知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

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7 3. 単元の指導計画 (7 時間扱い ) 時 学習内容 授業のねらい 物質の溶解と水溶液の均一性 コーヒーシュガーが水に溶ける様子を観察し, 色の様子からコーヒーシュガーの拡散と水溶液の均一性を理解する ( 観 実 ) コーヒーシュガーと食塩の溶解 物質の溶解と水溶液の均一性 2 物質が目に見え

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理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭石川幸宏 1 日時平成 30 年 2 月 21 日 ( 水 ) 第 4 校時 2 学年第 1 学年 2 組 ( 男子 19 名女子 18 名 37 名 ) 3 場所海田西中学校第 2 理科室 4 単元名身のまわりの現象 ~ 力の世界 ~ 5 単元について

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

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1. 単元名 運動とエネルギー 3 章エネルギーと仕事 南中学校第 3 学年理科学習指導案 平成 26 年 10 月 16 日 ( 木 ) 第 5 校時 3 年生徒数 3 名場所理科室授業者 2. 単元について (1) 単元観本単元は 運動の規則性やエネルギーの基礎を 身のまわりの物体の運動などの観

2年D組 理科学習指導案

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第 2 学年 5 組理科学習指導案 日時平成 26 年 12 月 12 日 ( 金 ) 場所城北中学校授業者酒井佑太 1 単元名電気の世界 2 単元について (1) 教材観今日の私たちの日常生活において 電気製品はなくてはならないものであり 電気についての基礎的な知識は必要不可欠である しかし 実際

事例 2-2

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見いださせる 3 章 化学変化と電池 本章では電解質水溶液と2 種類の金属を用いて電池をつくる実験を行い 電流が取り出せることを見いださせる このとき化学エネルギーが電気エネルギーに変換されていることを理解させる また 電極での電子の授受をイオンのモデルで表し 電池のしくみを微視的視点でとらえさせる

授業では, 課題を解決するための情報を集める前に, どのような方法だと必要な情報を集めることができるのかを考えています 58.8% 41.2% 授業では, 調べたことなどを, 図, グラフ, 表などにまとめています 73.5% 26.5% 授業では, 情報を比べたり ( 比較 ), 仲間分けしたり

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

国語科学習指導案様式(案)

小学校理科の観察,実験の手引き 第3学年A(1) 物と重さ

能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

6年 ゆで卵を取り出そう

3 単元の目標 (1) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象に進んでかかわり それらを科学的に探究するとともに 事象を日常生活とのかかわりでみようとする 自然事象への関心 意欲 態度 (2) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象の中に問題を見いだし 目的意識をもって観察

単元の系統 粒子 学年 粒子の存在 粒子の結合 粒子の保存性 粒子のもつエネルギー 小学校ものの重さ 年 形と重さ 体積と重さ 4 年 空気と水の性質 空気の圧縮 水の圧縮 金属 水 空気と温度 温度と体積の変化 温まり方の違い 水の三態変化 5 年 ものの溶け方 物が水に溶ける量の限度 物が水に溶

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

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(2) 本単元に関わる生徒の実態及び指導方針 1 既習の学習内容 水溶液には酸性 中性 アルカリ性のものがあること 金属を変化させる水溶液があること( 小 6) 気体の発生と性質 物質への水への溶解について( 第 1 学年 ) 物質が原子や分子でできていること( 第 2 学年 ) 電流が電子の流れで

2 単元の評価規準関心 意欲 態度 科学的な思考 表現 観察 実験の技能 知識 理解 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事物 現象に興味 関心を持ち, それを科学的に探究しようとするとともに, 事象を日常生活との関わりで捉えようとする 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事象 現象の中に問題を見いだし,

理科学習指導案

理科科学習指導案

第 6 学年 1 組理科学習指導案単元名 : 瀬野川の生き物のつながり 生き物のくらしと環境 男子 18 名女子 21 名計 39 名 単元について 指導者澄川和生 単元観本単元は, 小学校学習指導要領解説理科編第 6 学年 内容 B(3) の 動物や植物の生活を観察したり, 資料を活用したりして調

