3 流動比率 (%) 流動資産流動負債 短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 平成 26 年度からは 会計制度の見直しに伴い 流動負債に 1 年以内に償還される企業債や賞与引当金等が計上されることとなったため それ以前と比べ 比率は下がっている 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 1

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流動資産 3 流動比率 (%) 流動負債 指標の意味 短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 分析の考え方 当該指標は 1 年以内に支払うべき債務に対して支払うことができる現金等がある状況を示す 100% 以上であることが必要である 一般的に 100% を下回るということは 1 年以内に現金化

07 経営指標の概要(水道事業)

経営指標の概要 ( 電気事業 ) 1. 経営の状況 ( 電気事業全体で算出 ) 算出式 ( 法適用事業 ) 算出式 ( 法非適用事業 ) 1 経常収支比率 (%) 1 収益的収支比率 (%) 指標の意味 経常収益 100 経常費用 総収益 100 総費用 + 地方債償還金 法適用企業に用いる経常収支

の経営改善に向けた取組が必要である 当該指標が 100% 以上の場合であっても 現金等の流動資産が減少傾向にある場合や一時借入 金等の流動負債が増加傾向にある場合には 将来の見込みも踏まえた分析が必要である 4 累積欠損金比率 (%) 当年度未処理欠損金 営業収益 事業の規模に対する累積欠損金 (

07 経営指標の概要(水道事業)

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目次 Ⅰ はじめに 1 Ⅱ 事業概要 2 1. 事業の現況 2 2. これまでの主な経営健全化の取組 4 3. 経営比較分析表を活用した現状分析 4 Ⅲ 将来の事業環境 給水人口の予測 水需要の予測 料金収入の見通し 施設の見通し 組織の見

01 公営企業の経営比較分析表(文)

Microsoft Word - 01 公営企業の経営比較分析表(文)

平成 27 年度岩国市下水道事業決算の要領 下水道事業の経営成績と財政状態をお知らせするため 平成 27 年度決算の要領を公表します 1. 業務量 下水道区域の拡大により 処理人口は 260 人増加し 年間有収水量は 52,674 m3増加しました 区分 平成 27 年度 平成 26 年度 処 理

平成13年度大阪府水道事業会計決算概要

平成 29 年度企業局事業の決算概要について 別紙 1 1 業務量 損益 H30.5 野県企業局 ( 消費税抜き ) 電気事業 増減区分平成 29 年度 (A) 平成 28 年度 (B) (A-B) (A)/(B) 電力量 378 百万 kwh 376 百万 kwh 1 百万 kwh 100.3%

4 地方公営企業会計基準の見直しの影響 ( 概要 ) 地方公営企業会計基準の見直しのため 平成 23 年度に地方公営企業法施行令等を改正し その改正内容が平成 26 年度予算 決算から全面的に適用となっている (1) 見直しの趣旨 昭和 41 年以来大きな改正がなされていない地方公営企業会計制度と国

第3 法非適用企業の状況

地方公営企業会計基準の見直しについて(完成)

平成 27 年度高浜町の健全化判断比率及び資金不足比率 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 が平成 21 年 4 月から全面施行され この法律により地方公共団体は 4 つの健全化判断比率 ( 実質赤字比率 連結実質赤字比率 実質公債費比率 将来負担比率 ) と公営企業ごとの資金不足比率を議会に報

最上町バランスシートを読むにあたって

平成 21 年度 武雄市工業用水道事業会計決算書 武雄市水道部水道課

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水道事業

貝監第  号

1-(2) 年度別損益計算書 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度 水道事業収益 営業収益 鳥取 国府 河原 青谷 鳥取 国府 河原 青谷 鳥取 国府 河原 青谷 円 円 円 円 円 円 円 円 円 2,723,243,156 72,905,703 62,968,785 3,194,

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( 参考 ) 受水事業所の負担軽減について 今回の料金改定の結果 受水事業所の実給水率 ( 基本使用水量に対する実使用水量の割合 ) が小さいほど値下げ率が高くなり 受水事業所の節水努力がより反映されることとなる 平 成 26 年度の平均実給水率は 58.3% であり 平均約 9.2% の値下げとな

