三衆議院議員稲葉誠一君提出自衛隊の海外派兵 日米安保条約等の問題に関する質問に対する答弁書一について1 我が国が安全保障理事会の常任理事国となるためには 国連憲章の改正が必要であるが 安全保障理事会の常任理事国は 国連憲章の改正についても いわゆる拒否権を有しており 一般的にいつて 国連憲章の改正に

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条第一項に規定する国際平和協力業務の実施等に関する重要事項九自衛隊法 ( 昭和二十九年法律第百六十五号 ) 第六章に規定する自衛隊の行動に関する重要事項 ( 第四号から前号までに掲げるものを除く ) 十国防に関する重要事項 ( 前各号に掲げるものを除く ) 十一国家安全保障に関する外交政策及び防衛政

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前提 新任務付与に関する基本的な考え方 平成 28 年 11 月 15 日 内 閣 官 房 内 閣 府 外 務 省 防 衛 省 1 南スーダンにおける治安の維持については 原則として南スー ダン警察と南スーダン政府軍が責任を有しており これを UNMISS( 国連南スーダン共和国ミッション ) の部

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インド洋におけるテロ対策海上阻止活動及び海賊行為等対処活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案要綱

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れにMINUSTAH 軍事部門司令部において行われる企画及び調整の分野並びに我が国のMINUSTAHに対する協力を円滑かつ効果的に行うための連絡調整の分野における国際平和協力業務を行わしめるとともに 自衛隊の部隊等により ハイチ地震の被災者の支援等の分野における国際平和協力業務を実施することとする

平和安全法制などの整備法整備の経緯 図表 Ⅱ 閣議決定 の概要と法制整備 閣議決定 の項目 概要 法制整備 警察や海上保安庁などの関係機関が それぞれの任務と権限に応じて緊密に協力して対応す 治安出動 海上 1 武力攻撃に 至らない るとの基本方針の下 対応能力を向上させ連携を強化するな

あなたやあなたの子どもが 国外の戦争で殺し・殺される!? 安倍政権の戦争法案

I. 集団的自衛権 A. 集団的自衛権とは集団的自衛権は 国際連合の成立の際に 初めて国際法上で創設され 国連憲章第 51 条に明文化された権利である 具体的には 自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を 自国が直接攻撃されていないにもかかわらず 実力をもって阻止する権利 であり 日本政府もこの

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安全保障会議 ( 現行 ) の概要 ( 構成 ) 委員長 : 内閣官房長官 委 安全保障会議 ( 構成 ) 議長 : 内閣総理大臣 事態対処専門委員会 内閣総理大臣の諮問に基づき 以下の事項を審議 国防の基本方針 防衛計画の大綱 対処基本方針 武力攻撃事態 / 周辺事態等への対処 / 自衛隊法第 3

朝日 TV 2015/4/18-19 原発政策安倍内閣は 今後の電力供給のあり方について検討しているなかで 2030 年時点で 電力の 2 割程度を 原子力発電で賄う方針を示しています あなたは これを支持しますか 支持しませんか? 支持する 29% 支持しない 53% わからない 答えない 18%

008 しかし 自衛隊が最初から広く国民に受け入れられる存在だったかというと 決してそうではなかった 創設時から憲法違反という批判も受けながら 戦後の平和主義の中で苦しみつつ成長してきたというのが実態である かつては自衛官という存在自体を否定的に考える風潮もあったのである たとえば ノーベル文学賞を

検査若しくは修理又は補給 ( 武器の提供を行う補給を除く ) エ自然災害によって被害を受けた施設又は設備であってその被災者の生活上必要なものの復旧又は整備のための措置オ宿泊又は作業のための施設の維持管理 3 国際平和協力業務の実施の方法 (1) 実施計画及び実施要領の範囲内において 事務総長等による

の方が違憲の問題を指摘しています ポイントは 我が国が 武力の行使をする際の要件として 相手国からの我が国に対する武力攻撃が必要条件か という点にあります この点について政府は 我が国に対する武力攻撃が無くても 我が国の存立が脅かされ他に方法が無いような場合 すなわち新三要件が満たされる場合には 限

一について人口密集地域であり 簡易宿所が密集する地域を抱えていることから 全国的に見てもいわゆるホームレスの数が多い地域であると推測される東京都(特別区の区域に限る ) 川崎市 横浜市 名古屋市及び大阪市における野宿生活者等の数について各地方公共団体に聴取したところ それぞれの地方公共団体で 野宿生

