国から地方へ 平成 19 年から税源移譲に伴い 住民税が変わります 地方団体が自主性を発揮し より身近な行政サービスを行うために進められてきた三位一体改革 その一環として 国の所得税から地方の住民税へ3 兆円の税源移譲が行われます 税源移譲とは 者が国へ納める税金 ( 所得税 ) を減らし 地方 ( 都 市 ) へ納める税金 ( 住民税 ) を増やすことです 地方団体が自主的に財源の確保を行い 住民にとって真に必要な行政サービスを自らの責任でより効率的に行えるよう国税から地方税へ 税そのものの形で税源を移譲するものです 移譲前 者 負担を変えずに 国と地方への納付割合を変更 者 税源移譲 移譲後 この移譲額の が 所得税住民税所得税住民税 3 兆円規模 1 住民税所得割額の税率が ( 都民税 4% 市民税 6%) に統一されます 住民税所得割の税率構造が次のように改正されます 平成 18 年度分まで 平成 19 年度分から 区分 課税所得 税率 区分 課税所得 税率 都民税 7 万円以下 7 万円超 2% 3% 都民税 一律 4% 市民税 2 万円以下 7 万円以下 7 万円超 3% 8% 市民税 一律 6% ( 住民税 ) 2 万円以下 7 万円以下 7 万円超 5% 13% ( 住民税 ) 一律 課税所得とは みなさんの給与や事業収入などは税法上 収入 と呼ばれるものです 課税所得 とは 収入 から給与所得控除や基礎控除 扶養控除 社会保険料控除といった諸控除を差し引いた残りの金額のことです この 課税所得 に税率をかけたものが 税額 となります
2 住民税所得割の税率が となった結果 所得税の税率構造も見直されるため 所得が前年と同額である場合には税源移譲の前後で 所得税 + 住民税 の負担額は変わりませんが 定率減税が廃止されるため その影響で住民税は 増額となります 住民税所得割の一律 化に伴い 国税 ( 所得税 ) の税率構造も見直されます 住民税について最低税率が 5% から に引き上げ 最高税率が 13% から に引き下げと なっていますが 所得税は逆に最低税率が から5% に引き下げ 最高税率が37% から4% に引き上げとなります また 1 人的控除の差に対応した減額措置なども講じられます これらの措置により 所得が前年と同額である場合には税源移譲の前後で 所得税 + 住民税 の負担額は変わりません ですが 定率減税が廃止されるため 実際ご負担いただく税額は増額となります 所得税の税率は 4 段階から 6 段階へ 具体的には次のように見直されます 平成 18 年分まで 平成 19 年分から 33 万円以下 9 万円以下 1,8 万円以下 1,8 万円超 2% 195 万円以下 695 万円以下 5% 2% 33 万円以下 9 万円以下 23% 3% 1,8 万円以下 33% 37% 1,8 万円超 4% 1 所得税と住民税の人的控除の差に対応した減額措置について 所得税と住民税とでは 扶養控除や配偶者控除等の人的控除額に差 ( 下記例参照 ) があります そのことにより 住民税の課税所得金額が 2 万円以下で 5% 税率適用者であった方にとっては 住民税の税率が一律 になることによって 税負担が増加する場合がでてきます そこで 住民税の課税所得金額が 2 万円以下である場合と 2 万円超である場合に区分し 住民税所得割額から次の金額を減額することとし 者の税負担が変わらないようにしています 住民税の課税所得金額 1 2 万円以下の場合 2 2 万円超の場合 減額される金額イとロのいずれか小さい額の 5% イ人的控除額の差の額 ロ住民税の課税所得金額 { 人的控除額の差の額 ただし -( 住民税の課税所得金額 -2 万円 )} の 5% この額が 2,5 円未満の場合は 2,5 円とします ( 例 ) 住民税と所得税の人的控除額 ( 一部抜粋 ) 所得税 住民税 控除額の差 基 礎 控 除 38 万円 33 万円 5 万円 配偶者控除 38 万円 33 万円 5 万円 扶 養 控 除 38 万円 33 万円 5 万円 特定扶養控除 63 万円 45 万円 18 万円 例えば 控除額の差は 単身世帯の場合 : 5 万円 妻 (7 歳未満 ) 子 2 人 (13 歳 17 歳 ) を扶養している世帯 : 33 万円 の場合
