<< 目次 >> はじめに 食中毒発生時の対応 P2 P3~P7 1 食中毒の的確な把握 2 学校内体制の確立 3 関係機関への緊急連絡体制 4 食中毒の集団発生又は疑いがある場合の調理場の措置について 5 原因を特定するための調理場の措置 6 事故の処置について 7 保護者への事情説明 ( 参考

Similar documents

衛生管理マニュアル 記載例

(Microsoft PowerPoint - \220H\222\206\223\ \214\335\212\267\203\202\201[\203h)

滋賀県のHACCP推進の取組み

HACCP-tohu

菌名原因食品及び感染したときの症状特徴 黄色ブドウ球菌 原因食品 : 弁当 おにぎりなど潜伏期間 :1~5 時間症状 : 吐き気 おう吐 下痢 腹痛などの症状が現れます ヒトや動物の化膿した傷口やおできなどに存在し 食品に付着し増殖するときに毒素を作ります 毒素は熱や乾燥に強い性質があります ウエル

2. トイレの後には必ず手洗いをしましょう! 調査から 15.4% の方がトイレの後に手を洗わないことがあるという結果が得られました ( 小便後又は大便後に手を洗うのどちらかを選択しなかった方 どちらも選択しなかった方 トイレで手を洗わないを選択した方 の合計 ) Q10 特にこれからの季節に流行す

( 別記報告様式 1 ) 記載例 2 感染症等 ( 疑 ) 発生報告票 1 報告年月日 平成 1 9 年 4 月 1 日 ( 日 ) 1 5 時 0 0 分現在 2 施設等の名称 学校法人 函館学院 函館保健所幼稚園 ( 種 別 ) ( 私立幼稚園 ) 4 報 告 者 職 氏 名 園 長 名 函 館

平成 30 年東京都食中毒発生状況 ( 速報値 ) 平成 30 年 8 月 31 日現在 8 月末までの都内の食中毒の発生状況が 東京都から公表されました 昨年と比較すると 件数では 30% 増 患者数では 46% 減となっています 最近 10 年間の平均と比較すると 患者数はほぼ同じですが発生件数

生活衛生営業 HACCP ガイダンス ( 旅館業用 ) 導入手引書 旅館業用衛生管理点検表 1 個人衛生管理点検記録個人衛生管理は 従事者の感染症対策を中心に基準条例 8 の従事者に係る衛生管理の項目を始業時点検として次の項目を確認する (1) 従事者は 下痢 嘔吐等の体調不良がないことを確認し 症

<4D F736F F F696E74202D E392E33308D758F4B89EF288AB490F590AB88DD92B0898A29205B8CDD8AB B83685D>

Microsoft PowerPoint - 資料3【厚労省】【1102差し替え】151117ノロウイルス【リスコミ名古屋,横浜】.pptx

1 施設設備の衛生管理 1-1 食品取扱室の清掃及び保守点検 < 認証基準 > 床 内壁 天井 窓 照明器具 換気扇 手洗い設備及び排水溝の清掃手順 保守点検方法が定められていること 床及び排水溝の清掃は1 日に1 回以上 その他の清掃はそれぞれ清掃の頻度の記載があること 保守点検頻度の記載があるこ

小金井市第三次基本構想後期基本計画策定委託プロポーザル実施要領

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft PowerPoint - 食中毒って何?

生活衛生営業 HACCP ガイダンス ( 食肉販売業用 ) 導入手引書 本ガイダンスでは まず メニュー調査表 と 調理工程表 によりそれぞれの施設の 危害要因分析 を行い 次にこの手引書の 衛生管理点検表 を HACCP の考え方を取り入れた 衛生管理計画 とし それを用いて モニタリング 記録の

<8AC7979D895E CC81698DC A2E786477>

手洗いについて できてる? 手を洗う機会 ( 利用者 入所者 ) 来所時 食事前後 トイレ後 外出後 粘土など共有のリハビリ用品等を触った後 動物を触った後 手が汚れてしまった後 手を洗う機会 ( 看護 介護職員 ) 来所時 ( 通勤後 ) 調理時 配膳時 食事介助時 薬を扱う時 トイレの手伝い後