縦軸)我が国 国民に関する事項ための活動を実施可能に(国際社会に関する事項 平和安全法制 の主要事項の関係 在外邦人等輸送 ( 現行 ) 自衛隊法 在外邦人等の保護措置 ( 新設 ) 自衛隊の武器等防護 ( 現行 ) 自衛隊法 米軍等の部隊の武器等防護 ( 新設 ) 平時における米軍に対する物品役

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1 自衛隊に対する関心 問 1 あなたは自衛隊について関心がありますか この中から 1 つだけお答えください 平成 30 年 1 月 関心がある ( 小計 ) 67.8% 非常に関心がある 14.9% ある程度関心がある 52.9% 関心がない ( 小計 ) 31.4% あまり関心がない 25.9%

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1 駆け付け警護 とは 駆け付け警護 とは,PKO 協力法 3 条 5 号が規定する国際平和協力業務の1つであり, 正確には 安全確保業務 (3 条 5 号ト ) と 駆け付け警護 (3 条 5 号ラ ) の2つから成ります このうち, 安全確保業務 は, 端的に言えば, 住民保護 治安維持活動のこ

一について第一に 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号 以下 感染症法 という )第十二条の規定に基づき 後天性免疫不全症候群(以下 エイズという )の患者及びその病原体を保有している者であって無症状のもの(以下 HIV感染者 という )(以下 エイズの患者等

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安倍戦争法の危険 1 安倍戦争法の実際の危険 2 さらに危険な段階に入った日本の軍国主義 3 戦争法阻止のために全力を

3 議事概要 (1) 安倍総理から 冒頭挨拶の中で 1 我が国を取り巻く安全保障環境は 我が国が独立を果たして以来激変した 2とりわけ近年顕著なのは グローバルなパワーバランスの急激な変化であり 東アジアの安全保障環境は第一次報告書が提出された6 年前に比べても一層厳しさを増している 3 大量破壊兵

この長期にわたる紛争に対する政治的解決を達成することとマグレブ アラブ連合の加盟国間の協 力の強化は 安定および安全 同様にサヘル地域の全ての人々のための仕事 成長および機会を導き出 すことに貢献するであろうことを認識し 国際連合西サハラ住民投票監視団 (MINURSO) を含む 全ての平和維持活動

掃海を挙げているが これを実質的に見れば (1) の 今まさにそこにある危機 というよりもむしろ (2) の日米同盟の強化の意味合いが大きい そのため 政権が武力行使の要件として示す 存立危機事態 には 実質上 日米同盟存立危機事態 の要素が入り込み それが 武力行使の限界の外縁を曖昧にしている 以

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エチオピア 2017 年 2 月 エチオピアは FATF 及び ESAAMLG( 東南部アフリカ FATF 型地域体 ) と協働し 有効性強化及び技術的な欠陥に対処するため ハイレベルの政治的コミットメントを示し 同国は 国家的なアクションプランや FATF のアクションプラン履行を目的とした委員会

が進んでいる との声明を出しています 3 国連人権理事会での報告昨年 12 月 14 日 国連人権理事会で 南スーダンの人権問題担当の専門家委員会の委員長が 南スーダンは全面的な民族間の内戦に陥る危機に直面している 国内の幾つかの地域で民族浄化が進んでいる と 武力紛争を伴う民族間における危機的な対

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4 各締約国は 第九条の規定によりこの条約に署名し又は批准書若しくは加入書を寄託する際に 登録簿に掲げるため少なくとも一の湿地を指定する 5 いずれの締約国も その領域内の湿地を登録簿に追加し 既に登録簿に掲げられている湿地の区域を拡大し又は既に登録簿に掲げられている湿地の区域を緊急な国家的利益のた

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2 加わって海外で武力を行使したりしないこと)を大きく逸脱するものです 今年3月20 日に その法案化に向けての与党協議会での合意文書がまとめられ 4月17 日には全体像が提示されました これについて自民 公明両党からの強い異存は出なかったとされています 4月下旬での与党合意や日米防衛協力のための指

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集団的自衛権の行使を 容認する閣議決定 終戦 日本の敗戦 日本国憲法公布 自衛隊発足 政府見解 集団的自 衛権の行使は憲法上許さ れない 自衛権発動の3要件

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法律第三十三号(平二一・五・一)

附帯調査

平成 28 年 ( ワ ) 第 2407 号自衛隊南スーダン PKO 派遣差止等請求事件 原告平和子 被告国 文書提出命令申立書 2019( 平成 31) 年 1 月 10 日 札幌地方裁判所民事第 1 部合議係 B 御中 申立人 ( 原告 ) 訴訟代理人 弁護士佐藤博文 外 申立人 ( 原告 )

