された この参照期間は NFI のサイクルと同期している 1 つの期間における排出量と吸収量は 該当する EFs/RFs の活動データに掛け算をして それを集計することによって得ることが出来る 排出量 / 吸収量は原則的には 1995 年 年 2000 年 年そして 2005 年 年の 3 つの期間における農業生態学的地域について推定が行われ それを国家レベルに合計する ベトナムの FREL/FRL の想定は表 の通り 表 : ベトナムの FREL/FRL 想定 FREL/FRL 排出量 / 吸収量 (tco2e/ 年 ) 平均排出量 (FREL) +88,211,131 調整済みの平均吸収量 -70,866,660 未調整の平均吸収量 -84,273,607 国家 FREL/FRL に加えて 多くのプロジェクトやプログラムも各々のサイトにおける参照レベルの策定を行っている この項の残りの部分では UN-REDD プログラムベトナムおよび FCPF 排出削減プログラム (ER-P) から 2 つの例を選んで説明する UN-REDD プログラムベトナム (Akiko 2014 に基づく ): UN-REDD フェーズ II では ラオカイ省 バクカン省 ハティン省 ラムドン省 ビントゥアン省 カマウ省の 6 つのパイロット省に関する REL/RLs の策定を行っている フェーズ II の終わりまでには 6 つのパイロット省から得た種々の教訓に基づいて 国家スケールの REL/RLs の策定 88

93 に貢献することが期待されている UN-REDD フェーズ II の REDD+ 活動は以下の通りである o o o o 森林減少 : 天然林の人工林への転換を含む総森林減少 森林劣化 : リハビリテーション ( 森林再生 ) までのシフトダウンを含まない 常緑広葉樹林に関する樹木量レベルの森林区分におけるシフトダウン 植林再生 : 以前に天然林で発生した場合を除く 人工林を含む総森林再生 森林復帰 : 常緑広葉樹林の樹木量レベルの森林区分におけるシフトアップ アプローチについては 1 組の REL ( 森林減少と森林劣化による排出量に関する ) と RL ( 森林炭素の保全の強化 持続可能な森林管理およびカーボンストックの強化に関する ) を各省別に設定する その理由はベトナムが植林国であるからである RL 排出量と蓄積の合計として使用される場合 植林活動と炭素削減活動との関係は希薄になってしまう 歴史的参照期間は 2000 年 年の 10 年間 (NFIMAP) の 2 期の歴史的参照期間を含む ) が最初の提出となる 合計 / 融資期間は暫定的に 2011 年 年となる カーボンプールは地上バイオマス (AGB) と地下バイオマス (BGB) の両方を含む 他の 3 つのカーボンプールは対象外である 歴史的データの出所という意味では 活動データ (AD) は過去のインベントリのサイクルのデータを調整したものである EF データは NFIMAP Cycle IV に基づき 各森林区分および生物地理的地域 ( 省に所属する ) からの平均炭素蓄積から得られたものである 調整係数 : 特に 661 プログラム ( 多くのデータがある ) などのいくつかの政府系プログラムに関連する過去に起こった強化量を差し引く FCPF 排出削減プログラム (Vu&Vu 2014; MARD2016c に基づく ): ER-P には RL は軽減活動に対する パフォーマンスのベンチマーク として設定される RL は参照期間中の D&D に関連する歴史的排出量または参照期間中の過去の排出量 / 吸収量に基づく森林参照レベル (FRL) に基づいている カーボンプールは地上バイオマス (AGB) と地下バイオマス (BGB) を含む 他のカーボンプールは対象外である 何故ならば AGB と BGB は重要であり 変化が大きいからである ガスについては CO 2 のみが含まれる CO 2 以外のガスは対象外である 何故ならば 他のカーボンプールのデータがないからである ER-PD は通達 34/2009/TT-BNNPTNT (5.1 参照 ) による森林の定義となる REDD+ の活動は以下のものを指す 森林減少 : 森林を他の林地以外の土地利用に転換すること 森林劣化 : 樹木面積当たりの森林階層を小規模の階層に転換すること ( 樹木面積の分類 : 豊 >201~300m 3 /ha 中間 : m 3 /ha 貧弱 : m 3 /ha 再生長 <10 m 3 /ha) 当面の間 排出量 / 吸収量が報告される参照期間は 2000~2010 年である 新しい 2015 の森林カバーマップと 年間連の活動データ (AD) は 年の RL ベースのユーティリティを照合し 将来において 年の RL の更新のために利用される 89

94 歴史的排出量と吸収量の推定のアプローチは活動データ (AD) 排出係数 (EF) および吸収係数 (RF) に基づいて行われる AD は遠隔測定情報を用いて空間的に測定される 土地利用の変化を特定するために インベントリのサイクルの間の土地のオーバーレイ カバーマップを使って土地利用マトリックス係数を利用する EF と RF を測定するために 森林カーボンストックは相対成長式と国家森林インベントリ モニタリングと評価プログラム (NFIMAP)cycle 4 のデータを適用して推定を行う 土地利用マトリックスと EF および RF に基づいて各省別に 2 つのインベントリサイクルの排出量と吸収量が測定され その後で地域レベルに集計される 2006 年版 IPCC の REL/FRL の推定に関するガイドラインに提示されている 2 つの方法のうち ER-P は 2000 年 2005 年および 2010 年の期間中の 3 点で測定を行う蓄積変化法を用いている ER-P サイトの結果は下記の表 に示されている 表 : 排出削減プログラムサイトに関する REL/FRL の結果 省 REL REL05-10 REL 平均 REL FRL タインホア省 ゲアン省 ハティン省 クアンビン省 単位 : CO 2e 100 万トン 資料 : (Vu&Vu 2014) 2) 異なるレベルにおける参照レベルの間の関係 ER-P と UN-REDD プログラムフェーズ II については 各々のサイト別の RLs は ベトナムの UNFCCC への結果に応じた支払いによる REDD+ の参照レベルに関する提出 (MARD 2016) に準じている 森林定義 階層化 カーボンプール ガス 排出係数と活動データの算出 NFIMAP データセットの利用等の RL/REL 作成方法に整合性がある (MARD2016c) ER-PD と UN-REDD フェーズ II サイトに関する参照レベルは ベトナムの UNFCCC による参照レベル の一部である このような参照レベルの間の差異は参照期間によるものである ベトナムの UNFCCC による参照レベルは 年であるが UN- REDD フェーズ II の場合は 年である (MARD 2016c) References Akiko, I., Preliminary ideas & proposal on REL/RL for Viet Nam under the UN-REDD Phase II. Presentation at REDD+ RL Workshop on April , Ha noi, Viet Nam. Castella, J. et al., Impact of forestland allocation on agriculture and natural resources management in Bac Kan Province, Viet Nam. In J. Castella & D. Q. Dang, eds. Doi Moi in the Mountains: Land use 90

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98 1-1-3 カンボジア 森林の概況 1) カンボジアの森林資源カンボジア王国政府 (RGC) によれば, 天然ゴムおよびオイルパームのプランテーションを除く 2014 年のカンボジア国内の森林は 852 万ヘクタールであり, 被覆率は国土の 46.9% である (RGC 2016a). 森林はおもに同国の北東部および南西部に分布している ( 図 ). おもな植生のタイプは落葉樹林 ( 森林全体の 40.9%), 常緑樹林 (34.9%) であり, そのほかは半常緑樹林, 浸水林, 竹林, マングローブ林, 内陸部マングローブ林, 松林, 松プランテーションおよびその他の樹木プランテーションである ( 表 ). 図 年のカンボジアの土地利用の種類 (Miettinen et al. 2016) 2) 森林の被覆率と質の変化を引き起こした要因と誘因カンボジアの森林被覆率は過去数十年の間に大幅に減少してきた ( 図 ). カンボジア政府による国家森林被覆アセスメントによれば,1965 年には国土全体の 73.05% であった森林被覆率は,2014 年には 49.48% に減少している (RGC 2016b). 全国森林被覆地図は 1965 年,1993 年,1997 年,2002 年,2006 年,2010 年のものが入手可能であるものの, その分類体系および森林の定義は地図によってばらばらである (RGC,2016a). カンボジア政府は FREL/REL 設定および REDD+ 実施のため, ゴムおよびオイルパームのプランテーションを森林の定義から除外し,2006 年,2010 年,2014 年の森林被覆率を評価した (RGC 2016a, 表 ). また Open Development Cambodia (2015) および FAO(2010, 2014) もカンボジアにおける森林被覆率の変遷を指摘している. すべてのデータにおいて, カンボジアの森林被覆率はかつて 70% 以上であ 94

99 ったが,2014~2015 年にはおよそ 50% になったことを示している.2001~2014 年の間に, カンボジアの森林損失は年間森林損失率が 14.4% 増と, 世界で最も加速していた (Petersen ほか,2015 年 ).2014 年の森林被覆地図にもとづく評価では, 総計 2.41 Gt の二酸化炭素が国内の森林に貯蔵されており,2006 年の 2.97 Gt から減少していることが明らかになった (RGC 2016b). 表 年,2010 年および 2014 年の森林被覆および土地利用の統計 (RGC 2016a) 図 カンボジアの森林被覆率の変遷 3) 森林の被覆率と質の変化を引き起こした要因と誘因カンボジアにおける森林伐採および劣化の要因としては以下が挙げられる. 1) 森林地帯の土地に対する需要による森林伐採 a) 森林から大規模農地および鉱山への転用 経済的土地コンセッション (ELC) 鉱業コンセッション b) 森林から定住地, インフラおよび農地への転用 社会的土地コンセッション (SLC) 発電用ダムの建設 道路およびインフラの建設 小規模の違法な森林開墾または土地への投機 2) 森林資源に対する需要による森林劣化 森林コンセッションおよび地方伐採許可, 一年伐採許可 商業用および家庭用の薪の収穫 商業伐採 森林の劣化は, 持続不可能な薪の収穫や木炭の生産によるものであった. 95

100 商業伐採については, 森林コンセッション制度が 1990 年代に導入され,1994~1997 年の間に, およそ 700 万ヘクタールの森林 ( 森林全体の 70%) の伐採権が 36 社に対して与えられた (UN REDD Programme 2011). しかしカンボジア政府は 1996 年に木材の輸出を禁止し,2002 年には森林コンセッションにおける伐採をすべて停止した (Banks et al. 2014). その後の 2006 年までには森林コンセッションの大半が取り消された. 1997~2002 年のカンボジアにおける森林伐採は, 小農地所有者が広大な森林 非森林の土地の境界へ侵入したことによるものが多かった一方, 森林の劣化はこれらの広大な森林の隣接部分で発生していた.2004 年半ば以降, 大規模な農工業用プランテーションによって急激に森林を侵食しているため, この種の劣化は 2015 年現在では比較的限定されているように見える (Forest Trends 2015). 最近では, ゴムやアカシアといった換金作物のためのプランテーション開発が森林転換の主な原因となっており, また木材の供給源ともなっている.2013 年末までに, 260 万ヘクタールもの土地 ( 国土の 14%) が経済土地コンセッション (ELC) として農業関連産業, 特に天然ゴムのプランテーション造成に配分された (Forest Trends 2015).ELC の 80% 以上は 2010 年以前には森林または森林保護区域であった場所に対して発給されていた. これはその当時の国内の森林のおよそ 20% にも匹敵する (Forest Trends 2015). カンボジアでは今もなお, 特にベトナムや中国に木材を輸出しており (Banks et al. 2014), カンボジアの木材生産の 90% までもが森林転換によるものである. 木材の供給源となっているおもな森林転換は ELC とインフラ開発計画だが, 違法なものも含まれている (Banks et al. 2014). 過去数年の統計によれば, ゴムプランテーションのための森林伐採の拡大は天然ゴムの市場価格の高騰とも関連している (Grogan et al 年 ). 大規模な農業開発による森林転換は,2012 ~2013 年の乾季におけるカンボジアの森林からの二酸化炭素の最大の排出源であった (Forest Trends 2015). カンボジア政府は 2012 年以降, 新規の ELC ライセンスの発行を中止した (Forest Trends 2015). しかし, 社会土地コンセッション (SLC) は今もなお森林地域において割り当てられている.SLC とは, 社会経済的発展のために土地を再配分する法体系である.SLC の受益者は以下のとおりである.(a) 土地を所有していない貧困家庭および退役軍人の家族,(b) 将来の人口増加に備えて, インフラのような地域開発計画に土地を必要とするコミュニティ, である (RGC directive01).2009~2013 年の間に, 政府が SLC に割り当てた土地は 245 万ヘクタールであった. 利用可能な土地がますます不足しているうえに, 不完全な森林区分も相まって,SLC は森林へ侵食していることも多く, 森林伐採や森林劣化と結び付けられてきたが, 総合的な影響は未知数である (RGC 2016a). カンボジア政府が小農の産業化を促進し, 大規模な農業プランテーションと周辺の小農との結びつきを強化しているため, モノカルチャープランテーションはますます拡大するとみられている (RGC 2016a) 気候変動対策及び REDD+ に関する所掌及び実施体制 1) 国家レベル (1) 気候変動持続可能発展国家評議会 (National Council for Sustainable Development: NCSD) 96

101 気候変動国家委員会 (National Climate Change Committee: NCCC) は,2006 年に設立された部門横断型の学際的な組織であり, 気候変動に関する政策, 戦略, 法的文書, 計画, プログラムの実施を準備, 調整, 監督する権限を持っていた (General Secretariat 2015).NCCC は気候変動の緩和および適応についての政策を策定する政府の最高機関であり, 環境大臣が議長を務め,19 の省庁からの代表者を含む. UNFCCC の下での国際交渉における政府の見解および戦略を決定する際に重要な役割を果たした (FCPF,2011 年 ) 年 5 月, 各省庁間の部門間の調整をより効果的にするため,NCCC とグリーン成長国家評議会が合併して, 持続可能発展国家評議会 (NCSD) と呼ばれる新たな組織を設立した.NCSD も同様に環境大臣が議長を務め,NCSD の下での気候変動技術チーム (CCTT) が各専門省庁の中心となった (Mitsubishi Research Institute 2015). NCSD は政府の関係省庁の高官 ( 副大臣および次官 ) で構成され, 総理大臣が名誉議長を, 環境大臣が議長を務める. その委員の数は以前の NCCC よりも多く, より多くの省庁が含まれており, 州知事も含まれる. 気候変動局 (Department of Climate Change: DCC) カンボジア気候変動事務局 (Cambodia Climate Change Office: CCCO) は 2003 年に環境省内に設立され,2009 年に気候変動局 (DCC) に改称された.DCC は NCCC およびその後の NCSD の事務局であり,2010 年以降, カンボジア気候変動戦略計画 (Cambodia Climate Change Strategic Plan: CCCSP) の策定を担当している. また,DCC はカンボジア指定国家機関 (Designated National Authority: DNA) の事務局としても機能している. さらに,DCC はカンボジアにおける CDM プロジェクトを積極的に推進してきた (General Secretariat 2015). 環境省 (MoE) 自然保護総局 (General Department of Administration for Nature Conservation and Protection: GDANCP) GDANCP は DCC の上位組織である. GDANCP は以下について担当している. カンボジアの保護区 (Protected Area: PA) の管理における環境大臣の補佐 保護区の戦略的管理計画の策定および実施 LULUCF,REDD+ を含む 2030 年までに GHG の排出を削減する (2030 年までの ) 30 年間にわたるプログラムである CCCSP の策定 カンボジアにおける 各国が自主的に決定する約束草案 (INDC) の策定 : 2015 年 10 月に (COP 21 に ) 提出された同国の気候変動対策計画 (INDC ポータル - カンボジアを参照のこと ). 環境省は活動家を招待するなどしていうるため, さらに進歩的になると考えられている (TF). プレイロング (Prey Long) 地域の活動家は強力であり,2016 年に Equator Prize を受賞した (TF). 97

102 図 環境省の組織 図 持続可能発展国家評議会の組織 (2) REDD+ カンボジア REDD+ タスクフォース : カンボジア REDD+ タスクフォースは,2013 年 2 月 26 日付の農林水産省令第 87 号 カンボジア REDD+ タスクフォースの設立に関する決定 により設立された. この REDD+ タスクフォースは, 政府全体にまたがるおもな調整 意思決定機関として機能している. このタスクフォースは, 環境省 GDANCP の長官が議長を務め, 林業局の副長官が副議長を務める.2016 年 4 月に林業局所轄の保護林の管轄が GDANCP 管轄の保護地域に移譲される前は, 議長と副議長の役職が逆であり, 林業局の副長官がタスクフォースの議長を務めていた. しかし, タスクフォースの現在の議長 (H.E. Dr Chea Sam Ang) は以前林業局の副長官であったが, 現在は GDANCP 長官であり, またカンボ 98

103 ジアの UN-REDD+ National Program および FCPF のナショナルプログラムダイレクターでもあり, 実際には人事的な連続性がある. タスクフォースのその他の委員は以下のとおりである. 内務省地方行政総局副局長 経済財政省資産局局長 鉱工 エネルギー省エネルギー総局副局長 農林水産省農村水供給局局長 農林水産省漁業局水環境保全部部長代理 環境省技術副長官 農林水産省林業局野生生物 生物多様性部部長 国土整備 都市化 建設省国土地理総局国土保全局国有財産保護部部長 タスクフォースの権限は以下のとおりである. 戦略のプロセスおよびプロジェクト実施のための付託条項 (ToR) の管理 調整 プログラムの実施の管理 調整 試行プロジェクトの実施についての調整および意思決定 プロジェクトの結果がカンボジアの現況に合っているかどうかの監督 大臣へのプロジェクト実施の月次報告 (REDD+ カンボジア :REDD タスクフォース ) 図 REDD+ タスクフォースの組織図 タスクフォース事務局 : 事務局長は林業局が任命する ( 現在は Dr Khorn Saret). 事務局次長は GDANCP が任命する. タスクフォース事務局は林業局内に設置され, その職員は林業局および GDANCP から配属される. タスクフォース事務局の役割は関係省庁間の調整であり, 諮問グループがガイダンスを提供する. 同事務局はカンボジア REDD+ プログラムの基本的な実働部隊であり, 各活動の管理の中心となって行動する. 事務局の下部組織として技術チームがあり, 以下を行う. 1 REDD+ のデモンストレーション 2 REDD+ の利益共有および収益の分配 3 MRV/REL 99

104 4 諮問およびセーフガード技術チームには学界の研究者も含まれる. 技術チームでは月例会を行うことを開始したが, 現在のところ会合は不定期に行われている. REDD+ ジェンダーグループ REDD+ ジェンダーグループは, ジェンダーおよび女性の地位向上の概念,REDD+ タスクフォース, 諮問グループ, 技術チームのメンバー間の意識を高めることを目的としている. 国家 REDD+ 戦略のジェンダー的要素について助言を行うことも期待されている. REDD+ 諮問グループ REDD+ 諮問グループは 9 つのステークホルダーの団体を代表する各 2 名の委員を含む 18 名の委員からなる. これらのグループは, ロードマップおよび UN-REDD プログラム文書から派生したものであり, ステークホルダーとの詳細な議論にもとづくものである. その 9 つのグループは以下のとおりである. 学界 国際組織 国内 NGO 先住民 CSO 民間部門 コミュニティ林グループ コミュニティ保護区グループ コミュニティ漁業グループ CI が諮問グループに出席したが, 公式の役割を果たしてはいない. REDD+ 諮問グループは,REDD+ Readiness プロセスについて REDD+ タスクフォースに意見を提供し, さまざまなステークホルダーの団体の意見を代表するためのフォーラムを提供するための機関として,Cambodia REDD+ Readiness Roadmap において提案された. 同グループは, カンボジア REDD+ プログラムと現存するステークホルダーの団体のネットワークとを結びつける責任を負うことを目的としている. REDD+ 諮問グループは定期的 (3 か月ごと (CSA)) に会合を行い, カンボジア REDD+ 戦略に対する知見や, 特に利益共有および REDD+ セーフガードについての技術文書を提供している. UN-REDD のステークホルダーの関与についてのガイドラインに沿って, ステークホルダーは自ら代表を選定する責任を与えられている. 先住民の場合, その選定過程は先住民の居住する 15 の州の地方選出会議にもとづいて行われる. この手法は 2012 年 9 月に行われた先住民の代表との議論, およびその後のステークホルダーの諮問会議を通じて開発された. その他のステークホルダーの団体については, カンボジア政府がその過程を指揮しているという意見を避けるため, 自主的推進会議 (VFC) が設立された.9 人の委員からなる VFC それ自体が構成上, 多くのステークホルダーからなるものであり, 資格のある個人からの関心表明書に対する国内全土からの要求にもとづいて生じたものである (REDD+ カンボジア : 諮問グループ ). 2) 準国家レベルそれぞれの州は自身の政策または戦略を持っていない. 100

105 3) REDD+ 戦略策定のための情報を支援する主な組織 カンボジアの REDD+ による開発は, 多国籍金融機関, 二国間開発銀行, 二国間協力機構, 国際 NGO によって支えられている.REDD+ の準備についてのおもな支援は, UN-REDD プログラム (2011 年 ~),FCPF(2014 年 ~) および JICA から提供されてきた (Fujisaki 2013,Forestry Administration 2014) 年のカンボジアによる UN-REDD プログラムへの参加に続き,UNDP カンボジアおよび FAO カンボジア地域事務所が,REDD+ Readiness 計画プロセスに対して同国政府の支援に全力を挙げており, このことがカンボジアにおける REDD+ ロードマップの策定につながった. カンボジアは 2011~2015 年の UN-REDD 国家プログラム全体の財政支援を受けている (General Secretariat 2015). このイニシアティブに続いて,FCPF が 2014~2017 年の REDD+ Readiness プロジェクトに資金を提供している.2013~2017 年の REDD+ Readiness プロジェクトに対し, 合計 67 億米ドルの資金が UN-REDD プログラム,FCPF およびカンボジア REDD プログラムによって提供されている. 世界銀行の森林炭素パートナーシップ基金 (FCPF) は,2009 年のカンボジアの準備計画アイデアノート (R-PIN),2011 年の準備提案書 (R-PP) を承認した. カンボジアにおける FCPF プロジェクトは, 同国の UN-REDD プログラムを発展させて 2014 年に開始された.2014 年までに重要な REDD+ 機関がすべて設立され, 運用可能になった. これには,REDD+ タスクフォース,4 つの技術チーム, 諮問グループおよびジェンダーグループが含まれる (Fujisaki 2013).REDD+ Readiness プロセスにおいて, コミュニティ林業やコミュニティ保護区, コミュニティ漁業, 先住民の人々との結びつきを強化するため, 諮問および参加計画が最終決定された. なお北部 3 州において Northern Plains ER program も立案されていたが, 既にキャンセルされた. カンボジア政府は Readiness Fund のみを受け取る方針である. 日本政府は,REDD+ Readiness プロセスおよび国家森林プログラムの実施を支援するため, カンボジア政府に対しておよそ 800 万米ドルの提供を約束した (Fujisaki 2013). 加えて,JICA が CAM-REDD を支援しており,2011 年以降, カンボジア REDD+ Readiness プロセスへの支援の枠組みを提供した. CAM-REDD の設立以来, 同機構は REDD+ ロードマップのためのさまざまなイニシアティブを支援しており, その成果には次の 4 つが含まれている. 成果 1:REDD+ Readiness プロセスの国内での効果的な管理およびステークホルダーの関与成果 2: 国家 REDD+ 戦略の策定成果 3: 準国家 / 国家レベルで REDD+ を管理する能力の向上成果 4: モニタリングシステムおよび RL/REL の枠組み, その処理能力の設計 CAM-REDD は特に成果 2~4 に対して集中的に支援を行った.CAM-REDD は,Oddar Meanchey 州および Keo Seima 保護林における REDD+ 試行プロジェクトに対して, 技術支援および関連する財政支援を提供した. さらに CAM-REDD は,Central Cardamom 保護林 (CCPF),Preah Vihear 保護林 (PVPF),Western Siem Pang, Veun Sai-Siem Pang,Prey Long といった将来性のある保護林を含むその他の保護林に対しても,REDD+ のもとでの森林の保護や持続可能な維持管理の候補地として支援を行っている. プロジェクトごとのアプローチから, 準国家レベルのアプローチへ 101

106 の移行も,CAM-REDD が支援する重要な領域の 1 つである (REDD+ Cambodia: CAM-REDD). カンボジアの天然資源の管理に支援を提供する重要な役割を担ってきたその他のドナーには, デンマーク国際開発援助活動 (DANIDA), 英国国際開発省 (DFID), ニュージーランド国際開発機構によるプログラムなどがある (Fujisaki 2013). また,REDD+ に貢献するであろう持続可能な森林管理 (SFM) に関するプロジェクトに対して, 国際的な財政支援も提供されてきた. 国際熱帯木材機関 (ITTO) は, 森林法の施行とガバナンス (FLEG) に関する林業局の能力開発, 違法伐採活動の効果的な抑止を可能にするツール開発, 持続可能な森林管理への貢献など複数のプロジェクトを支援してきた.GHG の排出削減がこれらのプロジェクトのおもな目的ではないものの, これらプロジェクトの多くはそれを成果の一つと考えている. これらのプロジェクトには以下が含まれる. カンボジアにおける森林法の施行とガバナンスの能力向上 (2007,2009~2011 年 ) このプロジェクトは Kratie 州,Kampong Thom 州,Pursat 州,Preah Sihanouk 州の 4 州で実施された (RGC 2012, Chiew and Savet 2015). Kratie 州,Mondulkiri 州の恒久林における森林法の施行とガバナンスの能力向上 (2013~2015 年 ) Kampong Thom 州における REDD+ メカニズムを通じた持続可能な森林管理 (2015~2017 年 ) 国連開発計画 (UNDP) は 2011~2015 年, コミュニティ林およびコミュニティ保護区のためのコミュニティごとの SFM を政策に統合し, 計画 実施することを目的とした SFM に関するプロジェクトを実施した. その目的には, 改良型薪ストーブの生産拡大および CO 2 排出を削減する持続可能なバイオエネルギー技術の市場拡大が含まれている. 同プロジェクトは中央レベルおよび Battambang 州,Pursat 州,Kampong Chhnang 州,Kampong Speu 州で実施された 気候変動対策としての REDD+ の活用に関する法令等 1) 2020 前後の INDC/NDC, カンボジアの気候変動戦略, 排出削減目標 2014~2023 年カンボジア気候変動戦略計画 (CCCSP) RGC は 2013 年 11 月に史上初の 2014~2023 年カンボジア気候変動戦略計画 (CCCSP) を公式に始動した (Royal Government of Cambodia 2013). CCCSP では以下のとおり,8 つの戦略目標を対象としている. 1. 食品, 水, エネルギーの安全性を向上することにより, 気候変動に対する回復力を向上すること. 2. 気候変動の影響に対する部門, 地域, 性別ごとの脆弱性および健康への影響を削減すること. 3. 重要な生態系 ( トンレサップ湖, メコン川, 沿岸の生態系, 山岳地帯など ), 生物多様性, 保護区, 文化遺産の気候変動に対する回復力を確保すること. 4. 持続可能な発展を支援する低炭素プランニングおよび技術を推進すること. 5. 気候変動による影響についての能力, 知識, 意識の向上. 6. 気候変動による損失およびダメージを削減するような, 適応性のある社会保護および参画アプローチを推進すること. 102

107 7. 国内の気候変動の影響についての機関および調整の枠組みを強化すること. 8. 地域および世界的な気候変動プロセスへの協力および積極的な参加を強化すること. この中で戦略目標その 3 を達成するための手段の一つとして REDD+ を含む生態系サービスへの支払いを促進すること が言及された. CCCSP(2014~2023 年 ) は実施を 3 段階に分けて, 一連の行動を設定した. 当面 (2013~2014 年 ): この段階での焦点は,CCCSP の実施のための組織的 財政的な調整, 国内の監視 評価 (M&E) の枠組みおよび指標の策定, 関係省庁による気候変動行動計画 (2014 ~2018 年 ) の策定を実施することであった. 中期 (2014~2018 年 ): この段階では引き続き, 第 1 段階で計画された事項の実行を支援し, ひいては適応基金および緑の気候基金の承認や, 調査および知識の管理, 能力開発, 部門間にまたがるさまざまなレベルでの気候変動の主流化,M&E およびデータ管理システムの運用, ならびに気候変動行動計画において特定された主要部門における優先プロジェクト ( プログラム ) の設立, といったその他の活動をも含むものである. 当初は適応活動が優先されたが, 徐々に GHG 削減活動も含まれるようになるだろう. 長期 (2019~2023 年 ): この段階での焦点は調査 研究に関するものになるだろうが, そのおもな目的は, 成功事例を拡大して, 引き続き気候変動を国家および準国家プログラムの主流にしていくことである. これにより, 国家プログラムを支援する予算を利用する機会がますます増えることとなり, 準国家の行政を通じて, 気候変動への対応に資金を提供することも含まれることになる. 各国が自主的に決定する約束草案 (INDC) カンボジア政府は 2015 年 10 月,UNFCCC に INDC を提出した.LULUCF からの CO 2 固定量は 2010 年の推定値が 18,492 Gg であったのに対し, 何らかの行動がなければ, 2030 年には 7,897 Gg に減少すると見込まれている. INDC は適応および緩和戦略の両方を含むが, カンボジア政府は LULUCF 部門のための自発的かつ条件付きの緩和行動に着手し, 国家森林プログラム (2010~2029 年 ) にしたがって,2030 年までに森林被覆率を国土の 60% にまで増やし,2030 年以降もそれを維持することを目指している. INDC における行動には, 以下が含まれる. 1. 森林減少を避けるための森林の再分類 30 万ヘクタールの生産林が保護林に編入される見込みである. 2. FLEGT( 森林法の施行 ガバナンス 貿易 ) プログラムの実施森林のガバナンスを向上させ, 検証済み合法木材の国際貿易を推進する. これらによって達成される排出削減量は 4.7 t CO2eq/ha/year と試算されている. LULUCF に対する行動は, 条件付きの貢献として示されているが, 実際の行動リストおよび GHG へのインパクトは,REDD+ 戦略の最終決定後に更新される見込みである. 2) 気候変動戦略としての国家 REDD+ のための法規制と計画 2016~2025 年国家 REDD+ 戦略 (NRS) 2015 年 1 月以降, カンボジア REDD+ タスクフォース事務局は, ステークホルダーおよび REDD+ の専門家チームに対して, カンボジア国家 REDD+ 戦略の草案について一 103

108 連の諮問を行った. 林業局の炭素クレジット室長 Delux CHHUN 氏が作成を担当している. 国家 REDD+ 戦略はまだ最終決定されていないが, 最新版の草案が 2016 年 8 月 1 日から利用可能となっている (Kingdom of Cambodia 2016). 環境省持続可能発展国家評議会事務次長 Chuop Paris 氏もまた,2016 年 11 月 7~18 日にマラケシュで開催された COP22 および CMP12 において行ったプレゼンテーションの中で, 国家 REDD+ 戦略の概要について紹介した (Chuop 2016). 同戦略の最終目標は以下のとおりである (Chuop 2016). 森林の伐採および劣化を抑制する一方で, 森林の炭素ストックの持続可能な管理, 保存および強化を促進する. UNFCCC の下でのカンボジアの要件を達成し, 実施した REDD+ 政策および措置 (PAM) に対する結果にもとづく支払いを受け取る資格を持つこと. 国家 REDD+ 戦略は,3 つの互いに関連する戦略目標と 20 の戦略からなる (Kingdom of Cambodia 2016). 戦略目標その 1: 森林資源の利用の監視および管理の効率の向上 森林の分類, 区画化, 分界および登録を通じた森林の土地保有権の安全性の向上 さまざまなステークホルダーの参加による森林伐採 劣化に対抗する法執行活動の強化 法令順守のための現行の ELC および SLC の資格の監視ならびに ELC および SLC のパフォーマンスに効果的に影響を与える能力の強化 森林保護区 ( 保護区および漁業保存水域 ) の管理の強化 森林および土地利用部門に関するデータ収集 管理 処理 統合 品質保証 品質管理のためのシステムおよび技術的能力の強化 土地および森林資源の利用に関する法的枠組みの統合および整合化 ( 責任および役割の重複を避ける ) の実施 森林部門内外における森林の伐採 劣化 ( すなわちインフラ開発など ) に対抗する活動の実施による, 森林および地域コミュニティへの社会的 環境的影響の緩和戦略目標その 2: 持続可能な森林管理活動の実施の推進 コミュニティごとの森林管理区域の強化および拡大 (CF,CFA,IP による土地管理, および地域コミュニティにおける農林業の慣例の拡大 ) 民間部門における森林の伐採 劣化を削減するための代替案を提供する持続可能なサプライチェーンの実行の奨励 国有地における適切な植林 森林再生活動および育林事例の強化 奨励 劣化した農地の植林地への転用による, 民間のプランテーションからの木材供給源の拡大, ならびに天然林の利用による影響の緩和 コミュニティ林, コミュニティ保護区, コミュニティ漁業といったコミュニティごとの森林管理にもとづく木材の供給および木材由来のエネルギーの強化, ならびに天然林からの木材由来のエネルギーおよび木材に対する需要の緩和 森林, 森林地および木材以外の森林農産物の利用に関する効果的で公平な, 持続可能な管理の推進 地域コミュニティのための公平な代替生計開発プログラム, ならびに多様化した森林資源からの共同利益の最適化および森林の伐採 劣化の緩和戦略目標その 3: 国家戦略を実施するためのステークホルダーの参加の促進および能力 知識 意識向上 104

109 REDD+ PAM を関連する国内および部門ごとの政策に主流化し, 国家 REDD+ 戦略 (NRS) の実施を推進して, 森林および関連部門を支援する追加財源を生み出すこと 関連するステークホルダーの能力 知識 意識を向上させ, 森林の伐採 劣化を緩和する PAM を実施すること 一貫した政策対応を確保するための機関および調整の枠組みを強化し, 大規模な経済開発およびインフラ計画によって生じる森林の伐採 劣化を緩和すること 森林および土地利用の計画のおもな入り口の 1 つとして, 国民の関与 参加 諮問を推進し, コミュニティごとの組織や地域コミュニティ, 先住民の人々, 女性, 若者,NGO および民間部門 学界を含むさまざまなステークホルダーの参画を推進すること 森林 土地利用政策および REDD+ に関するトレーニング, 研究, 技術開発における大学 研究機関の役割の強化 開発パートナーを結集して, 森林 土地利用および気候変動のガバナンスに関する知識と人材を協力して育成すること NRS は 2 つの段階で実施される予定である. 第 1 段階 2016~2020 年 :(NRS 実施段階 ) NRS 実施のための組織的 財政的な制度が策定され, 国家の M&E 枠組みが確立される. この段階において完了すべきその他の行動には以下が含まれる. - 国内の MRV のためのカンボジア国家森林モニタリングシステム (NFMS) の試行 - カンボジア FREL/FRL の試行 - カンボジア SIS の開発着手および試行 以下の PAM が 2020 年までに制定される見込みである. NFMS および MRV に関する政策, 標準およびさまざまな制度が策定される. これには機関間の調整, データ共有制度, データの整合化, 品質保証を含む. GHG 算出の品質保証および品質管理 (QA/QC) 措置, 検証が国家レベルで実施される. 国家レベルで REDD+ PAM を実施することで生じる緩和効果を解説するカンボジアの森林 土地利用に関する国家 GHG インベントリの編集.GHG インベントリには, 同国の管轄区域内における関連するすべての人的排出および吸収を含む. 関係するステークホルダーが自由にアクセス可能な, 関連する地理的データと ( 性別によって統合された ) その他データの管理および処理のための UNFCCC の REDD+ ポータルサイトにリンクされたデータベースを確立する. NFMS に REDD+ セーフガードの情報システムとの相乗効果を持たせる. 森林および土地利用の変化, 炭素ストックおよびその他生態系機能への影響についてのデータの精度を確保するため,NFMS を運用可能にする. 関連データを編集し, カンボジアの隔年更新報告書 (BUR) の付属技術文書を通じて,UNFCCC 事務局に REDD+ の実施結果を報告する. REDD+ と関連機関における能力開発を行う. 第 2 段階 2021~2025 年 :( 結果にもとづく支払い段階 ) 105

110 NFMS,FREL/FRL および SIS の手法およびデータが改善され, それにより NRS には, 森林の伐採 劣化のその他の推進要因に取り組む PAM の実施までが含まれるようになる. REDD+ についての関連法および規制には以下が含まれる. 国家戦略開発計画 (NSDP) 開発の取り組みの効果を整合化し, 最大化する包括的な最終目標と 10 の行動計画からなる. 同計画では, 成長, 雇用, 公正および効率に特化した RGC の 四辺形戦略 の実施を試みている.2006 年に開始され,NSDP ではその期間中, 天然資源の管理について強調してきた.NSDP の第 3 段階 (2014~2018 年 ) では, 一連の森林および土地利用改革を通じて, 経済開発への需要と環境保全の必要性とのバランスを取ることを目指している. グリーン成長開発に関する国家戦略計画 (2013~2030 年 ) 炭素取引のための規制枠組みおよび制度を策定し, なかでも, 気候変動への適応措置の策定 実施の能力を強化している. 森林法 (2002):REDD+ に言及している. 国家森林プログラム (2010~2029 年 ) 国家森林プログラム (NFP,2010~2029 年 ) は,2010 年に RGC によって承認され, 持続可能な森林管理のための政策枠組みおよび戦略を提供する.6 つの異なるプログラムからなり, プログラム 6( 持続可能な森林の資金調達 ) が REDD+ の実施に関連付けられている. 政令第 188 号 (2008 年 ) 林業局は国内の森林の炭素ストックの量的評価を行い, 森林の効果的な管理と開発のための歳入を増やすため, 森林炭素取引および森林生態系サービスを策定 調整する特別な責任を与えられている (Felicani-Robles,2012 年,Fujisaki,2013 年 ) 準国以下の REDD+ プロジェクトの実施に関する法令等 インタビュー対象者によれば,REDD+ のために特別に策定された法律および規制は存在しないとのことである. 一般的な法律および規制については, 法律はさほど明確ではなく (KS),REDD+ プロジェクトの実施は現時点では完全に 合意ベース である REDD+ における市場メカニズムの活用に関する法令 1) 市場メカニズムの適用に関係する法規制と計画, 機関現在, カンボジアはボランタリー市場のみを目標としている (CSA). 例えば韓国 カンボジア連携プロジェクトといったボランタリーの二国間 REDD+ プロジェクトが存在する (DC). 法や規制はまだ存在しない.UNFCCC の要件のみを満たしている. 2) 市場及び国連気候変動枠組み条約 (UNFCCC) 下の森林炭素クレジットの国際取引を介した政府による REDD+ の資金調達の展望カンボジアは段階的なアプローチを採用している. すなわち, まず炭素で, その後が市場, その次に生活の向上である. つまり現在は炭素排出量の算定に集中しており, 市場メカニズムを介した結果支払い制度の検討などには至っていない. 106

111 REDD+ の MRV システム 1) カンボジアにおける森林の定義 カンボジアには 3 つの異なる森林の定義が存在する. 森林法 国家森林プログラム (2010 年 ):SFM の評価を含む森林に用いられている 更新の必要あり REDD+ 向け : ゴム, アブラヤシ, 多年生作物を除いた天然林および植林のみ (KS) 2) 国家森林監視システム (NFMS) 国家森林モニタリングシステム (NFMS) の草案が策定され,COP22 において UNFCCC に提出された. まもなく更新される予定である. 同システムは林業局, 環境省, 漁業局, 国土省が JICA,CAM-REDD,FAO の技術サポートを得て策定した. また, 日本政府および FAO は 920 万米ドルを支援している他, 森林総研 REDD+ 開発研究センターが技術支援を行っている. 3) REDD+ MRV システムの特徴 NFMS は MRV とモニタリングの 2 つの機能からなる. 1) MRV 機能とは GHG インベントリの報告を目的としたものであり, 測定, 報告, 検証の 3 つの要素に分けられる. 測定部分は GHG インベントリ, 衛星土地モニタリングシステム (SLMS) および国家森林インベントリ (NFI) からなる. 検証は 2 段階のプロセスである. 第 1 段階は MRV 技術チームによる外部モニタリングと検証を必要とし, 公式承認を得るため RGC に提出する. 第 2 段階は UNFCCC による国際的な検証を必要とする. 2) モニタリング機能とは, 森林の伐採 劣化の推進要因に取り組む際の REDD+ PAM の影響の監視と, データの収集, 保管, 分析, 普及をいう. カンボジアの NFMS は,NFP,NPASMP および SPFF を含む, より広範囲の森林部門政策およびプログラムを支援するとされている. 国家森林インベントリ (NFI) NFI の設計は完了しており, 大規模な一連の NFI が 2017 年から計画されている (Leng 2016). 国家森林インベントリには,1) 森林被覆率の評価および 2) GHG インベントリが含まれる. 1) 森林被覆率の評価森林被覆率の評価は 2010 年以降,UN-REDD のもとで実施されてきた. 更新は 2 年ごとに行われる. 次回の森林被覆率の評価が進行中であり,2016 年に結論が出る見込みである.(MRV を含む )FREL の第 2 版が完成予定であり,2017 年末までに公表される予定である. 107

112 2) GHG インベントリ NFI はまだ実施されていないが,39 の PSP および REDD+ 関連プロジェクトの 474 プロット, コミュニティ林調査データの 528 プロット ( 図 ) が,FREL を推定するため, カンボジアの主な森林の種類である常緑樹林, 半常緑樹林, 落葉樹林の排出係数の算出のための収集に用いられた. 変動係数は高く, 今後 NFI を実施することによって減少すると見込まれている. その他の森林の排出係数の推定も,NFI を通じて改善されるであろう. 図 NFI 推定のために用いられた森林インベントリプロットの位置 4) 準国家レベルでの REDD+ MRV の開発 準国家レベルでの MRV システムはこれまでのところ存在しない 土地の所有 管理 利用に関する法令等 1) 森林の所有とユーザーの権利 2017 年 1 月現在, カンボジアの森林地域は関連法および戦略のもとでの森林の分類にもとづいて,3 つの国家機関によって管理されている ( 表 ). (1) 保護区環境省 (MoE) の自然保護局 (GDANCP) が管理している 年 4 月 28 日,RGC は 13 の保護林および土地すべての管轄権を農林水産省から環境省に移行した (RGC 政令第 69 号 2016). これらの区域は現在,2008 年の保護区法により保護されており, そのため環境省がカンボジアの保護区のすべてを単独で管轄している. さらに,2016 年 5 月 9 日,RGC は 100 万ヘクタール以上の森林および草地を含む 5 つの新たな保護区を宣言した. その結果, 環境省は 600 万ヘクタールの保護区を管理する責任をもつこととなり, その面積はカンボジアの国土の 34% を占 108

113 めることになる (Souter et al. 2016). その一方で, 保護区内に発行された 73 の ELC が環境省から農林水産省に移管された. (2) 恒久林農林水産省 (MAFF) の林業局 (FA) が管理している. 恒久林はさらに永久保全林 (PFR) と私有林に分けられる.PFR はもともと, 生産林, 保護林, 転用林からなるが, 現在, 保護林は存在しない. 私有林は農作物を自ら管理, 開発, 収穫, 利用, 売却, 流通する権利を持つ所有者が維持すべきものである (RGC 2016a). 国家森林プログラム (NFP,2010~2029 年 ) では, 一連のプログラムのもとでの PFR の持続可能な管理のための政策および実施戦略を定義しており ( カンボジア王国, 2010a), 以下が含まれる. - 森林の区分, 分類および登録 - 森林資源および生物多様性の保護および開発 - 森林法の施行とガバナンス - コミュニティ林プログラム - 能力開発および調査 - 持続可能な森林資金調達 (3) 浸水林農林水産省 (MAFF) の漁業局 (FiA) が管理している. REDD+ の可能性は少ない (TF). 表 カンボジアの森林の管轄, 規制当局および法令 戦略規制当局法令 戦略保護区環境省自然 2008 年保護区法保護局 国家保護区戦略的管理計画 (NPASMP,2016~2030 年 ) 恒久林 浸水林 永久保全林 私有林 生産林転用林 農林水産省林業局 農林水産省漁業局 2002 年森林法 国家森林プログラム ( 2010 ~ 2029 年 ) 2006 年漁業法 漁業に関する戦略的プランニングの枠組み (2010~2019 年 ) 109

114 図 : 保護区の地図 (2016 年 ) 2) 権利割当プロセス ELC のライセンス期間は 50 年以下に制限されている. コミュニティ林 (CF) はコミュニティに対して自らの利用のために貸し出されており,SFM は 15 年間である. 国内全土に 500 以上のコミュニティ林がある. 管理をコミュニティに移譲するプロセスの改革を求める声があった. 米国国際開発庁 (USAID) がコミュニティ林を支援してきた. 関連する規制はコミュニティ林についての政令である. コミュニティ林のグループは, 5 か年の管理計画を策定する必要がある. モニタリングおよび評価について,5 年ごとに林業局に報告しなければならない. コミュニティ林は一時保留になる場合がある. 一部のコミュニティ林のグループは森林を十分に管理しており, 事業計画も策定している. 薪や非木材林産物 (NTFP) を販売することもできる. いまだ十分な実務経験はない. 3) REDD+ プロジェクトの開発に対する森林の所有とユーザーの権利の影響 関連法および政令 (SD) 2001 年国土法 土地政策白書,2015 年制定 2003 年コミュニティ林の管理に関する SD 2003 年社会的土地コンセッション (SLC) に関する SD 110

115 2005 年経済的土地コンセッション (ELC) に関する SD 2009 年先住民コミュニティの土地登録に関する SD REDD+ のセーフガードに関する法令等 1) セーフガード情報システム (SIS) の開発 (1) カンクン セーフガードに対する国家的アプローチの開発 REDD+ セーフガードの原則と基準カンボジアにおける REDD+ セーフガードの原則と基準は, すでに REDD+ タスクフォース技術作業部会による 3 年にわたる開発ののちに最終決定されており, 現在, 公開協議を実施中である. カンボジア政府は, 関連する政府機関及び組織, 市民団体, 地域コミュニティ, 先住民および女性からなる合計 317 のステークホルダーとの準国家レベルおよび国家レベルの一連の協議を実施している. 広範囲にわたるこれらの協議により,UNFCCC のもとでのセーフガード 7 原則にしたがって,7 つの原則と 14 の基準を最終提案した. セーフガード情報システムは 2017 年に UNFCCC へ提出される予定である. 政策 法令 規制のギャップ分析政策, 法令および規制のギャップ分析も実施され, カンボジアにおける現行の政策, 法令および規制 (PLR) と, セーフガードの原則および基準案との間で生じる可能性のあるギャップを特定した. その結果,108 の政策, 法令および規制 (PLR) が特定された. この事前のギャップ分析により,RGC にはすでにセーフガードの原則および基準案に 対処 できる多くの PLR が存在し, 一部は社会的セーフガードをも含むと結論付けたが, 逆戻りや転移のリスクに対処するより環境的なセーフガードを検討する必要があることも特定した. (2) セーフガード情報システムについての指標およびデータソースの初期設定の提案カンボジアはセーフガードがどのように対処され, 国家 REDD+ 戦略の実施を通じて順守されているかについて監視 報告するための指標およびデータソースの初期設定を提案した. 各指標について収集 分析し,UNFCCC に報告するための情報の種類を評価するには, さらなる作業が必要とされる. さらに, カンボジア政府はセーフガード情報システムの枠組みを設計し, 地方から国家 国際レベルに ( およびその逆について ) セーフガード情報を収集, 分析, 監視, 保管, 報告 普及する ( 現行および新規 ) 機関および調整体制を特定した. これらの提案は MRV, 国家森林インベントリ (NFI),NFMS および M&E の枠組みとの密接な連携によって開発される予定である. また, カンボジア政府は苦情に対する是正制度も開発する予定である. セーフガードに違反した場合, カンボジア政府は関連する行動を ( セーフガードが 順守 されていることを確保するための要件に合った ) 法令順守の状態に戻す適切かつ即時の措置を講じることになっている. この目的で, カンボジア政府は REDD+ の苦情を是正するための現行の機関および制度を特定し, 設立する計画である. 111

116 実施中の REDD+ プログラム等 1) 実施中ないし実施予定の REDD+ プロジェクト Oddar Meanchey Oddar Meanchey は,2008 年の閣僚会議決定第 699 号にもとづいて, カンボジアにおいて初めて公式に認められた REDD+ 試行プロジェクトである (Bradley,2011 年 ). 同プロジェクトは 2007 年 11 月, コミュニティ フォレストリー インターナショナルにより開始され,2009 年に林業局との連携によりプロジェクトを実施するパクトによって採用された. プロジェクトのパートナーには,13 のコミュニティ林業グループ ( およそ 8,000 世帯を含む 58 の村落 ),Community Forestry Network(CFN), Terra Global Capital, 地元 NGO の Children s Development Association(CDA), Monks Community Forestry Association(MCF), ならびに Oddar Meanchey 州の地元当局が含まれている. プロジェクトのエリアには,13 のコミュニティ林が含まれている 年 9 月, 同プロジェクトは東南アジア地域における初めてのコミュニティを基礎としたモザイク REDD+ プロジェクトとして,VCS のもとで検証された.2012 年 10 月には, 同プロジェクトは CCB ゴールド認証を獲得した (Fujisaki 2013,Forestry Administration 2014). 英国国際開発省 (DFID), ニュージーランド国際開発機構 (NZAID), クリントン気候イニシアティブ (CCI) がおもな資金提供者である (Yeang et al. 2013). しかし, 現在同プロジェクト地域は軍部が占有している. そのため, 同プロジェクトは何ら進展しておらず, 政府職員によれば 不成功 と考えられている. Keo Seima 保護林 REDD+ プロジェクトセイマ保護林 (SPF) の中心部は 166,983 ヘクタールであり, 保護林全体で 292,690 ヘクタールである (PDD). 同プロジェクトは 2010 年に開始されたが, 同地域が現在野生生物保護区になっているため, 管轄が環境省に移された. 同プロジェクトはボランタリー市場プロジェクトをもとにした REDD+ 活動であり,UN-REDD によって支援されている (JS). 同プロジェクトは 2014 年に VCS 検証を得ており,2015 年 11 月には Community and Biodiversity Alliance(CCBA) の検証を受け,2016 年 6 月に認証された. 同プロジェクトは現在 2010~2015 年の認証プロセスを受けており, 近く完了する. 得られた知見としては,10 年以上の予測排出削減量が 1200 万炭素トンであり, 当初想定された量の 2 倍である (JS). この削減は計画的でない森林伐採を回避することで達成されており, 削減量の算出に当たっては近隣地域との比較を用いた. この削減には森林劣化を含まない. このプロジェクトの設計は, フロンティア / モザイク状森林伐採のための VSC 方法論 VM 0015 に従っている. 中心部における REDD+ プロジェクトの目的は,SPF の総合的な管理目的と直接関係している. 目的は想定される気候, コミュニティ, 生物多様性にとっての利点に沿って分類することができる. 気候にとっての利点については, 同プロジェクトは今後 10 年以上, 計画的でない森林伐採を回避することによって,1400 万 tco2e の排出削減をもたらすと見込まれている. コミュニティにとっての利点としては, 112

117 REDD+ プロジェクトの参加村落における 2,500 世帯以上 ( およそ 12,500 人の人々 ) に, 基本的な需要と伝統的な文化アイデンティティを提供する森林地区を保存すること. 先住民のコミュニティにおける土地所有権付与 (ICT), 参加型土地利用計画 (PLUP) および土地利用に関する合意のための法的 計画的な支援を通じて, セイマ保護林のコミュニティにおける保有権を強化し, 無土地層を解消すること. 収入を生む機会と能力開発の機会を提供することにより, 森林伐採を削減するような代替となる生計を支援すること. これには増加する農村以外の生計の選択肢を得るための国語 算数教育が含まれる. 食品の安全, 収入, 気候変動に対する回復力を増大させるような, 農地の拡大およびインフラ支援を提供すること. コミュニティの投資の優先事項を支援することで, 炭素による直接の利益を共有すること. 生物多様性にとっての利点としては, 最初の 10 年間で,REDD+ プロジェクトがおよそ 30,000 ヘクタールの南アンナン山脈の低地林および落葉フタバガキ林が破壊されるのを防ぐ.292,690 ヘクタールのプロジェクト対象地域には, 重要かつ危機にさらされている生態系が多く手つかずの状態で残っている. 同プロジェクトによって, 人間による劣化や阻害が最小限にとどめられている手つかずの生態系にとって機能的な生息地全体を残すことができる. 同様に同プロジェクトは世界的に保護の懸念があるさまざまな種の保存と回復を確保することができる 年 6 月 27 日に環境省, ディズニー ワールドワイド サービシーズ,WCS の間で署名された合意にもとづいて, プレセールとして 365,000 トンがディズニー社に最初の投資者として 620 万米ドルで売却された. これはクレジットの全体の 35~40% に相当する. そのため, 追加のクレジットが市場に出された.WCS は持続可能な財政管理を確立しており, 基金のおよそ 81% は管理および保全に利用される炭素クレジットの販売から得たものである. 残りの 10% は政府税に,9% は取引費用に使われた. 管理および保全のための基金の一部として,40% がコミュニティに配分され,25% が普通預金口座に配分された. Tumring REDD+ プロジェクト トゥムリン REDD+ プロジェクトは 韓国 カンボジア連携プロジェクト ( ?) の 1 つであり, カンボジア林業局が 14 のコミュニティ林, 地元当局, REDD+ プロジェクト開発企業 (Wildlife Work Carbon: WWC) と連携して実施したものである. 同プロジェクトは Kompong Thom 州に位置しており, インド ビルマ生物多様性ホットスポットの重要な部分であるプレイロング地域の 40% を占めている. プロジェクトの対象地域は合計 70,042 ヘクタールであり, カンボジアにおける連続 113

118 している低地常緑樹林の内の最大面積を有するプレイロング地域の南西端の半常緑樹林および常緑樹林である (FA,2010 年 ). 森林炭素ストックは高く,1 ヘクタール当たり tco2e である. このエリアは以前 ITTO のプロジェクトサイトであったし, 周辺では森林総研による調査もおこなわれている. 図 Tumring REDD+ プロジェクトの地図 2010~2014 年の Kompong Thom 州における年間の森林伐採率は 3.28% であり, 一方国内の森林伐採率は 2.66% である. コミュニティ林の確立はプロジェクト対象地域で極めて進展している. その他の大半の州とは異なり, プロジェクト対象地域におけるコミュニティの大半は, 政府とのコミュニティ林業協定に署名することにより, 森林を管理する法的権利を得ている. 韓国山林庁によると, 同プロジェクトは VCS および CCBA の認証を受ける予定である. 同プロジェクトの目的には以下が含まれる. - 森林炭素クレジットの獲得 : 実施プロセスを通じて, 同プロジェクトは CCBA および VCS の認証を受け,REDD+ クレジットを任意の炭素市場にもたらすことを目指している. - 森林に依存するコミュニティの生活水準を向上させる. - 効果的な REDD+ プロジェクトの実施のために, さまざまな重要なステークホルダーの能力を強化する. Prey Lang / Long プロジェクトコンサベーション インターナショナル (CI) カンボジアと日本企業が, カンボジア政府との 3 年間の枠組み合意を締結する予定である.CI は 2017 年 1 月に REDD+ プロジェクトの開発を開始できるよう,2016 年 12 月に合意文書に署名したいと考えている.CI は 1 月に PDD に着手する計画であり, およそ 18 か月かかると見込んでいる. 政府によれば,PDD 段階は 3 年間であり,REDD+ プロジェクトは 2020 年より開始される見込みである (CP). 必要とされるプロジェクトの費用はまだ決定されていない. その手法は VCS にもとづくものになる予定である. 全体としては,CI は JCM 手法を用いている (CP).PDD に対して計画されている第 1 段階は, 基準値と利益共有の検証手法を開発することである. 枠組み合意にもとづき,CI カンボジアは地元コミュニティと 9 つの保全合意を締結する計画である.PDD の開発段階と重なるものの, 計画された当初の活動には生計支援, 114

119 特に持続可能な農業 ( 例 : スーパーフード モリンガオレイフェラ の生産など ) の訓練が含まれるが, インフラ ( 例 : 道路 ) の開発や法執行機関なども含まれる. その後の活動は環境省との連携により実施され, コミュニティのパトロールについての能力開発も含まれる. 訓練は SMART 保全ツールを用いて実施される. パトロールのための助成金がコミュニティに提供される. 当初の資金はおもに日本企業から提供される予定である. 既に各年 20 万 US ドルを 2017~2019 年に支払うことをカンボジア政府と合意している. しかし, 現在さらに USAID およびコンサベーション スチュワードなどのドナーも入っている.USAID はプレイロング地域の森林管理および生物多様性保全を支援するため, 過去 4 年にわたって,2200~2400 万米ドルを提供してきた.CI カンボジアは USAID との 2 つの下請け契約書を交わしている. すなわち,(i) BD 評価および (ii) コミュニティとの当初合意についての支払い, である. そのため,CI カンボジアはすでに 3 年のコミュニティパトロールの経験を持っている.CI カンボジアは,USAID からの提案についての追加の要求があるだろうと期待している.USAID は REDD を目的とはしないだろう.CI が USAID からの今後の資金を確保すれば, それは法執行機関に費やされるだろう.REDD+ プロジェクトが始まれば, 日本企業はクレジットを売却し, 利益はカンボジア政府と共有され, その利益は法執行機関に充てられるだろう (CI の予測による ).REDD+ プロジェクトはカンボジア初の JCM プロジェクトになるだろう. REDD+ プロジェクトの対象地域はおよそ 100,000 ヘクタールになる予定であるが, 完全に決定されたわけではない. プレイロング地域は 4 州 (Preah Vihear, Stung Treng, Kampong Thom and Kratié) にまたがり, 合計およそ 450,000 ヘクタール (TF) または 431,683 ヘクタール (CP) である.CI のプロジェクトはこのうち北東部の Stung Treng 州の部分を対象とする. 残りの州では WCS がプロジェクトを行う可能性がある. プロジェクトの対象地域が完全に保護区 ( すなわち野生生物保護区 ) と重なる場合, プロジェクトの実施は容易になるだろうが, 追加性を示すには, 林業局または農林水産省の管轄下にある土地を含む必要があるだろう. しかし, 農林水産省の管轄下にある土地を REDD+ プロジェクトに含むのには困難が伴うだろう. また提案されたプロジェクト対象地域にはコミュニティ林が少なくとも 3 つ存在する. プレイロング地域全体では,20~40 のコミュニティ林が存在する. プレイロング地域には, 森林伐採および違法な木材取引を含む大きな脅威が存在する. 小規模, 中規模, 大規模な開墾が行われている. 経済的土地コンセッション (ELC) が依然として発行されており (TF), 使用料は非公式の経路を通じて支払われている. 森林伐採の大半は過去 15 年間に行われたものである. カンボジアでは, 土地コンセッションによって 250 万ヘクタールもの森林が失われてきた. プレイロング地域では, かつておよそ 600,000 ヘクタールであった森林被覆率が, 現在ではおよそ 450,000 ヘクタールにまで減っている. 社会的土地コンセッションは少数存在するだけである. Southern Cardamon Mountains Wildlife Alliance は, 環境省およびあるアメリカの企業と協力して,REDD+ プロジェクトを準備している. 提案されている地域は Southern Cardamom Mountains の 410,392 ヘクタール, および Tatay の 144,275 ヘクタールである. 今後の REDD+ プロジェクトとは別に, 多くの小規模プロジェクトに関する保全合意書が存在する. 先 115

120 ごろ,Wildlife Alliance の部長が環境省と会談し, 正式に要請を行った.PDD を開発するには通常少なくとも 3 年はかかる. 同プロジェクトでは国家 REDD+ 戦略と連携をしなければならないが, 一部調整できていない点が残っている. プレイロング地域と同様に,REDD+ プロジェクトのための PDD は 2017 年初頭に開始され, その 3 年後, 完全な REDD+ プロジェクトが 2020 年以降に開始される見込みである ( 聞き取りをおこなった Wildlife Alliance 側の人物は Neth Vibol 氏である ). また南カルダモン山脈は FCPF の結果にもとづく支払いにとっての 2 つの有力な候補地のうちの 1 つである. Kulen Promtep WCS は Preah Vihear 州北部平原の Kulen Promtep 野生生物保護区において, 環境省と共同で REDD+ プロジェクトを実施した.WCS はさまざまな想定のもとでの過去および将来の森林伐採率の分析, ならびに森林伐採の推進要因, 炭素ストックの予備評価を含む, 実現可能性調査を実施した (Fujisaki 2013). クーレン プロムテップは FCPF の結果にもとづく支払いにとっての 2 つの有力な候補地のうちの 1 つである. Preah Vihear 保護林 REDD+ プロジェクト野生生物保護学会および林業局は, Preah Vihear 保護林 (PVPF ), Chendar Plywood concession( 現在はプレアロカ林と呼ばれる ), ならびにプレアヴィヒア州の Kampong Sralao II コミュニティの森林, を含む REDD+ プロジェクトを実施した. 同プロジェクトは北部平原地域を保護することを目的として, 食品の安全, 代替生計, 近隣コミュニティへの教育の形で利益をもたらしている 1. Central Cardamoms コンサベーション インターナショナル (CI) カンボジアは,2002 年の設立以来, 中央カルダモン保護林を林業局と協力して管理している (Halperin and Turner 2013). CI は 6 つの森林監視団体で働く森林監視員に対して, 財政的 技術的支援を行っている. Western Siem Pang バードライフ インターナショナルが 2009 年に Western Siem Pang でプロジェクトを開始した. 同計画には CCBA によるプロジェクトの検証も含まれる. 農林水産省がすでに対象地域の北部の未配分地域を含む Western Siem Pang 保護林を創設すると申請していたが, 一方対象地域の南部および中心部は,2001 年以降樹木作物またはバイオ燃料のプランテーションを造成するため, あるカンボジア企業に 70 年間のコンセッションが与えられている 2. Siem Reap REDD+ Community Carbon Pools Programme フォーナ フローラ インターナショナル (FFI) が林業局と連携して,2013 年に Siem Reap 州のコミュニティ林における REDD+ コミュニティ炭素プールプログラムを立ち上げた (Fujisaki 2013). 同プロジェクトは, 東南アジアの 4 か国を含む広範囲の地域イニシアティブの一部である. 提案された REDD+ プロジェクトのアクショ

121 ンには,34 のコミュニティ林業地域にまたがる各コミュニティによる森林管理が含まれている. 欧州連合 (EU) が同プロジェクトのおもな資金提供者である. 同プロジェクトは 2014 年に完了すると見込まれていた (Yeang et al. 2013). Phnom Tbeng 保護林日本森林技術協会 (JAFTA) が三井物産および兵庫県立大学と共同で, プノン タベン保護林における REDD+ のための JCM プロジェクトの実現可能性調査を行った. 実現可能性調査において提案されたプロジェクトの対象地域は, およそ 10,000 ヘクタールであった ( 日本森林技術協会ほか 2012). 2) REDD+ プロジェクトの調整努力と問題点 REDD+ 事務局が取り組みを調整する際に重要な役割を担っている. カンボジア政府は, 技術的な能力の点が十分につけば, 国内の REDD+ のための一つの方法論を持つ計画である. 当面は, JCM などさまざまな手法を受け入れるという点で柔軟である. プロジェクトおよび国家レベルの間でコンフリクトがあった (JS).FAO および UNDP は国レベルのトップダウンのアプローチを好んだ (JS). プロジェクトレベルで用いられる手法は, ネステッドアプローチを用いて国レベルの REDD+ と整合化する必要があるだろう. 国家レベルで整合化する必要がある 参照レベルの策定状況 1) REL のステータスと特長 林業局が REL の策定を担当していたが,REL を担当する政府の専門家が 2016 年に環境省の GDANCP に異動した. (1) 国家 REL カンボジア政府はすでに 2017 年 1 月,UNFCCC に対して Initial Forest Reference Level for Cambodia under the UNFCCC Framework を提出した (RGC 2016a). それによれば 2006~2014 年の森林参照レベルは年間 79,245,643 tco2 と評価された ( 図 ). 年間平均の CO2 吸収量は年間 13,462,436 tco2 である一方, 年間平均の CO2 排出量は年間 92,708,079 tco2 である. 初期 FRL には, 森林伐採 劣化, 強化および植林が含まれる. 森林とは,5 メートル以上の高さを持ち, 最低 0.5 ヘクタール以上の面積を持つ, 林冠被覆率が 10% 以上の天然または人工の植物に覆われた湿地および乾燥地の形をした生態系の単位をいう. 森林地域には森林再生地, 新規植林地および再植林地を含む. ゴム, アブラヤシのプランテーションおよび多年生作物はこの定義から除外される. FRL に含まれる炭素プールは, 地上部バイオマスおよび地下部バイオマスである. 残りの炭素プール ( リター, 枯死木, 土壌有機物 ) の変化は少ないと考えられており, カンボジア初の国家森林インベントリ (NFI) の実施後に想定されている. GHG の対象範囲は CO2 のみである. 参照期間 :2006~2014 年 117

122 アプローチ :8 年間の平均 活動データ :2006 年,2010 年,2014 年の土地利用カテゴリーおよびその変化についての空間明示的な観察. 森林およびその他の土地利用はその種類によって階層化される ( 表 ). 排出係数 : 現存する森林インベントリデータにもとづく森林の種類 (2 層 ) ごとの国特有の排出係数 ( 表 ), およびその他のカテゴリーのデフォルトの排出係数. 図 年間 CO2 排出量 / 吸収量の変遷 (RGC 2016a) 118

123 表 カンボジアの REDD+ 目的に合わせた土地利用の種類の序列 (RGC 2016a) 表 カンボジアにおける森林の種類ごとの地上部バイオマス (ton ha-1) の推定値 (RGC 2016a) 119

124 2014 年の土地利用地図は LANDSAT 8 の 2013/2014 年の画像データを用いて作成された. この地図にはカンボジア全土 ( 森林 / 非森林 ) が含まれており, 今後の土地利用のモニタリングや土地利用の変化の基礎として機能している. 精度評価は Rapid Eye の画像,Google Earth の高解像度画像,LANDSAT 8 の画像の目視を用いて行った 年および 2010 年の土地利用地図は, 過去に林業局が作成した森林被覆率地図を更新することによって作成された. ランドサットの画像が分類に用いられ,FAO およびメコン川委員会が作成した地図および Google Earth の画像が参照データとして用いられた.2006 年および 2010 年の地図の精度評価は, カンボジア林業局のための UN-REDD 後援の衛星によるリモートセンシング についてのプロジェクトの一環として,ALOS に搭載された AVNIR-2 の画像を用いて,Geographic Resource Analysis & Science A/S(GRAS) が行った. 排出係数 (EF) は人間活動により引き起こされた単位面積あたりの CO2 排出量と定義された. 排出量は二時点の単位面積当たりの炭素ストックの変化を算出することによって推定された.FRL の算出においては, 現時点で土地の転換および再生に関する信頼性の高いデータが存在しないため, 森林伐採後の炭素ストックは 0 とみなされた. 地上部バイオマス (AGB) の排出係数は森林の種類によって変化し, 土地利用の種類によっても変化することが導かれた. その一方で, 地下部バイオマス (BGB) は熱帯林に推奨される比率を適用して推定された (IPCC,2003b). 今後 NFI が実施された際には, 国内の排出係数は改善すると見込まれている (RGC, 2016a).FREL の第二版 (MRV を含む ) は 2017 年末までに最終決定され, 公表される予定である. 現時点では, 森林劣化に関するデータは限られたものしか利用できないが,REDD+ 戦略では中期的にその強化および持続的森林管理の導入に取り組むことを目指している. カンボジアでは歴史的な排出量を用いてきており,1 年あたりの平均排出率を特定している. これにより, 国際的な技術審査のための今後のプロジェクトを可能にしている.2021 年より, 政府は結果にもとづく支払いを得るために FREL を用いる予定である. (2) 準国家 REL 存在するが, これまで公開されてこなかった. (3) プロジェクトレベル 表 REL の特色の概要 120

125 イニシアティブ / プロジェクトコミュニティ林における森林伐採 劣化から生じる排出量の削減 -Oddar Meanchey 森林伐採 劣化から生じる排出量の削減 -Seima 期間手法炭素プール 1990 ~ 2007 年 1998 ~ 2009 年 VCS VM0006 VCS VM0015 森林地上部バイオマス 非森林地上部バイオマス 地下部バイオマス 枯死木 リター 土壌有機炭素 木材製品 森林地上部バイオマス 非森林地上部バイオマス 地下部バイオマス 枯死木 リター 土壌有機炭素 2) 国家 / 準国家レベルの ERL の関係 FREL の整合化のため, 国家森林被覆率アセスメントが実施されている. 環境省の GDANCP が調整を担当している. 参考文献 Chuop, P REDD+ Implementation for Green Economy: Creating enabling environment for the privet sector. Grogan, K., D. Pflugmacher, P. Hostert, R. Kennedy, and R. Fensholt Cross-border forest disturbance and the role of natural rubber in mainland Southeast Asia using annual Landsat time series. Remote Sensing of Environment 169: Halperin, J. J., and R. L. Turner Forest Degradation in Cambodia: An Assessment of Monitoring Options in the Central Cardamom Protected Forest. KFS (Korea Forest Service) n/y.: Tumring REDD+ Project. A Joint Korea- Cambodia Project. Kingdom_of_Cambodia National REDD+ Strategy. Latest Version Date 01 August Leng, C Cambodia Forest Reference Level -Enabling results-based payment for REDD+ in tropical forest : Lessons from reference setting. COP 22, Marrakech, Morocco. Miettinen, J., C. Shi, and S. C. Liew Land cover map of Southeast Asia at 250 m spatial resolution. Remote Sensing Letters 7: Mitsubishi Research Institute, I Mainstreaming Adaptation through the Experiences on Climate Change Strategic Plan in Cambodia.in J. Ministry of the Environment, editor. NAP Process and Actions 2015 (10 Case Studies in the Asia-Pacific Region). Open Development Cambodia Forest Cover Study (December 15, 2016) Petersen, R., Sizer, N., Hansen, M., Potapov, P. & Thau, D Satellites Uncover 5 Surprising Hotspots for Tree Cover Loss. (accessed 27 May 2016). REDD+ Cambodia: CAM-REDD. (December 09, 2006) REDD+ Cambodia: REDD Task Force. (December 14, 2016) REDD+ Cambodia: Consultation Group. (December 19, 2016) 121

126 RGC (Royal Government of Cambodia) Cambodia Climate Change Strategic Plan, a%20climate%20change%20strategic%20plan% pdf ) Royal_Government_of_Cambodia Cambodia Climate Change Strategic Plan RGC. 2016a. Initial Forest Reference Level for Cambodia under the UNFCCC Framework. (January 26, 2017) RGC. 2016b. National REDD+ Strategy. Latest Version Date 01 August Eng.pdf (December 13, 2016) Souter, N. J., V. Simpson, A. Mould, J. C. Eames, T. N. E. Gray, R. Sinclair, T. Farrell, J. A. Jurgens, and A. Billingsley Will the recent changes in protected area management and the creation of five new protected areas improve biodiversity conservation in Cambodia? Cambodian Journal of Natural History 1:1-5. 日本森林技術協会, 三井物産株式会社, 兵庫県立大学 カンボジア王国 Phnom Tbeng 保護林とその周辺地域における森林減少 劣化抑制による GHG 排出削減プロジェクトに関する新メカニズム報告書. 122

127 1-1-4 ラオス人民民主共和国 森林の概況 1) 森林資源ラオスの総国土面積は 23.7 百万ヘクタール (ha) であり 2010 年時点ではその % が森林だった (GOL, 2011) 国土の 70% が山地 丘陵地という地形であり 平均の標高は 1,500m である 同国の気候は 5 月から 9 月まではほぼ季節風を伴う雨期であり 10 月から 4 月までが乾期である 年間降水量は最南端では 1,000 mm 程度 北方では 3,000 mm と幅があり また平均気温は 10 から 38 0 C の間である ラオスの森林は 9 つに分類される (Clark, 2008): 1) 北部の乾燥常緑樹林 2) アンナン山脈とボロヴェン高原など高原エリアの熱帯山地常緑樹林 3) メコン河平野低地部の半常緑フタバガキ樹林 4) 北部に散在する熱帯山地落葉樹林 5) 南部の乾燥フタバガキ樹林 6) 南部の落葉混交樹林 7) アンナン山脈の石灰岩地域の森林 8) アンナン山脈の松林 そして 9) 北部の山地亜熱帯林である 森林法 (No. 6/NA 2007 年 12 月 24 日付 ) では その機能に応じて 3 つの森林を 3 つに区分している つまり (i) 保安林 (ii) 保全林と (iii) 生産林である 表 1 に ラオスの生産林 保安林および保全林の種別面積を示す 保全林は 国レベルから郡レベルまで合わせて 4.8 百万ヘクタール (ha)(2003 年 ) を占めていた ( 表 ) 表 ラオスの生産林 保安林 保全林の面積 (2003 年 ) 森林種別 行政レベル 面積 ( 百万 ha) 1. 生産林 国 保安林 県 0.46 郡 0.06 合計 保全林 国 3.39 県 0.93 郡 0.50 合計 4.83 総計 8.55 出典 : GOL ) 森林被覆率と森林環境に見られる傾向 表 は 森林の森林被覆率の変化の要約である 森林は 1965 年に 16 百万 ha( 国有地の 70%) から 1970 年には 14 百万 ha(60%) のと減少している 国有林の森林被覆率も 1982 年の 11.6 百万 ha(49.1%) から 2002 年には 9.83 百万 ha (41.5%) に 更に 2010 年には 9.6 百万 ha (40.3%) と減少した (Lestrelin et al. 2013) 図 は 2010 年時点の同国における森林分布である 1992~2002 年の同国北部と南部の年間平均森林減少率は 1.1~1.5% の間であった 同国中央部では 2.2% であった ビエンチャン県とシエンクワーン県の一部であるサイソムブーン特別区での森林減少率は 都市開発のためにおよそ 17,000-40,000 ha/ 年だった 森林被覆率の変化により 森林の質も劣化 123

128 している 密林は 1992 年の 29% から 2005 年には 8.2% へと減少し 森林面積全体に占める劣化林が 16% から 24.5% へと増加したと推定される (FAO, 2009) 表 ~2010 年のラオスの国有森林被覆率の変化 年 実質森林被覆率 49.1% 47.2% 41.5% 40.3% ( 国有地に占める割合 %) 実質森林被覆率 ( 百万ヘクタール ) 出典 : 森林被覆率評価 林野局 (DOF) 2010 年 図 ラオスの森林被覆率 (2010 年 ) 出典 : Forest Investment and Planning Division, Department of Forestry ) 森林の被覆率と質の変化を引き起こした要因ラオスでの森林減少の直接要因は 無秩序な伐採や 焼畑農業 農地拡大 産業用植樹園の開発 水力発電の開発 工業その他のインフラストラクチャー開発などがある (MAF 2005 年 ) 商業伐採による持続的でない木材の伐採 焼畑による火災 森林火災 燃料としての木材収集が森林劣化の直接要因である Thomas (2015) によると 2002~2009 年の年間平均木材伐採割当は 150,000~200,000m 3 であったが 伐採業者は割当量を超えて伐採している 2008 年の違法伐採量は 600,000 m 3 と推定されている 焼畑農業は森林減少と森林劣化の双方の原因と見なされているが 特に北部で顕著である 1980 年代終わりに焼畑農業は 4.86 百万 ha に及んだと推定される 2002 年以降 コムやユーカリ アカシアなどの産業用植林の拡大により 自然林の減少が続 124

129 いた (FAO, 2009) ゴムの植林地面積は 2010 年には 400,000 ha にも及んだとされる (Barney, 2011) 間接的な森林減少要因には 近隣諸国での木材需要 脆弱な統治 森林資源の不適正な管理などが挙げられている (FCFP, 2008) 気候変動対策及び REDD+ に関する所掌及び実施体制 1) 国家レベル 1-1) 気候変動 1. 国家環境委員会 (National Environment Committee: NEC) 国家環境委員会 (NEC) は副首相が議長を務める その業務は 天然資源と環境に関する政策指導の提供 並びに国の GHG インベントリの承認である 2. 天然資源環境省 (MONRE) 2011 年に設置された天然資源環境省 (Ministry of Natural Resources and Environment: MONRE) は (i) 気候変動と国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) プロセスに関する専門的で主導的な役割 及び (ii) 気候変動に関する国家運営委員会 (National Steering Committee on Climate Change: NSCCC) 気候資金運営委員会 天然資源と環境セクター作業部会 (Natural Resources and Environment Sector Working Group: NRE SWG) を含む国の気候変動調整機関の調整を主導する役割を担っている (Roehrl and Tirpak, 2014) 天然資源環境省は その役割を支えるために複数の部署を新設している これには 気候変動関連の専門業務を実施する自然災害 気候変動管理局 (Department of Disaster Management and Climate Change: DDMCC) と 天然資源の管理と環境保護を目的にセクター間の調整をする天然資源環境セクター作業部会 (NRE-SWG) が含まれる 3. 自然災害 気候変動管理局 (DDMCC) は 気候変動緩和と適応活動に関する国内外ネットワークの連絡窓口となる 自然災害 気候変動管理局 (DDMCC) は 政府職員と地域社会対象の災害管理訓練の推進と主催 災害時の被災者支援活動の調整 災害管理センターとしての活動 情報の管理と評価を管轄する 4. 気候変動に関する技術作業部会 (Technical Working Groups on Climate Change: TWGCC) 気候変動に関する技術作業部会 (TWGCC) の設置により 天然資源環境省は気候変動に関する技術作業部会 (TWGCC) の主幹を務めている 気候変動に関する技術作業部会 (TWGCC) は 天然資源環境省 農林省 エネルギー鉱山省 公共事業交通省 科学技術省 産業商業省 公衆衛生省 教育スポーツ省 ラオス女性同盟の 8 つの省庁により構成される 気候変動に関する技術作業部会は 天然資源環境省に対し 様々なセクター間で気候変動問題に関する事務局であり 中央及び地方レベルでセクター間の調整を行う窓口を務めている 気候変動に関する技術作業部会の管轄は以下の通りである (i) 気候変動に関する方針 戦略 対策 その他の文書に関するレビューとフィードバックの提供 (ii) 気候変動に関する国の方針と戦略 計画に基づく各セクターへの活動立案とプロジェクト提案の主導 (iii) 気候変動の適応緩和活動に関する 国及び国 125

130 際レベルでの経験 教訓の情報交換 (iv) 気候変動の影響に関する提唱と地域の意識向上活動 (v) 気候変動適応と緩和活動への広範な参加を促すための国内及び国際社会の関与の推進 (vi) 気候変動に関する技術作業部会 (TWGCC) の研究要件への取り組みを目的とした セクター固有の研究ニーズの特定と 複数セクター研究ユニットの設立支援 (vii) 気候変動に関する技術作業部会 (TWGCC) に参加するセクターやその他のセクターからの利害関係者の 気候変動に関する技術作業部会 (TWGCC) 協議ワークショップと会議への招待 関連政府団体に課された権限と責務の実施 である 5. 天然資源環境セクター作業部会 (NRE-SWG) 天然資源環境セクター作業部会 (NRE-SWG) は 2011 年に設立された その責務は 国家経済社会開発計画 (National Economic and Social Development Plans: NESDP) 及びミレニアム開発目標の実施における天然資源環境省とラオス人民民主共和国政府の支援 天然資源管理と環境保護を目的としたセクター間の調整である 天然資源環境セクター作業部会 (NRE SWG) は 次の 6 つのサブセクター作業部会 (Sub-Sector Working Groups: SSWG) で構成される : 国土サブセクター作業部会 地理鉱物サブセクター作業部会 水資源サブセクター作業部会 環境サブセクター作業部会 気候変動サブセクター作業部会 災害サブセクター作業部会である 天然資源環境セクター作業部会 (NRE SWG) 下での 2016 年の主な達成事項としては 約束草案 (INDC) の国別目標 (NDC) としての策定などである 1-2) REDD+ 1. 国家環境委員会 (NEC) 国家環境委員会 (NEC) は 2002 年に設立された その責務は 環境管理 戦略 規制 計画に関して政府と省庁間の調整を行い 助言することである (Fujisaki 2012) 天然資源環境省は副首相が議長を務め 農林省 (MAF) 天然資源環境省 (MONRE) エネルギー鉱山省 (Ministry of Energy and Mines: MEM) 公共事業交通省 (Ministry of Public Works and Transportation: MPWT) 財務省 (Ministry of Finance: MOF) 産業商業省 (Ministry of Industry and Commerce: MOIC) (FCPF,2015) といった関係省庁のメンバーで構成される 2. REDD+ タスクフォース 2008 年 ラオスの REDD+ タスクフォース (REDD+ Task Force: RTF) は農林省 (MAF) によってに設置された その主な責務は Forest Carbon Partnership Facility (FCPF) プロセスの管理 REDD+ プロジェクトの企画 / 実施の調整 国際間の気候変動対話と REDD+ 交渉への参加 能力構築である REDD+ タスクフォース (RTF) は農林省林野局 (Department of Forestry: DOF) 局長が議長を務める 2012 年の天然資源環境省設置により REDD+ タスクフォース (RTF) は 7176/ 天然資源環境省 (2015 年 10 月 30 日付 ) の決定 及びラオス REDD+ タスクフォース No / 天然資源環境省 (2015 年 11 REDD+ のセーフガードに関する法令等 26 日付 ) の合意を踏まえて再編成された 以降は 天然資源環境省森林資源管理局 (Department of Forest Resources Management: DFRM) 局長が議長 農林省林野局 (DOF) 局長が副議長を務めるなど天然資源環境省が主幹となっている (FCPF, 2015 年 ) 126

131 REDD+ タスクフォース (RTF) は 12 省庁の長官 / 副長官レベルの 24 名で構成されており このうち 4 名が天然資源環境省 (MONRE) 2 名が農林省 (MAF) の所属である 図 に REDD+ 実施の際の組織枠組示した Coordination and Consultation 図 ラオスにおける REDD+ の組織的枠組みの構成出典 : Department of Forestry, 2012 REDD+ タスクフォース (RTF) の構成員は REDD+ 準備に係る各セクターに所属している それには 農林省林野局 (DOF) や 農林省森林監査局 (Department of Forest Inventory: DOFI) 国立農林研究所 (National Agriculture and Forestry Research Institute: NAFRI) 農林省農林普及局 (National Agriculture and Forestry Extension Services: NAFES) 国家土地管理機関 (National land Management Authority: NLMA) 内の土地利用計画開発局 (Department of Land Use Planning and Development) 水資源環境庁内の環境局 ラオス大学森林学部 (Faculty of Forestry, National University of Laos: NUOL) エネルギー鉱山省内の鉱山電電気局 (Mining and Electricity Departments) などがある 農林省林野局 (DOF) は ラオスにおける REDD+ の政策と戦略の立案を主導し 天然資源環境省の森林資源管理局 (DFRM) は 技術作業部会の監督を行う 天然資源環境省 (MONRE) と農林省 (MAF) はともに それぞれ対象の森林における REDD+ 実演活動を管轄する 3. REDD+ オフィス REDD+ オフィスは REDD+ タスクフォース (RTF) の支援 排出参照レベル (REL) 測定 報告 検証 (MRV) 協議 参加 利益分配のスキームに関して技術作業部会 (TWG) との調整を目的として 森林資源管理局 (DFRM) と林野局 (DOF) の下に 2012 年 127

132 に設置された 2014 年 1 月に REDD+ タスクフォース (RTF) は 森林資源管理局 (DFRM) 下の REDD+ 課が 世界銀行の森林炭素パートナーシップ基金 (Forest Carbon Partnership Facility: FCPF) 準備プロセス以外の REDD+ について国の中心的役割を果たすことに合意した REDD+ タスクフォース (RTF) は 2015 年 7 月の 6 つの技術作業部会の設立に合意した 即ち 法的枠組み 土地制度土地使用 MRV/REL 社会環境的セーフガード措置 利益分配 緩和措置の執行 の作業部会である 森林資源管理局 (DFRM) 下の REDD+ 課は これらの技術作業部会設立に際しての調整と追従処置を管轄した 4. 技術作業部会 (TWG) 各技術作業部会の参照用語集はラオス REDD+ オフィスが作成中である 各技術作業部会の主な責務は以下の通り 緩和策導入実施に関する技術作業部会は 以下を含む政府主導の REDD+ 活動 国 / 県 / 郡の森林土地政策 戦略 プログラムの運営と戦略立案 統合を管轄する : (i) REDD+ 法規制の枠組み (ii) 国 / 県の REDD+ の設計と手法 (iii) REDD+ に関する利害関係者の参加と協議 (iv) 土地使用 / 土地管理計画の決定 (v) 国 / 県の森林法規失効戦略 及び (vi) 国 / 県 / 郡の森林管理戦略 REL/MRV に関する技術作業部会は 以下を管轄する : (i) 国の MRV システムの創出に関するラオス REDD+ タスクフォースへの技術的指導の提供 (ii) RS と GIS 国の MRV システムを含む技術ソリューションの確立 (iii) MRV に関する国全体の手法と体系だったシステムの確立 (iv) MRV と報告システムの国のカーボンレジストリへのリンク (v) MRV 関連の概念と慣習に関する国内の定義の確立 利益分配に関する作業部会は ラオス REDD+ における炭素の登録 及び取引と利益分配メカニズムに固有のシステムとプロセスの提案 研究 設計 並びに 国外に出る炭素商品と対価収入の追跡システムの作成 商業プロジェクトに適用される税制や 地域社会と共有されるカーボン排出削減収入の調整された価額の確立 土地利用調整に関する技術作業部会は REDD+ プロセスに関する進行中の土地利用計画の調整を管轄し それには以下が含まれる : (i) ラオスの REDD+ カーボン登録に関する具体的なシステムとプロセスの提案と研究 設計 (ii) 取引と恩恵共有のメカニズム (iii) 既存の土地利用計画が 県レベルで REDD+ REL を主に対象とすることを確保し カーボンセンシティブな土地利用計画を通じて県レベルの緩和政策に主要な役割を果たす セーフガードに関する技術作業部会は REDD+ プロセスへの地域社会と民族グループの参加を管轄するが この技術作業部会はまだ設立されていない この技術作業部会に関する情報は 本調査終了時点で入手不可能であった 法的枠組に関する技術作業部会は (i) REDD+ ラオス法規制の枠組み (ii) MRV REL 利益分配と税制 緩和策の導入と実施 セーフガード 土地利用 及びカーボンの取引と追跡を含む REDD+ の技術的規制 (iii) 国 / 県の REDD+ の設計と手法を管轄する 2) 準国家レベル 128