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数学科学習指導案 指導者ステップコース隠地純子 平野未紗 ジャンプコース中村徳寿 1 日時平成 27 年 1 月 20 日 ( 火 )5 校時 2 学年第 1 学年ステップコース 12 人 ジャンプコース 19 人 3 単元名空間図形 立体の表面積と体積 4 単元について (1) 単元観中学校学習指

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第 4 学年算数科指導案 平成 28 年 11 月 2 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 4 年 2 組男子 22 名女子 10 名指導者垣見遥 ともなって変わる量 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 児童の考えを引きだす算数的活動の工夫 ~ 1 単元名 ともなって変わる量 2 単元の目標 ともなって

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とである そこで, 紫キャベツを使った料理にレモンをかけると色が変わることを取り上げたり, 湖沼の水質の中和やあくとりなどの例を用いたりして, 興味 関心を高めるようにしたい なお,1 学年の いろいろな気体の性質,2 学年の 化学変化と原子 分子 ( 化学式と化学反応式 ),3 学年の 酸 アルカ

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H30全国HP

(2) 単元構想図 学習の手立て 数は時数軸 授業の目標 視点 1 果物で電池を作り 電流を取り出す 果物電池から電流を取り出す実験を通して 電池の仕組みについて 疑問や関心を抱くことができる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) 小集団の中で果物電池を作り 疑問を出し合ったり 共有したりする姿 自

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Taro-H29結果概要(5月25日最終)

第 6 学年理科学習指導案指導者千葉市立小中台小学校本間希世 1 研究主題 (1) 市教研統一テーマ 自ら学び 心豊かに生きる力を身につけた児童生徒の育成 (2) 部会テーマ 個を生かした学習指導の進め方 小中合同主題 教材の本質にもとづき 児童の力で自然を調べる楽しさが体得される場の工夫と指導方法

英語科学習指導案

学年第 3 学年 2 単元名 ( 科目 ) いろいろな関数の導関数 ( 数学 Ⅲ) 3 単元の目標 三角関数 対数関数 指数関数の導関数を求めることができる 第 次導関数の意味を理解し 求めることができる 放物線 楕円 双曲線などの曲線の方程式を微分することができる 4 単元の学習計画 三角関数 対

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第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

平成 26 年度 高知県学力定着状況調査結果の概要 速報版 平成 27 年 2 月 高知県教育委員会

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

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ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

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平成 30 年度 品川区学力定着度調査 の結果から明らかになった課題と学力向上に向けた取組 ( 国語 ) 1. 国語の定着状況についての概要 どの学年もほとんどすべての項目において 目標値を上回った 昨年度から取り組んできた 文章を書き表す際の 言葉の正しい使い方の指導 が 言葉についての知識 理解

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平成 28 年度埼玉県学力 学習状況調査各学年の結果概要について 1 小学校 4 年生の結果概要 ( 平均正答率 ) 1 教科区分による結果 (%) 調査科目 羽生市 埼玉県 国語 算数 分類 区分別による結果 < 国語 > (%) 分類 区分 羽生市 埼

いきたいと考えるはずである 水溶液を区別する ためには, 水溶液のどんな性質やはたらきに着目していったらよいか, 子どもたちの考えを大切にしながら学習を進めていきたい 本単元の問題を解決するためには, いくつかの実験結果から, 総合的に判断することが必要である そこで,5つの水溶液を区別するという意

がお互いの性質を打ち消しあう また, その際, その他のイオンから塩が生じる パフォーマンス課題 硫酸に電極をさし, 電源装置で電圧を加えると電流が流れ, 電球が点灯する これに水酸化バリウム水溶液を少しずつ加えていくと水溶液は白く濁り, 電球は次第に暗くなり, やがて消える しかし, さらに加え続

