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1. 胃の構造 胃の構造 胃底部 胃底部 胃体部 幽門部 胃液の成分ペプシン胃酸粘液

1. 胃の構造 胃の構造と役割 噴門胃底部胃体部幽門部 粘液を分泌胃酸 ( 塩酸 ) ペプシンを分泌胃酸 ( 塩酸 ) ペプシンを分泌ガストリンを血液中に分泌 ペプシン 胃酸 粘液 タンパク質を分解 病原菌の殺菌やペプシノーゲンの活性化 ペプシンや胃酸から胃粘膜を保護

1. 復習 胃の構造と役割 噴門 胃底部 胃体部 幽門部 胃液の成分 ペプシン 粘液 胃酸 ペプシン 胃酸 粘液 タンパク質を分解 病原菌の殺菌やペプシノーゲンの活性化 ペプシンや胃酸から胃粘膜を保護

2. 消化性潰瘍の病態 消化性潰瘍の種類 胃潰瘍 十二指腸潰瘍 粘膜 粘膜筋板粘膜下層 筋層 しょう膜 軽症 重症 粘膜のみが傷害 びらん 粘膜下層まで傷害 浅い潰瘍 筋層まで傷害 深い潰瘍 しょう膜まで傷害 胃に穴が開く前段階

2. 消化性潰瘍の症状 みぞおちの痛み 胸焼け 胃もたれ すっぱいゲップ 出血 胃潰瘍の痛み主に食事中から食後に起こる十二指腸潰瘍の痛み主に空腹時 ( 特に早朝 ) に起こる

2. 胃潰瘍と十二指腸潰瘍の違い 症状 胃潰瘍 十二指腸潰瘍 症状の発生するタイミング 食事中 食後 空腹時 ( 特に早朝 ) 発症要因 防御因子の低下 攻撃因子の増加 胃酸の分泌 少ない 多い 食生活 和食中心 欧米中心 ピロリ菌の胃内分布 広い 狭い 潰瘍のできやすい場所 胃の下部 1/3( 胃角部 ) 幽門部近く 潰瘍のできやすい年齢 40~50 歳代 20~30 歳代

2. 攻撃因子と防御因子 消化性潰瘍の発症 攻撃因子 と 防御因子 が重要となる攻撃因子防御因子胃酸ペプシン粘液粘膜の血流 タンパク質や病原菌を攻撃する 胃酸などの攻撃から消化管 ( 胃など ) を守る その他の因子 ヘリコバクター ピロリ ( ピロリ菌 ) 鎮痛剤 (NSAIDs) ストレス アルコール

2. 攻撃因子と防御因子のバランス 攻撃因子 潰瘍 正常 防御因子 攻撃因子の増強 攻撃因子 潰瘍 正常 防御因子 防御因子の減弱 攻撃因子 潰瘍 正常 防御因子

2. その他の因子 ヘリコバクター ピロリ ( ピロリ菌 ) 胃の壁細胞に炎症を起こす潰瘍の症状が悪化する鎮痛剤 (NSAIDs) プロスタグランジン (PG) の産生低下副作用として胃腸障害を起こすストレス アルコール日々の生活スタイルが大きく影響攻撃因子が増加し 防御因子が減弱する

2. ヘリコバクター ピロリ ( ピロリ菌 ) 消化性潰瘍との関係 潰瘍を発症する多くの人で確認 ピロリ菌の特徴 アンモニアを産生し 胃酸を中和する強力なウレアーゼ活性をもつ 経口感染 ピロリ菌感染による粘膜傷害のメカニズム アンモニア サイトトキシンの産生 白血球による活性酸素 感染して潰瘍を発症するのは 全体の約 2~3 % 程度

2. ピロリ菌による潰瘍の発生 ピロリ菌への感染幼児期などに口から経口感染胃炎の発症アンモニア サイトトキシンによる粘膜傷害白血球による活性酸素攻撃因子と防御因子のバランスが崩れる 鎮痛剤 (NSAIDs) ストレス アルコール 潰瘍の発生

