平成 28 年熊本地震における対応 平成 28 年熊本地震 ( 前震 :4/14 本震 :4/16) において 電力 ガス等の分野で供給支障等の被害が発生 関係事業者が広域的な資機材 人員の融通を実施するなど 迅速な復旧に努めた結果 当初の想定よりも 早期の復旧が実現 また 復旧見通しを早い段階で提

Similar documents
 

< E B B798E7793B188F5936F985E8ED EA97975F8E9696B18BC CBB8DDD816A E786C7378>

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

< E B B798E7793B188F5936F985E8ED EA97975F8E9696B18BC CBB8DDD816A E786C7378>

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

通話品質 KDDI(au) N 満足やや満足 ソフトバンクモバイル N 満足やや満足 全体 21, 全体 18, 全体 15, NTTドコモ

22. 都道府県別の結果及び評価結果一覧 ( 大腸がん検診 集団検診 ) 13 都道府県用チェックリストの遵守状況大腸がん部会の活動状況 (: 実施済 : 今後実施予定はある : 実施しない : 評価対象外 ) (61 項目中 ) 大腸がん部会の開催 がん部会による 北海道 22 C D 青森県 2

平成29年3月高等学校卒業者の就職状況(平成29年3月末現在)に関する調査について

共同住宅の空き家について分析-平成25年住宅・土地統計調査(速報集計結果)からの推計-

平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

»°ËÞ½ŸA“⁄†QŸA“⁄Æ�°½No9

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

<4D F736F F F696E74202D E9197BF C A8B9091E5926E906B82D682CC91CE899E82CC95FB8CFC90AB2E B8CDD8AB B83685D>

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

( イ ) 電気事業者の評価 送電設備のうち 架空送電設備の被害率 1 は 鉄塔等の支持物 0.25% がいし 0.05% 電線 0.02% と極めて僅少であり 基本的な耐震性は確保されていると評価できる また 液状化を原因とする供給支障やケーブル系統での電気事故も発生しておらず 設備に問題はなかっ

<4D F736F F D2081A030308B4C8ED294AD955C8E9197BF955C8E862E646F63>

PowerPoint プレゼンテーション

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県


特集大規模自然災害からの復旧 復興 参考 警察が検視により確認している死者数 50 名 災害による負傷の悪化または避難生活等における身体的負担による死者数 106 名 6 月 日に発生した豪雨による被害のうち熊本地震と関連が認められた死者数 5 名建物被害全壊 8,360 棟, 半壊 3

住宅宿泊事業の宿泊実績について 令和元年 5 月 16 日観光庁 ( 平成 31 年 2-3 月分及び平成 30 年度累計値 : 住宅宿泊事業者からの定期報告の集計 ) 概要 住宅宿泊事業の宿泊実績について 住宅宿泊事業法第 14 条に基づく住宅宿泊事業者から の定期報告に基づき観光庁において集計

<944D92868FC75F8F578C D834F F E F1817A35302E786C736D>

<4D F736F F D20486F744E E D BD90AC E93788AEE8AB28AC CF906B89BB97A6816A817C82BB82CC A2E646F63>

<925089BF955C81698CF6955C816A2E786C73>

平成 27 年 2 月から適用する公共工事設計労務単価 1 公共工事設計労務単価は 公共工事の工事費の積算に用いるためのものであり 下請契約等における労務単価や雇用契約における労働者への支払い賃金を拘束するものではない 2 本単価は 所定労働時間内 8 時間当たりの単価である 3 時間外 休日及び深

3. 水供給システム ( 図 7~ 図 8) 3.1 根拠データ 断水戸数: 厚生労働省 平成 年 (2 年 ) 東北地方太平洋沖地震の被害状況及び対応について の中に記載された ( 別紙 ) 水道における被害情報 の市町村別集計データおよび都県別集計データ 2/3/ :3( 報番号不明 水道産業新

2. 長期係数の改定 保険期間を2~5 年とする契約の保険料を一括で支払う場合の保険料の計算に使用する長期係数について 近年の金利状況を踏まえ 下表のとおり変更します 保険期間 2 年 3 年 4 年 5 年 長期係数 現行 改定後

平成23年東北地方太平洋沖地震の概要について

2 受入施設別献血量 ( 推計値 ) ブロ都ック道府県 合計 全国血液センター献血者数速報 (Ⅰ) 血液センター 平成 30 年 12 月分 L % L % 日 L L % 日 L L % 台 L L % 台 L 8, ,768

