ダイナミックマップ車線毎の交通情報提供等の仕様に関する調査 概要版

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資料3-4

ICT を活用した ITS の概要 1 ITS は内閣府 警察庁 総務省 経済産業省 国土交通省が連携して推進 道路交通情報 VICS (1996 年 ~) FM 多重放送 電波ビーコン 光ビーコンで情報配信 ( 約 5,100 万台 :2016 年 6 月末 ) プローブ情報 携帯電話ネットワーク

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21m 車両の検証項目 ダブル連結トラック実験 高速道路 3 交通流への影響 4 道路構造への影響 合流部 : 本線 合流部 : ランプ 追越時 車線変更部 検証項目 分析視点 データ等 1 省人化 同一量輸送時のドライバー数 乗務記録表 環境負荷 同一量輸送時のCO2 排出量 2 走行 カーブ (

SIP 自動走行システムの概要 1 < 実施体制 > 総合科学技術 イノベーション会議 (CSTI) ガバニングボード PD( プログラムディレクター ) ( 内閣府に課題ごとに置く ) 課題ごとに以下の体制を整備 推進委員会 PD( 議長 ) 担当有識者議員 内閣府 関係省庁 外部専門家 関係省庁

【生産性革命プロジェクト】 産業界における気象情報利活用

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HDMI 機器を使う 本機にポータブルビデオなどの外部映像機器を接続すると その映像を本機の AV ソース (HDMI) として見ることができます 本機に外部映像機器を接続するには 別売の HDMI 入力ケーブルと市販の HDMIケーブルが必要です 映像入力の設定をする 1 を押し 設定 編集 -

1 日本再興戦略 2016 改革 2020 隊列走行の実現 隊列走行活用事業モデルの明確化ニーズの明確化 ( 実施場所 事業性等 ) 技術開発 実証 制度 事業環境検討プロジェクト工程表技高齢者等の移動手段の確保 ( ラストワンマイル自動走行 ) 事業モデルの明確化 ( 実施主体 場所 事業性等 )

報道発表資料(新宿駅屋内地図オープンデータ)

1 趣旨このガイドラインは 日本国内の公道 ( 道路交通法 ( 昭和 35 年法律第 105 号 ) 第 2 条第 1 項第 1 号に規定する 道路 をいう 以下同じ ) において 自動走行システム ( 加速 操舵 制動のうち複数の操作を一度に行い 又はその全てを行うシステムをいう 以下同じ ) を

J システム による道路交通情報の提供について 平成 29 年 6 月現在 公益財団法人日本道路交通情報センター 1

Wi-Fi テザリングで使う MapFan の会員登録をする Wi-Fi テザリングで使用するためには KENWOOD MapFan Club へ入会し MapFan Web で会員登録が必要です 連携するスマートフォンはテザリング契約が必要です 1 KENWOOD MapFan Club にスマー

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キャッシュについて当サイトで提供している道路交通情報は 5 分おきに更新されていますが ご利用の環境によっては パソコンのローカルキャッシュやサーバのキャッシュが表示される場合があります 情報提供画面の日時 / / : 現在の情報です をご確認の上 現在時刻よりも 30 分以上前の情報が表示されてい

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ご使用の前に カーナビと接続するケーブルについて iphone で接続する場合 : 別売の KCA-iP102 または KCA-iP212 をご使用ください [ 商品購入 ] にタッチします 画面にしたがって操作してください iphone の場合 Android スマートフォンの場合 Android

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別紙 1 ワイヤロープの今後の設置予定について H ワイヤロープの技術的検証結果 ( 第 3 回検討会 ) 土工区間については 技術的に実用化可能 中小橋については 試行設置箇所を拡大し 実用化に向けた取組みを進める 長大橋 トンネル区間については 公募選定技術の性能検証を引き続き進め