松山市水道事業 平成 24 年度決算の財務諸表 現行会計基準と新会計基準適用との比較 松山市公営企業局

健全化比率及び資金不足比率の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 により 藤枝市の健全化判断比率及び資金不足比率につい て 以下のとおり算定しました これは 平成 19 年 6 月に公布された上記法律に基づき 毎年度 監査委 員の審査に付した上で 議会に報告及び公表するものです 本市

議案第 59 号 平成 28 年度安芸高田市水道事業会計補正予算 ( 第 1 号 ) ( 総則 ) 第 1 条平成 28 年度安芸高田市水道事業会計の補正予算 ( 第 1 号 ) は 次に定めるところによる ( 収益的収入及び支出 ) 第 2 条平成 28 年度安芸高田市水道事業会計予算 ( 以下

高槻市水道事業経営効率化計画

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財務の概要 (2012 年度決算の状況 ) 1. 資金収支計算書の概要 資金収支計算書は 当該会計年度の教育研究活動に対応するすべての資金の収入 支出の内容を明らかにし かつ 当該会計年度における支払資金の収入 支出の顛末を明らかにするものです 資金収支計算書 2012 年 4 月 1 日 ~201

公営企業の経営指標等の分類について. データベースの加工方法について ( ファイル DB( 加工用 ) 参照 ) 内容参照 総務省自治財政局公営企業課 ( 平成 年 月 0 日 ) の資料 4 公営企業の経営指標等 に表紙から連番をふる 資料 4 に含まれている全ての指標を抽出し 連番をふる DB(

highlight.xls

2007財政健全化判断比率を公表いたします

第4期電子公告(東京)

第4期 決算報告書

UIプロジェクトX

貸借対照表 平成 28 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 千円 ) 科 目 金 額 科 目 金 額 資産の部 負債の部 流動資産 (63,628,517) 流動負債 (72,772,267) 現金及び預金 33,016,731 買掛金 379,893 売掛金 426,495 未払金 38,59

10. と畜場事業 Ⅰ 概要及び沿革と畜場事業は 食用に供する目的で 獣畜 ( 牛 馬 豚 めん羊及び山羊 ) をと殺し 又は解体するために施設を設置し 必要な施設及び設備の維持管理や と畜検査員による食肉の衛生検査を行い 生産者にとっての畜産物の供給先を提供するものである と畜場は と畜場法の第

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務の概要1-(1) 年度別損益計算書 科目 年度 水道事業収益 金額構成比金額構成比金額構成比 24 年度 25 年度 26 年度 円 % 円 % 円 % % % % 2,889,032, ,859,117, ,359,612,

キャッシュ・フロー計算書について

21年度表紙面付け

(2) 予算執行状況ア収益的収入及び支出平成 26 年度の予算執行状況は第 2 表のとおりである ( 収入 ) 第 2 表予算決算対照表 ( 収益的収入及び支出 ) 金 予算額 額 構成比 金 決算額 額 構成比 予算額に比べ決算額の増 減 収入率 千円 % 千円 % 千円 % 工業用水道事業収益

科目 期別 損益計算書 平成 29 年 3 月期自平成 28 年 4 月 1 日至平成 29 年 3 月 31 日 平成 30 年 3 月期自平成 29 年 4 月 1 日至平成 30 年 3 月 31 日 ( 単位 : 百万円 ) 営業収益 35,918 39,599 収入保証料 35,765 3

h18財務諸表NCTD-FS_ xls

科目当年度前年度増減 [ 負債の部 ] 流動負債未払金 3,44,15,654 3,486,316,11-46,3,357 給付金未払金 3,137,757,265 3,192,611,196-54,853,931 年金未払金 287,13, ,91,778 7,228,646 その他未

(Microsoft PowerPoint - 25\215\340\226\261\203\214\203|\201[\203g\201iver.1\201j.pptx)