平成 26 年 3 月 28 日 消防庁 平成 25 年の救急出動件数等 ( 速報 ) の公表 平成 25 年における救急出動件数等の速報を取りまとめましたので公表します 救急出動件数 搬送人員とも過去最多を記録 平成 25 年中の救急自動車による救急出動件数は 591 万 5,956 件 ( 対前

☆配布資料_熊本地震検証

PowerPoint プレゼンテーション

表 3 の総人口を 100 としたときの指数でみた総人口 順位 全国 94.2 全国 沖縄県 沖縄県 東京都 東京都 神奈川県 99.6 滋賀県 愛知県 99.2 愛知県 滋賀県 神奈川

Ⅱ 取組み強化のためのアンケート調査等の実施 (1) 建設技能労働者の賃金水準の実態調査国土交通省から依頼を受けて都道府県建設業協会 ( 被災 3 県及びその周辺の7 県を除く ) に対し調査を四半期ごとに実施 (2) 適切な賃金水準の確保等の取組み状況のアンケート調査国は 平成 25 年度公共工事

共同住宅の空き家について分析-平成25年住宅・土地統計調査(確報集計結果)からの推計-

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

平成 27 年の救急出動件数等 ( 速報 ) 消防庁

平成 26 年の救急出動件数等 ( 速報 ) 消防庁

PowerPoint プレゼンテーション

厚生労働科学研究費補助金 (地域健康危機管理研究事業)

2018年台風21号

< E188CA8C9F8FD88A65955C2E786C73>

1 1 A % % 税負 300 担額

平成 22 年第 2 四半期エイズ発生動向 ( 平成 22(2010) 年 3 月 29 日 ~ 平成 22(2010) 年 6 月 27 日 ) 平成 22 年 8 月 13 日 厚生労働省エイズ動向委員会

関東 優良産廃処理業者認定制度で優良認定を受けている許可証 組合員都道府県 許可地域組合員名所在地 茨城県 黒沢産業 ( 株 ) 茨城県 関 茨城県 茨城県 ( 株 ) マツミ ジャパン 茨城県 茨城県 ( 株 ) 国分商会 埼玉県

調査実施概況 小学校 ( 都道府県 ( 指定都市除く )) 教育委員会数 ( 1) 学校数児童数 ( 2) 全体 実施数 調査対象者在籍学校数 実施数国語 A 国語 B 主体的 対話的で深い学びに関する状況 ( 3) 算数 A 算数 B 質問紙 平均正答率 13~15 問 国語

平成17年3月24日

平成 31 年 3 月 20 日更新 全国女性の参画マップ 平成 30 年 12 月作成 内閣府男女共同参画局

事務連絡平成 30 年 10 月 26 日 各都道府県消防防災主管課東京消防庁 各指定都市消防本部 } 殿 消防庁予防課 外国人来訪者や障害者等が利用する施設における災害情報の伝達及び避難誘導に関するガイドライン のリーフレットの配布について 2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会が開

1. 西部ガス熊本支社管内の観測 SI 値 西部ガスの地震計が観測した SI 値 供給停止判断基準の SI 値 60 カイン以上を広範にわたり観測 須屋 82.4 カイン 熊本工場 77.0 カイン 津久礼 49.6 カイン 菊陽第一 69.0 カイン 徳王 83.6 カイン 竜田 カイ

1. 社会福祉法人経営動向調査 ( 平成 30 年 ) の概要 目的 社会福祉法人と特別養護老人ホームの現場の実感を調査し 運営実態を明らかにすることで 社会福祉法人の経営や社会福祉政策の適切な運営に寄与する 対象 回答状況 対 象 特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人 489 法人 (WAM

id5-通信局.indd

まさしく先人から引き継いだ電力社員のスピリッツそのものであります 未だに余震も発生しておりますが 九州電力においては 引き続き 電力供給に最善を尽くすとともに 電事連といたしましても 必要な支援は速やかに実施してまいりたいと考えております 4 月から小売全面自由化が始まり 電力各社はお互いがライバル

共通基準による観光入込客統計 ~ 共通基準に基づき 平成 22 年 月期調査を実施した 39 都府県分がまとまりました~ 平成 23 年 10 月 31 日観光庁 各都道府県では 平成 22 年 4 月より順次 観光入込客統計に関する共通基準 を導入し 信頼 性の高い観光入込客統計調査を

