急性弛緩性麻痺(AFP)を認める症例の実態把握について(協力依頼)

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急性弛緩性 痺症例探知から多発の確認 2015 年 9 上旬に A 県内の医療機関から急性弛緩性 痺 (acute flaccid paralysis: AFP) を認める 児例のご相談がありました 症状は ポリオ様 痺でした ポリオウイルスとエンテロウイルスの検査が必要と考えられたため 管轄の保健

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事務連絡 令和元年 6 月 21 日 ( 公社 ) 岡山県医師会 ( 一社 ) 岡山県病院協会 御中 岡山県保健福祉部健康推進課 手足口病に関する注意喚起について このことについて 厚生労働省健康局結核感染症課から別添のとおり事務連絡が ありましたので 御了知いただくとともに 貴会員への周知をお願い

名称未設定

別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに

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針刺し切創発生時の対応

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健感発 0410 第 1 号 平成 30 年 4 月 10 日 公益社団法人日本医師会 感染症危機管理対策室長 釜萢敏殿 厚生労働省健康局結核感染症課長 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則の 一部を改正する省令の施行に伴う各種改正について 標記について 今般 別添 ( 写

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

目次 はじめに 2 執筆者一覧 3 診断 届出のフローチャート 4 1. 急性弛緩性麻痺 (AFP) および急性弛緩性脊髄炎 (AFM) の説明 5 2. 急性弛緩性麻痺 (AFP) を認める疾患の鑑別 7 3. 急性弛緩性麻痺 (AFP) の症例定義 届出票 急性弛緩性麻痺 (AFP)

免疫学的検査 >> 5E. 感染症 ( 非ウイルス ) 関連検査 >> 5E106. 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤

免疫学的検査 >> 5E. 感染症 ( 非ウイルス ) 関連検査 >> 5E106. 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤

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顎下腺 舌下腺 ) の腫脹と疼痛で発症し そのほか倦怠感や食欲低下などを訴えます 潜伏期間は一般的に 16~18 日で 唾液腺腫脹の 7 日前から腫脹後 8 日後まで唾液にウイルスが排泄され 分離できます これらの症状を認めない不顕性感染も約 30% に認めます 合併症は 表 1 に示すように 無菌

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に

別紙 平成 25 年 11 月 1 日 各医療機関御中 インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動の情報収集に関する研究班 インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動の情報収集に関する研究に対する協力のお願いについて 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます さて 平成 25 年度厚生労働科学研究地球規模保健課

免疫学的検査 >> 5A. 免疫グロブリン >> 5A150. 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 フ プレイン 髄液 2 ml G 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( オレンジ ) 血液 4 ml 検体ラベル

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )

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インフルエンザ定点以外の医療機関用 ( 別記様式 1) インフルエンザに伴う異常な行動に関する調査のお願い インフルエンザ定点以外の医療機関用 インフルエンザ様疾患罹患時及び抗インフルエンザ薬使用時に見られた異常な行動が 医学的にも社会的にも問題になっており 2007 年より調査をお願いしております

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検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )

2015 年エンテロウイルス D68 による重症呼吸不全患者の総括 これまでのわが国における流行状況と 2014 年の米国におけるアウトブレイク国立感染症研究所の報告によれば わが国におけるエンテロウイルス D68(EVD68) 年間発生数は数例程度で推移しており 2010 年と 2013 年には

3. 定期接種の接種時期について結核の定期接種の対象者については 1 歳に至るまでの間にある者と予防接種法施行令 ( 昭和 23 年政令第 197 号 ) 第 1 条の3に規定されているが 本件に伴い 2に記載した方法を検討してもなお やむを得ず1 歳を超えて接種を行った者に対して定期接種の対象外と

免疫学的検査 >> 5F. ウイルス感染症検査 >> 5F560. 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 検体ラベル ( 単項目オーダー時

3-2 全国と札幌市の定点あたり患者報告数の年平均値流行状況の年次推移を 全国的な状況と比較するため 全国と札幌市の定点あたり患者報告数の年平均値について解析した ( 図 2) 全国的には 調査期間の定点あたり患者報告数の年平均値は その年次推移にやや増減があるものの大きな変動は認められなかった 札

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健感発 0410 第 1 号平成 30 年 4 月 10 日 都道府県 各保健所設置市衛生主管部 ( 局 ) 長殿 特別区 厚生労働省健康局結核感染症課長 ( 公印省略 ) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行に伴う各種改正について 感染症の予防及び

