Microsoft Word - パンフ原稿.doc

Similar documents
Microsoft PowerPoint - 建設ICTとは?.ppt

<4D F736F F F696E74202D208FEE95F189BB8E7B8D B6790EC836F815B A E B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D A957A A81798CBB8FEA8C9F8FD8826F A DB91B6817A2E505054>

i-Construction型工事の概要 (素案)

Trimble コンストラクションシステム総合カタログ

基礎編 1. はじめに 2. 情報化施工技術の動向 ( 一般化推進技術 ) 3. マシンコントロール / マシンガイダンス技術の概要 4. マシンコントロール / マシンガイダンス技術の構成例 5. 準拠する要領 基準等 適用工種 6. マシンコントロール / マシンガイダンス技術導入のメリット 7

Microsoft PowerPoint - 情報化施工概要【H 説明会】

マシンガイダンス技術 ( バックホウ編 ) の手引き 発注者用 平成 26 年 3 月

マシンコントロール / マシンガイダンス技術の手引書 施工者用 平成 25 年 3 月

スライド 1

ICT_Guidance

<4D F736F F F696E74202D D88B38AC7979D B282AB816A2E707074>

<4D F736F F D A A838D837B D D81698D91918D8CA CA4816A2E646F63>

利用実証への期待 *情報化施工への適用に向けて*

5 H H H H 管理技術 (TS 出来形管理 ( 土工 )) 管理技術 (TS 施工技術 (TS 施工技術 (TS 土質形状が当初と違うものであった そのため 新たに設計データを作成し 土質の変化毎に TS による計測を実

MC MG ブルドーザの現場対応集 [ 施工者向け ] 平成 26 年 3 月

国土籍第 376 号平成 29 年 3 月 23 日 マルチ GNSS 測量マニュアル - 近代化 GPS Galileo 等の活用 - 平成 29 年 4 月 国土交通省土地 建設産業局地籍整備課

ZAXIS マシンガイダンス仕様書 総合カタログ(KS-JA403)

<4D F736F F D F43494D C CA48F438AE989E62888C4816A7234>

プリズムの追尾 5 締め固めプロジェクト管理ソフト 8 帳票作成支援ソフト 3 プリズム 3 GPS 受信機, 補正情報通信機 測距 測角情報 4TS, 無線モデム 作業指示データ 2 車載 PC 1 事務所 PC 計測データ (USB メモリ ) 6TS GPS データ取得通信プログラム 7 転圧

基礎編 1. はじめに 2. 情報化施工技術の動向 ( 一般化推進技術 ) 3. TS GNSSを用いた締固め管理技術の概要 4. 準拠する要領 基準等 適用工種 5. TS GNSSを用いた締固め管理技術のメリット 6. TS GNSSを用いた締固め管理技術の主要 5パート 7. TS GNSSを

1. 河川 道路関係 ICT の全面的な活用の推進に関する実施方針 ( 平成 31 年度 ) 要領名 U R L ICT の全面的な活用の推進に関する実施方針 ( 平成 31 年度 ) 別紙 (1から23) 一式ダ

PowerPoint プレゼンテーション

建設ICT導入研究会主催

出来形管理基準及び規格値 単位 :mm 編章節条枝番工種測定項目規格値測定基準測定箇所摘要 1 共通編 2 土工 3 河川 海岸 砂防土工 2 1 掘削工 基準高 ±50 法長 l l<5m -200 l 5m 法長 -4% 施工延長 40m( 測点間隔 25m の場合は 50m) につき 1 箇所

オープンイノベーションにより お客 様に最適なソリューションをご提案 日立建機 ICT施工の特長 ICT i-constructionが目指すもの ICT活用工事における起工測量から納品までの工程を 一貫してサポート お 客様のニーズに合わせ 各工程別のソリューション提案 関連機械 機器や ソフトウ

PC300i-11カタログ-C2_[01-12].indd

Field Manager 3D 特許取得技術 特許第 号 施工全体をサポートする iwasaki ソリューション

Microsoft PowerPoint - CHIYODA_EXPO2017.pptx

はじめに TS GNSS を用いた盛土の締固め管理技術 とは GNSS や TS で建設機械の位置を取得し 平面上に設けたメッシュ毎に締固め回数をカウントし 試験施工で確認した規定回数との差をオペレータに提供する技術である GNSS や TS による位置情報の取得 ( 計測効率の向上 ) 締固め回数