133 2-1) 気候変動 国 / 県レベルの災害管理委員会も 労働社会福祉省 (Ministry of Labor and Social Welfare: MLSW) の下で設立され 2007 年にラオスメコン委員会により改善された 県 / 郡レベルの災害管理委員会 (Provincial and District Disaster Management Committee: P/DDMC) は 県や郡レベルの災害管理活動の調整を担う 県災害管理委員会は 県の副知事が議長を務め 委員会の他の構成員には 公共セクターや 警察と軍 市民団体の災害準備対応関連利害関係者 並びに業界の代表 宗教団体のリーダー 県の著名な住人 ラオス赤十字に代表が含まれる (OXFAM 2012 年 ) 郡の災害管理委員会は郡長が議長を務めるが 郡レベルの委員会はその職務上 郡単位で設置される 2-2) REDD+ ラオスの REDD+ の構成によれば 複数の利害関係者からなる県の REDD+ タスクフォース (RTF) は その REDD+ プログラムを管理するために各県に設置される必要がある 県レベル REDD+ オフィスの主な役割は 県 郡 それ以下のレベルでの REDD+ 活動の実施にある 県の環境員会 (Provincial Environment Committee: PEC) は 環境と気候変動関連問題での政策指導と決定を主導する団体である 2014 年に REDD+ タスクフォース (RTF) と ラオス北部のフアパン県の県指導部は フアパン県のための県 REDD+ タスクフォース (RTF) と県 REDD+ オフィス ( 部門 ) を設置することで合意した この県 REDD+ タスクフォース (RTF) は 知事公館と 天然資源環境省県支部 (Provincial Office of Natural Resource and Environment: PONRE) 農林省県支部 (Provincial Agriculture and Forestry Office: PAFO) 計画投資省県支部 (Provincial Office of Planning and Investment: PPI) 森林監査局県支部 (Provincial Office of Forest Inspection: POFI) 県の商工会議所 軍の県支部 ラオス女性同盟 ラオス国家建設戦線などで構成される 県 REDD+ タスクフォース (RTF) は知事公館の最高職位の高官が議長を務め 県レベルの問題を監督する 県の REDD+ オフィスは 県 REDD+ タスクフォース (RTF) と連携した県 REDD+ 戦略策定の調整を管轄する (FCPF 2015) また REDD+ タスクフォース (RTF) 会議において セーフガード管理専門部門が県レベルで設置すべきと合意している 但しその関係性にはまだ議論の必要がある セーフガードの専門部門は 社会環境セーフガード策のモニタリングに関する透明性のある情報提示に責任を負う可能性がある 3) REDD+ 戦略策定のための情報を支援する主な組織 ラオスにおける REDD+ の開発は 世界銀行 日本の国際協力機構 (JICA) 米国国際開発庁 (USAID) スウェーデン国際開発協力庁 (SIDA) などを含む援助機関の支援を受けて林野局 (DOF) が主導している ラオスにおける REDD+ 開発の支援を掲げる主な援助団体 / 機関を表 に示す 表 ラオスにおける REDD+ 戦略策定を支援する主な国際機関 機関名プロジェクト名目的期間 129

134 世界銀行 -FCPF 準備計画案 (R-PP) 作成 FCPF への準備計画案 (R-PP) 提出 2010 年 準備計画案 (R-PP) 実施 見込まれた成果 準備管理の取り決め MRV システムとカーボンレジストリに関する取り決めの実施 2011~ 2013 年 ER-PIN 森林減少と劣化に取り込む進行 2016~ 中及び将来的な成果の上に立脚 2024 年 REDD+ の準備 ( 戦略 保護措置 ラオス森林インベントリ (NFI) セーフガード REL/FRL) 県レベルの計画と戦略 日本の国際協力機構 (JICA) ドイツ国際協力公社 (GIZ) (KfW WCS と連携 ) フィンランド政府 世界銀行 米国国際開発庁 (US AID) 日本政府 PAREDD 森林セクター能力開発プロジェクト (FSCAP) 森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) 地域振興のための持続的森林経営の普及プロジェクト (SUFORD-SU) アジア森林からの排出抑制 (LEAF) 森林情報管理プログラム (FIM) REL の開発 地域のカーボン監視方法 検証のためのプロジェクト文書の作成 REDD+ を含む政策の形成と実施に関する 森林セクターの能力開発生物多様性を保護し 国の保護地域システム内の GHG 排出を抑制するための枠組みとパイロットモデルの開発優先地域における参加型 持続可能な森林管理 並びに 4 県における森林景観管理のパイロットによる REDD+ 活動の実施 成功した手法の共有と再現 GHG のための政策改善 技術的能力の強化 低炭素開発ための革新の実演ラオス REDD プログラム実施に向けたし森林資源と森林のベースラインの確立を含む 森林情報管理のためのシステム改善 WWF BMU CarBi REDD+ 準備方法 カーボン算出 を含む REDD+ パイロットプロ ジェクトのための要件の確立 2009~ 2014 年 2010~ 2014 年 2010~ 2018 年 2014~ 2018 年 2011~ 2016 年 2010~ 年 2011~ 2014 年 気候変動対策としての REDD+ の活用に関する法令等 1) 2020 前後の INDC/NDC ラオスの気候変動戦略 排出削減目標 1-1) 気候変動に関する国家戦略 (National Strategy on Climate Change: NSCC) ラオスにおける気候変動に関する国家戦略 (NSCC) は 2010 年に政府により承認された (GOL,2010) その目的は ラオスが 持続可能な経済発展を推進し 貧困を抑制し 国民の健康と安全を守り ラオスの自然環境の質を改善し 全ラオス国民の生活の質を向上できるような形で変化する気候条件を緩和し 適応できる未来を確保することにある 130

135 国家戦略 (NSCC) の目標は : (a) 低炭素の経済成長の達成方法を含むラオスの持続可能な発展目標の強化 (b) 気候変動とその影響に対する ラオス経済と天然資源の主要セクターの回復力の向上 (c) 国家発展目標達成に向けた国内利害関係者と海外パートナーとの協力と強固な連携 パートナーシップの強化 (d) 利害関係者の行動を促すことを目的とした 気候変動 脆弱性 影響 GHG 排出源とその相対的貢献度 気候変動のラオス経済への影響に関する国民の意識と様々な利害関係者の理解の向上 である 国家戦略 (NSCC) を達成するために 気候変動行動計画では 以下のセクターでの緩和策と適応策を定義する :(1) 農業と食の安全 (2) 林業と土地利用の変化 (3) 水資源 (4) エネルギーと交通 (5) 産業 (6) 都市開発 そして (7) 公衆衛生である 林業のセクターは 気候変動に関する国家運営委員会に含まれている 林業と土地利用への変化のセクターにおける適応オプションのプログラムと慣行としては以下が挙げられる : 長期森林政策立案と森林管理実施への気候懸念の反映 保護地域の拡大と 自然緩和促進を目的とした保護地域とのリンク 脆弱性抑制を目的とした混交種森林の推進 先行植林の実施と 樹種移植による自然緩和支援 内外の遺伝子プール保護の推進 森林火災の防止と管理の強化 森林セクターの気候変更適応戦略には以下のものがある : 1. 政策と森林管理活動での気候変動の主流としての位置付け 森林の生産性との整合の取れた森林計画と開発プログラムの確立 2. 害虫と気候変動の影響に耐える種の追求と開発 3. 情報収集強化 気候変動 - 森林力学モデル作成 脆弱性評価 4. 地方の収入支援を目的とした 森林管理システムの改善 5. 気候耐性と気候変動適応の支援を目的とした 森林周辺の住民への適切な代替生計の提供又は適切な住居の手配 6. 持続可能性の確保と 気候変動適応準備を目的とした 生物多様性の保全管理の向上 森林セクターの気候変動緩和戦略には以下がある : 1. 森林管理としての焼畑耕作の停止 森林被覆率を 2015 年迄に 65% 2020 年迄に 70%( 約 百万 ha) へと増加を目的とした劣化林への植林と森林再生 持続可能な農地の提供 並びに エコツーリズムや非木材森林産物と工芸品など代替的な生業の機会を推奨することによる二酸化炭素吸収源の改善 2. 森林依存型コミュニティへの代替燃料 ( バイオガス 小型水素省エネストーブ 収穫残留物使用 コミュニティ型燃料用木材の植林など ) の提供によるオフサイト燃焼の抑制 3. 森林火災の中断 / 停止に必要な対策の設定 並びに森林火災の悪影響と火災防止に関する住民への意識向上と研修提供による森林火災の抑制 4. 森林 - 食糧生産システムなどの森林管理と NTFP( 非木材森林産物 ) の使用 コミュニティ型森林管理の統合 5. 保護地域への侵入問題の最小化を目的とした 中長期にわたる様々な目的での土地使用の効果的なマッピングと計画 131

136 6. 炭素市場の機会追求と 実際的で柔軟なメカニズムの早期導入 ( 特に 植林と森林再生プログラムの実施増加による REDD+) (1) 約束草案 (Intended Nationally Determined Contribution: INDC) ラオス人民民主共和国政府は 気候変動緩和策への貢献に向けたコミットメントを示し 2015 年 10 月 1 日に国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) へ ラオス自らが約束草案 (INDC) を提出した (MONRE,2015) INDC の作成と国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) への提出に際しての窓口は天然資源環境省 (MONRE) である INDC は 気候変動に関する国家戦略 (NSCC) や気候変動行動計画と調整した形で実施される INDC は 国家の開発計画や ラオスの適応 輸送 エネルギー 森林の核戦略との整合が取られている 各セクターからの排出削減に予定される緩和活動を表 に示す 表 ~2030 年における排出削減に向けた各セクターからの緩和活動予定 セクター 活動 CO2e 削減予想 森林 2020 年までに森林被覆率を土地の 70% へと増加する 2020 年には 60,000 ktco2e から 69,000 ktco2e へと増加 再生可能エネルギー 2025 年のエネルギー消費の 30% を再生可能エネルギーとす 2025 年には 1,468,000 ktco2eとする る 農村電化 2020 年に農村地帯の 90% の世 2020 年に 63 ktco2e/pa 帯を電化する輸送輸送 : 全車両による総走行距離を抑制できる道路ネットワークを開発し 公共の交通機関の利用を増やす水力発電大規模水力発電所の開発 (15 メガワット以上 ) 出典 : GOL, 2015 道路ネットワーク開発で 33 ktco2e/pa 公共の交通機関開発で 158 ktco2e/pa 2020 ~ 2030 年の間に 16,284 ktco2e/ 年 2017 年現在 天然資源環境省下の天然資源環境セクター作業部会 (NRE SWG) が INDC を国別目標 (NDC) として策定しつつある NDC の戦略と行動計画はまだ開発途中であり 2018 年までに完成するとみられる (2) 2020 年に向けた森林戦略 ラオス人民民主共和国政府は 2005 年 森林セクターの持続可能な発展と管理を向上させるため 2020 年に向けた森林戦略 (Forest Strategy: FS) を確立した この森林戦略策定に当たっては 2001 年に農林省 (MAF) が主幹局とされた 農林省 (MAF) は 2005 年 5 月に FS 2020 を首相公館に提出した FS 2020 の目的は 国家の社会経済計画の指標目標の達成と 経済や社会への商品 / サービスの提供 依存性の抑制 国内天然森林資源の持続可能性を管理するための具体的な施策の増加 及び 国家成長 貧困撲滅戦 132

137 略 (National Growth and Poverty Eradication Strategy: NGPES) 実施支援に貢献することにある 2) 気候変動戦略としての国家 REDD+ のための法規制と計画 ラオスの国家 REDD+ 戦略及び / 又は行動計画は まだ議論が続いている ラオス人民民主共和国政府 (GOL) は 2008 年に世界銀行の FCPF へ R-PIN を提出し 2008 年以降は R-PIN 作成と準備計画案 (R-PP) の開発実施の下で国の REDD+ 戦略策定プロセスを開始した GOL は ER-PIN を世界銀行の FCPF へ 2015 年 9 月 11 日に提出し 同年 10 月に受領された ラオスは自国の ER PIN を基にした ER プログラム文書 (ER-PD) の作成支援として最大 650,000 米ドルを受領した 2018 年から ラオスは 2014 迄の REDD+ の業績ベース支払いとして最大 35 百万米ドルを報酬として受領する予定である ER-PIN は REDD+ 戦略の実施と 進行中の様々なイニシアティブから得た教訓を一国の一貫した REDD+ の枠組みにまとめる上で重要な推進力になるとされる 提案された ER プログラムの国家レベルの導入には REDD+ 戦略の調整と協議のメカニズムに関連する作業 セーフガード情報システム (SIS) 国家森林モニタリングシステム (NFMS) 並びに ER プログラム用の REL/FRL の構築が含まれる (FCPF 2015) この ER プログラムは北部の 6 県 つまり ルアンナムター ボーケーオ サニャブリー ウドムサイ ルアンパバーンとフアパンの各県を対象としており これらの県は合計で国土のおよそ 35% を占める この地域は起伏のある地形 遠隔地 公共 / 産業インフラストラクチャーの乏しさ 独特な少数民族のコミュニティ 根強い貧困の蔓延を特徴とする 2000~2010 年の期間のこれら 6 県での年間の森林減少と森林劣化の面積は 約 60,169 ha/ 年であり また 減少と劣化の 45% はこれら 6 県で発生している ER プログラム下では以下を含む複数のプログラムが提案されている 1. ガバナンスと法の執行 : 脆弱なガバナンスと法の執行が 森林減少と森林劣化の基本要因と考えられる ラオス政府は 土地利用 土地の配分と登録のプロセスにおける計画とモニタリングの調整と実施を改善し 伐採割当と取引の監視とデータ報告を改善する 2. 森林景観管理計画と総合的空間計画 : ラオス政府は インフラ開発 農業 植林 焼畑農業の管理要因の監視プロセス実施を改善する 3. 参加型の土地利用計画と持続可能な生業開発 : これらの活動では 森林土地利用計画と管理に地域社会を関与させ 農地を拡大せずに収穫高を増加させるために 農業や植林 森林農業法の技術に関する研修を提供する 4. 環境サービスへの支払い (PES): PES スキームは 森林生態系から恩恵を受ける各業界から資金を回収し 地域社会による森林保護活動の持続可能な資金供与を行うために導入された 5. 持続可能な森林管理 (SFM) 認証 : SFM 認証は 自然林と 生産林地帯の小規模植林事業主を対象に推進される 6. 森林の再生と植林 : 政府の森林被覆率目標 ( 土地の 70%) を達成するには 森林再生が必要なため 森林の再生と植林の双方の活動を行う実質的な裏付けとなっている 自然な再生 補植 隙間植林が 地域社会の参加と共に推進され 地域社会への土地の分配と組み合わされる 133

138 表 5 に示されるように ER プログラムの実施は 2025 年までに温室効果ガスの排出をおよそ 百万 tco2e 程度も抑制する見込まれる 表 ER プログラムによる GHG 排出抑制予想 排出予想 (tco 2 e) 削減予想 (tco 2 e) ERプログラムによる合計排出抑制の予想 (tco 2 e) 2025 年 12 月 31 日迄 5,252,990 5,769,171 11,295,161 (2018 年から8 年間 ) 10 年間 6,907,487 7,211,464 14,118,952 出典 : FCPF 2015 年 準国以下の REDD+ プロジェクトの実施に関する法令等 1996 年以降 森林セクターに関係する複数の法律が国会で承認され 施行された (GOL 2005 年 ) REDD+ プロジェクト実施に関する法律を要約する これらには 森林法 (1996 年 修正 2007 年 ) 第 10 条から 12 条で国内の森林地帯の分類と森林資源管理に対する全体的枠組みが規定されている この法律は 同国における REDD+ 利益配分の取り決めの策定機会を作り出す (Muziol Tan and Oberndorf 2011 年 ) 森林管理分野の各当局の権限と責務についての詳細は 同法の第 104~108 条に説明されている 土地法 (2003 年と 2008 年 ) では 森林地の分類と使用 管理 保護を規定している 2003 年の土地法 ( 第 21 条 ) では 家族内の 1 労働力当たり 3ha 未満の面積の劣化森林地に対してのみ 個人及び家族は長期使用権を認められると記載している 2008 年の土地法 ( 第 6 条と 7 条 ) では 保全林や 保安林 未開発林 流域林の地帯における土地の専有は保護観察期間と見なしている 地方当局はこれらの土地利用権を個人や組織に認める証書は一切発行できない (GOL 2008 年 ) ラオスにおける REDD+ の恩恵共有の取り決めは 利益配分に関する REDD+ 技術作業部会 (TWG) で協議するものとされ その後は国の REDD+ タスクフォースにより是認されることになる 農林省 (MAF) は 国家レベル 準国家レベルともに REDD+ 利益配分に関する指導と決定を管轄する 但し 透明性や 包摂性 参加と公平性を確保するには 各受益者にどの経路で利益が配分されるかが決定されなければならない ラオス人民民主共和国政府 (GOL) が ER プログラムの下で利害関係者と REDD+ の利益配分選択肢は主に二つある 最初の選択肢は 排出削減 (ER) に対する支払いは カーボンファンドから外国人省へされるが 予算管理の透明性を確保した国の基金に送金される その後 その基金が REDD+ 関連の運営と監視のコストを補てんするために具体的な額面を国家レベルの各 REDD+ 機関へと送金する 準国家レベルや村レベルでは REDD+ 利益配分は参加する県に 県レベルの業績に応じて分配される 第二の選択肢では 県の REDD+ 計画の実施継続を可能にするための交渉に基づいて 十分な資金とその他の技術支援を提供することになるだろう 前出の基金は REDD+ を管轄する県の各機関に 県と郡 村レベルの REDD+ 計画の継続実施を目的に送金することになる 134

139 2017 年の森林法の下で 林野局 (DOF) は 国家の伐採計画の作成を管轄し 計画案は国会の承認を必須とする これにより 割当は政府の承認に基づいて県の間で分割され 農林省県支部 (PAFO) がさらに県の伐採計画を 農林省郡支部 (DAFO) とともに郡の間で配分し 個々の生産林にまで分割する (REDD Desk 2013) 図 3 は ER プログラム下での REDD+ 利益配分の図解である REDD+ 利益配分の取り決めに関係する主要省庁には以下が含まれる : 1) 気候変動に関する国家運営委員会 (NSCCC) 2) ラオス気候変動室 (NCCO) 3) REDD+ タスクフォース 4) 国家環境委員会 (NEC) 5) ラオス土地管理局 (NLMA) 6) 農林省 (MAF) (Muziol Tan and Oberndorf 2011 年 ) である ( 図 ) 図 検証済の排出削減によるカーボンファンドからの資金の流れと REDD+ 恩恵共有の選択肢 出典 : FCPF REDD+ における市場メカニズムの活用に関する法令等 1) 市場メカニズムの適用に関係する法規制と計画 機関森林法 (2007) では 第 3 条にカーボンマーケットの一般的な定義を記載している 同法の第 4 条から 5 条まででは 天然林と森林地を国に固有なものとみなし その上でラオスにおける森林資源からのカーボンクレジットを国の資産であるとしている ラオス政府は 保全林以外でのカーボンマーケットのオフセットを目的に 全森林種別の保護と開発 劣化林や荒廃林での森林再生や植林活動の実施を世帯と個人に進めている ラオス政府は 同法第 8 条記載の森林と森林地帯の保護と開発に関し 二か国 135

140 間協定と国際条約の形で他国や国際機関との協力を推進している 現在 ラオスにおける REDD+ カーボンマーケットメカニズムはまだ開発中である 2002 年の国家資産法 (13 条 ) では国家の資産は国民の利益と見なされるが 実態としては国家が所有し委託されたものである 国家資産は リースや譲渡を通じて個人や組織に交付することができる この法律は 将来的に REDD+ 利益配分の取り決め作成やカーボンフォレストの譲渡の決定に重要である 2006 年の国家予算法 ( 第 3 条 ) では 法令で明記された特殊用途に関して 政府の許可を得て専用基金を作ることを全自治体に認めている 環境保護基金 (EFP) 貧困削減基金 (PRF) そして森林資源開発基金が該当の基金に見なされる REDD+ 利益配分基金もこの法令のもので設置可能である ER プログラムの開発中に ラオス政府は 3 つの森林種別である保安林と保全林 生産林を調査してその境界を引き直し 土地政策と土地法を見直すことを予定している 土地制度とカーボン権の問題は その見直しの過程で扱われると予想される 2) 市場及び国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) 下の森林炭素クレジットの国際取引を介した政府による REDD+ の資金調達の展望この調査では 2017 年 1 月 10~16 日に 市場や 国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) 下での森林カーボンクレジット取引を介した REDD+ の資金調達について 林野局 (DOF) の REDD+ オフィス 並びに天然資源環境省の自然災害 気候変動管理局 (DDMCC) の職員に面談を行った 以下の文言は 面談中の政府職員の発言である : カーボンマーケットメカニズムは 国際間 地域内 又は二か国間のメカニズムとして実施可能である 政府職員は 世界銀行 -FCPF の支援する ER プログラムが 2018~2015 年の間に カーボンファンドの下で北部 6 県の森林カーボンを取引する機会になるとして尊重している JCM REDD+ もまた 民間セクターをカーボンマーケットメカニズムに関与させ 国内の温室効果ガス排出削減に寄与させる機会になる 認証プロセスの複雑さや経費高 又はカーボンクレジットが少なすぎてプロジェクトが実行不能となり利益を上げられないとの理由から これまでラオス国内で自発的カーボンマーケットから資金を得ているプロジェクトはない 2020 年までにカーボントレーディングを行うことを ラオスにおける REDD+ 活動策定の戦略的優先事項にすることは考えていない 国内ではカーボントレーディングシステムについて不確実性がつきまとっている カーボントレーディングを管理する機関の設立が必要である REDD+ の MRV システム 1) ラオスにおける森林の定義 ラオス国内における森林の定義と分類システムは 政府や大学 その他ドナーの構成員の間で長期にわたってオープンに議論されてきた 森林の定義と分類システムについては 2014 年 10 月 24 日付で林野局 (DOF) 局長が署名した議事録の中で合意されている ラオスの森林の定義は 少なくとも 0.5ha の面積があり 胸高直径 10cm 以上の 136

141 樹木の 20% 以上の樹冠投影率がある とされる ラオスの土地と森林の分類レベルと IPCC の土地利用分類との比較を表 に示した 表 は 国家レベルでの従来及び新規の分類システムの比較を表している 新分類システムのレベル 2 は 複数種の森林が含まれる 表 ラオスの国家レベルの土地 / 森林分類 注 : レベル 1 は あらゆるマップのレベルに使用しなければならない レベル 2 は あらゆるマップのレベルに使用されるべきである レベル 3 は準国家 / プロジェクトレベルで使用できる 出典 : GOL 2015c 137

142 表 新旧分類システムの比較 出典 : GOL 2015c 2) 国家森林モニタリングシステム (NFMS) ラオスにおける REDD+ に関する国家森林モニタリングシステム (NFMS) は 2017 年現在 ドナーの支援を受けて開発中である NFMS の開発には 2 つの省 ( 農林省 (MAF) と天然資源環境省 (MONRE)) 下の複数の機関が携わっている NFMS には 監視機能そして MRV( 計測 報告と検証 ) 機能という主に 2 つの構成要素がある JICA の下での国家森林情報データベース (NFIDB) の開発は ラオスの NFMS の中核部と考えられる ( 図 ) 国家森林情報データベース (NFIDB) には主に次の 4 つの機能を備える : (1) 地理空間データベース (2) 森林インベントリデータベース (3) 森林カーボンデータべ ス そして (4) 生産林 / 保護林 / 保全林管理データベースである (GOL 2016) 地理空間データベース機能は 3 つの時期 (2000 年 2005 年と 2010 年 ) の衛星画像のアーカイブと NFMS を含む基本的な地理空間データセットだけでなく森林被覆率の経時変化と参照排出レベル (REL) / 参照レベル (RL) の作成に必要な情報も提供する 衛星による土地管理システム (NFMS) の中枢部分である 加えて NFIDB の森林インベントリデータベースと森林カーボンデータベース機能は NFMS の森林インベントリと GHG インベントリの要素の中核部になる 但し これらの構成要素を構 138

143 築するには 森林インベントリやラオス国内の GHG インベントリ関連プロジェクト / 活動からの情報 / データとの統合が必要となる 図 国森林情報データベース (NFIDB) の開発は 国家森林モニタリングシステム (NFMS) の中核部分となる 出典 : GOL 2016 年 堅牢な国家森林モニタリングシステム (NFMS) の設置には 以下を含むデータと分析結果 機能が必要とされる : (1) RS データと地上の森林カーボンインベントリ (2) 森林種類別の森林面積と データ分析と推定値保存による平均カーボンストック (3) 保存データと情報を用いたカーボン隔離の調査と分析による森林カーボンストックである 国家森林モニタリングシステム (NFMS) のデータベースを図 に示す 139

144 図 国家森林監視システム (NFMS) 用データベースの概要 出典 : GOL 2015c 2000 年と 2005 年 2010 年の森林被覆率図は 森林情報管理プログラム (FIM) と JICA の国森林情報システム (NFIS) プロジェクトの支援により入手可能となっている 国森林情報システム (NFIS) の設計と開発が ラオスの参照排出レベル / 参照レベル (REL/RL) ( 初版 ) の形成と同時進行するにつれ 参照排出レベル / 参照レベル (REL/RL) の内容が 同システムと MRV の設計開発へ反映されると予想される これは 参照排出レベル / 参照レベル (REL/RL) が 実際には国家森林情報システムを活用して導入されることとも相似している 国家森林インベントリ (NFI) は ラオス - スウェーデン森林プログラムの支援を受けて 1993 年から行われている 森林被覆率では森林管理カテゴリーに焦点を当てるが NFI は 森林種別に基づいた 国レベルの蓄積増加を推定できるように設計されている NFI は 2016~2017 年の実施に向けて設計が進んでいる 提案された NFI の目的は 合計カーボンストックを推定するための基礎として 国を通じたバイオマスストックデータを収集することにある 国家森林監視システム (NFMS) は 持続可能な森林と土地の管理に寄与し 最終的には気候変動緩和をサポートするための森林情報管理システムの改善を目的として 森林インベントリ計画課 (FIPD) の下で導入され JICA による支援を受けている 140

145 3) REDD+ MRV システムの特徴 図 にあるように ラオスの MRV システムは 国家森林モニタリングシステム (NFMS) の開発と並行して開発が進んでいる MRV は 衛星による土地モニタリングシステム ラオス森林インベントリ (NFI) と GHG のインベントリで構成されている 林野局 (DOF) の森林インベントリ計画課 (FIPD) は REDD+ に向けた国の MRV の開発を管轄する ラオス政府の意図するところは ER プログラム課で選ばれた県において 2020 年までにモニタリング方法を試験的に試し 決定することである レポーティングに関しては GHG インベントリ報告と 国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) 下の他の REDD+ プロトコルとの調整を進めるために 天然資源環境省の自然災害 気候変動管理局 (DDMCC) などの関係当局が ER プログラムのレポーティング業務に参画される 編集 / 分析とレポーティングの業務には JICA や CliPAD といった関連プロジェクトによる支援が必要となる可能性がある 国家 / 準国家 / プロジェクトレベル間の MRV の調整方法に関しては 以下が 現状の準国家 / プロジェクトレベルの REDD+ と国家レベルの REDD+ の国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) の検証と登録の統一概念についての中間調査結果である (GOL 2016) ラオスにおいて 国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) 以外のシステムによる検証の可能性のある準国家 / プロジェクトレベル REDD としては 以下の 3 つのケースがある (1) サワンナケート県での SN-REDD に向けた VCS の検証 監視 クレジット発行と販売 (VCS 規則では REDD プロジェクトの基線期間は 10 年間としている ) (2) ルアンパバーン県ポーンサイ郡で実施中の JCM/REDD 開発調査 検証後に 2016~ 2020 年を 5 年間の基線期間として 2016 年に登録される ( 現在の JCM は 2020 年迄であり 双方の合意があれば延長可能 ) モニタリング クレジット発行 販売は 2020 年を想定 (3) カーボンファンド排出削減プログラム (FCPF ルアンパバーン県を含む北部 6 県 準国家レベル ): 現在 参加の可否は不明だが 参加できる場合には 国家レベルのデータが使用され 参照排出レベル / 参照レベル (REL/RL) は国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) と同じ期間分 (2017~2018 年で最終標準年は 2015 年 ) が提出される MRV は 2018~19 年について実施されるが 実際の活動データ (AD) を該当クレジット機関に 2 回計測する義務があり 2 回目の独自 MRV は 2021~22 年に行われる 141

146 図 ~2020 年のラオスにおける NFRM と MVR の開発スケジュール 出典 : GOL 2015c 4) REDD+ MRV システムとラオス LULUCF インベントリとの関係 国家 GHG インベントリには 農業 エネルギー 土地利用と土地利用の変化並びに林業 (LULUCF) と廃棄物の主な活動が含まれる LULUCF は 焼畑耕作由来のオンサイト森林火災が最大の CO2 排出源と考えられる REDD+ MRV 開発下の 2000~2015 年の森林土地利用変化データとカーボンストックの変化は 第三次国別報告書記載の GHG インベントリの土地利用と土地利用の変化並びに林業 (LULUCF) の部分にとって主要なデータセットとなる この報告書は 2017 年に国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) へ提出が予定されている ER プログラムでは 森林の減少と劣化を排出源と見なし 森林再生や植林 森林育成はラオス REL/FRL における二酸化炭素吸収源とされる 現在 林野局 (DOF) は 森林セクターにおける国家 GHG インベントリと世界森林資源評価 (FRA) の国別報告書の編集を担っている DDMCC は国の GHG インベントリを担当する 現在 ドイツ国際協力公社 (GIZ) が資金を提供する森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) が 農業 林業 その他の土地利用 (AFOLU) セクターにおけるラオス GHG インベントリ ( 国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) に向けた NC と BUR の編集 ) の報告に関する能力構築プログラムを開始している このプログラムはラオスの国家森林モニタリングシステム (NFMS) の GHG インベントリの要素の能力を向上させるとみられる 142

147 5) 準国家レベルでの REDD+ MRV の開発 準国家レベルの REDD+ MRV 設立に関与するラオス政府の主要な実施者は 県の REDD+ オフィス 知事公館 天然資源環境省県支部 (PONRE) 森林検査局県支部 (POFI) 計画投資省県支部 (PPI) 軍である (Eickhoof et al. 2012) ラオス政府は MRV REL バイオマスデータべース 規制 地上 REDD+ 緩和活動 親交管轄区域内の REDD+ のアプローチといった国家システムの開発にインプットを提供するため 森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) や 森林情報管理プログラム (FIM) LEAF の準国家レベルで進行している作業を組み合わせることを検討している (Eickhoof et al 年 ) ドイツ国際協力公社 (GIZ) の行う 森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) では サイニャブーリー県とフアパン県の両県の保護地域 (NPAs) とその周辺で 既存及び新興カーボンマーケットを利用して貧困に配慮した REDD+ アプローチの実施の技術的 / 経済的実現可能性を実証することを目的としている 森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) では 県によるカーボン階層化に必要な追加的バイオマスデータの収集で 県を支援している 米国国際開発庁の支援するアジア森林からの排出抑制プログラム (LEAF プログラム ) では GHG 政策の改善と 技術的能力の強化 革新的なものから低カーボンの開発の実現を目的とする LEAF プログラムは 以下 2 つの基本的な想定に基づけば ラオス国内における国家 MRV システムの開発に関して 森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) や JICA の森林情報管理プログラム (FIM) と協調できる可能性がある : 1) 2011 年 FCPF ラオス準備計画案の文脈の中での全作業の進行 そして 2) ラオス人民民主共和国政府が積極的に開発する入れ子構造のアプローチ 管轄区の枠組みと国レベルの MRV システムを介して実施される入れ子構造のシステムの中でのマーケットベースのプロジェクトの実現 ラオスにおける国家 MRV システム開発の協業の可能性を図 に示す 図 準国家レベルの様々なプロジェクト間の 国家 MR システム開発に関する初期作業 ( 出典 : Eickhoff et al. 2012) 143

148 森林インベントリ計画課 (FIPD) 森林情報管理プログラム (FIM) 森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) そしてアジア森林からの排出抑制 (LEAF) プログラムは以下のように協業が可能である : 1. プロジェクトレベルの活動で収集されるデータを取り込み 収容するための FIM バイオマスデータベース (FoCAS) の修正に関する概念的インプットの提供 これによりデータベースが炭素の参照データベースとして利用可能な国家レベルのバイオマスデータベースとして機能する 主な機能は バイオマスデータ収集の集中化 収集 / 保存されるバイオマスパラメータの体系的な構造の提供 プロジェクト / 管轄区域 / 全国レベルのデータの同一データベース内での比較と分析である 2. 新たに作成された国家レベルのバイオマスデータベース ( 上記 1) のデータを包括的な FIM 2010/2011 ラピッドアイベンチマークマップと組み合わせて使用した国の森林カーボン階層化マップの作成に向けた協業 3. 国の参照排出レベル (REL) 作成に向けて国家レベルのカーボン階層の経時変化率を確立するために 経年 (2000 年 2005 年 /2006 年 ) の FIM 森林被覆率マップを新たに作成された国家レベルのカーボン階層と組み合わせることにより 国家レベル及び未調整の管轄区別 REL の確立に向けた概念的 実質的なインプットの貢献 / 協業 4. システム内での管轄区別レポーティングの在りかたも含めた 国別カーボン階層の経時変化の監視に使用できる国別モニタリング / レポーティングスキームの種別に関する指導とインプットの提供 林野局は FCPF による資金提供を受けて 県レベルのモデル改善と REL 開発を計画している 妥当な正確性を備えた REL を作成し MRV をフアパン券に導入するため ラオスの MRV システムの設計と設立を指導する WCS やドイツ国際協力公社 (GIZ) などの国際機関は 既存のデータセットを含めたものか新たなデータセットに投資をする可能性を検討している (CIFOR 2013 年 ) 土地の所有 管理 利用に関する法令等 1) 森林の所有とユーザーの権利 2007 年の森林法 ( 第 4 条 ) では 天然林と森林地を 個人や団体に様々なアクセスと利用権の認可の可能性のある国の所有物として捉えている 森林 / 森林地管理団体の認識において労力及び / 又は資金を得て域内に人や団体により植えられた樹木は その個人や団体の所有物となる 2007 年の森林法 ( 第 10~12 条 ) では 保護と開発を目的としてラオス国内の森林を次の 3 つに分類した 1. 保安林は 水資源 / 川岸 / 側道の保護 土壌浸食防止 土質保護 国防戦略地域 慈善災害防止 環境保護などの機能を目的として分類された森林 2. 保全林は 自然保護 動植物種や森林生態系とその他の自然 / 歴史 / 文化 / 観光 / 環境 / 教育 / 科学研究実験上の価値を持つ場所の保護を目的として分類された森林 保全林は 県 / 郡 / 村レベルでの国の保全林地帯で構成される 144

149 3. 生産林は 国の社会経済的発展と国民の生活上の要件を満たすために 生産地域及び木材 / 森林製品ビジネスの活用を目的として分類された自然林及び植林地である 2) 権利割当プロセス ラオス政府は 都市部 / 都市周辺部における恒久的な土地利用権 並びに 北部の県 ( ルアンナムター サイニャブーリー フアパンとルアンパバーン ) における農地 / 森林地の一次的土地利用権を 土地利用計画 / 森林割当プログラムの下で正式化する作業を進めている (FCPF 2015) この土地利用計画 / 森林割当プログラムでは 1) 村の境界線の確定 2) 農地と森林の指定 3) 各世帯への農地割当 及び一次証書の発行と土地利用契約書 / 村の土地利用合意書の作成を目的とする 一次土地利用証書は 3 年間有効となり その土地の販売や貸与 担保物件としての使用も禁じられる 一次証書の多くは失効し 証書で付与された権利は非公式に譲渡や交換が行われていた 政府の土地利用計画プロセスへの地域の関与は限定的であり 多くの場合に紛争や割り当てられた土地の放棄が生じていた ラオス政府は ER プログラムの下で 参加型土地利用計画のレビューと改善を検討している 3) 森林管理システムの特長 政府は法令や森林分類を発行していたが 農地や村の生産林には重複があった 農林省 (MAF) は 国の生物多様性と野生動物保護地域 (NBCS) に関する規制 (No. 360/MAF 2003) 生産林の設置と適切な管理に関する規制 (No. 0204/MAF 2003) を発行し 再生林に関する規制 (GoL 2005) を作成した 上記規制 ( No. 360/MAF 2003) では 野生動物保護地域 (NBCS) における非木材林産物 (NTFP) の収穫を禁じている 農林省県支部 (PAFO) と農林省郡支部 (DAFO) は コンプライアンスを確保し 焼畑耕作などの慣習場の権限と整合しない利用を確保する指令を出しており 森林火災は限定的だった 村民 / 村民グループは その活動が農林省郡支部 (DAFO) の管理計画に従う限りにおいて非木材林産物 (NTFP) の収集が認められる 商業取引を目的とした非木材林産物 (NTFP) の収穫者は 契約を締結し 料金を支払うことが求められた 収穫者は 収集された非木材林産物 (NTFP) の単位当たりの樹木を植えるか それを補てんする植林にかかる費用を支払わなければならない (PM Order 10/2000 MAF Order 1848/1999 MOF Temporary Order 111/2000) 国の森林伐採計画の下では 伐採活動はすべて植林地帯の境界内での実施が必須であり 管理計画に記載されない活動は禁止される (PM Decree No. 59/2002 第 9 条と 10 条 ) 農林省郡支部 (DAFO) は現地での伐採業務を主催 / 監視し それを農林省県支部 (PAFO) に報告する 法令 (PM Decree No. 59/2002) と生産林の持続可能な管理に関する法律によると 林野局は 関連セクターと現地当局との間で生産林管理計画作成の調整を管轄する 政府は 生産林地域の村民に森林計画と現地レベルの業務への参加を求める政策を設けた 農林省県支部 (PAFO) と現地当局は 計画作成と実施の監視と管理を目的とした現地調査とデータ収集を行うことが求められる 農林省郡支部 (DAFO) は 郡の森林管理ユ 145

150 ニット (Forest Management Unit: FMU) の編成を管轄する 村の森林団体 (VFO) は 村の森林団体 (VFO) と郡の森林管理部門 (FMU) の間で署名された村の森林管理合意書 (Village Forest Management Agreement: VFMA) 下の森林管理活動実施に際しての村民の参加動員に責任を負う 4) 森林の分類と管理 Lestrelin et al. (2013) によると 2010 年のラオスの総森林面積は 約 12.5 百万 ha であり 保安林は総森林面積の 38% にあたる 4.76 百万 ha 保全林は 4.64 百万 ha 生産林が 3.09 百万 ha の構成であった 2020 年までの森林戦略では 2020 年までに国内の森林被覆率を合計面積の 70% に増加させる (500,000ha を植林 ) との野心的な長期目標が記載されている これにより再生林の面積は 2020 年までに 1.5 百万 ha に達する 焼畑農業を完全に根絶し ガバナンスと森林 / 土地利用を改善しようとする政府の施策である 政府は 再生林の状況を国家の経済社会発展 5 カ年計画 (2011~2015) の中で提示し 計画目標 (3.9 百万 ha) の 8.46% にあたる 329,941ha で実施された 但し保護林および保全林の管理に関する農林省 (MAF) の責務が天然資源環境省 (MONRE) へ移管され それにより回復活動に遅れが生じたこと 更に 2) 森林の回復は生産林地域限定で行われたこと (GOL 2015b) から 計画目標は達成されなかった 天然林の回復は 2011 年の 263,593 ha からは 2012 年には 66,348 ha へと減少した 5) REDD+ プロジェクトの開発に対する森林の所有とユーザーの権利の影響 地域社会に対する土地登録信仰と 3 つの森林種別における持続可能な森林管理への参加拡大を目的とする進行中のプロジェクトとしては 世界銀行とフィンランド政府が資金提供し 2013 年から 2018 年にかけて実施された地域振興のための持続的森林経営の普及プロジェクト (Sustainable Forest and Rural Development Scaling Up: SUFORD-SU) などがある SUFORD-SU プロジェクトは 北部の県 ( ボーケーオとルアンナムター ) の 33 の村の権利の振興と 村の森林管理 そして特に生産林における共有土地権利について林野局 (DOF) の指導下で処理することを目的としている 現在では 共有土地権利は保安林 保全林ともに不可能である 生産林の劣化地帯は 森林と森林資源開発基金 (Forest and Forest Resource Development Fund) を介した森林管理と森林再生のために地域社会から貸与されており 村民は木材収穫による歳入の一定割合について受領する権利を持つ 2007 年の森林法 ( 第 75~76 条 ) では 劣化林地の貸与や譲渡 及び不毛な森林地の他の保知種別への変更について決定権を有する組織を 以下のように解説している (1) 劣化林地の貸与や譲渡 1.1 県又はビエンチャンの中央運営当局が 劣化林地の貸与や譲渡を承認する権限を有する この場合の劣化林地は 事案により延長可能だが最大 30 年までの貸与又は譲渡期間であり かつ 1 プロジェクトあたり 150 ha 以下の面積を自然再生ができない林地である その提案は 農林省県支部又はビエンチャン中央当局の合意に基づいて県又はビエンチャンの中央運営当局が行う 146

151 1.2 政府は 劣化林地の貸与や譲渡を承認する権限を有する 劣化林地の貸与は 事案により延長可能だが 30 年以上で最大 40 年までの貸与又は譲渡期間であり かつ 1 プロジェクトあたり 150 ha 以上である ただし 15,000ha 未満の面積で自然再生ができない林地に限られる その提案は 農林省の合意に基づいて中央の土地管理当局が行う 15,000ha を超える場合には 当事者が国会の常任員会に政府の提案に基づく承認を求める (2) 荒廃林地の貸与や譲渡 2.1 県又はビエンチャンの中央運営当局は 荒廃林地の貸与や譲渡を承認する権限を有する この場合の荒廃林地は 事案により延長可能だが最大 40 年までの貸与又は譲渡期間であり かつ 1 プロジェクトあたり 500 ha 以下の面積である その提案は 農林省県支部又はビエンチャンの合意に基づいて 県又はビエンチャンの中央運営当局が行う 2.2 政府は 荒廃林地の貸与や譲渡を承認する権限を有する この場合 荒廃林地は 事案により延長可能だが 41 年以上で最大 60 年までの貸与又は譲渡期間であり かつ 1 プロジェクトあたり 501 ha 以上 30,000ha 迄の面積である その提案は 農林省の合意に基づいて国の土地管理当局が行う 30,000ha を超える場合には 当事者が国会の常任員会に政府の提案に基づく承認を求める REDD+ のセーフガードに関する法令等 1) セーフガード情報システム (SIS) の開発セーフガード情報システム (SIS) の開発に関しては報告すべきプロセスがほとんどない ラオスでドイツ国際協力公社 (GIZ) は保全空白分析を行い 準国家レベルのせーフガードの実施と監視のパイロット活動を確立している ラオス人民民主共和国政府も REDD+ プロジェクトデベロッパーとその他の関連団体と セーフガードに関する議論を行っている 2015 年に REDD+ タスクフォースは せーフガードに関する技術作業部会 (TWG) を設置することで合意した この作業部会は地域社会と民族グループの REDD+ プロセスへの参加を管轄する 保全に関する技術作業部会のメンバーには 天然資源環境省 (MONRE) 農林省 (MAF) と ラオス人民革命党が含まれる 保全に関する技術作業部会は ラオス REDD+ オフィスによる作成過程にある 2014 年 1 月の 第 1 回 REDD+ タスクフォース会議で合意された通り セーフガード管理を行う専門の部署も県レベルで設置されるべきである 但しその関係性はまだ議論を要する そのような専門部署は 社会 / 環境的せーフガード措置の監視に関して透明性のある情報の提供も担う可能性がある 2) セーフガード情報システム (SIS) の主な要素 及びセーフガード情報システム (SIS) に関する法規制とシステムセーフガード情報システムは ER プログラムの下で開発される (2018~2025 年 ) ラオスのセーフガード情報システム (SIS) の開発に携わる機関を表 に示す 社会 / 環境的セーフガード措置に関する技術作業部会は 社会 / 環境的セーフガード措置に関する政策と規制の策定を担う 県レベルのセーフガード部門は 社会 / 環境的セーフガード措置の監視に関して透明性ある情報を確保する主体となる 147

152 ラオスの準備計画案 (R-PP) は 2010 年 8 月に提出され 2010 年 12 月に FCPF 委員会に承認された しかしながら ラオスの準備計画案 (R-PP) には戦略的環境社会アセスメント (SESA) が含まれず その結果として環境社会管理制度 (ESMF) の開発も記載されなかった 戦略的環境社会アセスメント (SESA) と ESMF の開発は ER プログラムの開発中に策定され 実施されることとなる 表 ラオスにおけるセーフガード情報システム (SIS) の開発に携わる機関 機関 機能 国家レベル REDD+ タスクフォース-( 社会 / 環境セーフガードに関する技術作業部会 ) ラオスでの社会 / 環境セーフガード措置に関する政策と規制の策定 ラオス国家建設戦線 (LFNC) セーフガード措置の普及促進 天然資源環境省社会環境影響 セーフガード措置の普及促進 評価局 ラオス女性連合 セーフガード措置の普及促進 県レベル 検討中 ( 県レベルの保全部門など ) 社会環境セーフガード措置の監視に関する透明性ある情報の提供セーフガード措置の普及促進セーフガード措置の普及促進 ラオス国家建設戦線 (LFNC) 天然資源環境省県支部 (PONRE)/ 環境部 ラオス女性連合 セーフガード措置の普及促進 郡レベル ラオス国家建設戦線 (LFNC) セーフガード措置の普及促進 ラオス女性連合 セーフガード措置の普及促進 出典 : FCPF ) REDD+ プロジェクトでのセーフガード問題管理に関する法規制 計画 システムと展望 ER プログラムを提案された 6 県中の 4 県は 現在 森林投資プログラム (FIP) と世界銀行から技術 / 資金提供を受けている地域振興のための持続的森林経営の普及プロジェクト (SUFORD-SU) による支援を受けている このプロジェクトは プロジェクト準備中に環境社会影響評価 (ESIA) を受け 環境社会管理制度 (ESMF) も準備済みである これらの県での介入は 既に世界銀行の社会環境セーフガード措置に準拠している セーフガード措置への準拠は運営手順の中で主流として位置づけられている 社会的セーフガード措置に関しては 作業は 民族グループや地域社会の参加と彼らの知識への敬意を確保するコミュニティ関与制度により主導されている REDD+ に関する技術作業部会は 世界銀行のセーフガード措置と国連気候変動枠組み条約 (UNFCCC) によるセーフガード措置の間に存在する重複を精査する 実施中の REDD+ プログラム等 1) 積極的な REDD+ プロジェクトと実施中のプロジェクト 148

153 ラオスにおける REDD+ 開発は様々なドナーによる支援を受けている 表 では ラオスで現在実施されている REDD+ プロジェクト / プログラムをまとめている 表 ラオスで現在実施中の REDD+ プロジェクト / プログラム プロジェクト名 目的 資金源 実施機関 期間 活動 場所 1. 国家レベルの REDD+ プロジェクト ER-PIN 進行中 / 将来の業務を踏まえた森林の減少伐採と劣化への取り組み : REDD+ 準備 ( 戦略 セーフガード措置 ラオス森林インベントリ (NFI) REL/FRL) 県レベルの計画と戦略 世界銀行 - FCPF 林野局 (DOF) REDD+ タスクフォース 2016~ 2024 年 森林減少と森林劣化から生じる排出の抑制 森林保全 森林の持続可能な管理の推進 開発途上国における森林カーボンストックの向上 (REDD+). 地域振興のための持続的森林経営の普及プロジェクト (SUFORD- SU) 持続可能な森林管理と REDD+ の支援プロジェクト (F-REDD) 優先地域における参加型持続的森林管理と 4 県での森林景観管理の試行を通じた REDD+ 活動の実施 政策強化 REDD+ の効果的取り込み 中央 / 県レベルでの持続可能な森林管理 (SFM) の基礎としての 森林資源情報の改善 ( 試行はルアンパバーン県 ) 世界銀行 (WB) フィンランド外務省 (MFA) 国際協力機構 (JICA) 林野局 (DOF) 農林省 (MAF) 森林検査局 (DOFI) 農林省県支部 (PAFO) 森林資源管理局 (DFRM) 天然資源環境省 (MONRE) と DOF 農林省 (MAF) 2014~ 2018 年 2015~ 2020 年 提案された ER プログラムの下で予定される活動と介入には以下がある : 1) 森林の減少と劣化の誘因と根本原因の分析 ; 2) REDD+ の主な障壁の評価 3) 提案された ER プログラムの下で計画中 / 進行中の活動の説明と理由 4) ER プログラムの下で計画中 / 進行中の対策のリスク / 便益解析 法規制の制度強化 森林法の執行活動 ( 森林検査局 ) の支援気候変動と REDD+ に関する普及啓発プロジェクトや 生産林地帯 関連の監視 プロジェクト管理を通じた政府の監視システムと能力の構築 1. 中央レベルでの森林セクター支援 1.1 日本における研修 (REL/ 国家森林監視システム (NFMS)) 2.REDD+ 実施による排出削減と除去の計測支援 北部の 6 県 : ルアンナムター ボーケーオ サイニャブーリー ウドムサイ ルアンパバーンとフアパン 北部の 4 県 : ボーケーオ ルアンナムターとウドムサイ 次の 4 県における 年乾期のラオス森林インベントリ (NFI): フアパン カムアン シエンクワーンとセーコーン 149

154 2. 準国家レベルの REDD+ プロジェクト F-REDD ( 年の PAREED プロジェクトの拡張 ) 県レベルでの持続可能な森林管理 (SFM) の基礎としての 森林資源情報の改善 ( 試行はルアンパバーン県 ) JICA 森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) 国の保護地域システムにおける生物多様性の保護と GHG 排出削減に向けた開発制度とパイロットモデル ドイツ国際協力公社 (GIZ) KfW WCS 林野局 (DOF) 農林省 (MAF) 農林省県支部 (PAFO) 林野局 (DOF) 農林省 (MAF) 農林省県支部 (PAFO) 農林省郡支部 (DAFO) 2015~ 2020 年 2010~ 2018 年 年版森林種別マップ作製 : 年の間の検出変更 年乾期のラオス森林インベントリ (NFI) 3. 国家レベルの REDD+ の支援 3.1 REL/MRV 技術作業部会会議の支援 3.2 地域の知識交換 REDD+ Financing への参加 4. ルアンパバーン県の REDD+ 準備の支援 4.1 県レベルの REDD+ タスクフォース (PRTF) と県の REDD+ オフィス (PRO) の設置促進 4.2 県の REDD+ 戦略策定に向けた情報の収集と分析 ルアンパバーンにおける県レベルの REDD+ 準備の策定 REDD+ の技術的 / 資金的実現可能性評価 並びにフアパン県における森林の減少と劣化の要因に関する詳細な調査 ; 国家 / 準国家レベルでの REDD+ 団体の設置に関する機能構築支援 並びに 6 つの REDD+ 技術作業部会の設立支援フアパン県における REDD+ 制度の構造作成 並びに 県の REDD+ タスクフォースとオフィスの設置 ルアンパバーン フアパン県とサニャブリー県 150

155 森林投資プログラム (FIP): 持続可能な生態系サービスのための森林保護 以下を含む資金規模拡大による持続可能な森林管理の推進 : 生態系サービスのための森林保護 44.5% 小規模所有者森林プロジェクト 11% 参加型 SFM 44.5% 世界銀行 ADB IFC 林野局 (DOF) 森林検査局 (DOFI) 国立農林研究所 (NAFRI) ラオス農林省農林普及局 (NAFES) 森林資源管理局 (DFRM) 2012~ 2017 年 森林の基線マップ作成と バイオマス評価村レベルの森林管理計画に関する指針の作成アッタプー県とセーコーン県での REDD+ タスクフォース支援による 準国家レベルの REDD+ 実施に向けた政策の枠組み強化回復した生物多様性回廊の拡大 生態系サービスの保護と REDD+ 準備 ; 森林農業法と家畜の活動を通じた地域の生業向上支援 並びに REDD+ プロジェクトの管理強化支援 南部の 3 県 : チャンパサック アッタプーとセーコーン 米国国際開発庁アジアの森林からの排出抑制 ( 米国国際開発庁 LEAF) 以下 6 カ国の森林地利用セクターからの温室効果ガス (GHG) 排出の意義ある持続可能な削減の達成 : タイ ラオス ベトナム カンボジア マレーシアとパプアニューギニア 米国国際開発庁 /SNV 森林インベントリ局 林野局 (DOF) の計画部門 森林インベントリ計画課 (FIPD) 県の林野部門職員 2011~ 2016 年 地域のプラットフォームとパートナーシップを通じたイノベーションの再現と拡大温室効果ガス削減に向けた政策とマーケットインセンティブの開発支援森林と土地の管理改善を目的とした人的 / 制度的機能強化持続可能な土地管理におけるイノベーションの実証 フアパン県とアッタプー県サーンサイ郡のナムソム国家生物多様性保全地区 (NBCA) 2) REDD+ プロジェクトの調整努力と問題点 ラオスの国家アプローチは 同国における地上炭素計測のための調和のとれた標準運用手順 (SOP) の公開を以ってさらに推進されている このアプローチでは 表 に示すように森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) と 国際協力機構 (JICA) 米国国際開発庁 LEAF (Winrock International 2016) の SOP を組み合わせている 日本政府が資金提供する森林情報管理プログラム (FIM) は 森林セクター能力開発プロジェクト (FSCAP)/F-PREP PAREDD 地域振興のための持続的森林経営の普及プロジェクト (SUFORD-SU) 森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) と SN-REDD プロジェクトの各チームとの協力と調整を行っている FIM は 森林分類業務と 森林景観管理の方法開発においても SUFORD-SU と協業している (GOL 2016) 151

156 また FIM は森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) と連携し 森林の定義と分類に関するワークショップを主催しており 森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) は 林野局 (DOF) やその他の関係機関と FIM の合意達成を支援している 他のプロジェクト (PAREDD WWF と SN-REDD) は 次回のラオス森林インベントリ設計 (NFI) に向けてデータと情報面で支援している 表 ラオスにおけるドナーの支援と国有林情報システムの開発 分析アプリケーション 森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) QGIS & IDRISI (FC) ecognition (Aruna) JICA ( 国森林情報システム (NFIS) ArcGIS ecognition 地域振興のための持続的森林経営の普及プロジェクト (SUFORD-SU) ArcGIS ERDAS FAO TeraAmazon モバイルアプリケーション ODK & FormHub (->Ona) ODK&FormHub (customize) OpenForis Collect 調査データベース NoSQL (MangoDB) PostgreSQL ( 表示用新規テーブル ) SQLite/Postgr esql バックエンドデータベース MS SQL サーバー PostgreSQL PostgreSQL 参照レベルの策定状況 1) REL のステータスと特長 (1) 国家 REL ラオス政府は 単層排出と森林からの除去を 遠隔センシングと地上森林炭素インベントリを組み合わせて監視する方法を開発している 森林被覆率は 1982 年 1992 年 2002 年 2010 年に主に LANDSAT 画像を利用して評価されてきた 森林投資プログラム (FIP) (SUFORD-SU) と JICA の NFIS ( 国家森林情報システム ) プロジェクトの支援を得て 2000 年 2005 年と 2010 年の土地利用と土地利用の変化並びに林業 (LULUCF) マップが利用できるようになり 2015 年についても進行中である 2002 年 2010 年と 2015 年の国家森林評価報告書は公開されている 国家参照排出レベル (REL) は まだ技術作業部会 (TWG) による開発の過程にある REL に関係するところでは 貧弱なデータセットと最新情報の欠如がラオス国内の森林資源の経時的動向分析の妨げになってきたという事実がある 1982 年 1992 年と 2002 年のラオスでの土地利用と森林被覆率の評価は 林野局 (DOF) の森林インベントリ計画課 (FIPD) が実施し 1993 年と 1997 年についてはメコン河委員会の森林被覆率監視プロジェクト (FCMP) が行った (Lestreline et al. 2013) 森林インベントリ計画課 (FIPD) のデータセットは FCMP のデータセットとは異なる森林減少率を示している 同国は現在 JICA の支援を得て遠隔センシングとグランドトゥルーシングを利用して国家森林被覆率監視システムを強化しようとしている 2000 年から 2005 年 そして 2010 年までの森林被覆率のデータセットが生成されており より正確なデータセットも間もなく利用できるはずである 152

157 (2) 準国家 REL この REL は 北部 6 県 ( ルアンナムター ボーケーオ サイニャブーリー ウドムサイ ルアンパバーンとフアパン ) については ER-PIN と F-REDD/PAREDD (JICA) の下で フアパン県とサイニャブーリー県については森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) ( ドイツ国際協力公社 (GIZ)/KfW) そして Dong Ampham 保護林については New Chip Xeng グループの下で開発されている 政府はラオス森林インベントリ (NFI) を県レベルで実施している フアパン県全域のバイオマス調査と森林マッピングが ドイツ国際協力公社 (GIZ) と森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) の支援を受けて 2014~2015 年の間に行われた JICA の国森林情報システム (NFIS) による支援を得て バイオマス調査のパイロットがカムムアン県で 2015 年に実施された 表 REL の特長の要約 地域 期間 方法論 ** 炭素蓄積 経時平均モデリングの手法 一次的退行モデリング 一次的退行モデリング 森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) サイニャブーリー県内の選ばれた 5 つの郡 : ピエン サヤブリ ホンサ パクライとキサラタンの各郡森林投資プログラム (FIP) サラワン サワンナケート FIMプロジェクトルアンパバーン地域振興のための持続的森林経営の普及プロジェクト (SUFORD- SU)13 県の 59 郡 : ラオスの中央部 南部 北部の 4 県 即ちヴィエンチャン サイソムブーン カムアン サワンナケート チャンパサック サラワン サニャブリー ボリカムサイ セーコーン アッタプー ボーケーオ ルアンナムター とウドムサイ JICA の PAREDD ルアンパバーンのホアイキン村落郡 ER プログラム北部 6 県 : ルアンナムター ボーケーオ サイニャブーリー ウド 1997~2010 年 1982~2002 年 1990~2010 年 2000 年 2005 年 2010 年 2014 年 1994~2010 年 2005~2015 年 森林の減少と劣化の回避 ( 自然林 非森林 ) 森林の減少と劣化の回避 ( 自然林 非森林 ) 森林の減少と劣化の回避 ( 自然林 非森林 ) 森林の減少と劣化の回避 ( 自然林 非森林 ) 並びに 支援を受けた自然再生と選択されたサイトでの回復による改善されたカーボンストレージ ( 非森林 森林 ) 森林の減少と劣化の回避 ( 自然林 非森林 ) 森林の減少と劣化の回避 ( 自然林 非森林 ) 並びに 森林再生 ( 非森林 森林 ) と植林 / 造林に CO 2 CO 2 CO 2 CO 2 地上バイオマス (CO 2) 地上バイオマスと地下バイオマス (CO 2) 153

158 ムサイ ルアンパバーンとフアパン よる改善されたカーボンストレージ LEAF プロジェクトサーンサイ郡 New Chip Xeng サワンナケート県とサラワン県 1995~2010 年 2003~2013 年 森林の減少と劣化の回避 ( 自然林 非森林 ) 森林の減少と劣化の回避 ( 自然林 非森林 ) CO 2 地上バイオマスと地下バイオマス (CO 2) (3) プロジェクトレベル REL を開発する主要な REDD+ プロジェクトは ドイツ国際協力公社 (GIZ) とドイツ開発銀行 (KfW) の支援する森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) や JICA の支援する PAREDD 世界銀行とフィンランドの支援する SUFORD-SU 世界銀行の支援する ER プログラムも含め 準国家レベルである プロジェクトレベルの主要 REDD+ プロジェクトに加え これらには ルアンパバーンの Houaykhing 村落で総面積約 30,000 ha を対象に早稲田大学が実施した JCM REDD+ プロジェクトの実行可能性研究が含まれる 表 REL の特長の要約 イニシアティブ / プロジェクト ルアンパバーンにおける JCM REDD+ プロジェクト 期間方法論 ** 炭素プール 1996~ 2010 年 経時平均モデリングの手法森林の減少と劣化の回避 ( 自然林 非森林 ) 一次退行モデリング 一次退行モデリング 地上バイオマスと地下バイオマス (CO2) 2) 国家 / 準国家レベルの ERL の関係 ラオス政府 (GOL) は ER プログラムの下で REL/FRL を確立し 国家 REL/FRL での入れ子構造を実現する意向である 現在 ER プログラムのために REL/FRL の要素を裏付けるデータは十分でない 森林投資プログラム (FIP) (SUFORD-SU) と JICA の NFIS ( 国家森林情報システム ) プロジェクトの支援により 北部の 6 県すべてについて 2000 年と 2005 年 2010 年の土地利用と土地利用の変化並びに林業 (LULUCF) マップが暫定 REL/FRL のために利用できるようになっており 2015 年のものも作成中である 表 は 2000~2010 年の間の ER プログラムプロジェクトサイトでの平均年間変化を示している 活動データに基づけば 土地 / 森林分析と排出係数 森林参照排出レベル別の平均炭素ストックは 表 に示すとおりである JICA の国家森林情報システム (NFIS) による支援を受け 2015 年にカムムアン県でバイオマス調査が試行された フアパン県全域のバイオマス調査と森林マッピングは ドイツ国際協力公社 (GIZ) の森林減少回避による気候保護プロジェクト (CliPAD) の支援により 2014~2015 年に実施されている 154

159 表 ER プログラムで 2000~2010 年の暫定 REL/FRL に使用された活動データ 活動データソースベースラインとなる 10 年間の平均年間変化 (ha/ 年 ) 森林の伐採と劣化 60,169 カーボンストックの向上 62,268 出典 : FCPF 2015 表 ~2010 年の排出と削減に対する REL/FREL 活動 森林参照排出レベル (tco2e/ 年 ) 排出に対する REL 6,907,488 削減に対する FRL 7,211,465 出典 : FCPF 2015 References ADB (Asian Development Bank) Lao People s Democratic Republic transport sector assessment, strategy, and road map. Mandaluyong City, Philippines: Asian Development Bank ADB Protecting forests for sustainable ecosystem services project. (September 5, 2016) AIT-UNEP RRC.AP Desktop study on assessment of capacity gaps and needs of South East Asia countries in addressing impacts, vulnerability and adaptation to climate variability and climate change. Pathumthani, Thailand: AIT AIT-UNEP Regional Resource Centre for Asia and the Pacific. (September 5, 2016) Barney K Grounding global forest economies: Resource governance and commodity power in rural Laos [PhD thesis]. Toronto, Canada: York University. Clarke, J.E Biodiversity and protected areas Lao PDR. (November 15, 2016) Dwyer, MB and Ingalls, M REDD+ at the crossroads: Choices and tradeoffs for in Laos. Working Paper 179. CIFOR, Bogor, Indonesia. Eco Lao Scoping assessment of climate change adaptation priorities in the Lao PDR. Regional Climate Change Adaptation Knowledge Platform for Asia, Partner Report Series No. 6. Stockholm Environment Institute, Bangkok. (November 10, 2016) Eickhoff G. et al Conceptualization of a jurisdictional and nested REDD+ approach in Xayabouri Province, Lao PDR. Climate Protection through Avoided Deforestation (CliPAD) Project, GIZ. pdf FAO Asia-Pacific forestry sector outlook study II working paper series working paper no. APFSOS II/WP/2009/17. Bangkok: FAO Regional Office for Asia and the Pacific. (October 5, 2016) FCPF(Forest Carbon Partnership Fund Emission Reductions Program Idea Note (ER-PIN) Template V.4 August, PIN%20for%20Lao%20PDR-Revision15Feb2016.pdf (October 5, 2016) 155

160 FCPF Lao PDR s Readiness Plan Idea Note (R-PIN). PIN.pdf (October 5, 2016) Forest Trends Forest conversion in Lao PDR: Implications and impacts of expanding land investments. Forest Trends Policy Brief July Fujisaki, T Lao PDR REDD+ Readiness: State of play. IGES Discussion Paper No. FC Kanagawa, Japan: IGES. GOL (Government of Lao PDR) Land law No.61/PO. (October 15, 2016) GOL (Government of Lao PDR) Forestry strategy to the year 2020 of the Lao PDR. Ministry of Agriculture and Forestry, Government of Lao PDR. GOL (Government of Lao PDR) Forest law No. 6/NA. GOL (Government of Lao PDR) Land law No. 88/PM. (October 15, 2016) GOL (Government of Lao PDR) Strategy on climate change of the Lao PDR. (October 15, 2016) GOL (Government of Lao PDR) Forest investment program. Lao investment plan. Master Draft: 19 September Vientiane: Department of Forestry, Ministry of Agriculture and Forestry, Government of Lao PDR. (October 15, 2016) GOL (Government of Lao PDR) Environmental protection law. (September 5, 2016) GOL (Government of Lao PDR). 2015a. Intended nationally determined contribution. pdf (October 30, 2016) GOL (Government of Lao PDR). 2015b. Five Year National Socio-Economic Development Plan III ( ). Ministry of Planning and Investment. GOL (Government of Lao PDR). 2015c. The capacity development project for establishing National Forest Information System for sustainable forest management and REDD+ (PhaseⅡ) in Lao PDR: NFMS establishment action plan and recommendations on capacity building. Master draft: September Department of Forestry, Ministry of Agriculture and Forestry, Government of Lao PDR and JICA (Japan International Cooperation Agency) GOL (Government of Lao PDR) The capacity development project for establishing National Forest Information System for sustainable forest management and REDD+ (Phase II) in Lao PDR: Completion Report. Master draft: March Department of Forestry, Ministry of Agriculture and Forestry, Government of Lao PDR and JICA (Japan International Cooperation Agency) ICF International Analysis of intended nationally determined contribution (INDC). ne%202016_public_rali.pdf (September 5, 2016) JICA (Japan International Cooperation Agency) Sustainable forest management and REDD+ support project. F-REDD Newsletter. (September 5, 2016) Kakonen M., Karhunmaa K., Bruun O., Kaisti H., Tuominen, V., Thuon T. and Luukkanen J Climate mitigation in the least carbon emitting countries: Dilemmas of co-benefits in Cambodia and Laos. Finland Future Research Center. (September 5, 2016) 156

161 Kawasaki J., Kimihiko H. and Thangmanivong S REDD+ readiness and implementation in Lao PDR. Report on 平成 27 年度二国間クレジット制度の実施のための途上国等人材育成支援事業委託業務報告書 (1/2). Hayama, IGES: Koakutsu K., Amellina A., Rocamaro A.R. and Umemiya C Operationalizing the Paris Agreement Article 6 through the Joint Crediting Mechanism (JCM): Key Issues for Linking Market Mechanisms and the Nationally Determined Contributions (NDCs). IGES Discussion Paper Hayama, Japan: IGES Lestrelin, G., Trockenbrodt, M., Phanvilay, K., Thongmanivong, S., Vongvisouk T., Thy, P.T., Castella J.C., The context of REDD+ in the Lao People s Democratic Republic. Bogor, Indonesia: CIFOR, pp MAF (Ministry of Agriculture and Forestry) Forestry strategy to the Year 2020 of the Lao PDR. MAF, Lao PDR. MONRE (Ministry of Natural Resources and Environment) Second national communication on climate change of Lao PDR. MONRE, Lao PDR. MONRE (Ministry of Natural Resources and Environment) Letter for submission of INDC of the Lao PDR. MONRE, Lao PDR. or%20submission%20of%20lao%20pdr%20indc.pdf (September 5, 2016) Muziol C., Tan N.Q. and Oberndorf R Supporting REDD implementation in Laos through the design of a REDD-compliant benefit distribution system. (November 3, 2016) OXFAM Disaster management actors in Lao PDR and multi-agency humanitarian relief register. OXFAM in Lao PDR. Petersen K. and Varela J.B INDC analysis: An overview of the forest sector. Forest and Climate Programme, WWF. (September 5, 2016) RECOFTC (The Center for People and Forests) Community forestry adaptation roadmap to 2020 for Lao PDR. Bangkok, Thailand: RECOFTC. REDD Desk Legal framework in Lao PDR. Roehrl R. and Tirpak D First steps for making climate finance work in Lao PDR. Jakata, Indonesia: GIZ. SUFORD-SU (Sustainable Forestry for Rural Development Project- Scaling Up) Third annual work plan: Fiscal year 2015/16. SUFORD-SU. Vientiane, Lao PDR. Thomas I.L Drivers of deforestation in the Greater Mekong Sub-region: Lao PDR Country Report. USAID Lowering Emissions in Asia s Forests (USAID LEAF) Program, FAO. Nov2015.pdf (November 4, 2016) Winrock International Lowering emissions in Asia s forests: Final report US: Winrock International. WREA National adaptation programme of action to climate change. Water Resources and Environment Agency, Vientiane, Lao PDR. 157

162 1-1-5 ミャンマー ミャンマーの森林資源の概況 1). 森林資源 2015 年に公表された最新のミャンマーの森林率は 43.0% である (FAO2015) このうち天然林が約 10% 天然生林が約 87% 植林地が約 3% となっている (FAO2010) このようにミャンマーの森林は 大半が天然林であり 森林面積の約 40% を占める落葉林は 国内の主要樹種であるチーク等の経済的価値の高い樹種を含んでいる (Kyaw Tint et al.2011) ミャンマーの森林は 天然資源環境保全省 ( Ministry of Natural Resource and Environmental Conservation:MONREC) の森林局 (Forest Department : FD) が管轄している また 木材の収穫 加工及び販売については 同省のミャンマー木材公社 (Myanmar Timber Enterprise : MTE) が担当をしている なお 天然資源省は 2016 年 4 月 政府による省庁再編により 環境保全林業省 ( Ministry of Environmental Conservation and Forestry : MOECAF) と鉱山省 (Ministry of Mines:MM) が合併する形で設立されたものである 森林は天然資源省 森林局が管轄することになっているが 他の省庁が管轄する森林もある 農業 灌漑省 (MOAI) が管轄する fallow Landに森林が含まれている また 内務省 (MOHA) も一部の森林を管轄しており 3つの省庁が森林を管理していることになる 2017 年 1 月の森林局職員からの聞き取りによると 各省庁が管轄している森林面積の割合は正確には分からないとのことであるが 森林面積全体の2-3 割程度を森林局以外の他部局が管理していると推測されるとのことである 2). 森林被覆率の変遷ミャンマーの森林率は 1990 年の約 58% から2010 年の約 47% 2015 年の約 43% へと減少が続いている ( 表 ) 1990~2000 年の10 年間の年平均森林面積減少率は約 1.2% 2000~2010 年の10 年間の年平均森林面積減少率では 0.93% で 前の10 年と比較してやや緩やかになっている しかしながら 2010 年から2015 年にかけての年平均森林面積減少率は約 1.8% にもなり大きな森林減少が起こっていると考えられる FAO(2015) によると ミャンマーの急激な森林減少は世界第 3 位の森林減少国となった 表 : ミャンマーの森林面積の変遷 森林面積 ( 千 ha) 39,218 34,868 33,321 31,773 29,041 森林率 (%) 森林増減率 (%) -1.2( ) -0.9( ) -1.8( ) 出典 :FAO(2015) より 158

163 3). 森林被覆率変遷の要因森林減少 劣化の要因については 森林局によってコンサルティングワークショップが実施され さまざまなステークホルダーを交えた議論がなされた その結果 各地域の森林減少の要因が発表されている (UN-REDD, 2013) ワークショップは ミャンマー全土のうち数か所で実施され 地方ごとに異なる森林を取りまく自然状況 またさまざまな森林減少の要因について網羅されるように設計されている この公表データは これら森林に関与しているステークホルダーによる議論の結果であり 有益な情報である一方 科学的根拠に拠っているものではないことについては 留意する必要がある (1) 森林セクターでの森林減少 劣化の要因森林セクターでの森林減少 劣化の直接的な要因として 木材の過剰な伐採 違法伐採 燃材の過剰な利用 非持続的な焼畑耕作及び一次林を抜開する焼畑耕作 森林火災 過放牧 暴風雨 害虫被害などが挙げられれている (UN-REDD, 2013) 一方 森林セクターでの森林減少 劣化の背景的要因として 1 持続可能な森林管理実施のインセンティブの欠如 2 国際援助機関による森林セクターへの支援の欠如 ( キャパシティビルディングやプロジェクトの実施 ) 3 政策実施の弱さ 4 不適切な法執行 5 持続可能な森林管理を実施するための資金の不足 6 森林境界の設置 修正における不十分なコンサルテーション 7 地方レベルでの参加型土地利用計画の欠如 8 森林管理におけるステークホルダーの参加の低さおよび不適切な資金の分配などである ( 同上 ) (2) 森林セクター外での森林減少 劣化の要因この一連のワークショップでは 森林セクター外の森林減少 劣化の背景的要因についても 議論がされた 具体的には 農地の拡大 ( 生計用および商業用 ) 鉱山資源採掘 水力ダムの建設 道路 パイプライン 経済開発地区などのインフラ整備 都市化と人口増 農業開発などが 要因として挙げられている ( 同上 ) 一方 森林セクター外での森林減少 劣化の背景的要因として 1 複数の省庁による土地管理のオーバーラップや係争 2 法執行の脆弱さ 3 貧困や代替生計手段の不足 4 伸び行く中間層による資源要求の増大などが挙げられている ( 同上 ) 4). 衛星画像分析による森林被覆率変遷の要因また アジア航測 (2015) は衛星画像の分析により森林減少の要因を導き出している ( 図 ) それによると 森林減少の大きな要因は 鉱物資源の採取 農地開拓 森林火災 プランテーション 焼畑となっている とくに近年では農地 プランテーションによる土地利用転換が大きな要因となっていると推測される としている 159

164 図 : ミャンマーにおける森林被覆の変容とその要因 出典 : アジア航測 (2015) 2016 年の新政府成立以降 違法伐採等による森林伐採に懸念を抱いたミャンマー政府は 2016 年より 1 年間 ミャンマー全土での木材伐採の禁止を講じている (Myanmar Times 2016a) また Bago Yoma 地域の森林については 今後 10 年間の木材伐採を禁じるとなった (Myanmar Times 2016b) 気候変動対策及び REDD+に関する所掌及び実施体制 1). 気候変動戦略の実施体制 (1) 国レベルでの環境 気候変動委員会ミャンマーでは 環境に関する事項を議論する場として 1990 年に国家環境審議会 (National Commission for Environmental Affairs:NCEA) が設立された NECA のもと 環境保全法の草稿が行われていたが 策定は実現せず 2011 年まで待たねばならなかった その後 2011 年 国内の環境保全法規の整備 実施体制の強化や各種施策の検討と実施をより効率的に推進し NECA は国家環境保全委員会 ( National Environmental Conservation Committee:NECC) として組織改編が行われた 議長は環境保全林業大臣が務め 関連省庁の大臣らがメンバーとなっている 同時期に 森林省に機能を追加する形で環境保全林業省 (Ministry of Environmental Conservation and Forestry:MOECF)( 現 : 天然資源環境省 ) も 2011 年に組織改編されている また環境保全法も 2012 年に策定された 新政権発足後の 2016 年 6 月 NECC は気候変動に関する機能を強化し再び組織改編を行い 国家環境保全気候変動委員会 (National Environmental Conservation and Climate Change Committee: NECCC) として発足した (MONREC 2016:43) 160

165 国家環境保全気候変動委員会 (NECCC) は 副大統領が議長を務め 6つのコンポーネントから形成されている ( 図 参照 ) 具体的なコンポーネントは以下のとおりである 1. 食糧安全のための気候変動型農業 漁業 畜産業 2. 健全なエコシステムのための持続可能な自然資源管理 3. 持続可能な発展のためのレジリアンスおよび低炭素エネルギー 交通 工業 4. レジリアントで持続可能な都市 5. 人々の健康と幸福のための気候変動のリスク管理 6. レジリアントな社会のための教育 科学 技術 なお 各コンポーネントは中央政府によって管理されるが 参画するステークホルダー は 地方行政 NGO 市民社会 そして民間セクターとなっている REDD+ に関する議 論は 2. 健全なエコシステムのための持続可能な自然資源管理 に含まれる 図 : 国家環境保全気候変動委員会 (NECCC) 組織図 出典 :MONREC(2016) 161

166 (2) 天然資源環境保全省 (MONREC) ミャンマーにおいて 天然資源に関する関連政策を所轄するのは 2016 年に環境保全林業省 (MOECAF) から組織改編された天然資源環境保全省 (MONREC) である ミャンマーにおいて環境関連政策を所轄するのは天然資源環境保全省 環境保全局 (Environmental Conservation Department: ECD) であり 気候変動政策を管轄している 一方 ミャンマーにおける森林関連政策を所轄するのは 天然資源環境保全省 森林局 (Forestry Department: FD) であり REDD+ を管轄している 図 : 天然資源環境保全省の組織図 ( 人員数は 2014 年当時 ) 資料 :JICA(2016) より作成 (3) 天然資源環境保全省 環境保全局 (ECD) ミャンマー政府が 2012 年に環境保全法を施行した際 環境に係る国家的管理を強化することを目的に 環境保全林業省 (MOECAF: 現 MONREC) 内に同法の実施責任部局である環境保全局を新設した 気候変動に関する部門もこの組織内に設置された ( 図 参照 ) 環境保全局 管理課 計画 国際関係 研修 研究課 公害対策課 天然資源 環境影響評価課 地方 ( 州および地域 ) 気候変動部門 図 : 天然資源環境省環境保全局 (ECD) 組織図 (2012 年現在 ) 162

167 (4) 天然資源環境保全省 (MONREC) 森林局 (FD) ミャンマーの森林は 天然資源環境保全省 (Ministry of Natural Recourses and Environmental Conservation) の森林局 (Forest Department:FD) が管轄している 2017 年現在 REDD+ に関する Focal Point は 森林研究所 (Forestry Research Institute:FRI) である ミャンマーでの森林管轄行政であるが 農地にある森林が農業灌漑省 植林の一部が工業省の管轄になるなど 森林局管轄外の森林もある 図 : 天然資源環境保全省 (MONREC) 森林局 (FD) 組織図 出典 : アジア航測 (2016) 2). REDD+ 戦略の実施体制ミャンマーでは 旧環境保全林業省 (MOECAF)( 現 : 自然資源環境保全省 : MONREC) が主体となり REDDプラス実施に向けた準備が進められている 2010 年に UN-REDD への参加が決定し UN-REDDの支援の下 REDDプラス国家戦略の策定に向けたREDD+ ロードマップが2013 年 7 月に策定された (UN-REDD2013) 現状では ロードマップがREDDプラスに関する主な戦略的文書となっている REDDプラスの完全実施に向けた国家 REDDプラス戦略は現在策定中であり 2018 年に完成予定である ミャンマーにおいて REDD+ を統括するのは 環境 気候変動に関する最高意思決定機関である国家環境保全気候変動委員会 (NECCC) である REDD+ ロードマップ (UN- REDD2013) によると 国家環境保全気候変動委員会のもと 天然資源環境保全省を議長 163

168 とする REDD+ タスクフォースが設置され 森林局 (FD) 内にタスクフォース事務局が設 置される予定である 2017 年 1 月現在 REDD+ タスクフォースおよびタスクフォース事 務局は未設置で メンバーを選定している状況である National Environmental Conservation and Climate Change Committee: NECCC 図 : 国レベル REDD+ 組織図 (2017 年 1 月現在 ) 出典 : 森林総合研究所 (2016) 図 : 国レベル REDD+ 組織図 ( 完成時 ) また REDD+ ロードマップの協議プロセスにおいて 以下の 6つの REDD+ 技術ワーキンググループ (TWG) の設置が決定している 1. 森林減少要因 戦略開発 2. ステークホルダーエンゲージメント セーフガード 3. 国家森林モニタリングシステム REL/RL 164

169 4. REDD+ プロジェクト 5. 資金 利益分配 6. 法制度 このうち 1から3の TWG については すでに設置 人選もすみ 活動を行っている 2017 年 1 月実施の森林局職員からの聞き取りによると 4から6の TWG については REDD+ 準備状況の進捗に合わせ 順次設置をしていく予定である TWG のメンバーは 森林局職員だけではなく NGO や市民社会 また関連省庁の職員で構成されている 以下に ステークホルダーエンゲージメント セーフガード TWG のメンバーを示す 表 : ステークホルダーエンゲージメント セーフガード TWG のメンバー Relevant Line Departments No. Name Title Department/ Ministry 1 U Hla Khaing Director Department of Rural Development Ministry of Livestock, Fishery and Rural Development 2 U Kyaw Lwin Deputy Director Department of Agricultural Planning Ministry of Agriculture and Irrigation 3 Daw Nyein Aye Engineer Small-Scale Industrial Department Ministry of Cooperative 4 U Nyunt Linn Staff Officer General Administrative Department Ministry of Home Affair 5 Daw Thein Thein Htwe Staff Officer Department of Social Welfare Ministry of Social Welfare, Relief and Resettlement NGO/CSOs No. Name Title Department/ Ministry 1 Khin Yaekyi Tar Program Assistant Myanmar Environment Rehabilitationconservation Network (MERN) 2 Myo Ko Ko Programme Manager Promotion of Indigenous and Nature Together (POINT) / Myanmar Indigenous People (IP)/Ethnic Nationality Network 3 Nay Chi Aye Communication Officer Food Security Working Group (FSWG) 4 Thawdar Nyein Project Assistant Friend Of Wildlife (FOW) 5 Khin Maung Lat National Sector Coordinator Metta Development Foundation 6 Wanna Mobilizer Kachin Conservation Working Group (KCWG) Forest Department No Name Title Division 1 U Ngwe Thee Assistant Director Planning and Statistics Division 2 Dr. Naing Zaw Htun A/D Natural and Wildlife Conservation Division 3 Dr. Toe Toe Aung A/D Watershed Management Division 4 Dr. Tin Zar Kywe Staff Officer Natural and Wildlife Conservation Division 5 U Sein Moe Staff Officer Extension and Education Division 6 Daw Khin Thida Htun Staff Officer FRI 7 Dr. Ei Ei Swe Hlaing Staff Officer Staff Officer, FRI 8 U Si Thu Aung Staff Officer Staff Officer, Planning and Statistics Division 9 U Tun Tun Win Range Officer Range Officer, FRI 10 Daw Win Win Nwe Range Officer Range Officer, FRI 資料 : 森林局内部資料 165

170 また REDD+ ロードマップに含まれるコンポーネントは以下の 6 つである 表 Ⅰ-1-5-4:REDD+ ロードマップのコンポーネントとその概要 (2) 準国レベルでの REDD+ 気候変動に関する制度 組織 2017 年 1 月現在 REDD+ 気候変動に直接対処する地方組織は存在しない しかしながら 天然資源環境省環境保全局 (ECD) には地方組織があり ( 図 ) 地方レベルでの環境行政を担っている また天然資源環境保全省 (MONREC) 森林局 (FD) にも地方組織があり ( 図 ) 現場レベルでの林野行政を担っている 今後 REDD+ 活動が本格化し 地方レベルでの活動が活発になった際には これら政府機関が REDD+ の地方組織の核となると考えられる また REDD+ ロードマップにおいても パイロット事業によって準国レベルでの REDD+ 事務所を開設することとしている (UN-REDD2013) 気候変動対策としての REDD+の活用に関する法令等 1) 気候変動戦略 行動計画 (Myanmar Climate Change Strategies and Action Plan) ミャンマーの気候変動に関する政策は 2016 年から整備が進み始めた 2016 年 7 月に気候変動戦略 行動計画 (Myanmar Climate Change Strategies and Action Plan) が策定された この戦略 行動計画は 2016 年から 2030 年までの中期にわたる計画である (MONREC 2016) 気候変動戦略 行動計画には 6 つのコンポーネントがあるが このうち REDD+ に直接関与するのは 健全なエコシステムのための持続可能な自然資源管理 である このコンポーネント実施の目標として 1. 環境 自然資源管理政策 計画 研究を発展させ その成果を国レベルからローカルレベルまた横断的に普及させる 2. 気候変動対策の計画と実施のための組織体制を構築する 3. 気候変動対策のための資源分配のための資金メカニズムの構築 4. 気候レジリアンスと低炭素技術の邁進などが挙げられている 166

