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2. 平成 9 年遠隔診療通知の 別表 に掲げられている遠隔診療の対象及び内 容は 平成 9 年遠隔診療通知の 2 留意事項 (3) イ に示しているとお り 例示であること 3. 平成 9 年遠隔診療通知の 1 基本的考え方 において 診療は 医師又は歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本

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総会名簿 代表区分 氏 名 現 役 職 名 1. 健康保険 船 員保険及び国民 幸 野 庄 司 健康保険組合連合会理事 健康保険の保険 平 川 則 男 日本労働組合総連合会総合政策局長 者並びに被保険 間 宮 清 日本労働組合総連合会 患者本位の医療を確立する連絡会 委員 者 事業主及び 宮 近 清

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厚生労働省による 平成 30 年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.1) に対する 八王子介護支援専門員連絡協議会からの質問内容と八王子市からの回答 Q1 訪問看護ステーションによるリハビリのみの提供の場合の考え方について厚労省 Q&A(Vol.1) での該当項目問 21 問 22 問 23 A

■● 糖尿病

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私たちの人生 病気やケガのリスクと 経済的影響は? 50 ( 千人 ) 1, 通院入院 ( 歳 )

訪問審査当日の進行表 審査体制区分 1: 主機能のみ < 訪問 2 日目 > 時間 内容 8:50~9:00 10 分程度休憩を入れる可能性があります 9:00~10:30 薬剤部門 臨床検査部門 画像診断部門 地域医療連携室 相談室 リハビリテーション部門 医療機器管理部門 中央滅菌材料部門 =

体制強化加算の施設基準にて 社会福祉士については 退院調整に関する 3 年以上の経験を有する者 であること とあるが この経験は 一般病棟等での退院調整の経験でもよいのか ( 疑義解釈その 1 問 49: 平成 26 年 3 月 31 日 ) ( 答 ) よい 体制強化加算の施設基準にて 当該病棟に

別添 1 抗不安薬 睡眠薬の処方実態についての報告 平成 23 年 11 月 1 日厚生労働省社会 援護局障害保健福祉部精神 障害保健課 平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 向精神薬の処方実態に関する国内外の比較研究 ( 研究代表者 : 中川敦夫国立精神 神経医療研究センタートラン

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4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

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医科診療報酬点数表関係 別添 1 在宅患者支援療養病床初期加算 在宅患者支援病床初期加算 問 1 療養病棟入院基本料の注 6の在宅患者支援療養病床初期加算及び地域包括ケア病棟入院料の注 5の在宅患者支援病床初期加算の算定要件に 人生の最終段階における医療 ケアの決定プロセスに関するガイドライン 等の

目次 1 目的 1 2 医療機関及び行政機関等との協力関係の確保 1 3 事業主体 1 (1) ドクターヘリ 1 (2) 防災消防ヘリ 1 4 定義 1 (1) ドクターヘリ基地病院 1 (2) 地域救急医療体制支援病院 1 (3) ヘリ救急搬送体制支援病院 2 (4) 出動区分 2 5 ドクターヘ

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る として 平成 20 年 12 月に公表された 規制改革推進のための第 3 次答申 において 医療機器開発の円滑化の観点から 薬事法の適用範囲の明確化を図るためのガイドラインを作成すべきであると提言したところである 今般 薬事法の適用に関する判断の透明性 予見可能性の向上を図るため 臨床研究におい

1. セルフ健康チェック for みんなの健活 のねらい スキーム等 (1) 背景 ねらい 健康を維持し 疾病を予防 早期発見するためには 定期的な健康診断の受診が重要であり 日本再興戦略 改訂 2014においても 2020 年までに健診受診率を 80%( 特定健診を含む ) (2010 年 67.

( 選定提案 ) は 利用者に貸与しようと福祉用具の種目の候補が決まった後で 具体的な提案品目 ( 商品名 ) を検討する際に用いる つまり ( 選定提案 ) に記載されるのは 候補となる福祉用具を利用者に対して提案 説明を行う内容である 平成 30 年度の制度改正では 提案する種目 ( 付属品含む

2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔

I

7 時間以上 8 時間未満 922 単位 / 回 介護予防通所リハビリテーション 変更前 変更後 要支援 Ⅰ 1812 単位 / 月 1712 単位 / 月 要支援 Ⅱ 3715 単位 / 月 3615 単位 / 月 リハビリテーションマネジメント加算 (Ⅰ) の見直し リハビリテーションマネジメン

【資料1】結核対策について

年管管発 0928 第 6 号平成 27 年 9 月 28 日 日本年金機構年金給付業務部門担当理事殿 厚生労働省年金局事業管理課長 ( 公印省略 ) 障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて 厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令 ( 平成 2

