Similar documents
Microsoft Word - B-2 感染経路別防止対策(2018.8)

<4D F736F F F696E74202D208B678FCB8E9B D C982A882AF82E98AB490F5975C966891CE8DF482CC8A B8CDD8AB B83685D>

(病院・有床診療所用) 院内感染対策指針(案)

Taro-入所マニュアル.jtd

放射線部

42 HBs 抗原陽性で HBe 抗原陰性の変異株が感染を起こした場合は, 劇症肝炎を起こしやすいので,HBs 抗原陽性 HBe 抗原陰性血に対しても注意が必要である. なお, 透析患者では, 感染発症時にも比較的 AST(GOT),ALT(GPT) 値が低値をとること,HCV 抗体が出現しにくいこ

外来部門

(案の2)

Microsoft Word - <原文>.doc

<報道資料>

感染症対策

感染症の基礎知識

スライド 1

<593A5C30388AEB8B408AC7979D837D836A B5C8CC295CA8AEB8B408AC7979D837D836A B5C378AB490F58FC796688E7E91CE8DF4837D836A B5C FE18ED243817A8AB490F596688E7E91CE8DF4837D836A B816989FC92F994C5816A2E786C7

スライド 1

平成15年度8階病棟の目標                  2003/06/03

その他の多剤耐性菌

Microsoft PowerPoint - リーダー養成研修(通所)NO1 

はじめに 高齢者施設等で抵抗力が低い利用者をケアするには 介護スタッフの感染予防が必要です 施設は重度の利用者が中心になり さまざまな基礎疾患を抱えているため 感染しやすい状態の方が急増しています 介護スタッフが感染源にならないための予防策と 介護スタッフ自身の安全なケアの方法が重要となってきます

4) アウトブレイクに介入している 5) 検査室データが疫学的に集積され, 介入の目安が定められている 4. 抗菌薬適正使用 1) 抗菌薬の適正使用に関する監視 指導を行っている 2) 抗 MRSA 薬の使用に関する監視 指導を行っている 3) 抗菌薬の適正使用に関して病棟のラウンドを定期的に行って


感染対策の基礎知識 1 感染対策の原則 感染成立の 3 要因への対策と 病原体を 1 持ち込まない 2 持ち出さない 3 拡げないが基本です 感染成立の 3 要因と感染対策 感染症は 1 病原体 ( 感染源 )2 感染経路 3 宿主の 3 つの要因が揃うことで感染します 感染対策においては これらの

H30資料:15_① 感染症予防等.pptx

目次 石巻赤十字病院の概要 1 防火 防災管理 2 感染防止対策について 4 機密保持及び個人情報保護 9

<4D F736F F F696E74202D208AB490F591CE8DF E B8CDD8AB B83685D>

Q22. 浴室の消毒は必要か? Q1. 患者や利用者に使用した器具や排尿後の尿器などは どのように消毒したらいいか? A1. 患者や利用者に使用した器具は 標準予防策の考え方に基づいて すべて感染性のあるものとして処理します スポルディングの分類に沿って この器具は 誰に使用したのか ではなく 何に

Microsoft PowerPoint - ™mfiIfl�™B‘á−QŁfl›ï.ppt

スタンダードプリコーション (標準予防策) と 感染経路別予防策

と役割を明確化し 医療機関内のすべての関係者の理解と協力が得られる環 境を整えること ( 感染制御チーム ) 病床規模の大きい医療機関 ( 目安として病床が 床以上 ) においては 医師 看護師 検査技師 薬剤師から成る感染制御チームを設置し 定期的に病棟ラウンド ( 感染制御チームによ

Q&A(最終)ホームページ公開用.xlsx


pdf0_1ページ目

平成29年度感染症対策研修会(基礎編)

医療関連感染

その他の多剤耐性菌

講義資料(1)

総合生支援センター カムさぁ

外来トリアージ

2. 予防 1) 予防接種 入院している多くの免疫不全患者への感染源にならないためにも 病院で勤務するすべての 職員に対してインフルエンザワクチンの接種を推奨する ただし過去にインフルエンザワクチンで 重症なアレルギー反応があった者は禁忌である 接種可能かどうかの相談は感染管理担当課で 行う 患者へ

MRSA 隔離基準 < 基本的な考え方 > 隔離の目的は院内感染拡大予防 つまり医療従事者や MRSA 保菌 感染患者による他の入院患者への拡大を防ぐことである 医療従事者は標準予防策 ( スタンダードプリコーション ) と接触感染予防策を行う 隔離基準を以下に示すが 画一的には行わず 患者本人の状

