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愛媛県学力向上5か年計画

工業教育資料347号

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

第 1 章総則第 1 教育課程編成の一般方針 1( 前略 ) 学校の教育活動を進めるに当たっては 各学校において 児童に生きる力をはぐくむことを目指し 創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で 基礎的 基本的な知識及び技能を確実に習得させ これらを活用して課題を解決するために必要な思考力 判

ICTを軸にした小中連携

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

①H28公表資料p.1~2

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

平成 28 年度埼玉県学力 学習状況調査各学年の結果概要について 1 小学校 4 年生の結果概要 ( 平均正答率 ) 1 教科区分による結果 (%) 調査科目 羽生市 埼玉県 国語 算数 分類 区分別による結果 < 国語 > (%) 分類 区分 羽生市 埼

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

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H30全国HP

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

今年度は 創立 125 周年 です 平成 29 年度 12 月号杉並区立杉並第三小学校 杉並区高円寺南 TEL FAX 杉三小の子

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる さらに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイ

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し


Taro-H29結果概要(5月25日最終)

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

Microsoft Word - aglo00003.学力の三要素

平成 26 年度 高知県学力定着状況調査結果の概要 速報版 平成 27 年 2 月 高知県教育委員会


2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

Taro-① 平成30年度全国学力・学習状況調査の結果の概要について

(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

国語 B では 話すこと 聞くこと 領域において 全国及び県平均を上回っているが 他の三つの領域においては 全国及び県平均を下回っている 活用する力を育成する取組のさらなる充実が必要である 設問 1 の目的に応じて 話し合いの観点を整理する力は身についてきている 設問 3 の二つの詩を比べて読み 自

2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

英語科学習指導案 京都教育大学附属桃山中学校 指導者 : 津田優子 1. 指導日時平成 30 年 2 月 2 日 ( 金 ) 公開授業 Ⅱ(10:45~11:35) 2. 指導学級 ( 場所 ) 第 2 学年 3 組 ( 男子 20 名女子 17 名計 37 名 ) 3. 場所京都教育大学附属桃山中

し, 定期的に評価することで 自己の考え を自覚する場面を意図的に設定している 本教材の学習においては, 様々な情報の中から必要な情報を取り出し, 整理 分析し, それに基づいた自分の考えを表現する活動を通して, 自己の考えの深まりや広がり を実感させることによって, 課題改善につなげたいと考えてい

第 2 章 知 徳 体 のバランスのとれた基礎 基本の徹底 基礎 基本 の定着 教育基本法 学校教育法の改正により, 教育の目標 義務教育の目標が定められるとともに, 学力の重要な三つの要素が規定された 本県では, 基礎 基本 定着状況調査や高等学校学力調査を実施することにより, 児童生徒の学力や学

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総合的な学習の時間とカリキュラム・マネジメント

瑞浪市調査結果概略(平成19年度全国学力・学習状況調査)

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教育と法Ⅰ(学習指導要領と教育課程の編成)

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国語科学習指導案

2、協同的探究学習について

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平成20年度

2 調査結果 (1) 教科に関する調査結果 全体の平均正答率では, 小 5, 中 2の全ての教科で 全国的期待値 ( 参考値 ) ( 以下 全国値 という ) との5ポイント以上の有意差は見られなかった 基礎 基本 については,5ポイント以上の有意差は見られなかったものの, 小 5 中 2ともに,

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

5 学習到達度調査の基本的な考え方学習到達度調査では 各教科の設問ごとに 目標値 を定め 児童 生徒の 正答率 がこの 目標値 に対して -5ポイント以上から +5ポイント未満の間であった場合 目標値と同程度としている 目標値 学習指導要領に示された内容について標準的な時間をかけて学んだ場合 設問ご

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

Microsoft Word - 社会科

フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

H

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

山梨大学教職大学院専攻長 堀哲夫教授提出資料

(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

( 中学校調査 ) 1 時限目 2 時限目 3 時限目 4 時限目 5 時限目 国語 A (45 分 ) 国語 B (45 分 ) 数学 A (45 分 ) 数学 B (45 分 ) 生徒質問紙 (2 分程度 ) (6) 集計児童生徒 学校数 1 集計基準児童生徒に対する調査について, 平成 29

