2009 年 5 月 10 日 グリーンタウン宮の里第一住宅管理組合規約改正委員会 管理組合規約改正のポイントと補足 1. はじめに当団地は 昭和 58 年 4 月に旧住宅 都市整備公団が開発分譲して以来 25 年余りに亘り 団地管理組合がいわば7 棟のマンションを一元管理して今日に至っています この間に 代々の役員や関係者及び皆様方のご尽力により 自主管理の精神や手法がよき伝統として 整斉と培われてきている点は否めない事実といえます しかしながら 建物の高経年化を始め居住者の高齢化や単身化 賃貸化の進展などの環境の変化に伴って 今後ますます生じてくることが予想される棟ごとの条件相違や その中で区分所有法の規定する各棟の持つ特性 役割等を考えるとき 今まで以上に全体と部分が総合的にバランスのとれた管理運営がなされることこそ 当団地の新しい課題として求められつつあります 以上から 根幹となる管理組合規約のこのたびの改正は 委員一同誠に時宜を得たものと確信しております 2. 施行日 2010 年 4 月 1 日 3. 今回の改正の特徴 (1) 昭和 58 年 4 月 1 日の規約制定以後 6 回の一部改定があるが 基準となる国の標準管理規約が平成 16 年 1 月に大幅変更された 今回は 標準管理規約に準拠しながらも現在の当団地の管理規約の精神をできるだけ踏襲することを目標に改正を行った (2) 当団地では 従来から規約の他に協定や細則が多く制定されているが この中で管理や用法など重要な条項については 極力本改正案に取込み統一化した (3) 従来の規約は8 章 48 条であるが 改正案は10 章 87 条である 新たに追加したものは 専有部分の範囲や建替えを始め 用法 ( 条数 8) 及び棟総会 ( 同 9) である また条文を増やしたものでは 管理 ( 増加条数 9) 会計( 同 6) がある (4) 改正のポイント 1 当管理組合規約の理念を制定し頭書した ( 前書き ) これにより 当団地の一元管理の精神を明確に位置づけた 2 当団地の土地 建物 附属施設等の共用部分や各棟の専有部分及び共用部分について 登記簿台帳による検証 確認作業を行い 明確化を図った ( 別表 1,2,3, 別図 1) 3 管理や用法に関する条項の点検整備を通じ 保存 使用等のルールを整備し規約化した (4 章,5 章 ) 4 管理の主体である管理組合と 業務執行機関である理事会の役割 職務を明確に位置づけた (6 章 2 節,5 節 ) 1
5 区分経理 (5 章節 ) や棟総会 (8) など 棟ごとに必要となる管理意識や考え方を取入れた 将来の棟ごとの条件相違等に備えるために 修繕積立金を団地全体と棟別に区分することになるが 様々な管理運営を棟別管理に移行するわけではない 棟総会は常設の会合ではなく 区分所有法上団地の規定には準用されない義務違反者に関する条項と棟の共用部分の復旧及び建替に関する条項があり 棟総会の開催が必要になる場合がある その場合の仕組みを規定し 規約中で一覧性を確保した 6 役員の任期を1 年ごとの半数改選の年任期とした (6 章 3 節 ) 高経年化等の環境の変化とともに 検討課題が何かと多くなる今後の理事会運営を考えるとき 従来の全役員の一斉交代は 特に役員業務の継続性の面で大きなムダやリスクを生じ易く この点では半数ずつの改選方法は一つの有効策である 決算期以外の年度途中に役員の交代を行うことは 現実には適当とはいえず 1 年任期を 2 年とする必要性が生ずる 現に平成二十年度のマンション総合調査によれば 当団地と同規模のマンションでは 半数ごとの改選の採用は31.8% 2 年任期制は42.4% に及び 年々シフトする動きが見られている この改正により 例えば予算立てから予算の執行までを責任もって行うなど 役員業務の継続性が確保できる また 引継ぎ時に生じがちであった行き違い等が軽減され 結果として実質的労力の軽減につながる事が期待できる 4. 