第 2 学年国語科学習指導案平成 18 年 9 月 20 日 ( 水 ) 第 5 校時板橋区立舟渡小学校 2 年 2 組 31 名指導者岩切あゆみ 言葉への関心を高め, 豊かに表現できる児童の育成 自分の言葉で伝えよう 1. 単元名友だちに分かるように話そう あったらいいな, こんなもの / 話す 聞く 2. 単元目標 あったらいいものについて楽しく空想し, 友達と質疑応答することで詳しくなることを知る 自分の考えたものについて, 話し方に気をつけて発表し, みんなに知らせる この教材で身につけたい力 あったらいいな と思うものについて, それがどんなものか, 理由は何かなど, 話す順序を考えながら, 聞き手が分かるように話す ( 話す ) どんなものが あったらいい か, 組になった人と話し合って考えを深める ( 話す ) 発表者が あったらいいな と考えているものの名前や理由を落とさずに聞き, 分からないことは質問する ( 聞く ) あったらいいもの の名前や理由がよく伝わるように, はっきり話す ( 言語事項 ) 3. 単元の評価基準 関心 意欲 態度 自分で考えたものについて, 相手に分かるように話したり, 友達とやりとりしたりしようとしている 話す 自分が考えたものについて, 事柄の順序を考えながら聞き手に分かるように話している 聞く 話し手の考えたことに対して, 意見を出し合っている 言語事項 姿勢や口形に気をつけて, はっきりした発音で話している 丁寧な言葉遣いで発表している 4. 児童の実態本学級の児童は自分のことを話すことが好きである しかし, 全体の前で発表するとなると恥ずかしがったり, 緊張したりしてはっきりと話すことができない児童が多い 2 年生 1 学期に学習した ともこさんはどこかな では, 大事なことを落とさずにしっかり話せているのだが, 声が小さくて友だちに伝わらないということが多くあった また, 最後まで聞かず, 発表の途中で質問する子もおり, 話の聞き方が身についていない子が数人いる 日常的な活動では,1 年生の時から朝や帰りの会で毎日 1 人ずつテーマに沿ったスピーチをしたり, 宿題で音読をしたりしている 音読は, 家庭で声の大きさなどのチェックカードを毎回つけてもらっており, 音読に関しての言語事項はほぼ身につけている
5. 単元について本単元は,2 年生 1 学期に学習した ともこさんはどこかな から引き続いての 話す 聞く の学習である ともこさんはどこかな では, 大事なことを落とさずに話したり聞いたりできるようにすることをねらいとして学習してきた 本単元では, これに加えて互いの話をしっかり聞いてやり取りをする活動の中で, 改めて注意深く聞くことを意識させていきたい また, 本単元は 14 時間すべてが話すこと 聞くことの学習にあてられており, 実際に話したり聞いたりする活動を重視している ねらいとしては, 話し方の工夫や聞くことの大切さ, 話題に沿ってやり取りすることで内容が充実することの意味を学ばせることが考えられる 題材的には難しい事柄を扱うわけではないので, 自由で楽しい雰囲気の中, 話すこと 聞くこと の基本的な姿勢に焦点を当てた学習を目指すものである このような本単元の学習活動は大きく 4 つに分けられる 2 人組で あったらいいな と思う日常生活に必要なものを見つける 見つけたものを聞き手に分かりやすく伝えるカードを作る 5~6 人のグループで発表会の練習をする 1 組と合同で発表会を開く 6. 研究主題との関連本単元については, 育てたい力を以下の 3 点とし, それに応じた手立てを考え, めざす児童像に迫ることとした 育てたい力 声の大きさや速さに気をつけて話す 相手に分かるように順序よく話す 大事なことは何か考えながら聞く 手だて 伝える相手を意識して発表する 本学級の児童は,1 学期に学級の友だちを相手として知らせたいことを伝える学習をしてきた 本単元では, 同じ年齢同士の 2 人組,5~6 人のグループでの発表練習,1 組との合同発表会と伝える相手の人数を徐々に多くして, 知らせたいことを伝える活動を行う また,3 学期には伝える相手を 1 年生として学習していく 伝える相手を広げることによって, 相手に応じた話し方や伝え方を身につけ, 中学年の 適切な言葉遣いで話す ことにつなげていく 聞いている人が分かるように順序を意識して話す < 手立て > 順序を考えて話す内容を書けるように, まとまりに区切って提示したワークシートを使って順序を意識づけるようにする 相手に分かりやすく伝える手立てとして絵を描かせる 絵やワークシートの内容を基に発表の原稿を書く < 指導 > 文章をかけない児童には, 絵やカードを参考にしながら, キーワードとなる言葉や接続詞をあげて一緒に文章を考える 文章や発表の練習が順調な児童には, メモを見て発表できるように指導する メモを見ての発表では, 文章にならずメモをそのまま読んだり, メモが文章になってしまったりす
