安倍戦争法の危険 1 安倍戦争法の実際の危険 2 さらに危険な段階に入った日本の軍国主義 3 戦争法阻止のために全力を

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奮戦

テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案要綱

インド洋におけるテロ対策海上阻止活動及び海賊行為等対処活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案要綱

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2 加わって海外で武力を行使したりしないこと)を大きく逸脱するものです 今年3月20 日に その法案化に向けての与党協議会での合意文書がまとめられ 4月17 日には全体像が提示されました これについて自民 公明両党からの強い異存は出なかったとされています 4月下旬での与党合意や日米防衛協力のための指

縦軸)我が国 国民に関する事項ための活動を実施可能に(国際社会に関する事項 平和安全法制 の主要事項の関係 在外邦人等輸送 ( 現行 ) 自衛隊法 在外邦人等の保護措置 ( 新設 ) 自衛隊の武器等防護 ( 現行 ) 自衛隊法 米軍等の部隊の武器等防護 ( 新設 ) 平時における米軍に対する物品役

平和安全法制などの整備法整備の経緯 図表 Ⅱ 閣議決定 の概要と法制整備 閣議決定 の項目 概要 法制整備 警察や海上保安庁などの関係機関が それぞれの任務と権限に応じて緊密に協力して対応す 治安出動 海上 1 武力攻撃に 至らない るとの基本方針の下 対応能力を向上させ連携を強化するな

三衆議院議員稲葉誠一君提出自衛隊の海外派兵 日米安保条約等の問題に関する質問に対する答弁書一について1 我が国が安全保障理事会の常任理事国となるためには 国連憲章の改正が必要であるが 安全保障理事会の常任理事国は 国連憲章の改正についても いわゆる拒否権を有しており 一般的にいつて 国連憲章の改正に

I. 集団的自衛権 A. 集団的自衛権とは集団的自衛権は 国際連合の成立の際に 初めて国際法上で創設され 国連憲章第 51 条に明文化された権利である 具体的には 自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を 自国が直接攻撃されていないにもかかわらず 実力をもって阻止する権利 であり 日本政府もこの

平成 29 年 ( ワ ) 第 125 号安保法制違憲 国家賠償請求事件 原 告 阿部裕ほか224 名 被 告 国 準備書面 (3) ( 朝鮮半島有事の際の新安保法制による米軍への軍事的支援活動と他国間戦争にまきこまれる具体的現実的危険 ) 宮崎地方裁判所 民事第 2 部合議係御中 2017( 平成

前提 新任務付与に関する基本的な考え方 平成 28 年 11 月 15 日 内 閣 官 房 内 閣 府 外 務 省 防 衛 省 1 南スーダンにおける治安の維持については 原則として南スー ダン警察と南スーダン政府軍が責任を有しており これを UNMISS( 国連南スーダン共和国ミッション ) の部

平和安全法制整備法案と国際平和支援法案

の方が違憲の問題を指摘しています ポイントは 我が国が 武力の行使をする際の要件として 相手国からの我が国に対する武力攻撃が必要条件か という点にあります この点について政府は 我が国に対する武力攻撃が無くても 我が国の存立が脅かされ他に方法が無いような場合 すなわち新三要件が満たされる場合には 限

安全保障法制改定法案に対する意見書

1 自衛隊に対する関心 問 1 あなたは自衛隊について関心がありますか この中から 1 つだけお答えください 平成 30 年 1 月 関心がある ( 小計 ) 67.8% 非常に関心がある 14.9% ある程度関心がある 52.9% 関心がない ( 小計 ) 31.4% あまり関心がない 25.9%

自衛隊の補給支援活動に関する特別世論調査 の要旨 平成 21 年 3 月内閣府政府広報室 調査時期 : 平成 21 年 1 月 22 日 ~2 月 1 日調査対象 : 全国 20 歳以上の者 3,000 人有効回収数 ( 率 ):1,684 人 (56.1%) 1 補給支援活動の認知度 平成 21