171 2) INDC( 各国が自主的に決定する約束草案 ) ミャンマー政府は 2015 年 8 月に INDC を UNFCCC に提出している (The Republic of the Union of Myanmar, 2015) INDC では具体的な削減目標は記載していない 緩和策として 森林セクター エネルギーセクターを優先課題として取り組むこととし 具体的な施策を記載している 森林セクターでの具体策は 2030 年までに 保全林 (Reserved Forest) と公共保護林 (Protected Public Forest) の面積を国土面積の 30% に 保護区 (Protected Area System) の面積を国土面積の 10% に引き上げる目標を掲げている 目標の達成に向け手の行動は 2011 年にUN-REDDプログラムに参加し REDDプラス準備活動のロードマップを策定 現在その実施に向けて取組を進めていることに言及している また 違法伐採対策として取り組んでいる EU-FLEG の活動に向けて取り組むことについても言及をしている 資金支援については REDD+ プロジェクト等の実施に向けた資金支援の必要性に言及をおこなっている 準国以下の REDD+ プロジェクトの実施に関する法令等 2017 年 1 月現在 ミャンマーにおいて REDD+プロジェクトの実施に関する法令等の整備は まだ進んでいない状況である ただし REDD+ ロードマップには REDD+ の段階的実施における第二フェーズにおいて District level での REDD+ の実証活動を計画しているとしている (UN-REDD 2013) REDD+における市場メカニズムの活用に関する法令等 1) 市場メカニズムの適用に関係する法規制と計画, 機関 2017 年現在, ミャンマーには REDD+ における市場メカニズムに関する制度は整備されていない しかしながら 市場メカニズムを受け入れる素地はあると考えられる 韓国森林サービス (KFS) によって実施中の REDD+ プロジェクトは VCS を目指す市場メカニズム型のプロジェクトであるが このプロジェクトは森林局によって承認されている また 日本の JCM-REDD+ に関する政府関係者の会談等においても 森林局関係者は概して好意的な印象を持っている これははだ 森林局の責任者レベルでの考えであり また REDD+ 活動の初期段階だということもあると推測される 今後 ミャンマー政府としてどのような対応がみられるかは不明であるが 注視する必要はある 2) 市場及び国連気候変動枠組み条約 (UNFCCC) 下の森林炭素クレジットの国際取引を介した政府による REDD+ の資金調達の展望 2017 年 1 月現在において ミャンマーが具体的な資金調達の方策について明記したものはない ただし REDD+ ロードマップには 結果支払いでの炭素の利益を 1 国際 167

172 社会 多国間基金 2 ボランタリー市場 3 コンプライアンス市場のいずれかで受け取 る考えがあるとしている (UN-REDD2013) REDD+ の MRV システム 1) ミャンマーの森林の定義ミャンマーの森林の定義は FAOの定義に沿ったものである 具体的には 森林面積最小が0.5ha 樹冠投影率が最低 10% 樹高を最低 2mの土地を森林としている (UN- REDD2013) ミャンマーでは森林を大きく 2つに分けており それぞれ閉鎖林 ( 樹幹投影率 40% 以上 ) と疎林 ( 樹幹投影率 10% 以上 40% 未満 ) である またUN-REDD(2013) では 森林減少 を森林が他の土地利用に転換され かつ樹幹投影率が10% 未満になったことであり 森林劣化 は森林が負の影響を受け 樹林の質が下がった森林であるが 樹幹投影率が 10% 以上であったものを指す 一方 自然環境から見たミャンマーの森林タイプは 高地常緑林 常緑林 混交落葉林 乾燥林 落葉フタパガキ科林 海岸 湿地林の6つに大分類される ( 図 参照 ) なかでも混交落葉林が全森林の約 39% を占めている 出典 :MOECAF (2016) 図 : ミャンマーの主な植生タイプ 2) 国家森林モニタリングシステムを含む REDD+ の MRV( 測定 報告 検証 ) システム 2015 年 UN-REDD プログラムにおいて 国家森林モニタリングシステム (NFMS) 策定 のためのアクションプラン Development of a National Forest Monitoring System for 168

173 Myanmar が策定された (MOECAF and UN-REDD 2015b) アクションプランの策定は UN-REDD の中でも主に FAO 主導で実施されたものであるが このアクションプランに基づいて 国家森林モニタリングシステム (NFMS) を策定し 1 サイクルの測定と報告を 4 年間程度かけて行う予定である ( 同上 ) 作業としては 衛星画像による森林資源の把握 国家森林資源調査 UNFCCC への報告 データ検証のために必要な情報 現場レベルでのモニタリングシステムが挙げられる 作業としては大きく 2 期に分けられる (1) 前期 (1-2 年 ): 計画の設計およびデータ収集とその分析に多くの時間を費やす予定である キャパシティビルディングは 4 年間をかけて行うが 特にこの 2 年間で集中して行う (2) 後期 (3-4 年 ): 前期で設計した計画の実施と収集したデータの分析に時間を費やす予定である 4 年間で NFMS の計画 実施の一通りを行う予定である REDD+ ロードマップにおいて NFMSに関する業務は主にコンポーネント6の 国家森林モニタリングシステムの開発 で実施するが コンポーネント5の REL/RL の開発 と連携して実施する予定である これら 2つのコンポーネントは 国家森林モニタリングシステム REL/RL TWGで一体となっている 図 : ミャンマーの NFMS の構成図 土地の所有 管理 利用に関する法令等 1) ミャンマーの主要な森林関連法制度ミャンマーの主な森林関連法制度は 以下のとおりである ( アジア航測 2016) 1 Forest law (1992) 2 Protection of wildlife and wild plants and conservation of natural are ぉ law(1994) 3 Myanmar Forest Policy (1995) 4 Rules of Forest Law (1995) 5 Community forestry instructions (1995) 6 National forestry action plan (1995) 169

174 7 Format and guidelines for district forest management plans (1996) 8 Myanmar Agenda 21 (1997) 9 National code of forest harvesting practices in Myanmar (2000) 10 Forestry Master Plan for (2001) 11 National Sustainable Development Strategy (2009) 12 National Biodiversity Strategy and Action Plan( 2011) 13 Environmental Law (2012) また 森林法とコミュミティ林業令 (CFI) については 2017 年 1 月現在の時点で改正の手続きが取られ すでに草案が完成している 2) ミャンマーにおける森林の法的区分とその権限天然資源環境保全省 森林局が所轄する森林は 永久林地 (Permanent Forest Estate) と呼ばれる国有林である 永久林地は 1 保全林 (Reserved Forest)2 公共保護林 (Protected Public Forest)3 保護区 (Protected Area System) の 3 つに分けることができる (UN-REDD2013) 1 保全林 (Reserved Forest): 主に林産物の生産を目的とした森林 森林法の下で 村での生産活動やコミュニティの林業に使うことができる 保全林の多くが 土地分類を変更せずに 小規模農家や村落によって農業生産に転換されている 多くの地域で 地図上の森林区域と実際の土地利用が一致しない状況になっている 2 公共保護林 (Protected Public Forest): 森林法と野生生物保護 地全地域保全法によって規定されている 保全林とは異なり 自然資源の保護を目的としている 3 保護区 (Protected Area System):2012 年 9 月現在 33 か所の陸地と 3 か所の水域に保護区が設置されている 前述のとおり INDC では 2030 年までに保全林 (Reserved Forest) と公共保護林 (Protected Public Forest) の面積を国土面積の 30% に 保護区 (Protected Area System) の面積を国土面積の 10% に引き上げる目標を掲げている また 農業灌漑省が管轄する 無主地 休耕地 未墾地管理法 (2012) では 無主地 休耕地 未墾地の土地の管理は農業灌漑省であるが 生育する樹木の管理は森林局が権限を持つと規定された ( 井上 2015) これらの土地は森林であった土地が何らかの理由で森林ではなくなった場合が多い このカテゴリーの土地に森林を植えることで その権限は森林局に異動し コミュニティ林業を展開することが可能となる ( 同上 ) 3) 森林マスタープランミャンマーでは2001 年に今後 30 年の森林マスタープランを策定している 同プランでは 森林局が主導して 2030 年までに 現在国土面積の 0.06% であるコミュニティ フォレストリーによる森林管理面積を1% まで増加させ 森林減少率を低減する計画となって 170

175 いる これによって 薪炭材 4.13 million m³ / 年 (= 薪炭材需要の 25%) をコミュニティーフォレストから供給することとしている またミャンマーでは森林法とコミュニティ林業指針が現在修正作業中であり 2017 年に新たな法制度が構築される予定である 2 つの法律ともに テークホルダーコンサルテーションを経ており 多くのステークホルダーの意向をくみ取りつつ 作成を経たことになる 4) コミュニティフォレストリー令 (CFI) の改定の動向と REDD+ へのインプリケーション 2017 年 1 月のミャンマー森林局職員からの聞き取りによると CFIは 政府職員だけではなく NGO 市民社会団体なども加わったグループを設置(Community Forestry Networking Group) し その中で度重なるステークホルダーコンサルテーションを実施したということである このイニシアティブは 2012 年ごろより RECOFTC の協力を得て実施しているとのことである これらプロセスを経て CFIの草案が 2016 年に完成したとのことである 新たに策定された CFI 草稿案では 森林の新たな価値であるエコシステムサービスそして炭素蓄積の重要性についても明記されている また以下の各事項についても明記されている 1コミュニティの権利 2 補償を受ける権利 3CFメンバーによる管理権 4CF リーダーの人数 5 女性リーダー選定の推奨 5コミュニティベースのエコツーリズムの推奨 CF 実施のキャンセルなどである 4 考えられる REDD+ のセーフガードに関する法令等 2017 年 1 月 UN-REDDのミャンマープロジェクト職員からの聞き取りより ミャンマーにおけるREDD+ のセーフガード体制 制度設計は REDD+ロードマップのもと 主に UNEPが中心となって支援を進めることとなっている REDD+ ロードマップで策定された6つのコンポーネントのうち コンポーネント 2 ステークホルダーコンサルテーションと参加 およびコンポーネント 4 実施体制とセーフガード に含まれる 各コンポーネントの主な業務は下記のとおりである ( 三菱リサーチ & コンサルティング力石様聞き取りより2017) コンポーネント 2 ステークホルダーの把握とコンサルテーション強化国家 FPICガイドラインの開発 コンポーネント 4 運営組織体制の構築補制度枠組みの採択と強化資金枠組みの構築 171

176 REDD+ 社会環境せーうガードシステムの構築 セーフガードに関する検討はセーフガードTWGによって進められることになる 2013 年に策定されたロードマップに セーフガードシステム ( 組織構築 セーフガード情報システム 関連政策や法律の特定 苦情処理メカニズム 実施プロセスと手順 ) の確立に向けたステップが示されている REDDプラスにおける利益配分の方法については 新たに設置される資金 利益配分 TWGによって検討が進められる予定であるが このTWGは 2017 年 1 月現在 まだ設置されていない状況である ITTOによって実施された REDD+ プロジェクト Capacity building for developing REDD+ activities in the context of sustainable forest management の一環として Social & Environmental Safeguards for REDD+ Programme in Myanmar が策定された (ITTO and MOECAF, 2015) このガイドラインは 市民団体と民間企業との共同体であるClimate, Community and Biodiversity Alliance(CCBA) によって策定される REDD+ Social & Environmental Standards(REDD+ SES) を参考として策定されたものである 2017 年 1 月の森林局での聞き取りによると このガイドラインの策定プロセスは 森林局職員など政府職員や援助機関など関連ステークホルダーによるコンサルテーションワークショップでの議論の結果を取りまとめたものである 実施中の REDD+ プログラム等ミャンマー国内において 本格的な REDD+ 実証活動や REDD+ プロジェクトは まだ進められていないのが実態である 援助機関による初期段階の REDD+ プロジェクトや特定の目的を進めるために進められている REDD+ 関連プロジェクトがある 1) 韓国森林サービス (KFS) プロジェクト名 :Mitigation of Climate Change Impacts through Restoration of Degraded Forests and REDD-Plus Activities in Bago Yoma Region, Myanmar 実施場所 :Bago 管区 Yedashe, Bago Yoma 地域 森林劣化の回復及び植林活動を通じた気候変動緩和の取組を実施する予定である バゴーヨマ地域の7,000ha を対象にKFSの資金により VCS(VM0007)/CCBS 案件を形成中である 韓国人専門家は常駐せず 森林局 森林研究所 (FRI) との契約ベースで実施している プロジェクトは2016 年に開始されたが 2017 年 1 月現在 米国 Terra Global が社会経済調査等の実施中である 2) 国際熱帯木材機関 (ITTO) プロジェクト名 : Capacity building for developing REDD+ activities in the context of sustainable forest management 172

177 実施場所 : Bago 管区 Oktwin Township, Taungoo 郡 REDDプラス国家戦略の準備及び Bago Yoma 地域のチーク林における堅牢な MRVシステム構築を目的に REDDプラス活動の設計 実施に係る関係者の能力強化を実施した また REDD+SES を使ったセーフガード構築を実施した 対象地面積は 1,064,939ha で 予算総額は 572 千米ドルであった ( 森林総合研究所 REDD 研究開発センター 2016) 3) 国際総合山岳開発センター (ICIMOD) プロジェクト名 : 実施場所 : シャン州 ( 予定 ) ICIMOD が資金拠出する REDD+ Himalaya Initiative の一環として 年で案件を実施している 活動対象地は シャン州を想定している SG 関連 (FPIC), 生物多様性関連 ドライバー分析 デモ活動 職員のキャパビルを実施する予定である 4) アジア航測株式会社 プロジェクト名 : 途上国森林劣化対策整備事業 実施場所 : シャン州タウンジー郡 バゴー管区イェダシー マンダレー管区モゴー地区 林野庁補助金として 途上国森林劣化対策整備事業を 3 年間実施 参照レベルの策定状況 1)REL の策定 検討状況 2017 年 1 月現在 ミャンマーでは参照レベル (REL) の策定はまだ行われておらず 検討段階である 2015 年 UN-REDD プログラムにおいて REL 策定のためのアクションプラン Forest (Emissions) reference Level action plan for Myanmar が策定された (MOECAF and UN-REDD 2015a) アクションプランの策定は UN-REDD の中でも主に FAO 主導で実施されたものであるが このアクションプランに基づいて REL の策定を行う予定である 森林局としては UNFCCC に対して REL 情報提出を 2018 年 1 月までに行いたいと考えている ミャンマー REDD+ ロードマップによると REL 策定には 1990 年 2000 年 2005 年 2010 年の衛星画像データを用いて過去の土地利用変化を解析することとなっていた (UN-REDD2013) しかしながら 1990 年のデータはデジタル化されておらず このデータは使うことができない (MOECAF and UN-REDD 2015a) 2017 年現在 森林局では 2005 年 2010 年 2015 年の異なる 3 時点の衛星画像データをもとに REL を策定する方向である ( アジア航測小野様聞き取りより 2017) 173

178 2005 年の衛星画像は LANDSAT(5 および7) であるが 画像分析の際の幾何補正に用いた地形図が古い地形図であった また 2010 年の衛星画像はインドの IRS を用いているが 幾何補正には同時期の Landsat を用いて行っており これら 2 時点間の幾何補正の用いた地図は異なるものであった さらにミャンマーンは標高の高い山もあり位置ズレが起こりやすい環境にある このように 2 時点間に用いた衛星画像が異なること 幾何補正に用いた地図が異なることがあり さらに地形上の問題もあり 正確な土地利用変化を出すことが非常に困難な状況にある ( アジア航測小野様聞き取りより 2017) 2) プロジェクトレベルにおける REL の策定 検討状況 2017 年 1 月現在 REL 策定 検討を伴う段階まで到達した REDD+ プロジェクトが存在しない状況である ( 参照 ) このため国レベルと準国レベルやプロジェクトレベルとの調整等はまだ未確定である 引用文献アジア航測 (2016) 平成 27 年度途上国森林劣化対策整備事業報告書 アジア航測株式会社 神奈川県川崎市アジア航測 (2015) 平成 26 年度途上国森林劣化対策整備事業報告書 アジア航測株式会社 神奈川県川崎市 FAO (2015) Global Forest Resources Assessment FAO Forestry Paper No. 1. The Food and Agricultural Organization of the United Nations (FAO). Rome. 井上真 (2015) アジアの森林利用 管理の仕組み : ミャンマー グリーンパワー 号 pp ITTO and MOECAF(2015) Social & Environmental Safeguards for REDD+ Programme in Myanmar, Nay Pyi Taw, Myanmar. Kyaw Tint, Oliver Springate-Baginski and Mehm Ko Ko Gyi (2011) Community Forestry in Myanmar: Progress & Potentials.MOECAF,93pp. MOECAF and UN-REDD (2015a) Forest (Emissions) Reference Level Action Plan for Myanmar, Nay Pyi Taw, Myanmar. MOECAF and UN-REDD (2015b) Development of a National Forest Monitoring System for Myanmar, Nay Pyi Taw, Myanmar. MOECAF (2016) Website of MOECAF FgDyVCB1ci7IsbkqzqgViE8hfMVA&ust= (2016 年 10 月 14 日アクセス ) 174

179 MONREC(2016) Myanmar Climate Change Strategies and Action Plan, Republic of the Union of Myanmar, Nay Pyi Taw, Myanmar. Myanmar Times (2016a) One-year logging ban proposed, Myanmar Times dated on 5 th May Myanmar Times (2016b) Logging ban in effect for Bago mountains over next decade, Myanmar Times dated on 6 th June 森林総合研究所 REDD 研究開発センター (2016) 平成 27 年度 REDD プラスへの取組動向 Country Report : ミャンマー連邦共和国 森林総合研究所 The Republic of the Union of Myanmar (2015) Myanmar's Intended Nationally Determined Contribution-INDC, 16pp. UN-REDD(2013) Myanmar REDD+ Readiness Roadmap, Myanmar REDD+ Programme, NayphiTaw, Myanmar. 175

180 1-1-6 コスタリカ 森林の概況 1) 国の森林資コスタリカは 中央アメリカ南部に位置し 北はニカラグア 南東はパナマと国境を接している 国土面積は 511 万 ha である これは世界陸地面積の 0.03% だが その中に全世界の生物種の 4.8% が生息しており 生物多様性の高い国と位置づけられている [1] 2015 年において コスタリカは国土の約 52% が森林であり その内訳は 一次林または天然林が約 67% 二次林は約 26% そして林業用地を含む植林地が約 9% となっている [2] 2013 年の認可を受けた森林伐採量は約 48 万 m3 その約半分が チーク (Tectona grandis) とメリナ (Gmelina arborea) が占め その他の林業用樹種としては ローレル (Cordia alliodora) シプレス (Cupressus lusitanica) Bombacopsis quinata ユーカリ (Eucalyptus sp) Vochysia guatemalensis 等が挙げられる [3] コスタリカの森林は 全国に分布しているが 天然林は中部山岳から大西洋側により分布し 西部の太平洋側と北部には二次林が分布する ( 図 ) 2013 年 ~2014 年にかけて実施された第 1 回国家森林インベントリー (National Forest Inventory: NFI) の結果を表 に示す 図 /4 年のコスタリカ土地利用区分出典 :[4] 176

181 表 コスタリカの森林タイプ別面積とその割合 (2013 年 ) 土地被覆タイプ 面積 [ha] 国土面積に対す森林面積に対する割合 (%) る割合 (%) 成熟林 (1 次林または天 1,81, 然林 ) 二次林 702, 産業用プランテーション 74, マングローブ 37, パーム林 46, 落葉樹林 234, 牧草地 1,231, ( 非森林区分 ) 高山植生 10, ( 非森林区分 ) 非森林 694, ( 非森林区分 ) 雲 影 496, 合計 5,111, 出典 :[5] 1) 森林被覆と質の歴史的変化コスタリカでは 1950 年代から主に農地や牧草地への大規模な森林土地利用転換が始まり 森林被覆率は 1970 年代後半から 1980 年代にかけて 21% まで低下した [2] 森林減少率のピークは 1980 年代で 50,947ha/ 年であったが 1990 年代には減少率は低下し 38,277 ha/ 年を示した [6] 以降 森林政策の転換や社会 経済構造の変化等により 森林被覆率は回復傾向を示す 同国は ラテンアメリカ諸国において 森林被覆率の増加傾向にある数少ない国の一つであり 近年その森林被覆率の動向は安定している [2] コスタリカ環境 エネルギー省 (2016) によると 森林減少率は 14, ha/ 年 (1996 年 ~2009 年 ) から 8, ha/ 年 (2010 年 ~2013 年 ) に減少し その期間中に 7,539,269 tco2e (1,884,817 tco2e/ 年 ) の CO2 排出量の削減を達成したと推定される [7] 一方で 1986 年以降に造成された森林における森林減少は 16, ha/ 年 (1996 年 ~2009 年 ) から 21, ha/ 年 (2010 年 ~2013 年 ) と増加傾向を示し 1,619,463 tco2e(404,866 tco2e/ 年 ) の排出があったと推定される 結果として 1996 年から 年の期間と比較して 2010 年から 2013 年にかけての森林減少の低下によって 5,882,845 tco2(1,470,711 tco2/ 年 ) の排出削減を達成したと推定される [6] 2) 直接 間接要因森林減少のピークは 1980 年代であり その後 1997 年から 2008 年にかけて コスタリカの森林は 減少傾向から増加に移行した 特に 2010 年以降 天然林における森林減少は減少傾向を示し その被覆率は明らかに増加している この背景には 以下のような森林政策転換の他 様々な社会 経済プロセスが挙げられる [2,4,6 10]: 1986 年に改訂された森林法により 森林利用から保全への方針転換が明確になった 改訂森林法により 天然林の他の土地利用への転換が禁止されたほか 環境サービスに対する支払い (Payment for Environmental Services / Pago de Servicios Ambientales:PSA スペイン語略称 ) が持続的なプログラムとして実施 177

182 され 私有地の森林保全活動に対する経済的インセンティブが制度化された 1997 年 ~2013 年にかけて約 4.8 千万 USD の資金が PSA に投資され 約 100 万 ha の森林が保全されたと推定される ; 保護区制度の強化と面積の拡大方針により 2016 年時点で 166 の保護区が設立 国土の約 26%( 森林地の約 50%) が法的に保護される 同時に 保護区内における土地保有権と利用規定についても法の執行と監督が強化され 違法伐採の発生頻度が減少する ; 1990 年以降 経済基盤の変化が活発化し 農業等に依存した経済構造から建設 サービス業やツーリズム等の産業の多角化が進む 1990 年以降 自然資源を活用したエコツーリズムが促進され コスタリカの保護区を訪れる外国人旅行者の数は 2009 年には 60 万人達し 1999 年に比べ 3 倍以上となった ; 1980 年初め以降 経済 教育機会等から地方から都市部への人口移転が非常に活発化し その結果 森林土地利用変化の主要因であったバナナ アフリカン パーム 牧畜等の農業産業への地方労働力の低下が発生した ; チリとの自由貿易協定により安い輸入材が入るようになったこと また林業から森林保護への政策転換のため 林業セクターが著しく衰退した 木材生産は 1980 年代から 90 年代にかけてピークを迎え 2000 年代初めには衰退の傾向を示した 1991 年には林業セクターの GDP に対する割合は 0.39% であったが 2015 年は 0.17% である 2015 年の農畜業の GDP に占める割合は訳 9% である 一方で 地域別にみると森林減少は発生しており そうした地域では 肉乳牛飼育や輸出用フルーツ ( バナナ パイナップル メロン等 ) の生産 トウモロコシ栽培 稲作 バイオ燃料となる Piñera の生産が森林減少の要因として挙げられる とくに 沿岸湿地帯やマングローブ林で農地開発が進んでいるほか 北東部の Barra del Corolado 等は ニカラグアとの国境沿いであることも影響し 農業への土地利用転換のプレッシャーが高いと考えられる 収益性の高い稲作への転換リスクは国内最大の湿地である南東部の National Terraba-Sierpe にも見られる こうした森林減少のほとんどが非保全地域における私有地の比較的若い二次林で発生しており 保全地域や先住民族居留地では森林減少のリスクは比較的少ないといわれる [7] また 大西洋側のリモン市では大規模な港湾の整備が進んでおり 陸路の整備も検討されていることからも 今後は大西洋側の地域では開発の圧力が増加することが予測される 気候変動対策及び REDD+ に関する所掌及び実施体制 1) 気候変動コスタリカの国レベルの気候変動対策は 環境とエネルギー分野を管轄する環境 エネルギー省 (Ministry of Environment and Energy / Ministerio de Ambiente y Energía: MINAE スペイン語略称 ) が責任機関として進められる 環境 エネルギー省のもと 以下が主要機関として挙げられる : 気候変動対策局 (Climate Change Department / Dirección de Cambio Climático: DCC スペイン語略称 ): 環境 エネルギー省の下 気候変動行政の責任機関として機能する 気候変動国家行動計画の調整の他 UNFCCC のフォーカルポイントの役割を行う 1 Vera Violeta Montero Castro 氏, Mariana Jiménez 氏 (SINAC) 聞き取り調査 (2016 年 10 月 ) 178

183 エネルギー対策局 (Energy Sector Department / Dirección Sectorial de Energía: DSE スペイン語略称 ): 環境 エネルギー省の下 エネルギー政策 行政を担当 国家エネルギー計画の作成を担当する 国家気候機関 (National Meteorological Institution / Instituto Meteorológico Nacional:IMN スペイン語略称 ) 環境 エネルギー省の下 気候変動に関わる科学的情報の収集と分析を行い 気候変動シナリオや GHG インベントリー 国別報告書及び隔年報告書 (Biennial Reports) の作成を担当する 国連気候変動に関する政府間パネル (IPCC) のフォーカルポイントの役割を担う REDD+ 準備段階の取組は 環境 エネルギー省のもと 国家森林融資基金 (National Forestry Financing Fund / Fondo de Financiamiento Forestal de Costa Rica : FONAFIFO スペイン語略称 ) が責任機関となって進められる 一方で 森林や環境行政に関しては FONAFIFO 以外の政府機関も関連する 表 に森林に関する主要機関とそれらの REDD+ に関する役割を取りまとめる 表 コスタリカの REDD+ 準備 実施に関連する政府機関 機関名 担当 REDD+ に関する役割 環境 エネルギー省 (MINAE) 国家森林融資基金 (FONAFIO) 国家保全地域システム庁 (SINAC) コスタリカの環境 エネルギー行政を担当する省庁 森林行政も管轄 PSA( 生態系サービス支払い ) プログラムの実施機関であり 森林法 (1996 年 ) により設立 FONAFIFO は MINAE の機関であるが その理事会には 森林セクターの多様ステークホルダーの代表が参加する 生物多様性法 (1998 年 ) により 野生動物局 国家林業局 (State Forestry Administration ) と国立公園サービス (National Parks Service ) を統合し MINAE の機関として設立される 森林を含む自然資源管理 保全行政を担当する機関 森林火災対策や違法伐採対策を担当 FCPF ER プログラムの実施決定等を含む高次な REDD+ 政策決定 REDD+ 実行委員会に参加 REDD+ 戦略の開発を担当 FCPF プログラムの実施責任機関 REDD+ ドナー (FCPF UN- REDD プログラム等 ) との連絡 調整 REDD+ セーフガードのデザインと実施 REDD+ ステークホルダー 2 の調整 森林インベントリーの作成 排出係数の開発 国家森林モニタリングシステムの開発と実施 REDD+ 戦略 計画 政策の実施 2 コスタリカの REDD+ステークホルダーは以下に特定される- 先住民族グループ ; 小 中規模生産者 ; 政府機関 ; 民間企業 ; 大学機関及び NGO 179

184 国家地理 環境情報センター (National Center of Geoenvironmental Information : CENIGA) 農業畜産省 (Ministry of Agriculture and Livestock :MAG) 出典 :[7,9] 環境に関する情報を統合管理するために MINAE の独立専門機関として 2001 年に設立 (Decreto No ) 国家環境情報システム (SINIA) を運営 管理 国家土地モニタリングシステムの設計を担当 畜産 農業及び水産関連を担当する省庁 国としての適切な緩和行動 (NAMA) コーヒー NAMA 牧畜の準備と実施を担当 FONAFIFO と協力して REDD+ セーフガード情報システム (SIS) を設計 (SIS は SINIA 内に構築される予定 ) 測定 報告 検証 (MRV) の特に RV を担当 REDD+ 実行委員会に参加 2) REDD+ REDD+ の実施に当たっては それぞれの管轄権の中で SINAC FONAFIFO CENIGA の 3 機関が協力して実施することが予定される 特に FONAFIFO は REDD+ フォーカルポイントとして機能し REDD+ 準備を進めるために 2012 年に REDD+ 事務局 (Secretario de REDD+) を設置した 同年には 多様なステークホルダーグループが参加する REDD+ 実行委員会 (Comité Ejecutivo REDD+) も設立され 現在も FONAFIFO を中心に REDD+ 実施に係る体制構築が図られる ( 図 ) 図 コスタリカ REDD+ 組織体制出典 :[11] REDD+ 事務局 (Secretario de REDD+): 2012 年に FONAFIFO 内に設立され REDD+ の準備実施担当機関として機能 REDD+ 国家戦略の策定や コンサルテーション計画の開発 セーフガードの開発 参照レベル (FREL/FRL) の策定を担当 ; REDD+ 実行委員会 (Comité Ejecutivo REDD+): 環境 エネルギー省令 (Decreto Ejecutivo 37352) によって 2012 年に設立 実行委員会という名称であるが 実 180

185 際は REDD+ コンサルテーションとして機能する 環境 エネルギー省 農業 畜産省 国家銀行等の政府機関の他 先住民族グループ 木材産業団体 市民団体の代表が参加し ステークホルダーの参加を確保し REDD+ の開発に関わる多様なテーマの支援を行う ; FONAFIFO 専門委員会 ( 予定 ): FONAFIFO と SINAC の局長級からなる委員会で FONAFIFO による FCPF ER プログラムと REDD+ 国家戦略の実施を監督 支援するために設立予定 現在は FONAFIFO の長官がその役割を果たす ; セクター間コミッション ( 予定 ):REDD+ の分野横断的課題や他のセクターとの調整を図るために多様な省庁の参加からなるコミッションの設置を予定 またその下に REDD+ の技術的テーマを取り扱うワーキンググループを設置する予定 3) 準国レベルコスタリカでは 気候変動は環境 エネルギー省の責任と調整により 国レベルで計画 実施が進められる REDD+ についても同様で FONAFIFO による国全体の取り組みが原則方針となっている 年 1 月時点において 準国レベルにおける REDD+ 体制は構築されておらず その予定もないと考えられる なお コスタリカの地方行政区分は 7 県 (Provincia) 81 郡 (Canton) 470 区 (Distrito) から構. 成されている 県知事は大統領により任命され 1998 年に県レベルの行政府が廃止されてからは 県単位は地理上の区分及び国政選挙における選挙区としての役割だけとなった [10] 一方で 森林行政に関しては 全国に 11 の保護区行政区画が設けられ ( 図 ) それぞれの地域に SINAC の地域事務所が責任機関として設立される また SINAC の地方事務所に FONAFIFO の出先機関が併設され PSA 制度の事務手続きが行われていることからも REDD+ の実施においては自治体ではなく 保護区行政単位が機能する可能性もある 図 : コスタリカの保護区行政区分出典 :SINAC 提供資料 (2016) 3 María Elena Herrera 氏 (REDD+ 事務局 / FONAFIFO) 聞き取り調査 (2016 年 10 月 ) 181

186 気候変動対策としての REDD+ の活用に関する法令等 1) INDC/NDC 及び国家気候変動戦略 (1) INDC/NDC 環境 エネルギー省により INDC は 2015 年 9 月 30 日に国連気候変動枠条約 (UNFCCC) に提出された (2016 年 10 月 4 日にパリ協定批准 ) 気候変動緩和目標として 以下の目標が示される [12]: 2 目標 ( 産業革命以降の全球平均気温上昇を 2 未満に抑制する ) の達成を目的に 2030 年までに最大で 9,374,000tCO 2 の正味の GHG 排出削減を行い 年間 一人当たりの正味排出量を 2030 年までに 1.73 tco 年まで 1.19 tco 年までに tco 2 とする ; 2030 年まで毎年 170,500 トン排出削減を行い GHG 排出量を BAU 比で 44% 削減 2012 年比で 25% の削減を目指す 上記目標を達成するための緩和方針のオプションとしては エネルギー需要と GHG 排出の削減 ( エネルギー効率改善 低炭素開発 ) エネルギー供給の脱炭素化 産業界の最終エネルギー利用における燃料転換 ( 建設 交通 産業セクター等 ) 炭吸収源の強化 ( 土地利用の改善 再植林 ) が挙げられる さらに農業 林業及びその他の土地利用 (Agriculture, Forestry and Other Land Use:AFOLU) セクターにおいては 策定中 または実施中の NAMA コーヒー及び牧畜 国家 REDD+ 戦略が 緩和目標達成のための主要なツールとして位置づけられる (2) コスタリカ国家気候変動戦略コスタリカの気候変動対策の根幹をなすのは 国家気候変動戦略 (National Climate Change Strategy / Estratégia Nacional de Cambio Climático:ENCC) である 環境 エネルギー 通信省 (Ministry of Environment, Energy and Telecommunication / Ministerio de Ambiente, Energia y Telecomunicacion: MINAET) 4 により 2008 年制定に策定され 2021 年までにカーボン ニュートラルな経済の実現を目的とする主要な国家戦略と位置付けられる [13] 緩和方針として 8 つのセクター ( エネルギー 産業 運輸 土地利用変化 ツーリズム 農業と畜産 廃棄物管理 水資源管理 ) を特定し セクター毎に排出削減に関する機会の開発を計画に挙げる また再植林等による森林炭素貯蔵の強化 排出削減補償支払いプログラム 自主的炭素市場 クリーン開発メカニズム (CDM) 等の国際スキームの活用を示す (3) 国家開発計画 (National Development Plan / Plan Nacional de Desarrollo:PND) 国家計画 経済政策省 ( Ministry of National Planning and Political Economy / Ministerio de Planificación Nacional y Política Económica:Mideplan) によって 2014 年に策定された現行の国家開発計画 では 気候変動とリスク管理は 4 つの戦略的要素の一つとして考慮され カーボン ニュートラル政策が持続的開発を達成するための政策として位置づけられる [14] 同計画の中で REDD+ は GHG 排出削減プログラムの一つとして位置づけられ 2015 年 ~2018 年の間に 7,664,930tCO2 の排出削減が目標として記される 4 環境 エネルギー 通信省 (MINAET) は 2013 年に環境エネルギー省 (Ministry of Environment and Energy/ Ministerio de Ambiente, Energia:MINAE スペイン語略称 ) として省庁編成 182

187 (4) 国別報告書 (National Communication: NC) コスタリカ政府はこれまで国別報告書を 3 回 UNFCCC に提出しており 特に第 3 次国別報告書の中で REDD+ を気候変動緩和策として明確に位置づけている コスタリカの国別報告書における REDD+ の位置づけを示す ( 表 ) 表 コスタリカ国別報告書における REDD+ の位置づけ国別報告書 REDD+ の位置づけ第 1 次 (2000 年森林セクターは 土地利用変化と林業 として緩和政策 方針の一環 11 月 18 日 ) として位置づけられる 環境サービスに対する支払い (PSA) 私有地での林業経営の持続性 保護区の強化が方針として示される REDD+ 提案以前のため REDD+の概念はない 第 2 次 (2009 年 10 月 7 日 ) 第 3 次 (2014 年 12 月 11 日 ) 出典 :[8,15,16] 第 1 次同様 森林セクターは 土地利用変化と林業 として緩和政策 方針の一環として位置づけられる REDD は UNFCCC の目標を達成するための新たな資金メカニズムとして位置づけられる REDD+ は コスタリカの緩和政策 方針の一環として明確に位置づけられる REDD+ 制度の進捗について記される 2) 森林セクター及び REDD+ の活用に関する法令等 (1) 国家森林開発計画 (Plan Nacional de Desarrollo Forestal:PNDF スペイン語略称 ) 森林セクターは 国家気候変動戦略 (ENCC) が緩和に関して取り上げるセクターの 1 つである 本セクターの最も重要な政策 計画文書として 国家森林開発計画が 10 年ごとに策定される 現行の国家森林開発計画 は 2011 年に環境 エネルギー 通信省によって策定され 7 つの主要戦略と 23 の戦略的目標から構成される ( 表 ) その中で REDD+(REDD という記載 ) は 主要戦略の一つである気候変動の緩和の主要ツールとして位置づけられ 国際動向の検証や 外部資金を活用した REDD+ 実施に向けた準備が明確に示されている 表 国家森林開発計画 (PNDF) の 7 主要戦略と 23 戦略目標 1. 森林利用のポテンシャルに基づく森林土地利用計画 1.1. 森林土地利用計画のためのガバナンス モデルを促進する 1.2 森林生態系と土地利用に関する詳細かつ最新の情報を整備する 1.3. 森林行政に関する効果的かつ透明性を確保するためのメカニズムを促進する 1.4. 土地利用計画を通じランドスケープの統括的な管理に貢献する 2. 森林の持つ社会 経済 環境的価値を考慮した 森林セクターの位置づけの強化 2.1 森林セクターの持つ文化 環境 経済的価値を促進する 2.2 官 民による森林セクターの国際的な森林に関する対話への参加を確保する 3. 森林セクターの競争力強化 3.1 国内 国際市場における 森林生態系サービスに由来する製品の生産性と競争 力を確保するための条件を整備する 3.2 森林セクターにおける企業 組織の管理能力と競争力の強化を図る 3.3. 製品とサービスに関する革新性と知見を生み出し 活用する 3.4 森林の利用と意思決定に関する効果的かつ利用可能な公的情報プラットフォー ムを構築する 3.5 森林産物の流通とサプライチェーンに関するメカニズムを強化する 4. 森林セクターへの投資の促進と 持続的林業活動強化 183

188 4.1 持続的に管理された森林に由来する製品とサービスの供給と消費のための条件 を確保する 4.2 森林セクターへの長期的投資を促進するための簡易な基準と法的枠組みの開発 4.3 森林を管理 保全するために必要な資源を確保する 4.4 森林活動の社会 経済 環境へのインパクトをモニター 評価する 5. 森林制度 行政機関の調整と効率化 5.1 森林に関する行政 法的 技術的体系を強化する 5.2 森林行政と関連するその他セクターとの連携を強化する 5.3 森林に係る組織間の効果的な調整メカニズムを強化する 5.4 森林生態系に関する多様なセクター間の効果的調整機能を強化する 6. 森林生態系サービスに関する生産 産業 販売を強化する革新的かつ持続的な資金 戦略の策定と実施 6.1 森林生態系サービスを利用した製品 サービスの生産 産業 販売を強化する ためのメカニズムを開発 実施する 6.2. 長期的な資金メカニズムを確保し 多様化させる 6.3. FONAFIFO と国家銀行制度の森林セクターへの資金メカニズムとしての条件を 整える 7. 気候変動の緩和 適応を目的とする持続的森林管理の促進 7.1 気候変動適応とカーボン ニュートラルを目指す緩和のための主要戦略として 持続的森林管理を促進する 出典 :[17] (2) 国家 REDD+ 戦略 REDD+ 国家戦略は FONAFIFO に設置された REDD+ 事務局によって策定が進められ FCPF 準備基金がそのプロセスのための主要な資金源となっている 2015 年 9 月に国家 REDD+ 戦略ドラフト版が策定され 一般に公開された 5 予算が確保でき次第 ステークホルダーコンサルテーション実施を行う 最終版は MINAE の大臣による承認が想定されている 6 国家 REDD+ 戦略ドラフト版では REDD+ の基本方針として 既存の森林 環境政策を通じて国レベルで実施することが前提となっており SINAC の進める違法伐採対策や森林火災対策 また FONAFIFO の生態系サービスへの支払い (PES) が挙げられる [9] 同 REDD+ 戦略ドラフトと FCPF 炭素基金の ER プログラムによって REDD+ 基本 6 政策と 24 の行動計画が示される ( 表 ) 表 コスタリカの REDD+ 基本政策と行動計画 1. 国有 民有林を統合的に管理し REDD+ の MRV を構築 1.1 保全林内外の森林火災に関する管理戦略の実施と資金強化を図る 1.2 森林減少 劣化対策及び合法材の流通 販売管理に関するプログラムの実施 と資金強化を図る 1.3 国家森林モニタリングシステムを強化する 1.4 保全地域と国家自然財産 (PNE) の統合的戦略を開発する 1.5 国家保全地域システム強化に貢献する 1.6 保全と PNE のレジリエンス改善とのシナジーを構築する 5 国家 REDD+ 戦略 ( コンサルテーション用ドラフト 2015 年 9 月 30 日 )( 西語 ): Costa%20Rica%20Borrador%20de%20la%20Estrategia%20Nacional%20REDD+Spanish%20v%2030 %20Sept.pdf 6 María Elena Herrera 氏 (REDD+ 事務局 / FONAFIFO) 聞き取り調査 (2016 年 10 月 ) 184

189 1.7 森林減少 劣化の直接 間接的要因に対する行動のための実施計画を開発 実施する 2. ステークホルダーの完全で調和のとれた参加と融合を促進 2.1 先住民族居留地における森林開発計画を策定する 2.2 REDD+ 実施に関する紛争解決メカニズムを開発 強化する 2.3 アグロフォレストリー農家の REDD+ への参加を促すメカニズムを構築する 3. 官民の能力強化を図り林業セクター競争力向上 3.1 REDD+ に関連する PNDF 政策の実施に貢献する 3.2 持続的農業 アグロフォレストリーの促進と理解に関する政策を強化する 4. 法的安定性を促進し 土地所有 炭素権の明確化と規制に関するメカニズムを強化 する 4.1 先住民族居留地における土地所有と炭素権について取り組む 4.2 特別管理地区 (Áreas Bajo Regímenes Especiales:ABRE) における土地所 有と炭素権について取り組む 4.3 公的セクターの土地所有と炭素権について取り組む 4.4 特別管理地区 (ABRE) の境界設定 土地利用に関する基準の整合性を図る 5. REDD+ 活動による便益を得られるよう全てのアクターの参加機会を拡大 5.1 国有地における森林区分 土地利用を整理する 5.2 森林とアグロフォレストリーに関する資金メカニズムの競争力強化を図る 5.3 REDD+ 便益分配システムの資金源の拡大と強化を行う 5.4 国有地における植林事業を強化する 6. 利用可能な技術 方法論 政策と一致した 参加 セーフガード情報システム 環 境 社会配慮フレームワーク (ESMF) 等の確保 6.1 セーフガード情報システム (SIS) を開発 検証 運営する 6.2 ESMF を実施する 6.3 MRV と他のモニタリング方法論の整合性を図る 6.4 ジェンダーへの配慮 若者グループや他の関連グループの参加を確保する 出典 :[7,9] コスタリカの REDD+ 国家方針は REDD+ のスコープ 5 つを含む しかしながらモニタリング制度と利用可能なデータなどの理由から 2016 年に UNFCCC に提出した参照レベルは 森林と非森林の変化のみを対象としている 当面は森林減少と森林炭素の増加の 2 つのスコープに焦点を当てるが モニタリング精度やデータの向上とともに 段階的に REDD+ のスコープを増やすことが考えられる [4] なお コスタリカの REDD+ の正式な開始時期は 2010 年となっているが [9] 1996 年の森林法の制定以降森林保護が強化され また PSA 制度が開始されたことから 1997 年 ~ 2010 年の期間の森林減少に対する努力と結果を考慮する このことから UNFCCC に提出した参照レベルには 2 つの参照時期がある [4]:1( ) を評価するための参照レベルは ;2( ) を評価するための参照レベルは (3) FCPF 炭素基金 Emision Programme(ER) プログラムコスタリカの REDD+ を実施する上でもっとも重要な資金源は FCPF 炭素基金の Emission Reduction(ER) プログラムである FCPF との調整は FONAFIFO がフォーカルポイントとなり 環境 エネルギー省の監督のもと進められる 以下にコスタリカ ER プログラムの概要を示す [6]: 地理的範囲 : 全国 ( ココ島を除く ) 185

190 排出削減量上限 : 1200 万トン CO2e 排出削減 支払い上限 :6300 万ドル 炭素価格 ( 仮 ):5 米ドル /tco2 対象期間 : 2016~2025 年 対象活動 : 森林減少 ( 森林から非森林への転換 ) の抑制 森林炭素ストックの増大 ( 非森林から森林への転換 ) 2016 年 6 月に開催された第 14 回 FCPF 炭素基金会合にて コンゴ民主共和国とともに ER プログラムが世界で初めて承認され 2017 年に支払いに関する交渉が開始される予定である しかしながら 提案されている炭素価格 (5 米ドル /tco2) では REDD+ の実施コストを下回るという懸念から コスタリカ政府の合意は非常に難しいと考えられる 準国以下の REDD+ プロジェクトの実施に関する法令等 REDD+ に関する戦略 計画等は環境 エネルギー省の監督の下 FONAFIFO によって策定が行われる コスタリカの REDD+ は国レベルのアプローチがとられており 準国レベル以下での実施は想定されておらず また REDD+ プロジェクト実施に際して明確な許可制度はない [18] 一方で REDD+ の実施に際し 特に私有地における森林炭素保全 増加や 便益分配制度 (Benefit Distribution System:BDS) に関しては 既存の環境サービスに対する支払い (PSA) 制度が重要な要素として挙げられる 1996 年の森林法により開始された PSA 制度は 永続的な国家プログラムであり 森林所有者 ( 先住民族居留地を含む ) の森林生態系サービス保全活動を促進する目的に 4 つの生態系サービスを対象としている :(1) 気候変動緩和 ;(2) 水源涵養 ;(3) ランドスケープ景観 ;(4) 生物多様性保全 様々なタイプの森林保全活動に対して経済的インセンティブが設定されている ( 表 ) 1997 年 ~2003 年にかけて約 4.8 千万米ドルの資金が PSA に投資され 約 100 万 ha の森林が保全されたと推定される その資金源として国家予算 ( 燃料税 水道料金 ) の他 これまでには世界銀行のローンや ドイツ国際協力公社 (Gesellschaft fur Internationale Zusammenarbeit : GIZ ) 及び地球環境ファシリティ (Global Environmental Facility:GEF) による資金供与を受けた 7 María Elena Herrera 氏 (REDD+ 事務局 / FONAFIFO) 聞き取り調査 (2016 年 10 月 ) 186

191 表 : 生態系サービスへの支払い (PSA) プログラム (2016 年版 ) タイプ (modality) 支払い総額支払い期間契約期間 早生樹種による森林再生 123,343 円 /ha 5 年間 10 年間 中生樹種による森林再生 141,774 円 /ha 5 年間 16 年間 在来種を使った森林再生 212,662 円 /ha 5 年間 16 年間 天然更新 20,416 円 /ha 5 年間 5 年間 アグロフォレストリーシステム木 1 本あたり 174 円 5 年間 5 年間 在来種を使ったアグロフォレストリー 木 1 本あたり258 円 5 年間 5 年間 システム 木材伐採用の植林地におけるアグロ 木 1 本あたり258 円 5 年間 5 年間 フォレストリーシステム 森林保全 31,870 円 /ha 5 年間 5 年間 水源涵養 39,838 円 /ha 5 年間 5 年間 森林管理 24,899 円 /ha 5 年間 5 年間 出典 :[19] FONAFIFO は 森林所有者と PSA 契約を行い そのタイプに基づき支払いを行う 契約の中で PSA による排出削減量または炭素蓄積増加量の権利は FONAFIFO に移転される仕組みとなっている ( 図 ) 炭素の計算は 森林保全 PSA の場合は Holdridge の Life Zone に基づく森林植生タイプによる面積当たりの炭素蓄積量を算定し 植林やアグロフォレストリー PSA の場合は 樹種に基づいて算定される 8 ただし FONAFIFO により評価が行われ 外部機関による認証 検証は行われない 図 PSA の模式図 : 支払いと炭素権の移行 FONAFIFO の報告によると 2016 年 1 月 1 日 ~9 月 30 日にかけて計 171,569ha の土地と森林保全 PSA ( 5 年間の森林減少防止 ) の契約を結び これにより合計 78,433,141tCO2( 面積当たり 457.2tCO2/ha) の排出削減が見込まれる 9 8 Gilmar Navarrete Chacón 氏 (FONAFIFO) 聞き取り調査 (2016 年 11 月 ) 9 Gilmar Navarrete Chacón 氏 (FONAFIFO) 聞き取り調査 (2016 年 12 月 ) 187

192 REDD+ における市場メカニズムの活用に関する法令等コスタリカの気候変動政策は 炭素市場を含む多様な資金メカニズムの活用を支持する しかしながら パリ協定の実施が始まる 2020 年以降については 国家排出削減量目標に対する各セクターの責任と調整や国際炭素価格等 不確定な要素が大きく 炭素クレジットの国際移転を伴うメカニズムの活用については明確ではない 10 また REDD+ による排出削減量 吸収量増加の用途に関する決定は FONAFIFO ではなく環境 エネルギー大臣等による高度な政治決定によると考える ただし 2020 年以前に REDD+ により達成された排出削減 吸収量 (tco2) の海外への販売について FONAFIFO は肯定的である UNFCCC に提出した森林排出参照レベル / 森林参照レベル (REL/ RL) では 2 つの参照時期 ( 年を評価するための参照レベルは ; を評価するための参照レベルは ) を設定している 年の排出削減 吸収量は古いクレジットと捉えられ 比較的低価格の設定を考慮する しかしながら 2010 年以降の排出削減 吸収量については ER プログラムで設定されている炭素価格 (5 米ドル /tco2e) では コスタリカ政府は合意しないと考えられる 11 さらには FCPF 炭素基金の資金には 2 つのトランチ (Tranches) 排出削減 (ER) の移転が発生しない様式も考慮されることから [20] コスタリカにおける ER プログラムの実施と排出削減の移転についてはその動向を確認する必要がある これまでの市場メカニズムを活用した取り組みであるが 1996 年に ノルウエーのエネルギー企業共同体と共同で再植林 森林保全プロジェクト (Costa Rica / Norway Reforestation and Forest Conservation AIJ Pilot) を実施し [21] コスタリカ政府機関 (Costa Rican Office on Joint Implementation :OCIC) により認証された 20 万 tco2 の炭素権を ノルウエーのエネルギー企業共同体に売却した [22] 国内炭素市場に関しては 2013 年の MINAE 省令 自主的炭素市場の管理と運営に関する環境 エネルギー省 省令 No により 自主的炭素市場 (MDVCR) を国内に設立した [8,23,24] 環境 エネルギー省の気候変動局が事務局として機能し 炭素の売買や排出削減補償支払い 認証活動等の炭素市場の運営管理のために 炭素委員会 (Junta de Carbono) が設立された 省令は コスタリカ補償ユニット (UCC) と呼ばれる炭素クレジットの発行や取引についてガイドラインを提供する 炭素クレジットの発行は国内で実施される持続可能な森林管理 エネルギーの効率化 革新的技術等の排出削減プロジェクトを対象とし 炭素委員会に認められた専門家によるプロジェクトの妥当性確認と結果の検証が行われる このクレジットは移転不能であり 購入した個人や法人は 第 3 者に販売 または移譲することは出来ない なお 購入は コスタリカ国内の個人や法人だけでなく 海外の個人や法人も可能である ただし法令 No.37926(66 条 ) では コスタリカのクレジット取引所または二国間同意を通じてと規定される [24] この国内自主的炭素市場制度を通じて 3 つの PSA プロジェクト ( カリブ地域 グアナカステ 及び北部地域で実施される早 中生樹種による再植林 ) からの炭素クレジ 10 Gilebrt Canet 氏 ( 環境 エネルギー省 ) María Elena Herrera 氏 (REDD+ 事務局 / FONAFIFO) 聞き取り調査 (2016 年 10 月 ) 11 María Elena Herrera 氏 (REDD+ 事務局 / FONAFIFO) 聞き取り調査 (2016 年 10 月 ) 188

193 ットの販売が FONAFIFO により実施される FONAFIFO は コスタリカ国内の団体や個人 ( 及びコスタリカ国内に事務所を持つ海外の法人 ) に対して 7.5 米ドル / tco2e で販売する [25] 2012 年の開始から その販売クレジット量は増加傾向にあり 2016 年には約 3 万 tco2e( 約 23 万米ドル ) が販売された ( 表 ) 表 国内炭素市場で販売された PSA 森林炭素クレジット量 年 2012 年 2013 年 2014 年 年 年 取引量 (tco2e) 販売額 ( 米ドル ) 出典 :FONAFIFO 提供資料 (2017 年 ) 販売された炭素ユニットはあくまで国内向けの移転不能なクレジットであり 海外の市場を通じた販売は行われないことから 販売後もコスタリカ政府の排出削減目標に利用される仕組みとなっている 12 炭素クレジットを購入した個人 法人は MINAE の発行するカーボン ニュートラルのマークを商品やサービスにつけることができる さらにカーボン ニュートラルのマークは コスタリカツーリズム制度 (Instituto Costarricense de Turismo (CST)) の持続的なツーリズム認証プログラムの認証や 政府機関の実施する入札制度にて考慮される REDD+ の MRV システム 1) 森林の定義コスタリカの森林法改訂版 (1996 年 ) では 森林の条件として以下の条件が示されている : 面積 (2ha 以上 ); 樹幹率 (70% 以上 ); 林分密度 ( 胸高直径 15cm 以上の木が ha あたり 60 本以上 )[26] しかしながら REDD+ に関しては 異なる条件が適用される UNFCCC に提出された FREL/FRL 及び FCPF ER プログラムでは 以下の森林条件が適用される : 面積 (1ha 以上 ); 森林被覆率 (30% 以上 ); 樹高 (5m 以上 ) [4,7] この定義は 国家 GHG インベントリーおよび A/R CDM のための定義と同様であり REDD+ に適用された森林条件 ( 特に面積と被覆率の値 ) は ランドサット衛星を用いた森林モニタリングにおける森林判別精度 ( 森林と非森林の区別 ) が影響すると考えられる また REDD+ に関連して 以下の定義が定められる [4]: 一次林または天然林 (primary forest):1986 年以前から成立している森林 ; 二次林 (secondary forest): 1985 以前には非森林地であった新しい森林 1985/6 年時点で二次林であった森林も含まれる 2) 国家森林モニタリングシステム国家森林モニタリング制度は 環境 エネルギー省の管轄の下 SINAC FONAFIFO CENIGA により開発が進められる 特に 国家環境情報プラットフォーム (SINIA) 13 を管理する CENIGA は モニタリングに関する方法論や基準に関する開発プロセスの調整の役割を果たす 12 Carmen Roldán Chacón 氏 (FONAFIFO) 聞き取り調査 (2017 年 1 月 ): 13 コスタリカ国家環境情報プロットフォーム (Sistema Nacional de Información Ambiental - SINIA Costa Rica): 189

194 第 1 回国家森林インベントリーは GIZ の技術 資金協力 (REDD/CCAD-GIZ) を受けて 2013~2014 年にかけて SINAC により実施された 2.4km 間隔のグリッドに沿って全国土に プロット (20mx50m) を設定し システマティック サンプリングに基づき 森林タイプごとに誤差 15% で必要な 300 プロットにおいて実際に森林計測を実施した [4] 次回の NFI は 2017 年に開始され 以後 5 年ごとに 毎年 20% のプロットを実際に測定していく予定である また REL/RL 策定のために 被覆率の変化を測定するためのプロトコルの開発が行われ Landsat 画像の解析に基づき ココ島を除く全国土 (513 万 ha ) を対象に 被覆率マッピング (1985/6 年 1991/92 年 1997/98 年 2000/01 年 2007/08 年 2011/12 年 2013/14 年 ) が行われた 森林は 5 カテゴリ ( 湿潤雨林 湿潤林 乾燥林 マングローブ パーム林 14 ) と 1987 年時点の森林とその後できた 2 次林に区分され 非森林は 農地 (1 年生 多年生作物 ) 牧草地 居住地 湿地 その他 ( 高山植生 裸地 ) に区分され 解析された [3] FCPF ER プログラム文書によると 面積データのモニタリングは 2 年ごとに実施するとしている 森林 農地を含む詳細な土地利用変化をモニタリングする制度は開発中である 土地利用モニタリングに関連して FONAFIFO は 米国森林局 (United Stats Forest Service:USFS) の支援を受け 高解像度衛星画像ラピッドアイを使った技術開発が進められる 3) REDD+ MRV システムの特徴 NFMS で示したよう 構築中の REDD+ モニタリングは 森林 非森林の変化しか捉えておらず ( 閾値は被覆度 30%) REDD+ の 5 つの活動全てには対応していない REDD+ の MRV は SINAC が管轄する環境情報プラットフォーム (SINIA) に統合され セーフガード情報システムとともに管理される予定である さらに FONAFIFO は REDD+ による炭素レジストリーシステム開発を民間機関である MARKIT 15 に受注することを検討中である 16 一方で セクション で述べた国内炭素市場 (MDVCR) の MRV 制度や 環境 エネルギー省により開発中の国家気候変動メトリックス制度 (National Climate Change Metric System :SINAMECC スペイン語略称 ) との整合性に関する検討も必要である また環境 エネルギー省の気候変動局は 炭素レジストリー制度の開発を進めており REDD+ や NAMA コーヒーや NAMA 牧畜の AFOLU セクターやエネルギー 交通 固形物廃棄分野 含む全てのセクターからの排出削減 吸収に関する情報が統合的に管理される予定である 4) REDD+ MRV システムと国家 GHG インベントリーの関係 REDD+ に適用されている森林の定義や REL/RL の土地区分は 国家 GHG インベントリーにおける定義と区分が適用されている さらに REL/RL 策定のための面積データやエミッション ファクターは GHG インベントリー ( 年 ) の再 14 森林の 5 カテゴリは Holdridge の Life Zone(23 区分 ) に基づき区分している 15 MARKIT は 炭素や生物多様性に由来するクレジットのレジストリー構築を行う企業であり VCS レジストリーシステム提供者の一つである : 16 María Elena Herrera 氏 (REDD+ 事務局 / FONAFIFO) 聞き取り調査 (2016 年 10 月 ) 190

195 計算に使われた しかしながら REDD+ の MRV 制度と GHG インベントリーとの整合性を図るには REL/RL の中身 ( 参照時期 カーボンプール 活動 ) と GHG インベントリーの違いを検討する必要がある [7]: 対象時期 :GHG インベントリーは 年の時点であるが REL/RL は 1986~2009 年 (UNFCCC) 1998~2011 年 (FCPF ER プログラム ) を参照する カーボンプール :1997 年以降の森林バイオマス燃焼による CH4 と N2O の排出 ( 森林から森林の変化 ) は GHG インベントリーに含まれるが REL/RL には含まれない これら排出についてのデータは REL/RL にて考慮するには不足している 植林地 ( 森林から森林への変化 ):2014 年の情報に基づき 2012 年の GHG インベントリーには植林地における炭素変化量が含まれる しかしながらこの森林から森林の炭素蓄積量の変化は REL/RL には含まれない 伐採木材産品 :2012 年の GHG インベントリーには 国家統計情報の伐採木材量データを用いて 森林から森林への炭素変化量を含める 一方で REL/RL は森林から森林への変化を含めていない また 伐採木材量の情報は 2011~2013 年の間しかなく REL/RL の算定には不十分である REDD+ 活動のモニタリングは FONAFIFO と SINAC がそれぞれの管轄に基づき実施することが予定されるが モニタリング方法論等については SINIA を管理する CENIGA と 国家 GHG インベントリーを担当する IMN が協力を行い 国家インベントリーとの整合性が図られる [4] 5) 準国レベルの REDD+ MRV REDD+ は国レベルでの実施が方針であることから 準国レベルにおける MRV 制度の構築は予定されていない 土地の所有 管理 利用に関する法令等 1) 森林所有と利用権所有権のタイプによって 政府機関の所有する森林 ( 約 130 万 ha) と私有林 (100 万 ha) の 2 つに分けられる [2] 森林の利用については 森林法 (1996 年改正 ) によって 森林は農地や住宅地等へ土地利用転換できないと定められる 私有地における森林資源を利用するためには 森林所有者は 森林管理計画の策定 提出および SINAC による承認が必要である 自然保護管理のために 全国に 166 の保全地域が設定され 国土の約 26%( 森林地の約 50%) がカバーされる ( 図 ) なお 保全地域内には私有地も存在し 国有地と私有地が混在する保全地域や そのほとんどが私有地からなる保全地域もある 保全地域内の私有地では 該当する保全地域区分それぞれの規則で定められた活動を SINAC の認可のもと行うことが出来る 保全地域に指定された地域の土地利用については 環境基本法 生物多様性法で定められており 保全地域内では環境保全に貢献する取組しかしてはならないという方針となっている 191

196 図 : コスタリカの保全地域参照 :SINAC 提供資料 (2016 年 ) 保全地域は 9 区分に分かれており 全てを SINAC が管理する 9 区分のうち 国立公園 生物学的保護区と野生動物保全地域を除いては 管理のコンセプトはあるが各区分内の細かい規制は実質的には存在しない 国立公園 生物学的保護区の利用が最も厳しく これら地域の利用は科学的調査 教育活動及びエコツーリズムに限られ 違法活動による森林減少の発生はもっとも少ない [7] また海岸から幅 200m の地帯は全て保全地域に指定され このうち海岸から 50m までは国有地であり 一切の活動が禁止されている 先住民族法 (1977 年 ) により 24 の先住民族居留地が定められた ( 図 ) 居留地は 全部で約 37.4 万 ha( 国土の 6.6%) その 72% が森林である [27] 同法により 先住民族居留地では公的な登録簿に基づき 先住民族コミュニティの自治権が認められており 先住民族の意思決定機関としての役割をはたす先住民族開発組織 (Asociación de Desarrollo Indígena:ADI) が 各居留地に設立された コスタリカの先住民族は 8 のエスニックグループから構成され 人口は約 64,000 人 全人口の訳 1.7% と規模は小さい [2] 8 つのグループは Cabècar Bribri Brunca (Boruca) Guaimí (Nagebe) Huetar Guatuso (Maleku) Térraba (Teribe) Chorotegas である Cabècar と Bribri が 2 つの大きなエスニックグループであり 先住民族全体の約 60% を占める またほとんどの先住民族がスペイン語を話す他 60% がそれぞれの言語も話すといわれる 先住民族法により 先住民族居留地における土地の所有は 先住民族のみに限られており 非先住民の所有は認められない また居留地内の資源の商業利用は禁止されており 先住民族による伝統的 文化的な活動が可能となっている [27,28] 192

197 先住民族居留地問題として 居留地内に非先住民族が侵入し 森林から農地への転換や 土地の違法な転売が行われる この問題はほとんどの先住民族居留地にて起来ているといわれる 17 図 コスタリカにおける先住民族居留地出典 :REDD+ 事務局提供資料 (2016 年 ) 2) 土地権の取得プロセス私有地における森林の売買および分割して売却することは認められており 私有林の所有については 外国人 法人による所有も可能である 一方で PSA 契約期間中の土地の売買は出来ないことになっている また 国立公園等の保全地域内にある私有地を分割することは認められないほか 先住民族居留地における土地権の譲渡や売却は禁じられている 3) 森林管理システムの特徴 1986 年に改訂された森林法 (Ley Forestal N 7575) により 国有地の森林伐採や 私有地における森林の他の土地利用への転換が禁止され 森林利用から保全への管理方針が強化された 上述したよう ( セクション 2.3) 森林法によって 森林の提供する生態系サービスとして (1) 気候変動緩和 (2) 水源涵養 (3) ランドスケープ景観 (4) 生物多様性保全 の 4 つのタイプが認識され 私有地の森林保全活動に対する経済的インセンティブとして PSA が持続的な国家プログラムとして制度化された また 森林保護促進のため 政府は 森林保護について一定の条件を満たす森林所有者に対して森林保護証書 (Certifcado para la Conservacion del Bosque:CCB) を発行し 税制優遇を設定した 17 Elena Florian 氏 (CATIE) 聞き取り調査 (2016 年 10 月 ) 193

198 4) 森林所有権と REDD+ プロジェクト保全地域内 外によって森林の利用 管理は大きく異なり 私有地であっても保全地域内である場合 その利用は該当する保全区分のルールに従い 非常に制限される 保全地域外の私有地での木材伐採には 農業技術大学 (Colegio de Ingenieros Agrónomos de Costa Rica:CIAgro) に登録された林業技師 (Regente Forestal) によって証明された森林管理計画が必要とされ 伐採された木材の運搬にも政府機関の認可を取る必要がある 政府から管理計画策定のための資金支援があるものの 小規模森林所有者にとっては コストの問題が指摘される 18 また 森林の約 1/4 が二次林であるが これまでの森林セクターの法整備では二次林管理 経営を規定しておらず 利用が出来なかった 気候変動緩和の観点からも二次林管理への関心が国内外で高まっている 保全地域内の区分と数 及び面積を表 に示す 希少種の保全等の保全目的の強い国立公園と生物学的保護区 (Biological reserve) に存在する私有地は政府 (SINAC) が買い取る方針であり 野生動物保護区では土地所有者と参加型管理の方針をとっている 19 表 : 保全地域の区分と面積区分 数 面積 (ha) 国立公園 (National Park) ,394 生物学的保護区 (Biological reserve) 8 21,634 森林保護区 (Forest reserve) 9 216,277 保護区 (Protected zone) ,213 野生動物保護区 (Wildlife refuges) ,553 完全自然保護区 (Absolute natural reserve) 2 1,355 湿地 (Wetland) 13 3,910 その他 4 21,811 出典 :SINAC 提供資料 (2016) 5) 森林所有権と REDD+ プロジェクトコスタリカは国土も小さいことから 政府の見解として 準国 プロジェクトによる実施を想定しておらず 準国 プロジェクトレベルの REDD+ を規定する法制度はない しかしながら PSA の制度は私有地における森林炭素の保全と増加を促進し また REDD+ の将来の便益分配システム (BDS) の一部だと位置づけられることから REDD+ 実施に関する法制度だと捉えることが出来る 上述 ( セクション 2.3) したよう PSA と契約を行った土地の炭素権は FONAFIFO に移転される仕組みとなっている REDD+ のセーフガードに関する法令等 1) セーフガード及びセーフガード情報システムの開発 (1) コスタリカ政府の方針コスタリカ政府は FCPF の支援を受け国家 REDD+ 戦略の策定を進めていることから 世界銀行の規定するセーフガード政策 手順 (Strategic Environmental and Social Assessment:SESA) 及び環境 社会管理フレームワーク (Environmental and Social 18 Ronnie de Camino 氏 (CATIE) 聞き取り調査 (2016 年 10 月 ) 19 Vera Violeta Montero Castro 氏, Mariana Jiménez 氏 (SINAC) 聞き取り調査 (2016 年 10 月 ) 194

199 Management Framework:ESMF) を適用している つまり セーフガード制度の構築と実施に関するコスタリカの方針として UNFCCC にて合意されたセーフガード (REDD+ カンクンセーフガード セーフガード情報システム :SIS) 及び世界銀行のセーフガード政策と 国内法的枠組みとの一貫性の整理と制度化が挙げられる 表 に各 REDD+ カンクンセーフガードに対してコスタリカ政府がどのような対応 方針であるかをとりまとめる 表 コスタリカにおける REDD+ カンクンセーフガードに関する方針 UNFCCC カンクンセーフガード (a) 国家森林プログラムや関連する国際条約及び国際合意を補完し, かつ一貫性を保った活動 (b) 透明かつ効果的な国家森林ガバナンス (c) 先住民や地域住民の知見や権利 (d) ステークホルダー ( 特に先住民や地域住民 ) の効率的な参 (e) 天然林の保全及び生物多様性保全 コスタリカの対応と方針 REDD+ は 国家開発計画 国家森林開発計画 (PNDF) 及び地域開発と森林プログラムの一部として位置づけられる PNDF は生物多様性 気候変動 砂漠化防止の国際条約に対応する REDD+ は 法的枠組みに基づき構築が進められ 他の制度と調整や透明性が図られる コスタリカの森林制度は REDD+ に関する記録 REL や MRV の透明性を促進する REDD+ コンサルテーション及び ESMF にて対応 REDD+ コンサルテーション及び ESMF にて対応 新たな資金制度の開発 先住民族グループや 小 中規模アグロフォレストリーに対応した PSA の強化 天然林 二次林管理に関する指標の開発 多様性を伴う林業の促進 (f) 反転の防止 森林減少ドライバーを抑制する活動促進を目的に金融セクターの参加を促進 MRV にて対応 (g) 排出移転の抑制 MRV にて対応出典 :[7] セーフガード及びセーフガード情報システム (SIS) に関するこれまでの主な活動を以下に示す [7,11,28]: 2011 年から SESA を実施し ステークホルダーグループの特定 及びステークホルダーにより REDD+ 実施に係る潜在的リスクや便益が検討される 2014 年 ~2015 年に環境 社会リスクの管理ツールである ESMF の構築 2015 年に FONAFIFO により SIS のデザイン文書 (Diseño de un sistema de información país sobre las salvaguardas de REDD: normativa, institucionalidad, información e indicadores) が策定 一般に公開される セーフガード実施および SIS 構築に関する機関 (FONAFIFO CENIGA SINAC) の調整を進める セーフガード指標の検討 (22 指標を検討 ) (2) SESA と ESMF 世界銀行 FCPF による支援の枠組みの中 FONAFIFO は 2011 年 5 月にステークホルダーグループを集め 国レベルの SESA を実施した 国家 REDD+ 戦略初期案を提示す 195

200 るとともに ステークホルダーグループがそれぞれの意見や提案を行うためのプラットフォームを設けた 参加したステークホルダーグループとして 先住民族グループ 小 中規模の森林 アグロフォレストリー農家 林業 製材 政府 公的機関 大学及び NGO 等の市民グループが挙げられる SESA には 24 全ての先住民族居留地の代表者が参加し REDD+ 実施に関して考慮すべき また対応すべき重点課題として 以下が特定された : 土地所有権 ; 先住民族に対する PSA の強化 ; 保護地域と先住民族居留地のオーバーラップ ; 森林に関する先住民族コスモビジョンと REDD+ 国家戦略の整合性の確保 ; 先住民族の REDD+ のモニタリングと評価への参加 REDD+ 事務局は 先住民族グループとのコミュニケーションを円滑かつ効果的にするために 先住民族グループの中から中間者 (Mediadores Culturales) を 200 人ほど任命し トレーニングを実施した また コンサルテーションプロセス (2013 年 ) を通じ 5 つの先住民族居留地グループ ( 地域に基づくブロック ) を形成し 先住民族の参加を促すための制度を構築した ( 図 ) 図 :5 つの先住民族居留地グループ ( 地域に基づくブロック ) 形成出典 :[28] ESMF は 2014~2015 年にかけて FONAFIFO によって構築が進められた SESA を通じて特定された社会 環境インパクトの検証が行われ 対応 管理指針と SIS に組み込まれる指標の検討が始まった また ESMF によって特定されたステークホルダーグループに対する長期コンサルテーションプロセス 能力強化のための方針 社会 環境インパクトに対応し管理するための体制整備 構築するための手順が示された ESMF 実施に関する FONAFIFO の役割としては REDD+ 戦略実施全般と資金管理 情報管理 PSA 利益配分システム ESMF を含むセーフガード実施 ステークホルダーへのコンサルテーションが挙げられる また SINAC の役割としては 国家森林インベントリー 法制度を遵守した行動 活動の実施 民間の参加 保全地域管理が挙げられる 196

201 (3) セーフガード情報システム (SIS) SIS は REDD+ 事務局と CENIGA が協力して開発中である 2015 年 6 月に REDD+ 事務局は SIS の開発に関するデザイン文書を策定 公開した 20 SIS デザイン文書によると SIS は CENIGA が管理する国家環境情報システム (SINIA) 内に構築される SIS に使われるセーフガードのモニタリング指標については REDD+ 事務局が中心となり 開発 検討中であり 22 の指標案が同文書で示された 指標には CENIGA との協力の下 国家森林開発計画 で定められた 開発計画のインパクトを評価するための指標や 既存のデータベース (SINIA のデータベース FONAFIFO の PSA データベース SINIA の保全地域に関するデータベース等 ) の活用と整合性が検討される (4) REDD+ に関する苦情処理制度 (Feedback and Grievance Redress Mechanism:FGRM) REDD+ 苦情処理制度 (FGRM) は 現在構築中である REDD+ 事務局が REDD+ コンサルテーションを実施したことからも 現在は REDD+ 事務局でステークホルダーから REDD+ に関する質問等を受け付けている ( 電話及び E メール ) 21 一方で CENIGA では 森林を含む環境全般に関する 市民社会からの苦情統合制度 (Sistema Integrado de Trámite y Atención de Denuncias Ambientales :SITADA) を管理しており どのような苦情があったか等の情報を公開している FGRM の対応は REDD+ 事務局が果たすべき責任であるが 情報公開等については 将来的に SITADA 統合されることも考えられる 2) SIS の要素環境基本法によって 政府の責任として 環境に関する指標を備えた情報システムの管理と運営が定められ 環境 エネルギー省の下に設置された CENIGA が国家環境情報システム (SINIA) を開発 管理 運営を行う 現在開発中の SIS も SINIA に組み込まれることになっている 公的な環境情報制度の一部として 透明でアクセス可能な SIS の構築が図られる REDD+ 事務局によると SIS の要素として 人材 制度 データ 作業に関する技術的プロトコル 情報リソース コミュニケーション 資源があげられる [28] その中でも特に課題になるのは 既存の制度を活用して持続的に運営 情報の提示を行うことであり 他機関との調整と協力が重要となる 特に関連性のあるモニタリング制度について表 に示す 表 SIS に関連する既存のモニタリング制度 モニタリング制度 担当機関 SIS との関連性 状況 国家土地利用モニタ CENIGA 全ての土地利用変化のモニタリング USFS の支援 リングシステム 制度 ( 反転 排出の移転 ) を受けて構築 (SIMOCUTE) 中 コスタリカ保全地域 コリドーの生態系モニタリングプログラム (PROMEC) SINAC 保全地域及びコリドーの生物多様性 生態系サービスに関するモニタリング制度 ( 天然林の保全及び生物多様性保全 生態系サービス ) 制度 組織 指標 方法論等は構築されたが 未実施 20 SIS の開発に関するデザイン文書 ( RED_propuesta.pdf) 21 Natalia Diaz Zamora 氏 (REDD+ 事務局 /FONAFIFO) 聞き取り調査 (2016 年 10 月 ) 197

202 PES の社会インパクト評価手法の開発 JICA (FONAFIF O SINAC への支援 ) PES の影響のモニタリング手法及びデータ解析システム ( 社会 環境的便益 ステークホルダーの参加 先住民族の権利 生物多様性の保全等 ) JICA によって策定され CENIGA が構築しているデータベースに組み込むことが検討されている 22 3)REDD+ プロジェクトにおけるセーフガードへの対処や関連情報の取扱に関する法令 計画 制度等準国 プロジェクトレベルの REDD+ の取り組みはない 実施中の REDD+ プログラム等コスタリカの REDD+ は FONAFIO の主導の下 国レベルのアプローチがとられており その結果に基づく支払いに向けて FCPF 炭素基金 ER プログラムが国レベルで準備される こうした中 準国レベル以下での実施は想定されておらず VCS 等の自主的基準を活用した REDD+ プロジェクトも実施されていない 参照レベルの策定状況 1) 国レベル国家 FREL/FRL は FONAFIFO の調整の下 REDD+ 事務局によって策定され 環境 エネルギー省の名で 2016 年 1 月に UNFCCC に提出された なお FREL/FRL 策定には GIZ USFS UN REDD プログラムの技術支援の他 コンサルタントして民間の Carbon Decision や AGENTA が参加した UNFCCC に提出された FREL/FRL は ココ島を除く大陸に帰属する全国土 (513 万 ha ) をカバーする国レベルとなっている コスタリカの方針は REDD+ のスコープ 5 つを考慮するが 提出された FREL/FRL は 森林から非森林への変化と 非森林から森林への変化による排出量または吸収量のみを対象とする 7 時点の Landsat 画像 (1985/86 年 1991/92 年 1997/98 年 2000/2001 年 2007/2008 年 2011/ /14 年 ) を解析し 参照時期における森林減少による排出量平均と森林炭素蓄積量の増加による吸収量の平均を算出する なお 森林は Holdridge の Life Zone(23 区分 ) に基づいたタイプ ( 湿潤雨林 湿潤林 乾燥林 マングローブ パーム林 ) 及び 1987 年時点の森林 ( 一次林 ) とその後成立した二次林に区分され 非森林は 農地 ( 一年生 多年生作物 ) 牧草地 居住地 湿地 その他 ( 高山植生 裸地 ) に区分される 排出係数は 上記森林タイプごとの成長モデルによる炭素蓄積量に基づき算定される 地上 地下バイオマス以外にも リター 枯死木 伐採木材産品 および森林火災による CH4 と N2O が含まれるが 土壌炭素は含まれない なお コスタリカの REDD+ の正式な開始時期は 2010 年となっているが 1996 年の森林法の制定以降 PSA 制度が開始され 森林保護が強化されたこともあり 1997 年 ~ 2010 年の期間の森林減少に対する努力と結果を考慮し UNFCCC に提出した森林排 22 大澤正喜氏 (JICA 専門家 ) 聞き取り調査 (2016 年 10 月 ) 198

203 出参照レベルは 2 つの参照時期に分かれる : 年を評価するための参照レベルは 年 ; 年を評価するための参照レベルは 年 提案されている参照レベルを取りまとめる ( 表 ) 1996~2009 年 2010~ 2025 年の 2 期間を比較すると年平均 CO2 排出量は 14,293,949tCO2/ 年から 4,025,136tCO2/ 年に 72% 減少している つまり森林の減少は大幅に軽減していることになる [3] 表 UNFCCC に提出された FREL/FRL( 単位 :tco2/ 年 ) 1996~2009 年の参照レベル ( 参照期間 1986~1996 年 ): 2010~2025 年の参照レベル ( 参照期間 1997~ 2009 年 ): 一次林の減少による排出 14,375,724 6,243,928 二次林の減少による排出 2,070,829 2,006,889 新規植林による森林炭素蓄積量の増加 -2,152,603-4,225,681 炭素蓄積量の年間変化量 14,293,949 4,025,136 注 ) 一次林 (primary forest) とは 1986 年以前から成立している森林 二次林 (secondary forest) とは 1985 以前には非森林地であった新しい森林を示す出典 :[4] 2) 準国レベル準国レベル及びプロジェクトレベルの FREL/FRL 策定の予定はない 3) 国及び準国レベルの参照 ( 排出 ) レベルとの関係や調整方法 FCPF ER プログラムの FREL/FRL も策定されるが UNFCCC に提出された国レベルの FREL/FRL とは 対象地域 対象活動 炭素プール アプローチは同じであり 参照期間だけが異なる ( 表 ) 表 UNFCCC と FCPF ER プログラムに提出された FREL/FRL UNFCCC に提出された FREL/FRL FCPF ER プログラムの FREL/FRL 出典 :[4,7] 参照時期 対象時期 FREL/FRL (tco2/ 年 ) 1986~1996 年 1996~2009 年 14,293, ~2009 年 2010~2025 4,025, 年 ~2011 年 2012 年 ~2025 年 3,385,759 * 本調査は JICA 事業 REDD+ 推進のための外部資金を活用した協力可能性にかかる情報収集 確認調査 におけるコスタリカ 1 次調査 (2016 年 10 月 13 日 ~29 日 ) を通じて収集した情報を基に作成した 199

204 References 1. コスタリカ政府 Estrategia Nacional de Biodiversidad, Costa Rica( 西語 ); Camino, R. De; Villalobos, R.; Pierre, J.; Aymerich, M. Costa Rica Case Study Prepared for FAO as part of the State of the World s Forests 2016; JICA 調査業務コスタリカ調査団コスタリカ調査報告書 ( ドラフト )_REDD+ 推進のための外部資金を活用した協力可能性にかかる情報収集 確認調査 (JICA); コスタリカ環境 エネルギー省 2016 Forest reference emission level / forest reference level; SINAC Reporte Estadístico FORESTAL 2013( 西語 ); San José, Costa Rica, コスタリカ環境 エネルギー省 (MINAE) Programa de Reducción de Emisiones para el Fondo de Carbono del FCPF コスタリカ環境 エネルギー省 Costa Rica Emission Reductions Program to the FCPF Carbon Fund; コスタリカ環境 エネルギー省 Tercera comunicación nacional a la Convención Marco de las Naciones Unidas sobre Cambio Climático( 西語 ); FONAFIFO Estrategia Nacional REDD+, Una iniciativa del Programa de Bosques y Desarrollo Rural (BORRADOR PARA CONSULTA 30 de setiembre de 2015); San Jose, REDD Desk REDD in Costa Rica (accessed Sep 10, 2016). 11. コスタリカ REDD+ 事務局 Proceso de social en la fase de preparación de REDD+( 西語 ); San Jose, Costa Rica. 12. コスタリカ環境 エネルギー省 Costa Rica Intended National Determined Contribution (INDC); コスタリカ環境 エネルギー省 Estrategía Nacional de Cambio Climático( 西語 ); コスタリカ国家計画 経済政策省 Plan Nacional de Desarrollo , Costa Rica Alberto Canas Escalante ( 西語 ); コスタリカ環境 エネルギー 通信省 Primer Comunicacion Nacional Ante la Convenci on Marco de Las Naciones Unidas Sobre Cmabio Climático( 西語 ); コスタリカ環境 エネルギー 通信省 Segunda Comunicación Nacional a la Convención Marco de las Naciones Unidas sobre Cambio Climático ( 西語 ); コスタリカ環境 エネルギー 通信省 Plan Nacional de Desarrollo Forestal ( 西語 ); 森林総合研究所 REDD 研究開発センター REDD プラスへの取組動向 Country Report 平成 26 年度コスタリカ共和国 ; 国家森林局 (ONF) Programa de Pago por Servicios Ambientales FCPF Note on Decision-Making Modalities in the Carbon Fund; UNFCCC Costa Rica - Norway Report on Activities Implemented Jointly: Pursuant to Documents FCCC/CP/1995/7/Add.1 Decision 5/CP.1, para. 2 (b) May (accessed Dec 15, 2016). 22. Subak, S. The Case of Costa Rica s Carbon Commodity. Natural Resources Defense Council. In Forest Trends Workshop: New Market Mechanisms for Managing Forests Victoria, BC, June 15, 1999.; Nachmany et al Climate Change Legislation in Costa Rica An Excerpt from the 2015 Global Climate Legislation Study: A Review of Climate Change Legislation in 99 Countries; コスタリカ環境 エネルギー省環境 エネルギー省令 No ( 西語 ); Costa Rica, FONAFIFO Unidades de Compensación de Emisiones de GEI (accessed Dec 15, 2016). 26. Sistema Costarricense de Informacion Juridica コスタリカ森林法 :Ley Forestal( 西語 ) &nvalor1=1&nvalor2=41661&param2=1&strtipm=tc&lresultado=5&strsim=simp (accessed Nov 19, 2016). 27. Baker, R.; Florian, E. Impulsando la Participación de los Pueblos Indígenas en REDD +. La Inclusión Temprana y la Consulta en Costa Rica; FONAFIFO Diseño de un sistema de información país sobre las salvaguardas de REDD: normativa, institucionalidad, información e indicadores, 24 de Junio 2015( 西語 ); 聞き取り調査先リスト Alvaro Aguilar Díaz 氏 (CENIGA) Gilebrt Canet 氏 ( 環境 エネルギー省 ) 200

205 Lucio Pedroni 氏 (Carbon Decision) María Elena Herrera 氏, Ricardo Ulate 氏, Natalia Diaz Zamora 氏 (REDD+ 事務局 /FONAFIFO) Mauricio Chacon Navarro 氏 ( 農業 畜産省 )Michael Schlönvoigt 氏 Patricia Ruiz 氏 (GIZ Costa Rica) Muhammad Ibrahim 氏 Bastiaan Louman Lider 氏 Elena M. Florian 氏 Ronnie de Camino 氏 (CATIE) Oscal Sancehz 氏 Carmen Roldán Chacón 氏 Gilmar Navarrete Chacón 氏 (FONAFIFO) Vera Violeta Montero Castro 氏, Mariana Jiménez 氏 (SINAC ) 大澤正喜氏 (JICA 専門家 ) 201

206 1-1-7 チリ 森林の概況 1) 国の森林資源チリは 北から南までの総延長が約 4,630km に及び 西部の太平洋との海岸線 東部のアンデス山脈 北部のアタカマ砂漠によって囲まれる その地理的特徴から 北部の砂漠 乾燥地帯 中部の温帯森林地帯 南部のパタゴニア地帯のほか 太平洋に面した沿岸部海洋性気候と東部のアンデス山脈地域等 多様な植生と自然環境を有する 国土の 23% が森林 ( 天然林及び人工林 ) に覆われ 27% が牧草地または灌木地となっている ( 表 ) 主な森林資源が温帯林であること さらには 雪原 氷河地域や砂漠気候帯の無植生地域が分布すること等 熱帯の REDD+ 実施国にはない自然的特徴を有している 表 : チリの土地利用分布土地利用タイプ 面積 (ha) 割合 (%) 都市 産業地域 農業用地 牧草 灌木地 天然林 林業プランテーション 混成林 湿地 無植生地域 雪原 氷河地域 湖沼 不明 計 出典 :[1] チリの行政区分は 南北にかけて計 15 の省から構成されるが その内 北部の砂漠 乾燥地帯の位置する 4 省を除く 11 省に森林は分布する ( 図 ) チリでは林業セクターが中南米の中でも特に盛んであり 1986 年 ~2005 年の間には GDP の約 7.7% を占めた [2] 林業プランテーションは約 300 万 ha( 森林の約 17%) を占め 主に中部のマウレ州 ビオビオ州 アラウカニア州に集中 ( 約 80%) する [1] 林業用プランテーション樹種の約 6 割がラジエーター松 3 割がユーカリ種から構成され [3] これら樹種による大規模プランテーションは 生物多様性や山火事の課題の他 いくつかの地域では先住民族と土地権利に関して課題を有する 天然林は森林面積の約 82% を占め 主に中 南部地域に分布する [4] 天然林の分類については 植生タイプに基づき Supreme Decree No.259(1980 年 ) によって 12 区分が定められる ( 表 ) 主要な森林資源が集中すること 利用可能なデータが整備されていること また森林資源へのプレッシャーから マウレ州 ビオビオ州 アラウカニア州 ロス リオス 202