Taro-入所マニュアル.jtd

pdf0_1ページ目

Taro-07_学校体育・健康教育(学

pdf0_1ページ目

第3章 学校給食での対応

年次別 主な病原体別の食中毒事件数の推移 * 腸管出血性大腸菌を含む

緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa グラム陰性桿菌 ブドウ糖非発酵 緑色色素産生 水まわりなど生活環境中に広く常在 腸内に常在する人も30%くらい ペニシリンやセファゾリンなどの第一世代セフェム 薬に自然耐性 テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質など の抗菌薬にも耐性を示す傾

pdf0_1ページ目

Microsoft Word - 届出基準

症候性サーベイランス実施 手順書 インフルエンザ様症候性サーベイランス 編 平成 28 年 5 月 26 日 群馬県感染症対策連絡協議会 ICN 分科会サーベイランスチーム作成

10/3~10/9 今週前週今週前週 インフルエンザ 7 1 百日咳 1 0 RS ウイルス感染症 ヘルパンギーナ 咽頭結膜熱 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 感染性胃腸炎 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 急性出

pdf0_1ページ目

教職員の事故 1 負傷事故 前の対策 安全点検日 1 日常的に器具 器材の安全点検をする 毎月 1 0 日 事故発生 2 危険を予測して授業の安全面に配慮する 1 負傷者の応急処置をする 養護教諭等 状況把握 1 応急処置をする 命にかかわる 2 場合によっては救急車 番手配を 物は躊躇

Microsoft PowerPoint - ™mfiIfl�™B‘á−QŁfl›ï.ppt

食品衛生の窓

<4D F736F F D208FAC B8CEC8A778D5A8B8B904892B2979D93998BC696B188CF91F58E64976C8F912E646F63>

Microsoft Word - トピックス.doc

スライド タイトルなし

<4D F736F F D C58A C18F A C A>

東京都内の保健所 ( 都内自治体数 :23 区 26 市 5 町 8 村 ) 西多摩保健所 秋川地域センター 多摩立川保健所 多摩小平保健所 特別区 (23 区 ) 八王子市保健所 町田市保健所 保健所数 :23 区 2 市 6 都 (2 地区センター ) 南多摩保健所 武蔵野三鷹地域センター 多摩

FAX送付状

Microsoft Word - (反映)180531ノロウイルスに関するQA

⑥愛顔(えがお)つなぐえひめ国体・えひめ大会 食品衛生対策実施要領(案)【別紙2】.doc

Microsoft Word _ソリリス点滴静注300mg 同意説明文書 aHUS-ICF-1712.docx

スライド 1

事例を通して考える 感染拡大防止対策

PowerPoint プレゼンテーション

はじめに 高齢者施設等で抵抗力が低い利用者をケアするには 介護スタッフの感染予防が必要です 施設は重度の利用者が中心になり さまざまな基礎疾患を抱えているため 感染しやすい状態の方が急増しています 介護スタッフが感染源にならないための予防策と 介護スタッフ自身の安全なケアの方法が重要となってきます

さらに 職場における感染防止対策の検討を行うに当たっては 産業医等の助 言を受けることや 衛生委員会において対策を審議するなど 労働安全衛生法上 の安全衛生管理体制を活用し 実施していくことが望まれます Q2 発熱や呼吸器症状等のインフルエンザ様症状を呈した労働者にはどのような注意をすればよいですか

<95CA955C E94AD90B68FF38BB5816A2E786C7378>

(病院・有床診療所用) 院内感染対策指針(案)

第 1 票 学校給食施設等定期検査表 検査年月日年月日 ( ) 学校 ( 調理場 ) 名 給食従事者 : 栄養教諭等名 調理員名 定期点検票作成者 ( 職 氏名 ) 給食対象人員 給食調理室面積m2 建物の位置 使用区分 人 校長印 1 位置ア便所 ごみ集積場等からの位置は適切であるか A B C

食品衛生法施行条例等の一部を改正する条例

特別養護老人ホーム愛敬苑 感染症及び食中毒防止のための指針 1. 総則特別養護老人ホーム愛敬苑 ( 以下 施設 という ) は 生活者及び利用者 ( 以下 生活者 という ) の使用する食器及びその他の設備について 衛生管理に努め 衛生上必要な措置を講ずるとともに 医薬品及び医療用具の管理を適正に行

)各 職場復帰前 受入方針の検討 () 主治医等による 職場復帰可能 との判断 主治医又はにより 職員の職場復帰が可能となる時期が近いとの判断がなされる ( 職員本人に職場復帰医師があることが前提 ) 職員は健康管理に対して 主治医からの診断書を提出する 健康管理は 職員の職場復帰の時期 勤務内容

