「読解リテラシー」の向上を目指した言語活動の工夫

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4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

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中学校第 3 学年国語科学習指導案 日時平成 28 年 月 日第 校時対象第 3 学年 組学校名 中学校授業者 1 教材名 故郷 2 単元の目標 情景や人物を描写する語句や表現を読み取り 内容への理解を深めることができる 作品を通して 社会の中での人間の生き方について考え 自分の意見をもつことができ

第 1 学年国語科学習指導案 日時 平成 27 年 11 月 11 日 ( 水 ) 授業 2 場所 八幡平市立西根中学校 1 年 2 組教室 学級 1 年 2 組 ( 男子 17 名女子 13 名計 30 名 ) 授業者佐々木朋子 1 単元名いにしえの心にふれる蓬莱の玉の枝 竹取物語 から 2 単元

ICTを軸にした小中連携

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

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7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

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5 単元の評価規準と学習活動における具体の評価規準 単元の評価規準 学習活動における具体の評価規準 ア関心 意欲 態度イ読む能力ウ知識 理解 本文の読解を通じて 科学 について改めて問い直し 新たな視点で考えようとすることができる 学習指導要領 国語総合 3- (6)- ウ -( オ ) 1 科学

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3. ➀ 1 1 ➁ 2 ➀ ➁ /

d 単元について 第 2 学年 5 組国語科学習指導案単元名 : 謎解きインタビュー記事を書こう教材文 : 走れメロス 男子 21 名女子 16 名計 37 名 指導者水田陽子 単元観本単元は, 中学校学習指導要領国語科第二学年, C 読むこと の指導事項 イ文章全体と部分との関係, 例示や描写の効

価 がら読んでいる 語句には性質や役割の上で類別 規 文章を読んで考えたこ があることを理解している 準 とを発表し合い 一人 指示語や接続語が文と文との意 一人の感じ方につい 味のつながりに果たす役割を理 て 違いのあることに 解し 使っている 気付いている 学 登場人物の思いを想像し 時代の状況

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

愛媛県学力向上5か年計画

国語科学習指導案

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

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平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

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英語科学習指導案 京都教育大学附属桃山中学校 指導者 : 津田優子 1. 指導日時平成 30 年 2 月 2 日 ( 金 ) 公開授業 Ⅱ(10:45~11:35) 2. 指導学級 ( 場所 ) 第 2 学年 3 組 ( 男子 20 名女子 17 名計 37 名 ) 3. 場所京都教育大学附属桃山中


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ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

2、協同的探究学習について

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

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平成23年度第2回学力向上対策会議協議資料  <遠野市立綾織小学校>

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第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

国語科第 1 学年熊野町立熊野中学校指導者森島登紀子 単元名 根拠を明確にして書こう 本単元で育成する資質 能力 自ら考え判断する力, 読解力 情報収集能力 1 日 時平成 29 年 11 月 16 日 5 校時 2 場 所 1 年 3 組教室 3 学年 学級第 1 学年 3 組 (27 名男子 1

平成29年度 中学校国語科教育

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4 単元の評価規準 コミュニケーションへの関心 意欲 態度 外国語表現の能力 外国語理解の能力 言語や文化についての知識 理解 与えられた話題に対し 聞いたり読んだりした 1 比較構文の用法を理解 て, ペアで協力して積極 こと, 学んだことや経 している 的に自分の意見や考えを 験したことに基づき

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3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

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トコラージュ というメディアの形態を提案する 本単元では 説明文の 構成メモ をフォトコラージュの形でまとめる このことにより 資料を活用して説明文を書くことが容易になる フォトコラージュとは次に示すように 2 枚以上の写真と それに対する説明文を対応させた情報伝達の形式である 本学級では 社会科の

第○学年○組 学習指導案

3 第 3 学年及び第 4 学年の評価規準 集団活動や生活への関心 意欲態度 集団の一員としての思考 判断 実践 学級の生活上の問題に関心 楽しい学級をつくるために を持ち 他の児童と協力して意 話し合い 自己の役割や集団と 欲的に集団活動に取り組もう してよりよい方法について考 としている え 判