別紙 警察庁丙刑企発第 98 号 警察庁丙捜一発第 63 号 警察庁丙生企発第 136 号 警察庁丙生経発第 14 号 警察庁丙交企発第 131 号 警察庁丙交指発第 34 号 消安全第 号 平成 24 年 11 月 16 日 警察庁刑事局長舟本馨 警察庁生活安全局長岩瀬充明 警察庁交通

各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

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日本の平和憲法と アメリカ 東アジア 川崎哲 NGOピースボート 共同代表 集団的自衛権問題研究会 代表

1 尖閣諸島に関する認知 (1) 尖閣諸島の認知 平成 25 年 7 月 知っていた 91.1% 知らなかった 7.7% 知っていた 知らなかった ( 該当者数 ) 総数 ( 1,801 人 ) (%) -

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一の2 について一の1 について贈与税の基礎控除額の水準は 少額不追求の観点 相続税の補完税である贈与税の機能の維持の観点等から設定されているものであり 現在の六十万円という水準は このような観点にかんがみ 妥当な水準であると考えている 所得税における各種所得控除については 基礎的な人的控除のほか

日本人と憲法 2017 調査 単純集計結果 調査方法 個人面接法 調査時期 2017 年 3 月 11 日 ( 土 )~26 日 ( 日 ) 調査対象 全国 18 歳以上の国民 調査相手 住民基本台帳から層化無作為 2 段抽出 4,800 人 (400 地点 12 人 ) 調査有効数 ( 率 ) 2

時効特例給付制度の概要 制度の概要 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律 ( 平成 19 年 7 月 6 日施行 ) に基づき 年金記録の訂正がなされた上で年金が裁定された場合には 5 年で時効消滅する部分について 時効特例給付として給付を行うこととされた 法施行前

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第八条理事は 理事長の定めるところにより 理事長を補佐して機構の業務を掌理する 2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は 理事とする ただし 理事が置かれていないときは 監事とする 3 前項ただし書の場合において 通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は そ

『自衛隊の海外派遣』

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また 前提となる衝突や紛争といった脅威が不明確であり 在日米軍 海兵隊の出動が見込まれる事例をはじめ 具体的な説明がなく 抽象的である このような内容では 県外移設 ができない理由が説明されているとは言えず 県民の納得のいくものではない 鳩山前総理は 昨年 5 月の記者会見において 何とか県外に見つ

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

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2 政府は 必要があると認めるときは 予算で定める金額の範囲内において 機構に追加して出資することができる 3 機構は 前項の規定による政府の出資があったときは その出資額により資本金を増加するものとする 第二章役員及び職員 ( 役員 ) 第六条機構に 役員として その長である理事長及び監事二人を置

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自衛隊の役割と権限 1

A: 最近の韓国での出来事だとか 日本での出来事などについて率直に意見交換をしたわけでございますが 私が感じたのは長官の話を通じて 韓国のこの平和と朝鮮半島の平和と安定 これは日本にとっても安全保障上 大変重要なことでございまして 韓国の防衛政策も伺えましたけど 非常にしっかりとしたものであります

- 2 - 項五その他本会の目的を達成するために必要な事項(役員)第五条本会に次の役員を置く 会長一名副会長七名以内理事七名監事三名(役員の任期)第六条役員の任期は 二年とする ただし 任期満了後も 新役員が選任されるまでの間は 引き続きその職務を行うものとする 2補欠により選任された役員の任期は

設問 6: あなたは普段どの程度国際的なニュースや情報に接しているか ( 注 ) この設問は2015 年より実施 (1) 毎日 (2) 週に2~3 回程度 (3) 週 1 回程度 (4) 月 1 回程度 8 8 (5)2~3ヶ月に1 回程度 2 3 (6)6ヶ月に

各平和維持活動および特別政治ミッションの職務権限は 関係国の必要性および状況に応じて特異 であることを認識し 中立性 当事国の同意 国の主体性および国の責任の原則を再確認し また特別政治ミッションを 受け入れている諸国の見解および諸国との対話の重要性を強調し 受入国の警備機関はしばしば 治安問題につ

自衛隊について考察するときにまず必要なのは その設立の根拠たる憲法 9 条の解釈に ついて理解することであろう 第 9 条日本国民は 正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し 国権の発動たる戦争と 武力による威嚇又は武力の行使は 国際紛争を解決する手段としては 永久にこれを放棄する 2 前項の目

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政府開発援助大綱 平成 15 年 8 月 29 日 外務省経済協力局

