第 2 学年国語科学習指導案 平成 28 年 10 月 27 日 ( 木 ) 第 5 校時 2 年 1 組生徒数 34 名場所 2 年 1 組教室指導者益田美佳 学習指導要領 C 読むこと 第 2 学年エ文章に表れているものの見方や考え方について 知識や体験と関連付けて自分の考えをもつこと オ多様な方法で選んだ本や文章などから適切な情報を得て 自分の考えをまとめること 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 第 2 学年ア ( イ ) 古典に表れたものの見方や考え方に触れ 登場人物や作者の思いなどを想像すること 具体的な言語活動 徒然草 の魅力について仮説を立て 複数の章段を比較することを通して兼好法師のものの見方や考え方をつかみ 班で協働して検証 考察し 自分の言葉でまとめ 1 単元名 5 いにしえの心を訪ねる教材名仁和寺にある法師 徒然草 から( 光村図書 142ページ ) 2 単元について 単元観 ( 教材観 ) 現代まで読み継がれている古典作品の一つである 徒然草 は 現代に生きる我々にも共感しやすい作品であるといえ 徒然草 は兼好法師が つれづれなるままに 日暮らし 硯に向かひて 心にうつりゆくよしなし事を そこはかとなく書きつく ったものであり その内容は日常の気づきからものの善し悪し 滑稽譚から死生観を冷徹な目線で述べるものまで非常に多岐にわたるが その幅広さこそ共感できる部分を見つけやすい要因なのかもしれない 学習指導要領解説 第 3 章各学年の目標と内容 の中に 古典に表れたものの見方や考え方 の中には 長い年月を隔ててもなお現代と共通するものもあれば 現代と大きく異なるものもあそれに気が付くことが古典を学習する大きな楽しみであり意義であ とあるが 随筆作品である 徒然草 では兼好法師独自のものの見方や考え方が非常に分かりやすい形で述べられており 現代との共通点や相違点を考えることに適している作品であると言えよう 本単元では 徒然草 の魅力について仮説を立て 仮説を検証するために複数の章段を読むという活動を行うが 目的を持って選んだ章段を読むことで 学習指導要領 読むこと (1) エ 古文に表れているものの見方や考え方について 知識や体験と関連付けて自分の考えをもつこと 複数の章段を取り上げ多面的に読むことで (1) オ 多様な方法で選んだ本や文章などから適切な情報を得て 自分の考えをまとめること に繋がると考え自分の考えをもつためには まず 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 ( ア ) イ 古典に表れたものの見方や考え方に触れ 登場人物や作者の思いを想像すること が不可欠であ
作品の世界に没頭することで 新たな古典の世界への一歩を踏み出し 自分の世界を広げることに 繋がるのではないだろうか 生徒観 9 月に実施した古典学習についての事前アンケートにおいて 古典の学習は楽しいと思いますか の質問に肯定的な解答をした生徒の割合は 19% で その理由としては 昔のことが分かるから 昔の日本語の魅力が知れるから などが挙がっていた 一方否定的な回答をした生徒は 25% どちらとも言えない と回答した生徒は56% であったが そのどちらにも共通して よく分からないから という意見が多く挙がっていた このことから 古典に対しての親しみにくさを感じている生徒が一定数以上いることが分かった 何を学べばよいのかよく分からない 学び方がよく分からないことが意欲の低下に繋がっているので 学ぶ意義のある課題を設定する必要があ今年度 4 月に行われた標準学力調査では 読むこと の領域の正答率が最も低く 57.7( 全国との差 -9.7p) という結果であった 読むこと に関する問題の中でも文章の展開や要旨を捉えることに特に課題があ本単元では複数の章段を読み その内容をどう考察するかが重要なポイントとなそのため できるだけ多くの文献に触れさせ 情報を集めるために並行読書を行うとともに 要旨を捉える際の手立てとして 分かりやすい現代語訳付きの資料も合わせて配布すまた 仮説 検証 考察 まとめ の流れをとることで主体的に章段を読み解こうとする意欲を引き出し 結果 作品を通して自分の考えを持つことへと繋げられるのではないかと考えてい 指導観本単元を指導するにあたり生徒に付けさせたい力は三つあ一つ目は 古典に表れたものの見方や考え方に触れ 登場人物や作者の思い 現代との共通点などを考えることができる力 言語についての知識 理解 技能 二つ目は 徒然草 に表れているものの見方や考え方について 自分の知識や体験と関連付けて考えをまとめ 交流し 深める力 読む能力 三つ目は 徒然草 の複数の章段について調べることで 作者のものの見方や考え方の多様性に触れ 作品を通して自分の考えを持ち