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飲食器用洗浄剤自主基準 日本石鹸洗剤工業会日本石鹸洗剤工業組合日本食品洗浄剤衛生協会 制定年月日 : 平成 24 年 4 月 1 日

目次 序文... 2 1. 目的... 2 2. 適用製品... 2 3. 成分規格... 2 4. 使用基準... 2 5. 運用... 3 飲食器用洗浄剤自主基準解説... 4 1. 自主基準制定の経緯... 4 2. 台所用洗剤の食品衛生法上の取り扱い... 4 3. 自主基準制定の考え方... 4 4. 成分規格... 4 4.1 ヒ素 重金属 メタノール... 4 4.2 酵素... 4 4.3 漂白剤... 5 4.4 香料... 6 4.5 着色料... 6 4.6 その他... 7 5. 使用基準... 7 6. 参考海外の規格基準... 7 参考文献... 8 1

序文飲食器用洗浄剤の自主基準 ( 以下 本自主基準という ) は 日本石鹸洗剤工業会 日本石鹸洗剤工業組合及び日本食品洗浄剤衛生協会が取り扱う台所用洗浄剤において 野菜 果物を用途とせず その用途が 飲食器 である洗浄剤 ( 以下 飲食器用洗浄剤という ) の成分規格および使用基準を定めたものである 1. 目的 本自主基準は 飲食器用洗浄剤について成分規格を設け 飲食器用洗浄剤として適した洗浄剤を消費者に提供することを目的とする 2. 適用製品本自主基準は 食品衛生法に記載されている 洗浄剤であつて野菜若しくは果実又は飲食器の洗浄の用に供されるもの のうち もっぱら飲食器の洗浄の用に供されることが目的とされているもの つまり用途が 飲食器 である洗浄剤に適用される 3. 成分規格 ヒ素重金属メタノール酵素漂白剤香料着色料 食品衛生法で定めたものに準じる食品衛生法で定めたものに準じる食品衛生法で定めたものに準じる αアミラーゼ プロテアーゼ リパーゼについて配合可能とする 過炭酸ナトリウム 次亜塩素酸ナトリウム 塩素化イソシアヌル酸ナトリウムについて配合可能とする 化学的合成品にあっては食品衛生法施行規則別表第 1 掲載品目 または IFRA 実施要綱 (the International Fragrance Association Code of Practice) に従った香料でなければならない 化学的合成品にあっては食品衛生法施行規則別表第 1 掲載の着色料 並びにキノリンイエロー ハ テントフ ルー V または 事業者において安全性が十分に確認されているもの 4. 使用基準 飲用適の水にてすすぐ 流水では 5 秒間以上 ため水を用いる場合はため水をかえて 2 回以上すすぐこと 2

5. 運用 (1) 会員企業は本自主基準を遵守するものとする (2) 本自主基準は各工業会等の決定により適宜見直すことが出来る 付則本自主基準は 制定日以降に製造された製品に適用されるものとする 尚 猶予期間は 1 年とする 3

飲食器用洗浄剤自主基準解説 1. 自主基準制定の経緯本自主基準策定は 平成 19 年度から平成 21 年度まで 食品の安心 安全確保推進研究事業の一環として行われた 洗浄剤の規格基準に関する研究 を踏まえ 食品衛生法の洗浄剤の成分規格 JIS 規格 (JIS K 3370) 日本食品洗浄剤衛生協会が定める認証制度等の国内の規格や基準に加え 各成分の国内及び国際的安全性評価結果及び各種規制や他国の法規制等も参考にし また原料メーカーやその業界団体などとも情報交換を行いながら作成された 2. 台所用洗剤の食品衛生法上の取り扱い台所用洗剤 ( 洗浄剤であつて野菜若しくは果実又は飲食器の洗浄の用に供されるもの ) には 用途が 野菜 果物 食器 その他 または 食器 その他 のものがある それぞれに食品衛生法第六十二条第二項により 食品衛生法第六条 ( 食品などとして不適切なものの販売 製造 輸入などの禁止 ) および第十一条第一項 ( 厚生労働大臣が 基準 規格を定めることができること ) 及び第二項 ( 基準 規格が定められているものについては 基準 規格に合わないものを販売 製造 輸入などをしてはならない ) の規定が準用されている そして 同法第十一条第一項に基づき 用途が 野菜 果物 の洗浄剤には 成分規格および使用基準が また用途が 飲食器 のものには 使用基準の一部 ( すすぎの基準 ) が定められている 3. 自主基準制定の考え方日本石鹸洗剤工業会 日本石鹸洗剤工業組合及び日本食品洗浄剤衛生協会では 飲食器用洗浄剤の安全を担保するために個々の企業努力だけでなく 業界で統一した自主基準を制定するべく成分規格に関する自主基準を定めた なお製品の安全については事業者が責任を負うべきものである 4. 成分規格 4.1 ヒ素 重金属 メタノールヒ素 重金属 メタノールの規格値および試験法については食品衛生法 洗浄剤の規格基準に準ずる メタノールについては 液状のものに限って試験する なお ヒ素および重金属の試料濃度は 手洗い用では食品衛生法に準じ 機械洗い用では日本食品洗浄剤衛生協会が定める認証制度の規格基準 ( 平成 17 年 4 月 1 日一部改正 ) と同じ 0.2w/v% とする 4.2 酵素 α アミラーゼ プロテアーゼ リパーゼについて配合可能とする これらの酵素は自動食器洗浄機用洗浄剤や飲食器用洗浄剤に使用されており 国内もしくは海外で食品添加物として認可されており 食品の加工に汎用されている また これらの成分は 既存の安全性情報において安全性が懸念されるものはみられず また経口的に摂取された場合もペプチドやアミノ酸へ速やかに分解されることから ヒト健康に影響を与える可能性は 4

