高齢者住宅施策の現状と今後の方向性

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居住面積水準 住生活基本計画 (H28.3 閣議決定 ) において 最低居住面積水準及び誘導居住面積水準を定めている 最低居住面積水準は 健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積の基準である 誘導居住面積水準は 豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要

Microsoft Word - 大家向けマニュアル案0604

Microsoft Word - 3

地域住宅計画 計画の名称千葉市地域 (3 期 ) 都道府県名千葉県作成主体名計画期間平成 27 年度 ~ 31 年度 千葉市 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 千葉市は千葉県のほぼ中央部に位置し 人口は約 96 万人 世帯数は約 42 万世帯の地域で地域面積は k m2である 本市では

1 計画策定の背景 目的住宅は 健康で文化的な日常生活を支える基盤であるにもかかわらず 全国的な課題として 低額所得者 被災者 高齢者 障がい者 子育て世帯等の住宅の確保に特に配慮を要する者 ( 以下 住宅確保要配慮者 という ) においては 家賃を負担する収入が十分にないこと その属性 ( 高齢者

略式代執行による特定空家等 ( ) の除却等 平成 27 年 5 月に施行された 空家等対策の推進に関する特別措置法 に基づき 所有者不明の特定空家等については 地域の安全確保等の観点から 市区町村が略式代執行により除却等が可能 略式代執行の費用は本来所有者等の負担であるが 市区町村による回収が困難

地域住宅計画 計画の名称高岡地域 (H27-31) 都道府県名富山県作成主体名高岡市 計画期間 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 平成 27 年度 ~ 31 年度 高岡地域は富山県の西部に位置し 人口約 17 万 6 千人 世帯数約 6 万 6 千世帯 (H26.12 月住民基本台帳 ) の地域で

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平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省

目次 1 全般に関する FAQ Q1 住宅セーフティネット制度を活用することには 大家にとって どのようなメリットがありますか? P1 Q2 要配慮者を受け入れるにあたって不安なこと 困ったことがある 場合 どこに相談すればよいですか? P1 2 入居前 契約時の FAQ Q3 契約にあたってサポー

四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

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パブリックコメント(建築基準法適用除外条例)

地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

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障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

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公営住宅制度の概要 公営住宅は 憲法第 25 条 ( 生存権の保障 ) の趣旨にのっとり 公営住宅法に基づき 国と地方公共団体が協力して 住宅に困窮する低額所得者に対し 低廉な家賃で供給されるもの ( ストック数 : 約 216 万戸 (H25 年度末 )) 供給 地方公共団体は 公営住宅を建設又は

「東京都住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画(案)」にパブリックコメントに寄せら

公的な住宅改修制度について

災害公営住宅藤が原アパート入居者募集 ( 随時募集 ) 災害公営住宅入居者募集について 県営藤が原アパート5 号棟は, 東日本大震災により住宅を失った方のための公営住宅 ( 賃貸住宅 ) です 現在, 入居者を随時募集しています 申込書類を提出された方を先着順で受付しておりますので, どうぞお気軽に

住宅セーフティネットの現状と課題

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私立幼稚園の新制度への円滑移行について

相模原市住宅基本計画 概要版

新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

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(3) 第 7 次地方分権一括法による公営住宅法の改正と条例改正の検討次の3 項目について 公営住宅法が改正されことから 条例改正について所要の検討を行った 1 高額所得者の明渡請求の条例委任 ( 公営住宅法第 29 条及び施行令第 9 条関係 ) ア概要道営住宅は 住宅に困窮する低額所得者に対して

1, H H17 4.2H17

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福岡市居住支援協議会 福岡市居住支援協議会の概要 目 的 住宅困窮者の状況及び民間賃貸住宅市場の動向に関する情報 を共有するとともに, 民間賃貸住宅を活用した住宅困窮者の円滑 入居支援策の効果的な推進を図る 根拠法令 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律 ( 住宅セーフティネット

高齢者居住安定確保計画とは 高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律 [ 平成 年 8 月 9 日施行 ] 高齢者の居住の安定の確保を一層推進するため 基本方針の拡充 都道府県による高齢者の居住の安定の確保に関する計画の策定 高齢者生活支援施設と一体となった高齢者向け優良賃貸住宅の供給