1 駆け付け警護 とは 駆け付け警護 とは,PKO 協力法 3 条 5 号が規定する国際平和協力業務の1つであり, 正確には 安全確保業務 (3 条 5 号ト ) と 駆け付け警護 (3 条 5 号ラ ) の2つから成ります このうち, 安全確保業務 は, 端的に言えば, 住民保護 治安維持活動のこ

れにMINUSTAH 軍事部門司令部において行われる企画及び調整の分野並びに我が国のMINUSTAHに対する協力を円滑かつ効果的に行うための連絡調整の分野における国際平和協力業務を行わしめるとともに 自衛隊の部隊等により ハイチ地震の被災者の支援等の分野における国際平和協力業務を実施することとする

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朝日 TV 2015/4/18-19 原発政策安倍内閣は 今後の電力供給のあり方について検討しているなかで 2030 年時点で 電力の 2 割程度を 原子力発電で賄う方針を示しています あなたは これを支持しますか 支持しませんか? 支持する 29% 支持しない 53% わからない 答えない 18%

掃海を挙げているが これを実質的に見れば (1) の 今まさにそこにある危機 というよりもむしろ (2) の日米同盟の強化の意味合いが大きい そのため 政権が武力行使の要件として示す 存立危機事態 には 実質上 日米同盟存立危機事態 の要素が入り込み それが 武力行使の限界の外縁を曖昧にしている 以

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首相は 朝鮮半島有事などで日本人を運ぶ米軍艦船を防護する場合や 日本に原油を運ぶタンカーが通る中東 ホルムズ海峡が機雷により封鎖され これを取り除く掃海活動などを挙げてきた ただ 公明党はホルムズ海峡が封鎖され日本が経済的な打撃を受けただけでは 存立危機事態には該当しないと主張する 日米両政府が先月

グループ発表 PKO 賛成派平和のための PKO 2015/06/16 山上咲子 1.PKO( 国連平和維持活動 ) とは何か PKO は一般的に 国連の安全保障理事会の決議に基づいて 加盟国による特別な部隊を作り 紛争の起った地域に派遣して紛争の拡大 再発防止 停戦後の平和維持のために行う活動 と

中谷防衛相はこれも否定せず 海自の護衛艦は魚雷の攻撃を受けない安全な場所で活動 を行う と答弁した 兵站を担う護衛艦が常に安全な場所にいられるはずがない 戦場の現実を無視した机上 の空論と言うほかない 首相はきのうの集中審議で 集団的自衛権の行使を容認しても ( 他国の ) 戦争に巻き込 まれること

安全保障会議 ( 現行 ) の概要 ( 構成 ) 委員長 : 内閣官房長官 委 安全保障会議 ( 構成 ) 議長 : 内閣総理大臣 事態対処専門委員会 内閣総理大臣の諮問に基づき 以下の事項を審議 国防の基本方針 防衛計画の大綱 対処基本方針 武力攻撃事態 / 周辺事態等への対処 / 自衛隊法第 3

集団的自衛権の行使を 容認する閣議決定 終戦 日本の敗戦 日本国憲法公布 自衛隊発足 政府見解 集団的自 衛権の行使は憲法上許さ れない 自衛権発動の3要件

新 日米防衛協力のための指針 ( ガイドライン )

第 1 原則及び第 2 原則を踏み外さないための 歯止め として 以下の原則が派生する 3 他国の武力行使との一体化禁止 4 海外での自衛隊の活動は 後方地域 ( 非戦闘地域 ) における後方支援 人道復興支援に限定 ( 警護活動 安全確保活動 船舶検査活動のような危険な前線での活動禁止 ) 5 武

大綱コンセプトの変遷 初めて策定した 51 大綱 (1976 年策定 ) においては 自らが力の空白となって我が国周辺地域における不安定要因とならないよう 必要最小限度の防衛力を保有するという考え方 すなわち 基盤的防衛力構想 を採用 その後 東西冷戦の終結といった国際情勢の変化 より安定した安全保

