四肢のしびれ

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末梢神経障害

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10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

がん登録実務について

多発性神経炎の鑑別 1) A:Alcholic Amyloidosis B:Beriberi C:Collagen disease(pn SLE) Carcinoma Chemical substance( 砒素 水銀 タリウム スチレン n-ヘキサン ) D:DM Drug(INH vincris

5. 死亡 (1) 死因順位の推移 ( 人口 10 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 位 26 悪性新生物 350

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

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脂質異常症を診断できる 高尿酸血症を診断できる C. 症状 病態の経験 1. 頻度の高い症状 a 全身倦怠感 b 体重減少 体重増加 c 尿量異常 2. 緊急を要する病態 a 低血糖 b 糖尿性ケトアシドーシス 高浸透圧高血糖症候群 c 甲状腺クリーゼ d 副腎クリーゼ 副腎不全 e 粘液水腫性昏睡

平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2

甲状腺機能が亢進して体内に甲状腺ホルモンが増えた状態になります TSH レセプター抗体は胎盤を通過して胎児の甲状腺にも影響します 母体の TSH レセプター抗体の量が多いと胎児に甲状腺機能亢進症を引き起こす可能性が高まります その場合 胎児の心拍数が上昇しひどい時には胎児が心不全となったり 胎児の成

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

018 脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く。)

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佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医


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ポプスカイン0.75% 注シリンジ 75mg /10 院 Popscaine 75mg /10 院 / 筒 丸石 薬価 円 / 筒 効 硬膜外麻酔 用 ( 注 )1 回 150mg ( 本剤として20 院 ) までを硬膜外腔に投与 禁 大量出血やショック状態, 注射部位またはその周辺に

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2014 年 10 月 30 日放送 第 30 回日本臨床皮膚科医会② My favorite signs 9 ざらざらの皮膚 全身性溶血連鎖球菌感染症の皮膚症状 たじり皮膚科医院 院長 田尻 明彦 はじめに 全身性溶血連鎖球菌感染症は A 群β溶連菌が口蓋扁桃や皮膚に感染することにより 全 身にい

医療関係者 Version 2.0 多発性内分泌腫瘍症 2 型と RET 遺伝子 Ⅰ. 臨床病変 エムイーエヌ 多発性内分泌腫瘍症 2 型 (multiple endocrine neoplasia type 2 : MEN2) は甲状腺髄様癌 褐色細胞腫 副甲状腺機能亢進症を発生する常染色体優性遺

は減少しています 膠原病による肺病変のなかで 関節リウマチに合併する気道病変としての細気管支炎も DPB と類似した病像を呈するため 鑑別疾患として加えておく必要があります また稀ではありますが 造血幹細胞移植後などに併発する移植後閉塞性細気管支炎も重要な疾患として知っておくといいかと思います 慢性

図表 リハビリテーション評価 患 者 年 齢 性 別 病 名 A 9 消化管出血 B C 9 脳梗塞 D D' E 外傷性くも幕下出血 E' 外傷性くも幕下出血 F 左中大脳動脈基始部閉塞 排尿 昼夜 コミュニ ケーション 会話困難 自立 自立 理解困難 理解困難 階段昇降 廊下歩行 トイレ歩行 病

基本料金明細 金額 基本利用料 ( 利用者負担金 ) 訪問看護基本療養費 (Ⅰ) 週 3 日まで (1 日 1 回につき ) 週 4 日目以降緩和 褥瘡ケアの専門看護師 ( 同一日に共同の訪問看護 ) 1 割負担 2 割負担 3 割負担 5, ,110 1,665 6,

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背部痛などがあげられる 詳細な問診が大切で 臨床症状を確認し 高い確率で病気を診断できる 一方 全く症状を伴わない無症候性血尿では 無症候性顕微鏡的血尿は 放置しても問題のないことが多いが 無症候性肉眼的血尿では 重大な病気である可能性がある 特に 50 歳以上の方の場合は 膀胱がんの可能性があり

桜町病院対応病名小分類別 診療科別 手術数 (2017/04/ /03/31) D12 D39 Ⅳ G64 女性生殖器の性状不詳又は不明の新生物 D48 その他及び部位不明の性状不詳又は不明の新生物 Ⅲ 総数 構成比 (%) 該当無し Ⅰ 感染症及び寄生虫症 Ⅱ 新生物 C54 子宮体部

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リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

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より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

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脳卒中に関する留意事項 以下は 脳卒中等の脳血管疾患に罹患した労働者に対して治療と職業生活の両立支援を行うにあ たって ガイドラインの内容に加えて 特に留意すべき事項をまとめたものである 1. 脳卒中に関する基礎情報 (1) 脳卒中の発症状況と回復状況脳卒中とは脳の血管に障害がおきることで生じる疾患