地域住宅計画 計画の名称 岐阜県地域住宅計画 都道府県名岐阜県作成主体名 計画期間 1 地域の住宅政策の経緯及び現況 平成 28 年度 ~ 32 年度 岐阜県 高山市 美濃加茂市 瑞穂市 海津市 垂井町 揖斐川町 坂祝町 川辺町 平成 23 年度から平成 27 年度までの 5 年間 岐阜県地域住宅計

スライド 1

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定住意向で 今後も住み続けたい が過半数 ( 約 60%) を占めている 高齢者 障がい者対策で 身近なデイサービスの拡充 道路 公共施設のバリアフリー 相談窓口 等を求める意見が多い 子育て支援では 公園 保育所 児童館の整備 が多い 3) 周辺環境について より広い 地区単位の区分では以下のよう

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災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

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第3章 住宅政策上の課題(基本的課題)

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コンパクト プラス ネットワークの形成 1

1 計画の目的と位置づけ 1 計画の目的 本県では 平成 17 年度に 福井県住宅 宅地マスタープラン を策定 平成 23 年度に改定して ゆとりある豊かな住生活の実現に取り組んでいます 今回 本計画の上位計画となる住生活基本計画 ( 全国計画 ) が平成 28 年 3 月に改定されたことや 人口減

①基本計画_ xbd

3. 申込先および問い合わせ先募集期間平成 29 年 6 月 9 日 ( 金 )~ 平成 29 年 6 月 19 日 ( 月 ) まで 土日祝日を除く毎日 午前 8 時 30 分 ~ 午後 5 時 15 分まで受付都市整備課建設 住宅係 ( 新庁舎 2 階 ) 申込先

中央建設業審議会による提言について ( 平成 24 年 3 月 14 日 ) 建設産業における社会保険の徹底について ( 提言 ) 建設産業においては 下請企業を中心に 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など

三鷹市健康福祉総合計画2022

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1. 国土交通省土地 建設産業局関係の施策 不動産流通に関する予算要求が拡大 ここ数年 国の住宅 不動産政策において 不動産流通に関する施策が大幅に拡大している 8 月に公表された国土交通省の 2019 年度予算概算要求概要によると 土地 建設産業局における施策は大きく 4 項目あるが 全体の予算額

地域住宅計画の名称 大崎地域住宅計画第 Ⅲ 期 ( 第 2 回変更 ) 作成主体 大崎市 計画期間 平成 28 年度 ~ 平成 32 年度 1. 地域の住宅施策の経緯及び現況 大崎市は, 市西部の奥羽山脈を源とする鳴瀬川, 江合川が東流する肥沃な耕土として形成された大崎平野に位置し, 田園と水資源豊

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②鳥取県地域住宅計画3期(当初)

PowerPoint プレゼンテーション

スライド 1


参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

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災害公営住宅について(ガイドブック)1-2p

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年 4 月期関西圏 中京圏賃貸住宅指標 大阪府京都府兵庫県愛知県静岡県 空室率 TVI( ポイント ) 募集期間 ( ヶ月 ) 更新確率 (%)

第 7 章 間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 52ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期

PowerPoint プレゼンテーション

H28秋_24地方税財源

1. はじめに 本年 3 月に閣議決定された住生活基本計画 ( 全国計画 ) において 住宅確保要配慮者の増加に対応するため 空き家の活用を促進するとともに 民間賃貸住宅を活用した新たな仕組みの構築も含めた 住宅セーフティネット機能を強化 することとされた これを受けて 住宅セーフティネット機能を強

地域住宅計画 計画の名称境港市地域都道府県名鳥取県作成主体名計画期間平成 29 年度 ~ 33 年度 境港市 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 1 境港市の概要境港市は鳥取県の北西部 弓浜半島の北端に位置し 東は美保湾に西は中海に 北は境水道をへだてて島根県松江市美保関町に相対し 南は米子市と接し

高齢者の居住安定確保プラン 第2章 東京の高齢者を取り巻く状況

設 拡充又は延長を必要とする理由 関係条文 租税特別措置法第 70 条の 2 第 70 条の 3 同法施行令第 40 条の 4 の 2 第 40 条の 5 同法施行規則第 23 条の 5 の 2 第 23 条の 6 平年度の減収見込額 百万円 ( 制度自体の減収額 ) ( - 百万円 ) 東日本大震