2. ピロリ菌発見の歴史 ピロリ菌が発見される以前の常識胃のような強い酸性では いかなる生物も生存できないピロリ菌の発見イースター ( 復活祭 ) のため ピロリ菌の培養を5 日間放置 ピロリ培養に成功 培養には最低でも4 日以上が必要 マーシャルは自らピロリ菌を飲む 急性胃炎が起こることを確認 ピロリ菌は抗菌薬によって除菌できることも可能

2. 復習 潰瘍の重症度 粘膜 粘膜筋板粘膜下層 筋層 しょう膜 軽症 重症 消化性潰瘍の症状 みぞおちの痛み 胸焼け 胃もたれ すっぱいゲップ 出血

2. 復習 攻撃因子 潰瘍 正常 防御因子 攻撃因子の増強 防御因子の減弱 攻撃因子 潰瘍 正常 防御因子 攻撃因子防御因子胃酸ペプシン粘液粘膜の血流その他の因子 ヘリコバクター ピロリ ( ピロリ菌 ) 鎮痛剤 (NSAIDs) ストレス アルコール

3. 消化性潰瘍の治療 攻撃因子 潰瘍 正常 防御因子 攻撃因子を抑制 攻撃因子 潰瘍 正常 防御因子 防御因子の増強 攻撃因子 潰瘍 正常 防御因子

3. 胃の壁細胞 胃酸 ( 塩酸 ) プロトンポンプ H2 受容体 アセチルコリン ヒスタミン 胃の壁細胞 ガストリン

3. H2 ブロッカーの作用機序 胃の壁細胞 アセチルコリン H2 ブロッカー 胃酸 ( 塩酸 ) プロトンポンプ H2 受容体 ヒスタミン ガストリン 胃酸分泌に関わる神経伝達物質ヒスタミンアセチルコリンガストリン特にヒスタミンに関わるH2 受容体が大きく関与

3. プロトンポンプ阻害薬の作用機序 胃の壁細胞 アセチルコリン 胃酸 ( 塩酸 ) プロトンポンプ H2 受容体 ヒスタミン プロトンポンプ阻害薬 (PPI) ガストリン 胃酸分泌に関わる輸送体最終的にプロトンポンプが胃酸を分泌するプロトンポンプ阻害により 胃酸分泌が完全にストップ

3. 攻撃因子を抑制する薬の概要 潰瘍の状態 胃酸 ( 塩酸 ) プロトンポンプ アセチルコリン ヒスタミン ガストリン H2 ブロッカーを投与 アセチルコリン プロトンポンプ阻害薬を投与 胃酸分泌が完全にストップ 胃酸 ( 塩酸 ) プロトンポンプ プロトンポンプ アセチルコリンヒスタミンガストリン ヒスタミン ガストリン

3. 復習 ( 前半 ) 消化性潰瘍の治療 攻撃因子を抑制する 防御因子を増強する 胃の壁細胞 アセチルコリン 胃酸 ( 塩酸 ) プロトンポンプ H2 受容体 ヒスタミン ガストリン

3. 防御因子の増強 攻撃因子が胃粘膜を傷つけないように保護する 粘膜保護薬 胃粘膜微小循環改善薬 防御因子を増強する 粘液分泌促進薬 プロスタグランジン製剤 粘膜保護薬潰瘍部分に結合し 保護層を作る粘液分泌促進薬粘液の分泌を促し 胃酸から守る胃粘膜微小循環改善薬胃粘膜の血流を改善し 防御機能を高める

3. 防御因子の増強 プロスタグランジン製剤 (PG 製剤 ) プロスタグランジンは 粘膜保護 や 組織修復 に関わる プロスタグランジンを補えば 防御因子を増強可能潰瘍発生に関する鎮痛剤鎮痛剤 (NSAIDs) による潰瘍のメカニズムプロスタグランジンが作られなくなるため防御因子が極端に少なくなる 鎮痛剤 (NSAIDs) によって発生した潰瘍の治療 プロスタグランジン製剤 (PG 製剤 ) が有効