単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

6. 単元の展開 ( 全 6 間 ) 学習活動 単元の見通しを持つ 2. 学習計画を立てる 3. 本文を読み, 感想を書く 内容に関する感想 書き方に関する感想 4. 感想や疑問を交流する 指導上のポイント ( ) 学習活動に即した評価規準 ( 関 読 言 ) 既習事項を振り返らせ,

指導内容科目国語総合の具体的な指導目標評価の観点 方法 読むこと 書くこと 対象を的確に説明したり描写したりするなど 適切な表現の下かを考えて読む 常用漢字の大体を読み 書くことができ 文や文章の中で使うことができる 与えられた題材に即して 自分が体験したことや考えたこと 身の回りのことなどから 相

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

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学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

う言語活動を位置付けた学習をしていくという目的意識を持つ 第 2 次では 注文の多い料理店 について キャッチコピー あらすじ 二人の紳士の人物像 ここがおすすめ ( 話のおもしろさを伝える ) という要件で リーフレットにまとめる 第 3 次では 並行読書してきた宮沢賢治の作品のリーフレットを作り

○数学科 2年 連立方程式

H30全国HP

H26関ブロ美術プレ大会学習指導案(完成版)

たい 単元を貫く言語活動として, ポップカード で友達におすすめの本を紹介するという活動を位置 付ける もうすぐ雨に で習得した学びを活用し, 自分で選んだ本の紹介文を書いていく 作品の テーマを読み取りまとめる言語活動は, 読書に対する興味 関心を広げることにつながると考える (4) 単元の指導計

上に食に関する指導の充実が求められている 食環境の乱れが社会的課題とっている今日 中学生が食生活の自立を目指した学習をすることは大切なことであるので 本時は 自分や家族の食生活の中で見付けた問題点の改善に自主的に取り組むことができるように 指導を進めることにした 指導に当たっては これまでの学習を踏

総合的な学習の時間とカリキュラム・マネジメント

3 4 すみれちゃんはどこでおねえさんになったのだろうか について考える 前時のカードからすみれちゃんの行動や様子について確認する すみれちゃんがかわったきっかけを読む 行動の変化前後での場面の様子について想像する わたしはおねえさん のすみれちゃんのきらりと光るところ抜き出し 理由

ひょうごつまずきポイント指導事例集について 次ページ 示 ポイント 過去 全国学力 学習状況調査 結果 うち 特 課題 あた問題をも 作成したひう 状況調査 等 結果 明 したも あ 各学年 領域 共通 内容 い た4ページ~5ページポイントをも 各領域 やそ 学習内容を整理した系統表を掲載しい 各

いろいろな衣装を知ろう

(2) 児童観児童は1 年生 1 月に おはなしをつくろう で 昔話をもとにして 人物と出来事を考えて簡単に物語を書く学習を行っている また 2 年生の1 学期には じゅんじょよく書こう の学習で はじめ 中 おわり の構成を考え 自分の経験を伝える文章を書く学習をしてきている この学習を通して 順

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2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

作品の情景をよりわかりやすく伝える手だてともなる 指導にあたって 1 では まず 俳句は17 音で作ることや季語を入れることと言ったきまりをおさえる そして 教科書の例を読み 想像した情景や作者の思いを想像し 良いと思うところ 工夫されていると思うところを発表できるようにする 2 の俳句を作る場面で

第1学年国語科学習指導案

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平成29年度 中学校英語科教育 B校の実践

Transcription:

読解リテラシー の向上を目指した言語活動の工夫 ~ 単元 6 年生にメッセージを送ろう における 走れメロス の活用を通して ~ つくば市立高山真名学園高山中学校教諭前嶋洋子 1 主題設定の理由 (1) 近年の児童生徒の学力 学習状況から次代を担う子どもたちには, 幅広い知識と柔軟な思考に基づいて判断することや, 異なる文化や文明との共存を図ることなど, 変化に対応する能力や資質が一層求められている 一方,OECD( 経済協力開発機構 ) のPISA 調査など各種の調査からは, 思考力 判断力 表現力等に課題が見られた また, 読解リテラシー の分野については, 情報相互の関係性を理解して解釈したり, 自らの知識や経験と結びつけたりすることが苦手であることが指摘された このような現状を踏まえ, 学習指導要領では, 思考力 判断力 表現力をはぐくむ観点から言語活動の充実を図ることになった 特に, 国語科の 読むこと の指導においては, 読んだことを生かして自分の考えを表現したり, 実生活で直面する課題において活用したりする 読解リテラシー の向上を目指すことが大切であると言える (2) 本学園の実態から本学園の児童生徒は 読むこと の学習に対して受け身であり, 文章に積極的に関わろうとせず, 深く読むことができないことが多い 定期テストや実力テスト等においては, 内容を読み取る設問にはしっかりと答えようとするが, 読み取ったことから自分の考えを書くなどの設問では無回答が目立つ あらすじをつかむ等, 簡単な内容把握をすることはできても, 人物について深く考えたり, 筆者の意図を捉えたり, 自分の考えや思いを言葉で表現したりすることを苦手とする傾向にある そこで, 目的をもって生徒が主体的に読み, 読んだことを生かす学習を展開することで, 読解リテラシー を向上させていく必要があると考えた (3) 本学園小中一貫教育と つくばスタイル科 の視点から本学園 学びの系統表 における8~9 年の内容には, 他者の考えを取り入れ, さらに自分の考えを広げ深めることができる 互いの立場や意図を理解して, 自分の考えを表現し合うことができる とある そこで つくばスタイル科 と関連させ, 中学校課程進級説明会 という場において,8 年生にとっては 自分の考えをもち,6 年生にメッセージを伝える 6 年生にとっては 8 年生のメッセージを聞き, 自分の考えを広げる ことのできる場を設けることとした 系統的な学習効果を望めることに加え, 国語の授業実践紹介をすることで,6 年生の児童にだけでなく, 家庭や地域に対しても, 自分の思いや考えを話したり, 書いたりする取り組みの大切さを周知していくことができると考えた 2 研究のねらい第 8 学年国語科における文学的作品を 読むこと の学習において, 作品を再構成したり, 意見交流をしたりすることを通して, 自分の考えを体験や知識と結びつけて 6 年生へのメッセージ としてまとめ, 伝えることで, 読解リテラシー の向上を目指す 3 研究の仮説 (1) 読むこと の目的の明確化 何のためにその作品を読むのか 読むことによってどういうことを目指すのか という 読むこと の目的を明確にすることにより, 生徒は主体的に読むことができるようになると考える 6 年生にメッセージを送ろう という目的をもつことで, 目的に応じて主体的に読み, 自分の考えを表現することができる 読解リテラシー の向上につながるであろう

(2) 書くこと の活動と関連させた言語活動 読むこと の授業の中に, 書き換え ( リライト ), 後日談や続編, 前日談などのスピンオフ作品を創作する 書くこと の活動を取り入れることによって, 登場人物の言動の理由や因果関係, 作者の意図などに関する思考を駆使することになると考える 作品を再構成して 書くこと で, 作品をより深く解釈し, 自分の考えを表現することができる 読解リテラシー の向上につながるであろう (3) 自分の考えを表現する場の設定スピンオフ作品創作, 意見交流会, 中学校課程進級説明会における6 年へのメッセージなど, 自分の考えを表現する場を設けることによって, 自らの知識と可能性を発達させ, 効果的に社会に参加するための 読解リテラシー の向上につながるであろう 4 基本的な考え方 (1) 読解リテラシー とは PISAにおいて, 読解リテラシー とは 自らの目標を達成し, 自らの知識と可能性を発達させ, 効果的に社会に参加するために, 書かれたテキストを理解し, 利用し, 熟考し, これに取り組む能力 ( 国立教育政策研究所 ) と定義されている 読む行為の段階として 情報へのアクセス 取り出し 統合 解釈 熟考 評価 がある 読解リテラシー は, 攻める読み, アクティブな読みともとらえることができ, 目的意識をもって主体的に読むことや, 読んだことに対する自分の考えを表現することを重視した読解の力である (2) 読解リテラシー の3 段階について 1 情報へのアクセス 取り出し 情報へのアクセス 取り出し は テキストに書かれていることを捉えて理解する と定義されている 文学的作品においては, 読解に必要な情報を取り出し, ストーリーやプロット, 登場人物について自分の言葉で説明したり, 表現したりすることができることである 読解リテラシー のプロセスの第 1 段階である 2 統合 解釈 統合 解釈 は テキストの内容や筆者の意図などを解釈する と定義されている 文学作品においては, 筆者の意図, 登場人物の思考や行動などについて推論し, 自分の意見として表現することができることである 本単元では スピンオフ作品を書く という言語活動を取り入れる 読解リテラシー のプロセスの第 2 段階である 3 熟考 評価 熟考 評価 は テキストの内容や表現などを吟味 検討したり, 自分の考えをまとめたりする と定義されている 文学作品においては, 自分の考えや体験と結び付け, 文章や登場人物を評価 批判し, 自分の意見として表現することができることである また, 建設的な話し合いによって学習課題を解決しながら, 自分の考えを深めていくことができることも含まれる 本単元では 意見交流会をする 6 年生にメッセージを送る という言語活動を取り入れる 読解リテラシー のプロセスの第 3 段階である つまり 読解リテラシー は, 目的に応じて選んだテキストを読んで情報を取り出し, 自らの知識や体験と結びつけて統合 解釈し, 自分の考えとしてまとめ, それらを互いに交流することによって熟考 評価するという3 段階のプロセスになっている (3) つくば次世代型スキル と 読解リテラシー の共通点 1つくばスタイル科の思考に関するスキル 創造力 過去の経験や知識を組み合わせて新しい考えを作り出す力 が思考に関するスキル 創造力 の概