青森県高齢者居住安定確保計画 ( 案 ) 平成年月 青森県

要望理由 (1) 政策目的 既存住宅の流通の円滑化を通じ 既存住宅流通 リフォーム市場の拡大 活性化を図る また 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備するとともに 既存住宅の耐震化を促進し 住宅ストックの品質 性能を高め 国民の住生活の向上を目指す (2) 施策の必要性 国民がライフステ

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平成20年2月

地域住宅計画 計画の名称地域住宅計画 (Ⅲ 期 ) 都道府県名鳥取県作成主体名計画期間平成 28 年度 ~ 32 年度 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 1 の概要は鳥取県西部に位置する地方商業都市で 北側に日本海 東側に秀峰大山と自然豊かなまちである 気象に関しては 降雨日数 曇天日数が多い山陰

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Microsoft Word - H290324優先的検討規程(裁定).docx

3章.xdw

第三者による品質証明制度について 参考資料 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

資料1 :住宅(家庭部門)の中期の対策・施策検討

親世帯全員が暴力団員でないこと 親世帯のいずれかが介護保険施設 在宅とされる施設及びこれに準ずる施設に入所又は入居していないこと 4) 町内業者加算 施工業者が建築工事業の建設業許可を受けた町内に本店を有する事業者であること 対象住宅の要件 1) 新築住宅の場合 平成 2 9 年 4 月 1 日以降

空き家数の推移と種類別内訳 住宅 土地統計調査 ( 総務省 ) によれば 空き家の総数は この 20 年で 1.8 倍 (448 万戸 820 万戸 ) に増加 空き家の種類別の内訳では 賃貸用又は売却用の住宅 等を除いた その他の住宅 ( いわゆる その他空き家 ) がこの 20 年で 2.1 倍

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Ⅱ. 赤字の解消計画 Ⅱ (1) 赤字解消のための基本方針 Ⅱ (2) 赤字解消のための具体的取組 国保は構造的な問題を抱えており 被保険者の保険料負担軽減のために法定外繰入金を繰入れているといった状況は 全国的な状況であることから 国は全国で約 3,400 億円の公費を拡充し 国保の財政基盤の強化

参考資料

建設の施工企画 特集 5 長寿命化 維持管理 リニューアル 住宅の長寿命化への取組 国土交通省住宅局住宅生産課 今後の住宅政策においては これまでの つくっては壊す フロー消費型社会から いいものをつくっ て きちんと手入れして 長く大切に使う という ストック重視型への転換を図ってい

Taro-★【2月Ver】01~05. ⑲計

Microsoft Word - 供給促進計画検討策定手引き

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☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

Transcription:

住宅セーフティネット 平成 28 年 11 月 5 日 国土交通省住宅局 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

住宅セーフティネット制度の比較 住宅セーフティネットの基本的な考え方 公営住宅公的な賃貸住宅民間賃貸住宅の入居円滑化 法的枠組み 基本的な考え方 ( 施策対象 ) ( 公的関与 ) ( 国の支援 ) 公営住宅法 (S26) 住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃の住宅を賃貸 住宅困窮度が非常に高い 公共が整備 管理 国庫補助による手厚い支援 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の促進に関する法律 (H19) 住宅確保要配慮者に対して賃貸住宅の供給を促進 民間が整備 管理限定的な支援 主な施策 公営住宅 地域優良賃貸住宅など 住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業 居住支援協議会による取組みなど 主な施策の比較 公営住宅 地域優良賃貸住宅 入居資格 ( 概ね ) 収入分位 25% 以下の世帯等 収入分位 40% 以下の高齢者世帯 子育て世帯等 ( 収入分位 70% 以下まで可 ) 住宅の供給事業者 国の補助 社会経済の変化に対応した施策の展開 地方公共団体 建設費の 1/2 等 応能応益家賃 ( 入居者が負担可能な家賃 ) まで低減するための費用の 1/2 経済財政諮問会議インフラの長寿命化 公的ストックの適正化 公営住宅インフラ長寿命化計画の策定 (86% 100%) ストック更新時における 子育て施設 介護施設の導入 集約化 PPP/PFIの導入 地方公共団体の認定を受けた民間事業者 地方公共団体など 建設費の 1/2( 地方公共団体 )~1/12( 民間事業者 ) 等 地域の住宅政策に応じ 対象と期間を限定して 市場家賃から最大 2 万円の補助 社会資本整備総合交付金等 公的賃貸住宅家賃対策補助 住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業 収入分位 40% 等以下の高齢者世帯 子育て世帯 障害者世帯 民間事業者 住宅困窮度が比較的高い 改修費 ( 最大 50 万円 / 戸等 ) 住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業 社会資本整備審議会住宅宅地分科会住宅確保要配慮者の増加に対応した空き家を活用した新たなセーフティネットの構築 平成 29 年度導入に向けた予算的な検討 法的枠組の検討 社会資本整備総合交付金等 公的賃貸住宅家賃対策補助 スマートウェルネス住宅等推進事業 1