(2) -2,4,1 3 y=-x-2 をかいた ( 人 ) 4 (1) y=2x-9,y=2x,y=3x+3 (2) y=x+11 (3) 指導観校内の研究テーマが 考える力を引き出す授業のあり方 ということで, 数学科では考える力とは何かを分析し,11 項目に整理した 1 帰納的に考える力 2

他の単元との連関 子どもが獲得する見方や考え方 教師の持つ指導ポイント 評価規準 小学 4 年生 もののあたたまり方 小学 6 年生 電気の利用 ~ エネルギーの工場と変身と銀行 ~ 中学 1 年生 光と音 ( 光のエネルギーを利用しよう ) 中学 2 年生 電流 ( 電気とそのエネルギー ) 電流

指導方法等の改善計画について

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平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料


エコポリスセンターとの打合せ内容 2007

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

調査研究「教科等で考える異校種間の連携の工夫」〔理科〕

し, 定期的に評価することで 自己の考え を自覚する場面を意図的に設定している 本教材の学習においては, 様々な情報の中から必要な情報を取り出し, 整理 分析し, それに基づいた自分の考えを表現する活動を通して, 自己の考えの深まりや広がり を実感させることによって, 課題改善につなげたいと考えてい

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けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

小学校理科の観察,実験の手引き 第5学年A(1) 物の溶け方

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

理科第 5 学年北広島町立八重小学校指導者岡部良 単元名 もののとけ方 本単元で育成する資質 能力 根拠をもとにした思考 判断 表現力 1 単元について 単元観 本単元は, 小学校理科学習指導要領のA 物質 エネルギー (1) 物の溶け方 物を水に溶かし, 水の温度や量による溶け方の違いを調べ, 物

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

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Xamテスト作成用テンプレート

HP用【通常版:しばりなし】H27調査結果概要

○数学科 2年 連立方程式

第4学年算数科学習指導案

2、協同的探究学習について

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

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指導案

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる さらに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイ

留意点 指導面 物質量について物質を扱うとき, 体積や質量で表すことが多い しかし, 化学変化は, 物質の構成粒子が切り離されたり, 結合したりすることによっておこるため, 粒子の個数で表した方が都合がよい 一方, 物質の構成粒子は非常に小さく,1 個ずつ数えることはできない また, 私たちが日常取

問題解決的な学習スタイルを充実させるために 3 つのステップを積み上げましょう 課 題 板書を充実させる道具を用意している ( マグ ネット名札 学習の流れカード ) 黒板に日付を書き 単元の流れ 本時の流れを 掲示している ノートに日付 単元の流れ 本時の流れを書かせている 前時の振り返りをノート

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子葉と本葉に注目すると植物の成長の変化を見ることができるという見方や, 植物は 葉 茎 根 からできていて, それらからできているものが植物であるという見方ができるようにしていく また, 学んだことを生かして科学的なものの見方を育てるために, 生活の中で口にしている野菜も取り上げて観察する活動を取り

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第 2 章 知 徳 体 のバランスのとれた基礎 基本の徹底 基礎 基本 の定着 教育基本法 学校教育法の改正により, 教育の目標 義務教育の目標が定められるとともに, 学力の重要な三つの要素が規定された 本県では, 基礎 基本 定着状況調査や高等学校学力調査を実施することにより, 児童生徒の学力や学

群教セ G04-03 平 集 理科 - 中 生徒が解決の見通しを持って実験方法を立案する理科授業 モデル図やグラフを使った予想の共有と タブレット端末の活用を通して 特別研修員奈良達也 Ⅰ 研究テーマ設定の理由 平成 29 年 3 月公示の新学習指導要領では 内容のイとして思考 判断

