目 次 Ⅰ. 今後の電力需給見通しと燃料について Ⅱ. 原油 重油を巡る状況について Ⅲ.LNGを巡る状況について IV. 石炭を巡る状況について V. 電力の燃料調達について ( まとめ ) 2

Similar documents
<4D F736F F F696E74202D E9197BF A A C5816A CE97CD82CC90A28A458E738FEA2E B8CDD8AB B83685D>

2007年12月10日 初稿

1. 石油業界を取り巻く環境について 国内の燃料油需要は 少子高齢化や人口減少といった社会構造の変化 エネルギー効率の向上などにより 引き続き減少する見通しです 国内燃料需要の減少に対応して 常圧蒸留装置能力の削減が進んでいます 今後も エネルギー供給構造高度化法への対応などにより 更に能力削減が進

Microsoft PowerPoint - Itoh_IEEJ(150410)_rev

リムLNG年鑑2010

電解水素製造の経済性 再エネからの水素製造 - 余剰電力の特定 - 再エネの水素製造への利用方法 エネルギー貯蔵としての再エネ水素 まとめ Copyright 215, IEEJ, All rights reserved 2

RIETI Highlight Vol.66

原稿メモ

輸入バイオマス燃料の状況 2019 年 10 月 株式会社 FT カーボン 目 次 1. 概要 PKS PKS の輸入動向 年の PKS の輸入動向 PKS の輸入単価 木質ペレット

扉〜目次

番号文書項目現行改定案 ( 仮 ) 1 モニタリン 別表 : 各種係 グ 算定規程 ( 排出削 数 ( 単位発熱量 排出係数 年度 排出係数 (kg-co2/kwh) 全電源 限界電源 平成 21 年度 年度 排出係数 (kg-co2/kwh) 全電源 限界電源 平成 21 年度 -

目次 Ⅰ エネルギー供給の概要 1. 主要国の一次エネルギー供給構成 1 2. 主要国の石油輸入依存度 2 3. 我が国の一次エネルギー供給状況の推移 3 Ⅱ 石油 1. 世界の石油消費量の推移 4 2. 我が国の石油需給原油輸入状況 ( 国別 ) 5 製油所の能力と立地状況 6 石油製品生産量の推

報告書の主な内容 2012 年度冬季の電力需給の結果分析 2012 年度冬季電力需給の事前想定と実績とを比較 検証 2013 年度夏季の電力需給の見通し 需要面と供給面の精査を行い 各電力会社の需給バランスについて安定供給が可能であるかを検証 電力需給検証小委員会としての要請 2013 年度夏季の電

LNGチェーンにおける事業者の変化とわが国の課題に関する調査

目次 年度第 3 四半期決算 (1) 概要 (2) セグメント別情報 年度業績予想 (1) 概要 (2) セグメント別情報 3. 参考資料 1


需要国へと変貌する東南アジアの需要国へと変貌する東南アジアの

第1章

UIプロジェクトX


目次 要旨 1 Ⅰ. 通信 放送業界 3 1. 放送業界の歩み (1) 年表 3 (2) これまでの主なケーブルテレビの制度に関する改正状況 4 2. 通信 放送業界における環境変化とケーブルテレビの位置づけ (1) コンテンツ視聴環境の多様化 5 (2) 通信 放送業界の業績動向 6 (3) 国民

<4D F736F F F696E74202D F8D7793FC94CC E F181408E9197BF31312D32816A2E B8CDD8AB B83685D>

包括的アライアンスに係る基本合意書の締結について

2005年石炭技術会議講演集

平成22年3月期 決算概要

42

平成 29 年 7 月 地域別木質チップ市場価格 ( 平成 29 年 4 月時点 ) 北東北 -2.7~ ~1.7 南東北 -0.8~ ~ ~1.0 変動なし 北関東 1.0~ ~ ~1.8 変化なし 中関東 6.5~ ~2.8

2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017

資料 2 接続可能量 (2017 年度算定値 ) の算定について 平成 29 年 9 月資源エネルギー庁

参考 :SWITCH モデルの概要 SW ITCH モデル は既存の発電所 系統 需要データを基にして 各地域における将来の自然エネルギーの普及 ( 設備容量 ) をシミュレーションし 発電コストや CO 排出量などを計算するモデルです このモデルでは さらに需要と気象の時間変動データから 自然エネ

