第 3 分科会 ( 性教育 いのちの教育 ) ともに考える性( いのちの ) 教育 ~ 学校 医療 行政それぞれの現場から~ 浜口理恵 ( 国見産婦人科助産師 ) 豊田誠 ( 高知市保健所地域保健課課長 ) 講師紹介浜口理恵 ( はまぐちりえ ) 昭和 57 年高知県看護学園第 2 看護学科卒業 同年国見産婦人科就職 平成 5 年高知県立総合看護専門学校助産学科入学 平成 6 年 3 月卒業の後, 国見産婦人科に再就職 平成 7 年より県保健所主催の 親子いのちの教室 への協力をはじめ, 以後年 2~3 回各学校の要請で いのちの教室 への協力を実施している 豊田誠 ( とよたまこと ) 昭和 37 年山口県萩市生まれ 昭和 61 年高知医大卒業後, 県内の保健所に勤務し, 公衆衛生行政では 20 年の実績がある 現在は, 高知市保健所地域保健課課長として, 感染症対策や性教育に携わっている とても穏やかな性格でありながら, 仕事に対しては情熱を持って, 感染症対策をリードしている一人である 分科会役員 実践発表 秋森五月 ( 泉野小学校 ) 司 会 西川桂子 ( 秦小学校 ) 運 営 坂本美華 ( 南海中学校 ) 記 録 川田美子 ( 第四小学校 ) 堀内智枝子 ( 朝倉小学校 ) 分科会第 1 日目 実践報告 いのちの学習 との出会い秋森五月 ( 泉野小学校 ) この学習が始まったのは, 前任校に赴任して子どもたちの心の荒れが気になり, 保護者からも, 友達を大切にし, 思いやれる子どもに育ってほしい そのために命の大切さを感じる性教育を学校でしてもらえないか という投げかけがあったのがきっかけである その当時の中央保健所の岡田先生の協力を得て, いのちの学習 がはじまった その後, 高知市の健康づくり課の事業の一つとして取り組みがはじまり, 豊田先生や保健師の小松さん, 校区に勤務する助産師の濱口さんなどを交えて学校 医療機関 行政と協力しながら取り組んだ 異動になった現在校でも2 年目から取り組んでいる 性教育は担
任が関わることに意味がある 1/2 成人式 (10 歳を機に総合学習として自分の誕生から現在までの成長を振り返る学習 ) も実施して, いのちの大切さをみつめるいい機会になっている 参考学校における性教育の基本的な考え方について ( 性教育をすすめていくうえで ) 学習指導要領にのっとり児童生徒の発達段階にそった時期と内容にすること 教育上の内容について理解の得られるものであること 個々の教職員がそれぞれの判断ですすめるのではなく, 学校全体の指導計画に基づき, 組織的, 計画的な指導をおこなうこと 教職員の共通理解だけでなく, 保護者や地域の理解を得ながらすすめていくこと 集団指導と個別指導とによって相互に補完していくこと 講師の講話 1 学校での いのちの学習 に協力して浜口理恵 ( 国見産婦人科助産師 ) いのちの学習 との出会いは, 平成 5 年の看護学校の先生の言葉であり, 平成 7 年から行っている 秋森先生からの依頼で, 学校での いのちの学習 に協力してきた 教師 ( 担任 ) のお話は, 子どもにも大きく感動を伝える 妊婦さんと実際の触れ合いは感動が大きい ( 人形は人形でしかない, お腹をさわってもらうので, 妊婦さんは8~9ヶ月の方が理想的 ) いのちの学習 を依頼される時はおまかせしますではなく, 学校の方も具体的にこんなことをしてほしいといったことを一緒に考えてほしい 子どもたちにどう伝えればよいのかは先生たちの方がよく知っているので, 発達段階に応じた展開を共働でつくっていくことが望ましい 健康づくり課の事業紹介 保健所における思春期保健の取り組み 平井さんより 性教育の CD-ROM( 小 中学校版 ) は, 市学事課と健康づくり課で貸し出しします 地域保健課に事業紹介 エイズ啓発ポスターについて 岡崎さんより ポスターとパンフレットを無料配布します パネルは貸し出し出来ます 質疑応答 Q 泉野小学校での1~6 年の取り組みはどうなっているか? A 4 年生のみ実施している Q 中学校での浜口さんの指導はしていただけるのか? A 小学校と同じようには出来ないが, 検討できるのではないか Q 学習指導要領にないことばを使わずに, 小学校ではどう教えたらいいのか?