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新旧対照表

謝辞

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論点 ( ポイント ) それでは早速入りますが まずポイントですね 憲法に反するのか ということ 安全保障に関してどんな政策をとるかは 政治の判断することです 我々が選挙で選んだ政治家が判断する しかし 安倍さんだから何でも自由にできるという訳ではない 安倍さんの発言を聞いていますと国民の命を預かる

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六十五歳以上七十歳未七十歳以上 三 九三〇円一五 二九一円 三 九三〇円一三 二八四円 附則 1 この告示は 平成四年四月一日から施行し この告示の施行の日 ( 以下 施行日 という ) 以後の期間に係る年金たる補償に係る平均給与額及び施行日以後に支給すべき事由が生じた休業補償に係る平均給与額につい

11

大綱コンセプトの変遷 初めて策定した 51 大綱 (1976 年策定 ) においては 自らが力の空白となって我が国周辺地域における不安定要因とならないよう 必要最小限度の防衛力を保有するという考え方 すなわち 基盤的防衛力構想 を採用 その後 東西冷戦の終結といった国際情勢の変化 より安定した安全保

(2) 国際連携平和安全活動とは 国連が統括しない有志連合による平和維持活動である 国際平和協力業務は国際連合平和維持活動 ( 国連 PKO) と同じである (3) 安全確保業務 とは 住民保護 治安維持活動のことである 駆け付け警護 とは NGO や他国の部隊等の PKO 活動関係者が敵対勢力等に

Transcription:

昭和五十五年十月二十八日受領(質問の六)答弁第六号衆議院議員稲葉誠一君提出自衛隊の海外派兵 日米安保条約等の問題に関する質問に対し 別紙答弁書を送付する 内閣衆質九三第六号昭和五十五年十月二十八日衆議院議長福田一殿内閣総理大臣鈴木善幸一

三衆議院議員稲葉誠一君提出自衛隊の海外派兵 日米安保条約等の問題に関する質問に対する答弁書一について1 我が国が安全保障理事会の常任理事国となるためには 国連憲章の改正が必要であるが 安全保障理事会の常任理事国は 国連憲章の改正についても いわゆる拒否権を有しており 一般的にいつて 国連憲章の改正に消極的ないし反対の立場をとつている また その他の加盟国も 一般的にいつて 拒否権を行使し得る国が増加することに対しては 否定的な意見を有している 2 五か国を常任理事国と指定するとの構想は 昭和十九年のダンバートン オークス会談において 主要連合国たる米国 英国 ソ連 中国の四か国により合意され 昭和二十年

二について1 国連がその 平和維持活動 として編成したいわゆる 国連軍 には 大別して 通常 停戦監視団といわれる国連インド パキスタン軍事監視団 国連パレスチナ休戦監察機構 国連レバノン監視団 国連西イリアン軍事監視団 国連イエメン監視団 国連インド パキスタン監視団と 通常 平和維持軍といわれる第一次国連緊急軍 コンゴー国連軍 国連西イリアン保安隊 国連キプロス平和維持軍 第二次国連緊急軍 国連兵力引離し監視軍 国連レバノン暫定軍とがある これらのいわゆる 国連軍 の任務は個々の事例により異なるが 前者は 主として停戦の監視 停戦の違反行為についての安全保障理事会への報告を任務としており 後者は 主として停戦の監視 戦闘再発の防止 兵力引離し 国内治安の回復 維持を任務としていると承知している サンフランシスコ会議において 参加連合国五十か国により受諾されたものである 四

3 いわゆる 国連軍 は 個々の事例によりその目的 任務が異なるので それへの参加の可否を一律に論ずることはできないが 当該 国連軍 の目的 任務が武力行使を伴うものであ2 いわゆる停戦監視団及びいわゆる平和維持軍は 安全保障理事会又は総会の決議に基づき その都度設置されるものであつて 国連憲章上その設置についての具体的な規定はない なお 朝鮮国連軍は 憲章第七章(第三十九条)に基づき軍事的強制措置を主たる目的として編成されたものであり ここにいう国連の 平和維持活動 としてのいわゆる 国連軍 とは別個のものであると聞いている 昭和三十三年七月 当時の国連事務総長から国連レバノン監視団に対して十名の自衛隊員の派遣要請があつたが 我が国は 自衛隊員の派遣は 我が国の制度上認められず これに応じ難い旨の回答をしたことがある 五

