中小企業のための 経理力アップセミナー ~ 業務 支払業務 ~
中小企業の経理業務全体図 ~ はじめに ~ 現金出納業務 税務業務 販売管理業務 小口現金 経費管理 消費税 法人税 受注業務 売上計上 出納管理 残高管理 税務対応 請求業務 債権管理 決算業務 本日の解説 業務 実地棚卸 決算書 決算整理 決算報告 発注業務 給与計算業務 経営管理 支払業務 給与計算 社保業務 予算管理 業績管理 年末調整 法定調書 資金管理 -2-
業務 管理 ~ 目次 ~ 業務 -3-
業務 支払予定管理 ~ 基礎解説 ~ 支払予定管理の基礎解説 支払予定管理の手順 1. 買掛金残高の期日別整理とともに計上された買掛金の残高を 支払期日別に整理します 2. 買掛金残高の検証支払期日別に整理した買掛金について 仕入先ごとの支払条件や下請法の要件に該当する債務でないかも含めて確認し 支払サイトにあわせて正しく整理できているかを検証します 3. 支払予定表の作成買掛金の検証結果に基づき 支払期日別の買掛金残高についての報告をまとめるとともに 支払期日到来予定債務を支払予定表としてまとめます あわせて 作成した支払予定表に 資金繰りの視点からの 債務履行上の問題がないかも検証します -4-
業務 支払予定管理 ~ 基礎解説 ~ 支払予定管理の基礎解説 支払予定管理のポイント 1. 買掛金残高の支払期日別における適切な管理買掛金は 仕入原価の計上とともに 代価として計上されるものですが 各々の買掛金は仕入先との支払条件により支払サイトが異なることがあるため それぞれいついくらを支払うべきか 支払期日別に買掛金残高を管理する必要が出てきます また 買掛金の支払期日別による管理を適切に行うことは 支払遅延や早期支払に伴う早期資金流出等の防止につながるため 資金管理や資金運用の面においても重要なものとなります 2. 滞留買掛金の適切な処理売掛金と同様に 買掛金においても年齢調べを行い 一定期間滞留している買掛金がないか調査を行う必要があります たとえば 滞留買掛金が発生する要因は そもそも支払が不要なもの 係争中の案件であるもの 記帳誤りが存在する場合など 様々であるため 滞留の発生原因を明確にしたうえで適切な処理を行う必要があります なお 買掛金が滞留する原因には 架空仕入の場合も考えられるため 発生原因を明確にしないままに雑収入勘定に振り替えるようなことは慎まなければなりません -5-
業務 支払予定管理 ~ 業務プロセス ~ 支払予定管理の流れ A. 期日別債務残高整理 B. 支払予定表作成 下請法確認 期日別残高整理 期日別残高検証 期日別債務残高報告 支払予定表作成 検証 関係部門問合せ 期日別残高照会 販売管理システム 仕入先期日別残高 -6-
業務 決済 消込 ~ 目次 ~ 業務 -7-
業務 決済 消込 ~ 基礎解説 ~ 決済 消込の基礎解説 決済 消込の手順 1. 請求内容の検証決済期日が到来する債務について 注文書 検収書の控えや 請求書などと照合し 請求内容の正当性を確認します 2. 支払依頼 実行責任者より承認された請求内容をもとに 支払依頼書を作成し 取引先への支払いを実行します 3. 債務の消込出金処理に伴い 支払の対象となる債務明細の消込みを行います -8-
業務 決済 消込 ~ 基礎解説 ~ 決済 消込の基礎解説 決済 消込のポイント 1. 請求内容の綿密な検証支払処理に先立って 仕入先からの請求書と期日到来債務に係る注文書 検収報告書等との照合や 請求金額 支払条件に係る不明な点や請求内容の記載漏れがないか等の確認を行い 責任者が請求内容の正当性を確認したものに限って 支払処理をするようにすることが重要です 2. 内部牽制による不正回避支払業務は一般に不正の対象となりやすいといわれます 特に 不正につながりやすい 支払担当と仕入 検収担当の兼務や 支払の実行担当者と承認責任者の兼務を避け 不正を未然に防止する内部牽制の体制を整えることが重要です 3. 二重払い 支払漏れの回避支払業務では 支払処理後に 証憑に 支払済 を証するスタンプを押印するなど 二重払いを避けるための処置を忘れずすることが重要です また 支払遅延についても 取引先との重大な信用問題となるので 支払漏れがないように十分な注意が必要です -9-
