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報道関係各位 平成 20 年 12 月 17 日国立大学法人東京大学 キッチンロボットにより食器洗いを支援する技術の発表 1. 発表概要 : 東京大学 IRT 研究機構は キッチンロボットにより食器洗いを支援する技術 を開発しました この技術は少子高齢社会での家事介護支援ロボットのコア技術の一つです 2. 発表内容 : 2006 年度から 国立大学法人東京大学と トヨタ自動車株式会社 オリンパス株式会社 株式会社セガ 凸版印刷株式会社 株式会社富士通研究所 パナソニック株式会社 三菱重工業株式会社は 文部科学省が公募した科学技術振興調整費 先端融合領域イノベーション創出拠点の形成 事業に参画し 少子高齢社会と人を支える IRT 基盤の創出 ( 注 1) というプロジェクトテーマ ( 総括責任者 : 小宮山東京大学総長 ) で協働して 10~20 年後の大きなイノベーション ( 注 2) を目指した研究開発を進めています このプロジェクトの実施主体である 東京大学 IRT 研究機構 ( 機構長 : 下山勲 ) は このたび パナソニック株式会社と共同で 家具であるキッチンにロボット技術を統合して キッチンに置かれた食器を丁寧に扱いながら 食洗機を用いて食器洗いを支援するキッチンロボットを研究開発しました 少子高齢社会においては 単身世帯や要介護者をもつ世帯など 家事の負担が大きい世帯の割合が増えることが予想されています これに対して 今回開発した技術により 食器の後片付けの負担を軽減することで 人は介護や育児 労働などに時間を向けることができるようになり 少子高齢社会での家事介護支援に貢献します 食器の後片付けは 主に 食器の運搬 ( 下膳 ) 残り物処理 食器洗い 食器収納 の 4 工程に分けられますが 今回開発した 食器を扱う技術 は 全ての工程で必要とされる重要な要素技術であり この技術によって 今回発表する食器洗い支援だけではなく 食器収納などでさらに多くの工程を自動化することが可能となります 今回開発した 食器を扱う技術 は 主に (1) 多種センサ情報の実時間フィードバック制御技術と (2)MEMS 触覚センサ及び多種センサ埋込エンドエフェクタによる手探りマニピュレーション技術によって構成されています

食器を扱う技術 の概要 (1) 多種センサ情報の実時間フィードバック制御技術食器等の物体をロボットが壊さないように扱うためには 多種のセンサから送られる感覚情報に瞬時に反応して動作を修正できることが必要となります 素早い応答を実現する方法として ある感覚情報が得られた時に反射的に決められた動作を行うようにプログラミングする構成法がありますが 動作を支配する系が頻繁に入れ替わるので 片付け作業のように高次の目標を達成するような行動を記述することは困難です 食器片付けのような作業目標のある動作には 注目すべき感覚情報は限られているため 動作を支配する作業進行役が必要に応じて感覚情報を並列的に監視させ 情報を集めながら行うべき動作を判断する方法が有効となります 単純かつ早い応答が必要な処理は別スレッドで並列に処理し メインスレッドで時間的 空間的に広い範囲の情報から総合的な判断を行い 適切な動作を計画することで 複雑な作業を実現するためのソフトウェア構成法を開発しました (2)MEMS 触覚センサ及び多種センサ埋込エンドエフェクタによる手探りマニピュレーション技術多種のセンサを埋め込んだエンドエフェクタによって 個々のセンサの特性を活かして食器を手探りで扱うマニピュレーション技術を実現しました ロボットが食器に触れる前は 近接覚センサにより物体の表面情報を取得し 触れてからは圧力センサ及び MEMS 触覚センサにより力情報を得ます 従来は力情報の取得は手首の 6 軸力センサを用いていましたが ハンドの動きと重量の影響で誤差が大きく 正確な動作に悪影響を及ぼす要因となっていました MEMS 触覚センサは 垂直方向及びせん断方向の力を計測できるもので 握力を調整しながら把持物体の滑りの制御や押し付け力を調整して物体の表面をなぞるような動作が可能となります MEMS 触覚センサは 2mm 角の超小型 MEMS3 軸触覚センサチップを柔軟なゴム材料に埋め込んだものです センサチップ 1 つあたり最小で 0.3g の重さが測れる高感度なものを東京大学とパナソニック株式会社が共同開発し 経済産業省が主催する 今年のロボット 大賞 2008 優秀賞を受賞しました 参考 :http://www.robotaward.jp/prize/01/ ( 注 1) 少子高齢社会と人を支える IRT 基盤の創出 プロジェクトについてわが国は課題先進国とも言われ なかでも 少子高齢社会は 介護が必要な世代だけではなく 壮年期を過ぎようとしている人 働き盛りや子供に至るまで 社会全体の課題となっています 少子高齢社会では 働き手の減少による労働力不足 高齢者の増加に伴う健康不安と社会保障費の増大 単身世帯や高齢世帯の増加による家事負担の増大 要介護者増加による介護負担の増大などの課題が懸念されますが こうした課題を解決する上で ロボットの活用は大きな役割を果たします 一日でも早いロボットの実用化を促進するために 大学と産業界が 互いに手を取り合い 社会と人を支援する産業 を新たに創出することが期待されています この 少子高齢社会と人を支える IRT 基盤の創出 プロジェクトは少子高齢社会のわが国が持続的繁栄をなすために 社会と人とを支援する IRT( 情報通信技術 IT とロボット技術 RT) と社会科学 SS(Social Sciences) の融合イノベーションを 対等な産学協働で先端融合的に創出し 自動車 コンピュータに続く新産業の創出をめざすものです ( 注 2) イノベーション の定義は 科学技術基本計画によると 科学的発見や技術的発明を洞察力と融合し発展させ 新たな社会的価値や経済的価値を生み出す革新 のこととされています ( 参考 : 文部科学省 HP http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/kihon/main5_a4.htm) 3. 問い合わせ先 : 東京大学 IRT 研究機構事務局 TEL: (03)5841-1625 e-mail: IRT-office@irt.i.u-tokyo.ac.jp URL: http://www.irt.i.u-tokyo.ac.jp 4. 添付資料 : 詳細解説資料 ( 添付 ) 東京大学 IRT 研究機構説明資料 ( 冊子 )