胃腸炎による入院患者の管理胃腸炎患者の症状が重くて 入院することがあります 入院患者の管理をしなければいけないことが 病院小児科の特異的なところだと思いますので その点に重点を置いてこれからお話しします 胃腸炎の患者が入院しなければいけない時には多くの患者が脱水になっているため 適切な補液が最も重要

!YAK Sample 教材! 問題 2 セレウス菌 27 セレウス菌は 短い潜伏期間で嘔吐を主徴とするタイプと より長い潜伏期間で下痢を主徴とするタイプの2 つの型があり それらの発症にはいずれも毒素が関与している (94 70) 黄色ブドウ球菌 28 Staphylococcus aureus

後などに慢性の下痢をおこしているケースでは ランブル鞭毛虫や赤痢アメーバなどの原虫が原因になっていることが多いようです 二番目に海外渡航者にリスクのある感染症は 蚊が媒介するデング熱やマラリアなどの疾患で この種の感染症は滞在する地域によりリスクが異なります たとえば デング熱は東南アジアや中南米で

Microsoft Word - 作成手引き(回収、報告)

Ver.05 評価チェック表 (Ⅰ 製造環境の管理 ) 点 点 0 点 評価点数 A 施設設備機械器具の衛生管理 作業場内は 必要に応じて空調設備により温度管理を行っていますか温度管理している一部で温度管理されていない 温度管理していない ノロウイルス等の感染の原因とならないように トイレについて適

インフルエンザ等感染症に対する健康危機管理について 呉特別支援学校には, 慢性心疾患や慢性呼吸器疾患等, 感染症に罹患すると重症化するリスクのある児童生徒 が在籍しています また, 体調不良を自分で訴える事や, 咳エチケット等の衛生管理をする事が難しい児童生徒 も多数おり, 感染が拡大しやすい状況と

特別支援学校における介護職員等によるたんの吸引等(特定の者対象)研修テキスト

1.9.1 管理基準の遵守状況を連続的又は相当の頻度で確認をするためのモニタリングの方法を設定し その文書を作成すること 十分なモニタリング頻度を設定することまた 設定した理由を整理しておくこと モニタリングに関する全ての文書と記録は モニタリングを行う担当者及び責任者による

6/10~6/16 今週前週今週前週 インフルエンザ 2 10 ヘルパンギーナ RS ウイルス感染症 1 0 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 8 10 咽頭結膜熱 急性出血性結膜炎 0 0 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性角結膜炎 ( はやり目 )

家族の健康を脅かす 食中毒予防ガイド 一般

児童発達支援又は放課後等デイサービス事業に係る自己評価結果公表用(あかしゆらんこクラブ)

医療事故防止対策に関するワーキング・グループにおいて、下記の点につき協議検討する

「葛根湯医者」はヤブ医者?

ハノイで気をつけたい 経口感染症

豊前市立学校給食調理業務委託仕様書 1. 事業名 豊前市立学校給食調理業務委託 2. 委託する学校 食数等 1 委託学校 大村小学校 所在地 豊前市大字大村 1524 番地 食数 37 食 / 日 ( 予定 ) 基準給食日数 年間 195 日 給食概要 米飯 4 回 / 週 2 委託学校 横武小学校

従事者等の衛生管理点検表 氏名 下痢 嘔吐 発熱等 化膿創 服装 帽子 毛髪 履物 爪 指輪等 手洗い 点検項目 1 健康診断 検便検査の結果に異常はありませんか 2 下痢 嘔吐 発熱などの症状はありませんか 3 手指や顔面に化膿創がありませんか 4 着用する外衣 帽子は毎日専用で清潔のものに交換さ

鎌倉市関谷小学校いじめ防止基本方針 平成 26 年 4 月 鎌倉市立関谷小学校

性食中毒である きのこ類による食中毒や貝毒による食虫毒は 毒素型の自然毒食中毒である ウエルシュ菌や ベロ毒素陽性の大腸菌が原因の場合には 感染毒素中間型細菌性食中毒に分類 されるべきものである 学校医が知っておくべき食中毒に関連する法律は 主に食品衛生法と感染症法 それに学校保健安全法である 食品

様式 1 食物アレルギーを持つ児童の保護者との面談調査票 ( 保護者 保育園記入用 ) 面談実施日 : 平成年月日 面談出席者 : 保護者側 保育園側 児童の情報 ( 保護者記入欄 ) クラス : 組 児童氏名 : 性別 : 男子 女子 生年月日 : 平成 年 月 日 年齢 : 歳 住 所 : 保護