207 州 ロス ラゴス州の 5 州 1 の天然林が政府による REDD+ 実施の対象地として選定された ( 図 ) これら 5 州の総面積の 35% が天然林である [5] 上記 REDD+ 対象 5 州では 12 の森林区分の内 11 の森林タイプが存在 全体の 41% の天然林が分布する ( 表 ) 図 : チリの森林植生区分と分布 ( 出典 :[1]) 図 :REDD+ 対象 5 州 ( 出典 :[4]) 1 これら 5 州は UNFCCC に提出された森林参照排出レベル / 森林参照レベル (REL/RL) 及び FCPF 炭素基 金の排出削減プログラム ( 以下 ER プログラム ) の対象地域である 203

208 表 : チリの森林タイプと分布 森林タイプ REDD+ 対象 5 州 (ha) 国土全体 (ha) REDD+ 対象 5 州 / 国土全体 (%) Sclerophyllous 71,521 1,354,193 5% Evergreen 1,551,618 3,502,349 44% Roble (Nothofagus obliqua)- 175, ,456 80% Hualo (Nothofagus glauca) Cordilleran Cypress 59,848 62,874 95% (Austrocedrus) Lenga Beech (Nothofagus 906,740 3,621,207 25% pumilio) Robre (Nothofagus alpine)- 1,602,588 1,602, % Coihue (Nothofagus dombeyi) Araucaria 253, , % Coihue (Nothofagus dombeyi) 841, , % Rauli (Nothofagus alpina)-tepa (Laureliopsis philippiana) Alerce (Fitzroya cupressoides) 216, , % Coihue de Magallanes 130,839 1,9999,354 7% (Nothofagus betuloides) Guaitecas Cypress 43, ,966 7% (Pilgerodendron) Palma Chilena 0 15,085 0% 区分なし 47,151 0% 計 5,853,388 14,269,672 41% 参照 :[4,5] 2) 森林被覆と質の歴史的変化 16 世紀末に始まったスペインによる植民地化とともに 木材資源 ( 中部 ) および鉱山資源 ( 北 中部 ) の開発が始まり 農業と牧畜活動も開始された 植民地化そして 1818 年の国家の成立と開発によって 1550 年には 1.84 千万 ha あったと推定される天然林は 1999 年にはその 56% に減少した [6] 特に南部パタゴニアのアイセン州では 1937 年の開拓を促進するアイセン植民地化法によって 開拓者は広大な土地所有権がただで入手出来ることになり 当時手つかずであった原生林が火入れと大規模な放牧によって減少した [7] チリ経済の基盤を支えてきた鉱山開発は 20 世紀中旬まで森林減少の主要な原因に挙げられる [8] また 1950 年以降の産業化時代には 早生樹を使った産業造林が盛んになり 天然林の伐採が進んだ 1973 年 ~1990 年にかけての軍事独裁政権下では 森林を含む土地と資源の民営化進み [9] さらに 1974 年に制定されたチリの林業セクターの基礎となる法的枠組を示した Decree Law 701 によって 天然林跡地の産業用植林地造成コストに対して補助金が支給されることになり 天然林から松やユーカリ樹種を使った植林地への転換がより活発化した [10] また Decree Law 701 は林業セクターに対し税制優遇措置を導入し [11] こうした政府の方針もあり 林業産業全体は著しい成長を示した : セルロース分野 ( 年間 10.3% の成長 ) 製紙分野 (5%) カートン (11%) 製板 (9%)[2] チリの林業セクターは 2 つのグループ : Angelini グループ (Celulosa Arauco と Constitución のオーナー ) と Matte グループ (CMPC のオーナー ) によって大きなシェ 204

209 アが占められる Angelini グループは 500,000ha の植林地を含め 800,000ha の森林を所有し [6] Matte グループは植林地 502,000 ha を含め 718,000ha に及ぶ森林と土地を所有する 2 これら 2 グループは国内にある 8 つのセルロース工場の内 6 つを所有するほか [6] 林業セクター生産の約 8 割を占めるという報告もある [12,13] 林業セクターは安定しており 1990 年 ~2010 年にかけて林業プランテーションは 170 万 ha から 240 万 ha に増加した [11] また 1990 年代以降 森林資源の持続的管理が進み 天然林の森林減少率は 0.1% から 0.2% に間に収まり 結果 全体の森林被覆率は増加傾向を示した [14] 一方で 天然林については 森林火災や薪生産のために劣化の問題が挙げられる ( ) 参照 ) チリの南部では冬季に特に薪の使用が増えるが その多くが非持続的に管理された森林から または違法に天然林から採取されたといわれる [14] 天然林の保全と持続的な利用を進めるために 15 年間にわたる議論の末 天然林の回復と持続的林業の促進に関する法令 (Law No )( 以下天然林法 ) が 2007 年に国会で承認され 2008 年に発行された 3) 直接 間接要因 FCPF 炭素基金排出削減プログラム (Emission Reduction Programme:ER-P) 準備のために REDD+ 対象地である 5 省において行われた森林減少 劣化の直接的原因の分析結果を表 に取りまとめる 表 :REDD+ 対象 5 州における森林減少 劣化の直接的原因 直接的原因 森林減少 劣化 森林炭素蓄積量非増加 重要度 不確実性 森林火災森林減少 劣化とても高い低い 非持続的利用 ( 木材 薪炭 非木材林産物 ) 森林減少 劣化 森林炭素とても高いとても高い 家畜飼育 森林減少 劣化 高い とても高い 林業プランテーション 森林減少 高い 低い 農業 牧畜用地の拡大 森林減少 中 低い 都市の拡大 森林減少 中 低い 気候変動 砂漠化 干ばつ 森林劣化 森林炭素 中 とても高い 参照 :[5] チリでは 森林火災による森林劣化の被害が大きく 2003 年 ~2015 年の間に 毎年約 6000 件の森林火災が報告され 平均して 60,000ha の森林が毎年被害を受けると言われる ( その内 70% が REDD+ の対象とする省で発生 )[5] 国家森林コーポレーション (National Forest Corporation / Corporación Nacional Forestal:CONAF スペイン語略称 ) の統計 (2015 年 ) によると 森林火災の 57% 以上が事故 過失によって発生 26% が故意 自然発生 ( 例 : 落雷 ) は 0.2% だと推定される [15] なお 2017 年 1 月 ~2 月 ( 乾季 ) に中部 南部の 7 州にかけて歴史的に大規模な森林火災が発生し CONAF 2 CMPC: 205

210 の報告によれば 年間平均の約 10 倍の面積に相当する 587,000ha が被害を受けたと推定される 3 また 南部地方においては 冬季の薪の需要が非常に高く 持続的でない薪の生産と消費は森林劣化の原因の一つに挙げられる [1] 国家統計情報によると 2001 年には 薪は国内で約 2 千万 m3 消費され 国内で 3 番目のシェアを占めるエネルギー源として位置づけられる [16] 薪の半分が天然林 残り半分が植林地に由来するが [5] 天然林由来のほとんどが違法に伐採されたか材からか 非持続的生産されたと推定される [14] 国内には 持続的に生産され 乾燥度合い等の品質管理された薪を証明する国家薪認証制度 (National Firewood Cerfitication System: SNLC: スペイン語略称 ) が 2003 年に制度化されたが その価格と地方の貧困問題 そして薪市場の管理課題 ( 薪は誰でも生産 販売することができ 品質を管理する法令はない ) から 証明された薪の普及率は高くない その他の主な森林減少 劣化の原因には 不適切な家畜飼育や産業用の単一樹種による植林が天然林の減少や劣化の原因として挙げられる [1,4,5] これらの直接的原因に関する間接的原因分析の結果を表 に取りまとめる 表 :REDD+ 対象 5 州における森林減少 劣化の間接的要因 間接的原因 影響 重要度 不確実性 政策的課題 森林減少 劣化 森林炭素 とても高い 中 知識の不足 自然資源の文化的価値が経済的価値に反映されていない開発政策の課題 薪炭材市場問題 ( 品質管理 法遵守の欠如 ) 地方の貧困と経済的機会の欠如法執行の不備 森林セクターの低い生産性と機会コスト天然林を利用した経済モデルの欠如細分化した土地所有権に関連した紛争と問題参照 :[5] 森林減少 劣化 森林炭素 とても高い 森林減少 劣化 森林炭 高い 中 素 森林劣化 高い 低い 森林減少 劣化 森林炭素 高い 中 森林減少 劣化 森林炭 中 中 素 森林減少 劣化 森林炭 中 低い 素 森林減少 劣化 中 中 森林減少 森林炭素中中 とても高い 3 この大規模な森林火災による REDD+ の影響 (ER プログラムによる排出削減量 ) は 2017 年 2 月の時点で世界銀行 FCPF と協議中である なお 火災による森林被害の 60~70% が私有地の林業プランテーションで発生し他と推定されるが ER プログラムは天然林を対象としていることから この林業プランテーションの延焼による GHG 排出ガス排出は計上されないことも考えられる _ 聞き取り調査 :Osvaldo Quintanilla 氏 CONAF(2017 年 2 月 ) 206

211 気候変動対策及び REDD+ に関する所掌及び実施体制 1) 気候変動気候変動政策は 2010 年に設立された環境省 (Ministry of Environment / Ministerio de Medioambiente) が管轄する 気候変動は 環境省が取り扱う 5 つの課題の一つとして位置づけられ 同年に気候変動局 (The Office of Climate Change / Departamento de Cambio Climático:DCC スペイン語略称 ) が設立された DCC は 国連気候変動枠組条約 (United Nations Framework Convention on Climate Change: UNFCCC) 及び国連気候変動に関する政府間パネル (Intergovernmental Panel on Climate Change:IPCC) のフォーカルポイントであり クリーン開発メカニズム (Clean Development Mechanism:CDM) の指定国家担当機関として機能する DCC は気候変動行政を担当し 国家戦略や国家 GHG インベントリーの策定 セクターとの調整を行う 気候変動問題や自然資源管理に関するする高次な意思決定レベルでの省庁間調整は 持続性に関する省庁評議会 (Consejo de Ministros para la Sustentabilidad:CMS スペイン語略称 ) を通じて図られる [17] CMS は大統領に対して政策提案を行う機能も果たし 約束草案 (Intended Nationally Determined Contribution:INDC) 策定のための調整機関となった 環境省が事務局を務め 以下の省庁が参加する : 農務省 (Ministery of Agriculture / Ministros de Agricultura) 保健省 (Ministry of Health / Ministeio de Salud) 経済 開発 観光省 (Ministry of Economy, Development and Tourism / Ministerio de Economía, Fomento y Reconstrucción) エネルギー省 (Ministry of Energy / Ministerio de Energía) 公共事業省 (Ministry of Public Works / Ministeio de Obras Públicas) 住宅開発省 (Ministry of Housing and Urban Planning / Ministerio de Vivienda y Urbanismo) 運輸通信省 (Ministry of Transport and Communications / Ministerio de Transportes y Telecomunicaciones) 鉱業 計画省 (Ministry of Mining and Planning / Minisyterio de Minería y Planificación) 2) REDD+ チリの REDD+ の取り組みは 2016 年 11 月に策定された国家気候変動 植生資源戦略 (National Strategy of Climate Change and Vegetation Resources / Estrategia nacional de Cambio Climatico y Recursos Venetales:ENCCRV スペイン語略称 ) の一部として位置づけられ 農務省の下 森林行政全般および国の保護区となる国家野生保全地域システム (SNASPE スペイン語略称 ) を担当する CONAF 4 によって準備が進められる CONAF は UNFCCC の REDD+ フォーカルポイントとして機能する CONAF の中では 気候変動 環境サービス局 (Climata Change and Environmental Services Unit / Unidad de Cambio Climatico y Servicisos Mefdioambientales: UCCSA スペイン語略称 ) が ENCCRV の責任機関として REDD+ も担当する 4 CONAF は 1970 年に再造林コーポレーション (Reforestation Corporation / Corporación de Reforestación) として設立され 1972 年に CONAF と名称を変えた 農務省の下部に位置づけられ CONAF の長官は大統領により任命されるが その法的位置づけは 公的機関ではなく 政府予算を執行する民間機関となっている 207

212 ENCCRV の実施のための体制は現在構築中である 高次政策レベル 戦略策定レベル 実施レベルから構成され 非森林セクター ( 主に農業 家畜分野 ) と森林ステークホルダーとの調整が図られる ( 図 ) 図 :ENCCRV 実施に係る組織的体制 ( 予定 ) 参照 :[1] ENCCRV の最高意思決定の場は 気候変動問題や自然資源管理に関するする高次な意思決定メカニズムである CMS であり 基本的にこのレベルで省庁間の調整が図られる また CONAF の最高意思決定メカニズムである CONAF 評議会 (Consejo Directivo de CONAF) が戦略決定や専門的課題に関する意思決定を行う 農務省大臣が理事長を務め CONAF 長官 農業 畜産局 (SAG) 5 長官 農業開発局 (INDAP) 6 長官のほか 環境省 生産促進コーポレーション (CORFO) 7 民間セクター ( 農林業分野 ) CONAF 雇用者代表が含まれる 国家気候変動専門家技術グループ (National Technical Group of Experts on Climate Change / Grupo Técnico Nacional de Expertos en Cambio Climático:GTNE スペイン語略称 ) は 政府機関 民間コンサルタント NGO 先住民族コミュニティ 大学機関による専門家グループで ENCCRV 実施に際し専門的助言を提供するほか 参加と透明性を確保するためのグループとして設置が予定される [1] ENCCRV 及び REDD+ の準備 実施 運営は CONAF の気候変動 環境サービス局 (UCCSA) が中心となる 表 に関連する部局を取りまとめる 5 農業 畜産局 (National Service of Agriculture and Livestock / Nacional del Servicio Agrícola Ganadero: SAG): 農務省の下部組織で農業及び畜産生産の促進 管理を行う 6 農業開発局 (Institute for Agriculrural Development / Instituto de Desarrollo Agropecuario: INDAP): 農務省の下部組織で 小規模 家族経営農家に対して支援を行う 7 生産促進コーポレーション (Production Development Corporation / Corporación de Fomento de la Producción de Chile:CORFO): 経済 開発 観光省の下部組織で 国内の生産 投資活動を促進するため民間セクターを支援する 208

213 表 :REDD+ 準備 実施に関連する政府機関機関名担当 REDD+ に関する役割 CONAF/ 農務省 森林行政を担当する機関で農務省の下部組織 国家野生保全地域システム (SNASPE スペイン語略称 ) を管轄 UNFCCC の REDD+ フォーカルポイント 砂漠化防止条約 (UNCCD) フォーカルポイント 国家気候変動 植生資源戦略 (ENCCRV) の策定と実施の責任機関 REDD+ 準備と実施の全般 FCPF プログラムの実施責任機関 気候変動 環境サービス局 (UCCSA スペイン語略称 ) / CONAF 気候変動に関する CONAF 内部の調整委員会 (CONAF National Coordination) 森林生態系モニタリング局 (DMEF スペイン語略称 ) 社会 先住民族関係ユニット (UIAS スペイン語略称 )/ CONAF チリ森林制度 (Forestry Institute / El Instituto Forestal : INFOR スペイン略称 )/ 農務省 参照 :[5] CONAF の機関で気候変動及び環境サービス行政を担当 ENCCRV 及び REDD+ (ER プログラム ) 業務全般責任機関 REDD+ ステークホルダーの調整と連絡 ENCCRV 及び REDD+ 等について CONAF 内部の調整機能を果たす 環境管理局 (GEFE スペイン語略称 ) 森林火災防止局 (GEPRIF スペイン語略称 ) 野生動物保全地域局 (GASP スペイン語略称 ) CONAF 管理局 社会 先住民族関係ユニット (UIAS スペイン語略称 ) が参加 森林植生 土地利用のモニタリングを担当 セーフガード関連全般および指標開発 ステークホルダーとの調整とコンサルテーション 農務省の機関 森林に関する調査及び統計情報を管理する 森林インベントリーを実施 森林排出参照レベル / 森林参照レベル (FREL/FRL) のドラフトを策定 3) 準国レベル全国 15 州に CONAF 州事務所があり 各州の森林 植生資源行政と管理を担当する さらに各州事務所には UCCSA の機能として気候変動と環境サービス州調整官 (Regional Climate Change and Environmental Service Coordinators) が配属され 州レベルの ENCCRV 業務を担当する REDD+ については CONAF 本部 (UCCSA) の指示の下 対象 5 州 ( 図 2) にある CONAF 州事務所 ( 気候変動と環境サービス州調整官 ) が調整を行う [5] 209

214 一部の州では 州政府により小 中規模森林所有者に対して 新管理計画策定のための財政支援が実施されるが 森林に関する管轄権は CONAF にあることからも ENCCRV( 及び REDD+) の意思決定プロセスと実施に関する州政府の役割は小さい 8 これまでの役割としては ENCCRV 策定のためのコンサルテーション プロセスへの参加および CONAF による州レベルのステークホルダー調整の支援が挙げられる 気候変動対策としての REDD+ の活用に関する法令等 1) INDC/NDC 及び国家気候変動戦略 2010 年における国家 GHG インベントリーによると エネルギーセクターからの排出が最も大きく LULUCF を除くと 全体の 74% を占める 一方で 土地利用 土地利用変化及び林業 (Land Use, Land Use Change and Forestry:LULUCF) セクターは 排出源ではなく吸収源である ( 表 ) 表 で示されたセクターは INDC の中で挙げられた緩和に関する重点セクターである [18] 表 : チリ国家 GHG インベントリー :2010 年における各セクターの排出と吸収 量 分野 2010 年の GHG 排出量 (Gg CO2eq) エネルギー 68,410.0 産業プロセス 5,543.2 溶剤とその他製品の利用 農業 13,825.6 LULUCF ,4 廃棄物処理 3,554.1 合計 (LULUCF を含む ) 41,698.5 合計 (LULUCF を除く ) 91,575.9 参照 :[18] 2016 年 1 月 5 日に提出された INDC(2017 年 3 月 12 日にパリ協定を批准 ) では 排出削減目標として以下が示される [18]: 2030 年までに 2007 年を基準に GDP 当たりの GHG 排出量の 30% 削減を目標とする ; 海外からの資金供与を条件として 2030 年までに 2007 年を基準に GDP 当たりの GHG 排出量 35%~45% の削減を目標とする さらに INDC は LULUCF セクターについて個別に以下の目標を設定する : 主に天然林に焦点を置き 10 万 ha の劣化した森林の回復を行い 平均して毎年約 60 万 tco2 に相当する GHG 吸収を目標とする なお この目標は 天然林の回復と林業を促進する法令が定まることが条件である 主に在来種を用いた 10 万 ha の再造林を行い 2030 年までに 90 万 ~120 万 tco2 に相当する GHG 吸収を目標とする なお この目標は 法令 701(Decree Law 701) の延長と林業を促進する新たな法令が定まることが条件である 8 聞き取り調査 :Osvaldo Quintanilla 氏 CONAF(2017 年 2 月 ) 210

215 INDC にて LULUCF セクターの緩和目標は明確に示されるが REDD+ からの排出削減 吸収量がどれだけ国家排出削減目標に使われるかは明らかではない 上記の緩和のための森林回復や再造林は REDD+ 対象地である 5 州以外でも実施が検討され 他のセクターとの関連 また国際炭素市場における炭素価格等を考慮することが考えられる 9 国家気候変動政策は環境省 DCC の責任と調整によって策定 実施が進み 気候変動政策の主要計画ツールとして国家気候変動行動計画 (Climate Change National Action Plan / Plan de Acción Nacional de Cambio Climático:PANCC スペイン語略称 ) が挙げられる PANCC は長期的国家気候変動緩和 適応計画及び セクター別の行動計画を策定するための短期的国家行動計画として位置付けられる PANCC I (2008~2012) では 国家体制や緩和 適応に関する取り組みとその指針が示された 2017 年 ~2022 年の方針を示す PANCC-II では その緩和に関する行動計画として以下の 7 分野を挙げる : エネルギー 運輸 交通 農林業 都市 公共事業 環境 マルチセクター [17] 2018 年には 気候変動に関する国家資金戦略を策定 公開する予定であり 緑の気候基金 (Green Climate Fund) とリンクさせる国内気候資金の設立 適応や技術移転促進のための金融インストゥルメントの開発が示される [18] 2) 気候変動と植生資源に関する国家戦略 (ENCCRV スペイン語略称 ) 2016 年 11 月に 森林セクターにおける気候変動関連で最も重要な戦略文書として位置づけられる気候変動と植生資源に関する国家戦略 (ENCCRV) が CONAF により策定され CMS により承認された ENCCRV は気候変動緩和 (REDD+) だけでなく 気候変動緩和やその他の地球環境アジェンダである砂漠化防止条約 (United Nations Convention to Combat Desertification : UNCCD ) および生物多様性条約 (Convention on Biological Diversity:CBD) に対応する ENCCRV は 2017 年 ~2025 年の期間における全国土の植生資源管理 保全 持続的利用に関する戦略的行動を示す 気候変動緩和目標としては 2001 年 ~2013 年をベースラインに 2025 年までに森林劣化 減少に由来する GHG 排出を 20% 削減することを掲げる ENCCRV は 緩和目標達成のための 8 基本方針を示す : 1. 気候変動 砂漠化 土地劣化対策のために 環境サービスに対する支払い制度 を新たな森林法にて規定 2. 天然林法の修正と強化 3. 土地所有権の調整と強化 4. 再植林による植生回復 (14 万 ha) 5. 自然環境の強化による植生回復 (2 万 ha) 6. 環境教育プログラムの実施 (8000 人 ) 7. 林業と環境に関する検査の強化 (200 村落 ) 8. 国家野生保護区システム (National System of Wildlife Areas Protected / Sistema Nacional de Áreas Silvestres Protegidas del Estado:SINASPE スペイン語略称 ) の管理計画の強化と更新 9 聞き取り調査 :Osvaldo Quintanilla 氏 CONAF(2017 年 2 月 ) 211

216 ENCCRV は 準備 ( ); 実施 (2016 年以降 ); 結果に基づく支払い (2018 年以降 ) の 3 段階が設けられ 特に結果に基づく支払いの資金調達を目的に CONAF は UN REDD プログラムの支援を受け 森林環境資金 ( Forest Environmental Fund / Fondo Forestal Ambiental: FFA スペイン語略称 ) の制度設計 構築を図る FFA は資金調達 ( 国際機関 国際的気候 環境関連の基金等を想定 ) の機能と ENCCRV の戦略行動を実施支援する役割を持つ さらに ENCCRV の下 制度化が予定される環境サービスに対する支払い基金としても機能が検討される 10 CONAF は GCF の国家指定機関 (National Designated Authority: NFA) である財務省と協力して 2017 年に GCF に資金プロポーザルを提出することが検討される 11 3) FCPF 炭素基金排出削減プログラム (ER-P) チリの REDD+ 準備活動は FCPF 準備基金によって進められてきた 今後 REDD+ を実施する上で 最も重要な資金源は FCPF 炭素基金だと考えられる チリは 2016 年 10 月に排出削減プログラム文書 (ER-PD) を完成させ 2016 年 12 月に FCPF 炭素基金第 14 回理事会において承認された 2017 年には 排出削減支払い合意 (Emission Reductions Payment Agreement:ERPA) の交渉が行われる予定である なお 排出削減の国際移転に関しては チリの ER-PD は移転を伴うトレンチ A と伴わないトレンチ B の両方オプションが交渉にて考慮されることとなった [19] 以下にチリの ER プログラムの内容を取りまとめる [5]: 地理的範囲 : 準国レベル ( マウレ州 ビオビオ州 アラウカニア州 ロス リオス州 ロス ラゴス州の 5 州 :UNFCCC に提出した FREL/FRL の対象地域と同じ ) 対象活動 :ER プログラムの対象とする森林と炭素計測対象活動を表 に示す 表 :ER プログラムの対象地と炭素計測対象活動対象地計測する活動天然林天然林の保全とリハビリテーションによる排出削減と吸収量 ( 森林減少 劣化 保全 森林炭素貯蓄量増加 ) 林業プランテーション 林業プランテーションから天然林への転換による吸収量 ( 森林炭素貯蓄量増加 ) 農地 農地から天然林への転換 ( 森林炭素貯蓄量増加 ) 灌木林 草地 灌木林 草地から再植林による吸収量 ( 森林炭素貯蓄量増 加 ) 排出削減量上限 :520 万トン CO2eq 対象期間 : 2017~2025 年 ER プログラムの戦略的活動 : 森林火災予防対策と火災後の復旧 持続的森林管理モデル構築と実施 森林 - 家畜管理のモデル構築と実施 気候変動 砂漠化 干ばつの影響を考慮した植生資源管理の実現 10 聞き取り調査 :Pierre-Yves GUEDEZ 氏 UN REDD プログラム (2016 年 12 月 ) 11 聞き取り調査 :Osvaldo Quintanilla 氏 CONAF(2017 年 2 月 ) 212

217 植生資源と共用可能な農業モデル開発 補助金を使わない持続的林業の開発 チリの FCPF の資金を活用した REDD+ の取り組みは ENCCRV の枠組みの一部として位置づけられる UNFCCC 及び FCPF 炭素基金に提出された FREL/FRL は 5 州の天然林を対象とした準国レベルである 炭素計測の対象は 天然林の森林減少 劣化 保全と森林炭素蓄積量の増加であり 天然林に焦点をあてた現在の基本方針は 松やユーカリ樹種による森林プランテーションは排除している ( ただし林業プランテーションから天然林への転換は計測される ) また 先住民族との土地紛争および請求問題は CONAF の管轄でなく CONADI の管轄 ( ケースによっては大統領府 ) であり 紛争地 またそうした可能性のある地域での REDD+ 実施は避ける方針となっている 準国以下の REDD+ プロジェクトの実施に関する法令等チリでは 国際環境 NGO である TNC(the Nature Conservancy) によって VSC に登録した REDD+ プロジェクトが FCPF ER プログラムの対象地域内で実施される さらに REDD+ 以外にも ER プログラムの対象地域内において 森林炭素クレジットを生み出すプロジェクト 3 件の実施が行われる ( 参照 ) 森林利用を伴う場合 プロジェクト実施者は天然林法などの関連法規に従って CONAF に森林管理計画の提出が求められる しかしながら REDD+ プロジェクト実施に関して特別な許可制度はなく 現時点 (2017 年 1 月 ) においてプロジェクト側から CONAF や州政府等に報告義務は規定されていない 13 森林炭素プロジェクトを規定するのは それぞれが適用する制度 (VCS や CDM) で定められた規定 プロセスである チリでは 森林クレジットを明確に規定する法制度はない しかしながら 土地所有に関する法制度により 土地所有者の権利が強く守られており 政府による介入には公共目的と確固とした法的根拠 正当性が求められる [5] TNC はプロジェクト地域の完全な土地所有権を有し VCS により検証されたプロジェクトによる排出削減の販売を権の販売を行い すでに米国やブラジルの企業に販売する なお 炭素排出権の売買には消費税 (18%) は設定されない VCS 等を活用し森林クレジットを生み出すプロジェクトへの CONAF 方針は REDD+ レジストリーを開発し 2 重計上を排除することである 更なる分析が必要であるが 現時点では プロジェクトの面積は ER プログラムの対象面積と比較して非常に小さいことから FREL でプロジェクト地域を排除する方針はとられない 14 また ER-PD によると [5] 既存の森林炭素プロジェクトの範囲は明確に地図上で示されることから 将来的に計測地域とモニタリングから排除することは技術的に大きな問題ではないと示される REDD+ レジストリーは ER プログラムの一環として構築が予定され 将来的に 環境省が構築予定の全セクターをカバーする排出削減国家レジストリープラットフォー 12 聞き取り調査 :Osvaldo Quintanilla 氏 CONAF(2017 年 2 月 ) 13 聞き取り調査 :Maryann Ramirez Calisto 氏 TNC Chile(2017 年 2 月 ) 14 聞き取り調査 : Javier Cano 氏 CONAF(2017 年 2 月 ) 213

218 ムに統合されることが想定される [5] REDD+ レジストリーの中身として 以下が提案される : 排出減少 吸収毎のシリアル ナンバー タイプ ( 排出削減または吸収 ) 地域名 ( 州 ) REDD+ 活動 ( 森林減少 劣化 森林保全 持続的森林管理 森林保全 :SNASPE 民間保全地域 その他 持続的森林管理 : 森林管理計画 ID SAFF データベースリンク ) 排出削減達成年日 排出削減の移転情報 : 移転先と日時 取り下げ (Withdrawal) バッファーアカウント 移転可能クレジット 独立した森林炭素プロジェクトの場合 : プロジェクト名 プロジェクト実施機関 プロジェクト検証機関 レジストリー名 排出削減のシリアル ナンバー REDD+ における市場メカニズムの活用に関する法令等チリは 1970 年後半から自由主義政策を導入し 経済発展を推し進めてきた チリは 世界の中でも特に市場経済システムが普及した国として位置づけられ [20] 森林や水資源利用 環境保全といった取り組みにも積極的に市場原理が適用されてきた社会経済背景がある [9] 2016 年 1 月 5 日に提出された INDC では コミットメント達成のために国際炭素市場の活用の可能性を排除しないことが明記された [18] 2015 年 6 月には 日本政府と二国間クレジット制度 (JCM) 合意の署名を行い 2016 年 6 月 21 日には 第一回共同委員会 (JC) が開催されたことからも今後 市場を活用した排出削減プロジェクトの実施が進むと考えられる REDD+ に関しては 政府 (CONAF) は排出権の国際移転を伴う FCPF 炭素基金 ER プログラムを進めることからも 結果に基づく支払いの実現に市場メカニズムの活用を検討している ただし チリの ER プログラムでは 排出削減の移転の発生しないオプションも協議されている REDD+ 実施に関する国際的市場メカニズムの活用については ER プログラムの交渉 パリ協定 6 条に関する UNFCCC 国際交渉 国家排出削減量目標に対する各セクター役割と調整 国際炭素価格等 今後の動向に注目すべきである 国内の市場メカニズムとして CONAF は 2012 年 6 月に森林プロジェクトに由来する炭素ユニット制度と売買制度を確立するため 多様なステークホルダーの参加するプラットフォーム (Plataforma de Generación y Comercio de Bono de Carbono del Sector Forestal de Chile:PBCCh) を設立した しかしながら 2013 年の COP19 にて 結果に基づく支払いを受けるための要件を示すワルシャワ枠組みが構築されたことにより REDD+ の議論は政府主体による制度構築に焦点が当てられ PBCCh に関する動向は下火になった 214

219 一方で 民間セクターでは すでに VCS 等の制度を活用しすでに REDD+ 炭素クレジットの国際取引が行われている さらには 民間セクターのイニチアティブにより 南半球で初となる炭素排出権の取引を行う場となる Santiago Climate Exchange(SCX) が 2011 年にチリに設立された SCX では CDM や VCS で登録された国内外のプロジェクト ( 森林セクターを含む ) の炭素クレジットの取引が行われる 炭素クレジットの購買は国内の銀行および輸出をする国内ワインメーカーがほとんどである 15 チリ国内に企業の GHG 排出オフセットを規定する法制度はないことから 炭素クレジットの売買は企業の社会的責任 (CSR) の一環だと考えられる REDD+ の MRV システム 1) 森林の定義上述したよう REDD+ の炭素計測対象活動は天然林の保全や天然林への転換である ( 表 ) 天然林は 2008 年に制定された天然林法により 以下の定義が定められた : 土着の樹種 ( 天然生産 更新 植林等による ) によって構成され 面積 (5000 m2 以上 ) 森林幅 (40m 以上 ) 被覆率 ( 乾燥地帯で 10% 以上 条件が好ましいと 25% 以上 ) の森林 この定義は UNFCCC に提出された FREL/FRL および ER プログラムに適用される 一方で 同法および Decree Law 701 および関連森林規則は植林地を明確に定義はしない 植林地に関しては 実際の産業用植林の例から FAO の定義が適用される [4] 2) 国家森林モニタリングシステム ENCCRV の下 国家森林モニタリングシステム (National Forest Monitoring System: NFMS) の構築が進む ENCCRV は気候変動緩和だけでなく 適応や砂漠化防止 および生物多様性保全に関する取組を含めることから NFMS には以下 3 つの要素が考慮される : 森林保全 砂漠地域の植生形成 植生資源の持続的管理による森林減少 劣化及び炭素貯蓄量の増加 砂漠化 土地劣化と干ばつリスク削減 環境と社会便益 ENCCRV の枠組みにおけるモニタリングには 以下の既存の森林モニタリング制度からのインプットが検討される [1,5]: 土地利用変化と植生資源に関するモニタリング制度 1993 年に CONAF により 天然林のマッピング (Catastro de Bosque Nativo) が開始され 1998 年以降 CONAF の森林生態系モニタリング局 (DMEF スペイン語略称 ) により 各州で 0.5ha 以上の森林土地利用について定期的に情報更新が行われる 森林バイオマス燃料と森林炭素インベントリー主に天然林の森林炭素量を把握する目的で CONAF が開発を進める コキンボ州 マガジャネス州 アンタルティカ州の 3 州にて 1km 1km のグリッドに 2000 の永続的プロット (500m2/ プロット ) が設置され 第 1 回インベントリーは 2017 年に完成する予定 15 聞き取り調査 :Aldo Cerda 氏 SCX(2016 年 12 月 ) 215

220 森林火災統計 1985 年以降 CONAF により 森林火災の発生 被害 原因 影響面積について国レベルで毎年情報が更新 管理される 林業管理制度 ( Forestry Administration and Control System / Simtem de Administraciòn y Fiscalización Forestal:SAFF スペイン語略称 ):CONAF の運営する制度であり 全国の森林管理計画を取りまとめる ( レビュー 承認 記録 ) 管理制度 森林生態系インベントリー 2000 年から INFOR により 森林生態系インベントリー策定が開始される 第 1 回目インベントリーは 2001 年 ~2010 年にかけて 3 州で実施 策定され FREL のエミッション ファクター開発に使われた 現在 第 2 回目の実施が進む 国家 GHG インベントリー : 環境省気候変動局によって作成される 国土情報システム (Sistemas de Información Territorial:SIT スペイン語略称 ): 2006 年に Supreme Decree N 28/2006 により国有財産省 (Ministry of National Goods / Ministerio de Bienes Nacionales:MBN スペイン語略称 ) によって構築された国土情報を管理する情報システム 3) REDD+ MRV システムの特徴 REDD+-MRV は 上記の ENCCRV のモニタリングシステムが基礎になる つまり REDD+-MRV システムには 複数の CONAF 機関がかかわるほか 環境省の管轄する GHG インベントリー 農務省の INFOR 等の連携と協力が必要となる ( 図 ) また 森林所有者の形成する民間森林保護グループとの連携も検討される 図 :REDD+ MRV の制度設計と報告の流れ参照 : [5] 全般の設計と調整は CONAF の UCCSA が DMEF と協力し モニタリング情報の基準化及び REDD+ 活動による排出削減結果のとりまとめを行う DMEF は 自身の運営するモニタリング制度を管理するだけでなく 森林火災と防止 森林環境の評価 保護 216

221 区等に関する情報 報告をそれぞれの CONAF の担当組織から定期的に受け取り 取りまとめることが求められる CONAF の管理する保護区 (SNASPE) とは別に チリでは民間セクターによる保護区形成と運営が活発であり こうした民間保護区グループからの情報提供も制度の一環として検討される また 農務省の機関である INFOR との連携と調整が REDD+ MRV には不可欠である INFOR は 森林インベントリーの実施機関であることから DMEF と協力して LULUCF セクターに関する国家 GHG インベントリーと隔年報告書 (Biannual Update Reports: BUR) のためのデータ 情報 (Activity data, Emission factors) を収集 更新 管理する役割を果たす [5] ER プログラムの実施を考慮し REDD+ の MRV は 2017 年に開始 以後 2 年ごとに実施されることが予定される [5] 4) REDD+ MRV システムと国家 GHG インベントリーの関係 CONAF と INFOR は REDD+ の MRV を担当するとともに 農業 林業 その他土地利用 (AFOLU) セクターの国家 GHG インベントリーと隔年報告書 (Biannual Update Reports: BUR) に関するデータ 情報を取りまとめる責任機関である このことから REDD+ の MRV と国家 GHG インベントリーは 組織制度上で整合性が図られる FREL/FRL と国家 GHG インベントリーの関連については 森林減少 劣化 保全 森林炭素貯蓄量の増加について 同じ基準 エミッション ファクター使われ 整合性が図られる しかしながら 対象地域の違い (FREL/FRL は 5 省を対象にした準国レベル ) 策定時期における利用可能なデータと情報 ( 森林登記 地図 森林劣化データ ) の違い 目的 (GHG インベントリーは AFOLU セクターの GHG 排出 吸収 ; FREL/FRL は REDD+ 活動による排出量変化 ) と計算方法の違い等から FREL/FRL と国家 GHG インベントリーの間には 活動毎の排出 吸収年間平均量に違いがみられる [5] データや計算方法の違いは 2018 年に提出予定の BUR 策定プロセスで修正と更新が図られる 16 5) 準国レベルの REDD+ MRV 森林モニタリングを担当する DMEF は各州の CONAF 事務所にも置かれ それぞれの州の森林情報を管理し 中央に報告する 森林情報は CONAF 中央レベルで統合的に管理 分析されることから 州レベルの MRV 制度開発は現時点では定められていない 土地の所有 管理 利用に関する法令等 1) 森林所有と利用権 REDD+ 対象である 5 州にみられる土地の所有権タイプは国有 (Public Owner or National Assets) 私的所有 (Private Owner) 特別カテゴリーの 3 つのタイプに分かれる ( 表 ) 16 聞き取り調査 :Javier Cano 氏 CONAF(2017 年 2 月 ) 217

222 表 :REDD+ 対象 5 州の土地所有権タイプと面積 土地所有タイプ 面積 (ha) 割合 (%) 国有 SNASPE 1,300, % その他 21, % 私有小規模森林所有権 4,491, % 特別カテゴリー その他 5,912, % 先住民族土地 114, % 森林ポテンシャル土地 (APF) 2,452, % 合計 14,293, % 参照 :[5] 国有 (Public Owner or National Assets) 国有地のほとんどは CONAF または国家資産省 (Ministry of National Assets / Ministerio de Bienes Nacionales) によって管理される 1984 年に制定された法令 ( Ley No18,362,362 ) によって国の保護区となる国家野生保全地域システム (SNASPE スペイン語略称 ) が設立された 2016 年において SNASPE には 36 国立公園 (Parque Nacional) 49 国家リザーブ (Reserva Nacional) 15 自然遺跡 (Monumento Natural) が含まれ 1450 万 ha( 国土の 19.2%) をカバーする [21] 各国立公園には CONAF の公園事務所が設けられ 管理 モニタリングが行われる しかしながら SNASPE の 8 割以上が 人口密度が低く 林業活動の比較的少ないオヒギンズ州とマウレ州に集中しており [6] その他の州に分布する貴重な天然林が 適切な法的保護を受けていない問題が指摘される 私的所有 (Private Owner) 所有者の数 ( 単数または複数 ) によって個人所有または共同 (joint) 所有に区分され さらに森林法により 所有面積によって小規模森林所有者と以外に分けられる REDD+ 対象地の 4 割が大規模な私有地に区分される なお 全国の林業プランテーションの 80% が Angelini や Matte グループを含む大規模な林業企業によって所有され その多くがビオビオ州 アラウカニア州 ロス リオス州 ロス ラゴス州に集中する [22] また いくつの林業企業は 天然林も所有しており CMPC は 5.8 万 ha 17 スイス資本の林業企業である Forestal Millalemu は約 4 万 ha の天然林を所有する [6] その他 所有者 ( 個人や民間機関 ) の意思により保護区として設定された民間保護区が全国に存在する 公式な統計情報は無く また民間による保護区の定義についても明確ではないが Halms (2013) の報告によると 民間とコミュニティにより 315 の民間保護区が設立され 国土の 2.12% に相当する 1,604,195 ha がカバーされる [23] 保護区のサイズは様々であり 49 の民間保護区が 1000ha 以上であり 全体の 98% 18 を占めるといわれる [23] 17 CMPC: 18 大規模な民間保護地域として以下が挙げられる :Douglas Tompkins( 米国人 The North Face 創業者 ): パタゴニア地域の土地 270,000 ha を購入 保護区化 ;Patagonia Sur( 米国人によって設立された企業 ):25,000ha を購入 エコツーリズムや森林炭素事業を行う ;TNC( 国際 NGO):6,0000ha の土地を購入 保護区化 REDD+ 事業を実施 ; Gabriel Ruiz-Tagle( 元スポーツ省大臣 ):13,000 ha の土地を購入 保護区化 ; Sebastian Piñera( 前チリ大統領 ):180,000 ha の土地を購入 保護区化 [23] 218

223 特別カテゴリー先住民族の土地所有権は 特別カテゴリーに分けられ 先住民族法 (Law の 12 条 ) にて規定される また特別カテゴリーには 森林ポテンシャル土地 (Preferably Suitable for Forestry :APF) が含まれる REDD+ 対象州における先住民族の所有する土地面積は 0.8% と非常に少ない しかしながら ビオビオ州 アラウカニア州 ロス リオス州は先住民族であるマプチェ族の人口の多い州であり 先住民族土地回復運動も活発である また これら先住民族地の一部では NGO 等の協力を得て 保護区化を宣言する場合も見られる ( 例 Huilliche 先住民族土地 50,000ha の保護区化 19 ) 先住民民族土地の保護区化の宣言は 保全目的のほか 文化的価値を守り エコツーリズム等を導入することで収入の増加も見込まれる APF は 気候や土壌状態から農業 畜産用地には適さない土地を示し 造林を推進するため 政府の承認の下 土地所有者は補助金および税免除を受けることが出来る なお チリの土地登記制度は国全土をカバーするが 制度が始まった時点では土地所有者の登記は義務ではなかった その結果 登録されていない法的根拠の乏しい土地が存在することとなった 2007 年に行われた全国農地国勢調査によると 13.4% の土地所有について法的不備が指摘される [5] SNASPE による国有の天然林 また大規模な林業企業による天然林については正確な面積等の情報があるが 小規模所有者によって所有される天然林の正確な情報は明らかでない 2) 土地権の取得プロセス私有地に関しては 市場を通じて売買が行われる 先住民族の土地いついては 先住民先住民族法によって 先住民族コミュニティが土地所有権を主張する伝統的な土地の取得プロセスが規定され 土地獲得の支援メカニズムと行政を担当する国家先住民族開発コーポレーション (La Corporación Nacional de Desarrollo Indígena:CONADI スペイン語略称 ) が設立された 上記法によれば 先住民族コミュニティの要件として : 同じ家系であること ; 伝統的指導者が認識されていること ; 共同の先住民族土地を所有していたこと ; 同じ伝統的なコミュニティ出身であることのいずれかを満たすことが求められ 同法 9 条の規定に基づき手続きが必要となる なお 先住民族コミュニティの共同土地は貸借が禁止される 個人所有については CONADI の承認の下 第 3 者に譲渡できる もしその土地が CONADI の支援よって購入された場合 登記から 25 年間は譲渡できない ( ただし 5 年間以内であれば貸借することが可能 ) ただし CONADI の予算は限られており また申請から土地の譲渡まで 5 年 ~10 年かかるいわれる [22] 3) 森林管理システムの特徴 Decree Law 701 により 森林所有者の権利と義務が規定された 同法によって 森林資源を利用するためには 管理計画を CONAF に提出することや 森林資源伐採後には同様の面積を植林することが制度化された [8] 同法は樹種や植林方法については規定しておらず 天然林の減少と単一樹種によるプランテーションの増加につながった しかしながら 2008 年に天然林の保護と持続的森林管理を目的に定められた天然林法により 天然林の定義 天然林保全と管理方針が示された 19 WWF : 219

224 森林管理に関係して 森林管理協議会 (Forest Stewardship Council:FSC) による FSC Chile Standard for Certification of Native Forests と FSC Chile Standard for Certification of Plantation Forests が 2010 年 5 月に承認された 同年 9 月の開始以降 2014 年 9 月までに 2,345,000 ha の森林管理が認証された [11] SNASPE 内の資源利用や伐採は基本的に禁止される なお SNASPE の保全地域の 18% が先住民族コミュニティにコンセッションを発行し 保全地域のバッファー地域でコミュニティによるツーリズムが行われる [23] 小規模森林所有権の森林保全と持続的管理は ENCCRV の枠組みの下 森林炭素保全のための戦略活動の一つであり そのための環境サービスの支払い制度構築が検討される [1] 今後 小規模森林の森林管理活動に関する詳細が定めることが考えられる 4) 森林所有権と REDD+ プロジェクト REDD+ 対象地域では VCS に登録された REDD+ 事業を含む民間機関による森林炭素プロジェクト 4 つが実施されている ( 参照 ) これら民間によるプロジェクトはプロジェクト実施機関が森林所有権を保有 またはプロジェクト実施機関が小 中規模森林所有者と契約を結んで実施される 上述したよう ( 参照 ) チリでは 森林クレジットを明確に規定する法制度はない しかしながら 土地所有者の権利が強く守られており TNC による VCS REDD プロジェクトの実施例からも 土地所有権を持つ者にその土地の排出削減 / 吸収による炭素権が有されると解釈される REDD+ のセーフガードに関する法令等 1) セーフガード及びセーフガード情報システムの開発 REDD+ のセーフガード制度及びセーフガード情報システム (SIS) は ENCCRV の枠組みの中 CONAF により構築が進む FCPF の支援を受け REDD+ 準備を進めてきたことから 世界銀行の規定するセーフガード政策 手順 (Strategic Environmental and Social Assessment:SESA) 及び環境 社会管理フレームワーク (Environmental and Social Management Framework:ESMF) を適用している つまり チリの方針として UNFCCC にて合意されたセーフガード (REDD+ カンクン セーフガード セーフガード情報システム :SIS) 及び世界銀行のセーフガード政策と 国内法的枠組みとの一貫性の整理と制度化が挙げられる 以下にこれまで実施された活動を示す : ステークホルダーグループの特定 ( 先住民族 大学 研究機関 中央 地方政府機関 農林系コンサルタント 技術普及者 NGO 女性グループ 小 中規模土地所有者 女性先住民族グループ 女性小 中規模土地所有者 ) と Strategic Environmental and Social Assessment(SESA) の開始 CONAF 内にセーフガード開発専門家チーム ( 社会 先住民族関係ユニット ) の結成 (2015 年 5 月 ) 先住民族グループが存在する 9 州の CONAF 州事務所に 先住民族と社会問題 を専門に取り扱う担当官を任命 担当官は 気候変動と環境サービス州調整官 (Regional Climate Change and Environmental Service Coordinators) を支援し ENCCRV 策定 実施に関して先住民族の参加を確保する 各州で 1 回ずつ州レベルのワークショック (2015 年 8 月 ~2016 年 1 月 ) 及び首都における国レベルのワークショップ (1 回 ) を 2016 年 3 月に開催 : 上記ステークホルダーグループ代表が参加し 森林問題の分析と対応策の検討 および SESA を 220

225 実施 (ENCCRV 実施に係る潜在的リスクや便益の検討 )( 計 1248 人参加 : 内 30% が女性 ) 20 SESA で特定されたリスクに対する環境 社会管理フレームワーク (Environmental and Social Management framework: ESMF) の構築を進める カンクン セーフガード 7 項目それぞれに対応する既存の国内法 制度の特定 (ER プログラム文書にリスト化される ) 環境 社会セーフガードの実施に関する計画 (Plan para la Implementación de las Salvaguardas de Consulta Pública e Indigena y Autoevaluación) の策定 ENCCRV の枠組みにおいて 社会 環境セーフガードの実施を確実にするための参加プロセスを提案する (2016 年 3 月 ) SIS を構築するための今後のステップとして ER プログラムにおいて 以下の活動とプロセスが提案される [5]: 1. 社会 環境指標を開発するための専門家チームの結成 2. 指標に関する利用可能な情報の収集と分析 3. 指標に関する情報収集とモニタリング方法論の確立 4. 指標枠組みに関するコンサルテーション 5. 指標に関するベースラインの構築 2) SIS の要素 SIS は社会 環境セーフガードだけでなく ESMF におけるリスク対策実施 ENCCRV の戦略的活動によるコベネフィットのモニタリングを行う SIS に含まれる情報の要素として 以下が挙げられる [5] 環境 社会セーフガード (UNFCCC CBD UNCCD 世界銀行セーフガード政策 UN REDD プログラム 関連する法制度 ) ENCCRV 策定に関するワークショップでのインプット SESA 及び ESMF 苦情受付 処理制度 セーフガードモニタリングのための指標及びベースライン その他の関連情報 ENCCRV 実施関する苦情受付 処理制度に関しては 既存の 情報 苦情 提案事務所 (Office for Information, Complaints and Suggestion: OIRS スペイン語略称 ) の SIS への活用が検討される [5] OIRS は 1990 年により 全ての政府機関に備わった苦情受付制度であり CONAF の全州事務所にも設置される 3)REDD+ プロジェクトにおけるセーフガードへの対処や関連情報の取扱に関する法令 計画 制度等 ENCCRV 枠組みの外の民間による REDD+ プロジェクトおよび森林炭素プロジェクトに適用される特定の REDD+ セーフガード規則や報告の義務はない 21 各プロジェクトは既存の森林法およびプロセス ( 例 森林管理計画の策定 提出 承認 ) に従うほか 20 各州でのワークショップの結果は以下から閲覧可能 : 21 聞き取り調査 :Maryann Ramirez Calisto 氏 TNC Chile(2017 年 2 月 ) 221

226 それぞれが適用する基準 ( 例 TNC REDD プロジェクトは CCBA に登録 ) に従って実施する 実施中の REDD+ プログラム等 REDD+ の取り組みは ENCCRV の枠組みの下 CONAF による責任と調整によって進められる UNFCCC に提出した FREL/FRL は 5 州を対象にした準国レベルの REDD+ であり その結果に基づく支払いに向けて FCPF 炭素基金 ER プログラムの準備を進める さらに ENCCRV の枠組み外では 国際環境 NGO である TNC により 国内で唯一 VSC に登録した REDD+ プロジェクトが FCPF ER プログラムの対象地域内のロス リオス州で実施される TNC のプロジェクトは 既存の高速道路建設計画とすでに承認された森林伐採計画を 土地所有権の購入 政府との交渉 保全ステータス構築 ( 森林伐採計画の正式な取り下げ等 ) によって無効化し 森林減少と劣化を防止する REDD プロジェクトである 2014 年 4 月に VCS 妥当性確認 同年 5 月に第 1 回検証を受け 米国 ブラジルの企業に炭素クレジットを販売する なお 2016 年 12 月には 気候 地域社会 生物多様性プロジェクト設計基準 (CCBS) の認証を取得した REDD+ 以外にも ER プログラムの対象地域内において 森林炭素クレジットを生み出すプロジェクト 3 件の実施が行われる ( 表 ) なお これら 4 件のプロジェクトは 土地所有権を保有 ( または土地所有者との契約 ) した民間プロジェクトになる 表 : 既存の REDD+ 及び森林炭素プロジェクト プロジェクト名 実施組織 ( タイプ ) 炭素制度 ( プロジェクト方法論 ) The Avoiding Planned Deforestation and Degradation in the Valdivian Coastal Reserve, Chile 22 Securitization and Carbon Sinks Project 23 Nerquihue Small-Scale CDM Afforestation Project using Mycorrhizal Inoculation in Chile 24 Reforestation of Degraded Lands in the Valle California of Patagonia, Chile 25 TNC ( 国際 NGO) Fundación Chile ( 国内 NGO) Mikro-Tek ( 海外企業 ) SNP Patagonia Sur( 国内企業 ) VCS (VM0007) CDM-AR (AR- AMS0001 ver. 5) VCS ACM0001) スコープ 森林減少 劣化の防止 CDM-AR (AR- AM0005 ver. 4) 新規植林 持続的森林管理新規植林 再植林 (AR- 新規植林 再植林 プロジェクトエリア ( 排出削減 吸収量 / 年 ) 1,273 ha (58,154 tc2/yr) ha (72,019 tc2/yr) 312.1ha (9,292 tc2/yr) 1,193tC2/yr

227 4 件の森林炭素プロジェクトと CONAF の構築する REDD+ 制度と間に定められた規定や調整メカニズム 報告制度等は存在しない これまでにプロジェクト側から自主的にプロジェクトの報告やデータや経験の共有が CONAF に対して行われるほか CONAF 側から情報収集のための問い合わせの連絡が行われた 参照レベルの策定状況 1) 国レベルチリの REDD+ は準国レベルであり 国レベルの参照レベルは存在しない 将来的には 現在の 5 州だけでなく 全国の森林を対象にした国レベルの FREL/FRL を策定することが予定される [24] 2) 準国レベル 5 州の天然林を対象にした準国レベルの FREL/FRL が CONAF により 2016 年 1 月に UNFCCC に提出 (2016 年 8 月に修正版提出 ) 2017 年 3 月に UNFCCC による技術評価報告書が公開された 策定に際し 世界銀行 FCPF から資金支援を また Winrock International( コンサルタント ) チリ オーストラル大学 (Universidad de Austral de Chile: UACH) 農務省 INFOR 及び UN REDD プログラムから技術支援を受けた UNFCCC に提出された準国レベルの FREL/FRL は 4 つの REDD+ 活動 ( 森林減少 劣化 森林保全 森林炭素貯蓄量の増加 ) それぞれの参照期間における平均値である ( 表 ) なお FREL/FRL は 天然林に焦点を当てており 松やユーカリ樹種による森林プランテーションは排除している 表 :UNFCCC に提出されたチリの FREL/FRL(2016 年 8 月 31 日修正版 ) ( 単位 :tco2e) REDD+ 活動 森林減少 森林劣化 保全 森林炭素増加 計 マウレ州 ビオビオ州 アラウカニ ア州 ロス リオ ス州 ロス ラゴ ス州 合計 参照 : [25] 各州において REDD+ 活動毎 ( 森林減少 劣化 森林保全 森林炭素貯蓄量の増加 ) の 地上部 地下部を含む排出 吸収量が計算され 年間平均値が推定された 森林減少 劣化 森林保全には 枯死木もカーボンプールとして含まれる なお森林火災は森林劣化に含まれる 火災統計データから 非 CO2(CH4 N2O) の排出量が計算され 森林劣化からの排出分に組み込まれた 26 聞き取り調査 :Maryann Ramirez Calisto 氏 TNC Chile(2017 年 2 月 ) 223

228 参照期間の決定は 利用可能なデータ ( 土地登記 植生資源評価 森林インベントリー ランドサット画像等 ) を考慮され決定された 森林減少 ( 天然林から非森林への土地利用変化 ) を評価するための土地登記情報と植生資源評価は 州によって異なる時期に実施 更新されるが 州間及び REDD+ 活動間の整合性を保つために参照時期は以下に定められた : 2001 年 ~2013 年 : 土地利用変化 ( 森林減少 天然林から林業プランテーションへの転換 林業プランテーションから天然林への転換 ) 2001 年 ~2010 年 : 森林から森林への変化 ( 森林劣化 森林減少 ) FCPF ER プログラム用に策定された FREL/FRL は 対象とする地域 (5 州 ) 活動 ( 森林減少 劣化 保全 森林炭素貯蓄量増加 ) 炭素プール FREL/FRL の計算方法すべて同じである [5] 3) 国及び準国レベルの参照 ( 排出 ) レベルとの関係や調整方法国レベルの FREL/FRL は策定されていない UNFCCC に提出された準国レベルの FREL/FRL と ER プログラムの FREL/FRL は同じである 上述したよう ( 参照 ) プロジェクトの面積は ER プログラムの対象面積と比較して非常に小さいことから 現時点でプロジェクト地域は UNFCCC および ER プログラムの FREL から排除はされていない CONAF 方針は REDD+ レジストリーを開発し 2 重計上を排除することである References 1. CONAF Estrategia Nacional de Cambio Climatico y Recursos Vegetacionales ; Chateauneuf, R.; Fuentes, A.; Garrido, F. Política y Economía del Sector Forestal Chile; Ocholibros: Santiago, Chile, Prado, J. A. Plantationes Forestales: Mas Alla de los Arboles; FAO: Santiago, Chile, CONAF Nivel de Referencia de Emisiones Forestales / Nivel de Referencia Forestal del Bosque Nativo de Chile: Documento reliminar (4 de enero 2016); CONAF FCPF Carbon Fund Emission Reduction Program; 2016; Vol World Resources Institute; Comite National Pro Defensa de la Fauna y Flora; UACh Chile s Frontier Forests : Conserving a Global Treasure; Segura Ortiz, P. Impactos de incendios forestales en la colonización de Aysén: Patagonia en llamas (accessed Mar 3, 2017). 8. Leyton Vásquez, J. I. Tenencia Forestal en Chile; FAO. 9. Tecklin, D.; Sepulveda, C. The Diverse Properties of Private Land Conservation in Chile: Growth and Barriers to Private Protected Areas in a Market-friendly Context. Conserv. Soc. 2014, 12, Armesto, J.; Villagrán, C.; Donoso, C. La Historia del Bosque Templado Chileno. Ambient. y Desarro. 1994, 66, Forest Legality Initiative Chile; Cornejo J, B. Matte y Angelini se fueron al bosque (accessed Mar 3, 2017). 224

229 13. Medrano, C. Nuevo duopolio: Angelini y Matte dueños del mercado forestal (accessed Mar 2, 2017). 14. CONAF The Forest Carbon Partnership Facility ( FCPF) Readiness Plan Idea Note (R-PIN); CONAF Estadísticas Históricas (accessed Dec 2, 2016). 16. Comision Nacional de Energia Balance Nacional de Energia; CONAMA Plan de Acción Nacional de Cambio Climático; The Government of Chile Intended Nationlally Determined Contribution of Chile; FCPF Resolution CFM/15/2016/1 Selection of Emission Reductions Program Document of Chile into the Portfolio; Gwartney, J., R.; Lawson; Hall, J. Economic freedom of the world: 2011 annual report.; Calgary, Canada, CONAF Proteccion SNASPE (accessed Dec 10, 2016). 22. TECO Group Analisis de los elementos y procedimientos Técnicos y Jurídico requeridos, para la Elaboración y Futura Implementación de un Sistema de Transferencia de Derechos de Reducción de Carbono y Distribución de Beneficios asociado al Pago de Servicios Ambientale; Wyman, M.; Barborak, J. R.; Inamdar, N.; Stein, T. Best practices for tourism concessions in protected areas: A review of the field. Forests 2011, 2, UNFCCC Report on the technical assessment of the proposed forest reference emission level of Chile submitted in 2016; 2017; Vol CONAF FREL/FRL: Forest Reference Emission Level/Forest Reference Level of Native Forests in Chile (August 31st, 2016); 聞き取り調査リスト Jose Antonio Prado 氏 ( 農務省 REDD+ 交渉官 ) Osvaldo Quintanilla 氏 Javier Cano 氏 (CONAF/ 農務省 ) Valentina Letelier Rivera 氏 Maria Victoria Colmenares Macia 氏 Pamela Hidalgo 氏 (CONAF コンサルタント : セーフガード開発専門家チーム ) Pierre-Yves GUEDEZ 氏 (UN REDD プログラム ) Aldo Cerda 氏 (Santiago Climate Exchange:SCX) Maryann Ramirez Calisto 氏 (TNC Chile) 225

230 1-1-8 ケニア 森林の概況 1) ケニアの森林ケニアの国土面積 56.9 百万 ha のうち 森林は 2010 年時点で 4.23 百万 ha 約 7% を占めている 森林減少は 1990 年から 2000 年にかけて起こっていたが 2000 年以降 森林回復 植林が森林減少を上回り 森林面積は増加傾向にある ( 表 ) この値は FAO Global Forest Resources Assessment 2015 (FAO 2014) で発表された値であるが FAO Global Forest Resources Assessment 2010(FAO 2009) において発表された値とはどの年においても森林面積が異なっていることに留意する必要がある 表 ケニアの森林面積 (1000 ha) 天然林 公有植林地 私有植林地 合計 注 :2015 年の値は推定値 4413 この統計に使用されている定義 : 森林 : 面積 0.5ha 以上 樹高 5m 以上 樹冠率 10% またはこの閾値を 越えることができるもので主な土地利用が農地や居住地ではない 天然林 : 樹冠率 15% 以上 最小面積 0.5ha 最低樹高 2m または 5m に達する可能性があり 自然条件下で成長している主に郷土樹種で構成さ れる樹木の集合 外来樹種の植林地は除外 マングローブや竹を含む 法的に区分された公有と私有を含 む 植林地 : システマチックに植栽された人工林で主に外来種で構成される森林で 伐採された土地も含 むが紅茶 コーヒー等の非木材生産林は含まない ( 出典 FAO Global Forest Resources Assessment 2015 Country Report Kenya (2014)) UN-REDD のレポート (Maukonen et al ) によれば 主な森林と耕作地は高地と沿岸部に集中している ( 図 ) ケニアの森林は様々な財とサービスを提供しており 地域の人々の生計と経済に貢献している例えば Mau Forest complex が供給する水 浸食防止 炭素貯留の価値は 15 億 $US と推定されている ケニアの森林被覆率は小さいが 生物多様性にとっては重要で 郷土樹種の 50% 大型哺乳類の 40% 鳥類の 30% が森林に分布している また ケニアの経済は天然資源に強く依存している 農業 観光業 野生生物 エネルギーなどは 特に森林資源に依存している ケニアの森林資源は GDP の 3.6% に貢献しており 森林の生態系サービスの便益は森林減少による短期的な利益の 4 倍以上に値する 森林と湿地の破壊を防止と回復の持続的な利用のために投資することは 気候変動だけでなく雇用創出 福祉の充実 水と食料保障にも関連する上に コストエフェクティブな方法であると認識されている (Gichu & Chapman ) 農業 林業セクターは 1994 年のケニアの排出量の 3 分の 2 を占めていたが 2010 年には大きく拡大し 農業は全体の 33% でそのうち 90% が家畜によるもの 林業は全体の 32% で主に森林減少劣化 炭生産 農地開発によるものとなっている (Nachmany et al )

231 図 年のケニアの土地利用 ( 出典 Maukonen et al ) 2) 森林減少の要因ケニアの人口増加率の最も高い国の一つである 人口は耕作可能なレベルの降水量のある場所に分布しており それは森林が分布と重なっている 森林減少は 高い人口増加率とその他の要因の相乗効果で 農地の拡大という形で現れていると考えられている さらに 森林セクターの外に重要な根本原因があることや地域によって根本原因が異なることも示唆されている (Government of Kenya ) 表 森林減少劣化のドライバー ドライバーの種類 直接的な要因 間接的な要因 ガバナンス的なドライバー 政策的ドライバー 森林地と区分されていた土地がそれ以外の土地に再区分されること (de-gazetting) 乾季に forest reserve での放牧を許可しているタウンヤシステムの禁止による 制度的問題 汚職 法的措置の不足など弱いガバナンス森林管理へのコミュニティ参加不足不適切な森林資源の便益分配慣習的な共有地システムによる資源や土地の個人所有の欠如不明瞭な森林資源の所有 アクセスの権利 農民に輸出用作物を奨励する農業政策森林地に注意を向けることで乾燥 0Proposal%20(RPP).pdf 227

232 経済的なドライバー 技術的なドライバー 文化的ドライバー 再植林の減少タウンヤシステムの管理の悪さ 貧困薪炭材への依存 非持続的な炭生産 薪炭の需要が高いこと信託地の林のバイオ燃料作物等の大規模商業農地への転換人口圧による伐採 農地転換植林 苗生産における適切な技術の使用と知識の欠如森林減少の影響に関する知識の欠如植林に関する知識不足 情報へのアクセスが困難開拓の際に火が使われること 非の管理が不適切であること象やその他の野生生物によるダメージ干ばつ 地の林地などの他の森林タイプへの関心低下を引き起こした植林地の伐採禁止農作物の市場価格が高い肥料 農耕重機への補助金 免税措置等のインセンティブ木材の固定価格が低すぎること 製材業界への材供給の不安定さ ( 製材技術への投資が低く 低効率 ) 土地所有に対する文化的障壁 これを受けてより詳細な森林減少 劣化の原因の分析が行われ Analysis of drivers and underlying causes of forest cover change in the various forest types of Kenya というレポートが作成 公開されている (Ministry of Forestry and Wildlife ) このレポートによれば これまでは 農業の拡大と薪炭材のための森林伐採がケニアの森林減少の直接的要因であったが 現在では 特に乾燥 半乾燥林において森林地への人々の進出が主な直接的要因になりつつある また 森林減少劣化の直接的要因はどの地域においても共通であるが その根本的原因は地域で異なっていることが報告されている 気候変動対策及び REDD+ に関する所掌及び実施体制ケニアにおける気候変動対策に関する取り組みは 環境 天然資源省 (Ministry of Environment, Natural Resources 以下 MENR ) が 同省の環境総局 (State Department of Environment) の中に設置した国家気候変動事務局 (National Climate Change Secretary 以下 NCCS ) を通じて 中心的な役割を担っている また NCCS の下に 6 つのプログラムがあり このうちの 1 つが REDD 土地利用変化 (LULUCF) プログラムで この中に REDD+ 実施体制が構築された ( 図 ) 6 %20&forest%20Degradation%20in%20Kenya.pdf 228

233 環境 天然資源省 (MENR) 環境総局 (State Department of Environment) 国家気候変動事務局 (NCCS) 緩和 図 ケニア政府の気候変動対策実施体制 REDD+ 実施体制は 4 段階の構造になっており 政策意思決定機関である REDD+ 運営委員会 REDD+ 運営委員会へのアドバイス等を行うテクニカルワーキンググループ 実際の REDD+ 実施のための体制や方法論の構築等を行う国家 REDD+ 調整オフィス 国家 REDD+ 調整オフィスの下で働く REDD+ コンポーネント作業部会 ( 以下 タスクフォース ) とカウンティ 7 レベルのカウンティオフィサーが設置されている REDD+ の実施構造を下記の図 に カウンティオフィサーが設置されている 10 の保全域の区分図を図 に また各機関の役割を表 に整理した 表 各機関の役割 機関 国家 REDD+ 運営委員会 ( National REDD+ Steering Committee, NRSC) REDD+ 技術作業部会 ( REDD+ Technical Working Group, TWG) 国家 REDD+ 調整オフィス ( National REDD+ Coordination Office, NRCO) REDD+ コンポーネントタスクフォース (REDD+ component Task Forces) カウンティレベルコンタクトオフィサー (County Level Contact Officers) コミュニケーション 教育 アウェアネス プログラムオフィス 研究 早期警告 災害管理 モニタリング 評価 排出量取引 CDM 技術移転 REDD, LULUCF 役割ケニアにおける REDD+ 管理の最高機関 REDD+ にかかる政策ガイダンスや実施に関する諸課題の検討や調整 承認する 議長は森林を所轄する省 (2017 年 2 月現在は MENR) の次官 事務局は MENR の下の半独立機関である KFS と KEFRI が担う NRSC への助言 報告を行うとともに 実際の活動実施や方法論 / 体制構築業務にあたる国家 REDD+ 調整オフィスとの連携し REDD+ 実施を進める また MRV 活動の責任機関となる 専門家に加え市民社会組織の代表 community forest associations の代表 水資源利用者グループの代表 森林に居住する先住民の代表が含まれているケニアの REDD+ 活動実施の主体となる組織 国家 REDD+ コーディネーターが 1 人配置され その下で6つのテーマ別ワーキンググループが活動する これまでに SESA Consultation and participation MRV が設置された また REDD+ タスクフォースや地方政府との調整も行う 6 つのテーマ別のグループが設立された ケニアの行政単位は 47 カウンティであるが 生態域としては 10 の保全地域 ( 準国レベル ) に分けられている ( 図 -2 参照 ) 各保全域に 1 名のコンタクトオフィサーを配置し地方との連携をとっている 7 ケニアでは 2010 年の国民投票により新憲法が制定され 州を基本とする中央政府主導の国家体制から 47 のカウンティへの地方分権化が決定した 2013 年 3 月に行われた総選挙の後にカウンティ政府が設立され 中央から多くの権限が委譲されている 229

234 図 ケニアにおける REDD+ 実施構造 8 図 ケニアの 10 の保全域区分 9 8 R-PP 及び REDD+ Law project Report よりコンサルが作成 9 ケニア国 R-PP より引用 230

235 また MENR 内のケニア気象局 (Kenya Meteorological Department 以下 KDM ) は ケニアの気象 気候に関するサービスを提供している このため ケニアにおける気候変動に関するモニタリングは KDM が担当している さらに MENR の下に設置されている半独立政府機関である国家環境管理機構 (National Environment Management Authority 以下 NEMA ) は UNFCCC における DNA(Designated National Authority) としての役割を担っており 京都議定書の定める CDM プロジェクトを承認する権限を持つ 同様に NRSC の事務局であるケニア森林公社 (Kenya Forest Service 以下 KFS ) ケニア森林研究所 (Kenya Forestry Research Institute 以下 KEFRI ) も MENR の下の機関であり 10 ケニアでは MENR が 気候変動に関する政策立案 行政を統括し中心的な役割を担っている 気候変動対策としての REDD+ の活用に関する法令等 1) 気候変動対策に関する法令ケニアの気候変動対策に関する主な法令等は次の通りである (1) Vision 2030 ケニアは 2008 年 6 月に 長期経済開発戦略であるビジョン 2030(Vision 2030) を掲げた この Vision2030 の中では 2030 年までに国を新興工業中所得国とすることを目標に据え 経済 社会 政治 を目標達成のための 3 つの柱としている この 社会 の重点分野のひとつとして環境セクターが位置づけられている (2) ケニア国憲法 2010 年に公布された新しいケニア国憲法においては 第 5 章 土地と環境 にて 国土の森林被覆率を 10% 以上に拡大すること 住民参加による環境管理や保護 自然資源の活用などが明記された 11 (3) 国家気候変動対応戦略と国家気候変動行動計画 2010 年に国家気候変動対応戦略 (National Climate Change Response Strategy: NCCRS) が策定された NCCRS では各経済セクターにおける気候変動の影響の証拠が提示され 適応と緩和の戦略を通じて気候変動に対する対処することがケニアの開発において重要であることが示されている これに続き 2013 年には 国家気候変動行動計画 (National Climate Change Action Plan, NCCAP) が策定され ケニアの気候変動に対する脆弱性の軽減と気候変動がもたらす機会を活用する能力を高めるための行動を示している さらに これらを踏まえて国家気候変動枠組み政策 (National Climate Change Framework Policy) 及び気候変動法案 (The Climate Change Bill) のドラフトが作成中である 12 NCCAP には 低炭素で気候変動にレジリアントな開発パスウェイが示されており 気候変動適応 緩和策がケニアの開発目標達成に通じる国家的な優先事項であるとしている ケニアの持続可能な社会経済開発において気候変動適応 緩和に通じる重点項目は次の通りである 地熱発電 クリーンなエネルギーソリューションを提供 水資源管理の改善 10 MENR ウェブサイトより 11 ケニア Vision2030 ウェブサイト 12 ケニア国 REDD+ 実施支援プロジェクト詳細計画策定調査報告書 231

236 荒廃地における森林の再生 クライメートスマートな農業とアグロフォレストリー インフラ整備森林関連の行動は 適応 緩和 持続可能な開発のコベネフィットが期待できることから高いポテンシャルがあると認識されている 行動計画として森林に関連するものは下記の通りである 森林率を国土の 10% に増加する ( 雨水の流亡による損失を防止することで洪水 土砂崩れ エロージョン等防止や利用可能な水の増加なる ) この数値目標は ケニアの開発計画であるビジョン 2030 に示されているものである 荒廃地での森林の回復による緩和効果は 2030 年に年間 30 MtCO2e を見込み ケニアの低炭素化の最大のポテンシャルの高い分野である REDD+ 緩和ポテンシャルは 6.1 and 1.6 MtCO2e を見込む (4) ケニアの INDC (2015 年 7 月 ) 2015 年 7 月に作成されたケニアの INDC は NCCRS と NCCAP の開発時に実施された国 郡レベルでのコンサルテーションプロセスに基づいて策定されており 憲法と国家開発計画である Vision 2030 の達成に貢献するものとなっている ケニアの GHG 総排出は 2010 年に 73MtCO2eq と比較的少なく 国民一人当たりの排出量も 1.26MtCO2eq で 世界平均の 7.58MtCO2 を大幅に下回る 総排出量の 75% は LULUCF と農業セクターからの排出であり これは 国民の大部分が木質燃料に依存していること 農地と居住地の開発の需要が増加していることから説明できる その他の顕著な排出はエネルギーセクターと輸送セクターに由来し 廃棄物や工業プロセスからの排出はわずかである ケニアは 2030 年までに中所得の工業国となることを目指しているため エネルギーセクターからの排出増加が予想されるが 政府は地熱 風力 太陽光などのクリーンエネルギーの開発を目指している 気候変動の影響は国家開発目標の達成の妨げとなるため ケニアは国内外の財源を使って気候変動適応への投資を続ける 緩和貢献の数値目標として 2030 年までに NCCAP と second national communication に示されている BAU シナリオ (143 MtCO2) の 30% を削減すること 対象ガスは二酸化炭素 メタン 亜酸化窒素 対象セクターは IPCC ガイドラインのすべてのセクター ( エネルギー 運輸 工業プロセス AFOLU 廃棄物 ) であることが明記されているが 各セクターに対する数値目標の割り当ては示されていない REDD+ については特段の記載はない また 合意されたルールに基づく国際的な市場メカニズムの活用について反対しないことが明記されている 緩和貢献のための活動は次の通りである 地熱 風力 太陽光などのクリーンエネルギー開発 異なるセクター間のエネルギーと資源効率の改善 土地面積の 10% 以上の森林率の達成 木質燃料に対する過度な依存をなくすクリーンエネルギー技術 低炭素で効率的な輸送システム クライメートスマート農業 (National Climate smart agriculture framework に基づく ) 持続的な廃棄物管理システム 適応については 適応のための活動を Medium Term Plans において主流化し 実施することで 開発目標である Vision2030 の達成に向けて気候変動へのレジリアンスを高めること 2030 年までに緩和 適応活動を実施するためには USD 40 billion 以上が必要となることが明記されている 232

237 (5) 気候変動法 Climate Change Act 2016 年 5 月に気候変動法 Climate Change Act が成立した これは 気候変動にレジリアントな低炭素経済開発の推進のための枠組みを提供している 国内の気候変動調整メカニズムを監督する中心的組織として 大統領を議長 副大統領を副議長とする National Climate Change Council その事務局として Climate Change Directorate を設置することを定めた また National Climate Change Action Plan は Cabinet Secretary によって 5 年ごとにアップデートされ 2 年ごとにレビューされることも定めている 2) REDD+ に関する法令 REDD+ そのもののための法的フレームワークは存在しないが 2010 年に制定された新憲法の中でも 国内の森林被覆率を少なくとも 10% 以上に維持することを規定している (2015 年時点で 6.99% ) 先に述べたように INDC では 2030 年までに温室効果ガス (GHG) 排出量を BAU 比で 30% 削減するという目標を打ち出しており この目標達成の為の活動の 1 つとしても 国土の森林率 10% の達成を取り上げている 年に制定された国家気候変動対応戦略 (National Climate Change Response Strategy 以下 NCCRS ) では REDD+ メカニズムの活用による森林の持続的な管理 保全または植林のためのコミュニティ等へのインセンティブの付与について ケニアはこれを積極的に活用するとしている 現在策定中の国家気候変動枠組み政策ドラフトの中で 森林について 経済発展及び環境サービスのために不可欠であるとともに 生物多様性の保全 水源涵養 炭素固定等についても大きな役割を担っているとして その重要性を述べている 一方で 薪炭材採取 炭生産 農地の造成等を通じた森林減少と劣化は ケニアの温室効果ガス排出量の 30% を占める排出源となっているとして 森林セクターからの排出削減についても重要視している 森林面積率目標を達成するための政策的イニシアティブは Land Policy, Draft Environment Policy, National Climate Change Response Strategy and Action Plans, Forests Act, Agriculture Act, and Environmental Management and Co-ordination Act 等である REDD+ の国家戦略とその実施フレームワークは UN-REDD Programme と FCPF によって支援を受け開発中である (Gichu & Chapman ) 2004 年に作られた Forest Policy は REDD+ の実施に関係があり この政策と関連法との整合性が必要であると考えられる ここには新憲法に記された原則に沿うように修正された政策フレームワークが示されており 新しい forests act (Forest Conservation and Management Bill 2014 として議論中 ) によって実施される このフレームワークでは森林管理へのコミュニティの参加に加えて 経済発展と貧困削減に貢献する上での森林セクターの役割 そして森林セクターにおける政府と非政府両方のアクターの役割が強調されている (Gichu & Chapman ) 以下の表 に気候変動対策としての REDD+ の活用に関する法令及び計画について整理した

238 表 ケニアにおける REDD+ に関連する法令及び計画 法律 計画 策定年 REDD+ の位置づけ 見解 INDC 2015 年 7 月 2030 年までに BAU(1 億 4300 万 tco2) 比で温室効果ガス排出量を 30% 削減する 市場メカニズム利用の可能性を排除しない 憲法 2010 年 国土の少なくとも 10% への森林被覆の増加と維持 環境の管理 保護 保全への住民参加の促進 Vision 年 6 月 2030 年までに中所得国入りを目指す 経済 社会 政治の 3 本柱のうちの 社会の柱の中に環境管理セクターを位置づけ 2030 年までの森林被覆率 10% の達成とそのための植林活動 カーボンオフセットスキームの活用 災害に備えた 気候変動対応策の実施等を明記 第 2 次 5 ヵ年中期計画 (2013 年 年 ) 2013 年 Vision2030 に基づく第 2 次 5 ヵ年中期計画 ( ) 2012 年時点での森林被覆率を 4.4% と推定 年の取り組みとして Community forest association と協力した農地 乾燥地での森林保全管理 東アフリカのハブとなるようなカーボン取引スキームの確立 国家環境政策の最終化 気候変動政策の策定 森林法及び森林政策のレビュー 国家森林プログラムの最終化への取り組み 国家気候変動対応戦略 2010 年 4 月 森林については 気候変動に対する適応策 緩和策の重要手段として位置づけ 適応策として 植林 森林再生のための REDD+ メカニズムを通じたコミュニティへのインセンティブ付与 農地林の確立 対乾燥性及び対病性樹種の育成 緩和策として 410 万 ha に植樹する森林再生 保全プログラムの実施 気候変動ガバナンスとして 包括的な気候変動に関する法律制定と MENR の中に気候変動事務局及び国家気候変動調整委員会の設置を提案 国家環境政策 年 森林被覆率を上げるための戦略策定 コミュニティ参加による劣化した森林生態系の回復のための国家戦略策定 持続的な森林経営の国レベルの原則 基準の策定 森林生態系管理におけるコミュニティの関与と強化に取り組む 気候変動について 包括的な国家気候変動政策の策定と実施 国やカウンティレベルの能力強化 啓蒙普及にかかる戦略策定と実施 国レベルのカーボン取引プラットフォームの確立 気候変動緩和 適応におけるコミュニティの参加と能力強化の推進 国家森林政策ドラフト 2015 年 2010 年の新憲法の制定による森林被覆率 10% 以上達成を実現するため 国家森林政策 (2007) を改定して審議中 Community Land 及び Private Land での大規模な植林の推進 カウンティ政府の能力強化 住民への森林普及 情報コミュニケーション 意識啓発の促進 森林の 3 分類 (Public Forest Community Forest Private Forest) の定義と資金メカニズムとしてカーボン ファイナンシングの活用 森林政策の実施計画の策定 森林保全管理法 2016 年 森林法(2005 年 ) の改訂版 森林定義の明記(REDD+ にも適用される ) 森林分類ごとの森林管理者についての定義( 国 カウンティ コミュニティ 個人 ) とその 発展のための支援 公有林( 国 カウンティ ) に関する管理計画の策定と実施 2 年毎のレポート作成 KFS の機能の記載 国家気候変動枠組み政策ドラフト 2014 年 特に森林について 低炭素社会の開発項目において 経済発展及び環境サービスのために重要であるとともに 生物多様性の保全 水資源の供給 炭素の吸収 野生動物の居住地として重要な役割を担 234

239 気候変動法案ドラフト ケニア北部及びその他の乾燥地における持続可能な開発にかかる国家政策ドラフト国家森林プログラム Community land Bill Climate Finance policy う一方で 森林は森林減少と森林劣化を通してケニアの温室効果ガス排出の 30% を占める大きな排出源になっていると記載 MRV メカニズム確立の重要性 2014 年 国家気候変動協議会の設置とその機能の定義 協議会による中央 カウンティレベルの気候変動行動計画 戦略 政策の調整と策定 気候変動基金の設置 2016 年 1 月 Vision30 の達成にむけた乾燥地 半乾燥地における開発戦略 これまで土地としての価値を低く見積もられてきた乾燥地及び半乾燥地の牧畜地域を通じた食の安全保障 環境管理 経済成長の実現 2016 年 8 月 Vision2030 を念頭に置いた今後 15 年間の分析と戦略 森林分野だけでなく 他のセクターも巻き込んだプログラム 森林被覆の拡大 森林セクターの経済貢献の促進 気候変動に対する回復力の向上 生計向上のための持続可能な森林経営とセクター間の調整 ( 審議中 ) データ無し ( 審議中 ) データ無し 準国以下の REDD+ プロジェクトの実施に関する法令等森林管理について ケニアが 2010 年に FCPF に提出した REDD+ Readiness Preparation Proposal( 以下 R-PP ) によると 2005 年に改定された森林法では コミュニティが Community Forest Associations( 以下 CFAs ) を登録し KFS によって承認された管理計画に従って森林管理を行うことが認められている この際 CFAs が森林管理に参加する際は 伝統的な森林利用者の権利と整合を図りながら実行すべきということが規定されている また 森林管理活動によって得られる利益の配分について KFS とコミュニティの間で協議が行われている 事例数は少ないが KFS が特定の森林の経営や保全活動に投資を行ったコミュニティに炭素の権利を譲渡した事例もある 一部のコミュニティは木材販売や生態系サービスから得られる利益の分配を期待しているが これらについての合意は行われておらず 今後の紛争の原因となる可能性がある とされている なお 2014 年に実施されたスウェーデンの支援による REDD+ Law Project の Background Report3 Engaging the private sector in REDD+ implementation in Kenya 16 によると 現在 REDD+ 活動について ケニアにおいて実施されているプロジェクトが 将来の国家 REDD + プログラムの中でどのように扱われるかについて明確な規定はない ナショナルもしくはサブナショナル以外での取り組みから ネステッド が可能かという議論や プロジェクトによって発生した REDD+ クレジットを民間に販売できるのか オフショアで販売するのかについて検討中である 一方 2010 年の憲法第 71 条では ケニアの天然資源を開発するための 国家政府を含むあらゆる人物から別の個人への権利もしくは許可の付与 が含まれる場合 議会の取引承認が必要と規定されている さらに このような批准の対象となる取引の種類に関する法律を制定することを議会に規定している カーボンクレジットは憲法第 71 条で示されている種類の取引になる可能性があり ケニア政府はこの点を早期に明確にすべきとされている

240 なお フィンランドが支援している Miti Mingi Maisha Bora(MMMB) プロジェクト (2016 年終了 ) では 森林情報システムを開発している その中で ケニア国内の温室効果ガス削減量を把握するため REDD+ 活動の登録機能も含んだシステムを導入予定である 登録情報はプロジェクトエリアやその土地の所有形態 利益分配及びステークホルダー 実施者に関する情報等がインプットされ 第三者に対する透明性や情報へのアクセスの確保を狙っている そのほか REDD+ プロジェクトを実施する上での直接的な法令ではないが プロジェクトの実施にあたっては 現在あるケニアの商業取引に関する法律が関連してくる 以下の表 に ケニアにてプロジェクトを実施する際に関連しうる可能性のある法律を整理した 表 ケニアにて REDD+ プロジェクトを実施する際に関連しうる法律税制度 Income Tax Act 雇用 Employment Act 2007 Occupational Safety and Health Act2007 Work Injury Benefits Act2007 Labour Relations Act2007 Labour Institutions Act 2007 保険 Insurance Act(Chapter 487) 契約 Law of Contracts Act (Chapter28) 土地と炭憲法 (2010) 素の権利 The Land Act (2012) The Land Registration Act (2012) The National Land Commission Act (2012) Trust lands Act(1970/Revised 2009) Land Control Act (1967/Revised 2010) Land (Group Representatives)Act (1970/Revised 2012) Land Adjudication act (1977/Revised2010) Land Consolidation Act (1977/Revised2012) Environmental Management and Coordination Act (1999/Revised2012) Forest Act (2005/Reviced2012) REDD+ における市場メカニズムの活用に関する法令等ケニアとしての市場メカニズムの活用について NCCRS では カーボンマーケットに積極的に参加していくことについて記載しており CDM と REDD+ に分けてケニアが整備すべき体制等を記述している また国家森林政策ドラフト (2015 年 3 月版 ) では 森林への取り組みを支援する他の国際援助機関やパートナー等からの資金の調達や カーボン資金や環境サービスへの支払い等を通じた調達活用能力を強化していくことを記している 国家森林プログラム では ケニアは排出量の定量化と排出削減メカニズムへの投資を続けることを示しており このなかに国際的なマーケットや資金へのアクセスのための戦略も含まれるとしている このように ケニアでは市場マーケット等も活用した REDD+ や森林分野での取り組みについて積極的に推進して行こうという動きがある 一方スウェーデンの REDD+ Law Project の分析によるとケニアは REDD+ 活動の取り組みから生み出された排出削減の売却 / 移譲を管理し どのように運営するかについての明確な政策の選択が必要であるとし これらの政策の選択は 現在の法的枠組みの中で憲法 2010 の範囲内で法律に反映されていくことが 更なる発展の基礎となるとされている 236