念である つくば次世代型スキル 評価規準では,5~7 年で 課題を解決するために話し合い, 解決のための仮説をつくり出すことができる 8~9 年で 課題を解決するための仮説を, 多面的な考えに基づき, 自らつくり出すことができる とある これらの つくば次世代型スキル の 創造力 の概念や評価規準は, 読解リテラシー の 自らの知識や体験と結びつけて統合 解釈し, 自分の考えとしてまとめ, それらを互いに交流することによって熟考 評価する というプロセスと共通するところが大きい 2つくばスタイル科の世界市民としての力 地域や国際社会への市民性 よりよい社会の実現のために, まわりの人と積極的に関わろうとする意欲や行動力 が 地域や国際社会への市民性 の概念である つくば次世代型スキル 評価規準では,5~7 年で 社会的な行動力の基礎を身に付けている 8~9 年で 積極的に社会に貢献する態度をもち, 将来の自己の生き方について展望をもっている とある これらの つくば次世代型スキル の 地域や国際社会への市民性 の概念や評価規準は, 自らの目標を達成し, 自らの知識と可能性を発達させ, 効果的に社会に参加するために という目的と共通するところが大きい 5 研究の実際 (1) 単元 6 年生にメッセージを送ろう教材名 走れメロス ( 東京書籍 ) (2) 目標文学的作品を 読むこと の学習において, 作品を再構成したり, 意見交流をしたりすることを通して, 自分の考えを体験や知識と結びつけて 6 年生へのメッセージ としてまとめ, 伝えることで, 読解リテラシー の向上を目指す (3) 生徒の実態 ( 平成 * 年 * 月 * 日実施第 8 学年 * 組 * 名 ) 調査内容 ( 本単元における 読解リテラシー の3 段階 ) 正答者数情景描写や言動から登場人物の心情や人物像を読み取ることができる 1 * 名 情報へのアクセス 取り出し 2 作者の主張, 主題について考えることができる 統合 解釈 * 名話し合ったことから, 知識や体験と関連付けて自分の考えをもつことができる 3 * 名 熟考 評価 実態調査からは,* 名 (*%) の生徒が人物描写や情景描写に着目し, 登場人物の心情や人物像を捉えることができている 本学級はこれまでに, 字のない葉書 でのリライト( 書き換え ), 卒業ホームラン での人物相関図や物語続き創作など, 書く活動を通して人物の心情について捉え, 作品を読み深めてきた 読解リテラシー の第 1 段階 情報へのアクセス 取り出し に関しては概ね習得していると言える 一方, 作者の主張や主題を考えたり, 知識や体験と関連づけて自分の考えを表現したりする意識は低い 読解リテラシー の第 2 段階 統合 解釈, 第 3 段階 熟考 評価 に関しては習得しているとは言い難い状況である (4) 指導観生徒たちは中学校課程進級以来, 様々な困難に直面し, それを解決することで日々成長している 走れメロス はどの登場人物も義務を投げ出そうとしたり, 自分を正当化したり, 人間らしい悩みや苦しみを味わうが, 最後は自分の醜さや弱さに打ち勝つ そこで, 主題となる正義や勇気, 友情, 家族愛などと自分の体験を比較しながら読みを深めることができるのではないかと考えた 本単元では, 主人公以外の登場人物に焦点を当てて書き換えたり, 物語の続きを書いたりする ( スピン

