調査実施の背景 わが国では今 女性活躍を推進し 誰もが仕事に対する意欲と能力を高めつつワークライフバランスのとれた働き方を実現するため 長時間労働を是正し 労働時間の上限規制や年次有給休暇の取得促進策など労働時間制度の改革が行なわれています 年次有給休暇の取得率 ( 付与日数に占める取得日数の割合

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調査実施の背景 わが国は今 人口構造の変化に伴う労働力の減少を補うため 女性の活躍を推進し経済成長を目指しています しかし 出産後も働き続ける女性は未だ多くないばかりでなく 職場において指導的な立場に就く女性も少ない状況が続いています 女性の活躍を促進させるためには 継続就業のための両立支援策ととも

調査の概要 少子高齢化が進む中 わが国経済の持続的発展のために今 国をあげて女性の活躍推進の取組が行なわれています このまま女性正社員の継続就業が進むと 今後 男性同様 女性も長年勤めた会社で定年を迎える人が増えることが見込まれます 現状では 60 代前半の離職者のうち 定年 を理由として離職する男

調査実施の背景 2015 年 4 月から子ども 子育て支援新制度 以下 新制度 が施行され 保育事業の拡大が図られます そのため保育人材の確保が重要な課題となっており 保育士確保のための取組が強化されています しかし保育士のみでは必要量を満たせないことから 子育て分野で働くことに関心のある地域住民に

調査実施の背景 近年 ライフスタイルの多様化が著しく進んでいます 生涯未婚率が上昇し 単身世帯 一人親世帯も増加するなど 世帯構成が大きく変化しました また 25 歳から 39 歳の就業率が上昇し 共働き世帯も増加しました においては 管理職の積極的な登用が推進される一方で非正規社員の占める割合は高

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「学び直し」のための教育訓練給付制度の活用状況|第一生命経済研究所|的場康子

調査実施の背景 今日 様々な調査において 仕事上重要な能力の1つとして コミュニケーション能力 が上位にあげられています しかし 一言でコミュニケーション能力といっても 企業で求められるそれは多岐にわたり 具体的にどのような能力がどのような人で重要ととらえられ 各人においてそれぞれのコミュニケーショ

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三世代で暮らしている人の地域 親子関係 第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部研究開発室的場康子 < 減り続ける > 戦後 高度経済成長を迎えた我が国においては 産業構造の変化により都市化 工業化が進む中で 多くの人が地方から都市に移動し核家族化が進んだ 低成長経済に移行した後

調査の実施背景 介護保険制度が 2000 年に創設されてから 10 年余りが過ぎました 同制度は 家族介護をあてにせずに在宅介護ができる支援体制を整えることを目的として発足されたものですが 実際には 介護の担い手としての家族の負担 ( 経済的 身体的 精神的負担 ) は小さくありません 今後 ますま

Microsoft Word - H29 結果概要

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国の中学 3 年生までの子どもをもつ父親 母親およびその子どものうち小学 4 年生 ~ 中学 3 年生までの子 該当子が複数いる場合は最年長子のみ 2. サンプル数父親 母親 1,078 組子ども 567 名 3. 有効回収数 ( 率 ) 父親 927

<4D F736F F D20819D819D F F9193C18F FEA816A8DC58F4994C52E646F6378>

調査の背景 埼玉県では平成 29 年度から不妊に関する総合的な支援施策として ウェルカムベイビープロジェクト を開始しました 当プロジェクトの一環として 若い世代からの妊娠 出産 不妊に関する正しい知識の普及啓発のため 願うときに こうのとり は来ますか? を作成し 県内高校 2 年生 3 年生全員

1. 職場愛着度 現在働いている勤務先にどの程度愛着を感じているかについて とても愛着がある を 10 点 どちらでもない を 5 点 まったく愛着がない を 0 点とすると 何点くらいになるか尋ねた 回答の分布は 5 点 ( どちらでもない ) と回答した人が 26.9% で最も多かった 次いで

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国の中学 3 年生までの子どもをもつ父親 母親およびその子どものうち小学 4 年生 ~ 中学 3 年生までの子 該当子が複数いる場合は最年長子のみ 2. サンプル数父親 母親 1,078 組子ども 567 名 3. 有効回収数 ( 率 ) 父親 927

長く働き続けるための「学び直し」の実態と意識|第一生命経済研究所|的場康子

調査の背景 わが国は今 女性の活躍推進を掲げ 結婚や出産をしても働き続けることを後押しする社会を目指しています しかしながら 出産後も働き続ける女性は未だ半数にとどまっているばかりでなく 職場において指導的な立場に就く女性も多くありません こうした中 北海道においても地域や職場 家庭などのさまざまな