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加算 栄養改善加算 ( 月 2 回を限度 ) 栄養スクリーニング加算 口腔機能向上加算 ( 月 2 回を限度 ) 5 円 重度療養管理加算 要介護 であって 別に厚生労働大が定める状態である者に対して 医学的管理のもと 通所リハビリテーションを行った場合 100 円 中重度者ケア体制加算

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

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別紙 ( 国内における臓器等移植について ) Q1 一般の移送費の支給と同様に 国内での臓器移植を受ける患者が 療養の給付を受けるため 病院又は診療所に移送されたときは 移送費の支給を行うこととなるのか 平成 6 年 9 月 9 日付け通知の 健康保険の移送費の支給の取扱いについて ( 保険発第 1

リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

都道府県単位での肝炎対策を推進するための計画を策定するなど 地域の実情に応じた肝炎対策を推進することが明記された さらに 近年の状況等を踏まえ 平成 28 年 6 月に基本指針の改正を行い 肝炎対策の全体的な施策目標を設定すること等が追記された 都は 肝炎をめぐる都内の状況や基本指針の改正を踏まえ

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

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全自病協第 582 号 平成 27 年 2 月 13 日 地方会議担当支部長様 公益社団法人全国自治体病院協議会 会長 邉見公雄 平成 27 年度地方会議における共通議題について 日頃から支部活動にご尽力をいただき感謝申し上げます さて 平成 27 年度地方会議における共通議題について 常務理事会で

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パワポテンプレ

( 参考 ) 平成 29 年度予算編成にあたっての財務大臣 厚生労働大臣の合意事項 ( 平成 29 年 12 月 19 日大臣折衝事項の別紙 ) < 医療制度改革 > 別紙 (1) 高額療養費制度の見直し 1 現役並み所得者 - 外来上限特例の上限額を 44,400 円から 57,600 円に引き上

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後期高齢者医療制度とは 制度 後期高齢者医療制度とは 3 資格 被保険者 4 被保険者証 保険証 5 保険料の算定 6 保険料の納付方法 7 保険料の軽減と納付相談 8 お医者さんにかかるときの自己負担割合 10 療養費 12 訪問看護療養費 移送費 13 高額療養費 14 特定疾病 17 高額介護

北里大学病院モニタリング 監査 調査の受け入れ標準業務手順 ( 製造販売後臨床試験 ) 第 1 条 ( 目的 ) 本手順書は 北里大学病院において製造販売後臨床試験 ( 以下 試験とする ) 依頼者 ( 試験依頼者が業務を委託した者を含む 以下同じ ) が実施する直接閲覧を伴うモニタリング ( 以下

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2-1 クリニックからの訪問リハビリ 医師の関与について 1 専任の常勤医は 診察及び計画作成に携わる医師と解してもよいか 2 最低 1 名の専任常勤医師を配置するという考え方でよいか 指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について ( 抄 ) ( 平成 11 年 9 月 17 日

National Cancer Center Hospital 平成 28 年度第 1 回臨床研究 治験活性化協議会 国立がん研究センター中央病院の 患者申出療養の体制整備と現状 国立がん研究センター中央病院藤原康弘 Sep 13,2016 Yasuhiro Fujiwara, MD, PhD 臨床

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(地Ⅲ  )

居宅介護支援 契約時の説明について問 131 今回の改正により 利用者の意思に基づいた契約であることを確保するため 利用者やその家族に対して 利用者はケアプランに位置付ける居宅サービス事業所について 複数の事業所の紹介を求めることが可能であること等を説明することを義務づけ それに違反した場合は報酬が

童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会において検討がなされることから その検討の結果を踏まえ 別途通知することとする なお 都道府県内の難病医療提供体制に関する情報は 住民に分かりやすい形で公表し その進捗状況を周知する必要がある また 各医療機関が診療可能な難病のリスト等を公表

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

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2 障害厚生年金障害厚生年金は次の1~3の条件すべてに該当する方が受給できます 1 障害の原因となった病気やケガの初診日 ( 1) が 厚生年金保険の被保険者である期間にあること 2 障害の原因となった病気やケガによる障害の程度が 障害認定日 ( 2) に法令により定められている障害等級表 ( 3)

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな

< 目的 > 専ら被保険者の利益 にはそぐわない目的で運用が行われるとの懸念を払拭し 運用に対する国民の信頼を高める 運用の多様化 高度化が進む中で 適切にリスクを管理しつつ 機動的な対応を可能に GPIF ガバナンス強化のイメージ ( 案 ) < 方向性 > 1 独任制から合議制への転換基本ポート