まとめることができる力 読む能力 だ 本単元は 徒然草 という作品がなぜ数百年の時を越えて読み継がれているのか という問いに対し仮説を立てることからスタートす仮説を立てるための材料として序段 第九十二段 第百十七段の三つの章段を取り上げ内容の分かりやすさや 生徒も共感しやすいのではという考えからこれらの章段を選んだ 続いて 第 1 回目の検証として 教科書にある 仁和寺にある法師 を取り上げ 検証の方法を掴ませたい 次に 二回目の検証として 自分の立てた仮説に沿った章段を探し 再検証 考察へと繋げ 最後の検証で取り上げた作品を紹介し合い 複数の章段を読み比べることで さまざまなものの見方や考え方に気付かせたい また 発信することを前提に単元の学習成果をまとめることで再び作品と向き合い 深い読みへと繋げたい 3 研究主題との関連本校の研究主題は 主体的に学び 考え 表現できる生徒の育成 ~ 探究的な授業づくりを通して ~ であ今年度は 主体的 対話的で深い学び をキーワードに 主体的な学び 対話的な学び への手立てを研究することで 本主題に迫れるのでないかと考えてい国語科では 生徒が 主体性 を持ち 探究 していくためには 指導事項と言語活動を関連させ 自ら課題意識を持って取り組める授業の工夫が必要と考え 単元を通して課題解決を目
指す言語活動の位置づけ等を行っていまた 西中授業スタンダードに基づいた授業を実施し 本時のめあてや発問の提示方法 振り返りの時間確保とノート等に書かせる指導に重点を置いて研究してい 対話的な学び に関しては 課題に対してまず個で考えを持つ時間を確保し 自分の考えをノート等に記述させ その後ペアや班等で他者の考えに触れることで自らの考えを広げたり 深めたりする場面を位置付けていこれらの取り組みは昨年度から継続されて行われているもので 今年度はさらに振り返りの質的充実や 授業の流れや評価の可視化にも力を入れ 毎時間の授業内容をより深まったものにするための工夫を重ねてい本単元では 主体的な学び として 自ら仮説を立てることと 仮説を検証するための資料を自らで選ぶことを行わせ 徒然草 の魅力を ためになる助言が書かれている と仮説を立てた者は 助言や教訓の書かれている章段を探し 誰が読んでも納得する と仮説を立てたものは現代でも 成程 と思えるような説得力のある章段を探すだろう ただ古典を学ぶのではどうしても学ばされるという意識が出てしまいがちだが 仮説を立てることで 学ぶ意欲 と 学ぶ意義の自覚 に繋がるのではないかと考えた 次に 対話的な学び であるが これは本時の学習内容と直結してい個人で仮説を立て 検証 考察したものをグループで紹介し合う 自分と違う仮説を立てた者 または仮説は同じでも検証 考察の過程の違う者の意見を聴くことで 一度組み立てた論はさらに深まっていくと考えまた 仮説 検証 考察を再検討した後にまとめることで作品と対話し 徒然草 の魅力を再認識することができれば 深い学び につながるのではないかと考えてい 4 単元の目標 徒然草 の魅力について仮説を立て 複数の章段について調べ検証することで 作者のものの見方や考え方の多様性に触れ 作品を通して自分の考えを持ち まとめることができ 読む能力 古典に表れたものの見方や考え方に触れ 登場人物や作者の思い 現代との共通点などを考えることができ 言語についての知識 理解 技能 5 単元の評価規準 国語への関心 意欲 態度読むこと言語についての知識 理解 古典の文章に興味を持ち す すんで古典に触れようとしてい 古文に表れているものの見方や考え方について 自分の知識や体験と関連付けて考えをまとめ 交流して深めてい C(1) エ 多様な方法で選んだ本や文章などから適切な情報を得て 自分の考えをまとめてい C(1) オ 古典に表れたものの見方や考え方に触れ 登場人物や作者の思いなどを想像してい 伝国(1) ア ( イ )
6 指導と評価の計画 ( 全 8 時間 ) 次時関読言評価規準評価方法1次ノート2次 指導のねらい ( 目標 ) 学習内容 学習活動 評価 1 単元の学習の見通しを持つことが 古典の文章に興味を持ち すすんで古典 発言内容 でき に触れようとしてい 徒然草 はなぜ数百年も読み継 がれてきたのか? という問いに対 古典に表れたものの見方や考え方に触れ 登場人物や作者の思いなどを想像して ノート して 序段 第九十二段 第百十七 い 段を元に仮説を立て 2 古典に表れたものの見方や考え方 古典に表れたものの見方や考え方に触 発言内容 に触れ 仮説を検証することができ れ 登場人物や作者の思いなどを想像して い 仮説 検証 考察 まとめの流れ を意識することでゴールイメージを 持ち 仁和寺にある法師 は自分の 古文に表れているものの見方や考え方について 自分の知識や体験と関連付けて考えをまとめ 交流して深めてい 