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1 月号は以下の情報を掲載しています 1. 茨城県感染症発生動向調査事業に基づく試験検査 検出状況 1) 全数把握疾患 2) 病原体定点依頼検査その他の検査 3) 集団 ( 施設や学校等 ) 事例 月別検出件数 1) 三類 四類 五類 ( 全数把握 ) 2) 五類 ( 定点 ) その他の検査 3)

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検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 5. 免疫学的検査 >> 5G. 自己免疫関連検査 >> 5G010. 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク

別記様式 7-2 感染症発生動向調査 ( インフルエンザ定点 ) 調査期間平成年月日 月日医療機関名 : 性別 0-5 ヶ月 6-11 ヶ月 1 歳 歳以上 合計 (

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四肢麻痺初発症状から約 8 割が 48 時間以内と非常に速い時期に四肢の麻痺症状を呈しています 2015 年度のでは 2015 年 11 月 6 日時点で 60 人の患者が麻痺症状を呈しています 四肢における運動麻痺に関しては 上肢 下肢における単麻痺 対麻痺や片麻痺 三肢麻痺 四肢麻痺などの症例が

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検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )

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検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )

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Transcription:

事務連絡 平成 27 年 10 月 21 日 都道府県 各保健所設置市衛生主管部 ( 局 ) 特別区感染症対策担当課御中 厚生労働省健康局結核感染症課 急性弛緩性麻痺 (AFP) を認める症例の実態把握について ( 協力依頼 ) 標記について 今年 8 月以降 小児を中心にポリオ様麻痺に類似した原因不明の急性弛緩性麻痺 (AFP: Acute Flaccid Paralysis) の症例が相次いで国立感染症研究所 ( 以下 感染研 という ) に報告されており その一部にエンテロウイルス D68(EV-D68) が咽頭スワブから検出される例が含まれていました また EV-D68 については 昨年米国において EV-D68 感染に伴う小児の重症呼吸不全症例が 1,000 例を超えて報告され その一部に 急性弛緩性麻痺症状が見られたとの報告がありました 日本においては 平成 17 年以降 主に呼吸器症状を呈する患者の検体から EV-D68 が検出された症例が 200 例以上報告されていますが 急性弛緩性麻痺を呈する症例はほとんど報告されていませんでした 感染研及び日本小児科学会等の専門家の見解では 標記症例については 届出疾患であるポリオとの鑑別が必要であること また 米国の事例を踏まえれば ポリオウイルス以外の感染症の可能性も示唆されること等から 本件に関する原因究明のための実態調査が重要とされております 以上の状況を踏まえ 当分の間 本件に係る調査を積極的疫学調査の一環として感染研にて行うこととしましたので 貴課におかれましては 以下の対応につき御協力いただくとともに 関係機関に周知いただきますよう よろしくお願いします 記 1. 本年 8 月 1 日以降 症例定義 ( 別紙 1) に該当する急性弛緩性麻痺を認める症例につ いて医療機関から報告があった場合には 別添様式への記入依頼とともに 可能な限

り 地方衛生研究所等において ポリオウイルスを含む病原体を検出するための検査 を実施されたい なお 地方衛生研究所における当該検査費用については 感染症発 生動向調査事業負担金の対象となることを申し添える 2. 上記 1 の検査を実施し 病原体が確認された場合には その検査結果等について 別 添様式により 感染研に報告されたい また 必要に応じて感染研の助言に基づき検 体を送付し 感染研において原因究明に係る詳細な解析を行うこと 3. 上記 1 の検査を実施し 病原体が確認されない場合又は地方衛生研究所等での検査が 困難と判断された場合等については 感染研において詳細な解析を行うことができる ので 以下の連絡先に連絡されたい 4. 本依頼により報告された症例については 後日 厚生労働省又は感染研から都道府県 及び医療機関等に対し 検体の送付を依頼し 原因究明のための追加調査等を行う場 合があるので 可能な限り 別紙 2 の方法による検体の保存にご協力いただきたい 感染研連絡先 (1) 別添様式の送付先及び症例定義 ( 症状 ) に関する問い合わせ先多屋馨子 ( たやけいこ ) 研究機関 : 国立感染症研究所感染症疫学センター連絡先 :TEL 03-5285-1111( 代 ) FAX 03-5285-1129 Email: ktaya@niid.go.jp (2) 検体送付に関する問い合わせ先藤本嗣人 ( ふじもとつぐと ) 研究機関 : 国立感染症研究所感染症疫学センター連絡先 :TEL 03-5285-1111( 代 ) FAX 03-5285-1129 Email: fujimo-t@niid.go.jp (3) 検査方法に関する問い合わせ先清水博之 ( しみずひろゆき ) 研究機関 : 国立感染症研究所ウイルス第二部連絡先 :TEL042-561-0771( 代 ) FAX042-561-4729 Email:hshimizu@niid.go.jp

