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Transcription:

評価委員主担当 : 松山 先進医療 B 実施計画等評価表 ( 番号 B071) 副担当 : 田代副担当 : 柴田技術専門委員 : 中村 先進医療の名称 申請医療機関の名称 医療技術の概要 自己細胞シートによる軟骨再生治療東海大学医学部付属病院本技術は 形性膝関節症患者の膝関節大腿側の非荷重部より患者自身の軟骨組織 滑膜組織を採取し 自施設セルプロセッシング室で細胞を単離 培養し自己積層化軟骨細胞シートを制作する この自己積層化軟骨細胞シートを当該患者の軟骨損傷部へ軟骨損傷部の大きさに合わせ複数枚移植することで変形性膝関節症の治癒を目指す技術である 本試験ではこの技術について以下の項目を指標として安全性 有効性を評価するものである 主要評価項目は 臨床評価基準:Japanese Knee Injury and Osteoarthritis Outcome Score( 日本語版 :J-KOOS) の術前に対する 1 年後 ( 抜釘後 ) のスコア改善とする 副次評価項目は 1 関節鏡視下所見 2 組織検査 3 単純レントゲン検査 4 MRI 検査 5 臨床評価スコア (Tegner-Lysholm Knee Scoring Scale) とする 安全性評価は 有害事象発生割合 重篤な有害事象発生割合とする 予定試験期間は4 年間 予定症例数は 10 例である 実施体制の評価 評価者 : 松山 1. 実施責任医師等の体制適 不適 2. 実施医療機関の体制適 不適 3. 医療技術の有用性等適 不適コメント欄 :( 不適 とした場合には必ず記載ください ) 先進医療として 当該技術が標準治療よりも有益であるという研究結果が得られる計画になっている必要が有る 事前照会事項に対する回答にて 既存治療である骨髄刺激法およびモザイクプラスティとの比較を念頭に入れるよう修正がなされた しかしながら 併用される既存治療法による治療効果が 本技術の有用性の評価に及ぼす影響については十分勘案する必要が有る 実施条件欄 :( 修正すれば適としてよいものは その内容を記載ください )

実施体制の評価 評価者 : 中村 1. 実施責任医師等の体制適 不適 2. 実施医療機関の体制適 不適 3. 医療技術の有用性等適 不適コメント欄 :( 不適 とした場合には必ず記載ください ) 同時に実施される手術である1 高位脛骨骨切り術 2 前十字靱帯再建術 3 関節鏡視下手術 ( 半月板切除術が多い?) は 軟骨シート移植以前から確立された術式であり J-KOOS 評価はそれら手術のみでも改善することはないか確認が必要である 既存の治療法の改善率 (43.55%) について それらの術式ごとに手術内容 例数 成績などを確認する必要がある 患者説明書に 1 高位脛骨骨切り術 2 前十字靱帯再建術 3 関節鏡視下手術 ( 半 月板切除術 ) の成績が具体的に説明されていない 病理検査の手法 ( 硝子軟骨 / 線維軟骨の判定も含め ) 判定基準 判定者などを手順書として標準化されていない 先行 8 例のうち 2 例は硝子軟骨 / 線維軟骨との評価が可能なのではないか 実施条件欄 :( 修正すれば適としてよいものは その内容を記載ください ) 倫理的観点からの評価 評価者: 田代 4. 同意に係る手続き 同意文書適 不適 5. 補償内容適 不適コメント欄 :( 不適 とした場合には必ず記載ください ) 事前照会事項に基づき 説明文書は一定程度改善されたものの 既存治療と本試験治療との関係についてはまだ不明確な点が残っており 再確認が必要だと考える 補償については 医療費 医療費手当は無いものの 補償保険への加入による補償金の支払いは準備されており 一定の配慮はされている ただし 説明文書の補償に関する記載は不十分であり 修正が必要である 実施条件欄 :( 修正すれば適としてよいものは その内容を記載ください ) 1. 追記により 外傷による軟骨損傷と変性による軟骨損傷の場合で 患者にとっての既存治療の状況が大きく異なると理解しましたが 説明文書においてはこの両者が明確に書き分けられていないように思います 例えば 追加していただいた 国内の主な手術療法 の一覧比較表はわかりやすいのですが これは外傷による損傷の場合に限定されていると理解されます ( そうだとすれば 表の中で変形性膝関節症が適用外であることを指摘する必要があるのでしょうか ) また 9. 他の治療法について についても併せて外傷による場合と変性による場合で書き分ける必要はないのでしょうか 本試験の参加に際しては患者に対して少なからぬ金銭的負担を求めており とりわけ他に選択可能な治療