ÿþ

感染症の基礎知識

④愛顔(えがお)つなぐえひめ国体・えひめ大会 食品衛生対策実施要領(案)【別紙1】.doc

様式集・リンク集

pdf0_1ページ目

平成19年度 病院立入検査結果について

pdf0_1ページ目

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

 

平成29年度感染症対策研修会(基礎編)

熊本県感染症情報 ( 第 14 週 ) 県内 165 観測医の患者数 (4 月 4 日 ~4 月 10 日 ) 今週前週今週前週 インフルエンザ 百日咳 0 0 RS ウイルス感染症 10 8 ヘルパンギーナ 6 5 咽頭結膜熱 A 群溶血性連鎖球菌咽頭炎 感染性胃腸炎

肝臓の細胞が壊れるる感染があります 肝B 型慢性肝疾患とは? B 型慢性肝疾患は B 型肝炎ウイルスの感染が原因で起こる肝臓の病気です B 型肝炎ウイルスに感染すると ウイルスは肝臓の細胞で増殖します 増殖したウイルスを排除しようと体の免疫機能が働きますが ウイルスだけを狙うことができず 感染した肝

障害者支援施設福寿荘給食業務委託仕様書 社会福祉法人平針福祉会 ( 以下 甲 いう ) が受託業者 ( 以下 乙 いう ) に委託する業務は 以下のとおりとする 1 委託業務実施場所 (1) 名称障害者支援施設福寿荘 (2) 所在地名古屋市天白区天白町大字平針字黒石 2878 番地 施設

最近の食中毒の話題


<4D F736F F D208DBB939C97DE8FEE95F18CB48D EA98EE58D7393AE8C7689E6816A2E646F63>

第3章 調査のまとめ

事務連絡 令和元年 6 月 21 日 ( 公社 ) 岡山県医師会 ( 一社 ) 岡山県病院協会 御中 岡山県保健福祉部健康推進課 手足口病に関する注意喚起について このことについて 厚生労働省健康局結核感染症課から別添のとおり事務連絡が ありましたので 御了知いただくとともに 貴会員への周知をお願い

< C815B984196BF8E968BC68E9E8DD08A AD90B691CE8DF4837D836A B88C42E786C73>

インフルエンザ(成人)

Microsoft PowerPoint - 感染対策予防リーダー養成研修NO4 インフルエンザ++通所

はじめに 食中毒とは 食中毒を起こす微生物が付着して増殖した飲食物や 有毒又は有毒な化学物質 ( 自然毒 ) が含まれている飲食物を摂取することによって起こる健康障害です 東京都では 毎年 100 件程度発生する食中毒ですが 食中毒の大部分を占めるのは微生物による食中毒です このたび 食品衛生に関わ

給食施設等における


~ 目次 ~ 1. 手洗いマニュアル 2. 原材料の保管管理マニュアル 3. 加熱調理食品の中心温度及び加熱時間の記録マニュアル 4. 調理器具等の洗浄 殺菌マニュアル 5. 厨房設備等の衛生管理マニュアル

もあるため 調理室内へは持ち込まないようにすることを理解させることが重要である その他 調理室内の網戸の破れによる不適が 26.8% の施設で見られた これは前年度とほぼ同値であり 改善が進んでいない 網戸の破れはハエなどの衛生害虫等の侵入経路になる可能性があるため 早急な補修が望まれる 一方 調理

p

Transcription:

学校給食食中毒対策マニュアル 平成 29 年 6 月 桐生市教育委員会 学校給食中央共同調理場

<< 目次 >> はじめに 食中毒発生時の対応 P2 P3~P7 1 食中毒の的確な把握 2 学校内体制の確立 3 関係機関への緊急連絡体制 4 食中毒の集団発生又は疑いがある場合の調理場の措置について 5 原因を特定するための調理場の措置 6 事故の処置について 7 保護者への事情説明 ( 参考 ) 学校給食調理場職員及び調理従事者が感染性胃腸炎( ノロウイルス ) の疑いがある場合の対応 学校給食用の食器具に嘔吐物が付着した場合の対応 < 食中毒発生時連絡系統図 > 食中毒予防のための対応 P8~P10 1 学校での予防対応 2 家庭での予防対応 3 学校給食共同調理場での予防対応 ( 参考 ) ノロウイルスによる食中毒及び感染症の発生を防止するために 食中毒等発生時に準備する書類 帳簿類 P11~P15 学校 ( 共同調理場 ) における食中毒発生状況報告 ( 様式 10 号 ) 別紙 4-1 学校における感染症 食中毒等発生状況報告 別紙 4-2 欠席及び早退状況票 ( 様式 11 号 ) 発症状況調査票 ( 様式 12 号 ) 食中毒 ( 疑 ) 個人調査票 ( 様式 13 号 )