改正した主な条項第 2 条 ( 定義 ) 用語を法律用語から分かり易い言葉での説明にした 第 12 条 ( 専有部分の用途 ) 以前から協定として取り決めはあったが 基本概念となる重要な条項は規約として明記した 第 14 条 ( バルコニー等の専用使用権 ) 専用庭の専用使用権に対して 分譲当初からの譲渡条件でもあり 従来通りとした 第 15 条 ( 駐車場の使用 ) 駐車場使用料及び管理組合費等の滞納があった場合には 駐車場使用契約の解除できる項を追加した 第 17 条 ( 専有部分の修繕 ) 協定を規約条項とし 理事会の結論を出すために調査が必要な時の調査費用は 当該区分所有者が負担することとした 第 18 条 ( 禁止事項及び使用細則 ) 協定内容から9 項目引用し 規約に明記した なお 規定に違反した場合 自己負担での原状回復を規定した 第 22 条 ( 窓ガラス等の改良 ) 計画修繕で行うのが原則であるが 理事会の承認を得て 各区分所有者ができること またその費用は管理組合に請求することは出来ないこととした 第 31 条 ( 使用料 ) 施設の管理費用を除き 団地修繕積立金又は 各棟修繕積立金( 各棟の住戸の戸数比で ) に積立てることとした 従来は団地修繕積立金のみであったが 棟ごと管理導入を考慮したものである 第 33 条 ( 組合員及び占有者の届出義務 ) 組合管理の上からも届出は重要であり 協定を規約で明記した 第 37 条 ( 役員 ) 役員の資格を 組合員と同居する配偶者及び成人である一親等の親族まで範囲を広げて 対象者を拡大した 第 38 条 ( 役員の任期 ) スムーズで継続性ある管理運営をするため 1 年ごと半数改選の2 年任 2
期とした 第 50 条 ( 議決権 ) 従来通り 住戸 1 戸につき1 議決権を踏襲した 第 51 条 ( 団地総会の会議及び議事 ) 普通決議は議決権総数及び区分所有者総数の過半数で決することとした 標準管理規約では過半数の出席と出席者の過半数で決するとなっているが 少数意見で決することを防ぐために総数を基準とした 第 58 条 ( 理事会の会議及び議事 ) 理事会の議決は 過半数の理事の出席と3 分の2 以上で決することとした 理事会の 止むを得ない場合の代理出席も 配偶者及び成人である一親等の親族に対し認めた 5. その他特記事項 (1) 管理組合費 団地修繕積立金及び各棟修繕積立金の金額について ( 規約別表 6) 1 管理組合費各住戸 5,000 円 現規約及び細則に基づき 組合費 5,000 円を移行した 今後変更の場合は団地総会の決議に よる 2 修繕積立金算出について 基本的な考え方 イ )1 戸当りの負担額の算出は 根拠となる団地共用部分及び各棟の長期修繕計画の策定結 果を基になされるべきものであり 未策定の現時点では暫定的なものである ロ ) 団地修繕積立金と各棟修繕積立金の合計金額は 現在の修繕積立金額を超えないことと した ハ ) 団地修繕積立金は 現時点を含む18 年間の下記支出予想を参考に 最小単位として1 戸 当り1,000 円とした 各棟修繕積立金は ロ ) からハ ) を控除した額を基準に算出した [ 参考 ] 団地修繕積立金 (1 戸当り 1,000 円の試算 ) H18 年 ~H35 年 (18 年間 ) * 団地共用部分の支出予想額 10,592 万円 収入予想額 ( 団地修繕積立金 ) 4,968 万円 (1,000 円 230 戸 216ヵ月 ) 不足額 5,624 万円 ( 年間 312 万円 ) ( 駐車場使用料の余剰金 現状 550 万円で補填可能 ) * 団地共用部分の支出予想 ( 