平成 29 年度学力 学習状況調査の結果 分析と今後の取組について 教育委員会 本年 4 月に小学校第 6 学年及び中学校第 3 学年を対象に実施された 学力 学習状況調査 の結果が 8 月 28 日に文部科学省から公表されました 調査結果やにおける児童生徒の学力の定着状況 学習状況 生活習慣等を分析し 今後の取組を以下のようにまとめました 調査により測定できるのは学力の特定の一部分であることや 学校における教育活動の一側面であることに留意しながら 本調査結果を教育施策や各学校における指導の充実 学習状況の改善に役立て 取組を進めてまいります 1 調査の概要 (1) 目的 義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図る 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる 以上のような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する (2) 対象学年 実施人数小学校第 6 学年 6 人中学校第 3 学年 694 人 (3) 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (4) 調査内容 1 教科に関する調査 ( 国語 算数 数学 ) 主として 知識 に関する問題 (A 問題 ) 身に付けておかなければ後の学年等の学習内容に影響を及ぼす内容 実生活において不可欠であり, 常に活用できるようになっていることが望ましい知識 技能 主として 活用 に関する問題 (B 問題 ) 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力 様々な課題解決のための構想を立て 実践し 評価 改善する力 1
2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2
2 教科に関する調査 分析 小学校 平均 正答率 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 74.0 57.0 78.0 46.0 74.8 57.5 78.6 45.9 の平均正答率は 文部科学省より提供された小数点以下を四捨五入した 整数値をもとに公表しています 特徴的な傾向 < 小学校国語 > 強み : A 問題において 学年別漢字配当表に示されている漢字を正しく読む 設問が 相当数できています B 問題の 登場人物の相互関係や心情 場面についての描写を捉える 設問が 相当数できています B 問題の 物語を読み 具体的な叙述を基に理由を明確にして 自分の考えをまとめる 設問が 相当数できています 課題 : A 問題において 古文における言葉の響きやリズムを楽しみながら読む 設問にやや課題がみられます B 問題の 目的や意図に応じ 必要な内容を整理して書く 設問にやや課題がみられます < 小学校算数 > 強み : A 問題において 資料を二次元表に分類整理する 設問が 相当数できています A 問題の 立方体の面と面の位置関係を理解している ことを問う設問が 相当数できています B 問題の 示された考えを解釈し 数を変更した場合も同じ関係が成り立つことを図で表現する 設問が相当数できています 課題 : A 問題において 資料から 二次元表の合計欄に入れる数を求める 設問にやや課題がみられます B 問題の 直線の数とその間の数の関係に着目して 示された方法を問題場面に適用する 設問にやや課題がみられます 3
中学校 平均 正答率 国語 A 国語 B 数学 A 数学 B 74.0 68.0 62.0 45.0 77.4 72.2 64.6 48.1 の平均正答率は 文部科学省より提供された小数点以下を四捨五入した 整数値をもとに公表しています 特徴的な傾向 < 中学校国語 > 強み : A 問題において 文脈に即して漢字を正しく書く 設問が 相当数できています A 問題の 助詞のはたらきについて理解する 設問について 相当数できています 課題 : A 問題において 古典には様々な種類の作品があることを知る 設問に課題がみられます B 問題の 表現の仕方について捉え 自分の考えを書く 設問に課題がみられます B 問題の 相手の反応を踏まえながら 事実や事柄が相手に分かりやすく伝わるように工夫して話す 設問に課題がみられます < 中学校数学 > 強み : A 問題において 円錐が回転体としてどのように構成されているかを理解している ことを問う設問について 相当数できています B 問題の 与えられた表やグラフから 必要な情報を適切に読み取る 設問が 相当数できています 課題 : A 問題において 与えられた度数分布表について ある階級の相対度数を求める 設問に課題がみられます A 問題の 扇形の弧の長さを求める 設問に課題がみられます B 問題の 与えられた説明の筋道を読み取り 事象を数学的に表現する 設問に課題がみられます 4
3 質問紙調査 ( 児童生徒用 学校用 ) に関する調査の結果 分析 児童生徒質問紙の結果から 強み 自分にはよいところがあると思う と答えた割合 ( 児童 生徒 ) 79 77 73 71 69 67 79.2 76.3 78.3 77.9 79 77 73 71 69 67 73.5 69.3 73.9.7 小学校 中学校ともに 平成 26 年度から継続してとの比較において高い数値となっています 中学校では 昨年度をさらに上回っています 子どもたちの自己肯定感を高める取組を 今後も継続して行うことが必要だと考えています 友達の前で自分の考えや意見を発表するのが得意 と答えた割合 ( 児童 生徒 ) 58 56 54 52 48 46 44 42 54.9 51.7 59.3 52.2 58 56 54 52 48 46 44 42 53.7.2 51.7.5 との比較において高い数値となっています 5
授業のはじめに 目標 ( めあて ねらい ) が示されていたと思う 授業の最後に 学習内容を振り返る活動をよく行っていたと思う と答えた割合 ( 児童 生徒 ) めあて めあて 94 92 90 88 86 84 82 87.4 87.6 86.5 87.4 94 92 90 88 86 84 82 88.6 84.9 94.1 87.8 振り返り 振り返り 78.2 76.1.4 76.2 73.7.2 63.1 66.1 授業の冒頭でめあてを示すことで 児童生徒は授業の見通しを持って学習することができるとともに 指導者にとっては授業の焦点化を図ることができます また 授業の最後に学習したことを振り返る活動を行い めあてが達成できたかどうかを児童生徒が自己確認することで 学力の定着につながります 今後も児童生徒がより主体的に学べるよう 継続して取り組んでいく必要があります 6