( 様式乙 8) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 米田博 藤原眞也 副査副査 教授教授 黒岩敏彦千原精志郎 副査 教授 佐浦隆一 主論文題名 Anhedonia in Japanese patients with Parkinson s disease ( 日本人パー

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サーバリックス の効果について 1 サーバリックス の接種対象者は 10 歳以上の女性です 2 サーバリックス は 臨床試験により 15~25 歳の女性に対する HPV 16 型と 18 型の感染や 前がん病変の発症を予防する効果が確認されています 10~15 歳の女児および

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5 月 22 日 2 手関節の疾患と外傷 GIO: 手関節の疾患と外傷について学ぶ SBO: 1. 手関節の診察法を説明できる 手関節の機能解剖を説明できる 前腕遠位部骨折について説明できる 4. 手根管症候群について説明できる 5 月 29 日 2 肘関節の疾患と外傷 GIO: 肘関節の構成と外側

また リハビリテーションの種類別では 理学療法はいずれの医療圏でも 60% 以上が実施したが 作業療法 言語療法は実施状況に医療圏による差があった 病型別では 脳梗塞の合計(59.9%) 脳内出血 (51.7%) が3 日以内にリハビリテーションを開始した (6) 発症時の合併症や生活習慣 高血圧を

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

Transcription:

四肢のしびれ モーニングレクチャー 2017 年 6 月 29 日 総合診療科廣谷茜

しびれ とは 中枢神経あるいは末梢神経感覚系の障害によっておこる自発性異常感覚 ピリピリ感 ジンジン感 何かが付着しているなどの訴えが多い

しびれの鑑別診断 感染症 ( ヘルヘ スウイルスなど ) 自己免疫疾患 ( 血管炎など ) 代謝 内分泌疾患 ( 糖尿病, 甲状腺機能低下症など ) 腫瘍 ( 脳腫瘍, 脊髄腫瘍, 癌性ニューロハ チーなど ) 循環器および血管障害 ( 脳卒中 ASOなど ) 外傷 ( 切断や圧迫, 絞扼性障害など ) 薬物や化学物質による中毒性障害蓄積症 ( アミロイト の沈着, カ ングリオシト, ホ ルフィリンの沈着など ) 遺伝 変性疾患 (Charcot-Marie-Tooth 病, 遺伝性感覚性ニューロハ チーなど ) 過換気症候群 ハ ニック発作 うつ病

しびれ診療で common な症例 1 脊髄疾患 2 末梢神経障害 考えるべきcommon disease 手のしびれ頚髄 頚椎症手根管症候群 ( 正中神経障害 ) 肘部管症候群 ( 尺骨神経障害 ) 足のしびれ主に胸髄以下の脊髄多発神経障害

しびれへのアプローチ Onset 発症様式 palliative/provocative 増悪 寛解因子 quality/quantity 症状の性質 ひどさ region/radiation 場所 放散の有無 associated symptom 随伴症状 time course 時間経過

Onset 発症様式 palliative/provocative 増悪 寛解因子 quality/quantity 症状の性質 ひどさ region/radiation 場所 放散の有無 associated symptom 随伴症状 time course 時間経過

Onset: 発症様式 急性や突発性ではないか time course: 時間経過 進行性や再発性ではないか 突然 ~ 急性発症 : 血管障害性 急性 ~ 亜急性発症 : 感染症 中毒 代謝性 免疫疾患 緩徐進行性 : 変性疾患 腫瘍性 突発再発性 : 機能性 ( てんかん ) 代謝性 急性再発性 : 自己免疫性 (MS MG など )

Onset 発症様式 palliative/provocative 増悪 寛解因子 quality/quantity 症状の性質 ひどさ region/radiation 場所 放散の有無 associated symptom 随伴症状 time course 時間経過

palliative/provocative: 増悪 寛解因子 姿勢や歩行との関連はないか 立位 後屈位で症状が出現し前屈位で症状軽快 腰部脊柱管狭窄症疑い 立位 後屈位で症状が出現し前屈位で症状悪化 腰椎椎間板ヘルニア疑い 咳や怒責による放散痛 脊髄病変 歩行で悪化 安静で回復 下肢動脈狭窄 歩行で悪化 しゃがんで回復 脊髄圧迫

Onset 発症様式 palliative/provocative 増悪 寛解因子 quality/quantity 症状の性質 ひどさ region/radiation 場所 放散の有無 associated symptom 随伴症状 time course 時間経過

quality/quantity: 症状の性質 ひどさ 何をしびれと言っているか しびれ ( 南山堂医学大辞典より ) 感覚過敏 (hyperethesia) や異常感覚 感覚鈍麻 (hypesthesia) 時に運動障害 ( 力が入らない状態 ) をも意味する日本語で 感覚過敏や異常感覚の場合に用いることが多い

quality/quantity: 症状の性質 ひどさ 何をしびれと言っているか Dysesthesia 異常感覚外的刺激に因らない自発的に生じる異常な感覚 Paresthesia 錯感覚外界から与えられた刺激とは異なって感じる Hyperesthesia 知覚過敏少しの刺激でも強い痛みを感じる Hypesthesia 知覚鈍麻 Anesthesia 無感覚 運動麻痺をしびれと表現する人もある