一次二次ることが考えられるので, 原稿を覚えた上でメモを書くようにし, 発表の時には確認程度にメモを見るようにさせる 話す内容に興味をもたせて, 話を聞くようにする 評価カードや感想カードを使って, アドバイスをし合ったり, 良いところを書いたりすることで, 話す内容に興味を持たせる そのためには, いくつかアドバイスの観点をあげたり, 教室に掲示してある聞き方上手などの掲示物を確認したりして, 聞くことへの意識をもたせるようにする 発表の際に使う評価カードは, 声の大きさなど言語事項に関することと, どんなことができるかわかった などといった内容に関する観点をあげ, で評価できるようにする また, 合同発表会で書く感想カードは, 各発表者につけた評価カードを参考にして, よかったところやおもしろかったところ, もっと知りたいと思ったところなどを書いて交換する めざす児童像 はっきり話せる子 最後まで話を聞くことができる子 7. 本単元の指導計画 (14 時間扱い ) 学習活動評価 ( ) 指導 支援の工夫 (*) 1 23 4 あったらいいなと思うものを想像し, 学習の見通しをもつ ドラえもん の中で, 自分が欲しい道具を挙げる あったらいいなと思うものを考える どんな発表をするのか知り, 学習のめあてをもつ 学習の見通しをもつ たくさん考えた中から, 友だちに知らせたいものを選ぶ 2 人での対話の仕方を知る * 絵と文で思いつくだけ, ワークシートに書かせる * ドラえもん にとらわれず, 自分の生活を振り返ったり, 家族に尋ねたりして, あったらいいものを考えさせる * 思いつかない子は, ドラえもんの道具の中であったらいいなと思うものを選び, 内容を自分なりに考えて書くようにさせる 興味をもって発想をしようとしている * 各活動のめあてをあげることで, どんなめあてで 話すこと 聞くこと の学習をするのかを押さえるとともに, 発表までの見通しをもたせる 話すこと 聞くこと の学習のめあてをもっている * 付録 CD を活用して, 上手な対話の仕方を意識させる 対話での話し合いに必要なことを理解している
5 分からないことを質問している 6 7 8三次 話し合いの目的を知る 2 人 1 組で話し手と聞き手に分かれて話し合い, 内容を修正したり, 改善したりする * 話し合いの目的は, 内容をより分かりやすく 詳しくすることであるということを明確にする * やり取りをしながらワークシートに書き足していく 相手の話を受けて話をしている 自分の考えを積極的に述べている 話の内容を落とさずに聞いている 発表の準備や練習をする 発表するときに見せる絵を描く 話す内容をワークシートにまとめる どういう順序で話すかを考える ワークシートにまとめた内容を基に文章を書く 聞く人がよく分かる話し方を考える 発表に向けて話し手 聞き手に分かれて練習をする * 最初に絵を描いて想像を広げさせる * 絵を参考にして, 特徴などをカードにまとめさせる 書けない子への支援では, 使い方や形などを質問して言葉に出させる < ワークシートの分類 > あったらいいなと思うもの どんなものか( 大きさや形, 使い方 ) こんなことができる( 特徴 ) 事柄ごとにワークシートにまとめて話す順序を考え, 文章にしている * 付録 CD を活用して, お話上手 聞き方上手になるには を考えさせる 話し方上手 のポイント ちょうどよい声の大きさ 速さで話す はっきり話す 聞き手の方を見て話す 順序よく話す よい姿勢で話す 9 聞き方上手 のポイント 話している人の目や顔を見て聞く ( 手遊びしない ) 最後まで黙って聞く 話が終わったら, 分からないことを尋ねたり, 感想を言ったりする * 発表の練習をして, メモだけでも発表ができそうな子には, メモでの発表の仕方を指導して練習させる 聞く人に分かるように考えながら, 話す練習をしている 分からないことを質問したり, 感想を言ったりしている