平成 22 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 22 年 4 月 20 日 ( 火 )AM8:50~11:50 平成 22 年 9 月 14 日 ( 火 ) 研究主任山口嘉子 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (105 名 )

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県和歌山市 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

file:///D:/Dreamweaber/学状Web/H24_WebReport/sho_san/index.htm

平成29年度 中学校英語科教育 理論研究

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

教育 学びのイノベーション事業 ( 平成 23~25 年度 ) 総務省と連携し 一人一台の情報端末や電子黒板 無線 LAN 等が整備された環境の下で 教科指導や特別支援教育において ICT を効果的に活用して 子供たちが主体的に学習する 新たな学び を創造する実証研究を実施 小学校 (10 校 )

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

123

Microsoft Word - 6年国語「パネルディスカッションをしよう」

平成 3 年度花乃井中のあゆみ 調査結果から 成果と課題 学力調査では すべての項目において平均値を上回っているが 平均値では若干下回っている教科もある 平均正答率を平均と比べると 国語 A は - ポイント 国語 B は -2.2 ポイント 数学 A は +6.9 ポイント 数学 B は +6.

Microsoft Word - 学習指導案(公民的分野 ②).doc

<4D F736F F D E7793B188C D915F88E48FE38BB E646F63>

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

<4D F736F F D AAE90AC94C5817A E7793B188C481698D5D E7397A791E58A A778D5A814094F68FE3816A2E646F63>

第 9 章 外国語 第 1 教科目標, 評価の観点及びその趣旨等 1 教科目標外国語を通じて, 言語や文化に対する理解を深め, 積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り, 聞くこと, 話すこと, 読むこと, 書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養う 2 評価の観点及びその趣旨

○数学科 2年 連立方程式

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

< F2D87408E7793B188C C993A190E690B6816A2E6A7464>

4 調査結果について (1) 教科に関する調査の結果 ( 公立 ) の平均正答率を % として換算した市内の領域 観点 問題形式別正答率 グラフの途切れは, 問題が出題されなかった項目 < 小学校 > : 概要 : 課題 : 今後の学習ポイント国語 A( 基礎 ) 国語 B( 活用 ) 話すこと聞く

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

今年度の校内研究について.HP

Microsoft Word - 中学校数学(福島).doc

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

いろいろな衣装を知ろう

ている それらを取り入れたルーブリックを生徒に提示することにより 前回の反省点を改善し より具体的な目標を持って今回のパフォーマンスに取り組むことができると考える 同に そのような流れを繰り返すことにより 次回のパフォーマンス評価へとつながっていくものと考えている () 本単元で重点的に育成をめざす

Taro-【HP用】指導案.jtd

平成21年度全国学力・学習状況調査の結果分析(非公表資料)

各教科 道徳科 外国語活動 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする 各教科 道徳科 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

Transcription:

はじめに次代を担う児童生徒の思考力 判断力 表現力等を育成するための取組は, これまで様々な形で行われてきている その結果,OECDが実施しているPISA 調査では,2009 年の調査において, 2000 年調査結果の水準まで回復し, さらに,2012 年調査においては, 比較可能な調査以降, 最高の結果となった ( 図 1) このことから, いわゆるPISAショックは払拭されつつあると捉えることができる しかし, 一方で, (1) 世界トップレベルの国々と比較すると依然として下位層が多いこと (2) 読解力については, 必要な情報を見付け出し取り出すことは得意だが, それらの関係性を理解して解釈したり, 自らの知識や経験と結び付けたりすることがやや苦手であること (3) 数学的リテラシーについては, OECD 加盟国の平均を上回っているが, トップレベルの国々とは差があること 547 539 531 534 536 529 523 図 1 OECD 生徒の学習到達度調査の結果の推移 ( 順位等については, 読解力 のみ示した ) (4) 読書活動も進展したとはいえ諸外国と比べると依然として本を読まない生徒が多いことなどの状況があることも, OECD 生徒の学習到達度調査 (PISA2009) について [ 髙木文部科学大臣コメント ] に示されており, このことは,2012 年調査でも引き続き課題となっている このような全国的な状況に加えて, 本県は, 平成 26 年全国学力 学習状況調査において, 主として 活用 に関する問題 (B 問題 ) が, 小 中学校共に全国平均を下回る結果となっており, 思考力 判断力 表現力の育成は喫緊の課題となっている 現代は, 新しい知識 情報 技術が政治 経済 文化をはじめ, 社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す, いわゆる 知識基盤社会 (knowledge-based society) の時代であると言われている このような社会において, 自己責任を果たし, 他者と切磋琢磨しつつ一定の役割を果たすためには, 基礎的 基本的な知識 技能の習得やそれらを活用して課題を見いだし, 解決するための思考力 判断力 表現力等が必要である そこで, 本研究は, 知識基盤社会を生きていく上で必要とされる思考力 判断力 表現力の継続的な育成を図るために, 学習内容の関連を踏まえて 基礎的 基本的な知識 技能の活用を図る学習活動 及び 見通し 振り返り学習活動 などの設定の在り方を示すとともに, 平成 23 24 年度に研究を進めてきた 判断基準 の考え方と合わせて, 思考力 判断力 表現力のより効果的 効率的な指導と評価について明らかにしようとしたものである - 1 -

第 1 章 研究主題に関する基本的な考え方 研究主題 学習内容の関連を踏まえた思考力 判断力 表現力の育成に関する研究 判断基準 に基づく指導と評価を通して 1 学習内容の関連を踏まえるとは学校教育法第 30 条 2 項には, いわゆる学力の3 要素について, 次のように示されている 学校教育法第 30 条 2 前項の場合においては, 生涯にわたり学習する基盤が培われるよう, 基礎的な知識及び技能を習得させるとともに, これらを活用して課題を解決するために必要な思考力, 判断力, 表現力その他の能力をはぐくみ, 主体的に学習に取り組む態度を養うことに, 特に意を用いなければならない ( 下線は筆者 ) 特に下線部については,PISA 調査などの諸調査結果から問題となった, 知識 技能を活用し て課題を解決するために必要な思考力 判断力 表現力の育成について述べられている このことについて, 当教育 センターにおいては, 平成 23 24 年度に, 思考力 判断 力 表現力の育成を確かなも のとするために, 評価規準に 基づいた 判断基準 を設定 した このことにより, 言語 活動における 思考 判断 表現 の評価の考え方を明ら かにすることができた ( 参照 研究紀要第 117 号 思考力 判断力 表現力を育成する指導と評価に関する研究 平成 25 年 3 月 ) しかし, 思考力 判断力 表現力育成の系統的な指導の在り方や, 判断基準 の妥 当性をいかに向上させるかといった点については, 課題となっていた そこで, 思考力 判断力 表現力を育成する効果的な指導について, 平成 21 22 年度に研究 した各教科等における言語活動の充実を図る学習指導の工夫を生かしながら, 学習内容の関連 を踏まえることを通して, 目標の設定から達成までの流れを明らかにしたいと考えた 学習内容 とは, 学習指導要領に示されている内容のことである したがって, それは単 に知識のみを指しているのではなく, 知識 技能, 思考力 判断力 表現力, 主体 的に学習に取り組む態度 を指す これらは, 単元 や 領域 等における学習内容のまと まりの中で, 習得や活用を図りながら一体的に指導がなされている 学習内容の関連を踏まえる とは, 基礎的 基本的な知識 技能を活用して課題を解決す るために必要な思考力 判断力 表現力を継続的に育成することについて, 複数の単元等にお けるそれぞれの学習内容のまとまり相互にどのような関連があるのかを明らかにし, 指導に生 かすことである ( 図 2) 以前指導した学習内容と今回指導する学習内容との関連を明確にす ることにより, 判断基準 の妥当性を向上させ, 思考 判断 表現 の指導と評価をより 確かなものにすることができると考えて研究を進めた - 2 - 振り返り既習単元 以前指導した学習内容のまとまり 思考力 判断力 表現力 習得活用知識 技能主体的に学習に取り組む態度図 2 学習内容の関連 のイメージ関見通し振り返り本単元今回指導する学習内容のまとまり思考力 判断力 表現力習得活用連見通し知識 技能 主体的に学習に取り組む態度