1 見出し1

平成 29 年 8 月 8 日 国道 33 号の渋滞緩和にご協力ください! ~ 経路変更によるお盆の渋滞回避 ~ 愛媛県渋滞対策協議会 ( 議長 : 松山河川国道事務所長 ) では GW 及びお盆期間中において国道 33 号が混雑する事から 昨年よりドライバーの皆様に渋滞の回避及び緩和の為 経路変更

動態管理サービス操作マニュアル

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ご使用の前に KENWOOD 製対応カーナビゲーション MDV-Z700W/MDV-Z700/MDV-R700/MDV-X500 MDV-X500 は Bluetooth に対応していないため Android スマートフォンは使用できません iphone はご使用になれます カーナビと接続するケーブ

ダイナミックマップ 2.0 コンソーシアムが高精度道路地図仕様とクエリ言語仕様を公開 名古屋大学未来社会創造機構の高田広章教授を代表者として推進している産学連携の共同研究体 ダイナミックマップ 2.0 コンソーシアム ( 略称 :DM2.0 コンソ ) は その成果物の一部である高精度道路地図仕様と

屋内 3 次元 測位 + 地図 総合技術開発 現状 屋内 3 次元測位統一的な測位手法 情報交換手順がなく 共通の位置情報基盤が効率的に整備されない 技術開発 屋内外のシームレス測位の実用化 (1) 都市部での衛星測位の適用範囲拡大 (2) パブリックタグ 屋内測位の標準仕様策定 効果 3 次元屋内

8. ピンポイント渋滞対策について 資料 8

ニュースレター「SEI WORLD」2016年6月号

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ボイスワードで 情報を検索する 大見出し ワードで検索できるキーワード ワードで検索できるキーワード 天気 交通などに関するキーワードは 一言 ワード で検索できるようになりました リモコンの 発声 / 訂正 を押す ボイスコントロールが起動します ボイスワード FM 多重バンク おすすめキーワード

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沖縄でのバス自動運転実証実験の実施について

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通行止め実施区間 8 能生 IC 名立谷浜 IC SA 上越 JCT 上越 IC 新潟 1 妙高高原 IC 中郷 IC 4 月 17 日 ( 火 )4 月 19 日 ( 木 ) 3 夜間 ( 予備日 )4 月 20 日 ( 金 )4 月 22 日 ( 日 ) 富山 上越高田 IC 新井スマート IC

SIP 自動運転 _ 研究開発計画説明会 SIP 自動運転 ( システムとサービスの拡張 ) 研究開発計画について 平成 30 年 8 月 3 日 ( 金 ) 内閣府プログラムディレクター 葛巻清吾 1

焼津(名古屋方面)IC津工事箇所焼IC参考資料 1. 工事箇所東名高速道路静岡 IC~ 焼津 IC 間用宗高架橋 ( 下り線 ) 凡例 高速自動車国道 一般有料道路 建設中区間 国交省建設区間 ( 上り線 : 名古屋 東京方面下り線 : 東京 名古屋方面 ) 至至静岡(東京方面)用宗高架橋

○福岡県警察交通管制要綱の制定について(通達)

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6. 高速道路 SA PA 等 への充電設備設置事業の説明と提出書類 高速道路 SA PA 等 への充電設備設置事業の 説明と提出書類 事業名 事業内容 申請できる方 高速道路 SA PA 及び道の駅等への充電設備設置事業 ( 経路充電 ) 高速道路 SA PA 等 ( 注 1) におけ

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2019 年 1 月 18 日 インド共和国アーメダバード市における 日本で規格化され世界標準規格でもある UHF 帯 V2X 通信技術を応用した緊急車両優先システムの実証実験 の実施について 株式会社ゼロ サム 株式会社トヨタ IT 開発センター 0. サマリー 〇株式会社ゼロ サムと株式会社トヨ