新たな住宅セーフティネット制度の基本的な方向性 高齢者世帯 住宅確保要配慮者の状況 民営借家に居住する高齢者世帯の大幅増 ( 特に単身世帯 ) [ 単身世帯 ] (H27) 132 万世帯 (H37) 154 万世帯 ( 推計 ) 高齢単身世帯が居住する民営借家の 43 % は旧耐震建築 (H25) 若年 新婚 子育て世帯 民営借家の子育て世帯 199 万世帯 ( うちひとり親 36 万世帯 )(H25) 子育て世帯が居住する民営借家の 1/3 は 50 m2未満 教育費等の負担ために住居にしわ寄せ 特にひとり親世帯は収入が低い傾向 [ 年収 (H26)] ひとり親世帯 296 万円 夫婦子育て世帯 688 万円 長子中学生以下 若年単身者等において生活が不安定で低所得の非正規雇用の増加 [ 単身世帯の非正規雇用者数 ] (H17) 168 万人 (H27) 230 万人 住宅の問題が子どもの数や未婚率に影響 その他の要配慮者 障害者施策として地域包括ケアによる在宅中心の対応に移行 [ 障害者数 ] 788 万人 ( 身体 394 万人 知的 74 万人 精神 320 万人 ) 要配慮者の入居に対しては 家賃滞納の不安等から大家が拒否感 公営住宅 公営住宅 空き家等の状況 公営住宅の応募倍率は高いが 総人口が減少していく中 微減 [ 応募倍率 ] (H26) 東京都 22.8 倍 大阪府 10.5 倍 全国平均 5.8 倍 [ 管理戸数 ] (H17) 219 万戸 (H26) 216 万戸 [ 長期空き家率 ] (H26) 東京圏 0.1% 三大都市圏 0.6% 全国 0.8% 管理戸数のうち 入居者の募集を行ったが空き家となっている住宅で 前入居者退去の後 1 年以上経過しているものの割合 空き家等 空き家 空き室が多く存在し 今後も増加の見込み [ 空き家数 ] (H15) 660 万戸 (H25) 820 万戸 活用しやすい空き家 の推計戸数は 賃貸用 137 万戸, その他 48 万戸 駅から 1 km以内で腐朽破損がなく 簡易な手入れにより使うことができるもの 耐震性 バリアフリー 耐震性がない住宅に 900 万世帯が居住 (H25) うち賃貸住宅は 170 万世帯 バリアフリー化された民営借家は少ない [ 一定のバリアフリー化率 (H25)] 民営借家 18% 持ち家 45% 新しい制度の政府計画における位置づけ 新たな住宅セーフティネット制度については 日本再興戦略 経済財政運営と改革の基本方針 日本一億総活躍プラン などの重要な政府計画に明確な位置づけ 日本再興戦略 2016( 平成 28 年 6 月 2 日閣議決定 ) の抜粋 既存住宅を活用し 若年 子育て世帯の住居費負担の軽減を図るため 若年 子育て世帯が 必要な質や広さを備えた住宅に低廉な家賃で入居が容易になるよう 空き家等の既存の民間賃貸住宅を活用した新たな仕組みを構築する そのため 社会資本整備審議会住宅宅地分科会に設置した小委員会において検討を行い 本年度中に制度化の方向性について結論を得る 社会資本整備審議会住宅宅地分科会新たな住宅セーフティネット検討小委員会において検討を行い 今年 7 月に中間とりまとめ 2