海外における電力自由化動向

untitled

目次 Ⅰ エネルギー供給の概要 1. 主要国の一次エネルギー供給構成 1 2. 主要国の石油輸入依存度 2 3. 我が国の一次エネルギー供給状況の推移 3 Ⅱ 石油 1. 世界の石油消費量の推移 4 2. 我が国の石油需給原油輸入状況 ( 国別 ) 5 製油所の能力と立地状況 6 石油製品生産量の推

内の他の国を見てみよう 他の国の発電の特徴は何だろうか ロシアでは火力発電が カナダでは水力発電が フランスでは原子力発電が多い それぞれの国の特徴を簡単に説明 いったいどうして日本では火力発電がさかんなのだろうか 水力発電の特徴は何だろうか 水力発電所はどこに位置しているだろうか ダムを作り 水を

日本市場における 2020/2030 年に向けた太陽光発電導入量予測 のポイント 2020 年までの短 中期の太陽光発電システム導入量を予測 FIT 制度や電力事業をめぐる動き等を高精度に分析して導入量予測を提示しました 2030 年までの長期の太陽光発電システム導入量を予測省エネルギー スマート社

表1-4

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

2 Ⅰ. 世界及びアジア 太平洋の石油製品需要の動向 世界及びアジア 太平洋の石油製品需要の伸び アジア 太平洋における油種別の需要伸長予測 アジア 太平洋域内での需給バランスと地域外からの輸出入 ( ガソリン 軽油 ) アジア 太平洋の需要伸長は大きく 域内及び域外との石油製品輸出入が多く 競争が

アジア近隣 5 カ国における牛乳乳製品の輸入動向 資料 5-2 各国とも輸入額全体に占める脱脂粉乳及び全脂粉乳の割合が高い 高付加価値商品の販売が見込めるチーズ 育児用粉乳等についても各国で一定の割合を輸入 中国の輸入市場は規模が大きく 最近伸びているが割合の小さい LL 牛乳 (2.6%) 市場で

MARKALモデルによる2050年の水素エネルギーの導入量の推計

別添 4 レファレンスアプローチと部門別アプローチの比較とエネルギー収支 A4.2. CO 2 排出量の差異について 1990~2012 年度における CO 2 排出量の差異の変動幅は -1.92%(2002 年度 )~1.96%(2008 年度 ) となっている なお エネルギーとして利用された廃

<4D F736F F F696E74202D203033A28AC28BAB96E291E882C6B4C8D9B7DEB05F89FC92E894C55F88F38DFC B8CDD8AB B83685D>

目次 Ⅰ エネルギー供給の概要 1. 主要国の一次エネルギー供給構成 1 2. 主要国の石油輸入依存度 2 3. 我が国の一次エネルギー供給状況の推移 3 Ⅱ 石油 1. 世界の石油消費量の推移 4 2. 我が国の石油需給原油輸入状況 ( 国別 ) 5 製油所の能力と立地状況 6 石油製品生産量の推

Microsoft Word - 世界のエアコン2014 (Word)

Microsoft Word 報告書品目円グラフ 文書

SPERA 水素技術の紹介 - 技術概要 - 有機ケミカルハイドライド (OCH) 法 CH 3 メチルシクロヘキサン (MCH) 輸送 水素 CH 3 水素 水素化 貯蔵 トルエン 貯蔵 脱水素 CH 3 CH 3 輸送 CH 3 CH 3 + 3H 2 ΔH= -205kJ/mol トルエン M

参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

種類以上 再生可能エネルギー 100% のメニューだけでも 5~60 種類あり 新規参入が低調になりやすい家庭部 門においても 豊富な選択肢が確保されている 表 1: 米国の全面自由化実施州における新規参入状況 自由化中断 廃止州 : 7 州 ( カリフォルニア ネバダ アリゾナ ニューメキシコ モ

Microsoft Word - 報告書.doc

熱効率( 既存の発電技術 コンバインドサイクル発電 今後の技術開発 1700 級 ( 約 57%) %)(送電端 HV 級 ( 約 50%) 1500 級 ( 約 52%