オフ作品を書く ) 活動を取り入れることとした 走れメロス を再構成することにより, 人物像や心情を深く捉え, 作品の中に自分の考えを表現することができるからである ここまでの学習活動は, 読解リテラシー の第 1 段階 情報へのアクセス 取り出し, 第 2 段階 統合 解釈 を向上させることがねらいである また, スピンオフ作品に対する意見交流会で中学校生活や自分の成長を振り返り, 体験と関連付けて自分の考えを 6 年生へのメッセージ としてまとめることとした 6 年生にメッセージを送ろう という言語活動を設定することにより, 相手意識 目的意識が明確となり, 学習意欲の持続 向上が図られるであろう これは, 読解リテラシー の第 3 段階 熟考 評価 を向上させるとともに, 読解リテラシー の定義 自らの目標を達成し, 自らの知識と可能性を発達させ, 効果的に社会に参加するために, 書かれたテキストを理解し, 利用し, 熟考し, これに取り組む能力 に深く関わってくるものであると言える (5) 単元計画 (10 時間 ) 時 学習活動 資料 1 学習の流れを知る 学習計画表 2 通読する 言語獲得シート 新出漢字や語句を確認する 国語辞書 3 あらすじをとらえる ヒントカード( 要約の仕方 ) 4 登場人物の人物像を捉える ヒントカード( 心情把握 ) 5 登場人物の心情の変化を捉える 心情曲線 スピンオフ作品構想シート 6 スピンオフ作品を書く スピンオフ作品参考例 スピンオフ作品を見直す 意見交流会準備シート 7 意見交流会に向けて自分の考えを 司会進行シートまとめる 読解リテラシー との関連情報へのアクセス 取り出し テキストに書かれていることを捉えて理解する 統合 解釈 テキストの内容や筆者の意図などを解釈する 8 本時 意見交流会をする 意見交流会ワークシート熟考 評価 9 6 年生へのメッセージをまとめる メッセージシート 中学校課程進級説明会で,6 年生 ふりかえりシート 10 にメッセージを送る スタディノート つくばスタイル科 (6) 本時の授業 1 目標 テキストの内容や表現などを吟味 検討したり, 自分の考えをまとめたりする 走れメロス スピンオフ作品の意見交流会を通して, 登場人物と自分を比べたり, 主題を考えたりしながら, 中学校生活や自分の成長を振り返ることができる 3 展開主な学習活動教師の支援 1 学習課題を確認する 学習計画表を掲示し, 学習への意欲がもてる 6 年生へのメッセージにつなげたい 走れメロス のテようにする ーマは何か ~スピンオフ作品交流会を通して~ 同じ登場人物でスピンオフ作品を書いている生徒同士でグループを構成しておき, 自分の