はじめに 学校給食は 児童生徒等に 栄養バランスのとれた安全で安心できる食事を提供し 心身の健康な発達に資するとともに 食に関する正しい知識を養う上で重要な役割を果たすものであるため 栄養と安全が適正に管理されなければなりません 学校給食における衛生管理の徹底については 文部科学省が定める 学校給食衛生管理基準 厚生労働省が定める 大量調理施設衛生管理マニュアル 等で規定されているところですが 食中毒対応を重点的に 徹底した安全管理を図る事を目的に 学校給食食中毒対策マニュアル を定め その対策を講じることとします 今回の対策マニュアルは 学校給食が起因とする 食中毒の対策と予防をまとめ 学校 調理場 調理委託業者が連携して児童生徒に対して安全対策を行う事を定めます この対策マニュアルは 中央共同調理場 新里共同調理場 黒保根共同調理場の3 場が学校と共通して認識すべき事項として定めます 食中毒の種類 分類病因物質原因食品主な症状 食 中 毒 細 菌 性 食 中 毒 感 染 性 毒 素 性 ウイルス性食中毒 アレルギー性食中毒 サルモネラ 腸管出血性大腸菌 (O-157 等 ) その他の病原性大腸菌 肉類 鶏卵 ネズミの媒介腹痛 ( 下腹部 ) 下痢 粘血便 発熱 (37.5~39 ) 肉類 水等激烈な腹痛 下痢 ( 水様 血便 ) 溶血性尿毒症候群を起こすことあり ヒト 肉類 サラダ類 下痢 ( 水様 粘性 粘血便 ) 腹痛 赤痢様症状 カンピロバクター肉類腹痛 下痢 ( 水様便 ) 発熱 (38 ~39 ) 吐き気 めまい 頭痛 腸炎ビブリオ ウェルシュ菌 魚介類腹痛 ( 上腹部の激痛 胃部の痙攣様 ) 吐き気 嘔吐 下痢 ( 水様便 ) 発 動物性たんぱく食品 煮込み料理 熱 (37~39 ) 腹痛 下痢 嘔吐 黄色ブドウ球菌弁当 おにぎり 化膿創腹痛 下痢 吐き気 嘔吐 悪心 セレウス菌 チャーハン スパゲティ等下痢型 : 下痢 腹痛嘔吐型 : 吐き気 嘔吐 ボツリヌス菌真空包装食品 いずし下痢 嘔吐 めまい複視 嚥下障害 呼吸困難 ノロウイルス牡蠣類 ヒト 水吐き気 嘔吐 下痢 腹痛 ( 差し込むような痛み ) ヒスタミン さば マグロ カジキ マグロ 顔面 ( 口のまわりや耳たぶ ) の紅潮 頭痛 発疹 嘔吐 発熱重症の場合 は呼吸困難や意識不明 科学物質薬剤等消毒剤等物質によって反応が違う 細菌性は食べ物の中で増殖し ウイルス性は体の中で増殖する

食中毒発生時の対応 1 食中毒の的確な把握 食中毒と思われる症状として 学校において腹痛 発熱 嘔吐 下痢などが 多数の児童 生徒に同時に発症した場合は 速やかに 学校から学校医に連絡し 医療的な指導を仰ぐこと また 二次感染の防止に努めること 次の基本的状況について把握を行う 1 発症した日時と場所 2 症状の内容 ( 腹痛 下痢 発熱 嘔吐 ) 3 病症者の特定と人数 ( 学年別 学級別 男女別 氏名 ) 4 学校 学年 学級 部活 地域等で行われた行事の有無 5 医療機関への受診の有無 ( 診察日時と病院名 所見 検便の有無 ) 6 学校給食提供献立の確認 2 学校内体制の確立 食中毒発生を把握した担任は 教頭 校長に報告し 校長は職員全体に周知するなど 校内の連絡体制による情報の共有化と学校医 桐生保健福祉事務所 共同調理場と連携しながら事故の概要に把握に努めること 1 学年 学級 児童生徒の症状 2 欠席している児童生徒の症状の把握 3 家族の健康状態についての調査 4 今後の健康診断 出席停止 消毒その他の措置について協議を行う 3 関係機関への緊急連絡体制 ( まず最初に連絡するところ ) 1 学校 ( 校長 ) 学校医及び医療機関 (119) 桐生市教育委員会 ( 学校教育課 各共同調理場 ) 2 各共同調理場 桐生保健福祉事務所 群馬県東部教育事務所 4 食中毒の集団発生又は疑いがある場合の調理場の措置について 1 共同調理場長は 校長から食中毒の集団発生又は集団発生の疑いの通報を受けたときは 教育委員会と協議し給食停止について速やかに判断する 2 共同調理場長は 使用水の点検記録 献立表 食材発注表 食材検収記録簿 配送記録簿 職員検便結果 定期点検結果 保存食 日常点検表などを準備し 保健福祉事務所等による立ち入り検査等に的確に対応すること