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 資 料 2 

収益的収支 下水道使用料 (13 か月調定 ) 5,564,491(65.7%) 下水道使用料収入及び下水道施設の維持管理 人件費等公共下水道事業管理運営経費全般の状況を示します 管渠 処理場の維持管理費 使用料の調定および収納にかかる経費 及び庁舎管理等一般事務管理費などの経常的な経費 ( 人件費

国家公務員共済組合連合会 民間企業仮定貸借対照表 旧令長期経理 平成 26 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 円 ) 科目 金額 ( 資産の部 ) Ⅰ 流動資産 現金 預金 311,585,825 未収金 8,790,209 貸倒引当金 7,091,757 1,698,452 流動資産合計 3

『学校法人会計の目的と企業会計との違い』

計 算 書 類

貸借対照表 ( 平成 25 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 科目金額科目金額 ( 資産の部 ) ( 負債の部 ) 流動資産 14,146,891 流動負債 10,030,277 現金及び預金 2,491,769 買 掛 金 7,290,606 売 掛 金 9,256,869 リ

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余市町水道事業経営戦略 平成 29 年 3 月 余市町建設水道部水道課

計算書類等

第6期決算公告

47 大木町 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 22.96% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

連結貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 当連結会計年度 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) 資産の部 流動資産 現金及び預金 7,156 受取手形及び売掛金 11,478 商品及び製品 49,208 仕掛品 590 原材料及び貯蔵品 1,329 繰延税金資産 4,270 その他 8,476

財剎諸表 (1).xlsx

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財務諸表に対する注記 1. 継続事業の前提に関する注記 継続事業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況はない 2. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価基準及び評価方法 満期保有目的の債券 償却原価法 ( 定額法 ) によっている なお 取得差額が少額であり重要性が乏しい銘柄については 償却原価

小樽市簡易水道事業経営戦略 団体名 : 小樽市 事業名 : 簡易水道事業 策定日 : 計画期間 : 平成 29 年 3 月 平成 29 年度 ~ 平成 40 年度 1. 事業概要 事業の目的 : 当市の簡易水道事業は 銭函 4 丁目及び 5 丁目の石狩湾新港地区に立地する企業に対する給水を行うことを

計算書類 貸 損 借益 対計 照算 表書 株主資本等変動計算書 個 別 注 記 表 自 : 年 4 月 1 日 至 : 年 3 月 3 1 日 株式会社ウイン インターナショナル

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( 図表 1) 平成 28 年度医療法人の事業収益の分布 ( 図表 2) 平成 28 年度医療法人の従事者数の分布 25.4% 27.3% 15.8% 11.2% 5.9% n=961 n=961 n= % 18.6% 18.5% 18.9% 14.4% 11.6% 8.1% 資料出所

スライド 1

平成 29 年度連結計算書類 計算書類 ( 平成 29 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日まで ) 連結計算書類 連結財政状態計算書 53 連結損益計算書 54 連結包括利益計算書 ( ご参考 ) 55 連結持分変動計算書 56 計算書類 貸借対照表 57 損益計算書 58 株主

平 成 15 年 度

貸借対照表 ( 平成 20 年 3 月 31 日 ) ( 厚生年金勘定 ) ( 単位 : 円 ) 科 目 金 額 資産の部 Ⅰ 流動資産 現金及び預金 11,313,520,485 有価証券 13,390,000,000 販売用不動産 93,938,423,482 未収金 389,813,000 未

新しい地方公会計制度 これまで南阿蘇村では 総務省方式改訂モデル ( 以後 改訂モデルと言います ) の財務書類を作成してきました 南阿蘇村がこれまで積み上げてきた資産と この先返済する必要がある負債 すでに支払いが終わっている純資産などの情報を表示した貸借対照表など 今までの決算書では把握できなか

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54 赤村 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 1.59% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は 地方

野村アセットマネジメント株式会社 平成30年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)

14 中間市 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 7.65% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は 地

57 みやこ町 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 9.49% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は


1. 病院経営の鍵となる指標 病床利用率の推移 1.1 病床稼働率は平均80 強 病院報告 病床稼働率と病床数の不思議な関係 は入院収益そのものに直結します人件費や設備投資などの固定費が多い病院 全病床 6 精神病床 5 は 病床稼働率が一定の水準を下回ると一気に赤字経営に陥りますそのた