調査の実施背景 近年の消費スタイルは 長引く不況下での節約志向の定着の中で 環境問題や節電が 心がけられたり 東日本大震災の復興支援を目的とした応援消費 支援消費が意識され るなど 単に 安くていいもの を基準としたコストパフォーマンスだけでは説明でき なくなってきています こうした動きの中で 消費

調査の背景と目的 健康長寿社会の実現がわが国の重要課題となる中 企業が人々の健康づくりに取り組むことを促す動きが広がっています また 健康経営 という観点から 企業が従業員の健康づくりに取り組んだり それを推進したりする動きもあります こうした動きと並行して 従業員の健康づくりへの取り組み状況等に関

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図表 1 人口と高齢化率の推移と見通し ( 億人 ) 歳以上人口 推計 高齢化率 ( 右目盛 ) ~64 歳人口 ~14 歳人口 212 年推計 217 年推計


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Microsoft Word 年1月(リリース).doc

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調査結果 1. 働き方改革 と聞いてイメージすること 男女とも 有休取得 残業減 が 2 トップに 次いで 育児と仕事の両立 女性活躍 生産性向上 が上位に 働き方改革 と聞いてイメージすることを聞いたところ 全体では 有給休暇が取りやすくなる (37.6%) が最も多く 次いで 残業が減る (36

このジニ係数は 所得等の格差を示すときに用いられる指標であり 所得等が完全に平等に分配されている場合に比べて どれだけ分配が偏っているかを数値で示す ジニ係数は 0~1の値をとり 0 に近づくほど格差が小さく 1に近づくほど格差が大きいことを表す したがって 年間収入のジニ係数が上昇しているというこ

2015年 「働き方や仕事と育児の両立」に関する意識(働き方と企業福祉に関する

滋賀県内企業動向調査 2018 年 月期特別項目結果 2019 年 1 月 滋賀銀行のシンクタンクである しがぎん経済文化センター ( 大津市 取締役社長中川浩 ) は 滋賀県内企業動向調査 (2018 年 月期 ) のなかで 特別項目 : 働き方改革 ~ 年次有給休暇の取得

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国に居住する 20 歳から 59 歳の会社員の男女 2. サンプル数 700 名 3. サンプル抽出方法第一生命経済研究所生活調査モニター 4. 調査方法質問紙郵送調査法 5. 実施時期 2007 年 2 月 6. 有効回収数 ( 率 ) 601 名

調査実施の背景 第一生命経済研究所は 生活者の意識や行動の現状と変化をとらえるため 1995 年より 今後の生活に関するアンケート を実施し ライフデザイン白書 を出版してまいりました 第 8 回目となる ライフデザイン白書 2015 ( ) では 家族 地域 消費 就労 健康 介護 人生設計 とい

第5回「仕事・会社に対する満足度」調査  

スライド 1

参考 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに 家

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男女共同参画に関する意識調査

調査実施の背景 少子高齢化が進む中 わが国は今 労働力を確保するため女性の活躍推進を目指しています 日本再興戦略 -JAPAN is BACK- ( 2013 年 6 月 14 日閣議決定 ) では 2020 年までに 25~44 歳までの女性就業率 73% という目標が掲げられました 総務省 労働

調査実施の背景 2015 年 1 月からの相続税における基礎控除の引き下げを前に 孫等への教育資金一括贈与の非課税制度に対する社会的反響が続いています 一般社団法人信託協会のとりまとめによれば この制度に基づく教育資金贈与信託の受託契約件数は取り扱い開始以降増加を続け 2014 年 9 月現在で 8

第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

長く働き続けるための「学び直し」の実態と意識

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ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)  レベル診断チェックシート

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第1回「若手社員の仕事・会社に対する満足度」調査   

4 子育てしやすいようにするための制度の導入 仕事内容への配慮子育て中の社員のため以下のような配慮がありますか? 短時間勤務ができる フレックスタイムによる勤務ができる 勤務時間等 始業 終業時刻の繰上げ 繰下げによる勤務ができる 残業などの所定外労働を制限することができる 育児サービスを受けるため

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国に居住する 20 歳から 59 歳の会社員の男女 2. サンプル数 700 名 3. サンプル抽出方法第一生命経済研究所生活調査モニター 4. 調査方法質問紙郵送調査法 5. 実施時期 2007 年 2 月 6. 有効回収数 ( 率 ) 601 名