第4学年理科学習指導案

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1 単元構想図 第 1 学年 理科学習指導案 平成 28 年 10 月 24 日 月 第 5 校時高知市立愛宕中学校 1 年 2 組生徒数 35 名指導者吉岡由美 単元名 物質のすがた 全 25 大日本図書 新版理科の世界 1 年 単元でつけたい力 物質のすがた, 水溶液, 状態変化に関する事物 現象に進んで関わり, 科学的に探求するとともに, 事象を日常生活との関わりでみようとする 問題を見いだし, 目的意識をもって実験を行い, 結果を分析して解釈し, 自らの考えを表現できる 基本操作を習得するとともに, 計画的な実験を行い, 結果の記録や整理など, 事象を科学的に探求する技能の基礎を身につけている 基本的な概念や原理 法則を理解し, 知識を身につける 学習の流れ第 1 次 1~7 時 1 身のまわりの物質 2 A 物質とは何か B 似ている物質を区別する方法 2 有機物と無機物 2 A 有機物と無機物の区別 Bプラスチック 3 金属の性質 1 4 密度 2 第 2 次 1~4 時 1 身のまわりの気体 2 A 気体の性質の調べ方, 集め方 B 酸素と二酸化炭素の性質 2 いろいろな気体 2 第 3 次 1~7 時 1 状態変化と質量 2 A 液体 固体の変化 B 液体 気体の変化 2 状態変化と粒子の運動 1 3 状態変化と温度 2 A 沸点 B 融点の測定 4 蒸溜 2 第 4 次 1~5 時 1 物質の溶解 1 2 溶解と物質の粒子 1 3 溶解度と再結晶 2 4 水溶液の濃度 1 第 5 次 1 時 本時 2 時 3 層の色水の層をつくるには, どうしたらいいか?2 意識の流れ 生徒の実態 目に見えない物質に対して苦手意識が強く, 計算問題で躓きやすい 薬品や火器を使うことに強い興味をもっているが, 科学的に探求する力が乏しい 物質という言葉で分類できるんだ ガスバーナーの使い方が分かった 実験の書き方が分かった 謎の物質を判明させるのが楽しい 身近なプラスチックに種類があるんだ 金属に共通な性質があるんだ 同じ体積で質量の比較することで, 傷つけず物質が判別できるって凄い 目に見えないけれど, 日常生活に使われている気体があるなんて知らなかった 気体をつくったり, 調べたりする方法が分かったぞ 温度によって形 状態 が変わることが分かった 体積が変わっているなんて 粒子 で説明できるなんて便利だな 液体同士を分ける方法が分かったぞ 溶けるける現象も粒子で説明できるなんてすごい 混ぜなければすぐには溶けないのか 物質によって溶けやすさが決まっていて, 食塩は温度に左右されないのか 粒子の割合を 濃度 で考えるのか 知識をつかってつくり出すのは楽しいな