野村アセットマネジメント株式会社 2019年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)

第21期(2019年3月期) 決算公告


2

平成 29 年度下水道事業会計予算概要 収益的収入及び支出 企業の経営活動の予定であり 1 年度間に発生すると予想される営業上の収益とこれに対する費用を計上したものです 具体的には 収入には下水道使用料が主に計上され 支出にはサービスの提供に要する人件費 物件費等諸経費が計上されます 収益的収入 (

6. 剰余金の使途 中期目標 中期計画 9. 剰余金の使途 建設勘定管理用施設 ( 宿舎に限る ) の改修 平成 30 年度計画 6. 剰余金の使途 建設勘定管理用施設 ( 宿舎に限る ) の改修 中期計画及び年度計画の実施状況 ( 主要な業務実績 ) 実績なし 評定と根拠 課題と対応 当該事業年度

新しい地方公会計制度 これまで氷川町では 総務省方式改訂モデル ( 以後 改訂モデルと言います ) の財務書類を作成してきました 氷川町がこれまで積み上げてきた資産と この先返済する必要がある負債 すでに支払いが終わっている純資産などの情報を表示した貸借対照表など 今までの決算書では把握できなかった

営業報告書

株 主 各 位                          平成19年6月1日

平成 30 年 (2018 年 )9 月 20 日 財政局 平成 29 年度決算に基づく健全化判断比率等の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 に基づき 平成 29 年度決算に基づく健全化判断比率及び資金不足比率を算定いたしましたのでお知らせします 健全化判断比率については すべての

Microsoft Word - 公益法人会計の仕訳

3. 基本財産及び特定資産の財源等の内訳 基本財産及び特定資産の財源等の内訳は 次のとおりです 科目当期末残高 ( うち指定正味財産からの充当額 ) ( うち一般正味財産からの充当額 ) ( うち負債に対応する額 ) 基本財産投資有価証券 800,000,000 (662,334,000) (137

①別紙様式第13号 貸借対照表

Microsoft Word 【公表】HP_T-BS・PL-H30年度

( 資産の部 ) ( 負債の部 ) Ⅰ 特定資産の部 1. 流動負債 366,211,036 1 年内返済予定 1. 流動資産 580,621,275 特定社債 302,000,000 信託預金 580,621,275 事業未払金 2,363, 固定資産 6,029,788,716 未払

決算

Transcription:

経営指標の概要 1. 経営の健全性 効率性 1 経常収支比率 (%) 経常収益 経常費用 経常収支比率は 当該年度において 給水収益等の収益で維持管理費や支払利息等の費用をどの程度賄えているかを表す指標である 平成 26 年度からは 会計制度の見直しに伴い 収益に長期前受金戻入が計上されることとなったため それ以前と比べ 比率は上がっている 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 単年度の収支が黒字であることを示す 100% 以上となっていることが必要である 数値が 100% 未満の場合 単年度の収支が赤字であることを示しているため 経営改善に向けた取組が必要である 分析にあたっての留意点として 例えば 当該指標が 100% 以上の場合であっても 更なる費用削減や更新投資等に充てる財源が確保されているか等 今後も健全経営を続けていくための改善点を洗い出すといった観点から分析する必要があると考えられる また 経常収益 ( 総収益 ) について 給水収益以外の収入に依存している場合は 料金回収率と併せて分析し 経営改善を図っていく必要がある 一方 当該指標が 100% 未満の場合であっても 経年で比較した場合に右肩上がりで 100% に近づいていれば 経営改善に向けた取組が成果を上げている可能性があるといえ 今後も改善傾向を続けていく観点から分析する必要があると考えられる 2 累積欠損金比率 (%) 当年度未処理欠損金 営業収益 - 受託工事収益 営業収益に対する累積欠損金 ( 営業活動により生じた損失で 前年度からの繰越利益剰余金等でも補てんすることができず 複数年度にわたって累積した損失のこと ) の状況を表す指標である 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 累積欠損金が発生していないことを示す 0% であることが求められる 数値が 0% より高い場合は 経営の健全性に課題があるといえる 経年の状況も踏まえながら 0% となるよう経営改善を図っていく必要がある 分析にあたっての留意点として 例えば 当該指標が 0% の場合であっても 給水収益が減少傾向にある場合や維持管理費が増加傾向にある場合には 将来の見込みも踏まえた分析が必要であると考えられる

