確定申告 確定申告とは 個人であればその年の 1 月 1 日から 12 月 31 日までを課税期間として また法人であれば自社の定款に定められた営業年度を課税期間として その期間内の収入と支出などから所得を計算した申告書を税務署に提出し 納付する税額を確定することをいいます 個人であれば 所得税 で 法人であれば 法人税 がそれにあたります 一般的に 会社員や公務員などの給与所得者は勤務先での年末調整によって最終的な税額が計算されます ただし 給与所得者が下記の項目に該当する場合は毎年 3 月 15 日までに確定申告をしなければなりません 1 給与の総支給額が 2000 万円を超える 2 給与を 1 ヶ所から受けていて 給与や退職所得以外の各種所得が 20 万円を超える 3 給与を 2 ヶ所以上から受けていて 年末調整されなかった給与や退職所得以外の各種所得が 20 万円を超える 4 同族会社の役員等で その会社から給与の他に貸付金の利子や店舗などの賃貸料などの支払いを受けた 5 災害減免法により 源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた ( 雑損控除と比較しどちらかを選択できる ) 6 外国の在日公館に勤務する人で 給与の支払いを受ける際に所得税を源泉徴収されない 確定申告をする理由 上記の項目に当てはまる方であれば確定申告をする必要があります 右の表は 楽天リサーチ が 2012 年 2 月に確定申告をする予定の方とこれまで確定申告を経験している方を対象に確定申告をする理由を調査したものです 一番多いものは医療費控除となっています 医療費控除は 一年間の医療費が 保険などで補てんされる額 プラス 10 万円 を超えた場合 その額を所得控除する事ができるものです その他の理由の中には FX 等のその他金融商品からの収入がある方や年収 2000 万円以上の方などが含まれています しなければならないという理由よりも 申告する事で還付金など自分にとって得がある理由で申告するケースの方が多いようです 1 確定申告をする理由 ( 複数回答 ) 医療費控除 30.7% 自営 自由業など 19.7% 転職 退職のため 17.2% 住宅ローン控除 17.1% 複数企業からの収入 13.2% 年金による取得 8.9% 株式 投資信託の所得 7.4% パート等での税金 6.4% 株式売却の損益 5.0% 不動産の売買 4.4% その他 13.9%
不動産に係る確定申告 住宅借入金等特別控除 不動産に係る申告として身近なのは住宅取得控除です 制度そのものは 住宅借入金等特別控除 です 居住者が住宅ローンなどを利用してマイホームの新築 取得または増改築等をした場合で一定の要件を満たすときは その取得などに係る住宅ローンなどの年末残高の合計額などを基として計算した金額を 居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除を受ける事ができる制度です 右の表は 住宅借入金等特別控除 をまとめたものです 取得 入居した年によって控除の枠や年数が変わっています また 控除の対象になる条件として 合計所得金額が 300 0 万円以下である事や 新築または取得した住宅の床面積が 50 平方メートル以上であり 床面積の 2 分の 1 以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものである事 以上にわたり分割して返済する方法になっている新築または取得のための一定の借入金か債務がある事などの条件があります 一度だけ確定申告すると毎年自動で控除されていきます 自宅をご所有 もしくは購入のご検討をされている方は不動産業者や国税庁のホームページで制度を確認してみましょう 住宅借入金特別控除の控除期間と控除額の計算 居住の用に供した年控除期間控除額の計算 H18.1.1~H18.12.31 H19.1.1~H19.12.31 か 15 年を選択 H20.1.1~H20.12.31 か 15 年を選択 15 年 15 年 1~7 年目 ( 上限 30 万円 ) 1~6 年目 ( 上限 25 万円 ) 1~目 ( 上限 15 万円 ) 年末残高等 0.6% 1~6 年目 ( 上限 20 万円 ) 1~目 ( 上限 12 万円 ) 年末残高等 0.6% 8~目 ( 上限 15 万円 ) 7~目 ( 上限 12.5 万円 ) 11~15 年目 ( 上限 10 万円 ) 年末残高等 0.4% 7~目 ( 上限 10 万円 ) 11~15 年目 ( 上限 8 万円 ) 年末残高等 0.4% H21.1.1~H22.12.31 1~目 ( 上限 50 万円 ) H23.1.1~H23.12.31 1~目 ( 上限 40 万円 ) H24.1.1~H24.12.31 1~目 ( 上限 30 万円 ) H25.1.1~H26.12.31 1~目 ( 上限 20 万円 ) H26.1.1~H29.12.31 1~目 ( 上限 40 万円 ) 特定取得以外 ( 上限 20 万円 ) 国税庁 HP より抜粋 2