法がある場合には 慎重な情報提供を行う必要があると考えます 2. 補償に関する説明が修正されていますが 不十分です 前回指摘したように 指針や法が求めているのは無過失補償であり 過失がある場合の賠償については記載する必要はありません 今回の試験参加に際して患者が最低限知る必要がある情報は 1 補償保険に加入しており 一定の健康被害が生じた場合に補償金が支払われるという点 ( 概要で構いません ) と 2 健康被害が生じた場合の治療費については自己負担分の支払いを患者に求める という点です ( 治療費の補償をしない ) 現在購入されている補償保険の内容を確認し 再度記載を見直してください 試験実施計画書等の評価 評価者 : 柴田 6. 期待される適応症 効能及び効果 適 不適 7. 予測される安全性情報 適 不適 8. 被験者の適格基準及び選定方法 適 不適 9. 治療計画の内容 適 不適 10. 有効性及び安全性の評価方法 適 不適 11. モニタリング体制及び実施方法 適 不適 12. 被験者等に対して重大な事態が生じた場合の対 適 不適 処方法 13. 試験に係る記録の取扱い及び管理 保存方法 適 不適 14. 患者負担の内容 適 不適 15. 起こりうる利害の衝突及び研究者等の関連組織 適 不適 との関わり 16. 個人情報保護の方法 適 不適 コメント欄 :( 不適 とした場合には必ず記載ください ) 事前の照会事項に対する回答を踏まえても 本試験の計画には解決すべき重大な問題点がある まず 事前照会事項に対する回答 3 の問 2 で指摘されている 軟骨シートに関係なく 高位頸骨骨切り術 靱帯再建術 観血的整復固定術による臨床的効果が当然予想され J-KOOS は術前より改善することはいわば予想の範囲 との指摘に反論することは 現在の試験計画と先行研究のデータに基づく限り困難であると考えざるを得ず 本臨床試験の適格基準等を再考する必要があるものと考える また 本申請の医療技術の評価を行うことが妥当であったとしても 比較対照の明確化 その比較対照の治療成績に基づく閾値奏効割合の設定が行われることが最低限必要である 実施条件欄 :( 修正すれば適としてよいものは その内容を記載ください )