論点 ( ポイント ) それでは早速入りますが まずポイントですね 憲法に反するのか ということ 安全保障に関してどんな政策をとるかは 政治の判断することです 我々が選挙で選んだ政治家が判断する しかし 安倍さんだから何でも自由にできるという訳ではない 安倍さんの発言を聞いていますと国民の命を預かる

Security declaration

また 前提となる衝突や紛争といった脅威が不明確であり 在日米軍 海兵隊の出動が見込まれる事例をはじめ 具体的な説明がなく 抽象的である このような内容では 県外移設 ができない理由が説明されているとは言えず 県民の納得のいくものではない 鳩山前総理は 昨年 5 月の記者会見において 何とか県外に見つ

カフェ 南スーダン PKO 駆け付け警護とは戦争すること 2015 年 11 月 29 日 リブ イン ピース

平和安全法制における米軍等の部隊の武器等防護の国内法上の位置付け

平和安全法制関連法案の国会審議

条第一項に規定する国際平和協力業務の実施等に関する重要事項九自衛隊法 ( 昭和二十九年法律第百六十五号 ) 第六章に規定する自衛隊の行動に関する重要事項 ( 第四号から前号までに掲げるものを除く ) 十国防に関する重要事項 ( 前各号に掲げるものを除く ) 十一国家安全保障に関する外交政策及び防衛政

日本の平和憲法と アメリカ 東アジア 川崎哲 NGOピースボート 共同代表 集団的自衛権問題研究会 代表

008 しかし 自衛隊が最初から広く国民に受け入れられる存在だったかというと 決してそうではなかった 創設時から憲法違反という批判も受けながら 戦後の平和主義の中で苦しみつつ成長してきたというのが実態である かつては自衛官という存在自体を否定的に考える風潮もあったのである たとえば ノーベル文学賞を

必要な自衛の措置をとるための実力組織としての自衛隊を保持する との憲法改正案に反対する決議 第 1 決議の趣旨当会は 必要な自衛の措置をとるための実力組織としての自衛隊を保持するとの憲法改正案については 憲法の基本原則の一つである恒久平和主義を著しく損なう危険性が大きいので 反対する 第 2 決議の

昨年 辺野古の集会に出席した故 菅原文太さんが 政治家の役割は二つある 一つは国民を飢えさせないこと もう一つは決して戦争しないことだ と強調した 国民を死に追いやるような政治をしてはいけないということだ 今回 安全保障法制が成立して 様々な理由で海外派遣が可能になるだろう これまでにも自衛隊が海外

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1.DVD 上映 イラク戦場からの報告 西谷文和 (2007 年 32 分 ) 西谷文和さん :1960 年京都市生まれ 立命館大学理工学部中退 大阪市立大学経済学部卒業 吹田市役所勤務を経て 現在フリージャーナリストで イラクの子どもを救う会 代表 イラクやアフガンで撮りためた映像や写真を各地で紹

合に限定したことである 政府 自民党が 自衛隊の行動に 国際法上の正当性 という歯止めを 求める公明党に譲歩したためだ 決議がなくても 他国軍への補給 輸送支援などが必要となる事態はあり得よう 人道復興支援 と同様に 国際機関や地域機関の要請などで後方支援を行う余地を残すよう再調整すべきだ 後方支援

自衛隊・米軍報道を検証する(講演)

検査若しくは修理又は補給 ( 武器の提供を行う補給を除く ) エ自然災害によって被害を受けた施設又は設備であってその被災者の生活上必要なものの復旧又は整備のための措置オ宿泊又は作業のための施設の維持管理 3 国際平和協力業務の実施の方法 (1) 実施計画及び実施要領の範囲内において 事務総長等による