低いと考えられる さらに これらの成分を洗浄剤に配合する場合は微量であり 使用時に洗い流され 飲食器を介して経口摂取されることはほとんどないと推測される ( 表 1) 表 1 酵素成分の国内外の使用及び規制状況 成分名 α アミラーゼ プロテアーゼ リパーゼ 食品加工での使用例 国内での食品添加物としての認可状況 コーンシロップ デキストリンの製造 製菓 製パン デンプ既存添加物ン加工 醸造等 製パン 発酵食品 味噌 調味料の製造等 チーズ製造時の熟成促進 鰹節の油分除去 乳フレーバー 既存添加物 既存添加物 JECFA *1) が設定した ADI *2) 特定しない / 使用を許可 制限しない / 特定しない / 使用を許可特定しない / 制限しない 洗浄剤への配合 自動食器洗い機用 ( 一般用 業務用 ) 手洗い用 ( 一般用 ) 自動食器洗い機用 ( 一般用 業務用 ) 自動食器洗い機用 ( 一般用 ) ( 平成 21 年度厚生労働科学研究報告書 : 食品用器具 容器包装 乳幼児用玩具及び洗浄剤の安全性確保に関する研究 p156 より ) *1) JECFA;Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives:FAO/WHO 合同食品添加物専門委員会 *2) ADI;Acceptable Daily Intake: 一日許容摂取量 なお 上記記載以外の酵素を使用する場合は事業者において安全性が十分に確認されていることとする 4.3 漂白剤過炭酸ナトリウム 次亜塩素酸ナトリウム 塩素化イソシアヌル酸ナトリウムについて配合可能とする これらの漂白剤は自動食器洗浄機用洗浄剤に使用されており 食品や飲料水 飲食器の消毒等に汎用される物質であり 国内もしくは海外で食品添加物として または飲料水の消毒に認可されている また これらの漂白剤成分は JECFA や OECDSIDS EU risk assessment report 等において長期投与を含むリスク評価が行われている そのため 従来通り使用時に十分に洗い流して飲食器に残留しないようにすれば ヒトの健康に影響を及ぼす可能性は低いと考える ( 表 2) 5

表 2 漂白剤成分の国内外の使用状況及び規制状況 化学名 過炭酸ナトリウム 次亜塩素酸ナトリウム 食品関連での使用例 ミルクや乳製品の保存剤 ( 海外 ) 果実 野菜の消毒飲料水の消毒食器類 ( 食器 調理器具等 ) の消毒 食品添加物 ( 国内での認可状況 ) 指定添加物 JECFA 設定の ADI TDI *1) 現在の使用を認める 安全性評価状況 OECDSIDS *2) (2005) HERA(2002) *3) EURAR(2007) *4) 配合製品 自動食器洗い機用 ( 一般用 ) 自動食器洗い機用 ( 業務用 ) 塩素化イソシアヌル酸ナトリウム 飲料水の消毒 ( 海外 ) 2.0 mg/kg/day JECFA(2004) 自動食器洗い機用 ( 業務用 ) ( 平成 21 年度厚生労働科学研究報告書 ; 上記同研究 p156 より ) *1) TDA;Tolerable Daily Intake: 耐性一日摂取量 *2) OECDSIDS;OECD Screening Information Data Set *3) HERA;Human and Environmental Risk Assessment on ingredients of household cleaning products(a.i.s.e.) *4) EURAR;EU Risk Assessment Report なお 上記記載以外の漂白剤を使用する場合は事業者において安全性が十分に確認されていることとする 4.4 香料香料は食品衛生法で定める洗浄剤 ( 野菜 果実 飲食器用 ) で使用が認められているもの ( 化学合成品にあっては食品衛生法施行規則別表第 1 掲載品目 ) または IFRA 実施要綱 (International Fragrance Association Code of Practice) に従った香料でなければならない *IFRA 実施要綱 ( 日本香料工業会 ); http://www.jffmajp.org/fragrance/safety/ifrarifm.html IFRA 実施要領では 香料を 1 から 11 のカテゴリーに分類しそれぞれの製品カテゴリーでの規制を設けている ( 飲食器用手洗い洗浄剤はカテゴリー 10 飲食器用機械洗い洗浄剤はカテゴリー 11) このカテゴリー分けは皮膚感作性によるものであるが光毒性 刺激性 遺伝毒性 全身毒性等の安全性もさらに考慮されている なお 上記記載以外の香料を使用する場合は事業者において安全性が十分に確認されていることとする 4.5 着色料着色料は食品衛生法で定める洗浄剤 ( 野菜 果実 飲食器用 ) で使用が認められているもの ( 化学合成品にあっては食品衛生法施行規則別表第 1 掲載品目 並びにキノリンイエロー ハ テントフ ルー V) または 事業者において安全性が十分に確認されているもの 6