241 1) Kenya s National Policy on Carbon Investments and Emissions Trading (2011) 財務省はカーボンの流入と管理 クリーンな技術 国内のカーボントレーディングを支援することによってケニアを競争力のあるカーボンファイナンスのターゲットとするための国家的な政策フレームワークを提供するために策定された この政策の最終目的は様々なレベルですべての人々にベネフィットをもたらす強靭なカーボンマーケットを開発し 海外の経済援助に過剰に依存している国の状況を改善し 国内再投資のために資金動員されることである カーボンマーケットを活用し開発と持続可能な森林資源の管理と保全を推進することが述べられているが REDD+ に関しては特筆されていない (MoEWNR & UN-REDD ) REDD+ の MRV システムケニアの REDD+ 実施における森林定義は以下の表 のとおりである 表 ケニア森林定義 TWG で決定した REDD+ の森林定義森林面積 0.5ha 樹高 2m 被覆率 15% 1) 国家森林モニタリングシステム (NFMS) ケニアは参照レベルと国家森林モニタリングシステム開発のためのロードマップを 2014 年に MMMB プロジェクトの支援によって策定した このロードマップによると ケニアの NFMS の開発はまだ始まっていないが 森林セクターにあるいくつかの既存のデータベースを活用することを示唆している なお 2016 年より開始された日本の支援によるケニア国持続的森林管理のための能力開発プロジェクト (REDD+ 準備段階コンポーネント ) では ケニアの NFMS の構築を 1 つのアウトプットとしている 現在 日本のプロジェクトチームは現存のケニアの森林セクターのデータベースの精査を行い NFMS のデータベースの開発を検討している この日本のプロジェクトでは データベースの構築のほか ケニア側の今後 いつの時期に支払いを受ける予定で そのために BUR の提出時期がいつになるか このために どの時点までにどの作業が必要であるかという NFMS のカレンダーの作成や 活動データ (AD) 及び排出係数 (EF) 等の収集したデータをインプットするデータベースの構築について 2021 年 6 月までの期間で支援する予定である 2) 活動データ (AD) REDD+ の AD については 現在 The System for Land-based Emissions Estimation in Kenya ( 以下 SLEEK 18 ) が作成している土地被覆 / 利用図を活用する SLEEK は 2014 年を基準として 2012 年 2010 年 2008 年 2006 年 2004 年の土地被覆 / 利用図を Landsat 画像をベースに 教師付き分類による自動判読で作成している また ゾーニングを組み合わせることによって森林を 7 つの森林タイプに分類している さらに森林については 樹冠疎密度に応じて それぞれを Open(15-40% ) Moderate(40-65%) Dense(65% 以上 ) と 3 段階に分けている REDD+ の AD としては SLEEK が 7 つに分 17 %20REDD%20in%20Kenya.pdf 18 MENR の傘下で 14 の関連省庁が参画して地図作成を実施する国家プログラム 237

242 類している森林を 4 つに統合して 4 つの森林タイプに層化した後 さらに樹冠疎密度別に 3 段階に層化している 以下の表 にケニアの REDD+ における森林タイプ分類を示す 表 ケニアの森林タイプ分類 Dense Forest Montane Forest/ Plantation Moderate Forest Open Forest Western Rain Forest/ Bamboo Dense Forest Costal Forest and Moderate Forest Mangroves Open Forest Dryland Forest Dense Forest Moderate Forest Open Forest Dense Forest Moderate Forest Open Forest 3) 排出係数 (EF) 現在ケニアでは AD で層化している 4 つの森林について 3 つの樹冠疎密度のレベルに対し それぞれ EF を開発し Tier2 の設定を目指している 一方 ケニアには現状で Tier2 レベルの EF の開発に必要な国家森林資源調査のデータや計画が無い 2013 年 ~ 2016 年にかけてフィンランドが実施した森林資源評価能力強化プロジェクト ( 以下 ICFRA ) では 5 つの異なる森林タイプにおける森林バイオマス推定のため トライアルとして森林タイプ別の森林資源調査のデザインとアロメトリー式の検討を行った しかし この森林タイプはケニアの REDD+ における森林タイプと異なる分類方法であった 現在 日本が実施しているケニア国持続的森林管理のための能力開発プロジェクト (REDD+ コンポーネント ) において ICFRA のトライアルとして実施された森林資源調査の結果を分析し ケニアの REDD+ の森林定義 分類に従い再整理した この作業によって ICFRA のインベントリデータでは 一部の森林タイプのデータが不足していることが確認された 現在これらのデータの入手のための補足的な森林資源調査を補足調査として実施し この 補足調査で網羅された REDD+ の各森林タイプ別のデータを EF の推定に利用することを考えている ただし ICFRA のトライアルのデータも含めて この補足調査で得られるデータはその森林タイプの EF として算出するにはサンプル数が小さく Tier2 として求められる精度を満たさない このため 現状得られているデータで算出する現段階の EF を仮 EF 値としての設定することを検討している そして 今後 NFI の完全実施 19 によってこのデータをより精度の高いものにしていく予定である また EF の算出について ケニアは 図 に示したように 森林 非森林の EF ではなく 森林 草地 森林 農地といった 変化後の土地利用毎に EF を設定することを計画している この際 森林以外の EF 値については IPCC Guideline 2006 に基づいて Tier1 のデフォルト値を利用する なお 対象となる Carbon pool については地上部バイオマス ( 以下 AGB ) 地下部バイオマス ( 以下 BGB ) 及び土壌の 3 つを検討しているが 現時点でのケニアにおけるデータの整備状況から 今回 20 については AGB と BGB の 2 つで検討を進める可能性もある 19 NFI の方法論については ICFRA のプロジェクトの成果として 方法論が提案されているが これもまだケニア国の NFI の方法論として承認されたものではない 20 ケニアは 2018 年内に UNFCCC に FRL を提出することを目標としている 土壌に関するデータの整備状況によっては 最初は AGB と BGB のみで FRL を設計する可能性もある 238

243 図 排出係数設定の考え方 土地の所有 管理 利用に関する法令等 2010 年の新憲法により ケニアの土地は 国 コミュニティ もしくは個人のどれかに帰属すると明記された すなわち 土地は公有地 村落共有地 私有地の 3 つに分類される ここで 公有地は 中央政府もしくはカウンティ政府に帰属し国家土地利用委員会が管理するものである 村落共有地については 民族 文化 または利益を共有するコミュニティに権利が与えられ コミュニティによって保持される 私有地は 個人が所有する登記済みの土地であり 自由土地保有権か賃借権が設定されている もしくはその他の土地であって方が私有地と定めた土地である と規定されている 以下の表 に土地の所有権の帰属別の関連法律を整理した 表 土地の所有カテゴリー別関連法律 21 各所有カテゴリーに関連する法律 国有地 村落共有地 私有地 New Community Land Act (TBC). この新しい法律に基づ いて意可能法律が適用される ; Land Act 2012 年 Land Registration Act 2012 年 Land Control Act 1967 年 National Land Commission Act 2012 年 Trust Lands Act, Chapter 288/Revised 2009 年 Land (Group Representatives) Act, Chapter 287/Revised 年 Land Adjudication Act, Chapter 284/Revised 2010 年 Land Consolidation Act, Chapter 283/Revised 2012 年 Environmental Management and Coordination Act (1999 年 / 改定 2012 年第 8 条 ) Land Act (2012 年第 6 条 ) Land Registration Act (2012 年第 3 条 ) Land Control Act (1967 年 / 改定 2010 年 ) National Land Commission Act (2012 年第 5 条 ) Environmental Management and Coordination Act (1999 年 / 改定 2012 年第 8 条 ) Forests Act (2005 年 / 改定 2012 年第 7 条 ( 第 2 部は国及びカウンティ政府のすべての森林及び林地に適用される ))Wildlife (Conservation and Management) ( 2013 年 ) Land Act (2012 年第 6 条 ) Land Registration (2012 年第 3 条 ) Land Control Act (1967 年 / 改定 2010 年 ) National Land Commission Act (2012 年第 5 条 ) Environmental Management and Coordination (1999 年 / 改定 2012 年第 8 条 ) Forests Act (2005 年 / 改定 2012 年第 7 条 ( 第 2 部は私有地のすべての森林及び林地に適用される )) 森林 Forests Management and Conservation Act (2016 年改訂 ) Environmental Management and Coordination Act (1999 年第 8 条 / 改定 2012 年 ) Wildlife (Conservation and Management) Act 2013 年 21 REDD+ Law Project を元にコンサルが作成 239

244 それぞれの土地に成立している樹木の所有権 利用権については それがある場所 ( 国有地 村落共有地 私有地 ) その樹木が自生しているのか植栽されたものかによって分類される 以下表 に 土地所有カテゴリー別の樹木の所有者を整理した 表 土地カテゴリー別樹木の所有者 国有地 村落共有地 私有地 森林法によって森林地域と指定された土地 自生木国家土地委員会 KFS 村落の構成員 KFS が森林所有者と協議し 暫定的な森林管理を委託登録された保有者全面的に利益を保有 KFS 植栽木国家土地委員会 KFS 村落の構成員 KFS が森林所有者と協議し 暫定的な森林管理を委託登録された保有者全面的に利益を保有 KFS 一方で 私有地の個人が保有する樹木について 森林法第 34 条では 大統領は樹木 樹木の種に対して国全体もしくは特定の地域において保護することを宣言する権力を有している とされている この場合 個人は所有する土地の樹木であっても 自由に伐採したり損傷を与えたり 除去することは出来ない すなわち 個人の樹木の所有権は制限される場合がある 1) 土地に関する法制度等土地に関する法制度で重要と思われるものを簡単に解説する (MoEWNR & UN-REDD 2013 ) (1) The National Land Policy (2009) 再生可能 不可能な土地ベースの天然資源に対するコミュニティと民間の権利を認めている 土地ベースの天然資源から生じるベネフィットを定義するためのメカニズムを導入する コミュニティと個人の土地ベースの資源が行政によって管理されている場合はベネフィットシェアリングを義務とする 土地ベースの天然資源の管理と利用はすべてのステークホルダーを参加させること ( 特に脆弱でマイノリティのコミュニティの土地権利は 土地権利と状況の調査を行った後には守られ継続されるべきである ) (2) The Land Registration Act (2012) コミュニティランドの登録と持ち主に権原の証明の発行を要求し コミュニティの土地権利や彼らの土地に関する利害を支持する 登録されていないコミュニティランドはコミュニティの信託の下郡 (county) 政府によって管理される ( これは未登録のコミュニティランドの炭素権が誰のものかという問題を引き起こす ) (3) The National Land Commission Act (2012) National Land Commission (NLC) に歴史的な土地に関する不正の調査と適切な是正を勧告することを委ねる NLC は 2 年以内に法制度の開発を委ねられている これは土地を奪われてきたコミュニティへの権利授与を意味し REDD+ のベネフィットシェア 240

245 リングへのアクセスを促進することにつながる (4) The Land Act (2012) NLC が森林 水 その他資源への慣習的な権利を持つコミュニティのアクセス 利用 共同管理を促進する方策と 関係するコミュニティにベネフィットシェアリングを確実にする規則を提供することを定めている 2) 森林に関する法制度等森林に関する主な法制度を説明する (MoEWNR & UN-REDD ) (1) The Forests Act (2005) Kenya Forest Service (KFS) を設立を規定し すべてのケニアの森林 ( 国有林 地方政府が有する森林 民有林 暫定的な森林 ) を規制する 森林の近隣のコミュニティを天然資源の重要なステークホルダーかつ使用者と認識し 管理の成功に不可欠としている 森林資源の保全と管理にはステークホルダーの参加が不可欠であることを強く支持し 森林の近隣に居住するコミュニティに CFA(Community Forest Associations) による KFS との共同管理合意 (collaborative management agreement) を提供する CFA ではコミュニティに森林使用者としての権利薬用植物採取 蜂蜜採取 木材 薪 草の採取 放牧 コミュニティによる産業 エコツーリズム リクリエーション活動等ための森林生産物採取 植林地造成等を認めている この法律の執行のための規定が策定されており コミュニティの森林管理への参加に関するものは the Forests (Participation in Sustainable Forest Management) rules (2009) the Forests (Charcoal) rules (2009) the Forests (Harvesting) rules 2009 である The Forests (Participation in Sustainable Forest Management) Rules (2009) は 地域コミュニティの参加に関連しており 森林管理計画が準備され承認されることで CFA と KFS の間で森林管理合意ができることを規定している (2) The draft National Forestry Bill (to be enacted in 2013) REDD+ の炭素権利やベネフィットシェアリングに関連している 補助的なガイドラインの作成において考慮すべきベネフィットのタイプ 効率性と公平性間のトレードオフ KFS NLC 等の役割やベネフィットシェアリングの調整を行う際に市民へのコンサルテーションを実施すること ガイドライン策定の際のケースバイケースに基づいた柔軟性 森林資源に関するコスト ベネフィットシェアリングを調査するための詳細なツールやルールの必要性などが示されている National Alliance of Community Forest Association (NACOFA) もこの案の修正に強く関与している (3) The High level national dialogue on water towers, forests and green economy 森林と水資源の保全に関する提案を政策決定者にインプットすることを目的に民間と政府の関係者が対話を行うもので 2012 年に開始された ケニアの PES のための機会と規則について対話が行われた 3) 炭素権に関する法制度他の多くの国と同様 ケニアでは炭素権に関する法的な定義は存在しない 森林に貯蓄される炭素の所有権については まだ明確な議論がされておらず 明確に法律に定めていくことが必要とされている 一方現状の憲法の定義のみから判断すると 炭素を土地 22 %20REDD%20in%20Kenya.pdf 241

246 と森林の一部として定義づけすることが可能で 炭素の所有権と使用権は現在の森林所有体制に従うことになるであろうとされている さらに ケニアでは炭素は森林よりも土壌の中に吸収されているとしており 土壌炭素の所有権について 現在はケニアの法律からは 2 つの可能性が挙げられる a) 土壌は土地の一部である ( 従い土壌の所有権は土地の所有権と同じ ) b) 土壌中の炭素は土壌中に存在する鉱物の構成要因であり 土壌の一部では無い 炭素が土壌の一部と見なされる場合 土地の所有権は 土壌中の炭素にまで至る 憲法 2010 と一般的な慣習法の両者はこの原則を支持している すなわち その土地で貯蓄されている炭素は土地の所有者に帰属するものであることを意味する しかし 炭素を土壌の鉱物の一部とみなす場合 だれが土壌に含まれる構成要素を所有するかについて その要素に対する権利の特定と規制が示される必要がある ある土地に帰属する森林炭素 土壌炭素について その所有権を明確にし 現在ある法的枠組みの中に位置づけしていく必要がある 実際には ケニアではこれまで 8 つの森林カーボンプロジェクト (REDD+, 植林含め ) が実施 検討されている ( 表 ) 既存の森林カーボンプロジェクト開発者は森林と土地に関する法律を解釈することで 炭素権を定義している 現状実施されている唯一の REDD+ プロジェクトは民有地で実施されており 土地所有者を炭素権所有者とみなしていると PDD に記載されている Land Registration Act の施行前に開始されていることから このような解釈がなされているが これは 土地由来の天然資源から生じるローカルステークホルダーのすべてのタイプの権利はベネフィットシェアリングを通じて分配する としている Land Registration Act と Forests Bill とは異なる解釈である 今後実施される新しいプロジェクトでは新しい法制度に従う必要があるため 炭素権の保有者を特定する補助的な文書が必要になるだろう (MoEWNR & UN-REDD 2013) Mt. Kenya / Aber-daresAR project TIST AR Projects 表 ケニアで実施された森林カーボンプロジェクト ( 出典 MoEWNR & UN- REDD 2013) プロジェクト 使用したスタンダード 場所 事業者 プロジェクトの状況 (2013 時点 ) Kasigau VCS / CCBS Rukinga Wildlife Works 実施中 Corridor REDD+ Sanctuary and Project 14 other land units MbirikaniREDD+ (VCS) Mbirikani Group African Wildlife 可能性調査完了 Project Ranch Foundation MikokoPamoja REDD+ project (Plan Vivo) South Coast,Kwale Kenya Marine & Fisheries Research プロジェクト設計中 KakamegaCommunity AR project Escarpment AR Project CDM Mt. Kenya and Aberdare forests VCS Meru, Laikipia, Nyeri, Buret, Trans Nzoia CCBS Kakamega forest? Kikuyu Escarpment Forest Reserve Institute Green Movement TIST Forest Again ESCONNET Belt 実施中 実施中 実施中 実施中 242

247 Western Keny SALM Project? Bungoma, Kisumu Siaya and Swedish Cooperative Centre agroforestry &Vi 実施中 このように 森林及び土壌に帰属する炭素の所有権については 明確にその所有権を示した法令はまだ整備されていない ケニアにおいて 国として REDD+ に参加していくにあたり 早期にこれを明確にしていくことが必要である このため 現状の憲法等の表現の解釈では炭素の所有権は森林や土地の所有者に帰属すると判断も可能であるが 今後新しい法令等によってその所有権や取り扱いに関する規制が設けられる可能性も十分にあることに留意する必要がある REDD+ のセーフガードに関する法令等スウェーデンが実施した REDD+ Law Project (2014) の分析によると 現在審議中の森林保全管理法案には セーフガード問題に直接対処する条項が含まれる また 同じく審議中のコミュニティランド法は セーフガードにも直接関係する重要な政策手段となる予定であるとされている このため セーフガードを考慮する際には上記の 2 つの法令をモニタリングする必要がある また その他ケニアにおいて 現段階でセーフガードに関連する可能性がある法令や制度を下記の表 に整理した 表 セーフガードに関連する法令 生物多様性条約 1994 年 批准 ラムサール条約 1990 年 発効 ワシントン条約 1978 年 批准 憲法 2010 年 個人及びコミュニティの尊厳を守り 人権や自由を認識し保護する (19 条 ) 男女の平等 特に女性参加の推進 (27 条 ) 土地の所有権の区分 (61 条 ) 国家土地委員会の設置と土地に関する紛争の伝統的な解決メカ ニズム適用の推奨 (67 条 ) 森林法 2005 年 ( 改定 2014 年 ) コミュニティと KFS の連携による森林管理 保全や生物多様性の利用の推進 (4 条 ) 生物多様性保全を目的とする森林管理を拠出対象に含めた森林管理保全基金の設置と規定 (17 条 ) コミュニティによる KFS の管理計画に従った森林管理の承認 (45 条 ) コミュニティによる森林管理参加の際の伝統的な森林利用者の権利と整合 (46 条 ) Vision 年 生物多様性の価値を開発する能力の構築への優先的な投資 環境管理調整法 1999 年 ( 改定 2012 年 ) ケニアにおける環境管理に関する法律 生物多様性保全 資源保全 海洋沿岸地域保全 オゾン層の保全等も含む 野生生物 ( 保全と管理 ) 法 2013 年野生生物の保全の定義と 野生動物保全と管理を他の土地利用と同等の土地利用として承認 ( セクション 4 と 70) アクセス インセンティブ 便益共有のためのガイドライン規定の策定 ( セクション 73-76) なお ケニアで現在実施されている REDD+ プロジェクトでは VCS や CCB の認証を取得しているものが複数ある 実施中の REDD+ プログラム等ケニア国内で実施中の REDD+ に関連するプロジェクト プログラムについて 以下の表 のとおり整理した 243

248 表 ケニア国内の REDD+ に関連するプログラム プロジェクト プロジェクト名 目的 資金源 資金規模 実施機関 期間 活動内容 場所 REDD Readiness Preparation Proposal R-PP 作成 FCPF- Readiness Fund( 世銀 ) 200,000US $ KFS( 支援 : 世銀 ) R-PIN の作成 R-PP の作成 Natural Resources Management Project Natural Resources Management Project(Danida) UN-REDD Program 水資源と森林資源の管理政策能力の強化 ケニアが UN- REDD に退出し承認された技術支援プロポーザルの実施 World Bank 68,500,000 US$ 175,800 US$ 250,000US $ 541,585US $ 2008 年 R-PIN 提出 2010 年 6 月 R-PP 提出 Cherabgani(Embobut Forest) と Elgon 山における土地所有と再定住が WB の SESA に抵触 このため R- PP 実施のための資金 (3,400,000US$) は未拠出 ナショナルレベル 2007 年 6 月 ~2013 年 MENR KFS の Forest Information Centre を建設 ナショナル レベル FAO UNDP UNEP ~2015 年 6 月 ( 一部は 2016 年 6 月まで延長 ) 2013 年 9 月 -12 月 土地及び炭素の所有権問題を含めた REDD+ に関連する法的問題を明確にするための森林関連法規のギャップ分析 カーボンファイナンス&REDD + に関する汚職防止能力の強化 ステークホルダーによる協議 REDD + の炭素権と利益分配に関する政策枠組み 森林に対する緑の経済投資に関するハイレベルパネル 森林生態系調査の経済的評価 UNDP 2014 年 4 月 ~ 2013 年プログラムのフォローアップ 政策文書の策定に基づくステークホルダーとの政策対話 REDD の透明性確保と腐敗リスクの緩和能力の強化関連機関の同意ガイドラインと FPIC の森林炭素プロジェクトへの開発と適用 FAO UNEP 2014 年 7 月 ~ MRV に関するギャップ分析やニーズアセスメント Kenya NFMS Road Map ドラフト作成 既存の土地被覆図の正確性アセスメント REDD+ に係る制度準備のための支援 森林経営効率性向上に関する研究 ナショナルレベル ナショナルレベル ナショナルレベル SLEEK 23 プログ森林 農業おオーストラクリントン気候イニ ~2015 年 6 月 ( 一部第 1 フェーズ : 方法論のデータ収集 評価 開発ナショナル 23 The System for Land - sector Emissions Estimation for Kenya 244

249 ラム Miti Mingi Maisha Bora(MMMB) プロジェクト Improved Capacity in Forest Resource Assessment (ICFRA) プロジェクト REDD+ Law Project よび畜産セクターをカバーした土地部門の排出量のモニタリングシステムの設立を支援 ケニアの Vision2030 に基づいた森林セクターの強化による貧困削減ケニアの森林資源管理能力向上 リア政府 12,000,000 US$ フィンランド政府 22,700,000 Euro (18.6million GoF,4.1milli ongok) フィンランド政府 9,420,000U S$ スウェーデン シアティブ KFS,KEFRI, MENRRDA は 2016 年 6 月まで延長 ) 2009 年 12 月 ~2015 年 12 月 降雨 気温 気化 霜および日射のための空間的にマップされた毎月の気候データ収集 適切な森林のパラメータに基づいた 森林バイオマスストックおよび成長増加を推定する適切な方法論構築 土地被覆の変化を検出するための最適な方法と土地利用毎の炭素排出量を評価する適切な方法の構築第 2 フェーズ :Web のユーザーインターフェイスのモデリングと開発 1. 温室効果ガスインベントリープロセスへの排出量の推定値 2. 国際交渉のための科学技術的基盤 3. オンラインデータ共有 データアクセス 4. セーフガードの有効性の改善による地域密着と保護の改善 5. 森林被覆の変化のリモートセンシング データベース 炭素ストックの変化と温室効果ガス排出のモデルなど 従来の形態の資源インベントリ ( 例えば国有林インベントリ ) との統合 1) 森林セクター政策の策定と調整プロセス 2) KFS 組織改変支援 3) 森林保護区の管理 活用支援 4) ASALs のコミュニティ生計支援向上支援 KFS 2013 年 ~2016 年 KFS の森林計画 情報システムに Forest Inventory System を導入 Kericho と Aberdares での Airborne Lider Scanning の利用 5つの異なる森林タイプにおける森林バイオマス推定のための地上サンプリングによるアロメトリー式作成 レベル ナショナルレベルと国内 15 のパイロットサイト ナショナルレベルとパイロットサイト The Kasigau Corridor REDD Project, Phases I (Rukinga Sanctuary) and II (the Community Ranches) ツァボ東部国立公園とツァボ西部国立公園をつなぐコリドーでの野生動物の移動を保護 ローカルコミュニティに Wildlife Works LLC とカーボンクレジットからの収入 地元スタッフ (300 名以上を雇用 ) ルキンガ牧場株式会社 先住民コミュニティ所有権グループ マルグングヒル保護協会 Kasigau 保全トラスト 2010 年 1 月 ~2039 年 12 月 プロジェクト対象地域 ( 約 170,000 ha) は モンバサの北西約 150 km に位置し 私有林地 コミュニティグループの所有地 住民が慣習的に管理している土地 ( コミュニティトラストランド ) が混在している プロジェクトの対象は 13 のコミュニティ 主にタイタ族と呼ばれる民族グループであり プロジェクト周辺 5 km 以内には 約 100,000 人が居住している Wildlife works は 1998 年頃から対象地において生物多様性保全 環境保護を目的としたプロジェクトを実施し 林減少を防ぐことによって毎年約 1.6 百万 t-co2 期間 Coast Province, Kasigau Corridor 245

250 Chyulu Hills REDD+ project The International Small Group & Tree Planting プログラム (TIST) Aberdare Range/Mt. Kenya 小規模植林イニシアティブ Kakamega Forest 森林再生 Mikoko Pamoja, Mangrove 植林 対する代替的な持続的開発の機会の提供乾燥地森林の農業地転換からの保全チュール丘陵地帯の森林とその周辺のサバンナ林の保全 小規模農家の持続可能な森林経営 森林管理計画の策定の植林 森林再生 マングローブ林の保全と再生 Chyulu Hills Conservati KFS KWS,AWF, Big Life International, The on Trust David Sheldrick Wildlife Trust, Maasai Wilderness Conservation Trust CI Wildlife Works USAID Clean Air Action Corporation (CAAC) Small Groups; Institute for Environmental Innovation (I4EI) USAID カナダ イ Green Belt タリア Movement (GBM) Community Forest Associations (CFAs); MENRRDA KFS カ ナダ政府 バイオカ ーボンファンド (WB) Hyundai 気 KFS Environmental 候ファン Education Program ド カーボ (KEEP) ンクレジッ トからの収 入 カーボンク Gazi Area レジットか Community Forestry らの収入 Association; Aviva, Earthwatch Earthwatch International, Kenya Institute, Marine and Fisheries Edinburgh Research Institute Napier 大学 (KMFRI) Bangor and Edinburgh 2004 年 1 月 ~2033 年 12 月 合計で 49 百万 t-co2 の排出削減を目指している 2008 年に CCB 2011 年に VCS の認証を取得し 同年世界で始めての REDD+ 由来のクレジットが発行された プロジェクト対象地域 ( 約 420,000ha)Mbirikani コミュニティとともに Amboseli 国立公園 ( ケニア ) からキリマンジャロ国立公園 ( タンザニア ) にまたがる地域の森林と生物多様性保全のための取り組みを進めている VCS 及び CCB の認証を受けている 植林と持続可能な発展のプロジェクトで 農家は土地に樹木を植え 木の所有権を保持 生産し TIST からの訓練と CAAC からの炭素収入の一部を受け取る VCS 及び CCB の認証を受けている 2012 年 ~20 年間プロジェクトは 森林管理計画の策定と 植林を実施する Constituency Community Association または Community Forest Association のメンバーに支払いを行い カーボンからの収益を生み出す 排出削減量は GBM が検証 AR-CDM,CCB の認証を受けている 2010 年 ~40 年間炭素クレジットを利用した植林の促進 森林を通じた生計向上 ( 蝶 蜂蜜 医薬品など ) HIV / エイズの保健プログラム 保全などの非木材資源の開発を含むプログラムの実施によって 雇用を提供 KEEP 活動の拡大に資金を提供して KFS 森林局の観光 ( エコツーリズム ) の強化や 管理のための能力向上 2004 年 ~2032 年クレジット販売も活用した森林資源からの生計向上によるマングローブ林の保全と再生 Planvivo のスキーム ケニア南部 Laikipia, Nyeri, Meru and Kirinyaga districts North Imenti, Lari, Kinangop, Kieni, Central Imenti Constituenc y Western Province Gazi Bay, Kwale District 246

251 WISE Project REDD+ National Landscape Restoration Mapping 環境プログラム無償 森林保全計画 ケニア国持続的森林管理のための能力向上プロジェクト (REDD+ コンポーネント ) REDD+ におけるステークホルダーのエンゲージメントの強化と拡大 ランドスケープ回復 ケニア国政府の REDD+ 実施能力の強化 大学 KMFRI. WISERED D+( アメリカ合衆国 ) KFS 日本 1 億円 IUCN ESARO ( Eastern and Southern Africa Regional Office), EAWLS (East African Wild Life Society) 2014 年 ~ ステークホルダープラットフォーム設立のための先住民や関連グループ 政府を含む SESA と REDD + に関する協議 ガバナンス ジェンダーおよび利益分配を含む特定の REDD + 問題に関する重要なステークホルダーグループの能力向上 ステークホルダー協議プロセスから得られた教訓の文書化 ポリシー ブリーフの策定を通じた SESA プロセスやその他の REDD + 活動を充実 ランドスケープ復元におけるステークホルダー協調のためのプラットフォームを提供 ランドスケープ復元のための国家戦略策定 WRI, Clinton Climate Initiative and the Green Belt Movement KFS 2010~2013 年 KFS 森林計画 森林情報システム ( 課 ) に森林情報シス テムを導入 土地利用図 ( , 年 ) を作成 日本 KFS 2016 年 ~2021 年 NFMS の構築森林変化モニタリングの実施 FREL の構築 2020 年の土地被覆 / 利用図の作成 ナショナルレベル ナショナルレベル ナショナルレベル 247

252 参照レベルの策定状況ケニア国の森林参照レベル ( 以下 FRL ) は 日本が実施しているケニア国持続的森林管理のための能力開発プロジェクト (REDD+ コンポーネント ) の協力で開発される予定である 現在ケニアは FRL の開発に関する議論を行っており 2018 年に UNFCCC へ FRL を提出することを目標としている Roadmap for the establishment of reference levels and national forest monitoring system によるとケニアは国レベルの FRL を策定するが 国レベルの FRL は準国レベルの FRL を統合したものになる可能性もあるとされている しかし ケニアの TWG の議論の中では国レベルの FRL を整備し 準国レベルの FRL は利益分配を考える際に活用するという意見もあり 現段階では FRL に関する見解は統一されていない 以下の表 に現段階で ケニアにて議論されている FRL の設定について整理した しかし 今後の議論の展開によって 下記の内容は変更になる可能性がある また 現在実施されている REDD+ プロジェクトで採用されている REL の情報を表 にまとめた 表 ケニアの FRL 設定に関する議論森林定義樹冠率 :15% 樹高 :2m 面積 :0.5ha ( 茶や果樹を除く ) 参照期間 ( 利用可能な地図は ) スケール国 ( ナショナルレベル ) アプローチ平均法 (+ 政策文書等に基づいた調整 ) 対象とする REDD+ 活動 森林減少からの排出削減 森林劣化からの排出削減 持続可能な森林経営 森林炭素の拡大計測対象とする炭素プー AGB BGB Soil Carbon 24 ル 対象ガス国情 CO2 CH4 植民地支配の影響 野生動物による森林破壊 難民の受け入れ 外来種の影響 国情は変化するため 4-12 年毎に見直し ( 例 : 森林区域での石油の発見等 ) 24 土壌炭素は 含める方向で検討されているが データが不十分であるため 少なくとも 2018 年提出の FRL の中には含まれない可能性がある 土壌カーボンの取り扱いについては 2017 年 3 月末の TWG にて検討される予定 248

253 表 ケニアで実施されている REDD+ プロジェクトの参照レベルの情報 プロジェクト 参照 採用されたアプローチ 対象炭素プール 期間 Kasigau Corridor REDD Project Phase I Rukinga Sanctuary Kasigau Corridor REDD Project Phase II The Community Ranches Mikoko Pamoja 時間的回帰モデル過去の衛星画像 (Landsat 7-ETM, Quickbird-2) を使用し 累積森林減少モデルを構築 2000 サンプルプロットで調査 森林減少の共変量として人口統計データが考慮されているとしているがモデル自体には示されておらず 森林減少は過去の情報を使って直線回帰している y = x y: 森林減少面瀬の割合 x: プロジェクト開始からの日数 時間的回帰モデル Kasigau Corridor REDD Project Phase I と同じ 歴史的な平均モデルケニア全体のマングローブ林の過去の減少率 (0.28%/ 年 ) を使用 地上部バイオマス地下部バイオマス非木質バイオマス枯死木土壌木材製品 地上部バイオマス地下部バイオマス非木質バイオマス土壌 地上部バイオマス地下部バイオマス非木質バイオマス土壌 249

254 1-2.REDD+ プロジェクトに関心のある民間企業等の情報 はじめに我が国の二国間クレジット制度 (Joint Crediting Mechanism:JCM) は, 途上国への優れた低炭素技術 製品 システム サービス インフラ等の普及や対策実施を通じ, 実現した温室効果ガス排出削減 吸収への我が国の貢献を定量的に評価し, 我が国の削減目標の達成に活用するための制度である 日本は 2011 年から開発途上国と JCM に関する協議を行っており, すでにモンゴル, バングラデシュ, エチオピア, ケニア, モルディブ, ベトナム, ラオス, インドネシア, コスタリカ, パラオ, カンボジア, メキシコ, サウジアラビア, チリ, ミャンマー, タイ, フィリピンの 17 カ国と JCM を構築した (2017 年 2 月現在 ) 2017 年 2 月 13 日現在, 資金支援事業 実証事業は 105 件 ( 年 ), 実際に登録に至ったプロジェクトも,16 件に及んでいる 一方 REDD+(Reduction of Emission from Deforestation and forest Degradation: 途上国における森林減少と森林劣化からの排出削減並びに森林保全, 持続可能な森林管理, 森林炭素蓄積の増強 ) による JCM REDD+ は,2010 年から 2016 年度まで環境省と経済産業省によって 8 ヶ国 20 ヵ所において実証可能性調査事業, 補助事業などを行ってきた ( 付表 1) が, 現時点で事業化には至っていない その原因の一つは JCM REDD+ のガイドラインが完成しておらず, 相手国との同意に至っていなかったためであるが, 日本の JCM REDD+ の枠組みが民間セクターの関心と必ずしも一致していないことも原因として考えられる 日本企業は東南アジアをはじめとする発展途上国において様々な経済活動を行っているが, その一部は途上国における森林資源を利用しているし, あるいは CSR の一環として森林保全活動を行っている これらの企業独自の活動と JCM REDD+ 事業が適切に組み合わされることができれば, 民間資金を活用した温室効果ガス排出削減の効果的で効率的な達成という JCM の目的が達成しうると考えられる このため JCM REDD+ に関する将来の需要と, その普及のために必要な課題を明らかにすべく, 民間事業者が現在途上国で行っている森林関連事業についてのアンケート調査を行った なお本調査は, 森林総合研究所が実施した REDD+ への民間参画に関する動向調査事業 と連携して行った 方法アンケートは東洋経済新報社 CSR データベース 2016 年版 ( 以下 東洋経済 CSR データ ) の掲載企業 1,311 社に対して行った これは日本の上場企業 ( 東証 1 部,2 部,JQ, 地方 )3,627 社の内の 35% を占める アンケートの内容は付表 2に示すが, 主要な内容は以下の通りである 1) 経済活動 CSR 活動を含めた, 企業活動全体の中で取組んでいる社会貢献 各社が企業活動全体の中で現在取組んでいる社会貢献または将来取組関心がある社会貢献 250

255 に関し, 国連の持続可能な開発目標 (SDGs) の 17 の個別目標に分類して選択させた 特に JCM REDD+ に関して関連する個別目標 13( 気候変動対策 ),15( 森林保全対策 ) に関しては, それぞれ 緩和と適応, 国内と国外の森林に分けて質問した 2) 熱帯地域の途上国での経済活動 各社の熱帯の発展途上国における経済活動の状況を質問し, 特に森林に関する活動について は詳細に質問した 3) 熱帯地域の途上国の森林保全各企業の熱帯の発展途上国で実施している森林保全活動について質問した 保全活動は次の 8 項目に分類して質問した また保全活動を行っている際には個別の活動についてその詳細を質問した グリーン調達の実施 森林資源を利用する経済活動の中での森林保全への配慮 代替生計手段 熱効率の高いかまど 灌漑の導入などの自社による取組 自社による環境植林 CSR としての森林保全の取組 植林活動や森林保全の取組 (REDD+ 活動を含む ) を行う NGO や事業者への支援 REDD+ 由来の炭素クレジットの購入 その他 4) REDD+ に関する取組状況 REDD+, 特に JCM REDD+ に関する各社の認識や取組状況について質問した 特に関心や取組の目的について, 次の 6 項目に分類して質問した 炭素クレジットの販売を目的とした, 営利事業としての REDD+ 事業の可能性の検討 REDD+ 由来の炭素クレジットの取引の可能性の検討 REDD+ 実施主体 ( 企業や途上国政府 ) に対し, 技術やサービス ( 認証審査, 森林開墾に対する代替生計手段としての農林産物の開発 流通や資機材の提供, エコツアー, 衛星画像解析等 ) の販売の可能性の検討 企業価値の向上や自社由来の温室効果ガスのオフセットを目的とする,REDD+ 由来の炭素クレジットの購入の可能性の検討 CSR としての, 途上国における自社による REDD+ 事業の可能性の検討 CSR としての,REDD+ 活動を行う NGO などへの支援の可能性の検討 アンケートは平成 28 年 11 月 15 日に 12 月 7 日締め切りで発送した 回答辞退の 3 社を除き, 148 社から有効な回答を得た 解析と考察には東洋経済 CSR データの他, 東洋経済新報社海外進出企業データ東南アジア 251

256 版 2016 年版 ( 以下 東洋経済海外進出データ ) も用いた 結果と考察回答数アンケートの回答は 148 社 ( 送付数の 11%) から得られた ( 表 1-2-1) 東洋経済 CSR データで環境対策担当部署があると回答した企業 (871 社 ) からは 14% の回答率であったのに対し, それ以外の企業 (440 社 ) からの回答率は 5% であり, 本調査の回答があったのは環境問題に比較的関心の高い企業に偏っているといえる 業種によって回答率に差はなく, また東証 1 部上場企業とそれ以外の間にも大きな差はなかった 表 業種別アンケート送付企業数と回答企業数 業種名 海外の森林保全に対す上場企業送付企業回答企業る取組数数数現在実施将来興味 水産 農林業 鉱業 建設業 食料品 繊維製品 パルプ 紙 化学 医薬品 石油 石炭製品 13 4 ゴム製品 ガラス 土石製品 鉄鋼 非鉄金属 金属製品 機械 電気機器 輸送用機器 精密機器 その他製品 電気 ガス業 陸運業 海運業 空運業 5 3 倉庫 運輸関連業 情報 通信業 卸売業 小売業 銀行業 証券, 商品先物取引業

257 保険業 その他金融業 不動産業 サービス業 非上場 合計 3,627 1, /145 28/135 経済活動 CSR 活動を含めた企業活動全体の中で, 現在取組んでいる / 将来と取組むことに興味がある社会貢献 ( 問 2-1,2-2) 現在の取組については 145 社, 将来の関心については 135 社から回答を得た もっとも多くの企業 (109 社 ) は現在のビジネスを通した社会貢献として, 気候変動の緩和をあげていた 東洋経済 CSR データにおいても, 回答数 1,178 社中 44% の企業が気候変動対策の取組を行っていると回答しており, 日本の民間企業の間では気候変動対策の主流化が相当進んでいると考えられる また国内の森林など陸上生態系の保全にも 3 番目に多い 55 社が現在取り組んでいると回答していた 一方海外の陸上生態系の保全については現在取り組んでいる企業数 (22 社 ) よりも, 将来取り組むことに興味がある企業数 (28 社 ) が多く ( 表 1-2-1), 将来的の投資ポテンシャルの高さを示唆している これについては気候変動の適応についても同様の傾向 (22 社 35 社 ) が見られた 陸上生態系の保全について取り組んでいるないし将来の取組に関心のある企業についても, 業種別の偏りは見られなかった 253

258 図 経済活動 CSR 活動を含めた企業活動全体の中で 現在取組んでいる / 将来と取組むことに興味がある社会貢献 ( 複数回答有 ) 熱帯地域の途上国での経済活動 ( 問 3-1) アンケートで企業の海外活動に回答のあった 142 社の内 107 社が熱帯諸国で経済活動を行っていた このうち ASEAN10 カ国での経済活動を回答した企業は 106 社であった また 57 社はインド, アフリカ, 中南米など他の熱帯諸国でも経済活動を行っていたが, そのうち ASEAN で経済活動を行っていない企業は 1 社に過ぎず, 基本的には日本企業と関係の深い熱帯地域は ASEAN 諸国と言える 一方東洋経済海外進出データによれば, 合計 2,764 社の日本企業が ASEAN10 カ国のいずれかに現地法人を置いていた 両者のデータとも,ASEAN 諸国の中ではタイ, シンガポール, インドネシア, ベトナム, マレーシアで進出企業数が多いことを示していた 254

259 表 各国別進出 / 経済活動を行っている企業数 ( 複数回答有 ) 東洋経済海外進出データ記載進出企業数 アンケート回答企業数 インドネシア カンボジア 46 3 シンガポール タイ フィリピン ブルネイ 3 1 ベトナム マレーシア ミャンマー ラオス 12 5 東チモール 0 0 熱帯の途上国からの原材料の調達 ( 問 3-2) アンケート回答企業のうち 33 社は原材料として熱帯の途上国からの木材 木製品, パルプ 紙製品, パーム油, 牛肉, 大豆のいずれかを使用していた. これらの原材料のグリーン調達について, 特にパルプ 紙については広く実施されていた. また木材 木製品, パームオイルについても, 調達している企業の半数以上は何らかの措置を行っており, グリーン調達による熱帯の自然環境 地域社会への配慮の必要性は高く認識されていると言える 表 熱帯の森林に関連する原材料資源の取り扱い企業数 ( 複数回答有 ) 取り扱い有 グリーン調達の実施 木材 木製品 ( 製材 合板 チップ 家具など ) 18/143 11/141 パルプ 紙製品 21/141 19/141 パーム油 15/141 10/140 牛肉 2/140 2/140 大豆 5/141 2/141 熱帯諸国の森林資源を利用した経済活動 ( 問 3-3) アンケート回答企業の中で, 現在熱帯諸国の森林資源を利用した経済活動を行っている企業は合計 17 社であった ( 表 1-2-4,1-2-5) 実施国としてはインドネシアが最も多く(9 件 ), 東南アジアでは他にベトナム (4 件 ), マレーシア (3 件 ), タイ (2 件 ) などで事業が行われていた 表 森林資源を利用している企業数 ( 複数回答有 ) 該当 / 回答数 林産物 ( 木材, チップ, 特用林産物等 ) の生産を行う事業 4/144 森林資源の調査, 認証審査, コンサルティング ( 衛星画像解析を含む ) 事業 1/145 森林の炭素クレジットの創出 (REDD+ 等 ) や生物多様性保全を行う営利事業 2/145 森林由来の炭素クレジットの取引 0/145 森林を利用したツアー事業 0/

260 その他の森林資源を利用する経済活動 7/146 森林資源を直接利用はしていないが, 熱帯地域の森林資源と親和性の高い 7/145 事業 ( 農業, 農業システム, 医薬, 農耕器具等 ) 表 森林資源を利用した事業詳細 国 地域 事業開始年 ブラジルアマパ州 2006 年 主な内容 植林と木材チップ生産 インドネシアジャカルタ スラ 1970 年代マレーシアバヤ イポー後半 楽器 音響機器の製造 マレーシア サラワク州 1996 年 木質繊維板の製造 インドネシア ベトナム 1970 年 木材 建材製造事業 インドネシア PNG 1971 年 海外産業植林事業 インドネシア ミャンマー ベトナム マレーシア シンガポー 1955 年 木材流通事業 ル タイ インドネシア ジャカルタ 2001 年 木製のふさかけ ( カーテンを留めるタッセルをかける部品 ) の生産 インドネシア 他 不明 森林伐採 整備用機械 ブラジル コロンビレインフォレストアライアンス認証農ア グアテマラ タン 2011 年園産豆 100% 使用ザニア インドネシア ベトナム 2012 年 コショーの有機栽培 世界 農耕機用タイヤの製造 販売 インドネシア 2012 年 北米 欧州向け アジア諸国向けの農機製造 タイ 2014 年 トラクタを中心とする販売拠点 ベトナム 2015 年 田植機などの現地販売拠点 熱帯地域の途上国の森林保全活動 ( 問 4-1,4-2) 回答のあった 140 社の内 42 社が, 経済活動ないし CSR 活動として熱帯地域の森林保全に現在取り組んでいた その方法はグリーン調達によるもの (15 社 ) と, 自社または NGO や他事業者による森林保全などの取組 (30 社 ) であり,9 社は両者の方法で森林保全に取り組んでいた 256

261 5 年前の実施企業も 41 社 (138 社の内 ) であり, 実施企業数は 5 年間で大きく変化したとは言え なかった 図 経済活動の一環または CSR 活動として, 熱帯地域の途上国で取り組んでいる森林 保全活動 ( 複数回答有 ) 経済活動ないし CSR 活動として熱帯地域の森林保全に取り組んでいる企業の内 40 社からは, 合計 56 件の保全活動について詳細についても回答を得た ( 表 1-2-6~11) 森林保全活動の実施国は, 進出日本企業数の多いインドネシア, タイ, マレーシアに集中していた ( それぞれ 22,16,11 件 ) 特に自社による環境植林 CSR としての森林保全の取組はタイで多く (12 件 ), 一方グリーン調達や森林資源を利用する経済活動の中での森林保全への配慮に関してはインドネシア, マレーシアが多かった ( それぞれ 10 件,5 件 ) これに対しベトナムでは, これらの国と同様に日本企業の進出数が多いにも関わらず, 森林保全活動の件数が多くなかった ( 合計 2 件 ) 森林保全活動の目的について, グリーン調達についてはリスクマネジメントが最多であった (12 件 ) のに対し, 途上国における環境植林や CSR としての森林保全は相手国 地域社会における自社イメージの向上が最多 (21 件 ) で, 社員の意識向上 (19 件 ), 日本国内における自社イメージの向上 (18 件 ) がこれに続いていた また実施体制は単独実施が最多 (23 件 ) であったが, 国際 NGO と連携して実施 (14 件 ) がこれに続いていた 投入した資金は 500 万円未満が最多 (22 件 ) であったが,1 億円以上を投資している森林保全活動もまれではなかった (9 件 ) 実施規模は 5 257

262 年前と変わらないが最多であったが (30 件 ),25 件は新規実施ないし規模拡大で, 実施企業の数の変化データも併せて考えれば, 森林保全活動を実施している企業はさらに実施活動の種類を増やす一方, 実施企業数はそれほど変化しなかったと言える 各保全活動の目標達成状況については, ほとんどの活動は当初の目的を達成していたが (38 件 ),10 件については資金不足ないし外部要因によって当初の目的を達成していなかった 表 森林保全活動の実施国 ( 複数回答有 ) ただし国名を特定していない回答はカウン トしなかった また活動の目的として複数が挙げられている場合, 主要な目的と考えられるものに 分類した インドネシア カンボジア タイ フィリピ ン ベトナム マレーシア ミャンマー非 ASEAN 諸国 グリーン調達の実施 森林資源を利用する経済活動の中での森林保全への配慮代替生計手段 熱効率の高いかまど 灌漑の導入などの自社による取組 自社による環境植林 CSR としての森林保全の取組 植林活動や森林保全の取組 (REDD+ 活動を含む ) を行う NGO や事業者への支援 REDD+ 由来の炭素クレジットの購入 インド, ブラジル, アメリカ, 中国タンザニア,PNG, ブラジル, コロンビア, グアテマラ スリランカ 2 1 スリランカ ブラジル, インド, フィジー, バングラディッシュ, リベリア, 中国, メキシコ アルバニア ブラジル 中国 コロンビア コスタリカ エチオピア インド ケニア ニカラグア 等 その他 1 1 ブラジル スリランカ合計 表 森林保全活動の実施目的 ( 複数回答有 ) 258

263 リスクマネジメント 将来の規制への準備 る相自手社国イ メ地ー域ジ社の会向に上おけ イ日メ本ー国ジ内の向に上おける自社 社員の意識向上 争直力接に関貢連献する商品の競 グリーン調達の実施 森林資源を利用する経済活動の中での森林保全への配慮 代替生計手段 熱効率の高いかまど 灌漑の導入などの自社による取 1 1 組 自社による環境植林 CSR としての森林保全の取組 植林活動や森林保全の取組 (REDD+ 活動を含む ) を行う NGO や 事業者への支援 REDD+ 由来の炭素クレジットの購入 その他 合計 その他 合計 表 森林保全活動の実施体制 単独実施 機相関手と国実政施府 と実施 相手国企業 と相実手施国 グリーン調達の実施 森林資源を利用する経済活動の中での森林保全への配慮 自社による環境植林 CSR としての森林保全の取組 植林活動や森林保全の取組 (REDD+ 活動を含む ) を行う NGO や事業者への支援 REDD+ 由来の炭素クレジットの購入 1 1 その他 合計 NGO 実施 国際 NGO と その他 合計 表 森林保全活動の支出規模 259

264 1 億円以上 1 5 千万以上 億円未満 ~ 上 ~ 千千万万円円未以満 1 上 5 ~ 千百万万円円未以満 グリーン調達の実施 森林資源を利用する経済活動の中での森林保全への配慮 代替生計手段 熱効率の高いかまど 灌漑の導入などの自社による取組 1 1 自社による環境植林 CSR としての森林保全の取組 植林活動や森林保全の取組 (REDD+ 活動を含む ) を行う NGO や事業者への支援 REDD+ 由来の炭素クレジットの購入 1 1 その他 合計 百万円未満 合計 表 森林保全活動の過去 5 年間の実施規模の変化 新規取組 規模拡大 規模維持 規模縮小 合計 グリーン調達の実施 森林資源を利用する経済活動の中での森林保全への配慮 代替生計手段 熱効率の高いかまど 灌漑の導入などの自社による取組 1 1 自社による環境植林 CSR としての森林保全の取組 植林活動や森林保全の取組 (REDD+ 活動を含む ) を行う NGO や事業者への支援 REDD+ 由来の炭素クレジットの購入 1 1 その他 合計 表 森林保全活動の目的の達成状況 分予達定成目的を十 め資 達金成不せ足ずのた め外 達部成要せ因ずのた グリーン調達の実施 森林資源を利用する経済活動の中での森林保全への配慮 評価困難 合計 260

265 代替生計手段 熱効率の高いかまど 灌漑の導入などの自社による取組 1 1 自社による環境植林 CSR としての森林保全の取組 植林活動や森林保全の取組 (REDD+ 活動を含む ) を行う NGO や事業者への支援 REDD+ 由来の炭素クレジットの購入 1 1 その他 合計 これらの森林保全活動における課題について,48 社から自由回答を得た ( 問 4-4) その内容は 大きく 6 タイプに分類できた (1) 技術的困難 活動を推進するにあたり手続きが煩雑すぎる 言葉が分からず コミュニケーションが取りづらい / 政治 文化等の考え方の違い 実施体制の確率 ( 原文ママ ) 森林保全を行う仕組み 体制が整備されていないこと 相手国の地元コミュニティーとの関係構築 理解を得ること / 多様な価値観を持つ地域住民の協力 / 該国政府のガバナンスが行き届かない面があり 土地簒奪を目的とした不法侵入等が発生している 農園主や生産者 企業間など様々な利害関係の存在 企業単独での活動は限界があるため 森林保全への配慮や生物 多様性保全の必要性については NGO などとの連携が不可欠と思われる パートナーの確保 森林保全 ( 生物多様性保全 ) と経済活動の両立 木材のトレーサビリティの確保 / 調達コスト / 国内の森林保全活動 ( 国産材の活用 森林循環の促進 ) とのバランス 実施するための敵地の特定 森林をモニタリングする技術 評価制度 / 直接参加が困難なため 効果確認 ( 評価 ) が困難である (2) 保全活動によるメリットの少なさ FSC 認証を受けているか 購入比率は増加していないか 一般消費者の FSC RSPO 等の認証に対する認知度が低いこと (3) 資源的課題 資金 人材 / 資金の不足 / 活動資金がなく 少額寄付や見学 小規模な森林保全などの取り組みに留まっている / 独自に活動するのは人材 資金面で難しい / 実施体制が整うまでに 多くの時間と資金がかかるため / 取り組み実施にあたっての費用 / 植林後のメンテナ 261

266 ンス費用も必要となる / 資金面および工数面 ( 担当部門の設置 教育等を含む ) で現状 取 組みは困難と考えます (4) 情報不足 途上国の情報 ( 本当に必要としている取り組みとは何なのか ) が不足しており 具体的な取り組みが実施できない 効果的な森林保全活動に関するノウハウが十分でない まだ情報不足であり どのような取組ができるのか 検討できていない / 具体的なアクションを検討 実施するに際しての情報量の乏しさ / 具体的にどのような活動を行うかについての知識がない / / 当社にどのようなメリットがあるかよくわからない / 実施の検討をするための情報が少ない 今後 外部からの要請により実施を検討する場合にも正確な情報や投資に対する効果が明確である必要がある / 協力先の選定 コスト等の情報収集 / 本件に関する知識不足 現地における治安情勢への不安 民間企業単独での取組手法がわからない (5) 社内的課題 会社の認識が低い / 社内での理解 ( 当社の事業活動との関係性があれば 会社内で認知されやすいが 当社で直接 海外木材を伐採することが無い ) 現場の CSR 環境活動と本社機能が連携して取組む方針や情報開示の方法 頻度に課題を感じている 社員の環境保護活動に対する意識醸成 / 弊社では社内で環境教育を実施しているが 現地従業員が入れ替わった場合の教育の頻度など対応が課題 参加者のモチベーションの維持 参加者への教育活動との並行実施が必須 単なる体験会では 参加者は数回程度の参加で飽きてしまい 参加者の減少を招いてしまう CO2 を切り口に植林の動機付けを話しても 植樹後の効果を CO2 で定量化できない (6) その他 コスト 品質を満たした代替品の検討 サプライチェーンでの関連性がない / 事業との関連がほとんどないため 取組み理由を説明しづらい / 事業との関連性 親和性がなく課題視し難い / 当社の事業内容から直接森林保全につながる活動領域が見当たらない / 私たちの主要な事業では あまり途上国の森林資源とは直接的な相関関係が薄いため 事業活動成果とのバランスが取れた適切な取組み向上を見込めるものがない / 事業内容との関連が極めて少ない / 当社は機械商社であり 尚且つ 3-2 に記載された原材料としての製品の取扱いが無い為 社内で使用するコピー用紙等のグリーン購入など限定的である / 熱帯地域の途上国における森林と弊社製品 262

267 との関わりが限定的であること 活動の評価が困難なことなどの理由により 森林保全活動に取り組む動機が弱い / 年間物流量が少なく 定期的でもないため その時々で対応している よって今回のグリーン調達において具体性のある結果は見い出せない状況がある / 当社の事業活動に直接関係がないこと 自社の事業継続で精一杯であるため 現状としては 紙の使用料の削減努力 程度しか貢献ができない 日本政府に対する提案 ( 問 4-5) 民間参画による海外での森林保全への取組を促進し, その効果を高めるために, 日本政府はどのような取組をすることが有効か? という問いに対し, 自由回答だったにも関わらず,50 社が何らかのコメントをよせ, 多くの企業が海外の森林保全に関する日本政府の施策に対して高い関心を持っていることを示していた 回答は以下の6 種類のタイプに分類できた (1) 制度構築 : 経済的インセンティブ 生物多様性に配慮した優れた森林保全プログラムを持っている, あるいは気候変動の緩和に大きく貢献する大規模な森林保全を実施している企業やNGOに対して, 何らかのインセンティブを付与するような仕組みがあれば良いと考える 税制優遇制度 / 資金補助 / 補助金 助成金の増大を図る / 補助金制度の確立 / 助成金制度の設置 / メリット制度の構築 / ベネフィットの確保 森林保全への参画で, 民間企業に対して有形 / 無形のメリットがあるような取組が望ましい カーボンプライシング, 炭素税などの取組みの法制化 この法制化の中で, 途上国での森林保護によるカーボンオフセットが紐付され, 企業への強制力となる施策 温対法等における企業のCO2 削減 ( 努力 ) 義務に対するインセンティブの付与 NPO 等への助成 紙やパルプ製品の再利用やリサイクル 代替資源の活用などの技術的研究などを支援する (2) 制度構築 : グリーン調達 消費者が環境に配慮した木材製品等を利用することに関するインセンティブの付与や意識向上に関する取組 / 政府の調達品における森林保全認証品の取り扱い拡大 / 行政や企業に対して, グリーン調達の重要性を再認識させる仕掛けを検討してほしい 例えば,FSC 認証紙の認知度を高めること等 / 認証木材利用の促進 / 行政で発行する印刷物を認証用紙で印刷する 森林保全への取り組みに資する認証制度の告知強化 クリーンウッド法 の効果的運用( メーカー提供材の安心 安全化 ) 国内で使用されるパーム油や紙, 木材等の原材料に対する規制強化 / 違法輸入木材の水際での取り締り 263

268 (3) 事業者に対する情報提供 現在行っている活動の情報提供 / 現状の見える化 / 取組事例や関連 NGO などをホームページ等で紹介 / 森林保全の取り組み方の具体例の提示 / 情報提供 ( 実体のあるプロジェクトか ) 活動メニューに関する情報の提供 効果の定量化 民間参画の橋渡しの取組 / 協力先選定の支援 他社との共同活動の仲介やマネジメントをしてほしい / 海外での森林保全を実施する企業間同志の情報交換ネットワーク ( プラットフォーム ) の設立 / 意欲的な企業に呼びかけて, 業種横断的なコンソーシアムを創出 運営すること コーディネートできるNGOの紹介 / 相手国の NGO に関する情報の提供 / 日経専門家 (NPO,NGO) とのパートナーシップ, 現地ローカル専門組織とのパートナーシップ ( 原文ママ ) 経営者層に対して 海外での森林保全 の意義を, 企業価値を高める観点での周知 (+ 心に響くようなうったえ方 ) が必要 (4)PR 政府からの個別企業の取組事例アピール (WEBサイト, メディア, セミナー, パネル展等を通じて ) アピール先は, 日本国内のみならず, 相手方政府に対しても含む / 日本と現地での TV 等の情報発信や広報活動 / 政府による広報 / 多くの法人や個人に現状の把握と取組後の効果を知ってもらう必要がある (5) その他の制度構築 民間企業が取組みやすい制度の整備 活動支援, 政府指導による取り組みの提案 現地で指導する方の派遣 森林保全への取組みが, リスク管理 低減の手法のみならず新たな事業機会としても機能するような実施指針 手段を示すことが取組促進 効果向上に有効と考えます 地域の雇用創出への評価や経済的なインセンティブ以上に価値を生むものなどのビジネス面での後押し 取組に対するアワード等の設置 / 政府による表彰制度が構築されれば, 参画する企業も増えるのではないかと思う 削減した CO2 量の計算が非常に煩雑なので, 簡便に算出できる仕組みがあれば普及が進むのではないか 海外での不法な森林伐採の現状と課題等について, 学校等への出前授業を通じて, 次世代の子どもたちに伝えていくことが肝要と思います 264

269 一過性ではない継続的な取組 政治的な後押し (6) 政府間交渉 相手国関係者との仲介役となって取組をリードすること 相手国と日本国政府で手続きの簡素化を図ってほしい 現地途上国が必要としている取り組み情報の配信 農園主や生産者, 住民に対して森林保全を強要するのではなく, 技術協力やビジネスモデルを提供することで森林保全を誘導すること 日本の環境技術の公開 途上国には1から考えさせることも必要ですが, ある活動が何にどの位有効的か紹介することで, 対策の効率が上がると考えます REDD+ に関する取組状況 REDD+ に関するシンポジウムやセミナーに参加したことがある企業は, 回答のあった 146 社中 15 社のみであった その参加動機としてクレジットの販売や取引といった営利目的を挙げている企業は 4 社に過ぎず,CSR やオフセットを挙げている企業は 12 社で, これには上記の 4 社もふくまれていた ( 表 ) REDD+ に関する課題としては, 実施国, 地域における協力者や団体の確保を挙げる企業がもっとも多かった ( 表 ) 表 REDD+ への関心 ( 複数回答有 ) 動機 目的 シンポジウム セミ可能性のあるナー参加動機 REDD+ 事業 炭素クレジットの販売を目的とした, 営利事業としての 3 4 REDD+ 事業の可能性の検討 REDD+ 由来の炭素クレジットの取引の可能性の検討 4 5 REDD+ 実施主体 ( 企業や途上国政府 ) に対し, 技術や 1 3 サービス ( 認証審査, 森林開墾に対する代替生計手段としての農林産物の開発 流通や資機材の提供, エコツアー, 衛星画像解析等 ) の販売の可能性の検討 企業価値の向上や自社由来の温室効果ガスのオフセッ 7 18 トを目的とする,REDD+ 由来の炭素クレジットの購入の可能性の検討 CSR としての, 途上国における自社による REDD+ 事業 5 8 の可能性の検討 CSR としての,REDD+ 活動を行う NGO などへの支援の 4 21 可能性の検討 その他 4 5 合計

270 表 REDD+ に関連した事業や取組を実施する際にとくに解決されなければならないと 考えている課題は何か ( 複数回答可 ) 課題 回答企業数 REDD+ を実施するための適地の特定 10 REDD+ 実施国政府からの協力 承認の取得 14 REDD+ 実施国 実施地域における協力者 団体の確保 21 REDD+ 実施のための技術 ( リモートセンシングを用いた森林のモニタリング 樹木の炭素計測調査等 ) 10 気候変動枠組条約締結国会議での決定や日本政府の方針に基づく REDD+ からの炭素クレジットに対する需要の見通し 16 REDD+ についての知識全般 31 その他 4 JCM に関する認知 ( 問 6-1,6-2,6-4) 回答のあった 144 社中,89 社は二国間クレジット制度 (JMC) について認識しており,32 社は定期的に情報収集を行っていた また JCM REDD+ についても 65 社が認識していた しかしながら JCM REDD+ について活用を検討しているのは1 社のみであり, 活用内容は 模索中 であった 過去に JCM REDD+ の補助事業に応募した企業は 3 社であった 3 社ともクレジットの販売や取引とともに, 自社の企業価値の向上も目的としてあげていた 一方将来の可能性としては,45 社から回答を得たが ( 表 ), このうちからも営利目的の REDD+ 事業や取引の可能性をあげた企業は 9 社に過ぎなかった JCM REDD+ に対する要望としては 炭素クレジットによる途上国支援が公平かつ公正に行われる仕組みにしてほしい のみであった まとめ本アンケートの結果から, 日本の多くの民間企業は途上国の森林保全活動に関心を持っていることが明らかになった 海外の森林保全に対する関心を持っている企業は気候変動対策や持続的経済成長に次いで多く, 今はしていなくても今後貢献していきたいと考えている企業が多かった 既に森林保全活動の取組をしている企業の保全活動に関する投資額は, 約半数の企業は 500 万円以下に過ぎなかったが,1 億円以上という大きな投資を行っている企業もまれではなかった 森林保全の取り組みとしては, グリーン調達によるものと, 自社による環境植林や CSR としての森林保全の取組によるものの2つが多かった グリーン調達は木材やパーム油の主な輸入元になっているインドネシア, マレーシアにおける活動が多く, 自社による環境植林や CSR としての森林保全の取組は, 森林の劣化減少がそれほど顕著ではないが, 日本企業の進出数の多いタイで最多の活動が行われ, インドネシアがこれに続いていた 一方森林減少が深刻にもかかわらず, 日本企業の経済活動が盛んではないラオスやミャンマーでの森林保全活動はほとんど無かった 保全活動の動機としては, グリーン調達はリスクマネジメントを挙げていたが, 自社による環境植林や CSR としての森林保全の取組は相手国での自社イメージの向上や社員の意識向上をあげている企業が多く, これらに資する森林保全活 266

271 動に関心が高いことが示唆された 実施方法としても森林保全活動を行う NGO や他事業者への支援よりも自社で行うことが多く, このことを裏付けていた REDD+ への関心として, クレジットの販売や取引といった営利目的のみをあげる企業は少なく, ほとんどの企業は CSR やオフセットなど企業価値の向上を目的としていた JCM REDD+ に関し, JCM については 32 社が定期的な情報収集を行っており, 将来の活用を検討していることが示されていたが,JCM REDD+ については回答のあった企業の 45% が認知しているにも関わらず, 実際にそれを活用することに興味がある企業は 1 社に過ぎなかった これらのことを総合すると, 現在日本の途上国の森林保全活動を行っている日本の民間企業にとってクレジットの獲得といった経済的なメリットを得ることはそれほど重要なのではないのかも知れない 民間企業が厳しい排出削減義務を課されているわけでもなく 国内で排出量を取引する市場も存在していない現在の日本の状況を考慮すれば, 民間企業が JCM REDD+ などの森林保全活動からのクレジットの獲得の動機を持っていないのは当然のことといえるだろう 逆に言えば 将来民間企業に対する排出削減義務が課せられ 国内の排出量取引市場が開かれることになれば 企業は新たな動機を持って 森林保全活動や REDD+ に取り組む可能性がある このことは 将来可能性のある REDD+ 事業として オフセットを目的とする,REDD+ 由来の炭素クレジットの購入の可能性の検討 をあげた企業が多かった ( 表 ) ことからも伺うことができる 日本企業にとっては企業イメージや社員の意識向上のために行いたい熱帯の森林保全活動に関する技術的 資金的サポート, 適切な許認可やカウンターパートを得るための相手国との交渉において日本政府の援助を得られることの方が需要が高く, 逆に言えば日本政府はこれらの援助を提供することによって, 民間企業によって広く行われている途上国での森林保全活動を通じた排出削減を達成することができるのかもしれない また多くの民間企業は途上国における企業イメージの向上や社員の意識向上が途上国における森林保全活動の主要な動機となっており, JCM REDD+ の二国間交渉の際にはこれを毀損しない制度を構築することが, 多くの企業に実施の関心を持ってもらうために重要であろう また本アンケートの結果から, 木材や紙パルプ, パーム油などの農林産物を資源としている日本企業の多くはグリーン調達に関し関心が高く, これに取り組んでいることが明らかになった 日本政府は平成 28 年 5 月に成立した 合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律 ( クリーンウッド法 ) などで, グリーン調達を通じた熱帯の森林資源の持続的利用に貢献することを目指しているが, グリーン調達を通じた排出削減効果の可視化がなされれば, グリーン調達と温室効果ガス排出削減を結びつけるができ, 両者のシナジーによる日本政府 日本企業の貢献が促進されるであろう 付表 1. 平成 28 年度までに実施された非エネルギー起源 ( 主に REDD+)JCM FS 委託事業 補助 事業 267

272 国事業企業 2010 (H22) 2011 (H23) 2012 (H24) 2013 (H25) 2014 (H26) 2015 (H27) 2016 (H28) Indonesia (Jambi) 泥炭乾燥による好気性分解の抑制と稲作拡大に基づく籾殻発電 清水建設 環境 FS 環境 FS 経産 FS Indonesia (S Sumatra) マングローブ林を対象とした森林減少 劣化の排出削減と植林による炭素固定機能の強化 ワイ エルビルディング ( 現ワイ エルフォレスト ) 経産 FS 経産 FS 経産 FS 経産 FS Indonesia (Riau & C Kalimantan C Kalimantan) 泥炭地における森林保全 丸紅 経産 FS 経産 FS 経産 FS 経産 FS 経産 FS Indonesia (C Kalimantan) 泥炭地保全の REDD+ と在来種による林業生産および残材を用いたバイオマス発電 MURC, 早稲田大学, アジア航測 環境 FS 環境 FS Indonesia (C Kalimantan) 大規模泥炭火災対策導入 住友商事 三菱総研 経産 FS 経産 FS 経産 FS 経産 FS Indonesia (E Kalimantan) 石炭灰を活用した代替農業用地等創出による森林減少回避プロジェクト 電源開発, 中外テクノス 経産 FS 経産 FS Indonesia (E Kalimantan) 情報通信技術を活用した REDD+ 三菱総研 NEC 環境 FS 環境 FS Indonesia (Gorontalo) REDD+ とバイオ燃料生産利用 カカオ栽培 兼松 環境 FS 経産 FS 経産 FS 経産 FS 環境補助 環境補助 Malaysia Indonesia & コーティング肥料普及による農用地からの N2O 削減 ジェイカムアグリ 経産 FS 経産 FS Laos( 南部 ) 植林王子製紙 経産 FS Laos (Luang Phabang) 焼畑耕作抑制 MURC, 日本森林技術協会, 早稲田大学 経産 FS 環境 FS 環境補助 環境補助 Cambodia (Prey Long) CI, アジア航測 環境 FS 環境 FS 環境 FS Cambodia (Phnom Tbeng) 日本森林技術協会, 三井物産, 庫県立大 経産 FS Vietnam (Sơn La) 荒廃地の植生回復 植林等による REDD+ と木質バイオマス発電 住友林業 環境 FS Vietnam (Dien Bien) 森林管理活動を通じた REDD+ と木材産業残材に基づくバイオマス発電 住友林業 環境 FS 環境 FS Vietnam (Ca Mau) 木質チップ等の生産性向上及び高品質化により, 当該木質チップ等を製造するために計画されている森林伐採を最小化 兼松, 日本エヌ ユー エス 経産 FS 268

273 Brazil Halitina REDD+ プロジェクト 兼松,MundusCarbo, 三菱 UFJ モルガン スタンレー, パスコ 経産 FS Brazil (Acre) 丸紅 環境 FS Peru (San Martín) アルトマヨ地区のアルトマヨ保護区 (18 万 ha) と周辺エリア (32 万 ha) 日本 ( 三菱商事, 国際航業,CI) 米国 (CI 本部 ) 豪州 ( ブーズ アンド カンパニー, 豪州三菱商事 ) ペルー ( ペルー三菱商事, ペルー国立農大, CI ペルー ) 経産 FS 経産 FS Angola 放棄産業植林地の植生回復による REDD+ とチップ燃料利用 あらたサステナビリティ ( 現プライスウォーターハウスクーパースサステナビリティ ) 環境 FS 269

274 付表 2 熱帯地域の途上国の森林資源利用に関するアンケート ( 御協力のお願い ) 林野庁委託 補助事業受託 :( 公財 ) 地球環境戦略研究機関 ( 国研 ) 森林総合研究所 豊かな生物多様性を擁する熱帯地域では 森林の減少 劣化が続いており それによる温室効果ガスの排出は 気候変動の大きな要因の一つとなっています 一方森林は 適切な管理を行えば温室効果ガスの固定に寄与し 動植物の保全やそれに依存する地域住民の生活を支える機能を持っています 日本国政府 ( 林野庁 環境省 JICA など ) はこれまで 途上国の森林保全 再生のために各国政府と様々な協力事業を実施してきましたが 日本の民間セクターも戦前から海外の森林資源を利用するとともに その森林保全 再生に関心を持ち 事業の一環としてまたは CSR として様々な活動を実施してきました さらに途上国における森林資源の直接的な利用や保全以外の事業の中にも 森林資源の過度の利用を低減し 間接的にその国の森林保全 再生に寄与しているものも存在しています このような民間による事業や取組が 熱帯地域の途上国の森林保全に効果的 効率的に結びつき 日本による国際貢献の一環として認識されるためには 政府による施策や支援が適切に行われることが望ましいと考えられます このため 林野庁委託事業 平成 28 年度途上国森林保全プロジェクト推進事業 ならびに林野庁補助事業 平成 28 年度 REDD+ 推進民間活動支援事業 におきまして 我が国民間セクターの熱帯途上国における森林資源に関する経済活動や保全活動についての情報を収集し REDD+ 1 をはじめとする官民連携の森林保全事業や施策の参考とすることを目的とし 本アンケートを実施することとなりました 御多忙の折大変恐縮ですが 上記趣旨のもと 御協力頂けますようよろしくお願い申し上げます なおこのアンケートは東洋経済新報社発行の 企業 CSR 総覧 2016 年版 に掲載されている企業様を対象とし 主に同総覧に環境担当として記載のあった部署に送付させていただいています 内容的に貴社の他の部署でないと回答できない場合 恐れ入りますが そちらの部署と連携して御回答いただけるよう ( またはそちらの部署に回答を御願いしていただけるよう ) よろしくお願いいたします 本アンケートへの御回答は次のいずれかの方法でお願いします : 回答方法 1 同封の質問票に直接手書きで記入回答方法 2 質問票の電子ファイルを下記 Web サイトからダウンロードし 入力 本アンケートの質問票には回答者の皆様に自由に記述をお願いする質問項目がございます このため 記入スペースが足りない場合は 回答方法 2をお選び スペースをご調整の上 入力下さい 質問票 ( 電子ファイル ) ダウンロード先 御回答いただきました調査票は または郵送で御送付ください 12 月 7 日 ( 水 ) までに御回答 御送付頂きます ようお願い申し上げます 1 途上国における森林減少や森林劣化を抑え 温室効果ガスの排出量を削減あるいは吸収量を増加させる活動に対して経済的 支援を与えるメカニズム 1 270

275 本アンケートは 内容のお問い合わせ先と回答の送付先が異なります お手数をお掛け致しますが どうぞよろしくお願い申し上げます <アンケート内容に関するご質問 お問い合わせ先 > ( 公財 ) 地球環境戦略研究機関自然資源 生態系サービスエリア担当鮫島弘光 ( 国研 ) 森林総合研究所国際研究推進室担当江原誠 両名宛メールにてお問い合わせいただけますよう お願い申し上げます < アンケート回答の送付先 ( 委託事業者 )> 担当 : 三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング株式会社 淺田 ( あさだ ) 正垣 ( しょうがき ) 環境 エネルギー部 redd@murc.jp 郵送先 : 東京都港区虎ノ門 オランダヒルズ森タワー 同封の返信用封筒をご利用ください 御回答頂いた内容に関し 後日詳細をお伺いすることもございます その際は 御協力頂けますと幸いです 御回答頂いた内容について 個別の団体名とともに公表することはいたしません また個人情報についても 適切に管理をいたします 2 271

276 質問表 各解答欄の大きさは自由に拡大して御記入下さい 1. 御回答頂いた方の基本的な情報を教えてください 貴社名業種担当部署名回答された方の御名前連絡先電話番号連絡先メールアドレス 2. 貴社が経済活動 CSR 活動を含めた 企業活動全体の中で取組まれている社会貢献について教えて下さ い 2-1. 貴社が現在 企業活動を通じて取り組まれている社会 貢献に最も関連の深いテーマを下の 1.~19. までの選択肢から 最大 5 つまで挙げてください 2-2. 次に 貴社が今後取り組まれる社会貢献として 特にご 関心のあるテーマを下の 1.~19. までの選択肢から最大 5 つまで 挙げてください 1. 貧困の撲滅 2. 飢餓撲滅 食料安全保障 3. 健康 福祉 4. 質の高い教育の普及 5. ジェンダー平等の実現 6. 安全な水 衛生へのアクセスの普 及と その持続可能な管理 7. 信頼性が高く 持続可能で近代 的なエネルギーへのアクセスの普 及 8. 持続的な経済成長 雇用機会の 提供 現在の取組 : 番号を記入 今後の取組 : 番号で記入 9. インフラ整備 産業化の促進 イノ ベーションの拡大 10. 国内と国家間の不平等の是正 11. 安全で持続可能な都市と居住地の 実現 12. 持続可能な消費と生産の促進 13. 気候変動の緩和 ( 温室効果ガスの 排出削減など ) 14. 気候変動への適応 15. 海洋と海洋資源の保全 持続可能 な利用 16. 国内の森林などの陸上の生態系やそ の生物多様性の保全 持続的管理の 促進 17. 海外の森林などの陸上の生態系やそ の生物多様性の保全 持続的管理の 促進 土壌劣化や砂漠化への対処 18. 平和で包摂的な社会の促進 司法と責 任ある制度の構築 19. 持続可能な開発のための実施手段の 強化 国際的連携の活性化 3. 貴社 ( 現地の子会社 合弁会社を含む ) の熱帯地域の途上国での経済活動についてお答えください 3-1. 現在 貴社 ( 現地の子会社 合弁会社を含む ) が 事業所や工場などを置くなどし ( 森林関連に限らず ) 経済活動を行 っている主な熱帯地域の途上国があれば 教えてください ( 複数回答可 ) 3 272

277 東南アジア ( 一部オセアニア地域を含む ) インドネシア フィリピン ベトナム ラオス タイ ミャンマー カンボジア マレーシア シンガポール ブルネイ 南アジア インド パキスタン スリランカ バングラデシュ ネパール ブータン アフリカ 国名 ( 該当する主な国名をご記入ください 複数回答可 ): 中南米 国名 ( 該当する主な国名をご記入ください 複数回答可 ): 上記の地域 国では経済活動を行っていない 東ティモール パプアニューギニア ソロモン諸島 モルディブ 3-2. 現在 貴社 ( 現地の子会社 合弁会社を含む ) のサプライチェーンの中で 熱帯地域の途上国からの以下の原材料を 含む製品 商品を調達されているか教えてください ( 1) また取扱われている場合 グリーン調達を実施 ( 2) されているか教えてください 木材 木製品 ( 製材 合板 チップ 家具など ) 取扱っている 実施している 取扱っていない 実施していない パルプ 紙製品 取扱っている 実施している 取扱っていない 実施していない パーム油 取扱っている 実施している 取扱っていない 実施していない 牛肉 取扱っている 実施している 取扱っていない 実施していない 大豆 取扱っている 実施している 取扱っていない 実施していない 1 世界で主要な森林減少の原因である5 種類に絞りました 2 調達の際に 環境負荷の小さいものを優先的に選択するガイドラインを定め それに従って実施することや 取引先等への 指導や評価を行う等 3-3. 現在 貴社 ( 現地の子会社 合弁会社を含む ) は熱帯地域の途上国において 以下のような現地の森林資源を利用 する経済活動を実施されているか教えてください 経済活動区分 A 途上国において林産物 ( 木材 チップ 特用林産物等 ) の生産を行う事業 実施している 実施していない 経済活動区分 B 途上国の森林資源の調査 認証審査 コンサルティング ( 衛星画像解析を含む ) 事業 実施している 実施していない 経済活動区分 C 途上国の森林の炭素クレジットの創出 (REDD+ 等 ) や生物多様性保全 を行う営利事業 4 実施している 実施していない 273

278 経済活動区分 D 途上国の森林由来の炭素クレジットの取引 実施している 実施していない 経済活動区分 E 途上国の森林を利用したツアー事業 実施している 実施していない 経済活動区分 F その他の森林資源を利用する経済活動 実施している 実施していない 経済活動区分 G 森林資源を直接利用はしていないが 熱帯地域の森林資源と親和性 の高い事業 ( 農業 農業システム 医薬 農耕器具等 ) 実施している 実施していない の A~G のいずれかの経済活動を現在 実施している を選択された方にお願いします それらの経済活動のうち代表的な事業の詳細 (3つまで) を御回答下さい 複数の事業を行われている場合 その概要を事業ごとに分けて御記入ください ( もし代表的な事業が4つ以上ある場合 次のページにコピーして御記入ください ) 事業 1 事業 2 事業 3 該当する経済活動区分 A~G をご記入ください ( 複数選択可 ) 対象国 (1 事業が複数の国にまたがる場合などは複数国回答可 ) 対象地域事業開始年担当部署事業内容 ( 貴社の Web ページで紹介済みの事業についてはリンクを貼り付けて頂いても結構です ) 実施体制 単独で実施 単独で実施 単独で実施 対象国の政府 企業と 現地の事業者と合弁 投資 現地の事業者と合弁 投資 現地の事業者と合弁 投資 の連携など など など など 5 274

279 4. 貴社 ( 現地の子会社 合弁会社を含む ) は 3-2および3-3で挙げた経済活動の一環または CSR 活動として熱帯地域の途上国の森林保全に取り組まれているか教えてください 4-1. 貴社 ( 現地の子会社 合弁会社を含む ) では 経済活動の一環または CSR 活動として 5 年前 ( 平成 23 年度 ) に 熱帯地域の途上国の森林保全のための取組を行っていましたか? 下の選択肢からお選びください ( 複数回答可 ) 実施していなかった 3-2. で挙げた 自社で使用する原材料のグリーン調達の実施 3-3. で挙げた 途上国での森林資源を利用する経済活動の中での森林保全への配慮 熱帯地域における森林保全に間接的に貢献する 代替生計手段 熱効率の高いかまど 灌漑の導入などの自社による取組 自社による熱帯地域における環境植林 CSR としての森林保全の取組 CSR への取組としての自社による REDD+ 事業 熱帯地域における植林活動や森林保全の取組 (REDD+ 活動を含む ) を行う NGO や事業者への支援 企業価値の向上や自社由来の温室効果ガスのオフセットを目的とする REDD+ 由来の炭素クレジットの購入 投資家を意識した森林保全に関する取組を CSR 報告書等で開示 その他 4-2. 貴社 ( 現地の子会社 合弁会社を含む ) では 現在 経済活動の一環または CSR 活動として熱帯地域の途上国の森林 保全に取り組まれていますか? 下の選択肢からお選びください ( 複数回答可 ) 1. 実施しておらず 今のところ予定はない 4-4. にお進みください で挙げた 自社で使用する原材料のグリーン調達の実施 で挙げた 途上国での森林資源を利用する経済活動の中での森林保全への配慮 4. 熱帯地域における森林保全に間接的に貢献する 代替生計手段 熱効率の高いかまど 灌漑の導入などの自社による取組 5. 自社による熱帯地域における環境植林 CSR としての森林保全の取組 6. CSR への取組としての自社による REDD+ 事業 7. 熱帯地域における植林活動や森林保全の取組 (REDD+ 活動を含む ) を行う NGO や事業者への支援 8. 企業価値の向上や自社由来の温室効果ガスのオフセットを目的とする REDD+ 由来の炭素クレジットの購入 9. その他 10. 投資家を意識した森林保全に関する取組を CSR 報告書等で開示 11. 行っていないが関心はある ( 具体的にどのような取組にご関心がありますか? 以下に記述願います ) 4-3. にお進みください 4-4. にお進みください 6 275

280 で選択肢 2.~9. を選択された方にお願いします その森林保全への取組で代表的な取組 (3つまで) の詳細を御回答下さい 複数の取組を行われている場合 取組ごとに分けて御記入ください ( もし代表的な取組が4つ以上ある場合 次のページにコピーして御記入ください ) 取組 1 取組 2 取組 3 選択肢番号 (2.~ 9.) を入力ください ( 複数番号の組み合わせ可 ) 対象国 ( 複数国回答可 1 つの取組が複数の国にまたがる場合など ) 対象地域取組の開始年担当部署取組内容 ( 貴社の Web ページや CSR 報告書等で紹介済みの取組についてはリンクを貼り付けて頂いても結構です ) 目的 ( 複数回答 リスクマネジメント可 ) 将来の規制への準備 相手国 地域社会における自社イメージの向上 日本国内における自社イメージの向上 社員の意識向上 直接関連する商品の競争力に貢献 (4-2. の選択肢 2,3など ) その他 実施体制 単独で実施 ( 複数回答可 ) 相手国政府機関と実施 相手国の企業と実施 相手国の NGO と実施 リスクマネジメント 将来の規制への準備 相手国 地域社会における自社イメージの向上 日本国内における自社イメージの向上 社員の意識向上 直接関連する商品の競争力に貢献 (4-2. の選択肢 2,3など ) その他 単独で実施 相手国政府機関と実施 相手国の企業と実施 相手国の NGO と実施 7 リスクマネジメント 将来の規制への準備 相手国 地域社会における自社イメージの向上 日本国内における自社イメージの向上 社員の意識向上 直接関連する商品の競争力に貢献 (4-2. の選択肢 2,3など ) その他 単独で実施 相手国政府機関と実施 相手国の企業と実施 相手国の NGO と実施 276

281 国際 NGO と実施 その他 国際 NGO と実施 その他 国際 NGO と実施 その他 支出規模 ( これまでの当該取組への支出総額をお答え下さい ) 1 億円以上 1 億円未満 ~5 千万以上 5 千万円未満 ~1 千万円以上 1 千万円未満 ~5 百万円以上 5 百万円未満 1 億円以上 1 億円未満 ~5 千万以上 5 千万円未満 ~1 千万円以上 1 千万円未満 ~5 百万円以上 5 百万円未満 1 億円以上 1 億円未満 ~5 千万以上 5 千万円未満 ~1 千万円以上 1 千万円未満 ~5 百万円以上 5 百万円未満 実施規模の変化 5 年前 ( 平成 23 年度 ) と比べて : 5 年前 ( 平成 23 年度 ) と比べて : 5 年前 ( 平成 23 年度 ) と比べて : (5 年前にはなかった ) 新規の取組 規模を拡大している 規模は縮小 (5 年前にはなかった ) 新規の取組 規模を拡大している 規模は縮小 (5 年前にはなかった ) 新規の取組 規模を拡大している 規模は縮小 規模は変わらない 規模は変わらない 規模は変わらない 新規 または 規模に変化があっ 新規 または 規模に変化があっ 新規 または 規模に変化があっ た場合 どのような理由で開始 ま た場合 どのような理由で開始 ま た場合 どのような理由で開始 ま たは 変化したかを以下のスペー たは 変化したかを以下のスペー たは 変化したかを以下のスペー スにご記入ください スにご記入ください スにご記入ください 現時点での成果目 予定した目的を十分達してい 予定した目的を十分達してい 予定した目的を十分達してい 標達成の評価 る る る 資金不足のため 期待通りの 資金不足のため 期待通りの 資金不足のため 期待通りの 目的を達していない 目的を達していない 目的を達していない 外部要因のため 期待通りの 外部要因のため 期待通りの 外部要因のため 期待通りの 目的を達していない 目的を達していない 目的を達していない 評価が困難 評価が困難 評価が困難 4-4. 上記 (4-2./4-3.) のような熱帯地域の途上国における森林保全に取り組まれるにあたり 困難に感じている点を 教えてください 8 277