Microsoft PowerPoint - ネットワーク型RTK-GPS 利用方法.pptx

テーマ : コンクリート舗装工事の効率化に貢献する技術 〇技術公募の対象とする技術 コンクリート舗装に関する新設工事あるいは補修工事の効率化に資する技術であること 施工管理の効率化に資する技術であること 国土交通省 土木工事施工管理基準及び規格値 の出来形の規格値を満たすこと 舗装の構造に関する技術

電力土木報告書.indb

電力土木報告書.indb

sangi_p2

<93798D488E7B8D488AC7979D977697CC E37817A2E786477>

MC/MG 技術 ( バックホウ編 ) の手引き 基礎編 1. MC/MG 技術 ( バックホウ ) の概要 2. MC/MG 技術 ( バックホウ ) の機器構成 3. MC/MG 技術で利用される測位技術 4. 準拠する要領 基準等 適用工種 5. MC/MG 技術 ( バックホウ ) 導入のメ

測量士補 重要事項 はじめに GNSS測量の基礎

<4D F736F F F696E74202D2093EE8EE3926E94D591CE8DF48D488AC7979D F188C48F915F E >

働き方改革実現に向けた週休二日の取得に関する取組について 直轄工事における週休二日取得の取り組み 施工時期の平準化適正な工期設定 週休二日算定が可能な 工期設定支援システム の導入 工事着手準備期間 後片付け期間の見直し 余裕期間制度の活用週休二日を考慮した間接費の補正 < 週休二日対象工事 > 対

スライド 1

GPS仰角15度

別紙 -D ICT 施工用建設機械及び測量機器の最新技術情報 会社名 株式会社ニコン トリンブル 建機 / 測量機器の区分 ( 掲載年月日 ) 重機搭載 技術情報対象の機械 機器名 荷重判定システム Trimble LOADRITE 技術情報等の内容 1 概要バックホウ ホイールローダなど 運搬車両

図 -2 測位方式の概念図 RTK-GPS: Real Time Kinematic GPS 2 図 D-GPS RTK-GPS cm 1ms GPS CDMA 巻 8 号情報処理 2002 年 8 月 - 2 -

出来形管理基準及び規格値 単位 :mm 編章節条枝番工種測定項目規格値測定基準測定箇所摘要 1 共通編 2 土工 3 河川 海岸 砂防土工 2 1 掘削工 法長 ç 基準高 ±50 ç<5m -200 ç 5m 法長 -4% 施工延長 40m( 測点間隔 25m の場合は 50m) につき 1 ヶ所

CAD事例集(大本組)

Microsoft Word - 平成30年度空港独自施工パッケージ標準単価表_tanka_H30.4

TS交換標準データ変換・確認プログラム操作ガイド

起動時

i-construction ~ 建設現場の生産性革命 ~ 建設業は社会資本の整備の担い手であると同時に 社会の安全 安心の確保を担う 我が国の国土保全上必要不可欠な 地域の守り手 であることから 建設業の賃金水準の向上や休日の拡大等の働き方改革による生産性向上が必要不可欠 国土交通省では 平成 2

資料-4 i-Constructionについて(7月版)

Microsoft Word 修正.doc

屋内 3 次元 測位 + 地図 総合技術開発 現状 屋内 3 次元測位統一的な測位手法 情報交換手順がなく 共通の位置情報基盤が効率的に整備されない 技術開発 屋内外のシームレス測位の実用化 (1) 都市部での衛星測位の適用範囲拡大 (2) パブリックタグ 屋内測位の標準仕様策定 効果 3 次元屋内

北海道開発局 北海道開発技術研究発表会 新技術セッション UAV 測量による土工管理システム 前田建設工業 ( 株 ) 松尾健二 1 目次 1. 背景 2.UAV 土工管理システム 3. 適用事例 4. 精度検証 作業量比較 5. まとめ 2

<4D F736F F F696E74202D2089C18CC390EC8E CA48F E D828CA9816A2E B8CDD8AB B83685D>

1 i-construction の実践 Contents 1. カナツ技建工業株式会社の紹介 2. i-construction への歩み 3. ICT 活用工事における試みと効果 4. ICT 活用の課題と今後の展開