4.6 その他液性 生分解度に関しては食品衛生とは直接の関係はなく 食品衛生の観点から定めた本自主基準では規格に含めない 5. 使用基準使用基準については 食品衛生法で洗浄剤の飲食器洗浄時として定められており これが適用される すなわち 使用濃度 浸漬時間の基準はなく すすぎ水 : 飲料適の水 すすぎ時間 : 流水では 5 秒間以上 すすぎ回数 : ため水をかえて 2 回以上である 6. 参考海外の規格基準海外の台所用洗浄剤に関する海外の規制について行った調査によると 中国 台湾 タイ及び韓国等の一部のアジア諸国を除いた 欧米 豪州及びフィリピンなどでは 飲食器用洗浄剤に関する規制は特になく 一般の化学物質として規制されている 表 3 に中国 台湾 タイ及び韓国等の台所用洗浄剤に関する規制を示す 中国 台湾 タイ及び韓国等の規制は 日本の食品衛生法または JIS 規格をもとに作成されており 我が国と共通する項目もあるが その一方で それぞれの国の状況に応じて 修正が加えられている項目もある 7

表 3 海外の台所用洗剤の規制状況 中国台湾韓国 * タイ 中国国家基準 (GB9985 2000) 食品衛生 管理法 CNS (3800 S1085) 公衆衛生法 TIS (4742542) ヒ素 0.05mg/kg 以下 0.05ppm 以下 1 2 種 :0.05ppm 以下 3 種 :0.4ppm 以下 全有害金属 (Cd, Pb, 重金属 Pb として 1mg/kg 以下 Pb として 1ppm 以下 1 2 種 :1ppm 以下 3 種 :2ppm 以下 Sb, As, Hg) の総量 : 30mg/kg 以下 ( 通常タイプ ) 60mg/kg 以下 ( 濃縮タイプ ) メタノール 1mg/g 以下 1mg/g 以下 1 2 種 :1mg/g 以下 3 種 : なし ホルムアル デヒド 0.1mg/g 以下 蛍光増白剤 検出しては ならない 検出しては ならない 検出してはならない 酵素 類別ごとのリストに記載以外 漂白剤香料 食品添加物基準に順ずる の原料は使用してはならない ただし 類別ごとのリストに記載以外の原料を使用する場合は 韓国食品医薬局の評価 許 着色料 食品添加物基準に順ずる 可 ( 他国での販売実績 リスクに基づく安全性評価 ) を受けなければならない 注 ) リストには アミラーゼなどの一般名で載せられているもの多く また規格等も規定されていない 保健省が化粧品に使用を許可したもので蛍光性の物質を含まない 韓国公衆衛生法では 洗浄剤を用途別に分類しており 第 1 種は 野菜 果実用洗浄剤 第 2 種は 食器類用 洗浄剤 自動食器洗浄器用 産業用食器洗浄機用を含む 第 3 種は 食品加工機 調理用具用洗浄剤 である 参考文献平成 19 年度厚生労働科学研究報告書 : 食品用器具 容器包装 乳幼児用玩具及び洗浄剤の安全性確保に関する研究平成 20 年度厚生労働科学研究報告書 : 食品用器具 容器包装 乳幼児用玩具及び洗浄剤の安全性確保に関する研究平成 21 年度厚生労働科学研究報告書 : 食品用器具 容器包装 乳幼児用玩具及び洗浄剤の安全性確保に関する研究 8