282 4-5. 上記 (4-2./4-3.) のような民間参画による海外での森林保全への取組を促進し その効果を高めるために 日 本政府はどのような取組をすることが有効だと思いますか? 御自由に御提案ください 4-6. 民間参画による海外での森林保全への取組を促進する政府の事業が形成された場合 そのような情報を得ることを希望しますか? 1. 希望する 受け取りを希望するメールアドレスをお書きください 2. 希望しない 5.REDD+ に関する貴社の取組状況について教えてください 近年の気候変動の顕在化とともに 途上国における森林減少や森林劣化を抑え 温室効果ガスの排出量を削減あるいは吸収量を増加させる活動に対し経済的支援を与える REDD+ とよばれるメカニズム 2 に注目が集まり その実施準備が進められています またその資金源として 国連の基金 ODA や先進国の民間セクターからの寄付や炭素クレジットの取引への投資の活用が議論されています 日本政府も民間企業に対する支援を行っておりますが より多くの民間企業の参与のため どのような制度構築が効果的かを把握することが必要となっています 5-1. 貴殿の属する部署は REDD+ について知るために これまでに REDD+ をテーマとす 参加したことがあるるシンポジウムやセミナーに参加されたことがありますか? 参加したことはない 5-2. 参加された場合 ご動機は何でしたか?( 複数回答可 ) 炭素クレジットの販売を目的とした 営利事業としての REDD+ 事業の可能性の検討 REDD+ 由来の炭素クレジットの取引の可能性の検討 REDD+ 実施主体 ( 企業や途上国政府 ) に対し 技術やサービス ( 認証審査 森林開墾に対する代替生計手段としての農林産物の開発 流通や資機材の提供 エコツアー 衛星画像解析等 ) の販売の可能性の検討 企業価値の向上や自社由来の温室効果ガスのオフセットを目的とする REDD+ 由来の炭素クレジットの購入の可能性の検討 CSR としての 途上国における自社による REDD+ 事業の可能性の検討 CSR としての REDD+ 活動を行う NGO などへの支援の可能性の検討 その他 ( 具体的に ): 5-3. 貴社はこれまで REDD+ 関連の JICA 事業 ( 技術協力プロジェクト等 ) や 環境省もし 応募したことがあるくは経済産業省による補助事業 3 に応募されたことがありますか? 応募したことはない 5-4. 応募された場合 その事業名をご記入ください : また その目的は何でしたか?( 複数回答可 ) 2 具体的には 5 つの活動 : 森林減少の抑制 ; 森林劣化 ( 乱伐など ) の抑制 ; 森林保全 ( 保護区の維持など ); 持続可能な森林経営 ; 炭素蓄積量の増強 ( 植林等 ) を含みます 3 環境省 :CDM/JI 事業調査 新メカニズム実現可能性調査 二国間オフセット クレジット制度の実現可能性調査 二国間クレジット制度 (JCM) 実現可能性調査 REDD+ 実証調査 二国間クレジット制度を利用した REDD+ プロジェクト補助事業等経済産業省 : 地球温暖化対策技術普及等推進事業 地球温暖化問題等対策調査 非エネルギー起源温暖化対策海外貢献事業等 9 278

283 炭素クレジットの販売を目的とした 営利事業としての REDD+ 事業の可能性の検討 REDD+ 由来の炭素クレジットの取引の可能性の検討 REDD+ 実施主体 ( 企業や途上国政府 ) に対し 技術やサービス ( 認証審査 森林開墾に対する代替生計手段としての農林産物の開発 流通や資機材の提供 エコツアー 衛星画像解析等 ) の販売の可能性の検討 企業価値の向上や自社由来の温室効果ガスのオフセットを目的とする REDD+ 由来の炭素クレジットの購入の可能性の検討 CSR としての 途上国における自社による REDD+ 事業の可能性の検討 CSR としての REDD+ 活動を行う NGO などへの支援の可能性の検討 その他 ( 具体的に ): 5-5. 仮に将来 貴社 ( 現地の子会社 合弁会社を含む ) が REDD+ に関連した事業や取組の実施を検討しようとした場合 実施する可能性が高いと思われる活動は下のうちどちらですか?( 複数回答可 ) 1. REDD+ に関する事業 取組を行う予定はない 2. 炭素クレジットの販売を目的とした 営利事業としての REDD+ 事業 3. REDD+ 由来の炭素クレジットの取引 4. REDD+ 実施主体 ( 企業や途上国政府 ) に対し 技術やサービス ( 認証審査 森林開墾に対する代替生計手段としての農林産物の開発 流通や資機材の提供 エコツアー 衛星画像解析等 ) の販売 ( よろしければ具体的にどのような活動を検討されているか記入下さい ) 5. 企業価値の向上や自社由来の温室効果ガスのオフセットを目的とする REDD+ 由来の炭素クレジットの購入 6. CSR としての 途上国における自社による REDD+ 事業 7. CSR としての REDD+ 活動を行う NGO などへの支援 8. その他 ( 具体的に ): 5-6. 現在 REDD+ に何らかの形で関わっていらっしゃる方 または5-5. で 2.~8. を選択された方にお聞きします 選択された区分で REDD+ に関連した事業や取組を実施する際にとくに解決されなければならないと考えている課題は何ですか?( 複数回答可 ) REDD+ を実施するための適地の特定 REDD+ 実施国政府からの協力 承認の取得 REDD+ 実施国 実施地域における協力者 団体の確保 REDD+ 実施のための技術 ( リモートセンシングを用いた森林のモニタリング 樹木の炭素計測調査等 ) 気候変動枠組条約締結国会議での決定や日本政府の方針に基づく REDD+ からの炭素クレジットに対する需要の見通し REDD+ についての知識全般 その他 ( 具体的に ): 6.JCM-REDD+ への貴社の御関心を教えてください 日本政府は 民間セクターによる途上国への温室効果ガス削減技術 製品 システム サービス インフラ等の普及や対策実施を通じ 実現した温室効果ガス排出削減 吸収への貢献を定量的に評価するとともに 日本国の削減目標の達成に活用するため 二国間クレジット制度 ( JCM) の構築 実施を進めています JCM の一環として現在 REDD+ への適用 ( 以下 JCM-REDD+) が目指されており 過去数年間 実証 調査事業や JCM-REDD+ のためのガイドラインの作成が進められてきました 現在数カ国での実施に向けて準備が進められており 民間企業の参画が期待されています

284 6-1. 二国間クレジット制度 (JCM) についてご存知ですか? 6-2. 貴社 ( 現地の子会社 合弁会社を含む ) において JCM-REDD+ の活用に関心がありますか? で 3. または 4. を選択された方にお聞きします 貴社が JCM-REDD+ に関して活用を検討している内容は何ですか?( 複数回答可 ) 6-4.JCM-REDD+ のスキームに対する要望や御提案があればご記入下さい 知らない 知っているが関心がない 知らなかったので今後情報収集する予定 定期的に情報収集している 1. JCM-REDD+ について知らない 2. JCM-REDD+ について理解しているが 活用の予定はない 3. すでに活用の準備を進めている 4. 活用を検討しており JCM-REDD+ に関する情報収集を行っている 自社が途上国で実施している森林保全事業のための資金調達 JCM-REDD+ を実施している事業者への技術や情報の提供 REDD+ 由来の JCM クレジットの取引 REDD+ 由来の JCM クレジットの購入 その他 ( 以下具体的に ): 以上となります ご協力誠にありがとうございました

285 1-3 緑の気候基金 (GCF) の情報 緑の気候基金 (Green Climate Fund:GCF) は 2009 年の UNFCCC 第 15 回締約国会議 ( COP15) において提案された長期資金目標の達成を担う中核的な資金メカニズムとして 2010 年の COP16 のカンクン合意で設立が決定され 2011 年の COP17 において委託機関として正式な指定を受けた 2016 年 12 月の時点で 43 か国の政府 ( うち 9 か国は途上国 ) 及び都市 地域 ( パリ市, ベルギー フランダース政府等 ) からの拠出表明総額は約 103 億ドルに達する 1 緩和分野には 資金の半分が配分されることとなっており ここから森林分野の結果に基づく支払いにどれだけ配分されるかは明らかになっていないものの ワルシャワ枠組みで合意された REDD+ の結果に基づく支払いを実施する中心的な存在とみなされている 2014 年 10 月の REDD+ の結果に基づく支払いの実施に関するロジックモデル (GCF/B.08/08/Rev.01) の策定以降 際立った進捗は示されなかったが 2016 年には GCF の REDD+ 支援およびその検討が進んだ 2016 年 10 月に GCF 事務局により Support for REDD-plus(GCF/B.14/03) 2 が策定され 結果に基づく支払いに関する定義やアプローチの提案が行われた 本文書は 同月に行われた第 14 回 GCF 理事会決定 (DECISION B.14/03) 3 にて確認 考慮され REDD+ の支援に関する決定が盛り込まれた なお 本理事会にて結果に基づく支払いのガイダンスの採択が予定されていたが 第 16 回理事会 (2017 年 3 月予定 ) に先送りとなり ( 塚田 ) GCF 事務局に対して結果に基づく支払いについてさらなるプロポーザルを策定することが要請された その後 GCF 事務局は UNFCCC-COP22 期間中 (2016 年 11 月 ) に REDD+ の結果に基づく支払いに関するサイドイベント 5 を開催し ドナーや REDD+ 実施国から REDD+ の結果に基づく支払いに関する最新のグッドプラクティスや教訓を共有した 同年 12 月には 第 14 回 GCF 理事会決定に基づき Progress report on support for REDD-plus(GCF/B.15/Inf.07) 6 が策定され 結果に基づく支払いに関して考慮すべ 1 外務省 ( 日本 ) ウェブサイト : 2 Support for REDD-plus(GCF/B.14/03) 3 第 14 回 GCF 理事会決定 (DECISION B.14/03) _Decisions_of_the_Board fourteenth_meeting_of_the_board 12-14_October_2016.pdf/da61a7d6- f3dc-4342-a744-a03257a33ed7 4 塚 直 (2017) COP22 における 地セクターの議論の概要 2016 年 サイドイベントの結果 ( 教訓等 ) は Progress report on support for REDD-plus(GCF/B.15/Inf.07) に盛り込まれる 6 Progress report on support for REDD-plus(GCF/B.15/Inf.07) _Progress_report_on_support_for_REDD_.pdf/ea88e238-be8e-44b b336e

286 き点等が示された Support for REDD-plus(GCF/B.14/03) と Progress report on support for REDD-plus(GCF/B.15/Inf.07) で提案された内容は 最終決定ではなく 今後 理事会からのインプット 専門家会合開催 ステークホルダーからのインプット収集 ドラフティングの継続が予定され 第 16 回 GCF 理事会にて議論されることが定められた これら文書に含まれるコンセプトやアプローチの提案は GCF による REDD+ 結果に基づく支払い制度に関する今後の鍵となる論点だと捉えられる このように REDD+ の結果に基づく支払いの制度の構築が進む中 GCF はすでに気候変動対策資金として機能を開始している これまでに 35 事業を採択し その内の 2 件は REDD+ フェーズ 2 案件 7 である 本章では 上記 GCF 理事会決定と事務局による文書のレビューを行い GCF による REDD+ の結果に基づく支払いに関して提案されたアプローチと課題とされる事項について整理を行った また承認されたプロジェクトを表に取りまとめ 特に REDD+ プロジェクト案件 2 事業について公開されたプロポーザルを基に情報を整理した 1) 第 14 回 GCF 理事会の決定 (DECISION B.14/03) (2016 年 10 月 ) 2016 年 10 月 日 韓国 松島で開催された GCF 第 14 回理事会では REDD+ に対する支援が検討された 同理事会決定 (DECISION B.14/03) では 2016 年 10 月に GCF 事務局によって策定された Support for REDD-plus(GCF/B.14/03)( 下記参照 ) を考慮し GCF の REDD+ 支援に際し 他の資金源および資金タイプを補完することの必要性が認識された他 REDD+ 国家戦略や行動計画 投資計画の開発とその実施を支援できることが盛り込まれた 結果に基づく支払いについては 決定の中で GCF 事務局に対して以下のプロポーザルを 第 16 回 GCF 理事会 (2017 年 3 月予定 ) までに策定するよう要請した : REDD+ ワルシャワ枠組みとその他 REDD+ に関する COP 決定との整合性を確保したガイダンスを含む REDD+ の結果に基づく支払いについての提案依頼書 (request for proposals:rfp) 国家指定機関 (National Designated Authority:NDA) またはフォーカルポイントが 既存の GCF のモダリティ ツール プログラムを活用して REDD+ の早期段階を進めるためのガイダンス (further guidance) 上記 2 つの文書のほか 事務局に対して 共同議長のアドバイスの下 ステークホルダ ーと専門家によるインプットプロセスの実施と第 15 回理事会でプログレスレポートの 報告 ( 下記参照 ) を要請した 7 エクアドル環境省による REDD+ 行動計画の準国レベルでの実施プロジェクトと マダガスカルでの Conservation International に VCS 方法論を活用した持続的ランドスケープアプローチ実施プロジェクト 282

287 2) Support for REDD-plus(GCF/B.14/03): 結果に基づく支払いに関する定義やアプローチ案第 14 期理事会に先駆けて 2016 年 10 月に GCF 事務局によって Support for REDDplus(GCF/B.14/03) が策定され 結果に基づく支払いに関する定義 既存の資金からの教訓及び GCF のアプローチ案が示された 本文書は 第 14 回理事会決定の中で確認と考慮 (take note and having considered) という形がとられ 本文書を基に 2016 年 12 月 8 日に Progress report on support for REDD-plus が策定された 以下 Support for REDD-plus(GCF/B.14/03) について取りまとめる (1) REDD+ 支援に関するコンセプト REDD+ の資金支援については REDD+ のどのフェーズを支援するのか また結果に基づく支払いとは具体的にどのような結果なのか明確にする必要がある Support for REDD-plus では 以下の定義が提案される : a)redd+ のフェーズドアプローチ (COP 決定 (1/CP.16) に基づき ) を以下のよう提案 : フェーズ 1:REDD+ 国家戦略または 行動計画 政策 対策の開発フェーズ 2: 国家政策 対策 戦略 行動計画の実施と結果に基づく実証活動の実施フェーズ 3: 完全に測定 報告 実証される結果に基づく行動への発展 b) 結果に基づく資金 (Result-based finance: RBF) の定義結果に基づく支払い (Result based Payment:RBP) と結果に基づく資金 (Result based Finance: RBF) は UNFCCC の決定文書や GCF の理事会文書では区別して使われていないが 本文書では結果に基づく資金は検証された REDD+ の成果に対する支払いに加えて その中間過程として 事前に定義され測定可能なマイルストーンまたは成果に対する GCF の様々な金融商品 (financial instruments) 8 を活用した支払いを指す (2) 既存の REDD+ の結果に基づく資金イニシアティブからの教訓フェーズ 1 2 の国際的資金メカニズムの他 世界銀行 FCPF 炭素基金 2 国間支援としてドイツ政府による REDD Early Movers programme(rem) やノルウェー政府の Norwegian International Climate and Forests(NICF) は REDD+ の結果に基づく資金プログラムを実施しており その経験は限られてはいるが 少数の国で支払いはすでに実施される 8 GCF による資金拠出は 返済義務を課さないグラントや譲許的融資 保証 エクイティ投資といった 金融手段を用いて行われる 283

288 早い段階での経験構築と結果に基づく支払い (RBP) を受け取ることができる状況の国を増やす必要性を認識し GCF は結果に基づく資金 (RBF) を排出削減や炭素蓄積増加への支払いのみを考慮するのではなく 中間過程としての事前に定義され測定可能なマイルストーンまたは成果に対する支払いも検討すべきである 森林減少 劣化の要因に対処するための投資は 大きく長期的でリスクが大きい 結果に基づく資金 (RBF) は 持続的で定期的であれば強大なインセンティブを提供することができ 低排出開発に向けたパラダイムシフトのビジョンが伴えば 国内外の異なる形式の土地利用活動関連の資金をレバレッジすることができる GCF は REDD+ の成果の支払いは行わない森林減少劣化の防止に貢献する森林と土地利用に関連する活動プロジェクトを承認している REDD+ の結果に基づく資金 delivery mechanism で広いメニューを提供することで GCF は REDD+ 活動を促進するための包括的な資金オプションのセットを提供することになり 様々な国の REDD+ の成果を認識できるようになる (3) 結果に基づく資金 (RBF) に関するアプローチとオプションの提案 a) トラックアプローチ GCF 事務局は 結果に基づく資金 (RBF) の運用を開始するために 中間的 事前に定められた 測定可能な REDD+ マイルストーンへの資金と検証された REDD+ の結果に対する資金の 2 つのトラックから構成される資金アプローチ ( 以下 2-トラックアプローチ )( 図 3-1-1) を提案する 2 つのトラックは GCF による REDD+ の結果に基づく支払いの完全な運用モダリティの開発のための試みであり 教訓を生み出すための初期的ステップだと位置づけられる トラック 1(REDD+ のマイルストーンに基づく資金 ): フェーズ 2 からフェーズ 3 への移行を促進する合意されたマイルストーンについて資金を提供する ( 例 ワルシャワ枠組みの要件の実施や 削減結果を生み出すための REDD+ 実施資金 森林減少の原因に対応する政策転換の実施等 ) トラック 2(REDD+ の結果に基づく支払い ): ワルシャワ枠組みの要件を満たした国における REDD+ フェーズ 3 において達成された測定 報告 実証された緩和成果に対する支払い 284

289 図 3-1-1:GCF の初期的結果に基づく資金体系案 出典 )GCF(2016)Support for REDD-plus(GCF/B.14/03) このような 2 トラックアプローチおよびその試行期間が必要な理由として以下が挙げられる : 国 準国レベルで REDD+ による事後 (ex-post) の結果に基づく支払いを完全に実施できる国はごく限られている また REDD+ ワルシャワ枠組みの運用はまだ始まったばかりであり GCF の結果に基づく資金を構築するための教訓をえるための経験は限られている 各国の事情は大きく異なり REDD+ のフェーズもさまざまである REDD+ を実施するための資金ニーズは国によって大きく異なる GCF が適切で予測可能な結果に基づく資金を提供するためには 鍵となる技術 運用的な事項を特定 評価 対処する必要がある COP17 で採択された GCF の基本設計とルールとなる Governing instrument for the Green Climate Fund 9. に基づき それぞれのトラックに関する運用モダリティを開発するためのプロセスの決定と それぞれのトラックを活用して実施する活動のプロポーザルを開発するためのガイダンスを提供する必要がある なお 2-トラックアプローチは 資金の重複回避について検討する必要があるが 1 つの国で同時に適用することが可能だと示される ( 例 1 つの国におけるいくつかのジュリスディクションでは REDD+ による削減成果が達成されており 他のジュリスディクションは REDD+ の要素の開発段階にある場合 ) 9 Governing instrument for the Green Climate Fund : 285

290 (3) REDD+ 結果に基づく資金運用に関する可能なオプショントラック 1 と 2 間で異なる技術 運用に関する課題を考慮に入れ GCF は戦略的計画 ポリシー 手続きに従って提案依頼書 (request for proposals:rfp) を取り入れることが示され 以下のオプションが提案される : オプション 1:RFP を 2 つのトラックに対して同時に発する このオプションは 各トラックについて ガイダンスと運用モダリティの開発が必要となる オプション 2: トラック 2( 結果に基づく資金 ) に対してだけ RFP を発し トラック 1 に対してはマイルストーンに基づく資金に関する中間運用的モダリティを適用する RFP は申請国 (REDD+ 実施国 ) のプロポーザル策定と GCF による選定作業を手引きするために簡単なクライテリアを含むことが検討される さらに 2 つのトラックの指標に関するモノダリティ開発のために 以下が留意点として挙げられる : プロポーザルは タイムラインとともに どのように資金が検証された排出削減を生み出すのに貢献するのかしっかりと説明し ワルシャワ REDD+ 枠組みと REDD+ に関する GCF 理事会決定を遵守すること 排出削減に基づくプロポーザルを提出できない国については プロポーザルは REDD+ 実施に関する資金ニーズと障害の詳細な分析に基づいた戦略的介入 (strategic intervention) のポートフォリオを含めること 3) Progress report on support for REDD-plus(2016 年 12 月 ) 第 14 回 GCF 理事会の決定 (DECISION B.14/03) に従い 2016 年 12 月 8 日に GCF 事務局によって Progress report on support for REDD-plus (GCF/B.15/Inf.07) が策定された 本文書には COP22 サイドイベント Green Climate Fund dialogue on REDD+ results-based payments で参加者と共有された教訓 GCF の結果に基づく支払いに関する検討事項 REDD+ の早期段階を進めるためのガイダンス策定に関する進捗 今後の方針が含まれる 以下に 内容を取りまとめる (1) COP22 サイドイベント Green Climate Fund dialogue on REDD+ results-based payments で共有された教訓 COP22 のサイドイベントでは 結果に基づく支払いに関して 以下の教訓が引き出された : コンゴ民主共和国 : 排出削減を達成するためには事前 (ex-ante) の資金が必要 REDD+ の実施の資金計画を含め REDD+ が開発政策に組み込まれていることが重要 ブラジル : ワルシャワ枠組みの実施が重要 政府の責任のある主体性と明確なガバナンス構造のためには政府の役割が重要 286

291 REDD Early Movers programme(rem): 結果に基づく支払いプログラム実施国を選ぶためのクライテリアを紹介 REDD+ の政治的意思 (Political will) の指標として森林保全政策措置のトラックレコード 国家森林モニタリングシステム 便益分配メカニズムの実施等を挙げる Norwegian International Climate and Forests: 森林排出参照レベル (FREL) と価格付けメカニズムに関係する二国間イニシアティブの経験と森林分野の資金援助に対するノルウェーのコミットメントについて紹介 また イベントの参加者からのコメントとして以下が挙げられる : より野心的な排出削減を達成するためには すでに存在する REDD+ プロジェクトが準国 国レベルに統合されるほか 森林土地利用に関する投資は国家政策に即したものである必要がある 一方で 多くの国では REDD+ プロジェクトが準国 国レベルアプローチの出発点となっている現状もある 資金は重要ではあるが REDD+ 国家政策は REDD+ 実施を可能にする環境を構築するために必要である GCF は 他の REDD+ 資金を補完するべきである FREL の分析方法や炭素価格の設定など REDD+ の要素を検証するためには柔軟性あるアプローチが不可欠である 森林減少に対処するコストが現在適用されている炭素価格よりもはるかに高いことから 炭素価格は インセンティブとして十分機能するよう設定する必要がある 結果に基づく支払いは すでに達成された結果に対することから 炭素価格設定には 調整が可能なスライディング スケール方式も考えられる (2) REDD+ 結果に基づく支払いの提案依頼書 (request for proposals) に関する検討事項 2013 年 COP19 で合意されたワルシャワ枠組みで示された REDD+ の結果に基づく支払い 10 を GCF が実施するために検討すべき 7 つの技術的 方法論的 手続き的論点が挙げられた ( 図 3-1-2) これら論点は Support for REDD-plus(GCF/B.14/03) で示された検討点に従い COP22 にて開催された GCF のサイドイベントでの協議結果と UNFCCC で決定された既存のガイダンスの分析に基づく 10 国家 REDD+ 戦略 / 行動計画 森林排出参照レベル 国家森林モニタリングシステム セーフガードに関する情報提供システム 参照排出レベル / 参照レベルの技術評価 287

292 図 GCF によるワルシャワ REDD+ 枠組みの運用 出典 )GCF(2016)Progress report on support for REDD-plus(GCF/B.15/Inf.07) a) 実施スケール (Scale of intervention) REDD+ の実施は 段階的に改善するフェーズドアプローチがとられ 国によってその段階は異なり 対象とする地理的スケールも異なる GCF の REDD+ 結果に基づく支払いの提案依頼書 (request for the proposal:rfp ) において扱うスケールは UNFCCC の規定に従って国レベルである ただし 一時的な措置として 国家森林モニタリングシステムの導入を伴った準国レベルでの実施も含める柔軟性も備える必要がある この一時的な措置としての準国レベルでの実施は 各国の国レベルでの実施に向けたタイムフレームとアプローチを考慮する必要がある また 民間等のプロジェクトをネスティングして準国レベルとするアプローチを検討している国もあることにも考慮が必要 b) 資金アクセス モダリティ (Access Modality) COP では途上国の国家機関またはフォーカルポイントが 結果に基づく支払いを受け取る機関を指定するとある 11 一方で GFC の資金アクセスについては 国際機関, 地域機関, 国家機関等が認証機関 (Accredited Entity) として認定された上で, 個別案件を GCF 事務局に申請することになっている REDD+ 実施国における GCF の認証機関 (Accredited Entity) 12 は非常に限られており 現時点ではほとんどの REDD+ 実施国政府は 直接申請することが難しい状況である 13 理事会は 各国の国家機関 フォーカルポイントと調整の元 認証機関を通じ REDD+ 支払いのアクセス モダリティの 11 UNFCCC decision 10/CP.19, paragraphs 1 and 2:GCF からの支援を希望する途上国は 基金とのインターフェースとして 国家指定期間 (NDA) あるいはフォーカルポイントを指定する 12 GCF は 認証基準に基づいて審査 認証した認証実施機関を通じて事業資金を供給する仕組みとなっている 認証機関の性質によって, ダイレクト アクセス機関 ( 国及び準国家の機関 地域機関 ), インターナショナル アクセス機関 ( 国際機関 地域機関 ) に区分される 年 2 月時点で 48 機関が承認されているが その内途上国の国家関連機関は 13 機関とである :8 機関 ( アフリカ ) 2 機関 ( 中南米 ) 3 機関 ( アジア ) 288

293 ガイダンスを提供することを検討する必要がある c) 結果の評価 (Financial valuation of results) GCF は REDD+ の結果と支払いの関係をどのように決定するかガイダンスを策定する必要があり 理事会は価格決定のため 様々な可能性を検討する必要がある 検討する 14 点として 既存の REDD+ 資金メカニズムが採用している固定価格 UNFCCC の技術評価チームの見解 ( 不確実性レベル 使用方法論の詳細等 ) を反映した価格調整 その他のアプローチが含まれる d) 予測可能な利用可能資金 (Predictable funding available) FCPF 炭素基金やドイツ政府 (REM) ノルウェー政府は REDD+ の結果に基づく資金メカニズムを構築 資金供与を進めており それぞれ資金量 制度 モダリティが異なる 15 GCF 理事会はこのような REDD+ の資金の構図に参加することを認識する必要がある 現在有効な資金 これら資金にアクセスできる国の数が限られていること 結果に基づく支払いに対する潜在的な追加需要 既存の資金メカニズムとの調整 支払い調整等を考慮する必要がある また 既存の資金メカニズムの経験から REDD+ の結果に基づく支払いに対する初期資金量を設定する必要がある 資金量はワルシャワ枠組み等の各国の進捗を考慮して設定する 各国への可能な資金配分等も記述することもできるだろうが もし 初期資金量がすべて使われなかった場合は より多くの結果を達成した国に対し追加的な資金にアクセスが可能にすることも考慮する必要がある e) REDD+ カンクンセーフガードの運用 GCF のセーフガード方針は International Finance Corporation のパフォーマンススタンダードに該当する暫定版環境社会セーフガード (ESS) を使用しており GCF の認証機関として承認されるには どのように環境 社会リスクが対処 管理されるのか実証する必要がある REDD+ 実施国は REDD+ セーフガードに準拠していることが要求され ワルシャワ枠組みにより REDD+ の結果に基づく支払いを受け取るに際し REDD+ セーフガードの実施に関する情報サマリーの提出が求められる ( 一方で COP 決定ではサマリーのアセスメントは含まれていない ) 理事会は(i)REDD+ のサマリー情報の受け取りとアセスメントの手続き (ii)gcf の ESSを全体のセーフガードアセスメントにどのように含めるか (iii) カンクン REDD+ セーフガードと GCF ESS をどのように調和させるかについて検討する必要がある 14 REM や FCPF 炭素基金は USD 5/t CO2eq を採用 15 REM は USD 56.5 百万 FCPF は USD 465 百万 NICFI は二国間合意で USD 2.7 十億 ( 年間 350 百 万上限 ) を提供 ただし FCPF 炭素資金による結果に基づく支払いはまだ実施されていない 289

294 (e) 森林排出参照レベル / 森林参照レベル (FREL/FRL) 参照期間 開始時期 支払い期間ワルシャワ枠組みでは FREL/FRL の設定の手続きを示しているが これまで提出された FREL/FRL は 各国はそれぞれが方法論を選んでいる形となっている 公平な資金配分のために 各国が採用した多用なアプローチを 翻訳する アプローチを検討する必要がある また 支払いの対象期間と参照レベルの期間を定義する必要がある 例えば 実施国が成果を出すための合意前の努力も考慮して 合意の前 2 年間の成果に対して支払う などが挙げられる 16 (f) 2 重支払いのリスク 2 重支払いのリスク回避と透明性確保のため 理事会は 支払いを受ける REDD+ 実施国に対して 資金源の情報開示を求めることを考慮する必要がある 結果の申請の前に各国に提供された REDD+ のための事前 (ex-ante ) の資金についても分析する必要があるかもしれない GCF は通常のプロジェクトサイクルとして REDD+ の初期のフェーズの REDD+ 実施と国家戦略 投資計画に対しても投資をすることを決定している (DECISION B.14/03) ため 異なる資金源や事前 (ex-ante) と事後 (ex-post) の資金の関係についても透明性をもって分析する必要があるだろう 上記点およびその他の必要な検討事項は 理事会からのインプット 専門家会合開催 ステークホルダーからのインプット収集を経て ドラフティングの継続が予定される (3) その他ガイダンス (REDD+ の初期段階において GCF の支援を受けるためのガイダンス ) 第 14 回 GCF 理事会の決定 (DECISION B.14/03) の要請に基づき 事務局は 国家指定機関 (NDA) またはフォーカルポイントが 既存の GCF の様式 ツール プログラムを活用して REDD+ の早期段階を進めるためのガイダンスの策定を進める ガイダンスの主な焦点として (1)REDD+ のすべてのフェーズに対して統合的で調和のとれたアプローチを構築すること及び (2) 全てのフェーズの REDD+ への投資によって その国の REDD+ 国家戦略 行動計画を達成させ GCF パイプラインと結果に基づく支払いスキームにおいてフェーズ 1 2 から 3 へのスムーズな移行ができるようにすることである ガイダンスの開発には 主に以下の作業が必要となる : 通常の GCF プロジェクト / プログラム サイクルにおける現在の REDD+ パイプラインとポートフォリオの分析 教訓の反映とギャップの特定 次の事項との調和 :(1)GCF のポリシーと手順 (2) 開発が行われる結果に基づ 16 REM は 実施国が成果を出すための合意前の努力も考慮して 合意の前 2 年間の削減成果も支払いに含める 290

295 く支払いに関する提案依頼書 (RFP) ( 3) 開発が行われる代替的政策アプローチ (4)UNFCCC の REDD+ 関連決定 民間セクター資金動員に関する Private Sector Advisory Group の意見を考慮し 革新的金融様式と商品 (Innovative financing modalities and instruments) の特定 GCF の既存のプログラムやその他の REDD+ 資金イニシアティブとの相補性と一貫性の確保 (4) ステークホルダー 専門家からのインプットプロセス REDD+ 結果に基づく支払いのプロポーザルについては 理事会決定 (DECISION B.14/03) にて ステークホルダーと専門家によるインプットが求められる インプット収集について以下のプロセスが提案される : 17 理事会メンバーからのインプット :2017 年 1 月中旬 REDD+ 技術専門家からのインプット :2017 年の早期 先住民グループ含め関連ステークホルダー : すでに収集済み 議長との調整で引き続き収集が続けられる (5) REDD+ の結果に基づく支払いの実施とその他ガイダンス開発のための今後のステップ今後のステップとして GFC 事務局は共同議長と調整し 結果に基づく支払いに関する提案依頼書とさらなるガイダンス開発のため以下の活動を行う : 理事会からのインプットの要請と収集 専門家会合開催 ステークホルダーからのインプット収集手続きを終了させる ドラフティングの継続 4) GCF に承認されたプロジェクトこれまでに承認された 35 の事業を表 3-1-1( 章末 ) に取りまとめる プロジェクトの地理的分配については アフリカ 15 件 中南米 7 件 アジア太平洋 13 件 東ヨーロッパ 2 件となっている (1 件のプロジェクトが複数の国を対象とする場合もある ) 気候インパクトに関する資金分配については 緩和 (34%) 適応(29%) クロス カッテ 18 ィング (37%) という形でバランスが配慮されている GCF は支援を行う 8 分野を定めており 1 事業につき複数の分野が含まれる場合が多いが 35 件の内 ライブリフッド (20 件 ) インフラストラクチャー(10 件 ) エネルギー(11 件 ) 健康 ( 13 件 ) 17 理事会およびステークホルダーに対するインプット要請は 2017 年 2 月 24 日に出された : 18 GCF の定める 8 の支援分野 : 緩和 ( エネルギー 交通 都市 森林 ) 適応( 健康 ライブリフッ ド 生態系サービス インフラストラクチャー ) 291

296 生態系サービス (10 件 ) 都市 ( 5 件 ) 森林 ( 5 件 ) という内容になっている 森林案件 5 事業の内 1 件がエクアドルにおける REDD+ 実施支援プロジェクトである GCF への資金のアクセスは 認証機関 (Accredited Entity) によって行われるが REDD+ プロジェクトを含め 承認された 35 件のプロジェクトの 7 割以上が 国際機関が承認機関である資金アクセスとなっている (1) エクアドル REDD+ プロジェクト :Priming Financial and Land-Use Planning Instruments to Reduce Emissions from Deforestation 19 エクアドルでは 2000 年から 2009 年の間 森林減少率は毎年 109,000ha と推定され その 99% が農業用地へ転換によって引き起こされたと考えられる エクアドルでは 環境省が責任機関となって REDD+ の準備活動が進められ 2014 年 12 月に UNFCCC の森林排出参照レベルを提出 2016 年 11 月には REDD+ 行動計画 (2016 年 ~2025 年 ) が策定された REDD+ 行動計画は エクアドル国家気候変動戦略 (ENCC) 及び国家開発計画の一環として位置づけられ 削減目標として 森林減少の排出参照レベル (2000 年 ~2008 年 ) に対して 2025 年までに少なくとも 20% の排出削減を達成することが挙げられる UN REDD プログラムの協力を受けて エクアドル環境省は REDD+ 行動計画をアマゾン地域と乾燥森林地域で実施するために GCF から US$ 41.2 million の資金供与を受けることが 2016 年 10 月に承認された これは GCF の資金をうける初の REDD+ プロジェクトであるが 結果に基づく支払い ( フェーズ 3) ではなく REDD+ 行動計画の実施を支援する REDD+ フェーズ 2 に相当する資金供与である プロジェクトは REDD+ 行動計画の実施を支援し 特に森林での農業開発のコントロールのため以下の対策に対して資金を提供する : 森林減少を抑制する農業 牧畜のための資金 経済メカニズムの強化 気候変動に関連した土地利用ゾーニングの実施 惰弱な水源涵養地の復旧 保全と持続的生産の強化 持続的農業生産活動のための公的クレジットの実施 REDD+ 支援活動のための税制インセンティブの促進森林減少フリー商品 認証 トレーサビリティーに関する政策の強化 以下にプロジェクトの概要を取りまとめる : プロジェクト名 (ID):Priming Financial and Land-Use Planning Instruments to Reduce Emissions from Deforestation(FP019) 19 : エクアドル REDD+ プロジェクトのプロポーザル : _Funding_proposal_package_for_FP019.pdf/891deb d7-982a-da3c

297 プロジェクト期間 :5 年間 ( ) プロジェクト オーナー (Project owner) 認証機関 (Accredited Entity): 国連開発計画 (UNDP) 実施機関 (Executing Entity): エクアドル環境省 期待される緩和成果 :1 千 5 百万 tco2 プロジェクト資金 機関 ( 資 GCF エクアドル エクアド UNDP, FAO UNDP 計 金タイプ ) ( 供与 ) 環境省 ( 供与 ) ル農務省 ( 供与 ) UNEP( 供与 ) ( 供与 ) ( 供与 ) USD 41.2M 31.8M 8.5M 680.0K 820.0K 1.1M 84.9 M 地理的スケール :GCF プロジェクトは アマゾン地域と乾燥森林を対象としており 全 24 県の内 7 県をカバー REDD+ 行動計画で優先される地域の 20% の地域をカバーする準国レベルとなっている モニタリングと報告 : 排出削減成果を含むプロジェクトのモニタリングは GCF s Performance Measurement Framework に基づき 期待される成果について 指標 検証方法 ベースライン 目標 想定が設定される GCF プロジェクト期間中の REDD+ 行動計画実施を通じて達成する排出削減は UNFCCC に提出する隔年報告書を通じて 2018 年 2020 年 2022 年に評価 報告が行われる (2) マダガスカルの REDD+ プロジェクト :Sustainable Landscapes in Eastern Madagascar 20 プロジェクトのゴールは持続的ランドスケープアプローチを実施し 小規模農家のレジリアンス強化 土地 森林管理向上と持続的エネルギー活用による GHG 排出削減 そして民間資金をライブリフッドに係る農業および再生可能なエネルギーに動員することである 民間セクター活動に対する GCF の投資による収益は 引き続きランドスケープレベルの気候変動適応 緩和活動に投資するため GCF の承認のもと マダガスカルの気候変動信託基金 (Climate Change Trust Fund for Madagascar) に活用する プロジェクトの成果として以下 5 つのコンポーネントが挙げられる : 適応能力の強化と気候リスクの軽減 気候変動の脅威とリスク削減プロセスに関する意識の強化 20 マダガスカルの REDD+ プロジェクトプロポーザル : _Funding_proposal_package_for_FP026.pdf/934c c1-a a1070e 293

298 気候変動に対応できる計画と開発のための制度 法的制度の強化 低炭素エネルギー供給源の増加 排出削減に貢献する土地と森林管理の向上 REDD+ は 5 つ目のコンポーネントに相当する GCF プロジェクトは 主に Ambositra Vondrozo Forest コリドー (COFAV フランス語略称 ) 及び Ankeniheny-Zahamena Forest コリドー ( フランス語略称 CAZ) におけるランドスケープを対象とする これらコリドーはランドスケープスケールの REDD+ パイロット事業として新たな保護区として 2015 年に設立され VCS によって妥当性確認と検証を受け 21 世界銀行の社会セーフガードの要件を満たす なお COFAV は CCBS の認証も受けている 22 マダガスカルでは 主に FCPF の支援により REDD+ の準備活動が進められるが REDD+ 計測と褒賞に関する技術的 制度的事項については 今後開発が行われ 現時点では明らかでない このことからも どのように本プロジェクトの REDD+ 活動が国家 REDD+ プログラムと関連するかは明らかでないが 以下の原則が示される : CI は国家 REDD+ アドバイサリー委員会のメンバーであり 国家 REDD+ 方針との一致 連携を図る GCF はプロジェクトによる排出削減情報を公開することからも また二重計測のリスクを排除するために 投資資金は取引可能な排出削減を目的とする REDD+ プロジェクト / プログラムに直接投資は行わない FCPF 炭素基金等の他の GHG 排出削減プログラムにカウントされる排出削減に貢献する事業に投資する場合 プロジェクトはその REDD+ プログラムと調整を行い それら事業による緩和成果を認識し 国家 REDD+ レジストリー (FCPF の支援する国家プログラムにて構築が予定される ) において GCF に帰するよう図る REDD+ プロジェクトの一環として森林減少に対処する活動に投資する場合 プロジェクトの計測は 国またはジュリスディクショナルプログラムに従うことが投資の条件となる 二重計測を防止するために CAZ と COFAV の改善された森林管理によるプロジェクト期間中の取引可能な排出削減はプロジェクト及び国家レジストリーから排除される 以下にプロジェクトの概要を取りまとめる : プロジェクト名 (ID): Sustainable Landscapes in Eastern Madagascar (FP026) プロジェクト期間 :10 年間 ( ) プロジェクト オーナー (Project owner) 認証機関 (Accredited Entity): Conservation

299 International Foundation (CI) European Investment Bank (EIB) 実施機関 (Executing Entity): Conservation International Madagascar Program (CIM) Bureau National de Coordination des Changements Climatiques (BNCCC) Madagascar Althelia Climate Fund GP Sarl (Althelia) 期待される緩和成果 :1 千万 tco2 期待される適応成果 :3.3 千万ワットのキャパシティの再生可能エネルギー発電 56.2 万人の直接便益者 ( 内 11.4 万人はレジリエンス強化 44.8 万人は低排出エネルギーへ のアクセス ) プロジェクト資金 : 機関 ( 資 GCF GCF EIB EIB (ACP Althelia CI ( 供 計 金タイプ ) ( エクイティ ) ( 供与 ) (Green Bond) ( ローン ) SFF) ( ローン ) ( エクイティ ) 与 ) USD 35.0M 18.5M 10.0M 5.0M k k 69.8M 地理的スケール : 主に Ambositra Vondrozo Forest コリドー (COFAV フランス語略称 ) 及び Ankeniheny-Zahamena Forest コリドー ( フランス語略称 CAZ) におけるランドスケープを対象とする モニタリングと報告 : 排出削減成果に関するモニタリングは GCF s Performance Measurement Framework に基づき 期待される成果について 指標 検証方法 ベースライン 目標 想定が設定される 特に CAZ と COFAV の森林減少防止による排出削減は VCS 方法論 VM0015 を用いて算出され 投資資金による持続的農業への投資による排出削減は ( プロジェクト期間中の ) 森林減少は 1ha あたり 0.5ha として算出される プロジェクト期間中に 3 回 (3 年目 5 年目 10 年目 ) に独立した評価が行われる 評価項目等の詳細については CI EIB と GCF によって協議されるが 評価には中央地方政府 民間セクター 市民社会が参加する また CI は ランドスケープへの投資インパクトを評価するための Landscape Accounting Framework (LAF) を開発する予定 295

300 表 GCF に承認されたプロジェクト Climate impact Location Investment Data Project owvers Project periodo Project Number Project Name Type Mitigation(Anticipat ed tonnes of CO2 equivalent avoided: TONNES of CO2) Beneficiaries (Anticipated number of people with increased resilience) GCF Results Areas UN SDG Region Country Financing Project Size E&S Risk Category: GCFfinancing ( Instrument) Co-financing Accredited Entity Executing Entity Approved Duration (years) FP037 FP036 Integrated Flood Management to Enhance Climate Adaptatio Resilience of the n Vaisigano River Catchment in Samoa Pacific Islands Renewable Energy Investment Program 37,000 Mitigation & 95.6k 10,000 Adaptatio n Livelihoods of people and communities Infrastructure and built environment Energy generation and access Health, food and water security Livelihoods of people and communities Infrastructure and built environment #9 Industry, innovation Asia and Pacific infrastructure #7 Affordable and clean energy Asia Pacific Samoa Public Midium Cook Islands Public Small Category B Category B USD 57.7 (Grant) USD 8 M (Government of Samoa) USD 5.0 m (Grant, ADB), USD 17.0 m (Grant) USD 4.0 m (Government) UNDP Asian Development Bank (ADB) Ministry of Financ, Samoa Te Aponga Uira and Cook Islands, ADB Dec-16 6 Dec FP035 Climate Information Services for Resilient Adaptatio Development in n Vanuatu 260,730 Health, food and water security Livelihoods of people and communities #15 Life on Ecosystems and land ecosystem services Infrastructure and built environment Asia Pacific Vanuatu Public Small Category C USD 1.5 m (Government of Vanuatu), USD 23.0 m (Grant) USD 2.2 m (Grant, Delivery Partner) Secretariat of the Pacific Regional Environment Programme (SPREP) SPREP, Government of Vanuatu through the Vanuatu Meteorological & Geohazard Department Dec FPO34 Building Resilient Communities, Wetlands Ecosystems and Associated Catchments in Uganda Adaptatio n 4,800,000 Livelihoods of people and communities Ecosystems and ecosystem services #15 Life on land Africa Uganda Public Small Category B USC 2.0 m (Grant, UNDP), USD 18.1 m USD 24.1 m (Grant) (Government of Uganda ) UNDP Ministries of Water and Environment, Agriculture, Animal Industry and Fisheries Uganda, Uganda National Meteorology Authority (Uganda) Dec-16 8 FPO33 FPO30 FPO29 FPO28 Accelerating the Transformational Shift to a Low- Carbon Economy in the Republic of Mitigation 4.3 m Catalyzing private investment in Mitigation 15.3 m sustainable energy in Argentina - Part 1 SCF Capital Solutions Business loan programme for GHG emissions reduction Mitigation 33.0 m Mitigation 1.2 m Energy generation and access Energy generation and access #7 Affordable and clean energy #7 Affordable and clean energy Energy generation and access #7 Affordable Buildings, cities, and clean industries and appliances energy Energy generation and access Buildings, cities, industries and appliances #7 Affordable and clean energy Africa Mauritius Public Midium Latin America & Argentina Private Large Caribbean Africa Asia Pacific South Africa Private Small Mongolia Private Small Category B Category B Category B Category B USD 37.9 m (Loan, AFD), USD m USD 28.2 m (Grant) (Government of UNDP Mauritius), USD 1.4 m (Grant, UNDP) USD m (Loan, Inter-American Development Bank), USD 32.0 (Loan, Inter- USD m American Investment (Loan), USD 3.0 m Corporation), USD (Grant) m (Loan, B-lender and co-lenders to be mobilized by IDBG and project sponsors), USD m (Equity, Project USD 12.2 m (Equity) USD 19.5 m (Loan), USD k (Grant) Inter-American Development Bank (IDB) Ministry of Finance and Economic Development Dec (Mauritius) IDB, Inter-American Investment Corporation Dec USD 12.2 m (Equity, Private Investor), USD 7.4 m (Equity, SEFA (Small Development Enterprise Finance Bank of Southern SCF Capital Solutions Agency (of South Africa)) Africa (DBSA), USD 2.2 m (Equity, Dec DBSA), USD 74.0 k (Equity, SCF Capital USD 20.0 m (Loan, Global Climate Partnership Fund) XacBank LLC, USD 15.0 m (Loan, (XacBank) EBRD), USD 5.0 m (Loan, DWM Securitizations) XacBank LLC Dec

301 FPO27 Universal Green Energy Access Programme Mitigation 50.6 m Energy generation and access #7 Affordable and clean energy Africa Benin, Kenya, Namibia, Nigeria, Private United Republic of Tanzania Large Category B USD 78.4 m (Equity), USD 1.6 m (Grant) USD 9.0 m (Equity, Deutsche Bank), USD m (Equity, Private Sector), Public Sector, USD 20.0 m (Equity, Public Sector) Deutsche Bank The Universal Green AktienGesellschaf Energy Access t (Deutsche Bank Program S.A.SIC- AG) SICAV Oct FPO26 Sustainable Landscapes in Eastern Madagascar Mitigation & Adaptatio n security 10.0 m 562,000 Energy generation and access. Forests and land use Health, food and water Livelihoods of people and communities Ecosystems and ecosystem services #7 Affordable and clean energy Africa Madagascar Private Midium Category B USD 35.0 m (Equity), USD 18.5 m (Grant) USD 10.0 (Loan, EIB (Green Bond), USD 5.0 m (Loan, EIB (ACP SFF) ), USD k (Equity, Althelia), USD k (Grant, CI) Conservation International Foundation (CI), European Investment Bank (EIB) Conservation International Madagascar Program (CIM), Bureau National de Coordination des Changements Climatiques (BNCCC) Madagascar, Althelia Climate Fund GP Sarl (Althelia) Oct FPO25 GCF-EBRD Sustainable Energy Financing Facilities Mitigation & Adaptatio n Energy generation and access Health, food and water 29.1 m 90,660 security Infrastructure and built environment #7 Affordable and clean energy Africa, Asia Pacific, Eastern Europe Armenia, Egypt, Georgia, Jordan, Republic of Moldova, Private Mongolia, Morocco, Serbia, Tajikistan, Tunisia, Large Category B USD 1.0 B (Loan, EBRD), USD m USD 34.0 m (Grant, (Loan), USD 34.0 m EBRD and/or other (Grant) bilateral and multilateral donors) European Bank for Reconstruction and Development (EBRD) EBRD s SEFF team, EFF implementation teams, Participating financial institutions (PFIs) Oct FPO24 FPO23 FPO22 FPO21 Empower to Adapt: Creating Climate- Change Resilient Livelihoods through Community-Based Natural Resource Management in Namibia Adaptatio n Climate Resilient Agriculture in three of the Vulnerable Adaptatio Extreme northern n crop-growing regions (CRAVE) Development of Argan orchards in Degraded Environment - DARED Mitigation & Adaptatio n Senegal Integrated Adaptatio Urban Flood n Management Project Health, food and water security Livelihoods of people and 76,500 communities Ecosystems and ecosystem services #11 Sustainable cities and communities Health, food and water #11 security Sustainable 21,000 Livelihoods of people and cities and communities communities Forests and land use Livelihoods of people and 604.2k m 26,000 communities #11 Sustainable cities and communities Africa Namibia Public Micro Africa Namibia Public Micro Africa Morocco Public Small Category C Category C Category B Livelihoods of people and #9 Industry, communities innovation 2,200,000 Infrastructure and built Africa Senegal Public Medium Category and A environment infrastructure USD 10.0 m (Grant) USD 9.5 m (Grant) USD k (Grant, Ministry of Agriculture, Water and Forestry) USD 4.1m (Grant, National Agency for the Development of Oases and Argan Zones (ANDZOA)), USD 5.0 m (Grant, Regional USD 39.3 m (Grant) Directorate of Agriculture Souss Massa (DRA SM) ), USD k (Grant, Agency for Hydrological Basin of Souss Massa (ABH SM) ) USD 55.8 m (Loan, AFD), USD 16.7 m (Grant) USD 6.7 m (Grant, Government of Senegal) Environmental Investment Fund (EIF) Environmental Investment Fund (EIF) Agency for Agricultural Development of Morocco (ADA) Agence Française de Developpement (AFD) Communal Conservancies, Community Forests, MET, Support organizations e.g. Namibian Association of CBNRM Support Organizations (NACSO) Ministry of Agriculture, Water and Forestry (MAWF) Namibia National Agency for the Development of Oases and Argan Zones (ANDZOA) Morocco Ministry of Urban Renewal, Housing and Living Environment, Senegal National Office for Sanitatio, Senegal National Agency for Civil Aviation and Meteorology, Directorate for Water Resource Planning and Management, Investment Promotion and Large Projects Agency Oct-16 5 Oct-16 5 Oct-16 6 Oct

302 FPO20 Sustainable Energy Facility for the Eastern Caribbean Mitigation 9.4 m Energy generation and access #7 Affordable and clean energy Latin America & Caribbean Dominica, Grenada, Saint Kitts and Nevis, Saint Lucia, Public Medium Category Saint A Vincent and the Grenadines USD 60.0 m (Loan, Years to pay: 20, Interest: 0.75), USD 20.0 m (Grant) USD 20.0 m (Loan, IDB), USD 19.1 m (Grant, CTF), USD 40.0 (Loan, JICA), USD 10.0 m (Loan, CDB), USD 1.9 m (Loan, GEF), USD K (Grant, IDB), USD 1.0 m (Grant, JICA), USD 18.0 m (Grant, DFID) Inter-American Development Bank (IDB) Caribbean Development Bank (CDB) Oct-16 8 FPO19 FPO18 FPO17 FPO16 FPO15 FPO14 FPO13 FPO12 Priming Financial and Land-Use Planning Instruments to Reduce Emissions from Deforestation Mitigation 15.0 m Scaling up of Glacial Lake Outburst Flood Adaptatio (GLOF) risk n reduction in Northern Pakistan Climate Action and Solar Energy Development Mitigation 3.7 m Programme in the Tarapacá Region in Chile Strengthening the resilience of smallholder farmers in the Dry Zone to Adaptatio climate variability and n extreme events through an integrated approach to water Tuvalu Coastal Adaptation Project Adaptatio n Climate Adaptation and Mitigation Adaptatio Program for the Aral n Sea Basin (CAMP4ASB) Improving the resilience of vulnerable coastal communities to climate change related impacts in Viet Nam Mitigation & Adaptatio n Africa Hydromet Program - Strengthening Adaptatio Climate Resilience in n Sub-Saharan Africa: Mali Country Project Forests and land use #15 Life on land Health, food and water #9 Industry, security innovation Asia 29,233,000 Livelihoods of people and and Pacific communities infrastructure Energy generation and access Livelihoods of people and communities #7 Affordable and clean energy Health, food and water #6 Clean security 1,950,374 water and Livelihoods of people and sanitation communities Latin America & Equador Public Medium Category B Caribbean Pakistan Public Small Latin America & Chile Private Large Caribbean Asia Pacific Livelihoods of people and #9 Industry, communities innovation Asia 6,599 Infrastructure and built and Pacific environment infrastructure Livelihoods of people and communities 205,000 Ecosystems and ecosystem services Forests and land use Livelihoods of people and communities Ecosystems and 1.9 m 30,000,000 ecosystem services Infrastructure and built environment #11 Sustainable cities and communities #11 Sustainable cities and communities Health, food and water #11 security Sustainable 5,300,000 Livelihoods of people and cities and communities communities Asia Pacific Asia Pacific Category B Category B Sri Lanka Public Medium Category B Tuvalu Public Small Category B Tajikistan, Category Public Medium Uzbekistan B Vietnam Public Small Africa Mali Public Small Category B Category B USD 31.8 m (Grant, Ministry of Environment of Ecuador), USD 8.5 m (Grant, Ministry of USD 41.2 m (Grant) Agriculture of Ecuador), USD K (Grant, UNDP and UNEP), USD K (Grant, FAO), USD 1.1 m (Grant, UNDP) USD k (Grant, USD 37.0 m (Grant) Government of Gilgit - Baltistan) USD 49.0 m (Loan) USD 50.0 m (Loan, CAF), USD 50.0 m (Loan, TBD), USD m (Equity, Sponsors) United Nations Development Programme (UNDP) United Nations Development Programme (UNDP) Corporación Andina de Fomento (CAF) United Nations USD 38.1 m (Grant) USD 14.0 m (Grant, Development Government of Sri Lanka) Programme (UNDP) USD 36.0 m (Grant) USD 2.9 m (Grant, Government of Tuvalu) USD 19.0 m (Grant) USD 14.0 m (Loan, IDA), USD 9.0 m (Loan, IDA), USD 15.0 m (Grant, IDA), USD 11.8 m (Grant, Government of Tajikistan and Uzbekistan) USD 1.4 m (Grant, USD 29.5 m (Grant) USD 22.8 m (Grant) USD 8.0 m (Grant, Ministry of Construction), Ministry of Agriculture and Rural Development), USD 1.6 m (UNDP) USD 2.5 m (Grant, World Bank), USD 2.0 m (Grant, Government of Mali) United Nations Development Programme (UNDP) Ministry of Environment Ecuador Ministry of Climate Change Pakistan Atacama Solar S.A Chile Ministry of Mahaweli Development and Environment (MMDE) of Sri Lanka Oct-16 5 Oct-16 5 Jun Jun-16 7 UNDP Jun International Bank for Reconstruction Executive Committee and Development for International Fund and International for Saving the Aral Sea Development Association (World Bank) United Nations Development Programme (UNDP) International Bank for Reconstruction and Development and International Development Association (World Bank) Ministry of Agriculture and Rural Development Vietnam General Directorate of Civil Protection (DGPC) Mali Jul-16 6 Jun-16 5 Jun

303 FPO11 FPO10 FPO09 FPO08 Large-scale Ecosystem-based Adaptation in the Gambia River Basin: developing a climate resilient, natural resource based economy Adaptatio n De-risking and scaling-up investment in energy Mitigation 1.4 m efficient building retrofits in Armenia Energy Savings Insurance for private energy efficiency Mitigation k investments by Small and Medium-Sized Enterprises Fiji Urban Water Supply and Adaptatio Wastewater n Management Project Health, food and water security Livelihoods of people and 57,750 communities Ecosystems and ecosystem services #11 Sustainable cities and communities Africa #9 Industry, Buildings, cities, innovation Eastern 210,000 industries and appliances and Europe infrastructure Gambia (Islamic Public Republic of the) Small Armenia Public Small #9 Industry, Latin Buildings, cities, innovation America & El Salvador Public industries and appliances and Caribbean infrastructure Health, food and water security Livelihoods of people and communities #6 Clean 290,854 Ecosystems and water and ecosystem services sanitation Infrastructure and built environment Asia Pacific Small Category C Category C Category A Fiji Public Medium Category B USD 5.0 m (Grant, USD 20.5 m (Grant) Government of Gambia) USD 20.0 m (Grant) USD 20.0 m (Loan, Years to pay: 20, Interest: 0.75), USD 1.7 m (Grant) USD 31.0 m (Grant) USD 8.0 m (Grant, Municipality of Yerevan), USD k (Grant, Ministry of Nature Protection), USD 1.4 m (Grant, UNDP) USD 20.0 m (Loan, BANDESAL) United Nations Environment Programme (UNEP) United Nations Development Programme (UNDP) Inter-American Development Bank (IDB) USD 67.7 m (Loan, Asian Development Bank), USD Asian 38.0 m (Loan, European Development Investment Bank), USD Bank (ADB) 85.3 m (Grant, Fiji Ministry of Finance) Ministry of Environment, Climate Change, Water, Forests and Wildlife Gambia (Islamic Republic of the) Ministry of Nature Protection Armenia Jun-16 6 Jun BANDESAL El Salvador Jun-16 5 Fiji Ministry of Finance Nov-15 7 FPO07 FPO06 FPO05 FPO04 FPO03 Support of Vulnerable Communities in Maldives to Manage Climate Change- Induced Water Adaptatio n Energy Efficiency Green Bonds in Latin Mitigation 2.6 m America and the Caribbean KawiSafi Ventures Fund in East Africa Climate-Resilient Infrastructure Mainstreaming in Bangladesh Mitigation & Adaptatio n Adaptatio n Increasing Resilience of Ecosystems and Communities through Adaptatio Restoration of the n Productive Bases of Salinized Lands Health, food and water 295,000 security Energy generation and 1.5 m 15,000,000 access #6 Clean water and sanitation Asia Pacific Maldives Public Small #7 Affordable Latin Buildings, cities, and clean America & Mexico Private Large industries and appliances energy Caribbean Livelihoods of people and communities 10,534,350 Infrastructure and built environment Health, food and water security Ecosystems and 129,804 ecosystem services Infrastructure and built environment #7 Affordable and clean energy #11 Sustainable cities and communities #15 Life on land Africa Asia Pacific Rwanda, Kenya Private Micro Category B Category C Category C Bangladesh Public Medium Category B Africa Senegal Public Micro Category C USD 4.5 m (Ministry of United Nations Environment and Energy), Development USD 23.6 m (Grant) USD k (Grant, Programme UNDP) (UNDP) USD 20.0 m (Guarantee), USD 2.0 m (Grant) USD 20.0 m (Equity), USD 5.0 m (Grant) USD 50.0 m (Loan, Inter- American Development Bank), USD 56.0 m (Guatantee, Inter- American Development Bank), USD 19.0 m (Guarantee, CTF), USD 37.5 m (Equity, Private Sector), USD m (Bond, Private Sector) USD 5.0 m (Equity, Acumen Fund Inc.), USD 75.0 m (Equity, Other Investors), USD 5.0 m (Grant, Capital providers to TA Facility) USD 15.0 m (Grant, German Ministry for Economic Cooperation), USD 40.0 m (Grant) USD 25.0 m (Grant, Bangladeshi Ministry of Local Government) USD 7.6 m (Grant) USD k (Grant, National Soil Science Institute) Inter-American Development Bank (IDB) Acumen Fund, Inc. (Acumen) Kreditanstalt für Wiederaufbau (KfW) Maldives Ministry of Environment & Energy Inter-American Development Bank (IDB) Acumen Capital Partners LLC United States of America Local Government Engineering Department of Bangladesh International Union for Conservation of Nature (IUCN) Senegal, National Soil Science Centre de Suivi Institute (INP) Senegal, Ecologique (CSE) Réseau Africain pour le Développement Intégré (RADI) Senegal Nov-15 5 Nov-15 6 Nov Nov-15 6 Nov-15 4 FPO02 Scaling Up of Modernized Climate Adaptatio Information and Early n Warning Systems in Malawi Livelihoods of people and #15 Life on 2,100,000 communities land Africa Malawi Public Small Category C United Nations USD 2.2 m (Grant, Development USD 12.3 m (Grant) Government of Malawi), Programme USD 1.8 m (Grant, UNDP) (UNDP) Department of Disaster Management Authority (DoDMA) Malawi Nov

304 FPO01 Building the Resilience of Wetlands in the Province of Datem del Marañón, Peru Mitigation & Adaptatio n Forests and land use Livelihoods of people and communities 2.6 m 20,413 Ecosystems and ecosystem services #13 Climate action Latin America & Peru Public Micro Caribbean Category C USD 6.2 m (Grant) USD 1.1 m (Grant, PROFONANPE), USD 1.8 m (Grant, Korean Government) Peruvian Trust Fund for National Parks and Protected Areas (Profonanpe) Profonanpe Peru Nov

305 2 JCM での REDD+ 実施ルールの検討 2-1 REDD+ のためのガイドライン案の作成 JCM の合同会議においてパートナー国と協議する日本政府案 ( 方法論開発ガイドライン PDD モニタリングレポートガイドライン セーフガードガイドライン ) を作成した ( 仕様書 (2) ア ) 林野庁担当者との事前の協議により ガイドラインは基本的にすべてのパートナー国との協議のたたき台となるものを作成し 実際の協議の際にその国の国情を踏まえたものに改定するものとした また 作成するガイドラインは昨年度までに作成されたものを修正していくものとし 森林減少 劣化による排出の削減を対象とするものとした 英語についてはネイティブの確認を行った ガイドラインの検討にあたっては 関係省庁 ( 外務省 経済産業省 環境省 林野庁 ) その他知見を有する機関や者から構成される検討会を 3 回 下記の通り開催した 第 1 回 JCM REDD+ ガイドライン検討会 ( 方法論開発ガイドライン ) 日時 : 2016 年 9 月 9 日 ( 金 ) 13:30~16:00 場所 : TKP 新橋カンファレンスセンターミーティングルーム 6F 内容 : 方法論開発ガイドラインの検討 第 2 回 JCM REDD+ ガイドライン検討会日時 : 2016 年 10 月 3 日 ( 月 ) 13:30~16:00 場所 : IGES 東京事務所会議室内容 : セーフガードガイドラインの検討 第 3 回 JCM REDD+ ガイドライン検討会日時 : 2016 年 12 月 9 日 ( 金 ) 13:30~16:00 場所 : IGES 東京事務所会議室内容 : PDD モニタリングレポートガイドラインの検討 さらに JCM REDD+ プロジェクトの実施を検討している以下の 3 事業者に ガイドラインのレビューを依頼しコメントをもらい ガイドライン修正の参考とした コンサベーション インターナショナル ジャパン 早稲田大学 兼松株式会社 301

306 2-1-1 方法論ガイドライン案 9th Mar Joint Crediting Mechanism Guidelines for Developing Proposed Methodology for Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation, and the Role of Conservation, Sustainable Management of Forests and Enhancement of Forest Carbon Stocks in Developing Countries (REDD-plus) (draft) CONTENTS 1. Scope and applicability Terms and definitions Key concepts Project emission reductions to be credited in a JCM project for REDD-plus Eligibility criteria Concepts for REDD-plus in the JCM Geographical Boundaries Carbon pools and GHG sources Estimation and accounting of net emissions Project reference level Project net emissions Project emission reductions to be credited General guidelines for developing methodologies Instructions for completing the Proposed Methodology Form for REDD-plus Instructions for completing the Proposed Methodology Spreadsheet Annex I. National definition of forest in PARTNER COUNTRY for REDD-plus under the JCM

307 1. Scope and applicability 1. Joint Crediting Mechanism Guidelines for Developing Proposed Methodology for Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation, and the Role of Conservation, Sustainable Management of Forests and Enhancement of Forest Carbon Stocks in Developing Countries (REDD-plus) (hereinafter referred to as these Guidelines ) are intended to assist methodology proponents in preparing proposed methodologies for the Joint Crediting Mechanism (JCM) (hereinafter referred to as proposed methodologies ) for REDD-plus. 2. These Guidelines are to be referred to by the Joint Committee in developing and assessing proposed methodologies. These Guidelines are also to be referred to throughout the entire project cycle of a JCM project for REDD-plus. 3. These Guidelines describe standards, which are requirements to be met, and guidance indicated by the terms should and may as defined in paragraph 6 below. 4. Submission and subsequent assessment of a proposed methodology are conducted in line with the procedure delineated in Joint Crediting Mechanism Project Cycle Procedure for REDD-plus. 5. These Guidelines aim to assist the development of methodologies to quantify emissions reductions from any of the five REDD-plus activities listed in the Cancun Agreements (UNFCCC, Decision 1/CP.16 paragraph 70) 1, i.e. (a) reducing emissions from deforestation; (b) reducing emissions from forest degradation; (c) conservation of forest carbon stocks; (d) sustainable management of forests; and (e) enhancement of forest carbon stocks. 2. Terms and definitions 6. The following terms apply in these Guidelines: (a) Should is used to indicate that among several possibilities, one course of action is recommended as particularly suitable; (b) May is used to indicate what is permitted. 7. Terms in these guidelines are defined in JCM Glossary of Terms available on the JCM website. 3. Key concepts 3.1. Project emission reductions to be credited in a JCM project for REDD-plus 8. In a JCM project for REDD-plus, the project emission reductions to be credited are defined as the sum of the annual emission reductions resulting from project activities during a monitoring period adjusted using a discount factor for the risk of reversals. 9. The annual emission reductions are the difference between the project reference level and project net emissions in each year. 10. Net emissions include net CO 2 emissions from carbon pools and GHG emissions from GHG sources. 1 The scope of these guidelines does not include methodologies for afforestation and reforestation in non-forested areas

308 11. The project reference level is a conservative estimation of the anticipated annual net emissions from the project area in the future without the project being implemented. Guidelines for methodologies on setting out the procedures for establishing project reference levels are provided in paragraphs 27 to 33 in these Guidelines. 12. The project net emissions include the net CO 2 emissions from the project area, GHG emissions from the project activities, and net emissions displaced to outside of the project area by the project activities. Guidelines for methodologies on setting out the procedures to estimate the project net emissions are provided in paragraphs 34 to 37 in these Guidelines. 13. Guidelines for methodologies on the discount factor for risk of reversals are provided in paragraph 38 to 39 in these Guidelines. Figure 1: Relationship between the project reference level, project net emissions, annual emission reductions, and the annual emission reductions to be credited Eligibility criteria 14. Eligibility criteria in proposed methodologies contain the following: (a) Requirements for a project in order for it to be registered as a JCM project for REDD-plus. (b) Requirements for a project for it to be able to apply the methodology. 4. Concepts for REDD-plus in the JCM 4.1. Geographical Boundaries 15. The project area and the reference area for the project are identified. A displacement belt and/or displacement management area are also identified, when necessary. The project area and the displacement management area are delineated taking into account forest management units and other administrative boundaries as well as local land management customs

309 16. The project area is a forested area where the project activities aim to conserve forests. The project area fulfills the national definition of forest designated by PARTNER COUNTRY, as specified in Annex I of these Guidelines, for a minimum 10 years before the project start. Land areas that temporarily do not fulfill the definition of forest stated in Annex I of these Guidelines due to recent natural or anthropogenic disturbance can also be regarded as forest eligible for JCM projects for REDD-plus. 17. The reference area is the area used to establish the project reference level. The reference area is similar to the project area with respect to agents and drivers of deforestation and/or forest degradation, landscape configuration and ecological condition, and socio-economic and cultural conditions. The project reference level is established based on net CO 2 emissions and GHG emissions from deforestation and/or forest degradation in the reference area during the reference period. 18. The displacement belt is the area outside the project area where net emissions displaced by project activities will be monitored. Guidelines for accounting for displaced emissions are provided in paragraph 35 below. 19. The displacement management area is the area where project activities are implemented to reduce net emissions in the project area and to reduce the risk of the displacement of emissions to other areas. 20. At the time of validation, at least 80 percent of the total project area is under the control of the project, and acquisition of the rights of use of the area to the extent necessary for the project is demonstrated by the project participants with documentary evidence. By the time of the first verification event, the entire project area is under the control of the project, and is demonstrated as such by the project participants with documentary evidence Carbon pools and GHG sources 21. The carbon stocks to be considered includes each of the following five carbon pools: above ground biomass, below-ground biomass, dead wood, litter and soil organic carbon. 22. GHG sources to be considered are such source as biomass burning, enteric fermentations of livestock, rice cultivation, and nitrogen fertilization for CH 4 and N 2O and CO 2 from fuel consumed by project activities Estimation and accounting of net emissions The most recent IPCC guidelines, such as IPCC 2006 Guidelines for National GHG Inventories or 2 The following guides may be referred to on monitoring issues: REDD-plus Cookbook: How to measure and monitor forest carbon, Forestry and Forest Products Research Institute, 2012: A sourcebook of methods and procedures for monitoring and reporting anthropogenic greenhouse gas emissions and removals associated with deforestation, gains and losses of carbon stocks in forests remaining forests, and forestation, GOFC-GOLD, 2015:

310 the IPCC 2003 Good Practice Guidance for Land Use, Land-Use Change and Forestry, are used when estimating net emissions. 24. Net CO 2 emissions from the carbon pools are defined as a result of gross emissions caused by decreases of the carbon stocks minus removals caused by increases of the carbon stocks. 25. The calculation of net CO 2 emissions from the carbon pools should be based on a combination of remote sensing and ground-based survey. The best available technology, including novel satellite observation technologies, may be employed to build effective monitoring systems for net CO 2 emissions. (a) Remote sensing: Forest/non-forest, land cover types and forest type should be classified through remote sensing analysis using satellite imageries whose spatial resolution is 30 meters or higher. For the classification of land cover and forest types, classification to reflect the amount of carbon stock per hectare is encouraged and the classification should reflect each country s forest designations. The accuracy of imagery analyses of forest/nonforest classification each forest type are 80 percent or higher. (b) Ground-based survey of emission factors: Emission factors, or carbon stocks per hectare, of each carbon pool in each forest class should be obtained through on-the-ground measurements. If ground measurements are not used, a reasonable explanation is provided, and the IPCC's Emission Factor Database (EFdb), national forest inventories or other internationally recognized data may be used as alternative data sources for the emission factors, with an explanation of the rational for and validity of the data provided. 26. To establish the project reference level, carbon pools and GHG sources can be excluded if their exclusion leads to conservative estimates of emission reductions. On the other hand, to estimate project net emissions, net emissions from all carbon pools and GHG sources should be estimated. If the net emission from any carbon pools or any single GHG source due to project activities is estimated to amount to less than five percent of the total net emissions according to measured values or data from the IPCC s guidelines, Emission Factor Database (EFdb), national forest inventories or other internationally recognized sources, a simple but conservative procedure may be used to estimate the amount, and ex post monitoring is not necessary Project reference level 27. The project reference level is plausible emissions conservatively estimated from the sum of the annual net CO 2 emissions from the carbon pools and annual GHG emissions from GHG sources in the project area in the absence of the project. 28. Regardless of how many of the activities described in paragraph 5 are included in the scope of a project, a single project reference level should be established for the project and separate reference levels should not be established for each activity. 29. The methodology proponents demonstrate that the method to establish the project reference level is conservative

311 30. If a national or sub-national reference level has been established and formally submitted by PARTNER COUNTRY to the UNFCCC Secretariat, and if this reference level can be shown to be representative of the historical situation in the reference area, the national or sub-national reference level should be taken into account when establishing the project reference level. The validity of the project reference level in relation to the national or sub-national reference level is explained. 31. Where the above condition does not exist, the project reference level should be established by the project participants based on the net emissions from the reference area during the reference period. The reference period dates back at least 10 years from the start of the project. The methodology proponents may designate a maximum date back period of the historical data to be used for developing the project reference level that is appropriate for the methodology. The net CO 2 emission data from carbon pools and GHG emission data from GHG sources to establish the project reference level should be obtained for at least four point of times. This means that carbon stock data from at least five points in time are required, when using the stock-change method to estimate net emissions. 32. Three approaches for establishing the project reference level are recognized: (a) Average of annual net CO2 emissions and/or GHG emissions during the reference period; (b) Single regression models of the historical trends of annual net CO2 emissions and/or GHG emissions; (c) Other sophisticated models, including multiple regression models of annual net CO2 emissions and/or GHG emissions, taking into account possible changes in drivers of deforestation and/or forest degradation, such as changes in demography, agricultural, forestry and other land use activities, and national and/or sub-national circumstances such as land development policies and programs. The reference level can be established by integration of separate models for net CO 2 emissions and GHG emissions or by modeling the combined values directly. 33. The project reference level is reassessed within five years to ensure that it adequately reflects the actual circumstances of the project area, such as drivers of deforestation and/or forest degradation, activities that lead to land-use changes, and changes of forest management methods. If the result of reassessment shows that the project reference level no longer adequately reflects actual circumstances, the project reference level is reestablished. If a national or sub-national reference level is established after the project start date, the national or sub-national reference level also should be taken into account to reestablish the project reference level at the time of reassessment, and the validity of the new project reference level should be explained. However, the newly established project reference level cannot be applied retroactively to evaluate net emissions reduction before the reassessment Project net emissions 34. Project net emissions include (a) the net CO 2 emissions from the carbon pools and non-project

312 GHG emissions from GHG sources in the project area, (b) additional GHG emissions due to the project activities inside and outside the project area including safeguards activities, and (c) displaced emissions in each year during the monitoring period. 35. Displaced emissions are net emissions displaced from inside to outside of the project area by the implementation of the project activities. Any decrease in carbon stocks and increase of GHG emissions outside the project area that are reasonably attributable to the project activities are quantified and accounted as displaced emissions. Any increase in carbon stocks and decrease of GHG emissions compared to the situation without the project outside the project area due to the project activities are excluded from the accounting. The ways and means to identify and quantify displaced emissions are explained in the proposed methodologies. 36. If a national or sub-national monitoring system that provides data on net emissions or forested area in the project area during a monitoring period is established, the data it generates should be taken into account for monitoring of the project net emissions. The validity of the project net emissions in relation to the national or sub-national data is explained. 37. Monitoring is implemented by the project participants at least just prior to verifications Project emission reductions to be credited 38. In order to effectively deal with the risk of reversals, the annual project emission reductions to be credited are calculated using a discount factor, considering internal risks (such as risks arising from inadequate project management, loss of financial viability, increased opportunity costs, and reduction of project longevity), external risks (such as risks caused by issues associated with land ownership and resource use rights, community engagement, and political matters) and natural risks (such as risks associated with unprecedented forest fires, pests and disease outbreaks, extreme weather patterns, and geological events). The default value of the discount factor is 30 percent. The proposed methodologies may use the default value and/or provide a procedure that the project participants can apply to develop a project specific discount factor to deal with the risk of reversals, with the justification for the procedure provided. 39. Annual project emission reductions to be credited are calculated for each year from the project reference level, the project net emissions and the discount factor. Their sum is the project emission reductions to be credited during a monitoring period. 5. General guidelines for developing methodologies 40. Methodology proponents prepare the proposed methodology by providing parameters and default values in the Proposed Methodology Form and the Proposed Methodology Spreadsheet attached to these Guidelines. 41. These Guidelines, the Proposed Methodology Form and the Proposed Methodology Spreadsheet may be obtained electronically from the JCM website. 42. The Proposed Methodology Form and the Proposed Methodology Spreadsheet are completed in

313 English. 43. Methodology proponents provide supporting documents to justify key logical and quantitative assumptions regarding the choice of eligibility criteria, default values and procedures to establish the project reference level, project net emissions, discount factor and other related information on REDD-plus. 44. The Joint Committee develops the Proposed Methodology Form and the Proposed Methodology Spreadsheet and may revise them if necessary. 45. The Proposed Methodology Form is not altered, that is, it is completed without modifying its format, font and headings. If sections of the Proposed Methodology Form are not applicable, it is made clear that the section is intentionally left blank by writing N/A in the appropriate cells. 46. The Proposed Methodology Spreadsheet enables calculation of project emission reductions to be credited automatically by the project participants inputting values. The Proposed Methodology Spreadsheet consists of the following: (a) An Input Sheet containing all the parameters to be monitored ex post, project-specific parameters to be fixed ex ante by the project participants (e.g. historical data) as well as the default factors that can be changed by the project participants. For each parameter, the methodology proponents fill in all the required fields, except for those of the inputted values; (b) A Calculation Process Sheet containing all the default values that are set in the methodology and cannot be changed by the project participants, calculation process to derive the project reference level and project net emissions, and the resulting project emission reductions to be credited. 47. The proposed methodology: (a) Describes the procedures in a manner that is sufficiently explicit to enable the methodology to be used, applied to projects unambiguously, and reproduced by a third party; (b) Is sufficient for projects following the methodology to be subjected to JCM validation and/or verification; (c) Includes all algorithms, formulae, and step-by-step procedures needed to apply the methodology and validate the project, i.e. calculating the project reference level, project net emissions and project emission reductions to be credited; (d) Provides instructions for making any logical or quantitative assumptions that are not provided in the methodology and are made by the methodology user; (e) Avoids the intentional increase of credits caused by perverse incentives (e.g. when an increase in output is triggered by an incentive to increase credits). 48. The presentation of values in the Proposed Methodology Form and the Proposed Methodology Spreadsheet should be in international standard format (e.g. 1,000 representing one thousand and 1.0 representing one). The units used should be accompanied by their equivalent S.I. units/norms (thousand/million) as part of the requirement to ensure transparency and clarity

314 6. Instructions for completing the Proposed Methodology Form for REDD-plus Instructions for completing the Proposed Methodology Form are provided below. A hypothetical proposed methodology is inserted to enhance the clarity of these Guidelines. This methodology is purely indicative and does not imply that the methodology is to be adopted. Cover sheet of the Proposed Methodology Form Form for submitting the proposed methodology for REDD-plus Partner Country Country XYZ Name of the methodology proponents submitting this form Company DEF Title of the proposed methodology and version number List of documents to be attached to this form (please check): Date of submission 1/10/2016 Reducing deforestation and forest degradation through forest fire prevention, forest management and land use improvement in country XYZ Version 1.0 The attached draft JCM-PDD Additional Information Provide an unambiguous title for the proposed methodology. The title should reflect the types of REDD-plus activities to which the methodology is applicable and include the approach or activity(ies) for achieving net emission reductions. Provide a list of any additional documents to be attached to this form. Provide the date of submission in DD/MM/YYYY. History of the proposed methodology Version Date Contents revised 1.0 1/10/2016 Provide the version number and date of submission in DD/MM/YYYY. If a previously submitted methodology has been revised, provide the date of revision in DD/MM/YYYY as well as a brief summary of the revision. A. Title of the methodology Reducing deforestation and forest degradation through forest fire prevention, forest management and land use improvement in country XYZ Version

315 Provide an unambiguous title for the proposed methodology and the version number of the proposed methodology. The title should reflect the types of REDD-plus activities to which the methodology is applicable and include the approach or activity(ies) for achieving net emission reductions. B. Terms and definitions Terms Definitions Provide definitions of key terms that are used in the proposed methodology. C. Summary of the methodology Items Project activities (emission reduction measures) Establishment of project reference level Calculation of project net emissions Summary Conduct fire prevention measures; Develop and implement forest management plans; When there is risk of emissions displacement, invest in land use improvement activities, such as agricultural intensification, to reduce pressure on forests. The project reference level is conservatively established as below the average of net emissions during the reference period through the following steps: - identifying the reference area, - mapping changes in the land use type and estimating carbon density in the reference area during the reference period, - calculating historical carbon stock change and GHG emissions, - calculating the project reference level in a conservative manner. Project net emissions are calculated on the basis of the monitored land-use change and emission factors over the monitoring period. Net CO 2 emissions and GHG emissions in the project area and displacement management area are monitored and accounted. Displaced emissions in the displacement belt are monitored and estimated. Monitoring parameters and methods Change of forested area and replacement land use monitored by remote sensing. Burned area monitored by remote sensing. Forest carbon stock change monitored through forest inventory Use of fuel for project activities monitored using project records

316 Discount factor for risk of reversals A default value of 30% is applied for the discount factor. Summarize the key elements of the proposed methodology, including brief descriptions of: Project activities (i.e. emission reduction measures); Establishment of the project reference level; Estimation of project net emissions; Key monitoring parameters and methods; Determination of the discount factor for risk of reversals. D. Eligibility criteria This methodology is applicable to projects that satisfy all of the following criteria. Criterion 1 The main drivers of deforestation and forest degradation are conversion for agriculture and forest fire. Criterion 2 The project area does not include forest on peat soil. Peat is defined as organic soil with at least 65% organic matter and a minimum thickness of 50 cm. Criterion 3 Illegal logging to supply regional, national or international markets is not taking place. Criterion 4 Agricultural intensification activities do not involve large numbers of livestock and the application of inorganic fertilizers. Criterion 5 The historic pattern of deforestation is mosaic. Criterion 6 N/A Criterion 7 N/A Criterion 8 N/A Criterion 9 N/A Criterion 10 N/A Eligibility criteria are requirements for the project in order for it to be able to apply the approved methodology and registered as a JCM project for REDD-plus. Eligibility criteria are those that can be examined objectively. Eligibility criteria include: Characteristics to identify the measures applied to the methodology; Conditions that are necessary in order to enable robust calculation of emission reductions by the methodology, e.g. the situation before the implementation of the activity; Eligibility criteria should be, to the extent possible, those that can be ascertained upon validation, i.e. eligibility criteria should avoid those which need to be monitored ex post. For example, actual performance of a measure should not be included as eligibility criteria, since it is not certain at validation whether the stated performance can be achieved. On the other hand, performance as defined by scientifically referenced figures can be included as eligibility criteria since it can be readily checked upon validation. E. Geographical Boundaries Essential Geographical boundary Project area Requirements No additional requirements. (The project area does not have to be a single area of forest)

317 Reference area The reference area includes the project area for the determination of the initial project reference level, but excludes the project area when the reference level is reassessed. Optional boundaries Geographical boundary Required (Y/N/TBD) Additional requirements Displacement management area Y Displacement management area is non-forest area outside the project area. Displacement belt Y Determined through mobility analysis of deforestation/degradation agents. TBD: to be decided by the project proponent Describe any requirements additional to those described in paragraphs 15 to 20 of these guidelines for the establishment of the geographical boundaries. Identify whether a displacement management area and/or displacement belt are required in the methodology, or whether the project participants are left to decide (to be decided TBD) whether the project design includes these areas. F. Carbon pools and GHG sources The net emission sources to be considered include all the following Carbon pools and GHG sources. Project reference level Carbon pools and GHG sources Included (Y/N) Explanation Above ground biomass Y This methodology applies to projects where carbon stock change in this pool may be significant. Below ground biomass Y This methodology applies to projects where carbon stock change in this pool may be significant. Dead wood Y This methodology applies to projects where carbon stock change Carbon pools in this pool may be significant. Litter N This methodology applies to projects where carbon stock change in this pool is not significant; Can be conservatively excluded. Soil organic carbon N This methodology applies to projects where carbon stock change in this pool is not significant; Can be conservatively excluded. CH 4 in biomass burning This methodology applies to projects where GHG emission from this source may be significant. GHG sources N 2O in biomass burning This methodology applies to projects where GHG emission from this source may be significant. N/A N/A Project net emissions Carbon pools and GHG sources Included (Y/N) Explanation

318 Carbon pools GHG sources Above ground biomass Below ground biomass Dead wood Litter Soil organic carbon CH 4 in biomass burning N 2O in biomass burning CO 2 in combustion of fossil fuels Y Y Y N N This methodology applies to projects where carbon stock change in this pool may be significant. This methodology applies to projects where carbon stock change in this pool may be significant. This methodology applies to projects where carbon stock change in this pool may be significant. This methodology applies to projects where carbon stock change in this pool is not significant; Can be conservatively excluded. This methodology applies to projects where carbon stock change in this pool is not significant; Can be conservatively excluded. This methodology applies to projects where GHG emission from this source may be significant. This methodology applies to projects where GHG emission from this source may be significant. This methodology applies to projects where GHG emission from this source may be significant. Identify which of the five carbon pools are included in the establishment of the project reference level and the estimation of project net emissions. Identify GHG sources that are reasonably attributable to the methodology. G. Establishment of project reference level G.1. Establishment of project reference level Approach for estimating project The project reference level is established by a conservative reference level estimation of the average historical net CO 2 emissions and GHG emissions. The project reference level is established as follows: 1) Identifying the reference area and setting the reference period The reference area is mapped and described and the reference period is set. The reference area is similar to the project area regarding the drivers of deforestation and/or forest degradation, landscape configuration, socio-economic and cultural conditions, and is more than ten times larger than the total size of the project area,. The reference period dates back at least 10 years from the start of the project. 2) Estimating past forested area in the reference area Forest in the project area and the reference area is classified into types (or strata) reflecting the national land use classification system and differences in carbon density. The area of each land use type is mapped using remote sensing data with a minimum resolution of 30 meters. The classified maps of forest/non-forest and forest types have a minimum accuracy of 80%