Onset 発症様式 palliative/provocative 増悪 寛解因子 quality/quantity 症状の性質 ひどさ region/radiation 場所 放散の有無 associated symptom 随伴症状 time course 時間経過

region: 場所 どんなしびれの分布なのか しびれの鑑別をすすめる上でしびれの範囲を特定することがとても大切です

region: 場所 どんなしびれの分布なのか 大脳病変 下位脳幹病変 今日の臨床サホ ート HP より

region: 場所 どんなしびれの分布なのか 渥美哲至 : しびれの基礎知識, JIM, 16(9), 700-704, 2006

region: 場所 どんなしびれの分布なのか 渥美哲至 : しびれの基礎知識, JIM, 16(9), 700-704, 2006

Onset 発症様式 palliative/provocative 増悪 寛解因子 quality/quantity 症状の性質 ひどさ region/radiation 場所 放散の有無 associated symptom 随伴症状 time course 時間経過

associated symptom: 随伴症状 随伴症状はないか 他の神経所見はないか 患者がしびれのみを訴えていても しびれ以外に異常な神経所見がないか ex> 痛みや運動障害 神経の機械的圧迫発熱や体重減少 貧血などの全身徴候 感染症 悪性疾患など 膀胱直腸障害 巧緻性障害 間欠跛行などは ( 無関係だと思っているために ) 聞かれなければ言わないかもしれない

既往歴 DM HT HL 喫煙歴:ASO 脳卒中先行感染 : ギラン バレー症候群過去に同様の症状がないか : 多発性硬化症甲状腺機能低下症 透析 : 手根管症候群 DM 過量飲酒 栄養不良 癌: 多発神経炎

中瀬浩史 : 医学のあゆみ Vol.251 : 781-787,2014 内服薬 分類 薬品名 頻度 (%) 抗悪性腫瘍薬白金製剤オキサリプラチン 100 シスプラチン 8 カルボプラチン タキサン類ハ クリタキセル 60 ト セタキセル 8 ビンカアルカロイト 製剤ビンクリスチン 63 4~6 ビンデシン 28 ビンブラスチン 10 ビノレルビン 10 プロテアソーム阻害薬ボルテゾミブ 38 核酸代謝阻害薬ネララビン 21 VEGF 阻害薬ベバシズマブ 10< HIV 治療薬 HIV 逆転写酵素阻害薬サニルブジン 17.30 HIV プロテアーゼ阻害薬アタザナビル硫酸塩 8

内服薬 分類抗てんかん剤血圧降下剤高脂血症用剤消化性潰瘍用剤ビタミン剤痛風治療剤抗菌剤抗真菌性抗生物質抗ウイルス剤抗原虫剤 一般名 フェニトイン ヒト ララジン塩酸塩ベシル酸アムロジピン アトロバスタチンシンバスタチンプラバスタチン シメチジン ピリト キシン塩酸塩 アロプリノールコルヒチン シプロフロキサシンリネゾリト ファンギゾン ホスカルネットラミブジン メトロニダゾール 厚生労働省重篤副作用疾患別対応マニュアルより抜粋

レジデントノート Vol.19 No.2( 増刊 ),2017,P265 図 11 しびれの診断フローチャート 1( 病態を探る ) より改変 主訴 : しびれ しびれの診断フローチャート 1 ~ 病態を探る ~ 症状の時間的変化と性状で病態を見分ける 突然 ~1 日以内の急性発症数時間 ~ 数日の緩徐発症緩解しない緩徐進行性再発緩解を繰り返す 血管性病変 or 発作 外傷 感染症 中毒 代謝 免疫疾患 変性疾患 腫瘍性疾患 慢性感染 慢性中毒 多発性硬化症 重症筋無力症

レジデントノート Vol.19 No.2( 増刊 ),2017,P265 図 11 しびれの診断フローチャート 1( 病態を探る ) より改変 しびれの診断フローチャート 1 ~ 病態を探る ~ 随伴症状 患者背景から病態を見分けるヒントを得ておく 痛み 運動障害 全身徴候神経徴候以外の症状 原則機械的圧迫例外 : 脊髄癆 多発性硬化症 帯状疱疹 発熱 貧血 体重減少 悪性疾患 感染症 生活習慣 ( 飲酒 ) 薬物職業 ( 化学薬品 )