国土技術政策総合研究所 研究資料

本調査の概要及び趣旨 高速道路での逆走発生件数は 平成 23 年から28 年まで年間 200 件前後で推移しており 横ばいの状況 高速道路での逆走事故は高速道路での事故全体に比べ 死亡事故となる割合が約 40 倍 高速道路における逆走防止対策の推進に関する調査 ( 概要 ) 総務省では 高速道路での

スマートICの事業費の基準について

NITAS の基本機能 1. 経路探索条件の設定 (1) 交通モードの設定 交通モードの設定 とは どのような交通手段のネットワークを用いて経路探索を行うかを設定するものです NITASの交通モードは 大きく 人流 ( 旅客移動 ) 物流( 貨物移動 ) に分かれ それぞれのネットワークを用いた経路

調査研究の概要 報告書第 Ⅱ 編 (3 頁 ~) Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 2

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道路を賢く使う取組 IT を活用した 賢い物流管理 について ETC2.0 で物流効率化 WIM で過積載の取締強化 深刻なドライバー不足が進行 30~39 歳 22% 30 歳未満 9% 40~49 歳 32% 50 歳以上 37% 物流効率化 トラックドライバーの 約 4 割が 50 歳以上 一

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なお 訪日外国人のお客さまにつきましては ソフトバンク株式会社が提供する訪日外国人向け無料 Wi-Fi サービス FREE Wi-Fi PASSPORT(SSID:.FREE_Wi-Fi_PASSPORT) も継続してご利用いただけます ( FREE Wi-Fi PASSPORT についてはソフトバ

「自動走行システム」の大規模実証実験の実施について

チェーン規制区間 別紙 近畿地方整備局 関東地方整備局 E19 国道 138 号 山中湖村平野 ~ 小山町須走字御登口 中央道 飯田山本 IC ~ 園原 IC 直轄国道 高速道路 直轄国道 都道府県 路線番号 箇所名 区間 延長 (km) 道路管理者 山梨県静岡県 やまなかこすばしりやまなかこむらひ

緊急通報の現状 ( 回線保留機能等の仕組み ) 1 メタル電話は NTT 東日本 西日本の PSTN により 回線保留 及び 逆信 が可能 1 1 回線保留 とは が受話器を下ろしても指令台側が切断しない限り接続状態を維持すること 逆信 とは 回線保留状態でが受話器を下ろしている時に側から着信音を鳴

事故及び渋滞対策の取り組み 福岡都市高速 北九州都市高速 福岡北九州高速道路公社

平成 30 年度チェーン規制実施箇所 ( 北陸地方整備局管内 ) 別紙 1 北陸地方整備局管内におけるチェーン規制の実施箇所は次のとおり 対象区間一覧 ( 直轄国道 ) 都道府県 路線番号 箇所名 区間 延長 (km) 地整 おおすどかみおおとりむらかみ 新潟県国道 7 号大須戸 ~ 上大鳥村上市大

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選定技術の テーマ Ⅰ ウェッジハンプ 舗装面にくさび型の非対称の段差 ( ウェッジハンプ ) を設置し 走行時の衝撃により逆走車両に注意喚起するもの 全景 設置イメージ図 逆走車両に衝撃で注意喚起を行い 順行車両には走行に支障の無い形状としている 段差部分には超高強度繊維補強コンクリートを使用し

平成30年度チェーン規制実施箇所 近畿地方整備局管内 別紙 凡例 近畿地整 高速道路 E8北陸自動車道 延長17.8 丸岡IC 加賀IC 国道8号 延長3.2 福井県あわら市熊坂 福井県あわら市笹岡 直轄国道 E8北陸自動車道 延長44.7 木之本IC 今庄IC 高速道路 都道府県 延長 km 道路

6 テストドライバーに関連する自動走行システムの要件 実験車両 7 公道実証実験中の実験車両に係る各種データ等の記録 保存 8 交通事故の場合の措置 事故対応 9 賠償能力の確保 10 関係機関に対する事前連絡 外部連携 出典 : 自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドライン をもとに弊