大きな問題点として 本臨床試験の閾値奏効割合の設定が不適切であることが挙げられる 申請者は 自家軟骨細胞移植 (ACI) 前十字靱帯再建術(ACL) 高位頸骨骨切り術 (HTO) 自家軟骨骨柱移植法(MP) に関する 6 研究のデータに基づき 各研究の KOOS スコアの治療前値に対する治療後値の比を統合して算出した平均値 ( 治療後の KOOS スコアが治療前の 1.4355 倍になる ) を根拠に KOOS スコアの治療前値に対する治療後値の比が 1.40 倍以上になった場合に 奏効 と判定するよう規定している その上で この定義によって 奏効 と判定される患者が 自己細胞シートによる軟骨再生治療 先行研究で 75%(6/8 例 ) 非奏効 と判定される患者が 25%(2/8 例 ) であったことをもって primary endpoint に関わる二項検定の期待奏効割合 閾値奏効割合をそれぞれ 75% 25% と設定している ( すなわち 申請者の論理に従うと 二項検定の閾値奏効割合は 自己細胞シートによる軟骨再生治療 の先行研究データに基づき 100%- 期待奏効割合 として算出されていることになる ) この閾値奏効割合の設定は以下の観点から不適切である 1 閾値奏効割合は 通常は今回の試験に登録される患者に対して 既存治療 を実施したときに観察されるであろう 奏効割合 に基づき設定されるものである しかし 申請者は この閾値奏効割合を 自己細胞シートによる軟骨再生治療 の先行研究における 非奏効割合 に基づき設定している これは 統計学的にも 臨床試験の方法論的にも妥当性を欠く設定である ( 自己細胞シートによる軟骨再生治療 の治療成績を 過去の 自己細胞シートによる軟骨再生治療 の治療成績と比較しても 有効性を示したことにならない ) 2 先行 6 研究のうち ACL HTO は変形性膝関節症を対象として実施される術式であると説明されているが ( 事前照会事項に対する回答 3 の問 2 回答 ) これらの先行研究結果によると 治療後の KOOS スコアが治療前に対して ACL の研究では 1.15 倍 HTO の 2 研究では 1.42 倍と 1.66 倍となっている 一方 自己細胞シートによる軟骨再生治療 の先行研究 8 例の平均は 1.44 倍である これら 4 研究の結果を字面通り素直に読むと 自己細胞シートによる軟骨再生治療 は ACL には優る可能性があるが HTO に優ることはない という解釈になる KOOS スコアの治療前値に対する治療後値の比が 1.40 を超えるか否かで奏効 非奏効に分割することで話の見通しが悪くなり あたかも治療成績が高い ( 奏効と判定される患者の割合 75% 非奏効と判定される患者の割合 25%) ように見えるが HTO のみの治療成績がこれを凌駕してしまっている すなわち 治療後の KOOS スコアの治療前値に対する比 1.40 以上を 有効性が存在すると判断しうる閾値 として設定することには無理がある 言い換えると 現在の計画の 閾値奏効割合 (KOOS スコアの治療前値に対する治療後値の比が 1.40 を下回る患者の割合 )25% という設定は HTO の治療成績と比較して低すぎる すなわち 本計画で統計学的に有意な結果が得られたとしても

自己細胞シートによる軟骨再生治療 の有効性を示したことにはならない 3 治療前の KOOS スコアがどのような値であっても 治療後のスコアが 1.40 倍を超えれば奏効と判断することが臨床的に妥当であるのか否かの検討がなされていない 別の可能性として KOOS スコアが一定以上増加した場合に奏効とする KOOS スコアがある点数を超えた場合に奏効とする などという選択肢もありえる これらの問題を解決するためには まず既存の治療法を上回る治療効果を示す可能性がある集団を特定し 適格基準で定めることが必要である その上で 当該対象集団における既存治療法の成績に基づく適切な閾値を設定する必要がある また KOOS スコアの治療前値に対する治療後値の比が 1.40 倍以上であることによって 奏効 と判断することの妥当性についても再考が必要である その他 事前の照会事項に対する回答が不十分な点もあり また 適 とした 項目にも改善すべき点があるが まずは上記の問題を解決することが必要と考え る 上記コメントを記載するにあたって 異なる定義の % が混在することによる 論旨の混乱を避けるため 申請者の用語 表記法を以下のように置き換えた この 置き換えによって申請者の論旨が変わることは無い KOOS スコアの改善率 43.55% など 治療後の KOOS スコアの治療前値に対する比 1.4355 など改善率 40% 以上 治療後の KOOS スコアの治療前値に対する比 1.40 以上期待奏効率 期待奏効割合閾値奏効率 閾値奏効割合 1~16 の総評 総合評価適条件付き適継続審議不適 予定症例数 10 例予定試験期間 4 年間実施条件 :( 修正すれば適となる場合は 修正内容を記載ください ) 医療技術としての有用性を示すため より丁寧な論理構築がなされ かつ被験者に対する説明 同意取得のあり方について追記修正がなされれば 適と評価しうる コメント欄 ( 不適とした場合は その理由を必ず記載ください )