報道発表用画像

( 技術解説資料 ) (1) 多種センサ情報の実時間フィードバック制御技術 1-1) ロボットを記述し認識行動制御を行なうソフトウェア 多種のロボットの仮想身体形状, 構造, 感覚系, 動作系を記述する仮想身体とその実身体の両方を共通に操作する高機能記述ソフトウェア環境. 高機能ソフトウェアと実時間制御システムとの連携機能を備えた IRT 基盤ソフトウェア環境. 実身体 ( 技術解説資料 ) IRT 基盤ソフトウェア 認識判断行動生成系対話制御行動予測感覚制御物体認識空間推論移動プランナ行動推論動作プランナ行動監視動作制御記憶系環境 身体モデル目的行動モデル判断結果獲得データ 仮想身体 自律反応身体制御系身体状態監視実時間処理層 感覚系動作系 1-2) ロボット行動シミュレーション及びオンラインモニタリング環境 手探りマニピュレーションにおける, 動作シミュレーションと感覚情報を可視化しオンラインでモニタリングするシステム記述例

1-3) 多種センサ情報の実時間フィードバック制御のためのシステム構成 メモリ自動管理機能を備えた環境 行動の三次元モデルを利用する高レベル処理記述層と, ロボット身体上の多種センサ情報に基づく感覚動作の実時間処理記述層を連携可能な形で統合し, 高レベルの実時間フィードバック制御が可能 物体発見 センサ情報管理 幾何モデル 形状認識 フィルタリング センサ情報取得 センサ監視センサ監視センサ監視 センサシミュレーション 動作計画生成 動作制御 (RTLinuxリアルタイム空間) センサ情報取得 手探りセンシング 分離操作生成 接触力制御 位置制御 カメラ H8 マイコン センサアクチュエータ ロボットハードウェア 器用なハンド 1-4) 動作実行中の並列監視処理スレッドの生成解放構造 メインスレッド 生成 解放 作業進行 生成 解放 リングバッファ 把持力監視動作目標監視衝突監視物体落下監視 センサ情報管理 実時間動作制御 センサ アクチュエータ ロボット 行動シミュレーション, 動作感覚系オンラインモニタリング機能を備えたIRT 基盤ソフトウェアにおける, 動作実行中にさまざまな監視機能を必要に応じて生成管理する機能

( 技術解説資料 ) (2)MEMS 触覚センサ及び多種センサ埋込エンドエフェクタによる手探りマニピュレーション技術 2-1) MEMS 触覚センサ 直立したピエゾ抵抗カンチレバーを柔軟ゴム材料に埋めた超小型 MEMS3 軸触覚センサチップ 2-2) 多種センサ埋め込みエンドイフェクタ 6 軸力センサ 1 MEMS 触覚センサ 6 3 軸力センサ 2 圧力センサ 8 近接覚センサ 5 多種センサ埋め込みエンドエフェクタ

( 技術解説資料 ) 2-3) 標準食器の手探りマニピュレーション 食洗機用標準食器 : 透明なコップ, 白いお椀と白い皿で, 食洗機に何枚入るかを調べるための食器. 透明ガラス, 反射などのため視覚では食器のおおよその初期位置のみを認識し, その後は手の感覚で手探りで確認をしながら食器を操作 ( マニピュレーション ) する 2-3-1) 画像による食器の発見, 初期位置の認識 上から見たカメラ画像 境界線の局所方向検出画像 トレイ領域内の標準食器の候補を検出 標準食器の幾何モデルの初期配置予想認識結果

2-3-2) 食器の把持アプローチ方向の計画 食器を把持するために手を近づけることが可能な方向を見つける 2-3-3) 近接センサによる食器の形状ならい 各近接覚センサの計測距離情報に応じて食器の表面に沿ってロボットを動 かし 食器表面形状情報を獲得 2-3-4) 食器の高さ確認, 把持確認, 設置確認 各動作における各種埋め込みセンサの利用 : 接触アプローチ ( 左 ) 把持確認 ( 中 ) 把持物体ごしの設置確認 ( 右 )

( 技術解説資料 ) 2-3-5) 3 種類の標準食器を食洗機へしまい, 食洗機を操作する 1) 食器配置認識 2) お椀を確認 3) お椀を把持 4) お椀をすすぐ 5) お椀を置く 6) 次を見る 7) コップへ近づく 8) コップを置く 9) 皿へ近づく 10) 皿を持ち上げる 11) 皿を置く 12) トレイを押す 13) 扉を閉める 14) スイッチを押す 15) 完了 待機