平成 30 年 7 月 4 日 平成 30 年 7 月 2 日からの大雨による 出水の概要 ( 速報版 ) 北海道開発局では 平成 30 年 7 月 2 日からの大雨による出水の概要 ( 速報版 ) について 別紙のとおり取りまとめましたので お知らせいたします 平成 30 年 7 月 2 日からの大雨によって 石狩川 ( 深川橋水位観測所 ) では 計画高水位を超えました また 石狩川 ( 納内水位観測所 伊納水位観測所 ) 雨竜川( 多度志水位観測所 雨竜橋水位観測所 ) 留萌川( 幌糠水位観測所 ) においては はん濫危険水位 を超え 複数の河川において大きな出水となりました 北海道開発局では 24 時間体制で気象及び河川の情報を監視し 管理施設の操作を行いまし た また 自治体に TEC-FORCE( リエゾン ) を派遣し情報収集や自治体支援についての調整を行う とともに 災害対策車によるはん濫箇所等の排水作業を行うなど 自治体の支援を行いました 詳細は 別紙を参照してください 問合せ先 北海道開発局建設部河川計画課電話 ( タ イヤルイン )011-709-2110 河川企画官齋藤大作 ( 内線 5292) 課長補佐武田淳史 ( 内線 5294) 北海道開発局ホームページ http://www.hkd.mlit.go.jp/
平成 30 年 7 月 2 日からの大雨による出水の概要 平成 30 年 7 月 4 日 北海道開発局建設部河川計画課 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
1. 降雨の概要 7 月 2 日から北海道付近に停滞する前線により 上川 空知 留萌管内を中心に大雨となり 河川のはん濫等が発生しました 石狩川の上流部の伊納雨量観測所 ( 国交省 ) で 163mm 留萌川の幌糠雨量観測所 ( 国交省 ) で 178mm を観測しました 300 250 200 S50.8 洪水 164.0mm 計画規模の降雨量 230mm/3 日 S56.8 洪水 237.6mm( 最大 ) H13.9 洪水 157.0mm H23.9 洪水 180.7mm H30.7 洪水 185.3mm (4 日 13 時速報値 ) 幌糠雨量観測所 伊納雨量観測所 雨量 (mm) 150 100 50 累加雨量 (7 月 2 日 0 時から 3 日 16 時 ) 0 S50 S51 S52 S53 S54 S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63 H01 H02 H03 H04 H05 H06 H07 H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 石狩川上流 ( 伊納 ) における年最大流域平均雨量 石狩川上流 ( 伊納 ) における年最大流域平均雨量 7 月の日降水量の更新 ( 観測開始以降 ) ( アメダスによる速報値 ) 留萌地方小平町達布 118.5mm(1978-) 上川地方旭川市瑞穂 135.5mm(1985-) 1
2. 水位の状況 平成 30 年 7 月 2 日からの大雨により 石狩川水系 留萌川水系のうち国管理区間の水位観測所では 計画高水位超過 1 観測所 はん濫危険水位超過 5 観測所 避難判断水位超過 1 観測所 はん濫注意水位超過 16 観測所を記録する出水となりました 幌糠 留萌川 雨竜橋 雨竜川 多度志深川橋納内 石狩川 伊納 旭橋 基準水位を超過した観測所 石狩川水系 留萌水系 ( 国管理区間 ) 基準観測所のみ 計画高水位超過 :1 観測所 ( 石狩川 ) 深川橋 はん濫危険水位超過 :5 観測所 ( 石狩川 ) 納内 伊納 ( 雨竜川 ) 多度志 雨竜橋 ( 留萌川 ) 幌糠 避難判断水位超過 :1 観測所 ( 石狩川 ) 旭橋 はん濫注意水位超過 :16 観測所 ( 石狩川 ) 妹背牛橋 伏古 橋本町 砂川橋奈井江大橋 中愛別 ( 牛朱別川 ) 旭永橋 鹿島橋 ( 美瑛川 ) 辺別太 西神楽 ( 雨竜川 ) 北竜橋 達布橋 ( 月寒川 ) 月寒 ( 留萌川 ) 留萌河口 大和田 峠下 観測所の位置に誤りがありましたので 修正しています (7/9) 2