中国国内需給動向と中露石油ガス貿易

1. はじめに 1 需要曲線の考え方については 第 8 回検討会 (2/1) 第 9 回検討会 (3/5) において 事務局案を提示してご議論いただいている 本日は これまでの議論を踏まえて 需要曲線の設計に必要となる考え方について整理を行う 具体的には 需要曲線の設計にあたり 目標調達量 目標調達

2014年度 日本の国際競争力調査結果

<4D F736F F F696E74202D C5817A936497CD8EA BB8CE382CC89CE97CD94AD A8E912E >

Microsoft Word ミル消費報告2014

ガス市場について

新電力のシェアの推移 全販売電力量に占める新電力のシェアは 216 年 4 月の全面自由化直後は約 5% だったが 217 年 5 月に 1% を超え 218 年 1 月時点では約 12% となっている 電圧別では 特別高圧 高圧分野 ( 大口需要家向け ) は時期により変動しつつも 全体的には上昇

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

御意見の内容 御意見に対する電力 ガス取引監視等委員会事務局の考え方ることは可能です このような訴求は 小売電気事業者が行うことを想定したものですが 消費者においても そのような訴求を行っている小売電気事業者から電気の小売供給を受け 自らが実質的に再生可能エネルギーに由来する電気を消費していることを

[000]目次.indd

untitled

[北 米]

スライド 0

エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律の制定の背景及び概要 ( 平成 22 年 11 月 ) 資源エネルギー庁総合政策課編

2

原油価格の動向 2019 年 2 月 株式会社三井住友銀行 コーポレート アドバイザリー本部企業調査部 本資料は 情報提供を目的に作成されたものであり 何らかの取引を誘引することを目的としたものではありません 本資料は 作成日時点で弊行が一般に信頼できると思われる資料に基づいて作成されたものですが

(3) インドネシアインドネシアの電力供給は 石炭が 5 割 コンバインドサイクル 2 割 ディーゼル 1 割 水力 1 割 その他 1 割となっている 2015 年の総発電設備容量は PLN 3 が約 8 割 IPP が 2 割弱を 残り数 % を自家発電事業者 (PPU) が占めている 同国で

Microsoft PowerPoint - WNA世界の原子力2016 [互換モード]

出力-トンボなし.indd

平成10年7月8日

化学産業と化学技術の環境貢献 本稿は 化学装置 2010 年 3 月号に筆者が掲載した報文 化学産業 の環境経営と環境貢献 の一部を加筆 削除 修正したものである 環境企画 松村眞 はじめに 環境対策には 環境負荷物質の発生を抑制する上流の分野と やむを得ずに作られてしまう環境負荷物質を無害化する下

untitled

別添 表 1 供給力確保に向けた緊急設置電源 ( その 1) 設置場所 定格出力 2 発電開始 2 運転開始 公表日 3 姉崎火力発電所 約 0.6 万 kw (0.14 万 kw 4 台 ) 平成 23 年 4 月 24 日平成 23 年 4 月 27 日 平成 23 年 4 月 15 日 袖ケ浦

<4D F736F F D E937890AC96F18EC090D195F18D C A E646F63>

2012年度 決算説明会資料 当社の現況と今後の取り組みについて(解説付き)

Microsoft Word - 5_‚æ3ŁÒ.doc

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF332882DF82AE82E98E968FEE29>

化繊輸入は 近年上昇を続けており 2016 年は前年比 10% 増の 43 万トンとなりました 素材別には ポリエステル F 長繊維不織布が中心ですが 2016 年はポリエステル S の輸入も大幅増となりました 化学繊維輸出推移 化学繊維輸入推移 生産が微減 輸出が横ばい 輸

PowerPoint プレゼンテーション

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

世界および日本のエネルギー情勢- 2 -Ⅰカ4本3人類とエネルギーのかかわり ンジン一人あたり消費量(一〇〇〇キロカロリー/日日)) 棒グラ薪炭 水車 風車 馬力エネルギー石炭エネルギー石油エネルギー 火の発見 火と家畜エネルギー 原子力発電 1 2 業食 一B.