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man2

従業員に占める女性の割合 7 割弱の企業が 40% 未満 と回答 一方 60% 以上 と回答した企業も 1 割以上 ある 66.8% 19.1% 14.1% 40% 未満 40~60% 未満 60% 以上 女性管理職比率 7 割の企業が 5% 未満 と回答 一方 30% 以上 と回答した企業も 1

Microsoft Word 年度評価シート.docx

PowerPoint プレゼンテーション

第第第ライフスタイルに対する国民の意識と求められるすがた50 また 働いていないが 今後働きたい と回答した人の割合は 男性では 7.4% であるのに対し て 女性は19.1% である さらに 女性の中では 30 代の割合が高く ( 図表 2-1-2) その中でも 特に三大都市圏で高い割合となってい

(Microsoft Word - Weekly\223\307\216\322\203A\203\223\203P\201[\203g\222\262\215\270\214\213\211\312\203\214\203|\201[\203g_No.1_Ver.3.0.doc)

第22回規制改革会議 資料3

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Microsoft Word - Report (北村)最終版2.docx

電通総研、「女性×働く」調査を実施

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国に居住する 30~60 代の既婚男女 2. サンプル数 800 名 3. サンプル抽出方法第一生命経済研究所生活調査モニター 4. 調査方法質問紙郵送調査法 5. 実施時期 2006 年 1 月 6. 有効回収数 ( 率 ) 769 名 (96.1%

第5回 「離婚したくなる亭主の仕事」調査

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第1回「離婚したくなる亭主の仕事」調査

25~44歳の子育てと仕事の両立

地域包括支援センターにおける運営形態による労働職場ストレス度等の調査 2015年6月

25~34歳の結婚についての意識と実態

働き方の現状と今後の課題

7 8 O KAYAKU spirit I O K T C % E C O M T O K T T M T I O O T C C C O I T O O M O O

あおもり働き方改革推進企業認証制度 Q&A 平成 29 年 12 月 14 日 Vol.1 目次 1 あおもり働き方改革推進企業認証制度全般関係 Q1 県外に本社がある場合はどのように申請できるのか P1 2 あおもり働き方改革宣言企業関係 Q2 次世代法に基づく一般事業主行動計画とはどういうものか

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リスモン調べ 第4回 離婚したくなる亭主の仕事

目次. 独立行政法人労働政策研究 研修機構による調査 速報値 ページ : 企業調査 ページ : 労働者調査 ページ. 総務省行政評価局による調査 ページ

1. 交際や結婚について 4 人に3 人は 恋人がいる または 恋人はいないが 欲しいと思っている と回答している 図表 1 恋人が欲しいと思わない理由は 自分の趣味に力を入れたい 恋愛が面倒 勉強や就職活動に力を入れたい の順に多い 図表 2 結婚について肯定的な考え方 ( 結婚はするべきだ 結婚

第 5 章管理職における男女部下育成の違い - 管理職へのアンケート調査及び若手男女社員へのアンケート調査より - 管理職へのインタビュー調査 ( 第 4 章 ) では 管理職は 仕事 目標の与え方について基本は男女同じだとしながらも 仕事に関わる外的環境 ( 深夜残業 業界特性 結婚 出産 ) 若

職場環境 回答者数 654 人員構成タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % % 質問 1_ 採用 回答 /654 中途採用 % 新卒採用 % タ

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最近の就業者の労働時間と労働時間帯の関連に関する実証分析

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第2回「若手社員の仕事・会社に対する満足度」調査 

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2016年11月_第7回ビジネスパーソン1000人調査(仕事と感謝編)

制度名 No. 1 ( 働 1) フレックスタイム制度 対象者: 営業職の正社員 労働時間の清算期間: 毎月 1 日から末日までの1か月 1 日の所定労働時間は 8 時間 清算期間内の総労働時間: 1 日あたり8 時間として 清算期間中の労働日数を乗じて得られた時間数 ただし 清算期間内を平均し1

厚生労働省発表

参考 1 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに

調査要領 1. 調査の目的 : 人口減少による労働力不足が懸念されるなかで 昨年 4 月には女性活躍推進法 ( 正式名称 : 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 ) が施行されるなど 女性の社会進出がさらに進むことが期待されている そこで 女性の活躍に向けた取り組み状況について調査を実施す

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男女共同参画に関する意識調査

調査結果 転職決定者に聞く入社の決め手 ( 男 別 ) 入社の決め手 を男 別でみた際 性は男性に比べると 勤務時間 休日休暇 育児環境 服装 オフィス環境 職場の上司 同僚 の項目で 10 ポイント以上 かった ( 図 1) 特に 勤務時間 休日休暇 の項目は 20 ポイント以上 かった ( 図