2 単元について 1 単元観 小学校では, 物質の性質や変化に関する内容として, 第 3 学年で 物と重さ, 磁石の性質 及び 電 気の通り道, 第 4 学年で 金属, 水, 空気と温度, 第 5 学年で 物の溶け方, 第 6 学年で 燃焼の 仕組み について学習している ここでは, 物質の性質及び物質の状態変化の様子についての観察, 実 験を行い, 結果を分析して解釈し, 物質の性質や溶解, 状態変化について理解させるとともに, 物質を 調べるための実験器具の操作や, 実験結果の記録の仕方やの書き方などの技能を習得させるこ と及び物質をその性質に基づいて分類したり分離したりする能力を育てることが主なねらいである 理科を苦手とする生徒は中学校の第 1 分野の学習から増えてくる 科学用語が多くなり, 計算も必要 なため, 難しく感じることが原因と考えられる 日常生活に結びつけて学習を進めていくとともに, 小 学校の既習事項とも結びつけ, 振り返りのをとることで科学への理解を深め, 親しみやすいものと する必要がある さらに, 物質の水への溶解や状態変化では, 粒子のモデルを用いた微視的な見方や考 え方への導入を図ることが大切である 2 生徒観 学年全体として, 言語力よりも計算力が高い傾向があると考えられる 平成 27 年度の全国学力 学 習状況調査において, 小学校 6 年生の段階で算数が高い数値を表しており, 平成 28 年度高知県学力定 着状況調査において自校採点でも数学が高い結果を示している 一方, 国語においては課題が残ってお り, 理科でも記述問題を苦手としている傾向がある 定期テストで記述問題の無回答率が 10% 近くに なっている 中学校生活が始まり, 家庭学習や提出物が不十分であり, 今後の課題となっている その 一方で, 努力を惜しまない生徒も多くおり, 二極化が懸念される 本学級の生徒は積極的に授業に参加するが, 課題を解決し, 自ら意見を発表できる生徒は一部に限ら れている グループ活動には積極的に参加する傾向がみられるものの, 批判的に分析することは苦手と している まだ班活動に活発な様子が見られず, 一部の生徒が牽引するだけで, 教えてほしい意思表示 や, わからないところだけ教えるといった高いレベルでの教え合いについて今後指導し発展的に扱って いきたいところである 3 指導観 この単元では, 身の回りの物質についての観察, 実験を通して, 固体や液体, 気体の性質, 物質の状 態変化について理解させるとともに, 物質の性質や変化の調べ方の基礎を身に付けさせる 目的に沿っ た実験を計画し, 結果から根拠を示して考察し結論を導くよう指導する 生徒が目的意識をもって観察, 実験に取り組み, 探求的な活動を通して科学の本質的な面白さを実感できるよう配慮して学習を進めて いきたい また, 実験技能の基礎を養う時期でもあることから, 小学校との違いを比較しつつ, 専門用 語を利用して考えを深めるよう工夫していく 実験器具をたくさん用意し, ペア学習の機会を増やし, グループでの教え合い活動では, ホワイトボードやワークシートを用意して, 活動が深まる手立てをし ていく また, 記述が苦手なことから, 思考ツールを取り入れて, 視覚的に理解を促し, 文章構成の指導を重 ねたい そして, 実験に於いて実験で理想値ではなかったときの考察を促し 分析や批判する 力をつけるよう指導していく また,ICT を利用し, 視覚的に補助しながら, 粒子 という新たな視点で説明すると理解しやすく, 中学校では粒子の概念を三年間扱っていくことを示していく 3 単元の目標 身の回りの物質の性質を様々な方法で調べ, 物質には密度や加熱したときの変化など固有の性質と共通の性質があることを見いだすとともに, 実験器具の操作, 記録の仕方などの技能を身に付ける 気体を発生させてその性質を調べる実験を行い, 気体の種類による特性を見いだすとともに, 気体を発生させる方法や捕集法などの技能を身に付ける 物質が水に溶ける様子の観察を行い, 水溶液の中では溶質が均一に分散していることを見いだす 水溶液から溶質を取り出す実験を行い, その結果を溶解度と関連付けて捉える 物質の状態変化についての観察, 実験を行い, 状態変化によって物質の体積は変化するが質量は変化しないことを見いだす 物質の状態が変化するときの温度の測定を行い, 物質は融点や沸点を境に状態が変化することや沸点の違いによって物質の分離ができることを見いだす