試算の概要 (1) 電源別の発電コスト推計方法には モデルプラントによる方法と有価証券報告書による方法がある 有価証券報告書による方法では 償却の済んだ発電設備のコストを評価できないなどの方法上の問題がある このため 日本においては特に水力発電についてコストを大幅に過小評価することとなる 一方で 実


71 平成 27 年度の SBS 米の輸入入札状況 ( 単位 : 実トン ) 全体 丸米 砕米 入札回数輸入予定数量応札数量落札数量輸入予定数量応札数量落札数量輸入予定数量応札数量落札数量 第 1 回 (27 年 9 月 16 日 ) 4, ,000 2, ,000 2

欧州天然ガス・LNGの現状と見通し

地域別世界のエアコン需要の推定について 年 月 一般社団法人 日本冷凍空調工業会 日本冷凍空調工業会ではこのほど 年までの世界各国のエアコン需要の推定結果を まとめましたのでご紹介します この推定は 工業会の空調グローバル委員会が毎年行 なっているもので 今回は 年から 年までの過去 ヵ年について主

Microsoft PowerPoint - 3rdQuarterPresentations2013_J03.ppt

当社の海外事業の体制 主要 4 海外拠点 50 傘下会社 約 300 名の体制 [ 人数 ] 計 現地採用 OG 海外 OG 国内 年 4 月 1 日現在

1 はじめに 日本の原油輸入の 2 割を占める重要なパートナーである中東のアラブ首長国連邦 (UAE) 近年急激な経済成長を背景に 年平均 16 % 以上の電力需要増加が見込まれるこの国で 最近日本の総合商社が取組む大型電力案件の話題が相次いで報じられた 5 月 9 日 UAE のフジャイラ首長国に

IR説明会資料(包括的アライアンス)


アジア/世界エネルギーアウトルック 2013

電気事業分科会資料

資料2-1 課税段階について

2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及び測定指標 1. 地球温暖化対策の推進 1-2 国内における温室効果ガスの排出抑制 租税特別措置等により達成しようとする目標 2030 年の電源構成における再生可能エネルギーの割合を 22~24% とする 租税特別措置等による達成目標に係る測定指

業務用電力 [ 契約電力 500 キロワット未満 ] ( 主契約料金表 ) 目 次 本 則 1 適 用 1 2 契 約 種 別 1 3 適 用 範 囲 1 4 供給電気方式, 供給電圧および周波数 1 5 契約負荷設備および契約受電設備 1 6 契 約 電 力 1 7 料 金 2 8 そ の 他 3

2

トラック運送事業の経営実態 全日本トラック協会は全国のトラック運送事業者 2,188 社 ( 有効数 ) の平成 25 年度事業報告書に基づき集計 分析した 経営分析報告書 ( 平成 25 年度決算版 ) をまとめた 全日本トラック協会が平成 4 年度から発行しているこの報告書は 会員事業者が自社の

平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

Transcription:

4 電力の燃料調達を巡る動向について 平成 21 年 1 月 26 日 電気事業連合会 1

目 次 Ⅰ. 今後の電力需給見通しと燃料について Ⅱ. 原油 重油を巡る状況について Ⅲ.LNGを巡る状況について IV. 石炭を巡る状況について V. 電力の燃料調達について ( まとめ ) 2

. 今後の電力需給見通しと燃料について 3

電力需要 ( 販売電力量 ) の推移 4

電源種別々設備構成比 10 5

電源種別々発電電力量構成比 10 6

電源ごとの位置づけ kw 1 7

電源ごとの利用率の推移と役割 %) 80 70 60 50 40 LNG 30 20 10 0 H14 H15 H16 H17 H18 19 石炭火力 LNG 火力 石油火力 電源別の特徴 資本費 : 高い運転費 : 火力電源では最安原子力に比べると電力需要の変動にも対応しやすいことから ベース供給力とミドル供給力の中間供給力として活用 資本費 : 石炭火力よりも安い運転費 : 安い電力需要の変動への対応に優れることから ミドル供給力として活用 資本費 : 安い運転費 : 比較的高い電力需要の変動への対応に優れることから ピーク供給力として活用 各電源の役割に応じた燃料調達が求められる H 8