2. 調査結果 1. 回答者属性について ( 全体 )(n=690) (1) 回答者の性別 (n=690) 回答数 713 のうち 調査に協力すると回答した回答者数は 690 名 これを性別にみると となった 回答者の性別比率 (2) 回答者の年齢層 (n=6

中小企業のための「育休復帰支援プラン」策定マニュアル

関東地方の者が約半数を占める (45.3%) 続いて近畿地方 (17.4%) 中部地方 (15.0%) となっている 図表 2-5 地域構成 北海道 東北関東中部近畿中国四国九州 沖縄総数 (%) 100.0% 8.9% 45.3%

Transcription:

2016 年 9 月 23 日 子育て世代の働く意欲と休暇取得意識 ~ 子どもがいる正社員の休暇に対する意識調査より ~ 第一生命保険株式会社 ( 社長渡邉光一郎 ) のシンクタンク 株式会社第一生命経済研究所 ( 社長矢島良司 ) では 全国の 20~59 歳の男女 1,400 人に対して 子どもがいる正社員の休暇に対する意識調査 を実施しました この中から 仕事の負荷及びやりがい 意欲に関する意識と 労働時間や有給休暇の取得状況等との関係に注目した調査結果を紹介します 本リリースでは 当研究所ホームページにも掲載しています URL http://group.dai-ichi-life.co.jp/cgi-bin/dlri/ldi/total.cgi?key1=n_year 調査結果のポイント 仕事の負荷についての意識 (P.2) 現在の仕事にストレスを感じる と 仕事の量が多く 忙しい にあてはまる人が65% 以上 仕事のやりがい 意欲についての意識 (P.3) 現在の仕事にやる気がある と 職業生活を通して自分を高めたい にあてはまる人が 6 割 以上 仕事の負荷と労働時間 (P.4) 仕事にストレスを感じている人や仕事の量が多く忙しい人は そうでない人よりも労働時間が 長く 労働時間の長さに対する満足度は低い 仕事の負荷と有給休暇の取得状況 (P.5) 仕事に負荷を感じている人は そうでない人よりも 有給休暇の取得率が低いばかりでなく 取得のしやすさに満足している人も少ない 仕事に対するやりがい 意欲と労働時間 (P.6) 現在の仕事にやる気がある人や職業生活を通して自分を高めたい人は そうでない人に比 べ 労働時間が短いわけではないが満足度は低くない 仕事に対するやりがい 意欲と有給休暇の取得状況 (P.7) 現在の仕事にやる気がある人や職業生活を通して自分を高めたい人は そうでない人と 有給休暇の取得率に大差はないが 取得のしやすさに不満に思っている人は少ない < お問い合わせ先 > 第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部研究開発室広報担当 ( 津田 ) TEL.03-5221-4772 FAX.03-3212-4470 URL http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi

調査実施の背景 わが国では今 女性活躍を推進し 誰もが仕事に対する意欲と能力を高めつつワークライフバランスのとれた働き方を実現するため 長時間労働を是正し 労働時間の上限規制や年次有給休暇の取得促進策など労働時間制度の改革が行なわれています 年次有給休暇の取得率 ( 付与日数に占める取得日数の割合 ) は 2015 年時点で 47.6% です ( 厚生労働省 平成 27 年就労条件総合調査 2015 年 ) 過去 20 年にわたり 付与された有給休暇の半分程度しか取得されていない状況が続いています そのため厚生労働省では 年次有給休暇の 計画的付与制度 ( 年次有給休暇の付与日数のうち 5 日を除いた残りの日数について 労使協定を結ぶことで事業主が計画的に年次有給休暇取得日を割り振ることができる制度 ) を導入することを企業に呼びかけるなど 年次有給休暇の取得促進のための取組に力を入れています ( 厚生労働省 平成 28 年度 プラスワン休暇 で 休み方を変えよう 働き方を変えよう ) このような取組により 有給休暇を取得したくても取得できない人々が取得しやすくなれば 取得率の向上に寄与するものと思われます しかしながら他方 依然として有給休暇の取得率が半分程度に留まっていることに注目しますと その背景には そもそも有給休暇の取得に必ずしも積極的でない人々がおり 強制的に休暇を取得させることの難しさもあることが推察されます 有給休暇を取得し労働時間を削減することが全ての働く人の満足度を高めることにはつながらず 休まずに働きたいと思っている人も少なくないと思われるからです こうした問題意識から本リリースでは 子どもをもち民間企業で働く正社員男女を対象に実施したアンケート調査より 就労意識と有給休暇の取得状況等との関係に注目した調査結果を紹介します なお この調査の結果の詳細は 当研究所の季刊誌 Life Design Report 10 月号に掲載され 当研究所ホームページで公開される予定です 調査概要 1. 調査対象 20~59 歳で 民間企業で正社員として働いており かつ大学生 ( 短大 専門学校 大学院を含む ) までの子どもがいる男女 1,400 人 ( 男女 700 人ずつ ) 2. 調査方法インターネット調査 ( 株式会社クロス マーケティングのモニター ) 3. 調査時期 2015 年 11 月 4. 回答者の属性 ( 全体 性 年代別 ) ( 単位 :%) 人数 ( 人 ) 20 歳代 30 歳代 40 歳代 50 歳代 平均年齢 ( 歳 ) 全体 1,400 1.6 22.1 49.8 26.4 44.56 男性 700 0.4 16.7 46.9 36.0 46.40 女性 700 2.9 27.6 52.7 16.9 42.72 1