3. 大雨による浸水等の被害状況 平成 30 年 7 月 2 日からの大雨により 石狩川の深川市音江町付近及び旭川市神居町において約 70ha の浸水と家屋 4 戸 ( 深川市 3 戸 旭川市 1 戸 ) 旭川市永山地区等において約 6.1ha の浸水被害が発生しました また 雨竜川の深川市多度志付近及び沼田町共成付近において約 40ha 留萌川の峠下付近で約 1ha の浸水が発生しました ( 開発局調べ ) 雨竜川沼田町共成 後志利別川 旭川市永山地区 留萌川 雨竜川 留萌川峠下地区 石狩川 旭川市神居町 凡例 留萌川 : 国管理河川 : 氾濫危険水位を超えた区間 ( 国管理河川 ) : 浸水被害のあった道管理河川 : 国管理河川での浸水箇所 : 道管理河川での浸水箇所 ( 確認中 ) 平成 30 年 7 月 3 日 13 時頃撮影 3
4. 北海道開発局の対応状況 北海道開発局では 24 時間体制で気象及び河川の情報を監視し 管理施設の操作を行いました 現地においては地上からの河川巡視に加え ドローンによる上空からの調査を行いました 被災した自治体への支援や情報収集を目的として TEC-FORCE( リエゾン ) を沼田町など 3 市 3 町および留萌振興局にのべ 25 人 日派遣 また 被災箇所の応急対策のため TEC-FORCE を妹背牛町など 3 市 2 町にのべ 13 人 日派遣 加えて 排水支援のため 排水ポンプ車 8 台を派遣 ( うち 5 台は撤収済 ) 7 月 4 日 12 時時点 4
5. 治水事業の効果 1 河道掘削が効果を発揮 ( 北海道石狩川近文大橋地点 )( 国管理 ) 石狩川上流忠和地区では 旭川市街地における洪水被害の防止 軽減を目的に河道掘削を順次進めています 平成 30 年 7 月 2 日からの大雨による洪水では 河道掘削により 石狩川 ( 近文大橋地点 ) で約 0.7m の水位低減効果があったと想定されます 仮に 河道掘削が実施されず もし堤防が決壊した場合は約 200ha が浸水したと想定されます 位置図 石狩川 N 河道掘削箇所 河道掘削実施区間 A 伊納水位観測所 A 旭川市 河道掘削を実施しなかった場合に想定される被害 KP153 KP152 KP154 KP151 KP155 KP150 掘削による水位低減効果 伊納水位観測所 近文大橋付近 (KP154) A 掘削を行わなかった場合の最高水位 ( 推定値 ) A H=102.74m 計画高水位 102.56m KP148 KP147 KP149 想定浸水面積 : 約 200ha 浸水内人口 : 約 9,000 人 (KP154.6 地点が破堤したと想定 ) 今回出水における最高水位 ( 推定値 ) H=102.05m 掘削断面 水位低減効果約 0.7m( 推定値 ) 本資料の数値等は速報値であるため 今後の調査で変わる可能性があります 5 5
5. 治水事業の効果 2 ダム整備が効果を発揮 ( 北海道留萌ダム )( 国管理 ) 平成 30 年 7 月 2 日からの大雨による出水により 留萌ダムにおいては 洪水量を超える流入量を観測 留萌ダムの洪水調節等によって下流河川の水位低減を図り 下流の留萌市 ( 幌糠観測地点 ) では 約 1.0m の水位低減効果があったと想定されます 仮にダムが無い場合 下流の藤山地区において 面積 21ha 家屋 6 戸が浸水したと想定されます るもい るもい ほろぬか 位置図 留萌川チバベリ川 N 時間雨量 (mm) 0 10 20 30 40 流域平均時間雨量 流域平均累計雨量 留萌ダムの防災操作 7/2 11:00 ~ 7/3 9:00 流域総雨量 128.5 mm ( ダム流域平均 ) 0 40 80 120 160 累計雨量 (mm) 留萌ダム チバベリ川 幌糠水位観測所 流入量 放流量 (m 3 /s) 150 100 50 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 貯水位 (m) 流入量 (m3/s) 放流量 (m3/s) ダムに流れ込む水を貯め 急激な川の増水を抑えました 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 20:00 21:00 下流の増水をピーク時で約 120m 3 /s 抑えました 22:00 23:00 0:00 1:00 2:00 3:00 4:00 5:00 6:00 7:00 8:00 9:00 10:00 7 月 3 日 3 