仮説に合っているかどうかを検証す 3 仮説に合わせて複数の章段を読み 古典に表れたものの見方や考え方に触 発言内容 比べ 具体的に検証することができ れ 登場人物や作者の思いなどを想像して 4 興味をもった章段を選び 材料を ノートに書き出し 整理しながら自 い 多様な方法で選んだ本や文章などから適切な情報を得て 自分の考えをまとめてい ノート付せん 分の仮説を検証し まとめ 5 整理した内容をまとめることがで き 調べたことが相手に伝わるよう工 夫し 前時までの考察内容をまとめ 文章に表れているものの見方や考え方について 知識や体験と関連付けて自分の考えをまとめてい 発言内容ノートワークシー ト3次6本時 単元のゴールイメージを持つ 調べた内容を伝え合うことで兼好 法師のものの見方の多様性に気づ き 仮説を再検証することができ 古文に表れているものの見方や考え方について 自分の知識や体験と関連付けて考 えをまとめ 交流して深めてい 発言内容 自分の意見を紹介し合い 仮説 古典の文章に興味を持ち すすんで古典 ノート7検証 考察を班で交流す に触れようとしてい 仲間の考察を元に自分の説を見直 す 調べたり交流したりしたことを文 古典の文章に興味を持ち すすんで古典 章でまとめることができ に触れようとしてい 前時までに作成したワークシート 多様な方法で選んだ本や文章などから適 生徒作品8や交流の資料を元に自分の考えをま 切な情報を得て 自分の考えをまとめてい とめ 人に伝えることを前提とし まと め方を工夫す 単元の振り返りをし 社会生活と の繋がりを考え
5分25分7 本時の学習 (1) 本時の目標自ら考えた仮説 検証 考察を伝え合うことで兼好法師のものの見方の多様性に気づき 自分の考えを再検証することができ (2) 本時の評価規準 古文に表れているものの見方や考え方について 自分の知識や体験と関連付けて考えをまとめ 交流して深めてい 古典の文章に興味を持ち すすんで古典に触れようとしてい (3) 準備物 資料プリント タブレット端末 電子黒板 古語辞典 図書資料 支援ワークシート (4) 本時の展開 西中スタンダード 学習活動 指導上の留意点 支援 指示等 努力を要する状況と判断される生徒への手立て 十分満足できる状況と判断される生徒への指示 評価規準 1 前時までの復習を行う 前回までの学習の可視化 展開の内容と繋がる具体例を電子黒 板で示す ( 評価方法 ) 導入紹介したい章段の仮説 検証 考察 自分の選んだ章段についての情報 自分が立てた仮説 2 本時のめあてを確認する 仮説の検証 考察 学習課題を つかむ 徒然草はなぜ数百年も読み継がれてきたのか? 自分の検証結果を説明しよう! 展開学習課題について深め 3 検証結果を説明し 仲間の説明のメモを取 3~4 人の小グループで活動を行わせ 古文に表れているものの見方や考 る え方について 自 個人の考えを持つ (1) 班で発表し合う ノートにメモを取りながら発表を聴く 発表者の意見を聴きながら 新たに気付いたことをメモさせ 分の知識や体験と関連付けて考えをまとめ 交流して 深めてい ( 発言内容 観 察 ノート ) 全体で考えを深める (2) 集 気付き 感想 質問などを交流す 交流の難しい班には支援のワークシートを渡す 自分の説と仲間の説を比較して気付 いたことを分析させ
まとめ20分 ま検証結果を見直そ 然草 論 1元の仮説はどんう結なもの?2分の検証結果を説明しよう!1最終的にどんな結論になった?あおう2した?3のか?自まとめ 振り返る 4 個 本時の課題 徒然草はなぜ数百年も読み継がれてきたのか? に対しての検証結果の見直しを書く 交流を通して考えたことを 自分の言 葉でまとめさせ 書き方を確認す 古典の文章に興味を持ち すすんで古典に触れようとしてい 5 全 数名指名し 4 の意見を 意図的指名 ( ノート ) 徒発表す 電子黒板に資料やノートなどを示す 発表の仕方を確認す 6 次時の学習内容について知 これまでの学習内容を基にした自分 の考えを人に伝えられる形でまとめる ことを予告す 8 本時の 主体的 対話的で深い学び に迫るためのポイント主体的な学び 自分で考え立てた仮説 検証 考察を根拠となる具体物を持って説明させるために 並行読書などで読んだ本や資料を用意させ対話的な学び 班活動を情報収集の場とし 自分の検証結果との違いに気付かせるため メモを取る観点を示す 対話の中で得た気付きを基に自分の意見を見直し 検証結果を見直させ 板書計画 単元計画 仲間の発表で考えがどう変化 自分の選んだ章段に ついての情報 自分が立てた仮説 仮説の検証 考察 メモの観点 仲間の発表を聴き 1 復習 新たに気付いたこと 2 検証結果の説明 自分の説と照らし合 3 検証結果の見直し わせながら考える グループで自分の意見を発表しめ徒然草はなぜ数百年も読み継がれてきた