仕事の負荷についての意識 現在の仕事にストレスを感じる と 仕事の量が多く 忙しい にあてはまる人が 65% 以上 図表 1-1 仕事の負荷についての意識 現在の仕事にストレスを感じる 25.0 42.0 26.4 6.6 仕事の量が多く 忙しい 22.6 42.4 27.2 7.7 あてはまるややあてはまるあまりあてはまらないあてはまらない 図表 1-2 仕事の負荷についての意識 ( 性別 性 役職別 ) 性別 性 役職別 男性 女性 男性 (n=700) 女性 (n=700) 現在の仕事にストレスを感じる ( 単位 :%) 仕事の量が多く 忙しい 68.7 69.3 65.3 60.9 一般社員 (n=472) 68.0 68.6 管理職 (n=225) 71.1 70.7 一般社員 (n=661) 64.3 59.6 管理職 (n=38) 81.6 81.6 注 : 数値は あてはまる と ややあてはまる の合計 役職別の その他 の回答は省略した 子どもがいる正社員男女が仕事に対する負荷をどのように感じているかをみると 現在の仕事にストレスを感じる 仕事の量が多く 忙しい ともに 65% 以上の人があてはまると回答 ( あてはまる と ややあてはまる の合計 以下同様) をしています ( 図表 1-1) 性別にみると 女性よりも男性の方が 現在の仕事にストレスを感じる 仕事の量が多く 忙しい ともにあてはまると回答した人の割合が高いです ( 図表 1-2) 性 役職別にみると 男女ともに一般社員よりも管理職の人の方があてはまると回答した人の割合が高いです 特に女性の管理職で あてはまると回答した人の割合は8 割を超えており 一般社員よりも 20 ポイント前後 上回っています 2

仕事のやりがい 意欲についての意識 現在の仕事にやる気がある と 職業生活を通して自分を高めたい にあてはまる人が 6 割以上 図表 2-1 仕事のやりがい 意欲についての意識 責任のある仕事を任されている 21.9 50.6 20.9 6.6 自分の能力がいかせる仕事である 16.5 49.4 25.7 8.4 現在の仕事にやる気がある 15.6 46.9 27.5 10.0 職業生活を通して自分を高めたい 13.4 49.1 28.6 8.9 あてはまるややあてはまるあまりあてはまらないあてはまらない 図表 2-2 仕事のやりがい 意欲についての意識 ( 性別 性 役職別 ) 性別 性 役職別 男性 女性 男性 (n=700) 女性 (n=700) 責任のある仕事を任されている 自分の能力がいかせる仕事である 現在の仕事にやる気がある ( 単位 :%) 職業生活を通して自分を高めたい 74.7 65.7 58.9 60.6 70.3 66.1 66.1 64.4 一般社員 (n=472) 69.5 61.2 54.2 56.4 管理職 (n=225) 85.3 75.1 68.0 69.8 一般社員 (n=661) 68.8 64.8 64.9 63.1 管理職 (n=38) 94.7 89.5 86.8 86.8 注 : 数値は あてはまる と ややあてはまる の合計 役職別の その他 の回答は省略した 次に 仕事に対するやりがい 意欲についてみると 7 割以上の人が 責任ある仕事を任されている に 6 割以上の人が 自分の能力がいかせる仕事である 現在の仕事にやる気がある 職業生活を通して自分を高めたい にあてはまると回答しています ( 図表 2-1) 概して 子育て世代の多くの人は前向きに仕事をしていることがわかります 性別にみると 責任のある仕事を任されている を除き 男性より女性の方があてはまると回答した人の割合が高いです ( 図表 2-2) 子育てと両立して働いている多くの女性では意欲を持って仕事をしていることがうかがえます 性 役職別にみると 男女ともに一般社員よりも管理職の方があてはまると回答した人の割合が高いです 特に女性管理職は いずれの項目も8~9 割の人があてはまると回答しています 子育てと両立して働く女性管理職の多くは 仕事の負荷を感じていながらも 極めて前向きに意欲を持って仕事をしていることがうかがえます 3