<4D F736F F F696E74202D20834B F D78BAD89EF5F A957A A2E B8CDD8AB B83685D>

はじめに 国土交通省では 平成 25 年度より 10,000m3 以上の土工を含む直轄工事で TS を用いた出来形管理 ( 土工編 ) を使用原則化すると共に 1 TS を用いた出来形管理 ( 土工編 )(10,000m3 未満の土工 2 MC( モータグレーダ ) 技術 3 MC MG( ブルドー

取り組みの背景目的計測点群処理の課題とポリゴン活 体制機能概要と本システムの特徴機能詳細システム構成問合せ先

<819B81798CF68A4A94C5817A E7B8D488AC7979D8AEE8F EA959489FC92F9816A5F E786C7378>

12新旧対照表(工事完成図書の電子納品要領).docx

<4D F736F F F696E74202D F18B9F8E9197BF A43494D95818B A4A8C9F93A282CC82BD82DF82CC8AEE916292B28DB881758C9A9


西松建設技報

<4D F736F F D CA98A7789EF8E9F91E C8BB4816A2E646F63>

<4D F736F F D CA8E A E535392F78CC582DF81698E7B8D488AC7979D816A2E646F63>

本文_平成30年度 土木技術支援・人材センター年報.indd

振動ローラ加速度応答による締固め管理技術 α システム (NETIS 登録番号 KT V) 平成 21 年 10 月 28 日建設技術フェア 2009in 中部建設 ICT 展 建設 ICT 導入研究会プロジェクト会員技術研究チーム株式会社大林組 前田建設工業株式会社 (α システム研

<8D488E96985F95B62E786C73>

欠であり 運輸交通分野を中心に膨大なインフラ投資が必要になると見込まれる これらのインフラ整備にあたっては 案件ごとにマスタープランから工事まで段階を踏んで検討 建設が進められるが 対象地の地形などを確認 把握するため 検討段階に応じた精度の地図が必要となる 現在 同国では基本的な測地基準点網が整備

スライド 1

<4D F736F F F696E74202D F94D191BA976C5F8B5A8F7095F18D9089EF F8091A582CC89FC92E B8CDD8AB B83685D>

Microsoft Word - ICT土工における実際の効果と課題について_0123修正2

< F2D33302D C8E86816A8C9A90DD8B408A4282C98AD682B7>

土木工事標準積算基準書1

FANUC i Series CNC/SERVO

にしうすきひのがげちょう宮崎県西臼杵郡日之影町ふかすみきた 宮崎 218 号深角北地区改良工事 発注者 : 九州地方整備局延岡河川国道事務所受注者 : 日新興業 土工量 : 約 47,000m3 ICT の活用を積極的に取り入れ UAV による起工測量から GNSS 測量機器や MG 機械 GPRo

2012.indb

電力土木報告書.indb

2.別紙-1 UAV等を用いた公共測量実施要領

120 アースオーガー 圧砕機 110 クラッシュパイルハンマー クラムシェル クローラークレーン 100 コンクリートポンプ車 地盤改良機 振動ローラーダンプトラックトレーラーバイブロハンマーバックホウブルドーザー ブレーカー 70 ホイールクレーン 杭圧入引抜機 ロータリーパーカッシ

<4D F736F F D20836A B A838A815B B4C8ED2947A957A95AA816A2E646F63>

<4D F736F F D F91E6368FCD89CD90EC93798D4882CC8C9F8DB82E646F63>

スライド 1

LED 道路 トンネル照明の設置に関する補完資料 Ⅰ LED 道路照明 ( 連続照明 ) の設置について 道路照明のうち連続照明の設計については 道路照明施設設置基準 同解説に基づき 性能指標 ( 規定値 ) 及び推奨値 ( 以下 性能指標等 という ) から所定の計算方法により設置間隔等を算出し

5 H H H H 管理技術 (TS 出来形管理 ( 土工 )) 管理技術 (TS GNSS 盛土締固め管理技術 ) 施工技術 (TS GNSS 盛土締固め管理技術 ) 施工技術 (TS GNSS 盛土締固め管理技術 ) 土質

< F905593AE5F8D62957B95E290B3955D89BF8F912E786477>

土量変化率の一般的性質 ❶ 地山を切土してほぐした土量は 必ず地山の土量 1.0 よりも多くなる ( 例 ) 砂質土 :L=1.1~2.0 粘性土 :L=1.2~1.45 中硬岩 :L=1.50~1.70 ❷ 地山を切土してほぐして ( 運搬して ) 盛土をした場合 一般に盛土量は地山土量 1.0