3. 味覚障害治療薬としてのプロマック 医療保険 : 治療できる範囲が予め決められている医療保険の範囲外で行う適応外使用 ( 基本は全額負担 ) プロマックによる味覚障害の改善味覚障害の原因 : 金属元素の一つである亜鉛の不足 胃粘膜保護薬 : プロマック 潰瘍の治療として使用 プロマックは亜鉛を含有 味覚障害の治療にも使用 ( 適応外使用で使われる ) 一つの医薬品が全く別の病気を治療することもある

3. 消化管運動の改善 食物が胃の中で停滞 潰瘍部との接触回数が増える 潰瘍の悪化を引き起こす 消化管運動改善薬 消化管 ( 胃や腸など ) の動きを活発にする 胃内で留まる時間を短縮し 胃粘膜へのダメージを減らす 消化管運動を改善し 消化器症状を緩和する

3. ピロリ菌の除菌ピロリ菌の検査除菌療法 ( 一週間 ) ピロリ菌の検査ピロリ菌に感染している場合潰瘍の治療除菌成功除菌に失敗 ( 再び除菌 ) ピロリ菌と潰瘍についてピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍を再発させる除菌により 潰瘍の再発を大幅に抑えることができる

3. ピロリ菌の除菌 ピロリ菌の一次除菌 プロトンポンプ阻害薬 (PPI) アモキシシリン クラリスロマイシン 約 80 % の患者さんでピロリ菌を除菌可能 ピロリ菌の除菌に失敗 二次除菌 プロトンポンプ阻害薬を投与する理由 抗生物質の抗菌力が何百倍にも上昇 H2 ブロッカーでは 胃酸分泌抑制作用が不十分

3. 復習 ( 後半 ) 攻撃因子が胃粘膜を傷つけないように保護する 粘膜保護薬 胃粘膜微小循環改善薬 防御因子を増強する 粘液分泌促進薬 プロスタグランジン製剤 潰瘍発生に関する鎮痛剤鎮痛剤 (NSAIDs) による潰瘍のメカニズムプロスタグランジンが作られなくなるため防御因子が極端に少なくなる 消化管運動改善薬 消化管の動きを活発にする

3. 復習 ( 後半 ) ピロリ菌の検査 にピ感ロリ染菌 除菌療法 ( 一週間 ) 潰瘍の治療 ピロリ菌の検査 除菌成功 除菌に失敗 ( 再び除菌 ) ピロリ菌の一次除菌 プロトンポンプ阻害薬 (PPI) アモキシシリン クラリスロマイシン 約 80 % の患者さんでピロリ菌を除菌可能

4. 逆流性食道炎の病態 逆流性食道炎とは 食道は粘膜で守られていない 胃酸の曝露により炎症が起こる 逆流性食道炎 逆流性食道炎を発症しやすい方 太っている人 ストレスの多い人 油っぽいものをよく食べる人 喫煙や加齢による胃の機能低下 逆流性食道炎の症状 胸焼け ゲップ 呑酸 胸の痛み

4. 逆流性食道炎の発生メカニズム 下部食道括約筋 逆流性食道炎 逆流の回数が多い 逆流時間が長い ストレス 脂肪の多い食事 食べすぎ 腹圧が大きい状況 太りすぎ 妊娠 お腹の圧迫

4. 逆流性食道炎の治療 治療の基本プロトンポンプ阻害薬 (PPI) H2 ブロッカー胃酸分泌抑制薬を使用 必要に応じて粘膜保護薬消化管運動改善薬制酸薬など 維持療法多くの人は再発するため 維持療法が必要胃酸分泌抑制薬が使用される胃食道逆流症 (GERD) 胸焼けなど症状はあるが 炎症などの症状が認められない 胃食道逆流症の患者さんを含めて 治療を行う

4. 復習 逆流性食道炎とは 食道は粘膜で守られていない 胃酸の曝露により炎症が起こる 逆流性食道炎 逆流性食道炎を発症しやすい方 太っている人 ストレスの多い人 治療の基本 油っぽいものをよく食べる人 喫煙や加齢による胃の機能低下 必要に応じて プロトンポンプ阻害薬 (PPI) H2 ブロッカー 胃酸分泌抑制薬を使用 粘膜保護薬消化管運動改善薬制酸薬など