A 文科省は, 教科書どおりの用語を使って指導するようにとのことであり, 現在性教 育の手引きを作成中である また性教育の取り組みは, 学校全体で取り組んでいくことが大切である 参考中央審議会における意見 性教育を行う場合に人間関係についてのコミュニケーション能力を前提とすべきであり, その理解の上で性教育がおこなわれるべきであって安易に具体的な避妊方法の指導等に走るべきではない 学校における性教育については子どもたちは社会的責任を十分にとれない存在であり, また性感染症を防ぐという観点からも子どもたちの性行為については適切ではないというスタンスに立って指導内容を検討すべきである 研究協議 泉野小学校で いのちの学習 を行ってみてよかった 準備からこみあげてくるものがあり, 学習後の教室の様子が良くなった いのちの教育は, 続けていくことが大切である 第六小学校では, いのちの学習 を行っているが, 総合の時間の減少で時間確保の悩みがある 事前事後の取り組みも大切である 横浜小学校では, 学校全体の いのちの学習 の系統性を見据えた指導を心がけている 子どもたちにアンケートをとって, 正しい性情報を得るという指導し, 次学年につなげるようにする 心に響く性教育を行うように考えている 介良小学校では,1/2 成人式を学校全体としての取り組みになるように進めている 学事課では, エプロンシアターや赤ちゃん人形の貸し出しをしている 赤ちゃん人形の作り方も教えるので連絡をしてほしい 分科会第 2 日 講師の講話 2 高知市の性感染症の動向と性 いのちの教育について豊田誠 ( 高知市保健所地域保健課課長 ) H14 15 年度高知県性感染症調査のまとめで, 若年層の女性の罹患が全国平均より高かった 啓発を行い,H18 年に再調査を実施し, 減少傾向になったが微増している感染症もある HIV 感染,AIDSは, 国内や高知県でも増加している疾患である 早期発見し, 治療が大切である 高知市保健所では,HIV 検査を実施している 人工妊娠中絶は, 高知県は全体も 10 代でも, 全国の 1.5 倍と多い 学校での指導が大切である それぞれの立場で落ちついて, 心に届くような指導をしてほしい 高校での性教育に参加して ( 劇をして高校生の共感をえながら指導した例 )
* 性教育 ( いのちの教育 ) は正しい知識の提供だけではなく, 自分自身のからだと心を守ることができる力を育てること * 性教育は誰が教育するのがよいか? 信頼している人, いつも身近にいてくれる人から教えてもらうことで理解が深まる * 何を伝えるのか? 指導者たちからのメッセージ 10 代の頃, 気持ちのバランスをとるのはむずかしい 自分の考えや価値観を大切にしてほしい そして, 他人の価値観も尊重していこう 他人を思いやる気持ちがあればやっていける ( 豊田医師 ) 10 代は気持ちも不安定, 一人ひとりが大切な存在, 自分を大切にするということは心も体も大切に守ること 特に女子は妊娠によって人生がかわることもあるかもしれない 流行やその場の雰囲気に流されるのではなく, たくさんの選択肢の中から自分の人生を見極めて, 素敵なおとなになってほしい ( 保健師 ) 講師の講話 3 医療の現場からの報告浜口理恵 ( 国見産婦人科助産師 ) 病院に来院した若年の妊娠や出産, 人工妊娠中絶, 性感染症の事例についての話がありました 研究協議質疑応答及び意見交換 Q 性感染症の男女比が,AIDSで反転するのはなぜか? A 医療機関に受診した人のデータであり, 女性の方の受診が多いと思われる 受診しない分を考えると男女比はあまり変わらないと思われる Q インターネットサイトを見ている子についての個別指導はどうしたらよいか? A 健康づくり課に 性情報と私たち ( 小学校 ) 性情報の選択 ( 中学校 ) の教材があるので利用してほしい 中学校間での情報交換を行った Q モーニングアフターピルとはどういうものか? 処方は? A 性交後 72 時間以内にホルモン剤 2 錠, その 12 時間後に 2 錠服用し, 排卵を抑制した
り, 受精卵が子宮に着床しないようにするものである ホルモン剤であるため副作用があり注意が必要である 処方は, 産婦人科医が行う 豊田医師の感想 2 日間でぞれぞれの立場で行っている実態がわかった 今後も関係機関と情報交換を行い, 連携しながら進めていかなければいけない * 小学校, 中学校, 高学校とそれぞれの発達により子どもたちの変化は大きく, 大人へと向かう中で, 自分の体を大切にする 人を大切にする 事が基本になっていると改めて思った そのためには, 学校 医療 行政の専門性や特性を生かした協力が大きな力になると感じた