3 共同調理場長は 学校と連絡を密にして連絡体制を整えること 4 共同調理場長は 教育委員会 保健福祉事務所の指示のもとに 健康調査 検便などにより職員の健康状態の把握を行うこと 5 共同調理場長は 食中毒の再発防止のため 衛生管理体制を強化すること 6 共同調理場長は 場長 管理係長 事務職員 栄養教諭 調理員等の役割を明確にし 調理場内外の取組体制を整備すること < 役割分担 > 調理場長ア学校 市教育委員会等への連絡調整イ係長 事務職員へ現状及び今後の措置 業務について説明 指示ウ関係書類等の取りまとめを指示栄養教諭 調理従事者等ア調理場 配膳室 ( 学校 ) の現状を保存するイ保存食 残菜を確保し保存するウ調理員を招集し状況の説明をし 調理場保全等の指示を行う エ納入業者への対応を行うオ関係書類等の取りまとめを行う 5 原因を特定するための調理場の措置 各共同調理場は 保健福祉事務所の検査が円滑に行われるように 次のとおり協力体制を整備する また 原因が特定されるまでは各共同調理場の学校給食を中止する ( 各調理場での措置 ) 1 下処理室 調理室などの現状維持 2 調理員 配送員等関係者の検便の実施 ( 食材納入業者 米飯 パン 牛乳等納入業者も含む ) 3 保存食の提供 4 献立表 食材等一覧表 各種業務点検表など資料の提出に備え準備する 6 事故の処置について 1 学校は 食中毒発生の場合 学校医の意見 指導を仰ぐと共に保健福祉事務所の調査に対し全面的に協力しながら原因究明にあたること 2 学校は 学校医 保健福祉事務所 教育委員会と連携しながら 健康診断 出席停止 臨時休業 消毒 その他の措置について協議すること 3 事故の状況を判断し 翌日からの給食の再開や長期間に渡る場合の弁当の持参など関係部署と協議して速やかに保護者へ報告すること

7 保護者への事情説明 ( 学校給食が原因の場合 ) 1 情報提供と依頼 正確な発生状況 食中毒についての正しい知識 児童生徒及び家族の健康管理の注意事項 今後の対策について 共同調理場長は文書等で周知する その際 プライバシー等人権の侵害がないように配慮する 児童生徒の健康状態に不安がある場合は 申し出るよう保護者へ依頼する 保健福祉事務所等の指示により検便 消毒 健康調査等を実施する場合は その趣旨や実施方法を説明し 協力を依頼する 2 質問等への回答 ( マスコミ対応も含む ) 保護者からの質問等については 窓口を一本化し共同調理場長が回答する 3 発症児童生徒の保護者への対応 学校長及び調理場長が面会するなどし 登校の可否については 医師の判断をもとに相談する ( 参考 ) 1. 学校給食調理場職員及び調理従事者が感染性胃腸炎( ノロウイルス ) の疑いがある場合の対応 1 学校給食従事者の健康管理ノロウイルスによる感染性胃腸炎の予防には こまめな手洗いと生ものを食べないことに心がけることが最大の防御となる 学校給食従事者の場合 他の学校給食従事者への感染防止のために休暇取得する判断も重要になる 学校給食従事者は日頃から身体の衛生に心がけるとともに 本人及び同居の家族に関して毎日 ( 平日のみならず土日祭日含む ) の健康状態の確認を行い 健康等調査票に記録する 2 感染性胃腸炎 ( ノロウイルス ) の疑いがある場合下痢 発熱 腹痛 嘔吐などの症状がある場合 医療機関の受診をし 調理場職員は共同調理場長 調理従事者は責任者に申し出て 指示を仰ぐ 調理従事者から報告を受けた受託業者は 調理場長に連絡する 同居の家族の場合であっても同様の対応とし 感染防止のためにも できるだけ出勤せず 電話連絡などにより 報告及び指示を仰ぐ 3 ノロウイルスの高感度検便検査の実施について下痢 発熱 腹痛 嘔吐などの症状がある場合で医療機関に受診した際 ノロウイルスの簡易検査を行う場合があるが この検査ではノロウイルス保有の有無を正確に把握することができないため ノロウイルスの感染又はその疑いのある学校給食従事者に係る出勤の可否又は調理業務従事の可否を判断するた