日本医師会ニュース「平成28年熊本地震」:情報提供第十報

地域医療ビッグデータに触ってみよう ほぼハンズオンマニュアル

水素充填設備 水素ステーションの概要現在 日本国内を走行している燃料電池自動車は 圧縮水素を燃料とするタイプが主流になっています 燃料電池自動車への水素充填を ガソリンスタンドなどと同様に行うことができる施設として 水素ステーションがあります 国内の商用水素ステーションは 平成 29 年 12 月現

平成19年度環境ラベルに関するアンケート調査集計結果報告

PowerPoint プレゼンテーション

< ( 平成 29 年 9 月分 )> 2010 年平均 =100 ブロック別 北海道地方 東北地方

129

Microsoft PowerPoint - 00.表紙.ppt [互換モード]

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

< 要約 > < 質問 1> あなたにとって最も備えが必要だと思う災害は何ですか? トップは圧倒的に 地震 約 8 割の方が 最も備えが必要な災害 と回答 北海道 東北では 大雪 雪崩 中国 四国 九州は 台風 大雨 洪水 を警戒 < 質問 2> ご家庭の防災対策は 100 点満点で採点すると何点で

1.1 阪神 淡路大震災環境省は 阪神 淡路大震災 ( 平成 7 年 1 月 17 日発生 ) の際に兵庫県及び神戸市の協力を得て 大気中の石綿濃度のモニタリング調査を実施した 当時の被災地における一般環境大気中 (17 地点 ) の石綿濃度の調査結果を表 R2.1 に 解体工事現場の敷地境界付近に

既存の高越ガス設備の耐震性向上対策について

DPAT活動要領

これだけは知っておきたい地震保険

地震被害予測システムにより建物被災度を予測 また 携帯電話と地図を利用した 被害情報集約システム では GPS 機能と地理情報システムとの連係により 現在位置周辺にある同社施工済物件を検索し 物件や周辺の被害状況を文字 静止画 動画を添付して報告することができる これら被害情報を地理情報システムに集

表 1) また 従属人口指数 は 生産年齢 (15~64 歳 ) 人口 100 人で 年少者 (0~14 歳 ) と高齢者 (65 歳以上 ) を何名支えているのかを示す指数である 一般的に 従属人口指数 が低下する局面は 全人口に占める生産年齢人口の割合が高まり 人口構造が経済にプラスに作用すると

( 図表 1) 特別養護老人ホームの平米単価の推移 ( 平均 ) n=1,836 全国東北 3 県 注 1) 平米単価は建築工事請負金額および設計監

Microsoft PowerPoint - スポーツ経済度ランキング.ppt

PowerPoint プレゼンテーション

年齢 年齢 1. 柏 2. 名古屋 3. G 大阪 4. 仙台 5. 横浜 FM 6. 鹿島 -19 歳 0 0.0% 0 0.0% 2 2.7% 1 1.4% 3 4.0% 3 4.6% 歳 4 5.0% 5 6.7% 7 9.6% 2 2.7% 2 2.7% % 25-2

統計トピックスNo.96 登山・ハイキングの状況 -「山の日」にちなんで-

RBB TODAY SPEED TEST

住宅着工統計による再建築状況の概要 ( 平成 1 9 年度分 ) 国土交通省総合政策局情報安全 調査課建設統計室 平成 20 年 11 月 5 日公表 [ 問い合わせ先 ] 担当下岡 ( 課長補佐 ) 遠藤( 建築統計係長 ) 中村 TEL ( 代表 ) 内線

県別 大学進学 37県で流出超過!|旺文社教育情報センター

別添 表 1 供給力確保に向けた緊急設置電源 ( その 1) 設置場所 定格出力 2 発電開始 2 運転開始 公表日 3 姉崎火力発電所 約 0.6 万 kw (0.14 万 kw 4 台 ) 平成 23 年 4 月 24 日平成 23 年 4 月 27 日 平成 23 年 4 月 15 日 袖ケ浦

平成 24 年度職場体験 インターンシップ実施状況等調査 ( 平成 25 年 3 月現在 ) 国立教育政策研究所生徒指導 進路指導研究センター Ⅰ 公立中学校における職場体験の実施状況等調査 ( 集計結果 ) ( ) は 23 年度の数値 1 職場体験の実施状況について ( 平成 24 年度調査時点