これらのご要望などを踏まえ 本技術を開発しました 本技術により渋滞予知の精度は大幅に向上し 渋滞があると予測した時間帯において 所要時間の誤差が30 分以上となる時間帯の割合が 従来の渋滞予報カレンダー 7 の8.2% に対して0.8% 20 分以上となる割合が26% に対して6.7% となり また

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1 基本的な整備内容 道路標識 専用通行帯 (327 の 4) の設置 ( 架空標識の場合の例 ) 自 転 車 ピクトグラム ( 自転車マーク等 ) の設置 始点部および中間部 道路標示 専用通行帯 (109 の 6) の設置 ( 過度な表示は行わない ) 専 用 道路標示 車両通行帯 (109)

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大雪の際のドライブプランの検討に役立つ新たな情報提供を行います 高速道路会社が共同で 株式会社ウェザーニューズと連携した 新たな 高速道路の情報提供サイト を立ち上げます 大雪の際には情報提供サイトをご確認いただき 大雪地域へのご旅行等の見合わせや広域の迂回など ご協力をお願いします タイムライン

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高速道路への完全自動運転導入によるリスク低減効果の分析 リスク工学専攻グループ演習 10 班 田村聡宮本智明鄭起宅 ( アドバイザー教員伊藤誠 )

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本章では 衝突被害軽減ブレーキ 車線逸脱警報 装置 等の自動車に備えられている運転支援装置の特性 Ⅻ. 運転支援装置を 備えるトラックの 適切な運転方法 と使い方を理解した運転の重要性について整理しています 指導においては 装置を過信し 事故に至るケースがあることを理解させましょう また 運転支援装

NEXCO 0 0 JB,0,0,00,00,0,0,0 ETC 0

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チェーン規制区間 < 区間 > せいよしうわちょうおおずしきたただ国道 56 号 : 愛媛県西予市宇和町 ~ 愛媛県大洲市北只 ( 延長 7.0km) ( 別紙 1~4 のとおり ) < 規制内容 > 大雪特別警報 が発表され 冬用タイヤでの走行が困難な路面状況になった場合に 従来であれば通行止めと

平成 26 年度建設技術フォーラム発表資料 道路パトロール支援サービス ~ 社会インフラの維持管理業務へのスマートデバイス活用 ~ 平成 26 年 11 月富士通株式会社 Copyright 2014 FUJITSU LIMITED

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ひっかけ問題 ( 緊急対策ゼミ ) ステップ A B C D 39.4% 学科試験パーフェクト分析から ひっかけ問題 に重点をおいた特別ゼミ! 2 段階 出題頻度 39.4% D ゼミ / 内容 *(2 段階 24.07%+ 安知 15.28%=39.4

通行止め区間および迂回路 7 至村上 E7 日本海東北自動車道 新潟中央 IC 8 新潟西 IC 至長岡 北陸自動車道 8 新潟中央 JCT 49 新潟 PA 新津西新津 IC IC スマート新津西スマート五泉 PA 安田 IC 阿賀野川 SA 1 1 新潟中央 JCT 安田 IC( 上下線 ) 8

1. 調査の背景 目的 (1) 本調査の背景 1 自動運転システムに関する技術開発が日進月歩で進化する中 自動運転システムの機能や性能限界等に関する消費者の認識状況 自動運転システムの普及に必要な社会的受容性への正しい理解等 解消すべき不安 ( リスク ) についての事前調査および議論がまだ広範かつ


戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) 第 2 期自動運転 ( システムとサービスの拡張 ) のうち 東京臨海部実証実験 に係る実証実験参加者募集要領 ( 概要版 ) 平成 31 年 1 月