平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

3 医療安全管理委員会病院長のもと 国府台病院における医療事故防止対策 発生した医療事故について速やかに適切な対応を図るための審議は 医療安全管理委員会において行うものとする リスクの把握 分析 改善 評価にあたっては 個人ではなく システムの問題としてとらえ 医療安全管理委員会を中心として 国府台

社団法人日本医療社会事業協会長殿 平成元年三月三〇日 健政発第一八八号 厚生省健康政策局長 医療ソーシャルワーカー業務指針普及のための協力依頼について 医療ソーシャルワーカーの業務については 昭和三三年七月二八日衛発第七〇〇号厚生省公衆衛生局長通知 保健所における医療社会事業の業務指針について で保

( 介 197)( 保 310)F 平成 31 年 3 月 12 日 都道府県医師会社会保険担当理事殿介護保険担当理事殿 日本医師会常任理事 松本吉郎 江澤和彦 要介護被保険者等である患者に対する入院外の維持期 生活期の 疾患別リハビリテーションに係る経過措置の終了に当たっての必要な対応について 入

Transcription:

未来投資会議構造改革徹底推進会合 健康 医療 介護 会合第 2 回 未来投資会議構造改革徹底推進会合 健康 医療 介護 会合資料 2 平成 29 年 11 月 15 日 ( 第 2 回 ) (1) 遠隔診療の推進 平成 29 年 11 月 15 日 厚生労働省 総務省 経済産業省

平成 29 年度厚生労働科学研究費補助金 ( 厚生労働科学特別研究事業 研究代表者 : 武藤真祐 ( 東京医科歯科大学医歯学総合研究科臨床教授 )) 情報通信機器を用いた診療に関するルール整備に向けた研究 情報通信技術の進展に合わせ 情報通信機器を用いた診療が普及してきているが 更なる普及 推進のためには 医療上の安全性 必要性 有効性が担保された適切な診療を普及させていく必要があり 一定のルール整備が求められる こうした状況を踏まえ 本年 11 月に研究班を立ち上げ 年度末を目途に 情報通信機器を用いた診療に関するガイドラインを作成する 研究概要 情報通信機器を用いた診療( いわゆる 遠隔診療 ) について ( 平成 9 年 12 月 24 日付け健政発第 1075 号厚生省健康政策局長通知 ) において 患者側の要請に基づき 患者側の利点を十分に勘案した上で 直接の対面診療と適切に組み合わせて行うこと等 情報通信機器を用いた診療を実施する際の留意点が示されている 情報通信機器を用いた診療を実際に行う場合 上記留意点の考え方を踏まえ 実施の判断についてはそれぞれの 医師が行うこととなるが その判断の参考となるよう 次の内容を定めた情報通信機器を用いた診療に関するガイ ドラインを作成する 医療上の安全性の担保の観点から 情報通信機器を用いた診療を行う際の原則の明示 医療上の必要性 有効性の担保の観点から 情報通信機器を用いた診療が適する診療形態の例示 等 メンバー 主任研究者 : 武藤 真祐 ( 東京医科歯科大学医歯学総合研究科臨床教授 ) 研究協力者 : 今村 聡 ( 日本医師会副会長 ) 畔柳 達雄 ( 日本医師会参与 / 弁護士 ) 島田 潔 ( 板橋区役所前診療所医師 ) 馬場 稔正 (MRT 株式会社代表取締役社長 ) 宮田 俊男 ( 日本医療政策機構理事 ) 美代賢吾 ( 国立国際医療研究センター医療情報管理部門長 ) オブザーバー : 総務省 厚生労働省 経済産業省 加藤 浩晃 ( 日本医療ベンチャー協会理事 / 京都府立医科大学特任助教 ) 佐々江龍一郎 (NTT 東日本関東病院医師 ) 豊田剛一郎 ( 株式会社メドレー代表取締役医師 ) 松山 征嗣 ( 株式会社トレンドマイクロ業種営業推進グループ ) 宮田 裕章 ( 慶應義塾大学医学部医療政策 管理学教室教授 ) 1

未来投資戦略 2017 2 未来投資戦略 2017( 平成 29 年 6 月 9 日閣議決定 )( 抄 ) Ⅰ Society5.0に向けた戦略分野 1. 健康 医療 介護 (2) 新たに講ずべき具体的施策 3 AI 等のICTやゲノム情報等を活用した医療 遠隔診療について 例えばオンライン診察を組み合わせた糖尿病等の生活習慣病患者への効果的な指導 管理や 血圧 血糖等の遠隔モニタリングを活用した早期の重症化予防等 対面診療と遠隔診療を適切に組み合わせることにより効果的 効率的な医療の提供に資するものについては 次期診療報酬改定で評価を行う 更に有効性 安全性等に関する知見を集積し 2020 年度以降の改定でも反映させていく