仕事の負荷と労働時間 仕事にストレスを感じている人や仕事の量が多く忙しい人は そうでない人よりも労働時間が長く 労働時間の長さに対する満足度は低い 図表 3 労働時間と労働時間の長さに対する満足度 ( 仕事の負荷についての意識別 ) 1 日の平均勤務時間 労働時間の長さに対する満足度 現在の仕事に ストレスを感じる あてはまる計 10.2 29.7 46.2 13.9 9.7 45.3 30.0 15.0 14.3 37.7 39.8 8.2 17.5 58.4 18.4 5.6 仕事の量が多く 忙しい あてはまる計 9.3 25.0 49.1 16.6 8.1 45.4 31.2 15.3 15.7 46.0 34.8 3.5 20.0 57.5 16.8 5.7 7 時間未満 7 時間以上 8 時間未満 8 時間以上 10 時間未満 10 時間以上 満足している どちらかといえば満足している どちらかといえば不満である 不満である 注 : 1 日の平均勤務時間 について 現在の仕事にストレスを感じる の あてはまる計 は n=938 は n=462 仕事の量が多く忙しい の あてはまる計 は n=911 は n=489 である 労働時間の長さに対する満足度 についても同様である 図表 3は 仕事の負荷についての意識別に 1 日の平均勤務時間と労働時間の長さに対する満足度を示したものです 現在の仕事にストレスを感じる にあてはまると回答した人では 1 日の平均勤務時間が8 時間以上の人が60.1% を占めており あてはまらないと回答した人 (48.0%) よりも多いです 仕事にストレスを感じている人は そうでない人より実際の労働時間が長いです また こうした自分の労働時間の長さに対して満足しているかどうかをたずねたところ 現在の仕事にストレスを感じる にあてはまると回答した人では 満足している( 満足している と どちらかといえば満足している の合計 以下同様 ) の回答割合は 55.0% であり あてはまらないと回答した人 (75.9%) を下回っています 仕事にストレスを感じている人は そうでない人よりも労働時間が長く 労働時間の長さに対する満足度は低いです 仕事の量が多く 忙しい も同様の傾向です 仕事の量が多く 忙しい にあてはまると回答した人の方が あてはまらないと回答した人よりも労働時間が長く 労働時間の長さに対する満足度が低いです 4

仕事の負荷と有給休暇の取得状況 仕事に負荷を感じている人は そうでない人よりも 有給休暇の取得率が低いばかりでなく 取得のしやすさに満足している人も少ない 図表 4 有給休暇の取得率と休暇の取得しやすさに対する満足度 ( 仕事の負荷についての意識別 ) 有給休暇の取得率 現在の仕事に 0% ストレスを感じる 20% 40% 60% 80% 100% あてはまる計 39.2 28.9 31.9 休暇の取得しやすさに対する満足度 11.2 43.0 26.0 19.8 30.0 33.3 36.7 20.6 49.1 20.1 10.2 仕事の量が多く 忙しい あてはまる計 40.1 29.2 30.7 11.0 43.4 26.2 19.4 28.5 32.5 39.0 20.4 48.1 20.0 11.5 30% 未満 30% 以上 70% 未満 70% 以上 満足している どちらかといえば満足している どちらかといえば不満である 不満である 注 1: 有給休暇の取得率は 2014 年度に付与された年次有給休暇日数並びに取得した日数をたずねた結果から算出 注 2: 休暇の取得しやすさに対する満足度 については図表 3 と同じであるが 有給休暇の取得率 については 取得日数についての無効票を除いた結果 現在の仕事にストレスを感じる の あてはまる計 は n=814 は n=387 仕事の量が多く忙しい の あてはまる計 は n=798 は n=403 である 次に有給休暇の取得状況をみると 現在の仕事にストレスを感じる にあてはまると 回答した人の方が あてはまらないと回答した人に比べて有給休暇の取得率が 30% 未満の 人の割合が高く 取得率が低い人が多いです ( 図表 4) 仕事にストレスを感じている人 は 労働時間が長いばかりでなく 有給休暇の取得率も低い人が多いです また 休暇の取得のしやすさに対して満足していると回答した人の割合は 現在の仕 事にストレスを感じる にあてはまると回答した人は 54.2% であり あてはまらないと回 答した人 (69.7%) を大きく下回っています 仕事にストレスを感じている人は そうで ない人よりも有給休暇の取得のしやすさに対する満足度も低いです 仕事の量が多く 忙しい についても同様の傾向です 仕事の量が多く 忙しい にあてはまると回答した人の方が あてはまらないと回答した人より 有給休暇の取得率 も 取得のしやすさに対する満足度も低い人が多いです 仕事に負荷を感じている人は そうでない人よりも 労働時間が長く 有給休暇の取得 率も低いばかりでなく そのような状況に満足している人も少ないです こうした人々の 働き方を見直すべく 労働時間の削減並びに有給休暇の取得促進策を講じることは必要で す 5