Microsoft PowerPoint - 感染対策予防リーダー養成研修NO4 インフルエンザ++通所

PowerPoint プレゼンテーション

pdf0_1ページ目

第一部院内感染防止体制 院内感染防止のための組織 体制 院内感染の発生を抑止し 感染者の発生後においても感染拡大を制御するためには 病院全体が組織的に感染防止対策に取り組むことが必要とされます また 感染防止対策の実効性を高めるには 病院管理者が積極的に感染対策部門や感染管理担当者を支援し 一体とな

pdf0_1ページ目

その他の多剤耐性菌

6/10~6/16 今週前週今週前週 インフルエンザ 2 10 ヘルパンギーナ RS ウイルス感染症 1 0 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 8 10 咽頭結膜熱 急性出血性結膜炎 0 0 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性角結膜炎 ( はやり目 )

その他の多剤耐性菌

4. 通常疥癬と角化型疥癬の違い 1) 通常疥癬 (1) 通常疥癬は 長時間の皮膚と皮膚との直接接触によって感染する 稀に寝具やタオル類を介する間接接触感染もあるが 集団感染の危険性は少ない (2) 強い掻痒感を伴い 皮膚症状は丘疹 結節 疥癬トンネルがある 2) 角化型疥癬 (1) 感染経路は通常

院内感染対策マニュアル( 2010年版)

Ⅳ 標準予防策

高齢者介護福祉施設における感染対策マニュアル

その他の多剤耐性菌

医療安全対策 医療安全のため 高血圧と歯科診療上の注意 必要な問診事項について確認を行った 下記についてすぐ対応できるか確認した 1 血圧測定など 2 緊急時の対処 3 必要な薬剤の準備 4 その他 患者さんへの歯科診療上の注意事項 特に外科処置時

pdf0_1ページ目

PowerPoint プレゼンテーション

スライド 1

院内感染対策のための自主管理チェックリスト 平成 29 年 6 月 東京都福祉保健局

【事務連絡】高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版

感染拡大攻略法 ~流行前から備えるべし~

<4D F736F F D208AB490F58FC78D8297EE8ED22D322E646F63>

スライド 1

その他の多剤耐性菌

も 医療関連施設という集団の中での免疫の度合いを高めることを基本的な目標として 書かれています 医療関係者に対するワクチン接種の考え方 この後は 医療関係者に対するワクチン接種の基本的な考え方について ワクチン毎 に分けて述べていこうと思います 1)B 型肝炎ワクチンまず B 型肝炎ワクチンについて

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)

感染対策マニュアル

感染対策

風邪とインフルエンザの特徴と違い 風邪 インフルエンザ 症状の現れ方 緩やか 急激 発熱 37~38 程度 38 以上発熱急激な発熱 症状の出現部位 局所 ( 鼻や喉など上気道が中心 ) 全身 主な体調変化 くしゃみ 鼻水 鼻づまり 咳 咽頭痛などの呼吸器症状が中心 足腰や関節痛の強い痛み 悪寒など

3. 感染症の予防策 (1) 標準予防策の考え方 標準予防策 ( スタンダード プリコーション ) とは CDC( 米国疾病対策セ ンター ) が提唱した病院向け感染予防のガイドラインです 誰もが何らかの感染症をもっている可能性がある と考えて すべての患 者に対して 感染の可能性があるもの への接

1 施設設備の衛生管理 1-1 食品取扱室の清掃及び保守点検 < 認証基準 > 床 内壁 天井 窓 照明器具 換気扇 手洗い設備及び排水溝の清掃手順 保守点検方法が定められていること 床及び排水溝の清掃は1 日に1 回以上 その他の清掃はそれぞれ清掃の頻度の記載があること 保守点検頻度の記載があるこ

インフルエンザ、鳥インフルエンザと新型インフルエンザの違い

スライド タイトルなし

6 発生動向監視 6.1 感染管理者は 1 週間に1 回程度院内感染事例を把握する 6.2 感染管理者は 院内感染の発生率に関するサーベイランスを部署とターゲットを絞って実施する 6.3 感染管理者は 院内感染に関する情報を分析 評価し 効率的な感染対策に役立てる 6.4 感染管理者は 地域や全国の

Microsoft Word - rad_env.docx

平成 24 年度厚生労働省老人保健事業推進費等補助金 ( 老人保健健康増進等事業分 ) 高齢者介護施設における 感染対策マニュアル 平成 25 年 3 月

別紙 1-2 移乗介助 ロボット技術を用いて介助者による抱え上げ動作のパワーアシストを行う非装着型の機器 移乗開始から終了まで 介助者が一人で使用することができる ベッドと車いすの間の移乗に用いることができる ( ベッドと車いすの間の移乗における使い勝手は ステージゲート審査での評価対象となる点に留