4 単元の評価規準 自然事象への関心 意欲 態度物質のすがた, 水溶液, 状態変化に関する事物 現象に進んで関わり, それらを科学的に探究するとともに, 事象を日常生活との関わりでみようとする 科学的な思考 表現 物質のすがた, 水溶液, 状態変化に関する事物 現象の中に問題を見いだし, 目的意識をもって観察, 実験などを行い, 事象や結果を分析して解釈し, 自らの考えを表現している 観察 実験の技能 物質のすがた, 水溶液, 状態変化に関する事物 現象についての観察, 実験の基本操作を習得するとともに, 観察, 実験の計画的な実施, 結果の記録や整理など, 事象を科学的に探究する技能の基礎を身に付けている 自然事象についての知識 理解観察や実験などを通して, 物質のすがた, 水溶液, 状態変化に関する事物 現象についての基本的な概念や原理 法則を理解し, 知識を身に付けている 5 指導と評価の計画 全 7 次学習内容 時数 1 7 2 4 身のまわりの物質 2 A 物質とは何か B にている物質を区別する方法 有機物と無機物 2 A 有機物と無機物の区別 B プラスチック 評価関思技知評価規準評価方法 身のまわりの物質に関心をもち, 観察結果から違いに気づき, 事象を日常生活とのかかわりで見ようとする ガスバーナーの仕組みを理解し, 正しく安全に操作している 白い粉末の物質を調べる方法を適切に計画し, 自らの考えを導いたりまとめたりしている 水に浮かぶかどうかの操作を通して水より軽いかどうかという密度の概念をもち, 身のまわりの物質を区別する方法について興味を示している 金属の性質 1 金属に共通する性質を調べる 実験を行い, 結果の適切な記録 や分かりやすい整理ができる 密度 2 メスシリンダーやてんびんの基本操作を身につけている 同じ体積で質量を比較したり, 同じ質量で体積の違いを考えたりし, 密度の定義と求め方について説明し, 計算で密度を求めることができる 身の回りの気体 2 A 気体の性質の調べ方 B 酸素と二酸化炭素の性質 気体を発生させ, その性質を探求する方法を身につけている 大気に含まれている身のまわ 質問紙 パフォーマンステスト テストで密度の違いで分別する問題を出題 パフォーマンステストノート 密度では粒子を扱わ ない 単位体積あたりを 扱う

3 6 4 5 りの物質からどんな気体が発生するか関心をもち, 意欲的に探求しようとするとともに, 日常生活と関連づけて考えようとする いろいろな気体 2 アンモニアの噴水実験の原理 を理解し, 結果を科学的に説明 できる 気体によってそれぞれに特有 の性質があることを理解し, 発 生方法や捕集方法と関連づけ て説明できる 状態変化と質量 2 A 液体 固体の変化 B 液体 気体の変化 物質の状態変化について考え, 状態変化にともなって体積や質量がどのように変化するか意欲的に調べようとするとともに, 現象を日常生活との関わりで見ようとする ガスバーナーや電子てんびんを正しく安全に使用し, 適切な結果を得ている 状態変化と粒子の運動 1 物質は状態変化しても, 粒子の数やサイズは変化しないことをモデルを使って図を使って合理的に記述できる 状態変化と温度 2 A 沸点 B 融点の測定 パルチミン酸を加熱したときの温度計の目盛りの読みができ, 温度変化をグラフで表せる 融点と沸点について理解しており, 物質の量ではなく物質の種類によって決まっていることを知り, 未知の物質の判別, 各温度での状態について説明できる 蒸溜 1 蒸溜に関する基本操作を習得 するとともに, 結果を適切に記 録し分かりやすく整理できる 物質の溶解 1 シュリーレン現象の資料写真を見て, 水に溶けるという現象に関心をもつことができる 溶解と物質の粒子 1 コーヒーシュガーや硫酸銅の 溶解実験を通して, 溶質の拡散 の現象を粒子のモデルで図を 使って合理的に記述できる ワークシート ワークシート 拡散にがかかる 層ができる 教 P119

5 2 溶解度と再結晶 2 小麦粉を混ぜた水をろ過すると無色透明な水を得ることができ, 溶けたといえないことを知る 蒸溜, ろ過と違い, 水に溶けた物質を取り出す場合は再結晶の実験を行い, 物質の性質によって2 つの方法が考えられることを知る 溶解度曲線から, 結晶の量を考えようとする 水溶液の濃度 1 質量パーセント濃度は, 溶解度 に関係なく, 濃さを表す方法で あることを知り, 定義と求め方 について理解している 食塩の濃度も密度と同じ粒子 の概念から成り立っており, 質 量パーセント濃度から溶質を 求めることができる 3 層の色水の層をつくるには, 3 層とも同じ体積だが どうしたらいいか?2 密度の違いに気づき, 話し合いを通じて適切な実験方法を計画できる 今まで使った実験器具を正しく使い, 工夫して操作している ノート 濃度 = 密度水 100g に対し食塩 40g 食塩 20g 食塩 0g の計算