03 【資料1】自動走行をめぐる最近の動向と今後の調査検討事項

第 2 章横断面の構成 2-1 総則 道路の横断面の基本的な考え方 必要とされる交通機能や空間機能に応じて, 構成要素の組合せ と 総幅員 総幅員 双方の観点から検討 必要とされる道路の機能の設定 通行機能 交通機能アクセス機能 滞留機能 環境空間 防災空間 空間機能 収容空間 市街地形成 横断面構

ORSEニュース45号

データ通信を設定する 179 情報を見る ETC E情 T報 C を見る : 車種 グレード オプションなどにより 装着の有無が異なります : ディーラーオプションです

速度規制の目的と現状 警察庁交通局 1

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STAMP/STPA を用いた 自動運転システムのリスク分析 - 高速道路での合流 - 堀雅年 * 伊藤信行 梶克彦 * 内藤克浩 * 水野忠則 * 中條直也 * * 愛知工業大学 三菱電機エンジニアリング 1

資料 WG 2-4 IoT モビリティの これまで と これから 2016 年 2 月 23 日 株式会社 NTT ドコモ 本書に記載の会社名 製品名 ロゴは各社の商標または登録商標です c2016 NTTdocomo, INC. All Rights Reserved.

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戦略的イノベーション創造プログラム (SIP) 自動走行システム / 大規模実証実験 ダイナミックマップ車線毎の交通情報提供等の仕様に関する調査 報告書 次世代インフラ事業本部 2018 年 3 月 31 日 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.

調査内容 ダイナミックマップを活用した自動走行技術の実用化とそれに向けた技術的課題の明確化に向けて 以下の調査を実施 1) 国内における車線毎の道路交通情報提供などに関する調査 車線毎の準静的 準動的情報に関する国内の取り組みについて文献調査や現地訪問等を行い 以下に示す項目の調査を実施車線毎の準静的 準動的情報に関する仕様や提供方法等の技術動向 仕様車線毎の準静的 準動的情報を取り扱う国内の事業及び仕組みその他車線毎の準静的 準動的情報に関係する事項 2) 車線毎の道路交通情報提供などについて国内の取組に関する調査 ダイナミックマップを活用した車両の自動走行技術を推進していくに当たって 関連組織と連携し必要となる情報の調査を実施 ( 規制情報を想定 ) a. 車線毎の道路交通情報提供等に関連する国内関係者との情報交換 b. 自動走行に必要となる車線毎の道路交通情報等の仕様の調査 c. 実証実験に向けた車線毎の道路交通情報とダイナミックマップに関する調査内容のまとめ Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 2

スケジュール 調査内容 1) 国内における車線毎の道路交通情報提供などに関する調査 平成 29 年度 第 2 四半期第 3 四半期第 4 四半期 2) 車線毎の道路交通情報提供などについて国内の取組に関する調査 a. 車線毎の道路交通情報提供等に関連する国内関係者との情報交換 b. 自動走行に必要となる車線毎の道路交通情報等の仕様の調査 第 1 回検討会 第 2 回検討会 第 3 回検討会 c. 実証実験に向けた車線毎の道路交通情報とダイナミックマップに関する調査内容のまとめ Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 3

道路交通情報提供の流れ 1) 国内における車線毎の道路交通情報提供などに関する調査 情報収集 集約 情報処理 編集 情報提供 情報活用 交通管理者 ( 都道府県警察 ) 交通管制センター 光ビーコン 仕様 :UTMS 協会 日本道路交通情報センター (JARTIC) 道路交通情報通信システムセンター (VICS センター ) FM 多重放送 車両 仕様 :VICS センター 道路管理者 ( 国土交通省 道路会社など ) 道路管制センター 電波ビーコン ETC2.0 仕様 :HIDO 凡例交通管理者 JARTIC/VICSセンター道路管理者 出典 :VICS センター HP をもとに三菱総合研究所作成 ( http://www.vics.or.jp/know/about/pdf/vics_pamphlet_j.pdf ) Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 4