め 学校給食衛生管理基準に基づき 高感度検便検査により ノロウイルスを保有していないことを確認する必要がある 高感度検便検査は 感染の有無を確認するための検査実施と 下痢 嘔吐などの症状が落ち着いた後にノロウイルスを保有していないことを確認するための検査実施がある ノロウイルス感染又はその疑いのある学校給食従事者は ノロウイルスを保有していないことが高感度検便検査によって確認できるまでの間 調理場への出入りを不可とする 2. 学校給食用の食器具に嘔吐物が付着した場合の学校での対応 学校で消毒し 嘔吐物で汚れたことを明記して調理場へ給食配送とは別に返却する 嘔吐物がべっとり付着している場合 1000ppm の次亜塩素酸ナトリウム溶液 その他の場合 200ppm の次亜塩素酸ナトリウム溶液 ( 具体的な対応 ) 給食中 食器上に嘔吐したら そのまま ( 嘔吐物はそのままにして )1000ppm の次亜塩素酸ナトリウム溶液をかけ 5~10 分置く 学 嘔吐物を次亜塩素酸ナトリウム溶液ごとビニール袋に密閉するなどして片付ける ( 嘔吐物は学校で処理し調理場へ戻さない ) 校 その食器を200ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液に5~10 分漬け込む その食器を洗浄し ビニール等に入れ嘔吐物で汚れたことを明記して調理場へ返す ( 注意点 ) 調理場へ嘔吐があった旨の電話連絡をする 食器コンテナや配送車で食器を返却しないこと 食器の返却については 都合の付くときに調理場へ直接返却すること 調 理 調理場では 他の食器と区別して200ppm の次亜塩素酸ナトリウム場溶液に5 分間漬け込む

< 食中毒発生時連絡系統図 > 保護者 連絡 情報提供 連絡 学 校 報告指示処置学校医学校薬剤師 通報指導報告市教育委員会学校教育課 (46-1111) 指導報告書提出指導 通報 学校給食共同調理場 中央 (45-0003) 新里 (74-8159) 黒保根 (96-2354) 通報 報告 連絡 指導 調査 報告 連絡 報告 調査依頼 保健福祉部健康づくり課 ( 腸管出血性大腸菌 感染症対策委員会 ) 納入業者 ( 原因が食材と思われる場合 ) 群馬県東部教育事務所 (0276-31-7151) 報告書提出 原因究明 桐生保健福祉事務所 衛生係 (53-4131) 連絡群馬県教育委員会保健体育課学校安全 給食係 (027-226-4709)

食中毒予防のための対応 1 学校での予防対応 1 児童生徒の健康管理朝の会などの際に 出欠状況の把握や健康観察を行い 感染症 食中毒の早期発見に努める 2 児童生徒への健康教育による指導 < 手洗いの励行 > トイレの後 給食の前 校庭で遊んだ後 清掃後などに正しい手洗いをするよう指導する < 給食時間の指導 > 担任は 給食当番の健康チェック表 を記録し 下痢 発熱 嘔吐等の症状のある児童 生徒は給食当番をさせない 給食当番の清潔な服装 手洗いを徹底し 健康状態を確認すること 配膳台 食事をする机をきれいに拭く 食べ物や食器具を衛生的に取り扱う < 学校給食に係る施設設備の衛生管理の徹底 > コンテナ室 配膳台の衛生を保つ 2 家庭での予防対応 1 家庭で実践する健康管理 家族( 子ども ) の健康には 常に気を配る 台所は清潔にする 食品の保存に気をつける ( 冷蔵を過信しない 買い置き 作り置きに注意 ) こまめに手を洗う ( 石けんを使用する ) トイレのタオルは毎日取り替える 子どもの使うハンカチ タオル等は清潔なものを持たせる 2 家庭に下痢をしている人がいる場合の注意点ア医師の診察を受け 指示に従う イ衣類は他の家族と一緒に洗濯しない ウ糞便 嘔吐物を処理するときは使い捨て手袋を着用する エ寝具は天日でよく干す