不動産投資と確定申告 不動産投資をしている方の場合 不動産所得が発生していますので確定申告する必要があります 申告は確定申告書 B を使用します そちらに記入する前に まず不動産所得の内訳を計算する必要があります それに使用するのが右の収支内訳表です 収支内訳表は 下の用紙に減価償却 借り入れ金利子の内訳などについての記入をしていきます 次に 上の用紙に 右側に物件ごとの賃貸の状況や年間の家賃収入などを記入していきます それらの数字と減価償却費の計算などを基に左側の内訳に数字を記載していきます 家賃などの収入の合計から減価償却費などの経費を引き 最終的な不動産所得額が算出されます 初めての方には分かりにくい単語がでてきます 不動産業者へ確認したり 国税庁に問合せて間違いのないように作成しましょう よくある質問 租税公課とは 固定資産税や不動産取得税など国税や地方税 雑費とは 不動産の取引や物件の内見など不動産経営にかかった経費 国税庁 HP より抜粋 3
平成 26 年 1 月からの記帳 帳簿等の保存制度 これまでの記帳 帳簿等の保存制度の対象者は 白色申告の方のうち前々年分あるいは前年分の事業所得等の金額の合計額が 300 万円を超えた方でしたが 平成 26 年 1 月から個人の白色申告の方で事業や不動産貸付等を行う全ての方は 記帳と帳簿書類の保存が必要になります 取引事項記帳方法 1 収入に関する事項賃貸料 雑収入のようにそれぞれ適宜な項目に区分して それぞれその取引の年月日 事由 相手方及び金額を記載する ただし 保存している契約書 領収書控等によりその内容を確認できる取引については その項目ごとに 日々の合計金額のみを一括記載することができる 2 費用に関する事項雇人費 減価償却費 貸倒金 地代 借入金利子及びその他の経費の項目に区分して それぞれその取引の年月日 事由 支払先及び金額を記載する ただし 次に掲げるところによることができる (1) 少額な費用については その項目ごとに 日々の合計金額のみを一括記載する (2) 現実に出金した時に記載する この場合には 年末における費用の未払額及び前払額を記載するものとする 帳簿 書類の保存期間 保存が必要なもの収入金額や必要経費を記載した帳簿 ( 法定帳簿 ) 帳簿業務に関して作成した上記以外の帳簿 ( 任意帳簿 ) 書類 決算に関して作成した棚卸表その他の書類 業務に関して作成し 又は受領した請求書 納品書 送り状 領収書などの書類 4 保存期間 7 年 初めての方には 分かりにくいこともあります 税務署では 白色申告の方で 新たに記帳を行う方や記帳の仕方がわからない方のために 記帳説明会 を実施しています 詳しくは 国税庁に確認しましょう 5 年 5 年
確定申告書への記入 収支内訳表が完成したら次は右の申告書 B への記入です 左上から 収入金額 所得金額 控除額 税金 その他と項目が分かれています 収入金額の箇所は 不動産であれば家賃などの総収入を記入します 気を付けて頂きたいのが 収入金額と所得金額は別という点です 所得金額とは 先程の収支内訳表で一番最後に算出された不動産所得の額になります 家賃収入をそのまま記載されているケースも見られますので注意が必要です それ以外の部分については サラリーマンの方であれば源泉徴収票通りに記入していきます 次に 税金の計算です ここからは項目ごとに どの項目と計算すればいいかの記載があります 最後に 申告納税額が算出されますので いくら納税すればよいのか それとも還付なのかが分かります 一度覚えてしまえば 15 分ほどで終わる作業です 是非この機会に覚えてみて下さい まとめ 税理士以外の方が自分以外の方の確定申告書を作成することは税理士法で禁止されています 国税庁のホームページや 専門の方からアドバイスなどを受けながら 自分で作成する事で税金に対する知識や不動産に関する知識を得る事が可能です 3 月 15 日まで時間がありますので今のうちに準備をすすめ 慌てる事の無いように用意をしていきましょう 5