ICT 活用工事 ( 土工 ) の流れ 1

はじめに 情報化施工は 調査 設計 施工 維持管理という建設生産プロセスのうち 施工 に注目し 各プロセスから得られる電子情報を活用し 高効率 高精度な施工を実現するものであり さらに 施工で得られる電子情報は 他のプロセスでも活用することによって 建設生産プロセス全体における生産性の向上や品質の確

Taro-3_大下

<4D F736F F D BD8A7091AA97CA8AED8B4082CC90AB945C8DB782C982E682E98CEB8DB782C982C282A E646F6378>

<4D F736F F F696E74202D D595DC91958B408A428B5A8F7088CF88F589EF C835B83938E9197BF2E >

505_切削オーバーレイ

Microsoft Word - manual.doc

測量試補 重要事項 応用測量

<4D F736F F F696E74202D B78EF596BD89BB82CC8EE888F882AB C8E86816A F4390B3205B8CDD8AB B83685D>

501_3次元設計データ作成(エレメント法)

四国地方整備局

国土技術政策総合研究所 研究資料

Transcription:

情報化施工とは何か? ~ICT を活用した新たな施工システム ~ 移動局 基準局 社団法人日本建設機械化協会

情報化施工に関する素朴な疑問 本パンフレットでは 情報化施工に関する以下の疑問にお答え致します Q1. 従来の建設機械の操作手順はどのように行われますか? Q2. なぜ 産業用ロボットのような自動化が難しいのでしょうか? Q3. どうして情報化施工が可能になったのでしょうか? Q4. 具体的なシステムの概要は? Q5. 情報化施工技術にはどのようなものがありますか? Q6. 情報化施工はどのような効果があるのでしょうか? Q7. 今後の情報化施工システムの普及の動きは? Q8. 情報化施工システムの調達はどのようにするのでしょうか?

Q1. 従来の建設機械の操作手順はどのように行われますか? 建設機械を利用して 盛土 掘削 敷き均し作業等を行う場合 予め設計データを基に作業対象エリアに丁張やトンボなどの目安杭を設置して 操作員は運転席から杭と作業装置との偏差を目視で確認しながら 操作レバーを動かします したがって 出来形精度 生産性は操作員の技量によって大きく左右されるとともに 出来形のチェックは丁張杭間に水糸を張り スケールで検測を行うため 機械作業の合間をぬって行う検測は 常に危険が伴います 基準点 オペレータの視線 設計高さ 丁張り オフセット高さ 丁張りを基準にした手動作業 丁張間に張られた水糸を基準に仕上り高さを確認

舗装工事 構造物打設工事などで 予め測量作業によって設置された操作基準線を作業装置がトレースする自動操作も行われていますが 前もって手間のかかる操作基準線設置作業が必要となります また 追随性に限界があるため 施工速度の遅い舗装工事などに限られており 施工速度の比較的早い土工用機械の制御には向いていません Q2. なぜ 産業用ロボットのような自動化が難しいのでしょうか? 建設施工の場合には作業対象路面の上を建設機械が常に移動しながら作業を行うため 自動車や家電製品の製造ラインのように 作業用ロボットと作業対象物との正確な相対位置を容易に定めることは極めて困難であり やむを得ず 予め設置された操作目安の杭を使用しての目視作業による間接的な制御しか出来ませんでした Coordinates ( x1,y1,z1 ) ( x2,y2,z2 ) ( x3,y3,z3 ) 固定座標軸 (a) 製造業 :Tool が固定されている為 必要な座標が得やすい基準点 ( x+x3,y+y3,z+y3 ) ( x+x1,y+y1,z+y1 ) ( x+x2,y+y2,z+y2 ) 移動する座標軸 (b) 建設業 :Tool( 座標軸 ) が移動する為 相対位置座標の設定が困難

Q3. どうして情報化施工が可能になったのでしょうか? 従来測量作業は静止地点位置を測ることしか出来ませんでしたが 動き回る移動体を人工衛星や自動追尾機能を持った測量機器により 高精度で測位ができる技術が開発されたことが 常に移動する建設機械の数値制御システムの実用化を可能としました 制御測位方法には人工衛星 :GNSS(Global Network Satellite System) を用いる方法と光学測量機能 :TS(Total Station: トータルステーション ) を用いる方法の二つがあります ( 光学測量機器 ) ( 人工衛星 ) 特徴 精密な測位 制御情報の伝達 測量機器として活用 有効半径の制限 1 対 1 制御 天候による使用制限 特徴 単独での測位 複数機器での運用 現場間のデータ共有 測量精度の限界 衛星状態による制限 外国衛星頼み 基地局の設置必要 RTK - GNSS による三次元測位方法 RTK-GNSS は 既知点に設置した基地局の位置データと GNSS により取得した基地局の三次元データを照合して GNSS データを補正し 精度の向上を図るものです