2 自分のスピンオフ作品について考えを見直し, 意見交流会の準備をする 3 グループで意見の交流をする (1) スピンオフ作品を読み合う (2) 読んだ感想や質疑応答など, 意見交流をする 質問 1 人物像をどのように捉えたか 質問 2 自分との共通点, 相違点は何か 質問 3 読む人に伝えたいメッセージは何か ディオニスは本当は悪い人ではない 自分も友だちを疑ってしまう時がある 間違ったことは反省し, 直すことが大切だ 4 グループで出た意見を全体で交流し, 走れメロス 原作の主題について考える メロスのように最後まであきらめないことが大切だ セリヌンティウスのように友を信じることが大切だ 考えが深まるように配慮する 質問 1,2,3についての答えをあらかじめ考えておくよう促す 良かったところを中心に感想を述べるよう助言し, 自信をもって意見が言えるよう配慮する 司会進行シートを準備し, スムーズな意見交流が行えるよう配慮する 質問 1,2,3 以外にも知りたいことがあったら質問するよう促し, 意見交流が活発になるよう支援する 質問 3は主題につながることを伝え, 原作の主題について考えやすいようにする ジグソー学習を取り入れ, 必ず一人一回は他の班で発表できるようにする 違う登場人物の意見をワークシートにメモをするよう助言する 5 意見交流会を参考にして, 中学校生活や自分の成 振り返る項目として, 学習面 部活面 人間 長を振り返り, 自分の考えをまとめる 関係面の3つを提示し, 自分の体験と関連付 仲間を信じることで, 感動的な体育祭になった 辛かったが, 部活動練習を続けることで, 上達した 6 メッセージ作成に向けて今後の学習の流れを確認する けて具体的に振り返ることができるようにする それぞれの項目で, 失敗したこと, 困ったこと, どうすれば解決できるかなどを考えるよう助言する (7) 単元を貫く言語活動と 読解リテラシー のプロセス単元を貫く各言語活動と 読解リテラシー との関連についてまとめると, 次図のようになる 読解リテラシー 自らの目標を達成し, 自らの知識と可能性を発達させ, 効果的に社会に参加するために, 書かれたテキストを理解し, 利用し, 熟考し, これに取り組む能力 読む目的の明確化 読む目的の達成 (6 年生へのメッセージ ) 表現する場 ( 意見交流会 ) ( 中学校課程進級説明会 ) 6 年生にメッセージを送ろう 教材名 走れメロス 書く活動 ( スピンオフ作品 )

情報へのアクセス 取り出し テキストを書かれていることを捉え て理解する 統合 解釈 テキストの内容や筆者の意図など を解釈する 熟考 評価 テキストの内容や表現などを吟味 検討したり, 自分の考えをまとめたりするような読み 登場人物の心情を 心情曲 線 で表す スピンオフ作品を書く 意見交流会を通して, 主題や 6 年生へのメッセージを考える 書くこと との関連表現する場の設定 状況の変化 心情の変化 因果関係 登場人物をどのように捉えたか 自分の体験との共通点, 相違点は あるか 主題は何か 自分の中学校生活を振り返る 6 年生へのメッセージとしてどん 文脈的理解 読む人に伝えたいメッセージは何 か なテーマが考えられるか 出来事 心情 登場人物の役割 筆者の意図 体験との関連 自分の考え (7) 読解リテラシー の向上のための手立て 1 学習計画表 による読みの価値付け P I S A 調査は, 読解の知識や技能を実生活で直面する課題においてどの程度活用できるかを評価することを目的としている これは, 現行学習指導要領がねらいとしている 生きる力 確かな学力 と同じ方向性にある資料 1 学習計画表 と言える つまり, 読解リテラシー を向上させるためには, まず 何のためにその作品を読むのか 実生活において, 読んだことをどのように活用するのか といった目的を明確にした指導が必要なのである そこで, 毎時間, 常に 6 年生にメッセージを送ろう という目的意識, 相手意識をもちながら主体的に学習を進めることができるよう, 学習計画表を活用した また, 教師のコメントを入れることによって次時への意欲につながるようにした 2 心情曲線 による 情報へのアクセス 取り出し と文脈的理解

読解リテラシー を向上させるためには, まず作品の文脈をきちんと理解することが必要である また, 作品の文脈を理解するためには, 作品の全体構造を把握することも不可欠である 特に文学作品では, 取り巻く状況の変化に伴って登場人物の心情も変化し, 大きく変容する 作品の全体構資料 2 心情曲線 造を文脈的に理解するためには, 作品に組み込まれている情報を取り出し, 相互に関連付けていかなければならない そこで, 登場人物の心情が, 何をきっかけとして, どのように変化したのか, その因果関係を捉えることができるようにするために心情曲線を活用した 作品中から取り出した言語情報を図式化することにより, 文脈的理解と 情報へのアクセス 取り出し を連動した形で 読解リテラシー の向上が図られるようにした 3 スピンオフ作品 による 統合 解釈 の焦点化 読解リテラシー を向上させるためには, テキストの内容や筆者の意図などを解釈する 統合 解釈 の段階を意識した学習活動が不可欠である 本単元では, スピンオフ作品を書くことを通して, 人物像やその因果関係, 筆者からのメッセージなどを自分なりに解釈していくことにした ワークシートは 視点の換え方 設定の仕方 といったスピンオフ作品の書き方に関する項目だけでなく, 登場人物をどのように捉えたか 自分の体験との共通点 資料 3 スピンオフ作品構想シート 相違点 読む人に伝えたいメッセージ という項目を挙げ, 統合 解釈 の焦点化を図った 登場人物をどのように捉えたか では, 登場人物がなぜそのような行動をしたのかという理由や出来事の因果関係を考えることになる 理由や因果関係などを考えることは, 文章を分析 解釈することであり, 読解リテラシー の向上につながっていく 自分の体験との共通点, 相違点 でも, 作品と実生活を結びつけて解釈することで, 登場人物やその行動について納得 共感したり, 疑問や批判が生じたりし, 読解リテラシー の向上につながっていくと考えられる 読む人に伝えたいメッセージ は, 主題を考えることと連動している 主題とは, 作者がその作品を通して読者に伝えようとしていること, 願いなどである しかし, 本単元では, 作品を通して自分の考えをまとめることが目的であるため, 作品から最も強く感じたことや受け取ったメッセージを 読む人に伝えたいメッセージ としてスピンオフ作品に組み込み, 自分の考えにつなげていくこととした