時 00 分ダムへ流れ込んできた最大水量約 124m 3 /s 11:00 45 40 35 貯水位 (m) 0 10:00 12:00 14:00 16:00 18:00 20:00 22:00 0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 7 月 2 日 ~ 30 24 ダムが無い場合の想定水位 :20.98m 22 幌糠水位観測所地点 計画高水位 H=20.98m 約 1.0m の水位低減 留萌ダム貯水状況 幌糠水位観測所付近 ダムがなかった場合の想定水位 :20.98m 20 はん濫危険水位 H=19.30m 18 実績水位 19.94m はん濫注意水位 H=18.10m 水防団待機水位 H=17.00m 防災操作開始 EL=41.51m 実績水位 :19.94m 16 14 防災操作によってダムに貯めた水量約 174 万 m 3 12 本資料の数値等は速報値であるため 今後の調査で変わる可能性があります 6
5. 治水事業の効果 3 排水機場の効果を発揮 ( 北海道留萌川 )( 国管理 ) るもい 留萌川では 昭和 56 年 8 月洪水及び昭和 63 年 8 月洪水により留萌市街地での内水氾濫被害を受け 高砂排水機場 ( 昭しののめ和 61 年完成 ) 東雲排水機場( 平成 13 年完成 ) を整備しました 平成 30 年 7 月 3 日の出水により 高砂排水機場が約 7 時間稼働 東雲排水機場が約 13 時間稼働し 2 機場合わせて約 20 万 m3の内水排除を実施 仮に排水機場が無い場合 約 390haの市街地が浸水したと想定されます 現況の排水機場の位置図 500 るもい 浸水想定面積 (ha) たかさご 本数値は 速報値であるため変更となる可能性があります 排水機場の概要 計画排水量 4m3/ 秒 東雲排水機場 400 300 390ha 高砂排水機場 計画排水量 4m3/ 秒 200 100 被害軽減 4m3/ 秒は 1 秒間にドラム缶 20 本分相当 0 排水機場稼働なし 0ha 今回実績 しののめ 東雲排水機場 浸水想定範囲 A=40ha 浸水想定範囲 A=350ha H30.7.2 東雲排水機場 留萌川 留萌川 たかさご 高砂排水機場 H30.7.2 高砂排水機場 高砂排水機場が無かった場合の浸水想定範囲 東雲排水機場が無かった場合の浸水想定範囲 7
6. 排水施設の稼働状況等 河川水位が上昇したため 札幌開発建設部の 22 箇所の直轄排水機場において 合計で約 640 時間ポンプを稼働して内水排除を行ったことにより 内水被害を軽減する効果があったと推測されます 平常時に撮影雁来排水機場 ( 最大排水量 10m 3 /s) 稼動箇所図 排水機場稼働箇所 22 箇所 平成 30 年 7 月 6 日 11 時 00 分現在 河川名 市町村名 排水機場名 稼働時間 豊平川 札幌市 雁来排水機場 約 64 時間 石狩川流域 創成川札幌市創成排水機場約 14 時間 深川市深川排水機場約 2 時間 石狩川 滝川市 滝川排水機場 池の前排水機場 約 4 時間 約 60 時間 新十津川町 袋地救急排水場 約 36 時間 新篠津村 新篠津排水機場 約 11 時間 石狩川 ( 旧石狩川 ) 月形町 月形排水機場 約 39 時間 徳富川 新十津川町 新十津川救急排水場 約 9 時間 大鳳川 妹背牛町 小藤排水機場 千秋救急排水場 約 18 時間 約 15 時間 江部乙川滝川市江部乙救急排水場約 27 時間 平常時に撮影 小藤排水機場 ( 最大排水量 10m 3 /s) 平常時に撮影月形排水機場 ( 最大排水量 4m 3 /s) 千歳川 南 6 号排水機場 約 54 時間 長沼町 南 9 号排水機場 約 52 時間 漁太川排水機場 約 51 時間 江別市 泉の沼排水機場 約 15 時間 江別市 早苗別排水機場 約 49 時間 旧夕張川長沼町馬追運河排水機場約 50 時間 旧美唄川岩見沢市旧美唄救急排水機場約 1 時間 篠津川 江別市 八幡排水機場 篠津川排水機場 約 9 時間 約 43 時間 須部都川月形町大曲救急排水場約 19 時間 稼働排水機場を修正しています 合わせて 6 日 11 時時点の稼働状況に更新しています (7/9) 支笏湖 合計 約 640 時間 なお 7 月 6 日 11:00 以降も継続稼働している排水機場もあります 8