業務 決済 消込 ~ 業務プロセス ~ 決済 消込の流れ A. 請求内容検証 B. 支払実行 支払依頼書作成 支払依頼承認 支払 期日到来債務確認 請求内容検証 決済承認 C. 債務消込 請求書回収 内容問い合わせ 消込伝票計上 計上承認 期日別残高照会 販売管理システム 仕入先期日別残高 仕訳処理 買掛金 / 現金預金 出金情報登録 販売管理システム 債務消込仕訳登録 出金日出金額支払先支払方法 会計システム 仕訳処理 買掛金 / 現金預金 -10-
業務 ~ 目次 ~ 業務 -11-
業務 ~ 基礎解説 ~ の基礎解説 の手順 1. 仕入先元帳の管理仕入先元帳とは 仕入先ごとに口座を設けて そこに個々の掛仕入を記録整理する帳簿 ( 補助元帳 ) です 仕入先元帳について 適宜 商品仕入や支払決済の状況を反映していくことで 最新の仕入先別の債務残高を適正に把握します 2. 仕入先元帳の検証毎月一定時期に仕入先元帳をチェックし 赤残債務など明らかに誤りがあると思われる債務明細を抽出します 次に 抽出した赤残債務について 計上漏れや過大計上など 赤残債務が発生した原因を究明し 発生額の確定及び今後の発生防止策を策定します 3. 補正に係る処理伝票の計上仕入先元帳に 支払過大に伴う請求書発行や買掛金計上不足に伴う補正などの必要がある場合は 発生原因に基づいた処理伝票を作成 計上を行います -12-
業務 ~ 基礎解説 ~ の基礎解説 のポイント 1. 仕入先別元帳の適切な管理仕入先元帳は 取引先との関係における 支払の遅延 二重支払 取引の取消等のトラブルを防止するために 適切な管理が必要となります また 仕入先別元帳の合計額と総勘定元帳の買掛金残高に不一致がある場合は 放置することなく 不一致の原因である転記ミスや計算誤り等を修正して一致させることが必要です 2. 仕入先別元帳の赤残債務の究明仕入先別元帳に赤残がある場合は 支払金額誤りや二重支払等の可能性があるため 直ちに 関係部門と連携して原因を究明することが重要です もし 過月等の遡及調査を実施しても 原因が究明できない場合は 不符合額を特定させ 適切な会計処理 ( 支払過大分の請求や債権残高の補正など ) を実施することとなります その際には 決裁権者等を明確にし 社内責任規程等に基づいて実施することが必要です 3. 定期的に仕入先に対して買掛金残高の確認をとること定期的に 買掛金の残高が 仕入先の債権残高と一致しているか仕入先に確認をとることが重要です この確認は 照合による差異内容を明らかにし 仕事のミスを正すと同時に 購買部門等に対する内部牽制効果として不正防止につながる大事なものとなります -13-
業務 ~ 業務プロセス ~ の流れ A. 仕入先別元帳管理 B. 個別債務残高管理 入荷確認 対応案策定 対応案承認 支払決済確認 仕入先別元帳更新 元帳承認 仕入先別元帳確認 赤残債務抽出 入荷テ ータ修正確認 関係部門問合せ 処理伝票計上 計上承認 単価調整 数量調整 仕入先元帳照会 販売管理システム 期間発生額期間決済額期間残高 修正情報登録 販売管理システム 処理仕訳登録 会計システム 仕訳処理 支払過大未収入金 / 買掛金 計上不足仕入 / 買掛金 -14-
まとめ 支払予定管理 1. 支払予定管理は 買掛金残高の期日別整理と検証 支払予定表の作成 の流れで構成されています 2. 支払予定管理では 適切な期日別の買掛金残高管理 滞留買掛金の適切な処理が 大切なポイントとなります 決済 消込 1. 決済 消込の手続は 請求内容の検証 支払依頼 実行 債務の消込 の流れで構成されています 2. 決済 消込の手続では 請求内容の綿密な検証 内部牽制による不正回避 二重払い 支払漏れの回避が大切なポイントとなります 1. の手続は 仕入先元帳の管理 仕入先元帳の検証 補正に係る処理伝票の計上 の流れで構成されています 2. では 仕入先元帳の適切な管理 赤残債務の適切な究明 仕入先に対する買掛金残高の確認 が大切なポイントとなります -15-