319 3) Estimating forest carbon density of each land use type Default values, such as those in IPCC guidelines, are applied for carbon density of each land use type. When more than one default value exists, a default value is selected to provide a conservative estimate of net project emissions. 4) Calculating average carbon stock change during the reference period The average carbon stock change during the reference period is calculated conservatively using Equation 2 and Equation 3 in G.2. below. 5) Calculating other GHG emissions in the reference scenario CH 4 and N 2O emissions from biomass burning during the monitoring period are projected using Equation 4 in G.2. below. 6) Establishing project reference level in a conservative manner The project reference level is calculated using Equation 1 in G.2. below. G.2. Calculation of project reference level The project reference level at year y during the proposed monitoring period is calculated as follows: RL y = ΔCS ref y * 44/12 + L fire_ref y (Equation 1) RL y Project reference level at year y [tco2e] ΔCS ref y Projected carbon stock change in project area at year y [tc] 44/12 Conversion factor of molecular weight of carbon to CO 2 L fire_ref y Projected amount of CH 4 and N 2O emissions from forest fires in project area at year y [tco2e] The projected carbon stock change of the project area at year y (ΔCS ref y) is conservatively established from the historical change of land use types in the initial forested area (forested area at the beginning of reference period) in the project area during the reference period and carbon density of each land use type. At least five points of carbon stock data during the reference period are collected to obtain at least four data of the carbon stock changes. ΔCS ref y is conservatively established as the average of the carbon stock changes after the period with the largest decrease in carbon stock change per year is excluded from the calculation. Carbon stock change at year y in the project area is projected using the following equation. ΔCS ref y = Σ (C yri - C yri+1) / Σ (yr i+1 - yr i) * A PJ / A RE (Equation 2) ΔCS ref y Projected carbon stock change in project area at year y [tc] C yr Carbon stock in initial forested area in reference area at year yr during the reference period [tc] yr i Years during the reference period A RE Initial forested area [ha] Project area [ha] A PJ Number a is excluded from i when (C a C a+1) / (yr a+1 yr a) = max ((C yri - C yri+1) / (yr i+1 - yr i)) to establish the project reference level conservatively below the level of net CO 2 emissions without project. C yr = Σ C i,j,yr = Σ (A i,yr * EF i,j) (Equation 3) C yr Carbon stock in initial forested area at year yr during the reference period [tc] C i,j,yr Carbon stock in carbon pool j in stratum i at year yr [tc] A i,yr Total area of stratum i in initial forested area at year yr [ha] EF i,j The Emission Factors of carbon pool j of stratum i [tc ha -1 ]

320 i A stratum of land use types j A specific carbon pool Data for EF i,j can be sourced from 2006 IPCC guidelines. CH 4 and N 2O emissions from forest fires in the project area are projected using the following equation. L fire_ref,y = Σ yr L fire_ref,yr / nyr * A PJ / A RE (Equation 4) L fire_ref,y Projected amount of CH 4 and N 2O emissions from fires in project area at year y [tco 2e] L fire_ref,yr Historical amount of CH 4 and N 2O emissions from fires in initial forested area at year yr during the reference period [tco 2e] nyr Number of monitored years during the reference period A RE Initial forested area [ha] Project area [ha] A PJ L fire_ref,y = AB i,yr * MB i * C f * G ef * 10-3 * GWP (Equation 5) L fire_ref,yr Amount of CH 4 and N 2O emissions from fires in initial forested area at year yr during the reference period [tco 2e] AB i,yr Area burnt in stratum i in initial forested area at year yr [ha] MB i Mass of fuel available in initial forested area for combustion in stratum i [t ha -1 ] C f Combustion factor for forest fire G ef Emission factor for forest fire [g kg-dm burnt -1 ] GWP Global Warming Potential (25 for CH 4 and 298 for N 2O) Data of MB i, C f and G ef can be sourced from 2006 IPCC guidelines. Carbon pools and GHG sources can be excluded, if their exclusion leads to conservative estimates of the emission reductions. Provide a qualitative explanation of the procedure to establish the project reference level referring to paragraphs 27 to 33 of these Guidelines. Provide the equations to establish the project reference level. Provide a description of how the project reference level is below the level of net emissions in the without project scenario (refer to Figure 1 of these Guidelines), i.e. is conservative. Elaborate the method to calculate the project reference level. Be specific and complete, so that the procedure can be carried out in an unambiguous way, replicated, and subjected to assessment and verification: Use consistent variables, equation formats, subscripts, etc.; Number all equations in the Proposed Methodology Form; Define all variables, with units indicated; Justify the conservativeness of the calculation method, e.g. discounting the result of calculation and applying conservative parameters. Elaborate all parameters, coefficients, and variables used in the calculation of the project reference level: For those values that are provided in the methodology: Clearly indicate the precise references from which these values are taken (e.g. official statistics, IPCC Guidelines, commercial and scientific literature). Justify the conservativeness of the values provided. For those values that are to be provided by the project participants, clearly indicate how the values are to be selected and justified, for example, by explaining: What types of sources are suitable (official statistics, expert judgment, proprietary data, IPCC Guidelines, commercial and scientific literature, etc.);

321 The vintage of data that is suitable; What spatial level of data is suitable (local, regional, national, international); How conservativeness of the values is to be ensured. For all data to be used by the project participants, specify the procedures to be followed if the site-specific historical data are unavailable. For instance, the methodology could point to a preferred data source, and indicate a priority order for use of additional data and/or fall back data sources to preferred sources (e.g. private, international statistics, etc.). Note any parameters, coefficients, variables, etc. that are used to calculate the project reference level and that should be obtained by project proponent. Explain any parts of the calculation method that are not self-evident. Provide references as necessary. Explain implicit and explicit key assumptions in a transparent manner. For methodologies requiring sampling, clearly indicate the sampling method and the statistical treatment of the sampled data. H. Calculation of project net emissions Project net emissions at year y during the monitoring period are calculated on the basis of monitored carbon stock change, emissions from other GHG sources and displacement during the monitoring period as follows: PE y = ΔCS PJ,y* 44/12 + L fire_pj,y + E energy,pj,y + DE y (Equation 6) PE y Project net emissions at year y [tco2e] ΔCS PJ,y Carbon stock change in the project area at year y [tc] L fire_pj,y Amount of non-co 2 emissions from fires in the project area during year y [tco2e] E energy,pj,y Amount of CO 2 emissions from energy use during year y [tco2] DE y Displacement of emissions at year y [tco2e] 44/12 Conversion factor of molecular weight of carbon to CO 2 (a) Carbon stock change in the project area at year y is estimated using the following equation. ΔCS PJ,y = Σ (C ymi C ymi+1) / Σ (ym i+1-ym i) (Equation 7) ΔCS PJ,y Carbon stock change in the project area at year y [tc] C ym Carbon stock at year ym during the monitoring period [tc] ym1, ym2 Year during the monitoring period C ym = Σ i,j C i,j,ym = Σ i,j (A i,ym * EF i,j) (Equation 8) C ym Carbon stock at year ym during the monitoring period [tc] C i,j,ym Carbon stock in carbon pool j of stratum i at year ym [tc] A i,ym Total area of stratum i at year ym [ha] EF i,j The emission factor of carbon pool j of stratum i [tc ha -1 ] i Stratum of land use types j A category of carbon pool Data for A i,ym are generated by direct monitoring using remotely sensed imagery. Data for EF i,j are collected by direct monitoring using forest sampling. The number of sample plots is determined to provide estimates in the net change in carbon stocks to within 10 per cent of the true value of the mean at the 95 per cent confidence level. For non-co 2 emissions (CH 4 and N 2O) from forest fires in the project area during year y, the equation below is used

322 L fire_pj,y = Σ yr L fire_pj,y / ny (Equation 9) L fire_pj,y Amount of CH 4 and N 2O emissions from fires in the project area during year y [tco 2e] L fire_pj,y Amount of CH 4 and N 2O emissions from fires in the project area at year y during the monitoring period [tco 2e] ny Number of monitored years during the monitoring period L fire_pj,y = AB i,ym * MB i * C f * G ef * 10-3 * GWP (Equation 10) L fire_pj,y Amount of CH 4 and N 2O emissions from fires in the project area at year y during the monitoring period [tco 2e] AB i,ym Area burnt in stratum i in the project area at monitoring year ym [ha] MB i Mass of fuel available for combustion in stratum i [t ha -1 ] C f Combustion factor for forest fire G ef Emission factor for forest fire [g kg-dm burnt -1 ] GWP Global Warming Potential (25 for CH 4 and 298 for N 2O) Data for AB i,ym is generated by direct monitoring using remotely sensed imagery. Data for MB i, C f and G ef can be sourced from 2006 IPCC guidelines. (b) For CO 2 emissions from combustion of fossil fuels for project activities such as from transport and machinery use at year y, the equation below is used. E energy,pj,y = LC y * CC * ODU * 44/12 (Equation 11) E energy,pj,y Amount of CO 2 emissions from energy use during year y [tco 2] LC y Consumption of fuel at monitoring year y [TJ] CC Carbon content of fuel [kt-c TJ -1 ] ODU Oxidized during use factor 44/12 Conversion factor of molecular weight of carbon to CO 2 Data of LC y is collected by direct monitoring. Data of CC and ODU is sourced from 2006 IPCC guidelines. Net emissions from any carbon pools and GHG sources whose amount is less than 5% of total emissions can be estimated using simple measures, such as by using reference data, rather than direct monitoring. (c) Displacement of net emission is monitored in displacement belt outside the project area. The displacement belt is determined through mobility analysis of deforestation and degradation agents. The displacement of net emissions are to be calculated as follows: DE y = DE CO2,ym + DE fire,ym (Equation 12) DE y Displacement of net emissions during year y [tco 2e] DE CO2,ym Displacement of CO 2 emissions during monitoring year ym [tco 2] DE fire,ym Displacement of CH 4 and N 2O emissions during year monitoring ym due to forest fires [tco 2e] DE CO2,ym =(ΔCS DB,ym ΔCS DB_ref,y)*44/12 (Equation 13) DE CO2,ym Displacement of CO 2 emissions during monitoring year ym [tco 2] ΔCS DB,ym Carbon stock change in displacement belt at monitoring year ym [tc] ΔCS DB_ref,y Projected carbon stock change in displacement belt area at year y [tc] 44/12 Conversion factor of molecular weight of carbon to CO 2 Carbon stock change at year y in the displacement belt is projected using the following equation. ΔCS DB_ref,y = Σ (C yri - C yri+1) / Σ (yr i+1 - yr i) * A DB / A RE (Equation 14) ΔCS DB_ref,y Projected carbon stock change in displacement belt area at year y [tc]

323 C yr yr i A DB A RE Carbon stock in initial forested area in reference area at year yr during the reference period [tc] Years during the reference period Displacement belt [ha] Initial forested area in reference area [ha] Number a is excluded from i when (C a C a+1) / (yr a+1 yr a) = max ((C yri - C yri+1) / (yr i+1 - yr i)). Displacement of CH 4 and N 2O emissions during year y due to forest fires is calculated as follows: DE fire,ym = L fire_db,ym L fire_db_ref,y (Equation 15) DE fire,y Displacement of CH 4 and N 2O emissions due to forest fires during monitoring year ym [tco 2e] L fire_db,ym CH 4 and N 2O emissions due to forest fires in displacement belt at monitoring year ym [tco 2e] L fire_db_ref,y Projected amount of emissions from CH 4 and N 2O during year y due to forest fires in displacement belt [tco 2e] CH 4 and N 2O emissions from forest fires in the displacement belt are projected as follows: L fire_db_ref,y = Σ yr L fire_ref,y / nyr * A DB / A RE (Equation 16) L fire_db_ref,y Projected amount of emissions from CH 4 and N 2O during year y due to forest fires in displacement belt [tco 2e] L fire_ref,yr Historical amount of CH 4 and N 2O emissions from fires in initial forested area in reference area at year yr during the reference period [tco 2e] nyr Number of monitored years during the reference period A DB Displacement belt [ha] Initial forested area in reference area [ha] A RE L fire_ref,y = AB i,yr * MB i * C f * G ef * 10-3 * GWP (Equation 17) L fire_ref,yr Amount of CH 4 and N 2O emissions from fires in initial forested area in reference area at year yr during the reference period [tco 2e] AB i,yr Area burnt in stratum i in initial forested area in reference area at year yr [ha] MB i Mass of fuel available in initial forested area in reference area for combustion in stratum i [t ha -1 ] C f Combustion factor for forest fire G ef Emission factor for forest fire [g kg-dm burnt -1 ] GWP Global Warming Potential (25 for CH 4 and 298 for N 2O) Data for AB i,yr is generated by direct monitoring using remotely sensed imagery. Data for MB i, C f and G ef can be sourced from 2006 IPCC guidelines. Equation 17 is same as Equation 5., Provide a qualitative explanation of the procedure to calculate the project net emissions referring to paragraph 34 to 36 of these Guidelines. Provide the equations to calculate the project net emissions. Where applicable, the method to calculate project net emissions should adhere to the instructions provided in the section on project reference level. Explain the method to estimate the displaced emissions, including the method to determine the displacement belt, if necessary

324 I. Calculation of project emission reductions to be credited Project emission reductions at year y are calculated as the difference between the project reference level and the project net emissions. Annual emission reductions are calculated using the equation below. ER y = RL y PE y (Equation 13) ER y Project emission reductions at year y [tco 2e] RL y Project reference level at year y [tco 2e] PE y Project net emissions at year y [tco 2e] Annual project emission reductions to be credited are calculated using Equation 14, which includes discounting for the risk of reversals. A default value of 30% is applied for the discount factor. ER credt,y = ER y * (1 DF) (Equation 14) ER credt,y Project emission reductions to be credited at year y [tco 2e] ER y Project emission reductions at year y [tco 2e] DF Discount factor, default as 0.3 Project emission reductions to be credited during a monitoring period p are calculated as follows: ER credt,p =Σ ER credt,y (Equation 13) ER credt,p Project emission reductions to be credited during a monitoring period p [tco 2e] ER credt,y Project emission reductions to be credited at year y during monitoring period p [tco 2e] Elaborate the calculation method used to estimate, measure or calculate annual project emission reductions to be credited. In most cases, this will be simple equation with two terms: project reference level and project net emissions. When the 30% default value is not used for the discount factor, elaborate the procedure to identify the risk of reversals and set the discount factor. J. Data and parameters fixed ex ante Source of each datum and parameter fixed ex ante Parameter Description of data EF i,j The Emission Factors of carbon pool j of stratum i Source National forest inventory or 2006 IPCC Guidelines Vol.4 (Table 2.2, 2.3) or other internationally recognized data MB i Average Mass of fuel available for combustion of stratum i per hectare 2006 IPCC Guidelines C f Combustion factor. Shown in value together with MB i. G ef Emission factor for forest fire 2006 IPCC Guidelines GWP Global Warming Potential 2006 IPCC Guidelines CC Carbon content of oil 2006 IPCC Guidelines 2006 IPCC Guidelines Vol.4 (Table 2.6)

325 ODU Oxidized during use factor 2006 IPCC Guidelines Identify sources of default values, where default values are applied to the proposed methodology

326 7. Instructions for completing the Proposed Methodology Spreadsheet Instructions for completing the Proposed Methodology Spreadsheet are provided below. The Input Sheet of the Proposed Methodology Spreadsheet is completed. A hypothetical Input Sheet of the Proposed Methodology Spreadsheet is inserted to enhance the clarity of these Guidelines. This is purely indicative and does not imply that the Input Sheet of the Proposed Methodology Spreadsheet is adopted. Proposed methodology spread sheet (input sheet) [Attachment to Proposed Methodology Form] Table 1: Parameters to be monitored ex post (a) (b) (c) (d) (e) (f) (g) (h) (i) (j) Monitoring Estimated Monitoring Measurement methods and Monitoring Other Parameters Description of data Units Source of data point No. Values option procedures frequency comments USGS Min. spatial Area of stratum (= land use type) i at Analyzing multispectral optical Once every (1) A i,y Table 1-a. ha Option C GLOVIS, Landsat resolution of year ym during monitoring period. satellite imagery three years imagery 30 m (2) AB i,y (3) EF 1,1 (4) EF 1,2 (5) LC ym (6) DE CO2,ym (7) DE fire,ym Area burnt in stratum (= land use type) i at year ym during monitoring period. Emission factor (carbon stock per hectare) in above ground biomass in primary forest Emission factor (carbon stock per hectare) of dead wood, all types of forest Project fuel consumption during year ym during monitoring period. Displacement of net CO 2 emissions during year ym during monitoring period. Displacement of CH 4 and N 2O emissions during year ym during monitoring period. Table 1-a. ha Option C USGS GLOVIS, Landsat imagery Analyzing multispectral optical satellite imagery 200 tc ha -1 Option C Forest sampling Forest sampling 14 tc ha -1 Option C Forest sampling Forest sampling Table 1-b. TJ Option B Ha Ha Option C Option C USGS GLOVIS, Landsat imagery USGS GLOVIS, Landsat imagery USGS GLOVIS, Landsat imagery Table 1-a. Area of stratum i and area burnt in stratum i at year ym during monitoring period Year during the (1) Forest area (ha): A i,y (2) Burnt area (ha): AB i,y monitoring Primary forest Secondary forest Cropland Primary forest Secondary forest Cropland period A 1,y A 2,y A 3,y AB 1,y AB 2,y AB 3,y ym1 ym2 ym3 ym4 322 Analyzing multispectral optical satellite imagery Analyzing multispectral optical satellite imagery Analyzing multispectral optical satellite imagery Once every three years Once every three years Once every three years Once a year Once every three years Once every three years Min. spatial resolution of 30 m Min. spatial resolution of 30 m Min. spatial resolution of 30 m

327 ym5 Table 1-b. Project fuel consumption Year (3) Project fuel consumption (TJ):LC y ymf1 ymf2 ymf3 ymf4 ymf5. Table 2: Project-specific parameters to be fixed ex ante (a) (b) (c) (d) (e) (f) Parameters Description of data Estimated value Units Source of data Other comments A RE Size of reference area ha The reference area is decided by project proponents A PJ Size of project area ha The project area is decided by project proponents A DB Size of displacement belt ha The project area is decided by project proponents through mobility analysis of deforestation and degradation agents A i,yr Size of stratum (= land use type) i at year yr during the reference period. Table 2-a. ha Satellite imagery Min. spatial resolution of 30 m AB i,yr Size burnt in stratum (= land use type) i at year yr during the reference period. Table 2-a. Area of stratum i and area burnt in stratum i at year y during reference period Table 2-a. ha Satellite imagery Min. spatial resolution of 30 m Year during the reference period yr1 yr2 yr3 yr4 yr5 (1) Forest area (ha): A i,yr (2) Burnt area (ha): AB i,yr Primary forest Secondary forest Cropland Primary forest Secondary forest Cropland A 1,y A 2,y A 4,y AB 1,y AB 2,y AB 4,y [Monitoring option] Option A Based on public data which is measured by entities other than the project participants (Data used: publicly recognized data such as statistical data and specifications) Option B Based on the amount of transaction which is measured directly using measuring equipment (Data used: commercial evidence such as invoices)

328 Option C Based on the actual measurement using measuring equipment (Data used: measured values)

329 The Calculation Process Sheet of the Proposed Methodology Spreadsheet is completed. A hypothetical Calculation Process Sheet of the Proposed Methodology Spreadsheet is provided below to enhance the clarity of these Guidelines. This is purely indicative and does not imply that the Calculation Process Sheet is adopted. JCM Proposed Methodology Spreadsheet (Calculation Process Sheet) 1. Calculations for project emission reductions to be credited Pool / Sources Value Units Parameter Project emission reductions to be credited during the period p tco2e ERp 2. Basic data of the project Size of reference area Carbon stock and biomass burning ha ARE Size of project area Carbon stock and biomass burning ha APJ Size of displacement belt Carbon stock and biomass burning ha ADB Monitoring start date Y1 Monitoring end date 3. Selected default values Emission factor (carbon stock per hectare) in above ground biomass in primary forest Above ground biomass 200 tc ha -1 EF1,1 Emission factor (carbon stock per hectare) in above ground biomass in secondary forest Above ground biomass 100 tc ha -1 EF2,1 Emission factor (carbon stock per hectare) in above ground biomass in cropland Above ground biomass 30 tc ha -1 EF4,1 Ratio to below-ground biomass of all types of forest Below-ground biomass 37.0 % RAtoB Emission factor (carbon stock per hectare) of dead wood, all types of forest Dead wood 14 tc ha -1 EFi,3 Mass of fuel available for combustion * Combustion factor in * Biomass burning primary forest 0.36 t ha -1 MB1 * Cf Mass of fuel available for combustion * Combustion factor in 42.2 * Biomass burning secondary forest 0.55 t ha -1 MB2 * Cf Mass of fuel available for combustion * Combustion factor in 5.5 * Biomass burning cropland 0.80 t ha -1 MB4 * Cf Emission factor for forest fires (CH4) Biomass burning 6.8 g kg-dm burnt -1 Gef-CH4 Emission factor for forest fires (N2O) Biomass burning 0.2 g kg-dm burnt -1 Gef-N2O Global Warming Potential (CH4) Biomass burning 25 - GWP Global Warming Potential (N2O) Biomass burning GWP Carbon content of oil (Gasoline) Oxidized during use factor 4. Calculations for project reference level Combustion of fossil fuels from transport and machinery use Combustion of fossil fuels from transport and machinery use 18.7 kt-c TJ - 1 CC ODU Project reference level at year y tco2e RLpj y Year during reference period yr1 yr2 yr3 yr4 yr5 Carbon stock change at year yr tc ΔCSref y Carbon stock at Yr1 tc Primary forest Carbon stock ha A1,yr1 Secondary forest Carbon stock ha A2,yr1 Cropland Carbon stock ha A3,yr

330 Carbon stock at Yr2 tc Primary forest Carbon stock ha A1,yr2 Secondary forest Carbon stock ha A2,yr2 Cropland Carbon stock ha A3,yr2 Carbon stock at year Yr3 Primary forest Carbon stock ha A1,yr3 Secondary forest Carbon stock ha A2,yr3 Cropland Carbon stock ha A3,yr3 Non-CO2 emissions from forest fires at year yr tco2e Lfire_ref y Non-CO2 emission at year Yr1 tco2e Area of burnt primary forest at yr1 Biomass burning ha Area of burnt secondary forest at yr1 Biomass burning ha Area of burnt cropland at yr1 Biomass burning ha Non-CO2 emission at year Yr2 tco2e Area of burnt primary forest at yr2 Biomass burning ha Area of burnt secondary forest at yr2 Biomass burning ha Area of burnt cropland at yr2 Biomass burning ha Non-CO2 emission at year Yr3 tco2e Area of burnt primary forest at yr3 Biomass burning ha Area of burnt secondary forest at yr3 Biomass burning ha Area of burnt cropland at yr3 Biomass burning ha 5. Calculations of the project net emissions Project net emissions during year y tco2e PEy Year during first monitoring period ym1 ym2 ym3 Carbon stock changes at year ym tc ΔCSPJ,y Carbon stock at year ym1 tc Area of primary forest at year ym1 Carbon stock ha Area of secondary forest at year ym1 Carbon stock 0 ha Area of cropland at year ym1 Carbon stock 0 ha Carbon stock at year ym2 tc Area of primary forest at year ym2 Carbon stock ha Area of secondary forest at year ym2 Carbon stock ha Area of cropland at year ym2 Carbon stock ha Carbon stock at year ym3 tc Area of primary forest at year ym3 Carbon stock ha Area of secondary forest at year ym3 Carbon stock ha Area of cropland at year ym3 Carbon stock ha Non-CO2 emissions from forest fires at year ym tco2e Lfire_PJ y Non-CO2 emission at year Yr1 tco2e Area of burnt primary forest at year y1 Biomass burning ha Area of burnt secondary forest at year y1 Biomass burning ha

331 Area of burnt cropland at year y1 Biomass burning 0 ha Non-CO2 emission at year Yr2 tco2e Area of burnt primary forest at year y2 Biomass burning ha Area of burnt secondary forest at year y2 Biomass burning ha Area of burnt cropland at year y2 Biomass burning ha Non-CO2 emission at year Yr3 tco2e Area of burnt primary forest at year y3 Biomass burning ha Area of burnt secondary forest at year y3 Biomass burning ha Area of burnt cropland at year y3 Biomass burning ha CO2 emissions from transport and machinery use during year y tc Eenergy,PJ,y Consumption of oil during year y TJ LCy Carbon content of oil (Gasoline) Oxidized during use factor Combustion of fossil fuels from transport and machinery use Combustion of fossil fuels from transport and machinery use kt-c TJ - 1 CC - ODU Displacement of net emissions during the period y tco2e DEy Displacement of CO2 emissions during monitoring year ym Displacement of CH4 and N2O emissions during year monitoring ym due to forest fires 5. Calculation of discount factor Carbon stock tco2 DECO2,ym Biomass burning tco2e DEfire,ym Discount factor 30 %

332 [List of Default Values] Emission Factors of carbon pool j of stratum i Carbon stock in above ground biomass of stratum i Primary forest 200 tc ha -1 EF1,1 Secondary forest 100 tc ha -1 EF2,1 Cropland 30 tc ha -1 EF4,1 Ratio to below-ground biomass, all types of forest % RAtoB Emission factor of carbon stock in dead wood, all types of forest 14 tc ha -1 EFi,3 Average mass of fuel available for combustion per hectare Primary forest * 0.36 t ha -1 MB1 * Cf Secondary forest 42.2 * 0.55 t ha -1 MB2 * Cf Cropland (rice residues) 5.5 * 0.80 t ha -1 MB4 * Cf Emission factor for forest fire CH4 6.8 g kg-dm burnt -1 Gef-CH4 N2O 0.2 g kg-dm burnt -1 Gef-N2O Global Warming Potential CH GWP N2O GWP Carbon content of oil (Gasoline) 18.7 Kt-C TJ -1 CC Oxidized during use factor ODU Discount factor 30 % DF

333 The Input Sheet of the Proposed Methodology Spreadsheet consists of a table of parameters to be monitored ex post, and parameters to be fixed ex ante, which, combined, should provide a complete listing of the data that needs to be collected for the application of the methodology. The tables may include data that is collected from other sources (e.g. official statistics, expert judgment, proprietary data, IPCC Guidelines, commercial and scientific literature, etc.), measured, or sampled. Parameters that are calculated with equations provided in the methodology should not be included in this section. For the Parameters to be monitored ex post (table 1), the following items are filled: Parameter: the variable used in equations in the proposed methodology; Description of data: a clear and unambiguous description of the parameter; Estimated value: this field is for the project participants to fill in to calculate emission reductions, and may be left blank in the proposed methodology. Unit: The International System Unit (SI units refer to < Monitoring option: please select option(s) from below. If appropriate, please provide the order of priority and the conditions when the options are chosen. Option A: Based on public data which is measured by entities other than the project participants (Data used: publicly recognized data such as statistical data and specifications) Option B: Based on the amount of transaction which is measured directly using measuring equipments (Data used: commercial evidence such as invoices) Option C: Based on the actual measurement using measuring equipments (Data used: measured values) Source of data: A description which data sources should be used to determine this parameter. Clearly indicate how the values are to be selected and justified, for example, by explaining: What types of sources are suitable (official statistics, expert judgment, proprietary data, IPCC, commercial and scientific literature, etc.); What spatial level of data is suitable (local, regional, national, international). Measurement methods and procedures: For option B and C, a description of the measurement procedures or reference to appropriate standards. Provide also QA/QC procedures. Monitoring frequency: A description of the frequency of monitoring (e.g. continuously, annually, etc). Other Comments: Other input not covered by the items above. The table Parameters to be fixed ex ante (table 2), should also adhere to the instruction provided above. Data that is determined only once and remains fixed should be considered under J. Data and parameters fixed ex ante

334 Annex I. National definition of forest in PARTNER COUNTRY for REDD-plus under the JCM 1. As referred to in paragraph 16 of these Guidelines, the national definition of forest in PARTNER COUNTRY is The national definition of forest for REDD-plus under the JCM is to be inserted at this point. A suitable national definition of forest for REDD-plus under the JCM would include minimum tree crown cover, minimum land area and minimum tree height

335 2-1-2 PDD モニタリングレポートガイドライン案 23th Feb 2017 Joint Crediting Mechanism Guidelines for Developing Project Design Document and Monitoring Report for Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation, and the Role of Conservation, Sustainable Management of Forests and Enhancement of Forest Carbon Stocks in Developing Countries (REDD-plus) (draft) CONTENTS 1. Scope and applicability Terms and definitions General guidelines Developing a PDD Completing a PDD form Developing a Monitoring Plan Preparing for actual measurement Monitoring Conducting monitoring Data correction for actual measurement Recording and archiving data Developing a Monitoring Report

336 1. Scope and applicability 1. The Joint Crediting Mechanism Guidelines for Developing Project Design Document and Monitoring Report for Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation, and the Role of Conservation, Sustainable Management of Forests and Enhancement of Forest Carbon Stocks in Developing Countries (REDD-plus) (hereinafter referred to as these Guidelines ) between Japan and PARTNER COUNTRY provides guidance for project participants on developing a Joint Crediting Mechanism (hereinafter referred to as JCM ) project design document (hereinafter referred to as PDD ) and a monitoring report. 2. REDD-plus safeguards are outside the scope of these Guidelines. Safeguards are supported and promoted by project participants in line with the Joint Crediting mechanism Guidelines for Developing Proposed Methodology for REDD-plus, and the Joint Crediting Mechanism Guidelines for Promoting and Supporting REDD-plus Safeguards. 3. These Guidelines describe standards which are requirements to be met, except guidance indicated with terms should and may as defined in paragraph 8 below. 2. Terms and definitions 4. A PDD is prepared by the participants of a JCM project and sets out in detail, in line with the JCM rules and guidelines, the proposed JCM project. 5. Monitoring is generating, collecting and archiving all relevant data necessary for estimating project net emissions that are significant and reasonably attributable to a registered JCM project. 6. A monitoring plan is developed by the project participants and sets out the approach that they will use for the monitoring of, and by third-party entities for the verification of, the amount of emission reductions achieved by the JCM project. 7. A monitoring report is prepared by the project participants and describes the emission reductions of an implemented registered JCM project for a particular monitoring period. 8. The following terms apply in these Guidelines: (a) Should is used to indicate that among several possibilities, one course of action is recommended as particularly suitable; (b) May is used to indicate what is permitted. 9. Terms in these Guidelines are defined in JCM Glossary of Terms available on the JCM website

337 3. General guidelines 10. When designing a proposed JCM project and developing a PDD and a monitoring report, project participants apply these Guidelines and the selected JCM REDD-plus methodology(ies), which contain approved methodology documents and the monitoring spreadsheets. They also take note of the Joint Crediting Mechanism Guidelines for Developing Proposed Methodology for Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation, and the Role of Conservation, Sustainable Management of Forests and Enhancement of Forest Carbon Stocks in Developing Countries (REDD-plus) and Joint Crediting Mechanism Guidelines for Promoting and Supporting Safeguards for Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation, and the Role of Conservation, Sustainable Management of Forests and Enhancement of Forest Carbon Stocks in Developing Countries (REDD-plus). 11. A Monitoring Spreadsheet is a part of each approved methodology and it consists of: (a) A Monitoring Plan Sheet (input sheet and calculation process sheet), which is used before validation for developing a monitoring plan and calculating emission reductions ex ante; (b) A Monitoring Structure and Procedures Sheet, which is used before validation for developing an operational and management structure to conduct monitoring; (c) A Monitoring Report Sheet (input sheet and calculation process sheet), which is used before verification for developing a monitoring report and calculating emission reductions ex post. 12. A PDD consists of a completed PDD form and a monitoring plan using the Monitoring Plan Sheet and the Monitoring Structure and Procedures Sheet. A monitoring report is completed by using the Monitoring Report Sheet. 13. The project participants provide a description of the proposed JCM project in the PDD that enables comprehension of the nature of the project and its implementation. 14. The project participants monitor and calculate emission reductions to be credited ex post of the registered JCM project. The project participants establish and apply quality management procedures to manage data and information. The project participants reduce, as far as is practical, uncertainties related to the quantification of emission reductions. 15. These Guidelines, other related Guidelines, the PDD Form, and the Monitoring Spreadsheet may be obtained electronically from the JCM website. 16. The Joint Committee may revise the PDD form and the Monitoring Spreadsheet if necessary. 17. The Monitoring Spreadsheet may be revised when the corresponding approved methodology is revised

338 18. The PDD form and the Monitoring Spreadsheet are completed in English. 19. The PDD form and the Monitoring Spreadsheet are not to be altered by the project participants, that is, they are to be completed without modifying their format, font, and headings, with the exceptions described in paragraph Project participants may add rows to the Annex of the PDD form, the table Responsible organizations for implementing the methods and procedures for each data, the table Responsible personnel and their role(s), the Annex in the Monitoring Structure and Procedures Sheet, and the Annex in the Monitoring Report Sheet Attachment. 21. Where the PDD contains information that the project participants wish to be treated as confidential or proprietary, the project participants are required to submit documentation in two versions: (a) One version where all parts containing confidential or proprietary information are made illegible (e.g. by covering those parts with black ink or overwriting those parts with letters, such as XXX ) so that the version can be made publicly available without displaying confidential or proprietary information; (b) Another version containing all information that is to be treated as strictly confidential or proprietary by all parties handling this documentation (the third-party entities, the Joint Committee members, and external experts). 22. Description related to application of the eligibility criteria is not considered confidential or proprietary. 23. The presentation of values in the PDD, including those used for the calculation of emission reductions, should be in international standard format (e.g. 1,000 representing one thousand and 1.0 representing one). The units used should be accompanied by their equivalent S.I. units/norms (thousand/million) as part of the requirement to ensure transparency and clarity. 4. Developing a PDD In the following section, a hypothetical project is described in red font as an example to show how to complete the PDD form, the Monitoring Plan Sheet, and the Monitoring Structure and Procedures Sheet. The hypothetical project description refers to material in annexes, but these annexes are not provided here for sake of brevity. The hypothetical project is entirely fictional and the maps, descriptions and calculations should be treated as such

339 4.1. Completing a PDD form <Example of a completed PDD> A. Project description A.1. Title of the JCM project Reducing deforestation and forest degradation through community-based forest management and agricultural intensification in country XYZ Provide an unambiguous title of the JCM project. The title should indicate the major project activities. A.2. General description of the proposed project The project is the result of collaboration between Company ABC, Company DEF, national NGO ABC and the Forest Department of country XYZ. It builds on an earlier initiative, which supported 4 communities in province XYZ establish community forests. These and other forests in the province are under threat of unplanned deforestation and degradation driven by population growth, in-migration, lack of livelihood options, insecure tenure of local communities and lack of resources for forest monitoring and enforcement of forest laws. Forest conversion and fires are the main proximate causes of deforestation. The primary agents of deforestation are local and migrant communities, who clear the forest for agriculture, use fire for hunting and land clearance, and collect timber and fuelwood for local use. The project activities to avoid deforestation and forest degradation, and the displacement of emissions, are (i) Implementation of approved community forest management plans that maintain high carbon stocks through fire control measures and community controls on forest resource use, (ii) Forest patrols and cell-phone communications to prevent illegal activities and provide early warning on forest fires, (iii) Voluntary fire brigades to suppress forest fires, (iii) Cultivation and marketing of certified high-value organic produce to provide alternative livelihoods and reduce pressure on forests, (iv) Planting of woodlots to reduce dependence on forests for fuelwood. Monitoring of emissions to generate carbon offsets and monitoring of the project s socio-economic and biodiversity impacts will also be conducted. Through these activities, the project aims to: (i) Conserve biodiversity rich forests with high carbon stocks that provide important ecosystem services to adjacent communities and the country; (ii) Improve community wellbeing through strengthened community institutions, increased agricultural productivity, and sustainable sources of timber and fuel wood for local use; (iii) Support country XYZ s Community Forest Programme, National REDD+ Strategy, and National Agricultural Development Plan. Provide a brief description of the project, including: The purpose of the project; Drivers of deforestation and/or forest degradation that are expected to impact forests in the project area; The type of activities the proposed project will implement to reduce net emissions and any other major activities that will be conducted. A.3. Project location 5 335

340 Country Region, province, district, villages, etc. Geographical coordinates Country XYZ Province XYZ Villages A, B, C, D, E, F, G, H, I, J, K, L The project area consists of 4 community forests located within latitude XXX to XXX and longitude XXX to XXX Provide information on the project location such as the name of the region, province, district, and/or village(s), etc. where the project is located in line with the related guidelines and the applied methodology(ies). A.4. Project area and displacement management area Project area Map Total size A kml file of the project area has been submitted together with the PDD and can also be requested from NGO ABC. 17,400 ha Forest parcels Area (ha) Community forest 1 5,100 Community forest Community forest Community forest Total project area 17,

341 Fulfillment of forest definition Forest type and conditions Environmenta l conditions The national definition of forest in Country XYZ for REDD-plus under the JCM is XXX (Reference: Annex 1, Joint Crediting Mechanism Guidelines for Developing Proposed Methodology for Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation, and the Role of Conservation, Sustainable Management of Forests and Enhancement of Forest Carbon Stocks in Developing Countries (REDD-plus)). According to this definition and local knowledge and the existing vegetative composition, the land in the project area has been under continuous forest cover for many hundreds of years. Land cover in Province XYZ in 2001 and 2015 was mapped using Landsat images with over 90% classification accuracy (see annex). The maps demonstrate that all 4 community forests that comprise the project area were completely forested for the past 15 years. The project area consists of 4 parcels of forest comprised of undisturbed lowland evergreen forest. These are multi-storey forests with more than 80% trees of evergreen species, and a canopy cover of over 80 per cent. Emergent trees include Ficus, Dipterocarpus alatus, Shorea vulgaris, Anisoptera cochichinnensis and Tetrameles nudiflora. Further details are provided in the annex. Climate: Country XYZ has a monsoonal climate, with distinct wet and dry seasons. Average yearly rainfall is between 1,300-1,500 mm. Yearly temperatures range from 24 C-32 C, with an average of 28 C. Hydrology: Small streams dissect the gently undulating landscape, which slopes towards the fertile lowlands. Annual stream flows vary greatly between the wet and dry seasons. Rivers and streams supply downstream lakes on which local communities depend for freshwater fishery resources. Topography: In Province XYZ the terrain is mostly gently undulating, with small hills and wet land depressions. To the north the terrain rises to a forested range of hills between m. Soils: Sandstone accounts for most of the basement geology and has a major influence on the properties of upland soils. Sandy materials cover much of the area, due to the siliceous sedimentary formations. The most prevalent soil groups include Acrisols and Leptosols. Vegetation and ecosystems: The main forest type is lowland evergreen forest. The majority of the forests are dryland ecosystems. Seasonal wetlands and swamps exist naturally within the forest systems. Due to the monsoonal climate, many areas are inundated for at least part of the year. A few lakes are found in the province. Relevant historic conditions: Province XYZ has a history of violent conflict; however, recent decades have been free of conflict and the region is becoming more prosperous. The province s rich natural resources, including forests, wildlife, freshwater fish, construction stone, minerals and natural and cultural tourism sites, are drawing people to the region. Cross-border trade with neighboring countries is becoming increasingly important. Demand on natural resources is growing fast as the rural population is growing rapidly. Development of roads is facilitating in-migration to forested areas, and migrants seek to clear the forest to gain title to the land. See annex for more details

342 Rights of use for the project The project area consists of permanent forest estate in province XYZ that has been declared by the Forest Department as 4 discrete community forests. The Forest Department has issued a community forest agreement for each community forest with a duration of 15-years (renewable). Under the agreements, each community forest is managed by a Community Forest Management Committee and the communities have the rights to the forests for subsistence needs and local uses, as well as any other uses specified in approved forest management plans. Agreements were signed between the government and each of the participating communities to clarify all rights regarding lands and resources, including carbon ownership, in the community forests. The rights to the carbon are held by the government and are managed by the Forest Department (one of the project participants). Copies of the agreements are provided in the annex. The project will support agricultural intensification activities (certified high-value organic produce) in the displacement management area, which is adjacent to the project area. Households have the legal title to this land, which can be confirmed by viewing the property titles. Provide a map displaying the geographical boundaries of the project area and other geographical information that aids comprehension of the project location. Provide the total size of the project area in hectares. In the corresponding cell for fulfilment of forest definition provide evidence that the project area has fulfilled the definition of forest for a minimum 10 years before the project start. Describe the forest type and conditions (extent of disturbance, if any) in the project area. Details may be provided in the Annex. Provide an overview of present and prior environmental conditions of the project area including information on climate, hydrology, topography, relevant historic conditions, soils, vegetation and ecosystems. Details may be provided in the Annex. Explain the past and present tenure rights in the project area, including ownership rights and use rights. Provide documentary evidence that at least 80% of the total project area is under the control of the project in the Annex. Displacement management area Displacement The displacement management area consists of several areas adjacent to the management project area and each consists of small agricultural plots that households hold area legal title over. The 12 project villages are all located within the displacement management area. Under the project, the communities will be provided with training, extension and other support to cultivate certified high-value organic crops in the displacement management area. The map below shows the total extent of the displacement management area. Any forest inside the boundaries of the displacement management is excluded from the area

343 Describe and provide a map of the displacement management area, if a displacement management area is employed in the project design. If a displacement management area is not employed in the project design, write N/A in the corresponding cell. A.5. Project participants Project participants Country PARTNER COUNTRY Japan Project participants NGO ABC, Forest Department Company ABC, Company DEF List the project participants from PARTNER COUNTRY and Japan in the corresponding cells. Project implementation structure Assigned roles and responsibilities for each organization participating in the project The project participants are 4 organizations and 4 communities that are implementing the project. They are supported by 3 organizations providing technical inputs. Assigned roles and responsibilities are as follows: Name of Mandate Roles and responsibilities in project organization Community Forest Management Committees; Manage the community forests Forest management planning and controls; Organizing patrols and voluntary fire brigades; Supporting organic agriculture and woodlot establishment. Project communities Company ABC Japanese company Training and guidance to project communities on 9 339

344 (project participant) Company DEF (project participant) NGO ABC (project participant) Forest Department (project participant) XYZ Provincial Forest Office (technical inputs) University KLM (technical inputs) University NOP (technical inputs) specializing in organic production of high-value agricultural produce Japanese company implementing forestry and conservation projects National NGO established in 2000, with a mission of promoting community-based natural resource management Responsible for implementation of Forestry Act and supporting regulations and decrees Management of permanent forest estate in province XYZ Japanese university with expertise in spatial modeling National University, Dept. of Ecology organic growing methods; Preparation for organic farming certification; Monitoring of agricultural production to ensure export quality; International sales of organic agricultural produce. Forest mapping and inventory; Advisory for development and implementation of community forest management plans. Establishment of community-based voluntary fire brigades; Creation of cell-phone network; Safeguards planning and monitoring. Project advisory and steering; Management of carbon offsets generated by the project Support to Community Forest Management Committees on Community Forest Management Plans and patrols; Guidance on woodlots Development of project reference emissions level; Monitoring of land-use change using remote sensing Biodiversity assessment and monitoring Implementation structure The project will be managed from the Project Management Office, which is to be set up in provincial capital XYZ, enabling regular travel to the project and displacement management areas. The Project Management Office is responsible for the day-to-day decisions associated with running the project, including organizing the necessary technical and other inputs. It will hold an internal Monthly Project Management Meeting for review and planning purposes. A Project Steering Committee will be established and will meet every six months. Meeting records will be kept as minutes at the Project Management Office. The Project Steering Committee reviews the performance of the Project Management Office and sets the strategy for the coming 6 months. The members of the Project Steering Committee will be senior officers of the project participants, a representative of the Provincial Forest Office and a representative of each of the Community Forest Management Committees. The Community Forest Management Committees are responsible for establishing regulations and plans for the management and utilization of the Community Forests. The Community Forest Management Plans must be approved by the Forest Department. The Community Forest Management Committees will meet monthly to take decisions about the day-to-day management and use of the community forests

345 The project participants have signed an MOU to implement the project (copy provided in annex). Describe the roles of each project participant and other organizations in the project. Describe the project implementation structure using a diagram(s) that depicts the relationships between the project participants (and any other organizations that are involved in the project). Provide evidence for establishing the implementation structure, if any, such as a memorandum of cooperation between the project participants, in the Annex. A.6. Duration Starting date of project operation Expected operational lifetime of project 01/01/ years Provide the project start date in DD/MM/YYYY and operational lifetime in years and months. Note: The starting date of a JCM project is the date on which the operation of a project begins, but may not predate XXXX. A.7. Description of drivers of deforestation and/or forest degradation and project activities

346 Drivers of deforestation and/or forest degradation The underlying drivers of deforestation and forest degradation expected to impact the forests in the project area in the absence of the project are population growth, in-migration, lack of livelihood options, insecure tenure of local communities and lack of resources for forest monitoring and enforcement of forest laws. Forest conversion and fires are the main proximate causes of deforestation expected. Extraction of timber and fuelwood for local use is also degrading the forest. The primary agents of deforestation are local and migrant communities, who clear the forest for agriculture. Fires are a natural part of the forest ecosystem, but forest fires are becoming more prevalent as they are used in an uncontrolled manner by hunters and by local communities to clear undergrowth. Conversion to cropland Forest lands in Province XYZ have been increasingly converted for agricultural use, due to growth of the local population and in-migration. Government statistics (Reference AAA) indicate that population in the province is growing at 1% per annum. The average annual influx of migrants is estimated to be 2,000 families (Reference BBB). With each family requiring about 2 ha. of agricultural land to sustain itself, 4,000 ha of new agricultural land is required each year. Forest fires Natural forest fires are part of and essential to the forest ecosystem in the province. However, fires lit by hunters and left to burn out of control are now presenting a threat to forests. It is estimated that in the dry season, 50% of forest fires result from hunters using fires (Reference CCC). Project activities Timber and fuelwood for local use Timber is harvested for local purposes, mostly the construction of dwellings. These are often semi-permanent, meaning they are abandoned after a number of years and more trees cut to build new dwellings. The need for housing of the growing population is increase pressure on the forests for local timber use. The growing population is also demanding greater volumes of fuelwood. Over 90% of country XYZ s population use fuelwood and other biomass for cooking (Reference DDD). (i) Provide support to 4 Community Forest Management Committees encompassing 12 villages to design and implement approved forest management plans Through training workshops and outreach, the project will support the local communities to develop and implement forest management plans to mitigate fire risk and ensure that the extraction of fuelwood and timber for local use is controlled and maintained at sustainable levels. Controlled extraction of fuelwood can in fact reduce forest fire risk through the removal of deadwood. Fire lines will be cut at the beginning of the annual fire season to minimize the spread of fires. They have been found effective in other parts of the country. The communities will participate in 3-yearly biomass and biodiversity surveys in the project area. The communities will be trained on the establishment and measurement of permanent sample plots to monitor forest biomass and estimate forest carbon stocks, and on biodiversity survey techniques. Objectives: Build community capacity to sustainably manage their forests and generate data to assess and strengthen the forest management strategies Actors: 4 project communities, Company DEF, NGO ABC, XYZ

347 Provincial Forest Office, University NOP Location: Project Area Duration/Frequency: 3 training workshops will be conducted with each community in Year 1. Refresher trainings will be conducted as necessary. Project technical staff will provide guidance to communities when conducting forest management and monitoring activities. (ii) Conduct forest patrols and establish cell-phone network The project will employ community members to demarcate the community forest boundaries using signboards and posts and to conduct patrols to stop outsiders from encroaching on the forests, hunting using fires and overharvesting fuelwood and timber. Communication equipment and uniforms will be purchased and patrol huts constructed. The project will support meetings between the Community Forest Management Committees and migrant community leaders to request recognition of and support for the community forests. XYZ Provincial Forest Office will participate in the meetings with migrant community leaders and the forest patrols. A cell-phone network will be established in the project communities to quickly communicate information on illegal forest activities and forest fires. Objectives: Reduce encroachment, fires and over-extraction of fuelwood and timber Actors: 4 project communities, Company DEF, NGO ABC, XYZ Provincial Forest Office Location: Project Area Duration/Frequency: Planning workshops will be conducted to determine best patrolling routes and frequency. (iii) Establish voluntary fire brigades The project will form voluntary fire brigades consisting of village youth in each of the 4 communities. They will be equipped with communications equipment, protective clothing and firefighting tools. The project will seek ways of providing incentives for participation, such as buying equipment for youth sports teams or other clubs. Such voluntary fire brigades have been found effective in other parts of the country. Objectives: Reduce spread of forest fires Actors: Village youth, Company DEF, NGO ABC, XYZ Provincial Forest Office Location: Project Area, adjacent forests Duration/Frequency: Purchase of equipment, formation of the brigades and training will be conducted in Year 1. Support to the brigades will be provided throughout the life of the project. (iv) Cultivation and marketing of certified high-value organic produce Company ABC is a Japanese company that specializes in organic agriculture in Japan and several developing countries. It will provide training and extension to communities on the cultivation of high-value organic produce. Equipment necessary for nurseries, land preparation, planting out, harvesting and storage will be provided. Company ABC will acquire certification for the organically grown produce and will organise the marketing and export of the produce

348 Objectives: Reduce pressure on forests through increased agricultural productivity Actors: 4 project communities, Company ABC, NGO ABC. Location: Displacement Management Area Duration/Frequency: Organization of farmer groups and training will begin in Year 1. Extension services will be provided for the duration of the project. (v) Planting of woodlots The planting of woodlots is expected to reduce reliance on natural forests for timber and fuelwood for local uses. Woodlots are absent from the project villages, who lack the finances to purchase seedlings and knowledge on species selection and tree cultivation and maintenance. Company ABC, XYZ Provincial Forest Office and NGO ABC, will provide training and extension to the project communities and nearby migrant communities on woodlot establishment. Community forest management committees will assist in organizing the project communities and identifying suitable land. Traditional leaders will organize the migrant communities. Objectives: Avoid unsustainable harvesting of forests for fuelwood and timber Actors: 4 project communities, Company ABC, NGO ABC, XYZ Provincial Forest Office Location: Displacement management area Duration/Frequency: Woodlots will be established in Year 1 and will become productive by Year 6. Extension services will be provided for the first 3 years and thereafter as necessary. Provide a description of the drivers of deforestation and/or forest degradation expected to impact the forests in the project area in the absence of the project. Describe the project activities, including objectives, actors involved, location (project area or displacement management area), duration/frequency, and other relevant information. A.8. Contribution from Japan Company ABC is a Japanese company with a global reputation for the production of organic foods. It has developed a unique combination of methods for composting, soil enrichment and pest/disease management that provide high-quality, high-yield organic produce. Company ABC will build the capacity of, and provide the inputs necessary for, farmers in the displacement management area to cultivate high-value crops with export potential using these organic methods. Company ABC will acquire organic certification for this produce and organize sales on international markets. Company DEF is a Japanese company that has worked with communities on forest management in Japan and abroad and brings this expertise to the project. It will contribute to the forest inventories and building the capacity of the communities to implement the forest management plans. University KLM has advanced remote sensing and GIS facilities and expertise. It will contribute by developing the reference emissions level and will monitor deforestation and degradation after the project start to monitor emissions displacement, calculate project net emissions, and reassess the reference emissions level and displacement belt. Explain how Japan contributes to the implementation of the project (e.g. financial support,

349 technological inputs, training, etc.). B. Application of the approved methodology(ies) B.1. Methodology(ies) applied to the proposed JCM project Approved methodology No. XXX Version number XXX Approved methodology No. Version number Approved methodology No. Version number Provide the number and version of the approved methodology(ies) applied to the proposed JCM project. B.2. Explanation of how the project meets eligibility criteria of the approved methodology(ies) Eligibility Descriptions specified in the Explanation of compliance with criterion criteria methodology Criterion 1 The main drivers of deforestation and forest degradation are conversion for agriculture and forest fire. The main drivers of deforestation and forest degradation in the reference region, as observed through the application of remote sensing and GIS, and through local consultations, are conversion for agriculture and forest fire (see above). Degradation is also occurring because of over-extraction of timber and fuelwood for local use, but as a conservative measure is excluded Criterion 2 Criterion 3 Criterion 4 The project area does not include forest on peat soil. Peat is defined as organic soil with at least 65% organic matter and a minimum thickness of 50 cm Illegal logging to supply regional, national or international markets is not taking place. Agricultural intensification activities do not involve large numbers of livestock or the application of inorganic fertilizers. from the project accounting. No peat soils have been mapped in province XYZ (Reference EEE) and none were detected in the project area during ground observations. There is no evidence (either from literature, media, local consultations or remote sensing and GIS analysis) of a significant volume of illegal logging in the reference area to supply regional, national or international markets. The road infrastructure is poor, making it difficult to transfer timber from the forests. Transportation routes are also closely monitored by the state government, making it difficult for anyone to transport large volumes of timber. Stocking rearing will not be included as an agricultural intensification activity. Crop management practices that minimize emissions, such as conservation tillage, composting and no burning of farm residues, will be employed

350 Criterion 5 The historic pattern of deforestation is mosaic. A mosaic pattern of deforestation can be observed around the project area over the reference period. The image below displays deforested areas in the vicinity of the project area over the reference period in pink. See annex for details. Criterion 6 Criterion 7 Criterion 8 Criterion 9 Criterion 10 N/A N/A N/A N/A N/A Copy all descriptions specified in the approved methodology(ies) for each criterion. Provide a comprehensive explanation supported by detailed project information of how the project meets each eligibility criterion. Details may be provided in the annex. C. Calculation of emission reductions C.1. Identification of all carbon pools and GHG sources relevant to the JCM project Carbon pools and GHG sources Justification of inclusion or exclusion listed in the applied methodology Project reference level Carbon pools Above ground biomass Below ground biomass Deadwood Included / excluded (Y/N) Y Y Y Required by methodology. Accounts for about 65% of total forest carbon stock in lowland evergreen forest in country XYZ (Reference: FFF). Major loss in reference scenario. Required by methodology. Accounts for about 20% of total forest carbon stock (Reference: FFF). Major loss in reference scenario. Required by methodology. Lying and standing deadwood account for about 10% of total forest carbon stock (Reference: FFF). Major loss in reference scenario. Litter N Not required by methodology

351 Soil organic carbon N Not required by methodology. GHG CH 4 in biomass Y Required by methodology. sources burning N 2O in biomass burning Y Required by methodology. Project net emissions Carbon Above ground pools biomass Y Required by methodology. Below ground biomass Y Required by methodology. Dead wood Y Required by methodology. Litter N Not required by methodology. Soil organic carbon N Not required by methodology. GHG CH 4 in biomass Y Required by methodology. sources burning N 2O in biomass Y Required by methodology. burning CO 2 in combustion of fossil fuels Y Required by methodology. Emissions anticipated from use of fuel for transportation of agricultural inputs and organic produce. List all carbon pools and GHG sources covered in the applied methodology(ies). Identify whether each carbon pool and GHG source is included in the calculation of emission reductions. Justify the inclusion or exclusion of each pool and source. Carbon pools and GHG sources can be excluded if their exclusion leads to conservative estimates of the emission reductions. C.2. Establishment of project reference level Reference area and period

352 Map Total size Justificatio n 970,996 ha. The requirements for the reference area of the applied methodology are The reference area is similar to the project area regarding the drivers of deforestation and/or forest degradation, landscape configuration, socio-economic and cultural conditions, and is more than ten times larger than the total size of the project area. Drivers of deforestation and/or forest degradation All forest in the reference region and project area is pemanent forest estate. There are no protected areas, logging concessions or land development concessions in the province. Forest clearance in the project area and reference area is the result of local and migrant communities clearing forest for agriculture and forest fires. Road access to the forest may be slightly higher for the project area than average accessibility for the reference region. The population density around the project area is similar to other rural areas in the reference region. Landscape configuration The elevation and slope in the reference region and the project area are within 8%. The soil types are similar, consisting mostly of Acrisols and Leptosols. Socio-economic and cultural conditions The primary rural activity across the province is smallholder agriculture for subsistence and supplying local markets. There are no economic activities that concentrate forest disturbance or clearance in specific areas. Migrant communities moving into the area are settling across the province, mostly along road links, with no noticeable concentrations in particular areas. Relative size The provincial boundaries of province XYZ were selected as the boundaries of the reference area. The reference area is thus 58 times larger than the project area. Further details are provided in the annex

353 Period Provide a map displaying the geographical boundaries of the reference area and the project area as well as other geographical information that aids comprehension of the reference area location. The accuracy of imagery analyses of land use classification is 80 percent or higher. Provide the total size of the reference area in hectares. Explain how the reference area is similar to the project area regarding drivers of deforestation and/or forest degradation, landscape configuration, and socio-economic and cultural conditions. List any additional requirements for the reference area set by the applied methodology(ies) and explain how the reference area meets these requirements. The reference period dates back at least 10 years from the start of the project and, if the applied methodology/ies sets a maximum date back period, it must not exceed the maximum date back period. Approach, procedure and data to establish the project reference level Approach and procedure Carbon stock change and GHG emissions for each period (RL y) is calculated using Equation 1: RL y = ΔCS ref y * 44/12 + L fire_ref y. Carbon stock change at year y is projected using Equation 2: ΔCS ref y = Σ (C yri - C yri+1) / Σ (yr i+1 - yr i) and Equation 3: C yr = Σ C i,j,yr = Σ (A i,yr * EF i,j). Carbon stock during the reference period was calculated for 6 points in time. 6 classified land cover maps were generated from Landsat images for the reference period using a GIS. All classified images were classified with accuracy of greater than 90%. Example of classification report, Dec. 2015: Image LC LGN00 Class Area (ha) Percentage % Primary forest 263, Secondary forest 233, Cropland 462, Water bodies 12, Totals 970, Carbon stock was estimated for each of the 6 years from the area of each land cover stratum and the associated emissions factor, using default values. For the in-between years, carbon stock change across each interval was allocated equally between the years, assuming a linear rate of deforestation and degradation. Following this procedure, carbon stock was estimated for each of the 15 years in the reference period. In line with the methodology, the interval with the highest change in carbon stock ( ) was excluded from the calculation of RL y. CH4 and N2O emissions from forest fires are projected using Equation 4: L fire_ref,y = Σ yr L fire_ref,yr / nyr and Equation 5: L fire_ref,y = AB i,yr * MB i * C f * G ef * 10-3 * GWP. Burnt area (AB i,yr) for each period was calculated by identifying fire scars using the same Landsat images as were used for the carbon stock data. Fire scars are

354 spectrally and visually distinct and can thus be identified by classification algorithms. Burnt area is considered a transition land cover, so was reclassified either as forest land or cropland. L fire_ref y was calculated as the average annual emissions from forest fires over the reference period using all 6 Landsat images. A complete description of the procedures (including image pre-processing, classification and accuracy assessment), results and quality controls for the establishment of the reference level is provided in the annex. Data Remote sensing data used (parameters A i,yr AB i,yr) Source Type Resolution Acquisition date Justification USGS GLOVIS USGS Satellite, Multispectral Satellite, 30 m 30 m XX/XX/XXXX XX/XX/XXXX Cloud cover < 15% for all images. All GLOVIS USGS Multispectral Satellite, 30 m XX/XX/XXXX images from same season. GLOVIS Multispectral USGS Satellite, 30 m XX/XX/XXXX GLOVIS Multispectral USGS Satellite, 30 m XX/XX/XXXX GLOVIS Multispectral USGS GLOVIS Satellite, Multispectral 30 m XX/XX/XXXX Non-remote sensing geographical and spatial data (parameter DE y) Map Type Source Minimu m mapping unit Location of villages and settlement s Road Maps Provincial boundarie s Shapefil e Shapefil e Shapefil e Dept. of Geography Dept. of Geography; Open Stree Map, Dept. of Geography 20 < 30 m < 30 m < 30 m Emissions factors Parameter Value Source Justification Emission factor (carbon stock per hectare) in above ground biomass in primary forest, EF 1,1 200 tc ha -1 Reference: 2006 IPCC Guidelines Vol.4 (Table 2.2, 2.3). The value is more conservative than other estimates for similar forest types (Reference: GGG, HHH). As a pilot exercise, 10 sample plots were established and measured in the project area. The average carbon stock in above ground biomass from these plots 350

355 Emission factor (carbon stock per hectare) in above ground biomass in secondary forest, 100 tc ha -1 Reference: 2006 IPCC Guidelines Vol.4 (Table 2.2, 2.3). was 230±9 (1 std. dev.) tc ha. This is higher than the IPCC default, despite degradation due to overharvesting of fuelwood and timber. The IPCC default was selected as a conservative measure. Details provided in annex IPCC Guidelines default is more conservative than found in other studies (Reference GGG, Reference HHH). Relationshi p with national or sub-nationa l reference levels EF 2,1 Emission factor (carbon stock per hectare) in above ground biomass in cropland, EF 4,1 Ratio to below-ground biomass of all types of forest, RAtoB N/A 30 tc ha -1 Reference: 2006 IPCC Guidelines Vol.4 (Table 2.2, 2.3) Reference: 2006 IPCC Guidelines Vol.4 (Table 2.2, 2.3). No values from local or regional studies available. Destructive sampling under one study in country XYZ produced a slightly higher but nevertheless comparable root-shoot ratio (Reference III). Describe the approach and procedure used to establish the project reference level in line with 4. Concepts for REDD-plus in the JCM in Joint Crediting Mechanism Guidelines for Developing Proposed Methodology for Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation, and the Role of Conservation, Sustainable Management of Forests and Enhancement of Forest Carbon Stocks in Developing Countries and the applied methodology(ies). Provide information on the data used to establish the project reference level, including parameter, value, source and justification. If a national or sub-national reference level has been established and formally submitted by PARTNER COUNTRY to the UNFCCC Secretariat, and if this reference level is relevant to the project area, including with respect to carbon pools and GHG sources, explain the validity of the project reference level in relation to the national or sub-national reference level. If no such national or sub-national reference level has been established, write N/A in the corresponding cell. Details may be provided in the Annex. C.3. Estimation of project net emissions Estimation of project net emissions (excluding displaced emissions) Project net emissions at year y during the monitoring period are estimated using Equation 6: PE y = ΔCS PJ,y* 44/12 + L fire_pj,y + E energy,pj,y + DE y

356 Carbon stock change at year y (ΔCS PJ,y) is determined according to the projected land use transitions in the project area in the absence of the project and the effectiveness of project activities. Land cover transitions The two land cover transitions projected for the project area are transition from primary forest to cropland and from primary forest to secondary forest. The ratio of these two transitions in the project area is taken from the average ratio in the reference region during the reference period, i.e. primary forest to cropland = 0.4 primary forest to secondary forest = 0.6. Effectiveness of project activities Conversion of primary forest to cropland The activities to stop the transition of primary forest to cropland in the project area are anticipated to be 100 per cent effective from Year 1. Establishment of the community forests, implementation of the Community Forest Management Plans and patrols are expected to stop all encroachment in the project area. Conversion of primary forest to secondary forest Conversion of primary to secondary forest occurs when primary forests are destroyed by forest fires and replaced by naturally regenerated secondary forest. The implementation of forest management plans and the establishment of voluntary fire brigades are expected to gradually reduce forest fires in the project area, starting at 10% reduction in Year 1, and reaching a maximum of 50% by Year 5. All burnt forests are assumed to be replaced by secondary forest. Amount of CO 2 emissions from energy use Amount of CO 2 emissions from energy use is calculated using Equation 11: E energy,pj,p = LC y * CC * ODU * 44/12. It is assumed that on average 600 litres of automotive fuel would be used per month for transporting equipment and produce to and from the organic farms. Complete details for estimation of project net emissions are provided in the annex. Describe the procedures for the estimation of project net emissions (excluding displaced emissions) covering all carbon pools and GHG sources in line with the applied methodology(ies). Details may be provided in the Annex. Estimation of displaced emissions Reasons for including / excluding displaced emissions Ways and means to estimate emissions displacemen t Displacement of emissions is included as it is anticipated that if the project is implemented the agents of deforestation (migrant and local communities) will clear forests in the surrounding area as they are seeking to open up more land for cropping. It is also anticipated that some hunters who are no longer able to hunt in the project area will move to other areas to hunt using fires. Emissions displacement is estimated by assessing the potential for and likely extent of activity shifting. Local and migrant communities clearing forest for agriculture The expansion of croplands in the project area will not be permitted under the approved Community Forest Management Plans. It is anticipated that the introduction of certified organic farming will increase farmer net annual household revenues by %. However project and migrant communities denied access to the project area for agriculture may clear forest in other areas. The projected annual rate of clearance for agriculture in the project area based on the analysis of deforestation drivers and land use change in the reference area

357 during the reference period is 31.1 ha/yr. Without the project, due to population growth this can be anticipated to increase by an additional 5 ha/year. It is assumed that 100% of the forest clearance in the project area would be displaced to other adjacent areas that lie within the displacement monitoring belt in the first year, but that this will decrease by 10% per year as the organic farming begins to provide additional income to farmers. With these assumptions, the total area of forest clearance displaced by the project in the first 5-year monitoring period is ha. Forest fires Hunters who use fires and are denied access to the forest area are expected to move their hunting activities to the displacement monitoring belt. About half of the hunters are farmers in the project communities and are expected to stop their hunting using fires to focus on the certified organic agriculture. The other half of the hunters are from migrant communities and can be expected to move their hunting to other areas once the project is introduced. It is thus assumed that 50% of fires that would have been caused by hunters in the project area in the absence of the project are displaced. Timber and fuelwood for local use Carbon stock is expected to increase in the project area because the project is anticipated to reduce the extraction of timber and fuelwood to sustainable levels. Woodlots will be planted to reduce demand on the forest, but they cannot be harvested until Year 6. For the first 5-year monitoring period, it is assumed that 100% of the avoided emissions from overharvesting of timber and fuelwood will be displaced to the displacement belt. However, any increase in carbon stock in the project area from a reduction in the extraction of timber and fuelwood is excluded from the project accounting; hence displacement of this activity is also excluded from the accounting. Total size of displacemen t belt The calculations to estimate displaced emissions and the results are provided in the annex. 121,837 ha

358 Map of the displacemen t belt Explanation for setting the boundaries of the displacemen t belt Accessibility to the forest can have a significant impact on deforestation rates. Deforestation is likely to be higher in areas with road and track access than areas without such access. Therefore, to establishing the boundaries of the displacement belt a cost-weighted distance value was used around each project site, rather than a constant distance buffer. The boundary of the displacement belt was delineated by selecting a cost threshold below which displacement was expected to be likely. Data was obtained locally from community surveys to establish the thresholds. Travel in areas without roads and on tracks and paths is by foot or bicycle, with a travel speed of about 1.0 km/hr. Travel on roads is by bike or tractor and is about 5 km/hr. It was assumed that households are prepared to travel up to 5 km/day for their agriculture when travelling only by tracks and paths, and 15 km/day when travelling by roads. See annex for further details. Give the reasons for including / not including displaced emissions in the estimation of project net emissions. Note that any decrease in carbon stocks and increase of GHG emission from outside of the project area that are reasonably attributable to the project activities are quantified and accounted as displaced net emissions, while any increase in carbon stocks and decrease of GHG emissions compared to the situation without the project outside the project area due to the project activities are excluded from the accounting. Describe the ways and means applied to estimate the displacement of emissions in line with the applied methodology(ies). When the applied methodology(ies) requires the establishment of a displacement belt to monitor displaced emissions, provide: The total size of the displacement belt in hectares; A map of the displacement belt; The process for setting the boundaries of the displacement belt When the applied methodology(ies) do not require the establishment of a displacement belt, write N/A in the relevant cells. Details may be provided in the Annex

359 C.4. Discount factor for the risk of reversals Applied discount factor (%) 30 Approach for setting the discount Default set by applied methodology. factor Provide the discount factor used to account for the risk of reversals. Explain the approach for setting the discount factor in line with the applied methodology(ies). Details may be provided in the Annex. C.5. Ex ante estimation of emission reductions Year Estimated Project Reference Level (tco 2e) A Estimated Project Net Emissions (tco 2e) B Estimated Emission Reductions (tco 2e) C = A B Estimated Emission Reductions to be Credited (tco 2e) D = C * (1-Discount factor) ,836 45,161 67,675 47, ,836 45,161 67,675 47, ,836 45,161 67,675 47, ,836 45,161 67,675 47, ,836 45,161 67,675 47,373 Total (tco 2e) 564, , , ,863 Summarize the results of the ex ante estimation of emission reductions for all years of the monitoring period using the table above. The table presents the aggregate emission reductions of the project. Separate tables for difference project components, if more than one, and each approved methodology that is applied, if more than one, should be provided in the Annex. D. Environmental impact assessment Legal requirement of environmental impact assessment for the proposed project No. Answer YES or NO depending on whether the proposed project is subject to an environmental impact assessment according to national or local regulations. If YES, provide the conclusions of the environmental impact assessment in the Annex. If relevant, this information may also be provided in the Safeguards Implementation Plan (SGIP) form. E. Local stakeholder consultation E.1. Solicitation of comments from local stakeholders A provincial stakeholder workshop was held in province XYZ and was well attended by all the major stakeholders identified by the project (see Criterion (b) Safeguards Implementation Plan

360 in SGIP). A number of questions were raised and answered. The agenda of the workshop, the participants list and a full record of the discussions can be requested from the project participants. Describe the process by which comments from local stakeholders have been invited for the proposed project. If relevant, this information may also be provided in the Safeguards Implementation Plan (SGIP) form. E.2. Summary and consideration of comments received Stakeholders Comments received Consideration of comments received Traditional leaders from local communities Provincial Forest OfficeProvincial Forest Office N/A It is important for our communities to manage the forests well for our future generations. We support the project idea. Can we be confident that the organic agriculture will be successful? The project idea is relevant to the provincial forest management and land use plans. It is important that the project supports country XYZ s forest policies and strategy. The project includes intensive scientific monitoring and adoption of proven methods and practices, which are expected to generate high yields of quality organic produce. As safeguards to ensure community net benefits, a small grants programme for community projects and a microfinance scheme for micro-enterprises in the project communities will be implemented. Consultations with the Ministry of Forestry, Ministry of Environment and Department of Lands were conducted to ensure the project design is fully aligned with national policies and programmes. The records of these meetings can be requested from the project participants. Identify stakeholders that have made comments and provide a summary of these comments. Explain how due consideration has given to the comments received. F. References AAA, BBB, CCC, Provide a list of references used to support the descriptions in the PDD, if any. Annex (For sake of brevity, the annex of the example given above is not provided in these guidelines.)

361 Use appropriate numbering and subheadings for easy reference to the relevant sections of the PDD. Use a row for each section of the Annex. Additional rows may be added. Revision history of PDD Version Date Contents revised 4.2. Developing a Monitoring Plan 24. The project participants develop a monitoring plan before validation using the Monitoring Plan Sheet and the Monitoring Structure and Procedures Sheet in the corresponding Monitoring Spreadsheet of the methodology(ies) applied. 25. The project participants input estimated values for each parameter in the Monitoring Plan Sheet (Input Sheet). The Input Sheet consists of a table of parameters to be monitored ex post, and a table of parameters to be fixed ex ante, which together provide a complete listing of the data that needs to be collected for the project. 26. The project participants provide information on each of the following items for each parameter specified in the Monitoring Plan Sheet in line with the applied methodology(ies), and may provide detailed information specific to the proposed project to the contents given in the applied methodology. (a) Estimated values: Provide the estimated values of the parameter for the purpose of calculating emission reductions ex ante; (b) Monitoring option for each data and parameter: Select one of the following options: (i) Option A: Based on public data which is measured by entities other than the project participants (Data used: publicly available data such as official statistics, IPCC Guidelines, commercial and scientific literature, etc.); (ii) Option B: Based on the amount of transaction which is measured directly using measuring equipment (Data used: commercial evidence such as invoices); (iii) Option C: Based on actual measurement using measuring equipment (Data

362 used: measured values). (c) Source of data: Provide the source of data used or to be used. Clearly indicate the type of data source (e.g. official statistics, surveys, measured value, etc.) and the spatial level of data (e.g. local, regional, national, international), if applicable; (d) Measurement methods and procedures: Provide a short description of how the parameters are to be measured/calculated including the QA/QC procedures applied. (e) Monitoring frequency: Describe the monitoring frequency (e.g. continuously, annually). 27. The project participants ensure that data monitored and required for verification and issuance be kept and archived electronically for the period of project implementation. 28. In the Monitoring Structure and Procedures Sheet, the project participants describe the operational and management structure to be implemented in order to conduct monitoring, clearly indicating the roles of personnel and organizations, and set out in detail the procedures for data collection, archiving and reporting, and QA/QC. 29. The project participants appoint a person who is responsible overall for the monitoring, including preparation of the monitoring report, and managing and archiving of data. The person responsible for monitoring: (a) Ensures the quality of the monitoring report and the structure and procedure for producing the report; (b) Oversees and coordinates all the monitoring activities Preparing for actual measurement For monitoring of data and parameters under Option C (i.e. actual measurement), the project participants determine the frequency of calibration and calibrate measuring equipments and/or establishing models in line with international standards or manufacturers specification, unless otherwise stated in the applied methodology(ies). 31. The monitoring for carbon pools under Option C should be conducted using a combination of remote sensing and ground-based survey(s). The best available technology, including novel satellite observation technologies, may be employed to build effective GHG monitoring systems. 32. The monitoring for carbon pools under Option C is implemented by people who have adequate relevant monitoring experience and qualifications. If any parts of the monitoring 1 The following documents may be referred to in developing a monitoring plan and in conducting the monitoring, REDD-plus Cookbook: How to measure and monitor forest carbon, Forestry and Forest Products Research Institute, 2012: A sourcebook of methods and procedures for monitoring and reporting anthropogenic greenhouse gas emissions and removals associated with deforestation, gains and losses of carbon stocks in forests remaining forests, and forestation, GOFC-GOLD, 2015:

363 are conducted by people with less relevant experience, such as members of local communities, they should be trained by experts before the monitoring and periodic checks on the results of their monitoring should be conducted. 2 2 The following guide may be referred to when engaging local communities in monitoring for REDD-plus projects under the JCM: Community Based Forest Biomass Monitoring - Training of Trainers Manual, Institute for Global Environmental Strategies, 2014:

364 <Example of a Monitoring Plan Sheet (Input Sheet)> Monitoring Plan Sheet (Input Sheet) [Attachment to Project Design Document] Table 1: Parameters to be monitored ex post (a) (b) (c) (d) (e) (f) (g) (h) (i) (j) Monitoring Estimated Monitoring Parameters Description of data Units Source of data point No. Values option USGS (1) A i,y (2) AB i,y (3) EF 1,1 (4) EF 1,2 (5) LC ym (6) DE CO2,ym (7) DE fire,ym Area of stratum (= land use type) i at year GLOVIS, Table 1-a. ha Option C ym during monitoring period. Landsat imagery USGS Area burnt in stratum (= land use type) i at GLOVIS, Table 1-a. ha Option C year ym during monitoring period. Landsat imagery Emission factor (carbon stock per hectare) 200 tc ha -1 Option C Forest sampling in above ground biomass in primary forest Measurement methods and procedures Monitoring frequency Other comments Analyzing multispectral optical Table 1-a is satellite imagery. QA/QC: Experts Once every used for ex process images, with double-checks three years post included in classification and monitoring. accuracy assessment procedures. Table 1-a is Analyzing multispectral optical Once every used for ex satellite imagery. QA/QC: Same as three years post (1) monitoring Forest sampling. QA/QC: Training of community teams; Remeasurement Once every of 10% of plots; Check for anomalies three years at data entry. Emission factor (carbon stock per hectare) Once every 14 tc ha -1 Option C Forest sampling Forest sampling. Same as (3) of dead wood, all types of forest three years Project fuel consumption during year ym during monitoring period. Table 1-b. TJ Option B Project records. USGS Displacement of net CO 2 emissions during GLOVIS, 5,419 tco 2e Option C year ym during monitoring period. Landsat imagery Displacement of CH 4 and N 2O emissions USGS during year ym during monitoring period. GLOVIS, 450 tco 2e Option C Landsat imagery Table 1-b is Sum of fuel receipts. QA/QC: used for ex Duplicates of fuel receipts made and Once a year post archived. monitoring Analyzing multispectral optical Once every satellite imagery. QA/QC: Same as three years (1) Analyzing multispectral optical Once every satellite imagery. QA/QC: Same as three years (1) Table 1-a. Area of stratum i and area burnt in stratum i at year ym during monitoring period Year during the (1) Forest area (ha): A i,y (2) Burnt area (ha): AB i,y monitoring period Primary forest Secondary forest Cropland Primary forest Secondary forest Cropland

365 A 1,y A 2,y A 3,y AB 1,y AB 2,y AB 3,y ym1 17, ym2 17, ym3 17, ym4 16, ym5 16, Table 1-b. Project fuel consumption Year (3) Project fuel consumption (TJ): LC y ymf ymf ymf ymf ymf Table 2: Project-specific parameters to be fixed ex ante (a) (b) (c) (d) (e) (f) Parameters Description of data Estimated value Units Source of data Other comments Various. Related to the drivers of deforestation A RE Size of reference area 970,996 ha and/or forest degradation, landscape configuration, socio-economic and cultural conditions A PJ Size of project area 17,400 ha Decided by project proponents A DB Size of displacement belt 121,837 ha Various. Related to mobility of deforestation/degradation agents A i,yr Size of stratum (= land use type) i at year yr during the reference period. Table 2-a. ha USGS GLOVIS, Landsat imagery AB i,yr Size burnt in stratum (= land use type) i at year yr during the reference period. Table 2-a. ha USGS GLOVIS, Landsat imagery DF Discount Factor 30 % Default value is 30% Table 2-a. Area of stratum i and area burnt in stratum i at year yr during reference period (1) Forest area (ha): A i,yr (2) Burnt area (ha): AB i,yr Year during the Primary forest Secondary forest Cropland Primary forest Secondary forest Cropland reference period A 1,y A 2,y A 4,y AB 1,y AB 2,y AB 4,y , , ,000 2, , , , ,667 2, ,

366 , , ,333 2, , , , ,000 2, , , , ,667 2, , , , ,333 2, , , , ,000 9,300 1,660 42, , , ,333 9,300 1,660 42, , , ,667 9,300 1,660 42, , , ,000 5,600 1,330 46, , , ,333 5,600 1,330 46, , , ,667 5,600 1,330 46, , , ,000 3, , , , ,333 3, , , , ,667 3, ,200 Table 3: Ex ante estimation of CO2 emission reductions CO2 emission reductions Units 236,863 tco 2/p [Monitoring option] Option A Option B Option C Based on public data which is measured by entities other than the project participants (Data used: publicly recognized data such as statistical data and specifications) Based on the amount of transaction which is measured directly using measuring equipment (Data used: commercial evidence such as invoices) Based on actual measurement using measuring equipment (Data used: measured values) For the Parameters to be monitored ex post (Table 1), provide information for each of the items as follows: Parameter: Provide the parameters used in equations in the proposed methodology; Description of data: Provide a clear and unambiguous description of the data underlying the parameter; Estimated value: Provide the estimated value; Unit: Use the relevant International System Unit (for SI units, refer to < Monitoring option: Select option(s) from below. If appropriate, provide the order of priority and the conditions when the options are chosen. Option A: Based on public data which is measured by entities other than the project participants (Data used: publicly recognized data such as statistical data and specifications, IPCC Guidelines, etc.) Option B: Based on the amount of a transaction which is measured directly using measuring equipments (Data used: commercial evidence such as invoices) Option C: Based on actual measurement using measuring equipments, including equipment for remote-sensing and ground-based survey (Data

367 used: measured values) Source of data: Provide a description of which data source should be used to determine the parameter. Clearly indicate how the values are to be selected and justified, for example, by explaining: What types of sources are suitable (official statistics, expert judgment, proprietary data, IPCC Guidelines, commercial and scientific literature, etc.); What spatial level of data is suitable (local, regional, national, international). Basic description of measurement methods and procedures: For option B and C, provide a short description of the measurement procedures or reference to appropriate standards. Provide complete descriptions of the measurement methods and procedures and QA/QC procedures in sections 2. Monitoring Procedures and 4. QA/QC, respectively, in the Monitoring Structure and Procedures Sheet. Monitoring frequency: Describe the frequency of monitoring (e.g. continuously, annually, etc.). Comments: Provide comments to elaborate the monitoring of each parameter not covered by the items above, when appropriate. Where applicable, adhere to the instructions provided above when completing the table Parameters to be fixed ex ante (Table 2). Data that is determined only once and remains fixed should be considered under I. Data and parameters fixed ex ante in the applied methodology

368 <Example of a Monitoring Plan Sheet (Calculation Process Sheet)> Monitoring Plan Sheet (Calculation Process Sheet) [Attachment to Project Design Document] 1. Calculations for project emission reductions to be credited Project emission reductions to be credited during the period p Pool / Sources Value Units Para mete r 236,863 tco2e ERcredt,p 2. Basic data of the project Size of reference area Carbon stock and biomass burning 970,996 ha ARE Size of project area Carbon stock and biomass burning 17,400 ha APJ Size of displacement belt Carbon stock and biomass burning 121,837 ha ADB Monitoring start date 2017 Y1 Monitoring end date 2021 Y5 Emission factor (carbon stock per hectare) in above ground biomass in primary forest Emission factor (carbon stock per hectare) in above ground biomass in secondary forest Emission factor (carbon stock per hectare) in above ground biomass in cropland 3. Selected default values Above ground biomass 200 tc ha -1 EF1,1 Above ground biomass 100 tc ha -1 EF2,1 Above ground biomass 30 tc ha -1 EF3,1 Ratio to below-ground biomass of all types of forest Below-ground biomass 37.0 % RAtoB Emission factor (carbon stock per hectare) of dead wood, all types of forest Mass of fuel available for combustion * Combustion factor in primary forest Mass of fuel available for combustion * Combustion factor in secondary forest Mass of fuel available for combustion * Combustion factor in cropland Dead wood 14 tc ha -1 EF1,2 Biomass burning Biomass burning Biomass burning * * 0.55 Emission factor for forest fires (CH4) Biomass burning 6.8 Emission factor for forest fires (N2O) Biomass burning * 0.80 t ha -1 t ha -1 t ha -1 g kg-dm burnt -1 g kg-dm burnt -1 Global Warming Potential (CH4) Biomass burning 25 - GWP Global Warming Potential (N2O) Biomass burning GWP Carbon content of oil (Gasoline) Oxidized during use factor 4. Calculations for project reference level Combustion of fossil fuels from transport and machinery use Combustion of fossil fuels from transport and machinery use 18.7 kt-c TJ -1 MB1 * Cf MB2 * Cf MB4 * Cf Gef-C H4 Gef-N2 O CC ODU Project reference level at year y 112,836 tco2e RLy Monitoring year during reference period 2001 yr yr yr yr yr yr yr yr yr yr yr yr yr yr yr15 Carbon stock change at year y 30,072 tc ΔCSref y Carbon stock at yr1 111,050 tc

369 ,000 Primary forest Carbon stock 354,000 ha A1,yr1 Secondary forest Carbon stock 293,000 ha A2,yr1 Cropland Carbon stock 365,000 ha A3,yr1 Carbon stock at year yr2 110,193,310 Primary forest Carbon stock 350,333 ha A1,yr2 Secondary forest Carbon stock 290,667 ha A2,yr2 Cropland Carbon stock 368,667 ha A3,yr2 Carbon stock at year yr3 109,336,390 Primary forest Carbon stock 346,667 ha A1,yr3 Secondary forest Carbon stock 288,333 ha A2,yr3 Cropland Carbon stock 372,333 ha A3,yr3 Carbon stock at year yr4 108,480,000 Primary forest Carbon stock 343,000 ha A1,yr4 Secondary forest Carbon stock 286,000 ha A2,yr4 Cropland Carbon stock 376,000 ha A3,yr4 Carbon stock at year yr5 107,723,410 Primary forest Carbon stock 339,667 ha A1,yr5 Secondary forest Carbon stock 284,000 ha A2,yr5 Cropland Carbon stock 379,667 ha A3,yr5 Carbon stock at year yr6 106,996,590 Primary forest Carbon stock 336,333 ha A1,yr6 Secondary forest Carbon stock 282,000 ha A2,yr6 Cropland Carbon stock 383,333 ha A3,yr6 Carbon stock at year yr7 106,210,000 Primary forest Carbon stock 333,000 ha A1,yr7 Secondary forest Carbon stock 280,000 ha A2,yr7 Cropland Carbon stock 387,000 ha A3,yr7 Carbon stock at year yr8 103,683, 290 Primary forest Carbon stock 322,333 ha A1,yr8 Secondary forest Carbon stock 272,667 ha A2,yr8 Cropland Carbon stock 398,333 ha A3,yr8 Carbon stock at year yr9 101,156, 710 Primary forest Carbon stock 311,667 ha A1,yr9 Secondary forest Carbon stock 265,333 ha A2,yr9 Cropland Carbon stock 409,667 ha A3,yr9 Carbon stock at year yr10 98,630,0 00 Primary forest Carbon stock 301,000 ha A1,yr10 Secondary forest Carbon stock 258,000 ha A2,yr10 Cropland Carbon stock 421,000 ha A3,yr10 Carbon stock at year yr11 97,083,2 90 Primary forest Carbon stock 294,333 ha A1,yr