国語 算数 ( 数学 ) の授業の内容はよく分かる と答えた割合 ( 児童 生徒 ) 85 81.1.7 国語 83.1 82.2 85 国語わかる 85.2 81 74.1 74.9 85 85.1 算数.2 84.6.6 85 数学わかる 76.8.7 69.4 69.4 小学校 中学校ともに との比較において高い数値となっています 今後も 子どもたちが わかった と実感できる授業づくりに向けた取 組を さらに進めていきます 7
課題 総合的な学習の時間 では, 自分で課題を立てて情報を集め整理して, 調 べたことを発表するなどの学習活動に取り組んでいますか ( 児童 生徒 ) 54.1.4 58 69.8 48.1 57.7 54.9 64.3 小学校 中学校ともに昨年度より改善されましたが 引き続きとの 比較において低い数値となっており 課題といえます 平日 携帯電話 スマートフォン メール インターネット等をする時間 が 1 時間以下 と答えた割合 ( 児童 生徒 ) 72 68 66 64 62 58 67.5 69.6 62 67.2 45 35 25 28.4 36.3 29.3 33.6 小学校 中学校ともに昨年度を下回り との比較においても低い数値となっており 引き続き課題と言えます 昨年度改善されつつあった ゲームをする時間 も増加傾向にあり ゲームを含む これらの時間が 家族で過ごす時間や家庭での学習時間に影響していると考えられます 児童生徒が計画的に時間を使い 生活時間を調整していくことが大切です 学校と家庭が連携しながら子どもたちをサポートし 取組を進めていくことが重要です 8
平日に 1 時間以上家庭学習をする と答えた割合 ( 児童 生徒 ) 67.9 67.7 69.6 62.7 62.5 62.5 64.4 64.6 55 55 休日に 2 時間以上家庭学習をする と答えた割合 ( 児童 生徒 ) 45 35 25 15 18.1 24.2 18.4 24.6 45 35 25 15 34.3.1 32.7 41.8 家庭学習の時間については 平日において小学校では数値が下がり を下回っています 中学校では改善傾向が見られます また 休日においては小学校 中学校ともに の数値を下回っており 依然として課題があります これらの課題については ゲームや携帯電話 スマートフォン等に費やす時間とも関連しており 合わせて取り組む必要があります また 家庭での学習方法等を具体的に示したり 学習を適切に評価 指導したりするなどの取組を継続するとともに 提示した課題だけでなく 予習 復習 自主学習等にも取り組むよう指導するなど 児童生徒が より意欲を持って学習できるよう取り組んで行きたいと考えています 9
学校質問紙の結果から 模擬授業や事例研究など実践的研修をよく行った と答えた割合 ( 学校 ) 0 57.1 55.7 76.2 63.4 37.1 46.9 0 小学校 中学校ともにの数値を上回っています 指導力の向上に向け た研修が 各校で進められています 今後も 指導力の向上に向けた取組を さらに進めていきます 児童生徒に 家庭での学習方法等を 具体例を挙げながら教える という 設問に よく行なった と答えた割合 ( 学校 ) 0 38.1.1 47.6 41.2 35 25 15 5 0.6 小学校 中学校ともにでは昨年度より改善され 小学校では の数値を 上回りました 児童生徒が より意欲を持って家庭で学習できるよう 引き続 き取り組んで行きたいと考えています
校長が校内の授業をほぼ毎日見て回っている と答えた割合 ( 学校 ) 0 90 90.5 66.7 61.9 68 0 44.2 44.9 小学校 中学校ともに昨年度より大きく下回り の数値を下回っています 今後は 学校長が子どもたちの様子や授業を把握し 学力向上にむけて 学 校全体で取り組んでいく必要があります 11
4 今後の取組 教育委員会 本調査結果等を活用した指導方法の検証 改善を図るため 各校への指導 助言を行います 教育アドバイザーを学校に派遣し 各校での取組を支援します 授業での目標 ( めあて ねらい ) の提示と振り返りの実質化と内容の充実 活用型学習の実施 ねらいが完結できる授業のタイムマネジメント等 基礎基本の定着を図ります 指導力向上に向け 教育研究センターを中心に課題別研修会等の充実を図ります 家庭学習の充実 読書活動の推進に向けて 家庭学習 読書のすすめ の活用を促進します 各小中学校が授業や学習規律 生活規律面での系統性を図り 発達段階に応じた効果的な指導ができるよう 小中学校の連携を促進します 各小中学校 本調査結果を分析して自校の課題を明らかにし 改善に向けた具体的な取組を全教職員で組織的に進めます 授業での目標 ( ねらい ) を子どもたちにとってわかりやすいめあてとして提示するとともに 振り返る活動を徹底します また 板書計画等を活用して 1 時間の学習活動を設定し その時間のねらいが完結できるようタイムマネジメントを徹底します さらに 活用型学習の実施を通して 基礎基本の一層の定着を図る取組を進めます 校内研修を充実させ 自校の課題に応じた指導改善を進めます 家庭学習の充実 定着に向け 家庭での学習方法等を 具体例を挙げて指導するとともに 与えた課題についての適切な評価 指導を徹底します また 予習 復習 自主学習等にも取り組むよう指導し 児童生徒が より意欲を持って学習できるよう 家庭と連携 協力しながら学校全体で取組を進めます 子どもたちの学力の保障にむけ 9 年間を見通した学習の系統性を図り より効果的な学習指導 生徒指導ができるよう 小中学校の連携を推進します 保護者 家庭との連携 規則正しい生活習慣や 携帯電話やゲーム インターネットの使い方についてのルール作り等 子どもたちが計画的に時間を使い 生活時間を調整していけるように 家庭での学習環境の整備に向け 働きかけます 読書習慣を身につけるための環境の整備に向け 働きかけます 学校での出来事や将来のことについてなど 家庭での対話を働きかけます 12