仕事に対するやりがい 意欲と労働時間 現在の仕事にやる気がある人や職業生活を通して自分を高めたい人は そうでない人に比べ 労働時間が短いわけではないが満足度は低くない 現在の仕事にやる気がある 図表 5 労働時間と労働時間の長さに対する満足度 ( 仕事に対するやりがい 意欲別 ) あてはまる計 10.7 1 日の平均勤務時間 労働時間の長さに対する満足度 32.7 44.0 12.6 14.6 54.3 23.8 7.3 13.0 31.8 44.2 11.0 8.4 41.9 30.1 19.6 職業生活を通して自分を高めたい あてはまる計 9.7 32.6 44.1 13.6 12.9 49.7 27.0 10.4 14.7 32.0 44.0 9.3 11.2 49.5 24.8 14.5 7 時間未満 7 時間以上 8 時間未満 8 時間以上 10 時間未満 10 時間以上 満足している どちらかといえば満足している どちらかといえば不満である 不満である 注 : 1 日の平均勤務時間 について 現在の仕事にやる気がある の あてはまる計 は n=875 は n=525 職業生活を通して自分を高めたい の あてはまる計 は n=875 は n=525 である 労働時間の長さに対する満足度 についても同様である 図表 5は 仕事に対するやりがい 意欲についての意識の中から 現在の仕事にやる気がある と 職業生活を通して自分を高めたい について その回答状況別に1 日の平均勤務時間と労働時間の長さに対する満足度を示したものです 現在の仕事にやる気がある にあてはまると回答した人では 1 日の平均勤務時間が8 時間以上の人が56.6% を占めていますが あてはまらないと回答をした人 (55.2%) と大差はありません 現在の仕事へのやる気の有無で 労働時間の長さの違いは大きくないようです 他方 労働時間の長さに対する満足度をみると 現在の仕事にやる気がある にあてはまると回答した人では満足していると回答した人が68.9% であり あてはまらないと回答した人 (50.3%) を大きく上回っています 現在の仕事にやる気がある人は そうでない人に比べ労働時間は短いわけではありませんが 労働時間の長さに対する満足度は高いです また 職業生活を通して自分を高めたい については あてはまると回答した人の方が あてはまらないと回答した人よりも労働時間がやや長いですが 労働時間の長さに対して満足している人の割合は大差ではありませんが低くないです 現在の仕事にやる気がある人や 職業生活を通して自分を高めたい人は そうでない人に比べ労働時間が短いわけではありませんが満足度は低くないようです 6

仕事に対するやりがい 意欲と有給休暇の取得状況 現在の仕事にやる気がある人や職業生活を通して自分を高めたい人は そうでない人と有給休暇の取得率に大差はないが 取得のしやすさに不満に思っている人は少ない 図表 6 有給休暇の取得率と休暇の取得しやすさに対する満足度 ( 仕事に対するやりがい 意欲別 ) 現在の仕事にやる気がある あてはまる計 有給休暇の取得率 35.3 31.8 32.9 休暇の取得しやすさに対する満足度 17.3 48.9 21.8 12.0 37.8 27.8 34.4 9.3 38.5 27.8 24.4 職業生活を通して自分を高めたい あてはまる計 36.6 30.8 32.6 15.8 47.3 22.7 14.2 35.5 29.5 35.0 11.8 41.1 26.3 20.8 30% 未満 30% 以上 70% 未満 70% 以上 満足している どちらかといえば満足している どちらかといえば不満である 不満である 注 1: 有給休暇の取得率は 2014 年度に付与された年次有給休暇日数並びに取得した日数をたずねた結果から算出 注 2: 休暇の取得しやすさに対する満足度 については図表 5 と同じであるが 有給休暇の取得率 については 取得日数等についての無効票を除いた結果 現在の仕事にやる気がある の あてはまる計 は n=762 は n=439 職業生活を通して自分を高めたい の あてはまる計 は n=767 は n=434 である 次に有給休暇の取得状況をみると 現在の仕事にやる気がある にあてはまると回答した人の方も あてはまらないと回答した人も有給休暇の取得率に大きな差はありません ( 図表 6) しかしながら休暇の取得のしやすさに対する満足度をみると 満足していると回答した人の割合は 現在の仕事にやる気がある にあてはまると回答した人では 66.2% であり あてはまらないと回答した人 (47.8%) を大きく上回っています 現在の仕事にやる気がある人は そうでない人に比べ有給休暇の取得率は高いわけではありませんが 取得のしやすさに対する満足度は高いです 職業生活を通して自分を高めたい についても同様の傾向です 職業生活を通して自分を高めたい にあてはまると回答した人の方が あてはまらないと回答した人よりも有給休暇の取得率が30% 未満の低い人が若干多いですが 取得のしやすさに対して満足していると回答した人の割合は高いです 現在の仕事にやる気がある人や職業生活を通して自分を高めたい人は そうでない人に比べ 労働時間の長さや有給休暇の取得率に大差はありませんが 労働時間や有給休暇の状況に対して不満に思っている人は少ないです 意欲をもって前向きに仕事に取り組んでいる人は 労働時間の長さや有給休暇の取得状況について満足して働いているようです 7