3 学校給食共同調理場での予防対応 1 調理場職員及び調理従事者の健康管理の徹底 健康観察 手洗いの励行 身支度の衛生管理 2 学校給食衛生管理基準に則った作業の実施 作業工程の検討 調理済み食品の二次汚染防止 下処理 加熱方法の確認等 3 衛生管理記録簿の保存 問題点の検討 4 保存食の採取 保管 ( 参考 ) ノロウイルスによる食中毒及び感染症の発生を防止するために Q1 ノロウイルスによる胃腸炎はどのようなものですか? ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は 一年を通して発生していますが 特に冬季に流行します (11 月くらいから発生件数は増加しはじめ 12 月 ~ 翌年 1 月が発生のピークになる傾向がある ) ノロウイルスは手指や食品などを介して 経口で感染し ヒトの腸管で増殖し おう吐 下痢 腹痛などを起こします 健康な方は軽症で回復しますが 子どもやお年寄りなどでは重症化したり 吐ぶつを誤って気道に詰まらせて死亡することがあります Q2 予防対策は (1) 食事の前やトイレの後などには 必ず手を洗う (2) 下痢やおう吐等の症状がある方は 食品を直接取り扱う作業をしない (3) 胃腸炎患者に接する方は 患者のふん便や吐ぶつを適切に処理し 感染を広げないようにする (4) 特に 子どもやお年寄りなど抵抗力の弱い方は 加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱して食べましょう また 調理器具等は使用後に洗浄 殺菌しましょう Q3 ノロウイルスはどうやって感染するのですか? ノロウイルスの感染経路はほとんどが経口感染です 感染様式は以下のとおり (1) 患者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐ぶつから人の手などを介して二次感染した場合 (2) 家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染する場合

(3) 食品取扱者 ( 食品の製造等に従事する者 飲食店における調理従事者 家庭で調理を行う者など ) が感染しており その者を介して汚染した食品を食べた場合 近年増加傾向です (4) 汚染されていた二枚貝を 生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合 (5) ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合 Q4 ノロウイルスに感染するとどんな症状になるのですか? 潜伏期間 ( 感染から発症までの時間 ) は24~48 時間で 主症状は吐き気 嘔吐 下痢 腹痛であり 発熱は軽度です 通常 これら症状が1~2 日続いた後 治癒し 後遺症もありません また 感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります Q5 発症した場合の治療法はありますか? 現在 このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません 治療は輸液などの対症療法に限られます

学校給食における食中毒等発生時に準備する書類 帳簿類 ( 群馬県学校給食運営管理の手引き参照 ) No 書類 帳簿学校調理場注意事項 1 学校 ( 共同調理場 ) における食中毒発生状況報告 現状を確認でき次第 至急送付 ( 様式 10 号 ) 別紙 4-1 < 提出先 > 保健福祉事務所 2 学校における感染症 食中毒等発生状況報告 食中毒終息まで毎日提出する 別紙 4-2 3 欠席及び早退状況票 ( 様式 11 号 ) < 提出先 > 4 発症状況調査票 ( 様式 12 号 ) 5 食中毒 ( 疑 ) 個人調査票 ( 様式 13 号 ) 6 学校日誌 7 出席簿 8 児童生徒緊急連絡簿 9 児童生徒の健康観察一覧 10 受水槽清掃点検簿 11 保健所の指示事項 12 学校医等の指示事項 13 児童生徒の給食当番チェック表 14 発生の経過を時系列にまとめたもの ( 自由様式 ) 保健福祉事務所 15 献立表 ( 使用食品が記載されたもの ) 2 週間分準備 16 作業工程表 17 作業動線図 18 温度記録簿 ( 調理室の気温 調理過程の温度 冷 蔵庫 冷凍庫の庫内温度が確認できるもの ) 19 給食用物資検収票 20 検食簿 21 学校給食従事者の個人毎の健康記録簿 22 学校給食日常点検票 23 学校給食従事者の検便検査結果 24 保存食記録簿 25 定期点検票 26 調理場 ( 室 ) の平面図 準備でき次第順 次送信 ( 送信順 ) 市教育委員会 東部教育事務所 県保健体育課