370 Secondary forest Carbon stock 253,667 ha A2,yr11 Cropland Carbon stock 428,333 ha A3,yr11 Carbon stock at year yr12 95,536,7 10 Primary forest Carbon stock 287,667 ha A1,yr12 Secondary forest Carbon stock 249,333 ha A2,yr12 Cropland Carbon stock 435,667 ha A3,yr12 Carbon stock at year yr13 93,990,0 00 Primary forest Carbon stock 281,000 ha A1,yr13 Secondary forest Carbon stock 245,000 ha A2,yr13 Cropland Carbon stock 443,000 ha A3,yr13 Carbon stock at year yr14 92,579, 990 Primary forest Carbon stock 275,000 ha A1,yr14 Secondary forest Carbon stock 241,000 ha A2,yr14 Cropland Carbon stock 449,333 ha A3,yr14 Carbon stock at year yr15 91,170, 010 Primary forest Carbon stock 269,000 ha A1,yr15 Secondary forest Carbon stock 237,000 ha A2,yr15 Cropland Carbon stock 455,667 ha A3,yr15 Non-CO2 emissions from forest fires at year y 2,573 tco2e Lfire_ref y Non-CO2 emission at year yr1 68,376 tco2e Area of burnt primary forest at yr1 Biomass burning 2,600 ha Area of burnt secondary forest at yr1 Biomass burning 330 ha Area of burnt cropland at yr1 Biomass burning 45,000 ha Non-CO2 emission at year yr2 68,376 tco2e Area of burnt primary forest at yr2 Biomass burning 2,6 00 ha Area of burnt secondary forest at yr2 Biomass burning 330 ha Area of burnt cropland at yr2 Biomass burning 45, 000 ha Non-CO2 emission at year yr3 68,376 tco2e Area of burnt primary forest at yr3 Biomass burning Area of burnt secondary forest at yr3 Biomass burning 330 ha Area of burnt cropland at yr3 Biomass burning 2, , 000 ha ha Non-CO2 emission at year yr4 68,381 tco2e Area of burnt primary forest at yr4 Biomass burning 2,300 ha Area of burnt secondary forest at yr4 Biomass burning 660 ha Area of burnt cropland at yr4 Biomass burning 41,700 ha Non-CO2 emission at year yr5 68,381 tco2e Area of burnt primary forest at yr5 Biomass burning Area of burnt secondary forest at yr5 Biomass burning 660 ha Area of burnt cropland at yr5 Biomass burning 2, , 700 ha ha Non-CO2 emission at year yr6 68,381 tco2e Area of burnt primary forest at yr6 Biomass burning 2,3 00 ha

371 Area of burnt secondary forest at yr6 Biomass burning 660 ha Area of burnt cropland at yr6 Biomass burning 41, 700 ha Non-CO2 emission at year yr7 144,122 tco2e Area of burnt primary forest at yr7 Biomass burning 9,300 ha Area of burnt secondary forest at yr7 Biomass burning 1,660 ha Area of burnt cropland at yr7 Biomass burning 42,900 ha Non-CO2 emission at year yr8 144,122 tco2e Area of burnt primary forest at yr8 Biomass burning 9,300 ha Area of burnt secondary forest at yr8 Biomass burning 1,660 ha Area of burnt cropland at yr8 Biomass burning 42,900 ha Non-CO2 emission at year yr9 144,122 tco2e Area of burnt primary forest at yr9 Biomass burning 9,300 ha Area of burnt secondary forest at yr9 Biomass burning 1,660 ha Area of burnt cropland at yr9 Biomass burning 42,900 ha Non-CO2 emission at year yr10 109,625 tco2e Area of burnt primary forest at yr10 Biomass burning 5,600 ha Area of burnt secondary forest at yr10 Biomass burning 1,330 ha Area of burnt cropland at yr10 Biomass burning 46,700 ha Non-CO2 emission at year yr11 109,625 tco2e Area of burnt primary forest at yr11 Biomass burning 5,600 ha Area of burnt secondary forest at yr11 Biomass burning 1,330 ha Area of burnt cropland at yr11 Biomass burning 46,700 ha Non-CO2 emission at year yr12 109,625 tco2e Area of burnt primary forest at yr12 Biomass burning 5,600 ha Area of burnt secondary forest at yr12 Biomass burning 1,330 ha Area of burnt cropland at yr12 Biomass burning 46,700 ha Non-CO2 emission at year yr13 87,864 tco2e Area of burnt primary forest at yr13 Biomass burning 3,300 ha Area of burnt secondary forest at yr13 Biomass burning 660 ha Area of burnt cropland at yr13 Biomass burning 51,200 ha Non-CO2 emission at year yr14 87,864 tco2e Area of burnt primary forest at yr14 Biomass burning 3,300 ha Area of burnt secondary forest at yr14 Biomass burning 660 ha Area of burnt cropland at yr14 Biomass burning 51,200 ha Non-CO2 emission at year yr15 87,864 tco2e Area of burnt primary forest at yr15 Biomass burning 3,300 ha Area of burnt secondary forest at yr15 Biomass burning 660 ha Area of burnt cropland at yr15 Biomass burning 51,200 ha 5. Calculations of the project net emissions Project net emissions during year y 45,161 tco2e PEy Monitoring year during first monitoring period 2017 ym ym ym ym ym5 Carbon stock changes at year y 10,430 tc ΔCSPJ,

372 Carbon stock at year ym1 3,466,5 90 tc Area of primary forest at year ym1 Carbon stock 17,266 ha Area of secondary forest at year ym1 Carbon stock 134 ha Area of cropland at year ym1 Carbon stock 0 ha y Carbon stock at year ym2 3,454,6 70 Area of primary forest at year ym2 Carbon stock 17,147 ha Area of secondary forest at year ym2 Carbon stock 253 ha Area of cropland at year ym2 Carbon stock 0 ha tc Carbon stock at year ym3 3,444,2 40 Area of primary forest at year ym3 Carbon stock 17,042 ha Area of secondary forest at year ym3 Carbon stock 358 ha Area of cropland at year ym3 Carbon stock 0 ha tc Carbon stock at year ym4 3,435,3 00 Area of primary forest at year ym4 Carbon stock 16,953 ha Area of secondary forest at year ym4 Carbon stock 447 ha Area of cropland at year ym4 Carbon stock 0 ha tc Carbon stock at year ym5 3,427,8 50 tc Area of primary forest at year ym5 Carbon stock 16,879 ha Area of secondary forest at year ym5 Carbon stock 522 ha Area of cropland at year ym5 Carbon stock 0 ha Non-CO2 emissions from forest fires at year y 1,031 tco2e Lfire_PJ y Non-CO2 emission at year ym1 1,326 tco2e Area of burnt primary forest at year ym1 Biomass burning 134 ha Area of burnt secondary forest at year ym1 Biomass burning 0 ha Area of burnt cropland at year ym1 Biomass burning 0 ha Non-CO2 emission at year ym2 1,178 tco2e Area of burnt primary forest at year ym2 Biomass burning 119 ha Area of burnt secondary forest at year ym2 Biomass burning 0 ha Area of burnt cropland at year ym2 Biomass burning 0 ha Non-CO2 emission at year ym3 1,031 tco2e Area of burnt primary forest at year ym3 Biomass burning 104 ha Area of burnt secondary forest at year ym3 Biomass burning 0 ha Area of burnt cropland at year ym3 Biomass burning 0 ha Non-CO2 emission at year ym4 884 tco2e Area of burnt primary forest at year ym4 Biomass burning 89 ha Area of burnt secondary forest at year ym4 Biomass burning 0 ha Area of burnt cropland at year ym4 Biomass burning 0 ha Non-CO2 emission at year ym5 736 tco2e Area of burnt primary forest at year ym5 Biomass burning 74 ha Area of burnt secondary forest at year ym5 Biomass burning 0 ha Area of burnt cropland at year ym5 Biomass burning 0 ha CO2 emissions from transport and machinery use during year y 17.4 tc02e Eenergy, PJ,y Consumption of oil during year y 0.25 TJ LCy

373 Carbon content of oil (Gasoline) Oxidized during use factor Combustion of fossil fuels from transport and machinery use Combustion of fossil fuels from transport and machinery use 18.7 kt-c TJ -1 CC 1 - ODU Displacement of net emissions during the period y 5,869 tco2e DEy Displacement of CO2 emissions during monitoring year ym Displacement of CH4 and N2O emissions during year monitoring ym due to forest fires 5. Calculation of discount factor Carbon stock 5,419 tco2 Biomass burning 450 tco2e Discount factor N/A 30 % DECO2, ym DEfire,y m <Example of a Monitoring Structure and Procedures Sheet> Monitoring Structure and Procedures Sheet [Attachment to Project Design Document] 1. Monitoring Participants Responsible organizations for implementing the methods and procedures for each data Description of data Basic description of measurement Organizations involved methods and procedures Area of stratum (= land use type) i at year ym during monitoring period. Analyzing multispectral optical satellite imagery Company DEF, Forest Department Area burnt in stratum (= land use type) i at year ym during monitoring period. Emission factor (carbon stock per hectare) in above ground biomass in primary forest Emission factor (carbon stock per hectare) of dead wood, all types of forest Project fuel consumption during year ym during monitoring period. Displacement of net CO 2 emissions during year ym during monitoring period. Displacement of CH 4 and N 2O emissions during year ym during monitoring period. Analyzing multispectral optical satellite imagery Forest sampling Forest sampling Reviewing project records Analyzing multispectral optical satellite imagery Analyzing multispectral optical satellite imagery Company DEF, Forest Department NGO ABC, Company DEF, Forest Department, project communities NGO ABC, Company DEF, Forest Department, project communities Company DEF Company DEF, Forest Department Company DEF, Forest Department

374 When each data when monitoring options B or C are applied, copy (c) Description of data and (h) Measurement methods and procedures from Table 1: Parameters to be monitored ex post in Monitoring Plan Sheet (Input Sheet) and paste the information into the first two columns of the table above. Identify the organizations responsible for implementing the methods and procedures for each data. Additional rows may be added. Responsible personnel and their roles Personnel Role(s) Forest Division Head, Responsible for overall monitoring and monitoring report Company DEF Senior Lecturer, Responsible for remote sensing and GIS analysis Geography Department, University KLM Forest Division Head, Responsible for forest inventory, including training and supervising Company DEF community forest inventory teams, and analysis of fuel consumption International Supporting remote sensing and forest inventory Co-operation Division Chief, Forest Department Executive Director, Supporting training and organization of community inventory teams NGO ABC Provide the positions of the individuals responsible for the monitoring and describe their roles. When teams are involved, e.g. communities involved in forest inventory, provide the position of the individual responsible for managing or supervising the monitoring. Additional rows may be added. 2. Monitoring procedures

375 Area of stratum (= land use type) i at year ym during monitoring period. Area burnt in stratum (= land use type) i at year ym during monitoring period. Displacement of net CO 2 emissions during year ym during monitoring period. Displacement of CH 4 and N 2O emissions during year ym during monitoring period. The area of each land use stratum and burnt areas will be monitored through analysis of Landsat images, using the same procedures for establishing the reference level. Displacement of net CO 2, CH 4 and N 2O emissions will be monitored in the same manner. Project fuel consumption during year ym during monitoring period. Monitoring will be conducted using purchase receipts. Emission factor (carbon stock per hectare) in above ground biomass in primary forest. Emission factor (carbon stock per hectare) of dead wood, all types of forest A forest inventory using permanent sample plots (PSPs) will be conducted in year 1 of the project and repeated every 3 years. In line with the applied methodology, the number of sample plots will be determined to provide estimates of the net change in carbon stocks to within 10 per cent of the true value of the mean at the 95 per cent confidence level. A pilot survey using 10 PSPs has already been undertaken. From the pilot survey data, a total of 110 PSPs was calculated as necessary to meet this requirement. A field manual in local language will be developed for the forest sampling, covering plot location, size and dimensions; measurement equipment; procedures for estimating above ground tree biomass and standing and lying deadwood; data recording procedures; and QA/QC. Forest Inventory Manual (Forest Department, Country XYZ) will be one of the main references for the project inventory manual. For each data for which options B or C are applied, provide a detailed description of the monitoring procedures. Details may be described in the Annex. 3. Procedures for recording and archiving data Standard Operating Procedures for Terrestrial Carbon Measurement, Winrock International (2012) will be the basic reference for recording and archiving data. The procedures include: Forest inventory data will be recorded on prepared field sheets and then later entered into a MS Excel file. A digital image of each field sheet will be taken before departing each plot for back up. All field sheets will be filed and digital images will be stored electronically in labelled folders. Fuel purchase receipts will be filed in duplicate. Remote sensing data and analysis results will be organized and filed in labelled folders. All electronic files will be backed up on a server. Describe the procedures for recording and archiving monitoring data. For each data for which options B or C are applied, provide a detailed description of the procedures

376 Details may be described in the Annex. 4. QA/QC procedures Area of stratum (= land use type) i at year ym during monitoring period. Area burnt in stratum (= land use type) i at year ym during monitoring period. Displacement of net CO 2 emissions during year ym during monitoring period. Displacement of CH 4 and N 2O emissions during year ym during monitoring period. The following QA/QC procedures are applied to the remote sensing analysis: Horizontal accuracy assessment of all images used in remote sensing analysis is conducted to ensure proper alignment of images over multiple points in time. Root mean squared error (RMSE) of the difference between known digitized locations is calculated to assess linear accuracy of each image. Further QA/QC elements are described in the standard operating procedure, which can be requested from University KLM. Thematic accuracy assessment of all generated maps is conducted using high resolution imagery (5 m) supported by ground-based observations as necessary. Further QA/QC elements are described in the standard operating procedure, which can be requested from University KLM. No equipment used requires calibration. Project fuel consumption during year ym during monitoring period. Double check of fuel receipt data entry will be conducted. No equipment used requires calibration. Emission factor (carbon stock per hectare) in above ground biomass in primary forest. Emission factor (carbon stock per hectare) of dead wood, all types of forest Forest inventory will be conducted by trained community teams. Each community will select a team of about 10 people who will be carefully trained in the classroom and in the field on forest inventory. Community Based Forest Biomass Monitoring - Training of Trainers Manual, IGES (2014) will be the reference to design the trainings. QA/QC procedures will include: Re-measuring 10 per cent of PSPs during each inventory. Errors discovered will be expressed as a percentage of all plots that have been re-measured to provide an estimate of the measurement error. Assigning one experienced forester to supervise each team. Assignment of a team leader who will check off all field sheets before leaving plots. Hot Checks (supervising forester conducts occasional re-measurement and provides continual guidance to community teams). Check for anomalies during data entry: 10% of all data sheets will be selected randomly and checked for consistency and accuracy in data entry. No equipment used requires calibration. Describe the procedures that the project employs for quality assurance and quality control. For each data for which options B or C are applied, describe the calibration procedures of

377 any measurement equipment used where applicable. Details may be described in the Annex. Annex Use appropriate numbering and subheadings for easy reference to the relevant sections of the Monitoring Structure and Procedures Sheet. Use a row for each section of the Annex. Additional rows may be added or unnecessary rows removed

378 5. Monitoring 5.1. Conducting monitoring 33. The project participants conduct monitoring in line with the monitoring plan of the registered PDD. 34. When using remote sensing for monitoring of carbon pools under Option C, satellite imageries whose spatial resolution is 30 meters or higher is used for monitoring land use and land-use changes. For the classification of land cover and forest types, classification to reflect the amount of carbon stock per hectare is encouraged and the classification should reflect each country s forest designations. The accuracy of forest/non-forest maps and forest type maps is 80 percent or higher Data correction for actual measurement 35. In monitoring for GHG sources under Option C, the project participants calibrate measuring equipments as per the monitoring plan. 36. The project participants determine the necessity for data correction in calculation of emission reductions following the decision tree shown in Figure 1 below. 37. Regarding parameters for which corresponding national laws and regulations on measurement exist, the project participants: (a) Apply measured values (uncorrected values) to those parameters in calculation of emission reductions, if measuring equipments are calibrated and/or qualified in accordance with the national laws and regulations on measurement; (b) Do not apply measured values in calculation of emission reductions for that monitoring period, if measuring equipments are not calibrated and/or qualified in accordance with the national laws and regulations on measurement. 38. Regarding parameters for which national laws and regulations on measurement do not exist, the project participants check whether the instrumental errors identified in the calibration test stay within the required level of accuracy (i.e. ±5%). 39. For parameters described in paragraph 38, if measuring equipments are calibrated in line with the monitoring plan, the project participants: (a) Apply measured values (uncorrected values) to those parameters in calculation of emission reductions, where the instrumental errors of the measuring equipments stay within ±5%; (b) Correct measured values by applying the difference resulted from the instrumental error and required level of accuracy to the measured values during the period between the date of the previous calibration and the concerned calibration, in line with the Appendix to these Guidelines, and apply the corrected values to those

379 parameters in calculation of emission reductions, where the instrumental errors of the measuring equipments do not stay within ±5%. 40. For parameters described in paragraph 38, if measuring equipments are not calibrated in line with the monitoring plan, but calibration is implemented after the scheduled date, the project participants: (a) Apply measured values (uncorrected values) to those parameters in calculation of emission reductions, where the instrumental errors identified in the delayed calibration test stay within ±5%; (b) Correct measured values by applying the difference resulted from the instrumental error identified in the delayed calibration and required level of accuracy to the measured values during the period between the date of previous calibration and the actual date of calibration in line with the Appendix to these Guidelines, and apply the corrected values to those parameters in calculation of emission reductions, where the instrumental errors identified in the delayed calibration test do not stay within ±5%. 41. Correction of values in line with paragraph 39(b) and 40(b) are conducted in a manner which results in a conservative calculation of emission reductions, as shown in the Appendix. 42. For parameters described in paragraph 38, if measuring equipments are not calibrated in line with the monitoring plan and calibration is not implemented after the scheduled date, the project participants do not apply measured values in calculation of emission reductions for that monitoring period

380 Yes National laws or regulations on measurement exist? No Yes Properly calibrated and/or qualified in accordance with the laws or regulations? No Values are not applicable for the monitoring period Yes Calibrated in line with rules in paragraph 29? No Yes Calibrated after the scheduled No Yes Instrumental error is within ±5%? No Neither corrections nor additional calibration necessary Correction necessary Values are not applicable for the monitoring period Figure 1 Decision tree for data correction 5.3. Recording and archiving data 43. The project participants record and archive the data as per the monitoring plan. 44. When conducting monitoring, the project participants archive the evidence and records that validate the figures to be stated in the monitoring report(s). It includes the source documents that form the basis for calculations and other information underlying the emission reductions. 6. Developing a Monitoring Report 45. The project participants develop a monitoring report using the Monitoring Report Sheet applied to the registered JCM project. 46. For each parameter in the Monitoring Report Sheet, the project participants provide information corresponding to the following items: (a) Monitoring period: Describe the monitoring period; (b) Monitored values: Provide the values of the monitored parameters for the purpose

381 of calculating emission reductions; (c) Monitoring option: Fill in the monitoring option used; (d) Source of data: Provide the source of data used. Clearly indicate the type of data source (e.g. logbooks, daily records, surveys, etc.) and the spatial level of data (e.g. local, regional, national, international), if applicable; (e) Measurement methods and procedures: Describe how the parameters are measured/calculated including QA/QC procedures applied. If a parameter is measured, describe the equipments used to measure it, including details on accuracy level, and calibration information (frequency, date of calibration and validity); (f) Monitoring frequency: Describe the monitoring frequency. 47. In the Monitoring Report Sheet which is Attached Document to the Monitoring Report Sheet, the project participants provide the locations of monitoring points of the ground-based(s) survey on a map, the result of reassessment of the project reference level, and the situation of the actual recording and archiving of data

382 <Example of a Monitoring Report Sheet (Input Sheet)> Monitoring Report Sheet [Attachment to Project Design Document] Table 4: Parameters to be monitored ex post (a) (b) (c) (d) (e) (f) (g) (h) (i) (j) Estimat Monitoring Paramet Uni Monitoring Source of Measurement methods and Monitoring Description of data ed Other comments point No. ers ts option data procedures frequency Values USGS (1) A i,y Area of stratum (= land use type) i at year ym during monitoring period. (2) AB i,y Area burnt in stratum (= land use type) i at year ym during monitoring period. (3) EF 1,1 Emission factor (carbon stock per hectare) in above ground biomass in primary forest (4) EF 1,2 Emission factor (carbon stock per hectare) of dead wood, all types of forest (5) LC ym Project fuel consumption during year ym during monitoring period. (6) DE CO2,ym Displacement of net CO 2 emissions during year ym during monitoring period. Displacement of CH 4 and N 2O emissions during year (7) DE fire,ym ym during monitoring period. Table GLOVIS, Analyzing multispectral optical Once every Min. spatial resolution ha Option C 1-a. Landsat satellite imagery three years of 30 m imagery USGS Table GLOVIS, Analyzing multispectral optical Once every Min. spatial resolution ha Option C 1-a. Landsat satellite imagery three years of 30 m imagery Table 1-b. tc ha -1 tc ha -1 TJ Ha Ha Option C Forest Once every Forest sampling sampling three years Option C Forest Once every Forest sampling sampling three years USGS Option B GLOVIS, Analyzing multispectral optical Landsat satellite imagery Once a year imagery USGS Option C GLOVIS, Analyzing multispectral optical Once every Min. spatial resolution Landsat satellite imagery three years of 30 m imagery USGS Option C GLOVIS, Analyzing multispectral optical Once every Min. spatial resolution Landsat satellite imagery three years of 30 m imagery Table 1-a. Area of stratum i and area burnt in stratum i at year ym during monitoring period Year during the (1) Forest area (ha): A i,y (2) Burnt area (ha): AB i,y monitoring period Primary forest Secondary forest Cropland Primary forest Secondary forest Cropland

383 ym1 ym2 ym3 ym4 ym5 A 1,y A 2,y A 3,y AB 1,y AB 2,y AB 3,y Table 1-b. Project fuel consumption Year (3) Project fuel consumption (TJ): ymf1 ymf2 ymf3 ymf4 ymf5. LC y Table 5: Project-specific parameters to be fixed ex ante (a) (b) (c) (d) (e) (f) Parame Estimat Uni Description of data ters ed value ts Source of data Other comments A RE Size of reference area 970,996 ha Various. Related to the drivers of deforestation and/or forest degradation, landscape configuration, socio-economic and cultural conditions A PJ Size of project area 17,400 ha Decided by project proponents A DB Size of displacement belt 121,837 ha Various. Related to mobility of deforestation/degradation agents A i,yr AB i,yr Size of stratum (= land use type) i at year yr during the Table USGS Min. spatial resolution ha reference period. 2-a. GLOVIS, Landsat imagery of 30 m Size burnt in stratum (= land use type) i at year yr during Table USGS Min. spatial resolution ha the reference period. 2-a. GLOVIS, Landsat imagery of 30 m DF Discount Factor 30 % Default value is 30% Table 2-a. Area of stratum i and area burnt in stratum i at year yr during reference period (1) Forest area (ha): A i,yr (2) Burnt area (ha): AB i,yr Year during the Primary forest Secondary forest Cropland Primary forest Secondary forest Cropland reference period A 1,y A 2,y A 4,y AB 1,y AB 2,y AB 4,y , , ,000 2, ,

384 , , ,667 2, , , , ,333 2, , , , ,000 2, , , , ,667 2, , , , ,333 2, , , , ,000 9,300 1,660 42, , , ,333 9,300 1,660 42, , , ,667 9,300 1,660 42, , , ,000 5,600 1,330 46, , , ,333 5,600 1,330 46, , , ,667 5,600 1,330 46, , , ,000 3, , , , ,333 3, , , , ,667 3, ,200 Table 6: Ex-post estimation of CO2 emission reductions Monitoring period Emission reductions to be credited Units tco 2/p [Monitoring option] Option A Option A Based on public data which is measured by entities other than the project participants (Data used: publicly recognized data such as statistical data and specifications) Option B Option B Based on the amount of transaction which is measured directly using measuring equipment (Data used: commercial evidence such as invoices) Option C Option C Based on the actual measurement using measuring equipment (Data used: measured values)

385 Monitoring Report Sheet Attachment 1. Monitoring sites of the ground-based survey(s) Provide a map that displays the locations of the monitoring sites used in the ground-based survey for the monitoring of net project emissions. These should include the locations of sample plots used to monitor forest biomass in the project area and, if relevant, in the displacement belt.. 2. Reassessment of project reference level Provide information that is necessary for reassessment of the project reference level. Refer to the Joint Crediting Mechanism Guidelines for Developing Proposed Methodology for Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation, and the Role of Conservation, Sustainable Management of Forests and Enhancement of Forest Carbon Stocks in Developing Countries (REDD-plus), noting that: The project reference level is reassessed within five years intervals to ensure that it adequately reflects the actual circumstances of the project area, such as drivers of deforestation and/or forest degradation, activities that lead to land-use changes, and changes of forest management methods. If the result of reassessment shows that project reference level doesn't adequately reflect the actual circumstances, the project reference level is reestablished. If a national or sub-national reference level is established after the project start date, these reference levels should be taken into account and the validity of the project reference level is explained at the timing of reassessment. Details may be provided in the Annex. 3. Recording and archiving data Describe the actual situation of the recording and archiving of the monitoring data

386 Details may be provided in the Annex. Annex Use appropriate numbering and subheadings for easy reference to the relevant sections of the Monitoring Report Sheet. Use a row for each section of the Annex. Additional rows may be added

387 2-1-3 セーフガードガイドライン案 08 Feb Joint Crediting Mechanism Guidelines for Promoting and Supporting Safeguards for Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation, and the Role of Conservation, Sustainable Management of Forests and Enhancement of Forest Carbon Stocks in Developing Countries (REDD-plus) CONTENTS 1. Scope and applicability Terms and definitions General guidelines Criteria for the safeguards under the JCM Developing a SGIP and a SGPR Completing a SGIP form... 4 Annex I. Instruction for planning, implementing, monitoring and reporting safeguard activities Annex II. Supplementary guidance for the planning of each safeguard criterion

388 1. Scope and applicability 1 1. The Joint Crediting Mechanism Guidelines for Promoting and Supporting Safeguards for Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation, and the Role of Conservation, Sustainable Management of Forests and Enhancement of Forest Carbon Stocks in Developing Countries (REDD-plus) (hereinafter referred to as these Guidelines ) are intended to assist project participants in developing a Joint Crediting Mechanism (hereinafter referred to as JCM ) REDD-plus safeguard activity implementation plan (hereinafter referred to as SGIP ) and a REDD-plus safeguard activity progress report (hereinafter referred to as SGPR ). 2. These Guidelines describe standards which are requirements to be met, except guidance indicated with the terms should and may as defined in paragraph 7 below. 2. Terms and definitions 3. Safeguards for REDD-plus projects under the JCM are specified as a set of criteria, which are conditions to be met by the project, as set out in paragraph 19 below. 4. Safeguard activities are activities considered necessary to ensure that the JCM REDD-plus safeguards criteria are respected when implementing the project activities. 5. A SGIP is prepared by project participants by filling in the JCM REDD-plus Safeguard Activity Implementation Plan Form (hereinafter referred to as SGIP form ). 6. A SGPR is prepared by project participants by filling in the JCM REDD-plus Safeguard Activity Progress Report Form (hereinafter referred to as SGPR form ). 7. The following terms apply in these Guidelines: (a) Should is used to indicate that among several possibilities, one course of action is recommended as particularly suitable; (b) May is used to indicate what is permitted. 8. Terms in these Guidelines are defined in JCM Glossary of Terms available on the JCM website. 3. General guidelines 9. When designing a proposed JCM project and developing a SGIP and a SGPR, project participants apply these Guidelines. 10. Using the SGIP form, for each criteria described in paragraph 19 project participants assess the situation, identify safeguard activities, as necessary, and set out plans for implementing the safeguard activities and monitoring, prior to validation. 11. Project participants implement the safeguard activities and monitoring processes for the safeguards criteria as set out in the plans; 12. Before every verification, using the SGPR form project participants provide a comprehensive report on the situation with respect to each criterion (even if safeguard activities were not deemed 1 The relationship between a JCM project for REDD-plus and national or sub-national REDD-plus activities under the UNFCCC will be considered in line with any future decisions of UNFCCC

389 necessary for a specific criterion/criteria), the implementation and impacts of the safeguard activities, as well as any intended revisions and additions to strengthen the safeguard activities and their monitoring processes for the next monitoring period. 13. These Guidelines, the SGIP form and the SGPR form can be obtained electronically from the JCM website. 14. The Joint Committee may revise the SGIP form and the SGPR form, if necessary. 15. The SGIP form and the SGPR form are completed in English language. 16. The presentation of values in the SGIP form or SGPR form, including those used for the calculation, where necessary, should be in international standard format e.g. 1,000 representing one thousand and 1.0 representing one. The units used should be accompanied by their equivalent S.I. units/norms (thousand/million) as part of the requirement to ensure transparency and clarity. 17. The SGIP form and the SGPR form are to be completed without their formats, fonts and headings being altered. 18. All cells in the SGIP form and the SGPR form are to be completed, that is, none of them should be left empty. 4. Criteria for the safeguards under the JCM 19. Criteria for the safeguards under the JCM are the following: (a) Complement or be consistent with the objectives of relevant laws, policies, programmes and other instruments at national, regional and local levels and relevant international conventions and agreements concluded by PARTNER COUNTRY; (b) Establish transparent and effective project governance structures; (c) Recognize and respect rights to lands and resources; (d) Recognize and respect the knowledge and rights of indigenous peoples and members of local communities; (e) Promote and support the full and effective participation of relevant stakeholders, in particular indigenous peoples and local communities; (f) Provide equal employment opportunities and adequate working conditions; (g) Conserve natural forests; (h) Respect other prioritized areas that have high values for the conservation of biological diversity and ecosystem services; (i) Generate other social and environmental benefits; (j) Address the risks of reversals; and (k) Reduce the risks of emissions displacement. 20. To promote and support the safeguards in the JCM REDD-plus project in a stepwise manner, project participants use the guidance described in Annex I and Annex II for planning, implementing, monitoring and reporting the safeguard activities per each criterion

390 5. Developing a SGIP and a SGPR Instructions for completing a SGIP and a SGPR are provided below. A hypothetical example is provided to enhance the clarity of these Guidelines. This hypothetical example is fictional and purely for illustrative purposes Completing a SGIP form A. Project description Title of the JCM project Reducing deforestation and forest degradation through community-based forest management and agricultural intensification in country XYZ B. Plans for implementing and monitoring the safeguard activities Criterion (a) Complement or be consistent with the objectives of relevant laws, policies, programmes and other instruments at national, regional and local levels and relevant international conventions and agreements concluded by PARTNER COUNTRY Current situation (Paragraph 3 (a), Annex I) Relevant laws, policies, programmes and other instruments and relevant international conventions and agreements concluded by PARTNER COUNTRY, and their objectives The laws and guidelines most relevant to the project and their objectives are: Law to Protect the Environment, which supports the conservation of environmental resources and biodiversity; National Land Law, which aims at the orderly management of land and requires that local people who use the land are involved in land use planning; Forestry Act, which aims at the sustainable management of forests for the benefit of the nation, and also specifies community forestry as a legal regime of forest management applicable to the permanent forest estate; Decree on Community Forestry, which promotes community involvement in forest management by allowing local communities rights to utilize forest resources under 15-year renewable management arrangements with the State; Community Forest Guidelines, which specify the requirements and rights for Community Forests. The programmes most relevant to the project and their objectives are: The National REDD+ Strategy, which aims to reduce the country s greenhouse gas emissions as well as generate tradable emissions reductions; The National Agricultural Development Plan, which is the country s blueprint to guide future directions in agriculture and rural development; The latest 5-Year Development Plan, which aims to reduce rural poverty and increase the provision of basic services such as health and education to rural areas. Risks, gaps and/or inconsistencies in relation to whether the project activities comply with the criterion (Paragraph 3 (b), Annex I) Gaps and/or inconsistencies with the objectives and contribution to achieving the objectives No risks, gaps and/or inconsistencies identified. The proposed project fully supports the implementation of the 5 most relevant laws and guidelines and 3 most relevant programmes listed above. The project will provide support to 4 communities encompassing 12 villages to design and implement forest management plans

391 following the processes prescribed in the Community Forest Guidelines and sustainably manage the community forests. The forests they will be responsible for managing are all under threat of deforestation and degradation from local actors, specifically the resident communities as well as recent migrants that have settled in the area. In line with the 5 most relevant laws and 3 most relevant programmes, the project will: (i) Conserve biodiversity rich forests with high carbon stocks that provide important ecosystem services to adjacent communities and the country as a whole by stopping forest conversion, reducing the risk of forest fires in the project area, and activities to reduce the risk of emissions displacement; (ii) Provide incomes for the communities through the cultivation, processing and marketing of high-value certified organic agricultural crops in the displacement management area and employment in project activities, such as forest patrols and forest inventory; (iii) Provide a sustainable source of timber and fuel wood for local use. Plans for safeguards activities (Paragraph 3 (c), Annex I) Considered unnecessary. Plans for monitoring of the situation and the safeguard activity implementation (Paragraph 3 (c), Annex I) The situation regarding relevant laws, policies, programmes and other instruments at national, regional and local levels and relevant international conventions and agreements could change, especially with the Government of country XYZ likely to issue new standards, decrees and regulations for REDD+. To monitor and respond to this evolving situation, an inventory of all laws and other instruments governing or otherwise relevant to the project will be drawn-up, and will be reviewed and updated annually. This list will be held in soft and hard copy format in the Project Management Office. If during this process the project is found not to comply with the new instruments, the necessary changes will be made to ensure compliance. For guidance on completing the SGIP for all criteria (a, b, c, d, e, f, g, h, i, j, k), refer to Table 1 Approaches for planning safeguard activities per each criterion in Annex II. Supplementary Guidance for planning, implementing, monitoring and reporting safeguard activities. For the monitoring of all criteria (a, b, c, d, e, f, g, h, i, j, k), describe how the situation and the safeguard activities and their impacts will be monitored, including the variables, methods and frequency of monitoring. Criterion (b) Establish transparent and effective project governance structures Current situation (Paragraph 3 (a), Annex I) Existing project governance structures Decision-making processes The project will be managed from the Project Management Office, which is to be set up in provincial capital XYZ, enabling regular travel to the project and displacement management areas. The Project Management Office is responsible for the day-to-day decisions associated with running the project, including organizing the necessary technical and other inputs. It will hold an internal Monthly Project Management Meeting for review and planning purposes. A Project Steering Committee will be established and will meet every six months. Meeting records will be kept as minutes at the Project Management Office. The Project Steering Committee reviews the performance of the Project Management Office and sets the strategy for the coming 6 months. The members of the Project Steering Committee will be senior officers of the project participants, a representative of the Provincial Forest Office and a representative of each of the Community Forest Management Committees

392 The Community Forest Management Committees are responsible for establishing regulations and plans for the management and utilization of the Community Forests. The Community Forest Management Plans must be approved by the Forestry Department. The Community Forest Management Committees will meet monthly to take decisions about the day-to-day management and use of the community forests. Consultation consensus building and information dissemination processes The project has been designed through a series of meetings at national and local level with the major project stakeholders. Consultation with the Ministry of Forestry, Ministry of Environment and Department of Lands was conducted to ensure the project design is fully aligned with national policies and programmes. A series of meetings was organized with the 4 participating communities to discuss the project idea. The meeting documents can be requested from the project participants. See Criterion (c) for more details. A provincial stakeholder workshop was held and was well attended by all the major stakeholders identified by the project (see criterion (e) for stakeholder list). The objective of the workshop was to inform stakeholders of the proposed project and to receive feedback on its feasibility and the appropriateness of the project idea. Presentations were made by Company ABC, Company DEF, NGO ABC, the Provincial Forest Office and traditional leaders of several villages. Strong support for the project was expressed by all stakeholder groups. A number of questions were raised and answered. The agenda of the workshop, the participants list and a record of the questions and answers can be requested from the project participants. Information about the project idea and design was disseminated through the above processes. In addition, to keep the communities well-informed, the Project Management Office will provide project updates at the monthly Community Forest Management Committee meetings. Mechanism for the resolution of grievances The Community Forest Management Committees of the 4 participating communities will meet monthly and will handle any complaints raised by their members regarding activities of the project at the local level. At this level, the Committees will resolve any major grievances using the customary practice of involving the whole village/community in a discussion to address issues, taking as long as necessary to resolve the issue. Financial management system Project finances will be managed by Company ABC using its financial management system. Company ABC has managed US$XXX million dollars for international projects, demonstrating that its financial management system meets international expectations for accountability and transparency. Its accounts are audited annually. Information on the financial management system can be requested from Company ABC, and past financial statements and audit reports are available on its website. Benefit sharing The major financial benefit from the project is expected to be from the sale of certified highvalue organic agricultural produce on the international market. Company ABC will provide the necessary guidance and other technical inputs for the project villages to cultivate these crops. The benefits from the sales will be shared by the communities and Company ABC. The Forestry Department is responsible for managing any carbon offsets that are generated by the project and allocated to country XYZ. Company DEF and the Forestry Department have decided to provide the necessary funds to finance the community forests, particularly the roles of the communities in forest management and fire control

393 Accountability and oversight Accountability and oversight are to be provided by the Project Steering Committee. Risks, gaps and/or inconsistencies in relation to whether the project activities comply with the criterion (Paragraph 3 (b), Annex I) Elements of project governance structures that can be strengthened Several risks/gaps identified. 1: There is a risk that misunderstanding about the project among various groups could arise and this could lead to tensions and even force the project to close. 2: An appropriate mechanism to receive and resolve grievances directed at the Project Management Office is yet to be designed. 3: Farmers may not receive a fair price for their agricultural produce. This risk was raised by the communities during project consultation and design workshops with them. Plans for safeguards activities (Paragraph 3 (c), Annex I) 1: To improve information dissemination, the following activities will be conducted: (i) A project webpage with information in the national language and the local language of the minority ethnic group XYZ that comprises the 4 participating communities will be created and regularly updated; (ii) The Community Radio station in province XYZ will be invited each year to visit and report on the project. 2: An appropriate mechanism to resolve grievances at the project level will be developed. 3: A fair payment to the farmers will be ensured by the project acquiring Fairtrade certification. Plans for monitoring of the situation and the safeguard activity implementation (Paragraph 3 (c), Annex I) Situation / safeguard activity to be monitored Information dissemination / webpage, radio reports Grievances / grievance resolution mechanism Fairness of payments to farmers / Fairtrade certification Indicators Content of project webpage; Community Radio reports on project Existence of grievance resolution mechanism; No. of grievances received and whether resolved to satisfaction of all parties Active Fairtrade certification; Comparison of payments under similar schemes Frequency Annually Existence confirmed by end of Year 1; Use monitored annually Annually Criterion (c) Recognize and respect rights to lands and resources Current situation (Paragraph 3 (a), Annex I) Rights to lands and resources related to the project The lands and resources primarily related to the project are the forested lands in the project area and the agricultural lands where displacement management activities will be implemented. Project Area Under the Forestry Act, the state is required to recognize and ensure the traditional use rights of local communities living near the permanent forest estate for the purpose of traditional customs, beliefs, religious practices and living. While customary rights are recognised in the law, this

394 protection in practice is weak. Having a legally recognized community forest is attractive to many communities, as it means that their customary rights cannot be so easily taken away from them, and because it allows them to pursue other activities, e.g. sustainable harvesting of timber for sale or a REDD+ project, so long as these are approved by the Forestry Department. Under an earlier project, some of the project participants provided support to the 12 villages to have their forests approved by the government as 4 community forest sites through 4 community forest agreements, which have a duration of 15-years (renewable). Agreements were signed between the government and each of the participating communities to clarify all rights regarding lands and resources, including carbon ownership, in the community forests. The rights to the carbon are held by the government and are managed by the Forestry Department (one of the project participants). A socio-economic baseline study to develop community profiles was conducted for each community. The 4 Community Profiles are attached. The Community Profile describes for each community its history (including conflicts, if any), demographics, social structure, occupations/livelihoods, government services, physical infrastructure, living conditions, customary use of land and forests, and ecosystem services. Customary uses of land and forest recorded in the Community Profiles include sacred sites, wood and bamboo used to construct houses, and non-timber forest products. Displacement Management Area The project will support agricultural intensification activities (certified high-value organic produce) in the displacement management area, which is adjacent to the project area. Households have the legal title to this land, which can be confirmed by viewing the property titles. Risks, gaps and/or inconsistencies in relation to whether the project activities comply with the criterion (Paragraph 3 (b), Annex I) Impacts of the project activities on the rights to lands and resources Legal and customary rights to land and resources No risks, gaps and/or inconsistencies identified. The project is not anticipated to have any negative impacts on the legal and customary rights of the participating communities to land and resources. To the contrary, the project will provide support to the communities to maintain their legal rights, which include customary uses, over the community forests. Free prior informed consent (FPIC) process 1 gap identified. The project supports the management of 4 community forests. The community forest approach in country XYZ is bottom-up and aligns well with FPIC principles. Community forests are not forced on the communities. To the contrary, the communities can either initiative the process for a community forest, or they can decide to establish a community forest after the Forestry Department has proposed the idea to them. The Community Forest Guidelines aim to involve the entire community in the management of the community forest. The election of the Community Forest Management Committee is done through a secret ballot during a public meeting in which at least 2/3 of the community must participate. An independent study has found that in country XYZ, the Community Forestry Guidelines empower local people with full rights on forest resources and also enables them to establish rules and regulations suited to their cultural and socioeconomic conditions (Reference AAA). The project builds on an earlier initiative to support 4 communities establish community forests. To ensure they had full understanding of the project idea, and to seek their views on how to

395 strengthen it, 2 workshops were organized with the communities. The workshops were announced 1 month in advance and participation of all community members was requested. The meetings were facilitated by NGO ABC, which has established strong trust relationships with the communities through its engagement with them over the past 15 years. The proposed project activities were presented in local language using visual aids and participatory methods. Community members were encouraged to express any concerns and identify potential risks, as well as to contribute alternative ideas. Focus group discussions (men, women, youth) were conducted to elicit their concerns and ideas. The initial project idea was modified through this process. The workshop materials and video documentation of the workshops can be requested from the project participants. Gap: A process to keep the entire community informed about the project has not been established. Plans for safeguards activities (Paragraph 3 (c), Annex I) Hold a review workshop each year for all community members to receive an update on the project and to express concerns/ideas. Plans for monitoring of the situation and the safeguard activity implementation (Paragraph 3 (c), Annex I) A socio-economic survey covering all households in the participating communities will be conducted every 3 years. The design of the survey will use the concept of sustainable livelihoods, and the indicators will include rights to land and resources. Any changes in these rights will thus be documented in the surveys. The survey will also assess the level of satisfaction with the project. The annual community project review workshops will be reported in the project s annual reports. Level of participation (no.s of men, women, youth), issues raised, etc. will be reported. Criterion (d) Recognize and respect the knowledge and rights of indigenous peoples and members of local communities Current situation (Paragraph 3 (a), Annex I) Knowledge and rights of indigenous peoples and members of local communities relevant to the project Knowledge The 12 villages consist of minority people who have resided in the area for many generations. They have accumulated significant knowledge about forest ecosystems and biodiversity, associated with their use of forest resources and cultural practices. This knowledge is passed on orally from one generation to the next and is mostly not documented. Rights Project villages The villages participating in the project consist of people from one minority ethnic group. Their customary and legal rights have partly been described under Criterion (c). The leaders of the ethnic group are making efforts to hold on to their indigenous and local knowledge, and their traditional communal values. The concerns they expressed in the Community Profiles regarding their rights include: loss of identify; inadequate livelihoods to meet their basic human needs; and inadequate public services (they must pay for school fees, basic medicines and health checks, despite being poor). Migrant communities The rights of the migrant communities that the project is likely to affect are related to their use of land and resources in the project area. In the without-project scenario, it is expected that they would convert some of the project area for agriculture, extract timber and fuel wood for local

396 use, and hunt animals using fires. While legally they do not have the rights to this land and resources, they do have basic human rights, including the right to live above the poverty line. Risks, gaps and/or inconsistencies in relation to whether the project activities comply with the criterion (Paragraph 3 (b), Annex I) Potential project impacts on rights of indigenous peoples and local communities Knowledge No risks, gaps and/or inconsistencies identified. The project does not intend to take commercial advantage of any traditional or local knowledge of indigenous peoples and local communities. This knowledge will be beneficial for many of the project activities in-so-far as the communities will use this knowledge when devising their forest management plans and implementing activities. Rights Several risks and 1 gap identified. Project communities The project is not expected to compromise any rights of the participating communities, but rather to contribute to their livelihoods and wellbeing. This is explained under criterion (i). Nevertheless, there are risks that some of the organic farming activities may not perform optimally, either because of technical issues associated with cultivation or volatility of market prices. Poor performance of the woodlots planted to provide timber for local use and fuel wood is another risk. If these risks were to eventuate, the wellbeing of households that in the withoutproject scenario would have cleared forest in the project area for agriculture will decrease, at least in the short-term. There is also some risk that if the forest patrols are not well-organized, the villagers participating in the patrols could be exposed to violence. Migrant communities There is a risk that if the woodlots supported by the project in the migrant communities are not productive, their wellbeing might be adversely affected, as the project will stop their conversion in the project area and reduce the volume of timber and fuel wood they extract from the project area. Gender issues and vulnerable households Gap: No analysis of vulnerable households or gender issues was conducted during the project design, though focus group discussions with women were held during the community workshops. Plans for safeguards activities (Paragraph 3 (c), Annex I) To safeguard women and vulnerable households: In year 1 of the project, a social survey will be conducted to identify how the project activities can best accommodate the needs of women and of vulnerable households. To reduce risk of low production under organic farming: Company ABC will establish a system for intensive scientific monitoring of inputs, methods and yields. Good practices from other parts of the country and region will be surveyed and adopted. To reduce the risk of forest patrols facing violence: Local forest officers will participate in the forest patrols in high risk areas. Plans for monitoring of the situation and the safeguard activity implementation (Paragraph 3 (c), Annex I)

397 The Project Steering Committee will report in its minutes the implementation of the Year 1 social survey on women and vulnerable households. Appropriate methods and indicators will be used and the results will inform the design of the 3-yearly socio-economic household surveys. Monitoring of project impacts on knowledge and rights of indigenous peoples and members of local communities will be conducted as part of the 3-yearly socio-economic household surveys. The methods and indicators of the household survey will be developed within the first year of the project. Indicators for women s rights, the wellbeing of vulnerable households, and the rights (including wellbeing) of the participating in communities and affected migrant communities, will be included. A monitoring form for the forest patrols will be developed, and the completed forms will be lodged with the Community Forest Management Committees and the Project Management Office. Any threats of violence to patrol teams will be recorded. Criterion (e) Promote and support the full and effective participation of relevant stakeholders, in particular indigenous peoples and local communities Current situation (Paragraph 3 (a), Annex I) Project stakeholders and their participation Stakeholder mapping exercises were conducted by the project participants and with the project communities. These exercises identified the following project stakeholders and their interests in the project: Stakeholders Primary project stakeholders 4 participating communities Department of Forests Company ABC (Japan) Company DEF (Japan) NGO ABC (country XYZ) Provincial Forest Office Government of country XYZ Government of Japan Secondary project stakeholders Migrant communities Other government departments: Agriculture, Environment, Interests in project Potential benefits from more defendable legal rights to forests; Income from sale of organic produce; Institution building Build expertise from involvement in a successful REDD+ project; Expansion and strengthening of the Community Forest Programme Revenue from international sales of certified organic produce Conservation of biodiversity rich tropical forests, including through REDD+ projects Supports its mission of promoting community-based natural resource management Build expertise from involvement in a successful REDD+ project; Expansion and strengthening of the Community Forest Programme in province XYZ Implementation of the JCM; May contribute to INDC; Demonstrates implementation of the national REDD+ strategy Implementation of the JCM with significant biodiversity and community benefits Impact of project on forest access and benefits they can receive from woodlots Supports their mandates

398 Lands, and Climate Change Universities KLM, NOP Provincial government Tertiary project stakeholders Residents /farmers in lower parts of watersheds NGO DEF (local NGO supporting community health and environment programme) Religious groups Bird watchers, schools, etc. Research with high practical relevance Interest in implementing provincial land use plan Improved water supply from streams running through project area Interest in how the project contributes to household wellbeing Using the forest for meditation and prayer Recreation and study activities in project area Level and types of participation An independent study has found that in country XYZ the Community Forestry Guidelines empower local people with full rights on forest resources and also enables them to establish rules and regulations suited to their cultural and socioeconomic conditions (Reference AAA). The project thus supports the efforts of country XYZ to increase community participation in the management of the permanent forest estate. The level of participation of the local communities in the project is high. Participation is a cross-cutting concern that has been reflected in the design of all elements of the project. The communities have been involved in project design, as explained above and are the central actors in implementation, as they will design and implement the forest management plans. Capacity building for participation To enhance community participation in all aspects of the project, various training modules will be developed and implemented. Under an earlier initiative, training was provided to the communities on participatory GIS and handheld GPS devices for the purpose of mapping their forest boundaries. Training modules to involve the communities in carbon stock and biodiversity monitoring will be developed and deployed within 1 year of project validation. Risks, gaps and/or inconsistencies in relation to whether the project activities comply with the criterion (Paragraph 3 (b), Annex I) Potential to enhance stakeholder participation, including through capacity building 1 gap identified. There are no obvious ways to enhance community participation further within the budgetary constraints of the project. However, a gender analysis is yet to be conducted to ensure that women s participation is monitored and that they fully participate in the project. The same applies to vulnerable households. Plans for safeguards activities (Paragraph 3 (c), Annex I)

399 In Year 1 of the project, a social survey will be conducted to identify how the project activities can best accommodate the needs of women and of vulnerable households. The results will be provided to the Community Forest Management Committees with guidance on how to increase participation, if necessary. Plans for monitoring of the situation and the safeguard activity implementation (Paragraph 3 (c), Annex I) The Project Steering Committee will report in its minutes the implementation of the Year 1 social survey on women and vulnerable households. Indicators to monitor the participation of women and vulnerable households will be included in the 3-yearly socio-economic household survey. Criterion (f) Provide equal employment opportunities and adequate working conditions Current situation (Paragraph 3 (a), Annex I) Employment policy, occupational health and safety, wages, training and supervision, and worker grievances Once the project is fully launched, Company ABC, Company DEF and NGO ABC will be responsible for the recruitment of all positions, including technical, administrative, management and field officers. Under the employment policy, recruitment will be open and will comply with the labor laws of country XYZ, which sets out minimum wage rates and procedures for workers to have their grievances addressed. Preference will be given to local recruitment when candidates have equivalent capacities. People from the 4 local communities will be recruited for biomass and biodiversity surveys, and forest patrols, with preference given to vulnerable households. Training for these roles will be provided. Women s participation will be encouraged and their level of participation will be monitored. Risks, gaps and/or inconsistencies in relation to whether the project activities comply with the criterion (Paragraph 3 (b), Annex I) Equal employment opportunities and adequate working conditions Gaps identified. Work safety concerns associated with activities in and around the project area include the risk of contracting malaria, injuries when moving through the forest, getting temporarily lost, dehydration and snake bite. For fire suppression, safety concerns include smoke inhalation and burns. A safety plan to deal with these risks and training on health and safety are outstanding. Plans for safeguards activities (Paragraph 3 (c), Annex I) The project will create a comprehensive safety plan within 6 months of the project start, with input from staff, government officials, and communities, with the goal of reducing the risk of illness and accidents. Training on health and safety will be provided to all workers. Designated personnel will be trained in first aid and first aid kits will be provided for outdoor work. The Senior Project Manager will ensure that the first aid kits are maintained. Plans for monitoring of the situation and the safeguard activity implementation (Paragraph 3 (c), Annex I) Implementation of the project s employment policy will be monitored and the results provided as part of the project s annual report. Accident-at-work records will be completed within one week after any incident using a standard form and will be filed at the Project Management Office. The Project Steering Committee will confirm that the safety plan has been developed, the trainings conducted, and the first aid kits purchased

400 Criterion (g) Conserve natural forests Current situation (Paragraph 3 (a), Annex I) Natural forests in the project area The project area consists of 4 parcels of forest comprised of lowland evergreen forest. These are multi-storey forests with more than 80% trees of evergreen species, and a canopy cover of over 80 per cent. Emergent trees include Ficus, Dipterocarpus alatus, Shorea vulgaris, Anisoptera cochichinnensis and Tetrameles nudiflora. Risks, gaps and/or inconsistencies in relation to whether the project activities comply with the criterion (Paragraph 3 (b), Annex I) Clearing or disturbance of trees of other natural forest vegetation None identified. The project includes no plans to clear any natural forest, other than the cutting of 5 meter wide fire lines and buffer areas surrounding forests and agricultural lands, as a conservation activity to protect the forest from the spread of fires. For patrols, existing tracks will be used and there is no intention to cut new tracks. Plans for safeguards activities (Paragraph 3 (c), Annex I) Considered not necessary. Plans for monitoring of the situation and the safeguard activity implementation (Paragraph 3 (c), Annex I) Forest in the project area will be monitored following the procedures set out in the monitoring plan that is part of the PDD. Criterion (h) Respect other prioritized areas that have high values for the conservation of biological diversity and ecosystem services Current situation (Paragraph 3 (a), Annex I) Other areas with high values for the conservation of biological diversity and ecosystem services that could be impacted No comprehensive study or mapping of high conservation values has been conducted in province XYZ, but the existence of high conservation values in and around the project area is evident from local consultations and a number of national and local studies (Reference BBB, Reference CCC, Reference DDD). In terms of biodiversity values, sightings of tigers, leopards, jungle cats, pileated gibbons, dholes, elephants, bantengs, gaurs, and sun bears, many of which are on the IUCN endangered species list, have been reported in province XYZ. Province XYZ also holds important indicator bird species, some of which are critically endangered. In addition to biodiversity, the forests around the project area provide important ecosystem services to the local communities and wider region, especially in relation to water security and soil protection. Based on a review of the literature and discussions with local authorities and the communities, a preliminary attempt has been made below to sketch what may generally be considered high conservation value areas near to the project area that the project activities could potentially impact. Two areas have been identified. One is an area of mostly remnant forest, with some secondary forest, that is slowly giving way to crop land, and the other is a wetlands area

401 Risks, gaps and/or inconsistencies in relation to whether the project activities comply with the criterion (Paragraph 3 (b), Annex I) Impacts of the project activities on biological diversity and ecosystem services in the identified areas Potential for risks highly unlikely. There is no apparent risk of the project failing to respect other areas that have high values for the conservation of biological diversity and ecosystem services. To the contrary, significant benefits from the project for such areas are anticipated. Forest conservation in the project area will contribute to the conservation of the wider remnant forest area as it acts as a barrier to the spread of deforestation deeper into the forest. Organic methods will be used for agricultural intensification and these are anticipated to improve rather than reduce downstream water quality. To completely rule out risks, a comprehensive study of HCVs is required. Plans for safeguards activities (Paragraph 3 (c), Annex I) A comprehensive study on project related HCVs will be conducted by Year 3. The results of this study will be used to identify whether any further safeguard activities are necessary. Plans for monitoring of the situation and the safeguard activity implementation (Paragraph 3 (c), Annex I) The HCV report will be available on the project website at the end of Year 3. Criterion (i) Generate other social and environmental benefits Current situation (Paragraph 3 (a), Annex I) Living standards in the project vicinity Most households in the project villages base their livelihoods on the small plots of agricultural

402 land that they have acquired ownership rights of. This rain fed agricultural land provides subsistence food and generates some cash income for the households. The Community Profiles reveal that most households only produce sufficient food for 10 months of the year. They supplement their diet with forest foods such as wild tubers, mushrooms, and wild vegetables. Rice, cooking oil, salt and other basic commodities are sometimes purchased from the local market. The households also raise chickens, pigs and water buffalo, which they sell during emergencies or other times when they require larger sums of cash. Some households also generate income through the sale of non-timber forest products, such as bush honey. The Community Profiles provide the numbers of people in each community that have off-farm waged employment. Annual income for most households is less than US$1,500, with many households living near the poverty line. Risks, gaps and/or inconsistencies in relation to whether the project activities comply with the criterion (Paragraph 3 (b), Annex I) Social and environmental benefits No risks, gaps and/or inconsistencies identified. It is anticipated that the project will generate significant social and environmental benefits. Without the project, it will be difficult for the communities to improve their livelihoods and wellbeing, due to rapid population growth, the degradation of natural ecosystems, lack of financial capital, and lack of knowledge and skills to increase agricultural productivity or secure paid employment. The only other NGO active in the village is local NGO DEF, which provides training on basic health care and distributes medicines at low cost. The project participants are working closely with NGO DEF to ensure that our project activities complement theirs. Social benefits Livelihoods The project will contribute to livelihoods through agricultural intensification (certified export quality organic produce); employment in project activities; a sustainable supply of timber and fuel wood for local use; and maintaining the legal right of communities to use forest resources. By conserving forest cover, the communities will also benefit from forest ecosystem services, such as regular stream flows and good water quality. Strengthening community institutions Traditional leadership is eroding in the communities and village elders fear the exposure of their young people to negative outside influences. Project support to the 4 Community Forest Management Committees will make an important contribution to maintaining strong leadership in the communities. Environmental benefits The environmental benefits are associated with the conservation of biodiversity rich forests with high carbon stocks that provide important ecosystem services to adjacent communities and the country as a whole. Plans for safeguards activities (Paragraph 3 (c), Annex I) Considered not necessary. Plans for monitoring of the situation and the safeguard activity implementation (Paragraph 3 (c), Annex I) A household socio-economic impact survey and a biodiversity survey will be conducted in every 3 rd year of the project. The designs for the surveys will be completed in Year 1 of the project. Community members will be trained to participate in the biodiversity surveys. The surveys will incorporate the HCV concept and cover project impacts within and outside the project and displacement management areas

403 Criterion (j) Address the risks of reversals Current situation (Paragraph 3 (a), Annex I) Risks of reversals The possible risk of reversals that could face the project are: Unprecedented large forest fires due to climate change There is a risk that unprecedented large forest fires could occur, if climate change results in forest drying. Lack of capacities to coordinate and implement the project Bringing together all primary stakeholders to ensure the project activities are fully implemented and monitoring conducted as planned will be a significant challenge for the Project Management Office. Governance issues Governance issues that could arise, such as lack of accountability and transparency in allocation of resources, could lead to the cessation of the project. Loss of interest Stakeholders could lose interest in the project, if the anticipated benefits are lower than expected, and if more profitable land use options become available. The communities could also lose interest if the forestry officers are overbearing and show no empathy towards them. Risks, gaps and/or inconsistencies in relation to whether the project activities comply with the criterion (Paragraph 3 (b), Annex I) Project activities to reduce risk of reversals and expected effectiveness The project has several activities that reduce the risk of reversals; however, not all risks are addressed as some are beyond the control of the project. Unprecedented large forest fires due to climate change The project includes a number of activities to prevent and suppress forest fires, and these could be expanded if necessary. The Community Forest Management Plans will include the cutting of 5 meter wide fire lines and clearing lying deadwood (which will be used locally as fuelwood). Fire lines have proved effective in other areas. Voluntary fire brigades and a cellular phone network for quick sharing of information on forest fires will also be established as part of the project activities. It is anticipated that these activities will significantly reduce, though not entirely eliminate, forest fires. Lack of capacities to coordinate and implement the project The project will recruit a senior local manager who is widely recognised and respected by the project stakeholders, having held similar positions in the past. With support from the project participants, it is anticipated that the project manager should be able to overcome any coordination challenges. Governance issues There are wider governance issues in the country and province that are beyond the project s control. For the project, strong governance is provided through its financial management system, participatory mechanisms and processes, processes to keep stakeholders, particularly the communities, well informed, and its steering committee. Loss of interest Intensive scientific monitoring and adoption of proven methods and practices are expected to result in high yields of quality organic produce. This is expected to maintain strong interest in the project. However, some years are likely to generate lower yields than others due to variations in weather patterns and market prices may also fluctuate from one year to the next. Plans for safeguards activities (Paragraph 3 (c), Annex I) Loss of interest

404 Additional incentives can be provided to the communities and can assist in maintaining their strong interest in the project, especially if payments for organic agricultural produce are lower than anticipated. A small grants programme will be established in Year 1 for communities to apply for one project every second year. The community projects could, for example, be piped water systems, which some communities have expressed a need for. Experts will be brought in as required to advise on the selection, design and maintenance of community projects. In addition, to increase benefits to the communities a microfinance scheme will be set up. Communities will have access to low interest loans with flexible repayment terms for investment in microenterprises. Training on microenterprise development will be provided. Also, training on community engagement will be provided to the forestry officers for them to have the skills necessary to work constructively with the local communities. Plans for monitoring of the situation and the safeguard activity implementation (Paragraph 3 (c), Annex I) Forest fires will be monitored annually. The Steering Committee will note in its meeting records any issues with stakeholder coordination as well as wider governance issues in the province and country that could affect the project. Indicators to monitor the community projects and the microfinance scheme will be developed and will be included in the 3-yearly household socio-economic impact surveys. Training of forestry offices on community engagement will be recorded in the project s annual reports. The Project Management Office will keep a record of any difficulties that are directly observed or reported by the Community Forest Management Committees. Criterion (k) Reduce the risks of emissions displacement Current situation (Paragraph 3 (a), Annex I) Risks of emissions displacement Displacement of emissions is included in the project accounting as it is anticipated that if the project is implemented the agents of deforestation (migrant and local communities) will clear forests in the surrounding area as they are seeking to open up more land for cropping. Risks, gaps and/or inconsistencies in relation to whether the project activities comply with the criterion (Paragraph 3 (b), Annex I) Project activities to reduce risk of emissions displacement and expected effectiveness No risks, gaps and/or inconsistencies identified. The activities to reduce the risks of emissions displacement are agricultural intensification through organic farming of high-value agricultural produce for export and the establishment of woodlots to provide timber and fuel wood for local use and a source of income from sales to local buyers. Safeguards to increase the likely effectiveness of these activities have been described in criterion (d). Plans for safeguards activities (Paragraph 3 (c), Annex I) None considered necessary. Plans for monitoring of the situation and the safeguard activity implementation (Paragraph 3 (c), Annex I) The productivity of the agricultural land under intensification and of the planted woodlots will be included as indicators in the 3-yearly socio-economic assessments

405 5.2 Completing a SGPR form A. Project description A.1. Title of the JCM project A.2. General information of project Reference Number Registration date Monitoring period List of documents to be attached to this form, if necessary

406 B. Progress of implementing the safeguard activities compliant with the plans Criterion (a) Complement or be consistent with the objectives of relevant laws, policies, programmes and other instruments at national, regional and local levels and relevant international conventions and agreements concluded by PARTNER COUNTRY Plans specified in the SGIP (including any revisions) Monitoring results (Paragraph 3 (f), Annex I) Safeguard activities Monitoring of the situation and the safeguard activities Situation Implementation Impacts Improveme nts for next monitoring period (Paragraph 3 (g), Annex I) Safeguard activities Monitoring of the situation and the safeguard activities These instructions apply to all safeguard criteria: a, b, c, d, e, f, g, h, i, j and k. Describe the plans for safeguard activities and the processes to monitor their implementation and impacts, including any revisions of the plan when the need for new and/or strengthened safeguards activities were identified in the previous SGPR. Describe the results of the monitoring, providing details on any change in the situation since the start of the project, how and the extent to which the safeguard activities were implemented and the impacts of the activities. Based on the results of the monitoring, assess whether additional safeguards are needed and whether the existing safeguards and/or their monitoring should be strengthened. If so, describe the additional or strengthened safeguard activities and/or monitoring processes that are planned for the next monitoring period. Criterion (b) Establish transparent and effective project governance structures Plans Safeguard specified in activities the SGIP (including Monitoring of any the situation and revisions)

407 the safeguard activities Monitoring results (Paragraph 3 (f), Annex I) Situation Implementation Impacts Improveme nts for next monitoring period (Paragraph 3 (g), Annex I) Safeguard activities Monitoring of the situation and the safeguard activities Criterion (c) Recognize and respect rights to lands and resources Plans Safeguard specified in activities the SGIP (including Monitoring of any the situation and revisions) the safeguard Monitoring results (Paragraph 3 (f), Annex I) activities Situation Implementation Impacts Improveme nts for next monitoring period (Paragraph 3 (g), Annex I) Safeguard activities Monitoring of the situation and the safeguard activities Criterion (d) Recognize and respect the knowledge and rights of indigenous peoples and members of local communities

408 Plans specified in the SGIP (including any revisions) Monitoring results (Paragraph 3 (f), Annex I) Safeguard activities Monitoring of the situation and the safeguard activities Situation Implementation Impacts Improveme nts for next monitoring period (Paragraph 3 (g), Annex I) Safeguard activities Monitoring of the situation and the safeguard activities Criterion (e) Promote and support the full and effective participation of relevant stakeholders, in particular indigenous peoples and local communities Plans Safeguard specified in activities the SGIP (including Monitoring of any the situation and revisions) the safeguard Monitoring results (Paragraph 3 (f), Annex I) activities Situation Implementation Impacts Improveme nts for next monitoring period (Paragraph 3 (g), Annex I) Safeguard activities Monitoring of the situation and the safeguard activities

409 Criterion (f) Provide equal employment opportunities and adequate working conditions Plans Safeguard specified in activities the SGIP (including Monitoring of any the situation and revisions) the safeguard Monitoring results (Paragraph 3 (f), Annex I) activities Situation Implementation Impacts Improveme nts for next monitoring period (Paragraph 3 (g), Annex I) Safeguard activities Monitoring of the situation and the safeguard activities Criterion (g) Conserve natural forests Plans Safeguard specified in activities the SGIP (including Monitoring of any the situation and revisions) the safeguard Monitoring results (Paragraph 3 (f), Annex I) activities Situation Implementation Impacts Improveme nts for next Safeguard activities

410 monitoring period (Paragraph 3 (g), Annex I) Monitoring of the situation and the safeguard activities Criterion (h) Respect other areas that have high values for the conservation of biological diversity and ecosystem services Plans Safeguard specified in activities the SGIP (including Monitoring of any the situation and revisions) the safeguard Monitoring results (Paragraph 3 (f), Annex I) activities Situation Implementation Impacts Improveme nts for next monitoring period (Paragraph 3 (g), Annex I) Safeguard activities Monitoring of the situation and the safeguard activities Criterion (i) Generate other social and environmental benefits Plans Safeguard specified in activities the SGIP (including Monitoring of any the situation and revisions) the safeguard Monitoring results (Paragraph 3 (f), Annex I) activities Situation Implementation Impacts

411 Improveme nts for next monitoring period (Paragraph 3 (g), Annex I) Safeguard activities Monitoring of the situation and the safeguard activities Criterion (j) Address the risks of reversals Plans Safeguard specified in activities the SGIP (including Monitoring of any the situation and revisions) the safeguard Monitoring results (Paragraph 3 (f), Annex I) activities Situation Implementation Impacts Improveme nts for next monitoring period (Paragraph 3 (g), Annex I) Safeguard activities Monitoring of the situation and the safeguard activities Criterion (k) Reduce the risks of emissions displacement Plans Safeguard specified in activities the SGIP (including Monitoring of any the situation and revisions) the safeguard Monitoring results (Paragraph 3 (f), Annex I) activities Situation Implementation

412 Impacts Improveme nts for next monitoring period (Paragraph 3 (g), Annex I) Safeguard activities Monitoring of the situation and the safeguard activities

413 Annex I. Instruction for planning, implementing, monitoring and reporting safeguard activities 1. This instruction indicates processes to plan, implement, monitor and report safeguard activities in a JCM REDD-plus project. 2. Project participants are encouraged to improve the safeguard activities continuously during the project period, taking into account the specific circumstances of each project. 3. In supporting and promoting the safeguards per each criterion, project participants undertake the following stepwise process to address each criterion: (a) Identify the current situation with respect to the criterion; (b) Considering the current situation and the project activities, identify any risks, gaps and/or inconsistencies in relation to whether the project activities comply with the criterion; (c) When risks, gaps and/or inconsistencies are identified, develop and plan safeguard activities as well as processes to monitor the implementation and impacts of the safeguard activities. (d) Implement the safeguard activities; (e) Monitor the situation (even if safeguard activities are not implemented) and the implementation and impacts of the safeguard activities; (f) At the end of the monitoring period, report the results of the monitoring of the situation and the safeguard activities in line with the plan in the SGPR; (g) If the monitoring identifies the need for new and/or strengthened safeguards activities and/or monitoring processes for the next monitoring period, include these in the SGPR. MONITORING PERIOD (d) Implement safeguard activities (a) Identify current situation (b) Identify any risks, gaps and/or inconsistencies (c) Plan safeguard activities and monitoring processes (e) Monitor situation and implementation and impacts of safeguard activities (f) Report on monitoring (g) Plan new and/or strengthened safeguard activities, reflecting the results of the monitoring Figure 1. Process for continual improvement of safeguard activities for each safeguard criterion 4. Approaches for the planning of each safeguard criterion are provided in Annex II

414 Annex II. Supplementary guidance for the planning of each safeguard criterion Table 1: Approaches for planning safeguard activities per each criterion (a) (b) Criteria Complement or be consistent with the objectives of relevant laws, policies, programmes and other instruments at national, regional and local levels and relevant international conventions and agreements concluded by PARTNER COUNTRY Establish transparent and effective project governance structures Approaches for planning safeguard activities i. Identify relevant laws, policies, programmes and other instruments at national, regional and local levels and relevant international conventions and agreements ratified or adopted by PARTNER COUNTRY and their objectives. In doing so, take into account non-forest sectors relevant to drivers of deforestation and forest degradation. ii. Identify whether the project activities will contribute to achieving the objectives described above and whether any gaps and inconsistencies between the objectives described above and the project activities exist. iii. If gaps and inconsistencies to be resolved are identified, establish measures to address these issues and include them in the implementation plan of safeguard activities. If the identified gaps and inconsistencies are caused by reasons beyond the project s control, describe such reasons. i. Identify (describe) the project s existing/proposed governance structures. Provide information on: a) Decision-making processes; b) Consultation, consensus-building and information dissemination processes; c) Grievance resolution mechanism; d) Financial management system; e) Benefit-sharing arrangements; f) Accountability and oversight. ii. Identify whether the project s governance structures could be strengthened. Points that may be considered include: a) Transparency and accountability in decision-making processes; b) Provision of information to the public on the main features of the project, including its decision-making framework, project oversight, any potential risks to stakeholders and plans for mitigating these, the stakeholder engagement process, and free, prior and informed consent processes; c) Effectiveness of information dissemination processes, considering local languages and culturally appropriate and effective communication methods; d) For grievance resolution, how grievances can be submitted and by whom, the length of time users can expect to wait for resolution of their grievances, and how transparency and impartiality are upheld in

415 (c) Recognize and respect rights to lands and resources decisions made on all grievances received; e) Transparency of the financial management system; f) How the benefit sharing arrangement and the process to decide the benefit sharing arrangement are fair; g) Sufficiency of project oversight. iii. If project governance structures can be strengthened, establish measures and include them in the implementation plan of safeguard activities. i. Identify the legal rights to lands and resources related to the project. Also, through engagement with indigenous peoples and local communities identify any of their customary rights to lands, territories and resources, 2 paying particular attention to: a) Sites and resources fundamental for satisfying the basic necessities of local communities or indigenous peoples (for livelihoods, health, nutrition, water, etc.); b) Sites, resources, habitats and landscapes of global or national cultural, archaeological or historical significance, and/or of critical cultural, ecological, economic or religious/sacred importance for the traditional cultures of local communities or indigenous peoples. 3 ii. Identify the impacts of the project activities on the rights to lands and resources, including whether the project activities will make contributions to improvements of the rights of indigenous peoples and local communities to use, access and manage their own land. iii. If negative impacts on the rights to lands and resources are identified, establish measures to address these issues and include them in the implementation plan of safeguard activities. If free, prior and informed consent has not been acquired from any groups whose rights to land and resources are negatively affected, include free, prior and informed consent processes in the safeguard activities. 4 Where negative impacts cannot be avoided, alternatives or on fair and just compensation should be arranged in advance with affected people. 2 Customary rights refer to patterns of long-standing community lands, territories and resource usage in accordance with indigenous peoples and local communities customary laws, values, customs, and traditions, including seasonal or cyclical use, rather than formal legal title to lands, territories and resources issued by the State. 3 Of the 6 High Conservation Value (HCV) categories recognized by the HCV Network, 1, 2, 3, and 4 are considered under criterion (h) and 5 and 6 are considered under criterion (c). 4 The following points may be considered when designing free, prior informed consent processes: (a) transparency; (b) gathering the views of all affected people, including those of women and of marginalized and/or vulnerable people; (c) gender sensitivity, and (d) reflection of relevant customs, norms and traditions. Vulnerable people are those who lack secure access to the assets on which secure livelihoods are built, while marginalized people are those that have little or no influence over decision-making processes. Gender sensitivity means taking into account women s views, needs and interests in project development and implementation

416 (d) (e) Recognize and respect the knowledge and rights of indigenous peoples and members of local communities Promote and support the full and effective participation of relevant stakeholders, in particular indigenous peoples and local communities i. Identify the traditional knowledge of indigenous peoples and local communities that the project intends to use, if any, and any rights of indigenous peoples and member of local communities related to the project including statutory and customary rights. Rights to land and resources of indigenous peoples and member of local communities may be discussed under criterion (c) above. 5 Pay particular attention to rights associated with livelihoods and wellbeing, taking into account gender issues and marginalized and vulnerable groups. 6 ii. Identify whether the project upholds the rights of indigenous peoples or local communities over traditional knowledge, if the project aims to utilize any traditional knowledge. iii. Identify the potential impacts of the project activities on the rights of indigenous peoples and members of local communities, paying attention to gender issues and marginalized or vulnerable groups. iv. If free, prior and informed consent has not been obtained for any traditional knowledge of indigenous peoples and local communities and/or if negative impacts of the project activities on the rights of indigenous peoples and members of local communities are identified, establish measures to address these issues and include them in the implementation plan of safeguard activities. i. Identify all the stakeholders related to the project activities, including indigenous peoples and local communities, and explain their interests in the project. ii. Identify whether opportunities and support for the participation of the stakeholders, including indigenous peoples and local communities, in project activities could be enhanced. Pay particular attention to the participation of women, and vulnerable and marginalized groups and communities. Consider whether any constraints to effective participation of stakeholders exist, and whether the project addresses these through capacity building. iii. If the participation of relevant stakeholders, in particular indigenous peoples, local communities, women and vulnerable and marginalized groups can be increased, establish measures to increase participation and include them in the implementation plan of safeguard activities. 5 Rights refers to individual and collective rights, cultural rights and identity, rights to education, health, employment, language, and other human rights and fundamental freedoms. 6 Livelihood refers to the full range of means that individuals, families and communities utilize to make a living, such as wage-based income, agriculture, fishing, foraging, other natural resource-based livelihoods, petty trade and bartering. Wellbeing may be defined as people s experience of the quality of their lives and may include environmental, social, economic, psychological, and spiritual dimensions

417 (f) Provide equal employment opportunities and adequate working conditions i. Identify the project s labour management procedures regarding employment policy, occupational health and safety, wages, training and supervision, and process to respond to worker grievances. ii. Identify whether the project s employment policies and working conditions could be strengthened. Points that may be considered include: equal employment opportunities (particularly opportunities for women and people from the local communities); processes to inform employees of their rights; minimum and living wages; adequacy of job-specific training and supervision for assigned tasks; whether health and safety practices are proportionate to risk; and fair treatment of any worker grievances. iii. If the project s employment policies and working conditions can be strengthened, establish measures to address these issues and include them in the implementation plan of safeguard activities. (g) (h) Conserve natural forests Respect other areas that have high values for the conservation of biological diversity and ecosystem services i. Provide a description of the natural forests 7 in the project area. ii. Identify whether any project activities could involve the clearing or disturbance of trees or other forest vegetation. iii. If such activities exist, establish measures to minimize the clearance or disturbance and facilitate recovery, and include them in the implementation plan of safeguard activities. i. Identify any other areas in the project vicinity that have high values for the conservation of biological diversity and ecosystem services that could be impacted by the project activities on a map. These may include: a) Concentrations of biological diversity including endemic species, and rare, threatened or endangered species, that are significant at global, regional or national levels; b) Intact forest landscapes and large landscape-level ecosystems and ecosystem mosaics that are significant at global, regional or national levels, and that contain viable populations of the great majority of the naturally occurring species in natural patterns of distribution and abundance; c) Rare, threatened, or endangered ecosystems, habitats or refugia; d) Basic ecosystem services in critical situations, including protection of water catchments and control of erosion of vulnerable soils and slopes. ii. Identify any risks that project activities could adversely impact biological diversity and ecosystem services in the identified areas. iii. If potential negative impacts are identified, establish measures to address these issues and include them in the implementation plan of safeguard activities. 7 Natural forest may be understood as a forest area with many of the principal characteristics and key elements of native ecosystems, such as complexity, structure and biological diversity. Natural forest may include forest affected by harvesting or other disturbances where trees have or are being regenerated and where many of the above-ground and below-ground characteristics of the natural forest are still present

418 (i) (j) Generate other social and environmental benefits Address the risks of reversals i. Identify the living standards and the environment in the project vicinity. ii. Identify whether the project is expected to generate social and environmental benefits, including any expected contributions from the project to the objectives of policies and programmes related to the enhancement of social and environmental benefits that exist in the project vicinity. iii. If the project is not expected to generate other social and environmental benefits and/or does not contribute to the objectives of policies and programmes related to the enhancement of social and environmental benefits that exist in the project vicinity, or if the project s social and environmental benefits can be reasonably increased, establish measures to enhance the social and environmental benefits and include them in the implementation plan of safeguard activities. i. Identify the risks of reversals associated with the project activities. ii. Identify any project activities that reduce the risks of reversals and their expected effectiveness. iii. If the project does not have activities that address the risks of reversals due to human-induced activities, establish measures to reduce the risks and include them in the implementation plan of safeguard activities. (k) Reduce the risks of emissions displacement i. Identify whether there are any risks of displacement of emissions due to the project activities. ii. If risks of displacement not addressed in the applied methodology are identified, establish measures to reduce the risks and include them in the implementation plan of safeguard activities

419 2-2 ガイドライン案の逐条解説の作成 2-1 で作成した各ガイドライン案の各規定について背景や考え方を解説した逐条解説書 ( 日本語 ) を作成した ( 仕様書 (2) イ ) 基本的には 昨年度作成されたガイドライン案に対し修正を行った部分について 検討会での議論等を踏まえ 解説をおこなった 500

420 2-2-1 方法論ガイドライン案逐条解説 9th Mar Joint Crediting Mechanism Guidelines for Developing Proposed Methodology for Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation, and the Role of Conservation, Sustainable Management of Forests and Enhancement of Forest Carbon Stocks in Developing Countries (REDD-plus) (draft) CONTENTS 1. Scope and applicability Terms and definitions Key concepts Project emission reductions to be credited in a JCM project for REDD-plus Eligibility criteria Concepts for REDD-plus in the JCM Geographical Boundaries Carbon pools and GHG sources Estimation and accounting of net emissions Project reference level Project net emissions Project emission reductions to be credited General guidelines for developing methodologies Instructions for completing the Proposed Methodology Form for REDD-plus Instructions for completing the Proposed Methodology Spreadsheet Annex I. National definition of forest in PARTNER COUNTRY for REDD-plus under the JCM

421 1. Scope and applicability 1. Joint Crediting Mechanism Guidelines for Developing Proposed Methodology for Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation, and the Role of Conservation, Sustainable Management of Forests and Enhancement of Forest Carbon Stocks in Developing Countries (REDD-plus) (hereinafter referred to as these Guidelines ) are intended to assist methodology proponents in preparing proposed methodologies for the Joint Crediting Mechanism (JCM) (hereinafter referred to as proposed methodologies ) for REDD-plus. JCM REDD+ 方法論ガイドラインは 方法論提案者の方法論作成を支援 方法論作成者はプロジェクト提案者 日本国 相手国が想定される (PCP ガイドライン案パラ 6) 昨年度最終版は プロジェクト提案者の となっていたのを修正 2. These Guidelines are to be referred to by the Joint Committee in developing and assessing proposed methodologies. These Guidelines are also to be referred to throughout the entire project cycle of a JCM project for REDD-plus. 本方法論ガイドラインは 方法論提案者のみならず プロジェクト提案者などプロジェクトの全体に渡って参照される なお一部の事業者からはプロジェクト提案者は 既に承認された方法論と PDD ガイドラインのみを参照すればいいようにすべきとのコメントがあったが 採用しなかった 3. These Guidelines describe standards, which are requirements to be met, and guidance indicated by the terms should and may as defined in paragraph 6 below. 4. Submission and subsequent assessment of a proposed methodology are conducted in line with the procedure delineated in Joint Crediting Mechanism Project Cycle Procedure for REDD-plus. 5. These Guidelines aim to assist the development of methodologies to quantify emissions reductions from any of the five REDD-plus activities listed in the Cancun Agreements (UNFCCC, Decision 1/CP.16 paragraph 70) 1, i.e. (a) reducing emissions from deforestation; (b) reducing emissions from forest degradation; (c) conservation of forest carbon stocks; (d) sustainable management of forests; and (e) enhancement of forest carbon stocks. 本方法論ガイドラインは ワルシャワフレームワークの 5 つの活動を対象とする ただし (d) sustainable management of forest に含まれるか議論の分かれる新規植林 再植林は対象外とする 2. Terms and definitions 6. The following terms apply in these Guidelines: (a) Should is used to indicate that among several possibilities, one course of action is recommended as particularly suitable; (b) May is used to indicate what is permitted. 7. Terms in these guidelines are defined in JCM Glossary of Terms available on the JCM website. 1 The scope of these guidelines does not include methodologies for afforestation and reforestation in non-forested areas

422 3. Key concepts 3.1. Project emission reductions to be credited in a JCM project for REDD-plus 8. In a JCM project for REDD-plus, the project emission reductions to be credited are defined as the sum of the annual emission reductions resulting from project activities during a monitoring period adjusted using a discount factor for the risk of reversals. 本ガイドラインでは プロジェクト活動による毎年の排出削減量に対し割引率を掛け合わせたものを モニタリング期間で合計し その期間の排出削減量とする 昨年度案では まず 毎年 の値を求めることが要件となっていなかったが ガイドライン全体に渡って時間の単位にぶれが生じており 混乱を避けるために明確化した 9. The annual emission reductions are the difference between the project reference level and project net emissions in each year. 排出削減量についても 毎年の Project reference level と プロジェクトからの実際の排出量を求め その毎年の差分を求めることとした 10. Net emissions include net CO 2 emissions from carbon pools and GHG emissions from GHG sources. 炭素プールからの排出を net CO2 emissions 火災や GHG ソースからの排出を GHG emissions と定義し その二つを含んだものを net emissions と定義した 昨年度最終版では用語にぶれがあったので ガイドライン全体で統一した 11. The project reference level is a conservative estimation of the anticipated annual net emissions from the project area in the future without the project being implemented. Guidelines for methodologies on setting out the procedures for establishing project reference levels are provided in paragraphs 27 to 33 in these Guidelines. 12. The project net emissions include the net CO 2 emissions from the project area, GHG emissions from the project activities, and net emissions displaced to outside of the project area by the project activities. Guidelines for methodologies on setting out the procedures to estimate the project net emissions are provided in paragraphs 34 to 37 in these Guidelines. 13. Guidelines for methodologies on the discount factor for risk of reversals are provided in paragraph 38 to 39 in these Guidelines. パラ はクレジット化される emission reductions の計算に必要な 1Project reference level,2project net emission,3discount factor の 3 つの要素の計算方法について詳述してあるパラの場所を示している 昨年度最終版は 2 に関するパラが無かったので加筆した また 1-3 の定義も書いていなかったので明示した

423 Figure 1: Relationship between the project reference level, project net emissions, annual emission reductions, and the annual emission reductions to be credited. パラ の内容を図示したものを示す Emission reduction は毎年の値を求め, それを積み上げてモニタリング期間の合計値とすることを明示した また昨年度最終版の模式図はエネ起のガイドラインと同様 Reference period のグラフと Monitoring period のグラフが連続して描かれていたが,JCM REDD+ においては, 両者が測定している場所の面積が異なり ( 全社は Reference area, 後者は主に Project area),project reference level は Reference period 中の GHG 排出量に面積比を掛け合わせて計算されるので, 両者のグラフを分離した なお Project reference level は総量としての net emission を計算せずに炭素プールと GHG 源別々にモデリングして計算することを認めている ( パラ 32) が, この図ではそのオプションは示さなかった 3.2. Eligibility criteria 14. Eligibility criteria in proposed methodologies contain the following: (a) Requirements for a project in order for it to be registered as a JCM project for REDD-plus. (b) Requirements for a project for it to be able to apply the methodology. 4. Concepts for REDD-plus in the JCM 4.1. Geographical Boundaries 15. The project area and the reference area for the project are identified. A displacement belt and/or displacement management area are also identified, when necessary. The project area and the displacement management area are delineated taking into account forest management units and other administrative boundaries as well as local land management customs. Project area と Reference area は全てのプロジェクトで要求している VCS では計画的な森林減少 劣化の場合, 開発計画などから Project reference level の妥当性が証明できるのであれば必ずしも Reference area を要件としないが, 本ガイドラインでは計画的な森林減少 劣

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