第51回日本小児感染症学会総会・学術集会 採択結果演題一覧

インフルエンザ(成人)

<34398FAC8E998AB490F55F DCC91F092CA926D E786C7378>

A9R59DF.tmp

10/3~10/9 今週前週今週前週 インフルエンザ 7 1 百日咳 1 0 RS ウイルス感染症 ヘルパンギーナ 咽頭結膜熱 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 感染性胃腸炎 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 急性出

僕が、標準予防策をしない理由

<8D8297EE8ED28E7B90DD82C982A882AF82E98AB490F591CE8DF42E2E786C73>

るとされている また 人から人への感染は極めて稀であり 家族内での感染が 過去数例報告されている (5) 季節性インフルエンザ季節性インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染して起こる病気で 風邪よりも 比較的急速に悪寒 高熱 筋肉痛 全身倦怠感を発症させるのが特徴である 我が国では例年 12 月

院内感染対策マニュアル

PowerPoint Presentation

血液浄化部

院内感染対策マニュアル

Microsoft Word - tebiki_51-60.doc

その他の多剤耐性菌

褥瘡発生率 JA 北海道厚生連帯広厚生病院 < 項目解説 > 褥瘡 ( 床ずれ ) は患者さまのQOL( 生活の質 ) を低下させ 結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります そのため 褥瘡予防対策は患者さんに提供されるべき医療の重要な項目の1 つとなっています 褥瘡の治療はしばしば困難

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

HCR NEWS 飛まつ感染の予防対策 : 咳エチケット 飛まつ感染の感染予防として 最も期待できるのは 咳エチケット です 1 咳やくしゃみをする場合はハンカチ タオル ティッシュなどで口を覆い 周囲の人に飛まつを浴びせないようにする 2 ハンカチ タオル ティッシュがない場合は手のひらではなく

<4D F736F F F696E74202D E392E33308D758F4B89EF288AB490F590AB88DD92B0898A29205B8CDD8AB B83685D>

病棟における 院内感染対策の視点

感染対策マニュアル.indd

胃腸炎による入院患者の管理胃腸炎患者の症状が重くて 入院することがあります 入院患者の管理をしなければいけないことが 病院小児科の特異的なところだと思いますので その点に重点を置いてこれからお話しします 胃腸炎の患者が入院しなければいけない時には多くの患者が脱水になっているため 適切な補液が最も重要

<4D F736F F F696E74202D B AB490F591CE8DF482AD947A957A8E9197BF816A2E >

特別養護老人ホーム愛敬苑 感染症及び食中毒防止のための指針 1. 総則特別養護老人ホーム愛敬苑 ( 以下 施設 という ) は 生活者及び利用者 ( 以下 生活者 という ) の使用する食器及びその他の設備について 衛生管理に努め 衛生上必要な措置を講ずるとともに 医薬品及び医療用具の管理を適正に行

説明 感染症の対応について

Transcription:

感染症予防のための 感染経路別予防策マニュアル 湖北地域感染症予防検討会 平成 25 年 3 月

< 目次 > Ⅰ. 感染経路別予防策とは 1 1. 空気感染予防策 1 (1) 患者 利用者の収容 1 (2) 患者 利用者の移送 1 (3) 個人防護具の使用 2 (4) 患者 利用者に使用する器具や器材 2 (5) 保清 3 (6) 寝衣 リネンの取り扱い 3 (7) 食器類の取り扱い 3 (8) 清掃 3 (9) 廃棄物 3 2. 飛沫感染予防策 4 (1) 患者 利用者の収容 4 (2) 患者 利用者の移送 4 (3) 個人防護具の使用 4 (4) 患者 利用者に使用する器具や器材 4 (5) 保清 4 (6) 寝衣 リネンの取り扱い 4 (7) 食器類の取り扱い 4 (8) 清掃 4 (9) 廃棄物 5 3. 接触感染予防策 5 (1) 患者 利用者の収容 5 (2) 患者 利用者の移送 5 (3) 個人防護具の使用 5 (4) 患者 利用者に使用する器具や器材 5 (5) 保清 6 (6) 寝衣 リネンの取り扱い 6 (7) 食器類の取り扱い 6 (8) 清掃 6 (9) 廃棄物 6 Ⅱ. 感染経路別予防策まとめ 7