各燃料の経済性比較 経済性は基本的に石炭 LNG 石油の順 一般炭価格は相対的に安定 油価高騰に伴い原油 LNG に対する優位性拡大 10.00 9.00 8.00 7.00 6.00 5.00 4.00 3.00 2.00 1.00 0.00 S49 S54 S59 H1 H6 H11 H16 H20.411 9

各種電源別の CO 2 排出量 10

燃料ごとの埋蔵量 生産量 可採年数 石油は中東に集中 石炭は広く分布 石炭の可採年数は 100 年以上 12,379 177 8,475 5.6% 4.5% 29.6% 9.0% 4.4% 1.9% 11.6% 33.5% 32.1% 10.4% 30.2% 26.7% 61.0% 41.3% 0.2% 9.5% 8.2% 5.8% (%) 3.3% 8.2% 30.4% / 2.94 (H19) (H19) (H19) 11

各燃料の得失イメージ 各燃料に長短あり 適切な組み合わせ ( ベストミックス ) が重要 LNG CO 2 CO 2 LNG20 1 19 12

. 原油 重油を巡る状況について 13

原油 重油消費量の推移 他電源の運開等により石油消費量は大幅に減少 H19 年度は柏崎刈羽原子力の停止等から大幅増 ( 前年度比約 1 千万 kl 増 ) 14

原油 重油のバッファ機能 LNG や石炭と比べ供給の柔軟性に優れる石油は 需給変動を吸収するバッファ役を担い 電力の安定供給に寄与している 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 H17 H19 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 15

各燃料の貯蔵量比較 石油については LNGや石炭と比べ貯蔵量を多く保有し危機対応を強化 (LNGや石炭の貯蔵には物性面 敷地面 コスト面等の問題あり) 18 1 42kl/ 4,429kl 7 105 3,481kl 4 83 4,008kl LNG 108/ 2,267 71,476 4 21 14 1,868 219/ 7,294 74,619 2 33 21 5,285 16 19

電力用生焚原油 * について 電力は生焚原油としてインドネシア等の低硫黄原油を使用 低硫黄原油は高硫黄原油と比べ生産量は少なく インドネシア ベトナムの供給力は漸減の見通し 18 685kl BP 19 U.A.E Lt 0.08 0.20 0.04 0.045 0.73 1.78 1.4 HP 17

電力用重油について 石油製品需要の減少に伴い国内の原油処理能力は減少基調 C 重油の需要減と需要白油化に対応するために石油業界は分解装置を増強 供給インフラ面では重油内航船隻数やC 重油のタンク基数が減少 25 31 BC2 C m 3 HP 18 7 12 17

重油の硫黄分について 発電所の環境規制をクリアーするため低硫黄 C 重油が使用されているが 脱硫設備を装備し高硫黄 C 重油を使用しているユニットもある 0.3% HP 19672kl 106 :3,800kW14 19 :615 kw

至近の重油価格の推移 低硫黄重油は高硫黄重油に比べ 5,000 円 ~20,000 円 /kl 程度高値 100,000 90,000 80,000 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 H17.1 H20.12 20

石油燃料を巡る動向 ( まとめ ) 石油火力は電力需給のハ ッファ役 弾力的な調達が必要 < 状況変化 > イント ネシア等の低硫黄原油供給力の減少 石油会社の分解装置拡充や供給インフラ ( 内航船隻数 タンク容量 ) の減少 低硫黄の原油 重油の供給力や供給インフラは従前と比べ減少傾向にあり 各社は需要期前の在庫積増しや内航船の確保等で対応 ハ ッファ機能維持のために石油火力は引き続き必要 低硫黄原油の新規ソース開拓が求められるほか 脱硫設備等による多様な燃料への対応も検討課題 21

Ⅲ.LNG を巡る状況について 22

LNG 取引の一般的な構造 LNG 取引には石油や石炭より多額のインフラ投資や長期の時間が必要 LNG LNG 限られたプレーヤー ( 昨今は増加傾向 ) 10% 23

H5 世界の LNG 需要見通しと日本の占める割合 欧米 中 印等でのカ ス需要増加に伴い LNG 需要も増加 65% H18 LNG 輸入量と見通し 41% : DOE H19 H22 H32 H42 24