第 6 章燃料供給に係る計画 Ⅰ 燃料供給 1 趣旨 (1) 発災時の燃料については 東日本大震災における燃料供給の混乱を踏まえ 災害応急対策活動に従事し優先的に給油を行う車両 ( 以下 緊急通行車両等 という ) や 災害拠点病院 災害対策本部となる官公庁舎 広域物資輸送拠点その他の被災地方公共団

<4D F736F F D20967B95B681698DC58F498D D8E968C888DD A2E646F63>

建築物等震災対策事業について

(別紙1)

PowerPoint プレゼンテーション

3. 下水道の整備状況平成 30 年 3 月 31 日現在 県内では 20 市町のうち 11 市 6 町で公共下水道事業が実施されており 17 の市町で供用されています しかしながら 愛媛県の下水道普及率は 53.7% と全国第 38 位となっており まだまだ遅れています 瀬戸内海や宇和海などの豊か

資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局


九州における 道の駅 に関する調査 - 災害時の避難者への対応を中心としてー ( 計画概要 ) 調査の背景等 道の駅 は 平成 16 年 10 月の新潟県中越地震 23 年 3 月の東日本大震災において 被災者の避難場所 被災情報等の発信や被災地救援のための様々な支援の拠点として活用されたことなどか

161019_発表資料_後日訂正版_HP用

< F2D81798E9197BF817C824F817A C8E862E6A7464>

第 1 章熊本地震の概要 執筆 : 阿部直樹 ( 国立研究開発法人防災科学技術研究所 ) 1-1 熊本地震動の概要 2016 年 4 月 14 日 21 時 26 分頃 熊本県熊本地方の深さ約 11km を震源とする M6.5 の地震が発生し 熊本県上益城郡益城町において震度 7を観測した また約

<4D F736F F D D938C93FA967B91E5906B8DD082C982A882AF82E C8B8C8A548BB581698E9E8C6E97F195D2816A E646F6378>

調査概要 1. 調査の方法 : 株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト アイリサーチ のシステムを利用した WEB アンケート方式で実施 2. 調査の対象 : アイリサーチ登録モニターのうち 全国の男女 20 歳 ~59 歳を対象に実施 3. 有効回答数 :4230 人 (47 各都道

< F2D817991E F1817A8C46967B2E6A7464>

機関 公益財団法人日本スポーツ 1 H 仲裁機構 平成 19 年度 平成 20 年度 H 大阪弁護士会

日本医師会ニュース「平成28 年熊本地震」:情報提供第五報

厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業)

Microsoft PowerPoint - 修正●【HP版】概要版.ppt

h1

Transcription:

産業構造審議会保安分科会 ( 第 7 回 ) 資料 1-2 平成 28 年熊本震災への対応と 災害対応体制の構築に向けた取組 平成 29 年 4 月 10 日 経済産業省商務流通保安グループ

平成 28 年熊本地震における対応 平成 28 年熊本地震 ( 前震 :4/14 本震 :4/16) において 電力 ガス等の分野で供給支障等の被害が発生 関係事業者が広域的な資機材 人員の融通を実施するなど 迅速な復旧に努めた結果 当初の想定よりも 早期の復旧が実現 また 復旧見通しを早い段階で提示したことも 被災者の生活再建に寄与 < 主なライフライン被害状況 > 分野 電力 ガス < 主な対応 > 被害状況 九州電力において 熊本県を中心に のべ 61 万戸 最大 47 万 6,600 戸の停電が発生 4 月 20 日に 復旧困難な地域を除き停電解消 発電設備 送変電設備等でも破損被害あり < 一般ガス > 西部ガス ( 熊本地区 ) において 10 万 884 戸の供給支障が発生 4 月 30 日に供給支障解消 < 簡易ガス > 熊本県内で 1,859 戸の供給支障が発生 4 月 28 日に供給支障解消 電力の臨時供給を行う高圧発電機車への燃料供給について 九州電力と石油連盟等との調整の支援を実施 熊本県内の病院 福祉施設 避難所等のリストを入手し それぞれの施設について ライフライン ( 電力 ガス 燃料 ) の状況を確認 関係事業者に 電力 ガスの臨時供給や 自家発電用の燃料供給等の対応を要請 1