基地局の GNSS 受信機の補正データは移動局に無線で転送し 移動局の GNSS データ補正のための計算処理を行って 三次元座標 (X,Y,H) をリアルタイムに算出することができます 高さ精度は数センチオーダーで確保できますが 使用できる人工衛星数が一定以上 ( 基本は5 基以上 ) でなければならず 使用する場合はあらかじめ工事現場の受信状況を確認しておかなければなりません 上空視界がよく 人工衛星が確保できる場合などの条件が整えば 天候に左右されず ダムや土地造成などの大規模土工工事で使用することも可能です また ひとつの基地局で複数の移動局に対応することも可能です TS による三次元測位方法 水平 鉛直回転が可能なドライブ機能を持つ TS( トータルステーション ) を使用し 観測対象に設置したプリズムを自動的に追尾することで 観測対象の三次元座標を計測することができます 同時に無線により建設機械に座標データを送信するとともに 測定データの記録 保存が可能です GNSS が利用出来ないトンネルなど天空が閉鎖されている箇所でも使用できますが レーザを使用しているため 天候条件 有効半径の制限を受けることと 計測対象 1 台に対して TS を1 台用意する必要があります

Q4. 具体的なシステムの概要は? 操作方法には操作値明示 ( 指示操作 ) AMG(Automated Machine Guidance: マシンカ イタ ンス ) と操作値制御 ( 自動操作 ) AMC(Automated Machine Control: マシンコントロール ) の二つの方法があります マシンガイダンス 高さ偏差値明示バルブの手動制御大型ブルドーザパワーショベル 移動体の座標計測 TS or GNSS 設計座標照合 マシンコントロール 高さ偏差値変換バルブの自動制御モーターグレーダ仕上げ施工用小型ブルドーザ マシンガイダンス 人工衛星 (GNSS=Global Navigation Satellite) を使用したものは 作業エリア内での

測位補正データを基地局から送信させて瞬時に移動体の正確な位置座標データを測位することができます そして予め建設機械に入力設計データと比較して設計データと作業装置位置の偏差を抽出し 運転席に設置されたモニターにその状況を表示します 操作員はその情報に基づいて操作レバーを動かします 主に天空の開けた衛星からの電波が受信できる土工現場での比較的大型のブルドーザによる粗均し作業や パワーショベルなどの複雑な動きのある機種などで利用されます マシンコントロール 敷き均し精度を求められるモータグレーダや仕上げ施工用の小型ブルドーザでは 測 TS を活用した精度の高い自動化システムが使用され 設計データとの偏差情報を電気信号に変換し 直接油圧電磁弁を制御させ 作業装置を自動制御させる自動操作制御方式です TS と比較して精度は劣りますが 土工現場での大型規模のブルドーザによる敷き均し作業では GNSS を使用したマシンコントロールも採用されています マシンコントロールシステムのメカニズム 1. 定点に設置した TS によって建設機械側に設置したプリズムを自動追尾し 瞬時に測位します

2. 測位された建設機械の3 次元位置座標データが無線で建設機械のコントロールボックスに送信されます 3. コントロールボックスに予めインプットされた設計データと 該当する水平座標位置から制御する高さと勾配との偏差を抽出し 電気信号に変換して駆動装置に送られます 4. 作業装置を直接自動制御させることにより 敷き均し用ブレードをセンチ単位で制御することができます プリズム位置の計測 無線による座標データの送信設計データの照合 コントローラの判断によるブレード制御 Q5. 情報化施工技術にはどのようなものがありますか? 1. 建設機械のマシンコントロールやマシンガイダンス技術 ブルドーザや油圧ショベル等のマシンガイダンス技術 グレーダやブルドーザ等のマシンコントロール技術 ( 敷均し ) 2.TS GNSS による出来形管理技術 TS GNSS を用いた出来形管理技術 ( 道路土工 / 河川土工 ) 3.ICT を活用した新たな品質管理技術 ローラの軌跡管理による面的な品質管理技術 ( 締固め ) ブルドーザ等による面的な品質管理技術 ( 厚さ )