新たな住宅セーフティネット制度に係る予算 制度 ( 案 ) 要配慮者の入居を拒まない住宅の登録制度 計画の策定 住宅確保要配慮者 向けの賃貸住宅の供給目標戸数等を定める計画を策定 ( 都道府県及び市町村 ) 高齢者世帯 子育て世帯 障害者世帯 低額所得世帯等 要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録 登録住宅 要配慮者であることを理由に入居拒否をしない住宅について 賃貸人の申請に基づき 都道府県等が登録 都道府県等が登録住宅の情報提供 専用住宅 登録住宅のうち 入居者を一定収入以下の要配慮者する住宅について 賃貸人の申請に基づき 都道府県等が専用住宅として位置づけ 要配慮者に対する居住支援の充実 空き家等を活用するための改修への支援 専用住宅の改修費に国 地方が補助 社会資本整備総合交付金等の内数 スピード感をもって登録住宅ストックを確保するため 当面 登録住宅の改修費に国が直接補助など スマートウェルネス住宅等推進事業 376 億円 (H28:320 億円 ) のうち概ね 30 億円 要配慮者の入居への支援等 平成 29 年度からの実施に向け検討中 専用住宅に特に低所得の世帯が入居する場合の家賃債務保証料 家賃低廉化に国 地方が補助 公的賃貸住宅家賃対策補助 103.16 億円 (H28:91 億円 ) のうち概ね 3 億円 円滑な入居のための環境整備 住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業 を財源として措置 生活保護の住宅扶助費を賃貸人に直接支払う代理納付の推進 被災者が入居した登録住宅のみなし仮設への円滑な移行 居住支援協議会等による要配慮者への登録住宅の紹介 家賃債務保証業者のあっせん等 適正な家賃債務保証業者の登録制度の創設 居住支援活動への支援等 要配慮者と登録住宅とのマッチングや要配慮者向けの見守りサービス等を行う居住支援協議会の設立その他制度の周知普及等を国が支援 重層的住宅セーフティネット構築支援事業 5.2 億円 (H28:2.1 億円 ) のうち概ね4 億円 3

住宅確保要配慮者向け住宅の改修支援に関する事業の変遷について 現行の 住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業 は 平成 26 年度の行政事業レビューを踏まえ 所要の見直しを行ったもの 現在 法的枠組みも視野に入れ 改修支援以外の諸施策を含む総合的な 新たな住宅セーフティネット制度 の創設に向け 検討中 民間住宅活用型住宅セーフティネット推進事業 (H24~H26) 入居者 : 最初は要配慮者 高齢者 障害者 子育て世帯 ( 収入要件なし ) 低額所得者 ( 収入分位 40% 以下 ) 3か月空室の場合 一般世帯も入居可 ハ リアフリー 耐震 省エネ 共用部分 ( 全体 ) 住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業 (H27~H28) 入居者 :10 年間 要配慮者 高齢者 障害者 子育て世帯 ( 収入分位 40% 等以下 ) 新たな住宅セーフティネット制度 (H29~) 予算による任意事業 予算による任意事業 法的枠組みを検討中 改修支援制度 レビューを踏まえた見直し 改修支援制度居住支援協議会と連携 ( 住宅情報の提供等 ) 改修支援の概要改修支援の概要改修支援の概要 事業廃止 ハ リアフリー 耐震 居住支援協議会が認める工事等 新たな枠組みの支援メニューの 1つに再構成 居住支援協議会の機能強化 家賃債務保証 家賃低廉化 改修などを含めた 総合的な住宅セーフティネット制度 ( 改修費は必要な場合に支援 ) 入居者 : 最初は要配慮者 高齢者 障害者 子育て世帯 ( 収入分位 40% 等以下 ) 低額所得者 ( 収入分位 25% 以下 ) 同左 レビュー(H26) における指摘 要配慮者のニーズを把握すべき 具体的なニーズへのオンデマンド型とすべき 要配慮者の入居率が低い 共用部分への補助が多く 大家への裨益となっている 地方に委ねるべき レビュー(H26) の指摘への対応 居住支援協議会が 地域ニーズを踏まえ 供給量を設定 居住支援協議会が 入居者意向を踏まえ 工事内容を設定 入居対象者を要配慮者 補助対象工事を限定 地域の居住支援協議会との連携を要件化 運用状況を踏まえた課題 居住支援協議会による支援が不十分 入居対象世帯が極端に限られ 空き家リスクがあるため 供給が進まない 要配慮者の家賃負担等への支援メニューがない 4