2 1 戦争法を批判するための視点 昨年の 7 1 決定 ( 集団的自衛権の容認などを内容とする閣議決定 ) でも大丈夫だとか この決定をベースにかんがえる というのはおかしい ( 7 1 決定自体が 戦争法の枠組みの中にある ) ベースにおくべきは憲法平和主義である 憲法平和主義 政府の行為によつ

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はじめに 日本の平和と安全を維持し その存立を全うすることは 政府 の最も重要な責務です また 日本の安全保障政策を高い透明性をもって示すことも政府が果たすべき役割です 日本は 戦後 70 年以上にわたり 平和国家として歩んできました 自由 民主主義 人権 法の支配を擁護し 地域そして世界の平和と繁


反論 安全保障環境が厳しくなっているのは事実だろうが ならば 従来の専守防衛の原則を堅持し 自衛隊と海上保安庁の装備を更新 強化し さらに 切れ目のない危機対応を整えるべく 領海警備法を制定し 武器使用基準 ( 大臣訓令 ) を改正すれば済むはずである にもかかわらず 米国の二軍のように世界に軍事展

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2015 年は 日本の安全保障政策の歴史に残る年となった 4 月 27 日には 1997 年以来 18 年ぶりに新たな 日米防衛協力のための指針 ( 以下ガイドライン ) が策定された この新ガイドラインによって 日本の平和 安全の確保をガイドラインの中核的な役割として維持した上での協力の維持強化

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3 議事概要 (1) 安倍総理から 冒頭挨拶の中で 1 我が国を取り巻く安全保障環境は 我が国が独立を果たして以来激変した 2とりわけ近年顕著なのは グローバルなパワーバランスの急激な変化であり 東アジアの安全保障環境は第一次報告書が提出された6 年前に比べても一層厳しさを増している 3 大量破壊兵

『自衛隊の海外派遣』

はじめに 全国防衛協会連合会は かって調査研究として 日本の防衛 Q&Aよくわかる国の守り を取り纏め 会員を中心に参考資料として配布したところでありますが その後 10 年近くが経過し 近年の内外情勢の変化 特にわが国周辺における安全保障環境の厳しさを受け わが国防衛政策にも大きな変化が生じていま

訴 状 原告ら中西新太郎ほか別紙原告目録記載のとおり ( 計 254 名 ) 原告ら訴訟代理人 別紙原告ら訴訟代理人目録記載のとおり 東京都千代田区霞が関一丁目 1 番 1 号 被告国 代表者法務大臣金田勝年 2016 年 9 月 16 日 横浜地方裁判所御中 横

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(2) 国際連携平和安全活動とは 国連が統括しない有志連合による平和維持活動である 国際平和協力業務は国際連合平和維持活動 ( 国連 PKO) と同じである (3) 安全確保業務 とは 住民保護 治安維持活動のことである 駆け付け警護 とは NGO や他国の部隊等の PKO 活動関係者が敵対勢力等に

自衛隊と海上保安庁の国際活動をめぐる論点 <緒言>

平成 28 年 ( ワ ) 第 2407 号自衛隊南スーダン PKO 派遣差止等請求事件 原告平和子 被告国 文書提出命令申立書 2019( 平成 31) 年 1 月 10 日 札幌地方裁判所民事第 1 部合議係 B 御中 申立人 ( 原告 ) 訴訟代理人 弁護士佐藤博文 外 申立人 ( 原告 )

自衛隊の役割と権限 1

2. 安全保障の座標軸 時間軸と空間軸 ( 時間軸 ) どこから歴史を語るか? 白村江の戦い - 元寇 - 日露戦争 - 第 2 次世界大戦 2000 年の歴史の中の戦後 70 年の位置づけ ( 空間軸 ) 国を守る とは何処から何処までか? 国家システム ( 機能 ) 地域システム ( 機能 )

表紙

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し欠けていたような気もします やはりこの平和安全法制の目的というのは国民のリスク をまさに下げていくものだと ( 安倍総裁 ): 今回の平和安全法制は まさに国民の命と幸せな暮らしを守るためであって あらゆる事態に切れ目のない対応を可能にするためのものです その意味において国民のリスクを下げていきま