4 スピンオフ作品参考例 による意欲付け書くことに対しては, 抵抗感や苦手意識のある生徒もいる そこでグッドモデルとして スピンオフ作品参考例 を示した 様々な難易度の作品例をいくつか示すことで, どの生徒も 面白そうだ これなら自分も書けそうだ という意欲がもてるようにした 5 意見交流会ワークシート による 熟考 評価 の可視化話し合いの流れに沿って自分の意見を書き込んだり, 新たに発見した意見と見比べたりしながら主題について考えることができるようワークシートを工夫した さらに, 中学校生活での体験と関連付けて自分の考えをま資料 4 意見交流会ワークシート とめ, 最終的に 6 年生へのメッセージ へつながっていくようにした 学習手順と交流内容を可視化することにより, 自分の意見から自分たちの意見, 自分たちの意見から全体の意見へと思考の幅が広がり, それぞれの意見を吟味 検討することによって 熟考 評価 することできた 資料 5 グループ内意見交流の様子 資料 6 各グループが考えた主題 6 成果と課題 (1) 研究の成果 1 読むこと の目的の明確化 何のためにその作品を読むのか 読むことによってどういうことを目指すのか という 読むこと の目的を明確にすることにより, 生徒は 6 年生の不安や心配を少しでも取り除き, 希望をもって中学校課程に進級することができるようなメッセージを送ろう という意欲をもち, 主体的に 走れメロス という作品を読むことができた 中学校生活に関して6 年生にアドバイスをしたい とい