参考資料 別紙 1 : 症例定義について 別紙 2 : 病原体検査のために必要な検体採取 保存方法について 別添様式 : 医療機関記入様式 IASR 2015 年 10 月 エンテロウイルス D68 型が検出された 急性弛緩性脊髄炎を含む 8 症例 さいたま市 http://www.nih.go.jp/niid/ja/entero/entero-iasrs/6004-pr4286.html IASR 2015 年 10 月 エンテロウイルス D68 型が検出された小児 4 症例 東京都 http://www.nih.go.jp/niid/ja/entero/entero-iasrs/5966-pr4281.html IASR Vol. 35 p. 250: 2014 年 10 月号エンテロウイルス D68 に関連した重症呼吸器疾患 2014 年 米国ミズーリ州とイリノイ州 http://www.nih.go.jp/niid/ja/id/980-disease-based/a/entero/idsc/iasr-out/5031-fr 4161.html IASR Vol. 35 p. 295-296: 2014 年 12 月号エンテロウイルス D-68 型が検出された小児 乳児の 4 症例 - 広島県 http://www.nih.go.jp/niid/ja/id/981-disease-based/a/entero/idsc/iasr-in/5219-kj4 184.html IASR Vol. 30 p. 12-13:2009 年 1 月号 CODEHOP PCR によるエンテロウイルス同定 http://idsc.nih.go.jp/iasr/30/347/dj3478.html

別紙 1 症例定義について 症例定義 : 平成 27 年 8 月 1 日以降 同年 12 月 31 日までに 急性弛緩性麻痺を認めて 24 時間以上入院した者ただし 血管障害 腫瘍 外傷などの確定診断がなされ 明らかに感染性とは異なる症例は除外する 補足説明 : 1) 症例定義の 急性弛緩性麻痺 には 急性弛緩性麻痺 ( ポリオ様麻痺 ) 急性弛緩性脊髄炎 急性脳脊髄炎 急性脊髄炎 ギラン バレー症候群 急性横断性脊髄炎 単麻痺 Hopkins 症候群等と診断されている症例を含む 2) 年齢を問わないが 小児での報告例が多いと考えられている

別紙 2 病原体検査のために必要な検体採取 保存方法について 検査のために必要な検体 1. 麻痺初発日の 5 点セット ( 麻痺初発日が望ましい 遅くとも発症後数日以内 ) 1) 急性期の血液 (EDTA 加血 ) 2) 髄液検体 3) 呼吸器由来検体 ( 後鼻腔ぬぐい液 咽頭ぬぐい液 後鼻腔吸引液 下気道由来検体など : 可能であれば複数 ) * 人工呼吸管理中の場合は 気管内吸引液等 4) 便 5) 尿 2. 急性期と回復期のペア血清 (γグロブリン製剤を投与する場合は 投与前 投与後 1,3,6 か月 ) 検体採取時の留意点 1. 髄液 呼吸器由来検体 便 尿は 採取後できる限りベッドサイドですぐに氷上に置いて保冷し EDTA 加血は 採取後固まらないように室温で混和する 2. 検体採取容器については 各医療機関の採取容器 ( 滅菌 ) を使用 1) 血液 (EDTA 加血 ) 各医療機関の採取容器を使用 1mL 程度採取する 2) 髄液検体 各医療機関の採取容器 ( 滅菌スピッツ ) を使用 1mL 程度採取する 3) 呼吸器由来検体 滅菌綿棒で咽頭あるいは後鼻腔を十分にぬぐい 1mL の生理食塩水 ( あるいは PBS VTM: ウイルス搬送用培地 ) を滅菌スピッツに入れてその中でよく攪拌する スワブの綿球部分が乾燥しない様に棒部分を折って短くし 入れたままにする スピッツ菅を立てて凍結する 鼻腔吸引液 人工呼吸管理中は気管支吸引液を滅菌容器に吸引する 採取後可能な限り速やかに氷上に置く ( ア ) 複数検体の採取が望ましい ( イ ) 滅菌綿棒は もしあればフロックドスワブが望ましい ( ウ ) 生理食塩水 ( もしあれば PBS) 追加は乾燥防止目的 希釈されるため必要最小限 (1 ml 未満 ) が望ましい ( エ ) 抗菌薬や BSA( ウシ血清 ) 等のキャリア蛋白が入った VTM( ウイルス搬送用培地 ) はウイルス分離 PCR には適しているが 次世代シークエンサーによる解析は困難となる