四次10 本時 11 発表会の練習をする グループごとに分かれて発表会をする (4 人 8 グループ ) グループ内で順番に話し手となり, 発表する 発表会に向けてもっとよくなるようにアドバイスし合う ( 評価カードを使用 ) 発表会の準備をする 友だちのアドバイスを基に内容を加えたり, 手直ししたりする 話し方上手 聞き方上手 のポイントを確認する 司会の練習をする * 他のグループの声が混ざってしまって十分な活動ができないため,1-1,1-2,2-1 の3つの教室を使って練習をする (1 教室に 3グループ ) *, 声の大きさやよかったところ, もっと知りたいと思ったことを評価カードに書いたり, 伝えたりしてアドバイスし合う * アドバイスを参考にして, 内容や順序の変更ができることを知らせる 聞く人に分かるように, まとまりごとに順序よく話すことができる 友だちの発表を聞き, よりよい内容にするためのアドバイスを考えることができる * 初めて発表を聞く 1 組の子が分かるように直すことを意識づける * 発表後に感想を書いたり, 伝えたりすることを意識して聞くように伝え, 発表会のイメージをもたせる * グループ内で順番に司会をすることを伝え, 司会者の言葉を掲示する 話し方 聞き方について意識し, よりよい発表会にしようとしている 12 13 14 発表会をする 1 2 組合同で 10 人程度のグループを作り, グループごとに発表会を開く 順番に話し手となり, 発表する 聞き手は,1 人発表し終わるごとに評価カードを書く 発表者の次の人が司会をする 感想カードを交換し合い, 発表会の感想をまとめる ( 前時の評価カードを基に感想カードを書く ) * 発表のよいところを見つけて, 感想カードを交換し合うことを伝え, 聞く構えを作らせる * 話し方 聞き方の確認をして, ポイントを復習する *1-1,1-2,2-1の教室を使い, 他のグループの発表と声が混ざらないようにする (1 教室に2グループ ) 聞き手に分かるように, まとまりごとに順序よく話している 丁寧な言葉遣いで話している 姿勢や口形に気をつけて, はっきりした発音で話している 発表を興味深く聞き, 評価カードを書くことができる * 友だちの発表の良いところを見つけて感想カードを書いたり, 交換したりする * 学習全体についての自己評価カードを用意し, 発表するまでの友だちとの話し合いや練習など, 今まで書いたワークシートを使って振り返らせる 友だちのよいところを見つけて, 感想カードに書くことができる 自分の学習を振り返ってまとめることができる
8. 本時の学習 (10/14 時間 ) (1) 本時の目標 聞き手に分かるように発表する 友だちの発表を聞き, よいところやわからないところをみつけて, カードに書いたり, 伝えたりすることができる (2) 展開時間学習活動 * 教師の指導 支援 評価の観点 1. 本時の学習のめあてを知る * 前時までの学習を振り返り, 本時の活動内容を確認する 3 分あったらいいなと思うものを発表しよう 5 分 32 分 5 分 2. 発表の仕方, 聞き方のポイントを確認する 3. グループごとに発表会をする (4 人 8 グループ ) グループ内で話し手と聞き手に分かれて順番に発表する 発表 聞き手からの感想やアドバイス 発表者 聞き手 教室内 1 グループ 4. 本時の学習を振り返り, 次時の学習について知る 聞き方上手の振り返りをする * 話し上手 聞き上手 のポイントを提示し, 意識付ける 話し方のポイント ちょうどよい声の大きさ 速さで話す はっきり話す 聞き手の方を見て話す 順序よく話す よい姿勢で話す聞き方のポイント 声の大きさ 速さ 話している人の顔や目を見て聞く 最後までしゃべらずに聞く よいところやもっと知りたいことを見つけながら聞く * 評価カードの書き方の説明をする * 話しやすく, 聞きやすい場所で活動させる 1-1,1-2,2-1の各教室に3グループずつ * 活動内容を提示しておき, 活動の流れがいつでも確認できるようにしておく < 活動の流れ > 1 発表者の話 2 質問したりよかったところを伝えたりする 3 評価カードを書く ( 発表者は自己評価カードの記入 ) * 発表の途中で評価カードを渡してしまうと, 意識がカードに向いてしまって聞くことに集中できなくなるので, 評価カードはグループの全員が終わってから交換する * 時間が残ったら, 評価カードを交換する時間とする 丁寧な言葉遣いで話している 姿勢や口形に気をつけて, はっきりした発音で話している 発表を聞いて, 評価カードを書くことができる 分からないことを質問している * 次時は, 初めて発表を聞く 1 組の子が分かるように発表内容を直したり, 練習したりすることを伝える 発表の内容を分かりやすく書き直す ( 内容 ) 相手に伝わるように, 発表の仕方を練習する ( 言語事項 ) (3) 評価 発表の際, 聞き手に分かるように, まとまりごとに順序よく話すことができたか 友だちの発表を聞き, よいところや分からないところをみつけて, 評価カードに書いたり, 伝えたりすることができたか