道路交通情報提供の概要 ( メディア別 ) FM 多重放送 電波ビーコン 光ビーコン 提供装置 VICSFM 多重放送 (FM 放送局 ) 電波ビーコン 光ビーコン 渋滞情報 (LV1-3) リンク旅行時間 (LV3) ( 高速道情報 ) ( 高速のみ ) 区間旅行時間情報 (LV1-3) 事象規制情報 (LV1-3) ( 事故 工事 災害 気象条件等 ) 1) 国内における車線毎の道路交通情報提供などに関する調査 ( 事故 故障車 工事 災害 気象条件等 ) ( 事故 工事 災害 気象条件等 ) 駐車場情報 (LV2-3) ( 満車 空車 ) ( 満車 空車 ) SA PA 情報 (LV1-3) メッセージ情報 (LV1) 受信範囲のイメージ出典 :VICS センター資料より LV1= 文字表示 LV2= 簡易図形表示 LV3= 地図表示 VICS センター資料を基に MRI 作成 FM 多重放送 (VICS 東京のカバーエリア ) 電波ビーコンの受信範囲光ビーコンの受信範囲 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 5

道路管制センターでの道路交通情報生成の流れ 1) 国内における車線毎の道路交通情報提供などに関する調査 出典 : NEXCO 中日本資料より Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 6

車線別の道路交通情報提供の事例 (NEXCO 路線 ) JARTIC では 道路交通情報を HP 上でも提供している 1) 国内における車線毎の道路交通情報提供などに関する調査 そのうち 規制情報については 第 1 走行規制 といった車線を示す内容が含まれている HP での車線別の規制情報の提供例 (JARTIC) 出典 :JARTIC HP より Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 7

現在提供している車線別の道路交通情報の概況 1) 国内における車線毎の道路交通情報提供などに関する調査 道路交通情報の種別 道路種別 車線の表現方法 提供しているメディア 規制情報 高速道路 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 8 下記の 12 のどちらか一方で車線を表現 1 車線番号 ( 登坂車線 追越車線 走行 1 走行 1+ 走行 2 など ) NEXCO 東 / 中 / 西 本四 福北 2 車線数 (1 車線規制 2 車線規制など ) 首都高 名高 阪高 FM 多重放送 ETC2.0 光ビーコンも上記 2 メディアと同様の提供フォーマットを規定 規制情報の生成方法 規制を伴う道路工事については予め計画を立案しているが 工事の実施は当日の道路状況を鑑みて決定されるため 実際の工事の実施に合わせて規制情報を入力 落下物や故障車による規制は 緊急ダイヤル (#9910) や非常電話からの通報 パトロール車等からの報告があり次第 管制システムに入力 通報を受けてすぐなど 落下物や故障車の位置が不明確な場合には全車線規制とすることもあるが その後 時間の経過とともに状況がわかれば より詳細な規制情報を入力補足 : 高速道路会社の略称東日本高速道路株式会社 :NEXCO 東 中日本高速道路株式会社 :NEXCO 中 西日本高速道路株式会社 :NEXCO 西 首都高速道路株式会社 : 首都高 阪神高速道路株式会社 : 阪高 本州四国連絡高速道路株式会社 : 本四 名古屋高速道路公社 : 名高 福岡北九州高速道路公社 : 福北

車線別の道路交通情報提供の仕様 ( イメージ図 ) 1) 国内における車線毎の道路交通情報提供などに関する調査 車線の表現方法 車線番号か車線数で表現規制位置 規制長 規制開始位置 規制終了位置は 当該位置を含む VICS リンクの終端からの距離として表現 道路交通情報 VICS リンク ID:xxxx01 規制開始位置 : m 規制終了位置 : m 規制長 : m 車線番号 : 登坂車線 規制開始位置 規制終了位置 VICS リンク ID:xxxx01 m 規制長 : m m 実空間 進行方向 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 9