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自衛隊の原子力災害派遣に関する達

Microsoft Word - 会報63号

Taro-非戦平和提言(5月集会版)

  策定された危険な新防衛大綱

第16講  第二次世界大戦とドイツの戦略(1)

国際平和協力活動等における軍事力の役割

11

2 本においても復活し 再び日本の進路を誤らせようとしているようです 第一の軍事力信仰の強まりは いうまでもなく安倍首相本人において極めて強烈なものがあります 安倍首相も 安全 や 平和 を口にしますが 非軍事的安全保障という発想はなく 安全 はあくまでも軍事力によってもたらされるものであり 平和

2015年7月DD日

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Microsoft Word 懇談会議事要旨.doc

Microsoft PowerPoint - ir.under.jp13.handout.ppt [Compatibility Mode]

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ホルムズ海峡における機雷の除去に関して 遺棄機雷の除去は停戦が必須の条件か? 河村雅美 8 月 12 日 ( 月 ) 海上自衛隊の掃海部隊( 掃海母艦 うらが 掃海艦 はちじょう ) が ペルシャ湾で実施される米海軍主催の国際掃海訓練に参加するため 横須賀を出港した 同訓練への参加は 昨年に引き続き

訴状の構成

目次 はじめに 1 Ⅰ. 憲法解釈の現状と問題点 4 1. 憲法解釈の変遷と根本原則 4 (1) 憲法解釈の変遷 4 (2) 憲法第 9 条の解釈に係る憲法の根本原則 8 2. 我が国を取り巻く安全保障環境の変化 我が国として採るべき具体的行動の事例 13 Ⅱ. あるべき憲法解釈 17

PowerPoint プレゼンテーション

ところが 任務は格上げとなったのに 現場の隊員の武器使用を含めた権限あるいは処遇はそのままでした 任務と権限が乖離をしたままで 国際協力業務が防衛出動と同じ本来任務であるのはおかしいという思いがありました 実際にイラク派遣のときは 自衛隊が危ないところに行くということで マスコミを含めて 多くの日本

Microsoft Word 米中東戦略

自衛隊による在外邦人等の陸上輸送

SIS に供与した兵器です アメリカの外交誌フォーリンポリシーは 昨年 10 月 ジェフリー スミス氏の署名で ISIS の武器の供給源に関する報告を発表しました ジェフリー スミスは ISISはどこから武器を手に入れているのか と題するこの報告の中で 次のように記しています ISISがイラクやシリ

日米関係から見た集団的自衛権論議―日米防衛協力の進展と集団的自衛権―

安保法案成立 ( 朝日 ) 駆けつけ警護 来春にも南スーダン PKO に安保法適用 政府は 安全保障関連法の成立を受け アフリカ 南スーダンの国連平和維持活動 (PKO) に派遣している陸上自衛隊の武器使用基準を緩和し 来年 5 月の部隊交代に合わせて任務に

総 論

の中で 在外邦人の安全をどのように守るのか 危機の発生にどのように対応するのか を検討した その際に 海上を航行する民間船舶の安全 北アフリカにおける治安情勢の悪化に伴う民間人の保護 新たな PKO 任務の付与に伴うリスクの増大をシナリオとして扱うこととした また今回の政策シミュレーションでは 政府

資料 4 医療等に関する個人情報 の範囲について 検討事項 医療等分野において情報の利活用と保護を推進する観点から 医療等に関する個人情報 の範囲をどのように定めるべきか 個別法の対象となる個人情報としては まずは 医療機関などにおいて取り扱われる個人情報が考えられるが そのほかに 介護関係 保健関

Transcription:

リブ イン ピース 9+25 講演集会 2015 年 5 月 10 日 ( 日 ) 報告吉田正弘

安倍戦争法の危険 1 安倍戦争法の実際の危険 2 さらに危険な段階に入った日本の軍国主義 3 戦争法阻止のために全力を

1 安倍戦争法の実際の危険 1 これまで 憲法 9 条にも関わらず 専守防衛 の名前で戦争遂行は可能に 1 自衛隊法及び武力攻撃事態法 自衛隊法第 76 条内閣総理大臣は 我が国に対する外部からの武力攻撃 ( 以下 武力攻撃 という ) が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態に際して 我が国を防衛するため必要があると認める場合には 自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる

1 安倍戦争法の実際の危険 さらに 2 周辺事態法 第 1 条この法律は そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態 ( 以下 周辺事態 という ) に対応して我が国が実施する措置 その実施の手続その他の必要な事項を定め 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約 ( 以下 日米安保条約 という ) の効果的な運用に寄与し 我が国の平和及び安全の確保に資することを目的とする

1 安倍戦争法の実際の危険 1 後方地域支援米軍に物品及び役務の提供 便宜の供与その他の支援措置を行う 武器弾薬の提供 出撃前の航空機への給油などは認めていない 2 後方地域捜索救助活動戦闘により遭難した戦闘参加者の捜索又は救助を行う 3 後方地域我が国領域 現に戦闘行為が行われておらず かつ 活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる我が国周辺の公海及びその上空の範囲 補 : 船舶検査法当該船長の合意を得た船舶検査実施

新しい戦争法 1 武力攻撃 存立危機事態法 4 条存立危機事態我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し これにより我が国の存立が脅かされ 国民の生命 自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいう 自衛隊法 ( 集団的自衛権の行使 ) 第 76 条内閣総理大臣は 次に掲げる事態に際して 我が国を防衛するため必要があると認める場合には 自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる

新しい戦争法 1 存立危機事態 (1) 密接な関係にある米国が 他国に先制攻撃をかける (2) その国が米国に反撃する ( 戦争になる ) (3) 安倍総理は 密接な関係にある米国が攻撃された 存立危機事態である と宣言する (4) ただちに集団的自衛権発動を宣言し その国に宣戦布告し 参戦する 米国の戦争を口実に他国に参戦できる初めての法律

新しい戦争法 2 重要影響事態安全確保法 ( 周辺事態法のリニューアル ) ( 重要影響事態 ) 第 1 条この法律は そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等 我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態 ( 以下 重要影響事態 という ) に際し 合衆国軍隊等に対する後方支援活動等を行う 周辺事態法ではここに 我が国周辺における が入る 周辺事態法での 後方地域支援 ではなく 武器弾薬提供 給油などを含み 戦争行為である 後方支援 を行う

新しい戦争法 2 重要影響事態 世界中で米軍の戦争に支援を行える ( 周辺事態法の 地域 を削除 ) 米軍及び外国軍に後方支援 ( 武器弾薬の提供 給油などを含む ) を行う 現に戦闘が行われている現場でなければ戦争支援が行える 捜索救助活動は戦場であろうと行われる 船長の同意なしでも強制的に船舶検査を行う

新しい戦争への荷担 自衛隊の給油艦が米艦船 ( 他国軍も ) に給油活動で随伴 兵器防護 の口実で自衛艦が米空母機動部隊を護衛 随伴

新しい戦争への荷担 安倍政権がどうしてもできるようにしたいことの一つが 戦争中における機雷掃海である しかし これも戦争参加そのもの ( 写真は海上自衛隊の機雷掃海訓練 )

新しい戦争法 3 国際平和支援法 ( 海外派兵恒久法 ) 第 1 条この法律は 国際社会の平和及び安全を脅かす事態であって その脅威を除去するために国際社会が国際連合憲章の目的に従い共同して対処する活動を行い かつ 我が国が国際社会の一員としてこれに主体的かつ積極的に寄与する必要があるもの ( 以下 国際平和共同対処事態 という ) に際し 当該活動を行う諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等を行うことにより 国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的とする

