国語科学習指導案 平成 20 年度長期研究員富田健一 1 日時平成 20 年 10 月 23 日 ( 木 ) 第 5 校時 2 学年 組第 1 学年組 37 名 3 単元名 字手紙 を書こう 4 単元目標 目的や相手を意識し 自分の気持ちを的確に伝える手紙を書く 文字の整え方 バランスのとり方に注意し 目的や相手に合った文字を書く 5 単元設定理由 本校生徒は 素直であり 人なつっこい性質を持つ者が多い 様々なことに興味を持ち 意欲的に取り組むが 飽きっぽく集中力が長続きしないという面も目立つ 研究にあたり 1 学期に本校第 1 学年生徒 185 名を対象にしたアンケート調査を実施した その内容は 主に手で文字や文章を書くことに関する意識を探ったものである 手書き で書かれた手紙などが 自分の気持ちを伝える手段に適すると挙げた生徒は 49.8% 相手の気持ちがよく伝わる手段であると挙げた生徒は 57.3% に及んだ この回答結果を受け 手紙という教材を使えば 生徒は 文章を書く力を伸ばすための学習に 関心を持って取り組むことが出来ると考えた また 字を上手に書きたいと思っている割合は とてもある ある を合わせると約 90% になった この結果を受け 字の上達を望む意欲をいかし 書写の能力を高めていくには 書写指導 により 文字を整えて書く技術やバランスの取り方などを丁寧に指導する必要があると考えた なお 中には字を書くことを面倒に思っている生徒も約 30% いた この結果に 冒頭に記述した生徒の状況を併せて考えると 書写指導 という集中力と忍耐力を比較的多く必要とする活動は 帯単元にして少しずつ継続して行う形で指導することが良いと考えた 本校生徒のアンケート結果からも 手で書くこと で気持ちを伝えやすくなることが言えるのではないだろうか 手で書くこと は 気持ちを伝える手段になるだけでなく 自分の考えを整理し まとめるということにも効果を感じている人も少なくない 手で書くこと は文章を書くことにも影響があると考える 新学習指導要領 書くこと 領域の指導事項例には 第 2 学年のものではあるが 社会生活に必要な手紙を書くこと が挙げられており 手紙 という教材は 手紙の一般常識を指導するとともに 自分の心情を効果的に相手に伝える力をはぐくむのに有効であると考えられる ここに設定した 字手紙 を書こう という単元は 手紙を書こう という単元に工夫を加えたものである 手紙は 自分の気持ちを相手に伝えるものであるが 字手紙 は生徒が自分の気持ちを表すのに適するひと文字の言葉を選び その文字を選んだ理由を手紙の形式に合わせて書き表すというものである 気持ちを絵ではなく 文字で表すというところに工夫がある そして 手紙を受け取る 相手 を念頭に置かせ 具体的な場面設定のもと エピソードを交えさせながら 文字選択の理由を挙げさせ 敬語などの使い方に注意させて 簡潔な文章で書き表させる さらに 帯単元の書写指導で学ばせた知識や技能をいかし 相手意識を持たせて ひと文字 や手紙の内容にあたる 文章 を書き表させることで 自分の気持ちを相手に的確に伝える力をはぐくむ 字手紙 を書こう という単元は 帯単元化した書写指導ではぐくんだ力を 書くこと 領域ではぐくみたい力につなげていくことを可能にする一つの方法であると考えた
6 指導計画 (7 時間扱い ) (1) 単元の 1: 字手紙 のねらいの確認と受取人決定指導計画 2: 手紙の基本知識の確認と書くことの内容の整理 3: 時候の挨拶作成 ひと文字練習と下書き 4: ひと文字練習と下書き 5: 相互評価 推敲 ( 本時 ) 6: 推敲および清書 7: 清書と宛名書き (2) 単元の評価規準 国語への関心 意欲 態度 書く能力 言語についての知識 理解 技能 字手紙 に関心を持ち 自分の気持ちや思いを進んでまとめ 書き表そうとしている 身近な生活の中から適切な材料を選んで 伝えたい事柄や自分の気持ちや思いを的確に表している 話し言葉と書き言葉の違いや 敬語 時候の挨拶などの使い方を理解して書いている 状況 場面 相手を意識した文字や文章を書き表そうとしている 書いた文章を読み直し 分かりやすい文章にしている 互いの評価 指摘を参考にして推敲している 書写 字形を整え 文字の大きさや配列 配置に注意して書いている