レジデントノート Vol.19 No.2( 増刊 ),2017,P266 図 12 しびれの診断フローチャート 2( 病変部位を探る ) より改変 主訴 : しびれ しびれの診断フローチャート 2 ~ 病変部位を探る ~ 左右対称性? NO 脳 脳幹 脊髄性末梢神経 YES 障害領域と正常領域の境界 2 つ 末梢性 多発神経障害あるいは脊髄性 1 つ 中枢性

大脳 脳幹病変 大脳病変 下位脳幹病変 今日の臨床サホ ート HP より

レジデントノート Vol.19 No.2( 増刊 ),2017,P266 図 12 しびれの診断フローチャート 2( 病変部位を探る ) より改変 主訴 : しびれ しびれの診断フローチャート 2 ~ 病変部位を探る ~ 左右対称性? NO 脳 脳幹 脊髄性末梢神経 YES 障害領域と正常領域の境界 2 つ 末梢性 多発神経障害あるいは脊髄性 1 つ 中枢性

中枢性と末梢性の感覚障害 レジデントノート Vol.19 No.2( 増刊 ),2017,P267 図 3 中枢性 ( 長経路性 ) と末梢性 ( 髄節性 ) の感覚障害

デルマトームの分布 病気がみえる Vol.7 脳 神経より

レジデントノート Vol.19 No.2( 増刊 ),2017,P266 図 12 しびれの診断フローチャート 2( 病変部位を探る ) より改変 しびれの診断フローチャート 2 左右対称性? YES ~ 病変部位を探る ~ 多発神経障害あるいは脊髄性 深部腱反射 低下 亢進 主に脊髄性 下垂足下肢 > 上肢末梢から体幹に上行 YES 靴下 手袋型知覚障害 NO YES NO 確定ではないが多発神経障害として扱う 多発神経障害

障害部位による分類 http://www.slideshare.net/masatoshimizu37/4-52041147

多発神経障害 末梢神経が障害されたときに出現する臨床症状を総称する疾患概念であり その原因としてはさまざまな疾患が含まれる 両側ほぼ対称に出現し 末梢ほど障害が強く いわゆる glove and stoking 状分布を示す 原因として多いのは DM アルコール 尿毒症 ビタミン B1,6,12 の欠乏 薬剤性など 慢性の経過が多いが 急性の場合 GBS に注意

多発神経障害 足部の感覚障害が最初の徴候となることが多い 感覚障害は 感覚鈍麻 感覚消失 錯感覚 異常感覚 知覚過敏のいずれであってもよい その後足部での全感覚消失が起こり中枢側へ広がっていく 膝にまで障害が起こると 手指の障害も起こる その結果 glove and stoking 状 となる 腱反射減弱

多発神経炎の原因 ; DANG THERAPIST( ムカつく療法士 ) Diabetes: 糖尿病 Alcohol abuse: アルコール多量摂取 Nutrition deficiensy: 栄養障害 (Vit.B1,6,12) Guillain-Barre syndrome: ギラン バレー Tumor-related: 腫瘍随伴症候群 Hereditary disorders: 遺伝性 (Charcot-Marie-Tooth 等 ) Endocrine: 内分泌 ( 甲状腺 末端肥大症 ) Renal: 尿毒症 Amyloidosis: アミロイト ーシス Porphyria: ホ ルフィリア Infection and Immune-mediated:AIDS 梅毒 血管炎 Sarcoidosis: サルコイト ーシス Toxin: 毒物と薬物

ギラン バレー症候群 自己免疫機序による急性炎症性ニューロハ チー 進行性四肢筋力低下( 左右対称 ) が主訴になるが しびれが先行することも多い 約 70% で発症前 4 週間以内に先行感染を有する 感覚障害は運動障害に比べて軽度 腱反射は低下することが多い 様々な脳神経麻痺を呈する 神経伝導検査と 疾患の除外目的に髄液検査 日本神経学会 ギラン バレー症候群 フィッシャー症候群診療カ イト ライン 2013

脳卒中によるしびれ 突然発症の代表的疾患 片麻痺 脳神経所見の異常などを伴う場合 診断は容易 問題になるのは ( そして一番気になるのは ) しびれのみ の脳卒中

脳卒中によるしびれ PSS の特徴について検討した論文 clinical study of 99patients with pure sensory stroke. J neurol. 2005 252(2):156-62 脳卒中の 4.7% 脳梗塞の 5.4% ラクナ梗塞の 17.4% 単肢のみの PSS はほとんどない! ほとんどの場合 口周囲のしびれを伴う 実際には単肢の PSS の症例報告はある 大切なのは 血管リスクの既往歴と 突然発症 という病歴!

渥美哲至 : しびれの基礎知識, JIM, 16(9), 700-704, 2006

まとめ 問診はOPQRSTを意識すると漏れが少ない 病態と病変部位から原因へアプローチ 既往歴と内服歴も大切な情報 急性の多発神経炎ではGBSに注意 突然発症のしびれはPSSも考慮する