首都高管制システムにおける規制情報の管理状況 首都高においても 規制情報を車線別に管理している ただし車線の名称が NEXCO と首都高では下図の通り異なる (3 車線区間の場合 ) NEXCO 第二走行車線追越車線1) 国内における車線毎の道路交通情報提供などに関する調査 一走進行行車方線向 ETC2.0やFM 多重の情報提供フォーマットにおいては NEXCOの名称しか定義されていないため 首都高では1 車線規制 2 車線規制という形式で情報提供している 第左車線中車線首都高は 左右の分岐合流が短い区間で多数発生するため すべて走行車線としている 右車線首都高 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 10

2) 車線毎の道路交通情報提供などについて国内の取組に関する調査 車線別の道路交通情報検討会の開催概要 開催日 議題 第 1 回 10 月 13 日 1SIP adusの大規模実証実験について 2 車線別の道路交通情報検討会の趣旨 目的について 3 道路交通情報提供の現状について 4 道路交通情報提供のフォーマットについて 第 2 回 12 月 1 日 1 現在の道路交通情報の提供の仕組みについて 2 道路交通情報提供に用いるリンクについて 第 3 回 2 月 5 日 1 現在の道路交通情報の提供の仕組みについて ( 検討会における追加質問の確認結果 ) 2 車線別の道路交通情報提供の実証実験に向けて 検討会出席者オブザーバー事務局 警察庁交通局総務省総合通信基盤局国土交通省道路局 一般財団法人道路交通情報通信システムセンター一般財団法人道路新産業開発機構公益財団法人日本交通管理技術協会 ( 第 2 回から ) 一般社団法人日本自動車工業会一般財団法人日本デジタル道路地図協会公益財団法人日本道路交通情報センター一般社団法人 UTMS 協会東日本高速道路株式会社中日本高速道路株式会社 ( 第 2 回から ) ダイナミックマップ大規模実証実験コンソーシアム ( 第 3 回から ) 内閣府 NEDO 三菱総合研究所 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 11

2) 車線毎の道路交通情報提供などについて国内の取組に関する調査 道路交通情報の自動走行システムでの利用にあたっての検証ポイント 検証ポイント 1: 利用する地図の違い 道路交通情報提供に利用する地図と 自動走行システムで利用する地図が異なる場合でも 道路交通情報をダイナミックマップに正しく対応付けられることの検証が必要 自動走行システム ( 想定 ) 道路交通情報 ( 現状 ) 利用する地図ダイナミックマップデジタル道路地図 地図の精度 1/500 相対精度 1/25,000 地図の更新頻度極力 更新後すぐ年 1 回 (3 月 ) 地図の作成方法モービルマッピングシステム (MMS) レーザーレーダを搭載した計測車両 国土地理院 1/25,000 地形図道路管理者の資料新刊地形図 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 12

2) 車線毎の道路交通情報提供などについて国内の取組に関する調査 道路交通情報の自動走行システムでの利用にあたっての検証ポイント 検証ポイント 2: 変換処理による誤差 道路交通情報提供にあたり複数の変換処理が行われるため 位置の認識に齟齬が出ないか検証が必要 管制システム ( 高速道路会社など ) 情報処理 編集 提供 (JARTIC/VICS センター ) 情報活用 ( 車両 ) 管制システム上の情報 道路交通情報 (VICS フォーマット ) 準動的 準静的情報 キロポスト 管制システムの情報を VICS フォーマットへ変換 VICS リンク ID VICS リンクに紐づく道路交通情報を高精度地図へ関連付け 車線レベルの位置参照方式 路線図 デジタル道路地図 高精度 3D 地図 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 13