こうした研究を行うに当たり, 国立教育政策研究所が提示している, 各教科等における 思考 判断 表現 の評価の観点を基に, 学習内容の関連を踏まえて思考力 判断力 表現力を見取る観点 を設定した ( 表 1) それは, 思考 判断 表現 の観点のうち, 表現 については, 基礎的 基本的な知識 技能を活用しながら, 各教科等の内容に即して考えたり判断したりしたことについて, 児童生徒の説明 論述 討論などの言語活動を通して評価することを意味しているからである 表 1 学習内容の関連を踏まえて, 思考力 判断力 表現力を見取る観点と具体例 学習内容の関連を踏ま 教科等 えて思考力 判断力 表現力を見取る観点 関連する学習内容の具体例 国語社会 地歴 公民算数 数学理科外国語外国語活動 言語能力を育成する指導事項 感想を書く言語活動を通して発揮される読む能力 書く能力 社会的な思考 判断 奈良時代と平安時代の政治 経 表現 済 文化 一次方程式 と 連立方程数学的な考え方式 における, 文字式を整理数学的な見方や考え方しようとする考え 金属の体積変化 と 水の 科学的な思考 表現 状態変化 における関係付け の能力 外国語理解の能力 環境問題について読み, 自分 外国語表現の能力 の考えや主張を述べる能力 関心 意欲 態度, 慣 自己紹介 と できること れ親しみ, 気付き についてのインタビュー つまり, 思考 判断 表現 の観点は, 児童生徒が主体的に課題解決に取り組む際に発揮される思考力 判断力 表現力そのもの, 又はそれを含む資質 能力であり, 当該の学習内容のまとまり ( 単元等 ) における目標でもある そのことに基づいて関連のある学習内容を明らかにすることで, 育成すべき思考力 判断力 表現力が一層明確になると考えた 学習内容には, 関連する学習内容の具体例 に示すように, 各教科等の様々な特性がある 学習内容の関連相互にどのような関連があるのかを明らかにする際には, このような教科の特性を重視することとした 2 学習内容の関連を踏まえて思考力 判断力 表現力を育成する意義学習指導要領 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項 においては, 基礎的 基本的な知識 技能の活用を図る学習活動 及び 見通し 振り返り学習活動 を計画的に授業に取り入れる工夫等が必要であるとされている しかしながら, 実際に授業を行うとなると, 言語活動を行わせることが目的になってしまい, そのことによってどのような力を付ければよいのかが不明確な授業が展開されているということが課題となっている その原因としては, 次のようなことが考えられる 教材研究の視点が, 当該単元や一単位時間の枠内にとどまっており, これまで児童生徒がどのような力を身に付けてきたか, 今回ねらいとする身に付けさせたい力は, 次回のどの学習において更なる活用を図ることができるかといったことについて, 教師の意識が及んでいない ある学習場面で発揮された思考力 判断力 表現力が, 他の学習場面で発揮されないなど, 教師が児童生徒にその有用性を感じさせていない そこで, 当教育センターでは, これらの課題を克服するための有効な方策として, 学習内容の関連を踏まえることとした このことによって, 思考力 判断力 表現力の継続的な育成に向けて, どのような知識 技能の活用を図る学習活動を設定すればよいのか, 何を見通し, 何を振り返る学習活動を設定すればよいのかを明らかにし, ただ単に知識を習得させるだけの指導から, 課題の解決に向けて思考 判断した過程や結果を言語活動を通じて児童生徒が表出する授業へと改善できるという意義があると考える - 3 -