新しい戦争法 3 国際平和支援法 国連武力行使決議さえ必要ない 国連憲章の目的に従い 活動する曖昧なもの 内閣の判断で決める イラク戦争 アフガン戦争 リビアへの戦争などどれも OK 地域も限定されない 中東を含め世界中どこでも 事実上の戦争行為 ( 軍事力行使 ) である後方支援を行う 反撃されれば個別的自衛権で戦闘可能 戦闘行為が行われている現場では実施しない ただし 捜索救助活動については この限りでない イラク派遣 ( 復興支援 ) などと根本的に異なる テロ特措法での艦船への給油なども大幅に超える 戦争支援のための法律

新しい戦争法 3 後方支援とは戦争すること 国際的には 後方支援とは戦争そのものに参加すること米軍は戦争を支えるために大量の後方支援部隊を必要とします 写真はイラクでの米軍の支援部隊 下は攻撃で炎上する部隊 後方支援は戦闘部隊の最重要の支え そして相手側の一番の攻撃目標です このもっとも危険な任務を引き受けるというのです

新しい戦争法 4 国際平和協力法 (PKO 法 ) 改定 国際平和協力業務 国際連合平和維持活動のために実施される業務で次に掲げるもの 国際連携平和安全活動のために実施される業務で ( 略 ) 海外で行われるものをいう これまでの PKO 法は国連の下に行われる諸活動への参加 (PKO 活動など ) だったが 改定後は国連とは関係のない活動も対象になる 平和維持 (PKO) 活動だけでなく 治安維持や駆けつけ警護 人質救出など武器使用を前提とした活動が中心に据えられる

新しい戦争法 4 国際平和協力法改定 国連の主導下にない人道復興支援や治安維持活動もできる その際 PKO 参加 5 原則 ( 停戦合意など ) な満たさなくて良い イラク戦争やアフガン戦争での治安維持活動などが可能 治安維持任務追加 イラク戦争での治安維持活動こそ敵対武装勢力の殲滅が任務 また一番攻撃にさらされたところ 駆けつけ警護追加 駆けつけ警護はすでに敵対武装勢力に包囲攻撃されている部隊を救出するために相手を攻撃 殲滅すること 戦闘をふっかけにいくこと 上の作戦遂行のための武器使用解禁

新しい戦争法 4 治安維持活動とは武装勢力の殲滅 上はイラク戦争での治安維持活動 ( パトロールとしらみつぶしの住民チェック ) をする米兵 右はジプチで自衛隊機の警備をする陸自部隊

新しい戦争法 4 国際平和協力法改定 上は南スーダンでユニセフ特別大使の黒柳氏と自衛隊 改定で任務は根本的に変わる 武装勢力殲滅のために家捜しをする自衛隊員を笑って迎え入れるか

新しい戦争法 5 平時からの米軍護衛 米軍等の部隊の武器等の防護 ( 自衛隊法の改正 ) 自衛隊法第 95 条の 2 自衛官は アメリカ合衆国の軍隊その他の外国の軍隊その他これに類する組織の部隊であつて自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動 ( 共同訓練を含み 現に戦闘行為が行われている現場で行われるものを除く ) に現に従事しているものの武器等を職務上警護するに当たり 人又は武器等を防護するため必要であると認める相当の理由がある場合には その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる ( 以下略 ) 平時においても米軍の武器 ( 軍艦 航空機など ) を護衛することができ 武器使用ができる

ガイドライン離島防衛と共同作戦 ガイドライン改定 (4 月 27 日 ) で日米両軍の軍事協力は平時から戦争までのあらゆる局面で 自衛隊が米軍に協力する体制を飛躍的に強化することになる ただし 尖閣諸島を巡っては