モデルケースとして A さんの世帯では どのような計算になるかやってみました A さんの世帯 : 妻 (7 歳未満 ) 子 (13 歳 17 歳 ) を扶養 1 A さんが給与収入 3 万円であった場合 以下の計算は 人的控除の差に対応した減額措置の計算例を示したものです 平成 18 年度については 定率減税額を差し引く前の金額です 平成 18 年度及び平成 19 年度とも均等割は含んでおりません 平成 18 年度 平成 19 年度 ( 円 ) ( 円 ) 所得税 (18 年分 ) 住民税 所得税 (19 年分 ) 住民税 所 得 1,92, 所 得 1,92, 控除計 1 2,7, 1 1,74, 控除計 1 2,7, 1 1,74, 課税所得金額 18, 課税所得金額 18, 税 率 5% 税 率 5% 所得割額 9, 調整前所得割額 18, 所得税 + 住民税 9, 調整後所得割額 9, 1 一定の社会保険料が控除されるものとして 所得税 + 住民税 9, 計算しています 課税所得金額が 2 万円以下の場合に該当するので 人的控除額の差の額 33, 円いずれか小さい額の 5% 住民税の課税所得金額 18, 円 18, 円 5%=9, 円 調整額 住民税所得割額 =18, 円 - 9, 円 = 9, 円 2 A さんが給与収入 7 万円であった場合 平成 18 年度 平成 19 年度 ( 円 ) ( 円 ) 所得税 (18 年分 ) 住民税 所得税 (19 年分 ) 住民税 所 得 5,1, 所 得 5,1, 控除計 1 2,47, 1 2,14, 控除計 1 2,47, 1 2,14, 課税所得金額 2,63, 2,96, 課税所得金額 2,63, 2,96, 税 率 税 率 所得割額 263, 2 196, 調整前所得割額 2 165,5 296, 所得税 + 住民税 459, 調整後所得割額 165,5 293,5 1 一定の社会保険料が控除されるものとして 所得税 + 住民税 459, 計算しています 2 超過累進課税 ( 所得段階の区切りを超えた金額について 順次高い税率で課税されていく課税方式 ) に基づいていますので 単に をかけた数値ではありません 課税所得金額が 2 万円超の場合に該当するので { 人的控除額の差の額 -( 住民税の課税所得金額 -2 万円 )} の 5% ={ 33,-(296 万円 -2 万円 )} 5% = 円 住民税所得割額 =296, 円 -2,5 円 = 293,5 円 調整額ただし この額が 2,5 円未満の場合は 2,5 円とする
3 所得税と住民税の納付方法によって 税源移譲の影響が出る時期にズレがあります 住民税は平成 19 年度 (6 月 ) から 所得税は平成 19 年 (1 月 ) から実施されますが 所得により納付方法が異なっているため 税源移譲の影響が出る時期にズレがあります 所得税 住民税 給与所得者 平成 19 年 1 月から減少 年金受給者 平成 19 年 2 月から減少 平成 2 年 3 月確定申告時に減少 平成 19 年 6 月から増加 事業所得者 予定の場合は 平成 19 年 7 月から減少 4 定率減税が廃止されます 平成 11 年度から 景気対策のために暫定的な税負担の軽減措置として導入されていた定率減税が 所得税は平成 19 年 1 月から 住民税は平成 19 年 6 月から廃止されます 5 その他 平成 19 年度住民税に係る主な改正点 主な改正項目のみを挙げました 詳しくは 課税課住民税係までおたずねください (1) 税源移譲に伴う税率等の整備住民税の税率構造が一律 に改正されることにより 総合課税における税率割合等をもとに設定されている次に掲げる項目について 税率等の改正が行われます 1 分離課税等に係る税率割合の調整 2 山林所得の 5 分 5 乗課税の廃止 3 変動 臨時所得の平均課税の廃止 4 退職所得にかかる特別徴収税額表の廃止 ( 平成 19 年分 1 月 1 日以降の支払分から適用 ) 5 配当控除 外国税額控除における控除割合の改正 (2) 勤労学生控除の範囲の拡大勤労学生控除の対象となる専修学校及び各種学校の範囲に 特定の法人が設置する専修学校以外の専修学校のうち一定の要件を満たすものが追加されます (3) 配当割 株式等譲渡所得割に係る控除不足額の充当規定の整備配当割 株式等譲渡所得割に係る控除不足額に対して今までは充当に当てることができなかった均等割等にも充当することができるようになります (4) 65 歳以上の方に係る非課税措置の段階的廃止前年度の老年者控除廃止に伴い 昭和 15 年 1 月 2 日以前生まれの方で 平成 18 年の所得金額が 125 万円以下の方に対して 年税額の 1/3 を減額します ( 平成 2 年度以降 全額課税となります ) (5) 給与支払報告書の提出範囲の拡大退職等により給与の支払を受けなくなった者がある場合にその支払額が 3 万円を超えるときは 給与の支払をする者に対し 市町村への給与支払報告の提出が義務づけられます
ここまでの説明を踏まえ 税源移譲前後の税額を表にまとめてみました ( 平成 19 年度の負担額が増えているのは 定率減税が廃止されたことによるものです ) 給与所得者及び年金受給者を例に挙げ 表にまとめてみました ご参照ください 給与所得者 単身世帯の場合 ( 円 ) ( 円 ) ( 円 ) 税源移譲前 税源移譲後 負担 給与収入所得税住民税所得税住民税 (18 年分 ) (18 年度 ) (19 年分 ) (19 年度 ) 1 万円 2 万円 57,6 35,9 93,5 32, 7,5 12,5 9 3 万円 111,6 63,6 175,2 62, 13,5 192,5 17,3 4 万円 169,2 93,2 262,4 94, 194,5 288,5 