Ⅰ. 感染経路別予防策とは 感染経路別予防策は 標準予防策だけでは感染経路を十分に遮断できない場合に追加される対策で 空気感染予防策 飛沫感染予防策 接触感染予防策の 3 種類がある 標準予防策は 誰が感染源になるかわからないので すべての人の血液や排泄物などを感染源として取り扱い それらの物を取り扱う時に実施する予防策であるが 感染経路別予防策は その人が感染源であることがわかっているため その人に接触するときは 症状が無いときでも常に対策を実施する 1. 空気感染予防策 空気感染は 粒径 5 μm以下の粒子が空気の流れに乗って遠くまで広がり 長時間空気中を浮遊している間に 人の鼻や口から吸い込まれて感染する 空気感染する主な病気は 結核 麻疹 ( はしか ) 水痘( 水ぼうそう ) がある 空気感染予防策とは 空気感染を起こす微生物に対して行う感染対策のことをいう (1) 患者 利用者の収容 結核の場合は 痰から結核菌が出ている場合は 専門の医療機関での治療が必要となる 空気感染隔離室への収容が原則だが 空気感染隔離室が無い場合は 速やかに空気感染隔離室を有する医療施設への転院となる やむを得ず 入院 入所が継続する場合には個室管理とする 空気感染隔離室または 個室のドアは常時閉鎖( 窓は開けても良い ) しておく (2) 患者 利用者の移送 空気感染を疑う病気の場合 原則 患者は室外に出ることはできない やむを得ず移送が必要な時は 患者 利用者にサージカルマスクを着用していた

だく (3) 個人防護具の使用 空気感染患者の居室に入室する際は N95 マスク ( 空気感染対策用ろ過マスク ) を着用する 麻疹 水痘などの抗体をすでに保有している医療従事者は 患者 利用者に接する際 マスクなどの対策を実施する必要は無い N95 マスクを患者 利用者には使用しない (4) 患者 利用者に使用する器具や器材 患者 利用者専用にする必要は無い 使用後は 標準予防策に準じ 通常の処理を行う <N95 マスクとサージカルマスクの違い> 目的サージカルマスクマスクを装着したヒトから排出される微生物を含む粒子が大気中に拡がるのを防ぐ目的で使用される 性能等季節性インフルエンザ 花粉症等花粉 :10~100μm 飛沫 :5μm N-95 マスク 微生物を含む外気から マス クを装着するヒトを守るため に使用される 0.1~0.3μmの微粒子を 95% 以上除去できる性能結核菌 :3μm ノロウイルス :0.03~0.038μm

<N95 マスクの着用方法 ( 折りたたみタイプ ) と取り外し方法 > 1 マスクの上下を確認する 2 グレーのノーズフォーム部分が鼻に当たる部分 3 マスクの中央を持ち 鼻当て部を広げながら開く 4 マスクを顔に当て 上のゴムバンドを頭頂部にかける 5 下のゴムバンドを首回りにかける (5) 保清 6 鼻当て部 顎当て部を引っ張り整える 7 両手の指で鼻当て部が鼻に密着するように押し当てる 8 両手でマスクを覆い 空気の漏れがないか確認する (5) 保清 室内にて清拭を行う 清拭タオルなどは通常の処理を行う (6) 寝衣 リネンの取り扱い 標準予防策に準じ 通常の処理を行う 血液などの体液が付着している場合は 感染性があるものとして 水で予洗した後に熱水洗濯を行う ( 最初から高温で洗濯すると タンパク質が凝固し汚れが落ちなくなる ) 熱水洗濯ができない場合は すすぎの行程で塩素系漂白剤を使用して消毒する (7) 食器類の取り扱い 標準予防策に準じ 通常の処理を行う (8) 清掃 標準予防策に準じ 通常の清掃を行う (9) 廃棄物 喀痰は専用のゴミ箱を設置し ビニール袋の口をしっかり縛り 感染性廃棄物として廃棄する 標準予防策に準じ 血液などの体液が付着した物は 感染性廃棄物として廃棄する 患者 利用者の日常生活から出る一般ゴミは通常の処理でよい