3 流動比率 (%) 流動資産流動負債 短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 平成 26 年度からは 会計制度の見直しに伴い 流動負債に 1 年以内に償還される企業債や賞与引当金等が計上されることとなったため それ以前と比べ 比率は下がっている 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 1 年以内に支払うべき債務に対して 支払うことができる現金等がある状況を示す 100% 以上であることが必要である 一般的に 100% を下回るということは 1 年以内に現金化できる資産で 1 年以内に支払わなければならない負債を賄えておらず 支払能力を高めるための経営改善を図っていく必要がある 分析にあたっての留意点として 例えば 当該指標が 100% を上回っている場合であっても 現金といった流動資産が減少傾向にある場合や一時借入金といった流動負債が増加傾向にある場合には 将来の見込みも踏まえた分析が必要であると考えられる また 当該指標が 100% 未満であっても 流動負債には 建設改良費等に充てられた企業債が含まれており これらの財源により整備された施設について 将来 償還 返済の原資を給水収益等により得ることが予定されている場合には 一概に支払能力がないとはいえない点も踏まえた分析が必要であると考えられる 4 企業債残高対給水収益比率 (%) 企業債現在高 給水収益 給水収益に対する企業債残高の割合であり 企業債残高の規模を表す指標である 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標については 明確な数値基準はないと考えられる 従って 経年比較や類似団体との比較等により自団体の置かれている状況を把握 分析し 適切な数値となっているか対外的に説明できることが求められる 分析にあたっての留意点として 投資規模は適切か 料金水準は適切か 必要な更新を先送りしているため企業債残高が少額となっているに過ぎないかといった分析を行い 経営改善を図っていく必要があると考えられる

5 料金回収率 (%) 供給単価 給水原価 給水に係る費用が どの程度給水収益で賄えているかを表した指標であり 料金水準等を評価することが可能である 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 供給単価と給水原価との関係を見るものであり 料金回収率が 100% を下回っている場合 給水に係る費用が給水収益以外の収入で賄われていることを意味する 分析にあたっての留意点としては 経常収支比率と同様に 例えば当該指標が 100% 以上の場合であっても 更なる費用削減や更新投資等に充てる財源が確保されているか等 今後も健全経営を続けていくための改善点を洗い出すといった観点から分析する必要があると考えられる 6 給水原価 ( 円 ) 経常費用 -( 受託工事費 + 材料及び不用品売却原価 )- 長期前受金戻入 年間総有収水量 有収水量 1m 3 あたりについて どれだけの費用がかかっているかを表す指標である 平成 26 年度からは 会計制度の見直しに伴い 収益である長期前受金戻入を経常経費から差引くこととなったため それ以前と比べ下がっている 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標については 明確な数値基準はないと考えられる 従って 経年比較や類似団体との比較等により自団体の置かれている状況を把握 分析し 適切な数値となっているか 対外的に説明できることが求められる また 必要に応じて 投資の効率化や維持管理費の削減といった経営改善が必要である 7 施設利用率 (%) 一日平均配水量 一日配水能力 一日配水能力に対する一日平均配水量の割合であり 施設の利用状況や適正規模を判断する指標である 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標については 明確な数値基準はないと考えられるが 一般的には高い数値であることが望まれる 経年比較や類似団体との比較等により自団体の置かれている状況を把握し 数値が低い場合には 施設が遊休状態ではないかといった分析が必要である