振動ローラ加速度応答による面的な品質管理技術 ( 強度 ) TS を用いた出来形管理技術 ( 厚さ ) 非接触式赤外線温度計を用いた面的な品質管理技術 ( 温度 ) 各種強度試験による盛土の品質管理技術 ( 強度 ) 無線付き温度計を用いたコンクリートの品質管理技術 ( 積算温度 ) 4. 施工情報の統合管理技術 建設機械や生産設備の稼働記録を用いた精密施工管理技術 3 次元 CAD による統合管理技術 Q6. 情報化施工はどのような効果があるのでしょうか? 従来工法のように作業の目安となる丁張りなどの指標を設置する必要がなく また それらが無くなったため建設機械操作への支障が回避され 作業効率を向上させます また 出来形の検測作業も減らすことができ 施工品質及び生産性を大幅に向上させることができます これらのシステムは 高速道路 空港などの大型現場から 駐車場や一般の路盤整形作業など幅広く使用されています さらに 測位 建設機械追尾に電波やレーザ光を使用しているため 夜間作業においても昼間の作業と同様に高い作業効率を得ることが可能です また 電子データを駆使した施工及び管理を行うため 施工プロセスでの情報記録が容易になり こえっらのデータは施設供用後の補修計画にも活用が可能となります 従来工法 (A) と情報化施工 (B) の工期比較例 24 62% 14% 100% 0% 43% 5% 48%

Q7. 今後の情報化施工普及の動きは? 建設施工には極めて有効なシステムであるため 国土交通省も2008 年 7 月に 情報化施工推進戦略を策定し 重点目標として国土交通省の 直轄の道路土工 舗装工 河川土工の各工事において 大規模の工事では2010 年度までに 中 小規模の工事では2012 年度までに 情報化施工を標準的な施工 施工管理方法として位置付ける 普及に努めています なお この技術の利用に当たっては 設計データの作成 測位技術の活用 建設機械の特性などを生かした総合的な知識を必要とするため ( 社 ) 日本建設機械化協会の施工技術総合研究所に専門の研修機関を設置し 情報化施工を担う技術者の育成に努めています 受講風景 実地研修場所全景 8. 建設機械の情報化施工システムの調達はどのようにするの でしょうか? 情報化施工技術は測量による測位技術の発達によって可能になりました 測位機器は測量機器メーカーによって提供されており これらのシステムを建設機械メーカー等が提供する建設機械等に取り付けて利用することになります システムによっては 建設機械に油圧電磁バルブを組み込む必要があります 最近では オプションで電磁バルブを組み込んだ建設機械も多くなって生きています さらに 建設機械のリース レンタル業界も情報化施工システムを取り扱っており システムの導入 普及を可能とする環境が整い始めております 情報化施工関連機器を取り扱っている主な企業は次ページのとおりです

測量機器メーカー ニコン トリンブル (http://www.nikon-trimble.co.jp/) トプコン (http://www.topcon.co.jp/) ライカジオシステムズ (http://www.leica-geosystems.co.jp/jp/index.htm) 建設機械メーカー コマツ (http://www.komatsu.co.jp/) 酒井重工業 ( 株 )(http://www.sakainet.co.jp/) 日立建機 (http://www.hitachi-kenki.co.jp/) キャタピラージャパン ( 株 )(http://nippon.cat.com/cda/layout?m=60200&x=1) レンタル会社 西尾レントオール (http://www.nishio-rent.co.jp/) ユナイト ( 株 )(http://www.unitenet.co.jp/) ( 株 ) アクティオ (http://www.aktio.co.jp/) ソフト会社 ジオサーフ ( 株 )(http://www.geosurf.net/) 福井コンピュータ ( 株 )(http://www1.fukuicompu.co.jp/) ( 株 ) 建設システム (http://www.kentem.jp/) アイサンテクノロジー ( 株 )(http://www.aisantec.co.jp/) 情報化施工についてのお問い合わせは 下記までお願い致します 社団法人日本建設機械化協会情報化施工推進担当 105-0011 東京都港区芝公園 3 丁目 5-8( 機械振興会館 ) 電話 03(3433)1501( 代表 ) Fax03(3432)0289 HP http://www.jcmanet.or.jp/ 作成年月日 :2010.1.31