26,1 5 万円 232,2 154,7 386,9 16,5 264,5 425, 38,1 6 万円 295,2 219,5 514,7 23,5 334,5 565, 5,3 7 万円 426,6 291, 717,6 376,5 48,5 785, 67,4 8 万円 57,6 371, 941,6 536,5 488,5 1,25, 83,4 9 万円 714,6 451, 1,165,6 696,5 568,5 1,265, 99,4 1, 万円 869,4 537, 1,46,4 868,5 654,5 1,523, 116,6 夫婦 + 子ども2 人の世帯の場合 ( 配偶者 (7 歳未満 )+ 子のうち1 人は特定扶養 ) ( 円 ) ( 円 ) ( 円 ) 税源移譲前 税源移譲後 負担 給与収入所得税住民税所得税住民税 (18 年分 ) (18 年度 ) (19 年分 ) (19 年度 ) 1 万円 2 万円 3 万円 12,3 12,3 13, 13, 7 4 万円 44,1 41,9 86, 24,5 69,5 94, 8, 5 万円 17,1 74,3 181,4 59,5 139,5 199, 17,6 6 万円 17,1 116,8 286,9 94,5 22,5 315, 28,1 7 万円 236,7 185,3 422, 165,5 297,5 463, 41, 8 万円 32,4 26, 58,4 258,5 377,5 636, 55,6 9 万円 464,4 34, 84,4 418,5 457,5 876, 71,6 1, 万円 619,2 426, 1,45,2 59,5 543,5 1,134, 88,8 1 一定の社会保険料が控除されるものとして計算しています 2 所得税 (18 年分 ) については 定率控除後の額を表示しています 3 住民税 (18 年度分 ) については 定率控除後の額に均等割を合算して表示しています 4 住民税 (19 年度分 ) については 調整額控除後の額に均等割を合算して表示しています
年金受給者 (65 歳以上 ) 単身世帯の場合 ( 円 ) ( 円 ) ( 円 ) 税源移譲前 税源移譲後 負担 年金収入所得税住民税所得税住民税 (18 年分 ) (18 年度 ) (19 年分 ) (19 年度 ) 15 万円 175 万円 1,3 3,8 14,1 5,7 11,9 17,6 3,5 2 万円 31,3 7,3 38,6 17,4 27,4 44,8 6,2 225 万円 52,2 1,9 63,1 29, 42,9 71,9 8,8 25 万円 73,1 43,7 116,8 4,6 87,7 128,3 11,5 275 万円 94, 54,5 148,5 52,2 111, 163,2 14,7 3 万円 115, 65,3 18,3 63,9 134,2 198,1 17,8 325 万円 135,9 76,1 212, 75,5 157,5 233, 21, 35 万円 152,6 84,6 237,2 84,8 176, 26,8 23,6 4 万円 184, 15,2 289,2 17, 211, 318, 28,8 夫婦 2 人の世帯の場合 ( 平成 15 年 1 月 1 日現在で65 歳以上で かつ 配偶者は7 歳未満 ) ( 円 ) ( 円 ) ( 円 ) 税源移譲前 税源移譲後 負担 年金収入所得税住民税所得税住民税 (18 年分 ) (18 年度 ) (19 年分 ) (19 年度 ) 2 万円 225 万円 16,3 5,6 21,9 9,1 17,9 27, 5,1 25 万円 37,3 27,7 65, 2,7 5,5 71,2 6,2 275 万円 58,2 38,5 96,7 32,3 73,6 15,9 9,2 3 万円 79,2 49,3 128,5 44, 97, 141, 12,5 325 万円 1, 59,9 159,9 55,6 12,1 175,7 15,8 35 万円 116,8 68,5 185,3 64,9 138,7 23,6 18,3 4 万円 148,2 84,7 232,9 82,3 173,6 255,9 23, 45 万円 182,9 18,7 291,6 15,8 214,7 32,5 28,9 5 万円 218,5 145,2 363,7 145,3 254,2 399,5 35,8 1 一定の社会保険料が控除されるものとして計算しています 2 所得税 (18 年分 ) については 定率控除後の額を表示しています 3 住民税 (18 年度分 ) については 定率控除後の額に均等割を合算して表示しています 4 住民税 (19 年度分 ) については 調整額控除後の額に均等割を合算して表示しています 5 年金収入が 245 万円以下の方の住民税は 65 歳以上の方への非課税措置が廃止されたことに伴う経過措置により 税額が平成 18 年度は 2/3,19 年度は 1/3 が減額されていることを見込んでいます 課税課 (327)