2. 飛沫感染予防策 飛沫感染は 咳 くしゃみ 会話などによって飛んだ飛沫を吸い込むことで感染する 飛沫は飛沫核のように空気中を漂うことは無いので 特別な空調管理を必要としない 患者 利用者には 感染予防の必要性を十分に説明し マスクの着用などの理解を得る 飛沫感染する主な病気は インフルエンザ マイコプラズマ肺炎 おたふくかぜ 風疹 百日咳など (1) 患者 利用者の収容 インフルエンザ 風疹やおたふくかぜなどの病気の時は 可能な限り個室管理にする 個室へ移動できない場合は 同じ感染症の人同士を同室にして お互い1 m 以上離れてもらい ベッドの間をカーテンやスクリーンなどで仕切る 居室に特殊な空調は必要なく ドアは開けたままでかまわない (2) 患者 利用者の移送 移送は最小限にし 移送しなければならない場合は患者 利用者にサージカルマスクを着用していただく (3) 個人防護具の使用 患者 利用者に 1~1.5m 以内に近づくときは サージカルマスクを着用する マスクの着脱については 標準予防策に準ずる (4) 患者 利用者に使用する器具や器材 患者 利用者専用にする必要は無い 使用後は 標準予防策に準じ 通常の処理を行う (5) 保清 室内にて清拭を行う 清拭タオルなどは通常の処理を行う (6) 寝衣 リネンの取り扱い 標準予防策に準じ 通常の処理を行う 血液などの体液が付着している場合は 感染性があるものとして 水で予洗した後に熱水洗濯を行う ( 最初から高温で洗濯すると タンパク質が凝固し汚れが落ちなくなる ) 熱水洗濯ができない場合は すすぎの行程で塩素系漂白剤を使用して消毒する (7) 食器類の取り扱い 標準予防策に準じ 通常の処理を行う

(8) 清掃 標準予防策に準じ 通常の清掃を行う (9) 廃棄物 喀痰は専用のゴミ箱を設置し ビニール袋の口をしっかり縛り 感染性廃棄物として廃棄する 標準予防策に準じ 血液などの体液が付着した物は 感染性廃棄物として廃棄する 患者 利用者の日常生活から出る一般ゴミは通常の処理でよい 3. 接触感染予防策 接触感染は 人や環境に直接 または間接的に接触して感染する 利用者の血液 体液 排泄物などに含まれる微生物が介護者の粘膜や皮膚の傷から侵入して感染する場合と 皮膚に直接触れたときに感染する場合などがある 介護者が利用者に直接触れる体位変換やおむつ交換 入浴介助などの場面で感染のリスクが高くなる 接触感染をする主な病気は MRSA などの抗菌薬が効きにくい菌や腸管出血性大腸菌 (O-157 など ) ノロウイルスやロタウイルス 疥癬 クロストリジウムディフィシル ( 下痢症 ) など (1) 患者 利用者の収容 すぐに隔離を行う必要は無いが 周囲の人や環境を汚染する可能性が高いときには 可能な限り個室管理にする 個室へ移動できない場合は 同じ感染症の人同士を同室に収容する 居室に特殊な空調は必要なく ドアは開けたままでかまわない (2) 患者 利用者の移送 移送は最小限にし 移送しなければならない場合は 感染部位や保菌部位を確実に被覆する 移送中に感染または保菌部位が十分被覆されていれば介護者の防護具は不要だが 移送先に到着して患者に接触する際は 新たに個人防護具を使用する (3) 個人防護具の使用 患者の傷のない正常な皮膚や患者周囲の環境表面に接触する際にも常時手袋を使用する 個室収容の場合は 入室時に必ず手袋を使用する 衣服が患者や患者周囲の環境表面に接触することが予測される場合には ガウン

若しくはエプロンを使用する 個室収容の場合には 入室時に必ず手袋に加えてガウンも使用する 退室時には そのエリアで外して廃棄し 手指衛生を行う ガウンを外した後は室内環境に接触しないように注意する (4) 患者 利用者に使用する器具や器材 患者 利用者に使用する器具や器材は ディスポーザブル器材の使用や患者専用器材として 常時居室内に置いて使用することが推奨される 室外に器具や器材を室外に持ち出したり 別の利用者に使用したりする必要がある場合は ビニール袋などに入れて運び出し 器具や器材に応じた洗浄 消毒などの処理を行う (5) 保清 室内にて清拭を行う 清拭タオルなどは通常の処理を行う (6) 寝衣 リネンの取り扱い 標準予防策に準じ 通常の処理を行う 血液などの体液が付着している場合は 感染性があるものとして 水で予洗した後に熱水洗濯を行う ( 最初から高温で洗濯すると タンパク質が凝固し汚れが落ちなくなる ) 熱水洗濯ができない場合は すすぎの行程で塩素系漂白剤を使用して消毒する (7) 食器類の取り扱い 標準予防策に準じ 通常の処理を行う (8) 清掃 ベッド柵やオーバーテーブル ドアノブ 洗面台表面など 頻繁に手が触れる場所は 1 日 1 回以上の清拭清掃を行う (9) 廃棄物 標準予防策に準じ 血液などの体液が付着した物は 感染性廃棄物として廃棄する 患者 利用者の日常生活から出る一般ゴミは通常の処理でよい