遠隔診療 ( 情報通信機器を用いた診療 ) と診療報酬上の評価 診療形態 診療報酬での評価 医師対医師 (D to D) 情報通信機器を用いて画像等の送受信を行い特定領域の専門的な知識を持っている医師と連携して診療を行うもの 遠隔画像診断画像を他医療機関の専門的な知識を持っている医師に送信し その読影 診断結果を受信した場合 遠隔病理診断標本画像等を他医療機関の専門的な知識を持っている医師に送信し 診断結果を受信した場合 情報通信機器を用いた診察 医師が情報通信機器を用いて患者と離れた場所から診察を行うもの 電話等による再診患者の病状の変化に応じ療養について医師の指示を受ける必要の場合であって 当該患者又はその看護に当たっている者からの医学的な意見の求めに対し治療上必要な適切な指示をした場合 医師対患者 (D to P) 情報通信機器を用いた遠隔モニタリング 情報通信機能を備えた機器を用いて患者情報の遠隔モニタリングを行うもの 心臓ペースメーカー指導管理料 ( 遠隔モニタリング加算 ) 体内植込式心臓ペースメーカー等を使用している患者に対して 医師が遠隔モニタリングを用いて療養上必要な指導を行った場合 3

オンライン診療の位置づけ オンライン診療とは ICT を活用し 医師と患者が離れた場所でありながら 患者の状態を把握し 診療を行うものであり 患者の外来通院あるいは医師の訪問診療など 対面による診療行為を補完するものである 外来診療患者が病院へ来院して診療 訪問診療医師が患者を訪問して診療 オンライン診療医師 患者がそれぞれの場所にいながら診療 問診モニタリンク 診察 本事業では オンライン診療を対面診療の補完として位置づけ 診療の質と効率性を高めるものとしてその有用性を検証 福岡市健康先進都市戦略 かかりつけ医 機能強化事業 4

利用開始までの流れ 対象患者の選定 既に継続受診を行っている患者の中から選定 治療計画書 サンプル 治療計画への合意 オンライン診療をどのように適用するか計画を作成し 患者へ説明 患者への操作説明 ( 機器貸与 ) スマートフォンの設定および患者宅の利用環境を確認 デモンストレーション ( リハーサル ) 診療予約から診察開始 終了までの流れを確認 オンライン診療実施 医療機関にて患者を選定し オンライン診療の治療計画について患者から同意取得の上 利用を開始 福岡市健康先進都市戦略 かかりつけ医 機能強化事業 5

実証結果にみるオンライン診療の効用 訪問診療 外来診療 患者 介護者への安心 状態が刻一刻と変化する中で患者を介護する家族の不安は募るが 電話だけでは状況を医師に伝えることが難しく また医師も頻回に訪問することは難しい オンラインで状況を共有し指示を仰ぐことで一定の対応が行える オンラインで繋がることが訪問頻度が減っても安心できる 医師の負担軽減 電話だけでは判断が難しいが映像により状態を把握することで適切な指示を出したり 必要な準備をして訪問診療が行える 往診依頼があり 訪問してみると行かなくても大丈夫だったということもある中で 本当に必要なときだけ訪問することで無駄をなくすことが可能 介護者の負担軽減 高齢となると 1 人では通院が困難であるが 在宅医療を頼むまでではない場合がある 高齢患者の家族は勤労世代であることが多く オンラインにより通院介助の負荷を軽減しながら受診頻度を高めることで 重症化前に対応することが可能 早期対応 急な症状変化において 電話では患者も状況の説明が難しく 医師も判断がしづらい 外来診療を行うところでは 緊急往診も対応することは困難 かかりつけ医であれば 過去の検査結果や受診状況もわかり 映像を診て一定の判断の下 適切な指示を出すことができる 福岡市健康先進都市戦略 かかりつけ医 機能強化事業 6

情報通信機器を用いた診療において想定される課題 遠隔診療 ( 情報通信機器を用いた診療 ) は 対面診療と適切に組み合わせて行われ 対面診療を補完するものとして位置づけられており その適用については 患者の状態等を踏まえた個別判断が必要と考えられるため 一定程度の受診期間等を求める必要があるのではないか 遠隔診療 ( 情報通信機器を用いた診療 ) における医療の質を確保する観点から 例えば事前の治療計画の作成 患者同意の取得等を求める必要があるのではないか 仮に遠隔診療 ( 情報通信機器を用いた診療 ) を 診療報酬で評価するとした場合は 上記のような内容を要件として求めるべきではないか なお 現行の電話等による再診 ( 電話等再診料 ) は 患者又はその看護に当たっている者から治療上の意見を求められ指示をした場合にのみ算定可能となっており 仮に評価するとした場合は 電話等再診料との整理が必要となる 7