三について1 国連憲章第五十一条は 国家が個別的又は集団的自衛の権利を有することを認めている れば 自衛隊がこれに参加することは憲法上許されないと考えている これに対し 当該 国連軍 の目的 任務が武力行使を伴わないものであれば 自衛隊がこれに参加することは憲法上許されないわけではないが 現行自衛隊法上は自衛隊にそのような任務を与えていないので これに参加することは許されないと考えている 我が国としては 国連の 平和維持活動 が国連の第一義的目的である国際の平和と安全の維持に重要な役割を果たしていると認識している このような観点から 国連の 平和維持活動 に対し 従来から実施している財政面における協力に加え 現行法令下で可能な要員の派遣 資機材の供与による協力を検討して行きたいと考えている しかし 我が国が集団的自衛権を行使することは憲法の認めているところではないというの六

3 及び4 従来 いわゆる海外派兵とは 一般的にいえば 武力行使の目的をもつて武装した部隊を他国の領土 領海 領空に派遣することである と定義づけて説明されているが このような海外派兵は 一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであつて 憲法上許されないと考えている したがつて このような海外派兵について将来の想定はない 2 我が国の自衛権の行使は 我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解している したがつて 例えば集団的自衛権の行使は その範囲を超えるものであつて憲法上許されないと考えている また いわゆる海外派兵については 次の3 及び4 において述べるとおりである が従来からの政府の考え方である これに対し いわゆる海外派遣については 従来これを定義づけたことはないが 武力行七

5 憲法第九条第二項は 国の交戦権は これを認めない と規定しているが ここにいう交戦権とは 戦いを交える権利という意味ではなく 交戦国が国際法上有する種々の権利の総称であつて 相手国兵力の殺傷及び破壊 相手国の領土の占領 そこにおける占領行政 中立国船舶の臨検 敵性船舶のだ捕等を行うことを含むものであると解している 他方 我が国は 自衛権の行使に当たつては 我が国を防衛するため必要最小限度の実力を行使することが当然認められているのであつて その行使は 交戦権の行使とは別のものである 使の目的をもたないで部隊を他国へ派遣することは 憲法上許されないわけではないと考えている しかしながら 法律上 自衛隊の任務 権限として規定されていないものについては その部隊を他国へ派遣することはできないと考えている このような自衛隊の他国への派遣については 将来どうするかという具体的な構想はもつていない 八

四について1 我が国は 日米安保条約を基礎とする日米友好協力関係を我が国外交の基軸とし 民主主義と自由主義経済体制を共有する諸国の一員として国際社会における我が国の地位を確立することにより これらの諸国との間においてのみならず 体制を異にする諸国との間においても 積極的な外交を展開し得たのである また 我が国は このような外交努力と 日米安保体制を基調としつつ自衛力の整備を図ることから成る安全保障政策を進めることにより 平和と安全を維持してきた このように安定した対外関係の確立と安全保障の確保があつてこそ 我が国は 内政の充実を図るとともに経済的発展を達成し得たと認識している 6 我が国は 自衛権の行使に当たつては我が国を防衛するため必要最小限度の実力を行使することを旨としているのであるから 交戦権が認められていないことによつて不利益が生じるというようなものではない 九

2 日米安保条約の抑止効果としては 同条約第五条に従い 米国が我が国を防衛することになつていることから 第三国としては我が国に対する武力攻撃を行うことを控えざるを得なくなるといつた効果がある 以上のように 日米安保条約は 御指摘のような諸点にわたつて 我が国にとつて積極的な役割を果たしてきていると理解している 我が国の安全保障を全うするためには 同条約の抑止効果を万全のものとするために 有事の際米国が来援しやすいように日米安保体制を平素から整備しておくとともに 米国が我が国を守ることは米国の国益でもあることについて米国民の一層の理解を得るような日米関更に 日米安保体制は アジアにおける国際政治の基本的な枠組みの重要な柱として 我が国の安全保障のみならず アジアひいては世界の平和と安全の維持にも寄与しているものと考える 一〇

4 我が国の平和憲法の理念に基づき国際的平和を希求して そのための外交的努力をするとともに 同時に 我が国自ら自衛力を整備し 日米安保体制を効果的に運用することによつて 紛争を抑止してきたからであると考える 3 御質問の趣旨が 我が国の集団的自衛権の行使を内容として含むような日米安保条約の改正が許されるかということであれば 我が国が集団的自衛権を行使することは憲法上認められていないと解しているので そのような改正は許されないと考える 係の実体を確保するようにすべきである なお 我が国の自衛力の整備に努めるとともに 国際の平和及び安全を図るための外交的努力を強化することが肝要であることはいうまでもない 戦後今日まで我が国が戦争や紛争に現実に巻き込まれるような事態はなかつたと考えるが これは ひとえに右に述べたような 我が国の安全保障政策が当を得たものであつたか一一

であると考える 右 一二ら答弁する