研究員のコメント (1) 女性管理職の仕事に対する意欲を活かすことが組織の生産性向上につながる子育て世代の多くは 仕事が忙しく ストレスを感じていますが 一方で 責任のある仕事を任されており 自分の能力がいかせる仕事をする中で 仕事にやりがいを感じている人も多いです 特に 男性のみでなく女性も 意欲をもって前向きに仕事をしている人が多いです 現在わが国では女性管理職を増やすことを目指していますが 女性管理職は男性管理職以上に仕事に負荷を感じている人が多いものの 前向きに仕事をしている人も多いようです 現在 女性の活躍推進を目指し 女性の管理職登用に力を入れている企業が多いですが 本調査結果をみても 一般社員よりも管理職の方が仕事に対するモチベーションが高いことがわかりました ただ今後 女性管理職が増えていく中で 従来のような高いモチベーションを皆が維持するか必ずしも定かではありません そのため 労働時間短縮や有給休暇取得に関する制度整備はもちろんのこと 管理職 一般社員ともに 女性社員に仕事のやりがい感をもたせ 能力を最大限いかすことによって さらなる生産性向上が期待できると思います (2) 労働時間制度改革には多様な取り組みが必要現在 わが国では有給休暇の取得率を高めることで労働時間を削減させ 長時間労働の是正につなげることを期待し 労働時間制度改革を進めています 確かに 仕事が忙しく ストレスを感じている人が多い中 休暇を取得しながら適切な労働時間で働き 心身ともに健康に働くことができれば 組織の生産性向上につながることが期待できます しかしながら一方 今回の調査結果をみる限り 意欲をもって働いている人は 労働時間が長い あるいは有給休暇の取得率が低いからといって 必ずしも満足度が低いということではないようです ただし 働く人の心身の健康を考えると 有給休暇を取得せずに長時間労働を続けることは適切ではありません このことから 各企業が社員の意欲にマイナスの影響をもたらすことなく ワークライフバランスを保ちながら働く環境を整えるためには 労働時間の上限規制や有給休暇の取得率向上のみでなく 自社の状況に応じて働き方の選択肢の多様化を図ることの必要性を改めて指摘したいと思います 例えば 最近導入企業が増えている在宅勤務制度があります 図表は省略しますが 仕事に意欲があり 労働時間が長く有給休暇の取得にこだわらない人々でも在宅勤務制度の利用意向を持っています 子育て世代にとっては ワークライフバランスを保てるばかりでなく 意欲的に働くことができる制度として 在宅勤務制度を支持する人が多いことがうかがえます このようなことから 社員の健康増進を図り生産性の向上を目指す観点から長時間労働を是正し 有給休暇の取得率の向上を目指すには 休暇を取得したくてもできない人が取得できるように 休みやすい職場環境をつくることも重要ではありますが そればかりでは限界があると思われます 社員の能力を引き出し生産性の向上を目指すのであれば 働く人々の多様な就労意識に対応することが必要であり そのためにも 労働時間の上限規 8

制や有給休暇の取得率向上のための取り組みのみならず 在宅勤務制度や 最近注目されている勤務間インターバル制度 ( 長時間労働の防止のため 前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間 例えば 11 時間などの休息時間を確保する制度 ) など 多様な制度を取り入れることが重要と思われます ( 研究開発室上席主任研究員的場康子 ) 9