2) 車線毎の道路交通情報提供などについて国内の取組に関する調査 車線別規制情報の提供実験の計画素案 背景 自動走行システムの実現に向け 車線別の情報が必要との議論が地図構造化 TF などで行われている ただし 既に配信している車線別規制情報を自動走行システム向け地図 ( ダイナミックマップ ) で活用できるかどうかは未検証 検討事項 次年度に内閣府 SIP において下記の 2 点の確認を目的とした実証実験を行うことを想定し 実験計画を検討 1 車線別の規制情報をダイナミックマップで活用する上での技術的確認 2 ダイナミックマップ実証実験の実験参加者による車線別規制情報の活用可能性の確認 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 14

2) 車線毎の道路交通情報提供などについて国内の取組に関する調査 技術検証に用いる機器の構成案 機器構成案 SIP 自動走行システム / 大規模実証実験の ダイナミックマップ の実証実験において ETC2.0 路側機から提供される車線別の規制情報を対象に 車両側のダイナミックマップで利用する実験用機能を想定 構築した実験用機能 ( 車両側 ) を ダイナミックマップ実証実験にて検証 車線別規制情報 ETC2.0 車載器 データ出力機能 データ変換機能 ダイナミックマップビューア API ETC2.0 路側機 想定する機器構成 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 15

2) 車線毎の道路交通情報提供などについて国内の取組に関する調査 実験スケジュール 実験箇所の案 実験スケジュール案実験用機能 ( 車両側 ) の開発 : 平成 30 年 8 月まで開発者による評価 : 平成 30 年 9 月実験参加者による評価 : 平成 30 年 10 月 ~12 月 実験箇所案 車線別の規制情報を提供している高速道路を対象 常磐自動車道 新東名高速道路 東名高速道路 首都高速道路 現在 車線別規制情報を提供している区間 現在 車線別規制情報を提供していない区間 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 16

2) 車線毎の道路交通情報提供などについて国内の取組に関する調査 実験方法案 (1) 実験は公道であることから ダミーデータの配信は行わない 車線別の規制情報が出るかどうかは 当日の現地の道路状況次第 工事規制予定を周知する HP を実験参加者へ案内 走行計画の立案に活用 工事規制予定の掲載先 NEXCO 東日本 :https://www.drivetraffic.jp/construction NEXCO 中日本 :https://www.c-nexco.co.jp/construction ただし 当日の交通状況や天候などにより 規制実施の有無や 規制実施の時間帯を変更する可能性があることを十分に説明 NEXCO 東日本の工事規制予定の掲載例 Copyright 出典 (C) )NEXCO Mitsubishi 東日本 Research HP(https://www.drivetraffic.jp/construction) Institute, Inc. 17 NEXCO 中日本の工事規制予定の掲載例 出典 )NEXCO 中日本 HP(https://www.c-nexco.co.jp/construction)

2) 車線毎の道路交通情報提供などについて国内の取組に関する調査 実験方法案 (2) 道路交通情報は ドライバー向けの情報提供を目的とするものであり 車両制御へ活用することは想定されていない 実験においては ダイナミックマップ上に ETC2.0 車載器で受信した車線別規制情報を描画し 実際の走行映像と比較 実験参加者に活用可能性を確認頂く 実験参加者における評価のイメージ 警察庁ガイドラインに則り ドライバーが PC などの機器を見ることのないよう 実験参加者に依頼 ダイナミックマップビューア表示例 車載カメラ撮影映像 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 18

まとめ 1) 国内における車線毎の道路交通情報提供などに関する調査 現在 FM 多重放送や ETC2.0 を用いて 高速道路の一部で車線別の規制情報 ( 走行車線 / 追越車線で規制している等 ) を提供していることを確認 車線別規制情報の自動走行システムでの利用にあたっての論点を整理 2) 車線毎の道路交通情報提供などについて国内の取組に関する調査 車線別の道路交通情報検討会を開催し 道路交通情報提供の仕組みなどについて国内関係者との情報交換 次年度に内閣府 SIP の大規模実証実験において ダイナミックマップにおける車線別規制情報の活用可能性を検証するための実証実験を行うことを想定し 実証実験に向けた計画書素案を検討 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 19