( 参考 ) 近年の大規模地震時における停電戸数の推移 停電率 ( 1) 100% 80% 60% 40% 20% 0% 19% 85% 30% 15% 55% 16% 15% 10% 30% 8% 7% 22% 15% 6% 5% 10% 4% 12% 10% 9% 7% 6% 2% 2% 1% 1% 1% 0% 0 1 2 3 4 5 8% 6% 4% 2% 0% 7% 8% 6% 5% 4% 発災からの経過日数 ( 日 ) ( 2) 10% 9% 7% 2% 2% 1% 1% 6% 1% 0% 2 3 4 5 阪神 淡路大震災 東日本大震災 熊本地震 ( 1) 停電戸数 / 最大停電戸数 (%) ( 2) 発災からおおよそ半日ごとの停電戸数を集計したもの また 熊本地震については 本震が発生した 4 月 16 日が起点 最大停電戸数 復旧状況 阪神 淡路大震災 ( 平成 7 年 1 月 17 日 ) 約 260 万戸 発災後 6 日で停電解消 東日本大震災 ( 平成 23 年 3 月 11 日 ) 約 870 万戸 ( 3) 熊本地震 ( 平成 28 年 4 月 14 日 ) ( 本震は平成 28 年 4 月 16 日 ) ( 3: 東北電力及び東京電力の合計値 ) 約 47,7 万戸 < 東北電力 > 発災後 3 日で約 80% ( 4) の停電解消 発災後 8 日で約 94% ( 4) の停電解消 ( 4: 家屋流出地域等の復旧作業に着手不可能な地域を含む ) < 東京電力 > 発災後 7 日で停電解消 本震の発生から約 5 日で停電解消 2

平成 28 年熊本地震における対応で得られた教訓 1( 電力 ) 地震動そのものによる設備損壊はなかったものの その後の斜面崩壊により設備損壊が発生することが判明 鉄塔傾斜により送電ができなくなった阿蘇地域において 通常スポット供給に用いる電源車による面的復旧が効果的に機能 今後の対策 1~ 斜面崩壊による設備損壊への対策 ~ 地すべり等が発生した場合を念頭においた 減災対策の必要性を認識 公衆災害リスクが高いおそれのある発電所の整理と優先順位づけを実施 優先順位づけに応じた対策を実施 今後の対策 2~ 面的復旧の円滑化に向けた取組 ~ 今後の災害対応においては 現場の状況等によっては電源車による面的復旧も有効なオプションとなりうることを踏まえ 復旧計画を立案 災害時における燃料供給について 協力協定の締結など 具体的な協力体制を今後構築 3

平成 28 年熊本地震における対応で得られた教訓 2( ガス ) ガス漏えいによる二次災害防止を目的とする 災害発生時のガスの緊急停止の判断基準を最適化することで 供給停止区域を限定し 復旧期間短縮の可能性 本震発生から 5 日目の 4 月 21 日に復旧完了見込みを公表したが できる限り早い復旧見込みの公表を求める社会的なニーズが存在 G-React( 供給停止情報等を事業者間で共有するシステム ) は 初動段階の情報共有には活用されたが 他社からの派遣可能人員や 被災地の導管の仕様の情報が共有できない等 復旧局面での活用には限界 今後の対策 1~ 停止判断基準の最適化 ~ 熊本地震をはじめとするこれまでの知見や緊急時対応力を勘案し 安全確保と迅速な復旧 安定供給の確保の両立を期した第 1 次緊急停止判断基準の最適化を有識者により検討 今後の対策 2~ 復旧見込み公表の早期化 ~ 状況等により変更があり得るとの前提で 発災後一定期間内に復旧見込みを公表できるよう 復旧見込みの算出に向けた技術的な検討をガス事業者で実施 今後の対策 3~ 情報共有システムの改修 ~ G-React を抜本的に見直し 供給停止から復旧完了までの間に共有すべき情報を的確に共有できるシステムに改修 4

平成 28 年熊本地震における対応で得られた教訓 3( 臨時供給 ) 各種対応に忙殺される被災地の状況を踏まえると 情報 ニーズ収集を 待つ のではなく 能動的に 聞く 対応も必要 また 災害発生時において 復旧時の優先順位付け ( トリアージ ) や 平等 完全 に囚われない判断が求められる場面が存在 こうした教訓をライフラインの優先復旧 臨時供給に当てはめると 1 関係機関が能動的 効率的に被害情報を収集する基盤の整備 2 関係機関が災害発生時に優先復旧先を判断する能力 基準の形成が平時から必要 今後の対策 1~ 重要施設のリスト化 ~ 都道府県等において ライフラインを優先的に復旧させるべき重要施設をリスト化し 併せて優先順位の考え方を整理 今後の対策 2~ ライフライン復旧訓練の実施 ~ 当該リストを活用し 発災想定に基づき 優先的にライフラインを復旧させる施設を選定し ライフライン事業者と調整する等 臨時供給 優先復旧等に向けた訓練を都道府県と連携して企画 あわせて 実働訓練メニューの例として 高圧発電機車による施設への通電実演や 高圧発電機車への燃料供給訓練等を提示し 都道府県と調整 5