分析にあたっての留意点として 水道事業の性質上 季節によって需要に変動があり得るた め 最大稼働率 負荷率を併せて判断することにより 適切な施設規模を把握する必要がある 8 有収率 (%) 年間総有収水量 年間総配水量 施設の稼動が収益につながっているかを判断する指標である 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 100% に近ければ近いほど施設の稼働状況が収益に反映されていると言える 数値が低い場合は 水道施設や給水装置を通して給水される水量が収益に結びついていないため 漏水やメーター不感等といった原因を特定し その対策を講じる必要がある 2. 老朽化の状況 1 有形固定資産減価償却率 (%) 有形固定資産減価償却累計額 有形固定資産のうち償却対象資産の帳簿原価 有形固定資産のうち償却対象資産の減価償却がどの程度進んでいるかを表す指標で 資産の老朽化度合を示している 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標については 明確な数値基準はないと考えられる 従って 経年比較や類似団体との比較等により自団体の置かれている状況を把握 分析し 適切な数値となっているか 対外的に説明できることが求められる 一般的に数値が 100% に近いほど 保有資産が法定耐用年数に近づいていることを示しており 将来の施設の更新等の必要性を推測することができる また 他の老朽化の状況を示す指標である管路経年化率や管路更新率の状況を踏まえ分析する必要があると考えられ 施設の更新等の必要性が高い場合などには 更新等の財源の確保や経営に与える影響等を踏まえた分析を行い 必要に応じて経営改善の実施や投資計画等の見直しなどを行う必要がある 2 管路経年化率 (%) 法定耐用年数を経過した管路延長 管路延長 法定耐用年数 (40 年 ) を超えた管路延長の割合を表す指標で 管路の老朽化度合を示して いる

分析にあたっての一般的な考え方 当該指標については 明確な数値基準はないと考えられる 従って 経年比較や類似団体との比較等により自団体の置かれている状況を把握 分析し 適切な数値となっているか 対外的に説明できることが求められる 一般的に数値が高い場合は 法定耐用年数を経過した管路を多く保有しており 管路の更新等の必要性を推測することができる また 他の老朽化の状況を示す指標である有形固定資産減価償却率や管路更新率の状況を踏まえ分析する必要があると考えられ 管路の更新等の必要性が高い場合などには 更新等の財源の確保や経営に与える影響等を踏まえた分析を行い 必要に応じて経営改善の実施や投資計画等の見直しなどを行う必要がある 3 管路更新率 (%) 当該年度に更新した管路延長 管路延長 当該年度に更新した管路延長の割合を表す指標で 管路の更新ペースや状況を把握できる 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標については 明確な数値基準はないと考えられるが 数値が1% の場合 すべての管路を更新するのに 100 年かかる更新ペースであることが把握できる 経年比較や類似団体との比較等により自団体の置かれている状況を把握 分析し 適切な数値となっているか 対外的に説明できることが求められる また 当該指標の分析には 他の老朽化の状況を示す指標である有形固定資産減価償却率や管路経年化率の状況を踏まえ分析する必要があると考えられ 管路の更新等の必要性が高い場合などには 更新等の財源の確保や経営に与える影響等を踏まえた分析を行い 必要に応じて経営改善の実施や投資計画等の見直しなどを行う必要がある

( 参考 ) 各指標の組み合わせによる分析の考え方 指標 1. 経営の健全性 効率性 分析の考え方 1 経常収支比率 5 料金回収率 7 施設利用率 8 有収率 経常収支比率が高くても 料金回収率が低い場合には 給水収益以外の収入で賄われていることを意味することから 必要に応じて料金の見直しを検討する必要がある 施設利用率が高くても 有収率が低水準にある場合 収益につながらないこととなるため 早急な対策が必要である 2. 老朽化の状況 2 管路経年化率 3 管路更新率 管路経年化率が高い 且つ 管路更新率が低い場合は 一般的に管路の更新投資を増やす必要性が高いため 早急な検討が必要である 1. 経営の健全性 効率性及び 2. 老朽化の状況 1 経常収支比率 1 有形固定資産減価償却率 有形固定資産減価償却率が高い 且つ 経常収支比率が良好な場合には 必要な更新投資を先送りにして健全性を維持している可能性があるため 老朽化対策等 投資のあり方について検討する必要がある