う意識も芽生え, 作品の内容を自分のこれまでの中学校生活とを結びつけて解釈することにもつながった 学習計画表を提示し, 各時間の学習活動の目的を明確にしたことも, 意欲を持続させることにつながった つくば次世代型スキル 評価規準である 積極的に社会に貢献する態度 を維持しながら一人一人が学習を進めることができたと言えるであろう また, 読解リテラシー の定義である 自らの目標を達成し, 自資料 7 6 年生へのメッセージ らの知識と可能性を発達させ, 効果的に社会に参加するために という主体的な学びの姿勢も身に付いたと言える 主な 6 年生へのメッセージ の記述例 勉強に対していろいろ不安とかあるだろうけど, 授業に集中し, 分からないところは友達や先生にたよることも大切だよ あきらめないで頑張れば, 必ず結果はついてくる 熟考 評価 主人公メロスの行動から, 自分の考えを 6 年生へのメッセージ としてまとめている けんかをしても, 自分の言動を振り返り, 互いに理解し合うと, 改めて友達の大切さを知ることができるよ 人を信じることができれば, 友達がたくさんできると思います 熟考 評価 王様ディオニスの変化から, 自分の考えを 6 年生へのメッセージ としてまとめている 私は, 部活でくじけそうになったとき, 支えてくれた友達のおかげで立ち向かうことができました あきらめそうになっても, 最後まで仲間を信じて頑張ってほしいです 熟考 評価 友人セリヌンティウスの葛藤から, 自分の考えを 6 年生へのメッセージ としてまとめている 2 書くこと の活動と関連させた言語活動 登場人物をどのように捉えたか 自分の体験との共通点 相違点 読む人に伝えたいメッセージ という項目で 統合 解釈 の焦点化を図ったことにより, 登場人物の言動の理由や因果関係, 作者の意図などを考えながらスピンオフ作品に取り組むことができた また, 作品と自分の知識や体験との共通点 相違点を考えることで, 登場人物やその行動について納得 共感したり, 批判したりする記述も見られた 自分の考えとして 読む人に伝えたいメッセージ を組み込んだスピンオフ作品を仕上げることのできた生徒が多かった 読むこと の授業の中に, 作品を再構成して 書くこと の活動を取り入れたことで, 作品をより深く解釈することとなり, 自分の考えを表現することができる 読解リテラシー の向上につながったと言える 主な スピンオフ作品 の記述例 視点 : セリヌンティウス ( 主人公の友人 ) 設定 : メロス ( 主人公 ) との幼少期の出会い幼少期の私は弱虫で内気で友達の一人もいないような少年だった あの日もいつものように私は子どもたちにバカにされていた ( 中略 ) 俺の名前はメロス! 悪いことをするやつらは許さない! それが私セリヌンティウスとメロスとの出会いであった メロスはひとりぼっちだった私の無二の友になった 彼のおかげで強くなれたし, 夢を見つけることもできた 彼がいたから今の自分がいるのだ 感謝してもしきれない 私は決めたのだ 助けられたあの日から何があっても彼を信じ続けると 彼, セリヌンティウスはまだ知らない 彼の決意が, 彼らの絆が, 人々を救いやがて世界を変えることになろうとは 統合 解釈 友達が自分の人生を変える, 自分の行動で周りの人を変えられる というメッセージを表現することができている

3 自分の考えを表現する場の設定スピンオフ作品創作, 意見交流会, 中学校課程進級説明会における6 年へのメッセージなど, 自分の考えを表現する場の存在によって, 相手意識 目的意識をもって主体的に 読むこと の学習に取り組むことができた 自分の考えをスピンオフ作品に書くことの楽しさ, 交流によって見つけた新たな発見, 自分の考えを伝えることや相手の役に立つことの喜びなどが, 一人一人の生徒の知識と可能性を発達させ, 効果的に社会に参加するための 読解リテラシー を向上させたと言える 本単元終了後の生徒の感想例 字のない葉書 や 卒業ホームラン でもスピンオフ作品を書いたけど, 今回は意見交流会でたくさんの人の文章を読めたし, 考え方も自分と違っているところがあっておもしろかったです 熟考 評価 意見交流によって考えを深めることができている 走れメロス から 友達との絆 などのヒントを見つけて,6 年生へのメッセージもみんなと相談して考えることができました 6 年生が真剣に聞いてくれたのでよかったです 熟考 評価 自分の考えを伝えることや相手の役に立つことの大切さを実感することができている 資料 8 グループ間交流の様子 資料 9 中学校課程進級説明会の様子 (2) 今後の課題 本研究では, 教科書教材の文学作品を中心とした言語活動を行ったが, 今後は実生活の中から教材を開発するなど, いわゆる 非連続型テキスト による言語活動にも取り組んでいきたい グループ内やグループ間での意見交流, ジグソー学習などは活発に進めることができるようになってきたが, 全体交流では発言者に偏りが見られる 全体交流を活性化させる方法を模索していきたい 本単元では, つくばスタイル科と連携しながら言語活動に取り組んだが, 今後は他教科とも連携を図りたい 各学年の発達段階を考慮し, 読解リテラシー のプロセスに合わせた言語活動をすることで, 小中一貫教育に貢献していきたい ( 参考文献 ) 文部科学省 (2008) 中学校学習指導要領解説国語編 東洋館出版社文部科学省 (2012) 言語活動に関する指導事例集 教育出版茨城県教育委員会 (2015) 平成 27 年度学校教育指導方針 茨城県教育センターつくば市教育委員会 (2015) 平成 27 年度学校教育指導方針 教育委員会教育指導課つくば市総合教育研究所編著 (2012) 新設 つくばスタイル科 の取り組み 東京書籍文部科学省 (2015) 読解力 向上に関する指導資料 伊﨑一夫 (2008) PISA 型 読解力 の具体化 - 工夫改善における三つのポイント 日本国語教育学会