各都道府県との調整状況 ( ライフライン復旧訓練等 ) 近畿支部から 管内の各府県に対し ライフライン復旧訓練の実施について打診中 中国監督部 近畿支部 中国監督部から 管内の各県に対し ライフライン復旧訓練の実施について打診中 北海道監督部 北海道監督部から 北海道に対し ライフライン復旧訓練の実施について打診済み 道庁において現在詳細検討中 東北支部 H29.3 月時点 那覇監督署 沖縄県と連携し 高圧発電機車の配備訓練に加えて 移動式ガス発生設備の配備等の訓練内容を追加するべく 調整中 九州監督部 関東監督部 青森県では 高圧発電機車の空輸等の訓練を実施予定 また 同訓練において 燃料供給訓練の実施を検討中 宮城県では 高圧発電機車による電力供給訓練を実施予定 東北支部から 岩手県 秋田県 山形県 福島県にも同様の訓練を打診中 九州地方整備局 宮崎県及び宮崎市主催の訓練において 電気事業者 ガス事業者の参加に向けて調整中 四国支部 香川県 愛媛県と連携し それぞれ総合防災訓練において 高圧発電機車を用いた電力供給訓練をそれぞれ実施予定 高知県の総合防災訓練において 四国経産局と連携し 高圧発電機車を用いた電力供給訓練 高圧発電機車への燃料供給訓練を実施予定 高知市では 高圧発電機車を用いた電力供給訓練を実施予定 移動式ガス発生設備を用いた訓練も調整中 中部監督部 埼玉県では 避難所への高圧発電機車による電力臨時供給訓練を実施予定 県災対本部からの依頼を受けて 監督部から高圧発電機車の派遣を要請するシナリオを調整中 また 重要施設のリスト化にも着手済み 神奈川県では 関東経産局と連携し 高圧発電機車による電力応急復旧訓練及び高圧発電機車への燃料供給訓練を実施予定 関東監督部から 東京都 千葉県に同様の訓練を打診中 富山県 石川県と連携し それぞれの総合防災訓練において 電力事業者及びガス事業者に訓練への参加を要請中 中部監督部から 三重県 岐阜県に対し ライフライン復旧訓練について打診中 6

経済産業省における災害対応能力の向上 経済産業省における災害対応能力を向上させるため 首都直下地震を想定した省内防災訓練を実施 (3/25) 経済産業省も被災し リソース ( 要員 情報 ) が限定される状況下で 被害情報収集等の必要な災害対応業務を継続的に実施するための課題を抽出 < 訓練の概要 > < 訓練当日の様子 > 訓練概要 主な想定被害 コメント 休日 18 時に東京都心南部を震源地とする最大震度 7(M7.3) の地震が発生したという前提 発災直後 ~12 時間後までの初動対応 ( 参集 情報収集 報告 各種指示への対応等 ) を シナリオを事前に通達しないブラインド形式で演習 各職員が自宅から徒歩で経済産業省に参集するという前提で 参集予定時刻になるまで待機スペースで待機 電力 最大 1220 万戸の停電が発生 都市ガス 最大 199 万戸の供給支障が発生 コンビナート 高圧ガス 湾岸地域の事業所を中心に 複数の事業所で火災発生 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 ) ( 平成 25 年 12 月 19 日 ) による被害想定を基に 訓練負荷等も考慮し 本訓練用に想定を作成 参集できる職員が限定される前提で訓練を実施したが 想定以上に 限定された職員数では 必要な業務をこなすことが困難 少ない職員で膨大な情報量に対処するための情報共有の方法 ( メール以外の手法等 ) について 工夫の余地有り 等 限られたリソースで処理できた内容に基づき 被害情報を共有し 対策を検討 指示 自宅から徒歩参集をした場合に要する時間を想定 早期に登庁が見込める職員だけで 初動対応がスタート 7