概算 10,592 万円 ) ( 単位 : 万円 ) 項目 費用 項目 費用 項目 費用 集会所内部修繕 588 駐車場白線塗替 186 屋外給水管清掃 200 集会所外壁塗装 250 テレビ共聴修繕 113 長期修繕見直し 277 道路 通路修繕 485 蛍光管交換 144 建物診断調査費 240 囲障部分修繕 138 給水ポンプ修繕 450 コンサル ( 建物 ) 500 遊戯園地部修繕 82 減圧弁修繕 160 コンサル ( 管理 ) 200 共用棟設備修繕 139 圧力スイッチ等取替 90 その他修理費 1500 駐車場舗装 967 定水弁修繕 90 駐車場部分修理 328 屋外給水管修繕 3039 3
3 大規模修繕実施後の現修繕積立金について大規模修繕が終了し修繕積立金の残額が確定した後 残金は原則各棟修繕積立金に振り分ける 振り分けの割合は 現行の積立金額の比率とする なお 長期修繕計画策定結果を踏まえ検討し 団地総会にて決議する (2) 建替えに関する条項について ( 第 9 章 第 81 条 ) 1 基本的な考え方イ ) 建替えは 永い団地のライフサイクルの中にあって 数十年先に1 度あるかないかの 極めて稀な事柄であるうえ 国や各行政の施策 近隣の環境等 検討事項は極めて多く 特に規模の大きい団地ほどその度合いは大きいといえる 従って 現時点で種々規約に規定することは 徒に規約を複雑にするばかりか 非現実的なこととなることが懸念されるため 今回は基本事項のみ規定するに留めている ロ ) 将来建替えが現実的なものとして検討が必要な場合には 専門委員会等の総合的 現実的な検討を経て その時点で最新の標準管理規約を参考に 規約改正を行うことが最善と考えられる ハ ) 建替えに関して調査 検討する必要性は否定されるものではなく それに要する費用等については 団地 ( 規約第 81 条第 2 項 ) 及び棟 ( 第 77 条第 2 項第三号 ) で規定されているとおりである 2 建替えに関する議決の方法イ ) 団地内の一部の棟を建替える場合 ( 区分所有法第 69 条 ) 建替える棟の4/5 以上の賛成 + 管理組合の3/4 以上の賛成ロ ) 団地内の全ての棟を建替える場合 ( 同法第 70 条 ) 管理組合の4/5 以上の賛成 + 団地内の各棟の2/3 以上の賛成 なお 建替えに関する議決が加わることによる特別決議事項は下記 ( 次ページ ) のとおりである 4
( 参考 ) 特別決議事項 団地総会棟総会 4 分の3 以上 5 分の4 以上 3 分の2 以上 1. 規約の制定 変更又は廃止 団地内の建物の一括建 2. 土地及び共用部分等の変更 ( そ 替え ( 注 2) の形状又は効用の著しい変更を 伴わないものを除く ) 3. その他団地総会において 特別 決議事項として 決議することとし た事項 ( 注 3) 4. 団地内の一部の棟の建替え承認 ( 注 1) 5. 建替えのための調査及びその費 用 管理組合消滅時の財産の精 算方法 1. 特に必要となる規約の制定 変更 当該棟の建替え( 注 1) 団地内の建物の一 又は廃止 括建替え承認 ( 注 2. 棟の義務違反者に対する訴訟 2) 区分所有法第 58 条 2 項 ( 専有部 分の使用禁止の請求 ) 同第 59 条 1 項 ( 区分所有権の競 売の請求 ) 同第 60 条 2 項 ( 占有者に対する 引渡し請求 ) 3. 建物価格の2 分の1を超える部分 が滅失した場合の 棟の共用部分 の復旧 ( 注 ) 1 2は区分所有法第 69 条 70 条の規定に基づき 団地総会 棟総会両方での決議が要件である 3 管理組合の法人化 同解散等がある 6. 今後の予定 規約の印刷配布 ( 総会で承認後 ) 細則 協定の見直し編集 各種届出用紙等のフォーム集の作成 5