( オ ) 後鼻腔 / 咽頭をぬぐった綿棒は 細菌培養用の寒天培地には入れない 4) 便 各医療機関の採取容器 ( 採便用容器 ) を使用 十分量採取する 5) 尿 各医療機関の採取容器を使用 ( 滅菌スピッツ ) 5mL 程度採取する 6) 血清 各医療機関の採取容器 ( 血清分離剤入りの容器 ) に 1~2mL 程度採血し 遠心分離したのち上清 ( 血清成分 ) を採取する 検体保管 送付時の留意点 1. 保管容器 : 血清保管チューブ ( スクリューキャップチューブ ) 等を用い 検体採取日 検体の種類 ( 検体採取部位 ) 各医療機関で照合可能な識別番号を記載 2. 各検体ともに小分けで ( できれば 3 個以上 )-70 以下に凍結保管する -70 以下の冷凍庫がない場合は -20 以下に保管する 家庭用冷蔵庫の冷凍室は霜取り装置がついており保管には不適 必要量 ( 全血 : 各 0.2mL 以上 髄液 : 各 0.2mL 以上 尿 : 各 0.2mL 以上 便 : 各 0.5g 程度 乳剤にしても可 ) 3. すぐに検査部 検査 ( 研究 ) 機関に搬送可能な場合は 凍結せずに 冷蔵のまま速やかに搬送する場合もあるが 長期間の冷蔵保存 室温保存は不可 4. 凍結融解が繰り返された検体 長期間冷蔵保管あるいは室温保管された検体は ウイルス ( 遺伝子 ) の分離 ( 検出 ) が困難となる 可能な限り上記での送付が望ましいが 難しい場合は感染研にお問い合わせ下さい

別添様式 医療機関記入様式 一つの医療機関で複数の患者さんがいらっしゃる場合は 患者さんお一人につき一枚ご回答ください ( なお 13. の項目については 医療機関で代表してお一人の患者さんの様式にご記入ください ) 1. 発症日 :((1) と (2) の両方について御記入ください ) (1) 症状初発日 : 西暦 年 月 日 ( 初発症状の種類 : ) (2) 麻痺症状発現日 : 西暦 年 月 日 2. 年齢 (0 歳の場合は月齢 ): 歳 (0 歳の場合は か月 ) 3. 性別 : 4. 患者さんの居住都道府県名 : 都 道 府 県 5. 臨床診断名 : 6. 麻痺の部位 : 1 発症時 : 単麻痺 ( 上肢 下肢 ) 四肢麻痺 対麻痺 片麻痺 2 症状ピーク時 : 単麻痺 ( 上肢 下肢 ) 四肢麻痺 対麻痺 片麻痺 7. 筋委縮の有無 : 有り 無し ( 有りの場合麻痺の前 後 ) 8. 髄液細胞数の増加の有無 : 有り 無し ( 有りの場合麻痺の前 後 ) 9. 脊髄 MRI の異常所見の有無 : 有り 無し ( 有りの場合麻痺の前 後 ) 10. 発熱の有無 : 有り 無し ( 有りの場合麻痺の前 後 ) 11. 喘息様症状の有無 : 有り 無し ( 有りの場合麻痺の前 後 ) 12. ポリオワクチン接種歴の有無 : IPV 回 DPT-IPV 回 OPV 回 13.2013 年 1 年間 2014 年 1 年間 2015 年 1-7 月に同じ病院に急性弛緩性麻痺で入院された患者さんの数 ( ア ) 2013 年 1 年間 : 例 ( 脊髄性 例 ギラン バレー症候群 例 ) ( イ ) 2014 年 1 年間 : 例 ( 脊髄性 例 ギラン バレー症候群 例 ) ( ウ ) 2015 年 1-7 月 : 例 ( 脊髄性 例 ギラン バレー症候群 例 ) ( エ ) 2015 年 8 月以降 : 例 ( 脊髄性 例 ギラン バレー症候群 例 ) 14. 主治医の先生のお名前 貴病院名 診療科名 連絡先 お名前 : 貴病院名 : 診療科名 : メールアドレス : 以上です ご協力どうもありがとうございました