断の要素 3 判断基準 とは これまで当教育センターにおいては, 児 童生徒の思考 判断の過程やその結果とし ての表現を質的, 量的な面からよりよく評 価するために, 思考 判断 表現 の評 価規準を基に, 目標の達成の度合いを判断 するための目安として 判断の要素 を設 定するとともに, それを具体化した尺度と して 判断基準 を設定してきた 判断 基準 とは, 児童生徒の思考や判断の結果 が表現される 説明 や 論述 等におい て, 目標の達成状況を判断する具体的な尺度のことである おおむね満足できる 状況を示し たものを判断基準 B, 十分満足できる 状況を示したものを判断基準 A として設定するととも に, 判断基準 B については児童生徒の表現例も想定し, 思考 判断 表現 の達成状況を, 言 語活動を通して評価できるようにした ( 図 3) そこで, 判断基準 の活用例を, 平成 26 年 1 月に鹿児島県教育委員会が実施した 鹿児島学 習定着度調査 ( 小学 5 年生 国語 ) における, 思考 表現 の問題で示す 価規図 3 判断基準 に基づく 思考 判断 表現 の評価評分析的に具体化 準 判判断基準 A 判断基準 B の程度を超えたと認められる状況 ( 固定的に捉えるものではない ) 判断基準 B 判断の要素 を おおむね満足できる 具体的な状況で表したもの 予想される表現例 十分満足できる状況 (A 状況 ) おおむね満足できる状況 (B 状況 ) 努力を要する状況 (C 状況 ) - 4 -

前ページ問題の正答例は図 4(4) のとおりである で (1) 評価規準 学習指導要領における内容 は, なぜこの正答例が正答だと言えるのか, その根拠となる箇所が,2 種類の下 第 5 6 学年 A 話すこと 聞くこと ァ話し手の伝えたかったことを捉えながら聞き, ィそれに対する自分の感想をまとめている 線ア, イ部である この評価規準は, A 話すこと 聞くこと の指導事項エ ( 話し この問題における評価規準は,(1) に示すように, 学 手の意図をとらえながら聞き, 自分の意見と比べるなどして考えをまとめること ) を基に作成した 習指導要領の内容である A 話すこと 聞くこと の指 (2) 判断の要素 理由のポイント 導事項エを基に作成してい ア 話し手の意図 る そのポイントが, 話し手の伝えたかったこと と 自分の感想 であり, イ 話し手の意図に対する自分の感想 それを問題文で設定されて (3) 判断基準 (B) 正答例が正答である理由 いる言語活動に沿って分析 ア 話し手の意図を, その発言に基づいて捉えている 的に表現したのが,(2) に示す 判断の要素 である さらに, 判断の要素 イ 捉えた意図を踏まえた自分の感想をまとめている (80 字 ~100 字 ) の おおむね満足できる (4) 予想される児童の表現例正答例状況を, 尺度として具体化 ( 今回のインタビューで,) 山中先生がァ本のすばらしさしたのが,(3) に示す判断基を身をもって教えてくださろうとしていることを初めて知準 Bであり, その全てを満り, ィ心を打たれました 先生のお気持ちがみんなに伝わ たした児童の表現を想定し るように, 誤りのない記事を書こうと思います (98 字 ) たのが, 予想される児童の表現例である 下線 ア, 下線 イ このような考え方に基づけば, 思考力 判断力 表 図 4 調査問題の答えの導き方と 判断基準 の関係 現力を育成する授業の全体像を, 思考 表現 の問題( 全国学力 学習状況調査のB 問題 ) を用 いて構想することができる 予想される児童生徒の表現例 ( 正答例 ) は, 当該単元において児 童生徒が最終的に思考 判断 表現した結果として, おおむね満足できる 状況を具体的に表現 で示したものであり, 判断基準 B( 正答例が正答である理由 ) は, なぜその表現が おおむね 満足できる 状況であるのかを示してある これらがあることによって, 多岐にわたる児童生徒の 表現を確かに評価することが可能となる さらに, 評価規準を基に 判断の要素 を設定することで, 当該単元で身に付けさせたい力が何 であるかを明確にすることが可能になる 当該の学習内容 ( 国語においては指導事項 ) において教 材の特徴や児童生徒の実態に即して, 最終的にどう表現すれば評価規準に到達したとみればよいの かが明確になる 換言すると, 解決すべき課題に対し, どのような思考 判断 表現を行わせれば 目標に到達するのかを正確に見定める授業構想ができると言える - 5 -