(3) 単元の 太字は 書写指導 の扱い事項評価計画 太枠は本時 1 字手紙 のねらいと授業の流れの説明を聞く 受取人の決定をする 帯単元 筆ペンの使い方 手紙の基本知識の確認をする 手紙を書くため自分の考えや書く内容を整理する 帯単元 ひと文字の練習 時候の挨拶について知り 挨拶文を作る 本文の下書きをする 4 書写 ひと文字を決定する ひと文字を練習する 帯単元 ひと文字の練習 ひと文字の説明の内容について 相互評価を行う 班員からの評価を基に推敲する 帯単元 ひと文字の練習 推敲をする 推敲が終わったら清書をする 帯単元 ひと文字の練習 本文の清書をする 宛名書きをして完成させる 7 正しい姿勢で 字形を整え大きさやバランスに注意しながら書いている 宛名書きの注意点を理解して書いている 6 正しい姿勢で 字形を整え大きさやバランスに注意しながら書いている 書いた文章を読み直し 分かりやすい文章にしている 5 正しい姿勢で 字形を整え大きさやバランスに注意しながら書いている 互いの評価 指摘を参考にして推敲している 書いた文章を読み直し 分かりやすい文章にしている 2 筆ペンの特徴を理解し 正しい持ち方で書いている 3 正しい姿勢で 字形を整え大きさやバランスに注意しながら書いている 状況 場面 相手を意識した文字や文章を書き表そうとしている 身近な生活の中から適切な材料を選んで 伝えたい事柄や自分の気持ちや思いを的確に表している 正しい姿勢で 字形を整え大きさやバランスに注意しながら書いている 単元 教材に関心を持ち 授業に臨んでいる 単元 教材に関心を持ち 自分の気持ちや思いを進んでまとめ 書き表そうとしている 身近な生活の中から適切な材料を選んで 伝えたい事柄や自分の気持ちや思いを的確に表している 手紙の基本的な様式などを理解している 話し言葉と書き言葉の違いや 敬語 時候の挨拶などの使い方を理解して書いている 時学習内容評価項目国語への関心 意欲 態度書く能力言語についての知識 理解 技能
7 本時の展開 (1) 本時の目標 他者からの評価を参考にして 文字選択の理由が明確に書かれているか 相手に的確に伝わるための文章になっているか推敲をする 他者からの評価が 文章推敲のよい手立てであることを学ぶ (2) 本時の指導過程 過 程 学習活動 指導内容 指導上の留意点 評価観点 筆ペン配付 帯単元 書写活動 姿勢 字形などに重点をおいて 文字が未決定の生徒へは 決定 書写活動 筆ペンでひと文字練習をする 机間指導をする のための助言をする 練習が進ま言語ない生徒へは 中心取りなどの具 ( 観察 ) 体的な補助をする 導入 相互評価の説明を聞く 相互評価の方法などの説明を わかりやすく 簡潔に行うことを する 心がける 必要な教具などを取りに来るよ班隊形を作らせ 明らかな隊形無うに指示する 視などの問題等があれば指導をする 展開 班の中で順番を決め 1 番か 発表者 評価者 ( 聞いている生徒 ) 書く能力 ら順に発表を行う ひと文字 の態度も大切であることを意識 ( 観察 ) を 班員に見せて なぜその させる 文字にしたのか説明する 見せる文字は練習中のもので構わないので 文字の巧拙に関して 聞いている生徒は 発表者の は評価しないことを伝える 説明は文字と理由が合っているか 選んだ気持ちが伝わっ 質問があれば 付箋に書く前に行 たか等の評価を付箋に書く い 答えてもらうようアドバイスをする 全員発表終了後 班員からの自分の評価の書いてある付箋 文字選択理由が具体例を挙げて 書く能力 評価を参考に推敲をする を丁寧に読ませ どこを直すの 書かれているか等の推敲のポイ ( 観察および かを よく考えさせる ントを的確に示す 下書き用紙 ) 推敲活動 1 赤ペン入れでチェックを行う 2 読み直しをして 確認を行う 3 下書きに移る 下書き用紙は 推敲の跡が残るように 赤ペンなどを使うよう指示しておく 残り時間が 5 分になったところで全体に声をかけ 作業を終わらせるように指示する 筆ペン回収 まとめ次回の予告を聞き 自分の進次回の予告を行う 授業は残り2 回なので 最後の授度を確認する 次回は下書きから清書に移る時業に宛名書きが行えるように 次間であることを伝える 回から封筒や切手を持参しておくように指示しておく
(3) 本時の観点別評価 言語についての知識 理解 技能 学習活動における評価規準 正しい姿勢で 字形を整え 大きさやバランスに注意しながら書くことが出来る A 評価 ( 十分満足 ) と判断した具体的な状況例 既習のプリントを確認するなど主体的に授業に取り組み 正しい姿勢をとり 字の大きさやバランスに注意しながら書くことが出来ている C 評価 ( 要努力 ) と判断した生徒への具体的な手立て 文字の中心やバランスがわかるように補助をし 姿勢 持ち方などについて 個別に助言を行う 書く能力 学習活動における評価規準 班員からの評価 指摘を参考にして 自分の文章を推敲している A 評価 ( 十分満足 ) と判断した具体的な状況例 自分に対する評価を読み 更に詳しく聞くために その評価の理由を質問するなどして推敲活動を行っている C 評価 ( 要努力 ) と判断した生徒への具体的な手立て 個別指導を基本にし 質問を投げかけながら本人自身にどこを直せばいいのか気付かせる