日本の電力の LNG 輸入ソースの分散化 従来はインドネシア等のアジア諸国が殆どを占めていたが カタールをはじめ オマーン ナイジェリア等の受入が加わりソースの分散化が進展 19 25

日本向け LNG 契約 既存の LNG 契約は順次契約期間が終了 今後 既存フ ロシ ェクトの延長契約または新規フ ロシ ェクトからの契約で必要量を確保していく必要 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2010 年 7,100 万トン 2020 年 3,300 万トン 2,000 1,000 2030 年 440 万トン 0 26

アジア市場向け LNG 需給の見通し 米 中 印等の新興 LNG 需要国の台頭等によりLNG 需要は増加が続く 事業化検討中のフ ロシ ェクトが順調に進めばLNG 需給は今後マッチンク する見通し 世界的に旺盛なLNG 需要の中で 新規フ ロシ ェクトの着実な開発と日本向け数量の確保が鍵 250 200 事業化検討中既存分および基本合意 売買契約締結段階の供給量ハイケース需要ローケース需要 150 100 50 0 19 20 21 22 23 24 25 26 27 32 37 42 27

LNG 価格フォーミュラ 石油価格の高騰 LNG 需給のタイト化 ( スポット価格の高騰 ) LNGバリューチェーンコストの上昇を受け 石油価格に近い水準を複数の売主が要求している LNG LNG / 28

LNG を巡る動向 ( まとめ ) 新規フ ロシ ェクト生産開始までに長期の時間が必要 LNG 取引は安定的な引取が基本であり 需給変動対応には限界 < 状況変化 > LNG 市場は日本等のアシ ア中心からク ローハ ルな市場に変化 日本向けソースとして中東 アフリカが台頭 LNG 需給はタイト化 需給ハ ランスを背景とした値上げ圧力 世界的な需要増で需給タイト化が継続する中 既存フ ロシ ェクトの延長や新規フ ロシ ェクトから いかに安定的かつ経済的に調達するかが課題 スホ ット市場は量的に少なく不安定 LNG への依存拡大はリスクとなる懸念あり 29

IV. 石炭を巡る状況について 30

一般炭の国別輸入数量 豪州炭が全体の約 6 割を占める 最近は中国からの輸出減少 代替としてイント ネシア炭が増加 31

石炭スホ ット価格の高騰 H20 年は 中国 豪州 イント ネシアからの一時的な供給途絶 豪州ニューキャッスルの滞船 原油価格高騰等の影響を受け 石炭スホ ット価格も一時的に高騰 32

豪州輸出インフラの拡張見通し : t/ H18 H20 H25 5 172 206 288 2 118 118 176 19 1.1 33 IEA

< 参考 > 石炭火力の発電効率の国際比較 日本の石炭火力の発電効率は世界トップクラス 34

石炭ガス化複合発電 (IGCC) IGCC 12 250MW 250MW 1700/ (MDEA) 42 1200 従来の石炭火力では 溶融した灰が炉壁に付着し使いにくい灰融点の低い石炭の方が IGCCでは望ましいため 炭種拡大効果あり ( 一方で IGCCでは 高融点炭が使用できないと 35 いう問題あり ) ( 注 ) 灰融点の低い石炭は米国 中国に多い

石炭を巡る動向 ( まとめ ) 供給安定性と経済性に優れる石炭火力はヘ ースの役割 < 状況変化 > 中国炭の輸出減少 豪州での滞船悪化 石炭価格高騰 原油価格高騰に伴い 石油や LNG に対する石炭の相対的な経済性は拡大 近年 豪州の輸出インフラのホ トルネック化が顕在化したが 今後の拡充に伴い整備される見通し 調達の安定性 経済性の面で優れた燃料であり 今後は環境面で IGCC CCS 等のクリーンコールテクノロシ ーに取り組む 36

V. 電力の燃料調達について ( まとめ ) LNG IGCC CCS 燃料の特性を踏まえた電源のヘ ストミックスが重要 地政学的なリスクが小さく 供給安定性に優れる石炭については環境面の問題を克服しつつ活用していくことが重要 37