2 さらに危険な段階に入った 日本の軍国主義 安倍首相の議会演説 戦後世界の平和と安全は アメリカのリーダーシップなくして ありえませんでした 日本は 米国 そして志を共にする民主主義諸国とともに 最後には冷戦に勝利しました この道が 日本を成長させ 繁栄させました そして今も この道しかありません 太平洋から インド洋にかけての広い海を 自由で 法の支配が貫徹する平和の海にしなければなりません そのためにこそ 日米同盟を強くしなくてはなりません 日本はいま 安保法制の充実に取り組んでいます 実現のあかつき 日本は 危機の程度に応じ 切れ目のない対応が はるかによくできるようになります これら実績をもとに 日本は 世界の平和と安定のため これまで以上に責任を果たしていく そう決意しています そのために必要な法案の成立を この夏までに 必ず実現します

日本軍国主義の新段階 いま起こっていることはどういうことか? 平和国家 のあり方を二面性においてとらえること 2013 年末 専守防衛 から 積極的平和主義 転換 いま戦争法を造ろうとしている 戦後の一切の制約を撤廃して海外に戦争できる国にしようとするもの 戦後 海外で兵士が一人も人を殺していないことは確か 誇るべき歴史は人民の憲法 9 条を盾に武力行使 戦争と自衛隊の海外派兵を許さない戦いが作り出したもの 他方では 米国の戦争に付き従い それを支えてきた アジアでの緊張と戦争の危険を高めてきた

日本軍国主義の新段階 敗戦後 たった5 年で再軍備 朝鮮戦争の特需で復活 1945 年 8 月日本の敗戦と武装解除帝国陸海軍解体 1947 年日本国憲法 (9 条 ) 教育基本法など 1950 年朝鮮戦争開始再軍備開始 ( 警察予備隊 ) 掃海部隊元山上陸作戦に出動 戦死者出す 1951 年単独講和旧日米安保条約 1 米軍に基地提供 2 米軍に内乱介入権 3 米による防衛義務なし

日本軍国主義の新段階 対ソ軍事力強化 ベトナム戦争加担とベト ナム特需 1953 年池田ロバートソン会談対米従属軍備暫時増強路線の確認 1960 年新日米安保条約 米への基地提供 2 沖縄の米軍支配 3 米軍と自衛隊による防衛 ベトナム戦争の敗北と米軍の疲弊 1978 年日米防衛ガイドライン 対ソ戦争での協力明文化

日本軍国主義の新段階 朝鮮半島有事での軍事協力の明文化 ---1996 ガイドライン 1991 年ソ連邦崩壊湾岸戦争 1994 年 朝鮮半島危機 1996 年日米ガイドライン改定 朝鮮半島など日本周辺で米軍が戦争するときには 後方地域で支援をする これにもとづいて周辺事態法 有事法制など戦争関連の法律が作られる

日本軍国主義の新段階 米軍事力の更なる凋落と日本の軍国主義 の新段階 アフガン戦争イラク戦争と米軍事力の疲弊 中国の経済成長と GNP の急拡大 イラク戦争でイラクに 人道支援 復興支援 で派兵 アフガン戦争 ( テロ特措法 新テロ特措法 ) で外国艦船 に対する給油 後方支援に踏み切る イラク戦争では米から地上部隊を出せ 血の同盟を証明せよと迫られたが 国内世論が後方支援で自衛隊を送るのを許さなかった

日本軍国主義の新段階 米軍事力の更なる凋落と日本の軍国主 義の新段階 2013 年 特定国家機密法 国家安全保障会議設置靖国参拝 国家安全保障戦略 ( 積極的平和主義 ) 武器輸出 3 原則 2014 年 7 月集団自衛権閣議決定 2015 年 4 月ガイドライン改訂 夏までに 集団的自衛権 ( 他国に戦争をしかける ) 世界中で米軍や多国籍軍に後方支援 兵站を行い軍事協力できる戦争法を決定

3 戦争法阻止のために全力を 阻止のために世論 運動を強めるために全力で みんなの力を結集した運動を 宣伝や説得の活動の強化を 自分の周りへの働きかけを強めよう さまざまな運動と連携して力を強めよう 国会への上程阻止 成立阻止に全力を